予算委員会 第4号
- 発言数
- 160 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1953/12/05
会議録
○倉石委員長 これより会議を開きます。 この際お諮りいたします。理事本間俊一君及び中村梅吉君より、理事辞任の申出がございますが、許可するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○倉石委員長 御異議なしと認めます。よつて辞任を許可するに決しました。 これより理事の補欠を選任いたしたいと思いますが、先例によつて委員長において指名するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○倉石委員長 御異議なしと認めます。よつて西村久之君及び森幸太郎君を理事に指名いたします。 ―――――――――――――
○倉石委員長 昭和二十八年度一般会計予算補正(第2号)、昭和一十八年度特別会計予算補正(特第2号)及び昭和二十八年度政府関係機関予算補正(機第1号)を一括議題といたします。質疑を継続いたします。小山倉之助君。
○小山委員 総理大臣にお尋ねいたしたいのでありますが、私は前国会、前前国会におきましても総理大臣の御意見を伺つたのでありますが、その後多少総理大臣の御心境がかわつたようにも見えるのでございまして、私どもの予想しておる線に近づいて来たように思われるのであります。ただこれはその第一歩でございますので、この問題についてお尋ねいたしたいのであります。 多分総理大臣は、従来この委員会において御答弁になつた範囲を出ないであろうと思うのでありますが、それでもなお私はお確かめをいたしたいと思いますのは、この自衛軍の増強というのは、単なる条約上の問題であり、また法律上の問題ではなくして、実はこれは国際道義の問題であると考えておるのであります。御承知の通り、ソビエトの侵略政策が今日の世界の混乱を来しておるのでありまして、この混乱に処する道、その侵略を未然に阻止するということから、自由国家群が協力してこれに対するあらかじめの準備をするということでありますから、私はこれは法律や条約を超越して、道義的の義務を果さなければならぬと考えるのであります。これが日本の生きる道てもあり、また世界の平和をもたらすゆえんでもあると考えているのでありますが、これがためにはやはり総理大臣の仰せられる通り、自衛軍を漸増して行くのだ。しかし結局は外敵にも対抗する勢力まで進むのだということでありますが、どうも総理大臣がこの議会の席上においておつしやるようなぐあいに、国民には徹底していないのであります。一体軍備をするのであろうかしないのであろうか、軍備と言わなくても、自衛力を強力にするのであるかどうかということの意味が徹底しておりません。そこで私の憂えるのは、一方において国際的の義務を尽すと同時に、われわれは巨額の国費を投じて保安隊というもの、あるいは自衛軍というものを創設する以上は、この保安隊をして、あるいはこの自衛軍をして、ほんとうに自衛軍だけの自衛軍じやなくして、国民の自衛軍、日本国家の自衛軍というところまで持つて行きたい。それがためには、自衛軍の志気旺盛だけでは足りないのであつて、これを援護する国民が協力一致しなければならぬという意味から、むしろ総理大臣は、いろいろな関係などをお考えにならずに、率直に御意見を披瀝されて、国民をまつすぐに指導なさるお考えはないか、こういうことでございます。はなはだ抽象的でありますけれども、大体は総理大臣の腹にはもうきまつている問題だと思いますから、もつと徹底的に、明るく、国民をして総理大臣に協力させるような道をお講じになる考えはないかどうかということを、お尋ねいたしたいのであります。
○吉田国務大臣 お答えいたします。私の自衛軍あるいは日本の防備等についての考え方は、終始一貫しているつもりでおります。従つてまた絶えず同じことを申しておりますから、国民には少くとも私の言つていることは徹底しておりはしないか。徹底しているかいないかということは事実問題でありますから、徹底していないとお考えになればそれまでの話でありますが、しかし努めて徹底せしめるように、同じことを申しております。すなわち、日本の防衛はむろん日本みずからがいたすべきものであるが、しかしながら今日これを許さない。許さないからして今のような組織でもつて行きたいと思つております。またこの保安隊の増強ということは、ソビエト等の事情もありましようが、まず第一に考えなければならぬことは条約上の義務であり、日米安全保障条約の中に、日本の防衛は漸増し、またアメリカの駐屯軍は漸減せしめるということが規定されているのであります。そして現に米国政府としては、国費の節減、歳出の節約のために、日本における駐留軍を引揚げたい、なるべく費用を減じたいという希黒を持つておるのであります。日本政府としても、ちようどわれわれが歳出をなるべく倹約しなければならぬと同じような必要に現在米国政府としては迫られているものと考えますので、駐屯軍漸減という希望はやむを得ない、無理のない希望であり、かつまたこれが条約にうたわれていることでありますから、政府としてはその希望に対して十分の敬意を払うということにするためには、保安隊を増強、漸増せしむるという措置をとるよりほかしかたがない。しこうしてソビエト――国外の関係でありますが、これは一年前、たとえば朝鮮において共産主義国と戦争を継続しておつたその戦争が、とにかく一応休戦になつた――今後のことはまた今後のことでありますが、一応休戦になつた。これだけでも国際関係の緊張味はいくらか減つたものといわざるを得ないと思います。また世界全体を通じて、チヤーチル総理大臣にしましても、アイゼンハウアー大統領やダレス国務長官等の言明するところによつてみても、一年前よりは漸次国際間の緊張味が減りつつあるということはだれも御承知であります。これはけつこうであります。ますますそうならざるを得ないと思いますが、しからばそのために日本が国際的の義務といいますか、自由国家の安全ということについて、われわれは自自国家群の一国として世界的義務を全然感じないわけではありません、感じますが、現在の国力ではいかんともできないというのが私どもの気持であります。この趣意でずつと説明いたしているつもりであります。
○小山委員 御趣旨はたびたび伺つておるのでありまして、よくわかります。ただ私の気持は、今力がないから、経済的の制約を受けているから、漸増しなければならぬ、急激な増強はできない、しかし外敵の侵略を受けた場合にはこれに対抗するだけの、つまり近代式の軍隊をつくるという目的であるということを、やはり国民にはつきり徹底的に明るく御発表になつたらどうかという気持がするのでありまして、いずれその時期は私は必ず来るであろうということを、国際間の情勢から、またこのアメリカの意向から、条約の内容から見ておるのでありまして、その点はひとつ将来とも十分御考慮願いたいと思います。 私は大蔵大臣にお伺いいたしますが、大蔵大臣の今度の演説も、健全財政だということをおつしやつて、内容はちつとも健全ではない。ちようど総理大臣のとつておられる態度も、実質は再軍備であるが、再軍備と言いたくないというようなことで、どうも吉田理論を大蔵大臣がそのまま引受けたような気分がする。しかも健全財政、これは来年度――二十九年度における緊縮予算を実現することによつて初めて健全財政となる。しかるに今日持つている財政の内容は、決して健全でないのみならず、すこぶる不健全なものであつて、あるいはおそらく二十九年度における緊縮予算も、実際においては不成功に終らしめるものじやないかという感じが持たれるのですが、大蔵大臣はこの点についてどういうふうにお考えになりますか。
○小笠原国務大臣 私どもは健全財政の点ではこれを一貫しており、また今後とも一貫して参る所存であります。御承知のごとくに、今度の補正予算もこれは均衡予算でありまして、まつたく歳入歳出とも均衡を得ておるのであります。何ら不健全な分子を加えておりませんことは、小山さんがよく御承知の通りであります。金額はふくらんでおりますが、しかしそれは一方から見まして、仲裁裁定についてああいう考慮をいたす以上、やはり同じ公社、いわゆる三公社五現業のうちにも課長以上等一般公務員として一般の扱いを受けておる者があり、さらに他の公務員との均衡を考えて、これも今の財源の許す範囲で措置をとつた次第でありまして、私どもはいわゆる均衡財政は健全財政である、かように考えているのでございますが、ただ今仰せになつたように、日本の現状としては、現段階としては緊縮することが一番インフレ阻止に役立つのでありまして、この点は二十九年度においてこれを実現して参る、かように考えております。なお今度の補正予算は、両国とも何ら政府資金の散布超過にならぬということは御承知の通りであります。
○小山委員 均衡予算といいましても、均衡は得ているが、まつたくうしろにリザーヴのない均衡――新聞でゆかたの上によろいを着たというひやかしがありましたが、私はどうも裸の上によろいを着たような気がする。均衡は得ているがほとんど将来に向つてのリザーヴがない、自然増収をみな使つてしまう、繰越分までも全部使つてしまう。将来のリザーヴのない、つまりすつからかんの素裸によろいを着たようなことで、よろいと皮膚と摩擦して結局からだが倒れるという結果になりはしないかと考えるのです。私はこれは不均衡予算であり、かつまた日本の財政の危機を招くすごぶる重大なる予算であると考えますから、これより逐次御質問を申し上げたいと思うのであります。 第一は米価の問題であります。米価は御承知の通り政府の案では上げたのです。上げたが、その上げたことについてずいぶん不手際な弁解がある。この米価というものは御承知の通り日本の物価をはかる標準であることは、総理大臣も大蔵大臣もよく御説明されるところである。米一升の値段は、すべて物価の標準となつておる。米が少しでも上れば、それだけほかの物価に影響して来るのであります。しかも一割上げておいて、それが〇・八七だなどというこまかしの数字を出している。――これはごまかしではないでしようが、一割のものを〇・幾らということになりますと、低く見えます。これが非常に影響する。ですから私はこのたびのストライキは、つまり労働者、勤労者諸君の台所から起つたことだと思う。大臣御承知の通り、どの新聞もどの新聞も、主婦が家計費に非常に影響するということから、賃上げを要求していると伝えている。その家庭の主婦の後援のもとに、おやじさんが非常にいたけだかになつて、賃上げを要求する、こういうことになるのでありまして、この米の値段を上げるということが、今日まで日本の物価を高くしたゆえんだと私は思つておる。何回も何回も米の値を上げるごとに、物価が騰貴して参りました。ですからこの米の値を上げるということについて、私は相当の考慮を払つていいのではないかと思うのですが、大蔵大臣はなおほかの物価指数や、ほかの高級な会社との賃金の比較や何かして、これに影響がないと仰せられるかどうか、その点を伺いたい。
○小笠原国務大臣 米価の問題でありますが、これについては御承知のように、私どもとしては大体かりに今年度のコスト主義でありますと、本年の米価は、よく繰返し申し上げます通り、実は政府の支払いは農家に対する分一石一万三百三十五円にも当つておるのでありまして、従つてこれをそのままに出して来ますと、十キロ八百九十円くらいでやらなければコストではつぐなえないのであります。さようなことは非常に大きな影響を家計に及ぼすので、それで食管会計の許す範囲で、食管会計が一時負担をすることにして、それであとのものについて、これを消費者に負担していたたくことにしたのであります。それが七百六十五円、御承知のごとく大体食管会計なるものは三百四億円であります。七百六十、五円とすると、この数字もそうなりますが、それは偶然の一致であります。それで七百六十五円とした次第でございまして、それが家計に及ぼす影響といいますと、〇・八六六となるのであります。こういうようなぐあいで、私どもとしては今日米のことについては、やはりある程度消費者に忍んでいただく以外にないと思うのであります。さらに米がほかのすべてのものに大いに影響するんじやないか、これはお話の通りでございますが、しかしそれならは米の消費者価格を引上げないでおいたらどうするか、こうなればこれは御承知のごとくに、どうしても赤字公債もしくはそれにかわる――それは前年度の剰余金を使つても同じことになる、公債を使つても同じことになります。あるいはインヴエントリー・フアイナンスを使つても同じことになります。そういうことはこれは全般的にインフレをもたらすものであるからこれはやれない、その方の弊害の方がはるかに大きい、個々の物価に対する方が容易である、この方が忍びやすいという考え方から、それを忍んでもらうことにいたしたのであります。なお米の価格が他に及ぼす影響は、これはお話の通りでございますが、ただ最近におきましては、たとえば米の価格が上つたら、それではほかの食品、麦の価格が上るかというと、麦の価格は上つておりません。そういうようなぐあいに、よほどほかに及ぼす影響が以前と違つて来ておる。米の他の物価に及ぼす影響については、以前とよほど違つておるという事情は、小山さんもよく御承知かと思います。これは日本における配給量その他の関係もありますけれども、他の食品にすら、そう大きな影響を及ぼさないようになつておりますので、まあ私どもは〇・八六六%くらいのところは忍んでいたたいてもよいであろう、またそれはさしたる影響はない、かように考えておる次第でございます。
○小山委員 なるほど財政面から言えばそう見えます。しかし米が先頭となつてあらゆる物価が上つて来る、それが輸出に影響する、またそれはこの賃上げに影響する、増俸に影響するとすれば、米の数量に関することだけの数字をおあげになりましたが、それがために官公労その他の増俸なんかを見たら、それこそ国民全般のための影響というものははるかに違つて来る。米の今度の問題は三百七億でありましよう。米価を七百六十五円にした影響は、政府のあげた数字からいえば三百七億か四億である、しかるにこういうことから来ているベース・アップとか何とかから比較いたしますならば、ほとんど十億に達するような厖大なる指数ができておるでしよう、こういう食糧問題の解決のために、政府は多少の費用を出してもしようがないというので、アメリカにおいても、イギリスにおいても、みんなこの食糧に対しては補給金を出す、その額は相当なるものであります。それはすなわち国民の生活を安定させる、物価を騰貴させないで、国際競争に勝たしめるように仕向けるということなのです。数百億円の問題じやありません。国民全体に影響する問題であります。しかもそれはたたちに国民の生きる輸出に影響するものであります。国民にただちに影響する物価の騰貴に関係する重大なる問題であります。でありますから、私はこの問題は区々たる数字をあげて、私どもを説得しようといたしましても、それは承服ができません。やはりある程度ほかの工作と同時に、この米の値を上げるなら上げるだけの方法を考えて上げるべきである。この財政逼迫の際に、すべての財源を出し尽して、来年度においてほとんど保留のないような貧弱なる財政にしておいて、なお米の値段を上げて、この物価の騰貴を招き、家庭の苦情を招くというのは、私はほんとうの民主的政治じやない、国民全体の利益を考える政治じやないというふうに考えるのでございますが、いかがでございましようか。
○小笠原国務大臣 これは理論でいえばどういうふうにいえるかしれませんが、つまり個々のものについて、物価をある程度上げるのがよいか、それとも赤字を出して、全般的にインフレを招来するおそれがあつても上げない方がよいか、こういうことに結論は来るのだろうと思います。もしそれならどなたがお考えになつても、赤字を出しても、インフレは招来すべしという結論にはならないであろう、こういうことを申し上げるよりほかないと思います。なおさらに申し上げますが、上げないでおいたらよいじやないか、こういうことが御趣意だと思いますが、上げないでおくということは、さつき申し上げました通り、それだけの財政の負担、言葉をかえていえば、あなたが御指摘の通り、みな使い果して財源がないから赤字を出す以外にないので、すなわち赤字公債即インフレになる、このことは小山さんのお話の中にも、ちやんとそういうふうに考えられておる、たたさらに一言申し上げておくことは、世界各国云々とお話がございましたが、食糧問題はとこでも非常に注意しておりますが、ただ日本における米の比重というものは、最近十年前の米の比重とは、少しかわつて来ておるということをお考え願いたいと思う。昨今御承知のごとく配給しておるのは十五日でありますが、そのうちに内地米の配給量が、どのくらいかということをお考えくたさるとわかるのでありまして、現に本年度の輸入でも麦その他が多量に輸入されておることは御承知の通りであります。また政府も努めて粉食等を奨励しておるので、食糧即米だということは、もうちよつと時代が移つておる。やはり食糧の中に麦というものが、相当大きな部分を占めて来ておるということは御了解が願えると思う。またさつき麦にはいろいろ影響があると仰せられたが、米の価段が高くなつても、麦の価段にはさらに影響しておりません。ことしは麦は昨年より世界的に安くなつておることは、御承知の通りでございます。
○小山委員 それは米の値段が上つた場合に、ほかの物価に影響する、これは全般論であります。個々の問題をとらえれば、それは影響しないものがある。麦はなぜ影響しないかといえば、麦なんかは世界でオーバー・プロダクシヨンで、幾らでも入つて来る。いつでも入れられるから、これをもつて押えることはできるのです。ですから米の値段が上つて、麦の値段が上らないということは、それはただ一時的の議論で、全般的に米の値段がどういうふうに影響するかという議論にならない。それを押えることにはならない。財源がないからといつて、ほかの方面にはどんどん出す。そうして国民全体の食糧に影響する重大な問題にとつては、財政インフレーシヨンの議論を出す。ほかにはインフレーシヨンを来すような政策をたくさんおやりになつておいて、そうして米の問題だけに、そういう問題を出すことは私はおかしいと思う。もう少しお考えになつてよいと思う。これから私は質問を続けます。 第一に私は決して公労法の職員あるいは公務員の給与ベースを上げるということに不賛成を唱えるものではありません。私はこの労働者諸君の生活の向上をはかつて、そうして日本再興のために強力な体制をとつてもらいたいと思つておる。ただここに私どもの疑念を抱きますのは、この災害のために全国民の大多数が困つておる際に、年末の手当あるいは勤労手当も昨年よりは上げて、そうしてその上になおここに給与ベースを上げるというのは、はたして時期であろうかどうか。そしてその財源をつくるために非常に苦労なされておる。自然増収も使つてしまえばあるいは繰越金も使つてしまう、あとはどこに財源があるかわからぬというところまで持つて行つてはたしていいのかどうか。私は時期の問題についてお伺いいたしたい。なぜこんな時期に、なぜこんな巨額の増給をせなければならぬのであるか。私は本質的に増給に対して反対をするわけではない。私は公務員諸君がりつぱな公僕としてのその生活の安定をしていただきたい。そのことは考える。しかし時期はどうか。この財政の非常に逼迫したときに、この災害でもつて国民が非常に悩んでおるこういうときに、こんな問題を解決せられるということはどういう理由であるかということを伺いたい。
○小笠原国務大臣 私どもとしては、御承知のごとくに人事院の勧告というものがあつて、本年三月を基準として一三・九%の引上げ、すなわち一万五千四百八十円ベースに引上げることを人事院は勧告しておるのであります。しかしながらいろいろなことを考えてみて、それが人事院勧告通りやれぬから、本年度財政の処置し得べき点、すなわち一月よりこの一万五十四百八十円ベースを実行することにした。すなわち言葉をかえていいますと、人事院の勧告通りやつたわけではございませんが、それを尊重してやつた、やる機会にいわゆる地域給の一部を本俸に繰入れる、また多年、いつも予算書に書いてあるいわゆる中だるみ問題の楚正、これを単独にやろうとすると三十五億円ほど必要になるので、それをも解決をすることにした、こういうのであります。あるいは小山さんの意図するところは、むしろ行政整理を先にやつてしまつて、それからあとやつたらいいじやないかということを仰せになりたくて、そういうことを仰せになつたのではないかと思うのでありますが、この行政整理の問題は、現内閣のできたときの一つの大きな政策でありまして、行政整理はこれを必ずやりとげるのであります。単に行政整理だけでなく、また財政整理の方も私どもはやりたいと思うから、昨日は私の言葉としては行財政整理を徹底すると申しておるのであります。従つてそのことは閣議等でも決定しておるのでございまして、私どもとして、今の人事院の勧告の基くところはどこにあるかというと、一般民間における給与の問題及び物価等の問題から出ておつて、人事院がそう認めておるのであるが、しかし私どもはそのまま財政的処置がとりにくいから、財政可能な範囲でやつたことでございます。 なお繰越金も使い果すというが、あれは実は御知のごとくに、いろいろなものを節約したものも三十二億円からあるのでありまして、それはまた今残つておる金による、たとえば対日援助物資の特別会計のような余剰金が出ておるからそれでやつておる。さらに自然増収を全部使い果したんじやないか。自然増収はまだこれからも出て来るのであつて、これは使い果すことにはならないと思う。おそらく実際問題とすると――これは模様によりますが、しかし九月からの実績を見ますと、まだ少しはあるんじやないかと見ておるのでありまして、これは使い果すという意味ではありません。どうぞその辺を御了承願いたいと思います。
○小山委員 使い果したとは言いません、それは言い過ぎかもしれぬが、ほとんど使つておる。節約した金も、節約したのは結局給与ベースを上げるために節約したのである。そういう節約なり自然増収というものは、国民の負担を軽減するために、あるいは減税のために向けられることを国民は期待しております。それが官吏のベース・アップに全部使われてしまうというなら、その節約というものは結局役人諸君の給与のベース・アツプに充られて、国民の負担の軽減にはならない、こういうことになるのですが、大蔵大臣は勧告、裁定にそのまま従つたんじやない、ある程度は従つたが、まるのみにはしなかつたと言われる。それはごもつともです。まるのみにしないが、大蔵省の最初における計算から見ますと、公務員とそれから公労法に準拠する職員諸君あるいは特別会計の職員全部を計算すると、千七十億の増給になると計算しておるようですが、それは事実ですか。千七十億円ありとすれば、これはわずかばかりの金じやありません。千七十億円あれば、もし行政整理をしようという場合には、その整理する方々にりつぱに退職手当を与えることができる。これは国際道義、国際条約を守るためにもつと有効に使える。社会保障のために使えるりつぱな金です。それだけの大きな金を洗いざらいに出すことが、はたして健全な財政の基礎をつくるのであるかどうか。そういうことを考えなさい。行政整理をなさるといつても、二百四十名か五十名あつたときでもできなかつた。行政整理をやるからといつて、それは空念仏だろうと私どもは言つております。それだけ時局は重大であるから、現内閣が行政整理をやるならば、私どもは実際これに協力してやりたいと思つておる。一体となつてやつてみたい。しかし行政整理だけがわれわれは目的じやありません。日本の財政経済を建直すことが目的なんだ。そこで私は皆さん方にその建直すための議論をしておる。質問ではありますが、実は皆さん方の御共鳴を得たい、どうしてこの難局を救うか、それなんです。私の質問はそこから出ておる。総理大臣に対する質問も大蔵大臣に対する質問もそこから出ておるのです。ですからいいかげんな答弁じやなく、心の底から国を憂える、そういう気持でひとつお答えを願いたい。
○小笠原国務大臣 私どももいかにして日本の経済を自立に保つて行くか、こういうことで日夜苦慮しておるのでありまして、その点について小山さんが大いに協力してくださることはまことにありがたく、今後とも切に協力をお願い申し上げます。ところで今いいかげんな返事ということですが、私は決していいかげんな返事をしておるのではない。ちやんと数字に基いて御返事申し上げておるのであります。たとえば今の給与の問題でありますが、今小山さんは裁定の方はしかたがないと最初からお考えになつておる。ところが御承知のごとく、裁定もやむを得ず一月から私ども財政の許す最大限度で実行することにしたわけでございますが、あれをやりますと、三公社、五現業の中にも、たとえば課長待遇以上の者は公務員になつておりますから、何ら裁定のベースのように上らないのであります。それでこれらのこともあわせて考えてやらなければなりません。また同じ国家の職員として、公務員であるということと現業であるということとのために、そう大きな開きをすることも、これは国家としてこれに対する道ではない。しかしそれを政府のみの判断でやるというのであればこれはどうかと思われるが、人事院があらゆる資料を集めて勧告しておる。そうして財政上措置すべきものは措置してやるということは、これは公務員を預つており、現業をお預かりしている以上は当然のことではないかと思う。しかしながらそれをそのままやるわけには行かないので、そこでやり得べき財政上の措置の許すだけをやる、こういう建前にしておる次第であります。 それからあるいは一番小山さんがおそれられておることは、俗な言葉で言うと、あとまで尾を引くことをやることはよくないじやないかという点に主としてあるのだと思う。そこで私どもは直接の関連は何ら持つておりません。つまり政府はさきにも申しました通り、現内閣成立以来行政整理を徹底してやるということをおもな重要政策の一つとしておるのでございますから、直接の関連はございませんが、これを来年度の予算化するときに実行するということを閣議決定等をいたしまして、まあ小山さんの考えとちよつと前後したかもしれませんが、しかし勧告はいつなされておるかというと、本年三月のものについて、本年度において実行すべきことを勧告されておるので、そこで本年度中に十二分の三に対して勧告を実施する、こういうことにした次第で、私は正直に申し上げて、相当苦心さんたんした結果をあれに出したわけで、このことは少し同情的にお考えくださればよく御理解できるのではないか、かように考える次第でございます。
