運輸委員会 第6号
- 発言数
- 102 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/02/05
会議録
○關内委員長 これより開会いたします。 運輸行政に関する質疑を続けます。まず委員長より犬養法務大臣にお尋ねをいたします。 去る二月三日の朝日新聞の報ずるところによりますと、法務委員会におきまして佐藤検事総長は、運輸委員を内査中だという重大な発言をいたしておるのであります。すなわち猪俣委員の質問、一六国会における衆議院運輸委員会の審議は深い疑惑に包まれておる、検察当局はこれを検査する意思はあるかどうか、こういう猪俣委員の質問に対しまして、佐藤検事総長は、運輸委員については現在内査中であり、嫌疑の程度を申し上げるまでに至つていない、かような発言をいたしておるのであります。運輸委員については内査中というような言葉を発表いたしますことは、検事総長といたしましてきわめて軽率であり、不謹慎であると思うのでありますが、犬養法務大臣はいかようにお考えになつておるか。 さらにまた、事件の捜査の上におきましても、かような発言をいたしますことは事件の公正なる摘発を阻害すると思うのでありますけれども、法務大臣はいかようにお考えになつておるか。 以上の点につきまして犬養法務大臣の所見をお尋ねいたしたいと思います。
○犬養国務大臣 お答え申し上げます。この問題は運輸委員各位の名誉に関する重大な問題でございますから、お呼立てまでもなく、私から進んで発言を求めるべき筋のものだと思います。残念ながら一昨日予算委員会の方で忙しかつたので、とうとう本委員会の散会までに間に合わたなかつたので、このよい機会に申し上げたいと思います。 なるほど私もあのあくる朝新聞を読みまして、ただちに相を調べたわけでございます。速記録も読みましたが、速記録の文字に表われているところでは、どうも意を尽してない点があり、その意味においていささかかど立つている点があると存じます。いろいろ前後の事情を同席しておりました政府委員あるいは検事総長自身に尋ねてみまして、その結果を申し上げる次第でございますが、猪俣委員の仮定に基くいろいろな質問に対して応答をして行きますうちに、ああいう答弁になつたわけでございます。その要点は仮定の問題としていかなる国会の委員会の中でも、もしもそういう少しでも疑わしい問題が起つたら、国会の委員会の委員であるからといつて除外はしない、こういう意味のところが焦点であつたようでございます。これは爾後当人にも聞き、また同席した政府委員にもただした結果のことを申し上げる次第でございます。そうなりますと、あの速記録の活字に表れているところだけの言葉ではいささか意を尽しておりませんし、その意味において当を得ていないと存じます。また特に申し上げますが、検察当局から私に対して、運輸委員各位について内査中であるという報告は受けておりません。従つてこの点においてあの発言には意の尽せぬところがあり、かど立つた点もありますので、この点は当局として遺憾に存じておるのであります。
○鈴木(仙)委員 先般の委員会でこの問題につきまして犬養法務総裁の出席を求めた立場上、私は関連して質問をしたいと思います。 昨日の議院運営委員会で、この運輸委員会で造船疑獄を取上げるのは好ましくないとい意見が出たそうですが、本日法務大臣の御出席を願つたのは、一昨日、すなわち三日の本委員会で私が質問をしました佐藤検事総長の談話がもとであります。ただいも委員長からいろいろ申し上げた通り、三日付の朝日新聞に佐藤検事総長の談話として運輸委員を内査中とありました。運輸委員とは衆参両院の運輸常任委員で、内査中とは内密に調査をするという意味でありますから、要するにわれわれ運輸委員が検察当局の調査対象となつているわけであります。その調査進行中に検事総長が記者団に漏らしたのは、ほかにあまり類例を聞いておりません。ちようど第二次大戦中に大本営が南太平洋開戦のころ、進展中の作戦を発表をし、国民に大戦果を約束したことがありましたが、さながら検察当局が国会議員に攻撃を加え、何か戦果を上げてみせるぞと国民に約束をしたようなかつこうということができるのであります。まことにわれわれにとつて迷惑なことであり、同時に国会議員たるものの権威と名誉に対する重大な侮辱を意味するものであります。もちろん新聞記事にもかなり部分曲出のおそれも考えられ、はたして検事総長がその通り談話を発表したものかどうかも問題はありましようし、また運輸委員と申しましても、利子補給の法案審議のときだけ、党内で海運関係に明るい議員と一時的にかわつた場合もあつたでしようし、一概に現任の運輸委員を全員臭い飯を食わしてやると検事総長が大みえを切つたわけではありますまいが、宣伝性の強い一流新聞にさような談話が載つたのはゆゆしい問題でありますので、ここに法務大臣の御意見を重ねて伺いたい。並びにこの今後の処置、検事総長に対する処分などについて承りたいと存ずる次第であります。
○犬養国務大臣 お答えをいたします。御迷惑であつたということはまことに御同感で、お察し申し上げており、恐縮いたしておる次第でございます。今申し上げましたように、あの質疑応答の前後を速記録で読み、現場にいた者のその場の空気などを聞いて想像してみますと、質問者の委員から仮定としていろいろたたみ込んで来られたのに対して、まつ正直にこれを受けていたというところに、いささか間違いが起つておるものだと思います。御指摘でございまして、新聞の記事にも多少総長の答弁そのものと、食い違つておるような点もあるかもしれませんが、私はどうもこう皆さんから糾弾を受けるときに、新聞記事の方がちよつと間違つておつたということを言うのは私の趣味に合いませんので、多少違つておつたようでばありますが、それを先ほどの答弁の中には入れなかつた、まともに御叱責を受けたい、こう思う気持で申し上げた次第でございます。しかしよく考えてみますと、時期も時期、場所も場所でありますから、片言隻語といえども国会議員の名誉にある想像力を生じさせる結果になるのでありまして、その点はまとに言葉の足りない点があつたと遺憾に存じております。今後ああいうことのないようによく部内も打合せまして、相ともに戒め合いたいと思つております。
○鈴木(仙)委員 簡単に一、二点関連してお尋ねいたします。次に造船会社から注文主たる船会社に払うリベートあるいはリターンについて、法務大臣の御見解を承りたく存じます。これは日本語にすれば返礼金と申しますか、もどし謝金と申しますか、三日のこの委員会で私の質問に答えて岡田海運局長は、私企業同士の注文造船なら商習慣であつたが、国家資金で造船をするにあたつては厳重に禁じている、しかし幾らか行われているという風習は耳にしたことがある、リターンの額については一割というの誇大で、せいぜい三分か四分であるという御答弁でありました。そこで法律上で申しますと、このような返礼金ば簡単に商慣習として見のがしてよろしいものでしよかどうでしようか。またせいぜい三分か四分と申しましても、何億円という建造費に対してのリターンですから、それは莫大な金額に上るものであります。いわんや国家資金で造船をする場合に、このようなリターンがあつてよいものかどうか、法務大臣の御意見を承つておきたいと存じます。
○犬養国務大臣 この点は私専門家でありませんから、なお正確なことは、もし御要求があれば政府委員をして答弁いたさせたいと思いますが、古い商習慣であるということは、私も同席いたしまして運輸省の政府委員からの説明を聞いておつた一人でございます。同時に運輸省の政府委員の申しますには、国家資金を補助金として投入したあとは厳重に戒めてあるということでありまして、その戒め方がどういうふうな形式をとつておるか、法規上かなつておるかどうかということも研究の一材料にならざるを得ないのでありますが、結局これは個々の場合において違法になる場合もあり、また道徳的にきわめてふらちではあるが、違法性は阻却されておるという場合もあるのではないかと思います。しかし政治道徳的には、特に国家資金を投入したあとにおけるリベートというものは、おもしろくないことはもちろんだと思います。
○鈴木(仙)委員 次にこれは私の老婆心かしれませんが、純然たる国家資金で造船を行つておる海上保安庁の船や海上警備隊の今後の造船については、何かお調べになつたことでありましようか。海上保安庁は運輸省の所管で、この委員会での審議対象でありますが、海上警備隊はいわゆる将来の海軍部隊と目されておる部隊であります。しかし国家資金で船舶をつくることはいずれも共通でありますから、それがリターンだのリベートだのということが行われるのでは、隊員の志気にも影響します。この方面は法律上いかに相なつておりましようか。
○犬養国務大臣 御承知のように、法務省は違法を取締るということでございまして、もしもこの問題がやはり世論でやかましくなり、凝雲のうちにとざされるということになりますならば、先ほど言葉が問題になましたが、それこそ内偵をする場合もあると存じます。しかしただいまのところでは、御指摘のような種類の船舶について、当局が内偵中であるという報告は私は受けておりません。
○鈴木(仙)委員 次に三日の本委員会で私が質問いたしましたいわゆるマーカット資金について、法務大臣の御意見を伺いたく存じます。マーカット資金については、私自身仄聞しているだけで、詳しいことは知らないのですが、これが市中の銀行に数十億円ずつ分散して預金され、合計で一千億円には至らないが、まず八百億円か九百億円はあるだろうと伝えられております。この金融難の時世に、数億を要する建築物が簡単に建つのは、その建物ができ上つてから利益を上げて返済する約束のもとに、いわゆるひもつきでマーカット資金を運転しておるのではなかろうかとい話が伝えられておるのであります。それが鉄道会館などの巨大な建築物や造船などに流れているのではないかというところから、三日の運輸委員会で質問したのでありますが、海運局長は、マーカット資金が造船へ流れていることはないと思うと答弁し、国鉄総裁は、マーカット資金などというものは一向知らないし、関係もないと答弁しております。岡田海運局長の答弁では、マーカット資金は存在しているように受取れますし、長崎国鉄総裁の答弁では、マーカット資金は実体のないうわさにしかすぎかいように受取れまして、どうもはなはだしくめんどうで、解釈に苦しんでおるところでございますが、このマーカット資金の実体について、検察当局が何か調査を始めておるのでしようか、いかがでしようか。占領軍政のもとでかなり多くの隠退蔵物資の事件が発生しておりますが、このマーカット資金というのも、占領軍総司令部の経済科学局長であつたマーカット少将の名前にあやかつており、何かを伏在しておりませんか、ひとつこれをお伺いしておきたいと思います。
○犬養国務大臣 御指摘のいわゆるマーカット資金については、まだ報告を受けておりませんが、もし必要ということでございますならば、あらためて調査いたしてみたいと思います。
○關内委員長 山口丈太郎君。
○山口(丈)委員 私はまず一般陸運行政についてお尋ねをいたしたいと存じます。運輸大臣にお尋ねいたしますが、昨年の当運輸委員会におきまして、陸運行政の一つの決議といたしましては、国鉄、私鉄、そのうちの特に重要な私鉄の問題について、その固定資産税あるいは今収入課税になつておりまする課税の問題、あるいはその他国鉄と対比いたしまして、もちろん営利の会社であるといたしましても、あまりに同性質の交通事業について課税の差別が大き過ぎる。これを是正することが適当だという決議をしたのでありますが、そのときに運輸大臣から、その決議の御趣旨は十分次年度予算のときに考慮を払うという御約束をいただいておるのでありますが、それについてその後どのようなことになつておるか、まず一点お伺いしたい。
