経済安定委員会 第4号
- 発言数
- 7 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1953/11/17
会議録
○佐伯委員長 これより会議を開きます。 本日は、日本経済の基本的政策に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する件について、一括して調査を進めます。 右両件については、第十七回国会中に、主としていわゆる経済五箇年計画としての岡野構想、経済計画と予算編成との関係、独禁法施行後の状況等の問題について調査を行つて参つたのでありますが、本委員会の意向としては、閉会中も開会して調査を進めることとなつた次第であります。なお本日は岡野国務大臣が閣議出席中でありますので、まず関係当局より提出資料について説明を聴取いたしたいと存じます。岩武説明員。
○岩武説明員 それではお手元に配付してありまする横に長い表でありますが、国際収支及び国際収支関係資料というのをごらん願いたいと思います。これによつて御説明いたしたいと思います。 最初のページでございますが、これは国際収支の概要につきまして、二十七年度の実績と二十八年度の上期の推定額と下期の見積りとを、総計並びに通貨地域別に示してあるわけでございます。二十七年度につきましては、御案内のように、総計は受取りが二十一億五千八百万ドルでございますが、支払いの方は二十億六千五百万ドルで、差引九千三百万ドルの受取り超過でございます。しかしこの中を洗つてみますと、輸出の方は受取りの五割強にとどまつておりまして、大部分を貿易外の受取り、なかんずく駐留軍関係の受取り八億ドル余によつて補つておるというわけでございます。 またこれは通貨別に見ましても、ドルの面におきましては貿易外の受取りがございますので、差額におきましては二億二千万ドル余の受取り超過になつております。スターリングにおきましては差引九千万ドル余の支払い超過になつております。またオープン・アカウントにおきましても、各勘定を通算いたしまして四千万ドルの支払に超過になつておるのであります。上期におきましてもこの傾向がやはり継続いたしまして、ドルの方は一億六千万ドルの受取り超過でございましたが、スターリング貨並びにオープン・アカウントの方におきましては支払い超過、合計しましてやはりスターリング貨の支払い超過が多かつたのでありますから、合計においても七千万ドル余の支払い超過となつております。下期はどうであろうかということをいろいろ推算してみましたが、下期の見通しにつきまして二つ問題がありまして、一つは凶作の関係で、米なりあるいは小麦その他主食の追加輸入がどの程度行われるだろうかという問題がございまして、現実にある程度輸入計画を立てておりますけれども、支払いに立つ面としましては、目下のところまだ年度内に幾らというふうな推計ができませんので、一応その関係は度外視しております。 それからもう一つは、駐留軍関係の収入でございますが、これは、当初この見通しを立てましたときは上期の受取額も相当進んでおりまして、ここにありますように四億ドル余になつておりますし、しかも契約状況も長期のものが大分ございましたから、これは年間を通計しますれば、大体八億ドル見当になるのではないかというふうに考えております。その後一部長期の契約の解除あるいは日本人労務者の解雇といつた事態も起つておりまして、向うの予算関係の影響だというふうに言われておりますが、これが一体どの程度になるのか、目下のところ先方と連絡しまして見通しを立てるべく努力をしておりますが、あるいは当初の見込みの八億ドルになることはむずかしいのではないかと思つております。その点現在のところではこの見当というふうに申し上げる段階にはなつておりませんので、一応八億ドルというふうに見通しを立てておりますが、あるいは若干減少することもあり得るかと存じております。そういうことになりますと、この合計の見通しの欄のAのところでございますが、総計におきまして、当初の見通しとして約八千万ドル程度の支払い超過になるのではないかというふうに見ておりますので、以上二つの関係が出て参りますと、あるいはこれ以上の支払い超過になるのではないだろうかと考えております。 その次の項は一応のいわゆる特需、つまり朝鮮特需と言われるものの概要を示したわけでございますが、簡単に御説明いたしますと、一番最初にいわゆる特需、つまり朝鮮特需と言われるものの契約高の概要を示しておりますが、これは御承知のようにドルで支払われますものと円で支払われますものと両方ございますし、また大きくわけまして物資とサービスがございます。二十七年度におきましては大体四億ドル余の契約があつたのでございます。物資とサービスの比率は大体二対一、つまり三分の二が物資で三分の一がサービスというふうな見当でございます。 その次の欄にあります物資の方の内訳はどうなつているかと申しますと、これは二十六年と七年とわけております。