運輸委員会 第3号
- 発言数
- 17 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1953/12/24
会議録
○關内委員長 これより開会いたします。 定点観測に関し調査を進めます。質疑の通告がありますので、これを許します。岡田五郎君。
○岡田(五)委員 定点観測についての必要性云々の質問につきましては、同僚議員から詳細にわたりまして質問せられ、政府委員からも応答がありましたのでいたしませんが、ただ一点だけお伺いいたしておきたいことは、去る二十二日気象学会——私は、おそらく気象関係の権威者がお集まりになりまして、あらゆる角度からご検討になる学会であると考えるのでありますが、この気象学会を二十二日お開きになりまして、その席において、気象学会として定点観測の継続の必要性を決議されたかのように仄聞をいたしておるのであります。私立ちは今まで政界において、特に国会において、また経済界その他の方面におきまして、定点観測の必要性を痛論しておられるのを承り、また見ておるのでありますが、かような気象界における権威者のお集まりの学会において、その必要性を論議せられたかのように仄聞いたしておるのでありますが、さような事実がありやいなや、また学会においてどういうような結論が出たのかということも、一応この機会に承つておきたいと存ずるのであります。
○和達説明員 去る二十二日に気象学会の臨時総会が開かれまして、その席上、定点観測が今回休止もしくは縮小されることにつきまして、決議文が議決されたのであります。その決議文をつくりますこと、またその決議文の処置につきましては、小委員会がつくられまして、現在ではほぼそれができ上つておりますが、まだ発表いたしてはおりません。私はその会員の一人でございますが、また小委員会の委員にもなりましたので、大体の意向は存じております。つまり世界の三分の二を占める海洋の気象観測というものが、気象にとつていかに重要であるかということは言うまでもない。特に近年の気象学は世界全体を対象として、その大きな大気の循環を知る、また天気予報を数字的に行うという方向にも進んでおりますのに、海の上の観測、特に高層の観測が減ることは、学術的に非常に痛手である。これはまた単に純学術的だけでなく、気象の業務にとつても、日々の天気予報、一般大気の構造を知るといつたことに不便である。ことにわが国は気象が複雑で、気象の災害が多いから、こういう定点観測はぜひすみやかに再開して、そして研究が頓挫し、気象業務に支障を与えられることがないように望むという趣旨で発表されるものと私は存じておるのであります。
○岡田(五)委員 これはあるいは質問になるか希望になるか存じませんが、一応私の意見を述べさしていただき、また希望を述べさしていただきたいと思うのであります。 私、幸いにいたしまして十年ほど前、外国へ二年ばかり行つておつたのでありますが、その節日本から送られた新聞紙を見まして、こんなに災害の多い国が世界中にあるかと思われるほど、毎日のように天災地変が大きな三面記事となつて出ておつたのであります。これはもう私からかような経験を申し上げるまでもなく、私たち身近にその災害を見聞し、体験いたしておるのであります。かような四面海をめぐらした四つの島国であり、山の非常に多い国でありますから、気象が非常に重要であることは申すまでもない。特に海洋における気象観測の必要性は、私のみならず国民の大多数の方が痛感しておられることと私は信じて疑わない。従いましてこの海洋における気象施設の拡充教化こそ、いわゆる日本の天災地変の予防に不可欠のものであると痛感するのであります。かような見地からいたしまして、数日来国会におきまして、各委員会におきまして痛切にその必要性を論議せられたことはもつともであると考えるのであります。かような見地からいたしますと、科学者であり、りつぱな学者としての台長の立場において、いろいろ予算獲得の政治的折衝、その他の事務的な煩雑さにつきましては、多少重荷であるかとも私は御同情を申し上げるのでありますが、どうかこの四面海をめぐらした日本の平和な国民生活を確保いたしますのに不可欠であり、最も必要であります海洋気象観測に対する予算獲得について、国家的責任感と国民的責任感とを持つて、最善の努力を払われんことを切望いたしまするとともに、私たち国民の代表といたしまして、国会に議席を持つておりまする一員といたしましては、私は微力ではございますが、最善の御協力、また力を尽したい、かように考えるのでありますが、台長のこの辺に対するお覚悟のほどがどの辺にあるかということを、言葉の端からも私たち察知いたしたいと存じますので、そのお覚悟の一端をひとつお漏らし願えれば、非常に幸いであると存ずる次第であります。
○和達説明員 ただいまはまことに御理解のある御激励をいただきまして、感激にたえません。申し上げるまでもなく、わが国は気象災害の多い点については世界第一とも申せると思います。私ども気象の業務に従事しておる者はこの点を常によく認識いたしまして、一生の仕事としてわが国を気象災害から守り、それに少しでも力を尽したいと念頭し——これは私一人ではございません。全職員がその意気に燃えて今日まで、終戦後の非常に困難なときも一日も観測をやめず、予報もとめずに参つて折るのであります。ただ私どもの力がいまだ十分でありませんので、このわが国を気象災害から守るという点にるきましては、まだ世の要望におこたえするには十分とは言い切れないところに遺憾の点もございますけれども、われわれは今後できるだけ研究をし、業務にいそしんで、お話のようにわが国を気象災害から守り、災害の防止軽減のためにできるだけの努力をするということを、全職員の意向とともにここにお答えしたいと思う次第であります。
○關内委員長 關谷君。
