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17回国会衆議院1953/11/04

文部委員会 第2号

発言数
67
登壇者
11
会派数
3
開催日
1953/11/04

会議録

辻寛一自由党

○辻委員長 これより会議を開きます。  理事の補欠選挙を行います。中村梅吉君が委員を辞任されましたので、理事が欠員となつておりました。この際前例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

辻寛一自由党

○辻委員長 御異議なしと認めます。よつて私より池田正之輔君を理事に指名いたします。  次に辻原弘市君の理事辞任を許可し、高津正道君を理事に指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

辻寛一自由党

○辻委員長 御異議なしと認めます。よつてさように決しました。     —————————————

辻寛一自由党

○辻委員長 これより文部行政に関する件を議題とし、前会に引続き質疑を続行いたします。辻原弘市君。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 大臣がお見えになりますまで、主として災害関係の予算の問題についてお伺いいたしたいと思います。ただいま議会に提案されている予算を見ますると、公立学校文教施設の災害復旧の予算として二十億が予定されておりますが、この二十億の予算の中で本年度の施行が予算上十一億になつております。この二十億の総額の国庫負担分に対して、十一億の補正予算の額で行きました場合に、一応計画は立てられておるようでありまするが、法律でもつて見ますると、六割は初年度、次年度は四割、こういうことになつておりますが、完全に二十九年度において完了するお見込みを現在政府当局において持つておられるかどうか、この点を第一にお尋ねいたしておきたいと思います。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 お答えいたします。西日本の水害並びに十三号台風及び紀南の水害に対します公立学校施設並びに国立学校文教施設あるいは私立学校の施設あるいは社会教育施設の災害復旧費予算でございますが、ただいまお話ございました通り、総額におきまして二十三億二千六百万でございます。これを二十八年度の補正予算と二十九年度の二箇年で予算を完了するわけでございますが、とりあえず第一次補正といたしましては、ただいまお話のございました通り、十億五千九百万というものを想定いたしております。なお二十八年度分といたしまして第一次補正予算のほかに、予備費にまわしました分が一億二千万の予定でございます。これが二十八年度中に予定いたしました金額でございまして、二十九年度には残額をすべてつける予定になつております。これによりまして、国立学校並びにその他の学校施設、あるいは社会教育施設の災害復旧は全部復旧される見込みでございます。お話ございました通り、文教施設につきましては、初年度におきまして六割を予定いたしております。それから二十九年度は四割という予定でございますが、なお十三号台風の分につきましては、その比率が多少かわつておりまして大体五割々々という見当に予算がつくはずでございます。いずれにいたしましても、二箇年間をもつてこれを完了する予定でございます。他の公共事業施設と比べまして、教育施設につきましては、特にさような配慮をいたしております。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 次に公立教育施設、その他私立学校あるいは文化財一切交えて、ただいまのお話のごとく二十三億に国庫負担分の総額が相なつておりますが、これと各都道府県から六月以来十三号に至るまでのいわゆる被害報告との関係はどのようになつておるか。もちろん二十三億は国庫負担分であろうと思いますので、これを四分の四に逆算をした場合の国庫負担分の基礎になつておるものと府県のいわゆる被害報告による総額、これとはどの程度の関係になつておるか、文部省においてどの程度査定したかという問題と、いま一つは文部省が要求いたした数字は、たしか三十三億であつたと思いますがそれが、二十三億に至つた経緯、すなわち文部省の当初要求をこの程度圧縮してもただいまのお話によりますと大体二年度でもつて完了するということでありますが、実際の被害地の災害復興と完全にマツチし得るかどうか、この点を被害総額から今日に至るまでの一応の経過をかいつまんでお話願いたいと思います。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 西日本の水害によります被害報告額でございますが、これを公立学校施設につきまして御報告申し上げますと、当初県から申入れがございました災害報告額は四十三億一千万でございます。それに対しまして文部省並びに大蔵省でこれを査定いたしまして、文部省が終局的に大蔵省に要求いたしました数字は、被害報告額といたしまして三十三億四千万でございます。それに対しまして査定を受けました金額は、公立学校に大体限定いたしまして申し上げますと十二億九千万ということになつております。大体被害報告額と申しますと、これはすべての学校建物並びに設備、工作物、校地を全部含んでおりまして、その報告金額でございますが、これに対して国が幾ら復旧の負担をするかということになりますと、これは御承知の通り特別措置法によりまして、公立学校につきましては四分の三の負担をするわけになつております。  なお設備等につきましては、さらに一定の基準がございまして、それによつて計算いたして参るのでございましてこの負担額はただいま申し上げました通り十二億九千万でございますが建物につきまして申し上げますと、大体報告額の七割七分二厘の査定を見ております。この査定の率でございますが、これは大蔵省並びに私どもと話合いましてつくりました率でありますがおおむねその率によりまして復旧費を算出いたしますならば、まあそういうところで大体行けるのではないかという見当でございます。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 おおむね各省の査定の標準に合致しておると私は見受けるのでありますが、この問題は基本的な問題でありますので、ここでは申し上げないことにいたします。  次に社会教育施設等において三分の二、その残りのいわゆる起債によつて充当する分について、現在どのように折衝されておるか。これは先般予算委員会において配付された資金運用部資金の資料によりますと、災害復興についての地方起債を、百十二億でありましたか、何か考えておるようでありまするが、その中に百パーセントを大体見込まれる、そういうお見通しがあるか、あるいは残りの起債については、この地方債だけではやれないというふうな状況にあるのか、この点をお聞かせ願いたい。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 御指摘のように四分の三の補助をいたしまして、残りの分につきましてはこれは補助起債がつく予定でございます。また社会教育施設につきましては、三分の二の補助でございますので、残りの分につきましても補助起債がつく予定でございます。もちろんわれわれといたしまして百パーセントの起債を期待しておりまするが、これは今後自治庁との折衝によりまして、あるいは率がかわるのじやないかと考えますが、自分といたしましてはぜひこの災害につきましては百パーセントの起債をつけてもらうよう努力するつもりでございます。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 あとで自治庁にもお伺いすることにいたしまして、次に災害復旧は一応原形を基礎として復旧するということに相なつておりまするので、この中でどういう割合で鉄筋ないし木造を建てるかということは判然とは言えないと思うのですが、これは九州災害が起りました直後に私は申し上げたのでありますが、最近の頻発する災害の状態を見ました場合に、やはり公立教育施設としては今後どうしても鉄筋を奨励して行かなければならぬということは、先般大臣も私の意見に御同意されておりましたし、さらにその後の十三号台風等を見ましても、鉄筋の建物は——もちろんこれは良心的に建てられた建物でなくてはだめでありますが、持つておる。ところが木造の場合は耐用年数がきわめて短い。またあまり年数のたつていない建物であつても、この風、水等によりました場合においては、校舎の倒壊がなくともゆがみを来すという危険な状態になつて、ますます危険校舎を増加して行くということを、私は災害地をまわつて随所にこれを発見いたしたのであります。さような見地において、特に異状な災害を解決する災害復興としましては、何とかしてこの機会にこれを鉄筋にかえて行く、非常に莫大な損害を受けておりまするから、これを新しく建てる場合に、再び木造であつては今後起つて来るであろう災害にもう一度校舎が崩壊のうき目を見なければならぬ、かようなことのないように、特にこの機会に思い切つて鉄筋を奨励して行くということを強く私自身考えておりまするし、また政府にもこれをぜひ推進していただきたいということを思つておるのでありまするが、今回一応予定されておる施設復旧においては、従来の考え方から前進をしておられるということを、私も承知いたしておりますがどの程度鉄筋のわくをここで私えて行こうとされておるのかこれをひとつお伺いをいたしたいと思います。先般、同様の質問をいたした際に、近藤政府委員の方から、一応災害は原形復旧でありますので、その点のわくはございませんというお答えでありましたが、しかしながらおそらく各地方から出ております復興計画については、鉄筋にこれをかえて行くという建築計画が出されておることだろうと私は考えますので、それを一応どの程度見通して行くことができるか、これをひとつ承つておきたいと思うのであります。私がこの鉄筋をやかましく申し上げる趣旨は、この災害に耐え得るということと同時に、いま一つは今回のような実に悲惨な災害を受けました場合に、教育行政上において、またはこの地方の生活環境において、現に私が私の県の奥地をまわりました際において、どこを見ましても残つている建物というものはございませんし、田畑はもちろんのこと、道路あるいは橋梁、一切合財が破壊し尽されている。その中にたつた一つ残つた村の診療所の建物が実に近代的な鉄筋で、採光もよろしいし、あるいはその建築の様式も明るい、そういうものが目に入つて来たのでありますが、それをながめた場合に、災害地の一番大事な民心の安定、災害地の人々の災害復興に対する意欲というものが、こういうところから私は力づけられるのじやないかということを単純にそのとき感じたのであります。このことを私は自分の気持としてではなしに、それぞれの村に行きました際にそういう一つの村のセンターともいうべきような建物が近代的な明るさを持ち、そしてまたその建物に安心感を持つているということが、いかに村人の力になつているかということを、これは直接災害を受けた人々の口から聞きまして、さらに単にたよるというものだけではなくして、明るいものをやはり村の中に一つでも持つているということ。ことに教育施設というものは、これはどこに行きましても、田舎の場合には村の唯一の文化センターでありますから、そういう意味合いにおいて、明るい強いりつぱなものをこの田舎に建ててやる。このことを私は強く考えますので、特に鉄筋の問題をやかましく申したのでありますが、さような意味合いにおいて、思い切つてこのわくを考えてもらいたいということを念願いたしておりますので、ひとつその辺のところを局長からお聞きかせ願いたいし、この問題につきましては、大臣もお見えになりましたから、再度大臣の御見解を聞いておきたいと思いますが、まず近藤政府委員の方からひとつお聞かせを願いたい。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 私前会におきましては、あるいはまだ予算の折衝過程にありました関係上、明白に申し上げておかなかつたかと思いますが、鉄筋の比率は一五%であります。木造は八五%これは全壊についてでありますが、実際にこれを被害校舎につきまして統計をとりまして、防火地区水防地区に比率を出して参りますと大体五%程度が防火地域の比率になつておりますので、実を申せば五%程度を考慮いたしますれば、おおむね復旧の趣旨に合致するというふうにも考えられるのでございますが、今回立法に相なりました特別措置法の趣旨にもございますので、できるだけ鉄筋の校舎を建てるという意味合いにおきまして話合いをいたしておりまして、この率を先ほど申し上げました一五%に決定いたしております。ただ欲を申しますれば、半壊の校舎につきましても実は鉄筋の比率をほしかつたのでございますが、この点につきましては話合いがつきませんので、できますれば今後予算の配分の際に、何とか実際上の措置によりましてこれを解決する方法はないものかということを、今後話合いをいたしたいとかように考えております。一応全壊につきましては、一五%になつております。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 一五%ということになると、これは従来の率とは何らかわつておらぬということでありまして、別に大した進歩を私は認められないと思いますが、特に今回の特別措置法におきましては、法律上御承知のように鉄筋コンクリートもしくは鉄骨の建物にこれをかえて行くという場合においても、同様の取扱いをするということを明文化いたしております趣旨から見まして、これは明らかに今回の災害復旧においては、極限までこの鉄筋で地方公共団体がやろうとする場合においてはこれを認めて行こう、こういう考え方に立つておりますが、ただいまのお話によりますと一五%、しかも大体防火地域が五%ということに相なりますと、今回の災害ではほとんどこれは農山村でありまして、いわゆる防火地域に指定せられている地域は非常に少ないのじやないかと私は思つておりますが、さよういたしますと一割しかその希望が満されないということになれば、せつかくこの機会に相当の費用負担を覚悟して、鉄筋校舎を建築しようとしているところが、その希望にこたえられないというようなことになつて参りますならば、これは私がさきにも申しましたように、今度の災害復興は元の現状に復するというようなことであつてはならない、この機会に文教施設というものを一歩前進させて更新して行くのだということ、そこに一つの着眼を文部行政としては置いてもらわなくちやならぬのでありますが、そのことが果せなくなるというふうに私は考えます。従つてこのわくについてはいま一たび御考慮を煩わしたい。この点について大臣の御見解を承りたいのと、それからいま一つは防火地域の問題でありますが、もちろん都市において鉄筋ということは、これは当然な考え方で、その必要はこれも当然私は認めているのでありますが、先ほど申しましたように、農村における教育施設の鉄筋というものは、都市において防火の要ということの理由よりもさらに強く要求される。今後の災害という問題それから文化センターとしての価値ある建物にしたい。わらぶき家の中に明るいこういう建物があつた場合に、どれだけ子供たちの心が明るくなるか。明るい環境の中に、やはり僻村といえども子供を育てて行くということを考えました場合に、むしろ山間僻地であるならばそこにこういうものをつくつてやるという、教育の機会均等という考え方に立脚すべきである。最近僻地教育の振興が全国的にほうはいとして起つておりますが、そういう意味合いにおいても、私は山間僻地においてこそこの問題を今取上げて行くべきじやないか、かように考えておりますので、この防火地域だけに重点を置いたような鉄筋の考え方は今後改めていただきたい。もちろん防火地域は重要であります。同時に水に危険な場合においては水防地域といつたようなものも考えられましようし、さらに農山村におきましては、今私が申し上げましたような、そういう一つの環境を与えるといつた意味において鉄筋を奨励して行くということで、特別なそういうわくづけをさらに小さいわくの中でやつて行くということをしないで、このわく全体をどこにでもつくれるというような考え方にお立ち願いたいと思うのでありますが、この点についてひとつ大臣の御所見を承りたいと思います。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 辻原委員のお述べになりました点はまことにごもつともでありまして、また今回の災害で流された木造校舎をその地域々々の実情に応じてあらためて鉄筋として行く、こういうことは国会の御意思であると思います。私どももぜひともそういうことにしたいと思つているのでありますが、これは地方々々の事情もありますし、また財政的関係もあることでありまして、そこにおのずから限度があり、全部理想的なことはなかなかできがたいことであります。ただいま監理局長から申し上げました内容におきましても、従来木造であつたものを今度は鉄筋でつくり直すというようなこともある程度はできることになつていると思いますが、ただいまのところではその程度において改築充実を期する。今後漸を追うて鉄筋校舎がふえて行きますように、これは来年度の予算におきましても、ただいまそういう考え方で補助予算について大蔵省と折衝しておる次第であります。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 くどいようでありますが、今回の災害復旧は、普通の場合の建築の例によることは若干実情に沿わない点があるということは、当然大臣もお認めになつていらつしやることだと思います。私はさような趣旨で申し上げるのでありますが、問題は、私のあちこち見てまわりました範囲内におきましても、全壊もしくは流失になつた建物を、大多数の村においてはでき得れば鉄筋にしたい、こういう御希望でもつて建築計画をなされ、その要請をそれぞれの当局にいたしておりましたが、その実情から見てみますと、防火地区は、さきに申しましたようにそうした今度の災害地域にはほとんどありません。そうすると、一割でもつてその要求を満し得るかどうか、こういうことであります。もしただいま提出されておる資料でもつてそれが満し得るならば、私は実情に即してやつておられるということで了承いたしますが、そういうむしろこちらから積極的に地方に推進しなければならぬ問題を、現在地方は逆にそれに非常に力を入れて、相当の負担も覚悟してやつておる。それを私としては押えるべきではないと思う。できれば百パーセントその要請にこたえてやるべきだ、こういう気持で申し上げておりますので、その点はたして一割でもつて十分要請が満し得るのかどうか、この点は監理局長からお伺いいたしておきたい。  もう一つは、万が一この防火地域の中にさほどの要請がなくして、そのわくが余るとか何とかいう場合においては、そのわくをも防火地域以外のそういうところに充当し得るようなお考えをお持ちなのか。あるいは五%、それから一〇%、この一五%を全部パーにして、そしてその要求度合いに応じて鉄筋を与えて行く、こういう趣旨に考えられておるのか、この点を承つておきたいと思います。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 私先ほど一五%と申し上げましたのは、これは小学校、中学校についてだけでございまして、高等学校につきましては二〇%であります。さよう御了承願います。  それから問題は、もし万一防火の地区からの要求がこちらの予定しておりました坪数に至らない場合には、それを準防地区にまわし、あるいはその他の農村の方にまわすということも、これは従来予算の配分上の措置におきましては考慮されておりましたことでございますので、災害地域につきましても、そのようなことになりますれば、準防地区に、あるいはその他にまわすことも必ずしも不可能でない、かように考えております。

