文部委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 33 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1953/11/26
会議録
○委員長(川村松助君) 只今から文部委員会を開会いたします。 塚田自治庁長官がお見えになつております。御質疑のあるかたは御発言を願います。
○荒木正三郎君 地方公務員、特に地方公務員である教職員のベース・アツプの問題と、それから年末手当の問題について長官にお伺いしたいと思いますが、これの予算的措置は如何ようになつているか、一応御説明をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塚田十一郎君) 全体としましては、新聞などでも或いは御覧頂いたかと思うのでありますが、期末手当の分と、それからして給与改訂の分を含めまして約八十八億ばかりあつたかと思います。併し本委員会におきましては、教職員の分に特に御関心のようでありますので、教職員の分をその中から抽出いたしまして申上げますと、こういうふうに大体なつておるわけであります。総額で申しますと給与改訂に必要な分が二十八億、それからして期末手当で必要な分が三十九億、こういうことになつております。合計六十七億ということでありますが、そのうちどちらも不交付団体の分がございますので、この数字を申上げますと、不交付団体の分が給与改訂では四億、それから期末手当では六億、それで大体十億、それを除きますと給与改訂の分が結局二十三億六千六百万円、期末手当の分が三十二億八千八百万円、合計五十六億五千四百万円、これだけの財源措置をしなくてはならん、こういうことになるわけであります。このうち国庫負担分が御承知のようにございますので、これは給与改訂の分が十二億四千三百万円、期末手当の分が十七億一千万円、合計二十九億五千三百万円、その残額が平衡交付金で見なければならない、こういうことになつております。従つて平衡交付金で見まする分が十一億二千三百万、期末手当十五億七千八百万、合計約二十七億ということになるのでありますけれども、御承知のように平衡交付金の算出の仕方は、ただこうして必要が殖えただけを見るわけではありませんので、必要が殖えました場合にそのときに新らしい財政計画を建直しをいたしまして、その上で更にどうしても足らん分ということになりますので、今度のいろいろな給与改訂その他に伴つて地方財政計画の建直しをいたしました場合に、相当程度増収も見られるということになりまして、結果におきましては大体給与改訂に当る分が全部これは平衡交付金で見る、期末手当に当る分が大体半分くらいは税の増収で賄うという結果になる。こういうように只今のところ見通しをいたしておるわけであります。
○荒木正三郎君 そこで新聞で報道されておるのですが、知事側の見解として報道されているところを見ると、地方にはそういう余裕がないというふうに発表されておるのですが、国のほうでは今お話のようにその必要な財源はあると、こういうことになるわけですが、地方の知事側のほうでは困難である。こういうふうに言つておるのですが、この間の事情はどういう行き違いによるものか、御説明を願いたい。
○国務大臣(塚田十一郎君) これは財政計画を立てます場合に、いつの機会にもそういうような意見の食い違いというものは若干はあるわけでありますけれども、併し自治庁がいろいろ検討いたします場合には結局税の増収などというものは、それまでの大体の伸び工合、それからして国税の伸び工合、そういうものでいろいろ判断をいたしまして、国の税の増収が考えられるときにはそれに伴つた地方の税収というものも出て来るわけでありまして、自治庁といたしましては細密に検討した結果、而も大蔵省と更に協議をして、大蔵省と大体の場合にはやはり合わないのでありますが、双方十分に意見を付き合わせて検討した結果、この程度の増収というものは成るほど考えられるということの結論が出た場合に増収があると、こういうふうに結論をいたすわけでありまして、地方がないと言われるのはどういう考え方で言われるのか、絶対にないということは先ずあり得ないのじやないかと私ども考えておるわけです。そこでただないと言われる場合に私ども承知しておりますのでは、私どもが伺つておりますのでは、或いはあるかも知らんけれども、地方財政自体が非常に困難な状態であるものだから、そういう伸びの部分というものは今まで現実の収入になつていろいろほかのものに使つてしまつている。従つて今日の場合には増収は成るほど当初の計画から見ればあるかも知れんが、こういう給与改訂に向ける分というものはないと、こういうように言われておる場合もある。若しそういうような実態であるとすると、それはまさにそういう実態は考えられるのでありますけれども、そういう実態のものまでも今のような地方財政計画に対する国の考え方、基準財政需要と財政収入との差額を平衡交付金で賄うという考え方からは、そういうものも国が責任を持つて面倒を見るという形にはとても地方財政計画というものは自治庁としても組めないものなんでありまして、その場合にはやはり困難ではありましようが、地方でやりくりをして頂かなくちやならん、従つて自治庁といたしましては私どもが説明のつく最大限の数字というものは今度の予算に組んである、こういうふうに申上げざるを得ないわけであります。
