電気通信委員会 第3号
- 発言数
- 73 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1953/11/02
会議録
○成田委員長 ただいまより開会いたします。 理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。理事原茂君が去る三十日委員を辞任されましたが、昨三十一日再び本委員に選任されましたので、同君を理事に指名したいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○成田委員長 御異議なきものと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○成田委員長 次に塚田郵政大臣より最近の電気通信事業の経営並びに電波管理の状況について発言を求められております。これを許します。塚田郵政大臣。
○塚田国務大臣 それでは私から所管事項につきまして概略御説明申し上げます。 去る五月に開かれました本委員会におきまして、ごあいさつかたがた一応業務につきまして御報告申し上げましたので、本日はその後において生じました当面の問題につきまして御説明申し上げたいと存じます。 最初に電気通信事業に関する所管事項について申し上げます。 まず前国会におきまして御審議をいただきました有線電気通信法等、電気通信関係三法は八月一日より実施を見たのでありますが、目下その三法制定趣旨内容につきまして広く一般に周知徹底いたしますとともに、その実施つきまして理解と協力を求めるよう努力いたしております。また前国会におきまして承認されましたヴエノスアイレス国際電気通信条約につきましては、これが批准のための国内手続も字了いたし、近く公布を見る予定となつております。 なお、本条約は来年一月一日から効力を発生することとなつておりますので、当省といたしましてもこれが実施に遺憾のないように目下準備を進めております。 次に日本電信電話公社の給与問題について述べますと、現在公社は、昨年十一月から公共企業体等中央調停委員会から提示せられた調停案に基く労働協約によつて、現行賃金を実施しているのでありますが、本年三月、基準賃金平均一万八千五百三十二円を中心とする要求が組合側から提出されまして、これにつきましては、十月十三日に公共企業体等中央仲裁委員会から、基準賃金を八月以降月額平均一万五千円に改訂することを内容とする仲裁裁定書が提示せられたのであります。 これに対する政府の対処方針につきましては、目下慎重に検討いたしているところであります。 次に、相次ぐ災害その他の事情により、公社予算につきましても補正を必要とするに至りましたが、本補正予算は次の国会に提出して御審議を願う予定にいたしております。 以上で電気通信事業関係を終りまして、次に電波関係について申し上げます。 最初に放送関係について、現状及びその後の処理状況について簡単に申し上げますと、まず標準放送でございますが、去る八月以降、日本放送協会の放送局二局及びいわゆる民間放送局二十三局に対して予備免許を与えております。十月二十七日現在、放送を行つている全国の放送局は百八十二局でありまして、そのうち日本放送協会所属の放送局が百四十九局、民間放送が三十三局であります。 一方これをサービス・エリアの面から見ますと、全国総世帯数に対しまして、受信可能見込み世帯数は、日本放送協会の放送は第一放送が約九九%、第二放送が約九五%、また民間放送は大約八五%程度となつております。十月二十七日現在、民間放送局については、開設を申請中のものが二十七局、予備免許中のものが十三局ございます。 次にテレビジヨン放送につきましては、現在放送を実施しているものは東京の日本放送協会のものと日本テレビ放送網のものとの二局でございますが、日本テレビ放送網は去る八月二十八日から放送を開始いたしましたことは御承知の通りであります。 日本放送協会の十月二十日現在におけるテレビ受信契約者数は五千二百六十八となつておりまして、逐次増加の状況を示しております。なお、日本放送協会のテレビジヨン放送局は、十一月上旬、現在の五キロワツトから十キロワツトに増力の運びになつておりまして、これが実現のあかつきには放送受信可能世帯数は二倍強となる見込みであります。 テレビジヨン放送局につきましては前記二局のほか、予備免許を与えられて目下建設中のものにラジオ東京のものが一局あり、また十月二十七日現在、申請中のものが二十一局ございます。 次に短波周波数の切りかえについて申し上げます。アトランテイツク・シテイ国際電気通信条約に規定されておりますところの周波数帯分配表を実施するため、昨年四千余の無線局に対し、四メガサイクル以下の周波数の指定変更を行つたのでありますが、本年もこれに続きまして、四メガサイクル以上の船舶無線電信周波数を新国際周波数に変更するための措置をとつたのであります。これに該当する無線局は二千二百周余でありまして、本年十二月中には新周波数への切りかえが完了する予定でありますが、変更を行つた無線局に対しては、電波法第七十一条の規定によりまして、変更に伴う損失を国が補償することとなつており、その金額は大体一億二、三千万円を必要とするものと思われます。 最後に電波監視の現状について簡単に御説明申し上げます。 電波利用設備の急激な増加によりまして、現在国内だけで二万を越える電波が発射されており、これに国外からのものを加えると非常に大きな数字になるのであります。しかも電波科学の発達に伴つて新しい技術による電波が常に現われて来る状況で、現在の設備と人員をもつてこれを完全に捕捉するということは、まことに容易なことではないのであります。ごとに無許可のいわゆる不法無線局につきましては、合法無線局の電波を擁護して、その円滑な利用を確保するという見地からいたしましても、絶対に排除しなければならないところでありますが、この種無線局はその設備の点及びその運用方法の面から見ましても、これを摘発することは非常に困難を伴つている現状であります。しかしわが国電波界の健全な発達をはかるため、かつ国際的協力の責任を果すために格段の努力をいたしたいと考えているところであります。 以上をもちまして私の御報告を終りたいと思いますが、なお詳細の点につきましては御質問によりましてお答え申し上げたいと存じます。
○成田委員長 それではただいまから質疑に入ります。質疑の通告があります。通告順にこれを許します。原茂君。
○原(茂)委員 大臣にお答え願いたい点だけを二、三御質問申し上げたいと思います。 第一点は、今電通職員に対する裁定がおりておりますが、この裁定に対しまして、今国会に出されました予算は、冷害あるいは凶作を中心にした予算のみに制限されております。ただ裁定は、新聞などで見ますと、予算措置の上からこれを実施することができない、困難であるということが伝えられているだけなのであります。およそこの裁定に対しまして、組合側としますと本来一万八千五百円というものを要求しているのに対して、忍びがたい低い一万五千円の裁定がおりたのでありますが、これに対しても国家の財政状況等を勘案しまして、民主的な立場からこれを一応涙をのんでのむということに組合では考えたのであります。これに対して政府の側は、ただ財政上予算措置は困難であるというようなことを新聞などで報道されたままに、今国会ではこれを取上げないという態度を間接的に伝わらせているというのは、組合の民主的態度に対して非民主的な態度であるというふうにわれわれは考えるわけであります。もしこの裁定の実施が困難だとするならば、いかなる理由によるものかを、懇切に説明を付して、しかる後に裁定の実施が困難であるということを、当然議会に納得せしめる義務が政府にあると思うのですが、そのことはとられなかつたわけであります。そこで昨日も当委員会におきまして、このことに対する公社側の御意見を聞いたわけでありますが、公社の側は裁定を厳重に実施したい、この意向を強く持つておられることがわかりました。しかし何といつても、実際に予算措置を講ずるということが、郵政大臣の権限下にあるために、郵政大臣のこれに対する態度がはつきりしない以上は、出せるか出せないかということは言えないということがはつきりした。その間におきまして、もう一点わかりましたことは、公社が大臣に強く要求いたしております過程におきまして、これはわれわれの一つの臆測になるのですが、今国会の、今申し上げたような間接的に報道された政府の方針から、公社がこの裁定を実施する財源がある、ないということについて言及してはいけない、しないでほしいというようなことを大臣から公社側にサゼスチヨンしたような印象を強く受けたわけでございます。その点と、今申し上げた理由によりまして、のむべからざる低い裁定をのもうとする組合の態度に関して、郵政大臣はこれを妥当とお思いになるのか、とうていこれはのむごとができない、裁定そのものが不当であるとお考えになるのか、この二点を先にお伺いしたい。
