運輸委員会 第2号
- 発言数
- 45 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/11/05
会議録
○委員長(前田穰君) これより運輸委員会を開会いたします。 先ず公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件を議題に供します。 先ず政府より提案理由について御説明をお願いいたします。
○国務大臣(石井光次郎君) 只今から昭和二十八年十月十三日に、公共企業体等仲裁委員会が、日本国有鉄道職員の昭和一十八年四月以降における賃金改訂に関する紛争について行いました仲裁裁定第十四号を国会に上程いたし御審議願う次第につきまして御説明申上げます。 本年三月十八日に、日本国有鉄道職員代表は、四月以降の賃金改訂の要求書を、日本国有鉄道当局に対し提出いたしまして、両当事者間におきまして、数次の団体交渉が行われましたが、当局側がこれを拒否いたしましたので、職員側は五月十五日団体交渉を打切る旨当局側に通告し、同日公共企業体等中央調停委員会に対し調停申請をいたしました。同委員会は七月十五日調停案を提示いたしましたが、当局側は同月二十五日、職員側は同月二十八日、それぞれ受諾困難の旨、同委員会に対しまして回答いたしましたので、八月五日調停が打切られ、翌八月六日職員側は、公共企業体等労働関係法の規定によりまして仲裁申請を行なつたのでございます。よつて、公共企業体等仲裁委員会は、これが審議を重ねました結果、十月十三日、これから御審議を頂きます仲裁裁定を行なつた次第でございます。 同裁定の第二項の実施及びこれに関連いたす経費といたしまして、本年度八十数億円を必要とすると推定されますが、この追加経費は、昭和二十八年度政府関係機関予算に含まれておらず、給与総額につきましては、予算総則第十五条の金額を超過することは明らかでございますので、公共企業体等労働関係法第十六条所定の手続を以ちまして、裁定を国会に上程いたし御審議を願う次第でございます。 何とぞ慎重御審議の上、国会の御意思の表明を願いたいと存ずる次第でございます。
○委員長(前田穰君) 次に、長崎国有鉄道総裁から、本件に関する経過その他について御説明を願います。
○説明員(長崎惣之助君) 昭和二十八年度の賃金ベース改訂問題に関しまして、今日までいろいろな経過がございますので、その大体を申上げます。 最初、二十八年の三月十九日に職員側の交渉委員会から、本年四月以降の基準賃金を職員一カ月一人当り一万九千円とすること、又東京都における満十八歳成年男子の最低保障額を八千八百円とすることの申入れがあつたのでございます。よつて、二十八年の三月三十一日から五月十五日までの間、十数回に及びまして団体交渉を重ねましたが、妥結に至らなかつたのであります。当局側の主張の要旨は、戦前の生活水準への回復については、戦前といろいろな点において事情を異にしておる現在におきましては、直ちに賛同しがたい。又前年のベース改訂から日もまだ浅いのであるし、物価その他の経済情勢にもさしたる変動も認められないから、本年度早々の改訂は理由がないのではないかというような主張をしたのであります。そういたしまして、二十八年の五月十五日、職員側交渉委員会は調停申請をいたしたのであります。調停委員会は、数次に亘りまして当事者双方から事情の聴取或いは資料の提出を求める等、審議の結果、七月十五日、大体の要旨が次のような調停案を提示したのでございます。即ち、昭和二十八年度における職員、特定職を除く職員の基準賃金は、平均月額一万五千三百七十円とする、基準賃金の配分につきましては、面当時者間で協議決定するというようなことを理由において明らかにしております。これに対しまして二十八年七月のが十五日当局側から、又七月の二十八日には職員側から、それぞれこの調停には応じがたいという拒否の回答がなされました。よつて調停委員会は、二十八年の八月五日に調停の打切りを宣言いたしまして、双方に通知があつたのでございます。その拒否の際に、当局側回答の要旨は、基準賃金についてはおおむねこれを了承するけれども、国鉄財政の現在の状況とこれが改善に関する具体的措置とを考えました場合、その履行に成算が期しがたいから受諾できない。というのであつたのであります。職員側回答の要旨は、調停案に示された金額及びその内容は、要求の趣旨と相当開きがあるから受諾できない。そういうふうであつたのであります。かくして職員側は、二十八年の八月五日に仲裁申請をしたのでございます。仲裁委員会は八月の七日を仲裁開始の日と決定いたしまして、これを公表いたしました。その仲裁の審議は、十数回に及んだのでありまして、非常な御努力の結果、十月十三日に、御承知のような仲裁裁定を双方に通知したわけでございます。 大体裁定の決定に至りまする経過は右の通りでございます。
○委員長(前田穰君) 次に、今井公共企業体等仲裁委員長から、本件に関する経過その他についてご説明願います。
