P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
17回国会参議院1953/11/04

電気通信委員会 第1号

発言数
30
登壇者
5
会派数
3
開催日
1953/11/04

会議録

左藤義詮自由党

○委員長(左藤義詮君) 只今より委員会を開会いたします。  電気通信事業運営状況に関する調査及び電波行政に関する調査を議題といたします。  先ず郵政大臣の所管に属しております電信及び電話事業並びに電波行政について、塚田郵政大臣から説明を願います。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) それでは私から所管事項につきまして概略御説明申上げます。  去る五月に開かれました本委員会におきまして、御挨拶かたがた一応業務につきまして御報告申上げましたので、本日はその後において生じました当面の問題につきまして、御説明申上げたいと存じます。  最初に、電気通信事業に関する所管事項について申上げます。  先ず前国会におきまして御審議を頂きました有線電気通信等電気通信関係三法は八月一日より実施を見たのでありますが、目下その三法制定趣旨内容につきまして、広く一般に周知徹底いたしますと共に、その実施につきまして理解と協力を求めるよう努力いたしております。又国会におきまして承認されましたブエノス・アイレス国際電気通信条約につきましては、これが批准のための国内手続も完了いたし、近く公布を見る予定となつております。  なお、本条約は来年一月一日から効力を発生することとなつておりますので、当省といたしましても、これが実施に遺憾のないよう目下準備をすすめております。  次に、日本電信電話公社の給与問題について述べますと、現在公社は、昨年十一月から公共企業体等中央調停委員会から提示せられた調停案に基づく労働協約によつて、現行賃金を実施しているのでありますが、本年三月、基準賃金平均一万八千五百三十二円を中心とする要求が組合側から提出されまして、これにつきましては、十月十三日に公共企業体等中央仲裁委員会から基準賃金を八月以降月額平均一万五千円に改訂することを内容とする仲裁裁定書が提示せられたのであります。  これに対する政府の対処方針につきましては、目下慎重に検討いたしているところであります。  次に、相次ぐ災害その他の事情により、公社予算につきましても補正を必要とするに至りましたが、本補正予算は次の国会に提出して御審議を願う予定にいたしております。  以上で電気通信関係を終りまして、次に、電波関係について申上げます。  最初に放送関係について、現状及びその後の処理状況について簡単に申上げますと、先ず、標準放送でございますが、さる八月以降、日本放送協会の放送局二局及びいわゆる民間放送局二十三局に対して、予備免許を与えております。  十月三十七日現在、放送を行なつている全国の放送局は、百八十二局でありまして、そのうち日本放送協会所属の放送局が百四十九局、民間放送局が三十三局であります。  一方これをサービスエリヤの面からみますと、全国総世帯数に対しまして、受信可能見込世帯数は、日本放送協会の放送は、第一放送が約九九%、第二放送が約九五%、又民間放送は、大約八五%程度となつております。  十月三十七日現在、民間放送局については、開設を申請中のものが、二十七局、予備免許中のものが十三局ございます。  次にテレビジヨン放送につきましては、現在放送を実施しているものは、東京の日本放送協会のものと日本テレビ放送網のものとの二局でございますが、日本テレビ放送網は去る八月二十八日から放送を開始いたしましたことは、御承知の通りであります。  日本放送協会の十月二十日現在におけるテレビ受信契約者数は、五千二百六十八となつておりまして、逐次増加の状況を示しております。  なお、日本放送協会のテレビジヨン放送局は、十一月上旬、現在の五キロワツトから十キロワツトに増力の運びとなつておりまして、これが実現の曉には、放送受信可能世帯数は二倍強となる見込であります。  テレビジヨン放送局につきましては、前記二局のほか予備免許を与えられて、目下建設中のものにラジオ東京のものが一局あり、又、十月二十七日現在、申請中のものが二十一局ございます。  次に短波周波数の切替について申上げます。  アトランテイツク・シテイ国際電気通信条約に規定されておりますところの周波数帯分配表を実施するため、昨年四千余の無線局に対し、四メガサイクル以下の周波数の指定変更を行なつたのでありますが、本年もこれに続きまして、四メガサイクル以上の船舶無線電信周波数を新国際周波数に変更するための措置をとつたのであります。  これに該当する無線局は二千二百局余りでありまして、本年十二月中には新周波数への切替が完了する予定でありますが、変更を行つた無線局に対しては、電波法第七十一条の規定によりまして、変更に伴う損失を国が補償することになつており、その金額は、大体一億二、三千万円を必要とするものと思われます。  最後に、電波監視の状況につきまして簡単に御説明申し上げます。  電波利用設備の急激な増加によりまして、現在国内だけで二方にのぼる電波が発射されており、これに国外からのものを加えると非常に大きな数字になるのであります。而も、電波科学の発達に伴つて新しい技術による電波が常に現われて来る状況で、現在の設備と人員を以てこれを完全に捕促するということは誠に容易なことではないのであります。殊に無許可のいわゆる不法無線局につきましては、合法無線局の電波を擁護して、その円滑な利用を確保するという見地からいたしましても、絶対に排除しなければならないところでありますが、この種無線局は、その設備の点及びその運用方法から見ましても、これを摘発することは非常に困難を伴つている現状であります。併し、わが国電波界の健全な発達を図るため、且つ、国際的協力の責任を果すために格段の努力をいたしたいと考えておるところであります。  以上を以ちまして、私の御報告を終りたいと思いますが、なお、詳細の点につきましては、御質問によりまして、お答え申上げたいと存じます。