○荒木正三郎君 そこで地方の知事側り意見の出て来る根拠は、実際に地方財政が相当赤字になつておる、そのために計数的には給与改訂をする財源もある、こういうことにはなるのですけれども、地方の実情は赤字で苦しんでおるのでそういう余裕が出て来ないという現実面からの私は意見ではないかと思うのです。そこで私はこういう状態の中にあつて今度国家公務員に支給される期末手当、それから又国家公務員に実施される給与改訂、これが地方公務員にも同様に実施されれば、それで私は問題はないと思うのですが、今のような状態であると、まあ長官の説明によると計数的にはそういう財源はあるわけだということになりますが、知事側のほうは実際にはむずかしい、財源はない、こういうことになると実施されないところが現実に出て来る虞れがあるのじやないかと私は考えるわけなんであります。これは去年の例ですが、長官も御存じの通り、一部期末手当が実施できなかつた県も前年度にはございました。これなども財源措置はしてあつたはずですが、赤字財政のために実施できなかつたという実情でありますが、そういうことが今度は、かなりもつと大きく出て来るのじやないかというふうに心配されるわけです。こういう場合の措置について、どういうふうな対策があるかということについてお伺いしたいのです。
○国務大臣(塚田十一郎君) これは昨年は御承知のように年度末のにはこの平衡交付金というような形若しくは税の増収の見通しというようなものの立たない場合に、例の起債で以て処置をいたしましたので、若干そういうあれが出たと思うのであります。又出たという実例も一、二承知しておるのでありますが、あのときの例からいたしますならば、今度はとにかく新らしく七十六億というか、八十八億というものは国から現金で参りますのですから、そういう虞れが恐らくないのではないかと思うのであります。と申しますのは、自治庁がこの地方財政計画を策定いたします数字と、地方の現実の支払われておる額とは、給与だけでなしに、その他のものでも食い違いがあることは私ども承知をいたしておるのでありますが、併し今の、先ほども申上げました地方財政計画に対する国の考え方で行きます場合には、足らんものはどこまでも面倒を見るという形にはなつておらんのであります。或る標準の線というものを考えて、そこで収支のバランスを見て不足を見るということになつておるのであります。而も地方は自治体ということで一応独立の法人という形になつておるのでありますから、国がそれだけの財政計画をしておつて、それで余つてもほかにお使いになればよし、足らん場合にはやはりそれはどういう事情でお足りにならないか、一応何か特殊な事情で、非常に国が考えておるよりも高い給料をお払いになつておるというようなときには、これは止むを得ない、その府県なら府県、市町村なら市町村の住民の負担においてやつて頂くということでないと、これはとても国からそこまで面倒を見るというわけには参らない、又今の中央と地方との財政計画の上での繋りは、そういう形では、実額をどこまでも見るという形で繋つておるのではなくて、或る標準の線を頭において、その線で計算をした差額を見るということになつておるわけであります。この点は足らない分を必ず国が面倒を見てやるというふうには自治庁としても措置はいたしかねるわけなんであります。
○荒木正三郎君 そうしますと、政府のほうの今現行制度における考え方というものは私はよくわかるわけなんですけれども、実際に地方の責任であるというふうにして、そうしてベース改訂も行われない、或いは期末手当も国家公務員と同じように支給されないという事態が起つて来たときに、政府としてはもう自治体の責任だから知らないのだ、長官の御説明であると、こういうことになりますね。まあ併し建前としてはそうなつておると私も思いますが、併しそれでは私は、やはり現行のように地方が殆んど国に頼つておる現状ですから、そういうことで突つ放してしまうということではうまく解決しないのじやないかと思うのですが、そういう点についてもつと実施がうまく行くように何とか考える余地というものはないのですか。
