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18回国会衆議院1953/12/05

人事委員会 第5号

発言数
164
登壇者
18
会派数
3
開催日
1953/12/05

会議録

川島正次郎自由党委員長

○川島委員長 これより人事委員会を開会いたします。  一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括議題といたします。両案につきましては、昨日大体質疑は終了したのでありますが、なお政府当局の答弁を保留したものがありまするから、この点についてまず政府当局の御答弁を得て、これに関連した質問を続行することにいたします。鈴木自治庁次長。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木政府委員 高等学校の教員の給与三本建に伴います財源措置の問題でございますが、これは先般三億六千万円、財政計画の上におきまして措置をしておるということを申し上げたわけでございますが、これは夏の国会で平衡交付金の増額がございました際に、その増額の中にそれだけの額を含めておつたわけでございまして、従つてそれに応じまして地方財政計画を改訂をいたしまして、高等学校の給与三本建に要する経費として、地方財政計画上は三値六十万円をすでに織り込んでおるのでございます。今回来年の一月一日から三本建の関係の経費も見る、さらに一般のベース・アツプの経費も見、期末手当の増額の経費も見る、こういうことになりましたので、高等学校の教員の給与改善に要します経費を総体といたしまして計算いたしますと、平衡交付金の上におきましは相当ふえて参るのでございますが、三本建の関係の経費と今この給与改善、ベース・アツプの経費、この二つの所要経費がどのくらいになるかと申しますと、地方財政計面上の単価といたしましては、ただいま高等学校の教員の基本給の単価は、一万八千三百八十二円でございます。改訂後におきましては、それが二万千七百一円にふえるのであります。それの三箇月分といたしますと一人について九千九百五十七円今年度に要することになるのであります。これを高等学校の教員の八万五千三百四十三人という数にかけ合せますと、八億四千九百七十六万円というものが、必要の給与改訂及び三本建の経費に要する高等学校の給与関係費になるのであります。これだけ要するわけでございますが、その中には今申し上げましたように、三本建とべース・アツプと両方含みますので、すでに既定の財政計画の中に三億六千万入つておりますので、八億四千九百七十六万円から三億六千万円引きましたところの四億八千五百九十四万三千円、そういうものを財政計画の中に今回算入をしたのであります。従いまして三本建とベース・アツプをかねて計算をいたしておりますので、要するに三億六千万円すでに経費が財政計画上見込まれておりますので、その不足分を今回の財政計画の上に必要な経費として見込んだのであります。そういう見方をいたしておりますから、昨日いろいお答弁があつたと思いますが、平衡交付金の三本建に伴います経費といたしまして、それだけを特に抜き出して計算をいたしますと、平衡交付金から逆算をして参りますれば、二億六千六百万という、文部省から昨日御発表になつたと思いますが、そういう数字が出て参るのでございますが、その余の九千四百万というものは、今申しましたように、他の高等学校のベース・アツプ分の給与改善費の一部をなしておる、財政計画上はすでにそこに見込んでおる、こういうことに相なるわけであります。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 一応御説明をお聞きしたのでありますが、この二億六千六百万円の所要経費のほかに残された九千四百万円というものは高等学校のベース・アツプの部分に充当するようにしておられるのでありますか。さよう心得てよろしゆうございますか。そうしますと、三億六千万というこの予算は、三本建の所要経費としては九千四百万円という余剰が出たということになるのでありますが、この余剰がはつきりしておるような予算措置というものは、法律の制定とあわせ考えるとき、はなはだ当を得ておらぬものであると認めるが、次長さんはいかがお考えになりますか。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木政府委員 高等学校教員の給与の三本建の所要の経費の積算の基礎でございますが、これは夏の国会におきまして関係方面にそういうような御意向が出て参りました際に、文部省並びに大蔵省等といろいろ折合せをいたしておつたのでございますが、はつきりとした最終的な結論を得ました数字というものとして、当時は一応考えておつたのでございますけれども、その後いろいろ細密なる調査を加えました結果、先ほど申し上げましたような結果に相なつたわけでございまして、さような開きがありましたことは遺憾ではございまするけれども、先ほど来申し上げまするように、その関係の経費は今般のベース・アツプの所要経費の一部に、財政計画上見込んでおる建前に相なつておりますので御了承願いたいと存じます。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 この予算上の九千四百万円というお金が、自治庁で自由に操作されるということになると、これはまたはなはだ国会の権威にも関する問題でもありますが、三億六千万円というものはこれは高校の教員の給与三本建の方に充当する金である。そうして当時なお、——これは中学にも小学にも少数あれしますが、高校を中心とする教員の不均衡是正、学歴差あるいは前歴というようなものを、十分織り込むように努力しようとした意図があつたわけですが、こういうものに残された九千四百万円が充当されるべきであるという考えを、われわれとしても持つておるのでありますが、それが高校の職員のベース・アツプの方へ流用されるということになると、これははなはだ油揚げをとびにさらわれたような結果になるわけですけれどもいかがお考えでしようか。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木政府委員 ただいまのお尋の点は、先般の給与三本建に関しまする法律の規定に従つて、直近上位の号俸に引上げるとともに、いわゆる頭打ちと申しますか、この号俸の横の幅をさらに広げ、昇給年限を短縮するといつたような関係の経費も、二億六千六百万円の中には入つておるわけでございまして、法律の要求をいたしておりまするいわゆる三本建の実施に要する経費は、全部見込んでおるわけでございます。従つて、この財源措置といたしましては、平衡交付金の増額という形で、国会の御修正によつて行われました五十億の中に入つておりますので、従つて地方財政平衡交付金法に基きまする配分方式によつて全体にこれを配分するということでございまして、建前といたしましては、さようにとりはからうことは、さしつかえないのではないかというふうに考えておるのでございます。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 この三億六千万円そのものが、事実は二億六千六百万円で済むものが誤まられて、九千四百万円も多く予算の上に含まれておるという結果になつたような、こういう例が過去にたくさんありましたでしようか。はつきりとその財政上の需要総額というものがきまつておるにかかわらず、それよりも余分に一億に近いような金が計上されているというようなこと、こういうことがしばしばあつてはたいへんだと思いますが、自治庁として、今までの歴史上こういう事例が幾つもあるかどうかお答え願いたいのであります。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木政府委員 財政計画の一応見込としてと申しますか、そういうものでございまするから、常に実際の支出とそのままマツチするという場合ばかりでは必ずしもないと思いますが、地方財政平衡交付金法の建前といたしましては、要するにあるべき経費、必要な財政需要というようなものを見まして、税収入もあるべき税収入を見るということでございまして、その差額を補填するという建前になつておりまするので、結局実際の支出というものは、地方団体に対しては平衡交付金はひもつき財源でございませんから、やはりその間実際の決算と地方財政計画との間においては、これはずれが出て来るのであります。しかし地方政計画それ自体といたしましては、平衡交付金の総額を算定いたしまする根拠になるものでございまするから、その財政計画を作定いたします当初におきましては、最大限の客観的な資料を駆使いたしまして、事実に合うようなものをつくらなければならぬと思つておるのであります。今の三本建の所要経費は、これは国会の増額の御修正に基きまして、事後において地方財政計画の調整をいたしたわけでございますが、まあ、かようにこの程度の財源の見積りの違いというものが、全然ないということも言いかねるかと思うのでございまするけれども、私ただいま記憶いたしておりまするところでは、そう特に大きな開きがあつたものは、他に記憶がないように考えております。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 自治庁としては、いまだかつてかかる財政上の見積りの大きな開きのあつたことは例を見なかつたというような大事件が、ここに起つているわけですね。この点についてわれわれとしては、幾らお金がいるのだという見積りに、大きな相違がある。二億六千六百万円と三億六千万円とでは一億も違うなどということは、これはたいへんな見積りの違いであります。さようなものが堂々と国会で通過しているというようなことは、国家の財政上の謎に、はなはだわれわれは疑義を抱かざるを得ない。このようにいいかげんに予算が立てられ、いいかげんな見積りをされて、そうして一億に近い金が浮いておる。その浮いている金をもつと有効に使つて、高校を中心とする小、中学校の教員を含めた不均衡の是正、前歴を計算するとか、あるいは学歴の差を見てあげるとか、そういうように陥没を救うために使うならば意義があるけれども、それが高校の教員のベース・アツプの方にだけまわされているというのでは、まことに甘い措置だといわざるを得ないわけであります。この三億六千万円が高校の三本建実施に伴う予算であるとするならば、その余された部分を高校のベース・アツプのみに使うということが妥当であるかどうか、この点について政府として、その妥当性を裏づけする御意見があるならば、御説明を伺いたいのであります。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木政府委員 この三億六千万円という経費が、たとえば高等学校を維持しておりまする地方団体に対する給与の補助金といつたような性格のものでございますると別でございますけれども、何分、算定の基礎として三億六千万という数字が修正の際に用いられたことは事実でございますが、予算の上におきましては、地方財政平衡交付金の増額という形において出て参つておるのでございまして、従つて、地方財政平衡交付金法による配分の対象になる財源としては同じものでございます。いわゆるひもつき財源でないわけでございますから、その点から申しますると、総体といたしましてこの関係の経費を処理できると思うのでございます。ただそういう実際の算定上の基礎といたしまして今回あわせて高等学校教員のベース・アツプも行われるわけでございますから、そういうようなものに充てられるものとして算定をいたしますと、先ほど申し上げましたようなことに相なるということでございます。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 大蔵省給与課長にお尋ね申し上げます。大蔵省は、国家の財政上の措置において、国の歳出の中に実際は必要としない九千四百万円どいう莫大な経費が計上されてあるごまかしの予算を、無条件で、三億六千万円を歳出計画の中にお入れになつたということは、これはたいへんな失敗であると思うのであります。つまり、十分負政上の検討を加えないで、つい出された数字にごまかされて三億六千万円を三本建実施の経費としてお認めになるというようなことになると、国の台所を握つておられる大蔵省として、われわれは信頼できなくなるのですが、この点大蔵省としては、三億六千万円は実際は二億六千万円しかいらなかつた、一億に近い金がいらないのがわかつておるにかかわらず、しかも自治庁はそれを高校のベース・アツプにまわすというふうに、ちやんと流用の道まで考えておいでのようですが、そういうような必要のない経費を、なぜ財政上の措置として歳出の中へお入れになられたか、この点の御答弁をいただきたいのであります。

岸本晋大蔵事務官(主計局給与課長)

○岸本説明員 ただいま給与課長に対する質問と仰せられましたが、給与課長の立場としてはこれは申し上げにくい問題でございまして、実際の予算の積算は予算係でいたしております。ただ給与課長として、私の聞き及んでいる程度のことでよろしゆうございましたら申し上げます。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 けつこうです。

岸本晋大蔵事務官(主計局給与課長)

○岸本説明員 これは本年の十六国会で地方平衡交付金五十億円の増額をいたしました場合、その他の節約を合せて四十数億でございまして、合せて九十八億の金であつたと思うのでございますが、これを平衡交付金の中の給与単価の是正に用いられておることは御承知の通りでございます。その際に三本建の給与三億六千万円ということが言われておりました。所要経費は概算三億六千万円であるが、実際どのくらいになるか、確定的な見通しはもちろん最後的な数字をつかんでいたわけではございませんので、その九十何億かで給与単価の是正をいたします場合、この高校教員の三本建に伴う財源も含めて五十億の平衡交付金を増額する、こういう話合いであつたかと存じます。その後の内部的な割振り、最終的な見通しのついた場合の割振りと申しますか、財源の配分につきましては、自治庁の方でこれをお立てになつておられるように承つておるのです。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 政府部内において予算書をおつくりになる場合の、はなはだしくずさんなる内情を暴露したと思われるのでありますが、およそ三億六千万円ぐらいいるだろうというような、そういう大まかな見積りで国家財政がまかなわれるということは、たいへんだらしないと私は思うのです。もつときちつとした、はつきりした数字の基礎の上に立つた国家財政を、われわれは期待しておつたのです。従つて事実は二億六千六百万円しかいらない、一億近い金が余るのが、はつきりしているような予算をそのままお認めになるということは、これはたいへんな手落ちであると私は思うのです。委員長、予算の関係の政府委員の力に、できれば今御出席をしていただいて説明していただきたいのですが、給与課長の開いたものによるならば、五十億の平衡交付金の増額の中で、三本建の実施というようなひもつきでない三億六千万円という、実に融通のきく金が渡されるような形にしておられるようです。そこで自治庁としては、ひもつきでないがゆえに、高校のベース・アツプの方にも御流用なさるというわけにもなるわけですね。この点はたいへん重大な問題だと思うのです。この問題はここで、すなおに素通りするわけに行かないと思う。この委員会として、一番関心のある今度の俸給表の承認をするにあたつて、これは考えなければならぬ、実際いりもせぬ金が予算に三億六千万円も計上して、一億に近い金が余り、余つている金は高校だけのベース・アツプにまわしておるという今の自治庁の御説明だが、私はこれは高校のベース・アツプだけに使うべき金でなくして、実は高校を中心として中小学校に及び大きな陥没是正の方に金を使うべきであると思う。そういうように使わないでおいて、ベース・アツプの方へ流用しておるということになれば、陥没の是正はいつできるのかということを私は言いたい。この法案を提出された当時の与党の内部並びに協調された改進党の諸君の意向の中にも、この三億六千万円のうちで、事実は二億円ばかり三本建の是正に使い、残つたものは陥没是正に用いたいという意図もあつたように私は伺つておつたのであります、その意図は全然無視されて、三億六千万円はすつかり高校の方のベース・アツプに流すということになつたらゆゆしい問題だと思います。どうも安心して国の財政をおまかせすることができなくなるように思うのです。これは官房副長宮としても、十分御検討いただかなければならぬと思いますが、その点ちよつとお答えいただきたいと思います。

田中不破三内閣官房副長官

○田中政府委員 ただいま鈴木次長から御説明を申し上げたような経緯をたどつておるようであります。寡聞にして私はまだ十分承知いたしておらないのでありますが、もちろん受田委員から御質問がありました直後、鈴木次長にも十分事情は聴取したのであります。ただいまの質疑応答によつて、受田委員におかれましては、まだ政府側の回答は不十分のようでありまして、御納得されていないようであります。従いましてなお十分資料を整えまして御説明を申し上げなければならぬと思います。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 今の問題で、十分資料を整えて、この三億六千万円の使い道についてのはつきりした御説明をいただくことにいたします。ことにいまだかつて例を見たこともないほどの多額の余剰のある予算計上をされているというようなことは、自治庁次長としてもはつきりお認めになつて、歴史上かつて例がないという御説明がありましたが、これはほんとうに重大な問題であつて、空前の問題であり、絶後でなければならぬと思うのであります。従つてこの重大問題の解決は政府、与党十分ご検討の上で、野党のわれわれに納得の行く御説明をしていただきたい。それでなければこの法案を通すわけに行かないのであります。そしてもう一つは、現に地方の各団体、府県にしても市町村にしても、三本建を実施することについての大きな障害にあつているところが多いのであります。昨日文部省にその例を徴しましたところ、文部省からの通達によつて、十分この三本建を尊重するようにして地方の条例を改正するように勧められておる、しかしなかなか思うように行かぬという事実は知つておる、三本建の実施がなかなか困難だという事態は認める、認めるがどの府県ははつきりこれを認め、どの府県が認めていないかという資料は、まだ整えられていないということでありましたので、この資料をわれわれは要求しているのです。しかし三本建実施を強行する法規のない今日、用県によつて——国家は三本建の法律をつくつたが、しかしその精神を尊重する気持はあるが、府県としては予算の都合で三本建を実施する条例をつくることができないというような結果になつたときに、自治庁として三本建実施を基調として三億六千万円を織り込んだ平衡交付金を出す、しかしそれはひもつきでないのだということになると、その条例をつくらなかつた府県が、三本建に使わるべき平衡交付金を、ほかの方面の費用に流用したという場合に、自治庁としてはどういう処置をなさるか、また府県が条例を改正しないで、三本建実施をやらないという場合に、やらないことがはつきりわかつておる府県に対しても、今申し上げたような同校職員の三本建実施のための平衡交付金を割当部分だけは流すのか、この点についても御答弁いただきたいのであります。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木政府委員 高等学校教員の給与三本建に対しまする地方の条例の制定の状況は、私どもの方におきましてもまだつまびらかにいたしておりません。多くの府県におきましてはまだ制定していないところがあるであろうと思いますが、これはやはり財政計画の上では、過般の十六国会で見られたわけでございますが、それを現実に交付いたします地方財政平衡交付金法の単位費用の改訂が、まだ今まで行われていなかつたために、従つて給与の具体的の財源が、どれだけ来るかということが地方としては明らかになりません関係もございまして、おそらくは条例を制定するのに躊躇いたしておつた向きが、今まで相当あつたのではないかと思います。しかし今回提案いたしました地方財政平衡交付金法の改正法案が、もし通過いたしますならば、それによつて事柄が明確になるわけでございまして、地方といたしましては、そのような財源が財政需要に見込まれ、財源が保証せられるということになりますので、おそらくその法案が通過いたし、財源措置に対しまする自治庁からの通達が参りますならば、それを基礎にいたしまして、条例を制定する運びに相なるのではないかと思うのであります。もしもさような条例を制定せず、見込みました財源を他に流用するというような場合にいかがするかというお尋ねでございますが、これは現在の地方財政平衡交付金法の建前といたしましては、いわゆるひもつき財源でない一般的な財源、税と同じような性質の財源として交付するものでございますから、それを必ずどの経費に充てろということは、地方財政平衡交付金制度からは出て来ないのであります。もしこれがほかに法律なりそれに基く政令がございまして、ある施設を府県として維持しなければならない、ある給与費を必ず支出しなければならない、こういうふうに法令上の義務費に相なつておりますならば、さような義務費を支出しないというような場合におきましては、これは義務費を支出せよという勧告が平衡交付金法に基きましてもなし得るように相なつておるのであります。ただこの高等学校教員につきましては、さような建前になつていないわけでございまして、従つてそういう意味で勧告をするという平衡交付金法の規定の適用は困難かと思いますが、また実際問題といたしまして、平衡交付金法のさような現実の単位費用改訂の措置がとられましれ場合におきましては、実際の従来の例に徹しましても、そういう趣旨に沿つた支出がなされないという例は、非常に少いと考えておりますので、期待されますような措置が各府県において、あるいは市町村においても行われ得るというふうに、私どもは考えておるのでございます。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 平衡交付金として流された国費は、特にそのうち教育費に充てられている部分は、とかく他の費用に流用されております。これはもうはつきりした現実であります。昨夜拝見した平衡交付金の単位費用の特例に関する法律の、高等学校費の部分におきましても九千百七円という単位が出ておるのでありますが、こうした数字が出ておつても、事実この数字の通りに教育費にまわしておりません。小学校費、中学校費、高等学校費としてまわしてありません。必ず地方はこれを流用するのです。ひもつきでないがゆえに流用されるおそれのあるものが、必ずこれに準じたように地方がやつてくれるものであるという御期待をしておられることに対して、私は御注意申し上げたいのですが、地方はその御期待通りなかなか行きません。従つて三本建にまわされる費用を府県が他のものに流用しても、これは措置がないのだ、制裁規定がないのだということになると、これはななはだ国家財政としてだらしないことになるのでありますが、府政が三本建に関する条例改正をしないということに対しても制裁規定がないし、またその三本建をしてくれるものであるという前提のもとに流した平衡交付金も、それに使われなくてもこれを何ら押える規定がないということになつたのでは、地方財政がはなはだしくずるいことになりますが、こういうことに対して、自治庁として、なるべく政府の意図を徴してもらいたいという以外には、施すべき手がないものかどうか、この点をお伺いいたしたいのであります。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木政府委員 ただいまの地方財投平衡交付金の制度のもとにおきましては、財政需要として法令に基いて府県なり市町村が当然出さなければならない経費を見込みますとともに、およそ標準的な地方団体として維持して行かなければならない支出、あるいはやらなければならない事務処を理するのに必要な財政需要を一方において保証しまして、他方そういうようなものをまかなつて行きますために必要な地方税が、どの程度とれるかということも客観的な基準で判断しまして、保証された財政需要が、その税でまかない得ない差額を、地方財政平衡交付金をもつて補填する。ですからこの地方財政立衡交付金というものは、地方税と一体をなして使われる一般財源であります。これが特定の目的のために、あるいは特定の事業を奨励するために支出されるところの国の負担金あるいは補助金というものと性格が違うところであります。従いまして地方財政平衡交付金というものは、算定の基礎にこういうようなそれぞれの財政需要について測定の単位を使つて単位費用を出して、必要な経費をこれだけかかるであろうということで算定をいたしますけれども、それが必ずしもその地方財平衡交付金の算定の基礎になつたようには使われなくても、ちようど税金が必ずどの経費に使われるというふうに、いわゆるひもがついている資金でないのと同じように、地方財政平衡交付金も、ひもがついていない金であるわけであります。これはやはり地方自治という建前から、そういうことになつておるわけでありまして、もしも国が地方団体に対して特定の支出、あるいは特定の経費の支出というものを要求するということでございますならば、これは法律なりあるいは法律に基く政令で、その旨を明らかにして地方団体に対して支出を強制するということが必要であります。もしもそういうふうに支出を強制してさえおりますならば、たとえば高等学校の教員について俸給表は、国の定めた俸給表を使つて、それだけは必ず支出しなければならない、こういうことになりますれば、これは所管の文部大臣から、現実にそういう支出をしていないところがあれば、その団体に対して勧告することができるのであります。勧告をしてもなおそれに従わないで事実ベース・アツプをしないという場合には、これに相当する地方財政平衡交付金の返還を命ずることができるという規定が平衡交付金法の第二十条の二にあるのであります。高等学校の教員の給与につきましては、ただいまは地方の公務員といたしまして、自主的に決定せられる建前になつておりますから、その方式を用いることができないのであります。従つてもしも高等学校の教員について、全国一定の基準で給与水準を定め、俸給表を統一することになりますれば、これはただいま御心配のように、その経費をそのまま支出せしめる、支出しないならば返還を命ずることができるのでありますが、ただいまの法制のもとにおきましては、遺憾ながらそういうことができない。これは地方自治という建前からやむを得ないことであるというふうに考えております。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 自治庁の従来の慣例その他も考えて、また政府の意図しているところをいろいろ勘案してみて、この三本建の実施にあたつては、中央の意図にかかわらず、地方は反対の方向を行くところも相当できて来ると私は思います。それに対して中央は今日法規的に十分の権能を持つていないがゆえに、中央の意図を浸透させる手を打つことができないということになつておるならば、これはおそらく地方の人々はその地方自治の精神にも基いて、その独自の見解による行動を起すことであろうと思います。こういう意味からもやはり全国の都通府県の教育委員会などが、あげて反対決議をしたものを強行する結果、こうしたことが起つたので、われわれははなはだ事態を憂うるのでありますが、自治庁としてはこれに対して繰返して打つ手がないことを表明されたので、私はこれ以上追究いたしません。ただ申しあげておきたこことは、中央の最高指導の責任にある自治庁といたしまして、常に大蔵省、文部省等との連絡を密にいたしまして、その間に見解の相違とか、意見の食い違い、こういうものがないような形でおやりにならないと、この三本建給与法のような実施に、はなはだ困難を伴うような事態が起るのであります。この点についても毅然とした態度を持つて、自治庁がその所信を断行する必要があるということを、私は強力に熱望するものです。そして少くとも今回のこの三本建の実施に伴う予算措置においては、従来見ることのなかつた大失態を演じたのでありまするから、この大失態を演じたこの給与に関する予算を末端へ配分することにおいては、よほど慎重を期して、その成り行きを見守つていただいて、これが実施にはなはだ困難であるというような事態が起つたならば、これに対する民情に通じた適切な措置をとられるように、政府部内において強力な発言をされるように願つてやまないのであります。従つてさらに一言今自治庁から申されたお言葉から、また田中副長官のお約束から、大蔵大臣に直接三億六千万円の予算の内容についての政府の見解を、大蔵大臣の口からここで表明していただきたいということを要望して、自治庁に対する質問を終ります。  同時にいま一つ文部省の関係で、ちよつとお尋ねしておきますが、きのう文部省が回答を留保されたことは、今自治庁の鈴木さんからのお言葉で大体わかりましたが、文部省が今まで三本建に反対をして来られたものが、昨年から三本建に賛成にかわられたわけですが、この文部省の急激なる方針の変更というものの結果、第一線において高校及び中小学校の教員の間における人事交流等において、はなはだしく支障が起つている。その前線の士気に暗影を投じておるというような事態はないか。三本建の実施が決定して、みな感謝感激しておるというような状態であるかどうか。ここをひとつ文部省の人事課長としてお答えをいただきたい。