○塚田国務大臣 裁定そのものにつきましては、私はおそらく妥当であると考えておるわけであります。仲裁委員会であれだけ詳細にお調べ願つた結果出て来た数字であります。私どもあの方面につきましては十分な知識はございませんが、おそらく妥当である、そういうように考えざるを得ないのではないかと思つております。従つて私ども仲裁というものは、本来からいつて尊重すべきものであるという考え方から、またその仲裁の内容が、少くとも従業員諸君の立場からいえば妥当であるという考え方から、できるならばこれを実施したい、こういうように考えておることには間違いないのでありますけれども、何にいたしましても問題は財源に関係することでありますので、三公社五現業についての裁定に対する政府の態度は、一応予算措置ができていないからできないというようにして、今明日中に国会の御意向を伺うようになつておると思つております。 そこで問題は全体としての考え方なのでありますけれども、これは私から詳しく申し上げるよりも、今度は労働委員会においてとりまとめて考え方を申し上げるということになつておりますので、詳しくは申し上げませんが、大体の考え方は、政府におきましては、今度はちようど国家公務員、従つて国家公務員をやれば当然地方公務員もそれにならつてということになつておりますから、国家公務員と地方公務員、それに三公社五現業全部がみな一緒に問題になつており、大体同じような線を目ざしておりますので、できるならば同じような扱いをしたいものであると考えておることは事実であります。大蔵省の説明によりますと、国家公務員と地方公務員で約七百二十億程度の金がいる。今日の財政状態ではとてもそれはまかない切れないということが、一番大きな障害になつておるように聞いておるわけであります。しかしかりに国家公務員と別にいたしましても、たとえば公務員の方は別にしても、少くとも公共企業体、公企労法を適用されている三公社と五現業はなるべく一緒に扱えという感じは確かにあるわけであります。この点は私どもなども、かりに国家公務員は別に一応扱つても、公企労法を適用されているものだけは一緒に扱いたいという考え方を強く持つておるわけであります。またそういう感じを持つておりましたために、この前の給与体系是正のときにも皆さん方の非常な御支援を得まして、そういう主張を強く貫いて、郵政と電通に大きな開きのないように持つて行つたわけであります。その考え方は確かに持つておるわけであります。ところがその考え方から見ますと、各公社、各現業によりまして、資金措置の難易というものは必ずしも一様でないのでありまして、ここでまたもう一つ支障が出ていると私は承知しております。 そこで他の部分は一応別にいたしまして、結局私どもといたしましては郵政と電通とこういうように、だんだんと問題を局限して今度考えているわけであります。そこで世間一般に伝えられておつたときの、郵政ののはまだ正確に検討いたしておりませんが、電通ののは先般来いろいろ公社当局からも私は説明を聞いておるのです。そして世間一般に、公社五現業の間に資金的に難易があるというときに、電通と専売はできると、こういうように伝えられておつたようであります。私も世間のうわさを聞いておつたときにはそういうように承知をしておつた。その時分私は、公社から別に正確な資料をもらつておつたわけではないが、ただそういうようなうわさの出ておりましたのは、去年四十三億利益が予算から見ると決算の上においてあつた。だからいろいろな事情を勘案しても、少くとも今年は三十億くらいは出るであろうというようなことが、原因になつておつたのではないだろうかと思いますが、とにかく正確な資料をもらわない時期におきまして、そのように伝えられておつたことは事実でございます。そこで私としましては、できるものならそれもけつこうであるが、それではとにかく公社側の現在の経理状態というもの、今年と来年の見通しというようなものを聞かせてもらいたいということで、先般資料をとつてみました結果、私の判断では決してそんな甘いものでないということが、公社側についても言えるようになつたのでありまして、今原委員は、何か私が公社側のこの財源の有無について政治的に、発言の上その他に制肘を加えておるように疑つておられるような面があつたようでありますけれども、そういうことは毛頭ないのでありまして、私が公社側に要求しましたのは、私が今までいただいた資料では、自分は公社にそういう財源的ゆとりがあるとは思えない、なぜかというと、資金があるということは単に金があるということで、収入と支出の差額で金があるということでないのであつて、その金が賃金にまわせるという場合には、損益上の考え方からする利益があるということでなくてはならぬはずである。そういう観点から見ると、自分にはそう思えない。ことに気をつけてもらわなければならぬのは、現在の公社の状態をそのままただ漠然と損益という面からのみ見ておられるならば、この間の二割値上げというものは十分検討して、これは全部施設の整備拡充にまわすという考え方で、あれは国会においても御承認になり、自分もそういう目的であるならばこれは妥当であるというような考え方で、国会に提案をして御賛成を得たのであるからして、あれがあるからして資金があるという考え方をしては困る。もう一つ、資金があるということは、今申し上げたように金があるということでなしに、利益があつてそれを賃金にまわしても、今年もさしつかえない、来年もさしつかえないというような状態のものでなければならぬ。自分としては公労法の言う資金があるという考え方にはならぬのだが、そういう意味においてはたして資金があるのかどうなのかということの検討をお願いしたのであります。そのときに私に繰返して申し上げたのでありますが、今まで一応公社側が、金はある、できるのだというように言つておられたかどうかは知りませんが、そのように世間にも伝えられておつたのであります。それを私が何か言つたことによつて結果が違つて出て来ると非常に誤解を起すおそれがあるから、特にそういう誤解を懸念しまして私が申し上げるのは、今申したような考え、資金に余裕があるという、そういう考え方に基いて正確な経理状態を出してもらいたい、その結果世間に伝えられている以上に資金に余裕があるという結果が出て来るならばなおけつこうである。しかし自分にはそう思えない、正確な状態を出していただきたいということをお願いした。それが最近になつて出て参りまして、やはり私の想像したように、そういう観点からするならばそんなに多くの余裕がないということになつて、おそらく私もそうではなかつたかなと思つておつた。ことに昨年予算と決算の間に四十三億の開きがあつたといいましても、昨年の四十三億の中には、御承知のように年度の中途において国際電電が分離された。国際電電はかなり利益をあげておつたので、国際電電分離後の後半におきまして、御承知のように昨年一度賃上げをいたしております。昨年は五箇月分で、今年は賃上げされた新しいベースによつて一年ずつと給与を払つておるわけでありますが、よほど昨年よりも能率が上つておりませんと、昨年と同じ増設も何もないという基盤においては、そんなに資金的に余裕が出るわけはないと思うというように漠然と判断しておつた。それが正確であるかどうかはわかりませんけれども、大体正確に近い数字が出て、それがおそらく過日の本委員会において公社側からお答えを申し上げた数字ではなかろうか、こういうふうに考えておるわけであります。決して自分としては、政治的にそういうものをゆがめて、そうして郵政その他の現業と歩調を合せて、するならするというように措置をしておるというわけでありますから、御了承願いたいと思います。
○成田委員長 今の郵政大臣の答弁に対して私申し上げたいのです。今郵政大臣は資金上の問題ばかり言われておるのですが、今度出ました裁定には、理由としまして、「前項の経費は、昭和二十八年度政府関係機関収入支出予算に含まれておらず、給与総額については、予算総則第二十三条の金額を超過することは明らかであるから、これを支出することは、予算上不可能である」となつておりまして、昭和二十八年度の予算の金額を超過しておるから、これを支出することは不可能だ、だから国会に承認を求めているのだ、こういうことになつておるわけであります。だから会社の経理能力云々というようなことは、今度の裁定にうたつておらないのです。その点御答弁がかけ離れておると思いますが、どうでしようか。
○塚田国務大臣 その点は私も、提案の仕方がそういうぐあいになるものなのか、実は今日提案の仕方の説明資料をもらつて初めて承知したのですが、資金的に可能であれば、資金措置つまり予算措置を同時にして、こういうぐあいにできるならこうしたいというようにするものであると私は了解しておつた。ところが今度の場合には、それはほんとうに形式的に判断をして、とにかくしていないからできない、しかし国会の御判断を伺いたい、こういうようになつておると思うので、非常に形式的な扱い方だと思うのですけれども、従来のあれがそういうことではないかと私としては思つております。ただ私としては、自分の気持からすれば、今申し上げるように、資金的に余裕がないから予算措置はもちろんできないと思う、従つて不可能なのだというわけであります。だから結論においては今の段階においてはできにくいという感じは同じことなのであります。
