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17回国会参議院1953/11/10

人事委員会 閉会後第1号

発言数
71
登壇者
8
会派数
4
開催日
1953/11/10

会議録

村尾重雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(村尾重雄君) これより人事委員会を開会いたします。本日の議題は国家公務員の給与問題に関する調査であります。政府から田中官房副長官、入江人事官並びに滝本給与局長が出席されておりますから、御質疑のある方は御発言を願います。今日の委員会開催について大蔵大臣並びに副総理、官房長官の出席を求めておつたのですが未だ出席がありませんが、幸い田中官房副長官が御出席になりましたので、どういう手はずになつているかお尋ねしたいと思います。

田中不破三内閣官房副長官

○説明員(田中不破三君) 甚だ申訳けないのでございまするが、只今御要求になりました方々が当委員会に出席してつぶさに諸般の事情について御説明申上げなくてはならないのでございますが、たまたま大蔵大臣は御病気中で引き籠もられましたし、なお緒方副総理と官房長官は所用のために只今官邸におられませんために私が代つて参つた次第であります。いずれにしましてもこのような大事な案件につきまして御審議をなさつておられるときに、御要求の方々が御欠席になるということは、この委員会のいろいろのお手はずを非常に惑わすことになりまして、私としては誠に恐縮に存じております。この要求された方々には委員会の御意思をよく伝えまして、努めて出席して頂くように私からもお願いをいたしたいと思いますが、本日は只今申上げたような事情でございますので、どうぞその点御了承を願いたいと存じます。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 政府より今日この委員会に出席されなかつたことについて、只今副長官のほうから遺憾の意を表明されたようでありますから、これ以上今まで経緯についてはここで取上げて問題にすることを避けたいと思いますが、併し特に官房長官の出席の問題については、他の閣僚の出席のない場合でも必ず今日は出席をしてもらうということになつておりましたので、その点が何かの行き違いの関係で出席されなかつたことについては極めて遺憾に存じます。又政府のほうとしてもこの点については十分責任をお感じになつておられるようですから、これ以上追求することは避けますが、併し今も副長官からお話のように、現下の実に緊急な問題について審議をしておりますので、若しもこの問題を又今日より延ばすといたしましても、それでは一体いつ必ず出席できるかという点は明確にならなければ私どもこのままではこの委員会を閉じるわけにもいかないと思うのです。そこで一体今日この委員会に官房長官若しくは副総理が出席できるとすれば、何時頃まで待てば出席できるかということとそれから若しそれが不可能な場合にはいつそれでは今後責任を以て出席される約束をすることができるか、その点をここではつきりさせたいと思います。

田中不破三内閣官房副長官

○説明員(田中不破三君) 私、突然こちらへ伺いましたので只今要求された方々、大蔵大臣はまあ御病気でございまするが、他の二人の方々はどういうふうな御事情に今あられるかということをつまびらかにしておりませんので即答をいたしかねるのは残念でございまするが、御趣旨の点はよくわかりましたので後刻十分お二人に連絡をとりまして改めて当委員会に御連絡申上げたいと思います。

村尾重雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(村尾重雄君) なお重ねて私からも一言申上げます。今日の御都合の結果は別として、次期委員会開催については政府側から官房長官並びに副総理の御出席されるよう十分連絡をとつて、適宜な日に委員会を開催するように取計らいたいと思つておりますから、よく御連絡のほどをお願いいたします。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 こうなれば万止むを得ませんので一応この際その後の問題に関する経過についてできるだけ明かにしたいので、田中副官房長官に御質問申上げますけれども、特に現在この委員会として審議の中心になつております公務員の給与の改訂の問題について、その後政府として人事院のこの勧告の取扱いの点についてどういう御相談をされたか。若しくはどういう方針を決定になつたか。或いは又予算上等について大蔵省と総理府との間にどういう話合をその後されているか、現在の状態についてこの際できるだけ明かにされたいと思います。

田中不破三内閣官房副長官

○説明員(田中不破三君) この前の委員会のときに私この委員会に出まして、私の知つております点につきましての極く概略の経緯につきましてお話を申上げました。それからまだ数日を経ておらないわけでございまするが、この間の委員会が終りました後におきまして副総理、大蔵大臣には十分に本委員会の御趣旨をお伝え申上げました。参議院の人事委員会としても速急にこの案件につきましては政府の態度を知らしてほしいということである、従いまして勿論只今はいよいよ国会の最終の予算その他の関係の案件で非常に繁忙であるけれども、これが済みましたならば、一つ関係閣僚殊に副総理、大蔵大臣は中心になつてこの案件と取組んでもらいたいとこのように十分にお伝えばいたしておきました。この点は御了承してもらつております。その後まだ二、三日しか経つておりませんので、只今のところどういうふうな構想を練られる経路にあるかどうかということはまだ窺い知らないところであります。併しこの委員会のお話は十分お伝えいたしておきたいと思います。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 問題の性質からいつて、政府としてはかなりこの議題は政府自身においても相当中心的に取上げなければならないはずの問題であるのに、若しも只今のような御答弁のような状態であるとすれば、これは我々としても誠に遺憾に堪えない次第ですが、併しそれはそれとして、まあ今副長官から御答弁のありましたその通りということをこの際としては一応承わつておきますが、ただ明かにしたいことは、開会中の委員会の席上でもこれは田中副長官とお話合いを申上げた内容にもあつたはずですが、今の田中さんのお答弁を聞いておりますると、この問題についてのいろいろな話合いは政府部内でもそれぞれ行われておる。特に参議院の人事委員会等における意向等は官房長官や副総理にも副長官からお伝えばしたと、それから又大蔵省のほうとも話合いはいろいろ進めておるようでありますが、こういう御答弁ですが、只今この委員会が開かれる直前に与党の一委員との雑談の中にも、少くともこの給与改訂の問題についての取扱の状況については、政府としてはこの問題の責任者として中心になつてこれを担当しておられるのはたしか田中副長官のはずだというお話がありましたが、これはこの前の開会中の委員会でも私どもが田中副長官に対してその点を我々その通り確認して御質問を申上げたのですが、その点については今、田中さんは以何ですか、言を左右にせずして御答弁を願います。併し私ども分掌上から申しましてもこの問題については少くとも田中さんは只今の御発言の程度では責任を免れることのできない、あなたはこの問題に責任を持つておられるはずだと思う。一体政府は誰がこれを中心的になつてやつてあるか、副総理か、官房長官か、それとも副長官なのか、この点を明確にしてもらいたいと思います。それは責任の所在という意味ではなくて、誰が中心になつてやつておるか。先ずこの点だけでも今日の委員会では明らかにしておく必要があると思います。その点は如何ですか。

田中不破三内閣官房副長官

○説明員(田中不破三君) 千葉委員のお話になりますことは御尤もな点でございまするが、私自身も分掌いたしておりまするが、これは御承知の通り全く事務的処理という点に関するものでございまして、この大きな問題、つまり内閣といたしましても大きな方針になりますこの問題につきましては、勿論内閣の全体の方針つまり閣議というものが中心になることは御承知の通りで私から改めて申上げるまでもないことでありまして、従いましてこの大きな方針というものはおのずから閣議、全閣僚の考え方でその方針がきめられると、それでその全閣僚の中でも殊に直接担当される各省大臣、なお又その中心になられる実際のその方面の行政を見ておられる副総理、大蔵大臣が中心になつて考えられる、こういうことになるわけでございます。そして最後に閣議でそれが方針がきめられる、従いまして勿論私どもも熱心にこの仕事をいたすわけでございまするけれども、私のいたしますることは言葉は悪うございまするけれども事務的の範囲を出でない。あとの大方針等については只今申上げましたように閣僚の方々、こういうことになつておるのでございまして、その点どうも私としましてこの大方針をきめると申しますか、そこまでにはなかなか力が及ばないのでございます。その点御了承を願いたいと思います。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 お答えにならない範囲についてまで御質問を申上げる気持はありませんけれでも、併し只今お話しもありましたように、最高の方針については閣議決定をされ、そうして総理府であなたが所管しておる限界といつたものを、一応事務的な腹案だけだというお話でございましたが、そういうことになりますと、大方針を決定される閣議の席上に持ち出される事務当局としての最終結論があるはずだと思う。恐らく今日まで何らかの形においてこれが閣議にかけられた形跡もありますし、従つてその閣議の席上に持ち出された事務局の結論というものがあるはずだと思います。その結論がいろいろな角度から例えば一本の結論ではなくて二本、三本とかにわかれた結論とか、或いは又一本の結論において出すとか、いわゆる事務局として検討された結論というものが閣議にかけられて、それを基礎として閣議であなたのおつしやるような大方針が決定されるはずです。従つてこの際御答弁できる限界としての質問を申上げますが、その閣議にかけられた場合の事務当局としてのどういう結論を持たれたか、それをまずお尋ねをしたい。