○説明員(今井一男君) 本件の経過につきましては、只今長崎総裁から詳細お話になりましたので、私刑に大して附加えることはないのでありますが、ただこの問題が当委員会で御審議になりますにつきましての御参考になるかと思われる点につきまして、若干申上げてみたいと思います。 裁定の理由に比較的詳細に委員会の意見を明らかにしておきましたので、これを御通読願えば我々の考えておることはおくみ取り頂けるのではなかろうかと考えるのでありますが、この中で一番私ども印象深かつたのは、労働生産性の問題でございます。今回の国鉄労組の、労組と言つてはいけませんが、国鉄職員側の要求の一番の根幹は、自分たちの労働生産性が戦前の水準に帰つておる。従つてその立場から我々の実質賃金も戦前の水準に帰つて然るべしと、こういうことが、主張の一番大きなベースをなしております。御承知の通り公労法によりまするこういつた調停、仲裁手続は、特にまあ仲裁手続におきましては、労働紛争というものを力によつて解決しない。即ち両者の主張、言分を基礎にいたしまして、そのうちから合理的なものを発見して、両者のあるべき妥結を代つて行うと、こういつた観点からこの労働生産性の問題は、労働組合のほうから取上げるということはむしろ異例でございますが、私どもの立場から申せば、この線をとにかく掘下げてみる必要があると、かように考えたのであります。むしろ普通の場合でありますれば、生産性云々という問題は、経営者側のほうから提起されるほうが常態だろうと思うのです。ところが今回はこれが職員側のほうから提起されました。併しながら国鉄のように比較的戦前と戦後におきまして機械力の導入等の要素が先ず少いところにおきましても、これを一本の指数にまとめることはなかなかむずかしい問題でございますが、少くともそれに対して職員側のほうで一歩踏切つて、そういつた努力を重ねたということは、私ども非常に印象深かつたのであります。これに対しまして当局のほうは、初めのうち生産性というものと賃金と結びつかないというだけの理由から、生産性の問題に非常に消極的だつたのでありますが、私ども説得を重ねまして、経営者のほうからもこの問題につきまして正面からの受け答えをして頂くようになつたのでありますけれども、併し結局のところ、最終的な結論は、この短い仲裁手続の間に、而も我々のような素人が片手間にやる問題としては余りに大き過ぎますので、遂に我々がこの問題を代つて判断すると、こういつたことまではできなかつたのであります。その意味におきましては、職員側のほうも、この本筋から離れた意味におきまして遺憾の点は感ぜられるだろうと思うのでありますが、併しながら戦前のような遠いところと比べますというと、そこにいろいろむずかしい問題があることも、これも職員側としては考えてもらわなければならない点であろうと、私ども率直に感じた次第であります。結局我々の最終的な結論は、一昨年の賃金が両者の妥結によつて成立した点を中心といたしまして、それを引伸ばした線によつて解決すると、たまたまその数字が調停案の数字と余り相異がございませんでしたので、結局におきまして調停案の額をそのまま裁定に採用した次第であります。我々といたしましては、常日頃仲裁ということは極力避けるのが望ましいと、即ち労働紛争は調停の段階で片付くことが望ましいということを頭に持つております。何となれば、調停段階におきましては、労資の利益代表が直接この結論に参画されます。更に又その出ました結論に対しましては、両当事者がイエス、ノーをはつきり述べられると、こういつた意味からも調停段階で片付くのが望ましいのでありまして、仲裁のように法律の力によりまして一方的に押付けるような形の紛争の終結というのは座りのいいものでございませんので、成るべくなら避けるべきであるといつた観点も根拠になりまして、少少の差額はこの際調停案の額によることが妥当だといつた考え方になつた次第でございます。併しながら当委員会で一番お世話になりますのは、これから得ましたところの予算の増加というものが、果して国鉄の経営上妥当かどうかという点だろうと考えますが、若し異例な本年度の災害がございませんでしたならば、今年の国鉄のこの裁定は、それほどにも上る金額には当らないと考えるのであります。予定よりも自然増収がかなりございますので、若しもいま少し他の財源の活用ができましたならば十分カバーできるのじやないか。ただ不幸にいたしまして、自然増収を全部使い、更に予備費まで手をつけなければならんほどの災害が起つた、こういう場合に私ども一番痛感いたしましたことは、国鉄企業というもののあり方、建前であります。勿論独立採算ということは、いやしくも公社の建前をとります以上は当然のことでございましようが、併しそれにいたしましても、毎度申上げることでありますけれども、戦時中における被害に対する復旧、復興という非常に大きな国民的な要請を一方において背負わされておる。