外務委員会 第12号
- 発言数
- 141 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1954/03/03
会議録
○上塚委員長 これより会議を開きます。 まず外務省設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。政府側より提案理由の説明を求めます。小瀧外務政務次官。
○小滝政府委員 外務省設置法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容を説明いたします。 本案は、外務省設置法の一部改正、在外公館の名称及び位置を定める法律の一部改正、特別職の職員の給与に関する法律の一部改正及び在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部改正の四点にわかれております。 第一に、本案第一条の外務省設置法の一部改正について説明いたします。第一条の要旨は、国際連合日本政府代表部の設置及び名誉領事館に関する規定の改正の二点であります。 まず国際連合日本政府代表部設置について説明いたします。国際連合に対する協力は、政府の基本方針でございます。政府は、昭和二十七年六月、国際連合に対し正式に加盟申請をいたしましたが、今日に至るまで遺憾ながら加盟は実現しておりません。しかしながら、わが国は同年十月オブザーヴアーの地位を認められて以来、国連の各種会議に出席するとともに、国連の経済、社会分野における諸事業、すなわち国連児童基金、拡大技術援助計面等に積極的に参加しており、また、国連の専門機関には全部正式参加を認められるに至りまして、国連におけるわが国の地位は、実際上逐次確立されつつあります。政府といたしましては、昭和二十七年十月以来、在米大使館から所要の人員をニユーヨークに駐在せしめ、対国連関係事務を処理せしめて来たのでありますが、わが国の対国連関係事務がまずく増大し、かつ、わが外交上その重要性も加わつて参りまするので、在外公館の一として国際連合日本政府代表部をニユーヨークに設置することといたした次第であります。 本条におきましては、現行外務省設置法第二十二条第二項中に国際連合日本政府代表部を加え、同じく第二十四条に第四項を設け、国際連合日本政府代表部をアメリカ合衆国ニユーヨークに置く旨及び第二十五条第二項中に国際連合日本政府代表部の長は特命全権大使とする旨規定いたしました。 次に、名誉領事館に関する規定の改正について説明いたします。名誉領事制度とは、大、公使館または領事館が設置されていない土地の親日家、有力者、徳望家等の適任者に対して、領事事務の一部を委嘱し、主として通商航海に関するわが国の利益の維持増進等のための職務を行わせるものであります。 政府は、平和条約発効後、大、公使館及び領事館の設置に主眼を置いて参りましたので、いまだこの制度を活用するに至つておりません。しかるに、名誉領事任命の必要も漸次具体化して来る一方、戦前わが国の名誉領事であつた者で再任方を希望して来る者もあり、また、わが在外公館長からも候補者の推薦がありますので、政府といたしましては、昭和二十九年度から、必要な箇所に適当な人を名誉領事として任命したい所存であります。 現行外務省設置法は、名誉領事館を大、公使館及び領事館と同様在外公館の一として規定し、法律をもつて名誉領事館を設置して後、名誉領事を任命する建前をとつております。 しかるに名誉領事は外国人であり、身分上、国家公務員でも外務公務員でもありませんので、本任の領事に比しその職務は当然制限されており、従つて名誉領事の勤務する名誉領事館を領事館と同様在外公館として規定することは必ずしも必要でなく、かつ名誉領事制度の運用上はなはだ不便であります。そこで今般の改正の趣旨は、名誉領事制度の実体に即してその運用を簡便ならしめるため、名誉領事館を在外公館として法律をもつて設置せずに、名誉領事を任命し得るようにするものであります。 すなわち本条におきましては、現行外務省設置法第二十二条第二項から名誉総領事館及び名誉館事館を削除し、また同第二十五条第二項から名誉総領事及び名誉領事を削除し、新たに第六章として、第三十一条第一項に名誉総領事及び名誉領事任命の根拠を明らかにし、同第二項において職務その他について必要事項を外務大臣が定める旨規定したものであります。 第二に、本案第二条の在外公館の名称及び位置を定める法律の一部改正について説明いたします。第二条の要旨は、在外公館十二館の設置及びエジプト公使館の大使館への昇格に伴い、これら在外公館の名称及び位置を定めることであります。政府は平和条約発効後、わが国外交施策の実施に必要な箇所に在外公館を設置して参りました。本年一月末までに開設済みのものは大使館十八館、公使館二十一館、総領事館十六館、領事館十館、在外事務所一館、合計六十六館であります。このうち九館は兼轄公館であります。 政府といたしましては、特にわが国の経済外交推進の見地から、昭和二十九年度における新設公館につき慎重検討を加えました結果、在ホンデユラス、在エル・サルヴアドル、在コロンビア、在アフガニスタン、在イラク、在シリア、在レバノンの七公使館及び在シドニー、在ハンブルグの二総領事館並びに在トロント、在メダン、在レオポルドヴイルの三領事館、合計十二館を設置し、また在エジプト公使館の大使館への昇格方針を決定いたしました。 なお、右新設予定の十二館のうち、在ホンデユラス及び在エル・サルヴアドル各公使館は在メキシコ大使館に、また在アフガニスタン公使館は在イラン公使館に、それぞれ兼轄させるものでありまして、この三館につきましては、当面人員と予算を必要といたしません。 本条におきましては、在外公館の名称及び位置を定める法律、(昭和二十七年法律第八十五号)の表に、前に述べました十二館及びエジプト大使館を加え、同表中からエジプト公使館を削除いたしました。なお、本条において、同法本則中在外公館から国際連合日本政府代表部を除く旨規定しておりますが、これは、本案第一条によりまして、国際連合日本政府代表部の名称及び位置が外務省設置法に規定せられるためであります。 第三に、本案第三条の特別職の職員の給与に関する法律の一部改正について説明いたします。 大使及び公使の俸給月額は、特別職の職員の給与に関する法律、(昭和二十四年法律第二百五十二号)の別表第二の通り、一号から三号までおのおの三段階におかれておりますが、政府といたしましては、官民双方から新進気鋭の士を抜擢し、大使または公使に任命しやすくするため、大使及び公使の現行一号俸の下に、それぞれ新たに低い号俸を設けようとするものであります。 本条におきましては、特別職の職員の給与に関する法律(昭和二十四年法律第二百五十二号)、別表第二を改め、新たに大使一号体を七万二千円とし、従来の一号俸七万八千円を二号俸とし、以下順次号俸数を繰上げ、また新たに公使一号俸を六万六千円とし、従来の一号俸七万二千円を二号俸とし、同様号俸数を繰上げた次第であります。 第四に、本案第四条の在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部改正について説明いたします。 本案第一条の、国際連合日本政府代表部の設置、第二条の、在外公館十二館の設置、及びエジプト公使館の大使館への昇格に伴いまして、これらの在外公館に勤務する外務公務員に支給すべき在勤俸の額を定める必要がありますので、本条におきまして、在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律(昭和二十七年法律第九十三号)の別表に、前に述べました各在外公館に勤務する者の在勤俸の額をつけ加え、エジプト公使館に関する部分を削除いたしました。なお、これらの在勤俸の額は、既設の在外公館分について算定いたしましたのとまつたく同じ方法に基き算定いたしたものであります。 以上をもちまして、本案本文についての説明を終ります。 なお、本案附則におきまして、本案の施行期日を四月一日といたしておりますが、在コロンビア、在アフガニスタン及び在イラク各公使館に関する部分につきましては、国交回復後、政令で定める日から施行するよう措置いたしました。 以上をもちまして外務省設置法等の一部を改正する法律案の提案理由並びにその内容の説明を終ります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御採択あらんことをお願いいたします。
○上塚委員長 これにて提案理由の説明は終了いたしました。本件に関する御質疑はございませんか。
○福田(篤)委員 御説明を承りましたが、ごく簡単にこれにつきまして御答弁願いたいと思います。一つは、名誉総領事に関する問題であります。これが戦前は側面的に日本外交に非常に貢献した事実がありますが、大体どの程度の人数をお考えになり、また任地をどこに予定されておりますか、この点をお伺いいたします。
○小滝政府委員 大体十館程度、十館と申しますか、名誉領事十人程度任命する予定でございます。今考えておりますのはスウエーデンのゲーテンブルグ、オランダのロツテルダム、ペルーのトルーヒヨ、この三箇所に名誉総領事を置き、西独のミユンヘン、スペインのバルセロナ、アフリカのタンジエール、南阿のダーバン、インドのバンガロール、コスタリカのサンホセ、ハイチのポートオープリンス、この七箇所に名誉領事をそれぞれ任命いたしたく考えております。なお戦前は、大体四十人から五十人程度名誉領事が設けられてあつた次第であります。
○福田(篤)委員 それから俸給に関してお伺いします。今度四等大使、四等公使ができるという構想のようでありまして、新進気鋭の民間人並びに外務省員を抜擢ということがここに書いておりますが、この理由だけでなく、何か日本のこれからの経済外交であるとか、あるいはその他の外交政策の上から、こういう公館を昇格する理由があるかどうか。これについて出先の方、相手国の希望があるのか、あるいは日本の外交政策の上に原因があるのか伺いたいと思います。
○小滝政府委員 四等大使というのは呼称が悪いので……(笑声)そうおつしやいましたけれども、私どもの考え方といたしましては、俸給に四つの段階を設けるというわけであります。新進の人であつて、またこれまでの経歴を考えましても、急に飛躍して上げる必要のないような人については、必ずしも俸給をそれほど出さなくてもいいのじやないか。大使なり公使なりの本俸に差がございましても、在勤俸はその土地土地によつて一定しておりますので、対外活動について差がつくわけではございません。ただ実際的な問題を申しますと、現在在外で公使をしております者が、外務省は何分人数も少いので、帰つて来て局長をしなければならないという場合がありますが、その際に、公使であるために相当高い俸給を受けておって、帰つて来て急に引下げられるというようなことになりますと、自然人事の交流が妨げられるというような場合もあるわけであります。ことに最近におきましては、かつては公使であった国、また人口が二百万か三百万の国でも、相手国との関係上大使の呼称を持つた人物を出さなければならないという場合において、こうした四階級にわかれているということは都令がいい場合がある、また大使から公使にも交流し得るという道を開き得る便宜があるわけであります。また外国の例はどうでもかまわないようではありますが、外国の例を見ましても、英国のごときも一級俸から四級俸まで大使に区別がありますし、また米国の例をとりましても四段階の給与を規定しております。断つて申しましたように、外国の例はどうでもかまわないけれども、例を言えばこうだというふうに私は補足的に御説明を申上げた次第であります。
○福田(篤)委員 設置法に関運しまして、私が意外に感ずることが一つある。それは御承知の通り、日本の海外移民というものは今日本の根本政策の一つとして大きく輿論の支持を受けているのでありますが、当然これは外務省で移民局なり移住局なり――局ではむしろ小さいくらいな問題であろうと思う。非常に重大な問題であり、また日本の今後の根本問題の一つであるにかかわらず、外務省側がどうしてこの設置法改正にあたつて積極的な努力をして移民局設置を考えないのか、この点についてお伺いをいたします。
○小滝政府委員 お説まことにごもつともでございまして、過般の国会にもこれを提出いたしまして、幸いにして当委員会及び衆議院の方ではこれを可決せられたのでありますが、参議院の方で審議未了に終つたというような経緯がございます。しかし同時に私どもとして考えなければならないのは、今行政の簡素化を行いまして、できるだけ簡素な組織で行こう、そして人数をふやさないようにしようという要請がございますので、そうした面ともあわせて考えまして、できるだけ近いうちにこの海外移住局を提案いたしたいと考えております。しかし、今中しましたような必要性は十分認めるし、できるだけ機構も十分なものにしたいという考え方と、もう一つは行政整理、行政簡素化の点を考えあわせまして、なるべく能率的な、また移民政策を取扱うのに最も適当な組織をつくりたいと目下検討中でありますので、そのうち皆様の御審議をお願いするようになるだろうというように考えております。
○福田(篤)委員 近くそういうものが具体化するように考えられるということを承つて一応安心したのでございますが、今の御説明の中に私どもが考えねばならない御答弁がある。それはこの前も岡崎外務大臣に委員会としておれくも警告を発したのでありますが、行政整理であるとか行政簡素化というものは、頭から一割引だとか二割天引きだとかいうような考え方は間違つておりまして、省によつては戦前よりも二倍、三倍にふくれ上つてもかまおない。この狭い国土で今度日本がどう生きて行くか、どう発展するかにつきまして、外務省は重大な使命を持つておるのでありますから、形式的に単なる月並な天引論に災いされて、外務大臣以下幹部がそういうような消極的な考えでは、今後日本の外交は思いやられるのであります。必要ならば必要でどんどん積極的に予算を要求し、また政策を天下に訴えることが必要でありますが、その一例として、海外移住局につきましてももつと熱意を持つて、強力な移民局を一日も早く設置せられることを要望しておきます。 これに関連いたしまして、今各府県にたしか地方長官が長になりまして、日本海外協会というものを外務省でこしらえておるのであります。これは連合会があつて、たしか村田さんが会長をしておると承つておりますが、これに関連して私どもの伺つておる範囲について疑問を持つことは、この移民の募集なり訓練、またはその後の現地における農業技術指導という大きな問題がすぐ出て参りますが、これについて外務省と農林省との間に、いろいろな意見の食い違いがあるということを聞いておりますので、これについて外務省なり農林省当局の御所見を承りたい。
○小滝政府委員 御指摘のように、日本海外協会を設けまして、東京にはその連合会を設けまして、これが主体となりまして、募集また移民の送り出しに関する諸般のとりはからいをずることになつておりますが、過去におきましては農林省の訓練所のようなものがございまして、水戸の方面かでそうした訓練を行われたこともあるようでありますが、何分現地の事情は国内の事情とも違いますので、この海外協会が一元的にこうしたものを取扱うということにいたしまして、その監督にあたりましては、関係省とはよく連絡はいたしますけれども、外務省が中心になつてその事務を取扱うというふうな話合いで進んでおるわけであります。御承知のように神戸には移民のあつせん所を設けまして、出発前には必要最小限度の訓練はそこでも行い、またいろいろな便宜の供与もいたしておりますが、農林省との間に感情の行き違いと申しますか、なわ張り争いというものはないものと私は確信いたしております。
