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17回国会参議院1953/11/20

大蔵委員会 閉会後第3号

発言数
110
登壇者
11
会派数
5
開催日
1953/11/20

会議録

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) これより大蔵委員会を開会いたします。  本日は一萬田日銀総裁から金融一般について意見を聴取することにいたします。総裁におかれましては政策委員会の定例会議中にもかかわらず、わざわざ御出席下さいまして厚くお礼申上げます。  私から申上げるまでもなく、金融問題は国家予算と共に極めて重要であり、殊に経済、外交あらゆる方面について再検討を要する今日においてなお更であります。この際総裁から率直な御意見を承わり、又各委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。なお、総裁におかれては午後も先約があるようでありますので、質疑応答は成るべく要点のみにいたしまして、できるだけ多数の委員が発言できるようにお願いいたします。

一萬田尚登日本銀行総裁

○参考人(一萬田尚登君) 私日本銀行総裁の一萬田でございます。  最近金融引締めという言葉で新聞紙上を賑わしております。今日はこういうふうなことはどういうことを意味しておるのか、又どういうふうな事由によるのか、それらの点についてお話を申上げて、最近における内外の金融情勢一般がおわかりになるように持つて行きたい、かように考えておるわけであります。  大体私どもの考えは従来、貿易の拡大による輸出の増進、それには商品の生産コストを下げる。そうして生産コストが安くなるから物価を下げる、そうして国際物価水準に成るべく日本の物価を持つて行こう、こういうふうに持つて行かないと永続性がない、生産の持続性というものがない、それで成るべく日本の国際収支が一応バランスが取れるように、これは特需とか、或いは進駐軍関係のかたがたの日本におけるドル消費等を含めてであります。原因はともあれ、とかく全体としてこの国際収支が受取超過である、こういう機会に成るべくそれを促進して行きたい、こういう考えで、言い換えれば金融の性質から言えば、質的な調整というふうな考え方で来たわけであります。それが最近の経済の情勢から見ると、どうしてもそういうことだけでは、これは無論時間も要ります。いわゆる合理化という言葉で叫ばれるのでありますが、なかなか時間をとり、且つ直ぐ商品の値段を下げるところまでなかなか行きがたい各般の事情もある。従つて国際的物価の水準になかなか下りにくい状況にある、こういうふうな事態であります。そこで質的な調整より量的な調整に比重を若干加える、こういうわけであります。これが今日この金融の引締めという声で叫ばれております。日本銀行が直接とつております方策としては高率適用の強化、こういうことが中心になつておるのであります。なぜそれならばそうであるかと言えば、世界の経済は、無論日本は今申しましたように、貿易に対する依存度が非常に高い、輸出が非常に重大である。そこでこの世界の経済の情勢から見ると、特にスターリンの死後における世界の情勢というものはいわゆる和平の攻勢が非常に強まつて来た。これは私どもの立場から言えば、中心がいわゆる国際的な経済闘争というものであります。こういうふうな経済的な闘争になつて来ると、これは一朝一夕で事がきまるものでない、非常に永続性を持つておる、永い時間の問題になつて来る。そうして又こういうふうな情勢から朝鮮事変も始まつたのでありますが、そういうことは全体の世界経済に、いわゆる戦争ということを非常に間近に感ずるかのような情勢下において軍拡を考える。そうしてそれを基調として、経済が動いておるという情勢とは全く事情が異なつておる。従つて、そういう意味において世界の物資に対する需要というものが減退する、或いは又減退せざるを得ないということは言うまでもない。これはすでに具体的には世界の経済を支配しており、或いは又支配しなくても大きくインフルエンスを多くの国家に対して与えておるアメリカの経済、又アメリカの財政予算というものを見れば明白でありまして、アメリカの軍事施設というものもずつと小さくなつて、大体今日では五百二、三十億ドルというふうになつておる。又予算にしても、前のトルーマン政権の当時においては百億ドルに近い九十九億ドルくらいの赤字予算、それが今日では三十億台、三十七、八億の赤字で止まる。こういう工合で財政の縮減をやつておる。又海外に対する援助も無論当然少くなつておる、こういうふうなわけであります。従つて、アメリカの経済自体を見ても、アメリカの景気がもはや峠を越した。もう下り坂に……、今日いろいろの指数を見た場合、例えば今生産指数を見たり、或いは又雇用等を考えた場合に、今すぐ下つておるのじやありません。併し、もはやこれが峠でだんだん下る。それは生産は増大するが、一方滞貨もできつつある。又或いは耐久的な消費財においても需要がだんだんと、例えば建築においてもそういう状況を見ておるというふうな状況から、やはり推測される。こういうふうな状況である。そうして見ると、今度はこれが又世界の他の国に及ぼす影響は言うまでもないのでありまして、こういうふうな軍事的な需要が平常的な需要に変つて来るいわゆるトレードということであります。のみならず、このトレードによる場合は、欧洲諸国においてもしばしば問題になつておりましたドルの獲得というものが困難になつて来る。従来に増して困難になつて来る。自分の力で獲得しなければならない。そうして見ると、これらの国においては更に一層今後貿易戦を展開するといいますか、できるだけ良い物を安くする。そうして世界に市場を求めてドルを獲得するということは、言い換えれば、それぞれの国々が国際収支、いわゆる国際収支を改善して、成るべく受取勘定に持つて行く。こういう努力になつて現われることは勿論言うまでもない。無論これらのことを努力したあとに、更に対立的な世界経済が出るという意味じやありません。私の考えでは、そういうふうにして、おのおのの国が自分の、自己の国際収支をよくして、その上で恐らくこの各国の通貨の交換性もそこで実現をする。そうして、その基礎の上において世界の貿易が更に拡大をする。こういうふうな過程をとつて行くだろうと私は確信するのでありますが、今のところはやはりまだその過程で、各国が自己の国際収支を改善するということに最善を尽すという今日の情勢にあるのであります。  そういうふうな状況下において、日本の今日の経済を顧みますと、どういうふうであるか。非常に寒心に堪えない状況にあるのであります。例えば、今イギリスあたりでは、すでに一番最低の時は恐らくドルの手持ちが十三億ドルくらいに減つた。この時にいわゆるポンドの切下げがあつたのでありますが、その後十六、七億ドルというようなところである。まあこういうところで、又その消長によつてポンドに対する若干のいろいろの批判があつたのでありますが、もう今日ではイギリス政府の適切な処置と国民の協力で、ドルにしても二十五億ドル以上に達しておる。悪い時の倍額以上に増加しておる。なお今後の増加も期待される。こういう状況であります。これに比べて、今度は日本に来るのだが、日本はどうか。大体まあ今年の三月に終りました二十七年度の会計年度をとつて見ますと、まあいろいろ言われておりまするが、九千万ドルに近いものが結局受取超過になつておる。この貿易の趨勢から言えば、もう昨年の秋から悪い方向に向いておつたのでありますが、まあとにかく受取超過、ところが、二十八年度に入つて、例えば今年の九月末項の数字を私は記憶しておるのですが、それをとつて見ると、今年はすべてを合算して入超が一億二千万ドルに近いと私は見ておる。昨年はその頃がともかく三億四千万ドルくらいの受取超過だつた。今年は日本のこの国際収支は、九月末をとつてどうなつておるかと言えば、四億五、六千万ドル払超になつておる。去年に比べて、差引きプラス、マイナスでそういう状況である。言い換えれば国際収支が非常に悪い。これは先ほど申しました世界の情勢とは非常な逆行である。無論世界のどの国も必ずしも外貨の今手持ちが殖えておるとか、国際収支がすべていいとは言いませんが、あり方と進み方が違つておる。去年よりも今年がそういうふうに無くなりつつあるという状況である。そういうふうであるからとも又言えるのでありますが、一方物価を見ますと、日本の物価が国際物価に比べて割高であるということは、長い間の問題であります。この是正に向つて皆が努力を傾けておるのでありますが、それならば今年あたりになつて一体どうなつておるか、そう言えば恐らく私の今の記憶では、今年になつて卸値は四分乃至五分、去年に比べると六分以上卸値は上つている。小売では今年になつて一割以上の増加になつている。こういうわけであります。これはもう世界各国がこの厳しい競争下において物価を下げており、又下りつつある情勢とは逆であります。無論この物価が割高であるということと、入超、輸入が多いということとは、やはり相関性を持つのでありますが、こういうことになつている。これはやはり先ほどかいつまんで申しました、今日世界の経済が動きつつある方向とは全く逆なんです。こういう事態である。それならこのままに、従来のままにして置いて行けば、どうなるかというと、ますます世界の経済の姿、努力とはかけ離れて、日本は反対の方向に行き、入超はますます多くなり、ドルの手持は減る、そうして物価は上つて行く、こういう状況になる。どうしてもここで日本の経済の今日の歩みの方向をストツプさせなければならない。現在のこういう方向にこれ以上進めないように、この方向をストツプさせて、更に国際的な方向の歩みに近寄るように、そのピツチを上げて行く、こういう方向を取らさるを得ないのであります。  そういう情勢下において、今日金融政策が従来のものと違つて、違つたとは申しませんが、従来のあり方から違わざるを得ないが、従来のままにやつて行くわけに行かんというわけです。それを財政支出が払超になる十月を選んで、成るべく摩擦を少くしつつその方向に向けて行きたい。こういう意味合いで、これは何も第三四半期に財政支払が多いから、特に高率をということじやなく、結果としてそういうものを吸揚げる効果を一層強く持つのでありますが、そういうことだけを目的としたのじやなしに、第三四半期の支払超過は何も今年に限つたものではないのでありまして、昨年も千七百億以上の支払超過であります。これは米の供出等の点から当然なことであります。今年はそれが若干多いだろうという程度のことであります。そう苦にすることも今のところはないのでありますが、今申しましたように、この金融政策が、日本の物価が国際物価に比べて高いのを、成るべく徐々にですが下げなければならない。又それ以外に行く途はないのであります。国際物価に近寄るように成るべく向けて行く努力と言いますか、努力を具体化する政策というふうにお考えになればいいのでありまして、従つて、これは相当の継続性を以てこういうふうな目的の達成されることを目途としております。これは今後如何なる情勢がありましても、日本の経済の実態が国際経済との関係においてそう行かざるを得ないのでありますから、なかなかそうあれこれとは行かない。こういうふうにお考え願いたいのであります。  ところで、まあ今日金融が締まると申しますが、それなら高率適用になるとどうなつて来るかと申しますと、私どものほうから出ております金の一般銀行に対する金利の高率は、そういう高率を避けて一銭九厘二毛というふうなところに事務のほうの報告ではなつております。従いまして、今のところはそう緊縮的なものではなく、一銭九厘二毛で二銭五厘ぐらいには運用ができるというところです。そういうことで私の考えでは、日本銀行から金を借りて運用する、これは日本の経済の資本蓄積の度合が不十分である場合において、日本経済が真に必要とする場合においては、これも私は止むを得ないと思うのでありますが、これは国民経済から見ての姿で止むを得ないと思います。併し、その運用によつて、運用する個々の金融機関がそれによつて利益が出ることを考えては私はならないと思う。それは全然その利益を見るなとも厳しくも言いませんが、そういうふうな利益が上るとか上らんとかいうことに重きを置くといいますか、頭を使うようであつては私はならない。飽くまでそれはいわゆる自己の預金の運用によつて収支のことは考えて頂く。日本銀行の金はこれは国民経済として必要だから、借りて使うことは使うが、それは国民的意義においてのみ使う、それは個人的或いは個々の企業の関係ではない、非常に意味が薄い。言い換えれば、収支の関係では、これはそう金利が高いとか安いとか言わるべきではないと、こういうふうに私は考えらるべきだと思います。大体において中央銀行の金利は、本当を言えば、筋から言えば、市中銀行よりは高いのがいい、日本銀行から借りれば儲けないどころか損をするという、そういう逆鞘が本当を言うと理窟であります。併し今日そういうふうな金利関係を持つておる世界の中央銀行が少いことは、これはいずれの国も戦争等によつて資本蓄積が不十分である、だから市中銀行の金利が高いということは極く少いと言われております。従つて又こういうふうな日本銀行が高率適用を強化して、成るべく日本銀行の資金に依存をさせないようにするというこの一つの政策は、当面のこのインフレ的な考え方に対して警告を与えると共に、日本銀行の金利が市中銀行の金利よりも成るべく高くなるようにと、これは無論資本の蓄積に努力して、資本蓄積が具現しないと容易ではありませんが、そういう方向に向けるための今日訓練と言つても私はいいと思う。だんだんと日本銀行に依存をしないで、民間がそれぞれの経理を立てられる、又今後一層預金吸収に努力をして、そうして自己の資金を以て成るべく産業資金を賄つて行く、こういう方向にますます持つて行かさせるための、言い換えれば、私どもの立場としての金融の正常化、そういうふうなものに一歩々々前進する道程に今日ある。従つて、そういう意味から言つても今やるようなことは、今やること自体は、これは手段として変化を生ずるかも知れませんが、そういうふうなことをやり得ること自体は永続性を持つておる、そういう意味からも企業の永続性を持も得るという見地から、これをなかなか一時ちよつとやろうということではやり得るものではないという点も一つ御了解を願いたいと思います。  かようにしてやつておるのでありますが、大体今のところ所期の、一応当面のところは順調に推移しておるということを御報告申上げてもよかろうと思います。そうして大体今日こういうような行き方で行く以外に方法はない、無論金融のそういうふうな引締めというような措置によつて、経済の諸問題が解決する、或いはインフレについてもすべての解決ができるかのように錯覚され、或いは又そういうことを考えておるかのように批判されることは、甚だ迷惑するのでありまして、決してそういうふうなことは考えていない。無論こういうふうな金利の力にも限界があります。そうして本当の日本の経済の場合は、実質的に如何にして日本の物価を国際物価まで持つて行くか、そのためにはあらゆる総合的な施策が必要であることは言うまでもありません。如何に私が仮に金利を締めてみても、日本の本土からすぐに鉄鉱石が出て来るわけでもありません。或いは又粘結炭が出て来るわけでもない。そうしてみると、石炭価格というものを国際価格との関係において如何にするかということは、単に金融を引締めたばかりではいけない。併しこれは又金融がゆるむとすべて経費が放漫に流れ、すべてが安易に行くということではますますいかん。これはすべて総合性を持つて建直しをして行かなければならない、無論インフレ的見地では、今後問題は補正予算から来年度予算、二十九年度予算の編成と大きく変つて来ることは言うまでもないのでありまして、私どもが切に願うことは、こういうふうな世界経済情勢下に、日本の進むべき、そして又新らしい負担が別個にも生じようとしておる今日の日本において、経済の安定上財政が極めて均衡の取れた緊縮な予算が編成される、こういうことが基本である。こういうことがうまく行かずに、かような放漫な予算が立てられる、それを金融で行くということはなかなかできない、ということを附加えておきます。  大体の大筋の今日の状況を御説明いたしました。御質問にお答えいたします。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 只今の御説明で、今まで質的規制をやつておつたのを更に量的規制を加えて、金融引締めをやつて行くんだということでありますが、従来の質的規制についても過剰投資或いは二重投資という問題で、必ずしも我我の観点から言つて満足すべき規制は行われていなかつた。そして量的規制については高率適用その他でやつて行くようなお考えのようでありますが、もう少し具体的にどういう措置を取ろうとされておるか、或いは今の質的規制の場合においても、自主的に規制委員会を作つてやつておるようでありますが、そういう点はどのように総裁においては扱つて行くつもりであるか、もう少し具体的な御説明をお願いしたいと思います。  それから時間の関係もありますから、問題を先に出しておきますが、そういう金融調整をやる上において、現在の日本の金融制度というものについて総裁の見られるところ、長所及び欠点というような点について腹蔵のない御意見を前以て御説明願いたい。

