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17回国会衆議院1953/11/03

地方行政委員会 第3号

発言数
94
登壇者
14
会派数
5
開催日
1953/11/03

会議録

中井一夫自由党

○中井委員長 これより会議を開きます。  奄美群島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。質疑の通告がありますから、順次これを許します。鈴木幹雄君。

鈴木幹雄改進党

○鈴木(幹)委員 ごく簡単に一、二の問題をお伺いいたしたいと思います。  一つは、この法律案は、奄美群島の本邦復帰に伴う暫定的な経過的な措置を規定するものでありますが、法案に規定されておるように、幾多の国内法の適用が政令にゆだねられております。これはまことに異例なことでありますが、大島の今日までの経過から見ますと、これもまたやむを得ないかと存ずるのであります。従つて私は、原則としてこういう取扱いはできるだけすみやかに廃止をして、国内法を全面的にこの地域に施行することが、法の建前から申しましても、また大島復帰の建前から申しましても、当然であろうと思うのであります。そこで私のお伺いいたしたいのは、ここに「当分の間」というような文字を使つておりますが、また現地におきましては、同時に法の全面的適用を、特別の事情ということを強調されまして、なるべく延ばしてもらいたいというような希望もあるようでありますが、当局としましては、この間の期間というものを、どの程度にまで予定されておるか。この点を第一番にお伺いいたしたい。

林修三法制局次長

○林政府委員 ただいまのところ実はこれの予定は、はつきりつきかねるわけでございますが、御承知のように二条の二項では、施行を延期する法令は一応施行の日から六箇月以内ということをいつております。少くとも六箇月間は、法律関係につきましては特例を認めることを原則といたしております。しかし特別な事情があれば、さらにそれを延ばすというようなことになつております。ほかの点もございますので、多少それよりあとまで延びるということは、当然考えられるわけであります。この法律は、大体建前から申せば、復帰に伴う暫定的措置、経過措置を主として考えております。なお将来恒久的に奄美大島につきまして、いろいろな点で特例をしなければならないというようなことがございますれば、やはり恒久的な立法がそこで考えらるべきではなかろうかということも考えます。たとえばはたして適例かどうかわかりませんが、離島振興法というような法律も今あるわけであります。ああいうものに奄美大島の法令を書くということも当然あるべきことだと思います。やはりある程度恒久的な必要な措置になれば、ああいう形で、あるいは税法の中に特例を書くということも考えられます。そういうことをすべきでありましようし、そういう意味におきまして、この法律はそう長くは置いておくべきものではないのではなかろうかと考えております。但しこの第三条のたとえば選挙法の特例等のごときもございますし、ちよつと考えますと、あまり確定的には申し上げられませんが、一年内外はどうしても続けて行かなければならないのじやなかろうか、かように考えております。

鈴木幹雄改進党

○鈴木(幹)委員 特例でありますから、まことにわかつたようなわからないような御説明でありますが、事情は了といたします。  さらに予算の問題で一つお伺いいたしたいのですが、今度の十億の暫定的な予算が、一応南方連絡事務局に一括計上されております。この予算の内容につきましては、おそらく当局の方におきまして鋭意御研究中でありますので、ごく最近の機会に、この内容が確定をするものと思います。そのときにはわれわれに御提示を願いたいということをあらかじめ御注文を申し上げたいのでありますが、予算が南方連絡事務局に一括計上したままで施行されるのか、あるいはこれが各省別の行政部費としてきまつた場合におきましては、各省にそれぞれ配付をされるのか、この取扱いをどういうふうになさるおつもりであるのか、これをお伺いしたい。

石井通則総理府事務官(南方連絡事務局長)

○石井政府委員 予算は南方連絡事務局に組んであるのではございませんので、大蔵省所管に組んであるのでございます。従いまして私から御答弁するのは筋違いかと思いますけれども、大蔵省の方としましては、具体的にきまれば各省におそらくつけられるのじやなかろうかと考えておりますが、まだ全般的なつけ方の方針等については、具体的には聞いておりませんので、後日大蔵省から御説明いただければ幸いだと存じます。なお内容がはつきりいたしますれば、御提示申し上げることにつきましては、大蔵省にその旨伝えて、御希望に沿えるように努力いたしたいと思つております。

鈴木幹雄改進党

○鈴木(幹)委員 この暫定法律案は、政令に多くのものをゆだねております。これは暫定措置としてやむを得ないところでありますが、一体今度この結果によりまして、奄美群島の復帰しました全体の主務省というものは、どういうことになるか、事項別によつて各省が主務省になるのか、あるいは政令を定めるまでの間は、たとえば南方連絡事務局というようなところが主務官庁となるのか、どういうふうに解釈すべきであるかお伺いいたしたい。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 復帰になりますまでは、当然今の状態で南方連絡事務局ということになると思うのでありますが、復帰後には、どういうぐあいになるか、つまり南連で今まで通りやつて行くか、あるいは自治庁に所管を移すという考え方と、二つあるわけであります。今のところは、自治庁に移されるという空気の方が強いけれども、まだ最終決定を見ておりません。

鈴木幹雄改進党

○鈴木(幹)委員 それでは自治庁にお伺いいたしますが、この法律が施行になり、日本に復帰されてからの問題であろうと思いますが、現在国の機関といたしまして、各府県にいろいろな機関が存在をいたしております。奄美大島につきましても、当然こういうようなものが予測せられるわけであります。たとえば郵便局であるとか、あるいは警察官署のごとき、また労働関係の諸官庁、あるいは農林省関係の諸官庁というようなものがあります。これも全部あげて政令に一任されておるわけでありますが、こういうような官庁を、一体どういうふうな御処置をなさろうとするのであるか。この点をひとつ承りたい。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 原則として、ものの考え方は、内地の通りに扱いたいというように考えておるわけでありますが、御承知のように、内地は今機構改革を検討いたしておる際でありますので、内地の通りと申しますのは、今度どういうふうな改革になりますか、今度できる改革後の内地の機構通りにいたしたい、こういうふうに考えておるわけであります。従いまして当面の措置といたしましては、復帰になつたからといつて、すぐに各所管の省の出先機関が行くというようなことになつては、非常にむだもあるでありましようし、一旦そういうぐあいになると、また内地の機構改革ができたときに、それと調子を合せるのに非常な困難が伴うということも考えられますので、暫定措置といたしましては、最小限のもの、たとえば裁判所でありますとか、そういうどうしてもまとめておけないものだけは離して、その他のものは、今の日本の法律の建前から、さしつかえなく一本にまとめられる程度のものは、全部まとめておいて、そこのところで仕事をして行くというように持つて行きたい。そして内地の機構改革が行われます際に、それと一緒に調子を合せて行こうという考えであります。ただ、そういう考え方をしておるのでありますが、実はその場合に、もう一つ、こういう非常な離れ島のことでありますし、小さな部分のところでありますから、各省がそうまとまつてそれぞれに出先を持たなくても、何かうまいくふうが考えられて、内地のものよりも若干簡素なものができるならば、それも一つの考えであるなということを、今内地の機構改革とあわせて検討いたしておるわけであります。

鈴木幹雄改進党

○鈴木(幹)委員 最後にもう一点、今の長官の御説明によりますと、そういう国家機関の出先機関については、検討中の行政機構の改革の問題とにらみ合せて決定するまでの暫定措置を、一応講じておきたい、こういうような御意向のようであります。きよう配付になりました、鹿児島県の資料としての、大島復興計画のごく概要を書いたパンフレツトをいただきました。その中には、鹿児島県の出先機関としての支庁をつくる、それに強力なものを置いて、国家機関のようなものを合せ統合して、一本の強力なものにしたい。これは鹿児島県の私案であります。今ここで長官のお考えになつておりますような構想は、一体そういうような構想を持つておるのか、あるいは全然別個に国家機関として、裁判所のようなものを除きまして、郵便局あるいは警察を除いたものは、一体一本にして行くというようなお考えでありますか。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 まだ最終検討を経ておらないものなのでありますが、現在考えによつております案は、どうせ鹿児島県の支庁が奄美にできますので、奄美支庁というものを活用して、そこのところへできる範囲の国の仕事を委任してやつてもらうということが、一番現実的でいいのじやないか、こういうように考えております。

鈴木幹雄改進党

○鈴木(幹)委員 現地に現在その機関があるものがあります。たとえば農林統計のようなものにつきまして、現地に琉球政府の支所がある。その他の機関についても、そういうようなものが二、三あるのであります。そういうものの御措置も、同じように統一して、支庁なりに一本にして行くようなお考えでありますか。それとも系統的に各府県にあるのと同じような形において、支所なり支庁なり、そういう形に持つて行くというのでありますか。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 今の構想で考えておりますところでは、あるものもないものもという考え方で、現在あるからといつて、すぐにそれがそのまま上級官庁とつながるという考え方をせずに、一応奄美支庁あたりにまとめて世話をしてもらう、こういう考え方で、実はおるわけであります。

床次徳二改進党

○床次委員 長官も大体現地の状況については、御報告によつて御承知だろうと思いますが、地元は非常に窮乏いたしております。これに対して、将来の振興計画はもとより立てなければならぬわけでありますが、現在におきましてでき得る限りのことは、負担を軽減して受入れる。ちようど災害地における跡のごとき状態がやはり発生しておるのであります。その点は国の政治におきましても、また市町村あるいは県の段階におきましても、受入れたら、ただちにこれを普通扱いにするということは、困難ではないかと思うのであります。この点に関して、政府の御意見を伺いたいと思います。岳

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 そのように考えておりますので、とりあえず暫定の措置をするように予算は組んでおりますけれども、その基本におきましては、積極的に窮状を開拓するという面のものは、今早急にはできかねますけれども、当面の必要なことは、もし非常に窮乏されておつて、税金も今の法律のままで行けないということであれば、実情に即するように減税措置を講ずる。従つて住民の便益になるという面は、全部ただちにそれをその方向に直す。さらに積極的な面だけは、先般も申し上げましたように、根本的な計画を立て直した上で、来年度あたりから実施して行く、こういう構想でおります。

中井一夫自由党

○中井委員長 それでは、本案についての御質疑はほかにございませんか。——御質疑は終了したりとして御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中井一夫自由党

○中井委員長 それでは本案に対する質疑は終了といたします。  なお本案につきましては、公職選挙委員会において、何がしかの意見があるやに承りました。よりまして、その意見のまとまるのを待つて、採決に入りたいと存じます。     —————————————

中井一夫自由党

○中井委員長 つきましては、本日の日程を追加いたしまして、一般地方行政、財政、その他のこれに関連する問題につき、質疑応答を進めたいと存じます。御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中井一夫自由党