○平川政府委員 移民の養成を外務省において一元的に総括して行くということについては、農林省としては何も異議を持つておりません。ただ、ただいまちよつとお話の出ましたような、国内における募集あるいは訓練というようなことにつきましては、これはやはり具体的な農村と非常に結びつきのある問題でありますから、私どもの考えからいたしますと、実は農林省といたしましてもこの移民の問題について非常な関心を持つておるわけであります。農村の次三男の問題が非常に大きな問題でありまして、農政問題の解決の一環としても非常に大きな関係を持つております。従いましてこの外務省の行われる移民の実績が上ることをわれわれとしても非常に願つておるわけであります。そのためには農村の方から大量に外に出て行くことの一つの種となるような質のいい、りつぱな者を送り出さなければならない。そのためにはまたこれに対するあとのめんどうを見るというようなこともしなければならぬ。それにはやはり農村の団体でありますとか、あるいは村とか部落とかいうものが協力一致しませんと、どうかするとあぶれ者が出て行くという心配もある。そういうような意味におきまして、われわれとしてもここ一、二年来外務省からの御依頼によつて人選等にタッチして参つておるわけであります。外務省が総括的にこの仕事を担当されることについては何も意見の相違はございませんけれども、ただ具体的にそういう国内の移民の事務を取扱うについて、農林省がどの程度にタツチするかということについて、今外務省といろいろお話合いをいたしておる次第でございまして、これについてのいろいろな意見の相違は多少あるわけでございます。
○福田(篤)委員 移民政策の総合的一元化という立場から、農林省側としては外務省がこれを一元的にやる――けだしこれは御正論と思いますが、具体的なこまかい技術の面においては、まだ大分話合いが食い違つておるようであります。どうか両当事者間で具体的に、円満にお話合い願つて、外務省としても農林省が持つ、たとえば農村の全国組織のようなものを十分活用せられた方がやりいいのじやないかと思いますが、これらの協力の範囲並びに見通しについて、外務省からもう一度御答弁を願いたい。 同時に、出せばいいというだけの問題でなくして、出た場合の農業指導あるいは技術面における相談といつたことにつきまして、どの程度お考えになつておるか。この一月か二月の間に実現化されることがあるという仮定のもとに、今のうちから研究されることが必要だと思いますので、重ねてお伺いいたします。
○石黒説明員 お答えいたします。先ほどこまかい点について外務省と農林省の間に話合いがついたというお答えをいたしましたが、その通りでございます。大体外務省は総括官庁といたしまして、農林省の協力を得て、ことに移民の選考等についてはいい移民を送り出したい、これはどこにも異論のないところであります。また選考の実務は、われわれはかねがね民間人をもつて組織する機構が適当であると考えておりますが、従来それを担当する機関がございませんでしたので、多分に農林省の方の御援助といいますか、農林省にお願いしてやつていたわけでございます。今回、先ほどお話のありました海外協会連合会というものができまして、村田会長以下りつぱな方々が役員になつておられます。これからはこの連合会に移民の選定、渡航費の貸付等一切をお願いしてやることになつております。この点につきましても、農林省とわれわれの間には何ら意見の相違はないのであります。従いまして、そんな大きな問題じやございませんが、連合会に対する政府の勧告等の点につきまして現在話合いをしているわけでございます。何を申しましても現在出ておる移民は、ほとんど全部が農業関係の移民でありますので、平川局長から話がありましたように、農村の方の協力を得ながら移民を選定して参りたい、かように考えております。 現地の農業指導の問題につきましては、ブラジルを例にとつて申し上げたいと思います。実は戦争以前におきましては外務省の系統で、現地におきます日本移民の農業技術面、農業経営の面を指導啓発いたしておりました。現地の総領事館の中に、外務省の人たちがおりまして、その方の専門家がたいていてやつおりました。ところが戦後におきましてはブラジルの国の政府の方針が相当かわつて参りまして、戦争前のごとく各国移民の自治にまかすといいまずか、農業指導においても教育問題にしましても、自由放任主義をとつておりましたのが、現在では相当いろいろな機関も備え、技術者も備えまして、農業面におきましては戦争前に日本側の手でやつておりましたような技術指導、あるいは産業組合の奨励――どういうものをつくるということの啓蒙等につきましては、それぞれブラジル側の農務竹農務局の中に産業組合奨励課というものがありまして、あるいは各研究所も大分完備して参り、現在におきましては、ブラジル側の指導をもつて十分である、われわれはかように存じます。ただ言葉の関係がありまして、その言葉の点は日本人の方で世話しなければならぬのではないかと考えております。
○福田(篤)委員 今の石黒参事官の御説明を承りますと、前の外務省の御答弁と少し食い違いがあります。と申しますのは、私心配しておりますのは、今石黒参事官の御説明によりますと、海外協会の連合会で全部一手に募集、指導その他をおやりになるというお話でありますが、前の政務次官の御答弁では総括的な、いわゆる一元的な行政は外務省がもちろん責任を負うが、しかしそういう具体的な問題については、専門の各組織その他を持つておる農林省とも相談してやつて行きたいというわけでありますが、この点の食い違いはどう解釈してよいか伺いたい。
○小滝政府委員 私の申しましたことと農林省側及び石黒参事官が申した点には、何ら矛盾がないと考えております。と申しますのは、先ほどの御説明にもありましたように、現地で募集するとかいう点であるいは農協の協力を借りなければならぬとか、いろいろな農業関係の団体との連絡も、協会側が募集するときにも必要でありますので、そうした面についてはそういう問題を管轄しておる官庁の十分な御協力を得てやりたいということを申したつもりであります。
○大橋(忠)委員 私この二年ばかり前にアメリカに行きましたが、いろいろ聞いてみますと、大体日本は非常にぜいたくである、こういうぜいたくな国に援助をやる必要はないというのがアメリカ人一般の空気であります。むろんそのぜいたくという意味は、日本におけるいろいろなやり方がぜいたくであるということもありますが、在外公館の問題についても、アメリカにおけるシカゴあるいはロスアンゼルス、ポートランド、シアトル、ニユーオルリンズというような領事館が戦前通りに復帰いたしまして、戦前通りにあるいはそれ以上にりつぱな事務所を置いておる。ところが実際何をやつておるかという点を調べてみると、大体ツーリストの案内ということが非常に多い。あまり実質的な仕事がない。そういうようなことが、戦前ならまだしも、国力の衰えたる今日の日本として、はたして必要であるかどうかということを疑うのであります。そこで私は、かくのごとくどんどん在外公館ができて、戦前にほとんど匹敵するようになることは、はなはだけつこうではありますが、しかし、この在外公館は、みな血の一滴にも比すべきところの大事な外貨を使うところの在外公館であります。今まで朝鮮ブームで外貨が潤沢なときはよかつたのでありますが、これからますます外貨というものがきゆうくつになる。そういう場合に、はたしてかくのごとく在外公館を濫設して、そうしてそれを今まで通りに維持することができるかどうか。一ぺんつくつて、またそれをスクラツプするということは、まことにまずいのであります。そこで私は、外務当局として在外公館を決定される場合に、むやみに在外公館をつくつて外務省員のポジシヨンがふえるというような職業意識からじやなくて、よほどまじめにその必要性を検討してからやられないといかぬと思うのであります。そういう面からいたしまして、今度提出されたところの在外公館に関するこの法案というものは、よほどその必要性を認められて検討ざれた結果でありますかどうであるかということをもう少し説明していただきたいと思います。
○小滝政府委員 先輩の大橋さんに私から御説明申し上げるまでもなく、たとえば領事館の例をとりますと、在留民の保護の面と、通商貿易振興の面とありますが、不幸にしてと申しますか、大橋さんがおいでになりましたのはアメリカの西海岸の方であつたのじやなかろうかと思いますごとに当時は日本人が出ていないいろいろな関係で、ツーリストのお世話をせざるを得なかつた。またお世話をしないと、国内へ帰られた人もいろいろ非難せられるので、そういうところに追い詰められていたというような実情のあつたことも、ひとつ先輩の大橋さんに御理解を賜わりたいと存じます。外貨がますますきゆうくつになる傾向にあることは、私どもも十分承知しております。さればこそ、外務省といたしましては、経済外交のためには、どうしても乏しき外貨も使って、積極的な努力をして行かなければならないこのままで行つたならば、日本の経済というものは萎縮して行く一方でありますから、その努力の現われとして、最小限度必要なところへは、どうしても在外公館を出して、そうして日本の商権の拡張、日本品の発展を期さなければならないという心組みから、今度の新設公館も考えたわけでございます。それでは一体個々の問題についてほんとうによく検討した上かどうかというのがお尋ねの趣旨であろうと思いますが、例をとりますならば、現に日本にはデンマークもノールウエーも、ドミニカとかイスラエルなども公使をよこしております。それにもかかわらず、日本は、先方が非常に要求するにもかかわらず、これらの国へ公使館あるいは総領事館を出しておらないのは、できるだけ重点的に、日本の今後の対外経済発展に必要欠くべからざるところへ、新設公館を設けようという趣旨によりまして、これらのすでに日本へ使臣をよこしている国にさえも、この際は出すことを差控えたような次第でございます。例を申しますならば、たとえばイスラエルのごときは、近所のアラブの国にこれだけの公館ができるのに自分の国へできないということになれば、日本へ来ている公使の立場としては、まつたく窮地に陥るものであるというように申しておるほどでありますが、いろいろ予算の都合、ことに先ほどから仰せになりました外貨の事情もございますので、最小限重点的に、特に経済外交を推進して行く上に必要な国へまずこういう公館をつくつて、最小限度の人員でできるだけ能率的に働かせようという趣旨で、今度の提案をいたした次第でございます。
○大橋(忠)委員 経済外交のために在外公館を充実されるということは、はなはだけつこうなことでありますが、乏しい外貨で在外公館の網を全面的に張りまわすということは、非常にむずかしいのであります。私は、今度の在外公館を置かれる場所は非常にけつこうだと思うのでありますが、北米の今の公使館とか総領事館とか領事館の規模をもつと縮小するとか、あるいは大使館にしても、メキシコとかあるいはベルギー、オランダとか、こういうようなあまり日本に実質的関係のないところの大使館は、もつと実質的に縮小して、そうして、こういうような経済に非常に関係の深いようなところに、重点的に在外公館を充実する必要があるということと、もう一つは、通商経済に必要なる公館は、要するに通商のことを主としてやるのですから、通商のことをやる以上は、人事の任命及びその監督指導について、通産省と密接なる連絡をとられて、通産省が独立してまた商務官などを出す必要がないように、人事の取扱い方を研究される必要がある。そうせぬで、また通産省が、おれの方から商務官を出すというようなことになりますと非常にむだが多いのであります。移民の問題についてもやはり同様でありまして、そのやる人間の人事について、実際に移民をやり得るような人を、ただ単に外務省のみならず、他の省とも相談し、あるいは民間の実情ともにらみ合せて任命されたい、こう思うのでありますが、そういうような点についてどういうお考えであるかを伺いたいと思います。
○小滝政府委員 なるべく重点的にやつて、必要のそれほどないところは削減するようにという御説ごもつともでありまして、私どもの方でもそういう趣旨で今度の提案もいたしたのでございます。しかし、現実にこれらの総領事とか公使館の人数、陣容というようなものを考えてみますと、総領事館は平均六人、公使館でありますと三人、あるいは領事館で二人というようなぐあいになつております。メキシコのごときもなるほど大使は行つておりますけれども、人数は決してそう厖大なものではない、数名にすぎないというような状態でございますので、今後そういう経済外交あるいは移民外交に重点を置きまして、そういう配置についてもよく考えて行きたいと思います。 人事の点もまことにごもつともでありますが、すでにわれわれの方では通産省の協力を得まして、ロンドンでも、通商関係の参事官は通産省の出身の人であり、ワシントンも同様でありますし、各地に相当広汎に通産省との間に人事の交流が行われております。また、民間の者を使うという点におきましても、たとえばボンベイの総領事もシンガポールの総領事も民間出身であるというように、そういう点は留意してやっておるのでございます。財務官につきましても同様でありまして、かつては別個の事務所を持つておりましたが、現在は大使館で一緒に働いておるというわけで、外交の一元化をはかるという点に留意いたしておるのであります。なお本年におきましても各省からの御要求もございまして、これは通産省とか大蔵省のみならず、労働省の方からも見えておりますし、農林省からも相当見えております。本年度におきましては、農林省もたしか三人ばかり増員になるはずであります。本年度全体で申しますと、関係各省の方から新しく在外公館に配置される人は大体十一名、これらが一体をなして働かれるようになりますので、仰せのような点は、今後外務省としてよく考え、また各省の協力を得まして、御趣旨に沿うようにいたしたいと思います。
○大橋(忠)委員 ニユーヨークにある商品陳列所みたいなものは通産省から出しておるのですか。ああいうようなものでも、これからは余裕がないから、内容については協議するけれども、やはり外務省なら外務省一本に統一するというようにやりませんと、非常に経費がかさむと思う。その点をお伺いしたいと思います。 それから移民の問題について、農林省と外務省と意見が合わぬ、もうこんなことは解決したかと思つておつたところが、まだ争つておる。そういう争いがあつたならば、なぜ両省の意見を吉田総理に提出して、総理の決裁で一ぺんにぴしやつときめてしまわぬのですか。いつまで争つているのか私にはわけがわからない。この点を伺いたい。
