外務委員会 第32号
- 発言数
- 96 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1954/04/07
会議録
○上塚委員長 これより会議を開きます。 国際砂糖協定の批准について承認を求めるの件を議題といたします。質疑を許します。細迫兼光君。
○細迫委員 他の委員諸君の質問を聞いていなかつたので重複しては恐縮でありますから、もし重複しておりましたらその旨御注意くださつて、簡単に御答弁願いたいと思います。イギリスが国際小麦協定を脱退いたしましたが、その事情。必ず自分の国に関してその方が利益だと確信した行動だと思うのでありますが、どういう点からそういう結論を出したであろうかということを御説明願いたいと思います。
○小田部政府委員 小麦は、御承知の通り最近の情勢ですと、そのころからもそうでございますが、非常に豊作でございまして、当時小麦の最低と最高価格は少しずつ前の協定に比して上るという話があつたわけでございます。その最低値段、最高値段というものにイギリスは反対しまして、そして小麦協定に入らなかつたわけでございます。その理由を申しますと、イギリスは、たとえばイギリスの連邦諸国内に、カナダも小麦の産地でありますし、濠州も非常に豊作でございますから、協定のわく内で買うよりもむしろ英国としては有利に買えるのじやないか、こういうような推定があつたと思います。それではその後の国際小麦協定の値段はどうかと申しますと、正確な数字は覚えておりませんが、現在までのところは国際小麦協定による小麦の値段より市場価格の方が下まわつているということはございません。
○細迫委員 それで、イギリスの小麦輸入の状況は、小麦協定に参加しないでおつて、円滑に行つておるのか、どうでしようか。
○小田部政府委員 イギリスの小麦の輸入状況は、正確な数字は持ち合せておりませんが、その後の状況を見ますと、世界市場におきまして小麦が相当豊作でありますので、これは相当入つているのじやないかと思います。またその後英国が、輸入の状況が悪いというような報道もしておりません。
○細迫委員 それでイギリスが別に困つていないとしますれば、少し考慮しなければならぬことに相なると思うのでありますが、砂糖の世界的な作柄、これはいろいろ資料もいただいておりますが、ちよつと目を通しにくいし、また去年、おととし、その他の年との比較した作柄、生産量ということになると出ていないようですが、その点どうなつておりましようか、最近の生産高の比較です。
○小田部政府委員 砂糖は、これも最近戦争が済みまして、だんだん治安の状況やその他が直つて来ますと、大体におきまして農産物というものは、特別な日本のような、ある季節的な洪水とかいうようなところを除きましては、豊作でございます。砂糖に関しましては、一九五一年度をとつてみますと、世界の生産高は三千二百八十万トンでございますが、一九五二年度には三千五百万トンになつております。去年度も大体同じで三千五百万トン、つまり去年とおととしは大体同じ程度でございます。それから今年の作柄は、これは必ずしも現在のところわかつておらないのでございますが、キユーバはある程度作付制限をしておりますが、フイリピンとかインドネシアとか西欧諸国とかその他を総合してみますれば、三千五百万トンを幾分上まわるのではないかと思われる次第であります。
○細迫委員 ことに、私はちよつと聞いたところ、不確実なことでありますが、注意を向けたいのはキユーバではないかということを考えておりますが、キユーバの生産高は最近どういうふうになつておりますか、ことに今年度は、一体過去に対してどういう状態になつているか、いただいた資料では五二年度より確実によかつたように見えるのですけれども。
○小田部政府委員 キユーバの生産量は、これはいろいろ統計も違うでしようけれども、最近在外公館から来ました情報によりますれば、一九五二年度は七百万トンを生産しております。五三年度は五百三十五万トンの生産量をあげております。これはキユーバがその後作付とかその他の統制をしたせいでございます。それから今年の生産予定量は四百七十五万トンということで、作付の統制方策としてはそういうようなことをやつております。ただ、しかし今までの二月までの実績を見ますと、四百七十五万トンを少し上まわるのではないか、そういうふうな感じがいたします。
○細迫委員 何かそうした抑制方法を講じているらしいのでありますが、一体キユーバから輸入する条件、地元の価格を除きまして、船賃その他の問題において輸入する条件は、台湾だとかその他今まで日本が輸入しておりました地域と比較して、よほど条件が悪いのでしようか。条件の比較をひとつ御説明願いたいと思います。
○小田部政府委員 現在手元に正確な数字を持つておりませんし、また砂糖の値段のフラクチユエーシヨンがございますが、キユーバからの砂糖は、日本が買つております砂糖の市場のうちでは一番安い、台湾やその他の国に比較して一番安い値段であります。ただここで考えなければならないことは、それならキユーバからのみ買えばいいじやないかという議論も出るのございますが、キユーバとの貿易事情を見ますと、一方的に非常に日本の入超になつておりまして、その点で都合が悪い。それから台湾などを考えてみますと、台湾は日本が砂糖を買つてやるということでもって、ほとんど台湾と日本の貿易の大半が持つているありさまでありまして、その見返りとして日本のものが出る。そういうようなことがございますので、台湾の条件の方がキユーバの条件よりも相当不利でございますが、台湾から輸入しておるわけでございます。
○上塚委員長 ほかに御質疑はございませんか。――御質疑がなければ、これにて本件に関する質疑を終了いたします。 なお本件につきましては討論もないようでありますので、討論を省略いたしまして、ただちに採決いたします。国際砂糖協定の批准について承認を求めるの件を承認すべきものと議決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上塚委員長 御異議なしと認めます。よつて本件は承認すべきものと決しました。 なお本件に関する報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上塚委員長 御異議がなければさように決定いたします。 ―――――――――――――
○上塚委員長 外交に関する件について政府当局に質疑を行うことにいたします。質疑を許します。穗積七郎君。
○穗積委員 次官がお見えでありますので、ちよつとお尋ねいたします。最近新聞で報道されておりますが、日米間において艦船を借りるのか、もらうのか知りませんが、協定を結ぶ意思をもつていろいろ準備を進められておるようでありますが、最近のその問題に対する政府の御方針を承りたいと思います。
○小滝政府委員 御指摘のような協定をつくりたいと希望いたしております。日本側から協定案文を向うへ出してはおりますけれども、まだ先方から何ら正式の回答がないという段階であります。
○穗積委員 それにつきましてどういう必要でどの程度のものを借りられるのか、もらうのか、またそれに対する反対の義務というか、条件はどういうふうに交渉されるつもりなのか、政府側の方針を伺つておきたい。
○小滝政府委員 二十九年度の計画につきましては、保安庁側からすでにこれまでの委員会において御答弁申し上げたと思いますが、そのラインによりまして日本としては必要な艦艇を、できれば譲渡してもらいたいという方針で進んでおるわけであります。条件等につきましては大体今までのフリゲートに関する協定に類したようなものを考えておる次第であります。
○穗積委員 どういう種類の艦艇であるのか、どのくらいのトン数のものを何隻くらいのつもりでおられますか。
○小滝政府委員 その点は保安庁の方でここで前にも答弁したはずでありますが、十七隻、二万七千トンというのが当方の希望であります。
○穗積委員 種類はどういう種類のものですか。
