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17回国会衆議院1953/10/30

予算委員会 第1号

発言数
58
登壇者
14
会派数
2
開催日
1953/10/30

会議録

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 これより会議を開きます。  一言ごあいさつ申し上げます。さきに不肖私はからずも予算委員長に選任されました。その重責をになうことに相なつた次第でございますが、はなはだ不敏な者でありまして、その及ばざることをおそれておる次第でございますが、何とぞ各位の御援助によりまして、大過なくその職責を果すことのできますようにお願いいたしたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)  この際お諮りいたします。理事西村久之君より理事辞任の申出がありますが、これを許可することといたしまして、その補欠選任は先例によりまして委員長において指名するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 御異議なしと認めます。よつてその補欠として本間俊一君を理事に指名いたします。  なおさらに理事が二名欠員になつておりますので、その補欠選任は、先例によりまして委員長において指名するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 御異議なしと認めます。よつて今澄勇君、中村梅吉君を理事に指名いたします。     —————————————

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 それでは昭和二十八年度一般会計予算補正(第1号)、昭和二十八年度特別会計予算補正(特第1号)、以上両案を一括議題といたします。まず政府より提案理由の説明を求めます。大蔵大臣小笠原三九郎君。     —————————————

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 昭和二十八年度補正予算の編成に関する基本方針並びに補正の大綱に言きましては、すでに本会議において説明いたしましたが、予算委員会の御審議をお願いいたすにつきまして、あらためてその内容を御説明申し上げます。  まず歳出について申しますと、今回の補正予算はその性質上災害関係が中心でありまして、歳出の追加額五百十億円のうち五百億円は災害対策の経費であります。  第一に風水害対策費であります。成立予算におきましては、当年発生災害のための予備費として百億円を計上いたしておりますが、去る六月の西日本水害、七、八月の近畿の水害、さらに九月末の十三号台風等により、公共土木施設、農地等の被害が甚大であつた上に、前国会で成立した特別措置法による国庫負担の増加もありますので、今回災害予備費の追加十五億円を含めて風水害対策のため三百億円を追加計上いたしました。なおその実施にあたつては、工事の種類、緊急の度合い等により、極力重点的に工事を取上げるよう措置して参る所存であります。  第二は冷害等対策費であります。異常なる気象条件による冷害等のため、水稲その他農作物は著しい不作でありまして、この結果冷害地等の実情は深刻なるものがありますので、この際特に土地改良、開墾建設、道路、林道、災害復旧その他の救農土木事業の実施、土地改良事業等の補助率の引上げ、営農資金の利子補給、種もみの確保、罹災農家に対する米、麦の廉売、延納、生活保護費、失業対策事業費の追加等各般の臨時救済の措置を講ずることとし、このため七十億円を追加計上いたしました。  第三は農業保険費であります。今春の麦及び蚕繭の被害により、農業共済再保険特別会計において約四十億円の赤字を生じておりますが、その災害により、水稲の被害も相当額に達する見込でありますので、この際一般会計より百三十億円の繰入れを行い、基金二十五億円、積立金五億円とあわせて再保険金の急速円滑な支払いを期することといたしました。  以上の風水害対策費、冷害等対策費農業保険費を合せて今回の災害対策として五百億円を計上いたしておるのであります。  第四に奄美郡島復帰善後処理費であります。幸いにして、奄美群島の復帰も近く実現することとなりましたので、琉球政府諸機関の引継ぎ、運営、公共施設の整備、産業の振興その他復帰に伴う経費として十億円を計上いたしまして、受入れ措置の万全を期しておる次第であります。  次に、これらの歳出に対する財源について、説明いたします。今回の災害はまことに異常でありまして、これが対策には前述のごとき多額の経費を要するのでありますが、財政経済の現状にかんがみまして、これが財源は既定経費の節減と租税等の自然増収をもつてまかない、極力財政の膨脹を避けることといたしたのであります。  第一に、既定経費の節減について申し述べますと、前述のごとき災害対策等緊密な経費の財源を捻出するため、公共事業費、食糧増産対策費につきましては、災害復旧費を除き、新規事業の抑制、既定計画の重点化等により当初予算額より五十九億円の歳出の節約を実施することといたしております。  次に、平和回復善後処理費につきまして年度内の所要見込みを勘案し七十億円を減額することとし、また住宅金融公庫につきまして支出の実状及び年度内の資金繰りを考慮いたし、一般会計からの出費のうち二十二億円を減額繰延べることといたしましたが、もとより既定の建設計画には何ら支障を来さしめない所存であります。さらに特定通路整備事業につきましても、所謂財源の相当部分を資金運用部資金の借入れに振り替えることとして、一般会計よりの繰入れを十五億円減額いたしたのであります。  一方歳入の増加につきましては租税及び印紙収入におきまして、最近までの収入実績その他一般経済事情を勘案いたしますと、当初の予定に比し三百億円に上る自然増収を期待し得る見込みであります。また、政府資産整理収入、雑収入におきましても、最近の実績を見ますと、四十四億円程度の増収を見込み得ることとなつております。従いましてこれらにより今回の補正予算におきましては歳入において三百四十四億円の増額をいたしております。  次に特別会計におきましても、災害対策と関連いたしまして、農業共済再保険、特別鉱害復旧、特定道路整備事業の各会計におきましてそれぞれ予算の補正をいたしております。  以上をもちまして昭和二十八年度補正予算の概要の説明といたす次第であります。