○石井国務大臣 私鉄の収入に対して税をかけておる問題、これを収益税にすべきものでないかということが前から問題になつております。私どもその意をもちまして、折衝をしておつたわけでごぎざいます。とこが地方税の調査会の方では、私鉄はやはり収入に対しと課すべきだという結論が出まして、それが実は本日閣議の方にもまわつて参つたわけであります。それできようもこの問題について、本来とすれば私鉄も、バスなども収益税にしてもらいたいのだ、われわれ運輸省としては、こういう意向だということを申し述べて、なおきようの問題とはならずに、塚田大臣とわれわれの力と、もう少し折衝をすることになつております。
○山口(丈)委員 元来この委員会の決議に対して、従来からとられておりまする傾向を見ておりますと、一向に尊重をされないで、いわゆる決議倒れになる傾向があると思いまするが、これは単に運輸省の要求として折衝するというよりも、むしろ委員会の議決に基いて折衝を行うべきであると思いまするが、運輸大臣の所見をもう一度承りたい。
○石井国務大臣 運輸大臣に対しまして、この委員会から、こうあるべきだという決議をいただきましたので、その趣旨に私賛成をいたしましたときは、皆さん方の意を体しまして、そうして私自身としても賛成である線につきまして、それを皆さん方の意思を受けて努力いたしておるのであります。
○山口(丈)委員 さらに今度、聞くところによりまするとガソリン税を引上げる、あるいは自動車税を引上げる、あるいは軽油自動車の税金を引上げる等、非常に大きな問題をかもしておるようでございますが、今これらの問題についてどう進展をいたしておるか、ひとつ承りたいと思います。
○石井国務大臣 自動車税は、昨年八月でありましたか、相当値げがありまし。引続き今度地方税の調査会の答申に基きまして、非常な大きな幅の増額の案が提出されておるのであります。私どもといたしましては全体的にこの自動車税の収入というものは、ほとんど漏れなく確実のとれるのであります。これは検査を運輸省がやりまして、自動車の使用の免許を渡すときに、納税がされてなければそれを抑えることがでるのでありまするから、これくらい確実に納まつている税金はないと思います。これを平たい言葉で言えば一番確実な地方の収入になるわけでございますが、同時にそれだけ確実に入る税金であるだけに、上ることは上るとしても、相当実情を考えて順次上げてくれなければ、急激な上げ方はおもしろくない。特に昨年八月一万円であつた大型のバスが二万数千円になり、今度の案では六万円というようなことは、何としてもあまりに急激ではないかということで、きようもその話をいろいろいたしまして、もう一度考慮をしてもらうようにということを塚田大臣に言うてわかれたわけであります。ただちに事務方面へのあらためての折衝もただいまやらしているところであります。ガソリンで動く車と軽油で動く車との差が今度出ておるのでありますが、これはかける方ではいろいろな理由をつけることは当然だと思いますが、たとえば今度国内のガソリン消費税が相当値上りする、軽油の方はそれがかからないというようなこと等によりまして、バランスはとれるのだというようなことを申しておりますが、今後の日本の軽油の様子を見ますと、外国から油をなるべく少なく入れるというようなことを根本的に考えなければならぬと思うのであります。そうすると軽油を使つている自動車は、ガソリン車の六〇%くらいな使用量でいいことになるそうでございます。こういうものこそ大事にすべきじやないか。しかも、軽油を使うすなわちディーゼル車は、東南アジア方面にも輸出されておる状態であります。ますますこれを盛んにすべきものでありますから、その製造がよくなるためには、国内でもよけい使われる方が品質もよくなり、値段も安くなり、貿易もしやすくなるというわけになるのでありますから、その意味からももう少し遠慮してもらいたいというようなこと等を申し上げて、いまなお再検討をお願いしておるわけであります。
○山口(丈)委員 今大臣が言われましたのは、大型自動車の定員の基準についてもいろいろ区別して、さらに税金を高めようというような措置が考えられるようでありますが、これは結局はそのようにとりやすいものはふくろだたきにしても税金を上げるという結果になると、私どもの憂えるのは、それによつてさらに大幅の運賃の値上げを実行しなければならぬ。もしそれが実打されないならば、労働者の賃金を低賃金にやはり追い込まなければならぬ。もしそれを一定基準に保とうといたしますと、またそこで非常に労働量というものを過重にして行かなければならぬという恐るべき結果になるのでありまして、どうも政府はとりよいもので、しかもおとなしいものから税金を取立てる。今度の繊維税の課税のごときでもそうでありますが、そういう傾向が非常に多いのであります。こういうことが社会ではひいては非常な疑惑を生むことになると私は考えますが、陸上全般の問題とし運輸大臣はさらにそういつた疑惑をなくするためにも、この際かような不当の税の値上げは——電気ガス税等が鉄鋼あるいは肥料等の最も重要な部面であることは私も認めますが、それと同時にそれらの工場を動かす原動力でありますこれらの交通機関対して、公共体にあるものは無税であるにかかわらず、一般産業以上の高電気ガス料を課するがごときは、非常に行政上不公平である。またそれらの交通機関を利用いたします乗客大衆というものは、従つて高度な運賃を課せられることになつて、非常な犠牲や伴うものであると考えますが、運輸大臣はこれらの問題についてさらに強力にこの主張をして、そうしてこれらの問題を極力避けて行くような方針をとられる意味がないか。ひとつお答を願いたい。
○石井国務大臣 あなたのおつしやるほどまで深く、私はいろいろな社会の影響といううものをそこまで考えおりませんでありますが、いずれにいたしましても、いい税金にいたしましても急激な上昇というものは避くべきが、これが税の根本方針であるわけであります。とりやすいから、そうして確実にとれるからというようなことはもちろんないと思いますが、そういうような感じのするこういうような高税率というものは、十分考慮してもらわなければならぬという意味において、あなたと同意見でありますので、さつき申しましたように話をしているわけであります。
○山口(丈)委員 私は今の大臣の御答弁を信用するのでありまけが、どうか大臣の御答弁の通り、これはひとつ利用者と、そしてそれに働いております者に過重が転嫁されないような措置を講じていただくことを希望いたします。 次に運輸大臣にさらにお尋ねをいたしますが、それより前に国鉄総裁に一つお尋ねいたしたい。交通公社の売上代金の納入状況についてお伺いしたい。
○長崎説明員 交通公社の在来の売上代金の納入状況は、この前も国会で問題になしりましたが、この秋ごろから特に延納の扱いをしておりました部分は消えまして、平生の状況に返りまして、一箇月だけ遅れて納まつております。これはさらに契約上はそういうことになつておりますが、一層勉強して、なるべく早く納められるような方向に順次持つて行つてくれという希望は、私から向うの責任者、務理事あるいは会長に申し上げてあります。
○山口(丈)委員 総裁の言明は私どもの聞ているところとは、いささか食い違いがあるように考えるわけであります。従つてその納入の状況につきましては、さらに具体的に資料を提供していただくようにお願いをいたしたいと思います。しかしこの交通公社の納入金の従来からの焦げつきと申しますか、売上代金が、私の昨年からのこの委員会で聞いたところによりますと、相当大きな量のものが未払いになつている。しかもそれは最近新聞で見てみますと、何かそこに売上げ代金の焦げつきが、他に転用されているのではないかというような疑惑を持つのであります。これについては国鉄総裁並びに運輸大臣は、このような社会的な疑惑の報道される点についていかようにお考えになつておるか、私はそれぞれ御答弁をいただきたいと思う。
○長崎説明員 交通公社の資金運用に齟齬がありまして、そうしてそれが焦げついたというような話は、これは私の就任前のことでございますが、それは事実であると私聞いておるのでございます。しかしながらその整理につきましては、着々その後事業の縮小その他をはかりまして、漸次整理されていると私は承つております。代金の問題につきましても、これと並行いたしまして漸次整理されまして、ただいま申し上げましたように一箇月遅れ、つまり言いかえますれば、正月の売上げ代金は二月の末に納まるというふうなぐあいになつて来ております。
○石井国務大臣 交通公社の売上代金につきましては、ただいま国鉄総裁が申し上げたと同じような意味に承知いたしております。
○山口(丈)委員 国鉄総裁には、この点につきますてはあとで、焦げつき面はどのくらいになつて、いつからそれが回収されているかについての明細書を、ひとつ提出していただくようにお願いいいたします。 それから私はこの際運輸大臣に、交通行政の全般から考えてみましてさらにお伺いいたしたい点は、本年度予算におきましても、私ども従来から考えておりました新船の延造の問題につきましては、これは当然このように今日四億の疑獄とか、いろいろの疑獄事件を起こすまでに資金が融通件が多い。比校的この資金が造船界にはあり余つておるから、こういう問題が起きるのだと私は思う。それに対してなお本年度予算におきましては、三十六億もの厖大な予算が提出されておるのであります。しかるに一方国鉄の方におきましては、今私が最初に申し上げましたように、実際にとりやすいものからはとる。そうしてとりにくいものは、これをほおかむりをしておくというような精神の現われが、私はここにもあるのだと思いますが新線の建設などは当然国の力においてこれをなすべきものでありまして、高度な公共性を持つ沿線開発のためには新線を必要とする。それは今申しましたような国の財産のいわば増加であります。同時に、それは国策としても当然行わるべきものでありますが、これに対する利子補給というものは一銭もない。私企業の造船方面におきましては、なるほどドルをかせぐこには必要である。しかしあくまでもこれは利潤追求する利潤会社である。コーポレーションとしての国鉄は、そのような営利を主体としない。一つの国束としての産業を開発するためには、犠牲線としてでもそれを敷かなければならないということは、国鉄総裁もこの委員会においてたびたび言明された通りでありますが、そういたしますると、当然これらの措置が運輸交通行政上取上げられてしかるべきだと私は思いますが、運輸大臣はこれについてどのように考えられるか。 また現在行われておりまするこの造船疑獄等から見まして、さらにこのような大きな予算を組むということは、一層社会的に大きな疑惑を引起こすものではないかと思いまするが、これについて運輸大臣はどのような考えをお持ちになつておるか、この二点についてお伺いをしたい。
