図書館運営委員会 第1号
- 発言数
- 25 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1953/12/02
会議録
○委員長(高橋道男君) それではこれより図書館運営委員会を開きます。 本日は昭和二十八年度国立国会図書館補正予算予定経費要求書を議題といたします。 先ずこれにつきまして図書館長から御説明を願います。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 只今お手許に差出しております案件は、昭和二十八年度国立国会図書館予算補正要求に関するものであります。刷物に数字の出ておりますように、追加額といたしましては一千七十五万八千円、これに伴いまして修正の減少額がございまするが、それが四百二十九万三千円、以上の二つの金額の差引計算をいたしますと六百四十六万五千円だけが増額になるわけであります。これはすでに成立しておりますところの昭和二十八年度の予算額の四億二千九百五万六千円に加えますと、要求額は四億三千五百五十二万一千円ということになるわけであります。 その内容につきまして少しく御説明を申上げますと、次の紙のところに出ておりますが、国会職員の給与の改訂に必要な経費といたしまして四百四十九万四千円、期末手当及び勤勉手当に必要な経費の増加といたしまして六百二十六万四千円、それに節約によります既定経費の減少は、営繕工事費の節約でありまして、その額が四百二十九万三千円になつておるような次第であります。この職員の給与等につきまして加えておりまする経費は、別に国会で御審議になるであろうと思われまするところの法律の改正に応じまして給与及び諸手当の額が必要になつて来ると想像せられまするので、それに応じまする経費の増加を予算に計上したわけであります。さような次第でありまして、この予算自身は大体ほかのものに合わせるために金額の変化を生じておるものでございます。何分よろしく御審議のほどをお願いいたしたいと思います。
○委員長(高橋道男君) 御質問なり御意見がございますれば御開陳を願います。
○藤野繁雄君 減少額についてもう少し御説明を願います。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) かような減小額は好き好むことではございませんけれども、新営工事費の五分を割きまして、これを減少するほうの面に充てて、現在の予算の一般の情勢に合わせたわけなのであります。
○藤野繁雄君 そうすると四百二十九万三千円というのは、既定の予算の中の五分の天引ということになつておるのですか。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 結果においてはそういうことになつております。
○藤野繁雄君 そうすると別な方面も大体においてこういうふうな建物というものは五分引の予算になつておるのでしようか。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) これは非常に苦しいところでありまするが、とにかく予算を繰出さなければならんというときにどこから繰出し得るかというと、まあいろいろとこれから絞らなければなりませんけれども、はつきり繰出すということは事実困難でありまして、ただ新営工事費は今後の問題でありまするので、この際このくらいのところは世間に順応して出すというようなことにいたしまして、今のところはこれだけの面で予算の減少を図つているのであります。
○大谷瑩潤君 これは人件費は少しも入つておらないのでございますか。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 人件費のほうは減少を予想しておりません。大体今回のこの予算は、俸給の基準を上げるということと、それから手当を払うということ、これだけでございまして、只今のところはそこに集中しております。それ以外の問題はどうも他日起るのじやないかという懸念は持つておりますけれども、今のところはそこまで踏み込んでおりません。
○委員長(高橋道男君) ほかに御質疑、御意見はございませんか。なおこの本要求書は議長に送付をするのでありますが、その場合に勧告を付けるか付けないかということも、御承知の通り国会図書館法二十八条に記してございますので、その点についても御意見があれば御開陳を願いたいと思います。ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(高橋道男君) それでは速記をつけて。御質疑が終つたようでございますが、つきましてはこれを議長に送付するについて、二十八年度の本予算は勧告を付けずに送付いたしておる関係もございますが、この補正の場合同様勧告を付けずに送付していいものかどうか、それをお諮りいたします。
○石黒忠篤君 付けないで結構だと思います。
○委員長(高橋道男君) それでは勧告を付けずに、この議題となつております二十八年度国立国会図書館補正予算予定経費要求書を議長に送付することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高橋道男君) それではさよう決定いたします。 本日の議題はこれだけでございますが、なお、お手許に図書館の建築に関する資料を差上げてございますが、これに関してはそれぞれお読みおき願いたいということでございますので、さよう御承知を願いたいと存じます。 なおこの際、これに関して何か御意見がございましたら御発言を願います。
○藤野繁雄君 今これを読んでみるというと、あの敷地内にまだ残つておる者がおつて、立ち退き命令をしているけれども立ち退きをしないというようなことを書いてありますが、どのくらいの人間が立ち退きしていないものでしようか、その大体の状況を……。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) めそこに入つておりまするのは無断に入つて根拠を占めた者もおりますし、それから私どもの触れない時代でございますけれども、あの場所をいわば番をするというような意味において居住を許して、そのまま居座つた者がございまして、合計いたしまして十五人ほどになつております。それが個別的にいろいろと話合いをしてやつておりますけれども、まだ立ち退きが実現はされておりません。どうも向うのほうも図書館のできる工合を大体察知しておりまして、まだいいだろうと、こういうような気持もあろうと思われまするし、それから立ち退くにはやはり或る程度の有利な条件を以て立も退こう、こういう考えを持つておる者もあるように思われます。現在手は打つておりますけれども、まだ一人だけ立ち退くについて同意があるだけでございまして、今後それを個別的に進めて行かなければならないと思つております。
