P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
19回国会衆議院1954/04/08

運輸委員会 第30号

発言数
27
登壇者
10
会派数
4
開催日
1954/04/08

会議録

關内正一自由党

○關内委員長 これより開会いたします。  この際国鉄当局より日本国有鉄道五箇年計画につき発言を求められておりますので、これを許します。長崎国鉄総裁。

長崎惣之助日本国有鉄道総裁

○長崎説明員 私国鉄に参りまして以来、やはり日本国有鉄道の事業のようなものにつきましては、長期にわたつた計画がなくちやならぬ。いわゆる計画経済というようなことではございませんけれども、事業は長期にわたるものでありますから、前途の見通しをつけまして、やはり仕事を計画的に進めて行かなければならないのではないかということを考えた次第でございます。これは別に何も私が特に創意、発案をしたものではございませんので、古い経験ではございますけれども、私どもはかつて昔の国有鉄道におりました時代におきましては、改良計画あるいは建設計画というようなものが、継続費として国会の承認を受けておつたときがございます。そういう経過を考えてみますと、どうしても長期計画を立てなくては、毎年々々その年一年きりの計画でもつて国会の御承認を得ておつたのでは、とうてい安定した前途の見通しがつかない。来年度は一体どうなるかというふうなきわめて不安定な状態で仕事をして行かなければならない。そういうことでは決して国民の皆様の御満足の行くような改良計画なり建設計画なりはできないのではないかと考えたのでございます。ところがここ数年来、そういうような考え方でもつてやつて来ておりませんので、どういうふうにこの計画を立てたらいいかということにつきましては、なかなか研究が進みません。むずかしい点も多々ある次第でございまして、実は昨年来、二十七年を基調といたしましていろいろ案を練つていたのでございますが、ようやくここにお目にかけられるような五箇年計画、しかしながらこれも確定案ではむろんございませんで、試案としてできたのであります。そして国会の皆様の御批判をも仰ぎ、これをだんだんと固めて、ほんとうの五箇年計画にして参りたいという意味合いにおきまして、この計画案をお目にかけるところまで参つた次第であります。はなはだ牛の歩みのごとく、まことにのろいやり方でありまして、その点においてはおしかりを受けるかも存じませんが、私どもといたしましては、できる限りの努力をいたしたつもりでございます。内容につきましては、高井理事から御説明を申し上げます。

