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17回国会参議院1953/11/07

通商産業委員会 第5号

発言数
42
登壇者
5
会派数
2
開催日
1953/11/07

会議録

中川以良自由党

○委員長(中川以良君) 只今より通商産業委員会を開会いたします。  先ず最初にお諮りをいたしたいのでありまするが、今会期も本日が最終日でございますので、例によりまして通商及び産業一般に関する調査の未了報告書及び継続審査要求書を提出いたすことに相成つております。それからもう一つは硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法案の継続審査要求書並びに公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件の継続審査要求書をそれぞれ議長に提出いたしたいと存じます。この手続等につきましては委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんでしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中川以良自由党

○委員長(中川以良君) 御異議ないものと認めます。なお調査報告書には多数意見者の署名を附することになつておりますので、順次御署名をお願いをいたします。   多数意見者署名     海野 三朗  酒井 利雄     小松 正雄  加藤 正人     三輪 貞治  武藤 常介     豊田 雅孝  石原幹市郎     西川彌平治  藤田  進   —————————————

中川以良自由党

○委員長(中川以良君) なお只今のアルコール専売事業及びその職員になされた仲裁委員会の裁定に関しまする件につきましては、海野委員、三輪委員、藤田委員、五名の御連名で委員長に次のような御要望がございます。   政府は昭和二十八年九月二十九日アルコール専売事業及びその職員になされた仲裁委員会の裁定を尊重し、これを早急に完全実施するよう努力することを要望する。  以上でございます。この点はこれから継続審査をいたしますので、政府から資料等も参りますので、御三委員の御趣旨は御尤もと存じますので、委員会といたしまして皆様、かような御要望があつたことを一つ十分に御了承頂きまして、今後御熱心に本問題に対する御審議をお願いいたしたいと存じます。  なお本問題について閉会中継続審査する際に関係者を参考人として出頭をお願いし、意見を聴取いたすこととし、その人選等については委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中川以良自由党

○委員長(中川以良君) 御異議ないものと認めます。   —————————————

中川以良自由党

○委員長(中川以良君) それでは先ず本日は最初に火力外資借款に関する件を議題といたします。先日来藤田委員より大蔵省の為替局長に対する御質疑が残つておりますので、これを先にいたします。  ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

中川以良自由党

○委員長(中川以良君) 速記を始めて下さい。  なお申上げますが、本日の政府側の出席は古池政務次官、東条大蔵省為替局長、それから森鼻大蔵省為替局外資課長、大月大蔵省銀行局総務課長、中島公益事業局長、以上でございます。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 それでは為替局長にお伺いしたいのでありますが、二十八年度の一般会計予算、その予算総則に謳われている電源開発促進法又は国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置、この中で借入金に対する債務保証、この元本が五百八十八億円と、こういうことで利子及び手数料の債務について四百八十八億円を借入契約云々と、こういうふうになつております。今回火力借款としては邦貨にして約百四十四億余りになつております。こういうものがすでに政府保証の下に借款されておるわけで、あとまだ約一億二千万ドル余残つておることになつております。こういう実情にあつて無論借款そのものについて原則論や一般論をお尋ねするのではないのでありますが、今次火力借款というものの条件、これと睨み合せて日本の手持外貨というものからすればあのような借款は受けるべきではなかつたという御意見がかなり強く出て日銀の内部でも出ておつたと思います。併しその後金を借りる以上は相当苛酷なものは当り前なことであつて、而も諸外国の条件と何ら変りのないよその国並みのものであるというような宣伝もなされて、今日そういつた意見もその後大きくは継続されていないやに見えるわけであるのですが、そういう意見もあるので、この際手持外貨、この間資料も頂いておりますが、当時四月、五月、交渉過程における外貨というものは約十億ドル程度あるというようなことも言われておる、或いは今日八億とか言われておるわけですが、外貨がどのくらい当時あつたかという点と、それから第二の点は、日本の現在の事情から外貨はどの程度最小限必要であるか、六億程度あればという意見もあるが、これらについて一体どの程度必要であるかということをお伺いしたい。それから第三の点は外銀に預託してある金が幾らあるか、その中で無利子のものが相当あると言われておりますが、こういつた点について先ずお答え願いたいと思います。

