P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
17回国会衆議院1953/11/17

大蔵委員会 第6号

発言数
84
登壇者
9
会派数
4
開催日
1953/11/17

会議録

千葉三郎改進党

○千葉委員長 これより会議を開きます。  まず、本日は金融に関する件に関連いたしまして、特に同僚議員古屋貞雄君の御出席を求めまして御意見を聞くことといたしたのでありまするが、幸いに御出席を得られましたので、便宜委員長の私から、まず御意見を聞く問題についてその趣旨を御説明いたしまして、その上で古屋貞雄君から、これに関しての御意見を承ることにいたしたいと思います。さようとりはからうことに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 それでは御意見を聞く問題につきましてその趣旨を御説明いたします。  それは去る十一月一日の法務委員会の速記録によりますと、最近大きな問題になつておる保全経済会に関する質疑応答中に、古屋委員の御発言として、保全経済会に対して、大蔵省は非常に消極的であり、責任回避をするような態度をとつておる点に言及せられて、古屋委員は次のように述べられておるのであります。すなわち「かようなことを申してよいかどうかはわかりませんが、私直接本人から承つたので一応お尋ねしたいのであります。今の大蔵省の消極的な態度をとるに至つた原因があつたかどうか。たとえば十三国会のときに、大蔵委員会で保全経済会から委員が招待を受けたときに、莫大な現金をおみやげにもらつて持つて帰つた。そのときの委員の一人から名前を言いませんが、ある私の友人の委員から、そういう事実があつたかどうか知りませんが承つた。」云々と速記録に載せられておるのであります。この御発言は、古屋君が友人の某大蔵委員から承つたという話を、真偽を確かめずに述べられたものと思うのでありまするが、その中で、「十三国会のときに、大蔵委員会で保全経済会から委員が招待を受けたときに、莫大な現金をおみやげにもらつて持つて帰つた。」という点については、当大蔵委員会にはその当時の大蔵委員であられた方も相当おられ、これら大蔵委員の方々の名誉に関するのみならず、当大蔵委員会といたしましても、その権威に関するゆゆしい問題と考えておりまするので、はたして保全経済会から招待を受け莫大な現金をおみやげにもらつたというのは、その当時の大蔵委員会の全員であつたのであるか、あるいは大蔵委員会に直接関係なく、たまたま個人として保全経済会と何らかの関係をお持ちになつたごく一部の大蔵委員であつたのか、あるいはまたそういうことは聞き間違いであつたのであろうか、この点を本委員会といたしましては真偽を明確にいたしまして、一般の疑惑を受けることのないようにいたしたいと思うのであります。  以上のような趣旨で御出席を願つたのであります。もつとも古屋君は「そういう事実があつたかどうか知りませんが」とお断りしておられまするが、事ははなはだ重大と考えられまするので、一応この問題につきまして、古屋貞雄君から忌憚のない御意見の御開陳をお願いいたしたいと存じます。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋貞雄君 二つにわけて、大蔵委員会が消極的であつたという私どもが疑いを持つてさような質問をいたしましたことについての基礎となるべき問題を、まず先に申し述べたいと思います。私どもは保全経済会の実態が匿名組合ではない、かように解釈しておるのです。しかし法務省も、保全経済会の実態は匿名組合ではない、こういう答弁をわれわれは法務委員会ではつきりいただきました。そこで私どもの意見と合つているわけです。その理由となるべき問題は、匿名組合は一方の営業に対して出資者がこれに出資する、そうして営業に対する利益の分配を受ける。しかるに保全経済会は、不定多数の人が伊藤という人を知らない。どういう営業をやつているかも知らない。それに対して金を出す。しかも匿名組合では、営業の結果損害がありました場合には、損害の補填がなければ利益はもらうことができないとはつきりきまつている。従つて三箇月の契約で金を出さしているというものは、これは預金行為である。法務委員会に出て参りました保全経済会に金を出しておりまする人々は、ひとしく預金行為である、こう言つております。でありますから、われわれはこれは匿名組合契約にあらずして、保全経済会のやつていることは銀行法の第一条に基くところの預金の受入れを業とするものは銀行業と認めるというこの規定に当てはまると思う。あるいは当てはまらなくても、疑いがあると思う。従いまして、大蔵省は徹底的にこれを調べなければならぬ義務があると思う。そればかりでなく、これを大蔵省の認定のような、すなわち匿名組合と申すならば、その利益に対して税金をかけなければならない。それをかけていない。最近になつて初めてこの税金をとるようになつたのでありまするけれども、初めからこれをかけていない。今日の保全経済会並びにこれに類似する正常ならざる金融状態の機関が日本に非常にたくさんあるのでありまして、国民に対して非常に不測の損害を与え、しかも金融界にいろいろの不信を与えるような重大な関係を持つておるにもかかわらず、大蔵省がこれに対して徹底的な対策を講ぜられていなかつた、消極的であつた、こういうことははつきり言えると思う。しかも法務大臣の報告によりますと、この問題について法務省側では、これは匿名組名ではない、詐欺の疑いがある、あるいは銀行業類似行為として取締りをしなければならぬということで、法務省と警視庁、あるいは国警並びに大蔵省の関係当局が寄りまして会議をいたしましたときに、大蔵省の意見は、さような消極的な意見でありましたので、この問題が刑事問題にまで発展してなかつた。反面私どもは、保全経済会のやつておりますことは完全に詐欺であり、預金類似行為である、かようにかたく信じております。  その理由は、まず第一に、最近において保全経済会がすでに営業を停止しなければならぬことがはつきりと認識され、しかもその準備を相当期間かかつてなし、先月の二十四日と思いますが、営業中止を発表いたしまする前日まで、第一線においてはあの金を出資金と称して受入れておるということは、伊藤自身が承知しておりますから、これはりつぱな詐欺行為であると考える。のみならず先ほど申しましたように、出資している人の気持並びに実態から、あの保全経済会の現金を集めることが預金であるということであるならば、預金類似の行為によつて罰せなければならぬということになつておりますのに、先日の銀行局長のお話は、自分等は権限がないから大して調査していないという、無責任な答弁を法務委員会でいたしましたので、それで私が思い起しましたのは、昨年か一昨年、はつきり申しますが、私の友人の当時の大蔵常任委員をやつておりました深澤義守君から、私と深沢衛門という二人の友人がこういうことを聞いたのです。保全経済会の問題について私どもがうわさしたときに、大蔵委員がどこかへ呼ばれたそうだ、自分もその席に呼ばれた、そうして帰るときに、ほかの連中は厚い新聞紙か何かに金を包んだようなものをもらつたんだが、自分はもらつて帰らなかつた、そうしてそのときに、保全経済会のどなたかということははつきり申しませんが、どなたかが、お前一人ぐらいが反対したつてだめなんだということをいつて、侮辱されたようで自分はおもしろくなかつた、不愉快だつた、そういうことを考えておりましたところが、たまたま四国に出張いたしましたときに、四国の税務署で保全経済会の脱税問題を取上げておつた、自分もそのことを聞いて、それは脱税なんだということで、自分は東京に帰つて来て、たしか関東財務局ですか、私ははつきり記憶がありませんが、あるいは経済調査庁でありますか、そこに保全経済会の内容についての調査と脱税の問題について正式に申出をしたということを私は聞きましたので、それを思い起しまして、はつきりと大蔵委員会の人たちが金をもらつたと私は申しません。金らしいということを深澤義守君から話された記憶がありましたので、それで大蔵省の関係の方面があまりこの問題について積極的でなく、消極的でありましたから、疑いを持ちまして、ただいま申し上げたような質問を、法務委員として当然これはやらなければならぬこと、かように考えて質問した次第であります。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 ただいまの古屋君の御意見に対しまして、御質疑があればこれを許します。福田委員。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 ただいま古屋同僚議員の御説明を聞きまして、非常に意外と思うと同時に、遺憾しごくに存ずるのであります。まず何がゆえに遺憾かに申しますと、われわれ大蔵委員会において、法務委員の古屋議員をお招きしてこういう問題を取上げること自体私は遺憾である。と申しますのは、こういうことは、事実言うならば、行政監察委員会かどこかで取上げて、そうしてお互いの議員並びに委員会の品位にかかる問題であるから、あくまでも事実の実態を調査をするのが当然であるかもしらん。それがはからずもたまたまこういう速記録に基いて、こういう問題を伺わなければいかぬというこことは、本委員会のために非常に遺憾に存ずるのであります。しかし事ここに至つた以上は、さようなことを申しておれませんので、あくまでも本大蔵委員会の名誉のために、事実をこれから伺つてみたい、かように思うのであります。  そこでまず第一段階に伺つておきたいのは、ただいまの御説明に、保全経済会が大蔵委員会を招待したということがございましたが、われわれ大蔵委員会は、さかのぼつて十三国会当時の専門調査員をもとにして、ありとあらゆる記録を調査してみたのでございますが、不幸にして全体の大蔵委員が招待を受けたという事実がないわけであります。そこで古屋さんに伺いたいのでありまするが、大蔵委員会を招待したとこの深沢さんから聞かれたか、それとも深沢個人が招待されておつたかということを、もし御記憶があるならば一応伺いたいと思うのであります。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋貞雄君 そのときは、大蔵委員会が招待されたのか、大蔵委員会の有志の方が招待されたのか、とにかく今申し上げたような話を私は承つたのでありまして、私は大蔵委員会が正式にそういうような会合に呼ばれたとは信じておりませんけれども、但し大蔵委員の深沢君から、自分も呼ばれた、それで大蔵委員の方が呼ばれたという話がありましたから、そういう話を申し上げただけで、私はさようには解しておりません。のみならず私どもこの問題を法務委員会で問題にいたしましたのは、今でも明確に保全経済会は、政府並びに関係方面でこれを救つてくれるのだ、そうして多数の出資者と申しましようか、金を出した人を押えて、文書ではつきり言つております。必ず近いうちに立法化されるのだ、それからこれは当局が救つてくれるのだ、こういうことを言つて押えておる。従いまして私どもといたしましては、はたしてそういうような考えが大蔵省にあるかどうか、あるいは大蔵委員にあるかどうかということに対して私どもは非常に懸念を持ちまして、従いましてこの問題を掘り下げて聞きたいというので、つい私はそういう点について質問申し上げたのであつて、何も大蔵委員の同僚に対する名誉を傷つけるとか、国会の大蔵委員会そのものの名誉を傷つけようというような考えは何もないし、さような考えは持つておりませんし、大蔵委員会が正式にそういうものに呼ばれたとは今でも私は信じておりません。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 われわれ大蔵委員会の者が法務委員会のこの速記録を見て意外に思つたごとくに、法務委員会の諸君も大蔵委員会の速記録はしばしば御研究、御勉強されておることと思うのであります。わが大蔵委員会におきましても、今古屋同僚議員がおつしやつたこの保全経済会の問題に対して、おそらく十数回の委員会にわたつて、大蔵当局並びに法務当局といろいろ実は掘り下げて調査いたしておるのであります。ことに事いやしくもわれわれの主管であるところの金融関係でありますから、これは何をおいても、いわんやこういう保全経済会みたいな重大問題でありますから、これをどうするかということを真剣に論議いたしておるのであります。ただいまあなたのお話にありましたところの伊藤某という者が、閉鎖した後に新聞紙を通じて、実にかつてきわまる言語道断な発表をしておることもよく承知いたしております。また怪文書というものもわれわれ携えて、当局と事の真否を調査しつつあるのであります。そこで一応掘り下げて参考に伺いたいのでありますが、法務委員会では、法務当局は、この保全経済会は匿名組合でなくして詐欺の疑いがあるということを、はつきりおつしやつておられるかどうかということと、わが委員会において法務当局が御答弁されたことと非常に密接な関連がありますので、法務委員会の権威者であり、ことに古屋弁護士さんを経てひとつ伺いたい、こう思うのであります。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋貞雄君 私どもは、ただいま申し上げた匿名組合では絶対にない、かように考えます。  なお御参考までに申し上げますが、そういうような質問になりました径路には、こういうこともあるのです。実はこの前の十六国会のときに、保全経済会の問題について当時の田嶋委員長のところに、捜査をしておるから法務委員会で手をつけないでもらいたいということの連絡がございましたので、法務委員会といたしましては、委員長もそのままにしておいた。ところがたまたま今回のような営業休止と申しましようか、休業の発表が行われたので、この問題が起きた。さような関係でございまして、警察当局では、刑事事件としての捜査が行われておつたということもうかがわれるわけなんです。そこでそれがだんだん延び手がつけられなかつたということは、いわゆる関係官庁の会合に基いて大蔵当局から、これは匿名組合だという説明があつたためにこれをやめたのだということの結論になつたことを、法務委員会で説明を受けたわけなんです。そうすると、われわれが常識から考えましても、現在の経済事情の通念から行きましても、かような営業のものが年に二割以上利益の配当が正常に行われるものでないこともわかつておりますし、それから法律的根拠といたしましては、ただいま申し上げましたように、まず第一に匿名組合ではない、伊藤個人の営業に対する信頼感が前提になつている、そしてなお伊藤の営業の結果の利益において、その利益の分配を受ける、これが匿名組合の本旨だと私どもは信じております。しかるに三箇月ぐらいの間に、営業の結論を出さない、収支計算をしないにかかわらず、損害のあるなしにかかわらず、補填の有無にかかわらず、これに対して利益をやるという契約をしたものが、保全経済会の契約でありますから、絶対に匿名組合ではない。しかも現在の経済通念で推し進めて考えますならば、結局最後には破綻を来す。