通商産業委員会 第2号
- 発言数
- 36 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1953/11/05
会議録
○大西委員長 これより会議を開きます。 まずお諮りいたします。ただいま労働委員会に付託されております公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件は本委員会とも関連するところ多いと存じますので、労働委員会に対し連合審査会を開会いたしたい旨申し入れたいと存じますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大西委員長 御異議なければさよう決定いたします。なお連合審査会開会日時につきましては、労働委員長と協議の上決定いたしたいと存じますが、大体明日あるいは明後日になると存じますからさよう御了承願いたいと存じます。 —————————————
○大西委員長 それでは中小企業に関し質疑の通告がありますから順次これを許します。永井勝次郎君。
○永井委員 次官にお尋ねいたしますが、本年は未曽有の全国的な水害があり、また広汎な地域にわたる冷害、凶作があるわけでありますが、現在国会で論議されておる中心は、これらの災害に対する対策及び冷害に対する農村対策が重点でありましてこれらの災害、凶作に付随して起つて来る中小企業対策はあまり取上げられておらないようであります。もちろん、経済的な一つの働きのうちにおいてはそれらのものがすべて総合されて来るわけであり、水害対策あるいは凶作対策といつても、経済の全分野の立場から総合的に対策を樹立するのでなければ、農村だけ、水害地だけというような地域的あるいは業種的な取上げ方においては完全な対策は立たないことはもちろんであろうとわれわれは考えるのであります。そこで、これらの問題に対して対策を検討するための国会が開かれておるときに、通産省においてはどのような対策を持ち、どのような方針を持つてこれに対処しようとしておるのか、これらの水害及び凶作に対する通産行政の分野における対策の全貌をとりあえずお伺いをいたしたい、かように考えるのであります。できるだけ要点に触れて簡潔に御説明を煩わしたいと存じます。
○古池政府委員 ただいまの永井さんのお尋ねに対しまして私から一応お答えを申し上げ、さらに数字その他詳細なる点につきましては、本日出席いたしておりまする他の政府当局からお答えをいたすことにいたしたいと存じます。 ただいまお話がございましたように、本年は水害といい、また冷害と申し、未曽有の甚大なる被害をこうむつたはなはだ不幸な年であるのであります。これに対しましては、もちろん災害の復旧事業ということにまず第一に力を注がなければならぬことは当然でありまするが、しかしながらそれと同時に住民の生活の確保、また農山村の対策と並行しまして中小企業、その他産業面におきまする復興につきましても、総合的な施策をとるべきことはただいまのお説の通りだと考えております。ただそこに時間的に若干の緩急のあることは、これは事の性質としてやむを得ない場合もあり得ると考えます。特に冷害の問題につきましては、まず第一番にその被害を受けるのは農村でありまするから、この農村の救済に第一の手を打ち、さらに引続いてこれに関連をいたし、その冷害の影響を強く受けまするその付近の一般中小企業者の救済ということになつて来るだろうと思うのであります。そこで本年の六月、七月の水害よりまする被害は、各道府県からの報告によりますると、中小企業の関係だけで約三百億を越えるという報告になつておるのであります。その被害各府県におきましても、それぞれ信用保証協会の保証機能を拡大いたすとか、あるいは金融機関への資金の預託をするというように、いろいろ対策を行つて来たのでありまするが、政府といたしましても、これら中小企業者の災害復旧につきましては、大体次のようなことをやつて来ておるのであります。なるべく要点をしぼりまして簡潔に御説明を申し上げたいと思いまするが、しばらくお聞き取りを願いたいと存じます。 まず水害地におきまする金融機関の資金源の増強という問題でございまするが、まず第一には、開発銀行によりまする水害復旧の特別融資をいたしたのであります。中小企業の復旧融資のために開発銀行に融資特別わく——その内容といたしましては、九州、中国地区には十億五千万円、近畿南部地区には一億円、これだけのわくをつくりまして、被害中小企業者に対しては六分五厘という比較的低利によつて貸し出させることといたしました。また九月末現在までこの特別わくによつて貸付の決定を見ましたる件数は、百七十九件、金額にしまして、三億六千三百七十万円ということになつております。なおその後の新しい調書が今来ましたのを御報告申し上げますと、十月二十日現在でありますが、決定件数が三百七十七件に上つておりまして、金額にいたしまして七億一千四百十八万円という数字が今出たのであります。 なおこの特別わくによりまする資金の貸付は、先般中小企業金融公庫の発足によりまして、同公庫に引継がれることになつたことは御承知の通りであります。それから引続きまして商工中金によりまする復旧特別融資といたしましては、水害の発生後ただちに水害復旧資金として、九州、中国地区に対しましてはさしあたり十億円、近畿南部地区に対しましては三億円を貸し出す方針のもとに資金の準備を行つたのでありまするが、九月末現在の数字を申しますと三百八十二件、金額にしまして八億九千二百二十四万円の徹宵を行つておるのであります。 第三番目に国民金融公庫によりまする水害地復旧特別融資といたしましては、九州中国地区については十億円、畿南地区につきましては一億円の特別融資わくを設定して年六分五厘の利率の資金を、融資することといたしたのでありまするが、九月末現在までにおきまして直接貸しが、五千七十件、金額にして六億七千十三万円、それから代理貸しといたしましては、九百四十九件、金額が一億四千六百六十八万円、合計いたしますると、件数にして六千十九件、金額にしまして八億一千六百八十二万円、かような数字になつております。 第四に、政府の指定預金の引揚げの期間の延長及び新規預託の問題につきまして御報告いたしますると、被災地西日本におきまする相互銀行及び信用金庫に対する指定預金、これは六月末に期限が到来分三億二千七百万円でございますが、それの引揚げを一箇月延長いたしまして、さらに七月末までの到来分二億二千七百万円、この相互銀行、信用金庫に対しまして三箇月引揚げを延期いたしたのであります。ただいまの二億二千七百万円のうち、五千万円は近畿南部の地区になつております。なお新規預託分といたしましては、西日本被災地の銀行、商工中金、相互銀行、信用金庫に対しまして、合計二十五億円、畿南地区に対しまして五億五千万円の預託を新規に行つたのであります。以上が大体金融機関に対しまする資金源の増強という問題でございます。次に申し上げたいのは、中小企業信用保険に関する特例の件であります。これは第十六国会におきまして、中小企業者の災害復旧資金に関して、保険料の軽減及び保険による填補率の引上げ等を目的とする信用保険法の特例に関する法律が制定公布されましたので、同法施行令によつてその適用地域を、奈良、和歌山、山口、福岡、佐賀、長崎、熊本及び大分県を指定し、保険料の額は一般の三分の二に引下げたのであります。なお本特例法の利用状況は、十月十七日現在におきまして融資保険六十九件、一億八千五百五十五万円、金融機関の保証保険四件、一千二百万円、信用保証協会の保証保険が三百二十二件、一億二千七百四十四万円という数字が出ております。 次に被害小企業者への融資に対する利子補給の問題でありますが、これも前国会におきまして被害小企業者に対する資金の融通に関する法律が制定公布されましたが、本法の趣旨は、被害小企業者に対して二十万円の範囲内の復日事業資金の昔入れについて、県が年五分の利子補給を行つた場合においては、国がその半額を県に補助せんとするものであります。本法の施行政令はごく近きうちに公布する予定でおります。大体その指定の地域は信用保険特例法におきまする指定地域と同一のものにいたしたいと考えておるようなわけであります。 それからその次には、国有機械の譲渡等に関する特例について申し上げますが、これも前国会におきまして、被害中小企業者に対しましては、有利な条件で国有機械を譲渡しもしくは貸し付けまたは損害を受けた機械と交換する等を目的といたしまして、国有機械の譲渡等に関する特別措置法が制定されたのであります。なおこの問題に関しましては、その施行政令をできるだけ早く公布したいというので、今大蔵省と打合せ中でございます。以上が本年の六、七月の水害に際しての中小企業に対する対策の概要であります。 続いて第十三号台風によりまする被害に対しましての中小企業復旧対策の概略を申し上げます。これは各通産局からの報告によりますると、中小企業関係だけでおよそ二百七十億を越えるという報告が参つておるのであります。