○石井国務大臣 国家が国鉄の新線に対しては資金的にも援助をすべきではないかというお話は、私どももそういうふうに思つておるのであります。新しい線は国家の経済復興、国土開発の点から見ますれば、当然やりたいものであり、それは国家的に見ますれば利益になるものでありますが、国鉄といたしましてはもうからぬものがどつさりあるのであります。おそらく今度一昨年からかかつております三十線も、建設中はもちろんのこと、仕事が始まりましても、当分はもうからないはずだと思います。ところができ上つてしまいますと、三十線で約五十億の利子たけでも、財政資金の利子でありますから、それがより割安になるはずでありますが、それを国鉄が負担しなければならぬということは、国鉄が実際上はとても耐え得ることではないと私は思うております。それで今までやつております新線を来年継続して行きますには、新しく線路を加えなくても、速力を進めますと、経済的に約百十億、あるいは百二十億という見当の金がほしいのでございます。それで予算の編成当初におきましては、これを国家の資金でやつてくれぬか、国家の出資にしてもらえぬかということを第一案としては出したのでございますが、金がなくてそれはできないということであしりましたので、次に考えましたものは、利子補給をやつてもらいたいということを持ち出したのでありまするが、新しい行き方のものは、今度はすべてもつともであつてもやれないような状態であるから、これもこのたびはひとつかんべんしてもらいたいということで、利子補給の問題もどうしても取上げてもらえなかつたわけでございます。それで新しい線路をやつて行く上には、今後とも私は今のような考え方をどうしても織り込まなければ、もう国鉄そのものが独立採算制であり、そこでかつてにやれと言われる。一方一番大きな収入源であります切符の代金、旅客の運賃というものをいろいろな情勢上上げることができない。御承知のようにほかの物資の上り方の半分にも満たないような国鉄の運費状況でございますから、このままであつてはとても国鉄は経営をやつて行けない苦しい状態にあると思うのでございますが、これらのことを勘案いたしまして、国鉄の新線には出資か、あるいは利子補給かというようなことを、何らか考えてもらわなければならないと思うておるのでございます。今度の予算の問題にはなりませんでしたが、新しく臨時公共企業体合理化審議会というものが設けられることになりまして、私もその委員の一人になつておりますが、これは近く発足いたしまして、国鉄を初め、公共企業体はいかなる体制が一番好ましいかという問題について、根本的な検討を加えることになつております。その際に国鉄そのものも一体どうしたらよいかという根本問題を議することになり、それと同時に、こうやつて今のように行くならば、こういう問題のときにはどうするか、この問題をあわせてきめなければ、私は国鉄の問題は解決しないと思つております、そういうふうな方向に進んで行きたいと思つております。
○山口(丈)委員 二点お尋ねしたのでありますが、外航船舶の利子補給の問題につきましては、交通行政上から私ども見まして、政府はあまりにも外貨資金をかせぐに急なあまり、あるいはそれにあまりにも魅力を持ち過ぎるのあまり、きわめて片手落ちな行政をやつておるのではないか。これが世上盛んに流布される疑惑の一つの根拠にもなつておる。これについては、運輸大臣はどのような見解を持たれるか。またこのように、今鈴木委員からは各委員会において追求されておりまする諸問題について発言がございましたが、しかし私、とにもかくにもこれだけ厖大な記事が新聞紙上をにぎわし、しかも社会から非常に大きな疑惑の目を向けられておりまするこれらの事態について、運輸大臣は、この際何らかの態度を明確にされることが望ましいと思いまするが、どのような所見をお持ちになるか、ひとつ承りたい。
○石井国務大臣 利子補給計画造船の問題は、先ほど同じ山口君からこの問題についてお尋ねのあつたとき、私のこれに対する態度は御説明申したはずでございまするか、この国鉄の問題に関連して計画造船のお尋ねでありますから、その問題を申し上げます。私どもは日本の海運というものが戦前にどんな状態であつたかということを考え、そして今日の海運を考えまして、何としてもこれは日本の外航船舶を充実しなければならないという一つの大きな目標を持つておるわけでございます。それで昨年からしきりに造船四箇年計画と私ども運輸省内では申しておるのでございまするが、毎年外航船を三十万トンづつ増強して、四年間に百二十万トンの船をこしらえて行きたい。これによりまして四年後には、外航船は戦前の約七〇%にまで回復し得ることになるのでございまして、そこらを一応の目標といたしまして、日本の海運の世界の海運市場における地歩をひとつはつきりと回復したいというのが私どものねらいでございます。ところがこの船をこしらえるのに、なぜ政府がたくさんの資金を出し、なぜ二分五厘までも開銀の利子を補給するかという根本をわれわれ考えなくちやならぬ。なぜかというと、戦争前におきまして各船会社が船をたくさん持つておつて、世界で二、三争う——二番目くらいであつたと思いますが、そのくらいないい海運の事業をやつておりましたが、戦争中にほとんど沈められてしまつた。しかも一まとめにして船舶運営会が運営しておつたのでありますが、沈められた船に対して政府からは一文も補償が出ていないのであります。船会社は戦後自分でやれといわれるような場合になつて参りましたところが、一文も金を持つていない。船は回復しなければならぬ、資金はないというような状態でありまするから、そこでどうしても国庫の補助により、国庫の方の資金を出してやるというようなことで、だんだん船をつくつて行くような状態になりました。その間に朝鮮ブームというものが起つて、一時景気がよかつたのでありますが、おととしあたりから海運界は世界的に運賃が下つて来た。今の状態で参りますと、世界と競争して行くのはどの点かといいますと、いわゆる金利の点でありまして、先進国の船会社は、自己資金も相当ありますが、そのほかでも三分五厘かあるいは三分とかいう利子であるのが、日本はほとんど借金である。それが去年の春から利子補給が始まりました。初めは七分五厘に財政資金がなり、昨年の八月から三分五厘まで下げられるということになつたのでございますが、これで金利の点においては、ようやく世界のレベルに達しておるというような状態になつておるわけでございます。このことそのものは決して間違つた行き方とは思つてないのでございます。それで今度のものにつきましても、予算に百八十五億の財政資金を出し、昨年は前年度の五万トンを合せて三十万トンこしらえたのでありますが、今度は全体のわくが下りましたから、二十万トンしかこしらえられないと思うのであります。二十万トンの船をこしらえさしてもらいたいというつもりで、予算を出しておるわけでございます。これにいろいろな疑惑が向けられたのであります。これは昨年の利子補給の予算が出ましたときに、そういうことをすれば、ここに何か非常に急激に援助が行くようになつて問題が起るのじやないかというような注意をされた方もありました。私どもといたしましては、この問題の船の決定等についても、それを十分に頭に入れて、ほんとうにガラス張りの中で、この船の選定等をやつて行くということを言つたつもりでございます。起つておる事件はどういうことか、ほかの方は私どもははつきり存じませんが、新聞に出ておるだけの範囲は御承知の通りでございます。私どもの所轄の運輸省におきましても、職員の一名がこれに何らかの関係ありというので、今取調べを受けておる状態でございまして、この点は、先ほど申し上げたようにまことに遺憾なことでありますが、私どもとしましては一層これに自粛自戒、みな一生懸命になりまして、この次の造船の問題にはなお明るい方法でやるようにしたいと思います。この次の造船を割当てる場合においては、造船合理化審議会で大体の方向をきめてもらうのでありますが、これがあまりに漠然としておるのであります。もう少しディテールにわたつて、ディテールというのは過ぎるかもしれませんが、もう少しこまかい問題までも合理化審議会で方針をきめてもらう。それによつて、融資をする開銀、それからわれわれ運輸相が、今度は一ぺんにこしらえてしまう。そうして造船の時期は、いろいろな資金の関係もありまして、四月ごろから始まるものもあるし、七、八月に始まるものがあつても、公平な原則に従いまして、担保力その他の経済的事由等も考えて、今年ももちろんそういうものを深く考えたのでありますが、みなからほんとうに一層明るい気持ちでものができたといわれるように運ばなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。
○山口(丈)委員 私はこの問題についてはさらに運輸大臣に問いただしたいのでありますが、さきの問題に関連して、国鉄の新線建設について、その範囲における松浦委員並びに楯委員の関連質問があるようでありますので、これをひとつ委員長の方において許していただきたい。
○松浦委員 今山口さんに譲つていただきまして、簡単にお聞きしたいと思うのですが、山口さんのお尋ねになりました新線に対する御発言については、私も全面的に賛成であります。ただいま造船の利子補給と陸運つまり鉄道新線、改良工事等に対するものとの山口さんの論点は、運輸大臣として陸運、海運に対して片手落ちじやないかという追究であつたように思うのです。私もそう思う。それは国鉄当局がしばしばわれわれに苦衷を漏らしておりますことは、現在の運賃は一三〇であつて、需要品その他機関車、貨車というものは四七五ないし五五〇という倍数になつておる。そういう上に立つて改良工事も、どんどん戦争中のいたんだものを直して行かなければならぬ。老朽設備もある。新線もやらなければならぬということでは、国鉄経営はできるものではないという苦衷をしばしば漏らしております。それは大臣がよく御存じのはずなんだ。鉄道運賃を高くしてはいけないということは、国民生活の上においては当然のことであるが、しかし計数上どうしてもできないものはやむを得ない場合が起つて来ると思う。しかし運賃を上げることによつて国民多数の生活上に悪影響を及ぼすことは当然のことであるから、それ以外の方法においてこの大きなバランスの破れておるのを直してやるという、つまり経営に対する愛の気持が大臣にない限り、りつぱな経営はできないと思うのですよ。でありますから今山田君が鋭く追究いたしました点は、海運特に六百五十万トンを持つて七洋を征服したあの日本の海運の盛んな当時のことを考えるならば、それは今のお話の通りやらなければならぬことは当然であるが、陸運たりともやらなければならぬ。これが今のうちはまだ姑息で行けるのですが、五年、十年と姑息なやり方を続けて行つたならば、さきにおつて日本の陸運事業というものは問題にならなくなるときが来るのではないかということを憂慮する場合、大臣はもつと閣議において政治力を発揮して、少くとも公平な行政を陸運、海運ともにやるべきではないかという点を指摘したいのであります。 そこで今この新線を敷設するために、国家投資もしくは利子補給を要求したが、いれられなかつたということでありますが、もう一点考えられる方法があるのではないか。それは新線をつくることによつて、その新線の沿線における資源の開発ができる。眠つておる資源が鉄道をつけることによつて開発されることは、三つ子もおかつておることです。そうするならば少しくらい高い運賃を出しても、その資源そのものは国が所有しておるか、あるいは個人が所有しておるかわかりませんけれども、資源そのものはもつと運賃を負担しても、今ついておらぬところに新線をつけてもらう方が喜ぶのではないか。そうすることによつてその地方の資源も鉄道開発に対して負担をするということになる。