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18回国会参議院1953/12/07

外務・大蔵連合委員会 第1号

発言数
27
登壇者
6
会派数
2
開催日
1953/12/07

会議録

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) では只今より外務大臣連合委員会を開きます。  議題は、関税及び貿易に関する一般協定のある締約国と日本国との通商関係の規制に関する宣言への署名について承認を求めるの件であります。  質疑に入る前にあらかじめお断りをしておきたいと思いまするが、御承知の通り会期末ではあり審議を急がなければなりませんので、この連合委員会は本日午前中で終了したいと存じます。つきましては、成るべく大蔵委員の方々に質疑を行なつて頂きたいと思うのであります。それでは質疑のあるかたは順次御発言を願います。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 このガット加入について英国が相当反対をいたして来ておるということでありますが、英国の一体反対している理由等について外務当局から御説明頂きたい。

小田部謙一外務省経済局次長

○説明員(小田部謙一君) 英国の反対の理由を申上げます。正面的に英国の反対している理由から最初申上げます。正面的と申しますのは、ソー二ークロフトが今度の総会におきまして日本の加入問題が最初に上程されましたときに行なつた演説でございます。先ずアメリカ代表が賛成の演説をしたあとで、ソー二ークロフト商務大臣がやつた演説の中で、なぜ英国は棄権をするかということを申述べたあれから申上げます。  それは一番初めに英国は申しますのには、戦前において日本は不正競争をしたということがよく言われておる。そして現在においてもそういう話がある。果してそれは事実であるかどうかわからんけれどもそういううわさがあることは事実である。それが第一点でございます。  それから第二点は、日本は貿易上いろいろな困難な問題に直面しているということはよくわかるけれども、英国としては現在でも日本の商品に対してガットの税率を、条約上にはない、事実上ではあるが与えているし、又最近は輸入制限を次第に緩和している。ですから英国としては、日本のいろいろ直面する困難な問題に対して、或る程度のことはしているというのが第二点であります。  それから第三点は、今世界の貿易政策、世界経済政策というものは不安定な状態にある。と申しますのは、ランダル委員会というのがアメリカに設置されまして、共和党の対外政策は来年の三月六日までには一応その報告の結果に基いて政策を決定するということになつております。そこで大統領は、その報告が出るまでは現在共和党の政策をどう動かそうということをしないということを言明しております。来年はランダル委員会の報告ができる。而もガット自体も今非常に不満足な点がありまして、いろいろな全面的再検討をしなければならないという事態に入つている。ですから日本が入るならば、その全面的再検討が終つたあとの新らしいガツトに入つて来てもらいたい。今何も日本は急いで入らなくてもいいじやないかということが一つの点であります。  その次はこの戦争の後には東西貿易というものは戦前と比べて或る程度制限を受けている。その上日本と中共との関係を見ますると、日本の中共に対する貿易が相当統制されている。従つて日本商品の重圧というものが西欧関係若しくは英連邦の市場というものにかかつて来る。そこで日本のガット加入には大問題があるのだ。それだけが英国のソー二ークロフト商務大臣が総会で述べた議論でございます。  そしてこれを臆測してみますのに、現在英国の保守党と反対党との間の差は非常に小さい状態でございますし、保守党の一部には今のガツトにはもの足りない、むしろ英帝国特恵関税を強化したほうがいいんじやないかという議論がございます。それからこれに日本輸出品の主要なものを占めている綿製品に対しましては、ランカシァの綿業がございます。そういうものがいろいろありますので、この際国内においていろいろ問題のある諸問題というものを問題にいたしまして平地に波乱を起したくない、そういうふうな気持があつたのだろうと思います。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 全面的検討を協定についで加える、その後において日本は入つても遅くないのじやないかということが一つの理由になつているということでありますが、全面的検討を加えるという世界のこの協定に対する方向といいますかそれはどのほうに向いているのか。今お話になつた英連邦の特恵関税というようなものについては、折角こういう協定をするという以上は、我々としては成るべく特恵関税というものはなくする方向へ行つてもらいたい。こういうふうに考えるわけですが、世界のこの加入国の意向というものはどういう方向に向いているんですか。