そこで政府におききましても、その災害復旧を促進するために、とりあえず次のような措置を講じたのであります。第一に、中小企業金融公庫による災害復旧の特別融資といたしましては、七億円の特別わくをつくりまして、愛知、和歌山、三重、京都、大阪、福井、奈良、滋賀、富山、兵庫、石川、静岡の各府県における被害中小企業者に対しまして年六分五厘の利率によつて貸し出せることにいたしたのであります。次に商工中金によりまする復旧特別融資といたしましては、大阪、京都、和歌山、滋賀、愛知、三重、石川、福井の各府県に対しまして八億円の特別融資わくを設定いたしたのであります。第三に、国民金融公庫による災害復旧特別融資といたしましては、五億円の特別わくを設定いたしまして、これは大阪、京都、奈良、和歌山、滋賀、愛知、三重、福井、富山の各府県の被害中小企業者に対して貸出しをすることにいたしたのであります。 最後に政府指定預金の引揚げ延期及び新規預託の問題としましては、被害地におきまするところの銀行、商工中金、相互銀行、信用金庫に対する指定預金、これが十月中に期限到来のもの約十七億でありまするが、これを三箇月延期するとともに、新規預託分としまして、被害地の銀行、商工中金、相互銀行、信用金庫に対しまして合計十五億円の預託を行つたのであります。なお、六、七月の水害対策として行いました信用保険に関する特別措置、それから被害中小企業者への融資に対する利子補給、並びに被害中小企業者に対する国有機械の譲渡等に関する特別措置と同様の措置を今回の十三号台風の被害に対しましてもとることについて現在事務的の検討を進めていることを申上げたいと思います。 ごく概略以上申し述べたようなわけでありまするが、さらに詳細な点にわたりましては御質問に応じてお答え申し上げたいと思います。
○永井委員 ただいま伺いましたのは水害に対する対策でありますが、冷害に対する対策は今までどのような措置を講じて来たか、今後ともどのような措置を講ずるか、それらの点について伺いたいと思います。
○岡田説明員 冷害対策についての御質問にお答え申し上げたいと存じます。冷害の関係につきましては、確かに被害を受けました農村が収入が減るという関係から、その農村を対象にいたしました商工業者が、売掛金が、つまり売つたものが予定通り代金の回収ができないとか、あるいはまた今後の売行きが減少をいたすであろうというふうな意味合いから、この冷害を受けた農村と直接関係のありまする商工業者に対して、水雷地に準じた対策を講ずるようにというふうな御要求があるわけでございまして、私どもといたしましても、この冷害地の関係の商工業者に対しましては、被害を受けました農村と同様に深甚の同情の念を禁じ得ないものがあるのでございます。しかしながら、水害対策を分析してみましても、私どものいたしました対策は、すべて水害によつてマイナスになつた面、破壊を受けました面の復旧を助成するという面に限局をされておるのでございまて、水害によりまして冷害と類似の損害もあわせてあつたと思うのでありまするが、その分につきましては直接に特殊の操作をいたすということをいたさなかつたのでございます。そうしてこの水害地の関係におきましても、たとえば農村方面と直接取引をしておりました商工業者の売掛金がたまる。そうしますと、その商工業者の方ではさらに、大阪でありますとかその他の方面におきまするところの仕入れ地から物を買いました買掛金の支払いが困難を来す。こういう一連の循環関係がもとよりあつたわけてございますが、それらは手形決済をある程度延期いたしますとか、通常の経済状態におきまするよりは、商工業者の流通過程におきましてこれをある程度調整するという操作が現実に行われた。同時に政府におきましても、さような流通過程におきまするところの決済の調整ということを大いに側面から助長いたすというような施策は金融政策その他からいろいろと行われていたわけでございますが、現実においてこの決済関係は流通過程において適当に処理されて現在に至つておる状況でございます。一方におきましては、復旧工事でありまするとか諸般の水害円係の対策が着々と進行いたしまして、ある程度の金が地元に流れるということと相まちまして、何とか現在までそう遺憾な状態を現出いたしませんでしのいで来ておる。かような現状を冷害の方に振り返つてみまして、やはり冷害農村に関係の直接ございます商工業者の売掛金、また売掛金がなかなか回収できないことによつて生ずる、それら高工業者がさらに大集散地との結びつきにおきますところの買掛金の処理という気うな一連の問題は、一方において流通過程におきますところの調整作用によつて、ある程度合理的に処理される可能性がやはり見られるのではないか。一方において冷害対策といたしまして、本来の農村対策あるいはこれと関連をいたしますところの土木その他の公共事業その他のものが、これから逐次実施されますることによりまして水害地と同様な作用が冷害地関係におきましてもまた行われて行くのじやないか、さようなことによりまして、冷害を受けました農村の方の対策が進むに従つて、大体の関係は水害地と同様なおちつきになるのではなかろうか、こう見通しをいたしておるのであります。今までのところ冷害地の農村に対する売掛金関係を直接の対象といたしました特別の商工関係の救済方策というものは、やつておらぬのが現状の段階でございます。今後の推移によりましてどうこうという問題はしばらく別といたしまして、現在の段階の状況並びにその考え方というものを一応申し上げた次第でございます。
○福田(一)委員 関連して。ただいま同僚永井君からの質問によりまして過般の九州水害並びに第十三号台風に伴う災害に対する中小企業金融の一応の状況の御報告を承つたわけであります。そこで私はひとつこの際お伺いいたしたいのでありますが、今回補正予算が提出に相なりましたけれども、この補正予算のうちには、私の承知いたしておる範囲では、中小企業金融関係の数字は何にも出ておらなかつたように了承いたしております。ところが今回農林関係の方も同じく被害を受けて、これにもいろいろの農林中金その他から金融的な措置が講ぜられ、農対救済の道が講ぜられておつたのでありますが、これについては何らかの措置が講じられておつたように了承いたしております。そこでまずお伺いいたしたいことは、一体政府としてはこの商工関係、いわゆる中小企業金融関係について、今回の水害においては何ら予算的な措置を講じないでもよいという御判断に立つておられたのであるかどうか、この点をひとつ政務次官からお答えを願いたいと思います。
○岡田説明員 お説の通り補正予算の関係におきましては、直接中小企業関係の予算項目としては上つておらぬのでございまして、しいて申しますれば、中小企業等協同組合の協同施設に対しまする補助金、これは二十八年度予算といたしまして二億円計上されているのでありますが、今度の財源を捻出するという趣旨から、その他の補助金と同様に一割の減を見ましたのでございまして、減つた方は載つておりまして、ふえた方は載つておらぬという状態になつているのであります。私どもの方といたしましては、この二千万円に関しましては、九月の面を削られるのは、他の補助金も一律であるからやむを得ぬといたしましても、中小企業の現状から見ましてこれを削るということはどうもならぬということで、いろいろと折衝いたしまた上で、一方において水害で被害を受けました中小企業の共同施設が多数あるわけでございます。従いましてこの二千万円の金というものを、被害を受けました共同施設の復興助成金の方に振りかえるというような方向で、災害予備費の中に一部この二千万円程度のものを組んでいただくように私どもとしては大蔵省に折衝しているというのが現段階でございます。今御指摘の融資の関係でございますが、農林漁業の金融公庫の関係におきましては、たしか二十五億円程度のものが災害融資にこの公庫が出した穴埋めといたしまして補正予算に計上されておつたと思うのでありますが、われわれの公庫は、本来でございますれば四月から発足するという建前で、百五十億の資金量を持つて発足する予定でございましたものが、法案の成立が遅れました結果、この発足が九月の中ごろに延期することになつた。四月から九月までの間は日本開発銀行におきまして、従来引続き五億のわくで細々と中小企業向けの長期資金、特に設備資金の貸出しをやつて来た関係でありますから、どつちかといえば中小企業金融公庫におきましては、開店後の資金繰りはやや楽であるというふうに見得るわけでございます。また一方におきましては、災害の関係におきまして、御指摘になりました西日本の関係で十一億五千万円のわく、十三号台風の関係で七億のわく、合計十八億五千万円のわくを一方において出しておる。また第三、四半期におきましては、代理店の関係におきまして約六十億見当のわくを出しておるということは確かでございますが、それが具体的にどの程度わくが消化されるかという見通しも、実は開店早々のことではつきりもいたしません関係がございます。さように開店が遅れましたために、多少資金繰りに本来の四月から始めておつたときよりは余裕があるという点、また実際現在出しておりますわくがどの程度に消化されるかということが具体的にまだ目安がつきかねる点、それらの点を考えまして一方また国庫におきましても非常な窮迫な状況でございますので、補正予算に特に計上せぬでも何とかやりくりできるんじやなかろうかというふうな考え方から、中小企業金融公庫の関係におきましては、特別に予算措置をとるということをいたさなかつたのでございます。しかしながら、もしこの出されましたわくが全部消化されてしまつたとしたらどうなるかということになりますと、第四四半期におきましてはかなりきゆうくつな状態に相なることはやむを得ないのでございます。現在のところはさような状態でございますので、特に予算措置はいたしませんでしたけれども、何とか行くんじやないか。今後の推移を見ながらやつて行きたいというふうな状態に相なつておるのでございます。なお予算の関係で一口二十万円以下の小口の貸出しに対しまして先ほど政務次官から申しました、府県が年五分までの利子補給をいたしました場合に、国でその半分を補給するという利子補給の関係も、やはり予備金支出の関係で含まれて予算に計上されておる点がございます点を申し添えておきたいと思うのであります。
