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17回国会衆議院1953/11/02

文部委員会 第1号

発言数
83
登壇者
12
会派数
4
開催日
1953/11/02

会議録

辻寛一自由党

○辻委員長 これより会議を開きます。  まず理事の補欠選挙を行います。理事辻原弘市君が委員を辞任されましたので理事が欠員になつておりますが、理事の選挙はその手続を省略し、先例によりまして委員長において指名するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

辻寛一自由党

○辻委員長 それでは私より委員に選任されました辻原弘市君を理事に指名いたします。     —————————————

辻寛一自由党

○辻委員長 次に派遣委員より報告を聴取いたします。松平忠久君。

松平忠久日本社会党(右)

○松平委員 先般国政調査のために、私と小林代議士が岩手県、宮城県、山形県三県に、主として僻地教育の視察に参つたのでありますが、簡単に御報告申し上げます。  九月一日岩手に参りました。盛岡から約五十キロほど離れましたいわば僻地の入口というようなところを視察して参つております。初め自動車で、トラツク、さらに徒歩で現場まで参るというようなきわめて交通の不便な所でありまして、籔川村という約五十キロの所に参つたのであります。ところが私ども僻地教育といつて普通常識的に考えておる僻地とははなはだ趣きを異にしておりまして、実は行つて非常に驚いたのであります。その一例を申し上げますと、たとえば小学校と中学校の校長は、ことごとく同一人が兼任、兼務しておるということ、それからこれは法律的にも違反しておると思うのですが、複式教育の場合において、一年、二年、三年が一学級になつております。それから小学校の五年、六年と、中学校の一年、二年、三年、つまり小学校と中学校とが一学級に編成されておるというような状態なんです。しかも生活程度が非常に低いので、六・三制になりましてやや学校の教育に親たちが関心を持つて来たとはいいますけれども、非常に就学率が少い。ちよつと天候が悪く雨が降ると休む、それから家庭の事情で農作物等の農繁期になつて来ますと生徒が休むという状態であつて非常に就学率が悪い。従つてそういう所でありますから、衛生的に見ましてもきわめて劣つておりまして、たとえば籔川村の小学校において生徒の八五%がトラホームにかかつておるというような状態であります。これは先ほど申しようなぐあいに、盛岡から約五十キロ、ちようど十里そこそこ離れた所でこういう状態であります。それから奥地はさらにひどい状態なんです。従つて地方の教育委員会等も、一村で教育委員会をつくることができないので、隣村と一緒になつて、いわゆる組合組織の教育委員会をつくつておる、こういう状態であります。従つて学校がその地域のすべての中心地になつております。ただ単に学校教育というだけでなくて村の集会も学校でやりますし、いろいろな文化的な集まりというのはむろんこの学校を中心にして行われておるのみならず、各部落の部落民の日常の生活の相談相手ということまで先生が持つてやらなくてはならぬ。子供が家庭で病気をしたというような場合にも、先生をたよりに薬をもらいに来るというような状況もあるし、子供が生れれば名前をつけてくれといつて学校へ頼みに来る。すべてその部落の部落活動の中心になつておるというような実情であります。そこにおける教師の生活状態を見ますと、大体学校の中に一部屋か二部屋先生の宿舎のようなものがありましそこで自炊をしておるわけです。ところがほとんど米はないという状況であつて、米を盛岡まで買いに行くのに往復二日つぶしてしまうというような実情を話しておりました。なおまた学校の先生方が、子供の教育にも非常に困るし、一番困るのは病気をしたときの医療施設がないということであります。そうした僻地における教員の生活の問題というものが切々として訴えられたわけでありますが、なかんずく最も感じたのは住宅政策、それからそれらの学校の先生方の特別の生活の手当というか、そういうものを非常に要求されておるのであります。盛岡から宮城へ参りますと、やや宮城の方が、教育には、何と申しますか立地条件等からいつても宮城は岩手ほどのことはなかつたのでありますけれども、それでも大沢村というような私どもの視察した村へ参りますと、一村において村立の中学校が三校、小学校が三校あり、また分校が七校あるというような状態であります。北海道の話等からいたしますと、まだこれでもいい方なんでありますが、学校の生徒が通うのに非常に困難を感じておる。最近の話では、途中熊が出るというようなおそれのある箇所があつてそして大勢生徒がそろつて学校へ行かなくてはならぬ。親がついて行きまし、バケツのようなものをたたきながら学校に行くというようなこともあるということを聞いておるのであります。同様にそれらの分校あるいは小学校というものは、村の文化のセンターになつておつて、先生は朝から晩まで学校の仕事以外の仕事に相当煩わされておるという実情であります。それから助教員等が多く、分校のごく小さいところには人おるわけでありますが、この教員以外に事務職員もないし、分校長兼小便と、一人ですべてをやつておる。しかもそれが村の一つの集会所になつておるという状態でありますので、非常にみじめなことをやつておるわけであります。詳しいことは国政調査報告のとき文書で申し上げたいと思いますので、これによつて御承知おき願いたいと存じます。以上であります。

辻寛一自由党

○辻委員長 田中久雄君。

田中久雄改進党

○田中(久)委員 東海、北陸地方班といたしまして、中嶋太郎委員と竹尾委員のかわりに私が参りました。それと大中臣調査員の二名が愛知、福井、石川の三県について現地の調査を行いました。  九月一日から前後一週間にわたりましてこの三県下において、県及び市の教育委員会、及び市町村当局並びに諸学校の積極的な御協力を得まして、相当詳しく各般の事情について調査を終ることができました。また各地におきまして教育関係者から資料を提供せられ、懇談会を開き、お互いに忌憚なき意見の交換をいたしました。非常な希望を各地で聴取して参つたのでありますが、何分相当な調査にわたりますので、詳細な報告書をもつていたすことにいたします。

辻寛一自由党

○辻委員長 次に高津正道君。

高津正道日本社会党(左)

○高津委員 私は八月の十六日から二十二日まで、本院から坂田道太委員と、文部専門室の石田幸男君と三人でもつて九州の教育関係を視察して参つたものでありますが、詳細については石田君の筆になる、そして三人の意見調整を経たものが文書で提出されますから、それをごらんくださることをお願いいたしますが、私の補足意見といたしまして、九州をまわつて非常に深く感じたことは、私学振興法が通過して、そして学校経営上財政的に困る場合に、金を貸し付けるようになつた結果として私立の学校があるいは二百万円借り入れて講堂を建てるとか、あるいは二百万円借り入れて教室を建てるというようなことをやつて肥料のないところにいい肥料が施されたために作物が非常に勢いづいて成長するような結果を私は見た。そういう私立学校にわれわれが視察に参りました場合に、たとえば九州の鹿児島市の実践高等女学校に参りました際に、セント・ザビエル学校とか、セント・ラサール学校という外人の経営者あるいは外人教師までもたいへんに集まつて来られて文部委員会でああいうような決定をしていただいてわれわれは非常に喜んでおる、ことに私立学校教職員恩給法の実施を見たために、われわれは安心して終生神聖なる教育の業務に携わることができるようになつたので、委員諸君に対してわれわれの喜びを必ず忘れないでお伝えおきを願いたい、こういうような言葉をわれわれ三人で聞いたのであります。忘れないで伝えるのでありますから、よく聞いておいてください。  それから福岡県、熊本県、鹿児島県というようにずつとまわつたのでありますが、学校の施設や設備やあるいは清潔であるとか整頓しておるとかいう事情は、県と県で違うし、県の中でまた違うし、それらは言うまでもなく、校長の努力とか、あるいはPTAあるいは県当局の財政事情、いろんなことからそういう差が現われておりますけれども、この差はわれわれの努力によつてもつともつと縮められるものであろう。い、い学校もあれば、非常にひどいのもあるということを感じた次第であります。  もう一点は、九州の中南部にある白ありの害でありますが、これは私よく存じませんが、そういう地域なんだからそれに対すする予防法を科学的に研究してそれを十分学校当局に施行させるように教え込んでおくということが国家経済の上から見て必要であろうし、それから今非常に学校が腐朽して困つておるのであるから、それに対してはもちろん国家が相当に思い切つて補助をして、そういう害のないようにしてやるべきであろう、こういうことを感じた次第であります。  申し上げたいことは一ぱいありますけれども、以上三点だけを補足としてつけ加えて、詳細はわれわれ三人で提出いたしますこの書類の中にございます。これをもつて私の補足を終る次第であります。     —————————————

辻寛一自由党

○辻委員長 次に国政調査承認要求に関する件を議題といたします。  本会期中も衆議院規則第九十四条により国政に関する調査の承認を得ておきたいと存じますので、ただいまその承認要求書の案文を朗読いたします。    国政調査承認要求書  一、調査する事項 学校教育、社会教育、教育施設、教育委員会制度及び文化財保護に関する事項。  二調査の目的 文部行政の実情を調査し、その適正を期するため。  三、調査の方法、関係当局より説明聴取並びに参考資料の要求等。  四、調査の期間 本会期中。  右によつて国政に関する調査をいたしたいから、衆議院規則第九十四条により承認を求める。   昭和二十八年十一月二日      文部委員長 辻  寛一    衆議院議長堤康次郎殿  ただいま朗読いたしました要求害を議長に提出するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

辻寛一自由党

○辻委員長 御異議なしと認めます。よつてさよう決しました。     —————————————

辻寛一自由党

○辻委員長 次に文部行政に関する説明聴取の件を議題といたします。本件に関しまして文部当局に対し、今度の学校災害並びに文教予算等に関する質疑を許します。質疑は通告順にこれを許します。坂田道太君。

