法務委員会 第7号
- 発言数
- 98 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/11/07
会議録
○委員長(郡祐一君) 只今より委員会を開会いたします。 検察及び裁判の運営等に関する調査について質疑を行います。
○亀田得治君 法務大臣にお伺いいたしたいのですが、大変世間の注目を惹いております松川事件ですね、これについて二、三お聞きしたいと思いますが、これは重要なケースでもありますし、大臣のほうでもいろいろ資料等によつてつかんでおられると思いますが、この事件そのものについてどのような感じなり、お考えを持つておられるでしようか、先ずその点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(犬養健君) 今御指摘のように、この松川事件は世間の注目の的になつておりますし、雑誌その他の刊行物にも批判が相当たくさん出ております。私も極めて深い関心を持つております。又十分責任を持つて自分の知識を作りたい、こう考えておる次第でございます。 事件は昭和三十四年に起つたことで、私の就任前のことではございますが、私の在任中に第二審が行われております。その意味で私も極めて厳粛な関心を持つておる次第でございます。ただ私といたしましては、新聞雑誌等に出ておりますいろいろの人の考え方、相当社会的にも地位があり、又知性のある人もその中にまじつておられますが、私どもの立場としては、どのくらいの第三者から見て的確な根拠に基いておられるか、そういう点をできるだけ良心的に私個人としても調べたいと思つて、今それをやつておる最中でございます。 その後裁判所におけるやり方を見ておりますと、今の刑事訴訟法の下では、ちよつと異例と思われるほど、事家上再審に等しい審理が行われておるように思われます。これはどうも時日が一年四ヶ月に亘つて、公判開廷が百十回、実地検証四回を重ねておるというのでありますから、相当丁寧にやつておるという感じは持つております。 一部世間で裁判所に対する政治的圧迫があるのじやないかという問題でありますが、どうも終戦後の裁判所というものは、なかなか政治的圧迫を加えにくいようにできており、それは誠に喜ばしいことと思います。又私就任いたしましてから一年になりますが、私は裁判に政治的圧迫を加えるというようなことはとんでもないという信念の下に毎日執務をしております。どういう点が政治的圧迫であるか、若し詳しいことがわかれば、むしろ進んで知りたいというような態度でおりますが、私の常識判断ではそういうことがないと考えております。又あつては大変なことと考えております。一応私の感想を申上げます。
○亀田得治君 これは法務大臣もいろいろ資料を集めておられるようですから、私から内容的なことについて特に申上げる必要はございませんが、非常にこの問題が重要だというのは、例えば弁護士の陣容、約百七十何名おりますこれらの顔ぶれを私ども見ましても、この事件で一番熱心に担当してやりておられる袴田弁護士、これは自由党の仙台の役員をしておられたかたなりであります。そういうかたなのであります。仙台の弁護士会の役員もされた経歴があります。で決してこれはそういう点だけから見ても、少し実態に触れてみますると、容易ならんやはり性質が含まれておる。これは世間では相当誤解されておると思うのであります、新聞に出る面だけからどうしてもこれは判断しますから……。併し実態に触れると誰でもこれはおかしいということで、例えば弁護人でもそういうふうな状態になつておる。でこういう状態がやはり広まると、やがては自分たちも、普通の自由主義者、こういう者も被害を受けるのじやないか、こういうことがやはり恐れられておるのだと私は信じておるのです。まあ抽象的なことを言つていても、いたし方ありませんから、端的に申上げてみますと、天際にこの事件をやつたのはアメリカ人だと、こういう考え方がずつとこの事件を突込んでおる諸君の中には相当入つて来ております。これは重要な問題だと私は思つております。これは濫りに私どもも専門家として口にすべきことではないから、なかなかそういうことは私も申上げません。併しこれはこれだけ裁判してもなかなかわかりにくいような問題でありますので、何回も法務委員会が開かれておるけれども、こういうことには私は法律家とししは慎重でなければならんと考えておりますから、そこで私は今日初めて申上げるのです。そこで大臣に一つ御意見を聞きたいのです。例えば一審の裁判において、アメリカのGIの制服を着けた人が法廷に入つて来て、そうしてあたかも裁判に立会つておるような恰好をとつたのですね。まあこれは四年前ですが……。それでそれは単に傍聴席におるのじやない。裁判官が坐つておるそれと同じ場所に、横又は背後におるわけなのであります。これは弁護団のほうから異議が出まして、暫くしてからそういうことはなくなつたようですが、私どもはこの事件当初の始まりというものが非常に大事だと思つておりますので、そういつたようなところにやはり端的に現われておると思いますし、又非常に誤解を受ける点もやはりあろうと思います。而も裁判中に、勿論これは通訳を連れて来て、そういう者が立会つておる。裁判長に発言したりしておる。これはもう明らかに日本の法規というものを無視しておりますし、内容り問題は別として、そういう形式がたこえ後にはやまつたにしても、一時的にもとられたことについて、これは私日本の裁判所にとつては大きな恥辱だと思つておりますが、この点についてり、一つ大臣の御所見を、これはお聞きになつておるかも知れないと思います。が、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(犬養健君) そのことは言葉で聞いたことはございますが、まだそういう事実の裏付というような調査をしておりません。仮定のことになりますが、仮にそれが本当としたら、極めて占領中といえども不適当な手段であると思います。じきにやまつたということが即ち不適当であつた証拠であると思います。これははつきり私は申上げます。
○亀田得治君 これは一つ大臣のほうでも、滅多にないことですから、よくお調べを願いたいと思います。それによつて、やはりこういう問題こそもつともつと法務委員会として追及しなければならないと思うのです。これは単に裁判官が外部から押付けられたから、仕方がないのだとそういうことで済まされないと思うのですね。まあ近頃裁判所の法廷形式の問題でいろいろありますが、まあそれについては後ほど別な角度から御質問があるようですが、そういうことも問題になつていいかも知れんが、今申上げたようなことは、もう制度の根本に触れる問題ですから、単なる末梢といいますか、法廷技術とかそういつたような問題じやないですからね、国民に対しても非常に大きな疑惑を持たす、そういう意味で一十分お調べを願いたいと思う。それからもう一つこういうことについて一つ大臣の御所見を承わりたいと思います。この裁判が仙台の高裁にかかりまして以後、高裁の鈴木裁判長は随分冷静な態度でずつとお調べ願つたようです。十分この検察側、被告側、更に弁護人側の意見、こういうことも十分お聞きになつたと私ども聞いておるのです。それはいいですが、今年の七月二十三日に審理を終結して十一月の五口に判決の言渡しをするということになつたわけですが、ところがこの判決の言渡し日が切迫するにつれまして、いろんなまあ私が今専門家としては。外すべきではないと思います軽率には……。ともかく関係者から見るといろんな危惧が始まつて来たわけです。ところが突然に十月の二十二日に裁判の言渡し日を十月二十八日に延期一孝こういうふうにきめこられたわけです。これは当然この事件の最初からの性格から見ても、関係者が心配するのは当然なんです。裁判長にその間の事情をお聞きするために面会に行かれたのです。裁判長はお会い下さつたわけですが、そのときの詳細は省略いたしますが、ただその中でこれは関係者が非常に心配されておることは、裁判長がこういうことを言われておることです。自分は外部の圧力に屈することはないけれども、判決文を書いておる途中で信念が変ることがある。これはもう非常に重要な、長い面会でありませんし、双方用意された、約束された僅かの時間冷静な面会ですから、非常にこれはもう皆の頭に残つておるのです。ところが同様にこれは弁護人の間でも実は問題だなつておるのです。こういう重要な事件について、判決を書く以前に基本的な方針がきまらないでどうして筆がとれるのか。判決を書いておる途中で変つて来る、それが白になるにしても黒になるにしてもそういうことがあり得ることか。これは誰でも、素人だけじやなしに、専門家であればなお更このことはおかしいと感ずるのが当然です。こういう点についての大臣の一つお考えを、私どもはこれはおかしい発言だと思つておるのですが、あなたはどういうふうにお考えでしようか。
○国務大臣(犬養健君) お答えいたします。これは亀田さんも御承知のように、私も裁判の体験者なのでありますが、言渡し期日を言われて、私も随分延ばされたことがあるので、どうもそれだけで特に深刻な意味があるかどうかちよつと今判断がつかないのです。これもよく事情を研究してみたいと思います。 二番目のお話は、これは私にも、伺つていて人間ですから感想が湧きますけれども、どうも法務大臣が第二審係属中の裁判長の言動について批判を加えるということについては、別の意味から申しますと、亀田さんが先刻御警告下さいましたそれこそ裁判の独立に対して政治的な何か影響を与えることになりますので、第二審係属中でありますので殊更慎みたいと思います。私にはおのずから感想はあります。併し今申上げることは、私の公的地位の関係で一つ遠慮することを御了解願いたいと思います。大体先ほどから伺つておりまして、第一審の取調の状況というものについては、私の知つておる範囲では、弁護人が相当批判しておりまして、これは第二審の判決に反映していると思うのです。そういう意味で、第一審、第二審というものがあるということは、やはりそういうところから見て行くと、第二審の近くあるべき判決を我々は多大の関心を持つて待つておるのです。こういう状況にある次第であります。 一言申上げますが、私の基本的な観念を申上げますと、大体国際的ないろいろつき合いをしておりまして、どこの国、或る国で裁判がどうもあいまいだというのが一番私は国際的な信用が落ちるし、又私たちの目から見て野蛮な感じを受けます。これは是非身を以て守りたいと思つております。世界的にこれから日本は敗戦の苦難から立ち直つて世界的に文化国家として地位を得るのに根本的な問題であると思います。私は諸外国の裁判などについてよくそういう感じもいたしますので、これは御注意をすなおに私は聞き入れて、十分その点は身を以て裁判の神聖、独立というものを守りたいと思つております。