一萬田尚登日本銀行総裁

○参考人(一萬田尚登君) 質的な調整をどういうふうに具体的に加えて行くかという御質問でありますが、無論今日の経済の何といいますか、基調におきまして、基調と申しますのは、私どもに対しまして何ら統制というものを加える力を与えられておるものではないのであります。日本銀行としては、そういうような高率適用というような、取引を通じて資金の流れる量を規制して行くという以外には、今のところ直接にかれこれ法律的な根拠を持つておるわけでもありません。従つて、高率適用をして、日本銀行に来れば来るほど高い金利を払わなければならんという取引を成るべくしておる。それから無論そういうふうにいたしましても、格段に日本銀行に依存する金融機関もあるのであります。そういうふうな向きについては、機会ある毎に成るべく一つ自分の資金でやるように、場合によつてはどういうふうな運用をするだろうかというような経営法を考えて頂くというふうなことで、大体これは具体的に所期の目的を達しつつあるわけであります。それから無論こういうふうになつて行きますと、重点的な融資は一層増加し、全体の資金量は少くなる。これは金融機関に自主的融資規制委員会がありまして、そして実はそこでどうこうというのではないと思いますが、自主的に金融機関がお互いにやることは無論でありますが、成るべく国民経済に重点的に副うように融資をお互いがやるということ、又細かいところで、或いは事務的にいろいろあるかも知れませんが、まあ私がその点具体的に申上げ得ることは、そういう点であります。  それから先ほど、従来とても二重投資とかいろいろあるのではないか、この問題は非常に今後においてもこれはなかなかむずかしい。これはなぜかと言うと、日本の企業自体が非常にこの終戦当時の政策によつて分割をされておる。そうして、この商品の需給関係といいますか、日本経済全体の構成というものが非常に違つた形になつて、例えば鉄ならば鉄一つをとつて見ても、今日では前と違つて強大な陸海軍というものは全然ありません。原料の所在も違つておる。そこへ持つて来て、日本の全体の経済構造というものが、朝鮮や満洲や台湾、こういうふうな領土がなくなつたということで全く違つて来ておる。更に国内的には集中排除で、各企業は少し大きなものは皆分割をする。こういう下において、而もこれは民主主義と申しますか、自由にお互いがお互いを主張して行く。その小さく分割されたままの形において、おれもおれもと主張して行く、そのおれもおれもが相成らんと言えば、これは又睨むところがやはりできる。独占的な方向に向くのではないか。これは成るべくこういうふうな客観的な与えられた条件で、できるだけ二重投資にならんようにしますが、やはりどうもそれかと言うて、二重投資になる虞れがあるから、これに資金を融通せんようにして行けばいいかと言えば、それはそうでもないので、国際的に見れば、日本の企業というものは、設備的にも技術的にも非常に劣つておる。いわゆる合理化或いは近代化をしなければならない。どうしてもそれをしなければ輸出貿易が伸びない。良い物が安くできない。その結果として成る程度今の企業形態のままでは、どうしても駄目だ、二重投資になる。それで私どもの立場から言えば、いよいよ以て量的な点もあるし、この重点的な配分も強くしなければならん。そうして見ると、二重投資の無駄があつてはいかん。先般から一つ政府の御当局にもお願いをして、自分たちも下働きをして、企業の形態をもう少し無駄がないように、大きくして一緒になつてやつてもらう方向に転換したらどうかというふうに考えております。  それから金融制度等に関しましては、これは大蔵大臣が機会あるごとに恐らく国会でも申されることであると思うのでありまして、大蔵大臣の御意見が中心になるかと思いますので、私の意見はほんの私だけの意見でありますが、無論今日の事態が全部完全というわけでは無論ありません。のみならず例えば日本銀行を見ても、やはり戦時中の立法がそのままにある。そうして独立後日本人自身の考えでこういう経済統制をやつたらよかろうというような気持から延ばしてあるわけでありますが、まあ日本銀行を中心として、いろいろと法律上、立法上の問題もありましよう、これについて政府も考えられる、こういうことに期待しておる。今具体的にどうするかという点については、私はここで申上げるだけの十分の余裕もありません。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 今の金融調節のことですが、そういつた調節をしやすくするという意味において、まあオーバー・ローンの解消というようなことについて、最近いろいろの案が各方面から出されておるようでありますが、まあ総裁に答えてもらうために具体的な一案を出すと、保有外貨を日銀に集めてもらつて、この資金を政府関係金融機関に出資又は貸付けて行く、それを通じて一般金融機関のオーバー・ローンを解消する。然る後に決定的な今の逆鞘的な方面に持つて行く、こういう案も出ているのであります。ただ今のままで金融調節をやるということでなしにに、まあ日銀総裁、金融のエキスパートとして、全体の元締としての考え方によつて、そういう方向に、現在の日銀に関する限りにおける政策でなしに、そういう点についての御案はお持ちでございましようか。

一萬田尚登日本銀行総裁

○参考人(一萬田尚登君) オーバー・ローンの問題、これは日本の経済の実態がああいう形で現われておるのであります。従つて基本的にはオーバー・ローンにならないように日本の経済を持つて行く、更にもう少しこれを具体的に言えば、資本の蓄積ができるように、民間資本の蓄積ができて来れば、十分このオーバー・ローンは解消する、まあどちらかと言えば、今そういうふうなオーバー・ローンも解消に向つて行きたいという過程にある、その後の過程で、只今のところでは物価というものがどうも上がる傾向にある。そうして国際収支から見れば輸入超過が増大するというような状況で、そういうところも実態的に見た場合にオーバー・ローン解消とはちよつと違う、そこに私は先ず手を打つへきだ、資本蓄積と申しましても、これは企業自体にしても、或いは銀行等の預貯金にいたしましても、物価が上がるという情勢下においてはなかなか困難である、物価がすつかり安定をする、或いは又今後むしろ生産コストも下がるというような含みからして、物価も下がるというような見込みがあるという客観情勢においてこそ、初めて資本の蓄積が可能である。そこでオーバー・ローンも解消する、金利も下る、こういうふうな考えでおるわけであります。が併し、又同時にそういうふうなことに努力する場合において、そういうふうに実態を直す一つの方法として、オーバー・ローンが成るべくできがたいような一つの制度をここにはめ込んで、そうしてそういう方面からもオーバー・ローンになるような動きと申しますか、力を成るべく抑えて行くという効果は又考えていいと思つておる。まあ世間で伝えられておりまする例えば外貨を日本銀行に売却して、それを次々とうまく振替えて通貨の膨脹をなくして、一応民間の長期等の資金を肩代りする、こういうふうな考え方もある。これは一応それが民間資金に関する限りにおいて一応形ができる、併し或る意味においては、これは従来日本銀行から借りて出ておつた金が、財政資金的なものに振替わる。オーバー・ローンはただ貸す人が違つただけで、ああいうような形にもなる。まあそういうようなところは或る一ヵ所に集中して、それ以外のものは立派な形になるというようなことになる、これが果してオーバー・ローンの解消になるかどうかという論議も成立つわけであります。そうした場合において、市中銀行一般がそうなつた場合に、多少日本銀行にイージーに借りに来ることを困難ならしめるような、何か制度的なことをそこでやる。これはまあ今後における金利の問題もあるでしよう、或いは又預金の支払準備というか、そういうような地方銀行のフアンクシヨンに関連して、いろいろ制度的な考えが出るわけであります。そういうことがいいか悪いか、これも考えなくちやならん、そういうことが又日本の経済にいつも影響を与えて、オーバー・ローンにせんような途にはなりますが、それよりもより以上に日本経済に大きな影響を与えるなれば、やはり時期は早いほうがいい、それらの点についていろいろと研究をしなくちやならん、断言はなかなかしにくい。そういう点については恐らく関係の政府委員において研究しておる過程にあるのじやないか、要は今申上げましたように、やはりオーバー・ローンになつているその根本について、すつきり直して行く、同時に又制度的に大きな比重を与えないにしても、制度的に又オーバー・ローンにならないような挺子を付けることを考えるという意味合も相当ある、こういうふうにお考え下さればよろしいのじやないかと思います。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 委員長の御注意もありましたので、要点だけ簡単にお尋ねしますが、第一に生産コストの割高ということは、もう早くから言われておることでございますが、その原因は勿論いろいろございましようが、そのうちで金利が高いということを盛んに言う、経営者側の陣営の人たちから言わせると、金利が高い、我々が見ますには、ただ単に表面に現われました金利のみでなくて、金融を受けるための運動費も相当これに見込まれて、金利が高い、金利が高いと言うのでしようが、今世界の情勢をお話になりましたが、世界の金利の水準と日本の水準、更に金利以外に運動費というものがどうも要るらしい、どこに聞いても率直には言わないが、要ると言うのでありますが、今量的な調整に転換をされる。転換と言いますか、或る程度その方法をとるということになりますと、その傾向がますます甚だしくなるのじやないかということを最も恐れるのでありますが、この点について一つ日銀総裁の御見解をお伺いしたい。  それから第二点に、金利引締めの結果は、どうしても中小企業にしわ寄せが来るのじやないか、銀行から金を借りるという場合に、優良会社、大企業が銀行としても貸しよくなる、ところが大企業の下請をやつておるような中小企業に対する金融の途は、量的調整がひどくなるというわけではないけれども、まあ調整されるということになると、これにそのしわ寄せが来る関係があるのじやないかということは、最近まあ総裁も御存じの通りに、今新聞でも問題になつておりまするあの保全経済会初め、街にある金融機関であるか何かわからんようなものが、まあかなりの資金を吸収し、而もそれに対する需要も旺盛であるということは、これら中小企業のほうでは、銀行から金を借りられんからして、止むを得ずこれらの金融機関に類似のものを利用する、その結果街に繁昌しておるのじやないかと思うのでありますが、ますますそれらが繁昌する余地を与える。こういう結果になるのじやないかと思うのでございます。この点について一つお伺いしたい。  それから第三番目にもう一つお伺いしたいのは、日銀が金融調整に乗出されるという声明というか、総裁の談話を発表されますと、まあ新聞も大きく取上げまするし、直ぐいよいよ日銀が金融政策から財政的に、今どうしても一兆を……、今度二十九年度は一兆をどうしても超過するのではないか、予算規模が一兆を超して来ると、財政的にはかなり放漫に流れて来る、それを金融の両で引締めるということは、どちらかというと畸型的な行き方になるのじやないかと私たちは思うのでありますが、これは素人でよくわかりませんが、その関係上金融を引締めるということになると、ややもすると日銀が一つの権力機関になるというような虞れがあるのじやないかと思うのでありますが、現に風評でございますから、ここで確たる証拠を握つて言うわけじやないが、日銀の支店長は曾つての軍の管理官以上の威力を今持つておるというようなことを言うので、これはねたみで、これは一つのそねみであつて、そんなものをそのまま我々受取るものではございませんけれども、そういつた風評というものをあながち無視するわけに行かん。昔から政治のことはすぐ国民がこれを率直に言えない場合には、川柳でもつて不満を爆発しておつたのですが、そういう時代では、ございませんから……。ですがややもすると、そういうことを言いふらして、どこの大都市に行きましても、そういうことを聞くのでありますが、私はこれは好ましいことではないと、こういうふうに思うのでありますが、総裁はこういう風評を聞くとか、或いはそういう傾向にあるというふうな批判があるとするならば、これはやはりそんなことにならぬようにしなければならぬと思うのですが、これに対するお考えを一つお伺いしたいと思います。

一萬田尚登日本銀行総裁

○参考人(一萬田尚登君) 第一、金利の点でありますが、金利は国際的に比べて高いことも事実でありますが、これも日本の国力において止むを得ないと思います。今お示しのあつたところは普通の金利じやなくて、特別に何か資金コストを高くするようなことがあるかないかというような……、私は今お示しのような点について全然耳にせんこともありませんが、これは非常に遺憾に思つております。これは金融業者自体も非常に自粛しておるわけであります。今後は絶対にそういうことがないように、各銀行もそういうような態度でありますので、そういうことがなくて十分これはやれる。同時に今日は財界全体が皆反省をしておりますので、十分である、こういうような状態にある、こういうふうに一応承知しております。  それから中小企業の問題、これも御心配の通りであります。私どももそういうふうに思う、何も今回に限りません。大体やはり経済は一つの有機的なものですから、その組織の弱いところにどうしてもしわが寄る。ふだん心臓が弱いと何か手術をする。やはり心臓に故障があると体に出ると同じわけで、そういうような社会組織の中の力の関係から、不当に自分たちに不利が来る。こういうものが、やはりそれが金融的な関係から言うなら、金融的にそういうことがないようにしなければならんというのが、私どもの考えであります。従いまして、今日こういうような関係から、例えば大企業が、中小企業もですが、下請工場に対して払いが一体どうなつているか、だんだん悪くなりはしないかというようなことも心配いたしておりまして、それでこれはつぶさにずうつと調べて、これは中小企業のかたのほうから実情をお出しを願つて、そうして大体どういうふうになつているかということをつまびらかにしております。極く端的に言えば、今日大企業のほうは支払いはそう悪くない。むしろ改善を見ているようですが、ともかく中企業というようなところ、或いはそれより以下というようなところで、下請に対する払いが悪いといつた現状のようでありますが、これらについては一つ年末にかけて取引先にお頼みして、それらの企業に資金を融通する場合に、滞つているほうへ振替えて行くというような措置で、中小企業にも金が廻る、かように思つている。同時に又大分今日では、例えば中小企業公庫もできましたし、多くはないかも知れませんが、百五十億円くらいの比較的長く出せる金、長期に貸出せる資金も用意ができておる。できるだけ一つ中小企業に力添えをして行きたい、こういうふうに思つております。  それから私のほうの銀行のことについて御注意がありましたが、心からお礼を申上げますが、今、できるだけそういうことがないようにしております。それからその原因として、財政が十分健全でない場合に金融を締めて行く、そういうようなところから来はしないか。私も先ほど申しましたように、金融を締めて行くことによつて、例えばインフレ的なことをすべて解決できるかというと、それだけでは物足りないのでありまして、やはり今日のような大きな財政の場合におきましては、財政が非常に健全であること、これが一つ。これは言うまでもありませんが、仮に財政が健全になつて、それで又民間のほうの資本蓄積もうまく行き、物価も上らないというようなうまい状態であれば別ですが、そうでない場合に、私のほうの金融のやり方が放漫になつたり、打算的に金を出したりいたしますと、そうするとやはりここで、こつちからもインフレになる。ですから財政がうまく行かないような方向を取らんということは無論のことでありまして、銀行の兌換券の価値維持、これはもう皆の人の働いた結晶に払われる、対価になる。全くこれは労働の結晶なのであります。この価値が変動を生じないようになる。そのためにやはり流通の通貨量を調整して過不足のないように、なるべく丁度いいようになるように持つて行く、そのためにどうしても調整が必要である。こういうような事柄であります。それを私どもは取引を通じてやつておるわけなんでありますが、ともすると今日の時代では余ほど注意しないと、人から非難を受けるような点もあろうかと思います。これはまあ御注意もありましたから、一層一つ注意して行きたいと思います。

