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17回国会参議院1953/10/31

人事委員会 第1号

発言数
84
登壇者
6
会派数
2
開催日
1953/10/31

会議録

村尾重雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(村尾重雄君) 只今より本委員会を開会いたします。  先ず調査報告書に関する件を議題に供します。国家公務員の給与問題に関する調査、公務員制度に関する一般調査の二調査事件につきまして、参議院規則第五十五条により、報告書を提出することになつておりますので、閉会中における調査に関し報告書を提出し、その内容は委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

村尾重雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(村尾重雄君) 御異議ないものと認めます。なお、本報告書には、多数意見者の署名を附することになつておりますので、御署名を願います。   多数意見者署名     宮田 重文  千葉  信     岡  三郎  溝口 三郎     後藤 文雄  紅露 みつ   —————————————

村尾重雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(村尾重雄君) 次に人事院当局より、規則の改正点等について、一応の御説明を願いたいと思います。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) 最近、特別待命に関しまする人事院規則を制定いたしまして、極めてこれは事務的な規則でございますが、任用に関する規則の小改正をいたしましたので、御説明さして頂きます。  先ず特別待命に関する御説明でございますが、この規定につきましては、御存じの通り、政府におきまして、去る十月二十三日の閣議におきまして、特別待命をすることに決定いたしたのでございますが、人事院といたしましてはこの閣議決定に応じまして、一般職の国家公務員の特別待命制度を設けることになりまして十月三十日付を以て、人事院規則を制定いたしました次第でございます。その要点を申上げますると、先ず実施期間でございますが、特別待命制度を実施いたしますのは、昭和二十八年十一月一日から十二月末日までの期間でございまして、即ちその期間内におきまして、職員の申出に基きまして、任命権者が特別待命の承認を与えることになつております。勿論、職員の意思に反しまして強制的に行うことは現行の法規上許されないという解釈を取つておる次第であります。次に手続でございますが、職員から特別待命の申出でがございました際には、任命権者は、公務に支障ない限り承認し得ることになつております。従つて職員が希望いたしましても、若し公務員に支障を来す虞れがございます場合には承認せられない場合があり得るわけでございます。又職員が特別待命の承認を求めます場合には、その期間の満了と同時に辞職いたしますことを、書面により併せて申出でなければならぬということになつておりまして、この辞職の申出につきましては、撤回できないことといたしてございます。特別待命の制度は、将来退職をいたすべき職員に対しまして、一定期間給与を受けながら勤務をいたさないということを認めておる制度でございまして、その間に他への転職その他新情勢のための猶予期間を与えるという趣旨でございますので、かような措置をとつた次第でございます。  次に、特別待命の期間は一カ年を原則にいたしておりますが、その満了前に職員が自分の意思によりましての辞職、その他の理由で辞職いたしまして職を離れました場合には、そのときを以て特別待命期間は終了することと相成ります。又特別待命は任命権者も職員も双方共に任意にはこれを取消すことができないということになつておるのでございます。併しながら、任命権者の場合におきまして公務のために特別必要がございまする場合には、これを取消すことができることといたしてございます。その際には勿論先に提出いたしました辞職の申出が効力を失うことといたしてございます。  次に特別待命中の職員に対する取扱いでございますが、特別待命中の職員は官職を保有いたしたまま職務に従事いたさないということにいたしております。そこで特別待命中の職員は職務に従事いたさないという点を除きましては、服務その他に関しましては他の一般職員と全く同様の取扱いを受けるのでございます。従つて国家公務員法その他の法規に違反してはならないということにつきましては、他の一般職員と全く同様でございます。又特別待命中の職員に対する給与の問題でございますが、給与も全く一般職員に対すると同様でございます。ただ一般の給与の俸給表手当及び勤務地手当は一般職員と同様に支給いたしまするけれども、給与の手当、特に現実に勤務してその勤務実績に応じて支給せられるような特別な手当、例えば超過勤務手当でございますとか、或いは休日給でございますとか、そういうような特別の手当だけは、通常の勤務に服しないわけでございますから、これは当然支給せられないということにいたしてございます。その他退職手当でございますとか恩給等につきましては、一般職員と同様の取扱いを受けるのでございまして、又退職後の営利企業への就職につきましては、人事院規則を改正いたしまして、行政整理による場合と同様に制限を緩和してございます。  最後に特別待命制度の適用の範囲でございますが、この特別待命制度は定員法の規定を受けまする職員に適用する趣旨でございますので、非常勤職員でございますとか、或いは二カ月以内の期間を定めて雇用される職員であるとか、休職中の職員等につきましては適用しないことにいたしてございます。  大体以上特別待命制度につきまして御説明申上げました。  なお資料をお手元に御覧に入れてございます人事院規則の職員の任免その他につきまして、若干の事務的な改正をいたしておりますので、御説明申上げますが、これは任用候補者からの選択の方法に関する規定の改正を中心に極めて二つ三つの技術的な規定につきまして改正いたしてございます。その内容を簡単に御説明申上げますと、第八条の任用候補者からの選択の方法の問題でございますが、これは御必要によりまして、任用局長が参つておりますので、詳しく御説明申上げますが、簡単に申上げますと、人事院から各省に提示されました任用候補者からの任用の場合におきまして、任命すべき者一人につきまして提示の場合に最高順位によりまして志望者五人の中から行うことになつておりますが、この法則につきまして、現在のところ大体各省の採用予定数の約二倍半ぐらいを人事院から各省に提示いたしますのでございますが、それを約三倍程度提示いたすようにいたしました次第でございます。  次は職員の選考の問題につきまして、これは極めて稀な場合でございますけれども、特別な場合には試験によることが非常に経費その他において無駄な場合がございますので、例えばスペイン語の特別な錬達の者を採用するというふうな場合には、スペイン語の試験をするために全国から候補者を募るということも、非常にこの実際問題として経費その他において困難がございますので、そういう特殊な場合におきましては選考による、或いは昇進につきましても同様な方法によるというふうな事務的な改正をいたした次第でございます。  以上を以て御説明を終ります。