○国務大臣(塚田十一郎君) これはまあ今度のこの給与改訂その他に伴う措置だけでなしに、地方が大体非常に財政的に窮乏しておられて赤字を出しておられるということは確かな現実の事実として認めざるを得ないのでありまして、まあその点は何らか今度制度改革の場合に恒久的に措置をしなければならないと私としても努力はいたしておるわけなんでありまするが、併し今度の場合についてだけ考えますならば、まあ私どもの見通しとしては、昨年のように現実に給与改訂が行われない若しくは期末手当が国の考えておる通りに行渡らないということはないのじやないかというように考えて、これだけの財源措置をすればできるはずだと、こういうように考えておるわけです。従つて足りないということは、一般問題としては私どもも地方財政の現状を考えて大いに心配をしておるわけでありますが、この問題については私は今回については特にそういう心配がないのではないか。これでなお且つそういう心配が出るとすれば、やはりその分は地方の責任において発生していると思われますし、是非それは地方の責任において解決をして頂かないと、赤字が出るからといつてそれをみるという形にはならんはずで、殊に足りないと言いながらも個々の団体において必ずしも一様でないはずなんでありまして、それを国が面倒をみるということになりますと、赤字を出しているものについて面倒をみるのだから、出していないところについてはどういうことになるのかということになりまして、これはちよつと措置がしにくいのではないかというふうに考えておるわけであります。
○荒木正三郎君 それで、これは前にも同様な問題があつたときに、私は名前を忘れましたが、自治庁の次長であつたと思うのですが、国が財源措置をしてやる、併し地方自治体がその財源をほかのほうへ使つて給与のほうに使わない、こういう場合には何らかこれを拘束するような方法がないのかということを尋ねたときに、それはないことはない、そういう予定してある財源を全然別途のほうに使つたような場合は、今後において平衡交付金とかその他の面において減額するとか、そういう措置もできるんだ、こういう説明があつたわけなんですが、今度の場合一応の財源措置ができておるわけなんです。それが実施できないというよりも他のほうへ使われるとか、そういう場合があるわけなんです。そういう場合には自治庁としては適当な指導は当然されると思いますが、それでもうまく行かない場合は何らかこれに対して制約を加える、こういうことについては、どういうことになりますか伺つておきたいと思います。
○国務大臣(塚田十一郎君) これは恐らく前に次長がお答えした通りのお答えをするということになると思うのです。ただその場合に給与改訂を政府の考える通り国家公務員と同じようにやらなかつたからといつて、平衡交付金を減らしましたのでは却つて本人のところに行かないということと結果は同じことになるのですが、やはり一番有効な方法は勧奨の方法で、とにかく国の方針に則つてやるようにということを進める以外には実効のある方法というものは平衡交付金を減らしましても、そのためにそちらに余計に行くという形は出て来ないのですから、まあ自治庁としてはやはり国の方針に従つてやるようにということを言うことが一番実効のある方法ではないかと思つておるのです。併し懲罰的な意味におきましては、そういうような状態が今回だけでなしにいつもあるということであれば、それは措置としては平衡交付金の減額その他も考えることができると思うのです。実際問題としてはなかなかそういう手は打ちにくいのじやないか、ただ今まで見ておりますのでは、御承知のように、この基準財政需要を自治庁が見ておりますよりは現実には給与のほうがずつと余計に出ておるのでありまして、国が考えております地方財政計画のほうの給与費の額と、現実に支払われております給与費の総額というものはずつと現実に支払われておる額のほうが大きいので実は弱つておるわけでありまして、むしろ給与費が他のものを食つておるという恰好に大体地方の現実の財政措置のほうではなつておるようであります。そんなふうになつておりましたものですから、前回のときにも国会修正で給与のために予算措置を大分増額して頂きましたけれども、財政計画を作り直さないで大体現実の数字と一致するくらいの恰好になつておるわけです。単位費用を直さないで財政計画だけあのときには約九十二億か給与費だけを殖やしまして、それで検討してみましても、現実に支払われておる給与費の総額と大体一ぱいぐらいの恰好になつて非常に計数を調べてみて私も奇異な感に打たれたわけで、従つて給与費が他のものに食われるということよりも、給与費が他のものを食つておるということが現実に多いのじやないか、大体給与の性格上恐らくそうであろうと私も思つておりますので、実情としては大体そんなふうになつております。