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 次に主計局長より補足説明を求めます。森永貞一郎君。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永政府委員 大蔵大臣の本会議並びに本委員会における説明を若干補足いたしまして、計数的な問題につきまして簡単に御説明申し上げたいと思います。お手元に「昭和二十八年度予算補正(第1号)の説明」という印刷物がお配りしてあると思うのでございますが、漸次その項目に従いまして簡単に申し上げたいと思います。  まず補正の規模でございますが。ネツトの補正額は三百四十四億二千九百余万円でございまして、当初予算と合せまして、予算総額は九千九百九十九億七百五十五万九千円となります。歳出の追加額は五百十億四千七百九十四万四千円でございまして、これをまかなうのに歳入の増加三百四十四万二千九百二十一万円、歳出の減少百六十六億千八百七十三万四千円、かような次第に相なつております。歳出の増加五百十億円の内訳は、災害対策費五百億四千七百万円、さらにその内訳といたしまして、風水害対策費三百億四千万円、冷害等対策費七十億七百万円、農業保険費不足補填百三十億円になつております。そのほかに奄美群島の復帰善後処理費といたしまして十億円を計上いたしまして、合計五百十億四千七百万円に相なつておるわけであります。  これをまかないまする歳入の増加三百四十四億円の内訳は、租税の自然増収三百億二千百万円、雑収入等の増加四十四億円でございます。また歳出の減少百六十六億円の内訳は公共事業費等の節約五十九億千人百万円、住宅公庫出資の減少二十二億円、特定道路節減等による繰入れの減少十五億円、平和回復善後処理費の減少七十億円と相なつております。  次に歳出に参りまして、まず災害対策費の増加五百億四千七百万円の内訳でございますが、そのうちで風水害対策費が三百億四千万円、さらにその中をこまかくわけまして、二十八年度発生災害復旧事業費が二百四十三億二千万円、災害関係諸費が四十二億二千万円、災害対策予備費が十五億円、そういうふうに小さくわかつております。冷害対策費七十億円は、冷害等臨時対策事業費が五十億円、冷害等臨時対策諸費が二十億七百万円という区わけになつております。それに農業保険費の不足補填百三十億円が加わりまして、五百億四千七百万円に相なつておるわけであります。  ただいまの風水害対策費三百億円につきましてさらにこまかく御説明申し上げます。今回の風水害対策費の査定の基礎にいたしました被害報告額は、三ページにございますように、合計二千六百二十億七千二百万円に達しております。これは十月初旬現在の各府県報告をそのまま集計いたしましたものでございます。このように、ことしの災害は非常に大きいのでございまして、これを過去三箇年間の業種別の平均査定率で査定をいたしましても、その額は千七百七十五億円の巨額に達するわけでございます。この事業費に対しまして国が国費をもつて負担いたします金額がどのくらいになるか。それには前国会において成立いたしました特別措置法を適用するということになるわけでございますが、この適用を前提といたしまして、国費負担額を計算いたしますと、千五百六十五億円が今度の災害復旧につきましての国費負担額と見込まれるのでございます。この国費負担額を基礎といたしまして、財政事情の許す限り、早期復旧をはかるべき次第でございますが、今回の補正予算におきましては、結局災害復旧に二百四十三億二千万円災害対策予備費に十五億円、災害に関連した治山、砂防、災害土木助成及び文教、厚生関係の災害対策等に四十二億円、合計三百億四千万円計上いたしたわけでございます。このうちの二十八年度災害の災害復旧費二百四十三億二千万円、これは狭い意味の公共事業費の復旧費と排土事業の経費八億円と、この中に両方含んでおりますが、この二百四十三億円でどの程度の復旧ができるかということを申し上げますと、この二百四十三億のほかに今までに予備費をもつて支出いたしました復旧費が三十一億円ございます。それから予備費の使い残りが十六億円ございまして、これは今後二十八年度災害の復旧に充当する予定でございます。さらに先ほど内訳について申し上げました本年度の災害対策予備費補正で計上しました災害対策予備費の十五億円のうちから十億円くらいを、当然この二十八年度災害の復旧費に充当する予定でございまして、そういたしますと、二百四十三億円にそれらのものをすべて加えますと、三百億円が本年度災害の復旧に充当せられるという計算に相なるわけでございます。  なおこのほかに後に申し上げます冷害対策費の中にも災害復旧費を農林関係、建設関係を合せまして十二億円計上いたしてございます。この分をうまく活用する。たとえば冷害地で本年度災害が相当あつたというようなところに重点的にまわすというような活用をしていただくことによりまして、千五百六十五億の国費負担額に対しまして、大体二割見当の復旧ができるというふうに計算をいたしておる次第でございます。  次は災害関係諸費四十二億二千万円であります。これは災害復旧事業そのものではございませんが、災害に関連して必要になるいろいろ対策、土木助成その他いろいろな対策がありますが、その合計でございまして、文部省所管におきまして十一億七千九百万円を計上しております。これは六月ないし九月の水害による学校等の災害の復旧、それから国宝その他文化財の災害の復旧に必要なる補助金等を計上いたしております。  農林省所管には八億六千三百万円、これは農地等の地すべり防止、山地の崩壊防止のための緊急治山、排土事業の補助、被害農家に対する米麦の安売り損失補填、牧野の復旧事業費、こういつた災害に関連したいろいろな経費をこの中に計上いたしております。  次は厚生省所管に八億三十六万五千円、これもいろいろな経費がございます。伝染病予防の経費あるいは罹災母子世帯に対する貸付金、国民健康保険の特例のための経費、あるいは簡易水道、上下水道の復旧新設等の補助金等、特別法による経費も見込みまして、合計八億円を計上いたしております。  運輸省所管におきましては一億五千万円、これは災害復旧工事と合併して工事が行われる場合の堤防、物揚場等のかさ上げであるとか、修築といつたような災害土木助成の経費でございます。建設省所管にも同じような経費が十二億二千七百万円計上いたしてございます。災害復旧工事と一緒に行います直轄河川の改修、海岸土木助成及び河川上流部の土砂崩壊の防止のための緊急砂防あるいは道路の修繕、都市の土砂くずれの防止、水防資材費の補助、こういつた経費をここに集めて計上いたしてございます。  以上の合計が災害関係補助経費として四十二億二千万円の内容をなすわけでございます。  災害対策予備費として、これは大蔵省所管に計上してございますが、先ほど申し上げましたようにこの部分は当然災害復旧に充当せらるべき経費でございますが、今後の査定の進行に伴いまして、各省所管別等につきまして若干調整を必要とするというような要素もございますので、この際十五億円は予備費という形で大蔵省所管に計上いたしましたわけでございます。以上の合計が風水害対策費として計上いたしました三百億四千万円の内訳でございます。  次は冷害対策費七十億七百万円でございます。この所管別は十億円が大蔵省、これは農林漁業金融公庫に対する出資でございます。厚生省所管が七億円、これは冷害等に伴いまして生活保護を必要とするものが増加することを見込みまして、生活保護扶助費の増加を見込んでおります。農林省所管が四十億七百九十万円でございます。このうち三十億円は救農土木事業費であります。救農土木事業費の内訳は、四ページの右の方の下にございますが、開拓事業が六億円、土地改良事業が九億六千五百万円、治山事業が三千万円、林道施設が二億円、漁港施設が二千五百万円、臨時救農施設が四億五千万円、農林水産災害復旧事業七億五百万円、附帯事務費二千五百万円、合計三十億円と相なつております。この農林省関係に計上いたしました事業費のほかに、建設省所管に十億円、これは道路に五億円、河川等の災害復旧事業に五億円、計十億円といたしまして、事業費の総額が四十億円になります。これらの事業につきましては、その土地が冷害地で収入が減少いたしました農家に賃金収入の増加をはかる機会を与え、それと同時に食糧増産の対策、公共事業の促進をはかる、そういう趣旨に出ずるわけでございますが、当面緊急にこれらの事業が地元の負担が大して伴わないで実施されるということを確保いたしますために、今回は特に特例といたしまして補助率を全般的に引上げております。一律に五割、但し農道につきましては四割、従来は二割ないし五割区々でございましたが、一律に五割、農道は四割、そういう比較的高い補助率にいたしております。これによりまして地元負担をできるだけ少くして、事情の振興をはかつておるわけでございます。なおまた事業の規模につきましても、たとえば土地改良事業につきましては、従来は二十町歩以上という基準がございましたが、今回は特にその規模を縮小いたしまして、適当な事業を最も能率よくお願いいたしますために、臨時救農施設という費目を設けまして、五割の補助をもつて、その地その地に適当な事業を小規模なものでも実施して行く、そういう機動的な運営の余地を残すことにいたしたわけでございます。農林省関係の四十億のうち三十億が事業費で、残りの十億はいろいろなものが入つておりますが、たとえば被害農家に米麦を安売りして、その代金の延納を認めるための損失補填金として一億六千万円、それから百五十億円の営農資金を貸しつけることにいたします法律案が別途提出される予定でございますが、その営農資金の利子補給といたしまして二億四千八百万円、また冷害地に対する稲の種もみの確保、副業としての炭がまの設置奨励麦の奨励、食生活の改善、その他いろいろな経費が五億九千九百万円、合計いたしまして十億七百九十万円余りのものが事業費以外の冷害対策費として入つております。  労働省所管は三億円、これは失業対策事業を実施する場合のことを考えまして、そのための所要額を計上しております。  建設省所管につきましては、先ほど申し上げましたように道路五億、災害復旧費五億ということでございます。  以上合計いたしまして七十億七百九十万円が冷害等対策費として計上してございます。  災害対策費の第三番目の項目といたしまして、農業保険費の不足補填でございますが、百三十億円を計上いたしております。これは今春の麦、蚕繭等の減収によりまして、すでに約三十五億円ぐらいの赤字を生じておりますが、その後におきまして、今般の冷害によりまして水稲その他の著しい減収となりましたために、農業共済再保険特別会計の支出する再保険金が当初の予定をはるかに上まわりまして、赤字が見込まれるわけでございます。百六十億円ぐらいの再保険金の支払いが必要であるという予定をいたしておりますが、そのうち二十五億円は特別会計の基金をもつて充当することができます。また積立金を五億とりくずす余地もございますので、合せて三十億円を会計の内部でまかないまして、百六十億円から三十億円を控除いたしました残額の百三十億円につきまして、一般会計から農業共済再保険特別会計に繰入れるというふうにいたしておる次第でございます。これによりまして減収農家に対する概算払いの円滑なる実施を期待し、現金収入が一日も早く農家に行き渡るようにということを期待している次第でございます。  以上災害対策費の合計が五百億四千七百万円でございまして、そのほかに大蔵省所管に奄美群島復帰善後処理費といたしまして十億円を計上いたしております。これは奄美群島が将来復帰いたしました場合に、裁判所その他の司法機関、各種の行政機関、教育機関等の引継ぎ並びに運営にいろいろな経費がいるわけでございますが、それらの経費、また生活保護費、失業対策費、公共事業等の実施、その他教育施設、産業の振興等に充てますために、十億円を計上いたしました。また事態が必ずしも明確でございませんし、経費の積算につきましてもいろいろまだ問題が残つておりますので、とりあえず大蔵省所管に十億円を計上いたしまして、今後ただいま申し上げましたような使途のために、経費が必要なたびに各省所管に移しかえてこれに使用して参る、そういう予定にいたしております。以上で歳出の追加五百十億円を御説明申し上げたわけでございます。  歳出の減少につきまして引続き御説明申し上げます。まず第一は、公共事業費等の節約五十九億一千八百万円でございます。減少いたしました節約の内訳は狭い意味の公共事業費において三十八億八千万円、食糧増産対策費におきまして二十億三千八百万円でございます。これを所管別に申し上げますと、総理府の所管——北海道開発庁でございますが、その所管におきまして九億三千二百万円、農林省所管におきまして二十二億五千九百万円、運輸省所管におきまして四億二千万円、建設省所管におきまして二十三億六百万。円、合計五十九億一千八百万円という数字になります。災害復旧費等の緊急やむを得ない経費に充てます財源の一部を捻出いたすために、緊急事業の抑制、既定計画の重点化等によりまして極力節約を願い、それを重点的に災害復旧費にまわしていただくという趣旨でございます。節約率が治山治水関係につきましては約二%、食糧増産関係は七%その他は一〇%というぐあいに、事業の性質に応じまして格差が設けられております。  次に、経費を減少いたしましたものは、住宅金融公庫の出資金の減少二十二億円でございます。住宅金融公庫は、本年度におきまして、個人住宅及び賃貸住宅四万五千戸、産業労務者用住宅六千五百戸、合計五万一千五百戸を建設するための所要資金二百二億を貸しつける予定であつたわけでございますが、貸付金の支出状況、すなわち現実に金が出て行つている支出の状況を見ますと、予定通りの建設戸数に対する貸付契約が締結された場合におきましても、翌年度に金が出て行く——つまり本年度内は出ない。余裕が若干あるわけでございまして、その余裕を見込みまして、当初予定いたしました一般会計の出資八十億円のうちから、この際二十二億円を減少することにいたしたわけでございます。もちろんこれによりまして、当初の事業計画五万一千五百戸を建設するための契約自体を減少する意図は全然ござません。  次は、特定道路の節減等による繰入れの減少でございます。当初特定道路整備事業特別会計に対しまして二十五億円の繰入れを予定いたしておりましたが、今回十五億円を減ずることにいたしました。これは特定道路会計における道路、橋梁等の改良事業は将来料金で償還されるという性質のものでございますので、この財源を借入金によつてまかなうことがむしろ自然でもあるわけでございますが、本年度は相当年度も経過いたしておりますし、すでに繰入れ済みのものがございますので、十五億円の繰入れ減といたしまして、その分を預金部資金から貸しつけるということにいたした次第であります。なお特定道路につきましても、先ほどの公共事業の節約に準じまして、約一割くらいの節約をいたしまして、資金運用部からの貸付額は十二億九千万円にとどめることに相なつております。  最後に歳出減少の大口でございますが、平和回復善後処理費を七十億円減少いたしております。平和回復善後処理費は昨年度からの繰越しが五十八億五千八百万円、それに当初予算におきまして百億円を計上したのでございますが、今日までに使用いたしたものが約三十五億円くらいございます。今日百二十三億円くらいのものが残つておるわけでございまして、今後年度末までにこの中から使われます予定の金額は約五十億円と予定されます。従いまして残りの七十億円をこの際修正減少いたしまして補正予算の財源に充当いたしたわけでございます。  以上で歳出の御説明を終りまして、次に歳入でございますが、歳入の追加三百四十四億円のうち三百億が租税及び印紙収入でございます。租税及び印紙収入の補正額はネツト三百億二千百万でありまして増加が三百四十億、減少が四十億、差引三百億二千百万でございますが、増加いたしましたものは源泉所得税の百七十億円、法人税の八十億円、砂糖消費税の三十六億円、物品税の二十億円、関税の三十三億円でございます。減少いたしましたものは申告所得税の四十億円でございます。この減少は本年における災害の累発等によりまして、最近までの課税実績から当然予想せられるものでございます。これらの増減は申すまでもなく最近までの実績を検討いたしました結果、当然この程度の増収が予想せられるそれを見積つた次第でございます。そのほかに約四十億円くらい収入の増加を見たわけでございますが、まず政府資産の整理収入におきまして二十一億六千万円、この内訳は国有財産の払下げによるものが二十六億四千万円、それに対しまして政府出資回収金の減が四億八千万日、この減は先ほど申し上げました農業共済の関係で、一般会計の出資金を四億八千万円返していただく予定でございましたものが、返らないことになりましたので、減が立つ。わけであります。増減差引きまして二十一億六千万円が政府資産の整理収入になるわけであります。そのほかに雑収入といたしまして二十二億四千七百万円を計上いたしております。この内訳は官有産財利用収入八千百万円、納付金、これは日銀納付金でございますが、五億五千六百万円、実績による増でございます。その他諸収入十六億九百万円、船舶及び積荷再保険料の五億六百万円、金融機関の調整勘定の利益分配金の収入五億三千八百万円、その他五億千九百万円、これらをすべて合せまして二十二億四千七百万円の雑収入に相なるわけであります。  以上歳入歳出を一通り申し上げたのでありますが、御説明申し上げたことからおわかりいただけると存じますが、この予算によりましては国庫資金の収支に対する影響はゼロでありまして、散布超過の要因は全然含まれておりません。  次に特別会計でございます。特別会計は特定道路整備事業特別会計、農業共済再保険特別会計、特別鉱害復旧特別会計、この三特別会計につきまして補正をいたしております。特定道路整備事業特別会計は、先ほど申し上げました一般会計からの繰入れが減つて資金運用部借入金にかわつた。それから事業内容におきまして約一割の節約をいたしましてそれに伴う補正でございます。農業共済再保険につきましても先ほど申し上げましたように、共済保険金の不足を補填するための一般会計から繰入れ並びに保険金支払いのための補正でございます。特別鉱害復旧の補正は、六、七月の水害によりまして被害をこうむりました特別鉱害の未復旧家屋につきまして、特に緊急な復旧を必要とするという要請もありましたので、次年度以降の復旧を繰上げて実施することにし、それに必要な資金一億二千万円を資金運用部から借入れることといたした次第でございます。そのための補正を計上いたしてございます。  以上はなはだ粗雑でございますが、御説明申し上げました。

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 これにて補正予算両案に対する政府の説明は一応終了いたしました。  それではこれより質疑に入ります。山崎巖君。

山崎巖自由党

○山崎(巖)委員 私は補正予算に関連いたしまして緒方副総理以下関係閣僚に対し若干の質疑を試みたいと存じます。  内外ともに重大問題山積の折から政府にただしたいことは、あるいはMSA援助に関する対米交渉の経過を初めといたしまして、李ラインの問題、あるいは電力借款問題等、一にしてとどまらぬのでありますが、これらにつきましては、本国会が水害及び冷害等の緊急対策予算を主とする短期国会でありますのにかんがみまして、私は質疑を政府提出の補正予算に大体限定いたしまして進めたいと存じます。  今回政府は水害並びに冷害に対する緊急対策費等といたしまして五百十億の歳入歳出予算を提出せられたのでありますが、その内容に入るに先だちましてます伺いたいと存じますことは、本補正予算の編成にあたりましては第二次補正予算、すなわち公務員の期末手当の問題あるいは供出奨励金増加の問題等、この第二次補正予算を当然お考えになつておることと存じます。また来年度予算編成に直面する今日、当然来年度の財政計画の全貌からお考えになり、その見通しのもとに処理せられたことと存ずるのであります。このことは災害予算について見ましても、来年度に相当比重を置かれておることによつて明瞭であろうと存じます。大蔵大臣は昨日の財政演説におきまして、通貨安定の確保が政府諸政策の中核であり、健全財政を強化することがわが国経済にとつて根本的な要請であることを強調せられ、明年度予算においても既定経費の節約をはかり、財政規模の圧縮に努力することを言明せられたのであります。  まず私はこの大蔵大臣の御説明に対しまして、歳出の面から伺いたいと存じます。自衛力漸増並びに平和回復善後処理費の問題でございますが、私はこの際MSA交渉の経過並びに賠償問題の進行状況につきましては、昨日岡崎外務大臣より本会議において御報告がありましたので、現段階における状況につきましては、再び質疑を繰返すことを差控えたいと存じます。しかしながら自衛力漸増は、現内閣の基本政策の一つであり、ことにMSA援助の交渉の進展に伴いまして、来年度予算に若干の増加を要することは必然であろうと存じます。また平和回復善後処理費におきましては、二十八年度予算の百億の中で、七十億を補正予算の財源として使用せられておるのでありますが、来年度は昨日の外相の説明によつて伺いましても、賠償問題は相当進展を見ることと存ぜられるのであります。これに対しましては、経費の点におきましてもまた相当の増額を要することと存じまずるが、この点につきまして緒方副総理の御見解をまず伺つておきたいと存じます。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○緒方国務大臣 自衛力の問題でありますが、これにつきましては新聞紙等にいろいろなうわさが伝わつておりますけれども、政府といたしましては、先刻本会議におきまして総理大臣からお答えを申しましたように、いわゆる漸増の線を動かさない、つまり急に費用を増加するような措置はとらないつもりでおります。まだMSAに関連しまして、これらのことが決定しておりませんけれども、いずれにいたしましても政府はその基本の態度はくずさないつもりでおるのでございます。それから平和処理費につきましても、今回災害復旧費に七十億をしぼり出しましたけれども、明年度におきましては、賠償問題等につきまして東南アジア諸方面のいまだ日本と平和条約を結んでいない国々に対しまして、その問題を具体的に交渉する段階に立ち至るのであろうと考えますが、それにつきまして適当な金額を予算で計上する言もりでおります。

