議院運営委員会 第4号
- 発言数
- 61 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1953/12/03
会議録
○委員長(草葉隆圓君) 開会いたします。 常任委員の辞任及び補欠に関する件をお諮りいたします。
○参事(海保勇三君) 無所属クラブから予算委員千田正君、決算委員平林太一君が辞任されて、その補欠として、予算委員に平林太一君、決算委員に千田正君を指名されたいとの申出がございます。
○委員長(草葉隆圓君) 只今の申出の通り決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(草葉隆圓君) 御異議ないものと認めます。さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(草葉隆圓君) 次に、前回保留になつておりました輸出入取引審議会委員任命につき国会の議決を求むるの件、並びに中央酒類審議会委員任命につき国会の議決を求むるの件を一括して議題といたします。昨日相馬君から御要求になりました資料等も出ております。なお官房長官の御出席も相成りましたので、お諮りをいたします。
○小笠原二三男君 今配付になりました資料でちよつとお尋ねしたいのですが、この中央酒類審議会委員の予定者名簿は、原案はいつ頃これが作成されたのですか。
○政府委員(福永健司君) 酒税法は昭和二十八年三月一日に公布施行になつておるのでございますが、これに基きまして任命すべき委員でございますが、慎重に委員等の任命につきまして研究をいたしておりましたので、過日御承認を頂くべく、議員でありますかたについては、その手続をとつたわけででございますが、この委員の選考につきましては、相当期間かかつておるものでございまして、極く最近になりまして、早急にできたというものでないのであります。
○小笠原二三男君 それでこのなんと申しますか、政府側を代表せらるる専門的なかたと、あとは殆どは学識経験者と言われるかたは、極く少数で、全部各酒類の業界代表が委員になつておりますが、この構成の仕方そのものには、法的には制約があつて、こうなつたのですか。政府の一つの考え方としてこうなつたのですか。
○政府委員(福永健司君) 法律自体で学識経験者が何名とか、業界関係の者が何名とかいうように細かくは定めておるわけではないのでございますが、関係業者で問題の解決等を図つて、みずからできるだけ法律の精神に副うように処置が取れれば、それがいいわけでございます、というような観点から、比較的業界の関係者の委員が多く予定されておるというような次第でございます。但し先ほどお話のように、関係官庁と、そして学識経験者が御承知のように相当多数ございます。その官庁のかたと、それから学識経験者というものにいたしますれば、業界関係の予定者が遥かに多いわけでございます。併しそれにいたしますと、業界関係はかなり多うございますが、これは先ほど申上げましたような趣旨に基く次第でございます。
○小笠原二三男君 この予定者は相当前から予定されておつたそうですからお尋ねしますが、この廣川弘禪氏は、同氏は分自党のかたであつたが、それらにかかわりなしに、業界代表として、予定されておつたのですか。どういうわけでこういうことになつたのですか。
○政府委員(福永健司君) 廣川弘禪氏も委員の予定者に入つておりますが、同氏は全国小売酒類販売組合中央会会長でございまして、只今お話のごとく、政治的に同氏はいろいろの経歴等もございますが、政府といたしましては、そういうことにかかわりませず、同氏が右中央会の会長でありますという立場におきまして、委員としてかねがね予定をいたしておりました次第でございます。
○小笠原二三男君 次に輸出入取引審議会の委員のことでございますが、過般問題になりました出光興産株式会社の社長も委員に予定されておりますが、そのかたは政府が考えられる輸出入の国際的な関係上好ましくないとしたものを強硬に輸入せられたかたのようでございますが、こういうことについて政府としては拘泥することなく、大きな立場から今回は御選考になつたというような形であるわけですか。
○政府委員(福永健司君) 出光氏につきましては、今小笠原さんのおつしやつたような、そのままであるかどうかは別といたしまして、曾つて石油の輸入に関連いたしまして、若干政府の考えと食い違つたことがあつたと伝えられておることは私も承知いたしておりますが、この種委員を選定いたします場合におきまして、政府は別段政府に都合のいいような議論をする人、若しくは政府の方針と若干食い違つた行き方をした人は入れないということで区別等はいたしておらないわけであります。場合によりましては、いろいろ違つた意見も承われる、参考意見も取入れる場合もあろうかと思うのでございますが、出光氏はたまたま石油懇話会の代表者に相成つておりますので、そういうような立場から同氏を今度の委員の一名に予定いたしておる次第でございます。なお前回御質問頂きまして、私が当日他のほうへ呼ばれておりましたので、本委員会に出られなかつたので、代つて私から答弁申上げられなかつたとを遺憾に存じますが、この点について申上げておきますが、只今小笠原さんからお尋ねのあつた両方の委員に参議院議員のかたがたが三名入つておられます。いずれも緑風会のかたでございますが、これは政府におきまして、ことさらこの委員のかたがたということで選定いたした気持は全然ないのであります。たまたまその業界の代表の立場におられますので選定いたしましたところ、その中で三名のかたが偶然にいずれも緑風会所属の議員のかたでありました次第でございます。何ら意識的にどういう会派のかただからというような考えの下に、そういうかたを選定いたしたものでは全然ございません。