それは言いかえるならば、今の国全体のプール運賃というものは、今のような、バランスの破れた上に立つておる。これは上げられない。しかし財源がないということであるならば——今三十線を完成すると毎年五十億ずつ損をするということだと、もうやつて行くことはできなくなりますから、この新線によつて開発せられるところの資源も、運賃の負担によつて鉄道建設に協力するということを考えてもいいと思う。まずこういうことをお考えになつたことがあるかどうか、もしお考えになつたことがあるとするならば、そういうような法律をお出しになる考えがあるかどうか。もちろんこれに付随して利子補給の点も考えなければならないということです。まず利子の補給に対する法律に関係するもの、あるいは新線の特例運賃を設けて、資源にも鉄道敷設、新線施設に対して協力をさせるということをお考えになる必要はないかどうか、その法律を出される考えがあるかどうかということであります。 大臣は予算委員会においでにならなければならぬそうでありますから、実はもう少しこまかくお伺いしたいのでありますが、引続いてもう一点お伺いいたします。今予算を見ますと百三十億の公債を発行する、一般会計から二十五億の新線の経費を出しておるということでありますが、あの百三十億中どれだけの経費を新線にお向けになるのか。今一般会計から二十五億やることになつておるものは、全部これをお使いになるのでしよう。もちろん事務費も入つておるでありましようが、全部お使いになるおつもりでありましよう。そうすると百三十億の中でどれだけを新線にお使いになるか、それによつて現在着工しておる三十線というものは、昭和二十九年度に中止するような線はあるかないか、もしそういうことがあるとするならば、それに関係する地方の住民は耐えられるものではない。現在総合的に着手しておるものを、全部おやりになることができるかどうかという点であります。まずこの二点を先にお尋ねいたしまして、その後にもう一点お尋ねすることをお許し願いたいと思います。
○石井国務大臣 海陸両立で進むべし、これはもう御説の通りでございます。私どもも国内の運送関係においては、特に陸運、その中でも鉄道問題が——道路交通だけではいけない点がいろいろあるので、陸の鉄道にも力を入れなければならぬということは、随時お答えしておるところであります。新線ができた地帯では資源の開発に非常に役立つ、その方面の人の利便も非常にふえるのであるから、鉄道運賃が今はほかのものに比べて非常に安いが、そこだけ特別な運賃をしいたらどうかということは、実はかねてから話があるのでございます。それで建設審議会においても特別運賃の話を出したことがあるのでありますが、これは結論に至つておらないのでございます。できるまではそういうふうな声でありますが、できてしまいますと、同じ国家の機関じやないか、それにあるところは安いままで、あとからできたところだけ高いというのはけしからぬという問題が、これはほかにもちよつと出た例があるのでございまして、実際は非常にむずかしい問題だと思いますが、少くもこれから先困難であれば、今あなたのおつしやつたように、こういう問題も考え得る問題じやないかということが、話はいたしておる次第でございます。 それから第二の鉄道建設の方に借入金七十億、それから債券百三十億、この二百億の中から二十五億というのが新線建設ということになつておるのでございます。これはまことに金額が少うございまして、私どもとしてはまことに残念でございますが、さつき申しましたように、経済速力でやつて行けば、百十億か百二十億ほしいというところに二十五億というのは、それは何としたことだとおつしやると思います。私どももこの点において非常に心痛いたしておるのでございますが、この二十五億で、ねらいといたしましては、何とかして二十九年度はひとつ細々でも仕事をやつて行つて、そうして三十年度にできるだけの金を出してもらつて、なおかつ仕事を続けて行く、来年で打切りにならないという態勢だけをひとつぜひとつてもらえぬか、それにはどうしたらいいかと思つて、実はきようもいろいろ話をしてお願いしておるところで、まだどういうふうにするということまで至つておりませんが、とにかくもう来年で打切りになつてしまうのだということにならないように、そういうふうなことをかりにも思わしめないような方法において、再来年につないで行くことを考えてもらいたいということを相談しておるところでございます。
○松浦委員 今の二十五億は、新線建設として計上されておる分でございますが、公債の中からは新線に幾らお出しになるか、それを重ねてこの次に答弁をお願いいたします。 あまり長く私ばかりやれませんから簡単にお伺いしますが、百十五億いるものを二十五億でつじつまを合せるということでは、ほとんど開発にはならない。そこで私はこういうことを考えますが、大臣はひとつ努力してもらえませんか、また努力しなければならぬと思うのです。それは百十億かかるとすれば、半分にして五十五億、今二十五億あるとするならば、それは現在の百三十億の公債の中で、幾ら新線建設にお使いになるかということを聞かなければわからぬ話ですが、百三十億の方から新線には幾らお使いになる予定ですか。
○石井国務大臣 さつき申しましたように、借入金の七十億と債券の百三十億、合したものが二百億になりますが、その中から二十五億が新線というのであります。
○松浦委員 そうすると全部で五十億になるのですか。
○石井国務大臣 全部で二十五億……。
○松浦委員 そうだとすればそれは問題になりませんが、一兆円予算というものは、傷つけてはならぬということは皆考えているのです。財政投融資は二千八百億くらいのことを考えているだろうと思うのです。そこで新線建設のためにもう三十億くらいーー大蔵大臣その他に御相談になつて、せめて五十五億くらいお出しになつたらどうか。そうするならば去年の工事の半分やれるということになるのです。百十億のところに二十五億の金ではそれは問題にならない。そこで私はもう一つお話をしたい。この三十億というものを今度公債の中から出すとすれば、今年度からその公債の利子をこの三十億の分に対して負担する。そうすると二億ばかりあれば一応この利子を負担することができる。また鉄道の従業員の諸君も一生懸命働いても、損をするような新線にばかり金を投ずるから、おれたちがベース・アップを要求してもくれぬというような恨みもあるのです。従業員に対しても考えてやらなければならないことでありますから、三十億の公債の増発をして——百二十億あるならば百六十億になるわけです。それを要求して新線に三十億増す。そうして三十億の利子は補給してもらう。それは、一兆の中に食い込んでも、何かあるでしようから二億くらいのことに私はできると思う。運輸委員の皆さんもきつと賛成だと思います。そうするならば、勤労者も損するところもやる場合には、国家が協力してくれるんだという気持が起つて来まして、協力態勢もよくできると思う。この二つについて、今即答をお願いすることは困難でございましようが、ひとつじつくりお考えになつて、閣議において何とかひとつやつていただけませんか。これをやらなければ、全国三十線の各地方の関係ある住民は、もし中止にでもされたらむしろ旗ものですよ。最近も、そういうことがどういうふうに漏れたのかしりませんが、私の郷里あたりからもどの線かやめられるのじやないかということを予測して、上京して来ている人も少くありません。これは新線がつくということが一ペん発表されて着工したものが、今年からだめになるということになつた、その住民の心境は察するに余りあります。でありますからそこは大臣の政治的のお働きによつて、そういうことができるとするならば、二億の利子補給と三十億の公債増発、これは財政投融資の二千八百億の中から考えればいいのです。これはひとつおやりになつたらどうです。これに対する大臣の御決意をお聞きしたいと思うのです。
○石井国務大臣 私はその問題をもうすでに持ち出したのでございますが、金がないということでありましたが、ないならば鉄道公債を増してくれ、それができるかできぬかはやつてみなければわからないが、最後にできなかつたらしかたない、できるつもりで努力するが、これはわずかなものであつて、地元の人たちにもよけい持つてもらうように、そこらの銀行の人にもよけい持つてもらうという手もあるだろうからというわけで、いろいろの問題で話し合つたのですが、財政計画上これ以上公社債を出したくないという線で、どうしても聞いてもらえなかつたということが実はあつたのでございます。 それでこの二十五億でどこまでやるかという問題は、それは今おつしやる通りなかなかむずかしいのでございますが、最後のねらいは、再来年に仕事がつながつて行けるように、来年度で打切られないという形において、どういうふうにか、まだほかの方も今の予算を動かさない範囲でやる道はないかということで、なおせつかくこの問題は相談をいたしております。御趣旨はよくわかつておりますから、その心持でいろいろ相談します。
○松浦委員 きようは山口さんの時間をいただいておるので、非常に恐縮でございますから、この次の機会にもう少しお尋ねしたいと思います。この程度で……。
○山口(丈)委員 国鉄総裁にさらに質問を続行したいと思います。さきほど私は、国鉄に対する交通公社の未納の原因は、他の会社にそれが転用あるいは融資されて、焦げ付きになるというようなことから、三年も前から未納の累積が生じたのではないか、こういう質問を私は発しておるのであります。新聞紙上報ずるところによりますと、交通公社の専務理事をやつておつた滝という人、この人が在職中にロマンス社という雑誌社に対して、三億円の融資をしたというようなことが報ぜられております。また日通におきましても、日本特殊産業に対しまして、相当量のものが融資されておるということが報ぜられたのであります。このようなことがあつて、国鉄へ納入さるべき切符の売上げ代金が滞納になつておるということになりますと、これはゆゆしい問題であろうと思いますが、それらの融資をいたしたものがどのような状態に現在あるか、総裁はその最高の責任者としてよく御存じのはずだと思うが、御答弁を伺いたい。
○長崎説明員 先ほど来申し上げましたように、過去に、おきましては延滞の事実があり、また銀行等より借り入れた金だけではないかと思いますが、これは私の就任前のことでございまして、交通公社が一体どういう仕事をしておつたのかしれませんが、その後、この原因についてはすでに御承知のことと思いますけれども、交通公社というのは、実は代売業という収入によつて立つておつたのでありますが、その代売に対して手数料をもらつておつた。その手数料を、当時の占領軍の意向によりまして、払う必要はない、それは旅客に対するサービスであるから、旅客各自から受取りなさいという話だつたそうであります。これは私ただ聞いておるのでありますが、そうだつたろうと思います。それで急激に手数料の収入が全然なくなつてしまつた。これが大体交通公社の収入のおそらく半分以上だつたろうと思います。そこでたいへんだというので、いろいろ資金をかき集めてでありましよう。いろいろな仕事に手を出したようであります。その仕事がうまくいかなかつたというために、そこに焦げつきというものが出て来たことは事実であります。それで国鉄としましても、これをしかしつぶすわけに行きませんので、観光事業あるいは外客誘致というような面で多年つちかつて来た事業でございますから、これをつぶすわけにも行きませんので、いわゆる延納というものを認めたのであります。これが整理については漸次進捗いたしまして、先ほど来申して上げましたように、昨年十月からは、本来の契約にありますように、一箇月の清算期間を置いて全部納まつております。そういう状態にございますが、しかし私考えますのに、旅客の運賃などというものはむしろ日納現金払いということの方が、ほんとうの精神からいつたらいいわけなんでありますが、ただここに公社代売関係、こちらの清算の関係というようなことで手間をとりますから、相当の日時はかかりますが、大体はこの日納というような精神で、そういう方向に行くように専務理事あるいは会長に向つて、口頭でそういう希望を申し述べてありまして、それらの幹部の方々もそれを了として、できるだけそういう方向に早い時期に参りましようというようなことを申しておる次第であります。
