厚生委員会 第2号
- 発言数
- 76 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1953/11/02
会議録
○小島委員長 これより会議を開きます。 まず小委員会設置の件及び小委員、小委員長選任の件についてお諮りいたします。当委員会に小委員十名よりなる医療金融に関する小委員会を設置することとし、小委員並びに小委員長の選任に関しましては委員長より指名するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小島委員長 御異議なしと認め、そのように決します。よつて小委員には 青柳 一郎君 加藤 鐐造君 助川 良平君 高橋 等君 松永 仏骨君 古屋 菊男君 山下 春江君 柳田 秀一君 岡 良一君 亘 四郎君 以上の諸君を指名し、小委員長には青柳一郎君を指名いたします。 —————————————
○小島委員長 次に今次水害、冷害に関する厚生省関係予算について当局より説明を聴取することといたします。 まず予算全般について会計課長より説明を聴取し、希望がありましたならばこれについての発言を順次許可いたしたいと存じますから御了承願います。それではまず堀岡会計課長より説明を聴取いたします。
○堀岡説明員 お手元へ配付いたいしました印刷物によりまして今次の冷災害による厚生省関係の予算の概要を御説明申し上げたいと思います。 まず第一番に生活保護費でございまするが、今般の冷害によりまして、五万生活保護を受ける対象者がふえるであろうという想定で、七億円を計上した次第でございます。 それから2の水道関係でございますが、以下全部災害関係でございますが、十三号までの台風を含めまして、上下水道の復旧費として一億五千万円。それから簡易水道につきましては、災害特別措置法に基きました分として四億八千万円、それから既設の分の補修が二千万円、合計五億円を計上いたしたのであります。箇所数はお手元に配付した摘要欄に記載しておきましたので、便宜ごらんを願いたいと思います。 それから、同じく伝染病の方につきましても、措置法に関するものでございますが、伝染病の予防費、これは府県なり市町村なりの精算関係になりますが、二億円を計上し、それから伝染病院の被害が相当ありまして、その(B)と書いてありますところの内訳に統合新設分とあるのは、こわれてしまいまして、むしろ二、三の町村の分をまとめてつくつた方がよろしいという見地から、ひとつ統合新設をしたい、それか十四箇所。それから既設の分の復旧補修が三十七箇所の合計二千八百七十六万五千円でございます。 それから4の事項として環境衛生関係。これも公衆衛生の方に関する特別措置法に基くものでございますが、(A)屎尿処理及び復旧、その処理費の千五百万円は応急の際における処理費でございます。それから施設費は公衆便所等の公共的なものの復旧費であります。それから(B)の塵芥焼却場、(C)の火葬場等、これはいずれもそれらの施設の災害復旧に要する費用を計上いたしたのであります。 それから5、6は厚生省所管の国立病院及び国立療養所の災害による破損の復旧でございます。 それから次のページをめくつていただきまして、七番の社会福祉施設、八番の児童福祉施設、いずれも今次の災害における特別措置法に基く各種施設の復旧費でございます。施設の種類及びその箇所数等は摘要欄に記載してございますので、ごらんを願いたいと思います。それから九番の母子福祉貸付金は、これは特別措置法に基くものでございまして、これに関します限りは、先般来国会の委員県会におきましてお話申し上げておりまして、一部法律改正を今次国会に提出して、それを前提として金額を積算いたしたのでございます。それから十番の国民健康保険貸付及び補助金、これも特別措置法に基くものでございまして、御案内のごとく保険料並びに一部負担金の減免がありました場合の八割を貸付金、二割を補助金として保健所に貸付または交付する。その経費一億二千八百万円でございます。 それから十一番の災害救助費でございますが、この欄に記載してあります四億九千八百九十四万八千円という数字は、これはその摘要欄に記載しておきました通り、すでに予備金において十九億二千九百万何がしという金額を支出済みでございます。ところがこれは御案内のごとく市町村と府県とちようど精算いたしますので、この精算の不足分として四億九千八百九十四万八千円を予定しているのでございます。これは地方庁の精算書が正確に出ましたならば、その上でこれを交付するということでございます。 それから十二番には、その他こまごまとした、保健所とか公立の結核療養所の復旧とか婦人保護施設、公益質屋、検疫所、それから佐世保地方復員残務処理部の復旧とか、京都御苑の復旧費、それらに関係しますところの本省の事務費百八十三万円を計上いたしたのであります。 それから次のページをめくつていただきまして、十三番の事項に、前段ちよつと申し上げました予備費の使用でございますが、すでに支出済みの予備費十九億三千百二十二万三千円、その大部分はその記載の通り災害救助費でございます。なお検疫所の復旧に急を要するものがございましたので、百五十一万九千円を計上するという予定で使用するということにいたしたのでございます。以上合計が四十三億九千五百四万五千円という数字になります。 以上は今次の災害における厚生省関係の予算としての今回大わくとして決定をみたものでありますが、復旧工事につきましては年度区分をいたしまして、なお二十八年度の中でも一部は予備金をもつて支出ということにいたしたのであります。それぞれの事項別の年度割内訳をそこに記載いたしたのであります。なお全部を二年度に割つているのではございませんで、軽微な分につきましては本年度において実施する。たとえば冒頭にございますのは国立公園、これは京都の御苑の経費なのでございますが、十五万円は本年度をもつて実施する。事項別にそれぞれ記載してございますが、たとえば十一番の簡易水道復旧に必要な経費は五億円でございますが、新設四億八千万円につきましては二十八年度と二十九年度に半分ずつわける。二十八年度は、そのうち二億二千万円を今次補正予算で計上し、二千万円は予備費から支出する、こういう予定で今次の補正予算に十五億円余りを計上いたしたのであります。 お手元に配付いたしましたプリントの最後のページをお開き願いたいのでありますが、総計で一応御説明申し上げますが、先ほど申しました全体の四十三億何がしの金を二十八年度、二十九年度に割りまして、そのうち今次補正予算に計上いたしましたのは十五億三十六万五千円、こういう数字でございます。 それからこれから新らしく本年度内に予備費の支出を見込まれておりますのが一億円であります。すでに支出しました十九億何がしと合せて予備費から支出するものが二十億三千百二十二万円であります。翌二十九年度におきましては、災害復旧費の継続費として八億六千三百四十五万何がしという金を計上しております。こういう予定でいる次第であります。 非常にざつくばらんな説明でありますが、以上概要を御説明申し上げました。
○小島委員長 ただいまの説明について発言の通告がありますので、これを許可いたします。柳田君。
○柳田委員 第一の生活保護費に関してちよつと伺いますが、これの摘要に「冷害による増加」となつておりますが、これは冷害だけですか。水害、風水害はどうですか。
○堀岡説明員 これは冷害による財源不足分のみを計上いたしたのであります。お尋ねの中にございました前の風水害の分でございますが、これは既定予算をもつて一応何とかやりくりするというわけで、すでにもうしたわけであります。今後年度末まで大体七億円生活保護費としては不足するだろう、主としてこれは冷害によつてとこう御承知願います。
○柳田委員 すると災害の分は従来の既定予算内でまかなえるというお見通しでございますか。
○堀岡説明員 生活保護費の予算が一応事務費でありますので、足らなければ当然予備費から地方庁に渡さなければなりません。それで見積りにおきましても当初いろいろなことをあれやこれやと縦横いろいろ計算するわけであります。その間必ず予算の見積りと実際の場合は若干の食違いが起りますが、大体災害の際における生活保護費の増の分につきましては何とかやりくりできるという実情でございます。
○柳田委員 どうもその点私にはのみ込めぬのですが、災害に関しても当然増加があるはずである。冷害にあるならば当然災害にもある。災害の方で従来の既定予算をずいぶん食うから、あとからの冷害に対して当然生活保護が加わつて来るので足らぬからふやす。こういうふうに解釈すると、例外なしに冷災害ということになりますが、どうもその点もう一つわからぬのでありますが、ここでひとつお尋ねいたしますが、実はこういう問題なんです。このたびの水害を大きく見ますと、平野型、それから山間渓谷型と、こういうふうに大別してわけられる。その中間もありますが、そこで特に私の申し上げるのは山間渓谷型なんですが、こういうところに非常に多量の豪雨がありまして、山から山の谷が全部川になつて、そうして耕地というものは全部瓦礫になつた。冷害は、来年もしも非常に日照時間が多くなれば、これはあるいは豊作になるかもしれません。ところがそういうような山間渓谷型の見るからに満面瓦礫となつたところは表土がなくなつて、おる。それから耕地は全部瓦礫なんです。ブルドーザーなんか入るにもそういう山間渓谷はなかなか入らない。人力をもつてしては、とうてい五年や十年では耕地が復旧し得ないというところがある。あるいは炭焼を業者が炭焼き小屋を流された、あるいは炭がまを流された、こういうようなところでは、当然この転落農家というものは、生活保護法で見てやらなければ見てやるところがなくなつて来るだろう。ところが従来の生活保護法によりますと、農家なんかはやはり山林を持ち、田畑を持つておると、そういう財産があるために生活保護法の対象にならない。ところが実際にそういうような山林がありましても。林道は全部つぶされ、府県道までやられてしまうということになりますと、山があつても山なきにひとしい、あるいはまた農地がありましても、農地が今申しましたように全部瓦礫になりますと、農地の価値なんというものは全然なくなり、売るにも売れない、物をつくるにもつくれない、こういうところには、このたびの災害特例法によりまして、三分五厘の利子で十五万円限度の営農資金が出ておりまするが、もしもこういう点に関して生活保護なんかで見なければ、営農資金はあげて全部生活資金になる危険が過去の実績に徴しても多分にあるわけです。そういう際に、こういう転落農家は現在の飯米にも事欠いておる。しかも現金収入が全然なくなつた転落農家というものは、当然生活保護法で見てやらなければ見てやる法がない。これは単に山林を持つておる、土地を持つておる、たんぼを持つておる。そのために生活保護法の対象からはずれることになつて来ますと、農家はほんとうに救われる道がないわけです。そういう点に関しましては、厚生省当局ではそういうものを生活保護法の対象に入れるかどうか、そういう点をひとつ……。