辻寛一自由党

○辻委員長 辻原君、ちよつと御了解を得たいと思います。坂田委員から出席の要求がありました理財局長が出て参りましたので、後ほどにしてください。坂田君。

坂田道太自由党

○坂田(道)委員 おとといの当委員会におきまして、昭和二十九年度に異常に中学校の生徒が増加して、それに対する対策が緊急を要するという問題が論ぜられましたが、それに対して文部大臣、それから大蔵省当局からも一応の御答弁をいただいたのでございますが、本日理財局長をここへ呼んでいただきましたので、一応理財局長としての御答弁をいただきたいと思います。  内容はすでに御承知だと思いますけれども、全国で小学校、中学校合せまして約百万、中学校だけでも五十万、特に六大都市においては十二万以上の異常なる生徒の増加が予想されます。これに対する措置がほとんど顧みられておらなかつた実情を実は発見いたしまして、それに対しまして一応大蔵当局から公募公債によつて措置したいというような言明をいただいたわけでありますが、これに対しまして理財局長のお考え、並びに何を申しましても十二月、一月、二月、三月とあと四箇月くらいしかございませんので、いつごろこの措置をとつていただけるのか、その点もあわせて御答弁いただきたいと思います。

阪田泰二大蔵事務官(理財局長)

○阪田説明員 ただいまお尋ねの点につきましては、私どもも実は先般そのお話を伺いまして、これは学生が増加することでありまして、当然必要とする施設でありまして、何とか処置しなければならないものであるという点については御同感いたすわけでありますが、まず本年度の資金運用部の関係につきまして申し上げますと、資金運用部関係の地方債引受けの計画は、これも年度初め以来計画を立てまして、いろいろ起債の割当等進捗いたしておりますので、この際この中に今からその分が流れ込むといいますか、その分を出すということは非常に困難でございます。それから資金運用部資金の追加をいたす問題でありますが、これも実は御承知のように今回の災害に伴いまして百八億円の地方債の引受けを追加することといたしましたが、これも災害の復旧等にまわりますものでありまして、ちよつとそちらの方には手がまわりかねるわけであります。それで、あるいは資金課長の方からお答え申し上げましたかと思うのでありますが、公募の方のわくからこれを出す、公募債として認めるということが今やむを得ない方法として考えられるわけでありますが、これにつきましては、私どもといたしましても、至急に公募の中からそういうものが出し得る余地があるかどうか、捻出できるかどうか、ひとつ検討いたしてみたいと考えております。ただこれも御承知のことと思いますけれども、地方債の公募債のわくと申しますのは、本年大体百八十億円程度を予定しておりましたが、去年あたりの状況から見ますと、とてもこの百八十億円の公募もなかなか困難なわけでありますが、今回の災害に伴いまして、実は公募のわくが、またそういうやむを得ない事情のためにふえまして、現在二百二十五億円と思いますが、その程度の起債の公募債のわくとして自治庁の方でも考えておられるようであります。そういうふうになりますと、これはかなり公募債として認められましても、消化するのに困難である。なかなか地方の銀行その他の金融機関といたしましても、地方債全体として二百二十五億というふうになつて参りますと、いろいろと難色があるんじやないかというようなことも考えられるわけであります。いろいろさような事情も考えまして、ひとつどういうものについてどういうふうな公募債が大体引当てられ、しかもこれが公募可能かということで、できるかどうかというような点も調べてみたらいいんじやないかと思つておりますが、問題になつておりまして、非常に生徒の増加の関係で資金を必要としますところは、大体大都市でありますから、公募力といいますか、起債能力は、他の一般市町村等に比べればあるわけであります。そのような点もありますので、いろいろとその辺も考えまして、ただいまの公募債のわくの中で、何とかこれらを引当てて出して行くことができないものかどうか、その辺につきまして、至急にひとつ私どもの方でも自治庁とも打合せまして研究いたしてみたいというふうに考えておる次第でございます。

坂田道太自由党

○坂田(道)委員 ただいま御答弁いただいたのでございますが、こういうふうに理解してよろしゆうございますか。来年度の異常増加については、政府としても当然これは何らかの措置をしなければならないのだ、しかしながら起債の問題についてはちよつと今のところ見込みがないから、結局公募公債によつてこれを措置したい、またする——そこのところが実は非常にあいまいに聞えたのですが、公募公債でやるということだけはさまつた、ただその額等については研究をしたい、こういうことでございますか、その点はひとつもう少し明確に御答弁をいただきたいと思います。

阪田泰二大蔵事務官(理財局長)

○阪田説明員 ただいまの点でありますが、先ほど来申し上げましたように、資金運用部資金の方といたしましては、災害等に非常に資金がとられまして、今非常に困難な状況でありますので、これはむずかしいと思います。公募債の方もただいま申し上げましたようなことでありまするから、出すとすればこれはもう公募債で出さざるを得ないというふうには考えますが、公募債のわくからさけるかどうか、どれぐらい出せるか、この点につきましてはやはり検討してみないと、ただいま責任を持つてはつきりしたお答えを申し上げるわけにはちよつと行かないと考えます。検討いたしまして、できるだけのことはいたしたいというふうに考えております。

坂田道太自由党

○坂田(道)委員 その点は実はおとといの答弁と少し食い違うと思うのですけれども、これは公募公債でならばぜひともやつてもらわなければならぬ。この文教委員会といたしましては、強くそれを要望いたしております。当委員会として、責任を持つて云々ということは私も了解しますが、十二分にこの委員会の気持を体して、御処理を願いたいと思います。また御承知の通り来年三月までにやらなければならない問題でございますので、早急にひとつ研究を終られまして、そしてわれわれの希望するような御決定を願いたいと思いますが、もう一度その点に対するお気持を伺いたいと思います。

阪田泰二大蔵事務官(理財局長)