○委員長(高橋道男君) 羽仁議員より委員外の発言を求めておりますが、許可してよろしうございましようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高橋道男君) それでは羽仁議員。
○委員外議員(羽仁五郎君) お許しを頂きまして、少し取急ぐものですから、急にお願いいたしたいと思うことがございます。 それは来年度の予算に是非ともこのことをこの委員会で御主張願いたいというふうに思うのでありますが、私実は最近ヨーロツパの図書館などを見て歩きまして、それから今度日本の中の公共図書館をずつと見て歩いて来ておりますが、その中でどうも急速に解決を要するのじやないかと思われる問題が一つございます。それは全国の公共図書館、およそ一千ほど日本の公共図書館がございますのですが、その一千の図書館を歩きますと、皆それぞれの図書館が自分のところで手で書いて書物のカードを作つております。そのためにそういうカードを手で書くための人員というようなものも必要でしようし、又その費用、できたカードも余り体裁がよくないので、閲覧者に余り好感を与えていない。国立図書館は一面では国会の図書館なのですけれども、他面国立図書館として全国の図書館に対してサービスをなさるお考えが元来立法の精神からもあるのですが、どうか至急に来年度の予算に、若しこれがこの国会でその趣旨をお認め下さるならばやつて頂くようにできないものだろうか。 それで内々私もどのくらいの費用がかかるものだろうかというようなことをいろいろ聞き合してみますと、全国の図書館に、全国と言いましても公共図書館、各府県のセントラル・ライブラリーともみなされる県立図書館というものを中心にしてでも結構ですけれども、およそ一千の図書館に印刷カードを配付される費用というものは恐らく一百万円か二百万円という程度でできるのではないか。これはあとから図書館のほうで十分お調べ頂きまして、それによつて、およそ一千ほどの図書館で同じ仕事をダブつてやるわけですから、一千人ほどの人員の節約が県の財政としてはできるのではないか。国の、中央で百万円ぐらいの予算を取つて頂けば、地方財政として一千万円に近い節約ができるのではないか。これをどうかこの委員会でお取上げを頂いて、そして間に合いますならば二十九年度の予算に大蔵省のほうにそれを要求して頂くことができるならば誠に有難いのであります。急ぎましたので、この点はお許しを願つて、皆様にお諮り願いたいと思います。
○委員長(高橋道男君) 只今羽仁議員から御意見、御提案がございましたが、これに関して委員のかたがたの御意見がございますれば御発言願いたいと思います。 特に委員の御意見はないようですから、只今の羽仁議員の御意見は承わつておきまして、図書館長とも話合いを進めたいと思います。 何か図書館のほうから只今の羽仁議員の御発言について御意見ございますか。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 私のほうはその点はよく前から問題にしておりまして理論的に、印刷カードをこしらえましてあらゆる面の需要に応じたいということは願望しております。無理な予算のやり繰りをいたしまして、とにかく今日では、日本でできた書物の、まあカードにするに適するもの、その全部々印刷カードをこさえまして、希望者があればこれに売るという計画を立てまして、大分この二年ばかりの間に筋道も整いまして、余り無理からん方法で、而も図書館が損をしないようにできております。併し何と申しましても買つてくれなければ作つたものが全部無駄になりまするので、予約を取りまして、その予約に応じて或いは全部を一組として売る、或いは一部を一組として売る、或いは又少し高うございますが、一枚でも売る。まあこういう形でやつておりまして、この線を続けて行こうと思つておりますが、どうも私どもは地方の図書館で買つてくれそうなものだと思つていろいろと話をしてみますけれども、地方の予算がやはり乏しいので、まあ一枚せいぜい二円ぐらいのものでございますが、買つてくれないのです。そして紙を悪くしてもいいからもつと安いのがいいとか何とか、相当地方の図書館で圧迫されておりまして、私どもがもがいても十分な目的が達せられない。いわば漸進的な状況なんです。地方のほうで予算を殖やしてもらいさえすれば、私どものほうはあとは自給自足ですから、そうなりますと大蔵省でもひどく渋ることはないと思つております。
○委員外議員(羽仁五郎君) 今館長からの御説明よくわかるのですが、今館長の御説明のように、地方の図書館でなかなかそれを買うというところまで行かない。まあ地方の財政も非常に苦しい、そうして地方の図書館が教育委員会を通じてだものですから、いわゆる財布にかなり遠いところにおるというような関係もあつて、どうも実質上お買いになるというようなことがなかなかむずかしいのではないか。国会図書館法からいつても、そういうふうな面の援助を国会図書館が全国の図書館になさるということは、そう趣旨に外れていないと思いますし、やはり統一された印刷カードができる場合には、国全体としての経費の節約の面では相当重要なものがあるように思いますので、館長は私の希望いたしましたところを……、これはまあ全国公共図書館の希望でもあると私は推察するのですが、具体的にお考え下さつて、そうして無料配付というようなことを実現する方法をお考えけ頂れば有難いと思います。
○委員長(高橋道男君) それでは御意見を伺つておきまして、又図書館のほうで御検討願うことにいたしたいと思います。 ほかに御発言はないと思いますので、本日はこれを以て会を閉じます。 午後一時五十三分散会