建設委員会 第4号
- 発言数
- 44 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/11/04
会議録
○委員長(石川清一君) 只今から建設委員会を開会いたします。 先ほど来付託されております請願関係について御審議を願つておりましたが、予定を変更しまして、特に大蔵省の出席を求め、建設省側との予算関係について御審議を進めたいと思います。建設省から官房長、稻浦次官その他見えております。
○石川榮一君 大蔵省から参りますまでに、建設省の次官その他の首脳部から伺いたいことがありますが、第十三号台風による海岸堤防の破堤個所の災害復旧、並びにこれに関連する海岸堤防の増築等について、建設省は只今応急工事として仮締切をやつておるそうでありますが、これをいつまでに仕上げるという御方針でおるかを先ず伺つてみたいと思います。
○説明員(稲浦鹿藏君) 仮締切は、これはできるだけ早く締切つてしまわなければならないものでありますが、愛知県側にも、三重県側にも非常に締切にむずかしい所がありまして、まだ二、三残つております。実は先月一杯で締めてしまうという目標で進んだのですが、まだ或る程度工事は残つております。これは目はしつかりと申上げられませんが、ここ最近のうちには締切るということで工事を進めております。そう長くかからないはずです。
○石川榮一君 その仮締切ができますれば、現在海水によつてのその海岸の被害町村の湛水は直ちに排除すると思いますが、その排水等にどのくらい要しますか。
○説明員(稲浦鹿藏君) あれは元干拓した土地でございますので、干潮時には自然排水ができるはずですが、例の和歌山の地震以来、あの三重、愛知の海岸が地盤沈下を起しておりますので、干潮面以下の分は自然排水ができない個所があるのでありまして、これはやはり人工的にポンプ排水をやるということになりますから、排水にはやつぱり相当期間かかると思いますが、今までの状態を見ますというと、当初災害を受けた当時は三万五千町歩余り浸水しておつたのですが、現在締切が終つたものがあるために、あと二千二、三百町歩浸水しておるという報告を受けておりますので、そう長くはかからんだろうと思います。これも数字的にしつかりここで申上げることはちよつと問題でございますが、締切ができればそう長くはない。大部分は自然排水でできますから、そう長くかからんと思います。
○石川榮一君 その仮、締切は一応恐らく近いうちに締切が終る。同時に排水も済ませる。次に今度は本工事に入ると思いますが、本工事は恐らく明年の出水期を待たずして竣工させねばならんと思いまするが、他の災害と同じように、三・五・二というようなものに捉われないで、海岸堤防というようなものは促進する必要があると思いますが、やはり三五二というような建前に振われて海岸堤防の工事を竣工する意図でありますか。それに捉われないで、来年の出水期までには仕上げるという御方針でありますか。お伺いしたい。
○説明員(稲浦鹿藏君) これは御承知の通り河川と違いまして、海岸のほうは水に接しております。満潮時には満潮の高さまで水がやつて来ます。陸岸は排水いたしましても、本当の締切で……。終始一方は水につかつておりますので、もう来年になれば、三月頃になれば、堤防の仮締切の土俵が腐るというようなことも考えなきやなりません。ですからこれはもうどうしても、締切の高さまでは……、満潮までですね、満潮まではできるだけ早く一つ上げておかなきやならない。なお次の台風期までにはどうしても高潮に対抗できるだけの高さまで復旧しておかなければならないのですから、三・五・二というような率で恐らく仕事をやつておれば遅れるだろうと思いますが、無論できるだけ一つ早くこの仕事をまとめて、台風期までには殆んど大部分の仕事を片付けなきやならん。なお且つこれは元作つた海岸堤防というものは非常に貧弱なものがありますし、過去この測候所が置かれて、科学的な台風の記録があるのですが、そのわかつておる程度においてはああしたコースをとつたのはないのでございまして、伊勢湾には台風が突入したというような場合が過去の例に認められん。ああいう大きな高潮の現象を起したことは初めてでございます。それで今まで割合に低い堤防で保つておつたし、地盤沈下の対策として、将来のことを考えて一部分この海岸堤防の構築をやつておりましたが、これはもう極く一部分でございまして、今回高潮現象はやはり伊勢湾にも起るということがしつかり証明されたものですから、これはやはり阪神、大阪湾と同様の考えで以て設計をいたさなきやならん。そうしますと、災害復旧の原形復旧だけでなくて、助成的な改良工事を加えて、将来の高潮の再来に堪える程度のものを作つておく考えで設計を進めております。そうしますと、それを全部完了するには来年の台風期にはちよつと間に合わん。恐らく二十九年度、三十年度にかかるだろうと思いますが、大体年度は二十八年、二十九年、三十年度と、こうした計画で実行するつもりで今計画を進めておりますが、本当の主力は二十九年度の台風期までにできるだけこれを仕上げるという心構えで、いろいろの準備を進めております。