左藤義詮自由党

○委員長(左藤義詮君) 郵政大臣に対する質疑はあとに廻しまして、次に、日本電信電話公社の運営状況について、靱副総裁から説明を願います。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○説明員(靱勉君) 前の委員会におきまして、電信電話公社関係の国政調査をされまして、いろいろと有益なる御意見を拝聴いたしました。これにつきましては御意見の趣旨に従いまして、今後善処いたしたい考えでございます。本日はその後の状況につきまして若干御報告申上げたいと思います。  最初に、本年度は御承知のように災害が激しかつたのでございまして、西日本の水害が六月、南近畿水害が七月にありまして、台風十三号の被害、これらを加えまして通信施設に相当の大きな災害を受けた次第でございますが、応急復旧費としましては、現在のところ十二億四千六百万円程度に上つております。今後本復旧をいたしまして、施設の改良等をいたすためには、建設勘定予算として十億余りの補正を要するものと考えておりますが、応急復旧の分につきましては、予備費を使いまして支出すると同時に、台風十三号におきまして約三億三千万円余りの応急復旧費を要しておりますが、これは損益勘定の収入増を以て支出して行かなければならんという状況でございまして、この点につきましても予算の補正を要するものと私は考えておる次第であります。  大体におきまして、勿論現在におきましては、全部一応平常の状態に戻つておる次第でございますが、併せて従業員の被害を御報告申上げますと、職員の死亡が五名、負傷者が百三十名、家族の死亡が十四名、負傷者が三十七名、家屋流失、全壊が百八十五戸、半壊が三百六十戸、家財三分の一以上流失が八十四戸、浸水が六千四百四十三戸、こういうことになつておりまして、それぞれ適切の措置を講じた次第であります。なお、この災害の教訓に鑑みまして、通信施設の構造上におきましても今後措置を要するものがありますので、それにつきましても十分な措置をいたしたい、こういう考えであります。  次に、公衆電気通信法施行の状況でありますが、先ず第一に、料金値上げの影響でございます。電報につぎましては、殆んど影響なく予定の通り実績を上げておる次第でございますが、市外電話につきましては、実は市外通話、市内通話共に、まだ八月分が漸く材料が集まつたのでこざいまして、九月の分はまだ集まつておりません。御案内のように一月あとに遅れまして、調整されまして、更に料金を収納するという形になつておりますので、かかる状況になつておるのでございますが、八月と前月の七月と比較いたしてみますと、市外通話におきましては、一加入当り四%の利用減になつております。私どもの当時の予想といたしましては、予算上におきましても五・五%を考えたのでございますが、四%程度になつておりまして、これは予想より利用減が少なかつた。併しながら市内通話、これにつきましては、私どもむしろ利用減は少いと見込みまして、四%の予想をいたしておつたのでございますが、一四%の利用減ということで、誠にこの点は意外な状況であります。基本料均一制の局の料金につきましては、これは利用減ということなく堅実に入つて参りますので、ごの点は予算通り入つて参る、こういう形になつておるのであります。これは八月分だけでございまして、これを八月と七月と比較しただけでございます。八月は例年におきまして大体通信の需要は少くなる月でございますので、これを以て全体を予想することはできないのでございますが、私どもといたしましては平均、全体として二割の増収を得るということは、年度内におきましてそれは達成し得るものと考えております。更に二十七年度の末におきまして、相当施設を増加して参つております加入電話の例をとりましても、十三万程度の予定に対しまして、共同電話を含みまして十八万程度の加入者の増がありましたので、これらを考えてみますと、料金値上げに関係なく、施設増に伴う収入増というものは考え得る。これらは大体におきまして、年度内に全体としまして二十五億程度あるのではないか。尤もこの中には駐留軍関係の請負工事の八億というものを含んでおる次第でございますが、大体そういう見込を立てております。併しながら一方におきましては、これに伴つての支出もあるわけでございまして、殊に災害等によります応急復旧費等にかかる収入増から賄つて行かなければなりませんし、又奄美大島の復帰ということに伴いまして、やはり年間における収入の関係は、奄美大島におきましては勿論赤になつている、そういうものも損益勘定の収入を以つて賄つて行かなければならないという状況になりますが、大体料金問題につきましては、予定通りの実績を得るものと考え、又施設増に伴い増収あるもの、こう予想している次第でございます。  次に、PBXの関係でございますが、只今のところ大した影響を来たしておりません。御案内のように、私営を認めてゐるということになりましたので、非常に私営が多くなるかという点が問題でございますが、八、九月の状況におきましては、咋年度の実績と殆んど変つていない、こういう状況になつております。なお施行法におきまして、在来負担金を負担して頂きまして殆んど所有権も公社に移りますし、又財産としましてのPBXの施設の所有権も戻らないような形になつておりましたのを、社債を持つか、或いは又所有権を元へ戻すかというふうな措置が施行法で講ぜられておりましたが、現在交換機はその対象となるべきものが二千三百余りございます。只今までの交換機を、所有権を戻してもらいたいという請求は九十六件ございまして、むしろ所有権は公社側に在来通り渡しておくが、それでは社債の交付を受けたいという希望を出された数が九百六台ということになつておりますので、その他来年の一月までに請求がない場合におきましては、これは全部社債を交付するという形になつておりますので、所有権をどうしても引取りたいという方は割合に予想より少いような感を現在は持つている次第でこざいます。  なお、技術基準の設定、或いは構内交換設備工事担任者の資絡試験等は、これを規定通り実施いたしまして、或いは資絡試験につきましては、第一回を八月に行いまして、第二回を十月の十八日にやつておリます。第一回の受験者数四千六百名余りございましたが、そのうち合格者数は五二%の二千四百名余りということになつております。