運輸委員会 第16号
- 発言数
- 78 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/02/22
会議録
○關内委員長 これより開会いたします。 海上保安庁長官より、巡視船さどの事件に関し発言を求められておりますので、これを許します。山口政府委員。
○山口(伝)政府委員 去る土曜日に、海上保安庁所属の巡視船さどが韓国に連行された事件が発生いたしましたので、この問題についての今日までわかつておりまする経過その他につきまして、とりあえず御報告申し上げたいと思います。 まず事件発生までの経過でございまするが、公海で操業中の日本漁船の拿捕防止につきましては、御承知のように昭和二十七年、すなわち一昨年の五月の閣議決定に基きまして、水産庁と協力して、朝鮮半島周辺及び東支那海方面には、一昨年の九月から巡視船を常時一隻ないし二隻行動せしめて参つたのでありまするが、昨年国連軍によつて設定されました防衛水域の実施が停止されまするや、日本漁船は韓国周辺の海域において相当の出漁を見たのでありまするが、このときに韓国におきましては、艦艇十九隻をもつて同海域の警備を強化するに至りました。そのため、日本漁船は臨検、拿捕等の事故が頻発をいたしたのであります。このことは御承知の通りであります。海上保安庁といたしましては、このような事態に対応いたしまして、昨年の九月以来は、巡視船五隻を同海域に増派いたしまして、常時五隻を現場に出しまして、拿捕及び紛争の防止に努め、また巡視船は随時現地におきまして、韓国の警備艦艇と洋上会談等をいたしまして、直接折衝によつて相手の艦艇に対しまして、いわゆる李承晩ラインの不当性を強調する。一方日本の水産業に対しましては、紛争防止のために適切な措置をとるよう指導して参りました。しかし実際におきましては、韓国側の方針はきわめて強硬なため、操業中の日本漁船は続々と退避せざるを得ない状況になりました。十月の下旬におきましては、ほとんどライン内では事実上操業ができないような状態に立ち至つたのであります。九月以降今日までに韓国側に臨検されました日本漁船の累計は百一隻、拿捕されました日本漁船は四十三隻に上つたのであります。このほかに水産庁の監視船第二京丸が拿捕されております。十一月に至りまして、漁場は当時はあじ、さばのあれでございましたが、その後以西底びきの漁期に入りまして、漸次済州島の西側に漁場が拡大して参りました。韓国としてはその後沿岸警備隊を編成いたしまして、警備を強化する措置をとつて参つたのであります。当年といたしましては、その後の漁場の趨勢にかんがみまして、東支那海方面の警備を厳にいたしまして、済州島の西側に四隻、同じく東側に一隻ないし二隻をもつて、水産庁の監視船と連繋、協力いたしまして、日本漁船の拿捕防止措置を講じて今日に及んだのでございます。 去る二月二十日、済州島の西方海並びに東支那海方面におきましては、巡視船くさがきを指揮船として、へくら、さど、こしき、計四隻をもつて行動中であつたのでありますが、このたびのさどの連行事件が発生をいたしたのであります。日時は二月二十日午前六時三十分、位置は北緯三十三度十五分、東経百二十五度二十分、当時の気象並びに海象状況は、北の風、風力二、雲量は六、半晴、うねりは西、もやがかけておりました。海上は平穏でありました。ちようど六時ごろ、レーダーにて左舷七海里に三隻の船形を認め、国籍確認のため接近をいたしました。一時はきわめて感度が良好で、韓国の警備船かまたは三百トン型スチール・トロールと思われたのであります。東方は次第に明るさを増しましたが、西の方はガスと月没のため、視界は依然として不良でありました。次いで六時二十分ごろ、左舷のガスの切れ間に航海燈が薄く見えた直後、相手船よりコール・サインの発光信号を受けたのであります。韓国船の公算がありましたが、ホワット・シップ——何船かという確号信号をこちらの方から送りましたところ、返答がなく、相手船は突然銃声をもつてこれに報い、同時にストップ・コールという国際信号を送つて来たのであります。さどはその当時避退する余裕はあつたのでありますが、ほかの二隻は操業中の日本漁船があつたと思われましたので、その二隻のことをおもんばかり、会談を行うことを決意したようであります。七時ごろから八時ごろまで、韓国海洋警備船金星号船上におきまして、同船長と会談を行つたのであります。そのときの会談の内容で、今日までわかつておりまするところを申し上げますと、さどの船長は、国際法上の慣例に基く公海における航海の自由及び漁業の自由を主張したのでありまするが、警備船船長は、さど船長の主張する国際法上の権利はわかるが、警備船は韓国政府の指示で行動いたしており、船長個人の意思ではいかんともしがたいのでさどを連行する、かようにいわゆる平和ラインを固守して譲らないのでありまして、結論を得ないまま、相手は実力をもつてさどを連行すると告げて、遂に実力行動に移つたのであります。これは済州島に連れて行かれてからの様子でありますが、さどの乗組員は全員さどに乗船のまま軟禁状態で、個人の自由は何ら拘束されない。韓国警備兵約八名が陸上との交通を断ち、さどを警備した由であります。それから当日の午後十時三十分に至りまして、さきにさどを拿捕いたしました金星号の船長から釈放の通告を受け、当夜零時に同地を発航いたしまして、本日の午前四時四十五分に間門港外の六連に到着、次いで八時二十分門司に入港をいたしております。 わが方としては、最初さどが不法に連行されつつある報知を受けましたので、さつそく外務省にこの旨を連絡いたし、またアメリカ大使館あるいは極東海軍等にも連絡いたしまして、先方に対して厳重なる抗議をいたしてもらい、即時釈放方を願つたのでありますが、外務省とされては、当日午前中にさつそく金公使を呼ばれて、これが交渉をいたしてもらつたのであります。私どもとしては、かような不祥事件が今後発生するようなことがあつては問題でありますので、今日までわかつている事情のほか、さらに詳細調査をいたしました上で、それによつてさらに韓国に対して将来のため厳重なる文書による抗議をいたしてもらう手はずを、現在外務省と相談いたしております。なお今後の警備につきまして、かような事態が発生するようではいろいろと考えなくてはならぬのでありますが、さらに詳報を持つて、その上で慎重に考慮して至急対策を立てたいと考えております。まことにまずい事件が起つたのでありますが、これらの問題につきまして、委員の方々におかれましても、いろいろと今後に対しての御意見がおありだろうと思いますが、もしおありでありますれば、お聞かせをしていただけたらまことに仕合せに存じます。 以上とりあえず今日までの経過を申し上げ、御報告いだした次第であります。
○關内委員長 ただいまの説明に対し、質疑があればこれを許します。——別にないようでありますから、次に京浜、山手線分離及び常磐線乗入れ問題につき、鈴木委員より発言を求められておりますので、これを許します。鈴木仙八君。
○鈴木(仙)委員 緊急質問としてお許しを願いました京浜、山手線分離問題についてお尋ねしたいと思います。その前に一、二点緊急を要する問題でお尋ねしておきたいと思います。最近の鉄道事故について、運輸省の鉄道監督上の措置と見解並びに国鉄当局の処置と今後の方針とについてただしておきたいと思います。 去る二月八日十二時五十八分に、品川・新鶴見間貨物専用線の品川・大崎間上り貨物列車四六四列車が目黒川信号所にさしかかると、信号機が明らかに進行信号を標示していたのを機関車二台の乗務員四名が確認して、時速三十八キロをもつて進入しようとしたところ、脱線転轍機が開いていたので、列車は安全線に進入し、砂利盛り線を突破して、機間車一台はがけ下に墜落し、一台は脱線をし、大型貨車三台が折り重なつて転落したので、事故が起つております。この損害は一億円余と聞いております。その後新聞記事などで見ると、信号保安係がその問題の信号機の継電機を修繕して、電線の継ぎ方を間違え、そのままにして立ち去り、作業が終了したあと脱線転轍機と信号機との連絡を動かしてみることもしなかつたそうであります。他人の罪が重いのを喜ぶものでは決してありませんが、この責任者にはどんな処罰や処分が行われておりますか。また機関車乗務員が負傷をしていますが、この場合信号保安係と目黒川信号所の勤務者は、業務上過失傷害罪にはならないのでありますか。国鉄部内の者を殺傷した場合には罪に問われないのですか、この点をお伺いしたいと思います。
○天坊説明員 ただいま目黒川の脱線の事故についてお尋ねがあつたのでありますが、この事故につきましては、ただいま鈴木委員がお話になりました通り、信号保安係で転轍機のリレーを直しましたところが、その直した結果間違いを起しまして、つまり逆にとりつけたというようなかっこうになりまして、そのために事故が起つたわけであります。その点事実は割合はつきりいたしておるのでありますが、あそこの脱線転轍機は実は普通ならば定位につけなければならぬものを逆につけておるという特殊の事情がありまして、その特殊事情を間違えてやつたわけでありますが、その点特に逆の転轍機を置かなければならなかつたかどうかというような問題もありますので、それらの点保安係について十分慎重な審査をいたしておるわけであります。もう少し時日をおかし願いたいと思います。
○鈴木(仙)委員 目黒川信号所の事故でひどい目にあつた広瀬機関士は、新聞記者に対して、われわれが助かつたので信号の故障も究明できたが、死んでしまつていたら死人に口なしで、やみからやみに単なる運転過失として葬られていたろうと語つているが、従来この種の陸上勤務者の過失によつて起きた事故が、機関士の責任に押しつけられて処分されたケースが多いのではありませんか。 続いてお尋ねをしておきます。去る一月二十二日山陰線の豊岡機関区の高木機関士が、保線工手二名をひき殺したというので、鳥取地裁の裁判となり、検察当局からは業務上過失致死で起訴されております。この件は国鉄当局としてはいかがお考えですか。またこれに照してみて、目黒川信号所の事故の責任者はどうなりますか。 さらにお尋ねをしておきます。去る二月四日北陸本線水橋と東富山両駅でタブレットを受取ろうとした機関士が、タブレットを渡す場所の装置がきつくてうまく渡らず、プラット・ホームに落ちて負傷した件があります。特に前者は裏日本急行六〇一列車で、通行速度も高く真に危険であります。もはやスチブンスンの発明の当時のようなタブレットは、急行運転区間には廃止すべきだと思いますが、この点はいかがですか、まず御答弁願いたいと思います。