○山口(丈)委員 今あなたの答弁の中で、私の就任前であつたというようなお言葉がございました。私は言葉じりをとらえて責任を追究しようとは考えません。しかしあなたは今日まで、こういうような事実があり、そして新聞紙上でこのように騒ぎ立てるまで、あなたは何らこれに対して社会にも公表せず、あるいはまたこれらのものを運輸省にも報告していないということになれば、あなたの責任は私はきわめて重大だと思う。あなたはこのような事態に対してどのような責任を感じ、どのような責任をとろうとされておるのか、私ははつきりこの際答弁を願いたい。
○長崎説明員 先ほども申し上げましたように、延滞の事実がございましたので、それを早く取立てなければならぬということで、いろいろ手段を講じてもらい、整理の方法等も講じさせまして、ようよう去年の十月から延滞がなくなつたという事実であります。
○山口(丈)委員 ただ私はそれだけをもつて、あなたが国の財産を預かつて運営しておられる善良なる運営者とは思わない。そのような事実を知つておりながら、今日までこのような日通の特殊産業に対する融資というものを正常なものだと考えておられるのか、あるいはまた交通公社のロマンス社への融資などを、正常なる融資だなどと考えておられるのか。よしんばこれらのものが、その運営上において資金に困つておる、あるいはこのままで行けばつぶれるおそれがあるというあなたの言葉を一応肯定するといたしましても、このような公金を、いわば私企業でございまするこのような会社が、自由自在に転用して、そうして国鉄に非常な損害を与えておる。それに対してあなたは何らとるべき措置を考えないで、今日まで漫然としておられるということは、私はどうも総裁としては不可解千万だと思う。たといそれが前任者の総裁のときに行われたものであつたといたしましても、それを引継がれたあなたは、ただちにそれらのことに対しては適切妥当なる措置を講ぜられることが当然な話だ。なぜ今日までそれに対する当然の措置を講ぜられないのか、私は疑問でならないから、総裁はこの点はつきりしてもらいたい。
○長崎説明員 日通にいたしましても、交通公社にいたしましても、それは国鉄とは密接な関係がございますけれども、おのおの独立の財団法人であり、会社でございまして、ただ延滞の事実があり、損害を受けるおそれのある場合については、これは取立てについて厳重な措置を講じなければならぬ、かように考えまして、交通公社に対してはすみやかにその延滞を解消する整理の案を立てさせ、それを実行させたのであります。日通におきましても、今日においては何ら延滞の事実はございません。これも厳重な取立てをいたしております。
○山口(丈)委員 昨年の当委員会における答弁においても、総裁はこの交通公社の融資の問題については、その事実はあるという答弁をされておると思う。あなたは肯定されていて、そうしてその元金だけもどつたら、それでその責任は済んだと思つたら間違いだ。損害というものは——あなたのおつしやるように毎日日納でその売上金を納めるのが当然なんで、それを、しかしそういうことでは手数がかかるからというので、一箇月集計をしてしまいに納めて、それが正当な契約上において行われておればそれでいいわけなんです。ところが正当な契約もなしに、半年も二年も三年もそのままほつていて、そして未納金というものは、国鉄に入ればたとえば利子がつくのですよ。その利子もこれは莫大なことになる。それだけでも損害ではありませんか。あなたは口を開けば、国鉄は赤字だから赤字だからというので、満足に仲裁裁定の実施などもしないで、労働者をいびり倒し、あげくの果てにはあなたはこのような行為をやつていて、善良な経営者としての行為をやつておらないで、労働者が今回食えないというのに、その公正妥当な仲裁裁定もしてくれないというので、ああいう行為をしたことに対して、あなたは首まで切つておるじやないか。あなたは経営に対する善良なる経営者としての責任を果さないような行為をしておいて、漫然としてそれで済むと思つておられるのか、私はどうもその点が明らかにならなければ、あなたの行為そのものも私はおかしく思うが、どう考えられるか。
○長崎説明員 お考えのようにも考えられるかもしれませんが、私どもといたしましては、一日も早くそういう延滞の事実をなくするということがわれわれの責任であると考えまして、厳重なる手段を講じ、そうして今回のような正常の状態に返したということでございます。それ以上に会社の内部あるいは財団法人の内部にまで立ち入つてどうするということは、これは注意とかあるいは何とかいうことはできないこともないかもしれませんが、そこまで立ち至らなくても結局——なるほど利子その他におきましては多少のことがあるいはあるのかもしれませんが、いずれにいたしましても、相当の額に上つておつた延滞の金を取立てたということは事実でございます。
○山口(丈)委員 私はこのように世上に騒がれるに至るまで、あなたはただそれを回収することにのみ努力されている。その努力は認めるといたしましても、しかしそれでもつて責任が果せるものではないのでありまして、これらの事態について、あなたはやはり善良たる経営者とするならば、これは全然その損害というものをかけないようにすることが当然であるし、またその監督官省である運輸省に対しては、その事実に基いて報告がされておるはずだと思いますが、その報告は今までどういうことをなさつていたのか承りたい。
○長崎説明員 運輸省にもそういう事実のあることを話してある次第であります。
○山口(丈)委員 それでは監督官省にお伺いをいたしまするが、そのような報告を受けて運輸省はどのような措置をとられたのか。そのとられた措置を承りたい。
○植田政府委員 運輸省といたしましては、交通公社に関しましては、公益法人といたしまして、民法上の監督をいたしておるわけであります。従いまして会社の決算関係のものにつきましては、決算書類につきまして報告は受けております。受けておりますが、その詳しいことにつきましては、実はどういう内容であるかということにつきまして詳しく実は存じておらないわけでございます。昨年来交通公社の内容につきまして、いろいろと問題になりまして、交通公社の内容につきましても、先ほど国鉄総裁からお話がありましたように、延滞納金の過剰等につきまして、極力そういう点につきまして延滞をなすように、また一時期限につきましても延びたおつた点もございますが、これを極力短かくするようにということによりまして、指導いたしておるような次第でございます。
○山口(丈)委員 ただそういう期間を短かくするようにという一片の勧告だけをもつて、私は監督官省の責任をのがれるわけには参らないと思う。そのような一片の勧告だけをもつて事足れりとするならば、これはきわめて無責任だと考えるのであります。もしこのようなことがわかつているのであれば、そうして他から指摘されてこのような事態を引起すようなことがあるのであれば、なぜ未然に監督官省としてしかるべき責任措置をとらなかつたのか。それはどういう理由なのか、もう一度その理由を承りたい。
○植田政府委員 もちろんいろいろと公社の内部につきましての監督と申しましても程度がございまして、私どもとしましては、会社の内部に立ち至つて、明らかにそういう不正があるという事実につきまして、私ども実は存じておりません。昨年来問題になりました点は、先ほど総裁がおつしやいましたように、国鉄に納めるべき運賃の延滞ということにつきまして、それが延滞の事実が過去においてあつた。もちろんだんだんとよくなつては来ておるのですが、過去においてそういう延滞の事実があつた。こういう点が国鉄に対しまして不当な損害を、不利益をもたらしておるのではないかということが問題にまりまして、そういう点のいわゆる改善措置ということにつきまして十分注意をし、またそういうふうな方向に改善をいたしたというふうな次第でございます。
○山口(丈)委員 私はどうも今の答弁で納得が行かないのは、日通であるとか、交通公社であるとか、そのような会社に対して、今あなたの答弁のようなことはできないといたしましても、少くとも国鉄に対しましては、もう少しこれらの問題については勧告なり、あるいはこの国鉄を通してそれらの不正が摘発されるような事実があるならば、あなたは報告を受けておるのであるから、当然その報告に従つて処置さるべきものと思うのであります。ところがそれがされないということになれば、あなたは報告を受けて、ただ監督官省としては判こをついておるにすぎない。盲判をついたにすぎないではありませんか。今の答弁ではどうもそのような疑惑が生れて来る。私はその点をもう一度これは監督官省として明らかにしてもらいたい。
○植田政府委員 先ほども国鉄総裁からお話がございましたように、今問題になつております延滞納金を解消するためにいろいろの検討をしてもらつて、延滞納金をなくするとともに、後納の契約に基きますところの期限ということにつきましても、極力短かくして平常の状態にもどすように、国鉄当局に対しましてもそういうふうにお話申し上げまして、昨年の秋にようやくそういうような状態にもどつた、かような状況でございます。
○山口(丈)委員 昨年の秋から平常な状態にほぼもどつたと言われるのでありますが、しかしまた国鉄総裁としては、平常な状態にもどれば損失はないのだというようなふうにもとられる答弁でございます。しかし私はそのようなことでここ二年あるいは三年の長期にわたりまする延納の損害が、国鉄において少しもないというお考えは持たれないと思う。従つてこれらについては、さらにその延滞の状況の明細書をひとつわれわれに明らかにしてもらいたい。その上でさらにこれについては十分に納得の行くまで質問を発したいと考えます。 次にお尋ねをいたしたい点は、昨年の年末を控えてのあの仲裁裁定を実施する問題に関して紛争を生じ、そうして総裁はそれが単に組合の責任であるという一方的な判断に基いて、その組合の幹部を大量処分されたようでございます。一昨年におきましても同様に年末のあの紛争において、総裁は組合幹部を解職されておる。これはあまりにも一方的な自己陶酔に基きまするところの権力の濫用ではないか。あなたはたといそれが責任者であるといたしましても、今まで国民の財産を預かつてこのようなふしだらなことをそのままに、何らの措置も講じていないと言つてもいいくらいな運用の仕方をしておる。そうしておきながら自分のことはたな上げをして、正当な、自分の生活をどうするかという痛切な問題を、しかもそれは国鉄の従業員全部の問題である。ただ幹部の首を十人や二十人切つたといたしましても、それでものは片づくものではない。明らかに私は権力の濫用であり、人権の蹂躙にひとしいものだと考えるが、あなたはどうお考えになるか、お伺いいたしたい。