○石川榮一君 只今の工事に関する構想についてはまあそれでいいと思いますが、それに対する予算の措置としまして、今次官が希望されるような海岸堤防だけでも結構ですが、この海岸堤防を二十九年度の台風期までに仕上げるために必要とする最小限の工費はおよそどのくらいになりますか。
○説明員(稲浦鹿藏君) 全体の工事費については、一昨日申上げました通り二百億余、そのうち大体半分は純粋の災害復旧費で、半分は改良費、こういうような区分になつております。それで今年度はこの土俵で仮締切りした部分だけは、これはどうしても本工事でやつておかなきやならない。まだはつきりした数字は今丁度設計して検討中でございますので、詳細なことは申しかねますが、大体の本年度に要するのは七十億くらい見ておかなければならんじやないかというようなことで進めております。そうした程度でこの台風期までには恐らく全工費の三分の二くらいのものは要るだろう、かように思つておりますが、今これの資金計画を立てなければならんと、折角その検討中でございます。
○石川榮一君 これに関連しまして、例の災害復旧特別立法によるこの立法に附加えまして、更に海岸堤防のいわゆる災害復旧費並びに助成費というものも、衆議院では十分の八の比率による国庫負担額を認めようとする案が通つたそうです。そういうような案が仮に参議院も通るとした場合に、現在の建設省の予算、更にそういうような災害でありまするから止むを得ませんが、助成費まで含めて高率補助を国家がやるということになつた場合に、財政的な面からも御検討をなすつて見る必要があると思いますが、現在治山治水等が非常に圧縮されているにかかわらず、更にそういうふうな負担が殖えて来るということになりますれば、相当な大きな政治力を以て打開策を講じないと、このくらいの程度で行くとするならば私は非常に工事が遅れると思う。それは国家が全部負担するのも結構ですが、実は資金等からもいろいろ調べてみますと、もう融資は全然見込がない、繋ぎ融資と言いましても殆んど財源がない。預金部では承う殆んど財布を叩いておるという状況のように聞いております。でありますから、衆議院では通りましたが、この建設委員会におきましても、これは特別委員会で審議するでありましようけれども、題ともう少し取組んでみて、当局の意見等も聞いて、建設委員会でも研究する必要があると思います。この海岸堤防の立法に関する建設省側の御意見を伺つてみたいと思います。
○説明員(稲浦鹿藏君) 災害復旧費のほうは特別立法できめられて、参集両院がすでに法律を決定されておりますが、この助成費のほうはいわゆる改良費でございまして、先ほど御説明申上げましたように非常に急いで仕事をしなければならないということもありますし、それからその助成は今考えておりまする伊勢湾沿岸だけでなしに他の海岸にもありますし、又河川の災害復旧にも助成というものがありますので、この法律を将来は全部に及ぼすような結果になつて来たならば、これは相当財源的に困るようなことになるのではないか。従つて仕事量がそれだけ減つて参りまして、思つただけの仕事が財源の関係上十分な改良が行われない。我々としてもそれを非常に心配しておるので、現在は改良費は二分の一でございまして、それすら改良に対しては相当心を傷めてやつております。非常に高率になりますと、財源の関係からその改良も思つた通りの十分の改良もできないで、或る程度どつかでセーブしなければならんということもありますし、又仮に思つた満足な設計でやるとすれば、その事業量が減つて来て、相当期限を延長しなければならないというようなこともありますので、建設省としましては、これはもう災害復旧のほうは高率補助でやり得ることとなつたのですが、せめて災害助成のほうでももう余り率を上げないで、完全な工事を早くやるという方針で我々やつて行きたいということを念願しております。