清水康平文部事務官(大臣官官房人事課長)

○清水説明員 私は去る九月一日官房人事課長を拝命いたしましたので、それ以前の問題について詳しいことは存じておりません。八月、十六国会におきまして給与法一部改正、いわゆる三本建の法律が国会を通りまして、その施行につきまして人事院とも折衝の上、三本建の規定と精神にのつとりまして、忠実にこれを実施いたしたいと今日まで思つております。今後もそのつもりでおります。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 今私が申し上げた要点がはずれておるのですが、三本建の法律が施行されることになりまして、その教育の第一線に勤務しておられる先生方の中に高校と中小学校の先生と、俸給差がついたことによつて、人事の交流あるいは教育に対する熱意のいかん等に暗影を投じてはいないかどうかということをお尋ねしておるのであります。

清水康平文部事務官(大臣官官房人事課長)

○清水説明員 私の所管でやつておりますのは、主として国立学校問題であります。地方の小学校、中学校の問題につきましては、あいにく所管の局長がいらつしやいませんので、その辺のことはよく存じません。ただこれだけは申し上げられると思います。文部省の人事課といたしまして、小学校、中学校の公立の先生から——直接わきの初等又中等局の方は知りませんが、私の官房の方へ、そのことについてお越しになりまして、いろいろ御意見を拝聴する機会は今までございませんでした。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 国立学校にも付属高等学校、中学校、小学校といろいろありますから、そうした内部においてさえも中小学校と俸給差がつけられることに対しての何か意見が出ておると思うのですが、それに対して黙々とこれに従つて喜んでおられるかどうかということです。

清水康平文部事務官(大臣官官房人事課長)

○清水説明員 国立学校につきましては、昨日もいろいろ御説明申し上げたのでございますが、問題になりましたところは、たとえば特殊学校の問題、それから付属の学校の問題等がございました。その点につきましては昨日いろいろ申し上げた次第でございます。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 昨日話の出た、いろいろ支障が起つて高等学校の方へみな何かの籍を置かなければならぬという事態は、明らかにこの法律の実施に困難を来しておるということに解釈できますか。

清水康平文部事務官(大臣官官房人事課長)

○清水説明員 運営の問題はいかなる法律を施行する際におきましても、これを実施する際におきましては、いろいろ問題がございますが、あくまでも法の精神に沿うように努力いたしております。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 実際において困ることがあれば困るとか、実施面においてこの精神を実施するためにこれが浸透するように努力するが、しかし実際はなかなかその精神通りに行かないのだというふうな率直な御意見をお聞きしたいのです。     〔赤城委員長代理退席、田中(好)委員長代理着席〕 きのうの御答弁ではなかなか法案実施に困つておるのだ、中学校の職員、高等学校の職員というふうに、いいかげんに名前をつけてでも高等学校の方の手当を出そうといろいろくふうするが、しかしなかなか困るのだという御答弁であつたと思うが、この三本建のために高等学校、中学校、小学校の三者の間における連絡協調、人事の交流に支障を来すという実態を認めないかどうか、その実態は三本建に好都合になつておるかという、その一かばちかお答えを願いたい。

清水康平文部事務官(大臣官官房人事課長)

○清水説明員 給与法の一部改正、いわゆる三本建の法律につきましての批判的なことは、行政の立場におりまする、しかも私の地位といたしましては、どうも言いにくいのでございます。その点は御遠慮申し上げたいと思います。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 しかしこれは実態かどうかをお尋ねしているのであつて、批判をしているわけではないのです。実施が困難かどうかということ、実施が非常に都合よく行つているかどうかという、そこをお尋ねしておるのです。この法律ははなはだ好都合に行つておるか、なかなか困難あるか、そのどつちかです。その点を私は問うているのです。批判じやない。

清水康平文部事務官(大臣官官房人事課長)

○清水説明員 それにつきましては、昨日来いろいろ申し上げたのでございますが、盲聾学校あるいは付属の学校につきまして、いろいろな問題がありますので、人事院とも協議いたしまして、法律の線に沿うて出ました人事院規則細則に従つて、施行いたしたいと思つております。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 困難なことを率直に表明されましたので、文部省実施当局は、この法律の実施に、はなはだ困難を来しておるという解釈を御開陳になつたものと私は認めます。委員の諸君もそれを認めてくれると思います。それで第一線の府県、市町村における状況についても、きのう資料を出していただくように申し上げたのですが、その資料が集まつていないという局長の御答弁でありました。この点については、所管外ということでありましようが、文部省としてできればその報告をされておる県と、報告されていない県と、あるいは各県のこの三本建実施に対する情勢について、これは実施官庁としてぜひなされなければならぬ仕事なので、第一線にこの法律が、どういうふうな実施がされているかつかめないようなことでは頼もしくないのですから、大まかに、御指示に基づく報告などを、ひとつ資料としてお出しいただきたいと思います。  もう一つ特殊学校、つまり盲聾学校のような学校に勤務する職員の、高等部、中学部、小学部の区別による待遇差でありますが、これは特殊学校として盲学校、聾学校は、当然これはその一番上級の高等学校の職員としての、俸給表を適用すべきものであると、私は昨日以来たいへん念を入れて申し上げた。政府もあなたもこれに対しては、まことに同感だというふうな御答弁があつたわけです。この点についてわれわれとしては。できればこの機会にこの法律を改正してでも、この支障の起る部分を是正する努力を政府はする気があるかないかと言つたら、政府はそれに対しては、意図はないが困つておるというお言葉だつた。実施に困難を感ずる場合には躊躇なく、たといできた法律がまだできて間がなくても、この改正案を出すほどの用意が、実施官庁としてはなくてはならぬと思うのです。この点について政府として、この盲聾学校等の特殊学校の職員は、この俸給表の中の高等学校の級別俸給表の中に、特に入れるような措置をとる改正案の用意があるかないか、もう一度念を押しておきます。

清水康平文部事務官(大臣官官房人事課長)

○清水説明員 申し上げます。特殊学校の問題は、詰まるところ盲学校、聾学校を全体として高等学校の俸給表を適用させるか、さもなければ高等学校と中学校とを区分して適用させるかという、二点に帰着するかと思います。最初に申しました、盲聾学校を全体として、高等学校の俸給表を適用することにつきましては、いわゆる三本建の法律を率直に読みましても、当然にはどうしても出て参らないのでございます。従いまして高等学校と中学校以下とは、適用の範囲を異にしたわけでございます。その理由としてはいろいろございましようが、高等部と中学部、小学部とは教科内容をそれぞれ区分しておりますし、あるいはまた高等学校のような教科担任のところと、小学校のような全科担任のところもあり、高等部には高等学校の規定が、中学部には中学校の規定が、小学部には小学校の規定が準用されているような関係もありまして、そういうふうに別々にしたようなぐあいでございます。しかしながら、中学部のほかに高等部の授業も担任しておれば、その先生は高等部の方の俸給表を適用いたすことになつております。それが実情に沿うか沿わぬか、それを法律上改正する意思が政府にあるかどうかというような御質問であつたと伺いますが、私説明員で潜越でございますけれども、十六国会に法律が出まして一月一日から施行されるので、まだ実質的に施行されておりませんので、官房の一課長といたしましては、そこまでは何ともお答えできない立場にあります。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 人事院は先般の法律に基く人事院規則をお出しになつているのですが、この各学校別の級別俸給表の適用範囲を決定されるのに、この解釈をお出しになつたことに対して御反省の点はないか。実施の上に、はなはだこれは困るであろうというようなことをお考えになられながら、特に盲聾学校の職員のような場合は、はなはだ意に沿わないけれども、この人事院規則を出したというような点はないか。御答弁願います。

瀧本忠男人事院事務官(事務総局給与局長)

○瀧本政府委員 盲聾唖学校は、一般の普通の学校に比べまして、非常に特殊性がございます。そこで第十六国会で通りました法律によれば、盲聾唖の点については、若干法律的に見て十分でなかつたところがあるのじやなかろうかというふうに考えるわけであります。従つてその法律が国会で御決定になりまして、われわれは実施の責任があるわけでありますから、その法律の範囲内におきまして、できるだけぐあいのいいように、これを実施して行く必要がありますので、ああいう通牒を出したわけであります。将来に向つて、盲聾唖の問題につきましては、なお研究を要する点があろうかと、これは私見でありますが、考えております。     〔田中(好)委員長代理退席、委員長着席〕

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 人事院の局長の見解は、盲聾唖に関して、すでに現行法律において疑義がある、もうろうとしているということです。それで文部省も、この盲聾唖学校のような特殊学校の俸給表を別にすることは非常に困難があると言う今日、この法律改正をする必要は決定的だと思います。この点について、できるならば政府当局からこの改正案をお出しになる必要があると私は思うのですが、政府はまだ責任者の答弁がされないで、説明員としてしか御答弁できないという、はなはだ事務的な、謙虚な御答弁があつたわけです。この点については、文部大臣としての最高責任者の御答弁をいただかないと、この一般職の職員の給与に関する法律改正案には、賛否についての意見を申し上げるわけに行かなくなりました。それで文部大臣と大蔵大臣の御出席によつて、政府側の最後の御意見に伺つて、これに対する態度をきめることにして、私の質問を終ります。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 ちよつと関連して伺います。昨日私はちよつと質問して、結論は留保しておいたのですが、今本委員会においても、この一般職並びに特別職の給与の法律改正案が審議の段階に来まして、また予算委員会においても、この給与に関する予算の審議が、今明日中にも決をとられんとしておるのでありますが、私は昨日もいろいろ申し上げましたが、この本法の給与ベースの引上げ、また地域給の引上げにつきまして、いずれも一般職の職員の給与に関する法律によつて、人事院の勧告をまつて、われわれは審議するところの権限と義務等を与えられる、かように私は考えて質問したのです。すなわち七月十八日に公務員の給与ベースの引上げの勧告がありまして、政府並びに国会はこれを審議して、当然に裏づけをする義務がある、それ歩遅れ遅れしまして、ここに審議をされておるわけであります。私は本俸についても地域給についても、いずれも人事院の勧告をまつてやらねばならぬということを言つたのでありますが、政府委員もあるいはまた人事院の給与局長も、ともに本俸については人事院の勧告をまつて政府並びに国会は審議するけれども、地域給については人事院の勧告がなくとも政府は自主的に予算を提出することができるんだというような見解を表明されました。しかし私はいろいろこれを研究しましたが、おのおのその機関においてお互いに職分というものがある。われわれは立法権あるいは法律の審議権はあるけれども、みずから国会が予算案を提出するというような権限は憲法上においても与えられていない、そうした職分と、それから法律の権限というものを守つて、行政府はこの一般給与その他について、義務を履行して行かねばならぬのでありますが、この法の解釈として一般職の職員の給与に関する法律の第二十四条には「国会は、給与の額又は割合の改訂が必要であるかどうかを決定するために、この法律の制定又は改正の基礎とされた経済的語要素の変化を考慮して、人事院の行つた調査に基き、定期的に給与の額及び割合の検討を行うものとする。」そうしてその次に「この目的のために、人事院は総理府統計局、労働省その他の政府機関から提供を受けた正確適切な統計資料を利用して、事実の調査を行い、給与に関する勧告を作成する。」となつています。その「給与に関する」というのは、基本給についてもあるいはまた勧務地手当についても、これはいずれも給与でありますから、基本給については人事院の勧告なくしては政府は予算を提出することはもちろんできない、しかし地域給については人事院の勧告がなくともできるという解釈はどうしても出て来ない、これは与党の自由党の委員諸君も十分ひとつ検討されたい、与党の委員諸君であるからといつて、政府の出した法律案や予算案をまるのみ、うのみにされたのでいけないと思う。やはりわれわれはお互いに委員として大いに法的根拠を研究して間違つた運営をしてはならない、憲法におきましても政府も、国会も、この憲法や法律政令を遵守する義務があるということを明確にうたつてある、われわれはこうした間違つた法律の運用によつて、今回のこの給与というものを行つてはたいへんであります。しかもその次の条文には「この法律の規定に違反して給与を支払い、著しくはその支払を拒み、又はこれらの行為を故意に容認した岩は、一年以上の懲戒又は三万円以上の罰金に処する。」とある。従つてどうしてもこうした間違つた給与をあなた方が制定するとするならば、政府の代表責任者である吉田総はもちろん、小笠原大蔵大臣あるいはまた田中さんあたりも懲役に行かなければならぬという結果になる。何のためにこの罰条がありますか。この法律というものをいいかげんにやつてはいけないという制裁規定が何のためにありますか。体刑まで規定がある、たいへんですよ。どうしてもあなた方がこういう間違つた法律を強行すると下るならば、裁判所に提訴をする意思を持つております。とにかく人事院が勧告したあの七月十八日の基本給のベース・アツプというものを政府が率直にのまず、ごまかしの地域給を抱き合せて、わずか九・三%くらいの給与の引上げでごまかそうとするところに、こうした法の正当な解釈をしない重大なミステークを行おうとしている。あなた方は罰則までも踏みにじつている、懲役に行つてもかまわぬという考えを持つているかしれませんが、まさかそういう考えはないと思う。これはわれわれ与えられた法律を審議するにあたつて、こうした重大な問題を解決せずしては、とうてい審議することができないと思うのですが、これに対して政府委員の明確な御答弁をお願いしたいと思う。

田中不破三内閣官房副長官

○田中政府委員 昨日のこの委員会におきましても申し上げた通り、政府といたしましては今回の措置をとりますためには、ただいま森委員がお読み上げになりました各法規の条章等は十分検討をいたしまして、政府の今回の措置は違法でないという信念を持つて、本改正案を提出いたしております。従いまして私どもといたしまして、ただいまの法規に違反することは絶対にないと存じているのでございます。  森委員の最後にお読み上げになりました罰則がございまするが、私自身そのような確信を持つて、今回の措置に及んでいるわけであります。万一正当なる権利といたしまして私のとりました、あるいは政府のとりました行為が、これが違法であるということになりましたならば、これは正当機関の判決に服するよりほかはないと思います。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 その御確信はいいですが、政府の出した解釈に間違いがあつて、しばしば裁判所において政府が負けている例が多々あります。この判例を一々申し上げる時間がございませんが、あなたは確信があると言いますが、それならばこの第二十四条の末項に書いてある「この目的のために、人事院は、」、「給与に関する勧告を作成する。」といこの「給与」とはどの給与を意味するのかあなたはお答え願いたい。

田中不破三内閣官房副長官

○田中政府委員 なお法制局から参つておりますので、この各条文の法的解釈等につきましては説明いたさせます。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 これは田中さんは御確信がおありだというから、あなたのりつばな見解を表明されることが私は必要だと思う。ここにあるどの給与が入つて、どの給与が入らないのだと、あなたのそういうお考えがなければならないと思う。私たちは給与というからには、基本給も地域給もみなこの中に入ると思う、そういう考え方を持つているのですが、あなたはこれを区分して、これを考えることができるかどうか、あなた自身からお答えを願いたい。

川島正次郎自由党委員長

○川島委員長 一応政府委員より説明を開いて、また質問なさつたらどうですか。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 きのうもあなたは出過ぎて、人事院の給与局長などひつぱり出していけないではないか。

川島正次郎自由党委員長

○川島委員長 政府がやりたいというのだから、一応説明を聞いたらどうです。

野木新一法制局参事官(第二部長)

○野木政府委員 ただいまの御質問の点の一般職の職員の給与に関する法律の第二十四条における給与は、やはり解釈上はこの一般職の職員の給与に関する法律のこの給与ということと同じであろうと存じまして、やはり基本給以外のものを含むのではないかと了承いたします。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 それですと政府の法制局の御見解は、この給与の中には基本給も、勤務地手当給も包含される、こういう御答弁であつたように思うのですが、その通り間違いございませんね。お答え願います。

野木新一法制局参事官(第二部長)

○野木政府委員 二十四条の解釈はただいま私が申し上げた通り解してさしつかえないと存じます。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 それならばこれは田中さんもその横にあつてお聞きになつたから、頭の中にすつかりお入りになつたと思うが、いよいよあなたは体刑に処せられなければならない。そのようにはつきり政府が言つておる。あなたはさつきいろいろ研究したけれども間違いないことを確信している。喜んで刑に服するということを言つておつた。その御見解はいかがですか。田中さんにお答え願いたい。

田中不破三内閣官房副長官

○田中政府委員 ただいま政府委員から説明をされましたが、お聞きの通りでございます。そうして問題は、ただいまお読み上げになりました勧告の条文が、常に政府を拘束しておるか、政府はしからばこれ以外にやれないのか、政府を拘束しているかどうかという点にかかるわけあります、そうして私どもは、それは政府を拘束しているものではない、このように解釈をいたしております。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 われわれは勧告案が出まして、そうしてその勧告案を基礎としてこれを改正、訂正、変更することは、これは政府、国会に与えられた権能としてできますけれども、その基本となるべきところの勧告なくしては、われわれはこれに対して審議することができない、われわれみずから、あるいはまた政府みずから給与に関するところの、この予算編成をなすことができないという解釈なんです、あなたの言う拘束されないというのは、人事院が出したところの案にわれわれは拘束されないで、自由に審議することができる、こういう意味ならわかるのですよ。もちろんそれはそうなんです。人事院の勧告があつて、その勧告に拘束されずにわれわれは俸給表とかその他地域給の引上げ等をすることはできますけれども、その基本となるところの——たとえば予算は政府だけしか出すことができない。われわれ国会議員は立法権はあるけれども予算の提出権はない。これはもう憲法上明らかなんです。政府から予算の提出権によつて予算案が出ました以上は、これを増額することもあるいは減額することも、それについてわれわれの権能はある。しかしその政府の案が出ない以上は、われわれは予算対するところの増減の権能は与えられていない。そこをあなたは混合されて解釈されては困る。従つて、人事院の勧告によつて俸給表とか、あるいは地域給の表が出まして、それに対しては政府も国会も拘束はされない、そういうことにならなければならぬのですが、あなたの御答弁はその辺を混淆されて御答弁になつておるようですが、あらためて正確な御答弁を願いたいと思うのです。

田中不破三内閣官房副長官

○田中政府委員 ただいまの森委員の御説明でございますが、そうして予算の例をお引きになりましてのお話でございますけれども、これは御承知の通りに、法によりまして予算の編成権は政府にあるという点からただいまの御見解、解釈が出て来るのは当然であります。けれども、ただいまの給与法によりまするお読みになりました条文、これは、勧告は勧告のみで、政府がやれということは一つも書いてないのでございます。勧告でこれこれという条規はそこにございますが、それ以外に政府がやつてはいけないということは書いてないのであります。予算の例をお引きになりまするけれども、予算は、先ほど申しましたように、編成はすべて政府がする権利があるのであります。これは政府がやる。そういうふうにしてほかのものがやれないことになつておる。しかしこちらのただいまお読みになりました条文はそのように制限されておらない。従つて政府は拘束されないという解釈をとつておる次第でございます。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 あなたは昨日私の質問に答えて、基本給については、人事院の勧告がなければ政府といえども、これに対するところの予算の編成等はできない、しかし地域給については人事院の勧告がなくてもできるのだという答弁をなさいました。これは速記録を見ればはつきりわかる。その点はどうですか。あなたは二通りにわけてきのう答弁をした。基本給については人事院の勧告なくしては予算を編成することができない、しかし地域給についてはできるのだという御答弁をなさいました。いかがですか。しかもきのうはあなたは、だれかに教えられて、第二条の六号に、「勤務地手当の支給地域及び支給割合の適正な改訂につき、国会及び内閣に同時に勧告するため、常に全国の各地における生計費の科学的研究調査を行うこと」と書いてある、勤務地手当については第二条第六号においてこう書いてあるのだ、だから何ら拘束されないと、条文まであげて、基本給については、人事院の勧告なくしては、政府に予算の編成はできぬが、地域給についてはできるのだと、明確な御答弁をあなたはなさつた。

田中不破三内閣官房副長官

○田中政府委員 私から御答弁申し上げますが、実は森委員のただいまのお話でございますけれども、昨日のその見解は、人事院の給与局長が答弁したはずだと思つております。私自身は実はそれほど詳しくはないのでありまして、そういう即答をただちにこの委員会でいたすことはないと思います。それで、同じことを繰返すことになるのでありますが、昨日人事院の給与局長が答弁いたしましたのは、ただいまお述べになりました給与法の第二条と国家公務員法の二十八条、この関係を説明したと思います。それで二十八条によりましても、——この条文は長いのでありますから一々読むのは省略いたしますが、二十八条の条文によりましても、これは特に拘束していない。その中に、きのうの記憶を呼び起しまするならば、給与、勤務時間その他勤務条件に関する云々という文字が使つてある。それで私どもといたしましては、先ほど申しました第二条とこの二十八条、これらの関係を合せまして、決してこの法規に違反していないと解釈しているというわけであります。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 あなたはきのう、基本給については人事院の勧告がなければ政府としても予算の編成はできないと、こういうことを言われたとはつきり私は記憶があるのですが、いかがですか。

田中不破三内閣官房副長官

○田中政府委員 給与局長さんです。給与局長が言われたと思います。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 今、国家公務員法と一般職の職員の給与に関する法律の話がありましたが、国家公務員法は基本法であつて、その基本法に対して一般職の職員の給与に関する法律が特別法の関係に立つているのであります。     〔委員長退席、田中(好)委員長代理着席〕 従つて、この特別法の関係に立つているところの一般職の職員の給与に関する法律の二十四条というものが一番——今回の政府の提案されている法律案の審議並びに基本給、地域給の引上げに関する予算上の措置については、二十四条が最も尊重されなければならない。二十四条の解釈論からすれば、先ほど法制局の方も言われたように、この給与という中には、もちろん基本給も地域給も全部包含されておりますから、これはあくまでも人事院の勧告なくしてはなされない、かように考えております。しかしここで幾ら水かけ論をしてもしようがないから、どうしてもやるというならば、裁判所で堂々と対決する以外に方法はないと思いますが、なお研究されて、また午後に所見をお伺いしたい。時間の関係もありますから、私の質問をこの辺で留保しておきまして、午後また再び相まみえることにしたいと思います。

田中好自由党

○田中(好)委員長代理 大蔵大臣は、一時十五分にここへ見える約束がしてあるのですが、それまで休憩したいと思います。     午後零時四十二分休憩      ————◇—————     午後一時三十四分開議