○小滝政府委員 決して争っているわけではございませんで、ニューヨークの方へも海外市場調査会がああいうものを出しますが、しかしそれに対しまして、監督の任に当るものはニユーヨークの総領事ということになつております。また重工業機械室とかいうのも通産省の予算で出しますけれども、いずれもそれぞれの国にある大公使館の監督のもとに置かれるというように配慮をいたしております。あるいはまだ十分でない点があるかもしれませんが、とにかく海外において一元的にこれを統轄して行くということを、外務省の方でやるという方針は貫いたしておりますので、個々の問題については、もちろんもつと是正しなければならない点もあるだろうと存じますけれども、方針としてはあくまでこれを堅持し、そうして相互の協力関係をよくして行きたいというように心がけるつもりでございます。 移民の問題は、先ほども申しましたように、級本について農林省と非常な争いがあるわけではなくて、末端の事務をどういうように取扱うかということについて、せつかく協議をしておるわけでありまして、移民事務を一元的に外務省で統轄するということはすでに確定しておりますので、特に総理を煩わすほどのことはないだろうと考えております。
○大橋(忠)委員 これは今上塚委員長から頼まれたのでありまして、私もこれは賛成でありますが、実はアマゾン川のマナウスには、私が移民課長をしておるときにマツトスという名誉領事を置きまして、この名誉領事のおかげでアマゾン移民、ことに上塚君の関係しておられる上流のアマゾン移民というものが実は始まつたのでありまして、偉大なる成果を上げておるのであります。ところが、今後のアマゾン移民というものはブラジル移民の一つの中心をなすものでありますから、ベレムに領事館を置くのみならず、少くともマナウスにぜひ名誉領事を置いてもらいたい。というのは、アマゾナス州とパラ州とは、同じアマゾン川の流域でも互いに競争的に争つておる、しかるにベレムばかりに領事館を置いて、マナウスに何も置かないということになると、非常に感情上まずいのでありまして、上塚君などの関係しておられる移民事業にすぐその影響が行くのでありまして、これは上塚君という個人の問題ではなく、国家的にも非常にまずいのでありまして、ぜひこのアマゾンにも名誉領事を置かれるように希望いたします。
○小滝政府委員 外務省では今後とも、この名誉領事はできるだけふやすようにする、先ほど申し上げましたのも、固定的なものとしようとするのじやなしに、いろいろ推薦もございましょうし、現地の事情もありましようから、確実な方面からの推薦でもあれば、できるだけ大いにこれを考慮したいという方針でございます。本年度は三百万円余を名誉領事関係で計上いたしております。と申しますのは、給料は払いませんけれども、いろいろ便宜を受け、あるいはあっせんをしてもらい、費用のかかることもございますので、費用の穴埋め、実費をお払いするというような意味で、謝金みたいなものを出しております。それを三百万円ばかり計上しておりますが、しかもまた名誉領事によりましては、そういう謝礼はいらないという向きもありますので、そうなれば、本年度においても、先ほど申しました十人程度でなしに、もつとふやすこともできるだろうと存じます。御指摘のマナウスにつきましては、さつそくよく検討させたいと考えます
○北委員 私も今大橋君から質問されたように、経済的効果のないところへはあまりやらぬ方がいいだろうと思います。さきにデンマークから公使をよこしたから、こつちもやらなければならないというような話でしたけれども、私が昭和十四年三度目にヨーロツパヘ行つたときには、デンマークに日本の公使館はなかつた。当時は今最高裁判所判事になつている栗山氏がノールウエーとデンマークを兼ねておつた。フインランドには公使館はありました。それから今ロシアの衛星国になつているラトヴイア、エストニア、リトワニア三国にはラトヴイアに一人おつた。そういうように、近い国は兼ねることができるのです。デンマークからは今来ていることは事実であります。私は先方の公使は個人的には知合いですが、デンマークから来ているから日本からもやらなければならぬということはなかろうと思う。さらに日本は新しい市場を開拓する、たとえば安い石油でも買えるようなイランとかサウデイアラビアなどへ力を注いで、戦前おつたところへそのままやるという行き方ではぐあいが悪いじやないかと思いますが、お答えを願いたいと思います。
○小滝政府委員 お説ごもつともでございまして、先ほど例に引きましたのは、たとえばデンマークやノールウエーから来ているけれども、出さないということを申したのであります。戦前と同じように、スウエーデンにいる大江公使が兼任しております。イランの方へもすでに代理公使を出しておりますが、これは近く本任の公使にいたしたいと思います。できるだけ重点的にやつて行きたいということは、まことに御同感でございまして、今後ともそういう方針で進みたいと考えております。
○北委員 さらにスペインとポルトガルのごときも一人でよかろうと思う。ポルトガルというような国は小さい国で、マカオなどで日本と多少交渉があるかもしれないけれども、今までのようにたくさん置くよりは、重点的になるべく固めておいて、機動力を発揮させる、今は飛行機はたくさんあるし、今までのように一つところに定駐しているという行き方は旧式だと思いますが、いかがですか。戦前の日本と違つて、実力は半分ぐらいのものでありますから、機動力を発揮させて、今までおつたところになるべく出すというやり方ではいかぬと思う。ベルギーなどは大使ですか、公使ですか、元は大使だつたようですが、あんな小さい国で、貿易も大してないのに大使というのは過ざる、公使でもたくさんだと思うくらいですが、どうでしようか。
○小滝政府委員 例にお出しになりましたスペインとポルトガルとは国柄も違いますし、両国関係は必ずしも円満でないというような関係もございまして、ことにまたポルトガルはポルトガルとして一つの国際的な性格を持つた国であるというような関係がありますので、兼任にするよりはむしろ正式の公使は出さぬけれども代理公使ぐらい出しておいた方が、ポルトガルとの関係はよかろうという考え方をもちましてポルトガルヘは代理公使を出しておるにすぎません。 またベルギーの例を御指摘になりましたが、外交関係においては相互的にやることになつておりますので、その点を考慮いたしましたことと、もう一つは、重要でないとおつしやいますが、あそこは相当な工業国であるのみならず、日本にとつてはコンゴーというのは相当重要な市場でも、ございます。また国際会議というものは最近ますますたくさん開かれるようになりまして、日本から一々代表を送るということになればたいへんでありますが、あそこは比較的任地の仕事はパリとかロンドンほど忙しくない、従いまして国際会議であるとか、いろいろ専門会議にあそこから派遣するということは、かえつて国費を節減するゆえんでもあろうというふうに考えられますため、最小限度の人員をベルギーに置きまして、またその間の資格としては、ベルギー国に対する礼譲的な立場もありますので、大使館といたして存置いたしておるような次第でございます。
○上塚委員長 ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○上塚委員長 速記を始めてください。
○野田委員 農村の若い人で今まで行つておる第一線の人たち、そういう人がアメリカに行つてアメリカの農家に住込みになつて農業技術を習得するという問題を取扱つておるのですが、あれは主として外務省でやつておられるのですか、あるいは農林省でやつておられるのですか。
○石黒説明員 農林省でございます。
○野田委員 外務省ではあまり関係ないのですか。
○石黒説明員 はい。
○野田委員 それから、これはちよつとそれに関連していることで、よそから聞いたことですが、農業移民の問題は、農林省で主管をしたいという希望を持っておるということを伝え聞いたのです。農業移民を農林得が主管をして、外務省からその事柄を自分の方にかえたい、そういう意図を持っているようですが、その点はどうですか。
○石黒説明員 先ほど申しました開拓移民の募集選考問題は、農林省でやりたいという希望はございます。外務省は農林省に委託してくれという話もございますが、その点につきましてはわれわれとしましては、連合会もできたことでありますし、政府の手でやらずとも連合会にやつてもらうつもりでおります。農林省としてもそれには異存ないのでありますが、募集選考を自分の方で指揮監督するといいますか、そうしたいというような希望はございますが、私どもは、これはたとえば現場に参りまして、これがいい人間か悪い人間かというようなことが問題になりますれば、われわれも責任を負いますから、先ほども言いましたように、協議の上一緒にやりましようということで、そのやり方について話合いをいたしておるようなわけであります。
○吉川(兼)委員 ちよつと関連してお伺いしておきたいと思います。ただいま説明員のお話で、アメリカの農村に日本の農村青年が多数入り込んでおりますことについて、その方の主管は農林省であるというようなお答えでありましたが、そのように私も了承いたしております。デンマークにも農村の青年が相当出かけて行つておるようでありますが、これもやはり農林省の所管であるかどうか。
○小滝政府委員 これは向うからの招請もありまして、こちらの方から九人ばかり出すという実情でございます。その選考は、外務省の方には国内に出先も持つておりませんし、農業関係のことでありますので、農林省の方が選考して出すというのがこれまでの経緯でございます。
○吉川(兼)委員 そこで実は今同僚委員諸君からもいろいろ御指摘があつたようでありますけれども、私は今日の外務省のいわゆる在外公館の設置であるとか、あるいはそれに対する人員の配置の考え方などが、戦争前の世界における一等国などといわれておりましたようなそういう時期と、あまりかわらないような考え方が、なおかつ今日においても残されているのではないかというように感ずるのです。たまたま私も昨年の夏ヨーロッパを一まわりして参つたのですが、たとえばデンマークのごときは、今日の日本経済の自立、あるいはもつと要約しますと、食糧増産、こういうような点から考えましても、非常にとつてもつて参考にするということ以上のものがあるのではないか。にもかかわりませず、ここには外務省の人は、御存じのように一人もおらない。スウエーデンの公使がデンマークだけではなく、ノールウエーまでも一緒に兼務して、そうしてデンマークのコペンハーゲンにはその公使館の嘱託という若い三十才未満くらいのデンマーク人がいて、その奥さんがアメリカ生れの日本人だというので、若干日本語を解する、こういうような程度で、あそこに行きますと、私どもその人にお目にかかつて参りましたが、はなはだ手薄のように感じます。今日日本の食糧増産その他の要請から考えまして、はなはだデンマークヘの連絡が稀薄であるというよりも、全然ないと言つた方がいいように私どもは痛感して参りました。帰りなり、行きなりにわれわれがパリとかロンドン等を歩いてみますと、そこの大使館等には相当数の外交官、戦前にありましたとあまりかわらないような人員が配置されておりまして、非常に盛んにやつておられた。仕事も相当おありのようで、決して遊んでおるとは申しませんが、しかしあれだけの人を一箇所に集めることよりも、特に戦後における日本の食糧増産などというような一種の至上命令のようなこういう情勢下において、デンマークを全然のけものにしておこうというような配置の仕方、きようのこれを拝見しましても、一向そういう考慮が払われておらないように思いますが、そういう外交のあり方が、はたして今日の日本の国際的な位置を十分に考慮に入れた配置であるかどうかということが、根本的な問題になつて来ておるようであります。そういうことすら考えざるを得ないのでありまして、デンマーク等についてもさらに進んで実際の外交をやる。特にイタリアなんかでやります農業アタツシエというようなものがあるようでありますが、そういうものをもつと充実したような形で置く意思があるかどうか、こういうことをこの機会に伺っておきたいと思います。
○小滝政府委員 先ほど来再三申しましたように、外務省としては乏しい外貨を使つて海外へ人を出すことでありますから、重点的な配置をしなければならない、でありますから、大橋さんその他から御質問がありましたときにも申しましたように、たとえばスカンジナヴイア三国に対しては一人の公使が兼任しているということを申したのであります。農業技術の面はなるほど重要でありましようが、外交官というものは、結局外交、特に経済外交というものに重点を置いてやらなければならない。技術を習得いたしますものは、先ほど申しましたような農林省から選ばれて技術を習得に行くような人がやるのでありまして、その際農林省の公務員が出て行くという場合には、もちろん大使館付、あるいは公使館付と現になつております。本年度も農林省から三人ばかり増員されまして、そうした農業関係の事務を海外に出て取扱われることになつておりますが、しかし今例にとられました、デンマークで農業技術を学ばなければならないから、その理由でもつて公使館を独立して設けなければならぬという御議論には、私どもただちに賛意を表しかねるのであります。なおまた一部では非常にたくさんの人員がおるようにおつしやいますけれども、パリのごときはいろいろ国際会議が年中開かれておりまして非常に忙しい。重点的にやりますのには、各地でばらばらにたくさんの場所へ出しておいても能率が上らない、結局そういう中心地もむければならないと思つて、特定の大使館には相当数の人を出しておるのであります。全体の外務省の人数から申しますならば、ドイツとか、イタリアなどに比べますと、日本の在外公館におる外務公務員の数は、非常に比べものにならないほど少いのでありまして、戦前武器で戦つて来た日本と違つて、外交の力でもつて日本としては今後の国運を開拓して行かなければならないのでありますから、できるだけ少い人数で能率を上げて、そうして重点的な施策をして行きたいという考えでやつておるわけであります。農業に関しましては、農林省からの要求によりまして、今後も農業関係のアタツシエと申しますか、在外公館の人がふえるような傾向にあるということは、現在の傾向であり、外務省としてもこれに対しては、できるだけの協力をいたす考えでおります。
○吉川(兼)委員 政府委員は私の質問があまりはつきりわかつてないように今の答弁で感じます。と言いますのは、何もデンマークに公使館を置けと言っているのではないのであります。なるほどデンマークから公使は来ておるようでありますけれども、そういうように向うから公使が来ておるから必ず公使を出せ、向うともそう交渉もないが、大使を向うが出しておるから、こちらも大使を置けというのではない。今日本はそういう段階ではない。むしろ日本の経済の再建のために必要な配置こそ、今日われわれは要望しておるのでありまして、どうも感覚が戦前の感覚とあまりかわつてないのじやないかということを感じておるし、ただいまの御説明でも、私は何か底の方には従来の外務省の、たとえばロンドンとか、パリとか、あるいはワシントンとか、そういうところに若いときからおれば、それがだんだん一つの履歴になつて偉くなつて行く、こういうふうな今までの外交官の歩く道をそのまま行かしめるような配置のように、私には見えてならないのであります。今日の日本はなるほど農業技術の面だけから考えますと、直接外務省に関係はないかもしれませんけれども、しかし食糧を二千万石から海外に高い金を払つて輸入しております現段階において、そういうものを補うために、外国に特に経済外交というようなものを行いまして、人を配置し、技術も学ばし、あるいはそういう方面の貿易もやる――貿易といえばデンマークなどはちよつと不便で大したことはないでしようが、そういうふうな日本経済再建のためにどちらかというと、従来の儀礼的な外交はあとまわしにしても、もつと新しい意味における重点的な配置をやる必要があるのではないかと考えておりますが、もう一度私のそういう考え、あるいは疑問に対するあなたのお考えを承りたい。
