内閣委員会 第1号
- 発言数
- 92 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1953/10/30
会議録
○委員長(小酒井義男君) 只今より内閣委員会を開会いたします。 先ず委員の辞任及び就任について御報告を申上げます。小林亦治君が辞任をされまして、天田勝正君が就任をされましたので、御報告を申上げます。 次に理事の補欠互選を議題といたします。前に上原正吉君、長島銀藏君のお三人が理事を辞任せられておりますしので、補欠をいたしたいと思います。
○竹下豐次君 理事の補欠互選の問題は、成規の手続を省略いたしまして委員長に指名を一任するの動議を提出いたします。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小酒井義男君) それでは理事の補欠互選については、委員長が指名いたすことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小酒井義男君) それでは理事に上原正吉君、長島銀藏君者を指名いたします。
○委員長(小酒井義男君) 次に、報告書の承認を求める件を議題といたします。 行政機構の整備に関する調査につきましては、継続調査事件であります。この件に関しましては、まだ調査を終えない関係にありますから、ここに多数意見者の署名を付しまして、その経過並びに結果を議長に報告いたしたいと思います。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小酒井義男君) 御異議ないと認めます。それでは報告書に多数意見者の御署名をお願いいたします。 多数意見者署名 上原 正吉 白波瀬米吉 天田 勝正 松原 一彦 野本 品吉 竹下 豐次 成瀬 幡治
○委員長(小酒井義男君) 報告書の内容については、委員長に御一任願うことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小酒井義男君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(小酒井義男君) 次に、承認の一部変更につき承認を求める件を議題といたします。 五月二十八日に提出いたしました行政機構の整備に関する調査につきまして、本委員会は鋭意その調査を進めて参つたのでありますが更に恩給制度、その他行政事務運営の適正を期するためにも調査を行う必要がありますので、本件を追加いたしまして、調査事件の名称及び調査の目的を変更いたしたいと思います。名称につきましては、行政機構の整備等に関する調査といたしまして、その目的は、行政事務の簡素化及び能率化を図るため行政機構を整備し、且つ恩給制度その他の行政事務運営の適正を期するため必要な調査を行うといたしたいのでございます。この変更要求書を議長に提出いたすことに関してお諮りをいたします。只今お諮りいたしました調査要求書を議長に提出することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小酒井義男君) 御異議ないと認めます。それでは要求書の内容は委員長に御一任を願いたいと思います。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小酒井義男君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(小酒井義男君) 次に行政機構の整備に関する小委員会の経過を御報告いたします。国会閉会中において開かれました内閣小委員会の会議等の経過について一応御報告を申上げておきます。 内閣小委員会は、九月一日より三日までの三日間と、十月二十二日及び一十三日の二日間に亘りまして、行政機構の整備に関する調査に当つたのであります。小委員会は今後機構改革について、主として問題となると予想せられるような点について調査を進めて参つたのでありますが、この五日間におきましては、運輸省陸運局、港湾建設局、海上保安庁、大蔵省印刷局、保安庁保安隊の事務運営の実情について政府当局より説明を聴取すると共に、海上保安庁、保安庁保安隊、大蔵省印刷局に出向きましてつぶさにその実情を視察をいたしました。なお塚田行政管理庁長官よりは政府の行政機構改革の構想につき、又自治庁事務当局よりは、国の事務の地方庁への、委譲及び国の地方出先機関の廃止、統合等に関する問題につき、それぞれ説明を求めたのであります。更に、行政機構改革に関する問題について政府外からも意見を聴取しておくことが有益と認めましたので、会計検査院に赴き、佐藤会計検査院院長を中心にこれらの問題について懇談をいたしました。小委員会は今後行政機構改革の問題となると予想せられるような各種行政機関について、今後も引続き調査を進めて行きたい方針でございます。 以上、一応小委員会の今日までの経過を御報告申上げます。 小委員会の経過等について別に御質問ございませんか……。それでは御質問ないと認めます。 —————————————
○委員長(小酒井義男君) 次の議題に移ります。行政機構の整備に関する調査、恩給金融機関に関する件を議題といたします。 恩給金融機関につきましては、第十六国会において成立いたしました恩給法の一部を改正する法律案の第十一条におきまして、国民金融公庫及び別に法律を以て定める金融機翼がこれに当るものとして規定をされておるのであります。過般保全経済会と称する金融機関、これは勿論恩給の金融機関として認められておるものではありませんが、これが突如休業いたしました結果、すでに全国多数の恩給受給者深甚な打撃を受ける結果になるかもわからない事情にあります。この種金融機関にその影響が波及して来た場合には、大きな社会問題となろうかと思われます。ところが国民金融公庫法を見ますと、国民金融公庫は生業資金の小口貸付をするが、生活資金の小口貸付は行わない建前になつておりますので、現状のまま放置しておきますと、多数の恩給受給者は止むを得ず先に挙げましたような極めて経営の不安定な金融機関に入つて、そこから急場をしのぐための金融を受け、結局不幸な結果に陥ることになろうかと考えられるのであります。 そこで本日最も差迫つて急に解決を要する問題は、恩給受給者に対し生活資金の貸付を行い得る金融の途を開くことであります。第十六国会において恩給法の一部を改正する法律案の内閣委員長の報告におきましても、これらの点を考慮いたしまして本法律案が成立し、旧軍人に恩給が支給せられる場合、恩給金融の途が適当に講ぜられないならば、恩給受給者は高利金融業者から高い金利を搾取されることになるから、政府においてこの点を十分考慮されたい旨の熱心な希望が多数の委員によつて述べられた旨を特に申述べておいたのであります。この恩給金融の問題について政府は今日具体的などのような構想を打つておられるか。その点を本日の委員会において当局より御説明を願いたいと思うのでありますが、官房長官が本日は出席ができない事情があるそうでありますので、取りあえず、これらの問題について大蔵省の銀行局特殊金融課長の有吉正君から一応の説明を受けたいと思います。
