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17回国会衆議院1953/11/25

大蔵委員会 第8号

発言数
127
登壇者
11
会派数
5
開催日
1953/11/25

会議録

千葉三郎改進党

○千葉委員長 これより会議を開きます。  保全経済会に関する件を議題といたします。本件につきましては、去る十一月十七日の本委員会におきまして、古屋貞雄議員の出席を求めて同君の十一月一日の法務委員会における発言内容について説明を聴取したのでありますが、古屋君の話では、第十三国会のときに大蔵委員が保全経済会から招待を受けたときに、莫大な現金をおみやげにもらつて帰つたという点は深沢衛門君と同席の上で、深澤義守君から聞いたということでありますので、この点について事実を明らかにするために、本日深澤義守君及び深沢衛門君の両君を参考人として御出席を求めた次第であります。参考人におきましては、右の点を御了承の上、御説明を願いたいと存じます。  それではまず深澤義守君からこの事実について真相を明らかにしていただきたいと思います。なお御説明があつた後に、質問を順次許すことにいたします。深澤義守君。

深澤義守

○深澤(義)参考人 本日古屋君の発言に関連いたしまして、私が本委員会の参考人として呼ばれましたことについては、私ははなはだ遺憾の考えを持つているのであります。結論的に申し上げますならば、そういう事実は全然ないということ、それから私の記憶には古屋君並びに深沢衛門君の同席の上でそういう話をしたという事実は全然記憶にございません。従つてそういう問題について私が記憶がないし、そういう事実の全然なかつたと否定するいきさつを、私はまず申し上げたいと思うわけであります。  保全経済会が今日日本の経済の上に大きな影響を与え、そうして多くの国民が関心を持つているのでございますが、私は衆議院議員として大蔵常任委員として在任中、昭和二十六年の七月に大蔵委員会の調査に参加いたしまして、四国に国政調査に行つたことがあるのでございます。そのときに初めて保全経済会なるものを知つたのであります。それはちようど同行いたしました早稻田柳右エ門氏が保全経済会の顧問であるという関係上、高松の支店の方々が出迎えに出られまして、そのとき初めて保全経済会の存在というものを知つたのであります。その後香川、徳島、高知、愛媛と四日本を調査いたしたのでありますが、そのときに金融機関の方々からどこの県に参りましても保全経済会の問題が取上げられまして、ちようどその当時地方新聞にも保全経済会の広告が非常に大きく載つておりました。たまたま京都のたしか西村三平の事件で、あの地方の預金者が非常に多くて被害もあつたどうも保全経済会もあれに類するような結果になるのではないかという非難が金融機関の方々から相当あつたのでございます。  それで同行いたしました内藤友明さんもよく存じておりますが、これは帰つて大蔵委員会で十分問題にしなければならない、そして事前に事を防ぐ必要があるというような御意見もございまして、そうして大蔵委員会に帰つて参りまして、いつの国会に属する委員会か私よく記憶がございませんが、たしか昭和三十六年の九月か十月ごろの大蔵委員会でこの問題を取上げまして、河野銀行局長の出席を求めて質問し、そうしてこれに対する十分の監督を要求したのでございますが、しかし匿名組合は大蔵省の管轄に属さないものであつて、直接監督権はない。当時保全経済会は約十億の金を集めている。そうして法的には何らこれを取締る根拠がないというような答弁であつたのでございます。しかしわれわれは、それでははなはだ不満である。何らか具体的な対策を講ずる必要があるのではないかという考えを持つておつたのでございます。その後払は伊藤斗福氏がアメリカに渡航するというような話を聞いたので、当時総理大臣あてにこの問題に関連して、保全経済会に対する警告を発する意味においての質問書等を提出したことがあつたのでございます。しかし当時大蔵委員会も、また大蔵当局も、この問題に関してそれ以上ほとんど関心がなかつたということで、保全経済会に関する問題はその後実は立消えのような状態になつてしまつたのであります。もしもその当時この問題に関心を持ち、この問題に対して十分対策を講するということになるとしますならば、伊藤斗福氏の出席を求めて事情を聴取するという問題を具体的に発展させる必要もあつたかと私は思うのでありますが、そういうことはなかつたのであります。従つて大蔵委員会としては、その後何らこれに関心を持たずに終つてしまつたという状況の中でございますから、保全経済会が大蔵委員を招待してそうして何らか保全経済会に対する好意ある立法措置等をとつてもらいたいというようなことを要求するきつかけも実はなかつたのであります。そういうような事情から、大蔵委員を招待いたしまして、不正な金の贈与をするというようなことはその当時の事情として全然考えられない、こういう事情でございました。従つて私は、当時の大蔵委員会の名誉のためにも、そういう事実は全然なかつたということを明確に申し上げまして御了承を得たい、こう考えている次第でございます。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 深澤義守君に対する御質疑があります。まず福田繁芳君に許します。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 参考人の深澤義守君に伺いたいと思うのでありまするが、今かつて大蔵委員であられた参考人からるると申されましたので、大体われわれは了承はできる。できますけれども、先ほど委員長からも申し上げましたごとくに、法務委員会で古屋貞雄委員からされた発言の内容というものは、わが大蔵委員会の権威のためにも非常に重大な問題である。時たまたまいわゆる庶民金融関係の各般の問題を本委員会で取上げて審議いたしておるさ中に、庶民金融の一つの変形といえども保全経済会の問題において、かつての本委員会の名誉を傷つけるということがあるならば、実にゆゆしき問題である、かように思うて御足労願つて、われわれから質問することになつたわけなのです。そこで私は、あらためて確認する意味においてあなたに伺いたいのでありますが、あなたも十三国会の大蔵委員としていうしたわけなのですが、その当時保全経済会から大蔵委員が招待を受けた事実があるかないかということを、簡単にお答え願いたいと思います。

深澤義守

○深澤(義)参考人 絶対にございません。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 古屋君がどんなことをおつしやろうとも、その当時の大蔵委員として、保全経済会から当大蔵委員が招待を受けたことは絶対ないということを確約できるのですね。

深澤義守

○深澤(義)参考人 絶対に確約いたします。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 さすればもう一点伺いますが、そのときにやはり古屋君の言の中にありまするように、招待を受けた上、莫大な現金をみやげにもらつた、こういうことを法務委員会で言うておるのですが、さような事実をあなたは大蔵委員としてあるかないかということを伺いたい。

深澤義守

○深澤(義)参考人 絶対にそういう事実はございません。もしあつたとするならば、私はそういう政治献金的な不正行為は私の方からむしろそういうことを明らかにいたしまして、そうして国民の輿論に問うて、そういう不正なことが政界に行われるとするならば、よろしく粛正する。そのために私はどんな努力でもしたいと考えておりますが、遺憾ながらそういう事実はないのでございます。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 そうしますと、要約すると大蔵委員が保全経済会から招待された事実もない。なおまたみやげというようなものをもらつた事実も絶対にない。かようにあなたはおつしやる。そこで伺いたいのでありますが、あなたは古屋貞雄君というのは御承知でございますか。

深澤義守

○深澤(義)参考人 存じております。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 存じておられます古屋貞雄君に、大蔵委員が保全経済会から招待を受けた、なおまた莫大な現金をおみやげにもらつたというようなことをお話された御記憶はありますか。

深澤義守

○深澤(義)参考人 そういう記憶は全然ございません。古屋君とも私はその後政治的な立場も違いますので、会う機会も非常に少ないのであります。あるいは深沢衛門君同席で会うようなことも、過去にはあつたかもしれません。しかしそういう事実に関して私が古屋君に話したということは、絶対にございません。それは古屋君と対決しましても、私は決して自分の心にとつて間違いないということを確信しております。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 参考人深澤義守さん、あなたはこれを御承知でありますか、ちよつとひとつ見てもらいたい。     〔福田(繁)委員書類を参考人に示す〕

深澤義守

○深澤(義)参考人 この文書は、何か法務委員会で古屋君が大蔵委員会を誹謗するようなことを発言したということを、私はサンデー毎日で読みまして、私の名前が出ているので、大蔵専門員室に参りまして、そうしてそういう事実はなかつたということを、元の大蔵委員会の諸君がおるならば私自身言いたかつたのであります。専門員室に参りましたところが、ちようど当日大蔵委員会が開かれれておりました。私は大蔵委員会に、ここまで入つて来たのでありますが、ちようど会議中でどなたにもお話することができなかつたのでありますから、それで専門員室に帰りまして、昔から知つております黒田さんあてに、こういう事実のないことを伝えてもらいたいということを書いて私は帰つたのであります。従つてこの文書は、私が書いたのに間違いございません。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 深沢参考人にもう一点伺いたいのでありますが、あなたは深沢衛門君というのを御承知でありますか。もし御承知だとするならばどういう御関係であられるか、一応伺つておきたいと思います。

深澤義守

○深澤(義)参考人 深沢衛門君は私と同県でありまして、深沢という同じ同姓ではではございますが、山梨県は深沢の発祥地でございますから、非常に深沢という苗字は多いのでございます。従つて親戚関係、そういう問題は全然ないのでございます。ただ昭和二年ごろから農民運動をともにやつたという関係はございまして、これは兄弟以上の深い関係にございます。それから終戦後は社会党をつくることにつきまして発起人の一人といたしまして深沢君とも一緒にやつて参りました。その後社会党から分裂しまして山梨社会党をつくつた場合にも、一緒にやつて参りました。そうして私は昭和二十三年の暮れのれに共産党に入りまして、政治的にはたもとをわかつたような関係でございます。しかし人間的には非常に親しくつき合つておるというのが、深沢衛門君と私との関係でございます。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 先ほどから繰返して申しましたように、古屋法務委員は法務委員会において、あなたから先ほど申した二、三点を確かに聞いたということを言われて、それでわが大蔵委員会にも参考人に来てもらいまして、再確認しましたら、依然としてそれを強調されて確かにあなたから言われたという。そこではからずもあなたが今弁解されましたところの手元にありまするその書類をわれわれ拝見しまして、事実あなたの心境もわれわれわかりましたから、深沢氏は絶対さような事実を言つてないぞ、何か思い違いではないかということを古屋貞雄氏に再三再四詰問しましたところが、絶対聞いたのに聞違いない、深沢衛門君に聞いてもらえば、その時分に三人で話したのだからというわけで、実はきよう後刻深沢衛門君も、ここに参考人に出てもらつて伺うことになつたのであります。そこで最後に私一点、非常にこれは失礼かも存じませんが、この問題は本委員会の権威保全のためにも、また今後の法案審議のためにも重大な問題でありまするから、あらゆる角度から冷静に検討を加えておるので、その一つの基準にいたしたいと思うのであります。聞くところによりますれば、古屋貞雄君なり深沢衛門君なり、参考人の深澤義守君などは山梨県であると私は聞いておるのでありますが、もしこの御三方に何か政党、的に、あるいは政治的と申しますか、あるいは選挙に関連してと申しますか、何か御三方の間に御関係でも今までよかれあしかれあつたとするならば、それを漏らしてもらうと、われわれ判断の基準になろうと思うし、参考になろうと思う。それを漏らしてもらいたいと思います。