○小笠原二三男君 今の御説明を承つている間に、この資料によつてもわかつたのですが、酒類審議会において業界代表として出られている土田氏はこの選考の基準では、当然のことであろうと考えられる。それはこの限りにおいては了承できます。だが輸出入のほうの問題ですが、田村氏は、そうすると紙パルプの業界代表ということであり、高木氏は、これは何の業界代表ということになつておりますか。多分輸入自動車協会の会長というようなことで、自動車のほうの代表ということでございますか。この点を明らかにして頂きたい。
○政府委員(福永健司君) 只今の御質問の点は高木氏は自動車輸入に関しましての意見を代表する場合に好適な立場におられ、そういう履歴があるという諸般の実情をお持ちになつているので、そういう意味におきまして適任者であろうと考えまして予定いたしている次第でございます。
○小笠原二三男君 問題は、私一通り個人的には、了解できないわけのものでもないのでございますが、中央酒類審議会の委員の構成の仕方そのものについて、これほど業界代表を集め、そして官側のそれぞれの担当者等で審議会を構成して酒類の生産供給価格の決定等についてやるということ自身問題だと私は考えております。どうせこういうふうに業界代表と政府代表というようなものを集めるようなものならば、何もこの酒類審議会として法律に書いてある審議会を持つような必要はない。その都度それぞれ代表者の意見を徴して、そして政府が措置すればいいのではないかとも考えられないわけではない。そこでどうしてもこの業界代表というものを全部酒、而も合成酒、焼酎、ビール、それぞれの卸販売、小売販売、或いは果実酒、洋酒、一切を網羅して、業界代表をこれだけ入れて審議しなければならんという事情は私にはよくわからん。その点は、今後どういう政党が内閣をとつても慣行になるなり、或いは一つの基準になるのでございましようから、基本的な考え方については、もつと御説明を願つておきたい。
○政府委員(福永健司君) お話のような考え方もあろうと思うわけでございますが、大体においてこの種の問題につきましては、先ず組合の自主性によりまして造石数等の調整をさせる。それで調整できない不調の場合等におきまして、勧告、命令等を発するというような行き方をいたすことになつておりますので、そうした関係から、それぞれ今お話が出ましたような関係の代表者を一応網羅いたしまして、これによつて円滑な調整を図る。こういうふうに考えておりますわけでございます。 お話の点は、十分参考にいたしたいと存じます。
○委員長(草葉隆圓君) 他に御発言はございませんか。
○赤木正雄君 ちよつとお尋ねいたしますが、この委員は有給ですか、無給ですか。
○政府委員(福永健司君) 無給でございます。
○委員長(草葉隆圓君) ちよつと速記をとめて 〔速記中止〕
○委員長(草葉隆圓君) 速記を始めて。 それではこの輸出入取引審議会委員並びに中央酒類審議会委員任命につき国会の議決を求めるの件は、本日は保留をいたしたいと存じます。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(草葉隆圓君) 御異議ないものと認めます。保留をいたすことに決定いたします。 —————————————
○委員長(草葉隆圓君) 次に人事官任命につき本院の同意を求めるの件をお諮りいたします。
○政府委員(福永健司君) 人事官浅井清君は本月六日を以て任期満了となりますが、同人を再任いたしたいので、国家公務員法第五条の規定によりまして両院の同意を求めるため本件を提出いたしたような次第でございます。 浅井君は、お手許の履歴書でおわかりのように慶応義塾大学法律科を卒業いたしまして、大正十二年四月同大学法学部助手兼予科教員を命ぜられ、助教授を経て、昭和四年四月同学部教授となり、爾来引続きその職にありましたが、昭和二十一年七月貴族院議員に任ぜられ、その後行政調査部部員、公務員部長を経て、翌二十二年十一月臨時人事委員長となり、行政調査部顧問をも兼ねましたが、一般公務員法に基く人事院の設置と共に両議院の御同意を得まして人事官に任命されて、初代の人事院総裁として現在に至つているものでございます。右のような次第で同人は民主的人事行政制度の確立及びこれが実施について多年尽力して来たものでありまして、人格識見において国家公務員法第五条に規定する資格を十分具備するものであると考えます。そこで今回政府におきまして再び人事官に任命しようとするものでございます。なお再任を御承認頂きます場合におきましては、引続いて人事院総裁をお願いしたいと存じております。何とぞ御審議の上、速やかに御同意を頂きたいと存じます。