○中井委員長 さように決定をいたし、進行をいたします。御質疑のある方は御発言を願います。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 自治庁にお伺いしますが、新聞で見ますると、今度の災害関係の地方財政計画の案というものを、自治庁で決定されたということが発表されております。その内容を見ますると、今度の災害に伴う地方負担というものは歳入の不足が合計百八十六億、これに対する財源としては政府資金による起債が八十三億、既定公募債の振替によつて二十五億、それから新規の公募公債二十億、地方の単独事業費等を節減することによつて五十八億、合計百八十六億というような案が発表になつておるわけでございますが、その案の内容について、ここで正式に御説明を願いたいと思います。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 実は今手元に確定したものとして持つております資料は、今度の予算に対する修正を考慮しない。ただこの修正によります分で地方財政計画の上に響いて参りますものは、     〔委員長退席、西村(力)委員長代理着席〕 当面は例の冷害対策費の増加になりました分に伴うものでありまして、これは金額にいたしまして、概算した数字でありますが、二億ないし三億程度であるということでございますので、一応その点を除外した数字としてお聞き取りを願いたいと思います。  百八十六億の内訳はどういうことになつておるかと申しますと、まず第一に公共事業費の増加であります。これは総額三十五億一千二百万円ということになつておるのでありますが、それをさらに内訳別に申し上げますと、一般で七億九千五百万円、災害で十三億七千四百万円、この災害の十三億七千四百万円の内訳を申し上げますと、公共事業費五億三千五百万円、文教厚生施設復旧費といたしまして八億三千九百万円、こういうことになつております。冷害の分は十三億四千三百万円でありまして、その内訳は公共事業費が十億九千九百万円、失業対策事業費が二億四千四百万円、以上が公共事業費の増であります。それから単独事業費の増でありますが、これは一応百十八億というように計算をいたします。この計算の基礎は後ほど御説明申し上げます。それから災害に伴う地方税の減免減収額三十五億、これも計算の基礎は後ほど御説明申し上げます。それから災害関係の短期融資利子額、これは四億二百万円、それからその他以上述べましたものに載らない部分を総括いたしまして、その他の災害対策費といたしまして十五億七千八百万円、こういうことであります。以上合計いたしますと二百七億九千二百万円になつておるのでありますが、御承知のように国の公共事業費が縮減されておりますので、縮減前の公共事業費の総額によつて地方財政計画にすでに載つかつておつた部分がありますから、その分の二十一億九千二百万円を控除いたしまして、百八十六億、こういうことになるわけであります。  そこで財源措置の分は大体御指摘になつた通りでありますが、ただ五十八億の内訳でございますが、これは四十億だけが、地方の単独事業を当初の計画に組んでおりましたのを一応国の公共事業費の節減に合せて中止した分、あとの十八億は御承知のように現在すでにございます平衡交付金のうちの特別平衡交付金のうちから災害に充てられる分があるわけでありますから、それをこちらでめんどうを見るならば、大体向うを少し減らせるという考え方で、十八億だけそれをこちらへ振りかえるという考え方にして、四十億と十八億で五十八億、こういう計算をいたしたわけであります。そこでこの単独事業の百十八億でありますが、これは本来の考え方からいたしますならば、なるべく小災害も全部見てやりたいという考え方で当つておつたわけであります。しかし何にいたしましても全国の小災害は十万箇所からあるといわれておりますし、しかも著しく小さいものが多いものですから調査ができません。地方の調査をそのままというわけにもなかなか行きかねますので、これは全然別な根拠を立てて推算いたしたわけであります。その推算いたしましたやり方は、従来国の公共事業と地方の単独事業の比率というものを、大体国の公共事業に対して一割七分五厘くらいの計算で過去の実績によつてやつておつたわけであります。一割七分五厘という大体の比率を基礎にいたしまして農林関係の部分は、今まで国がめんどうを見ておつた、つまり単独事業にするかしないかの限界を切り下げたものでありますから、その切り下げた分を考慮に置いて一割七分五厘という数字を一割五分六厘という数字に訂正いたしました。そして今度の国の公共事業費の総額にそれを乗じて二百七十一億という大体の数字が出ておるわけであります。そのうち年度内に施行する分をどのくらいにするかという検討をいたしたわけでありますが、平年だと年度内施行の部分は大体二割五分くらいというのが今までの基準であつたようでありますけれども、今度の場合は災害発生時期の一番早かつたものは六割、それから順次あとになつたもの五割、それから四割、こういうようにいたしまして、それをそれぞれの災害の大きさに加重平均いたしまして五割二分四厘という比率を出しました。二百七十一億という数字に五割二分四厘を乗じて百四十二億。その中からすでに当初計画において財源措置のできております二十四億を控除いたしました数字が今申しました百十八億、こういう数字であります。  それから災害に伴う地方税の減免でありますが、この基本の考え方は国税の減免の仕方に歩調をそろえるという考え方、こういうぐあいに減免をするようにということを自治庁から地方に通達をしております。しかしこれも現実にその通達の線に沿うてどのように減免が行われたかということはなかなかつかめませんし、つかんでも各地がばらばらにやつておると非常に困りますので、大体通達の線を頭に置きまして特殊の計算方法で、これはかなり詳細になりますのでもし御必要があれば、後ほど政府委員からお答え申させますが、特殊の計算方法を用いて、この数字を算出いたしたのであります。ただこれは一般におそらく非常に少いというようにお感じになると思いますが、私も最初若干そういうふうに感じまして検討いたしたのでありますが、非常に小さいという理由として一つ考えられますことは、冷害による部分は、農業保険でカバーできる部分はこれは冷害の額から差引かれておるわけでありますから、従つてほんとうの冷害額と税の減免の基礎になる所得額というものは、そこに食い違いがあるわけであります。それからもう一つ地方税の場合におきましては、事業税と市町村民税におきましては一年遅れで課税しておる関係上、来年度の事業税及び市町村民税にまた相当な減額が出て来るわけであります。その二つの関係がおもに作用いたしまして、おそらく御想像より非常に小さい数字であろう、こういうふうに思うわけであります。なおこの数字の中には徴収猶予になります部分は入つておりませんので、そういう意味におきまして、これはほんの減免減収だけである、こういうふうに御了承をいただきたい。  以上、大体御説明申し上げ、なおこまかいことは政府委員からお答え申し上げます。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 そうしますと今の数字は、さらに今度の修正によつて正式なものを資料としてお出しになるということでありますから、それによつてまたいろいろと質問する事項が出て来ると思うのです。とりあえずこの各費目の中で風水害と冷害の区分、あるものについては御説明があつたのもありますが、水害と冷害とを区分して計算ができておるかどうか。それができておるならばお示し願いたい。  それから八十三億の起債というのは一体どの資金から出すのであるか。資金運用部資金の方で出すことに決定されておる数字であるかどうかということであります。以上二点お聞きします。

柴田護総理府事務官(自治庁財政部財政課長)

○柴田説明員 便宜私からお答え申し上げます。ただいまお配りいたしました災害関係の地方財政計画の中で、大体初めの方の御質問の数字はそこに出ておるのでございますが、公共事業費の増と書いてあります。一般というのは既定の公共事業費の増減分であります。その次の災害と書いてありますものが公共事業費、文教厚生施設復旧費、地方負担にいたしまして十三億七千四百万、これが風水害関係であります。それから冷害と書いてあります総事業費が四十億六千五百万、それから地方費負担が十三億、これは純粋の冷害分であります。単独事業費の中の百十八億の中は、これは風水害関係と冷害関係とが込みにして入つております。これは公共事業費総額を基礎にして推定いたしておりますので、中身をわけますならば百十八億に対して公共事業費の災害関係が百五十一億、それから冷害関係の公共事業費が三十五億、この二つを加えますと百八十六億。百八十六分の百五十一が風水害関係、それから百八十六分の三十五というのが冷害関係というようになるわけでございますが、事業の内容が実際は地方団体の選択になるわけでございますから明確な区別をいたしておりません。従来単独事業につきまして、公共事業費については推算をいたしております。両方ぶち込みで計算をいたしております。それから災害に伴います地方税の減免減収額関係の三十五億、約三十億見当が風水害、五億が大体冷害関係というように推算をいたしております。それから短期融資の利子の関係はこれもつつ込み計算でございまして、明瞭に区別をいたしかねます。その他災害対策費の八十億は、この内容は大体風水害関係であります。  それから今言つたような八十三億がどういうようなものから出すかというお尋ねでありますが、八十三億は資金運用部資金から出すことになつております。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 それから公募債の振りかえ、ないし新規の増額でございますが、この公募債の募集の成績の非常に悪い地方の団体では、なかなか公募の成績が悪くて困つておるというようなことを聞くのでありますが、こういう事情のもとにおいて、さらに二十億新規にふやすということが可能かどうか。あるいはまた、従来の公募債の振りかえという二十五億の内容といいますか、どういうような事業についての起債分を振りかえたのであるかというような点を、御説明願いたいと思います。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 二十五億の振りかえは学校の建築のために予定をしておりました公募債の分でありますが、これはその当時の規則で、今度は政府資金がつくようになりまして、これがかえつてこちらにまわつたわけであります。それに新しく二十億の公募債が加わつたのであります。しかしこの災害地に四十五億も公募債をまわして、はたしてうまく消化ができるかどうかということは、私ども疑問に思つております。おそらく困難ではないかと考えられますので、これが一応財政計画の上でこうなつておりますけれども、大体公募債四十五億を含めますと、公募債の今度地方にまわつております総わくが約二百五億くらいになつたかと思うのであります。その二百五億の中で適当に操作をいたしまして、災害地の分は消化困難なと思われるものはまわさないで、むしろ資金の裏づけのあるものをまわす、こういうふうに内部操作をいたしたいと考えております。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 それからもう一つ単独事業の節減でありますが、どういう事業を節減されたのであるか。ことに地方財政計画全体のわくとしては、これで数字のつじつまが、合つているというようなかつこうになりますけれども、これを実際に個々の地方団体に当てはめて実施をするということになれば、この災害の財源を得るために、自分のところには節減する単独事業の起債がないといういふなことが出て来ると思うのです。そういう関係もあり、その単独事業の節減する内訳、しかも節減してもいいものかどうか、それらの関係を御説明願います。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木政府委員 単独事業につきましては、国の公共事業費の節減をいたしましたものが約六%程度に相なつております。現在の地方の単独事業につきましても六百七十億のわくの約六%すなわち四十億程度のものを節約をし、あるいは振りかえをする、こういうことにいたしたのであります。従いまして災害地の団体におきまして単独事業を行う予定でありましたものが、災害が起りましたために、それを災害の単独分の方に振りかえて行くようなものも、ある程度あろうかと考えておりますが、そうでない団体の分につきましても、国の公共事業につきまして六%節約をいたしましたのと同じような考え方で、今回さような事業につきましても、いろいろな事情を考えて施策をして参りたいと考えているわけであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 どういう事業ですか。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木政府委員 起債計画につきましては、今関係省並びに大蔵省と折衝中でございまして、近くこれを具体化いたしました上、申し上げたいと思います。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員長代理 藤田君。