高井軍一日本国有鉄道総裁室理事

○高井説明員 お手元にお届けいたしてあります日本国有鉄道五箇年計画試案というのに基きまして、御説明をいたしたいと存じます。  まずこの計画の立て方でございますが、これは第一に国鉄の輸送の現状を簡単に明らかにいたしまして、次に国鉄が将来の輸送要請に対してどういう考え方を持つているかという、主要問題に対する考え方を述べまして、それからこの五箇年計画といたしましては、そうした将来の見通しのもとに、五箇年間としてどういう事業計画をやるかという順序でこれをつくつているのでございます。  第一、輸送の現状でございますが、第一ページをお開き願いたいと思います。国有鉄道は、このたびの大戦中の酷使と戦災によりまして、施設なり車両ははなはだしく消粍をいたしておつたのでありますが、終戦後はその復旧に意を注いで参つたのであります。しかしながら戦後の輸送情勢は、社会情勢なり産業の復興等の変化によつて、地域的に非常にかわつております。また輸送内容におきましてもかわつて参つたのでございます。特に朝鮮動乱を契機といたしまして、輸送量も急激にふえましたので、国鉄はそうした荒廃からの立直り不十分のままに、ふえて参ります輸送要請に応じてとりあえず対処して来たというようなことであります。  現在の輸送を数字において申し上げますと、第一旅客輸送でございますが、昭和十一年当時の戦前に比べまして二一%という客車を増備することによりまして、輸送人キロは三一〇%という程度に及ぶような輸送をいたしております。また貨物に至りましては、四六%の貨車を増備することによりまして、輸送トンキロは二四七%というような輸送をいたして参つているのであります。こうした設備が輸送について参らなかつた結果は、御承知のように旅客輸送におきまして、ことに通勤輸送における非常な混雑、あるいは貨物輸送における繁忙期の駅頭における滞貨の山積、あるいは適時輸送の困難というようなことになつて現われているのでございまして、当面わが国が自立経済確立のために緊縮財政政策がとられるといたしましても、産業経済のためにも、国民生活のためにも、国鉄の輸送力はこのままでほつておくことはできないというふうに考える次第であります。しかも国鉄の現状は、なお多くの荒廃した施設なり車両を持つておりまして、不測の事故の発生をおそれるというような状態であるばかりでなく、今後人口も相当増加して行くというようなことを考えましたときに、国鉄の負担となる輸送量はいよいよ増大されることが考えられるのであります。そこで国鉄輸送の現状と将来の輸送要請の見通しを考えますときには、今後国鉄に課された使命を果すためには、現在停滞しておりますところから一歩踏み出しました施策を行う必要があるというふうに考えております。  現在の国鉄にとりまして緊急な課題といたしましては、第一に、今までに累積しております老朽な施設なり車両なりを更新いたしまして、輸送の安全度を保つこと。第二には、現在の施設なり車両の不足によりまして無理な輸送をいたしておりますことを緩和いたしますとともに、これから以降増大して参ります輸送要請に応ずるように輸送力を強化して行くということでございますが、さらに将来の交通機関の発達というようなことを考えますときに、輸送方式の近代化と経営方式の合理化をはかるということを考えなければならないと思うのであります。そうした観点に立ちまして、次に申し上げますような将来の事業の構想を描きながら、さしあたり今後五箇年間にわたります事業計画といたしまして、この計画を策定することにいたした次第でございます。  しからば国鉄の将来に対する事業の考え方はどういうふうに持つておるかということでございますが、第三ページをごらん願いたいと思います。第一旅客列車輸送の改善でございますが、御承知のように現在非常に混雑いたしておりまして相当立ち直つたとは言いましても、なお戦前の二倍程度の混雑さでございます。それでこれは早急に改善を進めまして、将来といたしましては次のようなサービスの改善を行うようにいたしたいと思うのでございます。第一、遠距離旅客の輸送でございます。遠距離旅客輸送につきましては、列車を増発いたしまして、混雑度を戦前程度にまで緩和するようにいたしたい。そうしまして座席の確保、あるいは、二、三等寝台車の増備を行うようにする。また技術の進歩に努めまして、近代的車両によりまして列車のスピードアツプをいたして参るということでございます。それから近距離旅客の輸送でございますが、これは東京とか名古屋とか大阪とか北九州地区の大都市付近では、電化の進展に伴いまして電車運転を実施する。その他の線区につきましては、デイーゼル・カーを活用いたしまして、頻繁輸送を行う。次に通勤旅客の輸送でございますが、これは将来の都市の構成なり、あるいは住宅事情の安定というようなことも予想せられるのでございますが、現在は非常に混雑の状態になつておりますので、列車の増発とか客車の増結とかによりまして、戦前程度にまで混雑の緩和をはからなければいけないと思つております。  次に東京及び大阪の大都市付近の通勤電車についての考え方でございます。第一は東京付近でございますが、都心通勤の輸送は御承知のように国鉄の電車にほとんど責任が負わされておるような状況でございます。また東京都の人口は非常にふえて参るのでございますから、山手、京浜の分離、東北、中央、総武、常磐線等の一部線路増設をする、あるいは中央緩行線の都心乗入れをはかりまして、主要電車駅の改良等によりまして、輸送力を現在の二倍くらいにまで強化して参りたい。次に大阪付近でございますが、環状線を新設することによりまして、城東、西成線の環状運転をする。その他線区の増強を行いまして、戦前程度の混雑度にまで緩和いたしたいという考え方でございます。  次に貨物輸送でございますが、貨車の不足、幹線輸送力の行き詰まりのために、貨物輸送はその要請を満たすことができないで、御承知のように地域的な滞貨を招き、経済発展の支障となるおそれがございますので、次のような点に重点を置きまして、輸送力の強化、輸送サービスの質的改善を行つて参りたいということでございます。第一は貨車の増備でございます。これは貨車の増備、特に冷蔵車、通風車等の特殊車を整備いたしまして、この要請にこたえるようにいたしたい。それから貨物扱い設備の整備をいたす。これは貨物駅の整備をする、あるいは専用線、臨港線の普及並びに荷役機械とかコンテナー等の整備を行いまして、荷役費あるいは荷づくり費等の軽減をはかるようにいたさなければいけない。それから急送貨物、急送品の列車を増発いたしますことと、自動車との協同輸送の強化を行いまして、速達とともに集配の改善を行うようにいたして参りたい、これが貨物に対する考え方でございます。  次に幹線輸送力の強化でございますが、今後の輸送量の増加とサービスの改善のために、単線区間の複線化とか、あるいは急匂配を除くこと、重要幹線の複線区間の複々線化、保安設備の強化、主要旅客駅及び主要操車場の改良等によりまして、現在極度に逼迫いたしております幹線輸送力の強化をはかるようにいたしました。なお青函航送につきましては、北海道の開発に関係がございますが、既設設備を限度まで活用するようにいたしますが、さらに北海道開発の促進に応じましては、青函隧道の建設を考えるようにいたさなければならないと考えておる次第であります。さらに幹線の牽引動力車は輸送力の強化とスピードアツプ等のために強大化いたしますとともに、電化の進展に伴いまして不要となります大型機関車は、輸送量の増加する他線区の方に転活用をいたしたいと考えております。従いまして機関車重量の増加に対します線路の強化と、輸送量の増大に対しまする線路保守費の節約のため、主要幹線の三十七キログラム軌条区間、亜幹線の三十キログラム軌条区間は相当程度これを重軌条に交換をいたして参りたいと思うのであります。  次に幹線電化でございますが、幹線電化につきましては、御承知のように鉄道審議会の電化委員会の答申によりますと、主要幹線三千五百キロの電化計画が考えられておるのでございます。電化につきましては、燃料国策とか、経営合理化等の見地から推進いたして参るのでございますが、そのいかなる方式を使うかということにつきましては、現在までの直流方式のほかに交流電化等も考えられますし、かつは線区によりましてデイーゼル電気機関車の活用等も考えられますので、これらを十分検討の上決定いたして参る必要があると思うのであります。電化用の電源につきましては、これも電化と密接な関係がありますことは御承知の通りでございますが、信濃川あるいは天龍川、十津川の水力発電等によります電源の確保をもう少しいたさなければならないと思います。  次に新線建設でございますが、これは現在の建設予定線によつて定められておりまして末安成のものは百八十七線、八千四百七十四キロということになつております。鉄道建設の実施につきましては、自動車輸送との比較等、近代的な輸送機関としての価値につきまして検討いたしました上、国家的要請に基きまして建設を行うようにいたして参る必要があると思います。  次に国鉄自動車の活用でございますが、国鉄自動車は在来行つて来ました鉄道に対しまする先行線あるいは代行線というようなぐあいに、鉄道の補助的な輸送をやつて参つたのでございますが、このほかにこれからは鉄道と自動車との協同輸送に活用いたしまして、輸送の近代化及び合理化に進むことを根本として運営をいたさなければならない。この場合、特に次のような事項に重点を置く必要があるのでございます。第一は、急送貨物の速達及び集配サービスの向上をはかるとともに、これによりまして貨物輸送の合理化を行うようにすること。その次は輸送合理化のために、鉄道より自動車を得策とする場合にこれを活用する。そういうぐあいに国鉄自動車の活用をいたして参りたい。  次に公共事業の関連工事でございます。都市計画に伴います国鉄の駅の改良、駅前広場の整理、重要港湾の臨港線の敷設とか踏切りの立体交叉化、あるいは河川改修に伴います鉄道橋梁の改良等、公共事業ときわめて密接な関連を有しておるものはございますが、これらは極力協力いたしまして、その整備をはからなければいけないと思うのでございます。  次に輸送保安度の向上と老朽財産の処理の問題でございますが、国鉄の運転事故件数は、戦後著しく減つては参つたのでございますが、いまなお戦前の四倍程度にまで達しておるのでございまして、これは主として車両とかあるいは施設の老朽危険財産が約千五百億でございまして、償却財産全体の約一割に相当いたしておるのでございますが、これを持つておりますので、ここに原因しております。また増大する輸送量に対しましては、適切な保安設備の整備が必要であるのでございます。このために当面老朽のはなはだしい財産の一掃と、保安設備等の改善を強力に進めまして、漸次適正に老朽財産の更新を続けますとともに、これによつて将来の財産の健全化をはかるというぐあいにして参りたい。以上がこの将来の主要な事項に対する考え方でございます。  次のページをお開き願いたいと思います。国鉄の将来に対します考え方は今申した通りでございますが、当面の施策といたしましては、最近の輸送量の推移、経済審議庁が策定いたしております昭和三十二年度の経済指標、こういうものをつけ合せて考えまして、三十二年度の輸送要請に応じます輸送を行わねばならないのでありますが、わが国の経済の現状にかんがみまして、思い切つた大きい投資は期待できませんので、そういうようなことも考えながらこの輸送要請に応じて、限られたる投資の範囲においていかにするかということでございますが、この計の重点を次の事項に置いたのでございます。第一は、投資につきましては、輸送力の確保と保安度の向上ということを考えなければいけない。次に運営については、経営の合理化と能率化ということに主力を集中しなければならないということになりますので、従つて一般に要望されておりますような輸送サービスの大幅な改善は、残念ながら将来に見送らざるを得ないということでございます。しかし長期的な見通しからいたしまして、今着工しなければいけないものにつきましては、最小限度これを推進するように五箇年計画では考えております。なお念のために申しておきますが、国土の防衛等新しい事態に対します対策につきましては、この五箇年計画の試案におきましては考えておらないのでございます。  次にこの五箇年計画の条件でございますが、輸送計画期間は昭和二十七年度の実績を基準といたしまして、二十八年度から三十二年度までの五箇年間といたしております。但し二十八年度は実行予算通りにいたしております。それからまたこの計画を進めておりますうちに、三十九年度の予算も決定いたしたのでありますが、これは二十九年度におきましても、きまりました公布予算につきましては考えられておりません。実績は二十八年度の実行予算で、あとは計画数字を出しております。次に輸送量でございますが、三十三年度の輸送目標は、ここに書いてありますように、旅客の方は頭で二十七年度に対しまして三十二年度は一〇八%、人キロで二〇%、貨物の方はトン数で一一一%、トンキロで一一〇%ということにいたしておりますが、先ほど申し上げましたように、このふえ方につきましては、最近の輸送量の推移、特に自動車の発達等を考えましたことと、それから審議庁の策定によります工業あるいは貿易水産というような基礎資料を勘案いたしまして、目標値を定めたのでございます。それから物価はどうなるかということでございますが、変動については考えておりません。それから職員の給与ベースはどうなるかということは、大きく次の経営に関係いたすのでございますが、これまた昭和二十九年度以降一万五千三百七十円のベースで計上いたしております。