○長崎説明員 昨年の年末にあたりまして、仲裁裁定の実施の問題並びに期末賞与の問題をめぐりまして、いろいろな紛争が起きたことは、まことに遺憾でございます。この問題が起りましたとき、どうか違法あるいは非合法な行為のないように、しばしば私は組合側に忠告をいたしたのでございます。しかるに遺憾ながら、非合法あるいは違法と思われるような事例があつて、それに従つて各所において列車の遅延あるいは列車の運行が乱れるというようなことが起りまして、国民の皆様に多大の御迷惑をおかけいたしまして、この点は私も心から遺憾に存ずる次第であります。こういうような違法の問題が起りまして、正常な業務の遂行を阻害する、ひいては国民大衆にたいへんな御迷惑をかけたという事実を、そのままに看過するわけには私として参らぬのであります。これに明らかに公労法に違反をいたしておりますから、これを処分することにいたしたのであります。しかしながら私といたしましては、でき得る限りその責任の所在を明確にし、またその処分の範囲を狭くしたいという意味をもちまして、情においてはまことに忍びないものがございましたが、あのような違法の行為があつた場合にそれを看過するということは、公共の福祉を増進する責任を持つておる国鉄といたしまして、また内部の規律というものを保持して行かなければならない立場において、真にやむを得なかつた次第でございます。しかし決して私はそれを喜んでおる次第でもなく、こういう事態が去年も今年も繰返されたということについては、まつたく遺憾でございます。願わくば今後におきましては、ああいう事態が起らないように、私どもも努力をし、組合の各位にも御努力を願いたいというふうに考えておる次第でございます。
○山口(丈)委員 私は今総裁の答弁を聞いておりますと、総裁自身何ら責任を感じないで、ただ組合にだけその責任を転嫁しておられるように考えられる。この仲裁裁定を実施しなかつた責任は、これは政府にある。政府が予算化をしさえすれば、それでちやんとあのような騒ぎは治まつておるはずです。それを政府がしなかつたから騒いだのであつて、当然の権利として、公労法上認められたことを行つておるのである。それにどこに違法性があるのか。もし違法性があるとするならば、あなたも一蓮托生じやないか。毎年々々労働者の首を切るだけで、あなたの責任が公的に済まされると考えるのは大きな間違いである。自己責任回避ではないか。この点について総裁はどうお考えになるか、もう一度明確に態度を示してもらいたい。
○長崎説明員 仲裁裁定が完全に実施できなかつたということは、私も非常に遺憾に存じます。しかしながら、これは政府の一般財政の緊縮、その他いろいろな点から、そういうふうになつたと私は考えております。国会もこれを御承認になられたのであろうかと拝察するのであります。それであるからといつて、明らかに公労法で禁止してある行為をして、しかもそれが相当重大なる影響を社会の生活の上に、あるいは国民の経済の上に投げかけたといたしました場合、まだその結果、国鉄自体の正常なる業務の運行が阻害されたという場合において、これを看過することはできないと私は考えております。法の命ずるところに従つて私は行動したのでございます。
○山口(丈)委員 あなたは何でも自分から進んでその責任を明らかにするということをちつとも言わない。ただ法だ、何だ、社会だと、第三者にばかり依存をして、あるいは給与総則だ何だと言つておる。給与総則のあることは、われわれもよく知つておる。しかし給与総則を変更することは、これは政府の手でできるはずです。それをせしめる雅量がなかつた、自分でそれをせしめるのいわゆる徳がなかつたとすれば、あなたはどうお考えになるのですか。自己の不明も当然一蓮託生の責任として負うべきではないか。あのような騒ぎを引起したのは、そのようにあなたの不明もあるわけです。その上でならばともかくとして、あなたも違法行為ではないですか。どうお考えになつておるか。ただ社会や給与総則やあるいは公労法だとか、第三者にたよつて自己の責任を回避しようとするがごときことは、これまたあなたは善良なる経営者じやないと私は思うが、あなたはどうお考えになつておるか。
○長崎説明員 私は公労法第十七条、第十八条の規定に従つて行動したのであります。
○山口(丈)委員 公労法によつて行動したと言われますけれども、そのような責任をやはり組合に負わせるのであれば、あなたも社会上、道義上の責任として、当然責任があるのじやないですか。それをあなたはどのような責任を明らかにされたのですか。労働者の首を切ることだけでもつて社会的に責任が明らかになつたとお考えになつておるのですか、もう一度承りたい。
○長崎説明員 私は公労法の厳然たる規定に従つて行動してそれでよいと思つております。
○山口(丈)委員 どうも総裁の答弁というものは、実際に自分だけは何らのきずもない、何らの責任を問われることもなく、金瓶無欠の事柄をやられておるというふうな感じを受けるわけです。社会に対して少しもわびるという気持がない。これはどうも変だと思うのです。あなたはやはり最高の責任者として、これだけの騒ぎを起したことに対しては、この公的な委員会を通じてでも、天下にその不明をともにわびなければならぬものと私は考える。しかるに自分の行為一切は、何だかんだと言つて第三者に負わせて、それで済むとあなたは思つておられるのですか。私はあなたの道徳的道義心を疑う。その面からあなたはどうお考えになりますか。
○長崎説明員 そのことについては先ほど私申し上げたつもりでございます。ああいう事態を引き起して国民各位に御迷惑をおかけいたしましたことは、きわめて遺憾であるということを申し上げたはずであります。もし申し上げてなかつたとすれば、この機会に本委員会を通じまして、国民各位に深い遺憾の意を表します。
○山口(丈)委員 深い遺憾の意を表するということだけで、このような重大なことを簡単に処理できるのだつたら、これは権力者としてあなたはたいへんなまあ偉い人だと思うのです。国鉄を運営するという責任を負託されておりますあなたは、口を開けば公共性公共性ということを言われる。あなたは国民の負託によつて国鉄の運営を委任されておるのです。従つて最も公平な立場においてこの運営がなされなければならない。そうすればただ通り一ぺんの、ああした事態を引起してまことに申訳ない、心からわびるということを申しても、それで事が済むものではない。この際私の要求するのは、そういうこととともに、あなたはどのように政府に働きかけてどのような努力をしたけれどもこうであつたというふうな、いわゆる政府に対する責任の所在を少しも明らかにされない。奇怪千万と言わなければならぬじやないですか。それであなたが首を切られた立場になつたらどうしますか。私は今首を切られておるのじやない。けれども、今日われわれは働かなければその日の生活ができない。その働く道が断たれるということは、それ自体労働者にとつては死刑の宣告だとあなたは思わないのか。あれだけの社会に対する損害を与えておいて、そうして自分はいいのだから、公労法の根拠によつて労働者を首切ればそれでいい。何ら政府に対する努力の点についても、国民に納得の行くようなことを言わぬでもいいのだ、こういうふうな考えなんですか。あなたの今の答弁というものは、私はきわめて不遜な答弁だと思いますが、あなたは今の心境ではどうお考えになるか。この責任から行けば、即座に首切りを撤回される意思がないか、もう一度私ははつきり承りたい。
○長崎説明員 私は今日の心境とか、そんなことでなしに、十分に熟慮をいたした結果とりました処分を撤回するつもりはございません。
○楯委員 今処分問題について山口委員から関連質問を許されましたので、二、三問題の原因を明らかにしたいと思います。 第一に総裁にお伺いしたいことは、一体今度の十八名の馘首は、政府が処分をせよと言つたのか、あるいは総裁みずからの意思によつて処分をされたのか、その点をまずお伺いしたいと思います。
○長崎説明員 御承知のように昨年の年末の闘争は、全公企労協というような形でありまして、共同闘争であつたというような関係上、処分についての方針その他については、運輸大臣を通じまして関係閣僚に御相談を願つたのであります。しかしながら実際にだれをどういうふうに処分するかというふうなことにつきましては、これは国鉄独自の見解によつて、独自の資料によつて決定したものであります。
○楯委員 そういたしますと、政府ではなくて、国鉄の発意に基いて十八名を処分した、こういうふうに受取つてさしつかえないわけですね。
○長崎説明員 発議といつて、別に十八人の名前を連ねて御相談を申し上げたのではなくて、ああいう事態であり、こういうふうな事実もあり、こういうふうな事実もあるので、処分はやむを得ないであろうということは御相談を願つたのであります。個々の処分というものについては、何ら発議とかなんとかいうようなことでなくて、独自の見解で決定したのであります。
○楯委員 どうも私の質問からずれております。私は今度の処分について、政府が処分をせよと言えば別でありますが、総裁には処分権がない、こういうふうに考えておるわけです。これはほかの日鉄法の三十一条あたりは別でありますが、公労法によるところの処分権は総裁にない、そういうふうに考えておるので、この点をまずはつきりされたい。政府が処分をせよと言つたからやつたのか、あるいは国鉄みずから処分をしたいから政府の許可を受けたのか、この点をはつきり御答弁願いたい。
○長崎説明員 私は処分の必要があると考えましたので、運輸大臣には御相談はいたしましたけれども、私の発議でなくして、私独自にまかされまして、私の見解で処分をいたしたのであります。
○楯委員 今そういう総裁の答弁でありますと、山口委員との論争がはつきりして来ると思います。私どもは常識的に考えまして、あなたに処分権はないと思う。いわゆる三十五条でございまするが、これに拘束をされておりまするので、もしそれを完全実施をしなかつたことにおいて組合がああいう問題を起したということになりますれば、当然あなたが完全実施を実現し得なかつたという不能から私は来ておると思う。その自分の責任をたな上げにしておいて、当事者の一方を処分するということはあり得ない。この点が私は山口委員がついておる点だと思いますが、こういう公労法との関連における総裁の見解について伺いたい。
○長崎説明員 私は私に処分権があると信じております。
○楯委員 これは水かけ論になると思いまするが、しからば年末闘争のよつて来つた原因はどこにあるか、この点をお伺いしたいと思います。
○長崎説明員 原因と申しますか、何と申しますか、それは仲裁裁定の完全実施をせよと迫つたわけでございまするが、これについてはいろいろの制限がありまして、資金上、予算上云々というような規定もございます。いろいろな場合がございます。それをやらないからといつて違法の行為をするということは、私は許されないと思います。