第二回の結果は、地方の通信局においてわかつておりますが、まだ確定いたしておりませんが、受験者総数は四千八百名余りでございまして、大体七〇%までぐらいは合格するのではないかというようなことに相成つておる次第であります。  次に、その後のサービスの状況でございますが、加入者数は九月末に百六十二万四千ということになりまして、現在までに増加が八万八千ということに相成つております。併しながら新規の需要は増加しておりまして、四月初め三十九万の積滞数がございましたが、九月末までに八万余り殖えましたにもかかわりませず、なお積滞は現在四十四万というふうに殖えておる状況でございます。  市内通話の完了率は、六大都市いずれも改善を見ておりますが、市外通活におきましても、東京-仙台、大阪-福岡、大阪-広島の区間が非常によく改善されておりまして、例を東京-仙台にとりましても、在来特急通話一時間十八分が四十五分になつておるというような成績を示しております。現在非常に悪いと思われますのは、東京-広島間三時間程度、東京-福岡二時間程度でありますが、この十二月までには回線を増設いたしまして、一時間程度になる見通しでございます。なお東京、大阪、名古屋間に長距離の即時通話サービスを九月一日から実施いたしましたが、この成績は良好でございまして、殊に利用数が実施前に比べまして二倍半くらい増加しておる、こういうことでございまして、料金収入としましては、この区間は料金はむしろ実際におきましては、特急通話が完全になくなりましたので安くなつておりますが、その絶対額の料金収入としましては二割程度増加という形になつております。この即時通話実施に伴いまして、当然でございますが、定時通話或いは電報が減少いたしております。  次に、四月から八月までの五ケ月間の月次決算ができておりますが、その収支の状況を見てみますと、累計で収入の残が十五億ということになつております。昨年度同期におきましては、三十三億の剰余が出ておつたのでございますが、本年度は十五億、これの内容は必ずしも悲観すべきものではないのでありまして、昨年度非常に多かつたという点につきましては、国際通信の収支というものが大きく関係しておりますし、又駐留軍からの収入がまとまつて入つて来たという点で昨年度は非常に多かつた。大体私ども、先ほど御説明申したような年度全体の収支というものは予定通り、或いは自然の伸びというものが相当見込まれる、こういう状況になつておるわけでございます。  なお、前年度と本年度におきまして問題の点は、建設工事が順調に行くかどうかという点でございますが、前年度におきまして相当の繰越しを出しているのは非常に申訳ない次第であつたのでありますが、本年度は公衆電気通信法施行後におきまして、公社としましては工事の促進ということを非常に大きな題目として取上げまして、各通信局を激励いたしますと共に、本社の工事につきましても、積極的に施策を講じまして、現在工事の推進を猛烈にやつておる次第でございますが、まあ御承知のように非常に災害があつたという以外に、非常に雨が多くて、外部の、屋外における工事等におきまして非常な支障があつた次第でございますけれども、現在の状況から見ますと、我々が予定いたしておるように、非常に前年度に比べて格段の成績が上げ得るものと、こういう予想を持つて、なお今月以降三月までにおきましては、毎年いわゆる書入れ時でございまして、この間におきまして、職員が十分工事につきまして責任を持つてやつて頂きますならば、前年度とは格段の工事の進捗率を見ると、こういうふうに考えておる次第でございます。  それから電信電話債券の消化状況でございますが、加入者や受益者に引受けて頂く債券は、九月末におきまして二十八億四千万円に達しております。年間の予定額に対しまして五九%に達しておりますので、成績は良好であるというふうに考えておる次第でございます。  なお本年度から始めて発行されます政府保証の債券でございますが、八月に十億、九月に十億、十一月、今月におきまして二十億という予定になつておりますが、八、九月は消化ができました。今月におきましても国鉄債等の状況から申しますると、そう楽々とできるものではありませんが、電信電話債券十一月に十億も先ず消化できるものと予想いたしております。なお今後の予定といたしましては、一月に二十五億、三月に十億と、こういうような予定になつておるような次第でございます。  以上大体公衆電気通信法実施に伴うところの状況の御報告でございますが、奄美大島の引継ぎにつきましては大体直轄局と申しますが、公社に引継がるべき人員は百八十八名程度でございまして、施設としましては、加入者は六百八十名、うち名瀬の局に三百四十九名の加入者がございまして、あと海底線、或いは無線によりまして、通信が島外と連絡をとられておるのでございますが、無線施設につきましては状況が悪いのでございまして、これは引継ぎ後におきまして全部取替えを要する状況になつております。従いまして本年度及び来年度におきまして島内の通信施設の改良ということがどうしても必要でございますので、施設勘定予算にこの点は追加を要するような次第になつておるわけでございます。  なお最後に、職員の給与の問題でございますが、三月に組合から一万八千数百円の基準賃金の要求がありまして、私どもとしましては到底これに応じ得ない。殊に当時におきましては、昨年十一月に約三割余り上げましたべースの実施直後でございまして、容易にこれは応じ得ないということで、団体交渉を八回ほど重ねましたが、遂に妥結に至らず、五月に調停委員会のほうに持込まれた次第でございますが、七月に一万五千円ということに改訂すべきであるという調停案が提示されまして、これに対しましては、組合は一万八干数百円の要求でありましたので、組合におきましては、これは受諾できないという回答をいたしましたし、公社側といたしましては、おおむねその額は妥当であると考えますが、一万五千円ベースを実施するためには予算の補正を要するという点等も考えまして、応諾できないという回答になつたのであります。そこでこれは仲裁委員会のほうに移りまして、十月に至りまして調停委員会と同様の一万五干円というベースが示されまして、これにつきましては、郵政省のほうに対しまして、私どもとしましては予算の補正を要するものとして補正予算を提出したわけでございます。案を提出したのでございますが、政府といたしましては、二日に裁定を国会に出しまして国会の御審議を経るということになつておるように御返事を頂いておる次第でございます。  以上極めて簡単でございましたが、その後の状況を……。