田中不破三内閣官房副長官

○説明員(田中不破三君) 只今までの経過におきましては、人事院の勧告そのものを尊重いたしまして、人事院の勧告案そのものが閣議の話題の対象になつております。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 私の記憶している限りはたしか十月の二十三日の閣議の席上で給与改訂、若しくはそのうちの年末手当の問題、それから第一次補正予算と第二次補正予算と分離するような問題等についても閣議で一応の決定があつたようであります。そうしますとそういう閣議の席上には、事務当局としては単に人事院の勧告を実施すべきだという結論を出されたのですか。  それからもう一つは若しそうだとすれば、少し疑念を生ずる問題があると思うのですが、それは前の閣議の席上で現在の公務員に対する俸給表は暫定的なものであるから、速かにこれを改訂しなければならないという条件が国会の修正によつて付されております。その閣議の席上でこの問題に関する不合理是正といいますか、中だるみ是正等の問題について予算上どうするとか、或いは予算上これこれかかるからこれは早急にしなければならないという結論が閣議でも出ておりますか。この点は人事院の勧告と切り離して事務当局としての意見として閣議の席上に出されたのか。この二点を明らかにされたいと思います。

田中不破三内閣官房副長官

○説明員(田中不破三君) お話の通りに閣議におきましていろいろ話題に上りましたものは人事院の勧告案であるとか、或いは先ほどお話の中にありました給与の不均衡是正の問題とか、或いはひいては裁定の問題であるとか、そういうふうなのが話題に上つております。併しまだこれらにつきましては各大臣の意見というものがはつきりとまとまつているという方向にはなつておりません。それぞれ研究の対象にはなつたのであります。

村尾重雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(村尾重雄君) 先ほど申上げましたように、入江人事官、滝本給与局長が見えておりますので、御質疑のあるかたは御発言を願いたいと思います。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 入江さんにお尋ねしたいと思うのですが、その前の人事委員会で大体私ども政府の方針と睨み合わせてお尋ねしなければならない問題がございまして、その中の一つとして例えば待命制度の問題などもありましたけれども、御承知の通りその後人事委員会としては要求する閣僚の出席がいろいろな齟齬を来して、今日まで問題を推進させる段階に至つておりませんので、従つて今日は前の一度お聞きしたことの問題の関連についてお尋ねをしたいと思うんですが、それは地域給の問題について相当人事院としてはその後作業を進められたことだと思います。衆議院の人事委員会でそれぞれ人事院の立場からその後の調査研究の状況なり方針なりについて御答弁もあつたようですが、一体人事院は今までどの程度の作業の段階にあるのか。  それとも又もう一つお尋ねしたいことは、例えば衆参両院の人事委員会で申合せした事項の中にある、かなり巾の広い解釈を下すこともできる点があるし、或いは確認事項の第二番目の問題等についてはその後人事院でもいろいろと研究をされて、そうして人事院としての方針を一応考えられた点もあろうと思います。これらの問題についてこの際できるだけ明らかにされておかれたいと思うんです。

入江誠一郎人事官

○説明員(入江誠一郎君) 只今お尋ねのございました地域給の問題でございますが、先般衆参両院におきまして御決議がありまして、その後御決議の御趣旨を尊重いたしまして、尤もこの問題については勿論ずつと以前から調査はいたしておりますけれども、なお更に調査を鋭意促進いたしている次第でございます。  まず第一のお尋ねの現在の調査の段階でございますが、これにつきましては先般の両院の御決議の趣旨もございますし、二段整理ということを前提としての調査だけではいけませんので現在比較的経費が少く済むという場合も考えまして、単にアンバランスといいますか現在の五段階におきましてのアンバランスの是正のことも研究いたしておりますし、更にこの一段階整理という言葉が悪いかも知れませんが、いわゆるゼロ級地をなくするということも合せて研究いたしております。それで結局この問題は相当、仮にアンバランスを呈正するにいたしましても、或いは一段階の問題を解決するにいたしましても、どつちにいたしましても財源を要する問題でありますので、やはりこの地域給の問題につきましては、具体的に特定の地域区分、或いは特定の場所について公表と申しますか公表もいたします前に、或る程度の財源措置を考えませんと、いろいろなそこに複雑な問題も起りますので、或る程度の作業が進行いたしました際には、政府のほうとも財源措置について協議したいと思います。それで大体次の通常国会の御審議には間に合うように勧告さして頂きたいと思つております。  それから次のお尋ねの、両院の申合せ事項についての人事院の解釈がどうかというお話もございますが、その点は文字通りこの申合せ事項の通りに考えておりますわけで、結局第一項と第二項というのは関連いたしておりますから、関連いたして成るべく合理的な解決をしたいということでやつておりますので、今私が申上げましたお答えの内容によりまして御了承願いたいと思つております。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 たしか昨日の日本経済新聞の記事だつたと思いますが、これはかなり私ども真相を伝えておらないという印象を受ける内容でございましたが、その中で特に気になりましたことは、依然としてこれは人事院から出た考え方だといつて、例えば一級地或いは二級地まで引上げてそれを本俸に入れるというような新聞の記事がございましたが、この点についてはどうなんですか。

入江誠一郎人事官

○説明員(入江誠一郎君) 本俸に入れるようにいたしまするか、或いは仮に整理いたすといたしましてでございますね、つまり一段階なり二段階なり整理するという前提の場合に、これを本俸に入れるような方法で考えまするか、或いは本俸に入れないような方法で考えまするか、そこが一つの問題でございますが、どつちにいたしましてもここに確認といいますかその確認された事項がありまして、現行給与額を下廻らないようにするようにというふうな大体申合せがありまして、この御趣旨はできるだけ尊重いたさなければならんと思つております。ただ御承知の通り、先般申上げました通り、勿論これは何も結論を得ているわけじやございませんけれども、やはり地域給というものは本来地域差があるということが前提になつておりますので、地域給の差等を置きながらそれを事実差等がないようにするということは非常に理論的に問題がありますので、そういう点をどんなふうに解決するか今研究いたしておる段階であります。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 確認された事項の第二の項目は、人事院としてはつきりその意思を尊重してやつてもらうということであれば、今の段階としてこれ以上この問題について又蒸返しの論議をここに繰返すつもりはありません。その点はこのくらいにしておきますが、ただ一つはつきりさしておく必要があると思われますのは、今例えば一級地まで地ならしをするとか、或いは二段階まで解消するとかいうその方針について人事院が出す勧告との関係ですが、只今その地域給の改訂等については予算上の関係もあるので、或る程度の成案を以て、政府当局と大蔵省との折衝ですが、予算上の折衝を行う必要もあるし、又その問題が非常に問題解決の裏付けである。これは全くその通りだと思うのですが、ただここで問題になりますことは、勧告を出す前に人事院がその予算上の問題について政府と直接折衝をするやり方と、それから場合によつては人事院が一応の勧告を提出して、その提出された内容について国会等がこれに介入して、そして予算上の問題について政府と国会が直接この問題について取上げてこの問題の前進を計るという場合を考えますと、これは又入江さんのほうではどう考えておるか知らんけれども、私ども公平に見て人事院当局が予算上の問題について折衝をするよりも、国会でこの問題の解決に当るというほうが、かなり問題の解決が有利じやないか。そういう点から言いますと、ここで問題になつて来ますことは、例えば人事院のほうで勧告案を作つて、その作られた勧告案が二級地を全部一級地にするとか、或いは又二級地、一級地を全部二級地にするという勧告案を作つて、そうしてそれによつて政府なり大蔵省とその実現のために折衝する場合と、それから又人事院は現行五段階の勧告案を作成して、そうして国会が二級地を一級地にするとか、或いは二級地と一級地を二級地にするという考えによつて、国会がその予算上の問題について折衝に当るという場合と、若しも国会のほうでやることのほうが有利だという考えが正しいとすれば、人事院としてその点を十分考える必要があるんじやないか。すでに人事院としてはそういう地ならしとか、圧縮という勧告案を作つて、そしてその一応の成案に基いて政府と折衝するよりも、現行王段階の中における支級区分の勧告を行なつて、そうしで圧縮する分、或いは引上げをする分については、衆参両院の申合せの事項もありますから、その事項に従つて国会でその問題の処理をするというやり方をしたほうが却つて有利ではないか。こういう点から言いますと、この点は十分人事院としてもいずれが有利かということを考えながら勧告案を作つてもらう必要があると思うのですが、この点はどうですか。

入江誠一郎人事官

○説明員(入江誠一郎君) この地域給をいよいよ予算と申しますか実施いたします場合の技術上の問題について、いろいろお話がございましたわけでございますが、人事院といたしましては、予算の許される範囲内におきましてできるだけ合理的な適切な案を作つて勧告いたしたいと、さよう考えておるわけでございまして、大体先例その他に徴しまして善処いたしたいたいと思つております。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 そうしますと入江さんの結論は、人事院としては一応一段階を圧縮するか二段階を圧縮するか、でき上つた成案に基いて政府のほうと折衝して、その折衝に従つていずれか一方の勧告案を出すと考えでいるということですか。

入江誠一郎人事官

○説明員(入江誠一郎君) 勧告案を例えば第一案、第二案というふうにいたす考えは持つておりません。やはり諸般の情況の中で適切な案を作成いたしたいと思つております。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 そうすると予算上の問題等について、人事院が政府と折衝するよりも国会が折衝するほうが有利だという考えは、入江さんとしてはその点は賛成できないのですか。