○石川榮一君 委員長に伺いたいのですが、委員長は水害の特別委員会の委員として御出席になつておりますから大体御了承と思いますが、今の次官の説明を私どもは或る程度まで支持する必要がある。災害復旧費でも今までの災害は二十六年災の山口県のときは厖大な災害を蒙つても、過年度災害が二割しかできないで、あとの七、八割は放つてある。それは旧態依然たる昔の予算でやつており、今度の災害だけに限つて高率負担をするということは、この前に残つておる過年度災害で惨憺たるものを放つて置いて新らしいものだけをこういうふうにやつて行くということはよほど考えものじやないか。若しやるならば均霑して欲しい。もう一つは財源に限界があるのですから、災害復旧は今お話のように全く天災と言わるべき性質のものである。まあ見方によつては政災だと、或いは人災と言いまするか、少くとも現在の国家財政から見れば天災として一応認めざるを得ないわけですから、止むを得ないとしましても、改良事業のようなものまでその災害に便乗するというか、災害に便乗して、そうして改良事業をこの高率補助でやつて行くということは財源の見通上をしないで立てた案で、結局その結果五・三・二でやるものが或いは三年でやるところが五年かかり、七年かかるということになる。その上に災害があつて又大きくなる。ですから騎虎の勢いでこの法律を海岸堤防並びに改良等にも附加えれば大変いいようでありますが、結果は予期に反した工程の進まない法律である。工程を抑制する法律である。こういうことに考えるのですが、委員長からも御意見を伺いたい。皆さんからの御意見を伺いまして、委員会として一つの態度を表明すべきじやないか。ただ特別委員会があるから我々はあの問題に関係しないのだということでは相済まんと思う。むしろ建設委員会、農林委員会というものが中心になつて、特に農林委員会というものは活躍している。建設委員会は失礼ですが、つんぼ桟敷のような形で、できたものだし、しようがない、特別立法として作られたからしようがないということでは済まされない。結局問題はここへ舞い戻つて来る。あの委員会は今国会で解散するでしよう。あとでその法律を背負い込んで、我々が建設行政を推進し、治山治水並びにこの海岸堤防等を処理する上において非常な大きな負荷を受けるわけです。将来見通しのつかないような負担法をきめて、その工事の進捗を図れないような状況になることを承知して見ているということはどうかと思うのですが、この際委員長は各委員の御意見を一つ聞いて頂きまして、又建設委員会としての一本の線を見出して、そうして特別委員会に申入れをして頂きたい。これの委員長の御意見を伺いたい。
○委員長(石川清一君) あとで御懇談申上げたいと思いますが、今回の西日本に始まりました大災害については、特に異常という点についてそれぞれ超党派的にというよりも、全会一致の形式で立案され、それが可決されまして、現在政令だけにひつかかつているようでありますが、その間建設委員会でもそれぞれ関係法案については合同審査はいたしまして、全般的な建設行政の立場でそれぞれ立法の精神と、法実施後における諸般の影響については論議し、更に審査したのでありましたが、当時の情勢は極めてこれらの地域に対して同情的でありまして、全法案が満場一致の形で通過いたしたような次第でございます。最近に至りまして、過年度災害を非常に多く持つている山口県に適用をすべきかどうか、法を適用すべきかどうかという点と、台風第二号について六月中という、六月という限定された月の中でこれを包含するかという点についても問題があるようでありまして、今回政府が提出されました八月九月を含む法の改正についても、異常性の異常災害とはどういう点を明確にして終止符を打つかということが水害対策委員会で論議され、私もその点は一関係委員として強く主張をいたして参りました。併し今回の愛知県の堤防につきましては、特に過般の建設委員会でも取上げまして、申合せをし、大蔵省並びに副総理にも、それぞれ重点的に取上げるべきことを災害対策委員長と共に明らかにいたしました。かかる経過を辿つて今日に至つております。ただ農林委員会が特に最近活動しておりますのは、いわゆる水害関係の農業並びに農村関係の施設は除きまして、これを水害対策特別委員会に一任をして、冷害関係に重点を置いて動いているようであります。農林省関係の水害関係は全部水害対策特別委員会で審議しているのでありまして、それらの点から考えれば当委員会が傍観をしておつたとは私は信じておりませんが、やはり二つの委員会が別な歩み方をするのは、これはやはり緊急を要する水害関係のために取る程度一方で審議されればいいという考えに立つておりましたが、今回の愛知県の海岸堤防は早急に完成せんければならんという点と、将来関係を各河川、道路等に持つという面においては石川委員と同感でありまして、あとで御懇談をしたいと思つております。
○石川榮一君 この災害復旧に対しての熱意は私ども決して特別委員会に劣るものではないと思う。ただ問題はその事態に、災害が起つたときに災害のみに捉われてしまつて、国家の治山、治水、利水、その他海岸堤防の改修等の大きな事業の事業量と国家予算というものを勘案いたしませんと、本当の私は国会としての立法でないと思う。ややもすると走り過ぎるという傾向があるのは止むを得ませんが、少くとも海岸堤防をやる場合に災害復旧以外の改良事業も同一であるということは少し行き過ぎじやないか。これは挙げて明年度起る河川改修の個所に均霑して来ることであります。そうなりますれば、これは国家が高率補助をするのは結構でありますが、財源には一応限界があるということならば、結局これは工事が延びるということになり非常に遺憾な事態が起る。ですからその点を建設委員会は或る程度の専門のかたがたがいるのですから、一つ十分に御研究下さいまして、水害対策の特別委員会に向つて一応建設委員会としての考え方を申入れて、十分に慎重な態度をとつてもらえるようにしてもらいたい、こう思う。