六年におきましては綿布とか自動車部品とか石炭といつたような、比較的兵站的な物資、あるいは現地の民生安定的な物資もあつたのでございますが、二十七年度になりますと兵器というふうなものの契約が少しふえて参つております。 それからサービス契約はどんなものかと申しますと、ここにもありますように、施設関係の賃貸料あるいはその修繕の関係、自動車修理、荷役及び倉庫あるいは通信関係。支払高は四にありますが、これは朝鮮特需の契約の履行されるに従つて支払われた関係になつておりまして、大体三億六千万ドル見当それが今年は二億六千万ドル見当になつております。駐留軍関係の収入はむしろこのほかが大きい額でありまして、一つは、雇用されております日本人労務者の給料がドルで払われますのと、もう一つは、いわゆる個人商事と申しますものでございます。この朝鮮特需のほかにそういう二つの大きな収入があるということでございます。次は貿易関係でございます。四ページの(4)でございますが、今までの外貨予算の実施状況、これをごらんになりますとわかりますように、当初編成しましたものが、実行に伴いまして追加改訂等いたしまして修正をいたし、それを公表いたしまして現実に輸入の申請の出て参つたものを承認して参るという建前になつております。従来の例によりましても大体八割五分見当、あるいは九割程度もございますが、今まで全額は使用されておらないというふうな関係でございます。なおこれをこまかく通貨別に見ますと、そのときどきの事情によりましてドル輸入が促進されるものあるいはポンド輸入が促進されるもの等ございまして区々でございます。二十八年度の下期の予算は現在実行中でございますが、ここにありますように、総額十三億三千五百万ドルというべースで組んであります。これは先ほど申し上げましたように主食の追加輸入の額は入つておりませんが、同時に、この中には一億五千万ドル余の予備費を含んでおります。主食の輸入も今年度内は相当部分この中からまかなわれることになるのではないかと思つております。次の欄以下は主要商品関係のものでございますが、概要をざつと申し上げますと、最近の傾向としまして、輸出の比較的好調を続けておりますのは、上の方にあります食糧の関係であります。繊維の関係も概して調子がよいようであります。ことに綿布など、ことしは九億ヤール程度伸びるではないかという見通しであります。繊維関係は物によりまして一長一短で、絹織物等はあまり伸びないような傾向でございます。それから肥料関係は昨年よりも若干ふえる傾向であります。鉄関係あるいは非鉄金属関係は、これは昨年相当よかつたものでございますから、今年は昨年のレベルに上るのはなかなか困難だろうと思つております。いろいろパキスタンあるいはアルゼンチンの協定額もございますので、何とかしてそういうような協定額に達するように努力しております。昨年はアメリカのストライキ等の特殊事情等もございましたので、なかなか年において昨年のベースに達するのは困難かと思つております。セメント関係あるいは陶磁器等は大体昨年通り、あるいはそれ以上に行くと思つております。船舶でございますが、これも前国会におきましていろいろ助成措置をとられ、若干引合いもふえて参つておりますが、先方もその助成措置に相応するだけの値引きを要求する傾向になつて参つておりますので、なかなか新規の契約は困難な状況であります。その他の機械関係は、物によりあるいは若干伸びそうなものもございますし、あるいは横ばいのものもあるようでございます。特にひどく減少するような傾向は機械類では少く、素材の鉄、非鉄金属関係の方の減少が顕著のようでございます。次のページの輸入でございますが、この輸入につきましては先ほど来お話がございましたように、主食関係はこれは減産の数字を見込んでおりませんので、この程度では今年度内は納まらないではないかと考えております。原綿、原毛といつた繊維原料の関係でございますが、これは下期の予算を組みます際に、当時は繊維原料が先行き不安ということで相当相場が上つておりましたので、そういう要素を打消すために相当大きな額を組みました。ここにございますように、原綿におきまして二百三十五万俵程度入るのではないかというふうに見ております。これもその後相場もおちつきましたし、国内の生産水準も相当高いものでございますので、相当入るだろうと思います。原毛も大体同様の状況であります。鉄鉱石、石炭といつた重工業原料でございますが、これは昨年相当買いつけまして、手持ちも割に長い期間相当部分ございましたので、今年度はそれを調整しておりますので、若干減少する見込みでございますが、国内の操業にはさしつかえない見込みでございます。次は大体の貿易構造の推移でございますが、簡単に御説明いたしますと、第七表の最初に通貨地域別の関係の構成状況がございまして、戦前、つまり昭和五年から十一年におきましてはドル地域への輸出が四二%弱、輸入も同じく四三%弱ということになつておりますが、これが昨年は変化いたしまして、輸出の比重が下つて、輸入がうんと増して六割を越えるという状況でございます。