坂田道太自由党

○坂田委員 まず第一に文部大臣並びに自治庁あるいは大蔵省の理財局長等にお伺いをし、またこれに対する文部大臣の対策をお尋ねしたいと思うのでございます。大臣のお答えを得る前に、その実態について監理局長に詳細にお報告を願いたいと思います。  聞くところによりますると、昭和二十九年度におきまして異常なる児童数の増加、特に昭和十四、五年ごろのいわゆる生めよふやせよの一つの結果が来年度の中学校において出て参つている。小中学校を合せますると、約百万の異常増である。中学校だけでも五十万を越える。特に六大都市におきましては約十一万九千の異常増加であつてとうていこの児童を収容することができない。小学校においては現在せつかく行われている授業を解消いたしまして再び二部授業等をやるということは、これもわれわれは義務教育をやつて行く上から申しますならば、耐えられないことでございましようけれども、中学校において二部授業等のことはとうていこれは考えられませんし、これを車に地方公共団体にゆだね、そうして国は一応ただ見ているということでは、とうていこの義務教育を遂行することはできないと考えるのでございます。そういうような意味から、まず監理局長から、はたしてどのような実態にあるのかという詳細をこの委員会に御報告を願いたいと思う次第でございます。またできますれば、どうしてこういうような異常増加がわかつておつて、二十八年度の予算編成のときにその問題が取上げられなかつたのかという点も一応ただしておきたいと思うわけでございます。その実態をお聞きいたしました上で、文部大臣のこれに対する御対策の大綱を承り、さらに詳細にわたりましては監理局長並びに理財局長あるいは自治庁から承つて何とか二部授業が行われないようにいたしたいと考えるわけでございます。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 お答えいたします。六大都市の人口増加によりまして、児童、生徒が急激にふえるという問題でございますが、この問題につきまして実は当初全然知らなかつたわけではございません。本年が一番ふえ方が少い年で、二十九年度になりまして非常にふえるということは私もかねてから承知しておりました。しかしながらこの人口増加による生徒、児童の急激な膨脹というものにつきまして、これは都市だけの問題ではございませんので、全市町村の問題でございます。従つてこの問題は、従来私どもといたしましては、予算上の措置によつてこれを考慮するという考え方は持つておらなかつたのでございます。ただいま学校の建物につきましては、御承知の六三制によりまして一人当り○七坪の補助金を出しておりますが、の補助金の児童、生徒数の算定の場合におきましても、原則として当面不足する教室を充足するという考え方で参つておりますので、人口の自然増加による校舎の不足につきましては、原則といたしまして、義務制学校については市町村自体の責任におきましてこれを処置していただくということで参つております。現に方々で生徒数がふえまして、教室の増築ということをおやりになつておるわけでございますので、さような考え方から、実はこの問題について私どもとしては全般的な問題でございますので、今日まで手をつけないと申しますか、考慮の外にあつたわけでございます。しかし当面この六大都市と申しますか、五大都市の異常なる増加につきましては、これはただ単に人口の自然増加による問題のみでなしに、さらに転入の問題がこれに加わりまして五大都市が非常な増加を見るということで、これにつきましては他の市町村とはいささか趣を異にしておおのではないかという考え方もなされますので、何とか五大都市につきましては措置を考えたいという気持でございます。しかしながら一方先ほど申し上げました設置者がこれを負担するという原則から行きますと、五大都市といえどもやはり他の市町村と同じことでございますので、さような原則もございますから、五大都市のみに特別な措置を講ずることも他のつり合い上どうかという意見もございます。それから一方五大都市につきましては、財政的に他の市町村と比較いたしまして、比較論でございますが、いわゆる経済力があるという見方もございますので、あれこれ考え合せまして、この五大都市の急激な生徒数の増加に対処するためには、財政的な措置を何とか考慮しなければならぬと考えておりますが、しからばどういう方法をもつて措置をするかということにつきましては、今関係方面と折衝しておりまして、何とかこれを措置いたしたい、かように考えるのであります。

坂田道太自由党

○坂田(道)委員 監理局長の一応の御答弁でございますが、どうもはつきり実態がつかめないのでございます。私はその措置については後ほどお聞きいたすつもりでございます。来年度、二十九年度において中学校に進学する児童数というものは一体どれだけかということ、そうして六大都市についてはどれだけか、またそれを収容する場合の坪数あるいはそれに要する大よその金額を明らかにしていただきたいと思います。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 ただいまわかつております二十八年度の生徒数でございますが、これは全国で四百九十七万八千、これが二十九年度にどれだけふえるかということでございますが、これは推定になるわけでございまして私どもの推定によりますと五十二万九千ふえて五百五十万七千になる見込みでございます。それからそのうち横浜、名古屋、京都、大阪、神戸の五大都市につきまして申しますと、生徒数が二十八年度二十九万五千九百二十人、それが二十九年度には約六万人ふえる見込みでございまして、三十五万六千人になる見込みでございます。

坂田道太自由党

○坂田(道)委員 今監理局長から明らかにされましたように、来年度の異常増加というものが、五大都市だけでも六万以上、六大都市にいたします、と十一万九千、全国にいたしますと五十二万九千というような異常増加があるわけでございます。これに対しまして一体文部大臣はどういうような対策をお持ちであるか。二十九年度の予算については何らかの措置があると思いますが、とにかく今年度中に何らかの措置をしなければ、とうてい二十九年度の予算措置をもつては解消できない問題だと思うわけでございましてこの点について大臣のお考えを承つておきたいと思います。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 来年度におきましては就学児童数もふえますし、また小学校から中学校へ進学する児童数も激増する見込みでありまして、大体ただいまお話がありましたように、中学校で五十万人、小学校の方でもやはり五十万人、合わせて百万人の自然増という大体の数字と承知しております。これは実はたいへんな問題でありますが、ただいまお話のように中学校においては二部教授ということは困難でありますし、小学校についても財政的に見て非常に困難な問題でありますが、中学校において特にその必要がある。ただいま六大都市のお話がありましたが、これは実は六大都市に限らず、たとえば大都市附近の中都市と申しますか、川崎とか、そういうところもまつたく同じような状況にあるものと認められます。先ほど監理局長から御説明を申し上げましたが、長い聞教育費の支弁の建前として、教員の給与については国がある程度の負担をする、教育施設については地方団体が負担をする、これはずいぶん古い以前からの建前でありまして、最近特に義務教育の延長あるいは戦災校舎、老朽校舎というような特殊のものについての国庫補助ないし負担の道が開けたのであります、建前といたしましては、学校施設についてはそれぞれの地方団体において負担をして処置して行く、こういうのがわが国の教育制度と申しますか、古くからの建前になつておりますので、児童の自然増による校舎の増築あるいは新築の問題については、国として負担をしないということで今日に及んでおりますこれは御承知の通りと思います。ただ今年は今申し上げますように、来年において非常に急激な増加が予想される。ちようど終戦後になつて初めて生れた子供が就学する時期にあたつておる関係と認められますが、これは当面さしかかつた問題で、実は非常に苦慮しておるのであります。実は私ははなはだうかつでありまして、これは申訳ないことでありますが、従来そういう事実もあまり承知いたしておりませんでした。最近ひんぴんとして陳情もあり、また事務当局からの話も聞きまして、これはたいへんな困つた問題であると非常な心配をしておるというのが実際であります。そこでこれは本来申しますと二十九年度の問題ではないので、二十九年度つまり来年の四月の一日から就学する子供でありますから、それまでに受入れの校舎の施設というものはできていなければならぬ。こういう問題で、本年度内にある程度その受入れの施設が充実されていなければならぬという筋合いのものであります。実は非常に当惑したのでありますが、結局ただいま申しますように、大蔵省に対しては当面の措置として安本を立てて折衝をしておるのでありますが、しかし大蔵省といたしまして竜、学校施設は地方が負担するのだという長い間の建前をくずすということは、容易にのみがたい問題ではないか、こう実は思いますので、一面自治庁の方にもお願いをしまして何とかそれは起債で処理ができるように相談をしておるのであります。御承知の通りこの起債も、総体の額が非常に詰まつておる関係で、簡単にその方に振り向けるということも、これまた非常に困難な実情にあります。ただいまの過程におきましては、大蔵省、自治庁との話合いの過程におきましては、私の承知しておる限りでは、できれば公募公債でその起債を認めるような方法をとつたらどうか、こういうことでありまして、これは六大都市のような比較的財力のゆたかな、従つて公募債が消化できるところでは、あるいはこれである程度の措置ができるんじやないかと思つております。ただこれがひとり大府県、大都市だけの問題ではないのでありまして、著しい生徒数の増加ということは全国にわたる問題でありまして、そう早急に簡単に解決ができないのであります。御承知のように従来文部省といたしましては義務教育延長に伴う六・三校舎として児童一人当り〇・七坪という基準のもとにその建築費の一部を補助する、こういうことにしておることは御承知の通りであります。これは本来が非常にきゆうくつな数字でありまして、当委員会においてもしばしば問題になりましたように、教室と廊下と便所しかできない、こういう応急ともいえない程度の、ごくきゆうくつなものでありますから、文部省といたしましては、もう少しこの基準を引上げて学校らしいものにしたいというふうに年来考えておりますこと、これまた御承知の通りであります。来年度の予算におきましては、もう少し基準を引上げまし児童一人当り一・〇八という標準をつくりまして実は今大蔵省の方に当つておるわけでありますが、ただいままでの折衝の経過では、大蔵省も必ずしもこれにノーと一足飛びに言つておるわけではないのです。それを基礎にして、生徒児童数による補正係数をかけましそれによつてやつた方が合理的であるということで、せつかく今この方を進めておるわけであります。これは来年度における生徒の急激な増加に対応するものではないのでありますけれども、しかし事実としては〇・七で校舎の総坪数を出した場合と一・〇八で出した場合とではざつと五割増しぐらいになりますから、従来のきゆうくつなやり方でもう一年がまんをする気になれば、従来と比べて相当多数の児童を収容し得る勘定になるわけであります。実はこれは将来の計画として折衝しておるのでありますが、たまたまそれが大蔵省である程度認めてもらえれば、目前の児童数の急激な増加に対しても、ひとり大府県に限らず全国にわたつて小学校でも五十万人ふえるのですから、これでひとつ何とか埋め合せと申しますか、その対策を講じて行きたい。従来の長い間の負担区分である学校施設の経費は地方で持つという線をくずすことはこれはどうも困難ではないか。他面、そういう関係でせつかく今折衝して何とかそういうことに持つて行きたいと思つております。それで先ほど申し上げましたように、これは来年度の問題ではなくて今年からの問題でありますから、その間何かつなぎ資金でも出してもらつ当面緊急の必要に応ずるようにしたいという意味でただいま折衝しております。どうもはつきりしないような申し上げ方ではなはだ申訳ござませんが、実情はさようなことで、せつかく努力したいと思つております。