○楯委員 私は国会へ来ましてから一年間の運輸委員会において、総裁自体が、たとえば先ほど委員会で問題になりました新線の建設の問題にいたしましても、この国鉄の赤字では新しい線路というものは建設できない、もう国家支出を受けなければやつて行けない、あるいは利子の補給くらい何とかしてもらいたい、あるいは運賃の面につきましても、いろいろ社会政策上の面から低運賃でやつておる、ここらも何とか考えてもらいたい、こういうことをあなたとわれわれ委員の間で繰返し繰返し言つておるではありませんか。これが悪いと知りながら今日まで是正をされなかつた罪というものはどこにあるか。労働組合が負うべきものではないと私は思う。当然あなたがその欠陥を是正し得なかつた責任を負わなくてはならない、こういうふうに考えます。 それからいま一点は、公労法が制定をされましてから、すでに四回も五回も仲裁の裁定が出た。お互いにこの公労法の仲裁裁定というものはこれではいけないと言いながら、数年間過して来たわけであります。もしこの公労法の仲裁委員会の裁定というものが不合理であるとするならば、当然これを是正すべき責任は、これは労働組合にはない。総裁自身、あなたの責任であるということが私は言えると思う。その二点をあなたは今日に至つても改めることなくして、この原因によつて起つたところの紛争を組合の責任のみに負わせるということは、山口君が指摘をしておるように、あなたは道義的にも法律的にも責任を感じない態度であると私は考えておるのでありますが、この点についてどういうふうにあなたは考えるか、もう一回御回答を願いたいと思います。
○長崎説明員 あとの公労法の改正の問題につきましては、しばしば論ぜられ、またたびたび意見も述べられるのでありますが、これは主管官庁たる労働省におきましても考えておられるようであります。 それから国鉄財政の健全化ということにつきましては、私は始終これを念願してやまないのでありまして、たとえば新線建設の利子補給の問題等につきましても、あなたはまだ実現ができないじやないかとおつしやいます。まさにその通りであります。しかしながら当初よりも大分御理解をいただけるようになつたように私は思つております。なおさらに一層深い意味での国鉄の財政上の自主性というものの確立については、今後さらに一段の努力をしなければならぬ点があると存じております。これらにつきましても、われわれの説明、ないし御理解を得ることにおいて不十分な点が多々あつたと存じますが、今後一層の努力を傾けまして、できる限り早い機会に国鉄財政の自主性というものを確立して参りたい。これが私は、やはり労働問題の解決にあたりましても、最も根本的な点ではないかと思つておりますが、何分にも日本全体の情勢なり、あるいは国鉄に対する何と申しますか、従来とも、ことに戦前等におきましては、相当に強力な態勢にあつた関係もございましよう。いろいろな関係から御理解を深めるのに困難がございます。また専門的な部面も多く、きわめてわかりやすいようではありますが、しかし非常に理解の困難なところもあるというようなことで、今後一層私は、ことに国会の皆様の十分なる御理解を得まして、国鉄財政の確立という方面に一層の力を尽したいと考えております。
○楯委員 総裁の答弁を聞いておりますと、毎年々々同じ答弁であります。しかしこれは昨年起きた問題ではない。すでに公共企業体に国鉄が切りかわつてから起きておる問題であつて、もう二年も三年も、毎年々々繰返しておる問題であります。総裁自体の立場からいえば、理解をしていただきたい、あるいは改正をしていただきたい、こういう泣言を並べておれば済んで行くかはしりませんけれども、組合の責任者は、そういうふうには参りません。片方では首切られて処分をされて行く、そういう状態である。あなたは、いろいろな困難はあるでしようけれども、こういう事態が今後起らないとするならば、勇気をもつてこの欠陥を是正しなければならない。これが是正し得ないとするならば、幾らあなたが泣言を並べても、この責任はどう考えても総裁にある、こういうふうにしか私はとれないわけです。これはあなたも当然この半分の責任を負わなくてはならない、こういうふうに私は考えるから質問を申し上げたわけであります。 なお私は具体的に一つ指摘したいと思いますが、国鉄の予算書をごらんなさい。すでにまた紛争の起ることが予期されております。それは期末手当で、公務員に二箇月、国鉄の職員には一・七五というふうに予算案には計上をされております。あなたはいろいろなことを今ここでおつしやるけれども、すでに紛争が予想されるところの予算案ですら直し得ないではありませんか。そういういいかげんなそのときばつかりの答弁では、今回に限つては承知できない。この点についてもう一回御答弁願いたいと思います。
○長崎説明員 最後に御指摘になりました期末手当の問題は、これは昨年も同様でございます。今年はぜひ公務員並に持つて行きたいと思いましたが、しかし原則として三公社については、業績による報償の制度もあることであるからという意味で、やはり差別をつけられておるというのが実際の状況であります。
○楯委員 そういうごまかしを言つてはだめだというのです。業績制度云々というようなことは、すでに前の国鉄法にはつきり出ている。今始まつたことではない。そんなことは答弁にならないと私は思う。あなたはあれだけの苦い経験を繰返しながら、今簡単に私が指摘した一つを見ても、この処分をしたそのかわりとして、将来こういうことのあり得ないようにということをおつしやつておるのでありますが、解決されていない。従前通りである。私は先ほど運輸大臣にお伺いしたいと思つたのでありますが、あれほど新線建設の問題を繰返して、利子の補給すらもらえないじやないですか。たつた五億ばかりの利子の補給すら、あなた方は国鉄に融資をしてもらうことができない。そういうような無気力な等閑なことで、どうして国鉄の労働組合に納得をさせ、協力を求めて行くことができるか、総裁にはこの点を十分に考えてもらわなければならないと思うのであります。あなたはそこでそういう答弁をしておられれば済んで行くかもわかりませんけれども、われわれの話を闃く大半の人は、非常に不可解な念を抱いておると私は思うので、ひとつこういう点をもう少し十分に反省をして考えてもらいたいと思います。 それから処分問題についてあと二点ばかり聞きたいと思いますが、昨年の暮れの争議は、いわゆる九公労が一体となつて同一戦術のもとに行われました。しかるに国鉄のみ、同じ戦術をとつておつた諸君に対して処分をする。私はよその官庁では処分ということを聞いたことはありませんが、こういう片手落ちの取扱い方を、しかもあなたの手でなぜされるか。こういう他との関連についてお伺いしたいと思う。
○長崎説明員 他の官庁においてどういう処分を考えているか、またどういうふうに争議が行われたかということについては、詳細にいたしません。私は私の責任の範囲内において、ああいうふうな処分をすることが妥当なりと考えて処分をしたのであります。
○楯委員 今、あとの方をちよつと聞き取りにくかつたのでありますが、結局国鉄はその影響するところが大である、そういう意味において処分をされたのですか。あなたの処分をしたという発意に対する基準というものはどこにあるか、他に比べて影響が大きいというところにあるのですか。
○長崎説明員 他に比較してということでありますと、他をよく知らなければなりませんが、他においてはどういうふうに争議が行われましたか、私はつまびらかにいたしません。しかし自分の責任にある国有鉄道としまして、社会的に、あるいは国民大衆に対して多大の御迷惑をかけたという重大な点に目をつけまして、処分のやむを得ざるに至つたのであります。
○楯委員 昨年の暮れの闘争というものは、どういうふうに考えてもこれは公労法の欠陥である、私はそういうふうに考えておる。だから、なるほど国民多数の方に迷惑をかけたという点については、われわれとしましても遺憾に考えているわけでありますが、公労法の欠陥である以上、あの争議に基いて、公労法の改正をして行くなり、あるいは先ほど申し上げましたところの国鉄の欠陥というものを是正して行くというように、いわゆる災いを転じて福となすというような方向をとらなくてはならないと私は思つております。 ところが、先ほどから申し上げておりまするように、あなたの方では何らそれがとられていない、期未手当についてもすでにでこぼこがある、こういうことではあなた方の努力というものを私ども買うわけには行かないと思つているわけであります。あの年末の争議が国民多数に非常に迷惑をかけたということをおつしやつているようでありまするが、あなたが十八名を処分して、それで組合が沈黙をして何ら事をなさないというふうに、あなたは断定をされているのかどうか、お伺いしたいと思います。あなたには、国民の大多数に迷惑をかけたから処分をされたという考え方が相当入つていると思いまするが、あなたが十八名を処分されて、それで国鉄は今後円満に運営をして行くことができるかどうか、もうああいう争議は何ら起らないのだという確信がおありになるのかどうか、御回答を願いたいと思います。
○長崎説明員 私は、ああいう争議を今後とも繰返して行くということは極力避けなければならないし、絶対ないようにいたしたいという念願を持つております。従いましてこれをどういうふうにしたならば、そういうことの可能性が生れて来るか、あるいは少くとも曙光だけでもいいから、何か生れて来るかということを非常に苦慮しておるのでありまして、つきましては、これは私だけが一人で考えておつてもしようがない問題でございますから、組合の幹部の各位とも今後において隔意のない意見の交換をいたしまして、従来のような確執が起らないように、争議が起らないようにするためにはどうしたらいいか、公労法の改正というような問題もありましよう。いろいろな問題がありましよう。またこれはきわめて困難な問題であろうと私は存じます、しかし、ぜひそういう方向に持つて行きたいというふうに実は今日考えておるのでありまして、そういう方に一歩なり二歩なり前進して行きたい、かように考えております。
○楯委員 あなたは一歩なり二歩なり前進をすればいいのでしようけれども、組合の幹部は首を切られて困つておるという状態を、もう少し真剣に把握しなければいけないと思います。それから当局が言を左右にいたしましても、国民大衆に迷惑をかけた、従つて処分をする、そういうことが大きな原因になつておると私は考えておりまするけれども、今日の国鉄の労働組合は、十八名を処分したあとで、円滑にあなたの言う通りにやつて行くというようなことは考えられない。処分をすることにおいて再び国民の大多数に迷惑をかける、そういうふうに私どもは予測をしておるわけでありまするが、そういう考え方に立てば、この処分は当然不当であるし、やるべきではなかつた、こういうふうに考えておるわけであります。それから私どもが処分の十八名について非常に不可解に感ずるのは、どういう根拠に基いて十八名を処分されたかということであります。昨年の年末闘争には、全国二十幾つかありまするところの地方本部が、一斉にあの闘争に参加をしておるというふうに聞いておるわけでありますが、その中から特定の地域を選んで処分をした、これはどういう根拠に基くものであるか、簡単に概要を説明していただきたい。
○長崎説明員 先ほども申し上げましたように、実際の事実につきましてよく綿密な調査をいたしまして、今度現われましたような諸所においては、相当影響の大きい、また場所によりますと不法な行為のあつたところもございます。さらにはそのやり方等においても格段の相違があるというふうな観点から、しかも私としましてはでき得る限り処分者を少くしたいという見地から、かような発表がされたような結果になつた次第であります。
○關内委員長 楯君、あなたの御発言は関連ですから、あなたの順位のときに詳細にお尋ね願いたいと思います。