○福田(一)委員 ただいまの答弁で、政府側が今回の水害について相当の考慮を払われておつたという実情は明瞭になつたと思います。しかしそれであるからといつて、今の御答弁だけではどうも私不安の念を覚えます。まず第一に公庫の発足がおそかつた。九月から発足したのであるからそこで資金も相当潤沢に余つておるであろうという観点に立つて今回は予算措置を講じないでも何らかの道が開けるであろう、こういう点に大蔵省との話合いがあつたように承つたのであります。実を言うと、この中小企業金融公庫の資金というものは非常に足りないということでありまして、われわれの友党である改進党とも話をいたしまして、前の補正予算の場合においてもこれには増補の措置をとつたのですが、そのときもわれわれは、これで十分であるというようなことは一度も言明したことはない。もつと出してもらいたいというつもりでやつて参つたのであります。ところがそれであるにもかかわらず、そのときのいろいろの事情でもつてあの程度の増額でおちついたわけであります。そしてさらにその後において台風十三号がやつて参つたということになりますと、明瞭にこの資金が足りないということは今から十分予測できると思う。そういう十分予測ができるにもかかわらず、これを予算に計上されなかつた。一方農林省の関係の方はどうかといいますと、農林中央金庫はずつと年度初めからやつておりますけれども、とにかく二十五億円というものが今度の補正予算に計上され、それは衆議院を通過したのでありますが、その当時の予算折衝の経過などを聞いてみますと、大蔵省の方ではよけいな予算はあまりこれに計上しておらなかつた。まあ農林中金に十億円くらいは出さねばなるまいという意向でおつたようであります。ところがその後いろいろな折衝の結果、これが二十五億円というように十五億円の増加をした。こういうことを見ますと、農林省の方はこの問題について非常に真剣であつたけれども、通産省の方は中小企業金融に関してはどうもあまり熱心ではなかつたのではないか。何かそこにもう一歩踏み込んでやらなければならなかつたのではないか。あるいはもう少し踏み込んだ話をされておつたにかかわらず、今それを発表することは非常にむずかしい、あるいは将来のことであるから何も言えないとかいうようなお考えがあるかもしれないとも思いますが、この年末を控えまして中小企業金融というものについては非常にみな関心を持つており、非常に心配をいたしておる今日の段階でありますから、とにかく十八億五千万円は見込み通り行くとしても、年度末には非常に苦しくなるかもしれぬが、まあそのときには何とかということでは、私はどうも満足してけつこうでございますといつて引下るわけには行かない。ですからもしそういうことがあるとすれば、この点について大蔵関係との交渉の経緯その他をもう一度御説明願いたいと思います
○岡田説明員 その点につきましては、私どもといたしましては先ほど申し上げましたように、現在出しておりまするわくの関係、たとえばお話の順序といたしまして公庫の最近の資金繰りを申し上げてみますると、ことしの出資金が百三十億でございまして、資金運用部資金からの繰入れが二十億計百五十億というのが大体資金運用量として本年度予定されておるものでございます。そのほかに開発銀行から債権を引継ぐということになりますれば、過去の復金でありますとかあるいは見返り資金でありますとか、あるいは開発銀行自体が貸したものでありますとか、いろいろ債権の引継ぎをいたすのでございますが、それに伴いまして元利の回収高がどのくらい見込み得るか、当初におきましては約十億程度あるんじやなかろうかというふうに胸算用いたしておつたのでございますが、公庫ができても、人数がいかにも五十七人程度でございますし、開発銀行との間におきます債権の授受の関係が非常に複雑でございます。これがある程度遅れましたために、当初十億と見込みましたものがあまり期待できないような状況になつております。これはまだ未知数でありますからないものとして考えますれば、百五十億が来年三月三十一日までの資金の総運用量ということになるわけであります。それに対しまして当初から予定されていたものといたしまして、二十億円という商工中金に対する貸付金を出資に振りかえておりますので、これを差引かなくちやならぬ。それから日本開発銀行というものは中小企業向け貸出しを昨年度末、ことしの三月三十一日でもう打切りまして、公庫が発足するならば、四月一日以降は開発銀行の貸付業務というものはもうそう長く続くまい。かりに続きましても、それは公庫が買い取るんだという建前で開発銀行は中小企業貸出しの引継ぎをやつたのでございますが、それが九月まで延びました結果、四月から九月まで毎月五億といたしまして、三十億の金を開発銀行が出しておるのでございます。これは公庫が現金で買い取らねばならぬものであります。それから西日本関係の災害融資といたしまして、日本開発銀行を通じまして十一億五千万円のものを出しております。これもまた公庫が現金で買い取らねばならぬ関係でございますので、開発銀行から債権を現金で買い取る関係のものが合計四十一億五千万円ということに相なるわけであります。それから第三四半期分のわくといたしまして現在各代理店に出しておりますものが、詳しく申しますと五十五億九千九百万円ということに相なるのであります。それから自転車のわくといたしまして特別のわくがあるわけでございます。これは別に中小企業として自転車もあるのだということではございましようけれども、多少運用に特殊の操作を加えます関係もございますから、これを一応はずす。また、十三号台風といたしまして、これは公庫が直接に各被害地域に出しましたものが七億円ございます。それから公庫が九月に発足いたしまして、今申しました第三・四半期のわく設定に至る九月までの間に貸出しが決定いたしましたものが十一億ある。そういたしますと、今すでにわくないし決定済みのものとして総計いたしますと、百三十九億四千九百万円程度のものが一応ひもつきと申しますか、もう決定したものないしはわくとして予定されたものでございますから、差引きますと、十億五千万円程度のものに相なるわけでございます。従つて、水害関係の十八億五千万円ないし第三・四半期の五十五億九千九百万円というふうな、まだ内容が固まつておりませんところのわくが今後どのような消化ぶりを示すかということによりましては、この十億五千万円というものがどうなるかということと関連を持つわけでございますが、いずれにいたしましても、第四・四半期において非常な苦しいやりくり状態にならざるを得ないということは、これは避け得ないのでございます。そこで補正予算に出さなかつたのはどういうわけだという御質問と関連をいたしまして、ただそのわくがおそらく五十五億九千九百万円は出ないであろうから、それからある程度見込めるんだとか、あるいは十八億五千万円来るけれども、その中の半分くらいは残るであろうからということをここで申し上げたのでは、どうもこれは公庫としては、大いに出すという建前に立つべきものが、金が残るであろうということを予測して云々するというおしかりを受けると思うのであります。予算をやらぬということになりますと、いよいよそういうふうな点がぎりぎりに押し詰められるとどうするかということになりすれば、これは様子を見ねばわかりませんけれども、多少ゆとりのある分といたしますれば、開銀の買取り分が、四十一億五千万円あるという点でございます。政府の法律上の義務といたしましては、公庫は開発銀行の債権を買い取るわけでございます。その時期につきましては、政令に委任されておりますので、この資金の実際の動きを見、また一般開発銀行の資金繰り等を考え合せまして、事情が許す範囲内におきまして、これの資金を来年度に一部遅らすというようなことができるかという点を検討いたしますれば、それによつて、しいて予算的措置をやらぬでも、第三・四半期におきまして、ある程度の資金繰りができるということに相なろうかと思うのでございます。さような変則なことは、なるべくやりたくはないのでございますけれども、国庫の現状その他をにらみ合せまして、最悪の事態には、さようなことも考え得るという最後の腹づもりから、この際、政府としても非常に苦しい御状態でありますから、何とか行けるならこの際予算措置は見合せておこうということで、現在の状況に相なつたわけでございます。