○阪田説明員 ただいま重ねてお尋ねがあつたのでありますが、もちろん事柄自体たいへん重要なことでありますし、私ども何とか措置したいと考えております。ただ、実はこれは正直な話ですが、この話は私ども年度初めあたりから伺つておればいろいろと折衝ができたのですけれども、ごく最近伺いましたので、そこへちようど災害その他で地方債の非常な増加という事態が出て参りまして、そういう意味におきまして、ちよつとただいまどれだけこつちにまわせるかというはつきりしたことをお答え申し上げかねる事情にあるわけであります。至急にただいまの点検討いたしまして、できるだけ御趣旨に沿うように処置したしたいと考えます。

安井大吉自由党

○安井委員 ただいまの問題は、都市共通の問題であります。ことに東京のごときは約七万人一年にふえている。こういうような人口の増加の原因は、都市集中の関係である。自然の増加というよりも、税を背負つて来ない東京都民の集中である。税を納める者はなく、厖大ではあるが資力はない。こういう者については、大体文部省が幾分の補助をするのがあたりまえである。補助政策をとつてしかるべきだと思う。従つて今理財局長のお話がありましたが、補助にかわるものとして、財源を融通するくらいのことは義務教育上当然だと思う。お答えはいりませんが、今のお話に関連して補助すべきものが公募債に行くくらいのことはやむを得ないということをどうかひとつ強くお考え願いたいということを申し添えておきます。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 なお監理局長にただしたい点がありまするが、時間もありませんので、以下大臣にお伺いいたしたいと思います。第一はやはり災害の問題でありますが、今一番困つている問題は、災害の補助率を四分の三に上げ、あるいは三分の二にいたしましても、問題は木材あるいは資材等の高騰による単価の問題であるかと思います。これは単に災害復興の問題にとどまらず、本年度初めて補助をいたしております老朽危険校舎の補助、これの実施状況を最近において見てみましても、学校は建てたいけれども、なかなかもつてただいまのような単価での補助をもつてしては、自己負担が多くてどうにもならぬ。現在の二万四千円ないし五万七千円では、これはすでに三、四年前の単価であつて、今日の常識ではとても当てはまらぬものだ。従つて四分の三補助といたしましても、事実は二分の一ないしはそれ以下を補助しているのと同じである。そのようなことでは、実際国が大幅にこれに対して補償を与えていることには相なりませんので、私は今回の災害復旧の問題はもちろんのこと、今後の建築に対して他の問題との関連もありましようけれども、思い切つて根本的にこの単価の引上げを、ぜひ強く、大蔵省等ともよく御相談の上で実現をいたしてもらいたい。私は木造においては少くとも三万円以上というのが今日の常識であろうと思います。鉄筋においては六万円以上の価格をもつてしなければ補助したことにならぬ。今問題になつております六大都市の建築の問題につきましても、かりに五分公債というような方法をとられても、結局単価が低ければなおかつそこに自己負担分が残つて——おそらくこれは文部省においてもお調べになれば明らかであろうと思いますけれども、地方において最近また建築に対する寄付金の半強制をやむにやまれぬ事情においてPTAが行つておることを、私はしばしば見聞いたしておる。高額なのは一戸当り三千円とか四千円、それを月割にいたしたりあるいは年度割にしたりしてやつており、学校を建ててもらうことは非常にありがたいけれども、それを負担するのはたいへんつらいという声が生れて来ている。ここに学校建設に対する協力の力が減殺されて行く原因があるのであります。その根本問題は単価の問題であります。従つてこれについてはぜひひとつただいま申しました線を最低にしてやつていただきたいということを大臣にお願いいたします。これは先般来からもたびたび問題になつておりますので、折衝せられておると思いますが、現在どのようになつておるか、今回の災害復旧についての大体の単価はどうであるか、また来年度の予算計画ないしは老朽危険校舎等の単価をどの程度引上げる意思があるのか、これをひとつ大臣から伺つておきたいと思います。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 お答えいたします。御承知の通り最近木材の値上り等によつて建築費が非常に増加しております実情を見まして、今回の災害予算におきましては、ただいま辻原さんのおつしやつたように、従来の単価に対して相当これを増しております。それから来年度の予算につきましても、同様な意味で大蔵省と折衝をしておる次第であります。大体御趣旨のようなつもりで進めております。ただその金額につきましては、はたして御期待に沿い得るかどうかはわかりませんが、数字の点は監理局長から申し上げます。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 単価の値上りの問題でございますが、今回の災害関係の学校校舎の建築の単価は、従来御承知の通り木造が二万四千円、鉄筋が五万七千円でございますが、今回の災害につきましては、木造は五%引上げましてこれが二万五千二百円ということになつております。この点につきまして、われわれといたしましてはもつと要求をいたしたのでございますが、今回の災害につきましては、建築単価につきましては各省とも値上りを認めない、特に認めたのは、この学校の木造の単価と公営住宅の単価だけと承知しておりますが、そういう方針でございますので、われわれもやむなく引下つたわけでございます。ただいま申し上げましたのは小、中学校でございますが、高等学校につきましては、御承知の通り、木造が二万六千円、鉄筋が六万円でございます。この分につきましては従来通りでございまして、単価の引上げはございません。全般的に申しまして、学校の建築単価につきましては、木造につきましては三万円程度、鉄筋につきましては六万円程度をかねがねわれわれといたしましては要求いたして参つておりますが、いろいろな予算の都合によりましてなかなか実現を見ないのでございますが、今後とも予算の単価の引上げにつきましては、努力をいたすつもりでございます。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 次に大臣にお伺いいたしたいのは、この単価の問題と関連して坪基準の問題でありまするが、私は、この二つの問題がすべて六大都市におけるような学校等に対応できない校舎不足の問題を来したり、あるいはPTAの寄付金の問題が出て来たり、いろいろな問題に発展したと存じておりますので、この坪基準につきましても、ひとつ文部省の御努力を今後もなおお願いいたしたいと思うのであります。六大都市のように、なお二十九年度においては本年度の増加よりも生徒増が大きくなつているというふうな問題は、単にこれは本年度だけの彌縫的方法をもつては解決がつかない、従つて私は、その点について二つの方法をとらなければならぬと思います。一つは、これは今回の老朽危険校舎等の配分にあたつても、文部省は一応考えられておつたようではありまするが、少くとも小学校においても〇・九を基礎といたしまして、中学校においては、一・二六までは現状から見てこれは当然しこくである、そこまではどうしてもやらなければならぬ。いまさら戦後のあの荒廃したときの〇・七というものを基準と見なければならぬということは、日本の常識においては通るかもしれないけれども、これは他国の人々がながめた場合にはおそらく笑いごとであろう。従つてこの〇・七にも達しないようなところを早急に解決するために、何か別途な措置をとらなければならない。これは私は先日も申し上げましたが、六大都市の問題を、ただ増加する生徒に対してのみの〇・七の加算をやりましたのみでは、なお〇・七に満たないところではこれだけは下つて行く。これは落し穴に乗せるようなもので下るのでありますから、まず〇・七までは一応基準をそろえて行くという措置をとらなければならない。これは極端なところの六大都市については別個な措置をとつてもいいと思います。その他は大体私の見るところでは、小学校等においても実際の生徒一人当りの坪数は、実情は一・〇何がしくらいになつておるのじやないかと思います。従つて〇・七に達しないということは私は、極端な校舎不足を来しているところであろうと思います。そういうようなところは、私は、何らかの特別措置、何年計画か何次計画かで是正して行くという方法をひとつとらなければならぬと思います。  いま一つは、全般的な対策として、やはり来年度からは、今までの最低基準を満たすという標準から一歩脱却いたしまして、坪基準を上げるということを明年度における一つの基本方針としてお考えを願いたい。今までは六・三校舎は〇・七を満たすということにのみ重点が置かれておつたが、それではすでに満ちておるところの大多数はさらに今度は別な次への飛躍のステツプができないために困つている。だからそれを解消するために来年度は少くとも小学校〇・九、中学校一・二六まで引上げる。また〇・七までに足りないところは特別措置でもつて何とか解決して行くという方法をおとり願えないものかどうか、この点をひとつ大臣からお考えを承りたい。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 ちようどこの前辻原さんがおいでにならなかつたのですが、この委員会の席上でも申し上げたのであります。  お話の通り、この〇・七というのは、戦得の応急的なといいますか、応急のまた応急のような、まあほんのその場つなぎのものと思います。ぜひともこれは、急激な増加ということは別問題にいたしましても、この基準を引上げなければいけない。それに私どもは重点を置いて、今お話のような意味で考えておるのでありまして、昭和二十九年度の予算の折衝におきましては、ぜひこれをもう少し合理的な基準に引上げたいということで、ある程度大蔵省の了解を得られるのではないかと思つております。それはこの前も申し上げたのでありますが、もし私どもの希望通りに参りますればさしあたり生徒数の急激な増加に対しましてもこれは間に合う、こういうりくつになりますので、この前の委員会でも申し上げたのでありますが、せつかくその線は強く進めて行きたいと考えております。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 建築の問題につきましては以上にとどめておきます。  次に、やはり災害の問題に深い関通を持つているものと考えまするので、学校給食の問題についてお伺いをいたしたいと思います。細部の点は除きますが、今回のような異常な災害を受けた山間僻地においては、災害直後におきましては、応急米の若干の用意はありまするけれども、実情はなかなかそれが出まわらない。しかも交通は杜絶される関係から、あり輸送その他において細々と物資を搬入いたす関係上、それが村民の食生活へ及ぼしているところの悪影響というものは甚大なものであります。特に発育盛りの子供に対して及ぼしている栄養上の失患というものは、現地に足を踏み込んでみると直感でわかるくらいひどいものであります。顔色が青ざめており、生気がない。こういうことではいくら校舎の建築をやりましてもとうてい子供に満足な教育を施して行くことができない。そこで私は、この学校給食について、今まではわれわれの立場としては、給食を教育的な見地において進めて行くことを本旨にいたしておつたのでありますけれども、最近のように頻発する災害を考えました場合には、そのことと同時に、こういう急場における子供の栄養状態の保全という面をかみ合せた学校給食の推進ということを強く考えて行かなければならぬということを思つたわけであります。第一に、学校給食は現在その負担をほとんど父兄の負担にゆだねておる。それから昼一回きりである。これでは一たび災害が起つたような場合には、まず負担にたえられないという問題が出て参ります。それから昼一回きりでは、何ら子供の栄養状態を保全するに至らない。先般の国会では特別法をつくりまして、流失した場合に対して物資補填をするという特別措置を講じたのでありますが、それはただ旧態に復したのみで、そういうものを救済するというところには一歩も踏み込んでいなかつたのであります。従つてこれは、幸い超党派的にこの問題が論ぜられまして、近い将来においてこれがあるいは政府から提案になるか、もしくは提案にならなければわれわれの方から御提案申し上げたいと思つておるのでありますが、この学校給食が制定される見込みになると思います。その場合において特にこの点を考えられまして、いわゆる災害等の突発事故があつた場合においては、たとえばこの昼食回きりの給与を場合によつては三回にふやして、その栄養状態の保全に資するとか、または今度のような災害においては、極端な例としては集団疎開等の問題も出て来るが、集団的にこれを一定の場所に収容する場合に子供にどういう給食をやるか、幸い学校給食があるのでありますから、それが活用できれば、費用の面において、またはこの食生活の面を通じて子供に直接教育を与えて行くということにおいて、いろいろな便宜が考えられたのでありまするが、ただいままでにおいてはそういう措置がないために、非常にこの子供の食問題ということが混乱を来しまして、非常に困つた問題になつているわけであります。さような点を十分御考慮あつて学校給食を取扱つていただきたいということを、私はこれまた大臣にお願いを申し上げるわけであります。われわれももちろんその点を考えて行きたいと思いますが、これについて、そういうふうなお考えを加味してこの給食問題を考えられるかどうか、この点を大臣にお伺いいたします。