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18回国会衆議院1953/12/02

農林委員会 第2号

発言数
125
登壇者
15
会派数
4
開催日
1953/12/02

会議録

井出一太郎改進党

○井出委員長 これより会議を開きます。  この際農林政務次官に新任せられました平野三郎君より、ごあいさつをいたしたいとの申出があります。これを許します。平野農林政務次官。

平野三郎自由党農林政務次官

○平野政府委員 まだ辞令もいただいておりませんので、ごあいさつ申し上げるのもいかがかと思いますが、けさ新聞を見ましてまつ先にかけつけたようなわけでございます。御承知の通り、私は長年本委員会におりましたので、はからずも役人の片割れになりましたけれども、向きをかえただけのことで、別にかわりはないと思つておるわけであります。そういうわけで、本委員会の御意向については十分承知いたしておるわけで、今までももちろん政府としては百パーセント本委員会の御意向を体してやつて参つたわけでありまするが、今後は私は百二十パーセント以上ひとつ皆様の御意向にのつとつて努力いたしたいと思うわけでございます。どうかひとつよろしくお願いいたします。(拍手)     —————————————

井出一太郎改進党

○井出委員長 これより臨時硫安需給安定法案を議題といたし、審査を進めます。     —————————————

井出一太郎改進党

○井出委員長 質疑の通告がありますから、順次これを許します。足鹿覺君。     〔委員長退席、金子委員長代理着席〕

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 私は硫安の輸出の問題と、昭和二十九年度の需給状況について、この際通産農林関係当局にお尋ねを申し上げたいと存じます。先般の本委員会におきまして、私は台湾向けの二十五万トンの肥料輸出問題に関連して、いろいろと輸出問題についてお尋ねをいたしたのでありますが、その後、六月一日中国国際貿易促進委員会と日中貿易促進議員連盟代表団との間に三千万ポンドの協定がめでたく成立をいたし、十月二十九日には調印の運びに至つたやに存じておるのであります。しかるところ、この日中両国間における貿易協定の中にはいろいろな品物が含まれておりますが、中国側としては、硫安系肥料を熱望いたしておるやに承知いたすのでありますが、中共貿易と肥料の輸出との点について、通産当局なりまた農林当局はいかような御所見を持つておられるか、また調印終了後いかような経過になつておるか、それらの点についてまずお伺い申し上げます。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 日中貿易協定の内容につきましては、私その方面のことをよく存じませんが、硫安の今肥料年度の需給関係から、ただいま足鹿さんがおつしやつた、中共において硫安を非常に渇望しておるが、それに対して日本の政府としてはどういうふうに考えているかという御質問に対しまして、硫安需給の面からお答えをいたしたいと存じます。  この前も御説明申し上げました通りに、硫安の二十八肥料年度の生産計画から申し上げまして、先般日本と台湾との間に二十五万トンの長期の輸出契約をいたしたのでありまして、それを考慮に入れますと、来春は別でありますが、年内はほとんど輸出余力がないのでありますが、かねて韓国に対しまして復興特需として非常な要請のありました約十六万トンのうち、年内に十一月二万五千トン、十二月四万三千トンという要請に対しまして、電力の増配等を考えまして、そうして十一月以降年内に二万五千トンの韓国向け輸出を政府としても決心いたしまして入札に応ぜしめているのでありますが、これがまだ最終の決定になつておらないのでありまして、現状では、これがもし契約されますと、年内における輸出余力は一応ない。もしこれが不調に終りますれば余力を生じて来るという状況でございます。この輸出余力の問題は、一にかかつて国内の生産と、国内に対する出荷と、国内の需要と、それから輸出した残りの国内在庫量をいかほどにすべきかという問題に関係して来るのでありますが、私ども農林省と相談いたしまして、ただいま御審議願つております硫安三法案の運用を——法案はまだ御審議中でありまして実行されておりませんが、あの法案が通つて実行する場合においても、大体その程度の国内保有、すなわち在庫を必要とするだろうという量を想定いたしまして、その数量を考慮に入れた輸出余力から見まして、ただいま申し上げましたようなふうに判定をいたしておるのであります。そして来春の問題でありますが、来者の一、二、三月という時期においては、ほとんど余力はないかと思うのでありますが、四月以降におきまして、台湾に契約いたしておりますもの以外になお四月、五月において相当壁の輸出余力を想定されますので、これにつきましてもただいま申し上げました朝鮮の復興特需の一部として入札を今いたしておるのであります。その結果は、ただいま申し上げましたようにまだ判然といたしておりませんので、その状況によつては他の方面にも余力が出て来ると考えております。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 輸出余力の問題に関連してでありますが、ただいま柿手部長の言われるように、台湾向けの長期輸出計画は二十五万トンである。この点につきましては来年の七月までかかるようであります。その後の朝鮮向けの復興用の肥料でありますが、これは十一月の末ごろに入札が行われ、大体その想定価格は六十ドルないし六十ドル五十セント程度であるやに私どもは仄聞いたしておるのであります。しかるに先ほど申し上げました中共との協定に基く向う側の希望を調べてみますると、来年三月ころまでに五万四千トン——二万トン、二万トン、一万四千トンという数量と期日をも具体的に向うは示して、それを要求しておる。その見返りとしてはカロリーの高い石炭、あるいは工業用塩というようなものが想定されておりまして、現下の日本の産業振興の面からも、この見返り物資の点については、わが国としてはきわめて歓迎すべきことであり、かつFOBの輸出価格が六十一ドル程度であるやに私どもは承知しておるのであります。国と国とはまだ交戦状態ではありますが、少くとも国会の総意によつて、すでに二十五名の議員団が月余にわたつて現地を視察調査し、その結果日中両国間の貿易の発展と友好の強化をはかり、かつ平等互恵の原則を基礎として一つの恩義ある協定が結ばれておるのであります。従つて、なるほど朝鮮の復興特需も必要ではありましようが、少くとも通産当局が、こういう有利な、しかも今後また相当有利に来年度においても輸出の期待できる中共との間に、問題をなぜ一歩進められないのか、私どもはふしぎに思わざるを得ないのであります。もちろんアメリカ関係の戦略物資の禁止問題もありまして、問題は簡単ではないと思いますが、このような農業生産に必要である肥料でありますから、別にこれが戦略物資としての意味は私どもは持たないと思う。この画期的な友好協定が組ばれた機会に、さなきだに出血輸出出血輸出と言つて従来大騒ぎをされ、今本委員会と通産委員会両委員会に、政府としてもその対案として二法案を提出されておるのでありますが、こういう事態から考えてみましても、このような有利な事態に対して、知つておらないということでは、柿手さんそれは少し御答弁が私はおそまつではないかと思う。中共との間における硫安系窒素肥料の輸出問題については、もつと真剣に通産当局としても御研究になつて、あえて朝鮮や台湾に安く売るよりも、そしてバナナの見返りなどで問題を起すよりも、むしろりつぱなカロリーの高い粘結炭やあるいは工業塩が見返りとして買われるわけでありますから、当然もつと通産当局としては、そういう面にこそ検討を加えられ、この協定の線に沿つて問題を具体化して行かれなければならぬのではないかと思う。問題は困難ではあつても、院議によつて議員団の中共派遣等も実現をしたのであります。ところがその当初はほとんど吉田首相も、岡野通産大臣もそういうようなことは不可能視しておられたが、事実においてこれが実現された。具体的な取引の内容についてはまだ若干未解決の点もあるとはいえ、ほとんどこういう権威ある、しかも友好的な協定が結ばれておるのであります。これを放任される理由は毛頭ないと思います。その点について、朝鮮の入札の結果はまだ数字的にわからぬとおつしやいますが、十四万トン程度と聞いておるのでありますが、この十四万トンを朝鮮に契約するならば、輸出余力などというものは、おそらく来年の七月ごろには、二十八年度の肥料の需給面から見まして、今度の安定法の精神にある一〇%程度を国内調整用として持たれる場合に、実際的に余力はないではありませんか。そうすれば需給推算の面から中共貿易をシャット・アウトするという結果にならざるを得ないと思う。私は業界の代弁をするわけでも何でもありませんが、出血輸出を従来言われておつたのであるならば、なぜもつと有利な中共貿易に対して積極的に働きかけないのかふしぎに思うのであります。そういう点についてこれは次官なり、大臣に伺うべきことかとは存じますが、もう少し事務当局としても真剣に検討されて、もし輸出上に困難があるならば、その一つ一つをほぐして行き、また今のところ輸出余力の点に疑義があるとしても、平年の豊水期以後における電力の十分たる配給等によりまして、絶対に需給上不可能だということは、今からにわかに断定はできないと思う。どのような見地からしましても、すでにこういう具体的な数字をあげて協定の内容を実行しようではないかと向うが言つているのに、なぜ通産当局としてはこれに対して傍観的な態度をとつておられるのか、その心境がわからないのです。もう少し積極的に、真剣におやりにならなければならないと思う。従来の出血輸出の例から見まして、その点についていかようにお考えになりますか。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 ちよつと私の御説明に足らなかつた点があつたかと思いますが、通産省といたしましては、中共貿易に対して足鹿さんのお説とまつたく同意見であります。ただ韓国に対する復興特需の入札は十一月十七日でありましたが、この話はずつと以前、すなわち中共に使節団が参られて五万トン余の仮契約をしていらつしやる前からこの問題は話があつたのでありまして、先ほども御説明いたしましたように、中共は好ましくないからという意味で、今のところ輸出余力がないということを申し上げたのではないのでありまして、需給関係から見て許す範囲のものを、中共の使節団が契約なさる前からの話の分を、先にビツドしたのでありまして、その結果まだわからないのでありますが、その結果いかんによつては輸出余力が出るということでありまして、そういたしますれば、私どももちろんけつこうだと思つております。さらにお説のごとく、生産計画から今そういうふうに申し上げておるのでありますが、生産計画の改訂なりあるいは国内の需要量の想定等も、これは一応の過去の実績等から想定いたしたのでありまして、この推移等も見まして、輸出余力が出ればむろん中共といえどもわれわれは別に区別して考える必要はない、同じに考えて、できるだけ有利に輸出をいたしたい、こういうふうに考えております。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 別に中共といえども区別される必要は、一つの商取引上、あるはずはないと私は思う。ところが事実において、その御検討もきわめて不十分のように見受けられますが、ことしの九月二日の資料として、われわれがもらつております昭和二十八年の肥料年度における硫安系需給の見込みを見ますと、二百二十七万四千トンが供給であり、内需は百七十万トン見ておられる。この中に台湾向けの二十五万トン、その他八万トンとありますが、この、その他八万トンの中には、今度の十一月十七日の朝鮮向けのものを含んでおるのでありますか。この二百二十七万四千トンから需要の計の百九十五万八千トンを引きます場合には、この数字の上からも相当の輸出余力があるはずです。それをまず安い朝鮮の復興特需に向けて、そうしてなぜこの新しく第一歩を印しようとする中共関係について傍観されるのか、私はそれがわからない。今柿手さんは、原則的な点においては、あえて中共といえども否定するものではない。きらつておるのではない。これは当然なことでありますが、この二十八肥料年度における需給推算の数字の上からいつて、朝鮮の特需にこれを向けるならば、余力の問題が問題になるでしよう。現に朝鮮よりも有利な価格で、しかも朝鮮からは何らの見返りもないでしよう。ところが中共の場合においては、日本工業の原動力になる石炭、塩という有利な見返りがついておる。ですからこの点について、まず十月の二十九日に調印をされ、六月一日に協定は成立しておるのでありますから、すでに着々とこういう点については手を打たれなければならないはずだと私は思う。そうじやないでしようか。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 この中共の、今の五万何千トンの、使節団が行かれて契約をして来られたという事実の前から、今の朝鮮の復興特需について十五万七千トンの話があつたのであります。それを先ほど足鹿さんもお話になりましたが、九月の初めにお示しいたしましたものには、相当の余力がありますから、その余力を朝鮮の復興特需に向けるべく話を進めまして、ビツドしたのがなるほど十一月十七日の午前三時でありますけれども、話は中共の問題の前から、われわれ話を受けておるのであります。別に中共といい話があるにかかわらず、それを排除して韓国向けを優先したということではないのであります。時期の関係から、先から問題になつておりましたから、多少先にビツドしたということであるのであります。それから採算の問題でありますが、これは韓国へ出します場合においても、そう安い値段では出すべきではないだろうということで、これは六十ドル以上で放出をいたしておるようであります。さらに、その金はMSAのフアンドでドルが入つて来るのであります。大体中共に今取引されておる価格と大同小異でありまして、そう著しく安い価段ではないのじやないかというふうに私は思つております。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 二百二十七万四千トンの供給力に対して、百九十五万八千トンの需要の計を見ますと、ここに三十一万六千トンの一応の余力が出る。但しこの中の——さきに八万トンと申しましたのは八千トンでありますから、これは問題にならない小額のものですが、新たに朝鮮の復興特需十四万トンを差引いたといたしましても、なお十七万トンの一応の余力がありましても、これは硫安の需給安定法の精神に一応かりにあなた方が目標を置いてやられるといたしましても、一応内需の一〇%、すなわち百七十万トンの内需に対して十七万トンの調整保有で一応けりがつく、こういうことになりますと、実際上においては、いわゆる中共方面でせつかくまとまつたものに対しては手も足も出ないということになる。価格の面ではおつしやるように私は大きな差はないと思う。大体FOBで、中共向けが六十一ドル、朝鮮向けが大体六十ドルから、六十ドル五十セントと開いております。しかし朝鮮向けのものに対しては見返りがないのです。中共向けのものに対してははつきりとした見返りが、協定文によりましても、甲類と乙類のものをやると向うはいつているのです。これくらいけつこうなことはないじやないですか。かつて中共から若干入つた石炭には、あまり品質のいいものがなかつたことも聞いておりますが、しかし最近においてはそういうものではない。よく選別されたものを向うも用意しておるといつておるのです。ですからこれは通産省としては非常に重大な問題だと思う。しかも来肥料年度においては、中共方面は約十万トンを希望しておるといわれておる。従つてこれは私は内需を切りくずしてまでも、あるいは調整保有の点について切りくずしてまでもおやりなさいとは申しませんが、まずその前に、朝鮮との間に先ぎめの契約があつた、この中共問題が起る前から朝鮮との間にはすでに契約が進んでおつた、ただそれだけでもつてつつぱなすことにはあまりにも惜しい問題じやないか、そういうふうに思う。この九月二日現在の資料によりましても、二十九年春肥の最盛需要明後において、台湾向け以外の輸出は可能となる見込みであるということを、あなた方のこの推算書の上においてはつきりとうたつておられる。とするならば、当然私はこの中共問題については、わずか来年三月までに四万五千トン程度であつて、将来洋々たる日中貿易のスタートがこれで切れるのじやありませんか。そうすれば、いわゆるコストの引合わないということを名目にして、ダンピングを海外に行い、出血輸出を行つて、国会でもつて全国の農民の怨嗟を買つておる今の日本肥料界の現状から見ても、かつこうのお得意じやないですか。これはもうりくつじやなしに、常識だろういうことは、今さら申し上げるまでもないと思うのです。なぜそれに対してもつと積極的な決意をお示しにならないかということを、私は意見をまじえて申し上げておるわけなんです。この点についてくどいようでありますけれども、来年度の十万トンくらいについても、中共側は希望しておるようでありますが、その点についても十分御検討になつていただきたい。そうしてとりあえず来年の三月までの四万五千トン程度のものは、よく御検討の結果、道を開かれることを私は特に強く通産当局に要求したい。大臣なり次官もおいでになりませんから、これ以上申し上げることは差控えまして、また別な機会において私の意見を申し上げたいと思いますが、以上のような点で、来年の豊水期にどの程度の供給力の増加が見込めるかということについては、これはわからない問題でありますが、少くとも企業の合理化なりいろいろ国としても援助を考えておられる場合において、有利な価格で、しかも見返りのある、そうして将来性のあるこういう点を無視して行かれることのないように、積極的に、しかも具体的に御検討になることを、私は強くこの際要求をいたしまして、きようのところは一応質疑を打切つておきます。

山本幸一日本社会党(左)

○山本(幸)委員 関連して伺います。ちよつと聞き漏らしたのですが、朝鮮との話合いですが、契約の話合いは何月何日で、完全契約ができたのは何月何日ですか。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 いつから始まつたか、何月何日かということについては、私今日をはつきり記憶いたしませんが、外務省を通し、私どもの特需課を通し、たびたび向うからの要求がありまして、はつきり私どもの耳に入つておりませんが、九月の末ごろじやなかつたかと考えております。完全な契約は、今約十六万トンのうち、二万トンが完全に契約されておりまして、あとの十四万トンは今入札をいたしまして、これは国際入札でありますが、ロンドンとワシントンと東京でやつております。その結果は判明しておりません。新聞紙上いろいろな情報はございますが、確定はいたしておらないようであります。二万トンの契約をいたしました日にちは、政府がやらないで、業者がやつたのでございますが、十一月の初め、十日前後であつたと思います。あとの十四万トンは十一月の十七日に入札をいたしまして、今まだ結果が判明しておらないということであります。