○福田(一)委員 ただいまの説明を聞いておりまして、大体了解いたしたのでありますが、私は、今の資金繰り、いわゆる中小企業金融公庫の資金繰りでもつて、第四・四半期に至つた場合に、四十億円金ががかる一応の想定であるのに、わずかに十億五千万円の金しか残らない資金繰りになつている。こういう点から考えてみますと、ほんとうは今回の補正予算において当然農林中金へ対応いたしまして二十五億円ないし三十億円の補正予算を提出してもらう必要があつた、私は、なおそういう考えを持つものであります。私も実は農村出身でございますが、最近の実情を見てみますと、農村に対する施策というものが、非常に厚い。いかなる面におきましても非常に厚くなつています。ところが、中小企業者に対する施策は、農村に対する施策に比較いたしてみますと、どうも薄いのである。これは新聞関係の論調その他を見てみましても非常に厳正公平な意見として、こういう意見が大分出て来ている。私は政治というものは、これは何としても公平であり、公正でなければならぬと思うのでありまして、力が強い面から押されるからといつて、それに屈しておるというのでは政治にならない。たとい声が出なくても、また力が出ていなくても、その弱いものの味方に立つて処置するということでなければならないと思う。こういう意味から言えば、今の通産省の立場というものは、非常に重大である。通産省は、バツクのないもののために働くということは、非常につらいけれども、そこにほんとうの政治家としての見識があり、またそこに値打ちが出て来るのだと私は思うのであります。こういう意味から言いますならば、今回の補正予算において、農林中金に二十五億円を出すならば、せめて五億円でも、十億円でもそのうちの資金をとつて、そうしてこの中小企業金融公庫の方へつけてこそしかるべきではないか、私はこういう結論を出さざるを得ないのであります。しかしながら、ただいま聞いてみますと、そういういろいろの問題もあるけれども、いろいろ考えられた上で、どうも今の国家財政の状態その他を勘案してみて、なかなかそれも、農林中金もなお必要とし、またここで中小企業金融公庫も必要とするということになれば、その財源が非常に苦しいということであるから、やむを得ざる便法として開発銀行に対する債権をこの中小企業金融公庫が買い取る時期というものは、法律で明定されていない。というと、ほんとうは金を借りれば返すのが当然でありますけれども、それが法律にきめてないから、今年度内に返さないでもいいだろうというのは、これはある意味でいうと非常な便法になります。便法ではあるけれどもともかくそういう便法があるから、それによつて、いざどうにもならなくなつたら、開発銀行に返す借金を、とにかく来年度に繰延べよう、こういうことによつて、中小企業金融をどうにか打開して行こう、こういうお考えであるというふうに感じれらる、私は、それもやむを得ざる便法としては、いたし方がないと思います。しからばちよつとお伺いいたしますが、万 一そういう場合が起きた場合には、開発銀行の資金繰りは非常に苦しくなるのじやないかと想像されるが、これについてはどういうお考えを持つておられますか。
○岡田説明員 確かにその点もございますけれども、金額といたしまして、開発銀行の資金は本年度八百億円を越える金額でございます。いずれランニング・ストツクといたしまして、来年度に送り込まねばならぬ金も若干はあろうかと思います。しかもこの期間は、金が没になるという関係ではありませんで、一月ないし一月半程度こちらの支払いをかりに延べるという事態が起つたといたしましても、開発銀行としては、それを目当にいたしまして貸出しの決定をすることは、さしつかえないと思うのであります。そういたしますれば、市中のつなぎもできるというような関係もできましようし、私は人のふところぐあいをかれこれここで申し上げることは、はなはだ失礼と思うのでありますが、通産省その他でいろいろと検案を加えてもらつておるのでありますが、これが半年も一年も延びるということ、あるいは非常な多額の金額ということになりますれば、大問題であろうと思うのでありますが、金額も比較的小さい点でありますし延ばしてもらう期間も比較的短期間であるという点から、やりくりはできるのではなかろうかと期待をいたしておるのであります。できるだけさような変則なことはやりたくないのでありますが、いろいろと押し詰められました結果、法律上の措置といたしまして、特に不都合のない方法として、さようなこともやり得るということでございますので、一応当面の苦境は、万一の場合はさような方法でもやり得るというふうに考えておる次第でございます。
○永井委員 先ほどの長官のお話では、冷害対策あるいは災害対策については、本国会において特別な措置は講じなかつた、冷害対策については、特別の措置はしない、しかし流通過程において自然に調整せられるのだ、その流通過程における自然調整を期待する、こういうような御答弁であつたと思うのでありますが、それは確かに自然調整はできると思います。できる、できないといつても、それはそのようにならざるを得ないのであつて、決して中小企業が安定した形で調整されるのではなくて、しわ寄せされた、そうして落ちるものは落ちるつぶれるものはつぶれるという形において、自然の調整がなされる、こういう結果が現われて来ようと思うのでります。これらに対して何らそういう落ちるものは落ちろ、適者生存だ、弱肉強食の自然競争に放任して、それでよろしいのかどうか。そういうことを期待して放任してあるのかどうか。中小企業に対する基本的な態度を、一点政務次官と長官から伺いたいと思います。流通過程における冷害対策その他は、いろいろ実害はあるだろ。しかしそれは自然の調整ができるから、こういうことで放任しているのだ。こういうことはよろしいのかどうか、これの基本的な態度を伺いたいと思います。
○古池政府委員 ただいまのお尋ねでありますが、私どもといたしましては、中小企業が、弱いものは自然に落ちてよろしいというふうには決して考えておらないのであります。ただ問題は、冷害の直接被害をこうむりまするのは、第一には農業に従事しておられる方であります。従つてその方の救済をまずやりますれば、それによつてこの農村を対象といたしておりまする中小企業の方にも、おのずから金はまわつて来る。これが先ほど長官からも御答弁いたしました、自然にその間の調整ができる、こういう意味でありまするので、決してわれわれは中小企業をおろそかに考えるものでもないのであります。まず冷害というその現実の面からいえば、何としましてもこれは農民が一番直接の被害をこうむられるのであります。従つてその救済によつて、自然に中小企業の方にも調整されるということを期待しておるという意味のことを申し上げたのでございますから、さように御了承を願いたいと思います。
○岡田説明員 ただいま政務次官の答えました点につきまして申し上げてみたいと思うのであります。私どもといたしましても、かような状態になつておりまする中小の商工業者が、非常に苦しい立場にあるということにつきまして、これに目を閉じようというわけではないのでございまして、冷害対策という意味における直接の方法は、特に水害との関連におきましても、この際はやらないということを申し上げたのでありますが、一方におきまして、中小企業金融公庫というものができておりまして、九月十一日から開業いたして、その陣容の整備ないしは大府県とのつながりの強化が期待できるというふうな時期までの間、さしあたりの問題として、いわゆる長期運転資金の貸出しをある程度しぼつて参つたのでございまするが、特に年末も控えますし、また御指摘の冷害あるいは水害等の関係もございまするので、最近長期運転資金の貸出しをやるというふうな段取りにいたしたのでございます。ただ長期運転資金とははたして何ぞやというようなことにつきましては、いろいろ議論もございましようが、要するに現在の中小商工業者の経済の中味を見ますると、非常に資本構成が不健全、不安定な状態になつておる。仕事はある程度まともに動いてはおるのだけれども、他人資本と自己資本との比率が非常に多い上に、借入れ資本のうちにおきますところの短期資金と申しますか、流動資金の比率が非常に多い。