○天坊説明員 ただいま山陰線並びに北陸線の具体的な事例についてお尋ねがありましたが、その点詳細については私ただいま存じておらないのでございますが、何分機関士という職名の者は、事故が起る最後まで防止できるような立場におるというふうに思われがちでありまして、私どもから言いますと、実際機関士に事故関係の原因まで要求することは無理ではないかというふうに思われる。ところが実際は何とか早く予見ができて、機関車をとめれば事故は防げるのではないかと思われがちで、現在事故に対する刑事上の問題としては、とかく機関士に相当追究が急なのであります。それらの点につきまして、私どもといたしましては、交通事故の特殊性にかんがみまして、何らかの特別な専門家による審査の御判定を願いたいというようなことも意見としては持つておりますが、現状においてはそういう実情でございます。片方でしからばそういう重大な責任を負つていながら、脱線転轍機等のとりつけを間違えたというような場合に、その間違えた方の責任はどうなるかというような問題がございますが、私どもといたしましては、全体としてその係員、職の者などが、相互に緊密に連繋をとつて、協力しなければいかぬという大きな立場を考えまして、その点の責任を十分に果したいと考えております。 なお単線区間の急行列車に、昔からのタブレットを使つておるのは旧式ではないかという御意見でありますが、その点私どもも一応そういう気もいたしますが、現在のところ安全運転のためにああいうものを考えまして、これにかわる特別の方式として、これの方が現在のものよりもはるかにいいという結論も出ませんので、現在のところやむを得ずこれを使つておるわけであります。
○鈴木(仙)委員 目黒川信号所の事故と、広瀬機関士の新聞記者に対していろいろ発表していることは、特に御調査を願つておきたいと思います。 次に大正十二年以来三十二年越しの案件でございます京浜、山手両線電車の分離について笠間いたしたいと思います。最近国鉄当局は、四月から常磐線電車を有楽町まで延長運転すると新聞発表しましたが、それはいかなる理由ですか。お答え願いたいと思います。
○天坊説明員 東京付近の通勤輸送の緩和の問題につきましては、ただいま御指摘がございました通り、これは非常に大問題であります。かねがねいろいろな案が詮議されておつたわけでありますが、その中の一重要項目として京浜、山手の分離という問題が取上げられ、いろいろずつと論議されて参つた次第であります。しかしながらこれを実現いたしますには相当大きな工費がいる。そこでそうした点も考えまして、実現できる程度においてとにかく通勤区間は、幾らかでも緩和できるものは緩和したいという考え方と両方あつたわけでありますが、昭和二十五年であつたか六年でありましたか、その当時の状況から資金の確保のめどというようなものもあわせ考えまして、将来京浜、山手分離の線はあくまで通して実現したい。しかしながら、その当時でおそらくまだ七、八十億の金がいる予定であつたと思いますが、それにはなかなか年数がかかる。その途中において、京浜、山手を分離したときに利用できる一部分を使つて常磐線を一部乗入れをすれば、これはそう大きな金でなく実現できる。そういう意味におきまして、京浜、山手分離ということは頭に置いておるのでありますが、その過程において、現在の上野その他の混雑が非常にはげしいので、何とか一時でも緩和できないかということを議論いたしまして、昭和二十五年の五月ごろであつたと思いますが、一応京浜、山手分離を前提としながら、常磐線の有楽町もしくは東京駅までの乗入れをその段階において実施したいという国鉄内部の意向をきめまして、しかし京浜、山手の分離の方策を資金の許す範囲において急いでやつて行くという建前でやつて参つたのであります。最近におきまして、常磐線を有楽町もしくは東京駅まで乗り入れることは、今年の五月ごろになれば何とかやればやれる。問題は車両の問題でありますができないことはないということになりました。しかも一方京浜、山手の分離を完全にやりますためには、車両を入れて六十億近くかかりますが、もう二年くらいはどうしても工期的にかかる。その間のつなぎとして、かねての方針通り常磐線の乗入れをやりたいという意味で、そういうふうに考えておるわけであります。ただこういう京浜、山手を分離しましたときに、常磐線の乗入れをまた元へもどすことができるかできぬかということについて、いろいろ問題があるのでありますが、私どもといたしましては、一時とにかくこの輸送緩和をはかりまして、将来京浜、山手が分離されて、その輸送力がふえる。それによつてそこの区間の方も楽になれば、常磐線の方に上野からまたがまんしていただくこともできないことではない。一、二年の間、せつかくできた設備をそのままにしておくということも、現在の混雑状態から見ればやむを得ない措置と考えて、一応そういう方針でいるわけであります。
○鈴木(仙)委員 天坊さんの御答弁がどうも納得の行かないことがありますので、一応お尋ねしておきたいと思います。昨年の第十六国会の七月二十三日のこの委員会で、私の質問に対し長崎総裁は、京浜、山手の分離を根本とし、その後に常磐線の乗入れを考えるという意味合いの御答弁をしております。くどくどしくなりますが、これは重大な問題ですから一応ここに申し上げておきますが、私はそのときに「次に東京地区の通勤輸送増強策の第一着手として、京浜、山手両電車線の分離問題があるが、一体この計画は東京地区の国電輸送力を二倍に向上させるものとして、実に大正十二年に計画をされ、現在まで三十年間ほつたらかしにされておるのでありますが、滝山国鉄調査役は、この京浜、山手の分離工事さえできれば、一躍五百五十二台の電車を増加できると昨年公表をした。国鉄総裁はよく御承知だろうと思います。また知つていれば、総裁はこれを実現する腹があるかどうか。田端、蒲田間の中間駅は十何駅あるが、四線分離用のプラットホームを持つていないのは御徒町と神田だけであります。両駅のプラットホーム増設はいつこれが実現をされましようか、これらについてお答えが願いたいと思います。」かように申し上げましたときに、長崎さんは「東京附近の通勤輸送の緩和につきましては、急速に資金をかけ始めて実現いたしたいと考えております。今の御指摘のような問題などは、私よく肝に銘じておきます。」かように御答弁なすつております。さらに私は「京浜、山手の分離と常磐線のことについてどう考えておるか、御答弁いただきたい。」と重ねて質問いたしました。これに対して総裁は、「これはよほど研究を要する問題でございます。京浜、山手の分離ということを考えずに、常磐線の分離ということを考えることは、私は少し話が違つておるのではないか。やはり京浜、山手の分離ということを根本に置いて考えなければならぬ問題だと考えます。」とはつきり御答弁になつております。それから私が、「これは実にりつぱな御答弁で、その通りだと思う。あなたのおつしやることは、京浜、山手の分離を考えずに常磐線の乗入れを考えることはできないというのでしよう、そうなんじやないですか。」と重ねて失礼ながらお尋ねしましたところ、総裁は「山手、京浜の分離を考えに入れてからでないと、常磐線のことは考えられないのではないかと思います。」とはつきり御答弁になつておりますが、くだくだしいし、長くなりますから省略いたしますが、最後にやはり同じような京浜、山手の問題についてお尋ねしましたところが、総裁は「これは早急に着手しないと、大分年数がかかる問題でございますから、できるだけ早い時期に資金を調達してかからなければならないと思つております。計画の概数は滝山君の方から……。」云々というふうなはつきりした御答弁がございました。しかるに今回山手、京浜の分離ができ上らないうちに、常磐線の乗入れ工事を行わせることは、私は言語道断ではないかと思います。田町・田端間の山手、京浜両電車が一本線で合流して走るので、朝に夕にどの電車も阿鼻叫喚の苦しみではありませんか。さらに二月二日の秋葉原の事故も京浜、山手を分離しておいたら、田町と品川でポイントを切りかえるだけのことで済む。東京のまん中で乗客が歩いて折返しをする必要はなかつたのであります。国鉄のやつておる仕事は、国会を無視し、国会の議を蹂躪するものであると思いますが、この点についてはつきり御答弁が願いたいと思います。
○天坊説明員 ただいま鈴木先生から、この前の国会における常磐、山手の問題あるいは京浜、山手分離の問題に関して、繰返してこういう問答をした記録をお話しになつたのであります。まさに鈴木先生のおつしやる通りでありまして、その点については私ども一点の疑いを抱いていないのであります。そこにございますように、基本的には京浜、山手を分離することが根本の問題で、その方の工事の工程も着々とはかどつておりまして、ただいまのところ三十一年の初めには京浜、山手が分離できるという一応の見通しを持つておるわけであります。そこで先ほど申しましたように、常盤の乗入れの問題はそう大して金がかからない問題でありまして、その途中でそういうことができる。ただ先生の御意見のうち若干違うところは、もう二年間、京浜、山手が分離ができるまで現状のままほうつておくかどうか、こういう問題であります。そこで私どもといたしましては、二年間ほうつておくよりも、とにかく現在でも相当大きな混雑をしておるのであるから、その一、二年の間だけでも常磐線を入れて、常磐の方に一部分だけでも一応の緩和をしたいという意味にほかならないのでありまして、基本的な問題については、先ほどの総裁のお答えと一向かわつていないのであります。
○鈴木(仙)委員 どうも納得の行かないところがあるので、京浜、山手線の乗入れ問題を考えずに、常盤線の乗入れを考えられないというふうな総裁の御答弁から推して、今天坊さんがおつしやる常磐線の問題を急遽やるというようなことになりますと、私はこれは総裁が知らずに工事を進めたというような感じも起こるのでありまして、もちろん本日は総裁も御出席ですから、そういうこともないかもしれませんが、伝えるところによると、常磐線乗入れ工事は総裁に知らせずに工事を進めていたそうであるというふうな風説まで、生んでおりますが、そういうことができるのですか、その工事責任者は一体どなたでしようか、そんな場合に総裁としてよいのですか、一体国会で、ただいま天坊さんも御説明になりましたが、あのときにおつしやつたお立場から、どういうふうに国鉄総裁はお考えになつておりますか。長崎さんにお尋ねしておきたいと思います。
○長崎説明員 私の申し上げました言葉があるいは非常にまずかつたと思います。私の申し上げておるのは、やはり東京付近の通勤輸送緩和ということになりますと、山手、京浜の分離ということが非常に重要なポイントでありますから、それをたな上げにしておいてはいけない、まずその方針をはつきり明確にいたしまして、その工事を促進し、その間に余力があれば初めて有楽町までの常磐線の乗入れということも考えられぬことはなかつたでしようが、山手、京浜分離をたな上げをすることはできないしいというに私は申し上げたのであります。従いまして今後二年——その後いろいろの情勢等を聞いてみますと、常磐線の現在の混雑というものは非常にはげしいが、山手、京浜が分離すれば、上野で乗りかえてもさしたる混雑はなくなるというふうに聞いておるものでありますから、従いまして一時でも常磐線の緩和をはかりたい、こういう意味で工事を進めておるわけであります。