山本幸一日本社会党(左)

○山本(幸)委員 そうすると、あなたはさつき、前から話があつたので、中共はあとである。従つて時間的にやむを得なかつたという御説なんで、これはごもつともだと思うのですけれども、先ほど足鹿委員が質問しておりますように、中共との調印は十月二十八日にできておるというわけですね。そのとき朝鮮の方には話が進んでおつたということは事実なんですが、まだ完全契約はなされておらなかつた。一応商道徳の立場から行けば、話が進んでおるということですから、その話を無視することはできがたいことは私どもわかります。わかりますけれども、先般来季ラインとか竹島事件等で国民感情が相当悪くなつておるということは御承知だと思うのです。またもう一つ貿易上の利害からいつても、中共の方が有利であり、なおかつ裏づけなり見返りがある。その見返りが日本の基幹産業に最も重要な物資である。そういう点を考え合せますならば、中共との調印と、朝鮮との完全契約との間に相当の日にちがあるわけなんで、その間に中共等に対する取引について、あなた方は積極的な熱意を持たれなかつたか、こういう疑問が出て来るのでありますが、その点についてちよつとお答え願いたい。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 これは中共に対する今の契約の問題と、朝鮮の復興特需に対するものと、どちらが日本の経済の将来のためにいいかどうかという問題の比較考量になりますと、なかなかむずかしい問題だろうと思うのでありますが、先ほども御説明いたしましたように、非常に不利な条件であればともかくも、相当な条件で前から話がありました朝鮮の復興特需に応接をいたしておるという現状でありまして、今中共に見返り物資があつて朝鮮のはないというふうにちよつとおつしやいましたが、朝鮮の復興特需は全額ドルで入ります。これは中共にすれば石炭が入るというのに何ら劣らない条件だというふうに考えております。     〔金子委員長代理退席、足立委員長代理着席〕

足立篤郎自由党

○足立委員長代理 川俣清音君。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 私は足鹿委員と角度をかえまして、二、三点お尋ねいたしたいと思うのです。  先に小倉局長にお尋ねいたしますが、大体ことしの秋から見まして、来年の春肥にかけましては硫安価格が相当ゆるんで来るような傾向を持つておつたと思うのです。かなりメーカー側があせつておりまして、相当の価格の低落があるのではないかと業界ではおそれておつたようであります。そこで何とか輸出を考えておつたようでありますが、輸出ができるというようなことになつて参りますと、どうも内需価格に対して強気になつて参りまして、最近なかなか強気の意向が出ております。私どもから申しますと、去年のいきさつから見まして、輸出によつて内需の価格が上るようなことはないんだということがたびたび政府から説明されておるのですが、現実においては、どうも輸出が進んで参りますと、内需価格がしつかりして参りまして、先高になるような傾向をとつております。今度朝鮮との契約ができた、こういうことでありますが、これはほんとうにできたのか、できたということがどうも内需の価格を上げるような一つの手段でもあるように思われるのですが、柿手さん、これは一体ほんとうに落札になるのが、私どもから見ると、これは入札されたけれども、一つの宣伝であつて、実際は入札になつたけれども、落札にならないじやないかと思うのです。この点を柿手さんから、前の点を小倉局長からお答え願いたいと思います。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 硫安価格につきましては、これは御承知の通り、秋肥につきまして全購連とメーカーとの間に話合いができておりまして、ほぼその価格で推移して参つております。現在はちようど春肥の価格についての話合いを進めておるところでございまして、量的な関係から価格が別段どうこうするというおそれがないように指導もいたしておりまするし、現状もほぼさように相なつておると存ずるのであります。もちろん輸出、特に大量の輸出というものは国内の価格に影響を及ぼすということはこれは当然あり得る、またあることでございますので、その点を否定するというわけには参りませんけれども、私どもといたしましては、国内の需給について心配がない程度に在庫もあり、生産もしておるということでございますれば、その以外は輸出するにやぶさかでないということでやつて参つておりますので、そのかわりと申しては語弊がありますが、そういうことで必然的な関係におきまして、国内価格につきましても、自由経済でございますが、業界にそういう自粛的な価格の設定を指導して行く、こういう実情になつておるのでございます。     〔足立委員長代理退席、委員長着席〕