流動比率などから見ましても、大体は一〇〇ないし一〇一くらいのものが特に商業では多いのでありますけれども、かような状態におきまして仕事をやつておられるのでは、非常に仕事が安定できないであろうという趣旨から、今度の公庫の長期運転資金の貸出しに際しましては、資本構成を適切にするために、長期運転資金というふうなものは、取上げてやろうというような建前にしておるのであります。その他二、三、たとえば災害復旧のための金であるというふうなものも、長期運転資金として貸し出すような建前をいたしておるのであります。この公庫の長期運転資金の貸出しが始まつたというふうなことにつきましても、これは直接冷害の対策として打出すものではございませんけれども、これらが適切に運用をいたされますならば、ひいては冷害を受けました地方におけるところの中小商工業者の、先ほど申しました流通過程における決済の自然調整というものの中におきまして、かなりな役割を演じ得るのではなかろうかというふうにも考える次第でございます。 なお冷害と水害とでは、少くとも水害の場合におきましては、物的な直接の被害があるという反面におきまして、これの復興という意味において、金の動きが冷害の場合よりは多いというふうな差は、ある程度認めねばならぬかと思いますが、九州方面におきます災害地域におきましては、その後の経緯を見ますと、預金高等においてもある程度の伸びを見せております。そういうふうな点から見まして、災害対策それ自体の実効が、着々と進んで参りますならば、先ほど申しましたようないろいろな関係から、ある程度のそう無理のない形における調整作用が行われる。これは弱者は亡びてしまえというふうな趣旨の調整作用ではないのでございまして、比較的無理のない形における調整作用が、九州方面における水害地帯においては現実に行われておるのでございます。さような趣旨のものが冷害方面におきましても行われ得るでありましようし、さような方向に、われわれとしてもまたできる限りの努力をいたさねばならぬと、こういうように考えておるのであります。
○永井委員 長官がそのように冷害に対する実態を認識していられるとするならば、大きな間違いではないか、基本的に大きな間違いを冒しておるのではないかと私は思うのであります。これらの点については、いずれまた後刻いろいろ論響いたしたいと思います。が、災害の場合は地域的な条件でありますから、地域的には非常に大きな災害の形で現われて参りましようが、それに対する復旧の対策というようなものが、いろいろ行われて参りましようし、金融的な面から見ても、事業的な条件から見ても、あるいはそれに対する復興の国家的な、あるいは地方公共団体を通してのいろいろな措置というものが、活発に行われて来ますから、ある程度計算の中に入れてその復旧が可能であろうと思うのであります。ところが冷害に、ことに北海道の場合における冷害というようなものは、地域的な条件からいえば、その地域全面が同様な被害を受け、しかも一戸の農家の単位から申しますならば、三割あるいは五割の減収である。しかし商店の場合からいうならば、一軒の商店がかりに五百戸の農家のお得意を対象としておるとするならば、その農家全体が、全面的には三割あるいは五割の被害があり、そのしわ寄せが一軒の商店に集中されるという形で、これが表現されて来ておるのであります。従つて冷害に対しても、今後に対する対策としては、単に越冬のための最低の生活費、それすらも今度の国会における議決予算では問題にも何もならない。身を詰めて食えという、こういう予算の決定でありますから、もちろん旧債を支払つたり、あるいは今後新しい消費が起るというような条件は少しもない。北海道全体の地域がそういう条件の中に包まれており、そうして商店あるいは消費者である農家との関連において、そういう形が出ておるのであります。それは相当深刻な形で恐慌が来ておると思うのであります。鉄鋼界あるいは石炭界、こういう一部財閥事業におけるいろいろな経済界の変動がありました場合は、政府は飛び上つてこれらを対象として対策を立てます。大企業をつぶしてはおられない、国家の浮沈に関するというような考え方をもつてこれらの対策を立てますが、こういうふうに全面的な、しかも未曽有の冷害が起つて、それの集約的な現われの一つが中小企業に来ているということに対して、自然の調整で可能であるというような放任主義はわれわれは断じてとれないし、またそういうような可能な限度に現在の被害の実態があるのではないとわれわれは確信いたすのであります。しかしこれらの問題については長官も善意においていろいろな問題に対処せられるでありましようから、ひとつ議論の余地のない北海道なり東北地帯なり、それぞれの地域における冷害の被害の実態をまず把握することが必要であります。私ももう少し事実の把握に努めて資料を提供したいと思いますし、長官においても十分その事実を把握されたい。その事実の上に立つて、いかにするかという議論かつ批判は、それから十分に検討したいと思うのであります。 そこでこの問題はこの問題として次にお伺いするのでありますが、前議会において中小企業金融公庫法の決定にあたりまして、これは中小企業の合理化のための金融機関として長期金融をするのである、この公庫を新設します目的及び今後における運用というものを、そういう了解の上においてわれわれは決定したと考えております。ところがこの金融公庫が発足した、そうして水害と冷害が起つた。そうするとこの公庫を新設しました目的から離れて、主としてこの公庫を水害と冷害の救済の足場にしておる。ここに持ち込んで来ておる。こういう形は断じて許されないと私は思うのであります。中小企業金融公庫がこういう災害の中において、ひとり独立して平常の営業を営むということは、これはできないでありましよう。しかしながらこの公庫の中に、たとえば二十億の資金源の増加をはかる、そのかわり、二十億追加したから公庫は三十億持ち出して五十億の災害金融をこれでまかなえ、こういうような形で来るならばまだ話はわかるのでありますが、資金源は一銭も追加しないで全部この中に持ち込んで、水害と冷害対策をこれだけでやろうとするようなやり方は断じて許されませんし、先ほど聞きますと、開発銀行の旧債の引受けというようなことで現金で支払うというようなことを今急速にやるといたしますならば、これは中小企業金融公庫の運営の問題ではなしに、こういう公庫を通して開発銀行の救済をやつているのだ、こういうふうにもわれわれはとれるのであります。でありますから、この中小企業金融公庫は、新設した当時の目的からは非常にゆがめられた形に運営されておる、こう考えるのでありますが、これに対してどうお考えになるか、長官と、幸い公庫の方から重役がお見えになつておりますから、ひとつ重役という立場で、こういう運営の形でいいのかどうか、これを公庫の責任者から伺いたいし、またこれらの監督の立場にある大蔵省の特融課長からもこれらの問題について伺いたい、かように思うのであります。
○岡田説明員 災害に対しまする公庫からの貸出しが、公庫の本来の趣旨から考えて、いかがなものかという点でございます。公庫といたしましては、建前として中小企業の行う事業の振興に必要な長期資金、そして一般の金融機関が融通すること困難なものを融通するというのが、要約いたしましたる公庫の趣旨であろうと思うのであります。従いましてわれわれといたしまても、この公庫の資金が全部災害関係ばかりに出るということにつきましては非常な疑問を持たざるを得ないのでございまするが、しかし災害を受けました中小企業者が立ち上りまして、その営むべき国民経済上の役割を果して行くというための立ち上り資金——その中小企業が立ち上ることによりましてそれぞれの地方におきまして有益なる働きをする、国民経済上にもまた役に立つことになつて参るということになりますれば、その災害を受けました中小企業者に公庫から資金を貸し出して、それを手がかりといたしまして当該中小企業者が立ち上る。そうしてそれが国民経済の発展にも大いに裨益するものであるということになりますれば、これは公庫全体の資金計画の上からながめながら、ある程度それに見合う資金を貸し出すことは、公庫として当然やつてしかるべきものではなかろうかと私どもは考えるのでございます。ただそれによつて公庫の資金繰りが非常に苦しくなるというふうな点につきまして、もとよりしかるべき対策を講じなければならぬことは御指摘の通りだと存ずるのであります。開発銀行との関係におきまして、開発銀行を救済するような結果になるのではないかという御指摘でございまするが、これは中小企業金融公庫法にもちやんと書いてあるのでございまして、本年の四月一日以降に日本開発銀行の中小企業向けに貸し出しまするところの債権は、公庫ができたならばこれを買い取るものであるということが公庫法に明記されておるのでございます。本年三月三十一日以前のものにつきましては買い取るという関係はないのでございまするが、四月一日以降の貸し出し分につきましては、公庫ができましたならば買い取るということに相なつておるのでございます。これは法律上の義務でございますから債権も引継ぎ、そのかわりそれに見合う現金を開発銀行に交付するという関係に相なるわけであります。私がさいぜんちよつと申し上げましたのは、この債権を引継ぐ、あるいは現金を交付するという関係をいつの日付でやるかということによりまして、万が一の場合におきましては、公庫の資金繰りの操作に資したいということを申し上げたのでございます。開発銀行の救済を公庫の関係でやる、つまり開発銀行を助けるという関係では全然ないのでございまするから、御了承を得たいと存ずるのでございます。公庫を今後ともいよいよ盛り立てまして、十分所期の機能を発揮させることはもとよりわれわれの務めでございます。来年度予算におきましてもさような趣旨から、目下のところ、相当程度の要求をいたしておるのでございまして、衆議院並びに参議院の附帯決議におきましても、来年度においては少くとも相当量の出資ないし、借入れをやるようにという附帯決議もございます。さような趣旨によりまして公庫の内容を充実いたしまて、いよいよその仕事を十分にやらせて行きたい、かような点については申し上げるまでもないのでございまして、災害関係に対しまするわれわれの考え方は今申し上げた通りでございます。