○鈴木(仙)委員 常磐線の乗入れをやつて、昭和三十年度に京浜、山手が分離されたときに、再び常磐線の電車を上野発着へもどせるのですか、そうするという保証なり、契約が行われるのですか。私はたとい保証が完全に行われても、京浜、山手分離が先決であると思つております。またこの問題に対して乗入れ存置運動が起きたら一体どうなりましようか、再び上野へもどせますか、この点もお伺いしておきたい。
○長崎説明員 常磐線の乗入れをやりまして後、山手、京浜分離の工事が完成する、そうなりますと、技術的に乗入れを続行することが、ほとんど不可能にしなる、従いましてこれはそのときには山手、京浜を分離いたしまして、方向運転になりますから、乗りかえましても、そうさしたる混雑なしに常磐線のお客さんが乗りかえられるという状態になりますから、私はそういうことができるものと思います。もつともいかなる犠牲をも払つて常磐線を東京まで持つて来るということは不可能ではありません。ただ厖大なる資金を要するので、これはほとんど不可能に近いのではないか、かように考えております。
○鈴木(仙)委員 さらにお尋ねします。この乗入れ工事を主張するグループと国鉄総裁とが、京浜、山手の分離を昭和三十一年度から昭和三十年度へ一年繰上げる条件によつて、乗入れを認めるように妥協したというのですが、もしこれがほんとうなら、総裁はどうしてこういうふうなことに御承諾を与えたのか。これも一応伺つておきたいと思います。
○長崎説明員 工事促進は私は命令いたしましたが、そういうことに妥協したとかなんとかいうことではないのであります。
○鈴木(仙)委員 常磐線乗入れのための二十両の電車を新たに発注するそうですが、それは七月か八月にでき上るというわけで、予算の流出にはなりませんか。むしろ京浜、山手の分離に備えて、山手線は二百両収容の戸山ヶ原電車区を早くやり、京浜線は蕨方面に三百両収容の電車区をやり、要員の準備も進めるべきではないか。通勤輸送力の増強などもやつておるということですが、私はこの点に関しては、まるで逆なことをやつているのではないかと思うのですが、そういうことについての御答弁を一応伺つておきたいと思います。
○唐沢説明員 車両につきましては、大体十六両ほど必要になると思います。それを朝は八時から九時ごろ、夕方は五時から六時ごろの間、八両運転にしまして、今五分間隔のものを十分おきに有楽町に入れるという大体の構想になります。そうすると今申しましたように十六両ほどいるわけでございます。これにつきましては、二十九年度に車両を何両つくるか、またそれをどういう方面にまわすかという具体的な計画はできておりません。実効予算の決定もまだできておりませんが、一応できる車からこの方面へまわしたい、かように考えております。但し大体四月中くらいから乗入れができると思いますが、そうなりますと、それまでの間車がありませんので、臨時の旅客などを運ぶ車の方から何とか捻出して、これに充てたいというふうに考えております。新しい車ができた場合に、十六両全部をとの方面へ振り向けるかどうか、それらの点については、まだ具体的な検討をいたしておりません。
○鈴木(仙)委員 常磐線乗入れの有楽町へ乗入れするための単線延長三・三キロの工事費は、二十八年度の国鉄予算のどこに計上されているのですか。総裁がかつて京浜、山手に対するはりつきりした説明をさておりますのに、それとはかわつた逆な方針で工事を進めるというのは、奇怪しごくだと私は考えるのです。そうしてただいま申しました予算上、これがどうなつておるかをお伺いしておきたいと思います。
○佐藤説明員 先ほど総裁、副総裁から御説明がございましたように、この工事は京浜、山手の分離を前提としての工事でございまして、京浜、山手線の工事が進みまして、たとえば新橋のホームを一面つくるとか、有楽町のホームを二面、あるいは東京駅のホームをつくる、こういう仕事が出ているのでございますが、これをやつて来ますと、常盤電車は入れてもいいという形になつて来るわけです。もちろんそのほかに常磐を入れますための信号保安装置憲、あるいは線路の一部変更というのはございますが、これは大した金ではございません。出ております金は、田町・田端間の線路増設費から出ております。
○鈴木(仙)委員 そうすると、京浜、山手分断に必要な費用でこれをやつているというふうに聞き置いてさしつかえありませんか。
○佐藤説明員 大体そうお考えになつていいのでございますが、常磐線乗入れのために要する費用というのはごくわずかでございます。
○鈴木(仙)委員 それはどういうのです。
○佐藤説明員 先ほど申しましたように、信号保安装置、それと一部の線路変更、そういうものでございます。これらの資材はいずれもまた変更になりましたときにはみな流用できるものでございます。
○鈴木(仙)委員 御答弁によつて私は、京浜、山手の完全分離までの暫定的な措置、また京浜、山手分離に要する費用を流用しておるというふうに承つておきますが、それでよろしいのですね。 さらに京浜、山手の完全分離までの暫定的措置とはいうものの、常磐線電車が有楽町駅に発着する限り、八両連結で十分間隔以上の大きな編成にすることはできないと思います。なぜかというと、電車の長さ、つまり連結台数はプラットホームの長さに制約される上に、東京駅で交換となるため、運転間隔は十分置きとなり、有楽町のプラットホームの有効長は電車八台分、曲線になつていて、将来とも延長工事は無理ではないかと思います。それに制約されて、常磐線電車も将来いつまでも八台連結で十分間隔にしかできなくなると思います。そこで昭和二十八年の乗客量は七%の緩和になるかもしれませんが、常磐線の沿線は急速に通勤者の住宅地として発展していますから、乗客は加速度的に増加するわけであります。そうなると、ある時期以後になると、七%の緩和どころか、無限大に増加する沿線乗客に対して、電車の方はいつまでたつても八台連結、十分間隔ときめられ、縛りつけられてしまうので、かえつてこれは通勤乗客を現在よりもつとひどい目にあわせて苦しめる結果をもたらすことになります。この点について、どういう根拠で七%の緩和になるのか、その緩和がいつまで通用するか、具体的にかつ科学的に算出基礎を答弁していただきたいと思います。問題が重大段階に突入しているので、抽象的な御答弁でなく、はつきりしたその点の御説明が願いたいと思います。
○唐沢説明員 先ほど、これは東京鉄道管理局で今具体案を練つている途中でございますので、大体の構想といいますか、今考えているところだけを申し上げたわけでございますが、それによりますと、やはり今お話のように八両連結、十分間隔で有楽町まで、こういうことになつております。これは先ほど来のお話もございましたように、あくまでも山手、京浜分離までの暫定的措置でございまして、これができまして輸送力が増大いたしますと、この常磐線も上野で乗りかえてもらつても、輸送がスムーズに行くというふうに考えておるのでございます。従いまして将来常磐線沿線の人が非常に多くなつて、有楽町までの乗入れに非常に支障を来すというような点につきましては、暫定措置でありますから、実はその先のことまで考えておらないような次第でございます。
○鈴木(仙)委員 一旦乗り入れたものを上野へ下げるということは、事実問題としてできるのですか。またそういうふうに軽々にあなた方がお考えになつていいのですか。いつまでもあなた方が総裁であり、要路の方でないと思うのですが、そのときにはそのときの空気がまた流れるのですか。何ら保証の事実もない。これは国会でもつて総裁が御答弁になつてその逆な方向に行くということは奇怪しごくだと思うが、どういうふうな保証があるのですか。常磐線電車を、土浦、水戸から日立、平方面に延長するのには、柿岡の磁気観測所の試験が必要であるということから、現在は五十万円とか一百万円とかかけて試験中だそうですが、どうなつていますか。国鉄当局は平まで電車化するのに熱意を持つていますか。有楽町乗入れのやみ工事を撤回し、やみと言つてはなはだ失礼でございますが、私どもさように考えております。これを撤回して、平まで電車を延長するという方法を熱心に努力したらどうかと思いますが、この点について御見解を承りたいと思います。
○佐藤説明員 ただいま常磐線の乗入れについて撤廃したらどうかというお話でございますが、先ほど申し上げましたように、このために要する費用というのはごくわずかでございまして、私ども考えますと、常磐線の救済ということでなくて、現在上野から東京までの間の通過人員が一日に約三十万人ございますが、それが非常に混雑しておりますので、常磐電車がこの間に入つてくれば、それだけそのお客が緩和されるということを私たち考えて、常磐電車の乗入れをやつたのでございます。ですから私どもといたしますと、この救済の方は、もちろん常磐線のお客が有楽町まで入つて来るという便利がありますが、それよりも京浜のお客が非常に助かるという点も考えまして、こちらの方に一部金を使つておるわけであります。ですから将来常磐線の延長という問題もございますが、この問題も非常にわずかの金で効果が上るというふうに私たち考えておる次第であります。
○鈴木(仙)委員 きようは総裁も何か御承認したような御答弁で、私はくだくだしいようですが、先般の七月二十三日の御答弁ぶりから見て、総裁はこの当時は知らなかつたのじやないかというふうに考えました。従つてそういうふうな感じで質問をしているのですが、この問題は予算の性格といい、単線敷設の資材入手の不明といい、総裁に対する連絡も承認も求めなかつたのじやないかというふうに考えております。まことにふらちなふるまいであつて、もしそうなら、日本の首都たる東京において焦眉の急務である通勤輸送力を増強するのにあたり、ただいま御説明がありまして上野から東京への乗客の混雑を緩和するというが、これは京浜、山手の分離を早くやれば、こんなものは一朝にして解決がつく。国鉄本庁が知らないうちに、京浜、山手分離のやみ工事が片々たる下級官僚によつて進められては、実に言語道断であると私は考えておる。運輸省は東京地区の通勤輸送力の問題と真剣に取組み、こんなばかげたやみ工事をこの際やめさせるよりに、鉄道監督権を発動すべきではないかと私は考えておる。国鉄総裁はまず大局的に目を開いて、京浜、山手分離問題を突貫工事でも何でも、至急にこれをやつたならば、ただいまの御答弁のようなことは一切解決すると思うのでございますが、この点についてはつきり御所見を承りたいと思います。