○堀岡説明員 生活保護法の適用につきましては、新たに基準をかえるということは現在は考えておりません。しかしながらお話のような点はごもつともな話であります。だからといつて家も売つちまえ、畑も売つちまえという酷な扱いをするというつもりはありません。
○柳田委員 そうなりますと、今申しましたような転落農家に対しては、ただちに法的の改正にまでは行かないが、実際の行政措置として血もあり、涙もあるような措置をとる、かように解釈してよろしゆうございますか。
○堀岡説明員 法律のことでございますので、どの程度まで血か涙かわかりませんけれども、実情に即するように、そういうあまり非常識なことはやるつもりはありません。
○柳田委員 くどいようでありますが、これは非常に大事な問題でありまして、ここでこの農家を救わなければ、これは災害委員会においても問題になりましたが、農村から革命が起きる。共産党の最もよき温床となり得る危険が多分にあるわけです。従つて今の点は非常に大事な点でありますから、そういうような御趣旨ならそういう御趣旨を福祉事務所なりに令達されて、それが徹底されるように了承してよろしゆうございますか。
○堀岡説明員 ただいまの点、主管局長とよく御相談いたしまして、適当に善処するようにいたしたいと思います。
○柳田委員 この点は次の厚生委員会までにぜひ大臣にも十分にその意のあるところをお伝え願つて、はつきりした厚生省の御見解をいただきたい。実は幾多の被害農家に対する救済措置は特例法でも出ておりますが、この転落した農家はこういう生活保護法で救わなければほかに救う道が実際にないのです。たとえば十五万の営農資金を与えたところで、これは営農資金になりません。とにかくこれは生活保護法で取上げるということが先決問題です。すでに厚生省においてもこのくらいのことは実情に即して省議が確定しておらなければならぬ段階だと私は思うのでありますが、今これをあなたに伺つて、それからまたそれぞれ所管の局長なり課長から御答弁願いますが、その点ひとつはつきりした解釈をいただきたい。 なおそれに関連しまして、これもきようここで尋ねるのもこれまた主管外として逃げられますが、これも大事なことでありますから、この機会にお尋ねしておきますが、従来生活保護法によるところの地方自治体の負担分は、その地方自治体の負担に応じて特別平衡交付金なり平衡交付金で算定されておつた。ところが先般の地方自治法でしたか、平衡交付金法でしたか何かの改正によりまして、人口割になつたわけです。これはまさに悪平等の典型的なものでありまして、例をとつていうならば、阪神地方の芦屋においても鎌倉においても、あるいは函館のごとく樺太からの引揚げを受けて第一次収容地になつて、そういう人が定着しておるような、人口比率と生活保護法の人口比率において、生活保護法の人口比率の非常に大きいところも、すべて人口割によつて生活保護法に対するものが平衡交付金で見られておる。これほど悪平等のはなはだしいものはないのであります。こういうものは従来のようにその町の生活保護法の該当者と人口との比率に応じて、それは平衡交付金において特別に見られるのが筋道でありますが、現在のような悪平等では非常に困る。先般私は青柳先生と古屋さんのお供をして函館に参つたのでありますが、函館の市長からもその点は陳情を受けた。これは私はもつともだと思う。この点は今局長も来られたからもう一度繰返しますが、非常に大事な点であります。現に私のところを申して恐縮でありますが、私の調べによりますと、全国平均は千人に対して生活保護法の該当者は二十三人、ところが私の舞鶴市におきましては五五・二なんです。これはどういうことかと言いますと、旧軍港によつて従来の業を維持して来たところの市民が、軍港がなくなつて自分たちの生活の根拠を奪われたということが一つ、それからソビエトあるいは中国から帰つて来ました者がそれぞれ定着して行きますが、最初の土地でたいへん親切にしていただいたというのでまた舞いもどつて来る。好まざる客まで市民というなら市民という言葉に非常に語弊がありますが、最初に上陸地で親切にしてもらつたので、またもどつて来る。そういうものがみな生活保護の対象者になつておるので、人口割に見ると、生活保護の対象者の比率は全国の倍以上である。それが裕福な土地と同様に平衡交付金であてがわれる、これは悪平等の非常に典型的なものであると思うのであります。従つてそういう生活保護法に対する費用の平衡交付金に見られる割合は、実際人口と生活保護法の該当者の人口割というものから算定されるのが正しいと思うのであります。これに対して厚生省はどういうふうにお考えになつておられますか。
○安田政府委員 平衡交付金の算定の基礎でありますけれども、基本財政需要に対しまして一つ一つ具体的に適当した数字をとるということはなかなかむずかしいものでございますから、舞鶴市あたりでは仰せのような数字をとつておるのだろうと思います。なお自治庁ともよく相談してみたいと思います。
○柳田委員 これは算定の基礎が不確実と言われますけれども、過去三年くらいの実績を見ればすぐわかることでありまして、基礎が不確実だ、そんなことはあり得ぬと思います。これは過去三年のデータをとればすぐわかることであつて、それでもつて十分やれると思つております。 厚生大臣がお見えになりましたのでもう一ぺん話を元へもどしますが、ひとつ大臣に聞いていただきたいのです。このたびの水害で農家が非常に転落いたしました。谷あいは全部川になりまして、耕地は全部失つてしまつた、ほんとうに一面の川底になつております。そういう農家はもう全然収入の道がございません。冷害と比較すると悪いのでありますけれども、冷害はあるいは来年は豊穰の秋が来るかもしれないが、そういう農家ではここ五年たつても十年たつても再び実りの秋が来るかどうか疑問だと思う。実に涙なくしては見られぬようなところを見て来たのですが、そういう転落農家に対しては生活保護法の対象にすべし、こういうことを私は主張するのです。従来農家は山を持ち田を持つておるために生活保護法の対象にならない。ところが、その田もそういうように何ら財産価値のない田なんです。そういう農家に対しては生活保護法で救済する以外に道がない。特例法によりますと営農資金等の救済の道もありますけれども、そういう道で救つていただいても、営農資金はすぐ生活資金になつてしまつて営農資金になりません。従つて生活保護法の法的の改正をするなりしてでも、こういう転落農家は生活保護法で救う以外に道はない、こう私は言つているのであります。しかも現在の法的の根拠ではただちにそれをするわけに行かないということで、上司ともよく相談してという今の御説明であるが、こういう問題はすでに省議御一決になつておるはずだと思つておりますので、ひとつ大臣の御見解を伺います。
○山縣国務大臣 私御質問の趣旨をとり違えておりましたら御指摘を願いましてまた訂正いたしますが、生活保護の基準をかえてでも今回の風水害等の転落農家を救つたらどうかという御質問でございますか。
○柳田委員 そうです。
○山縣国務大臣 一応ごもつともであり、実情はさような事態もあろうと思います。通り一ぺんの答弁のようになつて恐縮でありますけれども、生活保護法は一応例の原則によつてやつておりますので、転落農家だけに基準をかえるということではなくして、たとえば、ことに農家などにつきましては、自分の所有しておる田畑を売るとか何かした後でなければ、そういうものを処分できるじやないかというふうなことで、従来いろいろ問題があつたのでございますが、そういうことについては、できるだけ基準をかえるということではなくて、認定の問題として農家としてはどうしても土地もいることでありますから、そういうものを売つた後にはだかになつたら生活保護の対象するというところにまで持つて行かないで、できるだけ法律の許す範囲においてそれらを生活保護法の対象にするというぐあいにしたらどうか、この間からそういう点につきましていろいろと研究いたしておるのでありますが、ただちに転落農家だけに基準の改訂をいたしてというところまではまだ考えておりません。しかし転落農家に特有な事情もありますし、今申しましたような点もいろいろ考慮する、またこれらの転落農家に対してはその他の方策によつていろいろ救い得る道もありますから、一応生活保護法といたしましては、事情の許す範囲でいろいろな事情を考慮しつつやる、特別な基準あるいは改訂等はただいまのところでは考えておりません。 なお、北海道、東北その他二十県近くの地には相当冷害のある事実はありますが、どの程度の、またどういう様相の冷害かという点につきましては、たとえば生活保護の予算を立てます際にも、報告等がまだ思うように集まつておりませんので、的確な事態をつかむのに農林省といえどもまだ困難を来しておる。従つて、厚生省としてもそれらに基いていろいろ算定いたすにも非常な困難を感じたのでありますが、実態がわかるに従つて、あるいはまた今予想せざる方策をとる必要があるかとも思いますが、これらは十分考慮して善処いたすつもりであります。
