郵政委員会 第2号
- 発言数
- 81 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1953/12/03
会議録
○田中委員長 これより郵政委員会を開会いたします。 郵政従業員の待遇問題等に関する件及び郵政行政に関する件について調査を進めたいと思います。大臣は各委員会から要求されておりますので、質疑は郵政大臣に集中的にお願いいたしたいと思います。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 大臣に二、三点お尋ねしてみたいの、であります。二十八年度補正予算第二号の説明によりますと、第十一ページにおきまして、郵政事業特別会計といたしまして、仲裁裁定の一月からの実施、期末手当の増額等々の支出が書かれ、あるいは収入面のそれぞれが記載されまして、最後に、料金の改訂によらずして収支の均衡をはかつたわけである、こういうような御説明になつております。一方近く郵便料金のある種のものが値上げになるということが、大臣の談話等によりまして発表されておるのでありますが、郵便料金の値上げ問題につきまして、政府の御方計をひとつ明らかにしていただきたい。
○塚田国務大臣 二十八年度は予算の説明にもございますように、値上げによらないで一応まかなうことができた、またまかなえる範囲で措置をしたということになつておるのでありますが、ただ二十八年度の今度の補正において措置したその基礎に立つて来年度の見通しをいろいろ立ててみると、どうも来年度は少し歳入に下足を生ずるのではないか。その額は今概算されておりますところでは十億程度ということになつておるので、これはまだいろいろ検討してみなければ、もちろん見通しのことであり、わからないのでありますが、かりに十億程度の不足が生じたということになる場合には、何がしかの料金の値上げをしなければならぬのではないか、こういう一応の見通しを持つておるわけであります。しかし料金の値上げは大衆の生活に大きな影響も及ぼしますので、なるべくならば実は避けたい。従つて二十九年度においても、できるなら収入の増加また支出の節約ということでまかないたいということで考えておるのでありまして、従つてかりに料金の引上げというようなことが考えられるにしても、最小限度の額において、また最小限度の種類においてと、こういうふうに考えておるわけであります。そこで今かりに十億程度ということを頭に置いて考えるとすると、どういうようなものが考えられるだろうかということは、いろいろこれは検討の途中にあるのでありますが、まだ検討の途中にあります考え方を、きわめて未成熟なまま申し上げるわけでありますから、そのように御了解を願いたいと思うのであります。 今実は郵政事業で扱つておりますいろいろな郵便物の原価と、それからそれに対して収入がどれくらいについておるかということを見てみますと、あるものは若干のゆとりを生じておる、しかしまたあるものはかなり大きな赤字を生じておるかつこうになつておるわけであります。特に量もかなり大きいものといたしましては、第三種郵使物がかなり赤字になつておるわけでありをます。一応私どもの方で計算いたしましたところでは、原価が七円二十八銭くらいかかるのに、平均して一円三銭くらいの料金収入になつておる。従つて一件について六円二十五銭程度の赤字になつておる。今御承知のように新聞社などが出します新聞などは、一円で運んでおるわけでありますが、今の物価価値から考えまして、一円という金の持つ値打ちというものはきわめてわずかなものでありますので、これは相当程度赤字を生じておるというような事情もあるので、引上げることができるのではないか、このようなことを考えておるわけであります。そのほか赤字を生じておるものはたくさんあります。ことに盲人用の点字などでございますと、一件当り収入一円九銭になつておりますために、実際は三十九円七十一銭もかかつておる。差引三十八円六十二銭の一件当りの赤字を生じておる。こういうようなものもありますけれども、こういうものは数量も多くありませんし、また特殊の社会政策的な意味もありますので、こういうようなものはあまり手をつけられないのではないかという感じを持つております。そこで第三種の一円をかりに二円ぐらいにすると、大体五億ぐらいの収入増が得られるのではないかという数字が出て来るわけであります。そうしますと十億に対するあとの不足分をどこでまかなうかという問題でありますが、次に考えられるものは書留でありますとか、速達でありまますとか、こういう特殊郵便物の料金を若干、あるいは二割か三割程度上げたならば、大体あとの不足の五億程度はまかなえるんじやないかということを、漠然と今考えておるわけであります。今後の二十九年度予算の編成にあたりまして、なお正確な推定を立てまして、もし必要であるとすれば収支ともにぎりにぎりのところで、最小限度の値上げの結論を出したい、こういうふうに考えておるわけであります。
○吉田(賢)委員 私は今の御所見に対して、こういう疑問を持つのであります。前国会の際、公労法適用者のでこぼこ修正につきまして、財源問題が果然委員会において問題になりました。いろいろと検討してみると、結局要するに増収をはかり、その他の努力をし等々にすれば、郵政事業会計内においてまかない得るという結論に大体なつております。三十数億円がそれによつて一応けりがついた。そこでこのたびの仲裁裁定の実施に関連をいたしますがこれも予算上不可能である、こういう前提に立つて、おそらくはそれは形式的な、予算総則の八条のそれのみならず、実質的にも資金関係において不足するというようなお考えでありたろうと思うのですが、それも政府は拘束を受けないといつてはねなさる立場に立つておられる。ところが数箇月にし今度は、いろいろとせんさくして行けば、二十八年度内であれば三十六億円の収入増になつて見込みありということにまたなつて来た。そういたしますと、合計いたしますと、この夏以来郵政事業みずからの内部の事業収益等々によりまして、六、七十億円か増収が見込まれて来たというふうにも考えられるのであります。そうなりますと、十億円の補填を、料金値上げによつてしようというような考え方を今発表なさつたことは、非常な軽率じやないだろうか。十億円ならば今の三十六億円の三分の一に足らぬのでありますから、さらに十分に検討してみれば、みずからの事業収入の増加をはかるべき方法もあるいはないでもないかもしれない、こういうことになります。御承知の通りに郵便料金の値上げは、たとい第三種であろうと、あるいは書留、速達であろうと、ただちに全国民が利用するものの料金の値上げになりますので、これが生活費増加への響きはかなり大きい。従つてインフレの一役を買う。心理的な影響もまた相当あると思いますから、これはやはり上げないという建前に立つて、さらに最善の努力をしてみる。ぎりぎり来年の三月に至つた場合にどうするかということは、この場合にきめてもよいのじやないかというくらいまでわれわれ考えるわけであります。その点は考え方といたしましては、相当考慮してもらわねばならぬのじやないだろうかと思うのですが、大臣はどう考えられましようか。
○塚田国務大臣 その点は吉田委員のお考えになつておる考え方とまつたく同じなのでありまして、なるべく避けたいと考えておるわけであります。従つてこのぎりぎり十億円の数字は、今年の補正予算においていろいろな増収を生じた点も考え、従つてそういうものから推定して考えられる来年の収入の伸びを考えた結果、一応そういう数字になつておるわけであります。来年の三月ころまでもう少し検討してみたらどうかというお考えもけつこうでありますが、来年の四月一日からの予算は、国家的には今考える時期になつておりますので、どうしても今考えてみるという事情になつておる。それで、そういう場合はこういう措置もせざるを得ないということを検討しておる段階であるわけであります。
