大蔵委員会 第5号
- 発言数
- 177 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/12/08
会議録
○委員長(大矢半次郎君) これより第五回の大蔵委員会を開会いたします。 漁船再保険特別会計における特殊保険及び給与保険の再保険事業について生じた損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案を議題といたしまして、質疑を行います。
○藤野繁雄君 資料として配付してある拿捕一覧表によつて見まするというと、まだ帰つて来ていないものが二百四十九隻、乗組員で帰つて来ていないところの人が最近に韓国から帰つて来たために、残りが四百九人になつておるのでありますが、この残りの船及び乗組員がいつ頃になつたらば帰る見込があるのであるか、或いは帰るについて何か中国、韓国、ソ連或いは国府に交渉がしてあるのであるか、見通しがわかつたらばお知らせを願いたいと思うのであります。
○説明員(立川宗保君) 先ず、乗組員につきましては、韓国との関係では日韓会談その他の機会におきまして、日本側から速かに返してもらうようにということをしばしば懇請をいたしております。それで、韓国については李承晩ラインによつて乗組員が連れて行かれました以上、順次返してもらつておりますが、なお帰還をしていない人々につきましても、模様によりますと最近数カ月の間にこれは帰つて来るのではないかという見当を付けておりますが、なおたしかなところは見当が付きかねるものでございます。 それから、中共関係は政府関係の交渉は正式には接触をすることができませんために、いろいろな関係の機会を捉えて返してもらうということについて努力をしております。例えば、先般中共に貿易関係の問題で議員団その他のかたがたがおいでになりました際にもお願いをして、速かに返してもらうということを、そのルートでお願いをしたのでありますが、これはまだ見当か韓国以上に付きかねておるという次男でございます。 ソ連につきましても、これは全然こり正式ルートで交渉をするという途が閉されておりますので、はかばかしく参つておらない次第であります。漁船について抑留中のものは中共、ソ連はもとよりでありますが、韓国についても韓国は乗組員についてはかなり大部分のものはすでに返しましたが、船についてはいわゆる李承晩ラインの実力行使以後一杯も返しておらんという状態でありまして、これはちよつと見通しがつきかねるという状態であります。
○藤野繁雄君 漁船及び乗組員が、こうたくさんまだ抑留されておるのでありますが、こういうふうなために我が出の漁獲高に対してどのくらいの損害があつたのであるか、若しその数字がわかつたならばお知らせをお願いしたいと思うのであります。又今後の対策としては、若しこういうふうなところに出て行つたために漁船が捕獲されたというようなことであつたならば、その他の方面に漁場の開拓をしなくちやできないというようなことで開拓をしておられるような点があつたらば、これ又併せてお知らせをお願いしたいと思うのであります。
○説明員(立川宗保君) 韓国その他のこのような措置によつて、どのくらい漁獲に影響があるかということは、なかなか水の中の関係でありますので、はつきりした数字を以てお答えをするというわけにはなかなか参らんのでありますが、大体いろいろな資料か推算をいたしまして、李承晩ラインの中の漁獲統計をいろいろ推定いたしまして、若し全然あのようなラインがないといたしましたならば、一年間に日本側の現在の操業能力で揚げ得ると考えつれる漁獲高は、大体百三十億見当ではなかろうかという工合に判断をしております。それから締出しを食つたための漁場転換等の対策でありますが、これは済州島近海に依存をしておりました「さば」漁船等を主として考えるわけでありますが、それは太平洋方面に方向を転換をいたしまして、近海の「かつを」、「まぐろ」へ進出をするということを指導をしております。なお沖繩、或いは仙台湾附近の「さば」漁場については、いろいろ資源調査も着々と進めておりますので、見当のついた所はそちらへの漁場転換ということを進めて、そのための金融の措置でありますとか、或いは漁業許可の措置でありますとか、そのようなものを進めておる状態であります。
○成瀬幡治君 ちよつとお伺いしますが、李承晩ラインとか或いは濠州の大陸棚といつたような、そういうものに対する水産庁の見解と申しますか、外務省と当然話合われておると思いますが、どういうふうな考えの下に折衝しておられるかということを一つお伺いしたい。
○説明員(立川宗保君) 我々のほうの態度といたしましては、李承晩ライン等は岸からひどい所は百七十マイルも離れておりますし、それから大陸棚宣言というようなものを引用しての濠州の考え方というものについては、全然これを承認をしない。で、飽くまで公海三マイルの原則ということを主張をするという工合に原則を立てておりますけれども、ただ併しながら、これは朝鮮近海にいたしましても、或いは濠州の近海にいたしましても、その附近の魚の資源を保護して行くということは、これは公海でありましても当然のことでありますので、その辺はいわば国際法理論とは違いますけれども、具体的にさかなの資源を保護するというようなことで、資源を濫獲するというようなことでありますならば我々のほうで濫獲をしないという限度まで自制をする、それは両国間或いは関係各国間で科学的な物差で判断できるという、その物差を作りまして、その上でお互いに抑制をして行くということについては異論がないという態度で話合をしております。
○成瀬幡治君 そうしますと、話合の途中に実際真珠貝などを採りに出かけるわけでしよう。そうすると、それを向うは拿捕する、或いは李承晩ラインでそういうふうに出かけて行くと拿捕する、こういうことがあり得るわけですが、そうすると、その場合そういうことをやつてもいいのだ、かまわないから入つて行け、こういうようなことを、漁業者なり組合なりにそういう意思が、あなたのほうから伝わつておるのか。或いはそういうような話合いの結論が出るまでは入つてはいかん、こういう態度であるのか。こういう態度が漁業組合なり、或いは漁業者に伝わつておるのか、その辺のところをお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(立川宗保君) その辺の実際の漁業者の行動は非常に微妙でありまして、交渉ともいろいろ引つかかりますし、かたがた又一方飜つて考えれば実際それに依存して食わなければならないという漁業者の日々の生活の状態を考慮しなければなりませんので、漁業者に対する方針の示し方というものは非常に苦心をしておるわけでありますが、飽くまで交渉としてはこれは速かに我々の主張を貫徹したいということでやつておりますが、併しこれは飽くまでもその理論として向うが言うことは不法だから、何でもかんでも実力で出かけて行けということは申しておらないのであります。その辺は漁業の交渉とも睨み合せまして、業界のほうでも良識を以て行動をとつてもらいたいという話合い方をしておるわけであります。
○成瀬幡治君 交渉の経過と申しますか、どんなふうにして向うと折衝しておられるのか、具体的に説明してもらいたい。
○説明員(立川宗保君) 韓国のほうは昨年の一月に李承晩ラインの宣言がございました。それで講和発効の前に、すでに日韓の間で講和発効を前提として、両国の和親友好のための条約を締結するというようなことを目的として交渉が始まつたわけでございますが、その一環として漁業問題を取上げて相談を進めたのであります。併し、その大体の相談は、漁業問題を含めてほかの問題も全般的になかなかまとまりませんでしたから、そのまま一応打切られたわけでありますが、更に本年の春、日韓会談を再開いたしましていろいろ話合をし、それが夏になりまして、一応いわば休止状態にあつたわけであります。その際に九月にクラーク・ラインの解除、それに伴つて相次いで李承晩ライン内に一切入つてはいけない、入ると実力行使をするという態度に出たわけであります。その後これではいかんというわけで急速に又日韓会談を再開をいたしまして大いに協議を進めた。ところがこれについてもどうも韓国側の態度と日本側の態度が一致をいたしませんで、いわば会談が一応決裂したといつたような恰好で今日に至つておるわけであります。 それから、この濠州のほうにつきましては、今年の早々日本の代表が濠州に参りまして、濠州で日濠間の漁業に関する条約を中心として交渉を進めました。それで漁業の条約の話はまとまりませんでしたけれども、併し本年度について濠州があのアラフラ海の限定された地区において日本側が操業するということについては、いわば向うが拒否しないという態度に出たわけであります。さて、その本年度出漁したアラフラ海における白蝶貝の採取の操業中において、今後は濠州の陸続きの大陸棚の地域においても濠州の許可がなければ白蝶貝の採取を許さないと、こういう態度で向うが出て来たのでありまして、最もいい漁場は、向うのいわば不許可地域の中にありまして許可地域の外でも勿論漁場はあるのでありますが、それはまあいわば条件の悪い地域になる。そこでこちらといたしましては、その濠州の主張は承認しがたいということを一応申入れまして、この交渉を継続したいという話をしておるわけであります。向うはその基本的態度を変えませんために、この問題は国際司法裁判所ではつきりけじめを付けようじやないかという話を持ち出しました。濠州もこれに同意をいたしております。問題は従つて国際司法裁判所で、このオーストラリアの主張が適当であるかどうかということの判定を待つわけでありますが、併しこの国際司法裁判所の事件は従来の経緯によりますと、少くとも一年以上二年等の長い期間かかります。そのためにこの最終的な決定を見るまで待つては、非常に来年或いは再来年の漁業が思いやられますために、来年或いは再来年等り短期間の双方の話合いで暫定的な取極めをしたい、こういうような具合に考えて、オーストラリア当局に申入れをしてある状態でございます。
○成瀬幡治君 李承晩ラインと不可分の関係にあつた例の国連軍の防衛水域ですか、あれに対してはどういう態度でした。あれは認めるといつたような態度じやないのですか、
○説明員(立川宗保君) これは国連軍の軍事行動による一つの軍事的な措置でありますために、これはまあ戦時国際法の関係もございますけれども、我我のほうとしては別にこれを否定をするという態度に出ておりません。
○成瀬幡治君 その認めたという理由が私にはどうも納得が行かないわけですが、どうして法的に認められるんですか。認める必要ないじやないですか。
○説明員(立川宗保君) この辺のことはいわば私ども専門外でございまして、なかなかお答えをしにくいわけでありますが、私どもとしての意見はこれはなかなか軍事行動でありますために、これを認める認めんと申しても、実力行動でそういう措置をとられた以上は、なかなか否認をしても簡単に解決しないだろう、ただ日本側からは国連軍の当局に対しましては、これは非常に漁業に影響がある、そこで国連軍か理由といたしましたところの、日本の漁船その他によつて向うの俘虜その他に対する連絡ルートが付く、こういうようなことは万々あり得ない。それで向うが主張されるところの防衛海域内に日本漁船入るべからずということについては、そのよつて立つところの理由がないと考えられる。そこでこれはなかなかむずかしい問題ではありますけれども、日本の漁船はその地域内にも入れて欲しいということは再三申入れてあります。ただ併しながらこの日本政府の公式の意見として、この防衛水域線を否認をするという態度には出たことはないように記憶しております。
○成瀬幡治君 こういうことをやるから……。私はそこに第一番の原因があるのですよ、なめられた原因が。今更そんなことを申したつてしようがないと思うのですが、例えば日米漁業条約にいたしましても、とにかく我々としてはなめられるようなことばかりやつて来たからなめられてしまつた。国際司法裁判所に提訴して云々と今言つたけれども、たくさんの日月がかかつてしまう、それでできないから折衝するとおつしやるが、朝鮮の李承晩ラインについてはどういうそれでは極め手を考えておられるか、話合で大体妥結ができるような見通しが今あるのですか。
○説明員(立川宗保君) 李承晩ラインの見通しとしては非常に困難であるということを率直に申さざるを得ないのでありまして、まあ現在の状態におきましては韓国側がにわかに態度を変えるということはちよつと予測をいたしかねるのであります。ただこれは外務当局を中心といたしまして、何とか打開をしたいということには再三苦慮をいたしまして、第三国等の介入というようなことも考えております。更に会談の再開というようなことも申入れております。まああらゆる手を尽してこの問題の急速な解決に努力しておるのであります。
○委員長(大矢半次郎君) 他に御発言もないようでありますが、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。 別に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないものと認めます。それではこれより採決に入ります。 漁船再保険特別会計における特殊保険及び給与保険の再保険事業について生じた損失を補てんするための一般会計からする繰入に関する法律案を原案通り可決することに賛成の諸君の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大矢半次郎君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。なお諸般の手続は先例により委員長に御一任願いたいと思います。 それから多数意見者の御署名を願います。 多数意見者署名 森下 政一 松永 義雄 成瀬 幡治 三木與吉郎 土田國太郎 山本 米治 西川甚五郎 木内 四郎 藤野 繁雄 菊川 孝夫 岡崎 真一 青柳 秀夫 小林 政夫 —————————————