○柳田委員 それでは一つ問題を出しますが、水害で耕地が全部瓦礫になつてしまつた。従つて、田畑というのは、過去の土地台帳、財産目録に載つておるのが田畑であつて、現在は川底であります。われわれが視察に行きましたときは、道は全部落ちておりますので、ジープを昔の美田の上を走らせておるのです。そうしなければ奥に行けません。そういうふうに現在は川底になつておるのです。そういう所は売るにも売れません、また買う人間も絶対ありません。川底を買う者は一人もありません。そういう実情なんです。こういう所は、今までの解釈にかかわらず生活保護を与えて救わなければ救う道がない。これは冷害の問題と違つて現実にそうなつておるのでありまして、ここにともども視察に行かれた中野委員もおられますし、堤委員も災害地視察に行かれたのですから、あとで補足していただこうと思いますが、そういう所は生活保護法で救う以外に方法がない。これは追つて実情調査するとかそんな問題でなしに、もう目で見ていただけばわかる。目で見るだけの余裕がなければ写真を見てでもすぐわかることでありますから、この点だけなりとも、法的には何らかの支障があつても、実際の措置としては生活保護法で見てやるという親心を厚生省でお示し願いたい、こう思つておりますので、大臣あるいはその所管の局長からでもひとつお答え願いたい。
○山縣国務大臣 田畑が流れて瓦礫に帰しておる、従つてその農家が生活に困つて生活保護法の対象になる際においては、これは当然生活保護法によつてやることであつて、法律の改訂を要しません。御承知のように、生活保護の原則によつて、理由のいかんにかかわらず最低の生存権を擁護するための生活保護法でありますから、これの基準を上げる上げぬにかかわらず、生活に困窮いたす際におきましてはただちに生活保護法を適用して救済いたす。ただ、おそらく仰せの点はさような際においてなかなか渋つて生活保護法の対象にせぬという御懸念の問題であろうと思いますが、これは運用の問題でありますから、今後善処いたして参りたいと思います。
○小島委員長 長谷川保君。
○長谷川委員 ただいま私途中から参りましたので、あるいはこの点当局から十分な御説明があつたかも知れませんけれども、ただいま配布されました予算調の書類の中の母子福祉貸付金、及び国民健康保険貸付及補助金に関する項であります。これは特別措置法の建前から申しまして多分水害に関することであるのでありますが、さよう考えてよろしゆうございますか。
○堀岡説明員 本予算に計上いたしましたのは、例の特別措置法を十三号台風の被害までに延長するという前提のもとに計算いたしたものでございます。
○長谷川委員 そういたしますと、ただいまの大臣の生活保護に関する御説明にもありましたが、東北、北海道その他の冷害地が相当深刻なる様相を呈しておつて、すでに娘売りというようなこともぽつぽつ始まるように聞いておるのでありますか。この冷害地に対しましても、同様の母子福祉の貸付金、国民健康保険の貸付の補助に対しまする施策というものは、ただいま大臣のおつしやいましたような意味におきまして、様子を見た上でするというのでありましようか。これに対しまする特別な措置をしようとする意思が、政府当局にございますかどうか、それを承りたい。
○山縣国務大臣 実はこの問題は、単に母子福祉あるいは国民健康保険の助成に関する問題だけでございませんで、おそらく他の特例法が出ておりますが、それらあるいはその他の問題にも関連する問題であります。実は私も、もちろん御指摘するまでもなく、この点をどうするのがいいかということも考えておるのでありますが、これは政府全体としても、また冷害対策全体としての問題ともにらみ合せて、今後考慮さるべき問題だと思うのであります。御承知の通り今回の補正予算では、そういうものにつきましては一応風水害のあの特例法を第十三号台風まで延長するという措置だけをとつておりまして、冷害につきましては主として農林行政を中心にいたしました冷害対策をとつております。そんなふうでこの問題につきましては一連の全般に共通の問題でありますので、今後政府としてもそういう問題を十分に考慮して対処すべき施策を研究いたしたい、かように考えております。
○長谷川(保)委員 そういたしますと、今後の調査のいかんによりましては、この水害地と同様のこれらの点につきまして措置をとる、こういうお考えと解釈してよろしゆうございましようか。
○山縣国務大臣 その点につきましては、とるべきかどうか、あるいはその他の方法によるか、あるいはまた従来の既定予算等の措置によつてできるかどうか研究をいたして善処いたしたいと思います。
○山下(春)委員 今長谷川委員から御質問がありました母子福祉金貸付の件でございますが、六、七月に対しては臨時措置が講じられておりますが、あれとまつたく同様な条件を冷害地にぜひとも準用していただきたいということを、私も強く要望するものであります。実は一つの村で十五人も娘が流れている実例があるのでありますが、それが大体母子家庭が多いようでございますので、その実情は私がここで申し上げなくとも御承知の通りでありますが、六、七月の水害地域に行われました母子福祉に対する臨時措置法を冷害地にもぜひとも適用していただきたいとお願いするものであります。ぜひともその点で大臣にひとつ奮発していただきたいと思います。 —————————————
○小島委員長 それでは次に戦傷病者戦没者遺族等援護法の施行状況等に関し、委員より発言を求められておりますので、これを許可いたします。なお委員の発言の事前に政府側から何か説明しておきたいことがありましたら、御発言願いたいと思います。
○中野委員 短期国会のことで、しかも委員会が重複しておりますから、お尋ねしたいことは各委員ともたくさんあろうと思いますが、重点的にまず厚生大臣に伺いたいと思うのです。 厚生大臣は、先月か先々月関西に行かれたときの車中談で、公務死以外の人々にも年末までには三万円ないし五万円を何とかして家族の人たちにやりたいという意見を述べておられます。また去る八月の二十九日の朝日新聞には、厚生省の意見として、公務死外の人々にやはり三万円ないし五万円の金をば交付したいということを明らかにしておりますが、これに対する予算的処置が一向見当つて参りませんが、この車中談における厚生大臣の発表は、現在十万人を算するところの公務死外の遺族の人々に三万円ないし五万円の金をやるというのか。やるというなれば、その予算的処置はどういうふうに取扱うか、これをまず伺いたいのです。さらにある新聞においては、審査中のものという言葉がはさんでありました。審査中ということになれば、その数は非常に厖大なものに相当するものでありますが、この点に対する厚生大臣の答弁を求めたいと思います。
○山縣国務大臣 ただいま私の車中談に基いての御質問でございましたが、車中談と申しますのはおそらく出張先の新聞記者の質問に答えての話だと私記憶いたしておりますが、どういうふうに新聞に載りましたか、私も旅行中でありまして、こちらの新聞を読んでおりませんから承知いたしませんが、私の気持を申し上げてお答えにかえたいと思うことは、昨年ちようど今ごろ私が就任いたしました際に、弔慰金の裁定交付が非常に遅れておりまして、御承知の通りの事情で、その後各位の御協力も得て、現在におきましては大体百九十数万件のうち、百八十数万件が裁定になつておりまして、あと六、七万件が未裁定であります。その際に、この未裁定のうちで手続が遅れておるとかなんとかいうことよりもむしろ公務障害の認定にいろいろ問題があつて、村等においても、隣の家には弔慰金が渡つたけれども、自分の家にはまだ来ない。しかも同じ所で同じように死んでも来ないというようなことが随所にありまして、こういう問題は技術的に言えばいろいろ問題があるけれども、今回の戦争の特異性から見ても、また現在の国民感情から見ても何とかしてこの問題を解決したい。なおまた現在申達にならないもののほかにも、いわゆる公務障害という認定のいかんによつて、遺家族から見ればこれは同じようにもらつてもいいと思い込んでおつて、しかも弔慰金が下らない。こういうような状態を終戦後八、九年を経て、なおかつほうはいとした国民感情の中に捨て置くことはどうであろうかという意味で、何とかしてこれを解決したい。しかし援護法は恩給法の暫定措置としてきたものでありますから、どうしても従来の恩給法の裁定のあの方針に一応よらざるを得ない。そうなつて来ますと、公務という、この概念、この基準は弔慰金を出すにいたしましても、年金を出すにいたしましても、これはやはり貴重な国費、従つて国民の膏血をしぼつた税金で払うのでありますから、その裁定にあたつては、一応法律に基いた手続あるいは裁定をしなくちやいかぬ。それで実は現在の法律をかえなくても、何か公務障害の認定にあたつて、できる限り網を広くかけることはできないか。これを原局で研究してもらいたいということはかねて私も原局に申しておることであります。しかしそれでもやはり恩給法につながつた援護法といたしましては、そうみだりにすることもできない。そうすると、いわゆる法律上の公務以外のものであつても、先般の戦争また現在の社会情勢から見ても、また遺家族の立場から見ても、何らかの公務に準ずるようなもので、ことに戦地において死亡した——従来自殺等については公務障害の認定が困難なために弔慰金が渡らない、あるいは年金が渡らないという方もあります。そういういわゆる公務に準ずるものをここに拾つて、かりにこれが五万円でなくても、三万円の弔慰金でもいいから、ここに国民の感情に訴える道がないかということの研究を実は援護局に命じております。これは御承知の通り本年度の予算にも計上しておりませんし、今回の災害予算にももちろん乗せておりませんが、今後大蔵省と折衝を続けて、何とかこれを実現するように厚生省としても持つて行きたいという熱意に実は燃えておる次第でございまして、従つて仰せのように予算措置はきまつておりませんし、また大蔵省との折衝も確定いたしたわけではありませんけれども、こういうふうな問題はただ大蔵省とかあるいは、その他をまつてできるものではなくして、やはりそれを扱つておりまする省が熱意に燃えて、そうして推進をして、あらゆる機会に国民の支持を得、あるいは閣内あるいは国会の協力を得て推進をして、初めてできることでありますから、そういう意味において閣内あるいはその他においても御協力を求める意味において、先般の引揚委員会においても御質問に答えたような次第であります。さような意味において、たまたま質問に答えました私の気持はそういうふうなことでありまして、予算的な措置は従つてまだとれておりませんが、今後ぜひそれを実現するように最大の努力を払いたいという気持を持つておる次第であります。
