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19回国会衆議院1954/03/12

外務委員会 第15号

発言数
63
登壇者
8
会派数
4
開催日
1954/03/12

会議録

上塚司自由党

○上塚委員長 これより会議を開きます。  日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛授助協定の批准について承認を求めるの件、農産物の購入に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件、経済的措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び投資の保証に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件を一括議題といたします。政府側より提案理由の説明を求めます。岡崎外務大臣。     ―――――――――――――

岡崎勝男自由党外務大臣

○岡崎国務大臣 ただいま議題となりました日米相互防衛援助協定その他の協定に関しましては、昨日本会議におきまして提案理由を委細申し述べたのでありますが、ここにさらに要点を大要御説明いたしたいと思います。  政府は、昨年六月米国議会において成立いたしました相互安全保障法の改正法によりまして、すでに西欧その他多数の国々に供与されて来た防衛援助が、わが国にも供与され得ることになつたことを承知いたしましたが、この米国の援助を受ける方針を決定する前に、戦力の保持を禁ずるわが憲法との関係において、また再建途上にあるわが国経済力との関係において十分米国政府の意向を確かめておくことが適当と考えましたので、これらの点に関するわが方の見解を具して米国政府の意向をただしたのであります。その結果、当時本委員府において御報告いたしました通り、六月二十四日及び二十六日の日米往復書簡において彼我の見解は大体一致することが明らかとなつたのであります。  よつてこの往復書簡の基礎に立つて、昨年七月十五日から交渉を開始いたしましたが、爾後の交渉経過については、本委員会においてあるいは中間報告として、あるいは御質疑に応じまして、これを明らかにいたして来たのであります。その結果去る三月八日お手元に配付いたしました通り協定十一箇条、付属書七項目、付属とりきめ一つよりなる文書に署名する運びとなつたのであります。  この文書の内容の大部分は、米国と他の外国との間の同種協定の内容と軌を一にするものでありますが、前述のわが国の特殊事情に基く特異な点もないではないのであります。  その第一は、相互安全保障法第五百十一条(a)に掲げられました六条件に関してでありますが、その第三条件たる条約上の軍事的義務の履行の点につきましては、わが国の場合は、日米安全保障条約に基く義務にほかならぬことを明らかにいたしておりまして、これは第八条に記載してあります。またこの六条件を含めまして、本協定の全条項の実施が、憲法の条章に従つて行われる旨を明確にいたしますとともに、本協定が安全保障条約を何ら改変するものでないことも明らかにいたしまして、これは第九条に記載してあります。  なお海外への部隊派遣の問題のごときは、もとより装備、資材等の援助の授受を定めることを目的とした本協定とは、何ら関係のありようのない問題でありますが、国内の一部で懸念する向きもありましたので、本協定の署名式におけるあいさつにおいて、その無関係なることを明らかにいたした次第であります。  第二に、わが国経済との関連につきましては、防衛力の増強にあたつては、経済の安定が不可欠の要素であることを前文と第一条において明らかにいたし、また他面わが防衛産業助長のために、日本及び第三国用の装備、資材のわが国における調達、防衛産業に対する情報の提供、技術者の訓練等に関する条項を設けておりまして、これは付属書のAに記載してあります。  平和を脅威する国との貿易の統制につきましては、米国と他の国との協定の先例にかんがみまして、かつわが国の国連協力の方針にも照し、これを約束することはさしつかえないと認めましたが、さきの本院の決議の次第も十分に尊重いたしまして、付属書において、わが国は米国その他の平和愛好国と、この目的のため協力する趣旨を掲げるにとどめた次第でありまして、これは付属書Dに記載してあります。  なお軍事援助顧問団につきましては、これを大使の指揮下に行動する性格のものたらしめるとともに、その員数及び行政事務費につきましても、わが財政状況にかんがみまして、これを最小限度にとどめた次第でありまして、右は第七条及び付属書のGに記載してあります。  以上述べました諸点につきましては、今次協定の交渉の経過において取扱いに慎重を期し、従つて交渉も意外に長引いたのでありますが、わが国の特殊事情に対する考慮は十分に織り込み得たものと信じております。  次に、相互安全保障法第五百五十条に基く農産物の円貨による購入及びその円貨の使用に関しましては、農産物の購入に関する協定及び経済措置に関する協定の二つの協定を作成いたしました。その結果、農産物の購入代金たる五千万ドルに相当する円貨のうち、二〇%はわが国防衛産業の振興に使用されることとなり、残余の円貨は米国が日本における域外買付に使用することとなりました。これは防衛産業の強化と、わが国経済の発展に役立つものと考えております。  購入すべき農産物といたしましては、さしあたり小麦五十万トン、大麦十万トンを予定しておりますが、これは外貨を使用せず円で購入し得る点、その価格が国際小麦協定の価格と同様の廉価なる点を考慮すれば、相当有利な条件でわが国の食糧事情の緩和に寄与するものと考えております。  また今回同時に署名を見ました投資保証協定は、全文三箇条の簡単なものでありますが、その要旨はわが国の外貨事情等によりまして、米国民間投資の元本及び収益のドル交換が不可能となつた場合、並びに当該投資財産が国内で収用されたような場合に、米国政府は投資家にドルによる補償を与えるとともに、その債権を継承することを内容とするものでありまして、これは民間投資者が米国政府の保証により、安心してわが国に資本投下をなし得る道を開かんとしたものであります。  これを要しまするに、今回署名されました相互安全保障関係諸協定は、わが国の憲法の条章のわく内で実施せらるべきこと、及びわが経済の安定に支障を来さざる範囲で実施せらるべきことの明文上の保証を設けた上で、わが国の防衛力の増強と、あわせてわが国の産業の助長発展に資することを目標とするものでありまして、政府といたしましては、これら諸協定がわが国の日立自衛の達成に貢献し、またこれにより日米両国の協力はさらに強固の度を加え、ひいて自由諸国の安全保障と世界平和の維持に寄与せんとするわが国の意図の実現に一歩を進めたものと考える次第であります。  つきましては以上の諸点を考慮せられ、これらの協定につき、慎重御審議の上、すみやかに御承認あらんことを希望いたします。