○小山委員 実は私は予算を見るまでは、小笠原君はそんなことには応じないだろうと思つたら、応じたのでびつくりしてしまつた。均整予算とか通貨価値の安定とかいうことをこの前に十項目に並べて御答弁願つたことを記憶しておりますが、これはせひごの通りやつていただきたいと思つたら、今度は全然うらはらのことをやられたので、実はびつくりしたわけです。そんなようなわけでありますか、とにかく給与ベースから見てよくまたお考えを願いたい。民間のこの給与べースと比較して安いからとか高いからとかいつても、官公吏の諸君は一体どんな国家の保護を受けておるか。民間の人は一体どういう苦労をしておるか。それと同じベースに持つて行かなければ、官公労の諸君は食えないという理由はありません。私はそこに相当考慮の余地があると思う。しかしこの問題から物価の騰貴を招いて、物価の騰貴はすなわち日本の今日のような輸出不振を来した。八億八千万の輸出で二十一億の輸入じやございませんか。これはみんな物価高から来ておる。物価高以外にいろいろ努力する点がある。これは民間でもあるいは官界でも努力しないというのはどういうわけか。みんなこの政府の納税に依存して、それで生活している人が日本には多過ぎる。自分の力で物をクリエートする考え、耐乏して自分の力で何かもうけようとする人が少過ぎる。一人の役人を十六人の国民が養わなければならぬという何たる日本の悲惨なる状態でありますか。そういう人は私は考慮してもらいたいと思う。みずからの腕でもつて働いて立つ、生産に従事するということを考えてもらわなければ国は行きません。ますます増税に次ぐ増税、しこうして養うものはたれか。十六人に一人のこのお役人、お役人に類似する人、そういうことは長くもてますか。そしてそれがますます高給をはもうとする。大蔵大臣も総理大臣ももちろん御承知でありましようが、アメリカでも役人になつておつたら食えない。アチソンでもだれでも長い間役人になつておつては食えないといつてやめてしまう。日本では役人なら食える。役人なら生活保障がある。老後にも恩給がある。私はそこの考えからどうしても行政整理をやつて、そうして不要な費用を省いて、非能率な人たちは去つてもらう。そうしてりつぱな人だけに高給をはましたい。りつぱな生活をさせたい。それがためにはどうしても行政整理を断行して行かなければならぬ。しかるに塚出君の何を見ましても、あまりに規模が小さ過ぎます。われわれの計算によると、行政整理だ、行政整理だといつて、結局百九十億くらいのものしかできないのじやないですか。そんなちつぽけなやり方で国は立たない。私はもつと強力にこの行政整理を断行して行かなければならぬと思う。総理大臣にその決意があるのならば私どもは協力したい。しかし総理大臣はあまり強力でもなさそうでありますから、また別の方法も増えてよろしい。とにかく強力なる内閣によつてこれを断行しなければならぬと私は考えておるのです。物価高をどうするか。 私はここで為替のレートのことをちよつとお伺いいたしたいのですが、今日の為替レートはどうなつておるのですか。やみ取引では六百十円だ、普通に見ても四百円、五百円、しかも外国から大体原料を買つておる国なんです。それがもし為替かやみに流れてやつたとすれば、われわれは三百六十円で買うものを六百円で買うことになる。六百円で高い原料を買う、その原料でつくつたものを今度外国に売るのですから、売るときには安く、買うときは高い。これが長い間占領政策以来、日本のインヴイジブルの財産というものを、だんだんドレインして外国に流しちやつた。そのうちには日本の労力も入つておる、日本の資材も入つておる。こんなようなぐあいに日本の財政というものは根本から非常な弱体になつて来た。この弱体になつた場合に、これをどうしても立て直すのには、いわゆるドラステイツク・メイジヤをやらなければならぬ。その場合にこういう予算をお組みになつては、ただ一部の反対する人、一部の反抗に属するだけであつて、国民全体の利益を考えない財政であると断ぜざるを得ない。第二次補正予算というものはそんな大きなものじやないから私は賛成したい。賛成したいけれども、この予算の中には二十九年度の全貌が現われておる。ここでこの均衡財政をとれなくて、二十九年度でどうしてできるか。私は大蔵大臣に対してその反省を促したい。 為替のレートはどういうふうになつておるか、やみドルはどうなつておるかということを通産大臣にちよつと参考のために伺いたいのであります。それから後、大蔵大臣の御答弁を願います。
○岡野国務大臣 お答えを申し上げます。為替のレートのやみが、五百円とか何とかいうようなことは、ちよいちよい聞きますけれども、しかしそれは非常な脱法行為であつて、違反行為であります。同時にそういうものは非常に少いものと思います。日本の経済はすべて自由経済になつておりますけれども、御承知の通り、米価と外貨だけは統制をしております。従つてこの点は厳格に取扱つておりますので、やみがもしありといたしましても、それは何かの関係で取扱われておるので、やみドルというものは、ごく少数のものと私は考えます。
○小笠原国務大臣 行政整理の面については御意見としてよく承わつておきます。私どもも繰返し申します通り、現内閣は行政整理を徹底的にやる、こういうことにきちつと重要政策になつておるのでございますから、これはあくまで実行いたします。但し行政整理の面のみではなく、財政整理をいたします。そうすると小山君よく知つておられるごとく、補助金というものがなくなると、補助金を出して食わせておる官吏というものも少くなる、非常な補助金がたくさんある。これらに対して徹底的な整理を行いたい。それで私は常に行財政整理ということを言つておるのであります。これを行うのであります。 なお為替の問題でありますが、これは誤解があつてはいけませんから申し上げておきますが、日本は今外貨というものはきちんと統制をいたしております。そして輸入品についても統制をいたしております。従つて輸入するものに対しては外貨の割当をするのでありまして、その場合三百六十円でやつておるのでありますから、たとえばある一部分どこかでぜひ金がほしいというものは、あるいは四百円、五百円というようなやみ相場はあるかもわかりませんが、それはもち米がほしいという人間がもち米が買えなかつたら一升四百円出したなどという例と異ならぬのでありまして、それをもつて米の価格を論ずることはできないと同じように、日本としてはあくまで為替レートは三百六十円で堅持され、輸入については為替の外貨の割当でこれは統制されておりますから、この点についての誤解はひとつ解いていただくようにお願いいたします。なお為替レートはあくまでこれを堅持いたします。 それからそのほかの事柄についての御覧いろいろ有益に参りまして、今後とも御協力を願うことがこれを実現する一番の方法でありますから、少し襟度を広くお持ちくださいまして、十分御協力のほどをお願いいたします。
○小山委員 大蔵大臣に御協力申し上げるには私どもの意見を十分入れていたたかなければ御協力はできないのでありまして、その点を御了承願いたいと思います。 そこで私は今までの日本の財政のとり方はどうしてもインフレ傾向だ、インフレで一番もうけたのは政府のような気がする。なぜかというと毎年々々自然増収が多くなつて行く、自然増収というものは結局財政のインフレから来ている。ですからこのやみ商売で一番多くもうけたのは政府なんだ。それで大蔵大臣あたりは来年は一千億ぐらい自然増収ができるということをおつしやつた。つまり一千億円の自然増収ができるような状態でありますから、これに大斧鉞を加えるためには、ただいま大蔵大臣の仰せられる通り財行政の整理を断行すると同時に、十分なる御考慮を願いたい。 それから大蔵大臣は口ぐせのように新規事業をやらぬとおつしやる。一体発展生成の日本の国でどういう変化があるかわからぬ、世界の情勢はどういうようにかわるかわからぬ場合に、新規のことはやらぬ、多分今までにこりた悪い方の新規のことはやらぬという意味のことと私は解しておるのですが、どうぞ日本のためになる、日本の経済力を増強することであれば新規のことをどんどんやつていたたきたい。それがためにはやはり相当のレザーヴを持たなければならぬ。繰越金を使つてしまう、自然増収は使つてしまう、それがどこへ使われるか、結局消費、インフレの面に使われる、生産増強のために使われない。そのレザーヴができるように、いわゆる資本の蓄積のできるような方針をとられることを希望いたしまして私の質問を終りますが、最後に離島振興法が議員立法で通適いたしております。自然発生的にこの予算が伴うものと存じますが、その予算はどうなつておりますか、大蔵大臣の御答弁をお願いいたします。
○小笠原国務大臣 離島振興法による補助率引上げに伴う経費として各省から要求されている経費が、漁港、港湾、道路関係で三億五百万円に上つておるのでありますが、公共事業費については、第一次補正予算の際に災害対策及び冷害対策等の財源を捻出するために、やむを得ず既定予算のうち災害復旧費を除きまして約六%、五十九億円の節約を行つておるほどでございまして、今回離島関係の経費は新たに追加計上いたしかねるのであります。かしながら前述の節約に対しましては、特に離島振興法の趣旨をも考慮いたしまして、離島関係の事業についてはできるだけ節約を行わないように配慮いたしますとともに、不要またはほかの費用から流用し得る財源があつた場合には、できるだけこれに振り向けることといたしまして、今回でも二千数百万円これに計上されておる次第でございますが、今後ともそういう余力を生じますればさらに考えたい、かように考えておる次第であります。
○倉石委員長 伊藤好道君。
○伊藤(好)委員 私は一番最初に二、三総理大臣にお尋ねいたしたいと思います。その最初は、今問題となつております公務員あるいは現業官庁の賜暇戦術なとによる、要するに期末手当ないしベース・アップに対する運動についての政府の態勢であります。幸いにして今までのところは私どもの見るところでも、はなはだしい圧迫的な態度はそれほどないように思うのでございます。ゆうべもどこかの夕刊に出ておりましたが、国鉄の当局が、今度もし何かするような場合には、計画の指導者もしくは現場において実際にそういうことに携わつている者、これらについては厳重な処断をするというような談話を発表しておるようであります。これはたしか国鉄の副総裁でありますが、そういうような事態はむしろますます問題を紛糾させるものであることは申すまでもないところでありまして、私はこれはかつて法務大臣その他にもお尋ねしたのでございますが、最後の質問にあたりまして、政府が今度の問題について十分政府あるいは現業官庁の首脳者と組合側との話合いを円満に続けることによつて問題の解決ができるようにして、いたずらに事態の紛糾が起らないように、あたたかみのある、理解のある態度をとつていただきたいと思うのであります。これについての総理の見解を承ります。
○小坂国務大臣 かわつて御答弁申し上げます。今回行われたいわゆる賜暇戦術というものに対して、公労法の解釈をあずかる立場から私どもの見解を明らかにしておることは御承知の通りでございます。すなわち戦術としての賜暇戦術ということは非合法であるということであります。しかし、争議の過程におきましてこれが不当な争議の原因にならざるように十分配慮をいたしておるつもりでありますが、今後におきまして、十分政府の解釈を明らかにしておるのでありますから、組合各位においても良識ある行動をとられることを期待しておるのであります。ただ今お示しのように、できるだけ事態を円満に処理いたすように、政府としては従来からもそうでありますし、今後においても円満なる解決をはかるという建前のもとに、あたたかみのある態度において話合いを進めておるところであります。しかし、不当なることを下部の組合にいたずらに強制するということは、今お話の言葉を拝借いたしますれば、事態をいよいよ紛糾させることになると思いますので、その点は良識ある行動をとられることを期待しております。
○伊藤(好)委員 こういう労働争議の問題は、最近実はますますはげしくなつて来ておるのでありますが、御存じのように、あのフランスの大きなストライキにおきましても、しかもフランスの経済にとつて非常に重要な事態であつたにかかわらず、政府もあるいは組合側もその紛糾の処理について民主的に忍耐強い態度をもつてその解決に当つたわけであります。今度の場合はいずれにいたしましても年末を控えてのことでございますので、そう長い間問題が紛糾することはないはずであります。従いまして今までわれわれのちよつと耳にした範囲では、むしろ検察当局というような立場にある人の方が多少とも――違法行為があつた場合においては別にして、あらかじめいろいろな事態を引起すことのないように慎重な態度をとつておられるようなことを耳にするのであります。それに対して当局者あるいは政府の方で、むしろ問題を紛糾するような、ある意味において強硬な発言が、新聞などを通じてしばしば出るわけでございます。これはむしろ本末を転倒した形であつて、私はむしろ政府なり、あるいは現業官庁の首脳部は、この際忍耐をもつて、民主的に話合いがすみやかに妥結するように、その方にこそ私は全力を注ぐべきであると思うのであります。従いまして、そういう点について労働大臣は、公労法の精神、法律の精神を尊重すべきことはもちろんでございますが、今や事態は相当重大化しておりますので、単に法律の形式的な解釈という意味ではなくて、これをむしろ政治的に解決するような方向において、私は十分――暮れを控えて困つている百数十万人の労働者のことでございまして、いま一度私は、労働大臣のこういう問題に対しての御答弁を煩わしたいと思います。
○小坂国務大臣 検察当局と申しまするか、特にそうした取締りに当る諸君が、事実について的確なる認識と判断を持つておられるということは、私もそう思つておりますが、ただ非常に緩和的な態度であるということが、ことさらに伝えられておる面もございます。ある新聞に談話を発表せざる検事総長の談話が、検事総長の談話として載つておつたという事実がありますが、それは私どもで調べました結果、そういう事実はないそうであります。これはあらためて明らかにしておきたいと思います。後日出ました法務大臣の談話もその趣旨で、これは誤りであるということの確認の意味の談話でありますから、そのように御理解を願いたいと思います。しかし労働問題というものは結局取締つたり、指弾をしたりするということが目的でないことは言うまでもないことでありまして、私どもは合法の限界、非合法の範囲、これを明らかにして、あくまでも秩序ある労働争議というものの形態において、事態の円満なる収拾をはかる、こういう態度でおるわけであります。
○伊藤(好)委員 私は総理から、そういう意味のお話を承りたかつたのでありますが、総理の御発言がありませんので、労働大臣の今のお話をもつて政府を代表したものとして承つておきます。 そこで、次にお尋ねしたいのは、これは、たしかきのうのこの予算委員会で、総理の御発言があつたのではなかつたかと思うのでありますが、最近における議員立法の問題、あるいはまた常任委員会の問題、あるいは立法府と行政府の関係、こういうようなことについての委員の質問に対しまして、特に最後の問題などにつきましては、政府も非常に迷惑をしておる。立法府が行政府に対して少し口出しをし過ぎるというようなことを是認されるような御発言があつたように、私は記憶するのであります。もちろん私は、現在の立法府が完全無欠なものとは思いません。従つて今後面すべき点は直さなければならないと思いますが、しかし今日議員立法なり、常任委員会などで、いういろいろ活動行われる一番の理由は、これはもちろん日本の財政の困難ということにもよりますが、いずれにいたしましても、民間の産業なり経済なり、あるいは国民生活に対して、政府の手において十分の配慮が行われておらない。従つて国民を代表する国会が、いろいろ活動せざるを得ない、こういう状態になると思うのであります。従つて問題はその意味においては立法府に対して、問題をさしはさまれるよりは、私は政府において、政府のりつぱな政策、十分な財源を織り込む、そういうような形で、むしろ政治を直して行くというところに問題の重点があると思うのであります。従つて総理の御意見は、何か議会を制約するような、あるいはまた国会を軽んずるような印象を受けたのでございますが、それについて、総理の御意見を承りたい。
○吉田国務大臣 お答えします。議員立法また常任委員会等のこと、また立法府が行政府に干渉をする、迷惑であるというようなことは、昨日申しましたが、しからば原因はどこにあるか、政府の態度が悪いのかどうかということは、研究いたします。また常任委員制度がいいか悪いかについても研究いたしたいと思いますが、政府といたして迷惑をいたしておることは確かであります。その迷惑の原因はどこにあるかということについては、なお研究いたします。
○伊藤(好)委員 私はその点は全然意見を異にしております。ただいま申し上げましたように、国会がいろいろ活動せざるを得ないのは、これは政府の施策が十分国民の満足を得ておりませんから、いろいろ問題が生じますから、それを国民の利益の立場から解決しつつあるものだと思うのでございますが、総理はきのうの御発言をさらに確認されたようでございます。問題をあとに残して、いずれあらためてまた、こういう問題について御質問いたしたいと思います。 その次にお尋ねいたしたいのは、これは外務大臣からもきのういろいろ御説明がございましたが、奄美大島の復帰問題についてであります。いろいろ困難な御事情のあることは了解できるのでありますが、しかし、国会からも先般確かにこちらへ行つたと思うのでありますが、国民全体あるいは学童に至るまで、日本への復帰について非常な関心を持ち熱望している。その事態は見るにたえないというような事態だということを私どもは承つているわけであります。従いまして、この問題について外務大臣からいろいろお話はございましたが、総理としては大所高所に立つて、一日も早く復帰できるように、最善の御努力といいますか、御指導をひとつお願いしたいと思うのであります。
○吉田国務大臣 政府もまた一日も復帰を早くいたしたいと考えておりますが、多少延引いたしておる事由については、昨日外務大臣から御説明申した通りであります。
○伊藤(好)委員 私は次に農林大臣と建設大臣に、この間の臨時国会で通過いたしました災害、冷害、そういうような関係に関する政府の施策の進捗の状況、今後の見通し、来年度はどういう見通しをお持ちであるか、こういうような点についてお尋ねしたい。
○戸塚国務大臣 お答え申し上げます。建設省関係のせんだつての予算にあがりましたのは、直轄分として十億円でございます。これはしかし、すでに災害予備費の方から、約二十五億と存じておりますが、支出いたしまして、ただいま順調に進行いたしております。これが大体直轄事業の五割に相当すると考えております。それからまた地方公共団体に対する補助は約百二十四億円、これは査定がただいまのところで六割程度まで進んでおります。なるべく年内に全部を完了いたしたい、かように思つておりますが、その査定に従いまして割当を行いますが、全部完了いたしておりませんので、あるいはでこぼこがあるかもしれないというような心配から、百二十四億のうち約十四億を除いてその他をすでに割当てて竣工をいたしております。十一月十日、本年発生の災害の約五%に当る五十八億程度の復旧工事がすでに完了いたしました。なお工事に着手しておるものも相当な額でありまして、おそらく百億を越えておると考えております。従つて、予算では少し足りなくなるようなきらいもありますが、しかし必要なところはぜひとも早くやりたいというので、全力をあげております。従つてその他はかねてお話の融資あるいは借入れ等の方法をもつて当つて参りたい、かように考えております。その他公営住宅、これも二千戸程度をすでに着工いたしておりまして、その一部はすでに竣工いたしております。なお堆積土砂の除去あるいは海岸の補修復旧、これらも目下補助の割当を順調に進めておるような状態であります。それから救農土木事業については、御承知の通り、建設省関係は十億円でありますが、これは農林省と同一の基準で配分をいたしておりまして、大部分を割当てております。
○保利国務大臣 農林省関係の災害関係につきましては、一部を除きまして大半査定を終つております。その終りました分につきましては、県別配分を定めて令達いたしますように措置をいたしております。未完了部分につきましても査定を急いでおりますから、終了いたし次第そういうふうにいたすつもりでおります。冷害関係の救農土木事業につきましては、先般すでに各県別に内示いたしまして、この事業のすみやかな着手に支障のないように手配をいたしておるわけであります。公共事業以外の一般経費につきましても、先月の二十七日に閣議決定をいただいて、災害対策費予算費十億円と関連のある冷害対策費、蚕桑病虫害防除費補助金等の一部を除きまして、すでに各県に内示をいたしまして、支障のない取扱いをいたしておるわけでございます。明年度におきます災害復旧対策費につきましては、これは大蔵大臣からしばしば申し上げておりますように、来年度の予算編成にあたつて十分検討をいたして支障のないようにしなければならぬと考えております。
○伊藤(好)委員 大体の見当はわかつたのであります。私どもはこの予算が非常に僅少であるという意味において先般の臨時国会では反対をしたわけであります。従つてでき得るだけ急速に――特にこのごろ地方で災害ブームという言葉が新聞などにも出まして、従つて政府当局においても何らか少し控え目にするというような態度が出るのではなかろうかと思つて私ども心配しておるのであります。もちろん一部にそういうことがあるならば、これは十分に厳格にやつてもらわなければなりませんが、緊急の必要のあるこういう災害対策の問題は、ひとつできるだけすみやかに進捗をはかつていただきたい。なお明年度のことにつきましては、大蔵大臣から、大体の御構想といいますか、そういうものはまだできておりませんでしようか、伺いたい。
○小笠原国務大臣 災害の復旧は非常に急務であると考えております。従いまして、明年度の予算編成にあたりましても、災害復旧並びにそれのもととなる治山治水、こういうようなものに予算の配分について最も重点を置きたい、かように考えておる次第でございます。ただちようど一般公共事業費とかあるいは食糧増産対策費とも重複というといかぬかもしれないが、同じような一連のものになつておるところもございますので、それらの点は十分に考慮したい。それからまた非常に厳格に出しておるところもあります。実はあるところで、農林省からも要求しており、それから建設省からも要求しておるところがあつて、その人に私は昨日会つたのであります。君のところに二重に要求するのはひどいじやないつかと言つたところが、いや実はどちらがやつてくれるかはつきりしませんから、どちらでもいいからやつてもらわなければいけないから両方出したので、別に他意はありません、どちらでも一方でけつこうですと言うのです。心から言えば善意なところがありますが、予算の面から見ると二重に計上されているという点もありまして、昨日も申しましたことく、今行政監察の方面でも監察をされまして、きようの朝日新聞にも一部出ておるように、水増しと申しますか、誇大にされておる部分が相当あつたり、また便乗的のものが相当あつたりいたします。私どもの方でも、行政監察と相まちまして、昨日も申しましたことく、地方の財務局を動員して今調べさせております。従いまして実情に沿う分については十分にやるという考えは持つておりますから、さよう御了承願いたいと思います。
○伊藤(好)委員 裁定と人事院勧告について一点だけお尋ねいたします。 昨日のこの委員会で、横路委員の質問に対して大蔵大臣は、これらの実施については財政的な措置もあろうが、行政的措置としてもなされた関係がある、こういうようなお話でありました。そこで年末手当の問題につきましては、公務員は一・二五、公労法関係は一・〇というようなことになつているが、これにつきましては、政府は公労法関係の者にもぜひ責任をもつてプラス〇・二五としてこれを増額すべきであると思うのであります。また給与べースについては、仲裁裁定について完全に実施されたにもかかわらず、人事院勧告の方においては五%地域給関係が実質的にはもう少しパーセントが下りますが、減額されておるということは御存じの通りであります。従つてこれも仲裁裁定と人事院勧告を公平にやるという立場において、地域給の区分について現状を維持すべきではなかろうか、維持することが私は公平な措置であろうと思うのでありますが、それらについて伺いたいと思います。
○小笠原国務大臣 裁定の問題につきましては、昨日も横路委員にお答え申し上げましたごとく、裁定の下された時期等の問題、そのほかこれが公務員と違うような点、昨年の実情及び家族構成その他がいろいろ違うなどの点から見まして、私どもは〇・二五違うのがかえつて公平である、こういうふうに見りておることは昨日もお答え申し上げた通りございまして、今もその考えを強く持つております。 それからあとの地域給の問題でございますが、昨日人事院総裁もお答えしたことくに、大体地域給というのは漸次これをやめたいという考えが人事院にもあり、衆参両院の委員会にもそういう空気が相当ございます。しかしこれは今予算措置をとることは容易ならぬことでありますので、今度予算措置をとる機会に、今の財政でなし得る最大限で措置しようとしたものですから、そこで地域給一級を縮めることにしたのであります。但しこれにつきましても、先刻あなたと全然反対の立場で小山委員から大分不都合じやないかというようなことを言われたくらいでありまして、私どものやつたことは、ちようどその中をとつたくらいで一番よいのじやないかと実は考えております。
○伊藤(好)委員 小笠原大蔵大臣なかなかおもしろいお話でありますが、ただ人事院の方で考えておるベースの整理、三段階とか四段階に対する整理は、申し上げるまでもなく一番下のところりを五%上げた上で整理しようというわけであつて、それを一番下の方にしわ寄せされたのでは、人事院の意向とは違いますので、これらの点については、行政的措置と大蔵大臣の言われるような立場からも、ぜひわれわれとしては、仲裁裁定関係の職員と人事勧告関係の公務員、そのいずれに対しも、ひとつ公平にして、みんなが納得するような措置をとられることを強く要望いたします。
○小笠原国務大臣 御趣意はよく了といたしました。なおいわゆる三公社五現業の方には、これは伊藤さんも知つておられる通り、業績賞与というものがある。業績を上げますと、これがあるということは御承知の通りであります。これが年末にということではございませんが、業績に応じて、ほかに公務員にないものが実はあるということをひとつお含みおきを願います。あるところに相当な金額に上つておるところが、昨年の例ではございますが、そ点をちよつと申し添えておきます。
○伊藤(好)委員 これはきのうも福田委員からお話がございましたが、私は国際収支の悪化の問題に関連いたしまして、二、三の御質問をいたしたいと思います。一つの問題は、今年度の輸出入貿易の貸借じりの悪化という問題であります。これはたしか九億五千万ドル以上の赤字と、われわれ政府からいただいておる資料によつても予想されておるわけであります。もちろん特需その他が入りまして、全体としての国際収支はたしか一億九千万ドルくらいの赤字というような勘定になつていたと思います。これにはもちろん本年の災害のための食糧の輸入というような特別の事情が考慮されて、さらに一層悪化させたという問題がございます。しかしいずれにいたしましても十二億ドルかそこらの輸出において、九億五千万ドルの赤字が出てしまうというようなこの事態は、とうてい見のがすことのできない事態でございまして、この事態について、私は貿易上の関係もあると思うのでございますが、いわゆる日本の輸入金融の方針、あるいはまた日本の通貨制度それ自体に問題があるのではなかろうかと思うのであります。そこでこの国際収支の悪化に対して大蔵大臣の御所見を承りたい。