○赤木正雄君 前の人事官がやめられまして、その次の人事官を任命されるについて、この委員会で審議した場合に、各方面から技術出身のかたをこの次の人事官に任命すべきであるという大変強い議運としては話があつたのです。その点を、今回浅井さんをお出しになるのに対して、多少でもお触れにならなかつたのでしようか。
○政府委員(福永健司君) 赤木さんの御指摘の点は、政府におきましても前々からそうしたお説も伺つておりますし、政府自体も考慮をいたしておりました点でございます。そこでまあ浅井氏を再任するか代えるかということによつて大分違うのでございますが、浅井氏を代えるというような場合におきましては、今のような点もよく考えなければならないというふうにも考えられるわけでございますが、政府もいろいろ検討いたしました結果、今申上げましたような理由等によりまして、浅井氏を再任してもらうほうがいいのじやないかというような結論になりましたので、今回技術出身のかたを以てこれに代えるという人事にはならなかつたわけでございますが、まあ浅井氏自身は、技術出身ではございませんが、過去長く人事院の総裁といたしまして、いろいろの仕事に携わつて来て、本人は技術出身ではございませんが、つまり技術出身の人がいて、いろいろ介入すべき必要があるというような考えかたが各方面にあるということについては、本人もよく認識もいたしておりますと思いますので、技術出身ではございませんが、さような点につきましては極力留意して、今までもそうであつたと思いますが、今後ともその仕事に当るようにしてもらいたい。こう思つております。
○小笠原二三男君 一方こういう人事官を任命するという、こういう時期と呼応して、政府側においては、人事院を廃止して総理府のほうに編入するという動きがあるように新聞紙上伝えられておるのでありますが、現段階においてはどういうお考えでおられるのか、併せてお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(福永健司君) 行政機構改革の問題につきましては、新聞等にいろいろ伝わつておるところがあるわけでございますが、人事院につきましても新聞等にはいろいろの考え方が伝わつております。政府におきましては、もとより人事院につきましても検討はいたしておりますが、未だ最終的の結論等に達しているわけではないのでございます。まあ、これからそういつたことについて、更に検討を進めて行くわけでございますが、只今浅井君を再任いたしたいということと関連いたしましては、将来どうなるからどうというようなことと関連させてということはない次第でございまして、過去において同君が総裁としての重要な職務を相当期間やつて参つたのでございますが、先ほど申上げましたような理由によりまして、適任であろうと思いまして、再び任命したいと考える次第でございます。今御質問の点につきましては、先ほど申上げましたように、最終的の決定までに至つておりませんので、従つてそういう点について、こういうことを前提としてどうこうということは、今そういう考えの下にどうこうということはない次第でございます。いずれ、この人事院の問題等につきましては、なお更に検討をいたしまして、考え方に明確な結論等が出まするようになりますれば、申上げたいと存じますが、只今のところでは、まだそういつた段階に至つておりませんということにつきましては御了承頂きたいと思います。
○小笠原二三男君 私も、この人事官の浅井氏の任命にからんで、機構改革が如何ようになるから、これを承認するとかしないとか、こういう意味合いでお尋ねしておるのではございません。問題は、今日新聞紙上に伝えられておるというのでも、単に新聞記者が想像して執筆しておるのではなくて、記事としておるのではなくて、その方面の政府事務当局の案か或いは担当大臣の案なりとして発表をせられておるものを記事としておるのであつて、今官房長官のお話になつておるのは、それらのずつと前の段階のことを答弁せられておるもので、どうも意見としては率直ではないというふうに思います。行政機構の改革ということになる場合には、常にこの人事院も問題になつておることは間違いない事実であろうと私は思う。行政機構の改革等のある場合には、この人事院というものも何らか措置したいという意思を持つて検討を加えられておるのかどうかということをお尋ねしておるのであります。枠外であるなら枠外であるとか、もうここまで来ておるとか、率直に答弁願います。