そういうぐあいに主要な条件を今申し上げたごとき前提に置いて立てております。  次に、しからば五箇年間の旅客輸送あるいは貨物輸送に必要な事項の計画内容をどう置いておるかということでございます。第一旅客輸送でございますが、急行とか長距離列車は、客車の増結と約二割の列車増発によりまして、多客期を除きまして定員内において輸送いたすようにする計画でございます。次に一般の近距離輸送のお客さんでございますが、これは汽車列車のほかに、電車あるいはディーゼルカーを利用いたしまして、列車回数を四割程度ふやして参りたい。たとえば高崎線あるいは東海道線の名古屋、大阪付近の近距離の列車を電車化いたしますとともに、またディーゼル動車あるいは一般列車の増発等によりまして、現在全国の営業キロの六分の一に相当いたすところで一日五回以下の列車回数しかない線区があるのでありますが、これらは五回以下の列車回数しかないということはなくしたいという計画でございます。次に通勤輸送でございますが、混雑度は定員の二・二倍以上に達しておる線区もありますが、これを八倍以内にとどめるようにいたしたい。そういうぐあいにいたしました結果、旅客列車輸送につきましては輸送量が八%ふえて参りますが、列車回数の増加と客車の増備をすることによりまして、車の客車キロを二二%増加いたしまして、混雑度は平均二十七年より一五%緩和するようにいたして参りたい。これはいつごろの輸送サービス、混雑度であるかと申しますと、昭和十六、七年度の程度まで三十三年度において改善して参りたいということであります。  それから大都市の通勤電車輸送力でありますが、これは東京、大阪付近の電車増備を約八百両近い増にすることによりまして、混雑度を三割程度緩和するようにいたし、特に東京付近につきましては山手、京浜を分離いたしますとともに、中央線の急行電車を、今は八両でありますが、十両編成にするということを目途といたしております。  次に貨物列車でありますが、貨車を一万二千両増備いたしますのと、列車の増発によりまして、三十二年度におきましては輸送要請の一億七千八百万トンを輸送するようにする、車扱い貨物につきましては、一部列車の長大化することによりまして輸送の合理化をはかりますとともに、冷蔵車あるいは通風車等の増備によりましてサービスの改善をはかつて参りたい。一方小口貨物につきましては、列車回数を増加いたしまして、大都市間の小口の貨物は、きよう受諾したものは明日これを向うへ到着をさすというようなことにいたしますとともに、自動車との協同輸送を行うようにいたしまして、貨物の急送化をはかつて参る計画であります。また特に石炭は、六百万トンの増産という計画を審議庁の方でされておりますので、石炭車の増備と室蘭、苅田、唐津等の港頭及び背後輸送設備の強化をはかつて参る計画でございます。  幹線輸送の強化でございますが、これも御承知のように行き詰まりが非常にひどい単線区間のうち、裏縦貫線、上越線等につきましては列車単位を長くすることにし、また操車場の強化等を推進いたしまして、函館、室蘭、東北、日豊の諸線につきましては部分的に線路増設を行いまして、隘路の打開をはかる計画でございます。また大都市付近の頻繁輸送を行うために、東京、名古屋、大阪、北九州付近の複々線化は、逐次これを着工することといたして参ります。なお当面五箇年間におきましては、三十七キロ軌条を五十キロ軌条に交換をいたしますのは二千キロの予定、三十キロ軌条を三十七キロ軌条に交換いたしますのは千キロの予定で計画をいたしております。  次に幹線電化でございますが、幹線電化につきましては、現在着工いたしております山手紬の電化を完成いたします。東海道、山陽本線の姫路までの電化開通を含めまして、その他経済効果の大きな線区計六百キロの電化を三十二年度までにやりたいという計画でございます。  次に新線の建設でございますが、この計画におきましては、現在着工中の三十線八百八十一キロの完成、約四百億円を計上をいたしております。  次に国鉄自動車でございますが、国鉄の補助としての使命達成のために、車両の充実整備を期することにいたしました。特に貨物につきましては、小口貨物、小荷物等の速達と合理化を目的といたしまして、東京、大阪、名古屋、北九州におきまして協同輸送の一部の実施を三十二年度までにいたしたいと思います。  次に公共事業の関連工事でございますが、公共事業費と国鉄予算とのアンバランスのために著しく立ち遅れておりまして、公共事業の推進を阻害しておる状態にあるのでございますが、これを回復するために、本計画におきましては当面約七十億を計上いたしまして、その推進をはかつております。  次に保安度の向上でございますが、運転保安上緊急に取替を必要といたします老朽のはなはだしい財産の処理、増大いたします輸送量に対します保安対策を計画をいたしております。そのおもなものを申し上げますと、老朽のはなはだしい財産の処理といたしましては、車両でございますが、車両のうち蒸気機関車は百四十一両新しくつくりますのと、電化によりまして発生いたします大型機関車を充当することによりまして、四百十一両の老朽機関車は一掃されることになります。電気機関車は、回收いたしましたものあるいは小型車のうち、保守が非常に困難なものは三十六両ございまして、これをとりかえることにいたしております。電車は老朽の買收車二百二十両、木製車全部の四十二両、合計二百六十二両とりかえることにいたしております。客車は木製車千七百五十五両あるのでございますが、その鋼体化をはかりますことと老朽車の千四十二両の取替によりまして、木製車を一掃する計画でございます。貨車は、老朽車の一万五千両をとりかえる計画でございます。次に施設でございますが、大型機関車の使用によりまして、荷重超過となつております線区に対しまして、前に申し述べましたような約一千キロというものを重軌条化し、また強度不足の著しい橋げた約四万五千トンを交換いたしますとともに、隧道とか護岸とか跨線橋、信号保安設備、変電所機器等の老朽はなはだしい財産をとりかえて参りたいと思います。次にふえて参ります輸送量に対します保安対策でございますが、これは信号保安設備の整備とか踏切り警報機の増備及び立体交叉化、事故電流遮断装置の整備とか、跨線橋の新設拡張、電車の不燃構造化、材質不良の機関車ボイラーの強化等を行うようにいたしまして、現在戦前の四倍に達しております運転事故を、戦前の水準にまでに減少したいということを目途といたしております。  次に経営の合理化あるいは能率化についてでございますが、設備、車両の改善と相まちまして、事業の運営を能率化しまして、全般的に経営の合理化をはかつて参る所存でございます。そのおもなものの昭和三十二年度の目標を示しますと、次のようなことになるのでございます。第一は職員の能率の向上でございますが、これはこの計画によりますと、三十二年度の換算車両キロは一八%の増加になるのでありますが、これに要します所要員を計算いたしますと、戦前の傾向に行くものといたしましても、現在より一割ふえて、約四万五千人の増加を要することになるのでございますが、合理化の推進によりまして七八%、三・四万人の増加にとどめるようにいたしまして、極力職員の増加をとどめておく。その結果、職員一人当りの換算車両キロは一〇%向上するということになるのでございます。次に車両運用能率の向上でございますが、設備及び車両の改善によりまして、車両運用能率を二%な、いし八%向上いたして、車両の生み出しを行つて参りたいと思うのでございまして、車種別に申し上げますと、蒸気機関車は八%の能率向上をする。客車は七%、貨車は三%の向上をするというようなぐあいにいたしまして、これを生み出す数量に換算いたしますと、節約両数が蒸気機関車が四百十両に相当し、電気機関車が四十三両、客車が八百七十両、電車が八十両、貨車が三千七百両に相当するのでありまして、金額に換算いたしますと三百十六億を生み出す計画ということに相なるのであります。次に動力費の節減でございますが、電化の推進と動力車の改善及びその運用の合理化等によりまして、換算両キロ当りの動力費を約七%節約し、これによつて年間三十億程度節減される計画でございます。それから修繕費の節減でございますが、修繕作業の合理化あるいは老朽資産が整理されることになりますので、換算車両キロ当り修繕費を約一割節減をいたし、これで年間六十億修繕費で節減をして行くという考え方でございます。  以上申し上げましたのが、投資あるいは投資に基きます合理化なり、あるいは能率化に対する主要なものの考え方でございまして、その投資の内容は次の十ページを見ていただきますと書いてあるのでございます。  次に、以上のようにいたしますための問題は、財政の見通しでございます。十二ページをごらん願いたいと思うのでございますまが、この計画によりますと、投資の総額は四千四百三十億ということになるのでございまして、そのうち老朽取替とか陳腐化改良に二千三百四十億というものが充当されますので、増強改良投資といたしましては、資産がふえますものは約二千九十億ということになるのでございます。従いましてこの計画を達成することによりまして、このふえた分に対します減価償却というものが当然伴うのでありますが、これが六十億、それから六十億が経営の負担増になりますほかに、この運営に伴います人件費なりあるいは物件費というような、年間支出増になりますものは百三十億が予想されるのでございます。そうしてこの増強改良投資に要しまする資金をすべてここで借入金によるといたしましたときには、この利子負担は年間百五十億ということになりまして、この計画を達成いたしました昭和三十三年度後におきまする年間経費負担のふえますのは、三百四十億ということになる見込みでございます。それで御承知のように、増強改良投資のうちの採算とれますものは、幹線電化なり、石炭荷役設備などでございまして、通勤輸送対策とか、幹線増強とか、新線建設というような大部分のものは、いずれも採算に合わない投資になるのでございまして、たとえば東京付近の通勤対策に対しまする投資は、三百八十二億の計画でございますが、これは主として増加人口に対処するとともに、ラツシユ・アワーの超混雑を緩和するために必要なものでありまして、増加輸送量に対する收入増三十七億を見込めるといたしましても、反面営業経費六十六億、減価償却費九億、資本利子二十七億、合計いたしまして百二億の経費増を伴うのでございまして、この收入増を差引きまして六十五億の赤字になることになります。また新線建設につきましては、三十線の四百六億という計画をいたしておりますが、收入見込みが三十四億円でございまして、営業経費の三十五億、減価償却の八億、資本利子の二十九億、合計七十二億の経費を必要といたしまして、これから来ます收入を差引きまして年間三十八億の赤字になる見込みでございます。  また次に減価償却でございますが、これも御承知の通り第三次資産再評価法に準ずる場合におきましては、約四百八十億いるのでございまして、新品価格によりまして算出いたしますと、五百四十億ということになるのでありますが、この計画におきましては、第三次の資産再評価法に準ずることといたしまして、この五箇年間で二千三百三十六億というものを計上いたしております。  投資資金の計画でございますが、この計画におきましては、従来外部に依存いたしております外部資金は、政府から、御承知のように資金運用部から借りておりますもの、及び鉄道債券等によります一般市場からのもの等を合せまして、毎年二百億円内外にすぎないような状況でございます。今後このわくを大幅にふやし得るかということは、なかなか期待できないじやないかということを、現在の運賃が、これまた御承知の通り、すでに一般物価に比べて非常に低過ぎるということなどを考えまして、新線建設の資金は、これを政府の出資に期待いたしまするとともに電化及び公共事業の関連工事に要します資金を、外部資金に依存することといたしまして、そうして残りの一千百十億につきましては、今までの設備を逐次補足増強いたして参るものでございます。また長い目で見ましても、このような設備を増強するということは、次々と引続いて起ることでございますことを考えて、これは自己資金をもつてこれをまかなうようにいたして行きたいというのが、資金の考え方になつております。  それで、そうした計画に基く営業收支は、次の表に書いてあるのでございますが、これは割愛させていただきます。これを財政資金計画として示しますと、次の表の2に書いてございます。  それで結論といたしまして、従来に比べて財政の見通しといたしましては、次のような資金の増加を必要とするということでございます。第一は減価償却の現在の評価率は、第三次資産再評価法に準じてやるということになりますので、従来の減価償却費の不足額を補充することが必要であるということと、それからこの整備の計画を実施いたしますので、資産増に対する新しくふえましたものに対する減価償却費は当然ふえて来るのでございます。それから改良増強資金の中で、借入れ資金に対する利子等による増加経費、それから先ほど申し上げました自己資金をもつて行おうとする改良増強等に要する一千百十億の資金、これらの資金は、この計画による輸送増に対する收入増、及び合理化によります経費の節減を見込みましても、なお現行運賃で確保することは困難でございますので、昭和二十九年度以降運賃を旅客、貨物ともに二割程度上げることにしてこの計画を達成いたしまして、現在の輸送の隘路を打開するとともに、産業経済の活動に即応して国鉄の使命を遂行して行こうというのが本計画でございます。