○委員長(石川清一君) ちよつと速記をとめて。 午後四時十五分速記中止 —————・————— 午後四時四十八分速記開始
○委員長(石川清一君) 速記をつけて下さい。 先ほど来御懇談を申上げました、伊勢湾を中心にする海岸堤防の修築に関する公共土木関係の費用の国庫負担並びにこれに伴う起債関係の政府原案に対しまして、衆議院の建設委員長からも修正の経過の説明があり、先ほど来御懇談申上げました結果、次の事項を水害緊急対策特別委員会に申入をいたしたいと存じます。 昭和二十八年六月及び七月の大水害により被害を受けた地方公共団体の特例に関する法律等の一部を改正する法律案のうち 一、同法第五条の二第一項中の十分の八を十分の八以内と改めること。これは事業量を伸長せしめるためである。 二、第五条の二第一項に、いわゆる政令で指定する地域とは、伊勢湾を中心とした愛知県、三重県地域と、浜名湖の入口と限定する」 以上の通りであります。これを水害対策特別委員会に申入れることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石川清一君) 御異議がないようでございます。至急申入をいたすごとにいたします。 —————————————
○委員長(石川清一君) 建設大臣並びに大蔵省関係も見えるようでございますので、御懇談前の本年度補正予算のうちの建設関係について更に御審議を進めたいと思います。 〔委員長退席、理事石川榮一君着席〕
○理事(石川榮一君) 建設大臣が見えられましたから、質疑がありましたらばどうぞお申出願います。……ありませんか……ありませんければ私から質問さして頂きます。 今度の補正予算の内容を伺いますと、建設省の災害復旧費、その費額は、総計で間違つておるかわかりませんが、百六十七億余円というふうに聞いております。然るところ三・五・二の災害復旧比率を中心として、衆議院は相当な災害復旧費を増額する含みを持つ予算の修正をしたようであります。若し三割を計上することになりますれば、少くとも百五、六十億以上の金が必要だと思います。それは財源的に見通しが勿論あることだと思いますが、我々が大蔵省の主務局等から聞いたのでは、なかなかその財源を繋ぎ融資として認めるのが困難だということを聞いておりますが、その財源の措置等について大臣はその裏付が確信があるような資料をお持ちでありましたならば、お知らせを願いたいと思います。
○国務大臣(戸塚九一郎君) 只今お話の融資の問題は、大蔵省のほうからしばしばお答えがあつたと私は思いますが、これは本会議で大蔵大臣も言われておる通り、予算のように百五十何億というものが出るのだというようなところまでは大蔵大臣申しておりません。結局事業の進捗の状況又は災害個所の重要度というようなことで、今回あてがわれた補正予算でできるだけそういう重点的に仕事をやつてそれで足りないところは現実の実情によつて大蔵省から融資なり、或いは起債の斡旋なりを受けて、これは事実の上でやつて行くというふうに私は考えておるのであります。この問題は仮に百六十七億にいたしましても、そのうち幾らを当てがうとかいうような性質のものとは私も考えておりません。どうしても重要な個所、それから又工事の進捗の状況ということを照し合せてみて、ただ心配いたしますことは、予算が若し足りないために工事を中絶するとか、或いは仕事を休まなければならんというような場合があつてはいけないのでありまして、重点的には考えるけれども、できるだけのことはしなければならん。そうして来年の出水期前までに必要な手当はしなければならない。その意味で足りない場合には大蔵省とも協議をして融資その他の方法でやつて行く、こういうふうにまあ考えておるのであります。
