通商産業委員会 第1号
- 発言数
- 54 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/12/02
会議録
○大西委員長 これより会議を開きます。 議事に入ります前に一言政府委員の諸君に申し上げます。本臨時国会は期間もきわめて短かいのでありまして、時間をきつぱりやりたいというような申合せを先刻いたしましたが、今日皆さんの御遅刻ははなはだ遺憾に存じます。どうぞ今後気をつけてくださるようにお願い申し上げておきます。 まず理事補欠選任についてお諮りいたします。理事補欠選任は、先例によりまして委員長に御一任願いたいと存じまするが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大西委員長 御異議なければ、山手滿男君を理事に御指名いたします。 —————————————
○大西委員長 次に国政調査承認要求の件についてお諮りいたします。衆議院規則第九十四条によりまして、国政調査の承認要求を議長に提出したいと存じまするが、調査事項といたしましては、前国会同様、一、電気事業及びガス事業に関する事項、二、貿易に関する事項、三、中小企業に関する事項、四、鉱業、採石業、鉄鋼業、繊維工業、化学工業、機械工業その他一般工業及び特許に関する事項といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大西委員長 御異議なければ、さようとりはからいます。 —————————————
○大西委員長 それでは次に中小企業に関する説明を聴取いたします。岡田中小企業庁長官。
○岡田説明員 まず第一に本日遅刻して参りましたことをひとつお許しを願いまして、今後必ず定刻に参りますからひとつ御寛容を願いたいのであります。 年末金融の関係につきまして、ごく概略の御説明を申し上げたいと存じます。第三・四半期の政府の散超額を見ますると、前年におきまして千七百六十億程度でございましたものが、本年の見込みといたしましては、二千億を越すのではないかというふうに見込まれておるのでございます。これに関連いたしまして、金融の引締めが行われておることは御承知の通りでございます。この金融の引締めそのものにつきましては、ただいま申し上げました政府の資金の散布超過によりまして、インフレの状況を来しては相ならぬ。あるいは従来から金融のやり方がある程度甘かつたというふうな点から、若干の経済上に好ましくないような状況が出ておるということを是正する意味合いで行われております。この引締めということ自体につきましては、われわれといたしましても了承をせざるを得ないと存ずるのでございますが、政府の散布超過が直接に行われまする相手方としましては、農民側にあるいは公共土木事業費でございますとか、あるいは防衛費の支出等に相なりますれば、大体大きな企業の方に直接出て行く。これらが中小企業にまわりますのには、時間的なずれがあろうかと思われるのに対しまして、金融の引締めというものは、大体が直接に中小企業に影響が来ておるようにも考えられるであります。これが具体的な現われとして不渡り手形の状況で見てみますると、前年の十一月におきまして、これは東京の手形交換所の数字でございますが、一日当りおおむね千枚程度でございましたものが、本年の十一月におきましては、千二百五十枚程度の不渡り手形の状況でございまして、金融の引締めが中、小企業にかなり強く響いておるということが、この一つの数字からも推測ができるのではないか、かように考えておるのでございます。さようなわけでございますので、われわれといたしましても金融引締めの基本の線をくずさない範囲内におきまして、この影響が中小企業にへんぱにかかつて来るという点をどうしても是正しなければならぬという趣旨から、いろいろの対策を実施しておる次第でございます。 その第一といたしましては、指定預金の操作の問題でございます。指定預金といたしましては、十一月末の残高といたしまして、総額二百八億、うち中小企業金融機関関係が百二十六億でございます。これに対しまして、新たに十一月末に中小企業金融機関に向けまして五十一億、それから銀行筋のうち、新規につくられました銀行でございまして、いまだ日本銀行との関係も十分行つておらぬ、また冷害地方に存在しておるという関係から、四つの銀行を抑えまして、これに四億、合計五十五億の政府預託を新規にいたしたわけでございます。この五十五億という数字そのものは格別大きな数字と申すわけには参らぬかと存じますが、昨年の暮れにおきまして、政府の新規預託をいたしました金額が七十億でございまして、そのうち中小企業専門の金融機関に対しまして預託いたしましたものが三十五億と相なつておるのでございます。昨年の十二月中におきますところの中小企業専門金融機関の貸出し純増を押えますと、おおむね二百三十数億に相なるのでございますが、本年の十二月中におきますところの中小企業専門の金融機関がどの程度の貸出し純増に相なるかということは、これは今的確に押えることが不可能でございますけれども、これをかりに三百億程度と想像をいたしてみますと、それに対しまする五十五億という金額の数字はそう価値のない数字ではないと私ども考えておるのでございますが、しかしながらこれをもつて十分なりと考えるわけにも参りませんので、政府の指定預金引揚げの予定といたしまして、十二月中に総額六十億程度、うち中小企業金融機関に四十六億というものが引揚げの予定と相なつております。この四十六億円につきましては、今後の様子によりましてさらに引揚げを延期するというふうな措置も講じたいというので、いかなる時期にいかなる状態のときにやるかというふうなことにつきまして、大蔵省当局とも密接な連絡をとつておる状況でございます。 次に政府関係の金融機関の関連といたしましては、まず国民金融公庫につきまして申し上げてみますと、昨年におきましては十一月十五億、十二月四十五億、合計六十億の純貸出し増をいたしておるのでございます。本年は災害関係におきまして十六億円を別わくとして出しました関係上、かなり資金上の操作が困難に相なつておつたのでございますが、新たに資金運用部から十六億程度の借入れをいたすこともできるように相なりました関係から、ともかくも本年度といたしましても前年度に劣らざる貸出しの純増をいたそうという用意をいたしておるのであります。すなわち十一月におきましては二十八億程度のものを大体出しております。十二月におきましては四十六億くらいのものを出し得るじやないか、かようにいたしておるのでございまして、前年度に劣らざる純貸出し増をいたしたいという段取りでございます。 次に先般新たに発足をいたしましたところの中小企業金融公庫の関係でございますが、これは第三・四半期といたしまして、現在六十六億くらいの金を出そうというふうに計画をいたしておるのでございます。第三・四半期といたしまして六十六億ということに相なりますと、この公庫の全体の資金繰りから見まして、かなりのウエートを第三・四半期に置いたことに相なる次第でございます。なお運転資金の関係につきましても、先般の国会でも御説明申し上げました通り、すでに貸出しをいたす段取りになつております。この公庫の扱いまする金は一年以上の金でございまするがゆえに、直接越年資金ということは関係がないかもしれませんけれども、この公庫から流れますところの長期資金が、めぐりめぐりますれば、結局において短期の運転資金とも関係があるわけでございます。さような意味合いにおきまして、この公庫の貸出し資金の状況というものも、この年末金融の問題と相当の関係があるというふうに考えておるのであります。 次に、直接政府機関ではございませんけれども、政府と相当深い関係のございまする商工組合中央金庫の問題でございまするが、前年の状況を見ますると、十月——十二月の三箇月間におきまして、八十三億の純増をいたしておるのであります。そのうち十月と十一月を押えでみますると、十月が二十一億、十一月が十四億、合計三十五億ということに相なつております。本年の状況は、十月が十五億、十一月が十五億でございまして、三十億程度にとどまつておるのでありまして、この二箇月だけから見ますると前年同期より減つておるのであります。従いまして、この十二月におきまして相当集中して貸出しが行われるのではないか。十二月を押えてみますと、昨年が四十八億の純増と相なつておるのでございまして、われわれはこれに対しまして、少くとも本年度六十億見当の貸出しには応じ得るというふうな資金の用意をいたしておるのでございます。先ほど申しました十一月末の新規預託五十五億につきましても、商工中金に二十億の割振りをいたしたというふうな状況に相なつておるのでございます。 それから国民金融公庫並びに中小企業金融公庫等の貸出しにつきましては、代理貸しを実施いたしておるのでございまするが、この代理貸しを信用保険につけますところの保証保険のわくが二十四億ということに予算上相なつておりますが、これに対する要望が非常に増大いたして参つておりまして、とうていこの二十四億の契約わくによりましては処理いたしがたい状況に相なりましたので、これを十億増加していただくことといたしまして、この臨時国会の御審議を経る運びといたしておる次第でございます。なおこれはまだわれわれ事務当局間におきまして折衝中の段階ではございまするが、小口の十万円程度の金融を円滑に動かし得るようなよすがといたしまして、これを対象といたしまする信用保険の填補率を九割ぐらいに引上げる。もしでき得るならば、填補率は引上げながらも、保険料は逆に若干下げるというふうな操作をいたしますことによりまして、小口の信用保険を創設したらどうだろうか。話がまとまりますれば通常国会の劈頭にこれをお願いいたしまして、おそまきながら年末金融の一助にすることができたら幸いであるというふうな考え方で今折衝をいたしておるものが一つあるわけでございます。 なお年末金融と不可分の関係にございますものといたしまして、下請への支払いを促進するという問題がございます。これにつきましては、去る十一月十九日の次官会議におきまして、政府並びに地方公共団体の支払いを年末に際し特に迅速にいたしますとともに、下請からの受領委任状なんかを持つて来ることを勧奨いたしまして、さようなものが出て参りますれば直接支払うという措置も講ずることといたしまして、政府並びに地方公共団体の支払いを通じまして、下請関係の金融に若干でも応援をいたしたいということをいたしましたのと、公正取引委員会におきまして、先般私どもの中小企業庁と共同で下請関係の調査をいたしたのでありまするが、特に不当なる支払い遅延をいたしておる向きに対しましては、相当強い警告を発するというふうなことで、公取の方でも着々と準備を進めておる段階でございまするし、また日本銀行におきましても、支払い遅延の顕著なものにつきましては、これを促進いたしまするように、個別に注意を促すという措置もやつておりまするし、また全国銀行協会におきましても、傘下の銀行筋を通じまして、金融の操作により親会社の下請への支払いを促進するというふうな操作をやるということにとりきめをいたしておるようなことでございまして、これらと相まちまして、下請への支払いも何とかやつて行けるようにいたしたいと努力を重ねておる状況でございます。年末金融に際しましてわれわれがやりましたことにつきましての御説明を概略申し上げた次第でございます。