小田部謙一外務省経済局次長

○説明員(小田部謙一君) 各国の先ず全面的検討と申しますのはどういう点にございますかと言いますと、御承知の通り、貿易及び関税に関する一般協定といいますのは、今まだ暫定適用の段階でございます。と申しまするのは、お手許に関税及び貿易に関する一般協定というものが配付してあると思いますが、そのうちの第一部といいますのは最恵国税率といわゆるガット税率に関する規定で二条しかございません。第二部には一般対外通商政策に関する規定がいろいろ書いてあるのでございますが、その中には輸入制限とか為替管理に伴う影響とかそういうような数量的制限とか、そういうようなものが書いてあるのでございますが、実はこれは国内法が優先するという立場をとつております。それでございますからガットに関しましては一方におきましては、アメリカとかカナダとかの立場からなつてみますれば、関税引下げというのはただ一つの手段であるけれども、そのほかに輸入の数量的制限というものがある。成るほどアメリカやカナダにとりましては、関税を引下げれば各国の品物が自由に入つて来るけれども、その反対に他国に対しましてはたとえ関税を引下げてもその前には輸入制限というものがあつて、而も差別的にドル地域というものは差別されている、かかる情勢というものにあきたらんということがあるのでございます。それから又一方反対にはインドネシアとかインドのような、むしろどちらかと言えばこれからさき工業を発展させようという国にとりましては、この協定自体というものは少し進み過ぎている、先進工業国だけを目的としているというようなうらみを持つているのでございます。それから他方その他の国全部にとりましては、英帝国の特恵関税というものを高くすることは実は非常に反対なのでございます。この今度の総会におきましても、英国は或る農業生産物の一部を将来上げる、このガットの協定によりますれば、たとえ縛られていませんでしてもその英国の場合によりましては、一般第三国に対する関税を上げれば従つてそれに応じて特恵も上げなければならん。つまり特恵といわゆるガットの最恵国税率との間には一定の幅を持たしてある。その幅を縮めるのはいいけれども大きくしてはいけないという問題がありまして、この問題を英国が出しましたときは各国とも反対でありまして、辛うじて二十六票対七票で通ることは通りましたけれども、非常な反対がありまして而も相当な制限が付けられたのでございますから、各国は英帝国がかような特恵関税というものを強化するということには非常な反対なのでございます。  それから又英国を含めて各国全体が要請しているということは、何と言いましても世界の現状を見ましても、やはりアメリカがもつと多く買つてくれなければならん、そのためにはアメリカに関税引下げをしてもらわなければならんということが、このガット加盟国全体の要望なのでございまして、その意味におきまして来年の三月にできまするところのランダル委員会の報告というものを各国が非常な注目を持つて見ております。そのランダル委員会の報告の結果によりましては、ガットの目的としております貿易の自由化、アメリカの関税も引下げる、その代りアメリカの要望しておる各国の輸入制限も或る程度検討を加えるし、英帝国の特恵関税というものをもう少し弱める、そういうふうな方面に持つて行くのではないか、こう考えている次第でございます。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 そういう傾向は非常に望ましいと思いますし、この協定に加入するに当つて日本の立場から考えると、どうも如何にも英国の曾つて植民地関係、今は独立国でありますが、日本が特に東南アジアとの経済提携、東南アジアに対する市場を開拓するという意味において非常に不都合になる、英連邦の特恵関税を反対に言うとはつきり認めてやる、認めるための協定のようなふうにも思われるほどかなり英連邦の特恵という点について頭を使つて、如何にして英国の曾つての権益をこの協定においてはつきり万国に認めさせるかというような配慮が条文の節々に窺われるように思う。そういう点については今のランダル報告ですか、これが出れば或いは多少解決するかも知れないという意見でありますから、観測のようでありますから、しいて強くは触れませんが我々としては少しひがみかも知れないがそういう気持が非常にしてならない、その点について外務省のほうでは外務省自身としてはどういうふうに考えておられるか。

