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19回国会衆議院1954/03/16

海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会 第6号

発言数
103
登壇者
14
会派数
4
開催日
1954/03/16

会議録

山下春江改進党

○山下委員長 これより会議を開きます。  初めに、遺家族援護に関する件について議事を進めます。質疑を許します。高橋君。

高橋等自由党

○高橋(等)委員 私は、遺家族保障の問題について、三点にわたつて主として厚生大臣及び恩給局長にお伺いをしておきたいと思います。  まず最初に、当委員会におきましては、戦地において戦病死をした人または内地入営中病死をされた人の遺家族に対しまして何らかの保障をすべきであるという見地に立ちまして、従来各委員より熱心に要望をいたしておつたのでございます。承りますれば、内閣におきましてもすでに成案が決定いたしておるようでございますが、政府よりこの点につきまして御発表をお願いいたしたいと存じます。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○草葉国務大臣 かねて国会におきましてもたいへん御心配をいただき、また御指導を賜わつておりました、戦病死者と申しますか、軍籍にあつて死亡しあるいは病没をされたが、その原因が公務と認定をされないという状態のとき——一口に非公務死の方々と申しておりますこれらの人たちに対しまして、従来戦傷病者戦没者遺家族等援護法によります処置におきましては該当しないとして、あるいは弔慰金、年金の支給が却下されておつた、そこで、これらの人たちに対しまして、いろいろ従来の関係等も検討しながら、何か国家として弔慰の意を表する方法を講じなければならないという点でございまして、この点に対しまして、ただいま申し上げましたように、国会の皆さんの方から強い御熱望もありますし、また国民全体からもいろいろと熱望されておつたのでありますが、本日の閣議におきまして、戦傷病者戦没者遺家族等援護法の一部を改正する法律案を決定いたしまして、それによりましてこれらの人たちに対しまして弔慰金として一時金五万円を支給することの決定を見、近く法案を国会に提案いたして、御審議をいただく段取りにいたしたのでございます。  その内容は、旧恩給法の特例の第一条に規定いたします軍人または準軍人、これらの人たもが、昭和十六年の十二月八日以降におきまして、故意または重大な過失によらないで、戦争に関する勤務に関連して負傷しまたは疾病にかかつて、このために死亡された場合、及びこれらの軍人が、昭和十二年七月一日から昭和十六年十二月七日までの間におきまして、故意または重大な過失によらないで、事変に関する勤務に関連して負傷または疾病にかかり、それにより昭和十六年十二月八日以降に死亡された、または昭和二十年九月二日以降において死亡が判明いたした場合、詳しく申しますとそういうことに相なりますが、一口に申しますと、非公務死の方々に対して弔慰金を支給するということに相なつて、その額は、従来公務によつて戦死をされました方々と同じ五万円といたした次第でございます。従つて、長らくいろいろ御配慮をいただいておりました点が、これをもつて一応その処置が講じられることと相なつたと存じます。  現在におきましては、実はこれらの方々は相当数に達しておるのではないかと存じております。一応二月一ぱいに受付けました件数の中で、却下いたしました書類が二万七千二百五十二件に相なり、なお手元にありまする裁定未済の分が七万三千件ほどに相なつておりまするが、この中の大部分の方に対しましては、この処置によりまして弔慰の方法が講じ得ることであろうと存じております。  以上この機会に御報告申し上げ、御了解をいただきたいと存じます。

高橋等自由党

○高橋(等)委員 ただいまの弔慰金の決定に対しまする厚生大臣の非常な御尽力に対しましては、つつしんで敬意を表したいと思います。どうぞ、法案を一日も早く提出を願いまして、この問題について待望久しい人々を一日も早く安心をさしてやるようなお手配をお願いいたしたいと存じます。  次に、いつも問題になる点でありますが、戦地において戦病死をした方につきまして、これが公務死でないという理由をもつて年金・弔慰金を却下されるものがだんだんとあります。今まではそう件数は上つておらないという説明を事務当局から承つておつたのでありますが、しかし、ただいま事務当局の方でいろいろ調査をなさつておられる厖大な件数に上るものの中の大部分はこうしたものであろうと考えるのであります。しかし、たとえば最近の一つの例としまして、上海で胃潰瘍にかかつた、しかし、あのときは上海は戦地であつたが、それほどはげしくないときに胃潰瘍にかかつたので、これは酒の飲み過ぎで、公務死とは言えない、こういうような解釈を下されておる例も私は知つておる。しかし、戦地へおもむきますと、気候、風土、あるいはまた精神的に非常な変化を及ぼすものでありまして、精神的、肉体的変化によりましていろいろな病状が起り、内地におればあるいは死期を早めずに済み、あるいは、死なずに済んだ人が、それが原因で死ぬような場合が相当あると考える。そこで、この際いろいろなそういう問題をこまかく区分をされますと、実際遺族大衆が受けまする印象というものは、なぜ自分のうちは断られ、なぜ隣のうちは許可になつたろうかということについて、政府の措置を公平ならずと考える。これはもう実際問題であります。そこで、戦地において戦病死をした者につきましては、自己の過失によるか、または特殊の遺伝疾患以外は、公務死として裁定をすることにしていただきたいと考えますが、この点について厚生大臣及び恩給局長の御答弁を特にお願いいたしたいと存じます。

三橋則雄総理府事務官(恩給局長)

○三橋(則)政府委員 公務のために死亡したと言えるかどうかの問題につきましては、個々の具体的な場合について考えますといろいろな問題があるかと思います。ところで、理論的にりくつとして申しまするならば、公務と傷病及び死亡との間におきまして相当因果関係があると認められる場合がすなわち公務のために死亡したものと言わなければならないと思うのであります。従いまして、理論的に申しまするならば、公務のために死亡したということで公務の扶助料を給しまする場合は、今申し上げたような場合に該当する場合に限られるのであります。ところで、具体的の案件につきてましていろいろと考えてみますと、戦地の場合においては、今お話のような遺伝的な疾患、というようなものを除いて、ほかのものは全部公務のために死亡したものとして取扱つてもさしつかえないではないかという意見もあるいはあるかと思います。しかし、現在私たちの手元においていろいろと検討いたしたところにおきましては、従来二十何種類かの法定の病気を掲げまして、そうして、この病気で死亡したという場合におきましては、ただ単に戦地におつたというだけのことをもつて恩給を給する取扱いにいたしておつたのであります。そのほかになお、今お話のように、今までの恩給法の取扱いになつておりました取扱いを広げるかどうかにつきましては、まだ確たる結論を得ておりません。これは医学的にもいろいろな問題があるのでございまして、今お話のようにしかりというような御答弁はいたしかねておるのでございます。

高橋等自由党

○高橋(等)委員 今の恩給局長のお話はまことに不可解だと思います。というのは、ここの委員会であつたか、あるいは内閣委員会であつたか、どちらかの委員会におきてまして同じ質問を私があなたに申し上げたのですが、ところがきようの答弁はそれより後退いたしております。そこで、私は、速記録をなお調べまして、もう一度よくあなたと話をしてみたいと考えます。速記録を調べた上で申し上げますが、あなたもお考えになつていると思うのですが、法の許す範囲内においてできるだけ広く公務死の範囲をきてめていただきたいということを特に希望として申し上げておきます。  なお、この年金の裁定は恩給の裁定と非常に密接不離の関係があるのでありまして、年金の裁定をされたものが恩給で断られたりしますとこれはたいへんな問題になりますので、どうぞ、政府部内におきましては、これらの点に関する意思疏通を特に十分にお願いをいたしたいと存じます。  なお、これに関連をいたしまして、恩給の審査状況ですが、もちろん年金におきましても相当審査が遅れておりますが、法律ができましてからもう二年になりまするにかかわらず、また事務当局の非常な努力にかかわらず、まだ相当多数のものが残つております。もちろんそれは、全般から見ればごくわずかにはなつたでありましようか、多数のものが残つている。ところが、この間も恩給局長にお伺いをいたしますと、恩給局においては、現在一日に審査を完了いたしておりまする件数が大体四千件ということを先般御答弁いただいております。しかも、私が推定いたしまするのに、その四千件は、いわゆる過去において恩給を受取つておつたところの旧軍人の恩給が相当多数を占めており、遺族関係の恩給はまだまだそんなに進んでおらないと思います。また、すでに東京にたまつておりますものが八万件ほどあるというお話で、地方の世話課にも相当のものがたまつて、続々東京へこれから来るわけであります。そこで、特に私は提案をいたして果断な措置を求めたいのは、こんな審査状況では、おそらく遺族恩給が全部裁定をされますには数年を要する。援護局、厚生省でやりましたものもまる二年かかつておる。そうして、今度恩給局に行きましては、それよりももつと年限を食うのではないかということを、今の進捗状況から見て心配にたえないのであります。これでは、せつかくいい制度ができても——一日でも早くこの恩給を渡すということが大きな政治だと私は思う。これが事務的な問題のために阻害をされておるということは許されないことではないかと私は考える。そこで、特に提案をして御意見も伺つておきたいと思いますことは、厚生省においていろいろな手続をもつて年金として裁定をされましたものにつきましては、たとえば船員その他のように身分上恩給を出せない、年金で行きますものは別であります。その他のものにつきましては全部そのまま恩給に切りかえるということをぜひともお考え願いたい。そうして、この点は特に厚生大臣にもお願いいたしておきたいのでありますが、政府部内において、事務当局では踏み切れない問題もあるかと思いますが、果敢なる閣議決定をお願いいたしたいと思うのであります。なお、ただいま申し上げた点をもうちよつと分析いたしますと、要するに、死因関係はもちろん厚生省の認定通り、それから、たとえば受取人の認定等につきましても、援護法は恩給法を基礎にしてつくつておりますので問題はないと思います。ですから、一度政府が審査をやつたことをもう一度お繰返しにならないようにやつていただきたい。もしそれが事務的にできなければ、当然これを法律をもつて年金から恩給に振りかわるのだ、こういう法律の用意をしていただくことが必要であれば、それもやつていただかなければならない、こういうふうに考えるのであります。もしこれができないということでありますれば、恩給局長にその理由をお伺いいたしたい。それから厚生大臣にはただいま申し上げました点に関しまする御意見を伺わしていただきたいと考えます。

三橋則雄総理府事務官(恩給局長)

○三橋(則)政府委員 先ほど高橋委員から、私の先ほどの答弁は先般の委員会における答弁よりも後退しているのではないかという御質問がありましたが、私は表現をかえただけでございまして、そのとき申し上げましたのと同じような心持で申しておるのであります。  次に、今御質問の、厚生省におきまして遺族援護法によつて遺族年金の給せられたものにつきましては、そのまま恩給一局におきまして厚生省における裁定を認めて事務を処理することにしてはどうかという御質問でございますが、これにつきましては、まず私は、くどくなることかと思いますが、若干のことを申さしていただきたいのでございます。それは、現在の恩給制度におきましては、御承知の通り、裁定事務の機関は、国庫において経費を負担する恩給につきましては、恩給局という一つの機関を設けまして裁定をしておるのであります。恩給の裁定の事務は恩給局において一元的に処置されることになつておるのでありまして、各官庁がその所属職員の恩給につきましてそれぞれ各個ばらばらに裁定するということにはなつていないのでございます。言いかえますと、恩給の裁定機関は一元的であつて、多元的にはなつていないのでございます。その官庁の所属職員のことにつきましては、あるいは履歴のことにつきましても、あるいは死亡当時のことにつきましても、その所属官庁が一番よく知つておることと思います。にもかかわらず、裁定の官庁として別に恩給局というものを設けて恩給の裁定をすることになつておりますることは、これは要するに、各官庁の所属職員の恩給の処理にあたりまして公平に、いやしくも裁定の事務につきまして統一保持を乱すことのないようにというおもんぱかりからされておることと思うのでございます。このことは、現行の恩給制度ができましてから今日まで来ておることでありまして、ほかの各国におきましても私はそうじやないかと思つておるところでございます。従いまして、どこの官庁所属職員の恩給でありましても、いやしくも恩給ということになりますれば、いずれも恩給局において裁定いたしておつて、恩給の裁定の統一保持がはかられておるのでありますから、各官庁の職員の恩給が所属官庁が異なるということだけによつて、かりそめにも不統一な、不公平な取扱いに陥ることにはなつていないのが現在の建前でございます。各官庁におきましては、所属職員の恩給の請求がありますると、その書類の進達官庁といたしまして、恩給に関して裁定官庁である恩給局に意見を具申することになつております。その際に進達官庁としていろいろこまごましい証憑書類をつけて来るのでございますが、ときには進達官庁としての各官庁の意見と裁定庁としての恩給局の意見が一致しないこともあります。また、各官庁間におきましても、進達庁として、裁定庁としての恩給局に対する意見も各省それぞれみな一致しておるというわけでもありません。違う場合もあります。ところで、そのように意見が異なる場合にありましても、恩給の裁定事務を各官庁を通じて全体として見ました場合におきましては、統一保持されておることが必要であると私は思うのであります。恩給局におきまして一元的に恩給の裁定事務を取扱つております現在におきましては、この目的は十分に達せられておると思うのでございます。  旧軍人に関する恩給、これは遺族年金、扶助料も同じでございますが、旧軍人に関する恩給もまた恩給である限りにおきましては、今申し上げましたごとくに、他の官庁所属職員の恩給と同じように、他の官庁の職員の恩給との統一保持のもとに裁定されるべきことが必要ではないだろうかと思うのでございます。もしも、他の官庁職員の恩給裁定との統一保持を顧みないで、別個に切り離してまつたく別の見地に立つて裁定するということになりますと、恩給法による恩給とは言うことがむずかしくなる場合があるいは出て来るのではなかろうかという気もするのでございます。また、そういうことになりますと、すなわち、恩給法の中の恩給といいながら、ほかの官庁の所属職員の恩給と別個の取扱いをするようなことになりますと、またそれからいたしましていろいろと好ましからざる結果もあるいは出て来るのではなかろうかというような気もするのでございます。そういうことからいたしまして、この旧軍人に関する恩給の裁定につきましても、恩給局といたしましては、今高橋委員の仰せられましたごとくに、すみやかに裁定をしなければいけない、また事務を簡素化しなければいけないというようなことにつきましては、でき得る限りの努力を払うことはもちろんでございますけれども、しかし、それかといいまして、他の官庁職員の恩給との均衡を保持し、恩給全体の統一を害するようなことになるのもいかがかと実は考えているところであります。そういうふうなことからいたしまして、今お話のようなことにすることもいかがなものかと思つているわけでございます。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○草葉国務大臣 お話の心持はよく了承いたします。私どもも努めてそういう方向、精神に持つて行きたいと存じます。ただ、法律をつくつて援護法によつてやりましたものを、すぐに恩給法に切りかえるかどうかという問題は、私自身もいろいろ検討いたしましたが、これには少々無理がある。それは、受給権者と申しますか、これを受けられる遺族の方に、援護法によつてやるのか、恩給法によつてやるのかという選択権を持つているのがたくさんある。従つて、一方的にいたしますと、ある場合には遺族に不利になる場合もありますので、どちらを選択するかという本人の申請の形をどうしても一応はとらなければならないじやないか。ただ、その場合において、書類等が複雑なために手続したいへん遅れるような場合があるとすれば、それは極力避ける方法をとる。実は、先般来恩給局と私どもの方とで寄り寄りこれらの問題等についても検討いたし、研究をいたして、現在以上にさらにもつと簡便な方法はないか、あるいはもう少し事務が簡略にされて、そして誤りのないことを期する方法はないだろうかということを調査し、検討いたして、御希望の点に沿うように努力はいたして参らなければならぬと思つております。また、今のお話のように、最初でありますし、厚生省が経由官庁になつております関係で、あるいは幾分か予定よりも遅れている点があろうかと心配をいたしているのでありますから、極力事務当局を鞭撻いたしまして、御遺族の期待にそむくことのないようにいたしたいと私は心がけておりまするが、今申し上げたようなのがありますので、そのままを切りかえるということにおいては困難がありはしないかと考えております。