坂田道太自由党

○坂田委員 ただいま文部大臣の率直なる御意見を承りまして大体わかつたのでございます。大臣のお話をを聞けば、二十九年度以降の問題については、ただいまの〇・七坪の基準を一・〇八に引上げることによつて何とか対処をして行く、しかしながら現在当面の問題としてはこれを公募債等によつてつなぎの資金でやる、こういう御意見だと思うのであります。  そこでひとつ大蔵省の理財局長にお尋ねを、いたしたいのでありますが、ただいまの問題について大蔵当局としてはどういうお考えを持つておられるのかということを伺いたい。

稻田耕作大蔵事務官(理財局資金課長)

○稻田説明員 理財局長をお呼びでございますが、局長は予算委員会に行つておりますので、私がかわりましてお答え申し上げます。実はこの義務教育の生徒数の増加ということに対しまして私の方といたしましてもただいまのところは何ら対策を考えておらなかつたということにつきまして、非常に大切なことを忘れておりましおわびを申し上げなければならないと思います。それでこの生徒数の増加に対しましては、文部省及び自治庁の方からも、できればこの起債のわくをふやしてくれというお話があるのでありますが、政府資金によるわくというのがなかなかきゆうにつになつておりますので、公募につよるわくをふやしてはどうかというお話が参つております。しかしながら公募によるわくの増加がありましても、六大都市においてはある程度の消化の自信がありまするが、正直のところを申し上げまして、そのほかにおきましては公募債の消化ということがきわめて困難だと存じております。従いまして話は少し前にもどりますが、前国会において二十五億の老朽校舎等に対する起債の増加があつたのでありますが、その当時においても一応二十五億というものが公募のわくとして増額せられまして、当初計画の百八十億に対しまして公募計画の二十五億を加えまして二百五億のわくになつておるのでありますが、実は私どもといたしましては、この二十五億の老朽校舎等に対する起債につきましても公募ということはこれは困難だと思いまして、このたびの改訂計画案につきましてはこの二十五億を政府融金によつてお出ししようということに改訂をいたしておりまして、いわゆる地方債百八億の増加の中に二十五億を含めておるような関係でございます。従いまして実際問題といたしましては、ただいま文部大臣からもお話のありましたように、公募のわくの増加ということを考えております。一面六大都市を除く部分においては、その消化が非常に困難だということは、私どもも存じ、そういうふうに思つておりまするので、今後文部省の監理局の御当局及び地方自治庁と十分協議いたしまして、どのくらい政府資金が出せるかという点を至急研究してみたいと思います。実は御承知のように資金運用部資金といたしまして、このたびの災害にあたりまして、地方債百八億その他を合せましてただいま百二十二億の増加を希望いたしておるのでありますが、そのほかに御案内のような災害の追加融資という問題も出て参つておるでのありまし実は政府資金の捻出ということにつきましてあらゆる点から検討いたしておるのでありますが、非常に窮迫した状態にありますので、御期待に沿えるかどうかは、ここに断言できないのでありますが、公募公債によつて消化し得ないような点は、できるだけ政府資金でまかなうようにいたしたいというのでありまして、遺憾ながらはつきりした数字を申し上げられないのであります。

坂田道太自由党

○坂田(道)委員 結局そうすると、こういうふうに承つていいのでありますか。この問題については、とにかく公募債によつてやることはやる、しかしながらその消化は六大都市に限られておつて地方ではまかなおれないから、その他の六大都市以外のところについては極力政府資金でやる、しかしその金額については何とも今断言できない、こういうふうに承つていいのですか。

稻田耕作大蔵事務官(理財局資金課長)

○稻田説明員 坂田委員のお説の通りであります。ただ公募の問題でありますが、一言つけ加えさせていただきたいと思います。文部省から今度主計局の方へ予算の関係で補助金の問題を持ち出されておるのでありますが、主計局の予算の査定におきまして補助金がある程度出るということになれば、公募債の方もある程度楽に出るのじやないかと思つておりますが、しかしこれはわれわれといたしまては、前国会に増加されました二十五億につきましても、一応公募に入れましたけれども、実は無理だと思いまし今度の補正で行政資金に振りかえたようないきさつから申しまし全額公募はとてもむずかしい思うのでありましてお話のように公募のきかない点につきましては、極力政府資金をお出しいたしたい、こう考えております。

坂田道太自由党

○坂田(道)委員 この機会にちよつと簡単に承つておきたいのですが、現在の公募公債の消化の状況はいかがですか。

稻田耕作大蔵事務官(理財局資金課長)

○稻田説明員 公募公債につきましては、今年度当初におきまして百八十億でございます。大体地方債の大きさを申し上げますと、大蔵省の、私の方の資金運用部六百九十五億、これは御案内の通りであります。それから本年度から還付資金による分離運用の分が百九十億、それに百八十億が公募になつております。それで実際の消化状況はいわゆる起債協議会というものがありまして、民間と政府と地方団体を合せての正式の起債といたしましては、大体月に五億程度でございます。従いまして年間六十億ということになりますが、十月は五億二千万円ぐらい出ております。その残りにつきましては、これは正式に大阪市債とか名古屋市債とかあるいは県債ということで出るわけでありますが、それが大体六十億となつております。残りの百二十億は、結局一時借入金を公共団体がいたしておりまし年度末に至りまして返還がなかなかできないというようなことで、関係の金庫、銀行というようなものからの借入れということになると思います。

坂田道太自由党

○坂田(道)委員 監理局長にちよつとお尋ねしたいのですが、文部省としては大蔵省に対してどのくらいの公債を資料として提出されておるでありますか。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 一応私の方から大蔵省へお話申し上げておる額は大体二十億程度であります。

坂田道太自由党

○坂田(道)委員 大体今輪廓だけお伺いいたしたのでありますが、ちよつとこの際、先ほど大臣からこういうような児童の異常増加について自分はよく知らなかつたのだというようなお話もあつたのですが、実はこういつた児童生徒の増加というもののいろいろな学校の施設をやる場合の根拠になる基準と申しますか、そういうものはどうなんですか、前年度ですか、当該年度ですか、基準の年度はどういうように立ててやられるのですか。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 御質問は、ただいま文部省で補助金をやつております際の児童生徒の数をとる基準年度のお話だと考えます。それにつきましてはただいまは前年度の五月一日現在ということを押えましてやつております。

坂田道太自由党

○坂田(道)委員 そこで非常に問題が出て来るので、もし二十八年度の予算編成のときにそういうことを考えられたとすると、二十七年度の基準年度でいろお考えになつたと思うのです。そうしますと二十七年度の増加は三万七千ばかりになつておる。ところが二十八年度にいたしますると五万三千、二十九年度になればこれが十一万ということになつて来る。そこで大臣が御承知ないというのもふしぎではないという気持がするのでありますが、こういう基準年度の問題にはいて当該年度というようなことで予算編成等はできないものでございますか。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 その点につきましては、そもそも六・三の○七坪の補助金の配付の基準になりまする根本法は、御承知の公立学校施設費国庫負担法でございます。この負担法が本年できたわけでございますが、それができる前は、その考え方といたしまして、不足坪数を充足して行くのに補助金を出すという考え方で参つて来ておりますので、一番初めは、ある一定の時期にきます坪数の不足、たとえば百万坪足らない、それを毎年充足して行く、補助して行くという考え方で参つて来ておりますが、途中いろいろの変化がございまし最近では前年度の五月一日現在の実態調査による児童生徒数を基準にして予算要求をするというふうになつて来ておりますので、将来は翌年度の増加見込みの相当数を基準にして予算要求をするということも確かに一つの考え方だと考えております。ただその問題につきましては、結局先ほど申し上げましたように自然増加を見込むという結果になりますので、そこに踏切りのつかない点があるわけですから、そういう問題につきましては寄り寄り話合いはいたしておりますけれども、まだ結論は出ておりません。

坂田道太自由党

○坂田(道)委員 先ほどちよつと私聞きそびれたのですが、さつきの二十億の中には東京都は含まれておるのでございますかどうですか。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 一応私どもは六大都市として要求しております。