○亀田得治君 十月三十九日の東京で行われた公安関係の検事長ですか、検事の責任者でしようね、その会同があつて、そのときに特にこの松川事件担当の山口検事が御出席されたようですが、これは何か特別の意味でもあつたのでしようか。
○国務大臣(犬養健君) 私は午前中訓示をいたしまして、それからまあ基本的な問題の話をして、午後から質疑応答をやつたわけです。そのときのことは一つ課長から御聴取願いたいと思います。いなかつたのであります。
○説明員(桃沢全司君) 先般の会同に山口松事は出席いたしておりません。
○亀田得治君 それじやまあ大臣のお考えもわかりましたが、これは私も裁判の公平、中立性ということを尊重しますので、例えばここで問題になつておるこの赤間調書とかまあそういう問題には今触れませんが、どうか一ついやしくも何か裁判所に不当な圧力がかかつているんじやないかとか、こういう印象を与えないような措置、こういうことも十分やはり注意をしてもらいたいと思います。これは何といつてもいろんな政治的な立場とかいろいろあるでしようが、そういうこととはこれはもう別な問題ですから、もうこの一線が破れたら非常に暗い恰好に私は入つて行くと思うのです、そういう意味で一つ……。私どももいずれ判決後になれば、もつと内容に入り込んだそういう批判もこれは当然我々の任務としてすべき時期があると思つておりますが、今はどういうふうな結論にしろ、とにかく裁判所が良心に従つて結論を出しているんだ、それを我々が見守つて行く、そういう疑惑が又起らないように皆が注意する、こういうことを一つ法務大臣に重ねてお願いしておきまして、質問を一応終ります。
○国務大臣(犬養健君) 裁判の尊厳維持についての御意見は、全然私同感でございます。たださつきのお話で、裁判長はなかなかしつかりしている人のように聞いているんですが、どうも信念が変るなんて、あとで問題となるにきまつておるようなことは、ちよつとぴんと来ないですが、いろいろ的確な資料でもあるのでしようか、砕いて伺うわけですが……。
○亀田得治君 まあそれまでは裁判長が検事側或いは弁護団或いは被告側に対しても非常に平静な態度で会つておられたわけです。この裁判延期を決定した直後の会合のときの面会の模様が普通とは非常に違つていたのですね。これは直感的にぴんと来たわけです。いろいろ手も震えておつたとか何とかいろいろ言つております。これは裁判長も、何でそんなに手が震えるかと、そういうことを聞かれたりしておりますから、それに震えておることは裁判長自身も認めておられるのです。そしてそのときの質疑応答のときに先ほどのようなことがあつたのですね。それで但し裁判言渡しの予定日、十一月五日、一昨日ですね。そのときに関係者がお会いしたときには、又元のような態度に近い状態に戻つておられた。そう実は聞いておるのです。それで、まあそれ以上申上げると、どうもいろいろ主観が入つて来ますから、客観的に私どもがつかんでおる事情だけを参考までに申上げておく次第です。
○一松定吉君 松川事件について世の学者とか、いろいろな評論家とか、新聞記者というような人が、いろいろなものを数千通も裁判所に送つて、無罪だ、無罪だというようなことをやるというようなことは、全く裁判というものの真意を知らない人々のやり方であつて、裁判というものは裁判に提示された各証拠によつて、判事の心証によつて裁判すべきか我が国の裁判の神聖な処理である。然るにいろいろな証拠でも証拠によらないで、被告人の言うことだとか、主義だとか、輿論、新聞の記事とかいうようなことを楯にとつて、そうして裁判官に向つてこれは無罪だから、無罪にしろというような要求をしたり、圧迫をしたり、申入れをするということは全く間違つたことだ。裁判官というようなものはそういうものに目をくれるものじやないと、こう私は考えておる。法務大臣も更に一層、同一意見であろうと思いますが、そういうことであれば、そういうようなことに迷わされないような裁判官というものを十分に、間違いはないでしようけれども、訓練をしておかなければならん。世論とか、世論も正しい世論ならいいけれども、証拠にもならん、ただ自分勝手なことで裁判官に威迫を加えるということは裁判の公平を害するということになる。これは由々しい問題だと私は思うから、その点については機会あるごとに十分に国家の意思を明らかにして、本当に権威に屈せず、富貴に淫せず、正々堂々と自己の所信を断行するということでなければ、司法権の威信というものは保てんと思う。恐らく法務大臣も私と同意見だと思いますが、御所見を一つ伺つて見たいと思います。
○国務大臣(犬養健君) 只今の御意見、私も同じように思つております。まあそういうことで上訴というようなことで、仮に万一第一審において裁判長の不作為の誤りがあるとしても、第三審においてそれが修正される。そこにまあ裁判の正当、裁判に関する法律の正当なところが出て来ると思う。私この頃では政治的な政党方面からの圧迫というものは余りないのじやないかと思います。大衆的な批判の圧迫といいますか、両方ともそれに影響されては裁判官ではない。こういうふうに思います。
○一松定吉君 法相の御意見は御尤もであつて、裁判権の行使発動に対しては、さようにしなければならんと私は思う。これはひとり裁判ばかりじやないのです。検察事務においてもそうだ。検察事務が往々にして誤まれる世論に属して、そうしてこれは起訴しなければならないものを起訴しなかつたり、或いは起訴してならないものを起訴するというようなことがあるので、これが同じような考えを持つて、検挙の公正というものをどこまでも期さなければならない。検察官にしても裁判官にしても、常に神のごとき考えを持つてやらなければならんということが我々の信念だと思う。そういうことに対して只今法相の御意見が十分に徹底するように機会をとらえて、御行動あらんことを特に要望いたしておきます。
○亀田得治君 只今一松先輩からお話がありましたので、まあ表現の仕方は違つておりますが、私もそれと同じことを言つておるのです。そういうふうに御了解を願いたいと思います。どちらかがそういうゆがめかたをしてはならない。同じことなのです。そういう、意味で一つ重ねてお願いいたしておきます。
○国務大臣(犬養健君) 亀田委員の御発言、私極めてすなおに拝聴したつもりでございます。 —————————————
○委員長(郡祐一君) 一松委員の一、二回仰せになりました大阪の法廷秩序につきまして……。
○一松定吉君 昨日委員長に申上げまして、この委員会の御了解を得て頂きました大阪の裁判所内における不穏当な行動に対しまして、法務省においてはさだめし詳細な御報告があつておると思いますが、それらの点について概略の御報告を一つ法務大臣にお願いいたしたい。
○国務大臣(犬養健君) これは私ども極めて関心を持ちまして、事情取調べをしておりました。御承知のように本月の二日に大阪地方裁判所において日本出版販売株式会社の労働組合大阪支部の労働争議に派生した事件でございまして、森田秋勝という被告人その他二十七名に対する公務執行妨害、傷害等の被告事件の第一回の公判が行われました。そこで問題が起つたのであります。又もや法廷秩序の混乱をみたということは私も非常に遺憾に思つております。 今まで承知しておりますところではこの森田という人その他が、インターナシヨナルなどの歌を高い声で歌いまして歌いながら入廷して傍聴人はそれを拍手を以て迎えたというようなことで、裁判長がこれに対して制止的な発言をしようというようなことをした。ところが今度は多数の被告人は大声で裁判長を難詰して、裁判長の発言禁止に応じないので、裁判長は会議を宣して一月退延した。ところが被告人は全部立上つてスクラムを組み民族独立行動隊の歌を高唱して気勢を挙げて、間もなく裁判長が入廷して歌を歌うことを禁止したことに対してこれに応じなかつたので、直ちに退廷を命じたのですが、これに対して被告人たちが喚声を挙げて一時法廷を混乱状態に陥し入れ、拘置所の係員によつて拘束されて、被告人四名が強制的に退廷せられた。こういうような、もつと細かいこともありますが、大体そういうようなことになります。 裁判所ではこの七月のいわゆる吹田黙祷事件の経緯に鑑みまして、この十月九日検察官、被告人、拘置所係員と関係者を集めまして、法廷内外の秩序維持及び訴訟促進について協議を行いました。できるだけ秩序のある審理の進行等を図ろうといつて努力しておつたのでありますが、又こういう事件が起りましたのは誠に遺憾に思つております。どうもたびたび起りますので、法廷等の秩序維持に関する運用その他について裁判所が当局と実際どうやつたら本当に秩序維持に関する法律が行われるか、その対策をやつておると思いますが、ただこれは両先輩に申上げるのは却つて失礼でありますが、法廷等の秩序維持に関する法律は御承知のように、その運用が裁判所の専権に属しておりまして、検察庁といたしましては、その適切な運用をまあ心から希望をしておるという立場でございまして、そこはちよつと昔の法務省の関係になつておりません。その点は無論十分御了承願いたいと思います。 もう一つ考えましたのは、この種事件の公判手続について何か特別法を制定したらどうかというような御意見もありまして、一応研究してみたのでありますが、こういう事件の範囲を紋る、絞り方をやつてみますと、なかなかうまく行かないのです。事実罪種で絞るから法律列挙主義になりまして、これは先般も御注意がありましたように、法律で列挙主義というのは、どうも洩れたものは全部枠へ入らないことになるのでむずかしい。それから多数というようなことから紋つて規定しますと、選挙違反が入つて来るというようなことで、これは又大問題になると思うのであります。がどうも立法技術上困難なこともありますので、なかなかこれはむずかしいのじやないかと思つておりますが、いろいろ御経験も豊富なことでありますから、何かそういう点の御注意があれば、私どもは喜んで伺いたい。