森下政一日本社会党(第二控室・右)

○森下政一君 今の政府は大蔵大臣みずからが国会でそう言うのですが、遺憾ながら日本はインフレ傾向にある、これを何とか抑制しなければならんという、従つて、通貨価値の安定を図るという、この二つが経済施策の中心だと考えておる。これは私は大蔵大臣の言うことは尤もだと思います。そうあるべきだと私は思うのであります。ところが、それがためには、例えば財政規模をむやみに膨脹しないで、できるだけこれを抑制して行こう、これもよくわかる。ところでどうなんでしようか、財政規模の抑制ということはわかるが、あらゆる支出を節約さえすれば、それでインフレは阻止できるんだというふうな若し考え方があるとすれば、これは私は必ずしもそうでないのじやないか、支出の質といいますか、そういうものによつては一向インフレに拍車をかけるということにはならんのじやないかというような考え方をしておるのですが、一萬田総裁の立場で、今の政府の考え方を批判して下さいということは無理だと思いますが、一体インフレを阻止する、通貨価値を維持して行くということのためには、ひとり金融操作たけでは、私はすべてを解決するわけには行かんと思いますが、どうするのがいいと総裁はお考えになるか、端的に一つ今政府が重点的に考えておる経済施策の中心、即ちインフレ抑制と通貨価値の安定、これがためには一体どうすべきだとお考えになるか、今の政府のやり方に対する批判でなくて、一萬田総裁の端的な御者見を教えてもらいたいと思います。

一萬田尚登日本銀行総裁

○参考人(一萬田尚登君) 大変に大きな問題を御提起になつておるのですが、私はやはりまあ具体的にどういうふうにどうであるということの仰せについては言えないのですが、ただ何としてもこの国力にふさわしい……、私は今極く端的に言いたいことは、いろいろのそれに基いて具体的な施策をしなければなりますまいが、こういうふうに私は今皆に私らの立場からもお願いしておきたい。それは一つどうぞ戦前の地図をここへ掛けて下さい。そうして先ず八千五百万の国民がここにある。そうして年々百三十万余り殖えている。無論今後人口問題については個々の問題が出ると思いますが、そこで一つその国民が或る程度の生活をする上において、それに見合う資産を一つ御覧願いたい。如何に戦前と変つておるか。それはもう領土的に見ても人口は八千五百万、それよりも多くなつておる。そこへ持つて来て、まあいろいろあるのですが、そこへ持つて来て、例えば企業といいますか、企業組織、個々の企業を皆小さくする、そうして原料は極めて大きな部分が外国に依存しなければならない。こうしたことを考えて見た場合に、一体国民はどう考えておらなければ食つて行けないか、国は成り立たないか、どうも私はそれを考え、そこから始めなければならんのじやないか。そういうふうな形態から見ると、一人が少しでもたくさん食べれば、誰か隣りの人のをたくさん食い込むに間違いない。下手をすれば親が子供の分を食い込むか、子供が毎日親の分を食い込んでおるかも知れない。今日日本はそういうふうな国である。ただ従来まあいろいろな理由がありましようが、いろいろな援助も受け、それでこういうふうに、金も要るところがあるようであるが、さて一皮むいて実情を見ると、依然としてそういう状態である。本来そういうふうなふさわしい一体心構えでやり、ふさわしい一体生活態度でやつて来たか、そういうふうにふさわしいように、すべて予算も財政もそうでしようが、そういうところから私は出発しなくちやいけないのじやないか。そうすると、まあいろいろと自分たちのやつておる仕事自体についても、その見地から言つて実になげかわしいことが多々ある。大まかなところを言えば、辛抱せずに……辛抱するばかりが能ではない、辛抱することによつて却て余りに小さくなり過ぎはしないかというかも知れないが、併し今の日本の状態で言うと、辛抱し過ぎるほうの心配よりも、し過ぎないほうの心配のほうが大きいのじやないか、私はそれが結局やはりインフレの要因になるというように思うのです。今日においてはもうなかなか、私はこういう席上でありますが、非常に時代は甘い状況ではない、我々国民が本当に経済の自立を達成する、それに基いて政治の独立を本当にやろうというのには、こんなふうでは、なかなかこんな甘いことでは、こんな基礎条件の下では行けるものじやないというふうに私は考えておるのです。まあこういうことを私が言つても、皆様がたが大いにやらなければならんことですから……。無論金融上の問題、或いは投資の問題等たくさんあるでありましようが、まあそういうふうなことを一言申上げておきます。

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) ちよつと申上げておきますが、遅れて来られた委員のかたがたもありますが、総裁は午後は先約があるそうでありますから、午前中だけでありますので、成るべく多数の委員の御発言ができるようにと思いますから、質疑は要領を得て簡略にお願いいたします。

平林太一無所属クラブ

○平林太一君 先刻来一萬田君の経輪蘊蓄を聴取いたしたのでありますが、それで私は具体的のことをお伺いいたしたい。  インフレ抑制に対する同君の孤軍奮闘の実績というものは、高く評価されて然るべきではないかということも、この際了承いたすのでありますが、併しながら、具体的の問題として、只今承わりたいと思いますことは、まさに暮迫る年末問題を迎えて、この際年末に対しまする金融、又これに対応する資金、そういうものにどういうふうに同君はお考えになるか、いわゆる日銀の目的の第一条には、「日本銀行ハ国家経済総力ノ適切ナル発揮ヲ図ル為国家ノ政策ニ即シ通貨ノ調節、金融ノ調整及信用制度ノ保持育成ニ任ズルヲ以テ目的トス」、この目的を達成するその総裁としての一萬田君は、これに対して如何なる措置をおとりになろうとするかということが第一。  第二に、もう一つ伺いたいことは、日銀の政策委員会は、御承知の通り終戦後いわゆる総司令部の意図及び指示によつて、日銀の金融というものに対する方針を基礎としてこの委員会ができておることは、争うべからざる事実であると私は承知いたします。で、昨日来、米国副大統領が参りまして、日本のこの武装解除をいたしたことは誠に間違つておつた。誠に相済まなかつたということなんです。併し、ひとり武装解除のみではない、この重大なる日本経済の基盤となるべきこの金融、又通貨の調節その他日銀に対する当時の総司令部の意図は、日本膺懲のためにいたした。その意図の下に作つたのが今日の政策委員会だ、私はこう断ぜざるを得ない。これは同君はその政策委員会に対して、議長として、或いはその中心となつて事に当つておられるその政策委員会を、今日このままで、この性格をこのままで持続して然るべきかどうか、どうするのだ。これでいいのか、或いは政策委員会というものは元はなかつた。だからこれを廃止しても、或いは今まで申上げたような要旨によりまして、これはそういうこともあり得る、この政策委員会に対する政策、今日政策委員会がいたしておりまするその行為に対しまして、どういうふうにお考えになつておるか、これはその発生の目的をお伺いしたいのです。この二つの問題をこの際質しておきたいと思う。

一萬田尚登日本銀行総裁

○参考人(一萬田尚登君) この年末の金融についての御心配のようでありますが、年末というような期間について申上げれば、私の考えではそう御心配なさるほどのことは……、最近は米の供出も案外よろしいようでありますし、そしてまあ各地のその後の報告を見ても、先に考えられておつたよりも米の収穫も事実いいようです。割に悪いような所も、大分状況が実際は違つておるような状況であります。そして米の値段は高い、まあ今年は去年に比べてやはり米の供出量は若干少くなるかも知れませんが、そう大した減収も年末近くにはないような状況のようであります。まあ中小企業という問題が常に問題になつておつて、それについては先ほど中小企業についてはこういうふうな、具体的に一、二のことを申上げましたが、十分配慮はするというふうにしております。  それから政策委員会、これは無論どういう制度にかかわりませず、常により良いものを、それ自体をより良くするとか、或いは又それ自体よりも更により良いものが考えられ、それが日本の現在、将来に亙つて立派に十分うまく行くというようなことは、これは考えなくちやならない。私どもは今日ではそういうふうな意味で、大いに考えつつあるのです。政策委員自体も今日皆さんが非常によく、設置された目的を達成するようにと努力しております。そういうふうな状況であります。

平林太一無所属クラブ

○平林太一君 只今一萬田君の御答弁を伺つておりますと、非常に同君が平生一萬田声明として非常な見識あり、権威ある御発表をなさるというのと違つておる。誠に抽象茫漠としたことである。さようなことを今日聞くために、同君をここへお招きいたしたのじやない。年末金融が心配するものではないのだとおつしやる。それから米も割合凶作でないのだ、これじや今日の我が国の現状というものに対して、これは世間で言う何と言いますか、象牙の塔に立てこもつた法王の言であるということになるのです。我々は今日非常に重要なこの国の国政、この国の経済をどうして行くかということに孜々としている。あなたは今、年末金融は必要ないのだ、市井に出て御覧なさい。あなたは札の前においでになつているから、外のことはわからん。それじや困る。年末の金融に如何に苦しんでおるか、不渡手形はどんどんたくさん出ている。そういうような事態で、而も越すに越されずに、どうしてやろうかという大衆の年末金融ということ、それをあなたはそういう方針でおられるから、市中銀行というもの、商業銀行というものが、何らこれに対するところの対応の措置を講じない。そして、貸せるほうには重点的に独占資本なんかにどしどし金を貸してしまう。今日独占資本ではもたない、大衆によつて、大勢の人々によつてもつのが、それを全然放置しておる、そういうことはあり得ないのです。この際年末金融にはこれこれの措置をしますと、日銀総裁として……、それを今日まだお考えになつておられないと言うならば、お帰りになつて即時これをおやりなさい。全国の日銀支店に指示して、年末金融に対しては、これこれの調節をしろというのでなければ困る、いわんや国会においては、臨国時会までやりまして五百数十億の災害、凶作対策金融をいたしておるではありませんか。それに対して案外不作でない、そんなに驚くことはないとおつしやる、これじや非常に我々が政府資金を投じて、日銀の資本金は一億円であるが、そうして只今第一条に掲げられたのを申上げたように、その意図しておることが非常に心もとなくなるのです。これは別に何かこと更にそういうことを申上げているのではない、一萬田君自体の責任は極めて重大である、同君が一たび言を発すれば、その声明その発言というものが及ぼすところは、我が国財界、金融界に重大な影響を与えるのである、だから、あなたがそういうふうな認識不足のことでは容易ならんことです。それだから、それに対してお尋ねするのです。改めて年末金融に対してどうするかということを、一つこの際言明して頂きたい。  それから第二の政策委員会の問題に対しては、今あなたが御答弁になつて、いるようなことを伺つておるのではない、日銀の政策委員会というものは、この際性格を、従つて人事というものを本当は変えなくちやならん、当時の戦争、いわゆる日本膺懲の下に、日銀運営に対する総司令部の意思によつてできたものである、だからこのままの形態を続けているということは、今日の我が国、日本の現状においては全然相違背する傾向に進むということを虞れなければならん。只今菊川君の御発言にあつたように、非常に日銀が独善的な傾向を持つておる。国会の方向、意思というものに相違背する行為をとるのではないかという心配が出て来る。国会というものに対して一萬田君は極めて平生連絡が薄い。国会に対してなぜもう少し切々たる連絡なり、国会の意思を聞き、そうして我が国経済の方向が大衆的にどこにあるのか、国民総体の中どこにあるのかということを知らなければならん。政府に超然とし、国会に超然としておる。そうして何か自分の存在というものを高く評価しておる。反省をしない。危険極まりないと思う。重大なる反省を求めておきます。これに対してお考え、反撥する御意思があるならば、今日ここで十分反撥をして頂きたい。

一萬田尚登日本銀行総裁

○参考人(一萬田尚登君) 反撥するという気持は毛頭ありませんが、私の言葉が足りないためにいろいろここで誤解といいますかを招かれたと、こう思います。一言附け加えます。決してこの年末金融を考えていないとか、心配はしていないというわけではないのであります。それは心配はしております。まあとりわけその点は中小企業にあるから、中小企業についてこういうふうに年末にかけていろいろとやりましよう、こういうことです。米の点を言つたのは、或いはいろいろなことがありますかも知れませんが、そういう報告が来まして、まあやはり米が非常に不作で、そのために非常に地方でお困りになるというような意見もあつたことですから、それに対してその点は幾らかいいようだからというのでありまして、何もそれだから心配はせんとか、それでいいと言うのではないのです。心配が幾らか軽くなつたというふうな意味合いであるのでありまして、どうぞそういう点、誤解が少しでもありますれば、私の言葉が足りないことからそういうことになつては困るので、どうか御了承願いたいと思います。  政策委員会のことは、現在働いておる私も議長でありますし、これはまあいずれ日本銀行法というようなものも戦前のままになつておりますのですから、この際に法律としてこれはいろいろ考えられるところはあろうと思いますが、現在はああいうところで御了承を得たいと、こういうふうに思います。

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 総裁は他に御約束がございまして時間が幾らもないいそうでありますから、成るべく他の委員に御発言を願いたいと思います。

平林太一無所属クラブ

○平林太一君 年末金融のことについて……。

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 極く簡単に、余り意見に亙らないように、要点だけ御質問願います。

平林太一無所属クラブ

○平林太一君 一萬田君、そういう今のようなことでは困るので、年末金融をできるだけ……、つまりこの際インフレの抑制は一応この形でいいのだとか、或いはインフレ抑制の範囲内において零細企業に対する零細金融はこうしろということを、日銀の支店に指示しなければ、全国の市中銀行というものがこの際年末に当つて、今までのようなことであつたら、重大なことになる。

一萬田尚登日本銀行総裁

○参考人(一萬田尚登君) それはしてあるのです。先ほど中小企業等につきましてこうするということを具体的に申しました。おいでがなかつたときでした。

平林太一無所属クラブ

○平林太一君 それは抽象的では困るのだから……、やりますか。

一萬田尚登日本銀行総裁

○参考人(一萬田尚登君) 中小企業へは大企業から未払いになつておりますから、それを年末かけて掃除をしようと、それを今調べてしまつてあるわけですから、そういうことは具体的にお話を申上げてあるのです。

