大蔵委員会 第7号
- 発言数
- 21 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/11/18
会議録
○千葉委員長 これより会議を開きます。 今朝理事会を開きまして決定いたしました事項について、御報告申し上げます。 来る三十日から第十八回国会が開かれますので、その前に当大蔵委員会といたしましては、政府当局の御出席を願つて十分審議したいと思いますから、来る二十五日から四日間連続して委員会を開くことにいたしました。そうして第一日には、参考人といたしまして深澤義守君並びに深沢衛門君の両名、さらに法務省関係の政府委員。第二日の二十六日におきましては、大蔵大臣、同政務次官、主計局長、銀行局長、理財局長。第三日目の二十七日におきましては、通産大臣、中小企業金融公庫の総裁、商工組合中央金庫の理事長、国民金融公庫の総裁並びに中小企業庁の長官。第四日目の二十八日におきまてしは、日銀総裁並びに地方銀行、相互銀行、信用金庫等の代表者。そうしてこれらの委員の会合におきまして、年末金融につきまして当委員会としては十分なる成果を上げたいと存じておりますから、御多用のところ、どうぞ奮つて御出席のほどをお願いいたします。 —————————————
○千葉委員長 なおただいま申し上げました参考人の出席に関する件についてお諮りいたしますが、昨日の委員会におきまして、保全経済会に関する問題について、議員古屋貞雄君から意見を聴取したのでありますが、井上委員から、さらに深澤義守君並びに深沢衛門君の両名を参考人として出席を求め、本問題に関する事実を明らかにせられたい旨の御提案がありました。来る二十五日、両君を参考人として御出席を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○千葉委員長 御異議なしと認めまして、さようにはからいます。 なお先ほど理事会の報告中に申し上げました通り、この際参考人といたしまして、商工組合中央金庫の理事長、また地方銀行、相互銀行、信用金庫等の代表者をお呼びしたいのでありますが、この点に対して御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○千葉委員長 御異議ないようでありますから、さようはからいます。 —————————————
○千葉委員長 なお理事会におきまして、過般枚方の問題につきましてその派遣委員から提出された案につきましては、午後さらに検討の上、当委員会に諮りたいと思いますから、さよう御了承を願います。 —————————————
○千葉委員長 次に、税制に関する件を議題といたします。去る十二日税制調査会におきまして決定された税制改正に関する答申案について、渡辺主税局長から説明を聴取することといたします。どうぞ。
○渡辺説明員 税制調査会から去る十一月十二日に、答申並びに答申の理由及び説明というものが提出されましたので、その経過あるいは内容につきまして、簡単に御説明申し上げたいと思います。お手元に一応プリントが差上げてございますので、これに従いまして、順次簡単に御説明申し上げたいと思います。税制調査会ができましたのは、答申の理由及び説明の方に第一ページに一応ございますが、八月七日の閣議決定に基きまして、国税及び地方税を通じて、わが国現下の実情に即した合理的な租税制度を確立するためには、どういうことをしたらいだろうかということを諮問されたわけでございます。委員の方々は、二ページ以下に一応名簿が入つておりますが、総員二十四名、会長が委員の互選によりまして木暮武太夫さん、それから会長代理として汐見三郎さんが選ばれまして、委員会が結成されまして、四ページ以下にございますが、そこに書いてございますような日程経過を経まして、八月十八日の第一回総会から十一月十二日の第五回総会を終りますまで、会合いたしますこと約二十回、午前午後ということもありますが、大体午前午後の場合におきましては、午前は九時半から、午後は早くて五時、遅いときは九時過ぎまで、非常に御熱心に御討議願いまして、われわれもその点につきましては、非常に敬意を表した次第でございます。結論といたしまして出ました答申は、これまた御配付申し上げておりますのでごらん願いたいと思いますが、考え方の一番基本といたしましては、現在の税負担が非常に国民経済的に見まして過重である。従つて財政の規模か相当ふくれざるを得ないこともわかりますが、しかし同時に、明年度の自然増収がどれくらいあるか、これはわれわれの方で実は目下こまかい作業をしておりますが、委員会としてはわれわれの作業とは別に、非常に荒検討で見通しをされまして、国税の方で、本年度の当初予算に対して大体九百億くらいの自然増収が見込まれるのではないだろうか。それから地方税の方で、これまた本年度の当初予算に対して三百億くらいの自然増収が見込まれはせぬだろうか、それから専売益金関係で大体百億くらいの自然増収が見込まれるのではないだろうか。合せまして千三百億、これをそのまま全部財政のふくらんで行くその財源に使つてしまうということは、納税者の立場としては耐えられない。従つてこれのいわば半分というのが一つの目安だと思いますが、具体的には七百億見当はやはり税負担の軽減に持つて行つていただきたい。残りの六百億はこれは中央・地方の財政規模のふくらみに充てていただくことにしたらどうだろうか。同時に現在の税制を見て参りますると、どうも所得税を中心にしました直接税関係の負担が非常に重い。地方税も全体として非常に重いが、特に目立ちますのは事業税が重い。従つてこの二つを中心に、さらにその他を合せて相当の軽減をすべきである。そういうふうな軽減を一応やつて参りますと、大体千二百億くらいの減収が予想される。これを全部自然増収の方でまかなうということになりますと、来年の予算規模というものが本年の当初予算と大体違わない規模になつてしまうだろう。それは災害とかいろいろな問題の重なつておる現在としては無理だろう。そこで今申しましたように、直接税の方としましては千二百億くらいの減税が必要になつた来るから、そこで間接税の方で何とか五百億くらいの財源をまかなつて行つて、自然増収でもつて支弁する分を七百億に押える。自然増収の千三百億程度のうち残りの六百億は財政の規模の膨脹に充てる、こういうふうな割振りによりまして、財政を運営して行くならば、この程度の税負担の軽減はできるのではないだろうか、これが考え方の一番の基礎になつておると思います。もちろん現在のいろいろの情勢から見て参りますと、六百億程度の自然増収をもつて国、地方を通じての明年度の財政のふくらみをはたしてまかない得るだろうかどうだろうか、これには非常に問題があることは調査会でも認めておるわけでございますが、同時に納税者の立場という考え方からいたしますと、調査会の考え方では、とにかくこの程度の税負担以上には負担はできないのだから、そこはその範囲で、何とか従来の既定の経費などでもつて相当思い切つた削減をすることによりまして、財政の規模をその程度に圧縮すべきではなかろうか、そうすれば今言つたような程度の減税は可能じやないだろうか、これが全体の基礎になつておると思います。従いまして、調査会がいろいろ答申されましたその一つの大きな重点に、何とかして財政規模を圧縮するといいますか、あるいはふくらまさないといいますか、ふくらみ方を非常に小さくするといいますか、当然予想される来年度の経費増加もあるわけでありまして、それを一応単純に積み重ねただけでもとても六百億だけでは納まりきらぬという数字も出るわけでありますが、そういう従来の考え方をこの際改めて、そしてその程度の財政規模を持つのでなければ、おそらく日本経済は将来非常な苦しい破局的な場面に到達しなければならぬということになるかもしれぬし、それを心配する。その意味からすれば、どうしてもこの程度のことはやつて行かざるを得ないのではないか。その意味におきまして、歳出の点について相当いろいろな意見が出まして、答申及び答申の理由の方にもその点が非常に強く強調されているということが、今回の答申の一つの大きな特色であるというふうに見ていいものだろうと思います。 それから第二段の点につきましては、先ほどもちよつと申しましたように、直接税の負担が非常に過重である。従つてこれを軽減する。同時にその軽減だけではこれは非常に歳入減が出て来るから、どうしても間接税の方の増徴もある程度考えざるを得まい。こういつた、いわば直接税で減らして間接税である程度ふやすというような考え方が入つております。そうした考え方に基きまして、答申の五ページにございますが、まずアウト・ラインといたしましては、所得税について基礎控除、扶養控除、給与所得控除等の各種の控除の引上げ、税率の引下げ、それから法人税の税率引下げ、それから個人事業税の基礎控除引上げと税率の引下げ、それから法人事業税の税率引下げ、それから法人の市町村民税の軽減、こういつたようなことを一連提案しております。 