○小笠原国務大臣 二十八年度の国際収支の見通しは、お手元に差出してあるかと思いますが、輸出が十二億二千万ドルというふうに見て、貿易外の受取り勘定が十三億三千万ドル、合計二十五億五千万ドル、これに対しまして輸入の方は二十一億七千百万ドル、貿易外は五億六千九百万ドル、合計二十七億四千万ドル、こんなふうになつていますから、ちようどお話のごとく一億九千万ドルのいわゆる支払い超過になるのであります。もつともそのうちに先ほど仰せになつた本年の米、大麦、小麦等の不況に伴う追加輸入が含まれておることは御承知の通りでございます。それは今後どうするかといいますと、私どもといたしましては、輸出につきましては、過日来通商産業大臣の方でお答え申し上げておる通り、輸出外交の強化と各種の方法による輸出貿易の伸張策をはかつておりますし、またこれについての答弁は通商産業大臣の方で申すことと思います。それから輸入については、私の方でも外貨割当について管理いたしまして、ごく必要最少限のものを入れるというふうにいたしておりますが、念のため、どういうものにやつておるかということを少し申し上げますると、実はこの十月以降輸入金融について特別な措置をとる。これは新聞にも出しましたが、実際問題を少し申し上げてみたいと思うのであります。それは第一に輸入貿手の適用品目のうち、金融の面から不要不急のものを除外することにいたしました。それから別口外貨貸付の適用品目を重要基幹産業の原材料に限ることといたしました。それからこれは日本の方から支払い超過になりますので、重要基幹産業の設備に必要な、合理化、近代化に必要な機械技術に限ること、こういうぐあいにいたしました。それから第三には、輸入物資引取りのためのスタンプ手形の品目で重要でないものを削りました。そして貸付期間を短縮いたしました。第四には、預託外貨現地貸付による預入についても制限するというようなことをいたしましたので、これがおいおいと効果をあげて来るだろうと思つております。なおどうかすると輸入については、向うの方でも融通し、こちらも融通するということで、俗にいう二重融資というものが行われておりましたが、このことは厳に禁ずることにいたしました。さようなこと等で、金融の面からは今後においては相当輸出輸入の制限をなし得ると考えております。輸出増進策については、通産大臣の方からお答え申し上げる方が適当かと存じます。
○伊藤(好)委員 参議院の予算委員会に政府が出されました日本銀行の高率適用強化云々という数字によりましても、相当の圧縮傾向があるようであります。実際若干の輸入金融についての引締め政策をとつておられるということもわかるのであります。ただ今の輸入は、輸入金融の関係からいえば、輸入決済手形は三、四箇月間であります。スタンプ手形が半年くらいで、別口に至つては三箇年で金利は四分、こういうようなことになつておりまして、結局輸入を非常に促進してやるというので、これはおそらく朝鮮動乱の始まつたあとの世界的に物が不足して来て困るじやないかという時期にとられた政策が相当長く行われておる。しかもちよつと統計を見ますと、今年の七月ごろからぐつとふえて思惑輸入が行われたようにわれわれは数字上から判断するのでございます。従つてこれを根本的にかえて、むしろ輸入の制限を強化する。何と申しましても金額はきわめて大きいのであります。輸入の八割に上るような貸借じりの赤字が出て来るというような事態においては、今までよりは強くしたとか弱くしたとかいうことではなくて、もつと大胆な先を見越した特別の政策、計画をお立てになつて実行してもらわないと、これはやはり日本のインフレの大きな要因になると思います。
○小笠原国務大臣 ただいまお答えいたしましたように、十月から実行いたしておりますのは、相当効果を漸次発揮すると思います。しかしながら今申し上げた特殊の品目のものを除いて、一般的にはもう少し強い措置をとることが適当かとも思いますので、仰せのようなことについてもさらに考えて行きたいと思つております。ただ現在も十月以降の措置については漸次強化して参つておりますから、月々それは効果として現われて来ると私は信じております。
○伊藤(好)委員 そこで通産大臣に関連して御質問するのでありますが、通産大臣は、きのうも輸出貿易の振興策につきまして、ただいまお話のあつた経済外交とかあるいは物価の問題とか、いろいろな事情をるる御説明になりました。しかし私どもはああいう程度のお話を承つておつて、特に来るべき新年においては、もつと世界が不景気になつて輸出競争が激化することは当然に予想される。常識的に考えてそういう時期であります。そういう従来の政策といいますか、いろいろなものを並べるということでなくて、もう少し輸出増進についての根本的な御方針があつてしかるべしたと思うのでございますが、その点についてあらためて通産大臣にお伺いをいたしたいと思います。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。昨日、また前国会でも申し上げたように、通産省といたしましては、日本の輸出貿易を進展させるためにいろいろ具体的な方針をきめております。しかしこれが抽象論であるという仰せでございますが、われわれといたしましては前国会で通りましたが、輸出入に関する改正法とか、あるいは商社の強化に対する特別の措置法とかいろいろなことをやりまして、ともかくもただいま一番難点といたしておりまするところは、物価の高いということでございますので、この物価を下げるという点においていろいろな処置とらなければならぬ。これはむろんとる、同時に一番の問題になりますのは、われわれとしましては、今輸出が非常に減つた重大な原因は、やはりポンド地域の輸入制限でございます。ポンド地域は御承知の通り、一―九月で一億三千万ドルぐらいの輸出にしかなつておりません。これを前年同期に比較しますと、約四割ぐらいにしかなりませんし、また向うで制限をし始めたときから比べましても七割ぐらいにしか当らぬ。これでポンド地域に対する輸出をもつと増進したならば、相当目に見えてふえて来るだろうと考えております。今せつかく日英支払い協定に使節団を出しまして交渉最中でございますので、何とかうまく行きはせぬか。これにつきましては年間約一億八千万ポンドぐらいの受取勘定になるような輸出の増進策は講じておるわけでございます。その他いろいろございますが、ちよつとこまかいことでございますから省きます。
○伊藤(好)委員 政府は、いろいろ今の輸入の場合においても、合理化のための輸入については特別の措置をとる、こういうようなお話があつたくらい相当重要産業の近代化とか、合理化について努力されておるようであります。現に第一次鉄鋼増産五箇年計画では一千億円以上の金が投ぜられておるのであります。しかしその結果不幸にして、私どもは日本の鉄の値段がどの程度に下つたのであるかという具体的な結果を耳にすることができないのであります。従つて輸入の方は、いろいろな機械を入れるけれども、しかしそれで計画を遂行してみて、さらに鉄のごときは今後また三箇年間に一千億円以上の金で近代化のための設備をする。こういうような予定計画になつておるようでありますが、そういう莫大な金を使つたにかかわらず、生産費の方は下らないで、むしろ生産が過剰になつて来て、いろいろ、鉄にしろその他重要産業において今日不況の状態が現出しておるのであります。従つて物価引下げ政策、あるいは合理化による生産費の低下政策、それ自体に私どもは疑問を持たざるを得ないのであります。これはおそらく古い設備がそのまま温存されていて、古い設備と新しい設備とが並んで稼働しておる今日の現状から、そういうことになると思うのでありまして、従つて重要原材料はもちろん、今の機械設備その他の輸入につきましても、私はそれが端的に輸出の促進になるような方向へ生産費の低下を実現するような方式を持つた近代化でなければ問題を解決することはできぬと思うのであります。その意味におきましても、私は物価の引下げ、あるいはインフレの抑止、その他いろいろ重要な問題がありましようが、近代化による生産費の低下、たとえば鉄には一千億円をかけたが、設備はどの程度に近代化されて、どの程度に鉄の値段が下つたか。もし通産大臣の方でそういうものがあればお示しを願いたいのです。ないならは私はこの点についても何とかくふうをしなければとうてい私は日本の輸出の増加にはならないだろうと思う。電気にいたしましても、これから電源を開発することが、電気料金の値上りになるのでありますから、決して電気料金は下らないのであります。従つて私どもはそれによつて日本の物価が引下げられるという見通しを持つことはできません。この問題はおそらく再評価の問題にも、その他いろいろ多方面にわたる影響があつて、その結果こういう事態になつているとは思いますが、こういう点について政府は特段に新しいくふうを加えて、輸出の増進策をはかるべきであると思うのでございますが、いかがでございますか。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。御税のように一千億くらいの鉄鋼合理化資金を投じましても、まだ鉄の値段が下らないではないかというお話ですが、事実のところまだ目に見えて下つておりません。もつともこの近代化は少し計画が遅れまして、実は本年度で終るはずでございますけれども、第一次鉄鋼合理化の計画はまだ明年にも持ち越すという情勢になつております。それからお説の通りに、私の考えといたしましては、新しい機械を設備しましても、あとに古い機械をこわさずにとつておくということが、値段があまり下らない原因だろうということは、御同感でございます。かつて船鉄交換で新船を建造した古い歴史がございますが、あのときには一隻つくれば二隻つぶしてしまう。それだから近代化ができたわけでございますが、機械の近代化は先般総理からも御指示がございまして、各生産機械が、マシン、ツールが非常に古い、ことにアメリカに比べまして非常に劣つておる。これでは世界的な競争の激化の中に立つて、日本の生産費が高くなるということはきまつているのだから、新しい機械を入れようという計画を今立てつつありますが、しかしこれを実施に移しますときは、やはりお説のように古い機械を捨ててしまつて、新しいものをつくつてやつて行くことになれば、早く効果が目に見えて来るのじやないかと考えているのであります。
○伊藤(好)委員 実は予算に含んでいるインフレーシヨンの危険の問題、あるいはただいまの世界の新しい経済不況に直面して日本の輸出貿易をどうして維持して行くか、あるいは国際貸借事情の悪化をどのようにカバーして行くかという問題は、おそらく今年度の日本の経済で一番大きな問題であろうと思います。 時間が非常に短かいものですから、私はここで質問を打切りますが、通常国会の場合には少し時間をいただきまして、政府の所信をお尋ねいたしたいと思います。
○倉石委員長 今澄勇君。
○今澄委員 先ほどの仲裁裁定に関する大蔵大臣の答弁は、業務上の実績によつては、あるいは年度内については考慮するかもしれないというような非常にはつきりしない御答弁がございましたが、この際まず私は労働大臣に仲裁裁定に関する公共企業体関係は、国家公務員に与えられた〇・二五と足をそろえるために、年末手当について団交で〇・二五を労働大臣としては認められたように私どもは了解を持つておりましたが、労働大臣はひとつ明確にこの〇・二五について私どもにぜひ納得の行くような御説明をこの機会に願つておきたいと思います。
○小坂国務大臣 一般の官公吏と公共企業体関係の人との間の給与の均衡をとつて行かなければならぬという考えから、人事院勧告もそうなつておりますし、仲裁裁定においてもその間の考慮がされておると思いますので、そこで財政当局からお答えいたしましたように、過去一箇年の実収の増加の割合を見ても、片方は一八%で、片方は一五%である。従つて年末手当についてもその差等が考えられる。はたまた弾力条項もありまして、業績賞与の支給の方法によつては、この間十分に均衡がとられる、こういう見解であつたのであります。私どももそのような考え方をもちまして、各所においてお話をいたしております。今、年末手当の〇・二五を必ず加給して、そうしてこの間の均衡を得させるということは、労働大臣としては所定のことであるというお話がございましたが、私は明確に〇・二五ということを由したことは、この場所においても、またどの機会においても一度もないのであります。しかし心持といたしましては、その間に均衡をとるべきものであるという精神によりまして、団交その他の方法によつて、業績賞与等を勘案して、結果的にその均衡は十分にとり得るような、そうした問題の処理を期待しておる、こういうふうにお答えいたします。
○今澄委員 団交その他によつて、結果的には実質的な結果を招来するように労働大臣は処置するという御言明で、一応大蔵大臣のきのうの御答弁からきようの御答弁に至る間に相当な前進がありますが、この前進に、さらに今の労働大臣のお答えになつた点を、大蔵大臣としては確認をせられるかどうか、もう一度御答弁願いたいと思います。
○小笠原国務大臣 業績賞与については業績いかんによつて考えたい、こういうことを申し上げた次第であります。なおこれについてもう少し申し上げれば、従来ですと、業績がはつきりするので翌年度へまわすということでございまするが、しかし年度内でも幾らか大体はつきりわかるところについては、若干の措置がとり得るのではないか、かように考えております。
○今澄委員 そこで私は予算の総括質問に入つて、二十九年度の本予算に対する政府の方針と、外交的にはアメリカに対する日本の政治的な自立の問題、経済的なわが国内の自立の問題、さらにあわせて今、日本のインフレ経済が生んだ大きながんとなつております保全経済会の問題、この四つの問題について御質問を申し上げますが、時間がありませんので、ひとつ簡潔にお答えを願いたいと思います。 本委員会における三百の小笠原蔵相の答弁によると、明年度の歳入予算の総額は大体一兆七百億円で押えたいとのことでありましたが、この骨格予算の歳出増加要素には、災害対策費、防衛費、賠償費等は含まれておらぬのであるから、自然増加費目を考慮して行くと、どうしても千五百億近く、幾ら押えても自然増加をするような結果になつて参りますが、これに見合う歳出の削減は、日本のあらゆる方面へ重大な影響をもたらすが、大蔵大臣は、この二十九年度の予算編成について、これらの歳出の削減方針としてはどういうふうな立場でおやりになろうとしておるのか、まずお伺いしたいと思います。
○小笠原国務大臣 今案は事務的に調べておるところでありまして、ただ私どもは日本の財政歳出規模はその程度にとどめたい、かような考え方のもとにいろいろな点を配慮しておるのであります。まだどの点をどうするかという微細なところまで入つておりません。しかし歳出面はこの程度に押えたい、かように考えております。
○今澄委員 歳出面をその程度に押えようとすると、私どもの見るところでは、米の統制撤廃をやつて五百億程度浮かすとか、あるいは行政整理をやつて経費を浮かすとか、それができなければ、各省別の天引きの削減などをやるというようないろいろな方法が考えられて、二十九年度の予算編成をするためには、大蔵省だけてなく、内閣全体が日本の経済について基本的な考えを固めて行かなければならない問題が多々あると思うのでありますが、この機会に私は、吉田総理なり緒方副総理なり、どなたでもけつこうですが、そういうふうな経済政策についての何らかの見通しなり、あるいはお考えがあるならばお聞かせを願いたいと思います。
○小笠原国務大臣 財政経済政策はすべて一環として考えたい、かように考えておるのであります。従いまして一方財政規模をその程度にとどめ、金融に対する措置もこれに対して講じます。また国際収支に対する関係もこれに対して講じて参ります。従いまして、たとえば輸入に対する措置、輸出増進に対する措置、かようなこともとつて参る考えであります。米の問題につきましては、実は私は来年は予算面ですぐには出て来ぬと思いますが、米の問題は昨日申した通り、一石一万三百三十五円の原価につくといつたような高い米は、世界のどこにもないのであります。そういうことでは、食糧政策は一大転換を要する時期にもう来ておるのだと私は思います。従いましてこれについては政府の衆知を集めて何とか善処の策を講ずべき段階に来ておるのではないかと考えております。
○今澄委員 まあ来年度の予算ですからこの程度にして、私は政治的な日本の独立について、アメリカとの問題を、今までの総理の答弁を要約してお伺いをしたいと思います。現在までの政府の答弁によると、日米両国の関係については、この機会に深く掘り下げて検討しなければならぬ段階に入つておると私は思います。米国の来年度の予算は、減税、防衛費の縮小、対外援助費の節約など、デフレ的な政策が非常に多くなつておりまして、これを中心に世界的な経済恐慌が予想せられ、来年の六月ころは相当な世界恐慌のうずが日本にも襲いはしないか、こういつた情勢に私どもは判断をいたしておるのでありますが、この世界情勢並びに米国の恐慌等に関して、内閣はいかなる見通しを持つておられるか、これを日本はどういうふうにして防ごうとされておるかという点について、ひとつ御答弁を願いたいと思います。
○小笠原国務大臣 アメリカも大体、この間うち私ども見て参りましたり、その後ごらんになつた方もよくわかる通りに、自動車を初めとして少し物資が過剰な状態に漸次入りつつあるようであります。しかしこれに対して政府の方でも相当対策を講じておるのでありまするし、もし政府において対策よろしきを得ないと、来年の下期には非常に大きな影響が来るので、適当な対策をとることと思いますが、大体をいえば、今、今澄さんが言われた通り、少しもう下向き横ばいの傾向にある、こういうふうに見ていいのではないかと思います。従いまして日本もいわゆる下向き横ばいの傾向に漸次行くのじやないか。但し現在のところ、日本はまだ上向き横ばいの傾向にあつて、それがインフレ論の出ておる点でありますが、そういうぐあいに考えるのでありまして、恐慌というようなものは、まだ今のところ世界のどこの方面でも予想していないように存じておるのであります。
○今澄委員 この問題で総理の御答弁がありませんでしたが、今これから質問することとあわせて、総理のお考えがあれば、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。私はアメリカとの現在の情勢を見ると、MSAは目下交渉中だが、現在までの経過からは、経済援助は困難で、得られたものは小麦協定の五千万ドルだが、これは経済的には大したプラスではなくて、こういうひもつきな小麦の買入れを拒絶した国は、西欧民主主義陣営の中にも二、三あることは御承知の通り。次に火力借款は、条件の苛酷なることは、第十七国会において私どもが追究した通り。日米間漁業協定によつて、大陸だな宣言でアメリカが日本の漁業に関する制限を与えたために、これがひいて李承晩ライン、中共、国府あるいはアラフラ海等のわが国漁業に対する大きな制限ともなつておる。さらには中共貿易に関しては、このMSAの援助にからんで制限が加えられることも、先般の発表によつてわれわれがすでに見ておる通りである。さらにアメリカは外資法の緩和を要求しておるが、この外資法の緩和をすれば、外資の圧迫で、日本の株式の所得その他で非常に日本が不利益をこうむるし、さらにはまた外資潔のいろいろな問題で、日本の外貨をわが国が自由に握ることもだんたんと困難になつて来る。なおガリオア、イロアの返済については、岡崎外相が東南アジアを遍歴したその真意は、私をして言わしむるならば、このアメリカに返すべきガリオア及びイロア返済を、賠償がこれほど東南アジアから要求があり、日本はこれだけの賠償を払わなければならぬのであるから、何とかアメリカとしてはこのガリオア、イロアの返済についてはまけてくれないかといつて、ガリオアの返済について国民のために一つの手を打つために岡崎さんは歩いたのではないかと私は善意に解釈しておる。しかるにその結果は、池田さんの報告によると、このガリオア、イロアの返済についてもアメリカがまことに徹底的に日本に対してこれらの返還を求め、そういつた賠償と見合つて日本のガリオア、イロアを非常にまけてもらえるというような見通しも出てはおらぬ。私は時事通信のニューヨークに特派されておる丸山氏の連絡文書をいろいろ報道機関で見てみると、池田特使はナッシユ・アメリカ国防次官補との会談のあとで、ナツシュという人は佐藤賢了のようだと非常に憤懣の言葉を漏らしておる。私は、この言葉は、池田特使がアメリカに行つて自分の要望が通らないで、非常にアメリカから高圧的に出られたということを証明した言葉である、かように解釈いたしておる。これらの問題を全都検討してながめてみると、この際わが国はアメリカから非常に強圧をもつて押えられて、政治的にはアメリカに隷属をせしめられておるのではないかというような印象を国民に与える事例が、かように並べるならは七つ八つ即座に出て来るわけです。私はこの際吉田総理に、こういうようなアメリカの態度に対して、日本の政治的な独立をどうして守られるところの決心と信念をお持ちであるかということを虚心坦懐にお伺いしておきたいのであります。
○吉田国務大臣 虚心坦懐にお答えいたします。アメリカから圧迫された圧迫されたと言われますけれども、実は私は圧迫を感じておらないのであります。ガリオアの問題のごときは、私は常に早くから申しておる通り、アメリカの援助によつて日本が食糧の援助を受けた、これをただそのままにしてお、くことは日本国民の名誉においてなすべからざるところであると思います。ゆえにガリオアの返還ということは、これは債務と心得て考えておるのであります。これに対してかりにアメリカが要求しなくても、もちろんこちらは払うつもりでおりますから圧迫されておるわけではないと思うのであります。 また外資導入については、これは私が常に申す通り、日本の経済の再建をなすためには、資本を潤沢にせしめなければならぬ。今のような高利の資金を使うということであれば、日本の再建はできにくい。日本の資金を急速に潤沢にせしめるためには外資を仰ぐよりしかたがない。仰いだ結果が日本の資本を圧迫するかしないか、これは仰いだ後のことでありまして、私は圧迫しないのみならず、利益の方面がより多いと思うのであります。外資を入れたからといつて、アメリカのためにそう圧迫されておるとは考えません。 それからMSAの問題は、MSAは今後にある問題でありますが、日本が自主的に日本の防衛をきめて、そうしてこれに対してアメリカがどう考えるか、世界の自由主義国家の防衛の上からどう考えるかということはアメリカの決定するところでありまして、日本から、MSAの援助をこれだけほしいとか、これがなければどうというようなことは言つておりません。MSAの問題は、今後日本の東京において協議の結果きまるものであります。
○今澄委員 総理はそう言われるけれども、われわれの見るところは、アメリカとしては人員と金の節約をする、そして、中間選挙を控えた共和党としては、日本に対する強力な圧力によつて、日本は非常に譲歩して、アメリカとしてはこういう成果をあげたというような、国内的には大きな一つのねらいを持ち、さらには、MSA援助による日本の再軍備については、いわゆる歩兵部隊的な陸上兵力の増強によつてアメリカとの間の関連性を保つ、犠牲が非常に大きく日本にのしかかつておる、私どもはさような考え方をしておる。だからこの際首相としては、アメリカだけにすべてを託するような外交政策から、ちようどイギリスがやつておるような柔軟性ある外交政策に転ずるところの時期としては、池田特使がこちらに帰つて来ていろいろの情勢を検討した今が一番よい時期であると思うが、かような外交上の転換をなさる御意思があるのかないのかということを一点お聞きしておきたいと思います。
○吉田国務大臣 お答えしますが、転換の時期とかあるいはひつくり返るということは、これはないはずであります。そのときの情勢に従つて善処する、これが外交であります。そのときの流れに従つて対処するのが外交であつて、この機会にというようなことはわれわれの考えられないこそあります。もしも外交転換期があつたならは適宜転換するものと私は考えます。
○今澄委員 しからば私は総理に申し上げますが、現在の朝鮮の李承晩政権並びに台湾における国民政府政権などがアメリカの援助と制約を受けております姿は、私をして率直に言わしめるならば、まことに植民地的なみじめな現状である。私はあえてそう申したい。私は総理が行つておる現在のアメリカとの間の外交においては、片方においては保守合同も考えて、国内における政権の強力なバツクのもとに総理はアメリカに対してある程度こちらの意見を通したいという努力をせられておると私は善意に解しておるのだが、客観的に見て、現在のような情勢では、日本がちようど韓国や国民政府のごとき傀儡政府に帰するおそれがあると思つて私どもは心配をしておるのであるが、総理に断じてさような状態に日本を持つて行かないという自信と、それを裏づける何かの見解がおありになるならばひとつお答え願いたいと思います。
○吉田国務大臣 台湾政府、朝鮮政府等の現在の状態については私は存じませんからお答えいだしません。また日本の立場としてはお話のような覚悟を持つて進みたいと思つております。
○今澄委員 もう一つ伺つておきますが、いわゆる日本の自衛ということについては、今の吉田内閣は非常に精神的な部面、あるいは陸上兵力等の古い昔の概念を固執せられておるようであるが、新しい、いわゆる科学技術と生産力の進歩した今日においては、ちようど大東亜戦争が原子爆弾によつて終止符を打つたように、将来の自衛の概念は、科学技術の振興、生産力の増大輸送力の完璧というようなものがその根幹になるだろうというのが、われわれ新しき世界的な現状を検討して出た結論であります。私は今の自衛力の根幹に、こういう科学技術であるとか生産力、日本産業の再建であるとか輸送力等が、保安庁の拡充保安隊の増強、MSAの交渉等に比べるとどうもないがしろになつておるような気がいたします。この自衛力と科学技術、生産、輸送等について総理にもしお考えになるところがあれはこの際御答弁を願つておきたいと思います。
○吉田国務大臣 お答えをいたします。科学技術の振興等については保安庁はせつかく検討いたしており、また輸送問題についても政府としては通路その他の輸送を完備したものにいたしたいとせつかく努力しております。
○今澄委員 保安庁長官からも簡単にひとつこの点についての御見解を聞いておきたい。
○木村国務大臣 お答えいたします。私も今澄君の説に賛成であります。将来日本の防衛力をいかにするかという点については、科学技術の発達、道路の整備、その他いろいろ方法があろうと思つております。まことにあなたの御意見に賛成いたします。
○今澄委員 えらく賛成だそうですが、結論としては私は保安庁の増強よりは国民生活の安定、国内経済の自立、再建の方が日本の自立と防衛については必要である、その方が先決であるということに保安庁長官が賛成した結果になつたものであるということを保安庁長官に御了承願つておきたいと思います。 次は経済の自立についてお伺いをいたしたいのであります。日本の経済は何としてもインフレを解決しなければ自立できないという立場に追い込まれておることは御承知の通りで、貿易の進展、国民生活の安定はインフレの解消がまず先決であります。しかしながら一面において日本経済はインフレなしには生きて行けないほど脆弱な部面もあつて、インフレによつて支えられておるということもまた事実であります。インフレが日本経済を支えつつ、同時に日本経済を虫ばみつつある姿がわが国経済の現状で、これが政府の最も苦慮しつつあるところであるとともに日本経済が危機といわれておる姿であると思います。そこで自立経済の基礎は資本の蓄積であるが、終戦後は復金融資、ガリオア援助、引続いて日銀券の増発、朝鮮特需等々の信用インフレによる資本蓄積でありましたことは、為替レートが三百六十円にきめられておのに、だんだんこれが下つて参りまして、今日やみ為替五百円ないしは六百円などというような相場がとなえられておることと、政府が日本の貨幣の価値の維持をその基本政策として発表しなければならなかつたことが、雄弁にこれを物語つておると思います。この信用インフレは日銀の公定利率の逆ざやがてこであり、この中心になつておるものと私は思います。そこで自然増収という信用インフレを基盤として国家財政を膨脹せしめ、この膨脹から来るインフレーシヨンはまた自然増収を生むというような因果関係のやり方で、吉田内閣はここ二、三年来の予算をつくつて参りましたことは、大蔵大臣はよくおわかりであろうと思います。今や断固としてこのインフレを食いとめなければならない重大な段階に来たのであるから、このインフレ食いとめのためには、歳出政策の不健全性と非合理的なやり方を排除して、経費の効率化と社会保障政策を強化して、福祉国家べの道を歩まなければならぬ、私はかように考えております。私の言わなければならぬことは、給与ベースの引上げがそのままインフレになるというがごとき見解というものは、そういう全般的な日本の予算と経済をながめない考え方で、私はかような改進党の態度については賛成することができないのであります。この際大蔵大臣は日銀の公定利率の逆ざやを改める意思はあるかないか、なお日本の歳出経費が非常に非能率で非効率的なところに、いうところの選挙資金の調達あるいは土木事業の不正やその他のものが行われておるのであるから、これらの歳出の効率化ということが徹底するならば、公務員の給与を上げても日本のインフレは食いとめられるものである、私はかような見解に立つて、大蔵大臣の御所見とその方途についてお伺いをしておきたいと思います。