○説明員(有吉正君) 恩給を受けられているというかたがたに対しまして、恩給を担保といたしまして金融をいたす措置と申しますものにつきまして、私どもといたしまして先ず第一に考えましたのは、国民金融公庫を通ずるところの金融の措置でございます。本措置につきましてはすでにその取扱実施要領等を定め、今月の二十日より申込を受付けた段階にあるわけでございます。先ほど委員長の言葉にもございますように、国民金融公庫を通じます場合におきましては、国民金融公庫法に規定してございます。ように、事業資金にのみ限定されてしまうわけでございます。生活資金にはこれが及ばないということに相成るわけでございます。現在のところ政府の財政資金によりまして金融を行いますところの諸機関、それぞれ国民金融公庫を初めといたしまして中小企業金融公庫なり、或いは農林金融公庫、開発銀行等ございます。すべてこれらはいわゆる事業資金に対するところの金融でございまして、生活金融ということはやつておらんわけでございます。そこで国民に最も関係の深いところの国民金融公庫におきましては、或いは生活資金までこれを取扱わして行くほうがよいのではないかという議論も当然に起つて参る次第かと思います。然るに現在のところ財政規模の状況、これに国民金融公庫に投入いたしますところの財政にも限度がございます。国民金融公庫に投ぜられました金に対しましても、現在の事業資金の十分なる需要を賄うというわけには参つておらないわけでございます。我々といたしまして何とかしまして、この国民金融公庫への出資なり、或いは借入金というものを更に充足いたしまして、広く国民大衆の事業資金の需要を満たそう、かように努力して参つておる次第でございます。なお、現在の段階におきましては事業資金の極く一端しかいたしておらないというような状況にあるわけでございます。従いまして従来も国民金融公庫におきましては、例えて申しますならば中共引揚者のかたがたに対する貸付なり、或いは母子家庭に対する貸付なり、或いは遺家族の国債の担保によりますところの貸付なり、いろいろな方法によりまして特に困つておられるかたがたに対する融資につきまして力を注いで参つた次第でございます。これらもいずれも国民金融公庫本来の目的でございますところの事業金融に限られている次第でございます。これは私どもといたしまして甚だ残念に存ずる次第でございます。一般に財政資金の更に大きな投入がございますならば、国民金融公庫といたしましても、更に広く生活資金を貸出すことができるというような態勢に持つて参ることができるかと思つております。併し現在の事情、特に最近におきましては、各地におきますところの風水害というものに対しまして、国民金融公庫としては相当な資金をこれに割きまして、事業資金としての貸出を行なつている次第でございまして、なかなか生活資金まで出すという余裕が見出せないという結果になつている次第でございます。政府の財政資金を投入する途といたしまして、国民金融公庫を使いまして、恩給受給者に対する金融というものをできるだけ円滑に推進して参りたい、かように考えている次第でございますが、何せ生活資金までは及んでおらないという実情にあるわけでございます。国民金融公庫以外の市中の金融機関につきましては、この法律によりますならば、恩給による担保の金融はなし得るわけでございます。ただこの場合におきまして問題になりますのは、金利の点かと思います。現在のところ市中の金融機関につきましては、臨時金利調整法というものによりまして、金利の最高限度が規制されている次第でございます。この規制の下におきまして金利の点は縛るということになるわけでございます。恩給の担保というものは相当に貸付もございます。ただ問題は小口の貸付ということになりますが、若干金融機関が手数がかかるという点に難点がございます。これらの点が或いは改正し得るならば、生活資金というものは、一般の金融機関、勿論この金融機関と申しますものは、いわゆる頭金をやりますところの銀行、相互銀行、信用金庫、信用組合或いは農業協同組合、こういつたいわゆる正規の金融機関に限られるわけでございます。この金融機関を活用いたしまして、或いは生活資金を融通する、こういう途が開かれるのではなかろうか、かように考えている次第でございます。
○委員長(小酒井義男君) それでは本問題について三橋恩給局長から御報告を願いたいと思います。
○政府委員(三橋則雄君) 只今有吉課長からいろいろと御説明がございましたので、今までの恩給局で考えておりましたことで、二、三のことを御説明申上げたいと思います。 恩給担保金融の問題を考えます場合には、低金利で、受給者保護の観点からこれを考えなければいけないのではなかろうか、こう実は考えて見たのでございます。で今有吉課長の言われましたようなことは私は勿論考えつついろいろ検討を私たちもいたしているところでございますが、今ここにおきまして具体的にこういうような案で進んだらどうかということをはつきり申上げるようなものは持つておりません。まだいろいろと検討しているところでございます。ただ今有吉課長から最後にお話がございました、市中のいろいろの金融機関を通じてそうして金融の途を講ずることにしたならば、一般の要望に副うことができるのではなかろうか、こういうふうなことがございましたので、或いは有吉課長も誤解はないと思いますけれども、念のために私からそのことにつきまして一、二のことを附加えて申上げたいと思います。それはこういうことなのでございます。恩給を担保にして金融を講ずるということになりますと、一体どういうことになるか、こういうことを私は考えるのです。今でも代理受領ということは盛んに利用されておるようでございます。裁判所の判例によりますというと、代理受領は、これは委任するほうで以ていつでも取消し得るということがあるなら、決して恩給担保金融には違反にはならないということで来ているわけです。従来代理受領を認めて、そして金の融通を受けているところの受給者は、金融業者が意に満たないようなことをいたしましたような場合におきまして、或いは又非常に残酷なようなことをしました場合にお きましては、いつも代理受領を委任しておるのを取消すことができることに法律上はなつているわけでございます。そこで若しも一般に恩給担保を許すということになりました場合におきましては、結局債権者保護になるのでありまして、受給者の保護になるということにするためには、受給者保護になる特別なるすつきりしたものがつかめない限りにおきましては、そういうただ無条件に恩給担保金融ということは許すわけには行かないのではないかということが第一点。 第二点は、この恩給担保をした場合におきまして、一体どういうことになるのか。こう考えてみまするというと、この恩給を請求して恩給をもらうというのが一つの債権とも言うべきものだと思います。で、恩給を、受給者が金を借りて、そうして恩給を担保にしておつて金を払えない場合におきましては、担保権の実行としてはどういうことをやるのか。こういうことになつて参りますと、結局裁判所に訴えて転付命令をもらつて転付命令を恩給局長というか、政府のほうに出て、政府、のほうからこの債権者に金を払う。こういうようなことになるとか、こういうことが考えられるわけです。そういうまわりくどいことをやつて、一般の金融業者が金を貸すというようなことは私は考えられないのじやないかと思うのです。結局恩給担保を一般に広くやるということに徹底するならば、恩給証書を一つの無記名債権のような取扱いにするというようなことになるならば、これは別でございますが、そうでない限りにおきましては、そういうことをいたしましても、結局恩給担保に取つた恩給を、実際転付におきましてはどういうことをやるかと言いますと、今行われているがごとくに代理受領という形で債権者は金を貸すということになるのではなかろうか、こう私は思つております。従いまして一般の金融機関に対しまして、今お話のように担保金融を一般に野放しのようなことにするということでございますならば、それは債権者の保護にのみなつて受給者の保護にならないような結果にならないように、特別な措置をどうしても考えなければならない。それは確たる措置が考えられるかどうかということにつきまして、私は実は自身を持つてないのでございます。この点につきましてはつきりとしたこの実施、及び当局におきまして若しも成案を得られるならば、勿論そういうことはすぐやられるところでございますが、そうでないことでありますれば、それを検討してかからなければならないことだろうと、こう実は思つておるところでございます。
○委員長(小酒井義男君) 以上の説明について、御質問のあるかたは御発言を願います。
○竹下豐次君 元恩給金庫というのがありましたが、あれのありましたときのあの成績の欠点、長所というものがあつたと思いますが、どんなことになつておつたのですか。一応……。