坂田道太自由党

○坂田(道)委員 今の問題につきましては私質疑を打切りたいと思うのですが、この際ちよつとお伺いしておきたいのは、前国会におきましていろいろの施設関係の法案の成立を見たわけであります。それについての政令がどういうふうになつておるか、その進捗状況について簡単でよろしゆうございますから御報告を願います。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 公立学校施設費国庫負担法の政令でございますが、これは一番大きな政令になるわけでございます。これにつきましては大蔵省との話合いはほぼつきまして、ただいま法制局の方で審議していただいておるところでございます。これはそう遠くない期間にきまるものと考えております。次に危険校舎の臨時措置法の政令でございますが、これにつきましてもただいま大蔵省と話合い中であります。それから今度災害関係でできました公立学校施設費の災害復旧に関する特別措置法並びに私立学校の校舎の災害復旧に関する特別措置法、さらに学校給食用の物資が流失したものに対する損失補償に関する法律、この三本の災害関係の立法の政令でございますが、これにつきましては、ほぼ大蔵省並びに法制局と話合いが済んでおります。ただ問題は地域の指定の基準でございますが、これにつきましては御承知と思いますが、衆参両院の水害委員会で御決議になりました基準に従いまして、大体の地域といたしましては、公立学校につきましては県並びに市町村を指定いたします。その他の二つの関係の政令の地域関係につきましては、原則といたしまして市町村を指定いたしまして、但し特に文部大臣が必要と認めた地域というのを入れまして、大体全部それによつて救われるようにいたしたいと考えております。

坂田道太自由党

○坂田(道)委員 その予算の執行が非常に遅れておると思うのですけれども、これらの点について……。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 結局それは政令によりまして配分基準をきめるわけでございますが、その政令がまだきまりません関係上、予算の執行が遅れておることははなはだ申訳ありませんが、すみやかに政令をきめまし早く配分いたしたいと考えております。ただ現状におきましても、大体その政令を見越しまして、支障のない限度においては、県の方に内示してございます。

竹尾弌自由党

○竹尾委員 先ほど坂田委員からのお尋ねに対して六大都市を含めて二十億の起債云々という御答弁でございましたが、東京都を加えると二十億ではとても足りないように思うのですが、その点ひとつ御答弁を願います。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 私どもで一応推算いたしました数字は全国で大体五十億程度になるのではないか。そのうち六大都市に関しましては二十億程度ではないかというわけであります。

竹尾弌自由党

○竹尾委員 そういつた数字が違つていると思うのです。東京に大体二十億ぐらいいるのではないかと思いますが、その点もう一度伺います。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 ただいま内容の資料につきまして手元に持ち合わせておりませんので、調査いたしまして後刻御報告申し上げたいと思います。

辻原弘市日本社会党(左)

○辻原委員 これは私も非常に疑問に思うのですが、どういうふうな基礎で計算されたかということがまず問題になるのです。今の二十億、あるいは六大都市以外のものを含めると五十億という二とぶ、大大郡市という中に東京を含めば二十億では足りないことは当然だと思うのです。六大都市あたりからの御陳情の数字を見てみますと、単に増加児童生徒数に対して○七の基準をかけたものをよりどころとして要求されておるのですが、それをそのまま文部省の方は基礎とされてそうして二十億なら二十億という数字を出されておるのか。ここの点も私は問題だと思うのです。と申し上げるのも、問題は現在○七に満たないところがたくさんあるのです。かりにふえた分に対して○七を充足してみても、○七坪で足りない分は結局チユ—イング・ガムのような形になつて、中にはさまつて残されて行く。この問題をほつておいて、ふえた分だけを措置しようという考え方は、これはもちろん多々ますます弁ずでやらないよりはよいが、実際の取扱いとして、そのことをそのまま是認されてやるというのであれば、そこに私は本質的な問題の解決に取組んでいないような印象を何だか受けるのです。その点をひとつ数字的に明らかにして御説明を願いたい。  いま一つはもちろん生徒増が最も大きく、困つておるのは六大都市であります。しかも実際の建築の状況は、基準よりも非常に少いということも事実である。だが残されておるところも、金額に比すればそれ以上のものが残されておる。そうすれば先ほど資金課長の方から説明があつたような公募公債というような考え方で、はたしてこれが解決できるかどうかということは大きな疑問になるわけです。それらの点についてなお聞いておりますと、文部省は起債でやる。しかもその起債については公募公債ということを是認されてて考えておられるように私は今聞きましたし、また問題の取上げ方が五大都市、六大都市に限つて取上げられておるというふうにも印象づけられるわけです。そこらあたり、一体この問題を二十九年度の問題と結びつけてどういうふうに取扱われようつとしておるのか。ただ当面の、来年これだけふえるからこれだけのものをとりあえずやるのだということでは、五大都市、六大都市の方々の陳情の趣旨はそれであつてよいと思いますが、文部省としてはそれでは相済まない、事済まない問題であると思いますので、そこらの点をもう少し御説明いただきたい。  いま一点は、先ほど坂田君の御質問に対して監理局長の方から、この増加の問題について、前年度の数字をもつてこれを基礎にする、あたかもそれが従来非常に適切であつたかのような御説明に聞いて、私は非常に奇怪な感につ打たれた。そうではないと私は思う。というのは、教員の給与費その他の増加に関する国庫負担金の取扱いについては、明らかに増加見込みを指定統計は前年度であつても、いわゆる次の年度にかかる増加率を見込んで生徒数の推定数をもつて予算折衡に当る。そういう形でこれは決定しておると思うのです。教員の充足という問題においてすらこれはそういう取扱いをしておるのでありまして、先ほども御説明がありましたが生徒数を基礎にしてやられるように最近取扱つておるというお話であるならば当然これは前年度の指定統計をもつてやるというような考え方はそのときに改めてなければならぬ問題だと思う。そうすれば、ただいまのように年度末近くになつて、大あわてにあわてて何らかやらなければならぬというので、今までの六三建築の基本方針でありながら、起債でとか公募公債とかいうようなちやちなことをこの席で論じなければならないことにはなつて来ないと思うのです。これはこういうことを今研究するのではなくてもし生徒数を基礎にするというならば、国庫負担金において当然そういうふうに取扱つておるのであるから、これは推定生徒数を——いわゆる次年度の予算を執行しなければならぬ年次のその推定生徒数を基礎にしてこれは当然考えるべきだと思うのです。ただ今までが、全体的不足坪数を計算をしてそれによつて予算要求をされておつたからそういうことになつておつた。その考え方が一歩前進か後進かは知らぬけれども、とにかく生徒数を基礎にしてやられるというならば、それは即座に、今もう二十九年度の予算折衡をやられておると思うのですから、その場合にいては当然わかるだろうと思う。それは一体どういうように考えておるのか。もう少しその点について詳細をお聞きしたいと思います。坂田君の御質問に関連してなおいろいろな疑問の点もありますが、これは後ほど詳しくお聞きしたいと思いますので、まずとりあえずそれらの点にのみお答えを願いたいと思います。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 補助金を交付する場合の生徒数算定の基準年次でございますが、先ほど申し上げましたように、これは前年度の五月現在を基礎にしてやつておりす。それでわれわれといたしましても、気持といたしましては、教員の給与の場合と同じように前年度の増加見込みを入れたもので計算いたしたいというのでございますが、ただ学校の建物につきましては、先ほどお話申し上げましたように、建前といたしまして、義務制学校につきましては設置者の負担でやる建前でございますので、そういつた点から今日まで前年度の生徒数を基準にしてやるということで参つたのでございます。しかしながら現実に予算をとりまして配分する場合に、これは私ども経験するところでございますが、それでやりますと非常に困る場合が起る。前年度の児童数に対しまして当該年度はさらにふえておりますので困りますので、そういつた場合の配分の際には、建築する当該年度の児童生徒数を基準としてもいいのではないかということで、これは大蔵省と話合いをしたこともございます。そういう点につきましても私はある程度了解が得られるのではないかと考えておりますが、それを一歩飛躍いたしまして、次年度の生徒数を見込んで計算するということにつきましては、これはただいまのところでは、根本問題に関係いたしますので、はなはだ困難ではないか、かような見通しをて持つおります。それから来年度の計画でございますが、これにつきましては先ほど大臣からもお話がございました通り、公立学校施設費国庫負担法の一人当り〇・七坪というのを一・〇八程度に引上げまして、それによつてこの問題の解決をはかりたりいという考え方をただいま持つております。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 ただいま坂田委員から御質問のありました生徒の自然増等を含めた校舎下足に対する対策について御質問をし、その他当面の文教政策の数その点にわたつて文部大臣にお尋ねをいたしたいと思います。  生徒の自然増等を含めた校舎下足に対する対策は、ただいまも御質問がありまして、御答弁も私は承つたのでございますが、率直に申し上げて文部省側の答弁ないしは大蔵省の理財当局の答弁に対しましては不満でございます。そこいろいろこの校舎の不足の問題は、とにかく敗戦以来日本の教育の危機として、いつのときも私ども問題として、PTAなりあるいは都道府県の当該教育機関等を中心として文部省なり政府当局に訴えて参つているのでございますけれども、今日に至るまで実は解決がなされておりません。しかも御承知のように、今回は西日本あるいは台風十三号等の風水害もございまして、校舎の問題は一層深刻であります。しかも坂田委員が御指摘になりましたように、来年度におきましては小学校において約五十万、中学校においては約四十七万の入学児童、生徒数の増加になる、合計いたしますと百万でございまして、これを教室に直すならば一字級五十として、平均して割つても二万余りの教室を必要とする勘定になりますし、二万余りの教室に対しては三万に近い教師ということがまた考えられなければなりませんし、それから教室の建築の問題が出て来るのではないかと思うのであります。こういう点に関して文部大臣なり大蔵省におきましては、この公募公債を考えているとか、あるいは出るのか出ないのかわけのわからない補助金などということを述べておりますが、とにかく生徒の自然増等を含めて今回の災害あるいは今日までに残されておりました危険校舎、戦災校舎あるいは従来の災害校舎、こういうようなもの一切をひつくるめて 一体どれだけの建坪のものがただいま問題になされているのか。文部省で御調査済みのことであろうと思いますから、その点をまずお聞かせ願いたい。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 御質問は、本年度の予算できまりました補助金配分の対象になる坪数でございますか。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 たとえば危険校舎はあの第十六国会で六十万坪と言われておつたのが、二十二万坪の解消を見たわけでしよう。ところが来年の四月になりますと、またその五十年という年齢で計算しますと、幾らか危険校舎が本造校舎の場合はまたふえて来ることになるのです。そういうようにいたしますと、一体危険校舎は来年の三月、つまり四月でもよろしゆうございますが、この各年度末でどれだけになるかということ。また今日不正常授業が全国至るところで行われております。二部授業とかあるいはいろいろな正常でない授業形態が行われておりますが、これはつまり校舎不足のために行われているのでございますから、そういうような建坪はどのくらいあるのか。生徒児童の自然増というようなことを、この国会で私ども取上げているわけでございますが、これについてはあなたの方では二十億とか五十億というような数字をひよつと出されますので、おそらく実情をつかんだ上の数字だろうと思いますから、そういう坪数はどれだけあるのか。それから西日本台風十三号等の災害によつて当面復旧しなければならない坪数はどれだけあるのか。合計して一体幾らの建坪でどれだけの金額がここに必要なんだという御計算がなされるはずです。これはなかつたら怠慢でございますが、私はそういうことはなかろうと思うので、その点をまず御説明願いたい。