村尾重雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(村尾重雄君) 只今の説明に対し御意見のおありのかたは御質問願います。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 特別待命制度に関する正式の人事院規則については、只今その規則を頂きましたばかりで、まだその内容等については、これは追つて御質問申上げたいと思います。ただこの際お尋ねしておきたいことは、只今の御説明によりますと、閣議決定があつたから、それに基いてこの特別待命制度に関する規則を決定したという話でございましたが、その通りでございますか。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) さようでございます。閣議決定に応じまして人事院規則をきめました。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 人事院では、この待命制度に関する閣議決定は、公務員に対する人員整理とか行政整理を可能ならしめるための手段としてこの方法を閣議で取上げたということについて考慮を払われておりますか。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) 人事院といたしましても、政府が行政事務の簡素化のための一つの方法としてこの特別待命制度を決定されたということは勿論存じておりますけれども、この特別待命制度は、御存じの通り本人の意思に基きまして、公務に支障のない限りこれを認めという制度でございまして、人事院といたしましても、官庁に冗員がございまする場合に、これが自発的に、任意退職の形式によりまして、公務に支障のない限り退職されるということは、これは国民負担の関係からいいましても冗員のなくなることにつきましては反対すべき理由もございませんので、こういう規則を制定いたしました。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 その内容につきましては、本人の自由意思云々という点に重点を置かれておるかも知れませんが、それは今後内容の問題について私ども十分これを検討しなければなりませんけれども、併したとえどのような内容において決定されたといたしましても、こういう非常に現在の情勢の中で、公務員諸君の立場からすれば、当面は行政整理等の問題について、その方法なんかがどうきめられるかきめられないかは別として、そういう情勢の中では公務員の利益を擁護するという点になりますと、広義の意味の人事院の立場からいえば、やはり公務員の立場に立つて、中立機関としての問題の取上げ方を考えなければならない、そういう点からいいますと、人事院が何でもかんでも閣議が決定したといつて、その問題を直ちに取上げ……自主的な立場において人事院が取上げるという場合なら別ですけれども、そういう閣議決定があつたということを条件として、直ちに人事院がその閣議決定の方針に即応して、そうしてこういう問題の取きめ方をする、こういう考え方は、少くとも人事院のとるべき態度として私は立派なものではないと思う。そういう点について、一体人事院は、例えばここに制定されました特別待命制度のような問題について、従来人事院が考えていたのか、いなかつたのか。それとも閣議が決定したからといつて人事院が早急にその閣議決定に即応してこういう制度を制定したのか。この点、今少しくはつきり承わりたいと思います。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) 御存じの通り国家公務員法の精神から申しましても、公務の民主化と公務の能率の向上図りまして行政はよる国民負担を軽減するということは、これは国家公務員法の精神であると存じておりますが、只今のお示しの通り、政府が閣議決定をいたしましたから、何でもかでもこれを人事院として人書院規則を制定するというわけでは勿論ございませんけれども、併しながら役所に冗員がございます場合に、公務員の成るべく利益は反しない範囲はおいて、これが順調に制されるということは、これは今お話の通り中立機関たる人事院としてもこれを希望すべきところでございまして、その意味において本規則を制定いたしました次第でございます。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 只今入江さんからお話のありましたように、勿論、人事院としては公務の民主的な或いは又能率的な運営に資するためは、公務員法の完全な運営を常に念としなければならないないことは、私ども全くその通りだと思うのですが、併しそれならば、なお更人事院としても今度の問題についても、もつと慎重な態度をとらなければならなかつたはずだと思う。今、入江さんは簡単に閣議の決定により冗員がかなりあるという前提の上に立つて、その閣議決定をされておるということを鵜呑みにされておるようでありますが、人事院は本来の使命であるところの能率的な又は民主的な運営ということになりますと、その冗員が果して本当の剰員なのかどうかということについても慎重な態度を以てこれを考慮しなければならないと思うのです。一体今の各省の状態を見ましても、各省における一人当りの仕事の量であるとか、それは対する公務員の能率という問題なんかについて十分な検討が加えられて、その後に閣議が決定されたかどうかということについては、当然これは何人といえども疑問を持つているはずなんです。そういう事案に対しては、人事院は全然そのことに検討も考慮も加えずは、鵜呑みに、冗員整理ならばこれはいいだろうというので、直ちに規則の制定を行うというがごときは、人事院の使命としての能率的な民主的な公務運営を図るためだという、そういう条件に適合しないということになると思うのです。そういう点なんかについて、私は、内容自体よりも、先ず人事院がこの特別待命制度の規定を倉皇として閣議の決定に基いて制定したという態度に対して、私は余ほど人事院に反省をしてもらわなければならない点があると思うのです。が、併しこの問題については、今お話のように、人事院のほうでもかなり鵜呑みにされたようでありますが、私どもとしては、一体その閣議決定そのものに対しても相当に疑念を持つておりますから、まあ内容その他については、これから政府のほうにいろいろとその閣議の経過若しくは結論等について十分質問した上で、それから又細部に亘つて人事院にこの次の機会に御質問申上げたいと思います。

村尾重雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(村尾重雄君) ほかに御質疑のあるかたはございませんか。

岡三郎日本社会党(第四控室・左)

○岡三郎君 一、二お伺いしますが、この待命制度によつてまあ人員を縮小すると、縮小する点については、冗員の減少ということを言われておりますが、このような措置がとられないで、まあ例年辞職する職員の大体の数はどの程度ですか。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) 任用局長からお答えいたします。

大山正人事院事務総局任用局長

○説明員(大山正君) 大体の数字でございますが、おしなべまして三%くらいは自発的に自然退職があるというように考えます。

岡三郎日本社会党(第四控室・左)

○岡三郎君 男女別にいつて、もうちよつと年令的に説明がされるといいと思うのです。

大山正人事院事務総局任用局長

○説明員(大山正君) 只今資料を持つておりませんので、調べました上でお答えいたします。

岡三郎日本社会党(第四控室・左)