關内正一自由党

○關内委員長 それではただいまの説明に対する質疑は、十分御調査の上、次会に行つていただきます。     —————————————

關内正一自由党

○關内委員長 船舶職員法等の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑に入ります。竹谷源太郎君。

竹谷源太郎日本社会党(右)

○竹谷委員 ただいま議題になりました船舶職員法等の一部を改正する法律案についてお尋ねいたしますが、この法律案は、昭和二十九年八月三十一日をもつて切れます船舶職員の資格に関する特例措置を、昭和三十一年三月二十二日まで延長するというのでありますが、現在の船舶職員の充足状況によりますと、この船舶職員法の資格をもつてしては、その充足が困難ではないか。従つて今回昭和三十一年三月二十二日まで資格の猶予を認めましても、またそのときになつて附則の延長をしなければならない事態になることは必定であろうかと思うのであります。従つてこの際過渡的な処置といたしまして、一定の条件を満たした船舶職員であつて、現にその実務に携わつておる者につきましては、特別な措置を講ずることにする。たとえばこれらの職員は、船舶職員としての十分の実力がありましても、試験制度によつて文章を書いたり、その他試験をすることに不得手である、しかし実際は十分によくやれるという実際家でございまして、このような人々に試験制度を画一的に行うことは、なかなか難儀な問題である。そこでこれらの職員に対しまして、こうした延長を重ね重ねやるよりも、適当の軽度の教育を施しまして、その教育を受けた者は船舶職員としてそれに応ずる資格を付与して、このような期限の延長をやつて行くようなことのなくて済むようにする方が、時宜に適した措置ではないかと考えられるのであります。運輸当局としては、この船舶職員法等の一部を改正する法律案はこれといたしましても、さような簡易な教育による資格付与というような方法、その他これに準ずるような適切な措置をもつて資格を付与して、このような延長をたびたび繰返さなくて済むようにする御意思があるかどうか、承つておきたいと思います。

武田元運輸省船員局長

○武田政府委員 このたび延伸をいたしましても、またまた延伸を余儀なくされるようなことはないだろうか、従つてただいまお話のありましたような特別の措置を講ずることは適当ではないかという御意見でございます。事務当局といたしましては、この延伸期間中に所要の職員を充足する計画といたしましては、水産庁の漁船船員の養成政策の強化と相まちまして、漁船以外の小型船舶職員養成のための講習会等に対する助長措置を講ずることにいたしております。水産庁の方では、二十九年度養成補助金といたしまして、一千九十万円を本国会に提案をいたしました。また運輸省といたしましては、漁船以外の小型船舶に対しまして、三百万円の養成補助金を提案いたしまして、このたびこれが認められることに相なつたのであります。その他臨時試験の施行につきましても、予算措置あるいは試験能率の向上、その他の方策を講じまして、試験実績の向上に努めるとともに、一方文部省におきまして、関係の国立学校、水産高等学校の教育能率の向上をはかるように、協力を要請しておる次第でございます。試験計画につきましては、お手元にございます関係資料の六ページにございます。これに昭和二十九、三十年度海技従事者試験計画及び海技免状の発給予想数を調査した結果を示してございます。昭和二十六年十月に経過規定を設けまして、経過規定によりましてからの試験の実績を見ますると、関係資料の二ページにございます。この改正によりまして、どれだけの船舶職員が新たな資格を持ち、あるいは資格の上昇する職員がどれだけ必要であるかと申しますと、二ページの1の(4)に合計額が書いてございますが、四万九千五百十四名が必要になるわけであります。これに対しまして、ただいま申し上げましたように職員法の大改正が行われましてから発給しました免状は、四万二千三百七十二件で、こういうふうに大体バランスが合つておるのでございます。しかしこの海技技術者の免許については、技術者の資格免許と関係して海技従事者の免許を取得した者が、必ずしもその資格をもつてなり得る職務につかない、あるいは免状をとつても陸におつて海務関係の仕事をやるという者も相当あります。そういう関係もございまして、補充未済数は相当上まわり、現在約半数程度しか充足されておらない。延伸を二年といたしましたのは、従来の実績から見まして、二年半ばかりの間に半数充足されておる。従つてもう二年延ばせば、あと半数も充足されるという見通しを持つておるわけでございます。ただいまのところは重ねて延伸をいたすことは考えておらないわけでございます。しかし万一延伸するようなことにならないとも限らないから、ただいまお話のような措置をとつたらどうかということでございます。  下級免状の付与に対して無試験制度をとるということでございますが、これは旧法時代に同じような講習会の制度がございまして、その講習会を経たものには無試験で免状を出しておつたのでございます。この免状を出しておりましたのは、小型船丙種運転士、小型船乙種二等運転士、小型発動機三等機関士——小型と申しますのは、三十トン未満の船でございます。こういう特に小さい船には、そういう制度がございましたが、その制度を実施中、形式に流れていろいろ弊害も出て参りました。それで昭和十九年十一月以降に新たにそういう小型船に対する下級免状に対しましても、試験制を採用することになつたのでございます。ところがその後の試験の実績を見て参りますと、乙種二等航海士以上の試験の実績は、あまりよいとは申せないのであります。成績の悪い科目は、甲板部におきましては海上衝突予防法の関係でございます。それから機関部の方では、機関の取扱いに関する点につきまして試験の成績がよろしくない。これは、この程度のものはお話のように多年経験がございまして、船舶の運航実務には確かに習熟しておりますけれども、この海上衝突予防法といつたものには関心もないし、よく知らない。また機関部員の方では機関の運転には習熟しておるけれども、機関の構造や性能についての知識が比較的乏しいという関係で、機関の事故があつたときの処理などに遺憾の点がある。この海難の状況を調査いたしてみますと、海上衡突予防法違反のものが相当ございます。この違反は、その事故を起しました船自体が困つたことになるばかりでなく、これは他船にも非常に大きな影響を及ぼすわけであります。それから機関事故の海難を見ますと、機関故障の海難のうち、機関の取扱いに原因するものが大多数を占めておるという状況でございます。こういつた海難の実態、それから試験の実績等をあわせ考えますと、今ただちに無試験制度をとるということはいかがかという考えを持つておるのでございます。しかしお話の点につきましては、さらに今後慎重に検討して参りたいと考える次第であります。