○大西委員長 以上をもちまして政府よりの説明は終了いたしました。 発言の通告がありますから、順次これを許します。齋木重一君。
○齋木委員 ただいま岡田さんより年末金融に対する中小企業に処する概括的な一応の御説明がありましたが、金融の引締めは、あなたが御説明になる前からどんどんやつておりますので、きのうの本会議等におきましても、わが党よりもこの中小企業に対する金融措置といたしまして強くこれを要請いたしたことは、御存じであろうと思うのであります。金融引締めによるところの中小企業者の倒産一歩手前というような問題を惹起いたしておることは、御承知であろうと思うのであります。これらに対する年末金融措置についての概括的説明は拝聴いたしましたが、まず中小企業金融公庫の窓口が、先般来私ども国に帰りまして、いろいろ指定された窓口を実験調査をいたしますと、実に窓口におきましては、苛酷なる、調査資料云々というようなことで厳密にされておりますので、その親心が徹底いたさず、中小企業者は金融の逼迫を感じて、先ほど申し上げました倒産寸前にあることは火を見るよりも明らかであります。これらの窓口に対して先般岡田長官は、取扱いに対するところの甲乙の種類がありますが、徹底して乙の種類に対する取扱いをすべくなぜ早く窓口機関に対する処置をとらないか、われわれは委員会を通じて当局に申し入れてあるはずです。これは早急に徹底するようにやるということを言明しておきながら、今日までその徹底を欠いているうらみがあるのであります。これらに対していかなる措置を今日まで岡田さんはやつておられるか、まずこれを一点お伺いいたしたいと思うのであります。 それから金利の問題に対しましても、先般の委員会においても私らが申し上げました通り、信用保証の保険金の問題等は、六分の頭はねをやつておるというようなことに対して、実際において旧債償還の金融が福井県等において一億も割当があるけれども、びた一文もこれを使用する者がないというような程度でありますので、こういうような問題に対しては再思三考すべき問題じやないかというようにわれわれは考えております。これらに対して政府はいかなる処置を今後においてなさんとするか、御説明を願いたいと思うのであります。
○岡田説明員 中小企業金融公庫の関係でございますが、公庫とその代理店との内輪のやり方といたしまして、甲と乙の方式がある。甲の方式は、代理店におきまして借入れの申込みる受け審査をし、貸すべきやいなやの決定までいたしまして、公庫に持ち込んで来る。この場合におきましては、三百万円というものを一応の境目にいたしまして、三百万円未満のものにつきましては、手数料として四分五厘、三百万円を越えるものについては、四分にいたします。なおまた乙につきましては、代理店におきまして借入れの申込みを受ままして、一応の審査はいたしますが、可否の決定は保留いたしまして、意見を付してこれを公庫に持つて参りまして、公庫において可否の決定をいたすということになつておるのでありまして、この場合におきまする手数料は、やはり三百万円を一つの境目といたしまして、三百万円未満のものは三分、三百万円を越えるものは二分五厘というふうな手数料にきめておるのでございます。公庫発足当座におきましては、公庫におきまする審査の能力が不十分であるというふうな関係から、金融機関において可決の決定のところまでやりまする甲の方式をまず開始いたしたのでございますが、乙の関係につきましては、最近におきましては公庫としてこれを拒否いたす態度は解除いたしたのでありますけれども、何分金を借りる方から見ますと、乙の方式は時間がよけいかかる。要するに決定が公庫においてなされます関係上、公庫の審査は、形式審査にとどまらずに、内容にまで入つて審査をいたさねば相ならぬわけでございます。これに対して甲の場合は代理店が現地におきまして可否の決定をして公庫の方に持ち込んで参るわけでございますから、公庫の方におきましては、貸すべからざる業種に貸そうとしておるかどうとか、数字の計算が間違つておるかどうかとかいうふうな書面の形式審査によりまして、すぐ代理店の方によろしという返事をし、金を送ることができるわけであります。従つて借りる方から見ますと、甲方式の方が早くてよろしいということになりやすい。また代理店の方も、金融機関として可否の決定を公庫に頼むというのは不見識な点もございましよう。乙の方式の方は、いまだ現実の面におきましては十分に動いておらぬ状況でございますが、これは日本開発銀行がかつて代理貸しをやつておりました時代におきましても、この中小企業金融公庫の甲方式に該当いたします型が、一番繁昌をいたしておつたのでございまして、乙が活発に利用されないという点は、やはり甲の方が評判がよろしいというふうに理解せざるを得ないのじやないかと私どもは考えておるのでございます。なお乙方式についての普及宣伝が足りないという点につきましては、今後ともなお十分の努力をいたしまして、代理店のすみずみまで趣旨の徹底をいたし得るように、公庫を鞭撻し、また私ども自身といたしましても努力を重ねて参りたいと存ずるのでございます。要するに公庫といたしましては、業務開始後三箇月足ずでございまするし、特に代理店を大幅に拡張いたしたのが、十月の二十六日でございます。また銀行関係につきましては、十一月十三日に新たに代理店をふやしたという関係もございまして、代理店と公庫との連繋というものもいまだ不十分であるという点もあろうかと思います。若干日が浅いという点もお含みくださいまして、今後十分なる態勢に一日も早く持つて行くということでひとつお許しを願いたいのであります。あるいは年末に際しまして、比較的金額の少い部分につきましては、代理店から公庫に上げて行きます書類の一部を省略することを認めようというふうなことも、現在公庫で具体的に検討しておるような状況でもございまするので、お含みを願いたいと存じます。
○齋木委員 ただいまの岡田さんの御説明では、甲の方が大繁昌をして便利だとか、手前みそなことを言つておられますが、今のプリントを見ましても全国の窓口を通じて申込みが今日まで幾らかあつたのか、決定したのは四百三十六件とこうなつておりまするが、四百三十六件くらいで全国の中小企業がその恩恵に浴するというようなことはないと私は存じしおります。これらに対するところの申込数は、これは甲か乙か存じませんが、幾ら今まで申込みがあつたかおわかりだろうと思います。乙の方は公庫において裁定をする、甲の方は窓口銀行において裁定するというようなことでありまして、甲の方の申込みは千四十七件ですが、乙の方においては今日まで幾らあつたか、これはこの次の委員会までに御報告を願いたい。決定は四百三十六件とここのプリントにあります。それと同時に甲の方が繁昌するといいますけれども、同じ窓口銀行なり金融公庫なりが責任を持たなければならないのがあるので、実際窓口におきましては、厳密なるところの調査なり何なりをやるので、年末金融ではありませんけれども、中小企業に対する金融というものは実にぎこちない。またこれを利用することのでき得ない階級の中小企業がたくさんあることを見のがしてはならないと思うのであります。これらに対しましては、窓口は七割なら七割の負担を持たなければならぬというところから見て、厳密に調査をやつて窓口で決定する。それがために必要欠くべからざるところの中小企業というものは救えない、利用でき得ないというのが実情であります。これは机上の空論ではありません。実際に窓口が、個々に調べてやつておるならそれでいいが、調査々々で考え、調査々々で時間を費してその機を逸するのであります。それに対して、いかなることをお考えになつておるか、調査々々で時間がかかり過ぎる。そう時間のかかるものじやない。甲にしようと乙にしようと、早く金融の処置をやつてこそ、中小企業を救えるのである。機を逸しては、中小企業は金融面において非常な損失と焦慮をするものであります。実際においても、一日一時間を争うところの不渡り手形のような問題が頻発をいたしておるのであります。これに対して、くりつは抜きにして、もう少し円滑に行くように指令をしなければならないと私は考えまするので、長官においては、そういつたようなことに対するところの、具体的にはつきりした、調査調査で日を送らぬ、しつかりと早くやらなければ救われないということをお考え願いたいと思うのであります。