左藤義詮自由党

○委員長(左藤義詮君) 靱副総裁の説明に対し御質疑がございましたら。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 今の靱副総裁の最後の電電公社の仲裁裁定の問題、これは今議運で漸く政府のほうで提案理由を説明して質疑を許すという段階に今きまつたのですが、それでいろいろ質疑応答で究明されると思うのですが、専売公社と電電公社とは違つて、電電公社の場合は、こういう給与の総額の問題に対しましては、従来国鉄とか、専売公社とかは法律で非常に固苦しく束縛されておる。国鉄、専売公社が給与総額をきめられるというために、困つておるという事例も見、私も公共企業体労働関係法を制定するときに労働委員長という立場にあつたものであります。従つて非常に過去の苦しい経験から電電公社法に対しましては、この給与総額に対しては相当伸縮性を持たせて立法しているということは副総裁も御承知の通りなのであります。今の副総裁の御説明を聞くと、政府が仲裁裁定の一万五千何がしの金を補正予算で組んで出されたと言うのでありますが、それは今の電電公社法の何条だつたか、今ちよつと忘れておりますが、要するに給与総額に対して伸縮性を持たしたということは、国鉄とか専売公社とは違つて、そういう点はかなり伸縮性を持たせて立法したのです。ところが今副総裁のお話を聞くと、やはり国鉄、専売公社と同じように非常に束縛されているように拝聴するのですが、この点はどうでしようか。我々折角作つた給与総額に対する伸縮性を持たした、たしか物価、生活費が高騰した場合には云々ということがあつたように思うのですが、この条文を活かして、この際使うということは副総裁としてはできないのですか、これを伺いたいと思います。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○説明員(靱勉君) 公社法におきまして給与総額につきまして、若干の、私ども若干と申上げるのですが、弾力性を持たして頂いております。併しながら御承知のように公社法の七十二条におきまして、「公社は、その役員及び職員に対して支給する給与について給与準則を定めなければならない。この場合において、この給与準則は、これに基く一事業年度の支出が国会の議決を経た当該事業年度の予算の中で定められた給与の総額をこえるものであつてはならない。但し、経済事情の変動、その他予測することができない事態に応ずるため、特に必要があつて、郵政大臣の認可を受け、国会の議決を経た金額の範囲内で、臨時に給与を支給する場合については、この限りでない。)」ということになつておりますが、このいわゆる「国会の議決を経た金額の範囲内で」というものにつきましては、二億ということに二十八年度にはなつておるのであります。この範囲内で郵政大臣の認可を受ければ、これは使えるという形にはなつておりますが、八月から、調停委員会のほうにおきましては四月からということになつておりましたが、仲裁のほうの裁定によりますれば、八月から一万五千円ということになりまして、これをこのまま実施いたすといたしますと、本年度におきまして二十七億八千七百万円余りを必要といたすのであります。到底これを現在の給与総額或いはかかる弾力性のある条項を以て処理し得ないことは明らかなのであります。そういうような状況でありますし、殊に裁定というものにつきましては、御承知のように組合も公社の経営者側もこれに拘束されるのでありまして、これを若干割つて出すとか何とかいうようなことも勿論できませんし、又それでは組合との間に話合いも勿論つかない。裁定は当然両当事者をこれによつて拘束する。政府がこれに拘束されないというだけのものでありますので、私どもとしましては、当然補正予算案を作りまして政府のほうにお願いする、こういう形をとらざるを得ないのであります。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 今の仲裁裁定の一万五千なんぼの補正予算の金額をもう一遍幾らになるのか、伺いたい。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○説明員(靱勉君) 八月実施という裁定通りやりますと、二十七億八千七百万円余りかかります。更に新聞等の報道によりますと、年末手当〇・五を支給するというがごときことが出ておりまして、私ども年末手当につきましても考慮して行かなければならんといたしますと、仲裁のべースに基きまして〇・五を支給するとしますると、更に十一億七千九百万円余りの財源を必要といたすわけでございまして、両者を合せますれば、裁定は勿論年末手当のことには触れておりませんが、両者仮にこの通り実施するといたしますれば二十九億ばかりかかるということになるわけでございますし、平年度におきしては一万五千円のべースにするだけで四十一億余りかかる次第になつております。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 その八月以後を十月と二月ずらすと金額は幾らになりますかそれはわかりませんか。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○説明員(靱勉君) わかります。大体月三億五千万円程度かかるのでございまして、十月実施としますと、二十億七千万円余りになります。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 この公社の仲裁裁定、今国会に政府が提案理由を述べんとするものは八つあるわけです。八つありまして、少くとも電電公社、国鉄、専売公社、それから郵政、これは八つの中で四つは、数においても金額においても非常な額に達するわけでありますが、電電公社として、補正予算を組んで政府に給与改訂について出される場合に、八つの公社、或いは八つでなくてもその中の六つとか、五つとか、四つとか、公社の責任者の間において仲裁裁定について我々はどういうような態度をきめるかという、そういう横の連絡は全然なかつたのですか。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○説明員(靱勉君) 当初におきまして、国鉄、専売が先に出まして、殆んど数日おきまして我々のほうの裁定が出た。勿論公社同士の相談と申しましても、いろいろ実情を語り合うということでありまして、これはもうこれだけの額になりますと、どうしても国会に補正をお願いしなければならんという状況でありますので、又政府のほうにおきまして、御承知のように予算の調整権をお待ちでございますので、政府のほうに主としてお願いする、或いは実情をよく御説明するというようなことをやつておる次第でございます。