たしか戦前ノルマルな状態におきましては、運輸収入の四分の一乃至三分の一程度がそういつた建設なり、修繕なり、或いは取替工事なりに向けられておつたと記憶するのでありますが、それが戦後におきましては、そういつた要請のために四割から五割というような大きな数字になつておる。そうして一方運賃のほうは、特殊な又社会政策的な又経済政策的な要請によりまして、一般物価に比べますと遥かに低い率で抑えられておる。そういつた要請が基本的にございますし、更に一方行なつておりますところの事業につきましては、私鉄等と違いまして、私鉄等にはとにかく兼営的な両におきまして、他の本業以外の面で少くとも或る程度の利益を稼ぐ余地が残されておりますが、国鉄にはそういつた部面が極めて少い。三百何十の線の中で採算の合う線は一割にしかならない。三十線ぐらいしか採算が合つておる線はない。ほかにも勿論国鉄当局として、私ども昨年指摘いたしましたように、収入の面におきまして若干努力のできる余地も残つておるように思われまするし、又経費節約等の面においても決して今のが万全であるとも判断いたしかねるような感じもいたすのでありますけれども、併しそれにいたしましても、基本的にそういう形に相成つておる。例えばバス事業でありますれば、その基盤であるところの道路の災害は、全部国費なり或いは地方費なりで災害が見てもらえることになりますが、国鉄の場合には全部これが自分たちの利用者の運輸収入の中から賄う。勿論海運等に比べますれば、国鉄の被災は僅かなものでありましようけれども、それにいたしましても、日本の陸運における中枢的な大事な産業といたしまして、余りにも差等があり過ぎやしないかという感じはまあ本年も同じように率直に申して懐いた次第でございます。一切を運輸収入で賄うところがどうも無理なんじやないか。私鉄等におきましては、大きな会社でも大体二五鬼程度が償却なり修繕に充てられておるようでありますが、それがより低い運賃によりまして、運賃の安いことは、これは勿論それが望ましいには違いないのでありますけれども、例えば連帯運輸等の場合と併せ考えますと、定期にいたしまして、月千円以内で東京駅まで通えるというのが、国鉄の場合にはこれを高崎線に参りますと鴻巣まで行ける人が、私鉄の場合には東上線等を利用して僅かに埼玉県に入つたばかりの朝霞の辺で千円になる。こういつたような地方開発のために、或いは戦後における住宅の払底のために国鉄がそういつた政策的な処置を受けておる。これも勿論必要なことでありましようが、それならばそれで一方において復旧、復興のために対する資金的な援助、即ち他の私鉄並みの自己資金並びに借入資金のバランスまで持つて行けるならば、私どもは、よほど状態は変りまして、この賃金問題のみならず、他の面にまで非常に大きな基本的な改革ができるのではないか。鉄道債券等も本年度から発行されるようになつておりまして、大分事情は一歩ずつはその方向に向つておるようでありますけれども、それにいたしましても、最近できますいろいろの新線は、すべて採算が合わない線を仰せつかつておるようであります。一方において私鉄ならば補助法等もすでに成立しておる。そういつた観点からいたしますと、国鉄当局に対しては更に一瞬の、一面における努力を所期すると共に、そういつた面に対する国家的な調整ということが必要ではないか。若し国家的調整というものが一部分でも顧慮されますならば、この賃金問題等は簡単に片付く程度の額と考える次第であります。又私ども他の国営企業その他と判断いたしますと、国民の要請等を一方に眺めますと、国鉄事業に対するそういつた国家的調整というものがどうも少いという感じは、今回もこの仲裁手続をいじりながら率直に感じた次第でございます。 まあ予算上、給与総額の枠外に出ておるといいますか、国会のお世話になることはこれは当然でございますけれども、今申上げた線につきまして、運輸委員会各位の深甚な御考慮が頂ければ、関係者の一人として仕合せとするところでございます。結論に言いましたように、人件費対物件費の割合が戦前と比較して引つくり返つたということの一事を見ましても、決して賃金がもとになつて全体の企業に大きな悪い影響を与えておるのではないということは、客観的にはつきり申上げられると考えます。
○委員長(前田穰君) 本件の質疑は、いろいろおありのことと思うのでございますが、当委員会の慣例によりまして、次回以後にこれを譲りたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前田穰君) 御異議ないようでございますから、さように決定いたします。 —————————————
○委員長(前田穰君) 次に、運輸一般事情に関する調査を議題にいたします。 岡田委員から、鉄道の電化に関する質疑の通告がございますので、発言を許します。
