経済安定委員会 第4号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1954/02/19
会議録
○加藤委員長代理 これより会議を開きます。 日本経済の基本的政策に関する件について調査を進めます。本件につきましては前回の委員会におきまして愛知国務大臣より説明を聴取いたしておりますので、本日はその質疑を行いたいと存じますが、その前に経済審議庁より資料か提出されておりますので、この際その説明をまず聴取することにいたします。愛知国務大臣。
○愛知国務大臣 まず昭和二十九年度国際収支見通しでございまするが、この表にございますように、ドル、ポント、オープン・アカウントと三地域にわけてありますが、この数字は読み上げることを省略させていただきたいと思います。考え方といたしまして、収入の部でまず輸出の関係でございます。ドル地域に対しての四億四千五百万ドルが——二十八年度の実績がまだ倒承知のように締まりません。これから三月までの状況を見なければなりませんが、想像されるところの実績よりほある程度下まわる予想を立てておるわけでございます。これはアメリカの経済の動向等とも考え合せましてさような計画を立てておるわけでございます。 次に横に参りまして、ポンド地域の五億一千百万ドル、この輸出分は大体前回の御説明でも申し上げたと思いますが、前年度に比較すれば六割程度の増加になるということに考えておるのでありますが、これは最近行われました日英の貿易支払い等についての会議の結果に基きましてこういう予想を立てたわけでございます。その大体の内容といたしましては、英本国関係とそれから植民地、自治領の関係というふうに、大体三つにわけまして、それぞれにつきまして相当具体的な品目を基礎にいたしました推計をいたしておるわけでございます。従つて全体として六割の増加ということは非常に困難ではないかということが常識的には一応の批評ができると思うのでありますけれども、ある程度具体的な内容を伴い、かつ英本国並びに香港を含みまするところの植民地等につきましては、大体相当確実な見込みを持つておるつもりでございます。その内容について、詳しいことは省略いたしますが、ごくざつと申し上げてみますると、ただいま申し上げました英本国に対する関係におきましては、ポンドで申しますと千四百五十万ポンドに相なつております。英本国に対する中身として、すでに先方が輸入を許可しておる品目に関する分が七百七十万ドル、それから先般の新しい協定によりまして新たに輸入を許可するということに品目的にも打合せができておりますものが六百八十万ドルというような関係でございますから、英本国の関係におきましては、品目等につきましても具体的な基礎を持つものでございます。その次に植民地、香港を含む関係におきましては、総額において九千百万ポンドでございますが、これにつきましても大体その具体的な内容というものは基礎を持つて話合いが進められております。第三に自治領や独立国の関係において九千二百五十万ポンドを見込んでおるのでありますが、この点が他の二つの分類と違いまして、特に今後輸出努力とそれからこれらの自治領、独立国との間の折衝がさらに具体的に重ねられる必要がある、こういうような関係になつておるわけであります。 その次のオープン・アカウントの輸出につきましては、二十八年度に想像されます予想額と大体同額であります、これが輸出についての大体の見通しでございます。 次に貿易外の関係でございますが、これはドルの収入が九億一千五百万ドル、ポンドが七千五百万ドル、オープン・アカウントが一億一千万ドル、合計十一億ドルというような見通しになつておりますが、この駐留軍関係の中の七億五千万ドル、この内訳等につきましては予算委員会等でも御質疑がございましたので、大体お答えいたしておいたのでありますが、この七億五千万ドルというものは、二十八年度の実績として想像されますものが大体八億一千万ドル程度と思われますので、それよりは約五千万ないし六千万ドルの減少ということに結果的に見通しをつけております。内容といたしましては軍関係の駐留軍の系統の日本国内における消費をその中の一つの大きなアイテムに考えておるのでありますが、たとえば駐留軍の個人あるいは家族等が消費いたします関係におきまして大体二億八千万ドル程度を見込んでおりまヨ。それから米国の駐留軍が陸軍省その他の予算関係において日本国内において消費するであろうという予想を三億九千万ドルと見込んでおります。軍機関関係のその他として約千万ドル以上が大体駐留軍関係のドルによる消費という見通しでございますが、これらは大体におきましてある程度の駐留軍の人員の減少等を見込みまして二十八年度に比べますと、たとえば個人家族等の関係におきましては二十八年度が大体三億二千五百万ドル程度と見込まれまずから、それに対しまして四千五百万ドルくらいの減少と見ております。それから米軍の予算の関係では、二十八年度の予想が四億四千八百万ドルくらいの実績と考えられますので、それに対して三億九千万ドル程度に減少を見ておるわけでございます。それから軍関係以外の機関の消費あるいは調達等によるドルの受入れでございますが、これは大きく二つにわけまして、GSAいわゆる軍機関関係以外の調達機関の関係、この日本国内におけるドルの消費を大体七千万ドル程度と見ております。いま一つはアンクラでございまして、国際連合の朝鮮復興局の日本国内における消費を大体千万ドルと見ております。