高橋等自由党

○高橋(等)委員 先ほどの恩給局長のお話を聞いておりますと、管轄という問題をいろいろ言われております。また、大臣は、これを法文化しておいてそのことをやることはちよつとむずかしいじやないかというようなお話をされております。この点につきましては、さしあたりましては一政府部内の行政措置によりましてやつていただくのが一番いいのであります。それをやつていただきてたいと思いますが、それができなければ、われわれとしては、この問題についてはどうしても考究せざるを得ない。少くとも恩給の申請のあつたものについてはそうした措置をとれるじやないかと私は考えております。しかし、これは後日に譲ります。  次に、もう一つ、これは簡単なことです。最近遺族の方々がたくさん靖国神社へまいつております。昇殿参拝をいたしまして、涙の対面をして出て来る姿は、まことに涙なしには見られません。私はけさもその光景に接したのであります。ところが、全国の戦没者の中で実は靖国神社へまだおまつりをしてないものが相当多数あり、数十万、あるいはもつとあるかもしれない。これにはいろいろ険路があることは存じておりますが、ここで一々それを数え上げません。ひとつ厚生大臣の方でも何とか政府としてくふうしていただきたい。遺族問題は、物質面だけでないことはよく御存じの通りであります。一日も早く靖国神社に奉祀ができてるようにおとりはからいを願いたいと思います。  これをもつて私の質問を終らせていただきます。

山下春江改進党

○山下委員長 今参議院の予算委員会から厚生大臣が呼ばれておりますので、厚生大臣に対する質疑がございますれば、一点ずつくらいにして御質問願います。

福田喜東自由党

○福田(喜)委員 せつかく厚生大臣がおられるので、ちよつと関連して一点だけ、遺家族の要望だけをお願い申し上げたいと思います。  弔慰金に関しましては大臣にも非常にお骨折り願い、まことに感謝するところでありますが、ただいま委員長から質問の要点を一点だけに限定されたので、いろいろお聞きしたいことはありますけれども、最も重要なることを、私は遺家族を代表して、これはいろいろな問題を包蔵しておりますので、お尋ねいたしておきたいと思います。  それは、私は前々から申し上げておりますが、この点は実は先ほど三橋恩給局長の御発言に非常に関係がある。いわゆる年金も恩給も両方に関係があるのですが、公務による傷病の、この公務によるということであります。この点につきましては、ただいま恩給局長の説明によると、因果関係——因果関係というのは、おそらくは相当因果関係のことだろうと思いますが、この因果関係によつて公務により傷病したものである、これが法の眼目であり、制度の根本であるということを言われました。この点はわれわれは了承するのでございます。しかし、あとの点が、二十四種目でございますか、これに限つたということは、局長の説明は前とあととで矛盾しているわけであります。これは、理論的に相当因果関係というものを認めるならば、病気の種類を限定するというのは理論が成り立たぬだろうと思つております。これは、私たちから根本論を申しますと——これはまた私だけの議論ではなくて遺家族の声でありますが、一旦赤紙で召集されて軍服を着たならば、これは公務であるとかないとかいう議論は根本的に成り立たぬのじやないかというのが根本の趣旨でございます。一旦軍服を着た以上、たとえば逃亡の途中で死んだとか、あるいはまたよからぬ犯罪行為、不正行為をやつている場合に事故を起して死んだ、死刑になつたとかいうならば、それはむしろ公務にあらずということの反証をその場合においてあげるべきであつて、軍服を着ておつて、しかもその中で公務であるとかないとか言うのは、根本的に観念が間違つているではなかろうかと思うわけであります。  そこで、私は、この点に関連して、さらに一般輿論の帰趨と申しますか、それはどうかと申しますと、こういう公務の観念から進展して来る問題であります。日本は敗戦になつた。しかも内地も戦地もともにB二九と申しますか航空機によつて非常に爆撃を受けております。     〔委員長退席、青柳委員長代理着席〕 この敗戦の事実から軍の解体ということが起つて来た。軍の解体ということから、結局どこの野戦病院において、どこの内地の病院において、どういう軍医からどういう手当を受けてどうなつたというカルテも病床日誌もほとんど滅失してしまつている。従つて、遺家族においてこれを証明する資料も場合によつてはないこともある。しかも、どこの部隊に所属してどういう軍医から手当を受けたということも実はわからない。ことに、敗戦という結果からいたしまして、当時外地におつた者は海外にまで資料を探しに行くことはできぬ。これが厳粛なる実事でございますが、これから発生する議論はどういうことかと申しますと、今日、年金でも恩給でも、法律の建前上、請求をする場合には、挙証責任と申しますか、一切の資料を当事者が出すことになつている。ところが、今日軍も解体し、内地は戦災にあい、戦地は外国になつた。こういうふうな状況のもとにおいて、こういう挙証の責任と資料摘出の責任を遺家族に負わすというのは、まことに不可能をしいるものであると思う。この点、根本的に法の建前を改めて、今日軍の解体後においてその責任を継承しているのは政府であるから、この資料提出の責任というものは一応政府が持つてもらうという建前においてこれができぬものだろうか。こういう資料提出ということは、実際やろうと思つてもできないのでございます。終戦後軍が解体して、その責任の所在もわからないし、資料もわからない。法律上いかにりつぱなことが書いてあつても、その資料はわずか政府官庁のみにしか残つていないというときに、一体部隊長がどこにおつて、そしてどういうことをやつている、看護してくれた軍医なりあるいは医療に従事した者が今どこに復員してどういうところにおるかということをたずねて参ると、まるで石童丸が親を探すよりもむずかしいのであります。こういうことについて、政府当局としてもう少し思いをいたしまして、法律上で申しますならば、挙証責任を政府が負担するように法律を改正をしていただかなけれれば、いくらりつぱなものをつくつていただきましても、事実におきましてこの権利の請求というものは不可能に近い。私は、この点、年金でも、恩給でも、この制度をかえたいという場合において、政府当局にはくれぐれも認識していただきたい。費用の点から言うて、時間の点から言つて、しかもこれは現実の事実としてできないことをやれと言つてもできないのでございますから、この点の挙証責任の転換という法律論の一点に集約して、当局にくれぐれもお願い申し上げておく次第であります。  それから、恩給局長に、今申し上げました因果関係の論を展開いたしますと、二十四種目に限定したということは、私はどうしてもあなたの説明から納得し得ないのでありますが、この点を理論を貫くということであるならば、私は、ぜひとも、こういうものについての公務の観念を、今申し上げましたような点から発展して行つて改めていただきたいと思うのでございますが、この点について包括して御意見を承つておきたいと思います。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○草葉国務大臣 まつたく心持はお話の通りであります。そこで、この公務によるということが前提になつておりますが、遺族の方々の心情なり、また国民感情から考えましても、あのような戦争状態における動員というものは、一応そのまま戦死、そのまま病死という覚悟で行つておるから、これらの人たちはすべて公務によると認定していいじやないかという心持は、私どももよく同様に感じられるのであります。ただ、従来の取扱いの問題その他から、そこへいろいろ制限というものが設けられて参りまして、従つて、資料等というものが一つのものになつて参りますが、これも、お話の通り、ことに現地部隊等におきましては全滅等のことがありますので、なかなか資料が十分入手不可能な状態にあるところもたくさんあるのであります。できるだけの方法で、わかる範囲の資料を出していただいて、あとは、この援護法等において、それらの資料に基いて、あるいは資料がない場合においては私どもの方で調査した資料をもとにいたしまして認定を早めて行きたいと存じます。どうぞその点は御了承をいただきたいと思います。

青柳一郎自由党

○青柳委員長代理 大臣は参議院の予算委員会に呼び出されておりますから、ごく簡単に願います。

福田喜東自由党

○福田(喜)委員 そういう点、ただいま大臣の御答弁ですが、まことに遺憾と思いますのは、現実の手続の面においてそういう御趣旨とは反した結果が実際末端において生れておるのです。これこれの資料がそろわぬといつてつつ返しているのであります。これは現在の制度でもできることでありますから、よく御監督していただきたい。そういう精神のもとに法律につきまして根本的にもう一ぺん御検討を煩わしたい。これは遺家族を代表する声でありますから、よく御認識していただきたいと思います。     〔青柳委員長代理退席、委員長着席〕

中川源一郎自由党

○中川(源)委員 一言大臣にお伺いしたいのでありますが、ただいま三橋局長の御答弁の中にもありましたように、他の官庁の職員と同じようにすべきである、そうでなければ好ましからざる結果が生れるのじやないかというような恩給法の考え方でございますが、これは、もしもそういうことをりくつで言うて行くならば、軍人に他の文官恩給と同様の支給がなされておるかどうかということを考えますならば、三分の一程度のものしか支給されていないということと、勤務が特殊勤務であつて、内地で安全地帯で勤務されておる公務員ではなくして、戦地の危険地帯で、公務に従事しておる者であれば、それと同様に支給すべきであるのに、どういう理由でそういうことになるのか。どこの国でも戦争に出る者は危険地帯で公務に従事するというので一般の文官以上の待遇をされて去る。日本だけが三分の一の待遇を受けておる。これは公平と言えるかどうか。そういうかたいようなことは言われずに、どうか、これはひとつ、今福田委員が言われたように、いやしくも軍服を着て赤紙一枚でひつぱり出された者は国が補償すべきである。どんな死に方を戦地においてしているかは、一向内地におります遺家族は知らぬ。これは腸捻転であるからだめだ—。腸捻転でも、内地にいる人ならば、それはりつぱに手術ができる。胃潰瘍でもまた盲腸炎でもこれはだめだ、それは非該当、非公務である—。それはあまりにひどい。内地におりますならば胃潰瘍の切開ができるのです。そういう点をお考えくださいますならば、二十四種目の該当者だけでなく、あるいはまたある一医者が考えるだけでなしに、だれが見ても国に預けた身体が死んで帰つたというものでありますならば、これは当然公務死亡とみなすべきである。こういうように軍人関係においては解釈すべきものである。根本的の解釈が間違つていると思う。私は今稲田さんの言われるのと同感でございます。ですから、これはひとつ根本的に検討していただきたい。そうでなかつたら、これはいつまでも解決いたしません。いつまで、何回議論したつてだめでございます。どうかこの点は大臣においてお考えいただきたいと思います。  なお、引続き私は質問したいことがたくさんございますが、大臣でなくてけつこうであります。

臼井莊一改進党

○臼井委員 一点だけ大臣にお伺いしたいのですが、前々からのことてすが、恩給証書を持もあるいは弔慰金の証書を持つて、学校へ子供が上る資金が足りないから何とかしてくれとか、あるいは病気になつて診療費を何とかしてくれとか、いろいろ相談に来るのですが市役所に行つてもなかなかこれが解決できない。そこで、これに対して、例の問題になつておりましたダイヤモンド、政府の接収しているダイヤモンドが、六十一億という想定なのが約三百億ぐらいあるといわれているのですが、これを遺家族援護に使いたいということを議員立法で出すようですが、その使用方法を一つの恩給年金式のものにすることが、遺家族扶助料の均衡化といいますか、そうすることの方が非常に有効ではないかと思いますが、これに対する何かお考えがありましたら、ちよつとお伺いしたいと思います。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○草葉国務大臣 育英の関係で、ことに昨今は入学期を前に控えまして、戦争未亡人の方々など、あるいは年金の換金も来ないようであり、あるいは来ましてもただちに相当の額にならないような場合もありまして、相当困難な場合もあろうかと思いますが、育英資金を明年度予算におきまして母子福祉対策といたしまして相当計上いたしまして、従来の育英会等でもいたしておりますが、そのほかにそういう措置をいたしております。なお、恩給の年金の換金の問題につきましても、昨年もいたしましたが、これらについて相当考えておりますので、生活保護程度の方々に対しましては換金の方法もいたさなければならないと存じます。  今お話のありましたような点につきましても、今後さような実現を見ますならば、寄り寄り皆様方と十分協議をいたしまして、最も適正な方法に利用できるかと存じます。

山下春江改進党

○山下委員長 ちよつとお諮りいたしますが、厚生大臣は、参議院の予算委員会から非常にきついお催促でございますので、あちらへ行つていただこうと存じますが、お手がすきましたら、各委員非常に聞きたいことがありますので、お帰りをいただきたいと思います。  なお、外務大臣は三時四十分に十五分だけ本委員会に出席する、それについて今外務委員長に了解を得て参りましたので、三時四十分には見えますから、その間御質問を御継続願います。