山崎巖自由党

○山崎(巖)委員 次に行政整理並びに行政機構の改革でありますが、その必要性につきましては、終戦後人員の厖大化、機構の複雑化等は実に驚き入つたものがあるのであります。この必要なことにつきましては何人も疑いないところであろうと存じます。現内閣におきましても、すでに行政改革本部を設置せられまして、地方出先機関の整理については一応の御腹案ができておるようであります。また近く待命制度等も実施を見る趣でございますが、もとより中央機構につきましても着々とその簡素化あるいは人員の整理等について御検討中であろうと察するのであります。今回こそは従来の轍を踏むことなく、龍頭蛇尾に終らざるように実効をあげることに私どもも大いに期待をいたしておるのでありますが、これによつて来年度予算の財源を捻出する御意向でありましようか、その点を伺つておきたいと存じます。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○緒方国務大臣 政府ではさきに行政整理のために行政改革本部というものを設けまして、一週間二回会議を開きまして、せつかく行政整理について検討いたしておるのでありますが、ただいまのところまだ御報告できるまでの結論に達しておりませんけれども、何がしかのものを二十九年度の予算には出したいと思つております。

山崎巖自由党

○山崎(巖)委員 次に食糧増産及び治山治水の根本対策の樹立でありますが、これは現内閣の重要政綱でもあり、また今次未曽有の災害にかんがみましても急速に実施に着手しなければならぬと存ずるのであります。政府はすでに治山治水につきましては対策協議会を設置せられ、河川事業の促進、砂防事業の推進、保安林の整備拡充等林野施業の合理化、治山治水の基礎調査等の実施、この具体案をすでに発表せられておるのでございます。しかもこれが経費の見積額は十箇年実に一兆八千六百億円に達するということでございます。また農林省におきましてもおそらく私の推察しまずところによりますると、食糧増産五箇年計画につきましても、今次の風水害の実情にかんがみまして再検討を加えられることと存ずるのでありますが、来年度予算において何らかの必ずや財政措置を必要とすることに相なると思います。この点につきまして何か政府にお考えがありますれば、どなたからでもけつこうでありますが、一応承つておきたいと存じます。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 仰せのことくに食糧対策及び治山治水の根本対策についての良案等が出ておりますので、相当これについて財政措置を考慮しなければならぬことは当然と考えております。但し今度のような異常なる災害等が起つて、ほとんど前古未曽有というべき国の補助金を要し、ことに来年度は一番重点的にその費用の計上がされることと考えますので、やはり国の財政のあんばいを見ましてこれを実行に移すよう措置いたしたいと考えておる次第でございます。ただいま副総理より御答弁がありました通り、若干いわゆる自衛力漸増に伴う費用の増額は避け得られぬと思われるし、また賠償問題も漸次軌道に乗つて——軌道に乗つてという言葉はおかしいのでありますが、常道に乗つて参りますれば、これについても若干の支払いは予期しなければならぬであろうと考えます。さらにいろいろ、たとえば恩給が二百億ふえるとか各種自然に増額するもの等を見まして、実は来年度の予算編成には目下実に苦心しておるのでありますが、総合的にひとつよく考えまして、最も重要なる政策として政府が考えている治山治水、食糧対策には遺憾なきを期したいと思つております。しかしただ来年度は率直に申し上げて十分なことはできかねると考えます。

山崎巖自由党

○山崎(巖)委員 ただいま大蔵大臣から御説明がございましたように、その他の経費といたしましても恩給法の全面実施によりまして約二百億の増額を要すると思います。さらにまた義務的な経費を考えてみますと、これも相当額計上しなければならぬと存ずるのであります。またあるいは住宅問題でありますとか、あるいは社会保険の問題であるとか、失業問題であるとか、これらも等閑に付することは絶対にできない問題であろうと思います。また文教施設等の拡充につきましても、おそらく来年度はなおお考えを願わなければならぬ問題が多々残されておるやに存ずるのでございます。ことに今回の風水害、冷害等の対策費でございますが、さきにも述べましたように、来年度に相当比重をお考えになつておるように私は察するのであります。大蔵大臣は今回の風水害の対策費といたしまして、何箇年にどのくらいの比率でこれを支出するという大体の御計画がございますれば、この際承つておきたいと思います。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 過去いろいろ何がございまするが、まあ一ころ三・五・二というような比率が申されておつたこともございます。大体これがこういう災害対策には比較的穏当なところではないかと思うのであります。しかし災害の発生時期等により、またその規模等によりましてはやはり国の財政を勘案しまして、それに伴つてあるいは重点的に、あるいは効率的に金を使つてもらうよういたすことで処置して行かなければならぬと考えておりますが、実は来年度予算を目下検討中でございまして、まだ成案を得ておりませんのではつきり申し上げにくいのでございますが、来年度には今仰せのことくに最も比重を置きたい、こういうふうに考えていることは、これはその通りであると申し上げてよろしいと思う次第でございます。

山崎巖自由党

○山崎(巖)委員 次に、来年度の財政計画の中で、歳入面について私は簡単にお伺いをしたいと存じます。大蔵省におきましては税制調査会を設けられまして、税制全般にわたつて検討されているようでございますが、来年度予算の編成にあたつてその結論を御採用になるような御予定でございましようか。その点をまず伺つておきたいと思います。また来年度の租税の収入は、現在の徴税状況にかんがみまして、相当の増収が見込まれるかどうか。御承知のように地方財政は従来非常な窮乏を告げております。ことに今回の風水害等によりまする歳入欠陥ば莫大なものが起つて来ると思います。おそらくまだ自治庁においてもこの点についての調査はできていないことと存ずるのでございますが、必ずや私は大きな歳入欠陥を見ることと確信をいたすのであります。こういう点につきまして中央、地方の財源の分配を来年度はどういうふうにお考えになるか。この点も一応伺つておきたいと存じます。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 税制調査会の方に対しまして、その意見を今求めているのでございます。まだ答申に接しませんが、大体の空気だけを申し上げますと、実は減税をせよという声のみがどの小委員会を通じても出て来ているのでございます。しかし私どもといたしまして、ただいまの段階ではたして減税すべきかどうか、また今の国の財政各般の需要から見て、はたしてそれをやり得るかどうか。こういうような問題について検討しているのでありまして、税制調査会の答申をまるまるとそのまま受入れるということは、国の財政事情であるいは許されないのではないか。しかしせつかく非常な御苦心をくださつていることでありますから、その入れるべき点の答申はこれは入れたいと考えております。但し今申し上げました通り、税収総額において、これをたとえばある給与所得者の源泉所得税について減ずる等のことがございますならば、どこかにやはり間接税等その他において埋合せをするということが出て来ないと、国の財源を確保することはむずかしいのじやないか。現在。そういうふうに考えているのでございます。しかしこれはまだ結論に達しておりませんから、さよう御了承をお願いいたしたいと思つております。地方制度調査会におきまして、先般、たとえば遊興飲食税を地方より国税に移すべきであるという御決議が出ております。これはいわゆる地方にその税源を与える、財源を与える、また地方税のうち適当でないものを国税とずるといつたような事柄等につきましても、これはちようど今税制調査会にそういう部会もございまして、いろいろ検討をしておりますので、それらの答申をまつて処理いたしたいと考えている次第でございます。  さらに今お話のありました今非常に地方財政がいろいろ赤字であつて、今度の災害等で一層大きくそういう点の苦しみをされていることと思いまして、この地方の状況等に対しましては、中央地方を通じてよく私ども大蔵省でも目下いろいろ検討しておりますが、ただやはり地方のうち多数がああいうふうに厖大な人員に上つているので、あるいはこういうことを望むのはどの程度望んでしかるべきかはわかりませんが、地方のうちには、まあ中央に比べて、もう少し中央が節約するときは、地方も節約していいのではないか、こういうふうに思われる点がかなりあるのであります。特にこれがいわゆる富裕府県と称するものにそれが多いのでありまして、こういうような点につきましても、それぞれ私の方で今検討をいたしている次第でございます。

山崎巖自由党

○山崎(巖)委員 自治庁長官に何か御意見がございましたら……。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 ただいまお尋ねの点で私の所管に関係いたします分は、おそらく今度の災害に伴う税の減免がどのくらいあるだろうかという点にあることと思います。先般来いろいろ調査いたしておりまして、一応結論の出ておりますところでは、大体三十五億くらい減収を見るのじやないかというように存じております。もちろんこれは減免減収だけでございまして、徴収を猶予して、本年度に徴収ができなくなる分があるのじやないかと想像される。のでありますが、この点はまだ統計数字が出ておりません。

山崎巖自由党

○山崎(巖)委員 来年度の予算編成にあたりましては、今までお尋ね申し上げましたように、歳出の点においてはなかなか節約が困難ではなかろうかと存ずるのであります。むしろ歳出面においては増大を来すような要因が相当私は多いように思うのであります。この歳出の増加に対しまして、大蔵大臣ば既定経費の節約という財源のみをお考えになつているのでありますか。その点を伺つておきたいと存じます。あるいはまた経済政策の大転換をはかられまして、公債発行というようなこともお考えになつているのかどうか。この点も一応伺つておきたいと思います。  私どもの考えとしましては、あるいははどうしても財源が足らぬような場合には、石炭とか製鉄とかあるいは電源開発とか、こういう基幹産業に対する財源の調達について、投資特別会計の財源として公債を発行するということも一応考えられるのじやないかというように考えられます。また政府は本年度の異常なる凶作にかんがみまし。て、多量の外国の米麦輸入をお考えになつているようでありますが、これが財源につきましてはどういうふうにお考えになつているのでありましようか。いわゆる外国為替特別会計の蓄積資本をお使いになるというような御予定でございましようか。そういう点につきましても重大な問題でございますから、一応大蔵大臣のお考えをこの際伺つておきたいと存じます。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 ただいま仰せのことくに、来年度は非常に歳出の増加が予想される一面、増税その他によらなければ歳入の増加がそう期待できない。従つて既定経費消滅に向うはかなかろうというお話がありまして、既定経費のうち、たとえば災害対策等で費用が出て参りますと、あるいは公共事業費とからみ合つている部面もありますので、そういう点については当然ある意味で既定経費の削減に資する分もある。しかしさもない部分につきましても、やはりある程度治山治水という根本的なものを考えた上で、つまり私がよくこの前も申し上げたような、いわゆる総花的に流れてその効果があがつていないというようなものに言いては、もう少しこれを重点的に処理するというような方法をとつている。そういう点で少し思い切つた削減をするようなことが必要と思われるのであるまいか。まだ実は結論に達しておりません。また各種の補助金等にも、非常な先つぽの方に行くと、今日ほとんどきき目のないような補助金等も出ておりますので、そういう点についても相当この際根本的に考え直すべきではあるまいかというように考えているのでありまして、まあ行政整理の結果等ともにらみ合せていろいろ措置をとりたいと考えております。しかしまだ結論に達しておりません。しかしどうしても少し足らぬ場合に、それでは公債政策をやるかというようなお話でございますが、私どもはできるだけ公債政策は避けたい。これは避けたいという念願であります。念願でありますが、事実問題といたしまして少し考えてみますと、市場が消化できれば、しかもいわゆる赤字公債、これは絶対に出してならぬことは山崎さん御同感くださることと思うのでありますが、そうでなくて、市場が消化して、これが日本銀行にまた持ち込まれるおそれのない、言いかえまずれば、インフレ要因とならぬような程度の公債でございますれば、これを発行して、今仰せになつたような基幹産業の方に向けて参る。こういうことにすることは、産業の発達のためにも、日本の全体を将来よく持つて行く上にも、あるいは一つの策ではないか。御承知のごとく、本年度のいわゆる減税国債二百億も、いろいろ御非難もありましたが、あれもああいう投資持別会計へ持つて参りまして、そうして基幹産業の方へ持つて行くという点が一つと、またあれは減税その他のうま味があつて、日本銀行の方へ持つて行くおそれがない。言いかえますれば、所有者がそのまま持つているということで、インフレのおそれがないという点に妙味がありますが、しかし同時に利息が高い等で、それは下げるということは、申し上げておる通りであります。従いまして、公債についても、よくそれらの点も勘案いたしまして——ただ繰返して申しますが、いかなる場合にも赤字公債は発行しない、こういう考え方でございます。  それから次に本年の不足している食糧等の輸入について、これは何を使うかということでありますが、実は現在のところは、ここに数字がございますから申し上げておきますると、外貨保有高がドルで八億八千三百万ドルくらい現在ございます。それからポンドで、ドルに換算しまして九千百九十二万二千ドルほどございます。それからオープン勘定、これは債権でございまして、実は現金ではございません。御承知の、例のインドネシア等に対する債権でありますが、それが今日四千五百二十九万ドルくらいございます。合せまして十億二千万ドルほどございますので、従つて、それが実はこの必要な食糧は、いわゆる外貨割当をすることによつて弁じたい、こういうふうに考えておるのでございまして、別にただいまのところ、外貨を売つてどうこうとかいうような考え方でやつておるわけではございませんし、またこれがためには、現在幸い外貨を持ち合しておりますから、外貨の減少にはなりますので、一方輸出の増加等いろいろ努力しなければなりませんが、今持つております手持ち外貨でやる。こういう考えで、食糧の方面、特に麦は相当多量に買付けられますから、違算なきを期したい、こういうふうに考えておる次第であります。