○委員長(大矢半次郎君) 次に食糧管理特別会計の昭和二十八年産米穀に係る供出完遂奨励金の支払財源の一部に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案を議題といたしまして、質議を行います。
○三木與吉郎君 十キロ当りのコストが八百九十円で消費者価格を七百六十五円としましたら、その差が百二十五円の赤字が出るのでございますが、本年の目標が大体二千百万石ということになつておるのでありますが、昨日来のお話から行きますと、これを超過するというような見込みであるのであります。二千百万石のときに特別会計の赤字は十億円ということになつておつたのでございますが、これを超過した場合は輸入米と国内産米との操作もあるでございましようが、それはどういうふうなことになるのでございますか。
○説明員(新澤寧君) 今年の二十八年産米の集荷見込みと価格との関係でございますが、私ども只今のところ集荷期待量として二千百万石という目標を立てておりまして、消費者価格の算出にもその集荷数量を基礎にして算出しておりますことはお話のあつた通りでありますが、実際の今年の収穫見込量と、従来の供出等の実績から考えますと、実は二千百万石を集めるということは非常に努力を要するところでありまして、非常に努力をして二千百万石供出できるのではないか、こう考えておりまして、今のところ二千百万石を超過して集まるという可能性は、実はむずかしいのではないかという見込であります。
○三木與吉郎君 現在の状態で、消費者価格をコストの八百九十円ということにしますと、来年度の赤字はどういうふうになるのでありましようか。そうして、その財政的の措置はどういうふうにお考えになつておるのですか。
○説明員(新澤寧君) 来年度の予算につきましてはこれから立てるところでありまして、一応何と申しますか、これから大蔵当局等と御相談をして、来年度の予算を立てなければならないと考えております。今のところは別に消費者価格を上げて赤字を生じないようにいたしますか、或いは今の消費者価格をそのまま続けて行つて、何らかの財政措置をいたしますかということにつきましては、まだ何らのお話合いも始めておりませんし、結論も出てないような次第であります。
○三木與吉郎君 このコストの八百九十円は補給金が幾らで、買上価格が幾らかどういうふうな内訳になつておりますか。
○説明員(新澤寧君) 今度予算書に出しております七百六十五円と八百九十円の差がどこで生じたかと申しますと、八百九十円のほうはいろいろコストを全部見ておるわけでありますが、第一に、実は七百六十五円といたしました場合におきましても端数が切捨てられておりますが、実際七百六十五円ベースで計算した場合におきましても、二円十四銭の端数が出ておりますが、それが実際のコストとしてはかかつて来るわけでございます。又この計算上総集荷量を二千百万石といたしておりますけれども、実際の統計上から出て参ります可能集荷量、理論上の可能集荷量と申しますか、こういうものは一応千九百万石というふうに認められておるわけであります。そうして現在はつきりきまつております義務供出量は千四百十万石でありますので、それと千九百万石の差の四百九十万石、この分だけの超過供出奨励金、これだけを七百六十五円の価格の際には織込んでおります。併し実際上の集荷といたしましては、全集荷量が二千百万石、二千百万石と千九百万石の差の二百万石に対する超過供出奨励金というものが七百六十五円の場合には織込んでありませんし、八百九十円の場合にはその分に相当する超過供出奨励金も織込んであるわけでございます。 もう一つ申し落しましたが、減収加算額と申しますものが、本年の凶作に伴いまして特に基本米価に加算して計算しております。で、只今その減収加算額の概算額として五百円支払われておるわけでございますが、この減収加算額こつきましては本年の消費者米価にかけないという方針の下に、七百六十五円の計算の場合におきましては五百円を加算いたしておりません。併し八百九十円という場合には、この減収加算額の五百円も出しておるということでございます。
○森下政一君 私は米のことは一向不案内なので説明を聞きたいのですけれども、十六国会であつたか、二十八年度予算を審議した時に、何か保守三党の間でいろいろな米価の問題で協定が行われたというように思うのです。それでその時に供出完遂奨励金というものを八百円、これもきまつたわけです。それから供出を完遂した者だけでなしに、必ずしも完遂していなくても義務供出をした者に対して、完遂奨励金を渡すということになつたのです。何かそういうことだつたと思うのですいうことに非常にとらわれておつたというようなことを考えるのですが、その時の大要をちよつと聞かしてもらいたいと思います。
○説明員(新澤寧君) 当時の三党間の話合につきまして、私ども承知いたしております範囲内におきましては、供出完遂奨励金というものはどういう性格のものかということにつきましては、それほどはつきりした解釈の一致が三党の間であつたというふうには、私ども聞いておらないわけであります。という意味は、義務供出に対してのみこれを出すのか、或いは更にその上超過供出として超えた分にまで、これを加算して行くのかという面についての、はつきりしたお話合いはなかつたように聞いておるわけであります。ただこれを出します対象といたしまして、義務供出を完了した農家だけに限るのか、或いは義務供出を完了しない農家に対しても出すかという点につきましては、これは若干の話合いがあつたようでありまして、私ども当初の事務当局の考えといたしましては、これは義務供出を完了したものにだけ出すのだというような考え方を持つていたわけでありますが、その後三党間のお話合いも伺いました結果、一応時期の問題といたしまして、供出完遂をした市町村の農家に対しては供出完遂農家は勿論、供出を完遂しない農家に対してもその時期によつて支払う。供出を完遂していない市町村の供出完遂農家につきましては、これも漏れなく払います。ただ供出を完遂していない市町村の供出を完遂しない農家については、これは都道府県知事が実情に応じて適期に支払うというようなことに訂正いたしまして、三党協定の趣旨をそういう形において時期を勘案して支払うことによつて、供出完遂という趣旨を満たすと同時に、又原則としてすべての農家に行き亘るようにという、第二の趣旨を貫徹するような手段を講じておるのであります。私ども承知しております範囲内におきましては、そういうように伺つておるのであります。
○森下政一君 そうすると当時の協定の眼目になつたものは、供出完遂奨励金の八百円、言い換えると、生産者米価に影響するものですね。それだけが協定の中心であつたのですね。
○説明員(新澤寧君) もう一つ、勿論消費者米価の加算に関しましては、その半額は一般会計から繰入れる。それからあと半額は食糧管理特別会計で出す。従つて消費者価格には響かないということもあつたわけであります。
○森下政一君 そこで今度提案されておる法案によつて半額だけ、供出完遂奨励金所要額の半額だけを一般会計から繰入れると、こうなつていますね。そうするとちよつと我々の受ける印象は、政府がなぜその所要額の全額を一般会計から繰入れるということをしないのか。結局足らずまいは消費者米価の値上りということで一般消費者に転嫁されておるというふうにちよつと印象を受けるのですが、そうじやないのですか。
○説明員(新澤寧君) 只今お話申上げました通り、供出完遂奨励金全額も今回の七百六十五円の消費者価格には計算の基礎には入つておりません。ただその財源といたしまして、半額は一般会計から、半額は食糧管理特別会計が持つております分を潰して行くということで措置しておるのでありまして、事実上消費者価格にはこの完遂奨励金は何ら加算されてないということでございます。
○森下政一君 そうすると消費者米価が上つて来るというのは、供出完遂奨励金とは無関係だということになりますが、十キロ当り六百八十円を七百六十五円に改訂すると、その差額は何だということになります。
○説明員(新澤寧君) 差額の大きなものは、先ず基本価格が昨年から二百円上つておるわけであります。それから早期供出奨励金が、時期的に各期とも昨年に比べて二割ずつ絶対金額が上つておりますが、それ以上に今年の早期供出の状況が予期以上に順調でありまして、第一期、第二期が非常に多く出ております。総体の金額としまして早期供出奨励金の石当りの織込み額が昨年の六百八十円の場合には二百八十七円であつたと思います。今回の七百六十五円の場合には六百四円を織込み額として出さなければならんということになつております。 それからもう一つは、超過供出奨励金でございますが、これも昨年の織込みが二百九十二円でありましたが、それが六百三十円というふうに上つております。義務供出量と超過供出量の間の相対的な比例が昨年よりもずつと上つて来たということのために、この金額が大きくふくれて来ておるわけであります。 以上の三点が、今年の消費者価額が上りました最も大きな点でありまして、あと若干の費用の増嵩はありますが、大勢を支配するものは今の三点でございます。
○菊川孝夫君 仮に消費者米価をそのまま据置くといたしました場合には、一体一般会計から繰入金はどのくらいかかるか、その点を……。
○政府委員(原純夫君) 据置くといたしますと、七百六十五円を今の案としてお願いしておるわけでありますから、それと六百八十円との差によりまして国内産の米のみならず、輸入米の補給金のほうでも負担が殖えることになるわけであります。それらを合計いたしますと、この二十八年産米系統全部で参りまして二百七十八億、約二百八十億近くの財政負担が総体において必要になる、そのうち只今申しましたように、輸入米にかかります分は輸入補給金として出す。国内産米につきましては、これを食管に対する繰入れとしなければならない、こういうふうなことに相成るわけであります。
○菊川孝夫君 そうすると、食管繰入れはどのくらいかかるのですか、今のこれに見合うものはどのくらいになりますか。
○政府委員(原純夫君) 分けた計算を正確に持つておりませんのですが、大体の見当を申上げますと、七百六十五円から六百八十円取りますと八十五円でございます。これが一斗にいたしますと約三十五円加わりまして百二十円くらい、一石で千二百円くらいということに相成ります。これに若干附帯経費があるわけでありますが、附帯経費を外しまして千二百円といたしますと、国内産米二千百万石というのに掛けて頂きますと、二百四、五十億たしか二百四十九億という数字が出ておりましたから、二百四、五十億というふうに国内産米を考えて頂いたらいいと思います。
○山本米治君 私が別なところで問いた話によりますと、十キロ六百八十円の消費者米価を据置くと四百七十億の赤字になる、食管で。そのほかに食管ではすでに麦等で六十五億の赤字を出しているからそれを合せると食管の赤字は五百三十億ばかりになるという話を聞いているんですが、今の数字とちよつと合わないのですが、どうでしよう。
○政府委員(原純夫君) 只今申上げましたのは、我々の考えております七百六十五円という線と、六百八十円に据置いた場合との差を申上げたのでございますが、先ほど来お話が出ておりますように、実際に掛かつておりますコストは八百九十円現に掛かつておるわけでございます。八百九十円との差ということになりますと、厖大な額になりますので、これは米穀年度一ぱいにいたしますと七百億を超える金額になるのであります。只今申しましたのは、大きな幅のうちのまあ約半分と言いますか、一部でありますので、そういうようなことになるわけであります。
○山本米治君 よくわかりました。
○菊川孝夫君 この場合に消費者米価を据置くことと、それから七百六十五円に上げるということの、国民生活に及ぼす影響というものを、あらゆる角度から検討した上で上げるという線を考えなければならんと思う。而も上げることを、こういうふうに弾き出されたのは、根拠は何によつて弾き出されたか、こういう点をお聞きしたいのであります。どうせ上げるならば、なぜこの線で切つたか、国民生活に与える影響をこの辺で食いとめたい、これは消費者にはね返つて来ます。一般物価に影響が来るから、この辺で食いとめたいというその理由、もう一つは四百七十億を全部繰入れることにした場合には、どちらへ影響を及ぼすかというようなことを検討されて、ここで今度の法律案をお出しになつたと思う。それをちよつと御説明願いたいと思う。
○説明員(新澤寧君) 米価をきめます際に、確かに消費者米価を上げた場合の影響、それから据置いて財政的の負担をしたそれによる財政資金の散布によりインフレヘの影響、その両者を考えなければならないと思います。健全財政と言いますか、そういう立場からしますれば、できるだけ消費者がどの程度米価の高騰に耐え得るかという点を考えまして、その耐え得る限度においては上げるほうがよいということで考えたわけでありますが、その一つの考え方といたしまして家計米価という考え方がございますが、家計費の高騰に見合いまして、それと同じ率で米価に対する支出の負担をして行くといたしますならば、一体どれくらいの程度まで耐え得るかという計算をいたしますと、約七百八十円くらいになるわけであります。それから、例の消費者価格を上げたことによりますいろいろのはね返りということ等を考えましていたしますと、今きめようとしている消費者の価格の高騰は、十分消費者の家計において吸収でき、ほかの物価等に、はね返りなくして実現が可能な線じやないかというような観点で、一応こういう線がきめられておるのであります。
○菊川孝夫君 あなたの言われる負担可能額七百八十円というのは今の物価の上り工合、足取り工合と比較いたしまして、このパーセンテージはどうなつていますか、一般物価のそれから基礎を弾かれたのでしようね。管理庁長官がお出でになつて御説明を願うのなら、そういう細かいことはお聞きしませんが、今日は総務部長がお出でになつて答弁されるのですから、一応お聞きしておきたいのです。一般物価はこういう足取りだ、だから七百八十円が可能だと算定したその根拠を一つ……。