こういうようなものの合計をいたしましたものが七億五千万ドルないし七億六千万ドル程度というのがいわゆる特需としての受取りの内容に予想をいたしておるわけであります それから支出の方におきましては、輸入がドルの方で十億九千四百万ドル、ポンドにおきまして五億一千四百万ドル、オープン・アカウント五億三千二百万ドル、合計二十一億四千万ドルでございます。この考え方は大体大きくわけると三つほどになります。第一は食糧等の関係においては前年度と二十九年度を比較いたしました場合に相当輸入量を減少させることができる、客観的に申しますと、八千万ドルないし九千万ドルの食糧関係では輸入の減ができるということが一つの特色であります。それから第二の考え方は、いわゆる奢侈品的なものの輸入をできるだけ削減するということ、それから第三は必要な原材料の輸入は二十八年度と二十九年度の生産規模を大体同じと考えますから、これらのものについては二十八年度に外貨予算として考えました程度のものは二十九年度においても確保しなければならない、こういう考え方から申しまして、二十一億四千万ドルという規模は適正な規模であろうかと考えるわけでございます。このうちにおきましても、たとえばポンドの関係におきましてはこちらからの輸出品に対して輸入制限の緩和というような措置を具体的に先方がとつてくれる反面におきましては、金額はわずかであつても、こちらとして必ずしも絶対必要でないものも若干はこの輸入計画の中に入れなければならない。これは日英間の話合いを大局的に成立させるためにそういう考慮も必要であつたわけであります。 かくいたしまして全体のバランスといたしましては、年度を通ずれば九千万ドルの赤字、二十九年度の後半期以降におきましては、ある時期だけをとつてみれば大体収支がとんとんであるというようなかつこうになるのではないかと思います。 それから次に昭和二十九年度の総合資金の需給見込みと、産業資金の供給の見込みの表をお配りいたしたわけでございますが、これは調整部長から御説明することにいたします。
○松尾政府委員 お手元に二十九年度の産業資金の供給見込みと総合資金需給見込みがございますが、まず産業資金の方の供給見込みにつきましておもな点を簡単に御説明を申し上げます。 来年度の産業資金供給見込みは、大体本年度の一部推計を含みました実績に近いものをとりまして、それと比較しながらお手許に配付しましたような数字の推計をいたしたのでございますが、問題になります点は特に第二に書いてございます外部資金の関係でございます。内部資金の関係は本年度の見通しと本年度の推計と比べましてあまり大きな開きはないようでございますが、外部資金特に財政資金につきましては、御承知のような一兆予算を基礎とします財政投融資の削減を反映いたしまして、来年度千二百十五億という推計をいたしております。これは御承知のように財政資金の、ここに書いてございます開銀以下それぞれの機関からの収入支出、つまり回収の分と、あるいは繰越し等の収入の分と、貸出しその他の支出の分とを比較いたしまして、差引の純増をそれぞれのところに計上をいたしておるのであります。二十八年度に比べまして財政資金の削減の関係から大体千二百十五億という数字は、本年度に比べまして差引純増といたしましては約二百億くらいの縮小となるように推計をいたしております。 それから次の民間資金の関係でございますが、この点は株式、社債等は本年度に比べまして若干の減少を見ておりますけれども、これもそう大きな開きはないのでございますが、貸出しの点は来年度の生産の見通し、この前の委員会で御説明をいたしましたような生産その他の来年度見通しの総括的な判断からいたしまして、ここに掲げてございますように四千九百十七億、本年度に比べましてかなり大幅な減少を見込んだのであります。この貸出しの四千九百十七億は、もう一枚の方の総合資金需給計画の中にもこの数字が出て来るのでございますが、その際にはこの四千九百十七億に地方公共団体に対する貸出しを加えまして総合資金需給計画の方に出て来るような関係になるわけであります。 それから外為の貸付の関係はここにございますように、御承知のように、外為貸付の点は徐々に引締めをやつておりますので、来年度回収三百億、しういうふうに推計をいたしたのであります。こういうふうに見て参りまして、総計におきまして一兆九百八十二億という産業資金の供給見込みを推計いたしたのであります。本年度の大体の見通しに比べまして約三千億余り減少するような形になるのではないか、こういうふうに考えております。 それからもう一枚の方の総合資金の需給見込みでございますが、これは大体収支のしりが最後には日銀券の増減に見合うように作成をいたしておりますが、まず最初の国庫対民間収支との関係は、来年度十一億の揚超になるような推計をいたしております。これは前に予算の関係のときに、大蔵省の方から予算委員会等で御説明をいたしましたような、つまり二十九年度予算をそのまま実施をいたしました結果のそのままの形の数字がここにあがつているわけであります。 次の金融機関収支の関係では、来年度の一般預金の純増をどういうように見るかという点は、二十九年度の一般的な経済動向の中で、本年度と違つた形の預金の純増の動きがあるだろうと思うのでございますが、この推計をいたしましたのは、二十八年度、つまり本年度の一般金融機関の個人預金の増加の一部推計を加えました実績をとりまして、同じく二十八年度の、国民所得の計算で言います個人の可処分所得に対する比率を二十八年度でとつてみたのでございます。