経済通念から考えますならば、初めから金を集めることが主であつた、しかもおしまいには、すつぽかすことが主であつたというので、結局詐欺並びに刑事事件が起きやしないか、起きる。しかも最近におけるような休業発表の五、六日前にどんどん金を受入れておるのは、はつきり詐欺ではないか。それを大蔵当局といたしましては、傍観しておるということじやないでしようけれども、法務委員会に大蔵当局から呈示された資料を拝見いたしますと、ただ紙二、三枚の資料しかない、さようなこの問題に対する調査並びに監督の方法では、不誠意であり、怠慢である。そこには何か原因がありやしないか。一方においては、伊藤は毎日のように、いやこれは政府で何とかしてくれる、保護してくれるということを発表しておる。こういうことを思い合せまして、私どもの方から申しますならば、あるいはつつ込んで行き過ぎたかもしれませんけれども、そこまで行かなければ、われわれは真実の発見は得られないというので、つつ込んでお尋ねしたわけなんです。さような事情でございます。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 古屋議員の御高説はよくわかりました。そこで参考に伺つておきたいのでありますが、法務委員会で法務大臣と古屋議員との質疑の中で、保全経済会は匿名組合でなくして詐欺の疑いが十分あるのだということを、法務当局は明らかにされましたかどうか、御記憶があればこの際伺つておきたいと思います。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋貞雄君 それは民事局長が参りまして、これは匿名組合ではないと明確に申しております。そこで法務大臣は、言いづらいことなんだけれども——言いづらいということは、閣内不統一の問題をここで説明するのはどうも言いづらい、しかしそこまで質問をされたからやむを得ないが、閣内の統一がついていない。ゆえに大蔵省の意見と法務省の意見が合わなかつたということがこういうことになつたということをはつきり申しております。それで捜査、検挙の手はやめることになつた、こういうことでございます。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 井上君。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 ただいま福田氏からの質問で大分わかつたのですが、問題は第十三国会当時の大蔵委員が熱海に招待をされて、その帰りがけに厚い新聞紙に包んだおみやげをもらつて来た。このことは当時の大蔵委員の深沢氏からはつきりと金をもらつたということが言われた。こういう非常に重大な発言であります。これは今福田さんからもお話のように、本委員会としましては、金融行政に関する国会としての対策を考え、かつ行政に対するいろいろな監督的な発言が行われる機関でありますために、委員会を構成している委員が直接その関係あるなしにかかわらず、金融行政の関係に入つて参ります団体から招待を受け、あるいは金をもらうというようなことはいろいろな点で非常な問題を生むのであります。そこでこの問題は単に抽象的に扱えません。だからここではつきり伺つておきたいのですが、一体古屋さんは深澤義守君といつどこで会われて、そういうお話を伺われたか。と言いますのは、先般問題の深沢さんが大蔵専門調査員室へ訪問をされまして、十一月七日付で「本日は、先般法務委で古屋委員の発言が第十三国会当時の大蔵委の名誉に関する発言をし、その出どころが私であることを今週の「サンデー毎日」に書いているので、弁明に来たわけです。私はあんなことを考えたこともないし、また言つたこともない。いずれ近く「日本週報」の上で私の立場を明らかにして、彼の発言を糾明することになつております。」こういうことを大蔵専門調査員室へ本人直接参りまして、尋ねて参りました専門員の方がいなかつたために、こういう書置きをして帰つておる。つまり深沢氏はあなたの発言に対して、全然そんなことを考えたこともなく、また言つたこともない、あなたの発言を「日本週報」で糾明する、こういうことを書き残して帰つておるのですが、これは一体どういうことになりますか。えらいことになりますが、その関係をひとつお話願えませんか。本人直接書いてあるのですから、どちらが一体ほんとうかどうか、そこのところがはなはだわからぬことになりますから、いつどこでお話をされたか、その経緯について一応お伺いいたしたいと思います。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋貞雄君 ただいまの井上委員の、熱海で会合したということは私は申し上げませんから、それは抜きにしてとつてください。金をもらつたという確定的のことは私は申し上げませんから、その前提ではお答えできません。それは私は申し上げておりません。但し、探沢君からそういう話を私が聞いた日時とその場所はどこだという具体的な話、これは私一人で聞いたのではないのです。深沢衛門君に聞いてください。深沢衛門君と深澤義守君と——この人と私は山梨県で親しいのですが、山梨のたしか甲府のどこかで、夜でございましたが、日時は記憶にはつきりいたしません。ただ私がそういうことを記憶していますのは、実は私の方で保全経済会に農民諸君から相当金が出されておる、私どもそれを聞かれましたので、保全経済会というものは変なものだということをうわさ話をしたときに——実は場所がどこであつたか、山梨県であつたことは間違いでございません。山梨県の県下であることは間違いございません。東京ではございません。その点ははつきり申し上げます。山梨県の甲府であつたのか、どこか農村でお会いしたのが、とにかく私は夕方のように記憶しておりますが、深沢衛門君と深澤義守君と私と二人でお会いしたときに、私が申し上げたように、大蔵委員が招待をされた、自分も行つたが、自分はもらわなかつた、しかもこういうことを言つておりました。あなた一人がもらわなくても、こんなものは何にもならぬぞというような侮辱されたような、今私は記憶は詳しくはありませんが、自分はばかにされたというような話ぶりでございました。そしてその後四国に行つたらば、保全経済会の脱税問題が税務署で取上げられておつた、そこで税務署が税金をとつていないから、そのことでたしか関東財務局か査察庁ですか、そういうところに行つてぼくは申して来た、こういうことを聞いたことはあるのです。いつどこでどういう機会に聞いたか、もう今私は記憶がございませんが、そういう話でございましたから、いずれ私どもの方の法務委員会でも深沢君に出てもらつて、私どもはつきりその点を聞きたいと思います。その点は明確になると思います。さような関係であります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 これは古屋議員は深沢氏と会つて深沢さんから聞いた、こういうお話であるし、深沢さんは、はつきりそんなことは言うたことはない、こういうことを言うて来ておりますので、どちらの言うことが正しいか、本人を呼ばなければわかりませんが、ただ私どもがここで一番問題にしておりますのは、「十三国会のときに、大蔵委員会で保全経済会から委員が招待を受けたときに、莫大な現金をおみやげにもらつて持つて帰つた。」この発言が非常に大事であります。あなたの今のお話によると、金をもらつたとか、熱海で招待を受けたとかいうようなことは、私は知らぬ、こういうことでございますが、そうすると「大蔵委員会で保全経済会から委員が招待を受けたときに、莫大な現金をおみやげにもらつて持つて帰つた。」これだけ削除できますか。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋貞雄君 もらつて持つて帰つたというような話を承つたが、その真偽はわからぬということを私は申し上げたのであります。話を承つたことは事実です。事実のことを事実のまま私は申し上げたのであります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 というようなということの発言がありません。ここが実は私どもの非常に重要なところです。あとの方を読んでみると、「そういう事実があつたかどうか知りませんが」とこう言うておりますが、最初の方ははつきり「莫大な現金をおみやげにもらつて持つて帰つた。」と言つております。ここが問題であります。これと「招待を受けた」というところが問題です。これをあなたが自信がなければ削除しておいてもらわぬと、これは実際大蔵委員会全体の信用にも関することであるし、なおまた現に十三国会当時の方が数人まだ委員会においでになりますから、これらの委員の方々の立場からも、一応このことは明らかにせなければなりませんが、あなたがどうしても探り沢さんからそのようなことを明確に聞いたと言うならば、これはまた深沢さんに出てもらわなければなりませんが、一応私今の前後の話を聞いておると、どうもそこのところがはつきりしておらないのです。はつきりしておらないようなことならば、速記録からこの四行にわたる文字は削除しておいた方が穏当じやないかと私は考えますが、どうですか。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋貞雄君 私はそういうことを聞いたという事実を申し上げたわけです。それが不穏当だというならばやむを得ない。これは事実ですから、あるとかないとが認定をしたのではないのだから、事実そういうことを聞いたのだということを申し上げておるわけで、私はあつたとは信じておらない、こういうことをあとで結論をつけております。金をもらつたことは信じない。しかし深沢君からそういう事実があつたということを話されたことを、そのまま私は前提として述べたわけであります。皆さんの名誉を害するとかなんとかいうことじやないと思います。事実だけの問題ですから、消すとか消さないとかいう問題じやない。私が認定したものならば、お前の考えは違うじやないか、取消せ、こういうことは行われるかもしれませんが、私の意思決定ではない、こういう経過ですから……。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 それは深沢君が何も言うて来ておらなければ私は言いませんが、そういうことをおれは考えたことも言つたこともない、こういうことを明確に言うておられますから、本人をここに呼んで来ても、これに書いてある通りに言われるに違いない。そうすると一体何をもとにしてもらつたとか招待を受けたとかいうことを言うかということになつて来ると、まつたく言葉のやりとりの問題だけになつて、事実は少しも糾明できなくなる。それこそえらい迷惑な話です。あなたがはつきり招待を受けた、金をもらつたという事実を確認の上で発言をされておることならば、これは私どももとやかく申しませんが、少くとも大蔵委員会という一つの構成を指しており、またそれを構成しておる委員の名誉に関することに触れておりますから、そういう薄弱な上に立つておるならば、また本人もおれはそういうことを言うたことはないと言われておるし、このことからして穏当を欠く発言は削除された方が国会の権威の上からもよいのではないかと思う。ただあなたが、いやこれは絶対おれは確信があるとおつしやるならば、これは遺憾ながら深沢さんを呼んで来て確かめなければなりませんが、結局深沢さんがみずから参つて書いておる証拠書類によれば、言うたこともなければ考えたこともない、こう言うておる深沢さんの気持を一応われわれは正直に受取るよりほか方法がないのであつて、こだわつてどうしてもそうしておかなければいけないという意味が私にはわかりませんが、相当自信がありますか。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋貞雄君 それはそう聞いたというだけで、あるとは考えておりません。なおこれは深沢衛門さんに聞いてもらえばわかることで、私一人で聞いたのではない。この人は県会議員ですし、この深沢衛門さんと一緒に聞いたわけで、そういう話があつたというだけです。私はそういうようなことが行われたということを考えておるのではなくて、そういう話があつた——それも法務委員会で言つたことが、お前そんなことは削つた方がよいのじやないかという御議論ならば、あえて固執も何もしません。ただ私はあとの結論として、こういう経過でこういう話を聞いておるのだがどうかということを質問をするとき出した。それが速記録に残つておつたらまずい、それがどうも何だということなら、消すことに私はやぶさかではありません。その点は、そういう話があつたということだけですから……。但し私の方としても、法務委員会としては深沢君を呼びたい、それから衛門君も呼んで聞きたい、こういうふうに大体理事会においてはきまつております。しかし今の、そういうことは記録に残るとどうもまずいんじやないかということなら、固執するわけではありません。そういう経過だということを話したのであります。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 古屋さんの、ことに今おつしやつたその意味は、われわれもよく了承はできるのです。ただ問題は、これは法律的の字句の解釈にとらわれて、確認してないから名誉的にどうこうならぬじやないかというような、法律的な字句で解釈されると困るのです。御同様に公職を持つておる者は、速記録というものは全国に配付されるもので、これくらいとうといものはないのです。この速記録を時間があれば読みたいと思うのですが、相当あなたの御発言に対しては、法律の字句の解釈はさておいて、事実上この速記録を見た範囲においても、われわれ大蔵委員として実に迷惑しごくである。そこで今井上君が言われ、あなたがお考えになつておることをもう一回御判断を願いたいのです。そして委員長は同僚諸君に諮つてもらいたいのです。これに関連して、これは重大な問題だから、本大蔵委員会の専門員である黒田君に私ちよつと質問したいことがある。黒田君に質問することを同僚諸君に一ぺん諮つてもらいたい。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 ただいま福田繁芳君の提案で、専門員の黒田君に質問したいということでありますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 御異議ないようですから……。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 それでは黒田君に聞きたいのですが、先ほど、深沢生として、黒田様として十一月七日に井上君が読まれた通りのものがあなたの机の上にあつた。おそらく黒田君は、深沢君が来てこういつたことを残して行きましたということで、大蔵委員会に禄をはんでいるあなたとして、大蔵委員会の名誉のためにあなたが出されたものと思う。これが間違いないがどうか。確かにこれが御記憶にあるかどうかということを再確認してもらいたい。