山崎巖自由党

○山崎(巖)委員 私が来年度の歳入歳出予算につきまして、特にお伺いいたしましたゆえんのものは、現在においてすらインフレ懸念の台頭を見つつあります今日、これが拍車をかけるような事態に相なりますならば、単にわが国経済の自立に支障を来すのみならず、ひいては経済の破滅すら憂慮せられるのであります。インフレは、私どもは絶対にこれを避けなければならぬと思います。むしろこれを撲滅せなければならぬと考えます。政府は、最近本会議におきましても御説明のございましたように、金融措置等につきまして、いろいろとこれが防止に努力を払われつつあるようであります。また本補正予算におきましても、安易な剰余金の使用とか、あるいは手持ち公債の売却とか、あるいは公債の発行とか、こういうことを避けられまして、租税の自然増収及び既定経費の節約、繰延べ等によつて捻出をいたされておるのであります。その御努力の点につきましては、私どももこれを了とするものでございますが、すでに本二十八年度予算におきましては、散布超過は御承知のごとく千三百億に上つておると思います。また第二次補正予算等が、どういう財源でお求めになるかわかりませんが、その財源次第によつては、この千三百億をやや上まわるようなことにもなりはしないか、こういうことを実は懸念するものであります。この通貨安定策について、本会議でも御説明がございましたけれども、いま一度、大蔵大臣の固い御決心並びに御見解等を、この際伺つておきたいと存ずる次第であります。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 インフレ阻止につきましては、各般の処置をとらなければならぬことは、本会議でも申し述べた通りでございますが、ただいま御指摘になりました、たとえば政府資金散布の問題につきまして、少しく私の考えているところを申し上げさせていただきたいと思います。  御承知のごとくに、本年の政府資金散布は、今度の補正予算ではございます。せんけれども、全体を通じて一千三百億に計算上相なるのであります。ところが、これは昨二十七年度も、計算の上では八百億くらいの散布超過になるべきでございましたが、その後いろいろな措置によりまして、現実の問題は、かえつて四億円の吸上げ超過、吸収超過になつているのが実情であります。今日のところは、一千三百億円の散布超過になる計算が一応出ているのでございますが、御承知のごとく、今度予算に計上しました自然増収も三百億あり、あるいはさらにもう少し見込まれますが、もう三百億はそれで消えて参ります。それからさらにことしは、この点は非常に不幸なことではございますけれども、米の供出その他あるいは超過供出もありますが、その供出米の量が去年の二千五、六百万石に比べまずと、ことしは相当減るのではないかと見込まれます。それからまた国際収支では、去年と比べてことしは八千万ドルないしは一億ドルくらい赤字が出て来るのじやないかと思われます。それらを両方合せますと、ここに少くとも五、六百億円は、むしろ散布超過の原因を断つことに相なるのであります。さらに指定預金が約七百億円ちよつと以上あるかと存じますが、これは全部が全部引揚げ得るものではありませんが、その操作で四百億円くらいの操作ができると存ぜられます。そうすると、残るものが大体三百億くらいになるのじやないかと見られるのであります。これにつきましては、御承知のごとく日本銀行に、いわゆるオーバーローンを生ずるものが三千五百億くらいあると思います。これもいわゆる高率適用等の操作でやりますと、金融面でそれは消化し得るのではないか。従いまして私どもは、この政府の資金の散布超過は、私が繰返して申しました言葉で言えば、財政金融の一体化ということをやることによつて、本年はその上からはインフレに持つて行かずに済む、かように考えているのであります。従つて一番大きな原因をなす政府財政資金の散布から来るインフレは、それで防ぎ得ると考えておるのであります。さらに金融面からいろいろ起つて来るインフレがございます。特に朝鮮事件後等にいろいろ起つて来ているものがありまして、これについての、いわゆるオーバー・ローンその他につきましての措置等を、今後適正にやつて参りますことによつて、金融面から来るインフレも断ち切ることができよう。さらに日本のいわゆる各種の産業を近代化し、合理化すること等によつて、生産コストをできるだけ引下げて、国際競争力を持たすということによつて、日本の輸出能力を増進せしめる。こういうことをやりまして、国際収支の均衡に資するというようなこと、そのほか各種の処置を講じて参りますれば——一つだけではどれもいけませんが、万般の処置を講ずることによつて、御懸念になり、実は私どもも憂えているこのインフレというものは、ぜひとも防止いたしたいと考えております。ある方から、きようの参議院でしたか、御質問があつて、むしろ地方などはデフレに向つているのじやないかというお話がございましたが、私はあの演説の中に日本の現段階ではやはりインフレ徴候というものを判断せざるを得ないということを言つたのでありますが、これは山崎さんも御承知のごとくに、日本の鉱工業生産は大体一四七か八に戰前に比べればなつておると思います。しかるに、貿易の面はどうかというと、特に輸出貿易などは、わずか三割二分というような状況でありまして、そのことは国内での消費の大きいことを意味するのであります。これをほかの言葉で言えば、インフレなのであります。従つて、こういうことを断ち切らなければならぬので、日本の諸般の政策は、今山崎さんの言われた言葉で申すと、インフレを撲滅する。それをやることが、日本の最大の今日の政策であり、民生定定のために最初にやるべき政策だと、かように考えており、これがために全力を尽して当りたいと考えている次第でございます。

山崎巖自由党

○山崎(巖)委員 以上伺いましたことは、風水害及び冷害対策予算の全貌を伺いまする前提として伺つたのでございます。  以下私は今回の補正予算の内容について質疑を進めたいと存じます。本年六月西日本を襲いました大水害、これを初めといたしまして和歌山地方及び京都地方の豪雨、十三号台風による風水書と、被害が相次いで起りまして、その激甚なることあるいは範囲が広大にわたりますること、おそらく私は未曽有の惨禍ではないかと存ずるのであります。しかるに本補正予算におきましては、災害復旧費三百億を計上せられておるのでございます。これはおそらく大体において今回の被害復旧費総額の二〇%を計上されておるのじやないかと存ずるのであります。ところがすでに災害復旧費としてつなぎ融資が約百億支出をいたされ、そのつぎ融資の資金につきましては、すでにおそらく大部分が工事費として使用せられておるのではないかと想像せられるのであります。ことに今回の風水害地方は、冬期にわたりましても仕事のできる地方が大部分であります。こういう点から考えまして、従来のこの災害復旧費の年次計画の割合をもつて今回の復旧費を計上することについては、私は非常に疑問を持つのでありまするが、こういう点について大蔵大臣はどういうふうにお考えになつておるのでありましようか。もしも工事費が非常に不足するということに相なりますると、公共土木事業におきましては機を失しまして再び災害を繰返すような場合も起きて来ると思います。また農地の復旧につきましては、流出、埋没が全国にわたりまして約四万町歩と称せられておりまするが、来年度植付にも支障を生ずることに相なると考えるのであります。国土保全の上から見ましても、食糧増産の上から見ましても、まことに不経済な措置ではないかと考えるのであります。政府は本補正予算に計上せられました災害復旧費につきまして、さらに慎重に御検討の上、どうしても財政措置等によつて支出が不可能といたしまする場合におきましては、ことに緊急を要する防災関係の復旧事業等に対して、預金部資金を運用して、これが増額をはかられる御意思があるかどうか、この点を伺つておきたいと存じます。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 この災害対策費は、御指摘のことく大体二割になつておるのでありまして、この点私ども決して十分と考えておらぬのでありますが、時期的な問題もありまするし、また過去の実例等から見ますると、昨年は二割三分何厘進捗しておるのでありますが、大体は二割まで進捗しないのが過去の例に相なつております。従いまして、私どもはことしのことくに異常の大きな災害が西日本、近畿あるいは東海及び北陸等にあつた場合におきましては、これはやはり二割で大体重点的な配分をやつていただけば、たとえば河川、海岸等の堤防破壊、そういつたことには十分主力を注いでやつておるので、ほぼ行けるのじやないかという感じ——もちろん十分とは思つておりませんが、考えておるものでございます。まあ人件費等がこの予算の大体五割以上を占める、少しそろばんをはじいてみると、相当な人件費にも上るので、そういうようにも考えておるのでありますが、こういうことしのごとき異常の災害は実は従来ございません。従いまして今足るか足らぬかということについては、過去の私どもの大蔵省にある資料その他で実は判断して、大体それと、もう一つは、何と申しましても財源関係がございます。財源関係からこれをインフレに持つて行つても困るので、財源の許す範囲で最大限を盛る、こういうことにいたした次第であります。しかし今お話になりましたような来年の出水期までに手当をしないというと、重ねてまたそこに災害が起つて来るのではないか、こういうようなものについては、これは私どももぜひとも、いわゆるその再災害防止の態勢を整えて置く必要があろうと考えるのであります。そこでそれらの点につきましては、私どもは個々の場合にりきましてよく実。情を調べて、それに基いたものに、多少あるいは資金の融通、融資等で方法がとり得るならとりたいと思つておりますが、これも率直に申し上げておきますが、つまり預金部も今日非常に手元資金が逼迫。の状況でございまして、できますだけをやるということ、この私どもの心のうちを了としていただく以外には、金額でどれだけと仰せになると、実は今日の場合は、預金部資金の計画がそれについてできておりませんので、できますだけやる、そうして少くともいわゆる再災害の防止のことについては力をいたしたい、これはそういうような融資等の方法も個々の実情を調査した上でやりたい、かように考えております。

山崎巖自由党

○山崎(巖)委員 自治庁長官にちよつとお尋ねしますが、今度の補正予算に伴いまする地方費の負担が、私は概算して百五、六十億になるのじやないかと考えるのでありますが、その数字は私の推定でございますから、間違つておれば御訂正を願いたいと思います。この地方費の百五、六十億に対しまして、全部これを起債に求め、預金部資金の借入によつてまかなう、こういうふうな御方針でございましようか。地方財政にとつては非常な重大な問題だと思いますので、この際ちよつと伺つておきたいと思います。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 お尋ねのこのたびの災害に伴う地方の負担増でありますが、一つは負担の増加の面、一言は収入の減の面と両方があるのであります。収入の減の面は、先ほどちよつと申し上げましたように、大体減免減収で三十五億、それを含めまして約二百八億の財源の不足が出て来るのじやないかというふうに見ておるのであります。しかしその二百八億の中から国の公共事業費及び食糧増産対策費の減額いたしましたに伴う地方負担の減がありますので、それを差引まして、差引百八十六億という数字が大体今概算いたしております地方に何らかの財源措置をしなければならぬものであります。そこでその数字をどういうぐあいに措置をするかということなのでありますが、ただいまのところ御指摘のように全部起債でもつてまかなわなければならない、こういうことに大体なつておるわけであります。もちろん一部分は特別平衡交付金でもつて措置をする部面があるのでありますが、特にそのために特別平衡交付金の増額ということは今のところ考えておりませんので、すでにあります特別平衡交付金のわくの中から若干の操作をいたしまして、少しよけい出してめんどうを見る、そういうことに今なつているわけであります。問題になりますのは、この起債の総わくの中で政府資金をつけてもらえる分がどのくらいあるかということなのでありますが、ただいま大蔵大臣も御説明になりましたように実は預金部資金が郵便貯金、保険ともに伸びがことしはよくないのでありまして、原資が十分ありませんために、思うように政府資金がつけてもらえない状態にあります。今のところでは八十三億を政府資金の裏づけのある起債、それからあとの四十五億は一応公募のもの、こういうふうに今考えております。五十八億の残額の部分は、今までの二十八年度分予算においてもすでに財源措置をいたしておりますので、今度新しく結局起債になる面は、今申し上げたような数字になります。しかし災害の起きておりますところに公募のわくを出しましても、それがなかなかできるとはとうてい思われませんので、今度の起債による財源措置の分の公募額分は、これは公募のわくが全体として約二百億ありますので、全体の中で操作をいたしまして、災害地の分は結局全部政府資金の裏づけのある起債、こういうことで措置をしてやりたい、こういうふうに考えておるわけであります。

山崎巖自由党

○山崎(巖)委員 次に六月、七月の大風水害におきまするいわゆる指定地域の問題でございますが、政府は国会の意思を尊重せられまして、政令を定むることに御同意に相なつておるのでありまするが、まだその公布を見ないようであります。府県にいたしましても市町村におきましても、つなぎ融資を受けました場合には、従来の補助率で大体考えておりましたので、この公布を見ませんと、種々支障を来しておるようでございますので、これは至急ひとつ公布になりますようにお願いをしておきたいと存じます。大体日取りでもきまつておりますれば伺つておきます。なお八月、九月の風水害につきましても、当然二十四の立法が適用されることと存ずるのでありますが、この点につきましても、政府の御意向を一応伺つておきたいと存じます。  それから次に建設大臣にちよつと伺つておきたいと思いますが、過年度災害の問題であります。私の計算するところによりますと、公共土木事業だけで、二十四年度から二十七年度まで国庫負担災害復旧費が約五百二十億くらいになるのじやないかと思います。もとよりそのうちには今回の水害等とダブる分も出て来ますので、この金額は相当減額ができると思いますが、これが地方にも相当の負担に相なつておるように存じますけれども、この措置を来年度以降どういうふうにおやりになるお考えでございましようか、その点を伺つておきたいと思います。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○緒方国務大臣 先ほど御質問になりました地域指定の政令は、国会の立法の趣旨をできるだけ尊重してやりたいと思つて、委員会との間に意見会を交換する時間が少し長過ぎまして遅れておりますが、一部分はすでに公布されております。聞もなく全部出そろうと思います。今およその見通しは調べさしております。