竹谷源太郎日本社会党(右)

○竹谷委員 航海の安全、海難の防止という観点から、相当の技能を有する海技員が乗り組まなければならぬことはお話の通りでありますが、もしその学力の点において不足の点がありますれば教育をし、そうして必ずしも試験をやめるというところまで行かなくても、筆記の方法によらず、口頭試問なり実地なりをやらせてみて、その試験制度によるという方法についても、彼らにその試験を通りやすくしてやるような試験の方法を考える、これも一つの手段であろうと思います。但し私の言うのは、技能のない航海の安全に支障がありそうな海技員に資格を与えろという意味ではなくて、実質は力を持つていながら、試験を受けるとうまく行かないという者について、その試験の方法について十分考慮を払い、通りやすくしてやるような試験の方法を採用してほしいという意味でありまして、これは現在執務に従事しているたくさんの海技員が、実際には支障なくやつておる長年の経験者でありながら、試験に落ちて失業することになると社会的に問題でもございますので、この点運輸省においても、こうした力があつてしかも従来の形式的な試験方法にふなれな者について、これを救済する手段に対しまして十分な御考慮をお願いしたい、またそれを十分考えて善処する御意思があるかどうか承つておきたい。

西村英一自由党運輸政務次官

○西村(英)政府委員 ただいまお尋ねの件でありますが、船員局長からもいろいろ詳しいお話をいたしましたけれども、私の感じをちよつと申し上げておきたいと思います。  こういうような資格試験につきまして、学科試験と実地試験とが多くは並行的にやられるのですが、その場合に一番問題になるのは、学科の方と実地の方をどの程度に見るかということが、これはやはり相当の問題であります。ところが試験の実際に行われておることから考えますと、どうしても学科試験の方に重きを置かれて、それの方に流れやすいというような傾向は、資格試験にはつきものの一つの弊害と申しますか、そういう傾向があることは、私もほかの資格試験において相当感しておるところであります。従いましてただいま御質問のように、ことにまた海上のことにつきましては、学科以上に経験ということが大事でございますので、今後の試験をやるにいたしましても十分御趣旨の点は考えまして、そういうふうな気持をもつて試験をいたしたい、そういうふうに指導いたしたいと思つております。

關内正一自由党

○關内委員長 ほかに御質疑はありませんか。——ないようですから、これにて本案に対する質疑は打切りたいと思いますが御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