川島正次郎自由党委員長

○川島委員長 午前に引続き会議を開きます。受田新吉君。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 大達文部大臣にお尋ねいたします。文部省は昨年の九月までは、教職員の給与については従来のことく高校、中、小学校を一本化の形で考えておられたようであるが、その後岡野前文相が就任されて以来、急拠三本建案なるものが考慮せられ、去る夏の国会でこれが法案として成功したのであります。しかるところこの法案の実施に伴つて、当然予想されておりました同一学歴、同一勤務年数の者の待遇差によりまして、同校と中、小学校の間に人事の交流その他に大きな支障炉起るという点について、この法律の実施をなさる機関の最高責任者である文部大臣はいかような見解を持つておられるか。ことに第一線の都道府県教育委員会は、あげてこの法案の実施に反対をしたのでありまして、現に都道府県によつては、この一般職の職員の給与に関する法律の改正がされて三本建になつた今日、各府県別に規定されておりますこの教員の給与条例に関してこれを改正する意図のないことすらあると聞いております。文部大臣といたしましては教育の運営をなさる最高責任者として、この三本建実施が第一線の教育者たちの上に、あるいは教育委員会の仕事をする上に支障のあることを御承知であるか、あるいは法律はきわめて円滑に実施されつつある——一月一日からこれは実施されるのでありますが、もうそれを目前に控えて、この法律の施行はきわめて円滑に末端に浸透したというふうにおぼしめされるか、この点をお尋ね申し上げたいのであります。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 いわゆる三本建法律の成立によりまして、それに必要なる諸規則の制定その他につきましては、これはもちろん国立学校の問題でありますが、鋭意審議を進めまして、そうして今日その制定、公布を見ておるのであります。これによつて国立学校関係につきましては、十分円滑なる実施が行われるということは当然に考えております。それからなお御承知の通り地方教職員につきましても、国立学校の教員の給与の種類並びに額を基準として定めるということに法律できまつております。従つてその基準を早く示して、来年の一月からの実施に支障のないようにいたしたいということで、特に規則の制定等については、取急いで進めて参つたのであります。そうしてこの規則の制定と同時に通達を出して、地方においてはこれを基準として、いわゆる地方公務員たる教職員の給与に措置をしてもらいたい、こういうことを申してやつたのであります。私は、それぞれの地方においてこの規定の趣旨に沿うて処置が進められておると考えております。ただ、ただいまお話がありましたが、この三本建の法律につきましては、いろいろ論議のあつたことでありまして、これに対して反対の見解を抱いておられた向き、今日でも反対の意向を持つておられる向きが相当あろうと思います。私どもの、これははつきりしたことはわかりませんが、聞いておりますところでも、地方の府県教育委員会等の方面におきまして、あるいは府県庁の方面におきまして、この法律の趣旨と同じ基準で、地方公務員たる教職員の給与をきめるということに、相当難色を示しておる向きがあるというふうに実は聞いております。しかしこれは本来、いくら自分の賛成のできない法律でありましても、法律として成立した以上は、やはり法律としてその法律の趣旨に沿う実施が行われねばならぬことは当然でありますから、これらの地方におきましても、それぞれ必要な条例その他の処置によつて、この法律案が実施せられるものと考えております。またさように期待をしておる次第であります。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 その御期待に反して、府県が条例の改正をしなかつた場合の態度、御所見についてお伺いしておきます。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 地方公務員たる教職員の給与の種類並びに額については、国家公務員たる教職員のそれを基準としてきめるということは、御承知の通り教育公務員特例法の規定してあるところであります。でありますから私は地方当局が特別なる特殊の事由なくして、ただその規定の趣旨は反対だとか、そういうことは困るというふうなことで、その規定の趣旨を無視するということは、私は実は考えておらぬのであります。しかしながら地方の公務員の給与について、文部省としてこれを強制することはできません。強制する力はありませんが、これは常識からいつても、また法律の建前から申しても、当然地方において多少何といいますか気が進まぬので遅れることはあるかもしれませんが、これは必ずそういう趣旨で実施せられるものである、こういうふうに信じております。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 文部大臣の御期待にかかわらず、そういうことがあり得るということもお考えになつていただきたい思います。と同時に現に三本建によく似ている一般の給与の問題におきましても、府県におきましては東京都のことく国家公務員よりはるかに高い基準で俸給を支給しておるところもあれば、国家公務員の基準にずつと遅れておるところもある。各府県まちまちの現状です。こういうところを見ても、第一線の団体においては政府の意図と相反する結果が起ると思うのでありますが、御期待にかかわらずさようなことが起り得た場合に制裁規定はないけれど、何かの形で大臣が断固たる措置に出るというような意図がもしおありであつたならば、それをお伺いしておきたいのであります。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 これはお話になりましたように、地方でそれが行い得ないということになりますれば、これを強制する道はありません。もしこれを強制するということになれば、これはいわゆる自治制度そのもの、つまり地方自治体の性格の問題でありますから、中央でこれを強制するということは、少くとも行政手段としては考えられない。さように思います。ただ国で出した法律なりあるいは財源措置をしたことについて、その意思が地方において全然顧みられないということであれば、これはひとり教員の問題ということでなしに、全般的に立法手段によつてそういうことのないことを期するとかいうことは、将来考えられるかもしれませんが、これは全般の問題であつて、今ただちにそれをどうこうということは、私は考えておりません。しかし少くとも行政手段としてはその道はないものである。これは地方でそれぞれその趣旨によつてやつていただくというよりほかはないのではないか、これを何かの方法で中央の思う通りに規整して行く、たとえば平衡交付金におきましては中央において大体地方の事業というものを考えて行く。そしてそれに対する必要な財源措置を講じておる。今御指摘になりました三本建の問題につきましても、あるいは期末手当の問題につきましても、一般の給与改善の問題につきましても、それらの事柄を平衡交付金制度において一応考えて、それに対する財源措置が講ぜられておる。それがその地方その地方の特殊の事情によつて、その通り行けないということはあり得るのです。これを逆に中央で考える通りに地方はその通りやらなければならぬということになれば、自治団体というものが中央の出先機関になつてしまう。その県の仕事をきめるのに、中央の意思通りに拘束されるということになれば、自治団体という性格がなくなつてしまうのでありますから、これはなかなか簡単に行けない問題である。中央としてはその方針を指示し、その基準を指示し、予算財源の措置を講ずることによつて、地方が中央の希望する、また法律に規定してある通りにならつてやつてもらうということを、期待する以外にはないと思います。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 この法律の実施にあたつて支障が大きいということになれば、この法律の運用に妙を得てないという点がない限りは、この法律が国民に実施するのに不適当な法律であるということになるわけですね。その場合に政府としてはこの法律の第一線への適用は、はなはだ不適当な結果になつておるので、ただちに改正の措置に出るように、国会に意思表示をせられる用意があるかどうか、この点もお伺いしておきます。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 ちよつとあるいは御趣旨を聞き違えたかもしれませんが、法律制度が適当であるか不適当であるか、これはそれぞれ人によつて意見が違います。少くともその適否というものは、法律制度の内容を検討して適否の論議を立つべきであつて、地方がそれに従わないから、あるいは実施をがえんじないから、もしくは特殊の考え方のもとに自分が反対した法律だから、そういうものは知らぬ、こういうようなことで従わないからといつて、それでその法律制度は不適当でございます。こういうことの論断はできないので、法律制度の適否というものは、その制度の持つ内容について論議せらるべきことである。守らぬからそれはいけない。それは私からいえばむしろ守らぬ方が悪いのであつて、守らぬ人間があるから法律制度の方が悪いのだ、そういうことはちよつと言えないのではないかと思います。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 それは内容が悪いから守らないのです。内容がよければ守る。従つて法律の内容を末端に、滲透させるのに、はなはだ不適当なものが、かりに国会で通つた場合にはこれをただちに改正すべきものであります。現にこの三本建実施のために、さしあたり公立学校におきましても、国立学校所属の付属高等学校、中学校、小学校等の職員の間における人事交流においても支障が起つておる。中学校の先生も高等学校の先生にちよつと兼務にして籍を置いておくようなかつこうで、俸給を高等学校の方で支払うというような措置をとつておる。盲聾唖学校におきましても、こういう特殊性のある学校では、この盲聾唖学校関係の特殊児童のために高等部、中学部、小学部の教員は、これはほんとうに性格からいつても、職務の内容からいつても一本にされなければならぬのであるから、これが別々になつておるのははなはだ困るのであつて、何とかこういう特殊なものについても高等部の教員として便宜を与えておるというようなことは、昨日来初等中等教育局長及び人事課長からも答弁があつた。従つてそう点について支障が幾分でもあるならば、その支障の起る部分の改正を国会に提出されるべきである。またこれを実施した上において、第一線の人々の大多数のものから、これはいけないというような声があるならば、それは何か内容において無理があるのであるから、その無理を改めるのにやぶさかであつてはならないと思うのです。一たびきめた法律であるから、その内容が国会においてきまつた以上は、実にりつぱなものであるからといつて、第一線に押売りすることは民主主義の立場にそむきます。従つて国民の代表の国会がきめたものの中で、その実施に支障があるならば、国家はさらにその実施機関の政府の改正案を審議する、あるいは国会においてこれを議員提出で審議するということがあり得るのであつて、一ぺんつくつた法律は、これは強制的に実施せなければならぬというようなことは、これは大臣のお考えとしてはなはだ間違つておられないかと思うのです。その内容に対して検討を加えた結果、第一線の人々が、これは無理な法律だと認めた場合には、反対運動が起るのであつて、ためにする反対というものはそれは局部的な結果になります。大勢がこれはいかぬというような空気になるところでは、これは相当な反対で、現に都道府県教育委員会は今日なお猛烈に、これに対して改正の意図をもつて臨んでおるような状況でありまして、そうした第一線の空気をとくと大臣は御承知いただいておるかどうか、一たびきめたものは強硬にこれを実施せしめるのだという断固たる措置をもつておやりになろうとするのか、その国民の声をゆたかに聞こうとする民主主義の文相であるならば、この点かつて大東亜戦争のときの指導者でいらつしやつた立場とはかわつた意味で、今日は新しい考え方で行かなければならぬのですから、昔の式でやつていただいてはたいへん迷惑するのです。いまやわれわれは民主的な文部大臣として御期待申し上げておるということをよく御承知の上で、御答弁いただきたいのであります。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 私は一旦できた法律だから、絶対にその趣旨をかえてはならぬということは考えておりません。しかしながら法律ができたのは、立法権を持つておられる国会の議決によつて、国会の意思によつて決定されたものでありまして、そうして私どもはそれを実施する義務を負つておるのであります。法律が制定されれば、とにかくその法律が不適当なりとして国会において改正されるまでは、その法律を法律の趣旨通りに忠実に実施する責任があるのであります。私は先ほど申し上げましたように、法律ができたから強硬に強制してどうこう、そういう力んだ気持は一つもありません。また力もうにも地方がそれをやつてくれなければ、はなはだ残念だけれども、できないのだということを申し上げておる。私は何も昭南市長のときのような気持で、何でもかでも人の意思を無視してやり抜くのだ、こういうことは毛頭ないのであります。私どもはただ法律が国会の意思によつて制定されれば、その法律に不適当のことがあつて、私ども見て実施の上で不適当だと思えば、あらためて国会に提案をして、国会の御審議をいただきます。また国会の方で不適当だとお考えになれば、それを自分で改正せらるべきであります。要するに私どもは直接には実施の責任を持つておるのであります。それをこの法律は不適当なものとして実施を怠るというわけには参らないのであります。であるから決して私はこの法律を無二無三に私一存の考え方で強行して行くのだ、そういうことは絶対にありませんから、誤解のないようにしていただきたい。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 その基本的な御信念に対しては共鳴します。しかるがゆえにこの法律の中に部分的に不適当であるというものが認められた場合、たとえば文部省の主脳部は現に特殊学校のうち盲聾学校の職員のごときは、高等部、中等部、小学部とわけることが、これは非常に混乱を来しておるという率直な御意見であり、法律の批判をする意味なくして、実施上これはなかなか困難な問題だという率直な意見を持つておられるのです。大臣の意図に反して、あなたの下僚の人々が批判をしておるのじやありません。実際の運営をする上において困る面が起りますという、率直な意見を表明したわけであります。これはあなたは部下の職員をおしかりになる筋合いではありません。従つてそういう意味からいつたら、盲聾学校のごとき特殊学校の職員は、高等部、中等部、小学部とわけることが困難であるから、一本の立場から高等学校の職員の級別俸給表を適用すべきであるというような法律改正を、ただちにこれはなしていいと思うのです。そういうところは実施機関がわれわれのつくつた法律を忠実に実行する上に、非常に困るということになれば、これに対して改正案をお出しになつて、それがこの夏できた法律であつてもけつこうです。ただちに改正案をお出しになつて、われわれに訴えていただくべきではないか、そこを私は申し上げているのです。  それが一つともう一つはこの法律の実施にあたりまして、三億六千万円の予算的措置がなされております。この三億六千万円は三本建実施のための予算として、また自治庁におきましても地方平衡交付金の配分計画をお立てになつております。ところがこの三億六千万円というのは、自治庁の計算によりましても、そうして文部省の計算によりましても、二億六千六百万円しかいらない、全国八方の高等学校教職員に対して二万一千三百七十一円の基準によつてこれを配分する場合でも、今申し上げたような九千四百万円の予算の剰余金が出て来るわけです。従つて所要計費以外に一億に近い莫大なお金が計上されるような予算の立て方を忠実にうのみにされた文部省として、ひとつその実態をここに御説明いただきたい。大体予算というものは所要計費が幾らいるというのは、すべて数字の上に人員が幾ら、そうしてその増補部分が幾らというはつきりした計数が出されて、それが予算に組まれるわけである、九千四百万円という一億にに近い莫大な所要計費以外の部分が要求されることを、うのみになさつた文部省の見解をお尋ね申し上げたいのであります。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 盲聾学校の問題でありますが、なるほど盲聾学校につきましては、この三本建法案ができれば、やはりその趣旨によつて適当な措置を請ずる方が適であるように私は思います。しかしそれは三本建法案の欠点ということではなくて、別個に措置されるべき、従つてこの法律と別な今後の問題として処理されるべき問題だと私は思います。これについては私どもとしても十分研究をいたしたい、こう思つております。  それから予算のことでありますが、予算は私の記憶によりますと、これは特別国会において修正をされた結果、ただいま仰せになりました三億六千万円ですか、これが新たに増額計上された数字であります。その当時は三本建という制度はまだできていなかつたのであります。できていなくて三本建の制度が将来この国会において、一月一日から施行されるという目途のもとに制定せられるであろう、もしくは制定してほしい、こういう想定のもとに計上された金額だと私は思います。これは議会からの修正の金額でありまして、それについて私どもが参画したわけでもなし、その数字を事前に討議したわけでもありませんが、しかしいずれにいたしましてもまだ制度ができていないうちに、制度のできることを想定してできた経費でありますから、従つて私はどういうことか実情は知りませんが、ある程度腰だめの、つまりつかみの数字になる、これは当然であろうと私は思うのです。それで実際できた三本建法は、その後において前特別国会の最終のときに初めて成立した法律案であります。それに私どもとしましてはただいま申し上げますように、成立した法律を、忠実に実行するというのが私どもの立場でありますから、議会で成立したその法律案に基いて、趣旨にきわめて忠実なものをつくつたつもりであります。その結果として何千万かの不要というものが本年度においては生ずる、こういう結果になつたのであります。これと反対に公立学校におきましては特別国会において修正された数字では足りないのであります。これはいずれの場合におきましても、いわゆる腰だめというか、ある程度つかみの数字であるということの証拠であると思うのでありまして、制度はまだきまつておらぬのでありますから、そのまだできていない制度にぴしやつと合うような予算は、なかなか組めなかつたのじやないか、こういうように私は思うのであります。これはやむを得ないで、そういう結果になつたと思うのであります。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 制度ができる前に大づかみの——小づかみでもどつちでもいいのですが、その三億六千万円という予算が、当時の与党である自由党と、それから野党である改進党との野合によつて成立した、それで政府としては責任がないのだという今お言葉があつたのであります。ところがこれが政府の原案よりも修正されたものであつても、これをいよいよ実施するという立場になるならばこれはもう政府の責任なんだ。予算の執行はあなた方の御責任であるはずであります。そのあなた方の御責任の立場に立つたところのこの三億六千万円は、今あなたがおつしやつたように、これはそのときにいろいろ事情があつたと言う。すなわち現在の政界のやみ取引の露骨なる情勢を率直にお述べいただいたわけですが、政府としては回避することのできない、まことに暗い影がこの予算の中に入つていたという、そういう御理解があつたと私は判定します。ところがこの三億六千万円が実ははなはだ国会の意思とはかわつた方向に使われているのです。これをひとつ御承知いただきたい。それで九千四百万円の余剰部分は、高校職員及び中小学校の職員の中で、前歴計算あるいは学歴差等の陥没された職員がたくさんある、前歴があるにかかわらず、その人々を民間経歴などを無視して、新規採用と同じような基準で採用したとか、あるいは大学の四年制度を出た者を非常に低い線で採用しているとかいうような、そういうところの陥没是正に向つて使うという国会の意思であり、これは当時の予算委員会においての国会の代表者の答弁にも、そういうことがあげられている。ところがそれがけさ自治庁の鈴木次長の御答弁によりますと、全部高等学校のベース改訂にこれを振り向けるように、平衡交付金の措置をした、こういう御答弁です。国会の意見とは違つたこの金の使い方をなさつた政府の責任を、いかが御説明になりますか、御答弁いただきたいのであります。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 まず初めにお答えを申し上げておきますが、私は前国会の予算修正が、はなはだ政治的に暗い恥ずべきものであつたなんということは毛頭思つておりませんから、もしそう私が思つているとお考えであれば、この点はひとつ御訂正をいただきます。  それから今の問題でありますが、予算が成立すれば予算の執行をすることは、もちろん政府の責任であります。しかしながらその予算はいらない金まで使うというものではもちろんありません。予算は見積りでありますから、所要の経費として十分であれば、予算に剰余金の生ずることは私は当然であると思います。そしてわれわれがこの予算を執行する場合の標準になるものは、成立したいわゆる三本建法律案の実施、これに限定せらるべきであつて、それ以外にもし金を使えばこれは予算の濫費ということになると私は思うのであります。そこで私どもは三本建法案について、その趣旨にきわめて忠実に親則をつくつたつもりであります。そうしてそれによつて地方において平衡交付金でそれを受取る地方が、それぞれその趣旨において経費を支出していたたきたいということを希望していることは、先ほど申し上げた通りであります。従つて私どもとしてはあの予算を直接使うのではありませんが、あの予算を使うべき基準になる点は、国会で制定された三本建法案に最も忠実に規則をつくつたつもりであります。でありますからそれで予算が残つたからといつて——それは予算の残らぬように、この際みな使つてしまうような規則のつくり方もできましよう、できましようがしかしそれではむしろ国会の議決せられた予算の趣旨に反する。これは三本建法案つまり三本建実現に要する経費として計上せられたものでありますから、その意図に忠実に沿う意味において、自然そこに剰余金を生ずるに至つた、それだけ金が残つて来た、こういう結果でありまして、それを金が残つた以上は、平衡交付金を取扱つておられる自治庁において、今回の平衡交付金を算出せられる場合に、それだけ金が残つておれば残つたように措置せられる、こういうことであろうと思います。ただその一億近くの金が残つた、それがどういうふうに処置されるものか、これは自治庁の問題でありますから、私はそこまで知りませんし、また立ち入るべき限りでない。ただおそらくはそういうふうにされたということは当然のことと存じます。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 大臣は責任を回避して、自治庁にこれを移転されましたけれども、この三億六千万円の予算はあなたの所管内の高校職員を中心とした給与改訂に持つて行かれた。それでことにこの法律を国会で制定し、この三億六千万円の予算をこれに計上いたしました際には、国会の意思を尊重してとあなたが今おつしやいましたが、国会の意思は当時のこの法案の提出者である自由党、改進党の場において、当時の提案者よりはつきり速記録にも出ている通り、三本建実施に対する予算が二億円円と少し、そのほかの部分は待遇の陥没是正にこれを振り充てるということが、はつきりと国会できまつております。この意思を無視して、当時の速記録を見ていただけばわかるが、余つたから余つた分を適当に措置するのは、これは政府の責任であるというような形では処理できないわけであります。当時の速記録を十分御研究いただきたい。国会の意思を当時予算委員会において、耳を傾けてお聞きになられたであろう大達文部大臣は、これを聞き捨てるわけにいかぬと思う。一億に近い金が国会の意思とはかわつた方向に流されているということは、はなはだ解せない。とともに、一億に近い金が余るような予算を、これはどうか、これだけ余るじやないか、これは国会の意思が当時どうなつているのか、もう一ぺん確かめようというので、予算配分の際に、国会の意思が予算がこれだけ余るようにその組み方がしてあるが、これはどうであつたか、当時の提案者についてもよく確かめ、国会の意思を確かめてから配分されたならば、これは筋が通ると思いますが、それとは全然立場をかえて、国会に全然相談されずにこれを自治庁を通じて流したということは、はなはだ解せないのです。ここを私はお尋ねしている。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 予算を執行するのは政府の責任でありまして、執行について一々国会に意思を確かめるべき、つまり責任回避のようなことをすべきものではないと私は思う。国会の意思が何によつて現われているかといえば、国会できめられた法律によつて国会の意思は明瞭なんであります。これだけの経費は使いたいが、これを使う国会の意思はたして那辺にありや、こういうことで国会を召集するわけにいかないと私は思うのであります。国会の意思は国会が議決した法律によつて明らかである。私は国会できめられたいわゆる三本建法律というものに基いて、それを地方にこういうふうに使つてもらいたいということで、これを地方に流しただけのことであります。これを国会の意思を聞けということはどういうのでありますか、私はちよつと解しかねるのであります。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 国会の意思は当時予算委員会においても、またこの委員会においてもはつきり示されたるごとく、人事委員会の当時の提案者の御説明を待つまでもなく、三本建実施に対する予算のほかに、一億の金は陥没是正に当てはめるものであるという、はつきりした答弁がされて、それによつて多数をもつてこれが可決したものであります。これは当時の速記録を見ていただけばはつきりわかる。国会の意思は速記録によつて読み取ることができるのであつて、その国会が三億六千万円の予算を計上して三本建実施をしたときに、これだけの一億に近い金が余るが、これはどこで使うべきものであるかという意思を確かめる必要は、私は確かにあると思う。それをもう国会の意思を尊重するということについてはやぶさかではないというお言葉であり、国会の意思は三本建だけであるというような御答弁が今あつたのでありまするが、国会の意思は当時そういう含みを持たせておることについて、この法案が通過していることを、大臣としては御承知にならなければなりません。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 陥没是正ということを言われますが、国会で定められたものは三本建法案であります陥没是正に関する法律は成立していないのであります。法律のないものを執行する余地はないのであります。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 この陥没是正については人事院の細則によつても、初任給の規定をかえることによつてこれができるのであつて、その含みは実施機関である人事院としても、政府が相談をして、そうして国会の意思と相反するような結果にならないかを十分検討した上で、この予算を配分すべきである。それを全然相談もせずに、かつてに自治庁が地方平衡交付金の中で、高校のベース・アツプとしてこれを流したということは、はなはだ独断専行であると、私は断定せざるを得ないのであります。この点については人事院の立場と政府の立場と両方から、御答弁いただきたいと思います。

瀧本忠男人事院事務官(事務総局給与局長)