○一松定吉君 何かそれに対する善後処置は、取りあえずお考えになつておることと思いますが、それはどういうことに今進行中ですか、それは放任しておくわけに行かんだろうから……。
○国務大臣(犬養健君) これは結局裁判所が毅然としてもらいたいということになるのでありますが、どうやつたら裁判所が毅然たる尊厳を維持するかという問題については、又いろいろ根本の問題がございます。例えば裁判長を選ぶ選び方などについても世論はいろいろ批判をしております。根本問題としてそういうことも研究中でございます。
○一松定吉君 公務執行妨害ということであれば、それを取調べて起訴、不起訴にするとかいうことは、これは極察の職権になる、そういう手続を今やつていますか。
○国務大臣(犬養健君) これは御質問に少し外れるかも知れませんが、私がこれを見ておりますところですと、裁判長のおのおのの考え方性質にもよつて、まあだだつ子をなだめるようにして持つて行くほうが裁判がなめらかに行つて結局捗ると思う人、いやしくも秩序維持尊厳ということを非常に厳格に考える人とまちまちになつておると思います。そこに私も感想があるのでありますが、法務大臣として裁判所のやり方を軽々に批判するということを控えながら、たびたび起るこの種の現象に対して基本的な今研究をしております。早晩放つておけないようなこともあると思いまするので、裁判というものの秩序維持、どうやつたら安んじて秩序維持ができるか。秩序維持に関する法律はありますが、まあ余り行われていない、その原因はどこにあるか、こういう問題をたび重ねてやつているのでありますが、それについての法務大臣の感想はちよつとまだ、事柄が事柄でありますし、裁判所に政治的な影響を与えるようなふうに思われても、これも又弊害になりますから、控えております。
○委員長(郡祐一君) 裁判所の関係は最高裁の事務総長を呼んでおりますので、間もなく参りますから……。
○一松定吉君 検察のほうですから……。そこで今法務大臣のお心遣いは、私は御当局として尤もなお取扱の方法であろうと思いますが、大阪には御承知の通り次から次にこういうことが起る。そうして恐らく弁護士もまあこれを教唆するとか、或いは共同歩調をとるということではないでしようけれども、被告らの地位を擁護する立場にある弁護士諸君が、そういうようなことの裁判に及ぼす影響、並びに被告人としての態度はよくないということで、諄々として説いて裁判所と協調して審理の促進を図るようにすればいいのに、往々にして係弁護士がこれを黙諾し、若しくは看過し、若しくは懲慰するというような態度があるのではなかろうかと思われるような疑いがある。そういうようなことについてもこれは弁護士の品位を傷付けるというようなことで懲戒問題ということも起り得ることであろうと同時に、法廷秩序維持に関する法規が厳存している以上、その騒いだものを全部どうするとかいうことは別としても、一罰百戒の意味においても、そのうちの数人検挙して法の威信を示すというような態度に出る必要が私はあると思います。そういう点について一つやはりお考えになつておかないと次から次と起りますよ、もう現に大阪でもこれで三回目ですね。そうして一番始めの吹田事件については、いろいろ裁判所としても態度はきまらなかつたが、後に態度がきまつて断乎たる処置をそのうちの一人二人にとつたようですが、やはりこれは法の威信を保つ上において、法が厳存している以上は、我々はこういうことをすればこういう結果になるのだということは、彼らに認識せしめる必要が私はあると思いますが、そういう点についても今のあなたの思いやりは御尤もですが、思いやりはそういう点でも一つ十分御検討賜ることが私は勿論必要だと思いますが、その点如何でしようか。
○国務大臣(犬養健君) 根本問題としては、法制審議会その他で裁判所の根本問題が当面の問題になると思います。刑事訴訟法の問題はよしあしは別として一段落つきましたので、今法務大臣として一番頭にありますのは、我が国の裁判というものをどちらにも偏せず中立性を保つのにはどうすればいいのか、これが私の一番重要な問題になつて非常に悩んでおります。併し真剣に取つ組んでいるしだいでありまして、先ほど申上げましたように法廷における秩序維持というのは、どうしてもこれは裁判所のほうの仕事でございますので、裁判所にしつかりして預かなければならない。先ほど落して失礼いたしましたが、この公務執行妨害その他の犯罪を構成するという段階では容赦なく検挙する実際の場合はそれとすれすれの線上のところのような事件が非常に多いのでありまして、横川察庁警察が相当まあ手こずつているようなわけでございます。併し犯罪を構成するはつきりした事件は容赦なく検挙いたしております。
○一松定吉君 これは専門家の立場から私は疑問はないと思うんです。犯罪を構成することは、裁判官が裁判を進行しようとしているときに、インターを歌つてその進行を妨害する。そういうような行動に出てはいけないからやめなさいということを裁判官が言うのは、やめさせて裁判官のいわゆる行うべきところの裁判の進行をやろうということができないような立場に至らしめるのですからして、公務執行妨害であるということは、これは疑問がないと思うんです。そういう点は公務執行妨害であるのではないか。それは疑問があるというのでは、まだ裁判官の本当の法廷秩序に対する態度というものがまだ十分に検討されていないと私は思います。これから先裁判をやろうというときに革命歌を歌う、制止してもきかない。それがために審理の続行ができないから休廷を宣するというようなことは、明らかに裁判の進行を妨害するものであるから公務執行妨害であつて疑問はないと思います。そういう点を一つ検討して検察官の職権を執行する範囲内については断乎たる処置を以て臨む、裁判所のほうはこれは勿論法務大臣の指揮監督の下にないのですからして、これは最高裁判のほうで考えなければならんと思いますけれども、そういう点について一つ十分に御考慮を願いたい。
○国務大臣(犬養健君) これは丁度最高裁の事務総長も見えましたから、法廷における秩序維持に関するほうは、そちらから御聴取願いたいと思います。公務執行妨害の水平線に上つて検挙するというような問題は、ここにおります課長が専門家でございますから御参考までに申上げておきます。
○説明員(桃沢全司君) 只今の公務執行妨害の問題でございますが、公務執行妨害まで行きますのには、やはり暴行、脅迫が必要になつて参りますので、法廷でインターを歌つたとか、拍手したとか、或いは裁判の執行を大声で妨害したというだけでは、ちよつとむずかしかろうかと存じております。よく法廷で公務執行妨害の問題を生じたりするのは、退廷を命ぜられた者が暴れて、これを執行しようとする看守に対して暴行を加えたというときに公務執行妨害で検挙した事例はございます。それから只今一松委員のお話の問題は法廷等の秩序維持に関する法律の第二条「暴言、暴行、けん騒その他不穏当な言動で裁判所の職務の執行を妨害し若しくは裁判の威信を著るしく害した者」がこれに当ることは誠に明瞭であろうと存ずるのであります。かような行動に出た者を一体誰が取締るかということになりますと、先ほど大臣のお話もあつたのでありますが、すべて裁判所が専権で判断する。そして「二十日以下の監置若しくは三万円以下の過料」、こういう罰則があるわけでございます。これに対して検察官はその職権を発動して、事実行為は別といたしまして、検察官がこういうようなものを直ちに検挙するという権限は認められていないのであります。その点この法律の運用について私どもは最高裁の事務当局とも交渉をいたしまして十分活用されるようにいたしたいと存じております。
○中山福藏君 ちよつと私牽連してお尋したい。只今法務大臣のおつしやることも御尤もであるし、私どもよく頷けるのでありますが、実は私日本出版販売株式会社の公判の当日に、そこにおつたのです。そして、もう実に喧噪を極めておりまして、我々在野法曹としては、これで日本の裁判制度というものは、従来の面目を保つて行けるかどうかということを非常に心配すると同時に、いろいろとこれに対する対策はどうしたらいいかということも考えさせられたのでありますが、私が一つお尋ねしたいと思いまするのは黙祷事件というものがすでに起りましてから時日を経ておるのでありますから、これは最高裁判所でやはり検察当局と御相談なすつて、すでに一つの対策くらいは、こういう方針をとつて行こうじやないかということだけはおきめになつておつてもいい頃合いじやないかと実は考えて、さつきからの質疑応答を聞いておるわけなんですが、これから検討すると仰せられては、私どもなかなかどうも頷くことがむずかしいのですが、大体の目安はまだついていないのでございましようか。こうするという目安ですね。如何でございましようか。
○国務大臣(犬養健君) これからじやないので、とうにやつておるのでありますが、結局これは裁判長というものの地位、裁判所そのものの問題ということになりますので、十分、これはほかのことと違いますので、裁判所側の意見を尊重し、法務省だけが、何と言いますか、強引に手をつけるという方法を慎んでおりますので、外部から御覧になると生温いようにお思いになるかと思いますが、これからやるということでなく、相当私も深い関心を持つてかなりしばしばこの問題に省内で触れておるような次第であります。裁判所のほうの意見は別に……。
○委員長(郡祐一君) それでは中山さん、法務大臣に対する御質疑がございましたら、まとめて一つお願いしたい。
○中山福藏君 それでは問題を簡単に述べまして、法務大臣の御意見を承わつておきたいと思います。昨日の新聞でありますか、ソ連の在留者が大体千四百人以上おるということで帰還の折衝が行われておるようでありますが、そのことにつきまして更に一万余名おるということが他国人の、第三国人の調査で明らかであるということも、これ又新聞の報道でありますから、果して明確であるかどうかそれは疑問でありますが、そういう点にいて法務省のほうには何か的確な証拠でもございませんでしようか。
○国務大臣(犬養健君) これは外務省と始終緊密なる連絡をとつてやつておるのでありますが、ソ連発表の数がそのまま正確であるかということについては、研究の余地があると思います。どうも間接の又間接というふうな情報で、情報そのものを直ちに法務大臣が国会の席上でどうもこれは本当らしいと申上げるだけの裏付けがまだないのでございます。発表の数だけであるかどうか、それに多大の関心を持つてできるだけの調査はしております。誠に生温い答弁で申訳ございませんが、なかなか隔つていることでありまして、いろいろな情報が入るのですが、どうもそれを根拠に日本政府が意思表示するというような、そういう材料には少し資格が欠けているようなものばかりなんであります。十分外務省と連絡いたします。