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 韓国の復興特需としての硫安の輸出でありますが、これは先ほどもちよつと御説明いたしましたように、昨年二十七肥料年度、今年七月末をもつて終る年度では、日本から朝鮮に、民貿と合せまして三十五、六万トン出ておるわけであります。ことしはまだ朝鮮には日本から全然出ておらないというような状況でありまして、朝鮮に対する肥料の供給というものが非常に切実な問題になつております。また国際的にもそうどんどん朝鮮にも供給があるというような状況でないので、ぜひ十六万トン程度のものを日本から出さないかという慫慂がありました。いろいろ電力の状態その他をも考えまして、先に二万トンを決定し、あと十四万トンは追つて決定をいたしました。そして入札をしたのであります。初めは私どもは日本だけの入札で、相当に早くきまるというふうに考えておつたのでありますが、種々の事情から国際入札になつたのであります。われわれとしては、それは必ずとまでは行かぬでも、ある程度確実性がある、しかしながらそう安い値段ではできないということで、六十ドルないし六十ドル五十——八十セントというような程度で入札をいたしているようなわけであります。でありますから、市価を上げるといいますか、市価をよくするためにゼスチユアで国際入札をやつたということは毛頭ないのであります。  それから経済局長が申します通り、余力はできるだけ輸出をして、増産態勢をはかつてコストを下げることに努力するけれども、よつて市価の高騰がいやしくもあつてはいかぬということにつきましては、両省緊密な連絡をとりまして、この秋もそうでありますが、春肥の価格もぼつぼつ問題になつておるのでありまして、私どもは今硫安二法案を審議中であります。少くともこれによつて公定価格がきまるまでは、価格の引上げは厳に慎むべきでありまして、価格を上げないようにしてもらいたいということの慫慂もいたしております。現にこの前御説明いたしましたように、この秋肥の取引の価格というものは守られておると思うのであります。輸出によつて、これを材料にコストを上げるというようなことは、万々ないように指導をいたしたいと思つております。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 小倉局長は少し楽観しておられると思います。おそらくことしの秋から来年の春肥にかけては、私どもの予想いたしておりましたところでは、最下限であるところの二十五円程度まで引下るべきが当然であろうという見通しをつけておりました。それを今柿手部長に言わせますると、上ることを押えておるのだというのはとんでもない間違いであります。むしろほんとうは下る傾向にあるべきものだ。というのは、私ここで今各会社の操業率等をここへ持つて参りまして、最近のコストの下つておることを議論しようとは思いません。これはいろいろな影響がありまして、通産省には操業率をおそらく低めて報告しておると思いますが、いわゆる決算期における報告並びに画業報告等によりまして、地方へ宣伝いたしておりまする広告を見ますると、相当操業度が上つておりまして、九十何パーセントというように、非常に会社の成績の優良なことを宣伝これ努めております。これは販売と同時に、会社の株価の維持のためにおそらくやつておるのだとは思いますけれども、一方においてはこういう宣伝文書をもつて、広告文をもつて、操業率を上げてコストがだんだん下つて行つて利益率が上るのだという、いわゆる宣伝をいたしておる。ところがそういうところから見ると、これは一様にコストが下つて来たのだという印象を与えるのですけれども、あなたは下つて来る影響をちつとも見ないで、上るような心配ばかりされておるのですが、この点どうも解せないのですが、どうなんですか。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 操業度が上りますれば、漸次コストは下ると思いますけれども、今私の申し上げましたのは、できもしない輸出を、いかにも輸出するがごとく見せかけて、市価をつり上げるようなことをやつてるんじやないかという御質問でありましたから、私どもばそういうような魂胆で引受けたものではないだろうと思うということを申し上げましたのと、それからいやしくも余力があればどんどん輸出しますけれども、それによつて国内の供給に支障を来して価格のつり上げを策するということは厳に戒めて、現に秋肥の場合においても法案によつて公定価格がきまるまでは上げてはいかぬということについて、厳に業界の自粛を要望しておるわけであります。ただいまどこの会社か存じませんが、操業度が上つたということによつて業績がよくなつたということは、これは自分の会社の株価のために幾分誇張して言つておる部分もあるかもしれませんが、しかしそれはおおむね生産量の増大が全般的に統計に現われておるわけでありますから、それによるコストの低下はあろうかと思います。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 そこで私はもうひとつわけてお尋ねいたしたい。  朝鮮の輸出が行き悩んでおつたのは、日本だけで輸出特需に応じようというところに今日まで延びておつた理由がある。これは結局国際価格になりはしたので、国際入札になつたということで業界は相当驚きを示して、国内に価格の低落の傾向が出て来たのじやないか。これはやはり見のがすことができないと私どもは見ております。そこでさらにもう一つつつ込んでお尋ねしなければならぬのは、柿手部長は、今度の国際入札に競争して耐え得るような入札をしたんだからして、落札必ずしも不可能じやないというようにお認めのようですが、これはほんとうにそう信用してよろしいですかどうかという点です。どうも私から見るというと、国際入札になりますと、日本のような強気で、日本の農民をだますようなかつこうで入札に応じて、六十ドルとか、あるいは五十九ドル何セントというのでは、おそらく国際入札に勝ち得なかつたのじやないか、もしも勝つとしますれば相当価格を引下げた入札が行われたと思うのですが、あなたはどつちを信用して——どうも入札になりそうだ、こうおつしやるのですけれども、価格が六十ドル以上で入札になるというふうにお考えですか、おそらく国際競争に勝ち得るということになるというと、もつと安い価格で入札されたと私は思うのですけれども、柿手部長はどういうふうに考えるのですか。どうもあとの十四万トンは入札可能であるというふうに今御説明になつておりますが、その可能ということは、価格を六十ドルにして可能だというのですか、それとも国際価格に相当競争して耐え得るような入札をした結果可能だ、こうおつしやるのですか、その点を明らかにしていただきたい。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 昨年のこのごろのような、一時は四十数ドルというような価格で、ごく一部ではありましたけれども入札いたしましたような情勢とは、現在相当変化しておるように思うのであります。これは私個人の見通しでありますが、六十ドル前後でもつて、朝鮮に距離が近いのでありますから、非常にリベートが少くて済みますので、相当望みがあるのじやないかというふに考えております。その価格の問題と同時に数量的な問題もありまして、十四万トンのうち特に期近な二、三万トンのものは、これはおそらく日本に六十ドル前後というような形で落札するのじやないかというふうに私は見込んでおります。これはすぐわかることでありますけれども、私はそういうような想定をしております。あとの十万トンばかりのものにつきましては、これはどういうことになりますか、確信はありませんが、望みは捨てておらないのであります。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 そういたしますと柿手部長は、これは出血輸出にならない。輸出がここに大体成立した、こういうふうにお認めになつておられる、こういうふうに理解してよろしゆうございますか。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 これは私どもは、会社によつて違いますけれども、平均ではまだ出血輸出だと思います。先般二十五万トンの台湾向け長期輸出契約をいたしまたのは、いろいろ議論がございましたが、五十六ドル八十セントで輸出いたしました。それに対する損ですか、非常に安く売つたことによる補いといたしまして、バナナの輸入を認めまして、それによつて結局三ドル七十五セントのリベートが認められます。そういたしますと六十ドル五十五セント程度でありまして、これは先般問題になりました安定帯価格の下限の八百二十五円をさらに下まわる価格であります。私どもとしては、八百二十五円から八百九十五円というところを見て、この安定帯価格をこの春に一応きめたのでありますが、その中心の八百六十円というものに対しましては相当のマイナスになるのであります。この六十ドルちよつとという点で完全なるペイをするとは思つておりませんが、利潤等の問題を考えますれば、これでも生産を減すということよりは、現在のコストを下げて販売することもできるというふうに考えておるのであります。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 どうも私のお尋ねしておる点をはずして御答弁になつておるのですが、私のお尋ねしたいのは、日本が特需で朝鮮へ輸出する場合はこれは問題は別にいたします。国際入札に参加いたしまして、しかもその参加するものはおのおのの会社であろうと思いますが、おそらくこれに対応するような情勢が今日国内にも生まれて来たという私は前提に立つて、従つてその国際入札にあえて参加するというからには、相当の自信を持つて参加したものだと思うのです。そこで今までのような四十五ドルとか四十六ドルとかいうようなことはないにしましても、五十何ドルというようなことに耐え得るということで、私は入札に参加したものだという前提をもちろん置いておるわけであります。これは必ずしも会社、メーカー全体がそれに耐え得るかどうかということは疑問だとあなたはおつしやいますけれども、私はみずから参加したからには、それに耐え得る自信と資格を待つて参加したもんだと、今では見るべきだと思うのです。純然たる特需でありますれば別でございますけれども、国際入札に、いろいろな非難かあるにかかわらず、今日あえて参加するということになりますれば、これは会社の操業度を上げてコストを下げて、国際競争入札に耐え得る情勢が生れて来たということで参加したと見るべきが、政治的には至当だと思いますので、従つて私がお尋ねしたいのは、八百二十五円というようなつ最下限をきめておられますけれども、もはやこの八百二十五円という最下限を打破つて、もつと下げなければならない時期に到達していると私は見るのです。今度この国際入札に破れましたならば、あらためて日本の内需八百二十五円というものをあえて固執する必要がなくなつて来たというふうに私は見るのですが、これに対する御見解を伺いたい。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 これは昨年の暮から、いわゆる出血輸出問題で硫安問題についていろいろ御議論がありまして、なおもう一ぺん繰返すことになるのでありますが、要するに昨年は五十ドル近辺で輸出した。それで輸出できるのであれば国内価格もそこまで下げるべきだという御議論があつたのであります。今のお話の六十ドルで国際入札に応じられるなら、コストが下つたのだから下げてもいいじやないかという御議論のようでありますが、先ほども触れましたように、コスト平均からいえば相当無理な価格であり、一部はそれに応じて行つて、生産を落さずに行くという方が全体では私企業たる今社も損が少いし、国全体としてもその方が商社に安く売れるし、外貨も得られるというのでやつているのでありまして、この六十ドルで輸出するということにしたから、コストがそれで全体が償うというようには私は考えておらないのであります。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 柿手さんはどうもメーカーの立場を守つてやらなければ通産行政が成り立たないというふうにお考えになつているようですが、私はそうでなくて、通産行政は各メーカーに合理化を促進させるのだという立場をとつておられると理解しての上なのです。そういう理解が間違つているというならばこれは議論をやめます。ところが今まで大蔵大臣の説明でも通産大臣の説明でも、あくまで合理化を促進して国際競争にも耐え得るようにする。従つてそのために国内価格に影響を存えないように合理化して行くのだ、こういう方針を堅持しておられるはずであります。私はそれを信用してお尋ねしているのです。それは一方における気安めの宣伝だというならばあえてお尋ねしようとは思いません。そうでなく、一応私はそれらの合理化を促進して行くのだということを信用してのお尋ねであります。ところが最近その信用を裏づけるような営業方針なり、あるいは硫安の広告なり、あるいは決算期における営業報告なりに、それらのものが明らかに出ておるわけです。合理化を促進して操業度を上げた、ますます会社の成績は良好であるということを盛んに宣伝いたしておる。あなたは、それは外部に向けての宣伝で、通産省にはそういうものは入つていないというふうにお考えになるのか。あなたへの報告はでたらめな報告です。それを全部信用されるというところにあやまちがある。肥料部は何でも報告だけを信用するということでありますか。今まで民間からいろいろな報告がありましても、あなた方はなかなか信用しないで、あなた方みずから調査することが多いのですが、肥料に限つてその通り認める。ほかの営業宣伝広告等については、どうせそれは宣伝だから認めないのだというような態度をいまなおおとりになるということになると、今まで政府が盛んに合理化を促進させて来たのだが、それに即応して、会社は合理化がだんだん成功しつつあるという宣伝を認めないというのはどういうわけなのです。あなた方の方針に従つてだんだん合理化したことは非常にけつこうなことだ、大いにこれを認めてやつてしかるべきだと思うのですが、それを認めないで、別な報告が来ているのだからその広告は認めないということはおかしいと思うのだが、それはどうなのです。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 各社が合理化を進めておりますことについてそれを否定をしておらないつもりでおりますが、私の言葉が足りなくてそういうふうに御了解いただいたのを遺憾といたします。これは会社が外部に向つて営業の広告なりに、幾分自分のところの株価その他を考えて誇大に宣伝していると思います。  その通りでないかもしれぬけれども、着々合理化は進んでおる。従つてコストも低下をしておるであろうということを先ほど認めておるのであります。  それから肥料部に対する報告の出たものを、そのまま何ら検討もしないでうのみにしているのじやないかというような御疑問もありまするが、実は肥料工業は非常に電気をよけい使いますので、政府がそれによつて電気の割当をして、それによつて電気を消費しておるのでありまして、それは電力会社がそれぞれ報告を官庁にしております。どの会社が幾ら使つたという、われわれの予算に対する報告が来ております。その報告の電気の使用量から見まして、硫安トン当りの電気の原単位から換算いたしますと、各社の生産量の報告がそういうことになるのでありますが、それが適正であるかどうかというようなチエツクはしばしばしております。その点はまた会社としてもみな相当大きな会社でごまかそうと思つてもそういうことはできませんし、そういう事実は何かの計算の間違いで数字が出たということはありまするけれども、私の方にそう事実と違つた報告はいたしておらない。またそれに対するチエツクも十分いたしておるというような状況であります。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 これは全部例を示してもよろしいのですが、ある二、三つの会社によりますと、もちろんこれはガス法でありましようが、最近の石炭の値下げによつて相当会社の営業実績が上つて来た。こういう報告もいたしております。柿手さんの御説明のようにいたしますと、あなたの努力によつて合理化が進み、しかも炭価が相当低落をいたしまして、むしろ今では石炭業者がいろいろ運動資金を使つてまで硫安工業に石炭の売込みをいたしておるような状態でありますから、ほんとうは市場価格より、もつと出炭価が下つておるはずであります。長期契約でありますれば、相当炭価を下げて実は競争しておるようであります。従いまして、いわゆる石炭の市場価格よりも硫安工場に入る石炭はもつと割安に入つておると見なければならぬ。こういうことからして、相当硫安のコストが下つて来たと思うのです。これは在来からの政府の施策のよろしきを得て、しかも柿手部長あたりが非常に熱心にやつた結果価格が下つて来たはずなのです。価格が下つて来たならば八百二十五円という下限をもう少し下げてもいいということにならなければならぬと思うのですが、もしもここまで業績が上つて来たならば、あなたは下げるということをおつしやることができると思うのですが、どうもそこのところへ行くと言葉をにごしておられる。あなたの今の御説明のように、相当業界の成績が上つて来て、コストが下つて来たならば、この下限を勇断をもつて下げる御意思になつておるはずだと思うのですがどうです。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 この問題は、今政府といたしましては、本日も御審議を願つておる硫安の関係二法案の実施によりまして、御説のような点につきまして遺憾なきを期して行きたいと思うのでありまして、ただいまのところどの辺が適正な価格であるかどうかというようなことにつきましては、私としてもはつきり申し上げかねるのであります。この七月以来御審議を願つておる二法案の御審議を一日も早くしていただきまして、川俣委員のおつしやるような点をはつきりと制度化して行きたいというふうに希望いたしておるわけであります。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 柿手さんがそこまで言われるならば、政府が自粛を業界に慫慂し、適当な施策をもちましてこれらの法案が実施されても対応できるように準備をせられておりますならば、これはそのままうのみにしてもいいと思う。そうでなくて、なかなか業界が農民の希望に沿い得ないような状態が今でもなお続き、通産省が一向反省する余地がないとしますならば、それに即応するような、業界と通産省を相当制肘するような法案に修正して行かなければならないと思うのです。これは農林委員会皆一致してそういう希望だと思う。通産省が思い切つてこの価格を引下げるような方法をとつて、業界が反省をいたしまして価格を引下げるということになりますれば、現在の法案でももつて満足するに足ると思うのでありますが、これだけ審議をいたしまして相当慎重にいたしておりますのは、法文の体裁ではないのです。業界がどれだけ反省し、通産省が一体どれだけ反省をするかということを見ておるわけであります。反省の色が強ければこの程度でもよろしいし、一向反省しないで、価格を引下げる用意がないということならば、引下げるようなもつと強制的なものにかえて行かなければならぬと思うのですが、柿手さんどつちがいいとお考えになりますか。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 これはあの二法案のときもしばしば御説明申し上げましたように、これは国内の農民に対してはもちろんでありますし、国際の価格から見ても相当に高いのでありますから、これを引下げるべく、政府としてはあらゆる強力な施策を講じて合理化をして、コストを少くとも五十ドルくらいまでには下げたい、そうしてそれに即応して国内価格も下げる、輸出もそれによつて強力にやつて行くということを考えておるのであります。現在の価格をもつて満足しておるわけではないのであります。ぜひともこれを大幅に下げて行つて農民にも安く、国際競争にもたえて輸出をふやして行きたいというふうに考えております。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 柿手部長は五十ドルまで下げて行きたい、それは五年後、十年後のことでありますならば別問題です。私どもは四月から使われるところの春肥をどうして下げて行くか、将来十年後に五十円下る、百円下るよりも、春肥に十円でも二十円でもいいから下げて行きたい。これが最も日本の食糧増産の上に寄与するゆえんだと考えておる。まず十円でも二十円でもこの際下げるという熱意を、通産省は持つておられるかということをお聞きしたい。今すぐに五十円とか百円下げてもらいたいのは山々だが、そこまではなかなか柿手さん言うてはくれまいと思うのですが、あなたの施策の通り行われておるとするならば、十円か二十円か最下限を割つて八百円まで下げるというところまで行つて、初めてわれわれの希望しておるような方向に向つて通産省が誠実に行政を行つておるというふうには認めますけれども、将来五十ドルまで下げることが理想だというような、理想だけで来年の米はできませんよ。十年後には安い肥料をやるのだから、来年だけうまく米をとつてくれというわけには行かない。来年の植付に必要な肥料を安くしてやるということによつて来年の米の増産が可能になる。だから十円でも二十円でも下げるという自信を持つた御答弁はできませんか。できなければ、どうも私は法案を審議する上に、やはり別な決意をしなければならないと思いますが、どうですか。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 これは来年の春肥の取引価格についてのお話のようでありますが、この点については私どもとして、いかに取引すべきかということについての権限はないのであります。御承知のように、全購連対各メーカーの間で春肥、秋肥それぞれ話をきめておるようでありまして、私が幾らに下げさせるということを言つてみたところで、われわれにはそういう権限はないのであります。これにつきましては、せつかくでございますけれども、私はどこまで引下げるかということについて、お答えできないのでありますが、それはひとつ御了解を順いたいと思います。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 あなたは権限がないと言うけれども、できますよ。輸出をひとつとめてごらんなさい。二十円や二十五円は必ず下ります。保証して下ります。だから、あなたがそれだけの権限がないと言うけれども、そういう権限は持つておられるはずです。また来年から合理化のために資金面なりあるいはその他の施策を十分講ずるのだから、この春肥からひとつ思い切つて下げてみたらどうかということは、私は慫慂できぬことはないと思う。それが行政だと思うのです。もちろん春肥に間に合うような施策は今できぬかもしれぬけれども、二十九年度においては、通産省は思い切つた合理化の方向に向つていろいろな努力を払うはずであるから、今下げて行つてはどうかということの慫慂ができないようでは——柿手さん、あなた長年やつておられるにかかわらず、そのくらいの業界に対するにらみがきかぬようでは、あまりにも情ないと思いますが、ひとつ自信をもつてその点は言われませんか。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 それが先ほどから申し上げております通り、これは全購連と各メーカーの間で、いろいろ話をして、自主的にとりきめておる段階でございますから、私どもがここでそれについてはつきりしたことを申し上げることは非常にむずかしいのであります。その点御了解願いたいと思います。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 むずかしい、むずかしいということで逃げることなく、あなたが逃げるということであるならば、この法案についても少し影響して来ることになる。逃げただけでは済まない。価格の方は逃げられても、法案の方は逃げられません。それならそれのように法案を考えて行かねばならぬ。そこでお尋ねしているのです。ここで十円でも二十円でも最下限を割つて、八百二十五円を五円でも十円でも割るということになると、そして通産省が新しい行政をもつてしつかりやるということになれば、これはある程度おまかせするような、政令にものを譲つて、法案はあまりやかましくせぬでもいい、こういうことになります。どうもそこまで決心がつかないのだ、それはわれわれの権限じやないのだというようなことで逃げられるならば、逃げる者をここで追うわけには行きませんから、法律で縛つて行かなければならぬということになると思う。そういうことでありましよう。これはやむを得ないことなんですよ。あるいは輸出会社の方だけを握るとかどうかしなければならぬということになつて来るのですか、私はそれはあまり好ましくないと思うので、ここで柿手さんが五円でも十円でも下げて、肥料界全体のために勇断を振われる意思があるかどうかという点をお聞きしているのですが、この点もう一度御答弁願います。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 この迫つた春肥の価格について幾らというふうなことを言明しろとおつしやることは、これは先ほどから私が申し上げております通りに、ごかんべん願いたいのでありますが、これはあなた方の期待にそむかないように、あの法案の趣旨に従つて、忠実に誠意と熱意をもつて運用することにつきましては、ここでお誓いを申しまして、一日もすみやかに、ぜひあの制度の確立をお願いしたいと思います。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 そういたしますと、あの法案を、八百二十五円というものを維持することができるというふうにお考えになつて御提出になつたのですか。私どもはそういうふうには理解しない。あの法案が出ることによつて、将来八百二十五円より幾らかでも下げて行くのだということで審議しておりました。あれを八百二十五円の限をいつまでもくずさぬ意味の法案だというふうにお考えになつているとすれば、私どもは、あなた方の出した法案についても、もう一度真剣に検討して行かなければならぬと思う。私はそうじやないと思うのですが、どちらですか。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 先ほども申し上げましたように、国際競争に耐えて行くまで漸次下げて行きたい。むろん公定価格もそれによつて下げるというふうに考えておりますが、さしあたつてこの春肥から幾らに下げるかということにつきましては、これは今私がここでお答えを申し上げるのにはあまりに重大問題でありまして、それはごかんべん願いたいということを申し上げているのであります。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 私これではまだ十分了解しません。この法案の審議にあたりまして、政府の態度がはつきりしませんと審議が進まぬのであります。従いまして、この点については、法案が通る場合にはこのようなことになるのだということをお示しにならなければ、このままで法案を審議すべきか、また大きな修正を加うべきかという重大な岐路に立つと思いますから、あらためてひとつ御答弁を願いたいと思いますが、その点は無理だというのなら、保留いたしておきます。  次に過燐酸についてちよつとお尋ねしたいと思います。過燐酸につきましては、だんだん単肥の過燐酸が減つて参りまして、化成肥料または配合肥料の方へかわるような傾向が多いようであります。ということは、燐鉱石を買つて参りましたけれども、単肥の過燐酸石灰にしておきますとか、あるいはトーマス肥料にしておくよりも、化成肥料とか配合肥料にする方が利益率が高いという点から、だんだんその傾向が増大して来るようでありますが、これについてどのような御見解を持つておられますか、お尋ねしておきたいと思います。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 化成肥料及び配合肥料の方に過燐酸単肥のものがだんだん移つて行くということにつきまして、さきの国会においてもいろいろ御議論があつたのでありますが、私どもといたしましては、農家の諸君が施肥する場合に、単肥を購入して、農家が自分のくふうによつてそれぞれの単肥を配合して施肥するという必要はむろんあろうと思うのであります。しかしながら何も全部単肥でそれを買つて、それを農家がみずからまぜるということではないのでありまして、一応は化成とか配合肥料というふうな、大量に工業的につくられたものを使う方がベターの場合もあろうと思うのであります。私はそれを一概に否定するということはよくないというふうには考えているのであります。ただ化成肥料、配合肥料には非常に種類が多いのでありまして、成分も種類が非常に多々ございますから、それぞれの相場というものもはつきりしません。従つてメーカーもそうでありますが、ディーラーが単肥に比べて口銭をよけいとりやすいという傾向はいなめないのであります。私どもしては、配給過程において、いろいろな景品を出したりなんかするような非常にむだな販売経費をかけないように——メーカーも単肥も加工するのでありますから、むろん加工費はかかるけれども、その加工費に比較して不当な割高にならぬようにすることにつきまして、それぞれ両省共同でもつてメーカーなりディーラーの自粛を要望しております。問題は、全部が化成、配合になつてはいかぬことはわかつておりますけれども、一部分がそういう形で行くことはよかろう。但しそれが非常に割高にならぬようにするということを指導して行きたい、こういうふうに考えております。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 大体の趣旨において私もあえて柿手部長の説を反駁するものではありません。確かに単肥で使用する場合は、最近の農協あたりの仕事が相当確実になつて参りましたので、単肥の消費が協同組合等において当然配合肥料になる分も非常に多いと思うのでありまして、従いまして単肥のものを今まで通り持続しなければならぬことはもちろんでありますが、私今ここで問題にいたしておりますのは、化成肥料なり配合肥料をあえて拒もうとは思うわないのです。ところが、こういうように価格の値上りのような傾向を帯びて参りまずと、一番利益の多い方面に流れて行くために、さらに単肥の価格をつり上げて行くというような方向になることをおそれておるのです。たとえば化成肥料等に流れることを急に抑えるということになりますと、某会社あたりをかえつて擁護するようなことにもなりますので、必ずしも全部これを抑えるというようなやぼなことを言うことは、かえつて一、二の会社の宣伝に乗せられるようなことにもなりますから、私はその点は非常に警戒いたします。けれども、こういう化成肥料なり配合肥料の方に多くまわるということが、どうも価格の値上げの方に強く影響するような結果になりますので、相当これはむずかしいと思うのです。通産省が化成肥料なり配合肥料にまわることを抑えますと、おそらく既設の会社だけが非常な利益を得まして、今や競争して参ります新しい会社を押えるということになつて、既設の会社の擁護になつてしまうようなことにもなりますので、これはなかなか抑えることは容易じやないと思いますけれども、われわれはむしろ価格の上ることをおそれて押えなければならぬということでありますので、既設の会社でありますれば相当の施設を持つておりますので、こういうところには行政的な勧誘によりまして、価格を押えて行くというようなことを努めなければならぬと思うのでありますけれども、これに対する御見解を承りたい。さらに今までは四百七十三円ぐらいでありますが、どうも値上げのような傾向を持つて来ておるようでありますが、その値上げの理由は、俵代と燐鉱石の値上りのようであります。燐鉱石の値上りから来る価格の上り方はやむを得ないとも考えられまするけれども、この際幾らか忍んで現状を維持するというようなことを考えらるべきじやないか。また俵代に対しましても、今日ちよつと俵代が高くなつておりますけれども、冷害等の状態から見まして、地方においては必ずしも俵代が上つておりません。将来農閑期に入りますと、俵代がむしろ安くなるのではないかというようなおそれすら持つておるのであります。そういう理由で値上げをするということは不当であると思う。またかりにそういう値上りによつて値上げをしなければならぬということになりますれば、一方硫安の方も炭の値段が下つて来ておるのに、それを一向加味していない。原料の安くなるようなときは一向これを認めない。原料が高くなるときはすぐ値上げをして行かなければならぬというようなことは、あなた方も肥料行政の上からも好ましくないというふうにお考えであろうと思うから、これも価格を抑えるような方法を講ぜられておると思いますけれども、一投の努力を願いたいと思いますが、これに対する御見解を承りたいと思います。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 過燐酸につきましても、目下春肥の取引につきまして、各メーカーと全購連の間でいろいろ話をしておるようであります。いずれ話が進みますれば両省へ報告があると思うのであります。十分農林省と相談いたしまして、そういうことのないように、妥当に解決するように指導して行きたいと考えてりおります。  それから単肥の問題でありますが、これは各社別には、お前のところは単肥として幾ら、化成として幾らというようなことは私ども指示しないで、過燐酸全体として大体単調はこのぐらい、化成はこのぐらいというような指導をいたしております。毎月大体十二、三万トンできるうち、十万トン程度は単肥で加工する方がよかろうというような指導をいたしております。それでそうひどい弊害はない。むしろ価格を割高にして行かないように、また配給過程においてもいろいろなお祭り騒ぎみたいなことがよくありまして、結局それが消費者に転嫁されることになりますから、そういうことについても、十分販売方法を簡素にやつてもらいたいというような指導をいたしております。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 次にカリ肥料についてお尋ねしておきたいと思う。カリ肥料は十月から三月までの割当が大体終つたようでありますが、今年度の冷害あるいは災害等からも見て参りまして、燐酸系統の肥料、カリ系統の肥の需要が相当旺盛になるんじやないかという見通しを私どもは持つているのであります。また農林省におきましても、今度硫安いわゆる窒素系の肥料の多肥からして稲熱病あるいは冷害等に襲われたことも、これは見のがすことができないというような見解を持つておられますので、特に敏感な農民といたしましては、燐酸肥料またはカリ肥料に相当需要が集中するであろうということが予想せられます。そこでカリ肥料の手当でありますが、今十月から三月までの手当をいたしておられるようでありますが、さらに四月——九月の外貨の割当を今からいたしておきませんと、急な需要がそこに起つて参りますと、カリ肥料の輸入について非常に価格を上げて行くようなことにもなるおそれもありますので、来年度の割当を今からするということは財政上非常に困難な点があるかもしれませんけれども、やはりこういうような点については、今から手を打つことが必要であろうと思いますが、これに対する御見解を伺いたい。これは経済局長と両方にお伺いいたします。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 カリ肥料につきましては、お話のように冷害といつたような事情もあつたのでございますが、需要が急速にふえて参つております。本肥粁年産の手当といたしましては、約六十万トン程度の需給計画を立てておりまして、それで推移して大過なく来ていると思いますが、なおその後検討を加えた結果、若干不足があるのではないかという御指摘のような事情もありますので、早目に外貨予算の手当をしたい、かように考えております。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 カリの問題ですが、実は国内生産はございませんので、通産省としては外貨手早の問題がございますから関係がございますが、私の権限の範囲ではございませんが、窒素がふえれば、それに従つて、ことに冷害がもう一年続くかもしれないというようなおそれもありますから、カリの確保は必要だと考え、それに必要な外貨は獲得しなければならぬと考えている次第であります。