○瀧本政府委員 お答え申し上げます。人事院といたしましては、いわゆる三本建法律案というものが通りましたので、これに国会の御意向も織り込みまして、所要の人事院規則の改正並びに細則の改正をいたしたまでのことであります。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 この問題ははなはだ不可解しごくになつたものであります。これは大蔵大臣もおられるので、予算の措置をなされる最高責任者として、あわせて御答弁いただきたいのでありますが、去る八月の国会で、政府原案に対する修正案として、改進党と自由党のもとにやみ取引で通過いたしました予算の修正の中に、三億六千万円の三本建実施に要する経費というものが計上されております。ところがこれは大まかな数字であつて、それに対してまだ法律ができないから、これをうのみにしたのであるという文部大臣の御答弁であつたのですが、その後法律が公布せられまして、来年の一月から高校の職員に今度つくところの三本建の法律の制定を見たわけであります。しかるところこの高校の職員の優遇を考える三本建実施に要する予算は、全国八万の教職員に対してわずかに二億六千六百万円であり、一億に近い金が余つたのです。この余つた金は、政府が三本建の実施に忠実な方へこれを振り向けたいという立場から、これを自治庁を通じて高校のベース・アツプに流した。三本建の実施に使う金が高校のベース・アツプに九千四百万円を流すというのはどこから出たことであるか。また三本建を忠実に実施をして、給与の余つた分は高校だけのベース・アツプに振り向けてよいかどうか、この点国の予算を配分する責任者である大蔵大臣として、法律の精神と離れたような方向に九千四百万円流されていることに対して、いかにお考えでありますか。

川島正次郎自由党委員長

○川島委員長 受田君と石山君に申し上げます。大蔵大臣はただいま予算委員会で答弁中のところ、予算委員長と相談してこちらへ来てもらいましたの、で、実は時間がないのであります。そこで石山君の御質疑に対する答弁が残つておりますが、御質問の趣意は政府委員から大蔵大臣に通知してあると思いますから、一応石山君に対する答弁と受田君に対する答弁と一緒に、大蔵大臣から聞くことにいたしますから、さよう御了承願います。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 ただいま受田委員よりお話の残りの九千四百万円の問題でありますが、これは今回の給与改訂の財源の一部に充てておる次第であります。あとこまかいことは、実は自治庁とか文部省の方からお聞きを願いたいと存じます。  それから先のお尋ねの件、国家公務員給与の改善の問題でございまするが、これは本年度及び明年度を通じまして、財政全体の規模とにらみ合せて、財源の許す最大限度において、人事院の勧告を尊重する、かような方針で改善措置を決定したものでございます。今回の補正予算にその所要額を計上したことは、お手元へ差上げてある予算書でごらんの通りであります。本年度におきましては、すでに当初予算におきまして、相当大福な事務費等の節約を行つたのでありますが、さらに先ごろ御協賛を得ました第一次の補正予算に際しまして、災害対策関係経費の財源に充てますために、公共事業費等の節約を強行しました額が百六十六億円等で、そのときの財源を捻出したことも御承知の通りであります。さらに今回の補正にあたりましても、給与改善等の財源に充てるため、既定経費を節減することといたしまして、これから三十二億円を捻出したのであります。その他恒常的な歳入につきましては、これを最大限に計上することとして、給与改善に伴いますはね返りを含めて、租税の自然増収が百三十三億円、専売益金の増加七十億円及び雑収入等の増加七十億円、合計二百七十三億円を計上して、それを今申し述べました節約不要による三十二億円と合せまして、総計三百五億円の実は財源をつくり出した次第でございます。このうちには義務教育費国庫負担の富裕団体に対する打切り措置なども含まれておるのであります。あるいはまた米国対日援助物資の処理特別会計、この剰余金の繰入れ、これも十三億三千万円でありますが、そういう措置を請じておる次第でございますところ、一方歳出の面におきましては、御承知のごとくに食管会計繰入れの五十六億円、義務教育費の国庫負担分の増二十五億円あるいは租税払いもどし金分の三十億円とか、真にやむを得ないもののみを計上しまして、その他の財源はあげて細事改善に使つた、これが実情であることは予算書でごらんの通りでございます。従いまして実はこれ以上の財源を求めますことは、現在のところ不可能なのであります。このことをよく御了承願いたいと思います。  それでは来年度の見通しはどうかといいますと、当然増加を予想されます経費の確定的なものは、恩給費が二百二十億円ほど本年度より増加いたします。また連合国の財産補償費なども百億円くらいございましよう。外航船の利子の補給も、造船の増加に伴いまして、本年は五十億円くらいふえるかと存じております。そのほか金額としては設けにくいのですが、防衛費も若干ふえるということになりましようし、賠償費もいくらかは計上しなければならぬという実情にございますし、災害復旧費が三、五、二という割合で、本年が一番ふえるということになつておりますし、そのもとの治山治水ということも、この間内閣で特別委員会をつくりましたので、これに対する増加も見込まねばならないと思います。  そんなぐあいで、それでは今度の給与改善でどうなるかと申しますると、これは義務教育賀国庫負担分だけで、ちようど年間を通じまして四百四十億円に達する見込みでございます。けれどもちようど所得税のはね返りがありますし、ほかのものをいろいろ見込みますると、結局どれだけが純粋に増加するかというと、大体二百億円と見込まれております。従いまして一体増加総額はどのくらいかというと、来年は、一昨日予算委員会でも申したのでありますが、大体増加見込み総額だけで一千億円以上に達するという実情でございます。一方歳入面におきましては、租税、専売益金等の自然増収を相当見込むといたしましても、一方減税に対して例の税制調査会等から強い要請もありまするし、政府の原案以上の給与改訂を行いますことは、財源の面からしても実は不可能なわけであります。私どもは率直に申し上げまして、なし得る最善を給与についてはなした。これが私のほんとうの考え方をここで申し上げる次第でございます。どうぞ御了承を願いたいと思います。

石山權作日本社会党(左)

○石山委員 私小笠原さんを長くお引きとめすることはいけないと言われているので、簡単に申し上げます。前の国会は救農国会であつたのですが、今回は政府の手足となつて働く多数公務員の給与に関する国会と申しても過言でないと思うのです。特に今回の国会は年末を控えて、来年度の予算を蔵相はすでに頭の中に組み立てておるはずなんです。そうしますと、たとい与えるにしても、押えるにしても、こういう結果であるということを詳細に説明するにいい機会であるのが今回の国会であると思う。しかるに吉田内閣は、特に首相なんかは木で鼻をかむといよような、まことにそそつかしい演説をしているが、それがだんだん大臣諸君にも累を及ぼして来たのか——小笠原さんは非常に熱意のある親切なる演説をたびたびしてくれるので、今回も私相当のものをやつてくれるだろうと思い忙しい中をこの狭いところへわざわざ来ていただくなんということは望んでいませんでした。国会の施政演説を堂々と二時間くらいもやつて、国際情勢から国内情勢を述べて、日本は特需を失う場合に、自立経済のためにはこうこうであらねばならないというような確信のある御説明をなされれば、私たちもあるいは納得したかもしれぬ。しかしそれをわずか二十分にも満たない早々の草稿を読んで、それで最善を尽したなどと言われても、私は納得できない。今の御説明によりまして、なるほど数字のみを読み上げれば、あるいはそういう印象を受けるかもしれぬけれども、それでは小笠原さん個人あるいは吉田内閣の持つ一つの財政経済に対する信念というものはちつとも現われていない。日本の経済の行く手はここにある、こういうふうにしなければならないのだから、この辺でがまんしろとか、たとえばこれだけ官公の諸君の要望に応じても、君たちの要望に応ずれば、これこれこれだけの最大限の努力をしてもらわなければならぬという、ここに人間的な一つの国家を動かす信念というものが生まれて来るし、それは聞く者にも伝わると思う。それをあなたがなさつていただかなかつたことによつて、あなたは予算委員会において忙しい中を、ここへ来てもらつている。しかし私はこの場合小笠原さん御苦労さんなどとは申し上げられない。私はやはりここにいてもらつて、もつとお話をしたいのですけれども、国会の一つの機構から見ると、予算委員会に主力を置かれるというので、あなたが責任を持つてあなたの気持をよく伝え得る人を代理にここへ置いて行つていただけるならば、私はあなたを一応お帰し申し上げてもよろしい。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 実は私の心持は私だけが持つておると思います。私は公務員の給与とか、あるいは裁定等についても、国の財政事情が許せば、許すことはして行きたい。これは私よく申すたとえですが、一万円金を出してくれと言われても、ふところがどうしても三千円しか都合がつかぬときに、それじや三千円だからやめるかといえば、私はこれだけあるから出す。これが私の流義だということは、たびたび申し上げております。この心持はほかの人が持つておるかどうかわかりません。けれども、数字的に日本の財政的にの問題でありますれば、主計局の次長を残しておきますから、これはなるほど日本の財政から見ればということで、御得心の行くように説明をいたすことと存じます。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 小笠原さんは連日御多忙で痛み入りますが、この委員会はあなたの所管の一番大事な委員会です。給与に関する一審大事な委員会ですから、しばしばお顔をお見せくださることを要望しておきます。今御説明をお聞きしていろいろ観ずるのですが、今度の給与の改訂にいたしましても、一万五千四百八十円という人事院勧告の数字をそのままおとりになつて、いかにも多額のベース・アツプをしたような印象を大衆に与えておるが、事実は地域給その他が含まれてありますから、それにずいぶんの減額をされなければならぬということを考える。また租税の自然増などによつて、ことに公務員のベース・アツプに伴う増収によつて、五十億をこれに計上しているということになると、八十億ばかりのベース・アップに対して五十億の計上をしているということになると、ごくわずかしか手取りはないわけです。そういうように数字の上で、いかにも優遇をしたように見せかけ、実質は今申されたように三十円くらいしかないような、まことにわずかなそのふところで、お正月を迎えるという結果になつて来るので、数字の上ではあまり上つたことになつておらぬのですから、地域給その他を別にして、ほんとうに実質的に上つた数字だけを法律にお示しになつて、これを国民大衆に知つていただかなければならないのです。あまりにも公務員がベース・アップして多額の収入を得るように国民大衆に印象づけ、事実はまことにすずめの涙ほどしか上つてないという、この実情を見るときに、政府の態度はどうも数字の上の遊戯にかられているおそれが多分にあると思います。この点についても今後十分御反省をしていただいて、実質手取りを中心の給与改訂をお考えいただかなければならぬと思うのです。これが一つと、もう一つ、あなたの御所管の一般職の職員の給与に関する法律、特別職の職員の給与に関する法律、あるいはちよつと所管が違つても、裁判官の報酬等に関する法律、検察官の報酬等に関する法律、在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律、南方連絡事務局設置法に基く給与に関する法律、保安庁職員給与法等すべて給与に関する法律の中には、一般職と在外公館に勤務する外務公務員だけに罰則がついておりまして、これに違反して支払いした者は、一年以下の懲役もしくは三万円以下の罰金とか、こういう規定があるのです。ところがあとの法律には全然そういう罰則がないということを考えてみますと、給与に関する法律は体系が非常に乱れているということです。この点についても大蔵大臣として、給与関係の諸法律についてはすみやかに罰則を整理して——これは国家公務員法にちやんと罰則があるのですから、それを適用すればあとは済むのですから、一般職の職員の給与に関する法律の二十五条をとるとか、そのほかの罰則のあるのを一つとつて、あとは全部国家公務員の方に持つて行くとか、国家公務員に該当しないものについては、総括的な罰則をつくるとかして、給与に関する法律関係のものをすべて整理統合されて、統一ある給与体系を打立て、給与に関する法律をおつくりになることをお願いするのです。これは去年の末にも申し上げて、早急にやるといつて、まだやつておりませんから、給与体系の俸給額あるいは罰則等に関する各省の統一ある措置をとる。ことに保安庁の職員はまだ日給です。日給の職員があるなどということは、はなはだおかしいことです。これらは全部月給に切りかえるような、基本的な給与関係の法律を統一強化されるところの御方針があるかどうか、これをおお伺いして質問を終ります。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 最初に少し誤解があるのじやないかと思いますが、五十三億のはね返りがあるというのは、期末手当その他一切のものを含めて、またいわゆる三公五現業等からの分を含めての場合でありまして、これは税法でお考えになればよくわかるように、八十何億出して五十何億とるということはできはしません。せいぜい二割八分か三割でありまして、このことは数字の点に誤りがあります。何だか羊頭を掲げて狗肉を売つたというようなお話でありますが、私どもが誠意を持つてやつたことは、これでよく御了承が願えると思います。  なおその次の問題ですが、大蔵省が所管しているのは、実は特別職の給与の問題だけでございまして、あとは全部内閣でやつておるのであります。従いましてこの件についての御意見の点は、私は国務大臣の一員としてよく取次ぐことにいたします。なお罰則の区々になつているのは、実は今伺つておつて私もおもしろくないと思いました。従いまして、この改善方につきましては、私からも発言をしまして、なお統一あることにいたしたい、かように考えておる次第でございます。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 文部大臣御苦労様ですが、一言だけ……。今の懸案の問題ですが、これは国会の意思がそういうふうになつておることを、速記録を確かめていただきたいのです。そしてその速記録にのつとつて、この残された一億近いものを、今からでもおそくないから、この点についてすみやかに、所期の目的であるところの陥没是正に、これが振り当てられるような措置をされるような努力を希望する次第ですが、この点について御所見を伺います。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 その点は、よく私として調べることにいたしますが、ただ、しばしば申しげますように、平衡交付金として見てあることでありますから、直接私どもの方でその予算を執行するということはないのでありまして、私どもの方に与えられておる仕事は、三本建法律の実施をするということ、並びに地方に対してその基準を示すという点にあるのでありまして、私はその意味で先ほどから御答弁申し上げておるのでありますから、その点は御了承いただきたいと思います。この点はなおお言葉でございますから、よく調べてみたいと思いますが、私は法律となつたものを実施するということは、どうしてもしなければならぬことと思います。しかし予算にあるものを、みな使つてしまうというものでもないのです。現にこれは従来慣行として、あるいは実行予算をつくるとか、あるいは既定経費の節約をするとかいうことは、しばしばあることでありまして、予算があるからその一億円は余さず使わなければならぬ、こういうものとは実は考えておりません。しかしこの点私はなおよく当時の模様を、もう一度調べてみたいと思います。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 私はこの三億六千万円の数字について、はなはだ奇怪な感じがするのです。もし国会が三億六千万円をきめ、三本建だけの法律実施に伴う予算だとするならば、文部省にも相談があつたはずです。文部省も三本建にするには、これだけの予算がいるという意思表示をせられておるはずです。大蔵省もそれに対して大いに見解の表明があるはずです。しかるに二億六千六百万円と三億六千万円とは、一億近い差がつくような予算の計上の仕方が、もし全然政府がそれに対して資料も提出されないで、国会の意思だけでやつたとすれば、これは当時国会でこの法律を制定された自由党と改進党は、まことにずさんな予算編成をしたという結果になると思うのです。歴史上いまだかつてない、かくもずさんな、経費の上に開きのある予算は初めて見た、前例がないと、きよう自治庁の方では言うておられたのです。それくらいの大きな開きが起るような仕組みをしたということは大失態であつて、国会の権威においてもこれは相当な問題が起ると思うのです。私はいずれにしてもこれは重大問題だと思うのでありますが、いまだかつてない史上空前の予算編成をされたということについて、政府はいかがお考えになりますか。簡単に、国会がきめた法律に伴う予算を実行するだけだという御答弁では、済まされない問題だと思いますが、文部大臣として常に国会との意思の連絡があつたかどうか。全然この法律をつくるときには、政府は関与しておらぬかどうか。資料提供等について、いささかも関与しておらぬかどうかを、いま一度確かめておきたいのであります。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 これはありのままを申し上げますと、その金額の算出等については、私は当特別に相談を受けておりません。それから、あるいは事務的に資料の提出等を要求されておつたかもしれませんが、これは私よく存じません。ただ私考えますと、資料といつてもかんじんの基礎になる法律そのものができておらないのですから、だれが調べてもそう完全な、きちつと過不足のない数字というものは、はじき出し得ないものであると私は思います。それが一億円になつたのが非常に多過ぎたということで、一見きわめてずさんなようには見えますが、基準になるものができておらないのだから、これはおそらくどんな練達な事務当局が数字をはじいてみましても、その基準がないのでありますから、ある程度の見込み違いということがあつたということは、やむを得なかつたと思います。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 もう一つで終りますが、大臣は閣議でこの予算修正案の報告を受けたはずです。そのときにこの三億六千万円の内容をどのようにお聞きになつたか、これを確かめておきたいと思います。全然関与しないのではなくて、その報告を受けておられるはずです。そして後に法律ができたときに、その双方を照し合せて、文部省としての所信がある程度表明されておらなければならないはずです。それを国会がきめたのだからというので、ついうのみにするようなことでは、たいへんだと思います。実施機関であるあなた方の方で、これくらい予算が余るようであるというようなことに対して、国会の方に献策もしなければならぬ。いずれにしても三億六千万円のうち、一億の必要としないものが計上されるような予算編成がされるということは、たいへんな問題だと思うのです。これは私は今の予算編成がいい加減に大づかみでぽこぽこにされて、あとから法律を持つて行くということになるから、とんでもないことが起ると思うのです。基本的には法律がまずできて、そしてその法律に伴う予算が幾らいるかというので予算を組むという形が、私は筋が通ると思う。この三億六千万円に対する今度の予算の編成に対しては、はなはだ不可解なところがある、まことに不都合な予算の編成の仕方であるということを、率直にお誠めになるかどうかを確かめておきたいと思います。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 この修正に関する閣議報告がありました場合には、三本建を実施するということを想定して、そしてそれに必要なる経費として、三億六千万円を平衡交付金のうちに増額してある、こういうふうに私は聞きました。その前に、申し上げるように、三本建というものはまだできていなかつたのであります。制度がまだできないうちに予算を組むのはおかしいじやないか、まず制度ができて、しかる後に所要の経費を計上すべきではないかというような意味のお話がありましたが、予算はそういうものではないと私は思います。制度ができて、制度の実施に必要なる経費が予算に計上せられる場合もあるし、たとえば二十九年度においては、新規にこういうことをしたい、新規にこういう法律案を出して、こういう経費をもつて仕事をしたいという場合には、制度に先行して予算がきめられるということは当然でありまして、制度がきまらなければ予算を計上すべきではない、こういうりくつは私は成立たぬと思います。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 もう一つ、これまた見解の相違になりますけれども、大臣は三本建の予算として三億六千万円を閣議で了承したという今御答弁がありました。ところが三本建で三億六千万円を御了承になつたならば、この三億六千万円はいかなる計数によつて出された数字であるかを、すぐに事務当局に命じてこれを研究させなければならぬ。ところがそれを全然しないで、三億六千万円は三本建だと、ついうのみされるような、そんなずさんな大臣では、私は大臣としては責任を果されていないと思います。私はやはり、三本建として三億六千万円が出た、それがどういう実態であるかということを、法律が出るまで二十日も余裕があるのだから、その余裕のある間に、実はせつかく国会で通してもらつた三億六千万円を、政府が研究して、こういうふうになつておるが、いかがですかというくらいの努力は、文部省としてされなければならなかつたと思うのですが、つい国会がきめた予算を了承したあとから、法律が出たからそれをやる。そういうような実行機関でははなはだたよりなくて、事務的に最も堪能な人々がそろつておる文部省としては、まことに怠慢だと思う。この点について大臣は、三億六千万円を国会が通した当時の実情からいつて、努力を欠いておつたという、そういう反省をしておるところはないか、ただ国会のみに責任を負わしておるというような点はないか、この点御反省の度合いをお聞きしたいと囲うのであります。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 三本建法案というものは、これは申し上げるまでもないことだけれども、その法律のきめ方によつて二億五千万円でも済むであろうし、三億六千万円でも足らぬであろうし、十億円もかかるかもしれない。号俸のきめ方で、つまり法律の内容いかんによつて経費はきまるのであります。その法律の内容というものがわからないのでありますから、そこで足るとも足らぬとも、その時分にはわからぬのであります。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 これはまことに国会のみに責任をかけて、自由党の諸君と改進党の諸君をなめたような御発言でありますが、文部大臣としては三億六千万円はどの基準に基くのか、どれとどれの線に行けば三億六千万円になるかというような国会の審議の資料になるくらいの用意はされていいように思う。十億かかるか、二十億かかるかわからぬというようなことは、はなはだ不謹慎な御発言であつて、この三本建で高等学校へ十億もかけるようになつたらたいへんなことで、大学の教授よりもずつと上る。そういうことはあり得ないので、三億六千万円の範囲内であれば、どのくらいのものかという現実に即した案を、文部省としても御研究をされてしかるべきであつた。その点において国会が法律をつくつた結果が、一億も余るというのには、国会の何か別に意思があるのじやないかと特に御研究していただいて、国会はそのときにはつきり予算委員会で提案者であられる人々がこもごも立つて、残された一億の部分は、不均衡是正にこれを充当するものであると、野党のわれわれの質問にお答えになつておるのです。首をおひねりになるが、ちやんとそれはそういうふうになつておる。国会の意思ははつきりと速記録に示されておる。これは本会議の討論の際にも、委員長の報告の中にも、ちやんとそれが出されておるのです。これも速記録をごらんになればわかる。国会の委員長報告及び国会における質疑応答の内容というようなものを、忠実にいかなる経過で、この法案が通つたということをしさいに検討した上で、文部省はこの法律の実施をさるべきではないでしようか。つい形の上に現われた法律だけの計数的な実施ということは、文部省としては国会の意思を尊重したものとはいえません。国会のほんとうの意思は、この委員会の速記録、本会議の速記録、予算委員会の速記録等をよく検討されて、そうしてこの意思に沿うように実施されるのが私は筋が通ると思う。この点をいかがお考えになりましようか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 同じようなお答えになると思いますが、私としては三本建の法律というものが、その後になつてはつきり具体的にきまつたのでありますから、そうしてその実施の責任を負う私どもとして、その法律の趣旨にできるだけ忠実に、それに伴うところの規則をつくつたのであります。その結果約一億円というものが、公立学校職員の場合において残つた勘定であります。それから国立学校の場合におきましては、当行国会において予定されて、これで足りるであろうということであろうと思いますが、予定された経費では足りないので、約三倍近くの金がいる結果になつたのであります。これは当時一億円の金が残るということで予定されておつたとは、私は承知しておりませんので、なおこの点は調べることは調べたいと思います。(受田委員「調べることは調べるとは」と呼ぶ)調べなければ——今お話のように、当時三本建以外にこの金は一億円残る、その一億円残るのはこうだ、こういうような議論があつたという記憶は、実は私は持つておりませんので、なおよく調べたいと思います。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 文部大臣、あなたはこの当時の実情をよく御研究になつていないので、さつきから率直な御意見をはかれ過ぎておるのですが、この国会の意思はさようになつておるのです。それに伴うて自治庁が今度余つた部分を地方に流されるのに、高校だけのべース・アツプにまわされるということにされておる。そういうところがまことにずさんなといいますか、予算の配分などがいいかげんに行われておるというような印象もなされてしかたがないのですが、少くとも大事な国民の血税を、われわれが国会の立場に基いてこれを取上げ、それを配分する際に国会の意思によつて配分すべきであるという、予算配分の責任者である文部大臣としては、あらゆる角度の研究をしていただかなければならぬ。あなたの前の文部大臣の岡野さんは、去年は給与三本建の法律を政府が出すと言われておつた。政府が出すという用意をされておつたのですから、文部省として案があつたはずです。それを国会が途中から横取りしたので、あなたの方はどれくらいになるかわからぬ、五億になるか、十億になるかわからぬというようなことでなくて、文部省でもちやんと腹案があつた。その腹案を自由党にお譲りになつたという印象は、国民がすべてこれを了承しておる。だからその意味からも政府と与党の内部には、はつきりとした意思の相通ずるものがあつたことは否定できません。従つて国会が何をしたか知らぬというような考え方は、国会の権威を失墜するもはなはだしいものであると思う。少くとも当時の委員会の速記録を十分御研究いただき、三億六千万円の予算の配分についても再検討をしていただく、こういうことをお願いしたいと思います。あなたにこれ以上お尋ね申し上げることを遠慮しますが、どうか民主的な文部大臣としてあなたの御努力を一層お願い申し上げて、この法案に対する新しい角度からの御検討、さらに実施上についての計画的な成果を上げられることを、希望して私の質問を終ります。