黒田久太専門員

○黒田専門員 その当日私の机の上にそれが置いてありまして、それを見まして、ただちに委員長にお知らせいたしました。それから当時の、その手紙にもありまするように、内藤友明氏にお知らせしようと思つておりながら、ついその後お目にかかる機会がなくて、それにはまだ知らしてありません。その他一、二の古い大蔵委員、十三国会の当時の方にはそれをお見せしたことがございます。それからなおその日付の当日、深沢氏はそこまで傍聴に来ておりましたのですが、私顔を見てちよつと頭を下げて、そして話をする機会がなかつた。それで部屋へ帰りましたら、机の上にそれが置いてありました。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 もう一点。速記をとつてもらうためにもう一度黒田君に尋ねます。先ほどからの古屋議員との質疑の中にもあるように、深沢というのは、深沢衛門という県会議員をしておるのと、深澤義守という前の当大蔵委員をしておつた者と二人あるので、ここには深沢生と書いてあつて、衛門とも義守とも書いてない。これは大蔵委員の深澤義守君のことだと思うのだが、黒田君はそれに間違いないと思うかどうか。

黒田久太専門員

○黒田専門員 深澤義守君が私の部屋にたずねて来て、それを書いて帰つたことに間違いありません。現にそれを見ておる者があります。

淺香忠雄自由党

○淺香委員 私、今福田さんの質問に関連して黒田さんに一点伺つておきたいと思いますのは、この書類を何がために内藤氏にひとつ見せたいという御心境であつたが。また当時の古い委員の一、二の人にも連絡をとつておきたい、こういう、答弁が今福田さんの御質問に対してありましたが、その心境はどうであつたのでしようか。

黒田久太専門員

○黒田専門員 それはその手紙の末尾に、内藤氏外旧大蔵委員に連絡してくれということが書いてありますから、その趣旨と了承して申しました。

淺香忠雄自由党

○淺香委員 古屋さんにお尋ねいたしますが、私も第十三国会に大蔵委員をいたしておりまして、引続いてずつとやつておるのですが、今あなたは、この前に法務委員会で言われましたような、保全経済会から当時の大蔵委員が熱海とか、熱海でなくともどこかの料亭へ招きを受けたとか、いわんや金の包みをもらつたとか、あなたは深沢さんから聞いたという御発言でありますが、私どもはかつてそういう記憶すらないのであります。また同僚にも、そういつたことの一端も聞いたことがないのであります。その法務委員会であなたが御質問なさつたときに、河野銀行局長が答弁しておりますが、そのときに河野さんに対する御質問ならば、大蔵省銀行局の関係者にだれかそういつた者があつたかのように自分は聞いたが、そういう事実はないかというおつ尋ねであつたら、非常に当を得た質問だろうと思うのでありますが、河野さんに対しての御質問に、大蔵委員が保全経済会から招待を受けたとか、莫大な現金をおみやげにもらつて持つて帰つたとか、そういうことは、名前は自分は言えぬがどうだというような、大蔵省とともに合体した質問をしておいでになるのです。どうもこういつた点は、私どもにはあなたが当時質問なさつた心境がわからぬのですが、そのときの御心境が今よみがえつて御記憶にあるならば、一応承つておきたいと思います。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋貞雄君 お答えいたします。それは私の考えでは、そのときの私の質問はこういうようなことも聞いておるので、大蔵省あたりに運動がなかつたろうかということを質問したはずです。速記録がどうなつておるか知りませんが、私はそういう気持です。それからおえら方の方から圧力をかけるということもよく承つておりますので、そういう場合にいろいろな方面から圧力があつて、消極的な態度をとつたのではないかという趣旨の質問をした考えであります。速記録がどうなつておるか知りませんが、そういう意味でございました。軽い意味で——もちろん銀行局長からそんなことがありますとか、ありませんとかいう答弁がありつこないことはわかつておりますが、そういうことで消極的になつたのじやないでしようかということを一応伺つた。私から考えますと、どうしても匿名組合という解釈が出て来ないのですよ。匿名組合というものが出て来ないものですから、河野銀行局長は——そのときにはつきりと記録にもたしかあると思いますが、匿名組合だとどうしても言いきれないのですよ。ですからそれは変ではないか、われわれから考えても、どうしてもこれは匿名組合ではないのに、匿名組合だと割切つておるところにどううわれわれ納得が行かない、だからこういう話も聞いているし、上部からの圧力がかかつたのではないかと聞いたのです。速記録はどうなつつておるか知りませんが、そういう意味です。