○政府委員(三橋則雄君) 突然に長所、欠点と言われましても、私はまとめてきちつとしたお話を申上げられるように準備して参りませんでしたが、ただ一言申上げますと、今日において考えました場合に、どういうことであるかと申しますと、恩給金庫につきまして問題になる点は、あの当時におきまして民間の資本をあれだけ集め得たというようなことは長所であつたと思います。これはあのときは許されたことでございますが、今日におきましては、容易に民間の資本を集め得るかどうかということは問題ではないかと思います。あの当時におきましては、確かに民間の資本をあれだけ集め得るだけの一つの長所といいますか、一つのまあそういう民間の資本を取得できたわけでございますが、今日におきましては、あのときと同じことをいたしまして、果してあのときと同じようなふうに民間の資本が入つて来るかどうかということにつきまして、実は私は危惧の念を懐いておるのであります。と申しますのは、あのときは資本金がたしか三千万円であつたかと思いますが、そのうちの五百万円が政府出資金でございまして、あとは全部ほかの方面から集まつたものでございました。官とそれから民、両方の金を集めるようなことをしてできたのでございます。それがあのときの長所になつておりましたと思います。 それから短所は何かと、こういうことでございますが、これにつきましても私ちよつと突然にたづねられたことで、今ここでどうということは申上げかねますが、はつきりしたことは、突然に言われましたので申上げかねるのでございますが、民間の資金を相当資本の中に入れておつたわけでございますから、若しも今後そういうふうな措置を取り入れる場合におきましては大いに民間の創意工夫をあのとき以上に活用し得るような組織にして行くべきではなかろうか。この点につきましては今考えてのことでございますが、そのときは或いは十分に民間の創意工夫を取り入れられていたということであるかも知れませんが、なお今日におきましてあのとき以上に民間の創意工夫を取り入れて、そうして民間の資本を取り入れて行くような措置を講じて行くべきではなかろうか、こういうふうに考えております。この点について今日におきましても、もつと考えるべきじやないかと、こういうふうに考えております。
○竹下豐次君 その当時ほど民間の人が協力するというようなことが困難ではなかろうかという今お話でございますけれども、それはこの前の金庫法がもう失敗である、うまく行かなかつた。だからというような意味でではないので、現在の金融の状況等からの御推察でしような。
○政府委員(三橋則雄君) さようでございます。
○天田勝正君 私は有吉課長に御質問いたしますが、その前に若干前提を申上げますと、私の記憶に誤りがなければ、恩給受給者の金融が大体当初は野放しになつておつたものが、その相手になる金融業者が大体高利貸しと通常言われる人がたから金融を受けるということからいたしまして、結局は恩給証書はすべていわば巻き上げられてしまうという恰好になつたために、恩給金庫というものができて、これを守る。それがずつと引継がれて、多分しまいには庶民金庫に一緒になつたように私は思つておりますが、そういうことで来たのであつて、これを歴史的に考えますると、そうしたものを簡単にこう担保に入れるということが一体いいか悪いかということを考えると、徳川時代でも札差しの繁栄というものは、恐らく俸録を札差しに入れて、そうして札差しの繁栄がもたらされたと、こういうようなことでですね、これはうかつにやるというと、むしろ当人の保護にはならないと私はそう考えておるのです。而も戦争前は、大体恩給の建前が零細な俸給をもらつて長年勤めたにもかかわらず、何ら老後の安定が得られないというところから、恩給ということの一つの理窟が成立つのでありますけれども、事実はどうかというと、当時の浪人から比べれば、役人になつたほうが遥かによりよき生活ができる。そこでそのよりよき生活から生れた恩給というものが、随分少い恩給の人でも、年額三百円くらいには当時なつた。三百円くらいといいますると、当時は一年で中女中くらいならば四十円かそこらで雇えた。これは現に私どもも随分経験しておるのですが、そういう事情であつたから、随分零細な恩給を受けておる人でも、元来生活資金としては普通にやつておれば因らないという程度であつたわけです。で大体高利貸に巻上げられるという筋道のものは、むしろそれだけでは満足しないといいますか、何か自分が退職したあとでも仕事をしたいという意慾が人間にありますから、その結果何かの事業に投資する。そこで金融の途を講じなければならないということになつて、これが高利貸の餌食になつて行つてしまう、こういうような筋道を大体辿つたと私は思うのです。そういう時代と比べるというと、今度は一般の勤めでおられます公務員でも満足の生活ができないという状況、それから割出された恩給というものは勿論これは十分ではない。従つて事業資金に投下するとか、高給官吏の十分な恩給を以て何かの事業を起すとか、それほど大げさなことはできない。どうしても自分の生活を守るにも守り切れないという状況から上京したとか、そうした場合に、例えあとでは苦しくなつても、一時でも先に金が欲しいというような要求からして、金融が必要であるというように今日では変形して来たと思う。でそうしたものに、むしろ私は苛酷なようであるけれども、苦しくともそのまま我慢をしてもらえば、恩給証書の元までもとられることなしに済むんだが、ところが今有告さんの話を聞いておりますと、どうしても事業資金に今まで偏重して来たが、今後はどうしてもできるならば、生活資金も面倒を見るということに国民金融公庫でもして行くと、まあ実際にはできるかできないかは別として、そういう意図があるやに伺つたのですけれども、これはもしろ非常に受給者を守るという立場においては危険ではないかと考えるのですが、前提が甚だ長くなつて呑み込みにくいかもしれませんが、それらの点について確信があるならばある旨の筋道を立てたお話を伺いたいとこう思うのです。
○説明員(有吉正君) お話の点誠に御尤もな点もございます。又私先ほど御答弁申上げましたように非常に至らない点がありますので、ここで改めて御答弁申上げたいと思います。 国民金融公庫を通じますところのいわゆる生活資金の供給という問題でございますが、これは一つに財政資金によりましてどの程度の金融を見るかということでございます。つまり現在のところは先ず以ちまして財政の規模というものに制約を受けておる。従いましてこういつたような政府の金融機関に対しまするところの財政投資の程度というものも或る程度の限界が出て参ります。そこで国民生活上国民の経済の維持発展のためには、やはり事業資金から先に大本を考えて参らなければならん。かかる趣旨から申しまして、現在国民金融公庫は生業資金いわゆる事業の資金というものを供給しておるわけでございます。併しながらこの事業資金と申しましても決してその額が大きいというわけではございませんので、いわゆる零細な事業資金、例えて申しますならばたばこ屋さんをお開きになるかたがその店のシヨウ・ウインドの設備をする、そういつた程度の設備資金といつたようなものを狙いまして、国民金融公庫は庶民の零細金融というものの役割を果しておるわけでございます。併し政府が財政資金を以ちまして金融を行うということがこの程度でとどまつて然るべきかどうかということにつきましては、なおここで検討しなければならない余地が出て来ようと、かように私は思うわけでございます。それは飽くまで財政資金の規模による事業資金の需要といいますものが或る程度充たされましたならば、そこで初めて生活資金という点の面倒を見て参るという段階に来るであろうと、かように考えるわけでございます。併し現在又近き将来におきましては国民金融公庫といたしましてそれに応ずるだけの財政資金というものを投入せられるという見込が先ずまず以てないものと、かように考えますので、現在のところは飽くまでも残念ながら事業資金、これは事業資金と申しましても、相当零細なものでございますが、ともかくもこういつた生業資金というものの供給にとどまるという段階に来ておるわけでございます。そこで先ほど御質問の通り、生活資金、というものを国民金融公庫等を通じて流しますならばそれが却つて恩給受給者の生活というものを逆におびやかすことになるのではなかろうかという御質問でございますが、この点につきましては国民金融公庫は政府の機関でございますので、たとえ生活資金の供給を行う時期になりましても、このほうの受給者の心配は万々ない、政府が背後についておるという関係に相成るわけでございます。然らば先ほど私もちよつと言外に触れました一般の市中金融機関がそういつた消費金融をやるということの問題、これは先ほど恩給局長からも御答弁ございまして、いろいろな問題がございますので難点がございますので、私ここでそう争つたほうがいいと言い切つているわけではございません。併し若しそういつた途が若し考えられるとするならばということを前提として申上げたいと思いますが、市中金融機関が恩給の担保金融を行うことができますようになりますならばという前提で申上げますが、それは絶対にいわゆる預金を取るところの正規の金融機関に限るべきだ、こういうことを私は申上げておるわけでございます。