川島正次郎自由党委員長

○川島委員長 受田君に申し上げますが、自治庁の政府委員が参りましたので、昨日の御質問を続行願います。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 ちよつと関連して、文部大臣に質問いたします。受田君のただいまの質問に関連しまして、文部大臣に御質疑を申し上げます。実はこれは本人事委員会というよりも、あるいけ文部委員会において討論すべきことかもしれませんけれども、私どもはやはり地方公務員あるいは国家公務員の中に入つておられる教職員の給与を審議する一人として、文相にその所信をただしたいと思うのでございますが、この給与の三本建の法律の制定に関しまして、ただいま全国的に非常な混乱が起きておるということは、受田君から十分説明があつたと思うのでありますが、この混乱の原因はこの法律に反対したために、その反対した者がいたずらに反対しておる、こういうような御意見が文部大臣からあつたと思うのでありますが、文部大臣は現在の日本の教育界に起きておりますところのこのような混乱を、ただそれに反対した者が現在もまだ反対しておるのだ、こういうようにつかんでおられるのですか、その点をひとつお伺いいたします。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 私は現在地方で非常な混乱が起つておるというふうには聞いておりませんが、しかしこれに反対した人がそういう混乱をさせておるというふうに申したようには思わぬのであります。私はそうは思わないので、これはなるほど当時反対の意見はありました。これは国会においてもありましたし、それから国会の外の関係方面においてもあつた、これはよく承知しておりますが、今日まだ基準が示されてから、きわめて日が浅いのでありまして、それぞれの地方、あるいは県会の議決を経るとか、それぞれの手続をしてこれはその条例なりその他の方法で、措置が講ぜられるものと思つておるのでありまして、実は非常に大きな混乱が今起つておるというふうには、私はこれはあるいはうかつであるかもしれませんが、さようには承知しておらないのであります。ただ財源の関係もあるものでありますから、必ずしも反対したからというのでなしに、あるいは県会の方に難色がある。現に私も、東京都の財務局長ですか、その方へひとつ早くこしらえるように私からも口をきいてくれぬかというようなことを実は頼まれて、そのままになつておりますが、そういうわけで、必ずしもその当時反対した人が反対しているのだというふうには思つてないのです。それぞれの地方にいろいろの事情があつて、これは財政措置ですから、地方としてもなかなか財政的にやりにくいということもあろうかと思いますので、そういう意味でいろいろ事がはかどつておらぬ。出したものがすぐ待つておりましたというふうに、受取つてどんどん行くという状態ではもちろんありません。ありませんが、必ずしもそれが通つたからということでやつているとも、私実は思つておらぬので、もし私が先ほど申し上げた言葉のうちに、さように聞き取れるところがありましたならば、それは私の真意でありませんから、さよう御了承を得ておきます。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 今の文部大臣の御答弁で、私は了承いたしました。先ほどの大臣の答弁の中には、自分たちが法律に反対したために、その法律が通つてもなお反対のための反対がある、こういうことは非常におもしろくないというようなお答弁をはつきりされた。これは記録をごらんになるとあると思うのです。私はこれは容易ならぬ言葉であると思つて、私自身も記録したわけでございます。そのような趣旨でなかつたということは、ただいまの答弁ではつきりいたしました。現在起きております混乱——と申しては少し大げさかと思いますが、この法律がなかなかスムーズに行かない。その一半は、大臣の御答弁にもありましたように、財政的措置というようなこともありましよう。なおかつそれ以外に、私はやはりこの三本建の給与法自身の中に、将来の日本の教育に対する非常なる不安、混乱というものが、多分に内蔵されていると思うのです。それはやはり都道府県の教育委員会が一致して、これには賛成をいたしておりません。なお小学校長会、中学校長会が反対しているということは、文相もよく御存じの通りであろうと思うのでありますが、特に先ほど受田君から話がありました特殊学校の中の混乱及び中学校、高等学校間の人事交流における混乱、このようなものは現在は出ていないでありましよう。しかしこれは来春の新学期を迎えての人事交流というときには、当然非常な混乱がここに生じて来る、こういうふうに考えるのであります。特にこの法律の成立しました場合にも、私はその点を強調いたしたわけでございますが、あの新しい中学校の制度ができまして、旧制中学校——今の高等学校ですが、そこにおられた優秀な教員諸君は、この新学制のために挺身して、進んで新しい六・三・三制の中学校に勤務し、しかも長い間かかつて今の日本の新学制の中学校の部を建設して来ておられる。こういう人たちは、あらゆる条件において、資格において、高等学校の先生と何ら選ぶところがない。そういう人たちの上に、やはりこの法律は非常な不利益を来している。これは一つの例にすぎませんけれども、これはやはり日本の文部行政の上において、今後大きな問題を投げかけて行くものであると思うのです。ただいまの受田君の質問対する大臣の答弁を拝聴いたしておりますと、この法律は国会が国会の意思によつてつくつたのであつて、文部省はその国会の意思によつてできたところの法律を忠実に実践するだけである、もし矛盾なり不合理があつたら、国会がこれを国会の意思でかえるよりほかにないのだ、こういう御答弁でございますが、これは私は日本の文教の担当者として、はなはだ見識がない答弁じやないかと思うのであります。これは実施してみて、そのような矛盾なり、日本の教育界全体に混乱が生じるというような事態が生じましたら、あなたは日本の文教政策の最高峰におられる責任者として、謙虚な気持で、やはりこのような矛盾した法律というようなものについて、文部省自身の考えをはつきり出して、そのような不備を改正するというような意図があつて、しかるべきだと思うのでありますが、この点に対する文部大臣の見解を承りたい。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 この三本建の法律におきまして、その基本的な考え方として、学校の職域差を認めたという点、これはもちろん論議があつてしかるべきであり、これがいわゆる賛否のわかれるところであると思います。そこで私が先ほど申しましたのは、とにかく法律として制定したのだから、これをとにかく実施しなければならぬ。それに必要な措置——規則をつくるとか細則をつくるとか、そういう点の措置はどうしても講じなければならない。そこでまだこれはこれから実施しようというものでありますから、実施した上で、これがはたして結果において、内容的におもしろくないのだという考え方に到達すれば、私どもあらためて改正の法律案を国会に提案をして御審議を願うであろうし、また国会自身が不適当とお考えになれば、これを改正する手続をおとりになるであろうと思う、こういうことを申し上げたのでありまして、これは速記録を調べていただけば、はつきりそう出ているはずであります。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 文部大臣の明確なる御所信をお聞きいたしまして、私は安心をいたしました。とかく大達文政に対しての巷間の批判を聞くわけでございますが、あなたは日教組というものを対象にして、これをのみと言つては語弊がございますけれども、何と申しますか、これを目のかたきにして文政を立てておられるというような批判があるのです。どうかこういうことは大きな一国の文教政策をつかさどる責任者といたしまして、そのようなことは、もちろん万々あるまいと私は思うのでありますが、やはりこれは日本の教育推進という面から、この法律に矛盾、不合理があるとするならば、これを改めるにやぶさかでないという態度を、文部大臣がとられることを切に希望いたしまして、御要望を申し上げる次第であります。

川島正次郎自由党委員長

○川島委員長 岡良一君。

岡良一日本社会党(右)

○岡委員 実は私は小笠原大蔵大臣にお尋ねいたしたかつたのでありますが、またそれと関連して自治庁の鈴木さんにもお伺いしたいと思います。小笠原大蔵大臣が予算委員会の都合上退出をいたさたましたことは、私はまことに残念に思つておるのでありますが、この機会に委員長にお願いをいたしておきたいと思うのです。委員長にお願いしておきたいのは、御存じのように今度の国会は何と申しましても、やはり給与改善等の予算が中心となつているのであつて、われわれはこの法律を審議する以上、特に厖大な予算を伴う法律の執行についても、その責任者である大蔵大臣の、いろいろとわれわれの納得の行く御答弁なり説明がない限りにおいては、われわれもこの法律を責任を持つて審議することができないというのが筋道であろうと思うのであります。そういうわけでどうかこの法律の審議に際しては、ぜひとも大蔵大臣が、少くとも一日ぐらいはこの委員会に出席をされて、十分に政府の意のあるところ特にこの法律の執行にかかる具体的な数字の問題の責任については、われわれの納得の行く説明なり、答弁があつてしかるべきだと思う  ので、この点は委員会の運営上においても、私どもとしてはぜひとも大蔵大臣にあらためて出席をしていただいて、われわれの意のあるところを十分に説明をし、われわれの了承を得るまでの努力を、政府としては払つていただきたい。それはたとえば給与改訂の問題は、今法律案として出ておりますが、来年の一月になれば米価が値上りになり、電力料金が値上げになり、あるいは運賃の中でも通勤バスが値上げになるというようなことになれば、これはただちに給与改訂そのものの実行に関する重大な事態が起ろうとしておるのであつて、こういう問題、政策との関連において、私どもはこの法律案の審議をするというのが、委員の職責上からも当然のことであろうと思うので、ぜひともひとつ委員長の方においては、こうした問題の執行にかかわる国の経済施策なり、国の財政施策なりに関連しての責任ある大蔵大臣の出席を求めて、なお一度あらためてこの法律案を大蔵大臣とわれわれ委員会とが、十分に審議し得るような機会をつくつていただくことをお願いをしたいと思います。それで実は大蔵大臣に対する質問と関連をして、自治庁の鈴木さんにお願いをしたいと思つておつたのでありますが、そういうことで根本の大事な大蔵大臣が退出をされましたので、私のお尋ねする向きもきわめて小範囲な、事務的なものでありますが、一点だけお伺いをいたしておきたいと思います。  それは一昨日もお伺いをいたした点でありまするが、一昨日の御説明によれば、この給与改善に伴うところの地方の財政需要は大体百五十余億である。その中で交付金を交付しなくてもいい府県等が大体三十億ばかりの金になるので、残り百二十余億の中で二十数億というものは、義務教育国庫負担法によつてその法律の肩がわりをして、地方需要に応ずることになる。そこで結局九十余億ばかりの数字というものが、直接地方団体のこの給与改善に伴う財政需要になる、こういうことから昭和二十八年度分の地方財政平衡交付金の単位費用の特例に関する法律案を出すという御意思であり、また現に昨日私どももその法律案をいただいておるのでありますが、そこでこの前提といたしまして、一昨日もるるお尋ねを申し上げておつたのでありますが、国としてはこの九十余億の中で二十一億は地方団体の税金の自然増収によつて、これは支弁され得るものであるという見通しの上に立つて、この平衡交付金の単位費用の特別に関する法律案をもつて結局地方団体に交付するものは七十一億ばかりである、こういうふうに御答弁になつたと記憶しておるのでありますが、この七十一億というのは一体、七十一億と二十一億——七十四億ということになつたかと思いまするが、二十一億の地方団体が負担しなければならない部分、二十一億は負担し得るというこの自治庁としての積算の基礎を、私どもはもつと明確に承りたい、というのはるる申しましたように地方団体も財政上非常に枯渇を来しておるということを、われわれは目のあたり見ておりますので、一体二十一億は地方団体の税金の自然増をもつてまかない得るという積算の基礎はどこにあるのか、もし今ただちにお答えが願えないならば、これは資料をもつてでも各府県別なり、市町村別なりについてでも、できるだけ詳細に負担し得るのであるというような点について、私どもは納得の行く資料をいただきたいと思います。  いま一つお伺いしたいことは、この残余の七十三億か四億の分につきましては、そういうふうな実情から地方としては税収入の自然増をもつてまかない得るから、その残余の部分については、国がこの単位費用の特例に関する法律案をもつて、新しく平衡交付金を交付するということに相なつたのであるか、それとも国の財政規模なり、また財政需要の関係からいたしまして、このたびどうしても七十三億以上は出ないからという、いわば国の財政規模から割り出された七十三億であり、従つて七十三億がきまつたら、地方負担は自然増をもつて二十一億をまかなつてくれるように期待するというような逆算的な形において、国の負担分がきまつたものであるかどうかという点、これが第二点。  第三点といたしましては、単位費用の特例に関する法律案について、ここには簡単な説明が付されてありますが、これもこの法律の地方においての執行上非常に重要な問題でありますので、自治庁の方のもう少し詳細な御説明をこの機会に承りたい。この三点についてお願いをいたしたいと思います。     〔委員長退席、田中(好)委員長代理着席〕

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木政府委員 第一点のお尋ねの税の見積りの問題でございますが、これはたしか地方財政計画を今朝御配付申し上げたと思うのでございますが、それの一番最後のところに税収の見積りが書いてございます。この税収の見積りは昨日もそれに基いて御説明を申し上げたのでございますが、この地方税の税収の見積りの資料で概略御説明を申し上げますと、府県の方が十三億六千万円の増収で、市町村の方が四十一億九百万円の増収である。この増収を見込みましたそれぞれの理由につきましては、たとえば府県のとつております事業税のうち、これは法人分と個人分がございますが、個人につきましては、最近の個人の事業税につきましては、前年度の所得が基礎になるのであります。これは所得税の実際の徴収の実績がだんだん明確になつて参りましたような関係から、明らかに個人事業税は減収になつておりまして、これは十九億の減収になると思います。一方法人事業税につきましては、国が今回の給与等の財源にも見込みましたことく、法人の収益が非常にこの下期におきましては増大をいたして参つておりまして、そういう関係でこれはたしか二十六億増収になるのであります。そういうものを相殺いたしまして、この表にございますように七億七千八百万円という事業税の増を見込んでおるのであります。また自動車税等がここで増になつておりますが、これは自動車の登録台数が、現実にこれも運輸省の系統のそれぞれの報告によりましてかような数字が出て参つておるのであります。また市町村につきましては均等判、所得割、法人税割、三通りの市町村民税がございますが、この均等割りにつきましても、納税義務者がその後ふえて参つております。また所得割につきましても所得の実績によつて、これは前年所得でとつておるのでありますが、これが先ほど申し上げましたように個人事業税の場合と同じように、だんだんと結果が明確になつて参りましたので、その関係の増収を見込んでおります。また法人税は国の法人税の増収の算定の基礎になりました法人の増益を、そのままとつて来て基礎にいたしておるわけでございまして、そういうものの総体の結果がここにございますように市町村民税は十九億七千五百万円の増収であるということになるのであります。また固定資産税につきましては会社、工場等の償却資産の増設が、その後どんどんとふえ参つておりまして、その関係の分のみを十一億計上いたしておるのであります。また電気ガス税が九億増収になつておりますが、これも電気がこの生産計画が変更されまして多く増産されることに相なりましたので、価格の一〇%いとう一定の税でございますから、これも当然にふえて参るのであります。そういうようなことで計算をして参りましたものが、ここにございますような地方税について五十四億七千万円、こういうことになるのであります。この地方税の増収が、この財政計画全体といたしましては、一番最初のページの一番下のところにございますように、同上不足財源補填方法というところの一番最初に、御承知のように地方税が五十四億七千万円、こういうことになつておるのであります。今回の財政計画では、ごく簡単に申し上げますと、給与引上げ、期末手当、あるいは学校建築の増、道路の舗装の増といつたようなものが主要なものでありまして、一番右の下の欄にありますように、地方負担として百四十五億七千万円いるわけであります。そういう経費に対しまして、地方財政においては何を一番先に見込むかと申しますれば、これはやはり地方税であります。地方自治でございますから、当然に地方税で補填をいたし、それによつてもなお補填し得ないようなものを、事業の性質、経費の性質によつて、あるものは平衡交付金、あるものは地方債をもつてまかなう、こういうことになつておるのでありまして、今回は百四十五偽の所要経費に対して五十四億を税の増収をもつて充て、残りの通路とか学校の閥係のものは、これは永久的な事業でございますから、地方債の増額を十五億いたしまして、爾余は主として給与関係の経費でございますから、七十六億の平衡交付金を見込んでございます。そういつたことでございまして、この税の見積りというのは、要するに全体の財政計画の問題になるわけでございますが、自治庁といたしましては、この点について関連するところはないというふうに考えておるわけでございます。  それからその次に、まずあらかじめ国家財政の要地から、必要な平衡交付金の額というものがきまつて来て、それからあとはまた税に押しつけたのではないかというような御印象でのお話のようでございましたが、これは今申し上げましたように、地方財政平衡交付金制度の建前が、今回の〇・五の増額あるいはベース・アツプの所要経費はいずれも平衡交付金の単位費用の中に算入をいたしておるわけでございまして、それと一方各税のあるべき収入というものと見合いまして、足らない分が平衡交付金になるわけでございますから、これは税の増収というものが、一時的に地方のかような経費の材源になるのであります。従つて、財政計画で大蔵省と折衝いたします際におきましても、税の増収がどれだけあるかということをまず第一にはかりまして、その爾合のものにつきまして、どうしても足りない財源として、これたけは平衡交付金がぜひ必要である、起債もこれだけ必要である、こういう経緯でこの七十六億という数字が出て来ておるのであります。  なお昨日の、給与改訂に関する地方財源はどういうふうに措置しておるかという点のお尋ねにつきましては、これもけさほど別紙の資料で一枚刷りのものを御配付申し上げたはずでございます。今の財政計画は全体の問題でございますが、これを給与だけについて抜き出して御説明を申しますると、昨日も申し上げましたように、給与改訂の経費が六十三億九千九百万円、期末手当が九十二億七千二百万円、両方で百五十六億七千百万円、このうち超過財源等によつて掛直すべき額が三十億五百万円。これは東京とか大阪とかいつたような平衡交付金が参らない団体の給与関係の経費でございまして、こういうところでは、いわゆる超過賜源と俗に称しておりますところの税収をもつて、これに充てるべきものでございますから、平衡交付金の算定の基礎になるものからはこれは抜くのであります。それから三番目の、差引額が従つて百二十六億六千六百万円、一方教育職につきまして義務教育費国庫負担金が二十九億五千三百万円でありますので、それを差引きますと、結局九十七億一千三百万円の純粋の地方負担になる財源が必要である、こういうことになるのであります。これに対しまして地方税が二十一億一千三百万円見込まれまして、交付金の方が七十六億、こういう資源措置をする、給与の方だけ抜き出してみますと、こういうようなことに相なるのであります。この地方税は、その次の欄にございますように、府県では七億六千八百万円、市町村は十三億四千五百万円のものが、この給与関係の財源として見込まれるということになるわけであります。こういうような財源措置に応じまして、第三のお尋ねの地方財政平衡交付金法の単位費用の算定をいたしておるのでございます。すなわち、地方財政平衡交付金法におきましては、それぞれの経費につきまして、あるいは人口によつて、あるいは生徒数によつて、費日の算定をいたしておるわけでございますが、そのうちの単位費用につきましては、〇・五の期末手当の増額の経費とそれからベース・アツプの経費を加えまして、さらに先ほど来問題になつておりました高等学校教員の給与三本建に伴う分もあわせて、今回の平衡交付金法の改正法案の単位費用の改訂の中に入れておるのであります。従いまして、この単位費用は、結局、府県、市町村が支出いたしますいわゆる標準的な経費に対しまして、最低の財源を保障するという建前でございますから、従つて、実際の経費よりは低い線で考えている。と申しますのは、税収の算定の基礎も、府県の場合には八割、標準税率八〇%、市町村の場合には七〇%というものを基礎にして考えておりますから、そういう税収入と、今回増額になりました七十六億の平衡交付金のうち百分の八が特別交付金にまわりますので、残りの七十億——百分の八が大体六億ほどになりますから、七十億というものが、普通交付金の算定の基礎になるのであります。すなわち、この七十億と、今の税の増収のうち給与関係だけで申しますと、この二十一億というものが、財源の単位費用算定の基礎になるわけであります。それだけがまた歳入の方で見られる、こういうことになるわけでありまして、それを各団体の財政需要・財政収入に当てはめて見て行くわけであります。従つて、災害等で税収がない、あるいは税の増収が全然見込めないというところでは、結局給与関係の経費は全部平衡交付金をもつて充てる、こういうような結果になるわけでございます。

岡良一日本社会党(右)