深澤義守

○深澤(義)参考人 今の御質問でございますが、われわれ三人の間には、決していろんな確執は実はないのであります。私自身も、たとえば古屋雪は私の先輩であるということで尊敬しております。深沢衛門君は私の兄弟のごとく、私も非常に親しくしております、そういう関係上、何ら私自身としてはそういうことは考えておりません。ただ外観的に見ますれば、同じ選挙区において、古屋君と私とは対立候補として立候補しておるというような過去の事実もございましたが、しかしそういうことについては、何ら私はいささかのわだかまりを持つていないのであります。ただ古屋君は、あたかもそういうことを事実私が言つたごとく証言されておるそうでございますが、先ほども大蔵専門員室でそんなお話をちよつと私は聞いたのでありますが、古屋君のお考えは、何か聞違つているのじやないかと私は思います。その根拠は、そういう話をしたあとで、私が四国へ調査に行つたということを言われておるそうでございます。ところが私は、四国へ行つて初めて保全経済会の存在なるものを知つたのであります。はたしてそういうことを言つておりますか、記録を見なければはつきりいたしませんが、そういうことを言つておつたといたしますれば、これは時間的に言つても、古屋君の間違いじやないかというぐあいに私は考えるのであります。従つて、これは古屋君がこの私の面前に参りましても、しかも非常に具体的に古屋君がもつともらしく言つておるそうでございますが、そういうことは全然ないのでございます。また御質問のような、政一治的なわだかまりということも私自身は何ら考えていないのでございます。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 深沢参考人に対する私の質問は大体尿きましたが、参考人のお話を彌きまして、われわれもこの問題がどこに意図しておるのかということもほぼわかるのでありますけれども、あまりにも大蔵委員会の名誉のためにも重大な問題でありますし、ことに加えて、前国会以来われわれはこの行き詰まつておるところの庶民金融をいかにするかという問題について、同僚諸君と休会中でありながらこの通りに審議いたしておるようなわけなんで、非常にこれは重大な問題だと思う。よつて委員長は、ぜひとも次会にもう一度古屋貞雄君を参考人にお呼びにならんことを私は強く要望しておいて、深沢君妻に対する質問を終りたいと思います。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 ただいま福田君から、次会に——次会ということは適当な時期にということだと思います。適当な時期に、議員古屋貞雄君を参考人として招致するという御提案でございますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 御異議ないようでありますから、さようとりはからいます。

山本勝市自由党(分)

○山本(勝)委員 深沢さんと一緒に、同時にやつてもらいたい。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 春日君。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 深沢参考人にお伺いをいたしますが、本日参考人として本委員会へ御出向き願いました事柄は、もつぱら法務委員会における古屋君の言動によつて提起されたものであります。その内容は、ただいま福田委員との質疑応答によつて明確にいたされましたが、すなわち古屋君は、この保全経済会が過ぐる十三国会において大蔵委員を熱海に招待をした、そうしてそのおみやげに札束をごつそり持ち帰らした、しかもそれを深澤義守君から聞いた、しかも深沢衛門君立合いの席においてそれを聞いた、こういうことを古屋君が申されたのであります。そこで古屋君を本委員会に参考人としてお出向き願つたので、ただしましたところ、まさしくその通り相違はない。しかし事は国会の権威議員の体面に関する重大問題だから、さらに記憶を呼び起してあやまちなきを期せられたいと思うので、間違いないかという再三再四の当委員会の質問に対しまして、断じて毛頭聞違いはないという御答弁でございました。そこで本日、関係者であるあたなたの御出向きを願うということに相なつたわけであります。  そこで私があなたにお伺いしたいことは、そういうことをあなたがおつしやつた事実もないし、またあなた自体が大蔵委員としてそういう招待を受けた事実も全然ない、ことに古屋君には事実のないことだから言われるはずもない、こういうことであります。そこで古屋君は取消す必要のないほどこれを確認しておられるし、あなたは断じて毛頭そういうことはないということをおつしやつている。この事柄は、ただいま申し上げました通り、これは重大な国会の権威に関する問題であり、大蔵委員の体面を害するところの重大問題である。考えようによりましては、これは事懲罰に関する問題ではないかと思うのであります。衆議院規則、議員の体面に関する問題について相当の処罰の規定をいたしておるのでございますつるから、重大問題であろうと思いまするが、そういう重大問題があなたの言動によつて、これが大蔵委員会ではない、法務委員会において古屋君から述べられておる、すなわち虚構を古屋君が述べた、こういう形に相なるのでございまして、この機会に明らかになつたことはこれは被害者は大蔵委員ではなくして、むしろそれは深澤義守さん、あなた自体であるということになろうかと思うのであります。あなたは言いもしないことを言うたと、ここに非議をされておるということになると思うのであります。そこであなたは、言いもしないことを言うたと言われたことから起きて来るところの責任を回避し、あるいはそういうむちやな言動をしないという立場を守ることのために、何らかの措置を講ぜられる必要はあろうと思うのでありますが、あなたはどういうお考えをお持ちであるか。この機会にお尋ねをいたしておきたいと思うのであります。たとえばあなたの名誉ははなはだしく失墜されたかもしれないし、あるいはこのことからよつて起るところの多くの問題に対して、この機会にあなたの立場を明確にしておかれる必要があると思うので、この機会に、古屋考に対して、あなたはどういう態度に出られるのであるか、明確にしておきたいと思うのであります。

深澤義守

○深澤(義)参考人 ただいまの質問に対してお答えいたしますが、私も法務委員会であのようなことが問題になつて、たまたま私はラジオ東京のニユースでそういうことを聞いたのであります。さらにその翌日の新聞で一、三この問題を報道しております。ところがたしか毎日新聞は私が政治献金のかぎを握つておるというぐあいに報道され、東京タイムスは、私も政治献金を受けておるというふうにも報道されたのでありまして、実ははなはだ憤慨にたえなかつたのであります。従つて私はたしかその翌日か、日本週報からこの問題に関連して記事を書けという申込みがございましたので、これはいい幸いであるからということから、実は天下に私の立場を明らかにするという意味においても、いきさつを日本週報に書いたのであります。それからなお先ほどここに福田さんから提示されましたあれを書きまして、そして大蔵委員会に私の意のするところを伝えたいということで、こういうものを書いたような次第でございます。従つて私自体としては、この問題に関連したしましてこの委員会に参考人として呼ばれることに対しても、私ははなはだ遺憾の考えを持つております。従つて古屋君に対して決して私は好意を持つておりません。しかし長年来の友人でございまして、かつまた先輩でございますから、私自身は、名誉毀損というような問題で告訴するということも考えないこともなかつたのであります。しかしそこまでわれわれの友誼の関係いてやる必要はないと現在は考えております。ただ問題は、こういう委員会において私が明確に言明し、かつ雑誌等において私の立場を明確にするならば、世人には了解していただけるだろうという考えを持つておりますので、その程度でがまんしておきたいというぐあいに考えております。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 あなたは、そういう事実はない、言つたこともないと言つておられる。そこで古屋君が、それならばあるいは私の思い違いかもしれない、こういうことになれば、世人も納得するでありましようし、国会側もそれを了承し得るでありましよう。しかしながら一方古屋君は、あなたが言つたに相違ないと言つておる。あなたは言わないと言つておる。それであなたは世間が納得するとお思いになるでありましようか。あなたはどういうものに対してどういう意見を発表されたといたしましても、それはあなたの一方的な御意見という形にしか受取られないと思うのであります。依然として今後においても、古屋君は、あなたによつてとにかく聞かされたのだから——少くとも国会議員たる者がそういうことを言つた以上は、おそらくはそういう事実があつたであろうという世人の疑惑は、払拭されないと思うこのであります。問題は、あなた方個人の間において何らかの御交際もあり、名誉毀損というようなことによつて争うことば控えたいという立場はわかると思うのでありますが、しかし事実のない事柄、しかも事は国会の権威に関し、議員の体面にかかわる問題であり、しかもそれは衆議院規則に照して明らかにいろいろな関連を生じて参る事柄について、あなたが古屋君の事実に反する言動をそのまま無拘束で見のがしておられるという手はないと思うのであります。名誉毀損というような訴訟をされる考えがないならば、少くともそういう発言を取消してもらうというための法律的な措置か、あるいは本人に取消してもらうための個人的な努力か、いずれか一つのことをあくまでなされることが、私はあなたの置かれておる立場として、当然おとり願わなければならない事柄であろうと思うのでありますが、これに対してどういうお考えをお持ちであるか、この機会にお聞きをいたしたいと思います。

深澤義守

○深澤(義)参考人 私もこの問題が起きた後におきまして、古屋君とまだ会つておりません。実は本日も私は、この委員会が終つたあとにでも会いたいという考えを持つておつたのでございますが、おそらく二人で話合うならば、記憶違いというような問題もはつきりして来るのではないかと思うのであります。従つて今の御話のように、私は十分古屋君と話をいたしまして、どういうことからそういう記憶違いが出て来たか、そしてその記憶自体に古屋君に誤りがあるということが認められるならば、潔よくこの委員会において前言を取消しまして、そして陳謝していただくという処置がとられるならば、まことに私も幸いであると考えて古屋君と今後会談をやりたいと思います。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 あなたがそういうことを言つた事実はないというこのことについて、あくまで古屋君に対決をせられて、そして古屋君をして公の席においてその前言を取消すまで努力をされる、こういう御意思に伺いましたので、ぜひともそのような処置を御進捗願いまして、問題の事柄をひとつ明徴に解決いたされたいと思うのであります。なお従いまして、ただいま山本君から御提議のありました通り、当委員会といたしましては、関連する重要な問題でございますから、すみやかに深沢氏と古屋君との同席においてこの真偽の実相を本委員会の責任において確かめる、こういう機会と措置をとられることを強く主張いたしまして私の質問を終ります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 ただいま問題になつております保全経済会に関する件で、先般古屋議員からの本委員会においての証言に関連をしてただいま深沢さんからお話になりました点を私からも確かめまして、そうして今お話になりました古屋氏あての本件に関する事実の違つた点をあげまして、あなたの聞き違いか、思い違いでないかだからさようなことは取消されたらどうかということまで、私から古屋君に聞いたのであります。聞きましたところが、古屋氏は、これは深沢衛門君と立会いの上で聞いたことであるから間違いがない、かような答弁をここではつきりいたしておるのであります。そこであなたに伺うのですが、最近古屋氏とお会いになつたという記憶がありますか。

