決算委員会 第2号
- 発言数
- 95 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1953/11/02
会議録
○田中委員長 ただいまより決算委員会を開会いたします。 まず理事の選任についてお諮りいたします。本日山田長司君から理事辞任の申出がありました。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 異議なしと認め、これを許可するに決しました。 つきましては右辞任に伴う理事の補欠選任を行いたいと思います。先例により委員長が指名いたすことに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 異議なしと認め、よつて柴田義男君を理事に指名いたします。 —————————————
○田中委員長 次に今緒方副総理に予算委員会で会つて参りましたが、緒方さんに質問の少し前に私の方から通告したら、わずかな時間でも何とか都合して来よう、こういうことになつておりますから、緒方副総理に質問の場合は、まとめていただいて、そうして質疑をするということがきまりましたらこちらから通告に参ります。もしほかの者が行かれなければ委員長が行つて入つて、こちらへ連れて参りますから、御了承願います。
○田中委員長 まず去る二十九日本委員会に対して昭和二十六年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十六年度特別会計歳入歳出決算、昭和二十六年度政府関係機関決算報告書、昭和二十六年度国有財産増減及び現在額総計算書、昭和二十六年度国有財産無償貸付状況総計算書及び昭和二十七年度一般会計国庫債務負担行為総調書がそれぞれ付託されましたから右御報告申し上げます。 また三十日の委員会で決議いたした国政調査事項については、議長の承認を得ましたから加えて御報告申し上げます。 なお閉会中実地調査のため委員派遣を実施いたしましたので、その派遣調査に関する報告書を作成いたしましたが、この際これを議長あてに提出いたしたいと存じますので御了承願います。 —————————————
○田中委員長 それでは政府関係機関のうち、日本国有鉄道の収支に関連する株式会社鉄道会館に対する鉄道用地貸付等に関する件を、本日の議題といたします。 すなわち株式会社鉄道会館に対する鉄道用地貸付等に関する問題は、去る十六国会会期中に調査審議を始め、爾来同会期終了後も閉会中の継続審査に付され、鋭意検討を進めて参つたことは御承知の通りであります。従いまして委員各位と政府、国鉄当局、鉄道会館当事者を初め、幾多の関係者または証人、参考人との間に質疑応答が熱心にかわされ、一方提出された参考資料の検討、実地調査等々、その審議につき完璧を期した次第であります。しかしながらなお若干の質疑も残つておるかと考えますので、重ねて質疑を継続いたしたいと思います。 従いまして質疑に入るに先だちまして、参考人の指名についてお諮りいたします。すなわち本日の参考人として、株式会社鉄道会館社長加賀山之雄君、同専務取締役立花次郎君の二名を参考人に指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認め、さように決定しました。 それでは質疑を願います。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 ごく簡単に、一、二点だけ運輸大臣に伺つておきたいと思います。かねて問題になつておりましたので、あるいは大臣も当委員会においてお聞きになつたことと思いまするが、例の国鉄業務上の現金の扱いの問題につきまして一点御所見を伺つておきたいのであります。これは国鉄法の四十二条の但書によりまして、一般市中銀行にこれを預けようとする場合には、施行令の十七条によりまして——現在は二十五条になつておりまするが、運輸大臣の認可許可を得て、大蔵大臣に協議をした上で市中銀行に預け得る、こういうことになつておるのでございます。ところで長崎総裁などの御説明によりますると、そういう手続がまだ運んでないように聞くのであります。つきましては運輸大臣として、全国の国鉄の収入という最大の収入現金につきまして、所定の手続がなされずに市中銀行に預けられておる。東鉄管内のごときは、例外なく全部市中銀行に預けておるのであります。これにつきましてひとつ御所見を伺つておきたいと思います。
○石井国務大臣 お答えいたします。国鉄法の規定によりまして、ただいまのお話の通り、原則的には日本銀行に扱わしめ、その他市中にやるときは大蔵大臣等と協議をしなければならぬことになつておることはお説の通りであります。実際の問題といたしまして、私が承知いたしておりますのは、書類は国鉄から大蔵省に出ておるということでございますが、この新しい法律になりまして、運輸省と大蔵省とまだ国鉄からの書類について相談を実際にやつてない状態でございます。これは書類だけは出してあるそうでありますから、至急にやるべきものだと思つております。その通りにとりはからいたいと思います。
○吉田(賢)委員 実はその点は大臣はどうも御承知ないらしいのであります。そうではなくして、八月一日から改正法が実施されましたが、本件は主として改正前の問題を扱つておるのです。質疑の要旨は、大体二十四年の六月から国鉄法が実施されましたが、その前には大蔵省から何か当分の間許すとか指定するとかいう趣旨のものがあるのですが、それ以後は出ておらぬ、協議されておらぬのです。これは大蔵当局の責任者の方におきましても、私自身も調べたのです。それでありますので、何らかの手続がそれからなされたと思いますけれども、また終了しておらぬはずであります。その点について事情に詳しくなければ適当に切りますけれども、これは非常に重大な問題でもございますので、あなたに重ねて伺うのであります。以前には長崎総裁に伺つたのですけれども……。
○石井国務大臣 私は法文の問題だけは承知いたしておりましたが、実際の扱いは詳しく承知いたしておりません。改正の前から、口頭でありますか書面でありましたか、大蔵省の承認は得ておつたというふうに承知しておりますが、いかかでしよう、そこらのところ私はつきりいたしませんが、そういうふうに私は了承しておつたのであります。その後の問題につきましてはただいま申し上げた通りでございます。
○杉村委員 私は長崎総裁に伺いたいのであります。昭和二十八年十月二十三日の東京新聞に長崎総裁は、来年の一月には国鉄の運賃を値上げしなければならない、こういうことを言われておるのでありますが、総裁のこの発表はこの通りでありますか。
○長崎説明員 その談話と申しますか、取材は、大体電話でやられたものでありまして、私は何月からやるとか、あるいは何月からやらなければならないということは申し上げていないのでありますが、少し違つた書き方になつておるようであります。ただ、仲裁裁定が出ました結果、財源をどこに求めるかということの質問がおもでございましたが、それにつきましては、これは経営の合理化に求めるとか、いろいろな財源をでき得る限りしぼり出さなければならぬが、今われわれの考えておるところでは、相当多額な財源に上るので、運賃の値上げなどということはできるだけ避けなくてはならぬが、あるいはそういうことになるかもしれない、まだ研究中である、こういうような話をしたのであります。できるだけ運賃は上げないようにすることは本旨であります。しかし研究の結果、非常に大きな財源を必要としますから、あるいはそういうことで一部まかなわなければならぬというようなことになるかもしれぬ、これはまだ研究中である、こういう話をしたのであります。
○杉村委員 それでは私がここに新聞に出ておる一問一答を読んでみます。あなたは電話でというような話でありましたが、一問一答によりますと、運賃の値上げについて問として「実施の時期は……」答として「来年一月までというのがギリギリ一ばいの線だ、従つて遅くも来年一月には実施したい、」こういうことが出ておるのですが、こういうことを言うたことはないのですか。
○長崎説明員 そういうことはむしろ答えでなくて問の方から出ておるので、そんなことじやありませんかというから、いやそれはわからぬ、まだどれだけのものをどういうふうにしてやつて行くかということもわからぬが、しかし大きな金になるから、あるいは運賃値上げになるかもしれぬ、という程度の話であります。むしろ問うて来たことを答えにしてあつたような形でありまして、私この記事を見て非常に心外に思つたのです。ことに話は五分くらいでしたから、そう長いこと私は話をしておらぬのです。
○杉村委員 しかしこれはきわめて重大な問題でありまして、運賃の値上げというようなことは、国民の経済力に及ぼす影響はきわめて大きいのであります。こういう記事が出ている以上は、国民は値上げをされるのではないだろうかということを考えるのでありまして、今総裁の言われたこととここに出ておる記事とはたいへん相違があるのですが、これは記者があなたの言わないことを書いたということでありますか。簡単に答えていただきたい。
○長崎説明員 私の言葉の足らぬところもありましようし、向うの聞いた方にも誤解があるのではないかと思います。最後の方をごらん願いますとよくわかると思いますが、なるべく運賃は上げない方がいいのだという意味のことはちよつと書いてあるように思つております。
○杉村委員 それではこれはこの程度にいたしておきまして、次は、あなたはこの間私が伺つたときに、株式会社鉄道会館の設立についてはあまり詳しいことを知らないというふうに答えておられたのでありますが、第一回にあなたがおいでになつたときにも、この株式会社鉄道会館の設立の問題について私はあなたにお尋ねをした。それはあなたが株式会社鉄道会館発起人加賀山之雄からの文書に対して、さらに九月二十六日付で回答書を出しております。その回答書のあて名は株式会社鉄道会館発起人代表加賀山之雄殿、こういう表題であなたが回答書を出しておられる。ところが株式会社鉄道会館というものは九月一日にすでに成立しておるのであります。九月一日にすでに株式会社が設立されておるにもかかわらず、あなたか総裁として文書を出されるのに、株式会社鉄道会館発起人代表加賀山之雄、こういう表題で出されておるということはおかしいじやありませんかと私があなたに尋ねたら、われわれの方でもたもたしておるうちに会社ができてしまつたんだと思います。こういうあなたのお答えなんだが、しかし私は非常にふに落ちない。ふに落ちないということは、あなたは株式会社鉄道会館の大株主であります。加賀山之雄氏が社長であり、あるいはほかの専務などという人が出ておりましても、これはわずかの株しか持つておらない。この株式会社の社長をだれにするも専務をだれにするも、一にあなたの専権にゆだねられておると言つても過言ではないのである。なぜなれば、過半数の株主であります。そのような過半数の株主が、会社がいつ設立されたのか知らないということは、私はどうも納得ができないのであります。でありますから、あなたがこの会社の設立について干与しておらないような、あるいは知らないようなことを言われるということは、はなはだ私は責任上どうかと思われる。従つて会社の設立に干与しておりましたならば、会社の設立登記が九月一日になつておりまするから、九月二十六日付であなたが出した文書を株式会社鉄道会館発起人代表加賀山之雄というような宛名で出すことは大いなる誤りなんです。それをあなたは、こちらがもたもたしているうちに会社ができてしまつたんだろうというような答えをされて、会社の設立には関与されておらないようなことを答えられておるのですか、その点はいかがなんですか。それをはつきり伺いたい。
○長崎説明員 その点については、この前こういうふうに申し上げたんじやないかと思います。まつたく九月一日には会館の設立が終つておつたわけであります。従いまして九月二十何日という目付の手紙は直つて行かなければならぬと思います。ところかあの案は、おそらくずつと早い時期に立案されまして、いろいろ役所といいますか、本庁の中をぐるぐるまわつている間に、ああいうことになつてしまつた。そのときに気がついて直さなければならなかつたのですが、その連絡が悪くてああいう結果になつたのは、まことに私は申し訳かないと思つております。
○田中委員長 杉村委員にちよつとお諮りいたしますが、今副総理がおいでになりましたが、副総理は予算委員会に行かなくてはならないので、副総理に質問ある方は許します。しかしあまり長くないように、五分か七分くらいにしてください。