戸塚九一郎自由党建設大臣・北海道開発庁長官

○戸塚国務大臣 お答え申上げます。ただいまお話の過年度災害でありますが、これは建設省関係だけでただいま御指摘のように、国庫の負担が五百三十億ほどになると承知いたしております。お話に今回の災害でダブるということがありましたが、今までの計算の仕方は、新しい災害になりましても、それは過去の災害を差引くことにいたしておりますので、ダブつてもこの金額が減ることにはならない、やはり五百三十億であります。ただ私が考えますのは、今まで残つておつたというのも、従来は御承知のように机上でやつておりますので、査定をもう少し正確にいたす必要があるのではないかというような点は考えております。なおこれははなはだ残念でありますが、かように過年度災害というものが積り積つて、いつまでも残つておるということは、災害復旧についてはなはだおもしろくない現象だと思うのでありまして、一日も早く古い災害というものは片づけるというか、処置する必要があると考えております。しかし何分にも本年度の災害も御承知のような多額のものになつておりますし、また過年度災害を処理すると同時に、今後の恒久対策についても、何らか処置を講じて行かなければならぬというようなわけでありまして、かれこれ勘案いたしますと、ただちにこれを整理ずるということは困難かもしれませんけれども、努めて早く過年度災害については処理をいたして行きたい、かように考えております。

山崎巖自由党

○山崎(巖)委員 時間がございませんので、簡単に冷害対策について、まとめて御質問を申し上げたいと思います。  今回の冷害は、申すまでもなく岐阜以東実に二十一道府県に及でおるのでありまして、その範囲の広大なること、これまた未曽有の惨事と申さねばならぬと存じます。むろん地方によりまして、多少の程度の差はありましようが、農家経済に及ぼす影響の甚大なることは、まことに言語に絶するものがあるのであります。しかるにこれが対策費として、わずかに七十億を計上せられておるにすぎないのであります。最近におきます農林省統計調査部の公表によりますと、全国水稲収穫予想高は五千四百四十万石でありまして、平年作の八三%、減収千二百万石を予想せられておるのであります。冷害による減収は、そのうち約四百万石と見込まれておるようでありますが、昨年に比しまして、冷害地農家の現金収入減を推算いたしてみますと、おおよそ七百億円に達するように思われるのであります。政府におきましても、もとより救農土木事業のほか、営農資金の貸付百五十億、飯米の確保あるいは種もみの入手、そのほか農業共済資金の支払いとか、いろいろと御努力に相なつておることはこれを了といたしますが、この収入減を来しました生活苦にあえぐ被害農家の賃金収入に充つる救農土木事業費が、農林省関係三十億、建設省関係十億、合計わずかに四十億にずぎないのであります。被害農家の戸数をどういうふうにごらんになつておるか、その点ははつきりいたしませんが、かりに三十万戸と御計算になりますれば、わずかに一戸当り千何百円にすぎないようなことに相なるわけであります。こうということで今回の冷害対策に対処して、はたして十分であろうかどうか、この点について政府の御意見を伺つておきたいと思います。なおまた冷害対策につきましては、今回の実情にかんがみられまして、根本対策につきましても相当御研究が進んでおることと存じます。あるいは土地改良事業の拡充でありますとか、あるいは早生種の奨励でありますとか、あるいは研究機関体制の強化でありますとか、いろいろとお考えになつておることと思いまするが、これらの点につきましても、一応農林大臣の御意見を伺つておきたいと思います。  なお急ぎますので、農業災害補償法に基く共済金についても、一応伺つておきたいと思います。今次の相次ぐ災害によりまして、わが国農家経済が、その基盤がいかにも脆弱であることを、私どもは痛感いたすものであります。共済制度の強化ということが、私は今後残された一つの根本対策ではなかろうか、今回の苦い経験にかんがみましても、そういうふうに考えられるのであります。こういう点につきまして、農林大臣はどういうふうにお考えになつておりましようか、その点について一応伺つておきたいと存じます。なお政府は本予算におきまして、特別会計に百三十億を繰入れられておりまするが、これをもつてはたして赤字を十分補填し得るかどうか、この点につきましても、一応伺つておきたいと存じます。

保利茂自由党農林大臣

○保利国務大臣 お答えいたします。今回の冷害のあとをできるだけ精密に調査をいたしておりますが、昭和九年の冷害のあとに、相当の品種の改良あるいは耕種改善等が行われて参つております。実際に見ましても、たとえば青森方面の藤坂五号でありますとか八甲田というような、早生種でしかも多収品種がつくられ、山形等におきましても、尾花沢二号でありますとか四号でありますとか、そういうものができて、そういうものを植えられておるところは、むろん相当の被害はございますけれども、これらの品種は今回の冷害に対しても、相当の威力を発揮して来ておるわけであります。特に寒冷地帯に対しましては、一面温床苗しろ等の普及を今日まで努めて参つておりまして、ここ二、三年の天候が農家にとつては、たいへん恵まれた天候を続けておりますために、また特に昨年の豊作が晩生種等により非常な成果を収めました関係もございまして、晩生種等に集中的に農家が増産意欲を向けており、これが今回の冷害を非常に深刻にして、特に関東北部方面はこれによる災害が、相当深刻なものがあるように思います。     〔委員長退席、小峯委員長代理着席〕  従いまして今回の冷害を貴重な資料といたしまして、さらに品種の改良、あるいは耕種の改善、特に温床苗しろ等も相当国としても県としてもそれぞれ力を入れてやつて来ておりますけれども、案外これが実際には伸びていないということは、実際にこれを認めなければならぬわけでございますから、品種の改良あるいは耕種の改善につきましては、これは一段の力を入れて行かなければならぬ。それにつきましては、やはり比較的冷害に脅かされやすい地帯に対しましては、ある程度の早生種取の栽培をどうしても願うことが、農家の経営を守つて行く上から言いましても、必要ではないか。そういう意味におきまして、今回の予算にも計上いたしておりまして、種もみの頒布等についての所要の経費を計上いたしております。それは現実に種もみの用意もいたしておるわけであります。同時にこの早生種を来年は特に農家にも奨励をして、それを奨励することによりまして、来年の需給関係に寄与して行きたいというようなことを考えておるわけでございます。従いまして、やはり一番つくづく感じますことは、気象予報が十分に進歩して行われますならば、今日改良品種あるいは耕種の改善等、技術は相当進んだものを持つておるわけでございますから、この進んだ技術をその年その年に適当に採用して行くことができれば、私は今回のような冷害は、現状におきましても、大分食いとめられると思います。ただそれが最も困難になつておりますのは、やはり気象の予報関係が遅れておる。これにつきましては、今回の予算にもお願いいたしておりますが、気象の予報関係を改善して参るということにつきましても、若干の経費をお願いいたしておるような次第でございます。  そこで北海道から東北、関東、東山に及びまず広範な冷害地帯に対して、申さば単作地帯の農家に対して、これだけの予算で一体救済がきでて行くかということは、その通りでございますけれども、まず共済、昭和九年当時は今日の共済制度はなかつたわけでございますが、これも一言の大きな今回の助けになると私は思う。それが冷害地にどれくらいになりますか。冷害地だけを対象としてやも、はり百五十億くらいになるのではないか。これはまだ損害費を見積られませんからわかりませんが、それと営農資金百五十億、それからこの冷害予算の七十億というものは、むろん農林省関係だけていえば、今も四、五十億ございますけれども、これはいずれも冷害地を対象としている。従つて建設省の予算にしても、労働省の予算にしても、失業対策にしても、これはことごとく冷害地に集中せられて行くわけでございますから、全体として現金収入の道をはか言て行く。  それではこのきゆうくつな予算で、どうやるんだろうかということであろうと思いますが、私は実際の現地を見まして感じまずことは、ほんとうに収穫皆無あるいはそれに近いような地帯には、何らかの方法で手段を講ずる。どの手段でもよかろうと思います。それは炭を焼くということも、その一言であろうと思います。あるいは客土をいたすとか、とにかくこの予算が非常に不経済的なものに使われておるどいう批判を受けましても、できるだけ現金収入、賃金収入にかわつて行くような処置、極端に言えば、人力とどろだけで済むというような仕事を選んで、村で直接計画をしていただいて、そういう激甚な被害地に漏れなく収入の道をはかつて行くということを計画したければならぬ。こういう考えで、ただいま各県当局に対しても事務当局と連絡をとつて、計画を進めて参つておりますけれども、まだ具体的に一体それではどのくらいを対象としてやれるか。おおよその見込み数を申しますれば、少くともこの限られた予算ではございますけれども、延べ人員にしまして千三百万人程度の処置はでぎるのではないかということを考えておるのでございます。  そこで農業共済の関係は、十三号台風までのものは、十一月までには概算払いを終りたいというつもりでやつております。それから冷害の係関は、本格的な損害評価をできるだけ早く完了いたしまして、北海道、東北、関東、東山、北陸、岐阜以東の地帯につきましては、年内に何とか支払いたい。岐阜以西の西日本の地帯につきましては、多分どうしても遅れますから、旧正月前までには、とにかく支払いを終るようにいたしたい。こういうことで督励いたして参るつもりでございますが、これは大蔵大臣もしばしば申されますように、損害評価を決定いたしてみなければ、これはだれしも百六十億あればいいということは申せませんのです。これはぎりぎり最低限度見たとこでろ、この辺でどうだろうかというところに対して、百三十億の繰入れの道を講じておるわけであります。

山崎巖自由党

○山崎(巖)委員 私はさらに食糧の需給につきましても御質問申し上げたいと思いましたが、時間もございませんし、また本日の本会議におきまして、保利農林大臣より配給量の確保についてば自信があるという御言明を得ましたので、この点につきましては国。民とともにこの食糧事情に対して非常な一大安心をいたしたものであります。従いましてこの点に言いては詳細御質問申し上げることをこの際差控えたいと存じます。  以上御質問申し上げましたことによりまして、今回の冷害並びに風水害の対策費として計上せられました予算が必ずしも十分でないということが、私どもによつて明瞭になつて来たように思うのであります。そこで政府におきましては適当な措置を誰ぜられまして、さらに事業分量の増加について努力せられんことを私は強く要望いたしまして、質問を打切りたいと存じます。(拍手)

