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17回国会参議院1953/10/30

厚生委員会 第1号

発言数
52
登壇者
7
会派数
3
開催日
1953/10/30

会議録

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○理事(藤原道子君) それでは只今から厚生委員会を開会いたします。社会保障制度に関する調査を議題といたしまして、先ず小委員設置に関する件につきましてお諮りいたします。前回、前国会の継続調査中に設置いたしました国民生活改善に関する小委員会を今国会においてもこれを設置することとしその数、委員、小委員長、副小委員長は前回通りとすることにいたしたいと思いますが、御異議ございませんでしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○理事(藤原道子君) それでは御異議ないものと認めます。よつて国民生活改善に関する小委員会を設け、その数、委員、小委員長、副小委員長の氏名は前回国会の通り決定いたしました。御参考のため前回の小委員の数その他を申上げます。小委員の数は七名でありまして、小委員長は中山壽彦君、副小委員長は山下義信君といたしまして、小委員は中山壽彦君、山下義信君、高野一夫君、廣瀬久忠君、林了君、藤原道子、有馬英二君、以上の通りでございます。   —————————————

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○理事(藤原道子君) 次に覚醒剤の取締状況について厚生省及び警視庁当局から実情を聴取いたしたいと存じます。先ず薬務局長から御説明をお願いいたします。

高田正巳厚生省薬務局長

○説明員(高田正巳君) 取締の状況というお話でございますが、指導も含めて簡単に御説明を申上げたいと存じます。覚醒剤の取締法が制定されましてから、その直後は濫用がやや減少しておりましたが、その後従来の合法的な製造に変りまして、密造が漸次盛んになり、関係当局、これは警察でございまするが、の協力にもかかわらず、ここ一両年来違反は漸増し、而も密造、密売の方法が巧妙になりまして、濫用の弊害も全国的規模において兆してなります。これに対しまして以上のような現状に鑑みまして、私ども本年当初から年度の後半期におきまして相当程度の規模を持つた広報計画を樹立いたしまして、着々準備を進めて参つておつたのでございまするが、たまたま内閣にありまする中央青少年問題協議会、これは関係各省がこの構成メンバーになつておりまするけれども、そこにおきまして青少年保護育成運動という運動を毎年展開しておられまするが、本年も今週、十一月、来月でございまするが、月間に亘つて行われることになつておりましたので、これと協力して行うことが一層効果的であるということを考えまして、先ず運動前におきまして中央青少年問題協議会が行いました各地域ごとの会議に係員を派遣いたし、広報周知の基礎資料について説明をいたさせました。なおこの青少年保護育成運動の、来月行われまするこの運動は、その重点項目の一つといたしまして第一番にこの覚醒剤の問題を取上げて頂いております。従いましてこの運動中に私どもは覚醒剤の青少年に及ぼす弊害の大きいことに鑑みまして特に青少年及びその家庭に対する啓発を強力にやること、それから都道府県薬務課或いは各保健所に窓口相談所を開設いたしまして常時相談に応ずること、それからこれは主として警察の御協力を仰ぐわけでありますが、特に密造、密売の取締の強化、この三点に重点を置きまして、この運動期間中に指導並びに取締の強化をいたしたい、かように考えておるわけでございます。  以上は大体主として指導のほうに重点を置きましてお話を申上げましたのでありますが、取締のほうにつきましては末端における取締と合せて、原料面においてこれを捕捉することが必至でございまするので、厚生省といたましては常時警察当局との緊密な連繋を保持しますると共に、都道府県薬事監視員の指導監督に特に意を用いて参つたのでございます。それで覚醒剤の原料としてエフエドリンが予想されまするので、九月中句薬事法の第四十九条に基きまして法律に基いた行政行為といたしましてこのエフエドリンの実態調査を行なつた次第でございます。目下第一段階の製造業者及び輸入販売業者の製造、又は輸入数量並びにこれらがどういうふうな先に売られて行つたか、どれだけ売られて行つたかというようなことを販売先について集計、検討を加えておる最中でございます。大体以上が指導取締面につきましての現状の大要でございまするが、今後どうして行くかという、何と申しますか今後の対策というようなことにつきましても若干申上げたいと存じます。指導の面は只今申上げましたように、保育護成運動中にこれを展開をいたしまするのは勿論でございまするが、その運動が終りました後におきましても常時いろいろ機会を通じいろいろな方法を以て、この啓発啓蒙運動に今後従来以上に力を入れて行きたいと、かように考えております。それから取締の面におきましては密造、密売はもとより、先ほど申上げました原料面においても、更に只今集計検討中でありまする調査報告に基きましてその行先きを究明をいたしまして、これによつて覚醒剤密造密売の根拠を辿つて行きたいと、かように考えておるわけでございます。この方法に私どもは或る程度の期待をかけておるわけでございます。  なお第三の点といたしましては、これは今後の研究問題でございまするが、今日施行されておりまする覚醒剤取締法につきまして、覚醒剤の弊害が現在のようなことに対処いたしましてこの法律自体について検討を加えてみる必要もあるのではないか、密造、密売というようなことを若干でも防げるような方向に検討を加えてみる必要があるんじやないか、この点も出えてみたいと存じております。具体的な項目につきましてはもう少しよく検討を重ねて行きたい。なおこれは法律には直接の関係なくできる問題ではありますが、中毒者の治療と言いまするか、或いは社会との隔離と言いまするか、さような中毒者に対する措置ということにつきましても何らかの対策が要るのではないだろうか、これにはいろいろ費用もかかり或いは法律を要するかとも存じまするが、さような点につきましても、今後研究を重ねて参りたいと考えておる次第でございます。大変簡単でございましたが、あらましお話いたしました。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○理事(藤原道子君) いろいろ御質問があると思いますが、続いて警視庁の防犯部長養老絢雄さんから御報告を承わりたいと思います。