○岡三郎君 今の点はまあなかなか面倒な問題だと思いますけれども、資料があつたら一つ御提出願いたいと思います。  それから第二点は、巷間伝えられているように、まあ待命制度の方式によつて、まあ政府がどのような機構にしようとしているかわかりませんけれども、仮に政府の言うごとく、或いは人事院がこれを受入れたとか、冗員が仮にあるとしても、その冗員というものは一体どういう層に、どういうところにあるのかという問題が想定されなくては、そういうことが言えないと思うのです。ですから、大体どういうところに、どういう層が冗員があるかということを、少しこれは理窟になるけれども、御説明願いたいと思うのです。人事院が内閣のほうに冗員があるというが、一体どういうところにどの程度に冗員が存在するか、それを御説明願いたいと思うのです。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) 現在行政機構全般につきまして、どの層と申しますか、まあどの機構、どの階層にどれだけの冗員があるかということは、これはいろいろ現在行政管理庁その他におきましていろいろ御研究になつておるわけだと思いますが、只今任用局長から申上げました通り、大体毎年自然退職がまあ三%程度ございまして、まあ如何にもこの三%程度の任意退職がございますのが、それはまあ冗員だと言い切つてしまうのは如何かと思いますけれども、併しながら、まあ三%程度の自然退職がありながら現在といえども公務に支障なくやつておるわけでございまして、これをこの特別待命制度によりまして、勿論、本人の意思に基きその退職を認めるかどうかは、一面この各省の主務者が判断するわけでございますから、自然退職の状況、並びに特別待命の申出での際における考慮によりまして、これを判定いたします場合に、先ほど申上げました通り、成るべく行政費用を節約して国民負担を軽減するという趣旨から申しまして、或る程度の効果はあり得るのじやないかと思つております。

岡三郎日本社会党(第四控室・左)

○岡三郎君 逆に、人事院がまあ一応公務員の任用試験をやつておりますね。大体各官庁総計して例年どの程度任用しておるわけですか、大体その概数を……。

大山正人事院事務総局任用局長

○説明員(大山正君) 人事院で只今試験をやつておりますのは、御承知のように、六級職試験、それから五級職試験、四級職試験、この三つにつきましてやつておるのでございますが、六級職試験の結果合格いたしました者につきましては、大体千名くらいの各省の採用がございます。

岡三郎日本社会党(第四控室・左)

○岡三郎君 その総トータルの、いわゆる公務員の増減、任用とか官庁のそういうものでなくて、もうちよつと低い層も合せて、全部合せてどの程度やつておるかわかりますか。つまりまあ昭和二十七年なら七年の数を基底にして、そうして二十七年度を通して何名辞めて、何人増員してという、大体、現在数がどうなつて来ておるかという、そういう推移の資料があるか。説明がであるかどうか。

大山正人事院事務総局任用局長

○説明員(大山正君) 行政管理庁の問題は、私どものほうには只今的確な資料を持つておりません。

岡三郎日本社会党(第四控室・左)

○岡三郎君 それは又追つて他の政府委員のほうに説明を要求することにして、当然天引制度ということが言われておつたと思うのです。行政機構の改革に伴うところの人員縮小という問題がいつも論議されるのですが、大体竜頭蛇尾に終つておるということは、政府自体が官公吏の増減に対して果して終始一貫責任態勢を持つて処置して来ておるかという問題が私はあると思う。毎年こういう問題についていろいろと方途をとろうということを考えつも、結局どこにどの程度冗員があるかということについて的確な機構の整備というものについて明確な措置が毎年できない。そうしてただ単に人騒がせ的な首切問題というところが落ちではないかというふうに考えておる、私自体としては……。そういう点で、待命制度によつても、まあ新聞の資料がどの程度まで正確かわからないとしても、嫁入前の者が嫁入りが道具を作るため辞めて行くという程度のニユース種を提供するところの状態では、これは何のことか私はわからないと思う。それで結局待命制度という問題で、まあ今後どの程度本人の意思に基くところの申出があるかということはなかなか疑問だと思うのですが、それに伴つて依然として官庁機構というものが能率が増進せぬということになつたならば、結論は余計国費を出したという以外の何ものでもなくなつてしまうのじやないかというふうにもなるわけです。そこで我々は常に言つておるように、真に冗員があるかないか、或いはそのときどきのいわゆる政治の動向によつて官庁が設けつれたり或いは廃止されるということによつて官吏の増減がどうなるかというような、いろいろな問題については、結局、機構を抜本的に改革、或いは検討しない限りは出て来ないのじやないかということを、これは絶えず言われておつたと思うのです。それがやみくも途中から何%天引きせえとか、まあこういう待命制度というふうな形で、弥縫策で行われるようになつて来ているわけですが、人事院当局としては、やはり行政整理を断行する建前をとるならば、やはり明確に各官署の機構というもの並びにそれに伴う人員というものを、なかなかむずかしい問題としても、責任ある所属長官がやはり明確な数字を出した上に立つて、果して冗員があるかないかというふうな、やはり十分慎重な検討を加えて、こういうふうな制度が果して国家として利益があるのかどうかと、並びに人事院として公務員の身分とかそういう利益を確保する遂に果してなるのかどうかという点に、やはり深甚なる注意を払つて頂かないというと、言葉上はともかくとして、実質的には期待ができない、或いは効果のないようなことになるのではないかという心配が一面私はあるわけなんです。そういう点で、一応待命制度の内容については、今後の推移を見て、なお国会の審議に待つところが出て来ると思いまするので、それに譲りたいと思いまするが、やはり人事院としても、行政管理庁その他の機構とも連絡をとつて、自然の増員と、或いは自然の退職状態と、そういつたものを総合的に一応数字をとつて、そして今後の我々の資料に資してもらいたいと、こういうふうに思うわけです。

村尾重雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(村尾重雄君) ほかに本件について御質疑あるかたはございませんか。ないようでしたら一応本件についての質疑は本日はこれを以て打切ります。   —————————————