それから間接税の方につきましては、奢侈高級品等に対する物品税、高級酒類に対する酒税、砂糖消費税、揮発油税、骨牌税、印紙税及び登録税の税率引上げ、それから新たに、繊維製品に対する消費税をつくること、それから高級タバコの小売価格を引上げること、それから自動車税の税率を引上げること、こういつた幾つかの提案をしまして、この間接税関係の新しい増徴関係で大体五百億の増収を期待する、直接税の関係で千二百億の減税を期待する、こういつたような関係になつております。 それから地方税の問題でございますが、地方税関係につきましては、御承知のように税制調査会と別途に地方制度調査会がやはり内閣に設けられまして、一応審議が続けられ、二十九年度において当面実施すべき事項という答申が出ておりました。この二つの調査会は、地方税に関する限りにおきましては、いわば重複して審議することになつたのでございますが、ただ考え方といたしまして、地方制度調査会の方におきましては、地方税という問題を中心と申しますよりも、もつと基本的に地方制度のあり方はどうあるべきか、たとえば府県の性格はどうあるべきか、あるいは知事の公選はあれでいいのか、そういつたような問題、あるいは市町村の地方自治体としてのあり方はどうあるべきか、こういつたような制度の問題、あるいは自治警察をどう処置すべきか、こういつたような制度問題をまず根本といたしまして、これに対して検討を重ね、同時にそれのうらはらであります地方財政についてどういうあり方であるべきか、さらに地方財政の一環としての地方税はどうあるべきか、こういう観点でずつと御検討が進められて行つたわけであります。それら税制調査会の方は多少角度が違いまして、納税者の立場からしますと、国税にしろ、地方税にしろ、結局納税者としては負担する租税である。従つてそうした国税、地方税を込めて、納税者としては国税がたとえば下つても、地方税が上つてはたまらぬ。同時に両方の負担権衡を考えながら、国税はどういうあり方であり、地方税はどういうあり方であるか、観点が多少違いますが、しかし結局するところ、やはり地方税問題が取上げられます。同時に、税制調査会におきまして議論をしておりましたときには、地方制度調査会の方の一応の結論がもうすでに出ておりましたので、地方制度調査会のそうした答申を一応の参考としまして、やはり税制調査会では地方税についての議論をずつと続けられました。結論的に申しますと、大体地方制度調査会で出ました結論と、税制調査会に出ました結論とは、ほぼ同じような線で一応話はまとまつております。ただ地方制度調査会の方では、先ほども申しましたように、制度の問題、地方財政の問題、こういう角度で議論が進められておりますので、たとえば税金を軽減するとか軽減しないとかいつたことの議論は、地方制度調査会の方ではほとんど議論の対象になつていなかつた。従つてたとえば事業税を軽減するとかしないとかいう問題は、むしろそれは税制調査会の方の議論にまかした方がいいのじやないか、こういつたような議論があつたように思いますが、結論的に言いますと、そうした税の負担軽減をするとかしないとかいつたような議論につきましては、地方制度調査会の方ではあまり取上げなくて、むしろこれは税制調査会の方で取上げた。しかしそれ以外の、地方と中央との財源の地方税関係のやりとりの問題といいますか、そういつた点につきましては、地方制度調査会で出された結論が大体そのまま税制調査会の方の答申にも受入れられた、こういうふうな結論になつていることを、まず申し上げておきたいと思います。 そういつた観点からしまして、一応考え方の基礎になつておりますのは、地方自治である限りにおきましては、できるだけ地方に独立財源を与えるべきである。これは確かに一つの尊重すべき考え方である。ただ非常に矛盾したことがそこにあるわけでございます。と申しますのは、それぞれの地方自治体の姿を見て参りますと、富の程度といいますか、経済力の程度に非常に大きな差がある。たとえば東京都と鹿児島県といつたような例を引いてみましても、そこに経済力に非常に大きな違いがありますために、独立財源を一つ与えますと、東京都の方におきましては、それが大きな歳入のもとになりますが、鹿児島県の方に参りますと、それが非常に小さな収入にしかならぬ。従いまして、東京都の方でもつて大体経済がまかなえる程度の独立財源を与えるとしますと、鹿児島県の方においては、それではまだとても足りない。逆に鹿児島県が何とかまかなえるような独立財源を与えますと、東京都の方ではそれでは少し余り過ぎて困ると言つては語弊があるかもしれませんが、ゆとりがあり過ぎるような姿になるのじやないか。どうしても独立財源だけではまかない切れませんので、やはり平衡交付金といいますか、あるいはその他の制度によりまして財政調整をしなければならぬ、こういう問題が出て来るわけです。財政調整をする姿からいいますと、どうしてもやはりそうした独立財源はできるだけ与えたいが、同時にできるだけ偏在度と言つておりますが、ある独立税を与えることによつて、東京都のようなところと鹿児島のようなところと歳入にあまり大きな差のないようなところの税を選びたい。同時に、そういうあまり大きな差異のある税は、むしろ別なとり方をして、別な配付方法をとつたらどうだろう、こういうような考え方が基礎になつております。従いまして、これは地方制度調査会でも同じ結論でございましたが、入場税、遊興飲食税、これは現在税務執行の面でもいろいろ議論があるわけでありますが、財源的に見ましても、どうも大都市のようなところに非常に偏在している。従つて入場税、遊興飲食税は国で賦課徴収して、これの九割を人口割で地方の府県にもどしてやる、こういう姿にしたらどうだろうか。 それから都道府県県民税を新しく都道府県に起したらどうか。しかしこれによつて納税者の負担のふえることはおもしろくありませんので、市町村民税をそれだけ減らすことによりまして、納税者としてはそれほど負担がかわらない。ただそれを市町村と都道府県の間でわけどりするような意味において、都道府県民税を起そう。これも制度調査会と税制調査会で同じ結論を出しております。 それからこれもやはり同じでございますが、償却資産税でございます。御承知のように、固定資産税の中で償却資産に対する税金が現在ございます。償却資産税といいますのは、たとえば機械でありますとか、発電設備でありますとか、そういつたものに対する税金でございます。これは場所によりまして非常に偏在しているという事例が目立つわけでございます。よく例に引出されますのは、山間僻地におきましても、ある村には発電所が一つある。それによつて償却資産税が非常に大きな歳入になつて入つて来る。隣村に行きますと、そういうものがございませんので、全然違つた姿の財政状態になつておる。これはあまりに極端に偏在した税だろう、従つてこれも何か別の姿、せめて府県税にでも持つて行つたらどうだろうか、こういう考え方があるわけでありますが、ただ全部それを府県税に持つて行くということになりますと、現在の発電所のある村も、その発電所をつくること、あるいはその後において相当犠牲を払つておりますので、一度に全部持つて行くことは無理だろう。そこで考え方としまして、この償却資金税は固定資産税から別に離しまして、半分を府県税としてとり、半分は従来通り市町村税にする、こういう考え方が入つております。 それから先ほど申しました独立財源を与えるという点からしまして何がよかろう、いろいろ議論があるわけでありますが、結着いたしましたところ、タバコの消費は割合に都会に偏しますが、しかしほかのあらゆる税と比べてみまして、タバコの消費税が一番そうした偏在の程度が少い。従つてこの際タバコ消費税を起し、それによつて地方にできるだけの独立財源を与える。もつともこれはタバコ消費税を起すことによつて、その分だけタバコの値段を上げるという考え方ではございませんで、ごく簡単に言えば、専売局がそれだけ減つて、それがタバコ消費税の姿において市町村へ行く、こういうふうにお考え願うのがきわめて簡単な御理解だと思います。一応税としてのかつこうとしましては、いろいろなそこに裏づけ的な理論はございますが、一口に言えばそういつた姿になるようなものをつくつたらどうか。この点につきましては、制度調査会、それから税制調査会とも結論が同じでございますが、ただ制度調査会の方では、タバコ消費税の率を市町村に最終小売価格に対しまして百三十分の二十、府県に十、こういうわけ方にしておりますが、税制調査会の方では、その辺の配分関係は、全体の姿を見てからでいいじやないかという意味で、配分の結論は出しておりせん。 それから地方財政平衡交付金制度というのが現在なされておりますが、これに対して非常な批判がなされたわけでございます。従つて結論としまして、地方交付税制度をつくる。