深澤義守

○深澤(義)参考人 古屋氏とは、おそらく私は今年になつてからまだ会つていないと思うのであります。たしか昨年の十月、選挙の直後において、古屋氏が当選されたその一日か二日あと、裁判所の前で偶然会いまして、一分か二分立ち話をした程度で、それ以後ほとんど会つていないのであります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 その裁判所の前で会つたときには、深沢衛門氏はおりましたか、おりませんでしたか。

深澤義守

○深澤(義)参考人 深沢衛門君はおりませんでした。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 それ以前にはお会いになつた記憶はありまりせんか。

深澤義守

○深澤(義)参考人 それ以前は、私は明確な記憶はないのでありますが、会つた回数は非常に少くて、古屋君とは深沢衛門君と三人で会つたという記憶が、今どう思い出しても思い出せないのであります。深沢衛門君とは私はしばしば会つておりました。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 その深沢衛門氏とたびたびお会いになつておるときに、この保全経済会に関する問題をお話になつたことはありませんか。

深澤義守

○深澤(義)参考人 深沢衛門君とは保全経済会等の問題については私はほとんど話した記憶はないのであります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 それではさらに伺いますが、ただいま春日委員からも御質問を申し上げておつた通り、古屋委員は深沢衛門氏と三人で会つたときの話だから門違いはないということで、あなたがさようなことを発言をされたということを証拠立てております。そこであなたはこの古屋氏の発言を、サンデー毎日において、あるいはまたラジオ放送等においてお聞きになつて、実に事実と違う発言を国会においてされておるということを知りながら、またその発言が事実と異なることをあなたが直観をされてわざわざ国会にまで足を運ばれて、本委員会に顔を出し、また本委員会に関係のある専門員に、さような発言は事実と違うということを証拠立てる書類をお書きになるほどの努力をされておるのに、何ゆえ現議員、公務員である古屋氏に面会を求めて事実と違う点についての手続をおとりにならなかつたのですか、その点をお伺いいたしたい。

深澤義守

○深澤(義)参考人 当日私は、この大蔵委員会に顔を出したとき、日本社会党の控室の方に参りまして古屋君を実はたずねたのですが、留守でございまして会えなかつたのであります。そういうふうな関係で、古屋君と今まで会う機会を失しております。この点は、私も積極的に参りまして古屋君と会談する機会を得た方がよかつたのではないかと思うのでありますが、いろいろ仕事の忙しい関係上、そういう機会のなかつたことは非常に残念に思います。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 もう一点、あなたがただいま御証言されましたように、日本週報に長文の論文といいますか、この事件に関連する記事を投稿されるほどの確信をお持ちになつておられるのに、どういうわけで一体それだけの筆まめな人が、はがきなり手紙で古屋さんに、お前の言うことは違つておるぞ——少くともそれが全然他の人ならともかく、ふだんから心やすい方であり、よく知つておる古屋君に対して、みずから筆をもつて、お前の国会で言つていることは違つておるぞ、聞き違いと違うか、思い違いと違うかということを何ゆえにされなかつたか。といいますのは、古屋氏にはここで再三注意を与えてその発言の取消しをわれわれ求めたのです。これは委員会の権威のために、あなたがその書類による証言をされておりますから、その証言を私どもはあなたの正当な証言として古屋氏にお前一の言うことは誤つているだろう、思い一違いであろう、取消した方が同僚議員に対してもいいことではないかということから、取消Lを求めたのですけれども、古屋氏はがんとして取消そうとしません。そうすると、どうもやはり古屋氏が相当の自信があるというふうにしか思えません。そこで、あなたみずからがいろいろな手を講じられて、そういうことのなかつた事実を立証されるのに、ただ一つの手抜かりがある、古屋氏に電話をかけるなり、手紙でもつてそういうことは事実と違うじやないかということを今日までやられていなついということになると、何やらそこのところが、もう一つわれわれ見ておつてふに落ちないのですが、手紙を出すとか、電話をかけるとかいうようなことも全然気づきもせなければ、やる必要も認めなかつた、あなたはあなたでそういう事実はないということを対外的に公表すれば、それで身の潔白は立つ、こういう考え方で今日までおいでになつたか、そこの点をひとつお聞きをしたいと思います。

深澤義守

○深澤(義)参考人 私自身も今にして考えれば確かに友誼の関係上、今井上さんのおつしやるような手段を講ずべきであつたと考えます。ただ私はああいう問題は。むしろ古屋君がああいう重大な発言をするならば、私自身になをただして。そうしてやるのが友誼の関係じやないかと思うのです。従つてそういうこともせずに、権威ある国会の法務委員会でそういう発言をし、私を参考人か証人かに呼ぶというようなことまで決定する前に、なぜ話してくれなかつたかという一つの不満があるのです。從つて、向うが向うならこつちもこちで行くのだというような考えもございましてそういう点の手抜かりは私は卒直に認めます。あるいはそういうこと自体が、自分の手落ちかと思います。從つて今後は先ほど春日さんからも御忠告がありましたように、十分会談をいたしまして、この真相を明らかにいたしまして御迷惑のかからないようにしたいという念願で私は一つぱいでございます。

山本勝市自由党(分)

○山本(勝)委員 緊急動議を提出いたしたいと思うのであります。  この問題は、当委員会の名誉に関する重大問題であることは申し上げるまでもありませんが、古屋氏の参考人としてのこの委員会における言葉と、それから深沢参考人の言葉とは両方ともはつきりと肯定と否定と対立しているわけであります。そういうわけで参考人として両参考人の意見は対立しておりますが、私はこの重大問題を根本的に明らかにするために、委員長において、議長の承諾を得られて参考人としてでなく、証人として御出席を願つてしかも両氏を同時に証人として御出席を願つて事実を明らかにいたすべきだと思うのであります。さようおとりはからいを願いたいのであります。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 関連して。ただいま同僚山本委員から、古屋氏と深沢氏の両氏を証人として招致願いたい、こういう動議でございますが、深沢氏と古屋氏とは同県の関係もございますし、また現に深沢氏の今までの御証言では、お会いになつておらぬようであります。こういうような状態でございますので、やはりもう一度御当人同士がお会いになりますればどちらかの誤りであるということが画然とされるであろう、こう想像されるのであります。そういうことをもう一度おとりになつていただいてから、証人というようなことにやつていただきたいと思います。そういう意味合いで、同県人であられるお三方を証人として同時にここにお呼びしてこの問題を論議するということを、もう一度お手数でも御両氏がお会いになつたあとで、こういうようにお願いしたいと思います。そういう意味合いで、同僚山本委員の動議に対しまして反対を表明するものであります。

山本勝市自由党(分)

○山本(勝)委員 私は事の重大性と、この委員会の性質から考えましてたとい同県人であろうとも、同村人であろうとも、あるいは兄弟であろうとも、ここではつきりと証言をしてほしい。これはただ突如として証人として御出席を願うのでありません。一応参考人として御出席を願つていろいろ念を押した結果、両者の見解はまつたく反対なのであつて、いずれか一方が間違いであるに相違ないと思う。ですから、私はあくまでも参考人というふうな——これは別に両者を何も疑うわけでありませんが、疑わなければ疑わないほどどちらかが聞違つている。ですから、権威のある最後の決定をするために、私は証人として呼んでいただきたい、これを要求いたします。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 いかがでありましようか、従来大蔵委員会におきましては、議論がすべて一致して解決しておつたのですけれども、不幸にしてこの場合におきましては、反対意見もあります。そこで、この問題は理事会に移しまして、理事会で十分審議して決定するということにしたらいかがでありましようか。

坊秀男自由党

○坊委員 関連して。両参考人の方に証人として御出向き願うことにつきまして、はからずも対立意見が出たわけでございますが、私は両参考人の方がお互いにお話をなされる、なされぬということは、これは別問題であつて証人としておいでを願うまでに自由にいろいろと御相談なされることは、何も当委員会の問題ではないと思う。かかる意味におきまして、すぐではありませんが、適当の機会に証人として御出席を願うということで筋が通るのではないかと思います。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 それではひとつ仲裁をいたしましよう。今まで一対一ということで、これに対する信憑性も、またわれわれの見通しもなお立ちかねております。幸い本日証人としてさらに御一名深沢衛門君の御出向きをいただいておりますので、事柄は、深沢衛門君の同席のところで義守氏からそういう発言が行われたとのことでありますので、はたして衛門氏がそこへお立会いになつておつてそういう事柄が言われたかどうか、これをひとつ深沢衛門君からお伺いをいたしまして、そのしたたちに証人喚問の手続をとるかどうか、その後においてひとつ再度お諮りをいただくということにいたしましてただいま委員長お話のごとく、なお満場一致の線に欠けるものがありますので、一歩先へ進んでからこの問題の採決をお願いするということにいたしまして引続き衛門君の証言を伺いたいと思います。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 お答えします。現在深沢衛門さんは出席しておりません。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 どないしたんです。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 いまだに回答がないそうです。柴田さんいかがでしようか。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 私は不幸にして前の十七日かの委員会に出席しておりませんので、古屋参考人の言葉を、ただ速記録では拝見しておりましたが、現実の状況を伺つておりませんので、もう一度だけ参考人としてお二方に伺つてから証人ということに進んでいただきたい、こう思うのであります。山本委員その他の委員の方々のお話を承つておりましても、理論的にはそこへ一足飛びに行つた方がいいようには考えられまするけれども、もう一度参考人としてお調べを願いたい、こう思うのでございますが。

山本勝市自由党(分)