○説明員(新澤寧君) 只今申上げましたように、家計米価を算出いたしました方法といたしましては、昨年の大体一年間における家計額の支出の割合と、本年におきます八、九月頃における家計費その他の対比、その間にどれだけ上つておるかという線を取つたわけであります、一応一般物価の上昇傾向ということも或いは関連をつけて考えなければならないかも知れませんが、実際において勤労者の家計がそれだけ向上しておる、十分家計上支払い得るような状態になつておるということが、一応この数字から出て来ておるということになるのであります。その家計費全般との比率について見ますと、約一割二分五厘ぐらいになつておるということになつております。その比率から当時のこの基準となりました期間における米価の六百二十円を引延ばして行くと七百八十一円ということになるわけであります。この家計費の上昇によれば一応これだけの米価の上昇に耐え得るかという一つの指標になるという考え方から、これをきめたというわけであります。
○菊川孝夫君 これで約一一%弱の値上げになるわけですな。消費者から言えば消費者米価一一%弱値上げすることが、これが一般勤労者の家計にどれだけのはね返りとなつて現われるか、これを算定されているのでしようか。
○説明員(新澤寧君) 階層によりましていろいろそのはね返りの比率が変つて来るわけであります。大体東京都におきます勤労世帯各階層の総平均を取りますと、実金額月二百二円の金額の増になつております。比率としましては〇・八七%の負担率の増というふうになつております。勿論、階層といたしまして下層の階層に行きますと、その負担率は大きくなるわけでありますけれども、大観して眺めましてこの負担率で十分耐え得るのではないかという判断を持つております。非常に低い階層につきましては、この米価の上昇は非常に大きな負担にかかつて来るということは、これは当然避け得られない現象であります。米価を一番下の線の負担力に合せてきめるということもできませんので、一応の平均的な負担率というものを基礎にして考えたわけであります。一番下層の部面につきましては、勿論併せて他の施策が必要になるということは、当然考えられなければならんと思います。
○政府委員(原純夫君) ちよつと、先ほど財政負担の金額を申上げましたのを補足させて頂きたいと思います。米は米穀年度と会計年度からみますので、先ほどは会計年度だけで申上げてあるのでありますが、米穀年度のように申したのは間違いで、会計年度の数字を申上げたのでございます。米穀年度一ぱいの一年分の米という見地で申しますと、八百九十円のコストが掛かつておるのに、それを六百八十円で売ろうといたしますと、輸入補給金一切合財含めて七百七十五億の差になるという計算になります。なお、そのうちで今度改めようとします七百六十五円と六百八十五円との差、つまり政府の今出しております案より更にどれだけ余計かかるかという見地で申上げますと、三百三十五億円、先ほど申上げました二百七十八億円はそのうち本会計年度の負担になります分が二百七十八億円というように相成りますので、大事な数字でありますから補足さして頂きます。
○菊川孝夫君 次に、明年度の消費者米価についてのまだ方針がきまつていないという今のお話でございましたけれども、もうあと僅かで明年度に入るわけですけれども、それが未だに方針がきまらんというのは、小笠原さんの財政演説から見るならば、成るべく物価の高騰は抑えたいというのが基本方針だつたのです。そこで一一彦も上げておいて、又明年度も二十九年度の予算編成とも睨み合して、これは当然考えるということの意味でございますか。その点一つはつきりしておいてもらいたいと思うのです。又明年度も上るのだけれども、取りあえず本年度はこの程度にとどめて置くのだ、こういう意味ですか、当分据え置くというのですか、消費米価をだんだん上げるということは問題だと思うのです。この点農林省の方針としてはどういう方針で臨んでおられますか。
○説明員(新澤寧君) 米価の決定につきましては、事務当局もいろいろ考えなければなりませんが、そのほかに米価審議会等を設けておりまして、その御意見を伺つてきめるわけでございます。近く米価審議会も開かれると思いますが、その御意見も聞かなければならないと思います。又来年の財政状況等につきましても十分の配慮がなされないといけないと思いますので、只今全然未決定だと申上げましたその通りでありまして、上げるとも上げないとも、まだ全然そういう考え方の中に一歩も食い込んでいない、そういうような基礎的ないろいろな情勢の推移を待ちまして判断して行かなければならない。只今のところ、そのいずれとも考えていないのであります。
○菊川孝夫君 米価審議会においてその意見を聞くというのですが、なかなか米価審議会の言う通り、決定通りにはいつもきまつておらないので、米価審議会の主張と、あなたのほうの決定とは、いつも食い違つて来ているのは、これは今まで一遍もその通りに行つたということは珍らしい。殆んどないのじやないか、で米価審議会にはこういう案を出して諮問をするのですか、こういうふうに行きたいという一つの農林省案を出して、農林大臣から意見を聞くことになつているのか、それとも白紙で臨んで、広く意見を聞きたい、こういうふうに臨んで行くのですか、どういうふうになつているのですか。
○説明員(新澤寧君) 過去の例で申上げますと、前々回の消費者価格を決定いたす場合には、具体的に消費者価格を幾らにしたいという意味合の政府案を出しまして、それについての御答申を求めたわけであります。前回の米価審議会におきましては、消費者価格をきめます場合の方針原則として、コスト主義で消費者価格をきめるという意味の諮問案で、それについての御意見を求めたわけでございます。場合によりましては具体的な案で御諮問を申上げたこともあるし、そういつた算定の方法論で御相談申上げたこともあるわけでございます。次の米価審議会にどういう御相談の仕方をいたしますか、これもまだそのときになつて見ませんと申上げかねると思います。
○菊川孝夫君 それでは、小笠原さんがすでに二十九年度の総予算額の規模の構想みたいなものを新聞か何かに発表しておられたようでありますが、あの通りであつたならば、原さんのほうでは今の消費者米価を上げなくて賄えるというつもりで、あの大蔵大臣の談話でしたかね、あれが発表になつているのですか、そういうものは全然消費米価、そういうことを考えずに、このくらいのところで抑えて行くという上に立つて、これを抑えるにはどうするかというので、だんだんと下のほうへ下げて来るというつもりですか、どういうふうな構想を持つておられますか。
○政府委員(原純夫君) 私どもは、この米の消費者価格が国民生活に非常に重要なものでありますから、成るべく抑えたいという気持はあるのでございますが、経済のいろいろな条件が変つて参りまして、米価もいわば自然の価格というものに近付くというような、これは生産者のほうからする要望でありますが、その線に副つて可なり急に動いて来ておるというふうに思います。そういう場合に、これを財政で背負うということは、非常に大きな負担になりますし一財政困難の折からでありますから、只今申されましたように、コスト主義で参りたいという気持で考えております。只今お話の二十九年度の予算の骨格、大蔵大臣が申されました骨格と二十九年産米についての消費者米価との関係ということになりますと、実は二十九年産米の生産者価格をどうするかという大きな問題が入つて参りますので、今にわかにこの消費者米価をそのまま据置けるかどうかということは、ちよつとできかねるのでありますけれども、二十八年産米を取りあえず一月一日に上げるが、その後どうするかという点につきましては、只今農林省側からお話のありました通り、今回は実は食管の黒字を殆んど全部食つてしまつて、異例な凶作の時期の米価を国民生活と歩調を合せるという措置をとるわけでありますが、一方で食管のやり繰りと申しますか、会計のやり繰りも相当辛くなりますし、その辺については只今農林省からお話がありました通り、更にこれから予算の編成と併行して考えて参りたいというふうに考えております。
○菊川孝夫君 そうすると今の御説明を聞くと、コスト主義それからもう一つは食管特別会計における今までの黒字をこの三カ月間で殆んど食つてしまう。こういうところから、なお又盛んに今言われておる防衛支出の増大ということにからみまして、どうしても更に消費価格の再値上げということは、もう議論にならざるを得ない宿命にあるというふうに我々には大体受取れるのです、今のあなたがたの説明を総合いたしまして。大体そのような動きになることを、もう必至の趨勢だ、このように受取らざるを得ないのでございますが、そうでございますか。それを食いとめ得る自信がございますか、主計局として。
○政府委員(原純夫君) その辺は一つ御推測にお任せいたしたいと思います。
○菊川孝夫君 次長で御答弁できなければ……これは大きな問題だと思うのですが……。
○森下政一君 関連して……、今菊川君が聞いておるような問題は、政府に質したいと思うのですけれども、いつも出ておるのは事務当局ばかりなんです。事務当局では無理だと思う。限界があると思うので、質問を差し控えるのですが、どうも短期国会で予算が審議されていると、大蔵大臣はそのほうに釘けになつておるという事情はよくわかるので、そうやかましくは言わんけれども、併し十六、十七、十八国会の経過を見て大蔵委員会に大蔵大臣が出て来るということは数えるほどで、一遍か二遍しかない。而も来たら十五分間なんといつて時間を限つて飛んで行くというようなことなんだから、これは委員長も一つよく大蔵大臣に話して頂いて、特に重要なことがあつたら、そのときにはもう大蔵大臣に物を固めておいて聞かして頂くというふうなことにしますから、来て頂くように折衝して頂きたいと思います。
○委員長(大矢半次郎君) お答えいたします。実はこの点甚だ私も痛感しておりまして、できるだけ御趣旨に副うように努力しております。昨日衆議院方面の審議の状況を聞いておりましたところ、現に今御審議願つておる予算関係の三法案は、衆議院で昨日緊急上程はしないことに決定した、こういうことが伝わりましたので、私はそれでは参議院の大蔵委員長として責任を持てない、どうしても今日中に緊急上程してもらいたいと強硬に申入れたのです。森下理事に代つて委員長席に着いて頂いて、そうして私は参議院議長のところに行つてお話して、参議院議長にすぐ衆議院議長のほうに行つてもらつて、交渉してやつと昨日衆議院で緊急上程してもらつた、こういうようなわけで、できるだけの努力をいたしておりますが、ひとり大蔵大臣の出席ばかりじやありません。全体の審議の状況がそのようになつておる、その間において委員長としても相当苦心努力しておるということは一つ御了承願いたいと思います。
○菊川孝夫君 その点について、このあとにかかつている四、五、六の議題につきましても、大蔵大臣も出て来なければならん、ただ単に事務当局だけ出て来て説明をやるだけではいかん、少くとも私は四、五、六については大蔵大臣にどうしても聞きたいと思いますから、その点一つよろしくお取計いを願いたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)それから、第一の問題は、今私のお尋ねしておるのは、今原さんにここで言明してもらうことも、事務当局ではよくおわかりになつておるだろうと思うけれども無理だと思いますが、これは特に今度の米価の問題なんかは、私はどう考えても十五カ月予算という構想でなければならんと思うのですよ。その意味においてここではつきり言えん、言えんというけれども、今お聞きした事務当局の御意見としては、どうもこのままで済みそうもないというふうに私は受取らざるを得ないのです。大体聞いておつても、それよりほかに方法はないというふうにお聞きしまして、それらの点についてもあとで大蔵大臣御出席の時にお尋ねいたしたいと思いますが、最後に食糧庁の総務部長にもう一点お伺いいたしたいのは、最近の闇の米の値段ですね、それから一般の供出した場合との開きが今どれくらいに、これは平均でよろしうございます。凶作の係数なんかもかかつているものもございますから、平均して二千百万石が今の場合だつたならば、どのくらいにつくか、平均して石当りどのくらいにつくか、闇米価は今全国的な調査をしておられるでしようが、その平均がどのくらいになつておるか、その開きというのは一体どのくらいになつておるか、これは米価審議会で生産者米価をきめられる場合の大きな材料になりましよう。又消費者米価を決定されるにも大きな資料になりましようし、当然この法律案とも関連があると思いますので、その点一つお聞かせ願いたいと思います。それから年末に向つてどういう足取りを辿つているか……。
○説明員(新澤寧君) 今年の生産者米煙いろいろの奨励金等も含めまして総平均いたしますと、大体農家平均手取額と申しますか、約一万三百三十五円という数字になります。勿論超過供出の率の高い所とか、或いは早期供出、早く米を供出した所におきましては、その平均よりも相当上廻つた手取額になるということは勿論であります。総平均いたしましても一万三百三十五円という数字が出ます。それから闇米でございますが、これは実は非常に地方的なアンバランスがございまして、単純に平均して全国平均という数字を出すのはなかなか技術…に困難があります。消費地の東京等は非常にまだ高いのであります。一時三百円を越しましたが、その後非常に下つて参りまして、現在私どものほうの報告では二百五、六十円程度の線で、大体米の出廻期以降横這いの傾向を辿つておるようであります。年末、正月に向いましてこれがどういう趨勢をとりますか、なかなかちよつと予測いたしかねますが、傾向といたしましては、米の出廻最盛期に入つておりますので、今後これが急に値上りするということもないのではないかと思います。大消費地を控えました東京周辺の関東諸県は、やはり相当高くて、二百円前後をしておると思いますが、これが更に越えまして福島、山形から更に奥の地方になりますと、ずつと価格が下つて参りまして、只今申上げました平均手取額よりは勿論高いのでありますが、私どもの聞いております範囲内では大体百十円以下であるようであります。従いまして、絶対額を比較いたしますと、闇で出したほうが有利のような数字でありますが、いろいろな闇取締に関する危険とか、その他諸要素を加えますと、必ずしも供出に非常に悪影響を与えるような価格は、そういう生産地では現われていないようにとつたのであります。