○荒木正三郎君 まあ今のお話ですが、前に地方公務員の給与は国家公務員の給与に比べて相当高いということで、国が財源措置をする場合に、その高い分を差引いて、そして財源措置をしたことがございます。併しこれもそのときにも我々は指摘したのですが、十分な調査に基いて高いということが出たのかどうかという点についていろいろ質疑をしたのですが、その後教職員に関しては全員について実態調査がなされた。その実態調査の統計を我々のほうへ提出されたことがありますが、その資料によると、国家公務員よりも高くないという結論が出ておる、これは私は地方公務員、特に教職員の給与が国家公務員よりは高いという判定をしたことが間違いであつて、事実はそうではなかつたということもあるわけです。従つて一概に私は国が考えている給与の水準よりも余計に使つているのだ、こういうことは言えないのじやないかというふうに考えておるわけなんです。ただ地方自治団体としても、かなり給与の分については苦労しておることは事実だと思います。ただ、今問題にしているのは、差迫つての待遇の改善のために用意された財源があるわけなんで、これをその方面に使わないという場合も私は起り得ると思うのです。そういう場合にどうするかという問題について伺つているわけなんですが、勿論平衡交付金を減額して懲罰的な制約を加えるとか、そういうことは、実際にはそれは容易に考えられないと思うのですが、併しどうしても地方がそういう予定している方向に使わないというふうな場合には、そういう方法もあるということが明らかになれは、私は一応それでいいと思うのですが、現に前のときにもあつた例は、あれは起債でしたが、はつきり金が出ておるわけです。それを全然別途に使つておるということは事実なんです。そういう場合をたびたび放任しておけば、これは国が財源措置をしても財源措世をした意図が実現しないということになつて来る。ですから、やはりこれはそういう傾向がたびたびあるのか、或いは相当広い範囲に亘つて起るとかいう場合には、私は相当な制約を加える必要があると思うのですかがね。そうしないと、もう何にもならないことになるというふうにまあ考えておる、それで先ほど質問したわけですが。そこで年末になつて、或いは来年度の給与改訂になつて、実際に行われなかつたという場合には何かいい考えがございますか。まあそういう仮定でお尋ねするのはどうかと思うのですがね。
○国務大臣(塚田十一郎君) これは平衡交付金というのは、御承知のように何に使えというように紐を付けて出してはいかんというふうにはつきり法律上なつておりますので、従つてどれだけの額を出すかということを検討いたします場合には、今申上げるように、いろいろな今度は給与改訂でこれだけ余計要るだろうというように計算をして出すのでありますけれども、出してしまつただけではこれは平衡交付金の使途が考えておつた通りでないという立場から、これを法的にどうこうするということはできない性質のものであります。併し地方の自治団体としての行政運営が適当でないという意味において、私は一般的に注意も促し、又場合によつては先ほどから問題になつておりますような平衡交付金の減額その他の処罰の方法もあり得ると、こういうわけなんでありまして、又それ以上行くということになりますと、やはりこれはむしろ自治団体というものの独立性というものを阻害するということになつて、私はむしろそうは行かないで、それは独自の判断でそういうことのないようにあれをして頂くほうが自治団体というものを本当に尊重する、独立性を尊重するという建前からそうあるべきではないか、こういうように思うのです。そこまでやかましく言わなければ又駄目だということになると、自治団体自体の本質と狂つて来てしまう、こういうように私どもとしては考えておるわけです。
○須藤五郎君 関連して。私はその場合ですね。平衡交付金がそういうふうに使われるべきものがほかに使われて行くというところに何か原因があるのじやないかと思のです。というのは、どこの自治体だつて公務員の給与をほかに使うということは悪質的に故意にそういうことをするならば、これは処罰の対象にもなると思うのですが、やはり去年起つた奈良県の問題にしても、果して自治体が本当に悪意的にそういうことをやつたかということを考えて見なければならない。結局自治体の財政の困難さが問題なんじやないか、そういうところに政府としては平衡交付金の増額とか何とかいう、やはり手を打つて、そういうことが行われないような状態に自治体の財政を考えてやるということがやはり私は必要じやないかと思うのです。その点はどうですか。