○中野説明員 公庫が発足いたしましてから、この法律の趣旨に従いまして中小企業の合理化——と言うと言葉が少し強過ぎますが、とにかくまじめに中小企業を経営しておる人が資金の面で、不当なしわ寄せを受けて困難が起る、家業が維持できないというものを、だんだん引上げる方向へ、資金の面から奉仕をいたしておるわけでございまして、その点は先ほどお話の風水害、あるいは冷害に対する融資についても、まつたくその方針はわれわれとしてかわつておらないのでございます。全体といたしまして、中小企業界から要望せられる額に比べますと、百億なり百三十億なりという金が乏しいのでございまして、西日本の場合もわずかに十一億五千万円、今回の十二号台風でも七億というわくを特別に設けまして、各府県その他とも連絡をとりまして、積極的にこの被害中小企業者が立ち直るという方面にお貸しをいたしておるわけでございます。ただ、しいて申し上げますれば、一般の貸出しが一割であり、災害融資は六分五厘である。こういうことの点から申しますると、一般に比べまして被災中小企業者に、一種の事実上の特権が与えられておるということは申せると思いまするが、これまた決して救済融資という意味では毛頭ないのでございましてその点を御了承願いたいと思います。なお先ほど北海道、東北等の冷害についてのお話がございました。私も先般東北地方を一巡いたしましたし、他の理事が北海道にも参りまして、いろいろあの地方の冷害による中小企業者の間接の被害という点については、地元からいろいろな御説明も伺い、また北海道庁その他の県からも、しばしば私の方へこれが融資促進についての御要望があるのでございます。そこで私どもの方といたしましては、先般来大体地域的な需要も勘案いたしまして代理金融機関にわくの設定をいたしました。また先ほど来長官から御説明のありました、小口ではございまするが、長期運転資金の貸付も、開始いたしておるのでございます。これらの地方につきましては、特に運転資金に対する要望が、設備資金よりも非常に強いのでございます。これは東海地方、あるいは関西地方に比べますと、東北、北海道においては、資金の回転もおそいし、特に運転資金がほしいという御要望でございますので、今回始めました長期運転資金の借入れの運用よろしきを得まするならば、相当効果が上るのではないかというので、むしろ私の方からは代理機関を鞭撻いたしまして、適当な向きに融資を促進したいと、こういう気持で関係機関とも連絡をとつておるような次第でございます。これらによりまして、私ども積極的に中小企業者の振興をはかるために、貸付を進めて参りまして、第四・四半期、年度末において、資金が非常に少くなつた、足りなくなつたというような場合についても、公庫としては総裁以下いろいろ頭を悩ましておるのでございまして、先般来監督官庁である通産省、大蔵省にも、計数的にもいろいろ資金繰りの点を御説明申し上げまして、次の国会あるいは通常国会等において、予算化ができるものならお願いをし、あるいは他に方法がございますならば、それによつてもけつこうでございます。いずれにいたしましても、年度末までにこの法律の所期するような融資が継続できまするように、いろいろお願いを申し上げ、その趣旨については御了承を願つて、ただいま鞭撻いたしておるような次第でございます。
○有吉説明員 ただいまの問題につきましては、中小企業庁の長官並びに中小企業金融公庫の中野理事からの御答弁がございました通り、これに尽きておる次第でございます。私どもといたしましても、公庫の本来の目的でございまするところの、中小企業者の事業の振興に役立つ資金をお貸しするということに努めて参りたい、かように存じておる次第でございます。災害の復旧資金のお話につきましても、まつたく同様の趣旨でございます。災害によりまして被害をこうむりました中小企業者に対しまして、その事業の振興に幾らかでもお役に立つように、今後とも融資できるように努めて参りたい、かように存じております。問題は公庫に対する資金の供給が少いではないかというおしかりでございます。これは私どもといたしましても十分に検討して参らなければならぬ点でございます。先ほども長官から最悪の場合はというようなお言葉でお話がございましたが、私どもといたしましても、これにたよることなく、今後とも資金の充実については十分研究もいたし、公庫の運営に支障なく、しかも公庫の資金が十分に出て、中小企業の振興に役立つように、努力して参りたい、かように存じております。
○永井委員 ただいまのお話を聞きますと、これは当然であるというようなお話でありますが、私は九州、畿南における風水害に対する十一億、十三号台風に対する融資七億、これは決して金額自体は多いとは考えません。問題にならぬほど小さいと思うのであります。しかしながら、中小企業金融公庫の持つておる資金源の上からいいますと、これは三割以上に該当する思います。さらにこのほかには、競輪による当然支出の四億というものも含まれており、さらに先ほどの御説明によると、開発銀行より現金で買いとらなければならぬものが四十一億五千万円ある。そういたしますと、ほんとうにこの公庫を創設して、中小企業の合理化に役立つための資金として流すという資金源は、現在資金のわくの中に何もないじやありませんか。風水害及び冷害に対する対策というものはこれは特別なものであつて、正常なものではありません。従つて、これは別途の条件で考えるべきものであつて、既設のそういうものを対象としないで、新設されたこの公庫がそれらのものを全部引取つて、ここでやらなければならぬという性質のものではないのでございます。もしそういういうことをやるならば、今度の風水害、冷害に対して中小企業の対策としての特別な施策というものは、何もない、ゼロであると言つてさしつかえない。何か中小企業のために風水害及び冷害に対する特別の措置が講ぜられておるかというと、何も講ぜられていない。しかも施設のこういう少い資金の中で、これだけ四十一億五千万円は開発銀行に出さなければならぬ金である。四億円は競輪だ。十八億円は風水害に対するわくだ。そういうふうにしたならば、何ぼ冷害に出す、何に出すと言つても、資金がないじやありませんか。こういう固定したような、少しも流動性のない、融通性のないわくのきめ方というものは、公庫の運営というものは、これは最初創設した当時の考え方とはまつたく違つた方向につつ走つておるものでありまて、われわれは現在の内閣が風火害及び令書に対て、何ら誠意ある対策をしない。そのしわ寄せをここに持ち込んでおる。従つて中小企業に具体的にはプラスになる対策は、何も出していないのだ、こういうふうに了解していいと思うのです。先ほど公庫の理事からもお話がありましたが、非常に冷害対策についてもどうこうと言つたけれども、そういう資金は一体どれだけ用意できるのか。それから正常な形における、一体中小企業のこの公庫を新設したときに、われわれが対象としていろいろ考えたそういう面に対する資金のわくというものは、手持ち資金の中からどのくらい大体考えられておるのか。それをひとつ伺いたいと思います。
○岡田説明員 ただいま御指摘になりました点で、若干私の申し上げた点で徹底を欠いておつたような点もございますので、補足して申し上げたいと思うのでございます。開発銀行の買取分四十一億五千万円と申しますものは、その中に十一億五千万円の西日本災害を含んでおるのでございます。従いまして災害関係といたしましては、開銀買収分四十一億五千万円の中にありまする十三号台風で出しました七億と十一億五千万円であります。開発銀行の残りの二十億と申しますのは、形をかえて申しますれば、公庫にかわりまして開発銀行が四月から九月までの間一般の中小企業者に対して貸出しをいたしました設備資金の分を公庫が買い取る、つまり公庫が四月から小規模ながら月五億程度で九月まで中小企業者の設備資金を出して来たのを、開発銀行の窓口を借りたという形でございますから、この三十億の関係につきましては特に別にはずして考えるというふうに考えないでもよろしい性質の金であろうか思うのであります。従いまして災害関係を除きますれば、百五十億のうちから十八億五千万円というものと、商工中金に対しまするところの出資金の二十億、合計三十八億五千万円、これ以外のものは、全部災害とは無関係の普通の中小企業者のものに現実に出る金というふうにお考えを願いたいのであります。