小田部謙一外務省経済局次長

○説明員(小田部謙一君) 実はこの関税及び貿易に関する一般協定ができましたのはジユネーヴにおける会議でございますが、その前に一九四五年に英米借款、英国がアメリカから三十七億五千万ドルですかの金を借りるときの条件としてアメリカが出したものの一つは、英国の封鎖ポンドを解除することと、もう一つは英帝国特恵関税というものはなくするか、弱めるかということであつたのであります。これにつきまして英国のほうでは金を借りるというと、特恵関税を弱めるということとをひつかけるということは非常に反対があつたのでございますが、結局これに同意したのでございます。そして同意すると同時に、そのときに付けました条件が世界貿易を自由にする国際会議を持とうじやないかということで始まつたのが、このガツトの元をなすところの国際貿易憲章に関する会議でございます。でございますからしてこのガツト自体も非常に……、勿論英帝国特恵関税というものは伝統的なあれがございますから一挙には廃止することはできないとしても、最大の相当の限度まで従来持つている英帝国特恵関税というものを弱めようという努力がなされたのでございまして、この譲許表にもあります英帝国特恵関税自体も幾分前よりは減じておりますし、而も将来は英帝国特恵関税を下げるときはほかの関税も引下げなければならん、ほかの関税を上げるときは英帝国特恵関税も上げなければならんというように、幅に関しても制限されておりましてこれはアメリカその他の国がその点で非常に重圧を加えたのでございます。でございますからして今後その点に関しましては日本も全く同一の立場に立つているのでございまして、ガツトに加入したならばこういう英帝国特恵関税の強化ということに対してその他の第三国と共同して引下げて行こう、こういうふうに努力したいと考えております。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 この今度の仮加入なんでございますが、一九五五年までですか、その間にいろいろ資料等によつて見てみると大体まあ実質的に加入したと同じような待遇がされる、契約国と同じような待遇を日本は受けるようにとれるのですが、その他国の不当処置に対してはつきりこの条章に基いて日本は積極的に抗議その他が申込めるわけですか。

小田部謙一外務省経済局次長

○説明員(小田部謙一君) 仮加入と正式加入との間には幾分の相違がございますが、日本は総会において発言することは自由でございますし、それからなんらかの提案をすることも自由でございます。その点に関しましては従来ですと各国が日本の商品に対して不当な待遇をいたしましても、その関係はただ二国間の外交交渉だけに限られていたのでございますが、ガツトに入りましたことによりまして或る国が日本に不当なことをいたしますれば、それを公開の席上に持つて行きましてそれを公けにいたしましてそうして日本が攻撃するのみならず、他国も又或る国が日本に不当な待遇をしているということを攻撃することになりますので、不当なことをした国といたしましては、これは公けの面前でいわば裁判を受けるというような関係になりますからして、現在のような二国間だけの交渉による場合よりも、日本が不当な待遇を受けるという機会は非常に少くなるのではないか、こう考えております。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 千九百二十三年十一月三日にジユネーヴで署名された税関手続の簡易化に関する国際条約、これについて先般十三回国会においてまあ我我と外務委員会と連合審査をし、まあ批准をしたわけですが、その条約とこのガットの条文とはかなり趣旨において似ているし、そうして重複している点が多々ある。この条約が各国との間に結ばれれば、前の千九百二十三年十一月三日の税関手続の簡易化に関する国際条約というものは要らなくなるのじやないか。勿論加盟国において非常に幾多の違いがありますが、時間を節約するために私の思つていることを全部先に申しますと、前の条約にはアメリカは入つていない、今度のものにはアメリカは入つている。そういう意味においては前の条約の批准を与えるときに、我々相当アメリカが入つていないということを問題にしたのですけれども、そういうような点からいつて今度のガツト協定が一般的になればこれは望ましいと思いますが、従つて前の条約はもう要らなくなるのじやないか、この点については外務省はどうお考えですか。