○下田政府委員 保安庁から希望しておりますのは、御承知のように主として駆逐艦でございます。駆逐艦の母艦といいますか、七千トンの大きなものが希望の中に入つておるように思います。
○穗積委員 特に最近そういうような必要を生じたのでありましようか、どういう必要を感じてそういう船をもらわれるつもりなのですか。国防上の必要があつてというお考えだと思いますが、もう少し具体的な御説明をいただきたい。
○下田政府委員 これは保安庁の所管事項でございますが、私どもの承知いたしております範囲では、御承知のように、今までアメリカから貸与を受けておりますのは、非常に片寄つたタイプの船なのでございます。例のフリゲート艦とLSSLという上陸支援艇だけでございます。そこで九千マイルにわたる長い海岸線を守るためには、とうてい片寄つた少数の艦艇では不十分なのでございまして、駆逐艦その他の艦艇、昔のつまりオーギジリアリー・ヴエツセルス、付随する艦艇をもらいたいというのが保安庁の考え方のようでございます。
○穗積委員 船の内容はちよつとわかりましたが、どういう必要でそういうものをもらわれるつもりなのか、その点がちよつと不明確なのでありますが、長い海岸線を守るためというそういう危険が生じたのでしようか。
○下田政府委員 これは差迫つての危険があるということではなしに、かねての自衛力増強の既定方針に基いて、足らないものを徐々に補つて行くという方針から出ておることと承知しております。
○穗積委員 そういういわば海軍の増強計画というものは、今度の予定される交渉によつて受領するものではないかのように、今のお言葉だと承れるのであります。漸増でございますと逐次そういう方針で日本海軍を強化して行くおつもりなのでありましようか。
○下田政府委員 これはたとい日本側にそういう希望がありましても、法律的には限界があると思うのでございまして、米国が外国に貸与し得るMSA協定に基く援助といたしまして、これは千五百トン以下の艦艇に限られるわけであります。そこで千五百トン以上の艦艇につきましてはどうかと申しますと、米国の公法百十八号に基きまして、大統領が外国に貸与することの権限を与えられております船のタイプが、二十五隻の駆逐艦を含むその他の付随的の船ということになつておりますので、たとえば日本を含む外国側がどう希望いたしましても、本元のアメリカの方で、一定の限られたタイプの船しか貸せないという法律的の立場になつております。
○穗積委員 今アメリカ側のお話でございましたが、私のお尋ねいたしたのは、日本側のそういう海上防衛計画といいますか、そういうものを行き当りばつたりで当面交渉されておるのか、もつと大きないわゆる三軍均衡のとれた防衛計画を打立てるのだ、実行するのだというお考えのようにも今まで伺つて来たのですが、そうだとしますと、海軍の防衛計画全体がもう少し明示さるべきだと思うのです。何を必要にして、どれだけの、どういう内容を持つた海軍の強化をするつもりだということを私案は伺つているので、もし保安庁から直接伺つた方がよければそうしますが、今まで少くとも外務省でアメリカ側に交渉される以上は、それだけの保安庁のそういう防衛計画のリーズナブルなデータというようなものを持つて御交渉にならざるを得ないと思う。ですから外務省が立てた御方針じやなくてもけつこうです。政府の中の保安庁が立てました計画を、外務省でこれはなるほど合理的なものであるというふうにお考えになつて御交渉に当つておられると思うのですが、その案を立てたところの責任はどこであつてもけつこうですが、政府としての案がありましたら、海軍の防衛計画というものをこの際お示しいただきたいと思います。そういう意味で御質問しておるわけです。
○下田政府委員 これは保安庁からお答え願うべきことだと思いますが、保安庁の主管しておられます三軍均衡方式の自衛力増強中の海上部面につきましては、何もアメリカから貸与されるものだけを考えておるのではなくて、日本独自の計画に基く日本における造船ということもむろん一部に入つておるわけでありますが、私どもといたしましては、アメリカから貸与される部面だけを受持つてその交渉に当つておるわけでございます。
○穗積委員 そうしますと、外務省ではその海軍の防衛増強計画というものは、全体としてちよつと説明しがたいという御趣旨のようでございますが、そういたしますならば、これ以上お伺いしてもしようがないので、その計画については保安庁に直接お伺いしたいと思います。 続いて御質問しますが、この希望しておるのは、無償譲渡でありますか。
○下田政府委員 米国の公法によりますと、無償譲渡とそれから貸与と申しますか、貸すということ、所有権を日本側に移す方式と、所有権は米国側が保持して、ただ日本側に使用を認めるという二つの方式が考えられております。日本側といたしましては、もちろんできるだけ多くのものを、所有権を含めて日本側の手に渡してもらいたいということを考えることは、これは当然でございます。
○穗積委員 それにつきましての向う側の条件はどういうことでしようか。たとえばMSAによりますと、いろいろな広い意味の軍事的な義務その他経済上のことも負つておるわけですが、これは無条件なのですか。MSAで負いました義務との関連はどういうことになりましようか。もう少し詳しいこちらの御方針をお示し願いたい。
○下田政府委員 この米国の公法によりますと、MSAのような義務、つまり先般御審議を願いましたMSA協定第八条に掲げるような義務は、全然条件に入つておらない。でございますから、船を譲渡しまたは貸すことについての狭い義務、つまり日本側の手に移つたならば、その船から関連して生ずる請求権その他は日本側が引受けるとか、あるいはもらつた船の機密を守るとか、そういう船自体に関連する技術的な義務しか負わないわけでありまして、何らの政治的義務を付随的に課するというような規定は、米国の公法にはございません。
○穗積委員 ことのついでですからちよつとお伺いしておきますが、MSA協定が出ます前に、日本の保安隊が米軍から武器を借りたのかもらつたのか、どういう条件かあいまいなままに約八千万ドルばかりと御説明でしたが、そういうものをわれわれがもらつて使つている、こういうことでしたが、そこで私のお尋ねしたいのは、これが貸与か贈与か知りませんが、それはその後どういう御処理になさいましたか、なさるつもりでありますか。 それから第二点のお尋ねは、今度の艦艇譲渡の協定を進められるとするならば、前の保安隊に対しまする武器との関係をどういうふうに処理されるつもりか、その間の事情を少し明らかにしていただきたいと思います。
○下田政府委員 従来保安隊の事実上使用に供せられておりました武器、兵器等は、ただいま米国の議会にこれらの武器、装備を日本に譲渡するという趣旨の法案が提出されております。その法案が議会で承認を得ますと、米国大統領は正式に日本にトランスフアーする権限を与えられることになりますので、そのあかつきにおきましては、そのことに関して日米間に新たな正式な協定を結びまして、この協定を国会に提出して御承認を求める段取りになることと思います。この艦艇の方とは別に切り離した別個の規定になることと存じます。
○穗積委員 この協定は大体一般的な原則をきめるだけであつて、中身はこれから逐次、年々といいますか、向う側の事情の許す限り、譲渡する船の中身は追加して行くつもりですか、そのたびごとに新たな協定をお結びになつてやつて行くおつもりでございますか、いずれでございましようか。
○下田政府委員 艦艇貸与協定の方ではその点まだ未決定でございます。未決定と申しますよりその前の段階で、日本側の出しました試案につきまして、まだ米国側から何らの意思表示がございませんので、将来の問題でございますが、考えられますことは、もし協定締結当初に日本に貸与する艦艇のタイプと数がはつきりいたしましたならば、初めから協定の中にその艦艇の名前を附属書として書くことができると思います。しかしそのときにまだ船のタイプと数がきまらない場合には、前の日米船舶貸借協定と同じように今後合意することにいたしまして、合意ができました都度協定の附表としてあとから足して行くという方式も考えられるのではないかと思います。