○小笠原国務大臣 最初に日銀の市中銀行に対するいわゆる逆ざや、こういうことについて日銀の金利を引上げることによつて逆ざやを阻止すべきでないかという御意見に対しましては、私どもは一応そう考えておるのでございますが、ただ現在のオーバー・ローンがどういうところから起つておるかという原因等について考えてみますと、一挙にそこまで行きにくい点もございますので、これらについてはほかの方策とも相まつて考えておる次第でございます。いわゆる高率適用等をやつておりますが、この上ともオーバー・ローンなどが増加いたさない措置はとつております。しかしオーバー・ローン解消については、すでにいろいろな意見が出ておりまして、私どもも何らかこれに対しても考えてみて、適当な措置をとりたいと考えておるような次第でございます。 歳出経費の効率化、これはお話の通りでございます。これにつきましては私どもも特に今の一般公共事業その他に対する分が――これは資料をお配りして申し上げたくらいに、非常に、重点的に行われない、効率的に行われない、ややもすれば幾らか濫費に近いようなものがあるやに考えられますので、この点については今後とも十分重点的かつ効率的にやるということを、重要な私どもの施策の一つといたしておりますから、今後は大体御期待に沿い得ると考えております。具体策につきましては、災害復旧費についても今財務局等をして厳密に調査いたさせておりますが、たとえば、いつぞやお配りした資料のうちにあつたと思いますが、百年もかかる、さらに百五十年もかかるというような、あまり厖大過ぎるような計画はしばらく避けて、当面効力を生ずるものについて重点的に金を使つて行く、こういうぐあいにいたしたいと考えておる次第でございます。
○今澄委員 そこで私は日本のインフレ防止のもう一つの道として――わが国経済の混乱の中心はいつものことですが、私は資産の再評価であると思います。経済同友会の第六回全国大会は第三次資産再評価の強制について政府に具申したということを新聞で見ましたが、われわれ資産再評価だけで日本のインフレを食いとめ、株主自己資本を増加することはできない、だから資産再評価とともに減価償却をもあわせ強制して、日本のかような現下のインフレというものは押えられるという見解を持つておりますが、この資産再評価の強制並びに減価償却に関する強制等について政府で御決定になつておることがあれば、ぜひとの機会に御表明を願いたいと思います。
○小笠原国務大臣 先般経済同友会から第三次の資産再評価について強制にするとともに無税とすべし、こういう識見が提出されておることは御指摘の通りであります。これにつきましても私とも考えておりますが、私どもは資産再評価はまだ強制すべき段階かどうかということについては結論に達しておりません。それから過去の例は、最初の分については三年、しかも初年度に半額払つたのを、第二回の分の再評価につきましては五箇年均分ということで支払いやすいようにしたことは御承知の通りであります。今後も第三次資産再評価を強制する意思は持つておりませんが、あるいは五箇年を十箇年にするというようなことは考えられないでもないと思つておるのであります。 さらに償却のことでありますが、償却は会社の当事者がこれこそ良識的に自分がやるべきものであるのじやないか、こう思うのでありまして、またどの会社の経営者も事情が許せば政府の認めておる最大限度の償却を行うことが会社の内容をよくすることであつて、ひいて株主にもまた経済界のためにもよいことでございますので、心ある人はみなそれに努めておるのであります。ただ一部に償却をある程度にとどめて、社外分配の配当とか重役賞与などに向けておる点があるのは、私どもはこの点むしろ遺憾に思うのでありますが、これは金融の点とかあるいは株主の立場を考慮する等無理のない点もあるかと思いまして、これについても強制するという考えは持つておりません。
○今澄委員 時間がないので私はもう一つ外資の問題について伺つておきますが、世界銀行のドール調査団が来朝してこれからやる借款の話合いが進行中であるという情報を私どもは得ておりますが、どういうふうな借款に対してどのような希望をもつてやりつつあるかということを大蔵大臣から御答弁願いたいと思います。
○小笠原国務大臣 今度のドール氏調査団の一行は主として火力借款についての問題――火力借款を実行するとどういう影響があるかということについての調べと思いますが、同時にどういうふうなことをやることが早く日本経済の助けになるか、こういうことについても調査したい、これを向うの調査の一つの使命といたしております。さらに日本が今日隣の中共等との貿易関係がうまく行きませんので、よく日本では東南アジアの貿易に重きを置かれておるのでありますが、東南アジアに対する貿易の関係をどういうふうに持つて行き、またそれについて世界銀行は世界銀行で大きな役目を持つておりますから、どういうことを世界銀行がその役目として果せば日本のためになるか、こういうことについての調査をその主たる目的としておるようであります。ただいまのところどの借款ということで――たとえば水力のごときは申し込んでおります、またそのほかのものについても向うで調べておるものはありますが、水力以外には正式に順位をつけて申込みはいたしておりません。
○今澄委員 中共貿易について通産大臣に一日だけ簡単に御答弁願いたいと思います。引合われております硫安の輸出約五万四千トンは、中共から帰りました議員団のあつせん、その他いろいろやつておられるそうでありますが、この中共あての硫安の輸出について、通産省の態度と見通しを伺つておきたいと思います。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。昨日もその問題が出たのでありますが、御承知のように、昨肥料年度におきましては、大体われわれは内需は百五十万トンくらいと踏んでおつたのでありますが、非常に内需は伸びまして百七十六万トンの売れ行きがあつたのでございます。従いまして、この肥料年度に繰越しましたところの額は、約十二万トンしかない。そこで今国会で御審議を願つておりまするところの肥料に関する法律の中には、内需に対する約一割程度のものは、いつもこれを備蓄しておけば、いつでも役に立つということになりますから、そういたしますと、十七万トンくらいは置いておかなければならぬ、こういうふうになつておりますので、今韓国向けが交渉中でありまして、それを十分消化し得るかどうかということも疑問な程度でございますから、ただいまのところでは出せませんけれども、しかし来年の四、五月ころになりましたら、あるいは余力が出て来るのではないかとも思つております。
○今澄委員 そこで、いろいろ承りましたが、本予算案は、大衆課税を中心として、米価、運賃の値上げ等、大衆購買力の低下、さらに生産過剰から来る大衆生活の窮乏化等々、私どもはこの予算案の根底に横たわる政府の考え方については、多くの矛盾と誤りをこの機会に指摘しておかなければなりませんが、私はこれらの矛盾の中で、今具体的に日本国民の目の前に現われておりまする大きな事実は、保全経済会の問題であろうと思います。私が保全経済会の問題をこの総括質問の最後でお聞きをするのは、一見これは小さなことのようであるけれども、少くとも全国国民が関心を持つておる政治的な問題その他に重大な根を張つた、今の日本のインフレと、日本の政治腐敗の上に咲いた大きなあだ花であるという意味において、われわれは断固としてこの問題を究明したいと深く決意をいたしておるのであります。私が十一月二日にこの委員会で法務大臣に質問をいたしたその次の日に、私の書簡箱に入つておつたのであるが、これは各議員の書簡箱に入つておると思いますが、保全経済会投資者有志の名をもつてまことに驚くべき怪文書が配付になつておるのであります。時間がないから全部は申し上げませんが、この怪文書をながめてみると、保全経済会長伊藤斗福氏としては「むしろこれを保守派による共同の政策として扱われることを希望し、自由党のみならず改進党、右派社会党に至るまで、それぞれの要求に応じて献金を承諾し、その総額は本年春の総選挙の分を合せ、一億五、六千万の巨額にのぼると言われる。上「政党首脳部が、意外に冷淡且つ尻込みをしつつあるのに、ようやく憤慨し、この際、何が故に自分が立法化可能を信じそれに向つて邁進するに至つたか、又休業に際して出資者にたいする声明の根拠が具体的にどこにあつたかを明瞭にする意味で、政党献金の事実を天下に公表する捨身の覚悟をかためつつあると言われる。若し、これが暴露されれば、関係者は当時の閣僚をはじめ各党の最高幹部を含む広汎なものとなり、恐らく明治以来、かつてない政界地獄図絵を現出することとなろう。」というような怪文書であります。私はこれはおそらく議会の受付を通じて配られたものではなくて、だれか代議士の秘書なり、国会内に通暁しておる者が、各代議士の書簡箱に入れて歩いたものであるということを、私は確認をいたしております。かような政府と現閣僚云々というような、明治以来かつてない政界地獄図絵を現出するというような怪文書が横行しておるにもかかわらず、検察当局がこの保全経済会の問題について何らの見解、何らの意思、何らの態度をも見せないということは、一体政府の威信を非常に傷つけるものであると思うが、私は法務大臣からこれらの怪文書――あなたも代議士としてお受取りになつたと思うが、しこうして検察当局はいかなる態度をもつてこれに臨むものであるかということを御答弁を願いたいと思います。
○犬養国務大臣 お答えをいたします。私もその不愉快きわまる怪文書を読みました。大体政界をなめた、はなはだ不愉快な態度だと思つております。たびたび私は予算委員会、あるいは法務委員会で、当局は断固として臨むということを申しておるのでありまして、この点は政治界の信用のためにもはつきりいたしたいと思つております。またいろいろ投書などがありまして、うわさにいろいろ上る点もありますが、私は国警長官を呼びまして、これらのことについて情報収集と内偵を命じております。どうか私があいまいな態度をとつていないことだけは御了解を願いたいと思います。
○今澄委員 実際は保全経済会は、われわれの調査によると、その赤字約二十億と目されて、ことしの春ごろからすでにその経営はだめであつたのであるから、私はその調査に基いて、七月十四日に当委員会で法務大臣なりその他の閣僚に、保全経済会はつぶれるであろうということを、実は警告かたがた質問を申し上げたのであります。だから国会議員が保全経済会はあぶないと認めるほどの状態であつたにもかかわらず、その後十一月に至るまで金を集めた保全経済会の行為は、断じてこれは詐欺行為であると認定を下してしかるべきものであるが、さような認定を検察当局の事務当局として下したやに聞いておるけれども、いまだ何らこれらの点についての追究が行われていないのはどういうわけか、法務大臣から聞きたいと思います。
○犬養国務大臣 七月に今澄さんから御注意のありましたことは、私もよく記憶いたしております。当局といたしましては、ああいう無理のある組織は、一時的に、短期日だけを切り離して見ますと、ブームに乗つてあるいは偶発的に可能な場合もありますが、いずれは危険であるという断定を、検察当局及び法務省の刑事局では、先ごろから下しておつたわけでございます。また今御指摘のように、保全経済会の経理が悪く傾きました後は、もしも勧誘のいかんによつては、取込み詐欺の嫌疑の濃厚な場合もあり得ると思つております。それじやどうしてはかばかしく行かないかということになりますと、大体これまで検察当局のとつて参りました態度は、内偵なのでございます。そこで帳簿その他を調べますと経理がわかるのでありまして、従つて経理状態がはなはだしく悪化しておるにかかわらず、新しい募集をした場合は、取込み詐欺の嫌疑が濃厚になるわけでありますが、帳簿を押えて検査するというのは、御承知のように、犯罪の嫌疑が明瞭になつた場合でありまして、従つてそういう断定を下すことがいいか悪いかということについては、慎重な態度をとつたわけであります。その慎重な態度の半面に、怠慢であつたのではないかというおしかりもあると思います。その点については、私は法務大臣として責任を回避いたしません。ただ内偵の程度では、疑いが濃厚だという状態でもつて相当長い期間参つたということは、私は卒直に申し上げたいと思います。これについても、政治的責任があれば、ひとえに私の責任でございますから、これは明瞭にお答え申し上げます。
○今澄委員 法務大臣の答弁は、私はまことにりつぱなものであると認めます。けだし今警視庁捜査二課において青木警部補は、この保全経済会の政治献金のメンバーを、先般の出版物記念のときに集まつた各政治家を中心として大体そのリストを整えて、大蔵省の銀行局に連絡をし、あるいは大蔵省の意向をただし、警視庁捜査の一班に資したいということで、大蔵省特殊金融課に今連絡をとりつつあることは、大蔵大臣も御承知であろうと思います。私はこの保全経済会の問題が、少くとも法務大臣は、匿名組合にこれは疑義があり、抵触かあるものであると認めておるにかかわらず、大蔵大臣は今日まで匿名組合とお認めになつておるのであるかどうか、しかも検察陣のそのような捜査の前に、大蔵省があくまでも匿名組合と認めるというような内閣内における意見の対立が今日まで解消しないというような大蔵省の態度というものは、一体那辺から誘因しておるものであるかという点について、大蔵大臣にお願いし、あわせてこれらの警視庁が捜査しつつある捜査の方法と、大蔵省の意向について連絡を受けられたかどうか、その受けた連絡に対して大蔵大臣としてはいかなる回答をお与えになつたかということを、この際ひとつ大蔵大臣からお伺いしておきたいと思います。
○小笠原国務大臣 私としては、まだ何ら報告を聞いておりません。但し匿名組合として銀行局長が扱つておることは聞いております。それ以外に何ら報告に接しておりません。もし何でしたら、あとから調べまして……。
○今澄委員 それでは銀行局長なり、特殊金融課長さんなりに出ていただいて、三木さんの質問のあとでも、この問題については私はでき得る限り明らかにしていただきたいと思います。 なおもう一つ、保全経済会関係の匿名組織による庶民金融機関並びに株主相互金融組織による相互金融機関から各政党へ、政治資金規正法を通じて表向きに献金をせられておる金額が、もし政府において責任者の方で集計されておりますならば、この際ひとつ御発表を願いたいと思います。
○塚田国務大臣 他の委員会に出ておりまして、突然のお呼出しでありましたので、お尋ねの事項を承知いたしませんで、今その資料を持つておらないのであります。ただ私が承知しておりますのは、政治資金の届出は公表することになつておりまして、先般二十八年一月から六月までの分を公表する際の決裁に署名をした記憶がありますから、おそらく取調べれば資料が整つておると思います。御必要であれば、整えましてお答え申し上げたいと思います。
○今澄委員 今の大蔵省の金融課長の見解と、今の政治資金規正法による献金の問題は、もうきようの十時ごろから頼んでおいたのでありますが、これもあとから責任を持つてひとつ御答弁を願いたい。 なおもう一つ大蔵省に聞きますが、今大蔵委員会で株主相互金融に関する保護立法が立案せられるやに私どもは聞いております。これは大蔵省が高利貸しを公認するという結論になるもので、金融的な常識を持つ者にとつては、いわゆる日歩三十五銭の高利貸し大蔵省認可ということは、重大な問題になると私は思つておるのであるが、これらの下案も発表せられておるにもかかわらず、今まで大蔵省筋からは何らの見解も伝えられておらないが、大蔵大臣からこの際責任ある見解を当委員会にお述べ願いたいと思います。
○小笠原国務大臣 株主金融に関し大蔵委員会でいかなるものが立法化されようとしておるのか、それは存じません。但し私はこの前株主金融について話を受けて、一体それはどういうことを立法化しようとするのかと聞いてみたときには、これは株主を保護するのだ、株主を保護するのだという建前なら、凡百の会社の株主をみな保護することになつて、さようなことはでき得るものではないではないか、但しアメリカでブルー・スカイ・ローというのがあつて、青空法といいますか、誇大な広告をして金を集めるものを処罰することはある、あるいはそんな法律でも考えるかなと言つた記憶はあります。また私は現にそれを考えておる。月何ぼ配当するという誇大な広告をするものについてこれを取締る、これは必要だと思います。けれども、今のように株主を保護するということであれば、これは預金者とは全然違つて、どれもこれもみな株主ですから、各会社のものをみな保護しなければならぬことになつて、さようなものは立法化し得るものではないと私は思つております。 なお現在の株主金融については、これは貸金業者として貸金業の上から取締つておるのでありして、それ以外には大蔵省としては何も関係を持つておりません。これを助長するというような考え方は、私は全然持つておりません。
○今澄委員 そこでかつて日本の政界は、終戦後昭和電工事件の百万円というような献金で、検察当局が非常に動いて、芦田前総理を初め、大問題を起したことは、御承知の通りであります。私はわずか百万円の献金ですらかような大問題を起したのに、これだけの怪文書を衆参両院議員から時の法務大臣までつきつけられて、これで一体政府としては、今のような態度なり、このままの方法でよいのかどうか、特にこの保全経済会に対して非常に正しい見解を持つておられるやに漏れ聞くところの緒方副総理に、これらの問題は国会はもちろん、行政監察その他で取上げておりますが、政府としては、今後これらに対する方針があれば承つておきたい。
○緒方国務大臣 お答えいたします。私は保全経済会について、別に特別な情報を持つておるわけではないのであります。ただ大衆から零細な資金を集めたああいう機関が今日休業状態に陥つておることは、まことに残念であります。政府といたしましても、従来出資者を募集する行為の間に何か金融法規等に抵触するところはないかと監視は続けておりましたが、今回休業状態に陥つた後に、一部の出資者から告訴がありまして、その機会に検察当局におきましても活動を開始して、捜査々続けております。その結果商法または金融法規等に触れるものがあれば、政府としては厳軍に取締るつもりでございます。
○今澄委員 私はこれで質問を終りますが、もし行政監察その他の取調べにおいて、現閣僚の中から関係者が出て来たとまず仮定をいたしますならば、私は大きな会社の資金とは違つて、零細なる国民の涙の金を集めてさような不正なることをした閣僚が出た場合には、総理大臣は総理大臣として、さような閣僚を任命せられた責任をおとりになるかどうか。さらにまた、かような問題について総理大臣としてはどういう御見解をお持ちになつておるか、ひとつお伺いして私の質問を終りたいと思います。
○吉田国務大臣 お答えいたします。私は何とか保安会という……(笑声)名前はよく知りませんが、その業態なるものが発表せられて、そうしていかなる人が関係しておるかというような事態が明らかになり、また閣僚において――そういうことはないと思いますが、もし濱職というような問題があれば、厳重に処分をいたします。
○今澄委員 総理大臣は、そういう閣僚を任命されたについては、責任をおとりになるかどうか、もう一言……。
○吉田国務大臣 その点はそのときの事態によります。
○倉石委員長 三木武吉君。
○三木(武)委員 言い訳をするようでありますが、私は議員の職責上議場において質問をしたり討論をすることは、当然のことであるとは考えておりますが、とかくそういうことを好まない性格でございます。長い議員生活の間においてもそういう行為に出たことは、ほとんどないといつてもよいほど好んでおらないのであります。私がただいま質問いたそうと考えておる事柄については、私どもの友人の立場として、常に吉田総理大臣とひざを交えて話をしてみたら、必ず議論の一致をするところがあるのではないか。ずいぶん両方ともがんこだが、案外話がわかるのではないかというて、しばしば親切な友達は勧めてくれるのでございますが、またそうしようかというような、気持もしばしば起したのでございますが、どうも吉田総理は私と話をするのがおいやらしい。かつてある機会には、三木とは同座するのもはずかしいとか、いやだとかいうようなことを新聞記者に話して、それが新聞に掲載せられたというようなことがあるので、それほどいやなら、それが国家のためであるとはいえ、あえてひざを屈して面会する必要もないというような気持で今日まで参つたのであります。従つて今日ここで質問いたしますることは、ひざを交えて話をしたら話の折合いがつくのではないかという友達の忠言を残念ながら実行することができないから、まあこの予算委員会でひざを交えて話をする気持で質問をいたすのでございます。総理大臣はそういうことはお好みにならないかもわからないが、そういう気持で私の質問に対してお答えを願いたい。 初めから総理大臣に質問したいのでございますが、ただいま大蔵大臣が他の委員会に出席する必要があるから、大蔵大臣から始めてくれということでございますから、大蔵大臣にごく簡単にイエス、ノー、これだけをお答え願いたい。 それは今日日本ではだれもが日本の再建々々とこうやかましく言つておるし、また希望いたしておりますが、その再建というものは、せんじ詰めてみれば、日本が講和条約によつて初めて形式上の独立を得た。しかしそれは単なる形式上の独立で、独立の実質は今日なお備えておらない。それを備えることが、すなわち日本の再建であるから、その目的のために国民は一致団結して進もうじやないか、これが日本の再建そのものであるし、再建の手段である、かように私は考えております。しからば日本の独立を完成するにはどうしたらいいか、そもそも日本が敗戦の結果、みじめな姿になつて、アメリカ進駐軍が日本に進駐いたしました。言葉は、日本の政治は日本の政府にやらすのだというてはおつたけれども、ほとんどそのすべてがアメリカ進駐軍の指揮命令のもとに、日本政府の名において行われたというてもあえて過言でない。その結果はかねて吉田総理も言われたように、また過般ニクソン副大統領が日本に来られて声明したように、日本の独立のめには、非常に大きな行き過ぎがある。また当然かくあるべしというようなことも、阻止せられておつた。これを土台から直して、日本及び日本人にふさわしい政治をするということでなければならぬ。それには行き過ぎの最も大なる、日本の軍備というものを撤廃せしめて自衛力すらも持つことができないようにしたというのを元に返す。元に返すということは戦争の以前の日本の陸海空軍のようにという意味じやない。日本の自衛を日本の経済力の許す範囲内においてやれるようにするということが、大きなことであると同時に、社会党の人々なんかの議論を聞くと、それよりも先に経済力の増強、国民生活の安定をせねばいかぬといわれておるが、私どもはこの経済力の増強、国民生活の安定も、この日本の自衛力の増強と並行してぜひやらなければならぬというふうに考えております。社会党や共産党の人々は、大砲よりパンだ、こう言われるが、私どもはパンと大砲をという考え方を持つておりますし、むろん吉田総理及び閣僚諸君もまた自由党もそう考えておると思います。こういうことを、このほかたくさんございますが、特に経済力の増強というものが、先行とは申しませんが、第一順位に置かれるべき問題であるのであります。その点については、大蔵大臣はもとより私どもと御同感であろうと思う。その証拠には先刻どなたかの御答弁にも、心血を注いでこういうことをやろうとしておるのだという、また前国会の予算委員会及び本会議で、自分のつくつた予算案は試心誠意これをつくつたのだと言うて、ほとんど再涙ともに下るようなお話もあつた。私もあれは大蔵大臣としてはそうであつたろう、こう想像をいたしておつた。それほど熱心にやられて職務につかれておるのでございますから、むろんその目的を達成するために、資源の少い日本としては、まず第一に貿易の振興が必要だ、あるいは外貨獲得、国際収支の均衡を保つために、海運業を大いに発展せしめなければならぬ。あるいはまた貿易の振興をはかるには、基本産業の能率化というようなことに全力を注がなければならぬ。その他貿易の振興をはかる基礎としては、何としても金利の低下も無理からぬ手段において一日も早く実行しなければならぬ。さまざまお考えになつておるだろうと思う。またそれを実行したいという気持があることは目の前にはつきりと私はわかります。ところが事実はどうか、大蔵大臣の考えておられるようなことが実行できておるか、さよう申しますと、実行できておると言われるかもしれないけれども、ほんとうの良心的の叫びをここに出せば、できておらない、残念だ、何とかしてでかしたいということを考えておるだろうと私はこう想像する。ではなぜ大蔵大臣がそれほどの熱意があつても実行できぬのか。現に前国会において誠心誠意提出せられたあの災害、冷害の復興に関する予算案のごときも、大蔵大臣の考えられたようには結局成立しない。それがよかつたか悪かつたかは別問題として、その当時世間の伝うるところによると、大蔵大臣はもうこれができなければ、辞表をふところに入れておるのだといううわさすらもあつたのです。事案の有無は私は知りません。またそれくらいの熱意がなければ行けるものではない。ただ最後に吉田総理のつるの一声で、おそらくは涙ながらに、悲憤の涙にくれて大往生したのだろうと思うけれども、なぜそういうことになつたか、私は率直に申し上げる。吉田内閣の弱体、与党の弱体、これが最大原因であることだけは言うまでもない。議員の政治に対する考え方が、どうとかこうとか、あるいは今の議会制度そのものがどうとかこうとかいう議論がありましようが、いずれにしても、吉田内閣の弱体と自由党の政治力の、はなはだ失礼だが、拡充しておらぬということが直近の原因だろうと思う。この意味から申せば、閣僚にもなろうというような人はそれぞれりつぱな考えを持つておるのだから、何をさておいてもまず政局の安定、これがすべての政策の実行の先決問題だとお考えになるかならぬか、あるいはそうしなければ政府の政策は実行できない。自分の希望は貫徹できない――率直に言うと、あの三木というやつは、ではすぐやめろ、責任をとれのなどと言いはせぬかという心配があつて言い切れないかもわからないけれども、私はそんなことを言おうというのではないのですから、ほんとうにひざを交えて談合する気持で申し上げる。率直なお考え方をここでお聞きしたいのです。
○小笠原国務大臣 よく御意見も承りました。私も率直に申し上げれば、現在よりも政治力も一層強化され、一層政局の安定せんことを衷心から熱望いたしております。
