電気通信委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 112 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/11/11
会議録
○委員長(左藤義詮君) 只今より委員会を開会いたします。 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件、日本電信電話公社関係を議題といたします。 昨日に引続き質疑を行います。本日はやがて塚田郵政大臣が参りますが、日本電信電話公社副総裁靱勉君及び参考人として全国電気通信労働組合中央執行委員長鈴木強君が御出席になつておりますから、質疑のある方はこの際御発言を願います。 私から一つ伺いますが、昨日全電通本部で官公労の代表の方が、若しこの裁定が実施されなかつた場合に対する処置をいろいろ御相談になつたようでございますが、その概要を一つ伺います。
○参考人(鈴木強君) これは労働組合の運営について我々がその方針を決定する会議でございまして、開いたことは事実であります。ただ内容につきましては、一部新聞にも報道されておるようですが、更に具体的な内容については、今秘密にしておりますので、新聞に発表された程度以上のことはここでは遺憾ながら申上げられないのですが、その点一つ御了承を願いたいと思います。 ただ考え方としては、昨日も私申上げてありますように、我々は飽くまでも法の下に合法的な労働組合運動を進めて参りたいというのが基本になつておりますが、それだけに我々としては長い懸案の賃金問題が最終的に仲裁裁定の提示によつて解決するのだ。それには我々が示された仲裁の裁定に承服して、そうしてこれを決定して頂くのだという大方針の下に、飽くまでも我我は法律に準拠してこれを実施してもらいたいという考え方です。ですから組合員が素朴に考えて見ても、公労法というものができて、その下で我々が労働組合運動を進めて行く場合に、出された仲裁裁定が若し実施できないとすれば、我々の紛争がどこで解決するのだということを非常に疑問に思つておるわけです。ですから不満であつても、仲裁裁定には服して行こうという態度をきめているにかかわらず、なお且つ政府が十六条の二項で、単に予算上、資金上ということで不承認の態度に出ていることに対しての忿懣というものがいわゆる大きく盛上つておるというその気持は一つ是非おくみ取り頂きたいと思うわけです。そうして問題は、我々はこの裁定を実施して一日も早く事業のためにやりたいという熱意に燃えれば燃えるほど、ああいつた裁定に対する実施を強く要望しているということでございます。
○委員長(左藤義詮君) 当委員会といたしましては一応本日で打切りまして、次の国会の前に又開会したいと大体考えておるわけでございますが、さよういたしますと、いずれにしてもごの裁定を政府が呑むか呑まんかが決定いたしますのは、次に予定されます臨時国会よりは通常国会に持込まれると思うのであります。そうしますれば、いわゆる実力行優等は、それが次の国会で御希望のように行かなかつた場合に発動なさるのでありますか。或いはそれまでも待ち切れないで、無論合法的におやりになるとは存じますが、ぎりぎりの線でいろいろな実力を御行使になるかどうかですね、その時期等を非常に心配になりますので一つ伺つておきたいと思います。
○参考人(鈴木強君) これは国会の情勢の判断になるわけですが、御承知の通り昨日四派が臨時国会の召集を政府に申入れたようですが、果して十一月中にもう一回臨時国会が開けるかどうかという見通しは我々はつきり持てません。今新聞に書いているように、或いは十二月の初めに通常国会を早期に繰上げて開催するということになるか、その辺の判断はよくわかりませんが、いずれにしても今回この件が継続審議になつておりますので、人事院勧告の公務員の問題と併せて、そのほかいろいろとございますでしようが、第二次補正を政府がどういう形で組むかということが、当面私どもとしては重大関心になるわけです。ですから政府が前に出したように、又同じことを次の臨時国会か或いは通常国会に継続審議の形で持込まれて行くか、或いは継続審議にはなつておるのだが、或る程度裁定に対して何か予算的に組込むか、そういつた補正予算、第二次補正予算の編成の時期が我々としては非常に重大だと考えているわけです。ですからその間に第二次補正、或いは国会がどういうふうになるかわかりませんが、次の国会に提案すべき予算の措置を恐らくおきめになると思うのです。ですからその予算の措置がいつ頃おきまりになるか、その点私どもはよくわかりませんが、そういう段階が私どもとしては非常に重要ではないかと思うわけです。全然仲裁はこのままで第一次補正予算に給与改訂は盛込まぬということになれば、これは闘争は早くから始まるということに必然的になると思うのですが、その辺の情勢が、恐らくここ数日中に政府の態度がわかる思うのですが、そういつた意味からもこの委員会が休会中も持たれておりまして、我々としても非常に感謝しておりますが、何とか第二次補正の中に我我の裁定が組込めるように是非委員会としても御努力を願つておきませんと、手遅れになつてしまうのじやないかというふうに我々は考えるわけなんです。従つてその情勢、時期ということは、我々の判断では、必ずしも国会が開会されてからということでなしに、やはり補正予算編成のときに是非組込ましてもらうためのいろいろお願いをしなければならんということでございます。
○新谷寅三郎君 これはこの仲裁裁宗の問題にじかに関係がないかも知れませんけれども、この機会に一、二伺つておきたいことは、この間の調停案については一応両者は妥結された。その後半年ぐらいで又問題が起きた。そこで私は全電通がこの賃金問題に関して政治的闘争をしているとは思わないのです。その後多少の物価の騰貴もあるようですし、調停案そのものについても相当の不満の点があつたろうと思うので、こういう要求が出て問題になつておるとは思うのですが、併し毎年一般的にはとにかく年末になると賃金要求を軒並みに出して、何でもかんでも闘争というような形をとるんだというようなあり方では私はいけないと思うので、こういうことを伺うのですが、そこで伺いたい要点は、公社になつての日も浅いことですから、給与体系というものについては十分整備されていないということが一応想像されると思います。併し先ほど申上げましたように、調停案についてはとにかく一応あの段階においては不満足ながら妥結しようということで妥結されたというような事実もあるわけです。そこであなた方の組合としては、現在の電通の給与体系というものについて、基本的にどうしてもここだけは直してもらわなければならんというような面があるのじやないかと思うのですがね。そういう点は、何もこれはそのときどきに起つて来る物価の変動とかというようなもののために、自然的に殖やして行かなければならんというような賃金については問題はありませんが、基本的な問題については、どうしても給与体系としてこういう点は直してもらわなければ困るのだと、電通の従業員がこれでは熱意を持つて働くわけには行かないのだというような問題があれば、それを話して頂きたいと思います。ということは、それが残つておりますと、如何に仲裁や調停をやり、我々が考えましても、その都度の処置をとつても、そういう問題が残つておれば、これはどこまでも絶えざるこういう紛争が繰返されることになるので、これは数字の、量の問題は別としまして、給与の体系としてこれだけは変えなければならんというような問題があれば、これも御披露願いたいと思います。
○委員長(左藤義詮君) 全国電気通信労働組合中央本部の給与対策部長の八巻壽男君がお見えになつておりますから、この際参考人として御意見を伺うことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(左藤義詮君) それでは八巻参考人。
○参考人(八巻壽男君) 新谷委員の御質問に対しお答え申上げます。 先ず二つあるのです。一つは、現象面として、昨年の年末闘争の当時に、昨年の調停案が不完全に実施されました結果起つた現象面の解決が一つ。もう一つの大きな面として、公社になりましたので、今までの国家公務員的な、行政官庁的な格付けをしている給与体系を直す、これが二つの大きな問題になつておりますが、前者のほうの第一点の問題は、昨年の調停案、御承知の通り当委員会において異常な御努力を願いまして、御蔭様でどうやらこうやら曲りなりにも公社自体、過去の公務員時代の低賃金からどうやらほかの公社並みに追付いたという点については非常に我々感謝しておりますが、その点で派生的に起つたのは地域給や勤務地手当でございます。これが最高から六段階ありますが、五級、四級、三級、二級地と、これが二分減にされております。更に一級地については一分減にされております。こういうような問題が一つであります。これは総体的に予算措置を、あとでいろいろ公社側と御相談してどうやらこうやら解決の途はつきましたが、もう一つあるのは、定期昇給の期間が三ケ月間延引されております。これは止むを得ず調停を暫定的に結んでおります。これが一つ。更にもう一つあるのは、今度の年末闘争に基準内賃金を調停通り呑んだわけでございますが、大蔵省のほうで単金を認められなかつた。更にもう一つは、昨日も委員長のほうから申上げましたように、実際の実在定員とそれから大蔵省で認めているところの予算定員、この差が約八千名近い。そういう点できめられた給与総額の中で食い合いをやつている。その結果、年末手当をこのままで行きますと〇・五だけはなくなつてしまうのです。結果的に申上げますと、現在残つているのは予分算的に申上げまして〇・二五しかない。そうすると年末手当はもう予算的に何もなくなつてしまつたと、こういう点がございます。この補填をどうしてもこの際してもらわなければならん。この点は蛇足になりますが、執行部自体も実は大会で不承認になつております。その結果が不信任一歩手前になつているような問題もございます。この点はどうしても今回解決してもらわなければならんということが現象面として一つ起きております。 もう一つは、人事院自体の二千九百二十円の新給与体系を昭和二十三年一月に実施されたわけでございますが、これが実はアメリカから持つて来た職階職務給でございますが、実は行政官庁には適しているかも知れませんが、これが企業官庁に全然マッチしていない。従つて現場は殆んど線路の施設関係の保守をやつている人、それから電信線とか、或いは回線を建設している人、或いは電話の交換手、電信の通信士、こういう人たちは現在では殆んど終身職なんです。これで一生を終るわけです。最初から始めて一生長い間、三十年、四十年という動続をして、これで一生食つて行くわけです。ところがこういう人たちは、実は職階職務給を付けられたために頭打をしている。そのために昇給しない。現在これをしようがなくて取りあえず級を外して通し号俸的な暫定的な措置をやつておりますが、やはり飽くまでも暫定的なものでありますが、抜本的なものになつておらない。この点を解決してもらいたい。勿論我々は過去の労働組合より成長していると申上げては失礼でございますが、小使さんでも局長のような給与をくれというようなむちやなことは言いません。従つて小便さんは小使さん、電話の交換手は交換手、通信士は通信士、線路の工事夫なら工事夫にふさわしい給与体系を作つてもらいたい。そうなりますと、やはり労働組合として一番問題になりますのは、例えば小使さんは非常に給与が低い。或いは現在の段階では、三人も四人も子供さんがいて生活ができないということが現在の社会情勢からは出て来るわけですが、今回の仲裁裁定でも団体交渉でやりなさいという、最低年齢の保障がございます。これも単に現在要求が十八歳で八千円出しているから、従つて八千円をくれということではなくして、飽くまで一万五千円なら二万五千円の中で、現在の段階として取りあえずの措置として、例えば小使さんがもう十年たつたら頭打ちになる。そういう点は最低年齢のほうで、四十歳になつたら最低例えば二万五千円なら一万五千円四人の子供さんのある人はもらいたい。更に年功加給がございますが、頭打ちを救う意味で、職種で救われないところを年功加給で一年勤めたら百円なら百円、二百円なら二百円ということで積み重ねて行く。そういう点で職種で救えない人に最低の額を保障する。更に抜本的な方策は、電電公社の公社法にもありますように、公社にふさわしいところの給与体系を作りたい。この点は現在社側と話合つておりまして、この仲裁裁定の実施を契機として、我々としても何とか組合自体としても相当問題がございますが、新らしい体系を組合自体でも決定しておりますので、そういう点で話合つて決定して行きたい、こういうような点で。従つて私たちは賃金闘争をその都度その都度続けないで、一つ大きな各職種に対するところのふさわしい給与体系を作つて、あとは物価なら物価が上つて、どうしても我々が行けない場合には、基本的にそれにスライドして行くというようにすれば、問題はもつと紛争が解決するのじやないか、こういうよつて思つております。
○新谷寅三郎君 今の大体わかりますが、今度の仲裁の要求をされてまあ裁定が出ているわけですが、この要求の中には、今あなたが話されたような基本的な給与体系についての問題ですね、それとも相当含まつていると思うのですが、その点はどうなんですか。
○参考人(八巻壽男君) 今度の仲裁裁定のほうの要求書の中に含めているのは、そのうちの最低年齢の保障だけが入つているわけです。というのは、私たちの考え方では、やはり具体的な職種を仲裁裁定委員会、或いは勿論この点は公社側との間に体系をお互いに作ろうじやないかということは基本的にお互いに一致しておりますので、その点紛争にはなつておらないわけです。ただ最低年齢の保障だけがかかつておる。そのために今回の一万八千五百三十二円の要求には、最低年齢の保障だけを紛争として仲裁裁定にかけたのです。従つてそのほかの体系は要求として社側に提出して、社側もやろうじやないかということになつております。お互いに団体交渉で特に専門分科会を設けてやつて行きたいと、こういうふうに考えております。
○新谷寅三郎君 そのほかに例えば今お話の地域給の問題、こういつたものはやはりあなた方のほうの要求と、それから公社のやつておられる地域給の支給の基準といいますか、それとが多少まだ違う点があるでしよう。ですから一万八千というような要求を出されるのは、地域給の一分減、二分減と言われたそういうものも含めて一万八千出品というものが出ているのじやないですか。
○参考人(八巻壽男君) その通りでございます。従つて今度の仲裁裁定では、その勤務地手当のほうは仲裁裁定委員会に行きまして、両者とも意見が一致しまして、そのあれは出ておりますが、今度の仲裁裁定さえ実施して頂けば勤務地手当の問題だけは解決すると、こう思つております。
○新谷寅三郎君 そうしますと、今私の聞いておるところで入つていると思うのは勤務地手当のことと、それから今の年少者の最低給の問題が入つておるということですね。ところでこれは別な質問になるのですが、仮に職階制といいますか、そういつたものを公社の実情に即するように変えてくれと、これも私は尤もだと思うのです。思いますが、その場合にあなた方の職階制について考えておられる方針ですね、こうあつて欲しいというような方針はどういうことなんですか。全部今一律、例えば小使さんとか何とかいうものも局長も一緒にしてくれとは言わぬというお話は聞いたのですが、それならば職階制についてはどうしたらいいというお考えなんですか。勤続年限の問題或いは学歴ですか、それも入るかどうか知りませんが、或いは経歴というようなものから一律に割出して行かない。やはり職務に応じての給与が支給されてもこれでいいのだということのようにも聞えますが、そうするとやはり基本的には職階制というものは、内容は違うけれども、あつたほうがいいのだというふうにも聞えますが、その点どうなんですか。
○参考人(八巻壽男君) お答え申上げます。例えば我々が今までにも過去の職階職務給と言つていますが、この二九ベースからの人事院の前の大蔵省の給与実施本部で作られたあの問題は、一番不満なところは、あれは職階職務給じやないのです。属人主義でやつていると思うのです。従つてその者の学歴、その者の経験、いわゆる身分職階給と私たちは言つておりますが、昔の勅任、奏任、判任、雇員、傭賃という工合に昔のそういうような一つの官吏俸給令のやつをそのまま焼値して一級宮、二級官、三級宮として、更に身分で、従つてその人がどういう仕事をしておるかということよりも、本人によつて給与をきめてやる。従つて仕事自体もぽんぽん飛んで行く。例えば官吏の人だつたら特にそうですが、一つのポストに熱中するのじやなくて、ポストからポストに飛ぶことによつて出世して行くと申しますか、出世と賃金が伴う。こういうことが一番困ると私たち思つておるのです。従つて仕事とそれから人事任用の階級というものは違う。だからその点で職階職務給と言いますと、率直な意見でありますが、組合員自体は全部何と申しますか、誤解をして反対だということになるわけであります。従つて私たちは職務にふさわしいということは、どうしても職務給は改訂せざるを得ない。職務給というのは、やはり一番問題になるのは、私のほうはそういうような、先ほど申上げました電通の十六万中の十二万に上るところの一番中心は現場の作業職種です。この人たちについて単に、例えば申上げますと、一つの東京中央電報局というのがございます。それから地方に行くと小さな電報局がある。ところがそれをポストによつて、例えば運用主任なら運用主任、指導主任なら指導主任というのがございますが、昔は係長と言つておりましたが、係長でもそこの新職種へ転勤しますから、ポストで格付けされますと、一つの例えば東京電報局だつたら、人事が行き詰つておるために、幾らになつても……、四十ぐらいで係長になる。ところがそうすると片一方は二十二歳ぐらいで係長になつておる。そうすると人事院でやつておるものから行きますと、そういう点で頭打ちになる。そうすると私たちはやはり職務給を一つの考え方としてやると同時に、やはり現場のほうで、例えば線路の場合なんかやはり一つの例でありますが、それで仕事をしておる。一つの仕事のノルマ、基準というものが、やはり何というのですか、一つの勤務成績評定として言葉に表わせないものがあるわけです。例えば電線を繋ぐ場合、何とか繋ぐことはできる。ところがうまい人が繋いだ場合には十年間ぐらい障害がない。下手な人が繋いだ場合には一年ぐらいですぐ障害が来る。ところがそれを分析して格付の基準ができるかというとなかなかむずかしいのです。やつぱり長年の習熟によつて、勘によつてやつておる。それから電信の場合でも、電話の交換手についても、長年の習熟によつてやつておる。だから経験年数もやはり作業職種の場合によつて考慮しなければならない。だからその場合に簡単にポジシヨンによつて一つのフアクターをつけて、そうしてそれの価値判断によつて格付をして行くというような級を付けて、号を付けておる。というのは、給与職種については、我々としては通し号俸にして行きたい。そうして経験年数を重点にして行つてもらいたい。ただ初任級の設定については、電話交換手の場合には、世間から見て大体これぐらい、電信通信の場合にはこれくらい、電報配達の場合はこれぐらいだ、施設の人の場合にはこれぐらいというふうにして、そこに職務給を付けてもらいたい。こういうように根本的に今までの考え方と変つたやり方でやつてもらいたい。ただ先ほど申しましたように、労働組合がこれに入りました場合には、やはり職務単位では割切れないところがありますので、それと並行して年少者だけが要求書に出してありますが、先ほど年少者よりむしろ四十歳ぐらいの働き盛りの人が職務について頭打ちになつては困るので、そういう点で最低年数の保障の問題、満十八歳が中心じやなくて、四十歳、五十歳の子育てぐらいの人が生活に困るので、最低額を保障してもらいたい。これができれば労働組合としてはいい体験ができるのではないか。こういうことはすでに私どものほうでも大会、中央委員会で何回も決議して、今回こそは何とかやつてもらいたいと思つておる次第でございます。