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 学校給食の問題、ことに将来災害が起つた場合を予想して特別の措置を講ずるようなことがあるかという点につきましては、今後十分研究を進めて参りたいと思います。  今回の災害につきまては、これは申し上げる必要もないと思いますが、非常に欠食児童が多いとか、子供の栄養状態に非常に遺憾な点が多いという実情でありまして、いわゆる特別法に規定してあります流失した給食物資の無償の補償ということは当然でありますが、これはすでに予算に計上してあるのであります。その以外におきまして、災害地の流失物資の補給ということでなしに、特別な給食上の処置、こういうことについて実はいろいろ苦心をしておるのであります。西日本災害が起りました直後、御承知のユニセフに対しましてミルクの無償寄付を申し入れまして、相当なものが寄贈されることになつておりますので、九月ごろからその方面に対するミルクの無償給食というものを開始しております。それから引続いて十三号台風の大災害が起りました。これに対しましても同様にユニセフの方に要請いたしまして、これまた非常に都合よく、無償でミルクがもらえることになりました。さようなことで、今日ではまずミルクだけは無償、それから小麦、パンも無償である程度、ある期間だけは続けて行きたいということで、実はせつかく大蔵省と今日に至るまで折衝を重ねておるのであります。ただ大蔵省としては相当難色がありまして、全然いけないというわけではありませんが、給食設備がないために給食ができないと言つている方面が相当あるのでありまして、せめて給食設備の方の補助を出そうというようなことを言つております。それから給食物資については、ミルクについては無償で当分行けるのですが、パンとか小麦とかいうものも全然無償でなくても、もう少し負担を軽くするようにしてほしいということを、関係省の方に今日まで折衝しております。これは今のところ容易に成立する見込みが実はありません。ただ今回の災害予算で、生活扶助のための予算が厚生省に七億円ですか、計上されておる。その中に教育扶助として、教科書とかあるいは給食の父兄負担、それに対する扶助というものがある程度計上されているようでありまして、それでどのくらいの金額がもらえておりますかは問題でありますが、ごく窮乏した生活の扶助を受けるような家庭については、その面から給食費の方も国で補助して負担ができるようにする道だけはついておるようであります。ただいままでの実情はその通りであります。冷害地についても同様でありまして、せつかく今後もなお努力を続けて行きたいと思います。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 時間がありませんので、災害問題につきましては以上でとどめ、一般問題について二、三簡単にお尋ねをしておきたいと思います。  第一に特殊教育の問題であります。大臣も御承知だろうと思いますが、二十三年に盲聾の義務制が実施されましてから、おそらくその就学状態は五〇%くらいであろうと思います。その原因を考えてみますると、もちろん学校の少いことが最大の原因でありますが、それとともに家庭の貧因状態、特に最近の一般の生活状態の悪化に伴つて、なかなか遠隔の地に子供をやるいうことが困難だ、そういうところから就学させたくもさせられない、ここに大きな問題があろうと思います。しかもこの取扱いを見ますると、この盲聾学校施設に寄宿舎をつくつて、そこに収容してやらせるという学校教育の面と、いま一つは厚生省の主管に基く療育施設、こういう二本建の形において盲聾児の収容場所を考えて、そういうふうに教育が二分化されている。これを元化するならば、ここに相当の予算が効率的に使われて、しかも子供が直接学校教育という正規のルートを通じて盲聾の義務制を受けることが可能になるのじやないか、こういう点を考えました場合に、どうもこういうふうに所管が二つにわかれて、しかもそれぞれに似たような予算をつけ、その予算の、悪い言葉をもつてしますると、ぶんどり合いをしておるというようなことは、ただいまの特殊教育の上において私は悲しむべきことだと思います。もちろんその趣旨はいいのでありますけれども、やり方としては悲しむべきことだ。何とかこれを一元化する方法をとれないものか。この点については私は機会を見て厚生省にもお伺いをいたしまするが、文部省としては、そういう点についてどうお考えになつておりますか。療育施設に対する国庫の補助、これをこの盲聾の教育施設に一元化するお考えはないかどうか、この点をお伺いいたします。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 特殊教育についての国の施設というものは非常に不十分であり、これは従来僻地教育と一緒に比較的閑却されておつた面でありまして、今後一般の教育に関する制度なり施設というものが充実するにつれまして、この方面にぜひ力を入れて行きたい、かように考えております。文部省といたしましてはこの特殊教育につきましても、来年度の予算におきましては、相当計画性のある予算の要求をしておるわけであります。厚生省との関係でありますが、これは私、実はあまり詳しく実情を存じませんが、できるだけその点を一元化して行くということは、これは考えとしてはまことに適当な考えでありまして、せつかく行政改革とか整理とかいうようなことも行われるのでありますから、できることならぜひそういうふうにして効率を上げてやつて行きたい、こう思つております。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 これは大臣があるいはお知りにならぬのが当然であると思いまして、政策的にお伺いをしておくのでありますが、厚生省の方が児童福祉法による療育施設でやつておる実情は、六一体学齢児もまじえて十八歳くらいまでの者が入つており、都道府県に一箇所くらいあるのじやないかと思います。便法として、この療育施設はいわゆる盲聾唖学校の寄宿舎を併用して駒るところがある。これは実情から当然そうなつて来ると思います。だからそういう行き方は、将来一元化するということになると思うのであります。大臣は御承知ないかもしれませんけれども、すでに片や寄宿舎等におけるいわゆる寮生活費というものについて若干の費用を大蔵省と文部省と折衝しており、片や厚生省は児童福祉法に基く療育施設について折衝をやる。従つて、二十九年度においては、このままの状態で行けば、二つの法律によつて二つの予算がそれぞれわけどりされることは火を見るよりも明らかであると私は思うのであります。これは私の考えによると、やはり学校教育として学齢児は義務教育でありますので、一元化して行くのは当然でありますから、そういう方向にひとつ政策的にまとめていただきたいし、関係担当セクシヨン等において十分御研究させていただきたい。私は、ただいまの特殊教育のこういう劣悪な状態から考えて、場合によれば何か特殊教育の振興策を基本的に立てなければならぬという考え方を持つておりますので、ひとつ御研究を命じていただきたい。  次に、これは簡単でございますが、私は先般の国会におきまして、免許法の問題についての方針をお伺いいたしました。そのときにわれわれは、政府から出されました改正案では不十分であると考えましたので、改正立法をいたしましたけれども、大臣から教員養成審議会にお諮りの上文部省においても根本的に改正されるというお含みがあるやに聞きましたので、一応提案はとりやめましたが、その後養成審議会はたびたび開催せられて、文部省は諮問を出されておると思いますが、その結果、根本的な改正をいつおやりになるか、この点についての方針をお伺いしたいと思います。いつ根本的な改正を議会に提案されるお心組みであるのか、または養成審議会の答申を得て現在構想をまとめつつあると思いますが、その基本的な考え方はどこに置かれておるのか、これをお伺いしておきたいと思います。もちろん細部の点につきましては、後刻関係の方々から詳細に承りたいと思うのであります。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 免許制度のことでありますが、これは御承知の通り、文部省といたしましては、それぞれ専門家に審議を願つておるわけであります。ただいま検討しておるのでありますが、結論が出ますれば、できれば今度の通常国会に出したい、こう思つてせつかくその検討を進めております。何とか間に合うようにしたい。結局、内容といたしましては、できるだけ簡素化するという考え方であります。これは非常にむずかしくて、私どもよくわからないのですが、今それについて十分研究してもらつております。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 最後に私は奄美大島の問題につきまして大臣のお考えを承りたいと思います。  昨夜通りました予算において約十億円、これには当然教育行政の問題も包括されておると思うのでありますが、同時に今後復帰に伴う行政上の特別の措置等についても、法律案が昨日通過をいたしております。私は先般の十六国会でありましたか、沖繩等からの直接の陳情を受けまして、内地の教育行政とその占領治下にあつた教育行政との差の大きいのに驚かされたわけであります。そういう点についていろいろ特別の措置をこの復帰に伴つて考えて行かなければならないと思うのであります。教育施設の問題は、教科書の問題でありますとか、いろいろの問題が付随して来ると思いますが、そういう点について現在どのような準備をなされておるか、これの概要をひとつ大臣の方からお聞かせ願いたいと思います。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 奄美大島の実情は、詳しいことは実はわからないのでありますが、御承知の通りあそこは昔から非常に教育に熱心なところでありまして、子弟の教育のために家産を傾けてもかまわぬというような特殊の気風のあるところのように承知いたしております。それで日本の領土から離されて非常な困窮の中にも、奄美大島では子弟の教育の上において、話を聞いてみますと、実に涙ぐましい苦闘を続けて来たようであります。教材と申しますか、黒板もないし、白墨とか、そういう類のものもみな先生が自分の俸給の中から持ち寄つて出す。それから昇給も数年前に停止されており、欠員が出ましても補充してくれない。これは非常な窮乏の結果そうなるので、決して教育をなおざりにしておるということではないようであります。しかし欠員のために教育が不十分であるというような場合に、その先生方が乏しい給料の中からそれぞれ出し合つて、臨時の人を先生方の協力で金を払つて頼んで来て、そうして一生懸命に子弟の教育をやつておる。実は当時鹿児島県の教育長が現地を見られたということで、東京に出て来られたときに来てもらつて、その人から詳しい話を聞いたのですが、実に健気なと申しますか、涙ぐましいような実情であります。でありますからあそこではほかの行政面の仕事の中でも特に重点的に教育について非常に熱心にやつておると思われます。実情はさらによく調査しなければわかりませんが、奄美大島につきましては、今度の十億円の予算ということも、実は十分の基礎を持つた数字ではないので、一応これだけ予定しておこう、こういういわば大づかみの予算です。それで来年の三月ぐらいまでは一応今の奄美大島のあらゆる機構と申しますか、役所の仕組みはそのまま受入れて行く、そのまま受入れた形においてそれぞれ充実して行きたい。学校の教育の方におきましては、さしあたりいろいろの教材——教材といつてもなかなか机、腰かけとまでは行かないわけでありますが、オルガンであるとか黒板であるとか、そういう類のものを備える。それから学校の校舎というものは、聞くところによるともう校舎とかなんとかいうものではなく、ほとんど馬小屋同様なところでやつておるそうであります。そういう点について、少くとも一応の学校らしいものをつくつてやりたい。それから教材教具というようなものをとりあえず充実して行きたいということに、一応こちらだけの考え方をして、文部省としてはそれぞれ考えておるわけでございます。これはこちらに引移りますれば、現地の実情に適するように、そういう方面に重点を置いてあそこの教育施設の復興をして行きたい、こういうふうに考えております。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 大臣のお話をお伺いいたしますと、文部省の方で十分実情をお取調べになつたことが最近なかつたような御意向に承つておるわけであります。間接的にいろいろ出て来た資料を基礎にしておやりになつておるようでありますが、もう少し詳細に現地を調査されて、確たる資料をお持ちになつて、それによつて解決をして行くようにしないと、これは他の問題でもそうでありますが、時期がずれて来る。結局今は復帰ということで一般もこれに対して注目を払つておりますし、非常にやりぐあいのいい時期でありますから、この時期がずれて来ないように、確たる資料をひとつお持ち願いたい。そのためにはやはり早急に現地の調査をやる必要がある。そういう面ではわれわれは協力いたしたい。ここらでひとつ文部省と議会が協力して調査をやるというようなごくふうはどうでございますか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 お話の通り非常にけつこうだと思います。実はただいま申し落しましたが、文部省としても現地の調査をするために出張させてありまして、最近帰つて参つたのでありますが、私まだ詳しい報告を受けておりません。相当現地の事情を調べて参つたようであります。