○政府委員(福永健司君) この点につきましては、いろいろ意見等も出ておりまして、今小笠原さんが御指摘のように、今日改革を意図いたしておりまする中でも、特に注目いたしておりまする一つの点であるというふうに考えておる向きも確かにあるにはあるのでございますが、未だ政府におきまして、それをどういうふうにしようというように結論を出しておりませんので、従いまして私といたしましては、そういう意味におきましてはちよつとどうこうということは申上げられないのでございます。確かにお話のごとく検討されておりまする焦点の一つ、焦点とまで行きますかどうか、注目されておりまする点の一つでございます。但しまだどういうことになりますかは、決定の段階まではまだ至つておりませんわけであります。従いまして先ほど申上げましたようなことになるわけでございます。
○小笠原二三男君 このことについては、恒例によつて会派に持帰つて相談いたしたいと思います。
○鈴木一君 人事院の勧告というものは、なかなか実行されないような状態にありますし、又今の小笠原君の質疑にもありましたように、人事院をやめるというような噂も出ておりますが、そういつた状態でありますので、私たちの推測では、御本人としても相当嫌気がさしておるのではないかというような気がするわけでありますが、御本人は積極的にやるというような、むしろ気持であるかどうか。そういう点、或いは余計な点であるかも知れませんが、伺いたい。聞くところによりますと、官舎を引払うとか引払わないとかいうような噂もあるようでありますが……。
○政府委員(福永健司君) これは政府といたしましては、国会の御承認を頂いて、それからでないと正式の交渉等は実はできませんので、明確な形で、引続いてやつてくれるかどうかというようなことは、実は遠慮いたしておるのでございますが、政府では、国会の御承認を頂いて再任すれば断るようなことはなく、引続きやつてくれるものという実は確信を持つて今臨んでおるわけでございます。本人に確定的にどうだという交渉は実は確たる形ではいたしておりませんが、適当な方法で、打診とまで行きますか、若干、今御懸念のような点につきましては、然るべき方法で或る程度の当りは付けてみたのでございます。ですけれども、今お話のごとく、本人もいろいろ考えておることも或いはあるかも知れないとは思います。但し今申上げましたように、折角国会で御承認を頂いたが本人は受けないというようなことには、万々そういうことにはならないという確信は持つております。
○鈴木一君 色気はあるのですね。
○松浦定義君 今私、官房長官のお答えの中でちよつと気がついたのですが、この委員の任命ということではなくて、こうした種類の任命について、今のお話ですと、その任命をする前には確たる了承を得られないというような、そんなように聞いたのですが、これは全部に対してそういうような方針でやつておられますのか、或いはこういうような、今鈴木君の御指摘になつたような非常に問題が多いような性格のものについては、どういうような態度をおとりになつておるのか、その点について、ちよつとお伺いしたいと思います。
○政府委員(福永健司君) 委員の種類によりましていろいろであり、各個人の事情によつて、いろいろ事情はございますが、全然新たに、向うが気が付いてないというような人を委員に頼むというような場合におきましては、国会なら国会で御承認を頂ける場合承諾してくれるかという意味のことを然るべき方法で、大体において折衝するようにいたしております。そうでございませんと、折角御承認を頂いて、外れるということになりますと、非常にお手数をかけて恐縮でございますから、そういたしておるのでありますが、今浅井君の場合には、現に委員をやつておりますので、違つた社会から新任するという場合とはやや違いますのでございますし、今川町に、その立場というものが非常に重大な地位でございまするので、早々本人に、大体君にしたいからというようなことを言うのも如何かと存じまして、殊にこれをきめまするにつきましては、政府も相当慎重に実は扱つておりましたわけでございます。従いまして、本件の具体的な場合におきましては、先ほど申上げましたようなことが実際でございますが、只今松浦さんのお話の一般的な場合におきましては、もう少し確たる当りを付けるのが通常の扱い方でございます。
○委員長(草葉隆圓君) それでは本件は、本日は保留といたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(草葉隆圓君) さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(草葉隆圓君) なお次回の本委員会並びに本会議は、明日が定例日になつておりますから、一応明日午前定刻から開くことといたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小笠原二三男君 他に案件がなければ、私ちよつと昨日の外務大臣の発言について整理しておきたいと思いますから、ちよつとお願いいたしたいのですが、昨日の外務大臣の演説内容で問題になつた点があつたわけでありますが、先ず速記録によつて、外務大臣がどういう答弁を竹中氏にせられたか、二番目には、どういう答弁を又なさり、それから私からはどういう議事進行が行われ、その後外務大臣はどういう発言をされておるのか。一通りその発言の内容を御発表願いたい。若しも間違つて議論が行われてはいかんと思いますから。それによつては、私は実は意見があるのです。