○理事(石川榮一君) もう一つお伺いしたいのですが、只今大臣のお話のうちに来年の出水期まで工事の進捗を図りたいというお考えでありますことは我々も同感であります。ところが現在のあの大きな災害を克服するのに出水期までにどのくらいの工事の進捗を図るべきであるか、この点はこれからだんだん建設省において実地の調査をされて研究をされることだと思います。恐らく来年の出水期までに或る程度の災害の工事を進めようとするならば、相当な大きな経費が要ると思います。若しそれが二十九年度予算に幸いに或る程度三・五・二の割合、五の割合に固まるものか、或いは本年の補正予算の不足分として残つたもの等も加えまして、二十九年度にそれだけの予算をもらえれば結構でありますが、もらえましても、予算が通りますのは三月の三十一日であります。そうしてその予算が現場に廻りまして、工事としてでき得るようになりますのは大体七月に入る。そうしますと、四、五、六、この三カ月、最も大事なときに予算が間に合わないというようなことにも相成ると思いますが、出水期までに工事を進捗するということが最も大事な使命であります以上は、この四、五、六、七と、この四月に全力を挙げなくてはならんときに予算が通つても廻つて来ないという、廻りつかないという事態になつて、現場におきましては手を拭いて待つておるという形になるのではないか、年々そういう事態が現場には起つております。で、そういうことのないようにして頂くために、今の本年の補正予算で定らない分に対する繋ぎ融資も勿論ですが、二十九年度の予算が通りましても、それが直ちに現場に廻るような方法を講じてもらうか、或いは特別な配慮によつて融資をいずれにか求めて頂きまして、預金部資金がなかつた場合にはその他の或いは大蔵省証券のようなものを発行されるとか、いろいろの手を一つ講じて頂きまして、その三カ月間に十分に能率を上げて頂くような処置を講じて頂きたいと思つておりますが、これに対して大臣はどういうお考えをお持ちでしようか。
○国務大臣(戸塚九一郎君) 只今のお話の年度が変つた場合でありますが、或いは今石川さんのお話のように従来予算が配賦せられることが遅れるというようなことで手間取る場合これは年度が変つた場合の又融資という問題が私は当然起きて来ると思います。いずれにしても私どもは大蔵省とよく連絡をとりまして、そういう場合にも工事が遅れないように、今申上げたような趣旨で来年の出水期に間に合せるようなだけの必要な仕事は是非やらなければならない、こういうように考えます。若し今仮にお話のように予算が遅れるというような場合には、それに代る方法を必ず講じて行かなければならん、かように考えております。
○石井桂君 丁度大臣がお見えになりましたから、昨日質問したことでありますけれども、もう一遍確かめておきたいと思います。 災害の復旧費の財源のために住宅金融公庫の予算から二十二億を引出されて、その影響するところはないという御答弁を実は昨日頂きました。今度の二十八年度の前の国会の予算では、例年の住宅建設費の二倍も計画なさつて、そうしてまあ予算を得られたのですが、今の内閣では住宅問題は非常にまあ重要視しておると思つて喜んでおつたのですが、この二十二億を金融公庫から取つたということは、 〔理事石川榮一君退席、委員長着席〕 一見今の内閣が非常に住宅問題に関心のないという印象を国民に与えておると思うのです。で、昨日の御答弁では、二十二億は実際の支払が遅れるので、支払の義務は生じない予算だから一向影響ないと、こういう話なんですが、それはその住宅金融公庫の今やつている事務が万全であるという前提ならば、私はそれでいいと思います。私は住宅金融公庫の事務のとり方については民間のほうではいろいろやかましいとか、いろいろな注文が今あると思うのでございます。そういうことに対して建設大臣としてもう一遍一つ検討なすつて、そうして住宅金融公庫は社会問題たる住宅問題を解決するために設けられたものであつて、単なる金貸の行為をする団体ではないということをはつきりするために、もう一遍やり方を検討なさる御意思があるかどうか。このことは非常に国民が要望しておることと思いますので、その御決意を一つ承わつておきたいと思います。
○国務大臣(戸塚九一郎君) 住宅金融公庫の金を減らしたということが悪い印象を与えておるだろうというお話でございますが、私も御尤もだと思います。決して好んだことではありませんが、事実遅れている、遅れておつたということを自慢そうに申上げるわけにも行きません。これは金融公庫と言いますか、住宅政策について当局として智恵が足りなかつた、不十分であつた点もあるのじやないか。この点については今折角研究いたしておりまして、まあ平たく言えば単価を上げるとかいうような問題についても是非実現をいたしたいと考えておるのでありまして、大蔵当局と事務的には折衝いたしております。ちよつと速記をとめて頂きたいのですが。
○委員長(石川清一君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(石川清一君) 速記をつけて下さい。