辻寛一自由党

○辻委員長 小林君。

小林信一小会派クラブ

○小林(信)委員 大分各委員からいろいろな点につきまして質問がなされ、それから大臣から、直接すべての問題につきまして、たいへん明確な、しかも相当今後努力されるような御意見を受けたので、非常に喜んでおるものでございますが、なお取残されたような小さな問題を二、三お伺いしたいと思います。  まずこの災害地に対する教育行政としての対策問題でございますが、先ほども給食の問題について辻原委員から御質問がありましたが、非常に御心配になつておられるような点もお伺いして、現地の人たちも喜ぶと思います。しかし何と申しましても非常に広範囲にわたるものでございますので、相当これは御努力願わなければならぬのでございますが、私の一番問題として考える点は、先ほども大蔵省の方で渋るその原因として、施設がなければやることができない、施設のあるようなところでやつたらどうかというような意見があつたようでございますが、今度私たちが要望しておるものは、そういう施設すらできないところの町村の子供が要求しておるものでございます。今現品等も確保されておるようなお話なんですが、私の要望するものは、できるならば勇敢に、給食としてやるのではなくて、家庭にその現物を配つて、それでもつてパンなり焼いてもらえというところまで実はお願いしなければならぬ状態だと思うのでございますが、そういう点まで御考慮願えるかどうか、お伺いいたします。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 この学校給食の問題は、結局ある程度の軽い負担で給食児童がなるべく広い範囲で給食をするという問題が一つと、それからどの程度に父兄の負担を軽くするかという二つの問題であろうと思います。そこで学校給食はしたいけれども設備がない。かまをつくとかなんとかそういうようなことは、一校当り十万円なり十五万円の設備費がいる。その設備費がないために、やりたいけれども給食ができないという事情のもとにある学校が相当にある。ことにこのごろ食糧事情が逼迫して来たので、米の値上りであるとかあるいは冷害、災害とかいうような関係で、特に給食をしたいというようなところが出て来た。なるべくその給食の範囲を広げるためにはやはり給食に必要な学校の設備、かまをつくとかそういうことをしなければならぬから、それに対する補助の道を考えて行くことが一つ。それからこの父兄の負担をできるだけ軽減するようにしたい。従つて現在麦を半額で出しておるものを、さらに無償あるいは七割引、八割引ということにすることはできないか、こういう問題であります。そこで先ほどちよつと申し上げましたが、設備費の補助については、これは災害地あるいは冷害地を目前の対象にしての話でありますが、そういうものについては、ある程度大蔵省は予備費は出してもいいというようなところまで実は来ておるのみであります。ただ先ほど申し上げましたように、この上父兄の負担を軽して、無償にするとかあるいは非常な安い価格で提供するということにはまだ相当難色がありまして、折衝の見通しがついておりません。先ほど申し上げましたように、私どもといたしましては、なお十分折衝を続けて参りたいと思つております。ただ家庭配給ということになりますと、これまた学校給食とは少し話が違つて来るわけでありまして。そこまでは今のところは考えておりません。

小林信一小会派クラブ

○小林(信)委員 それは考えようで、結局文部省としての仕事でなくて厚生省の方の仕事になるかもしれませんが、そこまで処置がとられるような御処置を願いたい、こういう声が非常に地方にあるので要望しております。  それから現在校舎建築をやつているところがある。それが危険校舎のこの法律ができるということがわかつたために、昨年度の単独起債でもつて、危険校舎があるからつくるというような町村が実際にある。それが建築中なんですが、単独起債のものは、たとえば全額五百万円のうち三百万円もらつたが、あとの二百万円は町村が負担をするというような形になつておる。ところが災害のために、病虫害の防除費等に町村が支出してしまつて金がない、これ以上町村から集めることが不可能だというようなものが多々見受けられる。これはせつかくできた法律にも該当しないし、単独起債というもので仕事をしておいて、そうして財政的にはこの災害から非常な苦しい状態に立ち至つておるので、何とかこの際せつかくつくりかけておるなら、こういうものを御処置願えないかという要望を聞いておりますが、文部省の担任局長さんのところには相当お話があると思いますが、何かこれについて御考慮なされ、対策を講ずるようなお考えがあるかどうかを伺います。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 お話の点は、単独起債で危険校舎の改築を開始して、その後いろいろ災害、冷害等がございまして、町村財政が苦しくなつて、自己財源で負担することになつて負担できなくなつた、従つて学校の改築が困難になつたというものに対する処置がないかどうかというお話だと思いますが、そういうことは実は私も聞いております。そういう場合に何か危険校舎の補助というものがもしもらえるようになれば、それはけつこうだと思うのですが、今のはその点が単独起債で始めておりますので、一ぺん起債のわくを受けますと、一応その分は処置されたかつこうになりますので、危険校舎ならば危険校舎の補助金を三分の一もらいまして、残りの三分の二について補助起債をもらうのが普通の形でございますが、今の場合はおそらく危険校舎に該当しない、また該当していても待つておられなくて単独起債でもつて工事を始めたという例であると思うのですが、それらにつきまして事情まことにお気の毒でありますので、何とか方法はないものか考究いたしたいと考えております。

小林信一小会派クラブ

○小林(信)委員 今の問題は坪数等のこともありましようし、いろいろ考えなければならぬと思うのでございますが、とにかく災害地等におきましては、現実に何かやられたというものに対してだけの対策でなくて、こうした仕事の途中のものに対しましても考慮してもらわなければならぬのでありますが、今のような危険校舎に該当しておる、しかも法律が制定される以前に着手して、財政的にも困窮しておつて、あるいは工事中途で中止しなければならぬような状態に立ち至るものもあると思いますが、こうしたものに対して特に御配慮をお願いしたい。  それから先ほど教科書のことにつきましては、今度の対策として、厚生省の方に金がまわつておつて、生活困窮者等には何とか教科書を心配したいという大臣のお話があつたのですが、とにかく、最近教科書が高いということが普通の場合でも府県から相当苦情が出ておるわけですが、教科書対策につきましてはいつの委員会でも論議されるところであります。そういう状態からして、今度の災害、あるいは冷害におきましても、水害におきましても、来年度の教科書を買えない子供が相当できるのではないかということすら予想されるのでございますが、これら本厚生省の方に十分折衝されまして、なるべくたくさんな費用をとつていただいてできるだけ広い範囲で対策を講じていただきたいと思うのでございます。とにかく目には見えない問題でございますが、せつかく来年は中学から高等学校に進学する希望を持つておつた子供も、この状況ではそれを中止しなければならぬとか、高等学校に在学しておる者でもここでもつて退学しなければならぬというようなことまで出ておるのでありまして、そこまでは手は及ばぬにいたしましても、義務教育を受けておる者に、これらの災害から不自由をさせないように御心配を願いたいと思います。  その次に僻地教育の問題でございますが、大臣の御説明では、これに対しては文部省としては大分積極的に動かれておる。できるならばもつとたくさんに予算を獲得して立法措置を講じたいということだつたのですが、予算がたくさん獲得できたら立法措置を講ずるということでは私は非常に不満なんです。と申しますのは、いろいろ僻地の実情等を見たりあるいはお聞きしたりした点から考えますと、まず第一番に校舎建築坪数等の問題ですが、〇・七坪というもので今までやつて来ましたが、これだけでやられたなら、生徒数の非常に少いところでは〇・七坪だけでは多少は考慮されておるようですが、つくる教室というものは実現しないわけです。どうしてもある程度最低限度の坪数というものは必要なんですが、そういうところは、岩手県あたりの実情を見ますと、必ず分教場を七つも八つも持つておるというところで、とても一様の法律で措置されるということは不可能なのです。従つてこれらには何か特別な措置をすることが必要だと思うのですが、できるならば法律によつて、僻地のものについてはこういう法律の内容はどういうふうにかえるとか緩和するとかいうようなことが必要だと思うのですが、学校図書館法だとか、あるいは理科教育振興法等ができましたがこれもやはり設置基準というようなものがきまる場合に、生徒の数というようなものが必ず問題になると思うのです。全村の数だけでもつてやつて行く場合に一つの学校なら非常にたくさんな図書に子供が接するわけなんですが、それが校舎が幾つも分散しておるというような学校では、生徒というものが非常に限定された図書にしか接せられないというようなことを考えますと、これら今までつくつたすべての法律も、僻地に育つ子供に対しては特別な措置が講ぜられるような立法措置というものがなされなければ、ほんとうに均等化されたところの法律でなくなるわけなんですが、そういう点からいたしまして、ぜひとも僻地教育の問題につきましては大臣が勇敢に立法措置を講ぜられたい。私はこう思うのでございますが、こういう点につきましてはどういうふうにお考えになつておられるかお伺いいたします。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 僻地教育についてのお尋ねにお答えいたしますが、この僻地におきましてはむろん〇・七坪というようなしやくし定規の基準では実情に沿わないという場合が非常にあり得ると思います。これはもちろん〇・七坪ということでなしに、実情に合うように教育のできるようなことにしなければ意味をなさないのでありますから、実際そういうふうにやつて参りたい。生徒数の非常に少いところでは、いわゆる教員住宅というものと学校と兼ねたようなところがあつて、学校の先生の住宅がまた子供の勉強場であるというようなところも多々あるようでございます。これは実情に応じて合うように処置して参りたい。しかしこの〇・七坪ということは必ず法律をもつてしなくても、その基準をかえるということはできるのでありますから、その意味におきまして立法措置をただちに講ぜなければならぬというふうには考えないのであります。先日申し上げましたように、ある程度目鼻もつき、計画的に僻地教育の振興ができるような予算の獲得ができますれば、立法措置によつて将来僻地教育の振興をどういう企画のもとに進められるかということを規定するということはまことにけつこうだと思つております。  それから教科書等についてのことでありますが、これは冷害とか水害とかによつて一時的に非常に窮乏の状態に陥つております人々が、いろいろな点で困つておられるということは容易に想像ができるのでありまして、できるだけその負担を軽減するようにいたしたい。少くともわれわれの所管の範囲においてはそういうことにいたしたいと考えておるのでありますが、教科書につきましても従来父兄の負担が相当重いのであります。これにつきましては検定の場合に、その内容だけでなしに価格の点についてもやはり検定の一つの審査の目標として考えるというふうに、現在文部省としてはそういう道を最近講じておるわけであります。