上塚司自由党

○上塚委員長 これにて提案理由の説明は終了いたしました。

上塚司自由党

○上塚委員長 この際公聴会開会についての承認要求の件につきましてお諮りいたします。ただいま議題となつております日米相互防衛援助協定外三件の各協定は、国民的関心を有するきわめて重大な案件でありますので、広く各界の意見を聴取するため公聴会を開きたいと存じます。これにつきましては、衆議院規則第七十七条により、あらかじめ議長の承認を得ることになつております。よつて公聴会開会の承認を議長に求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上塚司自由党

○上塚委員長 御異議がなければさように決定いたします。  なおただいまの公聴会開会につきまして議長の承認が得られましたならば、理事会において協議いたしました通り、来る三月二十二日及び二十三日、おのおの午前十時より公聴会を開くことにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上塚司自由党

○上塚委員長 御異議がなければさように決定いたします。  なお公述人の選定並びに公聴会開会報告書等の諸手続につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上塚司自由党

○上塚委員長 御異議がなければさよう決定いたします。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 議事進行について。かねて問題になつておりましたいわゆるMSA協定なるものが、このたび初めて本委員会に付託されまして、昨日来政府の提案理由の説明を拝聴いたしますとともに、配付されました条文を拝見いたしましたところが、われわれかねて危惧いたしておりましたこと、すなわちこのMSAの法の精神並びにここにとりきめになりまして調印を終りました条約文を拝見いたしまして、憲法に違反するものであることがしごく明瞭であると存じます。従いましてもしこれがわれわれの判断のごとく憲法に違反するものでございますならば、当然法理的に考えまして、このような違憲の案件は本院においてこれを審議することは無勢あるとわれわれは考えるので、従つて本院の立法府としての自主的な責任と判断におきまして、これは政府に原案を送り返すべきであるとわれわれは考えるのであります。もし第九条に、今外務大臣の御説明のように、自国の憲法の規定に従つて実施するという文章が載つているので、憲法には違反しないということで糊塗されましても、この法全体、並びに特に第八条、さらにこれと実質的に関連を持つと思われます今日本会議に上程を予定されている自衛隊法案並びに防衛庁設置法案なんかと関連してながめますならば、その違憲性はいよいよ明瞭になると存じます。従つて私は立法府としての本院の責任と義務におきまして、この法案を取上ぐべきかどうかということが、第一に問題になるとわれわれは思い、しかもわれわれの意見は、違憲が明瞭でございますので、政府に原案のまま送り返すべきである。従つてこれは本院において審議することを取上げますことは、立法府としての責任に反するものであると思うのであります。従つて委員長におかれまして、至急一応緊急の理事会を招集していただきまして、そしてこの問題を一応討議されることを希望いたす次第でございます。もし多数をもつて、あるいは第九条の懸法の規定の範囲内においてという文章をもつて、これを糊塗されるとするならば、実質的に憲法の侵犯を多数をもつて押し切るというおそれなきを得ない。もし憲法に違反しないと判断されておるとするならば、知らずして善意ではございますが、明らかに憲法に対する違反を犯すことになりますので、重大な問題であると思います。従つてこの問題に対しまする取扱いを慎重にされるために、緊急に理事会を招集されんことを希望する次第でございます。