○小滝政府委員 吉川君のおつしやる通りのことをこれまでも述べて来たつもりであります。現に東南アジアの公館をごらんになればわかります。正式の国交が開いていないにもかかわらず、フイリピンにも、またインドネシアにも相当の数を出しております。いかにわれわれが重点的にこの日本の経済に必要な措置をしようと努力しているかは、わかつていただけると思います。決して戦前にあつたからその通りにやるというのではなくて、東南アジアといつても、戦前に比べたら比べものにならないくらい、東南アジア地域に重点を置いていて、決してロンドンに行つたから外交官として偉くなるという考えでやつておるのではありません。 それから農業につきましては重要性を十分認識するものでありまして、その意味で農林省と協力しているということも、先ほど申し上げた通りでございます。
○吉川(兼)委員 どうも水かけ論のようでありますから、これ以上質問の形は打切りますが、東南アジアの問題等は私の言つていることの例証にはならないのであります。戦前の東南アジアと今日の東南アジアとでは、おのずから比重が違うのであつて、戦前に比べて東南アジアに人が出ておるからといつて、それがさも私が質問しておりますことに答えておるかのような御答弁では、どうもますます水かけ論的な気持がいたしますから、もう答弁はいりませんが、どうか在来のあり来りな考え方を一新して、思い切つた経済外交を行う。こういう考えで進めてもらいたいということを希望いたしまして、私の質問を終ります。
○大橋(忠)委員 関連して。ちよつと気がついたのですが、これで見ると、イランとアフガニスタンと兼任としてあるのですが、これはパキスタンとアフガニスタンの方がいいのではないですか。私は向うへ行つたことがあるから知つていますが、交通の点からいつてもその方がいいと思いますから……。
○北委員 直接在外公館に関係がないことでありますが、関連質問をいたします。御承知のごとく戦後日仏協会、日伊協会、日独協会があります。私は日独協会のメンバーでありますが、日仏協会と日伊協会は多少外務省から補助があるようでありますが、日独協会は会長の武者小路公共さんが病気でありまして、元ドイツ大館付武官の小島元少将から私のところへ交渉がありまして、日独協会は一文も援助を受けぬ。戦前においては日本とドイツは非常に緊密な関係で、文化的にも非常に関係が深かつた。いかにドイツが負けても、日伊協会に百五十万円も出しておるのに、日独協会へ一文もくれないのは片手落ちではないかと言つて参りました。私もそれで外務省へ行くつもりでしたけれども、私も多少政務調査会に関係しておるので、予算の緊縮方針に賛成をしなければならぬので、ここだけ増してくれと言いにくい。それで今まで黙つておつたのですが、これは何とかならぬものでしようか。
○小滝政府委員 日仏協会とか日伊協会に補助金を出しておるのではなくて、フランスに対しましては、文化協定をつくりましたその関係の金が出ることになつておるそうでありますが、まだ現実には出しておりません。
○北委員 日伊協会には百五十万円出しておるそうです。
○小滝政府委員 できれば出すことになつておりまして、フランスもイタリアにもまだ出していないのであります。文化協定の関係で混合委員会などをつくりましてやつておりますが、ドイツの方もそういうのができれば、同様なとりはからいができると思います。
○北委員 同様というよりも、優先的に取扱わなければいかぬと思うのですが……。
○田付政府委員 ただいまお話のありました日伊協会に対しては、文部省の方で出しておるようであります。外務省では出しておりません。それから日独についても、外務省の方としては全然補助金を出しておりません。
○福田(篤)委員 これは外交の重点問題に関連して一つお伺いしたいと思いますが、御承知の通りサンパウロが中心になつてブラジルの四百年祭、国をあげて一年近くも続けて祭典が行われる。これについてお話を承ると、ブラジルは非常に熱心にわが国にも代表を、祝賀使節と申しますか、よこしてくれ、宮様か何か来てくれれば非常にありがたいというお話を承つておりますが、これに対してうわさによりますと、外務省側はきわめて冷淡であつて、どうもアングロサクソン系にはすぐ飛んで行きますが、こういう大事な親類みたいなブラジルの祭典については、とかく外務省は等閑視しているということでありますが、これについて私の承りたいことは、一体どういう招請がどういう形式であつたか、それに対して国として祝賀使節を送る準備があるかどうか、それについてお伺いしたい。
○小滝政府委員 詳細は係官の方から御説明申し上げると思いますが、外務省もすでに千七百万円以上の予算を計上いたしております。すでに運動選手などで出た者もあります。また全国知事会議にも出まして、私は協力方を要請したこともございますし、現に民間団体にいろいろ外務省が中心になりましてお願いして、そうした費用の調達にも努力して来ておるのであります。ことに日伯協会中央会沢田節蔵さんが中心になりまして、外務省がこれを援助いたしまして、非常な努力を続けて来ております。なお詳細の点について御質疑があれば係官から説明いたさせます。
○松井(明)政府委員 これは政府といたしまして参加いたします。日伯友好関係増進のために大いにあらゆる努力を払つてやろうという覚悟でおります。ただいま政務次官から御説明のありました千七百三十八万七千円、この予算の内訳を申しますと、サンパウロ市の四百年祝典に参加するのに、各国から国情展というのを出すことになつております。わが国もその国情展に参加のために、約九百万円計上いたしております。これは庁費でありますとか、運搬費でありますとか、会場の設備費とか、いろいろなそういう費用を含めたものであります。それからもう一つ、こちらから表慶使節というのを出すための経費というものを計上いたしております。それからなお政府の金ではありませんが、見本市を出したい。これは日伯協会が主催になりまして、一部補助金なんかをもらいまして、民間参加の経費に基きまして、見本市をやりたい。大体この三つでもつてサンパウロ四百年祭に参加するように計画をいたしております。
○福田(篤)委員 大体その内容についてわかりましたが、もう一点伺いたいことは、慶祝使節についてどういう方を送られる考えであるか。なぜそういうことを伺うかと申しますと、ある人が陳情に行つたところが、某高官がブラジルくんだりまでという大失言をしたことがあるのであります。私は日伯関係の上から言いまして、ある意味でアングロサクソン系というよりラテン系の方が、わが国には文化的にも経済的にも非常に大事なところである。それにもかかわらず、こういうきわめて冷淡な言辞が各地で大分問題になつておりますので、それでお伺いしたいのですが、これにはどういう人を送られるのですか。
○松井(明)政府委員 表慶使節につきましては、いろいろ世間でうわさがあるように聞いておりますが、政府としてはまだはつきりどういう方にお願いするという方針は決定いたしておりません。
○福田(篤)委員 いつごろ送りますか。
○松井(明)政府委員 目下検討中であります。
○上塚委員長 外務省設置法等の一部を改正する法律案に関しましては、質疑はこの程度といたします。
○上塚委員長 次に、国際連合総会の定めた条件を受諾して国際司法裁判所規程の当事国となることについて承認を求めるの件を議題といたします。本件について質疑を許します。戸叶里子君。
○戸叶委員 国際司法裁判所規程について二、三点伺いたいと思います。 まず第一に、第三十六条の2項に「この規程の当事国である国は、次の事項に関するすべての法律的紛争についての裁判所の管轄を同一の義務を受諾する他の国に対する関係において当然に且つ特別の合意なしに義務的であると認めることを、いつでも宣言することができる。」こう書いてありますが、こういうふうな宣言をした国は今どこにあるかをまず伺いたい。
○下田政府委員 御指摘の三十六条に基きます宣言をいたしました国といたしましては、現在二十箇国、ございます。ベルギー、ボリヴイア、ブラジル、中国、デンマーク、フランス、グアテマラ、ホンデユラス、メキシコ、オランダ、ノールウエー、パキスタン、フイリピン、スウエーデン、イスラエル、トルコ、リベリア、アメリカ合衆国、スイス、リヒテンシタインの二十箇国でございますが、念のため申しつけ加えますと、この裁判所の前に常設国際司法裁判所というのが、ございましたが、その常設国際司法裁判所規程の一二十六条にも同様の規定がございまして、その常設国際司法裁判所時代に同様の宣言をいたしました国が十六箇国ございます。その十六箇国の宣言は、新しい裁判所の規程のもとにおきましても引続き有効な宣言と認められることになつておりますので、先ほどの二十箇国と合せまして全一部で三十六簡国が現在この三十六条の関係国になつておるわけでございます。
○戸叶委員 濠州は宣言しておらないのですか。
○下田政府委員 濠州は、ただいま申し上げました前の常設国際司法裁判所時代にいち早くこの宣言をいたしまして、義務的裁判管轄を受諾しておるので、ございます。
○戸叶委員 もし濠州がそういう宣言をしておるならば、日本が国際司法裁判所に提訴した場合に、一方的に提訴するだけでいいのではないでしようか。わざわざこの日本が合意書によつて宣言するということは一体どういうわけですか。
○下田政府委員 この義務的管轄は、同様な義務的管轄を受諾しておる国との間に有効なのでございますから、濠州が一方的に提訴しただけで裁判が行われますためには、まず日本がこの規程の当事国になり、かつ日本が第三十六条に基きまして同様の宣言をいたすことが必要でございます。
○戸叶委員 次に三十四条にもどりますが、三十四条の1に「国のみが、裁判所に係属する事件の当事者となることができる。」と書いてございます。そうありますけれども、国際司法事件のようなときでも、国が代理で提訴できるかどうかを承りたいのです。たとえば国籍の問題とか、あるいは他の国の財産の問題とか、そういつたような問題で、国だけしか提訴できないと書いてございますけれども、そういった事件でも、国が代理として提訴できるかどうか。
○下田政府委員 個人または私立の会社が裁判の当事者となることはできません。しかしながら国家というものは、すべて基本的権利といたしまして、その国民が外国にたといおりましてもこれを保護する在外市民保護権というものがございます。そこで私人なり日本の会社なりが、外国でもつて不当な取扱いを受けたという場合のごときは、まずその当該日本人なり日本の会社が、その当該国の国内法令に基きまして、当該国の裁判所に訴えるということもできるわけであります。しかしながらその当該国の法律のもとで適当な保護を受けない、または裁判所が適当な司法的保護を行わないという条件が発生いたしました場合には、あらためて日本国は国家といたしまして、国家の在外市民保護権という基本的権利の問題といたしまして、国対国の問題として裁判に訴えることができるわけでございます。
○戸叶委員 これは少しそれと違うかもしれませんけれども、念のために承つておきたいのですが、日本にあるビルマの領事館の問題で、たしかごたごたが起きていると思うのです。私がそれを伺います理由は、先ごろビルマからの代表者の人が何か非常に感情を害して、国へ帰られたということを聞いたものですから、ここで承るわけなんですが、ビルマの領事館の中に元のビルマの総領事か何かの財産があつて、それを今の総領事が国のものにしようとしているが、とかくうまく行かないというようなことを伺つたのですが、その実情、それからそれを日本の外務省としてどういう方向に解決の方向を持つて行こうとなさるか、その点を承りたい。
○小滝政府委員 戸叶さんが外務省の方へ御紹介になりまして、ビルマの総領事並びに検事副長、次長などにもお会いいたしました。また事務次官も会いましたし、係の局長も会つております。この事件を簡単に申し上げますならば、これはかつて日本がビルマヘ兵を出しておりましたころ、日本へ参つておりましたテイモンという大使があの土地家屋を買われたそうであります。ところがテイモン大使はそのおむこさんのサンインローになくなられまして――そのテイモンさんの奥さんがサンインローに代理権と申しますか、パワー・オブ・アトーニーに与えまして、こちらヘリンビンという人がやつて参りまして、そのテイモンの持つておつた財産をリンビンの名義に書きかえたわけであります。それは正当に登記も済んでおりまして、今はリンビンの財産になつておるのであります。ところがビルマの政府といたしましては、かつて日本へ出ておつたテイモンの財産であるから、当然ビルマ国の財産になるのだというので、現実は総領事があそこへ入つておるのであります。しかし日本の法律からいえば、所有権はリンビンにあるという状態でありますが、ビルマの総領事は非常に神経質になられまして、できるだけすみやかにビルマの国内法に基いて問題を解決して、所有権をとろうとしておられますが、まだその手続は進んでおらない。しかしいつリンビンが入り込むかもわからないから、早くリンビンを追放するようにということを要求しておるのであります。しかしリンビン氏の滞在期間は本年四月までありますので、その前に日本の法律から申しますと、特に悪いことをしたとか、法律の条項に照しまして正当な理由がない限りごれを追い帰すことはできないというような事情があるのであります。この点は検事副長はよく理解されたと私感じておりましたが、その後もビルマ政府の方から、なるべく早くこれを解決してもらいたい、そうしてできれば財産を保護するために、相当数の警官をあそこに常時配置するようにというような申入れが来ております。外務省といたしましては、できるだけ日本の法律の範囲内において最大の保護を与えるようにいたしておりますが、法律的に申しますと、まだその所有権もビルマ政府の方に移つておらないので、いろいろ困難もございます。しかし遠からずリンビン民の帰る日も近づいておりますし、またそう暴力をもつてどうするというようなこともなかろうと存じますので、近いうちに解決つくだろうと存じます。日本政府のやり方が手ぬるいというような感想を持っておられるようでありますけれども、法治国といたしましては、ただ一方から要求があるからというので、先方の希望する通りのことが即座に実行し得ないという困難に私ども直面しておるというのが、現在の状態であります。
○戸叶委員 私はそういう実情をよく知らなかつたのですが、何かたいへん気を悪くして帰られたようでございましたので、一体どうなつているのかしらと思つて、伺つたわけです。そこでただいまの御説明によりますと、日本の法律によりますと、リンビン民の財産になつている。リンビン氏が帰られた場合には、それはどういうふうになるのですか。
○小滝政府委員 その点はビルマ側の申出によりますと、そうなれば、ビルマの国内法によつてないしはビルマでの示談によつて、何とか解決するというお話でございます。