○山本(勝)委員 私はそういうむだなことに時間を費す余裕はないと思う。ですから参考人としてはすでに呼んだ、今度は証人としてもうそれで最後の判断をすべきだ、この年末になつてそういつまでもこの問題を繰返している所要はない。はつきり結論を出したい。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 ちよつと柴田君にお諮りしますけれども、きようは社会党左派を代表してあなたたつた一人しか出ておらなくて非常に立場は苦しいと思いますか、多数の皆さんがみなそういう意見ですからどうですか、満場一致でここで御賛成していただいて、そうして証人としてこの次お呼びするということでいかがでしよう。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 これは結局坊君が言う通りなんで、これは一応山本君の動議をきめてもらいたい。さればといつて、やつたからといつてきようの午後に証人調べをするというのではない。あすかあさつてやるのだから、おつしやるように幸い同県人だから、きようの午後でもあすでもお話できる、そうして御二人方のうち、間違つておりました申訳ございませんと言つて来れば、おのずから情状酌量の余地があるのだから、一応説明を聞くべきだと思う。

坊秀男自由党

○坊委員 私はこの委員会が、両参考人の方が話し合つてお互いに了解の行くようにしてもらいたいというような注文をつけることは意味をなさないと思う。だから自由に御相談なさることはけつこうだと思いますけれども、柴田さんのおつしやるその段階というものは、何ら当委員会で注文をつけるべき性質のものではないと思います。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 どうですか。真相を明らかにするわけですから、柴田さん、御賛成いただけないでしようか。     〔「満場一致だ」と呼ぶ者あり〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 ではお諮りいたしますが、先ほどの山本委員からの御提案に対しまして、御異議ございませんか。     〔一異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 御異議なしと認めましてさようとりはからいます。  なお証人喚問の日時等につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと思います。どうも御苦労さま。     —————————————

千葉三郎改進党

○千葉委員長 なお今日は法務省から民事局長の村上朝一君、刑事局長の井本台吉君、民事局参事官の吉田昂君、刑事課長の長戸寛美君の四名の方が御出席になつておりますから、これから質疑を許します。井上君。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 保全経済会の問題に関しまして法務省の方に質問いたしたいのですが、先般本委員会におきまして犬養法務大臣は、匿名組合方式による保全経済会のあり方は、完全に匿名組合の域を逸脱しておる行為であつてこれは明らかに銀行法または信託法その他金融法規に牴触することになるということを明らかにされております。そういうことが法務委員会においても本委員会においても明らかにされた以上、これに対して法務省はその後いかなる処置をおとりになりましたか、伺いたいと思います。

井本台吉検事(刑事局長)

○井本説明員 保全経済会が匿名組合でないというはつきりした結論を出しますにはどうしても出資者を一人一人当りましてその出資者の意思がどの程度であつたか、伊藤斗福との契約の内容がどういう事情であつたかということを確かめなければ確言できないと思うのでありまして、私つい半月ほど前に刑事局長を拝命いたしまして法務大臣の言明を陪聴しておりませんので、内容をつまびらかにいたしませんが、断定的な結論を出しますには、どうしても当事者を調べてその意思を確かめなければならぬと考える次第であります。幸いといいますか、保全経済会が休業を声明いたしまして、これに関連して高知の検察庁、あるいは函館の警察に告訴状が出ております。告訴告発が出ますれま、法務関係といたしましても正式にこれを取調べる権限が出ますので、これらの関係者を慎重に調査いたしましてその上で断定的な結論を申し上げたい、かように考える次第であります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 とんでもない御答弁を伺うのですが、私第十六国会に本問題を取上げまして、保全経済会が商法の規定する匿名組合方式によつて多くの出資者から出資をさせておるが、この匿名組合の規定は、特定の信頼を相互に持つた方で、しかもその出資した金がどういうものに使われ、またそれがどういうぐあいに運用されて来るかということを出資します代表者を通して承知していて、そこにあくまで個人的な絶対信用の上に行われる一つの組織でありまして全然顔を見たこともなければ、ものを言うたこともないし、また自分が出資した金がどういう方向に投資され、それがどう運用されてどれだけの利益配当が予測されるかということもわからずに、ただ匿名組合という一種の形式によつて出資を求め、しかも三箇月という一つの日時を切つてまだ出資した金がどう運用されるかもきまつてない先に、三箇月後には月何分という配当をすでに予定し、それを出資者に渡しておる。こういう行き方というものは完全に匿名組合の規定を逸脱するものであり、これは現在規定してあります銀行法なり、あるいは信託法等に違反する行為であるという考え方に立つて、法務当局に質問をいたしたところ、そのとき法務当局は、はつきりさようでございます、その通りでございますということを言明され、さらに保全経済会問題が起りまして以来、一方は地方行政委員会、あるいはまた法務委員会、大蔵委員会等でこの問題が取上げられてそれぞれこの問題についていろいろの角度から検討いたしました結果、これは完全に現在の金融関係の法規に反するものであるということが明らかにされております。されておりますのに、今日御答弁を聞くと、これから出資者を呼んで、保全経済会の運営の内容を調べてみぬとまだはつきりした結論がつかないような御答弁でございますが、法務省というところにはそんなにややこしくて、前任者と後任者と解釈を全然統一せずに、いいかげんに国会で答弁しておつたらそれでいいということでやつて来ておるのですか。

井本台吉検事(刑事局長)

○井本説明員 まことに恐縮する次第でございますが、匿名組合なるものが法律上も非常にむずかしい組合でございまして休業直前までに現われました諸般の材料によりますると、匿名組合員と営業者との間に共同事業も認められませんし、確定利息も約束しておる、あるいは元本の返還も約束しておるというようなことから、これは匿名組合であるという断定はできないということでお答えをしたものと私は拝察する次第でございます。何を申しましても、法律問題の最後の決は裁判所がつけることでございましてそれまではかりに刑事処分をいたしますにしても、人権に非常に重要な関係がありますので、慎重の上にも慎重を期するということで、告訴、告発がありましたのを機会にさらに正確な結論を出したいと考えておる次第でございまして、この点を御了承いただきたいと存じます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 保全経済会は商法規定の匿名組合の組織によつてやつておるのでありますから、それをそうでないという断定を下すのについては、相当の慎重な調査、検討も必要でございましよう。ところが国会においてすでに法務当局は、匿名組合の性格、あるいはまた現在保全経済会がやつておりますあの出資者を求めておるやり方は、匿名組合の規定を逸脱しておるという一つの解釈を下しておるということを私どもははつきり伺つたのであります。民事局の方でそういう解釈がはつきり下されておりますならば、当然それは現在の金融法規に反することをやつておりますから、刑事局としては、ただちにそれに基いた取調べをやることが当然ではないかと考える。民事局の方で、保全経済会の行為は匿名組合の規定に反していないという解釈を持つております場合は、私は別だろうと思います。ところが民事局の方では、現在の保全経済会の運営の状況というものは匿名組合の規定を逸脱しておる、明らかにこれは銀行法なり信託法その他の金融法規に反することであるという一つの解釈を立てられておる。これはもう速記録に明らかにされておる。そうなつておる以上、同じ法務省におつて、向うの方はそういうことを言つておるのに、刑事局の方で、もう少し待つた、まあまあて待つたと言つているうちにどれだけ多くの被害者が出ておるか。この保全経済会ができてから三年余りになりますが、今もこの問題で参考人を呼んで調べておりますように、今から一年半ほど前には、この保全経済会にはわずか十億余りの出資しか集まつていなかつたのが、もうすでこ今日では四十億も集めているといわれておる。それだけ被害が大きくなつておるのです。あなたの方では、いつ一体この結論をおつけになるのですか。いつになつたら話がつくのですか。これをひとつはつきりしてやりなさい。そうしなければどれだけ多くの者が迷惑するかわかりません。そこの見通しがつきますか。

井本台吉検事(刑事局長)

○井本説明員 何分にも関係者が十五万人余りおりまするし、これをどう始末いたしますか、最高検察庁におきまして、ことに今年の初めごろからたびたび会議を開きまして諸材料を収集している次第でございます。現在でも何らかの処置をしなければならぬということはまことに仰せの通りで、匿名組合でないという嫌疑が相当あると思うのでございますけれども、簡単な事件でありませんので、その影響するところも非常に大きいと思いますから、全般的な情勢とにらみ合せまして至急に対策を立てたいと考えておる次第であります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 刑事局のそういうものの考え方はいけませんよ。そういう考え方で日を送るから、いろいろな政治献金がばらまかれて、さあさつぱりものは進まないというような疑惑を生じて、いたずらに国民の不安と動揺を巻き起す原因がつくつているのです。あなたの方では、専門のおえらい人がぎようさん集まつて法規を研究し、その法規に基く行為を検討するおえら方がたくさんおるのです。そこでこの点については、明らかに違反である、行き過ぎであるという結論が出ておるのです。出ていなければ私は言わぬのです。はつきり出ておるのです。法務委員会においての答弁でも、ここにおいての答弁でも、はつきりそういうことを言つておる。結論が出ておるものを、刑事局は何ゆえにぐずぐずしておらなければならぬのです。あなた方が検挙して取締つた結果、それがいいか悪いかということは裁判所がきめるのであります。何ゆえにやらぬのです。何ゆえに一体ぐずぐずしておるのです。そんなことをしておるから、金をもらつたとか、ばらまかれたとか、ごちそうを食つたとか言われるのです。明らかになつておる。これははつきりしておる伊藤斗福の顔を見たこともないおやじさんが、自分は月三分、月二分の利子を予定してそうして出資した金がどう一体使われるかということも知らぬで、ただ利子をもらうことだけで出資しておることは明らかなんです。全国で数百の出張所、支店を設け、そして全然出資者の相手方である代表者の顔も知らなければ、人格も知らなければ、資産状態も知らぬ者に出資する匿名組合がどこを探してありますか。こんなことは明らかなんです。それを一体何ゆえにのんきに構えておらなければならぬのです。しかも見通しがまだ明らかでないと言う。どういう理由でぐあいが悪いのか、そこをもう少し国民にわかるように説明してください。多くの出資者はこれを非常に心配しており、またこれと同じ関係に立つておるところのいわゆる匿名組合様式や、その他の金融機関のものも非常に混乱しておる。だからこういう様式はいかなければいかぬ、国民は健全金融に投資すべきであり、出資すべきであり、預金すべきである、こういう線をあなた方はすみやかに出すべきである。何か未練があるように、ちよつとしたら政府が助けてくれるかわからぬ、ちよつとしたら違反じやないというかもしらぬ、こういうようなことでうまいこと切り抜けて結局財産を隠匿したり食いつぶされて、もらえるものもかいもくもらえぬようになつたらどうなりますか。だからこれは急ぐのですよ。一体これはどういうことでそんなに急にやれないのですか、それをひとつ説明を願いたい。