○長崎説明員 突貫工事でもやりたいくらいに考えます。しかしながら工事はむやみやたらにやりましても、金がかかるばかりで効果が上らない。この前お話申し上げましたように、前からずつといわゆる田町・田端間の線路増設工事といたしまして、山手、京浜両線の分離工事は微々ながら進行いたしておつたのでございます。お話のように私も京浜、山手の分離ということは、通勤輸送の対策として非常に大事なことと考えましたので、先ほど来お話もございましたが、完成年度をできるだけ早めるようにいたした次第でございます。ただその間、佐藤施設局長も御説明申し上げましたが、京浜の周辺の通勤電車輸送の緩和ということになりますので、その工事の完成するまでの間でも若干なりとも緩和したいというのが、いわゆる巷間申しております常磐線の乗入れということでございます。その点はむしろ私が知らなかつたのではないのでありまして、どうしようか、非常に重要な問題だが、京浜、山手の分離を急速に進められないようでは、これはなかなか考えざるを得ないというのが、私どもの考え方だつたのであります。
○鈴木(仙)委員 そこで先ほども御答弁がありましたが、常磐線乗入れにつぎ込んだ金額は大体どのくらいでしようか、それを聞いておきたいと思います。それからこの費用は国鉄の決算としてどこに計上するのか、これも今言つた通り京浜、山手の分離工事の費用を流用しているということ、これを確認しておきたいということ、それから将来——将来といつてもじきなのですが、この京浜、山手両線電車の分離工事が実現した場合に、ただちに常盤線が上野まででしつかりとまるのかどうか、これは一体どういうふうにしてなさるおつもりだろうか。これがまた重大なんです。いろいろ陳情だとか、どうだとか、こうだとか言いましても、工事ができないのにはつきり総裁がこの国会の委員会で言明されたこととは逆な工事を、いろいろの費目を流用して、思いつき——と言つては失礼ですが、これをおやりになつているということになると、委員会の権威なんというものはどこにあるかわからなくなつてしまうのですが、この点をはつきりしておいていただきたいことと、どうしてそれを保証するかということです。常磐線を乗り入れたものが、京浜、山手を分離したら必ず上野にとまるかどうかということ、これはどういうふうにして保証されるのか、また保証するといつても、総裁がはつきりおつしやつたことさえも逆なふうに進んでおるということを考えると、われわれが、委員会でいくら発言しても不安でしかたがないのであるが、その点もひとつ明確に御答弁をしておいていただきたいと思う。 あまり緊急質問で長くなると困りますから、私は一応今日はこれでおしまいにしておきますが、この問題の重要性にかんがみて、運輸委員会の決議をしてもらいたいと思う。これは京浜、山手両線電車の分離工事を促進し、常磐線電車の有楽町乗入れを撤廃すべし、こういうふうな決議でもしてもらいたいと思うのですが、これはあとで委員長にお考え願いたいと思います。
○長崎説明員 先ほど来繰返して申し上げていますが、常磐線の乗入れというようなことを申しますので、何か常磐線路が東京駅まで延びて来たようにお考えになるかもしれませんが、そういう意味じやないのでございます。これは明らかに京浜、山手分離、田町・田端間の線路増設、こういうことでございますから、流用とかいうことではないので、たまたま常磐線を入つて来た電車が、その線路に入つて来て上野・東京間あるいは上野・有楽町間のお客さん方の乗車の緩和になる、こういう意味でございます。なお画線分離ができたあかつきに、どうして一体撤廃をさせるのか、そんなことができるのか、こういう御心配のようでございます。ところがこれは技術的に有楽町まで乗入れは全然できません。それから東京におきましても、非常な経費をかけなければできません。さらに上野・東京間は、数十億の金をかけましてさらに線路を増設しなければできないのであります。無理をいたしましてやれば、それも相当の金がかかりますが、結局常磐線を山手線に乗り入れると、山手がまた混雑してしまつて何も意味がないということになりますから、そういう点で、これは技術的に申しまして、運輸の実態から見まして、また常磐線のお客様方から見まして、決して有利な解決方法ではないのであります。今のような運転でなくて、方向別に、京浜も山手も同じホームに同じ方向に走る電車が参るのでありますから、そこでお乗りかえになりますと、現在よりはずつとずつと緩和し、サービスになるわけであります。その際はそういうことを御了解の上に、やはり一時の便法であつたということを、私どもも大いに叫びますが、同時にお客さん方もそこを御了解願つて、両方ともあぶはちとらずにならぬようにすることが当然のことだと思つております。
○關内委員長 乗入れ決議の件ですが、この件はよく理事会に諮りまして善処いたします。
○鈴木(仙)委員 今の保証の件ですが、総裁が言われることに合致すればいいのですが、それが心配だからひとつお願いします。
○正木委員 関連で一言総裁にお尋ねをしておきたいと思うのですが、国鉄当局は爾来上野から常磐線の水戸経由平までの電化計画を着々進められておると聞いておるし、現にもう進行中でございますが、常磐線の平までは何年度くらいまでに完成する計画を現在立てておるのか、その点ただ一言お尋ねしておきたいと思います。
○長崎説明員 常磐線の電化につきましては、先ほど鈴木委員からもお話が出たようでありますが、柿岡に地磁気研究所というものがございまして、これに対する電気関係の影響力というものが相当問題になつておるわけでございます。われわれとしましては常磐線の電化をできるだけ早い時期に進めて参りたい、これはかつて当委員会においても私申しましたが、できるなら来年度の終りごろからでも手をつけて参りたいと思つておりますが、この磁気の問題が解決しない限りにおいては、着手することは非常に困難である。しかし磁気の試験にはすでに着手いたしておりますから、ある意味では常磐線の電化ということには、もう着手と言つていいか、とにかくそういうことでやるという意思ははつきりしておる、こう御了解願つてけつこうでございます。但し完成の時期等に至りましては、今日まだそういう次第でございますから、はつきりいたしておりません。
○關内委員長 伊東岩男君。
○伊東委員 私は議事進行促進の立場から、ごく簡潔に運輸科学技術振興の問題、航空問題、気象施設、港湾問題についてお尋ねいたします。お答えは簡潔でよろしゆうございますが、責任ある御答弁を願いたい。詳細のことあるいは小さい問題については、資料を要求いたします。なお直接所管局長あるいは課長から説明を求めることとして、できるだけ委員会の議事を促進したいと、こう考えておるのであります。大体この委員会の責任において、やはり一番重大な問題は、造船疑獄と鉄道会館の問題でございますが、これは議事進行を促進する立場から、私は他の委員にお譲りいたします。 何といたしましても、この予算は相当見直さなければならぬと考えておるのでありますが、そのうちでも海におけるいわゆる造船に関する経費と、もう一つは港湾に関する経費、陸においては鉄道新線の建設費の問題であります。空においてはやはり航空事業の問題であると思います。そこで造船疑獄に対する一点だけ、ぜひ大臣にお尋ねいたしたいので、この点だけを保留して、以下予算を中心にして具体的な問題についてお尋ねいたしたいと思うのであります。 まず科学技術振興についてでありますが、これは非常に重要な問題でありますので、大臣からお開きしたいのでありますけれども、おいでにならぬのでありますから、次官から御答弁を願いたい、こう思うのであります。運輸省の所管業務は、陸海空とにまたがつてたいへん複雑になつておるのでありますけれども、これはすべて科学技術重点主義で解決をしなければならないと思いますけれども、どうも運輸省のすべてを見てみると、科学性に乏しいと考えておるのであります。今や世界は原子と電波の時代でございます。すでに電波は万能時代であつて、よく活用されて参りましたが、原子もまさに産業源あるいは動力源となることも、ごく間近になつたことと思うのであります。そこで船舶、飛行機、汽車、自動車等に応用される日も、必ず遠くはないと思うのでありますが、運輸事業の経営合理化というような点も、これから出発しなければだめじやないかと私は思つております。そこでいま少し科学技術の応用のために研究して、進んでこの経営合理化をおやりになつたらどうか、まずこの点お伺いしておきたいと思います。
○西村(英)政府委員 科学技術の振興のことについて御質問でございますが、これは運輸省だけに限つて申しますと、ただいま伊東さんからも御指摘があつたのでございまするが、私どもといたしましては、運輸省所管の科学、技術の振興費につきましても、従来非常に努力して参りましたけれども、大蔵省その他との折衝におきましても、あまりわれわれの満足すべきが予算が今までとれておらないのであります。大体本年度もそうであつたかと思いますが、来年度も、おそらく五千万円程度しか科学技術振興費としてとれておらないのであります。しかしこれは運輸省自体の問題でありまして、その他通産省におきましても、農林省におきましても、各省から科学技術の振興費として要求があるので、国全体としてこれを見ましたときには、やはり何とかまとめた一つの大きい科学技術の振興方策を打立てなければうまく行かぬのじやないか。ただ小さな組織をもつて各省がかつてに予算を要求したのでは、なかなかうまく行かぬのじやないか。こういうことがありまして、従来あまり多くの科学技術振興費をとることができなかつたわけでございます。それで私ども全体として考えますと、やはり今後はわが国はどうしても科学技術の振興によつて行かなければならぬから、何とかこれを大きい組織にまとめて行きたい。しかも今科学技術と申しましても、これはピンからキリまでありまして、すべてのものを統合して、統制的にやるということは、必ずしも科学技術のためにはよくないのでありますが、最近の日本として最も力を入れなければならぬ問題は、飛行機に関する技術の問題であります。もう一つは原子力の技術の問題でございます。この二つにつきましては、国家といたしましてこれを運輸省にやらせるとか、あるいは通産省にやらせるとか、文部省にやらせるとかいうことではなしに、一箇所にまとめて、国家的な大きい組織において研究をするという組織が必要ではないか、かように思つているわけであります。従つてそのためにも、予算もさることながら、ある確立した組織をもつてこの問題は将来に対処しなければならぬと私は思つているわけであります。運輸省自体の現在の立場から行きますれば予算が少いのですけれども、根本的に運輸省の立場のみならず、これは国会全体として、もう少し系統的に、組織的に考えなければならぬ、かように私は思つている次第でございます。