○新谷寅三郎君 仲裁裁定に関係のないことを聞くのは何ですが、一つですからお聞きするのですが、私はいわゆる絶えざる闘争を何とかして早くやめて、みんなが落着いて仕事を一生懸命やつてもらうようにする意味で、こういう質問をするのですから、そのつもりでお聞き取り願いたいのですが、最後に伺いたいと思いますのは、今の給与制度で参りますと、これは人事院の関係もそうだし、公社のほうもそうですが、やはり給与の準則というようなものをきめて、それで一律に適用して行くという結果は、いわば与えられた勤務時間中に、非常に精を出して働いておつても、又それほど働かなくても、同じような給与支給になる。又昇給についてもともすれば同じような昇給率を適用しないと組合自身も又暗くなるというので文句を言うというようなことで、基本的な考え方から言うと、いわゆる能率給と言いますものの、精神を生かして、給与制度を活用されてないという点に非常に遺憾な点があるのではないかと、私はそういう意味では考えるのですが、組合のほうとしては、そういう点については割切つた考えを持つておられるのじやないかと思いますがね。電通の組合としては、そういう問題についてどういうふうにお考えになつているかということと、もう一つ地域給のことですが、だんだん、地域給というのは初めは生活給の一部を成していた。それが惰性で今日来ているのですが、その点がだんだんと薄らいで行くことは事実で、物価水準から見てもちよつと大きな開きがあつて実は……。それで或る種の職業になりますと、むしろ地域給が非常に邪魔になつて困るというので、地域給をやめてくれというようなことを言つている官公労もある。全電通としては、地域給の問題についてはどういうふうにお考えになりますか。これは人事院の勧告が近いうちに出るのじやないかと思われますが、それにも関連するのですが、どうしても地域給がなければならないのか。やはりこれは漸減の方針をとつたほうがいいのか。この二つの問題を御説明願いたいと思います。
○参考人(八巻壽男君) 第一点の能率給の関係ですが、ただ私これはお断りしておきたいのは、現在のような、そう言つては何ですが、一般の空気と申しますか、これは管理者もそうですが、労働者もそうです、私はそう思つておりますが、非常に日本人というものは、日本人というものはと大きなことを言つては失礼でございますが、まだ民主的になつていないわけです。そういう点で能率給というと、すぐ考えるのは人に結び付けるのです。そういう点で、例えば局長になつたから、これは私のほうで前に、或る手当の分配の際によく問題になるのですが、単に局長になつたからおれは偉いのだ、従つて能率が一番上るのだ、こういうようにポストと結び付けがちです。そういう段階でやられますと、例えば一つの特別昇給をする場合に、あの人は学校を出ている、そうしてとにかく将来は幹部になるのだとか、或いは係長になつていて、一般の係員よりは係長のほうが偉いので、同じ能率が上ればこの人のほうが偉いというので、実はポストと結び付けて昇給というのはやりがちです。前の級別判定をやる場合でも、係長になつているために一般の係員よりも、例えば仮に成績が悪くてもやる、こういう問題が職場の民主化と言いますか、それができない限りにおいて、私たちはそこに妥当性は理論的には認めておつても、実質的な問題がある。従つて私たちは現在のようなインフレがある場合には違うのですが、物価が横這いになると、私は一番大きな問題は給与体系を直すことと、更にそれによつて、定期昇給というものはやつぱり一つのベース・アップなんです。これがないと、やつぱり年数がたつて来ると生活にかかるし、子供さんもできて来る、そういう点でやつぱり定期昇給は通常通りやつてもらいたい。それができて更に生活が落着いて、そうして職場の民主化ができて来れば、我々としても、これは特に私たちは大衆を持つておるわけですから、組合員自体に対しても納得してもらえるのじやないか。これは職場の声自体としても一部にはそういう声が起きております。この程度で御勘弁願いたいと思います。 次に勤務地手当の問題でありますが、これも大きな問題があるわけです。特に私たちが言つているのは、今度の仲裁裁定でもそうでございますが、企業の一つの特殊性として、賃金を考えてくれ、賃金額を考えてくれ、従つて例えば電電公社と労働組合の間でも、公社としてこれはベース・アツプでも取扱つてくれて、例えば国家公務員との開きとか、或いはほかの単産がどうだとか、ほかの産業がどうだからというような、給与を均霑配分されるうちは、全電通としては勤務地手当は現行のままでよろしい。というのは、御承知の通り、私たちのほうは殆んど無給地はないのです。従つて勤務地手当になつておりますことについては問題はないのです。問題はないというと語弊がありますが、問題はないのです。ところがそういうような均衡論で一万五千円、ほかも一万五千円ということに統制されますと、うちのほうは無給地は殆んどないわけです。全部人口三万以上の都市にしかない。それが全部の総額で抑えられますと、実は東京なら東京同志で比べた場合にはこの地域給が散布しているほうが本俸が高くなつて来る。それから実際それに三割五分を掛けますと私どものほうの賃金が低くなる。こういう点がございますので、私のほうは約一割八分ぐらいなのです、勤務地手当の率というものは。殆んど勤務地手当というものは付いております。それらは本俸自体を政府がうまく賃金を考えるところまで行けばいいのですが、今は何でもベース・アップですから、非常に私のほうは企業的にもそれから実態的にも合わなくなるわけです。そういう観点が一つ、更に、今回の衆議院の人事委員会或いは参議院の人事委員会で問題にされておりますのは、若し批判を許して頂けますならば、これはやはりベース改訂のときに一緒にやられますと、労働組合はやはり何か眉唾ものになるわけです。というのは、地域給がそれによつて、減ることによつて本俸に入れる。実際的に問題はありますが、本俸が高くなつたのだというのが目についてしまつて、特に無給地あたりの人はそれで実情はベース・アツプできるから、そういうことで賃金闘争はどこかに行つてしまうのではないか。そのために仲裁裁定或いは人事院勧告がごまかされては困るという点がございますので、時期的には今回の問題はまずいのじやないかという気持がいたします。そういう点からいつて、二点からいつて、全電通としては、今回の仲裁裁定の実施に当つては、勤務地手当はこのままで行つてもらいたい。従つて最高二割五分の六段階のままでないと今のところ私のほうでは困るというように考えております。
○参考人(鈴木強君) 最初の能率といいますか、企業に対する基本的な考え方ですが、これは私ども丁度八年ばかり組合運動をやつて来ておるわけですが、丁度戦争が終つたあとのああいつた物価の変動のひどい、而も社会情勢の険悪な中で運動して来た場合には、は決してそういうことをやつたことが悪いと解釈してないのですが、いわばパー、パーということが盛んに言われておつたわけであります。これはよく考えてみると、やつぱり相当矛盾のあることを我々最近よく知りました。或る程度物価が安定して来て今の段階になれば、我々職場に働いている人たち、まじめに勤務時間中に働く人と、成る程度サボつているような人たちが若しあるとすれば、そういつたところに内部的な問題が出ております。そういつたことは労働組合としては或る段階が来ると割り切つて、やはり仕事は一生懸命しなければならん、自分たちの権利を主張しようじやないかという考え方でやつております。例えば今まで昇給の問題等については、現在の足りない中でやる場合、どうしてもそういうところに重点を置かなければならないので、昇給該当者で相当欠勤のある人は組合のほうで認めて、次期に廻して行く、こういつたような措置を具体的にとつて、大道に悖らぬように我々としては努力をしておるのでございます。いろいろ全電通の労働組合もまだ未熟なところもありまして問題があるのですが、要は我々としては、一つの公社形態になつた場合、一般公務員という過去の殻から抜け切つて、やはり公社の実態に即した給与体系を立ててもらつて、その中で従業員が安心して仕事ができるというような恰好にやつて行きたいと思うのです。闘争をやる場合でも、我々は現に指令、指示等を出しております。皆さんお気付きにならないと思いますが、例えば八時半の出勤に遅れてはいかん、定時に出勤しなければならんということを前提にして、規定の五時が来たら帰ろうじやないかというところまで運動を示してやつておるのであります。ですから我々は基本的な労働者として、働く時は働こうじやないかという考え方に立つておりますが、この点も是非一つ御理解を願いたいと思います。
○委員長(左藤義詮君) 速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(左藤義詮君) 速記を始めて。
○山田節男君 この組合のほうの戦前の賃金復旧の問題について、全電通のほうではいわゆるラスパイレス方式をとつておるわけですね、それから経営者のほうではフイツシヤー方式を採用しておる。今頂いた全電通の書類を見ると、これはラスパイレス方式が最も広く採用されている云々と書いてあるのですが、これはどうですか、経営者とそれから組合側に戦前の賃金復旧の算定方法で二つに別れたというのでね。これはここに経営者の代表者もおられるが、組合がその方式をとられたということは、単なる他の組合がより多く採用しているから、そういう意味でとられたのか。或いは電電公社の実態から見て最も公平だという見地からとられるのか。それからもう一つは、特に戦前賃金を六十二円五十五銭、こういうものを出されて、そうしてラスパイレスの方式で一万八千五百三十二円ですか、出されておるのですが、そういう算定をされる途中において、その中において電通の従業員の実質賃金といいますか、リアル・ウエイジというものをどういうフアクターにとつているか。例えばいろいろなリクリエイシヨン、厚生施設、共済組合、これは厖大な共済組合です。従つて又健康管理等についても、これは公社としても決して悪いほうじやないと思う。そういう実質賃金というものをどの程度まで、これは他の公社に比べて比率がどのくらいかということがよくわからんので、若しわかれば御説明願いたいと思います。
○参考人(八巻壽男君) 算定方式の問題ですが、戦前の賃金を戦後にとる方法としてはラスパイレスとか、或いはフイツシヤーとか、もう一つバーシイという方式もあります。いろいろ私たちも専門家にも聞いて見たのですが、やはりこういうような総合物価でやる方式ですから、実は一番私たちが要求する場合に考えたのは、もう一つ大きな問題ではマーケツト・バスケツト方式があります。理論生計費です。これをやるかやらんかというのはいろいろ研究して見たのですが、やはり現在の段階として、私たちが資料を整備する場合に、戦前復帰の方法がいいのじやないかというので、従つて戦前復帰をとつたわけです。戦前の一番大きな方式は、戦前の昭和九年から十一年の基準年度に対し、現在の二十八年度において我々電通労働者がどれだけ生産に寄与しているか、それが中心になる。その生産に資する度数が戦前に復帰しているという結論になつたので、賃金もやはり戦前に復帰してもらいたい。これが中心になつてその方式が問題になつたのでありますが、端的に申上げますと、いろいろあつたんですが、昨年専売の仲裁裁定の際に、公共企業体等仲裁委員会で採用になりましたのがラスパイレス方式でございます。それで一番権威ある仲裁裁定委員会会で採用されたものでございますから、いろいろ検討して見ましたが、やはりそういう権威あるところでやつたものを使うのが一番いいのじやないか、こういう考えでラスパイレス方式を使つたわけであります。私たち勿論統計の専門でありませんので、フイツシヤーがいいかラスパイレスがいいかバーシイがいいかということについて、専門的な観点からどれが一番正しいかという点については、そういう知識を持つておりません。ただフイツシヤーを見、ラスパイレス見た場合に、ラスパイレスのほうが、現在の段階ではやはり専門家のほうでも妥当である。多く使われている。そういう意味でラスパイレスを使つたわけであります。それから現在の実質賃金の問題でございますが、これを取上げますと、一番問題になるのは、やはり例えば国鉄の場合の通信費の問題とか何とかそういうのが出て来た。それから国鉄でも専売でもうちでもそうでありますが、郵政でもありますが、被服の問題でもやはりおのおの皆違います。そういう点で、実質賃金自体を全部現在の生活に当てはめてどれだけのフアクターになつておるかという点もいろいろ検討はして見ましたけれども、現在の段階ではやはり賃金の要求自体に対して、この実質賃金のフアクターとして入れるということ自体については、まだ問題があるという点で全然入れないで、飽くまで先ほど申上げましたように、生産がこれだけ上に上つておるから、それだけ頂きたいという観点の純粋の考え方で今度の賃金の要求を出した次等であります。
○山田節男君 この給与ベースの算定については、組合側もそれから経営者側もいわゆるマーケツト・バスケツト方式で、理論生計費でなくて、戦前の賃金基準復帰という立場をとつたことにおいては同じだけれども、併しその方法が一つはフイツシヤー、一つはラスパイレスというものに分かれておる。この問題は当然団体交渉の議題になつたものだと思うのですが、これは経営者の方もおられますが、団体交渉においてなぜその点が一致し得なかつたのか。経営者のほうはどういうわけでこのフイツシヤー方式をとることになつたのか。これは組合から聞いてもよし、或いは経営者のほうから聞いてもいいのですがね。
○説明員(山本英也君) 組合のほうの要求の算出方法といたしましてはラスパイレス方式をとつております。私どものほうでラスパイレスをとりました場合に、戦前と戦後の生活費実態の差というものが通常の場合と異なるということで、フイツシヤー方式なり或いはフイツシヤー方式とラスパイレスとの平均というか、そういうバーシイ方式というもののほうが、生言費そのものを積算して頭に置きます場合にはそのほうが適当ではないか。なお総理府の審議庁でありますか、ああいうところで戦前戦後の比較をされます場合には、大体バーシイ方式をとつておるということも事実でありますので、仲裁委員会ではラスパイレス方式をおとりになつたということは存じておりましたが、私どもとしては、いろいろ生計費に現われて参りますところの点を考慮しますれば、むしろ戦前戦後を比較をする場合はフイツシャー方式なり或いはバーシイ方式が適当で、ラスパイレスやマーケツト・バスケツト方式はやや過激に失するという考え方を持つております。
○山田節男君 電電公社の従業員の何というか実質賃金、現在の給与ベースの実質賃金は、他の公社、例えば国鉄、郵政或いは専売公社、こういうものに比して、昨年十一月の給与ベースの訂正が電電公社の上にあつたのですが、その後において実質賃金の差、優劣というものが署しくあるかどうか。電電公社の実質に劣つておるか。劣つても差はない、或いは勝つておるか。こういう御判断がつけばちよつと参考のために承わりたい。
○説明員(山本英也君) 昨年の十一月からの給与改訂が三公社ともございましたので、その点につきましてはほぼ我々といたしましては、調停案ベースを考えましたときにも均衡がとれるものという前提で考えたいと思つたわけであります。ただ結果から考えますと、細かいことになりますが、国鉄等はいわゆる非組合員の給与というようなものは仲裁なり、調停なりの範囲から除かれておる。これは仲裁裁定書にも明らかに書いてございます。又専売、国鉄に比べました場合に、電信電話公社の職責の給与というものは著しく劣つているとは考えませんが、若干下廻つているのじやないかと私は考えます。それから対郵政の問題でありますけれども、これは郵政は今年度になりましてから調停案が出まして、不均衡是正というものを行いまして、現在におきましては、これが先月協定が組合との間にできたように思います。その結果によりますれば、果してどうなつておるかということはまだはつきり比較等したことはないのでわかりませんが、大体郵政のほうも、公務員ベースから変りましたときには大体電通のベースというものを念頭において当局のほうも考えておるのでありますから、大体均衡を得ておるものではないかという工合に私は考えます。ただ正確に比較をいたしますことが困難なものがありますので、数字で申上げることはちよつと今むずかしいと思います。
○山田節男君 これはまあ専門の職員局長ですから、副総裁からでもどちらからでもいいのですが、大体この公社法を作つたときに、これも公社として、官営の事業とは違いまして、飽くまで独立採算、高能率、高賃金で行くと、これは公社法にも謳つてあるわけです。で、そうすれば当然職階制度について先ほど質問があつて、それに対する組合の答弁を聞くと、いわゆる飽くまで仕事、ジヨツブを中心にした、いわゆる能率と、それから職種の、いわゆるメリツト・システムで行くのがこれは公社として当然だろうと思います。それは先ほども組合側の答弁にあつたように、その人の学歴だとか、或いはその地位によつて給与が非常に違う、このことは公社法の趣旨からいつても少しおかしいのじやないかと思うのです。ですから公社に昨年の八月に転換されて以来、そういう給料というものに対して飽くまでメリツト・システム、高能率、高賃金、こういう建前で私はやられておると思うのですが、そういうことは電電公社として、これは例を挙げなくてもよろしうございますが、そういうことは実際行われているのかどうか。それが学歴の如何にかかわらず、技能があり、勤勉な者はどんどん抜擢して行く、こういうようなことが行われているのかどうか。抽象的な質問ですけれども、一つ承わつておきたいと思います。
○説明員(山本英也君) お答えいたしますが、その点につきましては、昨年度のベース改訂以後又ベース改訂をいたしまして組合との団体交渉を行いました際にも、私どももメリツト・システムと申しますか、現在の公務員方式の職階給与でない体系をとりたいという工合に話を進めたのでありますが、昨年十一月のベース改訂の場合には、それが時期もございましたし、まとまらなかつたわけであります。今回の組合のほうの要求に対しまして特にその点を問題にいたしましたのは、最低保障金八千円を組合は要求いたしております。その点につきまして公社当局といたしましては、現在の人事院方式というものは必ずしも踏襲すべきものとは考えられないので、只今山田先生のおつしやいました方向に切替えるべきものだと思うので、その点で八千円の最低賃金というようなものはその点から考慮してきめるべきだということを常に組合とは話しております。又現在公社の内部では、職務給というものに切替えて行きたいという工合に考えて研究を進め組合とも話を進めておるところであります。 それからもうちよつと補足いたしますが、昨年十一月以降本年今までに、そういつたいわゆるメリツト・システムというような方向に給与体系で若干でも変つた点があるかと申しますれば、只今のところでは多くのものはございません。ただ昇給でありますとか、或いはそういう際に勤務実績というものを採入れる、これは客観的な基準として考えられるものを採入れて昇給等を考えて行くという点につきましては、昇給に関する協定を結びましてそれによつてやつております。
○山田節男君 大臣が見えましたからもう一つで打切りますが、今のメリツト・システムを将来採用すると、これは私は当然のことだと思うのです。それにはまあいろいろな方法が私はあると思うのです。併し電電公社のこの事務的な系統の従業員はこれは別として、少くとも現場においての技術的な作業をする従業員に対してはメリツト・システムを採るということになれば、これは勿論いろいろな精神的、或いは性格、いろいろなフアクターが入るが、併し技術ということになればやはりメリット・システムの根本の問題は第一のジヨツブ、例えば先ほどお話があつた搬送のハンダ付けのようなもの、これに一つのユニットがある。いわゆるそれをメージャーしてそれに合格したものは第何十号にやるというクラシフイケーシヨンがなければいかん。それは当然メリツト・システムならば科学的ないわゆる人事管理であると思うのです。それから電電公社のような技術的な、極めて微細な技術を要することになれば、当然そういうことは確立されなければいかんと思うのですが、メリツト・システムを将来やるという見通しをお持ちのようですが、その前提として、そういうようなことの研究乃至今言つた試験というものの実施が行われておるかどうか。こういう点を一つお伺いいたしたいと思います。
○説明員(山本英也君) 只今のお話のいわゆる職務上と申しますか、そういう点から採つたところの職務給というものを目下研究をいたしております。それから組合のほうにも一応考え方としましてはこの問題を提示してございますが、ただ現在まで細かいクラシフイケーシヨンを行うということは、公社内部の採用でありますとか、訓練でありますとか、或いは給与以外の人事上の管理の問題に関しまして、必ずしも教科書に書いてありますような細かいものは現実としてはとりにくいという実情も若干ございます。そこで現在の公社の要員構成、或いは職場におきますところの職場の職能分化という点をも併せ考えまして、只今研究いたしておりますものは、職種としましては大体七十くらいの職種に分けまして、それに応ずるところの給与というものを考えて行きたいという工合に考えて、目下研究中でございます。