○岡委員 御説明は十分わかつたのでありますが、御説明に関して二点だけ、お尋ねをいたしたいと思います。実は、今の御説明の中でも、地方の税金の増収部分については、数字をもつてお示しでございますけれども、このお示しの数字がはたして正しいといたしまして、——これは前にもお尋ねを申し上げたわけでございますが、実は私ども地方の市町村なり府県の実情を見てみますと、本年度は暫定予算、暫定予算で八月まで来た。しかも水害、冷害その他に伴う復旧事業についても、事業指示もまだ十分来ていないところがたくさんあるというようなところからいたしまして、地方財政の県独自の、市町村独自の事業等よつて、現金収入を何とかその市町村なり、府県の災害地域に出そうというようなことで、十二月の予算編成においては、私どもの見るところでは、そうした地方団体の独自の事業に予算をさこう、自然増収を過大に見積つてでも、さこうというような傾向が非常にあるのではないかと思うのであります。もしそういうことであるとすれば、もうすでに十二月の今ごろでは、地方団体の当局では、そういう方針において予算の一応の編成をしてしまつているし、従つてそれが、この十二月の中旬には、おそらく全国一斉に行われるであろう、都道府県議会なり、市町村議会においても、議決されるというようなことになつて来ると、そこに自治庁の英断によつて、自然増収分のうち、給与費にまわし得る分に食い込んで来るというような事態が起りはしないか。これを政府とすれば、厳としてできるだけ全部をまかなうくらいのことで行くのがほんとうではないか、こういうことを実は考えておりまするが、この点についての見通しについて、自治庁としては確信をお持ちなのかどうか。地方団体が再びこういうことになつて来たので、予算の修正なり補正をしなければならないというような事態になつて来れば、非常な混乱も起るわけでもあり、何か給与ベース改訂によつて、県民なり市町村民なりが大きな負担を受けておるというような印象を与える結果になろうかと思いますので、その辺の見通しはどうかということと、これはこの間お尋ねをいたしましたが、さらに重ねてはつきりとしておきたいのは、いよいよ二十八年度分のこの平衡交付金の単位費用の特例に関する法律案が出るといたしまして、その場合にこれが通過し、いよいよこの金が交付される、それは大体二月ごろに交付されるという昨日のお話でありましたが、期末手当分については、いつこれを地方に支給せられるのであるかという点を、この際もう一ぺんはつきりと責任のある御方針をお尋ねいたしたいと思います。  それからなお御説明の中にありました、地方の法定外普通税の問題でありますが、最近都道府県が財政の窮迫から、決定外普通税を随所に設けようという傾向があつて、これが府県民の大きな負担になろうとしておるということは、自治庁の方でもお認めのことと実は思うのであります。法定外普通税そのものの概念についても、学者の間でもいろいろな意見があるようでありますが、専門的な議論はさておきまして、こうして給与費の大幅な負担などから、府県財政なり市町村財政のウエートにおいて、給与費が非常に大きなウエートをますます持つて来るというようなことからいたしまして、このいわゆる法定外普通税によつて、財源をまかなおうというような傾向が、府県に出て来るということになると、せつかく国の所得税で基礎控除が引上げられたり、あるいは扶養控除が引上げられたりというようなことで、とにかく多少とも税の軽減が意図されておるときに、この軽減された同じポケツトから、法定外普通税の名のもとに、今度はまたその都道府県が地方団体が吸い上げて行くということでは、何もならない結果になろうとするのであるが、こういう法定外普通税について、今後給与費の大幅なエートを、地方団体の財政の中に占めて来るというような事態から、法定外普通税というようなものが、いよいよ自治庁へ認可を申請して来る都道府県が多くなつて来るのではなかろうか。またそれに対して自治庁としてどういうふうな方針で対処されんとせられるのであるか。こういう三点について、あらためて伺いたいと思います。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木政府委員 今年度の地方税の増収が見込まれるにいたしましても、その地方税を、本年は災害等で地方の財政もなかなかたいへんだから、現実にすでに使つてしまつておつて、給与の方にまわすことはむずかしくはないかという御質問が第一点であつたようでございますが、この点は団体によりましては、税の増収をすでにさような方面に使つておるという団体もあろうかと思います。ただ税の増収が見込まれ得ますような地方団体は、やはり比較的財政上の見地から申しますと、弾力性の多い地方団体であると思うのであります。従つてそういう増収の一部を、すでに他にまわしておるような団体でありましても、災害とかそういうようなところで、税がむしろ減額になり、あるいは免除しなければならない。従つて減収が相当あるというような団体に比較いたしまするならば、やはり今回のこういうような給与改訂につきましては、むしろ何とかやりくりがつくのではなかろうかと考えておるのであります。私どもは災害関係の非常に深刻な団体等におきまして、税収がない、そういうような場合に、平衡交付金の算定で税収があると算定されて、従つて給与財源に事欠くというようなことがあつてはならぬと思うのでありますが、平衡交付金の普通交付金の算定は、一定の基準で参りますので、災害による税の減収というものが見込まれないのであります。そこでこれは特別交付金によりまして、そういうものに対しましては特別交付金をまわす。また先般の国会で通過いたしました地方の起債の特例法がございますが、これは政府が償還するための元金も利子も、ともに国庫金を貸付けてやる、こういう性格のものでございますから、借金ではありますが、実際は交付金と同じ性格のようなものであります。これを今年度は五十億と見込んでおりまして、そのようなものはその税の減免によつて生じた穴の補填にも使える、こういうことになつております。従つてそういうような特別交付金、あるいはさような起債の補填によりまして、災害等で非常に財政の苦しい団体に対しても、何とか措置ができるのではないかというふうに考えておるのでございます。  それから第二の点のお尋ねでございますが、交付金はいつ配分するかという点でございます。特別交付金は、これは法律上毎年二月中に交付しなければならない、こう書いてございますが、普通交付金は、本来ならばもうすでに八月三十一日にこれを決定して、交付することになつておるわけでございまして、本年はすでにそういう措置を講じたのでございますが、今回七十六億平衡交付金が増額になるわけでございまして、再び単位費用の改訂をして、全体の算定をし直しをしなければならないわけでございます。今回提案をいたしました平衡交付金法が、もし今回の臨時国会を通過いたしますならば、これは年内にできるだけ早く計算をし直しまして、今の期末手当等の増額支給に間に合うようにいたしたいというふうに考えております。  それから法定外の普通税に関してのお尋ねでございますが、これは法律上は地方税法の中では一定の税の種目を法定税として掲げまして、その他のものは地方団体が特に地方的なものとして、地方税を起したいという場合におきましては、自治庁長官の許可を受けて徴収することができるということになつておるのでございますが、これは私どもといたしましても、法定外普通税を、いかなる場合においても、何でもすぐ認めるという考え方ではないわけでありまして、法律の中にも、たとえば国内関税みたいなかつこうになるものはいかぬ、あるいは国税や他の地方税と課税標準を同じくして、住民の負担が著しく過重になるようなものはいかぬというような、許可をしてはならない条件が法律の中に書き込んであるのであります。従つてこういうような条項に該当いたしまする法定外普通税を申請して参りましても、自治庁としては法律上許可できないということになるわけであります。かような法律の禁止しておりますような種類の法定外の地方税ではなくて、要するに、法律上は可能であるようなものにつきましては、自治庁といたしましては、大蔵省の意見をあらかじめ聞きまして、法定外の普通税を許可するかどうかをきめるのでございますが、やはりその団体の財政の収入あるいは財政の需要の状況というものをとくと勘案をいたしまして、また住民の負担関係も考えて、どうしてもこれを許可しなければならないというようなものについて、許可するという大体の考え方を持つております。法律上やめられた税目が、これによつてただちに同じような形で復活するというような場合も、若干過去において例がございますが、そういう場合は、やはりその団体にどうしてもそうしなければならない特別の事由があるかどうかということを明らかにした上で、措置をするようにいたしております。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 今地方の臨時職員というのが、やはり中央と同じようにあるわけですね。これに対しては、地方に流される平衡交付金の支給基準の中に、その臨時職員は含まれておらないようであります。この点地方の臨時職員の期末手当というようなものに対して、地方の団体は、はなはだしく困つておるわけでありますが、それに対して何らか考慮せられたようなことがありますか。ちよつとお伺いしたいと思います。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木政府委員 常働職員につきましては、今回のベース・アツプに関連いたしまして、補助金を増額して、財源措置を講じておるわけでございますが、今の非常勤の職員の場合におきましては、たとえば臨時の事業のために雇用しておるというような職員、その他非常勤職員には、いろいろの性格のものがございますが、財政上の措置といたしましては、やはりさような工事費あるいはその他当該費目をもつて支弁しておりますような、そういう費目の負担になるものでございますから、従つて人件費の算定の上におきましては、当然には反映をして来ないのであります。その点は実際さように考えております。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 臨時職員の期末手当のごときものが、物件費などから差繰つて出されるというようなことになると、人を物として取扱われるという結果になるおそれがあるのです。中央においても、物件費でまかないをさせるような職員があります。物と人とは別なんでありまして、こういう点につきましても、人件費と物件費の区別をはつきりしなければならない。いやしくも人に支給する給与が物の中から出されるということは、まことにおかしな話でありまして、この点につきましても自治庁といたしましても、この期末手当の増額等に伴つて、臨時職員の期末手当を出す場合、常勤的性格を有する非常勤の職員、こういうものに対して何らかこの人々を助ける道を講じないと、財源措置の困難なる地方団体としては、一層困ると思いますが、これは考慮する道はありませんか。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木政府委員 地方財政計画の給与費の算定の基礎になつております地方公務員は、百三十三万でございます。この百三十三万の地方公務員は、必ずしも条例に定員がある、その条例定員のみをとつておるわけではございませんで、実際の地方公務員の数というものを過去の実績からはじき出しまして、それぞれ毎年の財政計画において、調整すべき点は調整いたしておりますが、そういうような基礎に立つておりますので、必ずしもただいま御指摘になりましたような、非常勤職員について全然財源措置がないということではなくて、今の地方財政計画の上に編み込まれておるものもあろうと私は考えております。ただ建前が、先ほど申し上げましたような別個の建前になつておりますので、当然には出て参りませんけども、総体の地方公務員の数の中には、相当程度入つておるかと私は考えております。しかし非常勤職員の問題は、それ自体としてやはりすみやかに解決しなければならない問題でございまして、任用の点におきましても、身分保障の点におきましても、また給与の点におきましても、ことに退職後の給与というような問題についても、いろいろな点で不均衡の点がございますから、自治庁といたしましては、ただ名目的な行政整理のために条例定員だけを合せる、これを非常勤職員で送り込んでおるというような例も、なきにしもあらずでございますから、そういうようなことでなく、やはり真実に合するように措置しなければならない。臨時的な事業に雇用される者は臨時職員で、非常勤であることはやむを得ませんけれども、そうでない行政事務に従事するような種類の非常勤務職員につきましては、やはりそれぞれ人事行政上処置すべきように処置しなければならないというふうに考えて、そういうことを機会あるごとに、私どもとしては指導しておるのであります。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 地方公務員のうちで臨時職員である人々のうちに、中央が考えておるような定員の中に入つている者もある、あるいは財源措置の中に入れてある者もあるというようなお話でしたが、こうなると、臨時職員の解釈はまちまちになると思うのです。府県によつては定員の中に入れるところもあろうし、はみ出るところもある。特に災害の多いところは、臨時職員を置く場合も多いでしようし、山林関係でもそういう場合が起ると思うのですが、自治庁として、全国の臨時職員の人員数等について、十分検討を加えて、定員のほかにどのくらいの常勤的臨時職員があり、非常動的性格を持つ常勤職員があるかというようなことについて、お調べになつたことがありますか。その数字がありますれば、これをお示しいただき、全国を通じて地方職員の中に、いわゆる常勤的性格を持つ臨時職員と、非常勤ではあるが、それが結局常勤になつておる職員というものがどのくらいあるか、一般労務者がどのくらいあるかというような数字があつたならば、それをお示しいただいて、今お話のように、不均衡である臨時職員を優遇する何らかの措置をとりたいというお言葉があつたわけですが、それの参考資料に資したいと思います。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木政府委員 ただいま御指摘の具体的の数字でありますが、私どもといたしましても、なるべくさようなものを収集いたしたいと考えて、すでにそういうことに着手いたしておりますが、まだ今日までは、お示し申し上げるような的確な基礎に立つた数字が集まつておりません。私どもといたしましても、すみやかにさような措置を講じたいと考えております。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 最後に、昨日の質問及び今日午前中の質問に関連するのですが、今度単位費用を引上げることについては、高校の職員が特に大きく引上げられたわけですけれども、この高校の職員の三本建給与実施のために要する費用の余りである九千四百万円というものが、自治庁の方の御見解では、高校のベース・アツプに振り当てるべきであるという観点から、その方にお出しになつた。あなたが自治庁としてそれを配分された責任者でありますので、特に念を押しておきたいのでありますが、あの余剰の部分は政府で自由に措置をしていいというふうにお考えになられたか。あるいはこれだけ多く余るけれども、どうもおかしいではないかというような疑点をおはさみになつたのではないか。もしおはさみになつたならば、これだけ余剰が出るのはほかに意図があるのではないかということを、国会にもお確かめになるような方途をおとりになるのが妥当ではないか。またこの点については、文部省とも人事院とも、御連絡をなさつたと思いますが、先ほど来申し上げました当委員会の審議の状況などから、この金の余るのがわかつておつて審議したのではないのであつて、はつきりとこの金は不均衡是正に使いたいという意思表示がされたことを十分御検討の上で、平衡交付金の中に、これをはさむことが妥当ではなかつたかと思います。この点について今一たびの御回答をいただきたいと思うのであります。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木政府委員 三本建関係の財源措置でありますが、これは地方財政計画の立て方から申しますと、国会で平衡交付金が、三億六千万円を含めた五十億が増額になつたわけでありまして、そこで地方財政計画といたしましては、歳入の面におきまして平衡交付金の増として五十億を立てたわけであります。そうして歳出の面におきましては、これは三億六千万という費目と申すと、ちよつと予算でございませんから性格が違うわけでございますが、そういうものを経費の項目として立てたのであります。しかし歳入の方には、国庫補助金でありますならば、国庫補助金といたしまして高等学校の給与改善のための経費として、特別に別建にするわけでございますけれども、そうでなくて平衡交付金の増額という姿であるわけでございますから、一般財源として区分せずに歳入の方で立てたのであります。歳出の方で三億六千万という数字を立てたのでありますが、この数字につきましては、私ども文部省に再三ににわたつていろいろ御相談申し上げ、お話がございましたように、数字が最後的に固まるまでにはいろいろないきさつがございました。そういう関係で十六国会が直後の地方財政計画におきましては、そういうような三億六千万という数字のままになつておるのであります。とにかくそういうことで歳入の平衡交付金の方には、その関係の費用がすでに既定の財政計画の中に入つておつたわけでございます。そこで今回給与改訂をいたします財源あるいは〇・五の増額の財源として計算をいたします際に、その三億六千万円のうち、一億円足らずの九千四百万円というものは、結局、今の高等学校関係の経費について、先ほど申し上げたわけでございますが、そういうようなものの一部に充当いたすということになるのであります。地方財政計画全体といたしましては、各種の経費で新たに需要として起りましたものをみな計上いたしまして、また税の増収がどのくらいあるかということを見込みまして、足らないところを平衡交付金として大蔵省に要求するわけでございます。従つて新たなる需要の算定の際に、今の給与関係の経費の一部は、その部分を差引いて計算をいたしたということに相なつておるのであります。従つて大蔵省としては、九千四百万円の相当の新たなる負担をすべきところ、そうではなくて済んだ、こういうことになるわけでございます。     〔田中(好)委員長代理退席、委員長着席〕

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 これはもつけの幸いであるというので、九千四百万円分をお預けにしたという点は、予算がいらなくて済んだというわけなんですね、ありがたいわけだということなんですね。この点政府としては、なるべく税の方でも国民に迷惑をかけたくないという点もあるし、またなるべく財源がいらないで済めばといういろいろな角度から、平素御活動しておられるわけでございますけれども、しかし国会ではもう三億六千万円の予算が獲得されておる。これはもう厳たる事実です。これを消すわけに行きません。ところがその三億六千万円の予算は実際は二億六千万円しかいらなかつた。あとの一億という莫大な金、これは三億六千万円を単位に計算した場合には、その三分の一に近い莫大な費用です。この莫大な経費が余つておるのはどうもおかしいというように感ずるのは、政府としても当然だと思うのです。従つて田中さんにここで念を押しますが、当時政府、与党間に連絡会議というものがあつて、常に予算の修正に関して政府代表と与党との両に、連絡折衝がされていたはずです。そういうときに国会の意思を十分尊重しないで、政府は独自の見解で、三本建のみならず、これを使つたあと一億足らずの金は不均衡是正に使おうという国会の意思を全然尊重しなかつた。人事院もこれに伴うところの不均衡是正をするために、初任給規定をかえたり、人事院細則の設定もしなかつたというようなことは、まことに国会の尊厳は傷つけられております。こういう点において、最近ことに政府、与党間の連絡協調に事を欠いて委員会の意思も無視せられ、また政府そのものも国会を無視して、依然として政府の独断専横によつて行政措置がなされ、予算配分がなされて、国会に何らお諮りがなくて、どんどん実施されておる。それで私たいへん残念なんです。政府はどうも国会が何をやつたかという十分の御検討もしないでおやりになるというくせがおありのようだし、一応予算を通すときは国会を尊重するが、それから先はわれわれの見解一つでやるのだという憂うべき傾向があるようですね。この問題は私は簡単には済まされないと思います。少くとも一億の金が宙に浮いておるような予算編成がされたり、国会審議がなされたり、予算の執行がなされたりしたならば、国民に対して真実をもつてその実相を訴えて、国民の批判をまつべきであると思うのでありますが、この点については、政府の連絡の衝に当る責任者であり、与党との間におけるあつせんの労をとられる田中官房副長官から、かかる事態が発生したことに対しての責任ある答弁を願いたいのであります。

田中不破三内閣官房副長官

○田中政府委員 政府、与党両の連絡会があり、それにおいていろいろとただいまの案件についても話合いがなかつたかというふうなお尋ねでございますが、私その会議にも出ておりませんし、承知していないのでありますが、いずれにしましても最後にお尋ねになりました国会の意思の尊重ということについては、従来も努力を続けて参つておりますが、今後も十分に注意を払つて参りたいと考えております。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 これは後刻また委員会としても考えなければならない問題であつて、私はこの問題をこのままひつ込めるわけには行かないのです。いやしくも国民の代表の一人として国会におりながら、行方不明の一億円がこの国会で審議され通過しておるというような事態を容認するわけには参らぬのです。これは政府当局から聞くと、全然国会の意思とはかわつた形で、この予算をお使いになつて恬然として恥じておらない。先ほど来の大蔵大臣の御答弁では、これはべース・アツプの方にまわしたのだとはつきりおつしやるし、また文部大臣は、われわれは初めからこれを三本建だけに使うのだから、余つた分を自由にするのはかつてだ、自治庁の次長もそうおつしやいます。ただ田中長官だけは、その間において連絡協調の責任をとるとおつしやるわけです。これはひとつ田中さん、この際国会の意思がどこにあつたかを速記録をお調べになつて十分検討していただいて、そうして政府において国会の意思を尊重するような措置をなさる責任があるのです。国会で当時審議した責任の委員は、ここにおられる人々です。ここにおられる人々が何を言つたかということをよく確かめ、参議院における質疑応答などの内容も見られたい。一億も余るようなそんなずさんな予算を国会が組むはずがありません。そんなでたらめな国会であつたならば、自由党は死して天下にわびるべきであり、改進党もこれに同調したのだからこれまた死して天下にわびるべきであります。ここんなずさんな予算編成をした国会の責任について、この際天下にわびるべきである。私の記憶では、そのときの国会は、多数をもつて余分は不均衡是正にまわすという意思であつたと思います。この点は委員長も御確認をせられておると思うのでありますが、これにのつとる予算措置がとられることを政府に要望する必要はないか、国会の意思とはかわつた方向に、この一億が使われたことを国会は容認するかどうかということを、川島委員長にもお尋ね申し上げ、またその間における連絡協調の任に当られた政府の最高責任者の御発言も願いたいと思います。この委員会の採決は明日まで延びるようでありますが、それまでに当時連絡の衝に当つた責任の人から、田中さんがお聞きになつてもけつこうですし、その人をお呼びになつてもけつこうですから、この人たちから納得のできるような意思表示をしていただきたい。これを納得しないままで、この法案を通すことは良心的な政治家として忍びないところです。その点はつきりした観点から御答弁いただきたいと思いますが、いかがですか。

田中不破三内閣官房副長官

○田中政府委員 先ほど申しましたように、いずれにいたしましても私自身十分承知していないことでございます。ただいまのお話は十分承りまして、国会の意思を尊重しなければならぬことはお話の通りであります。いずれ十分検討を加えたいと思います。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 これはきのうから国会の意思を尊重すると田中さんがお引受けになつておられるのです。きよう政府の責任者が答弁なさつたのです。もはやおちつくところへ参りました。しかも予算の審議は今晩のうちに片づこうとしておる情勢です。もはや時期は差迫つておるのでありますが、どうかこの法律案がこの委員会で採択される直前に、まず政府が今後考えているところをお示しいただいて、国会の意思をいかに尊重しようとするかをお示しいただいて、そしてわれわれは採決に臨みたいと思いますから、それをぜひお願いしておきます。  もう一つは、先ほど大蔵大臣にお尋ねいたしました、給与に関する各種の法律がばらばらであつて、内容に規定するところが統一されておらぬ。わけて罰則のごときは一般職の給与法には厳として二十五条に、先ほど森委員が指摘されたように、あなたを処罰するような規定までもここに書いてあるのです。そのときにほかの特別職の職員にはその規定がないのです。特別職はどういうことをしても処罰されないということになる。それから外務公務員の分の処罰されるが、保安庁の職員は汚職事件があつても、処罰されない、つまり給与に関するごまかしがあつても処分されないということになる。こんなばらばらな給与に関する法律というものは、国家としてすみやかに統制をせられなければならぬと思うのですが、これは今の大蔵大臣は給与に関する最高政府責任者であるが、国務大臣として何とか努力したいと言われました。これは官房長官の責任だと思うのですが、この給与法の罰則規定の統制をとること、あるいはこれを削除すること等に対してすみやかなる措置を願いたい。これは昨年の末に私がちよつと触れたのですが、すみやかなる措置をとると言いながら、今日まで一年間何ら手を打つておりません。この際この法律を出されるときに罰則を削除することを追加してお出しになる用意はないか。これは削つたつて国家公務員法の百十条に規定があるのですから、それを準用すればいいわけです。いかがですか、この際ひとつ削除の規定をお出しになる御用意はないか。もう公然の事実として削除する段階に来ておると思うのであります。

田中不破三内閣官房副長官

○田中政府委員 しばしば申し上げます通りに、給与関係の諸般の法律等につきましては、それぞれその法律が制定されるまでの経緯あるいは歴史、理由というものがあるはずだと思います。従いまして私自身が各般の給与関係の法律について、全部詳細承知しておるわけでございませんので、ただちに御希望の通りのことが可能なのかどうかという点は、もちろんただいまのところは自信がないわけでございます。けれども、先ほども大蔵大臣のお話にもありました通りに、十分研究に値するということでは、大蔵大臣自身も御了承になつたように思います。私自身もせつかく受田委員のただいまの御要望でございますので、十分検討を加えたいと思います。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 人事院としてのこの罰則に関する法解釈の責任ある発言を願います。

瀧本忠男人事院事務官(事務総局給与局長)

○瀧本政府委員 ただいま受田委員から、各種の給与法に罰則の統一がないというお話がございましたが、現行給与法の罰則というのは、もらう方を罰するわけではございませんので、支給する方に手落ちがありましたならば、これを罰しよう、こういう規定になつておるわけでございます。国家公務員法の今お示しの百十条に規定がございますが、これは給与法には及びませんので、従いまして給与法としまして、やはりそういう規定を今ただちにとるのがいいかどうかということは問題があるのではないか、このように考えます。われわれが勧告いたしておりまする給与準則におきましては、これは国家公務員法がもちろん優先いたしまするし、これに基いて準則をつくるわけでありますから、その効果が及びまするので、この給与準則の勧告案の中には、罰則は入れてないのであります。ただ現行給与法の罰則ということになりますると、現在その罰則の適用を受けた人があるかないかということになりますれば、われわれの知る限りないのでありまするけれども、そういう給与の支払いについて、支払いの側に立ちます者が、やはり心構えもしつかりしておらなければならないわけでありまして、その規定は存置させる方が、現行給与法の範囲では適当ではなかろうか、このように考えております。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 ところがこの法律の中に罰則規定のある法律は、在外公知の外務公務員だけしかない。あとのものは全然罰則がないのです。だからこれを削除するも何もないのですよ。従つて保安庁の職員の場合など、この支払いを怠つたりあるいは支払いを拒んだりした者があつても罰せられないわけです。こういうところへ罰則をつけるなら、全部つけなければいかぬ。削除するなら、全部削除するという形——一般職は国家公務員法の適用を受けるものだから、削除すればしてもよろしいと考えられます。ところがほかの給与関係の法律には、全然罰則規定がありません。罰則規定を新たに全部へ設けるのが妥当であるという人事院の解釈であるならば、すみやかに政府はすべての給与関係の法律に罰則を設けるべきである。設けざるとするならば、何らか給与に関する統一した法律でもつくつてやるとか、あるいはこの法律のどこかへ、国家国務員の第百十条の規定は本法にもこれを適用するとかいうような規定でも設けておくということにしないと、罰せられる職員と罰せられない職員とがあつて、はなはだ不均衡です。この点今政府自身が内部に大きな矛盾を暴露されたわけです。はつきり罰則のあるのは一般職と在外公館の外務公務員だけです。あとのすべての法律には罰則がありません。政府はここまで事実がはつきりして来ている以上は、どつちかの措置をとらなければならない。人事院としてはすべて罰則を設けるべきであるという解釈をなさいましたが、そういうことについて十分御検討の上、明日本委員会で採択する直前までに、本法の審議の最終段階に、われわれの賛否の大事な資料にしたいと思いますので、罰則をいかに取扱うかを、ただちに閣議においてでも——持ちまわり閣議でもけつこうですから、早急にやつてもらいたい。私が要望してから満一年たつている。そうして今給与局長の言われた通り、昨年法制局長官からもちよつと聞いたのですが、これによつて罰せられた者は一人もまだおらぬということです。罰せられた者が一人もおらぬようなことであるならば、この罰則は死した罰則である。死して済むならば、これは削除すればよろしいし、あるいはこれを設けるのがよければ、すべての法律に設けるべきである。この点いかが御措置なさいますか。