○菊川孝夫君 そうすると、あなたの言われる百十円というのは、農家が手放す値段が百十円ぐらいだと、こういう推計でございますか。
○説明員(新澤寧君) 大体そういう意味の考え方でございます。
○菊川孝夫君 では私はこの辺で打切ります。
○成瀬幡治君 先ほどの菊川君の質問とダブルようなことになるわけでございますが、六百八十円を七百六十五円に上げた、それには他の物価が上つて来た、だからそれに上げる。そして而も消費者のほうも若干手取が実質的に殖えておるのだから、このくらいの値上だつたら生活には一向差支えないというような答弁に聞えたわけです。どうもそれでは私は納得行かないから、もう少しそこを数字を挙げて具体的に一つ御説明をしてもらいたいと思います。
○説明員(新澤寧君) 御説明の言葉が足りなかつたかと思いますが、一応消費者価格を上げます場合、一体消費者としてどれくらいの負担能力があるかといいます点につきまして、いろいろの点から分析をしておるわけでありますが、その一つの基準といたしまして、家計費の上昇率を一つの参考資料としておるわけであります。家計費は国民の所得の向上につれて家計費にとられる金額が多くなつておるわけでありますが、その家計費にとられる額と米価に対する負担額が合うと一応支出しても差支えないということで行つて参ります。そういう考え方で家計費の上昇率から算出しまして、いわゆる家計米価を一つの目安としております。 それからもう一つ、この消費者米価の値上げが各消費者にどれだけの負担となつて行くだろうか、そしてその負担は消費者の総収入に対してどれくらいの比率で負担が増して行くだろうかという点を見ているわけであります。後者の数字から見ますと、総平均いたしまして、この七百六十五円に上げましたことによる負担率の増は一考に満たないのであります。一%に満たないということは非常に影響は微弱であるというふうに考えても差支えないのではないかというふうに考えております。又もう一つの指標といたしまして、主食の何と言いますか、エンゲル係数というような点からの見方もあるわけでありますが、今回この値上げによりまして、エンゲル係数が従来の係数よりも上つたという数字は出て参りません。そういうようなことを種々勘案いたしまして、一応全然この値上げが消費者に全く苦しくないということまでは言えないかと思いますが、一応現在の消費者家計の状態から、この一%に満たない程度の値上げは十分耐えて行くことができるのではなかろうかという判断の下に、このような価格をきめたわけでございます。
○成瀬幡治君 そうすると、この七百六十五円というのは、その家計の上昇率と睨らみ合せて影響がないのだからという線なのか、コスト主義で行つたときに弾き出された数字なのか、その両者が偶然に一致した数なのか、どういう数字なんですか。
○説明員(新澤寧君) 一応コスト主義で出しました価格を、そうした他の指標に照らし合せて、コスト主義で出した価格で直ちにきめても、消費者が耐え得るかどうかという判断の資料として、今申上げたような指標を取りまして、コスト主義を取りまして七百六十五円で十分消費者は耐えられるのではないかという結論でその価格をとつたわけでございます。家計米価主義を取りますれば、ややもう少し高い線が出て来るかと思います。一応コスト主義で出しました価格を、他の指標に照らし合せまして、それをそういう価格できめていいかどうかという判断を主としたということでございます。
○三木與吉郎君 この補給金ですが、この補給金は十キロあたり百二十五円ですか、平均した石当りです。
○説明員(新澤寧君) 補給金と申しますと……。
○三木與吉郎君 特別会計ですか、政府が負担する金ですね。配給に対する……。十キロに対して幾ら出るのですか。八百九十円と七百六十五円との差ですか、平均して……。
○説明員(新澤寧君) 一応コストそのものを見込めば八百九十円かかるということでありますが、それを七百六十五円にしているのでありますから、その差額は何らかの形で財政負担になるということは言えるのであります。その財政負担の財源として、一部は一般会計からの繰入れに求める、一部は食管会計が従来持越して参りました利益を今食いつぶしているということであります。
○委員長(大矢半次郎君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大矢半次郎君) 速記をつけて下さい。 他に御発言もないようでありますが、質疑は終了したものと認めて御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。 それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。 別に御発言もないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。 それではこれより採決に入ります。食糧管理特別会計の昭和二十八年産米穀に係る供出完遂奨励金の支払財源の一部に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大矢半次郎君) 多数であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、諸般の手続は先例により委員長に御一任願いたいと存じます。それから多数意見者の署名を願います。 多数意見者署名 三木與吉郎 山本 米治 西川甚五郎 藤野 繁雄 岡崎 真一 青柳 秀夫 小林 政夫 —————————————
○委員長(大矢半次郎君) 次に、一般会計の歳出の財源に充てるための米国対日援助物資等処理特別会計からする繰入金に関する法律案を議題といたしまして、質疑を願います。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大矢半次郎君) 別に御発言もないようでありますが、質疑は終了したものと認めて御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。 それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。 別に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。 それではこれより採決に入ります。一般会計の歳出財源の充てるための米国対日援助物資等処理特別会計からする繰入金に関する法律案を原案通り可決することに御賛成のかたの挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大矢半次郎君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、諸般の手続は先例により委員長に御一任願いたいと存じます。それから多数意見者の御署名を願います。 多数意見者署名 西川甚五郎 山本 米治 三木與吉郎 小林 政夫 成瀬 幡治 森下 政一 松永 義雄 藤野 繁雄 青柳 秀夫 岡崎 真一 —————————————
○委員長(大矢半次郎君) ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大矢半次郎君) 速記をつけて。 暫時休憩いたします。 午後零時四十九分休憩 —————・————— 午後三時一分開会
○委員長(大矢半次郎君) 休憩前に引続いて会議を開きます。 公共企業体労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(印刷事業)、同じく(日本専売公社)及び(造幣事業)、右三案を一括議題として質疑を行います。
○松永義雄君 今年度の印刷事業は非常に順調で、予想外の実績が上り、且つ利益を生じているというのだそうですが、その点に関する計数を簡単に御説明願いたいと思います。
○政府委員(吉田晴二君) 本年度の印刷特別会計の予算は、最初当初予算におきまして利益が四億九千九百万円ということになつております。その後、これは何といいますか弾力条項で、製造数量の増加がございまして、それによつて約二千五百万円の利益の増加が認められるということになつておりますが……。
○松永義雄君 それはいつまでですか、二千五百万円の利益が上つているというのは……。
○政府委員(吉田晴二君) 昭和二十八年度の終りまでの間の数字でございます。
○松永義雄君 そうすると私のほうでは、えらく数字が相違しておるのですけれども、予定数量金額が三十三億円になつておる。そうしてこれは時節によつて違うのかも知れませんが、四—九月の間に約十八億八千五百万円という、予定数量を越えた増加を見ておるようで、予定数量金額を三十三億円とすると、まあその半額を四—九月といたしますと、十六億円が十八億円になるので二億円ぐらい増加するというような計算になるのですが、そうすると四、五億円の利益が上つて来るように思うのですが、どうですか。
○政府委員(吉田晴二君) 現在の予算におきましても、印刷局の歳出総計が四十九億円でございます。歳入が五十三億円、その差額がまあ大体五億近い数字になつておるわけでありまして、只今のような十八億円でございますか、歳入超過というお話でございますが、到底そういう数字は我々としては考えられないのであります。ただ現在のところ、仕事としては非常に順調に進んでおりますので、五億円程度の利益、そのほかに若干の増加分ということも考えられるのですが、只今のお話のような非常に厖大な利益ということは、これは到底不可能であるというふうに考えております。
○松永義雄君 もう一度いい直しますが、銀行券だけについて数字を述べたわけですが、それが二十八年度予定売上げ額は三十三億円になる。ところが実績は十八億八千万円、だから半年ですでに十八億八千万円の売上げ実績がある。然らば三十三億円の半分の十六億円よりはそれだけ利益というか、実績の上において非常な増加を見ておる、こういう数字を申上げたのであります。十八億の利益があるということではない、そういう意味ではない。
○政府委員(吉田晴二君) どうも大変失礼いたしました。お話の通り、年間当初の予算としての売上げが三十三億です。その後そのうち今のお話では半年で十八億八千万円売上げがあるじやないかというお話なんでありますが、私どものほうの手許では、まだそれだけまでのはつきりした数字を持つておりません。只今我々のほうの数字では、大体四月から八月までの売上げ高は十六億八百万円ということで、大体の三十三億の半分程度というものが一応五カ月間で出ておるということになつておるわけであります。
○松永義雄君 全体的に見ますと、二十八年度の見通しとして、六億円ぐらいの利益が上がるような計算になつているのですが、その点はどうですか。
○政府委員(吉田晴二君) 最初申上げましたように、予算といたしましては、一応最初の四億九千九百万円、その後の大体が二億五百万円程度、その分を加えますと五億二千万円程度になるわけございますが、実際問題としては、最近のような作業の順調さが年度末までずつと続きますれば、又八億円程度の利益の増加ということは、これはまあ見込んでも差支えないんじやなかろうかというふうに考えております。
○松永義雄君 それだけ一体利益がなぜ上つたかという理由なんですけれども、一口にいえば、それは労働生産性が上つて来たから、それだけ利益を生んだのではないか、つまり労働費が上らないのに収入が殖えて来たということになつているのではないでしようか。
○政府委員(吉田晴二君) その利益の増加というものにつきましては、何と申しましても生産数量の増加と、それに伴いまして織員の努力ということが非常にこれは有力なものであるということは言えるかと思います。又そのほかに昨年あたりから作業の改善についていろいろと工夫をいたしまして、インクの材料等につきましても、従来では非常に乾きの遅いインクを使つておつたのです。御承知の通り、最近出しております新らしい百円札におきましては、速乾性インクと申しまして、非常に乾きの早いインクを使つておるというような作業改善をいたしまして、それに伴いまして、いろいろと作業工程がうまく行く手数が省けるというような、作業法の改善ということも十分にいろいろ考えなければならん。そのほかに、勿論只今お話の通り、職員が非常に努力いたしまして作業に慣れて、そのために作業の能率が非常に上つたという面も確かにこれはあると思います。
○松永義雄君 今お話の四億九千万円の予算に対して、二千五百万円ですか、余計上つておる。そうすると約五億円以上になるのですが、そのうち納付金というものをその中から納めるのですか、三億円の金を……。
○政府委員(吉田晴二君) 勿論印刷局のほうの特別会計といたしましては、利益が出れば、それを一般会計に繰入れる建前になつております。ただ資産に対して出資いたします分は、これは固定資産の増といたしまして、現金がないわけでありますので、この分は繰入れができないのであります。それを差引きまして、大体三億円程度のものを国庫に繰入れるということになつております。
○松永義雄君 その計算の行き道の方法からいろいろの結論が出る思うのですが、五億円なら五億円というものがとにかく利益が上つて、それから三億円差引けば、二億円になるということになれば、そのうち全部が労働生産性が上つた結果とも言えないかも知れませんが、有力なる要素であるというのなら、その金のうちから仲裁裁定を若し八月から実行するとすると一億三千万円くらいの金になるというふうに承知していいのですか。そうすれば、そこから金が出て来るのではないかというふうに考えるのです。一応数字上ですが……。