これは昔考えていた制度でございますが、所得税、法人税及び酒の税の一定の割合をあらかじめきめておきまして、これを地方交付税の財源に充てる。現在のように始終基準財政需要と基準財政収入とを見合いまして平衡交付金の額をきめるというのではなしに、もう一定割合できめてしまつたらどうだろうか。従いまして、もし国にこういう税について自然増収があれば、黙つていても地方にその自然増収は行く。そのかわり一応一種のあてがい扶持のようなかつこうできめてしまう。原則としてはこれはかえない。ベース・アツプというようなごく特殊の事例の場合にはさらに再検討するとしましても、通常の経費の膨脹は、もうこれでもつて全部渡し切りにしてしまう、こういうことにしたらどうかという考え方が出ております。制度調査会の方でも、これとほぼ似たような案が出ておりますが、制度調査会と税制調査会の方では多少違つております。こまかいことになりますが、地方制度調査会の方の考え方は、一応こういう税の一定割合でもつて特別会計に入れておきますが、出す方は現在と同じように、基準財政需要と基準財政収入との差額で出して行く。そうしますと、そこに剰余が出るかもしれぬ。しかしおそらくは従来の経験から行くと赤字が出るかもしれぬ。赤字が出たら、それは一応借金をしておいてその借金がたまつた場合、将来においてそれは制度そのものが悪いのだから、もう一ぺん見直してみよう、こういつたような案になつておりますが、税制調査会の方は、それはむしろ現状よりも悪くなるのではないか、というのは、そこに借金が残るわけでありますが、そういうのはインフレ防止の観点からしておもしろくない、むしろ渡し切りにしてしまつて、ベース・アツプとかごく特殊な事情があるときは考えてやるようにしても、通常はこの渡し切りでまかなつてもらおう、こういう細部において違いがございます。 それからなおこの全体の考え方のうちに、地方制度調査会の方で、警察制度につきまして新しい改正案を答申しております。考え方の基礎は、自治警を全部府県警察に統一してしまう、国警も府県警察に渡してしまう、府県警察の自治警という姿で警察制度を全部運営して行こう、これが地方制度調査会の方の制度関係の答申になつておりますものですから、税制調査会におきましても、一応その答申の線を受けまして、そういうことが実現する場合における地方財政のあり方——制度調査会はもちろん自分の中同士でございますから、それをもとにして案が出ておりますので、税制調査会におきましても、それをもとにした考え方によつて一応財源配分とか、そういうものは考えて行くべきだ、こういう基礎になつておることをつけ加えさせていただきます。 それからなお大都市の問題でございます。これは地方制度調査会の方で大都市といいますと、大体東京都は別途でございますから、従来の六大都市の中から東京都を抜かして、五大都市を頭に入れておるようでありますが、制度調査会の方で、大都市につきましては、警察は大都市だけは自治警を持ち、教育関係も大都市が教育費の負担をする、こういうような制度関係を地方制度調査会の方で答申しているわけであります。従いまして、もしそれが実現する場合におきましては、それに随伴する税の配分を考えて行くべきじやないか。こういうのが七ページの最初にございます。大都市に関する行政制度の特例が認められた場合におきましては、財政需要も別の配慮を加える、こういう考え方が入つているゆえんでございます。 以上が非常に大ざつぱな概観でございますが、多少細目につきまして申しますと、国税に関しまして、まず所得税でございますが、所得税につきましては、一応給与所得者の月収額二万円程度まで所得税がかからないようにする、これを一つの目安にいたしまして、基礎控除を現行の六万円から八万円に上げる。扶養控除は現在三つの段階になつておりますが、これを二つの段階にしまして、最初の一人は現行三万五千円から四万円にする。それ以下は、現行の二人から三人目が二万円、その他の一万五千円というのをあわせて二万五千円の二段階にしたらどうか。それから税率についてでございますが、これは現在御承知のように累進度が急激になつておりますので、これは相当間延びさせるような税率にすべきではないかというのでその八ページ、九ページにわたつてございますような税率の姿に直すべきである。下の方が税率がすえ置かれておりますのは、これは一つは月収額と見合つたようでございます。同時に低額所得者の方につきましては、基礎控除、扶養控除の引上げによりまして、相当の負担軽減がそこになされますので、従つてこの辺は、主として下の方の所得者の方には、控除の関係でもつての負担軽減で相当行けるから、下の方の税率はすえ置くが、上の方の税率を下げる。この全体の見合いにおいて、相当の負担軽減をはかつたらどうだろうか、こういう考え方であると聞いております。 それから給与所得対象者に対する給与所得控除の問題でございますが、これはいろいろな議論がありましたが、結論としまして、現在の一割五分はそのまますえ置くが、最高を五十万円を目途にしまして七万五千円まで引上げたらどうか。それから生命保険料控除を現在の八千円を一万二千円に引上げたらどうか、それからあとの各種の所得についていろいろこまかい意見が出ておりますが、退職所得につきましては、現在御承知のように全部二十万円控除になつております。二十万円控除で半額にして税率を適用しておりますが、やはり相当年数の長い方で、老後その退職所得によつて暮されるという方のことを考えますと、そういう分については相当控除を大きくする必要があるのじやないだろうか。従つて大体二十五年以上の勤続者について五十万円くらい控除する、これを目安にしまして、短かい方は現状通り、従つて十年を越えました場合に一年ごとに二万円ずつ加算して行くという考え方でやつたらどうかという案を出しております。 それから山林所得につきましては、いろいろ議論がありましたが、中小所得者を中心として負担の軽減をはかるという非常に抽象的な結論しか出しておりません。 配当所得につきましては、現在の二割五分控除の制度はぜひ残すべきである。しかし源泉の税率の二割の問題でございますが、利子所得に対する税率が一割に下つた、これは臨時措置でありますが、それと見合いまして、やはり一割程度に下げたらどうか、こういう考え方を出しております。あとは一応利子所得に対し、あるいは農業所得に対し、いろいろ意見がございますが、そこに書いてある通りでございます。 農業所得につきましては、超過供出奨励金とか、各種奨励金についての免税措置につきましては、負担の上からいろいろ批判があるのじやないか。ただこれだけでもつて問題は片づかない。結局これはうらはらの供出の問題、米価の問題、そういう問題とあわせて考えるべきものだと思うが、税の上にこういう考え方を入れて来ることは、農業者相互の間の問題としましても議論があるわけですし——と申しますのは、御承知のように農業所得者の中で一割五分くらいしか税金がかかつてない、そういう人には超過供出で免税になつても、もともとそれは税金を払つてないわけだから問題にならぬ。そういつた問題もありますし、これは総合的な観点で検討すべきでありますが、税の上でこういうことをやることはどうもおもしろくないのじやないかというような結論を出しております。 それから青色申告につきましては、いろいろ議論もありましたが、結局専従者控除の中に妻を入れて、配偶者を除くということをやめる、これはぜひ考えたらどうかという意見であります。その他の問題につきましては、予定申告制度を予定納税制度に改めたらどうか。それから税務官庁の更正決定が不当に遅延した場合におきまして、利子税の負担を、更正決定が一年以内になされた場合は別でありますが、それ以上延びたら、その延びた期間の利子税は免除したらどうか。それで更正決定後におきまして、納期が来てなお払わないという場合において、それからまた利子税が進む。これはあたりまえの話でありますが、その間の利子税は免除したらどうか、こういう意見が出ております。 それから法人税でございますが、法人税につきましては、全体として地方税、国税も込めて大体積み上げて参りますと、現在五九・二五という税率になります。法人税が四二、それから法人税割、町村民税の法人税割がかかります。それから事業税が一二かかります。そういつたものを積み上げて参りますと、五九・二五となります。こまかい計算をしますと、五九・二五がそのままでいいか悪いか、議論はありますが、ごく単純に積み上げて行きますと五九・二五になる。それを詰めて、全体を合せて五くらい下げたらどうかという考え方でございます。従いまして法人税の方でもつて四二を四〇にする、事業税を一二を一〇にする、法人税割の分を一下げる、こういつたような考え方になつております。 それから特別法人でございますが、特別法人につきましては、その性質から見まして、大体普通税率の半額くらいを考えたらどうか。