○岡田説明員 お手元に御配付申し上げました資料をごらん願いますと、十一月中旬までに公庫が代理店を経由いたしまして受理いたしましたる件数は一千四十七件と相なつておるのであります。そして取下げというのがございますが、百五十七件でありまして、これは形式的に、はつきしたあやまちをしておりますものを取下げたのでございまして、この千四十七件を差引きますと、公庫が正式に受理したものが八百九十件ということに相なるわけでございます。この八百九十件のうち貸出し決定をいたしましたものが六百七十八件であります。約八割足らずものが決定をされておるということに相なるのでございます。九月十一日に店開きをいたしまして、二箇月間の業務開始早々の折にかかわりませず、八割前後のものが二箇月間に処理されたということになりますれば、これはまず業務の運営としてはかなり勉強をしておるというふうに見てもよろしいのではないかと存ずるのでございます。このうち貸付実行と申しまするのは、現金を交付したものが四百三十五件でございまして、六百七十八件と申しまするのは、これはさしつかえないということを代理店へ申し送つたものでありまして、相手方としては、それによつて腹づもりがきまつたことに相なるのでございます。 なお多少時期はさかのぼるのでございまするが、十月末現在におきまして、当時百八十二の代理店について代理店に申し込んだ数を調べてみたのでございまするが、それによりますと、約四千五百くらいのものが百八十二の代理店の窓口へ申し込んでおるということに相なります。代理店の方でこれをこなしまして、東京の公庫へ持ち出したものが、これは多少時期がずれますから、完全に合致する数字とは思いませんが、十一月中旬におきまして千四十七件ということに相なつておるのでございます。 なお代理店におきまして、受付けてから公庫に通達するまでの間に時間がかかり過ぎるという問題につきましては、これは代理店側の事務の習熟ということも十分鞭撻をいたす必要がございまするが、逐次習熟するに従いまして、この代理店そのものの能力も向上して参ろうかと存ずるのでございます。まあいずれにいたしましても、申込みから決定までの期間を極力早くするということにつきましては、今後とも十分の努力をいたしたいと存じまするが、公庫の金はともかく長い期間にわたりまする金でございまするので、短期の金を貸しまするよりは、若干貸出しに際しまして審査も慎重を期さねばならぬということは、ある程度はやむを得ないことであろうかと存ずるのでございます。このように事情はお許しを願いたいのでありまするが、そういう事情はありながらも、審査を極力促進するという方向への努力は今後一層続けて参りたい、かように存じておる次第であります。
○齋木委員 そうするとただいまの六百七十八件、それから貸付実行四百三十五件とこのプリントにあるのですが、乙方式によるところの設備、運転資金等に対しては十一月中旬からの問題になつておるが、乙方式はいかにやつているのか。こういうことも私たちは考えなければならぬ。実際において、窓口において乙の方でやつてくれれば非常に取扱い銀行の窓口もいい、こう言つておるのであります。それをなかなか乙でやろうとしない。それは中央におけるところの決定が乙においては時間的に非常にかかるのでこれはしないのだぞ、そういつたところで、乙それ自体も窓口銀行の調査によつて貸出などということが決定されると私は思うのであります。そうすれば名前は乙だ、甲だと言つても、調査という問題に対してはさほど時間的にはかからぬと考えておるのであります。これらに対するところの乙の貸付とか何とかいうものは一つも決定してないように私はこのプリントでは見ております。乙は幾らと決定したのか。
○岡田説明員 乙方式は現在までのところ代理店からの申達がないのであります。乙と申しますものは先ほども申しましたように、貸すか、貸さぬかの最終決定を公庫でやります関係上、代理店の方から持つて参りますものは参考意見を付してやつて来ることにとどまるわけであります。従つて乙方式を審査する場合においては、公庫の審査のやり方がかわるわけでございまして、内情にまで入つて審査をいたさなければならぬという関係から、多少甲方式の場合よりは公庫の審査に手間がかかるということは避け得ないことなのでございまして、借受けを申し込んで参られまして方におきましても、さような点をあらかじめ御了承を願つておきませんといけませんので、代理店等におきましても乙方式にする場合におきましては、若干目にちがかかるけれども、よろしゆうございますかということを申し上げておると存ずるのでございますが、これはやむを得ない実情ではなかろうかと考えておるのでございまして、乙方式につきましては今のところまだこの表にありますように実際に現われたものがないという案情でございます。
○齋木委員 そうすると岡田さんは、甲の方の方式ですれば、もしも貸付けた場合に損害が行つた場合には窓口銀行が負担は多い。だから甲の方を助長して、乙の方になると公庫の方の損害とか何とか出た場合においては負担が多くなるから、甲方式ばかり指令をしておるというふうにもわれわれは聞えるのであるが、だからこの乙方式は取扱わないのだ。厳密にやるのだ、また一方においては、甲の方は窓口銀行がもし不幸なことがあつた場合には、七割なら七割を負担しなければならないから、そういうことでもこれも厳密にやらなければ自分の窓口銀行が損害が多くなるから厳密にやる。どつちにしても厳密にやつて中小企業の本質であるところの、法文に照しました施策に対してはなかなかいかぬということになる。これはどつちでも言い得ると思うのですが、これはいかなるところの考えでそういつたことになるのですか。
○岡田説明員 われわれの方といたしまして乙方式の方が公庫のそろばん上損が行くことが多いから、乙方式を歓迎せずに、代理店の方に対しまして乙方式はなるべくやらぬようにというふうなことをあらかじめ指令をいたしましたり、感づかせるような措置をとつたことは絶対にございませんので、甲の方式はこういう形、乙の方式はこういう形ということにいたしまして、ただ乙方式の場合は公庫の審査が多少詳しく審査をいたさなければならぬから、甲の場合より公庫の手元にとどまる時間が若干長くなるけれども御了承を得たいということを言つておるだけでございまして、その間われわれの態度なり扱い方なりに区別をつけておることはないのでございます。実際上乙方式を利用される方がいまだ十分ない。それから先ほど申し上げましたように、公庫の発足当座公庫の内部におきまする審査能力が不十分でございましてために、当座の間は甲方式によつてくれということを申したことがございます。もう乙方式によつてよろしいということを言つておるのでございますが、あるいは宣伝が足りないという点があるといたしますれば、それは遺憾なことでございまするから、乙方式によつて申請されてもよろしいのだということの普及宣伝の方向につきましては、今後も十分努力はいたしまするけれども、われわれの方として差別待遇をしておることはないということを申し上げておきたいと存ずるのであります。
○小川(平)委員 今の御質問に関連してちよつとお尋ねしますが、私どもが公庫の発足以来きようまで貸出しの状況を見ておると、どうも早くも本来の趣旨が没却されてしまつておるのじやないかと考えられるような兆候が随所に見られる。ことに地方銀行のごときは、最初から私どもが言つておりました通り、この金を旧債の借りかえに使う、あるいは明らかに大品の貸付に偏するというようなことをやつておる。まことにこれは憂うべきごとだと考えておるわけであります。代理店方式というものを根本的に考え直さなければならぬじやないかということさえこのごろ痛感させられるわけであります。少くとも公庫自身が貸付の実情を監督をするために地方に出先機関くらいは持たなくちやならぬじやないか、そういうことさえ考えておるのであります。さような意味から、今申した乙方式でありますが、これは甲方式と乙方式を併用するということにはつきりきまつておる。大分前のことですが、私この委員会で、なぜ乙方式をやらないのか、こう申したところが、そのときのあなたのお答えは、これは当然併行してやるきべものだが、いかんせん発足早々で十分のスタツフがない、事実上審査をする人数がいないからできるだけすみやかに実行したい、こういう趣旨の御答弁があつたように承知しております。ところが今のお話を聞いておりますと、どうも両方の方式を比べてみると、開発銀行等の経験に徴しても、甲の方が人気がある、評判がいいのだということを言われておりまするし、また乙方式でやると時間がかかるとかいうこともありまして、乙方式は公庫自身が実質的にも審査をやるのですから、甲方式に比べて時間がかかることはあたりまえだと私は考えます。少々くらい時間が遅れましたところで、五年の金を借りるときに、一月や二月遅れたつて大した影響はないことであつて、今の御答弁はどうもりくつになつてないのじやないか。さらに今の御説明を承つておると、乙方式については代理店から申達がないのだというお言葉ですが、それはあなたが実情の御研究が足りないのじやないか、業務の実際をよく見ておられないじやないかと思います。これは銀行と公庫が契約を結びまして、そのときにたとえば、実際の例を申し上げてもよろしいが、日本相互銀行のごときは、各地の支店にどういうふうな指令を流しておるかと申しますると、当行は中小企業金融公庫との間に甲方式による契約を結んでおるから、そのつもりで貸出しをやる、こういうことをやつておる。申達がないというようなお言葉は事案と相違しておると思いますから、この点はよくお調べを願いたい。少くとも本来の趣旨に沿うような貸出しを実行して行くためには、一日もすみやかに乙方式を取上げていただきたいと思います。それについて、前回はできるだけ早く必要な人員も充実して、乙方式を実施に移したい、こういう御答弁があつたのですが、いつごろからこれを実際おやりになるつもりか、なぜこれが今日に至るまでやらずにおるのか、そこらのところを少しはつきりとこの際御答弁願いたいと思います。
○岡田説明員 公庫から代理店に出しました通牒の中におきましても、さしあたり甲方式によつてくれ、しかし甲方式により得ない場合においては乙方式によつてもいいのだか、借受人に対して多少時間がかかるということを言うてくれということを当初も言うたのでございまして、私が公庫発足早々審査能力も十分でないからと申し上げましたのは、これを全然排撃するという趣旨ではございませんで、代理店に付場しましては、公庫発足早々であるから、できれば甲方式によりたいが、乙方式によるという場合にはそれを排撃するのじやないのだ、ただ多少時間がかかるという点の了承をお客さんに求めておいてくれということを、公庫発足当時においても言うているのでございます。その後におきまして、かりに今御指摘のように、相互銀行が、自分の方は甲方式に関する契約を公庫と結んでいるのだという趣旨におきまして、乙方式を排撃しているということがございますれば、これは非常に誤りでございますので、なお具体的に公庫の実情を調べまして、もしさようなことがございますれば、ただちに方針をかえさすようにいたしますことを申し上げておきたいと思います。 なお地方銀行等におきまして、大口貸出しの傾向が顕著になつているという御指摘でございますが、十月末現在におきまして、各代理店を群別にわけましてその貸出し金額の平均を押えてみますと、地方銀行の貸出し平均が一件当り二百七十二万九千円でございます。最高が一千万円、最低が三十万円ということになつております。それに対しまして相互銀行は、平均が二百五十六万六千円、最高が一千万円、最低が四十万円、それから信用金庫につきましては、平均が二百四十三万二千円、最高七百九十万円、最低五十万円ということに相なつているのでございまして、これを通観いたしますと、私どもといたしましては、むしろ地方銀行の大口の傾向と申しますより、相互銀行、信用金庫におきましてどつちかといえば平均が上り過ぎているのじやなかろうかというふうな懸念を実は持つているような次第でございます。 参考までに貸付期間を見てみますと、地方銀行におきまする貸付の平均期間は三年九箇月、相互銀行で三年六箇月、信用金庫で三年四箇月というふうな実情に相なつております。