田中稔男日本社会党(左)

○田中(稔)委員 恩給局長にちよつとお尋ねいたします。これは具体的な事例についてお尋ねいたしますが、戦時中内地の軍の工廠、研究所というようなところに勤務しておつて、激務、過労のために肺結核になつて死んだというような場合、これは今の弔慰金などもらえるのでございましようか。

三橋則雄総理府事務官(恩給局長)

○三橋(則)政府委員 今の田中委員の御質問でございますが、今お話のように、病気がまつたく公務のために起つたものであつて、そのために死なれたという場合でありますならば、扶助料は給せられることになります。もちろん、今の方が恩給法上の公務でなければならぬということはもちろんでございます。そういうような人であれば必ず給することになつております。しかしながら、具体的の問題にあたりましては、いろいろの問題があると思いますので、今田中委員の仰せられましたようなことも一応考えてみなければならないわけであります。今申し上げましたようなことでありますれば扶助料は給せられると考えております。  それから、先ほど福田委員からも御質問がございましたので、それについてお答えさせていただきたいと思います。恩給法におきまして、二十数種類の病気をきてめておりまして、これらの病気にかかつて死亡した場合については公務で病気にかかり死亡したというような取扱いをすることになつておる、このことについての御質問でございますが、御質問にありましたような場合におきましては、それがはたして公務のためにそういうような病気にかかつたものであるか、あるいはそうではなくしでかかつたものであるかということは、なかなかむずかしい問題のように思われます。そこで、そういういろいろむずかしい問題を抜きにいたしまして、恩給法においては法定いたしてございますが、それかといつて、先ほども申し上げましたように、公務と傷病との間に因果関係がないものに対しても全部公務扶助料を給する、こういうような趣旨でいたしておるわけではないのでありまして、具体的な案件についていろいろ、と困難な問題がある場合のことを予想し法定しておるのであります。しかしながら、あの病気以外の病気でなくなられた方の遺族に対しては公務扶助料を給しないかというと、そうではないのでありまして、そのほかの病気にかかつて、死亡された方の遺族に対しても、もちろん扶助料は給せられることになるのでございます。もちろん、その場合においては、法定されているものではございませんから、やかましく言えば個別的に因果関係を判定してやらなければならないことになつておるのでございます。これが法律の建前でございます。寅際問題といたしましては、先般から御質問があり、また大臣がお答えになりましたような心持をもつて私どもは裁定いたしておるのでございますから、戦地でなくなられた方に対しては、特別な事由のない限りにおいては、非常識な取扱いをされるようなことにはならないものだと思つておるのであります。

田中稔男日本社会党(左)

○田中(稔)委員 それで、これは恩給局長にお尋ねする筋合いでないかもしれませんが、続いてお尋ねします。私の尋ねた具体的な事例について言えれば、それが肺結核でなくなつた場合も、それが公務において激務であり過労であつたという因果関係が立証されるならば、援護庁の方から弔慰金をいただける、こういうわけでございますね。

三橋則雄総理府事務官(恩給局長)

○三橋(則)政府委員 肺結核という病気は、御承知の通り、今日国民病と言われるように、一般国民の間に非常に広まつておると言われておる病気でございます。従いまして、肺結核でなくなつた方が、軍隊に入る前に肺結核になられておつて、そのために入賞された後において、死亡されたのであるか、これについてはいろいろこまかい問題が出て来るわけであります。そこで、先ほど高橋委員あるいは福田委員の方から御質問、御意見がありましたように、戦地における有害作用によつて肺結核で倒れたものであるということは、容易に想定されることであります。かりに、戦地に行く前に肺結核になつておつたといたしましても、戦地におけるいろいろな有害作用に影響されまして、そのために死亡せられたということも容易に想像されることでございますから、戦地等において肺結核でなくなられた方につきましては、もちろん公務でなくなられたものとしての取扱いをすべきものだと私は思つておるのでございます。ところで、今度は内地におきまして、すべての場合におきましてそういうような取扱いをして来ておつたかと申し上げますと、必ずしもそういう取扱いをいたしておりません。それは、今申しますように戦地と同じように考えられる場合におきましては、もちろん私はすべきものだと思つておりますが、そういうように認定できない場合におきましては、肺結核でなくなつた、その病名だけでもつて何もかも公務の取扱いをしてよいか、どうかということになれば、してよいとは言い切れないものが若干あるのでございます。従いまして、大体において、今川中委員の仰せられるとろは、非常識な取扱いがないようにということだろうと思いますが、そういうようなことにはならないように心がけるつもりでおります。

臼井莊一改進党

○臼井委員 ついでにお伺いをいたしておきたいのですが、婚姻については事実婚というようなことで取扱つておられる場合があるのですが、入籍の遅れた養母なんという場合があると思います。実際おつかさんのようにしていていろいろめんどうを見た、それで、そのお父さんまでも一緒にめんどうを見ていた。ところが、せがれが死んでみたら、自分は入籍してなかつた。言つてみれば事実母というか、おかしなことになりますが、そういう例とか、それから、もう一つは、入籍の遅れた養子、これらについても、実際養子であるからというようなことで、それの立証ができれば何とかしてもらいたいというのが大分来るのですが、こういうことについて拡大の解釈ができるものですかどうですか。そういう点をひとつ、局長からでなくても、係の方どなたでもけつこうですから、ちよつと伺つておきたい。

中島忠次総理府事務官(恩給局審査第三課長)

○中島説明員 恩給局長にかわりましてお答え申し上げます。ただいまの御質問は、実際上親とか子とかで生活しておつたけれども、民法にいう縁組の届出等が一方の生存中にできなかつたものに対して、事実を重んじて扶助料を給するようにできないかということと考えますが、恩給法におきましては、御承知のように、旧民法が施行されておつた当時におきましては、恩給法の扶助料を給せられる遺族の要件として、旧軍人の死亡当時これと同二戸籍にあつた者という法律の制限がございますので、その死亡当時同一の戸籍内に登記と申しますか登録されておらなかつた者に対する取扱いは困難であると考えております。

臼井莊一改進党

○臼井委員 これは以前にやはり受田委員からも質問があつたのでありますが、どうも実際にお祭り等をやらないでいる者に弔慰金だとかそういうものが行つてしまつて、実際にやつている者の方に行かないというのです。私の今御答弁いただいた問題もやはりそれと同じように、これは法律上から行けばどうしてもそうなるのですが、実際に骨を折つていた人が恩典に浴さない。こういうことになることは非常に事実にそぐわないように思うので、この点もついでに、——あのときの受田委員に対する御答弁を私失念しましたから伺うのですが、これらに対しても現在何らの措置はないのですか。

田辺繁雄厚生事務官(引揚援護庁次長)

○田辺政府委員 弔慰金の支給の範囲、順位の問題でございますが、実際に葬祭をしている者はだれであるかということを追究し、調べて順位をきめることは非常に困難であります。一般的な社会通念によつてその順位を推定して渡すということが、実際の処置としては妥当かと思つております。その場合にだれを先にするか、だれをあとにするかということにつきましては、これはまあいろいろ御意見があろうと思いますが、結局これは当委員会におきまして御決定になつた通り実施されておりますので、多少のぐあいが悪いことがあるかと思いますが、大部分はいいのではなかろうか、こう推察いたしております。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 ちよつと援護法と恩給法との関連について両政府当局に御答弁願いたいのであります。まず、恩給法では、公務扶助料をもらう順位が、父、母、妻という段階から始まつて、しかも親においては六十歳未満であつてももらえる、また二十歳未満の者ももらえるという規定が書いてあります。ところが、援護法では、六十歳以上にならなければ扶助料をもらうことができないようになつておるし、また十八歳未満の者しかもらえないのであるが、ここで年齢差ができたのは、双方の政府当局としてはどういう御協議の結果そういう年齢差ができたのでありますか。

田辺繁雄厚生事務官(引揚援護庁次長)

○田辺政府委員 公務扶助料の支給される遺族の範囲が恩給法できまつております。これは、軍人遺族であろうと、一般文官の遺族であろうと、全部きまつておりまして、その原則に従つて実施されておるのであります。戦没者遺族援護法は御承知の通りのいきさつでできたのでありまして、恩給という一つの既得権を前提としながら、しかし講和独立後ただちにこの問題について手を打つということが困難な状態であり、しかも国家財政の点があつたということで、ある程度社会保障的見地を加味してできたというのがこの援護法の建前であるのであります。従つて、実施の場合には、一般の援護であるとかあるいは社会保険であるとかそういつた見地を加味してやつておりますので、たとえば子供の年齢にいたしましても、恩給の場合は成年ということを言つておりますが、援護法では他の社会保険と関連のある十八歳ということが書いてありますし、また父母の場合におきましても、一般の社会保障制度の六十歳という線で一応ラインを引きまして実施をしておるような次第であります。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 その年齢の差等をつけることは、今日においてはもう不当であると思います。従つて、恩給法と裏表の関係にあるこの援護法は、当然その年齢についての恩給法との差等を撤廃すべき段階ではないかと思うが、政府委員はいかがお考えですか。

田辺繁雄厚生事務官(引揚援護庁次長)

○田辺政府委員 恩給は復活いたしましても、援護法は残つております。援護法はあくまでも国家保障の精神に基いて援護するというのが根本の立法趣旨でありますので、援護的の要素を保持することはこの法律の精神に照して適当ではないかと思います。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 そういう社会保障的な性格の立場から年齢のわずか二歳をがんばり、また父母の場合は六十歳を限度としていつまでもそれを固執されるということになるのですか。これは援護法の性格と恩給法の性格と立場が違うということでありますが、しかし、この援護を受け、また恩給法の適用を受ける対象はすべて尊い戦争犠牲者であつて、そういう差等をつけるべき筋合いのものではなくなつて来ておるのです。従つて、恩給法で保障される線で、援護法に歩み寄るべきものがあるならば、勇敢に率直に歩み寄ればよいのであつて、今の次長のお言葉のように、全く出発が違うのだという、そういうことにとられることは、はなはだこじつけであると思うのであります。相手というのはみな同じ立場の人なのであります。援護法の適用者は恩給法の適用者に当然切りかえられなければならぬ立場になつておるのでありますが、そういう点もあくまで固執されるというのか、あるいはこの改正の場合は恩給法に準じて年齢の歩み寄りまで努力したいという考えがあるのか、その考えではなくて、今のでもよいというお考えでおられるならば、そのお考えの根拠を確かめておきたい。

田辺繁雄厚生事務官(引揚援護庁次長)

○田辺政府委員 恩給という制度は昔からある制度であります。これはどういうわけですか、子供は満二十歳でありますし、両親は六十歳という線でなしに全部年齢制限いたさぬ制度であります。これは、おそらく、私の想像でありますが、恩給法で父母という以上は相当の年齢の方が大部分であるという考えからでなかろうか、こう思うのであります。恩給法も社会保障というような要素が入つておるので、子供は満二十歳になれば恩給の対象からはずれる、また若年停止の制度もあるのであります。いくら恩給でも、年齢の若い受給者には若年停止という制度があるわけであります。そこで、援護法をつくります場合に、恩給だから満二十歳であり、あるいは父母の場合は年齢制限がないのでありますが、一般に考えていかがでございましようか。やはりその辺あたりは、一般社会保障制度の通念に従つてやるのが厚生省としては当然でなかろうか。ことに、恩給と同じようにやれということであれば、階級別、官職別の制度ということも考えなければならぬ。しかもこれは、遺族会としては援護法に関する限りは続けてやつてほしいという要望もございますので、その点恩給と全部合せなければならぬというふうにもならぬのではないかとこう考えます。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 私が今特に指摘した年齢の問題については、十八歳から二十歳くらいの間が一番手のかかる子供なのであります。その子供が二歳の差によつて援護法では見捨てられ、恩給法では救われるという問題は、社会政策的見地からきわめて大事な問題でありますから、単に今次長の申されたようなそれぞれの立場があるから違うのだというような点からでなくして社会保障的立場からも、もう二歳年齢を延長するということは非常に大事なことだと私は考える。その点は援護庁次長は十分考え直しやされないと、援護法の担当をなさつておられる厚生省の最高首脳部としては、冷たい、熱情のない、愛情の薄い最高幹部ということになるおそれがあります。この点もひとつ御反省を願いたい。  次は、せつかく援護法並びに恩給法の改正で御努力なさつた田辺さんや三橋さんたちのような権威者がおられるのであるから、相互によく連絡折衝をされて、円滑な事務の遂行をはからなければならぬと思うのですが、先ほど高橋君の方からお尋ねがあつたように、公務扶助料の支給についての事務の進捗状況なども相当長年月かかるおそれがあるということでございますが、援護法においてわれわれは痛い体験をしておるのです。この国家の恩恵に浴しようとする人々が老い先短かい人であつたりあるいは病床に呻吟している人であつたりする場合、一刻も早い支給ということは、援護法の場合も恩給法の場合も同様に切実な問題なんです。しかるに、援護法が出たときてには、秋ごろまでには完全に支給すると言つたのに、翌年の末ごろになつてもこのような状況で、今日まだ未処理のものが五万余残つておる。こういうことでは事務の円滑を期することはできません。また恩給局といたしましても、公務扶助料の支給にあたつてどのくらいの人員を動員して、どのくらいの日月をかけてそれが処理できるかの大まかな計画を立てておられると思うのでありますが、今、府県においても、また中央においても、その事務の進捗状況、まことに春日遅々たるものがあるようです。この点におきまして、現在恩給局として、公務扶助料の支給とかその他の事務処理をいつごろまでにはかる考えか、それまでに今臨時にどのぐらい人員を増加しで、どのくらいの機能を発揮しておるか。それから、援護法の適用に当る人々に対しては、厚生省はどのくらいの人員を動員しており、また舞鶴援護局の職員もこれに協力させておるそうでありますが、この援護局の職員は今度の四百六十四名の皆さんをお迎えした後においてどういう形でこれを残そうとしているか。こういう点について、事務進捗を急速に進めるという立場からの両政府当局の的確なる御意見をお伺いしたいのであります。