小林信一小会派クラブ

○小林(信)委員 僻地教育のことについて非常に御関心を持つておられて、今の坪数等も多少緩和されるというようなことですが、これはやはり微々たるものだと思うのです。屋内体操場なんかでも〇・二坪というようなことでは、生徒数の少いところではとうてい十分なものを持つことができない。従つて町村が大きな負担をしなければ雨天体操場はできないのですが、これもやはり実情に沿うために苦しい財政の中から負担をしてやつておるわけでありますが、そういう点からどうしても臨時的な措置でなくて、もつと安心のできるものがほしい、こういうふうに要望するものです。とにかく岩手県あたりに参りますと、本校が三つ、分教場が七つというふうなところは、ことしあたりの冷害では主食がそばだとかきび、あわ等ですが、八月の末に霜が降りまして、まつ白であるべきそばの花がまつ赤になつておる。しかもそこの土地の人たちは、三年に一度はこういう状況にわれわれは見舞われるのだという。まことに苦しい生活をなさつておられるようですが、しかしやはり教育のことについては一応の態勢を整えなければならぬというので、苦しい中でやつておられるのです。私はああいうところの教育を見ると、どうしてももつと安心のできる法律というものが必要だと思う。  それから大臣は教員に対する教員住宅の問題をお話になつたのですが、こういうところの人たちは、先生を獲得することに困つておいでになる。従つて先生に対する優遇というふうな特別の措置がどうしても必要なんですが、これも各府県で特別な僻地手当等を出しておるようです。しかし今のところの僻地給は非常に低額なものであつて、何らこの人たちの努力に沿うようなものでない。教員住宅等も、ことしは私の県に二千万円の中から一つだけ配給がありましたというようなことなんで、先生たちは学校の一部を改造してそこにどうしても女の先生と男の先生が別個に住まなければならぬから、非常な無理をして暮しておられる。この人たちは食糧を獲得することにも非常に苦労しており、従つて一日も早くもつと中央に出たいという。ひどいところは、この前天野文部大臣が行つて話したそうですが、小学校の五年と、六年と、中学校の一年、二年、三年を一つの教室に入れて先生が教えておるのです。法的にもめちやくちやなんです。そして天野文部大臣も、ここでは法律なんか無視してもよろしゆうございます、こう言つているそうですが、私は少くともこれは小学校の分と中学校の分と、先生を二人とつて別個にして教育はさるべきものだ、こういうふうに言いましたら、なに、一年、二年、三年の中学校の方は、先生が一年半ばかりブランクであつた、来てくれ手がなくて教育を全然受けなかつたから、まあ学力からいつても五、六年と一緒に置いてさしつかえないのだという。こんなような状況を見ますときに、僻地教育については相当御考慮を願わなければならぬと思うのでございますが、とにかく先生に対する問題等も十分御検訂願いたいと思います。  なお私が一つ大臣にお聞き願つておきたいことは、検定講習についてであります。この人たちもみんなと同じように適当に検定講習を受けて資格を持ちたいわけなんです。ところがこの人たちが県の中央に出て来てこの講習を受けようということになれば、授業の方に非常にさしつかえがあるのです。ですからその人たちは、私たちは資格はもらわないで、ここでほんとうにこの子供たちのために忠実に働いて行きたい。そうかといつて、みんなから取残されるのも困る。僻地におる者に対しては、何か特別な措置で資格をもらうことができないか。私はこれは法的にできないだろう、こういうふうに言つておきましたが、こんな点につきましても、十分御配慮願いたいと思います。  それから単に中、小学校の問題ばかりでなく、こういう僻地には定時制の分校も高等学校ももちろんないわけです。しかしここの人たちもやはり同じような要望を持つておるわけでありますが、こういうような点、あるいは一般の父兄の啓蒙、こういうふうなものも必要だと思うのです。そうなつて来ると、公民館というようなところに対する特別な補助育成ということもあわせて考えていただかなければ、ただ中、小学校だけの問題では、僻地の教育は十分ではないと思うのですが、予算折衝をされております途次でありますので、大臣に私の見た小さい問題でございますがお伝えいたしまして御善処を願います。  それから六・三建築の問題でございますが、先ほど辻原委員から坪数をもつと増加せよというお話がありまして、これはおとといの委員会におきましても、大臣の方から一・〇八坪ということが出たのですが、私たちの聞いておるところでは、〇・七から次の段階としては〇・九坪にしたい、しかし最低の要望は一・二六坪である。このことについても文部省内で今度の予算折衝にあたつて非常に検討されたように聞いておるのですが、私たちも、〇・九坪へ行つてしまうと、再び一・二六坪に飛躍することは困難で、この際一般の人たち並びに政府当局に勇敢にふるまつてもらつて、一・ 二六坪をどうしても獲得してもらいたい。それが一・〇八坪というふうなお話を承つたのですが、これは予算上の妥協か、あるいはもつと科学的に検討して、ここら辺が至当だと考えての坪数であるか、ここで大臣にお伺いしておきます。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 御承知のようにただいま〇・七坪で、その基準を引上げるという問題はかねてからあるわけでご土ざいます。その基準一・二六坪ということは十分承知しております。一・二六坪でやりますと、管理室並びに特別教室も全部網羅されまして、最低の基準でありますが、ほぼ一応の基準になるということでございます。ただ私どもいろいろ検討しておりますると、一・二六坪と申し一・〇八坪と申しますが、いろいろまだ検討を要する余地があるのでございます。実はそういう点も考慮いたしまして、一応の基準としては一・〇八というものをわれわれは想定しておりますが、これがわれわれの希望する最高の基準であるというふうには考えておりません。しからば一・二六坪をなぜ要求しないかと申しますと一・二六坪につきましてはいろいろ検討する余地があるということで、実は確率を見まして一・〇八ということを申し上げておるのでございます。なおこの一・二六坪がはたして最低といたしまして応科学的に合理的な坪数であるかどうか、この点をなお検討いたしました上で折衝いたしたいと思います。一・〇八坪につきましては、私どもの計算では、管理室が約〇・二坪、それから特別室が約一・八坪、そういつたような計算でございますが、これも私ども一応の推算でございまして、一・〇八坪が暫定的に最低として合理的な坪数であるということには、必ずしも自信を持つておりませんが、一応の目安としまして一・〇八坪ということを想定いたしまして、その実現に努力いたしたい、かように考えております。

小林信一小会派クラブ

○小林(信)委員 とにかく〇・七坪から一・〇八坪に増加されるような傾向であるのは非常にうれしいことなんですが、私たちの心配する点は、もう新制になつてどこでも職員室、小使室、特別教室の完成を要生しておるときでございまして、これがまた途中で一・〇八というようなことになると、せつかく気負つております建築欲もそのために阻害されたり、また一・二六坪が妥当であるのに一・〇八坪でここで終つたとなると、いつの日にかまたその目的を達することができるかということを考えますので、できるだけ強い御要望をお額いしたいと思います。一・二六坪が最低のものであることはいろいろ今まで検討されたことなんですから、あまりこの率を減らさないようにお願いしたいと思います。とにかく大臣も、自然増の一つの対策としてこういうことも考えておるのだというようなお話があつたのですが、そんな点を考えますときに、どうしてもこれは一・〇八なんという中途半端なものでなく、一・二六坪は確保していただきたいと思うのでございます。  その次に教材費の問題でございますが、小学校一人百円、中学校一人百五十円と聞きましたが、これの配分があつて地方には非常な紛糾を起しております。これは当局におきましてもお聞きのことと思います。つまり私たちも、ここにおいでになる竹尾先生あたりも非常に御努力なさつてつくつた負担法に付随して考えられた問題でございますが、本年度十九億が計上されて、それが地方に配分されたのですが、その当時の経緯から考えますと、六・三制という新しい学制はPTAの父兄の力できようまで運んで来た点がたくさんある、いつまでも父兄の寄付金等にたよることはいけないだから父兄が負担する分を推定して、半額国庫負担ですか、これをこの負担法の中に立てるべきであるというのが竹尾先生あたりの非常な御主張だつたわけです。これが一つの決議として出ておることは覚えておりますが、そういう点から考えれば、この費用を出したことによつて父兄の寄付金をただちに削減すべきであり、半額であるからそれと同額を町村の費用として計上すべきであつて、当初組んである町村の教材費というものは従前通り出すべきであるという見解を持つて私はいいと思うのです。ところが自治庁からは、いや、平衡交付金から十九億というものをとつて来たわけなんです、従つてこれが元に返つたのだから、町村ではこれだけの教材費は当初予算から削つてよろしいのだということを地方自治庁から流したといつて、私の県あたりの町村会は決議をして、そして新たに予算の計上をするどころか、それだけ町村の当初の教材費というものを削減しておるのです。これで教育委員さんが一生懸命のところは結局町村側とトラブルを起す、教育委員さんがあまり無関心のところは学校長その他と論議しておる。私たちの見るところでは、文部省は遠くでもつて火事の見物をしておるような形なんです。それで次官に、何とかこの問題のはつきりした態度を文部省として表明するか、あるいは自治庁に交渉すべきだということを申し上げたのです。自治庁も十分御承知だと思いますが、これに対する見解と、そしてもし自治庁の考えが間違つておるなら、文部省はいかにこれを御処置願えるか、お伺いいたします。

緒方信一文部事務官(初等中等教育局長)

○緒方政府委員 ただいまの教材費の話でございますが、この制度のできました経緯から申しまして、お話の通りPTAの負担等を軽減することは必要でございます。ただ自治庁で申しております点ははつきり私ども存じませんけれども、おそらく自治庁の意向というのは、基準財政需要額の算定におきまして、この教材費が国庫負担に相なりますと、それだけ単位費用が低くなるという意味ではないかと考えます。しかしこれは国庫負担金でありますので、平衡交付金の一部というわけではございません、別個のものであることは明らかでございまして、そのために平衡交付金の不交付団体に対しましても教材費の負担はいたすことになつております。そこで文部省といたしましては、地方に対しまして通牒を流しおるわけでございますが、先ほど申しましたように、PTA等による寄付の解消をはかる趣旨に基きまして、市町村におきましては十分の予算を計上してもらうように通牒をいたしたのでございます。ただそこで法律的に申し上げまして、教材費の交付額分だけ既定予算にプラスしておかなければならぬかどうかということにつきましては、必ずしもさようにならないじやないかというように考えているのでありまして、少くとも負担金を下まわる予算であつてはいけない、負担金よりも多額の、以上の予算を組むことが必要である、かように思う次第であります。その旨を通牒で先般地方にも出した次第であります。