○三木(武)委員 よろしゆうございます。お帰りなさい。 ただいまの大蔵大臣の答弁は、現在よりもというところによほど用心深い気持が含まれておる。私はこれ以上かれこれと批判をしたり、追究したりする考えはございません。またこれと同じような意味で木村長官にお尋ねしたい。木村長官の参衆両院における答弁を聞いておつても、これは友だち同士の話でございますから公にするのはどうかと思うが、迷惑でないから申し上げてもいいと思う。政局が安定してくれれば自分の理想が実現できる。どうも政局安定ができないので思うように行かぬ。元来木村君は慷慨悲憤家ですから、私にも言われた公私いずれの場合においてもそういうことを言われておるから、木村君もやはり今の小笠原君と同じような気持があるのでございましようと思いますが、念のためにお話を願いたい。
○木村国務大臣 お答えいたします。もとより小笠原君と同感でございます。
○三木(武)委員 そのほか外務大臣、通産大臣、建設大臣、すべての閣僚もそれは御同感であろうと私は信じますが、御同感でないというならば、ないという人だけここではつきり……。おそらくないと言うほど勇気のある人もあるまいし、またそんなことを考えておる人もなかろうと思う。そこで閣僚全体がそういう気持である。これは自由党の何人かの皆さんも同感であるし、ひとり自由党だけではない。改進党も、私どもも、社会党の人といえども、これには皆同感なんだ。同感であるのにかかわらず、この政局の安定ができない理由はどこにあるか、原因はどこにあるか。それがために日本の独立の完成が一月々々遅れておる。原因はどこにあるか。人おのおの見るところを異にするのでありますが、私は吉田総理大臣が――もとより吉田君は愛国者であるという点においては私は認めておるが、吉田総理大臣が常におのれを無にして、政局安定のために胸襟を開いて、各政治に干与しておる人々に親切丁寧謙虚の態度をもつて、赤心を披瀝して向われたならば、私は手間ひまいらずにこのことが実行できるのだ、ということを深く痛感をいたしておるのでございます。少くともこれは私の信念なのでございます。しかるに吉田総理大臣の第二次吉田内閣を組織せられてから今日までの態度というものは、常に目分のやつておることは一番正しくて国のためになつておるのだ。これを批判したり、これに反対する者は、日本の再建、独立に誠意のない人聞だとはつきり割切られて、日々の政務あるいは政党の運営に当られておるというところに、大きな障害があると思う。私は最近の吉田総理の態度は、昨年、一昨年よりは、よほど私の希望に近寄りつつある――よほどではない、わずかに近寄りつつあることは認める。しかしその近寄りつつあるということは、吉田その人が心からそういうことの自覚をして、近寄りつつあるとは事実考えられない。何となれば、絶対多数あるいは圧倒的多数をとつておる自由党の場合には、傲然として、あたかも専制君主のごとき態度で、政党に臨み、政府に臨み、国会に臨んでおられた。今日それはよほど緩和しました。私の質問演説でも横を向きながらも聞いてくれておるということなんかは、非常に大きな変化です。私はいやみを言うのではない。ひざ詰め談合のつもりで言つておる。なぜそうなつたかというと、ここ数回の選挙の結果、圧倒的絶対多数が辛うじて絶対多数になり、辛うじて絶対多数の自由党が、遂に絶対多数を割つた。そこまで行くと、かつてのときのように、傲然と君臨するということはできない。やむを得ず一歩々々、私どもの希望する方向に進みつつあるのでございますが、いやいやながら進むというような心構えでは、とうてい政局の安定というものは望まれない。たとい絶対多数をとつておつても、いやしくも政府の首班であり、政党の総裁である人が、専制君主のごとき態度を持つておるなら、安定するものではない。またいかに少数なりといえども、謙虚な態度をとつて、在野各派、民間政治家に対したならば、よしや政府の与党が三十人や五十人でも、政局の安定というものは得られるのです。私はかように信ずるが、吉田総理大臣は、この私の考え方が誤つておるかおらぬか、一応御答弁を願いたい。またそれと同時に、私の考え方が誤つておるというのならば、何をか言わん。私の考え方が誤つておらないというのならば、今後それを実行する気持になつて、日本独立のため、政局安定のために精進するということを、ここで言明してもらいたい。まず第一にこれであります。 〔委員長退席、小峯委員長代理着席〕
○吉田国務大臣 お答えいたします。私は今日まで三木君とひざを交えて語るこういうような機会は得ませんでしたが、しかしながら私自身としては、みずからを弁解するわけではないが、しかし日本の独立のために、また日本国の前途のために、各政治家その他と胸襟を開いて謙虚な気持で接しておつた考えであります。
○三木(武)委員 私は非常に微力なものでございます。もとより吉田君にとつては、とうてい国政をともに語り合う、あるいはその意見を聞いてみる価値のない人間だとお考えであろうとは存じますが、それにしても、同席するのもいやだというようなことを――これは事実あつたかないか、御本人から伺つたのではないからわかりませんが、そういうことを新聞で伝えられるようなことでは、ひざを交えて話す機会だにないのです。私は何も呼んでくださいとか、おいでくださいとかお願いするのじやありませんよ。吉田総理のそういう態度や言明があつたならば、だれが好んで吉田総理とひざを交えて話をしようという気持になりますか。だれとでも胸襟を開いて相談する態度をとつておるのだということは言われますが、おそらくは自分に対して易々諾々、あたかも君主に対して臣従するがごとき人々とは、ひざを交えて胸襟を開いてお話になつたかもしらぬが、少しでも自分の尊厳あるいは自分の我執に沿わないような者とは、事事において会つておらぬじやありませんか。私は過去を言うのではありません。今後そうなさるか、なさらぬか、また、するかせぬかよりは、そういう気持で今後おやりになるかならぬかということをあらためて――過去はとうでもよろしい。今後そういう気持でやられるかやられぬかということを、はつきりと御言明を願いたい。
○吉田国務大臣 私の気持は先ほど申したところで明瞭であろうと考えます。
○三木(武)委員 一向明瞭でございません。今までは胸襟を開いてやつておつたというので、今後やるということはまだお話にならぬから、私の質問に対する答弁にはなりませんが、しかし結局今後もやるのだ――まさかやらぬとは言いはしますまいが、やるのだという気持で今の御答弁があつたものと、かように一応私は受取ります。そこで私はさらに申し上げる。この内閣がこのまま押し切つたのでは、とうてい政局の安定はない。私はただちに、あるいはもつと早い機会に――まあ社会党の方にははなはだ悪いが、お話になつてみたところが、根本のイデオロギーが違つておるのでございますから、まずお話するのもむだだと思いますが、少くとも同じ保存の流れにさおさしておる改進虎に対し、虚心担懐に謙讓の態度をもつて、おのれを無にして、政局安定を御相談になつたらどうか。もとよりそんなことをしてやつてみたところが、それが理想的な方法であるとは私は思わない。理想的の方法とすれば、それは今の保守各党が解体をして、そうして再建に必要な、日本独立の完成に必要な政策の最大公約数を出し、その最大公約数のもとに集まり、結束をして行くということが理想であるのでございますが、一刻を争う現在の日本の状況としては、それをやろうといたしましても、おそらくはできますまい。できないことをただ理想にあこがれてやつてみたところが、これは政論家なんかならともかく、実際の政治家は間尺に合わぬことです。まず次善策として、ともに国家の重きに任じようじやないかという態度をおとりになることを私は希望するのでございますが、吉田総理大臣はそういうことについてのお考えがあるかないか。
○吉田国務大臣 お答えいたします。今日まで改進党の諸君に対しては、お話のような考えをもつて進んでおります。今後はますますその考えでもつて進むつもりでおります。
○三木(武)委員 過般の吉田・重光会談というものなんかは、吉田総理がその考えで進んだ一つのりつぱな証拠ではないかと言いたいような顔をして今の御答弁があつたが、世間ではそれはそうとつておらないのです。それは池田君が渡米せられる。それには弱体内閣の総理の単なる個人的の使者だというのでは、てんから話にもならない。そこで重光君と御会談になつて、あたかも改進党と自由党、これが一体になつたかのごとき装いを整えて渡米をせられた、こういうふうに世間はとつておる。また事実吉田総理は、そうではないんだ、こう言われても、もしそうだとするならば、極秘裡に電光君と総理とが事前にいろいろな仲介人によつて協調をして、そうしてもはやこの程度ならよろしいというので会談というものが行われた。 〔小峯委員長代理退席、委員長着席〕 政党に協力を求めるというならば、何がゆえに政党の機関、政党員全体が一応納得するような手段をとらなかつたか。吉田総理から言えば、自分はその気持であつたけれども、重光総裁がそういう態度をとらなかつたので、今日自分の思惑に反して改進党が吉田総理の希望するような態度に出て来ない。是々非々の健全野党だ、それならまだがまんできるが、今日ではそうでないで、純野党というようにすらも見られるような状態になつておる。これは何と強弁をしましても、あの会談が池田君の渡米のみやげものにすぎなかつたということだけははつきりしておる。だから吉田総理の今言われたことは私は決してうそを言うたとは思いませんが、もしうそでなかつたとすれば、あまりにも非常識な、あまりにも短見なやり方であつたといわなければなりません。これは改進党との関係だから、あまり立ち入るというと御迷惑だろうが、私どもの属しておる自由党に対する吉田総理並びに吉田総理大臣を囲繞して橋渡しをした人々の態度というものが、この吉田・重光会談に対する態度よりは、さらに一層露骨で愚劣で非常識であるということをはつきり私はここで申し上げる。まず第一にこの意味において吉田総理は鳩山自由党の一部復帰、それが今日完成しまして、二十六名でございますか五名でございますか、自由党に数を増したので、たいへん御満悦のように新聞紙等では見ておりますが、こういうやり方というものが、はたして政局の安定になると思われておるのかおられないのか。吉田総理から言えば、吉田・鳩山会談というものは政局の安定の目的ではないんだ、親友鳩山、義理ある鳩山をして気楽に愉快にやらしてやろうという気持で鳩山君を訪問したのだ、こう言わるるかもしらぬ。そうしてその副作用として二十何名かが自由党にかわつたんだ、こう言われるかもしれませんが、はたして鳩山君一人の友情によつて、鳩山君の復党を希望するために御訪問になつたのか。あるいは政局安定のために鳩山君一人を入党せしめれば、あとはぞろぞろくつついて来る、こういう副作用を目的にあの会談が行われたか。私は吉田総理の鳩山・吉田会談の目的及び期待について一応お尋ねしておきたい。
○吉田国務大臣 お答えいたしますが、まず第一に、私が重光総裁をたずねたときの考えは、アメリカに対する外面を装うためにしたのではありません。これは政界安宏のため、日本の将来のために重光君と十分手をとつて行きたいという考えからやつたのであります。また鳩山君に対しても、これは鳩山君と私とは従来から長年の友人であり、その間に手をわかつということはないはずであつたのが、どういう機会であつたか遂にこれに至つたのははなはだ不幸であり、鳩山君との従来の関係から考えてみても、党自身の感情から申してみても、志を同じゆうしておるものがこのときに手をわかつておるということは、はなはだ残念なことである。政界の安定のためにも残念なことであるという考えから、私自身の考えもありますが、党の大多数の考えを代表して、私は鳩山君を訪問いたしたのであります。(拍手)
○三木(武)委員 今の答弁をお聞きしまして私もやや意を安んずるところがあるのでございますが、それならば、これは言わぬ方がよいかもしれないが、あまりにも非常識なやり方であるというふうに私は考える。これは批判になるから申し上げません。おそらく今言つたような答弁があるだろうとは想像しておつた。しかし鳩山君と吉田総理とが対談せられたその時間というものは、三分であつたか五分であつたか、とにかく一瞬です。その間にかわされたる談話は、私は吉田総理からは直接聞きませんが、鳩山君から聞いたところによると、君も復党してくれよ、復党しようやという復党の勧誘、これにこたえて、復党せよと言うても、今のわが党の状態では挙党一致で行けるというわけには行かぬ。多くの期待がかけられないというあいさつをしたら、総理は、なに人数はどうでもいいんだ、君一人でもいいんだという話であつた。それは鳩山君から聞いたので、鳩山君は決していかなる場合においても偽りを言わない人であるということを私は信じておりますが、なお念のためにその会談のあらましは、こういつたような意味であつたが、どうかということを将来のためにお聞きをいたしておきます。
○吉田国務大臣 先ほど申した通り、鳩山君と私との間においては、考え方は違つておらず、従つて長い時間ひざを交えて話をする必要はないから、ゆえに五分でありましたか、何分でありましたかで対談は終つたのであります。しこうしてその内容はどうかということは、この予算委員会とは関係ありませんし、これは私と鳩山君の内部の話であり、また自由党内部のことでありますから、ここでお答えをい、たすことをお断りいたします。(拍手)
○三木(武)委員 多分そんなことを言われると思つた。(笑声)個人と個人の話でも、また政党と政党の話でも、それが国政全体に影響のある場合には、それは国政の論議をいたします衆議院において、尋ね、答えるということは当然ではないか。もとより政治に影響のない事柄を尋ねた場合においては、答えない、答えることができないと言うことはよろしい。たとえばあなたがきよう奥さんと飯を何ばい食うたか、(笑声)あるいはゆうべの晩酌にウイスキーを何ばい飲んだか、そんなことは国政に関係がないのであるから、聞きもいたしませんが、お答えになる必要もない。しかし鳩山君と吉田総理の会見というものは、それがよしや個人的の会見であつても、その結果は政党の分野に非常なる変化をもたらし――ほかに何にも理由はありません、その結果、政党の分野に非常に大きな変化を来し、さらにこれが改進党を刺激して失礼だが改進党も今のような態度になつておる。ということを考えると、ささたるこまかい政策どころの騒ぎじやない。日本の国の政局の安定には最も重大なる関係があるのでありますから、その関係のある基本である事柄、よしやそれが個人的の関係であろうとも、真に政局の安定を望むならば、当然赤裸々にお答えになるべきものである。しかも私の尋ねたことは――鳩山、君一人でもいいんだよというようなことを私は鳩山君から聞いたのでございますが、もし一人でもいいというのであつたならば、もとより政局の安定なんということには問題はないのでございます。ただ吉田総理と鳩山君の友情のとりやりにすぎない。しかるにその結果、やはりそれは同時に政局の安定をも希望してやつたのだというならば、ぞろぞろ鳩山君に党員ついて復党するという期待あるいは予感がないでは、あの会見というものはせらるべきはずではない。私はなぜかようなことを、いやがる吉田総理にあえて尋ねるかというと、政局の安定のためには最も卑しむべき、指弾すべき態度であつた。鳩山君と友情のとりやりならば、まことにうるわしい、賞讃すべきものであるけれども、政局の安定にこの手段をとつたとするならば、まことに卑しむべき、指弾すべき、特に民主政治の完成をはかろうという吉田総理大臣のやり方としては、何と非常識なことをやられたかという感想を抱いているから、このお尋ねをするのでございます。そこで私がこれを申したつて、どうせ吉田総理はこれに対してお答えはあると思わぬ。期待をいたしませんが、私の方から言わしむれば、政党と政党が歩調をそろえて行くとか行かぬとかいうことの希望を持ち、相談をするならば、友情をえさにしてつるというようなことはおやめにならなければいかぬということをはつきり私は申し上げる。また単なる個人的の利害関係、そういうことをえさにして政党の協力を求めるということは、民主政治の上において断じて許しがたいことであるということを考えておるのでございますが、これについての吉田総理のお考え方はどうか。
○吉田国務大臣 私と鳩山君の会合の方法もしくは会合そのものに対する御主張は御自由である。しかしながら私田のお答えは前言申した通り。ただ申し添えますが、政策が一致し、気持が一致したから、復党を望みもし、また復党されたのであります。えさをもつてこれをいざなうようなことはかつていたしません。
○三木(武)委員 政策が一致したからというのでございますが、どの点の政策が一致したのでございましようか、お尋ねをいたしたい。
○吉田国務大臣 これはお答えいたしません。
○三木(武)委員 政策が一致したから話がまとまつたのだという。その政策はおそらくは国家存立、日本独立のため絶対必要な基本的の問題で一致した男と当然われわれは思うておるのです。またそれを言うことによつて初めてあの会談というものが意義があるのです。またそれをあからさまに出すことによつて、鳩山君及び二十数名の私どもの友人が、吉田自由党に復帰した意義があるのです。この重大な意義のある政策の一致について答えないとは一体何事ですか。
○吉田国務大臣 復帰せられた諸君は、われわれ二人の考はよく知つておるはずであります。ゆえにここにおいて内輪の話、党内の話について、お答えいたしません。
○三木(武)委員 党内のことではございますが、それが国政の基本に関することであることだけはおわかりであろう。それを政局の安定に対して、全心全力を注いでそれを顕現しようという熱意と努力をしておるわれわれに対して、お答えをせぬとは何事です。お答えをしなければお答えをしないでよろしい。では私はあらためてお尋ねをする。鳩山君から私が伺ましたには、かねて鳩山君は、政局安定のために、また日本再建のためには、何としても自衛軍の創設をしなければならぬ、急がなければならぬ、自衛軍の創設をするには、今の憲法の第九条というものがそのままの姿ではできないのだ、憲法の改正をしなければいかぬ、これは実は率直に言いますと、私は鳩山君とは多少議論が違うのです。これではしはしは鳩山君とも議論をした。鳩山君の考え方というものは、あまりにもきゆうくつな考え方をしておるというて議論をしたのだが、私の議論は別として、鳩山君は憲法の改正をしなければならぬということを、強く主張しておる。それから吉田内閣の従前の外交の行き方というものは、吉田総理は、そんなことはないと言うが、鳩山君は秘密独善の外交だ、民主国家として強く外交力を発揮するには、いわゆる国民外交、国民の一致したる背景でなければ、真に国のための外交というものはできないのだ、それにはまず吉田君の頭をかえると言うてみたところが、なかなかそうはかわるものではないから、せめて外交調査会というようなものつをつくつて、そうしてそこで意見の交換をして外交の推進をする、この程度のことはどうしてもやらさなければいかぬ、やるべきだというので、あの不自由なからだをあちらこちらに運んで、演説もすれば声明もする。ところがこの復党問題というものが起り出してから鳩山君は、自分のこの希望は吉田君がいれるようになつたのだとはつきり言つておる。たが憲法の改正も一夜にして成るものではないから、憲法を改正する目的をもつて、目途をもつてその準備会あるいは調査会を開くということをはつきり認めたんだ、また外交調査会も、理想としては各党派を超越して、調査会を開くか、あるいはかつて寺内内閣でやりました政府部内に外交調査会というものを置いて、朝野の練達堪能の土を集めて協議をするというようなことにするのが理想であるけれども、さしあたつては自由党内でそういうことをやるということを吉田総理が承認したからして、それなればたとい吉田君に対してどんな批判的な気持があろうとも、また今日までの自由党のあり方についてどんな不満があろうとも、国家再建のためには忍んで吉田総裁のもとに復帰をするというのが、鳩山君の復帰の理由でございます。これはひそかに私どもに彼が告げたばかりじやない、復帰の話がまとまつたときに、新聞を通じて天下に声明をいたしたのでございます。鳩山君が吉田総理との会見の結果こういう声明をした。この声明は、あなたはそれはそうだとお認めになるか。あれは鳩山君のひとり言だ、ひとりよがりだ、寝言同様なものだとあなたは言われるか、この点をはつきりしておきたい。
○吉田国務大臣 あなたに対するお答えは、先ほどの言葉をもつて尽きておりますと考えますから、お答えいたしません。
○三木(武)委員 それはおかしいのですよ。昨日井上良二君がこの予算委員会で、鳩山・吉田会談の内容をお尋ねした。それにあなたはある程度お答えになつておる。また鳩山君は鳩山吉田会談の結果、政策についての期待をもつて復党したのだ。その鳩山君に対して総理は今後どうするのかと言うたら、鳩山君の希望については尊重をするとまでここで言明せられておる。しかるに、たまたまその人を異にし、党派を異にしたるこの場合、その点についてお答えがないということは、はたして公正なる政治家の態度であるか。単なる感情のもとに議会で答弁をしておるとしか私は解することができない。どうでございます。
○吉田国務大臣 私の答弁に対する御解釈は御自由であります。
○三木(武)委員 もうそこまで言われればこれ以上申し上げぬでもよろしいのだが、事はすこぶる重大なことでございますから、ごく簡単なるお尋ねを総理大臣、木村長官並びに外務大臣にしておきたい。りくつは申しません。またりくつをもつて答えないでもよろしい吉田総理はこの委員会で与党の鈴木君の質問に対して、憲法は改正いたしませんとはつきり言われた。もう一つ、自衛力は増強いたします。これもはつきり言われた。しかしその増強は戦力に至らざる程度にまで増強をいたすのである。ゆえに憲法の改正ということは、考えないのだという明確なるお答えを与党第一の質問に対してしたのであるが、これは間違いありませんか。再確認しますか。今までは言つたことがちよいよいあとでかわりますから、これだけは念に念を入れてここで答弁をしてもらいたい。
○吉田国務大臣 これは私が従来申しておる通りの以外に何ものもないのです。
○三木(武)委員 ではこの通り言つたということは間違いありませんな、そこをはつきり……。鈴木君に対するこの答弁はその通りであるというのでしような。
○吉田国務大臣 百再軍備はいたさない、従つて憲法改正は当分現在のところ考えておらない、保安隊は増強する、これが私の一貫して言つていることであります。
○三木(武)委員 それからもう一つ。中曽根君が総理大臣に質問した、これに対する答えをやはり確認しておきたい。それは、中曽根君が、保安隊の増強が憲法改正しなければならぬようになると思うがどうかという意味の質問をせられた。それに対する答えとして総理大臣は、なるならぬは別として、憲法を改正しなければならないようには自分は作為しない、こういう答えを一つせられた。それからもう一つは、ではどんな場合に憲法を改正しなければならぬような自衛隊の増強が行われるのかと言つたら、それは内外の情勢によるのだという答えがあつた。もう一つは、では内外の情勢がそうなつたら、あなたの在任中でも憲法の改正をするようになるか、こういう質問に対しては、在任中するかせぬかはわからない、こういう三つの答えが中曽根君の質問に対する答弁としてあつたのであります。これを確認なさるかなさらぬか。
○吉田国務大臣 私の申したことがどういう表現であつたか今のところ忘れましたが、私の趣意とするところは、保安隊は増強する、増強して遂に戦力に至る場合には、これは憲法を改正いたさなければならない。しかしその場合が私の在任中に来るか来ないか、これは将来の問題であつて、そのときにならなければ、今日断言するわけには行かぬと申したのです。
○三木(武)委員 憲法を改正いたさなければならぬように作為しないと言つた、これはお認めになるのか。
○吉田国務大臣 私は作為しないと申した覚えはないつもりであります。
○三木(武)委員 いや、言つた……。
○吉田国務大臣 言つたならば取消します。
○三木(武)委員 それでは言い過ぎか誤りであつたのだと思う。あやまらを改むるにはばかることなかれ、まことにけつこうであります。そういう気持で年中やつてくれたらけつこうだから、今後もそういうふうにおやりなさいという忠告をして、これはこのままにしておく。 あとは木村君にお尋ねする。木村君の昨日の中曽根君に対する答弁の中で、一体保安隊の増強もどんどんやつて行けば、結局はこれが戦力になる、憲法を改正しなければならぬようになるが、それはいつごろになるのかという見通しの質問であつた。これはずいぶんやつかいな無理な質問であると私は思うておつたが、それに対して木村君は二、三年は戦力にしない。だから二、三年は憲法改正というようなことはない、こういう答弁をせられた。 それからもう一つは、米軍の現在日本にある、何と申しますか、いわゆる吉田式に言えば自衛力ですな、われわれから言えば、戦力、あるいは軍事力と申しますか、これは戦力だ、だから米軍撤退にかわつて日本が自衛力をその限度に増強するならば、それは戦力だとはつきり木村君は言われた。この木村君の中曽根君に対する答弁はここで確認できますか、間違つておつたら、御訂正になつてもよろしい。
○木村国務大臣 お答えいたします。憲法改正の見通しでありますが、私は二、三年の間は憲法を改正しなくとも、自衛力の漸増方式でできるということを確かに言いました。憲法改正はいつすべきか、はたしてでき得るかということは将来の見通しでございまして、私はここで断言できません。 第二間は、私は現在アメリカの日本に駐留している地上軍だけの撤退では、これを補充するについて日本は戦力に至らない程度でよかろうと考えております。しかしながら現在アメリカが日本に駐留いたしております地上軍、空軍、海軍が全部撤退して、これにかわるべきようなものを日本で持つということになれば、これは戦力に至るであろうと考えております。
○三木(武)委員 木村君とりくつの渡り合いをすることは、まことに不愉快だから、あまり多くを申しませんが、もし日本に駐屯するアメリカの陸軍、海軍、空軍が全部撤退するようになり、そうしてそのかわりを日本がつくり上げるようになれば、これは戦力で、それまでは戦力でないということになり、従つて憲法を改正しないということであつたならば、私は率直に申し上げる。現在並びに近き将来の日本の経済力というものは、断じて現在米軍が日本に駐屯せしめているような軍事力を持つことはできません。言いかえてみれば木村君のその説明を――木村君は答弁に裏を返してみたら、表を返してみたらとよく言われるが、木村君式に裏を返してみたならば、これから幾ら日本の国力の許す範囲内において自衛力の増強をしても、断じて戦力にならぬのだ、憲法改正なんというものはてんで問題にならぬのだ。さらに言いかえてみれば、日本の国力に応じた自衛軍の創設増強をやつても、憲法なんというものは、そのままでよろしいのだという結論になるのですよ。私はこれだけは念のために木村君に申し上げておく。 それから、たいへん時間が経過して、委員長も困られておるようだが、まあまあ少し、ほんの一分か二分がまんしてください。外務大臣がおいでになるから、外務大臣についでにお尋ねしておきますが、外務大臣は昨日、日本の憲法では交戦権がない、だから交戦権がない以上は、かりに外敵が侵入して来ても、海上警備隊ですか、あるいは陸の保安隊がこれと戦争行為をしても、戦争法規の適用は受けない、こまかく言いませんが、交戦権がないのだから、戦争法規の適用は受けないのた、こういうことをここで言明せられた。これはたいへんなことなんですよ。外敵と戦つて、国家の運命を賭して、また各隊員が命をささげて国の防衛をやる、これが戦争法規の適用を受けないということになると、どんなことになるか。またそれに使つた軍艦であるか軍船であるか知りませんが、それがやはり戦争法規あるいは国際法規による保護を受けない、拿捕せられようが、臨検せられようが、また不幸にして敵の手中に隊員が陥つて捕虜になつた場合においても、これは捕虜の取扱いを受けない、いきなり首をはねられても、銃殺せられても、国際法規やそれの保護がないのです。こういうことになるのですが、戦争法規の適用を受けないということ、これをあくまで言い張りますか。ここをはつきりしておきたい。