○永井委員 ことしの借入れ計画はどのくらいですか、それをひとつ伺いたい。
○中野説明員 ただいま長官からお答え申し上げたことと重複するかと思いまするが、政府出資百三十億のうちで、開発銀行が代行いたしました分、それから西日本の十一億五千万円を差引きますると、九月十一日同公庫が業務を開始しましてから、手つかずで私の方の手で新たに貸し出し得る金額が九十億ちよつと切れるという計算になります。かりに九十億とこれを押えましてそのうちから今回七億の十三号台風のわくがございます。それにかりに自転車産業向け四億をこれまた別わくと見ますと、約十一億、これを千億と見まして約八十億が中小企業一般に運転資金と設備資金を合せて来年の三月末までに貸出し得る財源になる、そういう基本を立てまして、資金の配分をいたしておるような状況でございます。つまり貸付計画をそういう数字的根拠において立てておるわけであります。借入れ計画につきましては、予算総則で二十億の資金運用部資金の借入れ計画がございますので、これをお願いいたそう、さように考えております。その他それにさらに不足する分につきましては、いろいろ資金計画を申し上げておりまするが、私の方と監督官庁との間に、幾ら借り入れるという、予算的措置をどうお願いするかということについては、まだ結論に到達しておらぬような状況でございます。
○長谷川(四)委員 もう一つ長官に伺いますけれども、長官の勘定と合わないじやないか。長官は一箇月大体五億という目安でやつておる、そうすると今のお話で行くと、九十億から十億差引いたものが八十億になる。八十億になつたら月に五億という勘定はどこから出て来るのですか。
○岡田説明員 五億と申しましたのは、本年の四月一日から、九月に公庫が店開きいたしますまでの間約六箇月間において、従来に引続きまして開発銀行が設備資金を月五億の割合で出しておつたわけであります。それですから半年間で三十億というものが開発銀行の窓口を通じて出たものであります。それと西日本関係の災害に対しましては、公庫がまだできておりませんでしたので、開発銀行を通じまして十一億五千万円の災害融資をいたしました。それを合せましても四十一億五千万円というものは開発銀行が公庫にかわつて中小企業者に出した金でございますから、これは公庫ができましたあと現金で買い取るべき財源に相なるというわけでございます。公庫ができましたあとは五億というふうな制限とか、五億のわくでやるということは全然無関係でございます。
○長谷川(四)委員 公庫というものが四月に発足しなければならないものが九月になつたんだ、それはその通りであります。その通りだということになれば、その間開発銀行が融資をしておつたのだからそれを買い取ることになるのだ、そうなると、今度九月十一日からは公庫が絶対責任を持つて金融をしなければならないはずのものである。ところがその数字はどうしても少し食い違いがあるように考えられる。たとえば決議案において、三百万円ということがあつたというのであるが、災害等で支出したから、それは百万円という程度の通知を出した、こういう意味でございますか。あなたの方は最初には個人に一千万円借してやるというので、たいへんえらい金持らしかつた。ところがそういうふうなことでなく、大勢に貸してやるために三百万円を最高としてやつてもらうようにしていただきたいというのがわれわれの考え方であります。そうするときのうから、首藤さんのお話だと、大体百万円限度よりも今度はなるべく融資額を下げたい、最高百万円より下げたいというような通知が出たという話を聞いておる。私はそれを調べたのではないから事実かどうか知らないが、そういうことであつた。それはつまり一定の資金源というものの中に災害という突発的なものができた。それに対して融資をしたからそれで資金源というものが必然的に少くなつて来たわけであります。それで今言つたような額のようなものにする考えでやつたのか、こういう意味でございます。
○岡田委員長 私の申し上げた数字が食い違つておるということでありますが、どの点でございますか、御指摘をいただきますればさらに申し上げたいと思うのであります。今の百万日の問題でございまするが、これは私どもの考えと申しますか、法律上のことよりは業務方法書その他によりまして、貸出しの最高限度は一千万円でございますけれども、一千万円でかりに百五十億を全部貸すといたしますと、千五百件貸せることになつて百五十億になるわけでございます。さようなことに相なつてはならぬというふうに考えるのでありまして、衆議院の附帯決議におかれましては、中小企業者になるべく広く均霑せしめる方法という趣旨を具体化されましたものといたしまして特に必要がある場合は一千万円まではよいけれども、一般は三百万程度を目安にして貸出しをせよという附帯決議をいただいたのであります。われわれといたしましてもさような趣旨で運用いたしておるのでありまするが、設備資金と運転資金とにわけて考えますると、運転資金は先ほども私が申し上げましたように、流動比率の関係とかいろいろなことを考えますと、また中小商工業者の内容等を見ますと、百万円という長期の運転資金があれば、ある程度の効果を発揮し得るという目安がつき得るものでございますから、まず長期運転資金につきましては、一応百万円というものを目安にしてまず考える。特にそれ以上必要である場合におきましては、何も門戸を閉鎖するわけではりませけれども、一応百万円というものを目安にして考えて行つてしかるべきものじやないか。災害によつて金が激つたとか何とかいうことではございませんで、長期運転資金というものの性質から考えまして、一応は百万円というものである程度の効果が上るということを目安にしたのでございます。何も百万円以上はびた一文も貸さないということじやございません。ちようど三百万円というものを設備資金に当てはめました場合におきましても、さようなわけでございます。私どもは附帯決議の趣旨を、運転資金と設備資金とで一応経済効果の面から判断をいたしまして、そしてあまねく均霑させようという趣旨から、一応目安をつけたわけでございます。特に必要であるということが具体的にはつきりいたします場合におきましては、個々のケースによりまして、百万円を越えた長期運転資金を出すことにやぶさかではないのでございます。
○長谷川(四)委員 長官は災害が日本に最近にあるぞということを予期しておつたような、偉い大文学者みたいなことなんで、そういうことは頭の中に入れてない。従つて災害があつたから資金源が少くなつてそういうふうにしたのじやない、というのはそれでいいです。けれども災害に食われたという事実だけはいかに長官が詭弁を弄しても、それはいなめない事実でしよう。であるからそこへあなたがおつしやるところのこういう突発のものができて、政府が資金難で困つているのだからそれをやつたのだ。そうなるとあなたがおつしやるしかるべき資金繰りというのに対して、早急にどういう考え方を持つているかということ、しかも理事は行つて見て来たそうだ。行つて見たならば、それに対してどういうような案が出ているかということをはつきりここで答弁してもらいたい。
○岡田説明員 先ほども別の機会に申し上げましたように、災害が起きましたために、公庫自体の資金繰りとては、それは災害を受けました方におきましても中小企業者に限定しておるのでございますから、広い意味においては、中小企業に対する金融ということに相なりますけれども、水害という特殊の事態に対しましては十八億五千万円というものを別途わくをつくるという意味において、その他の一般的な中小企業者に対するわくがそれだけ減つたという計算に相なることにつきましては、これはいなめないと思うのでございます。従いましてそれによりまするところの公庫の資金繰りその他の苦しさに対しましては、今後の資金繰りの状況によりまして、最悪の場合におきましては一応の便法ではございまするけれども、開発銀行に対しまして支払うべき金額のうちの一部を差繰りましてそれによつて、公庫の運営が非常な危機に陥るということは避けて参るようにいたしたいということを申し上げましたのも、さような趣旨に出るものであります。