○石井桂君 只今の大臣の御答弁で私は非常に満足でございますが、もう一つ今の住宅問題のネックというのは土地の値上りだと思います。これは非常に高くなつております。例を東京都にとると、環状線の中が二万円以下の金では殆んど買えない。これに対する住宅金融公庫の融資の金というものは一坪四千円くらいなんです。これじや到底家が建たない。従いまして今度住宅金融公庫のほうの貸付の標準の金額を御検討のときには実情に即した金額をお出しになりませんと、これは何億円金融公庫の予算をおとりになつても、土地問題でぶつかつてしまうだろうと思います。或いはできるかできないかわかりませんが、土地の急激な値上りを抑えるような法律も出せるかどうかわかりませんが、そういうこととか、或いは又これは少し今の内閣ではむずかしいかも知れませんが、農地法みたいな、農地法に似た宅地法みたいなものを考えられるとか、何か土地政策に対してのお考えがないと上り放しで、それについては貸付けるばかりでもいかないのじやないか。何か土地問題に関する政策を、或いはお考えをお聞かせ願えれば大変結構だと思います。
○国務大臣(戸塚九一郎君) 特に単価の問題で資材のことはまだわかりやすい。併し土地の問題が非常にむずかしいということを心配いたしております。ただ只今の土地の値段というものに対して制限を加えるべきかどうか、これは私こういう点はよくわかりませんけれども、戦前等の指数から考えてみましても、諸物価が先に上つて土地などは極めて遅れて上つて来た。指数で考えれば土地の値段が今上つてもそう不思議ではない。これはやはり政策的に抑えなければならんという点もよほど考えるべきことじやないかと思つております。内輪ではときどきそうした意見が出ることもありますけれども、まだ確たる方針を持つておりません。それで特に東京都のように土地の値上りが大きな所においては只今お話のような心配がある。少しぐらい上げたのでは追いつかないのじやないか。それが本当に住宅政策を実行して行く上に、又金融公庫の実績を上げて行く上にどれほど役立つかという議論もありまして、この点は非常に苦慮しておるところでありますが、まだこうして行きたいというはつきりした線までは参つていないのであります。又だんだんお智恵を拝借したいと思つております。
○石井桂君 もう一つ、今の土地の価格非常に高いことについていろいろな人からいろいろなよい意見が出ると思うのですが、土地の高度の利用化という意味で高層建築の奨励というもの、耐火構造である高層建築の奨励というものはあるだろうと思います。非常に賑やか場所には一階とか二階を商店或いは事務室に使わして、上を耐火構造の住宅アパートにするというようなことをいたしますと、非常に高い土地が実際は郊外に住宅を建てるように安く利用ができる割合になるだろうと思います。そういう方面にも、これは大臣直接には御研究になる暇はないと思いますけれども、関係の部局を動員されまして、一つ近い議会には朗報を国民にもたらすように一つお骨折りを願いたいと思います。これは希望でございます。
○近藤信一君 関連して……。昨日答弁がありましたけれども、昨日の答弁では、今石井委員が言はれました風水害によつて資材がずつと高くなつて来た。そこでそれに対する貸付金額に対する考慮があるべきではないかという質問に対して、昨日の答弁では、罹災地の住宅問題については何とか一つ考慮して行きたいというお話でございました。併し資材の値上りというものは罹災地だけで値が上つているのではなくて、やはりこれは都市並びに都市以外でも全般的にずつと上つて来ているわけなんであります。従つて前に申し入れしてあつた人たちでも、都市において資材がぐつと上つて来ているので建築半ばにしているところも現在大変あると思うのであります。これは昨日の答弁ではやはり罹災地だけということであつたが、これに対して私は前に申込んであつたそうした建築中のものに対しても何とか一つ考慮する方法をお考え頂きたい。ごう私は思うのですが、この点大臣はどう考えておられるのですか。
○国務大臣(戸塚九一郎君) 昨日どういう答弁を申上げましたか、まだ聞いておりませんが、罹災地についてはということは、今回の災害復旧について実施して行く点ですでに事務的に折衝が済んだということを申上げたのだと思います。一般のほうについてということは、私が先ほど申上げましたのは、これから一つ話をしたい、まあ来年度においては是非そういうふうに考えて参りたいという意味を申上げた次第であります。
○鹿島守之助君 ちよつと外交政策とも関連しておりますから、速記をとめて下さい。
○委員長(石川清一君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(石川清一君) 速記をつけて下さい。