○戸叶委員 そういう問題は日本とビルマの間で間もなく解決すると了承いたします。 私次にもう少し伺いたいのは、四十条の一項に「裁判所に対する事件の提起は、場合に応じて、特別の合意の通告によつて、又は書面の請求によつて、裁判所書記にあてて行う。」とございますが、この書面の請求によつて、裁判所書記にあてて行つた場合に、もしそれに応訴して来なかつた場合には、どういう方法があるのでございましようか。
○下田政府委員 書面の請求によつて提起いたします場合に、実際問題といたしましては、事前に相手国の意向を徴しまして、その上でやりますので、まず片方が一方的の書面の請求をして、応じないということは、実際問題としてはあり得ないわけであります。つまり特別の合意というのは、双方の合意で特別合意書を作成して提起する仕方で提出し、御説明申し上げました義務的裁判管轄権がある国との間には、ユニラテラル・ノーテイスで提起できるという、二つの場合を書いたのでございまして、一方の請求で相手国がどう出るかわからないのに、やぶから棒に訴えるということは、実際問題として行われないと思うのであります。
○戸叶委員 そうするとそういう場合「書面の請求によつて」ということは必要じやないじやないですか。どうしてこの項目をわざわざ入れたのでしようか。
○下田政府委員 義務的管轄権を受諾しております国の間では、何もあらためて当事国同士で事件を裁判所にかげようという新たな合意を必要としないわけでございますから、そこでどつちかの国から一方的に提訴することになる次第でございます。
○戸叶委員 次に、六十条によりますと、「判決は、終結とし、上訴を許さない。」とありますけれども、六十一条には「再審の請求は」何々というふうに、条件付で再審できるようになつております。この二つの関係はどうなつているのか、何か具体的な例をあげて説明していただきたい。
○下田政府委員 第六十条の方は、裁判所の判決は第一審であり同時に終審である、それ以上の上級裁判というものはないということをきめた原則でございますが、第六十一条はこれは上訴審ではないわけで、同じ裁判所に対して唯一の再審請求のできる場合を規定したものであります。それはつまり判決に決定的な影響を及ぼすような事実が、判決当時に裁判所側に知られていなかつたということであります。つまりそういう判決が下されるについては、こういうことが大前提となつて判決が下されたのであるという根底的なフアクツに――こういうことはめつたにないと思いますが、誤謬があつたとかいう場合にだけ、同じ裁判所に再審の請求をなし得ることを規定したわけであります。
○戸叶委員 そうすると、そういうケースは全然別の場合にしか考えられないわけですか。
○下田政府委員 実際に六十一条の適用を生じた例はいまだかつてないのでありまして、考えられないことでありますが、決定的要素となる事実というのは、人違いであるとか、アラフラ海と規定したのは日濠間で問題となつておる海のごく一部であつたとかいうような、とんでもない感違いをいたしたような場合が、理論的には考えられるわけであります。しかし実際そういう例が生じたことはいまだかつてございません。
○戸叶委員 六十五条に、「裁判所は、国際連合憲竜によつて又は同憲章に従つて要請することを許可される団体の要請があつたときは、いかなる法律問題についても勧告的意見を与えることができる。」とありますが、これはたとえば李ラインの問題なんかが非常にやかましくなつておりますけれども、李ラインの問題などについて、勧告的な意見を日本から聞くことができるのでございましようか
○下田政府委員 この勧告的意見を求めるのは、ここに書いてございますように団体でございます。国際連合憲章または憲章に従つて要請することが許可される団体、これは国連総会とか理事会、あるいは国連憲章のもとにできておりますますろくな専門機関があります。ILOとかFAOとか、そういう団体だけが今のところ要請をなすことができるのでありまして、従つて国は単独では勧告的意見を求めることができません。そこで御指摘の李ラインの問題につきまして考えられる唯一の場合は、かりにこれが国際平和に脅威を及ぼすような紛争であると認めて、日本またはどこかの国が安保理事会に提訴するということになりました場合に、安保理事会なり総会なりが、この紛争については前提として国際法上の重大な法律問題が含まれておる、ついては国際法上の問題点だけについての意見を裁判所に聞くというようなことも考えられるかと思うのであります。
○戸叶委員 日本の政府としてはそういうことを紀考えになりますか、なりませんでしようか。
○下田政府委員 ただいままでのところ、そういうことは考えておりません。
○戸叶委員 李ラインの問題がなかなかやかましくなつておりまして、そしてはつきりとした判断を当然日本が主張すべきところであるにもかかわらず、韓国側が非常に高圧的に出て来ておりますし、この問題がいつまでも長引いていて解決できないときに、何らかのそういう打開策も考えていいのではないかと私は考えるのですけれども、その点今までそういうことを考えてごらんにならなかつたのか。それともこれからもそういう方法は考えないというのでしようか。その点を承りたいと思います。
○下田政府委員 事務当局といたしましては、純粋の事務的見地からいろいろな方法を考えることは当然でございますが、今お話のようにいきなり安保理事会に提訴して裁判所の意見を求めるというまわりくどい道をとるくらいなら、韓国政府と話し合いまして、日濠間の漁業紛争のように、当事国の特別の合意で提訴する方が、直截簡明な手段であると理論的には考えております。もう一つの例は、国連の安保理事会等の問題にいたしますのには、まずこの紛争が平和に脅威を及ぼすような重大性を持つたものであるかどうかという判断につきましても、にわかにそういう断定を今までいたすべき段階でないと思いますし、従いましてお話のような手段に訴えることは、いまだかつて事務的レベルにおきましても考えたことはございません。
○戸叶委員 私もそういうふうなことをするよりも、もつと先に日本と韓国の間が話し合つて、円満に解決しなければならぬという考え方を持つておりますけれども、そういう点、今の政府のあり方が非常に怠慢であるように思いますので、なおこの際もつと積極的に日韓の問題についても、あらゆる方面で解決をしていただきたいということを要望する次第でございます。 もう一点だけ伺いたいのですが、国連加盟国でもなく、または国際裁判所の規程の当事国でない国と国際司法裁判所の当事国となつておる国との間の場合の提訴の場合はどういうふうになるのでございましようか。
○下田政府委員 この裁判所規程の三十五条に、この規程の当事国でない国のために裁判所を開放するための条件が書いてございます。この三十五条の二項に、安全保障理事会が定める条件を当該国が受諾すれば、当該国は規程の当事国に対して裁判所に訴えることができる、そういうことになつております。
○戸叶委員 その条件を受諾しない国ともうすでに受諾している国との間の紛争の場合は、どういうふうになるのですか。
○下田政府委員 もし安保理事会が裁判に提訴し得るという条件を定めまして、その国が受諾しなかつた場合には、裁判にかけようがなくなるわけでございます。
○上塚委員長 国際司法裁判所に関する件について、ほかに御質疑はございませんか――御質疑がなければ、本件につきましては次会に討論採決を行いたいと思いますから、さよう御了承おきを願います。 ―――――――――――――
○上塚委員長 次に、昭和二十九年度外務省関係予算につきまして政府側より説明を求めます。小瀧政務次官。
○小滝政府委員 お配りいたしました資料の順序によりまして御説明いたします。 予算総額は五十七億七百六十五万九千円で、これを大別いたしますと、外務本省二十億五千六百十二万九千円、在外公館三十六億五千百五十三万円であります、ただいまその内容について御説明いたします。 第一、外務本省一般行政に必要な経費五億七千六百三十六万円は、外務省設置法に定める本省内部部局及び付属機関の一般事務を処理するための職員千二百二十二名の人件費及び物件費等でありまして、前年度に比し四千三百九十二万七千円の増加は、職員の給与改訂等の増額であります。 第二、外務行政連絡調整に必要な経費一億二千八百六十七万七千円は、本省と在外公館との事務連絡のための電信料、郵便料及び旅費等でありまして、前年度に比し千九百五十一万一千円の増加は、在外公館の増加と連絡事務の増加したためであります。 第三、外交文書編纂、公刊に必要な経費五百万一千円は、明治以来の日本外交史実を編集し、公刊するための経費であります。 第四、外交電信に必要な経費三千百九十四万八千円は、在外公館との通信施設の改良整備等に必要な経費であります。 第五、外交運営の充実に必要な経費三億円は、外交再開第三年目において各国との外交交渉により幾多の懸案問題の解決をはかり、また各種の条約協定を締結する必要がありますが、これらの交渉をわが国に有利に展開させるため必要な工作費で、前年度に比し八千四百万円の増額となつております。 第六、アジア諸国に関する外交政策及び賠償実施政策の樹立に必要な経費六百四十六万八千円は、アジア諸国に関する外交政策の企画立案、その実施及び賠償実施政策の樹立のため必要な経費であります。 第七、アジア諸国との経済協力に関する事務に必要な経費六千五百六十五万円は、アジア諸国との経済協力をはかるために企画立案し、及びその実施につき総合調整するに必要な経費と財団法人国際学友会補助金三千五百万円及び経済協力民間団体補助金三千万円であります。前年度に比し千八百二十八万七千円の増加は、経済協力民間団体補助金の新規増加によるものであります。 第八、欧米諸国等に関する外交政策の樹立に必要な経費千九百五十五万円は、北米、中南米、西欧及び英連邦諸国に関する外交政策の企画立案及びその実施に必要な経費と、今秋京都において開催される太平洋問題調査会の太平洋会議補助金二百七十万七千円及び在パリ日本会館補助金百二十三万一千円であります。前年度に比し三百六十六万四千円の増加は、在パリ日本会館補助金の増加と太平洋会議補助金の新規増加によるものであります。 第九、サンパウロ市四百年祭参加に必要な経費千七百三十八万七千円は、日伯友好関係の増進に資するためブラジル国サンパウロ市四百年祭祝典に参加し、各国国情展においてわが国情を紹介するための経費と、同国に派遣する表慶使節団の外国旅費等であります。 第十、国際経済情勢の調査並びに資料の収集等に必要な経費七百五十七万二千円は、世界経済の正確な把握を期するため、内外の資料文献を広く収集整理するための経費であります。 第十一、通商貿易振興に必要な経費二百六十四万一千円は、通商利益の保護増進をはかるため、通商貿易に関する調査等のための経費であります。前年度に比し、二億九万七千円の増加は、非常勤職員手当及び庁費の増加によるものであります。 第十二、条約締結及び条約集編集等に必要な経費千四百十二万八千円は、国際条約の締結、条約集等の編集、条約典型の作成、条約及び国際法並びに内外法規の調査研究のため必要な事務費等であります。 第十三、戸籍法及び国籍法関係事務処理に必要な経費三百二十三万三千円は、在外邦人の身分関係事務及び二重国籍者の日本国籍離脱に関する戸籍法上の事務に必要な事務費であります。 第十四、国際連合への協力に必要な経費八千四百四十九万円は、国際連合各機関の調査研究に必要な事務費と、後進国経済開発技術援助拡大計画醸出金二千八百八十八万四千円、国際連合国際児童緊急醸出費三千六百八万円、朝鮮救済再建計画醸出金千四百四十三万二千円及びパレスタイン難民救済計画醸出金三百六十万八千円であります。前年度に比し千八百二十一万五千円の増加は、前記朝鮮救済再建計画醸出金及びパレスタイン難民救済計画醸出金の新規増加によるものであります。 第十五、日米合同委員会日本側事務局の事務及び国連軍協定実施に関する事務処理に必要な経費六百六十九万円は、日米安全保障条約第二条に基く行政協定の実施機関である合同委員会の日本側事務局の事務及び国際連合軍との協定実施に関する事務に必要な経費であります。前年度に比し二百九十四万四千円の増加は、行政協定事務地方公共団体委託費の新規増加によるものであります。 第十六、情報啓発事業実施に必要な経費二千三百七万三千円は、国際情勢に関する資料の入手、海外に対する本邦事情の啓発及び国内啓発等のため必要な経費であります。 第十七、国際文化事業実施に必要な経費千六百二十六万円は、文化交流を通じて国際間の相互理解を深めるため必要な啓発宣伝資料の作成、購入の経費及び国際連合協力の意思を盛り上げるため国家的事業の一環として、財団法人日本国際連合協会補助金六百五十四万一千円と日本文化の海外紹介の事業を主とする財団法人国際文化振興会補助金二百六十六万円であります。前年度に比し二百万六千円の増加は、文化紹介資料の購入、作成の増加によるものであります。 第十八、海外渡航関係事務処理に必要な経費九百三十四万一千円は、旅券の発給等海外渡航事務の経費とその事務の一部を都道府県に委託するための委託費四百二十七万八千円であります。前年度に比し百九十七万八千円の増加は、旅券作成費の計上によるものであります。 第十九、未引揚邦人調査等に必要な経費一千五百八十五万八千円は、未帰還邦人の氏名、生死等を明らかにし、引揚げ促進のための外交交渉及び留守家族援護策の実施に必要な資料を整備するための事務費、及びこの事務の一部を都道府県に委託するための委託費九百万二千円であります。 第二十、旧外地関係事務処理に必要な経費七百二十四万四千円は、朝鮮、台湾、樺太、関東州等旧外地官庁職員の給与、恩給の支払いその他残務整理に必要な経費であります。前年度に比し百八十七万九千円の増加は、非常勤職員手当の増加によるものであります。 第二十一、旧外地官庁引揚職員等の給与支給に必要な経費七千四百万円は、二十九年度中の旧外地官庁引揚げ見込み職員百名と未引揚げ職員六百三名の留守家族に支払俸給その他諸給与であります。前年度に比し千四百万円の増加は、法令により恩給年限に達した未帰還職員を退職とみなしたため、これら職員に対する退職手当の新規増加によるものであります。 第二十二、移民振興に必要な経費三億七千九十六万九千円は、南米開拓移民等三千五百人を送出するための渡航費貸付金三億三千二百五十三万二千円及び移民事務を民間団体に委託するための経費三千万円等であります。前年度に比し二億九百六十四万五千円の増加は、送出移民の増加に伴う渡航費貸付金及び移民事務委託費の増加によるものであります。 第二十三、神戸移住あつせん所事務処理に必要な経費千八十九万一千円は、移民の本邦出発前における健康診断、教養、渡航あつせん等の事務を行うため必要な経費であります。前年度に比し四百三十九万八千円の増加は、常勤労務者給与及び移民用寝具等購入費の増加によるものであります。 第二十四、国際会議参加及び国際分担金支払い等に必要な経費二億五千八百六十九万八千円は、海外で開催される各種国際会議にわが国の代表を派遣し、また、本邦で開催される国際会議に必要な経費とわが国が加盟している国際機関の分担金であります。 前年度に比し四千四百十二万七千円の増加は、外国旅費、国連食糧農業機関分担金、同運転資本基金分担金、国際小麦理事会分担金、及びユネスコ分担金等の増加と新規に関税貿易一般協定分担金を増加したためであります。 第二十五、在外公館一般行政に必要な経費三十五億五千五百五十五万五千円は、既設公館六十二館一代表部四百十八名と二十九年度新設予定の在イラク、シリア、レバノン、コロンビア、ドミニカの五公使館、ハンブルグ、シドニーの二総領事館、トロント、メダン、レオポルドヴイルの三領事館及びエジプト公使館を大使館に昇格するために必要な職員二十八名及び既設公館の職員の増加三十五名、計四百八十一名の給与、赴任、帰朝、出張旅費、事務費、交際費等であります。昨年度に比し四億四千九百九十二万八千円の増加となりますが、そのおもなるものは新設公館の経費、職員給与の改訂、及び事務費等の増加であります。 第二十六、対外宣伝及び国際文化事業実施に必要な経費二千九百二十万七千円は、わが国とアメリカ合衆国及び東南アジア諸国との親善に寄与するため、わが国の政治、経済、文化等の実情を組織的にアメリカ合衆国及び東南アジア諸国各地に紹介するための資料作成費、講演謝礼、及び事務費並びに国際文化交流のため、日仏文化協定実施混合委員会の運営等に必要な経費であります。 第二十七、在外公館営繕に必要な経費五千二百十四万八千円は、在インド大使館事務所をニユーデリーに新営するため、並びに在外公館の事務所及び館長公邸建物の修理費等であります。 第二十八、国際会議事務処理に必要な経費千四百六十二万円は、在外公館在地で開催される国際会議の事務処理に必要な事務費であります。 以上が外務省所管昭和二十九年度予算の大要であります。