○中山福藏君 これは昨年来私が常に提唱しまして、戦犯の釈放、或いは減刑、赦免という問題について、平和条約の第十三条に基きまして勧告使節を派遣されたらどうかということについていろいろと法務省或いは外務省のほうに申込んでおいたのでありますが、今日まで何らその結果が現われていない。これは勿論国費を使つて向うのほうに行つて折衝することでありますから、今日の財政の貧弱な場合に相当考慮しなければならんということはよくわかるのでありますが、昨日これについて私から法務大臣がお見えにならなかつたときに申しておいたのですが、私は或る外交問題を解決したその体験者であるので、その実例から推して、これはやはり直接に、じかに国民の代表というものが例えばイギリス、オランダ、豪州というようなところに行つて折衝したほうがいい。阿うんの呼吸で折衝し、ものに結末をつけることが肝要だということを申しておいたわけなんであります。その外交問題というものを極く簡単に御参考に申上げると、私が二十五歳のときにインドネシア、即ち当時の蘭領印度にランダー事件という事件が起りまして、七人の邦人を捕縛して銃殺の刑に処しようとしたのです。私は当時あなたのお父さんの部下におりました伊東知也代議士というような連中と一緒に相談して国民大会を東京で二、三カ所開いて、それで大いに私ども個人としての国民運動を始めたわけであります。当時の外務省の通商局長は後日ソ連の大使となりました田中都吉氏、それから外務省の次官が松井慶四郎というような諸君がおつたのでありますが、一向埒があかん。なお又インドネシアにおきましては当時オランダの植民地行政の百年祭が行われるので、その記念行事として当時バタビアに駐在しておりました浮田総領事は勲章をもらうというので、それで全然交渉してくれないのです。ここにおいて私どもは止むなく個人で外交交渉をやつたのですが、これはうまく当りまして一年目に成功して賠償金をオランダから取つたのであります。当時のオランダの公使はアズベツク男爵でありましたが、私はオランダの公使館に乗込んで賠償金をとつたのであります。そのときに外務省は感心したのです。外交交渉で一年ぐらいでそういう立派な結末のついたものはないというので、済んでから大変褒められたのですが、それと同様にもうすでにこの戦犯釈放の問題で、イギリス、オランダ、豪州と折衝を重ねてから相当時日が経過しているにもかかわらず一向に将があかない。私は過去の体験を活かして、この際やはり直接にぶつかつておれはこの目的のために来たんだと先方に訴えて、何とか勧告に応えてもらわなければならんと、こう考えているわけでありまして、これはまあいろいろの費用の点からも遠慮すべきかとも考えますが、戦犯の諸氏に対して余り気の毒ですから、一応これはやはりこうやるのがいいのじやないかという考えを以て一年間ばかりこの議論を続けているわけです。そのことにつきまして大臣はまだ閣議なんかで御相談して頂いておりませんでしようか。如何なものでございましようか。
○国務大臣(犬養健君) お答え申上げます。この問題は最近も二度ばかり閣議で問題になつております。私は少し趣旨は違うかも知れませんが、中山さんのお考えとほぼ同様な考えを持つているのであります。と申しますのは、この間有田八郎さんと山下春江さんがダレス米国国務長官に政治的な解決で話をされた。それが正規の専務交渉にはそのために新木大使がいるじやないか、裏で取引するのは……というようなふうに、相当私の読んだ限りでは手厳しい返答であつたわけです。併しいろんな場合の材料を読んでみますると、国内の輿論に返事のできるように書類で、釈放、減刑、仮出所を書類で十分考究すべきだというふうな空気でありまして、結局その国その国の、つまり日本将兵によつてかたわになつた人、死んだりした人は勿論でありますが、かたわになつたりした人の家族がその国の都市農村におります。その輿論をおのおの政府が相当考慮に入れている。そこで宗教家であるとか、法曹界の誰も自然に頭が下る長老の人が行かれて、そうしてその国その国の輿論を緩和することができたらそれが反映しておのおのの政府が又なおこの問題について一歩前進する機会が生まれるであろう、こういうふうに考えております。そういう意味で御趣旨は全然賛成であります。 それからそれほど根本的な解決にはなりませんが、今度土田君が中央更生保護委員会の委員長として土田君が行きまして、今までこの人はもう仮出所でいいというような材料がのべつたらに特徴もない事務的なものであつた。今度は相当一つ一つに浮彫り的に描写いたしまして向うの印象を深めるようにした、これはどうも効・果があつたように思います。併し全部を釈放するとかいうような問題はまだ輿論というものを相当考慮しておるように思います。その政府の気にしている輿論の根源の問題を、政府以外の一般のかたがたが行かれたら効果的ではないか、これは旅費の問題ではないと思います。私はそういう意見を人にも申しておる次第であります。
○中山福藏君 全く御意見よくわかるのでありますが、実は私は大体一九四三年ですかねあれは……、カイロ宣言或いは一九四五年のヤルタ協定、ああいうものの文句についても外交的にそろそろ準備をいたしまして、あの協定の内容というものが過去の歴史上の事実に照らして誤つておるのだということを世界に闡明せなければならん時期が来るのじやないかと実は個人として考えております。と同時にやはり極東軍事裁判の判決というものが公正であるかどうかということを吟味される、時の経過によつて吟味されるときが必ず来ると私は考えております。そういう意味で昨日も申しておきましたが、インドのカルカツタでパール博士に会いまして、それでいろいろ二時間ばかり相談或いは意見を聞きまして、この判決、或いは裁判の制度そのものが後日必ず批判の的になる時期が来る。これについては今日からこの在京法曹、或いは在野法曹におきまして、その態度というものをきちんと定めておく必要があると思います。 第三に私が申上げたいことは、それと同じようなことで我々の勧告、いわゆる平和条約十三条によりまして戦犯釈放に対するところの勧告というものはこういう根拠に基くのだ。成るほどイギリスの松本大使でございましたかね、あそこにおられる人は……。あの人なんかこの問題は触れてくれるな、大変感情を害する……。外交官としてはこれは当然だと思います。先ほど申しました浮田総領事も事勿れ主義で一切合切私のやつたような外交交渉はやつてくれませんでした。私のやつて成功した手なんかでも、海外におりまするところの出先官憲というものは非常に小心翼々と事勿れ主義、自分の任期中に事があつては大変だという気持を持つておられる。これは尤もでありますが、併しながら国を代表するとか、こういう目的で使たのだとかいう場合には、その立場というものを徹底するように宣伝しなければならんと私は考えております。従つて怪我したといつても向うの人だけが戦争で怪我したのではないのだから、こちらも、敗けた私たちも怪我したものもあれば親子を残して死んだものもあるし、結局同じ立場にあると考えるのであります。従つてそのどちらもこういう非惨な目にあつたのだ、それだのに我々は敗けたからこういうふうな立場にあるのだということをもう少し徹底するような方策を講じまして、何とかそこに一つこちらの意見の通るような手段をとつて頂くということが必要じやないかとこう考えるのでありますが……。
○国務大臣(犬養健君) 私も死んだり怪我した人の家族がそう思つていることを是認しているわけではないのであります。そういうことに対してもう過去は一つ水に流してよりよき世界を作ろうというお話は無論なんであつて、そういう点で全く御趣旨に同感であつて、広い社会に尊敬されておる人がそういうことを誰々とその国の輿論に訴えて、輿論を緩和し、輿論の反映で政治をしている、殊にデモクラシーの国は皆そうですから、政府がやりいいように、そういう人が行くのは極めて有意義であると考えております。これは事務的にやりますと、御承知と思いますが、向うには軍事裁判の結果が悪いという話が入つ来る、事務的には入つて来る。それもそうなんだが、こういう事情があるから仮出所をやれというような話はその事情を詳しく書いたほうがいいと思います。 〔委員長退席、理事亀田得治君着席〕 それで全然別な立場で、過去のことを水に流してもつとよい世界の再建の問題を話上合おうじやないかということは官吏の事務では無理でありますから、その意味で中山さんのおつしやるような、日本の誰が見ても立派な人であるというような人が行くことは、私は旅費の問題ではないと思います。
○理事(亀田得治君) 速記をとめて。 〔速記中止〕 —————————————