○吉田(賢)委員 その点なお重ねて聞いておきますが、郵政事業をさらに能率的にやるように、各方面の改善等々なさねばならぬ事業が、われわれの見たところによりましても山積みしておるのであります。従つて一々値上げに依存するようなことは、事原則論に立ち至るともう一遍再考しなければならぬのじやないか。すぐまた値上げする。また値上げするというようなことでなしに、もつと技木的に郵政の特別会計の根本原則が考えらるべき時期ではないかと思うのであります。十億円のみたらず、数十値円あるいは数百億円という問題もあるかもしれませんので、一々料金値上げということで、ちよつぴりちよつぴりと出して行く行き方のように感じますから、これはぜひ根本的に、原則論として御一考願わなければならぬ点だと思います。これは一応私の意見として申し上げておくにとどめます。 次に公労法の運用の問題について伺つてみたいのであります。今具体的に非常に切迫して、現に紛糾のまつ最中でありまするが、この仲裁完全実施という問題をめぐりまして、各公共企業体それぞれの内容、立場等もあり、また立場のいかんにかかわらず、統一的に同一に扱うべきだという意見もあり等、いろいろすると思います。またあなたとしては吉田内閣の国務大臣、郵政大臣として、みな同一の考え方で国会に臨まねばならぬということもあろうと思うけれども、一体公労法の運用の面から見まして、仲裁を完全に実施するということは、ともかく当事者としての政府の当然の義務でははいか、これが必ず拘束を受けるとか、受けぬとかいうことは一応のけておきまして、ともかく当事者なんですから、すなわち権力があつて下の方に命令するとかいう服従の関係じやないのです。争議行為をしてはいかぬ。そこでとどのつまり紛争が裁定に持つて行かれて、対等の立場にあるのです。だからこの場合におきまして仲裁裁定に対しては当事者としまして当然これに服従すべきことが、この法律を制定した根本の精神にもなり、また運用すべき政府の立場としても根本の立場でなければならぬと思うのですが、その点いかがですか。
○塚田国務大臣 私もこの仲裁というものを通俗的に、常識的に考える場合には、まさにその通りだと思うのであります。ことにこれが民間人同士の争いについて仲裁が入り、仲裁の判断が下つた場合には、もう百パーセントそうあるべきだと思うのでありますが、ただ今問題になつております場合の仲裁は、これを実行いたします場合に、結局予算措置というものを必要とする。これがいろいろな形において国民の上に負担をかけるということでありますので、この常識的に考えて政府が百パーセント拘束されなければならないという行き方は無理であろういうことで、資金上予算上の面から実行不可能な場合には政府を拘束しないという三十五条、十六条の相関関係が出て、そしてああいう前提、了解のもとに政府を縛るのだ、こういう形に公企労法の規定が適用されるというふうに了解し、また政府もそのように解釈しておりますので、今の公共企業体の職員や、それからして五現業の公企労法適用の職員の場合の仲裁というものの意味が、通俗に考えられる仲裁と少し別な考え方をしておるというように私は思つておるわけであります。そのこと自体のよしあしということは、これはまた私どもとして別に考えれば考える面もあると意うのです。ということは、あの規定そのものをもう少し別な形に表現するくふうも、あるいはあるかとも思うのであります。現在国会の議決を経て、法律としてああいうものが出ております場合においては、政府としてとる態度及び考え方というものは、今まで政府が逐次御説明申し上げておるように、また私が今若干十分ではありませんが、御説明を申し上げること以外に方法はないのではないかというきうに考えております。
○吉田(賢)委員 いろいろとお述べくださつたのですけれども、何かしら説明に落ちておると思います。私は技葉末節的な面についてお尋ねするのではなしに、たとえば仲裁という意味は、通俗的であろうと法律的であろうとにかかわらず、一応高度な法律解釈上の見解は常識化しておると思うのであります。そこでそういう前提に立ちましていまさら通俗の仲裁がどうの、法律的仲裁がどうの、そういうことの区別をしておる段階ではないと思うのです。つまり私の聞かんとするところは、通常の民間の甲と乙との個人の争いの訴訟、裁判所などにいう仲裁とか、そういうものではないかもしれませんけれども、ともかくこの仲裁は最終の処置といたしまして、両当事者に対しまして実質的には、本質的には、もしくは原則的には上位すべきものだろうと思うのです。なぜならばたとえば仲裁裁定書を読んでみましても、問題につきまして疑義があつたときは、仲裁委員会の所見というものが最高の権威のようになつております、そういう見解が普通に行われておるようであります。そこでそういう観点から考えてみましても、一応政府は義務づけられる。義務づけられるということは、これに従う、それを容認するということが義務づけらるべきものではないか。もしこの法律が不完全であるから改正するということは、また別個の問題になります。また義務づけられはするけれども、現実的には資金上予算上困難だからというのはまた別であります。しかし本目的に実質的にないしは原則的には、やはり仲裁というものは紛議があつた場合の、法律できめた最終の機関の行為であります。この機関のを行為を尊重するという意味におきましても、一方の当事者である政府はこれに従うこと、容認することを義務づけられる、こういうように考えるのですが、それに対する所見をお聞きいたしたいと思います。
○塚田国務大臣 ですから問題をそういうぐあいに一段、二段というように分解されてお考えになつておるならば、その面においてはまさに義務づけられておると思う。しかし事柄の性質が一方政府の持つておる予算編成権、また国会のお持ちになつておられる予算審議権に関係をする問題であるから、そこのところに制約のある範囲においては、その義務づけられておるものが実行できないでも、政府は責任を負わされないというようになつて、この公共企業体の仲裁は義務づけられるという原則がそういう条件付、制約付において法律の上に認められておる、こういうように解釈をしておるのであります。従つてそれを分解いたしまして、第一段仲裁というものは当事者を義務づけるものではないかという意味におきましては、私どもも義務づけるものであるというように了解しております。
○吉田(賢)委員 一段として義務づけられておる。それが根底になつて来る。そこで顧みて現実に予算上資金上一体どうなるだろうか、実行可能か不可能かという問題になるだろうと思うのです。そこで十六条一項の拘束するとかしないとかいう問題が起つて来ると思うのですが、そこへ段階が進んで行つたときに大臣は、この提案の御説明によりましても予算上不可能と認めております、こういうことになつております。予算上不可能ということで、資金上不可能とはなつていない。ところが法律の字句は明らかに予算上質金上不可能なときは拘束しない、こうなつておるのですが、従つてそこは資金にはもつと広い分野が広げられてあるのではないか。つまり予算総則の八条によつて、予算上ということは一応縛つてあるようでありますが、資金上という面はもつと広がつておるのじやないだろうか、こういうふうに考えるのですが、これはどう考えておられましようか。やはり法律の運用及び今の基本的には義務づけられておる、次の段階として拘束を受くべき条件があるかないか、この条件の有無を検討する上に重要な、ほとんど唯一の条件が、予算上資金上にかかつておるのですから、そこで資金上とは何ぞや、こういうことになつて来ますので、これに対する御所見を聞いておきたい。
○塚田国務大臣 その十六条の予算上資金不可能であるということ、従つてまた十六条に基いて国会に議決をお願いしておるあの考え方は、実は私もしばしば他の区委員会においても申し上げておるのですが、常識的に考えると、その面だけを抽出して考えておる場合には、何だか少し変なふうに思うのでありまして、予算上不可能であつても、資金的にゆとりがあれば予算を組んで出したらいいのじやないか、こういうように通俗的に考えるのが常識上のものの判断だと思うのであります。私もあまりこの方面の問題を専門に研究いたしておらなかつたものですから、実は当初そのように解釈いたしておつた。ところがその後労働省あたりの考え方、それから過去の政府の考え方をずつと聞いてみますと、そうではなくて、十六条の予算上資金上不可能ということは、実は予算上可能か不可能かというところに重点があるのであつて、資金上可能、不可能は、十六条の資金上ということは、実質的にはあれは死文だ、死文句だ。というのは、予算にゆとりがなければ、資金的に給与にまわし得る部分というものはないはずなんだから、予算上は不可能なことも、資金上可能だということはあり得ないのだ。予算上可能な場合には、資金上必ず可能でなければならぬのであつて、資金上可能であつて予算上不可能ということもあり得ないのだ、こういう解釈なんだそうでありまして、この点は私も若干常識的なものの判断としては疑問が残つておりますが、政府の解釈はそのように統一され、そのように措置されておるのであります。