福田喜東自由党

○福田(喜)委員 恩給局長の先ほどの答弁に対して不審の点があるから、関連してお聞きいたします。先ほど恩給局長の答弁された中で、私ははなはだ解しかねるところがあるのであります。あの答弁は二つの問題を包蔵しておると思います。一つは立法論、もう一つは現在の法律の解釈論でございます。問題の中心は公務によるということを中心にして展開しておるのでございます。ところで、現行の法律のもとにおけるところの解釈論でございますが、公務によるということは、われわれの主張と三橋恩給局長とは大体気持は同じだと思う。従つて、公務による傷病死というところは、一応あそこに二十数種類のものが書いてあるけれども、その精神を貫いてやつておるのであつて、二十数種目以外のものでも個別的に裁定をして、なるべくその趣旨をかなえるようにする、こういうふうな趣旨だと私は受取つたわけでございますが、これは現実においてその通り行われていない。もしそれが事実であるならば、もう少しこの範囲が拡大されてしかるべきであつて、かつまた、受田委員から先ほど主張せられた趣旨のようなことが行われてしかるべきではないかと私は思うのでありますが、現実においては、国会のここにおける調査と現実の姿というものとは格段に違つておるのであります。この公務によるということの精神は、先ほどの大臣の答弁にもありまして、その気持はよくわかるのですが、われわれの主張することは、赤紙の召集で軍服を着た以上は、あれが公務の姿でなくて一体何の姿であるかということです。私たちは現実にそう思つておるわけでありまして、ここに二十数種目のいろいろなものが例挙してありますが、これは一応公務ということを認定するところの基準であると私たちは思うのであります。いまいろいろのりくつが局長から述べられましたが、われわれ戦時中を実際考えてみますと、入営するとき身体検査をやつておるじやないですか。言でいろいろな検査奪つておる。入営しても、からだが元手の兵隊さんにおいては、月別の検査をやつておつて、それで一応即日帰郷であるとか、あるいは除隊であるとかいうようなことをやつておる。ここにおいて、公務によつてということについては一応因果関係の中断があるものであると私は心得ておるわけであります。しかるに、こういうような検査の場合におきましても除外されずにそのまま残つておつて傷病死になる、いわゆる公務によつて戦病死した者をさらにこの中でいろいろ選別をするという量は、私は立法論として観念が間違つておると思います。かりにこれを百歩譲りまして、立法論を除きましても、今局長が言つたように、二十数種類の種目以外のものであつても個別裁定をやつてその精神を貫こうとするならば、私は局長の答弁自身が成り立たなくなると思うのでございます。この点に対する局長の御見解を承りたい。現実の姿がかくのごとく行われていないということなんです。

三橋則雄総理府事務官(恩給局長)

○三橋(則)政府委員 今御指摘になりました法定された病気については、場合によつては公務によつてそういう病気になつた場合もありましようし、あるいは厳格に言いますならば公務によらないで病気になつた場合があるかもわかりません。しかしながら、ここにあげたような病気にかかれば法律上の保護が受けられるようにしたのは、それを一々判定するということは実際問題として困難であるばかりでなく、公務であると認められる場合の方が多いようになつておる実際のことを考えまして法定されておるものと考えておるのであります。従いまして、恩給法におきましても、公務傷病はあくまでも公務と傷病との間の因果関係を考えて公務傷病の判定をするという精神にはかわりはないと思つております。ところで、今指摘されました法定の病気外の病気にかかつた場合におきましては、恩給法の原則に顧みまして、公務と傷病との因果関係をどうしても考えて判定しなければならないことになるのでございます。しかしながら、その場合におきまして、公務であるということがはつきりしておる場合もありましようし、また場合によつては公務でないということが歴然としておる場合もあると思います。また中には、公務であるか公務でないかはつきりしないが、しかし公務の方によく多く比重をかけて判定すべきものも出て来ることも少くないと私は思うのであります。そういうような場合におきましては、病気の法定されているその趣旨から言いまして、やかましく言えば当然そういう場合公務であるということがはつきり言えないにいたしましても、公務の傷病として取扱うことがこの病気を法定しておる趣旨にかなうものである、こういうふうに考えておるわけであります。従いまして、戦時中におきまして傷病にかかつた場合におきまして、それがはつきりと公務外というふうに判定したにもかかわらず、ただ単に戦地における傷病なるがゆえに公務による傷病として取扱うということは、この恩給法の趣旨ではなかろう、こういうように考えておるものであります。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 私が今質問した進行状況。

三橋則雄総理府事務官(恩給局長)

○三橋(則)政府委員 受田委員からの御質問に対しまして、恩給局のことにつきましてお答えいたします。  確かに、受田委員の懸念されますがごとくに、私どもも恩給の裁定事務が遅れまして、一般受給者の方々に迷惑をかけることがありはしないかということを非常に懸念いたしておるのであります。従いまして、今受田委員の仰せられましたことはまつたく御同感でありまして、できる限りの最善を尽したいと思つておるところでございますが、それならばいつまでに裁定の事務が全部完了するかということを言いますと、この点はつきり何月何日までに裁定事務を完了いたすかということは断言いたしかねるのでありますが、しかし、本年内におきましては大半は完了する予定にいたしております。私も大体そういう確信は持つておると申し上げてもさしつかえないと思います。  現在におきまする裁定の状況は、今日におきまして処理しました件数は二十四万ほどございます。これは二十四万と申しましても決して多い数ではないと思つておりますが、しかし、職員の非常な労苦のほどを考えますと、非常によくこれまでやつてくれたものと感謝いたしておる次第でございます。  ところで、御承知の通りに、恩給局におきましては、従来の職員のほかに、多数のいわゆるアルバイトと申しますか臨時雇いを入れて、そして恩給の裁定事務を補助さしているわけでございます。その補助をさしておる職員はどのくらいいるかと申しますと、今八百人を越えています。そこで、この多数のアルバイトの職員は、今の予定ではもう少しふやしまして、所属職員は大体千二百人くらいを予定いたしておるところでございます。ところで、何と申しましても臨時職員が多数でございますので、この人たちを教育することもまた考えなければいけない。従来から恩給局におつた職員は、一面におきましては仕事をしながら、新しく入つて来た職員を教育しつつ、恩給の裁定事務をしているような実情でございます。また、昨今におきましては、御承知の通り、たくさんのいわゆるアルバイトの学生を使つております関係からいたしまして、あるいは上級学校の入学試験等のためにかなり欠勤する者とか、あるいはまた転職する者も出て来たのでございます。そういうような関係からいたしまして、二、三月の月は案外——私たちといたしましては予想したことではありますけれども、予想したよりも仕事の能率が上つておるとは申し上げかねるのでございます。今日におきましては、その上らなかつた点も考えまして、今、新しく入つて来た事務職員の教育と、教育された職員をもつて新く事務を進めるための準備をいろいろ計画いたしておるところでございまして、本格的に仕事が動くようになつて参りますれば、先ほど高橋委員の言われましたごとくに、——今日におきましては日に四千件、あるいは四千件を越えまして五千件くらいを裁定いたしておるのでございますが、これはまた若干上まわつて六千件から七千件くらいまでは裁定し得るように持つて行きてたい、こういうように考えているところでございます。そういうようなことでございますので、大半は本年中におきまして恩給の裁定事務を終り得るものと考えております。若干のものが来年に残ることになるのではなかろうかと思つているところでございます。

田辺繁雄厚生事務官(引揚援護庁次長)

○田辺政府委員 戦没者遺族援護法の関係の裁定状況については、先ほど大臣から御報告申し上げました通り、大部分は裁定が完了いたしておりますが、手持は今六万件ちよつとでございます。その半分は作業中でございます。その事から、可決、却下及び再調査を要するものというケースにわかれて来るわけでございます。作業中の半分の残りは、再審査と申しますか、再調査をいたしておるケースであります。これが約三万でございますが、これの大部分につきましては一応事務的には結論が出ておりますが、もちろんその場合可決になつてよろしいものはどんどん通知をいたしております。従つて、現に結論が出ておつて再審査をしておると申しますれば御想像がつくと思いますが、これはしかしもう一ぺん見直してみろということで見直しておるわけであります。そうして、いろいろの観点からながめて検討しているうちに、こういう資料も出て来る、これはよかろうじやないかということで可決になるものもございますので、これは、遺族のことも考えますれば、できるだけ見てやるようにという御趣旨でございますので、その御趣旨にのつとりまして丁重にもう一ぺん見直しておるというのが実は再審査の内容でございます。しかし、いつまでもほおつておくわけに参りませんので、できるだけ急いで、再調査と申しますか再審査を終えましてやりたい、こう思つております。ただ、今度ああいうふうに五万円の弔慰金が出ることになりますれば、それはそれとして五万円の弔慰金が皆さんに差上げることができると思いますので、若干遅れておる点についての穴埋めと申しますか、何か言い訳みたいになりますが、幾らか御遺族の方にも御満足いただけるのではないか、こう思つております。  なお、舞鶴の問題につきましての御質問でございますが、去年確かに援護法の裁定に舞鶴援護局職員は非常に働いていただきました。これは裁定したあとの通知業務でございます。機械的な業務でございます。今度ソ連からの引揚げが一応終つたあとの舞鶴の職員をどうするかという点は、むろん考えておりますが、遺族援護法なり恩給業務の関係にもし協力できる面があるならば協力していただく、もつとも、それ以外に未帰還者の調査でございますとかいろいろの業務がございますので、できるだけあそこの職員を一般的な業務に協力してもらうように、なお研究を重ねたいと考えております。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 大臣が来る時刻がすでに参つておりますね。

山下春江改進党

○山下委員長 三時四十分というお約束をしておきましたが……。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 大臣がここに参られたら済みますから……。それで、もう一つ、恩給局長は、その作業を進める上においておよそ軽重の差をどういう形でつけておられるか。たとえば、非常に差迫つた裁定をしなければならないような事情にあるものなどを各府県から特に抜き出して先に申請させるとか、付箋をつけたものによつて特にそういうものに考慮を払つて進めておられるか、あるいは申請したものからどんどんやつておられるか、そういうところに手心を加えた仁政を施す立場の手心を加えておられるか、そういう点の御回答を願いたい。  それから、年末までに大半を裁定するというお見通しであるようであります。おおむねこういうことは見通しと現実はずいぶん食い違うものであつて、すでに二月、三月においてアルバイトなどについての調整が不十分で幾分停滞の気味もあるというお言葉でありますが、この点は、そういうアルバイトを使うのにも常に計画を立てて、その教育作業、そういうものの綿密なる立案計画に粗漏なきを期せられたい。そういう点においての今のアルバイトの教育その価においての計画性というものがどういうふうに立てられておるか。たとえば、千名くらいを最後まで使うようにしておるのか、あるいは途中でそれを減らすとか、あるいは増加するとかいうような形をとるのか、その点を伺いたい。  それから、軍人恩給、つまり生存軍人の恩給の方はどういう形でやろうとしておるのか。これも老齢元軍人と若い元軍人と二通りありますので、そういう点においても手心を加える用意があるのか。  それから、援護庁次長としまして、舞鶴の援護局はこのままの形で、人員を整理しない立場で、今のような特殊の任務を適宜付与しながらこれを継続するという意思を持つておられるのか、あるいはある程度の人員整理を考慮しておるのか、この点についても厚生省側を代表して御答弁願いたいのであります。

三橋則雄総理府事務官(恩給局長)

○三橋(則)政府委員 ただいま受田委員から、第一番目に、裁定につきまして急を要するものと、そう急を要しないものとの区別をつけて裁定をしているか、こういうような御質問でございます。これにつきまして、局といたしましては、ごくわずかな書類を取扱つておるのでございますれば、個別的に、これは急ぐ書類、これは急がない書類というように区別して、あるいは裁定の順列をつけることも可能かと思いますが、何と申しましても、たくさんの書類を処理して行くことでございますので、恩給請求書類を個別に緩急順序をつけて裁定するようなことはいたしておりません。ただ、各府県の世話課は、各請求者の生活の実情を知つていることと思いますので、各府県の世話課におきまして、あるいは請求書を局の方に進達する際に緩急の順序をつけて来ているかもわからないと思います。もしもそういうことでございますと、大体そのような順序でもつて裁定されて行くことと思いますが、恩給局におきまして、今受田委員の仰せられるようなことはいたしていないのでございます。  それから、第二点は、アルバイトなんかの教育のことについての御質問でございまするが、これにつきましては、受田委員の御意見はまつたく同感でございまして、私もその御意見のようなことを考えているところでございまして、現にただいま二十七人だけ局全体としての教育をいたしておるのであります。それは各課長全部が午前中だけ講義を分担いたしまして教育をいたしております。それから今度は、各課におきましてまた各課としての専門的な教育をすることにいたしております。この教育は大体二週間で終る予定を立てておるのであります。今やつておるのが二十七名でありますが、これに続きまして、次にやはり今申し上げました程度の二十七人くらいの教育を進めて行きたい、そうして、恩給局の中核と申しますか、そういうような職員にして行きたい、こういうように考えているところであります。  それから、老齢軍人と若い軍人との間におきまし恩給の裁定について何か考慮しているかという御質問でございますが、これにつきましては、若年者に対しましては、いわゆる恩給の若年停止というのがございます。従いまして、かりにそういう方が恩給の請求をされまして裁定いたしたとしましても、今すぐには恩給は給されないことになるわけでございます。従いまして、そういう方に対しましては、進達庁の方におきまして恩給の請求をあとまわしにするように考慮してもらつているのでございます。今現に恩給の裁定を受けたならばすぐに恩給を給されるというような方をまず第一に裁定いたしまして、それから後に、今申し上げるような若年停止に、俗な言葉で申しますとかかるような人の恩給の裁定をするという運びにいたしているのでございます。

田辺繁雄厚生事務官(引揚援護庁次長)