○岡田信次君 私はこの鉄道電化のことに関しまして、二、三の質問をいたしたいと思います。 先ず、鉄道電化に対する国鉄の基本方針、それから具体的な計画並びにそれに対する資金計画について御説明を伺いたいと思います。
○説明員(長崎惣之助君) 電化計画につきましては御承知のように、電化は今日の経済情勢におきましては非常に有利でございまして、石炭動力から電力のほうに動力源を変えるということによつて、経費の節約等いろいろ利益するところがありまして、今日の計画におきましては、大体一割以上の利益になるのじやないかと考えておりますので、これは電化はできるだけ進めて参りたいという考えでおります。 同時に、電化に要します最初の投下資本、これをできるだけ切詰めて行きたいという意味合いにおきまして、交流電化その他のことも種々研究しておりますが、まだこれは、諸外国においては実行しておるのでございますが、我が国においてこれを実行するにはどうすればよいかというまだ成算は立てておりません。いずれ全体的な電化計画につきましては、来年度の予算を御審議願いまする際に、継続費予算としてその全貌を明らかにして参りたいと存じております。そのときまでまだ未定稿でございますから、これを申上げることは御遠慮申したいと思つております。
○岡田信次君 只今の総裁のお話で、基本方針としては、経営の合理化等の観点からできるだけ電化を進めたい、ただ具体的な計画については、次年度以降の予算の関係もあるから、只今考慮の外にあるというお話でございますが、その点はあれといたしまして、そこで私は電気局長並びに経理局長に伺いたいのですが、諸外国の事情を見て参りますと、日本の電化の投下資本が非常に大きい。これは何故に大きいのか、これを納得のできるような詳しい数字を一つお知らせ願いたい。特に経理局長にお願いいたしたいのは、電化に要する経費は、ほかの鉄道の他の経費に対して高過ぎはしないかという考えをお持ちになるだろうと思うのですが、その辺の意向も一つ先ずお伺いしたいと思います。
○説明員(長崎惣之助君) 極めて概括的なことを私申上げますが、その点全く私も岡田委員と同感でございます。何とかして電化の最初の投下資本というものを減らして行きたいという考え方からして、今交流磁化というものを研究させておるのでございます。これによりますと、諸外国のデータによりますと、大体直流の場合の最初の投下資本の半分くらいになるように書いてあります。これは是非研究しなければならんという意味合いにおきまして、種々研究いたしております。今日の状態においてどういうふうになるか、細かい点は局長がお答えいたします。
○説明員(並木裕君) 只今岡田さんからの御質問でございますが、先ほど総裁からもお話がありました通りに、この電化の投下資本に対しまして、非常に額が多いために、折角の経営合理化的の線が進まないのは非常に遺憾の点であると思つておるのですが、最近におきまして、私のほうでフランスから持つて参りましたところのジエネラル・ルヴユーによりまして、その予算的なものが明らかになつたのですが、問題は、フランスで最近進んで参つておりますものは、交流の、いわゆる二万四千ボルトの交流の方式が専ら非常な勢いで進みつつあるのであります。問題は、日本におきまして在来の直流関係が進んでおつたのでありますが、なぜここにおいて交流が実施できなかつたかということを我々も考えて見、又今回総裁が欧洲に参りました結果、この問題も一つじつくり考えてみたらどうかというので、国鉄におきましては、国鉄のいわゆる鉄道の交流方式によるところの電化委員会を作りまして、専らこれについて研究しておるのでございますが、問題はどこにありますかというと、やはり日本におきまして一番大きな問題は、この鉄道沿線に並行しますところの通信線が非常に多い。この通信線をやはり交流電化によつてやりますならば、どうしても根本的にケーブル化しなければならんというわけでありまして、電化そのものの設備におきましての投下資本は比較的簡易にできると思うのでありますが、そこに附帯的の通信ケーブル隧道その他に及ぼすところの附帯的の工事費もかかるのじやないかというので、日本におきまして交流電化がどの程度に経済的に行くかということを等ら研究しておるのであります。 それからもう一つは、交流によりますというと、その交流のモーターというものが非常な特異性を有するものでありまして、欧洲におきましては、これは非常に長い間研究に研究を重ねまして、今日一つの成果を得ておるのでありますが、日本におきまして、日本の現在のメーカー技術におきまして、現在のこの交流モーターというものが非常に技術的に困難であるということが現実の問題でございますので、これもやはり国鉄といたしまして、今交流電化の委員会におきまして研究した結果、或いは外国からこの交流のモーターを購入しましても、やはり一つの交流電化を進めるべきじやないかというような考えも出ておるのでありますが、いずれにいたしましても、通信線或いは信号、回路その他いろいろの附帯的施設に対するところの金を全般的に勘案いたしまして、日本におきまして、どの程度にこの交流電化により経済化できるかを専ら研究しておるというような次第であります。 