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 そういたしますと、八つの公社に対する仲裁裁定の額を、八つの公社の中では払い得るものと、それから払い得ないもの、いわゆる自主的経営の立場から、余裕のあるものとないものがあるのではないか、かように我々は想像するのでありますが、電電公社しては、例えば八月以降の二十七億、或いは十月以降として二十億二十億七千万ですかの金を支出し得る財政上の余裕はあるのでしようか。あるのかと申しては失礼ですが、仲裁裁定を呑んで、それに予算があるのか。或いは仲裁裁定のことだからして、これは止むを得ずそういう財政上の余裕があろうがあるまいが、その裁定を呑んで、補正予算を組んで政府に出されたというのか。どつちなのか。その点を一つ明らかにして頂きたい。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○説明員(靱勉君) 裁定の効力といたしましては、公社といたしましてはどうしても出さなければならんという形になるわけであります。在来或いは料金収入にその事業の財政というものがかかつております場合には、料金改訂をしてまで裁定を実施したという例もございます。又一時借入金によつてやれる場合もある、或いはその他の経費の流用等によつてやれる場合も考え得るわけでございますが、御承知のように私どもの事業におきましては、この八月一日から料金の改訂をいたしたのであります。当時の改訂の予算といたしましては、二割五分の全体の平均収入の増収があるという見込で七十六億というのを建設勘定に繰入れるというような予算になつておつたわけでございますが、それが二割になりました関係上、当時の国会の御論議におきましても、五十一億程度というものは建設勘定に入る、二十五億その間財源が不足するが、これは別途考慮するということに現在相成つておるわけてございます。この五十一億というものは、先ほど御説明いたしましたように、大体料金値上げの実績というものは予算通り行くものと私どもは現在考えておりますが、これは飽くまで損益勘定の計算から申しますれば剰余金でございます。予算上から見ればまさに剰余金でありまして、五十一億を建設勘定に繰入れろ、或いは政府の納付金にせよというような法律もないのでございまして、ただ勿論これは当時料金値上げの理由といたしまして、利子の支払、償還に充てる、その時期まではそれを建設勘定に入れて使つて行くのだと、こういう形になつておりますから、私どもといたしましては、この五十一億を目当にやるということは実質的には到底できない。併しながら予算の形式から申しますれば、明らかに五十一億というものは剰余金である。先ほども御説明申上げましたが、これ以外に増収がないかという点につきましては、大体二十五億程度はあるものと考えております。裁定書の最後のほうに、公社は前年度におきまして四十三億の純益を上げ、本年度におきましても三十億くらい増収があるだろうということを謳われておるのでありますが、二十五億という増収はほぼ私ども考えられる。或いは三十億くらいかも知れませんが、私どもこの点についてはそう楽観的には考えられない。昨年の状況と非常に違う点は、先ほども少し御説明申上げましたが、国際通信の収入支出というものが本年度は完全になくなつておる。更に昨年におきましては、十一月からベース・アツプをやつたのでありますが、現在そのべースは四月から九年度私どもの事業で負担せにやならんという状況になつていますから、普通の状況におきましては、昨年度より剰余金が少くなるということは当然予想されるのであります。ただ幸いにしまして二十七年度にかなり開通工程を予算以上に増加いたしましたので、本年度その収入というものは、二十八年度予算を組んだ当時より殖えて参つております。従いましてこの二十五億程度の増収というものが期待はされますが、すでに御承知のように災害というものによりまして、相当の、全体としましては三十億余りの金が要るわけでございますが、損益勘定で負担すべきものをこれは当然出さにやならん。更に二十五億も、その中には駐留軍の委託工事の八億というものが入つておりまして、これは通り抜け勘定ですから、収入があると同時に支出もある。即ち二十五億から八億引いたものだけが増収というふうな関係になる。更にその増収の中でも、私どもとしましては、国際電信に転出した者の退職手当が余計かかつたというのも負担せにやなりませんし、又それだけ前年度末に工程を増しておりますので、私どもとしましては、人員の増加も認めてもらいたいというような支出の増も考えて参りますれば、これによる純益と申しますか、剰余金となつて最後に決算されるものは二十五億とか三十億なんてものは到底出るものじやありませんで、私どもの予想としましては三億から六億くらいの間ではないだろうかというふうに考えられるような次第であります。そこで予算上から申しますれば、五十一億という剰余金がともかく出て来る。それに三億か六億くらいなものがありますから、予算を組めとおつしやればそういう形はとれるのでありますけれども、これにつきましては、私ども補正予算案はまだ郵政省と大蔵省におきまして審議をいたしておる状況でありますので、その詳細な内容を私どもから申上げるのは差控えさして頂きたいのでありますが、一応裁定の効力からしましては、いろいろと財源を見つけまして補正予算を作つて政府に提出した、こういう形になつておる。それで完全にできるとか、十分資金の余裕があるのだということは、もうかかる事業においては当然あり得ないことでございまして、非常に詰つた予算で、収入増と申しますか、伸びが非常にない限りはなかなか一割程度のベース改訂ということは、そのままで実行できる事情では絶対ない、こういうふうに考える次第でございます。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 委員長にお伺いするのですが、今日本会議でこの八つの仲裁裁定に対する政府の提案理由の説明があつて、質問を許しているようですが、これは正式に議運から、電電公社の仲裁裁定に対する審議を一つ付託されるように御努力願いたい。その上で、今の靱副総裁の答弁に対する質問もありますが、これは又労働組合のほうも聞かなければならない。ですからいずれこの本会議が終りまして、正式に本委員会に付託された場合質問できるように一つお願いして、私の質問をこれで終ります。