○大西委員長 加藤清二君。
○加藤(清)委員 私も中小企業の年末融資の問題について二、三お尋ねしたいと思いますが、実は……。(「簡単にやれ」と呼ぶ者あり)私も簡単に、要領よくやりたいと思いますが、ここの答弁者ではちよつと足りないことが出て来ると思います。 そこでまず第一点に、先ほど長官さんは不渡り手形の東京の様子だけは御発表になつたようでございますけれども、不渡り手形は何も東京だけじやない、大阪、名古屋の方がもつとひどいわけなんであります。そこで名古屋あたりの平均をとりますと、ぶつ倒れて行く商社が二日に一社はあるわけなんであります。ところが一万田さんは投売りが始まろうがぶつ倒れようが、高率適用の強化はじやんじやんやる、こういうことを商工会議所でも言つておられますが、これに対して政府側は一体どうしようと考えていらつしやるのか、また五人や六人がぶつ倒れているのならば、これは大蔵大臣一人ぐらいいで済むかもしれませんけれども、五人や六人じやない。二日に一軒ずつぶつ倒れている今日、一体これに対してどういう施策をとろうとしていらつしやるのか、これに対してますお尋ねいたします。
○岡田説明員 先ほど概略の御説明を申し上げましたときに触れたのでございますが、金融の引締めが中小企業に特に強く風当りをいたしておるということを申し上げ、その一例として東京におきます不渡り手形の発生状況を御参考に申し上げた次第でございますが、東京の不渡り手形の発生状況は全国の一つのモデルとして申し上げたのでございまして、もとより大阪におきましても名古屋におきましても同様の状況が起りつつあろうということは、この東京の状況で御推察を願えるという意味で申し上げた次第でございます。もとよりかような金融引締めが全般的に日本経済を安定した姿に持つて行くというねらいを持つておる点につきましては、われわれとしましては一応の敬意を払うわけでありますが、それが不自然に、故意にと申しますか、特に中小企業の方に風当りが強いということに対しましては、われわれといたしましてもこれを緩和する方策をとらねば相ならぬわけでございます。さような意味合いから、先ほど概略御説明申し上げましたような意味においていろいろと金融上の措置を講じておる次第でございまして、十分なりとは申しかねるわけでございますが、さらにまた指定預金のことにつきましても、十二月の、引揚分につきまして、必要に応じましては処置をいたしたいということも申し添えたような次第でございまして、われわれといたしましても、できるだけ中小企業に特別のしわが寄らないように努力をいたしたい、かように考えます。
○加藤(清)委員 特別にしわが寄らないようにという抽象論では、とてもぶつ倒れて行く商社を救うことはできません。特に高率適用の強化が十月から行われ、それから外貨制度の品目別の整理が行われ、スタンプ手形の期間の短縮というようなことが一斉に行われた結果、一体どういうことになつているかというと、みんな中小企業にしわ寄せされておる。かてて加えて今あなたのおつしやいました指定預金の大幅引揚げの問題ですが、これは一部分災害地だけは延ばすということが行われましたけれども、実際においてはこれは行われている。従つてそういう場合にこの命令を受けた銀行側は一体どういうことになるかといえば、これは御承知の通り経済の浅い、資本力の薄いところの中小企業からまず引揚げようということが理の当然なんです。窓口の身になつてみれば無理はない。そこで何とかしようぐらいことじや通りません。現に名古屋地方だけでも二日に一軒ずつぶつ倒れているという状況なんです。そこで政府側としては下請に対する支払いの問題やら、それから保証手形の再割をしてもらいたいというようなことを相談されたようでございますけれども、保証中形の再割の件はちやんと日銀側からけられているはずです。また下請の支払い促進については、これは命令は出されたけれども、今なお大企業が下請に支払う手形の日にちというものは、六〇なんという短かいものは一つもありません。全部九〇から一二〇になつております。これは事実なんです。お調べになつたらよくわかるだろうと思います。そのためにせつかく政府側が中小企業金融公庫や国民金融公庫の方へ少々やられても焼石に水なんです。先ほど来の皆さんのお話の通り、借りてない人の方が多いわけです。この中小企業にしわ寄せされているということは、先ほど長官がおつしやいました不渡り手形の枚数よりも、額面金額をごらんになつたら一番よくわるかはずです。二十一万程度のものが十五万になり、十五万が今のところは平均十二万円程度になつておると思う。これみんな下へ下へ行つた証拠なんです。これに対してほうつておいていいものか悪いものか。また質問をいたしますと政府側は何とかしなければならぬと言われますけれども、日銀関係の連中は何を言うかというと、地方へ来て演説をやるときは、それはできません、投売りが始まつてもけつこうやつてみせますということを一万田さんは言つております。あれを法王的存在として皆さんが許していらつしやる証拠です。この原因をよく調べてみてごらんなさい、原因がどこにあるか。オーバー・ローンを引締めなければならぬ、経済の安定をしなければならぬというけれども、オーバー・ローンの原因は一体どこにあるのです、中小企業にあるのですか。大企業の方へ貸し出された焦げつき、復金や見返り資金の焦げつき、あれが一番大きな原因になつておるはずですよ。ほんとうに中小企業が借り過ぎているからオーバー・ローンにつたというためしはどこにもないはずです。一体これをどうするのですか、ただ努力しますだけでは足りない。具体的にこの年末にあたつてはこうこうする、これを具体的に実行に移すのだというところを見せていただきたいものです。それでなかつたら中小企業は救われません。幸い長官と大蔵省側が来ておられるのだから、大蔵省は日銀との間にはきまつてどうしようとするのか、はつきり具体的な方途を示してもらいたい。
○岡田説明員 先ほど冒頭に御説明申し上げましたときに、具体的に一つ、一つ申し上げたつもりでございまして、指定預金につきましては、十一月末に中小企業の専門の金融機関に五十五億円を新規預託をしたということ、あるいは十二月の引揚げ予定のものにつきましても、今後の情勢によつてはこれをさらに考えるということも申し上げた次第であります。その他国民金融公庫あるいは中小企業金融公庫、商工組合中央金庫等につきまして、それぞれ具体的に数字もあげまして一応御説明を申し上げたつもりでございまして、現在のところさような趣旨によりまして中小企業は対する特別のしわを防いで行こうという方途を講じておりますし、また講ずるつもりで状況を判断をいたしておるということを申し上げたのでございまして、ただ漫然と抽象的に申し上げたとは思つておらないのでございます。
○大月説明員 ただいまの金融引締めの問題でございますが、一般的に引締めといわれておりますことは、全体としての財政及び金融を通じて考えますと、結局財政の規模から申しまして特に第三・四半期におきまして財政の散布超過が多い、これを金融で調整をしようというところに意図があるわけであります。日本の経済といたしまして貸出しを幾らしてもよろしい、財政の面において散超が加わつてもよろしいということはとうてい申し上げられないと思います。そういう意味におきまして、財政と金融を通じましてどうかしてインフレをとめたいというのが根本的の考え方でございます。その結果それでは中小企業の方へしわが寄るではないかというお話でございますが、そういう点にはきましては先刻来中小企業庁の長官からもお話がございましたように、これは大蔵省といたしましても十分御相談申し上げまして、できる限りの手段をとつておる次第でございます。
○加藤(清)委員 そのお答え不満でございますね。特に大蔵省にお尋ねしたいのですが、岡田長官が中小企業にしわ寄せされるのを防ごうとしていらつしやる努力はよくわかるのです。しかし窓口は、岡田長官の言うことよりも法王さんの言うことをよう聞いておるわけです。それだから中小企業にしわ寄せが行くというわけです。特にきようこのごろ銀行へ借りに行つてごらんなさい、選別、しかも系列こういうことによつて、過去に縁の薄かつた者には絶対貸さぬ。それどころか、今まで貸しておつたものも返せ返せといつて、どんどん引揚げおりますよ。だから不渡り手形が出て来るわけなんです。この日銀と政府との相矛盾する考え方を大蔵省はどうしようとするのか、ここが聞きたいところなんです。
○大月説明員 現在のところ大蔵省の考えておりますことと、日本銀行の考えておりますこととは全然食い違いはございません。日本銀行総裁が中小企業に対しまして、どういう事態が起つてもいいということは絶対に言つておられないと思います。 中小企業の関係につきましても、先ほどお話のございました信用保証協会の保証手形の問題につきましても、これは当然再割するという御要望はございましたけれども、今の金融のやり方といたしまして、あれを再割に持つて、行くことは適当でないと大蔵省でも判断いたしたわけでございます。しかし中小企業関係の手形を優遇することに関しましては、信用保証協会の保証いたしております手形を担保としてとることをきめまして、それを実行いたしておるわけでございますが、金利の点においては若干銀行において不利な面はあると思いますが、少くなくとも信用保証協会の保証いたしておりますものは優遇してとつて行こうという方針を新たにとつたわけでございまして、そういう点についても、日本銀行におきましては中小金融という点を十分考えながら金融政策を進めておるものと御承知願いたい。
○中崎委員 動議を提出します。中小企業金融問題はきわめて重要でございまして、ことに年末を控えての問題でございますが、ただいま加藤君のお話によると、一万田さんは、中小企業者は少々倒れても問題でないということをまた言つたというのです。これはかつて重大な政治問題になつたわけでありますが、日本銀行の総裁なるがゆえにそういうことを平気で言つてもいいのかどうか、われわれはそれを見逃していいかどうかは重大な問題です。かねて大蔵省と日銀との間に、少くとも一万田さんとの間に、相当食い違いのあるような政策が堂々と新聞の上においても発表された例はたくさんあります。現在のところはそうでないと言われておるようでありすが、われわれの勘から見れば、少くとも大蔵省と日銀と通産省の中小企業関係においての連絡というものは十分行つてない。それだけは言えると思います。そこで私はこうした重大問題を前にして、大蔵大臣と日銀総裁と通産大臣の出席をすみやかに要求して、年末の金融問題をどうするか、日本の産業経済の中心であるところのこの金融問題の将来をどうするかをひとつ検討してみたいと思うので、すみやかな機会においてこの三者の出席を委員長の方で特におはからいくださるように要望いたします。