關内正一自由党

○關内委員長 御異議がなければさよういたします。     —————————————

關内正一自由党

○關内委員長 この際、館俊三君より緊急質問をいたしたいというお申出がありますから、これを許します。館俊三君。

館俊三小会派クラブ

○館委員 実はさつきも五箇年計画をお話になる際に、その計画の中に公共の福祉に関する件として、踏切りの問題その他を整備しなければならぬというお話がありましたが、私の緊急質問というのは、実は請願書が出ておるのであります。この請願書は、小田急電鉄で子供さんをなくした親の方が、直接に請願書を私のところへ出しております。これを読んでみますと、今日私鉄の保安設備についての怠慢さが十分に納得できる。またそういうことばかりでなく、乗務員の労働条件の問題、あるいはそういう死傷事故が起きた場合の会社の賠償の問題、あるいはその他種々雑多のものが考えられて来るのでございまして、これは単に小田急だけの事故ばかりでなく、私鉄全般についての問題が次々と考えられて参りまして、運輸委員会としても、また監督当局としても、十分考慮を払わなければならぬ問題が伏在しておるのであります。そこでこの請願書を請願人にかわつてここで読み上げまして、一応委員の諸君及び当局に十分に考慮を払つていただいて、できましたならば、私鉄全般の問題に関係するのでありますけれども、小田急の会社当局をここへ召喚いたしまして、この請願書について考えられることを糾明をいたしたいと存ずる次第であります。これは単に小田急を糾明するだけでなく、各私鉄会社の状態が、ここに書かれておる請願書の中からくみ取られるような状態に、現在やりつぱなしになつておるのじやないかという気持がいたします。これは非常に重大な問題でありますから、そういうふうに御了承を願つて、請願書を読み上げますからお聞き取りを願いたいと思います。なおこういう請願書に書かれてあるような事柄については、小田急だけを勘定いたしましても非常にたくさんな死傷事故があるのでございます。それがいいかげんな状態で、会社と被害者の間に片づけられておるのであります。従つてここに請願書を読むのは、生のままの被得者の声をそのままここに現わしたいということと、もう一つはこれを契機にして、徹底的に私設鉄道のこういう問題について解決をしていただきたい、こういう気持からでございます。どうか、読み上げたあとで、この請願書については事務当局にお渡しいたしますから、これを複写して各委員、当局にまわしていただきたい。そうしてそれをお読みになつていただいて、そこから生れて来る問題については非常に広汎なことになりますから、各委員の方の御協力を願つて、会社当局が召喚を受けた際には、各委員から十分なる御質疑と御検討をいただきたい。そうしてこれを、今の国鉄五箇年計画の中にも一項目として盛られておる公共福祉に関する問題が、従来私鉄の問題については一体どうなつておるか、ことにこういうように議事を運んでいただきたいことをお願いいたしまして、殺された子供の両親からの請願書をざつときようは読み上げますから、お聞き取りを願いたいと思うのであります。     請願書   本年一月二日、長男稜一(六歳五ヶ月)は小田急電鉄新宿発経営行き下り電車、世田谷代田駅十一時十分発によつて、同駅から約一五〇米梅ヶ丘駅寄りの踏切(代田二号踏切)において電車の下敷きとなり、右大腿部に重傷を負い、一時間三十分後の十二時三十分国立世田谷病院で終に失血死をいたしました。   私は下に述べますような理由によつて一切の責任は会社側にあると考えておりますが、会社としては、占用軌道内に不注意に入つたことに全部の原因があるとして、何等誠意ある態度を示しません。   陸運局東京事務所の事故録索引にも、就学前の子供の事故は「保護者の不注意」として十把ひとからげに記入してある有様であります。   これはひとえに、鉄道諸法規が明治時代のものであり、交通機関の発達のため、会社育成をはかるの余り、人命の保護という点が等閑に付せられている結果であらうと考えます。   ここにおいて私は鉄道諸法規が人命保護中心のものとなるよう改正せられんことを、国会議員諸氏に懇願するものであります。   以下この事故の主要点を要約して御参考に供したいと思います。   (一) 非常警笛吹鳴について   「現場附近沿線に住んでいる人々の内、誰一人として聞いた人がない。乗客の内の二人も聞かなかつた。被害者と同行して危く難を逃がれた子供も聞いた形跡がない。」という問に対して会社側は「運転手は吹鳴したという。他に証人もある。これは水かけ論に終るだろう。」と答えています。だが運転手はその前夜九時一八分まで乗務して帰宅出来ず、翌朝は四時五十五分に乗務しております。充分な休息がとれなかつたであろうことを考えると、どうも納得ができません。   (二) 踏切の見通しを悪く放置していることについて   保線工手が数時間で改憲できる踏切の見通しについて、私の三、四回に及ぶ調査と改善の要求をその都度拒絶している会社側は、最後に至つて「現在のまで支障なし」と答えています。なるほど電車の運行にはいささかの支障もありません。しかし通行人にとつては非常に重大な支障になつております。附図に示すように堤防の腹の出つ張りと小山のために、踏切りから約五米の地点から二五・六米しか見通せません。察の調取書では三米はなれた地点から二〇米しか見通せないことになつております。これでないと制動距離と事故地点との関係がうまく合わないのです!)これを削りとれば恐らく四五〇米以上見通せると思います。これが早く実行されてさえいたなら、今回の事故は起らないですみました。   (三) 代田二号踏切の道路変更について   附図点線に示しますように、元来は道路通り斜の踏切がありました。ところがいつの間にか会社は勝手に踏切を現在の場所に変更しました。このため踏切までの距離が二、三米ちじまりました。これまた元のまの踏切であつたならこの事故は起きなかつたと云えます。   (四) 代田三号踏切の廃止について二号踏切より約五〇米梅ヶ丘駅寄りにありますが、これは二号踏切にくらべて見通しは良好であります。これを会社は都にも区にも地元にも無断で廃止しております(終戦後二、三年間はあつたことを知つております)。   以上(三)(四)の追及に対しては「勝手に道路変更や廃道が出来ることはないから必ず手続はした。しかし証拠書類はない」と独善的に答えます。けれども、区役所も都庁も決して許可したことはないと云つております。   (五) 制動効果の悪い車輛の使用について   古い車両の制動効査が悪いことは会社側も認めていますが、許可されているということを理由に何等積極的改造の誠意はありません。   (六) 遺品(靴、靴下)を隠匿し、肉塊、遺骨を遺棄しました。   (七) 負傷者の処置について前述しましたように、これは車輪にかかつたのではありません。医師の診断によりますと両脚複雑骨折、死因は失血死となつております。なお、右大腿部は車体下部の出つ張りでひつかかれて大動脈、静脈共に切断されておりました。この激しく出血する負傷者を応急的な止血方法も請ずることなく、狭い車掌の出入口からたてに抱いて引つ張り込みました。これではまるきり水差の水をさかさまにしてあけるのと同じく、多量の出血は明らかであります。これを見た近所の人は「ひき逃げされた方がむしろよかつたと思う。」とさえ言つていられます。   今までの長年の経験による慣行では、こんな場合は下北沢の伊達病院か経営の川内病院へ行くことになつております。これなら五、六分で行けます。ところが今回は梅ヶ丘駅で降ろしました。この駅の近くには外科医はありません。駅ではそのまま救急車を待つつもりであつたらしく、負傷部も露出したままホームの木のベンチの上にそのままごろりとねかして五、六分間放置していたのを見た乗客の一人は、その残酷さをなじつて駅員を殴つたそうであります。また、電車待合せ中の他の乗客にも騒がれて、やつと附近の吉田内科小児科医院へ(担架の設備もない駅なので看板板をひつぺがして乗せたといいます)行き、診療が不可能だと言われると、「脈だけでいいから見てもらいたい」と言つたそうです。これが事故発生後十分間も経過した後の出来事であります。吉田医師は後に私に「その時は脈拍は微弱であつたが、元気はあり、自分の姓名、年齢ははつきりと名乗つた」と言つております。吉田医院に約五分間いて、十一時三十分国立世田谷病院に送られ、一時間の後十二時三十分亡くなりましたが、最後まで意識はハツキリしていたといいます。   以上から見ましても死因が直接負傷にあつたのではなく、負傷時の手当の誤り、手遅れにあることは明らかであります。   この処置について会社側は「結果ばかり見られては困る。誰だつて人を殺したいものはない。少しでも早く手当をしたいばかりに梅ヶ丘に降ろしたのだ」といいます。しかし、私の「少しでも早く手当をしようと思つたのなら、なぜ世田谷代田の駅員に委託せぬか、現場に来ていたではないか。現場から約三〇〇米、私の家の二軒おいた隣りは外科の専門医である。他にも三〇〇米ばかりのところに外科医がある。これなら二分か三分で手当が出来た筈である。それをどうして残酷な乗せ方をしてまで(この時は痛い痛いと泣いたそうです)梅ヶ丘まで運んで木のベンチにコロがしておく必要があるか。まるきりナブリ殺しではないか」の間に対しては口をつむいでしまいます。   他の点はどうあろうとも、この点だけは、何としても過失による致死だと私には考えざるを得ません。これこそが人命を軽く扱う会社側の(またマグロか)というやり方の端的なあらわれだと思います。他にも「人を殺したつて安い金ですむ、高い金をかけて踏切設備なんか出来ない」と云われた人、露出した腸が泥にまみれているのを縫合せもせず泥のついたままで棺桶に入れられたという人も知つております。「なあに、足が一本飛んだだけですよ」といつた東急の事故係も知つております。   これらはみな、会社側がいかに都合のいい法規を楯にとつて悪質な人  命軽視、ひいては利潤をあげるためには踏切の設備などちつともかまわないということになるのだと考えます。因にこの踏切りは、一昨年夏代田小学校新設の際にその危険が痛感され警察からも、小学校からも、教育委員会からも、区議会もその決議として、それぞれ会社に対して地下道とするよう要望したところ、会社からは「当方は長年ここで営業していることだし、学校は最近山を開いてお建てになつたのだから全額の負担は出来ません。半額を区の方で負担して頂ければ何とか考慮しましよう」という回答であつたそうであります。ところが区の方では予算がないというのでウヤムヤに終りました。然しその翌年、田村保区長病死に際しては香料として二百万円、葬儀費用として七十万円の支出がされたという話をきいて、どうして三十万円か四十万円の地下道に対する補助金が出せなかつたのかと、割り切れない気持を抑えることが出来ません。   何卒よろしく御賢察の上善処方をお願いいたします。  こういう書類に地図もつけてあるのですが、この問題からいろいろのことが考えられるのです。この運転士がこの事件で検事局へひつぱられて調査をされたのが、三月の二十三日だそうですが、この運転士はその日にすぐ乗務させられて、これは新聞に出たのですが、あの線のどこかの踏切りで「生長の家」の宣伝カーにぶつかつて——けがをさせたかどうか知りませんが、事故を起した。これを見ても会社当局が運転士の訓練、しつけといいますか、そういうことについても非常に粗漏だと言わなければならないということなのですが、私が調べたものによります。と、小田急の二十七年の踏切り事故というものは六七六件で、そのうち死亡が十二名、負傷が二十二名になつている。二十八年には七十二件の踏切り事故で、そのうち死亡が二十五人、負傷が十二人になつている。京王では二十七年には三十七件の踏切り事故で、十一名を殺して十四名を負傷させておる。二十八年には四十五件の事故で、十二名殺して十二名負傷させておる。京浜では二十七年は七十五件の踏切り事故で、二十一人を殺して三十六人の負傷をさせておる。二十八年には七十三件の踏切り事故で、二十五人を殺して三十二名に負傷させておる。京成電車では二十七年には二十二件の事故で、七名を殺して九名を負傷させておる。二十八年には、三十七件の事故で、十二名を殺して二十名を負傷させておる。小田急ではこのほかに電車の衝突事件があつて、百六十人くらいの死傷事故が——けがばかりじやないかと思いますが、百六十人ぐらいやつておる。いれは東京陸運而の統計でちよつと見たのですから間違つておるかもしれませんが、そういうような状態になつておる。ことに人口が非常に稠密になつて来ない先に、都市を中心とした私鉄が東京、名古屋、大阪、福岡、京都というところで、無理な形で運転をしておるというふうに十分考えられる。そういうことについてどういうふうな監督をなさつておられるか、またこの死傷事故の跡始末についてもどういうふうになつておるかということを、非常に深く憂慮するのでありまして、全国的な私鉄の問題であると思つて、ちよつとお尋ねいたしたいのであります。