○政府委員(吉田晴二君) 一応そういうふうな利益金というものがあることは確かにあるわけでございます。これは予算で以て一般会計に繰入れるということになつておりますので、又同時にその職員の給与については御承知の通り、給与総額というもので縛つてある。その給与総額を超えて支出することはできない。この点については国会の御承認によりまして、給与総額を値やすということが必要になるわけであります。そこで第二次補正予算といたしまして、政府で以て一月以降約三千万円の金をこのほうに出すということで予算が組まれておる。それ以外の分については、やはり印刷局としては給費与にこれを直ちに廻わすというわけには行かないのであります。
○松永義雄君 それは現在問題になつている点ですが、仮に数字上の点からとにかく利益を上げておるので、それに対する労働者側の要求、あの一億三千万円は出て来るという計数になるのではないかということなんです。質問したいのは、仲裁裁定はどうか、それは国会で通るのか通らないのかということは別にして、それだけの実力が印刷局にあるのではないか、それだけ仕事が立派に行われておるのではないかということを言つておるわけです。
○政府委員(吉田晴二君) これはもうお話の通りに、大体最初の予算通り、こういう益金が出ておるということは事実であります。
○松永義雄君 そこでこの前も質問があつたのですが、資産というものを考慮に入れておるのかどうかという話なんですが、問題は減価償却と言いますか、今申上げた一億三千万円を差引いても、なおかつ残りが出るのだから、その残りを以て減価償却のほうへ向けて、そうして建物の危険なもの、その他の修理或いはいわゆる合理化というものを行なつて行けば、ますます生産性が上つて行くのではないかというふうに考えておるのですが、そういう点は如何でしようか。
○政府委員(吉田晴二君) 先ほど数字を申上げるのを間建つたかも知れませんが、本年度の納付益金が、資本増加分は二億三千七百万円で、納付益金が二億八千八百万円という予定になつております。この二億八千八百万円というものは、成るほどお話のような点も考えられないことはないと思いますが、併し印刷局の事業というものは、これは御承知の通り紙幣でありますとか、郵便切手とか、或いはこの国会関係の刷り物であるとか、一般の政府の印刷物、とにかく全体として政府関係の印刷をしております。一般政府関係からの収入によつて歳入ができておる。従つて、結局個々における価格の変動なりその他のものはすべて一般会計に関係して来る、こういう性質のものでありますので、この出て来た益金というものもやはり結局は一般会計と関連をしておる。これをどういうふうに使うかということになりますと、これはやはり一般財政的な見地からも相当の検討をしなければならん。そういう性質のものでありますので、企業的な見地からだけこれを考えるということは、多少どうかというふうに考えるのであります。
○松永義雄君 そこへ行くと意見の相違ですけれども、生産性を上げて行くためには、錆びた焼けた機械を取換えるとか、或いは建物が古くなつて屋根が落ちそうだという所を換えて行く。そういつた方面へ持つて行くのが普通ではないか、こういうふうに私は考えるのであります。 更に御質問したいことは、これはよく労務者側から聞くのですが、一体日本銀行に対する印刷代というものは、今まで上げたことがあるのですか、ずつと据置きになつているのでしようか。
○政府委員(吉田晴二君) これは毎年四月に価格を日本銀行との間にきめます。原価を見まして、それによつてきめるということになつておりまして、殆んどこれは毎年改訂をしております。最近においても二十八年度の価格について或る程度の改訂をしておるというような事実があるのであります。
○松永義雄君 いつもどれくらいの率を上げて行かれるのですか。ここにまあ一割なら一割上げたとすると、どういうことになるのでしようか。
○政府委員(吉田晴二君) 一割上げますと大体予算書にありまするように、三十三億でございますから、一割上げますと約三十六億幾らですか、三億三千万円程度のものが出るという計算になります。
○松永義雄君 これは札の印刷というようなものは、何といいますか一つの官営事業ですから、似たようなものを造る所もないわけですから標準はとれないでしようが、少し安過ぎるという感じはないのでしようか。
○政府委員(吉田晴二君) これはまあ見方によりましては、いろいろ議論もできるかと思うのですが、一応現在の原価計算のやり方では、印刷局でいろいろ要ります人件費或いはいろいろな庁費、利益の点までも一応考慮いたしまして、その原価計算をしたもので一枚あたりの単価を出すということにして価格をきめておるわけでございますので、勿論その中には現在資産の減価償却も含まれております。そういう意味においては一応妥当な価格になつておるという性質のものであります。
○松永義雄君 今減価償却をなさつていらつしやると聞いたのですが、建物の非常に悪いのがあつて、非常な危険なものがあるというふうなことだそうですが、そういうものはあるのですか。
○政府委員(吉田晴二君) 現在例えば酒匂川の工場あたりでは、これは昭和十六年に戦争中に建てたものでございますから非常にまあ当時資材のない時に無理をして建てて来た、それも非常に急いで建てたというような関係のものでございますので、かなり腐朽が甚だしいものでありますから、最近予算を頂きまして、昨年度と本年度に亘りまして改築をして行く、これをコンクリートのものに換えておるわけであります。その他におきましてもこれは程度問題でございますので、直ぐというわけには参りませんけれども、漸次今後におい改築をして行かなければならんというものは、今申した酒匂川の工場のほかに或いは静岡の工場というふうなところにも或る程度あるわけです。又王子の工場もこれは戦災を受けた工場でございますので、かなり復旧はいたしておりますけれども、理想的なものということはなかなかむずかしいと思います。又旧来の大手町にありました工場はこれは現在市ケ谷に移つております。これも昔の陸軍の極く粗末な設備を換えて作つたものでありまして、これも将来においてはいろいろと復旧の必要もあろうかと考えております。
○委員長(大矢半次郎君) 大蔵大臣が出席いたしましたからして、この際大蔵大臣に対する質問を願います。
○菊川孝夫君 大蔵大臣にお尋ねしますが、公共企業体の労働関係法の十六条によつてこの議決を求めるという案件でございますが、十六条の規定は大臣も御承知の通りに、予算上資金上不可能なものは政府を拘束しない、こういう協定を結んだ場合には国会の承認を求めなければならないというので、議決を求めるのじやなしに、これは承認を求めなければならないと法律には書いてあるわけですが、だからその協定を結んだ協定実施のための承認を求めなければならないのではないか、かように考えるのでございますが、今度のものは実施できないが承認してもらいたい、こういう出し力をいたしておるようですが、ちよつと出し方がおかしいように思うのですが、これはどういうふうにお考えになつていますか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) まあその承認を求むるために出しておることは、ここに出しておることでよくおわかり願えると思うのであります。
○菊川孝夫君 そうすると、これは政府としては仲裁の裁定をこれを協定と読み替えて、この協定を承認してもらいたいと、こういう意向でもつてお出しになつたのですか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) それは私どものほうでその仲裁の裁定について予算化し、資金化し得た部分について、国会で承認、不承認を決して頂きたい、こういうのであります。
○菊川孝夫君 そうではないのでありまして、予算化した分について承認を求めよというふうに書いてあるのではなくて、協定を結んだのを承認を求めなければならない、こう書いてある、法律的には、事由を附して。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 私どものほうとしてはつまり裁定された一部が予算化し得たものですから、予算化し、資金化し得るものについて承認を求めておる次第てありまして、御承認を得た上初めて予算が通つて実行し得る次第であります。
○菊川孝夫君 あのこれらの四、五、六はいずれも大蔵大臣の所管関係の現業庁の事業でございますが、一方におきましては給与総額というのをきめてある、だから給与総額をびしつときめてあるのであるから、少くともこの給与関係について裁定が出ましようとも、協定を結ぼうとも、いずれもこの給与総額というものに必ず引つかかつて来るのであります、どうしても給与総額に引つかかつて来る。従いまして、裁定が出された場合には必ずこれは予算を附して、今の大蔵大臣の言われるのは予算を附して、その予算の出た分だけは承認してもらいたいというのですが、どうしても給与総額に引つかかつて来るのですから……。で、予算を附して出て来ると、その予算そのものについて審議するのが本当だと、こういうふうに思うのでありますが……。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 初めの裁定そのものでは予算化、資金化されませんので、これは私どもできませんと、こう申しておるのであります。ところが次にだんだんいわゆる三公社五現業等の内容を調べました結果、一部については一月以降はこれは予算上措置し得るという見込が立ちましたので、そこで予算を提出いたしまして皆さんの御承認を得れば、これは実行する、こういうことにいたしておるのであります。
○菊川孝夫君 そうしますと仲裁裁定そのものをずぼりと事由を附して出すなら出す、事由を附してと書いてあるから、事由を附して出して来るが、そうすると国会におきましてこれを承認するかしないかという場合には、当然これは仲裁の裁定そのものとこれは取組んで行かなければならないと思うが、仲裁裁定は仲裁委員会がきめて出す、これを今度国会で一々もう一遍やるということになつたら、仲裁委員会の上に、この仲裁裁定そのものもこれは論議しなければならないと思うが、世界中この仲裁裁定の内容を、これがいいか悪いかということを論議する慣例は、ほかのどこの機関にもないと思うが、私らは国会で論議するのは、やはりそれに予算を附して来た場合に、その予算が一体国の一般経済、財政状態と絡んで均衡が取れているかどうか、こういう点について審議する、こういうふうに我々は了解するのですが、どうもそのように運営されないところに不満があるのですが、この点はどういうふうに……。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 私のほうは仲裁裁定というものは予算の編成権とか、或いは議会の審議権を何ら拘束するものではない、かように考えております。即ち予算の編成権は政府のほうにあるのでありますから、そこでどう予算化し得るかということを、私どもはその編成権に基いてやつた結果が、一月以降ならやれるというのでそれを予算化して出した次第なのであります。従つて、今申上げた通り裁定が出る、その裁定というものが予算編成権をも拘束するものであり、又あなたがたのほうの国会も、私も国会だが、国会の議決権をも拘束するのだ、かように私どもは考えておりません。
○菊川孝夫君 我々は考えるのに、国会の議決権は勿論拘束するものではございません。で、予算編成権につきましては、政府はこの理由を附して承認を求めなければならんというときに、こういう裁定を実施するためにはこういう予算を組まなければなりませんというので予算を示して来て、その予算について我々審議するなら、これは拘束しない、拘束できるものじやないと考えておるのですが、それでこのいきさつから説明して見ますると、どういつたつてこれは立法当時に何せ遡つて考えて見なければ僕は無理だと思うのです。というのは、そういうことじやなくして、仲裁の裁定というものは世界的にどこでももうこれは最終的決定だと言つて運用されておるにかかわらず、国会の議決、政府を拘束するものではない、国会の承認を求めなければならんということになつたら、仮に国会が承認されないようなことになつたら一体どうするのか、この仲裁裁定というものは死んでしまうじやないか、而して仲裁裁定そのものについてのよその国の一般の考え方と大分食い違つて来るじやないか、こういう質問をこの立法当時にしたわけです。まだ原文のまま当時から論議したのですが、その時に原文を示した連中の説明には、成るほどちよつと見るとそういうことも考えられる。国会で否決されるということも考えられるだろうけれども、実際には政府が予算を附けて国会に出すときには、その政府を構成しておるのは政党政治である限り多数党で以て構成しておることになるのだから、よほどの無理がない限り、これはもう必ず通るものである。公正な裁定が下されておる場合には通るのだ、ところがたまたま国会の湊といつて牽制しておるのは、どういう場合を指してこれを牽制するかというと、仲裁裁定の委員会の委員の中にも、とてつもない委員がたまたま出ることも予想される、人間であるから。えらい間違いを起こす場合もある。例えば今五万円ばかりのベースにせいというようなことを言つても、これはよそに比べて無理だということは誰でも考えられる、そういうときにこそ国会が初めて考えるべきだ。これは与党である場合、ただ反対党が強い場合に往々にして政府の出したものに対していやがらせのために、倒閣運動の具に供して、これを削減されるということはあるかも知れない。で仮にその連中の説明には、君たちのような社会党が政権を担当しておる時には、これはもう仲裁裁定を実施しなければならんというので、相当無理でも予算を組んで来るだろう。