○中野委員 同じ赤紙一本で召集をされて、そうして病気のいかんによつてはこれが公務死となる、あるいは公務死とならぬという認定によつて、社会的に相当苦しんでおる家族のあることは、いまさら論をまたないところであります。またこのことについてここで重ねて申し上げようとは考えません。しかし今山県さんがたいへん御心配になると同じように、国家民族のために尊い犠牲となられた人々の御遺族に対して、お前は病気が違つたからいけないとか、お前は死に場所が悪かつたからいけないということでそれを区別すること自体が、私は根本的に間違いだと思います。しかしながら一応恩給法なり援護法で定められておることでありますから、私らはこれの改正に対して全力を尽しておつたのです。たまたま厚生大臣のいわゆる車中談によりますれば、ただいま申し上げたように公務死以外のものでも年末までに三万円ないしは五万円の金を与えるということが新聞発表になりましたから、公務死以外の遺族の人々はたいへん大きな期待を持つておるのです。山県厚生大臣に対しては、今日ではまことに神か仏のような感じを持つておるのです。もし万が一これを年末までに実施しないようなことがあれば、それこそたいへんな問題であると思う。ですから私はまだ予算委員会のお忙しいところであるがおいでを願つたのです。そこで年末というと間もなく迫つておるのですが、おそらく災害予算でなくとも、二十九年度の予算に計上せずといえども、財源を新たに求めなくても、私は幾らか厚生省の残の方面に、これを処理する万の何かがあるのではないかと考えるのですが、そういうような見通しのもとにおつしやつたのではないでしようか。それからそうであるかないかは別といたしまして、年末までにという言葉か入つておるのですから、たとい三万円なり五万円のものをば、現在未裁定のもの——すなわち公務死以外のものも含むかもしれません。未裁定のものに対して年末までに交付される意思が現在おありになるでしようか、どうですか。
○山縣国務大臣 年末までにというお話がございましたが、これはそう厳格な意味でおとり願うと——私は年末までにといわず、きようにでも何とかして実現するようなふうにしたいという気持は持つております。しかし私は年末までにというふうに厳格に申したことはございません。これはできるだけ早くこういうことを実現するように大蔵省とも折衝したいと思つて研究しておるということを申したのであつて、年末までに必ず実現するとか、年末までにどうこうとかいうことは、公式の立場では申すはずがないのです。しかしかような弔慰金あるいは年金の問題に関しまして、私は形式一片の答弁をいまだかつてしたこともなければ、またする意思もありません。誠心誠意この問題に対して努力をいたしたいと思つておりますが、しかし公式の席の言葉といたしましては、年末までにそれを出す、従つて云々というようなことを申したことはありません。しかしこれはそういう言葉の問題に限らず、先ほど申しましたような気持で私は今後努力をいたしたい、かように考えておる次第であります。
○中野委員 もしこういうようなものの財源があるなら、この前の国会で問題になつて一応院議をもつて決定しておりますが、ダイヤ等を売上げたその売払い金は、優先的に戦争犠牲者のための財源に充てるということがきまつておるのですから、おそらく通常国会においては処理委員会ができて、そうしてこの金によつてあらゆる万般の処置を講ずるという方面に行くでありましようが、そういうようなものの金が出た場合においては財源があるのですから、当然この公務死以外の人たちを第一に優先的に遇する必要があると私は思いますが、これに対しては、厚生大臣はどういうふうにお考えになつていらつしやるか伺つておきたい。
○山縣国務大臣 お言葉のように私は考えまして、財源がありまするなればぜひそういうふうに向けたいと、私も努力いたしたい考えであります。
○中野委員 次にもう二つ伺いたいのですが、第二点は李承晩ラインによつて日本の漁船が相当数拿捕されておりまするが、その家族の人々のことに関しましては本会議上でもしばしば問題になりました。しかしこれは農林大臣の答弁だけでありまして、厚生大臣の答弁がありません。しかしこの家族援護ということに関しては、当然厚生省の所管になろうと私は考えるのでありますが、厚生省はどういうような処置を現在農林省と連絡をとつてしつつあるか、この点についてこの機会に言明を願いたい。
○山縣国務大臣 この李承晩ラインの問題による漁家の困窮者に対する措置につきましては、これは特異の事情でもありまするので、農林省においてせつかく研究し、何とかして措置をとりたいといつておりまするので、その方とも連絡をとつておりまするが、厚生省でとりまする措置と申しますれば、やはり困窮者に対しては生活保護法が一応考慮されるのであります。生活保護法でもつて考慮をいたすとすれば、これは先ほども冷害地の農家の問題について話が出たように、たとえば冷害地の農家といえども田畑は持つておる。しかし田畑が冷害によつて収穫がない本来から申しますと厳格な意味では土地を売つて、あるいは一町歩のうちの一反歩ほどを売つて金ができないこともない。従つて最低生活を維持するためのそういう措置をとつた後において初めて生活保護法が適用されるということも考えられる。しかし冷害地等については、そういうことのないまでに何とかしてその保護の道を講じたいといういうふうに考えて行きたいということを申し上げたと同様、いわゆる漁業者においても船は持つておる。少くともいわゆる生活保護の対象になる困窮者とは形態を異にする。しかし、といつて放置しておきましても困りますから、農林省の方の対策といろいろタイアツプしつつ、しかもなおかつ生活の困窮者が出た際におきましては、ただいま申し上げましたような意味において認定をいたして、生活保護法によつて今後保護いたすことはどうであろうかというふうに考えておるのであります。この点は、なお農林省の方の援護対策とも密接なうらはらの問題でありますから、緊密な連絡をとつて遺憾なきを期したいと思つております。
○中野委員 さらに進んで伺つておきたいのですが、異議申請をする場合に、厚生大臣に対して異議申請をします。この申立てに対しては、おそらく審査会等によつてすべてが処理されると思いまするが、現在の段階においてはこの異議申請が非常に多いのです。これに対しては、厚生大臣はいわゆる一年間の間に異議の申請があつた場合において、審査会の議を経ておやりになるのでありましようが、しかしこの審査会がただ形式的であつて、端的に異議の申立てはしたが、これは問題にならぬというので却下するのであつては意味をなさぬと思うのですが、厚生大臣に対して申立てがあつた場合においては、当然慎重にこれは審査をしなければならぬ。これと関係して来るのはどういうわけかといえば、先ほどの厚生大臣の車中談にあつたような審査中のものに対しては考慮をしたいという意見がありまするから、この異議の申立て中のものもやはりその考慮のうちに入るということを了承してよろしいかどうか、この点を承つておけばもうよろしいのです。
○山縣国務大臣 異議の申立てがありまして審査をいたします際には、現行法にもさように申し、私も現実にもそのように言つておりますが、できるだけ審査の内容について考慮をして、そうして従来ややもすれば、審査をいたします際には網からはずすということを前提とし、あるいは目標として審査をするというようによく言われましたが、さにあらずして、できるだけ網にかけたいという気持で審査をすべきである、また現在さようにやつております。従つてさような場合におきましては、審査によつてかかつたものは、審査の有無にかかわらず元来裁定の線にかかつた、またかかるべき人でありますから、当然仰せのように適用すべきであると思います。
○高橋(等)委員 関連して。ただいま異議申立てに関しまする審査会のお話が出ておりますが、それに関連しまして一点希望を申し述べまして、大臣の御考慮をお願いいたしたい点があるのであります。それは援護審査会の構成メンバーをながめますると、官吏でなければお医者さんであります。私はそういう方々が非常に親切に扱つておられることはよく了承いたしておりますが、ほかに一般の学識経験者あるいは特に深い利害を持つております遺族の方々というような方を二、三加えていただくことによつて、問題を取扱うにより妥当性を持たすということが、私は必要であると考えておるのでございますが、それに対しましてはこれは特に強く大臣に希望を申し述べましてお考えを承つておきたいと思います。
○山縣国務大臣 この点従来とも御要望がございまして、何とかそういうようなこともよかろうかとも考えるのでありますけれども、もしも言葉が適当でありませんでしたら取消しますが、何分この問題については一つの審査としては公正にやりたい。仰せのような、公務の認定についてできるだけ認識のある人であつて、しかも公正な立場におる人に審査を願うということで従来やつて来ております。結局これは人柄なり人選のいかんによることでありますが、組織、機構といたしましては学識経験者等を加えた公正な立場の人にやつていただくことがいいのではないか。しかし今後そういう点についても十分考慮はいたしてみたいと思つておりますが、いわゆる利益代表が入ることでその審査がいろいろ延滞いたしましたり、混乱いたしますといかぬというので、従来のごとくになつておりますが、御趣旨の点は、遺族の方方の立場なりあるいはそういう特殊の事情に通じておられる当該の方がお入りになつて御発言になることも、私は必ずしも悪いとは思いませんが、従来この点についてはいろいろ論議も尽されて来たことでありまして、一応公正な立場で審査を願える人を選んでお願いするということで来ております。しかしお気持の点は十分承つて、今後もしもそういうことがよろしければそういうようにいたすことにやぶさかでございません。
○高橋(等)委員 お言葉を返すようでございますが、もちろん公正な立場でやらねばならない仕事であると考えます。しかし官僚のみで、あるいはそれに技術的なお医者さんだけを入れて、それで公正にやれるかどうか。一般の考え方からすると、少し乱暴な言い方のようにもとれるかと思いますが、むしろその人々以外に、遺族会なんということはあつてもなくてもけつこうなんですが、学識経験のある人を入れるということを政府が拒むという理由は、私はないと思います。この点はぜひひとつお考えを願いたいと思います。