○委員長(草葉隆圓君) それでは、只今小笠原君の御意見に対しまして、速記録をここに読み上げることといたします。
○参事(小野寺五一君) 国務大臣岡崎勝男君の中から読みます。 戦犯、抑留者等がソ連や中共にあるから、この方面に努力しないか━━これは無論努力をいたします。併し戦犯者や抑留者を━にされて国の外交を曲げるようなことはいたしません。(拍手、「何をしようとしているのだ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し) 竹中勝男君 私は未だ曾つて同胞を━にするというような、そういう外交政策を考えたこともないのであります。それは実に、人を、国民を馬にしたことであつて、私の人格を馬鹿にした、私が、国民を━にして政治的な主張をしようというようなことは絶対にないのですから、どうぞ岡崎さんはこういう言葉を失言として取消して頂きたい。(「その通り」と呼ぶ者あり) 国務大臣岡崎勝男君登壇 国務大臣岡崎勝男君、なお、竹中君が国民を━にしてこうしろということを言つたと申しておるのじやなくて、私の外交政策は自主的に行うのであつて、これは帰還邦人のことも非常に大事であるけれども、そのために永遠の外交政策を曲げるわけには行かない、こういうことを申しておるのです。 小笠原二三男君発言の許可を求む 議長(河井彌八君) 小笠原二三男君。 小笠原二三男君 只今の外務大臣の御答弁に関連しましてでございますが、先ほどの外務大臣の御答弁は、ソ連がこの抑留者の引揚問題を━として日本との関係を何か規制しようとしておるという意味での発言があつたわけでございます。従つてこの問題は、只今彼の国との間に引揚問題が一通り解決して、引揚第一船も参つておる状況のときに、我が国会において、外務大臣の責任にある者が、誤解を受けるような、そういう発言のあることは慎しむべきことであると考えます。(「そうだ」と呼ぶ者あり) 外務大臣が、只今積極的な失言取消の機会があるにもかかわらず、何ら取消すことをあえて肯んじないという状態であります以上は、参議院は、参議院の権威のために、又国際関係の是正のためにも、参議院議長において速記録をお取調べの上、不穏当であるという事実が明らかになりましたならば、これを削除し、或いは外務大臣に失言を正式に取消させるという態度に出べきであろうと思いますので、議長に対して、この取扱を御一任申上げたいということを、議事進行として申上げます。(「異議なし」と呼ぶ者あり) 議長(河井彌八君) 小笠原君にお答えいたします。議長は、只今の点につきまして速記録をよく取調べました上に善処いたします。(「今のうちやつたほうがいいぞ」と呼ぶ者あり) これで、ここまでの問答が終つていますが、加藤シヅエさんの質問に対する終りのほうで、その答弁において外務大臣は、 なお、先ほどの竹中君の御質問に対して、誤解を招くような表現が私の言葉の中にあつたようでありますが、私の趣旨とするところは、邦人の引揚につきましては、これはもとより国民の一人としても大いに感謝いたしておりますが、又そうして今後も引揚に努力をいたすつもりでありますが、これと全般的な日本の外交政策とは別問題である、こういう趣旨を申上げたつもりであつたのでありますから、ここに訂正をさして頂きたいと思います。(拍手、「ますます変だぞ」と呼ぶ者あり) これで問答は終つております。
○委員長(草葉隆圓君) 以上であります。
○小笠原二三男君 それで事務当局に伺いますが、外務大臣のこの「訂正いたします」ということは、竹中君の、最初の答弁が、それによつて速記録上、どういうふうにか措置になる根拠がありますか。趣旨はそうだということで、発言の内容そのものを取消していないとすれば、これはそのまま生きているものと私は考えます。
○参事(小野寺五一君) 今読上げましたことが、速記録にこのまま出るわけであります。
○小笠原二三男君 いやいや私の聞いているのは、速記録に出るのだが、「訂正します」ということは、この抑留問題を「━にされて国の外交を曲げるようなことはいたしません」という発言内容が消えてしまつたということになるかどうか。
○参事(河野義克君) 只今おつしやいましたことは、形の上では、会議録の上では、「訂正いたします」という発言のままでは、前の答弁はそのまま残り、それを「訂正いたします」という発言がそのまま残り、会議録の形としては、その答弁の限りではそれだけであります。従つて実質的には、そういう誤解を招く用語なり言葉を訂正したということで、実質的には事柄としては訂正されている。ただ形の上の会議録としては、そういう言葉はそのまま残つている。こういう段階でございます。 ところで小笠原さんの議事進行の発言があり、取消なり、削除なり議長に一任するから、然るべくやつてもらいたいという御発言があり、これを受けて、議長が、速記録を取調べた上善処いたしますという約束をいたしておられますが、それに基いて議長は、速記録を読まれてこの用語は、さつき申上げた段階のままでは不穏当と考えられて、岡崎外務大臣に、議長としてはこの用語を速記録から削除したほうが然るべきであるということで、議員ならば、議長が取消す権限がございますが、議員以外に対しては、議長としてはそういう権限はございませんから、国務大臣岡崎勝男君に、訂正を申出ることを勧告されたわけであります。それに基いて岡崎国務大臣は、参議院規則に基いて訂正すると言つて参りましたので、それによつて議長は━という言葉を削除されたと承知しております。