○柴田委員 われわれは国鉄を中心といたしまして、いろいろな角度から調査を進めて参つたのでありますが、ことに鉄道会館の問題を一番大きな問題として取上げまして、二十数回にわたる調査の過程において明らかになりましたことは、何人も否定のできない事実といたしまして、たとえば国鉄から莫大な予算をこれに投入いたしました。今一つの建物の例をとつてみましても、二十七億五千万という建物は、四箇年か五箇年で株式会社鉄道会館のものに帰してしまう。それに対しましても、国鉄の予算の足りない中から六億かを計上しておるのであります。こういうような形の民間駅ができまして、でき上つた財産というものは、ほとんど全都と言つて過言でないくらい民間人のものになつてしまう。こういうような考え方、こういうような方針を国鉄当局が今日までやつておりますることに対しまして、政府当局はどういうお考えを持つておられるのか。副総理からまず概括的にお尋ねを申したいと思います。
○緒方国務大臣 私は新聞紙でこの決算委員会の経過を一応存じておりますが、今卒爾としてお尋ねにあずかりましたので、私答えができません。運輸大臣からお答えをいたしたいと思います。
○柴田委員 今副総理は、新聞紙上においては見たが、実際の根本的な問題はおわかりにならぬというような意味のお答えでございまするが、世の中でこれだけ大きな問題として取上げ、しかも世人がこれに対してまつたく支持を与えてくれておるこういう問題を、政府当局の、しかも責任の地位にあられる副総理が、単に新聞紙上が報ずる範囲においてしか御存じない。こういうことに至つては、断じてわれわれは承服ができぬ。少くも政府当局の責任者であられる副総理は、こういう問題に対しましては、運輸大臣から詳細御報告を受けておらなければならないはずである、こう私は思うのでありまするが、そういう御報告を運輸大臣からお受けになつておらぬのでありましようか。その点を承りたいと思います。
○緒方国務大臣 運輸大臣から詳細な話は承つておりません。
○杉村委員 私はただ一点緒方副総理に伺いたい。それは一昨日、自由党の石橋湛山氏が本会議において質問をしたことのうちに、これに対する答えとして吉田総理大臣が、国鉄は将来民営にする方がよい、こういうことを答えられたのでありますが、これはきわめて重大問題であります。ということは、われわれはあの八幡製鉄所が、いつの間にかに民営になつてしまつた。この鉄道会館も、東京駅八重洲口ヘできまするところの建築物は、ほとんどその大半が株式会社鉄道会館のものになつてしまう。こういうことになりますと、この八重洲口の工事の問題も、そういうような吉田首相あたりの方針に基いて、たとえば長崎総裁、あるいは加賀山氏等が、自由党の衆議院議長であつたところの林讓治氏、あるいは前田米藏であるとか、そういうような諸君に相談をして、この工事を始めたというのであるが、そのことははつきり参考資料として国鉄から出されておる。してみると、自由党の総裁であり、内閣総理大臣が、この国有鉄道を民営とする方がよいということを言われたといたしますと、総理大臣もこの八重洲口の工事について、やはり賛意を表しておつたものではあるまいかと思われる。ということは、大野伴睦君や、あるいは今言つたように、林讓治君とか前田米藏君とかいうような人たちが、みんな賛成をしております。でありますから、それについてそういうような了解があつたのかなかつたのかが第一点。 第二点は、何ゆえ国鉄を民営とすることがよろしいのであるか。この二点を、ひとつ簡単でけつこうでございますから、伺いたい。
○緒方国務大臣 第一点としてお尋ねになつたことは、私はこれは間違いないように申し上げておきますが、想像でありまするが、総理大臣はあまり詳しく存じていないと思います。 それから第二点の国有鉄道を民営とするということは、これは総理大臣であり、自由党総裁の意見でありますから、非常に有力でありますが、しかし何ら閣議で決定したものではないのでありまして、政府の方針とすることはできません。
○熊本委員 副総理もお忙しいと思いますから、ぜひ聞いておかなければならない問題として、二、三点お尋ねいたしたいと思います。その第一は、詳しいことは聞いておらないと、こうおつしやるのですけれども、一体今日の国鉄は国有であり、ただ形はコーポレーション的になつていますけれども、実際は国の責任においてこれを経営する、重要なる日本の産業の根幹ともいうべき輸送機関であるということについて、どうお考えになつておるか、まずお尋ねしておきたいと思います。
○緒方国務大臣 その点は全然同じような考えを持つております。
○熊本委員 そうであるとしますならば、これほど半歳以上にわたつて問題になつておる国鉄紊乱の追究の問題、これについて、詳細については関心がないというあなたのお言葉は、これは妥当でないと私は考える。少くとも、一切合財について詳細をあなたにお尋ねしようとは思いませんが、その中心点としての問題は、内閣としても重大な関心を持つて、これの方向についての指針ぐらいはお持ちになるべきだと私は考えておるのであります。そういう考え方が、私の方が間違いであるというお考えであるかどうか。
○緒方国務大臣 持つておるべきだと思いますが、持つていないのは事実でございます。この鉄道に関することは、運輸大臣が内閣としては全責任を持つておりますので、運輸大臣の意見が政府を代表する意見となるのでございます。
○熊本委員 重ねて念を押しておきますが、そうしますと、これから運輸大臣にお尋ねするのでありますが、その運輸大臣のお答えは、それ即現吉田内閣の責任において答弁されるものということに了承してよろしゆうございますか。
○緒方国務大臣 その通りでございます。
○柴田委員 先ほど副総理から、まだ運輸大臣から詳細な御報告に接していないということを承り、実は唖然としたのでありますが、ただ概括的に、副総理は、こういう問題が起きて世の中が非常に大騒ぎになつたのだが、実際国鉄公社のあり方というものは根本的にいいとお考えでありましようか、これはどうしてもいけない、何とか改革しなければならぬというようにお考えでございましようか、そのお考えをひとつ承りたいと思います。
○緒方国務大臣 構想としての公社というものは、私は今の国鉄の運営の上に間違つていないと思います。ただこれを将来どうするかという問題はいずれ研究を要することと思います。今の国鉄の構想は間違つておるとは考えません。
○柴田委員 公社というものの構想は間違いでないとお考えになつておる。しかし実際に運営にあたつて今騒いでおるような問題が随所に続出しておるのであります。単に今八重洲口の鉄道会館の問題一つだけではございません。これは京都にも、大阪にも、あるいは池袋にも、あるいは方々にこういう問題が起きておる。しかもそれが常に民衆駅というものを中心といたしまして問題が起きておる。あるいは土地の賃貸にいたしましても、実際に借りておる者の価格に対し、国鉄が貸しておる者の価格というものは百分の一にも当らぬというようなものも、われわれの調査では明らかになつたのでありますが、しからばどういう結果によつてこの問題が起きたのか。人を選ぶにその当を得なかつたのかどうか、あるいは人を選ぶには間違いなく選んだのだが、その人が何か間違つてそれをやつたのか、何かこういうことに対するお考えはでございますでしようか、その一点を承りたいと思います。
○緒方国務大臣 私は、長崎現総裁を政府が選んだことについて、結果から見ても少しも間違つてないと思います。その他の事情については、私はよく承知しておりません。
○藤田委員 公社の本質の問題に関しました二、三質問がありましたから、私この際副総理にだめを押しておきたいと思うのです。塚田行政管理庁長官の手元で現在行政機構の改革案を審議しております。それによりますと、大蔵省の外局であります印刷局あるいは造幣局まで公社制度にしようとしております。私は、完全なる民営にあらずして、公社のごとく民営の美点を取入れてしかも政府機関として運営するというところにコーポレーシヨン・システムの非常な美点と強みがある、かように確信する一人でありまして、この機会に運輸大臣の監督を強化することはむしろ公社制度の美点をこわす結果になるというふうな観点に立つておりますが、先ほど柴田委員の質問に対しまして、現在の公社制度は何も悪い点はないと思う、しかし将来は何か考えられるような御発言がありました。これはわれわれとちよつと違うのじやないかという印象を受けました。公社制度はあくまで活用して、むしろ現業官庁たる印刷局あるいは造幣局も公社制度によつてどんどん収入をあげていただいて一般会計に繰入れを強化いたしまして、国家財政を潤沢にする、こういう行き方が正しいと私は思いますが、この際副総理の忌憚のない意見を簡単にお伺いしておきます。
○緒方国務大臣 私の申し上げましたのは、構想としての公社というものは間違つていない、一つのいい構想だと考えますが、ただ何年かの経験をした後にいろいろな長所、短所並びに経験の結果現われる問題があります。そのときにまた研究して考える必要がありはせぬかということを申し上げたのであります。
○舘林委員 関連して。——公共性の非常に高い国家に関連する事業につきましては、いろいろやり方があるだろうと思いますが、たとえば昔の国鉄のように純粋の国有国営、あるいはまた終戦前後に一時構想として考えられました営団の考え方とか、あるいはパブリツク・コーポレーシヨンと申しますか、今の国有鉄道のような考え方、いろいろあるだろうと思います。この鉄道会館問題を通じまして、私必ずしも熱心に出たわけではありませんが、いろいろ速記録あるいは参考文献を拝見いたしまして考えました結論といたしましては、最も典型的な公社であります国有鉄道の現在の運営が必ずしも適切でなかつたということは、万人これひとしく認めていることだと思う。そうしてその原因の一つは、少くとも日本に新しく取入れた公社というものの構想あるいは運営の仕方に相当欠点があつたということも、すべての人の御承知のことだと思います。その意味で、今同僚の藤田委員は公社そのものは日本においては非常にすぐれた制度であるからあくまでもそれを持続すべしというお話でありますが、私は、公社そのものの構想自体が今後の現業官庁的なものの運営について必ずしも最良のものだという気がしないのです。従いまして、専売公社のあるいは国有鉄道ともに公社でありますが、このような現業官庁的な国家の一番大事な事業体のあり方につきましては、この鉄道会館問題を契機といたされまして、政府において根本的に再検討の機会をお持ちになつたらどうか。もちろんさつき藤田君からお話がありましたように、塚田行政管理庁長官もいろいろ研究されておるようでありますが、専売公社とか国有鉄道とか非常に影響するところが多いのです。しかもたくさんの国実の大事な金を取扱つておるこんなものにつきましては、一面において能率を高めるとともに、他の一面からはこれを最も公明な、外部から見てもくさくないような、いわばガラス張りの中でこの経営がされることが必要だと思う。そんな意味で政府としては公社全体についての調査会等も設けるくらいの気持で、一ぺん根本的に御検討していただいたらどうかという気がいたします。きのうは総理がこの問題に関連して、むしろ今後の鉄道のあり方は民有にすべきだというお話であります。これも一つの形式であります。しかしとにかくそれまでには数次の段階があるわけでありまして、今日はその一つの段階として公社が置かれておるわけでありますが、とにかくこの公社につきまして数年の経験がありますから、この経験を通して調査会を設けるような気持が副総理にあられるかどうか、この点を一つ質問いたしたいと思います。
○緒方国務大臣 私もよく研究したわけではない、ごくあらましの考えでありますけれども、公社というものは国有制度と私企業との両方の長所を集めて今のようなパブリツク・コーポレーシヨンというものが考えられたのであろうと考えるのです。しかしながらこれは場合によつて必ずしも最初の構想通りに運営されていないこともあろうし、両方の長所を集めるつもりが両方の短所のみを集めるようなことになるような場合もないとは限らない。ただ鉄道につきましては、最近私が聞きましたところでも、外国の鉄道はほとんど全部国有になつておる。これは必ずしも第一次大戦以来戦争気構えの国家主義からそういうふうになつて参つたばかりではなくて、やはり一つの公共性の裏づけを持つた必要があるのではないかというようにも考えられるのであります。それで私はここに卒爾として結論を申し上げることはもちろんできませんが、ただ今の舘林君のお話になつたような、日本でまだ数年の経験ではありまするが、公社というものに対して研究することはいいであろうと思います。現に行政機構改革本部でも今せつかく公社というものに対して研究いたしておりますが、今の方向は公社を廃止するといいますか、公社の構想をかえるという方向には向つていないようであります。研究しておることは研究中でありまして、いずれ何らかの結論を出すつもりであります。