○穗積委員 ちよつとお尋ねしますが、MSA協定のほかに別個にこういうような協定によりまして、武器の貸与または譲渡を受けている国がほかにございますか。
○下田政府委員 先ほど申し上げました米国の公法は日本だけのねらいでできたものでなくて、当時明らかにされましたように、フランス、イタリア及び極東の友好諸国に艦艇を貸すための権限を大統領に与えるという法案であります。仏、伊はすでに借りていると思います。それから台湾にも貸しているのではないかと思います。でございますから、日本よりも先にすでにMSA以外にこの協定で貸与されているというのは事実でございます。
○穗積委員 続いてお尋ねしますが、今までに正式な交渉はまだ進展していないようでございますが、いろいろこちらから申し込まれる以上は、何か向うの意向なり情報なりを大体手にされて、その上でこういう申入れをされたと思うのですが、そういう予備的な意味で、向う側の意図がおわかりになりましたらお示しを願いたい。
○下田政府委員 これは保安庁の方はすでに前から艦艇を借りる交渉をしておられます。外務省といたしましては、保安庁のこの事実上の交渉の妥結を待つてから協定締結交渉に入つてもいいわけでございますが、そういたしますと何分日数がかかりますので、保安庁の船のタイプ及び数をきめる交渉の完了前に、これと並行して、ごく非公式の試案を作成いたしましてアメリカ側に出しておるわけであります。
○穗積委員 そうしますと、大体いつごろまでにこれを妥結されるお見込みで交渉に当つておられますか。
○下田政府委員 これにつきましては、目下のところ全然見通しがつきません。
○穗積委員 予定されます駆逐艦等の種類のものは、これは大体向うの古船でございましようね。新しいものではないのだろうと思いますが、その点はどうですか。
○下田政府委員 これは新たに建造して貸与するのでなくて、すでにできて向うが持つておる船を貸与するわけであります。
○穗積委員 保安庁の次官が見えたので、伺いますが、今まで、船をもらうのだか借りるのだか知りませんが、そのことについてお尋ねしておつたのです。われわれはこういうものはあまり借りたりもらつたりしてやる必要はないと思うのですが、どういう必要があつてこれを借りるおつもりなのか。必要があれば、その必要の理由を示していただきたいし、それから、借りる以上は、今度だけで終るのでなく、おそらく全体としての海上の防衛力強化の計画というものがあつて、その一部として、当面これだけの駆逐艦を借りよう、もらおうというおつもりだろうと思うのですが、その御計画を具体的にお示しいただきたいと思うのです。
○前田政府委員 今回の船舶の貸与を受けたいという交渉につきましては、かねて国会に御審議を願つております通り、二十九年度の自衛力漸増計画の一環といたしまして、われわれはその一部を貸与を受けてやつて行きたい、こういう考えでおるわけであります。また今後どういうふうな計画を立てて行くかというお話でございますが、三十年度におきましても、さらに海上警備力を増強する予定でありますけれども、しかしそのやり方につきましては、どういう方法で漸増して行くかということにつきまして月下検討中でございまして、まだ確定いたしておりません。
○穗積委員 この問題は、私まだちよつとお尋ねしたいことがあるのですが、まだ交渉その他の目鼻もついていないようでございますから、次の機会に譲つて、他にまた質問者がおいでになるようですから、きようはこれで留保さしていただきます。 協力局の方がお見えになつているようですから、ひとつ具体的にお伺いしたい。例の代々木のワシントンハイツの独身兵舎の建設に対して、地元から、教育上の必要のために、また風教上の理由等もつけ加えまして、これを変更していただく陳情のあることはあなたもお開き及びの通りだと思いますが、実は、地元の方が、米軍のハンロンとかいう少将ですかに、三月十一日にお会いになつていろいろ陳情いたしましたら、陳情の趣も無理からぬところがあるので、日本の土地はまず日本人が使うのは当然であるから、われわれとしては都心から遠くてもかまわない、あそこを固執しているわけではなくて、日本政府が協力してやつてくれるところならば大体どこでもよろしくて、それで了承するつもりだという趣旨の御答弁があつたようでございます。その後実はMSAの審議がございましてついこういう問題に対してお尋ねする機会がなかつたが、何日でございましたか、吉田総理が出られなくて、福永官房長官が内閣の意向を伝えるというような意味で出席されたときに、私がこの問題についてお尋ねしましたら、そういうことは自分も聞いているから、それらのことは十分考慮して、話合いのうちでよく納得の行くようにしたいという御答弁をいただいて今日に至つておりました。その後、無理からぬと思われる陳情をお聞きになつて一体どういう御方針になつておられるのか、その後の模様をお尋ねいたします。われわれとしては、地元の人たちの要望も、正当な理由がある非常に強い要望のように思いますので、でき得べくんばぜひこれを模様がえして他の地区に持つて行つてもらいたい、先生らはジープや自動車を持つているわけですから、郊外へ持つて行つてつくつていただきたいと思うのですが、その後の模様をちよつとお話いただきたいと思うのです。
○安川説明員 お答え申し上げます。本件の経緯につきましては、前に本委員会で政務次官から御説明があつたと思いますが、地元の反対と申しますか、主として学校敷地に関連したいろいろな陳情は私ども受けましたが、学校ということになりますとわれわれとしても十分考慮しなければなりませんので、その後関係各省ともいろいろ協議しまして、もしほかの土地で適当なところがあればかえることも可能ではないかということで、土地その他についても、ほかに代替地があるかどうかということは十分に検討いたしたのであります。結局のところ、現在の政府の方針としましては、あくまでも国有財産を優先的に提供するという方針にかんがみましても、この際ほかに国有財産であれだけの施設を収容します土地がどうしても困難でありますので、一応既定計画はそのまま進めるという方針をきめまして、既定計画とは別個にこの地元側の学校敷地の問題はひとつ考えてみようという方針にきめたわけであります。その後、地元と申しましてもいろいろ交渉相手がありますので、われわれの方としては地元のどこを相手として話し合うべきかを考えておりましたところ、たまたま最近になりまして、渋谷区の方から、区長を初めとして関係の区会議員から正式にお話合いがありまして――主として話合いの相手方は調達庁になつているわけでありますが、私のほうにもいろいろ話がありまして、その御意向によりますと、宿舎の建設そのものについてはとやかく言わないが、ただ学校の敷地の方は何とか解決してくれというお話でありました。そこでいろいろ事情も伺いました結果、学校の敷地で困つておられる状況は十分認識いたしましたので、この際政府としましては、既定計画は先ほど申し上げましたような理由によつて現在変更することは困難でありますが、ただ、既定計画と関係なしに、あの現在ありますワシントンハイツの米軍に提供しております土地には、まだ多少のゆとりがあるように見受けられますので、この際既定計画と切り離しまして、現在提供しております土地の中で、少しでもいいからあいた土地の返還を受けて、幾分でも地元の要求に沿いたいというラインで現在考えております。これは相手もありますので、この際どれだけの土地を返還されるかということをここではつきりお約束するわけには参りませんけれども、政府としましては、この点は、学校のことでもありますし、米軍の方でも十分好意的に考えてくれるものと思つております。さらに地元の区長並びに区会を通じまして、もう少し具体的に話合いをしまして、大体その線が固まりましたならば、米軍の方とも交渉いたしたいと思つております。ただ米軍の方との関係はこの合同委員会を通じて話し合うことになるわけでありますが、その前に、国有財産を学校に払い下げるという国内手続の問題がありますので、この点外務省の所管ではございませんが、それぞれの所管省でありますところの建設省なり大蔵省の方の方針といたしまして、大体国内的にもこれを学校に払い下げることに異議がないということになれば、これに基いてやつて行こう、こういうことであります。