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 恩給、退職年金法の問題ですが、かなり公務員法が制定されて以来長年の懸案事項で、大分長い期間に亘つて調査、研究を続けられたようですが、人事院のほうで、一体、恩給法、退職年金法はいつ頃勧告される見通しが現在ございますか。それをお伺いしたい。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) 退職年金法につきましては、只今お言葉にございます通り、国家公務員法もこれを成るべく速やかに提出するように指示されておりまして、且つ国会の方面におかれましてもいろいろこれに対する督促もございまして、遅れておることは非常に恐縮に存ずる次第でございます。この経緯等につきましては十分御承知の通り、昨年大体の一応の試案を持つたこともございましたのですが、社会保障制度審議会の意見を聞きましたり、いろいろそこに、何様、国家といたしましても恒久立法の相当財政負担を伴いまする問題でございますから、慎重に研究いたしておりました次第でございます。大体最近人事院の試案といたしましては、最終案と申しますか終えまして、お手許へも一応御参考までに御覧に入れました次第でございますが、只今政府部内の各関係省方面、それから例えば共済組合でございますとか、官庁労働組合の方面とか、この大体の試案を御覧に入れまして御意見を伺つているような状況でございます。その関係方面と折衝と申しますか、話合いの如何にもよりまするけれども、それが順調に進みますれば、そう長い期間はかからないのじやないかと思います。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 この退職年金法については、人事院独自の立場で調査や研究を遂げられたでしようし、それから又その中途においてはマイヤース勧告なるものも出たようでありまして、人事院はそのマイヤース勧告等も一つの参考としていろいろ検討されたようでございます。只今お話のように、昨年中には一応これに関する結論らしいものが人事院として作成されて、そしてそのときの国会における質疑によりますと、その作成された人事院の試案なるものについて、これに対する意見を社会保障制度審議会のほうに求めて、そうしてそれによつて再び人事院はこれに対する調査研究を続けるということになつたようでありますが、そしてその当時、これに対する政府のほうからの内容若しくは提出の時期等について、何らの牽制を受けずに、人事院が独自で調査研究を続行しているんだというお話がございました。その当時私どもの聞きました社会保障制度審議会の意見なるものの内容は、恩給法、退職年金法の制定等については他の社会保障制度の一環としてこの問題を取上げるべきであるという意見があつたために、そのために人事院としてはこの問題について慎重な態度をとるようになつたと、こういうお話でありましたが、その通りでございます。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) 只今お話にございました通り、大体この社会保障制度審議会におかれては、只今お話の通り一般の社会保障制度と関連いたしまして、その一環として考えたいので、国家公務員の、これは軍人恩給についても同様な見解であつたようでありますが、国家公務員だけについての、特別な年金制度をあらかじめ作るということについては、慎重な考慮をして欲しいという意見でございました。これにつきましては、御質問の通り大体マイヤース勧告を基礎にいたしまして作つておりました前回の試案は、多分にこの社会保障制度式な、いわゆる生活保障と申しますか、国家公務員の年金制度につきまして、生活保障的色彩が濃厚に入つておりましたわけです。そこで、この点につきましては、社会保障制度審議会の見解をも参考にいたしまして、只今御覧に入れております案は、社会保障的部分と申しますものは、これを成るべく稀薄にいたしまして、公務員という特別な勤務に特殊な年金制度という色彩を濃くいたしておりますのであります。その意味におきまして、現行の共済組合法との調整と申しますか、調整につきましても、まあ大体御存じの通り共済組合法は比較的これは組合員の相互扶助的な色彩が相当強いわけでございまして、従来の恩給法は国家の給付制度としての色彩が強いわけでございますので、これを大体そういう相互扶助的な観念から取入れるべきものは共済組合へ残しまして、国家の給付制度として年金制度の問題で考えるべきものを年金制度に取入れるというふうな大体の方針の下に、今回の年金法を組立て、共済組合との調整を要する問題につきましては、現在打合せ中のような次第でございます。そういう意味におきまして、只今の社会保障制度審議会の見解というものも参考にいたしながら、只今御質問の通り今回の試案ができておるような次第でございます。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 私のお尋ねしたい点は、今まで退職年金法の勧告が随分遅れて参りましたが、人事院のほうで、例えば昨年のごとき、一度成案を得たものが、社会保障制度審議会に諮問をした、その社会保障制度の意見に基いてもう一度これを検討するというか、もう少しこの問題について慎重な態度をとるというために今日まで遅延したわけであります。そういう状態の中で当時社会保障制度審議会自体の意見としては、人事院の答弁によりましても、格別その内容自体に対して、社会保障制度審議会がどういう方向においてこれを改正すべしとか、どういう内容についての不満があるというような点については、私どもあなた方のほうからも聞いておりませんし、又そういうふうな意思表示はなかつたように私ども考えておるのであります。ところが人事院のほうで、ずつとこの制度についての調査研究を続けていれば続けているだけ、一方では公務員に対するこの制度が遅れているというために、公務員が不利益に扱われ、更にまあ内容の点については、これはまだ試案程度であるから、この席上での論議についてはなるべく遠慮して、懇談会の席上でお聞きしたいと思いますが、併しちよつと概観しただけでも、かなり去年の一度成案を得たものよりは条件が下廻つておる。例えば最高額の制限にいたしましても、例えば支給開始の年令にいたしましても、一体人事院が勧告を持つていれば持つているほどだんだん条件が悪くなつて来るじやないか。どうして人事院が勧告をこんなに遅らせるのか。而も遅らせれば遅らせろほど条件がよくなるということならば話がわかります。遅延すればするほど条件が悪いということは、ちよつと話が、全然辻褄が合わないじやないか。公務員にとつてはますます不利な条件ばかりで、遅延して而も条件は前より悪くなる。一体どういう関係でこんなに遅延しておるのか。どういう関係でこんなに条件がだんだん悪くなつて来るのか。その点をお聞きしたい。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) 只今のお話の社会保障制度審議会の意見がありましたから遅れたというわけじやございませんけれども、併し、たびたび申上げます通り、何と申しても公務員の年金制度は将来非常に長期に亘る国家の負担にもなる問題でございまして、我々といたしましては十分念に念を入れて立案したいという点がございますのと、それからさつきちよつと申上げました通り、社会保障的部分は他の社会保障制度と関連して考えることも又適当であるという見地に立ちまして、若干時間を遅らせまして補足いたしたのでございます。なお内容については只今のお話の通りいずれ機会を持ちまして十分御説明いたしたいと思つておりますが、これは又勿論程度の問題でございますけれども、社会保障的な部分が除かれておりますために、一見、或る程度、何と申しますか、条件が不利になつておるようなことが余計見えておりまするけれども、現行法よりはよほど改善されておる所存でございます。