ただこの間の農業協同組合とか森林組合とかに対する特別措置は、これは組合整備というものとの関連においての特別措置というふうに考えて行くべきであるという結論を出しております。 それから多少こまかくなりますが、現在の積立金課税の問題につきましては、これは普通法人については、現在は本法には残つておりまして、措置法の方でとめておりますが、これは一応普通法人はやめてしまう。 〔委員長退席、淺香委員長代理着席〕 それから同族会社に対する分につきましても、制限を越えて新しく積み立てた分についてだけ一回限り課税する、こういう制度にしたらどうか。そのかわり現在の税率の百分の五というのを百分の十くらいに上げたらどうか、こういう答申を出しております。 それから各種の準備金制度でございますが、これにつきましては、原則的には、できるだけこれはその効果をねらつて、あまり大きく広げることは避けた方がいいだろう。ただ価格変動準備金につきましては、現在は御承知のように取得価格が時価より一割低い金額を越えておりましたら、その分だけ変動準備金に積み立て得るという制度になつておりますが、これではどうも価格変動というものに対応する制度になつておらぬから、時価または取得価格のいずれか低い方の一割を下つたところの九掛、そこまで積み立て得る、そういうことにしたらどうか。ただあと入れ先出しとか、ああいう方法をとつておりますと、必ずしもこれは必要ない。と申しますのは、物価が横ばいをしておりますときにおきましては、時価、取得価格、いずれか低い方の一割、九掛ということにしましても現行の制度のままにしましても、これはどちらもかわりないわけでございます。物価といいますか、その手持ち商品の値段が上つて参りましたとき、こういう調査会の答申のような制度にした場合と、現在のような制度には差があるわけでございまして、現在では商品の値段が上つて参りますと、もう積み立て得る余地はないわけでございますが、答申のようなことになりますと、商品の値段が上つた場合におきましても積み立て得る。ねらいはむしろそういうときにある程度積み立てさせておいて、値段が下つたときの準備にさせたらどうかというのがこの考え方であります。あと入れ先出し法をとつておりますと、物価が上つて参りましても高いものからどんどん出て参りますから、結局取得価格のところでもうすでに値段がくぎづけされることになりますから、こういうものの場合は、これは必要ないじやないか。 それから有価証券につきましては、投資として持つている場合は考える必要がないので、有価証券業者のような場合にだけ考えたらどうか。こういう考え方になつております。 それから輸出振興のための措置についても十分検討がなされましたが、とにかく全体としてもう少し様子を見たい。ただプラント輸出のような場合につきましては、現在の百分の三を百分の五ぐらいに上げたらどうか。また商社の場合におきましては、現在輸出所得の二分の一となつておりますが、商社の割合に利潤の小さいことから考えて、この二分の一をもつと上げるか、あるいはやめるか、この辺の制限を緩和したらどうか、こういう考え方になつております。 その他いろいろこまかい積立金の要請がありますが、調査会としましてはこれを終始徹底的に検討する時間的な余裕がなかつたものですから、これらにつきましては、さらに政府において今後検討すべきであるということで、最終的には結論を出しておりません。 最後に直接税関係につきましては、相続税について、まず第一に制度としては大体現在の制度でいいけれども、税率がどうもまだ戦後の貨幣価値変動に応じた調整が十分でないから、これを少し緩和する必要がある。率そのものを下げる、たとえば最高の百分の七十を下げるというのではなくて、現在一億円になつておりますが、これをもつと間延びさせるといいますか、そういつた考え方で税率調整を考えて行くべきではないかというのがこの意見であります。 それから細目におきましては、一つは死亡保険金、退職金に対する控除額を現在の三十万円を五十万円に上げる。それから立木に対する相続税でございますが、これはどうも相続税と所得税との重複関係というような問題も考えられるから、これはやはり評価額から一定割合を差引いたところを課税価額とするというようなことを考えたらどうか、大体以上のような点をあげております。 それから冒頭に申しましたように、こうした直接税関係の減税に対応しまして、間接税関係で幾つかの増税を考えておるわけでありますが、物品税についていろいろのものをそこで上げております。それから酒についても、高級品は少し上げたらどうか。砂糖消費税については、たる入れ黒糖とたる入れ白下糖とを除いて、これは税率を三割程度上げたらどうか。小売価格を八十円見当まで持つて行つてもいいだろうという結論を出しております。それから揮発油税については、これはどうも道路財源と非常に問題が結びつくのでありますが、道路の改修という問題の必要性、あるいはそれが非常に経費を食つておるということから考えまして、少し揮発油税を上げるということを考えたらどうか、ただ揮発油税をあまり上げますと、どうしても軽油、重油、デイーゼルを使つておる自動車との権衡問題が出て来るわけであります。そこで考え方としましては、一方において揮発油税を上げると同時に、一方において自動車税を上げる。その場合におきましては、たとえば高級の大型自動車とかあるいは揮発を使わないトラツクといつたようなものについては、自動車税の上げ方の方に少し重点を置いて、そこで負担の権衡をはかる。この二つによつて、ここでもつて約八十億ぐらい、四十億を揮発油税でかけて、自動車税の方で四十億を考えたらどうか、こういつた考え方になつております。骨牌税、印紙税につきましては、これも相当上げたらどうか。登録税につきましては、定額税率といいますか、医師、弁護士、税理士等の登録の場合の税金でございますが、現在医師、弁護士が三千円、税理士が二千円ぐらいになつておりますが、これは大分昔きめた率だから倍ぐらいにしたらどうかという考え方であります。 それから新しい税としまして、繊維あるいは繊維製品に対する課税を考えたらどうか。ただこれを原糸で課税すべきか、織物消費税で課税すべきか、この問題につきましてはいろいろ議論がありまして、どうも委員会としても最終の結論は出すことができませんで、繊維に対して二百億見当の税金を課税することはいい。しかし原糸に課税するか織物消費税で課税するかということは、まあ政府でとつくり考えたらいいだろう、こういうふうな結論になつております。タバコにつきましても、何とか高級タバコを少し上げることによつて税源をかせいだらどうか、間接税の方につきましてはかなり委員会で苦心したようでございまして、できれば、こんなことをしなくて済めば、何とかならぬかというような考え方が非常に基礎にあつたのですが、冒頭に言いましたように、直接税の方の負担軽減ということをまず考えなければならぬ。といつてそれを自然増収でまかなえと言い切つてしまうのも少し無責任じやないか。そこで非常に躊躇しつつ、まあこれくらいのことは考えなければなるまいといつたような考え方のようであります。 それからその他の事項につきまして幾つかいろいろな意見が出ておりますが、省略さしていただきますが、第三者通報制度のようなものはこれを廃止したらどうかというような意見が出ていたことを一応申し上げておきます。 それから地方税につきましては、事業税を中心としまして減税する。現在の附加価値税は一応これはやめてしまつて、事業税にかえる。事業税の負担については、これはかなり負担が重いから、特にこの点については相当考えなければならぬ。個人の事業税について特に問題があるわけでありまして、これについては、現行は基礎控除五万円になつておりますが、これを十万円に上げる。要するにこれは大体前年の実績でございますので、その前年の実績、去年の所得税の方で、基礎控除が五万円だつたので今年は五万円になつております。従来の慣例でいいますと、来年は基礎控除が六万円になつておりますから、これは六万円になるはずでございますが、その六万円を来年は八万円ぐらいにしまして、再来年以降十万円ぐらいにしたらどうか、来年はこの案でございますと基礎控除が八万円になりますから、それに二万円プラスした十万円ぐらいにしたらどうか。扶養控除という制度はないから、少しゆとりを持たしたらどうかという考え方であります。税率は現在の十二を八ぐらいにおろしたらどうか、同時に免税規定はできるだけこれを廃止するという考え方を入れております。 法人税につきましては、いわゆる中小法人の負担という問題がいろいろ議論されておりまして、法人税の方で差をつけるのはおもしろくないだろうから、これは事業税の方で少し差をつけたらどうか、と申しまして資本金でくめんすることはいろいろ境目が非常にむずかしいから、結局税率を一種の累退税率といいますか、二段税率にしまして、下の方は個人並の八、それから上の方は十、こういうように考えたらどうかという考え方になつております。 