法律に申しますところの金融機関というのも飽くまでも預金を取る金融機関、つまり銀行なり相互銀行、信用金庫或いは農業協同組合、こういつたものに限るらべきだということを申しておるわけでございまして、俗に申しますところの貸金業者、これは決してここに申すところの金融機関ではございません。こういつた者に対して生活資金の供給をするような恩給担保金融というものは行い得ないというふうに感ずるわけであります。ただ問題は、先ほど恩給局長が申しましたような代理受領の方法というものが残つております。これは判例におきましても合法的なものというように言われておるわけでございます。併しこれはやはり飽くまでも恩給担保の金融としまして正道を行つておるわけではございません。我々の考えとしましては、飽くまでも先ず以ちまして若し生活資金というものまで及びまするならば国民金融公庫のごとき政府機関がこれをやつたらどうかというようなことでございます。又市中の金融機関がやる際におきましては、こういつた正規の金融機関がやるべきだということを申上げたわけでございます。なお、話が前後して甚だ恐縮でございますが、国民金融公庫が現在恩給の生活資金というものの供給ということをやらないということには、その財政資金の規模ということと全体的に国民金融公庫が生活資金の供給をやる段階ということの両者を併せて考えて頂きたいと思うのでございます。いわゆる公務員というものだけが受けますところの恩給というものに対してのみ国が財政資金を投じまして、生活資金の金融を行うという恩典を与えるということにつきましては、我々としまして十分に検討して参らなきやならんところがあるのではなかろうか。一般におきましても生活資金の供給ということにつきましては相当熾烈な要素があるわけでございます。それを抑えまして、ただ公務員だけが受けますところの恩給というものを担保として直ちに生活資金に、国の税金によりまして賄われるところの政府機関を通じて、金融の形で流れるということにつきましては、我々としまして今後なお検討して参らなきやならぬ余地があるのではなかろうか、かように考えておる次第であります。
○天田勝正君 ちよつと関連しまして……、これは庶民生活の機微の問題ですから、むしろ例を挙げて申上げたほうがいいと思うのですが、私が先に言うのは、戦前ならば仮に年額五百円の恩給しかもらわないといたしましても、当時のつましい生活ならば二十円か二十五円で事実できた。従つてそこに病気とか不時の生活上必要な資金を借りても、これは必ず返せた。高利の金でない限りは必ず返せた。或いはそれ以上の生活をするために事業に投資して、一時多額な金を必要としましても、これを担保に入れればその金を得られるし、又事業が失敗しない限りは、それは回収ができた。こういうことなんです、戦前においては……。ところが今は普通の公務員の俸給をもらつておつても、それで食いかねるという時勢だから、従つてそれから割出された恩給では生活が成り立たない。こういうふだんでも成り立たない者が今度は生活に必要ができたからとてそれが金融を受けたが最後、もう返せないものと見なきやならぬ、こういうことなんです。そこで市中銀行で預金を扱うようなところに扱わせればという前提だとおつしやるけれども、一体若しその前提が成立つためには、市中銀行はいつでもその恩給証書というものが先に局長が言われたようにいざという場合は取り上げることができるという性質のものでない限りは貸しつこないのだし、又課長のおつしやる国民金融公庫は政府出資でできておるのだからとおつしやるけれども、それならもうはなから生活資金だから今の情勢からすると返せない。返せないときに一体どうするかという場合には、さつきあなたは財政的になかなかということをおつしやつておるけれども、財政的に裏付けができてこれを政府が更に又補助する、いわゆる生活保護のような、金を若し担保にした場合には与えるというその裏付けがなければ、幾ら政府機関といえどもこれを野放しに、もうあとは返せないということではやり得たいのじやないか、実際に又その公算が多いということを私は指摘している。事実今の生活に必要で借りたという合はこれは返せるものじやまず私はないと思う。それだからそこに危険がありはせんか。むしろそれならば細々ながらもそうした担保に入れるということをやらない方法のほうがいい。別の途で救助するのならば別で、若しそれで救助するということになればはてしのないことになるか、さもなければ当人が結局取上げられては困る、この二つになるかどつちかであるが、その点について如何お考えだかと、こう聞いておる。
○説明員(有吉正君) 私が申上げておりますのも、いわゆる生活金融と申しますのも、これは金融でなければならないということは前提にしておるわけでございます。金融と申しますのは、もう私が御説明するまでもなく、利を生んだ金で払いをして参るということに相成るわけでございます。本来ならば事業金融というものがその本体でなければならないということでございます。生活金融と申しますのはそこに若干の矛盾が生じて来るかと存じますが、併しこの場合におきましてもやはりその先にあてがあるといつた場合におきまして一時その前貸をする、そういつたものも金融ベースに乗るという限りにおきましてはこれは金融になる。そういつた範囲の生活金融というものを念頭におきましたがために、御答弁がいささか食い違つた次第でございます。飽くまでも金融に乗らなきやならんということは前提にして考えておる次第でございます。金融に乗らないものを無理に生活の資金のためだと申しながらこれに金融を与えるということは、これは別の問題でございまして、一応我々としましては生活金融と申しましてもその点の配慮を加えた後の場合のことを申上げた次第でございます。
○松原一彦君 ちよつとこの間の恩給法改正の提案の理由のところでまだはつきりしておかなかつたのですが、この際三橋恩給局長にお聞きしますが、あの第十一条に但書を加えて、国民金融公庫及び法律によつて定める金融機関に担保とすることができるということをば加えられた趣旨をもう一偏承わりたい。というのは国民金融公庫は生業資金以外は貸さない、担保は要らないのが原則である。銀行その他の金融機関では借りることの困難な者に対して、無担保で金を貸すというところに国民金融公庫の特色がある。同時に、たとえ少額であろうとも生業資金以外は貸さないことになつておる。その条件付きの国民金融公庫に、恩給受給者のその恩給がまあ恩給証書でしようが、これが担保に供せられるような途を開けられた理由はどこにあるのですか。それを一つお聞きしたい。これは私の想像では従来あつた恩給金庫をば引継いだのであるからして、もとあつた恩給金庫の職能であつた代理受領つまり恩給証書の委託、寄託といいますか、術語では、寄託せられたる恩給証書をそこで政府から代理受領をする、それに対する前貸である。従つて恩給証書を寄託しておいて受け取らねば貯金になる。随時に引出すことができるという従来の恩給金庫の持つておつた職能が今度復活するものだとばかり私は思つておつたのです。これは間違いなのでしようか。どうなのでしようか。単に担保に供することができるというのでは意味をなさんように思うのですが、政府の当時提案の構想を承わりたい。