井出一太郎改進党

○井出委員長 中澤茂一君。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 柿手さんにお伺いしますが、台湾へ二十五万トンの輸出をして、損害額は一体どれだけ出るのか、その点をひとつ御答弁願いたい。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 これは台湾に売りました販売価格が五十六ドル八十セントであります。二十五万トンのうちこの秋に積み出します十二万トンにつきましてはバナナのリンク輸入を認めましたので、これによりまして、硫安トン当り約三ドル七十五セント程度のリベートがある予定であります。従つてメーカーといたしましては、六十ドル五十五セント程度の手取りになるわけであります。しこうして現在国内の販売価格は、秋は大体八百四十五円から八百六十五円、平均八百五十円見当で販売いたしておりますので、それとの差額が国内に販売しますものとの損失になるわけであります。これは各社によつてコストに差がありますから、一律には申し上げかねますが、大体平均いたしますと、八百五十円といたしますと約六十三ドル見当でありますから、六十三ドルと六十ドル五十五セントとの差額、二ドル四十五セントですか、二ドル半程度が平均の国内販売価格に比べてマイナスになるというふうに考えております。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 バナナの輸入の問題では、この前足鹿委員が質問なさいましたが、今柿手さんはバナナの利益が三ドルどのくらい、ちよつと声が小さくて聞えなかつたが、そんなことじやないのです。これはかつて足鹿委員が問題にしたように、バナナは今一体どのくらいで輸入されているかというと、日本の円にしますと台湾の積出しが二千七百円、課税二割、諸掛り全部入れて、一かご三千五百円で内地上り、それが今市価がどのくらいしているかというと六千五百円、これはおそらく正月あたりにかけて行つたならば、七千円を突被するのじやないかということを言つておるのです。部長の言う三ドルどのくらいというと、一千円ちよつとの計算になるわけです。これはこの裏には非常に問題があるのです。私はいろいろ裏の事情を知つておりますが、今まだ出す時期でないからと言いませんが、基本的には私はおかしいと思うのです。それは会社が納得して入札して出したものを、そのしりふきをバナナの輸入でしてやる。しかもことしのような一千万石以上の減収のとき、大して腹の足しにもならないバナナの輸入を許可するということは、私は絶対反対なんだ。当然これは米を入れるべきだ。台湾の残余米を入れるべきなんです。このバナナの問題は非常に問題がある。現在そういうことで一かご入れれば、約三千円の利益というものは、横浜へ上つたとたんにあるのです。そこでこの損害額が今二ドル五十セント前後と言いましたが、二ドル五十セントを埋め合せても、こまかい計算をしてみないとわかりませんが、まだ相当もうかつているのです。これはまさに不当利得だと私は思う。このバナナの輸入を許可するかしないかということは、ちようど私が急用でいなくて、足鹿委員にいろいろお願いして質問していただいたのですが、大体バナナの論人を許可するときは、当然柿手さんの方では輸出の損害総額というものが出なければ——それとバナナの利益額というものが出て、これだけのものは正しいのだ、損失カバーはできるのだという計算を立てるのが当然だと私は思う。あなたがおわかりでなかつたなら、一緒においでの方でもいいから、輸出総額の損失額は幾らだ、それに対してバナナの利益は幾らだ、そこでこれがとんとんになるという計算をされたかされないか、ひとつ御答弁願いたい。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 これは私一番よく知つておりますからお答え申し上げます。  まず、バナナを輸入する金があつたら米を輸入したらいいじやないかというお説に対しましてお答えいたしますが、日本と台湾との間に貿易協定を結んでいるのでありますが、両方で貿易協定を結んでなかなか折衝がつかないのであります。それは自分のところにいらないものを相手に買わして、そうして自分の方はできるだけいるものを輸入したいというので、お互いに折衝をいたしているのであります。それでなかなか貿易協定というものは手間がかかつて、お互いにかけひきをしてやかましくやる。それはそういうふうにやるのが当然だと思います。従いまして、日本とすれば必ずしもバナナをほしくないのでありますけれども、バナナを年間四百五十万ドル程度のものは買うということにしないと、やはり日台貿易協定ができないというので、日本と台湾との間に貿易協定をつくりまして、そうして四百五十万ドルは、日本はいらなくても買わなければ協定ができないという関係から、貿易協定をやつて行く以上は、四百五十万ドルのバナナはどうせ輸入しなければならぬことになつておるのであります。しこうして今まではその四百五十万ドルのバナナの輸入業者をどうしてきめておつたかと申しますと、従来バナナの輸入をやつておつた業者がたくさんあるのでありますが、それらにある資格をきめまして、ガラポンと称しているのでありますが、くじを引いて、くじに当つたものが輸入権を得まして、バナナの輸入は——国内のくだものの需給関係等から大分かわつて来るそうでありますが、相当の利益があるということで従来やつておつたのでありますが、今度肥料の輸出が非常に困難になつて参りまして、こんな出血輸出では生産を落した方がいいかどうかという岐路に立ちまして、これは少々出血輸出でも、生産を落さずにコストを下げて行く、そうして少しでも外貨を得るという方がいいということになりまして輸出をいたしたのでありますが、それは各企業にとつては打撃であるから、何とかそれを埋め合せる方法はないかというので、どうせ輸入しなければならぬバナナにつきまして、ガラポンでくじを引いて、このくじに当つた人にもうけさせるという方法をやるよりは、硫安の輸出業者にバナナの輸入権を与えて、それによつて硫安の輸出による損失の一部を補填させたいという措置をとつたのであります。それからもう一つは、そういうことをやりますと、従来そのバナナの輸入をしている業者が、硫安の輸出業者に仕事を奪われるというような関係もここに生じて来るのであります。その関係を調整するために、バナナの輸入業務は硫安の輸出業者にやらせない。輸入の権利と言いますか、輸入資金は硫安の輸出資金の約一〇%に相当するものを、いわゆる優先外貨に相当する程度のバナナの輸入権を硫安業者に与えるけれども、それはどこまでも従来のバナナの輸入業者の仕事を奪わないためには、それらの方にその輸入権を委託しまして、それらの手で輸入をさせる。ただその輸入によつて利益を受ける分から、そこはバナナ輸入業者と硫安の輸出業者との間に話をしたのでありますが、その利潤の分配は、三ドル七十五セント程度のものを硫安業者に与えて、輸入をしたバナナ業者から三ドル七十五セントをリベートさせるということがきまつておるのでありまして、三ドル七十五セントがバナナ輸入による全体のマージンではないのであります。そのマージンの総額はどうなるかということにつきましては、今後ぼつぼつ輸入するのでありますから、向うの価格はあまりかわらぬかと思いますけれども、こつちへ来たときの国内の青果物の市況によつて、どれだけになるか必ずしもはつきりはせぬと思います。けれども大体バナナ業者としても、三ドル七十五セント程度のリベートは輸出業者にやろうということで話合いがついたように聞いております。大体そういう事情でありますので、いろいろ御議論があるのでありますけれども、通産省内部といたしましても、各関係者が集まつてこういう方法をとつたのであります。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 それが柿手さん間違いなんです。そういうことをやつてほかのものでもうけさせるということをやつたら、どこで一体企業合理化ができますか。とにかく入札輸出を損失覚悟でやるからには、会社経営をやつている者は、真剣にここで企業合理化をやつて行かなければだめだ。通産省の柿手さんのところに行つて何とか頼むというようなことでは、企業合理化もできない。バナナ輸入の問題については、外貨割当の問題もあるし、そういう変態的なことをやつてはだめです。少くとも納得して、自分がこれで出すのだといつて入札してとつた以上は、それで出させればいいじやないですか。バナナでカバーしてやる必要はないではありませんか。そこで、先ほどあなたのおつしやつたことは大分わかつて来ましたが、バナナの輸入をどれだけの量を許可すればいいか。大体あなたには各社の平均コストが全部わかつていると思う。だから損害額とバナナの輸入による利益、これは三ドル七十五セントというもので完全にバランスがとれるのかどうか、その点をはつきりしてもらいたい。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 五十六ドル八十セントとバナナの輸入によるリベート三ドル七十五セントの合計六十ドル五十五セントというのでは赤字を完全に償つておらぬと思います。しかしながら、できるだけカバーさせるためにバナナの輸入を認めたのでありまして、私どもは当初四ドル五十セントないし五ドル程度のものはリベートができるのではないかということで計画したのでありますが、先ほども申し上げます通りに、輸入実務は従来のバナナ業者をかえませんで、バナナ業者のマージンと硫安輸出業者のマージンとの振合いの問題でそういうふうにきまつたのであります。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 どうもはつきりしないのです。損失額は一体幾ら出るのか、それに対してバナナの輸入量はどれだけ許可したのですか。要するにその業者との話合いで幾かご分のリベートを肥料会社にやるという話合いをしたのですか。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 そういうこまかい取引につきましては通商局の方でやつたのでありまして、はつきりは知りませんが、大体九万かご程度のように聞いております。そうして硫安トン当りのリベートが三ドル七十五セントで、全体の利益が幾らになるかということにつきましては、要するにバナナ業者と硫安業者とのリベートの配分の問題でありますけれども、これは全部輸入してどれだけのマージンがあるかということはきまつておらないのでありまして、バナナ業者としては、将来このくらいのマージンがあるであろう、そのうちこのくらいを硫安業者にやつたらよかろうという推定を立てたのだと思います。その辺のことは腹積りということになりますから、私の方でははつきりわからないのであります。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 今こまかい計算書が足鹿委員のところにあるのですが、九万ケースというと、二億七千万の利益があるのです。だから二十五万トンの輸出に対して九万ケースをやつた二億七千万というものは、要するに損害願だということは、はつきりとお認めになつたのですね。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 二十五万トンの契約はいたしておりますけれども、さしあたり考えましたのは、年内に積み出す十二万トンについての輸出金額が約六百八十万ドルなのでありますが、大体輸出しますと、一割に相当する輸入外貨をやつていますから、その優先外貨に相当する六十八万ドル程度のバナナの輸入権を認めたのであります。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 ちよつと関連して伺います。この前もこの点について非常に問題にしてお尋ねしたのですが、また同じようなことを繰返されているので、もう一度お聞きしなければならないのですが、あなたは出血輸出をしているので、その出血輸出に見合うようなものを代償として考えなければならぬということでありますが、通産省の今までの、出血する会社もあろうし、出血しない会社もあるであろう、出血の度合いがおのおの違うという今までのとり来つた態度が、どうもみな一様に同じような出血だというようなことにいつどこできめられたのか。かつて通産省から一様に出血だということを聞いたことは一度もなかつた。それがバナナの問題になると、いつも一様な出血だという御答弁があるのですが、いつきめられたのですか。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 各社一様な出血であるというふうには、私申し上げておらないつもりでありますが、この出血というのは、今平均の話をしたのでありまして、各社によつてこれはまちまちと思います。しかしながら輸出価格は同じ価格で輸出しております。従いましてバナナのリベートも、これば差をつけようがないものですから、つけないのであります。これは非常に統制をいたしまして、各社の原価を調べて、その各社の原価によつてそれぞれ輸出価格もきめ、リベートもきめるということになりましたならば別でありますが、現在では一応一本できまつておりますから、それによつて機械的にリべートもその輸出した金額の一〇%に相当するバナナの輸出権を与えるということにする。コストの差によつてあるところに多く、あるところに少く輸入権を与えるというようなこまかいところまでやれないのであります。現在はむろん出血そのものの価格でありますから、コストの違う点において出血もむろん差があることは当然だと思いますが、そのリベートの額は一様にならざるを得ないのでありまして、硫安の輸出額の一定パーセンテージの金額のバナナ輸入権を機械的に与えているという状況でございます。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 関連でありますので恐縮でありますが、あなたは最初に出血に見合うような代償を少くとも与えるのだこういう建前をとつておられるのでしよう。出血であるからして、出血の部分について代償を考える。会社の利益を考えるという立場で外貨割当をしておられるのじやないのでしよう。そうじやないのですか。会社の利益、あるいはメーカーの会社経営の内容を強化してやるために外貨手当をするというのでなくして、今までの説明によりますれば、出血であるからその代償を考えてやろう、こういうことなのです。出血であるという認定があつて、その代償を考えてやろうというのでありまするから、おのおの出血だということの内容が出て来なければ代償ということは考えて来られないはずだ。そうではなくて、単なる会社の経営の改善のために、あるいは利益増進のために外貨割当をしてやろうというのならばこれは別問題です。あなたの今までの説明は、出血であるから、その出血に対する代償を考えてやるというのでありまするならば、会社おのおの出血状態が違うはずであるから、おのおの違うような代償を考えてやるのが、あなたの説明からいえば至当だということになりやしませんか。あなた答弁をごまかしてはいけませんよ。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 決してそういうことはございません。ただ各社によつて出血の度合いが違うということは私、思うのでございますけれども、それが各社とも五十六ドル八十セントで、Aは何円、Bは何円というように的確な出血額というものがわからない。全体としては出血であるけれども、みんな同じようにトン当り一率の出血とは考えない。それでは全体がどうして出血だと思うかという点の御疑問だろうと思うのであります。これ私しばしば例をとつて申し上げることでありますが、昭和二十五年の八月、統制撤廃当時のいわゆる公定価格と現在の仮価格との状況、さらにその問の物価の変動等から見まして、現在の輸出価格は相当に出血をしておるというふうに私どもは想定いたしておるのであります。むろん会社の中にコスドのいいところと悪いところとありまして、出血の度合いは違うけれども、平均としては相当大きな出血であるというふうに考えております。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 これはこの前の御答弁のときにはこういう答弁をされている。今度の台湾輸出については、二、三の会社が出血が大きいために参加してこないということで、会社の任意の協定によるところの輸出でなくして、参加しない会社もあるでありましよう。おそらく参加しない会社というのは、出血が大きいために参加しないであろう、こういうことを言われておる。そうすると、今度参加しておる会社というのは、比較的出血の薄い会社だということになる。出血の薄い会社の中で、なお甲、乙があるとしますならば、出血でない会社も想像できる。従つて会社の営業を強固にするために外貨手当をやつたという答弁であれば、私はあえて問題にしない。私は出血だ、出血だという立場を通産省がとられることの疑念をお尋ねしておるのです。通産省は、いつでも必ずメーカーというものは出血だということが頭にこびりついて離れない。バナナの問題になると必ず出血だということになる。別な問題からいうと、出血である会社もあるだろうし、出血でない会社もあるだろうというような答弁をする。バナナに恩典を与えるということになると必ず出血だという、これはどういうわけなのです。いつそういうことをきめられたのです。私が今まで通産省の説明を聞きますと、出血である会社もあり、出血でない会社もあるというふうに御答弁になつておる。今度だけが一様に出血であるという答弁は初めて聞くのです。バナナの問題に限つてそういう答弁をする。ほかの問題についておのおのコストが違う。そのコストがおのおの違うためにわかりにくい。ガス法によるもの、電解法によるもの非常にわかりにくい。必ず甲、乙があるのだ、こういう説明をさ、れております。バナナの問題については一様な出血だ。一様な出血であるから一様の代償を与えるのだ、こういうようにあなたは御答弁になつておる。代償がなくて、これは輸出したものの特別な権利として外貨を与えるというのなら、それは説明として一貫して通ります。あくまで出血だということをどうしてそこへつけ加えなければならないのです。これはひとつ通産省として意見をまとめて御答弁願いたい。これはあなたの意見よりも通産省の今までの意見が食い違つておりますので、局長なり大臣なりの答弁をあらためて要求することにいたしまして、きようはこの答弁はお聞きしないことにいたします。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 私はこの前この問題をお尋ねした際とこの御答弁と少し話が違うように思うので、その一点だけをはつきりしておきたいと思います。この前十月二十日に私がお尋ねしたときには、柿手部長の話では大体私が指摘したときのような利益はない。大体一ドル程度の利益しかないということをあなたは言つておられます。この議場において言つておる。そこで今話を聞くと三ドル七十五セント大体出血をカバーするバナナの利益がある。こういうことはさつきも中澤君の質疑に対してお答えになつておる。そのときの話では、バナナの輸入なんかをいたしてもまだまだ業者は出血になるのだ、こういう御見解の表明になつておる。今三ドル七十五セントと五十六ドル八十セントを加えてみますと、六十ドル何パセントという大体引合つた価格というものが出て来る。しをも今問題になつておりますバナナの価格の問題ですが、この前も松尾通産局次長は計算として非常に低いものに見ておいでになつておる。私どもはそうは見ない。現在のバナナの市況をごらんになつても、通産当局が計算されておるそういう低いものではない。明らかにこのバナナによつて出血をカバーすると称しながら、その間にどこかにバナナの利益が別の面に流れておる。それを中小企業が外貨の割当が少いものを、中小企業の外貨にまで織込んでやられるということはおもしろくないことだと思う。中小企業振興の面がやかましく言われておるのにおもしろくないじやないかということえおいろいろ申し上げたのです。その話と、きようまさかバナナの話に発展しようとは柿手さんお考えにならなかつたでしようが、明らかに答弁が食い違つておる。これは一体どうします。そういうことでこの委員会のその場しのぎの御答弁になる。約一月あまりたつたあとの御答弁の内容と大きく開くというようなことでは、ますますわれわれは通産省のやつておいでになる肥料行政というものに対して信を置きがたいような気持にならざるを得ないと思う。もう少し正確に、ほんとうに正しいものは正しいとしてあくまでもあなた方は御主張になればいい。それがそのきときの委員会の状態によつて答弁が数字の上でもはつきり食い違うというようなことは、私ども非常に遺憾に思います。今までにバナナを幾ら見返りとして輸入されたか、その原価は幾らであつたか、諸掛がどういうふうな、何人にどういう形でそのバナナの輸入権を委譲したか、バナナ問題に関する詳細な資料をひとつ通商局から御提示願いたい。そのとぎの答弁によつて大きな食い違いがあるというようなことでは、何が何だかさつぱり私ども了承することができません。バナナで出血をカバーするといいながら、事実は大きな利益をあげている疑いが多分にある。だから私どもは、内地の農民に対しては安定帯価格を標準にして出血だと称し、そしてその不足分をバナナの輸入でカバーしてなお余りがあれば、これは明らかに不当行為ではないかと思う。これは別に商業上から言つては問題は起きないかもしれませんが、内地の農民の感情、現在の肥料に対する農民の苦境、今年あたり冷害や風水害が相次いで、せつかく協同組合と契約しておつた肥料すらも、使いたくても金がないために返しておるのですよ。そういう状態なんです。事態かそういうところまで悪化しておわるときに、内地の安定帯価格を標準にして出血額に対してバナナを輸入させ、しかもそれで巨利を博するというような疑いはおもしろくないと思うのです。確かに市況判断というものは私どもも正縦にはできません。通産省といえども、この前松尾次長がここで言われたような少いものでないということだけは、明らかだろうと思う。少くとも一ドル三十セント内外だと言われたと思うが、今聞けば三ドル七十五セントのバナナの利益をあげておられる。いわんやこれが次々と流れて行く場合に、どの程度の利益になつておるかということは、想像にあまりがある。だれがその利益を占めておるのか。少くとも内地の農民を安定帯価格で縛りつけて、外国に安い値段で売つて、その見返りすらも、正当に評価してもなお余りがある。事業の差によつては大きな利益が出て来る。もしその利益を還元してもらうものがあるとするならば、当然これは内地の農民じやないですか。内地の農民こそバナナによる利益の還元を要求する権利があると私は思う。何を標準にして出血と言つておるかというと、内地の安定帯価格、すなわち上限八百九十円、下限八百三十五円というものを標準にして出血だと称しているのですから、その出血を埋めるためにバナナを入れた、それによつて利益が出たということになれば、これは一硫安協会や一硫安メーカーが受取るべきものではないと思う。それは金額の多少にかかわらず、安定帯価格によつて縛られた内地の農民が、当然これを要求する権利があると思う私はその点について御答弁に食い違いがあると思うので、今までのバナナの輸入の実績その内容等、参考となるべき正確な資料をひとつ要求したいと思います。