入江誠一郎人事官

○説明員(入江誠一郎君) もとより国会は最高の主権でございますから、国会の人事委員会その他におかれてこの問題についていろいろ御関心を持ち、いろいろお申合せその他のことが非常にこの問題について有力な進行をなす動因をなすことは十分存じておりまして、そういう関係もございまして従来ずつと相当期間いろいろ御連絡申上げた次第でございます。ただ実際上の勧告と申しますか、意見を提出いたします手続につきましては、大体やはり先例に徴して実行させて頂きたいと思つております。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 この問題でこれ以上論議を繰返すことを避けますけれども、併しここで最低限度の注文だけはつけておく必要があると思うのですが、入江さんのほうでも確認されているように、国会の関与ではなしに、国会が積極的な意思表示をし、積極的な行動をとる場合には、かなり予算上の問題にしてもその他の問題にしても容易に進展しやすいという条件があると思うのです。従つてそういう条件があれば、これは人事院の立場から行けば、入江さんの考えている意見も私は無視できないと思う。現在国家公務員法なり給与法が人事院に命じている職責の立場からすれば、人事院としては一定の見解を以てその見解に従つて勧告を出すということについて、私は態度としてはその通りでいいと思うのですが、併しそれでは問題の解決に有利でないという点では十分人事院としても考える必要があるじやないか。そうすれば人事院としてはその勧告案を作成してその折衝を政府と行う場合に、十分にできるだけ問題の解決に有利なように国会との接触を十分遂げながら問題の処理に当るという態度が必要ではないか。その当り方についてはどういう方針で行くというようなことについては、これは人事院の独自の考えで差支えないと思うのですが、そういう配慮だけは当然とらなければならないし、それはまあ最低限度のこつちからの人事院に対する注文でございます。

岡三郎日本社会党(第四控室・左)

○岡三郎君 一つ質問しますが、地域給を縮減するという方向の論議が随分出たわけです。それで衆議院と参議院とで一応方針を出して作業を進めるように、通告といつては変な言葉ですが人事院のほうへ慫慂して来たわけですね。私日頃考えていることは、地域給が本来の性格を変更して現在に至つているというふうに判定して、縮めるということが肯定されるならば、一応今までの地域給というものを指定されているところを再検討するということがどうしても理窟上からいうと考えられなければならんと思う。今までついているものが理窟が立たなくなつて来たから縮めるとかやめるとかいつているのに、それを今までのやつをそのまま放つといてそして縮めるとか廃止するとかいうことはおかしいと思う。実際はただ一府県の問題がありますので非常に話がむずかしくなるわけですが、過去の理由によつて全国的に非常なアンバランスが出ているわけです。そうすると今まで地域給というものに非常に重きを置いておかれた、地域指定の少い地域というものに対して、今回は特段の措置をとるのかとらないのか、それを一つ聞いておきたい。

入江誠一郎人事官

○説明員(入江誠一郎君) お答え申上げます。只今のお尋ねの御趣旨は、つまり従来今までの指定をいたしておる部分に比較して、いわゆるアンバランスと申しますか、一つの甲地を指定するぐらいであれば、乙地は当然指定すべきではないかというようなものがある場合に、これを一つ改訂をするのかせんのか、まあそういう御趣旨のお尋ねかと思いますが、この問題は現在の作業の一つの要素になつているわけでございます。まあ現在指定をしておるところの級地を引下げるということは実際問題としてなかなか困難な問題があろうかと思いますが、結局現在の指定している地域とからみ合せて、そこに若干の不均衡があります場合とか、或いはその後の物価その他の地域差の変動によつて当然改訂を加えなければならん部分とか、そういう点より地域の区分を改訂するのが今回の改訂の一つの要素だと思います。併せて両院のお申合せのように地域区分そのものの縮減という問題がここに問題となつて来るわけであります。

岡三郎日本社会党(第四控室・左)

○岡三郎君 私が聞きたいことは、従来指定が非常に少なかつたのですね。都道府県のアンバランスと言いますか、そういつたものについて、特に、東北とか或いは長野とかまあ九州の部分的な所ですね。そういつたような地域の非常に陥没しているような所に特に関心を持つてもらいたいと私は思うわけです。そうしなければこれは私は不合理だという考え方があるわけです。これは理窟はいろいろと立つと思うのですがね。こういう点について例えば山形が非常に冷遇されておる、或いは長野が非常に冷遇されておるとか、それにはよつて来るいろいろな原因があつたと思うのです。あつたと思うのですが、根本的にこの地域給の問題を検討するという段階に来た現在は、やはりそういう点も或る程度斟酌してやらんとこれはいかんと思うのです。と言うのは、仮に二級地まで縮減してしまうということになれば全然残らんというような矛盾の出て来ることはしばしば指摘した通りでありますが、これも非常に理屈から言うとおかしな点もありますが、総体的にそれぞれの県の非常に陥没しているような所は一つ担当斟酌する意思があるかどうかという点をもう一つお聞きしたい。

入江誠一郎人事官

○説明員(入江誠一郎君) この問題は今例を以てお示しになりました府県、今のお話のありました通り実際これについてはそれぞれの或る程度の理由があるのでございまして、これを一概に陥没しているとも言えんと思うのでありますが、併しながら勿論この問題も十分考慮すべき問題でありますから、決して等閑に附して作業を進める意向は持つておりません。

岡三郎日本社会党(第四控室・左)

○岡三郎君 それから先ほど千葉委員のほうから言われた通りに、今回の地域給の勧告の遅れていることは相当人事院にも責任があると私は思うのです。それで衆参両院で非常に努力して一応の結論ができた。只今入江人事官のお話で次期国会までに勧告できるというめどがここに提出されたので、これ以上追及したいと思いませんが、併しこの間の経緯をつまびらかにすれば、従来の勧告の形態よりも非常に国会と人事院の間が公的にまあ明瞭に連絡をして、この問題の処理にあたつて来たというふうにも存じているわけであります。勿論国会は国会の権威を重んじ、人事院に対する干渉がましいことは別として、その間この地域給の勧告を促進したいという観点において努力をして来たと思うのです。そういう点でこの結論は予算措置という面で我々に努力も実が入るか入らないか、それから末端のそれぞれの指定を受けるところの悩みというものが解消するか解消されないかということになると思うのであります。そういうことになればこの前滝本給与局長にも言つたように、作業の経過の中で指定してまあよろしいという問題と、なかなかそうでない問題とあろうと思いまするけれども、十分連絡をとつて予算措置を一つうまく行くように国会としてもやりたいと思うので、その点人事院と大蔵省との折衝の間において一つ挫折することがないように我々としてはこれを要望しておきたいと思う。そして衆参両院の大体の基本線が実現し得るように一つ双方において努力をして行きたいというふうに考えておるわけでありますが、根本的に言えば勧告が実施されてからごたごた両院でするよりも、そういう事態が起らないように事前に一つ十分連携をとつて相互の立場を尊重しつつスムースに実施できるような方向へ御検討願いたい、こういうふうに思つております。以上で終ります。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 入江さんにお尋ねしたいのですが、今地域給の改訂の勧告をこの次の通常国会に間に合うように出したいというようなお話でございますが、勧告をして若し政府がそれを実施するなら当然予算が伴うことになるのであるが、そうなるとそれを実施するというときに、政府は二十九年度の予算に法律の改正をやつて予算措置をやるようなことができるかどうかという問題がからんで来るのでありますが、人事院では勧告が通常国会に間に合うようにお出しになるというのは、予算措置も二十九年度には計上できるような見込でおやりになるということになるのでありますか。

入江誠一郎人事官

○説明員(入江誠一郎君) 現在果してそれが二十九年度予算に計上されるかどうかという確信を持つているかというお尋ねになりますと、ちよつと確信があるとは申上げられませんけれども、当然二十九年度の予算に地域給の問題を改訂して頂くという一つの我々としては期待の下に作業をいたしておるわけでございます。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 入江さんの今のお話のように二十九年度の予算に計上するように期待しているというと、もうすでに今頃は大蔵省との予算折衝をして大体のめどがついていないければ、二十九年度予算を一月頃に大蔵省が国会に出すということはできないと思うのですが、それは時期的にどういう関係になりますか。

入江誠一郎人事官

○説明員(入江誠一郎君) 御尤もでございまして、我々といたしましても御存じの通り大体大蔵省といたしましては二十九年度予算の作業を現在或いはここ暫くやるわけでございますから、その作業に間に合うように打合せをしたいと思つておる次第でございます。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 二三日前の新聞に地域給の人事院の考え方のようなものが出ておりましたが、あれは人事院で発表なすつたのだか洩れたのだか知りませんが、何か二案ばかり書いて、数字も数十億のような必要な経費が出ておりましたが、大体大蔵省と折衝なさるなら、まあはつきりしたところまで案ができているかどうかわかりませんが、試案の一とか試案の二とかいうようなことで、どの程度に予算が必要になるのかというめどをお持ちになつておりますか。