藤田義光改進党

○藤田委員 ただいま災害関係地方財政計画が渡りましたが、この数字の根拠をなす災害の範囲をお示し願いたいと思います。十三号台風までも全部含まれておりますか、どうですか。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木政府委員 すべて含まれております。本年の六、七月ごろの災害もみな含まれております。

藤田義光改進党

○藤田委員 そうしますと、災害総額の見積りに対しましては、われわれと大蔵省と意見が非常に食い違つているのであります。ただいま審議中の今度の補正予算の国の補助の対象総額を千七百九十九億とわれわれは見込んでおりますが、ただいまの補正予算では千五百六十五億というふうに見ておるのであります。この自治庁の財政計画では、大体どの数字をとられてこの計画を立てられておるかお伺いしておきます。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木政府委員 ただいま御指摘の千五百六十五億という数字を基礎にしております。

藤田義光改進党

○藤田委員 そうしますと、これはほかの委員から質問があつたかもしれませんが、補助の対象とならない少額災害と申しますか、これを大体どのくらいに見込んでおりますか、お伺いしておきます。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木政府委員 いわゆる補助の対象となりません単独事業の災害に属しまする分は百十八億でございます。

藤田義光改進党

○藤田委員 そうしますと、災害の査定に関しましては、大体大蔵省の査定を基準に財政計画を立てられた、かように了解してよろしゆうございますか。現に実は十三号台風のうちたくさん脱落がありまして、厚生省その他の関係各省で非常に困つております。従いまして大蔵省の査定の基準額というものが将来動いて来れば、この財政計画というものは当然浮動するものであるというふうに了解してよろしゆうございますか。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木政府委員 この単独事業の基礎につきましては、ただいま御指摘のように千五百六十五億というものを基礎にいたしておるのでございますが、今後その基礎の数字が異なつて参りますれば、当然に異なつて参るのであります。われわれの方の考え方といたしましては、単独事業と公共事業との割合を、従来一七・五%ということを基礎に考えておりました。今日この中に含まれております農林災害の国庫補助の対象になる分が五万円から三万円に拡張いたしましたので、その部分だけは単独事業が少くなつて来るわけであります。従つて一七・五%というこの推定の割合が一五・六%に落ちて参るのであります。それから計算をして参りますると、単独事業費の総額が二百七十一億になるのでございますが、そのうちの本年度の施行分でありますが、これを六、七月を大体六〇%、八月を五〇%、十三号の九月災害分を四〇%ということで加重平均してみますと、本年度施行割合は五二・四%になるのであります。それを基礎にして出しましたものが百十七億になるのであります。ただこの百十七億の中にさらに地すべり関係の分を一億見込みまして百十八億という数字を出しておるのであります。

藤田義光改進党

○藤田委員 この地方財政計画を見ますると、交付金の増額によつての対策が全然考えられていないようでありますが、従来の交付金で災害発生後に特別に考慮したもの、特別平衡交付金が大体昨年あたりは二十億くらいを災害用に充てられております。ところが本年の、非常に局部的でありますが、村の税金の百倍近い損害を受けたような村も大分あります。そういう村になりますると、普通の地方財政計画では、ほとんど立ち上り不可能でありまして、何か特別平衡交付金の従来の災害用のわくのほかに、先般町村長大会でも決議したようでありますが、昭和十一、二年ごろありました地方財政調整金的なものでも考えていただいた方が、実情に即した財政計画が実施できるのじやないかと私たち考えておるわけです。そういう点何か今後研究していただけますかどうですか。これは非常に深刻な地区が全国で数十箇村ではありますがありまして、何か根本的な対策を、この際お考え願いたい。これは希望もありますが、その種の計画があればお示し願いたい。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木政府委員 かつて農村不況の昭和六、七年の時代の地方財政の非常に困窮いたしました時代に、御指摘のような臨時地方財政補給金というような制度があつたわけでございますが、今日といたしましては、特別平衡交付金がある程度、一般の財政需要の測定方式で見られない特別の財政需要に対して、交付せられるということになつておるわけでございまして、昨年度は約二十億余りのものが災害関係に出されたのでございますが、本年度は平衡交付金の総額が千四百五十億の昨年の額に対して千三百億でございまするので、同じ割合で出すといたしますれば、若干それを下まわるということになるのでありますけれども、特別平衡交付金の運用をできるだけ災害重点に考えて参りたいというふうに考えております。そのほかの分は、御指摘のような財政補給金ということでございますならば、あるいはむしろ特別平衡交付金について、何か特別にわくを考えるということも、考えられるのではないかと思いますけれども、今の制度そのままでは特に特別平衡交付金のわくをふやすことは困難である。そこで先般の前国会で、御承知のような起債特例法が制定せられましたので、従つて税の減免の分でございますとか、ただいま御指摘になりましたような国庫補助の対象になりません分の、ある部分のものといつたようなもの、あるいは災害のために特別に要しました財政需要のあるものにつきましては、起債特例法の適用をいたしまして、元利補給をいたす建前の地方債を、これに充てたいというふうに考えておるわけであります。特別平衡交付金と、かような起債特例法の運用と両方相まちまして、大体御趣旨のようなねらいを達成いたしたいというふうに考えておる次第であります。

藤田義光改進党

○藤田委員 この起債の特例法という道もございますが、実際自治体の実情といたしましては、こういうものにまだ相当の不安を抱いておりまして、でき得れば特別平衡交付金のわくをふやしてもらいたい。ところがそのためには平衡交付金法の制約がありまして、八%というわく内になつております。この八%を修正するか何かしまして、一般交付金は大体使い果しつつありますが、第二次補正その他におきまして、多少の考慮を願えぬものかどうかということを、この機会にお願いしておきたいと思いますが、八%に対するまた暫定措置を単年度でもけつこうですが、法律改正ということになると、非常にむずかしい問題もありましようが、何かそこで法律の運用上の方法は政令等でないかどうか、お答え願いたいと思います。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 御指摘のような考え方は、私もその通り考えておつたのでありまして、いろいろ検討もいたしてみたのでありますが、そしてまた法制的には全然不可能であるというようなことはないと思つておるのでありますけれども、主としてその方法によらないで、今も鈴木次長からお答え申し上げましたように、起債の特例でやるということにいたしましたのは、やはり財源関係の制約が大きかつたと考えるわけであります。従つて起債の特例でやります場合と、特別平衡交付金でやります場合とは、結局国の負担をこの年に非常によけいやるか、あるいは来年以後に長く平均してやるかということで、地方に対しての影響は、どちらも同じことであるというように考えられますので、私どもはこの特別平衡交付金で考慮できなかつた面は最大限に起債特例法による、つまり元利とも本年度の利子及び来年度以降の元利の償還、そういうものは全額国がめんどうを見るという建前になつております特例法による起債で、めんどうを見て、それで末長く国の財源措置と歩調を合せて国で負担をして差上げて行く、こういう結論でこのようにいたしたのであります。

藤田義光改進党

○藤田委員 党内のことを申し上げて恐縮でありますが、実はわれわれの政策委員会で、特別平衡交付金の八%の問題を今研究中でありまして、何かそれに伴う、大体昨年の災害に充てられました特例の一五〇%くらいのもの、三十億くらいのものを次の国会において考えまして、この八%という問題をひとつ解消する方法を研究してくれというようなことが話題になつております。いずれ政府の方に国会前に相談することになつておりますが、そういう点に関しまして、ひとつ柴田財政課長あたり何か法律改年によらざる方法がないかどうか、もう一回ひとつお答え願います。詳細はいずれ機会をあらためてお伺いいたします。

柴田護総理府事務官(自治庁財政部財政課長)