近藤直人文部事務官(管理局長)

○近藤政府委員 まず老朽危険校舎でございますが、これは特別措置法となつておりまして、臨時に特別に老朽校舎について国が三分の一補助するという割合でございます。その坪数は当初は百六十八万坪でございます。但しそのうち特に危険なものにつきまして四一十八万坪についてこれをすみやかに解一消するという建前から、本年度の予算におきましては約二十二万坪、二十二億円というものが、組まれたものでございます。そのほか御注文の坪数につきましては、ただいま完全な資料を持ち合せておりませんので、後刻まとめましたものをごらんに入れたいと思います。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 それでは私の御質問も唐突でござ、いましたから、文部省の方では完全な資料の準備がなされていなかつたようでございますが、この点については今期国会の文部委員会の席上において御報告くださるように要望いたしておきます。  そこで文部大臣にお伺いいたしたいのでありますが、ただいま私が申し上げましたように、実は校舎施設の問題それから生徒の増に伴う教員増加の問題、あるいはこの前の国会において、幾多の教育を振興する法案を文部委員会は議決しております。たとえば国会においては僻地の振興に関する決議を衆参とも満場一致をもつていたしたのでございますが、こういうような事柄について来年度の教育予算に関してはどういう点に重点を置いて、そうしてどれだけ程度のものを今大臣としてはお考えでございますか、お伺いしたい。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 御指摘の通り生徒数の非常な激増でありますから、どうしても国庫で負担しなければならない義務教育費の教員の給与の半額、これだけでも実は非常な多額に上るわけであります。これは数字はここにありますけれども、実は非常に大きな額に上ります。しかしこれは計数上、つまりそろばんをはじけば当然出て来る数字でありまして、もちろんそれに基きまして大蔵省に要求をし、折衝を重ねているわけであります。  それからの前の国会におきまして、当面の教育方針としていろいろ申し上げたのでありますが、それに関連をいたしまする経費につきましては、それぞれある程度一定の具体的な年次計画と申しますか、それを充足する計画を立てまして、それに基きまして大蔵省に交渉を続けております。それらの数字の詳細につきましては、これはまだ折衝中でありまして、結局非常な財政困難な場合でありますから、どの程度これが私どもの希望する通りに実現するかどうかは、見通しがなかなか困難でありまし従つて今日その数字をまだ申し上げる段階になつておりません。それからまた前の国会におきまして、法律として成立したものが相当にあります。学校図書館法であるとか、あるいは理科教育の振興に関する法律であるとか。それぞれ御承知の通りでありますが、これらにつきましては、国会の御趣旨に沿う意味におきまして、やはり文部省としては、長期と申しますか、ある程度の五箇年計画とか十箇年計画とかいうふうな企画性のある計画を立てまして、それに基いて来年度の予算の要求をしておるのであります。それから僻地教育につきましても、これまた御指摘のありました通り、前国会において衆参両院ともに満場一致の決議があるのであります。これもやはり今申し上げますような意味合いにおきまして、非常にとつぴな理想案というようなものを持ち込みましても、なかなか向うでのでくれる気づかいもないのでありますから、ある程度実現の可能性の考えられる案を立てまして、折衝をしております。この僻地教育の振興につきましては、御承知の通り二十八年度予算におきましては、僻地教育の振興というはつきりした形をもつて計上されている経費はきわめて少額つであります。ほとんど言うに足りな、い、私ははつきり記憶をいたしませんが、千四、五百万円くらいのものじやないかと思います。もちろん僻地手当というようなもので義務教育費国庫負担という大きなわくの中に含まれておるものもありますけれども、しかし僻地教育として直接うたい出されている経費はきわめて僅少であります。できるならば来年度におきましては、いま少し目鼻のついた予算を計上するようにいたしたい。もし幸いにしてそれができますれば、僻地教育の振興に関する計画の具体的の基準を法律でもつて定めてそしてそれを逐次実現するようなことに持つて行きたいと思つております。ただ不幸にして予算が非常な貧弱な予算にとどまるということであれば、政府提案としての法律案は出しにくいかもしれないと思います。あまり絵に描いたもちのようなことになりまして、政府としては無責任なようなことになりますから、それはちよつとどうかと思いますが、幸い相当な予算がとれますれば、法律を提案してそしてこの僻地教育について行き当りばたりでなしに、もつと計画的な、一定の計画をた立ててそれに基いて段取りをよくして、僻地教育の振興に進みたい、こう思つております。数字を申し上げないで、はなはだ漠然としたことを申し上げましたが、ここに実はそれぞれの項目について申し上げる資料がありますけれども、これは結局今後の大蔵省との折衝にまつて初めてきまるものでありまして、ただいま申し上げましてもいかがかと思いますから、大体の私どもの考え方なり、また今大蔵省と折衝しております大体の輪郭について申し上げたいわけであります。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 私がお尋ねいたしましたのは、来年度の教育予算編成の前に、これはやはり文部委員会にお諮りになつて、文部大臣としてはこういうようなことに来年度は重点をおきたいと思うが、文部委員会としても積極的にひとつ意見を聞かしてくれ、こういうようなお気持で、来年度の教育予算はこの程度のものを政府に要求したいのだが、どうだというようなことをお示しになるお考えはございませんか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 これは、具体的にこの問題についてはどうだろうというようなことであれば、それもけつこうだと思います。決して特に皆さん方に秘密にするとかいうような気持はありませんけれども、しかし大蔵省と折衝中のものを——これはいろいろなものがあります。たとえば科学振興の経費につきましても、新規D仕事もありますし、これを片方大蔵省と折衝しつつ皆さん方と御相談をして、その意味で文部委員会の皆さん方から強力にバツクしていただくのは非常にありがたいことではありますけれども、しかしそれもどうも今までの慣例でもあまりありませんし、またいろいろ問題を起こしても困ろかと思うのであります。そこまで皆さんと打明けて御相談のできるような時期の来ることを私は希望するのでありますが、今やるといろいろ物議の種になるかもしれませんから……。具体的の、たとえば僻地教育の振興についてはどういうふうにやつているかというような個々の問題についてお尋ねをいただけばこれは私なり関係の局長なりから、できるだけお答えを申し上げることにいたしたいと思います。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 私、野党ではございますけれども、事教育に関しては、決して問題を起したりなんかしようとは思わないで、むしろ積極的に文部大臣には御協力申し上げたい、こういう気持でつ言つておるのですが、やはり何だか問題があるようにも思われまするから、この点はこれ以上は申し上げません。  そこで生徒の自然増等に対して、もう一点だけお尋ねをいたしておきます。それは実は来年の四月、五月になりますと、かりに今大臣なり大蔵省から御説明がありましたように、補助金とか公募公債等で来年度の予算によつてこれがまかなわれたといたしましても、来年の四月、五月、六月にはこの金は間に合わないのです。ところが今六大都市にいたしましても、あるいはその他の市町村にいたしましても、この自然増加の問題で、はつきりこれだけの教室が必要になる、どうにもなりないというので悩んでおるのは、当面四月、五月、六月をどのようにして混乱を起さないで切り抜けるかという問題でございます。この点に対して文部省はやはり事教育に関しては御責任を持つていらつしやるのでございますから、この席上においてそれはこうだという御成算をお持ちだと私は思うので、この点についてお考えを承りた、いと思います。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 これは先ほど坂田委員の御質問に対してお答えを申し上げました通り、実は非常に目の前にさしかかつて、しかも解決は非常に困難な問題であります。私は近ころになりましてこの一月くらい前から、頻々と大都市方面の教育委員なり、あるいは市の関係の人々から、この問題についての陳情あるいは相談を受けておるのであります。私はざつくばらんに申しますと、先ほど申し上げましたように、学校の児童の自然増加については、これは地方がその受入れ施設をするという建前になつておるのであります。非常にお困りになつておることはもつともでありますが、しかし陳情等の場合、これに対して文部省が何らの対策を講ぜずして事ここに至つた、はなはだどうもけしからぬじやいかなというような話が実はあるのであります。私はそう申したでありますが、小学校の場合は別といたしまして、中学校の生徒数が来年度において著しくふえるということはこれはおよそあらかじめそれぞれの都市においては、教育委員会においてもある程度はつきりわかつておつたはずであります。これはだんだんと一年、二年と進んで行つて中学校に入るのでありますから、かりて転入等の事情によつて途中でふえた生徒は別といたしましても、四年も五年も前から昭和二十九年度の四月一日からは非常に中学校の生徒がふえる、こういうことはそれぞれのその当該の当局においてははつきりわかつておつたはずだと思うのであります。それについて実は私に対して食つてかかるというか、責められるから、私ども本来は地方団体の責任で解決しなければならぬ問題であつて、それを焦眉の急に迫つて、実は先ほど申し上げましたように、この点は私は申訳ないのでありますが、それほど来年急激に増すということは私は実は知らなかつた。それでそれほどのことは四、五年前からわかつていたのだから、今ほとんど余裕も何もないときになつて、そうやかましく言われても、それは全部文部省の責任だと諸君が言われても困るじやないか、困ることがわかつておるなら、せめてこの二十八年度の早い時期から、来年はこういうことになるのだから何とか今のうちから考えてくれというなら話はわかるけれども、来年の四月からふえるから今さあこれをどうするかと、文部省はこれに対しては無責任じやないか、こういうことなんです。私は無理はないと思うのです。非常にお困りになつておる事情から見て、無理はないと思うが、しかしこれは文部省もむろん何とか解決の道を一生懸命考えなければならぬ。同時に地方においても、これについては責任をもつて一生懸命に考えてもらわなければならぬ。先ほど申し上げますように、文部省としてこういう時節でありますからはなはだ不十分であります。また見通しも、これは相手のあることでありますから——大蔵省なり自治庁に頼まなければ、文部省自身が人に金を貸したり、金をやつたりする、そういう操作はできないのでありますから、相手のあることでありまして、見通しとしても非常に困難であるだけにはつきりとお請合いをする、はつきりします、こういつても、一時のがれになりますから、私先ほどのような答弁をしたのでありますが、そういう意味において私どもとしては決してなおざりにしておるのではなくてこれについては極力心配もし、努力もし、先ほど大蔵省の方面からもお話のありましたように、大蔵省の方にも極力お願いをして何とかこの問題を解決したい。今申されますように、公募公債によつてできれば六大都市の問題は解決するかもしれぬけれども、その他の地方の自然増についてはなかなか解決しない。これはその通りでありますが、せめて少しでも、一つ一つでも解決の道をつけたいということで、せつかく努力をしておるのであります。その点御了承をいただきたいと思います。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 文部大臣としてはこれらの問題に関しては積極的に努力をしよう、いろいろそれは御理由はございましようけれども、また都道府県の教育者に言わせてもりくつがあるわけです。いくら言つて行つてもやつてくれぬじやないか。あまり要求を重ねて持つて行つても結局何もできないから、今々必要なものからぼつぼつ要求しておるのだ、従つてりくつのやりとりではなしに、これは差迫つた教育上の非常に大きな問題でございますから、ただいまの御決意をよりすみやかに具体的に御実現くださるようにお願いいたします。  そこで大蔵省の理財局長さんに私は一点だけ御注文いたしたいのでございますが、聞くところによりますと、文部省がこれらの施設予算を要求たしましても、それから都道府県市町村が教育予算の起債等についてお願いに参りましても、あなたの方が許可なさらない。自治庁などは、どちらかというと、比較的理解をされるのでございますが、あなたの方が非常に辛辣な態度で出られるということを私は聞いておる。これはあるいは大蔵省の立場からやむを得ない面があろうかと思いまするけれど、しかしそのやむを得ない面は、その他の面で辛辣な手腕を振つていただいて、少くとも義務教育でございますから、法が教育を強制しておるこういうような建物について起債も許されないというようなことは、私はどうしても了解できません。従つてこの点についての理財局長の御決意、今後こういうようなことについては、あなたも言うようなそういう問題は起さないというような御決意をここではつきりお聞かせ願いたい。