○吉田(賢)委員 お尋ねいたしますがこのたびの鉄道会館問題を中心にしましてただいま論議されております問題の起りました原因は、組織上のことにも原因しておるかもしれませんけれども、別の観点からいたしますと、これはやはり戦後だんだんと指摘されておりまする綱紀の頽廃というところに決定的な原因があるのではなかろうか。やはり機構とか法律制度というものは人によつて生かされるのは申すまてもないのであります。このたび何十回か調査いたしまして、財政財務の面においても、資産管理の面においても、綱紀を振興する度合い等の面におきましても、人の関係におきまして、いろいろな面から見ましてどうも帰するところ法規問題というものに非常に大きく結論づけられるような感じを持つております。あなたはこの問題を具体的に御承知にならないようでありますが、一般的に常識的にはずいぶんいろいろな関係で御了承と思います。綱紀の面から見まして、内閣の副総理といたしまして、何らかの御意見御感想があつてしかるべきと思うのですが、いかがでありましようか。
○緒方国務大臣 事情をよく知らずに無責任なことを申し上げられませんが、戦争後、特に戦争後引続き占領下にありまして、綱紀が弛緩しておるということは全般的に申せるのではないかと思います。鉄道に関しましては先般来の経緯を十分に承知しておりませんので、ここで無責任なることは申し上げられません。
○杉村委員 運輸大臣は先ほど私が長崎総裁に質問したことをお聞きになりましたでしようが、要するに国鉄の運賃の問題でございます。長崎総裁の東京新聞の発表によりますと、一月がぎりぎりであるということを発表されておるのであります。ところが新聞の発表は自分の本意と反しておるというふうに言われておるのですが、そのお答えの中でも運賃の値上げを全然否定されてもおらないのです。鉄道運賃の値上げということは経済の上に非常に大きな影響を来すのでありますが、これに対して運輸大臣はどういうお考えであるか、御所見を伺いたい。
○石井国務大臣 運賃値上げが経済界に及ぼす影響その他に及ぼします影響の重大なことは御説の通りでございます。従いましていつから運賃をどう上げるというようなことは軽々に論断もできないばかりでなく、またそういうことを言うわけも私の方にはないわけでありますが、昨年の暮れから問題になりましたいろいろな鉄道内の改良事業、また国鉄の賃金の裁定というような問題等もいろいろあわせまして、どうしても運賃の値上げをしなければならぬということでありました。そのときに国鉄当局は二割五分値上げしてもらいたいということでありました。そうすれば改良事業等もややかつこうのつくところまでやれるように思うかということでありましたけれども、いろいろな情勢から考えまして、それはどうしても経済界に及ぼす影響が大き過ぎるというので一割にとどめたのでございます。それで国鉄といたしましては、これから先何か不時の支出がふえますれば、一般の業務の改善等によりまして、またみんなの努力によりまして収入が増し、支出が減ずるということだけではまかない切れないような問題になりますと、やむを得ず運賃値上げの問題も考えなければならぬことは当然だと思う状態であります。しかしそれをどういうふうにやるか、なるべく今のような経済情勢下においては、運賃の値上げを見送れるだけ見送りたいということが私どもの念願でありまして、ただいますぐ上げるというようなことは考えておりません。
○熊本委員 運輸大臣にお尋ねいたしておきますが、再三御出席をお求めしたのでありますけれども、お忙しいために御出席がございませんでした。運輸大臣だけに責任ある答弁を求めることはかえつて恐縮のように存じまして副総理にもその分担をさせたい、私はこう考えて質問しておりましたけれども、御信任深き運輸大臣は一切背負つての御答弁でありますから、そのつもりで質問を申し上げます。 まず第一にお尋ねいたしたいことは、国鉄運営というものは個人の私営が中心であるか、いわゆる国民八千五百万の利便を中心とした公益性を対象として経営すべきものであるかということであります。
○石井国務大臣 国鉄がどういう立場にあるかということはもう説明の必要ないと思いますが、公益性を持つものであるということは当然でございます。従つて公益を第一に頭に置いて考えて行くのでありまするが、同時にこれが国家から離れまして公社となり、独立採算制をとるようになりましたために、どうしてもここに自分の企業体としての採算ということも年中頭に入れておかなければならぬと思うのでございます。そこの組合せがちよつとむずかしくなりまして、批評するといかにも利益の方たけを見て利益の方にかけておるようになり、またある場合にはそう言いながらだらしなく金の百円もするものを十円しかとつていないというようなことでほつたらかしておるのではないかというようなことも、その間にちよくちよく出て来るおそれは今もあるように思うのであります。
○熊本委員 まことに適切な御答弁だと存じますが、なるほど独立採算制になつた国鉄といたしましては、できるだけ採算のとれるような経営方式にかわろうとする。そこに公益性との抵触がある。こういうことを大臣はお答えでありまして、それを私もその通りだと考え、そのバランスをどうにらみ合すかということか非常に国鉄関係の幹部諸君の努力さるべき重点であろうかと考えております。これには私は異存はございません。しかしながらその国鉄の悩みの中から国鉄を中心として不当なる利益をせしめるものがこれに付着するというような制度はあつてはならない。国鉄自体の独立採算制に基く国民への多少の犠牲ということすらも十分考えなければならないこの経営の本質に立つて、特定人の一部の利益のために利用されてはならない、かように私は強く思うのでありますが、この点に御意見があるかどうか。
○石井国務大臣 国鉄は国鉄に従事しているものだけのものでないことは当然でございます。その意味からいたしましてそれが国鉄の従業員のみの私の利益とか、または従業員であつた者の私の利益をはかるというものでありましたならば、これは私は正しい行き方ではないと思います。但しいろいろな鉄道の関係の仕事というものは、ほとんど日本の産業のすべてにわたつておるくらい広い世帯でございますが、それに関連いたします仕事を国鉄の息のかかつた、何となく気脈の通ずる人たちがやつて行つた方が、いろいろな研究、あるいは実際の事業の上におきまして国鉄に利益になるという場合も非常に多いと思います。それでそこいらのだれでもかれでもつかまえて来て、この仕事は公平にやるのだというよりは、ある中心になる人は国鉄に関係のある人がやつて、そうして広くいろいろな知識あるいは出資ですか、そういうものも持ち寄つて、それがうまく育てて、国鉄と相関連して行くことが一番望ましいというようなものも非常に多いと思います。度を過ぎてはならない。しかしある場合にはそういう国鉄関係者が中心になる方がいいという場合もあり得るというふうに私は考えております。
○熊本委員 抽象的な大臣の答弁はまことにごもつともでございまして、これには何ら反対するものではございません。しかしながら今国鉄を取巻く財団、社団、これらの営利中心の団体はあなたが御承知の通り、約二十三に及んでおります。これと直接の関連はないようでありますけれども、たとえば国鉄設備の問題等に関する出入り会社の問題を調べましても、二十二、三の会社の中で国鉄の元幹部の入らざるものはわずかに四つにすぎません。こういうことになりますと、まずかつては局長でありあるいは課長であるというふうに、国鉄の重要地位を占めたる者が、その後輩である現在の局長や課長に向つて物を取引するということがあつたときに、しからばその具体的な取引の中において、はたして公正妥当なる取引ができるかどうかということ、これらは人情の弱さとして妥当なる取引はできないと私は考えておる。そういうような、今日の国鉄を取巻く一切の団体及び会社等が、えて国鉄をさいなんでおると私どもは考えておるのでありますが、これらの諸点について、監督庁として運輸大臣は何か御検討になつたことがあるか、あるいはこれからでも十分なる一つの方途を設けて研究しようとされるかどうか、この点についてお尋ねをいたしておきたいと存じます。
○石井国務大臣 この問題は国鉄の場合だけでなく、あるいは一般の役所にも及びまして、非常に広い範囲の問題であるかもかわらぬと思つておるのでありますが、前に国鉄なら国鉄、その他の監督すべき地位にあつたものから離れて、被監督者の立場にあるところに入つているく利益を得るという問題につきましては、さつき申し上げたことに関連いたしますが、これも度合いの問題だと私ども思います。目に余るものがあれば、これは国鉄自身がまず考えるでありましようし、私どもがまたそれについて国鉄に対してあるいはアドヴアイスをするというようなこと等も、こういう問題が取上けられたのはどこにあるかということを当然頭に置きまして、今後私ども考えて行きたいと思つております。
○田中委員長 熊本君、もう一点にしてください。
○熊本委員 なかなか時間の問題で方方からおしかりを受けておりますから……。 〔発言する者多し〕
○田中委員長 自由党の方、静かにしてください。
○熊本委員 本論に入ります。先ほどから私の質問をいたしておりますのは抽象的でございまして、総括的なことをお尋ねいたしたのでありますが、それに関連する今問題の対象である鉄道会、この問題については、先ほどからの大臣の考えておられる国鉄運営の基本的方針とはおよそ相反するものである。利益追求、しかも国鉄によつてその迷惑をかけるのみならず、一般大衆に対してもやはりその利害を無視するがごとき営利本位の会社が今日すでにその一端を行いつつある、こういうような鉄道会館のごときについては、政府は意を決して、国鉄をしてこれをとりやめさせるというがごとき英国を振うべきだと考えているのでありますが、はたしてその決意ありやいなやをお伺い申し上げておきます。
○石井国務大臣 これは一つの形から言いますれば、一つの会社の内情でございます。これに対して監督をする立場にあるというか、直接関係のありますのは国鉄であり、それを監督している運輸省でございますが、まず私は、この問題は会社自身か今までの個々の経過をすつかりよく承知しているはずでございますから、この皆さん方の論議の経過に耳を傾け、また本日も決議があると思いますが、それによつてまず会社が善処するであろうと思います。それに従いまして国鉄がどういたしますか、私どもも監督者の位置として注視をいたして、これを見守るつもりでございます。
○杉村委員 議事進行について。本日の理事会におきまして、鉄道会館問題について大体結論を出したいというような話があつたそうでありますが、私はここにその結論を出す前に念のために議事進行について自分の意見を述べておきたいと思う。と申しますことは、十月十六日の本委員会におきまして、長崎総裁の証人としての証言中にきわめて重大なる偽証の疑いがあるのであります。事実の問題につきましては背任に及んでいるのであります。 それを一つ申し上げますれば、長崎総裁は、当日の私の質問に対しまして、この請願工事についてはあらかじめ予納金をとつてから工事をやりますということを、はつきりと答えられているのであります。ところが実際におきましては、昭和二十七年から今年の七月までの工事三十数件中十六件というものが、契約をするにつきまして予納金をとらずに契約をいたしているのであります。昭和二十七年十二月八日の契約、同じく昭和二十七年十二月二十六日の契約、昭和二十七年十二月二十六日、これは同じ日で別件であります。同じく十二月二十六日、別件であります。さらに昭和二十八年二月二十四日の契約、三月三十日の契約、これが二件あります。それから昭和二十八年三月二十七日の契約、昭和二十八年一月二十四日の契約、昭和二十八年二月十八日の契約、同じく二月十九日の契約、同じく二月二十日の契約、同じく三月二十五日の契約、同じく三月十四日の契約、同じく三月三十一日の契約、同じく三月三十日の契約、同じく三月九日の契約、同じく四月十日の契約、同じく六月十二日の契約、六月二十二日の契約、こういうようにたくさんの契約をやつておりますけれども、予納金をとつておらずに契約をしておる。しかるにもかかわらず、証人長崎惣之助氏は、これをとつて契約しておる、こういう供述をいたしておるということは、まさしく偽証であります。さらにこれを事実の問題に当てはめまするならば、いわゆる同有鉄道固定財産管理規程にみずから定めたところの法規を犯して、株式会社鉄道会館に利益を与えて、もつて契約をしておるということは、背任の事実がどうも多分にうかがわれるのであります。これが第一点。 第二点は、この株式会社鉄道会館の計画をいたしますにつきましては、政界方面におきまして、自由党の衆議院議長林讓治氏、あるいは前田米藏氏、その他たくさんの財界方面にも相談をした、こういうのでありまするが、国有鉄道監理委員会に対しては何ら相談をしておらないのであります。国有鉄道監理委員会に対してこそ相談しなければならない事項であろうと思うのにもかかわらず、何ら必要のないところの自由党の大幹部諸公に相談しておきながら、国有鉄道監理委員会にはさらに相談をいたしておりません。(「議事進行じやない」と呼ぶ者あり)相談しておらないということは、監理委員会の委員長佐藤氏が参考人として当委員会に出て、相談を受けておらない………。 〔「議事進行じやない」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 静粛に願います。最後まで聞いてみなければわかりません。