○穗積委員 米軍側の責任者の話によりますと、この兵舎の使用は長くて五年くらいで、あとは使わないのだ、つまりあいてしまうというような話をされたそうですが、この間のことはむろん協力局としては御存じだと思うのですが、そのあとは一体どういうふうにお使いになる予定でございますか。
○安川説明員 米軍のだれが五年くらいたつたら返還すると言つたか……。(「ハンロン少将」と呼ぶ者あり)私の方は聞いておりません。あそこに入るものはおもに司令部関係のもので、米軍がそう言つたかどうか私存じませんが、政府としましては、期間については、米軍と今まで何も直接正式の話はしていないわけであります。それからかりに五年後に返還されるとしましたならば、返還後の使用につきましては、これはいずれ返還ということになりますと、日本の政府の財産と申しますか、国有財産に帰属しますので、その後の使用目的につきましては、外務省の所管ではございませんので、現在外務省としてはどういう使途に使うかということは考えておりません。
○穗積委員 もう一点お尋ねしますが、地元の第一のしかも合理的な要望は、義務教育施設が区内においてどうしても足りなくなつた、そこで中学校、小学校をどうしても建てなければならない、単に区内において余裕のある土地がないというのが第一の理由でありました。それに対して、今政府の方は、それも無理からぬことであるから、何とか方法を考えて、今の代々木の練兵場の使い残りを学校建設の用地にしてもよろしいというふうに取運びたいという御趣旨のようですが、われわれの聞いておるところでは、使い残りの土地では、今渋谷区が必要といたしております学校建設にはとうてい足りないわけでございまして、現在ですら足りないので、将来になればますますそうなると思う。そういたしますと、政府としてお考えになつておられるのは、今の代々木の国有地の一部の余つたものだけで何とかけりをつけたいという趣旨なのでしようか、渋谷区の学校建設のことについては、足りなければ、他の地区でも責任を持つて何とかあつせんしようという御趣旨なのですか、どちらでございますか。
○安川説明員 学校の敷地のあつせんと申しますか、これは何も米軍の敷地の余剰地ばかりが対象ではないので、これは渋谷区全体として考えなければならぬことでありますが、外務省は、学校建設と申しますか、学校敷地の問題を直接担当している省でないことは申すまでもないのです。但し米軍の関係においては、合同委員会の関係もございまして、外務省が中に立ちまして、米軍の方からもらえる土地があれば、その点は外務省が責任を持つてやるということであります。全般の学校敷地について、渋谷区全般からどう考えるかということは、外務省の所管ではないと思います。
○穗積委員 私がお尋ねいたしたのは、外務省または協力局またはあなたの所管の責任をお尋ねしておるのではございません。先ほど関係各省の間で打合会をやつた、そこで地元から出ている学校建設の要望はリーズナブルなものであるから、関係各省の意見の一致を見たところでは、この学校建設については何とかあつせんしようということになつたというふうに御報告がございましたが、この問題に関連いたしまして、合同会議をお開きになりまして、そこでおきめになつたのは、一体どういうことですかということを伺つておるのでございます。
○安川説明員 関係各省と協議を開いたというふうにおとりになったようでございますが、これは地元の学校の敷地が足らぬということにつきましては、われわれとしても承知しておつたのでありますが、一体どういう状況に基いて、生徒数が何人、敷地がどれだけ足らぬという具体的な数字がまだ出ておりません。そのときの関係各省の打合せと申しますのは、ごく非公式な打合せをしたわけでございます。地元の方からどれだけの人数に対してどれだけの敷地が足らぬということを正式に言つて来たならば、そのときに考えようじやないかという話をしたわけであります。つい二、三日前でありますが、初めて区の方から私の方にも、調達庁の方にも具体的な数字を示して持つて来られた。そのとき私が申し上げましたことは、国有財産を学校敷地のために払い下げるということは外務省の所管ではない、まず国有財産を所管している大蔵省がこれを認めてくれなければ、外務省としては動きがとれない、従つてまず国内的に、これがかりに返還された場合には、国有財産を学校敷地として払い下げることに異議がないという話をまず大蔵省の方と固めてほしいということを申し上げたわけであります。具体的な要求に対してまだ関係各省と相談したことはありません。最初は考え方としまして、具体的な要求が出て来てから、そのときに考えようということを関係者竹で話をしたわけであります。
○穗積委員 その会議の模様はよくわかりました。そこで最後にちよつとお尋ねいたしますが、今の学校建設の問題は、実はすでに地元から、中学校どれだけ、建坪幾ら、小学校何校、建坪幾ら、収容生徒数これだけというこまかい計算が出まして、あなたはごらんにならないかもしませんが、関係方面には出ておると思います。これは今ここで議論してもしようがないことでありますが、先ほど申しましたように、現在は、地元の計算によりますと、代々木の余つたところをもらつただけでは解決にならない。外務省としてはそれ以外のことはできないということでございましようが、政府としてはこれでは済まされないと思うのです。 そこで外務省にお尋ねいたしますが、今困難な問題の焦点は、他に国有地がないということであつたようでありますが、もし適当な私有地がございまして、それを何とか提供しようというような人が出て来るのを民間から探すまたはそれをあつせんするというふうなことでございますれば、そこにかわつていただけるように再交渉していただけるものでございましようか。そういう場合には当然御交渉いただいてさしつかえないと思うのですが、いかがなものでございましようか。
○安川説明員 それはりくつといたしましては、もしそういう適当な土地があれば、絶対かえられないということは、われわれとしても申し上げられないことであります。やはり現実にそういう具体的な土地なり地主なりの話合いが出て来ないと考慮することができない。理論上はこれは絶対できないということはないのであります。
○穗積委員 ほかの問題ですが、これも地元から強い要望で武蔵野市の駐留軍宿舎は下士官、独身者は入れないという約束で地元を納得させておつくりになつたようですが、これはだますつもりではなかつたようですが、何か地元の方が見に来いというので見に行つたら、下士官が入るということがわかつて、これは約束に違うからというので、反対陳情があることを課長もお耳にされておると思いますが、この武蔵野兵舎の下士官の居入問題についてはその後どういう御処理をいただきましたか、これもあわせて伺つておきたいと思います。