○理事(亀田得治君) 速記を始めて。 大阪の裁判所における法廷の秩序の問題ですね。これは先ほどまあ大臣からもお話がありましたように、法廷指揮をきつくやる、或いはゆるくやる、いろいろな考え方はこれは裁判長にあるわけですね。先だつての日販事件の場合には中山さんもおられたようですが、これは畠山裁判長がなかなかこういう問題については強硬に出られる性格のかたなんですね。従つて裁判が始まる前から注意書なんかをずつとお配りになつて、いわゆる毅然たる態度を示されたわけなんです。そういうことがずつと尾を引いて相当感情的になつている。私はこれはやはり裁判所というものは真相をずつとつかんで行く、そういう立場から見ると、必ずしも賢明なやり方ではないといろいろ考えておるのですが、そういう面もやはり考えて見なければならんと思つているのです。というのは、やはり裁判長も人間ですから、相手が制止するにもかかわらずそれを破つてやる、けしからんということで裁判長が制裁を加える。どうしてもこれは裁判長にも一つの感情というものは残つて行くと思います。幾らそういうものを水に流して、事実審理をする場合には平静な気持でやつて行くと言いましてもですよ。だからやはり、勿論無秩序であつてはならない。これは私は勿論当然だと思います。併しこれはやはり裁判所の最大の任務は真相をつかんで行くということなんですから、そういう立場から見ると、果してどうかというふうな感じは忌憚のないところ私は持つているのです。それから世間一般から見ても、これは普通のやはり犯罪と違つて、いわゆる確信犯の裁判ですから、少しやはり取扱いが逃つている。甘やかすという意味じやないのですが、事案そのものの性質から、世間がそれによつて裁判所の権威が侵されるというようなことは私は考えないと思うのです。これはやはりそういうふうに感ずるのは、私どものややもすると持つておる既成の法律的な考え方、そういうものがやはり少し勝過ぎるのじやないか。私どもうつかりするとそれが出ます。併し又半面から反省して、そういうふうに実は考えるわけなんです。これが例えば右翼の人の裁判であれば、やはり天皇陛下万歳とか、こういうものは出て参りますよ。だからそういう問題は成るべく常識的にやつて行くということも私は一つのやはり方法だと思うのです。佐々木裁判長なり例えば笠松裁判長強い弱いと言つたら弱い態度でやつておられますね。私はそういう感じを持つていますから、畠山裁判長必ずしも賢明なやり方ではないと思いますが、これは裁判長としての権限でやつておられることだから、やはりこれは皆が見守つたほうがよかろう。これを途中で感情から行つたのでは、やはりそういうことに対するどれが一番いいかという結論が何か曲げられてしまうと思うのです。丁度大阪であの同じ時期に、性格も丁度硬軟、それから中間、これは極めてそういう恰好の裁判長が同じような事件を三つやつており、おのおの自分の個人的な性格を出している。誰が何と言つても、おれはこれで行くのだということでやつておられるのですね。私は無秩序という意味じやなしに、これはすぐ最初に申上げたような問題なんかにも関連して、やはり裁判を皆尊重して行くという立場に立つならば、自分はこういう考えだから、その考え通りに行かないと法廷指揮はどうも行かない。その代りに逆のほうの立場ももう少し大目に見て行く、こういうふうなことじやないと、裁判が右左から干渉を、突つかれ通しになつて行くのじやないか。実際大阪弁護士会でも非常に心配しております、それから裁判所のかたも心配されておる。無秩序な点は改めて行く、これは誰も異論がない。併しその最後の一線はこれは重大な問題だから感情的に判断してはならないということで、大阪の裁判官会議でも、弁護士会の会議でもああいう結論を出しておられる。私はこれは一つ慎重にお考え願いたいと思うのです。どうも検察官のほうは少し違つた立場で相当強硬に出られまずけれど、もう少しそこを検察官のほうも、裁判長なり、被告のほうの立場を図つて、又裁判長のほうも被告のほうも検察官の立場を了解して、もう少しスムースに行くようなことを積極的に考えなければいかんのじやないか。一松さんの、まあ先輩の御発言に対して少し反駁するようなふうになるかも知らんと思いますが、例えば法律を作る、こう言われますけれども、新たに法律を作つて何しても、やることはやはりやるのですね。ああいう確信犯関係の人はどんなにとめても……。で、それではけしからんじやないかと、直すということになるのでしようが、そこにはやはり限度がある問題ですから、まあ立法されるというような問題がちよつと裁判所に……、大臣のほうでは、そういうことまでは考えておられんということですから、いいことだと思いますが、いたずらに立法とかそういう問題で解決すべき問題じやなく、やはり裁判を皆で育てて行くという立場で、もう少し皆が努力して行くというふうな方法がいいのじやないかと私ども願つておるのです。
○国務大臣(犬養健君) この種の問題に関する検察庁側の態度というものは、態度を具体的な事件のたびに打合せもし、又研究もしております。裁判所のほうのことは私もいろいろ知識を得たいと思いますが、丁度ここに最高裁判所の事務総長がおられますから……。
○理事(亀田得治君) 速記をやめて。 〔速記中止〕
○理事(亀田得治君) 速記を始めて下さい。
○説明員(五鬼上堅磐君) 全般的に申しまして、法廷の秩序維持については非常に裁判所としてはいろいろ苦労いたしました。一昨年法廷秩序維持に関する法律のできる頃以前においても、この法律が成立後においても、裁判所としては会堂或いは研究会等いろいろな方法で以て、全般的にこういう要するに多数の人を裁判することを私どもはマストライアルと言つておりますが、手続に対してはいろいろ研究しておるのですが、併し何と申しましても先ほど御発言にもありましたように、裁判そのものが生きたものであり、その手続に法律をぴつたりと当てはめて行かなければならない。法律でいろいろな点を定めましても、必ずしもその法律が当該事件にそのままぴつたりと当てはまつて行くということができない場合もあるので、いろいろ法廷の秩序が紊されて、而も世間では非常に法廷が騒がしいというように言われておるのでありますけれども、最高裁判所といたしましても全体的には今のようなことをすると同時に、制度的にもう少しどうしたらいいかということを或いは各国の立法例等についても検討いたしておるのでありますが、何分にもあのような百人用の人を裁判するような大きなマス・トライアルというのは、殆んどが私どもの知る限りにおいては英米、ドイツ等においてもその事件の実例がございませんのでありまするからして、果してこういうようにすれば、法廷秩序は必ず維持できるのだというような決定的の結論には達しませんが、併しこの法廷秩序維持に関する法律が成立後において、普通の事件においては非常に秩序がその成立以前よりもましてよくなつておるように思うのです。問題は今のような公安事件、特に多勢の被告を対象とするというような場合にやや起るのでありまして、かような点について大阪の事件、いわゆる三つありましたあの最近の事件についても、事は現に係属中の事件でありますので、私どもとしてもいろいろ慎重には考えておりまするが、先ほどの御発言のように、非常な強い態度をとられる裁判長もおられるし、或いは又その方法において法廷の秩序を維持する方法において必ずしもそうでないというような態度をとられる裁判長もおられますが、いずれにしても裁判の手続を進めて行く上においては、相当当該裁判官は苦心されておるのでございます。
○中山福藏君 私は硬軟よろしきを得るということは、すべてのものの進行の上において誠に重要な要素であると考えるのでありますが、従つてこういう点から各裁判長の態度を見ておりますというと、或る者は強く、或る者は弱く、或る者は中間的な態度をとつている。まちまちの姿が裁判の進行に現われて来ておるのを見ておるのであります。従つてこれは裁判回の独立的な立場を斟酌して、これにかれこれ容喙するということは私どもは決していたしたくないのでありますが、併し大局的に見ましてやはり裁判というものは一つの神聖なものであり、又国民がこれによつてこそ社会の秩序安寧が維持されるということはみんな認識しておるところでありますから、部分的な問題にとらわれて眼を大局的によう放たないということでは、私は全般的な裁判制度というものは滅茶苦茶になつて行くのではないかということを恐れる。従つて大阪、いわゆる関西地方の裁判のあり方を見ると同時に、国家全体の裁判制度というものをどうしたら維持できるかということに演繹してやはり考えてみる必要があるのではないかと思うのであります。 従つて私ども第三者として、現実に足元に起つた事件吹田事件、或いは今度の日本出版販売株式会社の問題、そういう問題について公判が行われますときに現在見ておりますというと、裁判所があるかないのかという感じを実は受けるのです。あの鉄扉が、拘置所の鉄の扉が開かれて被告らが出て来るときには、盛んに大きな声で歌を唱うのです。そうして法廷に来ますというと又同一の行動をとる。そうして或る政治的な意味の宣伝工作に使われる。本人らは宣伝工作じやないと言うけれども、世間では宣伝工作の意味にこれを受取る者が私はたくさんあると考えてるので、そうしてこれがどういうところに目標を置いているか、どういうところに、目的を貫徹するためにこれが行われているかということは想像にかたくないのです。これはそういうことまで委員会で申上げる必要はないので、すが、そして或る宣伝の具に供せられるというような虞れも多々にあると思うのです。これは併しそういう目的でやつているのじやないと本人らは言うかも知れませんが、第三者の受ける感じというものは、これは各自おのおの違つて、いろいろな意味に私は感じているのじやないかということを思うのです。従つて法廷秩序維持に関する法律の第二条の適用ですか、これは裁判官の専権、裁判長の専権に属する問題として公務執行妨害という検察官の立場からお取扱いになる行動とは別個なものとして、両方からどうすればいいかということでときどきは御協議もあるように只今法務大臣も申しておりましたが、これの取締を強化するか、或いは従来のまま裁判の進行というものが目的であるから、できるだけ穏便に取扱つて行こう。そうして時間的に、結果から見て早く判決が行われたということになりますれば、それで結構じやないかという意見も聞くのですが、これは私個人としては、これは亀田委員のおつしやつた、今のままがいいのじやないかという意見も御尤もな点が多々あると思うが、併しこれを強化したほうがいいのじやないかということも考えられるのであります。これは併しその時と人と場所によつてその裁判官のとられる態度もおのずから、建つて来なければならないと思うのでありますが、併し一つの基準というものはやはりこれは示しておく必要があるのじやないか。例えば破防法というものが議会を通るときに非常に攻撃を受け、並びに通つた後でその結果というものは一年、二年後にその過去を振返つて効果を見るときに、初めてその法律の価値がはつきりするものだということを、私はあの当時本会議で申したのでありますが、それと同じように、たとえできた法律を適用するせんは別として、一つの法律というものはあつたほうが、その秩序を維持する上においていいのじやないかという考え方かり見ますというと、やはりこの法廷秩序維持に関する法律というものを強化して行く必要があるのじやないかと私は考えるのですが、事務総長の御意見は如何なものでしようか。