○岡崎国務大臣 私は、言い方が間違つておつたかもしれません。これは速記録を見なければわかりませんが、私の言わんとするところは逆でありまして、国内的には、なるほど軍隊としてなければ軍隊の取扱いはいたしませんし、またフリゲート艦等でも、軍艦という取扱いはしていないかもしれません。しかしながら、たとえばゲリラ部隊であつても、制服を着て一定の指揮者のもとにあるものは、これは国際法規に見ますと、捕虜になつたような場合には、やはり捕虜として取扱われるのでありまして、正規軍と同じような取扱いを受けるのが国際慣習であります。従いまして、国際法的に見れば、保安隊その他が交戦をいたしました場合には、軍隊と同様な取扱いを受けるであろうということを私は申したつもりであります。ただ交戦権等がないからして、その間実際やつてみますと、いろいろ不自由はあるかもしれません。あるかもしれないけれども、しかし国際法的に見てこれが単なる私兵であるかあるいは一定の部隊であるか、こういうことになりますと、これは部隊であることに違いはないのでありますから、軍隊に準じた取扱いを受けるということは当然であろう、こういう趣旨を申し上げたつもりであります。
○三木(武)委員 今伺うともつともらしく聞えますが、昨日の答弁はそういう答弁でなかつた。私はここで聞いておつた。しかしそうであるかないかは、いずれ速記録を見ての上でなければ議論をすることはできないのでございますから、お互いに他日を期して速記録を見てからいたしましよう。まあこの辺でよろしゆうございましよう。(笑声)
○倉石委員長 先刻の今澄勇君の質疑に対し、自治庁長官と大蔵省銀行局長の答弁が保留されておりましたが、答弁のためそれぞれ発言を求められております。これを許します。塚田国務大臣。
○塚田国務大臣 取調べをいたしました結果お答えを申し上げます。 先ほどの今澄委員のお読み上げになりました女書では、いろいろな党にそういうものがあるではないかというように伺いましたので、昨年の一月以降今年の六月までの分が、届が参つておりますので、これを詳細に検討いたしました。保全経済会の名において献金されているものは、政治資金の中に入れられているものは、各党ともございません。ただ伊藤個人の名前のものが、二十七年五月十六日の日付におきまして、二百万円自由党において受入れてあるという届出が出ております。これは二十八年四月二日の自治庁告示第十四号として官報に掲載いたしてありますから、ごらんになつていただきたいと思います。
○河野説明員 お答え申し上げます。保全経済会が休業いたします前後におきまして、警視庁当局と私の方の係と情報の交換をいたしたことは、一両回あるように記憶いたしております。しかしこれは、御案内の通りあくまで金融法規との関係においていたしておりまして、その他の犯罪事実あるいは犯罪の容疑に関するような事柄につきましては、私どもといたしまして職責上関係もございませんし、何ら関心も持つておりません。従いまして、そういう点は全然関知しておりません。
○倉石委員長 これにて質疑は終了いたしました。 それでは午後四時より再開いたしまして、討論採決に入ることといたしまして、暫時休憩いたします。 午後二時二十八分休憩 ――――◇――――― 午後六時四十三分開議
○倉石委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 補正予算各案に対する質疑はすでに終了いたしております。この際、社会党両派共同提案として八百板正君外十四名より、並びに改進党提案として川崎秀二君外七名より、それぞれ補正予算各案に対する編成替を求めるの動議が提出されておりますので、順次その趣旨説明を求めます。小平忠君。
○小平(忠)委員 私は両派社会党を代表いたしまして、昭和二十八年度一般会計予算補正(第2号)、昭和二十八年度特別会計予算補正(特第2号)及び昭和二十八年度政府関係予算補正(機第1号)につきましては、政府は撤回し、次に申し上げる要綱によりましてすみやかに組みかえをなし、再提出をすることを要求をいたすものであります。 この組みかえ動議の根本的な考え方は、まず第一に今回の第二次補正予算に対しまして、われわれは人事院勧告、仲裁裁定の完全実施及び年末手当一・五箇月分を支給し、国家公務員、地方公務員その他勤労大衆の生活を安定せしめることが第一点であります。第二点は、災害、冷害対策の不足分を計上いたしまして、農村の生活を安定せしめることであります。第三点は、崩壊寸前にある中小企業の年末融資を行い、中小企業の救済と中小企業傘下の労働者の窮乏と失業問題を解決することであります。第四点は、米価、国鉄運賃などの値上げを行う高物価政策に反対をいたし、米価の二重価格制を実施することであります。 以上の四点は基本的考えでありまして、まず国民生活の安定を緊急の支出でありますが、これを行いますためには、不急不要の経費を削減いたしまして、さらに防衛関係費の大幅削減を行うなど、徹底したインフレ防止対策を実施することに主眼を置いたのであります。この際一言つけ加えておきますことは、仲裁裁定の実施にあたりましては、国鉄十三億円、郵政二十二億円の不足分を一般会計から繰入れるものといたしまして、その他専売、電通の二公社、印刷、アルコール、造幣、林野の四現業については、企業内でまかない得るよう特別会計予算を組みかえるものといたしたのであります。さらに国鉄の災害復旧資金八十九億円については、建設公債の発行を認めることといたしているのであります。 さらに組みかえ案の内容につきまして、おもな点を申し上げたいと思います。 まず第一に歳入の部でありますが、前回の第一次補正予算の際も、われわれは租税の自然増収をここに考えているのであります。政府は御承知のように百三十三億円を計上いたしておりますが、われらつ両党は二百億を計上いたしたのであります。その差すなわち六十七億円でありますが、これはベース・アップによりますはね返りでありまして、われわれは本予算審議に際しましても、質疑を通じてわれわれの態度を明らかにいたしておりますように、このベース・アップにつきましては、われわれは一・五箇月分、さらに八月より実施、すなわち人事院勧告を、われわれはあくまでもその線に従うということで人事院勧告を一応尊重いたしておるのであります。さらに仲裁裁定の完全実施という観点から、このべース・アップのはね返りによります租税の自然増収は、これを二百億円計上することができるのであります。さらに専売益金の増収、これは政府案と同額でありますが、雑収入の増におきまして、われわれが政府案よりも三十一億多く見積つておる点であります。さらに既定経費の節減でありますが、政府が三十二億円に対しましてわれわれは百八十億円を計上いたしております。この百八十億円につきましては、物件費、旅費のいわゆる一割削減の線に従つて既定方針の線であります。次に保安庁費の削減でありますが、これは四百十四億円計上いたしております。これは先回の第一次予算補正の際も、われわれはこの保安庁経費の削減をいたしておりますが、四百十四億円の内容を申し上げますれば、当初本予算案は六百十五億円であります。これに対して十月予算は同額六百十五億円となつております。六百十五億円の十二分の一箇月すなわち五十一億円を六百十五億円からり差引きますと、五百六十四億円であります。すなわち四百十四億円に二十八年度保安庁費残置分の百五十億プラスいたしますと、五百六十四億円になりまして、われわれば保安庁の経費百五十億を残すというこの考え方から四百十四億円を削減いたしております。さらに防衛支出金の未使用分、安全保障費の未使用分、さらに連合国財産補償費未使用分の削減は、いずれも十二分の一箇月をここに削減をいたしておるのでありますが、以上の歳入の既定経費の節減、防衛費の節減によりまする金額と租税の自然増収、専売益金の増収、雑収入の増収、これらを加えました歳入分の合計が千五百六十七億円となるのであります。 これらの財源をもつてわれわれは当初に申し上げた四つの目的、この重要なる当面の問題を解決しようと考えておるのでありますが、まず第一に災害対策費であります。政府はこの案につきましては組んでおりません。しかしわれわれがここに災害対策費として二百四十億円計上いたしておりますのは、前回の国会に置いてわれわれが要求いたしております不足分を二百四十億円計上いたしておるのであります。 冷害対策費の三十五億円もその通りであります。 農業共済保険金六十五億円も、政府は保守三党の申合せによりまして、農業共済保険金当初案百三十億から四十五億円を削減いたしまして、冷害対策費にまわしておりますが、この不足分を六十五億円計上いたしております。 地方平衡交付金においても、災害用として当別のわれわれの主張をここに計上いたしたのであります。 次の食管特別会計の繰入につきましては、われわれの主張であります生産者価格一万二千円、消費者価格すえ置きの線に従いまして、三百億を計上いたしておるのであります。 さらに義務教育国庫負担金四十八億、これは義務教育国庫負担特例法反対に対しまする分として、計上いたしておるのであります。 次に期末手当でありますが、この期末手当の一・五箇月分につきましては、一般並びに地方公務員、三公社五現業の一・五箇月分を合計いたしまして三百十八億となるのであります。 さらに給与改訂につきましては、人事院勧告の完全実施の線に従いまして八月より計上いたす場合に、一般公務員につきましては百十四億、地方公務員につきましては二百億、合計三百十四億円となるのであります。 十番目の仲裁裁定の実施に伴いまする三十五億円については、国鉄、郵政不足分になるのであります。 十一番目の中小企業年末金融につきまては、われわれ当初の主張であります百億円をここに計上いたしておるのであります。 十二、十三、十四項目については、従来のわれわれの主張をここに計上いたしておるのであります。 この合計額は、歳入分一千五百六十七億と同額の一千五百六十七億円と相なつておるのでありますが、ここでわれわれの主張を明らかにしておきたいことは、政府原案によりますれば、第一次補正の結果において財政規模が九千九百九十九億に、今回の政府の全体の既定経費その他の歳入の増の分をここに計算しますと、租税の自然増収百三十億、専売益金増収7十億、雑収入増六十九億、合計二百七十二億円でありまして、九千九百九十九億円にプラス二百七十二億円は一兆二日七十一億円と相なつております。これに対しまして両社の組みかえの案によりますれば、トータルが一千五百六十七億で、ここに厖大なる財政規模の増加を考えるのでありますが、決してそうではございません。政府の第一次補正の結果も、総規模であります九九百九十九億に両社の今回の財政の増となります分は、租税の自然増収二百億と押売益金増収七十億、雑収入増百億、合計三百七十億でありまして、九千九百九十九億にプラス三百七十億でありますから、合計一兆三百六十九億になります。すなわも政府案と比較すれば九十八億円の開きでありまして、われわれは政府原案よりもわずか九十八億の、財政規模全体においては増額になりますが、この九十八億円によつて、今回人事院勧告並びに仲裁裁定の完全実施による国家公務員、地方公務員その他勤労大衆の生活を安定せしめることができる。さらに災害、冷害対策の不足分を計上いたしまして、農村の生活を安定することができる。さらに中小企業の年末融資を行うことができる。米価並びに国鉄運賃の値上げを行わないことによつて、物価騰貴政策を押えることができる。このような観点に立つて、われわれは以上のような組つみかえ案をここに上程いたしたのであります。 どうか各委員におかれても、われわれ両社会党のこの組みかえ案に同調されんことをここに希望いたしまして、両社会党の組みかえ案の趣旨弁明を終ります。(拍手)
○倉石委員長 古井喜實君。
○古井委員 改進党を代表いたしまして、ただいま議題となっております予算の組みかえ動議について趣旨弁明をいたしたいと存じます。 組こみかえ要求の内容の要旨は、次の通りであります。 まず一般会計の歳出について、第一に消費者米価を現行の通りすえ置くこととして、これがために要する経費に対し一般会計から六十億繰入れることといたしまして、その金額を一般会計に増額計上すること。第二に給与ベースの引上げは、消費者米価のすえ置き、減税の実行等々と考え合せ、かつまた二十九年度予算及び財政計画について確たる見通しを立てた上、これを行うが至当であるとの趣旨においてこの際これを見送ることとして、これがために要する経費八十二億五千八百正五十五万九千円を減額すること。これに伴いまして歳出は、政府原案に比べて差引二十二億五千八百五十五万九千円の減額と相なります。 次に歳入につきまして、第一に租税の自然増収におきまして、経済審議庁調査にかかる産業活動指数上昇率等を勘案いたしまして、原案に対しさらに六十億円を増額計上すること、第二に税制調査会の答申のうち、この際実行し得べきものを取上げまして、二十九年一月からおおむね答申の趣旨にのつとつて、所得税の控除及び税率改正等による減税を行い、他面間接税の一部を増徴することといたしまして、差引八十二億九千万円の減税を行うこと、これに伴つて、歳入総額もまた原案に比して二十二億五千八百五十五万九千円の減額と相なります。この趣旨に従つて、政府において組みかえの上、提出されんことを求めるのであります。 なお特別会計予算及び政府関係機関予算につきましても、同様の趣旨にのつとつて、所要の組みかえを求める次第であります。 政府は、口を開けば健全財政と言います。インフレ防止といい、通貨価値の安定といい、また自立経済の達成とおつしやつております。ことに大蔵大臣からは、聞きあきるほどこれらの言葉を聞いておるのであります。しかし、われわれには、ほんとうに政府が経済の現状に対して認識を持つておられるのか、また真剣にこれを建て直そうとする決意がおありになるという実感が映つて来ないのであります。今回の補正予算は、実に来年度予算の方向を決するものであります。この機会において米価問題、給与問題という、物価及びインフレに決定的意義を持つ重要問題が取扱われるのであります。ほんとうに経済の建直しを念願せられるならば、この際にこそ、その決意のほどを示されるべきものであると思うのであります。しかるに政府の原案はまつたくわれわれを失望落胆させたものであります。米価の引上げは、ただちに生活費の上昇と生活唐をもたらすことは申すまでもありません。せつかくの給与ベースの引し上げも、その瞬間から帳消しになつてしまうのでありましよう。そうしてこれに続くものは、再び熾烈な賃金値上げの運動であると思います。いわゆる悪循環は、これによつて繰返されることは火を見るよりも明らかであります。われわれはこの明らかな結果を見ながら、黙視することはできません。これはまことに、われわれの誠意であり良心であります。われわれは、かりにある程度の財政負担を伴つても、この際あえて米価のすえ置きを行うべきものだと考えるのであります。また来年度予算の思い切つた節減を予定しつつ、可能な減税を行いたいのであります。そして実質上の賃金に考慮を払いまして、給与ベースの名目上の引上げを、今後の問題といたしたいのであります。われわれは米価すえ置きのための財政負担、また給与引上けを見送る場合の勤労者の境遇については、十分理解を持つております。しかし、これを契機として一連の政策が行われて行きますならば、決して、これらの犠牲はむだとはならぬと考えるのであります。必ずや後日これに報いられる時期が来ると信じておるのであります。私どもの提案の趣旨、これをあえて主張いたしますにつきましては、特に政府与党の深甚なる考慮と反省官を要望しつつ、動議の趣旨弁明をいたす次第であります。(拍手)
○倉石委員長 これより八百板正君外十四名より提出の編成替を求めるの動議、及び川崎秀二君外七名より提出の編成替を求めるの動議、並びに政府原案の補正予算各案を一括いたしまして討論に付します。小峯柳多君。
○小峯委員 ここに議題となりました昭和二十八年度一般会計予算補正第二号外二案に対し、自由党を代表して原案に賛成し、改進党と両派社会党の二つの組みかえ案に対し反対の意見を述べるものであります。 今回提出の第二次補正予算案は、一般会計の歳出追加額は三百五億円でありますが、これに対する歳入増加額は二百七十三億円でありまして、その差額三十二億円は歳出の節約によつてまかなわれ、歳入歳出とも補正額は二百七十三億円となつております。この結果二十八年度一般会計予算総額は一兆二百七十二億円となりました。 その内容も、内容それ自体はきわめて簡単なものでありまして、これを要約いたしますと次のごときものでございます。 第一には米価でありますが、本年度産米の買人れ価格は石当り平均純一万三百三十五円でありまして、消費者の米価は現行の九六百円を明年一月から一正七百円に値上げし、その差額は一般会計から五十六億円を、食管特別会計の含み資産から二百九十四億円をはき出してまかなうことにしているのであります。 第二には、給与改善費であります。公務員に対しては人事院勧告を尊重し、明年一月よりベースを一万五千四百八十円に引上げ、また三公社五現業職員に対しては、仲裁裁定の通り明年一月から実施せんとするものであります。 なおこれらのべース・アップが明年度予算に尾を引かぬように、前者公務員分に対しましては、明年度一割以上の行政整理を行うことといたしまして、後者の企業体職員分は、国鉄及び郵政を除くその他のものは、明年度においても自己資金によりまかなわしめ、国鉄及び郵政は明年度これがために若干の赤字を生じますので、国鉄ば旅客運賃を、郵政は郵便料金の一部を値上げし、もつて明年度予算の均衡措置をとつたのであります。 以上が本補正予算案の主たる内容であります。 〔委員長退席、西村(直)委員長代理着席〕 次に原案賛成の理由でありますが、申し上げるまでもなく、財政政策は経済政策の一環であります。従つて予算案に対する批判は内外の経済諸情勢に対処して実施しなければならない経済政策の観点からなされなければならん。 内外の経済実勢からして、当面実施すべき政策は、強力なる自立安定経済政策であります。自立安定政策の内容は、まず物価の安定でございます。安定せる物価のもとにおいて、国内経済を構成する各経済単位の収支の均衡がとれるようにし、しかも国際収支においても収支の均衡のとれることでなければなりません。 第二次大戦後の世界経済は、朝鮮動乱の勃発で引続き緊張を持続して参りましたが、その後漸次冷静をとりもどし、休戦会談の成立後はまつたく沈静して、世界経済の一般的状況は、むしろ横はい状態に入りました。かかる背景の中に、各国経済政策が期せずして一致いたしております点は、健全財政の堅持、国民生活の引締め、輸出の振興、そして輸人の防遇であります。 二十八年度第二次補正予算を論ずるにあたりまして、われわれが厳粛に反省しなければなりません点は、右のごとき、世界各国の経済政策の中にあつて、この予算案がよくわが国の進むべき経済政策にかなつているかどうかであります。第二次補正予算は、補正予算であり、かつ予算規模も必ずしも大きくはないのでありますが、諸般の情勢と条件を考えますと、健全財政を守り切るための剣が果とも考えられるからであります。ところで第二次補正予算案は極力財政規模の膨脹を避け、財政の健全性を確保するため、歳出の面においては、米価改訂、給与改善等を中心として、真に必要最小限度のものを計上するにとどめ、財源調速の面におきましては、既定経費の節減、租税の自然増収を充当して、厳に収支の均衡をとつているこの原案は、さきに述べたわが国当面の経済政策からして当然に賛成すべきものと思うのであります。もつとも改進党の組かえ案には、さらにこの点が決定的に打出されておりますが、私たちは遺憾ながら賛成し得ない理由は、内外の諸情勢からしてやや酷に過ぎて、かえつて自立安定経済政策としての効果に疑問を持つからであります。低物価、低賃金政策の堅持は、内外諸経済状態からして、われわれも堅持しなければならないと考えておりますが、国民経済を構成する各経済単位間の均衡と安定を考慮しない単なる自立政策は、決して経済の積極的な発展策にはなり得ないからであります。不当に低い賃金のもとで積極的な活動を期待することはできません。われわれも低賃金、低物価は強く主張いたしますが、諸般の事情から生計費との比較上、不等に低くなつている官公吏のベース・アップはこの際一応実施して、国民経済各部面における不均衡を是正し、この是正の上に強力なる低物価政策を展開したいと考えるのであります。改進党の組かえ案に関し、その精神には賛成しながらも、なおかつその案自体に反対して、政府原案に賛成するゆえんのものは、改進党案の現在の賃金水準、現在の米価を基礎とする自立安定政策は、べース・アツプによつて、また米価の引上げによつてもたらせられる国民経済各単位間の新しい均衡の上に立つての経済政策に比べて、むしろ弱体たらざるを得まいと考えてのことであります。経済の自立は、内外経済情勢から判断して至上の命令であります。しかし国民経済を構成する各経済単位、家計、個人企業体、組合、会社の私経済単位から、市町村、都道府県、国家及び国家関係諸機関等の公経済単位に至るまで、各単位ごとの収支の均衡を忘れては、真の意味の安定にはならないとの見解に立ては、この際のベース・アップと米価引上げは、絶対に必要と思われるからであります。われわれがその精神に同調しながらも、その改進党の組みかえ案に同調できないゆえんであります。 さればといつて、両派社会党の組みかえ案にも賛成いたしかねます。例によつて社会党両派では、保安庁費及び防衛支出金と安全保障費を大幅に削減して財源をでつち上げ、災害対策と給与改善に大盤ぶるまいを断行し、さらに高生産者米価、低消費者米価のために、莫大なる経費を計上しております。たいへん景気のよい案でありまして、ちよつと見には拍手喝采を受けそうなものでありますが、心ある者からは絶対に共鳴の得られそうもない案でございます。改進党の組みかえ案に比べて、あまりにも大きな隔たりではございませんか。 さてその内容でありますが、保安庁費と防衛支出金を大幅に切つている点は、独立国家として、国家生存上絶対の条件たる関衛権を事実上放棄することになつております。また災害と冷害の対策費を大幅にふやしていることは、災害復旧と冷害対策に対する経済速度を破壊して、かえつて災害インフレを誘発するものであります。また第三番目には、高生産者米価、低消費者米価は、わが国の財政力からいたしまして、あまりにも現実離れがしているのであります。かくて社会党両派の組みかえ案は、自衛費のごとき使用すべからざる財源を引当てにし、給与、災害に関する大盤ぶるまいのごとく、不合理な経費支出をあえてしている点で、予算以前のものと評されてもいたし方ないと思うのであります。(拍手)かくしてわれわれは両社の組みかえ案には絶対に反対でございます。 最後に、第二次補正予算と二十九年度予算との関係でありますが、従来の例からいたしますと、十二月に入つてからの補正予算は、明年度予算とあわせていわゆる十五箇月予算として審議されたのでありますが、今度の場合はいささか趣を異にしていることを注意したいのであります。 既述のごとく、ベース・アップに関してもまた米価の引上げに関しましても、二十九年度予算への影響を最小限度に食いとめることを考慮しておりますので、第二次補正予算が、二十九年度予算と無関係に組まれているとは言えませんが、しかし従来のごとき十五箇月予算では絶対にないと思います。なぜならば、明二十九年度予算こそわが国経済の直立安定化のために、強力決定的なものでなければなるまいと確信され、現に政府もさきの二十九年度予算の骨格に関する発言においても、この点に特に触れているからであります。われわれ二十九年度予算こそ、予算規模においても予算の性格においても、また経費の重点配分においても、徹底的に新構想を打出し、その財政政策の裏づけによつて、画期的な経済政策を展開し、もつてわが国経済の自立安定化へ力強い再出発をしなければならないと信ずるからであります。(拍手) 私はこの際政府が大勇断と大決意をもつて、二十九年度予算の編成に当られんことを強く要望して、賛成討論を終る次第でございます。(拍手)
○西村(直)委員長代理 稻葉修君。