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 議事の整理の都合上、発言の許可を受けてからやつて下さい。

平林太一無所属クラブ

○平林太一君 だから中小企業、零細企業、これに対していわゆる市中銀行が、商業銀行がそれぞれ零細の金融をするように、この点を、中小企業金融公庫もそういう処置をいたしました。国民金融公庫に対しましても年末に対する処置を只今いたさせております。特別に年末資金を廻させております。併しそれでは足りない、足りないどころではない、それはもう九牛の一毛なんです。あなたの傘下にある全国の商業銀行というものにその指示が行かなければ、これは達成できない。これは微妙なる重大なるあなたの発言が、そういう影響を来たす。それによつてあなたの御心配になつておるインフレ抑制に対しましては、決して心配はないと、これから年末までの問にそういう零細な企業については……、だからそれを付いたい。これを最後に一つ。それではやりましようと、こういうことに御答弁を頂きたいと思います。

一萬田尚登日本銀行総裁

○参考人(一萬田尚登君) よくわかりました。

青柳秀夫自由党

○青柳秀夫君 貿易政策に関連して総裁の御意見を伺いたいのですが、外国為替と言いますか、為替関係は相当重要だと思うのでありますが、現在は群雄割拠というのじやなくて、弱小割拠と言いますか、そういうような状況ですが、何か戦前のような専門の為替銀行があるほうが、貿易推進に力強いのじやないかと思うのであります。その点の御意見を伺いたいと思います。

一萬田尚登日本銀行総裁

○参考人(一萬田尚登君) 私もこの為替を専門にやるいわゆる専門銀行、これは私はやはりいいと思つております。どうしてもそういうものは自然とできて来ます。まあ国庫の代理事務も、フイジカル・エイジエンシーもありまして、そういうフイジカル・エイジエーンシーをやつて行けば、外貨もたくさんそこにお預けするというようなことになつて、そういう意味で為替を専門に、専門というか、特に為替業務を大規模に営むというような形の銀行は、これはできましていいと思います。が併し、同時に私の考えでは、率直に申しまして、今は外貨を手持ちしております。まあ八億ドル、九億ドル程度ありましようが、持つています。併し日本の経済を考える場合には、今後無論国際収支が有利になつて、受取超過の方向に持つて行かなければなりませんが、日本の資源関係、人口等いろいろの点から見ると、これはなかなか容易ではない。今日では、恐らくこの二十八年度は九億ドルくらいのものが輸入超過になるのではないか、自分の力だけでは……。ああいうようなプロキユアメントとか、或いは進駐軍の使うものは、これは長く期待することはできない。これは容易でない。そうするとやはり、成るべくクレジツトをもらうということを頭に入れておかなければいかん。従つて、どういうふうな為替銀行が今度金を借りるのに便利がいいのか、単に今日たまたま外貨あるから、その外貨を利用するには、こうしておいたほうがいいという頭ではいけないので、外貨がなくなつて将来大いにクレジツトをもらわなければならない。そういう場合に、どういうふうな為替銀行のあり方が、クレジツトをもらうのに便利かと、こういうふうに考えなければいけないと思います。従つて、何も或る銀行が特別に為替業務をやるからといつて、他の為替業務をやる銀行を不利な状態に置く必要はない、同じ条件に置く。ただ量的に或る銀行が特別に大きく取扱うというような恰好が一番いいのではないか、一応そういうふうな考え方をしております。従つて私は、そういうような専門銀行に異論ありません。併しこの問題については、いろいろと今後銀行制度等についての研究が進んで行くと思いますので、なお研究を続けて行きますが、今そんなふうなのがよいのではないかと考えておりますが、別にこれは決定した私の確定意見ではありません。一応そういうような点を特に重要視して、問題のあるところはこういうところだというのが私の意見であります。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 余り時間もないのですから一点。今庶民金融の問題が出ましたが、最近株主相互金融の問題で、保全経済会が一応片が付いたというか、ああいう結果になつたのですが、株主相互金融、貸金業が非常に表面的に繁栄しておる。而も日歩三十銭乃至三十五銭という相当の高金利を払つて庶民は金を使つておる。併し、必ずしも倒れてはおらない。今の中小企業がそれだけの金を使つて、或る程度の繰り廻しがついておるというものもあるわけでありまして、そういうものについて、これはまあ大蔵大臣の所管かも知れませんが、零細企業の庶民金融について今のままでよいのか、御意見をお聞かせ願いたい。

一萬田尚登日本銀行総裁

○参考人(一萬田尚登君) まあ私の考えでは、そういうふうな点については、特に今日の相互銀行、昔の無尽を中心にしまして、そうした銀行業務、それから信用組合によるところの信用金庫、こういう金融機関が随分たくさん全国にある。これをまあ強化をしまして、この発達に待つてよほど私は違つて来やしないかと思います。ですから、日本銀行としても、これらの取引については、成るべく内容の信用のできるように育成して行くと共に、日本銀行の取引先に認めて行こうと、こういうふうに思つております。ただ私は、いたずらに数を殖やしても仕方がないので、現在すでに地盤を持つておつて、そうしてなお不完全なものを、これを完全なものに育てて行く、数を不足しないようにして行く、こういうような考え方をいたしております。  それからその以外のいろいろな、いわゆる金融機関ではありませんが、例えばいろいろ高い金利を取るもの、こういうもので実際庶民金融的なもの、これはまあ取締つて頂きたいというふうに考えております。

木内四郎自由党

○木内四郎君 時間がありませんから、簡単に伺いたいと思うのですが、さつき森下委員に御説明になつたところによりますと、インフレの防止とか通貨の価値の安定というようなことは、殆んどホープレスのようなふうにとれるのですね。而もこの事態というものは今日に始まつたことでなくて、もう日本の国情の根本にそういう原因があるようにさつきもお話がありましたのですが、そうだというと、非常に我々としては気を付けにやならんし、大いにいろいろの施策を講じなければならんと思うのですが、これは日本だけのことでなしに、今日例えば東亜全体を見ても、年々三十億から四十億ドルの輸入超過です。西欧諸国全体を見ても、九十億ドルから百億ドルの輸入超過になつていはしないか。それがさつきは日本は全体のものと逆のようなお話がありましたが、勿論それは或る意味において逆でもありましようが、或る意味においては世界的の現象じやないかというふうに思うのですが、勿論我々も努力しなければならんし、富んでいる国がもう少し貧乏な国の物を買うような情勢を起すというか、そういう施策をとつてくれなければ、これは世界的に行詰るのじやないかという感じがするのですが、それはそれとして、我が国としてもその原因が根本的に、而も今日に始まつたことでなくて、敗戦後直ちにそういう状態がスタートしているのですから、もつと早くいわゆる日本銀行の金融上の政策も質的だけでなく、量的にも早くスタートすべきじやないか、こういうふうに考えるのですが、その点が第一点。  それから、若し質的だけでなく、量的にも制限されるということになると、政府が政府資金を預託しておる、これの引揚げをやめているようですけれども、それから更に又預託するということになると、これは高率適用強化というようなことと全く矛盾しているのじやないかと思うのですが、その点如何でしよう。この二点だけを伺いたい。

一萬田尚登日本銀行総裁

○参考人(一萬田尚登君) この基本的な点、これは私が申すまでもなくアメリカに生産力が集中して、アメリカ以外の国は皆貧乏になつたというような形から根本は出ておる。それで今早くすればいいじやないかというお話があつたが、私どもとしては成るべくそれは早くするためにいわゆる企業の合理化ということに金融政策を集中しておる、言い換えれば、生産費も成るべく安くして、良い物が安く売れる、そういうことに基いて行きたい、合理化は合理化でやつて行きたい。それは朝鮮事変が起つたために、そうしなくても物が売れるという情勢でありましたが、十分これは考えたいと思つております。  それからもう一つは預託の問題ですが、これは財政のあり方にも関連して来るでありましよう。単に金融的な面から見れば、こういうふうな財政資金が金融市場に出て来ることは、原則的には好ましくないと私は思つております。併し現実の問題として、これは税とかいろいろな、或いは資本の蓄積等のことにも関連するのでありますが、財政には非常に裕りがあるが、市場には資金がないというふうなことで、それで一時これは使えるという、そういう客観的な状況がある場合に、一時こういう形がとられるのは、好ましくないにしても止むを得ないことじやなかろうか、こういうふうな考え方であります。私は市中金融のことは、成るべく日本銀行の貸出政策の範囲内にして行くという行き方が全体的に見て正しい、こういうふうに考えております。

土田國太郎緑風会

○土田國太郎君 現在における貿易の弱体化のことが今問題になつておるところなんですが、これに対して一部業者がレートの改訂を言われておる。それに対しまする総裁の、改訂はすべきかすべからざるか、若し現状のままにおくとしますれば、どういうふうにして現状のままにおくべきかというような考え方を一つ伺いたい。

一萬田尚登日本銀行総裁

○参考人(一萬田尚登君) これはもう私といたしましては絶対にレートの改訂はあり得ないのです。これは今日日本の国民生活から経済のすべての柱になつておるということは申すまでもないのでありますが、更に根本的には、日本の国というものは、先ほどから申しましたように資産が見合わない、どうしても足らない、私の考えでは足らないようにできておる。ですからこういうどうしても足らない国としては、商品を外国に出した場合に、それに代る金を成るべくたくさんもらうということが大切なんです。まあ併しそういう点は余りそう大した輸出もできんかも知れませんが、輸出を可能ならしむる程度において、又そういう問題以外において大いに努力改善を加えて、そうしてこういうレートをこのまま維持したい。そうしないと貧乏な国がますます貧乏になつて、一時はそれで何とかやることができますが、何もかもはたいてしまうというようなことになる、そういうふうに考えております。

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 一萬田総裁に対する質疑はこれを以て終了いたします。  総裁には、非常に御多用のところまげて御出席下さいまして、誠に有難うございました。お礼を申上げます。  暫時休憩いたしまして午後二時か開会いたします。    午後零時二十六分休憩    —————・—————    午後二時四十七分開会

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 休憩前に引続いて会議を開きます。  この際お諮りいたします。休憩中に、本委員会に付託せられておりまする仲裁裁定に関する件について懇談いたしましたが、その懇談会の模様を十分参酌いたしまして、委員長においてこの際次のような申入れを内閣総理大臣、大蔵大臣、労働大臣に対していたそうかと思います。案文を読み上げます。    仲裁裁定(印刷事業、日本専売公社、造幣事業)に関する申入   政府は昭和二十八年九月二十九日印刷局及びその職員、同年十月十日専売公社及びその職員、同年十月二十七日造幣局及びその職員になされた公共企業体等仲裁委員会の裁定を尊重し善処することを要望する。   右本委員会の決議をもつて申入れする。  右の申入れをすることに御異議ありませんか。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 賛成であります。ただ、仲裁裁定の意義ということについて私はこう解釈しますが、やはり一字一句、審判ということに考えて、一字一句ゆるがせにせず実施されるのが本当の尊重し、善処されることだと思います。併しそういう意味に私が解釈いたしまして、これに賛成いたします。

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 他に御発言もなければ、原案の通り決定して御異議ありませんですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。   —————————————

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 次にお諮りいたします。昨日小林委員より要求がありましたので、本日商工中金理事加藤八郎君の御出席を願いました。同君を参考人として意見を聞くことに御異議ありませんですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないものと認めます。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 先般前国会の際に中小企業金融について、中小企業金融公庫並びに国民金融公庫の責任者の出席を求めて、特に年末金融を中心として説明を承わつたのでありますが、その際商工中金を落しましたので、最近特に年末金融と絡んで商工中金としてどういうふうにやられる御予定であるか。又資金量等について現在のところ遺憾がないかどうか。それについては政府に対して若しこういうふうにして欲しいというような御要望等がありますれば、率直な御意見をお聞かせ願いたいと思います。