ところが反対派の、保守派のほうではここで社会党の内閣を倒してやれと、そのためには仲裁裁定の予算を削減してやれというようなことも起り得るだろう。まあそういうところが一つのみそである、こういう説明をしておるわけですが、そういうことで立法化され法文化されて、これはまあ何回も論議しておるのですが、大蔵大臣はその後国会へおいでになり、大臣の要職に就かれたので、その当時の、第一回の公労法が施行される際の速記録、政府の説明等を読んで見ますると、ちよつとずれておるように思うのでございますが、その点も一つ将来の参考として御勘考願わなければならん点があるのじやないかと思いますが……。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 将来のことですから必要に考えますが、まあ私どもは最初できた時から、又公労法の立法も変つており、更に又予算総則、いわゆる予算総額というものがなかつた、こういうことが新たにきめられたので、それは十一月二日でしたかね、何か私どもが申上げたのは。予算総則に基く総額の中にないから何ともやりようがありません。予算化することができませんと、これはまあ併しあの時は私はそういうふうに申上げておる。ところが今度だんだん調べて見ると、まあ三公社五現業のうち一月からこれはやり得る、予算化し得る、資金化し得ると考えたから、そこで予算化し得る、資金化し得るからというので、今度一月からの、あなたがたの言葉で言うと一部実施をつまり提案した、こういう次第であつて、私はこれはどんな場合でも裁定を下す仲裁の場合は相当な人が下すのでありましようが、あなたの言うような極端な人がないとも言えません。その裁定が直ちに一国の予算の編成権まで拘束することは私は解さない。どうしてもこれは予算の編成権というものは、いわゆる三権分立から出ておる重要な点であつて、それが拘束を受けるということは、これはよほどのものでなければ拘束するものではない。その仲裁の裁定が拘束するということは考えないのですが、併しお話の通り、今後研究することは私の学問にもなることですから、研究して見たいと思います。
○菊川孝夫君 ではもう一点だけ大蔵大臣にお尋ねしますがね、あなたは給与総額ということを盛んにおつしやいますけれども、この給与総額というのは、最初に第一回の裁定が出ました時に、これはどうしても法律上から言つても対抗できないということになつた。その当時は丁度占領中でございましたので、占領軍のほうの労働課の係では、これはどうしても実施しなければ対抗できないというのですが、経済科学局の予算課のほうでは、何とかしてこれは対抗しなければならないというので、当時の大蔵省に考えさせて、給与総額というものをこしらえさせてもらつた。それで昭和二十四年までは給与総額というものは全然なかつた。二十五年に初めて裁定が出て、野党に食い下られて、理論上どうしても食い付くところをこしらえておかないと、いつもやられてしまう。これは学者の意見を聞いても、とても対抗の余地がないということになつて、当時の占領軍と大蔵省の幹部の諸君とがいろいろ智恵を絞つて作つたものが給与総額ということです。その実際の成立ちは。それを、この給与総額をこしらえておいて、いつまでもこれに引つかかるからといつてやつておつたのでは、仲裁の裁定が出るたびに問題を起して、仲裁の裁定が出てしまつたら、国会のきめるのを見ておればいいということではなくて、予算編成のときから問題になつてしまう。そこが一番みそです。特にその当時公共企業体労働関係法を制定する時に、労働省の幹部が労働組合のほうに説明したのも、争議権を制限するというのは、それは労働組合に対して争議権を制限するというのは、これは非常にひどいやり方だけれども、仲裁裁定が尊重されるからして、これで我慢するのだ。こういうことを言つてあつたやつを、今度は給与総額をこしらえてこれに対抗したというのが、今までの経緯です。而もそれはGHQ内部の課の間の、局の間の勢力争いが禍いしておつたことは事実なんです、今日までのところは。まあそれの悪い慣習を、今まであれが前例であると言つてやつていたが、一つここらで脱皮しなければならないと思うのですが、どうですか。もうそろそろ占領中のことはいかんのじやないかということを言つておるのですが。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 私は少し考え方が違うんでありまして、その点については菊川さんの御意見の点もよく承わつて首肯し得る点もありますが、私どもとしては予算を編成する時に、それじや予算総則……まあ予算総則問題は暫く別ですが、予算問題を今度こういうような仲裁があるんですよというような予定のもとに、そういう予算を編成するか。そういう余裕のある予算はまだ実は編成できない。それから今こそ賃金はだんだん上つておるが、今度は世の中が不況になれば賃金が下つて来るでしよう。今度は二割下げろというようなことの要求があることも考えられないこともない。上る場合もあるが下る場合もある。下げる場合には予算に少しも問題がないが、上る場合はそれを新たに予算に組んでやつて行くというのは、これは不健全な予算になつてやり切れるものではない。それで従つて仲裁裁定が下つたら国会を招集して、そういう予算措置をどうお願いするかどうかという問題があるわけであります。併し私どもは、それは一応いろいろな個々の三公社五現業というものがあつて、それぞれがかかつておつたものですから、ほかとの振合いを見ておるというようなこともあつて、それで当時としては、この前の国会には当時何も予算の総枠がありませんので、これは私どももそういう事案としてお出ししておつた、こういう理由でございますが、今回は今申上げた通り、多少予算を考えられることがよくわかつて参りましたので、そこで今回の国会にはこれこれだということで御承認をお願いしておる、こういう次第でございます。
○菊川孝夫君 それで今大臣が予算編成権を非常に強調されまして、三権分立の立場からと言つておるのだが、この法律を見てみますと、国会に対する提案権、これも一つのやつぱり予算編成権と同じような、国外議員とか、さもなければ政府以外には提案するわけに行かんのですが、提案権がこの法律では制約されているのです。というのは五日以内に出せと、こう書いてある。閉会中の場合には開会されて五日以内に必ず出せ、開会中の場合には裁定が出たら十日以内に好むと好まざるとにかかわらず出せ、これは提案権に対する大きな制約だと思うのですが、それだけ仲裁裁定というものは提案権までも制約しておるわけですが、予算編成権についてもあの十六条を素直に読んだ場合には、やつぱり予算編成権についても制約を加えておるのだ、こういうふうに解釈するのです。これは労働法の学者は、あの当時最初は末弘巌太郎博士が陣頭に立つて参りまして、我々も出て参つて、第一回の仲裁裁定のときに、参議院では我々は余りやらなかつたが、衆議院で大論争をやつたのです。それからこの間も衆議院の労働委員会で、これは別にそういう政府のやり方について反対する者を曲学阿世だときめつけてしまえばそれまでの話でございますけれども、あれは一応公正な学者だと私は思う。その学者が皆口を揃えて、やつぱり争議権の制約、これに伴うところの反対給付としての仲裁裁定、これについては当然政府も拘束をされるのだ、されないというのは国会が若しも否認したときに、予算を削減したり或いは削除してしまつたようなときに政府はどうするわけにも行かんから、そのときだけは免責条項だ、こういうのがあの当時の学者の意見ですが、これでも全部そういう意見を聞くのです。労働組合もそう言つている。学者もそう言つている。あの学者は中立的だと思うのです。それで佐藤法制局長官や大蔵省の幹部あたりの解釈のみで以て強行して行こうというところが私は今日ほうぼうで仲裁の裁定が出てからごたごたが起る一つの大きな原因だと、こういうふうに思うのですが、大蔵大臣がこの点も一つ考えられなければならんと思うのですが、どうですか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 只今の問題は、考えることは考えて結構ですが、私どもは只今の問題は飽くまでさつきから繰返して申上げたように考えております。併しなおこの問題については、実は今日は最終日でして、ほんの一、二分でいいから出て来いというので出て来た次第で、事情を御承知のかたはよくわかると思いますが、あとは一つ労働政務次官に何しておきまして、私も考えることは十分考えますから……。
○菊川孝夫君 それじやお立ちになるなら最後に一点、休会中にでも専売事業等の調査の場合に御出席願いまして、もう少し我々としましても、今後もあることですから、毎年々々裁定の出るたびに同じような論争を繰返しておるのでは困るので、あなたの御出席を願いたい。今度はちよつとひまができるだろうと思いますから、是非この委員会に御出席を願いたい。大体大蔵委員会には大臣が殆んど出掛けられずに、ひどいときには局長も出て来ないで、大体課長級が出て来てやつておるのでは、仲良し委員会みたいになつていかんので、常任委員会制度を根本的に考えなければいかんという点について、特にこれはひどいので、少くとも政府委員でなければ答弁させないというくらいの原則を立てようかといつて参議院自体としても考慮している時です。ですから、ひまのときには、少くとも予算委員会の余り切迫しないときは、こちらへ出て来てやつてもらわないと困ると思う。
○国務大臣(小笠原三九郎君) それは仰せの点御尤もでありますから、ひまができればお伺いいたします。ただ御承知のように、この間の十七国会でも十八国会でも予算ばかりの会期でして、そうして会期が限られておるものですから、何も私がひまでそこらにおるのにここに出ないということでなく、これはお察しの通りですから、ひまがありましたら伺いますから、どうぞよろしく。
○森下政一君 もう一分か二分いて下さい。あなたがいないと、安井君では困るのだ。私は公労法の根本、そんなことを論議しようとは思わない。ただ、今審議しておる仲裁裁定の問題を前国会で提案されたときは、提案理由の説明で予算上、資金上実施不可能だということを言うておられる。だから国会で承認をしてくれというときは、何もかも考えてお出しになつたと思う。ところがその後だんだん調べてみたら、一部実施ならできそうだというので予算化したものを出しておる、こう言われておる。それはやらないよりは一部実施のほうがいいと思う。ただそれで大蔵大臣は、私が質問したいと思うことは、たつた一カ月の違いなんですよ、前国会と本国会で。だんだんその後調べてみたらこれだけの余裕があることを見付けたとおつしやるが、もう少し一カ月早く努力をされて、一部実施を一カ月早く予算化して提案するという肚を政府が持つていれば、今日国民大多数から見れば、大きないろんな労働組合の戦術によるところの迷惑、あれは私はなしに済んだのではないかと思うのだな。そこが甚だ政府の考え方というものがその場その場の財政で、小間切れで、見通しが悪い。これは大蔵大臣、何といつてもあなたの責任だと思うが、どうですか、そこのところは。
○国務大臣(小笠原三九郎君) それは御批評は承わるほかないが、あの当時においては御承知のように一番最後の裁定が下つたときにおいては非常に遅いのでして、あの当時はとてもまだ私どもが見て、予算化、資金化が不可能であるということは明らかだつたので、そういうふうにお出ししたのでありますが、その後いろいろ私どものほうで立入つて調べてみますと、相当できるものがあるということがわかつて来たので、この一別のときにそれではなぜ出さないか。それは予算を出さなければやれんものですが、あのときは御承知のように災害と奄美大島だけに限つた予算で、何もあとのものには出しておらない。今度は丁度期末の俗に言う〇・五等で予算を出さなければならない。出さなければならないときだから、それで丁度調べた結果、予算の問題もあるから、それでは予算化し得るわけだから、一つできるだけのことをしようじやないかというので予算化、資金化というものをやつたので、私の心持ちを言えば、むしろ非常に喜んでもらうということはあつたかも知れんと実は私は思うのだが、これはどうも少し怠慢的なお叱りを受けたことは甚だ私としては不本意だと、こう申上げるほかありません。
○森下政一君 非常にもう時間が来ておるので、ここで論争はしませんが、例えば総理大臣は、政治の中核として自立経済の達成だ、結論は非常にいいのですが、あなたは通貨の安定、インフレの抑制、これがあらゆる国策の中核だとおつしやる、結論として非常におつしやることは耳に響きがいいのだ。ところがいろいろやられることの過程を見ると、インフレ抑制を壊しておるのはあなただという気がするのだな。米価がだんだん上つて来るじやないか、電燈料も上るらしい、これは政府に関係ないが、郵便料金でも鉄道料金でも上るそうだ。あなたがたが国民生活を悩ますのじやないか、インフレ抑制をやらんのじやないかという気がする。これはまあそれと同じで、その後だんだん調べたなんて言われるが、傘下に専売公社もある、印刷局も持つているという大臣が一カ月前にこの見通しが立たん、一カ月のちには年末の手当とかやはり予算化しなければならんことはわかつておるのだから、そのときに真剣に努力せられたら、一切国民も迷惑なしに済んだと思う。喜んでもらいたいと言われたが、喜びながら恨みを申上げなければならん。行き届かんということに対して、素直に行届かんのだとおつしやるのが本当だと思うが。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 繰返して申すように、この前のときはあなたが言われます通りに災害以外の予算をしない、その代り会期を一週間として通すからということが最初からの話であつて、従つてほかのものを予算化し得ない、予算がなければやりようがない。今度はその後に起つた復旧の問題も、予算化するということになつたから初めて予算化したのであつて、予算化し得る一番最初のときに予算化したのだから、御批評は自由ですけれども、私はそういうことでかれこれ言われることは、自分とすれば心外である。いわんやインフレを私がどうこう、郵税の値上げがどうこう、そういうことは先のことであるし、一体そういう仲裁裁定についてももつとなぜ完全に呑めないかと一方で議論されたり、全然反対のことを言うから、議論は言うひまかありませんから、申上げませんが、いずれここへ来て懇談的によく申上げる機会もあろうかと思いますので、この程度にとどめておきたいと思います。