○安川説明員 本件は率直に申しまして多少事務的に外務省の手違いがあつたわけであります。この点は以前にもここで協力局長が御説明したかと思いますが、最初あの宿舎が問題になりましたときに、主としては風紀上の問題から独身者では困るということでありましたので、米軍側と交渉いたしました結果、それでは家族持ちを入れようということになつたわけであります。その間の家族持ちということと将校ということの食い違いなのでありますが、外務省としましてその旨を地元の方に連絡いたします際に、常識的に考えますと家族持ちは将校だということが常識になつておりますので、その辺をはつきりと下士官も含んだ家族持ちということを書けば間違いなかつたわけでありますが、うつかりしまして、そこを将校とはつきり書いてしまつたので今回の問題が起つたわけでございます。これも米軍の方といろいろ話し合いました結果、これは下士官といつても何と申しますか、ごく上級の限られた範囲の下士官しか入れない。それで上級の下士官は宿舎については将校と同じ待遇を与えることに米軍としてもなつておるのであります。この下士官を差別扱いをするわけには行かないということでありましたが、入れる下士官の数は極力少くはいたしますが、しかし待遇はあくまで将校と同じ、また階級もごく上級者に限られております。しかもこれは地元の反対と申しますか心配の種は下士官か将校かということではないので、むしろ問題は風紀問題であります。家族持ちかどうかということが問題の焦点だと考えますので、今申し上げましたような経緯を武蔵野市長にもよくお伝えしまして、市長はその点を了承されたものと考えております。
○穗積委員 あと質問者がおありになるようですからこれで打切りますが、協力局に両問題について一括してちよつとこの際お願いをしてお答えをいただきたいと思いますことは、地元の要望をわれわれ両方とも聞いてみて、一応経過等から見て、またこの理由等も何といいますか非常に合理的な要望だというふうに考えられます。そして先ほど来伺いましたところでも、必ずしも動きのとれないものではなくて、その要望とそれから政府の方針との間で話合いの余地というものは、そうして処理の仕方によつて両方の要望や計画が並立し得る可能性もあるように思います。ですから、われわれがこの委員会でときどき問題にしてお尋ねするというようなことでは抽象的にもなりますし、問題の解決のためにも時間がかかりますので、でき得べくんば地元のしかるべき代表者の方との間においてこの問題は十分話されて、外務大臣も、または官房長官もわれわれに約束されたように、地元の要望をあくまでよく聞いて、そして納得の行くような解決の仕方をしたい、こういう御趣旨にかわりはないと思いますから、今まで伺つたところでこれから話合いのうちに解決し得る問題がたくさんあるように思いますので、ぜひそういうふうに好意を持つて御協力をいただきたいと思うのです。地元の者の方にもそういうふうに申し伝えておきますから、ぜひそういうふうにおとりはからいいただきたいと思いますが、それでよろしゆうございましようか。
○安川説明員 今のワシントンハイツの問題につきましても、地元の方から筋を立てたお話ならば、こちらも誠意を持つてそれに応じたいと思います。
○上塚委員長 佐々木盛雄君。
○佐々木(盛)委員 私はMSA協定に基く秘密保護の法案そのものにつきましては、いずれ本格的の審議が始まつた際に承りたいと考えますが、本日はややそれにも関係のあることでありますが、基本的なことでありますから承つておかなければなりません。私は率直た意見を申しますと、MSA協定に基いて日本に秘密保護法を制定するということは、なるほど日米間の国際儀礼の立場から考えましても、あるいは日本独自の秘密保護の立場から考えましても、必要であろう、こういう観点に立つておるわけでありますから、これらを必要でないのだという観点の方々とは違つた見地から私は承るわけであります。しかし一面考えますと、私はまことにナンセンスのようにも思うのであります。一体政府は日本における秘密をこのたびの法律によつて完全に守り得る、漏洩を防止し得る、こういうふうな実際確信をお持ちになつておるのかどうかという点について、私は実は疑いなきを得ないのであります。なぜかと申しますと、一体この秘密保護法の対象になりますものは主として日本国民なのでありますが、今日日本におきまして秘密がどこから漏洩しておるか、かように考えますときに、まつたく日本の国内というものは今やスパイのるつぼのようになつておる。まるで各国のスパイ陣が暗躍するところの巣窟のようになつておるような現状であります。先般も大雄丸事件、日ソ間のスパイ問題あるいは最近のごときも早くもビキニに降つた灰を持ち帰つた福龍丸の灰の秘密をもすでにソ連側に持ち去られてしまつたというような情報すらあるようなわけでありまして、今や日本というものが国際的なスパイ団の暗躍の巣窟のようになつておるような感じを私は受けるのであります。従つて当然この秘密防衛の措置の対象となるべきものは、日本におりますところの第三国人あるいは共産党、こういつたものでありますから、従つてMSA協定の成立に伴い、そしてここに日本の防衛力の画期的な躍進を遂げようという段階におきましては、私はこれらのスパイ活動に対してもあるいは日本におきまする共産党に対しても、政府は基本的な考え方を立て直すべきである、こういう観点に立つて御質問するわけであります。 そこでまず私は外務当局に承つておきますが、今度の秘密保護法は外務省も十分関係省と御連絡の上おつくりになつたと思います。先般もちよつと下田君にお聞きをいたしたのでありますが、重ねてこの際承つておきたいことは、日本におりますアメリカ人――アメリカ人と申しましても、一般の居留民あるいは大使館員あるいは顧問団あるいは行政協定に基いて日本に駐留しております駐留軍、こういうふうにわかれて来るわけでありますが、これらとこのたびの秘密保護法との関係は一体どういうふうになるのでありますか。
○下田政府委員 日本におりますアメリカ人は次のようにわけられると思います。第一は安保条約、行政協定に基きまして日本に駐留しております米国の軍人、軍属でございます。第二は米国大使館、領事館、また御指摘の今度のMSA協定に基きまして大使館の一部になります軍事顧問団、第三に一般のビジネス・マンその他の米国人、そういうことになるわけであります。そこで秘密保護法との関係におきまして、これには刑罰法規もあるわけでございますが、米国の駐留軍の軍人、軍属に対しましては、行政協定十七条に基きまして日本は原則として裁判権を行使いたしません。第二の軍事顧問団を含めての大使館員につきましても、国際法上の原則からいいまして法権免除になつております。そこで第三の普通の米国人、これがこの防衛秘密保護法に触れるということになりますと、これは当然日本の裁判所で裁判し、そうして日本の刑罰を科する、そういう関係になつておることと存じます。
○佐々木(盛)委員 ついでに承つておきますが、日本にありまして各種の戦略情報を担当いたしておりますアメリカの機関があるようであります。それはかつてワシントンに本部のありましたOSS、一時はこれが重慶に移り、その後日本に移つて、それから占領が解除された後も依然としてCIAというような存在があるやに承つておるのであります。現に郵船ビルの中にも資料調査局というようなものがある、これはいわゆるアメリカのそういう諜報の東京の事務所である、こういうふうなことも責任ある日本のジヤーナリストが伝えておるようなわけなのであります。この事実を認めるかどうか、またもししかりとするならば、これはどういう資格によつておるのかという点をひとつ承つておきたい。
○下田政府委員 米国のCIAという機関があるということは承知いたしておりますが、米国政府から正式に日本の政府に対して、日本にCIAの支部を設置し、そうしてその活動を認めてくれというような申込みは全然今までございません。でございますから、そういうものは建前として日本にないことになつております。ただ御承知のように、米国に限りませず各国とも諜報機関を持つておることは当然であります。そうしてその諜報工作に従事する者は、ある者は外交官でありある者は普通の商人をよそおつたビジネス・マンであります。そこで、何国政府といえども、外交領事機関以外の国の公の機関を外国に設置する場合には、その設置すしようとする国の承諾がなければ設置できません。そこで日本に対してそういう承諾を求めて来たことはないのでありますから、日本政府といたしましては、これはたとい諜報勤務に従事いたしておるといたしましても、建前としてはそれが普通の商人であれば普通の商人としてこれを取扱い、そうしてその者が日本の法律に触れたならば、普通の商人として処罰して一向さしつかえない問題だろうと考えております。