井本台吉検事(刑事局長)

○井本説明員 まことにごもつともでありますが、かりに匿名組合でないといたしましても、たとえば銀行法に違反があるという場合には、銀行法でわずか五千円の罰金にしかできないのでございます。むしろ多数の金を出した人に迷惑をかけておるのは、これは取込み詐欺、詐欺罪にでも該当するのではないかというような疑いもある次第でございます。ただ、いまだ手をつけておりませんのは、経済会におきましても休業を声明して再開をすると彼伊藤斗福は声明しておつりまするが、簡単なことでも、わずか罰金五千円くらいのことで、それを機会に当局の手が入つたということで、自分たちの金が入らなくなつた口実にするというようなおそれも多少ありまするし、全国数十箇所に支店もありまするし、できれば総合的にこれを解決した方が全体のためになるということを考えまして慎重に討議しておる次第でございまして早急に手をつけ得ないということにつきましては、何とぞ御了承いただきたいと考える次第でございます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 出資者の共同利益を守るという親心で、検察当局がこの問題に対して慎重な態度をとるということについては、私どもも政治的にものを考える者としては一応了承できます。しかし問題の重大性は、単に保全経済会の問題だけではありません。他の類似金融に影響し、あらゆる面において混乱が予想され、しかも年末が迫つておりますときでありますから、すみやかにいけなければいけぬ、いければいくという線を明確にされることが、私は問題の解決を一層早めることになりはせぬかと思います。といいますのは、この際出資者全体の利益を守るために、財産隠匿その他の悪質な手を打てないようにどうやつたらいいかという点についてはいろいろまた別な考え方があろうと思います。あくまで正常な金融と低金利の立場をとるものといたしましてはかくのごとき不健全な金融が大手を振つて許されておるというところにいろいろな問題を生んで参りますから、この問題に対してはすみやかな結論を政府として立てられるよう、また問題の解決に全力をあげられるように私は要望しておきたいと思います。  なおこの際伺つておきたいのは、この保全経済会に関連をいたしまして他の類似金融関係において今日まで閉鎖し、あるいはまたそのために非常な迷惑を受け、またいろいろこのことに関連した刑事上その他の提訴のありましたものはどのくらいに上つておりますか、これもこの際伺つておきたいと思います。

井本台吉検事(刑事局長)

○井本説明員 匿名組合方式によるものはたしか名古屋と大阪に一件ずつ、それから株主相互金融組織によるものが約二十件ほど問題になつておりますが、うち十三件ほど裁判所に参りまして、すでに一審が有罪の判決を受けておるものが四件ほどございます。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 ただいま刑事局長の御答弁を聞いておりますと、何となくひようたんなまずみたいなもので、いつ結論が出るか見通しもつかないようであるが、すでに事態が破綻をいたしましてから二箇月を経過すると思いますが、この間荏苒日が遷延されたことは非常に遺憾に思うものでございます、御答弁によりますと、局長に就任してからまだ半月くらいにしかならないから、一人々々聞かなければわからないというようなことでございますが、別に匿名組合のように、あなた個人に信託をしてこの刑事行政をやつてもらつておるわけでないので、一つの機関として当然前からいろりろな調査が行われておるわけなのであります。だからもう少し権威ある御答弁を願わなければ、これでは委員会の質疑応答にならぬと思う。そこで一つお伺いをしたいのは、聞くところによりますと、保全経済会のビルデイング、鉄筋コンクリートの七階建か八階建がなお建築をどんどん進歩せしめておるということであります。これは当然相当の建築費を要することであろうと思う。一方これの出資者たちは、当然利益の配当も行われないし、出資の返還も行われてはいないで、こういう大きな犠牲を払つておる。そうして伊藤斗福なる営業者は、こういう厖大な営造物の建築を行つており、この建築資金はいかなる操作によつて行われておるかということについては、当然御調査が行き届いておると思うが、御調査の大体の現段階における経過を御報告願いたい。

井本台吉検事(刑事局長)

○井本説明員 まことに恐縮でございますが、検察庁といたしましては、告訴告発がありまして正式に捜査に着手するのが普通でございましてどういうものか、保全経済会におきましては、すでに休業以来相当の月日がたつておるのでありますが、正式に告訴告発がありましたのは全国でわずかに二件程度で、不審に思つておるのでございます。さような職制の建前から、保全経済会のビルデイングがどのような資金でまかなわれておるかということにつきましては、まだ捜査がその段階にまでは至つておりません。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 問題を対岸の火災のように、軽やかに打ちながめておつてもらつては困ると思う。法務委員会においても地方行政委員会においてもあるいは当委員会においても、何回か法務当局の御出席を願つてこの問題について明確な処理を願うことを強調いたしております。告訴がなければ取調べができないと言われますけれども、本来の立場はあるいはそうであるかもしれませんが、不法行為あるいは不法の嫌疑ある事柄は、当然検察事項として取扱いを願うのべき性質のものであろうと思うのであります。わけて本件につきましては、高知並びに函館において二件の告訴が提起されておるし、その関連事項として嫌疑の内容を調査するということは、しかるべきであると思う。十七万人の被害者を救済するためには一方においてこういう厖大な建築が行われており、その資金操作がどういうからくりで行われているかというようなことは、当然検察のメスを加えるべき性質のものであると思うが、それに何ら手を加えないで、ただ拱手傍観して二箇月を送る。しかし事態はだんだんと悪化して来る。御承知の通りこれはインフレーシヨンを目がけて不動産あるいは証券に投資をしてその値上りを待つておつた。この投資行為は、現在のようにだんだんデフレ傾向になれば、その被害がだんだん加わつて行くことは常識的に考えられると思う。従いまして一方においてそういう方面で資金をどんどん食つて行けば、整理をするといたしましても、出資者たちに出資金が返還される率は減耗して来る。これは当然考えられると思う。早期にこれを解決することが切実に迫られておると私は思うのだ。しかるにただいま井上委員から御質問がありました通り、現実に二つも告訴が提起されておつて関連事項として調査すればできないことはない。しかも東京のまん中で、一方には金を返しもしないでむちやをやり、一方的宣言で閉店をしておいて片方においてどんどんビルデイングを建築しておる。そういうことが白昼行われておる。検察庁がこれを傍観しておる手はないでありましよう。私はすべからく関連事項として、建築資金の内部のからくり等について、検察庁の権威において十分事柄の真相を確かめられる必要があると思いますので、この委員会を通じてこのことを要求し、そして最もすみやかな機会に、その内容について当委員会に御報告を願いたいと思います。  それから次は、最近怪文書なるものが国会議員にばらまかれております。そこに述べられておるところによりますると、国会議員八十何名に対して一億数千万円の献金がされておる。国会がこの問題を真剣に取上げないならば、すなわち仲裁をしてくれないならばその真相を暴露する云々というような、いわば脅迫がましい怪文書が横行いたしております。国会議員たる者は迷惑千万でありましてのみならずこのことは、すなわち国会の権威を毒するもはなはだしきものであろうと思います。そこで私はこれが単なるデマゴギーであるか、あるいはある程度の信憑性を持つておるものであるかどうか、この点については当然検察庁において何分の調査が行われておると思うが、これに対してどの程度の調査をされ、しかもその調査の結果はどのような内容のものであるか、おわかりになつている範囲のことをお示しを願いたいと思います。

井本台吉検事(刑事局長)

○井本説明員 ただいまの怪文書の件、先ほど御要望のビルの建設資金のことにつきましては、目下調べ中でありましてただいま御報告する段階ではございませんが、至急に調べたいと思つております。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 何もかも実に春日遅々として何らはかどつていない。今や十七万の出資者たちが、あるいは首をくくつて死のうとしている、また資産を彼らにほとんど没収されるようなうき目にあいつつ困つている人々のことを考えますならば、少くともこれは政治問題、社会問題として、刑事局は責任を持つて処理する義務があると思うので、もつと物事をてきぱきとお運びを願いたい。  それから次にお伺いをしたいことはこの匿名組合の第五百三十七条の解釈についてでありますが、この五百三十七条はこういうことをうたつております。匿名組合員がその氏名を営業者の商号中に用いた場合は、その債務については営業者と連帯して責に任ずるということがあるわけであります。従いまして私がこの機会にお伺いしたいことはこの伊藤斗福氏の保全経済会の顧問に名を連ねておる諸君の責任についてであります。これは何々顧問、それから保全経済会伊藤斗福、こういうふうなぐあいに一般的に了得されておりますが、この法律の規定によりますと、この商号とともに併用されたところの顧問なる人々は、当然五百三十七条にいうところの営業者と連帯してその責任を持つて来るものと思いますが、民事局長はこれをどういうぐあいに解釈されておりますか、この機会に御説明願いたいと思います。

村上朝一検事(民事局長)

○村上説明員 商法第五百三十七条の意味でございますが、申し上げるまでもなく匿名組合は、経済的には匿名組合員と営業者との一種の共同企業形態でございますが、法律的には営業者個人の事業ということになるわけでございます。従いまして商号も、営業者個人の商号が用いられるわけでございます。ただ匿名組合員、つまり出資をするけれども事業に名前を出さない人が、法律上事業には関係していないけれども、実際に名前を商号の中に使うことを許諾した場合、たとえば田中という匿名組合員と伊藤という営業者とが匿名組合を結んだ場合に、法律上その伊藤だけが事業経営者でありましても、その事業の商号として伊藤田中商会というふうに、田中の名称を商号の中に使うことを許したような場合、こういう場合には、世間では匿名組合員、すなわち田中もまた事業の経営者であろうという推測をすることがあり得るわけであります。従いまして、法律的にも第三者に対して連帯して責任を負う。従いまして本来匿名組合員というものは、営業者に対して出資をする責任を負うだけで、第三者に対しては何らの責任がないわけでありますけれども、この場合に限つて責任を負う、こういう趣旨でございます。従いまして、匿名組合と称する保全経済会の顧問という肩書をつけられた方の責任ということにつきましては、この条文は何ら関係がない、かように考えるわけであります。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 問題は、匿名組合の事業の構成が、その営業者個人を信託する、そうしてそこに無条件出資という形になると思うのであります。しかしながらこの法律の規定は、そこに個人の名前を加えることによつてその信託の本体を附加した場合においてはそれに関連をした個人は、連帯して責任を負わなければならないことがこの五百三十七条で規定されてあると思うのであります。従つてそれが組合員であるといわず、ないといわず、少くともこ匿名組合の営業行為の中に顧問としてでも、あるいは営業者としてでも、そのいずれかを問わず出資行為の魅力となつた牽引力を持つたところの一切の名前を表示した人たち、この表示することを許諾した人、同意した人は、道義的責任は当然であるが、この五百三十七条の規定によつて法律的責任を当然負つて来るべき性質のものであると思うが、これについてあなたは、そういうものは責任はないと言つて断定してそれで間違いないかどうか、重ねてもう一ぺんお伺いします。