次に、日本におきましての現在の交流電化の全体を見ますというと、どういうような問題が投下資本におきましての大きな要素を占めておりますかと申しますと、大体この電化をやる上におきまして大きなパーセンテージを占めておるものは、何と申しましても電化全体の費用の約四三%というものがこれが車両費になつております。で、その他がいわゆる電化施設費になつておりまして、並びに電化をやります上におきまして、停車場構内を改良するとか、或いは隧道を又改良するとか、いろいろな附帯的証の入りましたものが大体五七%くらい占めております。そしてこの五七%を占めておる中で、又国鉄が購入します材料が大体三五%くらい占めております。そしてその他請負費関係が八・三%、それから施設関係のいわゆる附帯的の施設の向上改良に伴うところの請負関係が八・四%くらいであります。あとは直営関係が三・五%、その他請負工事の持つところの資材費が一・四%、それから直営が〇・四%、こういう関係になりますので、やはりこの電化工事費を如何に安くしなければならんかということは、この点から見まして、問題は車両の運用、つまり電気機関車の運用ということを国鉄としては今後考えなければならん。つまり五〇%近くも占めるところのこの機関車車両費というものを如何に我々は節減して行かなければならんか。又同時にこの機関車製造メーカーというものは如何にこの機械を安く製造しなければならんかということが一つの大きな問題になるのではないかと思うのでございます。同時に国鉄におきまして、現在資材を購入しておりますところの全体的のこの資材から見まして、一般物価川数に対しまして、そう大きく高いものではないということが、大体いろいろの調査によつて考えまして、東京の卸売物価総平均指数を考えますときに、このいわゆる電気自身のメーカーの用いますところの材料費は、その大きな極端な価格をとつておりません。又同時に、磁化工事費のうちの電気機関車の車両費におきましても、大体一つの線に沿いまして極端な外れ方をしておりませんで、まあ現在におきまして、磁化工事に対します日本国内におきますところのいわゆる電化工事関係費材その他のものが、他の物価指数に対して異常な指数を打つておらんことは、一応日本国内の物価指数に大体並行しておるのではないかと考えておるのでございます。要は、現在の直流電化におきましては、機関車の運用その他をうまくされて、少しでも電化の投下資本を少くして行くということが大きな問題ではないかと思うのでございます。同時に今後におきまして、先ほど総裁も申されましたように、国鉄の交流電化委員会を進めて参りまして、又日本におきまして何とか交流が非常に経済的に行くならば、我々の深く念願するところでございますので、専らこれに対して現在調べておるような次第でございます。
○委員長(前田穰君) ちよつと速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(前田穰君) 速記を始めて下さい。
○岡田信次君 只今交流電化の関係のお話があつたのでありますが、電気局長の言うように、交流にいたしますと、資材の関係などがいろいろかかるということで、私も実は、交流電化設備そのものについては相当安くなるでしようけれども、いろいろなものを総合的に考えると、余り安くならんのじやないかというような気がいたすのであります。併し特にすでにもう千何百キロが現在電化しておるのを直流でやつておる。これとの関連その他を考えると、そう簡単に交流に切替えるということは非常にむずかしいのじやないかと思うのですが、そういたしますと、現在の直流で電化をやる、この経費を切詰めるというのが一番早い途じやなかろうか。只今電気局長は、決して高くはないのだというようなお話がありましたが、この点についてはもう少し詳細な数字を御提出願いたい。 それから私今度欧洲に行つて参りましたが、勿論鉄道を主として見たのじやなくて、ほんの一見しただけでありますが、日本の電化の設備に比べると極めて簡単、簡素な設備でやつている。而もスピードは百キロも百六十キロも走つている。日本は雨が降つたり風が吹いたり、あれしておりますので、電気の設備にしろ相当頑丈なものを作らんければならんという条件もありますけれども、もつと安い経費で仕上げる。従つて同じ経費で以て延長を延ばせるというのが現状じやないかという感が深いのでありまするが、この辺についてもう少し詳細なる一つ、決して現在の電化の経費が商いのじやないのだ、又或いは電気機関車その他の車両の電気関係の費用が高いのじやないというもう少し詳細な資料を頂きたいと思うのであります。 いずれにいたしましても国鉄の経営合理化なり、日本の全体のエネルギー資源の観点から、もう少し電化を進めなければならない。それにはどうしても経費を節約して、できるだけ電化を殖やして行くというよりしようがないと思いますが、ちよつと欧洲を瞥見いたしますというと、とにかく日本の電化関係の経費というものは相当高いという感がありますので、特にそのことをお伺いをしたわけなんであります。一つ詳細な資料を後日でよろしうございますから頂きたいと思います。