○上塚委員長 外務省所管昭和二十九年度予算に対する説明は、これをもつて終了いたしました。
○上塚委員長 次に外交に関する件について、政府当局に対して質疑を許します。吉川兼光君。
○吉川(兼)委員 私は前回の委員会で保留しておきましたことにつきまして、質問を継続させていただきたいと思います。 まず外務当局にお伺いいたしたいのでありますが、今問題になつております威嚇射撃問題の現場であります九十九里浜の演習場、これを撤去または移転をなさる御意思があるのか、どうしてもそれは撤去、移転ともに困難であるというのでありますならば、その困難な理由を簡潔でよろしゆうございますから、お示し願いたいと思います。
○小滝政府委員 御承知のようにあの九十九里浜の施設というものは、東京防衛のためのものでありますから、東京からの距離及び地理状況というようなものを総合的に考えまして、これにかわるべき、しかも今のところよりずつと被害の少いような、そんなところがあるというようなことになれば、あるいは不可能なことでないかもしれませんが、これまでいろいろの点を検討いたしましたけれども、そうした代替地もないし、現地の方には非常にお気の毒ではありますけれども、この場所を継続使用せざるを得ない立場にある次第であります。
○吉川(兼)委員 ただいまのような御説明は、あらゆる機会に私もたびたび伺っておるのでございますけれども、どうも私どもはそれだけの理由のために、あの土地だけがすでに七箇年以上にもわたりまして、演習のための犠牲を強制されておるということは納得が行きません。これは要するに政府の誠意の問題だと思います。政府にして真にこういうような犠牲をあの一部分の漁民だけに負わせないというお気持がおありでありますならば、私はこの問題は解決できるものであるというふうに考えますが、その点につきましては、押問答になりますから、この辺で打切ります。ただ、私は政府の誠意によつてこれは移転が十分に可能であるという前提のもとに、これから三、四の御質問をいたします。しかしながらそれはあくまでも私の考えております、撤去しなければならないという考え方を放棄しての質問ではありませんから、それはお含み願いたいと思います。 そこで、あの演習場を設定いたしました法的根拠の中で、法律の方は省きますが、昨年の五月の十四日でありますか、外務省の告示の第二十八号の中に、九十九里の高射砲の射撃演習区域というものが明示されております。この中で、危険区域内において船舶が航行しているときは、それが通過し終るまで射撃を中止する、あるいは漁船が大漁が作業を打切ることができないような場合は、現地における日米双方の代表者間の了解に基いて一時射撃を延期する。こういうようなことがはつきりと書かれてあるのであります。しかもその中には、この射撃の事故については、米側がその責任を負うということも、明記されておるので、ございます。ここで私が伺いたいのは、いわゆる大漁その他の場合に現地において日米双方の代表者間の了解云々という、この代表というのでありますが、アメリカ側は現地に射場司令官などという人がおるようでありますが、日本側はどういう機関があるのかということをお聞きしておきたいと思います。
○小滝政府委員 話合いはどうしても現場で行わなければならない関係がございますので、県庁内に連絡官を置いて、その連絡官が米国側と連絡話合いに当るということになつております。
○吉川(兼)委員 実は政務次官の御説明は、率直に育つてはつきりしないと思います。お苦しいようでありますけれども、実際問題は、現地で日本側機関というものが確立されておらないのです。これは外務省だけではなく、特調にしましても、水産庁その他にも当然私は共同の御責任があると思いますけれども、この九十九里の射撃のために損害をこうむります漁民及びその付近の居住民の利益を守るということについて、手が尽されておらない、誠意が尽されておらないと私は御指摘申し上げざるを得ないのでございます。現に前回の委員会でも、たしか現地から来ました参考人がお話しになつておつたようでありますけれども、昨年の二月でありましたか、機関鋭の流れだまに当りましてある漁船の機関長が貫通鋭創を受けまして、そうして米軍のジープでもよりの病院にまで運ばれたという事実がありますけれども、それから先にはそれこそ一文の補償も行われておりません。ただ県知事から五千円の見舞金、それから県の水産部長が若干の見舞金を届けておる。その見舞金の性格も私は県庁に行つて調べてみましたが、明らかに私の金を出しておる。こういう事実があるのです。しかもこの中には、この射撃の事故については米軍がその責任を負うということが明記してある。責任というのはどういうことなのか。ただジープで運ぶということだけを責任と解されておるのかどうか。この機会にはつきりとお伺いしておきたいと思います。
○小滝政府委員 先ほど御指摘の事件については調達庁が責任官庁でありますから、調達庁の方から説明すると存じますが、もちろん責任というものはジープで運ぶだけではなしに、もしそれが不法行為であるという場合でありますならば、行政協定の十八条によつて損害賠償しなければならないわけであります。
○大石説明員 今外務政務次官からお答え申し上げましたように、米軍の不法行為に基く事故につきましては、行政協定十八条の事故としての補償がなされるわけでございます。この件につきまして私ども調べたのでございますが、いわゆる米軍の不法行為かどうかというような点について、はつきりしない点があるようでございます。
○吉川(兼)委員 はつきりしない点があるというが、どういう点がはつきりしないのか、またどういう調べ方をやっておるのか。もう少し詳しく御説明願いたい。
○大石説明員 問題がちようど演習の実施されておる、しかもこれが制限の区域内で行われたものであるかどうかといつたような点について、いろいろ調査が行き届いてないというような関係だと思つております。
○吉川(兼)委員 事件の起りましたのは、はつきりした日時を申し上げてもよろしゆうございますが、昨年の二月幾日でありまして、それから一年もたつておりますのに、何だか今のお話では調査がまだはつきりしておらないというように私に響くのですが、そういうことではまつたくその誠意を疑わざるを得ないのでございます。今私が持ち出しておるこの外務省の告示の中にある現地における日米双方の代表というのもきわめてあいまいでありまして、日本側の代表機関というものが確立されておらない。しかも、現地の米軍側はもちろん軍人でありまして、射撃を実際に行う者は、朝鮮等から引揚げて参りました非常に気の荒い部隊が、盛んにあそこに交代して来ては射撃をやつておる。射場の司令官という人も、私この間会つて来ましたが、なかなか穏やかな人でありますけれども、一向日本側の連絡が徹底していないと見えまして、われわれの聞くことをあまり知らない。たとえば今の大漁の場合射撃を延期する云々ということも、大漁はだれがきめるのかというと、ちよつと詰まつて、さあだれだつたかなあということで、この間証人で来ておつた現地の漁業協同連合長某氏の名をあげて、あれじやないかというような話をしておられた。こういうようなことでは、あそこの演習場の設定から来るところの居住民のいろいろな損害、物質的だけではなく、精神的にも非常な損害が累積しておるのでございますけれども、それに対しては当局は一顧だに与えていないということも私は言い得るのではないかと思うので、ございます。ぜひこれは早急に現地の日本側を代表する機関を、確立してもらわなければならないのでございますが、そういう処置を早い機会にとられる御意思がおありかどうか、これはできるだけ外務省側に伺つておきたい。関係官庁とお打合せの上おつくりになる計画があるかどうか。これは外務省告示の中にあることでありますから……。
○小滝政府委員 告示を出しましたときには外務省がやつておりましたけれども、現在は調達庁の所管であります。しかし御趣旨の点は、福島君が先般も現地を見たようでありますし、福島君の方私らの方からも話をいたしまして、できるだけはつきりさすように協力いたします。
○吉川(兼)委員 実は今特調長官のお名前が出たのでありますが、この間ああいう状況で、私の質問の継続は困難と思って留保したのですけれども、きようは長官もお見えになつておらない。長官が来れば私はぜひ聞きたいと思いますことは、先般特調長官はこの事件が起つてから現地を初めて見に行つております。それから現地を見られてから、その現場において新聞記者とのインターヴユーが行われたようで、それが記事に出ておるのでありますが、その記事なんかも、実は新聞の記事でありますから信憑性についてもいろいろあるかしれませんけれども、その記事を見ただけではまことにどうも認識不足といいますか、これで特調長官が勤まるかと思うような談話を平気で発表しておる。第一、自動車を飛ばせば日帰りで十分行つて来られるような地域にありますにもかかわらず、そういう事件が起つてから初めて出かげるというようなありさまでありましては、現地の人々が考えておりますようなこの悲惨な状況に対する政府の救いということが、はたして達成されるかどうかを疑わざるを得ないのであります。私がただいま外務当局にお尋ねを申し上げておりますことは、規定は外務省の告示であるけれども所管は特調であるからという、そういうおざなりの御答弁を聞こうと思つて、数日にわたりましてこういう質問を試みるのではございません。いやしくも外務省におかれてこういう告示をおつくりになつている以上、むろんそういう機関をおつくりになります以上は、特調とか、水産庁その他の関係当局と御相談を遂げられるということは私も想像できますが、そういうところと早急に御連絡されておつくりになる御意思があるかどうかということをただいまお伺いしておるわけでございます。たいへん繰返すようでありますが、もう一度はつきり御答弁を聞かしてもらいたい。
○小滝政府委員 外務省が告示をいたしますのは、合同委員会の決定という意味において合同委員会は外務省の所管であるのでやつておるので、実施の方は調達庁でやつておるという関係になつております。しかし外務着も合同委員会という関係におきまして関係を持つておる官庁でありますので、先ほども申しましたように現地において十分な代表者がいない、十分な連絡機関が設けられていないというような点につきましては、十分実施機関である調達庁の方とも話しまして万全を尽したいと思います。
○吉川(兼)委員 たいへん時間がないようでありますから、要点だけを飛ばしてお伺いをいたします。それで特調の方にお伺いしたいのですけれども、従来この演習場ができて以来、見舞金を出したという時期もありますし、今度は補償という形で損害の一部を補償された事実もあるようでありますが、今まで出された金額と、それから現地において見舞金なり補償金というものがどういうふうに分配されておるか、いわゆる末端における配分ですが、それがおわかりでしたらお伺いしておきたい。
○大石説明員 占領期間中見舞金として一億七千七百万円、講和発効後昭和二十七年度分としまして二億三百万円、これは占領期間中は見舞金でありまして、講和発効後は補償金でございます。 なお末端の配分方法でございますが、現在漁業経営上の損失を補償するという建前になつておりますので、経営の主体を中心として国が補償金を支払つておりますが、それに従属いたしておりますところの漁業労働者関係につきましても、配分がなされるように運用されております。
○吉川(兼)委員 講和発効後の補償金の二億三百万円でございますが、これはまだ内部払われていないでしよう。払われているのですか。
○大石説明員 御指摘のように一月-三月分の約五千万円弱が支払い段階に至つておりません。目下支払わるべく策定中でございます。
○吉川(兼)委員 そこで、実はこの二億三百万円から一月-三月分を引いた現在支払われておりますこの補償金の分配状況を私現地で調べて来たのでありますが、こまかいことは避けますけれども、いわゆる従業員の側から申しますと、一年間の損害補償の金額が一番多いところで一人当り九千円、これは一番最高ですが、最低に至りましては千五百円というところが相当ございます。こういうような現実で、いわゆる補償の目的が達せられておるかどうかということを私どもは考えざるを得ないのでございますが、ただこの法律の中に規定してありますのは、今お話のありましたように、漁業営業上の損失補償ということになつておりますので、損失の補償金といいますのが経営者の側に行く、経営者の側に行きましてからの配分がきわめて不明瞭でありまして、これは前々国会でありましたか、決算委員会でも問題になつておつたのでありますが、それを配分する費用に四百数十万の金を頭から天引きする、しかも決算委員会に呼び出してみるとまだ七十万円も使い残りがある、こういうようなきわめて不合理といいますか、乱脈といいますか、はなはだ実情に即しない補償金の分配が行われておるのであります。こういうことにつきましても特調その他の当局におきましては、もつとこれが現実に即して配分されるような、条件とは行かないかもしれないが、少くとも渡す前に心配りをして、現地の委員会なり何なりにそういう従業員の代表等も加えて配分の公正を期する、こういうようなことがあなた方の考慮の中にあるのか、あるいは考慮されておるとするならば、いつごろからそれを行わんとしておるのか、こういう点を聞いてみたいと思います。
○大石説明員 吉川委員の御指摘のように、一部末端配分におきまして、いろいろな不明朗な事態があつたようでございます。それにつきまして私ども実施庁といたしまして、こういつたことのないようによく行政面からも県当局のいろいろなあつせん、あるいはそれに伴いますところのいろいろな援助というようなものを受けながらやつております。また現地におきましても、二十七年度の補償金の配分につきましては、組合ごとに非常に明朗な空気でやつておるというふうな実情でございます。ただ、しからば吉川委員の御心配になつておる経営者とその従業員との関係はどうかという点につきましては、この補償の制度そのものが経営者に経営上の損失を補償するという建前上、こちらの方ではつきりと指定してそれを渡すといつたようにするには、どんなくふうをこらしたらいいかということを研究中でございます。
