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18回国会衆議院1953/12/01

議院運営委員会 第2号

発言数
38
登壇者
10
会派数
4
開催日
1953/12/01

会議録

菅家喜六自由党

○菅家委員長 これより議院運営委員会を開会いたします。昨日お話が出ておりました自由党所属議員移動の件、これはまだはつきりいたしませんので、現状のままということにいたしておきまして、そのうちに決定いたしましたら御報告申し上げることにいたします。  もう一つ、院内の警察及び秩序に関する小委員、その他の委員について各党からの申出がありませんが、これは委員長指名という形ではございますが、各党からのお申出を願いたいと思います。

土井直作日本社会党(右)

○土井委員 私の方は前回通りです。

正木清日本社会党(左)

○正木委員 私の方も前回通りでけつこうです。

菅家喜六自由党

○菅家委員長 自由党は従来通りだそうでございます。改進党の方もそれでよろしゆうございますか。

椎熊三郎改進党

○椎熊委員 けつこうです。

菅家喜六自由党

○菅家委員長 それでは大体これでいいだろうと思いますが、なるべく明日あたりまでにおきめを願いたいと思います。     ―――――――――――――

菅家喜六自由党

○菅家委員長 次に、委員派遣の件について事務総長より御説明申し上げます。これは事後承諾の形ですが、海外同胞引揚の委員の諸君が、舞鶴の方に昨晩行つて、この事後承諾を求めて来ております件でございます。

大池真衆議院事務総長

○大池事務総長 御報告申し上げます。海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会が昨日設けられまして、議長の方で委員を指名することになつておりますが、各党では一応全部従来通りの方をそのまま委員にお願いしたいという申出がございましたので、議長はその通り指名をいたしたのであります。そこでその海外同胞の委員の皆さんが、昨晩のうちにぜひ行つて、舞鶴にけさほど着く興安丸等の受入れ態勢をぜひ調査したいという希望がありまして、昨日のうちに委員長及び理事等を互選されまして、委員長、理事等全部従来通り一応御決定になつております。そこで、各会派から一人ずつ、委員長の山下春江さんと、それから自由党の高橋等君、社会党左派の柳田秀一君、右派の受田新吉君、この四名の方が、昨夜のうちに立たないと実際入つて来るのに間に合わないからということで、すぐにも議運を開いてと申しましたが、その当時はもう五時、六時になつておりまして、議運を開く情勢になつておりませんために、一応皆さん出かけまして、ぜひ、きのうから向う三日間、舞鶴のソ連地区からの引揚げの受入れ態勢の援護状況を調べたい、こういう委員派遣の申請をいたして参られまして、もし当委員会で御承認になれば、そういうようにお願いしたい。承認ができなければ、やむを得ず委員単独の形で出かける、こういうことで出かけられまして、ぜひ御追認を願いたいということでございますので、当委員会で御協議を願いたいと思います。

菅家喜六自由党

○菅家委員長 ただいまのお聞きの通りですが、前例もあることでございますから、これは事後承認をすることに御異議ありませんか。

土井直作日本社会党(右)

○土井委員 それは前例があるということでありますが、私はそういう前例はないと思います。なぜ前例がないかと言いますと、委員長の言う前例というのは別個の形の前例だと思います。われわれは、事態が緊急やむ得ないことだから、そのことについてはこれはやむを得ない処置として、しかたがなかつたのじやないかということだけは了解できるのです。ただ形式をあまり言うようで恐縮ですが、やはり形式は内容をつくり上げて行くわけです。形式を全部無視するということになればたいへんな問題になる。まだ正式の委員は議長から国会で報告されておりませんし、委員ができておらないのにかかわらず、委員長やそれから理事その他を互選いたしましても、それはまつたく非公式のものであつて、何らの権限もない。これは委員は成長の指名であつて、それから委員長は互選ですが、そういう手続がとられておらないというような事柄が将来しばしば起るようなことがあつては困る問題です。私は、これは事務当局にも疎漏があつたのじやないかと思う。少くとも興安丸が入港するということは、もう二日も三日も前からわかつておる事柄です。従つてきのうの本会議のときには、まず興安丸が入れば、従来の前例にならつて、引揚委員会からは必ず行つておるのですから、引物委員会だけでも委員の任命をすべきであつた。また引揚委員会の方も、向うに行かなければならないことに気がつくようならば、また委員会として熱心であれば、当然そういうことについては十分心がそこになければならないはずだつた。従つて、きのう本会議において各党に呼びかけて、あらかじめ委員の選任、これは前任通りなら前任通りでやつて、形式はやはりきちんと整えてから、しかる後やるべきじやないか。委員派遣の事後承認ということは、これは委員長が言われる通り前例がたくさんありますから、そのことには言及しない。緊急な場合はやむを得ないから承認しますが、国会において正式にきまらない形のものを平気で処理するということは、将来の運営の上においても私は暇僅になりはしないかと思うが、そういう措置は事務総長などはどうお考えになつておりますか。