小田部謙一外務省経済局次長

○説明員(小田部謙一君) その点に関しましては、実は前にも申しました通りこの関税及び貿易に関する一般協定と申しますものの第二部のほうにその税関の規定が入つておるのでございます。そしてこの第二部の規定と申しますものは、例の暫定的適用によりまして国内法が優先するという立場をとつておるのでございまして、現在現実に行われたのは第一部なんでございます。それでございますからして将来この条約というものが本適用になつた場合、第二部も即ち本適用になた場合においては、或いは重複する部門もあるだろうと思いますが、現在の段階においては関税の簡易化に関する条約が有効であつて、こちらは国内法が優先するという立場をとつておるのでございます。例えて申しますれば、アメリカとかカナダとかがこの関税及び貿易に関する一般協定の関税の手続に関して違つたことをしていても、そのアメリカなりカナダなりが加入したときの国内法の最大限度においてまで、この条約の最大限度にまで……言い換えますと国内法が優先する、できるだけ国内法の許す限りこのガツトの精神によれということになつておりますから、将来このガツトというものが本適用になりました暁にはいざ知らず、現在においてはいわゆる関税の簡易化に関する条約のみが生きておる、こう考えていいのじやないかと思います。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 この千九百二十三年の税関手続の簡易化に関する国際条約に対して、アメリカが批准をしないし、まあ加入もしない、こういうことがこのガツト協定の第二部の本適用ということを遅らせている、まあ気持の上において。というような点はないのですか。

小田部謙一外務省経済局次長

○説明員(小田部謙一君) 実はこのガツトに関する第二部の本適用が妨げられている事情は、アメリカにおきましては、自分が関税引下げすれば他国は輸入制限を廃止する、そうなれば対等だというふうな気持が強いのでございます。ところがいざ会議をやつてみましたところが、輸入制限というものは戦後の過渡期においては或る程度必要だというようなことになりまして、この協定というものは最初アメリカが意図したところに比しまして非常なる妥協をしておるのでございます。それでアメリカとしましては、こういうふうな妥協のところに調印するよりもむしろこの次の際を待つたほうがいい、戦後過渡期にできたものより次を待つたほうがいいというので、アメリカもこの協定に批准しないのでございまして、私の聞いておるところでは、主な点は輸入制限とか差別的為替管理に対する或る程度行政府が譲歩したのに対してアメリカの立法府が反対であるということが重要な点である、その他いろいろ……、とにかく相当多くの国が入つてあれしたものですから、いろいろな点に妥協がある、そういう点で反対だということを聞いておりまして、関税の点に関しましてアメリカが批准しないという点が各国が批准しない原因であるとは聞いておりません。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 まあ今の問題は唯一の理由ではないでしようけれども、いろいろ妥協をした点が立法府の不満だという一つの理由にはなると思います。まあ我々前の条約の審議のときにも言つたのですけれども、サンフランシスコ平和条約において千九百二十三年の税関手続の簡易化に関する国際条約を批准することを義務付けておきながら、義務付けた本人が入らないというような実にえて勝手と言いますかね、手前勝手なことをやつてもらつては、実際こういう協定をやる趣旨に、精神的に非常に反する。そういう点については、まあアメリカの努力によつて英国の特恵関税を主張する主張を抑えたということは、非常にアメリカの功績かも知れないが、又そういう国際協調をやる面において非常にアメリカもわがままな点が多々あるという点は、十分外務当局としても頭に置いておられると思いますが、一つ如才なく国際会議においてその含みを以て行動して頂きたい。  それから次に、この附属書が「わが国の関税定率法の別表を基準とし、これと照合して作成されている。」こういうことでありますが、基準として作成されておるということであると全く関税定率法通りではないか。で、その点の違いの点を関税部長から説明してもらいたい。それから特にいろいろ当面臨時措置として来年の三月三十一日までは免税するとか税率を引下げるとか、こういう特別な措置をしておりますが、この点はどういうふうになるのか。

北島武雄大蔵省主税局税関部長

○説明員(北島武雄君) 我が国が関税及び貿易に関する一般協定に加入いたしまして、その恩典に浴すためには、やはり我が国としても一定の関税上の譲許をしなければならんわけでありますが、今回の仮加入に際しましては一般的な関税交渉が行われませんので、差当り最長一年半の期間、我が国の関税定率法の別表の輸入税表の中で相当部分の品目を据置くという約束をいたしたわけであります。別表を基準としこれと照合して作成されると申しますのは、関税定率法の各税目をそのまま挙げておきまして、それを或いはそのまま据置き、或いは税目の中に該当するうちの或る特定の部分を据置くということにいたしているわけであります。そういう意味でございます。  それから又現在関税定率法の附則におきまして、暫定的に一年間、或いは関税を免除し或いは軽減いたしております措置はどうなるかという問題でございますが、今回仮加入に際しまして我が国が約束いたしましたのは、別表の輸入税表のタリフそのものでありまして、暫定的な軽減或いは免税の措置には関係ない、こういうふうに考えております。従いまして来年の三月末日まで或いは免税或いは軽減いたしておりまする関税につきましてその免除或いは軽減を取払いましてもこのガツトの約束には反しないものと考えております。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 いわんや臨時措置を延長することも差支えないんですか。