村上朝一検事(民事局長)

○村上説明員 いわゆる保全経済会が匿名組合契約である、商法に言う匿名組合であるという前提でのお尋ねでございますが、匿名組合であること自体はなはだ疑問だと存じます。従いまして、五百三十七条による責任を負うということは考えられない、かように存ずるのであります。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 それでは仮定のことになりますが、もし匿名組合であつた場合、匿名組合の顧問は、その営業者と関連の責任を持つに至るかどうか、この点をひとつ法律問題として御答弁願いたい。

村上朝一検事(民事局長)

○村上説明員 五百三十七条自体は匿名組合員の氏名または商号が、営業者の商号の中に、あるいは営業者の商号として用いられた場合の規定でございまして五百三十七条によつては、先ほどお示しのような例の場合には、責任の問題は起きない、かように考えております。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 伊藤斗福氏の経営いたした保全経済会は匿名組合であるのかないのか、匿名組合でないならば一体何であるか、これをひとつ御答弁願いたい。

村上朝一検事(民事局長)

○村上説明員 いわゆる匿名組合方式といわれております各種の利殖機関でやつております事業、その利殖機関と出資者との間の契約関係が、法律上どういう契約であるかという点につきましては、私どもいろいろ検討したのでございますが、申し上げるまでもなくその契約の趣旨というものは、契約書とか申込書とかいうものに用いられた言葉だけによつて判断すべきものではなくて契約全体の趣旨、当事者のほんとうの意思がどこにあるかということを探求しなければならぬわけであります。世間に伝えられております事実だけを基礎として考えますと、当事者意思は、保全経済会こと伊藤斗福という人と一人々々の出資者とが共同してある事業を営む、その事業に出資をする、そして利益の分配にあずかるということでなくていわゆる出資者といわれておる人々は、一定の元本を三箇月なら三箇月間保全経済会に利殖のために預けて有利な利子の支払いをしてもらう、三箇月たつたら返してもらうというのが当事者の真意であろう。かように認定するのが自然ではないか、かように考える次第でございます。ただ、ただいま申し上げましたように、私特にこの保全経済会のやつております事業の内容なり、あるいは個々の出資者と保全経済会との契約具体的内容について調査したわけでありませんので、世間に伝えられております事実を基礎として申し上げた次第でございます。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 それならば問題は、一応十七万人の被害者というものを現実にここに生じつつあるところのこの事態は、匿名組合であるかどうか、一人一人に会つて聞いてみなければわからないし、またそんなことを聞いたこともない。結局それではこの被害は一体どういう法律によつて救済されるかというめども立たないし、もし違法行為であるならばどの法律に照して処断をされるのか、これもわからない。さらにまたその営業行為自体はどの法律を基準として取締られるのであるか、これもわからない。そうすると、ほとんどこの事業自体については無拘束状態になつておつて、てんで論議をすることもできないというようなことになると思うのですが、これについては本的ないろいろな御調査が行われると思うが、大体において法務当局が今まであらゆる角度から検討されたところの結論というものは一体どこにあるのか。てんで手もつけられない、これは何ともしようがないのだという結論ならばそういう結論でよろしいし、何らかの基準があるならばその基準、わくならそのわくというものを示されなければ、われわれとしてこれを論議すると言つたところで架空の論議ですべつてしまうのだが、一体法務当局はどういうぐあいにこの問題を取扱われておるのか、重ねてひとつ御答弁を願いたい。

井本台吉検事(刑事局長)

○井本説明員 金融関係の法規違反になるといたしますれば、先ほど申し上げましたように、銀行法違反あるいは信託業法違反等に当るかもしれませんし、それから刑法犯といたしましては、詐欺罪の二百四十六条に該当する場合もあり得ると考えます。その他業態を詳細に調べてみないとわかりませんが、あるいは背任罪であるとか横領罪であるとかいう問題も起きないとも限りませんので、その点に対する早急なる結論が出せないのははなはだ恐縮でありますが、さような仮定論も立ち得るわけでございます。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 仮定架空ということばかりでは、これは問題の解決ができない。現実にとにかく十数万の被害者がこの解決を待ち望んでおるというこの事態を十分ひとつ御重視願いましてどういう方法でもよいので、とにかく法律の基準に照して、しかも告訴状も提起されておるのであるから、あなたの方の職権によつて調査のできないははずがない。結論が出せないははずがないわけでありますから、ひとつ急速に能率を上げてこの問題に対しての結論を得られたいということを強く要望いたします。  そこでもう一つお伺いしたいことは、ただいまあなたは銀行業類似行為として金融業としての方向ならばその法律によつて取締るべきだという御見解を示されましたが、河野銀行局長の見解をもつてすれば、これはもう銀行業、金融業とは全然関係のない行為だ、これはやはり匿名組合だ、こういうぐあいに大蔵当局はもはや断定に近いところの意見を発表いたしておるのであります。先般地方行政委員会を傍聴いたしておりますると、はたせるかなその委員会においては、損をするかあるいは得をするかわかりもしないのに、しかもそれに対して一定の歩合の配当を行つておるということはまさしくこれは定期預金行為である、あるいは貯蓄銀行法違反ではないか、こういうような質問をされておりました。匿名組合ならば、損をした場合にそんな利益の配当をするというようなことはあり得ないはずである。しかるに損をしても得をしても、あるいは損をしているか得をしているかわからないのにそういう利益配当が行われておることは、これは明らかに定期預金行為である。だからこれは銀行法違反だというぐあいに述べられておりましたが、しかしそれに対しても、調査してみなければ的確な意見は述べられないという御答弁でございました。何が何だかわからないというような状態で、ただ事態は先へ先へと遷延して行つて悪化する一方であります。これに対する輿論も、それから責任あるところの国会の意見というものも、これが正常な機関であるとだれも考えていない、匿名組合なら匿名組合として処理をしてもらいたい、こういうことなのです。ですから、それに断定を下すものは、これはしよせん法務当局の責任であろうと思いますので、あなた方に告訴状が提起されてからずいぶん日にちがたつのだが、なおこの問題の核心に触れた調査も行き届いていないというようなことでは、これは巷間怪文書によつて流布されているようなその内容をほうふつたらしめる、こういう疑惑を大きくならしむる原因ではないかと思うのであります。どうかそのことを自重自戒されましてすみやかにこの問題の処理のためにひとつ善処を願いたい。  それからもう一つお伺いしたいことは五百四十一条、これは、契約が終了したときは出資金は返さなつければならぬと規定いたしてあります。現在この経済会は休業状態にありますが、しかし二箇月定期で預託しておるものならば、中にはその契約期限の到来したものも幾多ある。三箇月にいたしましても、もう期限到来のものはずつと毎日のように出て来ると思います。もしこれが匿名組合であるならば、伝えられるところによれば、五億円の損害といわれておりますけれども、しかしそれが五億円の損害があるやらないやらこれはわからない。いずれにしても、暫定的に期限の到来したものは返して行かなければならぬ。そしていろいろな財産整理をして、マイナスが出たならばマイナスが出た。プラスが出たならばプラスが出たということで、とにもかくにも匿名組合にしろ何にしろ、期限到来したものは金を返して行かなければならぬ。返さなければどういう法律によつて返さなくてもいいという、こういう基準も出て来なければならぬと思うが、期限到来した分に対してその出資を返還していないところのこの匿名組合の現在の業務のあり方というものは、これでいいのか悪いのか、これを御答弁願いたい。

村上朝一検事(民事局長)

○村上説明員 いわゆる出資者の出しました金を、二箇月の期限で預かつてこれを返す義務を負つておるわけでございますから、これを匿名組合と見ようと見まいと、期限が来れば返さなければならなぬことは当然であります。かつてに休業したということは、いわゆる債務不履行になるわけでございまして破産法に申しますところの支払い停止をしたということになるわけでございます。残つております財産の散逸を防いで、これを最も公正に出資者その他の債権者の間に分配する手続といたしましては、債権者、すなわち出資者等から破産の申立てをする以外に、現行法上は手段がなつい、かように考えております。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 ただ先般来いろいろ貴重な質疑応答を通じてわれわれが理解しましたものは、結局何が何だかわからない、こういうことでございます。こんなことであつてはならぬと私は思う。少くとわれわれ大蔵委員会においてはいろいろな議案がたくさんありまして、月に二回なり三回なりときどきこの問題が議題として審議される機会がめぐり来るということでございますが、少くともあなた方は任務だから、四六時中この問題の処理のために、鋭意努力をされていいと思います。問題は、一般的な社会問題になり、政治問題になつてからすでに相当な日にちを経ておるけれども、なおあなた方取締りの当事者自体が、何が何だかわからない、これが匿名組合であるか、何であるかわからない、こんなことであつて国民に対してそれで責任が果せるとお思いになりますか。少くとも一般の告訴状もすでに出しておるのだし、さらに大きく新聞なんかでもいろいろ論難、糾弾されておるのだから、一応その見通しのつくような処置をするとが、その方向へ向つて前進をして行くとか、そんな気配だけでも示されていいと思うのだが、内部的にも、あるいは外部的にも何ら法務当局によつてその処置がされていないということは、私は国会議員の一人としてきわめて遺憾に存じます。十分にひとつ御考慮願いましてやがて国会も開かれますので、その前に何らかの措置を講ぜられんことを強く要望いたしまして、私の質問を終ります。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 柴田委員。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 刑事局長にお尋ねいたしますが、これは少くとも常識で判断いたしますると、たとえば先月の二十四日かに全体的な休業を保全経済会がやつた。そういたしましてその二日か三日前に支店長会議をもつて休業することをほとんど計画的に相談がされたということを聞いております。そういたした反面に、何月何日から休業するという計画を立てていながら、地方各支店においては、相もかわらず預金という形か、その形はわかりませんが、どんどんと人の金を預かつておつた。こういう現実が各報道機関等によつて報道されておりますが、この問題がはたして現実であつたといたしますならば、またつく知能犯的な犯罪が明らかに成立するのではないか、こう考えられるのでありますが、これに対する御見解を承りたいと思う。