植田純一運輸省鉄道監督局長

○植田政府委員 ただいま御指摘の事故に関する詳細な事情につきましては、実は手元にお答え申し上げる資料がございませんので、十分調査いたしたいと思います。全般的に申しまして、この踏切りの問題というものは非常に頭を悩ましておるわけでございます。これは国鉄、私鉄を通じて踏切りというものは非常に問題がございますが、特に都市の郊外電車の沿線がどんどん発展して参りますので、踏切りの対策につきましては十分関心を持つておるわけでございます。ただこの踏切りの問題につきましては、先ほどもちよつとお言葉にありましたが、道路のいわゆる管理者の協力と申しますか、小さな道路が非常にたくさんある現状でございます。そういうふうな道路の整理、あるいは協力というふうな面からも、やつて行かなければならぬ問題でございますが、現状におきましては踏切りの数が非常に多くございまして、しかも設備が全然ないという踏切りが、その大多数を占めておるわけでございます。もちろん交通量等をにらみ合せまして、どうしても何らかの設備をしなければならぬという状態の踏切りにつきましては、もちろん会社といたしましても、自衛的にやつておりますし、また監督官庁といたしましても、極力設備の整備について指導しておるわけでございます。実際問題といたしましては、踏切り設備の全然ないというのが大多数を占めておる現状でございまして、また現状におきまして、あらゆる踏切り設備をするということも非常に困難な状態でございますから、逐次交通量の増加とにらみ合せまして、踏切り設備の完備に今後一層邁進して参りたい、かように存ずるわけであります。  踏切りの傷害事故につきまして、ただいま郊外電鉄につきまして二十七年度、二十八年度の数字をおあげになりました。正確な数字を手元に今持つておらないのでありますが、小田急及び京浜につきましては、御指摘の通りの事故があるように私は記憶いたしております。大部分の死傷事故は、いわゆる全然踏切り設備のない箇所におきまして、たまたま事故が起きたとい場合が多いわけでございます。交通量の問題もございますし、また御指摘の見通しの問題、その地形の状態等の点もございますので、こういう点につきましては、従来から指導いたしておりますが、この際さらに十分そういう点を調査いたしまして、設備の整備ということに今後も努力いたしたいと思います。なお不幸にいたしまして傷害事故が起きまして死亡された方に対しましては、個々の場合によつて慰藉の方法も違うかと思いますが、社会通念上もつともと思うような慰藉の方法を講ずるようには指導いたしております。特にひどいというふうな事例がございますならばよく調査いたしまして、今後とも注意いたしたいと思つております。もちろん負傷者に対しますいろいろの扱い等につきましても、そういう事実がございますならばよく調査いたしまして、そういうことのないようにいたしたい、かように考えております。

館俊三小会派クラブ

○館委員 私の希望は、請願書に書いてあることが事実であるかということを、小田急の責任者を呼んでここで十分吟味する必要があると思います。これは単に小田急を吟味するばかりではなく、これを契機といたしまして、一般私鉄に対しての警告を与えることになろうと考えますので、その点を十分に理事会が御詮議を願いたいと思うのであります。  今当局のお話でありましたが、なくなつた人たちの補償というものについて、会社は実に不誠意だ。親たちが出かけて行つても、会社の責任者は会わないで、大体係長クラスが応待して、いいかげんな態度で荏苒日をむなしくしている。それで、それでは裁判に訴えればいいじやないかという意味の会社側の話に対しては、親たちは非常に憤激している。裁判で公正にやつてもらえばいいのですけれども、そういう両親たち、あるいはけがした人たちは、裁判の費用もかかるし、日にちもかかりますので、結局泣寝入りになつておる。私はここに料材を持つて来れば幾らでもあるのですが、小田急だけでも相当やられておる。この人たちがそういうはめに陥れられて泣寝入りになつておるのが、二件や三件や四件ではないのです。そういう事態を監督当局として、どういうふうに見ておられるかという気持もするのであります。いずれ理事会で御決定をいただいて喚問をしていただいた場合には、そういうこと及び従業員の取扱いの事柄、応急処置の事柄はどうか、あるいは車両をどうしているのだ、ブレーキをどうしているのだというようなことも、十分に吟味をしなければならぬと思いますから、この次の委員会でみんなでこれを取上げて、十分なる吟味をやつていただきたいという提案だけにしておいて、きようはこれで打切つておきたいと思うのです。

山口丈太郎日本社会党(左)

○山口(丈)委員 私は今の館委員の発言に関連して、一つお尋ねしたいと思います。交通機関、特に専用軌道を走りますすべての交通機関に対しての法律は相当古くなつていて、交通事情の頻繁になつて参りました現在の情勢にそぐわないものが非常に多いのではないか。これはぜひとも改正する必要を私ども感ずるのでありますが、当局においては、将来交通法規、特に国鉄も含む専用軌道上における事故について、法的にどういう措置をとろうとされておるかということが第一点。  第二点として、自動車の交通事情というものは、非常な速度で頻繁さを加えて参りました。東京でも京浜国道一つをとつてみましても、京浜電車が品川のところで平面交叉をしておるだけでなくて、あの交通頻繁な道路上を郊外電車が走つておる。大体私は郊外電車の運転士でありますから、電車のことにつきましては一応知つておると思うのでありますが、もちろん速度もあそこはたしか二十キロ程度に落しておるとは思いますが、しかしだからといつて電車というものは、そうそうその場に障害物を発見してただちにとまるという性質のものではない。ですからそういうものがあのような頻繁な街道で、並用軌道上を走るということは非常に危険があると思います。そういうものについてはやはり適切な線路改修等の措置を、監督庁としても当然とらるべきではないかと思いますが、それについてはどういう考えを持つておられるか。  第三点としては、踏切りの改憲にあたりましては、その道路管理者との間における踏切りの改良工事等に対する経費負担の面が非常な障害になつておりまして、これの解決がなされない限り、立体交叉による踏切りの解決というものは、なかなか至難な事情にある。これに対しましてはなかなか一片の法律等によつては、解決が困難な面もあろうかと思いますが、だからといつてこのままに捨てておくということは、非常な危険を伴うのではないか。特に私鉄などにおきましては、営利を主眼というわけでもないでありましようが、しかし何といつても業績を上げなければその会社の経営が成り立つて行かない。成なり立つて行かなければますます従業員に対する特遇も低下する。それは単に給料の問題だけではありませんで、やはりそれはあらゆる労働条件について非常な低下を来して参るのでございます。そういう意味から申しましても、これらの設備の点に対してかかる経費についても、相当適切なる、やはり公益性のある措置がとられない限りは、私は解決は困難ではないか、かように思うのでございますが、以上申し述べました諸点について、まず当局の指導並びに今後における対策について承つておきたい、かように考えております。