○伊東委員 お話のように、どうしても科学技術を国家の最高政策に反映させなければならぬのでありますが、一体日本の政治というものは、すべて常識的に推進されておつて、旧態依然であります。そこでどうしても科学技術を顧みないところの今の政治のやり方では、どうにもならぬと思います。お話のように、ただいま科学技術の研究は各省ばらばらであつて、すべて各省の立場からなわ張り争いをしておるのでありますから、従つて研究も不統一であり、しこうしてむだが非常に多いのであります。私はさつきから、ちよつと次官もお触れになつたようでありますが、やはり科学技術省といつたものを置いて、日本の政治、政策をここに重点的に集中しなければならぬ。ドイツがああいうぐあいに急速に進展復興した原因も、私はここにあると思つておるのであります。そこで運輸省は、科学技術を応用される面が非常に広いのでありますから、従いましてこの科学振興の中心勢力におなりになつたらどうか。ただ運輸省のお立場ばかりでなしに、すべてを総合的に推進して行かなければならぬと思うのであります。この点次官はどう考えておられますか。
○西村(英)政府委員 私たちもそう考えております。運輸省といたしましては船舶の方の関係につきましては、伊東さんも御承知ように船舶関係は日本は技術の点においては非常に科学技術が進んでおる。それを所管しておるのでありますから、造船関係につきましては運輸省が中心になるべきであります。また相当な権威者もそろつております。これから保安庁等がかりにできまして、船舶関係あるいは造船関係のことをやられるとしましても、運輸省の造船あるいは船舶に対する科学技術というものは、相当にその方面に働かなければならぬと思つております。それから航空関係につきましても、御承知のように運輸省としましては軍の航空関係をあのときに一手に引受けたようなことになつておりますので、この点につきましても、現在の運輸研究所といたしましては、相当内容的に充実した方々がそろつておるように私は見受けられるので、今後もこれらの方々に非常に働いてもらいまして、その指導力にならなければならぬというので、運輸省といたしましては大いに科学技術の方に力をいたしておるつもりでございますし、また今後も力をいすつもりでございます。
○伊東委員 私は運輸技術研究所長の抱負を承りたいと考えております。今度の研究所の内容につきましては説明書でよくわかつております。また予算も前年度よりも増額された。だからやはり運輸省はこの方面に相当重点を置いておるということも大体わかります。しかし私はこういう費用は概して惜しんではならないものだと思います。もう一つは、科学研究の補助費があるのでありまするが、これは前年度と同様でありまして、こんなことはやはり基礎的な研究をここでうんとやつて、そうして進んだ工業化ということが起つて来なければならないと思いまするので、他の経費は節約してでも、こういう方向にはうんと投入しなければ、遅れた日本が立ち上ることはとうていできないと思うのでありまするが、研究所長の立場からひとつ御抱負を承つておきます。
○服部説明員 ただいまの伊東委員の御説、全面的に賛成なんでありますが、本年度予算等にはそういつたふうな趣旨等も考えまして相当多額に要求いたしたのでありますが、例の緊縮予算等でこういうふうなことにおちついたわけであります。今お説の通り運輸技術行政の裏づけになります科学の研究というふうなものは、これは運輸行政を行います基盤になるというふうに考えております。私どもとしましては専門的には船の関係、港湾の関係、自動車の関係、鉄道の関係、それに航空の関係、このような非常に広汎な技術を持つております。予算といたしましては不十分と思いますが、これを十分活用いたしまして、御期待に沿いたいというふうに考えます。
○伊東委員 ひとつ研究所長はどうかもう少し思い切つて予算を来年はおとりになるように希望いたしておきます。 次は気象業務の科学整備について、気象台長がおいでだろうと思いますので伺つておきたいと思います。気象業務というものは非常に地味な仕事でありますけれども、私は非常に重要な使命があると思つおりますので、これまたこの施設はまつたく最高の科学技術にまたなければならない、私はこう思つております。すなわち電波利用にいたしましても、レーダー施設にいたしましてもさようでありますが、一体こういう問題はどういう方針で今やつておられるのか。先般この議会で問題になりましたかの九十九里浜の米軍射撃のときに、日本の指導船には無用の設備さえもなかつたとお答えがあつたのであります。私は実にどうもふしぎにたえないのであります。なおこの際承つておきたいのは、日本の漁船に無電装置というものが何パーセントぐらい普及されておるのかという問題であります。もう一つは気象設備の予算は、なるほど若干増額いたしております。しかし気象業務というものについては、積極的に設備拡充をやらなければ、これは日本としてはすべての面において困るのでありますが、一体どういう計画があるのでありますか。もう一つこれと関連してお聞きしておきたいことは、新しく設備されるところの測候所の問題であります。来年度はどこにおつくりになるのか。もう一つは、燈台の問題でありますが、この設置場所及び予算配分等についてお聞かせを願いたいと思いますが、これは小さい問題でありまから、資料であとでお示しいただいてもさしつかえありません。
○和達説明員 お答えいたします。わが国は世界に比類がないところの気象の複雑な国でございますので、気象専業が非常に重要な役目をいたしております。特に最近水害がしきりに起りまして、多大の被害を与えましたことにかんがみまして、私どもは水害対策のための予算を第一義におきまして、本年度の補正予算にも多少見ていただきましたが、引続き二十九年度にも若干計上されるようになつております。この水難対策われわれ三年計画で計画いたしたのでございますが、予算の都合によりましては、多少その年数は延びるかもしれないと思います。なお気象の方におきましては、航空に対する航空気象、あるいは農業に対して冷害、凍害等に対する気象、また水資源の活用に対する水利気象のための気象、またわが国全般の企業に対する気象の基礎資料の完備というようなことに対して、気象事業としてなおいろいろ整備拡充いたさねばならぬところがございます。これらもできるだけいたしたいと存じております。なおただいま電波のことについてもお話がございましたが、気象にも電波というものが非常に大きな役目を果す時代になりつつございまして、いろいろな機械が電波を使つて作動しておるものが相当ございまして、特にお話のありましたレーダーを用いまして、雨の降つておる状況を知るということは、外国におきましても気象学の一分科としてすでに相当発達しております。わが国も遅ればせながら、予算におきまして二十九年度は二基設けることが認められましたので、これらを土台といたしましてできるだけ電波による気象観測をいたしまして、災害の防止に努めたいと存じております。なお測候所は、御承知のようにわが国には百五十ほどございますが、それらの位置は多少関東とか関西に偏在いたしておりまして、東北、北海道方面はその密度が疎であるうらみがございます。私どももその方面には機会あれば新設いたしたいと存じ、その予算も要求いたしたのでございますが、いろいろな事情がありまして、今回は認められないことになつたのであります。 なお燈台、漁船等は気象台の管轄でありませんので、お答え申し上げられません。
○伊東委員 答弁のない点は直接お聞きすることにいたします。今お話のように気象施設と水害対策の問題でありますが、これは非常に大きな問題であるのであります。しかし日本の政治は、風水害対策といつたならば、災害を受けたあとで対策を講ずるというのが災害対策になつておるところに、どうもおかしい点があるのであります。私はやはり積極的に災害防止施設が先行しなければ役に立たぬ、こう考えております。従いまして、気象施設にもう少し積極的な方途を講ぜなければならない、かように考えるのであります。今例を台風にとりますと、本土上陸地点は大体九州の南端でありますが、そのため颶風あるいは台風によるこの地点の損害はおびただしいのであります。また台風には必ず豪雨が伴つて来ますから、そこで河川の大崩壊となり、農作物の被害となり、あるいは家屋が倒壊し、人畜の死傷は莫大であります。これは災害防止の施設がないからであります。今のように災害があつた後にこれを救済するといつたような考えでは、どうしてもいけないのであります、そこでこれは総合開発と結びつくのでありますが、建設省との関連はどういうことになつておるのか。もう一つは気象施設と台風、暴風の警報が必要であります。ことに南方から襲来する台風の予想——定点観測についてはきよう説明書が参りましたのでまだ見ておりませんが、やはり定点観測を充実しなければ、台風に対する予測はできないと思います。しかるにこの施設は莫大なる船舶、従つて経費を要するのでありますから、計画的に施設しなければならぬと思います。この計画はどうしてもうんと拡大しなければならぬと思いますが、これについていかような方策が立ててあるのでありますか、お尋ねいたします。
○西村(英)政府委員 これは詳しいことは気象台長からお話があるでしようが、その点につきまして私たち三つたく同感に考えておるのであります。災害があつた場合、治山治水対策等を根本的に抜本塞源的に、ということをよく言いますが、それの先駆になるものは、適切なる気象観測をつかんでおるということ、雨量等も適切につかんでおることであり、そうすれば計算上、いわゆる科学技術上もつとうまい方法があるわけであります。ところが現在は雨量等につきましても、部落等については正確な資料がありますけれども、おもに災害の根本になるのは山地の雨量であります。しかし山地の雨量は、はかる方法が今はないわけであります。従いまして十分に参考資料としてそういうような実際のデータをつかむには、やはり科学技術の方法をもつて、そして初めてそれから割出して治山治水対策を立てなければならぬということを私も非常に深く考えておるのでございまして、気象台長とも相談をしておるのであります。これは手柄話をするわけじやありませんが、昨年の補正予算につきましても、補正予算はあまりほかの方には向けなかつたのでありますが、特にこの治山治水対策の根本の問題として、もつと気象観測を正確にやるという意味で、わずかな金でありましたが支出していただいたようなわけであります。九州の地点における測候所の増加、あるいはただいまお話がありました建設省との関係はどうするか、これあたりも私たちが水利気象を始めたいというのはその意味でございまして、盛んにダムをつくつている、しかしそのダムをつくつてまちまちにコントロールしたのではたいへんなことになるから、われあれとしても的確な雨量の資料に基いて、ダムのゲートのコントロールを統一的にしたいということで、若干の予算も二十九年度には考えているようなわけでありまして、それについて皆様方の今後の御協力も得たいと思うのであります。要するに私たちは科学的に物事を考えて、治山治水対策もただ金が多いばかりではやはりいけないのでありまして、しつかりしたデータをつかんでから後に対策を立てる、かように根本的には考えているわけであります。詳細については気象台長からお話があると思います。