○久保等君 大臣が見えられたので先ず最初にお聞きしたいと思いますのは、この間十一月の六日の日に大臣お見えにならないので、電通委員会に政務次官が来て簡単にこの仲裁裁定の上程理由の説明をしておられたのですが、大臣から仲裁裁定の問題についての正式の提案の説明もお聞きしておらないのですが、昨日も今日も電通委員会引続いて開催いたしておりますが、私いろいろ重要な点について御質問を申上げたいと思うのですけれども、まあ少くとも仲裁裁定について郵政大臣が電通公社のこの裁定問題についていろいろ考慮せられておりますと思われます点で、先ず最初に若干大臣のほうから積極的に現在大臣の考えておられる所信について何か御説明願うことがあればお聞きいたしたいと思うのです。
○国務大臣(塚田十一郎君) 大変遅くなりまして誠に申訳なく存じます。 実は先般仲裁裁定が出ました以降、私といたしましても、現在の郵政、電通の従業員の方々の給与の状態というものを考えてみて、できるならばこれは少くとも仲裁の線を何とか実施したいということを考えておるわけでありますが、ただ問題は法的な面に一つあり、それからして実質のこの資金的な面にもう一つありで、なかなか思うように行かないので、今鋭意検討を私も続け、又公社側にも続けてもらつておる段階でありますが、法的な面にというのも、これは非常に皆さん方も御議論になつておるようであり、私も当初のものの考え方からすれば、少しおかしいのじやないかと思う節もないではないのでありますが、とにかく今の公労法第十六条の考え方からすれば、予算的に資金的に可能、不可能という問題は、結局今までの十六条の解釈の仕方からするならば、予算に措置がなければ全然政府としても手の打ちようがないのだということになつておるらしいのであります。私も資金的に、ということは実質的にみて給与の引上げに充て得る財源があるならば、政府が予算を組んで出すというのがあの十六条の考え方じやないのかということをかなり内部でいろいろ議論をしたので有れども、結局そういう考え方ではないのだ、過去の例もそうであり、又判例なんかもそうなつておらないということで、そういうものなのかなと……、従つてこの問題については、立法的に十六条の考え方を直すほうがいいとか悪いとかという問題はあつても、今のあの十六条の法があつて、その上で政府が動く立場としては、やはり今度のような形で国会の判断を願うということに持つて行かざるを得ないということを、非常に自分としても多少妙な感じを持ちながら、政府のそういう統合した見解で当つておるわけです。 それからして実質に資金的に余裕があるかどうかという問題でありますが、これも私が当初に漠然と聞いておつたのでは、公社側にかなりゆとりがあるというように聞いておつたのを、その後いろいろな書類を出して頂いて公社側からの説明を聞いてみると、少し私のものの考え方と違うのじやないかなという感じがいたしましたので、そういう点から会社側に再検討をお願いしたことがあるわけであります。と申しますのは、実は今電通の場合には、資金的に余裕があるかどうかということは、この間の前国会のときの値上げというものを一応考慮外に置いて頂かなければいけないという点が一つ、それはこの間の値上げのときに他のものは値上げしないで会社だけが値上げを特に国会の皆さん方の御賛成を得てできたのは、施設の整備拡充に全部持つて行くのだ、従つてこれが財源で給与というものに食い込まれるということがないということをはつきりするのでなければ賛成できないということであつたのを、自分もその通り了解しておるし、又国会にもそのようにお願いして御賛成をお願いするということで、あれは実現いたしたのでありまして、従つてこの間の値上げというものは、それから来る資金的なゆとりというものは、この場合には考慮外に置いてものを考えてもらわなければならないということが一点、もう一つは、ベースを引上げるという問題は、今年引上げるということはそのままそれが来年以後にももう恒常的に続いて行くものであるからして、ベースの引上げに或る財源を充てるというのは、今年もその状態で可能である、又来年もその状態で可能であるという相当期間の見通しがついてからでないといけないのであつて、そういう意味におきまして、公社側が一時考えておつたような昨年からの繰越の二十四億、公社になつてからの積立の二十四億というものがまあ使えば使えるというような考え方には自分としては必ずしも賛成できない。そういうものは仮に給与に使うことが可能と考えられる場合があつても、一時的な給与としてならば考えられるけれども、恒久的な給与を引上げる財源としてそういうものを使うということは経営上健全じやないのじやないか。こういうようないろいろな自分としての考え方があつて、公社側にそういう考え方で御検討願いたいというので、先般も一応公社側の御見解が出て来たので伺つてみると、やはりそんなに電通も世間に伝えられているほど今ベースの引上げの財源に充てるだけのゆとりがあるというような状態でもないようなんでありまして、なお折角もう少し検討してみて欲しいということをお願いしておる段階であります。
○久保等君 大臣の今の御説明だと、極めて純客観的過ぎるほど非常にのんびりこの仲裁を考えておるのじやないかという印象を非常く強く持つわけなんです。それでいろいろ研究を願つて極力これの実現方について努力をせられておるという意味で理解すれば非常に結構だと思いますが、併しただ問題はすでに仲裁裁定が国会の審議に委ねられるという段階にまで来ておつて、政府御当局、特に郵政大臣がこの問題について法的な問題或いは財源的な二つながらの問題について、私は先ず前者の法的な問題については、これはむしろ郵政大臣の考えられる考え方のほうが法的な解釈としてはむしろ筋が通つておるのじやないか、と申しますのは、やはり法的な問題として公労法の三十五条の本文という問題は、私はこれは非常に大きな大原則だと思うのです。それで飽くまでもこの大原則というものに則つて、当事者双方というものが拘束されるというのは、本文にはつきり謳つておる通りだと思う。ただ予算上、資金上という問題が万一あつた場合においては、これをしも拘束するということは、これは不可能なことをやれと言つてみてもやれないじやないかというようなことの例外規定だと考えます。ところが若し政府が現在統一したという法的の解釈から参るとすると、全くこの公労法の三十五条の本文が空文化されてしまう結果になると思う。即ち例の十六条によつて予算上、資金上という問題になつて来れば、電電公社の場合を例にとつて申しますと、公社法の四十一条の第五号に明らかに規定がありますように、給与総額というものは明確に予算総則の中で調われなければならないということになつておりまする以上、何らの根拠のない予算というものは計上されるということは考えられないのですから、常に仲裁裁定で行つた場合、ベース・アツプの場合には予算総則のうちの給与総額の点から行けば賄い切れないという例外の場合も大いにあり得るのであります。そうなつて参りますと結局公社法の四十三条の給与総額の面で常に実は当事者双方が拘束されるといつて常に逃げ途が付けられておるという結果になる関係から、若し予算上、とにかく数字までちよつといじつた場合、これは予算上やり得ないという解釈を飽くまでもとつて行くとすると、これは常に公労法の三十五条の本文というものは文字の上でこそ存在するけれども、実質的には何ら当事者のうち経営者のほうは拘束されないのだという私は結果になつて来ると思う。少くとも公企労法の精神というものはそういうものじやないだろうし、又三十五条の本文からしまして決してそういうものじやないだろう。それで飽くまでも考え方としては、私は資金上或いはその他何んとかやりくりしてやり得る場合には、これは当然当事者双方を拘束するという原則を貫かれなければならない。それに伴う予算的措置を当然考えなければならないとすれば、これは当然の手続として、政府或いは公社当局においてそういつた手続をとるべきで、政府として、それを公社当局に対していいとか悪いとかいう判断を政府自体が与える余地のない性格のものではないか。これは公労法三十五条の本文からいつてそう解釈すべきであると実は考えます。それで政府の出しております事由に基きますと、予算上不可能であるという、これは確かに当り前のことを言つておると思う。先ほど小林委員も、席を今ちよつと外しておりますが、大臣の出席が非常に遅いので、途中で時間の関係でどうしてもおらないといつて帰えられたのですが、この点非常に遺憾であると先ほども申されておつたことであります。私はこの際、大臣が是非一つ今度の電通の仲裁裁定について提案しておりますのは、政府が不承認を求めるのか、承認を求めるのか、その意思そのものもむしろはつきりしておらない。ここのところは要するに予算上不可能だから、結局国会における審議を一つやつてくれという形で出されておるのですが、少くとも法律の基本的な考え方というものは、予算上何とかやりくりをして当然やらなければいけないのだ。それに伴う事務的なと言えば語弊があるかも知れませんが、予算的な措置は当然附加えて国会の審議に……、むしろ私は国会の審議をやつてもらう、国会の審議を煩わすという形で出して来るのが本筋だと思うのですが、この提案の仕方そのものは非常に不親切と言えば不親切だし、又非常に無責任と言えば無責任だし、予算上、数学的に言つてやり得ないのだから、結局政策としてはやり得ないのだと言うと思うのです。非常に消極的な、仲裁裁定というものに対する基本的な考え方が、只今の大臣の説明では若干そういう考え方で統一しておるということで、成るほど政府の意図も或る程度わかつたのですが、併しこのことも私は非常に重大なことだと思う。大臣も若干疑義を持つておるということだつたのですが、私はその点において、むしろ郵政大臣がこの法的の面の内容について考えておられる解釈というものがやはり正しいのじやないかというふうに考えるし、その点もう少し私は明確に大臣から法的な問題についての御説明を伺いたいのです。 それから、この仲裁裁定を国会に出して参つておりまするが、政府の意思そのものが、この文章を読んだだけではむしろはつきりしておらんと思う。不承認を求めておるのか、それとも実施したいのだが、実は今言つた予算的な問題だけが引つかかるので、国会で予算的な措置を一つ講じてもらいたいと言つているのか。この文面からすると非常にその点あいまいだと思う。そのことは、私は仲裁裁定に対する認識が極めて政府そのものが薄いのではないかというふうに考えられるのであります。先ずその提案されておりまする事由の内容についてもう少し明快にお答えを願いたいし、法律的な解釈の問題では、私は只今ちよつと大臣の洩らされた点がやはり本筋じやないかというふうにも考えられまするので、更にもう一つ附加えて御説明を願いたいと思います。
○国務大臣(塚田十一郎君) これは、この提案をいたしておりまする趣旨は、先ほど申上げましたような解釈でありますからして、仲裁裁定を実施することを承認しないんだという考え方を国会で承認して頂きたいという意味では毛頭ないのでありまして、要するに承認すべきであるかしないのが正しいかということを国会側において御判定を願いたいという意味で国会に御審議を願つておる、こういうふうになつておるはずであります。 十六条の解釈自体が非常に問題になるわけでありますけれども、まあ極く特殊の事例を除きますと、私はあの十六条の「予算上又は資金上、不可能な」というのはちよつと言葉の使い方がおかしいのであつて、只今久保委員が御指摘になつて又私も当初そうじやないかと思つておつた解釈によると、資金上可能な限りは予算上不可能ということは言えないのであつて、資金上不可能であれば要するに予算を組み直せということになつて、どちらかに重点を置いていずれかに統一する。資金上か予算上かどちらかでなければいけないということになると辻棲が合わない点があるのじやないかと思う。その点を私は思つておる。そこで政府側の解釈は、さつきも言つた、その資金上、予算上という場合には予算上に重点があるのだ、こういうような考え方で、従つて予算上にゆとりがない場合にも、いずれも国会側の御審議を受けて、国会側が審議をされる段階において現実の資金上の状態というものをよく御検討を願つて結論を出して頂く。そして当然国会側の御判断によつて資金上ゆとりがあるのだということになれば、政府がその考え方に従つて今度はこの予算上の措置をする。このときはもう事実上の状態を国会と政府と両方において明らかにされたわけでありまして、その国会の判断によつて政府が予算上の措置をすることが可能になる。こういう考え方に考え方が今は統一されておるということになるので、従つてこれは、どういう工合にこの十六条の趣旨を立てるかは、まあ増え方によつてどちらでも行けると思うのですが、政府側の考え方自体にも理由がないわけではないと私は思つておるのです。そういう行き方で行く方法も一つあるのだし、それから今のような解釈は、だからしてこの十六条が三十五条と、若し久保委員のお考えになるように、又私が当初考えておつたようにあれするとすると、十六条と三十五条との間に趣旨にズレがあるのでありまして、そしてまあ法律というものはすべてまとまつたもの……、或るときには、その間に趣旨にズレがないというときにはどちらかに統一をして解釈しなければならんはずのものでありますからして、十六条を政府の解釈通りにやると三十五条とがずれてしまうというようなことになつてはならんはずのものでありますから、そういう意味において、政府のような解釈をいたしましても、別に三十五条の仲裁を尊重しないという考え方では決してないのであります。形がそういう形で、仲裁を尊重すべきであるということを現実の政治の上に表わして行くべきものである、こういうふうに政府が解釈していると御了解を願いたいと思います。
○久保等君 そうしますと、政府としてむしろ明確な意思は何ら表明しておらないのだ。ただいずれにしても国会の何らかの決定を仰がない限り成し得ない。従つて政府としても実は成し得ない範囲に属する問題であるから、国会の審議を煩すという意味で国会に出しておるのだという御説明だつたと思うのですが、そうしますと、いずれにしても予算上やり得ないということはこれははつきりしておる。それは実質的には別として、形式的にしろ何にしろ予算上やり得ないということははつきりしておる。そうなればなるほど予算の問題について何らかの措置を講じなければならないという問題について、国会だけの意思表示ということでは、私は予算編成という問題は、これは政府が予寡を提出するということで、国会において予算の審議がなされる場合にそういう手続をとつておる。ところが政府は何ら予算の問題についても措置を講じませんし、具体案もなされない。ただ国会で如何ようにも一つおきめ願いたいという形は、予算編成権の問題と関連して、一体政府はどのようにこの仲裁裁定の問題について考えておられるのか。一つ大臣の御所見を承わりたいと思います。
○国務大臣(塚田十一郎君) これは予算編成権はどこまでも政府が持つておるのでありまして、電通の場合においては郵政大臣としての私が持つておるわけでありますけれども、ただ今の政府が審議を国会にお願いしておるやり方というものは、措置しようがないからして国会でどのようなりともということではなしに、公労法三十五条と十六条の規定から行くと、こういう工合に政府としては手続を踏まなければならないから、それでこういう工合に手続を踏んで参りますということになつておるんです。その点どうか誤解のないように。それであとは実質の問題は国会でこういう工合に公労法は規定しておるから、国会の審議を経ておる段階において、国会と政府とが実質上の状態がどうなつておるかということを検討し、おのずから一つの事実上の状態を両方で見るわけになりますから、その線が出て来る。出て来た線によつて政府が持つておる予算が編成権というもので予算を組む。こういう工合に今の公労法の規定が組立てられ、こういう解釈なんです。
○山田節男君 ちよつと関連して伺います。大臣にお伺いしますが、この公企労法第十六条の一項、二項、これは法律を制定した年の第一回の国鉄裁定のときにも、国会で問題になりました。一体この解釈をどうするか。これを起案したのは労働省の今参議院におる賀来労政局長と私がその責任者としていろいろ作つて、あとになつてこういう問題を起して、そうして政府が、今塚田郵政大臣がお出しになつたようなものを出しておるので、予算編成権は政府にあるのであつて、立法府にはない。一体これはどういう意味だということでありますが、今大臣はこれは国会で甲乙を御判定願いたいということを言つておられる。それによつて政府は措置いたします。成るほど第三十五条の後段には、裁定が若し執行された場合は、今の三十五条の前段のこの裁定に当事者は服従するという問題がありますので、決定されて来るわけであります。それで今大臣は、国会に対して裁断を仰ぐというか、国会がこの問題に対して意思を明らかにしてくれというので出した。こうおつしやるのですが、この法律を作りました第一回の国鉄の裁定の問題のときにいろいろ論議しました結果、これは当時増田君が労働大臣であつた。これは結局不承認の承認なんだ。政府は、これはどうも政府としては予算上やつて行けないからどうも承認できない。この出した理由は、政府として不承認で、それを承認してくれというので出したのだというので、この法的解釈は一応そういうことになつちやつた。今大臣のお言葉を伺いますると、今度はそうではなく、国会がきめるのだ。国会がきめるには違いありませんが、国会の意思を定めてくれというようなことを、今大臣みずからおつしやり、又この提案理由の説明にも書いてございますが、この点は私は政府というのは予算の編成の責任を持つておる。それからなおそれに附加えて私申上げたいことは、今回二十八年度の政府関係機関の収入支出に関する予算総則の第二十二条と第二十三条、殊に第二十二条の第一項と第二十三条の第二項とを見ますと、郵政大臣は電電公社に関しては、これは大蔵大臣と協議して、給与総額の変更ができる。従つてこれに対して予算の補正をすることもできるわけだ。そういう建前から見ますと、今大臣のおつしやつているこの公企労法の第十六条第二項の解釈で、これが従来の政府のとつた態度、又これの解釈の一つのケース・ワークといいますか、これとちよつと逆なんですね、この点はちよつと大臣の誤解がおありになるんじやないか。或いは政府が今度そういう態度をとるようになつたのか、この点私はどうも不明瞭ですが、これはまあ大臣の御答弁を煩わしたいのですが。 その次にこの予算総則の第二十二条の第一項、或いは第二十三条の第二項というもので、若し郵政大臣がこれは資金上可能である。現に明らかに仲裁委員会に対しまして、電電公社の経営者側としては、これはできるということを、資金上可能であるということを申しております。であれば、大臣としては、当然大蔵大臣に対して、この補正予算にこれを組むべく御努力なさつたのだろう、又なすべき責任があるのじやないかと思いますが、この予算総則の第二十二条乃至第二十三条に基いて、果してこの裁定問題を、これは主管大臣として補正予算に組むべきであるというようなことをおつしやつたのかどうか、この点を二つ併せて伺いたいと思います。
○国務大臣(塚田十一郎君) 只今山田委員の御質問を受けておつて、私も若干これは考え方が十分でなかつた面があるかと思いますが、国会側の御意思も伺いたいということではあるのでありますが、それはどこまでも実質的な考え方なのでありまして、私は形式的にはまさに不承認の承認だということになると思います。予算上できるならば……。ところが予算上できないということになつているものだからして、どうしても出し方としてはこうなつた。ところがそういう考え方で、結局形式的には不承認を承認して頂きたいということになつておるが、実質的にはなお国会の意思を聞いて考えるという余地があるということで、これは承認を求めるということなしに、議決を求めるという形で国会側に提案するの、だというように、私は閥でいろいろ相談したときに、そういう説明でこれを了承した。ですから実質的には申上げるように、国会の御判断を伺つて検討している。 なお又実質的に可能か不可能かということで検討して、予算を作るということを考えてみたことがあるのかどうかということでありますが、私も勿論当初、この裁定が出る前から予算的には、実質的には、資金的にはどうあるかということの検討をしておるのでありますが、私としては今申上げましたように、なかなか仲裁を実施するだけの資金的余裕が公社側の説明ではない。私が聞いた範囲の説明では、今年はとてもできないという状態なんであつて、まあ仮にやるといたしましても、相当節約をしますなり、何なりのいろいろ経理面その他経営面の操作をいたしませんと、実現はできないのじやないか。さように、裁定に対する当面の措置はそういう形で行くということであるから、時間的に若干のゆとりがあるからして、その間に自分も国会側の御意向を伺いながら、一つどういう工合に措置をするかということを実質的に検討して行こう、こういう考え方で今やつているわけであります。