○説明員(五鬼上堅磐君) この法廷のあり方に関しての中山委員の御発言に対しては全く私ども同感なのであります。大体この法廷秩序維持の法律のできる前といえども、法廷が静かにして十分自分の主張を裁判所に訴えることのできるようなあり方にあるべきだということは、これは私が申すまでもないのでありまして、最近、法廷がときどき喧騒にわたるというために、最高裁判所としては合同のあるたびごとに、すでに長官訓示として五回も、法廷においては秩序を維持するために、事件に関係ないいろいろな発言の他については、これは取締るべきだということを相当強く主張いたしておるのであります。従いまして法廷秩序維持に関する法律も、時とその場所によつて活用するということも十分訓示の中に誉め、又その方法については、いろいろ先ほど申したように、協議研究をいたしておるのでありまして、例えばその例の一つとしまして、法廷警備員というようなものも最近に設けまして、まあ予算の関係もありますからして、十分とは申せませんが、漸次裁判所に法廷警備員を置いて法廷の警備に任じさし、その法廷が騒々しくなつたときに備えるというようなこともいたしております。併し法律自体は、法廷の秩序維持に関する法律自体は、これはもう私申上げるまでのこともございませんが、何と申しましても、法廷の開廷中及び裁判官の面前における場合だけに限定されておるのであります。而もその処罰についても、極めて軽い監置処分、及び過料というような状態になつおります。でありますからして、非常な大勢が、法廷の秩序を守らないということをすでに前提としてかかつて、法廷を混乱に陥れて、そうして事件に関係ないことをいろいろ発言しようというような、この大衆的の犯罪に対しては、やはり何らか法律的にも考えなくちやならんのじやないかということも、私どもとしては目下研究中なんであります。
○理事(亀田得治君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○理事(亀田得治君) 速記を始めて。暫時休憩いたします。 午後零時十三分休憩 —————・————— 午後二時三十五分開会
○委員長(郡祐一君) 休憩前に引続いて委員会を開きます。 茨城県布川町に新聞取材に参りました新聞記者等に対する暴行事件が起こりましたことが新聞紙等で伝えられておりますが、今日まで政府側が御調査になつたこと、又これに対して処置なさろうとしている模様を政府側から御説明を願つておきます。
○国務大臣(犬養健君) この事件は天下の大事件というのではありませんけれども、内容を読んで見ますると相当乱暴な事件だと思つて関心を持つている次第でございます。委員長これは経過を申上げたほうがよろしうございますか。
○委員長(郡祐一君) はあおつしやつて下さい。
○国務大臣(犬養健君) それでは委員長のお指図に従いまして小貝川河口付林反対運動の不法事案の発生について事件の経緯を御報告申上げます。 小貝川の河口付替背割堤案というものがありまして、これに対する反対運動が非常に激しくなつて参りました、そこで茨城県の県庁記者倶楽部で現地の実情を視察しようではないかということを申合せまして、この二日のお昼ごろに記者倶楽部の幹事と朝日新聞の宮下君というのが直接電話で布川町の町長の山田氏に対して現地を視察に行きたいがどうかと申入れたところ、どうぞというのでそれじや専門家を連れて行つたほうがいいから、一、二名連れて行くからといつたところがそれは困るという、こういう話で拒絶をして来た。併し記者団としては協議の結果河港課長を同行することが問題の視察に、適当だと考えて、同行をここに決定したわけであります。それで更に朝日新聞の河地君という記者が今申上げました山田町長にその旨連絡しましたところ、「連れて来るのは勝手だが、そのとき役人が殴られても町長としては責任をとれない。」こういうような返事があつたというので、どうもちよつと町長としては異例の言動としか思われないのであります。併し記者団はまさか本当に暴行をされるとも思わないで出かけて行つたわけであります。それで記者倶楽部の諸君とそのほかに役人を連れて行つた。関東地方建設局の庶務部長と利根川下流工事事務所所長と二人を連れて行つたわけであります。 ところが地元では郷土防衛隊本部というものを役場のすぐ前に十一月一日から作つておりまして、二日からは毎日六名を交代させて町内を巡察して建設省係官の入つて来るのを警戒中であつた。よほどこれも異例な事件のように思われます。そこへ今申上げた記者団の一行が到着しましたところが、直ちに同所の半鐘を打鳴らして、それと同時に六分団の半鐘のほうも同様の信号を鳴らした。まあ演習召集の信号をやつたということになつております。記者団の一行は役場の前でおりて、防衛隊本部の写真などをとつて、直ちに川のほうへ行つて橋を渡つて千葉県側の堤防におりて、徒歩で橋の中央まで戻つて来まして、各自何といいますか、布川町の撮影をして、建設省の係官の説明を受け始めていたところへ、召集に応じた防衛隊員五、六十名が大変こう罵倒した言葉を使いまして殺到して来た。そのけんまくに驚いて記者団一行がバスに引返して半分がバスに乗車したところ、その隊員の中の二、五名が乗車していた者を自動車から引きおろしまして、襟がみをつかみ、毛をひつぱるというようなことをしながら地図とか、書類を奪取して役場へ連れて行かれて、役場の中へ押し込めた。その際建設省の部長、それから利根川下流工事事務所の所長は身の危険を感じて千葉県の布佐町のほうへ逃げて難を逃れた。こういうわけであります。役場の中では、前申上げました職員に対して命をかけてもこの仕事はやらさんというようなことを言いながら頭髪を引つばつたり、殴り、つきとばしたり、松井技師に対しては事務所のテーブルにあつた薬罐の水を頭からかけた。そういうような状態であります。更に記者一行に対しては、役場まで連れて行つて、事務室に押し込めて、「新聞記者とは嘘だろう、建設省の手先だろう、身分証明書を出せ、」と言つて、その所属新聞の名前や、氏名、年令等を書取つた。それから朝日の記者からは、フイルムを奪い取つたというようなことであります。又他の記者の持つていた原稿用紙を取つたり、たたきつけたり、やはり頭髪をひつぱつたり、これはもう顔面を殴打するというようなことであつた。これは大した傷というものではないということであります。 このような不法事態は午後三時頃まで続きましたが、新聞記者は身分が確認されたので、役場の外へ出ることができましたが、建設関係の職員二名は、なお三時三十分くらいまで、即ち警察が救いに来るまで外へ出られなかつた。一行のバスでありますが、群衆の中から、丁度三時頃「自動車を帰すな」と叫んで、四、五十名が殺到して、運転手からスイツチを取つて、更に自動車の前の車輪の空気を扱いて、動けないようにした。その群衆というのは、鳶口、天秤棒、草刈鎌、農耕用の兇器になるような道具、丸太棒などを持つて役場に押しかけておりまして、人数は四百名くらいもおつたということでございます。 記者クラブからの問合せに対して、前に申上げました山田町長が、建設省の役人が来たとき、殴られても責任を持たんという言動がありましたので、国警では地元の取手、龍ヶ崎両署長を通じて、建設省の龍ヶ崎出張所に対して、その旨を伝えまして、慎重にやろうじやないかと言つて警告をいたしております。事件発生と同時に、所轄の取手地区署では、午後二時四十五分くらいに、全署員の召集を発令して、三時ちよつと過ぎに、市川警部以下三十六名が現地に急行した。役場に到着して、直ちに前に申上げた、閉じ込められていた二人の職員を救出いたしたわけです。そのとき群衆は、「警察も建設省の味方だ、派出所を叩き壊せ」というようなことになりまして、派出所に百名くらいが殺到しましたが、これは警備員に阻止されて役場に引揚げた。午後四時頃になつて、防衛隊長と称しておる山田町長に対して、即時隊員を解散するように警察から警告を発しましたので、間もなく大部分に解散いたしましたが、まだ四十名くらいが残つて篝火を焚いて午後七時頃までそこに頑張つていた。こういうような状況でございます。その後奪い取つたバスのスイツチなどは返すし、まあ事後のことは段々取つたものは、地図、フイルム、写真なんというものは、返して参りました。 ところがその夜になりまして、右の建設工事の反対側の町民三十名くらいが、賛成派の同じ町の岡田四郎という人のところへ押しかけて、どうしてお前は賛成なのかと言つて、質問しましたので、岡田氏がどうぞ上つて下さい。と言つて問答しているうちに、外にいた連中が外に引張り出せ。話がわからんから、利根川の水を呑ましてしまえというようなことを叫びながら、竹垣を三間ほど壊して引揚げたというようなことであります。この仲間はやはり建設省の同町に住んでいる役人の佐藤理之助という人のところへ押しかけて、脅迫がましいことをしましたが、起きなかつたので、やはり竹垣を壊して引揚げた。更に同じ町の賛成派の農協政利という人に、圧力を加えんとしましたが、警備員の警告によつてこれは解散した。こういうようなことでございます。 それからその晩の九時半頃から、町役場に緊急町議会を開催いたしまして、町長以下が出席して、今後もこういうことがたびたび起るから、消防団にばかり委せないで、町会議員も防衛隊本部に毎日一名づつ出席させると共に、警鐘が鳴つたら全部出動するようにしたいというようなことで、気焔を上げておりました。又ほかの者は、反対運動に要した費用、及び犠牲者、逮捕された者などに対しての補償については、万全を期するために部落懇談会を通じて寄附を集めるようにしたい。寄附を出さない者は賛成派とみなすというような話をしまして、二つとも全員の賛成で決議したというようなわけで、率直に申上げまして、大分行き過ぎがあると思います。 で、今日国警側とも協議いたしまして、今までのこれは四年間の紛争だそうでございますが、ほかに建設省の河口をよくする仕事、洪水を防ぐ仕事としては、どうも止むを得ないではないか。又水中に没するこの町に対しては、補償問題、移転する場所なぞもきまつておるようでありますから、あとは補償がどのくらいになるかという問題が事務的に残つておるだけであります。どうも今までの経過を聴取いたしましたところでは、この洪水を防ぐこの河口の土木事業というものは、そう不当でないような、私は感じを受けております。又当、不当でないは別として、このような行き過ぎは相当激しい……、或る者は草刈鎌で首を……、首に当てて引張れば切れるという恰好で問答をするというような者も出たようでありまして、こういうことに対しては、当局は断乎とした取締り方針をとつて行きたいと考えております。
○委員長(郡祐一君) 本件は事柄が起りまして間もない現在でありまするけれども、若し御質疑等ございましたら、御質疑を願いたいと思います。