○大西委員長 ただいまの動議につきましては、理事会におきまして御協議申し上げたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大西委員長 御異議なければ、さようとりはからいます。
○加藤(清)委員 それではあまり時間をとつてもいけませんので、今の問題について申し上げておきます。これはあなたが何と言おうと、一万田さんは名古屋の席上におきまして、倒産してもやむを得ぬ、また投売りが始まつてもやむを得ぬ、けつこう引締めをやりますということをはつきり言つておる。それは新聞にも出ておるのであります。それを今ここで論議してもだめだ、ここべそういう方を招いて、これに対する措置をとられるというなら何をか言わんやで、今ここで論議する必要はない。ただ私は非常に遺憾に思いますことは、通産委員会で聞く答弁と、それから一万田さんの言われることと食い違いがあるということが一つ。もう一つはここで聞く答弁と、今度は窓口で、中小企業の金融公庫にしても、借りに行つた場合に聞く答弁とが違うわけであります。そこで今の問題はあとで証人が出られたときのことにして、今度は内輪だけの中小企業金融公庫の問題についてお尋ねいたしますが、ここで法案を審議したときの精神、それからこれを窓口で実行する場合に、少々の違いがあるくらいは、これは人間でありますからやむを得ないと思います。ところが大分この精神は食い違つていると思います。そこでぜひお尋ねいたしたいことは、中野さんがせつかくお見えでございますからなんでございますが、お宅の方で中小企業金融公庫の説明会というものを御親切にやつておるはずであります。その説明会の材料に指令書綴というものが使われておるはずでありますが、その指令書綴なるものはぜひこの委員会の方へ見せていただきたいものだと思うのであります。と申しますことは、一例を申し上げますと、三百万円を目途とするということが相互銀行においては誤解されておる。こまかい金を貸しておつたらめんどうくさくてかなわぬから、三百万円以下の人はどうにもならないということを言つておる事実を私は知つております。また説明会の席上であなた方の意向を体して行つた説明者が、もう六大都市のハイヤー業というものは満員になつてしまつておるから、これは貸さないのだということをはつきり言つておられる。私はこの耳で聞いております。その折に、それは間違いじやないか、東京だけの間違いじやないかと小さい声で言いましたけれども、あまり説明者に恥をかかしても気の毒だと思つて、その席では黙つて引下りましたけれども、これは何かの間違いではないでしようか。そこでこの指令書綴というものとわれわれが法案を審議したときの精神に食い違いがあつてはいけない。娘一人に婿百人であるから、多い希望者を削るためにいろいろ手段が講ぜられることはこれはやむを得ないと思いますが、しかし精神が曲げて考えられてはいけないと思いますので、ぜひこの指令書綴なるものを提出していただきたい。それからそれをもとにして、ほんとうにスムーズに金が年末にあたつて貸し出されるようにしたい、こう思うわけであります。以上であります。答弁していただけるのでしたら法の精神と説明会において違いがあるかどうかということだけでよろしい。
○中野説明員 公庫といたしましては、公庫の法律の趣旨に沿いまして、運用方針をいろいろ整備しつつあるわけでございますが、窓口機関にお願いして融資をいたしますので、全国三百八十に余る窓口銀行、これに支店を加えますと数千に上ると思いますが、そういう方面に一日もすみやかに公庫の方針を御体得願いまして、中小企業者の融資の御相談あるいは融資をお願いしたいということで、機会あるごとにそういう集まりをいたしておるのでございまするが、まだ時日の経過も約三箇月でございまして、その地方への滲透が十分に至つておりません。このために借り主と窓口銀行との間にいろいろ立場、事情の相違もございまして、見解の食い違いが間々起るのでございます。これは今後私の方も一層の努力を進めますとともに、窓口銀行にも、機会あるごとに公庫の方針を実行していただくようにし、お互いに努力して参らなければならぬ、かように考えております。ただいま各種の窓口銀行への私の方の通知書の資料を出せというお話でございますが、これは準備整い次第出すようにいたしたいと思います。それから窓口銀行によりましては、今お話のありました通り、三百万円以下といいますか、小口のものは金融公庫の方針としてあまり扱わないのだというような誤解をしておる向きもあるようでございます。この点は、私の方では極力そうではないのだ——十万、十五万というような金額になりますると、国民更生金庫の扱い対象でございます。その上でございます。ことにわくの比較的僅少な方面におきましては、できるだけ三十万といいますか、五十万といいますか、百万といいますか、百五十万といいますか、そういつた比較的小口の扱いもやつていただきたい。実は十月末までの各銀行の種類別の一件当りの貸付金額の平均を見てみますると、信用金庫であつても二百匹十三万円——信用金庫が二百四十三万円というのは、平均として高過ぎるのではないか、あるいはもう少し小口化してもいいんじやないか、かように考えまして、そのことを各銀行へもお願いしてあるわけでございますが、もともと御承知の通り三百万円以下の貸付につきましては、手数料少し優遇措置を講じておるような次第であります。最近に至りましてだんだんこれが小口化されて参るような傾向が見えて参りますので、この十一月の平均はまだとつておりませんが、年末になるとかなり細分化するのではないか、かように考えております。なおこの点は努力いたします。 第二点の御質問の、大都市が一ぱいだという御趣旨がよくわからなかつたのでありますが……。
○加藤(清)委員 それはこういうことなんです。ハイヤー業は例として申し上げたのです。あなたの方の説明者が説明に行つて間違つたことを言うているではないかというのです。
○中野説明員 ハイヤー業につきましては、運輸省とも打合せいたしましたところ、たしか六大都市等においてはハイヤーの数自体が多過ぎるので、新車の購入は旧車との入れかえをするのでなければいかぬ、古い車をそのままにして、車だけをネット・プラス・プラスというふうなことでは困るというお話でございまして、地方ではそうではないのでございますが、六大都市におきましては、新車購入の資金融資の場合は、旧車との入れかえということを一つの審査上の目途として窓口銀行にお願いしておるのであります。
○加藤(清)委員 指令書を見ますと、六箇条にわたつて詳細に懇切ていねいに書いてあるのです。運輸省の許可のある者に貸せとか云々ということが書いてあるのです。ところがこれを説明されるときに、六大都市はもう一ぱいだからそれでこれには貸さないようにという説明をされている。従つて窓口に行きますと、それは全部オミットされている。こういう事実がある。東京は一ぱいかもしれませんが、名古屋や大阪、京都ではまだまだふえますよ。まだ幾らでもふえるようです。それは戦前の数量と比べたら一ぱいになつておるかもしれませんが、交通機関の発達ということから考えて行けば、まだまだこれからふえるのですから、そういう点誤解のないよう御説明願いたい、私のはこういう趣旨なんです。
○大西委員長 永井勝次郎君。
○永井委員 一点だけお尋ねいたしたいと思います。 中小企業の問題について、単に金融の面からだけ対策を講じても、それで中小企業が完全に生きられるものではない。やはりこういう問題は、先ほど来他の委員からもおつしやつているように、日本の経済自立というこういう基盤の問題をはつきりさせて、そのうちの中小企業の問題、そのうちの一つの問題としての金融ということでないと問題がはつきりして来ないと思うのであります。そこで先ほど来の話を聞きましてお伺いしたいと思うのでありますが、銀行局の総務課長に第一にお伺いしたい。最近の金融引締めは大蔵省と日銀との間に食い違いがないのではないか。表現は違つても引締め方針をずつととつている。ことに池田特使のいろいろな政策が具体的に表現されつつあるではないか。その意味において、地方の銀行においては預金に対して七割くらいより貸出しをしない。三割以上は中央へ吸い上げている。中央はこれでオーバー・ローンになつているけれども、地方においては事実において相当に引締められて来ておる。また銀行の現在やつておる融資の態度は、零細金融をやめて大企業への投資に集中しておる。そうして系列融資が相当に強化されて、その面を通して財閥を親会社とする下請産業、こういうものを確立して、弱小企業はこれを整理する方針をとつている。融資を通してそういう中小企業を整理する方針をとつておるではないか。こういう金融政策の過程で起つて来るもろもろの条件、すなわち中小企業の倒産なり、あるいは財閥産業中心の一つの産業系列が確立されて行くということ、こういうことに対してそういうはつきりとした目途を持つてやつておるのか。それともそうではなくて、それは一つの現われた現象であつて、大蔵省ではそういう金融政策はとつていないのだとするならば、そういう過程において起つて来ておるこれらの諸現象に対して具体的に一体どういうふうに対処するのか、中小企業をほんとうに育成するというならば、こういう金融政策が中小企業の一般的な育成になるのだという根拠を示していただきたい、かように思うのであります。それから岡田長官にお伺いいたしたいことは、こういう金融政策を通して中小企業の整理段階に入つて来ておる、この整理段階において、中小企業庁はどういう中小企業の対策を立てそれに対処しようとしておるのか。ことに年末になりまして、中小商工の関係におきましては、手持ち在庫が非常にふえて来ておる。これを金融の面でしのいで来たのでありますが、金融引締めが強化されて来て、金融の面を通しましては、現在の手持ち在庫の過重な負担を乗り切れないという段階において、不渡り手形も起ろうし、投売りも起ろうし、倒産も起ろうという状態になつて来ており、一面消費が在庫に比例して起つて来ておらない。こういう需給のアンバランスから来る一つの年末の特殊現象が、従来とは異なつた形で現在現われて来ておる。この状況を岡田長官はどういうふうに把握され、これに対してどういうふうに対処されて行くのか。さらに国の政策として金融面を通して中小企業の整理を行おうとしておるが、中小企業一般に対してどういうふうにして善処されて行くのか。このことについて明確に具体的にこれを伺いたいと考えるのであります。先般ニクソン副大統領が関西の方へ参りましたときに、同地の農民の団体から、日本における人口過剰について、アメリカヘの移民を陳情した。ところがニクソンは、いや外国への移民なんか考える必要はない、それは保安隊に入りなさい、それが一番人口対策、失業対策になるのだ、こういうことを言つた。そういう一つの日本の政府を動かしておる影のてこが、そういう形において農民を窮乏化し、労働者を窮乏化し、中小企業を整理して、保安隊の増員態勢を考える。こういう一つの政治的、経済的な謀略がずつと張りめぐされておる。その中でわれわれがそういうものを明確にしないでここで論議したつて、これは個々の解決の方法はないと考えるのであるが、これらに対する——これは長官より大臣に聞く精神のものでありましようが、当該責任者としての長官の説明を求めたい、かように考えます。