東条猛猪大蔵省為替局長

○説明員(東条猛猪君) いろいろ多岐に亘つての御意見でございますが、先ず第一番に日本の外貨がどれくらいあるかというお尋ねでございます。大体九月末の計数を申上げたいと思います。九月末におきましていわゆる外貨の総額は十億二千万ドルになつております。ただお断りを申上げておきたいと存じますのは、日本の外貨は所有者が政府のものでございますものと、日本銀行の所有に属するものと、一般の外国為替銀行の所有に属するものとがございますが、九月末においては、それらの合計額が十億二千万ドルに相成つております。それから外百貨の形といたしましては、御承知のようにいわゆる米ドル或いは。ポンドの現金のものとオープン勘定の債権と申しますか、そういう帳啓上の債権でありまして、現実のキヤツシユとは呼びがたいものがありますが、今申上げた十億二千万ドルと申上げましたのは、それらを全部含めました数字でございます。なお勿論この外貨は全部銀行預金の形であるわけでございませんで、一部は確実な有価証券に運用いたしておるわけでございますが、そういうものの全部を含めましての数字でございます。  それから第一二の点でございますが、一体どれくらいの外貨というものが日本の現状から考えて必要な額であろうかというお尋ねの点でございますが、これは私はいろいろ考えがある問題であると思います。御承知のように最近の国際収支の状況は私から申上げるまでもなく、貿易面におきましては非常に大きな入超に相成つております。それを結局国際収支を何とか昨年まで収支とんとんという形、或いは若干の受取超過で参つておりますのが、特需でありますとか或いは駐留軍の消費する金でありますとか、そういう七億乃至八億に上るところの臨時収入によつて日本の国際収支のバランスが辛うじてとれておるという状況であることは申すまでもないことであります。そういう観点からいたしますと、何としても貿易面或いは経常的な収支の面における国除収支の均衡ということか日本経済の自立という観点から考えましても、これは達成しなければならん目標であることは皆さんの御意見の通りでありまするが、その目標と現状とは非常に相去ることが遠いということを考えまする場合におきまして、一体幾らの外貨があればいいのかということは、それぞれの非常な不安定な基礎の上に立つているところの国際収支というものと考え合せますると、極端なものの言い方をしますれば、私は将来のことを考えれば幾らあつても足りないというのが現状であろうと思います。私どもといたしまして、外貨に対する考え方というものは、さればといつて非常に惜しんではならない。日本産業の合理化のためでありますとか、日本の経済の競争力を上げまするための経済の建直しのために外貨を使うということを決して惜しんではなりませんが、そういう意味において外貨というものは決して粗末には扱えないという考えであります。先ほど仰せの中に六億ドルもあればいいじやないかというような意見も一部にあるというようなことをちよつとお触れになりましたか、それは考え方によつては六億ドルもあればいいという考え方もあり得るとは思いまするが、それは如何なる事態があつても六億ドルを持ち続ける必要がある、それがいわゆる外貨の適正保有量なんだという或いは考え方ではなかろうかという気もするのであります。ところが一旦こういう臨時的な収入がなくなりますれば、七億乃至八億の臨時収入によつて支えられておりまするから、今申上げました十億の外貨というものが比較的短期の間に臨時的収入に支えられなくなれば減つて行くということは、これは目安の通りでありまして、そういう意味におきまする外貨の適正という問題はいろいろな見地から御賢察願いたいと私としては申上げたいと存じます。  それから第三番目の外貨の運用状況がどうなつているか、特に外銀に相当預けているのではないか、或いは相当無利子の金があるのじやないかというお尋ねでございます。非常に恐縮でございますが、今日的確な細かいさようなお尋ねと存じませんで持つて来ませんでしたので、うろ覚えで申上げますので或いは間違つたことを御答弁申上げますればその点はお許し頂きたいと思いまするが、この今申上げました十億二千万ドルの中には、帳簿上の債権が、いわゆるオープン・アカウントの債権が約四千五百万ドルくらいになつております。それで先ず運用問題をお考え頂きます場合におきまして、帳簿上の債権というものを主としてお考え頂かなければなりません。それから日本銀行、或いは外国為替銀行の手持の外貨、従つて政府で何と申上げまするか、運用しないものが約八千万ドルございます。それでございますからこの四千五百万ドルと八千万ドルは、いわゆる政府の運用の対象外になる、こういうふうにお考えを頂きたいのであります。  そこでその金の預け先がどうなつているかという点でありますが、大体相当部分はやはり外銀でございます。これは日本側の為替銀行の育成強化ということを今日我々は大いに強調いたしておるのでございますが、何と申しましても、発足以来海外に支店等ができましてからまだ一年見当しかたつておりません。それから先ほども申上げておりますように、経常的な収支が非常な赤字になつて、入つて参るのは臨時的収入で、臨時的収入の取扱いの銀行というものは外国銀行になつております。そういう関係で勢い預金は外国銀行に集中せざるを得ないという実情でございます。  なお銀行預金の移替え、その他は相当各金融機関に業務の関係或いはその他の関係に微妙な関係がございますので、この預金の移替え等は一定の目標を掲げまして、徐々に行うべきであるという考え方をとつておりますので、現在のところは相当分、と申しますよりは大部分は外国銀行に行つておるという関係であります。  それから無利子の金が相当あるのじやないかという点でありますが、昨年場八月大蔵省に外貨の管理運用の仕事が移りましてから、私どもといたしましては相当当時ありました無利子預金を逐次利子付きの定期預金に振替える。これも今申しましたように、いろいろ微妙な関係がありますので逐次やつて行く。最近におきましては当座預金がもう貿易の金融を賄うのに必要な限度にとどめるという方針をとつておりまして、全体の預金のうちの二五%見当が当座預金として残つておるというふうに大体御諒察を願いたいと思います。正確な数字はちよつと只今持合せてございませんので、若し御要求等がございますればあと資料等で差上げたいと思います。  それからなお御質問のポイントではございませんが、一点申付けさして頂きたいと存じますのは、日本銀行あたりでも火力借款の条件が苛酷であるというような意見もあつたのじやないか、その後一般の外国並みであつて止むを得んのじやないかというようなことになつて来たというような趣旨のお言葉でありましたが、私は端的に申上げまして当初新聞紙上等に報道されましたところの火力借款の内容は相当誤解を生ずるような記事が担保条項、その他において出ておつたと思います。当時の日本銀行あたりで個人的に出ました話といたしましては、さような比較的真相に遠い事実を基礎にしてのいろいろの判断なり感想であつたのじやなかろうかというふうに考えております。私どもといたしましては、今回成立いたしました火力借款の内容は、世界銀行という銀行の性格から考え、又各国の事例等から考えまして、決して非常に苛酷であるとか、さような内容のものではないというふうに考えておるのでございまして、この点は恐らくは先般来通産当局からの御説明があつたと存じするが、当初のいろいろの判断は、さような意味におきまして比較的真相にほど遠いものを基礎としての判断なり感じではなかつたであろうかということを附加えさして頂きたいと存じます。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 今の数字のうろ覚えを基礎にしたのでは困るので、これは今すぐ無理であればあとで数字を出して頂きたいと存じます。併し専門的にずつと、やつておられるのでそう大きな食い違いはないと思いますので、一応この数字を基礎として質問したいと思うのですか、有価証券その他外貨の支出などについても触れられておりますけれども、結局どうなんでしようか、七、八億の臨時収入で賄つているという入超の関係もあつてなかなか出しにくい、外貨の手持も幾らぐらいあればいいかということ、これはまあ多いほどいいということはわかり切つた話ですけれども、併し外貨予算を立てていろいろ処理なさるについては、そういつたミニマムというか、こういつたものは絶えずやはり検討されなければならんだろう。従つてどうも、遠い将来は別としても、現情勢においてはどうだろうということをお尋ねしているのですが、それは世上言われている中には、僅か四十二十万ドル程度のもので、これはあとから指摘しますけれども、ああいつた外資を入れるということは、これはやはりどうも政府のとつた措置というものが適当じやなかつた。従つて将来の借款についても重大な示唆を与え、借款に対する甘い考えを捨てなきやならんだろう。これは政府当局においてもいろいろ自己批判もしておられるように聞いております。こういう事情から、そういう議論がある以上、やはり今言われた十億程度の外資があり、殆んどこれが開銀に預託されていると、こういうのですから、成るほどその四千二十万ドル程度、あと一応の予算総則できめられているものを加えましても一億余りにしかならないわけですから、そういう議論が出るのは私は当然だと思うので、なおどの程度あればいいかというに現情勢において、この点が若し日常使われている皆さんの腹案としてあればお聞かせ願いたいと思います。  それから逐次定期に切替えつあるこういう点ですが、一五%程度が残つているということになればどういうことなんですか、一億五千万ドルというようなことになるわけですか。