○久保等君 まだどうもはつきりしませんが、少くとも国会に仲裁裁定についての、これは公労法の十六条には、国会に提出して、国会の要するに承認を求めるということであります、飽くまでも。ですから国会でフリーの立場で審議をするというよりも、具体的な仲裁裁定ははつきり出ておりますから、この仲裁裁定というものについては、当事者双方は拘束される。併し予算上、資金上の問題ということで、政府がこの問題をどう判断するかという問題が、私は最終的な一つの結論として明確になつたものが少くとも国会に出されなければならんと思うのであつて、国会で何ら政府当局のはつきりした意思表示がなされないものを、国会で承認を求めるということはあり得ないので、国会で仲裁裁定の内容、又は仲裁裁定の全般について審議をするということになつておらないので、政府が国会の承認を求めるということであつて、飽くまでも問題は具体的なものでなければならん。ところがそれについて御意思を伺うとか、或いは国会での審議とかいう問題ではなくて、飽くまでも承認ということであるからには、何もしないというか、不作為の問題について、国会で一つ承認してもらいたいといつたところで、国会はこれは承認のしようがないと思います。もう少し大臣そのものが明確な態度で国会に仲裁裁定の問題について審議を私はしてもらいたいという形で出されて来ない限り、非常に不明確だと思う。少くともいろいろできるだけのことはやりたいと思うし、そういつた点についても目下検討を加えているということなら、これは私は飽くまでも国会の承認を願う以前の事前行為としては話はわかる。併し今は正式に国会で取上げて承認するか承認しないかということを論議している過程におる大臣としての説明は私は非常に不明確だと思う。だからそれも限度なんだということでお話になるなら、私はそれはそれとして納得もできる。併しそれがあたかも国会における承認を求める建前は、政府として当然の順序であり、当然の姿というふうな気持で説明をせられるとすると、非常に遺憾だと思います。とにかく公労法の規定、公社法の法文の建前からいつて非常におかしいのじやないかというふうに考えるのですが、その点を一つもう少しはつきりして頂きたい。だから結論から申せば、今政府のとつている態度或いは政府の準備状況はこういう状況にあるのだということで、ありのままの事実としてお話しになることは、これは私はいいとか悪いとか別問題として、少くとも公労法の精神なり或いは公労法の十六条の規走というものは、そういう意味で国会の承認を求めることではないはずなんですから、もう少しその点はつきりしてもらいたいと思います。
○国務大臣(塚田十一郎君) これはどういうお尋ねなのか……、私は最初から実質論で行つたものですからなんですけれども、法の解釈から言う形式論から行けば、先ほど申上げましたように、政府は予算にゆとりがないからできない。従つてできないということを御承認願いたいということになつているわけでありまして、政府の考え方というものは、はつきり予算上できませんから、できないことを御承認願いたいということになつておると思うので、併しできないということで承認を求めるという形でなしに、国会の議決を求めるという形で、これはこのたびも出してあるし、今までの例からそういう扱いなんだというときには、私は一応予算上はできないけれども、なお国会の御意思もあるのですから、別の御意思が併せて出てくるならば、それに沿うて措置をするということも考えてみようかということであるかと思うのでありまして、ですからして一応の形の上の動きで、私は公労法第十六条の規定する通りに出てくると思うのです。政府の考え方もそれではつきりしておると思うのです。
○山田節男君 今久保君の質問は、年末に裁定問題が出ると、同様なことを繰返して、塚田郵政大臣は同じようなことを言つている、それじや審議にならない、これはただ表面の口実に過ぎないのであつて、この裏をひつくり返せば、吉田政府の、現政府の物価政策というものが、果して裁定にも出てくるように、昨年の年末から今年の十月なら十月或いは八月までに一割五分くらいの物価が上つていることを政府は認めているのかどうか。それからもう一つは、これは電電公社についてのみならず、八公社の裁定の問題と押しなべて政府が同じ態度をとつているから、私は郵政大臣に聞くのですが、政府としては、若しこの裁定を入れて電電公社の場合には一万五千円というベースをとれば、他の一般公務員の給与とのバランスを失う、それからもう一つは、これによつて更に物価を昂騰せしめ、インフレーシヨンのフアクターになりはしないか、私はそこじやないかと思う。これは大体表面で言うだけのものであつて、表面で言うとしても、大臣としてはこういうような説明で済むものではない。ですから私が先ほど申上げているように、これは第三国会以来、裁定問題になれば政府はこういうことばかり言つている。ですから意味が不明になりまして、公企労法の第十六条の第二項と第三十五条の後段の問題はどういう関連なんだ。従つて今の毎年出している政府関係機関の予算総則の問題と関連してわからなくなつている。一体どこに責任があるのだ。大蔵大臣に言わせれば、これは国会に責任があるかのごとく……、我々から言えば予算に関しては、これは政府の責任である。これは勿論立法が、非常に言葉の綾が非常に不明だということは認めます。認めますが、先ほど申上げたように、政府がこうして提案することは、結局不承認を承認してもらうことの議題を出して、イエスかノーかをきめて下さい。こういうことですということも、これは官房長官なりが出て来て、そういうことをはつきり認めておるのです。ですから私は政府としては、極めて簡単なことをこういうふうに予算総則の第二十三条の金額を超過するから、これを支出することは不可能である、こうおつしやる。ですからこれは表面上のことであつて、裏は今申上げたような点があるのではないかと思うのですが、どうですか。
○国務大臣(塚田十一郎君) これは御指摘の通りだと思うのでありますが、物価が上つていることを認めているかどうかという点は、私どもははつきりした権威のある統計が出てくるのですから、その通りだと思つております。バランスを失うということも、確かにこれは給与を考えるときに考えておるわけであります。今度殊に公務員から国営企業、公社と全部に亘つて同じような歩調で、公務員に対しては勧告、それからそうでないものは仲裁が出ておりますから、何とかバランスを失わないようにということも又その通りであります。それからして、こういう工合に国営若しくは公社の企業が一律に歩調を揃えて賃上げをしたときに、それが民間の賃金にどういう影響を及ぼし、従つてそれが経済全体にどういう影響を及ぼすかということも考えるわけであります。併しそれはどこまでも私の考え方からすれば、実質的にそれでは予算上できないからして、これは承認できないというのはよろしい。併し実質的に資金的にこういう工合だから政府も考え直せというように国会側が御判断なさる段階において、やはりこれはいろいろ検討すべき問題だと思うのでして、私はそういう工合になつていいと思う。側えば資金的に可能であつても、それが賃上げをすることによつてインフレの危険があるということになれば、上げても実質的には給与が多くなつたということにはならないということであれば、これは考えるということもあり得ると思うのでして、そういうことは別に考えて悪いとは私は思わない。そういうことを政府も考え、又国会側も御判断を願つて、その結果何らか一応形式的に予算上できないという点は御承認下され、その上に、併しまだこういう面は考える余地があるという国会側の御意思が出たときに、その線に沿うて政府が善処するという考え方になつているという行き方なんで、私もそれならそれも一つの行き方だ、こういう工合に考える。そうしてその判断をする段階に御指摘のような幾つかの点は恐らく政府も考え、又国会側においても恐らく一緒になつてお考え下さる問題点だと、こういうふうに思つているわけです。
○新谷寅三郎君 要するに大臣の法的な、いわば形式的なお考え方、これは私も賛成なんです。前に十六回でしたか、公労法第十六条の修正案が出て、いろいろ議論が各党でありました結果として、従来の法律に倣つて行こうというので、そういう解釈が一応きまり、そうして慣行が参議院としては一応できておる。それはそれでいいのですが、問題はそれからあとなんですね。郵政大臣が言われるように、予算上できないことは、これはもう予算案を見れば一目瞭然でわかるのですが、政府がそれには仲裁裁定ということについては尊重する建前をとり、一方罷業権を制限し、一方では仲裁の制度をとつているわけですから、その裁定の結果というものについては、国会も政府もこれを尊重しなければならぬ。国会は今久保君が言われたように、裁定の内容についてこれがよかつたかどうかということを批判したり、又それを修正したりする権限は与えられてないので、ただ予算上、資金上これは可能であるかどうかということを我々が見る権限を持つているわけですが、政府がそういうような仲裁裁定について、それを尊重いたすのだという場合に、今の予算ではできません。併しこういうふうにやりくりすればこの程度はできます。或いは大体全部できます。というように政府としてはお考えになつていなければならぬということは当然です。そこで予算上いろいろやりくりしてもできるのかできないのか。これについては当然郵政大臣のほうから審議の過程を通じて明らかにされないと、これはさつきから言つておられる仲裁裁定の趣旨にも合わないわけです。そこで私はこの審議の過程を通じて、この点は予算の組替を或る程度承認してもらえば、こういうことは可能であるとか、これはどうしても不可能であるとかというような郵政大臣としての見解の表明がないと、これは国会としてはそれぞれの要求をただ形式的に放りぱなしで然るべしというような能度に見られるので、これは制度自体としても如何かと思う。この点は今日はそこまで入れないと思いますが、郵政大臣のほうも十分準備されてこの会議に臨んで頂きたいと思います。 それからもう一つ、おつしやつたことに関連してお聞きしたいのは、今のような手続になりますから、聞くところによると臨時国会も自由党も肚をきめていよいよ第二次臨時国会も月末か来月か知りませんが、やろうということになりつつあるようですが、仮にそういう前提で考えますと、この臨時国会で十分我々としては当然これを継続審議して、できれば結論を出して行かなければならんと思いますが、その結論が出て来れば、例えばこれを全部呑む、或いは審議した結果ここまでは行かないが、この辺まではいい、或いはこれは呑んじやいかん、いろいろな結論があると思うのですが、全部呑んじやいかんという場合は別として、その以外の場合は結局審議過程を通じて委員会或いは本会議で何らかの形で以て国会の意思が表明される。そうしますと政府は追つかけて、それに基いて補正予算を組んで国会に提案されるというような段取りになるのじやないかと思われるのですが、その点はどうなんですか。臨時国会で早く結論が出なければ第二臨時国会に補正予算が出て来るかも知れません。時間的に言つて或いは無理かもわからんということになれば、すぐ次の通常国会にかけてもこの問題に関する補正予算を組んで政府は出すというような段取りになるのではないかと思うのですが、そこのところは政府部内のお考えはどういうふうになつておるのですか。
○国務大臣(塚田十一郎君) これは新谷委員のお尋ねの通りに実は考えておるのでありまして、私も今日この委員会にお呼出しを受けるときに、もう大分裁定が出てからいろいろ日時もたつているのだから、何か公社側から今年或いは来年のそういう問題についての見通しが出て来ないかということを、今朝九時から省議を開いておつたときに監理官の諸君から聞いたのでありますが、或る程度の見通しがつけばなおいいがということであつたのですが、まだつかない段階で、私としましても公社側に鋭意何らか早く出して欲しいということを要求しておる状態であります。ただ出ましたときに、まあ私としてはやはり今度他のいろいろな公社、それから国営企業の状態がどうであるかということも併せて或る程度の見通しがついたときに、これに対しての或る程度の結論が出せるようになるのじやないか、成るべく早く出したい。そして何とか幾らかでも予算上、資金上できる範囲では考慮しなければいかんじやないかという考え方で問題を見ているわけです。ですからして第一段は、公社の経理状態が現実にどうなのかということ、それが出ましたときに、今度まあやはり他の公社の様子と、もう一つ郵政その他の国営企業の様子とか、これだけは少くとも一緒に見てみないと結論がつかぬのじやないか。殊に電通、郵政の場合は特殊の関連がございますし、郵政のほうは御承知のように電通から相当たくさんの繰入れを頂くのですから、郵政と電通は非常に一連の関連性が強いもので、それを一緒に両方見て結論を出すときには出して見たいというように考えて鋭意想を練つているのであります。それがまとまれば恐らく政府側としても、何らかできるだけ早い時期に意思を表明するようになるのじやないかと私も思つておりますし、又そうなるように自分としては努力をしておるわけであります。ただ大蔵省の立場は、御承知のようにもう一つ国家公務員を片手に抱えておるものですから、考え方は我我とはかなり又別な面も考慮に入れておるので、渋い考え方をしておることは事実のようであります。私は郵政省の郵政と電通だけを考えておる立場から申上げて、何とかしたいということを真剣に考えて検討しておるわけであります。
○久保等君 議事進行の点について、私もいろいろこれから具体的に、而もまあ大臣は今言つておるように、非常に国会の意思ということを考えながら、現実の問題としてこの裁定の問題をできるだけ実施するように努力したいというような意向であるようにお聞きしているのですが、そういう非常に民主的なことで国会の意向も今後十分に考えながら、予算も一つこれから検討してみようという実情にあることは、まあ時期的に考えればそういうことであつてはならんと思いまするが、本来ならば仲裁裁定という問題は、両当事者間で処理し切れないというような場合においても、政府は国会が開会中であるならば十日以内に、政府のとにかく最終的な意思を決定して国会の承認を求める。或いは閉会中であつても五日というように明確に日にちまで規定して、早期にこの問題の解決ということを公労法としても明確に謳つているわけですが、そういうような性格のものが、残念ながらこの前の臨時国会では、国会の開会中にこれについて政府は当初から解決しようという意思も持つておられなかつたようですが、とにかく今日まで問題を遷延せられて来ておるというような状況の中にあつて、予算についてあれこれ検討を加えている、かねて四方八方も眺めているのだという今のお話でありますが、少くとも私は仲裁裁定という問題は、それほど四方八方を眺めるというほど余裕というものは与えられていない性格じやないかと思います。金額がぴつちりきめられ、日にちがはつきりきめられ、その間にともかく完全に両者が実施しろ、併しできない場合ついてもこうこういつた形でとにかく早急に解決しろということは身動きならんような形にまで公企労法のほうに、調停案と違つて、仲裁裁定の問題については極めて厳格に規定せられておると思います。それだけにこれは一日も早くこの仲裁裁定という問題を処理してもらわなければならんというふうにも考えますし、同時に又電通に対する仲裁裁定という問題は、電通の特殊性といいますか、現状から考えてみた場合に、これ又私は非常に重要な意義があると思いますが、すでに政府自体も料金値上げの問題と関連して決定されるだろうと思います。五年計画の問題にしても、非常にこれから年末繁忙と関連して重要な段階に入つておると思います。これは他と違つた特殊性があると思います。そういうさ中にあつてこの仲裁裁定というものは、従業員に対する非常に企業意欲というか、士気というか、そういう問題と全く密着不可分の重要な問題だと思います。そういう問題に対する処理の仕方が、今大臣の御説明の仕方では、これは詐常に残念だと思います。そういう点でそれ以上追及いたしましても、特に今予算的な具体的な裏付けについてもお話はお伺いできないようですが、具体的な問題として今後逐次御質問申上げて行きたいと思いますが、少くとも仲裁裁定の扱い方について、このような内容の是非については別として、仲裁裁定の扱い方は十分に再考をお願いしなければならない実は点があるんじやないかというふうに、先ほど来の御説明では非常に何かもやもやしたような実は提案の御趣旨しか伺えないから非常に残念に思うのです。そういつたことを別として、更に又具体的にいろいろ御質問申上げたいのでありますが、その点又午後に委員会を開会せられる予定であるそうですから、一応午前の御質問は私は以上を以て打切りたいと思います。
○委員長(左藤義詮君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(左藤義詮君) 速記を始めて。 これにて暫時休憩をしまして、午後は一時半から再開いたしたいと思います。 午後零時四十分休憩 —————・————— 午後一時五十一分開会
○委員長(左藤義詮君) 午前に引続き委員会を再開いたします。 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件、日本電信電話公社関係を議題といたしまして、御質疑を願います。
○久保等君 大臣にちよつとお伺いしたいと思うのですが、それは八つばかり仲裁裁定が出ているといううちで、特にまあ郵政大臣に御質問をいたす関係から、気になるのでちよつとお伺いして置きたいと思うのですが、郵政に対してもやはり仲裁裁定が出ているわけなんですが、その中に勿論郵政の裁定についても、完全実施方についていろいろ御尽力を願わなければならんことは当然のことですが、ただまあ一つ一つの問題をやはりそれぞれの特殊性から十分に考えて行く必要があると思うのですが、ただこの裁定の中の仲裁委員会の取上げました組合側それから当局側それぞれのいろいろ主張点を取上げて列記してあるのですけれども、その第四という所で、郵政当局の態度を一応仲裁委員会として記載をしておるのを見ますと「当局側は、しばらくの間、不合理是正を実施した以上、賃金引上げの要なしと主張していたが、その後公社等との均衡論に重きをおき、負担能力等の観念を排斥する態度に変じ、調停案の額は必ずしも不適当ではないとの意向を表明するに至り、電信電話公社に対する本委員会の裁定後においては、調停案の額の確保は必要であるとの極めて明確な意思表示を行うようになつた。」ということが言われておるのですが、まあ郵政当局として飽くまでも調停案なり或いは仲裁裁定という問題について独自の考え方で当然仲裁委員会にもこれはいろいろ意思表示をされておると思いますし、そういつた点が仲裁委員会でも主たる最後の結論を出すポイントであつたと思うのですが、たまたまこういつたようなことが言われておることについて、郵政大臣としては、こういつた郵政当局側の主張をやはり同じように県認しておられるのかどうか、ちよつと私はここに電電公社の裁定という問題について触れて記載しておるのですが、その点如何ように一体考えておられるのか、大臣に一つ御所見を承わりたいと思います。
○国務大臣(塚田十一郎君) これは当局側の意見というのは、私も勿論自分でじかに出てはおらないのでありますけれども、人事部長が出ておるので以りますが、委員会に出てのものの考ウ方は十分打合せの上でいたしておつた事柄でありますから、私の考え方がそのままここに出ておると承認をしておるわけでありまして、この通りに自分も考えておつたわけであります。