○山縣国務大臣 公正な立場で審査を願うについて、学識経験者に人を得ますればこれを入れるに決してやぶさかではありません。
○小島委員長 中川君に伺いますが、大臣に質問がありますか。大臣でなくてもけつこうですか。
○中川(源)委員 大臣です。
○小島委員長 中川君。
○中川(源)委員 先ほど大臣から中野君に御答弁になりました中で、公務死亡として該当しない六万人余りの人で、未裁定で保留されておるというようなものにつきましては公務に準ずる待遇をしたい、たとえば三万とか五万とかの弔慰金を出すようにしたいというようなおぼしめしのあることを承つて喜んでおるような次第であります。赤紙一枚で呼び出されて軍務に服して死亡いたしました者は、全部それに該当するようにおとりはからいを願いたいと思います。弔慰金は五万円ということに一律にされたが、五万円というものは今は大金ではない。引揚者の方に対して三万円の支給をなされておるわけでありますので、いやしくも命を捨てた人に対しましては三十四条によらずして五万円ということにされた方が適当ではないかと思いますが、この点どういうふうにお考えでありますか。 それから未亡人の結婚を解消した人に対して、たとえば二十八年八月一日までに結婚を解消しておる人——さきに恩給法できめられた方は、父母が再婚いたしましても恩給を支給されるということになつたわけでありますが、若い未亡人が再婚して、これはあやまちであつたというので解消した人に対しまして、ただいまの法律では、若い者は結婚できないというようになつておるわけですが、これはどうも矛盾しておると思いますので、この点もぜひ御考慮のうちに入れられるようにお願いしたい。これはきわめて少数でございます。特に養子縁組に子供を連れて入籍いたしましたものについてはごくわずかなものでございますので、それらは子算措置といたしましては大したことではございません。何も知らずに子供が入籍されておるためにお父さんの恩給が入らないということは、まことにかわいそうだと思いますので、これもお考えになるようにしていただきたい。 それから援護法では父母の年齢が六十才以上ということになつておりますが、恩給法では年齢が廃止されておる。これも恩給法と同じように年齢を廃止されるかどうか。また子供は十八才になつておりますが、恩給法と同じように二十才までにするのが至当ではないか。差別があるのはおかしいと思います。援護法も恩給法も二十才というふうにされたらどうか。ドイツでは一律に二十四才になつている。 それから弔慰金の支給の範囲ですが、妻子もなく親もなく、兄弟もないという者に対して、実際はおじとか、おばとか、親戚とか、身寄りの者が大切にその弔いをして、お墓を建てておる。こういうものに対しましては支給の範囲を広げて、おまつりをしておる者までも弔慰金を及ぼすということが適当ではないかと思うのでございますが、いかがですか。 それから……。
○小島委員長 中川君に申し上げますが、その答弁は大臣じやなくちや困りますか。大臣は他の委員会に行く急用がありますから、できるだけ……。
○中川(源)委員 なるべく大臣にお願いしたいのです。ほかの人ではわかり切つたことです。政治的な問題でありますから……。ほかの方では法律通りよりお答えにならぬと思います。 それから弔慰金は、昭和十二年七月七日以後の戦没者に支給されたい。すなわち支那事変以後の人に支給されたい。それが至当であると思う。十八年十二月八日以後だけしか認められていないということは、その間支給されておらぬ人がたくさんございますので、こういうふうになさるお考えはないかどうかということ。 それから弔慰金の現金化は、本年は三十億、昨年は二十億でございましたが、これを少くとも八十億までしていただきますと、かなり生活に困つておる、保護法の適用を受けなければならないような近くにあるところの人たちに現金化されると思うのでございますが、これは大蔵省関係であるかもしれませんが、公平にこの点をお考え願いたいと思います。 それから水害を受けた人に対しましては、家屋なら家屋が五〇%の損害を受けた者に対しましては、現金化するということになつておるのでありますが、これは本年三十億のわく内で現金化しておられるのか、あるいは水害対策費としての予算の中から支出されておるのかということを、はつきり承つておきたいと思います。 それからこれは文部省関係かもしれませんが、遺児の教育の問題でございます。戦没者にとりましては、子供の教育ということは非常に大きな責任がかかつております。この育英資金という問題でありますが、本年は一億二千万円の予算を組んでおられるのであります。この日本育英会の資金が、昨年は二十八億でございましたが、本年は三十四億、この割合で行きますと、遺児は大体一般の子供の一割あるわけでございますので、三億程度のものが適当ではないかというふうに思うのでございますが、一億二千万円では足りないのです。この点もひとつ御心配をいただきたいと思うのでございますが、いかがでございましようか。 それから……。
○小島委員長 一応大臣の答弁を求めたらどうですか。
○中川(源)委員 ではこの程度でひとつ……。
○山縣国務大臣 御質問がたくさんございまして、私聞き漏らしておる点がございましたら、また追加いたしますが、第一点の三万円云々のお話がございました。これはお説のようなこともございますけれども、やはり公務と非公務とわけるといたしますれば、これは多少金額が違うということがあつても、また考えようによつてはいいのじやないか。しかしこれはまた先ほど来御答弁申し上げておりますように、今後私の気持として、こういうような問題を大蔵省とも折衝いたしたいということでございますから、三万円といい、五万円といい、今後私の折衝にかかつておるものであります。 それから再婚した後にさらに離婚した妻云々、これも従来問題になつておつて、私は実情から行きますと、個々の事情から行きますと、確かに御同情にたえない。またそういうふうにしたい事例もたくさんありまするけれども、しかしまた考えようによりましては、さような際には、いわゆる年金等は、父があれば父に参るのでありますが、たまたまそういう再婚を取消して帰つたときに父にあつたものを今度は父から取上げることも——これはいろいろた事情もありまして一応さようなことにいたしておるのでございます。 なお父母六十才以下にも弔慰金を云云というようなことのお話であります。これもごもつともでございまするけれども、ここに恩給といわゆる援護法との多少の差があるのではないか。恩給は、やはり従来の国家とのいわゆる公的な関係、それに対する一つの対価として払われるのが主であります。援護法はどこまでも援護でありますから、そういう点からいつて、たとえば父母が非常に若いときには、四十才をちよつと越えた父母もありましよう。これに対して、いわゆる国民の膏血をしぼつた税金でもつて援護することはあるいは適当でない場合もありまするから、これは一概には言えない問題であります。また仰せのようなときに、かりに五十才内外でも非常に困つておる方もおられますから、一概には言えませんけれども、やはり国の法律といたしまして恩給と援護法とのいわゆる立法の精神、趣旨の差はそこにおのずからついておるのでありまして、その点を御了承を願いたいと思います。 なおまた太平洋戦争以前の罹病云々につきましては、これも現実の問題としては仰せのようなこともありまするので、せつかく研究をただいまいたしております。 なお国債の八十億のお話がありましたが、これはただいま五十億——二十七年度二十億、二十八年度三十億、なお水害につきましては、別途に予算に計上しておりますることは御承知の通りであります。なお育英資金につきましては、それらのこともありますので、大体そういう方は未亡人でありまするから、未亡人に対しましては母子福祉資金の貸付法等によつて育英資金を入れてやつておりますので、文部省方面におきましても育英資金につきましては、適当な予算をもつてやつておりまするから、その点は、ただいまのところさような諸般の法律あるいは制度によつて救済をして行きたい、かように考えておる次第であります。
○中川(源)委員 ただいま御答弁いただきましたうちに遺児の養子縁組をまた元へ復したいという者に対しての御答弁がいただければたいへんけつこうだと思います。それからいつも皆さんから御同情のある御質問なり、御意見もいただいております生活保護法の適用を受けている者に対してでございますが、これが差引になりますと、何のためにもらつたのかわけがわからない。かえつてそれで打切りになつた者がたくさんございますので、各府県によつて取扱いが別になつております。たとえば東京のようなところは年金をもらいましても一箇月分だけしか差引しない。ところがいまだに地方では打切つたままで復活さしていない。年金の手続をしたために保護法の適用が受けられない。死んでしまつた方がましだというような言葉さえ私は聞いておるのでございますが、早くそういう人には復活させていただくように慫慂していただく必要があると思うのでございます。この点もう一度お尋ねいたします。 なお今度は恩給をもらい、また弔慰金のことにつきましても国民金融公庫から融資はしてもらつているのでございますけれども、それもわずかの間に予算がないというので、たくさん融資をしてほしい希望者があつて、中にはいまだに高利貸しに借りなければ半額で売り渡さなければならないという人も相当できているのでございます。これらの人に対しまして、融資の方法をすみやかにとつていただくようにお願いいたします。 なお恩給法の方でありますけれども、もらうということになりますと、恩給金庫というようなものでもつくつて融資の方法をはからなければ、またたいへん高利貸しの跋扈するときが来るのではないかと心配もいたしますので、この恩給がいつもらえるか、非常に首を長くして待つておりますので、恩給金庫というようなものをつくるというような意味から厚生省の方で進んで御交渉をわずらわしたいと思うのでございます。 それからいつか平和の日というものを定めて、——この間年寄りの日が九月十五日にありましたが、平和の日を定めたいというような希望が非常に多いのでありますが、これについて詳しいことを申すと時間がかかるので省略いたしますが、日本の国は平和の国として、再び戦争のないように、また今まで戦争のためにひどい目にあつておる者なども、それも弔うというような意味から、平和の日を定めてほしいというような声も相当地方に出ておる。 それと同時に、別個の問題でありますが、遺骨のいまだに散乱しておる、戦地でそのままに顧みられていないものが、たとえばフイリピンにもビルマにも、こういうまだ講和ができないところはいたし方ないといたしましても、沖繩にもいまだに洞窟の中にたくさん遺骨があるというようなものもございます。これらに対しまして、今後どういうふうな手を打つていただけるか。早くこの遺骨をできるだけ収集して送還をしてもらうようなくふうがないものか、われわれは恩給をもらうよりも遺骨がほしいという家庭が多いのであります。もしも遺骨が手に入りますならば、そういうふうなことをひとつお考えいただきたいと思いますが、この点をお伺いしたいと思います。