滝本忠男人事院事務局給与局長

○説明員(滝本忠男君) 二三日前の日本経済新聞に地域給に関する記事が出ておつたのでありますが、まあどういうところからあれが出たかいろいろ調べて見たのですが、よくわかりません。そこで従来段階縮減でありますとかということは、かねて国会における当委員会におきましても我々そういう希望を申上げたこともございまするし、それをまああれが予算上非常に見通しがつかないという場合に、現在のままであるアンバランスを是正するということは勿論あり得るわけでございます。そういう趣旨のこちらの御決議もあつたわけでございまして、恐らく私が想像いたしまするのに、記者はそういうことをいろいろ想像しまして書いたものであろうというふうに推察いたしております。  それからあそこに書いてありました予算の点につきましても、恐らくは我々が当委員会或いは衆議院の人事委員会で申上げたような数字が出ておつたのじやなかろうかというふうに私は考えたのであります。事実問題といたしまして、アンバランス是正をやりますとそれでどれだけの予算が要るかということは事実やつてみなければわかりません。現に我々炉或る程度の作業を事務的に進めておりますが、まだそれを全部とりまとめるまでには至つておりません。これは先ほど人事官からお話がございましたように、我々といたしましても二十九年度予算に間に合わさなければ又先に延びてしまう問題でありますから、極力それに間に合うように作業いたしたいというので目下やつている次第であります。新聞にはその点は書いてなかつたのじやないかと思います。私のほうにおきましても段階縮減の予算は一度計算したことがございますが、アンバランス是正でこれだけがかかるかという問題につきましては、もう少し作業が進みませんとちよつとわかりません。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 給与ベース改訂を昨年七月二十八日だかに出してそれが今以て改訂にならないのですが、十六国会でもいろいろ論議されておりますが、先の見通しは少しも見当がついていない。恐らく第二次補正でもしないような口吻を政府は言うているのですが、二十九年度になつても、人事院の勧告が、そのまま実施されるかどうかということも、これは財政上の見地から非常に困難だということを大蔵大臣も言うているわけでございますが、その勧告はそのままになつている。そこへまた今度地域給の改訂をする、それがどのくらいになるか、数十億になるようなものではないか、というとどれもこれも勧告は出るけれども一つも実行にはならんというような状態に追込まれて行くような印象を私ども持つております。人事院の勧告をそのまま実施すると年間に七百三十億くらいの増額になるのだということを大蔵大臣も十六国会で言うているのでありますが、七百三十億はそのまま到底実行できないというふうに聞きましたが、人事院の勧告は実行すれば七百三十億という金が要るのでございますか。その点は人事院ではあの勧告を実行すれば、一般公務員についてはいくら年間に増額になり、それを同じような率で行くならば政府機関や公労法適用者、それから地方公務員というものは年間にいくらくらい要るのだというような数字を人事院でお持ちだと思いますが、大蔵大臣はしばしば七百三十億といつておりますが、私は一万五千四百八十円というあの勧告を実施した場合に、公務員でそんなに年間に要るわけはないと思いますが、どういう勘定になつているか。

入江誠一郎人事官

○説明員(入江誠一郎君) お答え申上げますが、詳しい数字はまた給与局長から申上げますが、大体大蔵大臣が七百数十億と言つておられます数字は、国家公務員、地方公務員、五現業、三公社、その他特別職、保安隊、それを大体全部をいわゆる人事院勧告通り、それから公共企業体仲裁委員会の裁定等をその線においてすべてベースアツプする場合の総額だと思います。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 そういう点が非常に混乱があつて、人事院の勧告をやれば一般公務員で七百三十億もかかる、だからインフレになるのだ、それが民間企業の改訂の突破口になるのだというようなふうに答弁をしているのです。それが大蔵大臣は全般の地方公務員まで入れてそうなるのだ、一般の公務員、一般会計ではいくらなんだということをはつきりしないものですから、何か人事院の勧告を実施すると非常にインフレになるのだというふうな印象を国民に与えていると思うのです。それで人事院の勧告をそのままやれば一般会計でいくら年間に増加になるか、一般会計で人件費というのは二十八年度じや千百億くらいある。それでそのほかに物件費、旅費なんていうのが約八百億もあるのじやないか。だから人件費、物件費、旅費等を合せると一般会計では約二千億くらい二十八年度であるのでございますが、そこに今度の一万五千四百何十円というベースアツプをすれば、四十何万人だかの分は一般会計で幾らかかるのですかということを、私ははつきりしておかんと誤解があるんじやないか……。

入江誠一郎人事官

○説明員(入江誠一郎君) 御尤もでございます。人事院といたしましてはその点ははつきりいたしておりますので、いわゆる人事院勧告と申しますか、人事院の所管に属する国家公務員のベース引上に要しまする経費は大体百六、七十億でございます。ところがこれが従来の例えば地域給につきましても、前回総額約八十億を要したわけでございます。国家公務員だけでございますと二十数億なんでございますけれども、地域給に要する経費が八十億すべて人事院の勧告が国家公務員の給与に関する勧告でございますが、それか一応人事院の勧告の線においてはすべての国費を要する職員全部の所要額を合計したものをいつも発表されるのが例になつておりますので、只今のような問題が起るわけでございます。国家公務員だけでございますと只今申上げた数字でございますから……。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 今のお話でよくわかりましたけれども、人事院の勧告をそのまんま実施しても、一般会計では国家公務員としては百六十七、八億なんです。そこでそれは一般会計で九千九百九十億という中では僅かに一・四%くらいなんです。それがインフレになるとか、それは財政上非常に困難だということを言うために七百三十億かかるというようなああいう言い方をするものだから、私は非常に誤解があるんじやないか、一般会計で九千九百九十億の中で百六十何億というものを年間にふやすだけなんです。という点を人事院ではこれも大蔵省とはつきりお話して頂く必要があるんじやないか。一般に世間では新聞に出る七百三十億国家公務員だけでかかる、そういう解釈をしているのであります。

滝本忠男人事院事務局給与局長

○説明員(滝本忠男君) ちよつと私から補足さして頂きますが、今入江事務官から申されましたように、政府職員一般職並びに一般会計と特別会計と加えますと、人事院所管だけでございますれば百六十七、八億というところに年間なろうかと思うのでありますが、大蔵省としましてこの国家公務員だけやるわけには参りませんでしようから、従いまして政府関係機関、これは尤も団体交渉によつておる面もございまするが、或いは地方公務員というようなことをやはり問題にされざるを得ないのではなかろうかと想像するのであります。ただ予算の積算の問題になりますと、我々なかなか専門家というわけに参りませんから、その辺の話がよくわからん場合が多い。殊に最近平衡交付金の算定方法が変つておるというようなことで、いわゆる地方公務員の給与費に平衡交付金としてどれだけ計算になるのであるかというような問題は、卒然と大蔵省で大ざつぱな数字を言つておられますけれども、もう少しよく聞いてみる必要があるんじやないかというふうに思つております。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 七百三十億ということをしよつちゆう発表しておりますが、そのうちで今給与局長のお話のように、政府機関のほうは二百億くらいだとか、公労法の関係は六十六億くらいだとかそして地方の公務員の分が四百億とか、恩給の増加とか、そういうものがみんな引くるめてあるんですね。そして今公労法で仲裁裁定の問題をやつておりますが、仲裁裁定で百五、六十億かかるのだ、その分を引くるめて人事院の勧告をやると七百三十億かかるというようなことを大蔵大臣も副総理も言つておるから、世間の人はみんな国家公務員はそんなに金をもらうのかという誤解を受けるから、こういう点は大蔵大臣も今日出席すれば、国家公務員は人事院の勧告通りにやつても百七十八億なんだ。ほかのほうはほかで考えてもらえばいいんだ。そして三公社五現業というものは二百億あるが、そこでこれを別途に特別会計と、そして政府機関の予算で処理すべきなんだということを区分して、大蔵大臣は説明してもらいたいということを私は今日言いたいと思つたのですが、今日出席になりませんからして、機会がありましたら大蔵省の事務当局の何かの折衝の場合にはよくその点を話して頂いて、一般会計で九千九百九十億、そのうちで百六十億、百六十億じやない、一般会計では百四十一億になつておる。特別会計の分を二十七億だけ入れて、今の入江さんのお話のように百六十七、八億となり、一般会計で九千九百九十億のうちは一・四%増加になるだけなんだ。それが何かインフレになるんだ、それでもまだ財源がないから国家公務員の給与べースは改訂できないのだという理窟は立たんじやないか。その点は是非私は大蔵大臣にはつきりしてもらいたいと考えております。  それからもう一つお伺いしたいのは、これは本年の五月を元にして勧告をなさつたのですが、そのときになお期末手当の問題も勧告なさつておるが、これは二十七年度の実績で民間給与のほうが一年に二カ月分出るから、六月の分も〇・二五と十二月の分も〇・二五ふやして、そして勤勉手当で二ケ月出すようにと法律が改訂になつた。六月の期末手当はそれによつて〇・二五ふやした。大体その基準は二十七年度の企業の実績で人事院が勧告なさつた線だと思いますが、二十八年度の期末手当は民間のほうは相当上廻つてるんじやないでしようか。実績は今度の十二月は年間通じて二ケ月という期末手当、勤勉手当というものはもう少し余分に改訂する必要を、これは実績の上で人事院ではお考えになつていられるかどうか。そして一万五千四百八十円というべースが、その後の変化、消費水準が上つたとか、民間給与が上つたりしてもう少し給与としては改訂する必要があるんだというようにお考えになつているかどうか、お伺いしたいと思います。