東条猛猪大蔵省為替局長

○説明員(東条猛猪君) 先ほどの、第一段の、必要外貨と適正保育量が問題でありますが、これは、当面の貿易を決済するのに必要な外貨という御趣旨であるならば、それは十億ドルとかいう数字は要らんわけであります。けれども、私が申上げておりますのは、日本として将来のことを考えて、本当に外貨というものは幾ら持つておるべきかという御趣旨であるならば、私は先ほど申上げましたような、抽象的なことを申上げておりますけれども、これは今の国際収支の現状、それからそれが臨時収入で支えられておるという事態を本当に直視せられまして藤田さんが御判断なされば、私が今まで申上げましたように、本当に不安定な基礎の上に立つておるのだから外貨というものは持つておらなければならんのだということは、御賛成頂けるのではなかろうか。ただそれでは抽象論からじやなくて、当面貿易の決済に必要な外貨というものは大体従来の常識から考えて幾らぐらいあればいいのだというお話でございまするが、それは勿論十億ドルは必要ございません。  それから第二段の当座預金の点でございますが、これは先ほどもお断り申上げまして、非常に恐縮でございますが、今手許に資料がございませんが、あとで資料を差上げまするが、これは大体今のお話のように、十億一千万ドルのうちで、内訳は先ほど申上げるのを失念いたしたのでございますが、八億八千三百万ドルが米ドルなんでございます。私が大体二五%見当じやなかろうかと申上げておりますのは、八億八千三百万ドルというものを基礎にしてお考えを頂きたいと思います。間違つておれば資料で御訂正申上げますが。これは何で要るのだということになりますと、今の貿易決済上必要となりますのは、信用状のマージンの関係でございますとか、手形の決済のためにはやはり利子のつきます定期預金で置いておきましては貿易決済に事を欠くという関係にありますので、当座預金として置いておかざるを得ないということになつております。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 成るほどそういうことで今申上げたような火力借款に伴う議論が出て来ることは、専門家であればあるほどやかましく言われる点もよく私にはわかるのですが、今度の火力借款について、大蔵省当局として扱われた範囲というものが、不明確なんです。事業計画だとか何とかということについては通産省のように行われているし、大蔵当局に対してどういう範囲のものを一体処理された責任というものがあるのであるか。日本の政府、吉田内閣に責任があるなどということは、これは無論当り前の話なんだけれども、その中で大蔵省は一体どれなんだろう。通産省に聞きかけて見ても、これはどうも大蔵省だと言うし、大蔵省で聞くのもなんだかというので、どうも的確な責任者というのは何と言つても吉田総理以外にはばらばらに分れているよう気がしておるのですが、大蔵当局が何と言うつても、小林さんも、開銀の総裁も言われておる点から見ても、この火力借款に関連するなりいろいろな問題は、大蔵当局に相当なウエイトがかかつているように思われるわけです。ですから、輸銀から開銀に変る繋ぎ融資を受ける、こういつたようなことは無論大蔵当局の問題だと思うのですね。そうして見るならば、見通しも何もつかないうちに繋ぎ融資を受け、而も発電機などこれは外注はもう済ましてしまう、向うはうんと腰が強くなつてて、そうして交渉するわけですから、これはもう何もかも質に入れたようなものであつて、強い交渉も打開もできないというのが今度の火力借款の実態であるように思うのです。通産大臣から、今後かようなへまなことはしないという意味の御答弁があつたわけですが、今後の水力借款その他については、確かにまあ何と言われても不細工な交渉をやつたものだ、恐らく世界のどこの国を見てもそんな馬鹿げた交渉をしていないと思うのですか、まあよその国に例があれば別ですが、そういつたどうもやり方について腑に落ちない点があるわけです。例えば今度の火力借款について、私は大きな影響としては、国内の電気事業と政府の関係、これなどはあの約定の中にも明文になつているように、もう資金的には火力借款に関連して電気外事業者の要求は当然満たされざるを得ない。そうでなければ火力借款の返済をしなければならん、或いは担保の実行を迫られる、こういうようなことになるのですれ。資金、或いは電力料の確立というようなことを而も速かにやるのだと、こうなつているので、ここらは当然大蔵当局の責任であるように私は思うのです。ここの責任分担の範囲についてお伺いしたいのですが……。

東条猛猪大蔵省為替局長

○説明員(東条猛猪君) 私はかように考えております。申上げるまでもなく、今回の火力借款に関する契約は、貸付契約と、それから保証契約と、事業計画の契約と、こう分れておるわけでありますが、貸付契約の当事者は開発銀行であります。開発銀行は、この契約をいたすにつきましては、当然大蔵省に相談がある。大蔵大臣の承認を受けなければならんという意味におきまして、この貸付契約につきましてのそういう認可といいますか、承認と申しますか、そういう関係におきまして大蔵省は関係がある。それから保証契約の問題でありまするが、これは日本の政府としまして日本の国が保証するわけでありますから、当然国庫大臣という意味で保証の関係は大蔵大臣の責任であろう。これから事業計画の関係、或いは電力料金の問題、かような問題は勿論通産行政の問題でありまして、その意味におきまして、非常に法律的でないことを申上げて恐縮でございますが、事業計画契約書の系統は専ら通産省の関係である。それからなおこれも法律問題ではありませんが、我々為替局は外資導入というようなことは、先ほどの藤田さんからの御質問にも関連して来るのですが、外貨の関係もありますので、外資導入という仕事は我々為替局でやるということになりますので、これは法律論で申上げますよりは、こういう借款が成立することによりまして、日本の外貨の導入が行われる。この外資導入は為替局の関係である。全体としてもぼやつと網のかかるという、外資導入という観点におきまして大蔵省が関係して来るというのが、大体何と申しますか、所管の関係ではなかろうか。  それからお言葉を返すようでありまするし、まあ通産省からいろいろ御答弁があつたことで、今更申上げるのも恐縮でございますけれども、私といたしましては、今回の火力発電機械は、通産省がいろいろ苦心せられまして、渇水期に備えて、是非とも早期に発注をして、この機械は確保したい。それが日本の電力の、電力行政と申しますか、電力確保と申しますか、ということのために必要だという観点から、この機械の発注を考えられる以上は、この借款の有無にかかわらず、場合によつては必要な資材は入れなければならないという観点におきまして、火力の発電機械の発注ということを電力会社できめられる。又通産省で同意せられたのは、私は通産省としての当然の措置であろうというふうに考えます。  それからいろいろの点から考えて、今回の契約は、何と言つても交渉のやり方が下手だつた、或いは交渉内容において、ぶざまじやないかというお叱りでございますが、私といたしましては交渉の経過或いは交渉の内容におきまして、藤田委員からの御指摘のようなことはないので、これは今回のできました契約というものは、いろいろ各国の事例から考え、又国際復興開発銀行というものの性格から考えまして、御指摘のようなお言葉は当らないのではないかというように考えます。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 そうすれば、非常に適切な措置であつたとするならば、今後も通産省は、金は大蔵省のほうで勝手にやつてくれ、どんどん外注する、予算総則でも保証するようにちやんと予算をとつてあるから、あと一億二千万ドルもあるということで、大蔵省のほうでは、そういつた何らの貸付なり保証契約の当事者として、通産省がさように渇水で困るということで、まだまだ電気が足りないから、まだまだ水力借款もいろいろ問題になつているとき、こういうときに発注をするぞということになれば、あとの条件、交渉というものはこれはそのまま大蔵省で引受ける、こういうことになる。而もそれは妥当であつたという自己反省になつているとすれば、重大な問題だと思うのです。これはやはり通産大臣の言うように、今後ああいうことはしません、一昨日ですか、やはりああいうことをするのかと言つたらそういうことはしません、こう言つているのだが、大蔵省のほうではそれが妥当であると言われている点がどうも内情と違うように思うのですね。勝手なことを通産省が早くやるから困ると言つて問題が大蔵省のほうで出たとか、大蔵省のほうに対しては通産省のほうが文句を言つたというような内情があつたようにも聞いている。それは内情でいいが、今言われた品物は注文してしまつて繋ぎ融資も受けて、さあるとでいよいよ厖大な借款をするのに、その交渉をするのに、その交渉はあとでいい、こういうことは少くとも個人間の商取引だつてないし、いわんやよその国との借款の問題ですからね、それが妥当という常識は私にはわからない。どういう理屈があるわけですか。先に注文して、あとの契約のほうが、借款契約としては有利だ、それがなければ妥当だということは言えない。