○杉村委員 事前には何ら相談を受けておらないということをはつきりいたしておるのであります。しかるにもかかわらず長崎証人は、相談をしておる、こういうことを言つていることは、まさしく偽証の疑いが多分にあるのであります。かくのごとく、われわれが今日まで調査して来たところの当の最も重大なる責任者である長崎惣之助氏の証言中、偽証、背任等の疑義があるといたしまするならば、これをこのままにして採決に入るということはどうであるか、私は委員長にお尋ねしたい。
○田中委員長 その問題は理事会で処理いたすことにいたします。
○山田(長)委員 ただいまの杉村君の議事進行に関する発言に関連があるわけですが、実はやはり過日証人として喚問いたしました立花証人の十六日の証言について、実は退職後に鉄道会館の問題は計画したという証言を開陳なされておるわけでありますが、調査をした範囲によりますと、退職後でなくして、在任中にこの計画を運輸省の中においてされておつたということか現在出て来ているわけであります。こういう疑わしい事実がありますので、この点についても、ただいま杉村委員から申されましたように、委員長におきましては理事会にこれを取上げるよう私は申し上げておきたいと思います。
○田中委員長 委員各位にお諮りいたします。今の山田長司君、杉村沖治郎君から議事進行で発言のありました問題は、理事会において処置したいと思いますが、いかがですか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 異議なきものと認め、そう決定いたしました。 これにて本問題に対する質疑は終りました。なお数次の理事会において協議をいたした結果、事案の重大性にかんがみ、本委員会の審議調査の結果による決議を、議長経由の上内閣に通告するとともに、関係機関にもこれを送付し、一方議長に対する委員長報告中に固定資産管理上の不当事項の大なるものとして特記するという二方針の決定をいたすことに協議がまとまつた次第であります。この際本件に関しまして吉田君から発言の申出がありますので、これを許します。
○熊本委員 議事進行——ただいま杉村君及び山田君からの動議は……(「動議じやない」と呼ぶ者あり)議事進行に関する動議……。 〔「動議は出ていない、議事進行だけだ」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 静粛に願います。
○熊本委員 それでは私からあらためて動議を出します。 先ほど杉村君及び山田君から、偽証の疑いありという点で発言があり、従つてこれをこのまま決定に入るということについてどうであろうかという発言があつて、委員長はこれを理事会において処理すると言われた。そこてわれわれは異議なく賛成をしたのでありますから、従つてこの採決に入る前に理事会を開いていただいて、先ほど発言のありましたいわゆる偽証問題に関して本委員会はどうするかということの問題を取上げていただきたい、これを動議として提出いたします。
○藤田委員 ただいま同僚熊本委員から動議が出ましたから、私はこれに対する反対の動議を提出いたします。 実はすでに三箇月半にわたり本件に関しましては慎重審議を重ねております。また累次の理事会によりまして大体忌憚なき意見の交換を終つております。従いまして、ただいま杉村、山田両委員からの御提案でありますが、これはいずれ私見は理事会において述べたいと思いますが、こういう問題はおのおのの観点におきましていろいろ異なつた結論も出るかもしれません。そういつた関係もありますし、この際、先ほどの理事会の申合せによりましてただちに採決に移られるようにひとつお取運び願いたい、かような動議を提出いたします。
○熊本委員 これは……。 〔「動議採決」と呼び、その他発言する者あり〕
○田中委員長 静粛に願います。
○熊本委員 藤田君の御意見とも思われないと存じます、ただいま動議のつもりで出されたものが動議になつておらないから、私はあらためて動議を提出いたしたのでありますが、事少くとも証人喚問にあたつての偽証の問題及び背任その他の問題は別といたしましても、この問題が新たに提議されました限り、これを理事会において一応処理すると言われた委員長の立場から行くならば、採決に入る前に一応理事会を開くことが妥当である。これは議事運営の建前から行きましても、慣例から行つても、私は妥当なりと考える。従つて満場の同僚諸君がこの際大いに雅量を示していただいて、一応理事会を開いて、この問題の処置についてたとい意見の相違があろうとも、一応の手続を経ていただくことが、本委員会の明朗性のために必要と考え、重ねて主張いたします。(「採決々々」と呼ぶ者あり)
○阿部委員 熊本委員の動議に対して賛成の意見を申し上げます。この偽証の問題は、この決議の根底をなしたところの審議の過程に出て来たところの証言に関する偽証であります。従いまして、その証言が動議の理由であるといたしましたならば、その後に決定さるべき決議の根拠が異なつて来るのであります。それでまずその証言が虚偽であるかないかということについて決定した上でなければ、決議をいたしましても、その決議の価値が根底から動揺するおそれがあるのであります。そこでまず熊本委員の動議を先に審議して結論を得てからでなかつたならば、決議をなすことは妥当ならざるものであると思うのであります。さようとりはからわれんごとを望みます。
○吉田(賢)委員 暫時休憩して理事会を開かれんことを望みます。
○田中委員長 十分間と時間を限定して理事会を開くことにして、休憩いたします。 午後四時五十一分休憩 ————◇————— 午後五時二十二分開議
○田中委員長 休憩前に引続き再開いたします。 理事会における協議決定に関して御報告いたします。杉村委員及び山田委員から、偽証罪に対するところの動議が出ましたが、この動議は一応理事会で預かりまして、次の理事会にかけてこれを善処したいと考えております。
○杉村委員 私は多数の委員諸君が御決定になつたことについては、とやこう言うのではありませんけれども、私といたしましては、少くともこの決算委員会がここに結論を出すということにつきまして証人としてお呼びになつたその証人は、他の者と違つて最も重要なるところの証人であります。その証人の供述中に、しかも私どもが空理空論で申し上げておるのではありません。先ほど申し上げましたように、速記録を通して、私どもはここに意見を述べたのであります。従つて少くとも本問題について、それが私だけの間違いであるかどうか、私は少くともこうした問題は親切心から言つたなれば、あるいは言い間違いであつたということもなきにしもあらずでありますから、いま一応証人として呼んで、そうしてそれは間違いであつたならば間違いであつたとか、私が申し上げたことは間違いであつたということを聞くことも私どもは必要であると思う。証人を何がゆえに呼んだか、結論を出すために、最も重要なるがゆえに証人を呼んだ、その証人について、かようなことがあるのにもかかわらず、それはあとの問題として、先にこの問題の決を出すということは、われわれはものの審理、終結の順序において、非常に誤まつたことではあるまいかと思うのでありまして、これをこのままにして、この結論を出すということには私はどうも賛成できませんから、この点は後日のために私はここに意見を開陳しておきます。
○山田(長)委員 私も先ほど述べました立場上、ただいま杉村委員の発言に満腔の敬意を表して賛成をしておきます。
○熊本委員 これは両委員の御説はしごくごもつともでございまして、そうあらねばならぬと私も思うのでありますが、先ほどの理事会におきまして、動議はそのまま取上げて、次期理事会においてこれが処理について真剣な御討議を願い、あらためて委員会にお諮りを願つて結論を出すということでありますれば、いろいろ矛盾もありますが、きようのところはそういう形においてものを処理していただくということもまた、不本意ながら万やむを得ないのではないか、かように考えておりますから、委員長においてよろしく……。
○田中委員長 多少の食い違いもありますが、一応了承しておきましよう。では吉田君の発言を許します。
○吉田(賢)委員 私は両社会党を代表いたしまして、両党提案にかかる株式会社鉄道会館に対する鉄道用地貸付等に関する件に関する決議案を提出いたします。 主題の件について、本委員会は、第十六回国会以来、閉会中に於ても継続調査をした結果、その真相は漸次判明し、殊に本問題を通して、国鉄の資産の管理、会計の経理その他運営等に亘つて、幾多重要なる問題のある事が明かにせられた。 政府及日本国有鉄道は国鉄をして、真に国民の国鉄として公共の福祉増進に遺憾ないよう特に左記第一乃至第五項について速かに適切妥当なる措置を講ずべきである。 記 一、株式会社鉄道会館の計画及一切の事業を国鉄直営とし、その経営を公益本位に切換えること。二、日本国有鉄道の首脳部役員、同経営委員、運輸大臣等は、各々その責任をとること。三、日本国有鉄道の資産管理、会計経理、その他財務に関する法令、規程を完備すること。四、日本国有鉄道と、その各種外廓団体及関係団体との関係につき、左記の諸点を考慮し、速かに整理、粛正の措置を講ずべきである。 1 日本交通公社、日本通運株式会社等との債権、債務を更に調査、検討し、速かに整理すること。 2 重要工事請負会社との関係を厳正且つ公明にすること。 3 鉄道弘済会、日本食堂株式会社等への国鉄資産の貸付車輌の利用又は独占的営業における中間不当の利得を排除し、サービスの徹底的改善をはかること。 4 民衆駅制度を原則として廃止すること。 5 各種外廓団体及関係団体の廃合、絶縁等の整理を行うこと。 五、日本国有鉄道退職高級役員の私企業からの隔離につき、国家公務員法に準じて適当なる立法措置を講ずること。 六、国会に、日本国有鉄道臨時調査特別委員会(仮称)を設置すること。 右決議する。 以下この決議案を提案いたしました理由につきまして、若干趣旨を弁明さしていただきたいと存じます。 このたびの鉄道会館を中心にしました国鉄問題は、あらゆる方面に非常に大きな反響を与えまして、ことに一斉に輿論の支持を受けておりますので、いわば国民大衆監視のうちにその成り行きは見詰められておると考えるのであります。従つて私ども当委員会は、そういう趣旨におきましても、その責務の重大なることにかんがみまして、事実はできるだけ冷静に事実としてこれを把握すること、そうしてこれに対しまして、われわれ委員会は衆議院の決算委員会として与えられておりまするあらゆる権限、職責に照しまして、妥当適切なる意見を決定するということ、これが当然の職責であろうと考えるのであります。 そこでかような観点に立ちまして問題を概観しますと、まず第一には、国鉄の財政関係につきまして、会計、経理的な紊乱、弊風がかなりあり、これは否定することはできないと考えます。あるいはまた会計に関する各般の法規あるいは規定などがございまするが、こういう問題につきましても、だんだん論議されましたことくに、まことに無視、軽視のはなはだしいものがある、あるいはまた一部部外の営利会社にきわめて重要な経済価値のある場所と設備を独占的に利用させておる、東京都の最も重要な中心的場所におきましてさような事実が行われておるということは、これはまつたく見のがすことのできないものである、こういうふうな感想を得た次第であります。 