○佐々木(盛)委員 私は外務省以外の方も見えておりますので、その方の政府委員の方に伺います。これはどなたでもけつこうですが、日本において行われております諜報、スパイ行為を取締る法律はどういうものがございますか。
○山田政府委員 現在ないように心得ております。
○佐々木(盛)委員 まさに御答弁の通りで、日本はまつたくスパイ活動が自由な国でありまして、どのようなスパイ活動をいたしましても、これを取締る法規がない。たまたまそれが非常な破壊的な行動を行つた場合に、その具体的な問題を取上げて取締りの対象にするということになるわけであります。そこで私はこの際ついでに承つておきますが、今日の段階におきまして、かつてほうだいにスパイ行為をさせる、放任すべきものである、こういうふうなお考えでございますか。それとも、日本におきましてもその他の国と同じように、これはまことに困つたことだから、何とか措置をしなければならぬ、こういうふうなお考えでありますか、その辺の政府の見解をひとつお願いをいたします。
○前田政府委員 そのことにつきましては、今度の防衛秘密の法案をつくる場合におきましても、政府としては慎重に検討したのでございます。単にMSAに関係するだけの秘密でなしに、日本全体の秘密の問題についても、秘密を守る法案をつくる必要があるのではないか、こういうようなことをも検討いたしたのでございますけれども、いまだ結論を得ないので、検討中でございます。
○佐々木(盛)委員 次に私はもう一回下田君の御答弁を煩わしたいと思いますが、あなた自身が御指摘のように、日本において各国のスパイ活動が入り乱れて行われておる。その中に最も顕著な存在はソ連のそれであります。そこで御承知のように、ラストボロフ事件あるいはクリコフ事件等で非常に注目を浴びたのは、ソ連の狸穴の大使館の中にあるところのそういった諜報担当の機関であります。すでに今日そこにどういう人物があるかということについても、新聞報道していろいろなことを伝えておるわけでありますが、今日ソ連の大使館がそれらの拠点であることについては、社会通念から見て、何人もひとしく認めておるところであります。またそれが日本の共産党と密接な関係のあることも、われわれ社会常識として認めておるところであります。それでは下田さんに承りますが、先ほど秘密保護法においては、一般の民間人、居留民が秘密を漏洩するというような場合、あるいは秘密をとる、盗むという場合におきましては、その対象になるというお話でありましたが、ソ連の場合におきましては、大使館員は御承知のような特権、免除がございますが、しかしソ連の場合におきましては、ソ連の代表部というものは、日本は法律的に認めた存在でない、法的根拠はないのだ、このことは私は間違いはないと思います。そういたしますと、このソ連の大使館と申しますか、代表部におる駐在員とても、もとより秘密保護法の対象となるべきものである、何らの特権、免除を認めるべきものではない、またこれに本法を適用しなかつたならば、どうして日本の秘密を守ることができるか。今日日本において漏洩しておるもののほとんど大部分、九九%までと言つてもよいと思いますが、これはソ連並びにその衛星国の中共あるいは北鮮、これにつながつた共産党のルートを通じておることは、われわれのひとしく認めておるところであります。しかりといたしますならば、私は先ほどの論理から申しまして、当然ソ連代表部というものもこの秘密保護法の対象になるべきものである、かように考えますが、いかがでございましようか。
○下田政府委員 ソ連の代表部は、仰せのように正式の大使館としての地位を有しておりません。しかしながらあの代表部が設置された当時におきましては、連合国最高司令官に対して正式にアクレジツトされて設置を認められたミツシヨンであつたわけであります。そこでその経緯にかんがみまして、今日占領が終止したからといつて、これをただちに普通の商売人と全然同じように一般外国人として扱うかどうかということは、法律問題というよりも儀礼的な問題といたしまして、やはりある程度の手心を加えるのが、国際慣例にも合致するのではないかと思います。類似の例といたしましては、大使なり公使なりがその任国における任務を解かれまして後もなおまだその任国におつたときに、正式のものであつたならば、その国にある一限りは、やはりある程度の特権なり免除を儀礼として認められるということがございまして、ソ連ミツシヨンもやはりできたときに正式に認められたものである場合には――新たに来たら別でありますが、その者がまだ日本に残存しておるという限りにおきましては、全然一般商人その他と同じ扱いにすることには多少手心を加えなければならないと思います。かと申しまして、そういう者が目に余る行為をいたしましたならば、これはその国のこうむる被害の程度に応じて、これに対して直接の権力を行使することも、これまた国際慣例の認むるところであります。そこで、日本は仰せのように、まことに特殊の国でありまして、今日スパイ跳梁のまかすままでありまして、これに対して何ら制限する法律的手段がないというかたわの国でございます。そこでよその国でありましたならば、共産党というものは暴力をもつて政府を転覆せんとする非合法の政党でありますが、日本におきましては共産党は合法政党となつております。すでに合法政党とされている以上は、その日本共産党員と手を携えてある工作をするということを取締る根拠がないわけであります。これは国内法の分野になりますけれども、ただ私どもの考え方といたしましては、先ほど申しましたように、よほど目に余る行為なり被害なりを与えない限りは、ちよつと一般商人並にただちに取締るということにつきましては、やはり手心を加える方がしかるべきではないか、そう存じております。
○佐々木(盛)委員 私ちよつと記憶が正確ではないのでありますが、かつて外務省からソ連代表部へ、ソ連代表部はすでに法的根拠を失つたという通告をしたやに思つておるのでありますが、さようなことはございませんでしたか。
○下田政府委員 これは何度も日本側からその通告を行うと申しますよりは、ソ連代表部の方から自分の方は正式申出のつもりで外務省に書類を届けるというような場合に、一々それは認めないからそんなものを受けるわけに行かぬと言つて返すなり、あるいは会いに来ても面会を拒否するなり等の措置に出ておりまして、ソ連代表部の資格を認めないという意思表示はすでにこれまで何度もやつております。
○佐々木(盛)委員 ただいまのようないろいろな国際関係でありますから、政治的な、実際的な考慮もあるでありましょう。しかし今、日本に行われておる秘密の漏洩の中心をなしているものが、ソ連並びにそれを取巻くところのものであるということは、もう明々白々な事実なのでありますから、その根源を手放しに放任させて、それに対してあるいは外交官的な特権を与える、そうしておいてこの法律によつて秘密を完全に防衛しようというがごときことは、まつたく大きな穴をあけておいてそこへ追い込むようなものであります。まことに当を得たものではない、かように私は考えます。ここが根源なのであります。従つて政府といたしましてはこの点に思いをいたさない限り、今度の法律というものは、場合によつては非常な悪法となつて、無辜の善良な国民をふんじばり、あるいは言論あるいは表現の自由を束縛するという恐るべき結果にならぬとも何人も保証できないと私は思います。そういう観点において、先ほど来前提として申しましたように、今や日本におきまする秘密保護、つまりスパイ活動に対しては、何らかの法的な措置を政府が講じなければならぬ段階に到達をしておる、また共産党の存在そのものに対しても再検討しなければならぬ段階に到達しておる、かような見地からその必要性を強調しつつ私は質問いたしておるわけであります。そこで実際的な運用の面におきましては、ある程度ソ連代表部に対して手心を加えるかもしれませんが、法律上はいつでもこれをやり得るのだという確固たる態度にお立ちになつておるのだ、私はそういうふうに解釈しておりますが、そうでございましようか。