○安田政府委員 生活保護の扶助額から遺族年金を差引く問題は、これまでたびたび論議せられまして、さしあたつては非常に困難な問題があるのですけれども、生活保護の建前が、とにかくだれかれの差別をつけて生活の基準をかえるというようなことができない建前になつておりますので、一応やはり年金が入りました場合には、差引くというのか生活保護法の建前だと思うのであります。そこで年金が入りました場合に、生活保護の今の基準が、必ずしも満足なものとは申し上げられませんから、いろいろその家庭の事情等によりまして、たとえばもうふとんがすり切れてしまつたとか、あるいは屋根が破れて修繕を必要としておるとかいうような、いわゆる私どもでいいますと、一時扶助の事由がある場合があります。そういうものは年金の方から差引かないで認めるようにという指示をいたしておるわけであります。お話のように府県間に不均衡がありましたならば、これは是正しなければなりませんけれども、今のところでは一月分ならいいとか、半月分ならいかぬとかいうような基準をつくるわけにはいかない。具体的なそれぞれの家庭の事情によりまして一時扶助の程度ならば差引かないようにという指示をいたしておるわけであります。
○長谷川(保)委員 先ほどの中野委員の御質問に関連してさらにお伺いしたいのでありますが、聞くところによりますと八月二十九日の朝日新聞に、先ほどの公務死以外の者にも年末までに三万円、五万円を支給するというようなことが厚生省から発表された記事として載つておるそうでありますけれども、ただいまの車中談というお話と照し合せまして、どうもこの点につきまして厚生省で相当のお考えがあるように考えられるのであります。予算措置をしてないということでありますが、何らかどこぞで確実なお考えがあつて、こういうふうな発表をされたのではないかと思いますが、これは全国民に相当大きな問題でありますので、重ねてこの点念を押しておきます。
○山縣国務大臣 この問題につきましては、先ほど中野先生にお答えを申し上げました通りであります。それが実情であります。八月二十九日の新聞は、私承知いたしませんが、これはおそらく、ただいま次長にもただしましたが、(「厚生省談としてある」と呼ぶ者あり)そういうことはないはずであります。よく近ごろそういうことが出ますのですが、しかしこれは公式の問題としてお尋ねがあるならば、厚生省としてそういう談話を発表したことはありません。ただ先ほど来申しておますように、厚生省の談話はそういうことでなくして、われわれとしては先ほど来誠意を持つてお答えいたしておりますような精神でもつて、今後折衝いたしたいということでありますから、新聞記事の有無ということは、おそらくただいまは別に問題になるべきことじやないと私は思います。もしもそれが公式発表をしたかどうかということになれば、さような談話は発表したことはありません。しかしそういうことにかかわらず、今後は皆さんの御協力を得てぜひこの問題を推進いたしたい、かように考えております。
○長谷川(保)委員 ただいまのお話、一応了承しておきますが、われわれ委員といたしましてさようなふうに持つて行くことができますなれば、国民のために非常に幸いだと思います。あらゆる意味で協力を惜しまないつもりでありますが、ぜひともさようにお運びをいただきたいと思うのであります。 次にリラインの抑留者等の関係でありますか、このリライン問題は御承知のように全国民注視の的であります。ことに抑留者、その関係者にとりましては非常な大きな問題でございます。もともとリライン問題は、これはずつと前からわかつた、大体想像のついたことであつて、これに対して政府が十分な手を打たなかつた。ことにさばの漁期がいつになるかということはもうわかり切つたことでありますから、前もつて十分な手を打たなかつたということは、政府の大きな責任である。そしてこの気の毒な被害者たちは、決して個人的な責任においてこういうことが起つたわけではないと考えなければならぬ。そういたしますれば、当然これに対しまして、単なる生活困窮者にだけ手を延ばすということでなしに、政府がこれらの方々の、ことに生活の問題につきましては、十分な責任を持たなければならぬ。そこで大臣に伺いたいのでありますが、それはリライン問題が早急に解決するようには見えませんから、この際例の留守家族援護伝の特例をつくるなり、あるいは法律の一部改正をするなりいたしまして、この抑留者の家族のために十分な措置をつくる御方針はないか、その点をお伺いいたしたいのであります。
○山縣国務大臣 このリラインの問題については、先ほど来申し上げておりますように、われわれといたしましても頭を痛める問題であります。それに対して留守家族援護法等の何らか適用の道を考えて云々というお話かございましたが、もしもさようなことができればけつこうでありますが、しかし留守家族援護法の対象になる留守家族と、今回のいわゆる抑留されておる漁業従事者との間には、おのずからそこに本質的な差が多少ありますので、まずもつてこの際は漁業保険、あるいはその他の一連の渡来対策をもつてして、これらの人々に対する援護を考えるのがまず順序でなかろうか。それに対して農林省も今せつかく考慮中でありますから、しかもそれによつて、これはもう別に政策を待たずして現実に生活にその日その日お困りの方がありますから、当然に生活保護法において援護して行く、これが一応考えられるべき線ではないかと思うのであります。お示しのようなことも今後の情勢いかんによつては、あるいはまた検討すべきこともあろうと思いますが、ただいまのところは、これは今申しましたような二段構えでもつて行きますのが適当であり、ことにまたそれらの方々にとつても、最近農林大臣の話を聞きましても、たとえば生活保護なんかをかけられるのはいやだと言つておられる方も立場上おありのようであります。でありますから、それはそういうふうなことに至らぬまでに、もしも措置がとれるならばこれが一番よかろう。しかしそんなことを言つておりましても、現実にお困りの方もありましようから、それは生活保護でやつて行く、この点はよく農林大臣とも折衝いたしまして研究をいたしたいと思つております。
○長谷川(保)委員 船主等に対しましては今の農林関係の方法で大体方法がつくということもありましようけれども、抑留されました漁夫の家族に対しましては、簡単な方法は農林関係ではないと思う。ことに今のお話の通り、生活保護法をかけられるということが、生活保護法の線が順次最初の立法の趣旨からはずれまして、何だか国からただ物をもらうというような非常にまずい考え方に一般国民の感情が向いているときでありますから、ただいまお話のように、生活保護を受けられることをきらう面があるようであります。さればこそ、むしろ一歩を進めて留守家族援護法の特例をつくるなり、あるいは法律改正をいたすなりいたしまして、十分な手を打つてあげるべきではないか。数もそうたくさんな数でもないのでありますから、そう大きな金を食うというわけでもありませんから、そういう方針をとつたらどうか。そういうことができますれば、おそらく漁民諸君は、大きな打撃の中にも国の援護につきまして相当大きな喜びを持つだろうと思います。安心するだろうと思います。そういう今後の方針についてもう一歩進められる御意思はないか、重ねてお伺いいたします。
○山縣国務大臣 先ほど申し上げましたのと別に新たなることはございませんですが、援護法によります際には、かりによるといたしましても、それだけでは私は済まぬと思うのは、援護法によりますと、月々の差上げる金は大体二千数百円にとどまるのであります。その他扶養家族等がありますけれども、とうていそれだけでは今の事態から申しまして解決できる問題でないので、これはやはり先ほど来申しておりますような方法によつて、両々相まつてやらざるを得ないのじやないか、援護法がせめてもう少し金が出ておりますればよろしいのでありますが、これは御承知の通りの金額であります。そうすると、やはりその他の方法によるものが主になりますので、何とかしてその他の援護の方策を早く立てて、その間は生活保護等によつてこれを補つて行くということにいたしたいと考えております。もちろんこの問題は今後の推移によることでございますから、十分研究はいたしたいと考えております。