ところで、私どもは進みまして、三、四の方面から今の決議案を出すに至つた理由を開陳してみたいと思います。 第一は契約の問題であります。これは国鉄から会計検査院に対しまして契約についていろいろと弁解的な回答がございました。しかしながらこの契約につきまして私どもが見のがすことのできないことは、加賀山之雄君という元の国鉄の総裁が、個人的に長崎総裁から鉄道会館ビル、各般の事業の経営等についての事業の委嘱を受けておる、これは見のがすことのできない点であります。しかし文書によつて検査院へ回答せられるものによりますと、そういうことは全然触れておらない。この人間加賀山氏にかつて事業を委嘱したということは、長崎総裁あるいはまたその他の佐藤監理委員長もあるいは天坊副総裁もことごとく述べておることであります。しかしながらこれはやはり契約の性質をきめます上におきましても、私どもは無理な事実であつたと見ましたが、はたせるかなその個人加賀山氏は契約の経緯、性質などを回答する上におきましては全然オミツトされている、こういうことを看取するのであります。ここにこのたびの問題の潜在いたしておりました重要な経緯があつたわけであります。これは幸いにも本委員会におきましてすつかり実情が露呈いたしましたので、私どもはその点について深く追究して参つた次第でございます。 ところで、契約上の第二の問題は、契約は昨年の九月二十六日に成立いたしております。ところが現実には使用料もとらず、使用料も定めず——使用料をとるということは固定財産管理規程等によつてみましても前納を原則といたしておりますし、あるいは担保を供与するということも規定されておる。ところがこれもない。つまり使用料もとらず、使用料を定めず、担保もとらず、しかしてすでに部外人の営利会社がどんどんと使用を継続して行つている、使用を進めて行つている。ことに高架下のごとき、あるいは連絡上屋の半分のごときは第三者の有名店五十三軒に貸しており、その方からは三億二千万円もすでに前取り家賃を三年分とつている、こういう事実も明らかになつて参りました。さらにまたまだ建築はされておらぬけれども、大丸から最近には二億五千万円すでに領収している、こういうような事実も明らかになつております。ところがそのうち一億円は大丸から入りましたが、当時その段階におきましては、国鉄としましてはいまだ使用料をとつておらなかつた。委員会でぐんぐん責められ、若干の使用料千四百余万円をとるに至つた。しかもこれは中間的な、暫定的なという弁解がつけられている、こういうのであります。でありますので、この点についてみましても、契約の結び方が非常に不当なものであつたことは間違いありません。これにつきましては、前の供述人の島田氏も、あるいはまた阿部供述人におきましてもその不当性は同意しているわけであります。あるいはまた検査院におきましてもこの点については不当であるというふうな見解を表明しているわけであります。 そこでさらに問題にしたい点は、国鉄側はこの契約は公法上の契約であるとがんばつておられる、ところが島田供述人にしましても、学問的、専門的な見地からいたしまして、私法的契約であるということにお述べになり、われわれもいずれの観点からいたしましてもそのような結論を得るのであります。あるいは大阪の高等裁判所の国鉄に対する裁判の実例に徴してみましても、その他若干の書物を私も引証してみましたが、これらにつきましては、公法上の契約だという論点はどこにも出ておらぬのであります。こういうような見地からいたしますと、ここに私法上の契約を結びまして、株式会社鉄道会館に重要な場所、設備を利用せしめておる、第三者に転貸しをしている、莫大な前借り金をとつている、こういうようなことになつて参りますと、その結果は民法上の借地権ないしは借家権が発生いたしまして、その結果は国鉄が多大の負担をこうむつており、大きな義務を負担している。将来簡単にのけ得るために鉄骨の連絡上屋をつくるのだという弁解はありましたけれども、簡単に上屋はのけ得ないのであります。何となれば、数十軒の有名店は莫大な金を出しておりますから、すでに発生しました私法上の権利を行使いたしまして、のくことには容易にがえんぜないということは、われわれは虎ノ門の問題に徴してみましてもたやすく推認することができるのであります。こういうような点から考えましても、国鉄といたしましては、非常に不当な、大きな義務を課せられたという結果になつた次第であります。あるいはまたこの契約が随意契約をせられたということは、これは何の議論もない。随意契約の根拠といたしまして、その契約の性質あるいは目的が随意契約に適するのであるという例の施行令三十三条の六号を持つて来て議論しておられる。しかしながらこれはあくまでもやはり客観的なそういう実情あるいは妥当性がなければならぬ。加賀山氏に信頼したというようなことは、この随意契約をとりきめます根拠にはならぬ。しかして加賀山氏を信頼し委嘱したということが、そもそも契約を成立せしめるに至りました大きな動機であり、理由であつたことは、皆さんの御説明によつて明らかになつている。さような大きな矛盾が生じているのであります。でありますから、こういうような点からいたしますと、この契約を結びましたことによりまして、国鉄は甚大な損害を受けざるを得なくなつている。自繩自縛のような関係に立たされている。ことに昔の帝国鉄道会計契約事務規程五十八条によりますと、随意契約の場合には二人以上の見積りを徴するということすら規定されておつて、これはまだ生きているのであります。生きているということは国鉄側でもこれを認めている。あるいはまた法三条の第二項によりますと、これは陸運に関する仕事の場合に請負をすることはできますけれども、あのビルが陸運に関する仕事であるやいなやということは、これは議論があつたのでありますけれども、やはり答弁としましては、私どもは正鵠を得ているものでないと考えるのであります。 かように見来りますと、要するにこの契約そのものは多くの法律、命令、規程などを無視いたしまして、一営利会社と不当な契約をしておられる。よつて国鉄といたしましては多大な損害ないしは過大な負担を将来にこうむらざるを得ない状態に陥つたのでございますので、こういつた問題につきましては、私どもはやはり根本から考え直してもらわねばならぬと考えるのであります。ここにおきまして私どもは、この株式会社鉄道会館の事業及び一切の将来の経営につきまして、国鉄直営という新たなる観点から態度を改めてもらうということが、国民が納得する、国民が了解する——また本委員会におきまして明らかになりました事実からいたしましても、そういう手を打つべきでないか、かように考えるのであります。あるいはまた加賀山氏の説明によつてみましても、国鉄の御意向ならば何でもこれに従いますという会社代表の御発言すらあつたのであります。こういう点から見ましても、私どもはむしろ一歩進めまして、中間利益を排除し、直接に国鉄があそこのビルの経営をやる、やる方法につきましては、これはわれわれはやるべき人におまかせしますけれども、ただいまの関係を根本から清算するという意味におきまして、独占を排除するという意味におきまして、中間利益を排除するという意味におきまして、今一項の理由を述べた次第であります。ことにまた他面から考えてみますと、あそこの八重洲口の広場問題は、あの辺の利害関係を持つておる都民との間に非常な紛糾が続いております。独占禁止法違反等の提訴すら見ておるのでございます。これをしもしりぞけ計画を遂行しようということになりましたならば、それは全都民を敵にし、国民全体の考え方を無視いたしまして、国鉄と株式会社鉄道会館の首脳部諸君が事をあえてなそうという結果になる危険があると思うのであります。こういうような観点からいたしまして、私どもはこの際この問題の解決の一案といたしまして、国鉄直営を主張してやまぬものであります。 それから問題はさらに転じまして、監督の関係、法規の関係を論じねばならぬのであります。と言いますのは、やはり運輸大臣の責任を問うというのは何ゆえでしようか。運輸大臣は申すまでもなく法五十二条によりまして直接国鉄の監督の行政大臣であります。あるいはまた運輸省設置法によつてみましても、国鉄の監督は運輸大臣がなさる。従つて第一次的な行政監督の機関は運輸大臣であります。運輸大臣はこの問題の発生経過にかんがみまして、国鉄のいろいろな事業計画に対しましては、相当綿密に調査し検討いたしましてこれに対してしかるべきさしずをなすべきであつたのにかかわらず、それをすることなくして今日の事態が発生しておるという上からは、やはりこれは曠職のそしりを免れまいと思います。なるほど運輸大臣はその後に就任なさつたのでありますけれども、しかしながら予算、決算等の会計法規などによつて徴してみましても、国鉄の経理関係の法規を通覧いたしてみましても、やはり事業計画とか決算とか報告とか予算とか、そういつたものはあなたの手元へ一応出すことになつております。しかる上検討して大蔵省へ出すのでありますから、そういう過程のことを考えてみましても、やはり責任は免れまいと思うのであります。ないし総裁におきましても、総裁の個人的な人格の問題は別といたしまして、総裁の職といたしまして、この場合にこれだけの紛糾した問題を起し、ないしは契約におきまして幾多の不当な点が指摘せられ、また過大な義務負担というような結果を招来するような契約をなさつて、そうして使用料の徴収につきましても、いまなお暫定的なものというような御説明しかできぬ。あるいはまた契約の改訂の結果、株式会社鉄道会館から新たに徴収しなければならぬ、収納しなければならぬ金円につきましても、いまだ完了を遂げておらぬというような点から考えてみましても、これはやはり何らか相当責任をとらるべきが至当であると考えます。監理委員にいたしましては、これは国鉄の最高の指導機関であります。ことに八月一日実施の改正法によりましては重要な事項はことごとく監理委員会の決定にまつことが必要となつております。監理委員会がロボットになり監理委員会かろくずつぽ協議を受けないでかえつて監理委員の重要な地位にある人が大株主になり、鉄道会館の創立の発起人になるというようなことであつては、監督をする者と監督をせらるべき者及びその利害関係の者を監督の立場において実に公私混淆のはなはだしいものといわねばなりません。この点から見ましても監理委員の各位は相当重大な責任を負わねばならぬ。要するに私どもはこれらの首脳役員、監理委員及び運輸大臣につきまして責任を問うゆえんのものは実に以上のような理由に由来するのであります。ところが自由党の諸君はあるいは言われるであろう、決算委員会はそういう職にある者に対する責任を問うことは越権であると。しかしながら決算委員会は最近の傾向によつて見ますると、国政調査の場合ある事件を調査いたしましたときに、事件に対しましては具体的適切なる意見を決定するという傾向にだんだんなつて来ております。また本件のごとき責任の所在を明らかにするということは国政を究明し、ないしは国政上の批判をする上におきまして最も重大なことであります。責任の点を無視いたしまして、責任を負うべき人を考えないというような考え方をもつていたしましては、われわれは国家の職責を尽しておらぬと考えるのであります。こういう点から見ましても責任の関係におきましては個人の気持とかあるいは感情を離れまして、冷静にやはり帰すべきところへは帰し、明らかにすべきところは明らかにする、こういうようなけじめをつけ、筋道を立てて行くということがこの結論をつける上におきまして最も重要な根幹の事柄であろうと考えます。よつてわれわれは第二項の責任関係を規定いたした次第でございます。 それから第三項の会計経理に関する諸般の規程を完備するという問題、これはまた一面から見ますとこのたびの問題を起しましたところの重要な原区は、これは国有鉄道が国家の直営から日本国鉄法に委譲になりました際に、財政法とかあるいは国有財産法とか予算決算及び会計令とかそういつたものから一切抜けて参りましたところが、これに対応するところの適切なる会計法規を準備することなくして漫然と数年を経過した、ことに固定財産管理規程のごときも昨年の十月にこれをつくつております。こういう点から見ましても私どもは一刻もすみやかに——国鉄のあり方のいかんにかかわらず、これらの財政会計に関する完全な法規を準備するということは、これは当然過ぎるほど当然であると考えておる次第でございます。 さらに私どもは外郭団体について見のがすことのできない大きな事実を次から次へ発見して参りました、最初は交通公社の問題でありました。交通公社が二十五年の決算におきまして多額の未払いを残しておつた。