○政府委員(三橋則雄君) 今の質問は二つの問題があると思います。一つは従来恩給金庫におきましていわゆる恩給の寄託ということをやつておつたのでありますが、その点に関しまする御質問が第一と、それからその次は恩給法の第十一条の改正につきまして、但し書のところの改正につきましてどういう趣旨でやつたかということだと思います。その前段についてお答えいたしますと、恩給金庫に従来、恩給の寄託をいたしましてそうして恩給金を恩給金庫におきまして受領いたしまして、そうしてそれが恩給金庫の預金のようになつておつたのであります。そういう事務はこれは恩給法の中に書いたり、規定したりすべきものではなくして、これは一つの金融機関におきましてやる仕事でございまするから、金融機関においてそれをやるか、そうやらせるほうがいいかという問題であります。こういう場合の問題は恩給法の中におきましては従来も取上げておりませんし、あの法律を出しまする際にも、全然これは別のことにいたしまして取上げなかつたのであります。 それから恩給法の第十一条の改正でございまするが、これは恩給受給者が非常に止むを得ない事情からいたしまして資金の必要に迫まられる、こういう場合があることは否定できない事実である。こういうことを考えましてそうしてその必要なる資金は或いは生業資金の場合もございましようし、或いはいわゆる消費資金といわれるようないわゆる生活資金といわれるようなものもあるかと思います。そういうような場合を引括めましてとにかく恩給担保金融のできる途を開く、こういうことを考えたのでございます。そこでその当時におきまして勿論一つの従来のような恩給金庫或いはそれに類するような機関というものが作れるような状態でございますならば、或いははつきりとしたところのものを書き得たのでございまするが、そういうような結論を不幸にして私たちは出し得なかつた。そこで従来のような法文を書くことはできなかつたのでございまして、取りあえず当時におきまして可能なるところの金融の途といたしましては先ほどから有吉課長が説明されておりまするように国民金融公庫におきまして生業資金の貸出をする。こういうことが考えられました。そこで取りあえずそういうような国民金融公庫におきまして貸出をする場合におきましては、担保があれば有利な条件の下に貸出を受けられるようなふうな措置をしよう。こういうことを考えたのでございます。それならばそれだけで以て生活資金の問題はもう取上げないか、こういうことがその次に問題になるわけでございます。その問題につきましては、実はその当時におきましては句々の間でございまして結論を得ておりませんでしたので、検討を続けて今日までに至つておりますが、ずつと今日までいろいろ検討は続けております。調査検討はいたしておりまするけれども、まだはつきりと政府の案といたしまして具体的に申上げ得るまでには至つていないところでございます。勿論決してなおざりにしているわけではございません、検討はいろいろいたしておるところでございます。
○松原一彦君 今のお話、ちよつと私受取りかねるのですが、担保の要らない国民金融公庫に恩給証書を担保にすればなお且つ信用が増すから多く貸してくれるというお話なんでしようか、ちよつとそのところが受取りかねる。国民金融公庫には担保は要らないのです。本来担保なしで貸すのが原則です。
○政府委員(三橋則雄君) 先ほど有吉課長も説明されたように、恩給証書を担保にすると言いましても、一つの代理受領の形の融資だということでございます、いわゆる俗に担保と申しますがその担保といいまして、そうした貸出をすることになつております。国民金融公庫ではそういたしております。
○松原一彦君 今現にしているのですか。
○政府委員(三橋則雄君) そうです。先ほど説明した通りでございます。
○上原正吉君 ちよつと三橋局長にお伺いしたいのですが、恩給法十一条の、法律に定むる金融機関というのはこれはどういうものなのか、例示して御説明下さい。
○政府委員(三橋則雄君) これは私は今のその例示と言われまするのは恐らく相互銀行とか或いは信用金順とか或いはいわゆる普通の銀行とか、そういうようなものを言うのかという、こういう意味だろうと思いますが、私はそういうふうなものにするのか或いは特定の機関を設けて、そうしてそれを指定するか、こういうことは法律の問題だと思います。
○上原正吉君 今のに関連して、そこで私も、別に法律が定める金融機関というのだから、恩給のために指定する金融機関が別にできるのだろう、或いはあるのだろうと考えておつたのですが、先ほどからの御説明だと銀行だとか、信用金庫だとかいうように、要するに、それに当るようにも聞えるし、どちらかをはつきりお示し頂きたいのです。有吉課長どうです。
○政府委員(三橋則雄君) 今申上げまするように市中のいわゆる金融機関を指定いたしまして恩給法の第十一条のいわゆる金融機関として指定をするか、こういうことの取扱いをいたしましてもいろいろな問題があるわけです。そういうことをしないで、或いは特別の機関を作りまして、そうして、それに金融をさせる、それでいわゆるこの恩給法第十一条の法律を以て定める金融機関とするか、こういう問題につきましていろいろと検討を加えておるこういうところでございます。
○上原正吉君 そうしますと、まだその別に法律で定める金融機関というのはきまつていない、こういうことなんですか。
○政府委員(三橋則雄君) その通りでございます。
○松原一彦君 有吉課長にお尋ねしますが、従来恩給証書をば国民金融公庫に預けて生業資金を借出したという事実はあるのでしようか。
○説明員(有吉正君) 従来ございません。
○松原一彦君 今後はその途を開くというお考えはあるのですか。
○説明員(有吉正君) さようでございます。
○松原一彦君 そうすると金庫法の一部の改正をしないでよろしうございますか。
○説明員(有吉正君) 御質問は担保云々の問題だと存じますが、国民金融公庫法にございます規定は、担保の規定については出てございません。一般の金融によるわけでございます。金融でございますので、保証人を立てさせる場合或いは担保を徴する場合、いろいろあるわけでございます。国民金融公庫におきましては、何と申しますか、いろいろ種類がございますが、比較的金額の少い場合におきましては担保は原則として徴しない、保証人を立てさせるということになつております。比較的多額の場合におきましては原則として担保を取るということになつておるわけでございます。
○松原一彦君 それじや伺いますが、一体恩給担保というものは、民間の金融業者でもこれに代理受領の委任状を添えて恩給証書を渡してしまう。それを普通通担保という。そこで年に四回の現金がその人の、債権者の手に入ることになつておる。つまり年四回に割つて元金が消る形式になるのですが、今後この恩給証書を国民金融公庫に担保に入れた場合に、国民金融公庫は代理受領者なるものでしようか。どうでしようか。
○説明員(有吉正君) 現在のところは代理受領権としてやつております。
○松原一彦君 代理受領権としてもうすでに開始しておいでですか。
○説明員(有吉正君) 十月二十日からもうすでに受付けております。
○松原一彦君 それは何か告示でもせられたのですか。代理受領というのは、政府は当然認めるのですか。
○説明員(有吉正君) いわゆる恩給の代理受領の問題につきましては、先ほど申しましたように、一般的に先ほど恩給局長の御答弁がございましたように、代理受領権のやり方としては別に違法ではないということになるわけでございます。国民金融公庫はその方法によつてやつておるわけでございます。
○松原一彦君 それは私は寡聞にして今初めてお聞きしたのですが、そうしますと、すでに恩給証書を担保にして代理受領権を向うに渡して相当額の金が借りられる、そうして国民金融公庫法の示す利子で以て少額の、若干額の金融が行われることになつておるわけなんですか。
○説明員(有吉正君) 誠に恐れ入りますが、も一度おつしやつて頂きたいのですが……。
○松原一彦君 従前の恩給金庫が扱つておつたように、証書を担保にして、そうしてこれを寄託して、政府から年四回の恩給の支払を受けることによつて金融してもらつておつたその事柄を国民金融公庫は現に実行しておいでですか、こういうことなんです。
○説明員(有吉正君) そうではございません。実行しておりません。
○委員長(小酒井義男君) ちよつと速記をとめて下さい。 午後二時三十五分速記中止 —————・————— 午後三時四十五分速記開始
○委員長(小酒井義男君) 速記を始めて下さい。
○野本品吉君 ちよつとお伺いします。国民金融公庫法ができますときに、その目的として「国民金融公庫は、庶民金庫及び恩給金庫の業務を承継し、」と、こうあるのですね、この「恩給金庫の業務を承継」するというのはどういうふうな内容を持つておるものであつて、それに対してどういうお考えであつたわけですか。
○政府委員(三橋則雄君) あのときには恩給金庫と庶民金庫は御承知のような状態でありましたので、結局廃止されてしまいました。そして恩給金庫の担保に供されておりましたところの恩給は、国民金融公庫に引継ぎました。そして国民金融公庫におきましてそのいわゆる残務整理のようなことを続けて来たのでございます。そういう範囲にあのときは限られておつたのでございます。それで新らしいところの、即ち新らしい恩給担保の金融、即ち従来恩給金庫がしておりましたところの業務、これは全部やめさせられることになつたのであります。