○楯委員 それではいま一点、これに十八名の処分を見ると、中闘が四名、その他地方ということになつておりまするが、今までの慣習から行けば、おそらく指令を出した責任者が処分をされる。こういうふうに私どもとつておつたわけでありまするが、指令を地方へ流した、なおこれを受取つた地方の責任者まで処分をしておる。これは私は、当局の権利の二重行使である、こういうふうに考えておるわけでありますが、この点について御回答を願いたいと思います。私の質問はこれでやめて、あとまだたくさんありますから、私のときにやります。
○長崎説明員 違法あるいは非合法の行為を指令して、その指令に従つてやはり違法の行動をする場合において、指令者が違法であるばかりでなしに、実際に行動した人も違法であります。従いまして全部これを処分するという解釈もございますが、これはおよそ非常識な問題でございまして、指令者は指令者としての責任を負う、同時に下部におきましても、その指令を受けてさらにその下部に自分の見解で指令を発しておるという者もございます。また実際の行為を見まして、はなはだしくらちを越えておるじやないかと思われるような者もこざいます。それらを彼此勘案いたしまして、重い者について処分をしたわけであります。
○山口(丈)委員 青野氏から発言があるようでありますし、委員外からも発言を希望されておるようでありますから、私の質問はあすお許しを願うことにして、これら二君の発言をお許し願いたいと思います。
○關内委員長 青野武一君。
○青野委員 私は委員長に一つお伺いしておきたいと思います。それに先ほど同僚議員からいろいろ造船疑獄なり国有鉄道の経理の内容について、あるいは十八名の馘首問題について御質問がありましたが、委員長から聞きますと、明日の午後と来週の火曜に運輸委員会があるそうでありますから、その際は特に石井運輸大臣と長崎国鉄総裁に御出席を願いたいということを要望しておきますが、先ほど鈴木委員が犬養大臣に御質問になり、冒頭にきのうの議院運営委員会の理事会の申合せによれば、日本の行政全般にまたがるいろいろな問題を審議する特別委員会の行政監察委員会は、今保全経済会の問題を取上げて、いろいろ審査をし、調査を進めておりますが、そのほかの常任委員会なり特別委員会、特に常任委員会の運輸委員会あるいは決算委員会、予算委員会、法務委員会等で幾多の疑獄事件を扱つておることは、事が検察庁の手に移つておるときに、同僚議員を証人にして喚問をして証言を求めたり、あるいは検察庁と同じような行き方をすることは行き過ぎであり、不穏当であるから、こういうことはやめようではないかという各派が理事会を開いて話がまとまつたような新聞記事が、咋晩の夕刊と本日の新聞に出ておりましたが、それは間違いで、正副議長に正式に申し入れ、菅家議運委員長にも午前中に会いましたが、私はその理事会に出ております。行政監察委員会以外の常任委員会でこういう問題を取扱うことは、少くとも議運の理事が五、六人で寄つて決定する権能はない。各委員会の自主性を尊重して、その委員会の委員諸君が希望するならば、それは国政上何をやつてもさしつかえないことである。もしそういう必要があれば、議運の理事が所属する政党に持つて帰つて、国会対策委員会なり代議士会なり、重大な問題は両院総会、中央執行委員会等にかけて、党としてどうするかということを協議することが当然である。ただ人から聞いた、新聞の記事に出た、こういううわさがあるという程度で、人を政治的に見殺しにするような、たとえばその人の将来に大きな影響を与えるようなことは、厳に慎まねばならないという意見は出ましたが、昨日の議運の理事会では、鈴木氏が御発言になつておるような何も決定的な申合せはしておりません。本日私の党から文書をもつて新聞記事の内容が、発表した委員長の談話としては大分中身が違うということの抗議を申込みに行きましたときに、副議長のお話を聞きますと、議長とともに運輸委員長、決算委員長、法務委員長に個別においでを願つて、いろいろ懇談をしたということを聞いております。時間がありませんからその内容を聞いておりませんが、正常なる委員会の運用、付託されておる法律案、予算委員会なら予算案等をそつちのけにして、こういう問題のみを宣伝価値百パーセントとしていろいろな面で自己宜伝をするために、法案そのものを度外視してそれのみに集中することは、これは多少考えなければなりませんが、議長、副議長と關内委員長がお目にかかつたときにどういうお話が出たか、これは非常な誤解を生んでおります。臭いものにはふたをさせる、どろ試合になる、特定の人間が政治的に圧殺せられて行くことは見るに忍びがたいというようなことで、文字通り臭いものにふたをするというような、国民にそういう感じを持たせることは――この際一時国会として議員諸公が多少窮地に立つても、一度メスを入れた以上は最後までこれを追究して、国民の前にその真相を発表することが当然である。司法当局の手に移つたところまではわれわれは言及することも手を延ばすこともできませんが、議会として関係のあるものは、運輸委員会であろうと決算委員会であろうと法務委員会であろうと、その委員会の自主性によつて当然やつていいこと、しかもそういうことをやらないということをきめることは、各党自身が機関に諮つてきめるべきものであるという話で、何もきのうの議運の理事会は結論を得ておりません。またそういうことを決定する権能もわれわれは持つておりません。そこでいろいろ疑惑を生んでおりますが、運輸委員長は正副議長にきのうお目にかかつたときにどのようなお話があつたか、また当然この委員会で取上げられると思います造船疑獄の問題等についての審議に対して、委員長のお考えを私はこの際承つておきたいと思います。
○關内委員長 青野君のただいまの御意見はまことにごもつともであります。昨日正副議長に会いました際にも、私はその程度のお話をいたしたのであります。さらにまた造船疑獄につきましては所管事務でありますので、本委員会におきましては活発なる論議がかわされるということを御承知おきを願いたい、こういうふうにして参りました。それ以外のことは何にも申しておりません。
○青野委員 先ほど法務大臣が御答弁になりましたときに関連質問でもしてみたいと思いましたが、明日以後そういう時間がございますので御遠慮申し上げましたが、佐藤検事総長が外航船舶の補償あるいは利子補袷等について、その当時の運輸委員を内査中である。運輸委員の内査中ということになりますと、衆議院の当時の運輸委員全体か、参議院まで波及するのか、その点は明瞭ではありませんが、とにかく何らかの形で内捜査をしておることは事実だろう。事実でないことを検事総長ともあろう人が言うはずはありません。 そこでこういう何か政党の大幹部から運輸委員会の審議権まで制約を受けて、うやむやになつて行くこと自体が疑惑を深めるのですから、今委員長のおっしやいましたように明日以後開かれる運輸委員会では、できるだけ人の名誉を毀損しない程度に、徹底的にそういつた問題の追究をしていただく、私も微力ながらそういう方針で行きたいと思いますので、その点をあらかじめ申し上げておきます。
○關内委員長 了承いたしました。 この際お諮りいたします。委員外議員より発言を申し入れられておりますので、この際許可したいと思いますが御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○關内委員長 別に御異議がないようでございますから、許可することにいたします。佐瀬昌三君。
○佐瀬昌三君 私は電化問題について簡単に運輸省当局と国鉄総裁にお尋ねを申し上げておきたいのであります。 国家財政予算あるいは労働問題等における悪条件のもとに、当局がわが鉄道交通政策の完遂のため、また公共福祉のために善処努力されておることに対しましては深く敬意を表するのでありますが、さらにこれが完璧を期する上において、私どもは年来東北本線の電化と常磐線の電化の達成を当局に要望して参つておるのであります。幸いに運輸大臣もまた国鉄総裁も、前国会における委員会において、この沿線県民あるいは議員待望の東北本線の電化及び常磐線の電化が、近くその実行の緒につくやの言明も得まして、非常な喜びをもつて今日に及んで参つたのでありますが、昭和二十九年度の政府関係機関予算を今回提出されたものについて拝見いたしまするところ、あたかもこの待望に沿うがごとくに、電化設備費として七十八億一千五百六十万円かの予算が計上されております。私どもはいよいよ浜松を起点とした東海道線の電化がこの予算によつて完成すると同時に、今申し上げました東北本線なり常磐線の電化がやはり実行に移されるものであろう、かようにこの予算の上に立つて非常に期待しておるのであります。幸いに緊縮予算の中にあつても、この電化設備費については前年度予算に比較すれば若干の増額が認められておるということでありますがゆえに、私どもはぜひこの予算を生かしていただいて、常磐線と東北本線の電化に幾分なりともこれを傾到して実行していただきたい、かように考えておるのでありますが、この予算書の八十三ページの説明によりますと、この予算に対しては「浜松姫路間及び山手貨物線の電化設備等に必要な経費である。」かような説明に相なつております。 そこで私のお伺いいたしたいのは、この「等に必要な経費」とされて計上されたこの予算は、浜松・姫路間及び山手貨物線の電化だけでなくして、当然東北線及び常磐線を含めた電化設備費であると、かように解釈してさしつかえない、またさように解釈するのが当然ではないか、かように私どもの立場から解釈いたしておるのでありますが、運輸省当局及び国鉄総裁においても県民多年の要望にこたえて、いよいよこの予算を盛られたのだ、従つて等という意味の中には、今私が解釈いたしておるように東北本線と常磐線の電化を含むのだというふうな御解釈をとり、またその措置に出たものであるというふうな言明を、ぜひこの機会を得て安堵いたしたいのでありますが、この点に対する当局の責任のあるお言葉をひとつ伺つておきたい、かように考えて、あえて委員外の質問をお願いいたした次第であります。
○長崎説明員 鉄道電化に対する東北本線並びに常磐線沿線の皆さんの非常に熱心な御希望、これはしばしば私どももそれらの方々に接触いたしまして、深く感じておる次第でございます。むろんわれわれとしましても、しばしば申し上げておりますように、わか国の鉄道といたしましては、北方の幹線を強化しなくちやならぬ、東北本線、常磐線あるいは羽越線、奥羽線というようなものにいろいろな施設をしなければならない。これは北海道に対する関係を見ましても、また東北日本あるいは西部は遠くは大阪方面にまでも影響を及ぼす大きな問題でございまして、これが強化ということは焦眉の急務でございます。ただいま佐瀬先生から申されました等というような字は、実はそう深い意味に私ども考えておるわけではございませんけれども、しかしそういうような実際上の問題からいたしまして、東北並びに常磐線の電化というものも一日も早く手をつけて参りたい、かように私は考えておりますので、私の今日の心持といたしましては、非常に急がれる問題でございますから、これは予算等の使い方あるいは予算の模様等にもよりますけれども、できるだけ早い時期に、言いかえますれば、来年度の終りごろには何か手をつけて行きたいものだと、かように私は考えておる次第であります。
○佐瀬昌三君 どうもありがとうございました。なるべくさような御方針のもとに、一日もすみやかに着手せられんことを、一同にかわつて切望して、当局の善処をお願い申し上げます。
○關内委員長 残余の質疑は次会に譲ることといたし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十二分散会