○中野委員 さつきからの厚生大臣の答弁を聞いておると、どうもはつきりしない点があるのですが、近ごろ大臣というのは汽車に乗ると車中談、宿へ着くとホテル談というものをやる傾向がある。私は山県さんの人柄を見て以来、そういう人でないということをかたく信じておる一人なんです。今あなたの御答弁を聞いていると、この車中談によつて公務死外の人にも相当金を差上げたいという気持においてはよくわかります。しかし一体やれるのか、やれないのか、やれそうなのか、この点がよくわからないのです。どうも答弁上手というのですか、聞き下手というのですか、もう少しはつきりしておいてもらいたいと思うのです。そこでやれそうなのなら大体やれそうなという大臣の答弁だけでけつこうなんです。特に私は援護庁長官に伺つておきたいのですが、八月二十九日付の新聞に発表した覚えはないとおつしやるけれども、この中では、「公務死外死亡にも年金、援護庁立案、遺族援護法の改正」、これによると、去る二十八日引揚援護庁では立案に着手した。同庁案によると、恩恵を受けるものは約十万で、死因によほどの無理のない限り国債で三万円ないし五万円を受取れるようにしたい、ということを明らかにしておるのであります。発表はあつたかないか知りませんけれども、ちようど新聞発表に続いて厚生大臣が関西へ旅行されて、関西の一地方の新聞にこれが載せられたというなら私は了承いたしますが、大新聞といわれるものが、筆をそろえて全部同一歩調に従つて、厚生大臣は年末までに三万円ないし五万円を公務死外の者にも今審査中の者にもやるということを言明されたというので、全国のこれに該当する遺族の人人は非常に大きな期待を持つておるのでありまして、今日の答弁を伺つただけでは、非常に期待を持つただけにがつかりする度合いも大きいと思う。私はこれは政治の妙ですから、こういう点に関しては、委員会を通じて一体やれるのか、またやれないのか、やれそうなのか、この点について厚生大臣と援護庁長官の両方から答弁を伺いたい。
○山縣国務大臣 たびたび申し上げておりまする通り、よく大臣はいわゆる車中談をいたしますが、車中談というのは、たいてい一定の構想のもとに、ときにはプリントに書いて、そうして随行の記者にそれを話しますとか、渡すとかするのが車中談であります。私はそういう車中談はいたしたことはないのであります。たしか旅行先において、当該の県庁でありましたか何かに行つたときに、たまたま弔慰金の問題が出ていろいろ先方から話が出たときに、現在裁定に漏れておる人がおるが、これはどういうふうに考えておるかという問に対して、私は、それは今の法律ではできないけれども、今後何とかして救いたいと思つている。しからばそれはいつから救うのかという話でありましたから、それはわからぬけれども、今後予算折衝が残つておるから、実は年末までに何とか案を立てて折衝したい、こう申したのであります。でありますから、一定のプリントによりますとか、一定のものによつてやりましたら、それは責任を持ちますけれども、これは聞く人によつて違いますし、またそれはたいてい地方の新聞から東京の方に電報が入つておるのでありまして、この問題についてもしも的確に一定の表現をもつていたしたのであれば、私も国会議員もいたしておりまするし、また大臣をいたして参つておつて、予算の折衝の経過、あるいは閣議決定等のことも承知しておりますから、そうつじつまの合わないことをいうはずはないのであります。私の気持は、いろいろの質問のうち、そういう漏れたものに対してどうするかということに対して、それは何とかして救うように研究して行きたい。しからばそれをいつやるか。できるだけ早く研究して、そうして折衝したいと思つておる、こう申したのであります。でありますから、これはその通りであります。ただ先ほどから申しておりまする通り、従つて私の今申しますのも、今予算折衝を終えたとかいうことは言うべきじやなく、また昭和二十八年度補正予算あるいは来年度の本予算に出すか、それが確定する前に閣僚の一人として確言できるはずもないし、また現在大蔵省といたしましても、災害予算の折衝でも御承知の通りの経過でありますから、昭和二十八年度の第二次補正予算に対して予算の確答を大蔵大臣がいたすはずもございません。でありますから、この間この問題について閣内で話しておりましても、大蔵大臣が確言をいたすはずもない。但しこの問題については、できるだけ認識を閣内では推進いたしたいという努力をいたしておる。そういう程度でございまするから、予算措置に対して、年末までに必ずやるということを、私が今かりにこの委員会において言いたくても言えないことであります。ただ今後努力をいたしてそういうふうにいたしたい、こう思つておることだけでございますから、この点は御了承願いたいと思います。
○田邊政府委員 八月二十九日の新聞の記事でございますが、これは年金というふうに出ておる点から申しましても、必ずしも正確な記事ではないと思います。立法化に着手したという意味は、政府の方針がそういうふつうに決定いたしまして、立法化に着手したというふうにおとりになるのは間違いでございます。もちろんそういうことは大臣からもお話がございました通り、われわれもそういう意図のもとに研究はいたしております。研究をしておるということを、立法化に着手したというふうに書いたものでありますれば、それは少し行き過ぎではないかと思います。
○中野委員 これは国民感情に照らしても、それから一般の遺族の人にとつても、重大な関心を払わなければならない問題なんです。従つてこれが間違つておつたらなぜ訂正なさらないか、一地方版なんかに出たのならばないがしろにしてもしんぼうするとしても、いやしくも天下の大新聞である朝日新聞が堂々と、しかもトツプではないか、一面にこのような大きな記事を扱つておつて、援護庁長官ともあろうものがこれを見て、そしてただちにこれに訂正を申し込む——今の厚生大臣の車中談においてもそうです、県庁において話されたかどこにおいて話されたか知りませんけれども、一般の大新聞が筆をそろえて書いておる限りにおいては、間違つた点があつたら訂正させるべき必要があり責任がある。そうでなければ一般の遺族の人たちは大いにたよるのであります。私が地方に行つていろいろ聞いてみますと、山県さんの評判はこれによつて非常にいいのです。悪い言葉かしらないが神や仏のように伏し拝んでいる。にもかかわらずあなたが当時はこういう心境であつたと言つて、新聞発表を訂正しないでおいて、無責任に今の言葉を言うならば、遺族の人に与える影響は非常に大きいのです。私ども遺族の気持になつてここで論じておるのです。なぜあなた方はこういう悪い面があつたら訂正しないか。年金だから間違うという問題じやないのです、これは大問題じやないですか。私はそういうような処置をなすつたかどうか、さらに援護庁長官に聞いておきたいのです。
○山縣国務大臣 今御答弁を求められておりませんが、私に関するお話でございましたから一言釈明申し上げます。 私はこの問題に対して、はなはだ失礼でございまするが、ただいま中野先生からかようなお言葉をちようだいするとは思わなかつたのであります。新聞記事の訂正等もございまするが、これがいわゆる車中談というようなことでありますなれば、私は訂正いたしたでありましよう。しかし事遺族の人々に対して厚生大臣が何とかしたい——その書き方はどうであろうが、私も実は先ほど来申し上げておるように、東京の新聞に載つたものは地方版とは違いますから、これはわかりません、でありますからただいまこのことを承知いたすのでありますか、少くとも遺族の方々に何とかしたい、しかも新聞は大蔵大臣も見ておりましよう、閣内の人も見ておりましよう、いろいろな方法でもつて、たとえば国民健康保険の国庫負担給付もしかり、そういうふうにして認識を深くする——私が責任をとれというならば責任をとりますが、そういうふうにして認識を深めて、誠心誠意やつておるというこれが将来の実現のやはり一端になる、そういう意味でやつておることなんであつて、遺族のためにおしかりを受けることになれば責任をとりますが、さようではなくして、先ほど来申し上げておるように、言葉の端にあらずして——あるいは悪者になつてもよろしゆうございますけれども、初めから法律化してこれを推進したいという熱意に燃えてのことでありますから、この委員会においてもしもおしかりを受けるということになりますれば、これは別の方法をとりますけれども、さにあらずして、野党の諸君といえども与党の諸君といえども、また遺族の諸君といえども、閣内も一致してこの問題を推進いたしたいという熱意を申し上げておるのであります。でありますから、事のさまつの点はお見捨て願つて、そして大目的に御同様推進するようにお願いいたしたいと私は熱願いたすものであります。
○山下(春)委員 ただいまの中野委員からの御質問に対して大臣の御答弁あるいは援護庁次長の御答弁ございました。私は何となく仲裁みたような発言をいたしたいのでございますが先ほど中川委員から御質問になりました諸点、すなわちただいま問題になつております戦病死者を何とか公務死で救い上げたいというようなこと、あるいは年金が下付されましたが、生活保護法をそれだけ差引かれるというようなことは、できることならば生活保護法と年金とを併給してもらいたい、あるいは再婚者に対する手当等は、当時恩給に関係いたしました者が死力を尽したのでございますけれども、日にちが八月一日ということに限定されたり、その他いろいろな事情ございまして、法文化すことが不可能でございました。しかしながらその後政府が新聞あるいは大臣の車中談でも何でもけつこうでございますが、そういうことをやろうとする御意志がいろいろな面にほの見られましたことは、われわれにとつて非常な幸いでありまして、私は政府がそういうことが心の底にあるということに対して深く敬意を払つておつたのであります。従つて中川委員から御質問があつた恩給者が非常に困窮しておりますのに少々もらつても高利貸の食い物になる、何とか恩給金庫のようなものを設立してはどうかということを第一回の恩給法の本会議の質問に私は政府にただしました。大蔵大臣は研究をしてなるべくそうしたいという答弁をいたしておられるのであります。これらの問題も過去の恩給法を制定いたしましをときのわれわれといたしましては血みどろな——ここにおられる高橋委員も御熱心ではありましたが、私をたいへん撃退する係でありまして、私どもの熱願いたしましたことが、時間その他に制約せられまして成立いたさなかつたことは残念ではございましたが政府の御意思のほどを私は感謝いたしているわけであります。中野委員におかれましてもその点はどうか御了承願いまして、政府の意のあるところをおくみいただきたいと思います。私はその問題はそういうことで、この委員会はもう党派を超越いたしまして、議論することなく、たとい一銭でも多く、たとい十日でも早く遺族にそのあたたかい気持を届けてやることに努力することが最も肝要なことでございます。ここで議論をむし返していることは、私はくだらないことであつて、それよりも実際に移すことを早くお互いが努力すべきことであると考えるのであります。(「それが届きますか。」と呼ぶ者あり)届くように努力いたしたいと思います。 それからもう一つこれは必ずしも大臣でなくてもよろしうございますが、冷害に関係してでございますが、非常な冷害のひどいところでは保育所というものの設備が非常に必要なのでございますが、この保育所に対して厚生省が二十九年度から保育所の措置費を定員制にしたいということを各府県にお流しになつているようでございます。ところがこれはたいへん各府県とも大弱りでありまして、こういうことが実施されますと非常に困るのでありまして、今日子供を持つ母親も働かなければならない、食うか食われるかというのですが、ほんとうに身ぶるいするような惨状におりますので、子供を預けるところができれば、これは凶作地でなくても漸次こういうことに年を積み重ねて拡強したいと私どもは願つているのでありますが、各県が大体一二五%くらい収容しているのであります。要するに二五%定員よりはみ出しているような収容率でございますので、その額なども二十四年にきめられました一人当り二円五十銭というのがそのままになつておりますので、これを定員制ということに二十九年度から実施するということを各県に流されたことが、実は大問題になつたのでございますが、この点についてどう御処置をなさろうとなさるのか、ちよつと大臣でなくてもお係からでもけつこうでありますが、どうぞお願いいたします。