○吉田(賢)委員 それは大臣、たいへんな発言だろうと思うのであります。労働省の見解のいかんにかかわらず、一省を統理しておられる大臣は、この問題につきましては、郵政特別会計の解釈等につきましては、やはり国務大臣として、一応最高の解釈の権限を打つておらるべきものと思うのです。ところが十六条の資金上を死文にしてのけてしまうということは、たいへんなことです。そうなれば一体だれがそれを解するのか。当時者の一方の職員及び組合等はそうにあらずということになれば、一体そういう疑問はどうするかという問題も次々と発生して行きます。ともかく今の資金上の問題が、もし予算上ということに縛つてしまつて、資金上というものはあり得ないのだ、一体そういうようなことをことさらに言わねばならぬ理由はないはずです。なぜならば、われわれが常識で考えても、またその道にあなたはたいへんお詳しい方でありますが、常識から考えましても、郵政特別会計の資金なるものは、即予算ではないはずです。資金はあるけれども予算は編成しておる、予算は組んだが資金はさらにオーバーしてある、あるいは予算は組んだが資金はなかつたというように、資金も流動性がありますし、いろいろあるわけでありますので、そういつたいろいろな事態もありますので、そのような各種の場面に相応せしむるために、政府として第二項の理由を付して国会の承知を経る。また第一条の後段によりますれば、やはりこれに対しましては、いろいろ適切な措置を講じて行かなければならぬお立場にあるわけです。こういうような各般の観点からいたしまして、仲裁があつた場合に、その資金面からいろいろな手を打ち得る場合には、立法措置なり、あるいは予算措置なり、あるいはその他の措置をそれぞれと講ずる手が政府にはある。それこそ予算編成権があり、また立法についての提案権があるのですから、国会に求める道は広く広げられておるはずです。事由を付して国会の承認を得るということは、何も否定的場合のみではありません。肯定を前提といたしまして、仲裁を遵奉してその実現をはかるという正手段において国会にこれを求めるということも開かれてあるのであります。そういう観点からしますると、資金上というものを抹殺し、削除してしまうというような見解に陥つたら、これはやはりこの仲裁裁定の規定を政府みずからが蹂躙することになる。政府みずからが一方的、独断的に解釈して、そういうものが法律に書いてあるけれども、そいつは今日は全然生きておらぬのだというような考え方にしましたならば、そうでなくても政府は特に法律の運用について、重大な責任がある立場にある。労働組合と違つて、予算編成権もあるし、国会に承認を求むるいろいろな手続の権限もあるし、立法の提案権もあるし、いろいろあるわけであります。だから私は、それは非常に無法な、いわば言語道断な解釈であり独断であつて、立法を蹂躪するものであると考えるのでありますが、いかがですか。
○塚田国務大臣 これは何も実質的にはかわつておらぬのでありまして、御指摘のように十六条の解釈は、先ほど申し上げましたようにわれわれとしては、これは誤解を起しませんように、考え方の経過としては私が疑問に思つた時代もあり、疑問に思われる面もあるわけでありますけれども、しかしその後いろいろ政府部内の者と意見の交換をいたしました結果、労働省の考え方になるほど統一すべものであるというようになつたのでありますから、これは政府部内の統一した意見として私もそのように考えておると御了解願いたいのであります。しかしそのように考えながらも、政府はなるほど法律を提案する権限もあるし、予算を編成する権限もありますので、その権限に基いて、資金上可能な範囲において予算を編成して出しておるわけでありますから、ただこの予算を編成して資金上可能な範囲で措置をしておるということは、十六条の解釈の当然の結果としていたしておるのではなくて、実質的にそうすべき事態というものを頭に置いて、現実の事態とにらみ合せた措置を政府がしておるというように、考え方のスダートが違うだけでありまして、資金上り可能な範囲においては、仲裁の考え方を尊重して措置をすべきものであるということについては、政府もその通り考え、その通り実行いたしておるのでありまして、この面におきましては、私はその問題については、当面の十六条の解釈がどうかということは、政府がすでに資金上可能な範囲において予算措置を請じて、国会の御審議を願うように提出をいたしておる今日の段階においては、そう大きな争点ではないのではないかというように自分としては考えておるわけであります。
○田中委員長 ちよつと委員長から大臣にその点について念を押したいのですが、労働省の見解を政府の統一した解釈として、郵政大臣もそれに従う、こう今言われたのですが、資金上可能であるということについては、これは裁定の中にもうたつておるわけなんです。従つて資金上可能であるという点が、十六条の一項に関連して、実はそれは予算の方が重点があるので、資金の点は実質上死文だ、こういう解釈だということになりますと、この裁定の三にありまするこの裁定の解釈につく疑義として、これは一応仲裁委員会の指示によつてきめるということになりますので、特に郵政大臣はこの裁定の郵政職員に関す部分については当事者でありますので、もしこの裁定の解釈を労働省の見解の通りにやれるということになりますと場合によればこれは仲裁委員会の指示を求めるような事態になるかもしれないのですが、その点は当事者として郵政大臣は、あくまでその解釈を具体的にこの裁定の問題について持たれるつもりですか、どうですか。
○塚田国務大臣 私は専門のことはよく承知しないのですが、ただいまの委員長の御質問に対しては、私は一応こういうように考えております。裁定そのものについての疑義は、仲裁委員会が解釈決定権を持つておるのでありますけれども、法律自体の最終の解釈権というものはやはり裁判所が持つておるのであつて、一時においては政府がそれを解釈する。それがもし誤りであるということになれば、おそらく司法の判断を求めとるいうことになるのではないか、こういうように私は考えておるわけであります。今の十六条の問題は法律そのものの解釈についての争点でありますので、必ずしも仲裁委員会の裁定に拘束されるという関係にはないのではないか、こういうように考えております。
○田中委員長 委員長はなるほど質問は十六条の一項にいわゆる予算上資金上とある場合の、資金上という点は予算上というよりも広い概念ではないか、こういう質問から出発しておるわけでありますが、これは現実にこの裁定にもそうした用語も用いられておりますし、裁定そのものの解釈なんです。その証拠には、裁定書の国会に現に議決を求められておる関係の理由書にもその点が引用せられておりますし、片一方今大臣が言われたように一月一日から実施するという予算措置も別途講じておるのである。これは大臣のお考えでは裁定に関する議決案とこの予算措置とは別個の建前だ、こういうように言われるわけでありますけれども、この点については国会の議決を求めた裁定の事由及び理由の重大な内容の変更でありますので、これは当然政府の議決案に関する部分についても、内容の変更に伴う修正の手続をとられなければならない。私はこれは国会法上の建前になつておると思うのです。昨日この点については人事部長にも伺いましたところ、内容の変更という点について手続をとるかどうかということについては、準備中であるという意味の御答弁が、これは速記録にも載つておりますので、重ねてその点をお伺いするわけなんです。
○塚田国務大臣 もし人事部長がそのように答弁をいたしましたとするならば、おそらく誤解をいたしておると思うのでありまして、政府の統一した考え方は先ほど申し上げましたように、十六条の解釈はどこまでも私どもは予算的に可能でない限りは、資金的にも可能なということは出て来ないという考え方でありますので、十六条二項によつて議決を求めておりますあの案件は、今度の予算措置をいたしましたことによつて何も理由もかわつておらない。あれはあのまんまで同じ状態にあるのだ。しかしそれとは別個に今度は実質的に経理上資金上つ再検討した結果、こういうような予算措置をとつたのだ、こういうように自分としては解釈をし、また政府の考え方もそのように統一されてあると自分は了解をしておるわけであります。