大池真衆議院事務総長

○大池事務総長 今の土井さんのお説ごもつともだと思います。この海外同胞の委員会ができることに昨日御決定になりまして、興安丸の関係もわかつておりまして、委員会等から必ず派遣をするということにあらかじめ話合いができておれば、今土井さんのお話の通りになると思いますが、それがそういうことになつておりません。追つて議長は委員を指名するということになつておりましたが、各会派から委員が出て来なければ指名できないのであります。そこで各会派の方で、興安丸等の関係上、至急本日中に委員の指名を願いたいということで、各会派の方から従来通りのものの候補者の届出があつたのであります。届出がありましたので、議長はそれをそのまま指名をいたしたのであります。その指名をしたことは、今日の公報にはもちろん出ておりますが、皆さんの方にははつきり公知の時間がないので、本日初めてわかつたわけですが、昨日従来通りの方の指名をいたしまして、委員ができまして、その委員が集まつて昨晩のうちに委員長、理事の互選をいたしましてそうして正式に委員会の委員長、理事ができましたので、話合いをして、出かけて行くということになつて、行かれたわけです。行かれたことは御許可なくして行つたのでありますから、これを委員派遣として認めてもらいたいという委員長の方からの要求書が出ておるわけであります。それが、昨晩は、現実にお諮りして、議長の方で承認して行かれたわけではありません。従つて、こういう委員長ができた、こういう理事ができたという公知の時間はございませんでしたけれども、そういうことで事実上出て行つておるので、これを御追認願えますれば、形式上は無理な点はございますけれども、一応はできておるわけでありますから……。土井さんのお話のように、議場でこれが早く指名されて、きのうのうちに正式にでき上ればけつこうだつたのですが、そういうことができなかつたので、こういうことになつたわけでございます。

土井直作日本社会党(右)

○土井委員 大体、私は、事態やむを得ないものとして、それを前提として申し上げておるのですが、将来そういう事故がないように十分御注意を願いたいと思います。

菅家喜六自由党

○菅家委員長 ごもつともでございます。急に起つた問題で、ああいう形式をとつたということでございます。しかし、土井君のお話はごもつともと思いますから、今後努めてそういうことがない方がよいのではないかと思います。そういう意味で、これを事後承認するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

菅家喜六自由党

○菅家委員長 さよう決定いたします。     ―――――――――――――

菅家喜六自由党

○菅家委員長 次に、本日の議事のことについてお諮りするのでありますが、政府の方より、総理大臣はずつと前から約束がありまして、きようどうしても四時に会見をしなければならぬということでございます。従つて総理大臣は四時までということでございますから、きようは時間励行で、午後一時に本会議を開きますと、全部の質問が三時間あれば終る予定ですから、官房長官に対する質疑等もこれから行われますが、この委員会もなるべく短時間に済ませたいと思います。定刻に本会議が開かれるよう、御審議に御協力願いたいということをお願いいたしておきます。お諮りすることはそれだけでございます。     ―――――――――――――

菅家喜六自由党

○菅家委員長 それでは、官房長官に御質問があれば、官房長官が見えておりますから……。

山本幸一日本社会党(左)