○亀田得治君 只今御報告あつたことから判断いたしましても、現場における状況は、相当その前から険悪な空気にあつたと思いますね。そういう点について国警当局なり、もう少しこの事前にこういう状態にならないようなことについて、何か考えていなかつたのかどうか。そういう点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(犬養健君) この点も国警から事情を聴取いたしたのでありまするが、国警しては四年間いろいろ積りに積つた経緯であつて、建設省の建設工事も最善を尽しているのだろうが、このままやると血の雨が降るから、何か妥協的な、多少の工事変更なんというような余地があるのではないか。いろいろそつちのほうに気を使つておつたようであります。ところが片 一方は、そういうふうに慎重にやつておりますと、自分たちの威赫が効き目があるのじやないかというようなふうにとつた傾きもないではございません。併しここまで来ましたら、どうしても断乎として取締らざるを得ないのじやないかと考えております。今まで遷延したような感じを与えましたのは、成るべくそういうふうに大変な騒ぎにしないようにしたい。建設省で少し地元の人の気持が柔らぐ程度に、而も目的にはそう障らないというような計画の変更でもあるのどうかというような、非常に細かく気を国警は使つておつたようでございます。
○亀田得治君 この警察が現場に来たのが大分時間があるようですが、地元で郷土防衛隊本部、こういうような看板まで麗々しく掲げており、町長が、先ほどおつしやつたことを口外しておる。恐らく新聞記者のおかたがたは、そういうことを聞いても、半ばまさかとこう思われたのは、これは無理ないと思われるのです。併し地元の警備を面接預つておる人の感覚としては、少しものの見方が軽過ぎたのじやないか。というのは、現場に出動して来るまでの時間なんかも考えても、どうもそういう点が察せられるのです。国警長官のほうが少し詳しく知つておられると思うのでありますが、そういう点はどうでしようか。
○説明員(斎藤昇君) 誠に、そのような感じをお持ちになるのも御尤もであろうと思うのでありまして、警察といたしましては、かねがねこの地元に対しまして、暴力行為を若しやるならば、絶対に容赦はしないから、暴力行為だけは起らないように注意をしてくれということを、町長始め、一般の官民にもたびたび申入れをいたしておつたのでありまするが、丁度その少し数日前にも、建設省側のほうで杭打ちを始めようという計画があつたようでありますが、もう少し地元民を何か説得する方法がないかということを申入れまして、その説得にかかろうということで、担当地建の人たちが説得をしようといたしておつたようでありますが、これも十分成功をいたしていなかつた。そこで只今大臣から御説明がありましたように、新聞記者の諸君が現地に行つてどういう状況か、よく見ようというのでまあ行つたわけでありますが、そのときこういう事件が起りました。で、その際に警察側といたしましては、町長は役人を連れて来ることは反対だと、連れて来てどういうことが起るかもわからんと、こう言つておりましたから、警察といたしましても、この点には十分留意をいたしておつたのでありますが、先ず制服隊をたくさんそこへ持つて行くというよりも、私服隊を、私服のものを先ずそこにやりまして、そして状況を見るということで約十二名の私服員を派遣をいたしまして、その状況を見ておつたのであります。で、まあ大勢の新聞記者の人たちもいることでありますから、そういう人たちに暴行をすることは先ずないであろうという考えもあつたのかと思いますが、一番配慮しておりましたのは、制服警察官をその町に初めから持つて行くということは余計刺激すると、かように考えたのであろうと思います。そこで私服員をその町に派遣をいたしまして警戒をさしておつたのでありますが、新聞記者のかたがたの一行がそこに着かれたのが二時十分頃でありまして、どうも無事でなさそうだと、空気がますます険悪になつて来るというので直ちに連絡をいたしまして、制服隊員が三十六名参りましたのが三時四十分であつたわけであります。警察も当日は出動しなければならないだろうというので、待機はさせておつたと思うのでありますが、その連絡を受けて、すぐ召集をして、三時四十分現地に着いた。現地に制服隊が着きましたので、まあこの程度の対策をせしめられたというようにも考えるのであります。もつと早くから制服隊員をやり、そしてもつと急いで現行犯的に逮捕したほうが或いはよかつたかも知れないという感じがいたさんでもありません。併しさようにいたしますると、或いはもつと多くの住民を刺激をしたということもあつたかもわからない。どちらがよかつたのか。もう少し当時のやり方といたしましては十分調査をいたしまして、今後の参考にいたしたいと思つております。 こういう事件の現場の処理の仕方は非常にむずかしいのでありますが、当時の地方の状況等を日頃から知つております署長、警察の幹部の判断でやつたことでありますので、これか完全であつたということは私今日まだ申上げられないのであります。今後としては、こういう点をもう少し留意したほうがよかろうという点も或いは出て来るかと考えます。ただ今日といたしましては、事件がかように起りましたのでありますから、この暴力行為に対しましては、どこまでも厳重に捜査をいたしまして、暴力行為をいたしましても、法律が何らかまわないのだというような印象を少しでも与えないようにいたしたいと、かように考えております。
○亀田得治君 もう一つ、跡始末の問題は考慮すべきいろいろな点があるでしようが、適切に一つ至急に処理をしてもらいたいと思います。ただ私ども、例えば軍事基地の問題とか、いろいろな労働関係の問題なんかでも、なかなか警察の取締りというものはむずかしいのですね。どの程度にこうやつたほうがいいか。これも或る程度似通つた点もあろうかと思います。で、私どもいつもざつくばらんに言うのですが、私服であつたのが駄目だから、初めから制服をもつと強く出しておいたほうがよかつたのじやないか、すぐにそつちのほうに行つてしまうと、これ又問題だと思うのです。却つていろいろな刺激をしたら、なかなか興奮されるかたがおりますから、で、それは問題だろうと思うのです。そうじやなしに、私が希望したいことは、そういうふうな状況にあつたのであれば、今度、建設省のかたなり、或いは一緒に新聞記者のかたが実情を見に来られるというような点を思い切つて話し込んだらいいと思うのです、町長に、責任者に……。話し込まれれば、これはどうしてもそこに一つの責任が出て来る。だからとういう人たちが来るんだから、見るだけだから、一つこういうふうにしてお互いにやつて行こうじやないか、これは決して拒絶されることはないと思います。それから又ほかの労働関係、基地問題なんかでも、私はそういう点が多分にあると思うのです。で、まあこういう問題は、そう始終はないかも知れませんが、併し、まあ今度の災害の跡始末で、いろいろなところでたくさんの土木事業なんかを起されるわけです。そういう場合、やはり同じようなケースが或いは起きて来るかとも思うのです。で、もうそこの土地の人としては、とにかく頭の中に一ぱいになつている問題ですから、取締りに当られる人としては十分一つこの経験を活かして善処を一つお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(犬養健君) 亀田さん、申し落しましたが、この事件が起りまして三日目の五日から取手龍ヶ崎の署に被疑者のほうを呼びましていろいろ事情を聞いて、その結果犯人と疑われる者十四、五人を今日まで来てもらつて調べております。検察庁もこれに対しては多大の関心を持つて国警と緊密な連絡をとつております。さよう御承知願いたいと思います。
○中山福藏君 ちよつとお尋ねいたしますが、その裏面には何でございますか、共産関係の者が入つているような形跡はございませんか。
○国務大臣(犬養健君) 私の承知している範囲では、それは絶対ありません、主として町長の非常に変つた性格から事件の大部分が発生しているような感じを受けます。非常に変つた人のように思います。
○中山福藏君 それに関連して一つこれは別個の問題ですけれどもお尋ねしておきたいと思います。 この第一次補正予算が今日恐らく通ると思いますが、これは併し被害地の要求額から非常に距離が遠いわけでありますから、年の暮を控えた今日、食糧事情とか、或いは只今お述べになつた土木関係、或いはインフレ類似の状況が現われまして、社会不安というものは、相当年末には諸所に起る危険があるのではないかという虞れを私どもは抱いておりますが、そういうことについては政府当局としてはすでに相当の考慮を払つて手を打たれる御準備ができておられますか。
○国務大臣(犬養健君) 政府としてはこの種の土木事業の金の使い方にいろいろ問題があるようです。参議院の予算委員会でも相当詳細な御指摘がありまして、私はやはりそういう類似の、つまり二割くらいどこかに消えてしまうというような事件もあり得ると思います。これだけいろいろな無理をしている災害に対して、そういう無駄なことがあつては大変な国民に対する責任だと思います。この種の問題について私ども深い注意を払つております。又災害地において、殊に単作地帯では娘を一番簡単だからというので売飛ばす。それに対してボス、仲買人というものの一つの網ができております。警察の苦心の結果、ボスとか仲買人の大体分布図を呑み込んで、これを相当私ども問題として注意をいたしております。それから或る局部的なインフレ、それによる国民生活の困難というような問題も大蔵省も注意しておられます。が、私どものほうとしても思想問題として注意をしております。
○中山福藏君 水害関係で福岡県を見ましたときに、都会から共産学生の連中が相当入り込んでおりまして、それで県庁に追しかけまして、我々は窮民の処理のために出向いたのだから、トラツク代から、費用からすつかりお前のほうで出せと言つて県庁に迫つた事実があり、同時にやはりこれは福岡県の筑後川の河畔だつたと覚えておりますが、杷木町という町があります。そこにはテントを張つてたむろして、そうして共産党の学生並びに同調者が非常に頑張つて、そうして百姓を煽動している事実を見て来ましたが、こういう状態がこの経済上の逼迫と同時に諸所に起るかと思います。この年末にかけましてですね。この共産活動に対しても、これは強力な防波堤を現在から相当打出しておく必要があるのではないかと考えておりますが、そういう点についても相当準備ができておりますか。