田中不破三内閣官房副長官

○田中政府委員 受田委員の御意見は、十分拝承いたしておきます。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 去年菅野という官房副長官がかたく約束されたのです。ただちに何か措置をとる、そうしたら一年たつてまた田中さんが同じようなことをここで仰せられる。わかり切つた大きな間違いをしておきながら、それをいつまでも直そうとせられない政府の怠慢に対して、私は追究したいのです。しかも、この給与関係の法律は、今一番大事なときであつて、来年になつたらまた一年延びますよ。今のうちにやつておかぬと直りませんよ。大急ぎでやらないと、今のあなたのお約束は反古になるということをはつきり申し上げておく。来年のこのごろにまたこれと同じようなことが繰返されるおそれがある。わかり切つた間違いですから、すみやかに明日のこの委員会の採択の前までに、政府の意向を確かめていただきたい。これを私は、善は急げという立場からも、官房副長官の全力を振つて二十四時間以内の御努力を御要望申し上げまして、質問を終ります。

川島正次郎自由党委員長

○川島委員長 岡君。

岡良一日本社会党(右)

○岡委員 副長官にお尋ねいたしますが、けさの新聞で三公社、五現業の期末手当については、政府の方で国家公務員並に取扱おう、あるいはまたこれ以上それぞれの現業、公社内における経理に従つて団交によつてのプラス・アルフアを認めていいというような方針であるかのごとき報道が伝えられておつたのであります。この点政府としての方針はいかがなものでしようか。

田中不破三内閣官房副長官

○田中政府委員 岡委員のせつかくのお尋ねでございますが、私まだいろいろとそういうふうなことを聞き得る時間もございませんために、まだ伺つておりません。従つて承知いたしておりません。

岡良一日本社会党(右)

○岡委員 重ねてお尋ねをしたいのですが、国家公務員並の期末年当というものを三公社、五現業が認められ、しかもそれぞれの現業官庁内部における経理に即応して、いわゆるプラス・アルフアというものが認められる、いわゆる弾力方式というものの幅が与えられるということになると、私どもの承知しておる限りでは、おおむね一・五ないしそれ以上の期末手当が実質的に行くことになる。おそらく三公社、五現業の中で六以上のものはそういう状況になる。そうすると国家公務員なり三公社、五現業なり、いわば公務員に準ずるような立場において、それぞれ働いておる者における期末手当に非常な不均衡ができて来る、こういうような事態になることは、われわれ衆議院としてもきわめて遺憾であろうと思う、政府としても同感であろうと思うのであるが、こういうような事態がもしあり得るとするならば、当然に政府の見解をやはり官房としても十分確かめて、この改正案に盛られておるような一・二五というふうなものは、当然これは一・五に引上げ、あるいは引上げるような方針を立ててもいいのじやないか、こう思うわけだが、この点について副長官としては、どう思われるか。

田中不破三内閣官房副長官

○田中政府委員 御承知の通りに、この三公社、五現業に関しまする昨今の問題は大きな問題でございまして、それに関連しましていろいろろただいま御質問のような点も起つて来るわけでございます。従いましてこれは大きな方針として、各関係大臣において協議決定されなければならないことと存じます。何しろ私これら関係大臣と接触いたしまする時間がなかつたために、どういうふうな方針になつており、またあるいはどういう方針を決定されんとしておるか、あるいは決定しかけておる場合に、どういうような点を考慮せられておられるかというような点については、何も承知しておらないのでありまして、その点はどうかあしからず御了承を願いたいと思います。

岡良一日本社会党(右)

○岡委員 そこで私はただいま提出されている法律案の審議に関し、議事進行として特に委員長にお願いいたしたいのでございますが、三公社、五現業に対する期末手当の方針が、政府として大きく切りかわるということは、われわれの審議しているこの法案と重大な関係を持つている。そういう意味において政府の責任ある方針というものを承つて、その基礎の上に立つて、期末手当についてはあらためて考えねばねらぬ。先ほど申しましたこの法律案の執行に責任のある大蔵大臣と、緒方副総理の出席を求めて、本委員会としても慎重に審議をいたしたいので、この機会を提供されるようにごあつせんを委員長に特にお願いいたしておきます。

川島正次郎自由党委員長

○川島委員長 今大蔵当局が見えますから、このままで待ちましよう。——石山權作君。

石山權作日本社会党(左)

○石山委員 私、大蔵当局の御出席をおとといからお願いをしていたわけでございますが、なかなか出席がいただけたくて、まことに残念だと思つております。で、給与の問題に関する限り、私はやはり官公の方々に対しては、人事委員会が最も責任のある地位にあると考えている。そして今回のこの給与案は、人事委員会の手から離れまして、政府当局と大蔵当局で立案された案に変化を来しているのでございます。もし人事委員会をば重視して、人事委員会が官公の給与に関して一番の権威があるというぶうな見解が出るとするならば、大蔵当局は率先して案の過程なり性格なりをば、説明する必要があつたと思う。義務があつたと思う。しかるに属僚である一給与課長を毎日出しておいて、だれも責任のある地位の者が顔を出さないということは、大体最初から大蔵当局は官僚性を発揮して、当委員会をなめているのではないかというような印象を受けた一人でございます。私は小笠原さんに対して幾多の質問を用意して来たのでございますが、お忙しくてお目にかかれなかつたのでありまして、あなたが政府委員として出て来ましたが、あなたは若い人でございますから、たいがい社会主義的な思想に対しては御理解があると思うし、論争の種はおおむねお聞きかと思うのであります。しかしあなたたちの大きなな基本だけは二、三聞いておいた方が、あすの採決の場合にも非常に役立つのではないかと思いまして、一応お聞きしておきますが、人事の勧告案と目される問題に対して、政府はいささか戸惑つている。足ぶみをしているというのが、今回の大蔵当局から出された案だと思つております。なぜ人事院が考えていた案を実施できなかつたか。その理由は、たとえばインフレを押えるためだとか、あるいは財政の上から見て、その財源がどうしてもなかつたとか、あるいは再軍備が非常に忙しくなつたために、その方に多くの費用をさかなければならない段階に追い込まれたとか、いろいろ理由があると思う。その理由をひとつあげてみていただきたいと思います。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局次長)

○正示政府委員 お答えを申し上げます。この委員会に出席をしなかつたというおしかりでございまするが、実は給与の問題につきましては、私どもも自分たちの問題として、もとより非常にこれは重大な関心を払つておることは、石山先生御承知の通りであります。ただ予算の関係であちらこちらと委員会がございましたので、こちらに出席ができなかつたのは、まことに遺憾に思つております。しかしお言葉のうちに属僚給与課長というお言葉がございましたが、これはもうとんでもないお話でございまして、実は私どもの大蔵省の中で、給与の問題については、主計局給与課長ほど詳しい者はおりませんし、また当人事委員会との関係におきましても、最も縁故の深い方なのであります。それから属僚とおつしやれば、私もまさに属僚の一人でございまして、しかるがゆえに議員の方々にも十分御理解いただいて、われわれ属僚の給与を上げていただくようにお願いいたしておる一人でございまするから、この点をまずお断り申し上げたいと思うのであります。  今回人事院の勧告につきまして、先般の臨時国会以来、この勧告を実施することについていろいろ内閣におかれて御苦心の結果、今回の案が提案になつた次第でございます。ただいま石山委員から大蔵省が決定をしたとおつしやいましたが、これはまつたく事実に相違いたします。内閣が閣議において決定した上でお出しになつたものでございまするから、この点もさように御理解を願いたいと存じます。  ただ私ども財政の事務をあずかる者といたしまして、ただいまたいへん国家公務員に対し、御同情のあるお言葉を賜わりましたので、その関係につきまして、どうして今回のような案になつておるのかということを、財政事務当局の立場からも一言申し上げたいと思うのであります。先ほど大蔵大臣が参られてのお言葉は、これはまさに大蔵大臣としての抱負をお述べになつたのであります。しかし私ども事務をあずかつております者の立場といたしましても、今回のこの給与改訂に関する補正予算というものにつきましては、まことに並々ならぬ苦労をいたしております。先般の臨時国会において、これはなかなか実施できないということを、関係の方々からも申されたのでありますが、これはまつたくうそ偽りのないところであつたのであります。先ほども大蔵大臣のお話の中にもありましたが、本年ほど国が節約ということを、たび重ねてやつた年はございません。最初の予算の提案に際し、また三派の共同修正に際し、先般の補正第一次に際し、今回の補正第二次に際し、四度にわたりましてまことに大幅なる節約をいたしておるのであります。そのためにある官庁はエレベーターをとめ、ある官庁は自動車の制限をいたし、電話を制限するというようなことまでいたしておる次第であります。かようにしまして財源の一端を捻出いたしておりますことは、先ほどもお話になつた通りでありますが、これらのことはすみやかに、とりもなおさず私ども事務当局にも、その影響が来ておる次第であります。しかし何としても今回の補正予算の特質は、現在までに起つた事態をうまく処理していただくための予算であると、私は事務当局の一人として信ずるのであります。米の問題にいたしましても、生産者価格がすでに御承知のように上つておる。給与の問題にいたしましても、民間給与がすでに今日相当の引上げを見でおる、生計費もまた上つて来ておる、こういう事態に対処するために、財政的には最小限度の手を打ちまして、しかも今後さらにこのインフレ的な傾向を悪化させないということが、財政をあずかる者としての最も大事な点であるかと存ずるのであります。そういう点に配慮いたしまして、事務当局としましても大臣にいろいろ申し上げ、また最終的にはいろいろな方面の意見を聞いて、閣議において御決定に相なつたものと存じておる次第であります。もとよりわれわれいただく立場といたしましては、金額の多いことを望む点において、人後に落ちるものではございませんが、しかしたくさんいただきすぎて財政インフレになつて、われわれ自身の生活の基礎が破壊されたのでは、これまたあぶはちとらずでございます。この点は賢明なる石山委員つとに御承知の通りでございますので、私どもといたしましてはさような事態に対処いたしますために、最も副次的な作用の少い、いわゆるインフレ的でないところの手段によりまして、私どもの切実なる給与の引上げの要求をいたしていただく、こういうことでこの問題が処理されておるものと信ずるのであります。一言お答え申し上げます。

石山權作日本社会党(左)

○石山委員 大蔵大臣が常に説明の一つの要素として用いる言葉は、これはあきるほど言つておるのですが、均衡予算ということであります。その次は通貨の安定、これは行政の一つの技術だと私は思う。その意図するところは産業の基礎を確立し、その繁栄を願うことであると思うし、国民生活の向上であると思う。しかるにこの均衡予算と通貨の安定という二つの題目を私たちは必ずしもそのままうのみにできない。ということは、第十六国会において幾多の補給金を大会社、大企業へ出しておるということがあるのであります。その金額と今回のあなたが憂うるところの人件費によるインフレということとにらみ合せてみた場合に、私はそこに矛盾があるというように考えますが、あなたはどういうふうに考えられますか。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局次長)

○正示政府委員 今日財政補給金というものは、かつての日本がいわゆるインフレの悪化の過程をたどつておりました時代に比しまして、大幅に制御されております。ほとんど私どもとしては財政補給あるいは価格調整というようなものは、外国から輸入する食糧の補給金というものが最も大きなものであつて、その他は大体整理されたものというふうに考えます。     〔委員長退席、永田委員長代理着席〕 今御質問の御趣旨は、今後の財政の心構えとして、そういうことを再びやるというようなことはないかということかと思うのでありますが、私どもの立場といたしましては、補給金を出さねばならぬというふうに経済の基盤というものは、非常に脆弱なのでございまして、そういうときこそほんとうにインフレヘの危機にある、こういうふうに見なければならぬと思います。幸いにして今日——きようも予算委員会で多少上向き横ばいというふうなことを、大蔵大臣等も言つておられるのでありますが、確かに今まで物価がある程度上向き的な傾向にあるということにつきましては、たびたびの御警告につきまして、私ども事務をあずかる者といたしましても、十分これは警戒しなければならぬと考えるのであります。将来補給金をどんどんふやして行くというふうなことは、そういう立場からは厳に戒めなければならぬと思うのでございますが、しかし先ほど申し上げましたように補給金を必要とするかどうかということは、結局経済の基盤から来るのでございまして、むしろ私はやはり経済の基盤を健全にし、いわゆる安定させるということが最も大切なことではないかというふうに、これはまことに差出がましいことでございますが、そういうふうに一応財政の事務をあずかる者としても考えておる次第であります。たとえば米の問題にいたしましても、今回提出いたしておりますこの補正予算の消費米価のごときは、いわめるコスト主義を全面的に実施できないのであります。そこで結局見方によりますと、コスト主義を放擲して二重米価をやつておるじやないかというふうな御批判もあるのでありますが、これらの点につきましても、どうかできるだけ早く米の需給関係が正常になりまして、そうして消費者価格が財政の負担を持たなくとも、十分にコストを織り込んで、しかも消費者の手に十分に渡るということになつて来ない限り、やはりほんとうに経済の基盤は安定し、確定したというふうには申されないのではないか。この点を私どもも消費者の一人として、まことに憂えるわけであります。  石山委員のおつしやられました御趣旨は、将来財政を放漫にして、大企業等に補給金をす出というような、べらぼうなことはやらないものという御趣旨と存じますが、この点は先ほど大蔵大臣からも申されましたように、来年度予算の編成におきましても、従来相当額に上つております補助金、あるいは委託補助とか、委託費とかいうふうなものにつきましても、根本的に再検討を加えまして、そういうものも整理をいたしたいという御決意が現われておつたのでございまして、この点は石山委員と私ども当局の考え方は、根本において食い違いがないものというふうに存じておる次第でございます。

石山權作日本社会党(左)

○石山委員 国家が貧乏な場合は、われわれも耐乏生活をするにはやぶさかではない。たとえば一年間の企業のコストの問題を論じられる一つの要素として、最近言われていることは、過剰投資の問題が論議されておる。過剰投資の次に来るのがいうところの人件費で、企業合理化の場合に第一に上げられる問題は、ここにあるのでございますけれども、もし国家がかりに国家的資本を過剰投資しておりはしないかということは、私は補給制度もあげたと同時に、最近漸増再軍備が急増再軍備に移行しつつあるといううわさを聞くだけで、私たちは国家全般の金のバランスを憂えておるのでございます。そうした場合に人件費のみにしわ寄せをされるとするならば、これは決して正しい行き方でないと思う。もちろん大蔵当局は国家の投資の問題、あるいは人件費の問題、あるいは保安隊費の問題等のバランスについては深く研究していると思う。その研究している結果をあるいはきようみたいな日、あるいは大蔵大臣が開会劈頭の演説に詳細にわたつて説明することこそ、私たちは理解の度を早めるし、国民はいろいろな点で態勢も整い得ると思うのでございます。しかしそれをあえてやらないで、表面的な均衡予算、通貨の安定、それによつて国家財政を維持するという形式的な説明に終始していることは、まことに残念だと思います。きようは時間がないようで、そういうふうな詳しいことができなかつたら、あとで資料等を整えて、決して大蔵当局は国家の財政上から見て、公務員の給与その他に対してはしわ寄せをしておらぬのだ、犠牲を要求しておらないのだ、大衆を過大に収奪するようなやり方をとつておらないのだということを表明する必要がある。特に今回の賃金の改正は、人事院からも言われているように、去年行われたインフレの跡始末である、インフレの調整であるというふうなことを言われておる。このインフレは何もわれわれが起したのではない。われわれがぜいたく品を買つて、むりに購買力をあおつてインフレを起したのではなくて、まつたくこれは財政当局、政府当局の指導がよろしきを得ない、財政経済の目途が暗いために起きたインフレなのであつて、私たちはそういう点からしましても、大蔵当局は機会あるたびごとに、バランスを失したような財政経済を行つていないということを、国民に明らかにするような態度が必要だと思う。私たちはそういうふうな資料を新聞に発表するようなくふうも必要だろうと思うし、国会に対して常に機会を求めて、率先して報告する義務があるのではないかというふうに感ずるのですが、将来そういうことをやるとあなたから発言していただいて、それから現状においては、今回の公務員の給与に対しては、どのくらいの努力を払つて、しわ寄せであるかないかということを簡単でよろしいですから表現していただきたい。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局次長)

○正示政府委員 今日の事態を招いた財政の責めば、やはり私ども財政の事務をあずかるものも、もちろんその一半を負わなければならぬと思います。財政と国民経済の関係というような問題は、非常に大きな問題でございまして、もとより私のごときものによくすることはできないのでございますが、少くとも経済の安定というところから今日の再建過程におきまして、そこのところのあんばいが非常にむづかしかつたということは、ただいま石山委昌がいろいろおつしやられた中にも入つておるように思います。本年度御承知のように、一般会計で約四百二十八億余りの出資投資というようなものも予算に組んでおる。こういう財政投資しいうものが、戦後の疲弊した経済を再建する上において、相当重要な役割を果したということも、これはいなめないところがありますが、一方この出資投資、あるいは公共事業費手数百億に上るところの支出につきまして、いろいろと非難を受けておることも事実であります。特に災害復旧費等の表出の方法につきましては、相当最近の新聞紙等におきましても、遺憾のある事実が指摘されておる、そういう点につきまして、財政の事務をあずかるものとしましては、非常に責任を感じておる次第でございまして、そういうことにつきましては、まず予算の編成を適正にすると同時に、予算の執行につきましても、あらゆる努力を払つて、ただいまおつしやられましたいわゆる国民の血税——私も税金取りをやつたことがあるのでありますが、税金をいただくときの気持で、これを使わなければならぬということは、まことに御同感なんであります。もしほんとうに国、地方公共団体の経費を支出する方々が、税を取るときの気持で予算の執行に当ることになれば、相当是正されると思うのであります。税を取るときにはほんとうにいろいろ皆さんにお小言をちようだいいたしますし、また苦しい立場もよくわかります。自分たちも毎月月給から天引されまして、その苦労はしみじみわかつておるのでありますから、その苦しさを、予算を使うときにほんとうに心に置く、私はかねがねそういうふうに信じておるのであります。今日までいろいろとそれらの点につきまして、なお不十分な点があり、先ほど申し上げましたように、いろいろの金の使い方について、実行の面においても遺憾の点があるということにつきましては、今後とも十分に配意をいたしまして、それらの点の是正に努めて行きたいと存じております。来年度予算はおそらく先ほど衆議院の予算委員会におきまして、大蔵大臣が自分の構想としてお話になつたのは、各委員からこれはとうてい不可能じやないかというふうに言われたのであります。私どもそばで伺つておりまして、やはり尋常一様のことでは、なかなか大臣のお考えになつておるようなところは、行いにくいというようなことも、まつたく私どももそう思つております。そここれは異常なる決意を必要とするというふうに思うのであります。その際やはり私どもとして最も目をつけなければならぬのは、今申し上げたようなむだがある、あるいは合理化の余地があるというふうな費目でなければならぬと思うのであります。で、そういうときに、それじや国家公務員の給与の上げ方については、結局しわ寄せになつておるのじやないか、そういう経費を削ればもつと出るじやないかというお話なんでございますが、これはやはり予算委員会で大蔵大臣がお答えを申し上げましたように、実は平年度として一般会計だけでどうしても二百億ほどの持出しになるのであります。今日まで軍人恩給、文官恩給等の恩給費で相当の増加になり、またその他対外関係等の経費、事務的な経費において相当の増加になるほかに、災害復旧の経費というものは、どうしてもふやさなければならぬのでございまして、この点を考えますと、今申し上げたような費目について相当思い切つた斧鉞を加えましても、歳出の増加は相当容易ならぬものがあるというふうに思います。そういうとき、平年度において二百億程度の持出しになるものをあえて出しましたということは、これはしわ寄せではなくて、政府の使用人である私どもに対して相当の配慮をされためうの、こういうふうに考えておるのであります。世論の一部に、今日は日本は大事な段階である。国際収支の点からいいましても、国内物価の割高ということが顕著な事実であるから、むしろこの際はほんとうに思い切つて、人件費を切り詰めるべきであるというような世論のあることは承知しておるのでありますが、われわれといたしまては、やはり財政の方において相当の負担になりましても、今日人事院の勧告とか、仲裁裁定というものの線に沿うて、あとう限り公務員の給与をよくしていただくということが、日本再建の大きな方向における大事なステツプである、こういうふうに感じておるのでありまして、その点が幸いにして政府においても相当程度に認められ、ここにこういう提案になつておるのである、かように私はいただく立場の一人といたしましても考えておるわけでございます。もとより予算編成につきましては、政治でございますのでいろいろな考え方がございますが、今日の政府とされてはこれは最善を尽されたものではないか、こういうふうに感じておる次第でございます。

石山權作日本社会党(左)

○石山委員 給与と直接関係ないかもしれませんけれども、やはり日本経済の全般から見ると大切な問題だと思つているのですが、それは通貨の切下げと為替の問題でございます。今西ドイツが非常に日を見張るような復興をしたのは、平価の切下げが成功したからだと言われております。それと労使協調による産業の管理によると言われておりますが、フランスの場合は為替管理が成功したというふうに言われております。日本の学者の中でも、最近は為替管理を何とかしなければならぬというふうな意見が、ぼつぼつ出ておるように見えるのであります。で、先ほどあなたは日本の経済の自立の達成のためには、異常な決意をもつてやらなければならぬというふうに言われたが、たまたまそういうふうな意図を持つておるかどうかということ、あるいはそういうことを論争すること自体が秘密事項であつて、そういう時期ではないものであるということになれば、別でございますけれども、一応お話を聞かしておいてもらいたい。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局次長)

○正示政府委員 問題が非常に複雑広汎になつて参りまして、私あるいは不適任かと存じますし、石山委員の方がむしろ私よりもずつとそういう点について御造詣があると思うのでありますが、実は私も先年戦後のヨーロツパを見て参りました感じから一言申し上げますと、お言葉の通り、今日四ドイツの復興はまことに目ざましいものでございます。また日本の円を持つて参りまして——これはドルにかわつておるわけであります、ドルのトラヴエラーズ・チエツクを持つて歩きまして、イギリスに参りますと、十数年前のスターリング・パウンドとダラーの関係が、まことに今昔の感にたえないほど、スターリングは御承知のようにいろいろの事情で弱くなつておる。これにかえて西ドイツに参りますと、マルクは相当強いのであります。フランは御承知のように日本の円と大体同じようなところにあるわけであります。今日ドイツがあれだけ強い立場にマルクを置けるということは、おつしやる通り通貨の安定ということにいち早く成功した。むろんそのときにはたしかドツジ氏が西ドイツにも参られまして、通貨改革を行われたことは御承知の通りでありますが、その後の施策もまことによく行つておるというふうに伺つておるのであります。しからば日本は今後どうかということになりますと、これはそれぞれ専門の者がよく研究をいたしておるのでありますが、少くとも私ども承つておるところでは、日本は今日の三百六十円レートを動かす意思は毛頭ない、これはどこまでも堅持して、むしろ今後あらゆる努力を払つて円のポジシヨンを高め、強めて行くということでなければならぬ、こういうふうに思うのであります。また私どももさように教えられておるのであります。私かつて一ドルが二円というときに、アメリカで二年ほど生活をいたしたのでありますが、当時の日本のお金のありがたみはまことによくわかつております。今日それがまことに情ないほど下落をいたしておるのでありまして、これがさらに下落をするというふうなことは、ほんとうに日本国民として嘆かわしいことであるということを経験をいたした一人でございます。将来におきましては、何としても西ドイツのやり方等においても、大いに学ぶべき点がありと思うのでありますが、やはり先ほど来石山委員も御指摘になりましたように、放漫財政というふうなもの、あるいは国民のお納めになつた税金等の使い方という点につきまして、根本的に改むべきところは改めまして、やはり円の国際的なポジシヨンは一層強化する方向へこそ持つて行くべきであつて、これを弱くするというふうなことは、日本の経済を再建するゆえんではないというふうに私も考え、さような方針に基いて予算の仕事の一部にあずからしていただいておるということだけを申し上げておきます。