井本台吉検事(刑事局長)

○井本説明員 お話のような事案であるといたしますならば、詐欺の容疑が濃厚であると思います。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 それは新聞紙上、あるいは雑誌等にも報じてありましてわれわれ何の関係を持たない者ですらもこれはりつぱな知能犯じやないかというように考えております場合に、刑事局長がこの問題を、今私が議論を申し上げて伺つてその上に立つて、それであれば詐欺が濃厚である、こういうように今初めてその点をお気づきでございましようか。

井本台吉検事(刑事局長)

○井本説明員 お話のような点は、情報として私どもも前から聞いておりますので、全国的にそういうような事案がどのくらいあるか、全国的に調べさしております。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 そういしたしますと、そういうこともやはり被害者の告訴をまたなければ取上げのできない性質のものでございましようか。法律的な根拠を承りたいと思います。

井本台吉検事(刑事局長)

○井本説明員 元来が財産犯罪は当事者の意思にまかしておるのであります。本件のようなものは、全国的な社会問題となつておりますので、特に私どもが注意いたしまして、全国的に手配をしておる次第でございます。一般的の原則論といたしましては、当事者の間の意思にまかしておるというのが法律の建前でございます。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 それから先ほど同僚春日委員からもいろいろな角度から伺つておりましたが、私どもは匿名組合というものは、商法五百三十五条以下であるということを最近になつて六法全書をひつくり返して見たのでありますが、この商法五百三十五条以下の匿名組合というものの根本的の立法の趣旨というものは、たとえば数名の、しかも最も親密な人々だけによつてこういう団体をつくる、そうして自分がほんとうに信頼のおけるものに営業の一切をまかせるというのが、立法の趣旨ではないかとわれわれは考えられますが、これに対しまして民事局長の御見解を承りたいと思います。

村上朝一検事(民事局長)

○村上説明員 商法の匿名組合の立法の趣旨は、お話のございました通りでございます。本来きわめて少数の、お互いに信頼し合う当事者が共同して事業をやろう。しかしその一方は、資金は出すけれども客前は出すのはいやだ、他の一方は表面に立つてその事業をやつて行くというときに、この当事者の間の匿名組合というものが契約されるわけなのでございます。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 そういたしますと、そういう立法の趣旨である、匿名組合を中心といたしまして、十数万の人々から出資をせしめて、こういう莫大な預金を一—預金という形はどうか知れませんが、われわれには常識的には預金というように考えられますが、こういう庶民階級の金を集めてそしていろいろな甘言をもつて匿名組合という形、そういう盲点、あるいは第三者の力を借りるような、たとえば有名人を顧問に推戴する、その顧問の名前によつてなおこれを何十倍かしておる、こういう形のものは明らかに詐欺行為が成立する、こういう一点だけでも考えられるのでありますが、そういうお考えを刑事局長はお持ちにならぬのでしようか。

井本台吉検事(刑事局長)

○井本説明員 金を預かりまして、その金が無事に返れば、別に詐欺の問題は起きないのであります。本件におきましては先月の二十四日まで全然事故が起きなかつたのでございます。もちろん初めからだまし取つて自分のほしいままに使うということで、金を他人から取れば、それは詐欺罪になることは明らかでございます。その間の事情が十分調査が行き届きまませんので、今日断定的な結論ができなかつた次第でございます。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 これは一般経済のABCを知つておる者から見ましたならば、たとえばあの保全経済会の出発は、最初一箇月に七分かの配当をやる、それから五分になり、三分になり、二分になるというような形をとつたようでありますが、こういうような配当とか、そういう大きな甘言でつつておる。こういうことでありますと、当然破綻を来すことは、何人もわかり切つておる。こういうような状態をずつと眺めておつて、金が返れば詐欺じやないのだからといつて法務当局は今日までこの問題を等閑に付しておつた。これには何か根本的な理由があつたのでありましようか。

井本台吉検事(刑事局長)

○井本説明員 類似の例を申し上げてはなはだ恐縮でございますが、投資信託にいたしましても、五千円の金が二年間で約一万二千円ぐらいになつて返つております。これを一箇月の利息に割りますとどのくらいになりますか、おそらく五分ぐらいになるのじやかないと思います。保全経済会においても、最初は株の値上りが非常にはげしかつたのでありまて、そのころであれば、短期間ならば、預かつた金は相当の利息をつけて返せたのではないかと私どもは考えます。末期に至れば株も停頓いたしましたし、相当困難な事情もうかがえる次第でございます。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 今問題を保全経済会という一つの団体にだけ限つて伺つておるのでありますけれども、これを契機として八十も類似のいろいろなものができておる。あるいは最近に至つては今度は方向をかえまして、地方の純朴な人々に有価証券を貸してくれないか、あなたがただたんすの中にしまつておけば配当だけしか来ないではないかおれの方にその有価証券を預けてくれれば、配当をもらつたほかに、なおかつ莫大な利潤をやるのだというような方法をもつて盛んに農村等をまわつておるのがある。御承知のように、有価証券が裏書一つでどんどん第三者に移るようなことになつたのを奇貨といたしまして今度はそういう利殖とかいろいろな名所をつけました会社、あるいは組名等が続出しているようであります。こういうように、次から次へと犯罪が明らかであるような方法をもつて、一般の庶民階級のふところをねらつておる。こういうものがはてしなく生れ出ているような現状であります。これに対しまして、法務当局はもつとてきぱきと処理をとつてもらいたい、これはわれわればかりではなく、善良な国民大衆の要望であるとわれわれは考えるのであります、これに対しまして総括的にこういうものに対する法務当局の態度というものを、もつと率直にお聞かせを願いたいと思います。

井本台吉検事(刑事局長)

○井本説明員 高利殖の金融機関はお話の通り非常に危険なものでありましてたびたび破綻を来してたくさんの方に迷惑をかけにおります。私どもといたしましては、力の許す限り、かようなものについて内偵を進めまして先ほども申し上げました通り、簡易相互金融関係のものは、すでに十数件起訴しておりますし、匿名組合方式のものも、かようなことで処理しておるものもございます。決して等閑に付しておるわけではございませんが、何分にも手が足りませんので、全般的に行きわたらないのはきわめて遺憾であると考えております。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 最後に民事局長に伺います。こういうような現状は、もう十分お聞きの通りでありますが、ただ最後に伺いたいことは、今の預金者と申しますか、預かつたいつわゆる庶民大衆は、現在残されておる保全経済会の資産というものを、最小限度損失のないように確保したい、これは最後の頼みだと思うのであります。最後の頼みにそれを確保しよう、こういたしました場合の手段があるのかどうか。伊藤理事長一人の個人の財産と帰して、かつて気ままなまねをされて、どんどんと財産が形をかえてしまつては困る。これをまず確保して、半分であろうと三分の一で、あろうと、今持つておるものだけでの預金者大衆の力によつて確保するという方法があるのかどうか、この点を伺いたいと思います。

村上朝一検事(民事局長)

○村上説明員 先ほどちつと申し上げましたが、破産法によりましてつ出資者から破産の申立てができ、ると思います。破産法は破産原因といたしまして、個人については支払いの不能ということをあげておりますが、いわゆる休業によつて支払い停止状態になりますと、支払い不能が推定されるわけであります。破産原因があるものとして破産の申立てをすることができるわけであります。破産の申立てがありますと、宣告前でありましても、破産裁判所は債務者が財産を隠匿したり逃亡したりすることを防ぐ強力な措置をとることができることになつておるのでございますが、ただいまの破産法といたしまして、債権者から申立てがない限りは破産の手続に入ることができないわけであります。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 私はきよう保全経済会並びにこれに類似する問題で、法務当局にいささか質問してみよう、ことに当委員会は大蔵委員会でありまして、われ大蔵委員として年末押し迫つておるところの庶民金融に、これはいかに重大な関係があるかという意味において、いささか質問をいたしてみよう、こう実は考えておつたのでありますが、刑事局長さんはまだ御就任日が浅いようであります。十分引継ぎも終つていないかのごとくに私は考えるのであります。なお先ほどの純情な御答弁の中に、目下鋭意そういつた意味合いに重点を置いて、御研究をされておるということでありますから、次会に譲ることとしてただ一つ申しておきたいのはどうせこれは庶民金融に非常に重大な関係があるのですから、御冷静に、よく言いますところの角をためて牛を殺すというような、金融界に思いもようないところの余波を起させないように、ぜひ御検討を願いつたいと思うのであります。いずれ次会には、この問題で何がゆえに私はさようなことを申すかということを、個々の例をとつて申し上げて、御反省と、なお今後の御参考にいたしたいと思います。  そこで先ほどの柴田君の質問に関連して、これは全然違つた問題でありますが、刑事局長さんに伺いたいのであります。あなたは先ほど柴田君の質問に対して、財産法上の問題は検察当局は一切干渉しない、当事者に一任してあるのだ、こうおつしやつたことは間違いございませんか。

井本台吉検事(刑事局長)

○井本説明員 一般の一対一の個人のような場合のことを、私は申し上げました。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 一般の一対一の個人の場合の債権債務の問題は、検察当局は干渉しない、そうして当事者に一任するのが原則だ、こういうように解釈してよろしゆうございますね。もしそれならば、先ほどからるるとわれわれが伺つて御答弁願つたことは一応お取消しになつておがれるのがいいのではなかろうかと思う。なぜかと言うならば、もし検察当局がほかの事件に関連して、個人の一対一の問題の債権債務に圧力を加えて強要したという事実が検察当局にあつたとするならば、あなたの御意見で行くならば、根本的な原則に反することになるので、その検察官の責任問題というものが起つて来る。でありますから、一応お取消しになられるか、もしそういう検察官があるならば、具体的に言つたならば、適当に処置を講ずると言われるだけの御決心があるか、それを一応伺つておきたいと思います。

井本台吉検事(刑事局長)

○井本説明員 私は原則論を申し上げましたので。個人に対して迷惑をかけた場合でも、いろいろ事情があろうと考えます。具体的にどういう事案でございますかお伺いをいたしませんと、あるいは結論が出ないかとも考えます。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 ごもつともでありますが、これは、きようの委員会のこういう席上で申し上げるのもどうかと思いますが、いずれ追つてこういう事実があるのだということを申し上げて、一応きようあなたが御発言されておるところの財産法上の一対一の問題は当事者にまかするのだ。もし検察当局が圧力を加えて重大な損害をかけさすようなことをいたすのは、検察当局として聞違つておるのだということを一応弁明してもらうところの、事実上の具体的の資料を携えて今後のために御参考に供する。それを申し上げたいために、こういつた関係外のことを私が質問したということを一応了承していただきたい。