加藤八郎商工組合中央金庫理事

○参考人(加藤八郎君) 私、商工組合中央金庫の加藤でございます。平素中金の資金源につきまして格別の皆様がたの御配慮にあずかりまして、厚く御礼申上げます。只今お尋ねがございました商工中金の年末を控えましての資金繰りの状況をということでございまするので、その大要を申上げまして、又いろいろお願いも申上げたいと存じます。  商工中金の年末金融と申しますか、この第三四半期の金融の概要を申しますると、十、十一、十二の第三四半期の三ヵ月間の資金の需要がどのくらい要るだろうかということを先ず考えてみたのでございます。昨年はこの三ヵ月間に貸出純増が八十三億円ございましたのでありまして、昨年の暦年で一月から十二月までの純増の額が丁度百三十一億円ございましたので、その一年間の純増のうち第三四半期だけで六四%の比重を占めておる、ウエイトを占めておるということに相成つておるのでございます。この点少し御説明申上げなければならんと思うのでございますが、商工中金の資金がどうしてこんなに第三四半期のたつた三ヵ月の間にそういう貸出増のウエイトが最も重くかかるかという点を申上げる必要があると思うのでございます。それは中金の資金需要のうちに二つございまして、一つは季節的な資金が丁度第三四半期にたくさん出て参るのでございます。と申しますのは農林、水産関係の収穫時期が秋でございますので、そういうものが丁度加工されるというような時期に当りまして、丁度商工業のそういう季節的な資金が非常に多額の需要がございます。例えば澱粉の資金であるとか、或いは酒造の、酒の仕込み資金であるとか、或いは冬山、造林関係の資金であるとかというような、一例を申上げますならばそういうふうに季節的な資金の需要が非常に多くこの時期に集まつて参るのでございます。それからもう一つは越年のための資金、まあこれは盆、暮の節季の資金でございます。これは一般の大企業なんかと違いまして、中小企業は非常な個人的な家庭経済のような傾向がございまして、やはり盆、暮の節季資金というものの需要が非常に多いのでございまして、この二つの事情が丁度第三四半期に集まりまして、こういうふうに昨年で申しますと、一年間の資金の伸びのうち六四%も占めているというような状況に相成つておるのでございます。  然らば、本年の第三四半期の資金の需要はどの程度必要であろうかということを考えてみたのでございます。昨年は第三四半期八十三億の貸出の増加がございましたので、少くとも今年はこの二割程度の増加をみなければならないのじやないだろうかというふうに考えているのでございます。さようにいたしますると、丁度百億ほどに相成るのでございます。なぜ昨年より二割くらい多く必要だと見積つたかという見積りました事情を申しますると、まあ中金の貸出のスケールが昨年よりも殖えておりまするので、それによる自然の増もございまするが、本年は水害、台風関係の被害が相当ございまして九州、畿南地方の水害並びに十三号台風関係の被害の復旧資金というものを丁度見積る必要がございます。それからもう一つは、昨今金融引締めによりまして、一般の普通銀行を初めといたしまて、金融引締めとして選別融資というようなことを厳格にされる傾向がございまするので、そういたしますと、自然そういうものからはみ出すところのしわが中小企業に寄つて参りまして、そういうものの中金に対する需要ということが考えられるのでございます。さような意味合いを以ちまして、昨年より大体二割程度多いところの百億円の貸出の増加が必要であろうと、かように考えて参つたのでございます。ところが、そういうような計算をいたして参りましたのですが、そのうち十月はすでに過ぎてしまいましたので、十一月、十二月が今後の問題になるのでございます。百億円の第三四半期における貸出の増加ということを見ましたが、十月は丁度十五億ございました。従いまして差引きますと八十五億円の貸出増が十一月と十二月に残るわけでございます。そのうち中小企業金融公庫からこの第三四半期の割当といたしまして、商工中金に九億円の枠を下さつたのでございます。この九億円の枠のうち、十月にすでに一億使つてございまするので、今後残りまする枠としては八億円ございます。でございますから、先ほど申しました八十五億円から更に八億円をこの公庫の資金を以て賄うことにいたしますると、なお七十七億円の資金が必要になつて参るわけでございます。この七十七億円の資金に対しまして現在手当のできている金は幾らあるかということを申しますと、この十一、十二の二ヵ月間に今後我々の手において調達できまする金は、債券の発行によりまして得られる金が十六億ございます。利付債券と割引債券をそれぞれ十六億ずつ発行いたしまして、三十二億円の発行でございますが、一方償還が六億と十億との十六億でございまするので、差引いたしまして債券発行によりまする手取金が十六億円でございます。それから年末にかけまして各公共団体の、殊に県、市でございますが、この地方公共団体に対しまして、それぞれその県下の年末金融のための資金として預金を毎年お願いしているのでございまして、この預金の増加が大体二億七千万円ほど予定してございます。昨年も二億七千万円でございましたので、本年は各地方公共団体それぞれ財政事情がお苦しいようでございますけれども、大体二億七千万円程度の預託金を頂ける見込でございます。それから一般の組合並びに組合員よりの預金でございますが、これが大体八億五千万円ほど見てございます。それからコール・ローンの現在出しておりまするものを逐次引揚げて参りますわけでございますが、この二ヵ月間に引揚げまする額が六億見てございます。それから日本銀行から中小企業別枠として認められておる金額、並びに第一次高率適用を受けて借わられる金額と、この最低歩合によつて借りられまする金額を見ますると、只今十四億ほどの余裕がございます。で、これを全部第一次の高率適用一ぱいまで借りるということになりますと、十四億今後借りられる見込があるのでございます。これらを合計いたしますと、丁度四十七億二千万円に相成るのでございます。この四十七億二千万円の資金手当ができまするけれども、一方におきましてこの十一月、十二月の二ヵ月間に政府の指定預金の引揚げが十五億六千万円あるのでございます。十月末現在におきまして、指定預金は五十一億六千万円ございますけれども、そのうち十一月に五億三千万円、十二月に十億三千万円とございまして、この二口の合計十五億六千万円が今後年末までに国としてお引揚げになる金額でございます。でございますから、これを差引かなければならないのでございまして、四十七億二千万円から十五億六千万円を差引いたしますと、残りますのは三十一億六千万円でございます。この三十一億六千万円が我々の手におきまして今後調達できます資金でございます。  それで、先ほど申しましたように、今後貸出資金として要する資金が七十七億必要でありますので、それに対する資金手当が三十一億六千万円、差引いたしますと、資金の不足が四十五億四千万円、かような数字に相成るのでございます。然らばこの不足の四十五億四千万円はどんなふうにして賄うつもりかということを申しますと、先ず我々の手で考えられますことは、日本銀行に対する第二次高率適用の借入をお願いするつもりでおります。この交渉は今後に属することでありまして、日本銀行としてどこまで第二次高率適用を考えてくれますか、まだわかりませんけれども、いろいろ事務的に折衝いたしておりますところでは、まあ最小限度十五億程度は貸して頂けるようなふうに考えられますので、この四十五億四千万円の不足のうち、十五億程度は今後日本銀行の第二次高率適用の借入によつて賄うことができると思います。そういたしますと、大体残りますのは三十億でございます。三十億不足するわけでございますが、これはどうしても政府のほうにお願いをしなければならないというふうに考えておるのでございまして、昨日、本日の新聞なんかによりますると、新たに十九億円の預託金を中金に下さるような報道も出ておりまして、若しさようにして頂けますれば、非常に助かるのでございまして、仮に十九億円頂くといたしますと、あと不足分は大体十億でございます。この十億を政府のほうに何とかお願いして、例えば十二月中の引揚げ予定になつておりまする十億三千万円を引揚げずにおこうというようなふうにして下さるとか、或いはまあ一部お引揚げになつても、別途預託をして下さるというようなことをお願いいたしまして、この十億ばかりの不足を是非何とかお願い申上げたいと思うのでございます。  でございますから、結論的に申しますと、計算上の資金不足は四十五億ほどございますが、そのうち十五億は日本銀行の第二次高率適用で賄う。そうすると不足は三十億になる。その三十億のうちに新聞にございますような、十九億を頂ければ、あと残りは十億ほどになりますので、その点について更に政府のほうにお願い申上げたい、かような結論でございますが、どうぞ一つよろしく御面倒をみて頂きたいと存じます。

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 速記を付けて下さい。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 ちよつと先ほど御説明を私は聞かなかつたのか、数字がおつしやつたような計算にならないんだけれども、政府預託金が現在四十七億二千万円あるんですが、そうしてそれを十一月に五億三千万円、十二月に十億三千万円引揚げられる、計十二月末に三十一億六千万円残る。その三十一億六千万円が年末の資金として利用できるような御説明があつたんですが、それを差引いてどうだということだつたんだけれども、その点はどうなつていますか。

加藤八郎商工組合中央金庫理事

○参考人(加藤八郎君) この指定預金の今後引揚げられまする額は十一月の五億三千万円と十二月の十億三千万円が予定になつておりますのでございまして、現在幾らあるということは、これはもう今後の増減には関係がないから或いは申上げないでおいたほうがよかつたかも知れませんが、ただ参考に申上げますると、十月の末に五十一億六千万円指定預金を頂いておるのでございます。それからいろいろ使つておりますので、今後の資金源として考えるよりも、考えることが余り適当でありませんので、むしろ今後引揚げられるのが十一月と十二月のニヵ月に十五億六千万円ございますので、それだけ資金が減つて来る、かように申上げておいたほうがはつきりすると思います。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 そうすると、さつき言われた債券発行の手取り十六億と県、市の預託金二億七千万円、預金増の八億五千万円、コール・ローンの引揚げ六億円、日銀からの借入れ十四億円、合せて四十七億二千万円、それを要資金額の七十七億から引くと二十九億八千万円になるんだが、二十九億八千万円プラス十五億六千万円という金が要るということでしよう。

加藤八郎商工組合中央金庫理事

○参考人(加藤八郎君) 今後資金として、例えば債券発行による手取金、或いはいろいろの預金の増加、或いは日本銀行の借入金、こういうものを合計いたしますと、四十七億二千万円の資金が入るわけでございますが、そのうち十五億六千万円を指定預金の引揚げとして取られますので、残ります金額が三十一億六千万円しかないということでございます。三十一億六千万円しかございませんので、今後貸出を予定してございまする七十七億円から比べますと、資金不足が四十五億四千万円になる、かように申上げたのでございます。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 そうすると、先ほどのお話で一番腑に落ちないのは、中小企業金融公庫からの八億ですね、全体で九億、一億は十月中に使つたからということですが、八億というものを本年の商工中金の枠の中に入れて、その八億があるから手当額は八十五億マイナス八億の七十七億でいい、こう言われるのでは中小企業金融公庫を作つた意味がないので、むしろ本来のあり方、又は国民金融公庫その他中小企業金融機関のやつている、今までやつておつたのにプラス中小公庫の金が出なければ所期の目的が達しない。それをうちに入れて資金繰りをお立てになつたのでは困るのじやないか、こう思うのですが。

加藤八郎商工組合中央金庫理事

○参考人(加藤八郎君) 誠にお話の通りでございまして、この公庫のできただけの分は従来の貸出しの外に据えて行かなければ意味がない、全く私どももさように思うのでございますが、ただ資金繰りから申しますると、我々のほうに出ております今後の見込みとして大分優先的に公庫の資金を使うように私どももいたしているのでございます。それで今後の伸び方の見込み、どう見るかということでございますが、これはまあ外に全然出てしまうということになるともつと資金が要るわけでございますが、かれこれ勘案して百億の中でこういうものを賄う程度見ればよくはないだろうかという、これはまあ見積りの仕方の問題で、又弱腰であるとおつしやればそのような気もいたしますが、資金手当のほうも見通しが非常に困難でございまして、全く他力本願的になりますのでこの程度の見積りにいたしたわけでございます。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 甚だ弱腰で不満足千五ですが、もつと腰強く、少くとも今もら手を上げる必要はないので、もういろいろ押詰つてぎりぎりになつてどうしても足らんというときに考えられることは別として、この段階においては一遍それは別枠として推進をしてもらいたいと思います。それはまあ要望ですが、それからついでに二十億の、当初の設立するときから中小公庫の資本金が振替えられた二十億というものが今どうなつているのか。又中小公庫ができてからあなたがたのほうとの関係は一体スムースに行つているのか、そういう点を……。

加藤八郎商工組合中央金庫理事

○参考人(加藤八郎君) 当初公庫からお借りしました二十億、これは昨年の十二月の二十六、七日頃でございましたが、通産省から中金に対する貸付金二十億お借りした金でございます。それでこの金はもうそのお借りいたしました直後からずつと一般貸出しに充ててございますので、新たな財源として今更使う資金ではございません。もう使つてございます。それからそのほかに今度枠として下さいましたまあ先ほどの九億、それを九月中は枠なしにそれぞれ申請いたしたのでございますが、その後の実績を申しますると、現在まで現実に公庫資金の貸出済のものは一億六千万円ほどになつてございますが、手許まで出ておりまする申請は非常に多いのでございます。全国の各支店に現在どのくらいあるかわかりませんけれども、少くとも支店から本店のほうに取次いで参りました総金額は、十月末の数字でございまするけれども、四億九千七百万円、結局まあ大略五億でございますが、五億の申請書が本店のほうに来てございます。それで今後続々来そうでございますので、丁度頂きました九億のうち第三四半期の枠というものがこれによつて大体なくなつちまうんじやないかというふうな気がいたします。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 この中小公庫を作るときに、商工中金も当初は恐らく反対だつたと思いますし、又加盟下部組織のほうでも相当反対ののろしを上げたんですがね、が併しまあ一応認めよう、ができるだけ本当の窓口的な存在としては商工中金に最もウエイトを置くというような話でけりがついたんじやないかと思います。で、又中小公庫のほうの総裁に先般出席を求めていろいろまあ質疑応答を重ねたのでありますが、当初から枠というものは問題でないので、実際の中小企業金融に貢献をする熱意とその需要度によつて枠には相当弾力性を持たせる、こういうことにもなつておるわけでありますが、只今のようなみずから自分の枠にそれを繰入れてその資金繰りを考えられるような腰の弱さでは、そういう積極的な商工中金としての活動、又は中小公庫の窓口として実力を以て窓口を独占しようというような意気込みが窺われないと思うのですが、その点如何でしようか。

加藤八郎商工組合中央金庫理事

○参考人(加藤八郎君) 只今のお話大変いろいろ教えて頂く点が多かつたのでありますが、我々が一番公庫と中金の本来の姿の上において心配しておりましたのは、公庫の資金でございますると年一割でございまするが、中金の金利は長期のものでございますと、年一割三分というようなことで、金利の点で中金のほうが非常に高くなつておりますので、又その貸出の対象として考えました場合に、公庫の取上げられる内容と、それから中金が本来この債券発行銀行として長期資金を持ちまして融資いたしまする金融面と非常に重複するような面が多うございます。これは勿論組合を結成してない部門につきましては別でございまするけれども、少くとも組合という関係におきましては重複しているのでございますが、ただ金利の点で中金のほうは高いのでございまするから、我々としては公庫の資金で賄い得る限りのものは優先的に公庫の資金でやつて頂く、枠を頂きまする分は全部そちらに向けて、中金本来の資金として申請しましても、それは公庫の資金でおやりになるほうが安い金利で行けますからというようなことで、そんなふうに中金固有資金についての希望があるような場合でもそちらに向けるというようなふうにして、大いに公庫の資金を利用するように努めておるわけでございます。非常に熱意は持つておるわけでございますが、今後この九億、まあ月三億でございますが、できればもつと枠も殖やして頂ければ非常に仕合せでございますが、公庫の資金で賄い切れん部分を中金の固有資金で賄つて行くというような取扱をいたしまして、全面的に公庫の窓口としての活動をいたしておるつもりでございます。

森下政一日本社会党(第二控室・右)

○森下政一君 さつき私御説明を聞きながらちよつと聞き洩らしたのかもわからんですが、資金需要に照らして、結局いろいろお手許で才覚のつく金を差引きしてみて、最後に四十五億四千万円、だからそれに対して政府のほうが今度新たに預託するものがあるというわけですね。政府が預託するものがあるのと、日銀から借入れられる分がある。そうすると差引き丁度十億だからというお話があつたのですな。その十億はどうするのですか。

加藤八郎商工組合中央金庫理事

○参考人(加藤八郎君) その十億は、是非政府におかれまする預託金の十二月の引揚げ分が十億三千万ございますので、それを引延ばして頂くか、それは引揚げられるにいたしましても、別途十億を預託というようなことで是非政府のほうにお願い申上げたいと思うのでございます。

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) ちよつとこの際お諮りいたします。銀行局長は今省議に出ておられたところ、まげて御出席を願つたわけで、約三十分ほどでどうしても帰らなければならないということでございますので、先ず銀行局長に対する質疑をお願いいたします。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 昨日今日の新聞に出ておる中小企業金融に対する政府の指定預金関係の措置、これは新聞の発表の通りで間違いありませんか。

河野通一大蔵省銀行局長

○説明員(河野通一君) 新聞にはいろいろ出ておりますが、まだ数字的には確定いたしておりません。実はその問題で今いろいろ内部で打合せをいたしております。今日中には具体的にきめたいと考えております。大体年末にかけての指定預金につきましては、十一月末に期限の参りまする指定預金は一応延期をいたしませんで、引揚げます。その代り十一月中に新らしい預託をいたします金額につきましては、そういう状態で目下会議をやつて締め括ろうと思つておるところでありますので、はつきりしたことは申上げかねますが、大体五十億から六十億の間ぐらいのところで、いろいろ国庫収支その他を見た上で具体的にきめて参りたいというつもりでおります。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 そうすると、具体的に言うと、具体的というか今商工中金の問題で、十一月には五億三千万円引揚げられる、この引揚げは予定通りやる、併し十二月の十億三千万円は引揚げない、今の見通しとしては、ということになるわけですか。更に何がしかの預託をする……。