○田辺政府委員 舞鶴の引揚援護局の定員は現在百八十七名でございますが、来年度は百十四名に減ずることになつております。これはもちろん、強制的な行政整理でこれだけ減らすのではありませんで、今回の待命の恩典にあずかりたいという退職希業者が舞鶴に相当多かつたのであります。私どもの方といたしましても、舞鶴のように先のない地でございますので、あまり引きとめるのもいかがかと思いまして、できるだけ職員の申し出た退職を認めたわけでございます。もちろん、全部認めるわけには参りませんので、若干の者は残ることになりましたけれども、その結果、百八十七名の中で七十名ちよつとが減りまして、本に度は百十四名になるわけでございます。もつとも、これは基幹人員でありまして、実際引揚げがあります場合には臨時の職員を雇い入れるということにいたしておりますので、今後の引揚げの見通しといたしましては、これくらいの人員でやつて行けるであろうと考えております。

田中稔男日本社会党(左)

○田中(稔)委員 田辺さんにお伺いいたしますが、昨年七次で帰国した者の中に、終戦後閻錫山の方に半ば強制的に連れて行かれて、そこで戦争に従事した日本の兵隊がいるわけであります。これが帰つて参りまして復員手当を申請いたしましても、それは本人がかつてに残つた、そして現地で除隊しているからということで、復員手当がもらえない者がある。本人たちからいろいろ事情を聞きますと、これはまつたく強制的に残されている。それから、帰ろうとしていろいろ機会をねらつたけれども、そのたびごとにおどかされたりなんかして帰れなかつた、こういうことであります。これは援護庁の方でもいろいろ調べになつていると思いますが、これはぜひ実情をよく調べていただいて、公正に解決していただきたいと思いますが、その後の経緯ををちよつとお伺いしたいと思います。

田辺繁雄厚生事務官(引揚援護庁次長)

○田辺政府委員 今お述べになりました山西省の現地復員の問題でありますが、私ども従来聞いているところでは、本人たちの希望によつて残留した、従つて、当時の軍といたしましては現地復員の手続をとつた、こういうふうに報告が出ているわけでございます。但し、帰つた方々が、実は自分の希望ではない、強制によつて残されたのであるといういろいろの申し出がありますので、われわれとしては、事柄の性質上慎重を期する必要がございますので、二回あまり関係者を呼びまして調査をいたしております。現在二度目を実施事施中ございますが、さらにもう一ぺんお集まりをいただきまして、新たなる観点からの調査をいたしまして、結論を出したいと考えております。

田中稔男日本社会党(左)

○田中(稔)委員 実は、その当時日本の軍の責任者として一番高い地位にあつた人は澄田中将、その下に山岡参謀だとか、今村参謀、岩田参謀、九泉少将、河本大佐——これは閻錫山の顧問、それから城野宏、これは特務機関の人らしいですが、こういう人がおつて、名前もみなわかつております。それから、さらに、その下で、直接接触した上司としては、中尉とか班長とかたくさん人名がここに出ておりますから、こういう人をできるだけ広範囲に集めて事情を聞いていただけば、これははつきりすると思いますが、今まで二回関係者を呼んでいろいろ事情をお調ベになつたというのは、その顔ぶれは一体どういう方々でしようか。ちよつとお教え願いたいと思います。

田辺繁雄厚生事務官(引揚援護庁次長)

○田辺政府委員 実情をよく知つておりますのは、なるベく下の方の方だろうと思います。中隊長以下その他仲間の方を呼んで今調べております。今までの結論では、大部分の方については現地で本人の希望によつて残つたというふうに聞いておりますが、若干まだ疑問の点がございますので、さらに、先ほど申し上げたように、もう一ぺん最後の調査をいたしまして結論を出したいと考えております。もうしばらくお待ちを願いたい思います。

庄司一郎自由党

○庄司委員 山西省における閻錫山軍に残つた当時のわが国軍は、必ずしも将兵の自由意思によつて残つてのではないように私は調査しております。閻錫山が有名なるクリスチヤン・ゼネラルとして、山西省内におられた日本の軍隊将兵はむろんのこと、一般邦人に対し生命財産の絶対安全を保証するところの宣言、声明をなすと同時に、われわれの同胞を最も模範的にモラル的に保護されましたことは御承知の通わであります。その際、閻錫山が、強制的な命令的なものではなかつたけれども、交換条件でも何でもなかつたけれども、山西軍を助けて共産軍に対抗する意味において、何か山西にたてこもつてわれわれと行動を共にしてもらいたいというような穏健な言葉の懇請があつたはずであります。私は山西省にもしばしば参つた者でありますが、さような実情を聞いて、必ずしも絶対命令的な強制ではないけれども、非常に余儀なく、いわゆる義理人情にとらわれて、閻錫山の懇請もだしがたく残留せざるを得ない、反面においてわれわれの同朋が保護される、この悲壮なる決意のもとに余儀なく残つた当時の国軍に対しては、寛大なる御理解と御同情を賜わりたい。私は軍部の代弁者でも何でもありません。当時一個の新聞報道関係として向うに行つておつた者であります。それは絶対的な強要というものではないが、やや強制に近いところの、懇請もだしがたく残つてのでありまするから、ここは大乗的見地より政府においても御善処あられんことを私ども要望してやまないのであります。別に御答弁はいりません。

中川源一郎自由党

○中川(源)委員 先ほど大臣から、いわゆる非公務に対しまして弔慰金五万円を支給するということを、言明されたわけですが、それは二万七千二百五十二件という却下された人、また七万三千件という夫裁定、合せて十万二百三十二件、これらのすべての人に五万円の弔慰金が行くものであるかどうかということをお尋ねいたしたいと思います。もし行かない者があるということならば、どういう人に弔慰金が行かないのかということをお伺いいたします。また、却下去れた人は、書類はこれは却下されておりますが、その戸籍謄本とかいろいろな書類がまだそのまま厚生省に残つておるはずでありますが、それをそのまま有効として、もう一度出す必要がないものかどうか。むろん未裁定の人はその書類々お使いになるのでありますが、却下された人に対してもその書類を有効としてお使いになりますかどうか。また、予算関係でございますが、これは国債五万円で、たしか三十六億という数字になるというふうに私ども聞いておるのでありますが、それから利息が二億一千万円その金は終戦処理費というようなものからお出しになるのか、どういう面から出るのかお伺いいたしたいと思います。

田辺繁雄厚生事務官(引揚援護庁次長)

○田辺政府委員 今回の法律改正によつて新たに支給しようとする弔慰金の対象は七万五千と私どもの方では計算しております。先ほど大臣がお話になりました却下されたものが二万七千幾らあるということでございましたが、そのうちで死因関係、死亡原因に関するものは約一万九千でございます。あとは遺族の範囲が違うといつたようなもので却下されたわけであります。死亡原因が公務にあらずとして却下されたものが一万九千件であります。現在未裁定になつているのは、ただいま七万三千と申されたのでありますが、軍人、軍属に関する限りは六万五千でございます。  次に、従来却下されたものの中で弔慰金の対象にならないものがあるかというお話でございますが、服務に関連して負傷疾病にかかつた者でございますから、抽象的に申しますと、服務に関連しない負傷疾病はだめでございます。たとえば休暇で自分の家に帰つているときになくなつたというのは、これは服務に関連したとは言えません。また、服務に関連した場合でも、故意または重大な過失があつた場合はだめでございます。それから、なお、私の方では目下、内地における一般官衙勤務の軍人の方は除外するように考えております。他の文官の方々その他の戦争犠牲者との均衡も考えまして、一般の官衙に勤務せられた軍人の公務死亡に対しましては対象から除外するように考えております。

福田喜東自由党

○福田(喜)委員 ちよつと関連して田辺さんにお伺いいたします。これは包括的に先ほどの三橋局長のお話と非常に関連するわけですが、恩給法上指定された地域で恩給法で定めるマラリアほか二十何種類の病気にかかつて死亡した者は無条件で公務死亡と認める、内地で死亡した者もまたそれが原因で死んだ者はその発病の原因を調べて公務死かどうかという判定をするということになつておりますが、しからば、公務とは一体御当局はどういうふうな御解釈でございましようか、それをはつきり承りたいと思います。

田辺繁雄厚生事務官(引揚援護庁次長)

○田辺政府委員 軍人に関する限り、公務とは軍務に精励することでございますが、公務と関係があるというのは言葉が不十分で、公務遂行と負傷疾病との間の関係でございますが、それは直接または相当因果関係があるということが従来の恩給法上における公務の解釈になつているのでございます。ただ、われわれの方では、一般の常識ではすべて公務だという考えももつともだと思いますのは、軍人の場合におきましては、一般のわれわれのような文官の勤務と違いまして、特別の命令下にあつた方々でございます。当時の憲法のもとにおきましても、軍人は一般の公務員と違つた命令下にあつて、きわめて厳格なる軍紀のもとに生活しておつたという特殊性、つまり部隊勤務の特殊性ということを十分考えなければならぬと思います。従つて、今回特別の弔慰金を支給することにいたしましたのも、軍人の部隊勤務の特殊性ということにかんがみましてさような決定をいたしたわけであります。ただ、公務の遂行と負傷疾病との間には因果関係の範囲においてきわめて近いものもあるし、きわめて遠いものもあるということは言えると思いますが、大体におきまして、戦地のような場合におきましては、その因果関係は近いものであるとわれわれの方では考えております。

福田喜東自由党

○福田(喜)委員 私がお尋ね申し上げるのは、公務による傷病死のことでございます。そこで、公務ということについてお尋ねしているわけでございますが、その公務につきましての御解釈は、ただいま田辺さんのおつしやつた通りに三橋さんもお考えなんでございますか。

三橋則雄総理府事務官(恩給局長)

○三橋(則)政府委員 公務が何であるか、こういう御質問でございますが、それは、その公務員の与えられている職務というものを考えてみなければ、具体的にははつきりきまらないと思います。従いまして、公務をきめる場合におきましては、公務員がどういうような職務を与えられておつたかということを考えてきめるべきものと思います。

福田喜東自由党

○福田(喜)委員 私の言うのは、軍服を着た兵隊の場合のことです。一般の公務員のことをお聞きしているわけじやございません。赤紙を受けて召集されて部隊勤務の場合における公務とは、いかなる御解釈をとつておられるか。そして、今恩給法の文言に基くところのこういういろいろな規則が出ておりますが、それは何に基いて出しておられるかということをお聞きしたいのであります。

三橋則雄総理府事務官(恩給局長)

○三橋(則)政府委員 ちよつとお伺いしますが、今出しているというようなことについてのお話のようでございますが、もう少しはつきり説明していただきたいと思います。

福田喜東自由党

○福田(喜)委員 私の言うのは、平たく言うならば、召集を受けた兵隊さんで部隊勤務に従事しておる者について、公務の認定はどういう基準でおやりになつておるのかということです。

三橋則雄総理府事務官(恩給局長)

○三橋(則)政府委員 部隊勤務中におけるその昔の与えられている職務権限を考えてきめておるわけであります。

福田喜東自由党

○福田(喜)委員 赤紙を受けて部隊勤務している場合は、これは司令部とかその艇の場合の勤務を言うのではありませんが、一切が命令服従の関係でやつておる。軍隊の内部における実情を三橋さんはよく御存じだろうと思いますが、こういう場合においては、朝から晩まで、自分の意思、自分のからだというものはないのであります。そういうように命令服従でやつておる場合において、公務以外、たとえば逃亡の途中であつたとか、あるいは外出したときによからぬことをやつて、いろいろな疾病とか負傷の原因をなしたという以外に、命令服従に基く行為をやつておる場合において、その中でも公務と非公務というのはやはり認定されるのでありましようか。それを承りたい。

三橋則雄総理府事務官(恩給局長)

○三橋(則)政府委員 今の福田委員の御質問は、軍隊の服務中厳格なる命令服従の関係において、命令に服従して職務を遂行しておつて、その場合において公務、非公務があるか、こういうような御質問のように思うのであります。命令服従の関係において、命令に服して職務を遂行しておるということでございますならば、これは確かに公務だと私は思います。しかし、その命令服従の関係を離れた、命令服従以外の行動がなされておつたということがあるといたしますならば、それはもちろん公務ではございません。

福田喜東自由党

○福田(喜)委員 たとえば、具体的な場合におきましては、福岡県の大島で勤務しておつて、そこで発病して死んだ、こういうのは法の恩典に浴してないのでありますが、その点は、あなたの御解釈から言うならば、いけないことになりますか、どうですか。

三橋則雄総理府事務官(恩給局長)

○三橋(則)政府委員 今のお話は非常に大まかな話でございますし、実は私の局におきてましてはその書類をおそらくまだ受付けていないことだと思いますので、どういうような案件か、私はまだ把握いたしかねます。従いまして、今お話になりましたそれだけでもつて、公務にあらずとか公務によるものであるとかいうことも、ちよつとまだ申し上げかねると思います。

福田喜東自由党

○福田(喜)委員 具体的な案件を申しますと、福岡県宗像郡の対岸の大島というところで警備についておつた者が——これは小さな部隊の部隊長でございますが、警備中監視してまわつておつて壕か何かに落ちて、そしてその打撲がもとで盲陽炎と腹膜炎と同時に併発して、医療機関がないもので下関の陸軍病院に送られて一週間後に死んでしまつた。これを送るにつきましても、何か民間の伝馬船みたいなもので送つたそうでありまして、軍医も看護卒も一人もいない。それで、病院に送られて一週間後において死んでおる。これが公務死の認定を受けていないのであります。こういう場合は、局長の御見解はどうなのでありましようか。

三橋則雄総理府事務官(恩給局長)

○三橋(則)政府委員 今の御質問が、警備中に監視にまわつておつて、そして本人の重大な過失でなくして壕に落ちて、その壕に落ちた際に打撲をして、その打撲が原因となつて腹膜炎を起してなくなられたということであれば、今までの私たちの一般文官に関する恩給裁定から申しましても、これは公務の取扱いをいたすことになつております。

臼井莊一改進党

○臼井委員 関連して。公務によつて死んだかどうかということは非常にデリケートな問題を含んでおると思うのですが、大体公務によらないというと本人の責任に帰するような傾向が多いと思うのです。大体そうだと思いますが、どうでありましようか。

三橋則雄総理府事務官(恩給局長)

○三橋(則)政府委員 公務によらない場合はすべて本人の責任に帰する、こういうことも言い切れないものでありまして、必ずしも一概にはそうは言えないのじやないかと思つております。