並木芳雄改進党

○並木委員 ただいま穗積委員の議事進行に関する発言を聞いておりましたところ、その内容はまことに独善独断であります。正当の手続をふんで国会に提案をされて、議長がこれを受理して、わが外務委員会に付託を受けたものであつて、その内容についてこれからいよいよ審議に入るのであります。もし内容について憲法違反の疑いがあるならば、大いにその点をわれわれは政府に突きとめて、結論を出すのはこれからなのであつて、それをしよつぱなから、審議をしないうちから、憲法違反であるからこれを突き返せということは、これは何のためにそういう発言をしたか、私どもにはわからない。社会党左派一流の宣伝ではないかとさえ感じて、私は不愉快になつたのであります。同じ野党でありますから、こんなことを響いたくないのですが、そういう意味において、ただいま理事会を開くなどをいうことは、委員会の権威にかけても不必要だと思います。

上塚司自由党

○上塚委員長 穗積君の動議に対して、私から一応答弁をいたします。委員長は、昨十一日成規の手続によつて、本会議を通じて委員会に付託されましたこの協定に関しましては、予定通り審議を進行するつもりでありますから、さよう御了承を願います。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 もとより議長は送付されましたときに、これが違憲だと思つてこれを委員会に付託されたということであるならば、重大な問題でございますが、おそらくはこの法案をごらんになつて、憲法には違反しないという判断をされたのでございましよう。従つて成規の手続をとつてこれを付託されたといたしましても、違憲であることが、付託された後において発見された場合においては、もとより成規の手続でございましても、その違憲であることを発見したときにおきまして、当然これはその違憲性を明らかにすべきだということは言うまでもないことであります。今まで、われわれはそういう義を持つておつたのでありますが、昨日並びに本日の外務大臣の説明を伺い、かつ正式に文章になつておりますこの協定を拝見いたしまして、そのことが明瞭になつたのであります。あるいは議長が違憲でないと錯覚いたしましても、これを後に発見いたしました場合においては、当然これはその違憲性を明らかにしてもらうべきであるとわれわれはかたく信ずるものであります。これは当然手続上の問題ではございません。従つてさようとりはからわれんことを希望する次第でございます。

北昤吉自由党

○北委員 一昨年の国会の解散は違憲だということを、改進党の苫米地義三君が訴えられまして、第一審ではこれは解散は違法であるという結論を得たのですが、それでも議会はずつと継続しておるのです。ただ訴えただけで議会の審議をやめるということは、これは無理であつて、第一審の判決があつても、われわれは議会でやつておりますから、穗積君の動議は当然無効だと私は考えますので、どうぞそのように採決していただきたい。

上塚司自由党

○上塚委員長 それではこれよりただいまの四件に関する質疑を許します。福田篤泰君。     〔「動議の結末をつけろ」と呼び、その他発言する者多し〕

上塚司自由党

○上塚委員長 戸叶里子君。

福田篤泰自由党

○福田(篤)委員 私はまず外務大臣にお尋ね申し上げたい……。

上塚司自由党

○上塚委員長 ちよつと待つてください。あなたに許しましたが、今緊急動議が出ておりますから……。     〔「そんなばかなことはないじやないか」と呼び、その他発言する者多し〕

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 先ほど委員長は穗積委員の動議に対しまして、本会議ですでに取上げられた問題であるとおつしやいましたが、これは委員会でございますから、もう一度この委員会において取扱い方を考えていただきたいと思います。穂積委員の動議は、理事会を開いて相談しようということでございますから、一応その動議に対しましてその採決を委員長はお諮り願いたいと思います。

上塚司自由党

○上塚委員長 さようとりはからいます。どうぞ御進行願います。

福田篤泰自由党

○福田(篤)委員 どうも左派並びに右、派のただいまの議事進行に関する発言を聞いておりますと、今までの理事会におきまして、社会党両派は質疑の時間を十分与えることをしばしば要求しておつた。しかるに今違憲であるという、とつぴようしもない非常識な発言をして、むしろその審議の時間を空費せしめる、きわめて悪質なる議事妨害であります。私は正式に委員長の許可をいただきましたので、本件に関する質問をいたしたいと思います。  まず第一に外務大臣にお伺いしたいことは、この協定の締結につきまして、昨先九月以来たびたび遅れて参りました。これは考えようによりましては、日米間の重要案件を十分慎重にお互いに協議し、討議された、こういうふうにも考えられますが、同時にいろいろな予測しがたい材料も出たと思うのであります。この遅延の理由をまずお伺いし、同町に各国とアメリカとの間に結ばれました同様のMSA協定について、やはりこのような長い時間かかつた例があるかどうか、簡単に御回答を願います。