○下田政府委員 法律論といたしましては、すでに正式の代表部たる資格を喪失しておりますソ連代表部及びその部員に対しましては、日本の法律の適用があるのだということが正しいと思います。結局仰せのようにその適用に対して手心を加えております。国際慣例の見地から手心を加えておるのだということが正しいことだと存じます。
○佐々木(盛)委員 あとの中共からの、あるいは北鮮からのスパイについても同じことでありますが、中共や北鮮には駐日する外交使節団がないわけであります。従つてソ連のような特殊的な存在でもないわけでありますから、これらに対しましてはもとより断固たる方針をもつて臨まれる御決心であろう、かように私は考えるわけでありますが、その点はいかがでありますか。
○下田政府委員 中共、北鮮はソ連と違いまして、日本に何らの足がかりとなるようなミツシヨンを持っていないことは仰せの通りであります。そしてこれはもう日本にもぐり込んで来ましたとたんに、出入国管理令で取締つておるわけであります。ただこれまたソ連と違いますことは、ソ連人が密入国するということはなかなかできないことでありますが、彼らは密入国する点において、ソ連人に比べてかえつてやつかいだという点もまたあると思います。いずれにいたしましても、ソ連代表部のような、かつて合法的に認められたミツシヨンの残りを何ら持つてないという点では大きな違いがあります。従いましてかりに中共、北鮮の人が日本に参りまして非合法の行為をするという場合には、これはフルに日本の法律を適用いたしまして取締りをいたす次第であります。
○佐々木(盛)委員 出入国管理局の方はお見えでありますか。
○上塚委員長 法務省入国管理局次長宮下明義君が見えております。
○佐々木(盛)委員 どなたでもけつこうであります。先ほどの下田君の答弁に関連いたしまして、不法入国というものに対して厳重に取締りをしなければならぬ、また現行法の範囲におきましても出入国管理令という法律によつて取締ることもできれば、また破壊活動をするような不良外国人、朝鮮人などを強制送還することも法律的には可能なのであります。今日一体どういう事情になつておりますか、依然として相当なものが密入国しつつあるのか、またそれらに対してどういう措置をとつておるか、またこれらの強制送還の措置についてはどうであるか、これらの最近の情勢について承りたい。
○宮下説明員 日本の国が朝鮮及び中国と地理的に非常に近い関係にございますので、佐々木委員が仰せのように、現在日本に密入国をして参ります数は、朝鮮からが圧倒的に多数でございます。それに次いで中国本土からの密入国が多いのであります。朝鮮からの密入国者はごく最近の実情を申し上げますと、大体毎月二百人から多い月で四百人くらいの密入国者を、こちらの送還船で南鮮に帰しております。私どもの考えといたしましては、現在韓国及び朝鮮の国籍でこちらに外国人登録をしております者が五十五万人おりますが、表面に現われません密入国者は多くてもその一割、五万人くらいという見当をつけておりますが、遺憾なことにその全部が全部検挙できる態勢までは至つておりません。中国本土からの不法入国は、本体香港から商船あるいは軍艦等の大きな船の船員になつて日本の港に参りまして、寄港地上陸許可証で上陸いたしまして、そのまま日本にもぐつてしまうというケースが多いのでありますが、現在表面に現われまして私どもの手で退去強制令書を発付いたしておりますものが約四、五百人ございます。現在中国が台湾政府と二つにわかれております特殊な事情にございますので、これらのものを送還するについて非常に悩みを持つておるわけでございます。日本政府といたしましては、正式の中国政府と交渉をいたしまして、この者を引取るようにいろいろ折衝いたしておるのでありますが、彼らは大部分が中国本土から来ておりますために、中国政府の方でもそうたやすくは引取れないというような実情で、今鋭意その折衝をいたしておりますが、早晩これらの者も全部帰したい。それならばその背後にはどれくらい密入国者がおるだろうかという見当といたしましては、私どもは大体二、三千人くらいの中国本土からの不法入国者が、国内に潜在しておるだろうという予想をつけております。これももちろん予想でございまして、正確な資料があるわけではございませんが、この者につきましても鋭意摘発をいたしまして、管理令によつて退去強制をして参りたいというふうに考えております。
○佐々木(盛)委員 ただいまのお説で、北鮮系の不良朝鮮人は南鮮へ送還をしておるということでありますが、南鮮でこれを受取つておるわけでありますか。 それからもう一つは、中国に関しても同じような強制送還をいたしたいという方針のようでありますが、これは中共側へ送還するということでありますか。台湾政権と中共側とありますが、どういうお考えでありますか。
○宮下説明員 今までも密入国者並びに出入国管理令二十四条の条項に当ります、日本の国内において害を及ぼすような人たちは、退去強制の事由があるわけでありますが、また船員で寄港地上陸許可期間が切れまして、いわゆる密入国としてこちらに残る者が相当あるわけでございますが、これらの者はその者の本国と申しますか、乗つて参りました船の船籍のありますところへそれぞれ帰しております。先ほど申し上げました四、五百人の者につきましては、現在私どもといたしましては、中国政府と交渉をいたしておりまして、中国政府側の方でその引取りについてできるだけ措置をとつてもらいたい。御承知のように、現在台湾におきましては入国制限をいたしておりまして、他の国から台湾に入つて参ります場合に、中国人でございましても入国許可証がございませんと入れませんので、それらの発布方についていろいろ交渉いたしております。現在は中国政府を相手にして、その引取方を交渉しておる段階であります。
○佐々木(盛)委員 先ほどお話になりました北鮮やあるいは中共側から潜入して来る、不法入国して参ります第三国人で、日本におきましてスパイ活動をしたり、あるいは破壊活動をする。不法行為をする、こういつた者の割合はどんなものでございましょうか。たとえば向うにいて生活が苦しくて、かつて住んでおつた日本へ帰つて来るという者もあるでありましようが、そうではなくして、明らかにこれは共産主義の宣伝の意思を持つたり、あるいは日本において破壊活動をやつたり、スパイ活動をやるというような目的を持つて入つて来るという者の割合はどんなものでありましようか。
○宮下説明員 先ほども政府側から御答弁申し上げましたように、現在日本国内におけるスパイ活動を取締る国内法規がございませんために、われわれの手で出入国管理令違反として退去強制をいたしております朝鮮人につきましても、そのうちの何人がスパイ活動をやつたものかどうかという点は、われわれのところでは必ずしも明らかになつておりません。現在取締りの国内法規がございませんために――その者の活動を国内において摘発をし、裁判にかけまして明らかにわかつておりますれば、私どもの方でも統計的な資料ができるのでありますが、現在は不法入国として一律に帰しておりますために、はなはだ遺憾ではございますが、十分な実情が把握できておらない実情でございます。
○佐々木(盛)委員 それでは朝鮮人だけについて承りますが、日本におります朝鮮人で、すでに登録の済んだ者が五十数万、未登録の者、これは未登録でありますから文字通りわからないのでありますが、五万あるいは十万――二十万というような説もあるようでありますが、その韓国人とそれから北鮮系との割合というものはどんなものでありますか。私のただいま申しました数字は大体合つておるでございましようか。なお私この際承つておきたいのは、この間もある会合で承つたのでありますが、日本におきます犯罪は大体八十万件くらい一年間にあるそうでありますが、その中の一〇%は朝鮮人によるところの悪質な犯罪である、こういうことも私は聞いて来たのであります。ところがこれに対しまして日本は生活保護法で扶助をいたしておる。生活扶助料の恩恵を彼らにも与えておる。その数が七万とか八万とか申しておりましたが、日本といたしましては莫大な、何億というような費用をこれにつぎ込んでおる。こうしてこの密入国をさせておいて、それをまた日本が国費をつぎ込んでこれを保護するということは、まつたくわれわれ国民感情から申しましても納得ができないと思うのでありますが、それらの点につきまして、具体的な数字につきまして、私はもう少し御説明を承りたいのであります。