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 内容の不利になつておることは少々じやありませんよ。少々ばかりじやない。これは十分内容に入つて検討して行けばはつきりすと思いますが、現行法より有利になるからというお考えは、只今の御答弁は私は少しおかしいと思う。現行法では全然現在の情勢、現在の条件に適合しないから、初めて国家公務員法が、恩給法等について適切な調査、研究を行なつての結論を出せということを人事院に委嘱しているのです。そういう意味からいたしますと、現行法よりも有利だということは、少しばかり有利になるということは、これは全然人事院の口実にはならないと思うのです。それから、今のお話によりますと、将来国の負担が相当大きい問題だからというお話でありましたけれども人事院が将来これは大きな国の負担になるからという点を考えて、一体本当に適切で而も公平な恩給法の勧告なんか私はできないと思うのです。将来国の負担が増大するとか、将来国の負担がどうなるというような問題については、これは国会なり若しくは政府なりがその点について考えるべきであつて、人事院が将来国の負担が増大するとか、国の負担が過大になるからなんということでは、公務員に対する適切な恩給制度の確立ということは最初から駄目になる、そんな考えでは……。そういう点から言つても、この際一つ人事院としては、持つておれば持つておるほど内容が低下し、内容が公務員に不利になるという条件がだんだんはつきりして来ると思います。この際一つ人事院として一応成案ができたならば、早急に出してもらうことが、公務員にとつて一番望ましい条件だと思うのです。一体いつ頃人事院はこれを勧告されるつもりであるか。この問題につきまして、最初人事官に任命された人の任期も、もうそろそろ来ているようであります。三人の人事官はこの任期中に恩給法さえも片付けられなかつたということになりますと、人事院の名誉に関する問題なんです。従つて、人事院としては相当作業も進んだはずだし、これから当該の利害関係者と話合いをするとか、各省との交渉をするとかいうそういうことは、口実に使われないだろうと思うのですが、一つのこの際、早急に、人事院としては勧告を出す必要があると思いますが、一体いつ頃お出しになる見通しですか。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) いついつということをまだはつきりお答えできる段階でございませんけれども、併しながら今申しました通り、各省、関係方面と折衝中であるということを口実にいたしまして、従らに提出の時期を遅らせるということはいたしませんです。やはり或る程度の各方面の御意見を伺う必要もございますので、若干期日を要すると思いますけれども、そう遠くないうちに御覧に入れることができると思います。  なお一言、先ほどのお尋ねにつきましてお答えさして頂きたいと思いますが、実は今回の年金制度の改正が前回と違つておりますのは、国民負担という問題と関連しての問題でございますが、実は前回の案は大体マイヤース勧告を基準にいたしましてできておりましたので、それが諸外国、主として英、米、仏、独あたりでございますが、それに比べても、よほど有利な部分が相当ございますので。それで我々といたしましては、国家財政のことはもとよりでございますが、日本全体の状況から見まして、英米の年金制度よりも更に有利になると申しますか、国民の負担が多くかかるような年金制度にこれを仕上げるということにつきましては、反省をする点があると思いまして、その点に若干是正すべき点があると思います。いずれこの点は内容につきまして御説明するときに十分お話したいと思います。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 お尋ねしている点以外の問題に触れて只今御答弁がありましたが、英米における退職年金制度よりも有利だからという、これを一つの口裏にされているようですが、それならばお尋ねしたいけれども、一体イギリスやアメリカなんかに比べて、日本の公務員の就職中の給与がどの程度の差を持つておるか、どの程度の不利益を公務員諸君がこうむつておるか、この点について人事院が考えたことがあるかどうか。それから、退職年金制度を、これは老後における、若しくは退職後における公務員の生計の一助として考えられている制度で、給与は就職中における公務員の生活を保障するための制度であります。而も就職中における公務員の給与であるものが、イギリスやアメリカと雲泥の差で、大体の基準によりますと、まあアメリカの給与の実質賃金の十四分の一、イギリスの七分の一、西ドイツに比べても二・五分の一というような安い賃金を支給されているという、そういう条件なんかも考え合せて見れば、退職年金制度だけは少しいいと言つたところで、これは給与に対する各国の考え方が、就職中の給与と退職するときの退職手当、それから退職後における年金、恩給の考え方が、従来と非常に違つておると思うのです。そうすれば、退職年金法だけを捉えて、これは英米よりも少し有利になつているから、而もそれを余り各国と開きのある制度にしてはいかんなどという考え方は、人事院の考えとしては、私は少し腑に落ちない点かと思います。その点はどうですか。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) この公務員の在職中の給与並びに退職後の給与につきましては、十分御論議の通りでございますので、大体においてお話の通りでございますが、勿論この在職中の給与が英米その他の有力な国家の公務員に比べまして非常に悪いということは十分存じておるのでございますが、要は、この在職中の給与にいたしましても、この退職後の給与にいたしましても、或る程度、公務員を取巻く一般国民の給与というものとの均衡をとるというところに一つの基調があるんではないかと思つております。只今のお話の点、我々も十分存じておりますからさよう御承知願いたいと思います。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 一体いつ出すんですか、人事院では。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) 只今申します通り、何月何日ということはまだ明確にお答えいたしかねるのが大変遺憾でございますけれども、そうも長くないうちに御覧に入れられると思います。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 今度の通常国会でこの問題が審議できる程度に人事院は出せる見通しですか。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) 多分御期待に副い得ると思つております。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 次にお尋ねしたいことは、十月十五日の日に両院人事委員会の申合せに基いて、二項からなる申合せ、それから二つの附帯条項を付して、人事院のほうに地域給に関する勧告を早急に行うように、委員会として特に人事院の出席を得て、内容につきましてもお話を申上げましたが、その後、人事院としてはその作業はどの程度進んでおりますか。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) 地域給につきましては先般の両院の御決議の趣旨を十分我々としても伺いまして、その後、勿論その前からいろいろ研究いたしておりますけれども、折角給与局で調査中でございますが、なお、給与局長から簡単に現在調査しておる状況を御説明いたします。