久保等日本社会党(第四控室・左)

○久保等君 副総裁にお尋ねしたいのですけれども、先ほどの御説明で経過は一応わかり、且つ又裁定に対する公社の一応の考え方も、当然これは拘束をされるものである、労使双方が拘束をせられ、従つて公社当局も拘束されるものであるという大原則を前提にして、それの処理の模様について、その後補正予算の編成についても、郵攻大臣にすでにそういつた補正予算の公社案というものが提出せられておるというような御説明もあつたわけですが、問題は、公社といつても、国鉄専売より以上に、少くとも電電公社法というものが昨年作られた経過自体は今更申上げるまでもなく、特に企業の自主性というようなことがより強調せられて公社法が昨年制定せられておるわけなんですが、そういうような観点からすると、やはりこういつたものに対する判断の主軸にならなければならないのは、やはり電電公社当局そのものの判断が非常に重要だと思うのです。それで裁定を実施するに当つて、企業の能力が果してあるかどうかという問題が非常に重要な問題になつて来ると思うのです。先ほど来言われております内容からすれば、とにかく予算上やり得る勿論状態には現在ない。それから又、楽々と仲裁裁定というものが実施されるような実情にもないというようなことを言われておるわけであますし、むしろ何といいますか、この前の本予算、昭和二十八年度の本予算が国会で審議せられております際には、むしろ予想しなかつたような災害等も、その後出て参つておりまするし、いろいろな実情から不測の支出も必要とするというような点から、裁定の実施も非常に困難視されるが併しながら、いろいろな実情、例えば昭和二十八年度から、現在始めて着手したばかりでありまするけれども、電信、電話拡充五カ年計画というようなことも、やつて実施に移つた段階だというようなことで、非常に重要な電気通信事業としても、新らしい発足の段階に立至つておると思うのですが、勿論その場合、何といつても予想通りの実績を上げられるかどうかということは、一にかかつて従業員の勤労意欲というか、事業に対する熱意というようなことが勿論大きなウエイトを占めることは当然ですが、そうなつて参りますと、この仲裁裁定の問題と同時に、当面公社当局が考えておる五力年計画の問題とこれは極めて切つても切り離すことのできない重要な相関関係にあると思うのですが、そういつたようなことも両者勘案しながら考えた場合、やはり公社当局としては、若干の無理が仮にあつても、むしろ大きな意味での企業の健全な運営ということを考えて行つた場合には、仲裁裁定というものをどうしてもむしろ実施しなければならないというような判断にもなつて来るかと思うのですが、要するに政府が仮に仲裁裁定が実施できないと、実施困難だという理由を、若し政府の気持を察して申上げますならば、予算上、要するにそういう予算の上では余裕はないというようなことが直接的な実は理由だと思うのですが、併しながら飽くまでも事業を直接あずかつておる公社そのものの私は立場からするならば、補正予算の問題は当然、先ほどの大臣の説明でも、第二次補正予算として近いうちに国会に提出をしたいというようなことも言われておるわけなのですが、それが何月何日かは別として、とにかく災害その他の事情、その他の事情の中には仲裁裁定の問題も私は含まれておると推察するのですが、その点は、後ほど大臣からその点についても明確にお答え願いたいと思つておるのですが、そういうようなことで、政府当局としても目下いろいろ検討を加えておると思うのですが、公社当局が、要するに、むしろ直接責任を持つておる立場から考えるならば、仲裁裁定は何とか実施しなければならないし、そのことは又実際問題として資金上、予算上、予算上の問題については、国会での審議が条件にはなつて参るでしようけれども、主対的な企業そのものの内容からするならば、まだ実施ができないことはない。実施できるという、結論的にそういうことにも理解できるのじやないかというように思うのですが、そのあたりを、勿論手放しで公社が仲裁が実施できるかどうかと言えば、これは手続的な問題もあるし、予算上の問題もあるので、公社そのものだけで裁定を実施しろと言われても無理だということになると思うのですが、企業の健全性といいますが、企業の能力として、私は実施して実施し得ないとは言えないのじやないかと思うのですが、その点について公社の副総裁から一つお伺いいたしたいのですが、もう一遍繰返して言うと、企業の能力として、実施しようと思えば必ずしも実施できないことはないというふうに理解していいのかどうか。一つ御答弁をお願いしたいと思うのですが。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○説明員(靱勉君) 只今の御意見で、その職員の勤労意欲と申しますか、五力年計画を完遂して行くという意味におきまするところの職員の士気の問題は、これは私ども経営者としても非常に重要な問題であると考えております。そこで裁定につきまして能力ありや否やという御質問でございますが、先ず第一に、裁定を完全に実施したいということは、単に経営者だけでなく私は政府も全く同感であると信じております。併しながら政府としましては予算上の措置を講ずる場合におきまして、公社の収支の状況、要するに健全なる企業がやつて行けるかどうかというような点も、予算の調整権を持ち、国会に予算を提出する機関としまして、当然御検討になるのはなる次第であります。そこで只今申上げましたように、計数的に本年度の収支状況を御説明いたしておるのであります。我々の企業が、二十七億八千七百万円、八月から実施するとしましても、それだけのものが完全に剰余金として出るような、余裕は持たれていない。これは何と申しましても、企業の自主性とおつしやつておりますが、公社の事業というものは、飽くまで国の予算に準じた予算に拘束されてやつて行くわけであります。料金の問題につきましてもそういう観点から、国会において定められるという形になつております。只今の本年度の収支の状況から見てどうかということならば、先ほどお答えいたしたように、前年度に比べて純益と申しますか、剰余金というものは、料金値上げの分と差引きますならば、そう楽なものではありませんし、額が昨年度に比べて相当、むしろ三億か、六億か、或いはもう少し伸びるかも知れませんが、先す一応の予想としましては、その程度が安全ではないかというふうに考えております。同時に政府当局のほうに補正予算案を出す場合におきましては、二十九年度の見通しもつけまして出している次第でありまして、私どもこれを完全に実施するということは、先ず不可能ではないかというふうに考えておりますが、できるだけ裁定の線を活かしたいというのは、経営者の当然の考えでありまして、そういう線に沿うて補正予算案というものを、公社自体としては政府のほうへ提出しているような次第であります。