○久保等君 まあそうしますと、結局郵政の給与問題というものは、給与問題としてどうあるべきかということを考えるよりも、やはり自分そのものの給与のあり方という問題よりも、とにかく電通との均衡をとつてもらえば、極端に言えば、電通の場合に実施できなければ郵政の場合も実施されないということならばこれはいたし方がないし、それでも結構なんだと、併し若し電電公社で給与問題でベース・アツプをやるということになつて来るならば、是非その場合には理論的な理窟は抜きにして一つ郵政も電電公社並みにやつてもらいたいのだという気持以外には別に何もないというふうに理解してよろしいのですか。
○国務大臣(塚田十一郎君) これはまあ抽象論になりますけれども、電通と郵政とが実質的に差別をして然るべき理由があれば勿論差別されて差支えないと思うのですけれども、大体仲裁のこの過程を通しておつて、こちらも同じよりな状態であるというときには、やはり同じような結論が出ないと、郵政と電通の場合には特に郵政の従業員の士気にも影響して、なかなか郵政大臣としても、二十六万の従業員諸君に十分に働いて頂いて郵政事業を十分運営して行くというわけに行かないという考え方でいつもおるわけであります。前回の不均衡是正のときも、そういう考え方で強く国会側にお願いし、御了承を得てあれが実現したわけであります。
○久保等君 ただ観念的に抽象的に給与問題という問題を考える場合の考え方には、私は大臣のそういつた考慮もこれは十分に考慮する必要があるのじやないかと思います。併し問題はそういう一般的な給与問題というものを論議しておるのじやなくて、この場合には飽くまでも具体的に出た一万五千円のペースの実施という問題について、電電公社には電電公社、郵政には郵政というそれぞれの仲裁裁定が出ておるわけです。この仲裁裁定を実施するという現実の状態の上に立つてなお且つそのように考えておられるのか。更に具体的に言えば、電電の場合については二万五千円の仲裁裁定が出ており、郵政の場合には一万四千二百円の仲裁裁定が出ておる。従つて今の大臣の答弁からすると、やはり二万五千円のベース・アツプを郵政の場合についてもやらなければいけないのだ。若し郵政の場合において一万四千二百円の仲裁裁定を実施するとするならば、電電の場合にも一万四千二百円のベース・アツプを考えなければならないという考え方をしておるということですか。
○国務大臣(塚田十一郎君) これはそうではなくて、あの一万四千二百円と電電の一万五千円というものが、構成の違いというものを考慮におけばあの線で大体均衡がとれておるということを自分は承知しておるわけであります。
○久保等君 それで電電の場合の一万五千円の仲裁裁定ということを実施するに当つて、やはり飽くまでも私は仲裁裁定というものの性格は、そうなつて来ると非常に疑問じやないかと思う。大臣のような考え方で考えるとするならば非常に重要な問題であると思う。勿論均衡論という問題は考えなければならん問題だと思います。要するに給与政策というものから考えて政府当局も或る程度均衡、これは必ずしも給与を合せるということではなくて、実質的に均衡をとるということは非常に重要な問題だと思います。そういう一般的な給与の問題を論じておるという段階は過ぎて、仲裁裁定を如何に実施するかという今日の立場というものは、そういう一般的な問題とか或いは給与一般についての考え方はどうであるとかいう問題は、もうとつくの昔に実は議論済みの問題だと思う。それで公社当局或いは組合側、郵政当局並びに全逓には、こういつたようなほうでそれぞれ径路を経て調停委員会に持ち込まれ、或いは調停委員会から更に仲裁委員会に持ち込まれ、それで仲裁裁定が出たという今の状態というものは、そういう非常に何と申しますか、フリーな立場で給与問題がどうあるべきかだとか、それから均衡がどうであるとかいうような論議をすべき段階ではもうすでにないと思います。そういうことを考えて行つた場合に、ここの仲裁委員会で言われておるようなことが私は仲裁裁定の出る以前における一つの論議としては或る程度了承できると思います。併し少くとも仲裁委員会の仲裁裁定が出てしまつた今日、なお且つそういつた点を非常に郵政大臣が強く考えておられる、或いは大きくその考え方の要素の中に取入れて考えておるとするならば、私はこれは非常に仲裁裁定そのものの考え方が疑問じやないか、問題があるんじやないかというふうに考えるわけです。言葉を換えて言えば、要するに仲裁裁定というものを如何にしてこれを実施して行くか、如何に全力を挙げて仲裁裁定というものを実施するかというその履行義務だけが私は残つておると思う。そのものについての大臣として内容について検討するとか、或いは内容について酌量するというような自由はもはや許されておらないというふうに考えるわけなんです。ですからその点で若し、やはり今でもそういつた均衡という問題を非常に大きなウエイトとして考えておるということであるならば、これは仲裁裁定の出る以前において、賃金というものは一体どの程度が正しいか、どういう要素を考慮に入れるべきか、それから又どういう条件を考慮に入れて賃金問題を決定すべきかという、そういう段階における問題としては均衡論という問題も非常に重要な私は要素にはなつて来ると思うのです。併し少くとも仲裁裁定を今ここでこういう具体的な形で扱つておる段階において、こういう要素を考慮して裁定の問題を取扱つて行くんだということは、仲裁裁定の性格というものは非常に大きく曲げられて行くということを私は心配するわけですが、その点仲裁裁定の今後の扱い方について、やはりそういつた均衡論という問題を非常に大きく考えられておるのかどうか、もう一遍念のためにお聞きしたいと思います。
○国務大臣(塚田十一郎君) これはここに書いてありますのは、御指摘のようにどこまでも仲裁が委員会において進められておられる間においての段階的な考え方で、私どものこういう考え方も若干考慮に入れて仲裁の結論が出て来ておるわけであります。従つて今日の場合において仲裁を履行するという義務だけが残つておると大体考えられる久保委員の御指摘の点も私は同感であります。その場合に、電通の場合に、そのように考えて電通の資金状態というものと見合せてできる範囲においてそれを実施して行くという考え方でおるわけですが、ただ郵政の場合に、この後段にも書いてありますように、若干電通と感じが違うということも、仲裁そのものも認めておられるわけなんでありまして、結局郵政の場合に今の仲裁裁定をどの範囲で実施するかというときに、資金面だけで考えるということが果してできるかどうか。資金面で考えたときに仲裁の線までは実施できない。非常に仲裁の線よりも後退しなければならん。電通の場合にもそういう点はあり得るわけですが、仲裁を尊重するといつても、資金面の制約があつてどの程度までできるかどうか、おのずからそこに妥当な結論が出て来ると思う。郵政の場合にもそういう観点から或る数字の線が出て来る。その場合に、それが非常に電通と食い違つて出て来てしまつたというときになると、やはり私は郵政の場合には、円満に郵政事業を郵政大臣というものが指揮監督して運営して行く上においては均衡という問題も考えて行かないとやはりうまく行かないという意味において、私は郵政の場合には均衡論というものを考えておるわけです。併しその場合に、郵政が上げられないから電通も上げないというふうには考えておらないので、電通を妥当な線に、郵政も多少資金的な困難があつても、資金的のそういう均衡の面と合せて成るべく歩調を合せて行きたいというふうに、むしろ電通の線に揃えて上げて行くというふうに均衡をとつて行くということが、ただ資金的な面だけの制約でなしに、考えなければならん点だと自分は思つておる。そういう考え方が出て来るのは、郵政のほうは政府の事業になりまして、賃金決定のあり方というものも公社とは必ずしも一木に行かないのだ。場合によれば仲裁裁定も指摘しておるように、特殊なものについての料金値上げというものも考えてもやる必要があるという面も考えなければならんのですから、若干それは違うわけであります。
○久保等君 若干明確になつたような気がするのですが、更に言葉を換えてお聞きしたいと思うのですが、要するに電電公社の今度の裁定の問題は、これが当然完全に実施されなければならない性格のものですが、若干これについて無理がある。例えば実施の時期の問題について、完全に八月なら八月というわけには行かない要素が若し仮にあるとした場合、そういつたような場合もとにかく電電公社としては、少くとも経理内容からいつてやり得るあらゆる措置を講ずべきだと思います。それで少くとも電電公社のそういつた資金上の能力の問題、或いは企業能力の問題、そういつたようなことを考えて最大限度とにかく結論を出して実施しなければならないと思うのですが、その場合に多少でも電気通信事業以外の事業の事情によつて左右せられる、いわゆる先ほど私の言つた均衡的な問題から若干でも左右される、電気通信事業以外の事業から左右されるというようなことは絶対にない。又あるべきではないというふうに大臣は結論的にはやはり考えておられるということに理解してよろしうございますか。
○国務大臣(塚田十一郎君) 大体そのように考えております。
○久保等君 それで更になお進めて御質問をいたしたいと思うのですが、この際仲裁委員会で出て参りました仲裁裁定の内容を見ますと、資金上の問題について一応金額も挙げて前年度では四十三億円ばかりの一応利潤があつた、或いは本年においても三十億程度の増収は可能じやないかというような一応の見通しも立てておると思うのですが、勿論これは単に仲裁委員会が素人考えで単なる臆測として出した数字ではないと思いますし、特に前年度の問題については、これはもうはつきりした金額だと思います。それでそのうちで純然たる金として残つておるのが、約二十四億ですか、あるという話で、その点は今朝もちよつと大臣が触れて言つておられたと思います。いわば給与の中に繰入れてこれを使うこともでき得るという状態にあるのです。大臣は来年度の或いは再来年度、そういつた将来の事業収入というようなことも考慮に入れて、果して二万五千円というベース・アツプが可能であるかどうかということも見究めなければ、前年度の金の使用についても必ずしもこれについて手放しで以て給与に振向けられるべき財源だとも思わぬというようなお話であつたのです。非常に何といいますか、高遠な見通も立てられない限りベース・アツプもできないのだということ、これは願わくばそうであることが結構だと思います。併し仲裁裁定というさつきからも申上げておるように性格を考え、而も将来の問題についてお先真暗だということではこれは困ると思います。併し少くとも私は前年度の二十四億、今朝大臣の言つておられた二十四億という金額の問題について、これが大臣が言われるような来年或いは明後年はつきりとした見通しがつかない限り、この二十四億という金は手がつけられないというか、手をつけるべき性格のものではないのだというふうに言われるのは、非常に事業の堅実性というか、石橋を叩いて渡るという以上に非常に慎重ま態度をとつておられると思います。併し少くとも私が今言つたように、賃金題題について仲裁裁定にかからない以前の団体交渉の過程にあるというような程度の段階ならば、或る程度大臣の今朝説明されておつたような点も理解できない面は私はないと思います。併し私は少くとも仲裁裁定で両当事者が拘束されるというような状態にありながら、二十四億という問題についてこれに手をつけずにおいておきたいなどと言つておられるのですが、何か二十四億について給与問題以外にそれほど緊急な法律的にさえ支出を或る程度拘束せられるというふうな問題があるのかないのか。今朝ほどちよつとそういう御説明もあつたので一つお伺いをしておきたいと思います。
○国務大臣(塚田十一郎君) これは具体的な話でお尋ねですから、具体的に申上げますけれども、私は二十四億を給与に使つてはいけないのじやないかという感じは、先ほど申上げた一つは、前年度の繰越利益というものは本来から行けば恒常的なものではない。一種のその年度においての雑収入みたいな性質のものですから、その年だけ必要なものであるならば考えられる。従つて例えば年末の手当にこれを充てるということであれば、来年は同じものを出さないという前提であれは、これは充ててもいい。併しそういうものを、今年それを出したならば来年も同じようなものを出さなければならない、こういう財源に充てることは、これは来年以降の問題よりも今年の経営というもの自体から考えて、もうすでに大分おかしくなるからいけないと、それからもう一つ、この二十四億の内容を検討してみると、この中に今正確に数字を記憶しませんが、約十億近いものは資産を、今まで経費で落しておつたものを資産に振替えた、多分に経理上の操作によつて出て来た利益が含まれておるのでありまして、完全にそれだけのものは賃金で支払つて出しても公社の経営というものに差支えないという性質のものでないわけであります。二十四億が全部金で浮いているわけでなくて、物になつておるわけですから、それを出すということになると、それだけ外部から金を借入れなければこれは操作が付かないものなんであります。こういうような実質的の面と両方あつて、私はこれは余り給与というものに使うという考え方をしちやいかんのじやないかという判断をしておるわけでありまして、別にほかにこれを向けようという考え方、それがあるからして給与には向けられないという考え方ではないのであります。勿論低かに向けようという考え方は全然ないのかということでありますが、それは先ほども別な新谷委員からでしたか御質問がありました、例の二十五億の建設費の措置の問題が残つておるのですが、ああいうものに廻せるならば一番自分として好ましい形であると、こういうふうには考えておるのですけれども、併しそれに廻すのだから、これは出せないというように考えているわけじやなくて、どうしても出さなければならないという事情であれば、そのほうはそのほうで私は措置すべき性質のものだと、こういうふうに自分は了解しておるわけであります。
○久保等君 その問題をちよつともう少し確めたいと思いますが、それは差引前年度の利益が四十三億円あつたということは仲裁委員会でも言われておるようですが、そのうち十九億円程度が今大臣の言われた肩代りをすでにしておるというようなことで、現金というか、使うべき金としては二十四億程度だというふうに了承しておつたのですが、更にその十九億がそれならば大臣の言うところによると、二十四億くらいそういう形でもうすでに物を買つてしまつたというような形になつておるのですか。
○国務大臣(塚田十一郎君) 二十四億という数字は公社に移つてからの数字で、四十三億は公社に移る前の通計した数字であると私は了解をしておる。それで二十四億のうちに今申上げるように約十億というものがそういう性質のものであると、こういうことであります。
○久保等君 その点公社のほうへちよつとお聞きしたいと思うのですが、説明はそれでよろしいですか。
○国務大臣(塚田十一郎君) 十億と言いましたのは、正確には十二億から三億くらいで、これは四十三億のうち通算しての数字だそうですから若干その点を……、従つて二十四億の中に含まれる分は或いは算術的に半分分けすれば大体六、七億ということかも知れません。
○久保等君 もう少し、何かはつきりよくわからないのですが、四十三億の中で通算して一つお話を願いたいのですが、公社になつてからとかならない前とかでなくして、要するに前年度の、勿論公社になつた期間も若干含まれるわけですが、それを全部通算して四十三億の差引利益金のうちで、十九億程度が私はそういう金額だと実は聞いておつたのですが……。 —————————————
○国務大臣(塚田十一郎君) それは公社の経理局長から一つ……。
○説明員(秋草篤二君) お答え申上げます。今の数字は過去の決算に基く事実の数字でございますから。大臣のお話では細かいことは御説明にならなかつたので、私から代つて申上げますが、二十七年度の決算によりまして、通算四十三億円の利益でございます。それを分けますと、二十七年度は八月一日に公社になりまして、公社以前の、即ち電通省時代の利益というものが十九億、それから公社になつてからの利益が二十四億ほどあつて、合せて四十三億だと記憶しております。そこでこの利益の内容というものは、大臣の御説明の通り、営業外収支、いはゆる一切の損益勘定の総決算で申しておるのでありまして、大臣が申しましたようないはゆる営業外の収入であるところの雑益というような部分が、物品を売払つたとか、そういうようなものが入つておる。従つて四十三億というようなものは、公社以降になりますと二十四億でありますが、これが果して現金になつておるかどうかということは、これは全然別な問題であります。資金の点は全然別な面から、資金計画全部を眺めて見て現在ありますところの資金、これが今、本年度内に使われているところの推移をみましてどの程度残るかという別な観点から、資金だけの面から観察しなければならんと思います。従つて四十三億とか、或いは公社になつてからの二十四億とかいうもうは、損益計算、いはゆる純理論会計的な損益計算の結果であつて、これに基いて資金があるかどうかということは別な問題であります。その資金については、それでは公社自体本当にあるかどうかということになると、総体的に見て、これは正規に郵政大臣も今度の予算で要求しておりますように、資金の現在の推移から見て、資金余裕というものは別に補充されなくてもいいだろうという見通しを私どもはつけておるわけであります。そこでこれを給与に廻わすかどうかという理論は、これはポリシーの問題になるかと思いますが、これはもう先ほど大臣が申上げましたように、すでに決算された過去のもの、これをただ私どもは考え方として、大臣の今おつしやるように過去の業績の蓄積、増収なり或いは節約なりによつて出たところの損益計算の最終的な姿でありますから、こうしたものを考え方に置いて、ベース・アツプにまあ使えるかどうかという理論が立てられるということはこれはあり得ることだと思うのです。これは一つの見方であつて、併し本年度のベース・アツプにこれを使えば三十八年度の予算の状況に反映し、二十八年度の決算に入つて参りまして、先ほど申しましたような過去の決算されたものを消化するという現象は現はれて来ないのでありまして、過去に決算された財源なりを本年度の実行によつて使うということは考え方だけとしては申上げられるのじやないかと思つております。
○久保等君 まあ今後何に使うかということは、これは政策上の問題であるし、そういうことで別に使い得るというか、そういう方面に廻し得るかどうかということは、まあ何とも今のところは公社当局なり郵政大臣としても考えておらないでも結構だと思うので、ただ私の御質問しておるのは、資金上の状況をお伺いしておるわけですから、そういうものが今後どういうふうに使われて行くかということは全然触れないとして、少くとも、だからベース・アツプならベース・アツプということは、使おうと思えば硬い得る資金上のそういつた余裕というか、そういう資金的なものはある、四十三億というものはあると、少くともそのように理解してよろしうございますね。
○国務大臣(塚田十一郎君) これは資金的に余裕があるということはどういうようにおとりになつておつたか、私は資金的に余裕があるということは、今の利益で出ておるものが物になつておる。従つて金はないが、金は別の面でやりくれるという場合と、それからそういうものもないが、資金的には何とか、例えば非常に借入れる能力が大きいということでやりくれると、二つの場合があると思う。全然経理学的な意味においても利益がないと、併し資金的にはやりくれるという、そういう場合の資金的な余裕を持つて賃上げをするということ、これは全く不健全な状態であつて、そんなことは、これは一時的な給与にも向けるということはいかないと思う。今公社の経理局長が言われたのは、今私の伺つている感じでは、両方の意味を含めてのことをおつしやつているのじやないかと思うのです。だからして私が一時的の給与ならば考えられると申上げたのは、少くともそれに見合うだけの利益というものが経理学上出ておる。併し金はないが金はやりくれるという意味のものであれは、まさに公社の経理局長が言われたことと同じだと思うのです。