○吉川(兼)委員 もう一つちよつと特調に伺っておきたいのは、二億三百万円をおきめになりますについては、その根拠になる数字があるだろうと思いますが、その根拠はどういうところを根拠にしてこの数字を出しておりますか、お答え願いたいと思います。
○大石説明員 過去三年間の実際上の生産高というものを中心としてやつております。
○吉川(兼)委員 過去三年間とはいつの年からですか。
○大石説明員 補償を実施する過去三年であります。もよりの三年であります。
○吉川(兼)委員 補償を実施するもよりの三年というあなたの御答弁は、どうも少しおかしいと思います。実はそうではないでしよう。もつとはつきりしたことを言つていただきたい。
○大石説明員 言葉が足りませんでしたが、制限する以前の平年漁獲高で、ございます。
○吉川(兼)委員 水産庁の方にちよつとお伺いしたいのですが、その演習場設定前の三年間の漁獲高という、ただいまお聞きの通り、特調の方の御答弁でございますが、その三年間の漁獲高を水産庁ではどういうふうに計算しておりますか。漁獲高でもよろしいし、またそれの金高でもよろしいですから、ちよつとお聞きしたい。
○立川説明員 その数字の把握の方法を申し上げます。その当時の統計のとり方は、各県及び各町村にそれぞれ統計調査の職員ないしはその事務を嘱託した人がおりまして、それで町、村、県というルートで毎年の漁獲高の報告を受けております。それを集計いたしまして、全国の漁獲高を出しておる、こういうことであります。ただ昭和二十六年からその統計のとり方がかわりまして、農林省の取扱います部局もかわりましたが、最近は最近の統計理論に基いて、もう少し、そういう報告でなしに、現地の統計調査事務所を通じて必要なサンプルをとつて、その中から大牧観察の方法をとつて、統計理論できちつとした、ある程度の確実性のある数字をつかめるような機構にして、最近は統計をとつておりますが、昭和二十六年以前と二十六年以降ではそのとり方がかわつております。それからただいまお尋ねの統計の数字及び金額でありますが、これは該当の九十九里浜の補償の対象になりました数字は、ただいま手元に持っておりません。必要でございましたならば、後刻御報告申し上げたいと思います。
○吉川(兼)委員 特調の言われますもよりの三箇年、二十一、二十二、二十三の三箇年と私は了解しておりますが、その数字をすぐお示し願えないようでは、どうも質問の継続ができなくなるおそれすらあるのです。そういうことじや困りますから、ぜひ必要なものですから、早急に、後ほどでよろしいからお届け願いたいのです。ただ現地の県の数字ですが、これは県の水産部であろうと思いますが、水産部で私が入手したところによりますと、これは明確な数字ではありませんけれども、最近では一年間の漁獲高は大よそ一千万貫ということを県庁では言つております。ただいま問題になりました基準年度というか、この三年間は六百万貫という数字が出ております。これは現在は申し上げるまでもなく、六日間のうち四日半日も演習にさらされておりながら、漁獲法その他の改良等から生産がこれだけ上つております。それから演習場を設定しない前においては一年間に終日やりましても、六百万貫しか上らない。こういうような数字の開きをもつてみましても、その基準年度に当つております三箇年、一年六百万貫という数字を基礎といたしまして、そうして今日の損失補償をやつております根拠といいますものが、これはもうずれておるということになるわけでございまして、六百万貫より少いものだけを補償すればよろしいという考え方でありますれば、今日は千万貫とれておりますから補償の必要はないということにもなるわけであります。いろいろのコスト高、その他の点から、千万貫とれましても、漁民の生活は非常な困窮を来しておる。現にこの間の前回の委員会における経営者側から出ておりました参考人の話でも、今のように演習場設定のままで、今の程度の補償金をもらつておつたのでは、これはいわゆるあぐり業という、あの地方特有な大きな漁業でありますが、経営は立つて行けないということをはつきり言つておるのであります。今私はこの補償の根拠をなしておりますところの三箇年間の基準漁獲高というものも、この基準は非常にずれておるのでありますが、これを少くとも十箇年くらいにずらして、そのころの物価関係でありますとか、労銀関係でありますとか、一切のものを勘案しましたところの基準年度というものを出さなければ、補償の信憑性というものがはなはだ怪しくなる。こういうふうに私は考えておるのでありますが、そういうところについても、水産庁なり特調においてお考えになつておるのか、あるいはまたこれは大蔵省にも関係があると思いますが、大蔵省の補償関係の方におかれても、そういうことをお考えいただいておるかどうかということを順次お答え願いたいと思います。
○大石説明員 御指摘のように、補償基準の把握の仕方につきましては、漁業補償の場合は非常に困難の面があることは事実でございます。いわゆる過去三年の基準漁獲壁のつかみ方につきまして、過去三年間たまたま特殊な条件のために、ずつとこれを十箇年あるいはある特定の三箇年だけを押えまして、非常に漁業の最盛のような三箇年だけを抑えて、これを基準とする場合、と比較いたしましてどうかといつたような考え方もあるわけでございますが、研究の結果現在のところでは、とにかく制限前のもよりの三箇年間を押えまして、それを基準漁獲高とするという点については、大体私ども関係各省が一致した見解のように存じます。
○立川説明員 この漁業の演習補償につきましては、いろいろ基礎に非常に問題があるのでありまして、漁獲高は大体日本全国の大勢といたしまして、終戦後と最近の事態とでは非常にかおつております。一般的にもちろん生産力の上昇の傾向もありまして、当然ふえて来ておるわけでありますが、一々の地区を一つくとつて参りますと、演習開始前三箇年と今年を比較いたしますと、ところによるとそれよりふえておる、御指摘の九十九里というような場一合とか、それからかえつて減っておる、というような場合もございます。それは漁業の生産が工場生産のようにただ年々コンスタントに出て来るものでありますと、補償の政策というものは大体明確になると思いますが、これが漁、不漁というフアクター、その他海況であるとか漁況であるとかいういろいろな因子によつて左右いたされますので、どこまでが演習による影響であるかということを判断いたします際も、問題が非常にむずかしくなると思うのであります。その点が海上演習の補償の際の非常な問題でありまして、場合によると不漁の場合のカバーを演習ですることになるのではないかというような問題も、いろいろ部内で討議いたしております際には出て参ります。そこでどういうようなところで区分をするかというようなことについて、いろいろ研究をいたしましたあげく、今のやり方といたしましては、ただいま調達庁の方から御説明をいたしましたようなやり方でやつておる、こういうことでございます。
○谷川説明員 お答えいたします。ただいまの問題は実際の損害額の把握をどう適正にするかという問題でございますが、その方法といたしまして、従来とり得る資料というのが限られておる関係もございまして、御承知の通り漁業者につきましては、二十七年の閣議了解の補償要綱によりまして、制限前三箇年の平均の漁業所得をもとにいたしまして、その後の物価の上昇を加味いたしまして、実損を算定して補償いたしておるわけでございます。大蔵省といたしましては、ともかくも実際の損害額は百パーセント補償するという建前でおりますので、個々の場所におきまして実損の把握の仕方が間違つておれば、それを改めて適正な額を補償するという考えでおります。
○吉川(兼)委員 今の水産庁の御答弁の中に、部内で御相談をしております間に、不漁を補償するようなことがあるのじやないかというような御議論があつたそうでございますが、その御議論は御自由で為りまして、その御発言はまことに率直に伺つたのでいいわけでもありますけれども、言語道断といいますか、そういう方にはぜひ現場の困つております状況を実地にごらん願いたいと思うわけであります。私が今昭和二十八年度の漁獲は千万貫ということを申し上げておりますのは、これはまさにその通りであります。ところが税金でありますとかいろいろな問題で現地の収入は激減いたしております。一番いいのは、この数字についていろいろ言う前に、われわれはあの演習場をとつてもらえば一番いいのでありますけれども、演習場があつて、しかも一週間のうち四日間、午後から一番漁が盛んになります時間を六時間も海上のあの広い地域を壟断されておりまして、そうしての補償であるわけでありますが、その補償の根拠になつておりますのは、ただいま大蔵省のお話の中にもございましたように、制限前の三箇年間のきわめて漁獲の少いときを平均したものでこれをなされようとしておりますので、そこに非常な不合理があるということを指摘するために私は申し上げたのであります。大体私が大ざつぱに計算いたしたところによりますと、千万貫で貫当り百二、三十円と計算して十二、三億円入るわけでありますが、その補償は実際に千万貫入つているというこの計算のもとで、十二、三億円の中でその損害を大体三割くらいもらう、こういうところに県庁の計算があるように私は聞いております。そうしますとその損害計算が四億円をちよつと越えるのではないかと思うのでありますけれども、今調達庁のお話を聞きますと二億三百万円でこれを打切つているのであります。これは私は現地の損害の実情に適していないと考えるのでありますが、この二億三百万円で適当だと思われるかどらか、これは調達庁に聞きたいのであります。その次に大蔵省の方では、この二億三百万円という昭和二十七年度の補償金二十八年度以降において増額する計画といいますか、お見通しがおありかどうか、聞いておきたい。
○大石説明員 お答え申し上げます。九十九里浜海上演習場の昭和二十七年度の損失補償金二億三百万円は、私ども主務庁といたしまして適当だというふうな見解を持つております。
○谷川説明員 ただいまの御質問でございますが、二十八年度につきましてはすでに実績もわかつていることだと考えますので、調達庁の方で現在補償額を算定いたしまして払うことになりますから、その先のことにつきましては、実際の損害額がどの程度になるかということによりますので、ただいまふえるとか減るとかということをここで申し上げるわけに参りません。
○吉川(兼)委員 私は大蔵省にどうしてそういうことをお伺いするのかといいますと、今朝の新聞の千葉県版という欄に、九十九里の補償金は従来出し過ぎているというので大蔵省の方で一大蔵省とは書いてなくて当局と書いてあつたようですが、これを幾らか減額するような傾向があるというような記事をちよつと見たのです。新聞記事で出所もはつきりしないのですが、そういうような事実があるかどうかということを、そういうふうな聞き方でお伺いしたいと思います。
○谷川説明員 千葉の片貝演習場につきましては、二十七年度に比べまして漁業の制限を受ける区域が大分縮小されております関係がございますので、縮小されたためにその損害の量が普通の状態であれば減るわけでございます。もし減つておればそれだけ減額されるというのは当然のことだと思います。
○吉川(兼)委員 演習の区域が少し狭くなつたことはあなたのおつしやる通りでございますけれども、現在でも二万二千ヤードが一番制限の大きいところです。その外にも御存じのように両脇に約一千ヤード、前方にはさらに、ちよつと数字を忘れましたが、三、四千ヤードの準危険区域を指定しておりまして、演習が始まりますと、その地域は全部漁業ができなくなるのでございます。ただ大蔵省の、あるいはお役人衆が机の上での、これだけ狭くなつたから損害がそれだけ少くなるであろうというふうな計算であるが、現地は必ずしもそれと合致しない事情にあると私どもは考えておるのであります。しかも前年度の二億三百万円という補償は、どの点から考えましても実際の損害の半分足らずのものであるということを、あなた方が現地代表としていろいろのことを御委嘱になつたり、御連絡しております県庁筋が言つておるのでありまして、実情もまさにその通りであろうと思うのであります。それを、ただ演習地が少し狭くなつたというようなことで、ただちに減額を考えられるなんということは、これはあまりに、どういいますか、悪口に聞えるかもしれませんが、お役所仕事に過ぎるといわざるを得ないのです。もう少し実情に即応した真の補償をやるように考え方をおかえ願いたいと思うのであります。 そこで私は、この間調達庁から参考までにちよつと聞いてみたのでありますが、漁業補償というものは、私ども見てもちよつとわかりかねるむずかしいものでございますけれども、石川県の内灘の補償を見ますと、これはいろいろな名目で実にたくさん金が出ておるわけです。よそに出ていることをここでかれこれうらやむわけではございませんけれども、同じ漁業補償であり計算したところによりますと、組合員一人当りに一年七百万くらいと出ております。これはあなたの特調の補償二課というところからもらつて来たものです。千葉県は先刻申し上げましたように、最高で九千円くらいです。いろいろ漁業の性質も違いますし、一概に比較しがたいものであろうとは思いますけれども、それにしましても、そういうような海上における損害の補償額の相違が出て来ておる。さらにこのほかにも、調達庁の方からもらつたのでありますが、農作物に対する補償というようなもの、あるいは建物補償、さらに増産補償なんというものが約五億円も出ております。農作物に対する補償というものも、九十九里一におきましては、早くから問題にしてしばしば当局にお願いしておるのであります。またあそこはたくさんの兵隊さんが駐留しますから、近所のすずめを休みの時間にほとんど撃ち尽したといっていいくらいいないのです。このごろでは毎年渡つて参りますつばめのようなものも非常に減少しておる。従つてその反射作用といたしまして、たんぼにたくさんの虫が発生しまして非常な虫害です。いわゆる副作用といいますか、この演習場がありますためにこういう問題が起つておる。内灘のごときは二十八年一月一日から四月三十日まで、さらに漁業権のうちの共同漁業権というのに対しては、二十八年五月一日から八月三十一日までの補償でございます。わずか数箇月の補償にもかかわらずこういうような決定がなされて、それが支給されておる。九十九里は占領中に設定されまして、しかも一ころ共産党などがこれを反米運動に利用しまして、占領法規に触れて数名の者が刑務署に送られるというような事態も起つたのです。そういうことから来る現地民のおびえというものがありまして、思つたことを十分その筋に訴えることが行われておらないという状況もございますけれども、石川県の内灘みたように、県知事から県会の議決、そういうものから始まつて、国会議員等打って一丸となつた反対運動をやつたかどうか知りませんけれども、結果はこういうような数字が出て来る。千葉県のように易々諾々として、不承々々ではありますけれども協力の態勢をとつておりますところには、きわめて報いることが薄い。こういうような、類似した漁業補償できわめて顕著に不公平な数字が現われておるのでありまして、これから来ます民心の動揺なども、当局として相当考えてもらわなければならぬ。さなきだに、すでに共産党が入り込んで相当これを利用いたした現実の姿もあることでありますから、そういう意味におきまして、この問題は、委員会の貴重な時間を長くとつて、同じようなことを繰返すようではなはだ恐縮でありますけれども、事はきわめて重大であると申し上げなければならないので、ぜひ近い将来にこれを撤去するというふうな御努力をしていただくとともに、それができるまでの間の補償は、少くとも内灘などと比べてこういう十分の一というような開きのないようにしていただきたい。これを希望として申し上げておきます。いろいろ質問したいことがありますが、たいへん時間が迫つておるようで、前回も少し御無理をしていただきましたから、きようはできるだけ簡単にいたします。また次回の委員会ででも足りないところはお尋ねいたしますが、最後に、海上保安庁の方もお見えのようでございますから、ちよつと一つお伺い申し上げておきたいと思います。 先日運輸委員会でございましたか、こういう九十九里の問題が取上げられまして、そのとき関連質問をして、海上保安庁から、去る二月十七日、水産庁におきまして、この「九十九里の片貝高射砲演習地域における漁船射撃事件」云々ということになつておりますが、これは九十九里浜のことでございます。このことについて水産庁、外務省、海上保安庁、調達庁及び千葉県庁の五者が集まり協議したということで、その報告をお願いいたしておきました。ところがこういう報告書が来ております。この報告書の中に「同区域に関係のあります補償は、昭和二十七年十二月までで、総計約一億五千万円支払われており、二十八年度分は現在調達庁で申請書を整理中である。」これはよろしいのですが、この次の「金額としては安い方ではなく」と特に断つて、「ただ経営者と労務者との比率について不平が相当あるとのことである」こういうことが書かれてありますが、これは海上保安庁の解釈なのか、あるいはこの五者会談の打出した結論なのか、その辺をお伺いしておきたい、こう思うのです。