東条猛猪大蔵省為替局長

○説明員(東条猛猪君) 私はかように考えます。通産省が渇水期に備えまして、今回の火力発電の機械の入手を必要とするということで発注を同意されたということは、あの際の措置としては適当であつたということの趣旨を私は申上げた。勿論そういうことをせられるに当りましては、これは外貨予算の関係もございますし、或いは外貨の関係もございますので相談があるわけであります。相談した結果政府としてよかろうということでそういうことになつている。決して政府の片方の省がさつとやつてあとは他の省が逃げるということではありません。政府全体としてよく相談をしてやつているわけであります。  それから今回の火力発電の注文の措置が、一体交渉のあり方として、足下を見透かされてまずいのじやないかという点がありまするが、これは藤田委員御承知のように昨年の秋以来或いは夏以来、或いは内交渉といたしましては昨年の春以来輸出入銀行と日本政府とが話合いをしておつた。我々といたしましては、当然これは輸出入銀行との話合いは成立するであろうということを考えておりましたところ、これがアメリカ内部の事情によつて世界銀行を相手とせざるを得ないという事情になつたのでありますが、まあ我々といたしましては、今回の火力借款の問題は成立するという見込が十分あるだろうという考え方で以て話合いを進めて来ておつたわけであります。これは今御指摘のような一般論といたしましては発注してしまつて、動きがつかなくなつて、借款の交渉をするということは、恐らくは一般的のお話としてはお説の通りと思いますが、私は今回の火力借款の問題につきましては、さような経緯から見まして止むを得なかつたことだというふうに申上げているわけであります。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 それは輸銀から世銀に変るときなどについても、その事情は外電の伝えるところを調べて見るといろいろ問題があつて、日本としては思考すべき段階にあつたと思うのです。それがすでに機械は発注しているし、繋ぎ融資は受けているし、仕方なく世銀という形になつたということは、通産大臣自身が当時談話を発表しているわけです。それはここにも記事を持つていますがね。それがこの間古池通産政務次官も来て満足すべきものだということを、由々しく殊更にああいうことを言われるところにくさいものがあるというのです。もつと率直に重要な日本のそういつた面を担当されているのですから、やはり自己反省をし、将来に対してより合理的な有利な交渉を進めてもらいたい、これを国民はやはり期待している、こういう立場から申上げているのです。  次に、時間がないので移りますが、非常に長い目で、二十カ年の長期借款ですので、これが償還等についても融資の面もむずかしいけれども、半面過去の外債に、電力外債というものに困つている。今でもなお東京電力など非常に外債については躊躇しているという実情です。私はこの火力借款のあとにおける、各社の首脳者がどう考えているかということについても、若干の意向は打診しております。やはり外債についての非常に苦い経験をしたというこの滲透というものは、今日外債に対する非常な警戒的なものを持つている。その中でも為替レートのやはり変動といひますか、こういう点はやはり深刻な影響を及ぼす、こう思うわけです。今度の場合は何といいますか、電力会社、私企業である電力会社というよりも、国民が、需用家が結局困る、こういうところに転嫁されているという点が重要な意味になるわけですが、当該借款を受けた会社というよりも、なぜならば、お持ちでしよう、その今度のプリントの六頁に出ておりますが、やはり事業計画契約中に規定するその特約契約及び義務を実行するのを妨げたり、干渉したりしてはいけないとか、或いは又別のところでは増資なり或いは国内の銀行などからの借入等速かに政府としてこれが契約もしてやる。電力料率の確立ということで少くとも電気会社は今度は困らないように、それらのしわ翻せが全部需用家に来るような形になつているわけですから若干そこは違うのですれども、それだけに国民的な立場で一電力会社の問題でなしに電力会社は比較的いい材料が来る。政府と対抗して今後電力料金の値上げその他について非常にいい武器を得たというふうに思つていると思いますと同時に、我々もそれは間違いないと思うのです、この約定から。ところが国民の立場からすれば大変な心配がここにある、あと一億二千万ドルをどう扱うか。これ並みに扱うかということは非常な影響がある。その中で大きなものとしては今申上げた為替レートの変動といつたようなこと。これは大変過去のやはり苦い経験の一つなんですが、これらについてどうなるか。為替レートか今のように変化はないということは誰しも断言できないと思うのです、二十カ年という問題ですから……。ところが契約のどこを見てもそういつた場合に備えるものはないように思うのですね。そうなれば金を返せばいい、本腰を入れての協定ならば、ということであるが、そんないとまは無論ないと思うのですね。こういつたことについての御見解を承わりたいのです。

東条猛猪大蔵省為替局長

○説明員(東条猛猪君) これはもうすでに通産当局から御説明になつたと思いますが、為替レートについての変更の問題は、政府は変更しないというつもりで、方針でやつておるわけであります。併しそれは当面の政策なり方針の問題を離れて、理論的ないわば問題として、為替レートの問題とこの外貨の金額の問題とが、どうなるのだという理論的な問題として承わつて、又お答えするわけでありまするが、申上げるまでもなくこの四千二十万ドルというのは米ドル建の外貨債であります。従つて開発銀行が電力会社に対しましても外貨建の貸付になるわけであります。従つて、為替レートの変更ということが若し起れば、これはその関係は電力会社が結局負担するということが内容になるわけであります、主体になるわけであります。世界銀行と借入国たる開発銀行との関係におきましては、本件が米ドル建の外貨債権関係でありまするから、特にこの契約のどこに規定する必要もない。世界銀行といたしましてはどんな場合でも四千二十万ドルに相当する元木とそれに附帯するところの利子をもらえばよい。こういう関係に相成つて参ると思つております。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 為替レートが変つて、一ドル三百六十円が仮に五百円になつたとしても元の三百六十円でいいと、そうは言われていないでしよう。やはり時の為替レートで計算しなければならないでしよう。外貨建だといつたつてやはり日本の電力生産に伴う収入の中からこれを償還して行かなければならんのですから、それはその通りでしよう。