○大月説明員 大蔵省に対するお尋ねの趣旨は二点あつたかと存じます。一つは中央、地方の区別の問題で、中央を重点的に金融的に見る結果、地方の資金が欠乏するのではないか。それから第二点は、現在とつております金融政策の結果、やはり大企業中心になつて、中小企業の方が圧迫を受けるのではないか、こういう二点の御質問ではないかと存じます。最初の問題につきましては、計数的に考えてみますと、各地方の金融機関の店舗における預金と貸出しの比率に都会における預金と貸出しの比率に比べまして低いことは事実でございます。その点につきましては、現在の日本の経済の構造が、どうしても都会中心になつておるということが一つの原因であると存じます。具体的に申し上げますと、金融的にも、たとえば手形の取引の計数から申しましても、手形交換の比率は、東京が全国の五割、大阪が大体においてそれの半分の二割ちよつと、それから名古屋が一割、こういうような計数を持つておるわけでございます。それから全体の預金の数量から申しましても、やはり東京の銀行協会に加盟いたしております銀行の預金は、正確には覚えておりませんが、全国の四割見当になつておるものと存じます。その他いろいろな生産の計数から見ましても、大都市に相当日本の経済力が集中しておるということは争えない事実でございましてそういうことが預金とか貸出しとかの計数に間接に反映されておるということを申し上げていいかと思います。それから、ただこういうような形式上の預金貸出しの計数以外に、たとえば大きな企業になりますと、地方に工場あるいは支店を持つておりますが、その金融は東京、大阪というような都会でまかなつておる場合が多いわけでございます。従つで都会における貸出しが地方における資金としてまわつて行つておるという現象もございますので、必ずしも預金、貸出しの計数を見まして、地方の方が資金的に虔待されておる、こうは言い切れないかと存じます。それから第二の大企業と中小企業の問題でございますが、先ほどからのお話もございましたように、自然のままに放置しておきますれば、どうしても中小企業の方へしおが寄るということはやむを得ない現象かと思いますので、この点につきましては、先ほども中小企業庁からお話がございましたようにでき得る限りの努力をいたしまして、そちらの方へしわが寄らないようにということを考えておるわけでございます。もちろん十分とは参らないと思いますが、極力努力しておる段階でございます。お話のように、たとえば再編成とか、あるいは財閥の強化とか、こういうような、いわば政治的な意味をもちまして、ただいまの金融政策をやつておるということは、全然ございません。
○岡田説明員 中小企業対策といたしまして、金融がすべてではないということにつきましては、私もまつたく御同感でございまして、企業が失敗いたします場合の表に現われた形が、支払い不能という形において現われて参ります結果、やはり金融問題が非常にはでに取扱われます。また同時に、金融問題が中小企業問題の全部であるかのごとく考えられがちな傾向も持つておる事実でございますけれども、支払い不能になつたというその表の姿だけを押えては相ならぬのでございます。何ゆえにその企業が支払い不能というところまで来たか。その心臓麻痺に至るまでの原因は何かということをよく押えまして、それぞれの対策を立てて行くことになりまして、初めて中小企業対策は完璧を期し得るものと私どもは考えておるのであります。要するに健康な中小企業者をつくる。そうした場合に初めて金融というものがその十分の効果を発揮して、中小企業の血となり肉となり得るものであろうかと存じますので、私どもといたしましては、一方において金融の対策に十全の努力を傾けますと同時に、企業体の健康化ということにほんとうの重点を置いてやりつつあり、今後一層の努力をいたしたい、かように考えておるのでございます。特に企業の健康化ということに対しましては、この健康診断を実地に即して行い、内容を充実して持つて行くという問題、あるいは協同組合の問題にいたしましても、数は三万を越える数を得ましたけれども、その内容において常に中小企業者のために役に立つておるものが幾ばくありやということになりますと、はなはださびしいのでありまして、これらの協同組合の数も今後なおふやすとともに、その内容の充実ということに一段の努力を傾けねば相ならぬという点、また対外との関係におきます貿易の促進、つまりこの狭い日本の中におきまして、相互の利害の対立関係を基礎とする競争というものには、おのずから限界があろうと思いますので、やはり貿易によります国内の経済力の充実ということが、中小企業の繁栄の基礎であるということを考えますならば、やはり対外競争力を中小企業者につけるということが必要であろうと思のであります。この見地から考えましても、やはり中小企業者を健康体にするということが必要である。従つて技術水準の向上でありますとか、経営の合理化等をはかる意味において、来年度予算といたしまして、私どもとしては中小企業者の設備の近代化に対します補助をやつて行きたい、これは税の関係とも関連をいたしまして、特別償却制度というものを非常に広げることが、この制度自体の関係上困難でありますならば、負担の均衡、機会均等という趣旨から申しまして、税制によらざる、他の方式による中小企業の技術水準の向上ということもやらねば相ならぬという趣旨も加味いたしまして交渉をいたしておるのでございます。なお手持ち在庫の関係と金融の関係でございます。これは先ほど冒頭の説明で触れさしていただいたのでございますが、たとえば商工中金の貸出しの状況を十月、十一月で押えてみますと三十億見当でございまして、昨年の十月、十一月の貸出し残高よりは減つておるのでございます。この原因が那辺にあるかという点につきまして、私どもといたしましても検討をいたしておるのでありますが、すでに在庫の手当が済んでおつて、現在年末に際して特に金を借りる必要が減つておると見るべきかどうかという点等、目下分析をいたしておるのでありますが、これが手当が遅れておつて、十二月に集中して出て来るものでありますならば、先ほども申しましたように、昨年の状況を参考といたしまして、十二月においてはある程度の受入れ態勢をつくつて待つておるというふうな情勢にあることを申し上げたのでございます。私どもといたしましては、中小企業を整理するという考え方で行政を進めて参るのではなくて、中小企業の健康化ということを中心として、今後日本経済力の充実発展のお役に立つような方向へ努力の方向を向けて参りたい、かように考えております。
○中崎委員 関連質問でひとつ……。中小企業庁長官からいろいろ説明があつたようでございますが、必ずしも万全な説明とは思いません。もつとも問題が非常に広汎であるだけに、なかなか容易でないし、あなたの手の届かぬ範囲のこともあると思いますが、ただ一つ私の方で特に強調しておきたいのは、中小企業者の擁護にはいろいろあるのですが、大きなる資本の圧迫をできるだけ取除いてやるということが、一つの大きな問題だと思う。それについて、あの百貨店なるものが大きなる資本力と組織力とによつて非常な繁栄をしておる。その陰に隠れて中小企業者の幾多のものが圧迫を受けて倒産しておるという現実があるわけであります。そこでこの百貨店について何らかの対策を講ずるようなお考えを持つておられるか、あるいはそういう努力をされたかどうか、これは新しくなられた官房長にも関連をしておるので、両者の意見を聞きたいと思います。
○岡田説明員 中小企業対策の一つの大きな題目といたしまして大資本の圧迫からこれを守るという点は、私どもといたしましてもかねて努力して参つておる点でございまして、今後ともその努力をさらに重ねて行くべきことは申すまでもないのであります。百貨店とその他の中小の商業の問題につきましては、いろいろと問題はあると思うのでございますが、一方におきましては、たとえば新宿の中村屋という菓子屋の主人が岩波書店から出しております本を見ますと、新宿に三越という百貨店が支店を出しました当座、客をこの三越にとられて非常に困つた。そこでいろいろ研究した結果、店主以下店員まで一段と努力をするとともに、菓子の職人を入れかえまして、相当特色のある菓子がつくれるような態勢をつくつたところが、そのあとは三越はむしろ中村屋の客寄せの作用をいたしまして、菓子に関する限りは三越で買わずに中村屋で買うようになつて、逆に繁栄をするようになつたということを書いておるのであります。これは一つの例でございまして、全部をこれによつて律するわけには参りませんけれども、中小商業者が専門店として特色を発揮するということに相なりますならば、百貨店は浅くて広い営業方針であり、専門店は狭くて深い営業をやる、そうしてそこにそれぞれの特長と持ち味が十分に発揮されるということになりますと、百貨店と中小商業というものは両立し得ることもまた一面において事実であろうかと思うのであります。過去におきまして百貨店法というものがございまして、百貨店のむやみな膨脹に対してこれを抑制したのであります。戦後これは廃止に相なりまして現在に至つておるのでございますが、最近百貨店の売上げも相当進んでおりますし、売場面積も戦前を越える状況に相なつておるのでございます。戦前と同様の法律をつくる必要のある情勢に立ち至つておるかどうか、立ち至つておるといたしますならば、どの程度の内容のある法律をつくる必要があるかという点につきましてはやはり政治的な方針ということもございましようと思いますので、目下われわれのところにおきましては、事務的な資料の收集を努めておるというふうな状態でございます。どういうふうに処置するかということにつきましては、上司の指示を仰いで行かねばならぬことかと存ずるのであります。