○国務大臣(塚田十一郎君) その点は先ほども申上げましたように、全体としての地方財政の困窮しておる状態というものは確かにその通りであるし、現実の状態としてもそのように幾つかの団体が二十七年度決算においても大分赤字を出しておつたようであります。従つてその赤字というものの原因を検討し、国の財政措置の総額が足りないか、或いは総額は足りなくなくても配分が適正でないか、どちらかに原因がある、これは検討して措置をしなければならない、こういうふうに考えておるわけであります。
○高田なほ子君 今のに関連いたしますが、平衡交付金の中で賄えない場合には、もうこれは万止むを得ない、結論ではそういうことになりますね、そういたしますと、今度の義務教育国庫負担特例法の問題で、私数字がはつきりいたしませんが、多分四十八億くらいじやないかと思いますが、そのものが別個に財源措置をされなければならないのを、平衡交付金の中にそれを織込ませて考えておられるとするならば、給与改訂並びに給与の不合理是正という財源は私は当然圧縮されて来ると思うのです。そういうことでないですか。そこらの消息が私はつきりいたしませんから説明をして頂きたいと思う。当然圧縮されるだろうと思うのです、私は。
○国務大臣(塚田十一郎君) どんなお気持でお尋ねを頂いておるのか、まあ先ほどから申上げますように、平衡交付金の使途は制約しないで全体の計画を見て計数を出して、そうしてそれを府県及び市町村に配分をしておる、ところが義務教育の場合は御承知のようにそれではやはり困る面があるのではないかということで、半額だけは国庫で負担をする、従つてこの場合は結局平衡交付金の中からあれだけ取出して、これは紐付で義務教育費の用途というように出しておるのが半額国庫負担の考え方であります。そういう工合に出しました場合にも、今の地方財政を個々に検討いたしますと、なかなか偏在しない税というものができないものですからして、今の税制の上では或る地方団体に非常に我々の考えておるよりも大きなゆとりができて来るということはどうしても抑えられない。そういうところにまで幾ら紐を付けてやらなければならないものであるからといつて、やるということは必ずしも今日のような財政窮迫の際にはそこまでせんでもいいじやないかという考え方が、半額国庫負担のものにつきましても富裕な団体、要するに平衡交付金の不交付団体でありますが、そういうものについては紐付の義務教育の分もやはり減額をして然るべきじやないか、こういう考え方でおるわけであります。従つて減額されておるような団体については我々の目から見まするならば、そうして我々の目から見まするならばということは、今日の地方税というようなもののあり方からみれば、十分国から面倒を見てもらわないでも、そう財源に不足は生じておらんはずだ、こういうものについてだけ減額をしておるわけでありますから、この場合にも財源の不足があつて、そういうことができないということはないと確信を持つておるわけなんであります。
○高田なほ子君 そうすると何ですか、給与の不合理是正の財源は、どこにどういうふうに入つておるのですか。八十八億の中に全部入つておるのですか。
○国務大臣(塚田十一郎君) 給与の正本合理是正、要するに今度の場合の地方団体、例えば具体的に申上げますならば、東京、大阪は不交付団体になつておると思いますが、そういうところは、この期末手当なり給与改訂をする財源はどこから出るか、こういうお尋ねでございますね。それはやはり独自の今の財政計画で、東京都が今の御承知の通りに、事業税、入場税、遊興飲食税、ああいうものを今の税率で、国から取ることを承知されておる前提においては、そういうものは独自の財源で賄なえるだろう、こういう見通しをしておるわけであります。
○安部キミ子君 それに関連して、この度の全国における冷害水害におきまして、各県共に去年の状態とは地方の財政が建つて来ておるのです。今、奈良県の例を申されましたが、先日奈良県を視察に参りましたときにも、知事さんがおつしやるには、この県は標準税収がたしか四億か五億くらい、いわゆる貧乏県なんです。そういう貧乏県を又去年のような割合で出す。或いは確か全体の災害が二百五十億くらいあつた。まあ一応の知事さんのほうの報告では、そのように私ども視察に参つたとき受けたのでございますが、そういう実情は奈良県だけではないのでございますが、各県が今年度は冷害水害で非常に困つておる。税が思つておるように入らないというような実情が私は現実じやないかと思うのです。先ほどの長官のお話を聞きますと、いろいろ理窟は合つたような、算盤の上はちやんと合つたような話ですけれども、実際の措置を考えた場合に地方長官たちが困つておられるのは、そういうふうな特殊な都市には一層の困難があるがゆえに、ああして今度の知事会議などでもこの問題が現実の問題として持ち上つておるわけなんです。その点塚田長官は今年度そういうふうな冷害、水害の県は別途の方法を考えておいでになるのでしようか。その点を承わりたい。