○小笠原二三男君 そこで、私の一任すると申上げた点は、私も議員でない岡崎勝男氏の問題を、議長の職権で不穏当だと思われるところを削除するということは不可能ではないかと、咄嗟に議場で考えたので、先ず岡崎外務大臣も、失言の取消を……、失言と考えられるならば、議長において失言の取消をやらすべきじやないかということで、私は二本建でお話を申上げて一任したわけです。ところで昨日、あれほど取消の機会があるにもかかわらず、取消ということでなくて、前言は前言としておいて、自己主張のみをなされるという態度であつた限りにおいては、昨日議場内で議長が積極的に岡崎氏に失言として取消を求めたのでなくて、本会議が済んでから、そういうことを岡崎氏に言うたから、言われた岡崎氏は、それで結構だという形で受けて、取消すことに同意をしたということであれば、私はそこは非常に参議院の考え方と違うと思います。私は若しも議長において、これは失言であるということが認められ、そうして議員であるのではないから、この失言を取消させることができないということであれば、私はこの本会議なら本会議において、岡崎氏にはつきりと取消の発言をさせるというような形において、問題を処理してもらわなければならないという意見を持つているわけです。と申しますのは「━にされて国の外交を曲げるようなことはいたしません。」という場合の「━」という言葉だけが不穏当であるということで、これを伏字にするということで、問題は解決しているのじやない。内容としては明らかに、ソ連国ならソ連国というものが、これを━に使つてやつて来るというような態度があるので、そういうものとはお附合いができないのだという意味合いで、外務大臣としては発言せられておる。そして重ねてそれらのことはこの永遠の自主的な外交を曲げることはできないと、再三に亙つてそういうことを言つている。それで私は議長として、単に語句の表現上の意味合いで取消なり、削除なりをして行くという問題とは、扱いは別だと思います。で、どうしても岡崎外務大臣自身が取消したいということに同意せらるるということであるならば、本会議場において、事、閣僚の発言なのですから、正式にこれを取消してもらうということでなければ、国際的な影響ということを考える場合には問題であろうと思う。引揚の第一船は来たけれども、第二船からは、そんなことはお断わりだなどということになつたらどうなるというようなことを考えれば、単に技術的にこれを消せばいいのだというようなことにはならないのじやないかと私は思うので、議長にその扱いを一任すると申しましても、そういう手続上のこともあるので、参議院としては正式のものにして、これを扱つてもらわなければならない。こういう考えであります。まあ、議長の考えを聞かなければなりませんけれども……。
○参事(河野義克君) 私どもといたしましては、今小笠原さんの言われたような取消ということ、実体的な取消ということと、それから会議録上の整理としての削除というところの両方が行われておると判断しておるわけであります。取消と言い、訂正と言い、要するに実体的には、岡崎国務大臣が加藤シヅエさんに対する答弁の中で言われていることで、実体的には前言の趣旨はこういうものであつたというふうに変つておるわけであります。それが会議録上の編集の上から言いますと、その字句は、あとまで読んで行けば、このことはこういうふうであつたと訂正されているとわかるわけですが、議長としては、そこだけ読んだときにも、なお事態がもつとはつきりするほうが適当だと考えられて、昨日の本会議の席上岡崎外務大臣から、ああいう訂正があつて実体的な事柄としては、そこで一応済んでおると了承しますが、会議録の編集上に現われて来る形として、なおそれでは足りないものがあるということで、岡崎外務大臣にその点の訂正方の申入れを勧告して、岡崎外務大臣がそれに応じて、それを許可して、訂正したと、この両方をやつたと、こういうふうに考えております。
○小笠原二三男君 その前提になる、実体的には取消されているということですが、私は取消されておらないと考えております。この発言の内容は、自主的の外交を曲げるようなことはいたしません、曲げることはできませんということで、そして引揚、抑留の問題については感謝をする。引揚、抑留の問題については、今後も努力する。そうして自主的な外交政策を曲げることはできませんと。これは問題をただ分割して、個々の表現の問題を二つに扱つて答弁だけしておる。そういう意味合いの答弁で、訂正でも何でもない。ところが出発のこの答弁は、「━にされて国の外交を曲げるようなことはいたしません」ということで、明らかにもうソ連の今度の抑留問題でソ連国がとやこうすることについて、対応した発言になつていることです。で━にされている、されていないというような、そういう事実認定について、外務大臣は何ら取消していない。その意味合いで私は、この内容そのものが訂正になつているとは考えられない。どこまでもこのことは私は外務大臣として、━にされて、いろいろの作為のあるということのあるという事実は認めていると思う。どこまでもそういう主張は持つていると思う。その部分については、何らの取消が行われない。そういうことで国際的にいいのかということが私は大きい問題だと思う。