稻田耕作大蔵事務官(理財局資金課長)

○稻田説明員 お答えいたします。ただいまのような態度があるようにお話でございますが、こういうことにつきましては、今後厳に戒めて行きたいと思つております。     〔「あまりいじめるな」と呼ぶ者あり〕

前田榮之助日本社会党(右)

○前田(榮)委員 大蔵省の理財局の課長さんにもう一つお聞きいたしたい。坂田委員からあまりいじめるなというようなやじも出たようでありますが、いじめるのじやない。文部省予算が非常に切り詰められておる点は、いろいろな理由があろうと私は思いますが、自然増による教室の問題は、地方において施設を増築するのが建前になつておる。これは文部大臣もそういうことを言われておるようでありますが、それにはなるほど今までの日本の地方財政の実情から行くと、そうあつてもしかるべしのところがあると思うのでありますけれども、今日の地方財政の実情からいいますと、その余裕がないので、現実に国の負担、それから負担分を除いたあとは起債によらなければ増築できておらない、これが現実の事情であります。この事情に応じて財政の切り盛りをするのが大蔵当局の責任なんです。従来がどうである、こうであるということにこだわることこそが、今日の文部行政を非常に貧困ならしめておる原因だと思うのであります。私はあとから文部大臣にも時間があつたら聞くつもりでありますが、たとえば教育費の臨時特例の問題でも、富裕県の問題を教育へしわ寄せをして、教育の方で富裕県の交付金を削減するなどというようなことをやることは、文化国家という国家の面子を阻害するものだと思う。これは日本の今日の教育というものを政治的な立場でどう考えておるかという根本問題に触れなければならぬ問題でありますが、大蔵当局に今日そういうことを申し上げるのじやないのでありますが、その建前をわれわれは今日の地方財政ではかえてもらわなければならぬ、こう考えておるのでありまして、あなたに今そういたしますという御返事を聞こうとも思いませんから、大蔵大臣、次官、局長、こういう者へ、あなたはお帰りになつて文部委員会でこのことが強く話があつたことをひとつお伝えの上に十分御相談をされて文部省からの予算折衝におきましても、従来のようにそういう状態の言い訳をやらないで、実情に応じた、教育予算に対するところの理解あるところの文部省と大蔵省との折衝に応じてもらいたいということを希望を申し上げておきます。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 そこで次に質問いたしたいことは、ただいま前田委員から申されました義務教育費国庫負担法によるところの特例立法の問題であります。御承知のように、さきの第十六国会では特例立法が審議未了となりまして、そうして全額入つて来るものという期待を該当都道府県は持つたわけであります。ところが聞くところによりますと、政府は十一月までで打切り、そうしてその金額は十八億しか出さない、こういうようなことを聞くのでございますがこれは事実でございますかどうか。文部大臣はこの問題に対しては、どのような御見解を持つて閣議において御努力をされておるのかということを、まずお聞かせ願いたい。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 前国会におきまして特例法が成立するに至りませんでしたので、その関係で当然義務教育費国庫負担法の規定に基いて不足を予定されておる金額が補正予算として計上せられなければならぬ、こういう筋合いになると思います。そこで今度の補正予算は御承知の通り、もつぱら災害、冷害に関係する緊急のものに限つていわゆる第一次補正予算でありまするから、従つてこの義務教育費の国庫負担額の追加計上というものは、今度の第一次補正予算には計上せられなかつた、それは第二次補正予算において計上せられましても、予算の経理の上からいつてさしつかえないことだから、結局その不足分は年度末に至つて生ずる、こういうことになりまするから、私どもといたしましては、第一次補正予算にそれをどうしても計上してもらいたいということは、実はその建前から控えたわけであります。そこで問題は、第二次補正予算にあたつてそれが全額計上されるかどうか、こういうことであります。法律の建前通りに行けば、当然当初予定せられておつた四十八億円ですが、この補正金額というものは計上されなければならぬ筋合いになるのであります。ただ大蔵省の方に行きましこれは国全体の財政の見地から、非常に財源が窮迫して不足しておる、’であるから一ぺん国会の方でいま一度お考え直しを願つて、とにかくまだ渡してない分については渡さな、いで済むように、四十八億のうちそれが二十四億になろうとも、あるいは三十億になろうとも、渡してない分だけはひとつかんべんしてもらつて、財政窮迫の際であるから何とかそういう扱いにしてほしい、こういう強い希望があります。しかし私どもとしては、これは第二次補正のときの問題でありましてまだ政府としても決定したわけではありません。ただ大蔵省の方面におきましては、これは無理もないことと実は私は思うのでありますが、非常に財政窮迫の際であるからとにかくかんべんしてもらいたいという意向のあることは事実であります。