久保等日本社会党(第四控室・左)

○久保等君 なお重ねて御質問しますが、公社は現在郵政大臣に補正予算案を出しておられると思うのですが、その内容は、当然公社当局の先ほどの御説明からすれば、裁定を実施するという考え方の上に立つて補正予算を出しておられると思うのですが、その点は如何なんですか。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○説明員(靱勉君) これは先ほどお答え申した通り、公社乃至組合を裁定というものはこれは拘束する。あたかも協定があつたと全く同様なんでありまして、従いまして公社としましては、これに兼合うように補正予算案を出す。これを政府、国会が御審議になるという形でございますから、一応完全実施の形で予算案を提出するわけであります。その内容の細かい点につきましては、今郵政省なり、大蔵省のほうにいろいろ御説明をし、御協議を願つている次第でございますので、私から申上げるのは差控えさせて頂きたい、こういうことであります。

久保等日本社会党(第四控室・左)

○久保等君 まあそれで勿論細かい余り数字的なことは別として、今後の審議の過程において検討すべき問題として、そういう点まで立入つて申上げようとは思わないのですが、ただその場合経営そのものに対してのみやはり判断という問題は、これは当然公社当局が、仲裁裁定の性格、それから仲裁裁定の法律的な効果といつたようなことについて、十分にそれを理解せられてそういう考え方でできれば、できればじやない、是非仲裁裁定を実施したいという考え方、又は実施しなければならん義務があるものだというようにお考えになつて、おることは、先ほどの説明で理解できるわけなんですが、そこで現在補正予算案を郵政大臣に出しておられる。その内容というものは、仲裁裁定を実施するということを前提にした補正予算案を出しておられるというお話なんてすが、その出された考え方というものは、少くとも私は企業そのものも健全性というものを害することがなくてやつて行けるということが勿論前提になつていると思うのです。ただ仲裁裁定というものを実施しさえすればいいのだ、企業の将来の経営がどうなつてもいいというようなことは、勿論そんなこととは夢想だにしておらないと思いますし、いろいろ工面は、例えば借入金というようなことも過渡的には考えなければならんということも含んでおられるかも知れませんが、いずれにしてもとにかく企業の今後の経営という問題についての、いわば健全性を害しないで何とか実施できるということが少くとも考え方の基本になつていると思うのです。その点についての判断が、そういう裁定を実施した場合における今後の経営の問題についても特別な支障があるような、勿論補正予算の組み方はしてないと思いますが、その点を一つお伺いしたいと思いますが、要するに平たい言葉で言えば裁定を実施してもやつて行けるということを前提にした、仲裁裁定の内容を盛り込んだ補正予算を作つて、郵政省に出しているということだろうと思うのですが、その点はそういうことなのかどうか。又そういつたことは全然考慮されないで、仲裁裁定というものを織り込んで数字的に辻褄を合せて出したということではないと思いますがどうですか。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○説明員(靱勉君) 補正予算案を出す場合におきまして、私ともとしましても当然財源を考えて出さざるを得ない。赤字のまま出すという手もありますが、今回におきましては勿論そういうような措置じやなく考えております。ただそれに充てました財源というものはどういう性質のものであるかという点につきましては、若干或いはこれを見る機関によつて考え方が違うのではないかと思います。前年度におきまして、とにかく総額としては四十三億でございますが、私ども公社になりましてから純益というものは二十四億、これをどういうふうに使うかという問題も一つあろうかと思いますけれども、一方におきましては、収入の見込というというものにつきましては、先ほどから申したように、非常に本年度は損益勘定のほうで支出が多くなり、一方五力年計画を完全に実施しなければならん、こういうような観点から見て来ますれば、五力年計画におきまして損益から建設費に入れたということはかなり企業の健全性を持つております。そういう点から見ますれば、企業の健全性をこれが直ちに害するかどうかということにつきましては、必ずしもそういう考えをしないでもいいじやないかというふうには考えておりますけれども、先ほど申したように、只今折角政府機関におきまして御検討中でありますので、私どもの見解としまして若干なお再考を要するような点もありますので、このベースを完全実施し、更に場合によつては上げるというところまで解決するということは、私どもとしましては、それは少し困難であるというふうに考えておりります。

久保等日本社会党(第四控室・左)