養老絢雄警視庁防犯部長

○参考人(養老絢雄君) 覚醒剤の取締の問題は警察としまして、全国に亘る問題でございまして、警視庁管内の状況を申上げたのみで全国の状況を御推察頂くわけには参らないのでありますが、私から最近におきまする警視庁管内におきます取締の状況等を申上げまして御参考に供したいと思うのであります。一昨年の七月に取締法が制定せられまして、それまでは辛うじてこの薬事法によりまして取締を行なつて参つたのでございますが、その後この単独の法律ができましたために、警察としましては相当に取締がやり易くなりまして、昨年二十七年一年間におきまして検挙人員が四千三百八十五人に及んだのであります。本年におきましては九月までに、一月から九月までにすでに五千七百三十六人の検挙人員を数えておりまして、取締といたしましては、取締強化月間といいますか、そうした期間を設ける等の方法によりまして、我々としては専心これの取締に努めております。従いまして昨年度と今年度と比較いたしまして、警察としましてもこれらの取締結果に徴しましても無論相当に強化されているものと、こう承知して頂いていいんじやないかと考えております。ただ先ほど薬務局長からお話がございましたように、非常に取締を強化するに従いまして、この密造或いは販売等が巧妙化して参つているのであります。従いまして警察といたしましても、この点年を逐いましてますますこの取締上の困難を痛感し、それだけ捜査員の苦労が増しているのが実情でございます。我々といたしましては、この末端におきます覚醒剤のこの使用者、殆んど常習的な使用者でありますが、そうしたものを抑えるのみではこの問題は取締上から見ましても問題の解決を見るものじやないのでございまして、何としても根源を衝きたいという考えから原末乃至は原末から注射液にいたしますアンプルに詰めるというふうな、水溶液の製造等の箇処を衝くように絶えず努力はいたしておりますが、今日までのところ警視庁といたしまして、若干のそうした密造の根源を検挙いたしているのでありますが、果して今日行なわれております管内におけるそうした密造簡処の根源を衝いているものかどうかについてまだ確信を持ち得ないのであります。併し今日まで大体四件の原末密造箇処を検挙いたしております。原末の数量におきましても三十二キロの違反対象物資を押収いたしているのでありまして、更にこれを注射液にいたしたものでは相当の数に上つております。そこで先ほど薬務局長からも触れられたのでございますが、この原末の製造法には化学的な方法があるのでありますけれども、容易に手に入るエヘドリンというふうな薬を原料にいたしまして可なり専門的な、この化学知識、薬学上の知識を持つた者ならばこれを製造し得るというふうな、密造し得る形にありますので、こうした点相当利益のある仕事に対してなかなかこれが根絶を期し難いのじやないかというふうな感じを持つているのであります。原末を造りますと、それから注射薬に、いわゆるアンプルに詰めましたものを作るのは相当大量なものができるようでございまして、原末は極めて小量を販売等の巧妙にこれを隠しまして扱える、それを又この水溶液等にいたしますにつきましても極めて非衛生な方法が講ぜられているようでありますが、あのうす汚い二階の居室とか、押入の中とか、或いは物置というようなところで以て、まあ蒸溜水等を使えばいいほうでありまして、中には水道の水をそのまま溶かし込みましてこれをまあ非常に原始的といいますか、粗雑な方法で以てアンプルに詰めてこれが造られる。従いまして、製品としましても勿論いい物はできないのでございますが、そうした密造過程におきましても正に使用者の立場というふうなものは全然考慮されていないような不衛生な造り方をされているというふうな状況にあるようでございます。従いまして、そうした物が容易に密造せられまして、いろいろな方法を以て常習者の手に流れて行くというふうな状況にあるのでございます。そこでまあ我々としましては、できるだけそうした末端におきます使用者の発見に努めると同時に、そうした者を発見しました場合に、それから入手先を衝いて行きまして根源を衝くようにいたしておるのでありますが、何分にも常習使用者というものは、もう自体に注射のたこができておるというような状況で直ちにこれを認めるのでありますが、それを以てこれを犯罪者として検挙するわけには参らないのでございます。どうしてもそういう者は放置すれば当然これはそのままでは堪えられないのでございますから、必ず何らかの方法を以て更に覚醒剤を入手する、まあ常習的にそうして行うことは眼に見えておるのでございますけれども、これを放置しなければならん。どうしてもそうした点に取締をますます強化する、これに専念いたしておりますけれども、どうしてもこれをきれいにしてしまおうというところまでは行き得ない悩みを常に持つておるのでございまして、こうした点についてこの点もまあ薬務局長から触れられたのでございますが、何かこうした人々を一定の箇所に収容するというふうな、警察沙汰にしない、それ以前の段階において適当な方法が講ぜられないものかどうかということを考えておるのでございます。  大体極くあらましでございますが、取締の状況は以上でございますが我々としては専心、これについては非常に社会的な害毒の多いことを承知いたしておりますし、努力いたしておるつもりでございますけれども、なお一層お気ずきの点等がございまするならば、十分その点御啓発頂きまして、努力いたして参りたいと考えておるのでございます。尤も覚醒剤の弊害につきまして最近問題にせられておりまする青少年の問題でございますが、この点は状況等極めて粗雑なものでございますけれども、お手許に警視庁管内におきます状況を印刷いたしましてお配りいたしたのでございます。それによつて御承知頂ければ結構だと思うのでございます。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○理事(藤原道子君) 只今の御説明について御質疑がございましたらお願いをいたします。

中山壽彦自由党

○中山壽彦君 高田君にお尋ねいたしますが、この覚醒剤の取締法に準拠した製造販売につきましては、今日まで調査されたところで何ら変つたところがないのですか。

高田正巳厚生省薬務局長

○説明員(高田正巳君) 先ほど申落しましたのでございますが、今御質問のこの合法的な製造業者、それから施用機関それから研究機関、かようなものにつきましては、今日まで一件もさような事件は出ておりません。と申しまするのは、いろいろな事情もございましようけれども、製造業者がもう指定をいたしておりますのがほんの二社でございます。さような関係もございましようと思いますけれども、その間以上のような問題を起しておることは今日まで、ございません。

中山壽彦自由党

○中山壽彦君 そういたしますというと、結局この覚醒剤は密造によるものが大体主たる原因になり、これがいろいろ密売をされて害意を流すということになる。この密売は私どもが聞くところによると、多くは朝鮮人がやつているというように聞いているのですが、警視庁管内におきましても、そういう密売者は相当たくさんあるお見込みでございますか。又それがどういうふうに販売されるようなルートをとつておりますか、こういう点を一つ伺います。