○堀岡説明員 所管事項外の問題でございますが、一応私から申し上げます。定員制にするということをはつきり流したとはまだ存じておりません。そういう案も考えております。と言いますのは、凶作地帯に対する大部分が保育所関係の費用で占められるわけであります。その援護率なるものは何パーセントかと言えば、二十八年予算は三〇%と見ておりますが、それが非常に各府県によつて四〇%をオーバーするという事情が出ております。これは各府県とも同じだと思います。ただいまこの問題につきましては大蔵事務当局とわれわれの間において、実際どうなんだということの議論をいたしておるのであります。と言いますのは、全部が全部とは申しませんけれども、保育所に収容されました子供につきましても、一部についてはほんとうに費用の徴収できるものも徴収しないで援護を要するということにほうりつぱなしのところもないではない。そこらは実情を正確に調べまして、適当なところに納めたいという考えでございまして、現在どうこうという考えは持つておりません。そういう重大なるお話は予算上非常に大きな経費を要することになりますので、そういうことも目下あらゆることにからまつて研究を続けておるというのが実情でございます。
○小島委員長 委員諸君に申し上げます。大臣は予算委員会の方で要求いたしておりまするからして、この際この問題に関する大臣に対する質問を中止いたしまして、厚生行政一般について大臣にごく簡単な質問を許します。 柳田君からインターン問題についての質問で発言を求められておりますので、これを許します。
○柳田委員 先般厚生省の実地修練基準というものを見ますと、このインターン問題に関しまして、指定病院が一律的に約十五床という基準をきめられたようでありますが、その点に関連して多少お尋ねいたします。 問題の要点は、私の言うのはこうなんです。このインターンをどういうコースに置くかということは、これは別個の問題でありますから、ここでは論じません。ただ問題は、そういうことになりますと、指定病院がいわゆる大学の付属病院であつても、その他のあるいは官公私立の医学教育の付属機関の病院でなくても、指定病院であれば一律に大体十五床になつておる。そういうことになりますと、その学校で医学教育を受け、そうしてその学校に残る者にとつては非常に不便なんです。十五ベツドということになりますと、おそらく大部分の者ははみ出て、他のこういうような実地修練の指定病院にまわされることになる。これはある一面から言うならば、これも一つの方法であつて、一箇所にたくさんの人間を詰め込んで、そこで十分な教育もできない、実地修練の機会も与えられないということを救う道にもなろうかと思います。よくわかります。しかしながら大学の付属病院というものは、もともとこれは一般の病院じやないのです。これは医学生に医学教育を施し、医学教育を受けた者に実地修練を与えるというのがむしろ主なる目的で建つておるのであつて、これは普通一般の病院と全然性質が異なつておる。そのものを普通の診療に当つておるところの病院がたまたま実地修練の指定を受けたというところと同様に扱うということは、これは病院の性格、設立目的が違うのでありますから、医学教育の付属機関であるところの病院は、これは当然わくが別であつてしかるべきだと思うのでありますが、これに対して、医務局長でけつこうでありますから、御答弁願います。
○曽田説明員 ただいまのインターンの定員を一施設について十五床に一人ということを原則とするということを、明年度のインターンに対しまして再確認をいたした次第でございます。これは従来からインターンの教育の内容を向上させるということのために、いろいろな方法が考えられるのでありますが、その際に一つの問題として、ある施設にあまりにたくさんのインターンが集まり過ぎるということが一つの弊害ではないかということが指摘されておりましたので、いろいろ実情を見ますと、特に大学の付属病院というようなところには、その傾向が確かにはなはだしいものがあるということを認めましたので、これをできるだけ矯正して参りたいというふうに考えたのであります。ただいまの御意見のように、大学の付属院はいろいろな学生とかあるいは卒業生に対して、いろいろ教育を行うということのためには、他の施設よりも最も適しているところではないかという御意見でございますが、一面さようなことが考えられるのでありますけれども、また他面におきましては、従来大学付属病院というのは、医学生及び学校にその後残りました研究生、今度さらに新しい制度でできます大学院の学生というようなものを預かる関係から、どうもインターンまで預かるということは、大学病院としてはむしろ非常に過重な仕事になるのではないかというような意見も一面ではでておりますが、私どもとしましては、それをどういうふうに調和して行くかということについては、正直に申しますとまだはつきりとした結論を出してはおらないわけであります。 〔小島委員長退席、青柳委員長代理着席〕 ただこの十五床に一人というインターンの定員とあまりにもかけ離れてたくさんの者が集まつているというところでは、十分な実地修練も不可能ではないかというふうに考えられますので、これをなるべく標準に近づけて行くように努力をしようというふうに考えました。これは実は参議院の厚生委員に呼ばれまして、私申し上げたときにもこのことを御質問にあずかつたのでありますが、このような基準を定めましたとはいいながらも、あくまでも原則としてということをつけてございますので、今までの実情から急激にこの数を減らしてしまうということは、学生の側からもあるいは学校の方面でも、いろいろ御予定に狂いが生じはしないかという意味で、明年度の具体的数字はこの数字を基準といたしまして、個々の学校と私どもといろいろ御相談をしてきめようということにいたしておるような次第でございます。
○柳田委員 大体医務局長の意図もわかりました。また医務局長のいわれる一箇所にして包括になるという弊害を除いて、真に実地修練の目的をあげたいという御意図もわかりましたが、ただ今の御説明の中で、医科大学の付属病院の性格について多少私は医務局長と見解が違うのであります。私をしていわしめれば、私の見解が間違つておるのかもしれませんが、医科大学の付属機関であるところの大学病院は、これは病院でありますけれども、文部省の所管であります。決して厚生省の所管ではございません。そのことから見ましても、またその設立目的から見ても、これは根本はまだかえるになつておらぬところの、おたまじやくしをかえるにするための目的であつて、かえるになつたものをさらにがまにするとか何とかは、これは他の機関がやることであつて、これはおたまじやくしをかえるにするのが主眼である。今の説明は少しおかしい。これはおたまじやくしをかえるにする機関でありますから、そのためのこれは特殊な病院というふうに了解するのが正しい。そういうことならば、一応の基準ということでありますから、それでけつこうでありますが、これは基準外のものであつてしかるべきである。そのためにこそ、この医科大学の付属病院というものは特殊な性格があり、文部省が所管しておつて、厚生省からはずれておるところの病院であるというふうに私は了解しておる。そういうふうに実地に即した処置をとられんことを私は特にお願いしておきます。 実際に私自身としては、こういう質問をする前に、根本問題としては先般もこの委員会の懇談会で申したように、インターンそのものをどのコースに置くかという検討は、もつと厚生省は真剣にしなければならぬ。文部省側から医学教育を受けて、そうして国家試験をしてくれということで厚生省が国家試験をやるのですが、それをただうのみに国家試験するのでなしに、そういうようなものを国家試験する場合には、インターンと称するその名称はともかく、お前のところで医学教育を十分やつたかどうかはわれわれが最後に判断するのだという毅然たる態度をとつたならば、このインターンをどのメデイカル・コースに置くかという検討が先になされるべきであつて、これはさらに改善したいという御意見はわかりますが、さらに私は百尺竿頭一歩を進めて、根本的な解決のメスを入れられることを特に要望しておきます。
○青柳委員長代理 次に先刻設置いたしました医療金融に関する小委員会に、調査の必要上参考人を選定し、意見を聴取しなければならない必要が生ずる場合もあるかと存じますが、日時の関係で委員会を開き決定する余裕がない場合も考えられますので、かかる場合における参考人選定に関しましては、あらかじめすべて委員長に御一任願つておきたいと存じますが、そのように決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○青柳委員長代理 御異議なしと認め、そのように決します。 本日はこれにて散会いたします。次会は追つて公報をもつて御通知いたします。 午後三時五十一分散会