○山本(幸)委員 官房長官、それから事務総長にも関係することでございますが、それは昨日私が発言申し上げた仲裁裁定の問題です。これは昨日も申し上げたのですが、率直に申し上げますと、今回の措置はどうも手続上手落ちがあるように考えるのです。この前政府が付議されたのは、予算上、資金上の措置がいたしかねるということで付議せられたわけです。それが御承知の通り継続審議になつておりまして、今度わずか一箇月足らずの今日になつてから、一月から実施可能になり、こういうことになつて出て来た。それで私どもは、本来考えるならば、少くともこの前付議したのと今度付議したのとは内容がまつたく違うのですから、おのずから政府はその内容が違う理由を明らかにして、文書なら文書で明らかにされて、みんなが了解できるような理由書を付して提出せられるのが妥当じやないか、これが第一の問題です。  それから、第二の問題は、この前予算上、資金上不可能なりと称せられて付議されたのは、当然御承知の仲裁裁定が行われておつたのですから、それに基いて予算上、資金上不可能だと称するならば、その仲裁裁定の決定せられた内容を盛り込んだ予算書なり、あるいは予算書に類するようなものをなぜ提出して説明に当られなかつたかということが第二の問題です。  第三にお聞きいたしておきたいことは、御承知の仲裁裁定が行われますと、私どもの解釈では、一応そこで債権債務が発生したものなりと解釈しておるわけです。しかし、十六条によりまして、政府では抗弁権があることだけは間違いないことですが、しかしその抗弁権のことはさておいて、一応三十五条に基いて、私どもは、債権債務は当然発生しておるものなりと、こういう解釈をしておるのですが、その点はどういうお考えであるか。  以上の三点をまずお伺いしたいと思います。

福永健司自由党内閣官房長官

○福永政府委員 仲裁裁定等につきましていろいろお尋ねがございましたが、右につきましては、前国会に私ども当委員会に出て参りまして、こうした意味のことを申し上げましたと記憶いたしておるのでございます。御承知の通り、法律の定むるところによりまして、国会が開会いたしますれば、所定の日数のうちに政府は当然右裁定を国会に提出しなければならないわけでございます。当時出しましたころに、私どもといたしましては、今ただちにということでございますと、予算上、資金上いかんともいたしがたいので、国会の取扱いによりまして継続審議等にしていただいて、若干の日数をその間に与えていただくならば、あるいはこの間に何とか前進する方途が見出されるかもしれないし、さような努力を極力いたしたいということを申し上げておつた次第でございます。そこで、厳密に申しますと、今でも予算が成立していない限りにおいては、まだできるということになつていないわけです。従いまして、形式論から申しますと、それを撤回するとかなんとかということの方がおかしいと思うのでございます。十五国会の際におきましても、実はこれは専売裁定で経験いたしましたことでございますが、当初出しましたころにはいかんともしがたいというような状況でございましたが、その後いろいろ方途を講じまして結局裁定を実施するということになりまして、そのときには労働委員会に政府から担当の責任者が出まして、当初こういうことでございましたが、その後手段を尽しまして何とかなるようになりましたという趣旨のことを、実は委員会に出まして御説明申し上げて御了承いただくことにして、委員会におきまして議決をしていただいたわけでございます。今次の場合におきまして、政府は当初その実施の不能なることを申し上げており、また予算上、資金上まさにその通りであつたのでございます。しかしながら、今度提出いたしておりまする予算案を通していただけますならば、何とかなる。こういう状況なのでございまして、取扱いにつきましてはいろいろ議論のあるところではあると思うのでございますが、私どもといたしましては、できるだけ裁定の趣旨を尊重して、これを実施せしめる方向に行くにつきましては、慣例のごとく扱つていただくことが最も――これはりくつの上ではいろいろあろうと思うのでありますが、実情に即した、むしろそういうことを実現させるのに都合がいい方法ではないかと思うわけでございます。今次の場合、一月から実施いたしますということでございますから、ある意味において完全な実施ではございませんので、国会で御議決いただくのは一部不承認という形で御議決いただくという結果になるわけでございます。こういうりような次第で、政府といたしましては最初からできるだけの努力をいたすという心構えでおつたわけでございますが、前国会のうちでは、ちよつと処置しがたい事情にありましたので、その当時の事情を本直に国会側に申し上げまして、継続審議をお願いいたし、今日のような措置をとるに至つた次第でございます。  なお、裁定がある場合には、それでもつてただちに債権債務が確定する、政府が予算上、資金上できるとかできないとかいうことは一つの抗弁である云々とかいうお話でございますが、この点につきましても前からずいぶんいろいろ論議が行われておることでございますが、政府側といたしましては、ただいまのお説をただちにそうでございますということに了承はしがたいのでございます。これは学説上いろいろございまして、ここでその点につきましてとやかくは申しませんわけでございますが、ただいまのお説を、ただちにその通りでありますと政府の方で納得はいたしがたいわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 われわれは労働委員会を中心とする連合審査会で、ことに公聴会を開いてはつきりしましたことは、裁定の内容については審議できないということである。裁判所ではないから、裁定がいいとか悪いとか、あるいは民間企業に比べてどうだ、こうだというとこはできないのだ、ただ予算上可能であるかどうかを審議する権限しかないということを、各学者が口をそろえて申しておつたのであります。そこで、われわれが不思議に思いましたことは、予算上可能かどうかということを審議する権限しかない、そうするとこれは純然たる予算上の問題である、そこでこれがためには当然予算案がなければ審議ができないじやないか、労働委員会においては今まで何を審議して来たかという疑問に逢着したわけです。だから、国会に付議してその承認を求めなければならないということは、予算を付議して承認を求めなければならないと、こういう意味である。裁定の内容について審議できないのだ、こういうことになりますと、当然予算書というものが必要であります。そこで私は再度お尋ねしますが、なぜ予算書をつけて出さないのか、これについて、前回の場合のことについて、お尋ねいたしたいと思います。