○和達説明員 気象事業に対していろいろ御理解のあることを承つて、まことにありがとうございました。気象官署は災害を未然に防ぐという意味において、大きな任務を持つております。そのために気象警報あるいは注意報というものを出しております。建設省との関係は、たとえば洪水予報組織というものもございまして、これは中央気象台と建設省と密接な連繋のもとに、気象台は降つた雨を予測し、またどこに幾ら降つたかということを速報する。それによつて建設省が洪水の水害対策に努めるというような組織になつております。またただいま次官からお話がありましたように、洪水はもちろんでありますが、ふだんの水に対しましても、これをできるだけ活用するために、ダムのコントロールに対しまして、やはり建設省と気象台と密接な連繋のもとに、この水の利用に最善を尽したいと考えている次第でございます。 なお定点観測のお話がございました。定点観測はわが国では北と南と二つともいたしておつたのでありますが、昨年の末にアメリカからの援助中止の申出によりまして、四分の一に縮小するのやむなきに至つたのでございます。この四分の一に残すものは、南方定点の台風あるいは不連続線による豪雨を防止するための、夏季の六箇月間の観測だけは確保するという方針のもとに、この四分の一の経費を定点観測に充てた次第でございます。なお北方の定点は、北方海上の保安にも非常に大切な役目を果し、また四面海に囲まれたわが国にとつては、これは重要な一つの観測点になり、日々の天気予報、あるいは長期予報にも一つの重要な資料を提供したものでありますから、これが再開されることを気象事業に従事しておる者としては熱望いたしておりますが、何分にも非常に費用がかかりますので、それの財政上許される時期においては、できるだけ早く再開いたしたいと存じておる次第であります。
○伊東委員 なおいろいろお話を聞きたいのでありますが、一ぺん気象台長と面接お話を開くことにいたしまして、この程度で気象の関連問題はよすことにいたします。 航空局長にお尋ねいたします。航空事業と気象施設、科学技術の問題等は、密接不離の関係がありますけれども、この点については直接お話を聞くことにいたしまして、航空問題について二、三お尋ねしたいことがあるのであります。 第一は、ことしの新事業であります航空機乗員養成所新設の問題であります。この目的、運営の内容については、説明書で承りましたから、よくわかります。日本の航空事業の最大の欠陥は、やはり飛行士が不足しておるということであろうと思います。そこで養成所ができたわけでありますが、この計画によると、来年度は既経験者の再教育が五十人と、新しく教育を受ける者が十人となつておるのでありますが、一体この教育問題はどれだけで終るのであるか。なおまた、今後の飛行士の養成に対する計画があると思いますが、この点伺いたい。 もう一つは、養成所の共感の問題でありますが、予算を見ると二十三名ということに相なつております。この教官は、どこから御採用になるのでありますか。この点をお示しを願いたいと思います。
○荒木政府委員 説明書に提出してございますような数字を予定しておるわけでございます。この数字を想定するにあたりましては、国際線の伸びぐあい、それから国内線の回数の増加というようなものを一応想定いたしまして、現在の必要数、将来の増加数、それから減耗率を考えましてつくりました次第でございます。将来の計画につきましても、いろいろ考え方があるわけでありますが、何分にも来年度の予算が非常に圧縮されたわけでございますから、計画を下目にいたしまして、現在ここに提出したような計画になつておるのでございます。その中で、既経験者の再訓練を五十人とお示ししてあるわけでございますが、これは数千時間飛んで来ております既経験者に対しまして、新しい航法、計器によります航法を教えようという建前でございます。これは相当の経験者でございますので、おおむね三箇月をもつて、七級事業用の免状を渡し得るところまで参ると思います。これは免状をもらいまして、すぐそれで一人前になるかと申しますとそうは参りませんで、それが定期航空に乗りまして、それから定期航空の免状をもらい、逐次ほんとうの仕事をしながらの経験を重ねて上級段階に進んで参る、こういうわけでございます。それから十人だけとると申しておりますのは、これはほんとうの新人をとるわけでございまして、御存じのように終戦後相当長い期間にわたりまして、新人の教育をいたしておりませんので、年齢的な大きな断層がありますので、十人を訓練する。これも同じように上級事業用の免状が出せるようになるまで訓練するわけであります。これはほんとうのしろうとからスタートするわけでありますから、二年間の教育期間を要するわけであります。 次に先生の問題でございますが、この先生につきましては、航空の機械学とか、力学とか、気象学とか、いろいろなものを教えなければなりませんので、そういつたものは、一応予定は宮崎でございますが、宮崎の大学の先生あるいは気象台の測候所の方々に、講師として講義をしていただきまして、ほうとうに飛ぶ方の先生といいますか、パイロットの本来の仕事の先生方は私の方の中におりまするのを流用して先生に充てたい、こういうふうに考えております。
○伊東委員 この養成所には相当規模の飛行場がいるのでありますが、これは民間の飛行場を併用されると考えてよろしいのでありますか。なおお話のように、今度の養成所は宮崎に設置することになつておるようであります。地元との話合いも完全についておることと思いまするが、この点はどうでありますか。 もう一つは飛行場の問題でありまするが、この説明書によりますると、米軍の飛行場の返還要求してあるものも相当あるようであります。なお曽根、宮崎、高知、松山の各飛行場は、いずれもすみやかに整備したいと考えておる、こう御説明がしてありますが、これは一体いつおやりになるのか。この予算ではどうも発見しがたいのでありまするが、ただ予想されておるのでありますか。この点お聞きしたいと思います。
○荒木政府委員 この航空機乗員養成所をつくりますところは、御存じのようにまだ十分に一人前になつていないものでございますから、飛行行場の滑走路が一つというわけに行きませんので、方向の異なるものがなければなりませんが、幸いにして宮崎には、方向の異なる千五百メートルと千六百メートルの滑走路が温存されておりますので、この地を選んだ次第でございます。 なお養成所として使います飛行場が、民間飛行場に使えるかという御質問のようでございますが、たとえば定期等の他の飛行機の発着にはさしつかえないわけでございます。 なお地元との関係でございますが、これに関しましては、知事、副知事、市の方々と十分に連絡をいたしまして、御協力を仰ぐことになつておる次第でございます。 なおそこに書いてございますもろもろの飛行場の整備の問題でございますが、これはちよつと筆が過ぎたと申しますか、来年度予算を要求いたしますときに、そういうことを強く要望しておつたわけでございますが、御承知のような緊縮予算で、遺憾ながらそれら飛行場を整備する予算は、来年度予算に計上されていない次第でございます。
○伊東委員 ここに計上されました航空機乗員養成所の費用は、全部そのまま宮崎の建設費にお充てになるのであるかという点が一点。 もう一つは航空交通管制官等の養成の費用が要求してありまするが、これとただいまの乗員養成所との関連は一体どうなるのでありますか。やはりここで賛成されますか。 それからもう一つは、養成所がかりに宮崎にできたといたしますると、その地方の大学に航空科でも置かれるようなことがいいと私は思うのでありますが、これは文部省との関係もあるのでありますが、私は運輸省の立場からこの問題についての御所見を承つておきたい。
○荒木政府委員 第一番目の問題、乗員養成所に充当さるべく計上されている予算を他に流用することはないかという御質問のように拝聴いたしたわけでありますが、実はこれだけでも非常に切り詰めた予算でございまして、これだけでまかなうということは非常に困難でございますので、もちろん他に流用するつもりはございません。もし私の方の中でくめんができれば、他から流用してもこの額をふやして行きたいと実際考えているくらいでございます。 それから航空交通管制要員養成の問題でございますが、これは乗組員とはまつたく違つた性質のものでございまして、空の交通巡査のようなものでございます。現在飛行場を発着するにいたしましても、空を飛ぶにいたしましても、ちやんと航空路とルートができておりまして、その必要な箇所にレンヂ・ビーコンなりホーマー・ビーコンなりを備えているわけでございますが、その空の航空管制要員でございます。御存じのように現在の航空は盲で飛ばなければならない場合が非常に多いのでございまして、電波で誘導し、電波で発着させるわけでございますが、その仕事を地上においてやる連中を養成する、現在は米軍によつて英語で行われているわけでございますから、非常な不便がございますので、一刻も早くこれを日本語でやるようにするための要員の養成でございます。この要員の養成は宮崎の乗員養成所でやるかというお話でございますが、これは大体基礎訓練を航空局で行いまして、それから飛行場は各飛行場、板付及びジヨンソン・センターに入れて現地訓練をやるわけでございます。そこでこの要員は宮崎には行かないわけでございます。それから飛行場に発着いたしますについて、盲発着するについてGCAというレーダのついた機械を使つておりますが、そのGCAの訓練は宮崎でやりたいと考えております。
○伊東委員 日本の航空事業の進展は、何といいましても航空機を製作するということと、飛行場を完成すること、飛行士を十分養成するということだと考えるのであります。そういうように大体整備されて行きますならば、それぞれ日本における航空会社も相当基礎ができて来ると考えます。そこで問題は全国的にローカル線を活動させるということにならなければならぬと思うのでありますが、ローカル線の計画についての御説明を願つておきます。なお大阪・四国・別府・宮崎・鹿児島間のローカル線でありますが、これはいつごろから開始することができるのでありますか。なおどの航空会社がこの営業を開始するのか、この点をお伺いいたします。
○荒木政府委員 先ほど御答弁申し上げるのを一箇所忘れておりましたから、追加して申し上げます。航空学科の問題でございますが、これは文部省の所管でございます。これは聞くところによると、来年度東大にだけ復活するように拝聴いたします。宮崎の大学にそういうものができまして、航空力学とかエンジンの方の教員がそこに置かれることは、われわれにとりまして非常に望ましいことでございますけれども、まだそこまでは来ていないようでございます。 それからローカル線の問題でございますが、このローカル線は来年度ぜひ新設をいたしたいと熱心に予算を要求した次第でございますが、遺憾ながら新規事業であるとして一年待てないかというわけで、全部来年度予算に計上することができなかつた次筋でございます。従つて今どの会社にこれをまかせるということをきめる段階に来ておりませんが、ただ運輸省といたしまして定期航空を許しておりますのは、日航のほかには西の方の極東航空株式会社と、東の方の東京・大阪からこちらには日本ヘリコプター輸送株式会社に許可いたしておりますので、新線が開設できるということになりますと、おのずからこういった実績のあるところに許さなくちやならぬだろうと思います。