○成瀬幡治君 丁度安井次官がお見えになつているから、先ほどの菊川君との関連があるのですが、この十六条と三十五条との関係について、そういうふうに給与総額ということになると、三十五条なんということはないことと同じことになつてしまう。労働省はこれに対してどういう見解を持つておりますか。
○政府委員(安井謙君) 先ほど菊川さんからもいろいろ公労法の根本問題について御質疑があつたようでございますし、又成瀬さんからもお話がありまして、公労法自体についての御批評はこの際いろいろ頂きまして、又十分考慮したいと思います。現行あります今日の法律は、とにかくでき得る限り政府も仲裁裁定を尊重しなければいかんという精神を三十五条で謳つております。併しこれは予算上質金上呑めない場合にはこれは議会にその意思を問え、こういう両建になつておるものと解釈しております。
○成瀬幡治君 給与総額を今度組むときに定員で、現給で組むわけです。そうしてそれに定期昇給、昇格というのを若干見るかも知れませんけれども、ペース・アップなんということは飽くまで全然考えていない。ですからそういうものをやれば、これはもう行き詰るにきまつているのです。併し、この三十五条の精神というものは、私はそういうものを超えた予算上資金上見越しているものであつて、それを給与総額で縛つてしまえば、三十五条の精神が踏みにじられる、延いては公共企業体のこの法律全体を否定したような形になりやしないか、こういうことは私は申上げておるのです。ですから労働省は本当に飽くまでも片一方で罷業権を取上げて、而も労働者を守つて行くんだと、そういう態度でおるのかどうかということを明確にしてもらいたい。
○政府委員(安井謙君) 三十五条の最終的決定として尊重して行かなければならないことはよくわかつておりますが、仲裁裁定自体が必ずしもベース・アツプ一方に限るものではございませんし、その他の場合でも当然拘束されるような、かなり広い意味から規定もされているのであると思いますが、法の運用上にいろいろ言われるように、かなり不便とか不自由という御批判もあることは当然でありまして、こういう問題につきましては、今後の問題といたしまして我々も十分検討したいと存じますが、差当りまして、この議決を出しております分は、本日の本会議で是非とも御採決を頂きたいと政府は考えておる次第でございますので、いろいろ根本問題につまとしては将来の問題として又御指導も御検討も願うということでお許しを願いたいと思います。
○成瀬幡治君 次官に簡単に……、簡単な言葉で言えば、今のような解釈をとつて行けば、公企体の立法精神が踏みにじられておるのではないか。労働省はそれでいいのであるか。労働省は労働者の立場に立つて、基本的な立場を守つて行く労働省としてどういう見解なのか、今のような解釈でいいのかということです。
○政府委員(安井謙君) ですから、この法律自体に対する御批判でありますればいろいろある思いますが、三十五条によりまして、政府は十分これに対する責任と申しますか、拘束力を以て予算も検討いたし、そして資金上の検討もして、成るべくこの精神に副うようにこれは努められるようになつておると思うのです。併し実際上、予算上資金上も不可能な協定であれば、これは明らかに十六条でこれに拘束される必要はない。議会の意思を問えということが明確に十六条で謳つてあるのです。我々はその法律通り今施行している次第なんでございまして、その法律自体のいい悪いにつきましては、これは又別の議論になろうかと思います。
○成瀬幡治君 いやいや、労働省の解釈だよ。
○政府委員(安井謙君) 解釈は只今申上げた通りであります。
○菊川孝夫君 労働大臣の代理で出られました安井さんにお伺いいたしますがね。労働組合というのはやはり最後は争議行為、ストライキというのはこれはもう労働争議には好むと好まざるにかかわらず最後はもうここべ持つて行かざるを得ない。一番最悪の場合にはこれは労働組合には争議というものはつきものだということは、前提としてあなたはお考えになつているのだろうと思いますがね。そこで公共企業体労働関係法、これはできる歴史はあなたも御承知の通り、マッカーサーの七月二十二日の書簡を見ましても、その中で、当時我々もその一員であつたのですが、国鉄と専売はとにかくあの当時には非常に共産党の党員が組合の中にたくさんおつて、公務員のうちにもおつたのだが、この二つだけは先ず相当デモクラティック、今日で言う民主的な労働組合をやつて行こうという勢力が強いということを我々は見たのですが、はつきり言うと、これだけは何とかしなければならんというので、苦肉の策として公共企業体に切替えてやれということの指令を出したのであつて、これはもう争われん事実であろうと思う。いろいろまあ御意見はあるであろうと思うけれども、あの当時はだからこれは公社に切替えてやらなければならんということになつて、公社に切替えて公共企業体というものができたわけです。そのやり方というのは、最後には争議を制限する代りに、仲裁裁定が出た場合には殆んど黙つておつても実行できるものだ、こういうことを盛んに労働省も宣伝し、労働者に滲透さすことをこれ努めたのであります。ところが出てみると、政府を拘束するものではないというところに引掛けてやつているということは、本当に私は好ましいことじやないと思うのですが、あなたはどう考えられますか、労働省として。
○政府委員(安井謙君) まあ三十五条で拘束性を持つことは事実でございますが、同時に仲裁裁定自体が政府の財政とか、その他の面と直接関連を持たないできめられるという仕組にもなつている関係上、十六条におきまして財政上、資金上の問題は、もう一回別個に国会の御意思を問うようにしろ、こというふうに規定されているものであろうと思います。
○菊川孝夫君 それでは政府の財政上との関連を審議しなければならんということになると、この四、五、六のような出し方をして来たつて、これじやどうしても、この一つの問題を捉えましても、これは国の財政一般との関連を考えなければならんと思うのですが、その資料はちつとも出されていないのですよ。これを実施したら一体国の財政にどういう影響があるか、こういう資料が私は出されなければ審議できない。仲裁裁定の内容を審議しろということはあなたは要求していない。労働省も審議することを要求する意思はないと思うのですが、だから国の一般財政にこれを実施したことによつて及ぼすところの影響、これを審議しろと、こう来ているのが本当だと思いますが、どちらを求めているのですか。
○政府委員(安井謙君) おつしやる通りだと思います。で、ありますから、この裁定の案を一体どの委員会にかけるのが妥当か、或いは予算委員会が妥当じやないかというような御議論も出ようかと思うのであります。これは参議院の慣習としてこうなつている次第であります。この点確かに御不便をかけているようなことかと思いますが、まあ併し予算委員会のほうでも十分に御審議を頂いていることでもありますし、一つ根本論に遡らないで、今日まで来ている実情を御酌量頂きまして、一つここで御審議、御採決を頂きたいと思います。
○菊川孝夫君 そうすると、四、五、六のこの三つの裁定を完全に仮に実施するとするならば、一体国の財政に、経済にどういう影響を及ぼすと、こういう考えから一部実施に、八、九、十、十一、十二と五カ月間だけを削つたのか、この点について一つ御説明願いたいと思います。どなたかこれはもう労働省で無理とするならば、大蔵省関係で一つ五カ月間を削つたことによつて国の財政にどういう影響があるか、この点を具体的に御説明願いたいと思うのですが、国会で審議するのはそこです。この裁定を完全に実施したら悪影響を及ぼすか、こういうことを五カ月仮にやろうということになつたらどういう影響を及ぼすか、この点を一つ明確に御説明願わなければならないと思います。その点を私は最後に大蔵大臣に聞こうと思つたのですが、忙しいからと言つて行かれたが、それが一番大事であります。国会で審議するのは、内容がいいの、へつたくれのということはないと思つております。どんなものであつても最後は国会できめるのだといつて、裁定そのものを国会で何したらいいという、そこが労働省あたりの解釈はどうもずれているような気がする。
○委員長(大矢半次郎君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(大矢半次郎君) 速記をつけて下さい。
○松永義雄君 あとへ戻りまして、先ほど一割値上げしたらどれくらいの金額になるか、一割くらい値上げできないか。日本銀行に対する印刷代の値上けのことですが、日本銀行側としてみると、印刷代が安い。印刷代が安ければ結果において貸借対照表の上におい成績がよくなるという形になると思うのですが、ただこの場合一生懸命に働いて、先ほどおつしやつたような危険な建物の中でいいお札を作つて、そうして日本銀行へ納めている。そうして納めているほうの側の労働者のほうの待遇は悪い。ところが日本銀行のほうの人たちの給与は非常にいいのだということになつて、均衝がとれないのじやないか。日本銀行のほうはどんどん会社ですから配当もしておるようですし、いろいろ各方面から見て日本銀行の状態は待遇上非常によろしい。然るにその日本銀行の金儲けの元の道具であるお札を作つておるところの労働者側の待遇が悪い、こういうことは均衡がとれないじやないか。だから印刷代の値上げということは相当ではないかというふうに考えるのですけれども……。
○政府委員(吉田晴二君) 非常に御同情のあるお言葉を頂きまして大変有難い次第でございますが、ただ実際印刷局の従業員の給与というものは、従来はこれは一般公務員として、国家公務員としての給与で一応縛られておつたのでありまして、そういう意味においてこれはいわゆる人事院の規則で縛られる。今度一部の職員については公労法の適用があるということになつたのでありますが、ただその場合に、給与の標準をどこに置くかということについては、やはり印刷局の特別会計法等にもありますように、民間の従業員という意味は、一般的な民間従業員の平均賃金というような意味の給与、更に民間において印刷事業に従事している仕業員の給与、そういうものに匹敵するというような考え方に来ておりますので、そういう意味において日本銀行の職員のかたの給与とは全然性質も形歩も違つておる。従つて印刷局の従業員としては或る程度そこに日本銀行の職員のかたと開きがあるということはこれはまあ止むを得ないと思います。併し勿論印刷局の製品によつて日本銀行のほうに相当の利益が出て来るとすれば、それはやはり一般の政府の歳入として管財局のほうに日本銀行のほうから納付されるということになつておると思います。
○松永義雄君 日本銀行の納付金を除いた利益がどうなるかというような論争をしてもしようがないと思います。相当な利益は上つておると思います。先ほどお話のあつたように、印刷局が利益が上つても、労働者が一生懸命働いても、一般会計のほうからいろいろ要求があつて見合わなければならないというようなことでは、労働者が一生懸命に働いても働き甲斐がない、楽しみがないということになる。で、これはもう誰が考えても同様で、能率が上りさえすれば、そこに報酬を与えるということは当然なことであり、いろいろなことで縛られているから仕方がないのだということはまあ別にして、工場の設備が不完全である、而もそれで一生懸命働いている、そうして利益を上げているにもかかわらず、更にその上に一般会計のほうと見合わなければならないというようなことでは、労働者が真に一生懸命働いておつても働き甲斐がないし、というような弊害を生じてもどうかと思う。とにかく利益が上つている所はまあ独立採算制とかいうのですから、見てやるのが相当じやないか。それがまあこの間の話と同じように、働いてそれで成績が上つたらそれに酬いるということが、それが真の労働の生産性を上げるゆえんであるし、菊川君の言うように、それじややめてしまおう、働くのは。むずかしく言えば契約の不履行というか、契約の破棄というか、それすらも禁止されているのは不当じやないかということになる。何もかも抑えて行く。抑えれば抑えることができるということは、それは度を過ぎれば結局形式的になつてしまう虞れがある。そうでなくてもそういう傾向が強いから、先だつても申上げたようなわけであつて、十分一つ御考慮を願いたいと思います。私の質問は終ります。
○成瀬幡治君 私は簡単に専売のかたに伺いたい。利益は予定されておつたよりも大体今年度どれだけ殖えるか。
○政府委員(今泉兼寛君) 今度の補正でお願いしております予算のほうにも規定してありますが、政府に対する国庫納付額といたしましては、当初予算編成当時予定したよりか七十億六千万円だけは国庫納付が今度多くなる。これは主としてたばこの売行状況が四月当初見込んだときよりかかなり売れておるということと、それからもう一つこの国庫納付額に大きく響いておりますのは、棚卸資産の増加額が当初予定したのよりかかなり増しておる。これは御承知の通り葉たばこを今年購入単価を相当値上げいたしましたので、今年度内まだ全部購入済みではございませんが、今年度葉たばこについてはかなり値上げした単価が見込まれておりますので、それが棚卸資産の増として当初予算よりかなり増しておる。こういつた関係が大部分の理由でございまして、七十億六千万円、これは国庫のほうへ納付する純増として当初予定したよりは殖えております。
○成瀬幡治君 会計年度の来年の三月三十一日までにおよそこの調子で行つたらどのくらい殖えますか。どのくらい儲かるか。