大平正芳自由党

○大平委員 先ほどの民事局長の御答弁の中に、保全経済会の現有の財産が、今の段階において散逸するのを防止する。これがさしあたつてみなが関心を持つておるところでありますが、その法律的な手段としては、破産法上の破産の申立てという唯一の手段がある。そういうことでありますが、一体関係出資者から今まで破産の申請があつたのですか、ないのですか。

村上朝一検事(民事局長)

○村上説明員 これは裁判所の方に確かめてはございませんけれども、破産の申立てがあつたということは聞いておりません。

大平正芳自由党

○大平委員 この問題についてはいろいろ各委員会で議論がなされておりますし、世上でもいろいろ論議が闘わされておりますがどうも根本は、先ほど春日君から言われましたように、保全経済会なるものの性格がはつきりしていない。政府の見解が統一していない。従つて国民の側、出資者の側からは、漠たる期待が持たれておるのではないか。何とか問題が政治的にでも解決されるような期待を持たれておる筋が、無知な大衆の中にはあるのではないか。そういう懸念がありますために、破産申請というようなことも今日まで依然として行われていないのではないか。こう思うのです。まず一番大事なことは、政府として保全経済会なるものの性格を有権的にきめてもらいたいそうすれば、その決定に応じて今まで過去において政府がとつた措置、あるいは政府の不作為というようなものについての責任の所在もはつきりしますし、また国民の側からこの問題を論ずる場合に、この問題は政府の言つておる通りこうなんだということがはつきり鮮明されて、問題の振合いがつくのではないかと思うので、前の当委員会といたしましても、前々の法務委員会におきましても、銀行局長に見解の統一をはつかつて、世間の疑惑をつ一掃するようにということを要望してあつたのですが、まだ当委員会として御返答を承つておりません。征つてまず第一に根本は政府部内において保全経済会の性格なるもの、法律的性格なるものをはつきりさせる、それからでないつと一向問題が進まないような感じがついたすのであります。いろいろ論議をいたしましても円周の周辺をめぐつておるような感じがいたしますので、その点春日君と同様に、ひとつ法律的に有権的な統一した解釈を下したらよい。委員会において御説明願うと同時に、国民一般にも周知徹底せしめて、現行の法制において何か取締るべき措置が早急にとられるように、ひとつ格段の御努力を願いたいということを要望いたしておきます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 ただいま大平委員の発言を承り、かつ先ほどの春日君からの発言をちよつと聞いたところでは、民事局はまだ保全経済会の組織行為については匿名組合の方式でやつておると断定をしておりますか、そこをはつきりしてもらわないと困るのですが。

村上朝一検事(民事局長)

○村上説明員 私法務委員会、地方行政委員会その他でお答えいたしました通り、世間に伝えられております事実を基礎として考えますと、当事者の意思は匿名組合契約をする意思ではなくて、一定の期間一定の金額の元本を預けてその利息の支払いを受けるという意思なんであろう。従つてもしそうだとすればその実態はば匿名組合ではなくて、匿名組合に名をかりた預金その他の行為になるのではないか、かような答えをしているわけです。ただ先ほどもちよつと申し上げましたように、具体的に事実に当つて、直接調べたわけでございませんので、世間に伝えられております事実を基礎としてお答え申し上げたという点を御了承願いたいのであります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 そこが政府のこの問題に対する態度の不明確な感じを国民に与える非常に大きな根拠になつておるのではないかと私は考えます。私が先般来この問題についていろいろ意思見を伺いましたところが、保全王経済会がやつておりますあの行為は、匿名組合の規定を逸脱した行為であるということを明確に承つておるのであります。ところが今日あなたから伺いますと、世間に伝えられるところによると、こういうふうに責任を世間になすりつけておるこれはもつてのほかだ。現実にこの商法に規定してあります匿名組合の規定、合名会社、合資会社、株式会社等の組織と全然違う組織であるということは明らかであるし、それから考えますならば、御承知のような保全経済会のやり方というものはどうも匿名組合の規定を逸脱りしておる。またやつておる内容というものは、現在の銀行法たり、信託法なり、その他貸金業法等にいろいろ問題を関連させられるような行為が非常に多い。そういうことが明らかになつた場合、一応あなた方自身として取調べてみる必要が当然あろうと思う。調査しなければならぬ必然的な事態が起つておると思いますのに、どういうわけで民事局が一体今日までそういうことを明らかにできませんでしたか、そこをもつとはつきりしてください。

村上朝一検事(民事局長)

○村上説明員 金融法規違反、あるいは刑法犯等に該当するかどうかということは、それぞれの検察当局なり取締りを担当する方面において責任をもつて調査され、判断をされるわけであります。ただ私どもといたしましては営業案内であるとか、あるいは出資申込書であるとか、あるいは出資証書というようなもののひな型を拝見いたしましてこういうものについて行われておる契約は一体法律上どう見るかという意見を聞かれるわけでございます。それだけの材料で判断いたしますれば、これは匿名組合であるとは考えられないという意見を私ども当初から言つておるわけであります。それを具体的に証人その他の証拠に当つて御調査になるのは、検察庁その他の取締り当局のおやりになることであると考えておるのであります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 それでよくわかりました。大体民事局といたしましてはただいま申されておりましたようなそれだけの証拠書類によつても、匿名組合の様式を逸脱したものであるという断定を下しておることは明らかであります。なおかつ一般の出資者の意見を聞きましても、全然民法に規定してあります匿名組合の性格に基く出資ではありません。これはもう明らかであります。またそのやつておりまする行為を見ましても、事実これは匿名組合の規定を尊重しておりません。従つてこの問題は、明らかに不定多数の者から出資を求めておるということに該当するのであつて、当然これは取締りの対象になり鳴るのです。たださきに柴田氏や春日君からお話がありましたように、実態は及ぼすところの影響が非常に大きいし、またその深刻さがきわめて大きいのでありますから、これの取扱いは非常に慎重を期さなければなりませんけれども、またそれと同時に、それに出資しておるのは非常に零細な者であるというところからして出資しました財産の保全をどうはかるかという点、またさきにも申しますように、このやり方については、いろいろな犯罪行為が内在しておる印象を強く国民に与えております。国民が常識的にそう考えてでおるのに、検察当局がまあまあといつておつてもらつたのでは、どだい国民の信頼し得る検察当局とは言えぬことになりますし、このことはまた検察当局みずからの国民に対する信頼を失うことにもなり得るところであり、そこへもつて来てさきに申しますようないういろいろなうわさがちまたに飛んでおるときでありますから、そういう事実が明らかになりました以上は、少くとも一応の疑いを持つて事態の真相を明らかにし、また財産の散逸をできるだけ防ぐということが、これら零細出資者を守るという立場からも私は当然必要ではないかと思うのですが、それらの点について刑事局長としてとやかく考えずに、ひとつまつしぐらに対策を講じてもらいたいということを私は希望しますが、あなたはその腹構えができておりますか。またどこかから文句を言つて来ますか。

村上朝一検事(民事局長)

○村上説明員 御趣旨に従つて、できるだけ努力いたしたいと考えております。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 今日この保全経済会がこういう大きな問題を投げかけておりますゆえんのものは、いずれにしても法律が明確でなかつた、さらにはまた匿名組合の条文の中にも、不特定の多数という問題つについても、これが何十万人というものを対象にしてもいいという、いろいろ法律上の欠陥が多々あることに基因するであろうと思われるのであります。そこでこれに近似する金融類似行為といたしまして考えられることは、株主相互合事融の問題があろうと思います。伝えられるところによりますと、この趣旨の上に立ちまして、大蔵委員長はこの株主相互金融に対して経営者に対しては規制をし、出資者に対しましては保護のために一つの法律案を起草されまして、これを大蔵当局に手交されて検討をされておるとの趣であります。しかしながらこの問題に多くの責任を有する本委員、なお委員長の手元で検討されたその法律案なるものを承知いたしておりません。事態はだんだんと保全経済会、さらにはまた年末金融等の問題といろいろ有機的な関連を持ちまして、この株主相互金融の法律規制の問題がいろいろ検討されておるのでございます。従いまして本委員会は、委員長の手元において起草されたといわれるその法律案について十分検討する必要があると考えられますので、すみやかに本委員各位に対してその法律案を交付して、検討のための機会を与えられたいと思いますが、動議の形になるかもしれませんが、これを強く要望いたしますので、委員長においてそのような御処置をお願いいたしたいと思います。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 ただいま春日委員からの御提案でありますが、この起草された案は千葉個人のものでありまして、委員会の責任では、ございません。ですから、これを交付いたしまして委員会でお諮り願い委員会の意思が決定するだろうと思いますが、その試案として配付したいと思いますが御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 さようとりはからいます。     —————————————

千葉三郎改進党

○千葉委員長 なおこの際お諮りいたしますが、先ほど保全経済会の問題につきまして古屋貞雄君並びに深澤義守君の御両人を証人として当委員会に招致することが満場一致決定されたのでありますが、そのほかに深沢衛門君をもう一名追加したいと思います。この点について、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 御異議ないようでありますから、さようとりはからいます。     —————————————

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 議事進行についてただいままで保全経済会に関連する庶民金融の諸問題につきまして、当委員会はいろいろの角度から討議を重ねて参りました。特に保全経済会の休業に伴います問題は、その及ぼすところが非常に大きいのみならず、かくのごとき不法な金融行為が平然として認められておるというこの事実、そしてこれに対する対策がまだ政府においてとられていない。かようなことは年末を控えて非常に及ぼす影響が大きいと考えますので、本委員会はここで暫時休憩を願つて、これの対策をいかにすべきかということについて一応の政府に対する勧告というか、申入れを御相談願つて案がまとまりましたならば委員会決議として政府に申入れをするようにしてもらいたいと思います。お諮りを願いたいと思います。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 ただいまの井上委員の御提案、まことにけつこうだと思いますけれども、いかがでありますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 御異議ないようでありますから、さよう決定いたしたいと思います。     —————————————

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 あさつての委員会に開発銀行総裁を参考人として追加してくださらんか。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 さようとりはからいます。  本日はこの程度で散会いたしまして、井上委員の問題をその後に御協議いたします。     午後三時三十九分散会

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