○田中委員長 ちよつと吉田委員の質問をとつて恐縮ですが、もう一点私、大臣に伺います。昨日大臣が所管事項についての説明をされました中に、二ページの終りから三ページにかけまして「明年一月一日より実施を予定いたしております郵政従事員のうち、公企労法適用者に対する仲裁裁定一万四千二百円べースの実施及び一般職員」云云とあるのでありますが、「引上げるために必要といたします経費が十七億七千百余万円、」ということが出ております。それですからこれはあくまで現に国会に継続審議になつております仲裁裁定の一月一日からの実施、こういうことの予算措置だというふうに大臣の説明が受取れるのでありますが、それは実は現に出しておる裁定とは別個な実質的な予算上の措置だということについては――やはり法律的な事実の根拠というものがなければ、予算的な措置を講ずるわけには参らないのでありまして、これは財政法上からも当然のことなんです。従つて現に出ている裁定と政府が現に国会の審議を求めて来ている予算案には、法律的な因果関係があるので、その点は大臣が言われるような別個の取扱いということは、これは財政法上からつも私は合理的ではないと思うのでありますが、その点大臣は依然としてただいまお述べになつた見解を支持せられるのかどうか、私は重大」な問題であると思いますのでお答を願いたい。
○塚田国務大臣 重ねてお答え申し上げますが、私ども十六条の予算というものは政府が提案をし、両院を通過して確定した予算であると了解をいたしておりますので、あの予算がすでに今日、そういう意味におきましては第一次補正を含めたまでの予算であつて、予算上不可能である。われわれの解釈からすれば状態は今日もちつともかわつておらない。今提案のものは、ただいま予算編成権を発動して政府の予算を編成し、国会の御審議を願つておるだけで、まだ十六条の予算というものには従つてなつておらぬのでありまして、事態はちつともかわつておらない、こういうように私は解釈いたします。
○田中委員長 大臣にもう一度伺いますが、そうすると現に国会の予算委員会において審議中の予算案に、政府関係の職員の給与改訂と一緒に実質上改定実施に伴う、あなたも説明されている予算が計上りされているのは、その歳出を必要とする法律的な根拠はどこにありますか。
○塚田国務大臣 歳出を必要とするものは法律的に必要な場合もありますし、実質的に必要な場合もありますし、今度の場合には結局予算措置ができますならば、それによつて公社の――郵政従業員の公労法適用職員の給与がそれだけ上げられる、また上げられなければならない実質的必要に基いて予算を編成いたします。これは別に法律根拠を必要とする事態とは思つていない。
○片島委員 これは少しもう議論が行き過ぎておるのであります。また非常に重要な点でありますが、私は吉田委員の質問に関連して大臣は大分勘違いをしておられるが、そうでなければ意地を張つておられるのではないかと思うのであります。もし予算総則によつて予算上したからということであるならば、仲裁裁定はいつの場合でも年度の初頭につくつた予算の総則における給与総額の中に入つておらないのなら、年度の中途に仲裁裁定が下るということになれば、いかなる場合でも仲裁裁定は予算を要するものについてはできないということになるのであります。そこで予算上はなくても資金上ゆとりがあるとするならば、政府としては、十六条の資金上という問題が生きて来るのであつて、その資金を使つて予算を編成して国会に出して来る、これが筋じやないか、そうでなければせつかく仲裁裁定が下りましても、いつでも予算給与総額というものは前から予定していないことに仲裁裁定がおりるのでありますから、いつでもできない。できないことをやはり法律をつくつて、でかそうという理由は、やはり資金のゆとりがあるならばそれを予算化して予算として国会に提出をして、この承認を求める、そこに私は予算という文句よりも、予算の前提となる資金というものの方が、むしろ重要な意義を十六条においては持つて来るべきじやないか。そうでなければ公労法の意義は私は生きて来ないと思うのでありますが、この点は労働省がそういう見解をしたというならば、それはおそらく労働省は非常な誤解もはなはだしいものでありまして、この前も公聴会に私たちは労働法親の関係の学者をずいぶん呼んで話を聞きましたけれども、そんなへんちくりんな解釈をした人は一人もおりません。みなやはり予算を編成して出すべきであるということを言つております。この点についてはもう少し私は大臣のはつきりした答弁を聞いておきたい。
○塚田国務大臣 私もこの点につきましては、実はそのように考えておつたのであります。それがそうでないということをいろいろ聞いたので、そうでないといういろいろな理由を聞いてみると、なるほどもつともだなと思われる面もあるのでありまして、そのもつともだと思われる面は、今度の国会が始まりましてからも、労働大臣が衆議院及び参議院の本会議などでも繰返して答弁しておられますが、一体今のような形においてあるところの、そうして今のような手続で下される仲裁裁定というものに、政府の予算編成権、さらに国会の予算審議権というものを実質的に拘束するような効力は持たせ得るものだろうかということに、非常な疑義がある。従つて、そういう面から来る疑義と、それからして仲裁は尊重しなければならないという、ある意味においては両当事者を裁定的に拘束するんだという両面の、結果においては非常に矛盾する要請を調和することをあの十六条で――三十五条は最終的に拘束するといつておるけれども、事柄がそういう重要なものに実質的に関連があるのであるからして、十六条で、但し予算上資金上不可能であるならば政府を拘束しないのだ、従つて国会の審議権も仲裁裁定の上にあるのだし、政府の予算編成権も上にあるのだ、こういう考え方であるということ、そうしてこういう考え方は単に政府内部だけでなしに、どこでどういうようにされたのか、司法の部内の判決にもそういう例があつたということで目分らも了承して、そういう解釈に政府部内を統一いたしておつたわけであります。この点は、立法の問題として再考の余地があるということは別にいたしまして、一応解釈として私どもはそういうふうに解釈していると、こういうことであります。
○片島委員 これはやはり政府がこの仲裁裁定問題をめぐつて、非常に無理をしておるものでありますから、結局せつかく書いてある文句まで、これは死文であるというようなことを言わなければならぬようになるわけでありまして、やはりこれは今申し上げましたように、あなたに対してお金を預けてある、金を持つておる。しかしあなた個人ではありませんから、それを使う場合には、予算化しなければ、国会の承認を経なければ使うわけには行かない。郵便料金の増収が相当あつて、あなたはふところにたくさん持つているけれども、予算化していない以上は、これは使うわけに行かないのであります。それが資金であります。そうすると、予算はもともと来年度の予算を今ごろ考えてつくるわけでありますから、編成するのでありますから、来年の八月ごろ仲裁裁定が起るということは予定はしておりません。そのときに、仲裁裁定という権威のあるものが下された場合に、金はある、金はあるけれども予算はない。予算はないということは、そういうことを予定していないのですからきまり切つております。そのときに、金があるならばこれを予算化して使えるようにする。これが手順であつて、その資金ということは、これは死文句であつて、こういうことじやなしに、やはり形式的に予算総則に縛られておるものであつて、給与総額の中にはないからなどということは、これはまつたくへりくつじやないかと思う。やはり持つておるならば持つておるだけを正直に出して、しかも国会の承認を経てこれを使うようにするのが筋じやないかと考えるのでありますが、そういう点についてもう一回お伺いしたい。