二十六年に至りまして、古いものは支払つておりまするけれども、ことしの八月三十一日現在におきましては、なお十一億七千余万円が残つておるということは、会計検査院が報告しております。さらに日本通運に至りましては、本年三月未現在のバランス・シートについて見ますると、五十億円強が鉄道未払金になつております。私鉄、航空の分を除きましても、なお四十九億何がしというものが国鉄への未払金になつておる。この厖大なものをどうして取立てをしないかというところに、私どもは会計経理上の一つの綱紀弛緩といいますか、綱紀頽廃といいますか、紊乱の状態を見のがすわけに参りません。あるいはまた熊本氏も行つておられたことくに、幾十の外郭団体その他の問題、運輸調査局等の問題にいたしましても同様であります。これらの外郭団体の問題につきましては、なお今後究明を残しておきたいと思います。一応の決議としてわれわれはいたしはしますけれども、しかしながら、まだまだこれは究明して行かねばなりませんので、今後に多くのものが残つておる次第であります。ことにまた見のがしがたい点は、地方の各局におきまして、年間一億円以上の工事の請負をしておる会社を、われわれは資料として要求いたしましたところ、一応一そろい出たのであります。これらを通覧いたしますると、幹部はことごとく元国鉄の役員であつた。もしくは高級職員であつたのでございます。これらの人が幹部に入らなければ、国鉄の大工事の請負はできないというような世評すらあるのであります。こういう点は、われわれはただちにそこに不正もしくは法律上の違背、刑事的問題があるとは申しません。けれども厳正にして公明な関係にするということは、絶対的に必要であります。これらをほんとうの勇気をもつてすることができるであろうかということに、われわれはなお疑惧の念を持つております。持つておりますけれども、今ここに運輸大臣も列席しておられまするので、国鉄の第一次行政責任者である運輸大臣は、この世論にかんがみまして、この関係を適正、公明にするということに徹底的に勇気を振つて行かねばならぬと考えるのであります。 あるいはまた鉄道弘済会の問題であります。この問題は、われわれは関西に二日間旅行いたしまして、大阪、三ノ宮等のガード下、高架下あるいは駅の構内などを調査いたしまして、あまりにも安い使用料で国鉄から借り、あまりにも多くの中間利益が内地人ないしは第三国人によつて占められて、末端の利用者が莫大な使用料を支払つておるという事実を、この目で見て来たのでございます。こういう点につきましても、ただちにしかるべき整理をしなければならぬのであります。弘済会の成立は、国鉄の従業員の気の毒な人のために、いろいろと仕事をなさることが目的であつたことは、その財団法人の趣旨にも書いてある。けれども今日の実情から見ますと、こういう面に真に粛正のメスを振いまして、国鉄と弘済会の関係、弘済会と他の利用者との関係ないしは第三国人との関係というものを、ほんとうに国民が納得の行くようにこれを公明にいたしまして、解決しなければならぬ段階に今至つておるものと思う。 あるいはまた、小さな問題のようでありますけれども、日本食堂株式会社が列車を堂々と一車利用いたしまして、まずくて高いものを売りつけておるということは、ほとんど異論ないのであります。こういうような問題につきましても、これはやはり国鉄といたしましては、すみやかに整理、粛正の対象にせねばならぬものと思うのであります。 あるいはまた民衆駅の問題にしてもそうであります。民衆駅に名をかりまして、民間の資本が投入せられて、国鉄は居候しておる。雇い人がどちらであるかわからぬような実情にあつて、真に交通第一義的な運営が行われていないというところが大部分であります。あるいはまたよい例はないと言つてもよいほどであります。従つてこれに対する非難は世上ごうくたるものがある次第であります。ゆえにこの点につきましても、原則として廃止することをわれわれは主張するのであります。かかる理由によりまして、十幾つ、二十前後の著名なる外郭団体、関係団体につきましては、廃合、絶縁などの整理をただちにやられることを希望してやまぬのであります。 さらに私どもは、この綱紀問題に関連いたしまして、また部外外郭団体、関係団体との関係を考慮いたしまして、高級役員が横すべりいたしまして、国鉄の利益と直接のつながりのある民間の会社、団体の主脳部に納まるということの弊害を、あまりにも多く見せつけられて参つておりまするので、この際私どもは、政府におきまして進んで、やはり国家公務員法百三条にもございます私企業との隔離の原則、あるいはまた専売公社法等にも規定がありまするが、こういつたものもただちに取入れまして、私企業からの隔離を即時断行する、こういつた立法措置に出なければならぬとかたく信じております。ことに高級役員におきましては、恩給法によつて多大なる金額の給与を受けますので、老後何らの不安のない立場におられる人であります。こういつた立場の人々でありますので、ただいまの問題につきましても、すみやかに適切なる措置を講ぜねばならぬと考えております。そこで私はこれら問題があまりにも多過ぎて、国鉄の内部におきましての固定資産の管理から、ないしは会計の制度から、あるいはまたその他国鉄の運営等に至りますまで、国鉄というものにつきましてさらに根本的に検討をする必要があろう、あるいはまた外郭団体と称するもの、ないしは公社全体にわたりまして、さらに根本的に検討いたして、国民の希望し、国民の福利増進に沿うような組織に改変して行くという必要があろう、こういうふうに思いますので、これらの目的のもとに国会内部におきまして、たとえば水害につきまして特別委員会が設置されておるがごとくに、これらの目的のために、国鉄等の根本的な各般の要素等を調査するために特別委員会を設置して、将来のそのあり方、あるいはまた現実の各般の問題を一層条理を尽して解決し得るような委員会を持つて行きたい、こういうふうに考える次第でございます。 かように考えまするので、私どもは第一項ないし第六項の決議を本委員会においてせられんことを希望するものでありますが、なお一言申し上げておきたいことは、このたびの問題が当初不当な契約の締結によつて発足いたしましたが、はしなくもわれわれは非常なる綱紀の紊乱があつて、そうして社会の腐敗した面との結びつきがあまりにも大きい。これは今日の非常に腐敗した世相の断層面を露呈しておるものと、かようにすら断じておるのでございます。従つて、本委員会における速記録を通覧いたしてみましても、述べられるところはまちまちである。あるいは法規遵奉の精神等について、みずからつくつたものをみずから破つていて平気な答弁をしておられる。法律をやかましく言うということは、これはただに為政者だけの問題ではないのである。みずからつくつてみずからそれに従つて行くということは、まず首脳部においてなすべき当然の責務である。ことに国鉄法等によりますと、末端の職員等におきましても非常に厳格な規定違反に対する制裁規定すら設けられておるのであります。しかるに役員の諸君がこれらの法規に違背いたしましても、こんとして恥じない。笑つて済まし得るというような今日の風潮に対しましては、断固として私はこれを糾弾しなければならぬと考えるのであります。ここに綱紀を振粛しなければならぬところの大きな問題が投げ与えられておる次第でございます。ことに責任問題等につきましては、責任を明らかにするということに躊躇し、責任の帰するところを明確にすることに躊躇するようなことがありましたならば、われわれは今日の国政批判の目的は達しないものと考えます。国会において、わが決算委員会において、こういう具体的な事件を取上げてそれを糾明して行きまするゆえんのものも、あるいは帰するところ真に政治の責任、行政の責任、運営の責任、責任の糾明ということに帰するのかわからぬ。従つて、私どもは法律的に、政治的に、あるいは社会的に、ないしは道義的に、あらゆる観点からいたしまして、この責任を明らかにすることによつて結んで行かねばならぬ。しかるときに、次のなすべき仕事が、あるいは人がかわつた場合に次の人がなすべき手がおのずから出て参ります。漫然とこれをほおかぶりして済まして行くということになりましたならば、おそらくこれはどろ田の中へ落ち込んでしまつたものを暗中模索しておるようなことになりまして、日本の国鉄のために、日本の国益のためにこんな不幸なことはございません。痛いであろうけれども、辛いであろうけれども、責任の所在をほんとうに明確にいたしまして、責任を負うという真剣な、真摯な考えをもちまして、関係者すべてがこれに向つて進まんことを希望してやまぬのであります。本委員会におきまして、私はすみやかに冒頭述べました決議案の御採択を賜わらんことを希望してやまぬのであります。 一言理由を弁解いたしまして、提案の趣旨の説明にかえた次第でございます。
○田中委員長 次に、ただいま提案せられた決議案に関して討論を許します。柴田君。
○柴田委員 ただいま吉田委員から、左右両派社会党の提案の理由があらゆる角度からるる申し述べられたのでございまして、これに対しましては満腔の敬意と賛意を表するものであります。 私どもは、本委員会開会以来二十数回にわたつて調査を進めて参つたのでありますが、われわれは常識的に判断いたしましても、国鉄の本来の使命と申しまするのは輸送力の増強であり、あるいはまた改善でなければならぬ。これを一つの目標と考えておるのであります。しかも、戦後非常に荒廃しきつた国有鉄道が公社の制度にかわつたのでありまするけれども、その荒廃いたしました国鉄の設備あるいはその他のあらゆる部面から見ましても、相当改善を要する問題がたくさんあつたのであります。しかも現在の評価にいたしましては、一兆数千億に余る財産であるということは否定のできない事実であります。現在一兆数千億の国の財産、これを預つておることを長崎総裁以下首脳部の各位は忘れてはならないのであります。しかし戦前におきましては、この国有鉄道によつて莫大な利益を得ましたものを、すべてが大東亜戦争の犠牲にこれを払わせたのであります。そういたしまして、こういう大きな利益があつた時代には戦争へ戦争へと、この利益を吸収して参つておるのであります。そうして荒廃しきつたその財産、設備というものを国鉄が公社の制度にかえまして、それをもつて独立採算制が押しつけられたということは、私ども考えまするに、今後国があらゆる面からそうしたことを考えまして、施設に対しましては、国の予算をもつと大きくとつて行かなければならぬ、こういうことも十分考えておるのであります。だが預かつたいわゆる一兆数千億に余る財産をもつていかにして運営して行くか、これは最も正しい運営を考えて行かなければならぬということが根本でなければなりません。しかるに現実の状況をわれわれ見ました場合に、あらゆる面においてそれが破綻を来しておるのであります。これは戦後三代にわたり総裁かかわつてはおりますけれども、国鉄の根本的の考え方というものに大きな原因があるのではないかと想像されるのであります。それはすなわち国鉄大家族主義、こういう考え方に非常な間違いが存在しておるのではないかということをわれわれは考えざるを得ないのであります。こういう点に対しましてはおそらく現在の状況においていろいろと考慮を払われることは当然ではございましようが、われわれが一項から六項にわたる項目を並べてこの決議案を上程いたしまして賛成いたしまするゆえんのものは、たとえば株式会社、鉄道会館の一切の事業を国鉄の直宮にしなければならぬということをなぜ今さらわれわれは考えたか、こう申しますと、東京工事事務所におきましてこれを監督あるいは計画を進め、あるいはこれに対しましていろいろな方途を講じておるものを見ましても、出張命令の面においてすらも、百余名に上る国鉄職員がこれに対して大きな勢力をつぎ込んでおる事実があります。こういう面を一つ考えてみましても、当然国有鉄道が直接やつてしかるべき仕事である。何もこれを株式会社鉄道会館という会社をつくり上げて、それに大きな利益を与えなければならぬという理由は、どこにも存在しないと存ずるのであります。 第二の、国有鉄道の首脳部役員、同経営委員、運輸大臣等はおのおのその責任を明らかにすること、先ほど来提案者吉田委員の説明によつて明らかではございますが、戦後特に、国鉄一つではありません、あらゆる行政庁におきまして涜職者は毎日のように新聞紙上をにぎわしております。はなはだしきに至つては保安隊ですらもそういう問題が起きておる。国を守ると言いながらあの保安隊がそういう涜職事件を続発しておるのであります。こういう状況から見ましても、最も大きな財政を握つておる国鉄におきましてこの問題が大きく取上げられなければならないのであります。こういう観点からおのおののいわゆる責任者がりつぱな責任をとるべきであるということは当然の主張であると私は存ずるのであります。 第三の、日本国有鉄道の資産管理、会計経理その他財務云々とこうなつております。この第二項目は当然こういう措置を講じなければ、今後のいわゆる会計経理の紊乱を防止することは不可能であると固く信じておるものであります。 第四の、日本国有鉄道とその外郭団体の問題でありますが、これも先ほど来吉田委員が御説明を申しましたことに満腔の賛成を表するものであります。 第五の、国鉄退職職員の私企業への問題でございますが、これも国鉄の場合か非常に多い。各諸官庁でもたくさん例がございますけれども、国鉄の問題が非常に多い。しかもわれわれが考えまするに、単なる地方の駅長や助役をさしておるものではありません。少くも高級官吏が私企業に転籍する場合には、りつぱにそこに明確な規定を持たなければならぬ、これを主張するものであります。 第六の、国会に日本国有鉄道臨時調査特別委員会、仮称ではございますが、こういう種類の調査機関がどうしても必要である。こういう角度からこの案に対しまして、絶対的な賛意を表するものであります。