○参事(河野義克君) 議長といたしましては、岡崎外務大臣の答弁を聞いておられ、且つ小笠原議員の議事進行の発言を聞かれ、且つ議場の空気を察せられて、あのときに判断せられたことは、「━云々」という用語から、非常な誤解を招いている。その点が甚だ妥当でないという判断を持つておられたと思います。小笠原さんの今言われたことは、それよりもやや広汎と言いますか、やや実体的と言いますか、そういう点について、あれではなお十分でないという御意見のようでありますが、そういうことになりますれば、それは政府として、或いは議員として、それぞれ見ることの異なる政治的な問題になろうと思いますので、一種の議院の品位を高め誤解をなからしめるという意味から議長が措置し得る範囲としてはやや越えるものであろうと思いますが、いずれにいたしましても、議長としてはそういう判断の下に、昨日来、事を処理せられたわけであります。
○小笠原二三男君 確かに只今次長が言われる通り、議長の扱いとしては限界があることと思う。いわゆる議院の品位を傷つけるような表現、そういうようなものについては、議長として自発的にとやこうのことができるだろう。内容全体に亙つて、或る部分に亙つて、外務大臣なら外務大臣に、この発言内容をはつきりと取消した上で言い直してもらうかどうかということは、これは院として各会派でそれぞれ考えなくちやならん問題だろうと思うが、私のほうの会派としては、どうしても昨日再三に亙つて登壇された外務大臣の発言内容というものは、自己の外交は曲げられないという主張にのみ終つて、そうしてその当初において竹中氏に発言された意図とは、全然問題が別に扱われて来てしまつておるという点を私は問題にしておるわけであります。それで、私らとしては、これをとり上げて政府を攻撃するというような意図ではなくて、それ以上に大きな問題として、引揚第一船が来てもそれに氏名が洩れておつて、来るであろうと期待したかたがたが来られないということで、肉親の間に非常な沈痛な気持がただよつており、国民も又何とか早いとこ全員の引揚が行われるようにと期待しており、努力している向もあるのに、一方こういうことが影響して、今後何らか相手国から冷い扱いを受けるというような事態になつたらどうなるのか。これは単に政府と野党との関係で問題が解決するというようなことではない。多分、恐らく昨日の発言をそれぞれ聞いておられるところで、これはこのままには済まされない影響を与えるのではないかと思われる。そこで、私はこの━というような言葉程度でなくて、外務大臣が速記録を見て不適当だと思われる点については、ずつと削除せられて、取消されて、そうして竹中氏に正式に御答弁になる点を答弁したという扱いにでもなつてしまえば、一切がこの際消えて行くのではないかとも思つている。この取扱が他会派等においても同調されないということであれば、私たちは取消要求の決議案とか何とか手続を似て措置するが、そのとき賛成だ、反対だなどということになつて、却つてこのこと自身を裏付けるような結果が、我々小会派ですから、出るようなことになつたら、これも又問題だし、そういうところは、そういうところで今後影響されることが起つたときには責任をとらなくちやならんだろうと思う。それで、私は飽くまでも穏便にやるべきだと考えるが、議長の扱いとしては、単に━という字のところを棒を引くというだけだと思う。そうして棒を引くということだけで、この速記録が明かに示すものはどこまでも示して行つておることになるわけなんです。私はもつと広汎に削除されるようでなければならんと、そう思つておる。
○参事(河野義克君) 只今小笠原さんの言われておる点に関しましては、各党でも、或いはこの委員会でも、十分お考え願わなければなりませんが、ただ言及されておる点で規則上から申上げますならば、会議録の訂正は字句の訂正に限られるので、その趣旨を変更することはできないということになつておりまするし、本会議の会議録を広範に亙つて削除し、或いはその趣旨を変更するということは、規則上の観点から言つて如何かと思われる点があるわけであります。その他に如何ようなことが考えられるか、そういうことについては、又お考えを願いたいと思います。