東条猛猪大蔵省為替局長

○説明員(東条猛猪君) それは世界銀行といたしましては、四千二十万ドルの元本と利子を払うわけでありますから、世界銀行との関係においてはそれで済むわけであります。そこで今のお話は、それじや電力会社が為替の関係を負担するのだから仮に三百六十円が動けば動いたレートで以て電力会社が借金を払わなければならないかというお尋ねあれば、それは勿論その通りであります。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 その場合には世銀なり政府なりそんなことは何ら為替レートが変つても問題はない。それは会社が負担するので、借りているのですね、だから開発銀行も政府も関係はないのであつて為替レートが変つて負担が増大すればそれでいいのだと、こう言われているが、すべて過去の契約の場合は、借款の場合はそうであつたが、併し今度の場合はそういうことか言えますか、今度の保証契約の内容から見て。あなたの言われておるのは為替レートが変つてこの返済に対して困難度というものが非常に大きくなつて来る、こういう場合においても政府や、或いは開発銀行はこれは何も負担が増大するのではなしに、そもそも借りている、その借りているところの会社が、三電力会社がただそれを負担すればいい、それはその通りだと思う。けれども保証契約の内容から見ると、そうは行かない、その会社が越せない状態がもう明らかに出るわけですね。これは電力料金は御承知のように政府がこれを査定し、認可するわけですから、その認可の範囲というものは無論従来の三百六十円なら三百六十円に換算したところの原価を算定して、そうして電力料金というものをきめているわけですね。ところが為替レートが変つて来れば会社の負担であるから電気料金はそのままでいいということにはならない、電力料金それだけを上げてやらなければならない。これ以外に賄う途はないと思う。それをしないとすれば今度政府が担保の実行を迫られてもしようがない、保証契約そのものが生きて来るですからね。それらの事情はどうなんですか。

東条猛猪大蔵省為替局長

○説明員(東条猛猪君) 先ほども申上げましたように、私どもは今お答え申しますのは理論的な問題としてレートの問題を取上げている。併し現実に為替レートが変つたときに電力料金がどうなるのか、或いは経済情勢がどうなるのだというふうな現実面の政策面に触れた問題になつて来ると、先ほど申上げたように政府としては只今為替レートは堅持して行くという方針をとつておりますので、そういう御心配のようなことは只今のところ私はないと思います。そう申上げたいと思います。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 だからその点は過去もすでに実例があるように、そう思つていてもそうならないという点があるから……。だから私はそういつた借款をすべきでないというのではなしに、今度の条件というものはすべてが国家が背負つてしまう、そうなつているのですね。過去の会社自身が非常な何といいますか、東電を初め苦い経験をしたということです。ところが今度は、電気会社について調べて御覧なさい、もう何の困難もない、そういうふうなことになつておる。そういう重大なものは輸銀から世銀に変るときに再検討すべきであるが、これは過去のことを言つても仕方がないが、将来まだ大きな問題が残つているから、こういう問題があるから特にこの際火力借款を強くして行きたいし、事態を明らかにして行くというのがそこにあるのですが、将来の問題が多いのですから、今度の火力借款並みに将来もやるということになると国民の問題になつて来る、それは保証しておるので当り前だということですが、単なる保証の範囲ではなしに自動的に国民が負担をしなければならない、これはもう為替レートの問題を離れてでもすでに電気料金値上げの問題は出ているわけです。ですから少くとも四月は相当に上げなければならない、その上げるについては今度は外債、これは据置があるけれども、外債これを条件に電力会社としては相当頑張れる状態になつて来たわけです。査定をして相当制引く、三割を二割、一割にするということはなかなか困難になつて来る。こういうことがあるのであなたが言われるように、それは会社の負担ということで政府は関係がないように、ただ単に保証をしているのであるから債務の履行しさえすればこれはもう担保の実行も何もないんだからと思つておられるでしようが、その担保を取上げられないようにするためには、政府が常に電気会社に対して資金も入れてやらなければならん、或いは電気料金は言う通り上げてやらなければならん、こういうことで一朝為替レートの変更をしなければならんということが、これはあるかも知れないんです、二十年も先のことですから。というときに過去と同じように今度は国民全体が非常に重要な大きな負担をこうむるということになる。こう思うので、将来の借款についてはもう少し、国民にすぐ……、儲かるときには、それぞれ会社が儲かるだろう、株を持つた人は配当なり、或いは固定資産の再評価なりして無償交付を受けるだろうということなのに、苦しいときにはそのまま国民に負担させてしまう。こういう問題がここに起きて来るのです。政府と会社の間における問題というものが全然手放しで、この火力借款というものはなされている。こういう点を私は指摘しているんです。それがそういう事態は起らないし、この両方の契約に関連して、ここにこういう条文があるからこれは自動的に国民の負担にはならないというものかありましたならば御説明願いたいと思うんです。

東条猛猪大蔵省為替局長

○説明員(東条猛猪君) 御質問の点は、実はこれは通産省側からお答えいたす点ではなかろうかという気がいたします。が、私どもといたしましては、予算総則の規定に御覧のように、開発銀行が国際復興開発銀行から受入れましたこの外資の返済につきましては、政府として保証いたしておるわけです。併しながらお言葉にありましたように、飽くまでも政府は単なる保証でありまして、主たる債務者は飽くまでも開発銀行、或いは開発銀行から借入れました電力会社にあります。而もそれらの電力会社の経理、或いは電力行政につきましては、主管当局のほうで常に十分いろいろの点を考えて指導し、或いは指導しておられるという観点から考えまして、又特に今度限りのこの火力借款の契約分から、特に日本政府が電力行政その他についての不当な干渉を受けるというようなことにも相成つておりませんし、それから先ほどの、何か計画の資金の供給の問題についてのお言葉もありましたが、それ等につきましてもすでに昭和二十八年度に着工を予定いたしておりまするところの事業計画についての資金の供給の面倒を見るということにもなつておりまするし、私のほうといたしましては今回のこの火力借款契約の故にお言葉のように非常に国民の負担が殖えるというようなことはないと、かように考えておるわけです。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 そうすると六頁の三の七ですか、七項に、「保証人は次の通り契約する。」これは大蔵省の主管ですれ、大蔵省、大蔵大臣というようなことが書いてありますが、この(A)を見ると、「保証人は、関西が」これは中部、九州について、それぞれ同じ固有名詞ですが、「関西がその内部留保、株式資本の発行または借入れの方法によつてその電力供給を行う地域の現在及び将来の電力需用を満たすために妥当な設備を行うことができる程度に電力料率を確立するよう合理的迅速さをもつて措置し、且つ、その後それが維持されるよう措置する。」という契約をしているんです。保証契約ですね、ここに問題があるんです、実際問題として。それにかかわらず国民に問題はないんだと言つても、政府自身がどんどん金を印刷してというわけには行かないんで、結局国民の負担、これがこの(A)に書かれているわけです。そう思いませんか。