淺香忠雄自由党

○淺香委員 古屋君が深沢さんから聞かれたとはいえ、こういう公の席上で、いま少しく事実かどうかということを探求せずして——結論はまだ出ておりませんからわかりませんけれども、公の席上でこういう声明をなさるということについては、非常に道義上の責任を痛感されておられるかどうか。またこれは少し軽率な態度であつたというような御心境を今お持ちになつておるかどうか、そういうような点を率直にお話いただけませんか。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋貞雄君 私どもは、行き過ぎだとおつしやればそうかもしれえませんが、私は国民の代表として、徹底的にこういう問題を追究すべきだと思うのです。もしも私の申し上げたことが国会の威信を傷つけるようなことであるならば、もちろん懲罰をおやりになつてもしかたがない。しかし私の言つたことが行き過ぎだとかどうだということで、制裁を加えることは私はできないと思う。私は自分の信念に基いて、そういう事実を申し上げたと言つておるのです。こういう経過があつて、こういうことを聞いておるがどうかというので、私は常任委員会において常任委員が言うことの内容を、ほかの常任委員会でかれこれ言われて、取消せとかなんとか言われるのは、そつちの方が行き過ぎじやないかと思うのですが、どうでございましよう。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 古屋さん、そうかたくならぬで、あなたの保全経済会に関するところの御認定と、われわれと大体同じなんです。それであえてこの問題をこの通りやつておる。ただ、そこであなたの委員会が行政監察委員会であるとか、あるいはまたあなたが議席を持たなくして、一弁護人として、証人として来られたならば、これだけのことを言つても私はよいと思う。しかし事いやしくもお互いに同僚議員であつて——まず私自身も釈明しておきますが、私は十三国会で大蔵委員ではなかつた。十六国会で大蔵委員になつたのだけれども、事大蔵委員という名前が出ておる関係上、当委員会の名誉保持のために、この通りやつきになつてあなたにお尋ねをしておるわけであります。  そこで古屋さん、どうでございますか。「たとえば十三国会のときに、大蔵委員会で保全経済会から委員が招待を受けたときに、莫大な現金をおみやげにもらつて持つて帰つた。そのときの委員の一人から名前を言いませんが、ある私の友人の委員から、そういう事実があつたかどうか知りませんが承つた。」この間だけはひとつこの際お取消しになつたらどうでございますか。これをお取消しにならぬと、われわれはどうしても深澤義守君を呼ばなければならぬ。それはあなた自身の議会人としての考え方は、われわれもわかる。常任委員として、お互いに自由に委員会で発表したことに制約を受ける筋はないじやないか、こうおつしやる点は、その通りでございますけれども、こういつた事柄で、他の委員会の同僚議員の名誉にもかかわるようなことを——これは行政監察委員会なら大いにやれそうです。ことにうしろにおる井上さんなんかは喜んでやる方なんです。ですから法務委員会と大蔵委員会でこういう問題をやることは、私はちよつとぐあいが悪いと思う。だからこの六行か七行はお取消しになることが、法務委員会と大蔵委員会、いわゆる特別委員会じやないのだから、お互いの常任委員会の権威の保持のためによいのじやなかろうか。そうしてこの問題は別個に、事実こういつた御確信があるならば、われわれもより一層感覚を深くして、別の委員会で、この既往の十三国会の大蔵委員諸君の身辺を洗つてみようという考えもないわけではないのです。一応今日はこれをお取消しになる方がよいのじやないかと思う。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋貞雄君 私はそういうような経過を聞いておるということであつてそれがあるとかないとかいうことを申し上げたのではないのです。そういう話を聞いたんだという事実を私は述べたのですが、その事実を取消すとかなんとかいうことになると、私にはわからぬのです。私はそういう大蔵委員会の名誉を傷つけるために申し上げたというような考え方があるかというならば、それは絶対にない。但しそういうような話を深沢君から聞いた。その経過として、そういうようなことを聞いておるが、これはどうかというだけです。なおこの点は皆さんから御了解を願わなければならぬと思う。つくりごとだと申しますが、四国に行つて、税務署の脱税問題があつたとか、関東財務局ですか、経済調査庁ですか、そこへ行つたとかなんとかいうことは、全然つくりごとではございません。ただそれがたとえば金をもらつて帰つたとか、もらつて帰らぬとかいうことは、言葉のあやで、強く言うたか、軽く言うたかという問題はあるでしよう。それはもつと軽い意味で、お前考えたろうというお話ならば、それはそれで私はけつこうなんです。しかしこのことを取消すということになると、私はうそを言つたことになる。だからそういう経過があつた。しかし大蔵委員が金をもらつたことは私は信じない。ただそういう経過だつたということを申し上げたので、御趣旨はよくわかるのです。言葉が強過ぎたのじやないか、それはもつと軽い意味じやないかと言われれば、私は軽い意味で、それはむろんけつこうであります。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 私が古屋さんに無理にこの七、八行を取消しなさいということを強く申し上げたのは、後日委員長の手元に証拠書類として深沢君の直筆をそちらにお渡ししますが、あなたも深沢君も親しい同僚議員です。ところがそれを深沢君は黒だと言い、あなたは白だと言う。黒と白とどうだこうだとやることは、これは少くとも議会政治の権威を保つ上にまずいと思うので、そこで私は申し上げた。それであなたはまかり間違えば深沢君と対決してでもそれを取消さぬとおつしやるならば、別問題で、何がためにあなたがこの委員会にこの問題でひつぱり出されたかということは、速記録の前後を見れば、ちやんとわかつておる。私はこれがために申し上げておる。よくお考えを願いたい。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋貞雄君 深沢君がそういうものを持つて来ることが、どうにも私にはわからない。それの方がわからない。なお私ばかりではない。三人おりました。これは聞けば、どつちが真実かわかる。但し、その事実をあると私が認定して申し上げたのではない。そういう話を開いたということだけでございます。認定したならば、私はそんなことは取消しますよ。そういう経過だということで、その点を御了解願いたいと思う。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 ただいま古屋氏から一応深沢氏からかような発言を承つた、だから経過的処置としては、自分としては発言の重要性から考えて、簡単に取消すわけには行かぬという御心境のようでございますが、これは今速記録にもはつきり出ておりますように、大蔵委員が招待を受け、または金をおみやげにもらつて帰つたというこのことが、実は経過的処置としましても重要な問題であります。従つて本委員会は、ただいま古屋議員から発言をされました重要な点を、一応深澤委員に、かくのごとき発言が大蔵委員会においてされた、貴下はいかに考えられるかということを、文書をもつて本人の意向を確かめてもらうのと、さらに向うさんの都合もありましようから、深沢衛門さんと深澤義守君の二名に次の機会に出ていただきまして、古屋君の証言との食い違いを、この問題について明らかにしなければならぬと考えますから、さようにおとりはからいを願います。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 ただいまの井上君の発言の通りにとりはからつてよろしゆうございますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 御異議ないようでありますから、さようとりはからいます。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 ただいま井上君の御提案を御採択になりましたが、これに関連して重大な証拠書類でありますから、本委員会の名をもつて、委員長の手元にこの証拠書類を出しておきます。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 御苦労さまです。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 私は先ほどの問題に関連して、幸いに銀行局長河野さんが来られておるからお伺いしたいと思います。  この速記録を全部読みますと、法務委員会に大蔵省の河野局長がるると御説明されておる。不幸にして大蔵委員会にはそれがないわけです。あなたが先ほどからお聞きのように、十三国会の大蔵委員会の委員諸君が云々という問題に関連して、大蔵省の諸君たちにも、今の古屋君の聞いて来たという話によると大分疑惑の念があるわけです。ゆゆしき問題なんです。そこで銀行局長として、当面の責任者としてのあなたの御心境なり所見を聞きたいと思います。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野説明員 先般の法務委員会におきまして、保全経済会の問題でいろいろ御質問があつたのでありますが、私がお答え申し上げましたところは、おそらくその同日か二、三日前に当大蔵委員会へお呼び出しをいただきまして、いろいろこの問題について御質問にお答え申し上げましたところと、趣旨はまつたく同じことをお答え申し上げてあります。今の先般来問題になりました古屋さんからの御質問の箇所は、私どもも記憶いたしております。そのあとに私の答弁が載つておりますが、私はちよつと聞き間違えまして、大蔵委員会及び大蔵省の幹部が金をもらつておるというような御質問であつたように私は聞いたものですから、私はそれに対して、大蔵省に関する限りにおいては、一係員に至るまで一銭といえども金をとつておるという事実はまつたくありません。これははつきり申し上げておきますということをその際申し上げたのでありまして、私はそれ以外のことを申し上げることはもちろん僭越でもありますし、大蔵省に関する限りにおいて、そんなことは絶対にありませんということだけを、私ははつきりそこでお答え申し上げておいた次第であります。

大平正芳自由党

○大平委員 ただいま古屋議員のお発言のうちに、保全経済会というのは匿名組合ではない、大蔵省当局の方は匿名組合であるという非常に重大な御意見を承つたのですが、われわれも保全経済会のことにつきまして各方面から問合せがございます。実はただいままでのところ、私は大蔵当局の見解である匿名組合という法律形式をうまく利用して、ああいつた運営をやつておつたというような基本的な考え方でお尋ねしておるのですが、今の実は古屋さんのような意見が正しいとすれば、大蔵当局のただいままでやつて来た態度についても、これはちよつと大問題です。われわれ自身認識を改めねばいかぬので、その後大蔵当局として、法務委員会の質疑を回顧して、どういうようなお考えであるのか、また本件の保全経済会の性格に関して、政府部内において何か打合せがあつて、どういう意見の統一を見ておるのか、その点参考までに伺つておきたいと思います。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野説明員 私どもの考え方は、去る十三国会以来たびたび当委員会で御熱心に御審議になりました過程において、私からお答え申し上げております考え方に毛頭かわりございません。問題はたびたび申し上げておりますが、いわば法律的な解釈としては、紙一重という点であることは間違いないのです。従つてこの問題を検討いたしますことに非常な時日を要したということであります。しかしその結論は、三月四日でありましたが、当大蔵委員会において私から御答弁申し上げた。しかもそのときは、これは大蔵省だけの意見でありません。関係当局の一致した意見であるということを申し上げた。その中に匿名組合について申し上げた、私ちよつとそのとき発言申しましたものを手元に持つておりませんので、言葉はその通りには申し上げかねますけれども、ああいうふうな仕組みでやつているものは匿名組合でないという根拠はない、従つてこれは金融法規に言つている預かり金とは言いがたいというのが結論であります。その場合に、もちろんあの当時私どもが検討いたしましたのは、具体的には保全経済会を対象として検討いたしました。私どもが入手し得るあらゆるデータ、あるいは営業案内でありますとか、あるいはパンフレツトでありますとか、あらゆる入手し得るものを材料にして、保全経済会についてこの問題を実は検討いたしたのであります。きよう古屋さんからお話のありましたように、三箇月ごとに要求があれば払いもどしをするとか、あるいは月二分とか三分とかの配当をするということを言つておるが、そういつたことは営業案内にちやんと書いてある。われわれが法務省その他関係当局と研究いたしましたときは、もちろんそういうことを前提にして検討いたしておる。ただ問題は、あの当時保全経済会ということを具体的にメンシヨンをしてこれに対する法律的解釈をかれこれという段階ではもちろんなかつたので、匿名組合方式をとつておるそういつたもの一般として私は申しておりますが、事実は保全経済会に関するいろいろなデータを私どもはとつて検討いたしております。その限りにおいては、法務省も一緒に研究をいたしたのであります。  ただ問題は、私どもが知り得た、あるいは調達し得た材料で判断をいたしておりますから、これは場合によりまして、いろいろな法律根拠に基いてこれを実際に実態を調査いたしました場合に、営業案内、あるいはパンフレツト等に書いてあるところと実態が違つておることはあり得ないとは私は言えないと思う。その場合に、はたして匿名組合形式による契約関係ではないという結論が出ないとも言えないかもしれない。しかし私どもが調達し得た材料から判断いたしました限りにおいては、これははつきり法務省も含めて今申し上げましたような結論を出したわけであります。その限りにおいては三月四日に出しました結論は大蔵省だけの見解でない、それは述べましたあの当時刑事局長も出ております。刑事局長も同じようにその問題について、大蔵省の見解、私の述べましたところとまつたく同じであるということ。を申しております。その限りにおいては、法務省とよく打合せた結果そういう結論になつているわけであります。その限りにおいて、私どもは当時の考え方と今考えをまつたくかえておらぬということをはつきり申し上げておきます。それからいろいろ法律論としては、今申し上げましたように議論の過程におきましていろいろな議論があり、いろいろな見解があつたわけであります。その後前国会でありましたが、これらの問題についてどう取扱うかという点について、立法論として何か考えられぬかという御議論も当委員会から承つたこともある。私はその当時個人的意見を申し上げたと思いますが、その考え方を実は先般当委員会において——保全経済会の休業という事実に面しました後の当委員会の御質問に対しては、私の個人としての意見であるが、立法論として考え方がある、それはああいつた匿名組合の規定の、不特定多数の人から出資を集めるということについては、非常に出資者を保護するところに欠けているから、そういうような点については、あるいは株式会社制度においてとられているような出資者保護の規定を置くか、しからずんば匿名組合という形で、不特定多数の人から出資を集めるということを禁止するか、いずれか立法論としては考えなければならぬのではないかということを私個人の意見として申し上げた。しかし私個人の意見と申し上げますのは、先ほど来申し上げましたように、この問題は所管がどこかということで、非常に各省間で権限争いをしているような印象を受けるので私いやなのでありますが、法務省との関係もありますので、法務省とよく打合せてこの問題を取上げて行かなければならぬ、こういう意味で私個人の意見を申し上げておるのであります。  その後の方向につきましては、今申し上げました私の個人的な考えと、法務省当局でいろいろ考えておられ、法務大臣が先般の予算委員会で答弁されておりまするところと、方向においては大体同じ方向で法務省も考えております。ただ問題は法律技術として、技術的な点についてかれこれまだ意見の一致を見ていない点がありますので、目下この立法措置、法律案を作成いたしまする過程において、現在法務省当局といろいろ打合せをしておる、こういう段階であります。