植田純一運輸省鉄道監督局長

○植田政府委員 第一の法制上の問題でございますが、御指摘の通りこの鉄道に関します基本的な営業法規と申しますのは、鉄道営業法になつております。鉄道営業業に基きまして建設規程であるとかあるいはまた運転規則であるとかいうのが出ておるわけであります。鉄道営業法自体が非常に古い法律でございまして、必ずしも現状にぴつたりと合わない規定も中には残つておるという状況でございまして、新しい情勢に適応いたしますように何らか改喜正をしなければならぬということは、かねがね私ども考えておつたところでございます。ただ非常に困難な点は、これが基本法規でございまして、これに基きましていろいろの法規ができておりまして、たとえば国鉄に対する法規と私鉄に対する法規は、それぞれ別個の系統になつておるわけです。従いましてそういうふうな問題をどうするか。実は国有鉄道が公共企業体になりました今日におきましては、やはり基本的な運転なら運転の共通の規則があつてもいいじやないかということも考えられますし、そういう法体系をどうするかということがまず根本的な問題になつておりまして、そういう点につきまして実は検討をしておるようなわけでございます。その法体系と同時に、もちろん内容につきましていろいろ検討しておるわけでございますが、根本法の鉄道営業法につきましては、そういう法体系その他の点の考え方がきまりませんと、なかなか手をつけられない点もございますので、その点は研究する一方におきまして、実態的にそれから出ております建設規程だとか運転規則だとかいうものにつきまして逐次改正をして行こう。根本的な問題とさしあたりの問題とわけまして、根本的な問題を研究しながらも、さしあたりの問題を、運転規則あるいは建設規程につきまして研究し、改正して行こうというのが現在の考え方でございます。その点につきましては成案を得ておるものもございますし、また一部分改正したものもございますが、考え方といたしましてはそういうふうな考え方で現在進んでおるようなわけでございます。  次に自動車の発達に伴いまして踏切りの問題もきわめて問題でございますし、同時にまた御指摘の並用軌道の問題につきましてもだんだんと交通上問題になつて参ります。都市内の交通におきましても、路面の電車というものが現在におきましてもかなり交通に支障しておるというような現状で、この面につきましてもいろいろ考えなければならぬ点がずいぶんございます。郊外電車におきまして並用軌道で行つておりますものにつきましては、これは自動車の発達に伴いましてますます問題になつて来ると思います。こういうような問題につきまして根本的に解決をはかつて行くということにつきましては、非常な問題がございます。東京の郊外だけにおきましてもそういう点につきまして非常に問題があるわけでございますが、こういう面につきましては、一面におきましてはやはり国家的な助成ということもどうしてもしなければ、解決できないのじやないかというふうな点を実は考えております。踏切りの問題につきましても同様でございまして、先ほどもちよつと触れましたが、網の目のように大きな道路、小さな道路がありまして、踏切りの数が非常に多くなつております。ことに自動車の発達に伴いましては、自動車の通行に適するような道路を整備でもして、踏切りの数を少くし、かつこれを完備する、できれば立体交叉にするというふうな根本的な考え方をしなければ、問題は解決しないのではないか。経費の負担の面におきましても御指摘の通りでありまして、国鉄におきましてももちろん、まして私鉄自身の能力だけに期待しておりましたのでは、とても解決ができない。またこれは非常に卑近な例になりますが踏切りの見通しの問題におきましても、私有地であるがためにかつてに踏切りの直免に見通しをさえぎるような建物を建てられたのでは、見通しを非常に阻害する。そのために、交通量がさほどでもないのだが、見通しが非常に悪くて事故の原因になるというふうな場所もございますので、私どもの希望としますれば、そういう踏切りの直角のところは、見通しをさえぎるような建物を建てられないようなことも、考える必要があるのではないかというような点もいろいろ考えておりますが、いずれにいたしましても、費用の問題あるいはまたある程度の強制措置が伴いますので、根本的にはやはり立法措置がどうしても必要である、かように考えまして、今後の大きな問題といたしまして、この踏切り対策といたしましてそういう立法措置を研究して参りたい。私どもは以前からそういう点につきまして実は検討もいたしておるわけでございますが、非常にいろいろな問題を含んでおりまして、なかなか成案に至らないというのが現状でございます。従いまして根本的な解決につき参ましては今後とも十分研究して参りたい。また皆さん方の御協力も得たいと考えておるような次第でございます。

山口丈太郎日本社会党(左)

○山口(丈)委員 今の御答弁によりますと、相当研究をされて、近く法体系もきめて作業にかかるようでありますが、これは人命に関する問題でありますから、一刻も早く十分に検討されて、本国会には間に合わなければ、その要綱だけでもひとつ私どもに配付してもらつて、そうしてわれわれが十分検討ができるような措置をとつていただきたいと思います。  それからこれは委員長に質問をしたいのですが、請願あるいは陳情等は、いつでも会期が終る直前に審議がされるようでありますが、これでは私どもの審議が十ぱからげでありまして、せつかく請願、陳情をした向きに対して誠意のないことになると思うのであります。そこで請願にしても陳情にしても、これが実現のためには取捨選択等についても、十分に検討をいたす必要があるのですからして、従来のように会期の終りとかその間近に、ただ一片の説明を聞いただけで採択をするというようなことではなくして、委員長においては今期にはひとつ、ただいまも相当の請願、陳情が出されておることでありますから、会期までに逐次出されたものから真剣に審議をして、予算も成立をしたあとでございますから、予算を伴う向きに対しましても実現困難なものもありましようけれども、しかし次会においては、それらについて真剣な討議をした上で、これらの請願については本年中に補正をしてでもやるべきもの、あるいは法律を定めてやるべきもの等についての取捨選択をした上で、重点的に取上げるような措置を講ぜられることが、私は委員長としても適切な措置ではないかと思いますが、委員長はこの請願、陳情に対してどのような考えをもつて対処されるか、ひとつ所見を承りたい。

關内正一自由党

○關内委員長 ただいま山口君の御意見でありますが、これはきわめて重大なことでありまして、私の党といたしましても、先般総務会でこの問題が大きく取上げられまして、その結果、結局この問題は委員長会議を開いて、そうしてただいま山口君が述べられたような御趣旨に沿うようなことにしなければいかぬ、こういうような話合いにもなつています。私といたしましても、先ほどの理事会でもこの話が出ましたので、御趣旨に沿うように十分な検討を加えたい、かように考えておる次第であります。

楯兼次郎日本社会党(左)

○楯委員 先ほどの館委員の質問に関連して二、三お聞きしたいと思いますが、一体旅客、公衆が死傷を受けた場合、これに対する補償並びに慰藉についての規定といいますか、法の定めというものが全国的に一貫をしておるのか、あるいは会社々々によつてまちまちであるのか、そういうものが定められておらないのか、これをまず第一にお伺いしたいと思います。

植田純一運輸省鉄道監督局長

○植田政府委員 踏切りに関します法規といたしましては、先ほどちよつと触れました建設規程がございます。これは国有鉄道並びに私鉄別々の建設規程がございますが、これには根本的には交通頻繁な踏切りには云々という規定はあるわけでございますが、しかしきわめて抽象的な原則だけでございまして、具体的にはそれ以上の定めは何もないわけでございます。従いましてこの趣旨を体しまして、国鉄は国鉄、私鉄は私鉄がそれぞれ踏切りの設備をやつておるというような現状であります。

楯兼次郎日本社会党(左)

○楯委員 私のお伺いしたのはそうじやないのです。踏切り以外でも、旅客、公衆が死傷を受けた場合に、これの損害と言うと語弊がありますが、補償をしまたは慰藉料を出すというようなことについての、一定の統一した規定というものがあるのかないのか。

植田純一運輸省鉄道監督局長

○植田政府委員 それは統一した規定は何もございません。

楯兼次郎日本社会党(左)

○楯委員 国鉄の場合は、私はあるというふうに記憶いたしておりますが、どうでしよう。

植田純一運輸省鉄道監督局長

○植田政府委員 国鉄の内規であるかもしれませんが、私今存じません。全般を通じた規定としてはございません。

楯兼次郎日本社会党(左)

○楯委員 内規であるかもしれないが存じませんという御回答ですが、先ほど館委員の話を聞いておりましたが、私もそういう声をよく聞いているわけです。子供が死んでしまつた、ところが鉄道の方では、一万円か五千円の慰藉料でそのままだ、けしからぬという声をよく聞くわけです。この点については、また別の機会にわれわれ委員として検討をしなければならないと思いますが、御存じないようでありますから、この次の委員会の、館委員の要求の参考人のお見えになるときに、ひとつ研究されて御説明願いたいと思います。

關内正一自由党

○關内委員長 先刻館委員よりお話がありました小田急の責任者を参考人として招致いたす問題でありますが、この問題につきましては、次会の理事会に諮りまして、なるべく館委員のお申出に沿いまするように、努力いたしたいと存じます  本日はこれにて散会いたします。     午後零時五十六分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