○稻葉委員 私は改進党を代表いたしまして、このたびの補正予算に反対するものであります。 第二次補正予算は、昭和二十九年度予算と関連して、これを検討した結果、われわれはこの補正予算は一時的に年末労働攻勢を回避し、事態を糊塗するのみであつて、決して勤労者の所得の増加にはならない。従つて裁定の尊重あるいは人事院勧告の導重には、実質上なつていない点を指摘し、さらに多分にインフレ要因をはらみまして、わが国の経済自立に重大な障害をなすものと思うからであります。 第一に、消費者米価の改訂すなわち値上げは、わが改進党の低物価政策に正面衝突をするのみでなく、昭和三十八年度予算について、去る第十六国会の会期中行われたいわゆる、三党協定を破るものであると思います。三党協定の内容はいまさら説明するまでもありませんけれども、自由党がこれを破る態度に出て来た以上は、もう一度明確にする必要かあると存じます。すなわち供米完遂奨励金八百円、これを附加するということになつておりますけれども、これは基本生産者米価の引上げを実質的に認めたものであるとわれわれは了解いたしております。当時予算面上供米奨励金、供出奨励金という名目がありませんために、やむを得ず供米完遂奨励金という費目に便乗したわけでありますけれども、三党の協定ではこの点を明確にするために、完遂しなくても必ず石当り八百円の附加金をつけるということになつておりますことは御承知の通りであります。昨日わが改進党の河本敏夫君の質問に対して保利農林大臣は、超過供出につきましては八百円の奨励金は出さないのだ、こういう答弁をしておりますが、これも協定違反の疑いが濃厚であります。 第二に、人事院勧告及び仲裁裁定は、制度の趣旨及び法律の精神からこれを尊重すべきことは言をまたぬところであります。このたびの補正は一部これをのんでおります。従来はすべて勧告や裁定を無視するにひとしい態度をとつて参りました吉田内閣の大きな転換というか、態度豹変と言わなければなりません。今年のごとく未曽有の災害があり、しかも過年度災害が復旧されていないところに、第十七臨時国会で協定を見るに至つた三、五、二の比率で十五百六十五億の支出を三年間にまかなわなければならぬという財政負担の過重のときにこそ、均衡予算、インフレ抑制の趣旨から、従来の方針を堅持するのが、政府としても、自由党としても、首尾一貫した態度であつたはずであります。このたびの一部裁定の実施のごときは、決して根本的には健全な勤労者の生計の安定になるものではなく、正しい労働政策を欠く吉田内閣が一部だけこれをのんだとしても、私どもは決してこれを本物であると受取るわけには参らぬのであります。 これを実証するために、その内容を少しはかり検討いたします。この予算に盛られてあるところのベース・アツプのための財源は、税収のはね返り百三十三億とか、既定経費、ことに公共事業費の削減とか、さらには税制調査会答申案中の減税の見送り、米の値上げ、運賃、郵便、電気料金の値上げなど、公務員、賃金労働者の負担加重の原因をつくつているものであつて、勤労者の生活の安定という点からも、また国民経済の健全化の点からも、無謀であると断定いたします。勤労者の生活安定になつていないという点について、その事実を数字で説明いたしましよう。大蔵大臣の説明によれば、現行給与を引上げることによつて差額千八百九十三円の生計の足し前になつていると言われますが、税のはね返りを三分の一見込みますならはこれが六百三十一円、消費者米価を六百八十円から七百六十五円に上げることによつて十キロ当り差額八十五円、三十キロ消費するとして二百五十五円、さらに税制調査会答申案のうち、負担軽減分を世帯当り六百二十円と計算いたします。さらにこのベース・アップには地域給の五%の加算が見込まれておりますから、それを三百円引きまして十八百六円となるのであります。千八百九十三円から千八百六円を引きますと八十七円のベース・アップということになる。しかしこれは、やがては四月から予想されている運賃の値上げ、郵便、電気料金の値上げ等で埋まりますのみならず、一般物価の急激なる暴騰はさらにこれをはるかに上まわるものであつて、実質的には決して仲裁裁定あるいは人事院勧告を尊草した結果とはなつおりません。われわれは財源をかくのごとく一方に与え、他方に奪うというものに求めては断じてならないことを強く主張いたします。引上げられたこれらの基本家計の増加と、これに加うるに諸物価の値上りと相まつて、公務員の生計を助けるものではないと信じます。むしろこれは現在少しばかり与えて、あとでごつそりと奪おうという結果になることは火を見るよりも明らかであります。べース・アップは単に名目的、形式的に勧告をのむ、裁定をのんだというだけでは足りません。公労法の精神にも、人事院の勧告の制度にも、その制度の趣旨に合致したものと言うことは断じてできないのであります。われわれ改進党は十六国会以来絶えず主張して来た通り国費のむだを節約すること、奢侈税を増徴すること、あるいは高額所得者の所得累進率の引上げなど、大衆生活の負担過重にならない財源をもつて、勧告あるいは裁定尊重の財源の引当てにすべきものと考えるものであります。従いましてこの点について考慮を払われていたい政府原案に対しては、反対せざるを得ません。また大蔵大臣の説明によれば、公務員の給与は一万三千五百八十七冊から一万五千四百八十円に引上げ、一箇月千八百九十三円の標準的改善になつたと言つておるけれども、人も知る通り一万千四百八十円には地域給五%を加算してあり、現行ベース一万三千五百八十七円は地域給の加わらない基本所得が標準になつておるのでありますから、大蔵大臣は千八百九十三円の改善になつておると言われるけれども、これは正確ではありません。極言すればうそであり、ごまかしであります。さらに民間給与と公務員給与とを比較いたしますならば、後者がはるかに上まわつております。人事院が給与ベース・アップを勧告するにあたりましての経過において作成した資料によりますると、この点は明確であります。詳しいことを省きでまして試みに十二月の推定数字だけを一例としてあげまするならば、公務員のべース・アップをしない現在の給与ですら、いろいろ総合した場合は平均一箇月一万五千五百六十四円であり、民間産業のそれは一万四千七百七十三円でありまして、公務員の方が現衣でも五百九十一だけまわつています。政府は年来民間給与との均衡ということを口ぐせのように主張しているのであるが、この不均衡は一体何と考えるのでありますか、私の不可解とするとこるであります。しかるにこのたびのべース・アップによつて現行のの不均衡にさらに差額をつける。そのべース・アップが民間給与を今後急激に引上げることになることは当然であります。その結果は、ますますコスト高を来します。そしてその結果は、物価高を招来し、ただでさえも不振をきわめている日本の輸出貿易に、決定的な打撃を与え、なかんずく東南アジア地域の貿易競争については、わが国は遂に敗北せざるを得ません。かくして日本経済の自立はとうていできないという重大な結果になる次第であります。 第三に、昭和二十九年度予算の骨格について、われわれは大蔵大臣と所見を異にいたします。そもそもこのたびの補正予算は、昭和二十九年度予算と一体不可分のものとして勘案さるべきものであるにとは、言うまでもありません。そこで適日われわれは、二十九年度の予算の骨格を示せという要求をいたしました。これに対して大蔵大臣が予算委員会において、去る三日示したところによりまするというと、二十九年度国民所得を六兆二千億と見積つておりますが、これが第一過大であり、不当であります。何となれば、大蔵大臣は財政投資の増大、消費景気の上昇、滞貨金融の放出、この三つを理由として、今年の五兆八千二百億の七%増し、すなわち六兆二千億と見積るわけでありますが、私は大蔵大臣の掲げる三つの理由に対し、大きな疑問を抱くものであります。 まず財政投費の増大と言うが、政府は、一方財政投資のための公債発行はやらぬと断言いたしております。そして一方、本年度は見返り資金の残りがありましたけれども、来年度政これは見込めません。わずかに預金部資金のみであります。かくして財政投資は減少すればこそ、断じて増大などするわけはないのであります。 さらに消費景気の上昇ということを、理由の一つに大蔵大臣は掲げられますが、それこそは竹本経済の不健康をみずから容認するのであろうか。経済審議庁の白書を見ましても、消費景気の増大を亡国の徴として警告をしておるではありませんか。政府の、インフレ予算を前提とし、みずからこれを露呈したものであつて、きわめて不健全な構想であると申さねばなりません。 〔西村(直)委員長代理退席、小峯委員長代理着席〕 従つてわれわれは、大蔵大臣の考え方は国民経済の危機を強く感ずる次第であります。 さらに第三番目の滞貨金融の放出についても同様であります。これは日銀の効率適用の厳格化等によつて、決して多くを望まれないのみならず、政府としては均衡予算の建前から、かつ金融と財政の一体化という大蔵大臣の主義主張からすれば、きわめて無謀、無定見な発言として、聞き捨てならぬとさえ思つておる次第であります。よつて六兆二千億の国民所得の見積りの理由は、いずれも根拠薄弱であるか、または財政金融政策の不健全、インフレ放漫政策をみずから表明するものであつて、断じてこれを承認することはできません。 さらに、昭和二十九年度予算骨格を示すにあたり、大蔵大臣は税収千億の自然増を見積つておりますのも不可解であります。これは要するに物価の高騰などを見込んだものであつて、賛成できません。さらに骨格予算中の支出面においてこれを見ます場合に、来年度給与改訂に伴う予算上の支出増の一部としては、第一、一般会計の負担分四百八十億、公労法関係の負担増三百四十三億、さらに軍人恩給の増額二百二千億、合せて一千四十三億であつて、今年の分にこれを加算しますならば、実に七千百四十三億という厖大な数字になる次第であります。一方大蔵大臣の説明によりますれば、各省の要求は一兆八千億になるという説明でありますが、これに加えて国防費、賠償費等、いわゆるアンノウン・フアクターを加算いたしますと、二兆二千千億ほどになると言います。新規経費のの計上を一切中止しても、なおかつ明年度予算の総わくを夏半分にこれを削減いたしましても、一兆一千億になる。とても大蔵大臣の言われるような一兆七百億円程度にこれを押さえたいということは、不可能でありましよう。かりに一兆七百億円に押えることができたといたしましても、これは実に国民総所得の約五分の一弱を国家財政に消費することを意味するものであつて、かくのごとき予算は、私の知るところでは、世界の自由主義国家群といわれる各国国の予算中、わずかにユーゴ一国あるのみであつて、これ以外には一国も見当らない次第であります。かくのごときは、まさに破産寸前の国家現象であると断定せざるを得ません。 以上の理由から、この補正予算に対しわれわれは、第一、消費者米価はすえ置くべきである、第二、税制調査会答申案中、負担軽減に関しては、二九年一員から実施すべきでおる、第三、公務員、公社職員等の待遇の改善については、二十九年度予算との関連において実質的安定を策定すべきであるという三つの原則に立ちまして、政府原案の不備を修正するため、去る日からつい本日先刻までぎりぎりの努力を傾けて来たのでありますが、三派交渉はは遂に決裂をいたしました。面子にとらわれた自由党の無反省は、事態を遂にここに追い込んだのであります。二千九年度予算は、かくしてとうてい一兆内外にとどめることはできない結果となりました。従つてわれわれは、先ほど古井委員からの提議通り、その組みがえを要求したのでありますが、これはわが国民へ経済をすみやかに自立にもたらさんとするわれわれの誠意の表明にほかなりません。かくのごとき予算を通過し、それに加えて二十九年度予算が厖大化するに至りましたならば、わが国の経済は、いつまでたつても目立はできませんで、ドルのカンフル注射、特需、その他いかがわしい基地近辺の収入で、どうにか収支のバランスをとるという情ない状態を、いつまでも継続するでありましよう。 私は以上の観点から、このたびの昭和二十九年度本予算の露頭とも称すべきこの重大なる第二次補正予算政府原案に、断固として反対するものであります(拍手)
○小峯委員長代理 八百板正君。
○八百板委員 私は日本社会党を代表して、ただいま議題となつておる昭和三十八年度予算補正第二号に対して反対し、同時に改進党提出の編成がえを求める動議に反対し、次いで日本社会党両派共同の組みかえを求める動議に賛成の討論をいたすものであります。 まず第一に、政府の提出した予算補正第二号を見て申し上げなければならないことは、非常に重大なことで困つたことですが、吉田内閣は言うこととやることが違うという点であります。十一月三十日吉田内閣総理大臣は、その施政方針演説の中で、皇太子様がつつがなく帰られた。ニクソンが来てよかつた、アメリカと仲よくします、アジアの自由諸国とも仲よくする、朝鮮とも何とかしたいと申され、内政上は健全財政、通貨の安定をやると言われ、次に米価の改訂、公務員の給与改善をし、食糧問題については粉を食えと申され、最後にカを入れて、政府の一貫する目途は国民経済の自立であり、万般の施策はすべてこの不動の方針に基くと述べられたのであります。 さて親愛なる吉田総理の方針は、その限りにおいて何の取立てて非難すべきものがないのでありますが、言う通りに予算がそうなつておれはけつこうでありますが、ところが違うのであります。憲法の改正はしないと言つて憲法の内容を実質的に踏みにじり、あるいは戦力なき軍隊とみずから呼称し、軍備を進め、筋を通すと言つては筋を曲げて曲つたまま通す。さような総理のふだんの心がけは、今度の予算にもありありと現われて参つておるのでありまして、何とも賛成のしようもないわけであります。ここには経済自立の条件もなければ、健全財政、経済安定の基礎もないのであります。第二補正は三百五億の予算でありますから、全体から見れは、一兆予算のたつた三%の予算なので、仕上げは二十九年度で見ろと言われるかもしれませんが、そうは参らないのであります。大蔵大臣も本会議で明年度の予算との関連を考慮しと説明されておるのでありますが、やはり二十九年度予算の展望の上に、いわば十五箇月予算の月割という考え方に立つものでなければならないのであります。ところがこうしてみると、まるで方針がない。ふらふらして角度が定まつていない。角度がきまつていないで将来に延長のしようがないのであります。まずここから矛盾がある。経済自立の基礎をどこに置くか。そのために日本の現実が要求している政策についてどれだけの適切なる対策が予算的に具体化されておるか、あるいは具体化するための伏線がしかれているか、いないのであります。こわれた磁石のようににゆすぶると針はどつちにでもさす。現にこの予算の柱である米価はどうですか。自由価格で行くのか、統制価格で行くのか、そのどちらでもない。農業政策のないところに米価政策の生れようがない。総理は人造米をしつかりやれと力こぶを入れたり、今度は粉を食えとおつしやる。なお保利農林大臣は、日本の農民に石七千七百円の米の値をつけて、外国からは一万二千円の米を買いつけるという。百六十万トン買うといつていばつておられる。ドルの増加は一億三千万トルと言われておる。なけなしのドルは減るはかりで、国際収支は、十一月末手持ち十億ドルの外貨は年度中には一億四千万ドルの赤字となり、検討の結果は実質的には六億ドルに減ると言われておるのであります。消費者価格は十キロ六百八十円から、すなわち一二%の引上げで七百六十五円にした。漫然と高くしただけで何の科学的根拠もないのであります。このくらいにしておけという米価であります。なぜはつきりすえ置きならすえ置き、それとも二重米価反対なら反対で、消費者価格を生産者価格に引きつけないのであるか。そうすれはこの一般会計繰入れや食糧管理特別会計の負担の分の六、七百億余もあるそういう金も、別な意味で社会政策的に織り込む道もあるであろうと思うのであります。われわれの唱える二重米価で消費者価格のすえ置きをやるならば、もちろんこの場合財政負担はちよつとふえるが、われわれも生産者価格が高いだけが能とは考えておりません。農民のためにもそれがよいとはかりは思つておりませんから、農業の生産性を高めながらコストの引下げに努力し、同時に中間経費の合理化をはかりながら二重価格の持つ欠点を漸次消すようにすることが見込まれるのであります。 さて今回の補正は、中心が米価と給与でありますが、最も大きな給与改善の予算を見ますと、つじつまの合わないことはこれまたはなはだしいのであります。人事行政とか労働政策とか方針というものが一体政府にはあるのかないのかと伺いたい。米価も同様だが、対策はあつても政策がない。十七国会では人事院勧告、仲裁裁定はやれないと言つて、今度はやると言い、尊重すると言い、実施すると言う。予算説明書の文字をそのままに使うと、人事院勧告を尊重し云々と言い、それから勧告に示された一万五千四百八十円ベースに改訂する云々と述べてあるのであります。勧告の金額の一万五千四百八十円を出すための予算だと言う。ところが一体勧告はいつ出たのであるか。勧告は三月の公務員給与を一万三千五百八十円として、これに一三・九%引上げをして一万五千四百八十円にせよと勧告せられたのであります。その後の間に定期昇給がある。政府の言う一月実施ならば一月の給与に一三・九%をかけて初めて勧告の金額となるのでありまして、一万六千百円になるのが勧告の尊重であります。また一月から実施するというのでは十箇月近くも遅れるのであります。この分も支給するのがほんとうの人事院勧告の尊重となるのであります。こんなわけで、言うこととやることとはまるで違つておるのであります。 三公社五現業の仲裁裁定も同様であります。仲裁裁定はいわば第三者のけんかの仲裁であります。公共の事業のゆえにストライキを禁じ、団結権、争議権の行使にたがをはめられておるのであるから、第三者の仲裁には当事者は双方従うというのが法律の建前となつておるのであります。公労法第十大条はあくまでも例外規定であつて、しかもこれとても給与総額などというものをこしらえて意地悪をするというような扱いをすべきものではない。各企業の予算のわくは当初予算できまつておるので、その範囲内で労使双方が生産性を上げれば、余つた金を給与にまわしてももちろんよいのであります。裁定は各企業ごとに経理を検討して裁定を出したのに、これを一律に政府は押えつけようとするようなやり方をしておる。これはまつたく制度を無視した行為と言わなければならないのであります。国会の意思は裁定に優先するということが言われる。そういうことはもちろん言えましよう。しかしそれは異例の場合であります。しかも今回いうところの国会の意思というものは、実は中身々見ますと政府の意思に合せた与党の意思でありまして、政府が主であります。政府は当事者であります。第三者に対して我を張る立場ではないわけであります。この点かような国民の意思、国会の意思とは距離がある予算と言うべきであります。ここにも反し対の理由がある。しかもこの程度のまやかしの給与を組んで、二十九年度予算の上では五百億円もふえるから、この分は国鉄旅客運賃一割値上げや郵便料金の引上げ、さらには明年度一割の首切りをやつて穴埋めをしようとするに至つては、まさに豆を煮るに豆がらをもつてするたぐいであります。どこにみずからの使用人に対する温情を探せばよいのであるか。改進党の意見もやや似ておるようでありますが、首切りはむだを省くという。もちろんむだを省くことは必要であります。しかし首は切つても御飯を食べない人間にはなれないのであります。やはり雇用の道を考えてやらなければならないのであります。切りつぱなしでは社会不安をつくり、別の財政支出のもとをつくるものと言わなければならないのであります。 米価については農業政策としても価格政策としても何の一貫性もなく、給与はごまかしである。このからくりは前会の救農予算の場合と比較して見ますると、その手口はまつたく同一でありまするが、目をくらますことについてはいよいよ巧妙になつたように感ぜられるのであります。救農国会は農民に対する縁切り金を出した国会でありました。そうでしよう。第十八国会には何一つ救農の考えが、においも残つておりません。二十九年度はとうでしようか。聞くところによると、二十九年度にはたとえば冷害対策費は驚くなかれただの一文も組まれていないと農林当局は言明しておられる。一文もないだけではない。削られた食糧増産費はその削られたのが実績となり、その上またさらに削られようとしているのであります。災害費も同様である。救農国会は、こうして農民を窮地に追い込むチヤンスとしてつかまれたのであります。そうして軍事費を捻出するチヤンスに転用されたのであります。 中小企業のためには何を考えたか。財政のインフレ要因は金融で引締めると称しては、日銀の高率適用を推し進めて市中銀行の窓口を弱小企業のために閉ざして、中小企業を破産に追い込んで来た。不渡り手形は十一月戦後最高のレコードを示して、一日平均千三百四十枚、現に昨日の夕刊を見ますると、たとえば中小繊維商社の倒産十月中は五十一、十一月四十八。三つ減つておりますが、負債の額は六七%増しとなつておる。大口に移りつつある。優勝劣敗のきびしさを報じているのであります。中小企業はつぶれるようにし向けておいて金融をしたつて、銀行の金利がふえるだけであります。その金融も年末を控えて政府資金を五十五億指定預金をするというが、また金はほかにも二百三十一億くらい用意したとかおつしやられましたが、困る人になどはまわつて来やしないのであります。まわるという保証が一体どこにある、ないのであります。 救農予算では食糧増産費を削つて冷害にというように、財源を求めるに右のポケツトから抜いて左のポケツトに入れるというやり方をしたが、今度の給与改善もそれと似たり寄つたりのものであります。その財源の最大のものを見ますと、給与改善のはね返り源泉所得の増収百三十三億円であります。政府は公務員の期末手当とベース・アツプに幾ら予算を組んだしようか。合計百六十億円ではありませんか。百六十倍円の給与改善の金は、同じ月給袋から百三十億よけいにとられる税金で払われるのであります。ほかにタバコのもうけ過ぎが七十億ある。これも勤労者の税で、豆が豆がらで煮られるかと思うと、ここではたこか自知の足を食つておなかがふくれたようなかつこうになつているのであります。八本の足は一本食べて七本残るのじやない。残るのが一本くらいになるかも知れない。全勤労大衆は、農民も含めて食い合いをさせられ、税で多くをとられ、わずかを再配分され、いよいよ細るばかりであります。こういう予算は吉田総理の言う国民て経済の自立達成にどんな役割を果すでありましようか。おそらく方角の違つたものと思われます。そうして軍事費はワシントンの電波に誘導されるままにふくらまされて行こうとしております。こんな調子で、二十九年度予算が組まれるのかと思うと寒けがいたします。 改進党の組みかえでありまするが、これは思いがけない意外の組みかえ案と存ぜられます。わが親愛なる野党改進党は、この点自由党に輪をかけてその都度対策の感がいたすのは残念に思います。二重米価を一枚看板として取上げられたいと心得えておりましたが、これを見ると、もうひとつ込めてちよつと色をつけたという形であります。また給与開改訂については、その引上げを行わずという態度はこれも意外に思うところであります。従来改進党は、われわれとともに人事院勧告を、尊重し、仲裁裁定を取上げる傾きに同調される方針をとつて来られたと記憶いたすのでありますが、今度はまつたく反対の立場を示されたのであります。改進党が野党になられたことはこのごろ頼もしく思い、敬意を表しておつたのでありますが、この予算態度を見ると失望せざるを得ないのであります。やがては野党たるとともに政党たらんことを切望する声もあるいは巷間に起るのではないかと案ぜられるのであります。改進党の主張は、ベース・アツプをインフレ要因として気にされておりますが、たとえば悪循環を起すと仮定して、どこから先に断ち切るかの問題がある。その給与を押えるのが先か安定が先かとなると、給与が高過ぎる場合は押えることも必要でしようが、低いのをそのままに安定させれば、犠牲を片寄せて固定し、またその分のよい労働力も逃げてしまいますから、能率も落ちるということになります。今人事院の勧告のべース・アツプは、なるほど名はアツプでありますが、実は民間給与に引寄せる調整にすぎないのであります。かりにほかの財政上のインフレ要因がある場合といえども、低い分を直すということは、これをもつてインフレ要因を、加えるものとは申しがたかろうと思います。しかもわれわれの唱えるごとく財源を不生産的な軍事費の削除に求めるのでありますならば、生産の上昇と健全化のためにこそこのベース・アツプは作用せしめるものと信せられるのであります。改進党は、二重米価はインフレ要因を除くという見地からではありますが、二重米価でもインフレ要因は肩がわりするだけであります。そうでないとするならば消費者の負担の軽減のもとになるという理由もうそになつて、つじつまが合わないのであります。二重価格は負担軽減として本気にやられるのでありましたならば、われわれも賛成する用意がなかつたわけではないのでありますが、どうも通す気がなかつたように感ぜられて残念に存じます。社会党の同調を得れば自由党と正面対決になつてこわいので、このさら別の道をお通りになつたような感じもあつて残念に存ずる次第であります。かような点から賛成できないということを明らかにしておきます。 社会党の組みかえは、米価や給与についてはもちろん十分とは申せないのでありますが、ある程度政府案の欠陥を改め、特に財源を再軍備費の削減に求めておる点、インフレの要因を消して日本経済の自立の道を開くものであり、社会党政権のいまだ至らざる今日における組みかえ案としてはぼほ意を尽したものとして、賛成の意を明らかにして討論を経る次第であります。(拍手)
○小峯委員長代理 今澄勇君。
○今澄委員 私は日本社会党を代表して、ここに議題となつております昭和二十八年度第二次補正予算案並びに改進党組替案に反対し、両派社会党の共同組替案に賛成するものであります。 今回の補在予算組合みかえにあたつては、最小限度われわれは次の要求が満たされるものでなければならないと考えております。まず昭和二十九年度予算を十分に勘案して長期的見通しのものに今度の共同組替案を作成せるものであつて、政府のごとくその場のがれ的な補正予算のごときものであつてはならない。以上の見地から、われわれは次の四点に重点を置く必要があると思うのであります。第一は、人事院勧告、仲裁裁定の完全実施を行い、かつ年末手当一・五箇月分を支給して国家公務員、地方公務員その他の勤労大衆の生活を安定せしめるものでなければならない。政府は給与改訂はインフレの要因となることを喧伝しておるが、われわれはそうは考えておりません。政府のごとく給与改訂を国鉄その他官業関係の値上げによつて行わんとしておりますが、これは諸物価の値上げと物価高を紹来し、インフレを招くものであります。われわれは不急不要の経費を削減し、再軍備費の未使用分をこれに充当して行わんとするものであります。 第二は、災害冷害対策の不足分を計上し、農民の生活を安定せしめる必要があります。政府は前国会を救農国会と称したが、まことに貧弱なる予算を提出したまま、あとは知らないという態度をとつております。われわれは農村の生産手段である土地の復旧をはかり、一方においては羅災者を救済することによつて農業生産力を向上せしめんとするものであります。 第三には、迫り来る不況に対処し、崩壊寸前にある中小企業を救済するために、国民金融公庫に三十億、中小企業金融公庫に七十億の出資をする必要があると考えます。 第四には、米価の値上げに反対し、生産米価を一万二千円とし、消費米価を十キロ六百九十円にすえ置く措置をとり、政府の高物価政策に反対するとともに、画展村経済の安定をはかるものであります。両社の組替動議は、これらの観点から組みかえられたもので、まことに時宜を得ておるものと存ぜられるのであります。仲裁裁定の実施に当つては、国鉄十三億、郵政二十二億の不足分を一般会計から繰入れるものとし、その他専売つ、電通の二公社、印刷、アルコール、造幣、林野の四現業については、企業内でまかない得るよう特別会計予算を組みかえるものであります。 以上の理由により、私はわが国経済のインフレ要素を徹り底的に検討することもしないで、単に給与の措置で表面を糊塗せんとする改進党の組替動議に反対し、われわれ両社組替動議に賛意を表するものであります。 次に、われわれが政府提出予算案に反対する理由を申し述べます。反対の根本的理由は、この予算は、日本の政治的独立と経済的自立とを危殆に陥らしめんとしているからであり、また政府の政治的、経済的政策の破綻が集中的にこの予算に現われているからであります。すなわち政府提出予算案は、日本の外交をアメリカのみに依存して、アメリカのための傭兵、再軍備に道を開かんとする性格を持つておるのであります。しかもその再軍備負担の大部分を勤労階層のみに転嫁し、インフレーシヨンの上進によつて、この大衆の犠牲の実相をごまかさんとしておるからであります。 第一に、この予算編成の背景をなした政治情勢を見るならば、政治的独立に対する強き気魄を少しも見ることができないのであります。ことことはMSA交渉を中心とした政策の破綻が最もよく証基いたしております。政府は、MSA交渉のための池田特使派遣にあたつて、まず吉田・重光会談を行いましたが、その目的は、防衛政策について保守党の意見が一致したように装つて、MSA交渉の国内的基盤を強化せんとすることにあつたのであります。分自党の引き抜きもかかる方策によるものでありますが、結果においては古田・重光会談の約束も、吉田・鳩山会談の約束もことごとくこれうやむやとなり、単に術策を弄したにすぎないものと相なつております。またさきに東南アジアを訪問いたしました岡崎外相の役割は、賠償額の予備的折衝を行うことによつて、米国の対日ガリオア、イロア援助の返済額を値切らんとすることにあつたものと思われますが、しかしながらかかる日本側の準備態勢にもかかわらず、アメリカ側の日本に明らかにしたことは、経済援助は期待できないこと、中共貿易の制限を強化せられておること、域外買付の期待薄ということ、ひもつきの小麦援助と火力借款のみであります。かえつてアメリカは三十二万五千の再軍備強化を主張したことは御承知の通りであります。アメリカのこの対日政策の根本的理由は、明年秋の中間選挙を控えて、兵士の徴集を解除し、予算の節約を行わんとすることがそのねらいでありましよう。かかる情勢である以上、日本としては経済援助をこれ以上懇請することはやめるべきであります。イギリス等の欧州諸国に見つられるように、援助よりも貿易という政策を強く推進すべきときと思われるのであります。しかるに吉田内閣は、向米一辺倒の政策を依然として続け、韓国及び国民政府の轍を踏む懸念さえ感ぜしめておるのであります。日本の政治的独立を確保するには、この際向米一辺倒政策を転換して、対英関係と中ソ並びに東南アジア諸国との外交関係の調整に、一段と意を用いるべき重大なる転機に際会しておるものであることを指摘いたさなければなりません。今度の補正予算案ば、かかる政治的、外交的意図に裏づけられておらない。政治的独立に対する気魄に欠けております。このような補正予算案には、われわれは日本の将来を考えれば考えるほど、断固反対せざるを得ないのであります。 次に指摘すべきことはこの補正予算案に経済自立政策に対する熱意が積極的に織り込まれておらない点であります。歴史的に考えるならば、吉田内閣は、第一次組閣以来インフレーションの激成によつて資本の蓄積を行つて参つております。すなわち昭和二十一年から昭和二十四年初頭までの復金インフレ、二十四年から二十五年ごろまでの超均衡財政政策による強制貯蓄と、金融へのしわ寄せによる信用膨脹政策、二十五年半ば以降今日までの日銀券の増発と銀行信用の膨脹政策がこれであります。この間に二十億ドルの米国からの経済援助と朝鮮動乱後の特需は、向米一辺倒政策の経済的基盤をなしたのであります。右のような諸政策の結果として、毎年インフレーションは上昇し、通貨の価値は下落し、インフレによる自然増収は、課税率の重課と相まつて財政規模を拡大し、財政規模の拡大はまたインフレを激成いたしておるのであります。しかし最近における米国財政政策の縮小傾向に伴う世界不況の進展、英連邦諸国の輸入抑制策は、従来の日本の非自立的経済政策、向米一辺倒政策の転換を要求しておるのであります。その証左は、第一に最近の輸出の減少、特需の減少に伴う国際収支の危機、第二に外貨保有高の減少傾向に基く論人物資減少見込みによる商品の思惑高、第三に信用インフレーシヨンによる国内物価高とこれに基く輸出力の減退等に現われておるのであります。これらの経済的矛盾と、この矛盾に表現せられる経済危機を打開するにはどうすればよいのか。対外政策としては、アメリカ一辺倒の特需と再軍備経済援助を中心とする隷属的経済政策を放棄する以外にはありません。また国内経済政策としては、信用インフレーシヨン政策を廃止する以外にない。これを実行するには、対外経済策としては、政治的外交的転換による対英つ経済関係の打開、東南アジア諸国との経済協力の進展、中ソ貿易の打開をはかるにまたなければならぬことは言を要しません。また信用インフレーションの抑制には、日本銀行の公定利率の逆ざやを即時撤廃し、民間企業の再評価と減価償却を強制して、銀行の健全化、企業の健全化に道を開くことを先決問題とわれわれは考えておるのであります。またかかる金融政策とともにインフレーションとは表裏の関係にある財政政策については、歳出政策の不健全、非経済的、非合理性の根底にある財政規模の縮小を敢行することが、私どもの強力なる要望であります。 さらに歳入政策に関しましては、ドツジ・ライン以来の大衆課税の是正を大規模に行わなければならぬのであります。もしそのような政策を行い得ないならば、政府のいうインフレ抑制は掛声のみにとどまつて、インフレーシヨンの高進が続くことは間違いないのであります。そうしてかかるインフレ過程において、アメリカの傭兵再軍備とひもつきの援助を支柱とする特需減少後の軍需工業が救済され、大衆の実質的生活水準は、大衆課税と物価騰貴によつて切下げられておるのであります。この第二次補正予算案は、かくのごとき大衆の犠牲によるインフレ推進の予算であります。そこには何らの経済的自立政策への意欲が見られません。補正予算が大衆に約束するものは、消費者米価や鉄道運賃、郵便料金の引上げに伴う生活水準の引下げ、船舶会社に対する利子補給、軍需工業会社に対する租税の減免が行われておるのにもかかわらず、軽減されない大衆課税の電圧と、実質的には税引き給与四百九十七円の引上げにすぎない裁定や、人事院勧告に対する詐欺的行為があるばかりであります。政府側が放送するように、インフレーシヨンは給与の引上げによつて助成せられるものではなくて、非生産的な防衛費の増大と、保守党の政治的資金の有力源泉と目されていると称される公共土木事業、食糧増産対策費、災害対策費の不当支出にあるのであります。防衛費の徹底的消滅と不当支出の根絶こそがインフレ抑制の最大有力手段であります。 今こそわれわれは向米一辺倒の政治経済政策を根底とするかかる補正予算に反対し、民主主義政治勢力の結集による社会主義政権の確立によつて、日本の政治的独立と経済的自立をはからんがために、この補正予算案に反対するものであります。保守合同の対象たる改進党からさえ痛烈な批判を浴びたこの補正予算は、吉田内閣の挽歌をかなでる送葬行進曲となるであろうということを確信いたしまして、反対の討論といたす次第であります。(拍手)