それからかわりましたのはむしろオープン・アカウント地域の様子でありまして、ポンド地域の方は、昨年は上期におきまして相当輸出もふえましたので、輸出の比重はやや上つております。今年に入りましてからは、四割という輸出の比重は維持困難のようでございます。それから輸入の方も、これは最近ポンド地域の物価がおちつきまして、ドル地域に比べましてむしろ有利だと思われる面もございますので、最近は比較的輸入がふえて参つたというような状況でございます。それからその次は商品別の輸出の構成でございますが、戦前は御承知のように繊維品が五割を越しておりましたが、昨年におきましては三五%程度かわりまして金属輸出がふえて参つております。それから機械も戦前はわずか七%だつたものが昨年は八・七%というふつうに上つて参つております。この通貨地域の説明の際に、戦前の満韓支といつたいわゆる円ブロック輸出ないしそれに近い地域を一応輸出に考えておりますが、それを考えても相当こういうふうに金属製品の輸出が伸びつつあるということで御了承願いたいと思います。それから輸入でございますが、輸入の方はやはり食糧の輸入の比重がだんだん上つて参つて、今年度はこれがさらに上るのではないかと思つております。繊維の原料は大体横ばいの傾向でございます。それから最後に地域別の問題でございますが、東南アジアの問題でございます。ここにあげております地域は日本から見ましていわゆる東南アジアと称する地域十二地域をあげております。これはいろいろ通貨地域別あるいは政治的なあれもございますが、概要を申し上げますと、戦前におきましてはこの地域の貿易は輸出の一九%、輸入の一七%を占めておつたわけでございますが、これは昨年度におきましてずつと比重が増しまして、輸出の三六%、輸入の二割程度というふうにこの地域に対する比重が上つて参つております。これは結局あとの方にございますように、中国地方との貿易の関係があるようであります。なお地域別のこまかい点につきましては御説明を省略いたしまして、十五ページのところに中共関係の問題がございますので、簡単に御説明申し上げます。第九表であります。これは中共と書いておりますが、戦前におきましては、いわゆる満韓支という地域に該当するものであります。戦前におきましては輸出の一八%、輸入の一一%を占めておりました。昭和二十五年におきましては輸出入とも相当あつたのでありますが、その後輸出入の制限措置がとられてだんだん減つて参つております。昨年では〇・〇八%、並びに ○。四%程度でございます。本年におきましては年朝来の先方との貿易協定もございまして、また輸出制限品目の緩和等もございまして、だんだんふえて参つております。輸出の方は現在までに三百万ドル程度、これはさらにふえるだろうと思つております。輸入の方も、これは金額的には昨年には達しておりませんが、輸出に比べれば相当大きい量を占めております。そのあとの方の品目解除、二十ページでありますが、これに今年の年初来の解除品目の経緯を示しております。最近の十月十二日の第五次までに相当多数の品目が輸出制限を解除されているということになつております。なお他の自由諸国並というふうなラインのものでございますが、若干まだ品目の残つているものもございまして、それに近づけるべく今後努力が行われる見込みでございます。従いまして品目の問題と決済の問題あるいは船関係の問題がスムーズに片づきますれば、中国との貿易はさらに増加するのではないかと思います。あとは外貨手取率とかその他いろいろございますが、これは御参考までにごらん願えれば幸いと思います。以上で簡単でございますが、御説明を終ります。
○佐伯委員長 次は佐々木説明員。
○佐々木説明員 それでは「電源開発計画資料」という資料がございますので、それによりまして開発状況につきまして御説明申し上げたいと思います。一ページから十六ページまでが二十九年度、来年度の電源開発の問題でございまして、初めに六ページから申し上げます。六ページの「昭和二十九年度以降所要資金の見通し」というのをお開き願いたいと思います。そういたしますと大体二十九年度は資金にしてどれくらい電気の金がいるだろうかという点が出て参ります。継続分といたしまして、電力会社、公営、自家発等大体千三百三十七億でございます。さらに二十九年度におきましては四百九十八億の希望がございます。これは電力会社、公営、自家発の三つだけでございまして、開発会社の方は含んでおりません。開発会社のものは、継続と新規地点とを合せて四百二十六億、合計二千二百六十一億という所要資金となつております。次のページはそれを具体化したものでございまして、件数にいたしまして何件になつておるか、これは新規分だけでございまして九十三件、これに開発会社の分が若干加わるわけですが、それの出力が約三百キロくらいになつております。八ページ以下は、新規着工希望地点の詳細な内訳になつております。電力会社の分と公営、自家発の分とをこまかくいたしております。