○伊東委員 今の航空科の問題でありますが、ただいまはどの大学にもないのでありますかということ、それからいま一つは大阪・別府航路のローカル線の営業開始はいつごろからできるのかということについてお答え願います。
○荒木政府委員 航空学科は終戦後全部なくなりまして、現在は全然ございません。聞くところによりますと、来年度の予算に東大に航空学科の復活が計上されているということであります。 それから別府ラインでございますが、これは高松にいたしまして、別府にいたしましても、相当の予算をかけませんと、定期航空としては使い得る段階に来ておりません。そこでこの予算を要求したのでございますが、その整備の費用が計上されませんでしたから、来年度中にこの航路を開設することは不可能であります。三十年度におきましては、ぜひこれを実現したいと熱望している次第でございます。
○伊東委員 もう一点だけ航空問題についてお聞きしておきますが、けさの新聞を見ますと、大阪の遊覧飛行機が墜落したということを報じておりますが、これはいかなる原因であるのか。新聞では飛行自殺であるといつておりますから、さようだといたしますと、技術上の欠陥もないだろうし、あるいは飛行機の性能から来たものでもないように考えられるのであります。そこでお尋ねしたいことは、今全国に遊覧飛行場がどこどこにあるのか。政府は遊覧飛行を奨励し、保護しているのでありますか。なおこのような会社の飛行士の資格、採用方法はどうなつているのか。さらに運輸省としての監督方針はどうか。この点をお尋ねいたします。
○荒木政府委員 ちようどよい機会でございますので、きのうの事故について御説明申し上げます。きのうの三時四十分ごろでございますが、大阪の阪神飛行場を飛び立ちましたホースター・オートカーという単発の羽布張りの飛行機でございますが、これがパイロットと整備員、それからお客さん一人を乗せて離陸後五分間くらいいたしましたときに、後方座席から音がして発火をいたし、あわててさつそく阪神飛行場に帰着しようと思つたけれども、とてもそこまでは行けませんので、畑の中に下時着いたして、パイロットと整備員は急いで出ることができましたけれども、乗客は出ることができなかつたのでございます。そこで普通想像し得られないところから音がして火が出たということでございまして、新聞に報道されますように保険自殺ということも考えられるわけでございます。しかしそれと断定いたしますのは、まだ調査の方が進んでおりませんので、断定的結果は申し上げられません。そこで焼けてはおりますけれども、まだ残つた部分もございますので、警察の協力を得まして全部現場に立入り禁止をして、そのまま保存いたしまして、技術的面におきましては、航空局で、地元の大阪には相当の技術者もおりますが、東京から人を派遣いたしまして、技術的見地から究明したいと考えます。なおそのお客さんには百万円の航空保険がついておつたとか、いろいろそういつた問題、あるいはその中に持込まれておつた薬物等の痕跡等につきましては、検察庁が捜査を開始しておられますので、私どもはそれに協力して真相の究明をいたしたい、こういうふうに考えておる次第であります。まだ結論的に原因を申し上げる段階に来ておりません。 なおこの遊覧飛行につきましては、現在遊覧飛行を許しておりますのは日航等七社と記憶しますが、七社だけ許しております。使用事業は二十社以上許しておりますけれども、その使用事業をやりまして、日航なんかはこれは別でございますが、新しいものに対しましては、使用事業を行うといたしまして、これはお客さんを乗せることを許可しませんが、それに使用事業を許可しまして、整備の状況及びパイロットの訓練の状況等を勘案いたしまして、これなら人間を乗せることを許してよろしいという段階にあると認定したものを許可いたしておるわけでございまして、この不定期遊覧事業におきましては事故が初めて起つたわけでございますが、その点につきましては、従来もそうでありましたが、将来におきましても整備の問題について、また航行の問題につきまして、十分の監督をいたしたい、こう考えておる次第でございます。なお飛行場としてどこどこが使えるかということでございますが、これは主としていい飛行場は駐留郡に接収されておりますので、駐留軍の許可を得まして、その飛行場を使つておる場合が一番多いわけでございますが、その他におきましても飛行場として使用してさしつかえないものは、私の方が許可をいたして臨時的に使わしておるものがございます。
○伊東委員 航空問題についてはなお聞きたいことがありまするけれども、航空局長に直接お話を聞きたいと考えます。 そこで次には港湾行政についてお尋ねいたしたいのでありまするが、港湾局長がおいでになつておらなければ、計画課長でもよろしゆうございます。お答えを願いたいと思います。 その前に委員長を通じて要求する資料があるのであります。それは第一は重要港湾、地方港湾に対する二十九年の公共事業改修補助費を港別に予算の配分額をお示しを願いたいと思います。もう一つは二十九年度に計上された港湾災害に関する復旧費がありますが、これは港別にはわからぬでしようと思いますから、府県別に補助金の配分額をお示しを願いたいと思います。これは各委員も必要な資料だと思いますので、あとで御配布を願いいたします。 そこでお尋ねいたしたいことは、第一は港湾修築の方針の問題でありますが、一体港湾の整備計画の事業化はどの程度に進んでおるのでありますか、なお事業計画についてお示ししてほしいと思います。造船に対しては疑獄を生ずるほど国家投資が豊富であり、利子補給までやつておる、すなわち多過ぎるくらいであるにもかかわりませず、来年度の港湾修築費については予算が削られておるのでありまするが、局長はこれを削られても黙認されたのでありましようか。あるいは必要ないと考えておられるのであるか。私どもの考えからいたしますならば、だんだん船型というものも大きくなつて参りまして、そうして高度化されたのでありまするから、従いまして港は近代的な設備が必要であるのであります。にもかかわらず造船計画の費用に比して、まつたく不つり合いであります。均衡予算、均衡予算ということを始終言つておりますが、私はこういうところに予算が均衡化されて行かなければならないと思います。但し特定重要港湾だけはその施設の機能においてあるいは仕事の困難性からいたしまして、国が直営でやつております。重要港湾とかあるいは地方港湾に対しての財政資金の道がはたして開かれておるのでありますか、これはよく私わからぬのでありますから、この点もあわせてお示しを願いたいと思います。
○中道説明員 お答えいたします。港湾事業の予算の問題でございますが、ただいまお話がございましたように、海湾事業を重要かつ緊急に整備を要するということにつきまして、私の方で考えておりまする問題点は、最近の船型が非常に大型になつて参つておりますのと、さらにそれが高速化されております。従つて船の効率の上昇、さらに貿易市場が戦後変化をして参つております。従つて港湾出入の船舶及び取扱い貨物量の増加に対応し得るように、現在建設途上にあります港湾の諸施設を早急に整備したいということが一点でございます。戦後はしけ船が戦災等によりましてはげしい減少を受けております。従いまして港湾の荷役能力が不足しております。また非常に不経済な沖荷役からこれを接岸荷役への切りかえというようなことによりまして、港湾の荷役費を軽減いたしますとともに、荷役の確実、迅速化を期するということのために、特に接岸施設の増強をはかるということが第二点でございます。 次に従来接収されておりました横浜、神戸、東京、門司の諸港におきまして、返還されつつあります港湾施設はすでに老朽化しております。相当の復旧改造を必要とします。また日本側で安全使用を開始するまでには、なお多くの時日を要します。さらに全体の施設が返還されましても、はしけ船の減少及び沖荷役の接岸荷役への移行、また取扱い貨物量の増大等に対応するには不十分でございまして、これら港湾施設の復旧改進を早急に実施するとともに、さらに岸壁施設等の充実をはかる等の必要があるというのが第三点であります。 次は地方港湾の問題でありますが、地方港湾におきましては、統計によりまして、乗降人員等におきまして、全国合計の五五%を占めておりまして、地方開発の基盤といたしまして、また離島、僻地の連絡港といたしまして、また主要港湾の衛星港として、国内海上交通に重要な地位を占めておるのであります。しかしながら地方港湾の実情はいずれも未完成のものが多いのでございまして、これらを最小限度の計画を目途として急速に整備する必要があると考えるのであります。また年間百五十億円に達しまする海難事故を防止するにおきましても、効果のある避難港の建設を進めたい、こういうふうに考えております。これが四点であります。 次には港湾地帯を高潮被害から防禦するための高潮対策工事、及び港湾区域内におきまする海洋の決壊並びに中国、四国、近畿地方の地盤沈下等の地盤変動によります被害防止対策工事の、すみやかな完成をはかりたいということが第五であります。 次にジェーン、ルース台風のような惨禍がまだ全部回復しておりません。災害が回復しておりませんうちに、今回の十三号台風によります被害を受けまして、港湾災害の復旧ぐあいというものが、まだ六割にすぎないというふうな状況でございますので、港湾の機能に及ぼしておる影響は非常に大きいというふうに考えております。これが増破防止という見地からも残工事をすみやかに完成したいというふうに考えております。 それから先ほどお話のありました港湾工事の進捗状況でありますが、港湾工事といたしましては、昭和三十二年度を目標にいたしまして、昭和二十八年度から、五箇年計画を樹立いたしております。その計画に基きまして現在実施を進めておるわけでございますが、毎年予算の関係でこれが十分実施されるというふうな状態にはなつておりません。二十八年度予算までの状況を申し上げますと、特定重要海湾におきましては、港の数が十二港ございますが、それが約5%の進捗率を示しております。それから重要港湾におきましては約一一%、避難港におきましては約九%、地方港湾におきましては約一〇%というふうな進捗状況でございまして、われわれが考えております港湾の整備に対しましては、まだ相当の開きがあるのではないかというふうに考えておる次第であります。 それから予算の状況でございますが昭和二十九年度の港湾関係の公共事業費といたしまして要求いたしております状況を申し上げますと、港湾の事業費といたしましてこれを災害復旧事業費と港湾事業費とにわけて考えますと、昭和二十九年度におきましては総額が三十八億七千八百万円というふうに要求しております。災害復旧費におきましては十六億九千九百万円というふうに要求いたしております。それに港湾の附帯事業費を合せまして、二十九年度の港湾事業費の合計といたしまして五十六億四千七百万円というふうな数字になつております。なおそのほかに北海道開発庁の関係といたしまして、北海道の港湾事業費が六億四千八百九十万円というものが開発庁の方に計上されております。従つてそれらを全部合せますと、昭和二十九年度におきます港湾関係の要求額といたしましては、約六十二億九千六百万円というふうな数字になつております。