○飯島連次郎君 今度の災害で道路の問題が若干ネグレクトされているように考えるのであります。大臣も地方をお歩きになつて実情は……。私は道路政策についての一つの危機だと思うのです。舗装道路も破壊されておりますし、特に府県におきましては砂利道の砂壌は全く眼を蔽うべき状態でありまして、そのための交通事故、それからそのために起つて来る経済的の支障というものは実に曾て見ない状態だと思うのです。これは財政貧困な府県等におきましては、全力を挙げて交通事故の防止、或いは応急改修等に力を尽しておりますけれども、到底限られた予算で砂利等を入れたのでは補修で日も夜も足りないという状態でありますので、このままにしてむけば恐らく道路の改修は復旧が困難であるだけではなしに、根底的に破壊されてしまうのではないかというふうな感じがいたします。特に道路が非常に狭いということと、今までの道路に対して今上を走つている車両は御承知のように重車両、それからバスにしても大型のバス、而も交通量も激増しておるという状況ですから、現状に放任をすれば道路に関しては誠に憂慮すべき状態になると思うのですが、こういう危機というものは今年の天然の条件と相待つて急速に覆いかかつて来たというのが現情ではないかと判断するわけですが、これに対して乏しい国の金でありますけれども、河川等の行政と並んで道路は何と申しましても日本の経済の動脈でありますので、これに対する大臣としての道路政策についての所見、特に補正予算と申しますよりは、まあ昭和二十九年度を起点にする将来に対する道路政策に対する基本的なお考えがあつたら一つお聞かせ願いたい。
○国務大臣(戸塚九一郎君) 今度の補正予算、例えば災害復旧について道路がネグレクトされておるというのでありますが、これは道路が府県の管理に属しておりますものですから、一般公共事業費と言いますか、補助のほうに道路の復旧のことが入つておりまして、直轄費目であるというと、如何にも河川だけというふうにお考えになるかもしれませんが、決して道路のほうをそういう点で消極的に考えているわけではございません。併し只今あとにお話になりました道路の現状、将来ということを考えますと、全く私も今お聞きしながら、私が申上げたいことを皆言つて頂いているような気持なんです。殊に最近の道路の利用の状況、車の重量軍乃至は非常に輻湊して来たというような点からも、各地からその話を聞いておりまして、この分では道路が追付かないのじやないかという気がいたします。ただいつかもお話申上げたかと思いますが、道路の補修費について、殊に二十八年度では直接建設省の経費の中に補修費が見込まれておらない。すべて府県に任せるというような、これは大蔵省で査定されたのかどうか知りませんが、そういう実情で、それは飛んでもない話で、これはいろいろ関係がありまして、理窟では府県でそれだけの財源があるという建前になつておりますけれども、県ではなかなかそれを使わない。これでは形だけできておつて、理窟だけできておつて、本当に道路が悪くなり放題という心配もありまして、二十九年度にはこの補修費に大きく重点を置いて大蔵省と折衝をして、昔のように補修費をこちらで持つてやるという工合にして行かなければならない。この点は大蔵省にも又それぞれ理由はありましようけれども、実際問題としてそうして行かなければならない。それからお話のように各府県どこを見ましても、今よりだんだん悪くなるのじやないかというふうな見通し、悪い見通しですけれども、そういうような考えが誰にも浮びます。これをどういうふうに持つて行くか、或いは又重量車に耐え得るような、私技術のことはわかりませんけれども、従来の道路の構造でいいのか、もう少し現在の利用の状況に合つたような工法に変えて行かなければならんという点もだんだん研究いたしております。結局は経費の問題になると思いますが、幸いにして道路の予算は皆さんの御心配で多くなつておりますけれども、ここが、又来年度は非常にむずかしいところになつて来るのではないかという心配もいたしております。併し河川の改修が消極的な産業を維持するということであれば、道路は積極的に産業の振興に役立つ、これは私全く積極、消極の違いはあつても、重要の度におていは変らないものだというふうな大体の考えで道路政策というものを進めて行かなければならんと、かように考えております。
○飯島連次郎君 これは直接建設行政ではないかも知れませんが、どうも交通の一つの制限を設けないと、私は今の日本の道路の現状を維持することすら困難だと思う。というのは重車両が勝手に砂利道る。そうするとこれを極端に壊してしまう。壊してしまうと、軽いつまりトラックや乗用車が走る場合に国道が通れなくなる。通れなくなると、今度は迂回してそれよりも下級の道路を使用するということになる。ですから国道が破壊されて県道を通る。今度は県道が壊されて来ると町村道まで踏込んでめちやくちやにしてしまう。ですから町村道のごときはそういつた或る程度の制限でもしてもらわない限りは、下に行くほどこれが、補修費というものは持たないのですから、壊れれば壊れ放しで、その最大の被害者というものは沿道の住民なのですから、これを無制限に放任するということは、運輸省の所管かも知れませんが、道路を維持管理するという立場から或る程度の制限というか、チェックして行かなければ道路の現状程度を維持することが非常に困難な問題が起きて来やしないかと思いますが、それらについて建設省の当局ではどう考えておりますか。