○宮下説明員 南鮮、北鮮を合しまして朝鮮人と申し上げますが、現在朝鮮人で登録をいたしております数の合計が五十五万を少し越えるのでございます。そのうち北鮮系の朝鮮ということで登録をしております数が四十二万、韓国籍で登録をしております者が十三万でございます。この朝鮮及び韓国の四十二万対十三万という数は、昭和二十五年の第二回目の登録の切りかえのときであつたと記憶いたしておりますが、その際に朝鮮人に対しまして、その者の希望によつて韓国あるいは朝鮮としての登録を許したわけでございます。従つて彼らはその希望によつて韓国籍あるいは朝鮮籍ということで外国人登録をいたしましたために、この数は必ずしも正確に北鮮系、南鮮系というのとは一致いたしておらないと考えております。私どもは大体北鮮系が六、韓国系が四くらいの割合であろうというふうに考えておりますが、これも正確な数ではございません。 なお日本国内における朝鮮人の犯罪率でございますが、御質問のように確かに日本人の犯罪パーセンテージに比べまして、朝鮮人の犯罪率はずつと高いのでございます。管理令によりますと、日本の法令違反により裁判で懲役一年を越える刑に処せられた者に対しては退去強制ができることになつておりまして、これらの者は私どもの方で審査をいたしまして、退去強制該当者があれば退去強制令書を発付いたしまして、現在大村収容所に収容をいたしておる実情でございます。
○佐々木(盛)委員 もう一点だけ承つておきます。今度はちよつと話題をかえますが、これは保安庁の政府委員に承ります。私の想像でありますが、おそらく保安隊の中において、従つて将来の自衛隊の中においては、共産主義というものに対しては断固反対をするのだというきわめて明確な立場に立つて教育をなさつておると考えるわけであります。そういう思想的な根拠というものは当然あつてしかるべきだと私は考えるわけでありますが、その通りでございますか。
○前田政府委員 御説ごもつともなところがございますけれども、現状といたしましては直接反共教育といつた思想教育はいたしませんで、本人の自覚に訴えるような教育をやつておる次第でございます。
○佐々木(盛)委員 現行憲法のもとにおいてはいろいろむずかしいことがあつたり、あるいは言いにくい立場にあるかもしれないと思います。今の政務次官の御答弁も、実際よりはかなり政治的な立場に立つた発電であろうと考えますが、実際私はもつと大いに反共思想というものを鼓吹してもらわなければならぬと考えております。一体MSA協定を締結したり、今日の艦艇の協定をしたり、あるいは日本の自衛力の増強を国民の困苦の中でわれわれがあえてやつておるのは何ゆえであるか。申すまでもないことであります。その自覚なくして、その認識なくして、その根底なくして保安隊の性格が一体どこに求められるのであるか。それなくして祖国の防衛はあり得ないと私は思う。真に祖国の防衛に徹するならば、当然私は反共的な考え方に立つべきであると考えるわけであります。しかしながら今日憲法のもとにおきましては、何人も言論、結社その他の自由が認められておるわけでありまして、従つて日本におきましては、共産党というものも合法政党として認められておる。そのゆえに先ほどお話のように、日本はまるでスパイやあるいは破壊活動のるつぼのように、巣窟のようになつて、百鬼夜行の現状であるわけであります。この段階に至つたならば、もう少し真剣に日本が反共的な立場を明確にすることが内外ともに望ましいことである。私自身はこういう信念の上に立つておるわけであります。そこで答弁はいりませんが、そういう意味におきまして政府といたしましては、この点につきまして真剣にお考えを願いたい。共産党に対する根本的な対策なくしては、秘密保護法は絶対に守ることはできません。申すまでもないことでありますが、共産主義というものは行動と思想とが一致いたしておるのであります。憲法の保障いたしました思想の自由、言論の自由によつて共産主義を放任されるということは、共産主義の何たるかをわきまえない考え方なのであります。共産主義を信奉することは、すなわちその破壊的な活動を実行しなければならぬということになるわけでありますから、あたかも窃盗団が窃盗したときに初めてふんづかまえるというのでは、どろぼうをつかまえてなわをなうことになる、それと同じであります。この点根本的に考えていただきたいと思います。これは後日政府の最高首脳部にまた承りたいと思います。 もう一点だけこの際伺つておきます。今日保安隊の中に警務官とかなんとかいうものがあるそうでありますが、将来秘密保護法によつて守らなければならぬ秘密を漏洩するとか盗んだという場合におきまして、この間の御答弁では、この保安隊の内部にあります警務官と申しますか、これが捜査権を発動するという場合もある。しかし通常の場合におきましては一般警察にこのことをゆだねるのだ、しかしそういうこともなし得るのだというお話でありましたが、保安隊の内部にあるものが一般の外部に対してそういう捜査権を発動し得るという法律的根拠は一体どこにあるのでありますか。
○山田政府委員 お答えいたします。先般さようなお答えが保安庁側からいたされた通りでございます。今お尋ねの件につきましては、ただいま御審議をいただいております自衛隊法案の九十六条、それから現行の保安庁法でも何条かに載つておるのであります。この九十六条を読んでみますと、「自衛官のうち、部内の秩序維持の職務に専従する者は、政令で定めるところにより、左の各号に掲げる犯罪については、政令で定めるものを除き、刑事訴訟法の規定による司法警察職員として職務を行う。」そこで各号にわかれておりますけれども、一号は、「自衛官並びに陸上幕僚監部、海上幕僚監部、航空幕僚監部及び部隊等に所局する自衛官以外の隊員並びに学生及び訓練招集に応じている予備自衛官の犯した犯罪又は職務に従事中の隊員に対する犯罪その他隊員の職務に関し隊員以外の者の犯した犯罪」、二号は「自衛隊の使用する船舶、庁舎、営舎その他の施設内における犯罪」、三号は「自衛隊の所有し、又は使用する施設又は物に対する犯罪」となつておりまして、かような犯罪につきましては、先ほど仰せになりました、今日では警務官と申しておりますが、その警務官が司法警察職員として、この範囲内におきまして一般的に権限行使ができる建前になつておるのであります。しかしながらここに問題になつております機密保護法の犯罪関係の処理につきましては、あくまでもこの警務官の権限を部内の秩序維持という事項に限定いたしまして、一般の国民に対しましては一般の警察官の権限にこれをまかせたい、かような方針でございまして、九十六条の本文におきましても、特に「左の各号に掲げる犯罪については、政令で定めるものを除き、」ということがございますが、いずれ自衛隊法案が通過いたしましたならば、追つて出まする政令におきまして、さような犯罪につきまする警務官の処理につきまして権限から除外して行こう、かような建前になつております。
○佐々木(盛)委員 私はさらにただいまの御答弁にも関連いたしましたり、あるいは裁判権の問題等にも関連いたしまして御質問いたしたいこともたくさんあるわけでありますが、先刻申しましたように、あらためて法案の逐条審議の際に承ることにいたしまして、本日は大分おそくなりましたし、私の質問はこれで打切ります。
○上塚委員長 本日はこれをもつて散会いたします。 午後零時五十二分散会 ―――――・―――――