○木島虎藏君 ちよつとお尋ねいたしますけれども、火力発電をおやりになる計画がないですか。水力が殖えますと火力は補助的になるようですが、伝え聞くところによると、今外国では非常な高圧のボイラーができまして、経済的にできるような話を聞いておりますが、今のような考え方で行けば、電源に近い所でなければ電化できない。 それからもう一つ、経費を安くすれば、交通量の非常に多い所でなければならん、そういう制約がある。それから今の岡田さんのお話に関係するのですが、交通量の多い所になると、変電所の数が殖えまして、直流になる。そこで足を縛られまして又高くなる。そこで僕の考えでは、交流を専門的に研究して、そうして従来のような考えではペイしないような所、即ち田舎の線でも採算のとれるような方法に持つて行く。この火力発電と交流を両方噛み合して行かないとうまく行かんのじやないかと思います。そういうお考えはどうですか。
○説明員(並木裕君) 只今の御質問に対しましてお答え申上げますが、国鉄といたしましては、現在の関東地区を中心としました自営電力の今後におきますところの電力需給の大体の様相を一応目標をつけておりますが、それによると、この東京近郊におきまするところの通勤巡遊に対するところの輸送量の増加の関係並びに新線電化の問題その他に対しまして、信濃川の開発を行なつて参つたのですが、今後におきまして、やはり御承知の通り豊水期におきましては水がございますが、渇水期におきますというと水がないのでありまして、どうしてもこれを火力にいたしまして発電しなければならんという事情なんであります。現在におきましてどうしても、やはりこの信濃川の第四期の現在の隧道一本を掘りまして五万キロ出すということの前に、どうしてもここは御質問のありました火力をやらなければならんということが、国鉄の事情によりまして、信濃川の第四期と、それから川崎の火力の増設と、それに東京を中心としました輸送量の増強というものと勘案しまして、現在計画を考えつつあるような状況でございます。
○植竹春彦君 国鉄では交流の研究の完成するまで直流のほうの電化を積極的にお進めになるお考えですか。それとも交流の研究完成まで足踏みをして、交流の研究が完成したらうんと積極的に電化する、こういうような御方針でございますか。
○説明員(長崎惣之助君) 御承知のように今進みつつありまする電化は東海道線でございます。この東海道線の電化がここまだ一年以上かからなければできないと思います。恐らく二年ぐらいかかるのじやないかと思います。今の予算の状態では。その間には恐らく交流のほうの見通しもつく、又つけなくちやならん、かように考えておりますから、これによつて足踏みをするというような考え方は持つておりません。
○植竹春彦君 それにつきましては、今東海道線のお話がございましたが、例えば常盤線乃至東北線の電化の問題でありますけれども、一方は、東北線のほうは大宮まですでに直流で電化されておりまするので、むしろ大宮から先は、それを流延長する意味において交流の研究の完成まで待たずに直流で以て電化を促進されましたほうが然るべきじやないかというふうに考えますのですが、その点お考えを一つ承わりたいと思います。
○説明員(長崎惣之助君) その問題は非常に大きな問題なんでございますが、直流、交流相互に乗入れ得るような動力車を考えているわけでございます。
○岡田信次君 一つ御参考に申上げたいのですが、大体日本だけ、この電化の何といいますか、あれがダブルのカテナリーになつておりますね、日本の主要幹線の電化は。ところがスイスでもイタリーでも、百キロぐといの時速で走つておる所でも相当シングルのカテナリーでやつておりまするし、鉄塔と申しますか、電柱と申しますか、これも極く簡単なアイビームで済ましておるというような状態ですが、それらについても是非一つ御考慮を願つて、できるだけ、私の聞いておるところでは、電化をするのに一キロ当り新線建設と同じくらいな金がかかるというのじや、とても日本の鉄道の電化ということは完全にできないので、これはできるだけ経費を節約して、簡便な面も頑丈な設備ということに特段の当局の御努力を願いたいと思います。
○加賀山之雄君 関連して。今電化の説明を承わつたのですが、地方に参りまして一番要望の強いのは、線路を作つてくれということもありますが、電化とそれからデイーゼル動車の運転というのが非常に職烈だと思うのですが、最近非常にやつておられるのでありまするが、一方あのデイーゼル・エレクトリツクも使用しておられるというお話でございますが、その調査なりも進めて、これを適当な所には今後においても使われるという方針でございますか。それともデイーゼル動車のほうはどんどんやはり進めて行かれるという御方針ですか。三点お伺いいたします。