岡崎勝男自由党外務大臣

○岡崎国務大臣 これは前に御報告いたしました通り、昨年中にはつくり上げるつもりでおりましたけれども、例の五百五十条の小麦の問題がその間に出て参りまして、これを同時にやはり早く小麦を円で買いたいという希望で、これも含めましたので、交渉が遅延いたしました。そこでそれもまとめまして、いよいよもう調印が近くなつてでありますが、どうもわれわれの予想しておるよりも、顧問団の費用が多過ぎると思われました。またその人数も従つて多過ぎるように考えました。これも保安庁等と協議をいたしました。人数につきましては、大体先方の言う程度のものは、保安庁としては納得の行く数字のように見たそうでありますけれども、できるならば人数も減らし、従つて費用も減らしたいという希望で最後まで話をいたしました。これがまた約一月程度の遅延を来した理由でありましたが、こういう問題がようやく片づきましたので、調印に至つたのであります。ほかの国の例を見ますと、いろいろ長短はございますが、昨日も本会議でお答えいたしました通り、スペインとの協定は約三箇年を要しております。これに比べ氷ば、われわれの方のはそれほど遅れはしなかつたわけでありますが、日本の場合はいろいろ特殊事情がありましたので、これらをはつきりさせるためにも時間を要しまして、思わぬ長い時間がかかつた、こういう事情であります。

福田篤泰自由党

○福田(篤)委員 ただいまの御答弁で大体その経緯、理由がわかりましたが、昨日の本会議でも本件に対する相当重要な問題として取上げられましたいわゆる海外派兵の問題であります。この海外派兵の問題につきまして、このMSA協定に結びつけまして全国民の重大な問題になつておることは御承知の通りであります。海外派兵をしない、その可能性がないということを、今後いかなる根拠に基いて保障せられるお考えであるかどうか、根拠についてお伺いしたいと思います。

岡崎勝男自由党外務大臣

○岡崎国務大臣 これは問題は速いますが、たとえば国際連合に加入した国でも、国際連合の安全保障理事会の決定によりましていわゆる警察軍と称するものを出す場合は、これは重大な問題でありますから、加盟国がすぐにそういう義務を負うのでなくて、明確に自国の兵力を出すということについて国際連合との間に特別の協定を結ばなければ、そういう義務は生じない。こういう問題は特に明確に義務がはつきりしなければそういうことは行われないというのは、これは国際慣習から見ましても当然のことであります。今度の協定はどこを見ましても、そういうようなことを疑わせるような文句はないのであります。これは勿論当然でありまして、この協定の本旨とするところは、要するに防衛力漸増に関する援助を与えるということと、援助を受けるということを主眼とした協定でありますから、要するに援助を授受する問題が協定の本旨であります。従つて海外に部隊を出すとか出さぬとかいう問題は、どこのMSAの協定を見ましても、問題には全然ならないのでございます。もとよりこういうことは、かりにやる場合がありましても、これはその国の自主的にきめる問題であつて、外国から強要されるべき問題でもなければ、また強要できる問題でもないのであります。従いまして、この協定には海外派兵をしないということは書かないのであります。これは当然書くのがおかしいのであつて、そんなところヘ全然別問題のようなものが入るのは非常におかしい。(「じや、なおおかしいじやないか」と呼ぶ者あり)ただしばしばそういう話がありましたから、協定の中に入れることは非常におかしいけれども、念のため、あいさつの中にはその点に言及いたしたのであります。昨日の質問を聞いても、ここに海外派兵はないということが書いてないからあぶないというのでありますが、(「ちつともおかしくない」と呼ぶ者あり)こんなおかしいことはないと私は思う。何にも書いてないのにあぶないというのは、どういうわけなのか全然わからないのであります。それならば、この協定ができる以前のことを考えたら何もないのだが、それでは海外派兵が危険だという結論にもなるのでありまして、これは積極的な義務を負わなければそういうことはとうていあり得ない、さように御了承願います。