○久保等君 大臣がお見えになつたのでちよつとお伺いいたしたいと思うのですが、今仲裁裁定の問題で副総裁に若干質問いたしておつたのですが、裁定の問題は又別途十分に今後審議をして参らなければならないと思つておりますし、本日は先ほど大臣から所管事項の説明を伺つたのですが、その問題と仲裁裁定という問題が両方今国会で差当つて問題になつております状況を見ますと、仲裁裁定については、尤も仲裁裁定として一応国会に政府の考え方というものを提出しておられるのですが、先ほど大臣の所管事項の説明のところでも補正予算という問題も、電気通信は電気通信としての補正予算という問題について、現在いろいろ災害その他の事情によつて補正予算の提出を必要とするような状況に至つておるというようなことで検討せられておるというようなことが御説明にあつたのですが、その中には当然仲裁裁定という問題が非常に大きな要素として私は考慮せられておると思うのですが、如何でしようか。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) これは仲裁をどういう工合に扱うかということは、政府といたしましてもなかなか態度がきまりませんので、今一応考えております公社の補正予算には、そこのところまでは考えが行つておらんのであります。先ほど御報告申上げましたように、補正予算ということを今考えておりますものの中には、それは入つておらない。こういうように御了解頂きたいと思います。併しこれは、全然ないということにそれではきまつたのかというとそうでは勿論ないのでありまして、いろいろまだまだ問題があり、殊に電通だけでこの問題は考えておるわけには行きませんので、他の三公社、更に五現業とも歩調を合せて考えて行かなければならん面が多分にありますので、今折角労働大臣を中心にして関係各大臣が寄りまして、時々各公社、それから各国営企業の状況を持ち寄つて検討を進めております。従つて今度国会に出しております例の仲裁裁定に対する処置については、一応予算上に予算措置がしてないからできないということで、国会の御意見を伺う、こういうような形でこの問題は提起になつておるような状態でございます。

久保等日本社会党(第四控室・左)

○久保等君 それからもう一つお伺いしたいのですが、それはこの前の十六特別国会で、特に本委員会でやかましく政府にも申上げたことなのですが、例の電信電話料金の二割五分増収案が衆議院で修正をされて二割という形になつたのですが、予算的な措置は政府提案のそのままの形で衆議院が通過をされて参議院に廻つて参つた。併し参議院での審議は、実際問題として非常に審議期間が短いというような状況もあつて、この問題に対する処理をどうするかということについても、政府のいろいろなお考えなり、郵政大臣そのもののお考えも、いろいろ承わつたわけですし、これは当然事務的にいつても、料金の値上げを二割ということに決定するからには、予算も当然二割値上げということを前提にした予算に修正しなければならないということでいろいろ議論がされて、仮にこれが、修正されないで予算のほうだけが二割五分になつた場合に、政府はどういう考え方かということが衆議院の電通委員会でもやかましく言われたようですが、それについて郵政大臣としても、できるだけ早い機会に補正を行いたいという御答弁であつたし、それから郵政大臣のみならず、大蔵当局としても、そういう考え方でありまして、政府も当然そういう考え方であつたわけなのですが、当然これはいわば数字的に、事務的にさえ修正をされなければならなかつた問題なんですが、それが極めてああいう形で通過してしまつて遺憾に実は思つておるのですが、当然この問題は早い機会に補正をするということでもあれば、今度の第二次補正予算、電通にとつては初めての補正予算でしようが、補正予算の中には当然考慮をしておられる問題だと思うのですが、先ほどの御説明の中で言われた災害関係その他の問題ですね。補正予算の場合には当然その問題が考慮せられていると思うのですが、如何でしよう。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) この点は御指摘のように今度の補正では考慮することになつているわけです。ただあの時も申上げましたように、あの時の主たる考え方の中心は、結局あの基本になつておる五カ年計画があの通り行えるようにということが中心のものの考え方でありまして、従つて二割五分を二割に減らしたことによつてあれが実現できないということであれば、当然これは補正で考え直さなければならない。併し若干収入面などで、あれば見積りでありますので、その後の変更によつて若干そういう面で数字が変つて来るかも知れないということも実は考えておつたのでありまして、若干数字は、今あれは公社の副総裁から説明があつたのじやないかと思いますが、収入の見通しなどと若干変つて、従つて二十五億という数字で補正になるかどうかということは、今まだ確定はいたしておりませんが、併し五力年計画が円満に遂行できるということを頭において必要な補正措置というものを考えておるわけであります。

久保等日本社会党(第四控室・左)

○久保等君 まあ当然それはそういうことではありますが、だからこの前の二十五億、八月一日から明年の三月三十一日までの五分の差というものは二十五億円ということだつたんですが、二十五億円の問題を、昭和二十八年度予算についての二十五億円問題をどう処理して参るかという問題は、その問題としても私は当然考慮して参らなければならない問題だと思うのですが、勿論料金値上げという問題は、五力年計画という問題とも非常に重要な関連性があるわけですね。そういつた五力年という計画は、少くとも或る程度有機的に考えて参らなければならないと思うのですが、併し差当つてのやはり補正の問題として考慮する場合には、私はそういつた問題もそういつた問題ではあるけれども、少くとも二十五億の処理の問題は、来年三月三十一日なら三月三十一日という年度末に考慮するという問題じやなくて、少くなくともできるだけ早い機会ということでこの前の十六特別国会も一応了承をいしてあつたんですが、そういう点で今度の、今月の末か或いは来月の初めか知りませんけれども、劈頭に出されるであろう補正予算の中で二十五億の問題を数字的に考慮して出されるということなんですね。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) 勿論あの問題の補正は、あの五力年計画のうち本年度に属する部分が計画通り実行できるということは頭において考えておるわけでありますから、どういう数字になりますか、とにかくそういう考え方で補正をいたしますわけですが、時期的にも御指摘のようにもう年度末になつてということでは遅いと思つております。

左藤義詮自由党

○委員長(左藤義詮君) 他に御質疑ございませんか。  これにて暫時休憩いたします。    午前十一時五十二分休憩     ――――◇―――――    午後四時開会

左藤義詮自由党

○委員長(左藤義詮君) 休憩前に引続き開会いたします。それではこの程度で散会いたします。    午後四時一分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