○中野説明員 冷害対策について特別の対策を立てたか、こういう御質問でございますが、冷害対策といたしましては何億というわくを特に設けておりません。ただ先ほど申し上げました趣旨は、東北、北海道においては比較的設備資金の需要よりも運転資金の需要が多い、しかも一番望んでおるのは、一年なり二年なりの期限のある安定した運転資金がほしいのだということが非常にはつきり看取せられたわけでございます。そこで今まではこの長期運転資金の貸出し基準をどうきめるかについて考え込んでおつたわけでございます。非常にむずかしいわけでございます。しかしこれをいつまでも考え込んでばかりおつてもいかぬ、こういうことで長官からるる御説明申し上げましたように、百万円までという小口ではございますが、これを何回転かにいたしますれば相当の金額に上るわけでございますから、先般この十一月からを目途といたしまして、小口長期運転資金の貸出し要綱を発表し、今までお渡ししておるわくからお貸し願いたいということを窓口銀行に通達いたしたわけです。ところが今日状況を見ておりますと冷害地方の窓口銀行、あるいは中小企業者の方々から貸付の申込みが存外低調なのでございます。これは私の方の支所も何もございませんので、努めて理事やその他の職員が現地に参りまして、代理機関、中小企業者に集まつていただいて公庫の趣旨、立法の趣旨はこうであるから、ひとつ積極的にいい計画を立てて借入れの申込みをしてほしいということを私の方からお勧めしておるのでございますが、土地柄もございましよう、非常に慎重に銀行の運営をいたされる関係もございましよう、存外お申込みが関西方面と比べて低いのでございまして、実は数日前も北海道の商工部長にそのことを申し上げて、相当のわくが北海道には行つておるのであるから、ひとつ窓口銀行を道庁でも督励して積極的に貸し出すようにしてくださいということを申し上げたようなわけでございます。御了承願います。
○永井委員 公庫については北海道においてこういう長期資金が出たということを言つておるのですが、実際は今まで何回銀行に行つても、まだ何もない。少し骨にわれわれ議会から帰つて宣伝をした関係で——、実際はあなた方が来られても、いなかの方では、中央で全部資金をしぼつてしまつて、実際末端に流れて来るのは幾らもないからといつて銀行の窓口でおどかすから、そういうものにたよつていてもだめだというので申込みがないのです。経済の実態がいいから申込みがないということじやないのでございます。従来の例に見ると、復金にしたつて何だつて、手続ばかりとつて期待ばかりかけさして実際は流して来ないということで、希望をつないでいないという情ない状態にあるということを、まず理事の方に認識していただきたい。 今の問題については、なおほかに質問があると思いますから、私最後に特融課長にひとつ伺いたいのでありますが、冷害地帯に対する政府指定預金の引揚げ方針は一体どういうふうにお考えになつているか。それから新規預託をどういうふうにお考えになつておられるか。具体的に申しますれば、これは地域的なことを申して恐縮ですが、北海道に対する引揚げ方針はどういう計画であるのか。それから新規預託はどういう金額を予定されるのか、それらの指定預金についての今後の運営を一番冷害のひどい北海道地帯について伺いたいと思います。
○有吉説明員 冷害に対する中小金融対策の考え方につきましては、先ほど来長官から申し上げた通りでございます。ただいまの御質問で、それに関連する指定預金の問題でございますが、私実は担当の課長でございませんので、帰りまして事情を伝えまして、またお答えをいたしたいと思いますが、現在のところにおきましては、東北並びに北海道におきまする事情を検討いたしまして、ことに年末に至りまして、これが対策ということを全般的に考えます際に、現在の指定預金の引揚げ延期なり、あるいは新規の預託ということについて、情勢に応じまして、適当なる処置をとつて参りたい、かように考えておる次第でございます。特にその際におきましても、東北、北海道の冷害地方の実情等を十分に考慮して参りたい、かように内部において考えて、種々検討を加えておる次第であります。先ほど来の御調の点につきましては、内部に帰りまして、十分検討の上適当な措置をとつて参りたい、かように考えておる次第であります。
○長谷川(四)委員 かわいい子には旅をさせろという言葉がありますが、中野君が北陸に行つて来たら、大分りこうになつたと思つたが、反面たいへん大きな間違いを起して来ておる。あなたのところで、大体地方銀行に出すのに幾らぐらいのわくを与えているか。たとえば二十、三十の支店を持つ地方銀行に、幾らのわくを与えているか。地方銀行の各支店では一切お断りなのです。あまりにもその断り方がひどい。どこの銀行に行つても、どこの金庫に行つても、片つぱしからお断りだ。何しろ一千万円くらいしか持つて来られないのだ、ですからどうしても要望をいれるわけに行かない、受けるわけに行かないのだ、全部十人のうち十人がお断りだ、実にこれはあきれ果てる。あなたの考え方は、銀行にそういうものがたまつていないから、おそらく金融をつけてくれという希望者がないのだ、こういう考え方なんだ。それが役人の考え方なんだ。役人というやつはまつたくばかで、そういうことが現実の世の中だと思う。そういうところに大きなあやまちを犯して来ておる。真にあなたがそういうようなお考えであるとするならば、あなたの方の公庫の中からだれか人を出してどれくらいの希望者があるか、たとえば百万円を三十万円に減らすか、そしてもつと広く与えるかということを、一段とあなたみずからが考えなければならない立場にあろうと私は思う。そこで一箇月が五億だと称するが、十一月という月になつた場合には、公庫としては幾分よけいに融資をするような考え方があるかないか、これをお伺いいたします。
○中野説明員 先ほど申し上げました点について誤解を受けましたので一応御説明申し上げます。 私が申し上げましたのは、各窓口銀行に対して融資の申込みがない、こういうことではないのでございまして各窓口銀行ともいろいろな融資の申込みを受けて処理に困つておる状況だ、願わくばそのわくをふやしてくれというような申出が方々からございます。しかしながら先般来るる問題になりました通り、ことに長期運転資金を融資いたすとなりますと、中小企業界からの資金需要は数千億を上まわるという数字にもなりかねないのでございます。それに対して百三十億ということでございまして、しかも地方にこの資金を広く配分いたしますために、窓口も開発銀行当時より約倍数にふやしておるような次第でございますので、遺憾ながら各金融機関一つ当りの資金の配分のわくが低額にならざるを得ないのでございます。この点は来年度以降数年にわたり、底府出資あるいは借入金の増額をお願いいたしまして、公庫が元利の回収によつて、一箇年相当の金額の中小金融ができるという状態まで公庫を育てて参りたい、かように考えております。そういう資金源の増額をはかるにあらざれば、なかなか各中小企業者、各金融機関の御要望を満たすわけに行かぬ、かように考えられるのでございます。ただ先ほど申しましたのは、各府県からの今日までの申込み、受付の件数、私の方の貸付決定の内容等、お手元に先般資料として差上げておきましたが、こういう数字を見てみますと、地方によつてかなり出足のでこぼこが多い。はなはだしきに至つては十月三十一日に至つてもまだ一件も私の方で書類を受理しておらないというような府県すら散見するな状況でございまして、そういう府県につきましては、まあわくは乏しいが、その中でもその銀行として法律の趣旨に合うような貸付策を積極的に選んで私の方に申入れをしてもらいたいということを、各方面に職員、理事がまわりまして宣伝と申しますか、指導いたしておるような状況でございます。そういうことでございまして、出張等いたしますと、今度は小人数の中で公庫の本店の仕事に穴が明くというようなことでございまして、余分なことを申し上げて恐縮ですが、来年度予算等でひとつブロツク別くらいにでも簡素な形の支所を置いていただいて、地方の中小企業者の御相談に応ずる、また窓口機関に公庫の方針をお伝えし、貸し手と借り手との間にいろいろな誤解、紛争が起るのを適当に調整するというような意味の出先機関を持ちたい、かように考えておる次第でございます。それから第二点の年末融資といたしまして、特に額をふやすかというお話でございますが、これは先ほども申し上げましたように、来年の三月まで私どもの方で新たにお貸しいたします金が、一部の回収県を含めまして約百億、そのうちの六割、六十億を年度内に配分いたして行く。これを第三・四半期のわくにいたしておるのでございます。そうして窓口の機関に対しては、年末融資も含めまして、これを各銀行の方針に従い、適正な月別の大体のわけ方をやりまして、融資申込みに応じてもらいたい、こういうことをお願いいたしておる状況でございます。もしどうしてもそれで越年ができないような、足りないというような事態が起りましたならば、なお監督官庁の御指示も得まして、別途の対策も講じなければならぬかと思いますが、ただいまのところは今申し上げたような方針で進んでおるような状態でございます。
○大西委員長 時間も大分経過いたしましたので、本日はこの程度にいたし、次会は明日午前十時より開会いたします。本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十六分散会