東条猛猪大蔵省為替局長

○説明員(東条猛猪君) その電力料金の問題は保証契約の中にありまするが、先ほど申上げましたように電力料金の問題は通産省の主管でありまして、私から申上げるのは適当でないのでありますが、この借款契約の故にこの電気料金が引上げられるということにはならないのでありまして、通産省のほうで電力行政の観点から電気料金はどうあるべきかという観点から電力の料金というものは決定され、或いは決定に認可を与えられるということになろうかと思います。政府としては今回の借入れました借入金は、とにかく関係者が誠実に債務を履行するということを考えておりまするので、今仰せのように、この電力料金に関する条項の故に電力料金の引上げを強制せられたり、或いはその結果国民に負担がかかつて来るというようなことは生じて参らないと、こう考えております。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 それは大蔵当局としても大変な問題で、すでに電気事業経営者連合会というのが、九州の社長常務会を開いて、そうして今日資本比が六五%ですか、詳しい数字は出ておりませんが、そういう状態にあるので、税金或いは金利の引下げ、そうして一方電力料金の改訂、こういうことでないならばすでに賄つて行けないという状態にある。それから一方、従来と何ら変りのないようなことを言われておるけれども、これはやはりこの契約とは別個に契約は契約なんだ、それは借りたものは返せばいいんだ、そんなのんきな契約じやないんですね、今度は。いいんですか、而も電力専業というものが政府と不可分の関係にある、電気料金の唯一の収入が料金収入である。これを運営している電気会社のその電気料金というものは政府がこれを認可することになつておる。勝手にきめるわけには行かない。こういう状態にあるので、ここに内部留保や、或いは株式資本の発行、こういつたようなことに関連して、電力料率の確立を合理的な迅速さを以てやるのであります。そういうことにあるんだから外債に伴つてでもこの条項というものは守られなければ、やはり世界銀行に対して背任行為になりませんか、この通り守らなければ、約束しているんだから……。

東条猛猪大蔵省為替局長

○説明員(東条猛猪君) 私が申上げておりまするのは、勿論契約は守らなければなりません。その契約条項を守るということが、何も契約条項の故に日本の政府が電力料金の引上げということをコミツトすることにはならん。電力行政自体の立場から電力料金というものは決定されて然るべきものである。何となれば、日本側はこの債務を明瞭に履行するつもりであるという趣旨のことを申上げておるのであります。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 電気事業についてはまだ余り詳しく御存じないような印象を私は受けるわけですが、さような簡単なものではないので、十分一つ通産省とも連絡をとつて頂きたいと思います。  次にこの予算総則に、「開発促進法又は国際復興開発銀行等からの」ということで、先ほど申上げた数字の保証をすることについて国会の承認をとつた。そこで五百八十八億円という元本について、これは当然電源開発に伴う借款ということでなければならんと思つていたわけですが、昨日だつたか、通炭大臣の御答弁を聞くと、インパクト・ローンをやりたいと、併しこれはなかなか問題で恐らくできないだろう。そこで日本より優秀なものかあるならば何か発電機とか水力電源開発とか、こういつたものでなくても一般のそういつた機械輸入ですね、こういうものに当てたい、と言われたような御答弁があつたと思うんですね。併しこれはこの五百八十八億というものについては、これは当然電源開発に関連する政府の保証ということで国会が承認していると思うのですが、大蔵当局はどういうふうに解釈されていますか。

東条猛猪大蔵省為替局長

○説明員(東条猛猪君) 今御覧になつておりまする予算総則に「電源開発促進法又は国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律に基き、」ということで、根本法規といたしましては電源開発促進法と、もう一ついわゆる外資の受入に関する特別措置に関する法相と二本建になつておるのであります。それで国際復興開発銀行等への外資の受入に関する特別措置に関する法律の内容は何も受入れらるべき外資の種類を限定いたしておりません。その意味におきましてこれは政策という問題は私は申上げておるのじやありませんが、法律的にはこのあとの特別措置に関する法律の件を受けておりますから、如何なる種類の外資の受入もできるというのが法律解釈であります。ということを申上げておきます。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 だけども、電源開発株式社が、これがほかの、電源開発に関係のない借款をするなどということは、これはもう当時の説明から見ても、条文から見ても明確だと思うのです。電源開発株式会社の借款ということになれば、これは当然電源開発促進法に基いて速かに電源を開発しよう、それがための所要資金を外債に待とう、こういうことなんで、ここに明らかに電源開発会社これがやり得る、その場合の保証ができる、こういうことなんですね。まあ「日本開発銀行が」とこうなつているわけですから、当然電源開発会社の関係、言い直せば、電源開発に要するものだということを国会はこれを承認している。それが電源開発と全然関係のないところに肩代りするということについては法律解釈としてはそうかも知れないけれども、非常に疑問があるわけです。従来こういう慣例がありますか。

東条猛猪大蔵省為替局長

○説明員(東条猛猪君) 今藤田委員の仰せになりました「日本開発銀行が」というところで、借入の主体は、政府の保証の対象になります借入の生体は電源開発株式会社と日本開発銀行の両方、当事者がどちらにもいるわけであります。で今回の場合には勿論御承知のように日本開発銀行が電源の火力機械の購入代金の借入を行なつたわけでありまするが、日本開発銀行の業務の内容は御承知のように電源開発の資金等だけではなくて、日本開発銀行としては広範囲の業務範囲がございまするので、日本開発銀行が当事者でありまする限りにおきましては、如何なる種類の、開発銀行法に許されておりますところの融資の種類でありまするならば、この国会で議決を仰ぎました予算総則第九条の規定及び特別措置に関する法律、この両方によりまして法律的には何ら私は疑問がないと、かように考えております。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 ですから開発銀行の定款などに関連して来る問題もあるでしよう。ですからこれは一応おきまして、然らばあと残されている一億二千余万ドルのこの保証の枠というもの、これについて目下水力借款ということで六千万ドル程度の具体的なものを進めつつあると聞きます。で先ほどの責任の分担というか、業務分掌というものは保証契約、貸付契約についてはこれは大蔵当局、事業計画などについては通産当局、こうなる以上今後の借款については何と言つても八割も九割も大蔵当局にそのイニシアテイブがとられるだけのものがあろうと思われるわけです。その立場からお尋ねしたいのですが、今後の残されている枠についてどう進めて行くか。水力借款について昨日の通産大臣の御答弁では日本の機械が優秀であるので、これはアメリカの機械に待つということ、外注するということはしない、こういう建前で行くということで、而もこの間のような失敗はしないという意味の御答弁があつたわけですが、大蔵当局としてはやはりそういう方針なんですか。それとも今言われたように、ほかのものに使えるのだから、電源開発、水力等についてもインパクト・ローンは殆んど駄目だから、やはり他の機械なり、何なりに借りて行きたい。こういう方針なのかという点が第一点。  それから契約の内容について、すでに火力借款の前例があります。この条文に基いてまあ大同小異の事業計画などは若干対象によつて違うでしようが、条文のいわゆるサンプルとして大体火力借款に基いて止むなしとされているのか、更に交渉して日本にとつてもつと有利な金利なり何なり、いろいろ具体的にあるでしようけれども、債務の条件についてもつと有利なものをされようとしておるのか、内容とそれから今申した第一の方針についてお聞きしたい。