福永健司自由党内閣官房長官

○福永政府委員 御質問の点がよくわからないのでありますが、労働委員会に予算書を提出してはございませんが、国会には予算書等を提出いたしてありますし、それぞれ委員の方々に議案というものは全部配付になつておりますので、これによつて御承知いただきたいと思います。前回の場合におきまして、前回に出ました予算案というもの、これはもとより配付されておりますが、これまでに成立いたしております予算と、それから前回に出しました災害を中心とする処置、これが出ました。これだけが出そろつております。この範囲内では、できるとかできないとかを皆さんの御判断によつてしていただける資料が出ておる、こういうように政府は了承いたしておる次第でございます。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 そういたしますと、一体、労働委員会で裁定の審議をするということは何を審議するのですか。     〔「労働委員会の問題だ」「議運でやることじやない」と呼び、その他発言する者あり〕

正木清日本社会党(左)

○正木委員 発言を許可されましたから……。そこできようは事務総長、または事務総長にかわりまして法制局長でもけつこうですが、専門的なことで、議運の委員の一員としてお尋ねしたいと思います。仲裁裁定に対する政府からの国会の承認を求める法律案が出て来たわけですね。これは御承知の通り非常に簡潔なものです。その理由の中には、こうこうこういうことで公労法の内容によつてこうであるということが載つております。それで私実は非常に疑問に思いました点は、過日労働委員会が休会中に連日連合審査会を持つた。私も運輸委員ですから、当然連合審査会に出たのですが、そこで私はいろんな疑問が私自身出て来たわけです。公労法の精神から行けば、裁定というのは、たとえて言えば裁判所における判決にひとしい権利義務がある。しかし、一方にはまた公労法の十六条によつて予算上できないという一つの措置がある。そうなると、一体何を土台にして審議するのか。そこで私非常に疑問に思いましたことは、その政府から出て来る国会の審議をしていただきたいという法律に、審議すべき一層具体的なものが兵備されていなければいけない。そこで今官房長官のお言葉では当初予算と過日の臨時国会の予算が土台なんだ、こういう御意見ですが、その意見は意見として承つておきますが、専門的な立場からこれを法律的に解釈した場合、どうあるべきかということを私は参考にここで聞いておきたい。それは当然議長を通じて議運から各委員会に配付される、このことが問題になるのだから、あなたが御答弁できればけつこうだし、法制局長でもけつこうですから御答弁願いたいと思います。