○柴田説明員 現在の法制の建前におきましては、特別平衡交付金の割合をかえるためには、法律以外にはないのでありまして、法律改正によらずしてやるということは、現在の平衡交付金法の取扱いの建前からできないのであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 私も同じような意見なんですけれども、ただいまの御説明を聞きますと、今度の災害関係に関連しての地方負担分の増加に対する財源措置というものは、非常に無理があるのじやないかということは、歳入減にしましても、三十五億というものは長官もお話の通りに低きに過ぎるような印象があるわけであります。これはたとえば冷害の分がわずかに五億と見積つておられますが、単に、農業は農業保険があるからして、それが差引かれるというようなものじやなくて、やはり総体の米なら米だけの減収の総額を見ても、その損害の大きさがわかります。これが結局被害を受けている農民だけでなく、ひいては地方経済全体に対して大きな悪影響を及ぼす、そういう面からしまして、地方の中小企業もますます不景気になつて行くということから、非常に広範囲に地方団体の税収が減つて行く、こういうような面が出て来ると思いますし、また先ほどの税の減免措置にしましても、前年度分をやるのであるからというお話でありますが、現実には今年減免するのでございます。必要な程度に減免をしなければならぬのでありますから、そういうようなものを考慮しても、この減収の額というものは、風水害、冷害ともに考えてみますと非常に少いものではないか。あるいはまたこの公募債にしても、お話の通りにこれは非常に無理な財源措置だと思うのであります。従つてこれを実際に紙の上では、このような計画として数字の上でつじつまが合せてありますけれども、実施をされるということになれば、非常に地方団体が困る。これじややつて行けないというような状況になるのではないかと思います。従つて今のお話の特別補給金の制度、こういうものもすでに地方団体からは、強い陳情も出ておりますので、御考慮をいただきたいと思いますが、その辺、今度のこの次の補正予算で考慮願われるかどうか。  それからもう一つは、水害につきましては、例の起債の特例法が出ておるわけであります。ところが冷害についてはその特例法がない。こういうことは何か冷害に関連しての地方負担、これの措置については立法措置が必要でないというような特別な理由があるのであるか。私どもから言えば風水害、冷害ともにこれは同じように地方団体の歳入減になる、また費用の増加になるものでありますから、やはり同様な立法措置が必要じやないかと考えておるのですが、その点はいかがですか。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 第一の何か補給金のようなそういう制度ということでありますが、たとえば税収が非常に少いのではないかという御懸念、これは私どもも一応方式を立てて試算をいたしましたので、現実の税収のぐあいというものが、まだ的確につかめておらないので、これはもし現実の税収のぐあいがこれよりも大きいということであれば、次年度以降においてでも、特に措置をしなければならぬ面も出て来るのではないか、こういうことも考えておりますが、今のところ大体これで追いつくのではないか、ことにことしの徴収分で、ことしはどうしても負担ができないというものは、来年度以降に徴収を猶予してさえいただければ、来年は今年の所得の数字を基礎にして、事業税なり市町村民税が課せられることになりますから、これは来年もし収穫が回復すれば、来年において税の負担にゆとりが出て来て、そこのところで償還ができる、納税をしてもらえるということもあわせて考えられますので、大体この辺の数字でおちつくのではないか、こういうふうに思つておるわけであります。しかし先ほど藤田委員からの御意見もありまして、改進党筋でもせつかく何か方法を御検討中ということでありますから、何か適切な方法がお教え願えれば、また私の方でも考えてみたい、こういうふうに思つております。  それから冷害特例法ということでありますが、冷害の分も租税の減免に伴う分は、特例法に入るわけでありまして、ただ冷害のために直接出て来る公共事業費及び失業対策事業費による負担でありますけれども、これは今までの行き方で行きましても、大体次年度以降において、元利大体九五%程度は翌年度以降の普通平衡交付金でもつて、めんどうを見るということになつておりますので、特例法がかりに適用されませんでも、ほとんど地元によけいな負担をかけることがないというように自信もあり、確信もありますし、かたがたそういう措置で万全を期して行きたい、こういう考え方であります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 ただいまのお話は、今年がマイナスであつても、来年度で補いがつけ得られるというふうに受取れたのですが、財政としては結局今年歳入がなければならぬのですし、また今年の経費なんですから、今年の財源として今現実になければ、これは地方団体としてはしようがないのじやないか。今年の分を来年払うからというわけには行かないのではないか、こう思うのであります。従つてこれに対する財政措置としては、やはり今年の分は今年の措置として考えて行かなければならぬ、こういうふうに思うのであります。従つて先ほどの地方起債における特例法なども、あの法律に現実には二つの意味があるんじやないか。それは税の減免や手数料、使用料、それの減収に伴つて起る経費について、特に起債財源でもつてやつて行けるのだということが一つと、それからその起債の借入れというものが、資金運用部の資金なりそういうもので、政府がめんどうを見るということが、はつきり書いてあるわけであります。それがないというと、冷害の方については借りることは災害復旧事業であるから認めるのだ、しかしどこからか都合のよいところから借りて来いというようなことになつて、現実には借入れ先等について困るじやないか、そういう大きな違いが出て来るので、やはり私どもは同じ災害ならば同じようなこれに対する国の措置が必要じやないか、こういう点で、やはり同様な立法措置が必要だと思うのですが、いかがですか。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木政府委員 冷害に対しまする対策としまして、御指摘のように、税の減免あるいは事業税の減免といつたようなことで、地方団体に現実に本年いわゆる赤が生じておるということがあるわけでございますが、これにつきましては今見積りが少いというような御批判もございましたけれども、一定の方式によりまして出しましたところでは、大体五億程度の冷害によります税収入等の減がある、これは起債特例法が、御指摘のように冷害地帯に適用に相なりませんので、従つて特別平衡交付金をもつて、さような税収入の減というものをカバーして参りたいというふうに考えております。  それから今のお話は冷害のさような赤字等を救済いたしますための、起債の借入先というようなものについて、特に心配されないではないかというようなことでございましたが、冷害のために何か特別な対策を講ずる、その対策費の起債ということでございますが、これは今回の冷害対策として、地方に負担分を生じますものは、比較的少いというふうに私ども考えております。しかしながらなおこれに伴つて単独の冷害対策の事業を施行いたすというような場合におきましては、災害とか冷害に要します資金の割当につきましては、いわゆる公募債というのは極力避けることにいたしまして、ことに小町村あるいは市等の、さような欠くことのできない冷害対策というようなものが、単独事業として施行せられるというものにつきましては、やはりその事業がほんとうに緊要な欠くべからざるものでございますならば、これはやはり政府資金をもつて考えなければならぬ、かように考えておるのであります。従つて先ほど大臣からも申し上げましたように、御指摘の公募債の割当につきましては、できるだけこれは慎重を期しまして、事実困難なところにさようなものを割当てるということのないように、いたしたいというふうに考えております。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 その考え方というのはわかつたのですけれども、やはり現実に法律として国が地方起債について、これこれについてはこのようなめんどうを見るんだということが、はつきりしておらないと、やはりそういうものがはつきりしておる方へ、資金運用部の資金が優先的にまわるとか、公募債の方は冷害の方にまわるということが、自治庁のお考えはどうあろうとも、政府全体としてはあるいはそうならないとも限らない、私どもはそういう点を非常に心配するわけでありますから、この点は立法措置が私どもは必要だと考えておりますが、そういう立法措置についての裏づけになるような御意見といいますか、そういうものがない場合と、ある場合の違いというものが、実際上政府部内においてどういうふうに出て来るかということも、ひとつ御親切にお話を願いたいと思います。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木政府委員 冷害のような事態に対処いたしますために、たとえば起債特例法のようなものを、これに及ぼすかどうかということでございますが、これはやはり起債特例法が地方財政法第五条の起債の原則を排除いたしまして、特に税の減免といつたような、いわば経営財源の不足を起債をもつてまかなうというような異例な非常措置を、特例法は講じたわけでございまして、地方財政の健全化という点から申しますならば、税の足りないところを起債で補うといつたようなことは、必ずしも適切な望ましいこととは感ぜられないのであります。従つてかような行き方はむしろなるべくこれを避けて、さようなことがないようにいたしますためには、やはり筋から申しますと、平衡交付金がさような税の減収分を十分に補填できるということが、やはり本筋であろうと思います。これは先ほど来いろいろ御議論があつたわけでありますが、やはり起債特例法というような原則を適用いたしますよりは、さようなことで本来は処置いたすべきことであろうと思うのでありますが、何分国全体の財源が非常にきゆうくつであるというところから、あのような起債特例法というような異例の措置が行われたことと思うのであります。そういう点から考えますると、国の一般財源とのにらみ合せの問題になるわけでありますが、ただちに特例法の範囲を拡大することがよろしいか、それとも一般財源に何らかさらに考えてもらうということの方がいいか、この点はさらに政府といたしましても、来るべき国会に予算を出しますまでの間に、十分検討をいたして結論を出したいというように考えている次第でございます。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 そうしますと、このような一般的経費というものを、起債でもつてまかなうことは原則的でないから、そこで国庫交付金なりほかの財源、普通の財源によつた方がいいのだというようなお考えであり、かつその見込みがあるようなお話なのですが、しかし実際にはこのような財政計画を拝見すると、そういうことができないから非常に無理な起債、ほとんど大部分が起債の振りかえとか、あるいは打切りとか、そういうものに求めておられる。そういうこととお話が大分違うと思うのであります。何か国庫交付金でもふやされるような見込みでもあるのでありますか。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木政府委員 地方団体のいわゆる赤字という問題につきましては、当委員会でも前国会以来鋭意御研究中でおられるわけでございますが、この地方団体のいわゆる赤字の解消、ただいま御指摘の冷害に関しますものは、それの今回起つて来た一つの問題ということに相なるわけでございますが、これが全体につきましては、先ほど私が申し上げましたいわゆる赤字が出て来たからそれを起債でまかなう、いわゆる借金で赤字をやりくりするという行き方は、やはり財政経理の原則から申しますと、常道をはずれることでございますが、もしもその赤字が一般財源において、要するに国からの補給金というか、そういうようなことで調節できますならば、これも一つの方法と考えます。その点は先ほど来申し上げますように、なかなか国の財源も困難であるわけであります。そこで地方団体が赤字をいかにして解消するかということに相なりますれば、やはり一面経費の節減をいたしますとともに、さらに増収をはかり得るところは十分増収をはかつて、それでどうしても処置できないところは、結局国からの一般的な財政援助によるか、あるいはいわゆる赤字起債を最後に起さなければならぬか、こういうことになるかと思うのであります。このいずれかの方法のどれが一番望ましいかということになりますれば、なるべくいわゆる借金によつて赤字を埋めて行くという方式をとらない方が、望ましいに違いないと思うのであります。しかしこれは全体の財源、政府資金の上から、あるいは両方を併用して行くというようなことも、やむを得ないことになりはしないかと考えるわけであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 ちよつとこれだけを聞いておきたい。この前の予算で修正された五十億の地方財政平衡交付金は、どういうふうにわけられたのでありますか、その経過をひとつ話しておいていただきたい。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木政府委員 先般交付金が五十億増額せられたわけでございますが、これは財政計画の上におきましては、先般御説明申し上げたと存じますが、さらに一般的な経費四十八億を節減いたしまして、その四十八億と五十億の両方をもちましていわゆる給与の適切でなかつたところを是正いたしたわけであります。財政計画上はそういうようなことで九十八億を給与費の方にまわして、調節をいたしているわけでありますが、平衡交付金の配分につきましては、本年のいわゆる交付基準額と、それから現実の平衡交付額との間に、若干のギヤツプがあるわけであります。これは毎年さようなことがあるわけでございますが、そのギヤツプが大体五十億程度でございましたので、従つてこの交付基準額のほとんど満額を交付する、こういうふうな形にして処理をいたしたのであります。しかしながらなお前国会以来の問題でございます高等学校の教員の給与の是正の問題、それからまた近く次の国会において、おそらく御審議を願うことになることと思います期末手当の増額の問題、また六月に繰上げて使用いたしました分の補填の問題、そういうようなものをあわせまして、いわゆる単位費用の改訂をいたさなければならぬと考えております。その関係の法律案は、予算とともに次の来るべき国会に提案いたしたいというふうに考えておる次第であります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 どうもそれはおかしいと思うのです。測定単位を先にかえなければならないはずです。測定単位の法律を出さないでおいて、そうしてそういう何かわけのわからぬようなことで、これを使われるということになると、これは法律自身が悪いのだといえばそれまでのものだけれども、ふえた以上は当然測定単位というものを直すべきだと思う。そうしてその五十億をりくつに合つた使い方をしてもらわぬと、この五十億の金がどこに行つておるのか、実際上はわからないのじやないか。ふやしたという意味は、やはり地方財政平衡交付金が少いから、これを全般的にふやしたのであつて、その使い方を政府に一任したわけではないと私は思うのだ。もしこれが政府に一任されておつたとするならば、これは地方財政平衡交付金の法律自身についても、非常に大きな違反といえば違反といえるかもしれないが、法律の趣旨に合わざる行き方だと思う。当然ギヤツプがあるということは承知しておるけれども、ギヤツプがあるからといつて、それではこの金をふやさなかつたらどうするのですか。もし平衡交付金の五十億がふえなかつたらどうするつもりですか。ギヤツプがあるということは、われわれはそんなものはないとは言わない。事実上そういうものができるだろう。しかし少くなくとも実際の法の体裁としては、やはり測定単位を明確にかえて、それから施行されることが私は正しいと思う。その点大臣はどうお考になりますか。もしそうだとすれば、その五十億を使われた、あるいは振り向けられた先の明細書を出してもらいたい。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 これは私の考えとしては門司委員と同じ考え方をし、相当強く事務当局と意見を交換したわけであります。結局今次長の説明いたしましたように、配分をしたものが、国会の御意思のように給与に大部分向けられたかどうかということに、私は重大関心を持つておつたわけであります。私も最近までその点はよく承知しなかつたのでありますが、地方財政計画の上におきまして、給与費にこれだけ、その他の費用にこれだけというように考えておりますものと、今までの配分の方法で現実に給与費にまわつておりますものとの間に——むしろ給与費にまわる部分が、今までの配分の方法では多かつた。ですから、地方財政計画の上で考えておりました給与費の総額というものと、配分されました上に出て来ました給与費に向けられる総額というものとの間に相当ずれがあつたのが、この五十億のギヤツプを埋めていただいたことによつて、それが適当に埋まつて、しかも現実に計算をしてみました結果におきましては、単位費用を直さないでやりました数字を見ましても、地方財政計画で考えておる給与費の総額よりも、まだ十分上まわるものであつたということを承知いたしましたので、結局形式的には門司委員の御指摘になりましたように、国会の考え方通りに配分が行かなかつたのでありますけれども、実質的には、国会の意思の通りに配分が行われておるというふうに判断をいたしまして、一応これでよかろうか、こういうことにいたしましたわけであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 財政計画というものと、実際というものは当然違わなければならぬと思う。財政計画がそうであつたからといつて、財政計画に合う数字が出ていろんなら、もう少し当初の地方財政平衡交付金にそれが盛られていなければならぬ。盛られていないということは測定単位と財政計画との間に開きがあつたから、そういう結果が出て来たと私は思う。この点を私は認めないわけではない。そういうものは私は当然できると思う。しかし計画はあくまで計画であつて、たまたま数字で出て来たからこの計画に合わせるのだという行き方は、私はどうかと思う。もし計画が正しいとするなら、当然測定単位がわかつていなければはらぬ。私どもは計画はあくまでも計画として考えておるのであつて、これがきめられたものだとは考えておらない。だから当然計画と実際との間に、ギヤツプが出ることはあたりまえだと思う。今のような御答弁だといたしますると、これは計画を立てられるときに、すでにそれは計画ではないのだ、確定だというふうに承知しておらぬと、これから先の予算を審議する上に、非常に大きな問題が出て来ると思う。できたことであまりやかましいことも言いませんが、結局それがどういうふうに配合されておるか、配分の先をひとつ明細に出してもらいたいと思います。