○久保等君 非常に大臣気を使つて発言しておられるようですが、そういう意味じやなくて、若しすでに資材なら資材にそれが肩代りしているというのなら、そういう資産状況と申しますか、実情をお話願えれば結構だと思うのです。だから四十三億のうち、すでに二十億というものがそういう形になつてしまつているのならば、そういう実情をお伺いしたいので、何か紐を付けられるので、ちよつと実情は話しにくいのだというようなことを言われるものだから、ちよつとはつきりしないのですがね。すつかり物になつてしまつているのだ、従つて市場にそれを出すとすれば、例えば借入なら借入する場合には四十三億というのは或いは調達できるかも知れない、そこまで説明があつたのですが、そこまで私は質問しているのじやなくて、四十三億の少くとも余剰金をどういう形で、若し使われる計画があるのならどういう形で、すでに昭和二十八年度の中に計算に入れているのだというお話を伺えばいいのです。だからその実情を、別にどうこうと余り気を使われないで、実情をありのままにお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塚田十一郎君) これは四十三億の剰余金というものは、恐らく公社の経理の上では、公社移行前のものは移行するときに引継ぎをしているでしようし、公社になつてからのものは公社の積み立てで上げておる。併しその四十三億に当る現実の資産というものは、さつき私が申上げた十二、三億のものは明らかにこれは物の形で過去にあつたものを振替えて出て来ておるものですから、これはもうそういう物になつているということは想像されます。そうすると、それを抜きましたあと三十億近いものというものはどういう形になつておるか。どうにでも何かの物になつておると思う。併しその物になつておるというものが、新らしい建設に向けるために必要な物に代つておるということであれば、これはやはり実体は設備資金に廻されているということになつていると思うのです。経理状態はそうだろうと私は想像しているのですが、その四十三億に相当する何らかの金さえ工面がつけば使つてもいいというゆとりというものは、何かほかに向ける目的があるのかということであれば、それは全然、さつきも申上げたように、ありませんのです。ただできるならば、二十五億の、二十八年度の設備資金のこの前資金的な措置のできなかつた部分に廻せるなら、これは一番いい形だがというふうに私は考えているけれども、併しそれも絶対にそうしなければならない、従つてほかには全然廻せないのだというような考え方はしておりませんと、こういうふうに申上げたのであります。
○久保等君 大臣どうももやもやしているのですが、そのあたりもう少しはつきり、電電公社に切替えられた際には当然引継がれておると思うとか何とかいうのじやなくて、もう少し責任のある形で、若し事情がおわかりにならないのならならないで、公社当局のほうから私は一つはつきりしたお話をもう少しお伺いしたいと思うのです。だから引継がれて、その物はその物で、去年の七月三十一日現在でそういうものが十九億ですか、電通省時代には利益があつた。それがその後公社になつて引継がれてしまつた、従つて、引継がれてしまつたからその引継がれてしまつた要するに昭和二十七年度の決算の姿というものは、私はトータルした姿が出て来ていると思う。だからそういうものをひつくるめた話をお伺いしたいのですが。
○説明員(秋草篤二君) 二十四億の中の電通省時代の十九億は先ほど申上げましたように利益であります。これは公社発足のときに自己資本に繰入れられてあるわけです。併し資本の蓄積としてはとにかく十九億あることは確かである。これは大臣の御説明の通り、資産としては固定資産なり、或いは現金なり何かになつておるに違いないわけです。私は意見がましいことを申上げますが、裁定における資金上、予算上という問題についても、資金上ということは先ほど大臣の言われる通りだと思います。少くとも一般会計では資金上という資金は即予算の支出権限を意味して、余裕を意味するのじやないと思いますが、公社のような純粋な企業会計方式をとつて、正規の法規によつてやつておりまするところの資金上という問題は、これは単に資金上ということになれば、大臣のおつしやつた通りでありまして、資金は幾らでもあつても、これは給与の改善とか、或いはその他の支出に当てられるかどうか、これは全然別問題であります。金は現在でも相当たつぷりございます、正直なところ、大蔵省あたりからも、つい数カ月前なども金が大分余つていることの御指摘を受けた、これは事実であります。最近非常に建設工事の推移も順調でありまして、どんどん減つて参りますが、とにかく現在のところは金は困らない。併しその金に困つていないことは、金を借りてあつたり、或いは建設工事がやや遅れているということで金があるだけの話でありまして、これは借りて来れば金は幾らでもあるわけであります。従つて、予算上の支出権限とか、或いは公共企業体、私どもの会計におきます資金上という問題は、やはり企業の支払能力という点だと思うのであります。いわゆる収支の差引の残が企業経営上それだけ能力がある、だからその場合に資金が仮になくても、むしろ公共企業体などは支払能力さえあれば、あとは資金は一時的に借りて来て繋いでも賄える、すぐあとで又資金が入つて来れば。一時だけは資金ぐりで間に合つても、問題は企業の支払能力という点がいわゆる資金的というものに当るのじやないかと私は判断しております。公社などにおきます企業会計、純粋の企業会計をとりますと、その点は資金というものがいわゆる民間の資金と全く一致するのでありまして、一般会計で言う資金というものは即支出権限であり、予算であるというふうに考えてもよろしかろうと思いますが、公社側に行きますれば、そうは行きませんと思います。そこで年度末になりまして、そうした資金上の余裕があるか、いわゆる純粋の資金的の余裕があるかどうかという点は、明らかに私どもは積極的に今までの蓄積された資金で、固定資金なり物なりに活用したもの以外に、更に又余裕金があるから、これを正規の収支計算をして、それを建設会計に投資しようというのが、資産充当として大蔵大臣に補正予算の形式で出してある資金の充当であります。ですから、資金の余裕があるということだけは事実であります。ただ支払能力があるかどうか、損益勘定における、本年度の損益勘定におきますところの支払能力があるかどうかということは全然別問題なんであつて、今のところそうやすやすとそれだけのものが出るという判定はもう少し収入の推移が見届けられない限りちよつと今のところは判定に苦しむというところでありまして、支払能力と資金の余力というものは区別して考えなければならない、こういうふうに私は考えます。
○久保等君 それは一応電通省当時のト九億の問題については、現在資金に振替えられたというようなお話で、一応事情がある程度はつきりして来たのですが、その後の、昨年八月一日以降の公社になつてからの二十四億円、これについて郵政大臣からちよつと九億か十億程度のものがすでに何か物というような形のものに代つておるとか何とかというお話がちよつとあつたのですが、その二十四億の状況についてちよつと伺いたいと思うのですが。
○説明員(秋草篤二君) 二十四億の内容を分析しますと、決算書の内訳書にも書いてありますが、正規の業務収入のほかに雑益というものがあるのです。これは金銭を伴わないところのただ損益勘定上の利益であります。それから逆に、その反対のような雑損というようなものもありまして、我々が賃金を払い、物品の代金を払うという支出は明らかに金銭の支出を伴うものでありますが、逆に金銭の支出を伴わない、資産を償却するとか、或いは物品が亡失、毀損してそれを損金に充てるとか、これは金が一文も要らないのであります。併しこれは正規の会計学的な処置をすれば、やはり損失に立つわけであります。これは金が要りません。そういうものが両者合せて正規の損益計算をやりまして、金銭を伴うものと伴わざるものと両方合せて、損失というものと合せて合計したものが二十四億であります。従いまして、その中には、大臣も御説明したように、金が伴つてない収入というものも無論ございます。併し資金的には、ただそれだけを見て、資金がそれだけじや本当はないのだという判定は一概には申されないのでありまして、資金は別な角度から、借入金もございますし、電電公社の資金もございますし、資金は全部別な見方から、損益計算を離れて資金計画を立ててみて、その推移に基いて金があるかどうかということを判定しなければならないと思うのであります。で、その判定は私どもも見たところでは、資金のあり高については、今年度の年度末におきましては余裕があると、資金だけについては余裕はある、これだけのことは申上けることができると思います。
○久保等君 昨年度の利益金の問題についての実情は一応お伺いしたのでほぼはつきりして来たような気がするのです。ただ、いずれにしても四十三億という金が余裕金という形で別に寝ておるという姿では勿論当然ないと思いますし、公社の独立採算制という建前からいつても、これがあらゆる形で、何らかの形で、とにかく電通事業の中に或いは物として、或いは又他に動かされる資金という形でとにかく或るプラスのものであるということだけははつきり言えると思うのです。それで、現在の電通事業の何といいますか、経常の実情というものが、少くともそういつた当初予算以上の増収を挙げ、更に又それが差引き利益としても前年度において四十三億円あつたというような性格から、今後の類推の一つの基礎になることは事実であるし、それから明年の問題について申上げれば、これ又いろいろ意見は分れて参ると思いますし、仲裁委員会では三十億と言つておりますが、そのことについても大臣は先般からいろいろ御意見を申しておられたようでしたが、昨年度の問題は一応私は切離して、先ほど来からの御説明で一応お話を伺つたとして、明年度の、明年度というか、本年度の年度末における状況、即ち昭和二十八年度の増収の見込について若干お伺いをいたしたいと思うのですが、この前の委員会で、大臣から極めて概括的なお話はあつたのですが、仲裁委員会の三十億増収見込について、相当反論的なことを言われておつたと思うのですが、若干繰返すことになるかも知れませんが、この他の御説明について、もう一遍はつきり、もう少し先般から更にその後或る程度具体的に突込んだ、いろいろ計画も立つておられると思うのですが、まあそういつた点も加味して御説明を一つ本年度の増収というような点についてお願いしたいと思うのです。
○国務大臣(塚田十一郎君) これは、今年度の増収の数字も、その詳しくは公社側からお聞き願いたいと思いますが、私が大体承知しておるところでは、約二十億近い増収があると、併しそれに伴う支出の増があるからして、差引きしてまあ六億という数字であると私は大体承知しておつたのですが、正確な点はこれもお聞き願いたいと思うのですが。 それからしてもう一つ大事な点は、その今の四十三億昨年は予算と決算の間に開きがあつた、だから今年は三十億くらいいろいろな点を考慮においてもあるだろうと。そこのところがそのように行かないだろうと、現実の状態は今申上げたような大体数字になつておると思うのですが、又利益の上からもそういう工合に、去年四十三億だから今年三十億ということに行かない理由の中に、四十三億の昨年の利益というものは、必ずしも昨年度の利益に属するものであるかどうかわからないような、今の資産振替えというようなものも入つておるし、更にもう一つ附加えますならば、昨年は御承知のようにぺースを上げておりまして、十一月から十一、十二、一、二、三と五カ月も上げた。今年は一月からずつと上げておるわけでありますから、ベースを引上げたということが今年は一年全体に振りかぶつて来ております。そういうようないろいろな事情もあつて、去年こうだつたから同じような傾向で行くのじやないかという考え方には非常に考え方の不十分な点がたくさんありますよと、で、そういうことをいろいろ考えてみると、公社側が今言われるそうたんとゆとりがないという数字のほかがむしろ正しいのじやないかと、こういうように私は考えておるわけなんであります。細かい数字はどうかこの機会に、幸い公社側もおりますから、わかる程度お尋ね願えれば結構だと思います。
○久保等君 これは将来の話をするのですから、極めて確定的なことは申しかねると思うのですが、大臣の一応の本当のこれは目安といいますか、目算は、今言われた御説明の中だけについて申上げれば、これは六億円程度ということを言われておるのですが、まあそれならば結果として、六億円が或いは十億になるかも知れんし、十億円が十五億円、或いは二十億円になるということもこれはあり得ると思うのですが、それは非常に結構な話なんでして、予想以上の、見込以上に非常に増収があつたということは非常に結構だと思う。その場合においては、大臣のお考からしても、そういう結果が若し出るならば、それはもう結構なことだし、そういう場合についてはこれはもう当然ベースに何といいますか、充当すべき資金として考慮することについては一向に差支えないというふうにお考えになられると思うのですが、その点は如何ですか。
○国務大臣(塚田十一郎君) それはその面からの検討の限りにおいてはその通りだと私も考えておるので、ただ最終的にベースを上げるかどうか、どれだけ上げるかどうかということは、更にそのほかいろいろな事情も併せて考えなければなりません。私はこの機会にちよつと申し添えておきたいと思いますが、仲裁は尊重しなければならないということは、仲裁の通りにやらなければならないということではないはずであつて、仲裁は尊重しなければならないという公労法の規定があるにかかわらず、なお資金上の問題というものを併せて考えろという公労法の規定というものは、やはりそこに資金上の面その他を考えて、郵政大臣が適当な判断を下す余地というものが残されておる。そういうように私は考えておりますから、今の資金的な面と、それから例えば公社法の第三十条でありましたかの現実に、この公社の職員の給与というものはどういうことを頭に置いて決定をしろということを書いてある。そういう規定の趣旨もやはり一緒に最終決定をする場合には自分としては判断の資料にしようと、こういうように考えておる。その判断の自由というものが残されておると私は了解しておるわけです。
○久保等君 どうも大臣ちよつとピントを外して何か非常に郵政大臣という立場を強調しておられるように考えるのです、少くとも仲裁裁定を、私は如何にこれは尊重して実施して行くかという立場をもう少し大臣として御認識願わなければならんじやないかというように考える。若し郵政大臣の今のような御答弁だとすると、これは全く電電公社というものの設立せられた私は経緯なり、現状というものを一体どの程度認識されておられるのか疑問だと思う。特に仲裁裁定の出た今日において、なお且つ仲裁裁定というものをどの程度実施すべきかということについて、非常に何か裁量の余地が残されておるかのような答弁をされておられるのですが、これは私は大臣の認識が若干問題だと思うのです。やはり裁定をどの程度実施すべきかということについては私はそんな自由裁量の余地は残されておらないと思うのですが、飽くまでもこの裁定の問題については完全に実施すべきであつて、ただない袖は振れん、平凡な言葉で言えば、ないものは出せないということは、これは結果的に或いは仲裁裁定というものが完全に実施されなければならないという結果が出るだけの話であつて、ないものは出せんじやないかということは、これは飽くまでも出したいとか、出したくないとかというそういう意思的な問題じやなくて、これは事実的な問題として、出そうと思つたつてないから出せないのだという、そういう事実上の問題から裁定が実施できないということはあると思うのです。併しそこに何か非常に政策的なものを考慮して、そういう仲裁裁定よりもまだこういつた方面に深く考慮した場合に、使わなければならん問題があるとか、そういうようなゆとりのある考え方は実は許されないのじやないかと思うのです。特に、而も電電公社を取上げて考えてみます場合には、やはり企業の特殊性といいますか、電通事業というものに対して、飽くまでもできるだけ政府というものはこれに対して無用の干渉をやらないというような趣旨が、少くとも国鉄の公社或いは専売の公社以下にこのことが強調せられているのが今日の電電公社法の建前だと思うのです。そういう点を考え併せてみた場合に、大臣の今言われる点では、何か郵政大臣が仲裁裁定の内容そのものについても検討を加えて、而も資金上の問題についても……、私はだから只今御質問を申上げている要点は、一体資金的にこういつた面、こういつた面については一体どの程度考慮する余地があるのか、資金的な面を実は御質問申上げておるわけです。それについて勿論事実上の問題としてあるとか何とかいう問題も十分考えなければならないし、振当てるには他にこういう使途があるから、差当つてこういう問題があるからそういう方面にも出さなければならんという問題もあるということは当然考慮に入れなければならない問題たと思います。ただ抽象的に仲裁裁定という問題については、相当この内容についてはなお検討を加えるべきものだというような御答弁については、どうも納得しかねるわけなんです。そこで資金的な問題について、本年の増収の問題については、私はこれは確定的に何千億あるということはこれは勿論事前に断言できる状況ではないと思いますが、少くとも仲裁裁定の実施に当つては、今のところは私たちが智慧を絞つて、こういつた方面からでも何とかならんだろうか、ああいう方面からでも何とかならんだろうかという点にこれは努力をしなければならない状況にあるのですし、午前中の大臣の御説明でもそういうみんなの智慧を絞るといいますか、努力をしたいという意味で国会の審議も煩わしておるのだ、国会の意向もお聞きしたいのだという大臣の御答弁があつたので、実はそういうことを前提にして只今御質問申上げておるのですが、何かしら大臣としては非常に固守せられた考え方をしておられるので、それで何か御説明を願つておるような気がどうもしてならないわけなんですが、もう少しやつぱり仲裁裁定というものは、調停委員会から出された調停案というものと性格が根本的に違うと思うのです。従つて出て参つた一万五千円を如何にして資金上やつて行くか、それで先ほどもちよつと四十三億の問題に関連して、大臣が若しやりくりをして借入金でやるというようなことも考えられるが、そういつたようなことは極めて不健全だというようなことを言つておられたが、私どもはそれもいわゆる支払能力の中には借入金だつてこれは入ると思いますし、それが企業の健全性を書するということではこれは困るというのです。併し少くとも一時借入れても次は返せるというような状態があるならば、一時の借入金ということによつてベース・アツプをやるということは私は決して邪道でも何でもないと思うのです。それも先ほどの答弁からお窺いできることは、何か借入をしてまでべース・アツプをやるというのは以てのほかだというふうなお考えを持つておられるやに実は推察いたしたのですが、その点はやはりそういうことなんでしようか。一つ念を押しておきたいと思います。
○国務大臣(塚田十一郎君) これは久保委員のお尋ねの考え方は、或る面においては民間企業と同じように考えられているし、又他の面においては政府企業の特殊性というものを考えていられるのじやないかと思うのでして、私はこの公社にしたのは独立採算制の中で働きが上つて収入があつたら、賃金も成るべく上げて行くという考え方であると思う。併しそれには国家事業であり、而も料金の決定も国が関与しておる。競争がない、独占の事業だというような非常に大きな枠が一つはまつておると思うのです。だからそういう枠の中でいろいろな公社法の規定や公労法の規定も体して行かなければならないと自分は了解しておる。従つて資金面になければ仲裁裁定が幾ら出てもそれはどうにもしようがない。併し仲裁裁定が出たときに、更に郵政大臣が公社の企業をどうするかという場合に、公社法の三十条の規定のようなものと併せて大いに考えて、客観的な事象との睨み合せの上で適切な線を出して行く、そういうような筋合いだろうと思うのでありますが、仲裁裁定が出たからして郵政大臣は公社法の三十条の規定にも何にも考慮なしにあの線を必ずしも出さなければならんということではないと思うのです。勿論仲裁裁定の線が、適切な線が出ておるということであれば、結局公社法三十条の趣旨を考慮した結果は仲裁裁定の線を事実上実施するという形になると思うのですけれども、少くとも法律理論的なものの考えからすれば、郵政大臣が賃金をきめる、予算を組む権限を持つておるということの内容は、給与についてもそういうような或る程度の裁量の余地というものがあるのだと、こういうように自分は了解をしておるわけであります。