入江誠一郎人事官

○説明員(入江誠一郎君) 期末手当につきましては、御存じの通り民間のいわゆる賞与と申しますか、非常に複雑でございまして、形式につきましてももとより大体六月前後と十二月前後にあるわけでございますけれども、その間いろいろな要素がございますし、それから民間のいわゆる賞与と申しますか、期末手当と申しますかこういうものが内容が複雑でございますので、これの調査はどうしても一般給与と並行してと申しますか、御存じの通りの相当な手のかかつた調査をいたしまして、初めて公務員の期末手当に相当する民間のいわゆる期末手当が出て参るわけです。そういうわけで、従来御存じの通りの民間給与調査という一つの手数のかかる調査によりまして一年間の調査をいたしまして、その一年間の調査を、例えば今年の期末手当といたしますれば、二十七年度の実績によりますと、つまり今年の給与勧告のときにその給与勧告の基礎になります調査の一部として調査した期末手当のものを出しますわけであります。従来一年間こう進めておるわけであります。そういうわけで、今年といたしましては六月と十二月との期末手当の合計分は、今年度の民間給与調査の期末手当を根拠として勧告いたしておるわけでありまするから、今年今から出るべき十二月分だけをこの際調査して案を立てるというのは非常に困難じやないかと思います。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 私の今お伺いしたのは、十二月がわかりませんから、大体そういう期末手当や何かが上るような趨勢にあるんじやないかと私は考えておるから、およそ見込が今度期末手当を〇・七五でいいのか、社会党のほうは、これはもう〇・五上げなければいかんというようなことを主張されておるようですから、その点について、実際はどういう趨勢にあるのかということをお伺いしたがつたのです。

入江誠一郎人事官

○説明員(入江誠一郎君) この給与と申しますか、民間給与の趨勢は先般御覧に入れました、大体毎月勤労統計その他による趨勢で、御存じの通りに若干、勿論情勢を見ておりますのでございますが、いわゆる期末手当の趨勢というものは、人事院といたしましても、果してどういう趨勢になるか、ちよつと現在のところ見当がつきかねます。どつちにいたしましても、我々といたしましては、勧告いたします以上は、確信のある資料に基いて御審議願わなければなりませんので、今年度の期末手当といたしましては、先般勧告いたしました通り六月と十二月と合せて二カ月分ということで、御審議を願いたいと思つております。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 きまつた給与では、昨年の五月から今年の八月までが一五%程度超過しておるだけのもので、給与総額、これは昨年の五月から今年の八月に、率が三一%上昇になつている。これは六月とか七月、お盆手当とかその前後、急に上つている所もある。だから丁度六月の末に支払つているか、七月にかけて支払つている所もあるのじやないかというようなところから、きまつた給与と現金給与と両方比較してみますと、きまつたほうは一六%ぐらいなんだが、給与総額は三割一分も上つているのですね。そういうような関係で、昨年勧告をせられた期末手当と勤勉手当が年間を通じて二ケ月というようなのは非常に現在としては少いのじやないか。きまつた給与の一万五千というあのべースのほうはそう大した変化がない。期末手当はあのまんまですると民間よりか非常に少いような傾向に出て来るのじやないかと考えるのですが、その点はどういうふうにお考えになつていますか。

滝本忠男人事院事務局給与局長

○説明員(滝本忠男君) 先ほど人事官からお答えになりましたように、我々といたしますれば、やはり相当根拠のある、人事院が直接に行います調査の結果、期末手当は、年間定期的に支給されます給与のほかに、どの程度のものが出ているかということを見当をつけるわけなんです。勿論参考といたしまして毎月勤労統計で、期末或いは六月或いは七月、八月の頃に、給与総額はふえておりますが、それを参考に見ております。見ておりますけれどもそれだけで端的に結論を出すというわけにはなかなか参らない。従来もそうであつたのですが、その程度のことは見ておりますけれども、それだけではなかなかそれを以て年間の推計をすることは困難であろうと思います。ただ、民間におきましても、ここ二、三年の傾向といたしまして、定期的給与を上げるということでなしに、これも若干は上つておるのは御存じの通りでございますけれども、むしろ六月或いは十二月末におきまする賞与の形で、これは公務員の場合と違いまして、非常に実際支給されます額に個々の人間の間、或いは会社と全社の間に相当の開きがあるのですが、平均してみれば賞与が増額するという形で、次第にそのほうがふえているということは確かに傾向としてはあり得るかと考えております。ただ、定期的給与としましては、自然我々は民間給与とバランスをとるということを厳格にやつて参つたのでありますけれども、定期的給与以外に支給されまする給与ということになつて参りますると、民間の場合はおおむね会社は生産の事業をやつておりますわけでありますし、公務の場合はそれと違つて参ります。民間の大体給与というものの考え方と、公務の場合における期末手当、まあ若干の勤勉手当もありますが、これとは性格も違うのではなかろうかということも考えられるわけでございます。我々が本年の七月に勧告いたしました給与準則、並びにベース・アツプの勧告におきましては、むしろあれは制度的な意味も若干は加味しまして、それで年間を通じまして二ケ月、これは民間の数字を参考にはしておりまするけれども、普通の経営的給与ほどその点関係を持たせて考えているというわけではございません。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 給与ベースの改訂の説明に、二十八年の三月三十一日現在の公務員の基本給の実績は、一万三千五百八十七円、その後四月、六月等に昇給などがあつたのですが、最近の国家公務員の基本給の実績というのは、どのくらいになつておりますか。

滝本忠男人事院事務局給与局長

○説明員(滝本忠男君) 我々のほうで推計をいたしてみたのでありますが、本年の八月におきまして人事院所管の公務員だと言われておりますそれは、おおむね一万三千九百五十円前後である、このように推計いたしております。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 人事院の勧告は一万五千四百八十円、それは昨年の十一月一日の一万二千八百二十円の約二割一分くらいの上昇になつている。最近に出ました政府機関、国鉄、専売、電々などのやつは国鉄が一番高いのですが一万五千三百七十円、あとそれ以下なんです。その公社の昨年の十一月の一日の現在はいずれも一万三千円以上くらい、国家公務員よりかずつと上廻つていた。それが今度裁定では国家公務員以下、下なんです。国家公務員の勧告が一番大きいのですね。この間人事院総裁は十六国会で人事院の勧告は確信を持つてやつておるのだ、一日も早くあのまま実施してもらいたいという希望を人事院は持つていると言われていましたが、世間から言うと今までは国鉄あたりが一番企業としては高かつた。今度は一般の国家公務員が一番高くなる。どうしてそういうふうになつて来るという議論が出て来るのですが、その点についてはどういうふうにお考えになつていますか。

入江誠一郎人事官

○説明員(入江誠一郎君) お答え申上げますが、この点は是非御了解を願いたいと存じておりますが、只今のお話のように、昨年十一月のはいわゆる国家公務員と国鉄その他の公社との関係の場合におきまする国家公務員、或いは五現業と申しますか企業官庁を含んでおりましたわけであります。それでその企業官庁を含めた昨年十一月の国家公務員のいわゆるベースと、それからその後五現業が離れました国家公務員のべースというのは、必然的に何と申しますか、丁度民間において事務職員と相当事務職員以外の者を含んでおります職員とのべースが違いますように、五現業が離れましたために職員の構成から必然的に国家公務員が高くなつた関係がございますので、その意味におきましては国鉄との関係というものは、やはり現在といえども大体において昨年の十一月の国家公務員と国鉄との差額と同様な状況で進んでおるわけでございます。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 もう一つお伺いしたいのですが、この前の給与改訂のもとになりました第六回と言いますか、職種別民間給与調査、あれが二十八年度では事業所が四千七百ぐらい約十万人の調査をなさつたのですが、そのうちの第一次集計というのは七万人であつて、あれの第一次集計というのは発表になつていられるのですが、十万人全体の第二次集計というものはおこしらえになつたのですか。

滝本忠男人事院事務局給与局長

○説明員(滝本忠男君) それはやはり集計いたす手順になつておりますが、まだ全部完了いたしておりません。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 どの程度までになつておりますか。