養老絢雄警視庁防犯部長

○参考人(養老絢雄君) この覚醒剤が密売されておりますのは、これは正規のものは正に殆んどないのでございまして、殆んどと言うよりか絶無と言つてもいいのでありまして、すべてが密造品、密造されたものと見てよろしいのであります。これを密造しております者につきまして、国籍等も我々が検挙いたしましたものにつきましては勿論調査しているのでございますが朝鮮人によつて密造されたものが七一%を占めております。これは我々としても相当に注目をすべき事実じやないかと考えるのでありまして、従いましてその密造箇所もそうした人々の密集的な住宅地域、そうした所が大体密造のせられまず箇所になつているのであります。多くが密造、大体その密造せられましたものの販売ブローカー、闇ブローカーの巣窟と言つてもいいような状況を呈している所があるのでありまして、警察といたしましては極力そういう最も悪質な拠点を衝くように努力いたしておりますが、なかなか組織的な状況でございまして、徹底的な松挙等につきましては苦労をしているのでございます。警視庁管内におきましては隅田、荒川、葛飾、足立等の各区内に大体密造の大掛りなものがあると考えております。

中山壽彦自由党

○中山壽彦君 そういう者を検挙されたときはどういうふうな処置をなさつているのですか、密造、密売の。

養老絢雄警視庁防犯部長

○参考人(養老絢雄君) 検挙いたしました者は、密造事犯等に対しまして乃至は常習的な販売者等に対しましては、これはすべて身柄をつけまして検察庁のほうに送致いたしております。その後の状況等も大体四〇%近くと私ここでちよつと承知するのでありますが、起訴されているように思うのであります。ただ問題はその後何と言いますか、体刑まで行くのが非常に少いように思うのでありまして、殆んど罰金刑のみである。従いまして覚醒剤関係の犯罪者を見ますと非常に累犯が多いのでございます。六犯、七犯というような者がございまして何度でもこれを繰返す。で、一旦検挙されましてもその後の措置が罰金刑等で終りますれば、この密造、密販売等によつて相当に利益を得ておりますので、恐らく何と言いますか、本人たちにとつては大した制裁にならないのじやないか。そうした点について我々警察としても今少しこの罰則強化、少くともこの密造者乃至は常習的な販売者に対しましては強化せられる等の方途が講ぜられていいのじやないかというふうな、まあ我々だけの感じでございますが、そういう感じを持つております。

中山壽彦自由党

○中山壽彦君 薬務局長にお尋ねしますが、只今警視庁のかたのお話がございましたが、覚醒剤取締法について何か法の改正をしなければならんようなお考えを持つておられるかどうか。もう一つは、この覚醒剤中毒患者が例えば医者のところへ行つて覚醒剤をもらいたい、それを承諾せんというと医者に危害を及ぼすというような事例が全国に絶無ではないようでありますが、こういうような中毒患者を強制的に入院をさせる精神衛生法の一部を改正するというような御意思があるかないか、こういう点を一つお尋ねしたいと思います。

高田正巳厚生省薬務局長

○説明員(高田正巳君) 御指摘の二点につきましては、第一点の法の改正の問題でございまするが、先ほどもちよつと申上げましたように、どの点をどういうふうにというところはまだ十分考えがまとまつておりませんけれども、法律自体について手を加えたほうが、かような事態に対してより妥当なのではあるまいかというふうな気持のいたす点、二、三気づいてもおりまするから検討をいたしたいと思つておるのでございます。只今養老部長からちよつとお話のありましたこの罰則の点等につきましても、その一つとして研究いたしたい。ただ今日の法律におきましても、例えば製造、所持等につきましては三年以下の、たしか三年以下だつたと思いまするが、三年、五万円という両方の罰則がついておりまして、而も両罰規定もあるわけでありまするから、罰則といたしましては相当程度のものがついておるわけでございます。併し実際の裁判の結果がさような只今お話のようなことになつておるということは、私どももよく聞いております。この辺のところは如何にいたしたらよいものか、もう少し研究をしてみたいと、かように考えておるわけでございます。  それから第二の点でございますが、この点も先ほどもちよつと触れましたのでありますが、具体的に今直ちにどういうふうに法律を改正し、或いはどういうふうな予算措置を講じるというふうな点までに至つておりませんけれども、十分検討をいたすべき問題と考えておるわけでございます。

中山壽彦自由党

○中山壽彦君 これは薬務局長の主管ではございません、公衆衛生局長の主管と思いますけれども、船橋に精神病院が最近できておつて、又それが増床されておるということを聞いております。どのくらいの増床率になつておるか詳しいことは私存じませんけれども、ああいう病院に対し中毒患者のひどいものを強制収容するということが合理的ではないかというふうにも考えられるのですが、こういつた点にもお伺いいたしたいと思います。

高田正巳厚生省薬務局長

○説明員(高田正巳君) 今中山先生のお話のは復光会の病院ではないかと思いますが、これにつきましては復光会自体が精神衛生法によりまして病院を建設するということを今やつておりますので、それに対して厚生省からも補助金でございますか、何かを本年度流しまして薬物中毒による病人を収容するという、まあ委託事業のようなことをやつて頂くことになつております。私まだ参つたことございませんのですが、最近の復光会のほうのかたから伺いましたところによりますと、すでにこの復光会自体の分は建設が相当進みまして五十名程度ぐらい収容いたしておる。それから政府の委託事業的な色彩を持つた部分につきましては、これは十二月の末か一月ぐらいには大体建築が完了いたすそうでございます。それでこれらができますれば、今御指摘のごとく十分フルに動かすことによりまして或る程度の効果は挙げ得るというふうに考えておるわけでございます。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 警視庁の先刻の御説明ですと、本年一月から九月まですでに前年上りは非常にたくさんな覚醒剤使用違反と言いますか、五千幾らでありましたか、五千数百件検挙せられたという数字が出ておるようでございますが、これは恐らく何でしようね、あなたのほうからの今の御説明なり御資料によりますと、常習犯と思われる、つまり常習少年と思われるものが千名足らずですね。九百八十四名と出ておる。九百八十四名は常習的なもので’それで私の承わりたいと思うのは、関連してでありますが、常習者でない、一回とか二回とかいうような使用者ですね、初犯的な使用者というものはこれはわからんでしようね、これは恐らく推定をしてみなければならんと思うのですが、これもあとで、大体都内にどのくらいの少年少女がこの常習者というところまで行かなくても使用しているか、この弊害にまさに侵されんとしつつあるかという数というものが推定ができておるかどうかということを聞きたい。それで弊害は常習者にもあるでしよう。殊に常習者が犯罪等に陥りやすいのでありますから、これは非常に重点的に考えなければならんが、一回か二回か三回か、まだ常用者、中毒者というところまで至らない多くの青少年というものを保護して行かなければならんということが重点ですから、それがどういう推定の数字を当局は推定せられておるかということを考えなければならんと思うのです。それで恐らく検挙せられた数の主たるものは常習者だろうと私は思う。そうすると五千数百件という数字は、常習者の九百八十幾名という数字と符合しないところを見ると恐らく私の想像するのに、常習者を何回か検挙した、これは延べ件数ではないかという気持がするのですね。一人の常習者を一月にも検挙し、同一の常習者を二月にも検挙し、三月にも検挙した。それがすべて五千数百件という件数に数えられておるのであつて、検挙は延べ件数になつておるのだろうと思うのですが、一応推定を、私はまだ常習者に至らない九百八十名以外のそういう初歩の使用者といいますか、そういうものがおよそ当局では推定か何かできておりますかどうかということを承わりたい。