○成田委員長 公労法には御承知のように、予算上または資金上不可能な支出云々というように明文で書いてある。ところが今度の付議の仕方は、資金上という問題を全然取上げていない。予算上不可能だ、給与総額を越えるからという形式的なことなので、これを逆から解釈しましたら、資金ということを取上げなかつたということは、資金上は可能だ、経理能力としては可能だ、こいう考え方で付議されたと考えなければならぬのではないかと思うのですが、それを塚田郵政大臣は、最初から資金上不可能だときめてかかつておるところに、少し無理があるのではないかと考えておるのですが、いかがでしようか。
○塚田国務大臣 今度の提案の仕方は、資金上不可能であるという前提に立つておるとは思わないのでありまして、可能、不可能も今後の判断ということで、一応今日の段階では予算措置ができないからできないのだという、きわめて形式的な扱いになつておるの ではないかと思います。可能であるか、不可能であるかということは、私の場合には、もちろん電通と郵政の問題を個別に取上げて判断をすべき問題で、私としては今申し上げるような判断をしておるわけでありますから、たとい国会に付議する形がどのようになつておりましても、私の事実の判断は、事実の状態がかわつて出て来ません以上は、かわらないように思つております。
○原(茂)委員 ただいま委員長から質問されたことは、私も大臣のお考えとして少しくおかしいなということに先ほど気がついておつたのですが、その問題はそのくらいにしておきまして、今の御説明によりますと、公社の資金経理の問題に対しまして、大臣の心配しておられた給与措置に資金の裏づけができるような収支になつているかどうかを最初から心配された結果、どうも出せそうもないはずだというので、正確な資料を公社側から出させたいということをおつしやつたようでしたが、私どもの手元には実は公社のそういうような正確な資料はございません。一昨日少しくこの委員会で聞かせていただいただけでありまして、その正確な資料がありませんので、これは大臣と同じような材料を持つて検討するのでなければ、実はほんとうのことは言えないだろうと思うのです。たとえば先ほどのお話の中でも、正確な資料を見た上で、いわゆる純利益になり、それがこの裁定実施のための資金にまわし得るかどうか、そういう性格の剰余金が出ているかどうかを検討されるという口吻の中に、今年も来年も再来年も、こういうような給与措置が講ぜられるかといつたことを見通した上でなければ、ほんとうに給与措置を実施できるということは言えないと思うというお言葉があつたのですが、もし今年も来年も再来年も見通しを立てた上でこの裁定に対処しようと考えますと、おそらくこれはどの企業の場合でも不可能だと思う。およそ今日の経済情勢の中におきまして、今日二年、三年先を見通した上でこの給与改訂の問題を論議しようとしたら、どの企業においても全然不可能だと思いますから、この点は大臣のお考え違いだと思います。 そこでその問題は後にお考えをもう一度聞かせていただくことにしまして、方向をかえてお伺いしたいのは、今電通が要求しておりますこの賃金というものは、一万五千という裁定で非常に低目にきまつたものをのもうといたしておりますが、この電通の職員の一万五千というものが、大臣の今の答弁の中において、私の質問がもつともであつて、それが無理もないものである、妥当なものであるとお考になるか。なおもう一歩つつ込んでは、この裁定というものを当然妥当なものだとお考えになるために、これを実施したいという御意思があるかどうか、そういう点に対してのお答えが明確を欠いておつたので、その二点をまず先にお伺いいたします。
○塚田国務大臣 これは先ほどお答えしたつもりでおつたのでありますが、あるいは表現がまずかつたので御理解いただけなかつたかと思うのですが、これはもう裁定そのものを、給与の現在の状態、それからその給与によつて諸君がどんな生活をしておられるか、また最近の物価事情、そういうものから総合判断して見たその面からの判断で見ます限り、あの線は妥当なものである。従つてそういうようにできるならば措置をしてやりたい、あと残るのは資金的にそれが可能であるかどうかという一点にかかつておる次第である、こういうように申し上げたのであります。
○原(茂)委員 そこで、資金的な措置を講じられたらこれをひとつと出してやりたい、この御意思がはつきりしたわけでありますが、どういう理由がこの資金措置が講ぜられないかを次にお伺いしたい。
○塚田国務大臣 それは先ほども申し上げましたように、自分としては今の電電公社の経理状態では、そういうぐあいに賃金の面にまわせるものは出ておらないと思うのです。そしてその数字は、私の聞きましたところでは、年度内六億程度でぎりぎりだというように聞いたように思います。今資料をここにちよつと置いてありませんが、数字が間違つておりましたら、昨日公社側からお答え申し上げた数字が正しいのであります。あの裁定にきめておりますようなときからあの金額であげるということは、とても実施できないのであります。それから、これはさつき申し上げまして、その点御意見が違うようでありますが、こういうぐあいに賃金で引上げるという形でいたします場合には、やはり経営の将来というものを見通して、今年たまたま利益があるからやつてもいいということではなしに、長くこの賃金でその企業が健全な基盤に立つて経営して行けるという見通しを立ててやるべきものである。そうでないと、やはり企業としては経営が健全でないというそしりを受ける、こういうように私としては考えておるわけであります。
○原(茂)委員 その点は議論に入ると大分長くなりますから、あとにしますが、資金の措置を一応算定したのですが、公社の資斜によると六億ぐらいしかないので、裁定の実施は不可能だ、こういうことになるわけですが、裁定を厳重に実施したい、これを尊重するという御意思がもしあつたときに、公社の剰余金というものは六億しか出ないのだが、これはどうしても実行しなければいけないと考えた場合に、何かほかに方法がないのですか。全然国務大臣としてお考えになる方途というものはほかにないものか、それをお伺いいたしたいと思います。
○塚田国務大臣 これはどうしても履行しなければいけないという考え方は、私としては従業員の諸君の立場からの考え方と、それから資金面とのつり合いがとれて、この程度ならばやつてもやつて行けるということになつたときに、どうしても履行しなければならぬという判断に到達するのであつて、どちらかが欠けておる場合には、自分としてはどうしても履行しなければならぬという判断は出て来ないのじやないか、こういうように考えております。
○原(茂)委員 私のお伺いした核心がわからなかつたらしいのですが、たとえば今大臣が中心になつて行政整理という大きな問題にとつ組んでおられるわけですが、公社の場合でもこれから先の見通しにおいて、剰余金というものは一応六億ある。そのほかにもし何かどうしても出さなければいけないと考えた場合には、行政整理は別といたしましても、やはり業務の簡素化ないし費田の節約、こういつた面からの相当の捻出を真剣に研究してみるというようなことも必要になるのではないか、こう思うのでその点をお伺いしたのです。そういうように、どうしてもこの裁定を実施してやりたい、こういつたお考えが強くあつたのが前提でしたら、剰余金があるかどうか、収支の計算がどうなるかということだけを公社に諮問するのでなくて、そのほかにもう一つ、節約して何がしかを浮き出す方途がないかどうか、そういうようなことを強く公社に要求するのが当然だろうと思うわけでありますが、そういう説明は先ほどなかつたので、その点なかつたのかをお伺いしたわけであります。
○塚田国務大臣 これはこの間のお出しになつた資料に、そこまで御検討になつておるかどうかは私も確かめておらないのですが、しかしそういう方法でも資金が捻出できるというのであれば、もちろんけつこうなのでありまして、私としても裁定が出ておるのでありますから、なるべく実施はしたいという考え方でありますので、そういうぐあいに経費の節約、それから機構の簡素化その他捻出できる面があつて、資金にゆとりがあるという見通しがつくならば非常にけつこうなことだ、こういうように考えておるわけであります。
○原(茂)委員 臨時国会が非常に短かい国会ですから、この問題にあまり時間がかけられないでしようが、もし裁定というものは実施できない。しかし従来の例から見ましても、一応裁定がおりた以上は、これをどうしても実施してもらいたいという強い要求が盛り上つて来ることは当然でありますが、もし現在では見通し上不可能だと考えても、今のように何とか経費の節約その他の方法によつて、公社における不急の仕事を次年度にまわすというようなことも考慮した上で、予算措置を講ずるとするならば、相当の時間をかけて、公社の相当詳細にわたつての経理内容の調査を必要とするわけですが、そういうことをやつてでも早期にもう一度出し得る資金があるのかどうか、資金措置が講ぜられるかどうかを考慮してみたい、こういうお考えがありますかどうか。