加賀田進日本社会党(左)

○加賀田委員 正示次長にちよつとお尋ねしますが、通常国会も間近に控えて、大蔵省としてはすでに二十九年度の本予算の骨子はきまつておると思うのですけれども、今のいろいろのお話の中でも、各省の要求は異常なもので、異常な決意なくては乗り切れないというお話があつたのでありますが、その問題と関連いたしまして、巷間伝うるところによれば、行政機構の改革を断行する、これはそういう名目でありますけれども、実質的には、公務員とすれば首切り旋風が起つて来るんじやないかと恐怖がございます。そういう意味で、今度の給与改訂では、一般公務員で約三十億を計上しておりますけれども、その人員は実際の人員を計算したと思いますが、大蔵省の資料によりますと、二十八年度の予算は、年間平均の人員が、一般会計では約三十五万八千何がし、特別会計では七万八千九百名程度、地方公務員においては百三十三万、こうなつておりますが、これを二十九年度の予算の中では、やはり行政機構の改革で、人員を減らしているのかいないかということを、御説明願いたいのであります。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局次長)

○正示政府委員 ちよようど田中副長宮がおられますので、内閣の御方針はあとで副長官からお願いたしたいと思いますが、一応予算のことで御質問がございましてので、今の作業の段階だけを申し上げたいと思います。大臣も申されましたように、各省の要求は、防衛その他の特殊の経費を、一応ふやさないといたしましても、二兆というような厖大な要求であります。そういう要求に対しまして、私どもは先般の臨時国会の際にも申し上げたのでありますが、大体国会の御審議をいただいておる間、国会に来てお話を申し上げまして、帰りますと、それぞれ担当の主計官を待たしておきまして、夕方から作業を始めます。各省の予算といたしましては、まことに微に入り細をうがつて、予算査定ということをいたしておるわけであります。今日までいろいろやつておりますが、もとより結論というものは出ておりません。  人員の方はどういうふうに見ておるかということでございますが、この点はあるいは副長官からお話を願えるかと思うのでありますが、大体ただいまのところ、行政管理庁が中心になりまして、いろいろ大きな案について御検討になつておられる。私どもはただ予算を扱います場合には、きわめて事務的な点、と言つても案外これが大事なのでありますが、はたして二十八年度の予算において、あるいは二十七年度の決算において、各省が人件費をどういうふうに使つておるか、たとえば欠員というふうなものがあつた場合、そういうものを厳密に私どもとしては不用として出させるわけでありますが、そういう点について遺憾の点がないかどうか、また給与の方で昇給あるいは昇格というふうなことがあるわけでありますが、それらが人事院の規則等に照して、法令に照して厳重に履行されておるかどうかというふうなことをよく調べます。これは機構あるいは定員を大幅に整理するというふうなことは、管理庁なりあるいは内閣の方において別途の方針をおきめになるのでございますが、大蔵省としましては、先ほど来石山委員にも申し上げましたように、やはり厘毛に至るまで、むだづかいをしないという見地から、今のようなことをいたしております。定員その他から不用の出るものは、すべてこれを不用に計上させることにいたしております。  また超過勤務等につきましても、実績に従つてよく支払われておるかどうかということについて検討いたします。あるいは旅費の支出につきましても、それがほんとうに正しく出張命令に応じて出されておるかどうかというふうなことを検討いたします。  そういう既往の実績の検討並びに新しい要求を勘案いたしまして、いわゆる各省別にあるいは各省庁別に、最小限度の事務運営の経費、あるいは人件費というふうなものを、どの程度に盛るべきかということを、ただいませつかく作業を進めておるわけであります。こういう作業を進めておきまして、ひとたび内閣なりあるいは管理庁の方からの方針が、最終的にきめられました場合には、ただいま申し上げたような単位の計算を基礎にいたしまして、それを何割ふやすとか、あるいはどの程度減らすかというふうなことをいたすための作業を進めておるわけであります。従いまして目下のところ、まだ私どもとして来年度のいわゆる最小限度の国家機関運営の経費が、幾らであるかということを申し上げる段階には来ておりませんが、そういう点においても先ほど石山委員からも御指摘のありましたような、むだな金を盛らないというような面につきまして、実績並びに各省の最近の説明を伺つて、検討を続けておるような段階にあるということだけを申し上げる次第であります。

加賀田進日本社会党(左)

○加賀田委員 御説明が非常に長くて御親切のようですが、筋がちよつとぼけている。大蔵省としては予算に盛る定員というものは、まだ明確でないということですね。そうしますと、各省からすでに要求が出ていると申しておりましたが、各省の方では大体実定員に基いた予算が提出されているかどうかということ、なお今申し上げた根本的な問題については、田中副長官から御説明願いたいと思います。

田中不破三内閣官房副長官

○田中政府委員 ただいまの御質問でございますが、御承知の通り、内閣に臨時行政改革本部を設けまして、これによりましてただいま検討を加えておるところでございます。すでに御承知かとも思いますけれども、単に人員整理のみではなく、機構を十分検討いたし、また法制等につきましても、法令の整備を行うというふうに、行政事務を簡素化して行くという観点から、作業の検討を加えております。これに基きまして自然的に人員のあんばいができまするならば、これはまた別でございますが、ただいまは法的の整備、行政機構の簡素化というふうな二点に中心を置いて、検討が進められているわけでありまして、今結論が出ておりません点は、先ほど正示次長から申し述べたような次第であります。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局次長)

○正示政府委員 大体人員の要求につきましては、ただいま加賀田委員が申されましたように、二十八年度の定員を基礎にして、要求が出ているというふうに御理解が願いたいと思います。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 最初に主計局の次長にお伺いします。あなたはさつき自分は属僚だと言われたが、先ほどの御説明を聞きますと、堂々たる大成の御意見を立てて、属僚ならざる御意見のようであります。本来ならば人事委員会には大蔵大臣が出席されて詳細な答弁をしなければならぬ。しかるに人事委員会が開かれましてもう一週間近くになつているのに、まだ一回も顔を見せない。ようやくきよう十分ほど顔を出しただけです。そして大蔵大臣は予算委員会に行かれました。あとに残つたのがあなたでありまして、いやしくもあなたがおられる以上は、一国の財政をまかなわれる大蔵大臣の身がわりとして、そこにお立ちになつたと私は思うのです。御所見はいかがですか。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局次長)

○正示政府委員 御質問の御趣旨が……。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 私が言うのは、本来ならば大蔵大臣がいなければならないのに、予算委員会に行つてしまつた。残つているのはあなただ。政府委員としてあなたは、本来大蔵大臣が答弁するのにあなたがかわつて答弁をしているという気持で答弁をしているかどうか、一属僚として答弁をしているかどうかということです。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局次長)

○正示政府委員 先ほど大蔵大臣は、自分のかわりに残しておくと言つて行かれたわけであります。私でもわかることはできるだけ御答弁を申し上げておるのでございます。しかし根が属僚でございますし、知識が非常に乏しいものでありますから、適当なお答えを申し上げられない。その点をおわびいたしたようなわけでございます。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 先ほどからいろいろ伺つておりますと、日本の財政を健全財政に持つて行くために、公務員のベース・アツプができないというようなお話もるるあつたようですが、あなたはさつきアメリカにも二年おつたと言うが、日本の公務の今日の生活並びに給与は、世界のアメリカ初めその他の文明国の給与に比べまして、低置に置かれている、私はこのように理解しているんですが、それについてあなたはどう思つておりますか。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局次長)

○正示政府委員 今日日本の置かれております経済の段階といいますか、敗戦後の非常に苦しい段階を切り抜けまして、やつと今日の段階に達したのでありますが、これではもとより世界で非常にいいということは申されないと存じます。と申しましてもそれじや非常に悪いかと申しますと、今回の提案になつておりますようなベース・アツプが行われますと、まあ私どもとしては相当今日の財政経済の力から申しますと、恵まれておるというふうにも考え得るのでございまして、もとより欲を言えばきりがないのでありますが、民間におかれましても御承知のように、この給与の基礎になつております毎勤統計というのはちようど三十人以上の事業場を対象にしてやつておるのであります。一方におきましては相当この中小企業の方々が、年末でいろいろお苦しみになつておる。また事業の閉鎖のために職業を失われるようなこともあるのでありますが、その点公務員としてはやはり今日まあやつとこれで民間並ということになると存じます。他方におきましては恩給あるいは共済組合の年金その他のいろいろの社会保障的な施設もだんだん整備されて来ておりますので、私はこの点は非常にありがたいというふうにも感じております。ただやはり長く役人生活をしております者として、もう少したとえば先般も申し上げて、まことに失礼をいたしたのでありますが、先ほど申しますように国会の審議が終つてから、帰つて夜勤をするというようなことがございます。この勤務に相当今日繁閑がございますので、そういう特に忙しいところの公務員に対して、もう少し弾力的な給与というようなものが、将来できれば非常にありがたいと思うのであります。これは元は御承知のように年末になりますと、相当賞与というふうなものがあつたのであります。今日はすでに提出して御審議になつておりますように一・二五というようなことになりますと、やはりもう少しほんとうに忙しがつた場合には、年末そのものだけでも、もらえるようなことになればけつこうだ、こういうことを率直に感じております。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 率直に感じられるのはいいのですが、それを実行しなければ何にもならないと私は思うのです。あなたは感じておられるのだけれどもさつぱりやらない。この前の委員会においても私は非常に大蔵省において給与問題をやつておる、やつておると言われるから、何を国家公務員にお与えしたかと質問しました。結局それはゼロだ、口でいくらあなたがそういう気持を持つておると言われましても、実行面にそれが現われなければだめです。さつきあなたが日本の為替レートが低下して、非常に嘆かわしいと言つておられましたが、私は人事院が七月の十八日に今年の三月の民間給与の実態を調査し、それを元として一三・九%公務員の給与引上げを勧告した、それさえも正当としてこの法は実施されておらない、しかもその他の三公社、五現業の仲裁裁定等につきましても——仲裁裁定というものは、われわれはほんとうに裁判の判決のような考え方をもつて臨まなければならぬと思つておるのです。それについてさえもあなた方は予算上財政上の措置ができないと言つておられるのでありますが、これこそ私は日本の労働者階級に対する政府の措置というものが実に薄情であり、嘆かわしいと思うのです。できないできないと言われますけれども、われわれ社会党の予算を組みかえるときは、いつでもこれが完全にできて、予算の組みかえ案が毎国会に提案されておるのです。やはりあなた方が基本的な労働者の生活というものを深刻にお考えになり、先ほどあなたがおつしやつたように一・二五では足りないから、やはり超過勤務等に対しては、少し考えて行かなければならぬというような気持があれば、やつてやれないことはないのです。今まで、去年の人事院勧告に対しましても、あるいは仲裁裁定に対しましても政府はその通り実施しておりません。ことしもまた非常に大きなずれをもつて、わずかばかりベース・アップを予算の上に取扱つておるのですが、こういうことを毎年々々繰返しておつたのでは、政府の信用というものは、まずます地に落ちるのではないかと思うのです。一方鋼紀粛正とか、あるいは法律の遵法を国民に要請しながら、政府みずからが人事院の勧告を無視したり、仲裁裁定を無視しているということは、結局国民に遵法精神というものを滅却させる恐ろしい原因になりはせぬかと考えておるのです。昭和二十九年度の予算編成に対しても、こうした公務員の給与問題については、人事院の勧告あるいは仲裁裁定等に対しては、何をまずおいてもこれを実施しなければならぬと考えておるのですが、御所見はいかがでありますか。大蔵大臣の身がわりにひとつ御答弁願いたいと思います。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局次長)

○正示政府委員 ただいま森委員のおつしやられましたことは、二つ問題があろうかと思うのでありまして、その前者と言いますか今日のような人事院勧告制度、あるいは仲裁裁定制度というものがあつて、これによつて公務員の給与というものが、それを基礎にしてきめるというような態勢ができておるような場合に、これをこのまま履行しないということは、法を政府みずからが守らないというようなことで、非常に悪影響があるじやないかというお話かと思うのでありますが、私どもはやはり財政だけの問題ではむろんないのでありまして、これは大蔵大臣の身がわりと申されますが、私どもとしては、やはり法律があればこの法律を守るということが、もとより正しいかということを考える以外にはないのであります。ただ政府は全体の財政その他の理由をもあわせてお考えになりまして、その線には沿うているが、実施時期等において、多少のずれがあるというようなことで、お出しになつたのであると思うのでありますが、しかしこれはもとより最終的には国会がおきめになるのでございますから、その点を国会の判断に仰ぎたい、こういうように一応解釈いたしておるわけであります。来年度の予算において、できる限りそういう点を考慮するようなお前も気持を持つておるかとおつしやる点につきましては、さきにほかの委員の方にも申し上げましたように、私どもとしては日本の経済をますます安定させ、発展させまして、そうして財政力というものも、それに応じて発展させて行くということが、基本の方針でなければならないと思うのであります。これが財政なり、経済の発展に応じまして、私ども国の使用人も、当然その力の進むに従つて待遇もよくしていただくということを期待いたしておる次第であります。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 あなた方は財政上金が捻出できないということをしきりにいつも言つておられますが、現在、防衛支出金の十一月末の残額が百二十五億円、安全保障諸費の残額が三百一億円、保安庁経費の残りが四百十一億円ある、この事実はいかがですか。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局次長)

○正示政府委員 ただいまおつしやられました数字を、ちよつと私持ち合せておりませんので、後刻取調べまして資料としてお出しいたしたいと思います。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 私どもの調査いたしました範囲においては、ただいま申し上げましたような、こういう厖大な予算の使い残りがあります。昭和二十七年度の決算のときにも使い残りがありました。いつもこういう厖大な使い残りがあるような予算の編成をしておきながら、事一たび公務員の給与ベースの引上げ等になりますと、目をつぶつて、そうしたところの厖大な使い残りの金を出そうとしないというように、私どもは受取れてしかたがないのですが、この点につきましてどういう御所見を持つておられますか。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局次長)

○正示政府委員 数字は正確でなければなりませんので、私数字については今申し上げませんが、ただいまおつしやられましたのが十一月末ということでありまして、私の感じから申しまして相当大きな数字でございますので、その点はよくチェックをいたしますが、そう大きな使い残りと申しますか、十一月末でございますから、おそらく年度内の未使用額というようなものを、全部お入れになつた御計算かと思いますので、それは後刻数字をもつて申し上げたいと思います。  ただ、それでは相当今まで繰越しもあつたじやないか、そういう繰越しをするような余裕があるのかという御趣旨につきましては、確かにただいままでいろいろ余裕を生じたことがございます。そういうときに、それでは大蔵省としてどういう立場をとるかと申しますと、これは私どもは、先ほど石山委員にも申し上げましたように、予算が国会において議決になつたと申しましても、やはりこの予算を全部使つてしまうというふうなことは絶対に避くべきである、すなわちまず予算を盛るときには、もとより最小限度に盛るべきでございますが、一応の見積りとして予算に計上いたしました後におきましても、先ほど来たびたび申し上げますように、その事項についてはさらに厳正に施行いたさなければならぬという建前をとつておるのであります。御承知のように現在四半期別に支払い予算というものをつけておるのでありますが、そういう予算のつけ方におきまして、常に実績を見た上で押えるべきものは押えておるのであります。それではそういうことをして予算の施行が遅れて、民間への支払が遅滞するというような面がありはしないかというようなこともございますので、みだりにそういうことをいたすわけではございませんが、しかしたとえば保安庁の装備品等の納入にあたりましては、初めてのことでもございますので、試作をさせまして、十分検査を厳重にした上で、初めて発注するというようなこともあるのであります。そういう関係から、非常に繰越しが出るというふうな面もございます、森委員御承知のように昔は継続費という費目がございまして、定時繰越しということをやつたのでございます。その趣旨は、やはり全体としての計画はこういうふうに国会で認めるけれども、その施行については十分時間をかけて間違いのないようにやれというふうな御極旨であつたかと思うのでありますが、継続費のありますときには繰越しということを、非常に大幅に認めていただいておつたのです。今日は国会において繰越し明許をいただいている費目についてのみ、今のようなことで繰越しができるのでございますが、やはり年度内にどんどん早く使つてしまうということは、極力避けなければならぬのでございまして、およそ国会の議決を絡ました予算につきましても、その支出は一銭一厘も間違いのないようにしなければならぬというふうな建前から、相当精査をいたしている関係もございまして、ある程度の未使用額というようなものを出していることは事実でございます。なお詳しい数字は、取調べの上、差上げたいと思います。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 私の申し上げますのは、保安庁経費とか、あるいは安全保障諸費、防衛支出金等にはそういうように相当使つて、いつも余裕綽々というような予算上の措置をとつておきながら、しかも財政上金がないと言つて、人事院勧告、あるいは仲裁裁定等をいつでも政府は実施しないという、その基本的な考え方が、私どもとしては非常に遺憾であるということであります。従つてこれは基本的な考え方の対立みたいになりますが、私はやはり日本の産業の発展のためには、こうした働労者の生活を防衛してやらなければ、日本の再建はできないという考えに立つておりますので、今後大蔵当局におきましては、やはりそうした公務員の給与ベースの問題あるいは仲裁裁定の実施等については、予算上財政上措置ができないというようなことを言つて、完全実施しないことのないようにしていただきたい、かように私は申し上げて、一応質疑を打切ります。

川島正次郎自由党委員長

○川島委員長 池田禎治君。

池田禎治日本社会党(右)

○池田(禎)委員 だんだんといろいろな委員から申されましたし、また政府や大蔵省の御見解を十分承つたのです。いつまでたつても平行しているような感がいたします。そこで私はもはや蛇足を加えようとは思つておりません。ただ先ほどから、いろいろと財政経済政策に対する御抱負を承り、かつまたそれらの所管省の方針を承つておりますと、やはり健全財政を維持するためには、資金上、予算上不可能なことはできぬという一点が、その重点であるかと思うのであります。そこで私どもはこの点でこの際大蔵省であれ、人事院であれ、あるいは政府内閣の方に対しまして、一言申し上げておきたい。国家活動の源泉というものは憲法にある。その憲法に保障されたものをいろいろと制約いたしまして、公共福祉のために、これらの人々に対する制約をいたしておるのが公務員法であり、公労法である。しかしそれにかわるものとして人事院の勧告なり、仲裁裁定の制度ができたのに、これが実行されない。今回に限つてのみならず、しばしば実行されておらないというこの状態は、大蔵大臣なり主計局次長のとなえられております資金上、財政上困難であるという、この国の財政政策の見地からだけでお考えになつてよろしいかどうか。私はそのあなた方の考えることを、かりにその通りに信ずるといたしましても、それじやこの三百万に近いところのこの関係の人々が、これによつて生活上の報いというものを得られないとするならば、この人たちの抱きます遵法の精神というものは、どうなりますか。率直に申しまして、私は国会議員の一人でありますが、いかなる天下の悪法があつても法律を守らなければならぬというのが、法治国家に生れたわれわれの運命であります。しかしてその法律によつて定められたものがしばしば実行されないということになりますれば、この人たちの遵法精神は将来なくなります。ただ私は財政上の措置よりも、かくのごとき国民の多数の人に、法律を守る必要がないという気持がほうはいとして起つたときに、国家の前途はどうなりますか、私はこれをおそれるのであります。  そこで今日私が思い浮べまするのに、毎日々々、たとえば本日は約三万の人間が、この衆議院において集団陳情しようということが計画せられている。そしてそれが議長職権によつて中止されたのでありますが、そういう人が来たときに、だれが立つてこの人たちに説明できるのですか。政府の人が立つて行きますか。その他の政党の人でも行かれますか。私はこういう労働者諸君が行き過ぎであり、国家の財政上、とてもそれは不可能であるというならば、労働者諸君に忍ぶべし、がまんすべきであると言う道を持つております。大言壮語するわけではありませんが、自由党、改進党の諸公や、あるいは人事院や政府官僚の諸君が、その大衆の前に立つて説明をしても聞かないと思います。われわれが立つて、諸君こういうことだから忍びたまえと言う道は、われわれは持つている。しかしながらしばしばこういう裁定、勧告というものを実行せざることをもつて本分とする諸君が、労働者の前に立つて諸君忍びたまえと言つても、これは聞きません。私は、資金上、財政上、健全財政の見地からということだけでは、この人々の中に巻き起るであろうところの生活上の苦難から来るであろう不安が、爆発いたしますことを、その結果をおそれるのであります。一九四五年英国労働党が大勝を博しましたときに、英国の財政経済復興のために、英国の産業復興のために、全英の炭鉱労働者は一週五日間の労働時間というものを延長いたしまして六日間にして、そうして英国労働党の、そのときの政府の国家復興、産業復興のために、労働階級はあげて政府の方針を支持して、自分たちのからだをなげうつて、英国復興のために尽したのであります。ところが一九五〇年であります。チャーチル内閣ができたときに、全英の炭鉱労働者は立つて、労働党内閣なるがゆえに、われわれは多くの犠牲を忍んで来たのであるが、何も保守党内閣のためにする必要なしというので、労働組合がこの決議をくつがえそうとした。そのときに労働党の党主であるアトリーは立つて、チャーチル内閣といえども英国の経済はいまだ復興しておらない、諸君どうか英国経済復興のために、いましばらく忍んでくれと言つて、労働党の首脳部は総出をいたしまして、この炭鉱労働階級の労働時間延長をさらに懇請いたしまして、これを続行しているのが英国の姿であります。労働者の先頭に立ち、労働者を最も基盤とするところの政党の諸君ですらも、労働階級の多くの犠牲と困難を忍んでおるが、それには忍んでもらうだけのことをしておるのでありますから、労働者階級の諸君はこれを承知するのです。日本の官吏は、日本の財政当局は、あるいは政府は、資金上財政上の一点をもつて、常にかような裁判に比較すべきところの最高の決定を遷延いたし、実行いたさなかつたというその結果、だれが立つてこの労働階級の諸君に、今日国家の困難なときに忍べということを言い切る人がおりましよう。私は答弁を求めているのでありません。人事院についても求めません。しかし今までのようなことで行くならば、人事院は必要ないという声が起きることはやむを得ないでしよう。財政当局は金を引締めることだけは健全でありますが、国民の道義が頽廃し、遵法の精神が失われ、国家は累卵の危うきに立つこともまたやむを得ない。あなた方がそこまでお考えになつておるかどうか、内閣の諸公にしてもしかり、こういう点につきまして、ほんとうに労働階級の諸君の生活の基本を、どうすれば守つて行くかということについて、だれか一片の情熱と熱意を傾くる者がなくして、どうしてこの人たちのよりどころがあるでしよう。私は財政しの措置を申す前に、ほんとうに苦労してででもこれを出すという誠意と熱意が、いずこにあつたかということを疑わなければなりません。従いまして、私は質問をいたしておるのでありません。あなた方も十分これをお考えになつて行かなければ、金がないというだけで、この措置だけをもつて、今後国民に法律を守るべし、行政の立場においてこれに従うべしというところの物事が起きても、国民の多数が従わなくなつたときには、だれがこれを押え得るか、私は国家の乱れることをおそれるのであります。これは皆さん方に対する要望であり、われわれの観点に立つ一点として、この際私は強く注意を喚起しておく次第であります。

川島正次郎自由党委員長

○川島委員長 これにて質疑は終了いたしました。  暫時休憩いたします。     午後五時十二分休憩      ————◇—————     午後七時二十九分開議

川島正次郎自由党委員長

○川島委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  本日はこの程度にとどめ、次会は明六日午後一時より開会し、討論採決を行います。  なお議案を修正しようとする委員の方は、あらかじめ委員長の手元に修正案を御提出願いたいと存じます。  本日はこれにて散会いたします。     午後七時三十一分散会

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