小峯柳多自由党

○小峯委員長代理 八木一郎君。

八木一郎自由党

○八木(一郎)委員 私は主として風水害関係、すなわち六、七月の大水害を受けました西日本と南近畿、また八月の長期雨季、さらに九月の台風十三号、これらを基礎といたしました予算上の三百億円の関係部分に限りまして二、三点重点的に伺いたいと思います。  まず第一点でありますが、これはこの予算の組立ての基礎となつております被害の査定額がいかにも事務的に言じつまを合せるために、無理をしておるのじやないかというような印象のもとに、当初水害対策委員会では緒方副総理——まだ見えておりませんが、緒方副総理よりも、また小笠原大蔵大臣よりも千八百億円の査定被害を認められるようなお話があり、われわれ当該委員においては公共事業費千七百七十八億以下二千十一億に達するというような内容審査をいたした事実もあり、大略二千億の被害だ。これを三・五・二で三年計異で復旧するとすれば六千億を要する、その財源に苦心せざるを得ないというような建前において審議が続けられておりましたが、いつとはなしにそれが千七百億になり、最近は千五百六十四億円にコンクリートせられたものを土台といたしまして組み立てられたということは、先ほど補足説明によつて了承はいたしましたが、私がここで伺いたいのは、かくのごとき状況は、西日本対策本部が看板を塗りかえて臨時本部となつたように広い範囲の災害に及んで、被害県の報告によれば一県の被害五百億以上というのが六府県もあり、和歌山県一県でも一千億を突破し、それは非常な重点災害県として四千億に及ぶ、百億以上のものが九府県あり、それは千五百億以上にも及ぶというような被害の現象をつぶさに見たり聞いたり陳情を受けたりいたし、政府も拱手傍観しておつたのではないのだ、西日本災害対策本部はこれを臨時災害対策本部と看板をかえて、真剣にして必要なる対処を、あるいははつなぎ資金において、あるいは特別なる予備金支出とか、それぞれの出措置をとることによつて、立てかえ金をしてでも、借入れをしてでも、延べ払いをしてでも、あとう限りの全力を尽して可能な最大限の復旧をやれというふうに掛声を立てられて、罹災民は二十四の特例立法に期待をいたしまして、この特例措置においてこの困難を救済して、救援と援護の手を差延べてもらえる、こういう期待を持つておる際で、この期待が千八百億が千五百六十四億に固まつて来たように、事務的にたたみこまして、つじつまだけ合せるように持ちこまれたでのはないかという印象で、いよいよ仕事ができなくなつたならば過大な期待といたしまして、政府の責任ある態度を追究されることは必至であります。私はこういう老婆心からいたしまして、今日までそうではないのだという明らかな言明をこの際求めたいのであります。まず数字がかようになつて来た経緯を明らかにいたし、対策本部長としての緒方副総理より、また大蔵大臣より御答弁を願います。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○緒方国務大臣 最初千八百億と言つておりました国庫補助の額が動いて参つたことは御指摘の通りでございます。今の数字は十月初めのものでありますが、その後の調査に従いましてまだ多少は動くものと思います。その間の経過につきましては、それぞれ数字が明らかになつておりますので、事務当局から今御答弁いたすことにいたします。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 私が一応はつきりした数字を申し上げておきます。実は最初出ましたときの報告額が二千六百十九億でありました。これは現在も二千六百二十億として見ておりますから、報告額には何ら違いがありません。その当時の査定見込額は千八百四十八億でありましたが、十月六日でいろいろな資料を取調べた結果千七百七十五億に査定見込みがかわつて来たのであります。なおこの査定は机上の査定でありまして、実際査定したものもありますが、主としては過去三箇年間の実際によつてやつておるのでありますから、なお将来若干の移動を生ずることがあることを御了承願いたいと思います。それから今まで過去にありました法律による場合には、そのときの政府の方の出す金が千三百六十八億でありましたが、その査定金額が違つた結果千三百七億となりました。さらに特別措置法による分が、当時これは全府県つまりそこの被害を受けた全地域にわたつてやるものと見ましたので、二百八十一億であつたのが、今度は地域が八割五分になつたので、二百五十七億となつておるのであります。従いましてそれの数字が千六百四十九億とあつたのが、今度千五百六十四億となつておるのであります。千八百億といわれたのは、その千六百四十九億にプラスする文教、厚生費等で国費が九十五億、それから冷霜害その他で五十億、つまり百五十億を加えたものでありまして、千七百九十九億となりますので、それで千八百億といつたのでありますが、今申し上げた通りその後の調べでそういうふうになつて参りましたことと、その後の調べによつて文教、厚生等の分は、九十五億を見込まれたものが実地調査の結果四十億円でよいということに相なり、さらにこの凍霜害五十三億はすでに支出済みでありますから、この分四十億円は別途に、これは予算書をごらんくださるとなつておりますので、それこれ出しますと今の千五百六十四億数千万、千五百六十五億となるのでありまして、何らこれをしぼり上げるという意味でやつたものではございません。これが今まで得ておる資料に基く正確な数字であります。従つて今後ももう少し調査の進行するに従いまして、あるいはこの数字に若干の移動を生ずることはあらかじめ御了承を願いたいのであります。

八木一郎自由党

○八木(一郎)委員 ただいまの御説明によれば、減らさんがためのしぼり上げた数字ではないのだ、事務的な專門的な査定を加えた結果がここに至つたのだという御説明は了承いたしました。しかしながら私がこれは腰だめ査定をして非常な迷惑をしておるのじやないかというような、現地調査の結果深く心に刻まれた問題について一、二調べてみましたところが、いずれもずさんなる基礎に立つておるという事実を見ておるのであります。その一、二を例としてあげますると、厚生大臣に伺いまするが、たとえば厚生省においてこの風水害対策で、最も人命に関する重大な問題だというので、水の問題が簡易水道復旧工事の形において頭を出しております。これが六、七月の九州または南近畿の地域被害の際は、二百二十八箇所について予算をつけることが可能だつたのであります。ところがそれよりもはるかに大きな十三号台風地帯の四十府県にも及ぶというこの降雨地域においてどうなつておるかというと、わずかに四十六箇所、限られた地域の実情を私はことごとく調べておりますが、一方が二百二十八箇所で、一方が四十六箇所というのはおかしい、直接專門当局について取調べてみますと、電話で県庁に問い合せて、その電話の結果に基いて締めてしま言た。締めてしまつて、もうあとは引いてもらえない、こうなつておりまするが、罹災地においてはどうなつておるかといえば、簡易水道に関するような人命に関するようなこの重要なる復旧施設については、当然特別法に規定されておるような恩典をもつてやつていただけるのだと考えて、すでに立てかえあるいは延払いあるいはつなぎ、あらゆる手段を尽して、ほつておけないものですから、簡易水道工事をいたしております。こういうものを十三号台風においてはわずかに四十六箇所のみなんです。こういうふうにお認めになつて、財政当局に要求されておるのか、これはそうではないのだというのか、この事実をお聞かせいただきたいと思います。  ついでに文部大臣にも伺いますが、罹災地における罹災児童への学校給食の問題があります。農林大臣が罹災農家に対する飯米を世話しておりますから、罹災しておる方々のかわいい学童の学校給食において、これを中絶するようなそういう冷酷な政治はまさかすまい、こういう見通しから父兄はあたたかに政府の手の伸びて来ることを期待しつつ、現に学校の給食は続けておるわけであります。政府はこれに対してミルクを若干配つてあとのものははつきりしておらない。これは私は罹災児童をかかえている学校給食問題をこの際やはり明らかにしてもらいたい。今年度何とかするのならばする考であると明らかにしていただかないと、年度末になつて、金額はわずかでございまするが、問題となると思う。こういう問題は各省別にあげて参りまするといろいろ出て参りまするけれども、ともかく財政当局は一応積み上げた数字から千五百六十四億円をもつて今回の被害の基礎とし対策を進めているというお話を了承するには、かくのごときずさんなる調査の上に責任を持つてもらえるかどうかということを明らかにしてもらいたいのであります。この二点を両大臣から伺います。

山縣勝見自由党厚生大臣

○山縣国務大臣 簡易水道の問題でお尋ねがございましたが、御指摘の通り、簡易水道は今回の補正予算では一応二十一億ほどの事業費の査定をいたして、そのうち大体十億くらいの査定をいたしまして、うち御指摘の通り、二百二十八箇所が西日本であり、また先ほど四十六箇所と言われましたが、五十九箇所で、しかもこれは復旧でございませんで、いわゆる新設でございます。これについては先般来補正予算の編成を急ぎまして、六、七月の災害以降のものにつきましては、九月の災害の場合は、御指摘の通り、資料が集まらぬ点もありましたが、何分にも補正予算の編成を急ぎました関係上、あるいは一部にはそういうような実情によつて調査漏れもあるかもしれませんが、一応これは編成を急ぎます関係上、その際における調査し得る限度における基礎に基いて編成をいたしたのであります。しかもこれは今お話のような、復旧でございませんで、新設でございますから、今後そういう点につきましては実情を調査して、なおこれらの問題につきましては本年度だけの予算でもございませんから、十分調査をいたして善処いたしたいと思います。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 お答えいたします。水害にあたりまして相当の学校給食上の物資を流失いたしました。当時できるだけ早く現物を現地に送りまして、そうして急場の需要に応じたわけでございます。これは今回の予算にも全額補償の経費を計上してあるわけであります。その後におきます罹災児童の給食でありますが、これにつきましては実は当時ユニセフの方に脱脂ミルクの寄贈を要請いたしましてこれが大体承諾されまして、現物はまだ参つておりませんけれども、これを立てかえましてできるだけ早くということでそれぞれ現地にミルクを送りまして、ミルクに関する限りは無償の給食を九月の中旬ころから始めております。  それから十三号台風でありますが、これはやはり同様追加のミルクを寄付してもらいたいということを申し上げまして、実は昨日ようやく承認のことがはつきりわかりましたが、これも西日本災害の場合と同様な方法をもつて給食に充てたい、そう思つて手配しておるのであります。なお小麦の方でありますが、これも私どもとしては、少くとも災害後当分の間は無償の給食をすることにいたしたい、実はかように考えまして大蔵省と交渉をしておるのであります。ただ卒直に実情を申し上げますと、特別立法の中にも入つておりませんので、実は今回の提出予算の中からは一応これは除かれまして、あらためて予備費として必要な経費を出してもらうように、ただいま折衝をしております。これは実は見通しも明瞭でないのでありますが、私どもといたしましては、大蔵省なり、あるいは関係の農林省方面にも折衝してできるだけ実現をいたしたい、かように考える次第であります。

八木一郎自由党

○八木(一郎)委員 これは今例として指摘したのでありますが、災害から人命を守るという面から見てすらも今聞いた通りの実際であります。これに対して先ほどの主計局長の補助説明によれば十五億ほどの手持で調整して行こうというような御説明のようでございますが、私ははたしてこれでただいまの説明を、責任を持つてかかる国民の命にかかわるような罹災者に対する救援の手として、要求に応じますという答弁として受取つて、このまま引下れるかどうかということを躊躇するのでありますが、時間もございませんので、しばらく推移を見ることとして次の問題に移ります。  第二点は、今後の災害からどうして国土を守るか、領土を守るか、こういう深刻な目に——私は罹災の当日現地に立つて非常に考えさせられるものがあつたのであります。それは台風十三号によりまする最大の被害地帯といわれておる海岸線は、本会議において所管大臣の説明もありましたように高潮被害、津波の被害と地盤沈下の被害とが同時に同発して参つたために、海岸の堤防がずたずたに寸断せられまして、せつかく千町歩あるいは百町歩、八百町歩、五百町歩。とりつぱに五十年、六十年、三十年築き上げて参りました美田が、一瞬にして実りの秋どころかどろ海になり太平洋に続いてしまつて、その穀倉地帯百万町歩は実はそれだけ減つちやつた、領土を失つたと同じことなんですから、このごろ問題になつておるところの直接侵略が台風の姿でやつて来たということで、地元のこの国土を愛する国民の皆様はまる裸になつてこれと闘つておるのであります。この姿はたいへんでありまするが、この実情は調べてみますといろいろ言います。太陽の黒点がもとで、その周期が云々とか、あるいは科学的な説明を聞きますけれども、地元の漁民や老農は、こういうことを言つております。潮時に子供が生れ、引潮に死んで行く、こういう大自然の中に生きておるわれわれだから、六十年の歴史を見ておれば、大体わかると言つて、おじいさんのそのまたおじいさんが教えてくれた。今おれが最も心配しておるのは、さる、とりの年である。こういう予言めいたことを言つて私に教えてくれた。なるほどそれをこまかく聞いてみますと、やはり最も恐しい年は、さる年、とり年ということであります。ことしはみの年だから、来年と再来年のうちにこの直接侵略された国土を何とかして元の通りにしたいから何とかしてもらいたいという切実な要求であります。この切実な要求のもとに、さる、とりの年を迎えない前に、昭和三十年までに何とか復旧したいということで、完全敗北の姿にありまする、領土を失つたところのこの罹災農民、罹災漁民の立場に立ちますると、私は一国をあずかる政府としては、少くも災害本部という看板を上げて政府がやつておる措置としては、これはつなぎ資金あるいはその他の彌縫策ではやつて行けないのじやないかということを非常に憂えるものであります。  そこで基本的な考えに立つて順次伺つて行きたいのでありまするが、まず直接侵略で思い出すのは木村長官であります。木村長官はこの災害に対しまして、最も熱心に保安庁法の規定に許される最大限で協力してくれた恩人であるというふうに罹災民は言つております。私の地帯においても、保安隊のおかげで二百町歩の水田が罹災を免れたという例もあります。しかしこれは土木工事の引受けに関する木村長官の訓令、これは二月の一日に保安隊訓令第八号で出ておるようであります。法の六十一条に基いて災害派遣もやつておられるようでありますけれども、根本的に考えてみて、経験をしたあなたが防災を中心として工兵のような役割が果せる保安隊というものを持つ意思がありませんかどうか。今度のように災害が起きてから飛び出して行くのではなく、工兵隊のように訓練用の資材を若干たくわえて持つておると、それつといつて出て行けばさつととまるだけの工事ができるのだが、残念ながらその施設大隊のもとにはそういう資材を持つておりません。従つて腕を組んで——技術はあります、労力もあります、運搬能力もありますけれども、残念ながらこれではと言う。私はそこで伺いたい。予算がつかなければ絶対にできない問題でもなかろうと思う。この国土防衛の、また直接間接の侵略の問題で日ごろ御苦心をなさつておる木村長官の御所見をまず伺いたいと思うのであります。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 お答えいたします。外敵の直接侵略に対して、われわれが国土を防衛しなければならぬのは当然であります。それと同時に、今お説の通り、天災地変という侵略に対しても国土を防衛しなければならぬことはもとよりであります。そこで保安庁法第六十一条には明白にそういう場合に対処し得るように規定されておるのであります。これは旧軍隊とまつたく違うところであります。すなわち天災地変によつて人命財産を退避せしめるような場合においては、ただちにこれの処置をとるようになつておるのであります。それで現に今度の風水害に対しては、相当保安隊が活躍したことは、これは顕著な事実であります。そこで問題は、保安庁法によりますと、さような災害が発生して人命、財産が危殆に陥つたような場合に、ただちに出動することになつておるのでありますが、それと同時に考えなければならぬことは、そういう危殆に瀕したときに予防工事のできるようにこれをしなければならぬ。これは私は今後十分に考慮しなければならぬと思う。これが抜けているのです。しかしながら今度の災害に顧みまして、私は一つほんとうにうれしいことがあつたのであります。と申しますのは、大阪の淀川が決壊しようとした、木津川の氾濫がありまして、それと同時に大阪の淀川の堤防がまさに決壊せんとした、これが一たび決壊いたしますと、それこそ非常な大災害が起つたかと考えております。法を無視とは言いませんが、法を活用いたしまして予防工事をやりました。これは第三管区総監が私の総括的命令に基いてやつたのであります。これは幸いに予防できたのであります。さような次第でわれわれは今後危殆が起らない前に予防手段を講ずるようにいたしたいと思つております。そこで考えさせられますことは、保安庁法第八十一条によつて、災害が発生した後においてまあこの規定によつて処置ができるのであります。すなわち堤防の復旧工事——しかしこれは御承知の通り公共団体の長とか、あるいは各省の長官の要求によつてやることになつておるのであります。従つて保安隊が要求のないのにみずから進んでやるということはできないわけであります。将来みずから進んでやることの規定を設けてよいのかどうかということ、これは非常な疑問があると思います。これは私は今後の研究課題としてよく検討いたしたいと考えております。しかも私は直接京都府における災害を実際に見聞して参つたのでありますが、災害が起つて、そうして復旧工事をやつてくれというときに何らの計画がない、ただ保安隊に出てくれという。保安隊が出たところでどうしてよいのかわからぬ。今後は各公共団体の長にいたしましても各省の長官にいたしましても、実際にあたつてどうしてやるのかという計画を立てて、この部分はこういうぐあいにして保安隊が復旧工事をやつてくれ、あるいは緊急の場合に、こういう処置をしてくれということでなければ、保安隊が出動いたしましても手をこまねておるばかりで何にもならぬということになります。その点についても将来大いに考慮いたしたいと考えております。なお、保安隊の持つておりまする施設大隊その他の部隊におきまして、今後さような災害が起つたとき、復旧工事に役立言ような器具、機材を十分に準備いたしたいと考えておりますが、何分にも予算に縛られて思うように行きません。どうか保安隊等の予算を増額されるように私は希望いたします。私も大いにこの点に力をいたしたいと考えております。