瀧本忠男人事院事務官(事務総局給与局長)

○説明員(瀧本忠男君) 先般の御決議がございまして、そのことを私この席に参りまして伺つたわけであります。帰りまして詳細に人事官に伝えましてそうして御趣旨に副うような方法をとるということで、前々から作業は勿論進めておつたわけであります。更に一層の努力を重ねておるということであります。現在努力しておる点は、前々から二段階に圧縮いたすという場合には、やはり新一級地となるべき基準ということになるのだろうと思います。仮に現行五段階制のままにアンバランスを是正いたしましたといたしましても、その点が非常に大切になると思いますから、この点に関しまして、三級地の基準でございますが、これを作ることに懸命の努力をいたしておるような次第であります。なお部分的にいろいろ検討を重ねておる点もございまするし、それから又、今後のあらゆる場合を想定いたしまして、例えば二級地の基準でございますとか、一級地基準というものの確立というようなことに全力を重ねて努力しております。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 只今の御答弁によりますと、全国的な各種の条件を十分調査して、それによつていろいろと按配し、若しくは支給区分等の分類を行うということで、一級地の基準、二級地の基準若しくは三級地の基準という、その基準の決定という問題の研究を急いでおるのですか。

瀧本忠男人事院事務官(事務総局給与局長)

○説明員(瀧本忠男君) 基準の決定ということがございませんと、これは前々から地域給の是正等を行います際にはそれぞれ作つておるわけであります。この点をかつきりいたすということがこの作業の一番前提になるだろうというふうに考えまして、この基準の確立ということに全幅の努力を傾倒しております。更に個々の具体的問題につきましても部分的には勿論検討をそれぞれ進めておるということでございます。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 ちよつとお尋ねいたしますが、その基準の研究なり基準の策定は勿論結構ですが、一体きめられる基準にもよりますけれども、その基準に一体どの地方が該当するか、しないかというような、そういう各地域の条件によつて、その基準に当てはまるか、はまらないかが、今度は決定することになると思うのですが、そういう両者並行しての研究を続けておられますか。それとも基準は基準としてだけの研究を続けておられますか。

瀧本忠男人事院事務官(事務総局給与局長)

○説明員(瀧本忠男君) 基準を抽象的に研究しましてもこれは余り役に立たないだろうというふうは思います。従つて、これは両者相反映いたしまして研究いたすわけでございます。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 それから確認事項という形で、その第二項にありました実給額を下らざる方針を以て圧縮の方針とすることというふうに、一応の意思表示がしてありましたが、その実給額を下らないという方針については、これは大別すれば、一方は本俸に繰入れるという考え方、一方は然らざる方針を以て行うというやり方でございましたが、いずれにするにしても実給額を下らない方針を以て行うということでありましたが、これについては人事院はその後どういうようになつておりますか。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) その点は御決定の趣旨を十分了承いたしました。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 結論として、一体その人事院の勧告はいつ頃これを提出するお見込ですか。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) 只今給与局長から申しました通り折角調査中でございまして、その結果によりまして、まだ現在のところ、いつ頃勧告いたしますか、ちよつとお答えいたしかねる状況でございます。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 いつ頃勧告することができるかというようなお考えでは、御承知の通り、二十九年度の予算についてはもうそろそろ編成に着手してなければならない段階だし、その国会に提出される時期といえばこれは少くとも一月の下旬までにはその前に国会に提出されて、これに対する財政方針の演説なんか行われるということはこれは誰でも知つておることです。そういう時期までに若し人事院のこの問題に対する勧告が間に合わなければ、これは一体いつに改訂がなるのかということになつてしまうのです。一体人事院としては、どういう趣旨から、最終的にはこれを実施することができるという段階を考えて勧告の用意を進めておられますか。その時期についてどうぞ。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) この地域給の勧告につきましてはかねがね沿革的に十分御存じの通りでございまして、大体このベース勧告なんかと違いまして、或る程度の見当につきまして、予算面と申しますか、財源なんかとの噛み合せで地域区分を具体的に決定する必要もございまして、勿論これはやはり予算の編成の問題とは関連いたす問題でございますから、その点十分処置いたした上準備をいたしたいと存じます。

岡三郎日本社会党(第四控室・左)

○岡三郎君 そうするというと、この二十九年度予算に間に合うようにやるということですか。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) 人事院としては成るべく間に合せたいと思います。

岡三郎日本社会党(第四控室・左)

○岡三郎君 その前に第二次補正という問題が言われておるが、それにはどうなんですか。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) 第二次補正と申しますのはどういう問題か我々存じませんけれども、その内容なり時期の如何によりまして或いは間に合わぬかと思つております。

岡三郎日本社会党(第四控室・左)

○岡三郎君 今給与局長の言つた一級地、二級地というのは、改訂されるという見通しに立つた新一級地、二級地のいわゆる基準ですか。

瀧本忠男人事院事務官(事務総局給与局長)

○説明員(瀧本忠男君) これは仮に現行五段階制のままで改訂をいたすという想定に立ちました場合の一級地、二級地でありますから、現行一級地、二級地のつもりで申上げたつもりであります。

岡三郎日本社会党(第四控室・左)

○岡三郎君 この前の衆参両院の地域給審議のときにも明瞭になつたように、非常にこの不合理是正、つまりアンバランスの改訂を急速にやつてもらいたいという要請に、現在のところ人事院のほうとしては即応していないと断ぜざるを得ないわけです。その点で一体どこに難点があるのか。つまり新一級地或いは従来の三級地の基準決定、そういつた基準決定に努力しているという点もわかるし、個々の問題について検討しているということも言われておるわけでも、まあ大いに努めれば時間的に相当急速に出され得る状態にまで資料は現在蒐集されていると私は思う。そういう点で問題の遅れて行く焦点は一体どこにあるのか。もうちよつと突込で聞きたいと思うのですが。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) 或いは今給与局長から申上げました新一級地は勿論なんでございますが、こちらの御決定の趣旨もございますので、新一級地という、いわゆる二段階制だけを選定いたしただけじやございませんで、現在の現行五段階というものをその一つの基礎にして調査いたしておるわけでございます。やはりこの地域給の問題は、従来の経験に徴しまして、今給与局長から申上げた通り、或る程度これを、現在の五段階でやるにいたしましても或いは三段階でやるにいたしましても、基準を先ず或る程度明確にして各地域の決定をいたしませんと、非常にこれが又そう結果がアンバランスが起つて来る可能性がございますので、そういう意味において、今度は、はつきりと一つ基準から固めて行きたいという、勿論各地の調査も並行してやつておりますけれども、そういうような状況でございまして、そのために若干の時日を要しておるわけでございます。

岡三郎日本社会党(第四控室・左)

○岡三郎君 大蔵当局のほうへ一応地域給を改訂する場合の予算的な話合いを試みたことがありますか。人事院として。

瀧本忠男人事院事務官(事務総局給与局長)

○説明員(瀧本忠男君) これは抽象的な話としまして大蔵事務当局とこの問題を話したことはありますけれども、今度仮に現行五段階のままでアンバランスの是正のみやるとするならば、どのくらい予算が要るであろうかというような問題につきましてはまだ話合つておりません。