○野本品吉君 そうすると、この業務を承継するというのは、恩給金庫の残務整理ということですか。
○政府委員(三橋則雄君) 結局結論的にはそうなつております。
○野本品吉君 私はこういうふうにやつて来たところが、恩給を担保とする金融はまかりならんというあちら様のきついお達しがあつたので、やむを得ず恩給による金融の途が閉じられてしまつたと、かように開いたりしておつたのですが、それはどうなんですか。
○政府委員(三橋則雄君) その通りでございます。
○野本品吉君 そうすると国民金融公庫法の第一条はその後改正になつたのですか。これは……。
○政府委員(三橋則雄君) 改正ございません。
○野本品吉君 改正がないとすればですね、改正がないとすればこの業務を承継しというこの文字の内容というものはですね、依然として元の金融金庫の仕事をするということで、業務を承継しておることになつたので、途中で我が儘者が何か言つて来たので仕方なしにやめたんだと、こういうふうに考えるべきだと思いますがどうですか。これは恩給局長と有吉さんと両方からお伺いしたい。
○政府委員(三橋則雄君) 今の恩給金庫の業務を承継するということにつきまして、従来恩給金庫がやつておつたところの恩給担保の金融の業務そのものを承継して来ておるということになるのではなかろうかという御質問だと思うのです。ところで恩給金庫は廃止されまして、その廃止されると同時に、恩給法の第十一条の規定を改正いたしまして、そうして従来恩給金庫に担保に供する場合は云々という規定がございましたのは削除されてしまつたのでございます。従いまして恩給金庫に対しまして恩給証書を担保に供しましてそうして金融を受けるということはこれは勿論なくなつてしまつた。それと同時にこの新らしい国民金融公庫に対しまして恩給証書を担保にして金融を受けるということもできなくなつて来ました。そういうような関係からいたしまして、この第一条には「恩給金庫の業務を承継し」とこういうふうに書いてございますけれども、そのまま従来恩給証書を担保として恩給金庫が金融をしておつたその業務を承継しておるというふうには解していないのであります。
○野本品吉君 そこでその「承継し」のあとの「銀行その他一般の金融機関から資産の融通を受けることを困難とする国民大衆に対して、必要な事業資金の供給を行うことを目的とする。」こう書いてある。今恩給局長の御説明によれば何を苦しんで今度の恩給法の一部を改正するときにこんなことを入れたのか、入れる必要はない。
○政府委員(三橋則雄君) 今申上げまするように、国民金融公庫に対しまして恩給証書を担保にしてそうして金融を講じてもらうということはできなくなつた、これは勿論今お話の通りであります。そこでそれはできなくなつて来ておる、そのできないことになつているのはどこからかと申しますと、恩給法の第十一条が今度改正されましたようになつていなかつたからでございます。そこで改正いたしまして、そうして国民金融公庫に恩給証書を担保として金融の途が講ぜられるようにこういうふうにしたわけであります。
○野本品吉君 そこで今度の恩給法の第十一条の規定はなくとも、国民金融公庫法の第一条の趣旨によつてさつき有吉さんからお話のありましたように恩給を担保として金融が行われておるとすれば、こういう改正の必要はどうしても私はないと思うのですが、そうじやないでしようか。現実に国民金融公庫において恩給証書を担保にするというか何というか知りませんが、そういう方法で金融の途を開いておるのですが、それが前からこの金融公庫法によれば「恩給金庫の業務を承継し、」とこうなつているのですから、改めての改正十一条の新らしい改正の中には国民金融公庫法による大衆に対する金融のほかに、別の意図があつてこそこの改正の意味があるので、同じようなことならやつても同じだ、こう思うのです。
○政府委員(三橋則雄君) 先ほど有吉課長から、国民金融公庫におきまして恩給証書を担保にして金融をしておる、する、こういうことを申上げましたのは、いわゆる俗にいう恩給担保ということでございまして、恩給の代理受領こういう形で融資しておるというお話でございます。従来の恩給公庫でやつておりましたような本当のと言いますか、本当の恩給担保の金融ということではないのであります。従来の恩給金庫でいたしておりましたような恩給担保の金融をやるほうがいいのか、或いは今有吉課長からお話のありましたような方法によるところの金融といいますか、いわゆる恩給担保をやることがいいのか、これにはいろいろ検討を要することもあるかも知れませんが、いずれにいたしましてもそういうような金融でありまして、少くとも私はこの恩給法の第十一条の法律改正の案を皆様の御審議をお願いいたしまするときにおきましては、いわゆる恩給担保ではなくして、本当の恩給担保金融ということを考えまして、法案の御審議をお願いいたしたのでございます。それから今のお話の国民金融公庫以外の金融機関とこういうのでありますが、これも勿論私は国民金融公庫以外の金融機関の或るものを設けるか、或いは又既設のものを全部を利用して何も設けないようにするか、これについてはいろいろ研究の余地があると思いますが、いずれにいたしましても国民金融公庫だけに限る必要もないのではなかろうか、こういうふうなことで法律案の御審議をお願いいたしたのでございます。
○野本品吉君 そうしますと改正された恩給法の第十一条の恩給の金融の問題につきましては、只今御説明になつたような趣旨で主管大臣である官房長官、大蔵大臣、その他のかたが皆こう考えていて、皆さんの御答弁は大臣の答弁と心得てよろしいですか。
○政府委員(三橋則雄君) 私が大蔵大臣のことをかれこれ申上げますのは大変僭越でございますが、官房長官は少くとも私にはそういうふうにして検討を続けさせられておりますし、又私からも報告したこともありますから、今申上げましたような金融機関につきましては研究されていると御了承されて結構であります。
○野本品吉君 それからこれは有吉さんにですが、この問題の考え方について先ほど竹下さんからお話がありました根本的な問題もありますけれども、恩給受給者、これは一般公務員、軍人、それから先般の援護法による公債ですが、ああいうものをもらつた者がどういうふうに搾取されておるか、いわゆる好ましからざる金融業者によつてどういうふうに搾取されておるか、ということの実情について詳細な御検討をなさつたことがありますか。
○説明員(有吉正君) いわゆる恩給受給者、或いは遺家族の方々が街の金融機関によつて非常にお困りになつておるというような状況につきましては、一般に貸金業者の状態というようなことにつきまして、我々といたしましては地方の出先機関等を通じまして報告を受けたことがございます。別にこれにつきまして特に調査をしたということはいたしませんのでございます。かねがねそういつたような状況につきましては十分に聞いておる次第でございます。従いましてその点につきましては先ほど申しましたように遺家族の国債によるところの担保金融というような途、或いは母子家庭に対する貸付の途というようなことを国民金融公庫を通じて行なつて来たのであります。例えて申しますれば、利率にいたしましても金融公庫本来の利率は以前におきましては一割二分、現在におきましては一割でございます。これを特に六分にいたしまして貸付けを行なつているというような状況でございます。
○野本品吉君 只今のお話によりますと、地方の出先等を通じその間の消息についての情報を聞いておるとおつしやいましたが、どんなことをお聞きでしようか、具体的にお願いいたします。
○説明員(有吉正君) 只今ここに別に作り上げた資料等を持つて参りませんでしたが、俗に普通に言われているような言葉になつて甚だ恐縮なんでございますが、とかく街の金融業者が遺家族のかたがたの国債というものを非常に買い叩いておつて、そのかたがたに御迷惑をかけるというようなことを聞いておるに過ぎないのであります。そういつたところの情報というだけに過ぎないのでございますが、普通一般に言われているようなことをたまたま聞いておるというようなことでございます。