滝本忠男人事院事務局給与局長

○説明員(滝本忠男君) 実は最初は全部集計する予定でおつたわけでありますが、ただ非常に急ぎました関係上、全部やりましたものの中から更に抽出いたしまして七万人程度のものにつきまして集計いたしたわけでございます。その後は実を申しますと、勧告をしたわけでございますし、あとの集計事務ということになりますとちよつと気合いの入れ方も違つて参るというようなことでございまして、遅れてはおりますがこれは当然やるつもりでおります。ちよつと今私どの程度作業が進行しておるか詳しい事情を知りませんが、もう大体これは集計は完了に近くなつておるというふうに承知いたしております。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 第一次の集計をなさつてそれに基いて勧告をなさつたのですが、それが今それを実施するかどうかということになつているわけなんです。そこで第二次の集計というものを若し出される場合、それは必ず第一次の集計とは違う結果が出て来ると思うのです。それは多いものになるか少いものになるかよくわかりませんが、それをやる必要は私はないのだと思う。だからそういうものは折角調査はなさつたけれども、これはもう勧告は至急に出したのだからというので、発表なんかをおやりにならんことがいいのじやないか。実際七万人でやつても十万人でやつても、それは人数は余計になつた、だからそれが科学性があるとか正確だとか、私はそういうことはないと思うのです。例えば昨年の勧告の場合、これは三万八千人でございましたが今度は七万人でやつていられた。その中の職種というのは前は六十であつたのを今度は七十六にふやして来た。それから各職種別の人数というようなものについてはどういう標準でおとりになつているか。いろいろ説明はあると思いますがよくわからない点があるのですが。前の二十七年度の勧告では非常な中だるみになつて来た。あのとき私どもの承知しておるのは、これは工場の労働者というような非常に基本給が安い、そうして超過勤務手当というのを三十時間ももらつて、それを合せて標準生計費を賄つて行くような人を三万何千人のうちで約五割。今度は七万人のうちでそういう人を一割五分しかとつてない。それでは人数のやりようでどういうふうにでもなる。私は今度おやりになつたうちでも一番不思議なのは、医療職というので七万人いるうちで一万人のお医者さん、看護婦を入れてある。国家公務員では全体で国家公務員の看護婦は一万人ぐらいしかいない、七十万人のうちで。だからどういうふうにして七十幾種をとられて、そのうちで各職種ごとにどういう標準で人数を入れるかということが、これはどうもはつきりしないのですね。一体どういうふうにでもなる。普通のこの仲裁裁定なんかに出ておられるやつは、昨年十一月は昨年十一月の基本給に対して民間の給与の上昇線が一割四分だから一割四分でというような裁定が出て来ると思いますが、人事院でやつておられるのはそうではなくて昨年の勧告はそのままなんだ。今年の五月だか三月七万人の実績をとつた。そしてそれが一万五千四百八十円になつた。だからそこへ昨年のやつから今のところヘベース・アツプすれば結果が一割四分上るんだと、そういうふうになつている。そこで一万五千四百何十円というのを七万八千人でやられているが、それはどういうふうに七十六種の中から人をとつておるかというと、適当にやつておるんじやないか。だから一万五千幾らというのが民間の給与だと、どういうふうにでも私はできるのではないかと思う。そこで結集的に見ますと今人事院では職種別の民間給与調査というものを第六回までやられて来たのだが、非常に細かい調査をやられているが、これは二十五年、六年、七年、八年、こういうのを結果に見ますと、毎月勤労統計の製造業とその基準とした月を比べてみますと、二十八年度は人事院の勧告は前年の産業、製造業に対して一一八%ですか、それから二十七年度も一一八%、それから二十六年度は一一五%、二十五年度は九九%、これは概数だから多少の違いはあるかと思いますが、そうすると非常に細かいことをやられるが、大体はですね、労働省でやつている毎月の統計の一割八分くらいをずつと高くしておる。そうすると国家公務員のほうは一般の勤労統計から出て来るのよりか一割八分くらい毎年人事院は勧告を上廻つてやつて来ておる。そうして必ず政府のほうでは改訂するときにはそれに一割かそこら皆落して来ておる。そして大体はその結果を見ると、毎月勤労統計の給与とほぼ同じ程度のものになつているらしいのです、結果的に。そうすると今伺つた今年の八月は一万三千九百何十円くらいかというふうに言うておられたが、そうすると民間給与よりは非常に上つておるのですね。そうするとその給与も普通の一般の民間給与のほうよりずつと上つておる、一割くらい。それよりもまだ上げなければいかんという理窟はどこかる出て来るというような反駁論も出て来ると思う。そこのところを私ははつきりする必要があると思う。

入江誠一郎人事官

○説明員(入江誠一郎君) なお詳しい数字は給与局長からお答え申上げますが、この点も先ほどの国鉄の問題と同じように十分御了承願いたいと思いますが、毎月勤労統計のほうは御承知のように五十人以下と申しますか、三十人以上の業者について調査いたしておるのでございます。国家公務員のほうは従来御存じの通り五十人以上の事業所について調査いたしております。まあ大体この五十人以下の場合と五十人以上の場合と比較いたしまして、まあ何と申しますか職員の学歴、経験その他の点では大分要素が違うのでございまして、そういう点からいつて必然に五十人以上にとります場合と、更に小さい事業所をとります場合と、若干平均賃金が変つて来る結果になつております。まあそういうような前提の下に、国家公務員といたしましては国家公務員の学歴経験その他の関係から、又或いはその事業所の規模から申しまして、やはり少くとも五十人以上の事業所を標準にして給与を調査いたしますことが適当だと考えましてやつております。そういう関係から結局毎月勤労統計のほうは小事業所を相当多数取り入れておりますし、国家公務員の給与調査につきましては五十人以上を標準にしておるという点から、毎月勤労統計の集計と人事院の集計とが、いつも若干そこに人事院のほうが上廻るという結果になつております。そういう調査の対象とします事業所の規模の関係でございますから、その点御了承願います。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 私は今度の二十九年度の給与の改訂をやられる場合の基礎について、調査の対象になるようなものをもうすでに今年のうちから事業所や何か設定をされて、すでに出されておると思うのですが、できるだけ二十九年度については給与体系についてできるだけ正確なものを作つて頂きたいというので、私は申上げたいと考えているのでございますが、今入江さんのお話のように労働省の毎月勤労統計のほうは規模の小さいものもあるのだというので、人事院でやつておるほうがもつと正確なんだというように御説明になりますが、私は人事院でやられても、もう少しよくお考えになつてやつて頂きたい。それはさつき申上げたように、二十七年度の勧告の場合には調査人員が三万八千人のうちで工場の労務者を一万七千人とつていた。だからああいう不合理が出た。それを是正する趣旨で今度おやりになつた。今度は七万人のうちで一万一千人しかとつていない、どういうようにもなるからいろいろと誤解が出て来る。そうして七万人のうちで殆んど公務員のほうには関係のない看護婦、お医者さんを九千人も新たに入れておる。そうして今までは入つていない土木関係及び科学職、これは公務員のうちでは八十人しかいない、国家公務員の科学職は。昨年職種の定員をお出しになつたときに、科学職は公務員のうちで八十人しかいないものが、給与調査では八百人も入つている。それを今度の職種別民間給与の調査の七万人のうちに科学職の人を二千五百人入れている。国家公務員に八十人くらいしかいないようなのを、なぜ七万人のうちに二千五百人も科学職のような人を入れるか。又殆んど関係のない看護婦を七千人も入れるか、どういうふうにでもとれるように。私はだから、毎月勤労統計のほうの結論を先に出しておいて、そして調査総数の一割八分になるようにしたのではないかと思う。そうすると、七万人とか十万人のうちで適当に七万人を出して、丁度一割八分になるようになつてしまつた。そうして十万人あつたからあと三万人持つて来ればどんな結果になるか。初めから私はそういうものは余り手を出さんほうがいいと思う。そういう意味で来年は根本的に給与の改訂をおやりになるならすつきりした目標を研究して頂いて、納得の行くようなものを作成するように是非お願いいたしたいと思います。