福田篤泰自由党

○福田(篤)委員 現在MSAの協定に対しまして反対しております一派は、MSA協定によつてすぐ海外出兵の義務が起るのだということを故意に宣伝しております。今の御答弁で、この協定によつて海外出兵義務は当然起るものでないということが明らかにされました。これにつきまして、今後反対派のいわゆる悪意の宣伝に対しまして、政府も十分留意され、その無関係のこと、並びに海外出兵がMSA協定によつて義務づけられるものでないということを、あらためて確認させていただきたいと思います。  それから顧問団のお話が出ましたが、現在顧問団の人数並びに構成は一体どうなつておるか。また伺うところによりますと、大体今きめられている人数を、できれば年末あたりまでに半分くらいに減らしたいというような内交渉もあるように聞いておりますが、その点について御回答願います。

岡崎勝男自由党外務大臣

○岡崎国務大臣 この顧問団につきましては、これはアメリカ大使の指揮のもとに立ちまして、その中には、外交自の待遇を受ける者、それから外交官のところまでは行かないが、アメリカ大使館の付属員としての待遇を受ける者、それから普通のタイピスト程度の待遇を受ける者、この三種があるわけでありますが、すべてアメリカ大使の指揮のもとに立つということになつております。  顧問団の数につきましては、まだはつきり何百何十何人というところまではきまつておりませんが、大体七百人、あるいはこれを少し越える数、こう考えております。これにつきましても、できるならば今年末までに半減くらいはいたしたいと考えておりますが、安全をとりまして、二十九年度末つまり来年の三月三十一日一ぱいには必ず半減まで持つて行きたい。これはどうしてそういうあいまいなことになるかと申しますと、主として技術の指導者、あるいは飛行機、艦艇の操縦の指導者でありまして、こちらがどの程度早くその技術をのみ込むかということにもかかつておりますから、何月何日までに必ずのみ込まなければならぬといつても、これは無理な場合があります。また訓練等は天候にも左右されまして、それだけ訓練の日数が天候の関係上足りない場合には、延びるということもあろうかと考えておりますので、大体おそくとも年度末でありますが、できれば年末までに半分に近い数にしたい、かように考えております。

福田篤泰自由党

○福田(篤)委員 大体人数と見通しがわかりましたが、この七百人の内容は、新しくアメリカから日本に来られる人が主体であるか、あるいは今まで保安隊についておりました人が振りかえられるわけか、この点について御説明いただきたいと思います。

岡崎勝男自由党外務大臣

○岡崎国務大臣 これは実は現在保安隊におります人々も、始終交代してかわるのであります。同じ人が長くいるということがあると非常にいいのですが、なかなか向うの都合でそうも参りません。今度も一応今いる人は残りますけれども、それにさらに交代の意味もありまして、相当数、三分の一に近い数は本国から来るのじやないか。また今おる人も、大分時期もたつておる人もありますので、相当程度近いうちに交代が行われる場合もあろうかと考えております。

福田篤泰自由党

○福田(篤)委員 顧問団の任務の具体的な内容をお伺いしたいと思います。と申しますのは、一部には顧問団が一種の内政干渉をするおそれがあるのじやないかという懸念もあるようでありますので、その任務の具体的な内容をはつきりさせていただきたい。同時に、英国、フランス、その他の外国とアメリカとの間のMSA協定に基く顧問団と、日本における顧問団との相違並びに類似点について、御説明いただ  きたいと思います。

岡崎勝男自由党外務大臣

○岡崎国務大臣 顧問団の任務は主として援助計画の実施ということでありまして、日本の部隊にいかなるものが必要であるか――これはただ部隊ならばどの部隊にも同じものを出すというわけに参りません。たとえばある部隊においては、その付近の橋の状況がどの程度強いかということによりまして、あるいは補強しなければならぬ場合もありましようが、ある車両は重くてそこは通れないというような場合もあるわけであります。それからその土地によりましていろいろの相違があります。その援助計画の実施にあたつて一々具体的にこれを見るわけでありまして、これが一番おもなものでありますが、さらに新しい糖類の兵器もありまして、たとえば飛行機にしましても、ずいぶん戦争中のものとは違つておりますし、艦艇にしてもそうでありまして、先般借り受けましたフリゲート艦などの操縦につきましても、前に海軍におりました人に見させても、それは大分模様が違つておるようであります。こういうものに対する訓練も必要であります。それからさらに、域外買付等に関する事務も行うものと考えております。これらの事務は欧州その他の国における顧問団の任務とほとんどかわりはありません。ただ域外買付がよけいあるときはその方の人が多くなるし、それから新しい軍隊をつくり上げるような、今までの経験のないところでは訓練の人間が多くなる、こういうような差はありますけれども、その目的と使命につきましては、全然同じであります。