臼井莊一改進党

○臼井委員 大体公務によつて死亡したということが隊長なりあるいは部隊の責任によつた、こうも限らぬとは思うのですが、どうも軍隊等においては隊長とか隊の責任に帰するようなことはなるべく避けようという考えがあるのじやないか。またそういう傾向だということを聞いている。そうすると、ただいまの御答弁によつて、公務以外ということは必ずしも本人の責任とばかりは言い切れぬとは言われますが、今の穴に落ちたということが公務上の仕事の途中において落ちたということであればよいが、その本人の不注意で落ちたのだという結論で、隊として特に危険なことをさせたのでもなく、不養生をさせたのでもないという結論に持つて行きがちになるように考えるんですが、今までの事例においてはいかがでありましよう。

三橋則雄総理府事務官(恩給局長)

○三橋(則)政府委員 そういうことがありましたならば、これは注意しなければならないことでございますが、私はそういうふうには考えておりませんし、私のところにおる職員もそういうふうには考えていないと思います。今の壕に落ちた例で、私は本人の重大なる過失という言葉を使いました。これは恩給法でもはつきりそれを使つております。これは、平たい言葉で言いますならばこういうことになるのじやないかと私は思うのです。そういう場合におきまして恩給を給するのはいかにもばからしい、そういうものにつきてましては給付すべきではなかろうと思います。そうでなく、警備中におきまして壕に落ちたというような場合も、これはあり得ることだと思います。だから、それは本人の過失だということでやらないというのはいかがかと思つております。それはさしつかえないものだと思つております。

臼井莊一改進党

○臼井委員 たとえば、お腹が痛くなつて、手術して入たら盲腸であつた。盲腸が死因になつたという報告で一応かき消されてしまつた。ところが、その当時の状況をいろいろよく聞いてみると、そうでなくて、砲車にぶつかつたり何かして腹膜か何か起して、その後盲腸じやないかというので手術した。事実盲腸もあつたかもしれぬけれども、そういうような事例で、あとのようなことであれば公務になるというようなことで、証人等があつて、これは公務ということになつたらしいですが、そういうふうに、隊としては公務でけがしたということをなるべく避けて、本人の責任ではないけれども、自然発生的の盲腸によつて何したのだ、要するに隊の責任で事故を起すということを非常に避けた傾向の報告が多分にある。この間も復員局に行つていろいろ聞いてみると、万に一つぐらいはそういうのもありますと言つたのですが、私の方の千葉県の遺族会の事務局長に聞くと、どうも万に一つでなく、そういうのが相当多分にある。しかし、これはお調べになる方の手落ちというより、ただいま申し上げた隊の特殊性で、どうも隊が隊長みずから、本人には気の毒だけれども、隊の責任にすることを逃げてるような傾向が多分にあるのではないかと思うので、いろいろ御調査される上においても、そういうことも一応御考慮に入れて御解釈願わぬといかんじやないか。ことに、先ほど来御質問のあるように、立証の責任などということは、反証をあげにくいことでありますから、ちよつと申し上げておきたいと思います。

福田喜東自由党

○福田(喜)委員 ただいまの臼井さんのお話、まことにごもつともでございまして、田辺さんにお聞きいたしますが、公務を遂行中に、さらにその中に故意または過失というようなわけ方をするのは、はなはだ私はおかしいと思うのでございまして、その故意または重過失のある場合には公務それ自身も抹殺されてしまうというような考え方は、いかにして公務の範囲を少くして行くかというような考え方に立脚しておるのであつて、たとえば、監視所に勤務中に水を飲みに行つた、ところがまわり道をしたために壕に落ちた、そういう場合は、具体的事例があるかどうか知りませんけれども、そういう場合、水を飲みに行かなければいいのであつて、まわり道をしなければ壕に落ちるようなこともないであろう、従つてそれは本人に過失があるから公務死じやない、こういうふうに認定をする。こういう考え方がある。従つて、また隊それ自身といたしましても、これは軍紀という点から言つても、少くこれを認定して行こう、こういう建前から公務それ自身が故意または過失という標準によつて非常に抹殺されがちでございますが、われわれの普通常識から申しますならば、一応監視、巡視ということを命ぜられてやつておつたのだから、水飲みに行こうが、うしろを振向こうが、ちよつと話をしようが、いやしくも公務の命令された仕事を遂行しておつた場合には、一切そういうものを公務の範疇に入れていただきたいという主張なんでございます。いやしくも軍服を着て、召集されて、自分の意思じやなく、国家から引つ張られて行つてる者が、ささいなそういうものでもつて公務を抹殺されるということは、私どもふに落ちないのであります。そこで、公務とはいかなるものかお聞きしたいのですが、私たちがこの委員会において主張しておるのは、いやしくも軍服を着て、命令を受けて勤務しておつた場合におきましては、これは病気とか負傷の原因が何であろうが、それがたとえば不正行為であるとか逃亡したというような場合以外のものは、一切含めていただきたいという切実な要求を代弁しておるものでございまするが、そこで、一番問題となつてる公務遂行ということはどういうことかということをお聞きしておるわけであります。  さらに、この点について希望を申し述べたいのは、恩給法上指定された地域と内地との区分がございますが、内地におきましても、爆撃開始後ということになりますと、これは戦地とひとつもかわらぬような状況でございますが、大体におきまして地域の指定等もこの趣旨によつて行われておるとは言いまするが、爆撃開始後におきましては、今の指定地域の範囲というものは相当広めていただかないと、公務の観念と相並んで、非常に不合理なことが出て来るので、こういうことをひとつ希望として申し述べておく次第でございます。この点についても田辺さんの御見解を承つておきたい。

田辺繁雄厚生事務官(引揚援護庁次長)

○田辺政府委員 公務遂行中の負傷疾病が公務遂行と因果関係があるということと、公務遂行中の負傷疾病の場合に重大な過失があるということとは別なことだと思います。極端に申しますれば、公務遂行中に——自動車を運転するということが公務であつた、ところが、その人が相当酒を飲み過ぎて、自動車の運転をあやまつてがけから落ちたというような場合、これは重大なる過失があると考えられると思います。しかし、それは公務遂行であつて、公務遂行と因果関係はあるわけであります。しかし、公務ではあるが、重大な過失があるためにそういう結果になつた、こういう場合であろうと思います。その点は観念としては明瞭に区別してして考えるべきだと思います。  それから、内地は、沖縄が二十年の四月でございましたか、それ以降戦地に指定された以外は、戦地に指定されておらないように記憶いたしております。

福田喜東自由党

○福田(喜)委員 その内地を、爆撃開始後におきましては一律に指定していただかなければ、実際において非常に不公平なことが起るのではないか。戦地が平穏で、内地が戦乱の巷になつたような場合において、指定の問題はそういう事実から考えますと奇妙な結果になりますが、どうでございましようか。

田辺繁雄厚生事務官(引揚援護庁次長)

○田辺政府委員 戦地であつたかなかつたかということは、過去の取扱いにおいて戦地に指定されておつたかどうかということでやつております。すでに恩給は、当時指定されておつた戦地であつたかどうかということで行われておつたことであります。恩給がストツプされたから問題が生じたのではなく、すでにその時代において問題は出ておつたのであります。従つて、その通り現在はやつております。

中川源一郎自由党

○中川(源)委員 先ほど恩給局長からも、また次長からもその言葉のうちに、非公務死亡の中に故意または重大な過失によつて死亡したような者には今度の弔慰金五万円は支給されないというように承つたのですが、私どもこの点についてよほど考慮をしていただかなければならぬと思うのですが、たとえば自殺をしたような者は、これは重大な過失あるいは故意というものの中に入るかもしれませんが、自殺という中にも非常に気の毒なものがたくさんある。たとえば、これは実例でございますが、本の陸海軍は非常に厳粛なもので、命令というものは非常にやかましく言われたものでございます。たとえば、軍艦に一発の弾が当つて沈没するようなことがありますから、その動作についても、命令一下、一分間遅れたならば非常に処罰をされる。命令があつたとき三十秒遅れたために、その従事しておる分隊の者をみんな棒をもつてなぐり飛ばした。そうして中には気絶した者もあるのです。そのくらい厳粛な処罰をするわけです。また、動作に三十秒遅れたときに、これはみんなの者がまたたたき上げられるというので、非常に気の毒に思つて、兵営を脱して外に出て自殺した者があるのです。ほかの人に迷惑をかけてはならぬというので自分がみずから自殺したのであります。ほかの人たちも……。

山下春江改進党

○山下委員長 中川委員にちよつとお諮りいたしますが外務大臣は外務委員会の時間を無理にさいて来ていただいたので、はなはだこちらの時間が少いので、御質問中恐縮なんですが、外務大臣に関する議事を進めたいと思いますが、いかがでしようか。

中川源一郎自由党

○中川(源)委員 それでは、私、あとから返事を聞くことにいたします。今のような者は、過失であつて、やるのがばかばかしいという中に入るのかどうかということを、あとからお伺いいたしたいと思います。     —————————————

山下春江改進党

○山下委員長 ただいま外務大臣が見えましたので質疑中でありますがこの際中共地区残留同胞引揚に関する件について議事を進めます。  中共地区残留同胞の引揚げに関して、日本赤十字社がその社賓として中国紅十字会代表の招待を意図しておりますことは、本引揚げ問題解決について重大な影響を持つておりまして、過般の委員会におきまして決議いたし、外務当局に要請いたしておる通りでありますが、これについて政府当局の早急なる意思の御決定を願いたいと思います。この際外務大臣の意向を伺いたいと思います。

岡崎勝男自由党外務大臣

○岡崎国務大臣 この間の御決議の趣旨は政府に善処を要望されたものと考えております。  そこで、われわれとしても、まだ残つておる同胞の引揚げということについては人一倍関心を持つておるつもりであります。ただ、これは、前にやりましたような集団的の引揚げでなくして、個々の人間の希望に基いて帰還を認めるという趣旨のように聞いておるのであります。そこで、従来から中共側では、政策的に、日本との間にいろいろの交通を盛んにしまして、これによつて何らかの政治的な目的を達するように努力しておるようなことが推測されがちなのでありまして、われわれといたしましては、国内の状況等にも顧みて、できるだけそういうことのないように努めて来ておりまして、自然中共との間の交通については強い制限をいたしておるのであります。これは、共産主義国におきましては、とかく経済は経済、文化は文化、人道問題は人道問題というふうに截然と区別をされておらないのは、たとえばソ連におきてましても、文化の問題についてもスターリンの指示が必要であり、医学の問題にしても、あるいは芸術の問題にしてすべてスターリンの指示に基いてやつておつて、共産主義的でない経済理論等はたちまち排斥されるような実情にあるのであつて、われわれの方で単に人道問題として取扱おうとし、あるいは純粋な経済問題として取扱おうとしてみても、先方におきましてほこれがとかくほかの政治的意図と混同される傾きが多いことを心配しております。従いまして、今度の問題につきてましては、われわれは非常に苦しい立場に追い込まれておる。一方においては、まだ帰還せざる人々の家族からは、一日も早く帰還させてもらうようにしたいという強い要望がある。われわれは、前からこの中共との貿易に対する議員団の派遣につきましても、交換的に先方の代表を日本に呼ぶということについては賛成できないので、こちらからだけ行くというなら、それについてはある程度の便宜をはかりましよう、こういうことをはつきり言つております。また赤十字社等三団体が行きましたときには、そういうことは言いませんでしたけれども、先方の人を招待するというような話は全然なかつたのであります。向うへ行つてからこれは突如として起つた問題でありまして、それがだんだん、先方の紅十字を呼ばなければ、あたかも日本の個別的の今度の引揚げができないかのように言われまして、私としてはその間に何ら関連がないと思うのでありますが、そういうふうに言われております。元来これは人道的の問題であり、また戦争も終りまして八年もたつた現在となつては、日本に帰りたいという希望がある者を帰さぬという法はないはずでありまして、これは、いずれの国においても、田が基本的な主権を持つておると同時に、個人の基本的な人権というのは尊敬されるべきものでありまして、これを、紅十字の代表を招待すれば帰れる、しなければ帰れないというようなことは、私はりくつに合わないと思うのでありますが、しかし、そういうことを非常に言われますると、家族たちのいちずな気持からはそうかと思いがちであり、またいかにも政府が冷酷であるように思われて、はなはだ心芳しいのであります。しかしながら、引揚げももちろん大事でありまするけれども、同時に、日本の国の将来ということも非常に大事でありまして、この間に国内においてもいろいろの政治的意味を持つた運動も行われておるようであります。ただいまでは、赤十字が純粋にこの代表を呼ぶという問題から、だんだん左翼系が一緒になつて政府に迫るというような実情になつておりますので、われわれとしては、そういう雑物がみな除かれて、純粋な問題として取扱われるのでなければ、日本の国のあり方として、これを考慮することはなかなか困難でということでずつと応待して来ておりますが、今もその気持はかわらないのでありまして、いつこの雑物が除去されるか、純粋な引揚げ問題として考慮せられるということが第一の要件であります。  また、第二点としては、初めは、赤十字の言い方では、中国紅十字が日本の引揚げに対して非常に努力してくれたから、このお礼の意味で招待したいということを私にはつきり申しておつたのであります。それで、そういう外交関係のない国の人々を、かつてに赤十字社が招待するというようなことを言うことは間違つておりますが、しかし、そういうようなことを言つたとするならば、言つたことを取消すわけには行かないのでありますが、もしお礼の意味であるならば、われわれは、何も紅十字の代表を日本に呼ぶということだけがお礼の方法で、ほかに方法がないというわけじやない。りつぱな品物を贈つて感謝の意を表する方法もありましようし、あるいは家族たちの誠意のこもつた手紙等を集めて、日本の国民がいかに喜んでおるかということを向うに知らせる方法もありましようし、方法はいろいろあろうと思う。そこで、そういうことを赤十字村に申したのでありますが、今度はかわつて、いや、この紅十字代表を呼ぶということが今後の引揚げ促進に役立つのだというふうに論法がかわつて来たのであります。そういう点についても、これはいかにして役に立つのか。なるほど、常識的に見れば、呼ばないよりは呼んだ方が役に立つ、こういうことも言えるかもしれません。しかしながら、中国の今までのやり方、今の政治のやり方を見ますと、中国紅十字の代表が日本に来たいから呼んでくれれば喜んで来るという個人的の意向だけで日本にやつて来られものかどうか、中共政府の指示があつて、日本に行つて来いということがなくして、かつてにやつて来られるものかどうか、そういうことを考えますると、また中国政府の方針がどうであるかということによつて引揚げ問題はきまるのであつて、単に紅十字の代表が日本に特に好意を持つことによつて引揚げ問題が左右されるとは私は考えないのであります。取扱いに多少の便宜はあるかもわからないけれども、これが引揚げ問題の解決の唯一のかぎであるとも私は実ははつきり納得はできないのであります。  従いまして、この委員会の決議等がありまして、その決議等の意味はよく了承いたしましたが、ただいまのところは、諸般の状況を考慮しつつ、いかに取扱うべきかということを研究中でありまして、まだ結論を申し上げる段階に至つておりません。