○塚田国務大臣 これは今通俗な例でお尋ねになりましたので、誤解を起すといけないから重ねて申し上げておきますが、そういうぐあいに金があるけれども使えないというのが、政府の機関、それからして公共企業体の特殊性なんであつて、公企労法の精神にも、また予算の立て方にもそのようになつておるので、給与総額を越えて給与のために支出し得る場合にというのは、予算総則の第二十三条に規定してある通り、きわめて限られた場合になつておるわけであります。そこで常識的に考えると、確かにそういう疑問があるのでありますけれども、しかし実質的に見れば、そういうような実質的ないろいろな問題があるからして、十六条によつては拘束されて措置をするのではないけれども、実質的には、裁定というものが出るならばその考え方を尊重して、現実に予算の許す範囲においていつも措置されているし、またこのたびも措置しているわけでありまして、政府の考え方は、十六条の考え方においては非常にきゆうくつなようでありますけれども、現実の措置においてはやはり仲裁裁定を尊重して、予算、資金の可能な範囲において措置しているということになつているわけであります。
○淺沼委員 ちよつと議事進行について……。きようは午後もやられますか。
○田中委員長 この調子では午後も続行したいと思います。
○淺沼委員 午後もやられれば別でありますが、いろいろ内容についての議論もあろうと思うのでありますが、現実に郵政関係の従業員と郵政省との争いが行われているわけであります。われわれも新聞を通しまして、国鉄の機構が麻痺して、国民が受けているいろいろな迷惑といいますか、そういうことについては相当知り得るのであります。またこの郵政関係でも、ある程度のことは私どもはわかるのでありますが、今争議の実態はどうなつているか、これを承りたいと存ずるのであります。さらにこのことをどう処理するかということについて、各党派でそれぞれ意見の一致を見出すことはなかなか困難だろうと思うのでありますが、委員長の努力によりまして、いずれにしても問題を早く処理しなければならぬと思うのでありまして、委員会を通して問題を早く処理するように、郵政省の御努力を請うという意味合いで、――仲裁裁定の内容とか争議の内容に触れまするならば、おのずから党派の見解がありますから違うだろうと思うのでありますけれども、争議それ自体を早く解決しろということについては、何ら異議はないと思います。従いましてそういう意味合いのものを、午後からでけつこうでありますが、ひとつ委員長があつせんしてとりまとめをされまして、きよう午前中は実態を聞き、午後は事態の収拾を早くやれということで、何かとりまとめを願えればはなはだ幸いだと思います。
○田中委員長 ただいまの淺沼委員からの議事進行に関する発言は、委員長としてもまつたく同感でございます。実は午前の委員会を適当な時間に切り上げまして、懇談の形で各委員に、少くとも各党の理事の諸君に、その点について御相談をいたしたいと思いますので御了承願います。 ちよつと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○田中委員長 速記を始めてください。 それではただいま淺沼委員から要望のありました今度の裁定実施に伴う紛争の実情について、大臣から御説明を承りたいと思います。
○塚田国務大臣 それではただいまの郵政事業の運営の失態について、概略私から御説明を申し上げ、なお人事部長からこまかく補足して御説明申し上げることにしたいと思います。 大体一日からいわゆる賜暇戦術と称するものをいたしておるわけでありますが、本日までの状況、ことに本日の状況では、東京のあたりで大体一割くらいの程度であるそうであります。ふだんの状態でも六パーセント程度の賜暇というものを常時やつておるのでありますから、この程度では特に非常に多いというかつこうではないと思います。もちろん賜暇はみな正式に許可を得てとつておるのでありまして、許可を得ないで賜暇をいたしておるという者は一名もない状態であります。一割程度、但し地方によつては若干それを上まわつておるところもあるようでありますが、その程度の賜暇でやつております場合には、もちろん若干業務の渋滞がないということは言えないと思うのでありますけれども、大きく支障を生ずるような事態にはまだなつておらないというふうに私は承知いたしております。なお人事部長から詳しく御説明申し上げます。
○田中委員長 淺沼さんその程度のことで……。
○淺沼委員 それで伺いますが、新聞の伝うるところによりますとずいぶん滞貨が出て、たとえば株式の払込みについても支障を来すというようなことが出ておりますけれども、そういうようなことはないわけですね。ただ新聞が誇大にそういう宣伝をいたしておるということだけですね。 ついででありますから、もう一つ伺います。今のような程度なら、きのう関係閣僚が集まつてこの賜暇戦術は一つの違法行為である、従つて弾圧的なことを考慮しなければならない、こう言つておりますが、郵政省に関する限りにおいてはそういうようなお考えはない、こう了解してよろしゆうございますか。
○塚田国務大臣 後段の点についてだけ私からお答え申し上げますが、賜暇は許可を得ていたしております場合には合法的なものでありますので、もちろん強制的な措置を何らいたす意思もありませんし、する必要もありません。もちろん賜暇を許可するかしないかということは、それぞれの所属の長におきまして、業務の運行状況というものとにらみ合せていたしておると存じておりますので、そんなに大きな業務支障というものはできておらないんじやないかと、私としては推察をしておるわけであります。この点は政府委員からお答え申し上げます。
○松井説明員 それでは私から新聞紙その他で報道されております郵便物の滞留状況について、補足的に御説明申し上げます。 新聞紙には相当大きな数字が上つておるようでありますが、私ども実際において、はたしてこういう数字がどういうところから出たかということにつにては、ちよつと了解に苦しむ点がございます。郵便物は全国的にいろいろな現象がありますが、先ほど大臣の御説明にありましたような状況でありまするので、一般的な通信については、そう支障を来しておるということは見受けられないのでございます。ただ第三種以下の、問題の大量に引受けられる局におきましては、ことにそれの代表的なものとしては東京中央郵便局の例がございます。ここには小包郵便物と第三種以下のものについて若干の滞留が認められるのでありますが、しかしこれはちようど最近の季節的な物数増というものが、非常に大きく出ておる関係で、これが全部今度の労働関係に基く滞留というふうには、ちよつと見えない問題があるのでございます。普通いわゆる大物と言つておりますようなものは、東中京中央郵便局あたりでは一日に大体三十万通ぐらいのものがあるわけでありますが、この最近の引受状況を見ますると、たとえば十一月の二十六日には六十七万通、二十七日には八十二万通、二十八日には七十一万通というふうな引受があるわけでございます。これはちようど年末を控えていろいろな雑誌類その他が出る。あるいは先ほど淺沼委員からもちよつと御指摘がありましたように会社関係の株主総会の通知だとか、あるいは配当金だとかいつたような種類のものがまとまつて出た関係で、平年よりはるかに多くのものが出ておるわけであります。そういう関係で、われわれの平生の状態よりも、そうしたものについての滞留数はふえておる。これも昨日の九時現在で、たとえば書留について見ますと九万七十通滞留があつた。小包は三万一千個の滞留がありました。通常においては約八十万通のものがあつつた。ところがきよう九時になりますつと、書留については約十三万、小包においては三万六千個、若干は書留、小包においてはふえておるようでありますが、片方三種以下のものについても昨日九時に八十一万あつたものが、本月九時には七十三万に逆に減つておるというような状況でありますので、現在の服務状況をもつてするならば、非常に大きな影響を与えるというようなことはなくて済むのでないであろうかと私ども観察しておる次第であります。