井出一太郎改進党

○井出委員長 ちよつと柿手部長に申し上げますが、今足鹿委員から御要求のあつた資料等は急速に調整できますか。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 これは直接私の方ではやつておりませんが、通商局の関係ですから、通商局に申しまして、できるだけの資料をお出しするように努力いたしたいと思います。

井出一太郎改進党

○井出委員長 それではその上でさらに本委員会で取上げることにいたしますが、当面ただいまの足鹿委員に対するお答えだけあなたからお願いいたします。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 この前の足鹿委員のこのバナナの輸入についての御質問のときにお答えしたのは、速記録は見ておりませんが、私の記憶では、まだはつきりきまつておらなかつたけれども、このリベートは三ドル余あるという気うなことを申したつもりでおります。これは速記録に出ておると思います。あなたはマージンは二、三千円あるような、相当大きいようにおつしやつた。私はそんなことはない、三ドルばかりであろうというふうに申し上げて、一ドルというふうに申し上げたことは、私記憶いたしておりません。これは速記録をごらんになればわかると思います。  それからもう一つは、これはまだ全部輸入しておらぬのでありますから、輸入したときの国内の青果物の市況によつてマージンがかわつて来ると思うのでありますが、それはどういうふうにマージンがありましようとも、硫安輸出をしたものに対するリベートは、三ドル七十五セント以上は硫安輸出業者には返つて来ないことになつておるように聞いております。これは先ほども申し上げましたように、バナナの輸入業者のフエイヴアンを硫安の輸出業者が奪う形になつてはおもしろくないから、実務はどこまでも既存のバナ業者にやらせて、その一部のマージン、三ドル七十五セント程度を各社のコストのいかんにかかわらず硫安輸出業者にリベートするというふうにとりきめられているように思うのであります。利益が多くなつても、それはバナナ取扱い業者のマージンになるように了解しております。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 この問題は、柿手部長がいかにごまかしを言われても納得はできない。こまかい計算もしてみたが、どうしても納得ができないので、これは続けて何回でもやらなければいけないと思います。  最後に一つ聞いておきますが、十二万トンの輸出に対して九万かごの輸入の割当をやつた。そうして一かごで大体三千円ですから約九ドルくらいの利益があるのですが、それに対して三ドル七十五セントというものを硫安協会なり輸出会社ヘリベートしてやる、こういうことなんですね。その点を御答弁願いたい。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 ただいまの御質問の点その他これも実務は通商局でやつておりますから、今足鹿委員の御要求になりました資料にそういう問題が出て来ると思いますが、その資料は連絡いたしまして至急に提出いたすようにいたしたいと思います。私今ちよつとお答えいたしかねるのであります。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 この質問は続行ということで打切りますが、配合肥料のことについて肥料課長にちよつとお聞きしたいのです。  今年の凶作などを視察して歩いてみると、燐酸、カリをたくさんに使つたところは非常に冷害も少いし、いもちの被害などからも非常にのがれておる。そこで協同組合は、村で全部土質検査、土壌検査等をやりまして、大体自分の村は、どのくらいの配合に行けば病虫害等は防げるというような具体的な研究をやつて、長野県の場合などは全部まとまつておる。ところが実際単肥を買つて配合するということは、今の法律、規則からいえばできないという欠陥があるわけです。これに対して何らか配合のできるような法律改正をどうしてもしなければいけないと思うのですが、それに対して農林書の肥料課の方で、協同組合あたりが単肥を買つてそれを配合できるように、法律改正をする何か具体的な方法をお考えになつているかどうか、一応肥料課長から御答弁願いたい。

林田悠紀夫農林事務官(農林経済局肥料課長)

○林田説明員 配合肥料につきましては、仰せのように各村で施肥基準をつくりままして、それに該当しました配合法をつくるように、特に小配合所を指導しておるわけであります。その際に、肥料取締法の上におきまして配合肥料の規格がきまつておりまして、それで配合肥料をつくることはさしつかえないのでありまするが、そのおのおのの肥料を登録しなければいかぬということになつておるわけであります。その登録を各村の協同組合がやる場合に、配合肥料をたくさん施費基準でつくりまするので、そのおのおのの配合肥料について登録しなければならぬために、非常に繁雑である、こういう問題があるわけでございます。その問題につきまして、肥料取締法の上におきましてどういうふうにするか、今至急検討を進めておりまして、間もなく決定したいと思つておる次第でございます。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 お願いしておきますが、これは早急にやつてもらわぬと、できればこの国会ではどうしても何らか法律改正をして、配合肥料をできるようにしなければならぬと思います。来年も冷害の危険が相当にあるということを、中央気象台の方々もここへ来ていろいろお話になつたときあれされましたので、われわれはそういう危險を予想して、今から燐酸、カリ肥料をその土壌に適してたくさん入れて、いもちなどを防止するというようにして行かなければならぬと思います。それでできるだけ早く法律改正をするところがあつたらするように、あなたの方で案を立てて、もし政府がやらないというなら議員提案ででもやりますから、具体的にさつそく案を立ててもらいたいということを最後にお願いしておきます。

井出一太郎改進党

○井出委員長 暫時休憩いたします。     午後一時二十一分休憩      ————◇—————     午後三時二十六分開議

井出一太郎改進党

○井出委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  本年の冷害地並びに風水害地における営農資金の融通、救農土木事業等の問題について、先国会において立法措置、予算措置が講ぜられましたが、これらの諸施策の善後措置について議事を進めることにいたします。まず政府側の説明を求めます。渡部官房長。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 それではまず順序として風水害の関係から申し上げます。風水害の関係は、夏以来臨時措置の各種の法案が成立いたしまして、これに基く政令の準備をいたしておりましたが、先般食糧の安売りに関する法律の施行令を除きまして、一応施行令を出したのであります。すなわちまず第一に農地等の災害復旧に関しまする国庫補助の臨時特例措置に関する法律の施行令であります。これは政令に基きまして市町村を指定する段取りになつております。市町村の査定の分につきまして国の直接補助すなわち一箇所当り十万円以上のものの査定は済んでおりますが、十万円以下三万円の府県に対する国の補助の分の査定が全部済んでおりませんので、まず私の方で査定の済んでおります町村を第一次の指定をいたしました。次に府県の調査等を整備いたしまして、第二次の指定をいたすというふうに段取りしております。第一次の指定は今月の十日までに告示ができるようにしたい、こういうふうな段取りになつております。  それから第二に、営農資金の関係でありますが、これは風水害関係二百億であります。この一部保留を除きまして府県別の配当を終りました。  それから第三に風水害等による罹災農家に対する飯米麦の安売りの法律に基く施行冷であります。これは実際問題といたしましては府県と相談いたしまして、必要な県には食糧事務所から仮オーダーで出しております。この分は指定が府県別になりますので、私の方で政令案をつくりまして、法制局との打合せも済んでおりますが、府県別の指定のほかの方の省の関係、すなわち建設省との関係がありますので、それまで政令の公布を待つようにというふうな関係各省の話もありますので、まだ施行にはなつておりませんが、これは施工したと同じにどんどん先ほど申し上げましたように、仮オーダーで必要な向きには飯米麦を流しております。そのほか公共土木の関係は建設省と一緒の政令で出ます。それから排土の方もそうであります。そのほか一般の補助金につきましても、府県別の配分を内示済みであります。農薬その他であります。  次に冷害関係でありますが、冷害関係の法律の関係といたしましては、営農資金の融通に関する法律であります。これの施行令もきよう公布になつたそうであります。第一次の配分として二百二十億の約半分を府県に内示いたしております。  それから飯米麦の安売りの法律も、風水害の例にならつて仮オーダーでどんどんやつております。これも、先ほどの風水害のときの飲米麦の安売りの施行令と同じ状態にあります。遠からず施行になります。  それからもう一つありました農林漁業金融公庫の二十五億増資の法律であります。これは救農土木事業の自己負担分に充てるのと三億の伐採調整資金であります。準備を進めまして救農土木事業の自己負担分の貸付条件といたしましては五分で十年以内、すえ置き期間は二年ないし三年のすえ置き期間で貸す、こういうふうにきめて公庫に指令をいたしております。  次の百十五億の補助金の交付の状況であります。これは先般お手元に御送付申し上げておいた通りでありますが、まず第一に救農土木事業の第一次の配分を終りました。総額五十億でありますが。そのうち約七億弱を留保しまして第一次の配分を終つたのであります。配分の方針の骨子は、第一次といたしまして、原則として五割以上の被害の市町村を対象として配るように、それから従来ある都道府県営の灌漑排水、団体営灌漑排水、土地改良、開拓、林道事業、漁港施設、それぞれは従来の計画を生かしてやる。その計画が及ばない所にいわゆる臨時救農施設を優先的につけるように、それから一市町村に対する補助金の最高限度を大体五割以上の被害農家戸数二戸当りの労銀収入が一冬二万円を最高限度にして、それ以上に一市町村に救農土木費が集中しないように、すなわち言葉をかえていいますと、被害のある町村に漏れがないようにこの金を使つてくれ、こういう趣旨であります。それからまた市町村別の配当は農林大臣の承認を受けるというふうな点が骨子であります。土木関係は建設省に十億あります。これも大体農林省の方針と一体をなしまして配分を終つております。なお冷害の隣接府県としまして、一部白穂地帯も含めて静岡、愛知、三重等に若干の配当を右の趣旨に従つていたしております。  それから臨時救農施設の内容等につきましては、お手元に差上げておきましたが、いわゆる小規模の土地改良あるいは林道、そのほかため池の修理施設等も広く拾つて通知を出しております。  土木関係の事業は以上の通りでありまして、冷害対策諸費の一般補助金の配分でありますが、追加の十億の分につきましては先般閣議決定をいただきまして、水稲健苗育成事業費すなわち保温折衷苗しろ及び温冷床苗しろの五億二千万円、麦の増産対策の追加として麦の病虫害防除費に二千二百万円余り、種もみあるいは種ばれいしよ等の確保の追加分として一億一千四百万円余り、食生活の改善の追加として六千九百万円、このうち学校給食施設の増として四千万円を追加いたしております。米麦の安売りの追加分として八十百万円、冷害地の試験研究機関の整備の増として五千五百万円、農業共済保険金の四十五億を減額いたしましたものと、それ以上不足の分のために借入れを要するもののために要する利子補給一億一千六百万円、耕上培養に四百九十万円、緑肥作物原採種圃設置補助に九百九十万円、炭がま補助の追加分として六百十万円、合計十億をそれぞれプラスして決定いたしたのであります。今まで申し上げたものは一応資料として差上げております。これの府県別の配分は、種もみ、それから前にありました蚕桑病虫害防除繭の硬化病を除きましては、府県別の配当は済んでおりますので、先ほどの御要求に基きまして資料の配付の準備をいたしております。概略この前の委員会からあとの経過を御説明申し上げた次第であります。