山下春江改進党

○山下委員長 本件について質疑があればこれを許します。受田委員。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 外務大臣は率直な御意見をお述べになつたわけでありますが、この委員会として、李徳全女史を迎えることについては、そうしたいろいろな雑物の介在とか、あるいは招かなければ引揚げ促進ができないからだとかいうような議論は抜きにして、率直に国民的感情を盛り込んで、引揚げに協力してくれた紅十字代表を招く、あるいは今後も残された人の個別引揚げが言われてたるが、できればこれがさらに集団引揚げにしてもらうように懇請もしたいというような意味が、総合的この一点に集中されたものだとわれわれは見ておるのです。従つて、日本赤十字社もそういう意味で率直な立場から李徳全を迎えようとするのであると私は考えております。それを左翼的な諸団体が策謀するとかいうようなことなんだか、われわれとして、お互い国民が自粛自戒して、そういう策謀がないようにお互いに慎しみ合い戒め合つて行けばいいのであつて、これを迎えるのに礼を失つてはならないのでありますから、その点はわれわれ国会代表も、全国民もよく考えて行けると思います。従つて、岡崎さんは、過去の例を見ましても、こうした国民的感情が盛り上つておるのに、いつも慎重審議されて、あまり杞憂といいますか気苦労なさつて、決定が遅れておる。高良君が行くことについてもそういうことが起りましたし、また帆足君の場合もあるし、例の華僑の遺骨送還のときもそうで、結局あなたが最後には譲歩されておるのです。国民的な感情というものを十分取入れた外交が必要なのであつて、中共に対する危惧という点も、こうした人道的な一角からある程度糸がほぐされて行かなければならぬと思うのですが、今は、別にそうした政治的の意図は全然抜きにして、人道的立場から努力してくれた李徳全を招く、今後の引揚げを懇請するということで一歩でも効果があるという見通しがついた以上は、この際雑物の除去などと言つておつたら、千年河清を待つといえども清からざるものがあるのですから、この際ひとつ大外相の貫禄をもお示しになりて、率直にこれを迎えるようにされることを熱望するものです。この委員会も、そういう意味で、党派を越えて、従来の外務大臣の慎重主義を除去して、謙虚な気持で率直にこれを迎えるようにしたいということでやつておるのですから、その点で、大臣は従来のいきさつからまた今回も少し気苦労をされておる、そうしてその気苦労が強いのではないかと思うのですが、国会の意思というのをもう少し率直にくみ取るというわけに行きませんか。その点ひとつお考えをいただきたいと思います。

岡崎勝男自由党外務大臣

○岡崎国務大臣 当委員会で純粋な意味で決議をされたことはよくわかるのでありますが、現に私のところなどへは左翼系の団体がしばしば面会を求め棄て、いろいろの言辞を弄しているのであつて、おそらく国会の当委員会の委員諸君にはそういうことをわざと慎しんでいるのかもしれませんが、われわれの方にはずいぶん強いようなことも言つて来ているのであります。しかし、それとまた別に、事柄がかあるから同じことにはならぬとおつしやるだろうと思いますが、先般北海道でスケートの大会がありましたが、ソ連の代表もこれに招待するということについて非常に要望が強かつた。私は初め非常に躊躇したのでありますが、事はスポーツである、そしてスポーツについて何も政治的策動等が行われるわけはないし、またこれは純粋の意味のスポーツであると関係者も申しますし、またこれを推進する人々もそう言うものでありますから、入国を許可したところが、すでにもう羽田において赤旗の波にもまれたような状況で、これにはソ連のスケート選手の方がかえつてびつくりして、姿を消した実情であるのであります。また、このソ連選手が滞在中にも、左翼系の団体の人々がこれに接近しようとしていろいろやつて来た事実もありまして、純粋の人道問題である、スポーツ問題であると言つても、左翼団体の統制ある人々はどうか知りませんが、統制のない人々はいろいろな政治的策動をいたすこともあり得るのであつて、雑物などはどうでもいいとおつしやいますが、われわれは、日本の置かれた環境から考えまして、こういう点も特に考慮をしなければならないと考えております。これは、大外相でも小外相でも、いやしくむ国の行政の一部を預かつている者としましては、そういいかげんに取扱うことは、少くとも私としてはできないので、必ずしも全然いかぬとは私は言つておりません。しかし、いいという結論にもまか達しておらない。現存左翼団体のいろいろな策動等も、実はまだ決して影を消したというわけでもないのでありますから、委員会の趣旨はよく了承しておりますが、まだ決定まではどうも至りかねているわけであります。

山下春江改進党

○山下委員長 なるべく簡潔に願います。臼井委員。

臼井莊一改進党

○臼井委員 ただいま外務大臣のお話を聞いていますと、赤旗を振つたり何かデモのあることが、日本にとつてばかにおつかながつているように見える。たとえば、今のスポーツで、ソ連から純粋な考えで呼んだら、赤旗を振つて迎えたと誓うが、しかし、それをやつたからといつて、どれだけ日本に害があつたか。私は、赤旗ぐらい振られても、大きな気持で、今日本の国は半分になつたけれども、やはりさすがに肝玉はでかいと思われるくらいの方がいいと思う。私は、共産党のやり方も、それはやりようによつてはおつかないことも知らぬでもないが、何かソ連とか中共とかいうものを非常におつかながつているようですそれからまた、たとえば李徳全女史を呼ぶのでも、多少そういう動きのあることも考えなくてはならぬ。しかし、それがあつたから日本が今にも暴動でも起きててぶつつぶれそうになるということもあるわけはない。それは確かに赤の宣伝には多少なるかもしれないけれども、たといそれがあつたからといつても、何も李徳全女史一人が来たところで、そんなにおつかないものだとも私は思つていないのですが、李徳全女史が来て赤旗でも振られると、非常に日本に害があるというふうに思われて、あまり過大におつかながつているようにちよつと思われるのです。それと、もう一つは、それならばやり方をそういうことのないように極力持つて行かなければならぬと思う。事実、りくつから言えば、帰すべき者を帰さなかつたことがあるということ、これは中共がはなはだけしからぬと言えばその通りですが、しかし、現実には、帰つて来ない者をできるだけ早く帰してもらいたいというのがわれわれ並びに遺族の気持であります。そこで、日本の赤十字社の社長が行つて約束して来たことを、政府は頼まなかつたのだからおれは知らぬということでなく、もう少し大きな気持で、約束した赤十字代表の約束を受けるためにできるだけのことをやるべきではないか。われわれは今大臣のお話によつて純粋な気持でやられたということを了解したのですが、ただ問題は、このままほうつておいて、はたして大臣の御期待されるようになるか。私は、むしろ逆に、そのために一部の左翼系から長きにわたつてごたごたされるいい材料になるのではないかと思うので、むしろ、国会が決議されたのを機会に、あつさりそれを尊重して、一応桜の咲く季節にできるだけの歓待をしてお帰しする、そして、はたしてどういう態度をとるか、その態度を見ることも将来の中共の行き方というものをはかる外交上の一つのものさしにもなるのじやないかというふうに考えるのですが、大臣はどうお考えになりますか。

岡崎勝男自由党外務大臣

○岡崎国務大臣 臼井君のおつしやることはごもつともであります。私も、とにかく結論としては同様に考えております。ただ、われわれとしては、要するに家族の非常に強い希望、それにがんじがらめにされておるような感じでありまして、そのために何でも御無理ごもつともで聞かなければならぬ。たとえば、この前でも、政府の代表はいかぬと言えば、はいと言わなければならぬ。船に三団体の代表を乗せて来いと言えば、はいと言わなければならぬ。これはどうも、引揚げということがありますので、いかんともいたし方がない。ずいぶん胸を押えて引揚げ促進ということにいたしたのであります。その気持は今でも同じであります。残念であると腹の中では思つておつても、やむを得ない、こう思つて、できるだけのことはしようと考えておるのであります。ただ、赤旗を振れば非常に心配だとか日本が危険だとかいうことは別に考えておりません。しかし、純粋にスポーツのために来るのである、こう言つて呼ばすことにしておいて、それを今度は赤旗等を振つてある種の政治目的の推進に利用しようという心根が私は気に食わないと、こう言つておる。今度としても、今までおつしやるように、これは純粋なる人道問題として呼ぼうとか呼んだらいいとかいう御意見があつて、われわれもそういうふうに言われておる。それを機会にまたこれをほかの目的に利用しようということは許しおけぬ。そのほかの目的で来たいなら、堂々とほかの目的で呼ぶのだと言われれば別であります。そこが私は、日本の民主主義を建前としておるところから言いましても納得が行かないのであります。それでは、ほかに何か引揚げのいい方法があるかと言えば、それはありません。もつとも、これをやつたからそれでは引揚げができるのかと言えば、これは赤十字社の社長も引受けておらないのであつて、それはできるかできないかわからぬが、やつてみる—。やつてみるのでもよろしいのでありますが、そこに、今申しましたように、純粋にその問題で呼ぶのならば純粋にその通り取扱つてくれ、この保証がなければ、政府としては、いくら引揚げだからといつても、そう御無理ごもつともに聞くわけには行かない、私はこういう立場をとつておるのであります。  なお、これは、私の方でも純粋に人道的な立場、あるいは引揚げ問題ということにいたしておりますから、今おつしやつたような、中共の反応を見て外交上の参考にするということは、なかなかおもしろい御意見でありますけれども、私の方も、これをやはり純粋な人道的な問題として取扱つて、そういう交外上のことに利用しようというようなつもりではありません。もうしばらく、私は、考慮をするまでは、率直に申しますと、イエス、ノーの御返事はこの際はできない、こういうことよりいたしかたがないのであります。

臼井莊一改進党

○臼井委員 今私は外交上に利用しろと言つたのではなくして、ただ、向うが何か利用しようという腹のように見られる、またこちらから呼んだらよいと言つている一部の者には多分にこれを政治的に利用しようという者があろう、こういうお考えのようでありますから、だから、むしろその逆を行けば、そういうような考え方の一つの反応を見るテストにもなるのじやないかというふうに申し上げたので、そうしろという意味ではないのです。ただ、今言われたように純粋にお考えになつてお呼びになるのなら、そんなことを何も申し上げることはないのですが、大分政治的に考慮されている。——日本の外務大臣としてこれを周到にお考えになることは当然でございますが、ただ、私たちの考えによると、思想の問題は別として、日本人とすればそれとは別に考えているだろう。向うでは、なるほどあらゆるものを共産主義というものに集めていますから、何か機会があれば宣伝したいと考えることは無理はない。それをできるだけそういう弊害のないようにして迎える。ソ連のスケート選手なんぞもその意味においては弊害が大してあつたと考えられない。むしろ非常によかつたと私は考えております。ですからも絶対これはいい結果をもたらさないという反対の保証を外務大臣がするあれもないと思う。ただ、私がそれを考えるのは、りくつはどうとしても、遺族もこれをやつたら何とか打開の道があるのじやないかということを考えている。われわれとしても、もちろん赤十字の方は最初から、当委員会に参られましても、感謝の意を表するつもりでおいでいただきたいと、こう言つている。しかし、その結果として、日本に来て歓待し、日本の事情も見てもらい、それから留守家族と会つてもらえば、担当これは人情というか人間として効果があるだろう、こういう程度のお話でありまして、われわれもその程度に考えている。呼んだら必ずすぐ引揚げをまた再開してもらえるというところまでは考えてはいないのですが、しかし、遺族となると、今ではこれ一つよりない。一縷の綱と言いますか、ほかに方法を持つてないと思うのです。そこで、政府としても、あるいは政治的に利用される危険があるかもしれぬけれども、それを冒してでもあらゆる方法をもつてひとつやつてやるんだということまでやれば、方一それが結果がまずまずとも、遺族としては慰めるところがあるのじやないか、こう考えます。それと、もう一つは、さつきて申し上げたように、このままほうつておくことがはたしていいのか、あるいは、そこにいつまでも種を残しておくために、一部がそれをいい種にして利用するというように、いつまでもごたごたする心配はないかどうか、こういうふうに考えて、私たちは、ひとつ決議を粋純な意味でお取上げいただきたい、こう考えまするし、もう一つ、何かほかの団体の雑物があるようにお聞きしたのですが、われわれとしては、これを島津社長がお約束して来たんですから、日赤の金責任においてやつて、そして他のむのはひとつできるだけこれに対して協力して、政府もこれが横道に利用されないようにできるだけ協力する、こういうことで行きたいということがわれわれの本旨であるということを申し上げて、ひとつ十分御勘考願いたいと思います。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 外務大臣がこの委員会にお出になる機会がまことに寥々としておるので、われわれとしてもはなはだ残念に思うのですけれども、引揚げは大事な外務上の問題でありますので、もう一つ伺つておきますが、今臼井さんからも言われたように、この国会の決議、赤十字社の熱意、国民的感情、こういう面から見て、機は熟しているのです。大臣は今まで相当慎重に考えて来られたので、その長期にわたる考慮の結果なおまだ雑物があるということなら、その除去の日ははたしていつかということになると、たいへんなことなんです。従つて、国会の意思が決定したこの機会に、——自由党も改進党も社会党もみんなが賛成をした決議案であつて、外務大臣にこの際国会の総意によつて決意をしてもらいたいというわれわれの要請なんであつて、できればこういう国会の決議が無視されることのないように、超党派的に決定した決議はこれをあくまでも尊重するという線で外務大臣は動いていただきたい。この点、私、いい時期が来ていると思うのです。そして、国内においてこれを迎える特定のいろいろな左翼的な策謀については、われわれがまたこれに責任を負うて、お互いの間で自粛自戒し合つて、李徳金女史を迎えることについて礼を失しないように、こういう点は十分われわれが考えて、外務省のみならず全国民がこれを考えるという線で行きたいと思うのです。こういう意味で、もつと国会を信頼して、また留守家族の立場も考えられて、また、一部の左翼的偏向の行動についても国民的な感情からこれを押えるということが考えられるのですから、あまり取越し苦労をされないで、ひとつ安心してわれわれに率直にまかすという気持でやつてもらいたいのです。この点、外務大臣としてすみやかに決意を固めていただいて、国会の意思がきまつたこの機会に、機を失することのないように願いたいと思うのです。一歩も前進していないようなお気持でなくて、この国会の決議によつて外務大臣として十分慎重に考え、実現をしたいと念願をしているというところまで、その期日が近いうちにあるというところまであなたに決意していただきたいと思うのです。これは、国会の決議があつたかなかつたかわからぬ、あんたたちは決議したが私は依然として慎重だというような御答弁しか聞かれないのですが、国会の決議を尊重するところへは前進をしていられるのですかどうですか。ここを確かめておきたいと思います。