その比率をとつて、これを一応貯蓄率ということにいたしまして集計をいたしますと、大体二十八年度で九・四七%ぐらい、二十八年度の実績並びに推計を加えました数字がそれくらいになるのでございます。これに対しまして来年度の関係は、御承知のように来年度の総物価の関係は、この前に御説明を申し上げましたように、大体年度間の平均で五%の下落を見ておりますし、またCPIの関係も、同じく前回御説明を申し上げましたように、三「六%の下落を見込んでおるわけであります。従いましてそういう関係から、いわゆる実質可処分所得は相当大きくなるように推計が出て来るわけでございまして、さらにまた物価の先安見込み等が消費者の心理に影響いたしまして、かなり貯蓄率が増加するだろうというような推計をいたしたのであります。そういう関係から、大体二十九年度の国民所得の中で占めますところの個人可処分所得に対しまして、先ほど二十八年度について九・四七%という貯蓄率を申し上げましたが、来年度大体一割以上の貯蓄率、一〇・五二%ぐらいの貯蓄率になるであろうというような推計をいたしまして、それで大体個人の預金増加を推計いたしたのでございます。なお、法人預金の関係は、これはやはり経済活動の来年度における状況等を見まして、本年度に比べて相当減少するであろうというような推計をいたしました。それらを合計いたしまして、一般預金増加は五千五百億と見たのでございますが、本年度の一部推計を加えました一般預金増加に比べまして、来年度の預金純増は大体一千四、五百億の減少になるであろうという推計をいたしております。 あと、政府投融資以下の点は特に御説明を申し上げるところもないのでございますが、金融機関の関係では、資金の吸収が七千四十六億になるというような推計をいたしております。 次の資金放出の関係でございますが、貸出しの点は先ほど申し上げましたような一般金融機関、開銀その他の貸出しを推計をいたしまして、それに地方公共団体に対する貸出しを加えましたものが五千九百七十億となつておるわけであります。 社債、株式、その他は本年度とあまり大きな開きはないであろうという推計をいたしました。 こういうふうにして参りますと、最後の日銀券の増減という形で出て参りますのが、二十八年度末に比べまして三百億の日銀券の減少が起るであろうというような推計をいたしたのであります。今年度末の日銀券の発行高は、これも推計になるのでありますが、一応五千三百五十億と推計をいたしておりますので、その五千三百五十億から三百億を差引きまして、二十九年度末の日銀券残高は五千五十億くらいに縮小するであろう、こういうように推計いたしたような次第でございます。 以上でございます。
○小笠委員 ちよつと資料について伺いたいのですが、二十九年度産業資金供給見込表の第二の中小及び国民両公庫でありますが、これについて、設備資金、運転資金をわかつて、片方の中小は百億が設備、運転は十億、国民は同様に十五と六十五になつているのですが、こういうふうな形において両公庫の運用をする方針を確定しておるのですか、どうですか。
○松尾政府委員 この点は、本年度におきまして大体これくらいの比率で運用されておるような形を実績の上から見まして、来年度おそらく同じような形で運用されるであろうという一応の推定をいたしたという程度のものでございます。
○小笠委員 そういたしますと、運転と設備とわかつたのは特別に政策的な意味はないと了解してさしつかえありませんか。
○松尾政府委員 政策的に、これだけを設備資金、これだけを運転資金にわけて運用をするというような方針をここできめたという意味ではございません。ただ本年度の動き方をそのまま比率で出したという程度であります。
○小笠委員 私は今の御説明で十分なのでありますが、この両公庫が小口金融を中心的に扱つているというその性格と、現在のこの当面の金詰まりという問題、また今後の経済の動向等から考えて、設備資金に重点を置くという考え方に対して再検討を加えてほしいと私は思うのであります。平たく申しますと、本年度の中小企業経営というものは籠城経済でなければならない。伸びるよりまずつぶされないということが第一条件でなければならない。そういうような見通しに立ちますと、設備の拡張というよりも、いかにして長期運転資金を確保して経営を維持して行くかというところに重点がなければならぬ。従いまして政府から出すこの表に設備と運転の区別を立てることがはたして適当かどうかという問題について疑問を実は感じたのであります。そういうような点で、この中小企業金融の基本の一つとして設備近代化という名目で行くのがいいか、経営の維持という意味において底だまりの長期運転資金の供給に二十九年度は重点を置いて行くのがいいか、非常に検討を要するところだと思うのであります。従いまして特に政府側において御配慮を願いたいというのが私の希望であります。 この前の委員会で公取の横田政府委員から、いろいろ独占禁止法改正後の活動状況について御説明があつたのでありますが、これに関する資料をぜひ整備して配付願いたい。これをお願い申し上げたいと思います。
○加藤委員長代理 本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせすることといたします。 午前十一時四十二分散会