福田篤泰自由党

○福田(篤)委員 この顧問団の経費の中で、日本政府が負担する現金の額はどのくらいでありますか、それについて御説明願いたいことが一つと、どういう使途にそれが使われるのかそれについて内容を承りたいと思います。

岡崎勝男自由党外務大臣

○岡崎国務大臣 ただいま予定いたしておりますのは三億五千七百万円であります。この内容は、事務費、それから各住居に対する補助費、旅費、それから雇い人の費用、こういうものがおもになつております。

福田篤泰自由党

○福田(篤)委員 三億五千七百万円の予算は一体どういうところから出るのか、この点をお伺いいたしたい。

岡崎勝男自由党外務大臣

○岡崎国務大臣 これはアメリカ側と話をいたしまして、いわゆる広義の防衛分担金の中から支出しよう、こう考えております。

福田篤泰自由党

○福田(篤)委員 防衛分担金でありますと、その予算措置をどうとられておるか、それについてお伺いいたしたい。

岡崎勝男自由党外務大臣

○岡崎国務大臣 防衛分担金は、御承知のように二種願ありまして、現金で支出する部分と、それから家賃として負担している部分とあるわけであります。私の申しますのは、家賃の方もまぜました広義の防衛分担金であります。すなわち一部は家賃として今まで出しおりますものも使用できると考えております。これは本年度も予算にありますが、来年度の予算にも同様のものが計上してあります。それを米軍側と協議をいたしまして、米軍側の節約を求めまして、その程度のものを捻出する、こういうことにいたしております。

福田篤泰自由党

○福田(篤)委員 この協定によりまして、新しく立法を必要とするものがあるかどうか、あるとすれば、どういうものがあるかをお伺いいしたい。

岡崎勝男自由党外務大臣

○岡崎国務大臣 機密の保護に関するものについては立法をいたしたい、こう考えております。

福田篤泰自由党

○福田(篤)委員 それだけですか。

岡崎勝男自由党外務大臣

○岡崎国務大臣 もう一つは、小麦の買入れに基きまして一千万ドルの贈与を受けますが、この贈与の特別会計を設置いたしたい。これについての法案はもう用意してあります。

福田篤泰自由党

○福田(篤)委員 この協定によつて新しお日本が負う義務についてお伺いいたしたいのですが、これは先ほど来提案説明にもはつきり言われておりますように、従来の日米安保条約の義務以上には出ないということを政府は明確にしておられる。この日米安保条約の義務というのを、もう一度あらためてここで検討してみたいと思いますが、政府がMSA協定は安保条約の義務以上に出ないという場合、どういう義務ということであるか内容についてもう一度お伺いいたしたい。

岡崎勝男自由党外務大臣

○岡崎国務大臣 安保条約における義務と申しますと、第一には、アメリカの軍隊が日本に駐留する、この駐留を認めるということが、一つの義務になつております。それから第二には、第三国に対しまして任意に軍事基地等を提供しないということ、これも消極的のことでありますが、義務になつております。この安保条約におきましては、軍事基地と書いてございます。

福田篤泰自由党

○福田(篤)委員 本協定の援助の継続性についてでありますが、御承知の通り、五四年から五五年の間の予算においては、はつきりとアメリカも支出を認めております。今後の援助の継続につきまして、どういう見通しを持つておられるか、これについて政府の御見解を承りたい。

岡崎勝男自由党外務大臣

○岡崎国務大臣 これはわが国の防衛力の漸増ということにも関連いたしまして、アメリカ側でも毎年々々新たに予算を求めて国会の承認を受けるわけであります。従つて、そのりくつから言えば、来年のことはわからない、こうも言えないことはないと思いますが、実際上は、日本の必要性から見ましても、私は三年くらいは当然継続されるものと考えておりますが、その後も必要な場合には、やはり援助を要請すれば継続し得るものと考えております。

福田篤泰自由党

○福田(篤)委員 貿易制限規定に関してでありますが、これは大臣は現在英国が政治的イデオロギーと商売とは別であるという観点から、ココムの緩和につきましてアメリカと折衝中であるということを御承知であるか、お伺いしたい。