○久保等君 一般の給与問題を私はここで取上げてお話をしたり或いは御質問をしておるわけでもないのです。それで郵政大臣の予算に対する権限という問題は、これはもう公社法がはつきりしておりますし、当然国鉄、或いは専売とも違つて、郵政大臣という大蔵大臣でない監督大臣が予算に対する編成権なり調整権を主として持つておるというようなことは、これはもう電電公社の私は一つの大きな特色だと思いますし、それは又その通りだと思うのです。併し仲裁裁定の問題については、私はその権限があるとかないとかという問題とは別に資金的な問題をどうしてこれを工面するか、それから又どうしてもぎりぎり一ぱいでこれ以上にはどうにもならないのだという事実上の認定の問題がやはり主たる問題のポイントじやないかと思う。従つて郵政大臣にも仲裁裁定の問題については、相当何かしら発言力があつたり、或いは権限があるのだという点を強調しておられるように聞えるのですけれども、そういう問題は、私はこの場合の仲裁裁定の問題を論ずる場合には、そう大した問題じやないと思うのです。それは勿論どこかが主として考慮をしなければならんという意味では非常に重要な問題だと思います。それはもう本当の最後の結論から申上げますれば、郵政大臣の肚組み一つにかかつておると思うのです。又是非そういうことでやつてもらわんと、従来の電通省当時と同じように実権を大蔵大臣が握つておるということは、公社法の建前からいつてもないのですから、そういう点は大いに御自覚を願いたいと思うのです。是非お願いしたいと思うのです。ただ併し、ここに論議の中心になつておるのは、そういう権限の所在、そういつたような問題では私はないと思うのです。飽くまでも事実認定が主たる問題じやないかと思うのです。その点で例えば今の電電公社の企業状態からいつて、一万五千円という仲裁裁定が果してどうにもこうにも資金上やりくりがつかんかという問題について、例えば私は借入金というような方法によつてもここのところはとにかくやつて行くべきだ。なお年度だけの、昭和二十八年度なら二十八年度の年度末の決算では極めて不健全な姿が出て来るかも知れない。併しそのことが長い眼で見た電気通信事業というものを考え、而も年々電話なんかが大幅に増設されて行くような発展過程にある電気通信事業においては、時と場合によつては、私は若干の借入金をやつてもベース・アツプがあたかも純然たる何ら回収せられない消費的な投資ばかりだとは言えないと思うのです。むしろベース・アツプをすることが、逆に五億のベース・アツプをやつて十億の増収を上げるかも知れない。これは従来の一般事業と違つた特色だと思うのです。そういつたことをもう少し弾力性を持つた考え方で持つて行くべきだと思うし、そういう点からするなら、借入金をやるというのはこれは頭からてんで話にならない、これは不健全なことだと言えないと思うのです。特に郵政大臣はそういつた企業面については、民間の会社にも関係しておられるようですし、我々と違つたものを、そういう事業面に対する企業の能力は、これは郵政大臣という立場を離れても私は非常に成案を持つておられると思うのです。だからそれだけに電気通信事業に対する今後のあり方に対して、この際ベース・アツプをするということがどの程度意味があるかということをその点についても非常によく研究されておると思うのです。そこで例えば借入金という方途によるとしても、私は大臣が先ほど言われたように、一概に極めて不健全だというようなことで、今の電気通信事業という事情から言えるのかどうか。その点今御答弁になつたので、一つ繰返してもう一遍お伺いしたいと思うのです。
○国務大臣(塚田十一郎君) 只今久保委員が御指摘のような判断に該当する場合というものは、民間事業として私はあり得ると思うのです。ところが例えば電通のようなこういう企業の場合には、大体料金決定自体に国が関与しておるものですから、普通の状態から行けばそういう状態は大体出て来ない、こういうように考えるのが常識じやないかと思うのです。借入金をしても、来年は儲かる儲からんということが料金の決定そのものに問題があるということになるので、大体やはりこういう企業の場合には、それは国の特別会計か何かでやつて行くというのとは若干事情が違いますけれども、やはりその年度の収入の範囲で以つてその年度の給与等を賄つて行く。それから次年度以降のものを考えて賃金を上げて行くときに、次年度以降のものをそういう見通しの上に立つてやつて行くと、そういうようにしておかないと、民間企業のごとく御承知のように借金をしても給与を上げたほうが将来成績が上るということであれば、これは自由企業であるからして総体的な関係においてそういう結論が出て来ることもあり得ると思うのです。そこがいわゆる民間企業とちつと違うのじやないかというふうに私は判断しておる。ですからして電通の場合にも、どこまでも先ほど申上げたような考え方で給与問題というものを自分としては考えて行きたい、こういう話を申上げておるのです。併し実際の話として仲裁裁定が出て、あれが大体妥当な線と考えられる以上、それでその資金を捻り出すためにどれだけ仲裁の線に近いもので実施して行くかということは努力して行かなければならないし、私もそのつもりで努力していることは申すまでもないことであります。その点どうか御了解願いたいと思います。
○山田節男君 関連して。どうも久保君の質問と大臣の御答弁を聞いていると、少し私は大臣御自身がこの問題についての提案理由の説明の線を少し逸脱しているのではないかと思うのです。と申上げることは、この電電公社の裁定について国会にお出しになつた理由は、この説明によると資金上の問題はないのだ。予算上これはできない。即ち予算総則の第二十三条に給与総額を超えるから、こういうことがきめてあるからこれを支出することは予算上不可能だと、これが私は大臣の説明の骨子だと思うのです。先ほど来資金について再三質問があり御答弁がありますが、これはもうこの問題については、最初に副総裁から昨年の八月以降、それから今年の八月一日に料金改訂をしました以降の業務内容、収入の増減についてはすでに聞いているわけです。そしてなお調停委員会、更に仲裁委員会でこの電電公社のこの裁定に関する資金上の可能性があるかどうか、これは厳密に調べまして、現に昨日公共企業体等仲裁委員会の委員長今井君がここに見えまして、この八つの今仲裁裁定があるわけですが、その中で電電公社は少くとも中の上の資金上の可能性を持つていると、こういう判定もあるのです。そういうことと、それから今日の今大臣のお出しになつている議題について承認できないという御提案は、専ら予算上の問題なんです。予算上不可能だという御判定でお出しになつている。でありますから、今のような質問、答弁を聞いていると、堂々めぐりといいますか、何か混乱が起つて結論が出ないと思うのです。それで私が午前中に申上げたのは、予算総則の第二十二条、二十三条によりまして、大臣は給与総額の増減ができるわけです。この場合は給与総額も変更ができるのです。これが私は今の大臣としては一体これをおやりになるのか、ならないのか。それから今朝申上げたように、閣議なり或いは吉田内閣として他の一般公務員との給与とアンバランスを来たすがゆえにこれは承認しないのだと、こういうのか。この点ははつきりして頂かないと質問がいつまでたつても停滞するのではないかと思う。ですから今の久保君の御質問に関連して、そういう立場で一つ大臣は、或いは吉田内閣はどういうこれはポリシーをおとりになるのかということを明示して頂けば、おのずから私はこの議題に対する郵政大臣のお立場なり、或いはポリシーがはつきりして来ると思うのです。ですからその点を一つ明らかにして頂きたいと思います。
○国務大臣(塚田十一郎君) これは二十二条と三条というものは、或る範囲においての裁量の余地というものを与えておりますけれども、今の給与べースの引上げというような場合に該当することを規定しているのではないということになつておるわけなんです。第二十二条の規定は、「事業量の増加により、その収入がこの予算において予定した金額に比し増加するときは、郵政大臣の承認を経て、その増加する収入金額の一部を、事業のため直接必要とする経費の支出に充てることができる。」ということになつておる。これで大体充てられるものは超勤でありますとか、超勤でありますとか、宿日直手当でありますとか、そういうものがこの規定ではできると、二十三条の場合にはそこにも書いてありますように「この予算の基礎となつた給与準則を実施するため必要を生じた場合において、」という制限があるのでございまして、どんな場合でもこの三百三十五億という総額を、郵政大臣が財源的にゆとりさえあればできるというようにはなつておらんのでありまして、ですからしてこの二十二条、三条もこの規定の範囲では、今度のような場合には、郵政大臣としては全然措置はできないと、こういう考え方なんであります。
○山田節男君 そうしますと、この法文から言えば、今大臣がおとりになるような解釈ができるわけです。そうしますと予算上不可能だと、まあ電電公社がこの裁定を呑むという立場で大臣が約二十七億二千万円というものを補正しましてこれに出しましても、予算総則第二十三条で、これは政府は受付けることができないと、こういう意味でおつしやるのですか。この点一つ確認しておきたいと思います。
○国務大臣(塚田十一郎君) この二十八年度の予算で郵政大臣も縛られ、公社も縛られておる。この範囲においては郵政大臣というものはこれ以外の措置はつかんと、そういうようになつておるものである。この規定というものはそういう考え方なんだと自分は了解をしておるわけなのであります。
○山田節男君 これは公共企業体、殊にこういう企業体は物価が上ると資材の価段が上る。それから既定の建設計画がそのために制約を受ける。それからそういうような場合にはこれは当然補正予算、追加予算ということはあり得ると思うのです。今日までも例えばこれは公社としての法律上のステータスは持つていないにしても、事実上の公社である日本放送協会でも追加予算を組む。その他政府の関係機関が追加予算ということは許されておる。これは私は当然の権限だと思うのです。そういう権限があるものを、電電公社が給与の、建設に関しての追加予算を出した場合にもそれじや受けられないのですか。給与だけは受けられる、建設のほうならば受けられぬ、こういう御意見なんですか。
○国務大臣(塚田十一郎君) この二十二条と三条の範囲では、補正予算とかいうそういう措置をしないで、これは許されると、そうでないものは補正予算の措置をしなければ許されないと、こういうようになつておると了解をいたします。
○山田節男君 私の申上げておるのは、大臣は第二十二条、二十三条に束縛されない、これは一応除けまして、電電公社からそういう一種の補正予算をお願いするというて、郵政大臣の承認を求めて来た場合にはどうなんですか。
○国務大臣(塚田十一郎君) これは補正予算を以て出して来ます場合には、建設の場合は勿論企業の場合でもこれは妥当であるということであれば持つて行けるわけでありますから、予算は出せないという考え方ではないのであります。どういう点をお尋ねになつておるのですか。
○山田節男君 その電電公社がこの裁定は呑みますと、資金上も可能であるということによつて、ここにある二十七億二千万円というものを他の建設勘定と一緒に補正して、そして国会に出す前に、承認を経る前に郵政大臣に託した場合には、これは拒絶することはできないのでありますか。
○国務大臣(塚田十一郎君) これは予算は郵政大臣が作るものでありますからして、公社が持つていらつしやつても郵政大臣がそれは適当である……、公社が持つていらつしやるというのは、補正予算をお出しになるという意味でなくて、補正予算の案を作る、草案を作るというだけで、これを案として出すか出さないかは郵政大臣がいたすわけでありますから……。
○津島壽一君 すぐ退席いたしますから、ちよつと簡単に伺つておきたいのですが、非常に初歩の質問ですが、仮にこの国会に提案して委員会で議決するといつた場合に、郵政大臣は予算を作つて出す義務があるのか。又それでも国会の決議は決議として、別に巨群の考慮によつて、これは又金が足りないからとか財源がむずかしいからそれだけは出せないとか、半分にするとか或いは全然無視するとか、これは政治問題かも知れませんが、どういうのでしようか。そこのところを承わつておきたい。
○国務大臣(塚田十一郎君) これはその点は随分問題にしておるのでありますが、私どもも法律的には、公社の場合には、郵政大臣の予算編成権が束縛を受けるわけはないのだ、併し政治的な意味においては、やはり議決が出る、そうしてそういう議決が出る場合にはその議決をなさる途中において政府側の意向も聞いて頂いて、結論が出るものと思われますから、大体その線で実現ができる見通しがつくものと、そういうことになると思います。
○津島壽一君 そこでその意味においては、国会の決議というものがあとで政治上の問題が起らないように、一旦決議すれば、政治の円滑を期するために郵政大臣なり政府がこれを補正予算として必要な金額を出される、国会も又これを承知して承認する。これは予算の問題になりますね。そこで始めての私のお尋ねでありますが、この裁定の理由というものを見てみますと、予算財源としても、補正予算を出す場合の財源は大体あるのだといつたようなことがここに公文書で決議されておるわけですね。それでこれを読むと、成るほどこれならこの最低の金額は出せるのじやないか、補正予算の財源は年度内の増収、或いは前年度の剰余金というか、その形はどうなるか、これはいろいろな問題がありましようが、財源がここにあるから、この裁定は実行可能だという結論をここに出しておる。それで我々にこれをどうだと、こう聞いておるのです。そこで問題は、裁定に書いてあることが事実なのかどうか、単純なる事実の問題、第二は、仮にこういうことがいいとしても、今大臣の言う通りこちらとほかとの均衡がどうとか、大きく言えば今のインフレ傾向との関係とか、実際大きな経済問題はありましようが、この委員会だけに関する限りにおいては、先ず第一段には、一体補正予算を出すについての財源の規定が可能であるかどうかという問題が我々聞きたいのですね。それが先ほど久保さんの言われたように、ない袖は振れんので、財源は出んのだ、こうこうでそれは間違いだというなら、これは国会で決議しても政府ではお困りでしようから、そういう決議はなかなか実行できぬと思うのですが、第一単純な事実の問題、それで全体の剰余金も財源の一つ。これは幾ら使える、ほかに使わんとした場合に……。それから本年度の増収の見通し、年度途中で正確ではないまでも、或る一定の見通しは合理的に言つて可能である。後年度においては事業の運用を改良すれば、従来の予算に見積つたよりも多少の増収は図れるとか、或いはほかの費目の節約で予算を組替える、そういうことは、一体どのくらい財源というものは可能で、而もそれが従来の事業に大きな支障を与えないで、又一方五年計画といつたものにも支障を生じないように、極めて合理的で、まあ何というか見通しの確実なものとしてはこのくらい余裕があるのだ、これ以上はいかんとかいうような事実ですな、そういう計数ですよ、それがあるとこれを捉えて、これは政府の言つたほうがいいとか、むずかしいとか、これは政府の言つたことにはこれはまだもう少し考える余地があるとか、それで可能であるかどうかという判断ができて、さて、大きな見地から、これは、これ自体は可能かも知らんが、併し今の国家の大局からいつたらどうであるとかいう問題になる。そこまで今日の段階で行くのは早い。先ず第一段の事実を私は確めないと、これを決議してくれというけれども、これは資料があるかという問題にぶつかる。それで今久保さんと大臣とのいろいろな質問応答によつてはまだどこかわからんところがあつて、どうもはつきり文書で書いて頂いた裁定案というものが、何だかこう浮び上つて来ているような感じもするのですね。それですぐこの場合こうだこうだという計数によつてずつと上べのことを私は聞こうという意思はないので、それがないとこの委員会としても、一体決議の内容を確信を持つてこれはいけないのだとか、これはこの裁定はいいのだとか、そうすると政治的に、政府にお出しになれば、その時分にそうすると、こういうものは実はないのだ。こういうことになるとまずいのではないか。そこで大分詳しく申しましたが、一つ今日今すぐここでそういつたような御説明を願えれば結構だけれども、なかなかこれはやつぱり事実をはつきり出して来るのは、相当人員も要るだろうし、いろいろむずかしいこと曇るだろうと思うので、まあ何というか、一定の期間にそういつたものを出して頂けば、私は少くともこれがいいか悪いか的確な判断ができるというように思うのですがね。まあこれはほかの委員の方からも御意見承わつて、どうなるか一つ委員会としておきめになることですが、ただそれだけのつまり意見というか、感じを述べて、実は退席するものですから、甚だ、途中質疑応答をお邪魔して……。
○委員長(左藤義詮君) 只今津島委員の御発言のように、郵政当局としての態度をもう少し突つこんでこの事実の問題一つはつきりして頂くようにお願いして、できるだけ又早い機会にこの委員会を再開するということで如何でございましようか。
○山田節男君 今の津島委員の御質問に関連してですが、先ほど私大臣に御質問申上げたのですが、この仲裁裁定について、政府が国会に提案された理由は、もう資金上はこれは問題ない。予算上不可能な、資金上は拘束を受けないという立場でお出しになつた。ですから資金についてはもうこれは論議の余地はないと思うのです。先ほど久保君もちよつと言われたように、今論議になつておる仲裁裁定の問題、仲裁裁定を呑むか呑まんかという問題なのです。手心を加えるということは、これは別個の問題です。厳然として法の命ずる調停委員会を経て、更に仲裁委員会の結果を得たのは、調停委員会と同じ額を裁定いたしておりますが、仲裁裁定というものは最後的なものなのです。これを政府が千四百円ほど増すというようなことはできないのです。これは新らしい一つの公社と政府の団体交渉の問題になつて来るのです。そこに私どうも混乱があると思うのです。これは公社と国会との関係を明記しておる。これに則つて大臣がここに出された。出されたけれども資金上、予算上、資金上じやなくて明らかに予算上不可能でありますということをおつしやつておる。ですから私がたびたび申上げて、なぜ予算上不可能なのか。それで今申上げた予算総則の二十三に束縛されておる、基準規則に……。それは不可能ですとおつしやるならば、政府はそういうふうにおつしやるならば、これは勿論政府の計画は読めるのです。読めるが併しこういう年末を控えて、こういう問題が毎年公共福祉の妨害になつて来るような結果になつて来るのですから、大臣は一つどういうふうにお考えになるのだということを昨日からお聞きしておるわけです。ですからもう仲裁裁定の問題と、それから今度政府は千四百二十円ぐらいでいいだろうということになれば仲裁裁定は要らないのです。今問題になつているのは、仲裁裁定のものを呑むか呑まぬかという国会の意思をお聞きになつておるのです。その点は一つはつきりしておいて御答弁願わんと、非常に団体交渉に行くべきものを裁定にかけて論議するから議論が混乱するわけです。ですからそういうことになりますから、先ほど津勘委員が言われたように、政府から見ての資金が可能かどうかということを聞ければ非常に幸いです。幸いですが、これはまあ第二臨時国会が果して開かれるかどうか、その期日がいつかということはわからないのです。而もこの問題を、若しこれから国会の意思を表明するということになれば、少くとも第二次の補正予算を組むまでに大体明瞭にしなければいけないわけであります。その点はやはり委員長の責任から十分考えてもらわなければならない。ただこれで終りだということでは済まないと思うのです。我々電通委員会に付託されている議案としましては、殊に運輸委員会として、過日の国会で、臨時国会の集会前に要望書を出している例もあります。衆議院においては、連合委員会で継続審査をいたしております。殊にこういつたような労働問題に関してこれでピリオドを打つてしまつて委員会ではやらないということは、それでいいかどうかということは、一応衆議院とは違いまして参議院はこういうように企業別によつて常任委員会を別個にして審議を付託されておるわけですから、この点は十分考えて頂きたいのです。今日で打切るかどうかということもお考え願わないと、あとにおいて責任問題が起つて来ないとも限りませんから、この点十分御考慮願いたいと思います。