○田中委員長 それでは反対討論に山本勝市君を許します。
○山本(勝)委員 自由党鳩山派を代表いたしまして、ただいま提案されました両社会党の決議案に対する意見を申し上げます。 この問題は申し上げるまでもなく、第十六国会において、わか党の鈴木仙八君が運輸委員会で行つた質問に端を発したのであります。運輸委員会の審議に引続いて、またこれと並んで、当決算委員会において、ずいぶん長い間審査を続けられて参つた次第でございますが、問題は国鉄並びに鉄道会館に対する今後の運営経理その他がどうすればうまく行くかということにあると思うのであります。またこれまでの本委員会における委員諸君が協力一致して調査いたしました精神も、そこにあつたということを私は自分で感じて参つたのであります。そういう意味で珍しく各党から出ております委員が歩調を一つにして今日まで参つたのでありまして、われわれとしてはできれば、この態度をくずさないで、決算委員会としての結論を出したいということで実はきのうまで参つた次第でありますが、突如として社会党両派から別の提案が行われるに至つたということは、両派の考えがどうしてそういうふうにかわられたのかということについては、それぞれ理由があることと思いますが、私どもとしては実に遺憾に思うのであります。今吉田委員並びに柴田委員から申された調査につれてわかつて参りました国鉄経理の紊乱状況と申しますか、綱紀の弛緩といつたような事実の認識については、まつたく私は両君の述べられたことに一致しているので、おそらく他の党の諸君も大体同じ認識を持たれたことと思うのであります。ただこれをどうすればよくなるかというわれわれの導いて来た指導精神に照して考えてみました場合に、その方策の点で両社会党が提案された各項目、各条項の提案については、賛成の点もありますけれども、賛成のできない点がある。これがこの提案に対して私が賛成し得ない点である。あとで藤田委員から別の決議案が出されるように理事会の話が進んでおりますが、その案に賛成するというのは、結局事実認識における違いではなくして、どうすればよくなるかということについての二、三の点で、どうしても社会党両派の諸君と一致し得ないというところにあるわけであります。責任を明らかにすることが大事だということについては、もちろん私どももまつたくその通り考えておるのであります。国鉄総裁はもちろんのことでありますが、その運営にあたつて運営委員会の委員諸君、それから運輸大臣も、運輸委員会の鈴木君の質問に対しては、一番最初の質問に対して、国鉄会館ということについて、ほとんど何も知らぬといつたような答弁をしておられましたけれども、知らなんだということが、またそれで一つの責任問題だと思われるのであります。ですから、やはり責任を明らかにするということは、われわれも一致しておるのでありますが、しかし、社会党両派の諸君が二、三日前まで責任を明らかにするということで同調しておられたのが、責任をとるということに言葉をかえられた。とるという意味がはたして明らかにするということと、どう違うのかということは明瞭でありませんけれども、しかし、そうかわらないようにも思われる。かわらないのにかかわらず、どうしてもとるという言葉で表わされるというところには、われわれには理解のできない一つのもくろみが含まれておるのではなかろうかと思うのであります。われわれは明らかにするということでよろしい、日本国有鉄道の当局が、それぞれ自分の責任を明らかにするということでいいと思うのであります。この出された各項目の中で、三項、四項、五項といつたようなところは、われわれの方の項にも同じように入つておるのでありますが、一般最初にある株式会社鉄道会館の計画及び一切の事業を国鉄直営とし、その経営を公益本位に切りかえるという、この事業一切を国鉄直営にするということが、われわれの考えと一致し得なかつたところであります。私の考えでは、大体民衆駅というものについては、これは鉄道会館だけではなくて、全国にたくさんできておるようでありますが、鉄道の駅の構内に個人の建物を建てるということは、これは非常な紛淆を来すものだ。これはいろいろ長所もありましようけれども、民間の会社でも、その民間の会社の構内に別の個人の住宅などを建てさせてごらんなさい、必ず上げも下げもならないような事態が生じて来る。ですからこれに対しては根本的に反対なのでありますけれども、しかし、すでに全国にたくさんできておるというところをみると、政府においても、運輸省においても駅の構内に個人の会社その他の出資によつて建物を建てさせる、俗にいわゆる民衆駅というものに対して根本的な方針がきまつておらないのではないか。きまつていないところにいろんなものが生じて来ておるのではないか。すでにそういう既成事実が出ておるといたしますと、まずきめるべきものはその根本の基本方針を明らかにしなければならなぬ。これはぜひやるべきであつて、基本方針が明らかになつた後に、ただ国鉄会館だけではなくて、全国の民衆駅というものについて適正妥当な方策を考うるべきだ。すでにできましたものについても適当な方法を考うるべきでありましようし、新しくできるものについてはもとより考うるべきものだ、こういうふうに考えるのであつて、この全国にたくさんある民衆駅の中で、単に鉄道会館だけをここへ切り離して、それを基本方針もきまつていないうちにこれだけを決議として直営にするというふうなことには賛成しがたい。いろいろ申し上げたいことがありますけれども、簡単にわれわれの態度を申し上げれば、そういうことになるわけであります。 もう一つついでに申し上げておきますが、どうすればよくなるかという場合に、責任を明らかにするということは、やめる場合もあろうし、またやめない場合もありましよう。いずれにいたしましても、それぞれが責任を明らかにしなければすべての刷新はできないと思うのでありますが、同時にその方法を考える場合に、従来の国鉄の大家族主義というものが、長所もあろうが、非常に短所も含んでおる。この長所と同時に短所を含んでおるので、両方をよく研究して国民の期待に沿うようにやつてもらいたいということであります。先ほど来の両社会党の諸君は、綱紀の粛正ということにかなり重点を置かれました。これはもうまつたく異論のないところでありますが、しかし私は、同時に能率ということを考えなければならぬと思う。法律規則で縛るに今のままでは都合が悪いといつて、いろいろそればかりあまりやかましく言つて、今度は能率の方か上らないようになるということではやはり本来の使命を達成てきない。だから大家族主義なるものについても長所はこれを生かしてもらいたいけれども、その短所の現われとして、こちらばかり見ておつて、国民からこれを預かつて税金も納めなければ、金利も払わないで、しかも全国のごくいいところを——まあ悪いところもありますけれども、とつてやつておる方々が、国鉄の現従業員と、それから昔従業しておつた者たちの幸福とか、生活とかいうものだけを——それを無視していいというのではもちろんありませんけれども、そこにあまり頭を使い過ぎて外を見なかつたところにこういう問題が起つた一番大きな原因があるように思うのであります。ですから長所と短所、それから綱紀と同時に能率、そういうことについてわれわれの考えは一応あとで藤田君から出しますけれども、さらに政府も国鉄当局も十分に考えて、そうしてこの問題を機会に国鉄が刷新されるということであれば、決算委員会が長きにわたつてこの問題を調査いたしました意義は達成されるのではないか、こういうふうに考えるのであります。
○田中委員長 他に討論はありませんか。——討論は終局いたしました。ただちに本提案に対して採決いたします。吉田君の提案の通りに決議するに賛成の諸君は起立を願います。 〔賛成者起立〕
○田中委員長 起立少数。よつて右案は否決されました。 次に藤田君の提案に対して提案説明を許します。藤田君。
○藤田委員 ただいま議題となつております株式会社鉄道会館等に関する委員会の決議案を、別個に提案いたしたいと存じます。この案は、われわれの改進党において考究しました原案につきまして、理事会等の機会に協議をいたしましたか、分党派自由党の御意見を十分に加味いたしておるということを御了承願いたいと思います。 原案を朗読いたします。 株式会社鉄道会館に対する鉄道用地貸付等の問題に関する決議案 日本国有鉄道と株式会社鉄道会館との問題等について決算委員会は第十六回国会以来閉会中もこれを継続調査して、その真相は漸次判明するに至つたのであるが、本問題を通じて国鉄資産の管理、会計経理その他の運営をみるに遺憾の点が尠くない。 政府は更に慎重な調査と検討をすすめ、真に国民の国鉄として公共の福祉を増進するに遺憾のないよう措置すべきであるが左記各項については特に急速なる措置を講ずべきである。 記 一、日本国有鉄道当局についてはこの際国民の期待にそむかざるよう各々その責任の所在を明らかにし、人事の刷新を行うこと。 外廓団体及び関係団体に対しては監督を強化し、綱記の確立につとめ業務の刷新を図ること。 二、会計経理、固定資産の管理運用に関しては関係法制の整備その他必要なる改善を行い、収入の確保と管理運用の公正を期すること。 三、いわゆる民衆駅の建設運営に関しては国鉄本来の使命を達成するに支障なきよう基本方針を確立すること。 四、国鉄と鉄道会館との契約については会計検査院の検査意見を尊重し、その内容を再検討して、その適正を期すること。 五、八重洲口広場の整備に関しては関係官庁の緊密なる連絡の下に円満なる解決につとめること。 六、国鉄退職者の就職制限については、国家公務員法及び日本専売公社法に準じ、適切なる措置を講ずること。 右決議する。 以上の案に対しまして、きわめて簡単、しかも率直に提案者の立場を弁明いたしたいと存じます。 まずこの決議を起案するにあたりまして、私は第一にあくまでこの決議案は国会法あるいは衆議院規則のわく内たるべきことを堅持したのであります。特に衆議院規則第九十二条におきましては、五項目にわたり決算委員会の権限を明示いたしております。従いまして立法権の範囲内といたしまして、司法権あるいは行政権に介入するということを厳に戒めたのであります。第二には公社制度に関しましていろいろの長所、あるいは欠陥が発見されたのでございますが、この決議は現在のコーポレーシヨン・システムの現存を前提にした決議であるということを御了承願いたいと思うのであります。 以上の趣旨からしまして、ただいま同僚山本委員からも討論の際に言及がありましたので、詳細は省略をいたしますが、反対決議案が出まして否決された関係上、それと関連しつつ簡単に趣旨弁明を行います。 まず、第一ご決議の第一項でございますが、これは吉田委員提案の第二項に相当する部分でありまして、私たちは首脳部役員、経営者委員、運輸大臣等の一々の具体的な例証を避けたのであります。これは当初に申し上げました通り、衆議院規則のわく内において問題の処理に当らんとする大目標を堅持したのであります。特にこの役員等を例示いたしますと、国会はかわつておりますが、第十六国会の末期におきまして、同じ国鉄長崎総裁等に対する不信任案等が当委員会の意見として否決されておるという厳然たる事実もわれわれは無視できないのであります。そういう関係からいたしまして、この点に関しましては、一般論として責任の所在を明らかにしていただいて、この際しかも人事を刷新してもらいたいという相当具体化の点にも触れておることを御了承願いたいと思うのであります。 