大平正芳自由党

○大平委員 先ほど古屋さんの発言では、法務委員会で、法務大臣は匿名組合でないということをはつきり言つたと言つておるのです。速記録を見たらわかるが、法務大臣もそういう見解であるということを言うた。つまり現実にこう言つたというようなことまで言及されたのですが、これは非常に重大な問題だと思います。一体今あなたが言われたところが政府の統一した見解と見ていいのかどうか、その点もう一度確認しておきたい。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野説明員 これは先ほど申し上げた通り、三月四日に私から御答弁申し上げたところは速記録にも載つておるはずですが、これは大蔵省だけの意見ではありません。関係当局全部の一致した意見であるということをはつきり申し上げておきます。その点についてはかわりはございません。ただ問題は、先ほどちよつと申し上げましたように、現実に私どもは保全経済会の内容を検査いたしておりません。それから法務省なり検察庁当局も、これについて実態まで踏み込んで捜査をする段階には来ておりません。従いまして現実に調べてみた結果、私どもの見解、結論がくつがえされるということが絶対にないということは私は言えないと思います。これは調べてみなければわかりません。しかし今まで私どもが手に入れた材料に関する限りにおいては、その中には今お話もありました、これは匿名組合契約ではないという御議論の根拠として言われておるよう  な、たとえば月に二分を配当するということを約束しておる。あるいは三箇月ごとに要求があればこの出資は払いもどすということをしておるのは、一体それは匿名組合ではないか、預金行為じやないかという御議論に対しては、もちろん私どもはそれらの点は十分データとして持つております。研究したその結果が三月四日の結論になつておる。しかもそれは法務省と十分打合せた結果としての結論であるということをはつきり申し上げておきます。

大平正芳自由党

○大平委員 銀行局長の御見解はわかりましたが、まだはつきりと匿名組合であるというように割切つて、見解が政府部内において対立しておるというように聞いたのでありますが、これは非常に大事なことなので、大勢関係者もございますし、また政府のただいままでの態度は、政治問題としても非常に重要な性質を持つたものと思います。その点委員会として政府の統一した見解をはつきりさせておく必要があろうと思います。つきましては、早急に現在の段階におきまして、できれば政府の見解を統一されて、委員会に公の御意見を承つておく必要があろうかと思いますが、その点はいかがですか。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野説明員 その点はいずれ立法措置についていろいろ考えておるところがございますので、これらの問題は御提案申し上げる際にはもちろんはつきりとしておかなければならぬと思います。ただ一つだけお断りしておきますが、私はこれは匿名組合契約自体であるかどうかについては、はつきりした自信がないということをはつきり申しておるのです。少くとも匿名組合契約か、あるいは匿名組合に準ずる無名契約であるということは言える。私どもはそれは匿名組合契約であるかどうかということは問題じやないので、一体本件の出資行為というものが、出資であるか、出資以外の要するに預金ないし借入金というものであるか、どんな出資であるか。つまり自己資本を構成する出資であるかどうかということが問題なんで、これが匿名組合行為であるかどうかということは、実は法務省としては非常に関心が深いと思いますけれども、私どもとしてはその点は従たるもので、私はあえて匿名組合契約そのものであるということを言う必要はない。匿名組合契約であるか、あるいは匿名組合に準ずる無名組合であるか、少くとも金を調達しておる関係は出資行為である。そこに重点があるということだけを申し上げておきます。

淺香忠雄自由党

○淺香委員 今の大平さんの質問に対してのお答えは、確かに三月の何日かに大蔵省の見解並びに法務省の関連した御意見を伺いました。しかしその後今日まで、御承知の通り委員会が開かれますたびに、かかるような事態を惹起いたしますことを前提にして、それに心配を加えて、いろいろあなたに対して当委員会は進言なり、またいろいろ意見が出て参つたのでありますが、失礼ながら、もちろん法的の根拠もあつたと思いますが、私どもから見ました場合に非常に優柔不断であつた。この結果を見て、今どろぼうを前に置いて繩をなうような、非常に煮え切らぬ態度を当委員会のみんなが同じように感じたであろうと思います。しかし事ここまで来ましたのでしかたがないといたしましても、これにはどう対策をお立てになるか、今度のこの問題に対して、実はあなたの心境を率直にお述べいただきたいと思います。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野説明員 保全経済会自体の休業及びそれがもたらした影響等につきましては、私どもも非常に関心深く見守つておるのでありますが、この点につきまして、私どもとして打つべき手は何があるかという点でありますが、この点については、私どもとしてははつきり先般来申し上げておるのでありますが、何ら打つ手はありませんし、何か手を打つということも考えておりません。できるだけ出資者に対して迷惑が最小限度にとどまるように、何らかの措置が講ぜられることを私としては希望いたしますし、さればといつて、大蔵省当局としてこの問題に対して何ら措置をする考えは持つておりません。今淺香委員からお叱りを受けまして、優柔不断だということであり、またある委員会では、責任のがればかり言つておるというお叱りも受けて参つております。この点は御批判をされることは、またお叱りを受けることは私どもやむを得ないと考えておりますが、私どもといたしましては、決してこの問題について優柔不断であつたと全然考えておりません。私どもとしては何らか筋の通らない、別の観点から圧迫を受けたり何かして、そういうように優柔不断になつたということがあるならばまた別であるが、そういうことは私どもとしては絶対になかつたのであります。私どもとしてこうすべきことが当然であるという考え方でやつて参つたのでありまして、何かに遠慮したり、あるいは何かを恐れて私がこういう態度をとつたということでないことだけは、はつきりこの際申し上げておきたいと思います。