竹尾弌自由党

○竹尾委員 私は御承知のように与党の議員でございます。それで今文部大臣のお話を承りましたけれども、この義務教育費国庫負担額だけはぜひそういうことをされないよう。私どもはあの当時非常に苦労してあの法案を通した過去を持つておりますが、いずれにいたしましても、やるべきものはやるとあのとき——大臣はそのときは大臣ではなかつたけれども、やるべきものはやつて、それでとるべきものはまた適当にとつたらよかろう。会計課長としてそこにおられる内藤君が庶務課長時分でして非常に苦労してやつた。これは法律ですから、たとい大蔵当局がどのようなことがあつても、これだけはとにかく筋を通していただきたい、絶対にこれは富裕県にも差上げていただきたい、こういう強い希望を私は持つております。どうぞよろしくお願いいたします。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 今竹尾委員から強い要望がございましたように、これは、衆議院の文部委員会が審議未了にすることに超党派的に努力した問題である。しかも大蔵省は打切る理由として、財源不足をあげておるのでございますが、この大蔵省の理由に対して、文部大臣が、これは無理もなかろうというような弱腰であるから閣議でなめられるし、こういう問題が出て来る。従つて、私をして言わしめるならば、これは財源問題と申しますけれども、いかに財源が窮迫しておりましても、この支出は法の命ずる支出である。これは法律が命令している支出である。従つてそれに財源窮迫のしおを寄せることは絶対に私は了解できません。従いまして竹尾委員が申されましたように、無理もないというような弱腰でなく、この問題については、文部大臣は、将来とも衆議員文部委員会がこれを審議未了にした趣旨の上に立つて御努力あらんことを要望いたしておきけす。  それから次に、たくさん控えていらつしやるようでございますからきわめて簡単に急いで伺いますが、先ほど御質問いたしました僻地教育振興の問題であります。これは文部大臣からいろいろ御答弁がございましたが、実は第十六国会の本会議において、万場一致をもつて僻地教育振興についての決議をやつている。あの決議が万場一致で、しかも本会議でなされている以上は、これに対応して文部省は、すみやかに来年度からどのような僻地教育振興の具体的プランを用意して着手するかという御準備があつただろうと思うのでございます。ただいま私がここで申し上げるまでもなく、この前の国会では、私学教育の振興であるとか、あるいは理科教育の振興であるとかいうものを私どもは決議いたしました。そうしてこれの立法化もやつたのであります。ところが考えてみますると、これは私どもにも大きな落度があつたのでございまして、実は今日僻地の教育くらい忘れられているものはない。文部大臣は島根県でございまして、私は大阪でございますが、私自身が長崎県の離島で六年間僻地教育の体験をやつておりますからよく知つておりますが、電燈もつかないでランプをともしておる。海が荒れたならば船が来ないから、一週間も新聞が読めない。そんな所で教師は悪戦苦闘しているし、村の人もまつたく恵まれない教育施設のもとで子供を通学させておる。これに対して何とかしなければならないという要望が凝つて実はこの前の国会のあの決議となつたわけでございます。そこで来年度、少くとも来るべき通常国会においては、文部省は僻地教育振興に関する立法を用意され、そうして大幅な教育予算の要求をする御決意を持つておられかどうか承ります。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 僻地教育の振興につきましてはまつたく仰せの通りであります。文部省といたしましては、相当大幅な予算の要求を大蔵省に対していたしまして、目下折衝中でありますが、もしそれが大蔵省のいれるところとなりますれば、おそらくわが国の僻地教育の振興というものは画期的に進められるものであると思つております。それほどの程度の相当大幅な予算の要求をしております。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 振興の立法についてはいかがでございますか。そういうものを出される御意思はありませんか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 これは先ほどもちよつと申し上げましたが、大事をとりまして相当目鼻のついた僻地教育の振興計画を進めて行けるだけの予算がとれますれば、振興法を御審議いただきまして、はつきりした進み方をしたい。また非常に弱気ということでおしかりを受けるかもしれませんが、ただ実際の予算の計上額が私どもの非常に不満足な程度にとどまらざるを得ないというようなことになりますれば、予算の裏づけのない絵に描いたもちのようなものを政府として提案するということは、一面から見るとまことに無責任な、お茶をにごすというようなことにもなりかねないのでありますから、まず予算のとれぐあいを見た上できめたい、さように考えておるのであります。あるいはその場合には鞭撻協力の意味で、議員立法をお願いするようなことがあるかもしれません。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 次にお尋ねしたいことは、地方公務員法の第二十二条に書かれております教員の条件付任用の問題であります。これはどなたか、文部大臣がよく知つておられれば大臣でかまいませんが、局長がおられれば局長から専門的な御見解を御答弁願いたい。局長おりませんか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 私からお答えします。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 地方公務員法の二十二条は、御承知のように本年の六月から適用になつたのではないかと私は考えておりますが、経過規定がございまして——この点間違つておればこれは訂正いたしますが、あの二十二条が教員に適用されることは、実は実情にそぐわない点があるのであります。条件付任用というのは、教員の配置転換をする場合の大きな支障にもなつておるのでございまし聞くところによりますと、文部省の事務当局におかれましても、この二十二条の条件付任用は何とかしなければならないという御見解を持つておるやにも私は承つておるのでございます。早急に文部省は、この地公法二十二条の教育に対する適用について何らかの方法、たとえば地公法二十二条に但書をつけるとか、あるいは教育公務員特例法によつてこの二十二条の適用をせしめないようにするというような、何らかの方途を考究すべきであろうと思うのでありますが、これに対する御見解をお聞かせ願いたと思います。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 新たに特定の地方公共団体の職員に任用せられました場合には、いわゆる条件付採用として六箇月間身分の保障がない、これは一般的な規定であります。それが先般来——その法律関係は私承知いたしませんが、とにかく地方の教員についてもそれが適用されることになつた。そこで問題は、市町村の相互の間においていわゆる人事の交流が行われた場合に、甲の町村では相当の期間教員としておつた人が、乙の町村の教員に転任をしたために、乙の町村として受取る方の側から言うと、新たに任用した公務員ということで、六箇月の間は身分の保障がないことになつておる、こういうことが起つて来たのであります。これがもし首切りの好機であるということで濫用されることは、教員に対する身分の保障の本旨に反することでありますから、もちろん濫用すべきものではありません。文部省といたしましては、この規定が教員に適用せられる当時におきまして地方に通達をいたしまして、その期間にみだりにこれを濫用して首切りをするとか、そういうことのないようにということを指導して参つております。その点ははつきり通牒を出してそういう機会に乗ずるようなことのないようにということを指示しております。ただその期間といえども、事実そういう意味でなしに教職員に何かの非行があるとかいう理由で退職をさせられることがある、そこまでとめるわけには行かないが、その六箇月間という特定のそういう状態を利用して、これを濫用することのないようにということは、当時文部省の意向として通達をもつて指導して参つておるのであります。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 濫用するなという御通達を出されたことに対しては敬意を表したいと思います。しかし実は、これが規定としてある以上は、そういう通達は通達であつて、やはりこの規定が優先いたしますから、これはいかんともできない。今大臣が御指摘のように、たとえば二十年間教員をしておつた者が乙のところに甲のところから転勤をすると、六箇月の間に不利益処分を受けましても人事院に提訴することもできない。これは非常な脅威でございます。従つてその転勤ということすら、つ今日大きな問題になつております。しかも教育委員会は全国市町村の至るところにありけすので、この問題につきましては、私は改正のための研究を文部省ですみやかにしていただいて、そして次の通常国会にはぜひとも何らかの法的措置をおとり願いたいと思うのでございますが、よろしゆうございますか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 御趣旨に基きまして、実際濫用の事実があるかどうかは私つまびらかにいたしませんが、ごもつともであると思います。せつかく研究したいと思います。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 それでは、あと大きい問題では一点だけ質問をいたしまして終りたいと思います。但しこれは一問一答でございますから、立つたりすわつたりいたしますのであしからず……。そこで実は今日、いわゆる大達文政ということがあちらこちらで言われております。これは大達さんが文部大臣でございますから、岡野さんが文部大臣のときに岡野文政、あの大野文政、そういうふうに呼ばれたわけでございますが、この天野文政にしても、岡野文政にしても、大達文にしても、こういう固有名詞をつけて呼ばれておるというところには、実はそこに、呼んでおる側にとつてはいろいろな内容を持つておるようであります。従つて私はこの問題についてこれは文部委員会でございますのではつきりさせなければならないと思うのでありますが、八月二十六日の読売新聞に次のような記事がございました。大達文部大臣は佐藤幹事長と会見をして自由党の新政策の文教改革方針につき打合せを行つた結果、新しい政策としての文教基本方針ができたようであるというようなことが八月二十六日の読売新聞に掲載されておるのでございますが、八月二十六日といえば特別国会が終つてからでございますので、事実自由党の新政策としての文教方針の上に立つたあなたの文教方針が特別国会後にできておるとするならば、ここでお示し、いただきたいと思います。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 あの記事は、私はよく記憶しておるのであります。というのは、私はその当時佐藤幹事長に会見  をした事実はないのであります。従つてその中に書いてあることは別といたしまして、少くとも佐藤幹事長と私が会見をして文教政策についての相談をし、あるいは決定をした、そういう事実は全然ありません。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 それでは次の質問をいたしたいと思いますが、読売だけでなしに、実は特別国会が終りましてから、大方の全国的な新聞が、大達文政として伝えておるところの内容の一つに、教員の政治活動禁止という問題があるわけでございます。これは文部大臣はよく御承知のことだろうと思うのであります。そこでどの新聞も書き立てておりますことは、ここにも自由党の方々もおりますが、話をはつきりする意味で私は申し上げますから、清聴願いたいと思いますが、全国の市町村に教育委員会を設けたのは教員の政治の活動を禁止するということが何といつても大きなねらいの一つであつた、ところがそれではどうにもならなかつたというので、さらに第十六特別国会では、教員の給与三本建というものをつくりまして、会期を三日間延長いたしまして、教育の組織分断という方向に努力して来ておる、そういうふうに書いておるのですが、私もこのことはあながち過ぎた批評ではなかろうと案は思うのおります。いろいろな点を分析した結果、こう思うのでございますが、教員の政治的中立化の名のもとに、大臣が教員の政治活動の禁止の措置をとりたいというようなことを述べられておりますが、この点につきましてはどのようなお考えを持つていらつしやいますか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 私は新聞記者諸君等と会見をした場合に、学校における教育の中立性というものは、ぜひともこれを維持されなければならぬ、これが教育基本法にもうたつてある通りわが国の学校教育の基本的なあり方でなければならぬ、こういうことはしばしば申しました。またもし中立性が保たれていない、もしくは保たれないような、脅かされておるような事実がある、その危険が感ぜられるということであれば、ぜひともこれは中立性が保たれなければならぬようにしなければならぬと思うということは申したのであります。しかしながら教職員の政治活動を制限するつもりであるとか、禁止するつもりであるとか言つたことは一度もないのであります。また私自身がそこまで一足飛びな結論を持つておるわけではありません。いわんや地方教育委員というものをして政治活を封ぜしめる、これはできぬ相談でありまして、そんなつまらぬことを言つたことはないのであります。地方教育委員の個々の人の政治活動を制限しようとか、禁止しようとか、これはおのずからできるはずのないことであります。ただ新聞あるいは雑誌でもどういうわけか知らぬけれども、今野原君のおつしやつたような意味で、いろいろ書いてあります。実は私はどういうことかと思つて当惑しておるのでありますが、実情はさようなことでありまして、いまだかつて政治活動を制限しなければならぬ、禁止しなければならぬ、そういう結論的なことをはつきり言うた事実はありません。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 言うた事実がないといういうのでなしに、そのようなことを大臣としてお考えになつたことは、ございませんか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 私は直接に教員の政治活動をしておる事柄に対して、それをやめさせなければならぬとか、押えなければならぬとかいう考え方でこの問題を考えておることはありません。ただいま申し上げるように教育の中立性というものはどうしても維持されなければならぬ、これが侵されたのでは、私はわが国の将来を暗くするものである、国の将来の重大な問題であるということを深く思つておるのであります。従つてこの教育の中立性というものが、現状何らの不安もなく維持されておれば、これは問題ありませんけれども、もしそうでない、もしくはそうでなくなるような危険があるということであるならばどうしてもそれを維持することだけはしなければならぬ、これは私の考えておる目標であります。従つて教員の政治活動というものを目標として私が考えておるのではないのでありましてどうすれば教育の中立性を確実に維持し得るかという点については、実は鋭意検討しておる次第であります。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 教育の中立性の維持ということを再三強調されておるわけでございますが、この教員の政治活動を禁止することによつて、教育の中立性が維持されるものではないという確信を私は持つております。およそ大臣もこの点については御理解されての御発言の点については御理解されての御発言であつたかと思いますが、そこで私は大臣にもう一点お尋ねしたいことは、私の理解する限りにおいては、教育の中立性とは、教育がいかなる政治権力からも中立であるということだと思うのです。政治権力から中立という意味で教育の中立性ということが考えられければなりませんが、大臣の文教方針が——先ほど読売の八月二十六日に書いてあるような事実がないということでございましたが、大達さんの文教方針が、かりに自由党という政党の新政策の方針の上に立つた文教方針である限りにおいては、これは一体どういうことになりますか。その文教方針をもつてあなたが臨まれる限り、教育の中立性というものに抵触しないでございましようか。この点に対する御見解はいかがですか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 ちよつとお尋ねの御趣旨が捕捉できない点があつたのですが……。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 もう少し具体的に申しましう。たとえばこういうことが言われるのです。教育のために奉仕するのでなくして、自由党に限らず社会党にしても、教育を党勢拡張の具に使うということが言われるのです。そこで私は自由党という政党の方針の上に立つて文部大臣がこの文教の基本方針を立てられるという、このことはうつかりすると、教育の中立性をそこなうことになるのではないかということを質問しておるのです。この点はいかがでありますか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 私の言う教育の中立性と申しますのは、基本法の第八条第二項でありますか、それに規定しておる学校の教室と申しますか、直接児童生徒を相手とする教育それ自体の中立性を言つておるのであります。そしてその学校の運営がいかなる政治的勢力にも支配されない、いわゆる国民の直接選挙による教育委員の手によつて運営せられる、これはある意味において教育の中立性と申しますよりも、教育の運営の中立性——中立性と申しますか、とにかく政治勢力から離れた運営がされなければならぬ、こういう趣旨であろうと思います。御承知の通り、文部大臣は学校の教育委員に対して指揮監督する地位ではありません。それは当然のことであります。国民の直接選挙によつて出て来た入をどこかの役人が指揮監督するということは、これは常識上もあり得ないことであると私は思います。そこで文部大臣自身は、いわゆる文教政策とかなんとかいうことは要するに国政の一環でありますから、これは国政として今日の議会政治においてはその政局を担当する政党が国家のためにかくなければならぬという政策を遂行するのは当然であります。中立性とかなんとかいう問題はそこにはあり得ないと思います。私はもしいずれかの文部大臣がその地位を濫用してそうして基本法第八条の第二項に規定してある教壇の上の中立性を侵すようなことがあり、または教育委員の中立性といいますか、自立性といいますか、それを侵すという事実があれば、これは許すべからざる濫用であると思います。しかしながら文部大臣としていわゆる政治の一環としての文教政策を進めるに当つては、それは政局を担当する政党が見てもつて国家のために最善なりと考える政策を行う、これはきわめて当然なことであります。この場合教育の中立性の問題はないと考えるのであります。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 私が申し上げようということは、実は特定の政党の政策で教員の行動を測定し、それを規定し、判断  して行くということのないようにしてもらいたいということを申し上げたかつたのでございますが、大体その点については大臣としては御了解できておられるようでございますから、この質問は打切ります。  そこでもう一点で終ります。それは大学管理法についてでございますが、これも新聞報道で怪しいのでありますけれども、学長任免ということがよく騒がれておるのでございますが、そのようなお考えはお持ちになつておられませんかどうか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 実は御承知の通り、先ほど仰せられました読売の記事というものが学長官選というものを見出しにした大きな記事である。私は実はその記事には多少迷惑をしたのでありまして、これは新聞は観測をして、その観測について記事を報道するのでありますから、それがときに間違いが起るということはやむを得ないと思うのでありますが、実はこれが非常に大きく、佐藤幹事長との話合いによつて大学管理法を制定して学長を官選にするのだ、こういう意味の記事が出た。これは先ほど申し上げましたように、まつたくその事実のないことであります。その内容について申し上げますと、御承知の通り中央教育審議会において、大学管理の制度については審議中であります。これは重要な問題でありますから、十分にその答申を待つて検討を加えたい、その上零結論を出したい、かように考えておるのでありまして、先走つて今大学の学長を官選にするというようなことは考えておりません。