○中崎委員 今中村屋の話が出ましたが、なかなかけつこうです。中村屋みたいの店がどんどんできて来ればこんなけつこうなことはないのです。しかし中小企業はあなた方長い間指導されうてどういう実態のものであるかはおわかりのことでありますから、中村屋みたいのものがどんどんできるように御指導願えればけつこうでありますが、現実はなかなかそう行かぬぬと思うので、現実の上に立つてどう指導して行くかということを考えていただきたい。
○長谷川(四)委員 長官のお話は大臣にまさるお話で、いずれにしても現大臣よりもあなたの方がご研究になつていらつしやるという点については敬意を表します。また研究ばかりでなく、あなたが中小企業をいかに育成するかというあなたみずからの独創性に対しても私は深く感謝をいたします。しかしおつしやる通り金融の対策のみによつて中小企業は絶対に救われません。これだけの現在の中小企業に、新しく公庫を開くということは、すでにかくのごとき状態になつて来るということを早くも感知して、ごま端的な、しかも一般中小企業をごこまかす政策が今日つくられておつたのであります。いずれにしてもそのごまかし政策にわれわれは万全の敬意を表して賛成をいたしました。ところが結果としては容易ならないものができ上つて来たということだけです。今も百貨店の話がございましたが、たとえば昭和二十七年十二月の売上げだけを見ても、百貨店がどのくらいの売上げをしているかこういう点を見れば中小企業としての対立はとうてい及ばないところであります。私は、あなたがおつしやる通り私が考えまして、通常国会には百貨店法を提出する考えでございます。もつと根本から触れて行かなければならない問題は、政府は日本の産業構造をどういうふうに持つて行く気かということです。残念ながらあなたがいかに創造性と独創力を持つてやつてみても、政府がそれは参画してあなたの意見を全部取上げて行つて行くというだけのことができない。だから一日も早くあなたに大臣のいすを占めてもらいたい。これが私のお願いなんです。何といつてもそういうことなんで、日本の産業構造をどう持つて行くかということについて根本の施策が何もない。まつたく無能きわまりないのが現政府の態度なんです。これを早急に解決つけなければならない。しかしこれはわれわれの責任においても解決をつけて行かなければならない問題でございます。従つて、きようは官房長が来ておりますので、官房長がどういう考え方を持つているか、大臣にかわつてひとつ御説明をいただきましよう。そこで、これはちよつと話が違うのでございますけれども、幸い大蔵省銀行局の総務課長さんがおいでになつておりますのでお伺いしたいのですが、地下資源の問題で、たとえば化繊に対してあと十億金融してくれということが出ております。石油の五箇年計画をやつて五百万トンを掘り出すから、ぜひこれだけのものを金融してくれということも出ております。この二点は可能性があるかないか。日本の産業構造という基礎ができてない、従つて何ら長期の計画が立つてないのだからできないのだというのか。それとも、当然こういうことから盛り立つて行かなければならないというお考え方を持つているか。これについて総務課長さんからひとつ御答弁をお願いいたします。さらに中小企業庁長官に申し上げたいのですが、先般から中小企業の大会というのがありまして、そこで何項目かのものをあげて、ぜひこれだけのことをやつてくれという叫びがございました。私は第二議員会館に呼ばれて行つてみましたところが、何ということか、まつたくわからない暴動的なことであり、またわれわれは非常な無能呼ばわりをされて帰つて来たわけでございます。しかしこれがどうこうという意味ではない、中には取上げてもいい問題が多々あつたと思う。たとえば自家労働の問題等に対しまして、長官は大蔵省の方へ何らか交渉をした覚えがあるか。またこれらの人たちの意見に対してどういうお考え方を持つているかということについてお答えをお願い申し上げます。以上、まず最初にそれだけをお伺いいたします。
○岡田説明員 私の関係をいたしておりますところについてお答えを申し上げます。自家労働の問題と申しまするのは、結局税金の問題であろうかと思うのでありますが、税金の関係につきましては、中小企業者の要望されておる点と、現在の国のふところぐあいとをにらみ合せまして、私どもといたしましてはこれは私どもの考え方で整理いたしまして、通産省の意見として中小企業関係のものも大幅に織り入れたものを、先般大蔵省の方でつくられました税制調査会に御提案申して御審議を願つたのであります。出ました案を見ますると、かなりの部分についてわれわれの要望も取入れられておるのでございます。さらに税制調査会で盛りました点につきまても、われわれといたしましてはさらに要望を整理いたしまして、主税当局と事務的に折衝をいたしておるのでございます。税の関係を大観いたしますれば、税額を全体的に下げるという問題は国のいろいろな支出の問題と関連をいたすと思うのでありますが、それはともかくといたしまして、かりに一定量の税收入を確保するといたしましても、その税收を上げます方法として負担の均衡ということが尊重していただけませんと、中小企業者はいろいろの点におきまて圧迫がありまする上に、税制の面においても大きな圧迫をこうむるということになりますと、これは泣きつらに蜂であります。さような意味におきまして、負担の均衡という点を強く要望をいたしておるのであります。一番大きな問題といたしましては、事業税の問題が負担不均衡の最も顕著なるものであろうと存ずるのであります。この点につきましては、主税局の方に対しましても、われわれとしては一番の重点を置いてお話をいたしておるのであります。主税局の方といたしまして、まず事業税の問題は大きく取上げて、負担の均衡の点について善処するように研究を進められておるようであります。それぞれの段階を追いまして、中小企業に対しまして税法上不均衡なる取扱いのないように折衝いたしておりまするし、今後も十分の折衝をいたすつもりでございます。
○大月説明員 地下資源に関する御質問でございますが、石油に対する融資をどうするかという御質問でありますけれどもこういう産業政策に関しまする点は通産省とよく御相談いたしまして、金融でめんどうを見る点についてはこちらで考える、こういうことになつております。産業政策の面からはあるいは税制の面で考える、あるいは助成金あるいは政府資金でもつて見る、いろいろな考え方があると存じます。現在石油の関係では助成金が出ておる関係もありまして、特に政府機関において資金を見るということにはなつておりません。それから化繊の問題につきましては、この合成繊維が輸入の防遏ということを国産資源でもつて足りるということから、繊維の充足という面に非常に貢献いたすということを趣旨といたしまして、現在、今年の資金計画におきましても、開発銀行から相当の金額を融資する計画になつております。こういう産業的な問題につきましては個々的に今のような措置をとつておる次第であります。
○長谷川(四)委員 融資の問題ですが、今の最初のあなたのお考えは、この前に融資を決定したその額だと思うのでありますが、どうしてもあと十億を日本の合成繊維に対して融資をやつてもらわなければ、せつかくの魂が入らないわけであります。でありますから、それをぜひお願いしたいということを通産省からは常にお願いに上つております。従つて石油の問題に関しましても、あとでゆつくりやりますけれども、これは補助政策の一端でありますが、あなたの方へこれは別に出ております。五箇年計画でこういうふうにやりたいということで出ておりますから、十分御研究を積んでいただきたい。これらは国家的見地に立つて、政治の上から見て、当然やらなければならない大きな問題ではないか、こういうふうに考えるからでございます。そこで長官にもう一つお聞きしたいのでありますが、甲乙という問題は非常にうるさい。これは乙なら乙一本に直したらどうかということと、もう一つ金融を受けるために提出する書類に大体三万円かかります。ところが十五万や二十万円借りるのに、政府が貸すのはただ貸すのではない、利息は非常に高い。三万円計理費にとられて入つて来るのでは身につくものが少い。これはもう少し簡便な方法で計理をすることができないか、こういうことでございます。今のところでは計理士に三万円払つて金融を受けるということになりますと、私たちがここで審議した目的と精神的に大きな差異が出て来やしないか、そういうことでございます。どうしてもあれだけの書類がいるというならばやむを得ないけれども、あの中には不必要なものがありやしませんか。こういうことに対して長官はどういうにお考えでございますか。