○国務大臣(塚田十一郎君) その面は今度のこの給与改訂に伴う財源措置とは別に、結局今度の水害その他の災害で地方が今まで、当初の予算で予定しておつたよりもどれだけ余計金が要るようになつただろうか。そのうちで国が直接負担をする部分を除いた地方の負担増加、それから今御指摘になりましたような税などが取れなくなつた分、つまり減収の分がとれだけあるだろうかということを一応やはり計算をいたしまして、そうしてその面から出て来る地方財政の不足額というものは先般の補正予算で一応の措置をしておるわけであります。これも勿論ここにそれでは減収がどれだけということをどういう工合に計算をしておるのか。本当に取つてみた上での減収なのか、自治庁が考えた減収なのかということでありますが、取つてみた上の減収ということになると、地方団体皆ばらばらになつてしまうのでありまして、従つて今度の災害につきましてはどの程度どの税をどういう工合に減免してよろしいという一般の基準というものは自治庁から地方団体に与えておるわけであります。その基準の線に沿うて減免をしてもらえば大体これくらいが足りなくなるだろうという数字を計算をいたしまして、それについてはこの間の国会でまあ措置をしておるわけであります。勿論まだ金額措實ができない部分も私どももあるのではないかと思う。殊に冷害地帯の分が少しはみ出すのではないかと考えられますので、それは又平衡交付金の中で取つてありますので、御承知のように特別平衡交付金の中からそういう目的に使う部分を少し今までよりは余分に取つてそれで措置をしたい。こういうふうに考えるので、従つて、これはまだあとの問題になつているわけです。
○安部キミ子君 今の御答弁を受けまして大変私は安心した気がいたします。ただ私が今まで教育委員会におりましたときに、地方に任された財源を知事さんの立場でどういうふうに使うかということが、紐付きでないことが先ほどおつしやいました通り理想なのでございまして、私はそのことには異議はないと思います。ただそのときに、例えば中国五県のブロツク体というのがあるのでありまして、広島県、島根県、鳥取県、岡山県、山口県、そういうようなところの部長会議なんかも持たれまして、年末手当を何ぼ出すとか或いはアルフアを何ぼ付けるという話合いがあるのであります。そうしますときに山口県は割にいい給与の歩みをしておりまして、いつも先生たちにいいようにと思つて私ども委員会で努力して参りましたのでございますが、中で例えば島根県には大臣がおいでになりますけれども、島根県とかそれから岡山県がいつも下廻りになりまして、島根県や岡山県が低いので、あの線に合せて行けばいいのだ、或いは知事さん側もそういう悪い県があるからそれにならつて行こうという、どうかすると易きにつくという傾向がございます。それでは先生がたが大変迷惑をするわけであります。それでそういうことも考え合せますと、やはりそういうような弱小県といいますか、割に税の少いところ、富裕でないところは十分に見て頂かないと、同じ一つの県ざかいを境にしまして非常にアンバランスの出て来ますことはいかんと思います。そうして隣の村とは鼻を付き合せている実情にありながら、隣の村の人たちが不公平を見るということは私は教育上よろしくないということをいつも考えて来たのですが、そういう点も合せて心配のないように御配慮頂きたいとお願いする次第であります。
○荒木正三郎君 この財源措置について給与のほうの改善については平衡交付金で見るということです。それから期末手当のほうは税の増収で見る、こういうことなんですが、こういう政府の方針として公務員の給与の改訂をする。こういうことが決定になれば、できるだけこれを地方団体が実施しやすいようにするためには、こういう面は平衡交付金で全部見る、こういうふうに持つて行つたほうがいいのじやないかと思う、税の増収という点は相当私は不安定だと思います。そういう点はどうですか。