養老絢雄警視庁防犯部長

○参考人(養老絢雄君) 只今御指摘の点は、私が本年の一月から九月までの検挙人員を、覚醒剤の取締法関係の人員を五千七百幾人というふうに申しましたのでありますが、お手許に差上げました資料によりますものは、少年の事件をこれは書いたものでございまして、先ほど申しました五千数百人のものは、これは少年ということに限りませんで、成年者をも勿論含む数字なのでございます。それから少年の数の九百八十四人という数字は覚醒剤の常用少年でございますが、必ずしもこのうち、このうちと申しますか、この数字のすべてがいわゆる警察としまして違反者として検挙した人員ではないのでございます。覚醒剤常用少年事件は、犯罪に至らなくても不良少年、或いは犯罪を犯す虞れのある少年というようなものに対しまして、警察が検挙、取締という方法をとりませんで、補導という方法を講じております関係から、一応警察にはそうした違反者としての少年のみならず、いわゆる警察が補導等の推理をとりましたものも数字を書き上げました関係から、明らかに覚醒剤を使つておる。これはもう違反者として検挙する事態までも行かんけれども、不良性のある少年、大体覚醒剤を使つおりますと、何らか不良行為等が伴う場合が多いのでございますが、覚醒剤を常用しておるだけで以て正常な少年とも考えられません関係上、警察におきましては、これは一応対象に取上げるのでございます。そういう関係で、この九百八十四人すべてが検挙した人員にはならないのでございます。その点ちよつと私お話の数字をそんなふうに考えましたものですから敷衍さして頂きたいと思います。それから今の、常習に至らんまでも一回、二回、でき心等で、乃至は誘惑等で以て使つた少年の数というお話でございまして、我々としてもそうした数を的確に知りたいとつねづね考えておるのでございますが、これは私が確信を持つて申上げ得る数字はないのでございます。併し大体これはもう当りますか如何か、何ともその点は確実なところは申上げかねるのでございますけれども、一番覚醒剤使用の盛んでありました、丁度当委員会で取上げられてあの取締法の制定に至りました頃、昭和二十四、五年の頃、この東京都内におきまして我々として六万人前後の常用者がいたのじやないか。それが、これも使用者が巧妙になり、警察の視線外にそれるような関係がございますから、必らずしも的確に言えませんが、我々としては取締をした、乃至は一般の啓蒙が識者層によく認識を得て来たというような関係と思うのでございますが、三万人くらいに減つていやせんか。これは減るというのは東京の警視庁管内でありますから、これが地方に散つて行く、伝染しているということは、勿論論外に置いてのことでございますが、少くとも警視庁管内ではその程度までに減少しているのではないかと考えるのであります。そのうち少年はどのくらいかということにりますと、大体一三千人から四千人ぐらいがまあ常習も含めまして覚醒剤の使用をしておる数じやないかというふうな感じを持つております。従いまして我々としても大体一般の覚醒剤使用者の数の十分の一が、まあ少年の数になるのじやないかというふうな見通しを立てておるのでございます。これはもう決して正確な数字とは申せませんのでございますが、大体以上のような推定をいたしております。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 ちよつと関連して。週刊読売に今のと関連しまして、厚生省の推定で、全国の中毒者数が七十万、うち二〇%が若い患者であるというような、厚生省は推定しておられるのですが、これはどういうところから来ているのでしようか。

高田正巳厚生省薬務局長

○説明員(高田正巳君) その記事はどういうところから出たか知りませんけれども、私どもといたしましてはさような推定をいたしておりません。推定をする材料も持ち合せませんし、なかなかできませんので、その数字につきましては、厚生省といたしましては関知いたしません。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 それでこの取締について本日は委員長お取上げになりまして、当局も、薬務当局も、又警視庁当局も更に一層取締を強化し、又少年、少女に対して指導しようということで、大変結構なことでありますが、今部長の言われましたように、現在の覚醒剤取締法を作りますときに、随分我我警視庁と、又厚生省当局とタイアツプいたしまして、当時相当研究をいたして、同僚諸君でここに御列席のかたもあります。まあ我々といたしましては、今の覚醒剤取締法は、一応後に改正もいたしましたが、警視庁当局の御要望等もあつて、割に完全だと思つているのですね。要するに法律としてはあれは取締法としてはむしろなかなか詳細を極めた条文の揃うた法律だと思つている。それで併しまだそれには不十分であるから研究中だとおつしやつたのですが、まあ今薬務局長はその研究中の一端として不正使用の場合のことも、先刻ちよつと見ただけで記憶していないのですけれども、法の第十九条でしたか、どこでしたか、そういう点の、今一つだけ例示されて御説明があつたんですが、不正使用の場合の処罰の刑がまだどうかすると軽きに失するような気がするので研究中じやとおつしやつた、まあ罰を重くせられることも結構でありましようが、なかなか三年以下の懲役なんて相当なもんで、五万円かの罰金でも、そう必らずしも軽いことはないが、もう一つは、中毒患者に対してのことを考えておられるようでありますが、その辺はどういうことを御研究中ですか、一つお洩らしを願いたいと思うのですね。中毒患者に対することはないのです。今の覚醒剤取締法の中にはまさにないのです。それから密造、密売に対することについては薬務局長お触れにならなかつたが、私は幾ら罰を重くしてもいいような気がしますが、この密造、密売に対する何か法の改正を研究中でしようか。それから中毒患者に対してはどういうふうにされようとなされるのか。先ほど中山委員からもお触れになりましたが、私もちよつと聞いておきたいと思いますけれども、それはすべて青年であろうと少年であろうと、つまり成人の男女であろうと年少者あろうと同じことになるのですが、併し少年の場合は私は実際問題として果して罰則を適用しておるかどうか、結局未成年者というのでいろいろ処罰の程度につきましては、必ずしも法の規定通りが適用されておるわけじやないのであろうし、且つ又実際の青少年の補導という面から行けば、当の青少年でなくしてそれを何と言いますか、教唆すると言いますか、無理やりに飲ませるように悪い癖をつけさせ、誘惑するその者への処罰というものが或いはこれは覚醒剤取締法の中にはないかもわからない。つまり強いて不正な使用を、あれにありましたかしら、教唆したり誘惑したりするというようなものは今の取締法の中にはなかつたと思う、或いはそういうようなことはなかつたかもわかりませんが、ともかくも今の中毒者に対してこの法の上でどう処置されようとするか、先ほど運用云々というようなことをおつしやつたようでもありましたが、予算が伴うというのは恐らくそういうふうな費用のことじやないかという気持がしますが、そういうことをやられるということは、薬務局の覚醒剤上の上でのお仕事、法律の中へ入れるということが妥当かどうかということは又別でしようが、とにかくその今の二点を私は承わりたいと思います。中毒者に対するこのやり方をどうしようというのか、それから密造、密売者に対することをどうしようというのか、これを一つもう少しおつしやつてみて頂きたいと思います。