○小笠原二三男君 そういうことであれば、私はどうも気に懸つているのは、昨日ですよ、外務大臣がおつしやる中に、「━にされて云々」ということでなくて、抽象的に、誤解される向もあるようであつて、というようなことで触れられておる点が、どうもぴつたりしない。若しもそうであれば、外務大臣に何らかの機会、本会議がある場合に、御答弁なされて、そうしてはつきりと━にされて私の外交を曲げるようなことはいたしませんと発言した趣旨は、かようかようでございますと、鋭意引揚問題については感謝をしておることは、再三申上げたのですが、相手国と、如何に民間を通じてでも何ででもやつてもらうように努力したいならしたいということで、俺の外交政策はこつちなんだということで対蹠的な方面を主張することだけは十分主張しておるのですから、これはもう放つて置いて、この引揚問題が善処されるような答弁をさせべきじやないかとさえ私は思つておる。私のほうとしては、私らも━問題は言つておりますが、これは議長が職権でやるならばともかく、私は取消ということに、今の段階では削除抹殺する、棒を引くということに同意はしないという主張を持つております。
○委員長(草葉隆圓君) この問題は、昨日の議場におきまして、只今速記録を申上げました通り、又御承知の通りに、小笠原君の議事進行に関する発言によつて、議長に一任された。併し事務次長からお答え申上げましたように、その一任の限度というものもきまつておるし、なお一任の点において、議長として取扱の範囲も今後あろうと存じます。そういう意味におきまして、只今の御意見等を十分議長も承知されることと思いまして、なお議長一任の扱いを議長に御相談して取運びたいと存じますが御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(草葉隆圓君) それでは、さようにいたします。 —————————————
○委員長(草葉隆圓君) それでは、次に参議院及び裁判官弾劾裁判所の昭和二十八年度歳出予定経費補正要求に関する件をお諮りいたします。庶務関係小委員長から御説明願います。
○寺尾豊君 只今議題となりました参議院及び裁判官弾劾裁判所の昭和二十八年度歳出予定経費補正要求に関する件につきまして庶務関係小委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。 先ず予算の内容を御説明いたしますと、参議院の補正要求額は、追加額四千四十四万九千円、修正減少額二百八十九万円、差引補正額三千七百五十五万九千円でありまして、これをすでに成立した昭和二十八年度予算額十一億七千九百四十七万一千円に加えますと、十二億一千七百三万円と相成ります。 補正要求額の内訳は、第一に第十六回国会の会期延長、第十七回国会及び第十八回国会の開会に伴う議員の応召旅費、滞在雑費、議会雑費等の予算の不足を補うために必要な経費一千七百二十八万円であります。 第二に、昭和二十九年度一月以降国会職員及び議員祕書の給与を改善するため必要な経費九百三万円であります。 第三に、国会職員及び議員祕書の期末手当及び勤勉手当、おのおの〇・二五カ月分を増額するために必要な経費一千四百十三万九千円であります。 第四に、修正減少額二百八十九万円は、参議院庁舎増築費の一部を節約したものであります。 次に裁判官弾劾裁判所の補正要求額でありますが、これは第一に、昭和二十九年一月以降国会職員の給与を改善するため必要な経費九万九千円、第二に、国会職員の期末手当及び勤勉手当おのおの〇・二五カ月分を増額するため必要な経費十六万二千円、合計補正要求追加額は二十六万一千円でありまして、これをすでに成立した昭和二十八年度予算額八百八万六千円に加えると、八百三十四万七千円となります。 庶務関係小委員会といたしましては、閉会中から今期国会にかけまして、前後六回に亙つて委員会を開き、協議いたしました結果、右の通り決定いたした次第でありますが、なお、公務員の給与の改善に伴う国会議員の歳費の改訂及び公務員に対する期末手当、年間〇・二五カ月分の増額支給に対応する国会議員の期末手当に対する措置につきましては、衆議院側とも協議いたしました結果、政府側の要望もあり、今回はこれを要求しないことにいたしました。 又、明年一月以降における議員秘書の給与の改善につきましても、衆議院側と協議をいたし、又政府側とも折衝いたしました結果、現行月額一万九千二百円に対し、公務員の給与改訂に関する人事院勧告の趣旨に鑑み、取敢えず月額二万一千九百円に引上げることに決定したのでございますが、予算措置としては、先に申上げました祕書の給与改善のための要求額のほか、必要な額を、大蔵省の管理に属する予備費から支出することになつております。 併し右の程度を以てしては、なお不十分と考えられますので、国会開会中の手当支給等につきましては、更に政府並びに衆議院側とも協議の上、通常国会において必要な措置を講じ、速かに改善を図るよう努力することを申合せた次第でございます。 以上をもつて報告を終りますが、何とぞ本委員会においても御承認あらんことをお願いいたします。
○委員長(草葉隆圓君) 只今の庶務関係小委員長の報告の通りに承認することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(草葉隆圓君) 御異議ないものと認めます。承認することに決定いたしました。 それでは散会いたします。 午前十一時五十四分散会