○国務大臣(塚田十一郎君) これは私も自治庁長官としてだけで物を考えておれば、そのほうが一番地方に面倒をかけないで一番確実でいいと思うのであります。併し先ほどから繰返して申上げましたように、平衡交付金の総額そのものを算出するのには、やはり増収がある場合には、必要な追加がその結果出た場合には勿論それは歳出の面で見なければならないと同時に、歳入が追加して考えられる場合にはそれも計算しなければ、自治庁が考える地方財政計画というものは考えられないのでありまして、これは不安定であるがらと言つて全然見ないというわけには参りませんので、勿論小安定の場合には安定の限度において大蔵省に了解をしてもらつて、その限度で計上するというように努力をしているわけでありまして、今度の増収の場合におきましても、実はこの程度のものではないのでありまして、非常に大蔵省が考えております、大蔵省が国税というものの帰趨を見ておつて、これならば地方税はどのくらい殖えるだろうという判断をしておりますのと、我々が自治庁の立場でどのくらい殖えるだろうかという判断をしておりますのとじや、かなり食い違いがあります。それは御指摘のように、多少の危険度もあるのですから、そんなに見たつて無理な場合もあるかいということで、ぎりぎりの線で抑えているわけであります。 今度の分は教職員だけでなしに一般公務員も通じて見ますると、結局期末手当の分が七十一億ぐらいは要るだろう。そのうち三十六億だけを平衡交付金で、あとの一十六億を税の増収、こういう結果になつている。ですから税の増収の計算も確率というものを見て支出の計算をしてある。こういうことに一応私どもとしては考えているわけなんです。
○荒木正三郎君 そうすると、今までの説明を要約して考えると、国としては一応の財源措置をしてある。だからこれによつて地方でも給与の問題については支障なく実施できるものと考えている、こういうことになります。又その実施のために十分な指導もしたいということでありますが、一応それで私も説明の筋は了解するわけです。ただどうしてもやはり現実にそれが実行されなければ意味がないわけでありますから、平衡交付金の性質上、地方自治の性格上、これ以上申上げても同じところを空廻りするようなふうに感じますのでやめますが、十分な一つ適切な指導を頂いて、そうして国が考えているような給与の改訂が国家公務員と同じように行われる、こういう一つ御配慮を願いたいと思うのです。 それて、又文部大臣もお見えでございますので、私は文部大臣に伺います。
○委員長(川村松助君) 荒木君、お話中ですが、長官に対する質疑はこれで終るならば、長官には帰つて頂きたいと思いますが、御異議ありませんか。
○荒木正三郎君 私は結構です。
○委員長(川村松助君) それでは御苦労でございました。
○荒木正三郎君 やはり、自治庁長官の説明を聞いても不安定な分がやはり依然として残つておるというふうに私は思うのです。これはいたし方ない、今の制度の上から言えばいたし方ないと、こういう結論になつてしまうのじやないかと思うのですが、併し文教の最高の責任者としての文部大臣として、これは一ついろいろ考えて頂かなければならん問題があると思うのです。これは単に今年だけの問題ではないのでありまして、毎年こういう問題が起つて来るわけであります。そこでこれは非常にむずかしい問題になつて来るわけですが、教職員の給与を主として教育財政の確立という点からやはりいろいろ考えて行かなければならん問題があるのじやないかというふうに私は思うのですが、そういう点について大臣として何らか教職員の身分の安定、或いは給与の財源の確立と、こういう点で何か御所見がありましたら承わりたいと思います。
○国務大臣(大達茂雄君) 大体今塚田長官から御説明がありまして、私もその通りだと思うのですが、まあ政府のほうで平衡交付金を練る場合に、大体教職員の給与はこれぐらい要るはずだということで算出して平衡交付金の総額をきめる、その場合に地方で政府が予期したような使い方をしないで、或いは実際財源として政府の計算通りに行かなくて、財源に欠陥があつて、予定されたような給与の改善、若しくは給与を渡すということができない、これはまあそのときそのときのその場合の事情もある場合もあると思いますけれども、私は引つくるめて言うと、やはり先ほど塚田長官のお話もありましたが、地方の財政が非常に困つておる、総体的に困つておる、で、従来の赤字も相当あると思うし、それから今後においても年々赤字を出すというような危険が除かれておらんということがやはり根本的な原因だろうと思うのです。それでこれにつきましては、これはこの前の国会でありましたか、前前国会でありましたか、地方行政委員会のほうでも何か決議がありまして、先ず以て今後において赤字の生ずることのないようなやり方をしてほしいと、それから今までの溜つておる赤字を解消する方法を考えて欲しい、こういうふうなことで政府側においても、自治庁側においても了承してその方針でやつて行こうということになつたのです。これは実際は誰も異存のあるはずはないので、その通りにすらすら行けば問題は非常に簡単にもなるし、楽にもなると思いますが、金のことでありますから、そう簡単に行かないのであります。結局は中央地方を通ずる財政乃至税制の制度の改善ということがやはり中心になつて、そうしてこの問題が解決されなければならない。