高田正巳厚生省薬務局長

○説明員(高田正巳君) 只今山下先生がお話のようにこの覚醒剤取締法の法体系自体は非常に精密といいますか、これでこの程度やればとても違反者は出ないというようなやかましい法律になつております。従いまして法律としましては、これだけ何と申しますか、取締の面で整備した法律は珍しいくらいの体系になつております。それで私がまあ法律の点についても研究をして行かなければならんところがあるんじやないかというのは、今先生が密造、密売をどうするかとか、或いはこの中毒者の治療施設というようなものをどうするかという二点について聞きたいとおつしやいましたのですが、そういうふうなことに主として関連をいたしたことでございますが、それでこの密造、密売に関連をいたしましては罰則云々というお話をいたしましたが、これも罰則が低過ぎるという、もう少し重くしたらという要望はむしろ外から、まあ取締御当局等も警察御当局等も含めて、外部から実は出ておるのであります。併し私が今申上げましたように罰則そのものは体刑三年までになつておるわけです。問題は結局刑の量刑の問題ではありますが、従つて罰則を重くすることがいいのか、或いはこのままにして置くのがいいのかというふうな点を研究して行つてみたい。それから主として密造、密売ですが、更に今日のこの罰則の中には漏れておるようなものはないであろうかどうかというふうな点を研究してみたい、まあさような意味合いでございます。  それから密造密売に関連をいたしまして、私どもが法律に更に附加えたらどんなものであろうか、これは深く研究したわけではございませんが、考えておりまする点はこの原料面の規制がこの法律にはないのではあるまいか、先ほど原料に関連をいたしましてちよつとエフエドリンのことを申上げましたが、エフエドリンをどうこうするということに限定するわけではありませんで、この原料というものの規制もして行く必要があるんではあるまいかというふうな点をまあ研究いたしたいと、かようなつもりでおるわけでございます。  それから中毒者の問題でございますが、これは今御指摘のように覚醒剤取締法の中で考えていくべきものか、或いは精神衛生法等で考えて行くべきものか或いはこの別途を単独の立法として考えて行くべきものか、或いは立法措置を要しないで予算措置等で考えて行くべきものなのか、まあその辺のところもいろいろ考え方があると存じまするので、この辺のところを十分検討して参りたいと思います。かようなつもりでおるわけであります。以上申上げましたように決して具体的に研究もコンクリートに進んでおるわけではございませんで、今後掘下げていろいろものを考えまして、何らかのこうしたらいいというふうな結論を出して参りたいと、かように考えておる現状でございます。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 もう一つ伺いたいのはこの正常な製造者、つまり正常の許可されたる消費状況、これを漸次、まあ前年度、前々年度といつたように比較して、一方覚醒剤の中毒者、或いは不正使用者、或いは密造等々の関連性と、この正常な製造高或いは消費高といつたようなものの関連性はどういうふうに見ておられますか、例えば密造が非常に盛んになるということと正比例して正常な製造高がやはり同じようなカーブを辿つておるか、若しくは密造が非常に盛んなために正常な製造高がその影響を受けて減少しておる。その正常な製造高は減少しておつても結局それは密造に喰われておるのだというような状況があるかどうか、つまりこれは何も需要者がすべて正規な、正常な需要者でないのですから、正規の製品と密造品との、その一方正規の製品を安くして、そうしてその使用とかその頒布状況に一つの考察を加えて、それによつて密造品の駆逐をする、いろいろその対策を講ずるということは、その消費そのものがすでに問題ですから、必ずしも必然的な関係を我々は考えませんけれども、一体この正常な製造というものと、密造或いは消費というようなものとの関連性というものがあるのかないのか、そういうものに対してのその正常な製造、或いはその販売方法或いは販売価格等々の点において、一方その密造だとか、密売とか、不正使用者とかいうような取締というようなことばかりの手でなくて、覚醒剤取締法中に考えられた正常な製造によつて、正常なルートの手続によつてこれを或いは製造せしめ、保持せしめ、使用せしめるというその正常な対策との関係において何らか打つべき手があるか、検討すべき点があるかどうかという点を伺つておきたいと思います。

高田正巳厚生省薬務局長

○説明員(高田正巳君) これは非常にむずかしい問題でございますので、もう少し検討を加えてみなければならんと存じますが、今のところ正常な製造、それから消費というものと、それから密造、密売、不正所持、不正使用というふうなものとは全然別個な世界で動いておるというふうに私どもは見ておるのであります。従いましてその正規の製造数量というものと、それから密造なり非合法な消費というものの数量というものは何らの関連性を持つておらないのじやないかと考えております。と申しまするのは、この覚醒剤取締法は、先ほども申上げましたように非常に綿密にできておりまするので、正常な消費というものはかなり正常なルートから、正常な製造から出ておるということで、なお又その正常な消費に対しましては十分に製造の能力もある、さようなことでその間の関係はないのではないだろうかと、かように考えております。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○理事(藤原道子君) 山下さんよろしうございますか。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 よろしうございます。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 局長のほうにお尋ねしたいのですが、原料方面の規制をするということは非常によくわかりました。ただこの原料も私ども聞いておりますのはエフエドリンの場合麻黄が使われておる。麻黄だとすればこれ国内にはできないはずでございます。そうするとそういうものはどのような径路を経て密造者の手に入るか。これについてお調べになつたことがあれば一つ御説明頂きたいと思います。