八木一郎自由党

○八木(一郎)委員 淀川の例を引かれて予防的な措置防災の仕事もやれるような機能を持つ点が研究の課題としてあがつておりますが、私はこれに対しても、アメリカの実情をも調べてみれば、明らかに起り得べき最大の雨量というものを平時から調べておかれて、この河川に対するかさ上げは、最大雨量が来たときは——六十年に来るか百年に来るか知らないが、最大雨量は科学的に計算できる。そのできた計算の最大かさ上げをするまでは当然任務として陸軍工兵隊が演習にどんどんやつておる、こういうことすらあるのですから、これは研究にとどめないで、実施に移すべくさらに御努力あらんことを望みますし、建設省の産業開発中青年隊、農林省の農業開拓青年隊のごときもともに今私が申し述べておるような角度から、この災害に教わりまして、災害より国土を守るという意味で研究をされんことを希望いたしておきます。  関連して建設大臣と農林大臣にお尋ねするのですが、建設大臣は本会議におきまして具体的にこの一事の例として三重、愛知の地帯には改良に百億、復旧に百億、合計二百億を必要とするが、本年五十億をもつてすれば再び災害が起る場合に備えることが辛うじてできる、それを予算に二十億見ておるので、不足の分については責任を持つてこれに善処するという意味の、非常にはつきりした、熱意のある御答弁をされまして、意を強ういたしておるのでありますけれども、今日なお太平洋の水続きの中に六十年も耕して来た田を失い、家を失つておる羅災民があるのでありますから、金の問題ではない、さつき私が申したように一国をあずかる政府が当然の責務として一日も早く元の領土に復旧させるのだという情熱を込めて建設当局がこれに尽して行くように期待をいたしておりますが、これは間違いがないかどうか、われわれは法律的にもこの問題を特別措置せんとしてただいま研究いたしておりますので、この点を重ねて建設大臣に伺います。また農林大臣からは、同じように、海岸堤防の築堤が完了いたしますとあとは農林大臣の情熱によつて——これは養魚場になつており、いわゆる潮遊びといわれておる、養魚場を兼ねた地帯が相当あります。この地帯においても三億、五億と集団的に資金を必要とするというので大臣のもとにおそらく陳情も行つておると思います。こういう実態はどうして起きて来るかといえば、その養魚場に入れる飼料の冷蔵庫は農林省の御奨励によつてりつぱにできておる。えさを入れる場所はあるけれども、魚を飼う場所はこわれてしまつて海洋続きになつちやうわけです。そこで、奨励してもらつた、魚族のえさを入れる、冷凍魚を入れる倉庫を生かして行くためにも何億という金がないと魚場の運営がきかないという状態になるようでありますので、こういう点についても営農資金と同じようにあたたかい政治の手を延べて資金のあつせんをする意思があるかどうか、その点が一点。いわゆる開拓入植者に対しまして営農資金の不足を来すような心配はかけないという自信がありますかどうか。建設大臣において海岸堤防の築堤が終れば、続いてその中の潮を排除し、その中の農業改良、土地条件の改良に必要な施設をどしどしやつて、これはことごとく穀倉地帯、ことごとく美田でありますから、この復旧に全力を尽して、重点配分をなさる御意思がありやいなや、この点をひとつ伺いたいと思います。

戸塚九一郎自由党建設大臣・北海道開発庁長官

○戸塚国務大臣 お答え申し上げます。三重、愛知の海岸堤防の問題につきましては、先ほど本会議におきまして申し上げたことは何ら誇張した気持はございません。なお建設省といたしましてもこれに全力を注ぐつもりでありまして、中部地建では海岸堤防建設部を設けまして、建設省も全力を尽してこの堤防の工事に努力いたしたい、かように考えております。また先ほど申し上げましたように、改良百億、災害復旧百億、約二百億を要するのでありますが、来年の出水期までにどうしても一応の復旧をやらなければならない、さように考えておりまして、それに要する本年度分が五、六十億というふうに考えております。金額はとにかくといたしましても、先ほど申し上げたようにこの工事を遅延させる、あるいは途中で足踏みするというようなことば絶対にいたさない。それがたつには、本年の補正予算に出ております金額ば少いけれども、起債なり融資なりあらゆる手段を講じてただいま申し上げたように工事を遅らせないようにいたしたい、かようにかたい決心を持つております。

保利茂自由党農林大臣

○保利国務大臣 お答えをいたしますが、養魚場の施設についての融資のあつせん及び開拓者の営農資金につきましては、お尋ねの通り十分考慮いたしまして手を打つて行く考えであります。

八木一郎自由党

○八木(一郎)委員 所管大臣が全力を尽してやりますというのはきまり文句の答弁でありますから額面通り受取りますが、政府といたしても、この所管大臣の初志を貫徹するに異議はもとよりないと思いまするが、この際大蔵大臣また内閣を代表して緒方副総理の確認ある答弁を求めまして、私の質問を終ります。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 愛知、三重等の海岸堤防につきましては、これは今の補正予算では大体二十何億か込められておると思いますが、もちろんそれで足りるとは考えておりません。しかし今ちよつとお話の出た二百億という数字は初めてここで耳にいたすのでありますが、しかしこの堤防を修復するのに必要な資金につきましては、これが必要に応じましてもちろん起債とかあるいは資金のあつせん融資等によりまして工事を完成せしめることには全力を尽すことを確約申し上げておきます。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○緒方国務大臣 お答えをいたします。私も建設大臣、農林大臣の今答弁されましたことにつきましては、当初から話にあずかつております。間違いないことであります。