○淺沼委員 それで大体了承できましたが、今大臣の答弁を聞いておりますと、賜暇の許可を願つてやつた場合においては違法ではない。これは私もそう考えるのでありますが、きのう関係大臣の会議を開いて、労働大臣は賜暇戦術は違法であるというようなことがけさの新聞に出ておるように思われます。従いまして戦術として考えるか考えないかというこことは本人自体の問題でありまして、これはなかなか認証しがたいところであろうと思うのであります。ただ事故があつて賜暇を出す、それが違法であるということで、しかも労働大臣が関係大臣と相談の結果、意見の発表をやつておる。これは政府の意見で、なおかつその後事態が検察庁においても云々というようなことが言われておつて、争議に対する一つの威嚇的な行為とも私どもには考えられるのでありまして、どうも納得が行かないのです。しかし大臣の答弁は賜暇をするのに許可をとつて休むものは違法ではない、そう承つておけば、これ以上私どもは答弁を求めなくてもけつこうでありますから、郵政省に関する限りにおいてはやはりそういうような考え方で処理に当つていただきたいと思うのであります。幸いにしてあまり滞貨その他もないようでありますが、これは一日も早く円満に解決するように御努力を願いたいと思います。あとは委員長に、どうか委員会その他で郵政省の方に早くとりまとめるように御努力を願えれば幸いであると思います。
○田中委員長 それでは午前中はこの程度にとどめまして、午後一時半まで休憩いたします。 午前十一時五十七分休憩 ――――◇――――― 午後二時三十二分会議
○田中委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 先ほど港湾委員より議事進行に関する発言がありましたので、本委員会の理事会において協議いたしました結果、郵政当局と全逓従業員組合との紛争状態に関する件について、本委員会として決議を行うことにきまりましたので、この際お諮りいたします。すなわち 郵政当局と全逓従業員組合との紛争状態に関する件 今次の仲裁裁定及び期末手当をめぐる郵政当局と全逓従業員組合との紛争状態については、一般国民生活に及ぼす影響の極めて重大なるに鑑み、政府は最善の努力を払い速かにこれが収拾解決を図るよう適切なる措置を講ぜられたい。 右要望する。以上でありますが、本要望書を本委員会の決議とするに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 態度を保留されております改進党を除き、各党が賛成のようですから、さよう決しました。
○吉田(賢)委員 一応その決議に対して、大臣からの発言を求めていただきたいと思います。
○塚田国務大臣 御決議の趣旨はよくわかりました。従来ともその気持で努力いたして参つたのでありますけれども、今後一層御趣旨を体して解決に努力いたしたいと存じます。
○田中委員長 御前中に引続いて質疑を許します吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 午前中に大臣に伺いました箇所についてさらに伺いたいと思います。 昭和二十八年度予算補正(第二号)の説明の第十一ページ、郵政事業特別会計の項についてでありますが、これによりますると合計三十六億円の所要資金、すなわち仲裁裁定の一月からの実施、期末、手当〇・二五月分の増額等給与改善費約二十七億円、業務量増加に必要な経費約八億六十万円、計約三十五億七千万円を必要とする。これに対する収入面といたしまして郵便業務収入の増加見込額その他と書いてありまして、合計三十六億円の収入増加が見込まれておるので、料金の改訂にはよらずして収支の均衡をはかる、こういう説明になつておるのであります。ところで一方二十八年度特別会計予算補正(特第二号)として本国会に提出されましたものによりますと、予算総則第四条におきまして、末尾に郵政事業においては四百五十一億一千余万円を四百七十七億三千八百余万円に改める。すなわち二十六億円余りの増になつておるだけであります。そういたしますと説明によります支出の約三十六億円と、総則において許されております二十六億円の差額が十億円余りになりますが、これは第一どういう根拠によつてこの支出がされるのであるか。予算総則に逸脱しておるのではないか、こういう点についての御説明を伺いたい。
○佐方説明員 お答え申し上げます。歳出が三十六億ふえますけれども、そのうち人件費となつて、しかも公労法適用職員の人件費に当る分が、十億引いた分の二十六億というふうになるわけでございます。だから結局三十六億補正予算でふえますけれども、その中で物件費等も補正で要求いたしておりますから、それを差引きまして残つた人件費の中から――非適用者と適用者とがありますので、適用者の分だけを給与総額の方にプラスしたということになるわけであります。
○吉田(賢)委員 ちつよつとはつきり理解しにくいのですが、三十五億七千万円はともかく支出すべき経費に違いないのでありますね。
○佐方説明員 その通りでございます。
○吉田(賢)委員 そこで三十六億円の予算総則とは食い違つておりますが、その差額の出所は予算総則にはいのだが、それはいかがか、こう聞くのですが、その線でひとつ御説明願います。
○佐方説明員 言葉が少し足りませんので申し上げますが、歳出としては三十六億ふえるわけです。そのうち給与総額としてふえる分は二十六億である。その差額は一般の公労法適用職員外の人のベース・アツプであるとか年末手当であるとかいうものになるわけであります。
○吉田(賢)委員 他の費目に必要であるかいなやにかかわらず、二十六億を超過するものは予算総則では認めてはおらぬと思うのです。それで聞くのです。予算総則は二十六億円以外に書いてないのですから。
○佐方説明員 結局こういうことになるわけでございます。予算で三十六億だけ歳出をふやしましたので、三十六億は全部使つているわけです。ところがその中で……。
○吉田(賢)委員 ちよつと途中ですけれども、三十六億円をふやしたというのは、総則によらずしてふやせるのですかというのが私の質疑の点なのです。
○佐方説明員 予算は総則に全然関係なく、歳出として三十六億ふやすわけでございます。ところが総則でここできめておりますのは、その経費の中でいわゆる公労法適用職員の給与だけは幾らと、給与総額をきめておるわけです。だから三十六億の中で二十六億だけは公労法適用職員に向ける経費だ、こういうことになつております。
○吉田(賢)委員 予算が総則に関係なく出せるということになると、これは財政法の予算の規定に反するのではないですか。予算は総則によつて大きなわくをきめるのじやないですか。それはどうなんですか。
○塚田国務大臣 おそらくこういう勘違いをなさつておるのじやないかと思います。先ほどお尋ねになつておりました総則の第四条のことでございますが、四条の四百五十一億と四百七十七億の差額を問題になさつていらつしやるわけですね。その二十六億、二十五億ちよつとは、給与の分だけを第四条は規定いたしておりますので、前の説明をごらんいただきますと、昭和二十八年度において支給する給与三十六億というのは、給与その他のもの全部を含めた予算の増加額を言つておるのでありますから、この数字との関係は給与と給与外のものということになつております。
○吉田(賢)委員 そうしますと、この前の一次補正の予算総則内で十一億円の余地がある、こういう御趣旨になるのでございますか。いずれにいたしましても予算総則できめた以外に、予備費等によらずして、その他第十条等によらずして予算は組めないはずですが、それはどうなんですか。
○塚田国務大臣 これは予算の総額をこの総則に書いておるのではなくて、総額のうちの給与に支出し得る部分の額を書いておるのです。
○吉田(賢)委員 そうしますとその差額の十億円は、この前の一次補正の予算あるいは当初予算、そのわくの中の金額に該当するのですか、支出に該当するのですか、こういうことを伺えばいいと思います。
○佐方説明員 二十八年度の予算は、国会でこの前補正になりました結果、郵政省といたしましては九百五十八億円の歳出があつたわけです。その中で給与総額としてきめられたものは四百五十六億であつたわけです。それだから総経費の中で全部が全部予算総則に書かなくてもいいわけで、いわゆる公労法適用職員の給与総額だけこの予算総則第四条には書いておるわけです。そして今度も予算が三十六億ふえまして、そのうちの二十五億だけが公労法適用職員の給与にまわつて行くものだ、こういうふうに御解釈いただくといいと思います。
○吉田(賢)委員 くどいようですけれども……。そうするとその差額は給与以外の分といたしまして、その経費は第二補正ではなしにその以前のすでに審議いたしました予算の内容をなすものである、こういう御趣旨なんですか。