そうしませんとこれは困ると思います。国会でせつかく五十億ふやされたのが、これの使い方が当局の方に一任されておるような形であつて法律が全然無視されておるというような形は、私は承知はできないのです。だからこの点はひとつはつきりしておいてもらいたい。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 これの配分の方法は、平衡交付金がどういうふうに配分されたかという明細を差出すことによつて御説明申し上げたいと思います。ただ考えておりますことは、実は平衡交付金の配分のこまかいいろいろなやり方が、財政計画といつも合わないで、食い違いを起しておるわけでありますけれども、しかし平衡交付金の総額を決定いたします場合には、やはり財政計画というものを基準にし、従つてこれだけの財政計画では、大体地方財政においては給与にこれくらいまわつておる、その他のものにこれくらいまわつておるということの方が、私どもとしてはいつも重要に考えておりますので、その面が国会のお考え通りに実際の配分方法に——ほんとうは実際配分をいたしました際に、その財政計画通りに合つて来るようにということを頭において、もちろん単位費用などはきめられてあるわけでありますけれども、非常にこまかく分解して行きますので、積算して行きますとどうしても合わない。これがたまたま今度の場合には五十億をそのまま差額のところに埋めていただいて、現実に給与費にどれくらいまわつたかということを検討いたしました結果、財政計画と非常に近い結果になつたということで、非常によかつたのではないか。従つて私どもは国会の御意思によつて、五十億増額された考え方の通りに、今年は配分もうまく行つたのではないか、こういうように考えておるわけであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 今の大臣の御意見のようだとすると、その法律の測定単位費用というものは、無視された形になると私は思う。だからこれはやはり法律がある以上は——この法律自身が悪いのだといえば、これは悪いと私は思うのですが、平衡交付金をこの基準の単位で割当しないで、国の使いわけでやつておるから、そういうことができるのだといえばそれまでですが、実際の問題としてはやはり法律がありますから、それが今のようなお話で、計画通りに大体合つておるということになれば、やはりその計画に合うように測定単位をかえておくということが、私は正しい使い方であり、またそうでなければならぬと思う。この手続を怠つておいて、そうしてちようどこつちの計画通りになつたからと言われたのでは、これは法律自身がこんな法律があるということになると、法律を見ておるわれわれからいうと、非常に困つた問題である。従つて私がさつき言いましたようなことで、これを測定単位に割当てると、一体どれくらいのことになるかということであります。これは逆算されておるからでありますけれども、今の五十億ふやしたのでも、逆算すればすぐ出て来ると思うのです。これは実際は大して手間がかからぬと思うのです。これは測定単位自身がその年の地方財政平衡交付金がきまつてから、逆算されて書かれたのですか。最初からきまつておつて、ぜひこれだけを大蔵省が出さなければならぬということで、大蔵省が出しておるわけじやないと私は思うのです。これは事務的にも大してむずかしい問題じやなかつたと思うのです。それがいまだに改正される法律が出て来ないから、私はそういうことを聞いておるのです。従つてその測定単位を変更するとすれば、一体どういう数字になるかということを、私どもの参考として、念のためにつけ加えて御示し願いたい。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木政府委員 ただいま門司さんの御指摘になりましたように、平衡交付金が原則通りいわゆる積上げ方式でございまするならば、財政計画というものは必要もございませんし、またその間のギヤツプというようなものも生じないわけでありますが、御承知のように、総額の決定の方式と配分の方式と、二元的になつておりますので、どうしてもその間に御指摘のような矛盾が生ずるわけであります。今回の五十億は一体どうしたのだという御指摘でありますが、平衡交付金の単位費用の測定の際には、給与費でございますとか、その他のたとえば産業経済費とか土木費、それぞれ標準団体の標準予算というものを基礎にして、単位費用が出て来ておるわけでございますが、給与費というものは、やはり圧縮が一番困難なものであつて、産業経済費とか、土木費というものは、いわばある程度弾力性があるわけであります。そこでその単位費用を具体的に定めます場合においては、教育費というような教員給与、人員とかいうもの、あるいはその他の費目に含まれております給与の関係の部分、こういうものを実は相当高く見ておるのであります。ことに教員の給与費等は、今までの分はほとんど百パーセント近いところまで見ておるわけでございます。従つてたとえば義務教育費国庫負担法が実施になりました場合において、かえつて平衡交付金で計算をしてもらつておつた方が、教員給与費に関する限りは有利であるというような点も、数県あつたわけであります。そういうことで教員給与費について五十億ふえたわけでございますが、それからさらにその節約費という点を見ますと、先ほど申し上げましたように、給与費についての単位費用というものは、総体で九十八億が、前回の財政計画で増すべき数字であります。ところがそれを九十八億増したと同じ程度に、あるいはそれ以上に、あるいはそれと近い程度に、すでに給与費というものは、ほかの費目の方から給与費の方に、単位費用の計算上まわつておる。従つて給与に関する単位費用の定め方は、財政計画よりも、さらに実際に近い数字になつておる。ところが財政計画の方は実際から離れておりましたので、今回五十億ふえましたものは、財政計画の上では給与費に九十八億プラスされたということに相なつたわけでありますが、単位費用においてはすでにそのことが現実化されて、現行の単位費用の中に盛り込まれておるというふうに、私どもは考えておるのであります。従つて今の単位費用の上に、さらに九十八億を給与関係で加えて参りますと、給与関係の単位費用というものは、むしろ実際の必要額をオーバーしてしまう、こういう結果になるのであります。そういうことで単位費用というものは、特に前回はいじらなかつたのでございます。従つて単位費用の基準と財政計画の給与費の基準というものが、大体前回の御修正の結果、マツチするようになつて来たというふうに、私どもは考えておるのであります。ただ高等学校の教員の給与費の関係につきましては、これは別途法律が出ておりまして、この法律に対応いたしまする単位費用は、これは御指摘のように、ぜひ改正いたさなければならぬのでございます。この点は増額いたしました経費のうちの、それに相当いたしまする分、これは別に留保いたしております。その留保されました分と、いずれ次の国会において御審議を願います期末手当の予想される増額分、この二つにつきまして、給与関係の単位費用を改訂いたしまして、それによつてさらに給与の増額分を交付することにいたしたいというふうに、私どもといたしましては考えておる次第でございます。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 今のお話ですが、それはなるほどこの法律の十二条、十三条の関係から言えば、そういうことは当然言えるのですが、しかしこれは十二条、十三条の問題は別として、私はその問題から離れて、さつき言つておりますような意味の鈴木君の答弁では、いかにも答弁のための答弁であつて、私は実質に触れてないと思うのです。私の聞いておりますのは、よしそういうことがあろうとなかろうと、当然法律通りにやはり測定単位というものを改正すべきである。改正しないで行われたということについては、これは私は使い方が非常におかしいと思うのです。何の基準によられたか。平衡交付金の按分の方法は、どこまでも私は測定単位が基準だと思う。これはもし今の鈴木君の御答弁のようならば、この法律はいらぬと思う。この法律があります以上は、この法律はやはり適用されるということは、これは私は大してむずかしいことではないと思う。これは毎年かえているのだから、もし今の鈴木君のような御答弁でありましたら、私の方は一応十分内容を審査しなければならない。この法律に内容をあてはめて出されておるかどうか。少くとも私は法律がある以上は、適用されなければならない。財政計画というものは一つの計画であつて、法律じやないのです。出て来ておるものは私は法律だと思う。財政計画がそうであつたから、ちようどそれだけの見合う財源があつたから出したというのなら、法律などはいりはしない。もし今の鈴木君のような御答弁なら、それの明細をさつき申し上げておるように早く出してもらいたい。そうして私どもとしてはこの法律は全然だめなんだ、今ここに書いてありますが、測定単位の表というものはこれは間違いで、適用されていないというように解釈しておりますが、それでさしつかえないかどうか。今の鈴木君の答弁のようなら、私はさしつかえないと解釈した方がいい、これはどういうことなのですか、この基準によつて配分したわけじやないのでしよう。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木政府委員 財政計画と平衡交付金の方の単位費用の関係でありますが、財政計画は先ほど来おつしやいますように、またよく門司先生も御承知のように、これは地方財政平衡交付金なり、起債なりの、当該年度の総額を幾らに定めるかということを定めます基本になるものであります。ところがその単位費用というのは、個々の具体的の地方団体の財政収入と財政需要額とを測定する方法であつて、ことにその単位費用は、財政需要を測定する方法であるわけであります。財政計画の数字は、いわば実際の支出額と申しますか、フルに見た数字でございますが、単位費用の数字というものは、これも御承知のごとく、基準財政収入額を、府県は八割、市町村は七割ということで押えておりますから、従つてそれに見合う程度の、いわば最低の基準の経費になるわけでございます。従つて測定単位費用の定め方というものがフルの額でない、大体八割程度、府県の場合は今度九割くらいになりましようが、その程度の基礎のもので、単位費用をはじき出しておるわけでございます。これを産業経済費とか、土木費とか、あるいは教育費なり、港湾費なり、それぞれの費用にみな同じように八割なり九割なりの程度の基準で、単位費用を計算いたしておるのではなくて、さつき申し上げましたように、給与費が一番多く含まれております教育費につきましては、九十何パーセントというところでこれを見ておるのであります。そういたしますと、平均的には、たとえば府県は八割ないし九割の線で見られておりますものが、給与費だけはほとんど百パーセント近くになつておりますれば、ほかの費目の八割なり九割なりに見らるべきところが、七割なり六割なりに押えておる、こういうのが実際の単位費用の状況でございます。そういうことの結果といたしまして、現行の単位費用が、すでに実際の給与支給の基準とほぼ近いようになつておるというふうに私ども考えておるのであります。従つてただ財政計画の上では、先般、高いという調査の結果の出ましたものを落したりして来ておりますものですから、それを先般の御修正によつて、実際に近い数字に財政計画が引直されたわけでございます。従つてこの単位費用で定めております給与の基準というものと、財政計画の給与というものは、大体前回の御修正によつてマツチして来たというふうに考えておるのであります。単位費用に関しまする平衡交付金法の法律の趣旨に従つて、現行の単位費用を定められておるわけでございまして、その点は毛頭私ども法律に違反しておるとは考えていないのであります。むしろ財政計画が実際の実情に即していなかつたのが、実際の計画に即するようになつて、従つて平衡交付金なり起債なりの総額を、今後決定いたします場合におきましては、さような実際の基礎に立つた計画の上で交渉をし、処理ができるということになつたと私ども考えておるのでございます。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 そういう御答弁だとますます私は聞かなければならなくなつて来るのですが、私の方でも大体今の内情がわからぬわけではありませんが、少くとも地方財政平衡交付金は、この十一条に書いてあります通り、測定単位がやはり基準の単位になつておることは間違いないと思う。もし鈴木さんがそう言われるなら、もし五十億の増額の修正がなかつたら、一体どうするつもりだつたのです。あつたから、そういうことが言えるのであります。なかつたら、一体どれによつて配分されるつもりか。この点は一体どういう意見が出て来るか。あつたからそういうことが言えるが、なかつたら一体どうなるのですか。最初あなた方がお出しになつた予算案というものの基礎は、やはりこの十一条の規定によつておることは私は間違いないと思う。測定単位による数字が、ちやんとあそこに計算されておつたと思う。またそうでなければならぬと思う。従つてこの計算というものは五十億ふえておる。やはりこの測定単位によつて当然配分さるべきだと思う。そうするとその基準になつておる単位費用の計算というものは当然かわらなければならぬ。その点を私は聞いておるのであつて、実際上の問題がどうの、こうのと言つておるわけではない。一体それは何によつて配分されておるのですか。ここに書いてあります測定単位の基準というのは何にもならないのですか。その点をひとつ明確にしておいてもらいたい。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木政府委員 今の門司先生のおつしやることは、予算で五十億平衡交付金が増額になつたのだから、従つて当然それは平衡交付金の単位費用の改正をして、その五十億に応ずるように配分すべきである。これはおつしやることは常識的に考えますと、まことにその通りであるのでありますが、いわばその五十億、それから節約の四十八億をプラスしたと同じような状態において、単位費用が現在すでに定められておる。ところが平衡交付金の総額と、そういう現行の単位費用によつて出て参りましたいわゆる交付基準額との間において、約五十億程度の開きがあるわけであります。それは実際の実情に即するように、要するに交付基準額が、そのまま平衡交付金として参るようになることが理想であるのでございますけれども、それが実際の問題といたしまして従来三%、四%といつたような交付金額と交付基準額との間に開きがあるのであります。そういう開きがあるということは、結局百パーセント近く見られております給与関係の単位費用に一番大きなしわが寄つて来るわけであります。従つて交付基準額とほとんど同額のものが、交付金として交付されるということになつて参りますと、給与関係の単位費用の部分が、やはり比例的には一番多く調整をされ、緩和される、こういうことになるのであります。従つて今回おおむね交付基準額と交付金額の間の差額の五十億というものが、増額の結果埋められることになつて、その結果といたしましては、給与関係がそれだけ緩和せられるということが言えるのではないかと思つておるのであります。ではそういうことをやつたら、それは法律無視じやないかとおつしやるのでございますが、これはそういうわけではありません。平衡交付金法によつて定められておる基準財政収入額、基準財政需要額の差額を法律の規定通り、またそれに基きます総理府令の定めるところに従つて交付いたしておるのでありまして、全然この法律に基いた数字によつてのみ交付しておるのであります。全然別個の数字を基礎として、交付しておるというわけではまつたくないのであります。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員長代理 大臣が間もなく帰らなければならぬそうですから、私ちよつと大臣にお聞きしたいのですが、予算の修正をやつてあるのですから、この財政計画を修正して出される必要があると思うのですが、それはどういうことなのでございましようか。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 私どももりくつの上では、その通りだと思つておるのでありますが、ただ災害対策費に対しましての増額は、国の分が御承知のように必要に応じて見て行くということでありますので、大体試算をいたしますと、国庫補助分の増百四十一億が予定通り出ますならば、地方負担の分は二十一億程度になるのではないかという試算は出ておるのでありますけれども、確定計画として財政計画の上に出すというには、国の分が確定いたしておりませんので出ないのであります。それから冷害対策費の分でありますが、これは先ほどちよつと御説明にも申し上げたのでありますが、大体二、三億程度増加するというような試算を一応しておつたようでありますけれども、ただいま大蔵省と折衝中で、地方負担がなるべく出ないような方法で、何らか考慮はできないかということで、今盛んに検討いたしておるそうでありまして、まだ最終的には結論に到達いたしておらぬわけであります。しかしりくつといたしましては、もしそうでなしに普通の形で行きますならば、現在の分に追加になるのですから、何がしかは増加になる、こういうように了解を願いたい。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 ついでだから大臣のおいでになるときに聞いておきますが、例の地方財政平衡交付金の配分の問題ですが、実情はいろいろ私はまちまちだと思うのですが、一体大臣のお考えとしては、地方財政自身というもののお考えが、表面から見た財政需要額、あるいはこの収入額というようなものについて、至つて事務的に考えられておつて、地方の個々の自治体の実態には沿わないものが相当ありはしないかと思う。ですからそれらの点についての現行の交付配分基準でよいというようにお考えになつているかどうか、これはかなりめんどうな問題だと思います。一体大臣はこの点どうお考えになつておりますか。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 この点私も就任いたします以前から、そのように考えておりますので、はたして現実にマツチしておるかどうかということを、かなり疑問に思つておつたわけです。そうしてただいま申し上げましたような企業の問題なんかも——おそらく門司委員も同じような考え方で、今の御質問をなさつていたのではないかと思いますが、私も財政計画の通りこの測定単位費用でもつて配分したものが、地方に配分されているとばかり思つておつたのです。ところがそうでなしに、自分もいろいろ検討してみたら、ただいま鈴木次長が説明いたしたように、あるものには相当重点がかかつておる。従つて財政計画の数字と現実に単位費用の方法でもつて配分をして行つた数字というものが違つておつたということを承知したわけでありますが、そういう意味におきまして、やはり今の単位費用では、配分いたしましたいろいろな各費目別の配分の仕方が、現実の状態にマツチしているかどうかということは、もう何年かやつて見て実績ができておることでありますから、実績とにらみ合せて検討し直した方がよいのではないかという考え方を私も持つておるわけです。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員長代理 床次君。