○成田委員長 ちよつとそれに関連いたしまして私から伺いますが、最初公社は資金上余裕がある、そういう評判であつたけれども、大臣がいろいろ検討されました結果、大臣は経理の方に非常にお詳しいものだから、そういう余裕がないという御判断をされたのですが、その詳細な検討の結果、今塚田さんも約六億円ばかりは出せるものがあると言われた。そうするとまるまる裁定をのむことは不可能でしようが、塚田さん自身が六億まわせる資金があると判断されたとすれば、八月を十月にするとか、十一月実施にするということにしまして、六億円の範囲内でも、さらに原さんの言われました経費の節約その他を入れまして、まるまる実施するじやなしに、一部実施ということもやり得ると思うのです。現に今、できれば裁定は尊重したい、こういう熱意を持つておると塚田郵政大臣は言われたのですが、塚田さん自身が六億という数字を認めていらつしやるわけですから、八月実施でなくとも十月実施あるいは十一月実施、さらに経費の節約その他によつてできるだけ早目に実施するということも考えられると思うのですが、いかがでしようか。
○塚田国務大臣 これは私が資金に余裕があると考えております場合には、厳格な意味におきましては、先ほど申し上げたように、利益があつてまわせるという考えであると同時に、またさらにもう一つ別な面から行けば、あらゆる経費をひねり出して、それで出て来ればそれもけつこうである、こういうように考えております。それで六億あるということであれば、六億をまわすこともできると自分としては考えておるのであります。そうして見る場合に、さつきも申し上げましたように、見通しは賃金の引上げという形で行う措置でありますから、当然今度引上げれば、今年は六億か七億しかいりませんが、来年は通年その措置によつて経理状況がかわつて参りますから、その辺の見通しも加えた上でやる、こういうように御了解を願えれば御指摘の通りであります。
○成田委員長 その六億の数字をお認めになつたのは、人間のことですから長い将来のことは考えられないと思いますが、一応六億というものは資金上ベース・アツプに用いてもかまわない、こういう判断をされたのは、将来のことも加味しての御判断だと思うのです。そうしますと、当然一部実施という形で、これは数学的にはじいてみなければいつ実施ということになるかわかりませんが、少くも六億の範囲内では裁定をのみ得る、こう判断するのがただいまの御答弁から行つたら当然の判断だと思いますが……。
○塚田国務大臣 私は必ずしもそうは考えておらぬのでありまして、今年のみできる、しかし今これでもつてでき得る範囲で一月なり二月なり措置することによつて、来年は非常に困難があるということであれば、今年は今年で一時金の形で何らか給与にまわすことはできますが、ベース・アツプという形ではできない、私はそのように判断するのが妥当ではないか、こういうように考えておるわけであります。
○成田委員長 将来の問題になりますと、これはいろいろまた議案がわかれるだろうと思います。そうしますと、一時金の形で六億の範囲内で出せる、今の御答弁はそう了承してよろゆうございますか。
○塚田国務大臣 六億という数字は、プラスの面、マイナス面においても今後検討を要するわけでございますが、一応その程度と御了解を願うといたしまして、この程度の余裕があるとすれば、最小限度においては一時的な今年限りの給与というような場合ならば一応できるのではないか、こう考えておるわけであります。
○原(茂)委員 いやでもそういう問題に入らざるを得なくなるのですが、この間休会中に視察をして歩きまして、公社の幹部の人の——これは言つていいかどうかしれませんが、大体頭にあることは、五箇年計画に対する一つの慢性症状です。五箇年計画は来年もまた新たに出るだろう、再来年も出るだろう、今までさんざん五箇年計画を立てて来たが、最後までその計画が遂行されたことがないという、一つの免疫性があるわけです。これに対して、今実施しております五箇年計画に対しては、大臣は相当の決意を持つておやりになるように前国会では御説明があつたわけですが、これは今度各現地における幹事に徹底的に、この五箇年計画は遂行するんだという大臣の強い御意思というものを伝えておるものでしようか。これは実際におやりになるという相当の決意のもとに、この五箇年計画をおやりになつておるのではないかと思うのですが、また従来通りに年々歳々新たに五箇年計画が出るような、そういう五箇年計画だという御認識であるのですか、先にそれをお伺いしたい。
○塚田国務大臣 これは自分といたしましては、御指摘の通りこの五箇年計画通り今後五箇年あるいはもつとこの五箇年の期間を短縮されて、この目標通り達成されるという期待を持つて提案申し上げ、御賛成いただいたわけであります。おそらく公社側におきましても、その線が実現するように努力していただいておると自分は確信しております。
○原(茂)委員 今五箇年計画表を持つて来なかつたのですが、あの五箇年計画には年々相当の純益を生むような計画が持たれておつた。すると大臣の先ほどの御説明ですと、来年、再来年の経理状態というものの見通しに非常に不安を持つておられるような御説明があつた。従つて今の裁定実施に対する大きなこれがネツクになつておる、そういう御説明を受けたわけであります。五箇年計画に対してそれほど強い自信を持ち、熱意を持ち、ぜひともこれを実施しようという、かつてと違う新たな決意のもとにこの五箇年計画をおやりになるのでしたら、二年、三年、四年先の計画というものも、計画上だけでも純利というものを見込めるはずだと思うのですが、この点はどうですか。
○塚田国務大臣 その通り自分も、計画が進んで行くに従つて収入が増し、従つて建設勘定に繰入れられる条件は増加して行くと考えておるのでありますが、しかし先ほども申し上げましたように、自分が考えておつたところの、この間御賛成願つた二割値上げのときの考え方は、とにかく一般に国がやつておる、また国が決定権を持つておるところのこういう料金は上げるべきではないというときに、電信電話事業の特殊性というものについて御認識を願つて、国会の御賛成をいただいたのであるから、それによつて来る増収分というものは、一切これはあげて設備の増設に持つて行く、こういう考え方でおりますから、私が今賃金値上げができるかできないかということを考えます場合には、あの五箇年計画の上から出て来る、従つてこの間の二割値上げの線から出て来るものというものは、これは一応考えの外に置くべきであるという強い考え方を持つております。それだけにまた、五箇年計画はぜひ達成させて、料金値上げにたえていただいている一般利用者の便益が一日も早くふえるようにということを考えておるわけであります。
○原(茂)委員 そうしますと、これは少しおもしろいことになるわけですが、五箇年計画による一切の増収分というものは建設事業に、あるいは設備の拡張にまわすという御説明ですが、すると将来とも職員の給与ベースを上げるという、その財源というものはどこから求めるのですか。それを伺いたい。
○塚田国務大臣 それは現実に、将来に賃金の値上げをしなければならないという状態になつたときにどこから求めるかということになれば、あるいは今度値上げをいたしました中から求めざるを得ないということになるかもしれません。またこの間値上げをしておらなくて、しかもなおかつどうしても賃金を値上げしなければならないというときには、料金値上げまで行つて賃金値上げをするということもあり得るのですから、まあそういう判断になると思うのですが、しかし少くとも、今自分の資金にゆとりがあるかないかということの判断をするというときの考え方としては、この間の値上げの分というものは、あれはそういう考え方から出たものではないから、あれがあるからして賃金値上げができるという考え方は絶対にとるべきではない、こういうように考えておるわけであります。
○原(茂)委員 この間の二割の値上げを中心に私は申し上げておるのじやなくて、五箇年計画の遂行上、増収分というものが見込んである。その中から経理して行く以上、いやでも施設の向上、改善をはかるべきなのはあたりまえだ。同時に、働いておる職員も年々歳歳年をとつて行くのですから、それだけのベース・アツプをするのは当然ですから、これも当然含まれておるはずですし、あの増収分に限つて一切施設の拡充を充てるのだという御説明ですから、ふに落ちないと申し上げたのです。一体それら職員の将来のべースというものを上げるための財源をどこに求めて行くのか、これをお聞きしたい。
○塚田国務大臣 私はごく平たく考え方を申し上げますならば、今賃上げの問題が当面の問題として出て来たので、ここで資金があるかないかということを考える場合に、あの賃金値上げがなくとも、普通のコースでもつてやつておつた場合に、そういうゆとりができるかできないかということを頭において判断すべきである、これは、多少こまかく、いろいろ複雑に経済事情が錯綜して参りますから、若干真意を尽さない面がありますけれども、ごく大ざつぱに表現して行きますならば、そういう感じで私はこの問題を考えておる。こういうように申し上げたのであります。