それから電気とかガスとか運送業とかにつきまして、現在外形標準の収入金に対する一定割合で課税しておりますが、これはどうもあまりりくつがないから、これは純益課税の原則に返つたらどうか。なお現在しばしば言われていることでありますが、どうも国は国で調べ、地方は地方で調べるといつたような重複的な調査というやつは、非常に手数もかかりますし、納税者にとつて煩にたえない。シヤツプ勧告のりくつは一応わかりますが、しかしこれはどうも国の課税標準をそのまま地方が採用する、こういつた方が納税者としても非常に便宜である、こういつたような結論を出しております。 それから入場税、遊興飲食税につきましては、冒頭に申した考え方でありますが、ただこの場合に一言申し上げておきますが、現在の執行の面から見ますと、たとえば花代に対して十割の税率、あるいは飲食に対して二割という税率が使われておりますが、なかなかそれが実際はそのまま適用されてない。その税率をそのまま国税に移して国税の感覚で執行するというのは、これは相当無理が出て来るだろう。そこでこの国税への移しかえにおきまして、大体従来府県税でとつていた場合において上げ得る収入というものを目安にしまして、課税の範囲なり、あるいは税率等には大いに調整を加えて、そうして法律的なそうした調整によつて適正に執行されて、ちようど現在の税収になるような、そういうところを目途に税制を直したらいいだろう。これは制度調査会でも一応こういう議論がございましたが、税制調査会も同じような議論をいたしておることを申し上げておきます。 それから自動車税でございますが、これは先ほども申しましたように、道路財源の問題と結びつけましていろいろ議論されたわけでございます。ガソリン税の値上げと結びつきまして、重油、軽油の方の課税はなかなかむずかしいから、これは自動車税でこちらの方に転嫁する考え方で自動車税を上げたらどうか。 都道府民税は先ほどもちよつと触れましたが、大体現在の都道府県の財源として大きなものは、遊興飲食税、入場税、事業税、この三つでございますが事業税が大体農村関係にほとんどかかつていない、こういつたような関係もございまして、どうもこれでは負担分任の精神からおもしろくないじやないかということから、府県民税をつくりたい。先ほど申しましたように、市町村民税と合して負担がふえないような措置は講ずべきである、こういうような結論を出しております。従いまして市町村民税は、そういう意味におきまして都道府県民税相当額はこれだけ減るということであります。 固定資産税につきましては、先ほど申しましたように、償却資産と別個に課税するという考え方が出ております。 タバコ消費税につきましても、一応先ほど簡単に御説明したところであります。 それから地方公共団体の財政調整に関する事項、地方交付税に関する事項これは先ほど申し上げた通りであります。 なお大都市につきましては、これも先ほど申し上げましたように、一応そうした行政事務分割において特別な措置がなされるならば、大都市にかかる自動車税、償却資産税、タバコ消費税は大都市で課税するようにする。入場税、遊興飲食税のうち大都市の区域にかかる分は、当該大都市にわける。これは大都市の方で、ほかと違いまして警察も持ち、教育費も持つというためには、これの裏づけ財源が必要であろう、大体制度調査会と同じような考え方になつております。以上申し上げましたところのによりまして、大体増減収を一応そこに見積つてございますが、三十ページないし三十一ページに大体の数字が出ております。総括的にいいますと、直接税関係で国地方を含めまして千二百三十七億の減収、それから間接税その他によりまして、五百三十七億の増収、差引きまして大体七百億だけ一応自然増収の方からまかなつたらどうかという考え方であります。 なおこれによる一応の負担、収入見積りとか、地方税との収入関係といつたようなものは別表がついてございますが、大分時間もたちましたので、御質問によりましてお答えすることにしたいと思います。 なおこれによる負担関係は、理由及び説明の中に相当書いておりますことも一つ申し上げておきたいと思います。理由及び説明の所得税の負担関係につきましては、三十三ページの次に一応改正の場合と現行の場合との負担の軽減の関係とか、そういつたような数字が出ております。 以上税制調査会の答申の内容につきまして、非常に簡単ではございますが、一応の御説明を終らしていただききます。
○淺香委員長代理 山本君。
○山本(勝)委員 ちよつとお伺い申し上げますが、こまかい点はまたあとでお伺いしたいと思いますけれども、まずごく総括的な点でお伺い申したいと思います。 この税制調査会の答申を拝見しますと、その大前提に国力を無視した財政の膨脹がインフレの原因となるということで、インフレを起さぬようにということがこの答申の大きな関心事になつているようでありますが、はたしてこういうことをやつてインフレが防げるか、あるいはデフレが防げるかということが、それぞれの改正のときによく考慮されたかどうかということを伺いたい。
○渡辺説明員 あまり調査会の意見というものを私が一々お答えするのもいかがかと思いますが、一応私調査会の会議のときに出席しておりましたので、そのときいろいろ議論されました経過だけ御報告申し上げるというところにとどめさしていただきたいと思います。調査会の意見そのものにつきましては、あるいは調査会の責任の方を、責任の方というと語弊がありますが、参考人としてでも御出席願つて、いろいろ御質問願つたらいいのじやないかと思いますが、まあこの問題につきましてはずいぶん議論はされました。それで結局こういうふうな考え方が一応あつたわけでございます。一つの考え方としましては、むしろ税金を安くすれば消費がふえて来るのじやないか。消費がふえることによつて、現在とかく消費インフレといわれているが、むしろインフレが進みやせぬか、むしろ税金を安くすることは消費インフレを助長する傾向になりやせぬか。こういうような意見がまず最初に一部の方から出ました。しかしそういう考え方を突き通して行きますと、結局昔のカメラリストの人たちの考え方に通ずるものがあると思います。結局税金が高ければ高いほど百姓は大いに勤勉になるのだといつた議論が昔あつたと思いますが、どうもそういう考え方は少しおかしいのじやないか。現在賃上げ問題が相当議論になつておりますが、結局税負担が高い。結局手取りをたとえば千円ふやしてやるためには、会社の方としては千七百円とか千八百円とかいつたような金を払わないと手取りが千円ふえない。こういうような姿にあるわけでありまして、非常に会社のコストというものに税負担というものが大きく響いている。結局自然増収があるから、これはそのまま使つていいのだという考え方で行きますと、どうも結局そういうところからだんだんとコスト高になり、物価高になつて行くのじやないだろうか。どうしても国の財政規模というものをある程度引締めなければならぬ。まあこういつたような議論があつたということだけを申し上げておきたいと思います。
○山本(勝)委員 ちよつと私まことにかつてですけれども、午後党の方からほかにまわれというので、先に聞いておきたいことを伺わしていただきますが、局長は何もこの答申の責任者ではないかもしれませんが、ただ税金負担を実質的に軽減するということでやられたのなら、それはそれでいいと思うのです。しかしインフレを非常に心配しているように、まつ先に両方のものに書いてあります。いまさら言うまでもないといつたような形でやつておりますけれども、しかしどうもインフレ、あるいはデブレというものは、一体どうして起るかということを頭に置いていないのじやないかと思うのです。今ちよつと申し上げました税金を軽くするとかえつてインフレになりはせぬか、米が上るとインフレになりはせぬか、ベース・アツプをするとインフレになりはせぬかということがよく世間でいわれますが、私はそういう考え方が根本的に間違つていると思う。ですから主税局の方でも、インフレを防ぐということは重大問題でありますから、それはあらゆる面からインフレを防ぎ、同時にデフレを防ぐということを政策の中に有効に織り込んでもらいたいと思います。 それでこの機会に私の考えをちよつと箇単に聞いておいていただきたい。つまり物価水準というものが何を意味するかといえば、これは大ざつぱに言えば、物価水準というものは流通市場に出される商品の量で金の総額を割つたものです。つまりフイツシヤーのあの方式というものがやはり根本的に私は正しいと思う。(「くだらんよ」と呼ぶ者あり)井上君、ちよつと黙つて聞いてくれたまえ。君が質問しているのじやないのだから。君の質問だつて、われわれが聞いたらくだらんことを質問しているのだ。結局そこにあるのだから、つまり簡単な形で常に頭に置いてほしい。そうしないと、米を上げたらインフレになるとか、ベース・アツプしたらインフレになるとかいうような愚かな議論が出て来る。