○關谷委員 簡単にお尋ねしてみたいと思います。いろいろこのような資料をいただきましても、しろうとが考えますとピンと来ません。そのために、そういう具体的な実例を示していただきたいと思うのでありますが、この定点観測がなかつた場合に、商船なり、かつての海軍なりが台風の中心へつつ込んで行つた、これはこういう定点観測があつたならば、災害を免れることができたのだ なおまた昭和二十二年以後定点観測をやつたために、そういうことは絶無になつたのだ——絶無ということはないでしようが、なくなつたということについて、以前にそういう具体的な例があつたかどうか。あつたのならばその具体的な事例を一つでもけつこうでありますが、示していただきたいと思います。
○和達説明員 戦争中に海軍の船が相当多数三陸沖におきまして、台風のために多大の損害を受けたことがございます。これらも定点観測がございますれば、よほど状態が違つたと私は思う次第であります。その他海上におきましては、普通は移動しておる船舶からの材料でありますが、定点は固定しておるところから常に正確な観測が参るのでありますから、海上に対する警報などは正確度が非常に大きいと存じます。それゆえにそういう事例をあげることはできるのでございますが、ただいまそういうようなことにつきまして資料もございませんので、後ほどつくりましてお渡しすることにいたさせていただきます。
○關谷委員 そうしますと、以前にはそういうふうなことがたびたびあつたが、この定点観測を開始して後にはそういうふうなことはなくなつた、こういうふうに解釈してよろしゆうございますか。
○和達説明員 その通りでございます。
○關内委員長 山口丈太郎君。
○山口(丈)委員 私は一、二点ちよつと気象台長に尋ねたいと思いますが、聞いておりますと、なるほど学説あるいはそれに伴う技術というものは、この災害国でいろいろ研究をされて、日本の気象学あるいは地震等、すべての気象学については世界的な権威者あるいは世界的な学者が多数おられると私は思うのであります。しかしいかにりつぱな学説を立て、いかにりつぱな技術者を持つておつても、その技術あるいは学説を十分に活用して、災害を未然に防ぐためには、それに伴う高度な設備が必要ではないか、こういうふうに私は考えるのですが、そういう意味から申しますと、今の気象観測に必要な近代的な設備にも事欠くから、従つて気象台長が今まで御答弁なさつているように、よい技術は持つていて、世界的ではあるけれども、しかし予報なども百パーセント的確に的中率を確保することが困難だ、こういうふうに私はとるのであります。一体総体的に見て、今の定点観測はもちろんその施設の一端として最重要でありますが、それと同時に、今日のこの気象観測設備については、なお相当の改善を要する向きがあると私は考えますが、気象台長として、あなたがほんとうの日本のこの気象観測に責任を持つというためには、自分の技術だけではなくして、それを生かすための設備については一体どういうふうにお考えになつておるか、一応承りたいと思います。
○和達説明員 ただいまは日本の気象業務をやつておる者にとりまして、世界一とまでおほめをいただきました。私どもは決してそれほどとはうぬぼれてはおりませんが、しかしこの気象観測の組織と気象観測員の素質というものは、世界でもそれほど劣るものではないと確信しております。今日、日本の気象業務がいろいろの困難に直面しておりますが、これはただいま仰せいただきましたように、施設の整わないことにおもな原因が存しております。特に今年水害がしきりに起りまして、まことにわれわれとしましては、できるだのことをいたしたのでございますけれども、世の要望に沿うには不足であつたことについては、おわびしなければならないと思うのであります。その原因は水害対策に対する気象の設備の不完全であると私は思うのであります。そのことを申し上げまして、国会でも関係の方面でお取上げくだすつて、いろいろ御援助をいただきました。また事実第二次補正予算においても、水害対策の気象設備の充実費というものに予算をいただきました。それはもうあと数年間続きまして日本全国に完成するもので、私どもの方としては非常希望に満ちたスタートを切らしていただいておる次第であります。しかしこの気象の仕事はなかなかに経費を要するものでありまして、高層の観測にいたしましても、気象の迅速、正確なる通報にいたしましても、通信にいたしましても、これを完全に整備するのにはまだまだ経費がいります。私どもはその経費に相当する、いなその経費でまかなつているよりはるかに以上の効果を上げて行くよう、今後努力いたしたいと存じております。
○關内委員長 徳安君より発言を求められております。これを許します。徳安實藏君。
○徳安委員 本件に対しましては、すでに各党意見が一致しておるように考えられますので、この際本委員会において決議をいたしたいと存じます。この決議の案文を朗読いたします。 太平洋上の定点気象観測に関する決議案 本委員会は、本年八月六日気象業務施設の整備促進に関して決議したが、今般太平洋上の定点気象観測及びラジオ・ビーコン業務を廃止又は縮小したのは極めて遺憾である。これがため今後予報業務に重大なる支障を来すことが予想せられ、台風冷害等気象災害の予防、軽減に万全を期し難き懸念あるのみならず、航空及び海上交通の保安、海洋資源の開発等に必要なる資料を失うこととなり、わが国産業の進展、民生の安定に甚大なる影響を及ぼすとともに、国際的にも気象業務に関する義務と責任とを十分に果し得ざる惧れありと認められる。 よつて政府は、太平洋上の定点観測の重要性にかんがみ、これに必要なる予算及び定員について、昭和二十九年度予算編成に際し特段の考慮を払われんことを要望する。 右決議する。 以上の通りでございますが、どうぞ委員各位の満場の御賛成を得たいと存じましす。(拍手)
○關内委員長 徳安君の動議のごとく決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○關内委員長 御異議なければ、さよう決します。 ただいまの決議は、大蔵大臣及び運輸大臣、建設大臣、農林大臣に委員長より手交いたすことにいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時九分散会