○説明員(長崎惣之助君) 動力を電化に切替える、或いは石油系統の燃料に切替えるというようなことは、これは世界的に行われておることでありますし、その成果も大体わかつておるのでありますが、日本には又日本の特殊ないろいろな事情がございますので、デイーゼル・エレクトリツクの機関車につきましては、お話の通り目下試験中でございます。デイーゼル・カーにつきましても、私は今後ローカル線その他に大いに普及して行きたいと考えておりますが、これにつきましてもやはり車輌費の問題、車輌費が少し高過ぎるのではないかという点から、いろいろ設計その他について研究は今させております。成るべく安い単価でたくさんのデイーゼル・カーを作つて行きたいというふうに考えておりまして、この点は拡充して行く。大体今後四、五年の間には所要の大体千輌くらいでありますが、そういう両数を作つて参りたい、さように考えております。
○植竹春彦君 デイーゼル・カーは何両ぐらいですか。
○説明員(長崎惣之助君) デイーゼル・エレクトリツク・エンジンの問題は、目下試験中でございます。これをどういうふうにして参りますか、まだ私も肚をきめておりません。デイーゼル・カーはどうしてもローカル線に動かしたいと、かように考えております。
○加賀山之雄君 全般の電化のスピードのことですが、新線建設については、経済速度で建設して行くというような審議会の意向があつたと思います。電化についてもやはり一つの経済速度と申しますか、そういうものがありはせんかと思いますが、最近の進み方は、予算が非常に窮屈なところだとは思いますが、極めて遅々としてあれでは経済速度に合致しておるとは言えないのではないかと思います。そういう点一つ、予算の窮屈な点は十分よくわかりますけれども、判定されて、電化の方針を立てたならばその速度に合うように進めて行つて頂くと大変国鉄の経済にも寄与するのではないかと思われますが、如何でございましようか。
○説明員(長崎惣之助君) 電化は、御承知のように電気機関車でありますと、行動半径がおよそ四、五百キロになるのではないかと思います。ロング・ランになります。でありますから、少くとも一挙に百キロ或いは二百キロというような区間をやらなければならんのではないかと思います。小さな短区間を電化するというようなことは極めて馬鹿げた話であると考えておりますから、できるだけお話のように長い区間を一挙にやるというふうな方法で私は参りたいと考えております。
○岡田信次君 やはり資料なのですけれども、鉄道の電化した後の合理化の状態、単に燃料の点だけでなくて、全体の合理化が果して所期の目的通り行つておるかどうか。殊に最近は名古屋まで行きましたが、それの実績をよく検討いたしまして、果して合理化が所期の目的通り行つておるかどうかというようなこともわかると思いますので、その資料を一つ頂戴いたしたいと思います。
○大和与一君 蒸気を電気に替える、電化優先といいますか、こういうことは基本的に明確に方針としてきまつておるかどうか。若しきまつておるとすれば、ちよつと小さな問題ですが、具体的に車両と設備の問題で、両両は客車の運用によつて或る程度うまく行けると思います。例えば高崎線などはホームをちよつと上げれば、熊谷まで入つておるのですから、もうちよつと行けるのではないかと、こう思います。そういうアンバランスは客車の運用効率を上げることによつて電化の促進ができると思います。これは高崎線だけでなく、ほかにもあるかも知れませんが、そういう点について一つ伺いたいと思います。
○説明員(長崎惣之助君) お説のように電化はただ線路の上に架線を張ればそれでいいというのではないのでありまして、いろいろな方面に影響があります。従いましてそのアンバランスを矯正して行かなければならん点も多々あるのであります。ところが悲しいかな、予算の面でなかなか万全を期しがたい。併し電化という方向は是非ともやつて行きたい。これは非常なサービスにもなりますし、一方において国鉄の独立採算制の面におきましても非常に利益がある。公共性と独立採算制或いは能率化という両面に利益がございますから、電化の方針は私は崩して行きたくないと思います。
○植竹春彦君 電化に対して外資導入のことが新聞に出ておりましたが、それに対して総裁の考えを一つ。