河野通一大蔵省銀行局長

○説明員(河野通一君) 今具体的に研究いたしておりますのは、十二月末に期限が参るわけですが、十二月末に期限の参りますものを延期いたしますか、どういたしますか、これはもう少し事態の推移を見たい。少くとも十一月末に期限の参りまするものとしては引揚げます。その代り十一月中に新規に預託をいたします。その金額については今はつきり確定いたしておらない、こういうわけであります。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 銀行局長の出席前に商工中金の当局から聞くと、甚だ我々から言うと、腰の弱い運営の仕方をやつておられるというので、何回も質疑応答の過程において意見の交換をしたのですが、中小公庫の設立というものは本来、従来商工中金、或いは国民金融公庫、その他中小企業金融機関の運用資金量にプラスするものでなくてはならない、その設立によつて財政投資をしただけの金はプラスに廻つて行かなければならない。にもかかわらず、成るほど先ほどの説明によると、年末資金として去年よりも二割増を商工中金としては見ておられる。その二割増の中へ中小公庫からの当てがわれた枠を含めて、それで年末資金としてはこれこれの割当をしなければならん、こういう甚だ謙遜をした資金繰りをされる、この点について銀行局としてはまあ相手がそういうふうに考えておるのだから、それでええわということでなしに、本来の中小公庫設立の趣旨から言つて、商工中金は中金として勿論運用をやつて行けば、いろいろな経済情勢上年末資金量も殖える、これは今も言われるまでもなく当り前なことです。その殖えたものを公庫のほうで、負担させるような運用の仕方をさせないように局長として考えられないのかどうか。

河野通一大蔵省銀行局長

○説明員(河野通一君) 私どもは中小公庫法案を御審議頂きました時にも申上げたのでありますが、中小公庫の資金が、いわゆる普通の中小金融に対する金融の資金の内枠か外枠かということはなかなかこれはむずかしい実は問題だと思うのです。中小公庫なかりせばどういう状態にあつたかという点と、中小公庫ができた場合において、その資金とどういう関係になるかということは、なかなか数字で別枠、内枠ということは言いにくいと思います。両者を併せて私どもはできるだけ中小金融のための資金源を充実するといいますか、拡張して行きたいというのが趣旨であります。今小林委員のお話では中小公庫の……、私質問を聞き違えておりましたら又別にお答え申上げますが、中小公庫からの資金の商工中金へ廻りますものを除いて、プロパーの資金として、去年に比べて二割ぐらい殖えるようにしたらいいのじやないか、その上に中小公庫の代理貸しをする分が更に加わるべきじやないかという御意見のように承わるのであります。これは今申上げましたように、外か内かということはなかなか計算がうまく出ないと思います。従いまして、両者を併せて、商工中金自体のプロ八一の資金源を、できるだけこれは何らかの方法で財政の許す限り面倒を見て行く、それと併せて中小公庫に新らしくできました資金も、商工中金が最も適した代理機関であると思いますから、この機関を通じてできるだけ流して行くことによつて、両者を併せて中小企業向けの資金源をできるだけ殖やして行こうということに努力をいたすべきだと考えております。その全体の資金が十分であるかどうかにつきましては、いろいろ御批判もあろう思いますし、お叱りも受けなければならんと思いますけれども、私どもはそれを分けて考える必要はないので、両者併せて、できるだけ中小企業への資金を殖やして行きたい、こういうふうに考えておる次第であります。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 そういう考えをされると……、まあ一応の説明としてはそう言わざるを得ないと思いますけれども、一番公庫の設立の際に問題になり、最近までくすぶつておつた例の都市銀行を受託金融機関としない、この最も根本的な都市銀行を受託金融機関にしたくないという、こういうことを言う主張のほうから言うと、旧債の借替えに使われるという点が、非常に大きな内面的な理由なんです。今のような考えで、内枠か外枠かという問題について余りあなたのような弾力性のある言い方をされると、中小公庫の窓口、まあ受託金融機関は、いやこれはうちは資金が減つた、貸出しも加わつた、結局中小公庫の代理業務のものはプラスをしている、内か外かという判定が、絶対に外でなくちやならないと言うのです。それを旧債の借替的なものに使われる危険が非常に多くなれば、もつと実際の取扱いについては多少そこにあなたの言われるようなデリケートな問題が起るでしようけれども、建前としては絶対外枠でなくちやならん、こういうことでなければいかんと思いますが……。

河野通一大蔵省銀行局長

○説明員(河野通一君) 今私申上げましたのは、商工中金と中小公庫との関係について実は申上げたのであります。と申しますのは、商工中金は御案内のように純然たる民間の機関でありますが、その資金源というのは遺憾ながら自分の力で預金を預かるということには実はおのずから限度があります。従いまして、その資金源のうちの相当多くの部分が或いは政府の指定預金であるとか、或いは金融債の引受けであるとか、そういうものに引つかかつておりますので、その限りにおいては中小公庫の資金又は政府資金に商工中金の資金の大部分が限られておりますので、元が広い意味の政府資金にかかつておるということで申上げたのであります。  市中銀行につきましては今お話のように、私どもは中小公庫の代理店になつた場合において、公庫の資金を肩替りに当てるということはこれはとんでもない話で、そういうことはさせないように十分に指導もいたしますし、中小公庫についても代理契約をいたします場合に、そういうことをはつきり申しておるわけであります。それから一般の銀行等が資金を、預金によつて集めた金を、中小企業金融に廻すものを、中小公庫の代理店としてやつた分だけ減すということであれば、これ又意味がない。そういうことのないように、これは十分私どもとしても注意いたして参らなければならん。そういう意味においては今の外枠というお話は、私どもはそういうふうなことで考えて参らなければならん。併し具体的な考え方としては、金額として中小公庫なかりせばどういうことになつておつたかということは、具体的にはなかなか出ないものですから、むずかしいかと思います。ただ商工中金につきましては、今申上げたように、その資金の相当部分が政府資金に繋がつておるということからいたしまして、これはむずかしい問題があるということを実は申上げたわけで、できるだけ全体として資金源を殖やすことに努力いたしたい、かように考えております。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 市中金融機関に対するはつきりした御答弁ですから、その点は私の申上げたことが杞憂であつたので満足いたします。  商工中金のほうは政府資金を資金源としておるから、一応内枠、外枠の問題については従来何といいますか、弾力性のある考え方をせざるを得ない、こういうことでふりましたが、それも一つの問題なんで、我々が当初言つておつたのは、中小公庫を作つたがために商工中金債の資金運用部における引受けの枠を削るとかいうようなことがあつたのでは何にもならんじやないか、朝三暮四だ、こういうことなんで、やはり商工中金が今までの姿において活動し、いろいろな経済活動その他の資金需要の自然的な需要増というものもあるわけで、それは去年の年末の経済情勢と本年末と比べて、通貨の発行量等から考えても増だし、その二割くらい去年よりも多くの年末資金を使うということは当り前だと思う。それを中小金融公庫の代理貸しの金をそのうちへ入れてやるというのはどうも僕はおかしいと思うのですがね。

河野通一大蔵省銀行局長

○説明員(河野通一君) これは同じことを実は繰返すことになるより仕方がないのですが、重複を避けるために同じことは申上げませんが、ただ私は中小公庫という制度を確立いたしました暁における中小金融の機構につきまして、仮に理想図を若し描いて考えるとすれば、商工中金というものは、金融債でやります商工中金、或いは興業銀行とか、長期信用銀行についても同じ問題がありますが、そういつた長い資金については政府資金がバツクしなければならないのは当然であります。併し指定預金とかそういうふうなものはできるだけ……そういつた財政資金に若し仮に余裕があるとすれば、指定預金は財政資金の余裕じやありませんが、余裕ありとすればこれは政府機関たる中小金融公庫の資金を拡充する。商工中金というものはやはり民間の機関としての色彩をできるだけ強くして行く。そうして中小公庫の資金源をできるだけ拡充して、それを商工中金が最も適した代理機関の一つでありますから、これにできるだけ多額の資金を流して行くという形が私は一番将来の形としてはすつきりした形だと思うのです。従いまして、その理想の姿を考えた場合には、今の商工中金の状態というものは、必ずしもその理想の形に近いとは申し得ない状態になつております。併し現実は如何かと言いますと、これはそう簡単に行かない点もありますから、少くとも現在のところでは、政府資金に余裕があれば指定預金とかいう形で商工中金の資金源をやはり補完して行くということは、これはやつて行かなければならん。そういう趣旨で今考えているわけであります。本来の姿から言えば、私はやはり商工中金というものは中小公庫ができた暁においては、やはりどちらかと言えば民間の普通の金融機関に近い性格になつて行つて、金融債を除いてはなつて行つて、そうしてそれを中小公庫からの資金を代理貸の機関として運用して行く。あとは自分の力で集めた資金を中心にして行くという姿が本来ではないかと、かように私は考えております。  この点は、金融制度としては実は中小金融公庫を作りますときにも、当委員会でもいろいろ御議論もありましたし、私どもいろいろ研究をいたしたのでありますけれども、今のところではすつきり割切つた姿としては、そういう方向にならざるを得ないのではないか、かように考えております。併し先ほども申上げましたように、現在差当りの問題としてはそういうわけにも参りませんから、できるだけ政府の余裕金があれば、その余裕金をこれらの機関に流して行くという措置は続けて参りたいと思います。まあそういつた意味で、今のお話のような中小公庫の資金は外枠であるといつたような考え方をとるといたしました場合に、それじや外枠にした場合に、その内枠自体はどの程度の資金量があればいいかということにつきましては、これはいろいろ御議論があると思います。非常に語弊がありますけれども、多々益々便ずるという問題であるかも知れません。まあそういつた点につきましては、中小公庫の代理貸しをいたしまする資金と合せてできるだけ商工中金の資金源を拡充する、こういう方向で私どもは考えて行きたい、かように申上げた次第であります。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 まあ大体お互いに話の筋はわかつておるわけなんで、まあ機構のあり方としてはあなたのおつしやつたような行き方にまあならざるを得んでしようが、要するに金融債というものをやめるというか、やめたにしても、将来完全な純然たる民間機関的構想にしてやめたにしても、今まで金融債を以て付けておつた金、及び中小企業公庫からのまあ預託、窓口業務として扱うプラスしたものが今まで政府が或る程度の助成をしておつたその財政資金、広い意味の財政資金を使つて商工中金へ応援をしておつたものが、今度中小公庫ができたからと言つてその応援額が減つては困るということです、私の言うのは。その公庫ができただけのものが必ず何がしか広義の財政資金の国が応援をする場合におけるプラスになつて働かなければ、中小公庫を作つたのは中小企業金融機関の制度的整備をするという意味よりも、むしろ中小企業金融の資金量を殖やすということと、従つて特別会計にまでしようかという意見も出たくらいなんで、あの当時の意気込みでは少くとも五百億ぐらいは別途財政資金を今まで以上に中小企業に投入する、こういう趣旨であつて、まあ一遍に五百億はできんから、先ず百億とか百五十億とか、まあ百五十億と言つても二十億はすでに出ていた、そのあれを少し置いてもらわなければいかん、もうこれ以上言つてもなんですから……。

森下政一日本社会党(第二控室・右)

○森下政一君 銀局行長、何ですか、最近中小企業金融公庫の窓口業務を大銀行が扱うというふうに措置されるようなことを新聞で承知しましたが、そういうことになつておりますか。

河野通一大蔵省銀行局長

○説明員(河野通一君) 前々国会に中小公庫法案が成立いたしましたときに、衆議院で実は附帯決議が付いております。この附帯決議は原案は通算委員会で作られたのでありますが、その幾つか条件のうちに、いわゆる大銀行、信託銀行につきましては、当分の間中小公庫の代理店としないという附帯決議が実は付いております。それが前国会におきまして、その附帯決議につきまして、私どもはその附帯決議を付けることの不可なるゆえんをいろいろ申上げたわけであります。若しその理由につきまして必要があるならば又申上げますが、要するにそういうことで衆議院の通産委員会におきまして、その決議における当分の間というのはもうすでに外していい時期に来ておる。そういう大銀行を代理店にしないという制限はもう必要なくなつたと解釈すべきであるということで、通産委員会においてそういう決議がされまして、その結果大銀行も代理店にする、こういうことに相成つたわけであります。今そういう方向で手続を進めておるわけでございます。

森下政一日本社会党(第二控室・右)

○森下政一君 極めて簡単でよろしいですから、衆議院が前々国会で付けた決議、そういうものは不可だとおつしやる見解を簡単に、甚だ御迷惑ですが聞かせて下さい。

河野通一大蔵省銀行局長

○説明員(河野通一君) これは私どもとつております態度は、むしろ大銀行が中小金融に対して非常に不熱心であるというところから問題が出発しているようでありまして、この決議の本は……。大銀行については別途私ども中小金融については、更に積極的に努力をするようにということはかねがね申しておりますし、今後もそういう努力は続けて参ります。大銀行もだんだんそういう方向について努力いたしたいということは考えておるようであります。問題は大銀行のために中小公庫の代理店を認めるということでは毛頭ないのです。御案内のように東京都とか、非常に大きな都市におきましては、中小金融をやつておりまする機関は、その金額から申しましても相当大銀行が多いわけであります。大銀行に取引を持つております中小企業者が、公庫の代理店に大銀行がないといたしますると、その中小企業者等は別の機関へ今度は行かなければならん。そういたしますと、この金融取引というものは御承知のように初めてでありますとなかなかむずかしい問題もある。従来から中小企業者が取引をいたしておりまするその大銀行において、中小公庫の資金を代理貸して取扱うということにいたしますれば、その中小企業者等はそのままそこで資金が借りられるということになる。そういつた点で中小企業者自体の中からも大銀行をオミツトされることは非常に困る、こういう議論が非常に強く出て参りまして、中小企業者自体の便益のためにもこれはできるだけ大銀行も入れて考えて行くべきであろう、こういう結論になつた。特に大銀行と申しましても、具体的に申上げますと、例えば名古屋地区の東海銀行等につきましては、これはもう殆んど中小金融の大部分を東海銀行で取扱つておる。而も東海銀行が中小公庫の代理店になれないということになりますと、これと取引をいたしておりまするものは、結局はその金融機関に行かなければならないということになつて、不便この主ないということが現地における中小企業者自体の声、これは偽わらざる声と私どもは聞いております。そういうような実情になつております。中小企業者自体の便宜のためにも入れてやるべきだ、こういうふうに考えた次第であります。

森下政一日本社会党(第二控室・右)

○森下政一君 あれは窓口をなしている金融機関と平素何かの取引関係を持つていないと、もう資金の運用ができないという意味のものではないのですか。

河野通一大蔵省銀行局長

○説明員(河野通一君) そういうことは全然ございません。新らしいものでも結構です。結構ですが、今申上げましたように、従来から取引をいたしておりました中小企業者が、中小公庫の資金を使いたいという場合におきまして、どこへ行くかといえば、やはり従来の取引関係を辿つて行くのが一番便利がいい、これは実際金融の実情がそうなんです。そういつた場合に、それを締め出すという手はない、なにも従来から取引のあるものに限つて貸すということは、全然そういうことはいたしませんが、従来全然取引関係のない人が、なにも大銀行へ行く必要はない。併し従来から大銀行と取引をしている中小企業者が、新らしく中小公庫の金を借りたいと思う場合には、やはり大銀行を、その取引先を使つたほうが非常に便利である、こういうことは間違いない……。