床次徳二改進党

○床次委員 ここに地方財政計画が出ておりますが、この財政計画によりまして、一応政府といたしましては町村に赤字ができないという前提のもとにやつておられると思うのでありますが、今日の地方の財政からいいますと、まだまだ当局は懸念しておる向きが少くないと思うのでありますが、この点に関しまして、将来の見通しをどんなふうに考えますか。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 今度の災害に伴う財政計画の措置は、一応国の分と歩調を合せて、今までの分の不足分を補つたわけでありますから、この面から特に地方財政の困難が出て来るというようなことは、そうないのではないかと考えておるのでありますが、しかし地方財政自体の今までの考え方に、かなり実情に即しないものがあつたので、そういう意味の困難は、あるいは今後も続くのではないかということを、自分も懸念をいたしておるわけであります。今度の地方制度調査会の御答申の筋もありますので、そういう面は総体的に何とか今後も改正措置でもつて考慮をして行きたい、こういうように考えておるわけであります。

床次徳二改進党

○床次委員 この中に既定公募の資金の振替分が二十五億あるのでありますが、大体この資金部の方の関係は、やはり確実にそれだけの財源が確保される見通しがおつきになつて、これは振りかえておられるのでございましようか。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 この振替をいたしました部分は、当初のものが公募でございましたのに、今度は資金部資金の裏づけがつくことになつて、このわくがあいて来たわけでありますが、なお今度の地方財政の百八十六億に対して、政府資金の増として八十三億円あります分につきましては、大蔵省と折衝の結果、これは確実に資金運用部資金の裏づけができるというようになつた次第であります。