○伊東委員 港湾改修の方針については大体わかりましたが、たださような方針のもとに仕事をきれるということになると、相当な金がかかるにもかかわりませず、ことしは削減されておるのでありますが、支障が相当起りはしないかと思うのであります。そればかりでなくて、災害復旧費もあるいは防災工事も予算から削除されておる。港の面はさんざんやらておるようでありますが、そこでお尋ねしたいことは、かように経費を削減されると、今おつしやるように工事が計画的に進められて行くといたしますならば、工事を中途で打切らなければならぬような港ができはしないかと思うのであります。もし中途で工事を打切るといたしますと、海の工事は陸上より以上次々に災害が起つて来ますので、被害がますます拡大されます。そこで非常に不経済のように私どもしろうとから考えるのでありますが、一体どういう信念で、これらの予算をめちやめちやに削られても黙つておられるのか。ただ緊縮予算だからやむを得ぬと承知されたのでありますか。課長ではどうもお答えしにくいかもしれませんから、ひとつこの点は次官からお答えを願いたい。
○西村(英)政府委員 われわれの希望するような十分な予算がとれなかつたことは、これは一般的な財政上の問題でございます、しかしこれは港湾だけではないのでございまして、公共事業費全般から行きましても、特に治水治山の関係がふえたのみで、ほかのところの公共事業費もやはり全般的にそう満足な予算ではなかつたわけであります。仰せの通り、計画の一部においてその通り進めることはできないようなことになりますが、これは一般的な財政事情からでございまして、さように御承知を願いたいと思います。しかしなるべくむだのないように工事をやるつもりでございまして、私たちも大蔵省には、海の仕事であるから、そうむやみやたらに予算を変更されては困るということは、これは港湾の災害についても、港湾の工事についても、特にそういうことは言つておるわけであります。今後も努力するつもりでおります。来年度の予算はかようなことにななつたのでございますが、十分努力はいたしたのでございますが、結果はそういうふうになつたのであります。
○伊東委員 この点押問答をいたしましてもしようがないのでありますから、次にお尋ねいたしたいことは、貿易港の問題と税関の行政関連の問題でありますが、貿易港として指定されるにはどういう条件が備わればいいのであるか。南方貿易は日本の重要国策でありますが、これに備えるのには、南方に距離の近い九州地方の港を整備する必要が特に急務だと思うのでありますが、これに対する所見、今後全国的に貿易港としての候補地があろうと思いますので、これをお示しを願いたいと思います。そこで南方貿易港として最短距離にあるのは九州の油津港でありますが、これは大体四月ごろ貿易開港指定があるものと考えてよろしいのでありますか。これに伴いまする関税施設の完備の必要があると思いますが、この関連はどうなつておりますか。さらに動植物検査所の必要が起つて参ります。そうしなければ、輸入におきましても、輸出におきましても、支障が起るのでありますが、この点についてお答え願います。
○中道説明員 ただいまのお話の貿易港になる基準でございますが、これはそこの港に出入いたします置場量がどれほどというふうな基準が一応ございますが、ただいま数字についての資料を持つておりませんので、後ほど先ほどの資料と一緒にお答えいたしたいと思います。従いまして南方関係の港湾については、その基準に照しまして、その基準に合致するようになれば、当然貿易港の指定というふうになつて来ると考えます。
○伊東委員 これは貿易に関する問題でありますので、南方に対する貿易港は、なるべく最短距離の九州方面の港を利用されたらどうか、その施策があるかどうか。それから油津港の開港指定はいつされるかということを、ひとつ西村政務次官からお答え願います。
○西村(英)政府委員 従来の国の貿易関係等は、相当に相手方もかわりました関係上、また港の方も当然変更があるということは考えられます。それらの点につきまして、私も詳しくは知りませんが、特に南方の方は重要であるということは考えておる次第でございます。油津港をどういうふに具体的にやるかということについては、私は詳細なことは知りません。ひとつ政府委員からお答え願いたいと思います。
○中道説明員 油津港が、南方貿易上重要な港であるという点につきましては、われわれの方も承知いたしておるのであります。しかしながら、これを貿易港として指定するかどうかという点につきましては、貿易港の指定基準というものがございますので、それらを研究しました上で、指定いたしたいと存じております。
○伊東委員 もう一、二点だけですから……。地方港湾の問題でありまするが、地方港湾は、重要港湾と並行して開発さるべきものだということは、先ほどの御答弁にもあつた通りであります。現在運輸省の施設下にある地方港湾は、大体百三十くらいあると承知しているのでありまするが、さらに指定さるべき地方港湾というものは、大体どれくらいあとに残つておりますか。なおその指定条件と漁港との関連でありますが、地方港湾の多くは大体漁港と並用されるものと考えておるのでありますが、この点はどうでございますか。もう一つは港湾整備促進法に基いて、二十九年度には、地方港湾が九港指定されておるのであります。この港はやはり現在この資料にあります港と同様に、予算の配分は進むのでありますか。特に九港だけを指定されたわけは、どこにあるのでありますか。
○中道説明員 港の数の問題でございますが、われわれの方で持つております港湾の総数でございますが、これは総計におきまして千九百七十五港が、運輸省で所管をいたしております港湾と考えておるのであります。なおこのほかに漁港が別にあるわけであります。それから今の漁港と一般商港との関係でございますが、漁港は漁港法によりまして、純然たる漁業の基地ということになつておりますので、その線で農林省が所管をいたしております。運輸省の港湾は、一般の商工貨物を扱うという建前になつておりますが、私の方では港湾法によりましても、港湾区域の中に漁港区という制度もございますので、漁港専門の港は漁港法によりまして農林省が所管いたしておるのでありますが、港湾の中で、漁獲物も一般の貨物とあわせて扱う港は、商港の方でも扱つておるのであります。それから第三点の港湾整備促進法の問題でありますが、これは融資でありまして、現在これは港湾整備促進法によりますと、重要港湾が主になつておるのでありますが、大蔵省の方と相談いたしまして、地方港湾の方も、その整備が特に必要であるというものを選んで入れたのであります。その当時計上いたしましたのが九港となつておるのであります。これは今の一般の公共事業の対象ではございませんので、融資の方の、起債の方の対象となつております。
○伊東委員 日本の港湾が千幾つあるということはその通りでありましようが、私の言うのは、この資料には百三十くらいあるのであります。この百三十くらいの港には、この地方港湾の二十九年度の予算は適当に配分されるものと承知してよいのでありますか。
○中道説明員 現在予算が国会を通過しておりませんので、確定したことは申し上げられないわけでありますが、大体地方港湾百三十——これは二十八年度に工事いたしました分でありますが、大体その程度のものが二十九年度にも考えられる次第であります。
○伊東委員 最後にお尋ねいたしますことは、水難救助の態勢の強化と、避難港の問題でありますが、避難港の問題は非常に重点を置いてやつておることは、先ほど御説明があつた通りであります。水難救助法というものは大体明治時代の遺物的法制でありますが、こんなもので一体役に立つのかどうか、もう少し効果的な法律を積極的にお定めになる御方針であるかどうかという点。もう一つは、これに関連して水難防除の一環として、先ほどお話がありました避難港の重要性であります。しかしこれもことしは予算を削られておるのであります。そこで避難港として指定して、現在施設中のもののほかに、さらに候補地というものが相当あると考えておりますが、その計画をひとつお示しを願いたいと思います。特に南方貿易の通過路でありますところ、及び漁業地帯で、特に九州の南端海洋では難破船がいつも非常に出ておるのであります。そこでこの付近に避難港の必要をあなたの方でも感じておられると思いますし、あるいは御計画もあるかとも考えておりますが、ちようど都井岬に宮ノ浦という港があるのでありまして、もしこれを整備することになると、たいへん難破船を救済することができ得ると私ども考えておるのでありますが、運輸省はどういうぐあいにお考えになつておるのでありますか。
○中道説明員 避難港の問題でございますが、港湾のあり方といたしましては、運輸省において避難港綱というものを考えておるわけであります。この大体の基準といたしましては、機帆船並びに小型船及びそれに準ずるような小型船を考えまして、大体五十海里程度の距離にあるところ——というのは、つまり一日航海の範囲で船が運航できるところ、それと特に岬等の気象状況が悪くて、その前後で遭難の可能性の非常に多いところ、それから実績によりまして遭難船が相当多い箇所、あるいはそのほかその避難港を整備することによりまして、機帆船等の運航能率の増進する箇所、そういうふうな箇所を選びまして、全国の避難港網のうちから、特にそういうふうな必要なものを避難港の指定をいたしまして、予算の許す範囲で順次整備をしつつあるという状況でございます。従いまして現在やつております避難港だけで完成するのではありませんので、さらに追加指定をいたしまして避難港網を順次完成して、避難港をさらに整備して行きたいというふうに考えている次第であります。
○伊東委員 私一人で独占するわけにも参りませんし、なお聞きたいことは直接課長等にお目にかかつて説明を聞くことにして、私の質問はこれで打切ります。
○關内委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十一分散会