淺香忠雄自由党

○淺香委員 従来あなたの方では、そうしたきようまでの内容を調査するのに、その権限をお持ちでないということは私どもよくわかりますが、しかし三月以来お話を聞きますと、法務省との連絡もかなりあつたようでありますが、いま少しくそういう方面をあなたの方からつつついて、そして今日この事態を引起すまでにその内容をいま少しく探索できれば、それに打つ手があつたのだろうと私は思います。そういう点に私は遺憾の意を表しておるのですが、ちよつとお聞き違えになつておられるようにも思うのです。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野説明員 先ほど古屋さんからお話がありましたが、詐欺行為でありますとか、あるいは横領でありますとか、あるいは商法の違反でありますとか、そういつたいろいろな法律違反、あるいは刑法上の罪を構成するような事柄があるかないか、これは私は実は存じませんが、もしそういうことがありとすれば、これはやはり普通の筋で、検察庁なり警察当局の対象として問題は取締られて参らなければならぬものだと思います。これは一般の会社なり企業なりにおけると同じことだと私は考えておるのであります。ただあの事業が一体経営として成り立つかどうかという点につきましては、私個人としてはいろいろ疑問を持つ点もたくさんありました。ありましたが、あるいはうまく行くかもしれない、うまく行くかもしれない場合に、この仕事はあぶないから気をつけろということは、私としてはこれは言えないという立場から、精一ぱい私として言えることは、匿名組合に入られた方は出資者である。出資者であるのだから、出資者としての立場をよく自覚して入つてもらいたい。株式会社の株を持つた場合と同じですぞということを私が申し上げるのが精一ぱい。実は私も個人としてはつきり申し上げれば、もつと言いたいことがありました。ありましたが、私として言えることは精一ぱいそこまでだというのが、三月四日に私が申し上げたところであります。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 先ほど来同僚大平、淺香両委員の御質問並びに河野局長の御答弁も大体わかつたのであります。私はこの際銀行局長にもう少し責任をお考えになられて、もつと勇気を出してやつてもらいたいと思う。と申しますのは、あなたは先ほどのお話では、この種の問題に対して来国会あたりに何とか法制化でもしなければいかぬのじやなかろうかと思うという点もほのかにちらりほらり出たと思う。そうかと思うと、保全経済会には関心を持つて見守つておられたと言われたが、関心を持つて見守つておられたということは、消極的の責任を感じておられることと思う。あなたは今相当お悩みになつておると思う。その悩みはむしろ取越し苦労だと思う。なぜかというと、そういうことがありはせぬかと思つて、私は十一月の七日の当委員会に犬養法務大臣に来てもらいまして、そして約一時間にわたつてこの問題の質疑応答を繰返しておるのであります。この速記録をごらんになりましたか。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野説明員 拝見いたしております。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 もう一ぺん見てもらいたい。もう一ぺん見てもらいますれば、おそらくあなたがそういつた御遠慮をされる筋はないと思う。ことに匿名組合云々ということは、あなたは匿名組合に準ずる無名契約という表現をされておるが、犬養さんはどういうことを表現されておるかというと、厳密な匿名組合とは思えない。あとをずつと読んみますと、結局無名組合ということで了承しておるのであります。決して匿名組合じやないということを法務大臣は言うていないのであります。それはそれとしておいて、なぜあなたに勇猛果断にこの問題をやつてもらわなければいけないかというと、犬養さんの答弁の中に、所管問題に入つておる。なるほど三月四日の先ほどのあなたのお答えなり淺香委員の何は了承しておりますが、つい最近の速記録で、所管問題で、大蔵省が適しているならば大蔵省、かりに法務省の方がよいという内閣の御決定があれば、翌日からそれを引受けて法務省の仕事としてやりたい。どちらに向いているかということは内閣の閣議でやつて参りたいというように言い、ことに最後に、もし大蔵省が法務省に譲るならば法務省でやると、非常に向うは元気なのである。張り切つておる。ほかの問題ならいいのですが、あなたはいつもこの委員会に来てでも、後ほど中小金融対策で盛んにあなたをつるし上げにするわけだが、こういう金融問題であり、あなたがいかに力んで正常金融対策ということを確立しましても、この問題であなたがお上品にされて法務省に譲つてしまつては、日本の金融はぺしやんこになりますぞ。こういう点をお考えなすつて、もうお上品なお言葉をされなくして、いやしくもこういつた庶民金融、ことに年末を控えての目睫に迫つておる大きな問題なんだから、なるほど河野銀行局長がある間は、末端の金融界も一向大きな波風もないわいというくらいのことでもあなたがやられぬと、あなたに似合わないと思う。もう少し御勇気を出してもらいたい。そうしてひとつ勇猛果敢にこの問題を処理されて、いたずらに関心を特つて見守られるなんという、お上品な消極的な責任を持つた意思表示をされると、大蔵省は責任を回避するんじやないか、こう言われるのでございますから、この速記録でよく犬養法務大臣の答弁をお読みになれば、当然あなたとしてとるべき方法があると思うのです。そこでよくお考えくださるようにあらためて献策しておきます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 河野さんに伺いたいのは、法務省の方では、今福田さんからもお話がありましたように、保全経済会のごとき不特定多数の者から出資を求めてやる行為は、明らかに銀行法や信託法に抵触するということをはつきり答えておる。そうすると、あなたの方はその方を法律的にも実際的にも取締り、また円滑にやるようにして行かなければならぬ責任の地位におるわけです。あなたに取締れとかどうとかいうことじやなしに、片一方ははつきり法的断定を下しておる。それにまだ結論がつかずにもやもやしておるのは一体どういうわけですか。それは三月法務関係の方とあなたの方との間で一応の結論をお出しになつたが、その後の輿論のやかましい経過等、特にこの保全経済会が休業いたしまして以来の輿論は非常にやかましくなつて来て、これに対して何とか措置をせなければならぬということになつて、相当今まで緩慢な取締りがされておつたというか、緩慢な状態に放任されておつたということが非常にやかましく批判されて、いろいろな角度から検討された結果は、明らかにこれは現在の金融に関する各法規に反するという断定が下されて来ておるのです。そうすると、あなたの方として、そういう行為はいかぬということをまだはつきり言い得ないということは、どういうわけですか。ひとつそれを伺いたい。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野説明員 先ほど来申し上げておるように、法務省と打合せた結果、私は申し上げた通りの結論を出しておる。法務省の当局と最近委員会で一緒になつたこともございます。民事局長がいろいろ答弁しておりますところも聞いておりますし、またこの委員会で法務大臣からいろいろ御答弁になつておるところも、速記録を私一応見ております。ただこの際、それが預金行為であると言い切つておるとは私は思いません。そういう疑問はある。疑問はあるということは、何年も前から疑問があるのです。その結果、疑問があるから、実は結論を出すのに骨を折つたのだが、それが三月四日に出た結論であると私は申し上げておるのです。それは法務省と相談した結果間違いなく出しておるのです。しかもそのときこういう結論を出した後において、こういう事態が起ることはだれも好ましいとは思いませんけれども、あるいは万一の場合にはこういう事態が起るかもしれぬということを考えながら、あの当時にそういう結論を出したのです。その後に新しい事情の変化が起れば、私どもの見解もかえなければならぬと思いますけれども、ただそう新しい事態が起つたということは、私は少くともないと思います。それは休業したという新しい事実はありましたけれども、私どもの法律的解釈をかえなければならぬというような新しい事態は何もなかつた、私はそう確信いたしております。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 そうすると、この第十七国会で、今月の二日に予算委員会で小笠原大蔵大臣は、匿名組合が不特定多数の者から金を集めることは弊害があるので、取締りの立法を検討しておる、こういうことを答弁をしておる。この所管はあなたの方の所管です。するとあなたの方としては、取締りの立法を検討しておるのですか。あなたの方がそれをやつておらないのに、大蔵大臣がこんなことを言うはずはない。そうするとあなたの今の考え方と大分——取締りの法律をつくり、次期国会に提出するということを言明しておるが、それとあなたの今の解釈とはちよつとまだずれがありますね。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野説明員 これは先ほど申し上げました通り、立法論としてはそういう措置をとるべきであろうということは、私は先般この国会でも申し上げた。その考え方で、大蔵大臣も同じ考え方を申し上げたと思います。ただだれがやるかということは、これは政府がやることであつて、大蔵省がやるか法務省がやるかということは、これはむしろ枝葉末節の問題であつて、最後は政府の決定にまちますけれども、方向としては、先ほど来申し上げておりますように、法務省と私どもと同じ方向をたどつておる。先ほど申し上げましたのは、私は現行法の解釈としてはどうなるかということを三月四日に申し上げておる。立法論として、預金者を保護育成する建前の投資銀行法とかいつたようなものを立法するつもりはございませんということは、三月四日にはつきり申し上げておる。しかしそれは、取締らなければならぬという事態が立法論として新しく起つているかどうかという問題は、先般来当委員会でも、私どもの意見として申し上げたところを実現するのが筋であろうという考え方のもとに、現在事務当局間で法案について今検討を続けている。その趣旨は今井上委員からおつしやつたような、大蔵大臣が予算委員会で答弁いたしましたようなラインに従つてこれを立法化した方がいいであろうという考え方のもとに、今検討いたしておるわけであります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 そうしますと、現在の匿名組合様式の出資による行為というものは、明らかにこれは現行の各種金融関係法に抵触するという一つの断定の上に立つての取締りということになろうと考えますが、そういうことならば、現行のものをこのままで依然として放任しておくということはちよつとおかしいのじやないかと思います。この点はどうですか。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野説明員 これは井上さんの御意見とまつたく違うのでありまして、現行の匿名組合方式、具体的に申し上げますれば、保全経済会が金融法規に違反しているという結論を私どもは出しておりません。しかし少くとも不特定多数の人から出資を集めるということは、その善良なる出資者を保護する立場から欠けておる。たとえばこの例は非常に悪い例ですから、語弊があるかと思いますが、株式会社組織では、株主には株主総会というものがあつて、経営者をいろいろ監視する仕組みができております。株主総会で取締役を選任するという形で、経営に対して相当監視ができるような仕組みになつておる。ところが匿名組合という制度は、そこまで来ていない。従つて本来ならば、匿名組合というものは信任関係に立つた少数の間の契約関係であつたのでございす。それがだんだん広がつて、不特定多数の人からそういう匿名組合によつて出資を集めるということになつて参りますならば、これはやはりそういつた出資者に対して何らかの保護規定がいるのじやないか、あるいは先ほど申し上げますように、そういうことは禁止をするという措置がいいのではないかということを申し上げておるのでありまして、これが預金行為であるから、それを禁ずるんだということならば、何も立法する必要はない、現在日々禁止されている状態にあるわけであります。