床次徳二改進党

○床次委員 なお既定公共事業等に相当圧縮がございますが、このために予定されました事業で、今日まで起債その他の許可が延期されておるものが少くないのじやないかと思いますが、これは既定のものに対しては、どういう取扱いになつておりますか。現在どの程度までこの問題について承知しておるか、その経過を伺いたい。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木政府委員 この公共事業費の節滅ということの関係で、地方の公共事業費の縮減になります分、すなわち補助が減額になりました結果、地方負担の軽減になります分は、この財政計画にございますように二十一億ございますが、このうちで現在地方債を割当てる見込みになつておりますのが約十二億でございます。その部分は浮いて来るわけでございます。そのほかに、単独事業を主として考えておりますが、五十八億のうち約四十億というものは単独事業でございます。先ほど申しましたように、六百七十億の単独事業のうち六%に相当いたします程度の分を災害単独事業等に振りかえる、そうして節約をする、こういうことにいたしておるのでございますが、この部分の地方債が他の方に振りかわる、あるいは浮いて来ることになるわけであります。これら合せまして約五十二億になりますが、そういう部分が他にもあるわけでございますけれども、これらの公共事業費等の起債の配分は、今年は本予算の成立が遅れました関係もございまして、各省の配分がずつと遅れて参つております。従つてこれに見合います地方負担分に対応いたします起債の割当というものも、公共事業の関係はまだいたしておりません。これも実際の事業の状況かつ各省の配分の状況とにらみ合せました上で、この節減の趣旨に合うように、起債の許可をいたしたいというふうに考えておるのでございます。

床次徳二改進党

○床次委員 起債の許可が今時分になりますことは、実は事業執行団体には非常な迷惑だと思います。この削減の方法が一律に七%程度であれば大したことはないのでありますが、この辺はどんなふうな観点から個々のものに対して折衝しておられるか。ある程度まで、それほど急がないものはあとに延ばすというような処置になつておると思いますが、地元ではいろいろ相当都合があると思います。この点地元が非常に迷惑をこうむることのないように御配慮が必要だと思いますが、その方針を伺いたいと思います。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木政府委員 それぞれの公共事業につきましては、各省の補助の配分が確定をいたしますれば、それに見合つて処置をいたす考えでございまして、だんだんその補助の配分が進んで参つておりますので、それに見合つた処置をいたしたいと考えておりますが、今御指摘のように、すでに単独事業等につきましては、多くこの配分を了しております。従つて単独事業の中では、大体現実に事業の進んでおりますものに対して起債を割当てないというようなことは、もうあり得ないと考えておりますが、公共事業分につきましては、各省の補助の進行状況と、実際の事業の執行の計画等々とにらみ合せまして考えて参りたい。それから災害地の地方団体等で、現実に災害復旧事業の方に重点を注ぎますために、公共事業を始めることは困難であるというものもございますので、そういうところは、あるいはまるまる起債を許可しないというようなこともあろうかと考えております。     〔西村(力)委員長代理退席、委員長着席〕

中井一夫自由党

○中井委員長 ちよつと速記をやめてください。     〔速記中止〕

中井一夫自由党

○中井委員長 速記を始めてください。  再び奄美群島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律案を議題といたします。本案につきましては先刻質疑を終了いたしましたので、これより討論に入ります。討論の通告がありますので順次これを許します。灘尾弘吉君。

灘尾弘吉自由党

○灘尾委員 私は自由党を代表いたしまして、本案に賛成の意見を表明せんとするものであります。  終戦のうき目を見ましたそのことのうちでも、特にわれわれと血液を同じくし、ほんとうに骨肉でありますところの間柄にある島々の方々が、わが本土と離れて、同じ日本のわれわれとともに生活することができなくなつたということは、何と申しましても最も悲痛なことで、われわれが最も深刻な苦悩を感じた問題であります。この問題につきましては、内地におりましても、また外国の統治のもとに置かれました方々におかれましても、始終苦しみ悩み、一日もすみやかに合体することを切望いたしておりました次第でありますけれども、その後サンフランシスコの平和条約が締結されるに際しましても、遂にわれわれの悲願は達成することができず、これらの島々におられますところの方々は、日本の立法権、司法権、行政権の範囲外に置かれたわけでありまして、ますますわれわれの苦悩は、はげしくなつたのであります。その後内地におきましてもまたこれらの島におられる方々におかれましても、あの手この手といろいろと復帰についての努力を継続して参りましたわけでありますけれども、去る八月アメリカのダレス長官の声明によりまして、全部ではございませんけれども、わが奄美大島群島が日本に返還せられることが約束せられたのであります。私どもはこの問題解決の曙光を見出したような心持がいたしまして、非常に喜んだ次第でありますけれども、その後の推移に徴しまするに、実はわれわれといたしましては、もつとすみやかにこのことが実現せられることを期待しておりました次第でありますけれども、遂に今日までいまだ実現することができない状態にあるわけであります。政府もこの問題につきましてはいろいろと御苦心なり、御努力を続けておられるやに承つておる次第でありまして、遠からずこの問題が解決せられることが明らかにせられたわけであります。何といたしましてもわれわれといたしましては、いつこれが返還せられましてもさしつかえないような準備は、十分整えておく必要があるのであります。その意味におきまして、今回の臨時国会に奄美群島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律案並びに善後措置に関する予算が計上せられましたことは、まことに適切なことと思うのでありまして、この受入れ態勢の整備をいたすことによりまして、ますます強くわれわれといたしましては一日もすみやかなる復帰を実現しなければならないと思うのであります。  この案の内容につきましては、さしあたり奄美群島に施行せられておりますところの法令に関する措置、復帰に伴う暫定的な衆議院議員の定数及び選挙、奄美群島における市町村の機関及び職員の引継ぎ、現地裁判所における民事訴訟の引継ぎの方法等につきまして規定しておるのであります。その他同地域の復帰に伴いまして、いろいろと必要とせられる事項につきましては、ある程度政令等に委任することにいたしておるのであります。現地の実情につきましては、なお調査を要する問題もあろうかと思いますので、この法律案の内容を拝見いたしますと、あまり明白でない点も多々あるやに思うのでありますけれども、今日の場合としてはやむを得ないかと思うのでありまして、おおむねこの内容は妥当と考えますので、わが自由党といたしましては、これに賛成するものであります。  なおこの法律が制定せられるに至りましても、この法律の制定をもつて満足することなく、政府におかれましては、すみやかにこの復帰が実現せられまするように、なお一段の御努力をお願い申し上げたいと思います。同時にまた、現地の実情等につきましても、米国と十分に御協定の上に、すみやかに現地に相当な実情調査の道を講ぜられまして、この引継ぎに際しまして、何らの混乱を生ずることなく、円滑に引継ぎが行われますと同時に、この前後にあたりまして、島民の方々の不安、混乱あるいは窮乏を来すがごときことがないように、万全の措置を講じていただきたいと思うのであります。この引継ぎという問題は、世界の見る目の前で行われるわけであります。アメリカにとりましても、おそくこの引継ぎがりつぱに行われるかどうかということが、その名誉に関する問題であろうと思うのであります。またわれわれ日本といたしましても、りつぱにこれを受入れるということにつきましては、何ら欠くるところのないように用意をいたしておかなければならないと思いますると同時に、将来なおこれと同様の問題を、なるべくすみやかなる機会において実現いたしたいと思いますので、将来の模範ともなるように、ひとつりつぱにやつていただきたいと思うのであります。  以上をもちまして、私は自由党の賛成意見を表明いたした次第であります。

中井一夫自由党

○中井委員長 床次徳二君。

床次徳二改進党

○床次委員 私は改進党を代表いたしまして、本案に賛成の意を表するものであります。  奄美大島の復帰に関しましては、当国会におきましても、しばしばその復帰に対しまして強い要望をいたしておつたのでありますが、今日復帰の曙光を見たことに対しましては、まことに御同慶にたえないのでありまして、この点同地方の住民とともに、心から祝いたいと思うのでありますが、この問題は、すでにおそ過ぎると言つてよいくらいでありまして、地元の生活の今日の困窮の状況、産業の状態等を見まして、まことに同情にたえないのであります。できる限りりつぱに受入れをいたしまして、一日もすみやかに、これらの地方が内地と同じような程度にまでなるように、努力をいたしたいと思つておる次第であります。従つて今回の法律案におきましても、いろいろと法律の適用に関しまして、応急の措置が書いてあるのでありますが、その措置に関しましては、十二分に地元民心の安定、生活の向上ということを考えまして、実情に即した施行の方法をとつていただきたいと思う次第でありまして、一日もすみやかに生活の低下を、本来の日本の内地に匹敵するところまで向上せしめ、さらに大いに日本の復興に役立たせるという意気を持ちまして、実施をしていただきたいと思う次第であります。  なお予算その他におきましては、きわめて財政窮乏の際でありますので、十分とはいえない額でありますし、その施行方法等につきましても、いまだきまつておらないようでありますが、最もこの現実に適するがごとく、その実施をお願いいたしたいと思うのであります。法令の中にありまするごとく、多くのことがことごとく政令にゆだねられておりまして、この点政府の責任はきわめて大きいのであります。国会におきましては、政府を十分に信頼いたしますけれども、この点、いわゆる官僚的な処置に堕することなく、十分に国会の考え方並びに現地住民の立場をそんたくせられまして、適切なる政令をもつて、この受入れが円滑に行われるようお願いする次第であります。なお、この問題は奄美大島だけの問題ではありますが、さらに私どもといたしましては、いまだ復帰せざるところの旧領土も少くないのでありまして、その受入れに対しましても、大いなる示唆を与えるものと思つておりますので、われわれ日本人の立場におきまして、残された部分の復帰に関しましてよい先例をつくり、その促進をはかることができますならば、非常に幸いと思いますので、われわれこの復帰の法律案に対しまして、数点附帯決議を付しまして、遺憾のないところの措置を講じたいと思つておる次第であります。後刻附帯決議を付しまして、皆様方に御賛成を得たいと思つておる次第でありますが、わが改進党といたしましては、本案そのものに対しましては賛成の意を表する次第であります。