森下政一日本社会党(第二控室・右)

○森下政一君 もうすでにそういうふうに当分の間大銀行は除外すべきだという当分という期間が経過して、今日では外してもいい時期が来たのだという御見解のようで、又衆議院でも外すような決議が前国会でなされたのであるとすれば、従来取引のある銀行を通じて中小企業者が金融公庫の金を借りることができるわけで便利には違いないと思います。だけれども私どもがこれまでいろいろ聞いおるところによると、大銀行は中小企業金融に対して努力をすると言うが、なかなか実際はやつてくれない、そこに大きな悩みがある。だから今日のいわゆる類似金融機関のような百害あつて一利ないようなものまでが、どんどん雨後の筍のようにできて来る。大銀行が本当に面倒をみてくれぬということから、中小企業金融公庫の窓口として、前々国会で大銀行を除外するような決議をしたということは、考えようによつては大いにいい決議だと当時私は考えました。そこで初めて信用金庫であるとか相互銀行とかいうようなものが本来の使命だと彼らが考えておる中小企業の金融の主軸をなす活動をすることになり、これは非常にいいのじやないかと思つておつたのですが、まあ併し大銀行も扱うということになり、而も大銀行に取扱わすことがこれと取引をしておる中小企業者の要望であるというなら、それは確かに便利であるに違いないですが、そのことのために大銀行が取引を持たない中小企業者に対して鼻汁も引つかけない態度をとることのないように十分御注意願いたいと思います。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 それに関連して地区等は指定しないのですか。例えば東海銀行なら東海銀行の愛知東海銀行には愛知県内の窓口にする、同じ地方金融機関にするにしても大銀行と地方銀行とを区別した、恐らく衆議院で決議をなされた趣旨にしても、まあ地方銀行でも方々に支店を出しているけれども、大体一県一行主義というところからいつてその当該本店のある地区が、まあ県が営業区域として殆んどそうだろうと思うのです、こういうことでも恐らく大銀行と地方銀行と、都市銀行と地方銀行と区別したが、大銀行は全国至る所に支店がある。その一大銀行に中小公庫の枠を与えると、どこの支店へ行つても受付けることになるのか、今後やられる場合において。

河野通一大蔵省銀行局長

○説明員(河野通一君) これは今の結論を申上げますと、特に制限はいたしておりません。私は制限する必要はないと考えておるのです。それは大銀行の地方支店は中小金融をやらんでよろしいということであれば、私はもうそんなものは考える必要はない。併し大銀行の地方における支店におきましても勿論中小金融をやつております。これはやり方が今森下さんからのお話のように十分であるかないか、この点については十分御批判があると思いますが、私どもは常に積極的にやれと言つておりますが、やつてないわけじやない。それを大銀行の地方支店であるからと言つて、その中小公庫の代理店をやらせないということは私はおかしいことだと考えております。従いまして、結論的には特にそういう区別はいたしません。ただ問題はその中小公庫の代理店としての資金を或る程度まあ枠と申しますか、いろいろ配分は一応いたします。これは別にきつかりしたわけじやありませんけれども、大体の資金量というものを配分いたしますに当りましては、その当該銀行の中小企業に対する熱意、或いはそういうことに対する従来からの実績等を十分考えて、それらに対する努力の仕方が足りない所にはおのずから資金をたくさん出す必要はない、それから努力を大いにしている所にたくさん出す、そういうような配慮は十分いたさなければならんと考えております。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 株主相互金融について先般御質問して、いろいろあなたのほうも研究するということになつておりましたが、その後どの程度研究されましたか。

河野通一大蔵省銀行局長

○説明員(河野通一君) 先般の当委員会で株主相互金融についてのいろいろ御意見があつたのであります。この問題は常時私どもこの問題に対する検討は続けて参つておりますが、従来からたびたび申上げておりまする考え方の結論については変えておりません、現在のところ。ただこの前申上げたかと思いますけれども、つまり何と申しますか、株主になる人々が何と申しますか、過大な宣伝なり誇大な宣伝なり広告なりによつて、誤つた認識を持つて株主になるといつたようなことのないように、そういつた意味の法律的な措置が必要であるかないかについては、現在研究いたしております。これは前申上げたと思いますが、先例が各国にあるわけです。例えばアメリカにも取締りの法律がありますし、イギリスにもたしか一九三九年でありますか、債券の発行、売買、募集等に関する詐欺的行為の防止法というああいう国にしては珍しい成文法ができておるわけです。これは御案内のようにアメリカで法律ができた当時もそうでありますが、イギリスでもその法律ができた当時いわゆる泡沫会社が続出して、それによつて詐欺的に一般の公衆から資金を証券の形で募集をして、その会社が潰れてしまうと、その場合には非常に誇大宣伝をして募集をして、その弊害が非常に大きくなつて来たというので、そういう法律ができたように私は聞いております。まあそういつたような立法措置を講ずる必要ありやなしや、私はやはり必要があるんじやないかと考えております。そういつた問題については現在研究はいたしております。やつたほうがいいということになりますれば、次の通常国会には例の匿名組合方式に対する立法の問題と併せて御提案申上げることになるかと思いますが、まだ結論までには至つておりません。そういうことも考えております。それ以上に特に株主相互金融等に対して特別の何と申しますか、許可制をとつて、ああいつた種類のものを許可制度に入れろといつたような御要望が一部にありますけれども、そういう点については従来から考えておるところを変えておりません。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 今の泡沫株式会社の取締という点で勿論お気付になつたと思いますが、先般も話があつた、いつでも株式は買取りますとか、他へ斡旋をいたしますとか、これが甚だ国民一般大衆を迷わしておる、その点についてはどうですか。

河野通一大蔵省銀行局長

○説明員(河野通一君) 今後立法措置をするといたしましたならば、二つ、三つ重点があると思いますが、そのうちの一つに今お話の点がやはり重点になるのであります。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 銀行局長にお尋ねしますが、例の保全経済会が、その後盛んにいろいろのまあ脅迫的というような文書を国会あたりへもちよいちよい出しておるというのは、はつきり言うと、若しも救つてくれなければ一つばらすぞということですな。私が今までやつて来たことを、まあ伊藤氏が常に放言しておつた。放言しておつたかどうか知らんが、俺は必要になつて金をばらまくのではない、常に金をばらまいておるのだと言つておるので、そのために伊藤斗福なる者がばらまいた先を暴露するということになると、影響するところが大きいからということから、最後は伊藤氏は尻をまくる態勢を示しながら、保全経済会に対してはそのまま黙認させるような態度に行くか、さもなければうまく行つたならば政府から何か援助をもらうのだ、如何にももらえそうなことがラジオの録音にも出ておりましたが、これは今まで放つておくはずはない、何とかしてくれる、それから立法措置を期待しておる、それを新聞記者にも発表しておれば、ラジオ録音にもずつと全国放送をしておるのですが、又投資者もそれを期待して、それに唯一の望みをかけて静かに待つておるのが今の状況だと思うのですが、その後あなたのほうへそうした立法措置の運動があるなり、又これに対していろいろな圧力が加わつておるかどうか。それからこの間も実は各方面に向つて資産表と称するものを作つて来て、参議院にも来ておるのですが、当委員会にも来ておる。そうしていろいろな手を加えて、あの資産表を私はよく見ませんけれども、ちよつと見た感じは丸で子供だましのような資産表だと思う。そういうものをばらまいて盛んに政界に働きかけておるように思うのだが、さてその際にあなたこの間も新聞発表されたと思うが、いろいろ法務省も肚をきめた。あなたのほうも肚をきめて、これらに対する法的措置を講ずる。その措置を講ずるといつても、伊藤さんの望むような法的措置でなくて、逆な法的措置が講ぜられるということを、大蔵省において大体案がまとまりつつあるということが一つと、それからもう一つはその投資者に対しては、今戸を閉めてしまつた以上はこれは公約違反だと思うのです。いつでも店を開けて解約もできると言つておりながら、戸を閉めて一切取合わんということになると、一つの詐欺行為だと思うのです。これは毎日店をやつていれば別だが、いつでも勧誘のときにも、私どももあとで聞いてみますと、金が欲しいときには解除してやるのだと言つておきながら、店を閉めてしまつていつまでも開けない。そのうち多少でも、或いは資産表通りにはないとしても、そのような資産が逸散する虞れがあるのではないか。これに対して何らか措置ができんものかどうかということ。それから聞くところによると、これは風聞だと思うのですが、持つている財産を一つアメリカへ持つて逃げてしまう、外務省あたりはもうそれに対して旅券を交付したというような、これは三面記事だと思いますが、幾ら今の外務省が腐つておつても、そんな馬鹿なことはやるまいと思うのですが、これらについても大蔵省としては、俺のほうはそれは知らないのだ、銀行局の関与するところにあらずとして無関心でおるわけにはいかない。警戒の眼は払つておらなければならんと思うのであります。これはどうなつておるか、その辺のいきさつをお聞かせ願いたい。

河野通一大蔵省銀行局長

○説明員(河野通一君) いろいろ問題がありますお尋ねであります。  第一の政府がこれらに対して救済措置をとるかとらないかという点につきましては、私もたびたび国会で申上げておりますし、大蔵大臣からも国会で申上げておる通り、そういうことは一切いたすつもりはございません。なお救済をしてもらいたいという申入れを私どもは一度も受けたことはございません。  それから第二の立法の問題でありますが、これはかねがね私も実は内容を見ていないのですが、投資銀行法といつたような法案を国会を通じて立法してもらうのだということを言つておるそうでありますが、私は見たこともございませんので、内容は存じません。それらの問題に関連して何か私どものほうに何と申しますか、圧迫と言いますか、そういつたものがあるかというお尋ねでありますが、そういうことは全然ございません。ただ私の所にも毎日いろいろな形でいろいろな名前で、或いは一国民という名前のもございますし、出資者同盟というのもございますし、いろいろな名前で毎日のように陳情やら建議やら、早く立法措置をすべしというようなことやら、いろいろ参つておることは事実であります。併し私どもに対して何らかの圧迫があつたということは、これはございません。あつたとしても別に私は問題にいたしません。  それから資産表というものを実はいろいろな所に送つておる。これは実は大蔵大臣の所にも参つております。私はこのとき別に関係もないものですから、返していいようなものだけれど、受取つておいたつてどうということはないから、実はそのままにしております。内容もよく見ておりません。見たつてしようがないので、そのままにしておりますが、この保全経済会と申しますか、伊藤氏のこういう財産を散逸しないようにする方法はどういうことであるかという点につきましては、これは法務省ともいろいろ研究いたしましたが、今の場合におきましては、やはり出資者と言いますか、そういつたものが破産の申請をする、或いはそれに基き仮処分の申請をするといつたような一つのアクシヨンがないと、裁判所なり、そういつた所で適当な措置をとる方法がない。破産申請でもありますれば、そういう措置がとれるのであります。今のところは破産申請としてまとまつたものは出ておるようには聞いておりません。これは法務省としてもはつきりそう言つております。  それから海外へ持つております資産を逃避いたすかどうかというような噂があるようなお話でありますが、私も噂としては聞かないではございません。併しこれは大蔵省としても、為替管理法その他の運用によりまして、海外への資産逃避ということは、これは原則として認めない方針でありますから、そのラインでこれらのものについては善処いたしたいと考えております。ただ問題は物理的にそういうものがうまく掴まれるかどうかという事実問題として問題はございますけれども、為替管理法の運用として海外への資産逃避ということを抑制したいと、かように考えております。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 逆の立法、取締法のことを……。匿名組合の取締法というような法律をこの次の国会に出す計画については……。

河野通一大蔵省銀行局長

○説明員(河野通一君) これは別に新聞発表をいたしたことはございませんが、方向としては不特定多数のものでありますから、匿名組合の形で出資を集めるということにつきましては、現在の匿名組合の法上から見ますと、それに裏付するだけの出資者保護の規定が欠けておりますから、従いまして、不特定多数の者から匿名組合における出資を集めるということは、これは匿名組合に限らず匿名組合に準ずる名儀でも同じでありますが、そういつた形で不特定多数の人から出資を集めるということは認めない方向で行く立法をすべきだという考え方で、この点は方針といたしましては法務省とも一致いたしております。ただ技術的な点で法務省と若干意見のまだ一致しない点がありますが、現在いろいろ打合せをしている段階でありますから、これは極く技術的な問題でありますから、その間の意見の一致を見れば、通常国会には法案を御提出して御審議を煩わしたい、かように考えておる次第であります。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 もう一点だけ伺いますが、保全経済会がああいうふうになつたことが動機になりまして、類似のそうした機関に対して同じような事件が起りつつあるかどうかということを聞きたいのですが、新聞にもいろいろな名前がちよいちよい出ておりますが、その後の動きというものはあなたのほうはこれは関係はないから調べないというわけにも行かない、これはどうなろうとも銀行局の、大蔵省の所管じやないと言つてしもうことは、あなたの今まで言つて来たことからもそうばかりもいかんと思うのですが、それについては続けて事務局あたりを通じてつぶさに調査をし、やはり動きを察知しておかなければならないと思いますが、その後はどうなつておりますか。

河野通一大蔵省銀行局長

○説明員(河野通一君) 私どもも、自分の所管ではないからどうなつてもいいということは考えておりません。関心を持つて常に見守つております。現在まで出先きの財務局等に調査をさせましたところでは、類似のいわゆる投資機関と申しますか、利殖機関におきましては、数社やはり休業いたしておるものがあります。それから出資者が窓口に押しかけて来て、いろいろ窓口でごたごたしたという事例も私どもは聞いております。併し今のところではそう大きな、世間的に非常に問題になるようなところはないように聞いております。大体まあ言葉は非常に悪いのでありますが、保全経済会に対する出資者が今考えておりますことと大体同じような心境で以て、保全経済会に対する出資者の態度と同じような態度で大体これらの利殖機関の出資者はおるのじやないかというふうに見受けております。休業いたしておりますものが同種のもので数社あることは事実であります。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 ただそういうことによつて今までは資金が割合に集まつて立た。今年は水害、冷害等で農村方面の資金が余り集まつて来んということになつて、そこに加えて保全経済会の問題があつてなお又信用しない、安くてもほかの郵便局にでも入れておこう、安全なところへ行こうと、こういうことになつて金が集まつて来んということになると、廻つて来んので、保全経済会もそういう点もあつたと思う。どんどんと出資者があれば運用もうまく行つて、金も廻つて来てボロを出さんで済んだ、大分危うくなつて来て、どこもかしこも火の車で、そのために有卦に入つておるのは個人の金貸しである。大体そう見受けられますが、そういう点の報告はどうですか、地方からの……。そうすると、次に来るものは、そういう保全経済会みたいな危険な状態にあつて持ちこたえているのじやないか、こういうふうにとれるのですが、これはどうですか。