第一項、第二項は外郭団体の問題でありまして、吉田委員の第四項目に相当する部面でありますが、私たちは、吉田委員も認められました通り、いまだ十分ならざる外郭団体の調査等を勘案いたしまして、一般論として国鉄は、外郭団体あるいは関係団体に対する監督が弱いんじやないかという点を感じたので、監督を強化することと、綱紀粛正、それによつて業務の刷新を行つてもらいたいという要望をいたしたのであります。 第二項の問題は、吉田委員の第三項とまつたく同様趣旨であります。 第三項の問題は、第四項とも関連しまして、ただいま山本委員が申しました通り、民衆駅というものの一般方針がまだ確立されておりません。従いまして、鉄道会館の問題に対しまして根本的な結論を出そうとすれば、当然民衆駅全般の基本方針を確立すべきでありますが、遺憾ながら政府において基本方針が確立されておりませんので、現在わかつておる範囲内にてかくのごとき決議をいたしたのであります。しかも国家財政、国鉄財政が非常に窮乏を告げおりまして、この際われわれは、民間資本の導入という問題は国鉄財政が苦しいからという抜け道ではありますが、はたして妥当なものであるかいなかをここで政府に検討していただきたいということを決議の趣旨にうたつておるわけであります。しかも鉄道会館に関しましては、国鉄の重要なる設備費が流用されていることも判明いたしましたので、私は。柴田委員が申し上げました通り、設備、輸送力の強化という国鉄本来の予算をあくまで今後増強いたしまして、その余力があればこういう問題を考えてもよろしいのではないか。設備、輸送力が貧弱なる今日においては、こういう問題に対しまして国鉄の予算を流用するということは妥当ではないという趣旨から、第三項と第四項を明示しているわけでございます。 第五番目の問題は、吉田委員の発案にないのであります。八重洲口の広場の整備に関しましては、関係官庁の緊密なる連絡が絶対必要でありまして、当委員会におきましても、この点は特に判明したところでありますが、円満なる解決のためには、地元との話合いをぜひとも必要とすることをわれわれはかたく信じておりますから、この趣旨もひとつ十分に当局においては御了承願いたいと思うのであります。 第六項も、吉田さんの第五項目とまつたく同様の趣旨であります。特に国鉄退職者の就職制限と書いてありますが、これは主として国鉄高級職員の問題に限定されていることも常識的に御了承願いたいと思うのであります。この点に関しましては、特に山本委員が申し上げました通り、家族主義の美点は伸ばしてもらいたい。いなかの駅員等で退職せる者には、どんどん家族主義の美点を伸ばしてもらうとともに、高級退職者に対しましては、就職制限ということも、この際日本専売公社職員等との均衡から考えまして、当然法律措置をとるべきではないかということを考えたのであります。 また吉田委員の第六項目は、国会に特別委員会の設置を提唱されておりますが、現在国家財政の窮乏を告げております際におきまして、私たち国会は率先して冗費節約、一般予算の削減を実施すべきであります。しかも衆議院規則によりますと、予算委員会と決算委員会にだけ分科会を置けることになつておつて、特殊の権限を当委員会は持つております。小委員会のほかにこういう特殊な権限を持つておりますので、分科委員会においても十分この問題は解決できるではないかと、感じておるのであります。 以上申し上げました趣旨によりまして、私たちはこの際、一旦不信任案を提出されながら、十六国会の末期に当委員会で圧倒的多数で信任されております長崎総裁に対しましては、この機会に具体的な責任追究の文字がないという詳細ないきさつを御了承願いまして、家族主義の美点を活用するとともに、この際なるべくこの趣旨が早急に具体化されるようにお願いする次第であります。委員会の性質上特に私は全会一致でこの決議案が通過されることを待望しておりましたが、遺憾ながら反対提案がありまして否決されております。 最後に、田中委員長が政党政派を、超越して当委員会の審議に非常に苦労された御努力に対しまして、私はあえて名委員長の讃辞を呈しまして、全会一致の御賛成をあらためてお願いしまして趣旨弁明を終りたいと思います。
○田中委員長 藤田君の動議を決する前に一言申し上げます。この動議が済みましたら、あと運輸大臣初め総裁その他の方で、委員会に対して何か自分の御意見がありましたら述べることを許しますから、どうか述べていただきたい。 次に藤出委員の言われた小委員会のようなものでありますが、国鉄及び電電公社、専売公社、国税庁、こういうところにいろいろな問題がありますから、こういうものを調査するために後日皆さんにお諮りして、決算委員会の中に小委員会のようなものをつくつてやつて行きたい、こういうように考えております。 次に藤田君の提案に対して反対の意見があつたならばこれを許します。
○大矢委員 私、時間が迫つておりますからごく簡単に反対の討論をなしたいと思うのでありますが、残念ながら両社会党の提案いたしました決議案が否決になりました。はなはだ遺憾であります。ただいま別の決議案に対する説明がありましたが、承つておりますと大きな違いが大体二つあると思うのであります。一つは公社に対する物の考え方、いま一つは、長期にわたつて調査した結果の責任の所在に対する結末の点、その二点が大きな違いだと思うのであります。 私が申すまでもなく、この問題がかほど大きく取上げられ、しかも熱心に討議された理由は、国鉄という国有財産の処理に対して国民が大きな関心を持つているということが一つであります。予算をとるときにはたいへんやかましいが、これの使途監督については至つて散漫であるということについていろいろ議論があり、このことが熱心に取上げられましたが、国民はこれに対して大きな関心を持つていると思うのであります。いま一つは、占領後初めての試みとして国有鉄道に対して公社法が適用され、その公社の経営に対して非常な関心を持つている。そこへ会館の問題が現われたことであります。いま一つは、長年のよいところもありましよう。しかしながら国鉄の大家族主義に対する国民一般の大きな批判であります。大体この三つが大きな関心を持たれた理由であろうと思うのであります。われわれはすべて物を結果だけ見ず、よつてもつて来たるところの原因を究明し、それに対して、あいまいでなしに、それを厳に処理するということが最も重要であると思う。また国民もそれを望んでいると思う。私は国有財産である国鉄が莫大な費用を投じて、しかもあの八重洲口に、八十周年記念の意義ある事業と称してああいうものをつくることがはたしてふさわしいものかどうか。と申しますのは、国の犠牲においてああいう経営をしながら、多くの業者、国民にいろいろ圧迫を加えている結果になつているのであります。これが私は大きな問題であると思う。国が助成をしたりあるいは国有にするのは、特に一般事業ではなし得ない非常に大きな使命のあるものに限つてするということが前提であります。しかもそれがかえつて民間の事業を圧迫するという結果になるのでは、むしろこれは逆行であります。それから公社ができて間もないのでありますが、今度の事件は公社の長所を伸ばすのでなくして、欠点、弱点をつかまえてこれを利用したということであります。これは大きな問題である。言いかえれば、法の盲点といいますか、監督の所在が運輸大臣にあるのか総裁にあるのか——いわゆる公社としての自主権を認めようとしてできたこの公社法をかえつて運用して、欠点を利用してやつたところに私はこの問題が起きたと思う。公社の問題を批判されるところは多くここにあるのじやないか。大家族制度は皆さんがしばしば論議されましたが、民間ならばいざ知らず、少くとも国有財産を処理し、あるいはこれを管理し、あるいはこの事業にあたつて、そういう大家族主義というものは、決して利があるものじやない。私はあまりいいところがあるとは考えない。もしほんとうに経験者を必要とするならば、幸いに長年勤めたいろいろりつぱな人がおられるのですから、何らかの形で意見を徴すればいい。ただちに利害と結びつくそういうトンネル会社とか、あるいは傍系会社をつくつて、そこと結託しているところに問題があると私は思うのです。こういうふうに考えて参りますと、いわゆるこの国有鉄道に対する処理、取扱いあるいは大家族制度に対する長年の弊害に対して、大きな批判が加えられた、こう思うのであります。せつかくこうして長い間審議したのでありますから、この結末は各方面できわめて関心を持つておると思いますので、この結末を率直に端的に現わすことが最も必要だと思う。先ほど来の説明によりますと、責任の所在を明らかにして、人事の刷新を行えとこうある。このことと、今度の社会党のものは具体的に何もちつともかわつたところはない。人事の問題に触れてはいかぬというけれども、これは決議案でありますから、大いに意思表示をすることは当然であります。何らそれには矛盾がない。そこで今、問題はイデオロギーの問題でありますけれども、この国鉄の問題については、われわれはあくまでも国営を主張しておる。現にわれわれが反対を申して来た幾多の理由にもありますことが、今度は具体的に現われたものだ。この現われて来たことを今度は明らかにしようというのでありますから、私は決してこれが行き過ぎだとも何とも思つていない。ただ残念なことには表現の仕方で、今説明のあつたこの事柄を具体的に、しかも率直に現わしたことがどうもさわるようでありますけれども、私どもは率直に現わしたので、これは今までの審議の過程からしまするならば、同一の意見であると思います。もししいて違うというならば、いわゆる国鉄に対する監督を厳重にし、国民の財産)国の財産をあずかつておるこの特殊な事業に対しての取扱いというものは、われわれはあくまでも、かくあらねばならぬという、ここに根本的な相違のあることを明らかにいたしまして、はなはだ簡単でありますが、時間がありませんから、私はこういう意誓われわれの意見の相違を明らかに反対の意思表示をいたしたいと思うのであります。
○田中委員長 藤田委員よりのお申出によつて第六を訂正いたします。「国鉄退職者の就職制限については、国家公務員法及び日本専売公社法に準じ、適切なる処置を講ずる」ここからかわります。(「討論が済んでから案を訂正するということはおかしいじやないか。」と呼ぶ者あり)「講ずるとともに、新設会社に対する就職についてもまたその制限を考慮すること。」これを藤田君が抜かしたのでありますが、これがないと法律的に見て新設会社に効果ありませんから、社会党の人にも異議がないと思います。もしこれをやつておかなければ株式会社鉄道会館に対する就職制限になりません。これは法律的に研究してこういうものを入れなければならぬというので、藤田君から入れてくれというのでありますから入れます。
○杉村委員 私はその案にはどうこうというのではありませんが、賛否の意見ではなくて、討論が済んでからこの案を修正して出すというようなことは、ただちにわれわれは賛成できない。それであつたならばあらためて原案を出してさらに討論すべきである。
○田中委員長 趣旨弁明として入れておきます。 それでは討論は終局いたしました。ただちに採決いたします。藤田君提案の通りに決議することに賛成の諸君の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○田中委員長 起立多数。よつて藤田君の提案の通り決しました。 運輸大臣何か発言があれば許します。
○石井国務大臣 鉄道会館問題につきまして長い間皆さん方の御心配を煩わしまして、いよいよ本日ここに決議案ができ上りました。長い間の皆さん方の御尽力に対しまして厚く敬意を表する次第でございます。私どもはこの決議の趣旨を体しまして、個々の問題については十分研究をいたしまして善処いたしたいと思います。
○長崎説明員 二十数回にわたりまして慎重審議を賜わり、本日ここに審議が終つたわけでありますか、ただいま大臣からのお話にもありましたように、私どもとしましてはでき得る限りこの問題について御趣旨のあるところ、また御決議並びにその背後にありました御審議の経過においての御意見、そういうものを十分に考慮いたしまして、御意思のあるところに従つて参りたいと存じます。
○田中委員長 なお本件につき議長への報告並びに内閣に対する通告手続等については委員長に一任願いたく存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 異議なしと認めさようにはからいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時四十七分散会