高田正巳厚生省薬務局長

○説明員(高田正巳君) お話のようにエフエドリンは麻黄から抽出をいたすものでありまして、麻黄は輸入品です。従いまして麻黄として輸入されて国内で製造されたエフエドリンというものにつきましても、それからなおエフエドリンはエフエドリンとして輸入されておるのであります。それでその輸入のエフエドリンにつきましても、先ほど申上げましたように、この九月でございましたか、十月に入りましたのでございますが、最近におきまして調査をいたしまして、薬事法四十九条、これは有権的な調査でございます。これに虚偽の違反をいたしました場合には罰則がある調査でございます。そういうふうな有権的な調査によりまして国内で生産されたエフエドリン、それから、輸入されたエフエドリン、それがどこへどう流れて行つたかということを実は今調べておるわけであります。大体この調べが集まりましたので、これをいろいろ検討いたしまして、今度はその販売先、そのエフエドリンの流れというものを追究いたしてみたい、これは今後の調査でございます。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 只今のお話のように全部原料にしても製品にしても、一応輸入によるものだということになれば、どれくらい金額にして輸入されているかということはおわかりでしようか。

高田正巳厚生省薬務局長

○説明員(高田正巳君) これは調べればすぐわかるのでございますが、今はその調べを持ち合せておりませんから、後ほど調べまして何らかの形で御報告いたします。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 これも正確な資料かどうかわかりませんけれども総合病院の調査によれば、ヒロポンの消費の総金額は大体年間千五百億に達するのではないかというふうな推定がございます。そうすると原価が二円幾らのものを十円に売つたとしましても、これの原料の代価というものが数百億に達するのではないかとも思うのです。それだけ大きい額の輸入薬品であれば、これは簡単につかめるのではないかというようなことも考えられまするので、この点を押さえて頂くのと、いま一つの点は、密輸の経路があるのかないのか、こういう点についてどのように御把握になつていらつしやいますか。

高田正巳厚生省薬務局長

○説明員(高田正巳君) 密輸の点でございますが、エフエドリンにつきましても税関で押さえられて我々のほうに連絡のあつたものもございます。併し密輸がどの程度あるのかということにつきましては、十分な推定もいたしかねておるのです。なおこのエフエドリンというのは御承知のように正当な薬でございますので、エフエドリンというものが必ずしもこれの原料になつておるとも考えられません。或いはことによりますれば覚醒剤の原末の形で密輸されておるということも考えられないことはありません。その辺の状況につきましては、十分なることを把握いたしておらないのでございます。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山君 その点一つ早急にまあ作業中だと思いますけれども、お願いいたしておきます。  続いてお尋ねいたしたいのは、今のこの取締法関係についてでございます。成るほどこの麻薬と覚醒剤とは、学問的には劃然たる区別があると思うのですけれども、実際に今こういうふうにその被害が現われて参りますと、その被害の面から言えば全く同じような感じがするのでございます。こう考えて参りますると、これは聞いたことですが、ドイツではそういう意味合いから麻薬取締法によつて覚醒剤を取締つておるというような話も聞いておりますが、果してこれも事実かどうかわかりません。ただ麻薬と同じような取締をするというようなことは考えられないかどうかでございますね。

高田正巳厚生省薬務局長

○説明員(高田正巳君) 私もそのドイツの話はちよつと聞いたことがございますが、併し全然その反対の薬でございまするので、これを麻薬にして、麻薬の中に包含をしてやつていくのにいては若干どうであろうかと、世界各国の例はやはりそうではないように聞いております。なおよその国には覚醒剤についてそう我が国のような大問題を起しておらないということも実は開いているわけであります。それでなお覚醒剤取締自体が麻薬の取締法と決して負けるとも劣らない程度のやかましいことになつております。その辺からいたしまして、麻薬にしたならば効果が上るかどうかということも甚しく疑問のようなのでありますが、従いまして今私どもの気持では、覚醒剤の問題で非常に弊害が強くなりますれば、覚醒剤取締法として或いは覚醒剤の問題として考えて行つたほうがむしろ妥当なのではあるまいか。これを麻薬に入れてやつて行くというよりは別にものを考えて行つて取締の厳正を期さなければならないのが、麻薬と同じようであるということならば、こもらが軽いということであれば、それと同じようにやつて行くということでむしろ十分事足りるのではないか、かようなつもりでおります。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 私のお尋ねしたのもそういう意味でございます。同じような程度の取締が必要じやないかという意味でございました。  なお警視庁のほうにお尋ねいたしいのですが、この頂いた資料を見ますと、学生の数が非常に多いわけでございますが、これについては、なぜこんなふうに学生が多いとお考えになつておられるか。それからこれらの学生というのはどういう学生なのか。学生というのもいろいろあると思いますが、どういう学生なのか。この表で見ますと大体学生がこの数の一割近くを占めておりますので、これについて特に御説明頂きたいと思います。