岡崎勝男自由党外務大臣

○岡崎国務大臣 この貿易制限緩和につきましては、イギリス側でアメリカ側と協議をいたすように準備しているということは聞いております。これはしかしソ連に対する貿易でありまして、中共に対しましては、まだ形式的には国連の決議が生きているのでありまして、これにつきましては、イギリスの当局もアメリカの当局も、さしあたりは特に問題にならないと言つております。言つておりますが、ココムにおきましての協議はやはり各国足並をそろえるという趣旨でありまして、非常に大幅のものは別としまして、中共に対しても適宜、適時不必要なものは緩和して行く、こういう方針にはかわりないと思つております。

福田篤泰自由党

○福田(篤)委員 現在ココム緩和に関する英国の動きを見ましても、将来日本が当然ソ連なり中共との貿易をますます増大すべき努力をしなければならぬと思うのでありますが、この貿易制限規定によりまして、むしろ中共との貿易が従来よりも圧迫あるいは縮小されるという時代逆行的な結論を生むのじやないか、この点についてわれわれは懸念を持つておりますが、これについての政府の方針を伺いたいと思います。

岡崎勝男自由党外務大臣

○岡崎国務大臣 その点につきましては、この協定文の日本文の方は単数、複数が出て来ませんからはつきりいたしませんが、英文の方をごらんになりますと、ガヴアメンツ・オブ・ザ・ユーナイテツド・ステーツ・オブ・アメリカ・アンド・アザア・ピースラヴイング・カントリイズ、こうなつておりまして、アメリカとほかの国と三縄にしまして、この平和愛好国の多数の政府と協議をするということにいたしております。従いましてわれわれの方からいえば、日本だけが何か特殊の制限を受けるのでなくて、必ずこれは西欧諸国並、こういうことをむしろ明らかにした趣旨である、こう考えております。

福田篤泰自由党

○福田(篤)委員 先ほどこのMSA協定によつて日本が新たに立法しなければならぬものが二つあると言われましたが、そのうちの一つの機密保持に関しての立法の措置であります。世間にもいろいろ問題が提起されておりまして、かつての軍機保護法的な、相当きびしい、ないしは行き過ぎの法律措置が考えられるのではないかといううわさがあるのでありますが、これについて政府はいかなる内容のものを立法されるか、その内容につきまして、詳しくお伺いしたいと思います。

岡崎勝男自由党外務大臣

○岡崎国務大臣 これはこの協定にもかなりはつきりしておりまして、いわゆる戦争中にあつたような法規とは、まるで性質が違うということが言えるものと思つているのであります。それは三条をごらんくださいますと、「この協定に従つて他方の政府が供与する秘密の物件、役務又は情報、これだけに対して秘密の漏洩を防ぐということになつておるのでありまして、これはつまりアメリカが日本に対して供与する軍事上の秘密の物件があるとかあるいは役務があるとかあるいは情報がある。これは向うからよこしたものの機密を守るということでありまして、その機密を守る方法としましては、付属書のBにおいてアメリカで定めている秘密保護の等級と同様のものをやろう、つまりこれは例ですが、たとえばアメリカである武器につきましては、課長紋以上の者にしか示さないということであれば、こちらも課長級以上の者にしか示さない、こういう措置をとります。一般に何でもかんでも軍事機密だといつて押えるような方法でなくして、ある何か新しい兵器が来た、この兵器のある装備がまだ機密であるという場合とか、あるいは何らかの情報が来て、この情報は機密を守つてもらわなければ困るのだという場合に、それに対して機密保護の措置をとろうということでありまして、お話の御心配のような点は全然ないだろうと私は考えております。

福田篤泰自由党

○福田(篤)委員 これは保安庁も関係しますので、保安庁の政務次官にも御答弁願います。この協定に基いて、一体いかなる武器の援助が行われるか、具体的にまず御説明を願いたい。

前田正男自由党保安政務次官

○前田政府委員 これにつきましては現在まだ交渉中でありまして、はつきりとはきまつておりません。しかしわれわれが供与に対して交渉しております内容について申し上げますならば、陸上関係につきましては新たに増設されますところの一管区分の武器その他の装備品の供与、貸与を交渉しておる次第であります。なお海上関係につきましては、駆逐艦等を含めまして十七隻というものを交渉いたしております。その内容を申し上げますならば、二千四百トン型の駆逐艦二隻と千六百トン型の駆逐艦三隻、それから千四百トン型の駆逐艦二隻、千六百トン型の潜水艦二隻、掃海艇五隻、LSTという輸送船でありますが二隻、それから七千トン級の駆逐艦の母艦、補給工作船として使いますもの一隻、計十七隻のものを期待いたしております。なお航空関係につきましては練習機を主にいたしまして約百四十三機ばかりのものを交渉しております。しかしながらこれは今申し上げました通り、現在まだ交渉中でありまして、明細につきましては不確定、であります。