岡崎勝男自由党外務大臣

○岡崎国務大臣 国会の決議といいますか委員会の決議、これは私は政府に善処を要望されるのであつて、右にせよ左にせよということではないと了解しておるのであります。政府としては、もちろん国会の決定とか意思というものを尊重することは当然でありますけれども、また行政部門を担当しておる以上は、その行政部門としての責任も当然なければならぬ、また責任に基く判断はなければならぬのであります。これはいろいろ長くなりますけれども、この前の引揚げのときでも、遺骨送還等についても、台湾の国民政府との非常な悶着があつたことは御承知の通りであります。また、今度の李徳全女史を呼ぶということに引続いて中共の貿易代表を日本に呼ぶというような計画が進んでおることも私は事実だと思つております。つまり、私の言ういろいろのものというのは、あとからあとからとそういうことが先例となつて来る場合、たとえば受田君にしても、左翼団体の所属員じやないのですから、これを押える責任を負われるわけにも行きますまいし、また、ほかの国会の委員会なり議員の連盟等において、次にはこれを呼ぶんだ、その次にはこれを呼ぶん、たというようになつて来たつて、これを押えるということもなかなかおできにならぬだろうと思う。われわれとしては、そういういろいろな点を考慮しなければなりませんから、まだ決定には行つておらぬのであります。     —————————————

山下春江改進党

○山下委員長 他に御質疑もなければ、引続き遺家族援護に関する件について質疑を続行いたします。福田委員。

福田喜東自由党

○福田(喜)委員 先ほど田辺次長の御発言、私、はなはだ愚弄されたように感じますので、あらためてお聞きていたします。  私は、軍人の場合におきまして公務による傷病死、この点について故意・過失の点をお聞きしたのでございます。ところが、お前はものがわかつておらぬからよく研究するようにと言わんばかりの御発言でございましたが、そこで、あらためてお尋ねをいたしますが、軍服を着た軍人の場合におきまして、本法の適用上、故意または過失ということは自分の責任だ、従つて国家はこういうものについては責任を負わぬ、こういう法の建前だというように解釈してよろしゆうございますか。

田辺繁雄厚生事務官(引揚援護庁次長)

○田辺政府委員 法律には、公務による傷疾疾病であつても、故意または重大な過失がある場合には本法を適用しないと書いてあるわけであります。従つて、故意または重大な過失があるということと公務疾病とは別であります。

福田喜東自由党

○福田(喜)委員 そういうことは聞いておりません。公務による傷病死、従つて恩給法上の問題が出た場合において、結局故意。過失によつて死亡というような法律上定めたところの事故が発生した場合にはその責任は自分にある、従つてこれは公務と認めないで国家は責任をとらぬ、こういう御解釈と見てよろしゆうございますかということを聞いておるのです。

田辺繁雄厚生事務官(引揚援護庁次長)

○田辺政府委員 それは、故意または重大な過失があつた場合には公務と認めないということではないのであつて、公務であつても重大な過失があつたらやらないというのが法律の規定でございます。

福田喜東自由党

○福田(喜)委員 私はその点を聞いておるのです。故買または重大なる過失があつた場合には、それは結局当分の責任だ、従つて国家は責任を負わぬということであるといたしますと、次に第二の問題でございますが、しからば、この故意または過失ということにつきまして、たとえば普通の文官の場合と、軍服を着た軍人のような場合と、その認定の基準を一つの同じ観念でやつていいものかどうか。ことに戦時中の場合におきましてそういうような認定基準をされるということは、いわゆる今日の通念上許されるかどうかということをお伺いしたいのでございます。これは、ただ抽象的にお尋ねしただけでは不親切だと思いますからも例をあげて申しますが、今田辺次長は、酒を飲んだような場合を言われました。これは、戦時中、ことに終戦の前後におきましては、酒かどはまことに目薬みたいなものでありまして、ことに軍隊においては多少融通がきいたというようなことで加配せられた酒をみな一律に飲んでおつたという場合において、自動車の運転事故を起したとき、これを普通の文官恩給規定の認定基準によつていいものかどうか。さらにまた、勤務中に非常にのどがかわいておつて、普通の場合であつたならば、飲料水をとるにしても、これは相当の判断力を用いてやるのでありますけれども、勤務中そういう余裕もなく、まことに緊急の状態に迫られて汚水を飲んで病気に感染した、こういうような場合におきましても、普通の故意・過失の認定というものがそのまま適用されていいだろうか。別言すれば、そういう認定の基準というものは通念上どういう批判を受けるものであろうか、その点について御当局の御意見を承りたい。

田辺繁雄厚生事務官(引揚援護庁次長)

○田辺政府委員 法律には、重大なる過失と書いてございます。重大なる過失があつたかどうかという問題は、当時のすべての環境を考え、健全なる常識をもつて判断すべきものと考えております。

福田喜東自由党

○福田(喜)委員 そういうまことに抽象論ではわれわれははなはだ納得しがたいのであります。社会通念上これをきめるとかいう抽象的な御答弁ではわれわれもはなはだ困る。われわれの常識から見れば当然もらえる人が、これにひつかかつてやられておる例が非常に多い。この点、過般の戦争のような場合には相当判断の基準をゆるめてもらわなければ、私はとてもこの法の意図する目的というものは達成できないと思う。たとえば酒を飲んだ、これはわれわれが町に出て酔つばらつてしまつたというような場合とは同日に断ぜられぬことであつて、加配された酒を飲んで、そうして酒のために運転を誤つたというような場合におきましても、これは故意・過失の基準の中に入れてほしくない。あるいはまた、大島等の山間僻地あるいは僻陬の土地におきまして勤務中に汚水を飲んだ、従つてそれで赤痢菌に感染した、あるいはチブスにかかつた、その他の病気にかかつた、これはまことにやむを得ざる状況なのであつて、その場合には一律のふう通の場合の故意・過失の判断の基準というものはゆるめていただかなければ、はなはだ法の趣旨が没却されるということになる。かつまた、病気等の場合におきましても、御承知のように、爆撃等によつて頭が狂つて精神病になつた、そうしてそれがもとで死んだというような場合におきましても、精神病というものはこの法律の中に入れておりません。さらにまた中川委員から先ほど自殺のような場合を言われましたが、こういう場合におき、ましても、どうも、故意・過失の認定の基準というものにつきまして、重大なる過失があるかないか、一律にこういうものを考えられた場合においては、とてもこの法律の趣旨というものは達成できてない。過般この法律の改正が行われましたのも、要するにこういうものをいかに広く救うかということであつて、ことに敗戦という事実の前におきましては、私が毎々申し上げますように、挙証責任の問題、資料散逸の問題、部隊の解体の問題等もあつて、とうてい法律の目的達成はできぬから、この、点は十分御考慮の中に入れていただかなければならぬ。平時のごとき故意・過失の責任、平時の場合のごとき立証の点などを入れられたならば、とうていこの法律の施行はできなくなるのではないかと思うので、こういう点について御意見を承りたいと思います。

田辺繁雄厚生事務官(引揚援護庁次長)

○田辺政府委員 昨年以来百八十数万の裁定をいたしたのでありますが、われわれの気持としては、お説教のような気持でやつております。もちろん、過去における恩給の裁定の実績というか、恩給法の精神は十分尊重しなければならぬと思います。この法の建前もそでありますが、今度の大東亜戦争の特殊性、ことに南方各地域における敗戦という特殊性というものは十分考慮しなければならぬという考えで諸般の事務を進めて参つております。先ほど大臣には申し上げなかつたと思いますが、現実に却下になりましたものの中で、戦地関係はきわめてわずかである。これは数字も出ておりますが、きわめてわずかでありまして、その大部分の戦地における戦病死者というものは公務になつておるのであります。もちろん、急いでやつた関係上、現在却下になつておるものの中でも、あるいは公務の場合でも却下になつた例があるかもしれません。これは現実に、不服申立て等に起きまして、すでに却下したものでも取上げて裁定した事例が相当ございます。急いでやつた関係上、やむを得ない事例かとも思いますが、今後とも不服申し立ての出ます場合には十分審査いたしますしもまた現在保留になつておりますものの審査におきましても、戦争の環境の特殊性というものは十分考慮するつもりでございます。

山下春江改進党

○山下委員長 福田委員にちよつと御相談申し上げますが、この問題は非常に重要な問題であることは委員長もまつたく同感であります。そこで、近く法案も提出されることでございましようから、厚生委員会との連合審査等、非常に慎重を期したいと思いますが、本日は結論も出ないかと思いますので、この程度で次会にいたしたらいかがでございましようか。

福田喜東自由党

○福田(喜)委員 次会にまたずつと続けてやらせていただきます。     〔中川(源)委員「先ほどの私の質問に対する答弁がまだ残つています」と呼ぶ〕

三橋則雄総理府事務官(恩給局長)

○三橋(則)政府委員 先ほどの中川委員からの御質問でございますが、私の賜りましたことにあるいは聞き違いがありましたら、あらためてまた答え申し上げます。私が承りましたところでは、何か自分で悪いことをしたことからいたしまして、その悪いことをしたことが他に迷惑をかけることをおもんぱかつて営外において自殺された、そういう場合は公務か、こういうような御質問のように受取られたのでございます。そういうことでございますれば、私は公務と認めることは困難ではなかろうかと思つております。もちろんももう少しこまごましい事情でもございますれば、承つた上で慎重に検討しなければならないとかと思いますが、ただ承つたときの感じとしましては、私、そういうような感じがいたしたのであります。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 散会直前にちよつと引揚援護庁次長に、これは政治的な意味があるけれども、事務的処理のできる仕事として一つお伺いしておきます。それは。傷病年金をもらうようになつた傷病者の方々が、その年金をもらうに至るまでしばらばらの間街頭で募金をさせてくださいとお断りしながら、依然として白衣の街頭募金が続けられており、また列車の中でもそれがなされております。しかも、国家では立法措置ができたが、なおその支給はしばらくの間本人の手元へ来ない、それでこういうことをやつておるのをしばらくの間御猶予願いたいというわけです。われわれとしては、人情的にこういう人を見のがすわけに行かないので、これらの人々に対して自然にわずかのポケツト・マネーを出し合うようになるのです。ところが、国家は白衣の街頭募金については何らかの手を打つておられるのか、またそれをなお今日認めておる何か特殊の部門があるのかどうか。こういう街頭募金なり列車内の募金をやることに対する監督ははなはだ薄い。またこの人々に対する指導もやつておられぬようである。けれども、これら跡を絶たない白衣の街頭募金について何か手を早く打たぬと、国家がせつかくこうした恩給法の改正をやり、また援護法をつくつて傷病者の保護にわずかではあるが前進をしたという誠意が、諸外国の人々に対しても疑われるわけです。何か、そういう募金をしなくても済むよう、なあの人々に対する特殊の保護施設を講じてしばらばらの間でも救うてやる道はないか。この点を伺いたいと思います。

田辺繁雄厚生事務官(引揚援護庁次長)

○田辺政府委員 傷痍軍人の街頭募金の問題ですが、これは私どもの方の直接の所管ではございません。しかし、傷病恩給の権利のある方につきましては、できるだけ早く裁定をして支給することが必要でございますので、これは私どもの方で急いでおります。軍人に関しましてはすべて増加恩給の裁定があつたことでございますので、本人から申請をとることなしに自動的に切りかえておりますので、軍人の方の該当者にはほとんどすべて行つておると思います。もし未裁定のものがありとすれば、その後重症にかかつた者、病気にかかつた者あるいは傷が重くなつた者というふうな、新しく障害年金の申請をされる方であろうと思います。  なお、取締りの問題、あるいはその他、それまでの間のいろいろのお世話をする施設等の問題につきましては、他の機会にまた所管の係の方から説明を申し上げることにいたしたいと思います。

福田喜東自由党

○福田(喜)委員 ちよつと議事進行で……。先ほどの私の質問に対して、田辺政府委員からはまだ全部の答弁がないわけであります。ですから、私はこれを留保いたしまして、次会に続けてやりたいと思います。  それから、これは委員長にお願い申し上げておきたいと思うのですが、ここにわれわれ何もすき好んで自分の趣味で質問しておるわけではありません。ですから、責任者の御答弁というものは行政官庁の国会に対する意思表示と認めまして、その通りのことが遂行されるように、私は委員長に対しましてその点の実施方についてよく政府委員の答弁が執行されることを御監視のほどをお願い申し上げておきます。この答弁を十分尊重してその趣旨を国民に徹底させたいと思います。この点は委員長にお願い申し上げます。

山下春江改進党

○山下委員長 本日はこの程度にいたし、これにて散会いたします。  なお、次会は公報をもつてお知らせいたします。     午後五時十一分散会

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