○塚田国務大臣 そうでなしに、三十六億が全部今度の補正の内容をなすものであり、その部分はお手元にお持ちだと思うのですが、補正(特第2号)の百四十五ページのところをごらんいただきますと、追加額という形で三十六億一千五百万というふうに載つておる。この数字が今度の補正でもつて歳出の増として立てられる数字であるわけであります。そのうちの一部分が予算総則の第四条に給与のわくの数字として出ておるわけであります。従つて今度の予算では、結局三十六億というものが増加になつておるわけであります。そして三十六億を追加支出し得る根拠は、ただ予算総則の四条によるのではなくてこちらの予算の本文のところによるものである、こういうわけであります。
○羽田委員 ちようど大臣もおいでですから、一問だけお尋ねをいたします。きのうの説明でただいま古田さんからもるる御質問なすつておりますが、今回の公企労の裁定によりまして一万四千二百円のベースの実施、それから一般職員の給与ベース約一〇%引上げ、この問題について、かねていわゆる公企労法の適用職員と、非適用職員との間にアンバランスがあつたことは大臣御承知の通りで、たいへん御心配をいただいおりますが、この一〇%上げることによつて、アンバランスがどういうふうになつておるかということをこの際ちよつとお尋ねしておきます。
○八藤説明員 在来の公企労法適用職員と、適用外職員との間のアンバランスの問題は今次の裁定及び人事院勧告の実施ということによりますならば、一応新しいべースにおいて再び比べ合すことになるのでありますので、詳しいこと、たとえば公企労法職員に対しましては、団体交渉によつて俸給表をつくり直しまして、それを見ませんと、どの程度までに一体現実にアンバランスを生ずるか、また一般公務員の方につきましても、人事院勧告によつてどういうふうに新しい俸給表の段階に切りかえられるか、その二つを突き合せますと、きわめて明確な線が出てお答えができるのでありますがただいまこちらもその運びになつておりません。但し概括的に申し上げますれば、在来よりはアンバランスの幅が狭まるのではなかろうか、かように私たち考えております。
○羽田委員 まだその表ができないために、正確な比較ができないことはやむを得ないことでありますが、郵政事業が円滑に行くためにはぜひ人事の交流をし、監督者が非監督者といいますが、現業よりも安いということは、実際の人事の軍用上まずいと思う。しかし今回の裁定というような問題は、別な裁定ができればまたアンバランスということになつて参ります。そういう点について根本的に、非現業の方々と現業というものを一体にした郵政人事の給与の一つの体系をつくることがやはり必要じやないかと思うのですが、今度は幾らか幅が狭まつたということで、今のところでは満足をいたしますけれども、今後の問題もありますので、この点については大臣並びに事務当局の各位が、第一線の要望をやはり強く頭に置いて今後善処していただきたいと思います。
○田中委員長 片島君。
○片島委員 私は大臣がおいでになりますので、期末手当の点について今非常に差迫つておりますので、一、二お尋ねしておきたいと思います。 第一は国家公務員と公労法適用職員との間に、公務員の方は〇・五、それから公労法適用職員の方は〇・二五というふうに、〇・二五の差がついておるわけでありますが、この差をつけておるというのは一体どういう理由で差がついておるのかということが一つであります。それからわその後いろいろと副総理あたりにも党の代表あたりが折衝に参り、また塚田郵政大臣も、これは公式の席上でありますかそうでないかわかりませんが、大体一・二五の線くらいまでは団体交渉によつて出すことができるということを言われておるのでありまして、緒方副総理もわが党の代表と会見せられたときに、一・二五というのは大体常識化しておるというようなことを述べられておるのであります。そうするとすでに常識化しておつてしかも団体交渉の結果〇・二五というものをさらにふやしてもかまわぬという腹が大体政府当局にあるならば、当然これは予算として計上すべきものであろうと思うのでありますが、そういう点はどういうふうにお考えになりますか。
○塚田国務大臣 お尋ねの第一の点は、実は本委員会においては決議だけということで、電通委員会に一括資料を置いて参りましたので、こまかい点の御説明は申し上げられないのでありますが、私の大体の考え方としては、一般公務員と、それから公労法適用職員との開聞に〇・五と〇・二五との違いを出しましたのは、それくらいの違いで実質的には年期を通じての収入が同じくらいになるという考え方が一点、それからさらにこれを公務員だけについて考えますならば、人事院勧告も年間を通じて二箇月分になるようにというように書いてあるので、その趣旨も尊重してああいうぐあいにしたわけであります。それから常識化しておるものをどうして予算措置をしないかということでありますが、これはそれぞれの公社もしくは企業によつて多少違うわけでありますけれども、少くとも郵政の場合におきましては、さき得る収入の最大限を見て、そうして出せるだけのものを予算に出して行く、こういう考え方になつております。それ以上の分はさらにゆとりが生じたということであれば出せることもあるかもしれないが、とにかく予算措置としてそれを計上するだけの財源は、少くとも確実度を持つた財源としては今のところ認められないというので、これは今後の問題で、従つて予算の表面には載せられない、こういう関係になつておるわけであります。
○片島委員 そうすると大体〇・二五をさらにつけ加えるというのは、企業によつては〇・二五はつけ加えられるが、郵政のような状態では、〇・二五はつけ加えられない、こういうことになるのでありますか。
○塚田国務大臣 一般論として申し上げますならば、そういうように収入にゆとりが出た場合には、これ以上のことも考えられるという考え方でありますから、そういうものが考えられないという企業があるとすれば、当然それは考えられないということになるのですが、しかし郵政についてどうであるかということであれば、今いろいろ検討しておるのですが、まあ何とかやれるのではないか、こういう見通しであります。
○片島委員 そうすると、これは国務大臣として塚田さんもおそらく政府のいろいろな協議に参加しておられるのでありましようが、一体交渉の結果、一・二五を上まわるものがかりにほかの企業について出て来たということになつても、それはやはりさしつかえない、こういうふうにお考えですか。
○塚田国務大臣 団体交渉の結果――しかし最終的には、やはりあるものは郵政大臣、あるものは郵政大臣と大蔵大臣にという形になつて、それぞれの所管大臣の承認が得られなければきまらないわけでありますが、きまるといたしますならば、それはもともとその成績が上つたものについて考えるという考え方でありますから、若干の違いというものはあり得るかもしれない、こういうふうに考えております。
○片島委員 私は実は違いがあつてよいと思うのであります。その企業の形態から見て、また収支の状態から見て、団体交渉が統一交渉でない以上は、そこにでこぼこができるのは当然だと考えるのであります。しかしそれを考える場合において、郵政事業のように、たとえば業績賞与という弾力条項を、発動して給与をきめる場合に、単に団体交渉でこれだけはとれるという形になりましても、そのうち四割くらいが本来の郵政会計であり、あとの六割くらいは一般会計なり他会計からの繰入れがなければまかなえないということになりますと、四人働いて十人養つて行くのと、十人働いて十人でこれを食つて行く場合とでは、わけ前が違つて来るわけであります。そこで私はでこぼこができるのは当然であるし、それはまた正常でありますが、郵政事業だけを考えてみた場合には郵政本来の会計ではどんなに働いてくれたところで、業績を上げてみたところで、実際上予算的な措置を講じなければ、ほかのところがいくらもうけても、パイプをつけてやらなければ流すことができない、こういうことになるのでありまして、郵政事業として見た場合には、この点について何らかほかの企業とかわつた措置を考えなければならぬのじやないかと思うのでありますが、その点はいかがでしよう。