福田篤泰自由党

○福田(篤)委員 大体の内容はわかりましたが、その決定する時期はいつごろに見通しをつけられておるか、また決定された場合に武器援助の問題について、また別個に日米間にとりきめたり協定ができるものであるかどうか、これについて御答弁を願います。

前田正男自由党保安政務次官

○前田政府委員 その時期についてはまだ交渉中でありまして、はつきり見通しは立たないのでありますが、なるべく早く妥結したいと思います。なお武器の援助がきまりました場合には、とりきめを結ぶことになつておりますが、そのうち船舶関係で千五百トン以上のものに対しましては、これは別個の船舶貸与協定のようなものを結びまして、国会の承認を求めなければならないことになつておるものと考えておる次第であります。

上塚司自由党

○上塚委員長 岡崎外務大臣はよんどころない用事のために、十一時四十五分に退出されることになつておりますから福田委員の外務大臣に対する御質疑はこれを留保いたしまして、次会にまたお願いすることにいたしたいと思います。

並木芳雄改進党

○並木委員 明日からわれわれ野党の一般質問に入るのですが、一般質問のときだけはぜひ外務大臣に出席していただきたい。もし出席がない場合には審議が延期になつても政府の方の責任であるということを御銘記願いたい。なお明日私やることになると思いますが、木村保安庁長官、佐藤法制局長行、この両人には必ず出席されるように、特に要望しておきたいと思います。

福田篤泰自由党

○福田(篤)委員 本日は外務大臣のやむを得ない事情でわずか三十分でありましたので、残りの三十分を最初に質問できるように願います。

上塚司自由党

○上塚委員長 さようとりはからいます。  先ほど穗積君より提出せられました動議について採決いたします。(「委員長、委員長」と呼ぶ者あり)穗積君の動議は、MSA協定は違憲なるをもつてこれを撤回して政府に送り返すため、理事会を開いて協議しようということであります。     〔「議事進行、議事進行」と呼び、その他発言する者多し〕

上塚司自由党

○上塚委員長 並木芳雄君。

並木芳雄改進党

○並木委員 先ほどの穗積委員、戸叶委員よりの動議の提案に対しましては、私どもとしてはわからないわけではありません。しかし冒頭私が申し上げました通り、憲法違反かどうかということは、これからの審議によつてだんだん明らかになる問題であるのです。正式の手続をふんでこれが上程され、社会党の左派では伊藤好道さん、右派では元の委員長の片山さんまで出て本会議で質問されているのです。質問されて、それが外務委員会にかかつてきようからわれわれが審議に入つた。そのときに急にこういう発言をされて――一つの意見として言われるならば、私どもとしても承つておいてかまいません。しかしそれを押し通して無理に理事会に諮るという動議にまで持つて行くということは、これはあまりな横車であろうと思います。これを採決して、やれ賛成だ、否決だということまで持つて行かれるのは、われわれ国会議員として不見識きわまるものと思いますので、同僚議員のよしみとして私は両氏に対して、その動議はこの際撤回されるように切に勧告をしたいと思うのであります。委員長から両氏にその点をお諮り願いたいと思います。

上塚司自由党

○上塚委員長 ただいま並木君から穂積君の動議を撤回されるように勧告がありましたが、穗積君、その御意思がございますか。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 私は事重大でございますが、しかしながら委員会を円満に取運びますために、ひとまず理事会をお開きいただきまして、そこでこの問題の取扱い方について協議をしていただきたいことを主張したのでございます。それすら認めないということになりますならば、われわれはこの委員長のおとりはからいに対しまして、委員長の良識と責任を疑うものでございますので、あくまで理事会を招集していただきまして、ぜひこの問題について適当な御協議をお願いする次第でございます。

福田篤泰自由党

○福田(篤)委員 ただいま穗積委員からの再発言がありましたが、これは動議自体がすでにきわめて不当なものでありまして、先ほど並木委員が言われたように、この委員会自体の権威に関しますので、今後の取扱い上むしろ動議自体を取上げるかどうかをおきめ願いたいと思います。

上塚司自由党

○上塚委員長 ただいま穗積君より提出されました動議を動議として取上げるべきものであるかどうかということをお諮りいたします。動議として取上げることに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

上塚司自由党

○上塚委員長 起立少数。よつて否決せられました。  それでは本日はこれにて散会いたします。     午後十一時五十五分散会

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