滝本忠男人事院事務局給与局長

○説明員(滝本忠男君) 只今御指摘でございましたが、我々は今の毎月勤労統計の製造工業の一割八分増になつているというのは、溝口先生から御指摘があつて初めて知つたようなわけでありまして、必ずしも毎月勤労統計から逆算しておるというようなことはありません。国家公務員で数が少いものが民間で多くとつてあるじやないかというお話でありますが、我々のほうとしましては、御承知のように一般俸給表というのか基礎になります。殊に給与準則になつて参りますと、行政職というのが基礎になりますので、行政職といわゆる行政補助職というようなものを中心に考えまして、それでそこを中心に俸給表を作るということをやつておるわけであります。それをやります際に、民間の五十人以上の事業所におきまして、国家公務員と大体職務内容の、或いは責任の程度の似ているものを抽出するということをやつたんでありますが、そこに他意を加えてやつたわけではないのであります。ただ昨年に比べまして、例えば一つの職種をとります際にも年令等で制限を付けて行く。これはまあ公務員と民間の職業に従事しております者と、同じ程度の職務内容或いは責任の程度であつても、年令が違うじやないかというような点の御指摘もございましたので、特にそういう点を注意してやつたということになつておるのでありまして、まあ大して他意を入れておるつもりはないのであります。従いまして、これは勧告をいたしまして相当日もたつております。本日只今即答いたしかねるのでございます。若し必要がございますれば、我々がやつておりますことは、来年は勿論改良を加えますけれども、今年も相当の研究を積みましてやつた次第でありまして、これは機会がありますれば又別の機会に説明を十分さして頂きたい、このように考えます。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 滝本さんからお話がありましたがもう一つ伺いたい。これは先ほど申しますように、結果的に見て製造工業に対して総数の一割八分上つていた。これは私がそろばんをやつたので違つているかも知れませんがよく検討して頂きたい。全産業についても同じことが言えるのです。全産業についても二十八年の五月の勧告では一割一分の人員が上つておる。二十七年五月も勧告のほうは全産業に対して一割上つておる。それから二十六年度は一割一分上つておる。全産業は毎月勤労統計については勧告のベースが一割か一割一分上つておる。製造業のほうは二十七年度、二十八年度は一割八分ずつ上つておる。結果がそういうふうになつておる、どういう因縁でそういうことになるのか。それならばいろいろ医療職を持つて来たり工場労務者をあちらこちらやつたりしなくても、大体結論はわかつておる。そうして改訂を大蔵省でやつているやつは、今まで三カ年を見ますと製造業に対し大体一〇三%、一〇七%といういつでも結果になつておる。そこら辺から見て行くと今一万三千八百円か九百円ということになつていると、大蔵省の考え方でいうとおつりをやらなければいかんようになつてしまう。そこへもつて来て又地域給を何十億だか出して来るというとどれもこれも結論が付かんようになつてしまうということで、私はこれは非常に恐れる点である。  それからもう一つお伺いしたいのは、先ほど千葉さんからもちよつとお話が出たようなんですが、十月十日前後の閣議では大蔵大臣が中だるみの問題をお話に出しておつた。十月十日の衆議院人事委員会の懇談会で大蔵大臣が説明したというのが新聞に出ておりましたが、そのうちに五級から七級までの公務員に対する中だるみが三十数億ある、これは出したいんだ、補正予算で、というようなことが新聞に出ていたんです。これは懇談会に入つていたから、大蔵大臣が言うたか言わんかというのは、ほうぼうで聞いておるけれども言うたのか言わんのかはつきりしない点がある。今度の第二次補正の二百二十億の中にはそういうものは含まれていないらしい。昨年の十二月二十四日修正案を出して参議院で修正可決して頂いたときに、不合理の是正を速かにすべきだという修正が可決になつておるので、少くともその不合理の点だけはどうしてもやらないと……大蔵大臣は五級から七級と言つていますが、あれは四級から七級までなんです。それは大体五十数億が要るのであります。これは生計費を割つているようなものなんです。それも二十八年度中一つも改訂しないということに今のところなつているのです。私は給与ベース全般を引上げることが非常に財源上できないというならば、少くともその不合理になつて陥没しているのは何とかして区分してやつてもらわなければならん。今度給与ベースの改訂には三色あると思います。ベース・アツプと陥没を是正するのだ。而もその陥没と是正することが修正可決に……昨年の法律案ではそれがちぐはぐの目的だつたのです。その両方を加味して人事院は七月十八日に、平均して一四%くらいだけれども一番中だるみがあつたやつは一八%上昇するのだと、ああいうようなので出たものですから 一律にみんな今度は政府のほうでは片附けてしまつた。どうしてもベース・アツプが平均してできないというような情勢になつても、私は少くとも陥没になつている分はもう一年前に遡つて、四月から遡つてでも、私はやつてもらうことを委員会でもよく大蔵大臣に問題を申上げて努力して頂きたいと思いますが、大蔵大臣は五級から七級まで約三十数億というようなことを衆議院で言うているのですが、標準生計費を割つている分は一体幾らあるのだと、それだけをせめて標準生計費くらいは割らんように是正しなければいけないのじやないか。その以上に又ベース・アツプするというようなことは、あれだけてを尽してもこれはできないと言うならばやむを得ない。少くともその分くらいは陥没を是正するようにしたいと思います。大蔵大臣は三十数億と言つているが人事院では幾ら足らないと考えますか。

滝本忠男人事院事務局給与局長

○説明員(滝本忠男君) そこだけ分けて言えというお話でございますが、昨年の実施になりましたときにもうすでに人事院の勧告より下廻つた線でやつておられました。陥没というふうに御表現がありますけれども、これはどういうことになるのでありましようか。いろいろとる人によつて意味が違うと思うのでありますが、我々といたしましてはやはり民間給与に合すという建前で、人事院はやつておることでありまして、民間給与と合せますればああいう通し号俸表を作るのがよろしいということでやつておるわけでございます。そこにどれだけ陥没があるか、はつきり言えと言われましても、陥没それ自体がなかなかこれはその意味の把握も困難でございまするし、やはり補正予算の勧告等におきましては、そういう御趣旨もありましたのでいろいろこの調査をやりますときに注意いたしまして、例えば同じ職種に従事している者でも、民間と公務員との相当の年令差があるというようなことがありますれば、それはやはり生計費の点にも影響して来るであろうというようなことを考えますと、そういう注意はいたしておるのでありますが、そういう基本的な注意はいたしましたけれども、特に陥没是正ということにやつたわけでもないのでございまして、むしろ我々から言いますれば、給与準則において巾の広い俸給表で今度はやつて行く。例えば頭打ちとか枠外というようなことが従来よりはよほど緩和される。そういうことを総合的に考えてみまして、人事院として陥没の所だけを幾らか計算しろと言われましても我々としてむずかしいと考えております。強いて言えば本年の勧告の通し号俸表を御覧頂きますれば、おおむね職務の級の二級、三級辺は九%乃至一〇%程度上つておるのでございます、昨年の現行に比べまして。それから職務の級の上のほうに相当いたします通し号俸表は約九%乃至一〇%上つております。中間におきまして一四〜一五%、これは漸次ふえて又減つておるのでありますが、そういうところがあるのであります。そこだけを取出して言うということも或いはできるのかも知れませんが、併しそれだけと言つてもなかなか実感にはぴつたりいたさないのじやなかろうか。このように考えております。

溝口三郎緑風会

○溝口三郎君 今流本さんのお話で陥没というのははつきりしないようなふうにお話があつたのですが、私の申上げているのは給与準則から巾が広くなるというようなことになるが、昨年の法律案について、例えば四級は四万五千人いるのだ、それは一人当りが二千二百四十円、これは生計費を割つているのだと、それから五級のものは五万三千人いるが、これは一人当り生計費を割つている。三千四百六十五円、七級は四万三千人いるが、これは一人当りが三千二百四十五円、生計費を割つているのだという数字が出ているのです。公務員、これは四級から七級まで入れると約二十万人で、これは五十七億、その数字通りにやるとそういう勘定が出て来るから生計費を割つている分だけは少くとも五十七億あるから、これは改訂をしてもらいたい。それが陥没と言いましたが生計費を割つている、約二十万人に対する五十七億という数字があるのです。それを大蔵大臣は五級から七級というところで三十数億と言つたが、人事院はその辺について別に御意見がないようですが、給与準則が、今度あれが法律になればいいけれども、その問題でなくして、昨年修正をした、その点について一年間放つたらかしになつているから、五十七億というものはどうしても改訂してもらいたい。その上で給与準則でやつてそういうものが合理化されれば、それは要らないようなふうにも御説明になるのでありますが、給与準則というものはなかなか法律にできないのじやないかと思います。ところがあの合理化しろという、あの線で少くともこういう五十数億というようなものは、これは改訂して最小限もらう必要が私はあるのじやないかと思います。そして政府は生計費も補わないでそれでもそのまま我慢しろというようなことを言うことは、これは余り公務員に対して同情のない言い方だと私は思う。全般的の上昇をするやつをもう少し我慢してくれというならいいけれども、毎日の生計もできないようなものをそれを一年ほつたらかして、そうして二十九年度もまだどうなるかわからないというようなことは、これは公務員としては非常に将来どうなるのかという心配が私は絶えないと思う。今度の人事院勧告をどうするかということがきまらないから、それと合せて公労法に基くあの仲裁裁定も全部予算上、資金上なんという理由で皆切つてしまつておる。それも補正予算で出るか、二十九年度には幾らかでも計上になるかというようなことも、この委員会で大蔵大臣や総理も、はつきりして、皆が心配しておる点だからできるだけのことはして出します、幾らかでも出すのだ、そうしてその手段はあとで考えるくらいのことは、十六国会でいろいろなことを言つておるけれども、慎重に検討するとか、出すとか、出さんとか政府は言わんと、これから先に或いは不測の事態も私は出て来るようなことが私は年末にかけてあるのじやないかと思う。そういう点について人事院の総裁もあの一万五千四百何十円は確信を持つた給与勧告の数字なんだから、これは一日も早く実施するように自分たちはほつたらかしておるのだということを十六国会では総裁も言つておられた。  どうか、補正予算その他で通常国会前に政府のほうでもいろいろ考えておると思います。その後大蔵大臣や副総理も本日はそれを決意を伺いたいと思いますが、それもできない。だんだん時期が遅れて来ると思う。そこで勧告をなさつた当の責任者の人事院の総裁を是非とも私の今申上げたようなことを政府に対して強く要求をして頂くようにお取計らいをお願いしたいと思います。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 一つ最後に人事院に注文することがあるのですが、去年の二月の十二日に地域給の勧告を人事院がやりましたが、それがすでにその事前に二月の八日頃その内容の一部が洩れておる。而もその漏洩した人は閣僚で政府の責任者であつたという事実がある。これは当時不問に付しましたけれども、そういう漏洩した理由は、人事院が地域給の勧告の内容について予算上の折衝のために大蔵当局との折衝の過程の中で、それが漏洩の端緒になつた、こういう事実がはつきりある。そうしてその漏洩した人もわかつておりますし、それからその漏洩した本人はこの問題についてその後釈明に個人的に来られたという事態もあつた。国会でも問題になりました。若しも今度もそういうことが起りますとこの地域給の問題は実に下らない理由のために利用されることになりますから、そういうことの起らないように、先ほどのお話ですと、恐らく今度も大蔵省との折衝が行われるはずでありますが、それもそういう事態の起らないような配慮を加えることができると思いますから、この点については十分に人事院として考えてもらわなければならない。これが一つ。  それからもう一つはお尋ねですが、大体人事院としては、先ほどの御答弁では、地域給の勧告は二十九年度予算の編成に間に合せるという建前をとつておるようでありますが、私の承知しておる限りでは、もう一つ恩給法についての勧告も人事院としては作業を進捗させられておるようですが、たしか昨日も人事官会議等では恩給法の問題が上程されたはずであります。そこで簡単にお聞きしておきたいのですが、恩給法と地域給の改訂とは、これはいずれも通常国会に間に合うように出されることは明らかなんですが、どつちを先にお出しになるのか、この点を人事院のお心がまえを承つておきたい。