○説明員(長崎惣之助君) この問題は、昨年世界開発銀行の副総裁ガーナー氏が参りましたとき、詳細に御説明申上げたのであります。それで非常に面白い問題だということで帰られましたのでございますが、その後、私ヨーロツパへ参つておるとき、特に大臣からの命令ではないのですが、指示がありまして、是非アメリカのほうに廻つてもう一遍ガーナー氏に会つて御説明してみたらどうかというお話がございましたので、私アメリカに参りまして、ガーナーさんにお目にかかりました。そのとき、この問題を非常によく記憶しておられまして、それはお前にも会つたし、話も聞いた。面白いんだが、併しどうも調査のやり方が少し不十分のように思う。ついては自分のところはやはり銀行なんだから、銀行が金を貸せるような観点から考えなければ困るというお話でございました。そこでそういう観点に合せまして、特に又最近開銀が貸しました鉄道の実例を私にくれましたが、それをもらつて参りまして、それに合わして再調査をいたしまして、調査書を送つてございます。更に小笠原大蔵大臣或いは池田氏などがアメリカへ参りますときにも、詳細にそのことを説明いたしまして、機会があつたら是非会つて説明してくれという依頼をいたしておきました。決して私は絶望ではないと思います。だが併し、これはなかなか困難な問題でありまして、どういうようにして外資を償還するかというような問題、いろいろございまして、簡単ではございません。併しながら私は決して望みを断つておるのではないので、今後におきましても、機会がありましたら是非外資によつての電化を考えて参りたい。かように考えております。
○一松政二君 最近、急に国鉄の輸送が非常に円滑なのか知らんが、貨車が非常に不足のように聞いておる。殆んど全国的でございますが、夏枯れの時期はいつも夏枯れの時期ですが、秋になつて農産物の出廻り、その他いわゆる忙がしいシーズンには入りますが、それでも今年のいわゆる貨車不足という声は、私は昨年或いはその以前よりも非常に深刻なように開いておりますが、その実情を一つ承わりたいと思います。
○説明員(長崎惣之助君) 最近輸送しきれなくなつて駅に溜つている在荷トン数と私は申しますが、在荷が非常に殖えて来たことは事実でございます。その処理につきましては、数字を以ちまして次の機会に詳細に申上げたいと思います。
○一松政二君 その原因ですね、殆ど何人も、駅のほうの方も或いは当局もさように急激に貨車不足が来ようとは予期していないように承わつているのです。ところが実際問題としては、非常に貨車廻りが悪くて、これが経済に私は及ぼす影響は深刻なものがあると思うのです。そうすると、どういうわけでそういう事情が起つたのか。それは予見すべからざる事情によつて起つたのか、或いはそれをどうやつて、今度又米の出廻り或いは薪炭の荷動きが私は盛んになると思いますが、これをこのままずつと年末或いは年始まで続けて参りますか、これの対策をどういうふうにお考えになつておるのか承わりたいわけなんです。若し今日その適当の方がいらつしやらないならば、次の機会で結構でございますが、早急に私はこの対策を承わりたいと思います。
○説明員(長崎惣之助君) これは先般の経営委員会の席上でも問題になりましたので、これの対策或いは原因その他について詳細なことは数字を以ちまして次の機会にお答えいたします。
○一松政二君 結構です。 —————————————
○委員長(前田穰君) 次に、大和君から、国鉄裁定の問題について御発言を求められておるのでありますが、本件に関する質問は、本日はしないということに先刻決定したのであります。それでお諮りをいたしますが、質問ではないらしいのです。特に本日発言をしておきたい、こういう御趣旨のようでありますので、許可したいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前田穰君) 御異議ないようですから、大和君。
○大和与一君 先ほど裁定問題について提案理由の説明を頂いたので、取扱としては当然継続審議、こういう形になりますし、先ほどの御決定通り、休会中に精力的に質問その他もやつて行く、こういうことも皆さんの御決定を頂いた。併しどうも十分その他の方面の様子を聞きますと、なかなか裁定はできそうもない。全然政府はやる気がないかもわからん。こういうような非常に悲観的情報も入つておりますので、私はやはり裁定を守る意味から、是非一つこれを実行してもらいたい。こういうことにするのが当然我々運輸委員としては、国鉄裁定に対しては責任と義務がなければならない。従つて結論的な問題じやなく、是非裁定は実施してもらいたい、こういうふうなことを強く要望いたしたいと思います。これについて、私のただ個人的な発言だけでなく、でき得れば、一つ委員会としてもそういう気持であるのだ、こういうふうにおくみとり頂いて一つ申合せといいますか、そういう程度のことまではできれば是非お願いしたい、こういうふうに考えるわけです。
○委員長(前田穰君) ほかに運輸一般事情に関する調査について御発言ございませんか。 それでは本問題は本日はこれで打切ります。速記をとめて。 午前十一時五十九分速記中止 —————・————— 午後零時二十九分速記開始
○委員長(前田穰君) 速記を始めて下さい。本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十分散会 —————・—————