ですから流通下に出て来る金の分量を商品の量で割つたものだ。ところが商品の流通の速度とか、あるいは金の流通速度なんというものはなかなか実際にわからぬ。だから結局において、物価指数で出て来る物価が上つて来るか下つて来るかということは事後でわかるだけのことです。ですから事後の物価指数を見て、そうして金の量を調節して行くという以外に有効な方法がない。それをインフレを防ぐためには生産をふやしたらよかろうとか、あるいは電力代を上げぬ方がよかろうとかいう議論は、私は全部間違つていると思う。結論だけ申し上げるから、何かとんでもないことを言い出すようで、こういう席で言わぬようにというのかもしらぬけれども、インフレをほんとうに防ぐには、インフレというものがどうして起るか。その極限が物価水準。もちろん物価と価格とは違うのですから、一つ一つの物価は上つて来ようは下ろうが、そういうものは物価水準とは関係がない。重ねて申しますが、物価水準、つまりインフレかデフレかという水準の問題は、通貨量を商品の量で割つたものだ。商品の量はどれだけかということ、あるいは通貨量がどれだけか、どれだけの通貨量を出したらよいか。ここに財政の膨脹がインフレの原因となるということが当然のように書いておりますけれども、いかに財政が膨脹しましても、それでどうしてインフレになるか。こういうことは私は理由はないと思います。これは通貨量と商品の量との関係で、そこへ通貨の流通速度とか、商品の流通速度というものが入つて来ますが、しかし通貨の方にも流通速度が入つて来れば、必ず通貨の相手方に商品があるのだから、商品の流通速度と通貨の流通速度は分母の方にも分子の方にも、両方含んでいるから、結局単純な形で、商品量で金の分量を割つたものだ。ですから、その点だけに着目して行くべきであるが、しかし事前にはどれだけの通貨が適量かということは、ただ商品との相対関係ですからわからぬのです。ですから事後的に物価指数を見て、そして金の分量を調節して行く以外に方法がない。だからもしここに書いてあるような、一番とつ初めに書いていることが言うまでもないのだというようなことで、それに合せてこの税制改革というものがそれに沿うたということがもしほんとうなら、私は一つ一つについて、はたして二万円以下の所得者を無税にするということがどのようにインフレ、デフレと関係するのかというようなことを考慮されたかどうかを聞きたいのですが、時間もありませんし、またほかの方の質問もあろうし、この程度で、また機会を見て私はこまかく伺つてみたいと思います。
○井上委員 関連してちよつと伺いますが、問題は、答申案に対して政府の方ではどこまで一体正直に受け入れて税制改革案を国会に出そうとするか、そこが一番大事だと思うのです。だからこの答申案のうちで、どれとどれとは次の税制改正の中に入れることができるが、これとこれとは非常に無理があるように思われるというようなことを、当然あなたは所管責任者として考えておるだろう。そこであなたの率直な答申案に基いての改正案を国会へ出す場合の態度を、一応ここで明確にしていただきたいと思います。
○渡辺説明員 今この場で井上委員の御満足の行くような答弁ができるかどうかわかりませんが、私が現在の立場で言い得ることを率直に申し上げてみたいと思います。問題は大体三つくらいに区分していいと思いますが、一つは税収というものにあまり関連のない事項が幾つかございます。あるいは関連が絶対にないとは思いませんが、その関係する額が比較的小さい事項が相当この中にございます。こういう事項につきましては、相当御議論をなさつた末でございますから、われわれもさらに検討さしていただきたいとは思いますが、できるだけ尊重するつもりで、次国会に間に合うように一応改正案を立案してみたい、これはまず第一に申し上げ得ることだと思います。 それから第二の問題でございますが、どれだけ減税ができるか、これは二つの問題にかかります。一つは間接税の増徴がこの案に盛られる程度にできるかどうかというのが第一点です。第二点は、はたしてこの案にあるように自然増収の相当部分を減税に充て得るかどうかという問題が第二の問題であります。間接税の増徴につきましては、印紙税の問題でありますとか、御議論が比較的少いのじやないかと思われるものもございますが、同時にタバコの問題でありますとか、繊維品の問題でありますとか、われわれの方としましても最終の結論を出すまでにはさらに十分検討してみなければならぬ問題も幾つかございます。従つてこの点につきましては、十分検討した上で結論を出してみたい。その場合に一体間接税の増徴がどの程度可能であるか、これが先ほど言いましたように一つの議論になります。直接税の減税関係は、できればこの程度はぜひやりたいわけでありますが、一つは間接税の増徴がどの程度可能であるか、それからさらに来年度の自然増収がどの程度見積り得るか、あるいは歳出の膨脹がどの程度まで必要であり、あるいはどの程度にとめ得るか、こういう二つがからみ合うわけであります。その二つのからみ合いを見ました上で、直接税の減税につきましては、何を先に、何をあとに、あるいはこの案のどの点をとり、どの点を捨てるか、こういう点が最終的にきめられる問題じやないだろうか、かように考えております。
○井上委員 そこで問題は、一にかかつて間接税の増徴をどの程度取上げるかということが一つの大きな問題になつておるようでありますが、同時にまた、それをきめるのには、明年度の財政規模を一兆で押えるか、一兆二、三千億までふくれるかということが一つのめどになる、こういうお話でございます。ところが今までわれわれがここで議論をして参りましたのは、要は現在までの税が直接税を中心として非常に重い、これを下げてもらわなきやいかぬという意見が圧倒的でございます。そうしますと、当然一定の税収による財源には限度がありまして、かりに国の財政がある程度ふえましても、それは他の方法によつて補うべきであつて、新しい財源をもつて補うという考え方は、渡辺さんちよつと考え直してもらわなきやいかないんじやないか。今日の国民所得の関係から、主税局は一体税はどの程度が妥当と考えておるか、どの程度なら一体負担ができるかという一つの問題がここにある。それからかりに税がある程度増徴されましても、そのされた部分が目的税的に明確に使われる。たとえば社会保障制度的な方面に相当重点的に使われておつて、病気をしたり、けがをしたり、子供の教育等、その他にこれが使われるなら、税で出しても、われわれ全体の生活の上からいえばよろしい、そういう面が考慮されれば別だと思う。しかし、今日のような財政の組み方でやられますと、低額所得者の負担はたいへん重くなつて来ておる。そうして目的税的にそれが使われておらぬということ、そういうことから考えて行くと、どうしても今日の国民所得から税の比率はこの程度が妥当だという線を一応押えて、それから国の全体の財政規模がかりに一兆を越そうと、越した部分は他の面で考えて行くというより方法がないんじやないか。それから国の財政規模が大きくなるから、税の負担も当然ふえて行くんだという考え方でやられたのではたまつたものじやありませんから、その点は主税局としては、この線から上は譲れぬ、それから上は他の財源によつてやつてもらいたいというはつきりした線をここに出してもらわなければ、財政規模がふくれれば増徴がやられるかもわからぬということになつたのではたまつたものじやない。あなたとしては、ふところぐあいをどこに押えて、どの程度が妥当であるかということじやないかと思うが、そういうものから行くと、大体この答申案は非常にいいところをねらつておると私はにらんでおる。もちろん間接税その他にはいろいろ問題があります。ありますが、大体においての目分量というところは、正しいところを押えておるんじやないかと概括的に私は考える。その点どうお考えですか。