井出一太郎改進党

○井出委員長 質疑の通告があります。順次これを許します。川俣清音君。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 今年の異常な冷害に対して、農林委員会が熱心に審議をいたしまして、いろいろと施策を進言いたしておつたのであります。これらに対する手配といたしまして、必ずしもおそいとは申されないけれども、もうすでに冷害地においては降雪を見まして、事業の大きな妨げとなつておるような状況であります。北海道のこときはすでに根雪となりまして、相当表土を凍らしておりますので、いろいろな事実の上に一大支障を来すであろうことが想像されますが、これに対して政府は、やや手遅れであつたという感じを持つておられないのがどうかという点が第一点であります。もしも手遅れだといたしますならば、計画をさらに変更しなければならぬ点があるのじやないかと思われますが、これらの点についてどのようなお考えであるか、お尋ねしたいと思います。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 必ずしも手遅れでなかつたという断言はいたしかねるのであります。われわれといたしましては、精一ぱい急いだつもりでありますので、御了承を願いたいと思います。なお予算書にもありますように、どんなに急ぎましても、相当程度来春に延びるのではないかという懸念から繰越し明許もありますので、そういうのを勘案して県としては町村別の計画、あるいは町村別に事業別の補給金を配分する場合に気をつけねばいかんというように念を入れてやつております。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 そうすると、来年に繰越すことを事前に了解を与えてこれらの経費を割振りした、こういうふうに了解してよろしゆうございますか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 繰越し明許でありますから、手続としては承認の手続がいりますが、当然来春に繰越して使うということを県の方に通知しております。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 それでは次にお尋ねいたします。災害予算と冷害の予算の本質的な違いが出て来ておると思いますが、災害予算の場合には災害地が非常に局限せられておりますために、局限地に多額の費用が集中せられますので、そこにややインフレ的傾向が出ておる。あるいはもらい過ぎというような非難があるようでありますが、冷害地の場合を見ますと、これは毎年襲われる冷害でもあります上に、今年はさらに特別に強く出て参りましたために、これらの予算的措置が講ぜられましても、インフレ的な傾向が現われないで、むしろ山間地においては労働力が余つて、どこへこの労働力を振り向けるかということについて、各町村当局とも相当な悩みを持つておるようであります。特にはなはだしい所になりますと、今まで炭焼き等について大した経験のない人までが炭を焼こうということで、金融の道を当局に迫つたり、あるいは急激に炭がまを増設する等で、相当の混乱が起きておるほどにやつておるわけであります。従いまして、そこに金が過剰に投資されて村の中の労働賃金が上るということよりも、最近ではむしろ下りつつあります。都会地ではわら工品などの価格が相当上つて来たという批評もありますけれども、私ども地方をまわつて参りますと、なるほど平坦地等についてはあるいはそういうことも聞きますが、山間部においては、むしろ昨年よりも価格が下つておるような状態であります。秋田のことを申しましてはなはだ恐縮でありますが、一年に一回開かれております有名な種苗交換会というのが秋田県にあります。このわら工品を見ますと、例年でありますと大体一定した価格がつけられておるのですが、今度は山間部の方でできますわら工品が非常に実は安く売価がついておるのを見て驚いたのでありますが、そのように、山間部では相当労働力が余つておる、というよりも冷害のために農作物から来る仕事がなくなつて参りましたために、過剰を来しておるのであろうということが想像せられるのであります。これに対して、今ようやく割当てられただけであるから、まだ末端にまで出ていないということも否定できないと思うのです。しかしながら、待ち切れないで山間部から労働力が移動するようなことになりますと、これは来年の植付にも非常な影響を来しますので、来年の食糧を確保するために、これらに対して今後どのような施策をなさろうとするか、この点についてお尋ねいたします。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 そういう懸念がありますので、私の方は急いでいまして、先ほど申し落しましたが、救農土木の割当も今月の五日までに終る、こういう主張を私はいたしておるのであります。もう数県について、一応こうやつた、あとどうやるのだという話も来ております。いずれにしましても、政府の方といたしましては、これは営農資金であり、救農土木であり、補助金であり、それをできるだけ早く末端に届けるのが第一の要件であると考えておりますので、府県あるいは関係団体を督励いたしまして、来年の再生産に支障を来さないように、これは直接のルートのみならず新聞、放送等によりましても、上からと下からとの注意を喚起しておるような状態であります。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 相当新聞やラジオをもつて宣伝されておりますので、首を長くして待つておるのです。ところが、農協に相談に参りましても、農協自体が、農作物の収入がないために資金が潤沢でないということから、農協も手をあげておる。また町村も資金面のやりくりがつかないで手をあげている。こういうことになつておりますが、末端にこれらのものが参る前に、何とか資金面において、もう一度考慮してみる必要があるのではないかというふうに思います。もう割当が終つたのであるから、迅速に事業が成り立つであろう、こう思われることも、これはもつともだと思うのです。しかしながら、実際はそれらのものが、さらに最末端に割当てられるまで、農民は、なかなか待つていられないのだと思うのです。もしただ持つているということになりますると、比較的現金がないために、現物で米を借りて食うということになる。現物を借りて食うということになりますと、これは来年の収穫が終つた場合に現物で返さなければならない。そうすると、来年また割当の面で大きな支障が来る。確かに収量がありましても、机上的な割当が実行できないで、非常に苦しむということになつて来るのであります。それで、何とか早く事業の大体の見通しがついたのであるから、町村においても、あるいは協同組合においても、資金のやりくりさえつくならば、将来来るということを当てにして、事業を開始されると思うのですが、こういうような処置ができないかどうかという点を、もう一度お伺いしたいと思います。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 まず第一に、協同組合等の資金繰りの問題でありますが、これは先般の委員会でも中澤委員等から、非常にやかましいお話がありましたが、とにもかくにもルートを動かさなければならぬのでありますから、市町村なり、県なりあるいは組合が、その機関を動かすことに努力しなければならないと思います。私の方でも、災害他、冷害地に、その実態を調べに人を派しました。お話のように協同組合で、故意的と見られるほどに仕事を遅らせておるような報告もあります。と申しますのは、政府の方で大きい金を出しておる。しかしこれを借りれば借り金だから、回収にまた骨が折れる、えらいことになる。こういうふうな感想を漏らしておるのもあつたという報告も来ております。しかし、それはふだんのときの考え方で、こういう災害のときでありますから、やはり各機関が災害を共同に助け合つて行くという考えに行かなければ、施策は下に浸透しないと思いますので、繰返してそういうことを各方面に注意しておるのであります。  第二のお話は、救農土木等を地元の金で立てかえて、先にやつておいたらどうかと、こういうお話と了解しますが、これは当然そういうことをやらなければならない。一応県から、私の方の示しました五割以上の被害の認定を受けまして、この村にはどういう事業をやるということを五日までにきめろと、こう言つておりますので、そこで大体のことがきまれば、どんどんやつて行かれるのじやないかと思います。具体的な話になつて恐縮ですが、昨日も茨城県の知事が来まして、おれの方は割当は済んだ、どんどんやるぞ、いいかということを念を押しに来ておられます。お話のように首を長くして待つておつたのでありますが、事業に不正があつては困りますけれども、従来のやり方があるのでありますから、それに準拠してどんどんやつていただきたいということを、きのう申し上げたのであります。当然積極的にそういうことをやらしたい、こういうふうに考えております。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 災害の場合と冷害の場合と非常に異るのは、災害の場合には施設災害が非常に多いということと、それから資材に使われる分が非常に多いので、この資材の不正評価あるいは節約か不正の原因になつている。ところが冷害地の場合においては、主として労働地方に向けられるところの補助金でありますので、幽霊人夫というようなことが考えられれば考えられますけれども、今日のような冷害事情におきましては、不正人夫などということはおそらく考えられないと思うのです。考えられないということは、一方において生活援護資金を七億も見ているような状態でありますから、そういうところに幽霊人夫など、とても考えられないと思うのです。またそういうことが村の中の小規模の事業でありますならば、どこに不正があつたかということが、何人もすぐ発見できるのです。大きな施設でありますと、どこに不正があるか、あるいはどこにごまかしがあるかということは、しろうとにはなかなか認定しにくいのでありますが、小さな事業で、大体何人ぐらいかかつて、どれほど金がいつたかということが、だれでも計算できるような事業がおもに対象になつているわけです。そんなに政府が心配するように不正に使われるほど、部落や町村に金が行くとは、この計算から見て思われない。行くわけもないのです。従いまして、町村に参りますごく少量の金がそんなに不正に使われるという心配は、まずない。むしろ、不正に使われることを憂慮していろいろな規則をつくることよりも、すみやかに目的地に到達することが望ましいという観点に立つてもらいたい、こう思うのです。  次に問題は、冷害のはげしい所を重点に割当をされたようでありますが、これはもちろんのことだと思うのです。ところが五割以上の所でありましても、あるいは三割のような所でありましても——法律でわざわざ平均二割というようなことに修正いたしましたのは、二割の所においても皆無地にひとしいような所が相当面積あるわけです。ただ総体としてそれに及ばなかつたというだけでありますので、比較的被害の激甚な所が——沢の長い町村になりますと、上部の高冷地が、標高四百メートル以上の所がたくさんある。下流になりますと百五十メートルというような所があるかもしれませんが、相当沢並みの長い村になりますと、その上高部が相当な冷害を受けております。ただ面積からいいますれば、下流の広い所の方が面積が大きいので、全体の比率が下つているというようなことで、もしも等閑に付せられますと、隣村の高冷地は適用を受け、隣村の沢の奥の方、は、下流に比較的広面積を持つておつたために、その恩典を受けないということになりまして、農村の平和というものがまつたく混乱することになると思います。またこれがひいては来年の食糧増産の上に影響して来るということになると思うのでありますが、三割以下あるいは二割以下でありましても、五割以上と同じような所に対しては、どのような処置をとられるつもりでありますか。私どもが法律を修正いたしましたのは、そういうおそれのないようにということで修正をいたしたのでありますが、その真意を農林省は理解しておられるかどうか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 営農資金の関係ではお話の通り、ほとんど大部分の村がいわゆる三分五厘の高率適用の村になると思います。問題は救農土木の配分対象になる村の問題だろうと思いますが、これは先般お配りいたしました資料にありますように、原則として五割以上の被害の市町村とする。そしてこの被害の程度は都道府県知事が認定してきめる。その際に、資料としては統計調査部の調査あるいは都道府県の調査等をよく考えてやつてくれということを言つております。なお減収は、村全体としては五割以上ではない、何割かわからないけれどもおおむね過半の部落は五判以上の減収を受けているような場合は、その部落に事業を行うということを条件として第一回の配分でも取上げるようにと、こういうことをきめておりますので、それ以上お話のような問題が出ますれば第二次の配分で取上げることになりますが、その配分方針をきめまして府県の関係部長を招集し、その点は、要するに被害の程度の低い町村が先になつて、被害の程度のきつい町村があとにならないように、あとの町村別の事業費の配分については、県で良識をもつて選定をしていただきたい、こういうふうに申し上げておるのであります。御注意の点は、私どもの方でも十分気を使つてやつているつもりであります。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 この際もう少し尋ねておきたいことは、第一回配分が終つたようでありますが、配分の総額並びに残頭を——を一度お答えがあつたようにもお聞きするのでありますが、この点を明らかにしていただきたいと思います。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 先ほど申し上げましたが、救農土木の補助の方は農林省関係五十億、そのうち——先ほど七億弱と申しましたが、六億一、二千万円を留保しまして、あとを配分しております。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 官房長はここで大きな誤りをおかしておられるのじやないかと思うのです。府県の調査で十分であるとはもちろん信じられません。しかしながらそれ以上に統計調査部の調査が完璧だと言うことは、非常な誤りじやないかと思うのです。私今度各県を大分調べて参りましたが、各県の統計調査部においては、実は本来町村ごとの調査をいたしておらないのです。一体どうして出したかと申しますと、各府県ごとにまちまちで、一つの調査方法をとつておりません。たとえば府県によりますると、大体中央の指示に従いまして山間部あるいは中葉の所、あるいは平坦部というように比率をわけて一つの標準区をつくつております。またその手先であります郡別に見ますと、またその郡ではその比率に応じてということになつておりますので、比較的山間部においては中央の比率になるべく準拠するというようなことからして、山間部であつて平坦都の面積が低いにかかわらず、平坦部の面積を割合に多くとるというような統計の仕方をしておるようであります。これは私はその例を申し上げることができると思いますが、今その煩瑣を省きます。いずれにいたしましても自信を持つた町村の統計というものができていない。おそらくここへ統計調査部の方がお見えになれば明らになると思うのです。今日の統計調査事務というものは、町村別に出すほどに行き渡つておらないのです。むしろ今日の統計調査部が持つております調査方針というものは、県全体として見た場合に、いかにして的確なものを得られるかということが主たる目的で調査方針が立てられておると思う。町村別のものには非常に誤りが多いということをみずから認めておるのでありますが、そのみずから認めておることを官房長はお認めにならないのですか。これが一点。もしも町村別の統計を将来とらせようとするならば、そのような施策を、与え、そのような事務的配慮をしてできた結果でありまするならば、これはそれらの施策に基いてできた労作でありまするので、尊重されるのは当然だと思う。そういうような指示を与えることなく、あるいはそういう事務的な配慮なしにでき上つて来たものにつきましては、まつたく根拠のないものである。この根拠のないものを持つて来て、根拠のある府県の調査の方を妥当を欠くというふうな認定は、非常な誤りをおかすことになるのじやないかと思いますが、この点に関する御見解を承りたい。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 ざつくばらんに申し上げますと、私の方では、最初統計調査部において市町村別の作況を調べることができるというふうな準備を進めて来たのであります。ところがお話のように現在の人員、それからあの当時の期間では——一応調査はやりました。やりましたけれども、府県の言つているのとあまりにも開きがあるのであります。先ごろ町村別の比率を府県から報告して来たものと、十月五日の作況に基く報告がありましたそれとを比較いたしますと、たとえば五割以上の町村をとりましても、統計の町村数は三分の一ぐらいにしかならないのです。これではいくら厳密に町村別に金が行くように農林省が考えても、さか立ちしてもできないということで、途中で方針を改めました。幸いだんつだん供米の村別の割当もわれわれの作業の途中できまりました。そのときは、とにもかくにも、いやおうなしに町村別の作況というものを県がつくつておるのであります。従つてこれらを有力な手がかりにして、かつ統計のものも一応参考にして、——逆になるかもしれませんが、それらを彼此勘案してとにかく県できめてくれ、五割以上の町村なるものをきめる参考資料に統計調査部のものも使つてくれ、県のものも使つてくれということにしたのであります。お話の通り統計の調査は、私どもとしては、今後町村別の統計ができることを期待しておりますけれども、今後は決定的な資料とすることは不可能であつたのであります。その点農林省が最初しばしば町村別まできめると申し上げておつたのとは多少食い違つたのでありますが、最後に都直府県が市町村別の配分をきめたときには、農林大臣の承認を受けるというところで、あまり変なものがあればチエツクするというようなやり方にしたのであります。

松山義雄自由党

○松山委員 ただいまの川俣委員の御質問はまことにごもつともでございまして、私たちも実情はただいまの御質問の通りだと思うのでございます。先般の基準が実機においては大体統計事務所の十月五日の指数をやはり標準にしてあるのではないか。ところか県によりましては、やはりおくてを植えたような所が被害がひどくなつている。ことにまた食糧庁の割当等は、作戰の指数によらずになおいろいろ折衝をしておられるというような事実があるのでございますが、その配分の基準は十月十五日の指数で一応やられているというように伺つておるのでございますが、それでは実際の実情に沿わないように考えられるのであります。そういうふうな点はひとつぜひとも次会までに是正していただきたい、こう考えるのでございます。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 第一次配分といたしましては、よるべき資料が十月十五日よりありませんので、十月十五日をとりました。第二次配分のときには、もうやがて実収高調査ができますから、それによつて配分の基準をきめることにいたしております。

松岡俊三自由党

○松岡委員 川俣君のお尋ねは、私はきわめて大切なことだと思つております。この融資の表を見まして、農林省はほんとうに認識があるのだかどうだかということを考えて、私自身何だかほんとうにいやになる。冷害の実相をほんとうにつかんでいらつしやるのかどうか。東北は冷害にしばしば侵されるので非常におびえておる。またこれがために実力がすこぶる薄い。こういう関係から金肥を手に入れることがむずかしい。かるがゆえに、増産の上から言うならば、金肥を十分に使えばよろしいのですけれども、これもなし得ないために堆肥を使う。たまたま本年の冷害は、この堆肥を使つて金肥を使わなかつたがためにあの程度でとどまつたという東北の実情を、ほんとうに農林省はわかつているのかどうか。私はこの点をすこぶる残念に思うのです。冷害にしばしば侵されるから、これに対して非常に警戒をしておらなければならぬ。十分に多収穫になるところの品種をも使うことができないで、なかてを使わなければならぬようになつており、あるいはわせを使つておる。こういうぐあいになつている。幸いにも今年はあの程度にとどまつたという東北の冷害に対する実情、ほんとうの東北の農民の心理をつかんだところのものであるかどうか。私はこれをすこぶる心外に思うのです。他県のことを申し上げるのじやありませんけれども、他県と比較してほんとうにどういうぐあいになつているか。秋田、山形のようなあの程度になつているところをどんなぐあいになさるのか。この融資の上に現われたところを見ると、単に考課表によつたものによつてやつたのじやないかと思うのです。ほんとうに心配して常から努めて来てあそこまでに食いとめたところの努力に対して、どういうぐあいにあなた方はお考えになつていらつしやるのか。私はこれではあまりに農民の心をつかんでおらないと思う。当然多収穫になるところのものをやり得ないその臆病さというか、警戒心というものによつてたまたまあの程度にとどまつたのです。これとほかの方を比較なされたかどうか。それをなされてこの融資について秋田、山形などの県をお考えになつたのかどうか。私はまずこの点をしつかりと御返事願いたいと思う。よくあそこまでにとどまつたと思うのです。当然ひどくなるべきところがあの程度にとどまつたということを考えますと、この融資の点ではこうだけれども、しかし将来の恒久的冷害対策にはかくかくのことをしてそれに報いるというお考えがあつてのことだかどうだか、この二つの点を伺いたいのであります。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 融資の点だけについて申し上げますが、秋田、山形地方におきましては、終戦以来非常に生産が上つておりまして、今年の冷害に対しても相当の抵抗力を示されたことは、お話のように農家の方々が非常な努力をなさつたということが当然の前提になつておると思います。ただ今回の融資のことにつきましては、一応十月十五日の作物統計の結果を二通りの面から見まして、損害の高い方のもの、なおそのほかに被害の面積でありますとか、あるいは農家の戸数でありますとか、こういうものを加味したものと両方からにらみ合せまして、融資の府県別配分を一応半分程度きめたわけであります。今後もつと実情を私どもよく把握いたしまして、なお推定実収も今月の末ごろまでには固まつて参りましようし、また私どもも地方に出向きましていろいろ実情等を把握する機会も多かろうと思いますので、残りの配分につきましては、さような新しい事情もなるべく織り込んで融資金額をきめたい、かように存じております。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 冷害対策につきましては、お話の通り、ことに山形等では、この間新穀感謝祭に田中正助さんがお見えになりまして、客土と堆肥と品種、それから暗渠排水、こういうようなもので、ことしはほかの田で金肥を使い過ぎたところは非常に悪かつたところがあるけれども、おれのところは今までになくよくとれた、こう言つて今までの研究の成果を披露されておりました。そういうことがありますので、私の方でも今度の冷害対策の試験研究につきましては、特に重点を置きまして、当初の分と追加の分を合せますと一億以上の金を府県に向けることにいたしておるのであります。なおいくら試験場で試験ができましても、これを農家が取入れるようなことにならなければ効果がありませんので、改良普及、技術普及等の点につきましても格段の措置を講じて行きたい、こういうふうに考えております。