○新谷寅三郎君 今津島委員の言われたのと大体同じようなことになりますけれども、結局この問題は我々予算書を見れば、その当時の説明はわかるのですけれども、予算上いけない。ですから予算をいろいろやりくりしてその後の増収やら、私先ほど懇談のときにしておつたような歳入欠陥の補填をどうするかという問題と併せて考えて、裁定に対してできるだけこれは誠意を持つてやらなければならんということは勿論ですが、どこまで一体やれるか、或いは全体やれるのか、或いは全体やれないのか、そういうことについての基礎的なお考えなり資料なりを、これは政府のほうから頂くべき筋合いだと思うのです。もつと形式的に言えば、裁定では津島委員の言われたように、こういうふうに或る程度財源は考えてできるだろうということを言つておるのですが、政府はできないとおつしやる。できないならばできない理由を数字的に説明される必要があると思うのです。併しそういう固いことではなしに、これをできるだけ裁定の線で持つて行くのにお互いに努力するとして、政府からそういうふうに資料の提示をして頂いて、そうして我々も会計の実態を見て、経理の実態をよく見て、そうしてここで判断して行かないと、非常に決議するのはやさしいですけれども、あとで決議してみたけれども実行できなかつたといういろいろな問題が生じて困ると思うのです。却つて政治的紛争を多くするばかりだと思いますから、それで私は津島委員の言われたように、そういうことを最短時間で政府のほうで検討されて、この資料を提供して頂きたい。その上で成るべく早く我々委員会としては資料の提示あり次第更に委員会を開いて検討を加えるというようにして行かないと、抽象論だけでは片付かないですね。殊に臨時国会が開かれますと、恐らく臨時国会が開かれないと我々意思表示はできないだろうと思うのです。ですから臨時国会が開かれるまでに意思を決定して、補正予算というようななにもありますけれども、併し委員会だけで参議院の態度をきめるわけには行かないので、やはり臨時国会を開いて、そこで我々委員の意向を本会議で反映して最終的決定があるわけですから、その決定があつてそこで政府が第二次補正予算が必要であれば、早急に第二次補正予算の提出の準備をするような段取りにならざるを得ないと思うのです。これらは形の上からいつて必ずならざるを得ないと思うのです。ですから臨時国会に入つてからなおこの問題についていろいろ審議をして時間をとるということを避ける意味で継続審議をしているんですから、その意味で成るべく政府も急いで資料を提示して頂きたい。臨時国会が始まれば、やがては我々参議院としての意思が表明できるような段取りにして頂くようにするのが、我々委員会としては一番適当じやないか、私はそういうふうに考えます。
○久保等君 私は臨時国会乃至は通常国会での問題は、今のところちよつと明確なことは、必ずしも新谷さんの言われるように、実は推測できないのではないかと思うのです。というのは、仮に臨時国会が開かれてそこで参議院における正式の意思表示をする、その意思表示に則つて初めて政府当局も国会に出すべき第二次補正予算の内容を検討して作り上げるというようなことは、実際問題として日時の関係から非常に困難じやないかというように鍵は現実問題として考えるのです。だから或いは形の上ではそういう扱い方にして行くのも結構でしようし、又そうするのが筋道だと思います。併し少くとも実質的には相当もう少し事前に委員会としても或る程度意向をまとめた形で、而もその又委員会の意向を考慮しながら、政府としても補正予算という問題をこれはやはり検討して行くのが非常に事実問題として事を取運ぶ上におしてむしろ便宜的じやないかと思うのです。形式的な扱い方はこれは私は重点をおかない、どつちでも結構だと思うのですが、臨時国会が始まつたときに初めてということではちよつと遅過ぎるんじやないかという気がするのですが、これは一つ今後の見通しの問題ですから、一応私別にして大臣に一つ、先ほど来いろいろ津島さん或いは各委員の方からも御意見が出ておるのですが、今朝かいろいろ大臣にお伺いした限りにおいては、とにかく数字的な点では明確な把握がどうも電通委員会としてはできないというのが各委員の方々の率直な気持だと思う。が併し、又これを若干私推測すれば、資金上はとにかくあると言えばあるとも言えるし、ないと言えばないのだというふうな気持が大臣の私は率直な気持じやないかと思う、実際問題として。私はそこで予算というものも大体そうだと思う、率直に申上げて。ただそこで一番重要になつて来るのは、やはり数字的な問題を持ち寄つて今後検討して、あるじやないか、いやないじやないかというようなことによつて問題が解決するのじやなくて、今度の仲裁裁定というものを実施することが、電通事業としては一体企業能力からいつてどうも無理なのだ、こういうことをやつてもらつちや電通事業というのは折角五カ年計画を作つて国民の熾烈な要望に応えたいという実は計画を立ててやるのが根本的に覆えつてしまうというような、非常に企業の健全性を害するということなら私は電通委員会としてもやり得ないという結論になるかと思う。併し問題は、今朝ほどから大臣も言われておるような程度の状況から判断すると、私はむしろ逆に又とにかくやろうという決意さえすればやれるんだということが結論として出て来るのじやないか。ただ問題は相当いろいろ困難性はある。併しとにかく大臣が肚をきめて予算的な編成をやつて出すと言われれば、やつてやれないことはないのだというふうに私は理解したほうが、むしろ今朝ほどからのあらゆる答弁を実は総合した結論として正しいのじやないかという気がするのです。そこで私は企業の健全性を害するかどうか、仲裁裁定を実施するということは。而もお考え願いたいのは、私は私自体が余りそういうことを申すとどうかと思つて遠慮しておつたのですが、少くとも従業員を納得させられるということをやはり相当大きなウエイトとして仲裁裁定の問題を処理する場合には考えて頂かなければならん。それで公社側並びに組合側同者を拘束をするのだ、これは論議の余地かない。ぴしやり三十九条できめてしまつておるわけですから、これを扱うことについては、少くとも組合側に言わせれば、私はなんだ、一万五千円というものは極めて不満だ、要求は一万八千五百三十二円じやないか、それから考えると仲裁裁定というものは、実に二階から目薬程度のベース・アツプにしかなつていないから問題にならんじやないかという気持は従業員の気持として率直にあると思う。だから実はそういう組合側の意向もあるから、とにかく問題は仲裁裁定だから、内容の妥当性はとにかくとして、仲裁裁定なんだというところのせめて私は組合側に若し不満があるとすればこれは納得させられる最後の根拠があると思う。そういつた性格の仲裁裁定であるだけに、こういつた従業員の気持が今後どう動いて行くかということも電通委員として十分考慮しなければならん問題だし、又郵政大臣としてはなお更だと思う。而も電通事業として五カ年計画を計画してやつとまあ始めたばかりだという、こういう重大な段階に立つて、一万五千円というものを実施することが電通事業にとつては拭いがたい将来に非常に不健全なる結果を招来するのだという判断が成り立つとすれば、私はこれ生或る程度止むを得ないと思う。併し少くとも問題はそこらを私は中心にして企業の健全性が害されるかどうか。それから先ほど来いろいろ言われておつたが、あらゆる点を場考慮して考えても、支払能力が絶対にないのだということなのかどうか。ここが私は最後のポイントじやないかと思うし、これに対してはもはや私はむしろ郵政大臣そのものの決断に待つ以外にはないのじやないかという実は状況だと思うのです。だから資料が不足とか何とかということは、これも私ども勿論資料が確かに不足と言えば不足ですが、併し今朝ほど来の大臣の御説明を伺つている限りにおいては、とにかくこうこうこういつた資金上の問題についてはこういう結果になつておるので、につちもさつちもどうにもならんのだという実は積極的な御説明が少くともなかつた限りにおいては、私はとにかく資金上の問題はあると言えばあるし、ないと言えばない、ただその点についてはいろいろ諸般の状況も勘案すると、なかなかどうも決断が下しかねるのだというのが私は大臣の率直な気持じやないかと実は考える。だからそこの重要な問題は企業の健全性という問題、而も先ほど一年度一年度を眺めてやはりやつて行くのが公共企業体のあり方じやないかと見ておつたのですが、私は公社の根本的な趣旨からいつたら非常に問題があると思う。これはそういう気持で少くとも国際株式会社にしたわけでもないし、電電公社という公社を作つたのでもない。少くとも昨年出された、吉田内閣として出された公社法なり国際株式会社法の提案の恐らく気持じや少くともなかつた。そういつたことと関連させて考えてみた場合においては、是非私は企業としての能力があるのかないのか、又今後の企業の一体健全性が害されるのかどうかということの判断ににかかつて来ると思う。こういう点を一つ中心にして私は大臣としての明確な実は御答弁を願いたいと思つておるのですが、ここでそう言つてしまえば実は結論がつくからそこまで一挙には言えないということなら、これは大臣に十分な御検討を願うことはあえて拒ばむものではない。問題はそこがポイントだと思う。この点について十分に一つ大臣の的確な御判断と決意を一つお願いしたいと思うのです。
○国務大臣(塚田十一郎君) 本日いろいろな御質問を受け、いろいろにお答えをいたしましたけれども、先ほど山田委員からも非常に話がこんがらがつてしまうというように又御指摘がありましたが、我々もその通りに思つておるのですが、ただ最初に申上げましたように、この形式的にものを考えて持つて行くと、又今の段階では政府としてはそうせざるを得ないのですが、その範囲においては山田委員も最後に御結論になつたように、予算はないのだし、今の予算総則でも措置ができないのだから、これは処置ないのだということになつて、それから先の議論は本当は今の国会に御審議を願つている議案の正式な範囲でもないことになるわけであります。併し事実問題としては、裁定が出ておつて何とか裁定を尊重する建前で何とか処置しなければならんし、又経済的な面においても処置しなければいろいろな今久保委員も御指摘になつたように、上げないで放つておいて、果してどういう影響が出て来るかということになる、その面のマイナスのほうが、却つて大きくて、それが経理というものの健全さを阻害するということはあり得るし考えなければならん。そういう面も他面に検討しなければならんところであります。併しそういう実質判断をします場合も、第一段に考えなければならんのは、やはり資金的に可能であるかどうか。そこでまあ恐らく形式的な予算がないからできないというのは、国会側もこれはもう議論のないところでありますから、恐らく御承認下さると思うのですが、その次に来たるべきものをいろいろ御判断になる場合の実質的なお尋ねを受けておるという意味で、私まあそういう意味においてお答えしておつたわけであります。ただそういう意味におきましては委員会におきましても、公社側からもいろいろお聞き下すつたろうし、私も恐らく委員会で公社側の御答弁になつたようないろいろな話は聞いて承知をしておるわけであります。ただ私が公社側から今まで伺つた程度の話では、もう少し自分としてもまだ腑に落ちない面があるから、もう少し検討して見て頂きたい。そうして自分も成るほど納得できる線というもので以てそれを基礎にしてその他のもろもろの判断を加えて最終結論を妥当な線で出して来る、本当に日本の電通事業が運営できて、健全な発達のやつて行けるような結論を出したい、こういうふうに考えておるわけであります。恐らく久保委員が今最後におつしやつたような気持とそう大きくずれていないと思いますから、どうか暫らく時間を貸して頂きたい。
○山田節男君 あとの質問はこれは速記をとめて頂きたいと思うのですが、速記を付けての質問は、これは今日の議題からちよつと離れますが、電電公社の事業を民営にするという、これはまあ巷間の噂がある、政府においてもそういうことを考えておられるかどうかという問題、それから第二には、今朝の新聞でしたか、この公社の監督機関を設ける、電電公社も含めた公社の監督機関を作るというような記事を見たのですが、行政整理の主管者としていろいろ御努力を願つおる大臣でありますから、この三点について一つ答えて頂きたい。
○国務大臣(塚田十一郎君) 監督機関を設けるという考え方ではないのでありまして、一応仮の名称、これもまだ臨時行革本部で一応お話合いがまとまつた程度で、まだそれぞれの主管の大臣とも話合いをしておりませんので、最終的なものではありませんですけれども、一応まあ公共企業体の合理化の審議会というような仮の名前にしております。それは公社制度というものが発足して、公社によつては若干年を経たものもあり、電通などは去年の八月からというようなことでありますが、今までの経験に照らして公社制度のあり方がこのままでいいかという基本の問題もありますし、そういう面を中心にした、他面公社経営の将来のあり方というものを本当に能率を上げて、まあ普通の企業であれば民間において自由競争という形で能率が自然と上つて来るべきものでありまするが、こういう形のものでありますから、そういう意味に驚いての能率化、合理化というものが考えられませんから、民間のそういう面において経験、知識を持つておられる人たちの知識を借り智恵をお借りして、公社というもののあり方全般について検討をして参る時期にもう到達しておるのではないかと、そういうような意味においてこの審議会を設けたらどうかというのが起りで、これによつて公社を監督するという考え方ではないわけであります。 民営問題は、先般或いは国鉄の問題についてでありましたか、総理が本会議において答弁になつて、考え方としては考えてみることは可能であるというようにお答えになつたと思うのですが、今のところまだ政府側において民営にするという考え方、殊にどれを民営にするというような考え方は何にも出ておりません。それから又、行革本部の立場からもそこまでは言つておらんのでありまして、むしろ行革の立場としてといいますか或いは私の考え方としては、民営にして本当に能率が上るというのにはやはり自由競争ができるということでないと駄目なんであつて、今のように仮に民営にしましても幾つかの会社を競争させて能率を上げるということは殆んど今の公社になつておる企業の場合には考えられないのではないか。非常に市場が狭いものですからそういう意味において民営に持つて行つでも果して民営としての効果が上るかどうかに多分に凝念があるものですからして、このままのあり方で、今申上げたような組織を利用して合理化、能率化が考えられるならば、それが第一段としてとるべき措置じやないか、こういうように考えておるわけで、今のところ民営という考え方は私の承知する範囲ではどなたからも強くは出ておらんのであります。
○委員長(左藤義詮君) ちよつと速記をとめて、 〔速記中止〕
○委員長(左藤義詮君) 速記を始めて下さい。 先ほど来各委員から資金上の実際について資料を郵政当局に求めておりますが、いつ頃お出し願えるのですか。
○説明員(金光昭君) 只今予算の問題は補正予算として出ておるわけでありまして、それにつきましてやはり或る程度政府といたしましても、郵政省といたしましても、大蔵省方面との下交渉等もやらなければ或る程度数字を固めるというわけにも行きませんので、一応できるだけ私どものほうは数字を固めたいと思いますが、委員会にお出しできるのは、やはり二十四日の休みの終了したあとの週でないと出ないのではないかと思います。
○委員長(左藤義詮君) 只今委員長から申しましたのは、先ほど各委員からのお話のように、どういうような、資金のやりくりをなさるのにおいて、仲裁委員会も出しておりますが、これと又立場も違つて、どういうような実情にあるのか。そのできるならできる、できぬならできぬという詳細な数字を頂きたいという、かような意味でございますが、併し今お話のような、いろいろ内部の事情もございましようから、二十四日以後の週に出る。これはできるだけ早く御協議を願うように要求しておきます。
○久保等君 何か今朝ほどから言われておる各委員の方々の御意見等も考え併せますと、又大臣としても何かその最終的にまとまつてしまつたものを出すという必要は私はないと思います。むしろ第一案、第二案、第三案というような形で出して頂いても結構と思います。若しこういう第一案で行けばこういう欠点が出る。第二案にはこういう長所があるが、又こういう窮屈さもあるというような、極めてフリーな立場でお出し願つて結構と思います。大蔵当局との折衝で相当地固めをしてしまつたものを出さなければならんというようになれば、今の金光監理官の言われたようなことになりかねないと思いますが、我々も事前に十分検討したいと思つておりますが、大臣も今朝ほど言われたように、寸分に一つ国会での考え方を聞きたいと言われただけに、すでに問題は国会に出されてしまつて、本来ならば電通委員会としても断を下さなければならないような状態に置かれて、今ごろ資料を出して頂かなければならないというような状態になつておりますから、その点は私は実は早くお出し願えないかと考えます。仮に臨時国会が月末か三十日までにも始まるということになり、電通委員会としても是非一つ臨時国会が始まる前には二、三日くらいは本日のような委員会を開かなければならんかとも考えております。そうしますと、その前には当然十分な検討もし、或いはここでそれぞれの当局に非公式の検討を加えられることも必要だと思いますが、そうなつて参りますると、二十四、五日以降の週としますと、それは結局十一月二十八日までの週になるわけですが、そうしますと、電通委員会そのものが或いは開けないかも知れないと思います。臨時国会前には。ですからもう少し一つ早急に、恐らく一週間もあつたら何とか……、全然五里霧中じや無論ないでしようし、すでに前のお話を伺えば公社側のほうからも第二次補正予算をよほど前に出されていたということもあるのですから、そういつたような意向を確めるについては極めて簡単に出ると思いますし、勿論大蔵当局との折衝もあるかも知れませんが、電通省当時とは相当事情が違いますし、郵政大臣が、いわば実質上は最終的な私は決断を下せる立場におられる大臣もたまたまここにお見えになつているのですから、今朝ほど来の意向も十分おくみ取り願えると思いますので、今日は十一日ですが、私は三十日くらいまでには何とかお出し願いたいと思うのですが、如何なものでしようか。
○国務大臣(塚田十一郎君) 成るべく御希望に副うように努力いたします。
○山田節男君 臨時国会が開かれれば、政府が第二次の補正予算を出すということは、これは考えられますし、又そうだろうと思うのですが、この裁定問題は臨時国会を開いて補正予算を出す、第二次補正予算は休会中に組む、而も早急に組む、こういうことになると、どうせこの裁定の問題は第三次補正予算には今から幾ら急いでも絶対に間に合わないのですね、ですからこれは修正予算であるのか、或いは更に通常予算に織込むのかということが問題になつて来ると思う。問題はやはり当委員会としては非常にあせつておるけれども、臨時国会が開かれれば来月の上旬だ。そうすると第二次補正というものは政府としては組んでしまう、臨時国会に出すのですから……。そこに審議する上において非常に今時期的に悪いと思うのです。ですから私はさつきから申上げることは、できるならば、今日、明日くらいにこの委員会の要望という程度くらいな案を出して、これを本会議にかけないと、参議院としての意思がきまりませんが、国鉄の仲裁裁定に対しては、運輸委員会が要望書を政府に出した。そういう程度のものでいいから、ここで委員会で出しておきたい。若し出せるものならば出しておけば、この補正予算の編成上、政府はこれを考えねばならん。この裁定を呑むか呑まんかにかかわらず国会に付託された電通委員会においては要望書を出すということになれば、これは政府は考慮しなければならんと思う。併しこの委員会で諮られておりませんので、或いは要望書を出す必要がないということになるかも知れませんが……。
○委員長(左藤義詮君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(左藤義詮君) 速記を始めて。 いろいろまだ御意見もございますが、只今各委員から郵政当局に対して資料の要求もございましたので、できるだけ早くこれをお出し頂くことにいたしまして、それが出揃いましたときに委員長、理事において相談をいたしまして、次の委員会を休会中にでも一つ招集をするということにいたしまして、本日はこの程度で散会いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(左藤義詮君) それではこれを以て散会いたします。 午後三時五十二分散会