○原(茂)委員 少しおかしな理論なんですが、およそ公社の企業を継続しようというのに、将来の——極端に言いますと、半年、一年後の経済情勢の変化、これをすら見通しが今困難な状態にありますから、もとより収支計算のこまかい数字の上に予測を立てることは非常に困難だと思う。しかし原則として忘れてならないことは、この経営というものが成り立つている施設、あるいは従業員、こういうものに対して、当然年がたつたびにふえて行く必要な経費というものは、当然考えなければならないのですから、これを最初からどこに求めるかをきめずして五箇年計画を持つたり、あるいは収支計算の数字をいじつたりするということは、原則上おかしい問題だと思う。 それはさておきまして、そこで本論に返るわけですが、何をおいてもこの裁定がおりた以上は、これをのんで、一万五千円でとにかく従おう、服従して行こうという職員の気持、これを考えるときに、私はどうしても実現さしてやらなければいかぬという強い気持を持つわけであります。そこで公社側あるいは管理者の側から考えても、こういう点をひとつお考えになつて、比較してみたらどうかと思のですが、昨年と戦前の——大体昭和九年から十一年あたりを基準にしていいのじやないのかと思いますが、当時の生産性と、今の公社における生産性というものの差が相当あるだろうと思います。この指数は大体二割くらい——戦前を一〇〇とすると、最小限一二〇くらいにはなつているように前に見たことがあるのですが、この労働生産性というものが向上している以上は、これに対する手当をしてやろうということは、これはもう経営者の当然の務めでなければならないという観点から、今の冒頭に返るわけですが、予算措置を講じ得ないからというので全然頭からこれをネグつて、裁定というものをネグつた態度で国会に臨んだ。そういう国務大臣のお考えと私どもの考えとは、非常に相反するするものがあると思うのであります。こういうように戦前と比較しても、当然労働生産性というものが向上している。これに対する手当をするのが経営者の当然の務めである。こんなことはだれにもわかつていることなんです。そんな当然のことを十二分に知つているはずの郵政大臣が、あえてこれをネグつて国会に全然予算措置はしないんだ、できないんだと、頭からそういう態度で何らの説明を加えずにこの国会に臨んだということは、非常に冷やかな、冷たい、御自分の管理下にある職員の給与に対して、あたたかい人情の味ある態度で国会に臨んで来なかつたというふうに言えるわけです。この点はあるいは、電電公社の職員というものの給与などはどうなろうとかまわない、ただ鬼のようになつて、国家の行政費の節減、あるいは首切りだけをを強硬にやるのがおれの使命だ、こういうふうに大臣がお考えになつておるようにとれるわけなんですが、それははなはだしく今日の政治というものを、ただ困乱に陥れ、労働不安というものを醸成して行くだけでございますので、今この国会に臨む大臣の心境は私の言つたような心境でないに違いないのですが、そのないということをひとつこまかく説明していただきたい。
○塚田国務大臣 これはどのくらい生産性が上つておるのかという数字は、実はちよつと私失念をいたして、今記憶いたしておらないのでありますが、今記憶しておらないにいたしましても、私は生産性というものが賃金の上に出て来るというならば、それは生産性が収益性というものに具体化されて来た場合に考えられるものであると思いますし、しかもその生産性と収益性、それから収益性と給与というように考えます場合には、これは生存競争の上にさらされておる一般企業の場合には、それが百パーセント文字通り当てはまるのであつて、今の料金は国がきめておる。その国のきめ方も、公社の立場だけでなしに、一般公衆というものを頭において、双方からあわせて検討されながら、ことに国の物価政策、そういうものと歩調を合せながらきめておるというときには、このりくつは、百パーセントに生産性が上つたから賃金を上げるのだと、こういうふうには持つて行けないのではないかと思つておるわけであります。しかしそうかといつて、賃金を上げてやるということを全然考えないのかと言われると、むしろそれは逆で、ほんとうに上げなければならないという事実であるならば、生産性が上らぬでもやつぱり上げなければならないのである。また生産性が上らぬでも上げなければ騒がれるという場合もあると思います。ですからして、いろいろな要素を勘案してみまして、どういう結論になりますか、また節約その他の面もあると言われますが、自分としては今後大いに検討してみようという気持でおるわけです。ただ、今までの自分の大ざつぱに調べたところから来る感じでは、そんなに楽に違いができるような状態に、公社の経営状態というものはなつておりません。こういうことを申し上げておきたいと思います。
○橋本(登)委員 ちよつと簡単に関連して質問いたします。先ほど大臣の御説明の中には、六億円の財源らしいものがあるという話ですが、その問題に関連して、今度国会に議案が提案されたようですが、あれはいはゆる公共企業体の仲裁委員会の一万五千円を処理すべしと、こういうような案に対して、とりあえず政府としては今考え及ばないという態度であつて、一部支給できるかできないかということについては、なお決定に至つてない、こう解釈してよろしゆうございますか。 第二は、先ほど原君の御質問がありましたが、五箇年計画内に含まれておる営業費というものは、定期昇給等を考慮されての人件費等が含まれておる、こういうふうに私は解釈していいと思うのですが、その点についての大臣の御所見を伺いたいと思います。現行賃金が五箇年間続くという前提でできておるのではない。営業費の中にはそれらを含められて計算できておると解釈してよろしいと思いますが、その点についてひとつ……。
○塚田国務大臣 第一の点は御質問の通りに私も了解しておるわけです。第二の点は、定期昇給というものは当然計算の中に含まれておる。含まれて計算すべき基礎ができておる。こういうふうに御了解願いたいと思います。
○原(茂)委員 この問題はもうこの程度で、あとは次会に譲つて、今の経営論議に入りたいと思いますが、地方の自由競争下における企業体ならばですが、今の大臣のお考えは逆なんです。公社の場合には、私が言つたように、当然生産性の向上というものに見合せた賃金というものを、まず先に考える義務があると思うのですが、これは後日お話します。 そこで第二の点としてお伺いいたしますが、問題を切りかえまして、今東京に五十キロによる放送をしております民間放送はどういうものがあるかということ、それと現在申請中のものは大体どんなところがあるか、これを伺いたいと思います。
○塚田国務大臣 お尋ねは五十キロだけということであつたようであります が、これは現在東京において申請中のものは、三つ競願が出ております。
○原(茂)委員 その三つとはどことどこかをひとつ……。
○塚田国務大臣 申請中のものの三つの名前をというお尋ねでございますが、申請中のものは中央放送といいますのと、それからラジオ経済というのと国際宗教放送、以上三つであります。
○原(茂)委員 中央放送とラジオ経済、それから国際宗教放送、この三つが今申請中だと聞いたのですが、その前に日本文化放送というのが、すでに十キロ放送を今日行つておるわけです。この三つの申請と、今手持ちの、許可し得る五十キロ放送のわくというものは、これは全部条件がかなえば、申請を許可できるようになつておるものかどうか、それが第一点。 それから今日本文化放送というのが十キロ放送しておりますが、これが五十キロにしたいという申請をおそらくしておると思いますが、この点を第二点としてお伺いしたい。
○塚田国務大臣 民間放送の許可は、電波法の建前からも、条件がそろえば許可をすべきであるというようになつておると私も了解いたしております。なお日本文化放送が現在の十キロを五十キロに増力をしてほしいという願いが出ております。また日本文化放送が現在持つておりますあの周波数は、五十キロまではさしつかえないという決定になつておりますので、これも条件がそろえば許可すべきである、こういうふうに考えております。
○原(茂)委員 条件がそろいますと日本文化放送の五十キロも許可し、中央放送、ラジオ経済、国際宗教放送と、四つの五十キロ放送がここに許可されるごとになりますか。
○塚田国務大臣 それは形式的には一つしか周波数がございませんので、一つにしか許可ができない。つまり文化放送の五十キロに増力するものと、いま一つ新しいものが許可できろ、こういうように考えております。
○原(茂)委員 そこで新たに三つ申請中のものがあるということがわかつたわけです。なお今十キロ放送をやつているものを、五十キロに増力申請中の日本文化放送というものがあるわけです。これの持つておる波は、たまたま五十キロまで使用できろ。千百三十ですか、これは許可できる、こういうことになるわけですが、この許可する条件というものは、どんな条件がそろつたら一体許可をなさるのか。こまかくはおそらく御存じないでしようが、大略大臣の知つている範囲で、この文化放送の増力を許可するのには、どういう条件がそろつたらいいか、新たなこの三つの申請に対しては、どういう条件があつたら許可しようかとお考えになつておるか、それを伺いたいと思います。
○塚田国務大臣 これは個々に検討いたしますならば、それを企画しておる人たちのいろいろな経済面、それから人格の面、そういうふうかいろいろな判断と、それからいろいろ技術的には電波法が要請しております条件がそろつたらということになる。要するにこれをこの人たちに許可して、無事に民間放送を行うという、政府の目的にかなつた放送が行われるかどうかということの見通しがつきさえすれば当然許可されるもの、こういうふうに了解いたしております。