私どもはそれを預金行為であると断定しないからこそ立法しなければならぬ、こう申し上げておるのであります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 そういう解釈をすると、あなた方の解釈と法務省の解釈と違いますね。法務省の解釈は、たとえば保全経済会の行為は明らかに現行の金融関係の法律に反する、こういう解釈をとつております。法律の番をするというか、法律執行についての検討を専門的にやつている法務省の法務局なり刑事局の方が、これは反するというはつきりした答弁をされておる以上は、当然これによつて取締りができ得るという問題が一つここにあるわけです。それと、今あなたの御答弁になりましたいわゆる不特定多数の者から出資、預金をさすという行為を許すことは、いろいろの弊害が生ずるから、いかなる名目によろうとも、現行規定による方法以外には許さない、こういう解釈が出て来ようと思います。だから問題は、現行の金融法に許されてないものをやつておるということを法務省は指摘して、たとえば特定の信用のできる人が特定の人から出資を求めて、ある一定の期間何ぼの利益が上つたから、何ぼ配当するという純粋な匿名組合様式によるならばいいが、御存じのように、保全経済会のごときは、多数の人が、顔も見たこともなければ、名も知らない、資産状態も全然わからぬ、また自分の出した金がどういう事業に使われ、どういうものに利用されるかも全然知らずに、三箇月という期間を切つて、月二分という金利を目あてに出資をしておる。この行為は明らかに匿名組合の規定にも反するし、同時にまた、当然現行の金融関係の各法律にも反する、こういう解釈を立てておるんです。だからその解釈が間違うておるというならばいざ知らず、法律の番をしておる法務局がそう言つておるのに、あなたの方は間違つておらぬ。そんなことがどうして言えますね。そこをもう一ぺんはつきりしてもらいたい。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野説明員 これはたびたび申し上げます通り、匿名組合方式による資金の受入れ方式は、金融法規に言つている預かり金禁止の規定に反しない、預かり金とは断じがたいというのが結論である。この点はたびたび申し上げておる通りであります。法務省もこれに疑いを持つておることは事実であります。従来からそういう疑いがあつたからこそ結論を出すのに骨を折つた。法務当局が確実にそれは金融法規に違反する事柄であると言つておると私は思いませんが、かりに言つておるとすれば、何ら新しい立法はいらないのです。それ自体がすでに金融法規に違反しておるならば、当然取締つたらいい、法務省は検察庁を持つておる、警察も指揮できるのですから、そういう解釈が正しいなら、何も立法をまつまでもなく、金融法規違反として禁止されている状態なんだから、どしどし検挙したらいい。立法もいりません。何もいらない。そういう意味で、私はそういう結論を出しておるとは思いませんが、かりに出しておるとすれば、違反行為なんですから、法律に違反しているんだから、罰則もちやんとできておる、どんどん取締つたらいいと思います。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 そこで問題は、あなたの言う匿名組合というのと、保全経済会の匿名組合は違うという解釈ですね。あなたはあの保全経済会がいわゆる商法に規定してある匿名組合の規定の範囲内において行われておる。それが出資であるかどうかということを、当然あなたとしては御解釈されておると思う。われわれは常識論的に考えても、いわゆる商法に規定してある匿名組合の出資の方式と違うという解釈を私どもは下しておる。そこに問題があるのです。かくのごとき不特定多数の者から出資を求め、しかも率をきめ、出資の払いもどし期間をきめてやる金融機関が、一体商法規定の匿名組合の出資形式であるというてこれを認めるというのは、どうも私は何ぼひいき目に見ても、これはぐあいが悪いと思いますが、そこをあなたが踏み切れぬというのはどういうわけですか。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野説明員 これは私は踏み切つておる。踏み切つてそういう結論を出しておる。私は決して弱気ではございません。御承知かと思いますが、決して弱気ではございませんから御了承願いたい。今のお話は、今ちよつと持つておりませんが、三月四日にちやんと書いておる。匿名方式による資金を集める方式はどういうものかといいますと、不特定多数の者から出資の形で集めて確定配当を約束するような業態である。それに対する法律的見解はどうかというところに、かくのごときやり方が匿名組合契約でないと言い切るだけの根拠がない、従つてこれは預かり金禁止をしておる金融法規違反とは言いがたい。そのときにはちやんと不特定多数の人間から金を集める、そして確定配当を約束しておる業態であることを前提としてこの結論を出しておる。その出した結論が間違つておるという議論は、いろいろあると思います。その点については、かれこれ私の説明を絶対に正しい、皆さんの言われることは間違いだ、そういう大それたことは考えておりません。しかし私どもは、そういうことを前提とした業態に対する解釈がこうだということを、三月四日に申し上げておる。不特定多数の者から金を集めるということは、その当時わかつておつた。場合によつたら三箇月でその金を払いもどす、あるいは確定配当を約束するということはあつても、なお匿名組合契約でないとは言い切れない。従つて預かり金禁止の規定に違反するとは言い切れない、こういう結論になつておるわけであります。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 河野局長は非常に元気だと聞いて、私は非常に意を強くした。そこで結論に行きます。どうです。もう三月四日の先ほどからのあなたの御高説、いわゆる結論も伺つたのですが、今押し迫つた年末になつて、一般庶民金融事情もつぶさにあなたは御承知だろうと思うのです。そこでむしろ事ここまで来たのですから、来るべき議会で、ひとつあなたのその信念を生かす意味合いで立法化するというだけの御言明はできませんか、それを伺いたい。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野説明員 これは大蔵大臣から御答弁申し上げておる通り、来るべき通常国会において——臨時国会にはむずかしいと思いますが、通常国会には何らかの取締りをする法案を出したいということで、現在法務省と研究いたしております。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 それで本員は十分でありまするが、先ほど失礼でありまするが、犬養法務大臣の速記録も御提示して説明いたしたように、法務省との関係がありますので、これで大蔵省も機構改革をして銀行局を廃止してしまつてやるなら、こういつたことを法務省に渡してもようございます。銀行局長が依然としてわれわれが思う以上に非常にお元気なのだから、機構改正をやるはずがないのですから、あくまでもひとつ法務省にお譲りにならないように、のんびりとお考えなさらぬように、臨時国会もおそらくこの月末から通常国会に続くのでございますから、ひとつ一日も早く御検討くださらんことを希望しておきます。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野説明員 その点は、たとえば具体的に匿名組合方式による資金の集め方を禁止する場合におけるその所管をどこにするかという問題は、私は金融問題じやない、こういう結論を出しております。従いまして、これは銀行局として取扱うべき問題じやない、かように考えておりますが、御趣旨の点もよくわかりますので、もう少し研究いたします。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 さいぜん私発言をいたしておりました年末金融に関連をしまして、政府の中小企業金融対策、庶民金融対策等に対する問題が非常にやかましくなつて来ておりますので、その所管でありまする局長から一応説明を伺いたいと思います。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野説明員 年末へかけての金融情勢一般について概略見通しを申し上げます。現在まで続けて参りましたインフレーシヨンを押えて参ります金融上の調整の問題は、方針としては今後も続けて参りたいと考えております。大体年末における通貨発行高は六千二、三百億といつたような程度になるかと思いますが、私は必ずしも金融引締めという言葉を使いたくないと思いますけれども、インフレーシヨンを防止するために、金融面からの調節は今後も続けて参りたい、かように考えております。ただ問題は、年末にかけてそういつた措置をとりますると、えてして中小企業等に対してしわが寄るといつたようなことがどうしても起りやすい、しかも農村関係につきましては、いろいろ措置がとられおりまするにかかわりませず、中小企業に対しては、その措置が必ずしも万全とは申しがたいと考えるのであります。従いまして今後におきましては、主として年末金融対策という問題は、今の基本的方針を抜きにして考えますれば、やはり中小企業の金融を中心にして対策を講じて参らなければならぬ、かように考えておる次第であります。具体的には、現在考えておりまする措置の第一は、指定預金の操作であります。指定預金につきましては、大体最近の情勢のように、国庫の収支が散布超過に転ずる場合におきましては、本来ならば計画的に指定預金というものは揚げるべきだというのが筋ではありますが、現在のような金融情勢から見まするならば、中小企業に対する金融の対策として、必ずしも計画通り引揚げることが適当でない場合もあると思います。これは引揚げを延期いたしまするか、あるいは新しく指定預金をいたしますか、これはそのときの事情によつて、いずれをとるかは今後考えて参りたいと思います。それから金額等につきましても、今後の情勢を見て、国庫収支の状況等をよく見ながら考えて参らなければなりませんが、引揚げを延期するか、あるいは新規の預託をするか、あるいは両者を合せて行うか、適当なる措置をとりたいというのが第一点であります。それから第二点は、中小企業に対する大企業、つまり下請企業に対する大企業の支払いを促進する。この点につきましても、大企業自体も決して金繰りは楽ではないのでありますけれども、金融機関の窓口において措置ができる限りにおいては、中小企業、下請企業に対する大企業の支払いをできるだけ促進するような措置を、金融機関としても協力して行くというふうに配慮をさして参りたいと考えております。  それから、第三には、政府金融機関、特に国民金融公庫につきましては、相当程度年末にかけて資金運用部等から借入金、貸付金の増加をはかりまして、資金源の拡充に資して参りたいと考えております。  また中小企業金融公庫につきましては、主として来年の一—三月の間における資金のシヨートが問題になると思いますが、その点につきまして、今後の推移を見た上で適当なる措置をとることにいたしまして、少くとも年内における中小企業金融公庫の融資に資金上の不足を来すことのないように、ということはつまり一—三月になつて資金が足りなくなつた場合に、これに何らかの措置を講ずるという意味合いにおきまして、年末までの間に資金のシヨートを起さないように措置いたしたい、かように考えております。  また信用保証協会の法制化に伴いまして、信用保証協会の保証いたしました手形について、日本銀行の適格手形とする措置の問題につきましても、目下検討いたしておりますが、できるだけそういつた方向でこの問題は考えて参りたい、かように考えておる次第であります。  なお銀行その他の一般の金融問題といたしましては、先ほど来申し上げましたように、不急不要な資金の抑制をさらに一層強化して、資金の重点的な使用ということを年末にかけても一層強化して参りたい、かように考えておる次第でございまして、それらのところから出て来る資金を、中小企業の金融の円滑化という方面にできるだけさかせるように努力いたしたいと考えておる次第であります。大要は以上のようなわけであります。