○砂本説明員 この件に関しましては、いわゆる四者会談と言われておりますが、その会談の内容をひとつ提示してくれという御依頼を受けましたのは私自身でございまして、よく承知しております。そのとき、これは主催者も違いますし、私の方の関係はその一部でございますので、四者会談の内容につきまして私の方から出しますことは、ちよつと筋違いであるということも申し上げたのでありますが、わかる程度でいいという御了解を得ましたし、その意味におきまして、内容につきまして私どもの直接の所管でない点につきましては、お電話でございましたが、他の面で調べるからという御回答を得たのであります。そういう御了解のもとで――一応私の方で列席した者もございましたから、内容につきましては私もここではつきり断言はできませんが、重要な点は私の方も無断で出すのはどうかと考えましたので、一応当つたことは当つたのでありますが、内容の件につきまして他の所管につきましては、先ほど申しましたようにここで私責任を持つてどうであるということはお答えできないことをひとつ御了承願いたいと思います。
○吉川(兼)委員 その辺はそういうことでございましよう。それでけつこうでありますが、そこでこの間の威嚇射撃の際に、海上保安庁の船がその演習区域の中におりましたにもかかわらず、射撃が始まりますと、いち早くとまでは申し上げませんけれども、少くとも一番最後にその区域を出るというような行動をとつておらない。あなたの方の船がいなくなりましてからも、なおかつ七はいの漁船が米軍のレーダーに映つておるということを、米軍側で私どもに話しておりますが、何しろ過ぎ去つたことで、海の状況でありますから痕跡がないので、どうともあまりはつきりしたことを言いかねますけれども、海上保安庁というのは、そういう場合に漁民なり漁船なりを保護するというのが、お仕事の重要な一部ではないかと考えますのに、射撃が起つたときに、少くとも七隻の船が残つておるのに区域外に去るなんというのは、どうもお仕事を十分認識せられておるというふうにとれないのであります。その間の事情をこの間もちよつと伺ったのでありますが、はなはだ徹底を欠いておりましたので、どういう事情にあつたかということ、それを簡単でよろしゆうございますが、伺いたい。それから今後は特にあの地域につきましては万全を期するためにどういうことを考えておられるか、伺いたい。
○砂本説明員 巡視船の使命といたしましては、まさに吉川先生のお言葉の通りでございまして、私ども全部それをよく自覚しております。まさに取締りと同時に保護でございます。これも末端の一人々々が十分認識しておるということをここで申し上げたいと思います。 それから今後の処置でありますが、これは私の方は建前といたしまして、基本的なことは特別調達庁から直接海上保安庁の方に御連絡いただくことになつておりますし、現場における具体的なことにつきましては、いろいろここですでにお話が出ましたように、現地の渉外――その構成メンバーにもいろいろありましようが、そこから承つてそれによつて巡視船の任務を果しております。今後はその連絡を進んで積極的にすることを特に心得ますとともに、受けました連絡につきましてははつきりと確認いたしまして、できるだけ敏速に海上の取締りと申しましようか、連絡と申しましようか、保護の万全を期するように十分指示をいたしております。 それから当時の模様でありますが、問題は重大でございますので、一応ここで御報告いたしましたことにつきましても、その後いろいろ直接責任を持つております横浜にあります第三管区本部の責任者も参つておりますし、いろいろ調査しておりますが、ここで御報告申し上げましたことを多く変更する必要はないということを、現在の状態におきましては私は感じております。その状況と申しますのは、一応ここで申し上げましたことをあらためて御報告いたすのでございますが、向うを担当しております私どもの出先は銚子海上保安部と申しますが、そこに巡視船が二はいございます。二月十一日にはそのうちの一ぱいである「はやぶさ」が同演習場海域の哨戒警備に当つておりました。当日十一時三十分、ころ、同巡視船が片貝東方約九マイル付近、これは危険区域外でありますが、南下航行しております。これはもちろん今回のこの射撃に対する取締りなり保護ということをはつきり認識してこの行動をやつております。そのときちようど操業を中止いたしまして、帰航中のあぐり漁船、これは二十ぱいあるいは三十ぱいという報告を受けておりまして、正確な数字はこの範囲だと思うのでございますが、すでに帰港中と見られる二十ぱいないし三十ぱいの船をこれははつきりと認めておるのでございます。当日は海上がもやぎみでございまして、視界は必ずしもはつきりしていなかつたのであります。その視界は二マイルあるいは三マイル、こういう場所でもあり時期でもございましたし、また見通しのよいところではあるいは四マイル程度見えた部分もあつたようでございますが、まず二、三マイルあるいは四マイルの程度で、これは不良の状態でございます。そのほかには当時その付近に、巡視船が見る範囲におきましては、漁船はこれを視認しておりません。その後同演習区域内を引続き哨戒警備を続行いたしておりましたところ、十三時三十分ごろ米軍から千葉県庁を通じまして、これは渉外と申しますか、すでに連絡員もおられるようでありますから、それを通じまして今申しました銚子海上保安部がこれをはつきりと受けております。このことをただちに無線によりまして沖を哨戒しております当時の「はやぶさ」でございますが、これに連絡いたしました。本船は十三時四十分から四十五分の間にこれをはつきりとキャツチしております。それによりまして、そのときの内容は退去の要請であつたのでありますが、巡視船はその付近を十分できる範囲に行動いたしまして、漁船がおればもちろんこのことを伝えて、危険区域…外に出すつもりでその付近を哨戒したのでございますが、そのときには視界の悪い関係もございまして、全然船は見当らなかつたのでございます。そのと青現在持つております「はやぶさ」の能力と申しましようか、スピードの関係あるいはその視力の問題で、全区域にわたりまして確実にこれを認めることができなかつたかもしれませんが、先ほど申しましたように、射撃のある日にちと時間でございますので、すでに漁を終えて帰っておる船もはっきりと確認しておりますし、また見る限りにおきまして、これはただとまつておるのではないのでありまして、相当広い行動半径をもつて漁船に注意を与えるべく行動したのでありますが、そのとき漁船を確認し得なく、そのまま自分も南下して危険区域を出たということでございます。その当時いろいろ射撃の問題もいわれておるのでございますが、巡視船といたしましては、その射撃のありましたことさえも、何らこれを確認しておりません。 これが当時の模様でございまして、米軍の正確なレーダーが使用されておつたということでありますならば、それによつて危険区域に若干船がおつたということがはつきり確認せられますならば、これは私ども何も否定し得ないのでございますが、当時の巡視船の能力におきまして、まず最善を尽したように考えられるのであります。しかしこれ以上の最善の方法はないかということになりますと、今回起りましたいろいろの問題を十分検討いたしまして、私どもの使命をできる限り完全に果したい、この意味におきまして、いろいろ現地ではその後引続き関係者とも協議しておる次第でございます。なお聞くところによりますと、現在の無線施設を持つている船の七隻に、さらに十隻でありますかふやされるということは、これは非常に重要な問題で、要するに沖に対して通信連絡が確実かつ敏速にできるということは、非常に重要問題だと思うのであります。これにマツチいたしまして私ども最善を尽したい、こういうふうに考えております。
○吉川(兼)委員 同じことを何回も伺つておるようでございますが、どうかひとつ海上保安庁は、もつと性能のいい船を――船はいろくあるはずだから、基地のようなところには性能のいいものをまわして、あとからいろいろ言い訳をしないで済むような責任あることをおやり願いたいと切望しておきます。 それから最後に国際協力局の方にお伺いするわけですが、この間のいわゆる九十九里浜の威嚇射撃の事件でございますけれども、十七日の外務委員会だつたと思いますが、戸叶さんの御質問に対しまして、大臣がお見えになつておりまして、これを合同委員会という言葉は使つておりませんが、先方にこれをよく聞き合して、そして善処するというようなことを――ここに速記録がありますから正確なところを読んでもよろしいのですが、そういう意味のことを言つておられるのですが、この問題を中心として九十九里浜の問題、あるいはもつと広く基地における海面使用の問題、そういうことを合同委員会で最近論議された事実があるかどうかということをお伺いしたい。もし事実がなければ、近い将来にそういうような運びになるような外務省側の準備といいますか動きといいますか、そういうことがなされておるかどうかということをお伺いしたいのです。
○小滝政府委員 この問題は何といたしましても現地の事実に関する問題でありますので、現地の方をいろいろ調査する、そして幸いにして現地でもますます今後連絡関係を密にして、こういうことが起らないように話合いもついておりますので、現在のところは合同委員会の方へかけるという考えは持っておりません。しかし法律問題が起るとかあるいは非常に今後紛糾するようなことがかりに起れば、もちろんこれは別の問題でありますが、本件に関しましては幸いに現地でいろいろ友好的に話合いが進んで、これまで以上に先方の方でも気をつけてやり、そして連絡を密にして絶対にこういうことが起らないようにするということでありますので、これに関します限りは、合同委員会に持ち出す考えは持つていない次第であります。
○吉川(兼)委員 今日また例によつて私としてははなはだ時間の制約を受けたことになりまして、委員長その他委員の方としては最大限の時間を御割愛願つておりますが、どうも質問が徹底しないで残念でございますけれども、最後に私が申し上げておきたいのは、どうかこういうような問題につきましては政府関係筋におかれましては、アメリカ側に対してといつた方が早いでしようが、極東軍に向つて強硬な御折衝をなさいまして、働く者、あるいは働かないでもあの付近に住んでおります人々のいろいろな利益を守るということに、ひとつ積極性をお持ち願いたいと思うのです。これは私のひがみかもしれませんが、ややともいたしますと、ちよつと報告書を求めましても、その報告を書いたところがきめたとは思いませんけれども、これは相当であるというようなことが言われるということでは、この実際に被害を受けております人々が、なるほど政府はわれわれのために最善の努力をしたのだという認識を持つわけに行かなくなるだろうと思うのであります。どうかひとつ相手方に強く交渉してもらいたい。といいますことは、ここにこの事件が起りましてから、極東軍に勤めておりますある個人から私に手紙が来ております。ここで読み上げてもよろしいのですが、自分の見るところでは、アメリカ側が厳重であつて、むしろそういうようなことについては一隻の船といえども、一人の人といえども傷つけないということに対して非常に良心的だ、この人の見るところによりますと、どうも日本側のアメリカに実際に接触しておる面の交渉がはなはだなまぬるい、これは断言できないでしようが、そういう感じが自分はそこに勤めていてするという手紙がここに来ております。どうか極東軍に勤めておる日本人がそういうことを言うようなことのないようにしてもらいたい。州手のあることですからそう急に話もできないでしようが、少くとも補償金なんかでこれを片づけようとは現地ではちつとも考えておらないのです。その補償金をどういう計算か知らないが、削るというようなことがかりそめにも新聞に出るような、こういう不見識なことでは、現地にどういう不慮の問題が起らないとも限らないということを強調しておかなければならぬと思うのでございます。四者会談あるいは五者会談、何でもけつこうですから、そういう会合をお持ちになりますたびごとにやつてもらいたい。現地におきましては、この被害のために非常に困窮をいたしております。風俗も紊乱いたしておりますし、学校の校舎なんかどんどん倒れかけております。この間の特調の長官の森委員に対する御答弁も、少し現地の報告と違う点がありますから申し上げたいのでありますけれども、今日は外務省を除いては各省とも、こう言っては失礼ですが、あまり責任のある方がお見えにならないので、どうも質問がしづらいのでこの辺で打切りまして、ほかの委員会等でなお重ねてこのことについてただしたい、こういうように考えまして、一応私の本日の質問はこれで打切ります。
○大橋(忠)委員 関連して。基地の問題はアリソン大使も前に何とかしなければならぬ、岡崎外相も何とかしなければならぬと言つておつたのですが、これは反米派の宣伝に持つて来いの材料なのです。しかるに今度日本の自衛力がふえる、従つて日本の自衛力の基地がいるというような事態になりつつあるのでありますが、今度の自衛力の増強に関連して、この基地の数を減らすとかあるいは整理統合するとか、何かそういうようなことをアメリカ側とやつておりますか。これは反米運動の一番いい材料になるので、日米親善のためにぜひやらなくてはならぬと思うのです。
○小滝政府委員 ちよつと速記をとめてください。
○上塚委員長 速記をやめて。 〔速記中止〕
○上塚委員長 速記再開。ほかに御質問ございませんか。 では、本日はこれをもつて散会いたします。 午後四時五十一分散会