○説明員(稲浦鹿藏君) 道路制限は御承知の通り橋梁なんかの危険な場合はやつております。ところがどうもこの鋪装がもたないから、交通の目方の制限をするということはちよつとできがたいのです。だんだんとバスなんかが大きくなつた当時は運輸省と打合をいたしまして、この道路は何トンで設計してあるのだということで連絡したのですが、それに追付かないわけです。この頃特にアメリカの重いやつが走り廻るようになりましてから、現在は実際を言うと手をあげた形になつておるのです。その補修に一生懸命になつておるわけですが、今は設計の荷重も相当大きくとつてやつております。これはしよつちゆう叱られることでございまして、或る程度思い切つて荷重を考えて設計しなければならないということを今検討中でございます。
○委員長(石川清一君) 私からちよつとお尋ねしておきますが、救農土木事業費は建設省に十億と聞いております。その半分は道路関係に使われるように一応聞いております。今回政府が修正しました三十億の予備費はこれは農林省関係のみに使うことになつておりますか、それともそのうちから建設省の救農土木事業関係に、廻つて来るといいますか、最終的にそういう弁向に振向けられる金額がありますかどうか、お尋ねをいたします。
○国務大臣(戸塚九一郎君) お答え申上げますが、これはもうあとの三十億は建設省の関係には振向いて来ないと思います。大体三党間というか、申合せがそういうふうになつておるそうでございます。これは多少申合時にもいろいろ話が出たらしい。それから又、これは三党間の申合せでありますから、政府がどうということはありませんが、政府内でもちよつとおかしいじやないかという意見もあつたのですけれども、申合せがそういうふうになつておるものですから止むなく今最切の十億だけになつております。まあ併し必ずしも建設省の所管にならんでも軸農土木ということに使われれば、地方には結局よかろうかと思います。まが建設省のほうは十億で足りると初めから思つておるわけでもありませんが、これはまあ併せて実施するということでいろいろ話合いがなつております。まあこんなふうに考えております。ただ建設省でこの十億を、五億を道路に五億を災害復旧にというふうに向けましたのは、従前、まあ二十年前にもなりましようか、前に救農土木事業というのがあつたのでございますが、あの時に町村で如何にも労銀を取らせるだけのためのものをやらせたというようなことが余りいい結果を生んでおらないということから、五億の道路……勿論冷害地に使うのではございますけれども、従来建設省で持つておる計画の一部を実行して行こうというふうに考えております。それから災害復旧のほうはこれはまあ本年度とは限りませんけれども、どうせ災害復旧をところなら、成るべく実効を挙げるというふうな方向に持つて行きたいと思つております。
○委員長(石川清一君) それでは更にお尋ねしますが、いわゆる十億の範囲内で冷害地帯の労働力を吸収して賃金収入を与える、こういうのはその総体の十億の範囲内にのみとどめますか。それとも既決の予算の中で関連のある事業を加えまして、総体の金額が多くなつて賃金を与えるというようなことがあり得ますか、あり得ませんか。
○国務大臣(戸塚九一郎君) これは既決の予算についてはたしか十月の二日の目付だと思いましたが、もう冷害の状況がだんだんわかつて来た時でありまして、又地方から随分そうした心配も言うて来ましたので、成るべく救農的性格に使うようにという通牒を出しまして、既定の予算も使わせるよにやつてあるので、勿論これは併し既定のものは大体個所もきまつておることでありますから、重点的に、冷害地域だけにということにはなりませんけれども、まあそういうことを加味して考えてやるようにということを各地建或いは北海道の開発局にも指導をいたしております。それから今度の十億は勿論でありますが、これは農林省の関係のやはり救農土木というものも併せて考えて、農林省とは連絡をとつてその地域に振分けるというふうにいたして参りたいと思つております。
○委員長(石川清一君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(石川清一君) 速記をつけて。 本日申入れをいたしました件につきましては、水害緊急対策特別委員会の経過を見まして、それぞれ各党内において先ず申入れの線がはつきり更に再修正されるようにお願いいたすごとにいたします。と同時に、明日同委員会の模様によりましては、事情を聴取して、更に委員長或いは理事が説明に当りたいと存じます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十九分散会