入江誠一郎人事官

○説明員(入江誠一郎君) 第一点のお話の点につきましては十分注意いたします。  それから第二点の恩給と地域給でございますが、これは人事院といたしましてはどちらを先にしようという意識的な意図はございませんですが、どちらももう実はでき次第御覧に入れたいという考えで作業を急いでおるわけでございます。ただ現在の作業の状況からいつてどちらが早くなるだろうかという見通しを言えということになりますと、恩給のほうが作業は早く終了いたすのではないかとちよつと一応考えております。

松岡平市自由党

○松岡平市君 ちよつと入江人事官に簡単な御質問を申上げたいと思う。地域給のことでございますが、地域給の問題が非常に大きくなつてアンバランスだ、アンバランスだというので、これは一つは府県内における隣接市町村との間のアンバランス、それから隣接府県とのアンバランス、こういうものが非常に目立つておるということはもとよりであります。それよりも前に基本的には、今日の経済物価状況では、曽つてのように都市と農村、それから中央と地方というものの間にはさして差違がない。結局もはや今ありますのはゼロ級から五級までの六階級ある。こういうことになつておるが、そういうふうなゼロと五という級の区別はあり得ないのだ、こういうような分けると二つアンバランスについての問題が横たわつて来たと思う。承るとすでに通常国会の予算に間に合うように作業を進めておるというようなお話でございまするが、この機会に私は人事院の作業についてかれこれ申上げるつもりはない。出て来たものを我々は批判をすればいいわけでありまするが、大体人事官といたしましては、私は率直にここで気持を承りたいというのは五級と四級、四級と三級、或いは一級と二級というような間のアンバランスというものと、五級とゼロ級というもののアンバランスというもののうちどちらのほうが、現在、個々の事例においては大変特殊なものもありますけれども、全体的に見て三級と四級の間のアンバランスを直すことが緊急か、それともゼロ級と五級との間のアンバランスというものをなくすることが緊急か、どちらをより緊急であるとお考えになつていらつしやるのかということを一つ人事官のお考えをお聞きしたい。

入江誠一郎人事官

○説明員(入江誠一郎君) お答え申上げます。この地域給の問題につきましては、十分御存じの通り大体五段階ございますが、それが最高が二五%、最低がゼロとなつておりますけれども、では現在全国各地においてそういう全体を大観いたしまして、物価その他の地域差指数がそれくらいないかということになりますと、これはまあございますのであります。現に御存じの通り民間賃金から申しましてもそれ以上の差は全体としてはございますのでありますが、ただ問題としては、全体として一種の地域差指数と申しますか生活形態の差というものがありますにかかわらず、地域給についてその通りこれを実行する場合に非常に困難な問題が起つて参りますのは、やはり地域給の性質と申しますか、これが非常に一種の指定過剰と申しますか全国細かく指定されますために、自然に隣接市町村或いは隣接府県というものとの均衡の問題が起りまして、そこになかなか合理的な決定が実際問題としていたしにくいという、全体としての差はありながら、なお個々のどうしても地域給の性質上隣接市町村との関係が起りますために、これが適切な解決が非常に困難だという問題が起つております。  それからもう一つは、御存じの通り大体公務員は移動性がございますものでありますから、必ずしも、相当全国的に地域差指数がありましても、移動する場合に、公務員が必ずしもその地の生計費のままのことをいたしにくいという点もございますのであります。そこで結局お尋ねの御趣旨は、五段階なら五段階を縮小することが先ず第一か、或いはその各五段階の中における各隣接市町村その他のバランスを是正するのが先かというお尋ねの御趣旨ではないかと思いますのですけれども、全体の物価指数、地域差指数ということの差はございますけれども、これが只今申す通り地域給の性質上非常に適切なる改訂は勿論でございますが、我々といたしましてはこの問題から起ろ、公務員に対する人事管理上の影響その他から申しましても、総裁もたびたび申しました通り地域給というものはやはりできるだけ差を少くいたしまして、それによつて隣接市町村、相互における摩擦を少くいたしたいということは、これは又両院人事委員会においても御指摘になつている通りであります。ただやはり現実の問題といたしましてこれには相当の経費がかかりまして、実際問題として、これが急に解決が困難でございますので、現在の段階において、できるだけそういう地域差指数が余りに大きいために起る不合理をなくするという方向の下に、而も経費の許す範囲においてアンバランスを是正いたしたいというのが率直な現在の希望であります。

松岡平市自由党

○松岡平市君 私がお尋ねしたいと思うことを率直に入江人事官のほうから明らかにお述べになつたわけであります。問題は、現在経費という問題で物を考えるということ、これが一番実際的でもあるし、又効果を上げ得ることでありましようけれども、私は人事院それ自体がそういうことで現在の予算でできる範囲内でやつて行こうという態度でこの問題にお臨みになるのか。大蔵省その他政府全般に向つてこの問題が如何に速かに解決せられなければならん事柄であるか。従つて経費において困難であるけれども是非大蔵省、政府はこれを速かに解決しなければならんという態度で臨んで行かんのでは、結果が大変違つて来ると思うのです。今のお話を聞くと、或いは私の邪推かも知れんけれども、人事院としては通常国会までの予算に間に合うように作業をしておるというようなお話だが、今の人事官のお話、口裏から私が推測するところによると、或いは国の予算、大蔵省の要望等に応えるというような態度は、我々がここで決議した一つの重要な事項である段階を圧縮するという面においては、非常な御努力を願つておらないのじやないかというふうに私は思えるのです。私は非常に困難であり御苦労をかけることとは思うけれども、私は人事院としては是非段階を圧縮するという面において経費その他において非常に困難であるけれども、それを先ずやらなければならん事柄であるということは、先ほども人事官おつしやつたのであります。それがそうであるなら私は何ものをもおいてその面を解決するように人事院は準備をしておくべきだというふうに考えますが、その点についての人事官のお考えをお聞きしたい。

入江誠一郎人事官

○説明員(入江誠一郎君) この問題につきましては私から申上げるのも如何かと思いますけれども、大蔵省当局といたしましても、この地域給の現在の不合理、並びに不合理の結果が起りますこと、並びにこれを是正するためにできるだけその制度そのものについて考慮しなければならんということは、両院の人事委員会と、又我々と同じように認識しておられるということを我我も確信いたしております。勿論我々といたしましても両院の御決議の趣旨に従つて善処いたすつもりでございまして、ただ何さま非常に多額の予算を要します関係上、これが順調に必ずしも行きかねる点のあることを御了承願いたいと思います。

松岡平市自由党

○松岡平市君 実際的には入江人事官のおつしやることを了承いたしますが、人事官自体が非常に行きかねるというようなことではなくて、是が非でも突破するという気持でやつてもらいたい。我々は両院、少くとも人事委員会は、向うは小委員会でありますけれども、人事院としてでき得れば二段階、少くとも二段階こういう表現をしておりますが、これができなくても一段階の圧縮というようなことはこれは当然なことである、かように我々は理解している。若し人事院の勧告としてこの点について十分なる措置が講じられておらんということであれば、私は人事院に向つてこの点について、我々が前国会から後ああしてしばしばここで委員会を開いて努力したことについて、人事院は十分なる御理解がなかつたものとして、次の機会に私は相当人事院の答えについては質さざるを得ないということをあらかじめ申上げておきます。是非一つその点については大変御苦労でありまするけれどもあらゆる努力を払つて頂きたい。又申上げるまでもなく私は与党の議員であります。党の政調会或いはその他の総務会等も是非この問題については段階の圧縮ということについてあらゆる努力をしなければならんと思います。微力ではありますけれども私自身といえども努力をしたいと思います。そういう際に、若し人事官みずから困難であるからというのでこの問題を先に投げられるというような状況であれば、甚だ残念であると思いまするから、大変老婆心のようでありまするけれども、特に入江人事官にその点について誤解のないように希望しておきたいと思います。

村尾重雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(村尾重雄君) ほかに御発言がなければ、次回委員会は十九日開会することにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十五分散会

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