松岡俊三自由党

○松岡委員 私はどうも満足ができない。ただいまるる申し上げたようなぐあいに、平常から非常に心配でたまらなくて、そうして多収穫を当然予想されることもなし得ないような貧弱なるあわれむべき状態にあるということを彼らは自覚しておるのです。そうしていて実力がないために金肥をも買うことができなくて、かろうじて堆肥でやつておる。それがたまたまこの冷害に対してよかつたといいますか、都合よくそこにぶつかつたという。ほかの方と比較してこの現実の面を見たならば、この表でよろしいでしようか。これではかわいそうだと思いませんかというんですよ。ほんとうに東北の農民をかわいそうに思いませんかというんですよ。何たる情ないことかと私は思うんです。こんな慈悲もないさばき方は、私はほんとうの政治じやないと思う。あれほどまでに深い雪の中に閉ざされて、多収穫を当然予想することも、これをやることもできないほどに臆病になつておる。連年これに侵されておるから実力もない。こういう状況をどの程度補つてやるか、今試験所その他の方面でお考えくださるということでありますけれども、それだけのことではどうかと私は思うのです。かねがね私はこれを心配したのです。形式にとらわれない、ほんとうに農民の心理をつかんで行くべきところのものがありはせぬか、私は顧みまするに、自分のことを申し上げては失礼でありますが、申し上げざるを得ないやに思いますけれども、日本で初めて今回の供米を完全に一時も早く納めろということで、凶作地の山形県北村山郡の百五、六十人が集まつてやつたそのときに、県庁の割当をそのままのんだがゆえに山形県中が右へならえしてあの通り行つたのです。こういうほんとうの努力をあなた方はどんなふうに考えていらつしやるか。私はどうも情ないと思う。これでは政治じやないのです。これは他の同僚諸君にも必ず共鳴していただけるものと私はじます。あまりに十月十五日の、その形の上にのみとらわれたような結果になつたように私は思うのです。これではどうかと思う。しかもただいまの官房長のお話のようなぐあいに、かく長い間の積弊に、そうしてたまたまこういうときに、ほかの方にはこんなふうになつて、ここにだけはこんなふうになつた。これでは農民はほんとうに、必ず政治を恨むだろうと思います。私自身は恨みます。こんな間違つたことはない。決してほかの県にたくさん行つたからどうというのではない。これは当然です。私はほとんど冷害地を実際見ておりますからよくわかつているけれども、ほんとうに農民はよくあそこまでに食いとめることができたなあと、ほめてやるべきようなものに何らの恩典もないような、形の上にのみとらわれた配分をしてくだすつたように私にはとられます。私がとるごとくに農民は必すそう思います。何らかの方法をもつてこれに報いてほしい。わずかに庄内地方一画だけでもつて、ほとんど三県くらいの供米をやつた。供米はたくさん米がとれたからやつているのではない。自分の飯米を麦にかえて出しているのです。私はこういうあんばいに努めて来たから、皆さんの前で言い得るのです。凶作農家がこんなに飯米を出すまでにしてやつて来て、そうして堆肥をつくつて全肥を使わないで、多収穫を思い切つてやることもできないような事からやつたものに対して、何らのことをしてくれないのであつたならば、かつてにしろというように言うよりほかにないだろうと思う。こういう政治は私はほんとうの政治じやないと思う。あまりにも片手落ちで、農民の努力した心配した、そうしてここまで来たというところに少しも思いやりのないような形に現われたのでは、私はほんとうの政治じやないと思います。私は心からこれを残念に思いますがゆえに、今回の冷害対策について十分なる御措置をくださるようにお願い申し上げて、私の質問を終ります。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 今松岡委員からるる述べられましたので、私はひとつその裏づけをいたしたいと思います。今度実際に当つてみますると、農業共済では共済掛金の都合上、常襲冷害地におきましては比較的収穫を下げております。これは掛金の都合上常襲冷害地でありますために、掛金の査定を受けるから平年作を下げております。従いまして常襲冷害地でありますと、比較的今度の冷害の秋田、山形県等の常襲冷害地におきましては、いわゆる冷害の被害率としては共済の方にあまり出て来ないというのが実際のようであります。ところが共済の方の平均反当収量と比べて、県または統計調査部あたりの見る反当収量は相当上まわつております。上まわつておりまするとこれは被害率が出て来なければならぬはずのものです。たとえば現にこの町から五斗上るか、六斗上るかということの認定においては、共済といえども県といえどもあるいは統計調査部も大した違いがないようです。これが何割に当るかという問題が問題になつて開きが出ております。ところが反当収量を常に多く見ておるのでありますから、ほんとうからいえば被害率が出て来なければならぬはずでありまするけれども、一般にここが常襲冷害地だということで収量が少いのだ、こう見ると比率が出て来ない、こういうことになると思う。総体の村の総収量高というものを見てみますと、統計調査部から出て参ります収量は決して全体の収量を把握したのではなくして、非常に大きな間違いのありますのは反別であります。平均収量というものを出して反別で掛けておる、それが全体のその県の収量であり、その地方の収量だと、こう認定するところに大きな相違が来る。大体それでは統計講査部がしつかりしたものを持つておるとするならば、収量は別にいたしましても、面積ですらしつかりした把握をしていない、一体ほんとうにこういう冷害対策を考え、災害対策を考え、日本の農業政策を考えるならば、日本の耕地面積くらいはしつかりしたものをつかんでいなければならぬはずだ、統計調査部ができて以来年数は短かいのでありますが、全部の耕地面積を十分把握できないということはやむを得ないにいたしましても、今日いまだに正確な耕地面積を把握してないのみならず、植付面積すら把握できないでいる。ただ二、三の標準点をとつて延びておるであろうという、あるいは耕地整理が行われたようなところは一定の面積があるであろうという認定です。ところが、所によりますと——私今度初めて自分も経験いたしたのでありますけれども、古い地主の時代において耕地整理をいたしました所は、内輪が一反歩なくて、いわゆるあぜの中ごろからを標準にした一反歩というようなところも非常に多いということが発見された、このごろのように、最近行われている耕地整理によるところの一反歩は正確な一反歩あるようでありますが、かつての地主の時代におきましてはなるべく一筆をふやしたいというようなところから、かなり面積が縮減せられているようであります。また山間部になりますと、秋田東北の方に参りますと、一反歩、二反歩と言わないで、所によりますと何貫幾らかというようなことで面積がきまつておる。おもに収量を基準にいたしておるのであります。そういうところを無視いたしまして、単に科学的な調査だということで、今日行われておりますその科学的調査の基本になりまするいわゆる植付面積すら正確につかんでいない、植付面積をしつかりつかんでいなければ総収量をつかめないし、総収量をつかめなければ反収もつかめないという、非常に誤差の多い調査の仕方であります。統計調査部の者がわずかの費用、わずかの旅費において、苦労をしながら統計をやつておりまするその努力は認めますけれども、何といいましても基礎が、十分な日本の農業の基本になりまする面積自体をつかんでいない。この面積をつかんでいないでおりながら、県の統計が悪いの、あるいは調査部の統計の方がしつかりしておるなどと論ずること自体が大きな間違いである。将来農業統計の把握の上から、こういう耕地面積あるいは作付面積を正確につかむという努力をなさる意思があるかどうか。私は、この際冷害、災害を通じて特に痛感されるところでありますけれども、これらに対する見解を経済局長並びに官房長からお伺いいたしたいと思います。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 耕地面積の調査の問題でありますが、これは数年来経済安定本部において土地の地積の調査をやろうという計画はあつたのであります。しかしこれは地積のみならず土質の調査までも大々的にやろうという計画でありました。これの費用がその当時計算しますと百億以上かかるという計画であります。少くとも耕地だけでも正確な統計がほしいというのはわれわれもまつたく同感でありまして、明治の土地台帳以後の正確な統計がないのであります。これはそれぞれの村で、あるいは供出制度ができて以来やつておるところもありますけれども、全体的にはいろいろ議論の出て来るところでありますので、やりたい考えは持つております。ことに最近の航空写真の発達からいたしまして、司令部がある当時につくつた航空写真によりまして、先般急傾斜地帯の土地を選定する場合に非常に参考になりました。どうしてもこういうものを早く整備しなければいかぬということで研究を進めておるのでありますが、まだ来年度の予算にすぐそれが現われるというところまでは行つておりません。これは非常に根本的な大きい問題でありまして、むしろ直接の効果が目に見えないのにかかる金が大きいというので、私の方としましても非常に苦慮しておるのであります。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 農地の面積の問題でございますが、これは作付面積と耕地面積と両方の問題になると思います。統計調査部で当面の問題としてずつとやつておりまするのは作付面積の方でございまして、耕地面積の調査は実はいたしておりません。もちろんセンサスということはやつておりますが、サンプル調査に基くものはやつておりません。ただ終戰後作付面積を正確に把握いたしますために、相当人員を充実して参つたときに、作付面積を年々調査して参れば、その基礎になるデータでもつて耕地面積もおのずから把握できはしないかという設計を実はいたしたのであります。大体五箇年ぐらいすれば、さようなものもできるのではないかと思つておりましたところが、行政整理その他によりまして、そういうものも計画が立ちにくいということになつたのであります。当時考えましたのは、先ほど官房長から説明がございましたように、土地調査全般について調査いたします場合に、耕地面積については農林省の統計調査部が受持つてやつたらどうかというような計画も実はあつたのでありますが、現在の統計調査部の人員、予算では、耕地面積について正確な統計をつくるということは、なかなか至難ではないかというように思いますが、作付面積であれ、耕地面積であれ、正確なものを把握したいというのが私どもの従来からの念願でございますので、年々そういう方向に向つて努力はいたしておるのであります。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 私はこういうことが不正に行われるかどうかということを非常に懸念しながら、そういうために一週間なりあるいは十日なりというものが遅れておるので、そういうことを懸念される大蔵省が、こういう基本になります耕地面積なりあるいは耕地面積の中に植えつけられた植付面積を把握することに重点を置かないで、これが基礎にならないで、何が不正か不正でないかということ、これが基礎でなければならない。ところが基礎にならないから不正が行われるような結果が生じて来る。あるいは経済局長は、作付面積だけを調査しておるので、耕地面積はあとまわしだ、あるいはそこまで及ばない——及ばないことは認めますけれども、耕地面積を把握しておらないというと作付面積の把握ができないということは、途中でもし水害が起つて決壊した、決壊した場合には台帳面積で決壊面積をけずつて行く。決壊前まではなわ延びで作付面積を見ていたものが、決壊して台帳から消えると初めて台帳面積から消えて行く。そうすると前のなわ延びがどこへ行つたかわからなくなつてしまう。現にそういうことが行われた。あるいは一筆の半分が決壊したというときに、一方においては台帳面積では半分決壊した、あるいはなわ延びで見るかというと、どうも決壊をするおそれがある場合には台帳面積で見るという、そういうことが実際現地に行つてみると多くある。だから、耕地面積を把握し、今年の植付面積を把握するということをとらなければ、植付面積の正確なものは得られないということになる。予算上十分でないから責める気はありません。しかしそこまで自信を持たないで、私の方では統計調査については十分なる自信を持つてやるんだというようなことはおこがましくてできやしない。少くとも農林省は御自信のある案を出さなければ、農民の指導の用に立たないと私は思う。収量はつかみにくいということでありますが、現に動かない耕地面積、植付面積すら把握できないで、収量だけ把握しておるということでは、農民を納得させる力がないと思う。従つて、農地局長もおられますが、耕地計画を立てるにいたしましても、日本の耕地面積はどのくらいあるか。将来開墾し得る面積はどのくらいあるかということのしつかりしたものを持たなければ、計画などは立たないと思う。農林省は、これらについて予算上なかなか困難だというようなことを言わないで、こういうことからして冷害の場合にも災害の場合にも大きな支障があることを認識されまして、日本の農民の信頼をかち得るような統計を持つて初めて農林省の権威が示されると思うが、すぐ効果がないからといつて、これを持たないで農業政策は立つて行かない。そういう確信のもとにこれらの予算を要求される意思があるかということを、あらためて官房長にお尋ねいたしたい。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 農林省といたしましては、お話の通り、何と申しても自信のない仕事くらいやりにくいことはないのでありまして、大数的な議論であればある程度自信を持つて申し上げ得るのでありますが、こういつた配分の問題になつて来ますとそれの内訳がいるわけであります。具体的な問題になりますので、これに対する自信のある数字をつかみたいということは、今度の冷害予算の配分の場合に切実に感じて議論しておるのであります。しかし結局先ほどの言葉と同じことになりますが、金を出す方は、すぐ効果が見えないからというので渋る。またこれを調査する調査計画にしましても、人員、機関、相当大事業であります。これはひとり農林省だけの問題ではなく、国全体の問題として考えていただかなければ実現できないのであります。今後ともそういう問題は、農林省としては、それが基礎であるということを主張し続けて行きたい、かように考えます。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 私は冷害関係の質問をしようと思つておりましたが、大体尽きたようでありますので省略いたしまして、資料を要求したいと思います。先ほど御配付願いました冷害関係の資料を拝見したのでありますが、この中に米麦安売り関係の資料が足りないので、早急に御配付を願います。  なおこれはつかぬお尋ねでありますが、事業費予算であります。百十五億の事業費予算並びに予備費の十億の内容、これで概要はつかめますが、この事業をして行く場合の事業基準補助率というような、もう少しこの予算の各項目を、費目別にわけたものがほしいのです。これは大体承知をしておるのですが、そういうものはいただけませんか。ほしいのはそれがほしいのであります。今までこの予備費等の予算が次々とかわりまして、ちよつと捕捉しにくい点もあります。誤つたことをまた伝えることは差控えたいので、至急にもう少し詳細なものを御配付願いたい。なお通達あるいは指示事項というようなものの中で重要と思われるものについては、これも参考にいたしたいと思いますから、あわせて御配付を願いたいのであります。  なおただいま承りますと、今度の国会から災害対策特別委員会が解消いたしまして、それぞれ所管省に分割復活になるということでありますが、さよういたしますと、災害関係で農林省所管等について、今まで私どもは災害委員に出たり入つたりしておりまして、よく経緯がわかりませんので、これらについてのまとめた資料を御配付願いたい。なお災害関係につきまして、米麦の安売り等について、まだ基準がきまつておらないやに開いておりますが、きまつておりますか。きまつておればその内容を。冷害と一緒ですか、一応それも念のため提出願いたい。  営農資金関係の政令と農林省関係の営農資金の割当、各災害関係の一覧表、それから地域指定がまだ遅れておるようであります。きのう農林大臣の本会議答弁によつても、近くきまるようなお話でありますが、大体御準備はできておると思いますが、その府県市町村の指定内容を資料として御配布願いたい。  以上、これはいついただけますか。待つておりますので、あさつての午後は農林委員会がありますから、その問題もあわせて資料をいただいた上で、さらにまたお尋ねを申し上げたい点等もあろうと思いますので、やはりこの冷災害対策を議題に供して、資料の配付とともに関係者の御出席を煩わしたい。よろしくお願いいたします。

井出一太郎改進党

○井出委員長 承知いたしました。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 てきるだけ資料を急ぎますが、災害の指定市町村の名前は少し遅れると思います。第一次は今月の十日ごろまでにやるつもりでおります。これはちやんと告示で出るわけであります。それを今準備しております。第二次はことしの終りごろになります。ほかの資料はできるだけ間に合せますが、相当厖大になるので、あるいは印刷等の都合で多少遅れるものも出るかもしれません。