岡三郎日本社会党(第四控室・左)

○岡三郎君 従来の大蔵省の見解はどうなんです。

瀧本忠男人事院事務官(事務総局給与局長)

○説明員(瀧本忠男君) 地域給の問題につきましてこれを改訂しようとしますれば、いつの場合におきましても特定の地域を引下げて改訂するということも事実上できない問題でございますので、相当の予算を要する問題であります。従いまして、そういう観点から、我々は大蔵省の事務当局とこの問題につきまして或る程度の連絡をとる必要が勿論あるわけでございますが、将来の長い体系としましては、やはり地域給の問題を整理してしまうという方向に大蔵省は従来は賛成しておつたのであります。従いまして、何らかの形においてこの地域給というものが将来なくなつて行くような方向に努力するということにつきまして、大蔵省当局は恐らくは我々に余り反対はしないであろうというように、従来の経過からは感じておる次第でございます。

岡三郎日本社会党(第四控室・左)

○岡三郎君 人事院のほうとしては、この前、参議院のほうで、特別強く要請したわけですが、現行の五段階を先ず検討してアンバランスの是正をやるという点について、やはり突込み方が足りないんじやないかという気がするのです。事実として非常にやりにくい点もあるかと思いますけれども、やはりその要請に従つた勧告を出すべく先ず割切つた形で努力せられないと、これは遅れて行く以外の何ものでもないという気がする。そういうわけで、例えば三級地の基準を決定すると、これが将来二級だけ圧縮して新一級地の基準決定をするということになるわけですが、そういう場合において、その検討ばかりしていると、やはりだんだん遅れて行つてしまうと思う。だから相対的に地域の検討もしているということならば、或る程度、完璧なものでないとしても、大まかなものでも出してそうして具体的な額の折衝に持つて行けるように、我々衆参両院のほうでやるに都合のいいような一つ方式をとつてもらわんというと進捗しないんじやないか。こういうふうに思うわけなんです。それで、まあ三級地の基準を決定されるというような努力をされているという御説明であつたと思うが、どんな基準を決定するように考えておるのですか。基準決定ということについての検討をしておるという、その検討の一端を一つ披瀝してもらいたいと思うのです。そうせんと一体何を検討しておるかわからんということになる。基準を検討しておる努力を。

瀧本忠男人事院事務官(事務総局給与局長)

○説明員(瀧本忠男君) 成るべく早くそういうことにつきましても御報告申上げたいと思いますが、本日のところは一つお許しを願いたいと思います。

岡三郎日本社会党(第四控室・左)

○岡三郎君 そうすると、これは私は次のことを言いたくなるわけです。というのは、政府が待命制度か何かやるというと、そつちのことばかり一生懸命やつて間に合うけれども、両院の要請に答えるような作業がなかなか進捗しない。浅井さんが言つておつたように、退職年金法は、はなのうちに出すと言つても、まだ出ておらん、やはりそういう理窟を言いたくなるのですよ。一体人事院は何のために置かれておるかということになると、これは至極明快だと思う。やはりいろいろとやりにくい部面が多々あるとは思いまするけれども、一つ人事院として検討している素材を一つどしどしと国会に御提出願いたいと思うのです。この場合は特別でありますから、で、いろいろと難点があればやはりぶち明けて、そうして総体的に予算を確保して行くという努力をしないと、これはなかなか人事院としても荷が重くなる点が相当あるのじやないかと考えます。私はそういう点で、一つ審議の経過を、やはり質問にどしどし答えられるようにして頂きたいと、こういうふうに思うわけです。  もう一つは、この地域給がこのような決定をして来たというので最近又一時杜絶えていた陳情が殖えて来たと思うのです。それで陳情という問題が入るというと、なかなか又やりにくくなるとも思います。そこで我々が前にも言つておつたように、不合理を是正するという基準を、三級地だけではなくしてその他の点についても一つのラインをきめてやるということはわかるのですが、それを又はつきり早くしないというと、だらだら又陳情というものがわいわい出て来ると思います。そういうわけで、そういう面からも一応そういつたような点を安定させる意味においても、緊急御努力を願いたいと、こういうように考えます。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 次に給与改訂の問題について少しお尋ねしたいと思いますが、給与改訂の問題についての人事院に対する質問ですが、従来、給与改訂の問題については、人事院から出された勧告通りの実施がなかつたし、又人時院の勧告を切下げたりして実施されて参りましたが、その政府のほうで給与改訂の法律を出す場合には、今までの例から言いますと、あらかじめ細部に亘つての検討等には、人事院のほうからも係官が出席されたりして、内閣審議室等でいろいろ御相談にあずかられたようですが、今度の給与改訂の問題について、そういう政府と人事院との間に何かの連絡があつたかなかつたかという点が一つと、それから人事院としては、当然勧告の出しつぱなしで、それでもう責任を果したということにはならないと思うし、従来も、人事院としては、政府に対してそれぞれの場合に、給与改訂の問題について、総裁なり若しくは人事官、若しくは事務総長なりで、交渉に当られたというような経過もあつたようでありましたが、今度の場合にはその点どういう行動を人事院としては従来とつておられたか、これが第二点。それから第三点は、一体政府のほうの今の態度を見ますと、まあこれは対外的な関係もあるかも知れないし、再軍備の問題もあるかも知れないし、相互安全保障法に基く兵器の域外買付、域内買付とかいう問題もあるかも知れないけれども、いずれにしても給与改訂の問題については、すこぶる冷淡な態度を取つているんだし、取ろうとしているようでありますが、人事院のほうから出ました勧告は、人事院で何と答弁しましても、あの人事院の勧告内容自体からは、四月一日を以て給与改訂を行うべしという勧告だと、我々は了解しております。そういう意味から言いますと、非常に今日その改訂が遅れているばかりじやなく、場合によると相当長期間に亘つて、今後も棚ざらしにされる傾向が非常に濃厚だと思います。そうなりますと、本年の四月で改訂されなければならないはずのものが、もうすでに今日まで半年を経過している。二十九年度予算の提出がどうなるかはわかりませんけれども、今の見通しから言うと、非常にこの問題は暗澹たる見通しにあるということが言えると思います。そうすると、二十九年度予算の提出に当つてこの問題が考慮されなければ、これは四月一日以降という条件にもなりかねないという場合さえもあろうかと思います。一体、人事院は、政府がそういう態度をとる場合に、曾つて七千九百円勧告、若しくは八千五百円の勧告の当時、政府の棚ざらしに対して、人事院のほうからは直ちに追つかけて勧告が出たという前例もありますから、今日のように遅れていると、人事院としては勧告を出したからもうそれで宜しいという態度を以て終始するのでは、その無責任を問われると思います。人事院においては、最近における例えば闇米の値上りの問題、それから他の物価への波及の問題もあつて、相当公務員の生活は窮乏の一途を辿つていると思う。これに対して人事院は、政府の棚ざらしにするのを黙つて手を拱ねいて見ているつもりか。そとも公務員法の責任を立派に果して行く意味から、人事院が勧告するという用意を今日持つておられるのか。この点、第三点としてお尋ねしたい。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) この給与の内容と申しますか、いろいろ立法上、その他の内容につきましての政府との折衝の問題でございますが、これは今回御存じの通り、給与準則の中へ、ベースへ盛るということになつておりますので、そういう関係もあり、政府においても、いろいろ規定の内容その他につきましては御研究になつておられるようでございます。それから政府とのベースの問題についての折衝と申しますか、具体的にどうこうという折衝の問題につきましては、ここで御説明を遠慮させて頂きたいと思いますが、御存じの通り政府におきましても、人事院の勧告及び仲裁裁定に関連しての公務員その他の給与問題については、非常に心配をせられておるようであります。その関係におきまして、政府並びに国会において、これをどういうふうに判断されるかという問題になるのでありますが、現在の段階において人事院が再勧告するかどうかという問題になりますと、もとより人事院といたしましても、前回勧告以後の民間給与、その他の趨勢などにつきましては十分調査いたしております。けれども、現在のところ、ベースの問題につきまして再勧告する意向は持つておりません。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 御勧告以後、只今の御答弁の通り、人事院としては十分今日の経済状態なり或いは生計費の問題、標準生計費の高低等の問題についても研究を続けられていると思うのですが、その人事院の勧告以後における調査、研究についての一応の成案或いはその後の調査の結論らしいものも、この国会に出して頂きたいと思いますが、人事院としては如何ですか。