大池真衆議院事務総長

○大池事務総長 今正木さんから、事務総長もしくは法制局長というお話でございますから、私は専門家ではございませんので、事務的な面だけでお答え申し上げまして、あと法制局長もおられますから、また法制局の方の御意見は御意見としてお尋ね願いたいと思います。公労法の今の裁定の問題のこの十六条に関する問題は、ある意味において国会の議決を求めると言います  か、承認を求めるという面において、きわめて簡潔な文章しか載つておりませんので、今申し上げるようないろいろな疑義等が生ずると思いますけれども、現行法の上から考えますれば、今申し上げる通り、閉会中やつて、次の国会が開かれれば、政府としてはこの公労法通りもし行えないと認定した場合、つまり予算上、資金上その措置がそのままのめないと認定した場合においては、五日以内にどうしても出さなければならぬ。従つて、裁定できめられただけ、何でもかでも行わなければならないという義務も生じないというように十六条には書いてあります。従つて政府としては、前の十七回国会が開かれた際、その当時でき上つておる予算もしくはその企業体の中の予算の上で裁定の通り行えないという認定があれば、どうしても五日以内に出して来なければならぬ。従つて、現在各委員会に出ておりますものを政府として出されたものと考えられる。それで、先ほど正木さんは法律とおつしやつたが、これは法律案ではございません。裁定そのものを出して、この裁定そのものについて政府として予算上、資金上できないから国会の承認なり議決を求める国会ではその裁定のものと予算上のものとを十分研究されて、これはそのまま行えという御決議があれば、それによつて政府は支出しなければならなぬ義務が生ずる。従つて国会は、独自の判断で、政府の認定が正しいかみずからの判定が正しいかということで議決なり承認ができるわけだと思います。その際、ただいま正木先生のおつしやるように、あらゆる資料を出すのは政府の義務だと思いますので、それに不足なものがあれば、委員会としては当然それを出さして審議に入つていただく、こう考えるのであります。そこで、たまたまあの議案は衆議院において継続審議に入つたわけであります。継続審議があのまま打切られておれば、政府としては、その打切られて審議できない状態であれば、この問題を今度の国会のとき再提出するかしないかという問題が当然起ると思いますけれども、その後あのような補正上の予算措置をして来れば、この補正予算案ができれば一月から施行できる、こういう判定が下された場合、前のものを撤回してまた出せるか出せないかということは、私は法律上疑義があると思います。なぜかというと五日以内に必ず出せといつて出したものを、今度ひつ込ましてまた出せば、それは五日以内ではないじやないか、法律違反じやないかという問題も生れて来るのじやないかと思います。すでに審議しておりますその審議を待つより、政府としては方法がない。その審議期間中に新たな第二補正を出して、こういうものができるという見通しがつけば、その意見を述べて、委員会としては一月からでなくて十二月からでもできるのだ、十一月からでもできるじやないかという御認定がつけば、政府としてはそれに従う、こういうことになるのじやないかと思います。

正木清日本社会党(左)