○原(茂)委員 私のお聞きしたいことがぴんと来ないわけですが、たとえば宗教放送、ラジオ経済、中央放送、この三つの新たな申請者があるわけですが、これをただ漠然と、標準なしに——三つと全部条件がそろつたというようなことはおそらくないと思いますが、もしあつたとしたら、一体大臣はどういうことを基準にして、どれを選ぶのか、完全に条件が合つたとしたら……。
○塚田国務大臣 結局法律的に、もしくは今申し上げたような経済的なその他の判断からして、幾つか出ておるものの中で欠格のものもある。今申し上げるように、まだそのほかに出ておりますけれども、今考えられますのは、その他のものは電力の大きさが違つたりしておりますので、当面問題になつておらないのでありますけれども、大体今三つ出ておりますもの、それから増力を申請しておる日本文化放送を許すか許さないかという条件が、最小限のものからすれば、大体みんなそろつておるのじやないか。しかし的確に検討してみれば、あるいは欠格のものもあるかもしれません。そういう場合に結局どうするかという判断を聞きたいというお尋ねだと思いますが、これは私も実は非常に迷つております点でありますし、当初から幾らか考え方がかわつて来たのでありまして、これが条件さえそろつておるならば、みんなに許せるものであれば問題はないのでありますが、波は御承知のように限られておりますから、どうしても一つしか新しくは許せない。そういうときに、鉱山法などが規定しております鉱業権の許可のように、条件さえそろえば先願で行くんだというふうに電波法ではつきり規定しておりますと、非常に扱いいいのでありますが、そういう規定がありませんので、一応建前としては、みんな条件がそろつておる、欠格していないということになれば、平等ということになるわけです。それも扱い方で、平等であれば先に出したものからという考え方もできると思うのですが、私は当初のころは、そういうぐあいに扱つてもいいのではないか、またそういうぐあいに扱う慣例をつけておかないと、これ以上はたして新しい民間放送局の申請が出るかどうか、いろいろな面から考えて、おそらく今度あたりが最後じやないかと思いますが、かりに今後またこういう問題が出たときに、十出れば十、百出れば百、みんな監督大臣が苦心して判断をし、まとめなければならないということになると、これは非常に問題だというふうに私は思つておるのであります。そういう意味におきまして、これは先願なら先願を許すということになつておれば非常に好都合だと思いますが、現在の状態においてはそうなつておりませんので、一応同じ立場で見るということになると思うのです。そういたしますと、どうしても今までの過去の例から申しましても、これを何とか話合いでまとめることになつておる。今までもそうであつたが、結局私もそのところまで考え方がかわつて来ておるのです。せつかくみんなが出ておるし、特にこれはいかぬという理由のないものならばまとめよう、またまとめるものならまとめてあげたいという考え方でやつておるわけであります。そこでまとめるという場合のいろいろのものの考え方でありますが、新しく出たものは三つまとめる。それから増力のものはそのままやるということも一つの考え方でありますが、またしかしそれぞれの企図しておられる内容によつて、近いものをまとめて行く。そして場合によれば増力を企図しておられるものに、ある一つのものが非常に近いものであれば、そこへお願いして、増力の機会また資金もよけいいることであるから、資金をその面から仰いで、そしてまとまる範囲において話合いをつけて、まとめられるのがいいのじやないかということを考えて、今の私といたしましては、なるべく似通つたものを似通つたところへまとめてやりたいという考えをもつて、個々の人たちの立場から多少不満がありましても、できた後、それによつて民間が受ける、国民が受ける便益ということから考えれば、その方が一番いい方法じやないか、こういうように考えて、その線で今何とかしてまとめて、どちらもなるべく早く許可をして差上げたい。こういうふうに苦心をいたしておるわけであります。しかしこうような苦心は、はたして監督大臣が積極的にやるべきかということに、自分もかなり疑念は持つておるのであります。しかし全然世話をしないということもおかしいだろうから、私も何とかまとまるものはまとめるくふうはないものでしようかということで措置はいたしておりますし、幸いにまた民間側にも、いろいろ過去にそういうことにお骨折りくだすつた方があつて、今またこれをまとめるように骨折つてみてやろうかというふうに努力していただいておる方もあるのです。そういう方にも力を貸していただいて、そういう方向で円満に、みんなが何がしかの目的が達せられるようにして差上げたい、こういう方針で当つております。
○原(茂)委員 大臣のお考えは、私は非常にいいと思います。ぜひ監督大臣の立場からはそういう平等な、完全に一致した条件がそろつたときには、まとめるように話をする以外にないと思います。そこで大事なことは、一番頂点におられる大臣の立場からいつて、まとめてやろうというときに、その前提条件として必要なことは、一切の先入観をなくすということである。従つて少しも無理をしないということ、これが第二の要点になると思うのです。従つて今お話の三つのものは、新しく申請が出ておるわけでありますが、すでに業務を開始して一年も経過し、必要から増力を申請しているような日本文化放送のごときは、新たに申請しておる三つのものとは、無理のないという点からいつても、実績からいつても、実際において大臣の方で不都合を認めていない以上、当然な増力要求である以上は、まずこの増力を認めて、しかる後にこれを切り離して、あとの三つを——一つしかないサイクルですから、この二つを一つの波に当てはめようようという大臣の今おつしやつた公正な立場からも、あつせんをしてやろ。残つた一つがもしたまたま企場内容、あるいは放送の種類などにおいて類似性があるならば、これを一つ先きにできている増力を許可した古い既成事実を持つ日本文化放送にひとつ頼んで、何とかしてめんどうを見てもらつてやろうじやないか、こういうような考え方になるのが至公至平であり、片寄らない先入観をなくしたやり方で、当然だと思います。そういう態度でこの文化放送の五十キロの増力問題と、三つ新たに申請している会社等に対する処置を今後おとり願えるか、どうか、端的にお伺いします。
○塚田国務大臣 まつたく同じように考えております。実は文化放送に対しては、若干御迷惑がかかつておると自分も思うのでありますけれども、しかし今のまとめるという考え方から問題を考えて行きますと、どうしてもやはり国際宗教というものは文化に幾らか仲間に入れていただくということが、一番かつこうがいいのだというふうに考えられます。ところが私がそういうふうに考えておりますのと、国際宗教放送の側が考えております感じは、幾らかずれておるのであります。国際宗教は、三つが今競願になつているんだから、政府が、監督大臣が何とかまとめてくれるだろう。だから文化に一緒にならなければ、こつちで三つをまとめてくれるだろう。こういうようなきわめて安易な考え方をしているらしいのであります。自分としては、そういつた考え方はまつたくとらないのでありまして、この経済を主にした二つに、文化的な色彩を幾らか持つている宗教放送をくつつけても意味ないものになるし、これはそういうぐあいになれば、何か新しい放送というものに一種の権利が一枚加わつたというだけのことであつて、そんなものは国民の目から見れば実にくだらぬことだと思う。だから国際宗教が自分の目ざしておられる目的をほんとうに放送を通じて達せられようとするならば、これはもう文化放送に抱いていただく以外には手がないと思つているのですが、国際宗教の側は、何か既得権を持つておるというような感じでおられるので、それは違います、あなた方の方はどこまでも文化にこの際お願いして抱いてもらう、仲間にしてもらうという考え方でなければならぬ、そういう考え方からいたしまして、私は文化側が国際宗教放送を一枚加えるということに対して難色を示しておられるいろいろな問題点もよく承知しておりますので、そういう点をよく国際宗教の人たちに、あなた方の方から文化の方へ話をして、ぜひ抱いてもらいたい、仲間にしてもらいたいが、どういう点がいかぬのでしようか。また、どういう点ならば私どもの希望を聞いていただけるでしようかということを率直に話をなさい。そうして私が何がしかの力を貸すことによつて、円満に行くということでなければだめです。従つて国際宗教の場合には、最初は文化と対等の合併というようなことも考えておられるようでありますが、しかしそういう点は、今申し上げるような気持では全然見当違いのものである。また文化側が国際宗教放送の内容そのものについて、若干懸念を持つておられる向きもありますので、その点は国際宗教の代表者に対しましても、文化側が、自分の聞くところではこういう点に難色があるようだから、そういう点はあなた方の方も整理しなければならないということを申し上げたのであります。私の気持から申しますならば、今、原君が御指摘になつたように、まず文化に許して、あとはあとで抱いてもらうということでもいいのであります。そこまでならばそれでもいいのですが、それならばそれが十分見通しがつくところまで行つてでありませんと、まず新しく許可をして、そして今度何かうまく行かないで、それが抱いて行かれぬというようなことになると、せつかくみんなが三本あるものをどれかにまとめてやろうという考え方でスタートしたものが、結局国際宗教だけ抱いて行かれぬという結果になつてしまうものでありますから、まず許可をして、そこで国際宗教が話合いでもつて抱いていただけるという見通しがつくならば、自分としても原委員のおつしやつたように、そういう方法も適当である、さしつかえないのじやないかというふうに考えておるわけであります。