東条猛猪大蔵省為替局長

○説明員(東条猛猪君) ちよつと私の申上げようが悪かつたのでありますが、政府が保証するというような立場について、保証については大蔵省が責任官庁になるということを申上げたのでありますが、保証契約全体が大蔵省の責任になるというふうに、或いは私の申上げようが悪かつたかと思いますが、政府が債務の保証をするという点は大蔵省の所管でございますが、保証契約の内容については先ほど来お話の電力料金の問題だとか、いろいろございます。従つて保証契約の内容でもその事項の実体に応じまして、やはり所管が分れるというふうにお考えを頂きたいと思います。  私は保証契約全体が大蔵大臣の所管ということを申上げたといたしましたといたしますれば、これは誤りでございます。保証ということが国庫の負担を伴うという意味において大蔵大臣の所管になる。従いまして保証契約の内容は電力料金の問題については勿論通産大臣のほうが所管であるというふうに申上げておきます。  それから約一億二千万ドルくらいまだこの予算総則に余裕があるのだが、それの大体の交渉はどういうようなことで進んでおるんだという御趣旨のお尋ねでございまするが、これは通産当局からもすでに御説明があつたことと思いまするが、我々といたしましてはこの水力発電がやはり現在の外資導入の業種としては最優先のものであろうという考え方で、世界銀行にこの水力関係でサウンドをいたしておるという段階でございます。  で通産当局からも御説明があつたというお話でございまするが、インパクト・ローンは世界銀行の従来の扱い方或いは現在とつておりまする方針から見ますると、なかなか困難であるという感じを抱いておるのでありまするが、まだ政府全体としてこのインパクト・ローンは駄目だと、従つてこのインパクト・ローンでないように切替えるというはつきりした方針の変更を正式にきめたという段階ではないのであつて、なかなか困難ではありまするが水力発電というものを最も優先順位にあるものといたしまして、インパクト・ローンについて先方といろいろ話合いをしておる。正式にアプリケイシヨンを出したとか何とかという段階というよりは、むしろもう少し前の段階であるというように申上げられると思います。若しそれが駄目になつてどうしてもいかんときはどうするかということになりますれば、これはそういう時代に即しまして政府の首脳部のほうでいろいろ御検討願つて御決定願わなければならない問題だと思います。  それから金利その他の借入条件の問題ですが、今回の金利の五分というのはこれも通産当局から御説明があつたと思いますが、ブラジル等最近やりましたところは無論五分ということになつておりまして、まあ今回の借款の五分というのは止むなしと考えておりますが、この金利は勿論そのときどきの金融市場の趨勢によつて変るものでありますので、引下げには勿論そのときそのとき努力をしなければならないという問題でもありまするし、又そのときの金融情勢が非常に低金利にでもなりますれば、世界銀行ですから……よその銀行でありまするから私は申上げるのはいささかどうかと思いますが、当然そのときの金融情勢に応じた金利というものがなさるべき問題だと考えております。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 火力借款はどうですか。

東条猛猪大蔵省為替局長

○説明員(東条猛猪君) これは通産当局から御説明があつたと思いますが、火力借款の契約条件は政府といたしましては相当努力を重ねました結果の条件でございまして、今後いろいろな場合は勿論新たな話があれば新たに即応したような交渉をすべきものでありますけれども、この条件が非常に全体として、大幅に変るというようなことは、私はなかなかむずかしいことではなかろうかという私個人の見通しを持つております。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 水力借款ということについて、問題は水力発電機或いは水車と、こういうものが対象になるだろうと私は思うわけで、その他については若干の技術導入或いは開発用機械の輸入だとかいうようなことがあるわけでして、併し今度の場合水力借款に関連してはできるだけ日本の重電機或いはそういつた重工業というか、こういうものを活用するということが、国策としても非常に大切なことであるし、これは単に日本の重電機の業者や資本家を擁護するということを乗越えたやはり問題があろうと思うのです。そういう観点からすると、自然殆んど水力に関する限り、セメントその他の資材はもうたくさんある、非常に結構なことですから、問題は機械ですが、こういうものは今言つたように内需でこれを満たしたい、そうすれば若干の銅でも入れようかというようなことなんで、これは全体の電源の開発の資金の中では一部ですし、そういたしますと若しインパクト・ローンでいかない……、併しこの見通しはかなり強いのですね、いかないだろう。これは大臣もそう言われていると思いますが、そうなりますと、遮二無二外資は入れたいということになると、水力では恐らくこれは駄目ということなれば、どういうものにされるかという点が私は非常に心配なのであります。従来のようにこれは公益事業ではあるけれども、いわゆる私企業ですね、やつぱり私企業なんで、電気事業はまだ公益重点で、料金の統制といつたようなものがあるけれども、通産大臣の内容は詳しく時間がないので聞かなかつたけれども、何か機械を入れたい、いい機械を最近の伝えられるところでは工作機械を輸出するについても、その工作機械を作るための工作機械、これを一つ入れたい、こういうことが言われておる。それも成るほど結構かも知れないが、特定の会社になるでしよう、今日国営の軍工廠その他はないのですからそういうものを入れて、そうして今度保証契約などは現存の火力借款と同じものだという今の見通しのようですが、そう相成りますると、火力借款と同じように外資を入れた会社、言い換えれば工作機械でも入れた民間の会社というものは、同じ条件で政府が保証するというようなことになりまするというと、その会社は結局何といいますか、黒字経営以外は絶対にならないのだということくらいもう国が保証することになるのですね。こういう点があるので、私は今後の非常に厖大な、三倍になろうとする、一億二千万ドルというこの借款については、若しインパクト・ローンがいけないとするならばどういう方面に向けられるであろうか、借款条件などは大体変らないと今おつしやつているが、どういうものにどう使われるであろうかという点を心配しておりますので、最高方針できめられるという御答弁であつたのですが、併しきまつていなければ止むを得ませんけれども、工作機械を輸入するとか、いろいろな具体的なものですでに表面に出て来ているわけですから、サウンドされている段階であろうけれども、休会にもなるししますからこの際お伺いしたい。