○正木委員 法制局長の意見を求める前に、いろいろの意見があるわけでございまして、私は今長官の言われた議決を受けた当初予算、従つて前回の臨時国会に出された予算を基礎にして予算上できないのだという、この理由もりつぱに立つと思います。あなたが言われたように、当然委員会で資料を求めることは国会の権限だし、政府としては出す義務があるから、そんなことは問題にならないが、私が連合審査会あたりで疑問を抱いたのは、今長官が言われたような意見が法律上正しいか、それとも予算上、資金上できないのだという――たとえば企業体であるならば、企業体の実際の予算上、資金上の内容という独立した予算がついて出て来るのが正しいのか、これは私は専門家から参考のためによく聞いておきたい、こういうことなんです。ということは、私は連合審査会に出て、公共企業体である国鉄は裁定を完全に実施できますというので補正を組んで、監督官庁の運輸省にその予算案が出ておるということを聞いたのです。そこで連合審査会で委員長を通じて資料を求めたところが、出ております。りつぱに出ております。ところが全体の政府という立場になると、これは予算上できないのだということで、実は完全実施でなく、一月という予算案がきのう提出されて来たわけです。そこで長官の言われたように、二十八年度当初われわれが議決した予算、前回の臨時国会で議決した予算、それと予算上できませんと言つてわれわれに承認を求めようとされたこの各企業体、それから政府予算、この関係が当然予算書として添付されて出さるべきではないか。私ども公聴会で聞いてみるといろいろこういう意見もあるようでございます。そこで私は、専門家の方から、やはり法的解釈を一応聞いておきたい、こういうことなんです。

福永健司自由党内閣官房長官

○福永政府委員 確かに正木さんのおつしやるような説をなされる方も相当あるわけでございます。政府がいわゆる予算上、資金上という言葉によりましていつも申しておりますことは、たまたま国の企業として多くは独占企業でございまして、民間企業と違つた特別の立場にある多くの企業の中どれかが、今お話のごとくその特別会計では可能であるかのごとく見えるという状況にありますことは、これはそういう事実があるわけでございますが、ただ、政府といたしましては、特別のそういう公企業体というものにつきまして、いわゆる予算上、資金上可能であるとか不可能であるということにつきましては、国家全体の財政上ないし予算上の考慮を全然度外視して、その単一の企業のみによつて資金上可能であるということが、ただちに予算全体の上から可能であるということと同意義に解せられてよいかどうかということにつきましては、政府は違つた見解を持つておるわけでございます。私どもの説を学者がどう批判されるか、これはまた別問題でございます。私どもの立場から正木さんたちのおつしやる説が正しくないと申し上げるわけではありませんが、政府といたしましてはそういうふうに考えておるわけでございます。そこに毎回いろいろ問題が起るわけでございますが、政府といたしましては、そういつた各企業間におけるバランスということを、やはり考えなければならぬということも、常に申しておるところでございます。こういつたことにつきましては、決して私は論争するつもりではございませんが、今正木さんの説がございましたので、政府の考え方をちよつと申し上げたわけでございます。

山本幸一日本社会党(左)

○山本(幸)委員 法制局長に法律的な見解を答弁してもらつて、先ほど委員長が言つたように時間があまりないのだから、また次に継続してもらいたいと思います。

西沢哲四郎衆議院法制局長

○西沢法制局長 私の見解というお話でございますが、御承知の通りわれわれ法制局の方は法律の解釈権はございません。その点は御了承を願つておきたいと思います。この十六条とそれから三十五条との関係につきましては、御承知のように東京高等裁判所の判決がありまして、ただいま事件が最高裁判所に係属中であります。従いまして、この際私といたしまして正式な法律上の見解ということを申し上げましても、これは結局意味をなさないことじやないか、こういうふうに考えます。御承知のように、債権債務が裁定によつて確定しておるというのが裁判所の判決であり、そうしてただ単に十六条は抗弁権を発生さしておるにすぎないのだ、こういう裁判所の見解ももちろん尊重すべきものでありましようし、また従来の本院の事務的な取扱いからいたしまして、そこまでは行きついてないというこの前例も、やはり私は法律解釈の一つのものとしてどうしても考慮に入れなければならない。そうすると、ここに二つの矛盾したものが起る。この矛盾がある場合におきまして、私どもとして、はつきりこれがこうだ、どちらの方が正しいのだということを申し上げることは、やはり御遠慮申し上げなければならないのではないか、かように考えております。むしろ皆様方の御議論によつて、このことが円満に運営されるように希望する次第でございます。