本名武改進党

○本名委員 今の井上委員の質問に対する関連事項を一応お聞きします。いろいろ考えておられることはよくわかりました。実は指定預金の引揚げの問題ですけれども、たしか先月の委員会だつたと思いますが、銀行局長は今と同じようなことを言つておられた。その現実はきのう確かめたのですが、たとえば中小企業に最も関係の深い信用金庫の指定預金を予定通り先月も引揚げ、さらに今月も引揚げる通知が出ておる。そこで、預かつておる方だから弱いのかもしれませんが、その通りやろうとしております。引揚げに応じようとしておる。これが非常に問題なのでありまして、そういうことを考えておられないで、もうそろそろやらないと、十一月も過ぎ十二月になろうとしておるときに、そういつた零細業者を相手にしておる金融機関は、引揚げをされることによつて貸出しをずつと制限してしまう。この期に及んで貸出しを制限されるから、業者はもういやおうなしに参つてしまう。極端な言い方ですけれども、そういう現実がもうすでに起きておる。そこで、考えておられるではなくて、もつと具体的に、今月の分は引揚げないとか何とかいう通知を出されるような御計画はないのでありますか、ちよつと伺いたい。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野説明員 先ほど来申し上げました通り、時期及び金額等につきましては今検討いたしておりますが、そういう措置をとつて参ります。それでは今月末の分はどうするかという問題でありますが、これは今検討いたしておるわけであります。この引揚げを延期するか、新しく出す方がいいか、ことにこれは先般本名さんからもお話がありました冷害地に対する問題等も含めて、そういつた問題についてどちらがいいか、それから時期はいつからやつたらいいかということを考えまして、今検討いたしております。引揚げの参りますのは、まだ今月末と来月末と二つありますし、なお両方延ばす方がいいか、あるいは一方を揚げてさらに新規なものを出したらいいか、いろいろな方法があるかと思いますので、なるべくすみやかに結論を出したいと思つて鋭意今研究をいたしております。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 政府の年末金融対策は、特に中小金融の面に重点を置くというお話でございますが、今の政府資金の引揚げの問題にからみまして、一方政府が新しく資金的操作を、たとえば中小企業金融公庫なり、あるいはまた国民金融公庫等にいたします場合、せつかく政府から中小企業の年末金融対策として行われる資金の散布が、それを実際やつております当該の金融機関、特に市中金融機関は、今まで貸し付けておるのを一応引揚げまして、新しく政府から出て参ります資金を貸し付けるというやり方を最近とつておるようでございます。これらの点に一ついていろいろ調査されたことが一体ありますか。たとえば先般来問題になつております中小企業金融公庫の新しい店舗の委託業務が市中銀行に許されることになつたのですが、これらの銀行に割当てられた資金が、新しく貸出しを申し込んでも、もうすでに今まで取引されておる相手方に、つまりオーバー・ローンで貸し付けておるものを引揚げて来て、そうしてやむにやまれぬ、どうにもならぬというものを、政府から出ます資金でそちらに穴埋めしておる。だから新規に借りようとしても全然貸してもらうわくがない。極端な例でございますけれども、先般も加古川の方へ行つてみますと、加古川市に対してわずかに百五十万円のわくしか行つていない。そこでそれを受持つています当該代理店は、今まで取引しておるところへそれを割当ててしまつたら新しく貸し出すものは全然ない。一方当該地区から出ておる国会議員の方々は、中小企業金融公庫をつくつた、そしてこれは一年すえ置きで五箇年の年賦で行ける長期資金だから、ぜひ申し込んでくれといつて盛んに宣伝をする。行つたところがさつぱり貸してもらうわくがない。しかもその割当てられた百五十万円というわくは、すでに今まで取引しておる先に全部それが肩がわりに貸し付けられておつて、新規の貸付は新しいわくをもらわぬ限りはできぬ、こういうことに実はなつておる。こんなことをやつてもらつたのでは、ちつとも年末のほんとうに困つておる人に金を貸すことはできぬことになつてしまいます。こういう点について、もつとあなたの方で何か日本銀行その他に話をして、それらの肩がわり貸付というようなことをやめて、ほんとうに新規に申し込んで来る者に貸して行くというやり方を検討する必要がありはしないかと私は思いますが、どうお考えになりますか。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野説明員 御説の通りだと思います。中小企業金融公庫ができまして、その資金を貸す場合には新しくネツトにそれだけの金融疏通ということが起つて来なければならぬと思います。従いまして、私どもは各金融機関に対しても、中小公庫を通じて新しく中小公庫から出ました資金は、肩がわりに充ててはならぬ、新しい資金需要にそれを応じさせなければいかぬということで指導はいたして参つております。今後におきましても検査等で、そういう点も十分に注意はいたして参りたいと考えておりますが、何しろ具体的問題になりますと、なかなかこれはわかりにくい。一ぺん本来の貸付を返して、そしてまた新しく貸した。新しい資金需要に対して応じたという形をとられると、なかなかそこはむずかしい問題になつて来るので、銀行の経営者の良識とか良心ということにまたざるを得ない点がありますけれども、しかし私どもでそれがわかります範囲においては、そういうことをしてはならぬということで、今後とも厳重に指導いたして参りたいと考えております。なおお気づきの点がございましたら、具体的に申しつけていただけば、そういう点についてもし行き過ぎた点があれば、注意は具体的にいたしたいと考えております。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 いま一点、政府の散布超過資金を引き揚げるのを延期するというが、それを延期する具体的な金額、たとえば現在散布超過がどのくらいで、それをどういうぐあいに具体的に引揚げを延期するか、そうしてまた新しく資金のわくを増加するというが、それは一体どのくらいの金額を予想されておるのか。それからまた第三の政府金融機関に預金部運用資金をできるだけまわすようにするというのは、まわすだけの金が一体預金部運用資金にあるのかどうか、これも問題です。だから抽象的でなしに、具体的のことを御説明願えたら承りたいと思います。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野説明員 これも実は先ほど申し上げました通り、現在どの程度の金額を、指定預金について申し上げれば、新規に預託すべきか、あるいは引揚げを延期すべきかという点につきまして、目下検討を加えておる最中でございます。なるべく早くきめたいと思つておりますが、もう一週間程度もたてば、大体の結論が出るのじやないかと考えております。それから預金部資金から国民金融公庫に出します資金は、先般来当委員会でもいろいろ御要望もございましたが、その際申し上げました通り、十億以上二十億の間で、できるだけ多額ということを考えております。それから中小金融公庫につきましては、これは預金部資金の資金繰りの状況から、あるいは預金部からは出す余裕がないかもしれませんが、この点につきまして、万一預金部からその金を出すだけの余裕がない場合におきましては、別途の方策を講じたいと考えております。具体的には現在まだ、これは必ずしもいい方法じやございません、資金運用部からの資金が出ればそれが一番いいと思いますので、できるだけそれを第一の方法にしたいと思いますが、方法としては、現に中小金融公庫が発足いたしますまでの間に、あるいは災害関係その他で、中小企業関係に開発銀行がかわつて融資をいたしたものがある。これを中小公庫ができました後におきましては、あの法律によりまして、これを中小公庫が買い取ることになつております。買い取るということはどういうことかというと、中小公庫の資金の中から現金を払つて、その債権を引取る、こういう仕組みになつておるのであります。開発銀行自体も、資金繰りは必ずしも余裕はあるわけではございませんが、中小金融の緊急性にかんがみまして、場合によりましたらその現金で買い取る部分の一部を来年度に延ばす。そうして本年度としては、それだけの現金を開発銀行に返さないで済ませるといつたような措置も、一つの考えであろうというふうに考えております。それはまだ、今申し上げましたように、必ずしもいい方法じやございませんので、できるだけ資金運用部からそういう資金の調達をいたしたいと考えております。できません場合には、そういうことも考えられる、こういうことであります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 いま一点伺つておきたいのは、資金運用部の資金に関連をしてでありますけれども、この前の国会に、政府が農業共済保険の支払いに充てるために、たしか百三十億でしたか、最初予算化して参りましたが、そのうち四十五億が冷害対策費として編成がえになりました。そこで百三十億の農業共済保険の支払い財源に充てる金は、当局から聞いてみますと、一部は関東から東北、北海道の冷害地帯に対する保険金の本払いに充てる資金、それから中部から関西へかけての仮払いに充てる資金、両方合して百三十億というのが大体予算化されておつたらしい。ところがそれが四十五億削られましたために、東日本から東北にかけての冷害地帯の保険金の支払いにも事欠けば、関西地帯の全体の、この十二月から始まります仮払いの資金が全然目途がつかない。預金部の資金は全然まわすわけには行かない、こういうことになりまして、そこで追究いたしました結果は、農林中金の自己資金を一時借りる、こういうお話です。ところが農林中金の金利は非常に高い、高いというとぐあいが悪いのですけれども、この資金を借りるということになるが、これが一体借りるだけの余裕がありやいなや。それからまたそれを借りるとすれば、金利的な対策はどうするかということについて打合せがありましたか、それを伺いたい。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野説明員 必ずしも私の所管だけの問題でもないのでありますが、この問題はお話のように、当初百三十億予算上の措置をいたしたいということでやつておりましたが、四十五億削られたわけであります。これをどういうふうに措置をいたしますか、これは元来百三十億といいましても、実はまだどの程度に資金がいるかよくわからないのです。まあかりにそれが百三十億いるとすれば、四十五億を何らかの方法で調達しなければならぬ。しかも現在資金運用部資金の金繰りの状況から申しますと、これはなかなか困難だと思います。しからばどういう措置をとるかということになりますと、やはりこの問題は農林中金から一時つなぐことがどうしても必要である。これは御承知のようにいいことじやございませんが、前例もあるわけであります。昨年もそういう措置をとつたのであります。従いましてその前例に従つて、そういう措置をとることも考えなければならぬものと考えております。金利その他も前例もございますから、前例によつて行きたいと考えております。なお農林中金自体も、最近の災害関係のいろいろな金融措置のために、非常に金繰りがきゆうくつになつておりますので、そういつた場合の資金が資金上非常に困るというような場合におきましては、政府の余裕余等につきまして、これを調達するかどうかにつきまして、やはり考えて参らなければならぬかと思つております。これは今後の推移を見た上で考えて参りたいと考えております。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 いま一点、政府金融機関の金利ですが、これがこの間の災害のつなぎ資金を出してもらいました場合において、たとえば今問題になりました農林中金の資金を一時借ります場合と、市中銀行から借ります場合と、末端におきましては事実上政府機関の金利の方が非常に高いのですね。これは政府資金が出ますまでの一時の措置として、大阪府が先般災害による応急処置をやらなければならぬので、府が政府の方針がきまるまで一時暫定的に農林中金からの資金を借ろうとして、八億円のつなぎ資金を一応借ることにいたしまして、これで末端には貸し付けることにいたしたのでありますが、確かに私の記憶いたしますのには、農林中金の金は一割一分ぐらいで、市中銀行から借りれば九分五厘で借りられるというくらいの開きが出ておる。これは中間の取扱い手数料というものが高過ぎますので、そこの点銀行局としてももつと検討を加えてみて、実際市中銀行が九分五厘で行つているものが、片一方は一割一分もつくというような、そんなばかな話はありませんから、政府機関はもつと安くなければいかぬものが、政府機関の方が高いという非難が出ておりますので、この点に対して、もう少し各金融機関から実際に借ろうとした場合の金利について御検討をひとつ願いたい、こう私は考えます。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野説明員 今の例は、私も調べてみませんと何とも申し上げられませんが、ただ井上さんも御承知のように、農林中金は実は政府機関ではないのであります。これは農林中金の末端における貸出金利が相当高くなるという点もありますが、この点は農林系統のあのいわゆる三段制といつたような問題にもいろいろ関連があるわけで、つまり中金から信連、単協とこの三つの段階を踏んでいる間にやつぱりさやというものがいろいろ出て来たりする関係で、なかなかむずかしい問題があります。これは機構全体の問題として十分検討いたさなければなりませんので、そんなに非常に違つているとは思いませんけれども、必ずしもそう農林中金の金利が当然に安くなければいかぬということにはなかなかならぬという点だけは御了承いただきたいと思います。

淺香忠雄自由党

○淺香委員 年末になりますと、中小企業に対する金融問題がいつも問題になるのでありますが、今本名並びに井委員からいろいろ御質問がありまして、それに対する局長の答弁がありました。お答えの中で、指定預金の操作、引揚げの延期、あるいは新しく指定預金をする、あるいはまた下請企業に対する金融等に対する協力、あるいは政府機関、国民金融公庫等の問題、あるいは中小企業金融公庫に対する資金上の不足のないようにする、いろいろと御意見を聞きましたが、これは年末といいましても、すでに今日あたりから年末じやないかと思うのです。いろいろ御計画なりお考えの点は伺つていささか意を強うするのでありますが、これは一つ局長さん、連絡会議でもお開きになつて、皆様方御関係者で急速に今おつしやつたことにとにかく踏み込んで具体化してもらうことについて、特に要望を申し上げまして、質問にかえる次第でございます。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 他に御質疑がないようですから、本日はこの程度にとどめたいと思います。  次会は十八日の午前十時から理事会を開きまして、十時半から本委員会を開くことにいたします。     午後零時五十五分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