○岡田説明員 中小企業金融公庫と代理店との関係におきまして、甲と乙と二つの方式を考えておるのを一つにまとめるかというお話でございます。これは先ほどの場合にも申し上げましたように、それぞれ特徴を持つておるのでございまして、金融機関の方で専決できるという甲方式には、金融機関が借入れ申込者と比較的身近なところにおりまして、貸出しの可否を決定し得る。従つて実情に即した金融がやりやすい。敏速にやるというところにも、乙方式より特徴があるというふうな妙味がございますし、乙方式には乙方式で、金融機関の負担の点が少い。多少時間はかかるけれども、公庫自身がきめるということによつて、金融機関とまた違つた持ち味が出て来るというのでありまして、これを一本にすることは、かえつて借入れを希望いたします中小企業者のために不便に相なるのじやないかということを、私どもは考えておるのでございます。先ほど来お話がございましたように、乙方式が実際上きつぱり運用されておらぬということの原因につきまして、あるいは代理店が誤つた宣伝をしておるとか、あるいは公庫側におきまして、乙方式に、どつちかといえばあまりすかぬというふうなかつこうを示しておるというふうなことがございますれば、これは十分改めてもらわねば相ならぬ点でございまして、甲も乙も、その間公庫法ないし私どもの立場から、どつちがすきでどつちがきらいだというふうなことは全然ないのでございます。私は、今の不十分な点は是正して行くといたしまして、やはり形は残しておいた方がよろしいのじやないかというふうに考えておるのでございます。なお資料の関係につきましては、もし公庫の要求しております資料の中で不必要なものをとつておるということでありますれば、これはただちにやめさせねば相ならぬので、極力簡単な資料で貸付の処理をいたさすようにせねばならぬことは、御意見の通りでございますが、一方におきまして、現在の経済状況のもとにおきまして、一年以上五年までの貸出しをするという長期の金融でございますから、ある程度の借受け希望者の事業の内容ないし今後の見通しにつきまする資料は持ちませんと、判断がつきかねるわけでございます。私どもといたしましては、別の方法といたしまして、中小企業者の計理の指導、簡易簿記の指導等、常時計理を明確にするような指導を強く推進いたしておるのでございますが、かような努力をさらに続けて参りまして、中小企業者が自分の計理内容を、帳簿によりまして、ある程度明確化することができることに相なりますれば、公庫関係の資料の作成というものも、さほど難事ではないということに相なるのではないか、そういうふうに持つて行かねば相ならぬ、かように考えるのでありまして、中小企業者といえども、帳簿もつけておらぬ、店と奥との計理の分離ができておらぬ、どんぶり勘定であるというふうなことでございますれば、これはどうしても金融の面に至る前段階といたしまして、計理指導を加えて行かねば相ならぬと思うのでありまして、御説の趣旨を十分生かすように努力する半面、中小企業者の方に対しましては、計理の指導というふうな面に重点を置いて、両方が歩み寄つて行くというふうにいたしたいと考えておる次第でございます。
○長谷川(四)委員 まことにけつこうなお説でございます。しかし中小企業の元来の伝統を持つているわが国において、あなたのお考えのように、あなたから提出させる書類によつて計理の指導をするなんということは、とうてい及ばないことでございます。あんなむずかしいものをつくつて、これが指導の一端になるなどと、もしあなたが毛頭でもお考えになるとすると、中小企業庁長官という人の頭を疑われやしませんか。それだけのお考えがあるならば、なぜもう一段わかりやすい計理の方法を指導しないのですか。中小企業者全般に向つて、あなたはお呼びかけになつて、計理の方法はかくしなければならないということを常にあなたは出張して指導するという方法をとつておられるのですか。私の言うのはそんなあなたのりくつを聞くのではない。むずかし過ぎるからもう少し簡単にやれるような方法はないかという意味なんです。それで甲とか乙とかいう問題もあなたのところから出るわくはさまつているのではないか。乙にしても甲にしても、総額はきめたままでよけい出しはしないでしよう。よけい出しはしないのだから、その負担だつてそうです。甲とか乙とかいうものにすれば、片一方の負担は全然いらないのだ。たとえば貸した人間がつぶれた。甲で貸したからいいんだ、乙で貸したから銀行で負担しなくていいということではなく、なるべくやりやすい方法にしてもらいたいというのが私の考え方なんです。しかし別にあたがそういう計理の面を直接指導するわけでもないのだから、そんなことを言つても始まらないと思いますが、もしあなたがそういうお考えがあるならば、計理の面に対して出張して指導してもらいたい、こういうふうに考えます。だからむずかしくなく、もう少し簡単に、省かれるところがあるなら、省くということはできませんか、どうですか。
○岡田説明員 先ほども申しましたように、公庫の要求します書類が不必要なものをとつたりして非常にめんどう過ぎるということでありますれば、それは実情に合いまするように改めて行くという努力は先ほどもお約束いたしたのであります。一面において私個人がその中小企業の計理指導をやるというようなおごがましいことを申し上げたのではないのでございまして、中小企業行政として現に府県庁なりあるいは相談所なりを通じまして、計理指導は相当大がかりにやつておるのであります。しかし不十分である点を何も隠そうと思うのではないのであります。私個人は実は出張いたしましても、計理指導をする直接の能力はございません。それぞれ業種業態に応じまして計理の簡単な指導書をつくつて、それを中心にいたしまして講習会を開いたり、いろいろな形におきまして中小企業者の計理の指導を現実に行政としてやつておるということを申し上げたのであります。中小企業者もやはり計理という観念をもう少し持つように持つて行きたい。これを一方において推進すると同時に、公庫の要求します資料については、極力煩雑を避けて、実情に沿うようなものに直して行く。両方が手を結ぶことができるようになれば、一番理想点であろうということを申し上げたのでありまして、書類の簡素化の努力は決して惜しむものではありません。 なお甲と乙との問題についてまた御指摘があつたのでございますが、もとより金融機関に対しまして、一・四半期のわくを与えますれば、そのわくの範囲内において、金融機関と代理店と借入れ申込者との間で、甲にするか乙にするかということを相談ずくできめてもらうわけであります。どちらの方式によつてもらつてもいいのであります。私はそのように両方の建前を残しておいてあげる方が、借入れをする人にとつては便利ではなかろうかというふうに現在思つておるということを申し上げた次第であります。
○中崎委員 大蔵省の政府委員にお聞きしたいのですが、現在開銀の最低限度の貸付金額の内示をしておられるのですか。方針を持つておられるというが、それは幾らなんですか。
○大月説明員 開発銀行からいたします融資の最低限はきまつておりません。
○中崎委員 実際においては、政府の方で業種をきめられて、それに基いて貸出しをしておるので、そのほか開銀独自に貸出しをする場合があるかどうか、伺いたい。
○大月説明員 これは中小企業金融公庫と開発銀行との金額上の分界の問題だと思いますが、中小企業金融公庫の方には最高の限度が定めてございますが、開発銀行は最低は考えておりません。従つて中小という面でなくして、ただいまでは閣議におきまして本年度はどういうような業種に金を出すということをきめますので、その業種に該当しております限り、資本金だとか、あるいは貸出し金額あるいは従業員の数とか、そういうものに関係なく審査を進めて貸す、こういう方針になつております。具体的に相当小さい金額のものも知つております。
○小平(久)委員 長谷川君の質疑に関連して……。中小企業者の計理指導の話が出ましたが、実に私も日ごろから考えておるのですが、長官の先ほどの御答弁のように、金は借りたい、しかし帳簿もないというところに金は貸せない、これはごもつともだと思う。しかし一般中小企業者、特に小の方の企業者は、帳簿も整つていない、また整える能力もないというのが実情だと思う。そこで通産省中小企業庁も特に力を尽されて、たとえば農業方面ならば農業指導員というようなものが、一箇村なりあるいは二箇村に一人ずついて、農業について実際の経験に照らし、あるいは技術的に指導なさつておる。ところが中小企業の面ではそういうものは何もないのです。商工相談所というようなものがありましても、これは月に一回来るとか、やれ何箇月に一回たまたま会議を開くとか、開いたも実際問題として計理の指導ということまではなかなか手が及ばぬ、あるいは税務署等において計理の指導などもやり、青色申告についてもいろいろやつておる。こういうことをやつても、税務署でやることでは、中小企業者もおつかなびつくりであつて一緒にやらぬというようなことで、どうしても帳簿の整理の不備なのが中小企業の一大欠陥であると思う。そこで御承知のように、今度はたとえば商工会議所法なども改まつて、少くとも一定の各地域におけるレベル以上の業者の機関もつくろということになつておるが、そういう業者においてさえ、おそらく帳簿が整つておるということは少いと思うそこで農業における農業指導員的な構想を持つて、今の商工相談所なんというような不徹底なことでなく、少くとも中小業者がたくさんおるような都会地からでも手を始めて、そういつた計理指導員というか——商工指導員といつても何といつても名前はけつこうですが、そういつた面の予算措置をして、少くとも一人や二人は常時置いて指導できるような方途を考えてもらつてはどうかという考えを所から持つておつて、ちようど長谷川君の質問に関連して思い出しましたので、日ごろ私が考えていたところを申し上げたのですが、こういう点も、あれば感想を伺い、また努力を願いたいと思います。
○岡田説明員 非常に具体的なお話でございます。私どもといたしましても、さような必要を痛感いたしておるのでありまして、計理指導と申しませず、全般的な指導をやる組織といたしまして、企業診断という制度を非常に重視いたしておるのでございます。これによりまして各個の企業、あるいは産地全般の関係、あるいは親工場、下請との間におきます系列の関係、あるいは商店街の関係、あるいは組合そのものの診断をいたしておるのでございます。従来診断制度は処方箋を書きまして、そのあと放任になつておつておつたのが非常な弱点でございました。そこで農業におきます農業指導員の制度とか、あるいは保健所におきます巡回看護婦の制度とか、さようなものを参考といたしまして、本年度から各府県に巡回指導員を置いていただきまして、その人件費の半額を国庫で負担するということにいたしたのであります。この巡回指導員が、診断を受けました中小企業者のところを常時巡回いたしまして、診断の結果がいかように相なつておるか、診断の結果を実行する上にいかなる困難に遭遇しておるかというふうなことを具体的に見てまわつて指導をして行く仕組みをつくつたのであります。三百数十万の中小企業者の方々を、ただちに巡回するだけの制度をつくることはなかなか困難かと思うのでありまして、さしあたり診断ということの強化と関連いたしまして、巡回指導員制度をさらに来年度においては強化して参つで、そうして個々の業者に至るまで診断により専門家の指導を受ける、受けた結果巡回指導員によつてあとの始末をして行くということで、ひとつ強力に計理指導も含めましてやつて行きたいという構想でございます。
○大西委員長 他に御発言はありませんか。——他は御発言がなければ本日はこの程度にし、次会は明日午前十時より開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時七分散会