○塚田国務大臣 お尋ねの点は、郵政の給与に向ける財源は、一部分郵便事業から、他の部分は他会計からの繰入れということになつておりますから、まさにそういう面もあるのであります。しかし他会計からの繰入れの分も、現実に問題になりますのは、一般会計から繰入れを受けております大部分は貯金会計でありますが、そのほかわずかあるわけでありまして、その他の部分は、たとえば電電公社からの繰入れ分、それから保険の特別会計からの分ですけれども、保険の場合には余剰金がありますし、電電公社の場合には、電電の弾力条項で、電電から委託事業の分は郵政の会計に入れて、それをもつて財源に充てるという結果になりますから、一般会計から入る部分――貯金のものだけがそういう前においては非常にきゆうくつな状態になる、こう考えられるわけです。こういう状態が今後おそらしくしばしば出て来るだろうと思いますので、貯金会計と一般会計との関係は、今のように利子をある非常に低い率で押えておいて、足りないものは貯金会計の赤字として、一般会計から補充してやるのだという考え方でなしに、最小限度としても、賃上げの場合も含めて、いかなる場合でも貯金会計は赤字を出さないという原川をとつて行きたい。大蔵省側と付らかの形でとりきめをして、賃上げなどが考えられる場合には自動的に、もう特別の折衝なしに入つて来るような考慮を何かしたいものであると考えておるのであります。
○片島委員 一般会計の分はそういうふうに何か正式に予算的措置を講じなければできないと思うのでありますが、今の大臣のお話でありますと、電電公社の委託業務については、電電公社の弾力条項を発動して、こちら、たとえば郵政当局と全逓との団体交渉によつて、ある程度のとりきめができたということになれば、こちらの方に金がまわつて来るようにお話のようでありますが、しかしそれは予算的な措置を講じないで、ほかの企業がもうかつたからといつて自然に流れて来るような仕組みになつておるのでありますか。
○塚田国務大臣 この点は予算的措置といえば、やはり広い意味の予算的措置でありまして、あの弾力条項に基いて、これだけは電電公社の給与の支出をふやしてよろしい、電電公社のそういう支出の中には、委託乗務の部分は郵政の人間がもらう実質になつておりますので、それはとりまとめて郵政の会計に入つて来る、こういうようにできるという解釈で運用いたしておるわけであります。
○田中委員長 この際大臣に一点伺いたいのですが、これは来年度へ入つてからの関係になると思うのでありますが、仲裁裁定の実施の前提として、明年度において一割の人員整理をやるというとりきめが閣議でなされておるということでありますが、郵政関係についてもその原則が適用になるかどうか。大臣は先般行政機構改革に伴う整理等のことについては、いわゆる現業官庁と非現業官庁とは別個の取扱いをすべきである、こういうことを言明された関係もございますが、これは来年度の問題になりますけれども、その点について人員の整理は予定されておるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○塚田国務大臣 その点についての考え方は、先般も申し上げた考え方と少しもかわつておらないわけでありますが、お尋ねがありましたので、今の具体的な問題について、どう考えておるのかということを簡単に申し上げたいと思います。世上に伝えられておる今度のベース・アツプもしくは諸手当の増額が、ことに給与のベース。アツプの点に直接関係があるのですが、一割整理を前提にしておるということではなしに、むしろ政府の考え方はその前提と後段とが入れかわつておるのでありまして、べース・アツプはなるほどしなければならない。しかしそれをすることによつて国民に負担のかかる分もあるからして、相当の困難をして能率を上げてやつていただいてはおるだろうけれども、なお能率を上げ得る面があるならば、なるべく能率を上げて国民に負担増のかからない形で、このベース・アツプが行われるものであるというようになるならば、非常に国民の期待に沿うようになるのではないか、そういうように考えております。従つて私は、郵政の方もやはりそういう意味におきましては、現在決して余裕のある人員であるとはもちろん思つておりませんけれども、どこもみな困難をしてやつておる時代であるから、その中でもさらにできるならばもう一段能率を上げてやつていただくくふうはないかという面においての検討はしなければならない。しかしそれとは別個に、年々非常に増収を上げておるわけでありますが、その増収の上つておる実態というものは、郵政の場合には単価がきまつているのですから、仕事がふえておるということになつておる。仕事がふえれば当然人間がふえなければならぬということは、これまた必然の関係になつておる。ふやさなくてはならぬ面は十分研究してふやし、また今申し上げたような気持でさらにできるだけ能率を上げて、その中から省けるものがあつたならば省いてやつて行きたい、こういう考え方でこの問題を見ておるわけであります。
○田中委員長 古田賢一君。
○吉田(賢)委員 三公社五現業お互いの関係について、根本の方針を伺つてみたいと思います。これはおのおの独立した企業体であり、もしくは現業体でありますが、政府といたしましては、仲裁裁定を実施するかいなやについては一本に扱つておる、こういうふうに見られるのでありますが、これはおのおのの、ことにこの財源的な面については、赤字を出しておるものもあり、黒字を出しておるものもある。みずからそれを十分にまかない得ると言明しておるところもあり、そうでないところもあるというふうにまちまちになつております。このまちまちになつておるものを、事のよしあしよりも、何ゆえこれを一本にするようなことをなさるのか。私は主としてそれの法律上の理由を聞いてみたいと思うのであります。おのおの別々の企業体でなければならぬ、それを一本に扱うということの法律上の根拠があるのか。政府は、便宜だから一本にするというような意味ならば、これはまたわかりますが、どうも法律上理解できにくいのですが、その点どうでしようか。
○塚田国務大臣 この給与を法律的に一本に扱うという考え方に、今の公社法や企業の会計がなつておるかどうかということの面から検討いたしてみますならば、私はむしろそうではない。成績の上つておるものはそれに応じて給与を上げてよろしい、こういうことに今なつておると思つております。ただその場合に給与というものを考えますとき、予算の上に措置をしたものだけを給与と考えるか。これは総則のいわゆる弾力条項とわれわれが言つておりますものを含めたものを給与と考えるかというときに、私は差別があつてもいいというのは広い意味の給与の場合であつて、従つて差別がつくならばむしろ弾力条項の適用の面で差別がつく、こういう形になるのが今の公社法の建前から言つて正しいのではないか、こういうふうに公社法を解釈しておるわけであります。そこでそれならば形式的な予算の上に措置するものも、一体そろうということ自体、今度公社法の建前から見ますと、もしもあの予算の上に措置した後、それに必要な財源だけで赤字を出すということであれば、むしろそういう意味において、そういう企業もしくは公社があるとすれば、それはやはり私は公社法なり何なりの精神から言つて行き過ぎておると実は思つておるのであります。そういう面はむしろそれにプラス他の考慮を加えて、ほんとうはベース・アツプも、手当もそれほどは出せないのだけれども、それでは政治にならぬ、また事業の運営もつかないであろうという意味で、そういうものを引上げて調子を合せたのが、今度の各公社、五現業が調子が合つた形になつておるのであつて、従つて今の予算の上に措置して頭を合せておりますのは、最小限の線であります。それから上の各公社、企業によつて区別がつく面は、弾力条項でこれはつけるという考え方に政府の考え方はなつておると私どもも了解しておりますし、実は私自身も、自分の所管の郵政及び電通については、そのようなものの考え方で予算というものを扱つておるわけであります。
○吉田(賢)委員 なお仲裁裁定実施をめぐりまして少し伺いたいと思いますが、今日はこの程度にしておきます。
○田中委員長 それでは本日はこの程度にとどめまして、会期も非常に短かいことであり、爾余の問題もございますので、明日午前十時より会議を開きます。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時八分散会