北島武雄大蔵省主税局税関部長

○説明員(北島武雄君) 延長することも差支えないわけでございます。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 そうすると、ここに資材として、我が国の主要輸出品に対する主要ガツト締約国の主要関税率表というものをもらつておりますが、これと同じように特恵税率とガツト税率と、それから一般の税率と関税定率表を一覧表として作成して資料としてもらいたい。

北島武雄大蔵省主税局税関部長

○説明員(北島武雄君) 今回約束いたしましたのは、別表輸入税表中の品目をそのまま挙げまして或いはその一部分を挙げまして現行の税率を維持する約束なんでございます。まあ御覧願えれば大体おわかりかと存じます。特に現存の輸入税表を引下げておるものはございませんので、割合わかりやすいんじやないかと思います。なお御希望によりましては只今すぐとは申せませんけれどもいずれ適当の機会に御配付申上げたいと思います。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 この協定自体についていろいろ逐条的に聞きたいこともあるんですけれども、一人で質問を独占してもいけませんから、いずれ又大蔵委員会で北島説明員から説明を聞きます。

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○松永義雄君 只今お答えがあつたから大体了解したようなことになるのですが、関税定率法を大蔵委員会に提出されて通過した場合にガツト加入を前提とする、こういう話です。ところがそのガツト加入はどこへ行つたかわからん、漸くにして仮加入したのですが、それについてその当時作つた関税定率法は今度の仮加入並びに来年のあれはいろいろ考えることはないでしようか、現在の関税定率法において。

北島武雄大蔵省主税局税関部長

○説明員(北島武雄君) 昭和二十六年に関税定率法の別表輸入税表を全面的に改正いたしました際におきましては、ガツトの動向に鑑みまして我が国としてもできるだけ公正な態度で世界の自由通商に資するべきであるとの考えの下に、従来課税されておりました一〇〇%の奢侈税などをとりやめまして、最高五〇%の従価税率を基にして作成いたしたわけでございます。ガツトの精神に副つてできるだけ低い関税を盛るという意味におきまして二十六年に作成いたしたわけでございます。今回ガツトに仮加入いたし又将来正式に加入いたす場合におきましても、比較的公正であると我々が考えておりますこの輸入税表につきましては、特に全面的に再検討を要するようになるとは只今考えておりません。又ガツトの加入によりましてこれが直接大きな変革を受けるものとは私どもは考えておりません。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) ほかに御質問はございませんか。では質疑も大体尽きたものとしてよろしいかと思いまするが……。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 ちよつと一言よろしうございますか。大蔵当局のほうとしては今度の仮加入に伴つて関税定率法、或いは別表を直して、いわゆる簡単に言えば複数関税と言いますかね、ガツトの精神に協力して来ない或る種の国に対するやはり防衛姿勢をとらなければいかん、こういう意見を僕らも持つているのです。それは相当近くそれを法制化する準備を進めておられるのか、その点を一つ。

北島武雄大蔵省主税局税関部長

○説明員(北島武雄君) ガツトの加入に際しまして、何か複数関税というものは考慮を払う余地はないかとという点につきましては、かねてからそういう意見があつたわけでございます。私どもにおきまして現行の法制を十分検討いたし、或いは法制局とも打合せいたしましたところでは、現在の関税定率法の第四条で実行できるという解釈であつたわけであります。併し関税定率法の第四条は俗に報復関税と称せられておりまして、これを適用することは非常に、ぎらつくわけでありますので、私どもといたしましては趣旨をはつきりさせる意味におきまして、次の通常国会におきまして関税定率法を改正いたしまして複数関税が場合によつてはできるような法制を整えたいと存じております。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 結構です。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) それでは質疑は大体尽きたようでありますので、以上をもつて外務大臣連合委員会を終了することにいたします。    午前十一時二十五分散会

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