小峯柳多自由党

○小峯委員長代理 庄司一郎君。

庄司一郎自由党

○庄司委員 私は冷害対策専門の簡単なお尋ねをして御明答を得ておきたいと思うのであります。ただいま議題と相なつております冷害関係の七十億円の予算、この予算でもつて一道二十県にわたる冷害の暫定的あるいは恒久的までは含んでおらぬと思いますが、少くとも当面の暫定的施策としてどうやらこれでやつて行けるというような確信を閣僚諸君は持つておられるのであるかどうか。ざつくばらんなことを申し上げると、過般自由党の党本部楼上におけるところの対策協議会においては、羽田君の発言によつて、冷害対策費は最低百二十億円を申し入れたい、こういうような申合せ決議をいたしておつたのでありますが、御提出をいただいたこの予算では七十億というような金額と相なりました。もとよりやつてみなければわかりませんが、一道二十県にわたるところの冷害地域でありますがゆえに、たとえば、かりに七十億円を公平に分配しても、一道府県が四億円にも満たないというような状態である。     〔小峯委員長代理退席、委員長着席〕 もとより国家財政きわめて多事多難の場合でありますから、先ほど本会議において大蔵大臣が御答弁あられたように、またきのうの本会議における御説明にあらわれたように健全財政はあくまでも保持する、インフレ防止のために余儀ない予算ではございましようけれども、この七十億という予算ではやつて行けるかどうか多くの疑問を持たざるを得ないのであります。しかしながら、財政はあらためて申し上げるまでもなく入るをはかつて出るを制すでありまして、何としても二宮尊徳翁の分の生活をやつて行かなければならない。余儀ないことではあるけれども、このささやかなる予算といえども、最も効果的に、最も能率的に、これを正しくできるだけ妥当に行使するように政府において、これは閣僚各位がよく後懇談の上御善処を願わなければならないことであると私は考えております。と同時に、大蔵大臣に一間だけ伺つておきたいのは、昭和二十八年度の既決予算の中の公共事業費一千二十億でございましたか、あるいは食糧増産対策費の約五百億円——今回は操作の関係上、若干これを削られたようではありますが、約五百億円近いところの食糧増産の対策費、そのうちには、土地改良費が、百七十三億かあつたようでございます。そういう既決予算のうち、またただいま申し上げたのは一般会計であるが、政府機関においても、二十幾つの政府機関のうち、公共事業費的性格を多分に持つておるような費用、そういう経費は——本年は選挙のために通常国会が遅れ、昭和二十八年度の予算の最後の決定を見るまでに若干の日時をけみしたようなわけでありますので、ただいま公共事業費方面に使用せられる予算というものは、第一、第二四半期の目当の予算を使い果したかどうかはわかりませんが、少くとも第三、第四四半期関係の予算は残つておるのであります。それらの予算に、多分に救農土木事業といいましようか、そういう色彩を農厚にして、残余の既決予算中の公共事業費を有効に用いてもらいたい、こういう考えを本員は持つておりますが、大蔵大臣の御所見はいかがでございましようか。また年々歳々、あるいは農林省、あ。るいは建設省等の公共事業費は、年度を越して翌年の夏から秋にかけてようやく仕事が完了するようなマンマンデーの傾向に相なつておることは御承知の通りであります。今回はそういうことがないようにこれは緒方副総理にもよくお聞きとり願つておきたい。年度内に当然完了ずべき公共の事業を、あるいは予算の交渉を、なお翌年の夏を経て秋になつてようやく完了するというようなことが、結果において、都道府県あるいは市町村等に対する国の補助費の場合においては、地方財政を非常に疲弊困憊せしめる。仕事の繰上げと言いましようか、年度内には不可能であつたとしても、遅れてもぜひ八月のころまでには全部の仕事が完了するという方針で行きましたならば、たとえば冷害関係のことに提出された七十億の金があるいはその二倍の百四十億の効果をあげるかもしれない。これは暫定的の、一時的のことではありますけれども、そういうことがまた予算行使の上において正しいことである。きのう全国の町村長大会がございましたが、その決議の中にそのことがございました。ぜひ政府の既決予算あるいは既定の計画を遅延させないで、なるべくすみやかにやつていただいて、その結果において事業の完成を早くみる、同時に市町村等に対する国庫補助金等は早くもらえるような措置をとつてもらいたい、さらにあらずんば地方銀行等より高利の金を借入れしなければならない、かようなことを町村延長各位が述べておつたのでございますが、乏しい、足らない七十億のこの冷害対策費を、もつと実質的意味においてふやすという面においては、今申し上げたような本員の私見もまた御採択あつてしかるべきものではないか、かように考えます。これらについての御所見を伺つておきたい。  それから、特に救農関係の土木事業——農林関係あるいは建設関係の工事もあつたようでありますが、二十何年前の古い昔の話であるが、齋藤内閣時代であつたかと思います。大蔵大臣は御記憶のことであると思いますが、長期事業という名前のもとに、ただいまわれわれ言わんとするところの救農土木事業が行われた。その際においては、到るところで土木関係の者、あるいは官公吏、地方公務員等がけしからぬ行動に出まして、いわゆる土木疑獄事件が至るところに発生したのである。今回はさような忌まわしいことがないように十分上司において注意をされ、公正妥当に仕事が完了されることができるように、たとえば人夫のごまかし——浮人夫であるとかさようなことが絶対にあり得ないように十分警戒をされ、効率的に長期事業を完了されることを私は特に要望してやまないのであります。  なお、特に建設大臣に一言申し上げたい。それはやはりきのうの全国の町村長会議において、昭和二十四、五年当時の補助工事の仕事が完了しておるにかかわりませずいまだに国の補助が来ない、これは一体どうしたわけかということを町村長各位がこもごも述べておりました。さようなことがあつてはならない。町村に交付すべき補助金は適当な機会にすみやかに交付すべきものである、さようなことから地方の町村の財政も非常に逼迫して来るのでございますが、建設大臣はかような問題について御承知であるかどうか、またそういう事実に対してどういう対策をとらんとするものであるか、お伺いを申し上げたいのであります。  なおただいま議題となつておるところの救農土木事業については、五割の補助ということが御説明にあつたようでありまするが、あとの五割の負担は地方町村の負担でございましよう。けれどもなかなかもつてこの冷害関係、災害関係の町村においては、あとの残額の五割の負担というものは困難である。多分起債のわくを大幅にお与えくださるものであるとは思いまするが、その起債のわくはどの程度までのわくであるか。たとえば八〇%のわくを与えんとするものであるか、あるいは一〇〇%の起債のわくを与えんとずるものであるか、そういう実際の問題についての詳細なる御説明を承りたいのであります。  土地の改良の問題について、これは農林大臣にお伺い申し上げたい。暗渠排水、客土、あるいは農道、林道、いろいろありまするが、積寒法によるところの補助額は従来きわめて低額であつたのであります。よつて今回はやはり五割程度にこの補助を増額される御意思であるかどうか。積寒法によるところの、すべての農村の事業に対するところの補助額、あるいはこの七十億の冷害関係の予算、あるいは三百億の災害関係の予算のうち、どの程度の金額において補助を市町村に与えんとするものであるか、そういう具体的なお尋ねをしてみたいと思うのであります。  文部大臣に対しましては、先ほど同僚より児童の給食問題についての質問に対するお答えがありましたが、私のお問いしたいのは、特に僻陬地帯における山間部の新しい開墾、開拓の村々における冷害被害の関係地域、そういう地域におけるところの新しい山奥の分教場、それらの児童は収穫皆無、あるいは激減によつて非常なる食糧難に襲われております。御承知のことであると思いまするが、麦飯どころの話ではない、じやがいも、あわ、ひえと言いたいのであるが、そのあわ、あるいはひえさえもこれは大減収である。かような現実の問題に対して、どういう給食関係の対策を文部大臣は農相と御相談の上とられんとするものであるか、その具体的の御成案を承つておきたいと思うのであります。  私の与えられた時間はわずかに二十分でございまするから、これ以上延長することは同僚諸君にも申訳ないと考えておりまするが、さらに農林大臣にもう一言申し上げておきたいと思います。農林大臣は、東北地方、あるいはその他各冷害関係の地域を親しく見学をされ、あるいは慰問をされていたのでありまするが、おそらく岩手県和賀郡藤根村というところにおいて、要所々々に張られておるポスターをごらんになつたと思います。そのポスターは私も書いて参りましたが、石川啄木の和歌をもじりまして、われ泣きぬれて稲を焼き捨てという下の文句でございました。まことにこれは悲痛きわまるところの歌である。ああいう惨状をまざまざと実地に見学をされ、巡視をされた農相におかれては、さらにこの三陸沿岸より、あるいは常磐沿岸において、あたかもオルドスの砂漠のようまぼうぼうたる、不動の姿勢をとつておるところのあの青い稲をごらんになつたことであると思います。もしこの七十億の予算等において、どうしても予算措置が足りない、不足を生ずるというような場合は、この後どういう対策をとられんとするのであるか、あるいは昭和二十九年度の新しい予算の中において、若干の追加の意味において計上される御意図を持つておられるのかどうか、こういうことをお尋ねをしたい。  厚生大臣には、この冷害地域における収穫皆無地域、あるいは三分作以下の地域におけるところの主として肺結核の患者等は、ほとんど農家経済の上においては収入の激減でございますから、お医者にかかれないという状態が現われております。かような問題について、厚生省関係の予算も若干とられたようであるが、これはひとり冷害地域の問題だけじやありません。水害、災害、十三号台風の地域等においても、災害をこうむつた農村地域におけるかような患者、特に貧しい収穫の少いところの家庭の結核患者等は、全額国庫負担をもつてこれの医療をしてやるというような大英断の措置をとつてもらいたい。結核関係の対策予算は、既決予算には百何十億あることはもちろん承知しておりますが、さような英断をもつて、この悲惨なる災害地域における恐るべき亡国病であるところの結核患者等は、全額国庫負担において医療してやるというような、社会福祉的の信念をもつて厚生大臣には御善処を願いたいと思うのであります。  最後に、この冷害関係、あるいは災害関係の結果、わが国の社会史上において驚くべき一つの現象が現われておる。それは何であるかというと、新聞でごらんでありましようけれども、各山林地帯、高原地帯よりくまがのこのこやつて参りまして、人里を荒らし、人畜を害しておる。まさに人間とくまとが、くりその他の食糧の奪い合いという光景が現われておることを、閣僚諸君はよく御考慮願いたいと思います。とにかく私は明治初年の生れであるが、いまだかつてこんなにくまが出たことがない、たとえば私の宮城県においては、もう二十何頭くまが現われて来て、人畜を害しておる。くま狩りのための自衛隊が組織されて、昼夜山狩りをしておるような状態であります。これは為政者として大いに考えなければならない。くまが山里近く現われて来たということは、政治の上に大きな示唆と反省を与えるものであると思うのであります。また冷害関係は、稲作において、あるいは野菜において、雑穀において、収穫が激減したというだけの御論拠のようでありますが、そうではない。太平洋沿岸、あるいは世界の三大漁場の一つであるといわれておる金華山沖合いにおいて、この冷害のために近海漁業というものは魚類の収獲がほとんどございません。現に国会の食堂等において、食堂にすし屋がございましよう。あの安く握るところのたこ、日本一のまだこの生産場は宮城県本吉郡志津川というところであるが、このたこがとれない。それから赤貝である。これは福島県の新地方面の特産である。この赤貝、まだこの漁獲が激減しておる。でありますから。冷害というものはただ陸地におけるところの稲作その他の減収だけではない。太平洋の近海においても魚がとれないというのは、冷害の結果である。これは今後農林省、水産庁等において大いに研究しなければならぬ問題である。ゆえに漁業、あるいは港湾の整備その他の若干の予算もあるようでありますが、こういう面に対してもやはり御考慮を払われたい。  申し上げたいことは多々ありまするが、何やら裏の方で同僚の方から、早くやめろというような掛声もあるようでありますから、この程度にいたし、簡単に冷害関係を申し上げ、厚生大臣、あるいは文部大臣、農林大臣、蔵相等の御明答を得て、私の質問を終りたいと思うのであります。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 最初お話のございました災害補助金等が非常に遅れておるという問題でございますが、今度の冷害の場合におきまして、そういうことがあつては相ならぬので、これは十分注意することにいたします。ただ実際は、都道府県の出納長に補助金の支出を委任することに相なりますので、その補助金を支出する場合には、その予算額の支出の配分方を都道府県の出納長が受けるのであります。それが市町村に配布する等のことで、いろいろあるいは手継等が遅れておるかと存じますが、問題の性質上取急ぐことがよくわかりますので、今後ともさようなことのないよう、よく処置いたしたいと考えております。  それから今最も重点を置いてお話になりました点の、今度の一種の農業救済の意味の救農土木事業でありますが、この金は実は五割の補助が出て、もと五割は地方でやらなければならぬということになつておりますが、残つた五割のうちの八割は、公庫から資金を御融通することになつておりますので、さよう御了承願いたいと存じます。  それからなお今度小さい事業につきましては、お手元に差上げたものにも書いておきましたが、相当今までなかつた補助率を適用することにいたしまして、たとえば原則といたしましては、小規模の救農事業に対しましても五割の補助金を新たに出す、これは従来なかつたことであります。それからさらにまたあるいは灌漑排水工事であるとか、区画整理であるとか、温水溜池、客土などにつきましても、それは今は四割から三割になつておりますが、それを一律五割にするとか、あるいは農道は現在二割でありますが、それを四割にするとか、あるいは林道については今は三割でありますが、五割に引上げる等、救農土木と言われておる名にそむかぬように処置いたしておりますが、これらの実施方については、よく農林当局等で十分御監督の上、御善処くださることと考えております。

戸塚九一郎自由党建設大臣・北海道開発庁長官

○戸塚国務大臣 お答え申し上げます。二十八年度の既定の予算の支出について、救農的性格を持たせろというお話でございましたが、この点につきましてはすでに今月の二日、それぞれ関係の地方建設局に通牒を発しまして、御趣旨のような意味で指導をいたしております。  なお救農土木工事その他に、従前のような疑獄等のないようにというお話でございましたが、この点については十分注意いたしたいと存じます。  それから過年度災害の点でございますが、お話の意味は私二様に拜聴いたしたのであります。本年度の予算に計上してあります分につきましては、すでに令達をしておりまして、あるいはまだ町村まで達しないかもしれませんけれども、この点については早く処置をいたしておつたのであります。また町村で工事はしたけれども交付金がないという意味で、いわゆる過年度災害であつてまだ予算に盛られない分につきましては、はなはだ遺憾でありますが、いまだに入つておりません。二十三年度まで済んでおりまして、二十四年度を少しやつているようなわけであります。

保利茂自由党農林大臣

○保利国務大臣 救農土木事業のやり方につきましては、大蔵大臣から申し上げられました通りに、積寒法対象の事業としてやります土地改良でありますとか、暗渠排水でありますとか、客土でありますとか、これらにつきましていずれも五割の補助になります。ただ農道だけが大蔵大臣から申しますように四割となつておるわけであります。今回の冷害対策の救農事業として、東北地方、特にやかましかつた小団地の問題は、いわゆる臨時救農施設として、臨時的に小団地を取上げてやるようにいたしております。実際の冷害のひどい現地を見まして、私も庄司委員と同じ感を受けておるわけであります。これらの地帯に対しましては、営農資金の融通、それと農業共済、農家の飯米についての特別の措置、これが一応減産地帯には、まんべんなく行き得る措置でございます。それに加えまして、この救農土木事業をやるわけでございます。むろんこれは先ほども申しますように、そういうひどい地帯に何ほどかの現金収入の道を開くという趣意で、すなわちこれが救農であるわけでございますから、従つて事業それ自体の価値なりというこに重きを置かない——むろん効果に重きを置かないというわけには参りませんけれども、しかし同時に手取り早く農家に現金収入の道を開くという手段を講じなければならぬ。そういうわけで農林省としましては、冷害対策班を省内に臨時的に置きまして、県、町村と直接連絡をとりまして、そういう被害のはげしい地帯に、何なりの手段が講ぜられるように、町村自体において手取り早い計画を立ててもらう、むろん効果的な計画は最も望むところでございますけれども、同時にこの冬場が私は一番大事であると存じますから、従つてお話のように来年の八月ごろにならなければできないというようなものは、この救農土木事業には取上げても本来の目的を達しないという考え方で、指導して参りたいと思つております。  それから単に冷害は陸上のみならず海上、海中に及んでおるということは、その通りでございます。むろんこの冷害は、潮流の寒流の関係から大きく出ておることは申すまでもないわけでございます。そこで昭和九年の冷害後におきましては、当時の状況から飛行機などによつて結氷の調査、潮流の調査等を中央気象台がやつてくれておつた。今日はそういう点に相当手薄になつております。ただ観測結果において、長期予報を出しておるというような状態でございます。ここは私は、所管のいかんは別といたしまして、今後相当充実していただく必要があるということを痛感しておるわけであります。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 お答え申します。冷害地の児童に対する学校給食の問題でありますが、私どもといたしましては、先ほど申し上げました災害地の児童に対する給食と、大体同様に無償給食ということをいたして参りたい、こう考えているのでありまして、大体考え方といたしましては、特に窮乏家庭の児童約四十万人を対象といたしまして、先ほど申し上げましたと同様、予備費等の支出によつてそれができますように、せつかく関係省との間に交渉を進めております。ただ先ほど申し上げました災害地児童に対するユニセフのミルクの寄付が、実は相当の分量でありまして、九月から始めて来年の七月くらいまで継続し得る量になつております。どうしても思うように行かぬ場合には、むろんユニセフの方の承認を得なければなりませんが、それを多少割愛してでも、冷害地児童の方にまわしたいというように、せつかく努力しておるのでございます。特にただいまお話になりました開拓地等、ひとしく冷害地でありましても、特殊の事情にある地域につきましては、もし全体が思うように参りません場合には、また何とかいたします。実は奄美大島の復帰につきまして、おそらくは非常に疲れておるであろうと思われる奄美大島の児童につきましても、少くとも当分の間は学校給食をしたいと考えておりますので、同じような意味合いにおきまして、できるだけ努力したい、かように考えております。

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 庄司さんよろしゆうございますね。

庄司一郎自由党

○庄司委員 よろしゆうございます。

倉石忠雄自由党

○倉石委員長 それでは本日はこの程度にいたしまして、次会は明三十一日午後一時より開会いたし、質疑を継続いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後八時一分散会

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