○原(茂)委員 今の大臣のお考えですと、これは私は公平でなくて、干渉していると思うのです。日本文化放送の場合は、すでに千百三十というラジオ東京の波をもらつたときに、これは大臣もおそらくその底意があつたかどうか知りませんが、一般の常識から言えば、五十キロをいずれ許されるという前提が承認されておるように感ずるわけでありますので、これは既成事実だと考えていいと思われる今までの慣習があるわけであります。しかも前からやつておつて、五十キロは今に許可されるというふうな、黙認の形の波をもらつている。そうして久しい時間がたつている。そこへ新たに三つの五十キロ放送をしたいという申請が出て来た。大臣はどうしても、この三つを一本にまとめてやりたいという非常に親切な考えなんですが、まとめるために、暗黙のうちに、すでに五十キロ放送をやることを了解したと思われる文化放送に対して、何か国際宗教放送というものを認めないと、あるいは対等ないしは何か条件付で抱いてくれない限りにおいては、この五十キロというものは、前には暗黙の慣習の許可を与えたような形をとつておつたが、これは許可しないというような形を今文化に与えているんじやないかと思います。こう想像できるわけです。これは一つの干渉だと思います。もう一つは、新しく出たこの三つの申請というものが、もし五つ出ていたら、これはどうするか。しかも内容の違つたものがもう一つか二つよけいに出ていたら、大臣は同じように、新たに申請が出たものも、また一本にまとめなければいかぬと言われるのか。大臣がそこまでつつ込んだ義務というものをもし感ずるとすれば、これは感じ方が行き過ぎだ、そういうふうに考えるし、これは無理だと思います。従つて平らかな気持で考えて行くなら、われわれが企業を先にある程度やつていますところへ、新しい申請がたまたま出て来た、これをどうしてもくつつけるということで、一つの店に対して割拠させよう、割込ませようということをだれかが親切に口を聞いてくれるならば、聞いてもらつた方の側からいえば、何かごやつかいをしてくれた、こう考えるのは当然だと思います。これは平たい考えからすれば、一つの干渉だと思います。大臣のお考えからすれば、何かにこだわつてそういうようなお考えが出るのか、あるいは親切が過ぎていると思うのですが、そういうような考え方は、とうてい世間の通念としても、これは大部分通らないと思います。今申し上げた一つの例だけを考えても、五つここに出ていたらどうするかということを考えただけでも、おそらくこれは少しく親切が過ぎるように思うのであります。その考えは改めていただいて、先ほど申し上げたように、まず当然の常識から言つても、暗黙の了解を与えた五十キロ放送というものをまず日本文化に与えておいて、しかる後に国際宗教がもし類似性があるというならば、これは自主的に両者の交渉にまかして、ひとつ抱いてやつてくれという熱意ある大臣の一言さえつけ加えていただけるなら、大臣の立場は非常に公平であり、それ以上一歩も出ては行けないという立場じやないか、こう考えるのですが、どういうものですか。
○塚田国務大臣 これは五つ出たらどうするかというお話でありますが、問題は現実のお話でありますので、五つ出て、五つがまた今の三つと同じように扱える性質のものであれば、やはり同じように扱うということになると思いますし、五つ出ても、全然そういうような筋が考えられない性質のものということになれば、これは五つ出ても、三つまでは置いて行くこともできるかと思います。従つて文化の場合と国際宗教の場合でありますが、文化の場合に、たまたま五十キロに増力するということがなければ、おそらくこういう問題も起きなかつたと思いますが、たまたま五十キロに増力されるということになつおるものでありますから、私どもとしましても、何とか話合いがつくならばお願いしてやつたらどうかというわけで、別にこれを抱かないから、いつまでも許可しないという考え方を持つておるわけではないのであります。何とかまとまるものならばまとまりをつけてという考え方で、そういう機運が熟するように、せつかく努力をいたしておる段階であります。どうしてもこれがまとまりがつかないということであれば、おそらく法の規定する通りに、いつかの時期には何とか処置しなければならぬと自分としても考えておりますし、またそういうようなことは、しばしばの機会に申し上げておるわけであります。自分としては若干、それは形の上からごらんくだされば干渉になつておるようにお感じの点もあるかもしれませんけれども、郵政大臣が持つておりますこの民間放送の許可権を、国民の立場から、一番よくみんなが満足できるように行使できるということに努力いたしたい。なお御質疑の点はよくわかりましたから、自分としても考え違いのないようにいたしたいと思います。
○甲斐委員 今の原委員の質問に関連しまして、大体大臣の最後の御答弁で問題はほとんど解決したように考えますが、しかしこの文化の増力問題と宗教放送の合併、あるいは吸収の問題とは、明らかに性質の違つたものであつて、明確にこれは区別しなければならないものとわれわれは了解しております。これを、五十キロに増力免許に関連して、合同とか一部吸収とか、あるいはその間の調整をはかれというようなことは、なるほど親切心かもわかりませんけれども、文化放送といたしましてはきわめて迷惑しごくのことだと私は思います。かつまた条理の上からいつても、決して認められないことではないか。これがなおかつ今日までもやもやとして、明瞭でない空気をただよわせていることは、何らか政治的な他の面からの圧力でもあるのかというような疑いさえ、われわれに抱かせられておるわけであります。大体もし波があり、かつ申請者のその内容を見て適当であると思うならば、どんどん免許されることがけつこうだと思います。国際宗教放送についても、私はそういうことであれば免許されてもしかるべきであると思いますけれども、波がすでに一つしかないというこの際であるならば、あえて申請者に拘泥せられて、しかもそれによつて既存の実績あり、また営業を続けており、しかも内容から申しまして、他の世界と建つて、宗教放送というものは、きわめて対立抗争がはげしいもので、単なる営利追求だけで一致するものでもない。あるいは公共性の解釈の仕方が、宗教放送においては、これは教義をかけ、命をかけても争わなければならないというような性質のものでありますので、これを一緒にされるということは困難であるとともに、無理であると考えます。なおかつもう一つ考えなければならぬことは、申請するならば、いかなるものをも必ず親切に取上げられて、他との合併ができるんだというような印象を一般に与えることになりますと、自分でやる能力や自信がなくても、続々申請をするという傾向が生れて来るであろうと思うのであります。そういう傾向は今日でもなきにしもあらずであります。一、二の例を私は知つておりますが、こんなことであるならば、一種の利権争いになつてしまうというような感じがわいて来るわけであります。そういう意味で、大臣が原委員の質問に対してもお答えになつたように、はつきりした認識と態度をもつて、この問題を急速に解決していただくということを希望するものであります。もうすでに文化放送としての態度もはつきりしておることだと思いますし、かつまた繰返して申しますが、すでに新しい波を割当られたときには、五十キロに増力ということは約束せられている、非常な期待を与えられておるという問題ですから、こういう不明瞭なことで長く停頓せられるのではなくして、すみやかにこの点を明確に解決せられんことを希望するものであります。
○塚田国務大臣 先ほど原委員にお答え申し上げたことで、大体考え方は尽しておると思いますが、なお御質問の趣旨を体して、善処したいと思います。
○大西(正)委員 私は姫路の放送局の設置の問題につきまして、大臣にお尋ねをしたいと思います。時間があまりございませんので、端的に申し上げますと、協会の方から、もう姫路の放送局開設の申請がとつくに来ておると思うのでありますが、この点についていかかでございます。私が申し上げるまでもなく、去る五月の再免許のときに、姫路の放送局は廃止になりました。これは全国ただ一つの犠牲なんであります。地元はそれに対して非常に迷惑をこうむつておるわけであります。こういう決定がありましてから、地元の人たちは当局に対しまして、陳情、請願なり熾烈にやつております。ぜひともこの再設置を強く要望しておるわけであります。この点について、ひとつお答え願いたいと思います。
○塚田国務大臣 NHKの姫路放送鳥の問題は、先般あらためて申請が出て、それが許可をする基準にかなつておれば当然許可をされるべきものであるというようにお答えしておつたと思うのでありますが、その後御指摘のように、申請が重ねて出たのであります。しかしその計画内容が大体同一のものであると、その設置の場所として予定しておる場所が、文化財保護委員会からのちよつと考慮してもらいたいという申出にあつておるような事情で、実は許可が困難になつておるわけであります。新しい申請は確かに出ておるのでありますが、そういうような事情が介在して、今のような申請の内容ではむずかしいのではないか、こういうようになつておるわけであります。