○小峯委員長代理 黒田寿男君。
○黒田委員 私は労働者農民党を代表いたしまして、本予算案に反対いたします。 この予算案は、その内容において、給与問題にいたしましても、米価問題にいたしましても、勤労大衆の生活抑圧の性格を持つておりますし、またこの予算案は、将来運賃、郵便料金等の値上げ、行政整理等を予想するものでありまして、国民生活と国家経済に対し重大に悪影響を与えるものでありますし、また最も根本的には、現内閣の軍備拡張の根本方針に基礎を置く予算でありますので、私どもはこの予算案に徹底的に反対をするものであります。 まず第一に、給与の問題について反対理由を申し上げてみたいと思います。吉田内閣の給与問題に対する態度は、人事院勧告の取扱い方につきましても、また仲裁裁定の取扱い方につきましても、従来もそうでありましたが、今回の補正予算案におきましても、きわめて不合理であり、かつ不当であると考えます。たとえば仲裁裁定の取扱い方、これはこの予算案と大きな関係を持つものでありますが、この取扱い方につきまして、政府は非常に大きな間違いを犯しておると私は考えます。公共企業体等労働関係法それ自体が、憲法で保障された労働者の基本的人権を不当に剥奪した悪法でありますが、その上に、この法律は、その内容においてきわめて意義のあいまいな条文を持つており、従つて曲解せられ、悪用せられやすい欠陥を数多く含んでおるのであります。そしてその中でも、第十六条は最も悪用せられやすい条文であり、そして政府は、今回の仲裁裁定の取扱い方につきましても、これを悪用しておるものであります。この点が、われわれがこの予算案に反対する理由の一つであります。 そこでこの点を少しく詳細に説明してみたいと思います。政府は、三公社五現業の仲裁裁定を、いずれも公共企業体等の予算上不可能な資金の支出を内容とする裁定として取扱い、国会の議決を求めておるのであります。しかしながら公共企業体等に関し、ある仲裁裁定がなされて、それについて国会の議決を求めなければならないのは、この法律で明記されておりますように、この仲裁裁定が公共企業体等の予算上または資金上不可能な資金の支出を内容とする場合においてであります。今回政府は、三公社五現業の仲裁裁定について、予算上資金の支出が不可能であるとしまして、裁定を国会に付議したのであります。元来、公共企業体等の給与額は、予算総額のわくの中に縛られておるのでありますから、社会の経済事情が当初予算決定当時と同様であるといたしますれば、給与額のみをその当時のわくを破るような額においてべース・アツプすることは、それは予算上不可能な支出をなすものと解釈することができると思います。しかしながら、経済事情がかわつて来たために、その理由で賃金がベース・アツプせられましたような場合は――今回の仲裁裁定によるベース・アツプは、人事院勧告のベース・アツプの理由と同様に、この場合に当るのでありますが――この場合は、事情変更以前に定めた予算のわくに照し合せたのみで、すなわち当初予算のわくに照し合せたのみで、そのわくをはみ出すからというだけの理由で、すなわち既定予算をはみ出るからというだけの理由で、これを予算上支出不可能の理由にすることはできないと私は思います。このような理由づけは非常に間違つた形式的、機械的な解釈であります。これを政府はやつておるのであります。国家の財政の現在の事情に照し合せてみて、しかるのちに可能か不可能かを決定しなければならないのであります。そうでなくて、当初予算のわくに簡単に照し合せたのみで、ただそれだけの照し合せの上で出された不可能という結論は、私は不可能という結論にはならないと思う、それは不可能ということの理由づけとしてははなはだ不備なものであり、ずさんなものであると考えます。このような結論がもしも許されるならば、当初予算決定後のベースの変更は、最初から不可能にきまつてしまつておるということになるのであります。当初予算の決定後に、その当時よりも変化した事情に応じて補正予算を組むというような制度はその存在の必要がないことになるのであります。政府の仲裁裁定の国会への付議という問題について、まず私は政府の行いましたこのような大きな取扱い上の欠陥を指摘したいと思います。これが私の反対の第一の理由であります。 第二に、私は、政府は仲裁裁定の国会への付議について、理由を付していないという誤りを犯しておると思います。公共企業体等労働関係法では、仲裁裁定について国会の議決を求めるには、理由を付することが必要とされております。しかるに政府は、仲裁裁定を国会に付するについて、仲裁裁定書を付しておるだけであります。かつただいま申し上げましたような理由にならぬ理由によつて、これを提出しておるのでありますから、これは理由を付して提出したということにはならないと私は思う。国会へのかような付議の仕方は、適法な付議の仕方ではありません。国会はこれを受理すべきものではなかつたと思うのであります。こういう欠陥があることを、私は反対の第二の理由としたいと思う。 第三には、仲裁裁定の国会付議について、公共企業体等労働関係法の精神から見て、政府の付議の仕方にまた別個の他の誤りがあろうと思います。仲裁裁定があつたときに、公企労法第十六条に基いて政府がその裁定を付議し、国会の承認を求めるというのは、裁定そのものを裁定の内容のごとくに承認を求めるという積極的なものでなければ、公企労法の精神に合つたものと言えないと私は思う。従つて裁定の内容に沿うた追加予算案をあわせて提出しなければならぬものと考えます。国会には予算審議の権利があるのでありますから、国会がこれを承認するといなとは、国会の権限でありますと同時に、第十六条において承認を求めるのは、予算案についてでありまして、それ以外の何ものでもないと私は考えます。すなわち予算案の同時提出がなければ、承認しようにも、審議のしようがない、審議の対象がない、そういうことになると私は思う。裁定書だけを提出するのは無意味であります。国会の任務は、仲裁委員会の決定を再審議するにあるのではありません。追加された予算案を承認すべきかいなかを決定するにあるのであります。 〔小峯委員長代理退席、委員長着席〕 これが公企労法の正しい解釈であると私は思う。追加予算案を同時に提出しなかつたことは、公企労法に関する政府の考え方と取扱い方の非常に大きな間違いであると思います。私はこの間違いを政府が犯したということを、反対理由の第三としてあげたいと思う。 次に、今回の三公社、五現業の仲裁裁定の効力について、政府の考え方と取扱い方に非常に大きな間違いがあると私は思う。公企労法には「予算上又は資金上、不可能な資金の支出を内容とする」裁定は、政府を拘束しないと明記してあります。単に予算上としてだけでなく、賃金上ともしてあるところに、私は深い意味が含蓄されておると思う。なるほど一予算上又は資金上」 となつておりまして、「予算上及び資金上」とはなつておりませんから、資金上の考慮を離れて、単に予算上だけでも支出不可能であれば、国会の付議する場合に該当するという解釈ができるという考え方もあり、政府はこの考え方の上に立つておるのであろうと私は思う。しかしながら、それではこの法律に単に予算上ということだけでなく、「又は資金上」からともしてあることの意味がなくなつてしまうと私は思う。単に予算上としてあるだけでなく、「又は資金上」ともしてあるのでありますから、予算上から見るだけでなくて、資金の面からもこれを見て、たとい予算上は不可能な資金の支出を内容とする仲裁裁定であると解釈することができましても――もつとも私は、前に述べましたような理由で、今回の裁定をそのように解釈することが間違いであると思いますけれども、かりに予算上不可能という見方ができるといたしましても、他面資金上は支出が可能である場合には、仲裁裁定の内容の実行が資金上完全に可能であるところの裁定といたしまして、これは国会の議決をまつまでもなく、仲裁裁定の内容通り債権、債務の関係が当事者間に確定的に発生し、政府は仲裁委員会の決定によつて裁定の内容の如くにただちに拘束されると解釈すべきものと私は考えます。これが公企労法の正しい解釈であると私は思う。 しからば資金上可能なりやいなやという判定は、だれが行うのであるか。これは言うまでもなく仲裁委員会であります。仲裁委員会が公平な立場に立つて判定した以上、当事者が、ことに賃金債権関係の債務者の立場にある者が、この判定をみだりに自己の主観をもつてして、あるいは政策上の考慮などから、否認したりなどすることは許されないと私は思います。仲裁委員会は公平であり、冷静であります。もし資金上から見て不可能な場合には、そのときはまたそのことを明瞭に裁定書の中に表わすのであります。そのときには労務者の側でも、その判断を否認して、資金上支出が可能であると主張することは許されないと私は思う。要するに両当事者とも、資金上支出可能なりやいなやの判断については、当事者の主観的な判断は許されず、仲裁委員会の判定に従わなければならぬものと私は考えます。しこうして今回の三公社、五現業の仲裁裁定の場合におきましてはどうでありましたか。仲裁委員会は、仲裁裁定の理由の中で次のように判定をしておるのであります。すなわち専売公社については、本裁定実施に必要な経費は六ないし七億円程度であつて、企業的に見てその支払い能力には全然問題はないと認められる、こう誉つております。日本電信電話公社については、本裁定実施のために必要とされる経費はおおむね三十四、五億円程度と推算されるが、真に労使の協力があるならば、この程度の賃金引上げは可能と予想される、こう判定しておるのであります。林野庁については、本裁定実施に必要な資金は数億円程度で足りるであろう。本裁定程度の額は、企業的に見ればほとんど問題のないものと認められる。こう言つておる。印刷局につきましても――私は時間の関係上省略いたしますが、また造幣局につきましても、アルコール専売につきましても、同様に資金の支出が可能である、こういうように認めておるのであります。そうしてただ国鉄と郵政省の場合についてのみ、この可能性を明瞭には認めていないのであります。かような次第でありますから、国鉄、郵政省を除いた他の公社及び現業については、政府は仲裁裁定の内容通りの賃金債務を負担し、八月分より実施しなければならぬものと私は考える。これが私は公企労法の正しい解釈であると思います。そうして国鉄及び郵政省の職員の給与については、公企労法の精神に従い、仲裁裁定の内容に従つた追加予算案を政府は提出すべきものであると考えます。 以上の理由のほか、これら三公社、五現業の仲裁裁定の完全実施の正当性に関する経済的理由につきましては、両派社会党の委員諸君の説明に私は同感であります。これを私の主張する経済的理由の説明として援用いたしまして、時間の関係上、これは重複を避けて説明を省略いたします。 以上の理由によりまして、仲裁裁定の不完全履行を内容とする本補正予算案には反対をするのであります。 人事院勧告のベース・アツプについても、八月からの実施の正当性を確認し、この勧告を完全に容れようとしていないところのこの予算案には、私は反対であります。 次に、簡単に消費米価について申し上げてみたいと思う。この価格の値上げには、それが一面インフレの原因の百面を持つておりますし、他面、消費者の生活を圧迫する面をも持つておるという理由で私は反対いたします。しかしてこの理由につきましては、他の委員諸君によつて詳細に述べられましたから、私は省略したいと思います。しかし、ただ一点だけ、政府の従来の説明の欺瞞性を指摘しておきたいと思う。大蔵大臣は、今回の消費者米価の値上げの家計へのはね返りは、〇・八七%にすぎぬと申しておられますが、それは平均してのことでありまして、最近政府の他の筋から説明せられたところによりますと、一万六千円ないし一万九千九百円程度の家計では、一・五三%という率に上るのであります。それに反して、四万四千円ないし五万五千九百円の程度の家計では、この負担率は〇・五%にすぎぬというのでありまして、低額所得の勤労大衆と高額所得者との間には、このような不公平が今回の消費米価の値上げについて現われるのであります。吉田内閣のこのような階層別の差異の拡大化の政策は、生産者米価についても私は現われておると思う。最近経済審議庁の調査の指摘するところによりますると、農家の収入について、地域別、階層別にいかに不均衡が生れつつあるかということが明らかにせられております。政府の米価政策は、何らの確固たる農業政策の体系なく、たた米集めの小手先細工でありますが、しかしただこれを非難しただけでは済まされないほど、現実は深刻であります。政府の複雑な生産者米価は、生産者に対し、階層別に深刻な分解作用を及ぼしつつあるのであります。政府の生産者米価政策の結果、零細貧農は救いがたい窮乏の中に陥れられつつあるのであります。要するに政府の米価政策は、生産者米価におきましても、消費者米価におきましても、国民の階層別分解の拡大政策であります。私は、今回の消費者米価の値上げにも、この政府の政策の性格が現われておると思います。そこで私は、このような米価政策に賛成することができません。あくまで生産者米価一万二千円、消費者米価すえ置きの線を私は支持したいと思います。 最後に一言だけ申し上げたいと思います。わが国の経済状態の現状はどうでありますか。国際収支の面のみを見ましても、九月末の国際収支は一億四千万ドルの逆超でありまして、明年三月には、赤字はさらに二億ドルに拡大することが予想されているのであります。これが吉田内閣の政策の現実の帰結の一つであります。この破綻をかたわらに控えながら、政府は真剣な反省をしようとしないで、かえつてMSA軍事援助を受入れ、軍備を拡張しようとしております。それは軍備の増加と軍需産業、及びその基礎産業への財政投資の増加となり、その反面に、国民生活に対する収奪の一層の強化となるのであります。予算におきまして、軍事費と巨大資本に対する財政投資以外の歳出を削減するという方針が現われて来ている。行政整理を行い、中小企業に対する金融を引緊めようというような政策も、このような政府の根本政策に基くものであります。今回の補正予算案によつて給与を出し渋り、消費者米価、鉄通運賃、郵便料金、さらに電気料金等の一斉の個上げを試みようとしておりますのも、この政策の現われであると私どもは考えます。戦争は遠のいているのであります。世界の平和は、力による政策によつてではなくて、平和政策によつてのみ維持できる。平和勢力は、戦争勢力よりも今や圧倒的に優勢であることが、この地球上において示されつつあるのであります。これが世界の現状であります。このようなときに軍備の拡張を行うことは有害無益である。私どもは、これをやめよと主張する。冷災害対策の要求、消費者米価値上げ反対、失業反対、住宅政策、生活擁護対策、中小企業の年末金融対策等、これらの対策を真剣に、効果的に実行せよ。これが私は現在の国民勤労意思の緊功な要求であると思います。私どもは、この対策の実現のために努力するものであります。この意味におきまして、本予算案はこれと反対の内容を含んでおりますので、全面的に反対いたします。 最後に、改進党の組みかえ案に反対いたしますが、その理由は、社会党の諸君の申されたことに私は同調いたします。私の反対理由は省略いたします。 それから両社会党の共同組みかえ案にも、私どもは遺憾ながら反対をいたします。その理由は、前会の補正予算案の討論にあたつて、当時、館委員が述べたところと同様の理由が、この組みかえ案の中にも依然として受継がれているということであります。すなわち軍備費の削減において徹底を欠いております。私は町軍備反対を主張する政党は、このような態度であつてはならぬと思う。私どもは再軍備反対の立場から、遺憾ながらこの組みかえ案がこういう内容を包蔵しておるという理由で、賛成することができないのであります。 私は、以上をもちまして私の討論を終ります。(拍手)
○倉石委員長 中村梅吉君。
○中村(梅)委員 私は日本自由党を代表いたしまして、ごく簡潔に討論をいたしたいと思います。 今回の補正予算の中心をなしております消費者米価の問題、ベース・アツプの問題等については、いろいろ検討すべき点は多々ございます。ことに米価につきましては、政府は十キロ当り在来の六百八十円を七百六十五円に引上げようとされているのであります。これは、ややもすれば高物価、あるいはインフレ要因になるような感がいたしますので、よほど慎重に検討すべきことではあると思うのでございます。しかしながら、本年は冷害及び災害という異常災害が起きまして、これらの加算買入れ価格、あるいは早場米供出に関する経費等を考えてみますと、食管特別会計にのみ背負わせて解決することは実際上不可能の段階にあると思われるのであります。そこで、ただわれわれが強調いたしたいと思いますことは、米穀政策については、現在のあり方を見てみますと、これを抜本的に検討する必要があると思われるのであります。米の買入れの方法、あるいはその価格を形成いたしております内容等を検討してみますと、だんだん積み重ねられまして、まことに雑然たる状態であります。ことに一般農業政策と米価政策というものが混乱をいたしているかに思われるのでありまして、この点は深く掘り下げて、根本的な改善を要すると思うのでございます。かような見地に立ちまして、米価の点につきましては、私ども本案に賛成するのやむない結論は考えられますが、一つの条件を付したいと思うのでございます。 その条件を申し上げますと、食糧政策に関しては、現在一般農業政策と米価政策とが混同して、食糧政策全体が行き詰まりを来している現状にかんがみ、政府は、この際食糧政策に関して根本的再検討を加え、わが国の現状に照して適切なる根本的対策を樹立すべきである。こういう条件を付して、政府のこれに対する適切なる言明を得ることを条件に賛成をいたしたいと思うのでございます。 さらに賃金、ベースの問題でありますが、今回の人事院勧告、あるいは仲裁裁定に関するベース・アツプの問題は、内容を考えてみますと、今回の消費者米価の問題等は別にいたしまして、すでに今まで生じている既成事実、今まで生じている既成の物価指数等を算定の基準にいたしましてでき上つている人事院勧告であり、仲裁裁定でございますので、今回のごときベース・アツプをいたしますことは、これまたややもすれば国家財政全般に、あるいは地方財政に、あるいはインフレの要因についていろいろな角度から慎重に検討すべき必要が認められるのでございますが、この人事院勧告並びに仲裁裁定そのものが既成の物価指数というものを算定の基準として、それを前提としてでき上つているものである。こういう点にかんがみまして、財政的処置については特段の努力を政府が払われまして、これを実施することが妥当であると考えられるのであります。かような見地に立ちまして、私どもは、政府としてこの際来年度予算の編成にあたりましても、行財政の整理の徹底を期する。あるいは国鉄、専売公社、電電公社等の経営の合理化を徹底いたしまして、これらのベース・アツプの十分まかない得るような措置を講ぜられることを要望してやまないのでございます。 また一つには、人事院の現在の制度がこのままの状態でありますと、政府の考え方と調和を欠くきらいが多分にございます。かような点にかんがみまして、ことに占領治下に設けられましたこの人事院の制度というものをこのままの状態で置くことが是か非か、この点については多大の疑義きなを得ないのでございまして、むしろ私どもは、この際人事院制度というものについて根本的な改善を加える必要を認めるのでございます。 かような点にかんがみまして、この点については大体二つの条件を付したいと私は思うのでございます。一つは、従来人事院の権限と政府との間に調和を欠くきらいが多い。よつて政府は、すみやかに人事院制度について適当な改善を施すべきである。他の一つは、行政整理の徹底をはかつて、ベース・アツプに伴う財政措置に備え、万全の方途を講ずべきである。この二つの条件を付しまして、本案に条件付賛成の意を表する次第でございます。 なお改進党並びに社会党両派の組みかえ案につきましては、なるほど承つておりますと、敬意を表すべき点は多多ございますが、以上申し上げましたような理由によりまして、私どもは政府原案に条件付賛成をいたし、両派社会党並びに改進党の組みかえ案に反対の意を表するものであります。(拍手)
○倉石委員長 これにて討論は終局いたしました。この際政府より発言を求められております。これを許します。緒方国務大臣。
○緒方国務大臣 この際補正予算各案の審議の経過にかんがみまして、政府の所見を申し述べたいと存じます。 行政機構の改革につきましては、現内閣成立の当初からこれを計画して、行政事務の整理、行政機構の簡素化、事務処理の能率化等によりまして、鋭意整理可能の人員の検討を加えて参つたのでありますが、過般閣議におきまして、とりあえず昭和三十九年度の予算において一割以上の人員整理を行うことを決定した次第であります。要するに行政機構を国力と国情にふさわしいものとしたいことが政府の意図でありまするので、今後ともでき得る限り短期の年次計画をもつて、大幅な合理的整理を断行する所存であります。 人事院は、占領下特殊の事情によつて設立されたものでありますから、その有する権限について、政府との間に調和を欠くきらいがありましたので、占領政策是正の一環といたしまして、政府において鋭意検討中であります。その構想といたしましては、一応次のようなものを考えております。すなわち総理府の外局として行政委員会たる人事委員会を設け、これに給与その他人事行政の改善に関する意見、試験、公平事件等の制定等に当らしめるとともに、総理府の内局として人事局を設け、広く一般職、特別職の職員を通じ、人事行政の調整に当らしめてはどうかというのであります。 次に、食糧政策に関しましては、この際根本的対策を立てる必要があります。従来農業政策と米価政策の混同が見られたきらいがあります。政府におきましては、明年度より食管制度の検討を中心といたしまして、食糧政策の確立をいたしたい所存であります。以上御了承をお願いいたします。
○倉石委員長 これより採決に入ります。 まず社会党両派共同提案として、八百板正君外十四名より提出されました補正予算各案に対する編成替を求めるの動議を採決いたします。 右動議に賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○倉石委員長 起立少数。よつて、八百板正君外十四名より提出の補正予算各案に対する編成替を求めるの動議は否決されました。 次に、改進党提案として、川崎秀二君外七名より提出されました補正予算各案に対する編成替を求めるの動議を採決いたします。 右動議に賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○倉石委員長 起立少数であります。よつて川崎秀二君外七名より提出の補正予算各案に対する編成替を求めるの動議は否決されました。 次に、政府原案の補正予算各案を採決いたします。 右各案は賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○倉石委員長 起立多数であります。よつて補正予算各案は、いずれも原案の通り可決いたしました。(拍手) 委員会の報告書の作成につきましては、前例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○倉石委員長 御異議がなければさよう決定いたします。 この際一言ごあいさつ申し上げます。本補正予算案の審議を開始いたしまして以来、各位の御協力によりまして本日ここに議事を無事終了いたしましたことに対し、委員長といたしまして、厚く御礼を申し上げる次第であります。(拍手) 本日はこれにて散会いたします。 午後八時四十七分散会