小林信一小会派クラブ

○小林(信)委員 その御意思は私たちも文部省にあることは十分知つているし、またもしそうでなかつたら与党である自由党がまつさきに怒ると思います。ことに竹尾先生あたりは重大なる責任を持つている。だからもうこの出発にあたつてはつきりこの点はしておかないと、これから毎年組まれる予算なんですが、それが結局生んだ親心が生きずに終つてしまうわけでありますから、今のような御通牒を出しただけでなく、地方の実態等をよく御調査願つて、この問題はこれがつくられた当初の目的が達せられるようにしていただきたいと思うのであります。実際十九億というものがあの当時論議された数字から行けば、これは非常に少いわけでありまして、しかも学校の教材並びに施設状況というものは、御承知のように全国的にどこもかもほんとうに情ない状態でありますから、せつかくこういうものができた以上は、これを十分に生かして、この際できるだけ教材の整理をはかるように御努力願いたいと思います。  それからその次に地方教育委員会の問題についてお伺いいたしますが、大臣がこの前の委員会におきまして、確かに世耕委員の質問に対して地方教育委員会を育成強化する、こういうふうにおつしやつたわけなんですが、私は勢い地方教育委員会の設置に対しましては反対でございますが、しかしこうしてある以上これがこのままほうつておかれたのでは困る、やはりこのまま存続させる意向があるならば、これが十分性能を発揮できるようにしていただかなくちやならぬと思うのでありまして、その当時の大臣の御意見はいかに実現されるか期待しているわけなのです。いわゆる今回の予算折衝等においていろいろ御計画があることは当然考えております。私の考えるものはやはり現行の法律を改正しなければいけないと思うのですが、そういう点に御考慮があるかどうか。それから地教委の充実についての御意図をこまかくなくてもいいのですから、大臣が考えておられる重点をここでお話願えればけつこうなのであります。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 地教委を育成強化するために立法措置が必要であるかどうか、これはあるいはそういう必要があるかもしれません。しかしただいま私たち考えておりますのは、とにかくせつかく重要な制度としてできている地教委というものが、予算の裏づけが非常に足りないために十分な機能を発揮することができない実情にあると考えておりますので、ぜひとも予算的にもう少しこれを強化して、たとえば教育長経費につきましてもここで組んで、少くともその点だけでも財源を確保するというようなことによりまして、予算的にこれを強化して行く、こういうようにその方向に重点を置いて私どもとしては考えている次第であります。ただこれも予算のことでありまして、大蔵省とのお話合いがどの程度に実を結びますか、その点は今から見通しを申し上げるところに行つておりませんが、私の考えといたしましては、とにかくせつかくできて、まだ一年になるかならぬかの制度でありますから、しかもこれは日本の教育制度の基本になる重要なる制度でありますから、少くとも予算その他の措置によつて十分制度の期待するところの働きのできるような条件をそろえて、その上でこの地教委の功罪を論ずべきものである、こう考えておりまして、せつかくその方向で努力をしたいと思つております。

小林信一小会派クラブ

○小林(信)委員 とにかく、この地教委というのは地方では相当に問題を起しております。人事の問題につきましても非常に異動期が混乱いたしますので、父兄等はそのために教育が阻害されておることを非常に憂えているわけです。そのほか運営等の面でいろいろ問題を起しておりますが、こういう点もやはり何とか早く御善処願いたいと思います。さしあたつて助役の教育長は来年三月までに解消できるかどうか。それから組合立の中学が、少くとも教育委員会の管理下に確立できるかどうか。それから人事の問題等についても、もつと問題が起きないようにスムーズに運ぶことができるようになるかどうか。それからこの地教委の最も大きな使命としては、学校教育だけでなく、社会教育の面にこの人たちが働けるわけですが、そういう要望にこたえるだけの社会教育行政というものが、文部省に確立できるかどうかというような点を私はお伺いしたいのです。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 地教委につきましては、いろいろこれに対する議論があるようであります。教育長と助役と兼任することは、ただいまお話になりましたように、来年の三月までということにこの前の国会でおきめになつております。これは教育長に人を得るということがなかなかむずかしい関係で、助役兼務というような、いわば便宜的な方法が講ぜられたのでありますが、この人を得ることがむずかしいという点は、第一には予算が充実しておらぬから人が得がたい。それから教育長に一定の資格要件が要求せられておるから、その資格の整つた人がなかなか地方によつては得がたいという実情、そういうことなのでありますが、それよりも、教育長に人を得られないということは、地教委の制度は近く廃止されるのだという議論もあるし、またそういう情勢が一面あるものですからどうしても、仮に資格がある人がその近所におつても、じき廃止されるようならそこの教育長には進んでなりたくない、こういう事情もあつて、いろいろな点でこの教育長というものが得がたい、こういうことになつておると思います。現存する制度を廃止するのだというようなことがしきりに言われて、その余波を受けて、それでなくてもできたばかりの、いわばひ弱い委員会制度というものが、そういう世間の声に影響されてますますその機能が萎縮してしまつておる、こういう実情であると思います。私は将来国会その他においてこれをどういうふうにお取上げになるか、この点はよく存じませんが、しかし現にある制度でありまして、文部省の立場といたしましては、基本的な制度である以上それを育てて行かなければならぬ、こう考えることは当然であります。それがためにはまず予算的にこれを強化する、予算でもなければ、名ばかりの制度では動かぬのでありますから、予算的にこれを強化したいということを切に希望しておるのであります。それから、これは廃止されるのだとかいうような議論がある。議論があることは何もさしつかえないことでありますが、それがために教育委員会の働きがにぶつておるという点も考えられますので、文部省といたしましては、少くとも文部省の見解としては、これは育成強化して行くべきものであるということは、機会あるたびに実は明瞭にしております。地方の教育委員をしておられる方々に、できるだけ安んじてその大事な職責を尽していただく、そういう気持を持つてもらうために、機会あるたびに、文部省としては廃止する意思はない、文部省としてはさようなことは考えていないということを実ははつきりさせて参つておるのであります。ただ、教育委員制度は、従来の日本の制度としてはいわば画期的なものであることは御承知の通りでありまして、これは府県の教育委員についても、市町村の教育委員についても同様でありますが、特に市町村の教育委員につきましては実施が非常に遅れていて、いわば出発早々なわけであります。そのためにいろいろと市町村の方面、あるいはその他の方面に摩擦がある、あるいは初め予期していなかつたようなむずかしいところが仕事の上において起つて来る、ただいま仰せになりましたような人事の交流というようなことでもこれがために円滑に行かない、確かにそういうこともあろうと思います。それらの難点については、それぞれその実情に応じて適当に処理して行く、そしてほかの機構に迷惑をかけないように、教育委員会自身の職責が全うせられるように、それぞれについて処理して参りたい。お話のように、あるいは場合によつては立法措置を必要とするかもしれませんが、私どもといたしましては、そのような意味で、まずもつて財政的にこれに活を入れて行くのが先決である、こう考えております。

小林信一小会派クラブ

○小林(信)委員 こまかい問題についての御答弁はなかつたわけですが、やはり基本的な問題としては、これはいつ廃止になるかわからぬ、そんなものにあまり熱を入れてもしかたがないというようなことで、町村側としては反対をしておるし、当事者としてもあまり興味を持たぬ。これはやはりこれが生れた経過も問題でございますが、大臣が今おつしやつたように、育成強化するといわれながらとにかく一年、ほんとうに不分な形のまま来たわけなんです。だから大臣がどういう御見解を持たれようが、そういう批判を受けて、これがまま子になつておることはやむを得ないことであります。要は、世評でなくて、これを担当する責任のあるところが自覚しなければならぬところだと思うのでありますが、かかる意味でこれは必要なんだ、そしてこれは今後こういうふうに運営されればこういう成果が上るのだということがはつきりされておらないわけなんです。私が申し上げたのは、今これに対して、これはその当時から言われたことなんですが、設置の理由を言うならば、教育というものが町村自体の要望によつて行われるのだ、そこに地教委の使命があるのだというようなことが言われておりますが、まあ悪く言えば、教育長の講習に行かれる人が、君どこへ行くんだと言うと、敬老会へ行くんだ。これはまことに大臣には納得できないかもしれませんが、先生のもう退職した人が、君講習へ行つてくれ、そうして教育長になつてくれんか。それでもう教育のことを忘れておつた人が教育長の講習へ行かれて、何を話しているかわからぬ、とにかく行つていればしまいには教育長になつて、多少でも報酬をくれるんだ、だから敬老会だというのです。そういうような気持でもつて運営されているのが僻地教育の実態なんです。こういう点から出て来ております教育行政は、その当初に掲げられたような地方の実態に即して教育がなされているというのはとんでもないことなんです。指導主事は、やはり県の指導主事が来ているわけです。県全体の教育的な計画のもとに教育が指導せられているのです。もつと僻地教育の機能を発揮するためには、その町村の指導主事でなければならぬのであります。こういうふうなものは必ず予算上に大きな支障を来すから、そんなことは考えないのだということでほうつておけば、やはりこれがいつになつても——何か政治的な関係から生れたものであつて、決してこれはほんとうの教育をなそうとするところから出ているのじやないというようなことで、いつやめさせられるだろうということから、あまり熱を入れるなということでほうつておかれておるのでありますが、そういうことからしましても、大臣は、おつしやるだけでなくして、これに対して適切な処置をなさらなければならぬと思うし、それができなかつたら私は早くやめるということが大事だと思うのです。こまかいことにつきましては、時間がありませんし、もうあとの委員が来ておるようですから申し上げませんが、その次は特殊教育の問題でございます。  先ほど辻原委員から盲聾の子供につきましてお話がありましたが、最近父兄から盛んに要望されるものでは、肢体不自由児、その中には小児麻痺の子供が多いのです。私の方の山梨県あたりでも、人口八、九十万ぐらいのところでこれに該当する児童が四千人くらいあり、小児麻痺の子供として教育の対象にしなければならぬ者を入れますと八千人くらいあるのですが、この父兄は、何とかしてこういう子供を救われたい、一つは厚生省関係の仕事として、また一つには文部省関係の仕事としてこれが救済されたい、こういう御要望があるのです。先ほどもお話があつたように、両省の協力によつてこういう子供の措置がなされたいのです。養護学校とか養護学級というのがありますが、とにかくこれらの子供は大体足が不自由なんですから通学することができない。これらが、特殊な施設ができてどこかに収容されて勉強できるようにしてほしいと思うのですが、この小児麻痺というようなものについて、特殊教育をやることをお考えになつたことが当局にあるかどうか、お話願いたいと思います。

緒方信一文部事務官(初等中等教育局長)

○緒方政府委員 特殊教育の問題についてでございますが、肢体不自由児の、特に小児麻痺の子供に対する教育の施設といたしましては、今お話のように養護学校がありますが、この養護学校の実情を申し上げますと、きわめて不十分でございまして、この増設につきまして文部省といたしましても十分考えて行かなければならぬと考えております。ただ、特殊学級がさらにそのほかに考えられておりますが、肢体不自由児と申しましても、これは程度がいろいろあると思いますけれども、小児麻痺のひどい子供になりますと、特殊学級ではそこで教育することは無理かと考えてもおります。そういう子供に対しましては、今申し上げましたように、養護学校の増設置をし、これを救済して行くことが必要だと考えております。これにつきましては今後ひとつ十分研究いたしたいと思います。特殊学級につきましては、特に来年度予算を要求いたしましてこの増設をいたしたい、かように考えております。