菅家喜六自由党

○菅家委員長 どうでしようか。この問題は今すぐ差迫つた問題ではないのですから、また継続してやるということで……。

椎熊三郎改進党

○椎熊委員 この問題を継続させることには反対です。私がさつきから沈黙を守つておるのは、重要性があるからで、本来この委員会がやるべきことを逸脱しております。事重大だから傾聴しておつたのですが、さらにこれを継続してやるというのは、運営委員会でやるべき範囲でないから反対です。それはそれぞれの専門の委員会があります。われわれは取扱い上の問題、あるいは日程作成、あるいは本日の本会議をどうするかということでやるので、そういう深刻な問題に入つて、それ以上法律問題をやるということは迷惑です。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 それでは法律案の取扱いについてお尋ねいたします。この裁定案が第一次臨時国会におきまして付議されましたが、そのときには予算という裏づけは何もなかつた。それで社会党左右両派から予算の組みかえ要求案を出しまして、これを実施すべきであるというので、それに伴う必要とするところの予算の組みかえ要求案を出したわけです。ところがそれが国会で否決されました。その否決のときには継続審議に付して次期国会においてできるならばするとかしないとか、そういうような何の条件を付さないで、われわれの組みかえ要求案は完全に否決し去つておると思うのであります。そこで今度第二次臨時国会におきまして、前回全然だめだと育つたこの裁定に対して一部実施するという、このかわつた形でこれが付議されておるわけでございます。この前は予算の裏づけがなかつた。今回は予算の裏づけを付して来ておる。これは中味も形式もこの前出された法律案とは全然違つたものだと思うわけであります。そうすれば、私は今度一月から一部実施ができるという立場における、この政府が国会に付議する法律案の取扱いは、この前の継続審議に付せられておるところの法律案そのもので審議してよいかどうか、私はこれは相当の疑義があると思うので、その点をひとつお伺いしたいと思います。

菅家喜六自由党

○菅家委員長 今の春日君の質問はだれにお尋ねになるのですか。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 それは法制局長です。法律案そのものがこの前は否決されておる。しかもわれわれの組みかえ要求も否決されておる。この前第一次臨時国会に出されたときは予算の裏づけが全然なくて出されておる。ところが今度は同一案件について新しく一部実施可能なりという……。

菅家喜六自由党

○菅家委員長 御趣旨はわかりましたが、どなたにお尋ねになるのですか。法制局長ですか、

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 そうです。

西沢哲四郎衆議院法制局長

○西沢法制局長 今のお話でございますが、結論は、これが仲裁裁定というものが国会に付される性質論になると思います。法律案でありますれば案として完全なものでありまして、その可否についての意見は国会がきめる、こういうことになりますが、仲裁裁定の問題は、そうじやなくして、国会としての一つの意思の構成と申しましようか、意思の形成と言いましようか、それを求めるために出して来ておるものじやないかというふうに考えます。それで、今のように、提出当時と今日と情勢が異なつた場合にどうするかといとような問題は、すでに先例もあるようでありまして、一回はたしか理由書の正誤ということで取扱われたことがあるように思つております。また一回はそのままで、理由書は訂正されないで、国会としての一部承認というところで議決になつたようなこともあるように考えております。

山本幸一日本社会党(左)

○山本(幸)委員 私先ほど申し上げたように、時間的な余裕がありませんから、椎熊さんはこういう深刻な問題は継続してやるべきでないとおつしやつたが、この際椎熊さんにぜひ同調してもらいたいと思いますことは、今局長の答弁では、債権債務の問題はわれわれがここで議すべきではないということは明らかになつた。これはすつきりしておる。だが春日君その他が言われたように、手続上の問題が残つておる。あるいは予算書を出すべきであつたとか、あるいは今度は、一箇月の間にかわつたのだから、その理由を明らかにするような処置をとつたらどうかとか、これは慣例ということもあるでしようが、慣例が必ずしも正しいことではありませんから、もつと正しい習慣をつけるということもいいことだと思います。きようは時間がありませんから、せつかくの演説が効を失つては困るから、一応これで打切つてもらつて、継続して議運の立場からやりたいと思います。

菅家喜六自由党

○菅家委員長 今の御発言の通りで御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

菅家喜六自由党

○菅家委員長 それでは本日の本会議は午後一時に開きます。本日はこれで散会いたします。     午後零時四十五分散会

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