養老絢雄警視庁防犯部長

○参考人(養老絢雄君) 御指摘のように学生の覚醒剤使用者が相当の数を占めております。ただ我々のこれまで取締の経過から考えますと、相当に学生層における覚醒剤使用は減少して来でいるという見通しを持つているのであります。ただなお一部こうして残つておりますが、これはやはりまあ勉強等のために夜どうしても頭をはつきりさせるためにするというような、まあ動機としてはむしろ了とすべきこともあるのでありますが、不良性のある友人から誘われる、或いは又つい悪いグループなどとの交際を持ちまして、そうしたものの誘惑に負けまして使用するようになるというふうなものもあるのでございます。特に最近は夜間勉強する、いわゆる学生と言いましても仕事を昼しながら夜勉強するというよう大学生がありまして、そうした学生がどうしても仕事に疲れて、夜間の勉強にはつきりした気持を持ちたいということからこれを用いるというようなことから、ついそれが常習的になつて来る、そういう点でこれがなお且つ絶えないのじやないかと思うのでございます。小学生でこれを使うというものは、私も詳しい内訳を承知しておつたのでございまするが、今ここで詳しく申上げられませんけれども、これはもう絶無と言つてよろしうございますが、中学、特に高校、新制高校でございます高校、それから大学と、各学校の層に亘りましてこれは使用されているのでございます。むしろ高等学校、大学のほうに比率はたしか多かつたように承知いたしておるのでありますが、できるだけ警察としてこうしたものを知つている限りにおいて、取締るという面じやなしに補導の面から学校の当局にこれを連絡するというような方法乃至はその家庭に連絡するというような方法を以て、こうしたものから離れるように努めているのでございますけれども、やはり御指摘のような、なお相当の数があるという点について、困難を感じているような状況でございます。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○理事(藤原道子君) ほかに御質問ございませんか。

榊原亨自由党

○榊原亨君 只今覚醒剤の使用が盛んになつたというお話があつたのでありますが、最近では覚醒剤に加うるにオートンが盛んに使われているのであります。覚醒剤の使用制限が徹底して参りますと今度はオートンのほうに行くというふうなわけで、相当酷くオートンが使われて来ているのでありますが、この点に関しましてどんなふうに厚生省当局はお考えでございますか。

高田正巳厚生省薬務局長

○説明員(高田正巳君) 今お話のオートンでございますがどれは確かにお話のように相当に害毒を最近流しているということを私どもも承知をいたしております。比較的最近にそういうふうな状況がひどくなつて来たようであります。それでとりあえずの措置といたしましては、日にちは忘れましたのですけれども、七、八月頃であつたかと思いますが、劇薬に指定いたしまして、それから例の使用注意の、習慣性があるというような薬に指定をいたしまして、両方に指定をいたしまして、その販売、購入等につきまして薬事法の規制の下に置くような措置をとりました。併し見ておりまするとそれだけではどうも不十分なのではないかというふうな感じを持つておりまするので、これは私深い学問的なことはよくわかりませんのでございますが、現在麻薬として指定されておりまする薬と非常によく似た作用を持つたもののようでございます。従いまして而も一方に荒きまして医療上はこれを正しく用うるならは決して悪い薬ではないというふうなことでございまするので、麻薬にこれを取入れて行つたらどうであろうかというふうな気持で今研究をいたしているわけでございます。

榊原亨自由党

○榊原亨君 いつもその弊害が大きくなりましてから立法的措置をおやりになるということでございますので、是非ともこのオートンをやはり麻薬に類するものとして早く処置をお願いいたしたいと考えているのであります。なおこのオートンにいたしましても、覚醒剤にいたしましても、そのほか麻薬にいたしましても、先ほど湯山委員が言われましたように、この材料の点を早く掴んでしまつて、そうして横流しができないような点におやりになつて噴きたいということが一つと、それからもう一つは、なんといたしましても覚醒剤が厳重になつて来ればこれはオートン、オートンが厳重になつて来ればその次というふうに、次から次へとこういうふうになつて来ますのは、やはり注射の器具等が巷間で簡単に手に入る。三越とか高島屋というところに参りますと、もうそこに注射器が並べられておりまして、それが簡単に誰にでも手に入るというところから一つの間違いが起り易いのではないかと思うのであります。で、諸外国にもその例がございまするが、注射薬は一定の制限をしてこれを販売するというふうに是非ともして頂くことも、一つの材料を抑える点と同様に必要なことではないかと思いますから、早急にこの点を御研究御考慮を願いたいと存じます。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○理事(藤原道子君) ほかに御質問ございませんか。ございませんか、では私ちよつとお伺いしたいのでございますが、先ほど来の御質問或いは御説明の中には、主として学生等が挙げられているのでございますが、私はこのヒロポン等の最近一番害毒を流していると思うのは、むしろ飲食店方面から流れていると思う。これがどれだけ犯罪の因になつてるかというようなことを、いろいろ聞いたり調べたりしているのでございますけれども、殆んど飲食店、それからいわゆる淫売屋、こういう所にそのもとがあるように私は聞いておりますが、一体これはどういうふうにお考えになつているのでしようか。

養老絢雄警視庁防犯部長

○参考人(養老絢雄君) 只今御指摘の点、正に我々も承知いたしております。風俗関係の営業地から相当の覚醒剤使用者を発見いたしております。これはまあ夜の女等はどうしてもいわゆる夜の女でありますから、夜はつきりしなければ仕事にならないというのでこれを使う。それをお客がつい誘惑されるというか使うというようなことがあるのでありまして、風俗関係者にも学生等に次ぎ四、五%の違反者の比率を示しておるわけでございます。どうしても盛り場等にそうした覚醒剤使用者も徘徊いたしますし、ブローカー等は勿論そうした所を拠点に密販売をいたしておりまして、取締上はそうした点が一番拠点になるわけでございます。といつて、それに対する対策を今直ちに持ち合すわけじやないのでございますが、今御指摘のような点はまあ我々も承知いたしましてこれの取締に苦心はいたしておるのでございます。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○理事(藤原道子君) 私なお突つ込んでお伺いしたいのでございますが、本当に取締るつもりならばもつと取締れるのじやないかと思うのです、甚だ失礼な言い分ですけれど。この間私も北海道の千歳に参りました。そうすると、御承知のように非常にいわゆるパンパン宿というものが多いのでございます。パンパンを十分に働かせるためには、やつぱり今言うようなヒロポンをやらなければ働かない。従いまして一生懸命パンパンのお尻叩いて働かして、疲れて来るとそこのいわゆるママさんと称する人が、商売を終つて帰つて来る女、帰るといつたつて一つ家ですが、終るとすぐヒロポンの注射をしてそして又働かせる。又疲れるとヒロポンをうつ。こういうことでヒロポン常習者を製造しているのが飽くなき搾取に狂奔している業者だということを病院の院長そのものが言つておりました。又いろいろ調べてみれば、やはりそういう傾向が強いのです。ということになれば、これはやはり東京なんかも同じじやないかと思います。取締ろうと思えばもつと踏ん込んでやればできるのじやないかということが一つ、今一つは同じく千歳で聞いたのでございますが、常習患者は私ばつかり検挙したつて駄目だ、私たちなんかいつでも取締れるけれども、屋根裏で作つておる人たちは検挙されても僅か五千円か六千円の罰金で帰される。一晩造れば何万という薬ができる人をおつぱなしておいて私たちばかり取締つても駄目だと公然と言つておる。先ほど来、取締法の中には体刑三年というようなことができていても、何か先ほどの部長さんのお話では刑が軽いという点もあるし、罰金だけでは、これはどういうことなのですか。法律の三年というのがありながら、そういう悪質な製造業者が軽い罰金で社会に出されておる。だから累犯をし、六犯も七犯も重なることになるのですが、その取締の考え方というものについて私はお伺いしてみたいと思います。