小林信一小会派クラブ

○小林(信)委員 今山崎委員も御質問があるそうでありますが、実は私は、委員長から二時までというお話でありましたから、まあ今ごろまではいいだろうと思つてやつて来たのでありますが、二時までできますか。

辻寛一自由党

○辻委員長 大体一時半という向うの予定ですが、二時までは何とかしてくれるように言うてあります。しかしそれでは山崎君の時間がありませんから、大体それくらいにしてください。

小林信一小会派クラブ

○小林(信)委員 局長にお願いいたしますが、この肢体不自由児、特に小児麻痺の子供等につきまして御調査したものがありましたらひとつほしいのですが、それに対するところの、いろいろ各府県等でやつているような実情等の御調査がありましたら、さつそく御提出をお願いしたいと思います。  最後に育英資金の問題ですが、この文部広報を見ますと、来年度の概算要求額としていろいろ案が出ています。これが獲得されると相当いいと思うのでありますが、しかしいつでも聞きますのは、育英資金が増額されて来たわけなんですが、その実態をお聞きしますと、いわゆる学生の自然増の分に対するところの増額であつて、必ずしもこれを受ける者のパーセンテージが上つていないわけであります。そこで、本年度あたり予算折衝をされる場合に、もつとこのパーセンテージを上げるように御要望になつているかどうか、その点お話を願いたいと思います。

内藤誉三郎文部事務官(大臣官房会計課長)

○内藤説明員 育英資金の点につきましては、単価の増と同時にパーセンテージの引上げも考慮したいということで努力しております。

小林信一小会派クラブ

○小林(信)委員 これで終りますが、この災害等によりまして、来年度あたりは学資のために中途退学するような者が相当出るのではないかと思うのであります。そういう意味からしましても、この問題については、単価の値上げと、そうしてほんとうにパーセンテージが上るように増額に御努力を願いたいと思います。

辻寛一自由党

○辻委員長 山崎始男君。

山崎始男日本社会党(左)

○山崎(始)委員 大分時間も経過いたしまして、大臣もお疲れのようでありますから、ごく簡単に三点ばかりお尋ねしたいと思います。  第一点は地方教育委員会制度の問題であります。今小林委員の方から御質問がありましたので、大臣の御所見がある程度わかつたのでございまするが、ただ一点私たちふに落ちないことは、前国会で、五月の終りごろか六月の初旬かでございましたが、この地方教育委員会制度の問題に関して質問がありましたときに、大臣は、生れて早早間がない制度だ、欠点があることも自分はよく知つている、いずれ地方制度調査会の方からも答申があるだろうしするから、まあ生れて間がないのだから、今どうのこうのするということは考えてはいない、こういうふうな御答弁だつたと記憶いたすのであります。ところがそれが前国会の終りごろになりますると、大分大臣の御答弁が、先ほど小林委員もちよつと触れられましたが、むしろ育成でもするという方向へお気持が向つて、いわば積極的なお気持のように承つたのであります。ついで八月の終りごろか九月の初旬だつたと記憶いたしますが、大臣の郷里の島根県にお帰りになる車中談で、この問題を新聞記者が質問しておりました。それに対して大臣は、最初私が受けました印象から見ますると、育成ということに非常に積極性が見えて来た、こういうふうに私たちは考えるのであります。ところが島根県へお帰りになりまするつい直前に——日にちははつきりと記憶いたしませんが、その直前に地方制度調査会からは、地方教育委員会制度は廃止すべきであるという答申が出たという新聞記事を私は見ておつたのであります。そこへもつて来て大臣の方から、まつたく逆だ御所見が述べられた。この点に対して国民はひとしく、いわばあなたのお気持が育成ということに対して非常な飛躍をしたという印象を持つたと思うのであります。先ほど私が申し上げましたように、前国会の初期における御答弁の中で、地方制度調査会の方へも目下諮問中なんだからというふうなお言葉があつたはずなのでありますが、今までの政府のやり方を見ておりますと、人事院の勧告であろうと、そういういろいろな諮問機関の勧告であろうと、私たちが印象を受けるのは、都合のいいときには受けられるか知りませんが、ほとんど勧告が受入れられたことはありませんので、いまさらこの問題を大臣がお受入れにならないと言われましても、そう大してわれわれはふしぎには思いませんが、国民の一般は非常な妙な印象を持つておるのであります。そこで大臣御自身のお気持が、その間に非常な御変化があつたんじやないかというふうに私たち付度するのでありますが、その地方制度調査会の答申の関係、あの車中談をなさいましたその間の御心情といいますか、そういう点について承つておきたいと思うのであります。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 この地方教育委員会制度というものに対しての私の考え方というものは、一貫してそう大してかわつたことはないと私は自分では思つております。ただ前国会におきまして、私は文部大臣に就任早々のときでありまして、ひとり地方教育委員会制度に限らず、教育制度に対する勉強をする時間がなかつた結果、認識が足りなかつた。従つて私がお答えを申し上げた言葉の調子に多少の変化があつたかもしれません。しかし地方教育委員会というものはまだ実施早々の制度であるからして、今すぐこれをやめるとかなんとかいうような考えは持たない。という意味は存置するということでありまして、存置する以上は、それが何らかの障害によつて十分な制度の期待するような働きをしておらぬということであれば、しかもどうでもいい制度ではないので、教育制度としてはきわめて基本的な重要な機構でありますから、これをただほうつておいて働きのできないような、それこそ生れたばかりの小児麻痺のようなことになつておつたのではこれは意味をなさぬのでありますから、従つてこれを存置する限り育成強化して行つて、制度の期待するような働きをここにまたなければならぬ、こういうふうに私は考えておるのであります。従つて私の考え方は、そう本質的にはかわつてはおらぬつもりであります。  地方制度審議会といいますか、調査会との関係でありますが、これは私、その当時それに言及したかどうか今はつきり覚えませんが、しかし地方教育委員会制度というものは、広く見てやはり地方制度の一環でありますから、従つて地方制度全体を見て、そうして地方制度調査会の方ではこれを廃止した方がいい、こういう結論に達せられたのではないかと思います。私の方はむしろ教育制度としての見地に立つて、そうしてこれは残しておいてもらわなければならぬ、こういうふうに実は思つておるのであります。それで先ほどもちよつとお話がありましたが、そういう有力な調査会あるいは審議会の方でそういう有力の意見があるのでありますから、それでなくてももうじき廃止になりはぜぬかということで、従つて自然動揺しておる際でありますから、先ほど申し上げましたように、そうでなくても十分に働いておらぬ現在の制度がますます萎縮して動かないようになつては困る、こう実は私は思つたのであります。そこで少くとも文部省としての見解はこうであるということをはつきりさしておく方がむしろ時宜に適しておる、こう実は私は考えたのであります。地方制度調査会の答申といいますか、調査会の審議の結果に対しましては、もちろん政府として十分これを尊重し、十分その意見にかんがみて検討を加えなければならぬと思います。ただその点は、むろん文部省からもその席に出て文部省の意見は申し述べたのでありますが、結果においては違つた結論に達した地方制度調査会が、この制度を廃止してそのあとをどうするのか、これが大事なことであります。これは重要な基本的な仕事をしておる。実際どの程度に能率を上げておるかどうかは別として、その職務というものは非常に基本的な、大事な仕事をしておるわけですから、これをやめると言いつぱなしでは困る、あとはどうするかということが非常に大切な問題であります。御承知の通り今日の新教育制度というものの基本的な考え方として、とにかく教育、ことに学校教育については、その運営というものが政治的の勢力の支配のもとに行われてはならぬ、こういう強い線が一つの基本の線であると思う。従つて直接国民大衆が選挙をした、直接に大衆の意向を代表し、その気持を反映する仕組みでこれが運営されなければならぬ、従つて政府の指揮監督もこれを排除する、それから行政団一体の長であるところの知事あるいは市町村長の容喙、指揮というものもこれを排除する、要するに国民の直接の意思によつて運営さるべきものである、こういうことが現在の教育の基本制度でありますから、これをもし廃止して、かりにこれを町村長がやるのだということになれば、これは新教育制度の基本に亀裂を生ずるということになると私は思う。そうすれば県の教育委員についてもこれを考えなければならぬ、半分残して半分政治勢力を迎え入れるというのはりくつにならぬのでありますから、そこでこれらの点はきわめて重夫でありまして、予算が足りないとか、教育長に人を得られないとか、すべての制度が発足当初においていろいろ起る多少の困難というものだけをもつて、この基本的制度をただちにかえるということは、少くとも文政当局としてはそういう軽率な結論は出せないというふうに思つておるのであります。従つて地方教育委員会制度というものを廃止した後においてだれの手によつて、どういう形において、わが国の末端の学校教育というものが、運営されるかという、この次の制度の問題はきわめて重大であります。これに対する十分に徹底した識見と結論なしに、ただ現在の多少の摩擦と、困難ということだけで、簡単にこれを取消してしまう。これはこの制度の持つウエイトからいつても、そう簡単に結論が出るべき筋合いのものじやないというように、実は私は思つておるのであります。でありますから、地方制度調査会の結論については、もちろん十分に検討いたします。けれども問題はかりに廃止していいとして、そのあとをどうするか。これを廃止してかりに一部の町村長方の方で考えておられるように、これを市町村長の所管に移すということになれば、すべての教育委員会法にいうところの不当の支配に服することなくという線がこわれるのである。しかも県教育委員を残して、かりに片方は町村長に移すということになれば、これは基本的制度に亀裂を生ずると私は思う。それならば県の教育委員にこれをまかしてやる。これも一つの考え方でありましようが、それが現状がはたして適当であるかどうか、これらの点について私は簡単には結論は出ないと思います。むしろ私の考えでは、この基本的制度というものは新制慶でありますから、すべり出し早々からすべてが円滑に順調に行くとは限らない。だからそういうことの起る困難なり摩擦なりというものは、それぞれ個々にこれを検討して、その摩擦を防ぎつつ、そしてせつかくできた新制度でありますから、これを健全な状態に育てて行きたい、こういうことを考えておるのであります。

辻寛一自由党

○辻委員長 ちよつと山崎さんに御了解を得たいと思いますが、実はきようの理事会におきまして、会期もきようで一応終ることでありますし、一時半か二時までやれば大体お申出の御質問も終ると思いましたので続けたのであります。会期が延長になつても文部委員会はこれでおこうということに一応なつておりますが、どうやら会期も延長になる形勢でありまして、あなたの御質問は中途ではありますが、一ぺん理事の方に御相談して、その都合によつては開いてもいいと思います。実は水産委員長も先ほどからお待ちかねですし、水産委員会が終りましてから経済安定委員会がありまして、非常に込んでおりますので、一応あらためて委員会開会のいかんを理事の方に御相談して決したいと思いますが……。

山崎始男日本社会党(左)

○山崎(始)委員 それだつたら私は文句がある。質問の通告がすでにしてあるのでありまして、時間の配分がよろしきを得ていないのです。しかも私はいろいろこまかいことを聞こうと思つておるけれども、時間がないのだから、二十分ほどで終ろうと思つていたのです。しかし大臣もお疲れでありますし、そういうことであれば……。

辻寛一自由党

○辻委員長 それでは本日はこの程度で散会いたします。     午後一時三十五分散会

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