東条猛猪大蔵省為替局長

○説明員(東条猛猪君) 私の承知しておる限りにおきましては、只今のところこの世界銀行に対する外資導入の話は、水力発電最優先一本槍でございます。尤も昨年の秋に世界銀行の調査団が日本に参りましたときには、当時日本としていろいろやりたい計画もある、その中で比較的計画がもう具体的にでき上つており、外資導入の対象事業として考えられるものはまあこういうものがあるのだ、全部が全部外資導入があるという意味ではありません、その当時の政府の考えておる、優先的にこういう事業計画をやるべきじやないか、或いはやつたほうがいいということで、相当具体性を持つたものはこういうものなんだという事業計画はそういう意味において調査団に出しております。これには水力発電のほかに例えば灌漑事業であるとか、或いは鉄道の電化の事業でありますとか、航空機の輸入の問題でありますとか、そういう一連の諸種の事業を出しております。併しそれも今申上げましたようにそういう軽い意味と申しますか、日本で今具体的な計画性が、相当計画内容がきまつたものが現にあるのだという意味のものでありまして、決してこれに対して金を貸してもらいたいという意味の正式の申請をしたという意味のものでもないわけであります。その後日本政府としてはいろいろの協定の中で水力が最優先的であるということでインパクト・ローンという形で水力発電の外資のことをまあサウンドしておる段階でありまして、それが駄目な場合に一体どうするのだという方針がきまつておるかという点でございますが、それはまだきまつておりません。それはいろいろ各省それぞれ具体的な計画を持つておられますから、こういうものをやるほうが国のためだろうという構想はそれぞれの省が持つておられますけれども、私どもの承知しております限りでは実を結んで、実を結ぶと申しますか、具体的に世界銀行にサウンドされておりますものにつきましては水力発電のみで、従つて水力発電が駄目なときにどうかということにつきましては、まだ政府全体としては未定であるということを申上ぐべきだと存じます。

三輪貞治日本社会党(第四控室・左)

○三輪貞治君 皆さんお揃いでないから不適当かと思いますが、実は第十六国会の終りの頃から九月の終りにかけまして、東南アジア並びに欧州を廻つて参りました際に、丁度クーデターのあつた直後のイランに私立寄つたわけであります。その際にイランの新内閣の閣僚並びにザヘデイ総理なんかにも会いましたが、非常に対日的な感じはいいのでありまして、日本の協力を非常に期待しておられました。ところがその後問題になりました出光興産の代表者のかたが数名行かれて、その際に私がザヘデイ総理その他の閣僚から聞きました日本の協力を要望するということが、実は文書にして、吉田総理大臣に対するメッセージとして、今日具体的に届けられて来ておるのであります。この文章を参考のために読んで見ますと、    吉田総理大臣に対するメツセージ   十月二十二日   イラン総理大臣ザヘデイ   農業、地下資源、工業、金融等のイランにおける開発及び投資に日本側の協力を依頼いたしたい。これが補償についてはイラン政府において責任を持つものとする。   特に希望するもの左のごとし。   地下資源の開発と輸出   (一) 地下資源    イ 塩    ロ 鉄鋼    ハ 銅、コバルト、アルミニウム、クロマイド、硫黄   (二) 輸出    イ ペルシア湾の漁業    ロ 農機具の輸入    ハ ダムの構築    ニ 茶の栽培指導   とありまして、「これがため専門家を以て構成する調査団の、派遣を至急進められたし。」  こういう文書であります。  これは海外の貿易が日本の経済の自立の上に非常に重い役割を持たなければならんという現状に鑑みまして、非常に重視すべき問題であろうと思うわけであります。当委員会においてこの調査団の派遣を至急進められるような政府の施策を要望すると共に、従来においてなされましたようにいつの間にか知らない間にその人員等がきめられて行くというようなことでなしに、少くとも本委員会においてはイランの石油の輸入問題等について相当論議もあつたことでありまするから、この委員会に緊密な連絡を持つてそう実行されたい、こういつたような実は趣旨の申入をされるような、決議をされるような希望を持つておつたわけであります。併し内容についてもかなり研究を要しまする問題でありまするし、期日もありませんから、継続審査でもよろしいのでありますが、是非本委員会においてお取上げ願いたいと、こういう希望をお受け願いたいということであります。

中川以良自由党

○委員長(中川以良君) 只今の三輪委員の御発言でございまするが、私もその問題は直接話を承わつたのでありまするが、今文書でそういうようなメツセージがあつたというお話は、口頭で以て伝えてくれというメツセージであつたと存じまするので、その辺は御訂正を願つたほうがいいんじやないかと思うのであります。御尤もな御意見でございまして、当委員会として非常にこれは関心を持つべきことと存じまするので、これが一つ今国会は本日で終りまするが、休会中も一つ継続審査の中の一つの項目といたしましてお互い研究をいたし、又今日直ちに委員会の決議として政府に申入れるには数も揃つておりませんので、各会派の御意見もありましようけれども、委員会としてはこういう意向が今三輪委員からお述べ頂いて、皆様の御意思におきましてもこれに御賛同のことであれば、委員長といたしまして政府側に今のような趣旨を申入れて、なおこれに関しましては慎重に委員会で審議をいたして是非我が国の産業の復興のため、又イランとの国交の今後の回復緊密のためにも努力いたしたいというふうに政府側にも申入をいたしたいと考えておりますが、何か御意見ございましたら……。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 只今三輪委員からのお話でありますが、それと同様なことであるインドネシアでありますが、インドネシアのほうで船がたくさん沈んでおりますが、それがために航行不能という状態に陥つておりまするので、インドネシアから私が個人的に知つているほうのニユースでありますが、これはどうしても日本のサルベージの御協力を願わなければならないということを言つて参りました。それでそういうふうな問題がたくさんあると思います。これはその一つでありますが、その船はちよつと港のところにあるのは八十隻で、五千トンくらいの船でありますが、合計約四十万トンある。それが邪魔になつて航行できないというのであります。そういうようなことも全部日本の技術の援助を願わなければならないということで来ておりまするので、やはり只今の三輪委員からのお話も私も御尤もだと思いますので、東南ジア方面においては何とかしてこの日本の技術の援助を願いたいという気分が溢れておるように思いますから、これも申上げておきます。

中川以良自由党

○委員長(中川以良君) 今の海野委員の御発言も御尤もでございますので、そういう関係も一つ引つくるめまして当委員会で今後研究いたすことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中川以良自由党

○委員長(中川以良君) それではさように取計らいます。  ちよつと速記をとめて下さい。    午後零時三十四分速記中止    —————・—————    午後零時五十一分速記開始

中川以良自由党

○委員長(中川以良君) 速記を始めて下さい。  それでは暫時休憩いたします。    午後零時五十二分休憩    〔休憩後開会に至らなかつた〕

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