○渡辺説明員 われわれも現在の税負担が非常に重い、何とかしてこれを軽減したいという意味においての希望、努力においては、私も人後に落ちない、と言うとしかられるかもしれませんが、とにかくできるだけの努力はしたい、あらゆる努力をしたいという考えを持つております。ただ今、井上委員の仰せられたように、財政規模がふくれれば、税はこれだけにして、その他は他の税源に求めろ、しりをまくればいいじやないかというお話ですが、そこに問題が私はあるのじやないかというふうに思つております。もちろんいろいろ御議論になつおりますように、たとえば古い機械を売れとか、そうした他の雑収入で上げ得る収入は、もちろん当然出してもらつていいのじやないかというふうに思いますが、ただいろいろな歳出の面において相当な要請がある。その場合に、それじや結局つじつまの合わないところはどうなるのだ、公債でやつていいのか、あるいはそれが赤字公債とまでいわないまでも、日銀背負い込みになることがはつきりわかるような公債でやつていいのか、それではインフレになるじやないか、それでいいのかというように突き詰めて行きますと、主税局長という立場はともかくといたしまして、おのずから政府全体の考え方としては、やはりさしあたつてはこの程度といつたような結論が一つ出ざるを得ないのじやないかというふうに思つております。私としても、間接税が上つただけ直接税が下るというような考え方で進むことは、一口に言えば味もそつけもないもののように思いますので、そんなことをするなら、むしろ今のままにして一年がまんしてもらう方がいいというような意見も出るのじやないかと思います。しかし政府全体としてものを考えて行きますと、井上さんのおつしやるように、税金はもうこれ以上払えぬ、それじや歳出の方がそれに沿うように一応切れて行けばそこに問題はないわけですが、結局そういう総合的な観点で、もちろん政府も考えなければなりませんが、さらに国会においても、そういう総合的な観点において御判断願うべき問題と思います。結局そこに、財政規模が一体どの程度に収まり得るかというところに全部の問題がかかつて来るわけでありまして、もちろん他の雑収入におきまして、あらゆる期待できるものはまずそれを期待する、こういう考え方は、私は当然入つていいと思います。その上になおかつそういうものが乗つかつて来た場合に、それをどう考えて行くかという点になりますと、井上さんはほかに何か求めたらいいじやないかと言われるが、その何か求めるということが具体的にどういうことをお考えになつているか私わかりませんが、どうもわれわれの考え得る限りにおきましては、そこに限度がある。結局歳出規模というものをどこまで押え得るかというところに全体の運命がかかつて来ているのじやないかと思います。
○井上委員 もう一つ、ここに私ども非常にふしぎでかなわぬのは、御承知のように、本年の予算で、本年は所得税でこれだけ入つて来る、その他専売局等の益金がこれだけ入つて来るということで、七月末に予算が出て来て成立し、それから十月にはもう三百億から自然増収が見込まれ、さらに今度第二次補正でも約百億近い八十億ですかの自然増収を見込んでおる。わずか半年もたたぬうちに四、五百億という自然増収が予想されるという一体税の建て方というものはありますか。そういうだらしのない考え方というものは、国民から見た場合は、これは相当ゆとりをもつてとつておるなと見ますよ。だからその自然増収になる対象が一番所得税、特に給与所得によけい来ておる。そうなると、いわゆる給与所得の面における増徴というものは相当ある、これを下げる余地は十分あり得る。早い話が間接税を上げなくても、今年の税の建前から考えてみても、四百億は減税するだけの余地がはつきりあるということをあなた方みずから予算的処置において国民の前に示した。かりに織物消費税を上げ、タバコ益金をふやしたり、あるいは登録税その他を多少いじらなくても、ともかくこのままでも四百億は減税できるという見通しがはつきりついて来ている。そういう考え方は間違つておりましようか、一ぺん教えてもらいたい。
○渡辺説明員 われわれの方もおつしやられると非常に恐縮しているんですが、率直に申しまして、私は本年度の当初予算のとき、相当従来の考え方と違つた考え方で、いわばかた目かた目といつたような気持でなしに予算は組んだつもりでおります。それでこれはよその方を引合いに出して非常に恐縮なんですが、予算委員会における公聴会におきましての参考人の御意見も少くとも当時においては、今度の歳入の見積りは過大だ、たとえば法人税についてなどはつきり私は伺つておりますが、非常に過大だ、こんなに見積ることは見積り過ぎだという御批判を受けまして、われわれは、いや少くともこれくらい大丈夫だというつもりであつたのですが、ところが結果を見ますと、どうも六月にわれわれ大体第二回目に検討し直したものを出しまして、そのときは三月決算の姿を大体そのまま、引継いだ。当時いろいろな空気があつたことは御承知だと思いますが、予算の執行が延びて、会社の経営も非常につらい、だからあとになれば予算が成立し、業績が上つて来るだろう。しかし本年度の決算に入つて来ますのは、大きくつかめば、三月決算と九月決算、九月決算にはなかなかそこまで業績が出ないだろう。まあ大体三月決算とほぼ横ばいと見れば、これは見過ぎであつても見足りないことはあるまい、こんなつもりで実は法人税の予算を見積つたつもりなんです。ところが最近だんだん調べてみますと、法人税において九月決算は三月決算に比べまして、かなり業績は上つているように見ております。で八十億の増収を見込みましたのは、大分そうした業績が出て参りましたのをもとにしまして、一応出したわけでございまして、もつと正確に見積らなければいかぬというふうな御意見、非常に私も尊重し同時に恐縮に存じますが、正直に言いまして、なかなかそこにむずかしい点があります。総額から言いまして七千億もの予算でありますので、なかなかそこに非常に苦心もし、むずかしい点もあるということだけは一応御了承願いたい。それからこれはやはり山本委員の先ほどのインフレ論と結びつくような感覚でございまして、そこにいろいろ御議論はあると思いますが、勤労所得などにつきましても、われわれある程度の賃金が上るということは一応予想に入れているのですが、その中におきまして、どうもわれわれが考えていたよりもより歳入が出て来るというところには、まだわれわれの気がついていないフアクターがそこにいろいろ入つているがゆえじやないだろうか。総額的に見ますと、われわれは一・四半期に一%、百分の一ぐらいずつ上るのではないかということで計算をして参つたわけでございます。総額の方では、それほどひどい見違いでもなかつたようですが、やはり階級区分といいますか、上の方の額がふえて参りますと、適用税率が高くなつて来る。そういつたところに、やはりわれわれの従来のデータが少し古くなつていて、そこに増収の問題も出て来るのではなかろうか。明年度以降におきましては十分その点も検討してみたい、かように考えております。おしかりを受けまして非常に恐縮しておりますが、われわれのそうした苦心のあるところだけは、何とか御了承願いたいと思います。
○大平委員 税制調査会の答申そのものは、御熱心に御討議されて非常に御労苦を多とするのであります。これは井上さんがおつしやつたように、政府の方で御検討中だというのでありますが、これを読みますと、なおついていない重要な問題があるような感じがするので、政府の方で御善処を願いたいと思います。 それは税務の執行と税制の改正との関連ですが、われわれが地方に参りまして、最近も広島の方を見て参りまして税務署の諸君と懇談をして来たのですけれども、三派連携の予算でずいぶん徴税費が削られたために、通信費とか旅費とかいつた点がきゆうくつで、税務を円滑に執行して行けないというような苦悶を耳にするのです。実際検討してみますと、そのような事実があるのでありまして、徴収費をふやして、くれという陳情が非常に熾烈でございます。しかし徴税費を何とかふやしてやろうということを考える前に、税制の改正という問題を取上げる場合に、ぜひ今の執行面の苦悶を救つてやるという考え方がおそすぎるのではなかろうか。これを読んでみますと、ところどころ税制の簡素化、税務機構の簡素化というような言葉が出ておりますけれども、一体それを具体的にどのように税制の上に表わそうかというところの検討が足りないように見受けるのです。これはもちろん執行面を預かつておる政府がつくつたものではないから、そういう感覚がにぶいというのもある程度やむを得ないと思いますが、まずわれわれが考えまして、政府が取上げて御検討される場合に、ぜひこういつた点を御注意願つて、よりよい案にしていただきたいということを衷心から希望しておるのです。 その第一は、現在非常に税制そのものが複雑になつておるということは周知の事実でございます。複雑になつておる原因はいろいろあるのでしようが、税率が高いために各種の免除規定、控除規定といつたものでだんだんおひれがついて来ておる。これがありますので、申告の様式にいたしましても、また第一線がこれを取扱う場合のエネルギーにいたしましても相当かかるというお話で、免税規定とか控除規定というものをできるだけ箇素化するような方向に思い切つて再検討を願いたい。もちろんこの中にも、控除引上げによつて納税人員が減るという結果は見えるのでありますけれども、戦時中、戦後を通じまして免税規定がむやみやたらにふえておるので、ああいつたものを一ぺん整理するとすれば、どの程度の財源が浮いて来るか。実際そういつた浮いた財源を税率の引下げに持つて行けばどうなるかというような検討がひと つほしいのであります。それが第一点であります。従つてそれが同時に徴税面のエネルギーをセーヴすることになるというように感ずるのですが、その辺のせんさくがちよつと足らぬような気がいたします。