○野本品吉君 私は先ほど来、事業資金はいずれにしても生活資金まで手が廻わせんというような、そういう物の考え方が只今のような抽象的な観念論的に考えられることはどうかと思うのです。本当にあの人たちの実情を皆さんが把握されているならば、そういう考え方ではなくなつて来るのじやないかと私は思うのであります。大蔵省のこの問題についての事務をとられる皆さんとしては私はもう少しその実情についての検討と把握とをしつかりして頂きたということを希望申上げておきます。 それからもう一つは、これも非常に財政の行詰つておりますときに、本年度において四百五十億、来年度において六百億というような相当多額な国費を旧軍人軍属等分のために支出され、又退職した公務員に対しましても相当な金額の恩給が支給されているのでありますけれども、それらの人たちにも病気もありますし、火事になることもありますし、子供や女房がこの薬一本打てば助かるということもあるのであります。そういうようなことをよくお考えになつて頂きたいと思うのです。若しそういうの途が開きませんというと、国が折角血の出るような国民の税金によつて支払つた何百億というその金の相当大きな部分が金融のために必要とする金以上のものを食われてしまう。こういう結果にもなつて来ると思うので、この問題につきまして更に十分一つお考えを願いたいと思うのです。 それからもう一つお伺いしたいと思うのは、現在旧軍人軍属、それからして遺家族のかた、それらのかたがたから切実な恩給による金融の途を開いてくれという陳情或いは請願がたくさん来ております。で私はやはりこれらの人たちのこの声にはもう少し謙虚に当局としても耳を傾けるようにして頂くことを心から希望いたします。でまあ煎じつめて言えば、旧軍人軍属或いは退職された公務員の諸君の恩給や遺族扶助料があれほど旧軍人の諸君も言うように十分ではない。その十分ではないところを補うための温かい政治の手として、それらの人たちに不時の災難の起つた場合、それから思わない金の要り用等が起つた場合には、当然金融の途を講じてやるべきであると、かように考えるわけです。大蔵省としては今のところできればやりたいのだけれども、ない袖は振れないということ、で、一応この問題については諦めをつけているというふうに、私は先ほどからの御答弁で印象づけられたのですが、そうなのでしようか。
○説明員(有吉正君) 先ほどから再々申上げておりますように、私どもといたしましては、できるだけのことをいたして参りたいとかように考えている次第でございます。ともかくも財政規模ということに制約される問題でございますので、更に慎重に考えて参りたい、かように考える次第でございます。
○松原一彦君 それに関連して、有吉課長に伺いますが、今回の但し書を加えたことによつて恩給が公式に担保になるような途が認められた、それを国民金融公庫によつて実施できるような途をあけた、それは十月二十日からだというお話だつたと思いますが、それでよろしうございますか。
○説明員(有吉正君) 先ほど申しましたように、いわゆる恩給担保というような形で受付を開始いたしましたのは十月の二十日からでございます。
○松原一彦君 その十月三十日からおやりになつたのは、政令で出たものか、大蔵省の一つの、手心、通牒としてお出しになつたものかその辺を伺いたい。
○説明員(有吉正君) 国民金融公庫の側におきましてきめて行なつていることでございます。
○松原一彦君 それは恐らく全国の恩給受給者が知らないことと思いますから、この際一つどういうふうな手続でどういうふうな条件で貸出すか。その担保に供した恩給証書を毎受領日ごとに恩給権者は出して、その金を受取るようになつているか。そういうことを一つ文書にして委員長のほうから報告を取つて頂きたいと思うのですが、委員長如何でしようか。
○委員長(小酒井義男君) 資料として今の松原委員の要求になつたものを出して頂くようにお願いしておきます。
○松原一彦君 国民金融公庫法第十八条の二項によりますと「「生業資金の小口貸付」とは、独立して事業を遂行する意思を有し、且つ、適切な事業計画を持つ者で、銀行その他一般の金融機関から資金の融通を受けることを困難とするものに対して、小口の事業資金を供給することをいい、生活困窮者に対する救済資金の供給を意味するものと解釈してはならない。」ということをわざわざ断り書きをしてあるのであります。天田委員がさつきから御心配になつているように、本来恩給は月々の生活の資であつて、曾てアメリカ側から忠告があつたように、本来言うというと、これは月払いが至当であります。月給と同じように月払いすべきものである。従つてこれは担保に供する性質のものではないというのが、あの当時恩給金庫をやめさせる一つの理由になつたと思つておりますが、併し現実情勢はそういうきれいなものではなくして、地方における高利の恩給担保金融、いわゆるもぐり金融が貸出しておるのが一府県で数千万円になつておる。多い府県は一億にも上るという状況になつておることを私は聞いておるのであります。従つてここに、十八条に書いてあるような事業を遂行する意思を持ち、適切な事業計画を持つもので云々といつたようなことが、今恩給受給者の差迫つた実情と合致はいたさないのであります。それで只今のところで今度の改正に応ずる担保による国民金融公庫の貸出は一つの便法として私は認めますが、更にこれを拡大して、国民金融公庫が恩給担保による例外としての生活資金の貸出をも行うようにするか、或いは別途に機関を設けて恩給金庫の復活的な内容を持つものをこしらえて、恩給証書を寄託しておけば、それが一方においては貯金になり、一方においては若干の先貸をする金融機関になるという途を開けてほしいという希望を述べておきます。曾つて恩給金庫を経営しておつた経験者の話を聞いて見ましても相当残るものがあるそうです。取出さないで残しておくものがある。そうして最後にこの引継ぎをしたときにも、政府側としては大きな損失にはなつていなかつたという事実があるということを聞いております。若し無用な金と言うては悪いが、余裕があつて、一万円でも二万円でも余裕がある場合、これを保全経済会みたような町の金融機関に注ぎ込んで、元も子もなくするよりも、むしろ恩給のようなものは寄託しておいて、必要に応じて引出すというような昔の恩給金庫のごとき機関のできることを私は熱望するものです。恐らく全国のものが期待をかけておるのは、私はこの点であると思う。単なる事業資金を事業計画の下に貸してもらうというものではないと思いますから、政府ほうでも一つこの点について十分の念を入れてお考えを願いたい。いずれこの次の通常国会まではに具体化せられるものがあろうと私は想像しますので、恩給局長はかねてこの問題では苦心をしておいでになることは私知つておりますので、精一ぱい受恩給者の保護という意味で、具体的な計画を急がれますように希望するものであります。
○竹下豐次君 先ほどから質疑応答を承わつておりますというと、課長も正直におつしやいましたように、自分で直接仕事を扱つていないので、余り細かいことをお尋ねするものも御無理かとも思うのでありますが、私なども幸いにして、まだ恩給証書を担保にして金を借るというような経験もありませんので、実はよくわからない。であとの機会に、これは当局のほうで集めて下すつてもようでございますし、専門員のほうで集めて下すつてもようございますが、どんなふうの文書を出して、どんなふうにして貸借されたものか。雛形を一つ取寄せて頂きたい。或いはその係りの人が、実際金融機関で仕事をしていらつしやる人が、何らかの機会にここに来て下すつて説明して頂けば、なお結構だと思います。これをお願いしておきます。委員長のほうで一つ適当にお取計らいを願いたい。
○委員長(小酒井義男君) 承知いたしました。
○竹下豐次君 それから先ほど速記のとまつている際に、私はこの国民金融金庫では、現在事業資金のほうを主としてやつておるので、なかなか生活資金のほうのところまでは国家の財政資金の都合で手が及びかねて、民間のほうで、立派な金融機関で、堅実な金融機関で、そういう方面のことも知つておおきになることが望ましいというような課長のお話もありましたので、ただそういう期待だけでは足りないので、政府のほうでやはり成るべく早く政府の意見をまとめて、そうして必要があるならば適当に交渉を進めて、一時も早くそれが実行に移るように御努力を願いたいということを申上げたわけでありますが、今日は委員長のほうから主務大臣にここに来て頂くことに要求しておられたわけですけれども、お差支えがありまして見えなかつたのであります。で今日おいでの恩給局長、金融課長お二人は、もとより私のお願いしましたことの線に副つて御努力下さることだろうと思つておりますが、主務大臣のほうにしつかりお伝え願いたいと思います。途中で消えないようにどうぞ。大変この事柄はむずかしいものであると私は思いますので、特に力を入れてやつて預かなきやならん。それにつきましては、大ていのことというものは期限切つてやりますというと、その期限に少々遅れても解決がつくものなんです。そうでないと、むずかしい仕事であるならば、むずかしい仕事であるほど、もう一遍考えなおそう、考えなおそう。それは同じことを何遍も何遍も繰返して考えるだけのことでありまして、結局はいつまで経つてもきまらんだらだらして、それでは実際この恩給権を持つておる者は困るだろうと思つておりますが、どうか特別のお骨折をお願いいたしておきたいと思つております。