養老絢雄警視庁防犯部長

○参考人(養老絢雄君) 今のような具体的な例によつての御指摘でございますが、少くとも警視庁管内におきましては、我々この風俗営業者等におきまして覚醒剤が使用せられるというような場合においてこれを大目に見るというようなことは決していたしておりません。先ほど申しましたようなむしろ取締の拠点がそういうところにあるものと見まして、重点をそうしたところにおいて取締つておるのでございます。風俗営業者であつて従業婦等に覚醒剤を使用させておつたというような事案をこちらのほうで摘発した場合に、それを理由にいたしましてそうした風俗営業者の営業停止処分をするとか行政処分をするというような強行措置を講じた例もございまして、この点は決して御懸念のようなことは警視庁としてはいたしておりません。これは実際我々としてもその弊害を痛感いたしておりますので、一層これは強化したいとすら考えておるのでありまして、その点申上げておきたいと思います。それから先ほど申されました密造者の点でございます。これは我々も幾ら末端の使用者等を押えてみたところで、これはもう幾らやつても百年河清を待つようなもので、何としても根源をつきとめたいということで絶えず努力いたしております。ただ非常にこれは巧妙でございまして数カ所、これまで警視庁管内でも、何しろ警視庁管内から出た事件からずつと遡りまして、管内のものにつきまして検挙いたしたものがあるのでありますが、殆んど数カ所で、数量も小規模のものでありますが、なおほかに大きなものがあるのじやないか、私どもとしては関西方面に大きなものがあつてそれが流れて来るのじやないかとすら考えておりますが、そういうものを衝きたいということを絶えず考えております。そういうものを検挙した場合には勿論あらゆる点を立証でき得る限りいたしまして、そうした状情を明らかにして送つておりますが、それ以後は裁判官等の心証の問題になるのでありますけれども、やはり今おつしやつたように、相当これは闇のものであるだけに使用者が非常な犠牲において高価で手に入れます関係上、非常な利益になる、従つて若干の体刑、而も非常に執行猶予というものが多いのでございまして、乃至は罰金刑等では到底強い制裁にならないのじやないか、誡めにならないのじやないかという考えを持つております。こうした点は私から言うのは余計なことでございますが、今少しすべて社会的に、この問題が大きく取上げられておりますが、それは量刑のみで防げるものではございません、処置し得るものではありませんが、ただ狭い取締の当覇者としては今少し強い量刑があつていいのじやないかという考えを持つております。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○理事(藤原道子君) そこでお伺いしたいのでございますが、あなたのほうでおわかりでございましようが、若しわからなかつたならば高田さん当りを通じてでも欲しいのでありますが、密造者及びその中毒患者というものを検挙したあとの処罰の状況ですね、何件検挙してどういうふうな刑が現われておるか、その結果ですね、これがおわかりでございましようか、警視庁のほうで、高田さんのほうで若しわかりましたらそれを私は伺いたい。今お手元にございますか。

養老絢雄警視庁防犯部長

○参考人(養老絢雄君) 今手元に持つてはおりますが、これを読上げましても御了承預けないと思いますので、書面にして委員長のところにお届けしたいと思います。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○理事(藤原道子君) それでは一つ印刷物にして参考資料として当委員会に御提出願いたいと思います。

養老絢雄警視庁防犯部長

○参考人(養老絢雄君) 承知いたしました。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○理事(藤原道子君) それから高田局長にお伺いしたいのでございますが、問題が起きてから大騒ぎして法律を作るわけなんです。ところがその後において、この法律が適正でないということが多いのです。だからこの間の予算総会でも、吉田総理に法律は作文か否やと言つて、えらい吉田さんに叱られたのですが、どうもそういう気がしてならない、法律を作るときのような熱意を以て、私は当つてほしい。この間の、これも或る所で本人から聞いたのでございますが、幾ら私たちを取締つたつてもやはり駄目だと言うのです。どこでも買える、と言うのです。大きな薬屋に行けばどこだつて売つてくれるよ、と言うようなことを言うのです。そういう例があつたのですが、まだ。いわゆる薬局でも、ひそかにこういうものをやはり販売しておるというような例は全然ございませんか。

高田正巳厚生省薬務局長

○説明員(高田正巳君) 薬局でさような例、先ほど申上げましたように、取扱者ですね。正当なルートで、そこに行けば手に入る。それは買う人が限定されております。それでさような例は私どもの耳に入つておりません。薬局に行けば正当な大日本製薬なり、武田で造つたものが手に入るということも勿論あり得るはずがありません。それから薬局に行けば密造のものが手に入るという例も、実は私はまだ聞いておりません。或いは警視庁あたりでそういうことをお聞きになつておればでございますが。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○理事(藤原道子君) 結局私どもは道義の高揚だとか何とか言いながら、方においてこういう崩れて行く面が非常に現われておるのに、これに手を打つことができない。結局闇の面においても然りであると同時に、純真な子供たちが次から次にと、こういう仲間に入つて行く。而も入つて行くと、肉体的にも精神的にも滅びて行くということであるならば、もつと私は真剣にやらなければならんと思う。我々のほうでも、今後なお児童局、或いは医務局に、あらゆる方面でまだ今後これらの問題は追求してみたいと思います。なほ先ほどお話のございました、あなたのほうで検討しておられるという点は十分検討を進めて頂いて、一日も早くこのほうに又御提出願いたい。なお又警視庁のほうにも、取締のほうでは随分苦労をしておいでになるのに、上のほうでは案外あつさりやられると、がつかりしておられるというようにも見えますので、その面においても、私たちはもう少し研究を進めてみたいと思います。ほかに御質問。ございませんか。では本日はこれを以て閉会いたします。    午後四時七分散会

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