辻寛一自由党

○辻委員長 田中君。

田中久雄改進党

○田中(久)委員 私は学校給食について文部大臣にお尋ねをいたします。学校給食はもはや説明するまでもなく晋及せられて、非常にその教育上の重要性が現われておりますので、十六国会で学校給食法をつくろうということで、自由党の委員諸君も個人的には御賛成であります。できれば全委員でやることにいたしておりましたが、会期の終りに至りまして、これは特別国会であるから、通常国会でひとつやつたらどうかというようなことになりまして、できれば政府の提案とし、予算措置も講じたいというきわめて御信頼すべき話合いができまして、各党はこれを了として実は審議未了にいたしたしたことは御承知の通りであります。その後災害及び冷害のために、全国的に食糧問題がわが国の非常な大問題になつて参りました。聞くところによりますと、ごく少数ではあろうと思いますけれども、僻地や水害地におきましては欠食児童が出て来ておるというようなことでありまして、中には、給食の施設はないけれども、せめてパンだけでもというような話も出て来るような状態であります。今日の日本の食糧問題から見まして、学校給食法の制定は非常に大事なことであり、またできればこれを政府において取上げられることが望ましいと思いますから、万一そういう御準備がないということなら、これはまた各党間において、また委員間において話合わなければならぬ問題だと思いますが、この際現在の御準備の状態あるいは通常国会に御提案になる考えであるか、あわせて予算的なものを御考慮できるかどうか、この点を伺います。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 学校給食につきましては、先般来の水害、冷害によりまして、非常に欠食児童もふえた様子でありますし、従つてまた学校給食の程度なり範囲を拡張してほしいという声が非常に強くなつて参つております。文部省といたしましては、とりあえず水害地あるいは冷害地の児童に対しましてはだきるだけ無償で、少くとも年度一ぱいは給食を実施したい、こういうことで具体的な計画を立てまして、関係省とただいま折衝中であります。今度の補正予算にはそれが出ておりません。と申しますのは、そういうことは水害の特別法の規定にはずれておりますので、その点は今度の補正予算からはずして別途に協議をする、こういうことになつて、せつかく協議を進めております。  それから全般的な給食の問題につきましては、前国会におきましてもそういうことがあつて、ただいまお話のありましたようなことの事情も承知しております。文部省といたしまして、相当徹底をした給食が実施できますように、実は予算措置としてせつかく関係省方面と折衝しておるのが実情であります。

辻寛一自由党

○辻委員長 本件に関する残余の質疑は、明後四日午前十時から続行することにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。     午後四時十九分散会

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