中井一夫自由党

○中井委員長 西村力弥君。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、本法案に賛成いたします。  奄美大島の二十二万の私たちの同胞が、生木を裂かれるような状態に八年間放置せられて、しかもその生活実情そのほか産業、文化すべての面において、非常に窮迫した状況下に置かれていたことに対しては、まことに情ないような気がいたしてならなかつたのでございますが、とにかく復帰の見通しが一応立つたことについては、心から喜びにたえないのでございます。ただその復帰の期日が、今もつて明白を欠くというような点については、外務省当局の努力に対して、いささかわれわれとしては不満を感ぜざるを得ないのでありますが、早急にこの復帰の期日が確実になるように御努力願いたいと思います。これに引続いて、沖繩、小笠原あるいは千島方面——千島方面は、これは講和条約ができていない現状においては、相当の過程を踏まなければならぬことになるでしようけれども、そういう点に向つても、われわれは強く政府の努力を要望してやまないものでございます。この法案に対しましては、いろいろ批判すべき点もございますけれども、これは早急を要するので、その早急を要するという立場を変に考えると、向うでおみやげを持つて来るのを、こちらから受入態勢をつくつて待つているのだということで、何だからよつと変に感ぜられますけれども、しかし、とにかく一日も放置することはできないので、すみやかに復帰していただきたいという気持から、この法案そのものに賛成し、本日にも通過をはかつていただきたい、かように思うのでございます。また今後のことにつきましては、奄美大島の八年間の空白を埋めるためには、何年間という具体的な計画を立案して、早急に生活の向上、民生の安定の方向に強く努力していただきたい、かように念願してやまないものでございます。  以上をもつて賛成の討論を終ります。

中井一夫自由党

○中井委員長 門司亮君。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 私は日本社会党を代表いたしまして、本法案に賛成の意を表するものであります。同時に私は、政府に対する要望といたしましては、この法律が一日も早く施行されることの日の来ることを、強く要望いたすのであります。このことは、ここに住んでおります二十二万に余ります多くの同胞が、八年の間一日として望みをかけておらない日のなかつたほど切実な問題でありまして、従つて島においでになる方にとりましては、きわめて喜ばれる事態であると思いますので、この島民の意思を十分に政府は汲まれたいと思います。  さらに、この法律案の内容は、必ずしも万全を期しておらないのであります。ことに、先ほどもお話のありましたように、案の内容は、その多くを政府にゆだねておりますので、政府の責任は、きわめて重大だと考えるのであります。従つてこの法律施行にあたりましては、十分住民諸君の意思を汲んでいただきまして、いささかなりとも住民の今日までの強い要望と、長い間の苦脳に対しまして事欠くることのないように、最善の努力をしていただきたいということを、この機会につけ加えて申し上げます。  きわめて簡単ではございましたが、本案に対して賛成の意思を表明する次第であります。

中井一夫自由党

○中井委員長 松永東君。

松永東自由党(分)

○松永(東)委員 自由党を代表いたしまして、きわめて簡単に賛意を表したいと思います。  敗戦の結果とはいいながら、奄美大島、沖繩、小笠原等が長い間非常な悲惨な生活を忍んで来られたことを同胞の一員として、われわれはほんとうに同情にたえなかつた。幸いにして今回奄美大島がわれわれ同胞と同じようなもとの姿に復元せられるということは、心から喜びにたえないのであります。しかしながら先ほど政府から提案されました予算はきわめて少きに過ぎる。私どもはいま少し出してもらつて、長い間の労苦をねぎらい、さらに返還に処するいろいろな方策、施設をしてもらいたいと論じたのでありますけれども、今日のこの国政状態では、これまた無理からぬことだ、承認をするほかはないのであります。  しかし奄美大島住民の人たちは、この予算の少いことにはきわめて不満足であろうと存じますけれども、久しぶりにわれわれと同じ同胞の国籍に復し、同胞と同じに往復ができて、そしていろいろな施設に緒に手を携えて均霑して行くということが何よりの慰めだと思うのであります。私どもはなお機会あるごとに、奄美大島の将来につきましては、できるだけ同情あるやり方をせなければならぬと痛切に考えておるのであります。  この問題については賛意を表すると同時に、改進党から提案せられました附帯決議にも、あわせて賛意を表する次第でございます。

中井一夫自由党

○中井委員長 これにて討論は終局いたしました。  採決をいたします。本案に賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立〕

中井一夫自由党

○中井委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決されました。  床次君。

床次徳二改進党

○床次委員 この際、本案の通過の機会におきまして、この法案に対しまして、附帯決議案を提案して決議いたしたいと思う次第であります。各党の共同提案の形におきまして、お手元に配付してあります附帯決議案の御決議をいただきたいと思う次第であります。  まず朗読いたします。    付帯決議(案)  奄美群島の復帰に関し、政府は左の事項につきその実現に万全を期せられたい。   一、奄美群島の復帰を速かに実現すべく、更に対米交渉に於て努力すると共に、其の復帰予定の期日を可及的速かに発表して民心の安定を図ること。   二、復帰が予想せられた日より遅延することに伴う影響を可及的軽減するため、対米交渉に於て、特に失業対策、旱害対策、食糧対策、金融対策等につき遺憾なく措置を打合せ実施すると共に、今回の補正予算に計上せられた奄美群島復帰善後処理費はかかる緊要な支出に適切に使用し得るよう処置を講ずること。   三、今回計上せられた善後処理費が不足する場合は、第二次補正予算にて追加計上すること。   四、各種法律の施行日はその円滑なる実施特に住民の生活と民心の安定を図るため、現地の事情を充分に考慮して決定すること。   五、奄美群島の特殊性に鑑みその地方の振興を図るため速かにその振興計画を樹立し右に関する特別法を提案すること。   以上でございますが、簡単に御説明いたしたいと思います。  第一は、すでに同地方の復帰に関しましては、ダレス氏の声明によつて明らかになつておるのでありますが、その復帰の期日はいまだ明瞭になつておらない次第であります。この点、今日政府におきましてはすみやかに交渉委員を督励いたしまして、おな積極的にアメリカに対しまして、すみやかに復帰が実現できまするよう御努力を願いたいと思うのです。本法案が成立すること自体が、推進する一つの有力なる資料と政府は考えておられるようでありますが、国会におきましてこの法案を議決しました趣旨を、十分にそんたくせられまして、その期日のすみやかになりまするよう努力を願いたいのであります。  なおこの予定期日がわかりました以上は、すみやかにその期日を発表して、住民の民心を安定せられるよう特に要望する次第であります。  なおこの期日の決定に伴い、必要な施策が当然行わるべきものでありまするが、現在のところすでに最初において予定せられました十一月一日という期日からよほど遅れることが予想せられておるのであります。すでに今日までにおいても幾多の悪影響がこのために現われておるのであります。すなわちアメリカの軍事行政から今日日本に移りまする間の一つの空白とでも言いましようか、従来から苦しかつた同地方の生活が一層窮迫しておるのであります。特にここに掲げましたごとく、公共事業費がすでに打切られておるので、多くの失業者を出し、生活に苦しむ者があるのであります。なおこの生活の困窮のために、食糧不足を生じて、相当生活も窮迫しておるように承つておるのであります。従つて将来の食糧対策、現下の食糧対策としてもただちにとるべき施策が少くないのでありまするが、いまだその措置がとられておらないのであります。  なお復帰後においては、当然貨幣が交換せられることになりまするが、その流通の変化を予想せられて、今日金融が非常に逼迫しておりますために、島民の生活、経済等はよほどの圧迫を受けておるのであります。今日において何らか善処いたさなかつたならば、年末においては一層その生活の窮迫がはなはだしくなることが予想されておるのであります。これらの問題に関しましては、幸いにして対米交渉委員会がいまだあるのでありますから、十分アメリカ政府と交渉せられて、両政府のいずれかが責任をもちまして、これをりつぱに実施するがごとく処置せられんことを要望するものであります。当然アメリカ政府の責任とは思いまするが、われわれ受入れ側の母国といたしましても、相当の責を持つべきものと信じておる次第であります。  幸いにして今回補正予算も一応応急のものとして、十億円の計上がされておるのであります。これは右に関する必要な善後措置という意味において、特に必要な経費に対しては、十分これを有効に使い得るがごとく政府において配慮せられたいのであります。単なる予算の款項目に拘泥されることなく、実施せられたいのであります。今日においては、すでに款項目そのもの自体かまだ明瞭でないという状態でありますので、よけいこの費用は適切に使用し得る余地もあるわけであります。この点今後において政府もお考えいただき、両国の交渉委員の打合せとともに、遺憾ない効果があげられますよう努力せられんことを、要望する次第であります。  第三といたしまして、今回の善後処理費は十億円でありますが、これは復帰の行政に対する移管の経費が中心になつておるのでありまして、ただいま申し上げましたように、緊急の処置に対しては、必ずしも十分でないと思われますので、不足する場合においては、当然本年の第二次補正予算等において、増額追加せられたいのであります。  なおこの法律においては、内地において実施せられておりまする各種の法律の施行日が、大体六箇月を標準として、政令によりまして定めることになつておるのであります。特別なる事情がある場合におきましては、なお六箇月以後にわたることも認められておるのでありますが、形式上からいたしますと、非常に施行を急いでおりまするために、あるいは現地の事情をしんしやくすることなく、実施するというようなおそれもないではないかという懸念もありますので、この点に関しては、政府においては十分円滑な実施、これが住民の生活、また今日まで新しい法律になじまなかつた者が、一時に多数の法律を施行せられることによる混乱に対しまして、悪影響の起ることのないように、適宜その施行日を定められまして、実施していただきたいのであります。この点は地元の意向を十分取入れられ、なお現地の事情を調査せられて、遺憾なくその施行日をきめられんことを、特に要望する次第であります。  第五といたしまして、今回の予算は、一応の復帰に関する必要な経費だけを計上してあるようでありまするが、御承知の通り同地方におきましては多くの戦災にかかり、なお今日まで八年間の空白に悩んでおつた次第でありまして、この間におけるところの空白は内地に比しますと著しいものでありまして、今日の住民の生活は、まつたく黙視することができない次第であります。産業も萎靡衰頽しておるのでありますが、これに対する振興計画をすみやかに樹立いたしまして、この振興計画に対しましては、当然特別立法が必要と考えておりますので、政府におきましては、この特別立法の提案を、ひとつすみやかに実施せられるよう要望する次第であります。  以上各党の意向をここにまとめまして、附帯決議といたしまして提案する次第であります。皆さん方の御賛成を得たいと存ずる次第であります。

中井一夫自由党

○中井委員長 ただいま各派を代表し、床次徳二君より提出した附帯決議を付すべしとの動議がございました。これについて採決をいたします。本動議に賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立〕

中井一夫自由党

○中井委員長 起立総員。よつて床次君の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。  なおこの際お諮りをいたします。本案に関する衆議院規則第八十六条による報告書の作成に関しましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中井一夫自由党

○中井委員長 御異議なしと認め、さように決定いたします。  本日はこれにて散会をいたします。     午後四時四十二分散会

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