○大西(正)委員 私は再設置の申請の問題で、大臣の理解ある態度を要望しておるわけなのでありますが、それでは問題を元にもどします。姫路の放送局が五月の再免許のときに廃止されたいきさつを見ますと、姫路と同じような条件のところが廃止されないで、ただ姫路だけが廃止されたという理由が私としては理解ができない。これは私が申し上げるまでもなく、放送局の開設の根本基準の第三条第一項第七号の但書を適用されておると思うのでありますけれども、これは明らかに後に申請が出ておりまして、この点は十分考慮されねば、姫路だけがあえてあいうように犠牲される理由はないと思う。この点について伺いたい。
○塚田国務大臣 これはこの前のときに再免許にならなかつたのも、今度あらためて出た申請が許可されなかつたのも、同じ事情なのでありまして、計画自体が開設の基準に合わない、こういうことになつておるので、私がこの前に、別に申請があるならばまた考えますと言うたときには、おそらく今度出る許可申請というものは、もう少し別の形のもの、放送協会も専門家でおられますから、どういう点が難点になつておるか御承知なのだから、今度はひつかからないような、当然許可がもらえるような計画をお出しになると思つておつたのでありますが、出て来ました申請が、やはり同じように基準の上からは許可できないような内容のものであるためにできなかつた。それに今度は設置場所について、文化財保護委員会からいろいろな意見があるというようなことになつたのでございます。ですから許可されるかされないかということは、要するにどういう計画で放送されるかということにかかつておるのであります。ほかの同じようなものが許可されていて、これだけが許可されなかつたという御意見でありますけれども、これは私も承知しないのですが、事務当局の説明によりますと、姫路の場合には大阪とまつたく同じものを放送しておる。他の場合には、若干なりともローカルなものを放送しており、まつたく同じという状態ではなかつた、こういうようなことが姫路だけが再免許にならなかつた理由であるといわれております。
○大西(正)委員 場所が非常に不適当である、文化財保護委員会から、姫路の城内であるからという申出があつて許可が出ない、こういう話でありますけれども、初めに協会の方から申請をしたときに、その点について当局から指摘があつたので、あらためて出した申請にはたしかこの場所を除いて、新たに別の地域を予定してあるはずであります。この点をひとつ間違つておりませんでしようか。
○西崎説明員 ただいま御指摘の点につきまして、NHKでは今その申請の準備されておるそうでございまして、まだわれわれの方の手元までは参つておりませんが、不日出ることと思います。
○大西(正)委員 責任ある方が、出ていないと言われるのを、私がここで出ていると言い張ることはこの際差控えますが、私はこれは確かに受理されているというふうに考えているのであります。これはもう一度御調査を願いたいと思うのであります。これは私の話が終るまでにはつきりすればお答えを願いたいと思います。 それからこの内容は規格に合わない、だからこれに対しては許可しない、こういうことであります。もちろん私も内容が基準に合わないものを無理にお願いするわけではないのでありまして、それなれば郵政大臣は、この姫路の申請がいかにすれば条件に合うかということに対して何か積極的な指導、助言をなさつたことがございましようか。これは私は当然やるべきことだと思う。前回不備で、しかも二回にわたつて申請をしてなおこういう不備があつたという場合に、当局はそういう積極的な指導をやるべきだと思うのですが、その点について伺いたいと思います。
○塚田国務大臣 ただいま政府委員から聞きましたところではNHK側では、もう一度問題になつた点を全部訂正いたしましたものを申請いたすように準備中だそうであります。
○大西(正)委員 それは了解しましたが、あとから申し上げましたことにつきまして……。
○塚田国務大臣 結局指導したかどうかということなんだと思いますが、もちろん事務当局で指導した結果こういうようになつたものである、こういうように了解しております。
○大西(正)委員 それでは私はこの際地元の利益のためにあらためて、いかなるところが条件に合はないかということを、ひとつ御親切に聞かせていただきたい。ただちに私どもは地元に帰りまして、その点について準備をいたしたいと思います。
○西崎説明員 先ほども大臣から御説明がありましたように、結局プロのローカル番組の問題と、それから場所の問題それだけでございます。その点につきましてはNHKの方ともよく話をしておりますから、いずれその線に沿つた願書が出て来ることと期待しております。
○大西(正)委員 今の答弁をとやかく批判するわけではありませんが、すでに五月の三十日に姫路が廃止になつたとき、この姫路の問題につきまして原委員からも質問をいたし、これに対して大臣も、あるいは電波監理局長も答弁をしておる。また八月七日のこの委員会におきましても、やはり松井委員からこの問題について質問をいたして、電波監理局長がこれに対して答弁をいたしておるのであります。こういういきさつを見ましても、ただ申請する内容が規格に合わないということだけで、しかもその答えが非常に抽象的であります。私はそういうことをお聞きしているのではないのであつて、もつと具体的なことをお聞きしたいと思のであります。ただ姫路だけがああいう形で取残されているということ、これは非常に重大な問題であると思う。私は放送行政に対する当局の熱意についても言及したい気持になるので、何も全国で姫路のみが残されているということに対して、感情的な反発を持つているわけではないが、御承知のごとく姫路は人口二十三万を持つている播州の中心都市であります。これのローカル放送を充実して、わが国文化の向上のためにも資したいという熱意、これは放送協会のみならず、郵政当局の理想と一致するものだ、こういうように考えているのであります。そういうやさきにこれを廃した理由を私が聞きますと、大阪の電力を強化したからそれで聞える。ただこういう非常に単純な理由なんであります。ところがこの点につきましても、私はかなり精細な調査をいたしおりますが、決してこちらの理論的な調査のように、そうは簡単に聞えないのであります。かなり科学的な資料に基きますと、聞けない率、聞き苦しい率、これを合せますと約三四・九%、実態的にこういう結果が出ておるのであります。こういう事情を見ますと、私はこの姫路の放送局を廃した理由についても納得のできないものがある。ましてやそれに対して地元の強い要望があつて、今度再設置の要請をしておるのに対しても、まことに私はもう一つ親切心が足ないのじやないか、こういうように思うのです。この席上で私はこまかいことまで具体的に内容を提示して、指導をしてくれというようなことは申し上げませんが、大体私の申し上げたいこともおわかりになつたと思いますので、大臣からひとつ、事務的なことは私は後ほどよく調査をいたしますが、ひとつ根本的な考え方につきまして、この姫路の放送局の設置の問題について力強い御発言をいただきたいと思います。
○塚田国務大臣 これは私もいろいろお話を伺つておつて、どうして二度も三度も却下しなければならないような申請が出たか、またなぜそんなものを受付けたかといつて、今事務当局をしかつておるわけなんでありまし、私としては非常に事務当局の親切が足りなかつたと思いますと同時に、ただ私がしろうととして考えておりますのは、申請されるNHKの側も、こういうことの専門家でおられるのだし、前の許可にならなかつた理由もよく御存じでおられるのだから、二度目には通過するようなものをお出しになつてしかるべきじやなかつたかというように、漠然と感じておるようなわけであります。しかし、そういうことは別にいたしまして、ただいま大西委員の御質問の趣旨もよくわかりましたし、確かにこれは郵政省側の親切心も足りないということもよくわかりましたので、今何かせつかく新しく申請を準備中でおられろということでありますから、それが出まして、基準に合致するもでありますならば、これはぜひ許可をするように、またもし新しく出た申請書が、また何か欠陥の点があるならば、事前にそういう点はよくお打合せをして、なるべく早く許可ができるように実施いたしたいと思います。
○成田委員長 大臣は予算委員会に出席を要求されておりますので、大臣に対する質疑は次会に譲りたいと存じます。 —————————————
○成田委員長 この際お諮りいたします。日本放送協会職員の給与問題について、来る四日、日本放送協会会長古墳鉄郎君、同理事岡部重信書及び日本放送労働組合役員二名、氏名は追つて御報告申し上げます。以上の方々に参考人として御出席を願い、御意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○成田委員長 異議なきもりと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三分散会