○国務大臣(犬養健君) これは過般衆議院の予算委員会でかなり詳細に報告いたしましたが、今日手許に持つておりませんが、大体暗記しておりますから申上げたいと思います。今度の災害に際しまして御指摘のようにそういう極左系、共産系の連中が災害の工作を通じて政治闘争をやるというようなスローガンでやつております。それで建軍闘争、軍を再建する闘争というような言葉も使つております。中国地区から九州に行つた、災害地区の工作に行つた人たちは工作隊とか、防衛隊とかいろいろな名前を付けております。中国地方から九州地方に一千五百名くらい行つております。それから冷害のほうにも千五百名くらい行つておりますが、災害地に行つて災害の様子を詳細に聞いて、不平不満を聞き取つて、これというのも政治が悪いからだというので政治闘争に向けている。それで裏の気持は建軍。今申上げたように軍を再建する闘争の一つのテクニツクだこういうふうに言つております。過般中国地方へ行つて秘密文書を見ましたが、司令官というような書き方でありまして、全く軍の再建という感じが、読んでいるうちに自分の身に迫つて来るようであります。これは大変なことでございますから、万全を期して非常な苦心をして配慮いたしております。
○委員長(郡祐一君) 他に大臣に対して御質疑ございませんか……。ございませんければ茨城県布川町に起りました暴行事件につきましては、又後刻必要があれば調査をいたすことにいたします。 —————————————
○委員長(郡祐一君) 次に、矯正局長から被疑者の身柄の拘束の場所等について本委員会でしばしば問題に相成つておりまするので、全国的な調査等がありましたら御説明願いたいと思います。
○説明員(中尾文策君) 昨日私この仮監の問題につきましてここでいろいろと答弁申上げましたが、実は私自身に調査不十分な点がございまして、大分御報告が間違つておりましたので、この機会に合せて訂正させて頂きたいと思いまして、そういう点も御報告申上げます。 昨日この仮監のことについて組織的な調査をいたしたことがないようなことを申上げておきましたが、実はこれは完全な誤りでありまして、昨年の七月と、それから重ねて昨年の九月の二度に亘りまして、この仮監のことについて調査をいたしております。それで第一回の七月の調査の結果、相当不備なところがある所がわかりましたので、まあ予算要求をするようにいたしたのでありますが、取りあえずその中で松江刑務所の留置場、留置場と申しておりますが、松江刑務所の留置場が一番ひどいということがわかりましたので、直ちに二十七年度の補正予算でその修繕費を要求いたしました。九十四万五千円を要求いたしましたが、このときは認められまんでしたので、その後改めて重ねて昭和二十八年度の予算といたしまして同額のものを要求い大しましたが、これもこのものとしては認められませんでしたので、一般的な修理費で賄うということになつたのでありまして、本年度先ほど申上げましたように、もらつた金の中から約五十二万円ばかりの金を、これはただ留置場だけの問題ではございませんが、松江刑務所の一般的な修理費として配賦をいたしたのであります。それではこの全国的なものの調査の結果を申上げまするというと、全国に留置場、これは裁判所、検察庁にまあ附置してあるわけでありますが、全国で八十四カ所ございまして、そのうち相当年数の古いものもありまして、例えば四十二年以上経過したというようなものが三十カ所もございます。そのうち不完全な或いは非常に腐朽いたしておりますために、或いは採光が悪いとか、通風が悪いということのために改造を必要とするという個所も、この浦和の裁判所の留置場を初めといたしまして、全部で二十三カ所ございます。それで来年度つまり二十九年度でございますが、二十九年度には佐賀の刑務所の持つておりますこの佐賀の留置場、これは非常にひどいそうでありますが、これのほか五カ所を要求いたすことにしておりまして、この松江の分につきましては、本年度の予算の範囲内でできた結果を見まして、又引続きまして今年度の持つておりまするところの一般の補修の予算、又来年度もらいますところの補修の予算、そういうものを加えてなお改善を重ねて行きたいというふうに考えております。 なお昨日も問題になりました出廷の問題でありますが、仮監の出廷につきましては、いろいろ気を付けなければなりませんので、そういう点も昨日現地に対してできるだけ人権を尊重するような趣旨の通牒を出しておきました。故にこれからは相当改善されることであろうと思つております。 これを以ちまして、私の御説明を終ります。
○一松定吉君 改良を要するものが全国で二十三カ所あるというふうな御報告ですが、それを具体的に名前を言つて頂けませんか。
○説明員(中尾文策君) 浦和、前橋、長野、広島の竹原というところがあります。それから尾道、呉、山口、下関、岡山の津山、鳥取、米子、松江、岩国、厳原、厳原というのはこれは対馬、宮崎、小倉、佐賀、福島、秋田これは狭過ぎるという話であります。帯広、釧路、西条、高知まあこういう所であります。
○一松定吉君 そのうちでこの松江みたようなふうな所は特にわかりますか。
○説明員(中尾文策君) それは来年度要求いたしておりますが、佐賀、福島、山口、盛岡、徳島。
○一松定吉君 ちよつと、盛岡、徳岳、はさつき言いましたか。
○説明員(中尾文策君) ちよつと……それじや私の書取りの聞き違いかも知れませんが、とにかく五カ所来年度……。
○一松定吉君 そうするとどうなりますか、もう一度言うと。
○説明員(中尾文策君) そうすると、松江のほかに、山口、佐賀、福島、あと三カ所がちよつとはつきりいたしませんが、その五カ所、これは予算要求したのであります。つまりそれだけは来年度取りあえず予算要求をしておるのであります。
○一松定吉君 そこで昨年七月調査したとおつしやるが、調査したときに、今の予算要求したのが五カ所と言うが、調査したときに松江みたような本当に実にひどいというような場所は、どこどこであつたということを明らかにお答えができますか、今……。
○説明員(中尾文策君) それが今申上げました二十三カ所……。
○一松定吉君 三十三カ所全部ひどいのですか。
○説明員(中尾文策君) ひどいと言うよりは、これは程度問題……。
○一松定吉君 松江みたような特にひどい所を承わりたい。
○説明員(中尾文策君) どの程度までひどかつた………具体的に秤りにかけたわけではありませんから、具体的に全部私は存じませんが、その結果二十八年度の予算といたしまして十カ所ばかり予算要求をいたしております。
○一松定吉君 そこで今度の松江事件で被疑者がかくのごときことについて不平を唱えて訴えておるというような事実はほかにはなかつたのですか。被疑者若しくは被告人がですね。
○説明員(中尾文策君) 私はちよつと存じておりません。
○一松定吉君 よろしうございます。 —————————————
○委員長(郡祐一君) 次に調査報告書についてお諮りいたします。 検察及び裁判の運営等に関する調査につきまして、例によりまして未了の旨の報告群を議長に提出いたすことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(郡祐一君) 御異議ないものと認めてさように決定いたします。 なお。報告書の内容につきましては、便宜委員長に御一任を願います。報告書を提出するために賛成の諸君の御署名を願います。 多数意見者署名 中山 福藏 一松 定吉 小野 義夫 棚橋 小虎 三橋八次郎 亀田 得治 楠見 義男 —————————————
○委員長(郡祐一君) お諮りいたします。只今報告書を御決定願いました検察及び裁判の運営等に関する調査は、今期国会閉会中にも引続き調査を続けたいと存じますので、議長に継続調査要求書を提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(郡祐一君) 御異議ないと認めてさよう決定いたします。 なお、要求書の内容は便宜委員長に御一任願います。 —————————————
○委員長(郡祐一君) 次に、議員派遣についてお諮りいたします。検察及び裁判の運営等に関する調査のため、閉会中議員派遣を行いたいと存じます。このたびの閉会の期間はさして長くないように考えられまするので、鳥取、島根に一班を派遣いたしまして、派遣委員には中山、棚橋の両委員をお願いたしたいと存じます。只今のような方法によりまして派遣を行うこととして要求書を議長に提出することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(郡祐一君) 御異議ないと認めてさよう取計らいます。
○一松定吉君 私が今係官の説明によりまして、実にこれは由々しき大事だと思うのですが、松江のいわゆる仮監留置場に留置された人間が、かくのごとく長い間いわゆる人権の蹂躪をされておつたというようなことが、全国の二十数カ所の留置場において行われておつたということであれば、これは大変な問題だと思うのですが、鳥取、松江は近いから結構でありますが、ならば鳥取、松江その中間にある米子も一緒にお願いをして頂くということが至当だと思う。いま一つ佐賀、山口という方面も一応一つお調べ願つたらよくはないかと思うのですが、それは今の一班が若し都合が悪いならば、二班をこしらえて山口、佐賀、そうしてそのついでに或いは下関とか……だから佐賀、岩国これはもうずつと経路ですから、佐賀、岩国、山口というような所も調べられたらどうかと思います。それを提案いたします。
○委員長(郡祐一君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(郡祐一君) 速記を始めて。議員派遣に関しましては、只今一松委員の御意見もありまして、御趣旨をよく含みましてできるだけ計画を立てたいと存じますから、さよう御了承願います。
○一松定吉君 その調査の題目は、その仮監を調査すると同時に土地の弁護士の弁護士会並びに検察庁及び裁判所に関係のあるものについても、やはり調査して頂きたいということを一つ特に希望しておきます。
○委員長(郡祐一君) 承知いたしました。関係法曹の意見を十分参酌し得る方法をとるように特に派遣議員に要求することにいたします。 それではこれで散会いたします。 午後三時二十三分散会