河野通一大蔵省銀行局長

○説明員(河野通一君) これはお話のように、これらの機関に対する何と申しますか、不安定性が相当出て来た。やはりこれは預金と同じような取扱いを受けられないというようなことがだんだんわかつて参つたのではないかと思います。従いまして、これらの機関に対する資金の集まり方が悪くなつておるいうことは一般的に言えると思います。それが又お話のように、災害関係の影響等も勿論あると思いますけれども、一般的にやはりこれらの機関に対する不安心ということが全体として私は原因しているのではないかと私は想像いたしております。併しながら国民経済の中から出て参ります資金というものはその別に減つておるわけではありません。正規の金融機関に対する資金は順調に殖えて参つております。これは殖えなければ実は困るので、その点につきまして、全体のいわゆる正規の金融機関に対する影響というものは、現在まで各地を調べましたところ、影響は皆無であります。むしろ影響ありとすれば、そういつた正規の金融機関に対する信用が総体的に実は上つたというような影響すら各地に随分見られる、こういうような状態であります。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 それはその通りそういうふうになつて来るだろうと思います。私は初めから郵便局へ行くだろうということを言つているのだが、要するにそれで第二の保全経済会のように足を出すようなところが出て来るのじやないか、どうもだんだんと資金が集つて来ぬ、今まで集つて来たやつも返せないことになつて、むしろ解約を申込んで来るものが多くなつて来るということで、第二、第三がどんどん出て来る傾向にあるのじやないか。この間あなたの御発表になつたように、大体これくらいの数があつて、資金量はこのくらい動いているとすれば、それらが皆被害を被むることになつちやつているのじやないかということを虞れるんですが、そうすると、一番零細な戦災未亡人であるとか、或いは古い退職官吏であるとかいうような人が被害者になつて来て、ますます放つておけば放つておくほどひどくなる、こういう傾向はございませんか。

河野通一大蔵省銀行局長

○説明員(河野通一君) 私はこれらの機関が全部が全部非常に不健全で、どれもこれもつぶれる運命にあるのだというふうには私は考えたくはありません。非常にむずかしいお答えでありますが、考えたくはない。将来それがどういうふうになりますか、私としても今ここでだんだんこれはつぶれて行くでありましようということを申すわけには参りません。併し今まで保全経済会の休業の影響を受けて、同種の投資機関、利殖機関が相当の数に上るものが休業いたして参つている。将来はどうであるかと言われますと、私もちよつとお答えができない、こういうことでございます。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 私は考えるのに、あなたはそう言つて、今までそれでやつて来ている。保全経済会がああいうふうになつちまつて……。何回か聞いたときに、そのときはなかなかうまいことを言つて答弁されているが、今でも月に二分くらいですか、今まで四分、五分、それが最近になつてだんだん下つて二分だが、今までそんなうまい利廻りで持ちこたえられる筈が常識上考えてもない。この間のように株でも上ればいざ知らず、土地でもどんどん上るとか、或いは不幸なことだが、事変でもあるというようなことになれば別でありますが、これでだんだん落着いて来る。それから世界の動きも一萬田さんも来て話しているように、だんだん軍需経済から平和経済に行こうとしているというときに、どこかに無理がある、その無理が出ると思うんですよ。併しそれは長い敗戦の日本経済の一つの罪であつて、いつかどこかに出て来なければならないんですね。出るまで放つておこうという方針で、なつたときはなつたときの話でおるより仕方がないものか。ここらで相当怪我人の出ぬうちに措置を講ずる、これが政治の行き方じやないか、こう思うんですが、その辺の見解はどうですか。

河野通一大蔵省銀行局長

○説明員(河野通一君) 私といたしましては、今申上げましたように、保全経済会の休業を契機として、これらの同種の投資機関が相当数休業したり、或いは窓を閉めたりいろいろいたしております事実、この事実を十分に各投資者とか出資者というものが認識してもらいたいということ以外には私として申上げられません。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 そうすると、大蔵省の今の態度としては、これは大蔵大臣の態度と聞いておけばいいんでしようが、羮に懲りて二度と近寄らんようにせい、そういうことですね。率直に言いますとそれ以外にない。よく考えて行け、自分が怪我をするならば勝手に怪我をするのだ、こういうことですね。

河野通一大蔵省銀行局長

○説明員(河野通一君) できるだけ怪我のないように念願をいたします。併しこれはたびたび私どもが、この春以来申上げておりますように、預金者に対していろいろ政府が預金者の利益を守るためにいろいろな措置を講じておるような措置は、これらの出資者に対しては与えられないのだということははつきり申しておるわけであります。その方針で私どもは進みたいと考えております。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 その点は何らかの形においてよくわかるように、ここで言われただけではなかなかはつきりしませんから、何らかの形によつてよくわかるように、行くなら行つてもいいが、あとで泣いても知らんぞとはつきり言いまして、端的に言つてそういつたことがわかるようにならんことには……。そういう今言つた類似の金融機関はうまいことを言つて、政府から何とか来るだろうと言つて宣伝するのですよ。いずれ又法的な保護措置も講じられるであろう、心配したことはないのだ、こういつたときに、あなたが国会の中でいわばまあそういう答弁だけでは、期待するだけじやちよつと皆わからないのですよ。田舎へ行つたらあの誇大な宣伝、大きな看板を駅のそばに掲げたり、相当な新聞に広告を出さしたり、ビルデイングを建てて立派にネオンを輝かさせると信用してしまうのですよ。大体銀行がいいビルデイングを建てる最初の初めというものは、初めというか、ビルデイングのいいのを持つということは一つはデモンストレーシヨンだと私は思うのです。労働者のデモは赤旗を立て並べているように、彼らにとつてはいいビルデイングを建てるのが私は一種のデモンストレーシヨンだと思う。そういうふうに解釈していいと思います。そういうことをやつているものですから、皆がやつぱりどうかすると信用してしまう。その点については、これは政府がそういうものに対しては一切苦境に立つても補助、援助をするというようなこともあり得ないことだし、それは自分の負担においてやつてもらわなければならない問題だということが徹底するようにしなきやならんと思うのですが、それらの方法はお考えになつておるのですか。

河野通一大蔵省銀行局長

○説明員(河野通一君) 今お話のようなことができるだけわかりやすく一般の公衆のかたがたにわかるように、三月以来機会をつかまえて私ども努力をいたして参りました。私どもとして言える精一ぱいのことは言つて来たつもりであります。ただそれから先どういう言い方をするかはなかなかむずかしい問題でありますが、自由に認められておる営業に対する何といいますか、妨害行為になることも私どもは言えない状態になつております。私どもとして言える精一ぱいのことは新聞紙その他を通じて言つて来たつもりでおりまするが、今後におきましても、そういつた私どもの態度は、はつきり皆さんに通ずるように努力はいたしたいと考えております。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 僕は、これはあなたの本当に話したことかどうかわからんけれども、新聞や週刊誌なんかを見ていると、必ずしもそうじやないので、どうもあなたはあいまいな態度をとつているように新聞や週刊誌なんかにもあるのですが、これは私は資料に残してあるから、今度持つて来てそれを読んでみますが、あなたは別にそんなことを言つた覚えがないと言えば別ですが、それで一つこの点についてもう一遍改めてお聞きしたいと思うのですが、どうも煮え切つておらないように思うのです。ここでは成るほどそういうふうに言つておられるが、一つ表現だけは僕らはわかつておりますから、ああこれはこういうことを言つているのだがと、もうまさに隔靴掻痒といいますか、靴の上から足の裏を掻くようなことと同じですよ、本当のことはわからん。ところが本当のことはわからんような人こそがあれに飛び込んでおるので、本当のわかる人は飛び込まん。なかなか利口でうまくやる人は別だが、それは一部であつて、わからないためにあれに引つかかると言つては語弊があるけれども、利用しておる人は私は多いと思う。そういう態度であるということは、一切こんなことは、ボロ株を買つた株主の保護をするようなことを政府としては言えない。これと同じような性質のものだということが徹底していないように思う。一般の銀行ぐらいに、例えば相互銀行ぐらいに思つておる人が相当多いと思うのですが、なお何は一遍いずれお聞きしますが、それならば、それではつきりと株をおやりになるのと同じようなものだということがはつきりわかるようにしなければいけないと思うのであります。いい悪いは非難できません、営業ですし、中には非常にいいものもあるだろうと思います。併しそれを、それまでもつぶすような銀行局長の変な声明になつたり、片岡直温のあのような声明になつたらこれは困ります。併し法律的な解釈ではこういうふうになるのだということはやつぱりしなければ、当今の宣伝のほうが勝つておるように思いますがね、田舎に行くと……。

河野通一大蔵省銀行局長

○説明員(河野通一君) 今菊川委員のおつしやつた通りのことを私は今までいろいろな機会で申しております。三月以来そういう程度のことは私はつきり申しております。或いは今例を挙げられたボロ株を置つたと同じようなことだということは、その程度のことは何回も私は申しております。ただそのことがうまく皆さんに徹底するまで私どものそういう啓蒙と申しますか、そういつたことが行渡つておるかどうか、この点は努力が足りなかつた点があるかも知れませんけれども、今お話のようなラインで私はできるだけ皆さんにわかつてもらうように努力はいたしておるつもりであります。今後もそう。いう努力はいたしたいと考えております。

森下政一日本社会党(第二控室・右)

○森下政一君 実際の扱いを伺いたいのですがね。商工中金あたりで中小金融公庫の窓口をやつておられて、先ほどお話になつたのでは、あなたのほうにも十分集まつておるようにおつしやいましたが、これは何ですか、もう一遍中小金融公庫のほうに参るわけなんですか、これをいよいよ貸出していいかどうかということについて決定をするについて……。

加藤八郎商工組合中央金庫理事

○参考人(加藤八郎君) 方式が二つございまして、甲方式と乙方式というのがございます。甲方式でやります場合には、その代理店でございまする金融機関が決定的な……、まあ専決いたします。乙方式でやります場合には貸出しいたしまする内容につきまして、公庫のほうに伺いを立てまして、その決定を待つて実行する、かようになつております。只今大体甲方式でやつておりますわけでございますが、私のほうで申しますると、各支店、いわゆる支所でございますが、支所で申請を受付けまして、そうして調査をいたしまして、こういう貸出しをしたいという場合は、その支居長の持つておりまする権限以内でございますれば、まあ割合に簡単でございますが、それ以上の場合はなおうちの審査部でも見るというような形になつておりますので、一応本店でも目を通しまして、そうして貸出しのための資金の交付申請書を公庫のほうに差出します。交付申請書には大体どういう資金であるかということを公庫のほうで監査できるような内容の事項を書込むようになつております。それを御覧になつて、決定になれば資金をもらう、かような手続でございます。

森下政一日本社会党(第二控室・右)

○森下政一君 そうすると、その甲方式か乙方式か、そのいずれによるかということは、金額の大小によるのですか、どうなるのですか。

加藤八郎商工組合中央金庫理事

○参考人(加藤八郎君) これは金額には影響ございませんで、その危険の何と言いますか、負担の補償の限度が違うのでございます。それで甲方式でございますると、未収元利金の八割までその代理機関が補償いたします。それから乙方式でございますると、未収元利金の三割だけしか補償いたしません。そういうところから銀行がそれぞれ判断いたしまして、この問題は甲方式でいいとか、或いはこの貸出は乙方式でいいということをきめまして出すわけでございます。現在のところは全部私のほうなんかは甲方式でお願いしておるような状況でございます。

森下政一日本社会党(第二控室・右)

○森下政一君 そこで、こういうことを実際にたまたま商工中金で扱つておられる私は具体的な例を知つているのですが、成る者が年末資金の融資を頼みに行つた、そうしたところが中小金融公庫の命はなかなか手間がかかりますよ、あなた非常に急ぐのならうちの金使つたらどうかと言うのです。これは非常に親切な言い方ですな、商工中金がうちの金を使つたらどうですかと言うわけです。間に合うほうがいい、それはそう願えれば結構です……。こういう具体的な例があるのですが、中小金融公庫のやつは非常に手間がかかりますというのは、一体どういうことでそうなるのか、あなたのほう限りでいけないというのか、必要に応じてあなたのほうの判断で公庫のほうに伺いを立てて同意を得なければならんということになるのか、それだから手間がかかるというのか、それはどうなんでしよう。

加藤八郎商工組合中央金庫理事

○参考人(加藤八郎君) どういうつもりで申しましたのか、ちよつとわからない点もございますが、一般的に考えられますことは、たとえて申しますると、私のほうの支所長にはそれぞれ選考できまする金額を与えてございます。それでその選考のできまする範囲内の資金を利用される場合には、うちの資金でございますると、その支店長のほうで調査してすぐ出すという権限を持つております。ところがその金額を超すようなことになりますると、本店のほうに来るわけでありますが、公庫の貸出しになりますると、そういう資金交付申請を本店を通じて公庫に出すことになりますものですから、その点だけ余計に時間がかかります。それから公庫のほうでも一応それを御覧になつて、そうして資金交付申請者に対して決定をなさるだけの期間がかかりますので、それだけの手続はどうしても必要でございますから、その分だけ時間がかかることになると思います。併しそう大変遅れて非常に御迷惑をかけるというようなことのないように皆努力をしておるわけでありますが、どうしても若干時間がかかるということだけは事実のようでございます。

森下政一日本社会党(第二控室・右)

○森下政一君 それは何ですか、そうするとつまり公庫のほうに伺いを立てるというのは、甲方式でも乙方式でも同じことですか。

加藤八郎商工組合中央金庫理事

○参考人(加藤八郎君) 甲方式の場合は、資金交付申請書という簡単な紙に要綱だけ書くこととなつておりますが、乙方式のほうになりますると、今度いろいろな資料を添えて、それを公庫で審査される場合に必要でありまするだけの書類をつけなければなりませんから、非常に書類として多くなると思います。甲方式の場合は簡単でございます。併しそれは一応必ず出さなければいけませんことになつております。

森下政一日本社会党(第二控室・右)

○森下政一君 そうすると、融資の申込みがあつたときに、中小金融公庫の金を借りたいというときは、あなたのほうの窓口として、窓口をあなたのほう限りでこの人には貸しちやいかんというのではねちやうものもあるわけですね。

加藤八郎商工組合中央金庫理事

○参考人(加藤八郎君) たとえて申しますると、公庫の資金を出す場合の業種なんかの指定がございますので、その業種以外のものであるとか、或いは公庫からいろいろ貸出しに対しまして指示を受けております内容と比較いたしまして、適当でないというような場合には窓口でその事情を話してお断りすることはございます。併し疑わしいような場合には、必ず公庫のほうに伺いまして、そういう需要に対して代理貸しをしてよろしいかどうかということを、御意見を伺つてから御返事するようにさせております。

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 明日は税制に関する御審議を願いたいと思います。自治庁から次長及び財政部長が出席する予定であります。  本日はこれを以て散会いたします。    午後四時三十四分散会

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