瀧本忠男人事院事務官(事務総局給与局長)

○説明員(瀧本忠男君) 只今入江人事官からお話がございましたように、我我といたしましては只今毎月勤労統計でございますとか、或いは生産指数、雇用の状況、CPI、CPS、物価の指数、そういうものは絶えず注意しておるわけであります。ただ人事院が俸給表を改訂する必要があるかどうかということか判断いたします直接の資料となりますものは、人事院みずからが行います民間における職種別の給与調査でございます。これは予算の関係もあることでございますが、今直ちにこれを行うということもなかなかできがたい状況であります。従いまして、若し御提出するといたしますれば、そういつた経済資料等につきまして御提出することができる、これは提出いたしたい、かように考えております。

村尾重雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(村尾重雄君) 官房長官、それから副総理は、只今閣議中で、いつ終るかというのはちよつと終る時間は今申しかねますということですから、その次第を一つ御了承願つておきます。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 それでは只今給与局長から御答弁のありました可能な範囲のもので結構ですから、この国会の最中に私ども十分この問題を審議する必要がありますので、資料を至急御提出願いたいと思います。  もう一つは、只今の入江さんの御答弁では、棚ざらしに今日なつているけれども、現在の段階では再勧告する考えはないということですが、若の給与の改訂の問題が将来どの程度に棚ざらし扱いを受けた場合に勧告するつもりか。この点は人事官会議でもまだお話合いはなかつたと思いますけれども、入江さんの個人の意見でも結構ですけれども、この際どういう態度を人事院はとらなければならないかという点に関連しますので、一つどういう段階まで棚ざらしをされて荏苒と……、最後のような場合には人事院としてしなければならないかということについて、御意見をこの際承わりたいと思います。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) 私個人の見解ということは申上げますことを差控えさせて頂きたいと思いますが、今後の問題がどういうときになつたらどうするかということにつきましては、そのときの状況の下に判断させて頂きたいと思つております。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 それからもう一つ最後にお尋ねしておきたいことは、何か政府のほうで行政機構の改革等の問題についていろいろ現在策定を進めているという話でありますが、この問題に関連して、人事院の存廃若しくは機構の改革等の問題も審議されているという新聞記事がかなりあつたようですけれども、直接この問題について人事院が折衝を受け、若しくは人事院の意思表示を行なつたことがあるかどうか、この点について……。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) この問題につきましては、新聞記事等におきましてはいろいろ記事が出ますのでございますが、実は全然政府のほうからは人事院に対しては何らの報告或いは内示はございません。従つて折衝というようなものは、全然まだ行われておりません。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 政府側の関係の人の話によりますと、例えば大蔵省主計局給与課の問題と、それから人事院の給与局等の統合の問題、若しくは総理府に移管するしないの問題、そういう問題についてかなり突込んだ話合いが行われたという、そういう情報を私は聞きましたが、人事院としては直接そういう問題に触れられたことがあるかどうか、この点は如何ですか。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) この問題につきましては、御存じの通り、今回に限りませず、従来からもたびたび我我一つの噂として話を聞きますのでございますが、やはり正式に何ら具体的な話はございません。折衝もいたしておりません。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 そうすると、今の状態では直接には何らの話合いもなかつた。人事院としては泰然として、将来人事院が存続するのだという、そういう自信の上に立たれておるわけですか。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) 自信と申しまするか、特別に、正式に何ら連絡もございませんので、我々といたしましてもこの際これに対する何らの態度も示し得ない状態であります。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 それじや最後に私から人事院に御注文申上げておきますが、人事院としては、いろいろな伝わつている人事院機構の改革とか廃止論などというくだらない問題に惑わされないで、毅然たる態度で終始してもらう必要もあるし、従つて、それがためには至急恩給法の勧告或いは地域給の勧告等を通常国会までには少くとも我々はこの際お出しになるように強く入江人事官に要望しておきますから、人事官会議において十分この点について考慮を願いたい。

村尾重雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(村尾重雄君) ほかに御質疑のあるかたはございませんか。  ちよつと速記を止めて。    〔速記中止〕

村尾重雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(村尾重雄君) 速記を始めて下さい。  ほかに御発言がなければ、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十七分散会

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