井出一太郎改進党

○井出委員長 中澤茂一君。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 まず第一点にお伺いしておきたいのは、指定員以外の、たとえば愛知県の長野県寄りとか、指定地以外の山面地で同じ惨状になつておる局地的なところがたいへんあるのです。そういうところに対してはどういうふうに処置してやるかということを伺いたい。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 先ほど御説明申しましたが、これは当然二十一道府県と同じに扱うことにいたしまして、先ほど第一次配分を静岡、愛知、三重に配分しました。これは一部白穂を含んでおります。町村指定は他の府県と同じ標準で、五割以上の町村を県に選定さすことにしています。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 時間もおそいからいま一つだけお尋ねしておきますが、結局曲りなりにもここまで救農国会、休会中皆さんも御苦労し、農林委員会も苦労して出て来たのですが、あとここで問題が二つにわかれて重大になつて来ているのは、御承知のことと思います。第一点は何かというと、共済の支払金の問題であります。これはこのごろ実は小倉局長にお尋ねしたら、下から積み立てたものは皆払う、こういうお話でしたが、その後間違いなく払うのかと質問しましたところが、話が少しおかしくなつて来た。たとえば長野県の例を申し上げてみますと、十月十五日の作報の六七という指数で共済金を払おうとすれば、大体長野県の場合で九億六千万円くらいになる。今実際下から積み上げた数字がどれだけ出て来ているかというと、たしか十六億八千万円くらいであります。これは大きな問題なんで、その作報の指数を適用するかしないかで非常に大きな問題になつて来る。指数を使うということになりますと——これはこの前もちよつと申し上げたのですが、三つの指数がある。作報の指数が一つ、それから供米は、現に農林省が凶作と認めて各府県と折衝してきめたものこれを平年作へ逆算して行つた一つの指数が出るわけです。それからいま一つは総合開発課で出した長野県の場合の四八・二というこの三つの指数が出るわけです。これを指数を使うとすれば、一体どれを基準として払うのか、小倉局長の言うように、下から積み上げたのを皆払えば、一番農民が喜ぶのだが、しかしこの共済の積み立てて来たものにも若干疑義があるのです。これは非常に政治的なかけひきが含まれておるのです。だから下から積み上げたものをそつくりそのまま認めろとは私も実は言いかねるのです。若干の政治的かけひきが共済の積立て数字にあるのです。だから一体これをどういうふうにやつて払うか、これがまずこの冷害のあとで起つて、今当面している重要な問題だと思います。まずこの一点を官房長から御返事を願いたい。  いま一つの問題は、このごろ重大になつて来ているのは、こういうふうにやつてみたけれども、実際再建整備組合など金がないのですよ。また再建整備組合が奇妙にも山間僻地にあるものだから、経営が悪くておつつぶれそうになつて、そういう地帯が特に冷害がひどい。こういう二つの矛盾した現象が出て来ておる。これは委員会でも、あとになつて金子委員とも話して、しまつたと思つたのですが、これはやはり中金の金を二百二十億のうち七十億、それから県信連が七十億、単協が七十億、こういうふうな一応割振りをやらなければいけなかつたと思うのです。ところがこのごろ小倉局長に言うたのですが、金融協会で自まかない態勢県信連でまかなえ、こういうようなものを経済局は出しておる。実際村に行きますと再建整備組合、特にひどい冷害地の再建整備組合などは、協同組合で金を出したくてもないのです。今共済と、協同組合がそれだけの金を出せないというこの二つの重大な難関に逢着しておるわけです。前の共済の点については、官房長はどうお考えになるか。それから協同組合に対する第一段階として融資のできない協同組合に対して、一体どういう処置をとるか、これは県信連が貸せと言えばおしまいですが、県信連もなかなかこれだけの厖大な金額はそうまかない切れないし、困難があるのです。だからこの点についても何らかの処置を講じなければ、せつかくここまで苦労してやつて来たが、末端の農民には協同組合に金がないためできない。そういう村は大体寒村、僻村であつて、村としてもこれに対して平衡交付金一本にたよつているので、特別平衡交付金でももらわない限りどうにも処置のしようがない、そういう村がたくさんできて来ておる。この二つの点に対してひとつ官房長のお考えをお伺いしたい。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 共済保険の点は、私の考えを申し上げますが、これは財政大数的に県を全部見れば、先ほど川俣委員からいろいろ議論がありましたけれども、統計の数字が一定の統計学上の誤差以上にそう狂つていない。従つてこれを基準にして支払わなければ、もちろん下から積み上つて来たものがそれに合致することを希望しておるのでありますが、合致しない場合にはそれぞれ再調査するとかいろいろなことをやらなければいかぬと思います。  それから第二の自まかない運動の問題でありますが、これは御承知のように、要するに系統機関の金は系統機関で使つていただかなければ、こういう際でありますので金が潤沢に、あるいは潤滑にまかない切れないのであります。すなわち四百八十五億円の営農貸金も予定しておるのであります。ところが実際に、たとえば信連なら信連の金の使い方を見ますと、ある県はほとんど系統利用でやつておる。一番いい例はおそらく愛知じやないかと思います。愛知は系統利用率が九一%。その逆は静岡でありまして、これは二十八年四月の実績を見ますと、三三%の系統利用率になつております。従いましてこういつた系統利用率の悪いものは、まず自分らの傘下の組合員のためにこの金を系統の方に持つて帰つていただいて、そうしてまかなつてもらいたいというのが自まかない運動であります。それと同時に、災害を受けた農家あるいは地帯とそうでない地帯とがあります。災害を受けた程度が比較的軽微な地帯あるいは農家は、米の値段も上りましたし、あるいはくだもの野菜の値段も大いに上つておるのであります、こういう際にやはり町村の協同体の生活を向上させるために、その金を系統機関に出して貯金していただいて、災害をこうむつた農家の助けの財源にしてもらいたい、こういうのが自まかない体制の建前でありますので、これは大いに私の方でもやつて行きたい、その上でまかなえない金を中金なりあるいは外から持つて来る、こういうふうな段取りをやつておるのであります。自まかないで、あるいは誤解されて、何でもかんでもお前のところの信連なり単協に金がないか借さないのだ、こういう趣旨では全然ないのであります。この点は中金その他の関係団体の力もそのつもりでやつておるはずでありますので、御了解を順いたいと思います。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 その自まかないの趣旨はわかつたのですが、現実に信連も出せない、単協にも金がない、そういうものに対して特に中金資金を直通して、信連が保証して出すような何らかの方途は講じられないものかどうか。もし講じられないとしたら、何らかの方途を講じないと冷害地の協同組合ほどひどいのです。僻村ですから協同組合経営がなつていないのです。僻村の協同組合でまかなえといつたつて金がないのです。この間も局長に申したけれども、下高井郡の堺村に行つて、何とかさせようといつて村の当事者と協同組合の当事者を集めて、私が中に入つて話をしたけれども、村でも貧乏をしていてどうにもならないというのです。そういう村へ中金の金を直通で、信連保証でやるような何らかの処置を講じなければ、これは仏つくつて魂入れずだと思うのです。官房長の自まかないはわかるが、そういう再建方策を整備して行くのに、何かそこに早急に中金の金を直通に流すような方策を講じられないかということについて、何か考えはないか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 これは私の方でも金融機関の二段制、三段制の問額でいろいろ議論されておりまして、まだ結論が出ていないのでありますが、中金の金を直接に信連に委託してやるというふうなことも考えられそうであります。お話が具体的な問題でありますので、私どもが今後施策をする上においても非常に参考になると思いますから、もう少し具体的に県を呼んで処置したいと思います。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 共済金支払いの問題について、蛇足でございますが、御質問がございましたので重ねてお答えしたいと思うのでございます。ただいま私どもとして考えておりまする今後の手続と申しまするか、作業の段取りでございまするが、これまで県に対しましてお願いいたしました連合会からの損害評価の査定審査につきまして、御指摘のように長野県では、長野県の作報でとりました作況指数がそうなつておりますが、私どもは直接に作況指数を使いませずに、反当収量で行つておるわけでありますけれども、この反当収量と被害面積を基礎にして、県に審査を依頼しているわけであります。ところが県によりまして——おそらく長野県もその範疇として御指摘なのだろうと思いますが、こちらから指示いたしました査定審査の基準では非常に収まりにくい、こういう問題だろうかと思うのであります。その問題についてでありますが、先般私どもが示したものはもちろん絶対的ではございません。絶対的でないと申しまするのは、一つは十月十五日の指数に基いていること、もう一つは、但しあのときのものが絶対正確なものであると仮定いたしましても、作報の反収の出すものを直接に県の被害審査に使うことについては、いろいろ操作がいるわけでございまして、その間にやはり相当のアローアンスがあり得てしかるべきものではないか、そのアローアンスが数学的にどの程度あるかということを出すことはこれは不可能だと思いますが、何かそこに若干のちぐはぐがあつてもなおしかるべきではないかということは、一応考えられるわけであります。そこで私どもといたしまして今後の問題といたしましては、そのアローアンスをどの程度に縮めるべきかという問題と、その後新しく判明する作況指数なり推定実収がございますから、それをまた利用してどの程度近づけ得るかという問題になるわけであります。そこで近づけ方によりましては、東京で話がつくことになると思うのでありますが、なおかつ話がつかない場合には、私どもが県へ出向いて行きまして、先ほどお話が出ましたように、正確なものを下から積み上げておられるならば、これはむやみに査定をするというわけではございませんで、正確な積上方ということをわれわれ納得いたしますれば、それになるべく行けるようにわれわれ努力いたしたい。こういう段取りでおるのであります。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 話はちよつとこまかいのですが、ここに附帯事務費二千五百万とあるのですが、これはどこでお使いになる経費ですか。

平川守農林事務官(農地局長)

○平川説明員 これは県にやるわけであります。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 これは県の方で使うだろうと私も実は想像しておつたのですが、今度の営農融資のことで、これは事務から一切の資金のめんどうから全部政府が見たというが、私は政府が見たと忠つていない。これは農民が積み上げた金をお互いに融通し合つて使うのです。そこでそれだけのものを出す事務費というものは、今のように弱体化された協同組合では相当大きな負担なんです。実際事務をやる事務員も、あるいは場合によれば増員しなければならぬという事態も起きて来るだろうし、郡や県の段階でもたいへんなんです。どうしても若干の事務費を見てもらわなければ、協同組合もやりようがないという声があちらこちら起きておるのです。この点はこの予算に見るところでは、これは県の方で使うので、協同組合へ行く分はないようであります。何とかめんどうを見てやる方法を考えていただきたい。相当厖大な貸出しに対しては事務費がいるはずなんです。これは実際の金を扱つて貸出し事務をやるのですから、県並びに本省で使うのが二千五百万なら、協同組合はこの倍の五千万くらい事務費を見てやらなければいかぬ。それについて、小倉さんでもいいが、何かお考えがあつたらひとつお聞かせ願いたい。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 これはもちろん今の金融の問題につきましては貸出しの金利の中に事務費に相当するものがございまして、一部は組合のそういう費用に充てられるわけであります。これは中金あたりから来ます場合にそうなんでございまして、組合の自己資金で営農資金をまかなうことができるようでございますと、それがもつとゆとりある運営ができはしないかと思うのであります。

金子與重郎改進党

○金子委員 ただいまの小倉局長の金利の利ざやの中に事務費があるというお話ですが、そこに今後協同組合の基本的な問題が出て来るのでありますが、そういうときに対しての重大な問題でありますからして、ただいまの質問に対して、協同組合自体が自発的な事業としての金融をやる場合の調査費というものと、それからこういうふうな一つの協同組合が機関のような形において働きをする場合とでは、金利の利ざやというものだけでかつてにそれは事務費があるはずだという解釈は将来困ると思うのです。と申しますと、あなた方地方に行つてごらんにならないとわからないと思いますが、見に私どもはこの間行つても、町村長の中には、相当数量町村長が認定するというような形になつているけれども、実際町村長が判をやるから君の方で一切認定手続からみんなやつてくれ、一切協同組合にまかせるからというように、そういうような道があつてもなくても、その程度まで金融機関にこまかい事務をまかせるんですよ。ですから今の質問は、単に今後の金融だけでなく、ほんとうに一町村自体の協同組合というものの購販事業や信用事業というものは、今協同組合法にあるようなことをやつているのではない、もつと制度的な自主的な立場に立つた、組合員だけの問題というよりも、むしろ村の一つの機関としての大きな責任を負つているし、またその負担が非常に多いのだということをこの際再認識してもらわないと困るのです。そうでないと今度の場合ばかりでなく、今度の事務費の問題にしても、ただいまの御意見のように、私も同感ですが、これだけの問題でなく、今度の協同組合の考え方という点について、あの十五人以上あればかつてだというああいう考え方は、日本の協同組合を弱体化してしまつて、どうにもならぬところまでだんだんめちやくちやな組合ができて来るということもそれが一つの大きな原因なんですから、その点は特に認識を置いていただきたい、こう考えます。

中澤茂一日本社会党(右)

○中澤委員 協同組合はこれはまごまごするとみなつぶれる。ちつとくらい再建整備で六億五千万くらいのてこ入れをしてもらつたところで、どうにもなりませんよ。この金はある場合は生産者資金でなく食いつなぎ資金だから。また協同組合は来年三、四月ごろから危機になつて来る、しわ寄せが単協に来ている。これは逆なんだ。中金が全部責任を持つて、そのしりぬぐいは政府が負うというのだが、自まかないで県信連でまかなつている。これは話が全然逆になる。小倉局長もこのごろこれはある程度認めてくれたのですが、再建整備に対して官房長から、この凶作を契機に再建整備のてこ入れをどこまでやるか、しつかりしたところを聞かしてもらいたい。さもないとつぶれてしまう。これで終りとします。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 いろいろお話がありましたが、現在の協同組合の建前では、自主的な寄集りということになつております。協同組合といつてもやはり経済行為を行うものでございますので、一定の資金が集まり、一定の規模がなければ合理的に経営が行われるわけはないのであります。従つてそういう実態を備えない町村あるいは組合については、これをどうするかということが今後の大きな問題になつて来ると思います。これに対していろいろな意見が出て来、金子委員のおつしやるような意見も当然出て来ると思うのであります。最近の例としまして、たとえば終戰後インフレが上向きになつているときにはうまくやつておつたのでありますが、最近森林組合とかあるいは共済組合等でも、何でもかんでも手をあまり広げ過ぎて赤字が出て困つているような例が出ているのであります。要するにこれは事業分量に対して過大の固定設備というか、資金が寝るところから当然そういうことになると思います。従つてこれをどうしても直すことを考えなければならない。私どもの方としては、今度の凶作の金が政府のてこ入れで相当出て行くのでありますから、といいますのは低利のみならず四割の保証がついているのでありますから、これを基礎にして——これはおしかりをこうむるかもしれませんが、私の方としては中金等にも話している、中金の中にもいろいろな意見がありまして、こういう災害のときにほんとうに中金が腹をすえなければだめじやないか、現在ではそういう意見の方が中金の中では大分起つて来ていると私見ているのですが、従つて一方では中金は吸収にやかまし過ぎる。しかし出すものは出すということによつて、この際協同組合を立て直して行かなければならないということをわれわれは考えております。末端の直接の貸出し責任者まで決定するのには、多少ひまがかかるかもしれませんが、それ以外に方法がないのじやないかと思います。お話のように県も見放す、市町村も見放す、そういつたらその村の協同組合は成り立たないのであります。従つてまたもう一ぺん一人々々が考え直して、協同組合をつくり直すということにならない限り、幾ら金をつぎ込んでも無意味ではないかと思います。そういう点は具体的に一時県なら県で管理して、その営農資金をもとにして立て直す。そのかわり、言葉は悪いですが、組合も相当思い切つて組合の事業に協力さす。すなわち系統事業に協力さすということに行かなければならぬ。少し言葉は過ぎるかと思いますが、現在の状況では、やはりその精神をもう一ぺん立て直さなければいかぬのじやないかというので、中金の方に話もしておるのでありまして、相当反発もあるだろうし、徹底は遅いと思いますけれども、少くとも私、あるいは経済局長も同感だと思いますが、当然この金で全部はできぬと思います。しかし相当部分のものは、組合を立て直すいい機会にこれを使わなければいけない、こういうふうに考えております。

井出一太郎改進党

○井出委員長 この際お諮りいたします。     —————————————  林業に関する小委員平野三郎君より小委員を辞任いたしたいとの申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井出一太郎改進党

○井出委員長 御異議なしと認めます。  つきましてはその補欠を委員長において指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井出一太郎改進党

○井出委員長 御異議なしと認め、佐藤善一郎君を林業に関する小委員に指名いたします。  次に委員の異動に伴いまして、農業災害補償制度に関する小委員が一名欠員になつております。この際その補欠を委員長において指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井出一太郎改進党

○井出委員長 御異議なしと認め、川上貫一君を小委員に指名いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時十三分散会

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