それから徴収面についてところごろ利子税などに触れた面がありますけれども、今滞納の件数が非常に多いということを伺つておりますが、これは本税の滞納ばかりでなく、たとえば利子税であるとか、延滞加算税であるとか、過少申告加算税であるとか、重加算税であるとか、そういつた今の徴収を規制している附帯的な税金の滞納が非常に多いのであります。この制度自体はいろいろ意味があつて、またねらいを持つている制度ですけれども、しかしこれもそれだけの合理性から主張するわけにも行かないので、やはり徴収面をよほど考えてやらないといかぬのであります。こういつた戦時中から戦後、シヤウプ勧告を通じまして、観念的には合理的な制度になつておるのでありますが、第一線では非常にこなし切れないという事情がありますので、そういつた点をこの際大胆に取上げる必要がありはしないかと思います。 さらに税務署が全部徴収するのじやなくて、昔のように市町村に交付金をやつて市町村に徴収さすというような制度も、この際あらためて考え直してみなければならぬのじやないか。地方の地元の輿論は、第一線の税務署も含めて、交付金制度で市町村に税を徴収さす方が都合がいい場合が多いんだという議論が多いようでありますから、その点ひとつ政府の方で慎重に取上げていただきたい、それが第二点であります。 それからこれはもとより諮問をしたときに、国税及び地方税を通じてというようになつておりまして、関税の問題は諮問しなかつたのであろうと思いますが、先ほど来御議論の消費インフレの問題、さらに最近の通商白書によると、輸入がふえて輸出は伸びぬといつたような状況でありますから、関税をどうするのか、これは非常に緊切な問題のような気がするのです。従いまして内国税と関連して、今の当面しておる経済情勢に対処して行く上において関税をどうするかということ、これも特に重点を置いて政府の方で御施策を願わなければならぬだろうという感じがするのです。 あとたとえば申告納税制度と賦課制度はどうかというような問題も、地方で間々議論になりますが、税制全体を通じまして、われわれがここに主張した意見は、できるだけシンプリフアイするように、合理的な観念論にとらわれずに、実態をよく見て、税務署が簡素な人員で能率をよく行ように、特に実情を知つた政府が善処されて、この税制調査会の答申に錦上さらに花を添えていただきたいという注文でございます。これに関連していろいろな資料の要求をしようと思いますが、今日はあなたの説明を伺うのが目的でありますから、思いつきのまま二、三御注文を申し上げた次第であります。
○渡辺説明員 税務行政の実態に非常に結びついた細目的な問題につきましては、あるいは御承知かもしれませんが、税務行政懇談会というのを国税庁を中心にしてやつておりまして、その方で細目の点についてかなりこまかい議論がされましたので、税制調査会の方では時間の関係等もございまして、その点についての議論を十分なさる時間がなかつた、これがその理由と思います。大きな問題としましては、たとえば予定申告の制度を予定申告納税の制度にかえたら、税務署としましても少くとも十五、六日ぐらいの手数ははぶけるのではないかといつたようなことも考えられまして、そのようなことは一応この答申にもやはり検討された上で載つておる。さらに、今お話の各種の免税項目を整理するこれはわれわれの方でも一応検討してみたいと思います。ただこれはそれぞれ相当の理由を持つてできておるものですから、つくるときはとにかくとしまして、やめるときはいろいろむずかしい点があるのではないか。どちらにしましても全体的にわたつて全部検討してみる必要があるだろうと考えております。 それから市町村に徴収を委託して交付金でも渡したらどうか、これは一つの考え方であると思いますが、もう少し私も現場の実情をよく聞いてみたいと思つておりますが、どうも私が漠然と想像するところでは、賦課課税の昔の制度でございますと、割合うまく行くのですが、あの当時におきましても、市町村に担当していただきましたのは期限内の納税の分だけでございまして、滞納になりますと、全部税務署の方に仕事が渡つて来た、これは御承知の通りであります。これは結局申告納税の制度そのものにまで問題はさらにさかのぼつて行くのではないかと思いますが、申告納税の制度をとつておりますときに、現在の滞納のような状況で、はたして市町村に徴税を委託してどこまで荷が軽くなるか。もちろん山間僻地といいますか、そういうところでは割合にそれもうまく行くのではないかと思つておりますし、現在でもそういう制度を設け得る法制にはなつております。一応御意見は御意見として伺いましてさらによく検討してみたいと思いますが、いろいろな角度でもつて昔とかわつた姿があるのではないかというふうに思つております。まあ国税だからそんなことはないと思いますけれども、実は府県税の徴収を市町村にまかしたらどうかというような意見は、制度調査会の方でありましたが、議論されましたときに、税金をとつても、府県に送付することがこのごろではずいぶん遅れたりして、無理になるのではないかという意見がずいぶんございまして、どういうことになりますか、市町村も現金的にも相当苦しんでおりますから、いろいろな問題がそこに複雑に重なつて来るんじやないかと思つております。 それから関税の問題は、これはちよつと角度が違うものでありますから……。と申しますのは、現在の姿が保護関税的な色彩が非常に濃くなつて来ているということで、国内産業というものを中心の、自立育成を中心にして関税の制度ができているという姿、歳入目的と財政関税というよりも、むしろ保護関税といつたような色彩でできているものですから、この方の問題を御検討願うにつきましては、御承知のように、関税関係の委員会が別途ございますし、またその方面に大いに明るいという方々が、この税制調査会ではいろいろごやつかい願いました方々とまた別途いろいろあるわけであります。そんなわけで、関税関係につきましては、税制調査会では当面の問題としては御諮問も申し上げませんでしたし、取上げてもいただきませんでした。ただこの問題は、われわれの方としても相当検討してみたいと思つております。ただガツトの問題などがございますし、そこに相当複雑な問題があるのじやないだろうか。為替管理の方で、むしろむだなものは一切輸入させないという方針であり、関税のかかるものは大体そういうものだろうと思つて、歳入見積りをその見地で立てて見ておりますと、これも先ほど井上さんにしかられた問題の一つですが、どうも収入が割合に入つて来る。結局おもなものは砂糖と自動車だと私は思うのですが、砂糖はどうも私の方の調査もずさんだつたということになるのかもしれませんが、昨年一—三に相当大きな割当がしてあつたのがずれて入つて来た。私どもの方は、本年の割当を中心に、大体輸入計画から見て関税の収入を見積つていたのですが、それがある意味において繰上げられたのが一つの原因だと思います。どうもそれだけが原因と言えるかどうか、これも疑問のようです。それから自動車の方につきましても、大体どれくらい輸入するというので計画に載せてやつて行きますと、われわれの方でなかなか予測しにくい、たとえば進駐軍の人たちが一応無税で持つて来た自動車でございますが、これは入るときは無税ですが、それが日本人に転売されますときはそこで関税がかかるわけです。こういうような数字が、われわれが当初考えていたよりは割合に多くなつたり、あるいは外国へ旅行された方がどういう関係か知りませんが自動車を持つてお帰りになる、あの辺などが、あるいはわれわれの方で考えている関税の収入の中、あるいは計画の中へ入つた台数の別わくになるのかもしれませんが、そんなような関係で、どうも最近締めれば締めるほど関税の方で入つて来る数字は大きくなつて来る。これは見越し輸入ともとれますし、しかしどちらにしましても、実は自動車などはアメリカの産業として相当大きいものですから、この関税率を上げることはかなりフリクシヨンが多いと思つております。ただ大型のようなものは、物品税の形で上げるのなら問題はない。それから砂糖の問題にしましても、やはりこれは国際的に相当問題があります。しかしただそれはそれとしまして、あまり問題のないもので相当大きく上げてもいいものがないだろうかというふうに考えておりますが、ただガツトの関係で、相当すえ置くというようないろいろな問題もございますので、その間がどういうことになりますか、これは別途大いに研究してみたい、かように考えております。
○大平委員 こまかい議論を申し上げる時間もございません。ただこの際非常に困難な時局ですから、どうぞ専門家的な自負心というか、偏狭とかを一切去つて、大胆に、すなおに各方面の意見を聞いて、いい案を本委員会へ御提出願いたいと思います。
○淺香委員長代理 他に御質疑がないようですから、本日はこの程度でとどめ、次会は二十五日午前十時より開会いたします。 本日はこれをもつて散会いたします。 午後零時四十九分散会