○委員長(小酒井義男君) ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(小酒井義男君) じや速記を始めて下さい。 それでは恩給受給者の金融に関する議題につきましては、各委員から非常に積極的な要望がありましたように、出席された政府委員において、これの早期に一つ実現でき得るように一つ努力して頂くようにお願いをしておきまして、先ほど竹下委員から質問のありました、恩給法の一部改正ができました以後の、恩給局におけるところの事務の進捗状態について、恩給局長から説明を受けることにいたします。
○政府委員(三橋則雄君) 只今の御質問に対して、お答えをいたします。恩給局は御承知の通りに庁舎が小田原にございまして、東京のほうに分室があり、而も東京における分室は、散在しているような実情でございましたので、旧軍人恩給、及び旧軍人の遺族のかたがたに対する扶助料の事務を取運ぶにいたしましては、何といたしましても、この庁舎を東京に一括してまとめまするとともに、機構を整備して、そして事務の充実を図るということが、先ず第一の条件であると考えられましたので、そのことに着手しますると共に、法律の施行に伴いまする施行規則、施行細則などの制定なども又いたしまして、大体この事務が九月一ぱいまでに殆んど完了いたしてしまつたのでございます。最近におきまする事務はどういうふうになつているかと申しまするというと、恩給受給者の中で、増加恩給の受給者でございまするいわゆる傷病者、傷病軍人であつた方々に対しましては、すでに増額改定しました恩給を給するための措置をいたしまして、恩給証書の発送はまだあとに残つておりまするけれども、恩給の支給額票というようなものを送りまして、そしてそれを以て恩給を郵便局で受けられるような措置をいたしております。これはもうすでに全部発送済みでございます。 それから増加恩給を給せられたかたの家族でいわゆる扶養家族加給のつけられるようなかたのある人につきましては、改めて家族加給の申請を待つてやつているのでございまするが、これについては今殆んど請求が来ておりまするところでございまして、これは今残つておりますものは、これは大体の今の見込みといたしましては年内に全部片付けたいと思つております。多分そうなると思いますが、万一遅れる場合におきましては一月の支給期には恩給の基本額だけは支給せられるような取扱いをするように考えております。そういう取扱いをしないで、加給をつけたものも支給するように直したいと思つて準備を進めておる次第でございます。 それから扶助料の受給者の中で、普通の扶助料を給せられておつたかたがたにつきましては、すでに私のほうで全部の整備を終つておりまして、索引カードもでき、それから金額の計算書も手を染め、今日で全部でき上つているはずでございます。従いまして請求がございますれば、その請求によりまして索引をいたしまして、そしてすぐに新らしい金額の扶助料が給せられるまでの準備をいたしております。 それからいわゆる戦死者のような公務扶助料受給者のかたがたにつきましては、すでに扶助料を給されたかたは、御承知の通り四十数万の受給者があるのでございますが、このかたがたの索引をいたしまするところのカードは一切でき上つております。ただ新らしい金額の計算は準備が全部まだできておりません。今その事務を続行いたしておりますが、これは若干遅れるかと思つております。 それから普通恩給の受給者、すでに旧恩給をもらつておられたかたは六十五万ばかりになつておりますが、このかたがたに対しましては全部一応索引カードができまして、若干の索引カードの分類整理の事務のみが残つております。これも今月中に全部完了することになつていましたので、一両日中に全部の索引カード分類全部完結する見通しでございます。新らしい金額の計算はまだ若干残つております。従いまして大まかに申しまして、恩給の請求がありました場合におきましては、すでに恩給を給せられた方々につきましては、全部給されておつたかどうかの検索をいたしまして、そして前の恩給はどうであつたか、今度の恩給はどうなるか、こういうようなことの一応の計算のできるような準備態勢はとつてしまつたわけでございます。 ところで何と申しましてもたくさんの受給者でございまして、今私が申上げました数だけでも大体百工、三十万人の数になると思います。そういうたくさんの受給者に対しまして年末を控えまして恩給金額を計算いたしまして、きちつといたした数字を計算いたしまして、支給の事務をとりますということも或いは困難ではないか、こういうふうに考えているところでございます。従いまして只今の我々といたしましては、万一そういうふうに請求が殺到いたして参りました場合におきましては、一応少くともこれくらいの金額はすぐ出し得るという推定の金額、仮の金額をきめまして、そうして今年の四月から今までの分をまとめまして、支給し得るような措置をいたしたいと思つております。実は裁定告知書を新らしく今度きめましたのでございますが、それを送りまして、それを郵便局に提示されれば、恩給がもらえることにいたしております。それで後日正確なる恩給金額を計算いたしまして、金額が確定いたし次第新らしい恩給金額をきめまして、そうして恩給証書を送ると共にその金額を通知して追払いをすべきものは追つかけて追払いをする。これは幾らかの二重の弔問になりますが、そういうようなことをいたしましてでも、この年末にまでにはでき得る限りの恩給を裁定することにいたしたい、こういうように考えておるのでございます。今日まで各都道府県におきまても、いろいろと骨を折つておるようでございますが、今日復員局のほうから大体私のところに連絡して参つておりますところでは、推計いたしますというと、この十二日になりますれば、少くとも日に一万件くらいの請求書数が手許に進達されるのではなかろうかと、こういうふうに推定いたしております。そこで一万件と申しますと相当な数でございますので、その一万件ありまする書類を滞りなく迅速に処理するために今対策を立てております。前後措置を講じて、そうして一万件の書類を手際よく処理し得るような態勢を整えるようにいたしておる次第でございます。 人員は大体恩給局はどれくらい今採用しているかという問題になつて来るのでございますが、大体今入つております人員は全部で七百三十人ばかりおるのでございます。而もその中で臨時職員といたしまして、アルバイトでございますが、使つているものが五百七十人ばかりでございまして、これから又来月の十日までに二百二、三十人を増員する予定にいたしております。最後にそれから若干の人員も、出入りはありますが大体八百人から九百人くらいのアルバイトを入れまして、そうして事務を処理するような態勢をとつておるところでございます。大変恩給を支給されるのを待たれている受給者のことを考えますと、一日も早く裁定をしなければいかんことは勿論でございますが、できるだけいろいろな方法を講じまして、努力をいたしております。 大体今申上げるような事務の進捗状況でございまして、書類の出るのを待ち、出ました場合にすぐ実施するようになつております。
○委員長(小酒井義男君) 三橋恩給局上長から最近の恩給受給者の手続事務の進捗状況について説明がありましたのですが、これに対して御賛同ございませんか。ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(小酒井義男君) 速記を始めて下さい。それではほかに御質問もないようですから、本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十七分散会