せいぜいなし得ることは、従来の赤字について何かのこれを解消する措置を講ずるということになろうかと思うのです。ただ財源があつて地方の事情とかいろいろな関係で平衡交付金で予定されて、一応政府として予定したものが地方にそれが行つた場合にはほかの使途に使われて公務員の給与のほうに廻らないということが生ずる例があつたようにも私も聞いておるのでありますが、これについてはどうも、今塚田長官も言われたのでありますが、根本的の原因となる地方財政の窮乏に対する基本的の措置が講ぜられるということが第一でありまして、個々の場合に個個の県に対してそれがほかに使われたから、それじやあとからそれだけ廻して特別の財政措置を追加して給与のことをやつてもらうということは事実むずかしいのではないか、結局ほかに使つたほうが得をするということになりますから、これはなかなかむずかしい、さればといつて先ほどのお話もあつたように、平衡交付金で計算の基礎になつたいろいろな費用というものを一々紐付きにして、それで地方の予算というものをそれによつて自治庁で縛つてしまうということになれば、これ又地方の自治体という性格からいつてこれも到底できない相談でありますから、そこで今荒木さんのおつしやるように、そういうことが起つた場合に教職員というものは大体各府県、これは府県々々の地方公務員でありますけれども、併し同時に又全国に共通した面が非常に多いのでありますから、隣りの県では期末手当が支給された、こつちの県ではそれが支給されないというような不公平、不公平と言つて悪ければ、そういうアンバランスがあるということは非常に面白くない、さればといつて今の建前からいつてこれを強制すると言いますか、強いて地方団体の意思の如何にかかわらず、そういう支出を拘束的な方法でやつて行くということは、これは全体の建前からこれもできないことでありまして、そこが非常に実際は……、そういうことが非常に広範囲に或いはしばしば行われるということになれば何んとかしなければならんということではありますが、結局煎じ詰めたところは、地方財政というものをもつと安定、確立するような方途を講ずるということに帰著するのではないかと思います。自治庁のほうでは勿論その自治庁の仕事として熱心にやつておられるのでありますが、文部省の側で教職員に関係する限りにおいてこの問題を解決するがためには、教育費の全額国庫負担というような方法が講ぜられなければ徹底的に解決せられない、こういうことであろうと思います。ただ教育費の全額国庫負担というようなことは、そういう面だけから今一挙に、なかなか一足飛びに行く性質のものでもありませんし、只今のところでは地方財政の安定、確立という政策が効果的に行われるということを期待しつつ、やはり地方に対して指導と申しますか、勧奨と申しますか、そういう方法でこの給与の面で余り各府県まちまちにならないように、大体それを計算に入れて平衡交付金というものを地方に流すのでありますから、成るべくそういうことでやつてもらうように勧奨する。又各府県の教育委員のほうでも一つしつかり県庁側と話合いをされて、そういうことが起らんように努力して頂くというよりほかに、実ははつきりこうしたらいいということは現状において困難であろうと思います。
○荒木正三郎君 この問題は非常にむずかしい問題であることは私もよくわかります。ただ一元的な面からこれを考えるということはできない事情があろうと思います。従つて併しこれは従来もたびたびの問題になりますので、私としてはもう少しはつきりと余り不安定な状態におかないように、何らかのよい方法がないかということについては常々思つておる一人でございますが、と言つて非常にいい考えがあるというわけではないわけであります。大臣もこの点についていろいろ御意見を持つておられるようであります。私も十分理解できるわけなんですが、そこで差当つての問題ですが、どうしても文部大臣としても自治庁長官と協力を願いまして、遺漏のないように御配慮を頂きたいと思うのです。まあこう申上けるよりしかたがないというところへ私自信が追い込まれているような感じでいるわけなんです。併し今の教職員の生活の実態というものを考えますと、いろいろ制度上からはずかしい問題もあると思いますが、どうしてもこれは給与の改善を国家国務員と少くとも同等に行われるようにしないと、教育上相当よくない影響が出て来るかもわからん、そういう点で一つ最善の御配慮を頂きたいということを希望いたしまして、私の質問を終りたいと思います。
○委員長(川村松助君) ほかに御発言なければ、本日はこの程度で散会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) 御異議がなければ、本日はこれを以て散会いたします。 午前十一時五十三分散会