○政府委員(今泉兼寛君) 今申上げましたのは、この補正予算を作るとき、最近の見積りでこの程度の増になるだろう。従つて全体といたしましては、当初の国庫納付額といたしましては千四百三十三億九千八百万円余でございますか、ありましたのが、補正後におきましては千五百四億五千八百万円で、千五百億余りは国庫に納付できるだろうという見通しで、その差引が先ほど申上げましたが七十億六千万円、そういうことになります。
○成瀬幡治君 これは別段機械をたくさんとり替えて、よい機械を入れたとか何とかというのではなくて、そこに或いは員数を、専売に働いておる人たちを殖やしたわけでもないと私は思います。結局専売公社に務めておられるおかたは余分に働いておる。四月に予定されておつたより余分に働いて生み出された利益だと、こういうふうに結論を持つて来てよいと私は考えるのですが……。
○政府委員(今泉兼寛君) こんなに七十億も補正増をするほどの利益が上つた場合、それが公社の職員の努力の結果こうなつたのじやないか、こういうお尋ねだろうと思いますが、勿論私はこの中には公社の職員の努力の結果、製造面においても販売面においても努力した結果がこういうふうに出て来るものも当然あると思いますが、併しそうかといつて、この七十億が全部公社職員の努力かと申しますれば、必ずしもつまりたばこの売れ行きが宣伝がよくて、或いは公社職員が努力しただけ売れたか、或いはそうでなくて、やはり一般の景気なりその他の生計費等がよくなつたために自然に売れたものもありましようし、その点は今後幸い公社には業績償与という制度がございまして、すでに二十七年度におきましても業績以上に売れたということで、六月でございましたか、業績償与というのを専売公社の二十七年の決算の結果については出しております。今後二十八年度の問題につきましても、恐らくまあ三月あたりになればどの程度予定より売れたか、そのうちどのくらいが公社職員の努力によつて、つまり経費節約、或いは積極的な能率向上によつてどれだけ利益が上つたかという問題は、業績償与といたしまして、今後大蔵省としてはじいた結果、成るほど職員の努力に帰すべきものがあるということになれば、本年度中にはまだ業績償与として出る、こういう建前になつております。
○成瀬幡治君 余りごたごた質問しておつてもしようがないから、簡単にお尋ねしますが、高能率、高賃金ということをよく聞くのです。で、まあこの七十億も見込みより殖えたということは、これはあなたがいろいろなことを言うけれども、結局そこに務めている労働者が余計働いたと思うのです。で、裁定通り実施したつて私は何ら差支ないと思うのです。専売公社の衝にある人はどういうふうに努力されたのか、或いはそれを感じておる大蔵省はやつたらいいと思う。これをなぜ一月一日まで他の利益のない、まあ資金上予算上困難なところとなぜ合せなければならないという理窟が私納得が行かないのです。大蔵省としてはなぜ高能率、高賃金の、これは一つの自由党としての公約があるが、なぜそれをやらんか。
○政府委員(愛知揆一君) お答えいたします。誠に御尤もでございまして、私は本質論としては今成瀬君のおつしやる通りだと思うのです。私どもといたしましても、各企業別に給与の体系がきまつており、又それぞれの理由があり、又調停なり仲裁なりは各個別々にするということは、まさに御指摘の通りでございます。で、私どもといたしましては、成るべくその線を遵法して参りたいということでかねがね努力して参つたのでありますが、一方におきまして、仲裁裁定それ自体の御趣旨とされておりますところの実施の期限については足並みを揃えたい。で、この裁定自体が例えば八月に一斉に実施をしたいという気持は、これは強いて我我がその議論をテイク・アドヴアンテイジして申上げるわけではございませんが、一月から足並みを揃えて実施をいたしたい、煎じつめたところそこに来るわけでございます。で、私は仲裁の裁定の内容というものは非常に尊敬しております。できればそれを完全に実施したい、これはもう政府全体の気持だろうと思います。同時に併し来年の一月から実施ということでございますれば、大多数の資金上或いは予算上なかなかむずかしいところもようやくそれで足並みが揃う。そこで専売公社の従業員のかたがたにもその点は忍びがたきを忍んで頂くわけでありますが、一月の実施ということで足並みを揃えたい、これがもう私どもの率直な気持でございます。
○委員長(大矢半次郎君) 他に御発言もないようでありますが、質疑は尽きたものと認めて御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。 それではこれより三件を一括して討論に入ります。なお念のため申上げますが、衆議院より送付された公共企業体等仲裁委員会裁定中第一項は昭和二十九年一月以降実施するものとして、これを承認することの議決が原案でございます。御意見のあるかたはお述べを願います。
○菊川孝夫君 私は仲裁裁定一月から実施をするという原案に対しまして反対をいたします。 その理由はもう質疑応答を通じまして申上げましたので、簡単に結論だけを申上げでおきたいと思いますが、仲裁裁定は我々はもう特に強調いたしておりまするように、争議権の制限を加えるその代替、代りとして設けられたものでありまするからして、仲裁の裁定は丁度スポーツの審判の判定、このように受取つて私は実施しなければならんと思います。で、十六条の解釈も、我々が解釈通りすなおに何回読み返してみましても、これは政府を拘束するものではないという条項は文面はありますが、これは飽くまでも国会において議決されなかつた場合、即ち予算を出したけれども、その予算が削減されたり、更に否決を食つたというような場合にのみ、このときに政府を拘束しないのである。だから政府が解釈してこれを予算上資金上不可能だと言つて、給与総額を仮に一旦きめておく、年度当初において給与総額をきめておくということになりますと、給与関係につきましては、少くとも少しでも動かそうとしたら、必ずこれに引つかかつてしまうのです。もう必ず給与総額に引つかかつてしまいますから、政府のほうで以てこれを以て口実に、予算上資金上不可能だから政府を拘束しないのだと言つて蹴ろうと思えば、これは公社なり或いは企業体において幾ら団体交渉をやつて、そうして協定を結ぼうと、仲裁の裁定ができようが、或いは調停案が出て双方が受諾しようと、何も政府の方針如何によりましては、どのようにでもこれはやれる。言いがかりを付けられてしまつて何もできないという結論になると思います。極論でありますけれども。そういうところから考えましても、私は政府を拘束しないというのは、予算を国会に出したけれども、その予算がちよつとひど過ぎるというところで、国会において審議の過程において何らかの制限を加えられたときにのみ拘束しないのだと、こういう解釈を一貫して今日までとつておりまするし、又今後もそれをそうとつて行かなければならないと思うのでありますが、従いまして、今仲裁裁定の一部実施ということを、こういう悪例を付けておきますると、今度は一方にとつて不利益な場合、納得できないような場合でもこれを受諾してこれに従わせなければならない、双方従わなければならんときに、いつも政府の都合の悪いときだけは一部実施だと言つて、この裁定の実施関係を先例を付けておきまするというと、今後仮に組合側にとつて受諾をできないような条件の裁定が、裁定は何も賃金の値上げばかりが裁定にかかるわけじやありません。いろいろの問題、労使間の紛争すべて最後は裁定にかかるのでありますが、その裁定にいたしましても、一方のほうで不服がある場合には、これはもう政府でも一部実施なら俺のほうも一部実施だということをこれは強弁し得ることになつてしまうのです。そういうことではこれは労使間の紛争というものは、そう文章で書いてしまつてきちつて行くものじやない。大衆行動というものはそんなに簡単に行くものでは私はないと思うのです。そこでルールというものを長い間こう打立てて行つて、一つの軌道に乗せて解釈をして行こう、こういうふうにして行く以外にはこれは解決の方法はない。平和的な解決の方法はないと思うのでありますが、それが特にこの三件につきましては、ただ予算総則における給与総額のみが一つの政府の言いがかりの根拠になつているわけであります。そこでほかに何も抗弁の余地がないわけでありますが、従いまして、それによつてこのように一部実施をしよう、一月から実施ということにつきましては、飽くまでも我々は納得できないのでありまして、従いましてこの少くとも四、五、六の三件につきましては、これはよそとの関係ということになりましたならば、同じそれでは仲裁委員会で皆やつているのでありますから、その関係も考慮されてやつているのだが、併しできない場合にはできないところはそれは止むを得ないと思うのです。従いまして、この四、五、六だけはどうしてもやれるのでありますから、ここは八月から裁定の通りにこれは実施すべきである。我々は資金繰りその他についても、若干質疑応答を通じて、或いは提出された資料を通じて検討いたしましても、誰がこれを検討してもできる。それからこれは仲裁委員会もこれを指摘しておりますし、又財政法に通じました、財政経理関係に通じました学者、専門家の意見を徴しましても、簡単にできると言つている。それから労働法学者もこれはやれると言つている。だからして輿論的にもこれをやらないのは無理である、横車を押している、こういうふうに言わざるを得ないと思います。従いまして、一月からの実施については反対いたしまして、そうして八月から仲裁裁定通りに実施すべきことを主張いたしまして、本案には反対をいたします。
○松永義雄君 本案に対しては反対いたします。 仲裁裁定通り八月以降実施すべきことを主張するものであります。仲裁裁定の法律上の解釈については、幾多ここで論議されたので、くどくこれを繰返すこともないと思いますが、先ほどお話しましたように、一般会計、或いは争議権の否認、そういつたがんじ絡めに抑えて、そうして労働者をして危険な作業すらも行わしめて、そうして能率を上げているにもかかわらず、今日までそれを抑えておる。それを仲裁裁定によつて解決するということが労働問題の解決の最後の線であろうと思うのであります。更に予算上、資金上の関係でありますけれども、それならば一般の予算が値切に行われているかどうかという点になりますと、これはここで論議すべきことではないかも知れませんが、政村は例えば財政投融資というものがあつて、一つの建設的な方面へ資金を廻すというのに、そうした資金が正しく使われているかどうかという点について非常な疑問があるということを言われているのであります。で、生産を上げ、日本の復興のためには先ず労働者諸君に働いてもらわなければならん。或いは企業家の指導よろしきを得なければならんことは申すまでもないことでありまして、仲裁裁定は最後の線としてこれだけは労働者諸君に上げなければならん。それによつて初めて大きく言えば日本の復興に資するのであるという意気込みできめられたことがここに否定されたというなら、これは非常に私は重大であると思うのです。従つて仲裁裁定通りに実行してもらわなければならん。それに関する一月からの実施という法案に対してはどうしても反対しなければならんのでありまして、我々としましては本案に反対するものであります。
○委員長(大矢半次郎君) 他に御意見もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。三案をいずれも衆議院議決通り議決することに賛成のかたの挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大矢半次郎君) 多数であります。よつて三案はいずれも衆議院議決通り、公共企業体等仲裁委員会裁定中、第一項は昭和二十九年一月以降実施するものとしてこれを承認すべきものと議決されました。 なお、本会議における委員長の口頭報告の内容等につきましては、委員長に御一任願いたいと思います。 それから例によりまして、多数意見者の署名を願います。 多数意見者署名 三木與吉郎 山本 米治 土田國太郎 木内 四郎 安井 謙 藤野 繁雄 岡崎 真一 青柳 秀夫 —————————————
○委員長(大矢半次郎君) この際継続審査に関してお諮りいたします。協同組合による金融事業に関する法律等の一部を改正する法律案につきましては、去る十六国会より引続いて審査して参つたのでありますが、なお、検討の余地が認められますので、この際閉会中にも継続して審査することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。 なお、本件につきましては継続審査要求書を議長に提出しなければならないことになつておりますが、その内容、手続等を委員長に御一任願いたいと思います。 —————————————
○委員長(大矢半次郎君) 次に調査報告書についてお諮りいたします。 本委員会は従来から租税、金融制度及び専売事業等に関する調査を行なつて参つたのでありますが、会期の終了に当りまして、報告書を提出しなければならないことになつておりますので、本件に関しましては、まだ調査を終らないということで報告書を提出することとし、その内容等を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。 なお、本報告書にも多数意見者の署名を附することになつておりますので、順次御署名を願います。 多数意見者署名 青柳 秀夫 岡崎 真一 藤野 繁雄 菊川 孝夫 安井 謙 山本 米治 成瀬 幡治 森下 政一 松永 義雄 三木與吉郎 土田國太郎 木内 四郎
○委員長(大矢半次郎君) ちよつと速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(大矢半次郎君) 速記をつけて下さい。暫時休憩いたします。 午後四時四十一分休憩 〔休憩後開会に至らなかつた〕