二千二百六十一億が本年度に比較してどういう関係になつておるかと申しますと、本年度は千五百七十八億でありまして、それに外資の六十八億を加えて、千六百四十六億で実際の開発をやつております。その千五百七十八億のうち政府資金が七百千億でございまして、かりに先ほど申しました二千二百六十一億の中から自己調達の分を本年度と同じくらいに見て参りますと、今要求されております新規分を計算いたしますと、政府資金といたしましては本年度の倍の千四百億程度のものが現在要求されております。ところでこの千四百億の金は、見返り資金がほとんどなくなつたという関係、あるいは政府資金の中で、一般会計と投資特別会計等の見通し等からいたしまして、この千四百億の金がそつくりそのまま調達が可能かどうかということは非常に疑問でございますので、電力の需給関係の不足分と申しますか、将来の五箇年計画とにらみ合せまして、どのくらいの発電を新規に本年第から着工していいかという点と資金面とをあわせまして、これから査定に入るわけでございます。ただいま申し上げましたのは、全部なまに、各電源会社の担当者あるいは各省から出た数字をそのまま掲げておるのでございまして、このまま全部二十九年度に着工するというのではございません。そういう資料でございますので、そういうふうにごらん願いたいと思います。それから十三ページのところでございますが、現在の五箇年計画のことについそは、前にも御説明申し上げましたが、五箇年計画によりますと、地域間にどういうふうなバランスになるのかという、地域間の需給関係が明瞭でなかつたものですから、それを出してございます。この表によりますと、現在やつております工事が、大体そのまま順調に完成いたしますと、西日本と東日本の不足分におきまして、ほとんど差異がないという結果になります。ただ、ここで御注意願いたいのは、西日本の方の水力と火力のバランスでございます。西日本の方はほとんど全出力の四割くらいが火力なのに比較しまして、東日本の方は大体一割くらいにすぎないという結果になつておりますので、その現われが料金の方にはつきり出て参りまして、十五ページの表を見ていただきますと、調整金を賦課いたしました後の姿におきましても、中国とか四国とか九州というのは非常に料金が高うございまして東北とか北陸とかいうところから見ますと、大体倍から二倍半くらいまでとなつておるのであります。ですから料金の面からいたしますと、どうしても今後の開発には西日本に相当重点を置くべきではなかろうかというふうな結論になろうかと思います。こういうふうに先ほど申しました新規の地点からそれぞれ要望が出まして、それをどういうふうに査定して行くかという査定の基準でございますが、第一ページにもどつていただきまして、そういうふうに厖大な要求があるわけでありますが、それをどういう基準で査定するかというのがございます。これは十一月の十一日に第十二回の電源開発調整審議会を開きまして、そこで御決定をいただいたわけでございますが、三十九年度の電源開発に関しましては、こういう態度で査定したいというのが一ページ、二ページの問題でございます。その骨子を概略申し上げますと、継続工事に重点を置くというのはもちろんでありまして、それが第一ページの一のところに出ておるわけでありますが、二番目といたしましては、新規の地点を各担当者にはあまりとらわれないで、その工事地点として電源の問題あるいは建設単価が安いかどうか、あるいは料金差の緩和に資するものであるかどうかといつたような経済性の問題、あるいは総合開発の効果等からいたしまして、一応全般的に順位というものをつけてみたらどうか。そしてそれが済みましたあとで、今度企業体別に着工地点を選ぶわけでありますが、その選び方に関しましては電力会社については、地帯ごとの電力需給関係あるいは今の九電力会社でやつております電源開発の進捗状況あるいは水火力の比重といつたような面から、一応電力会社では、どこの地点にどういうふうにやるかというようにしたらどうだろうか。公営に関しては、どうしても利水なり、農業用水のものが主でございますので、その方を主体にして、あわせて電気の方も順位をつくる。これは各省でそれぞれ目下そういう観点から公営電気には順位をつけまして、近く審議庁の方に持つて来ることになつております。おそらく来週くらいから順位の査定というか、作業に入るのではなかろうかと思つております。それから自家発に関しましては開発銀行の方も資金繰りも相当苦しゆうございますので、できるだけ自己調達のできる能力の大きいものにやらしたらどうだろうかというふうに考えております。最近はそう要望はございません。それから開発会社に関しましては、ここに書いてございますように、西日本の水力電源の開発に資金を特に投入いたしまして、開発をやりたい。これと主たるねらいは、需給関係の緩和ももちろんでございまするが、先ほど申しましたような状況でございますので、要するに安い電気を提供したいというのが主たるねらいになつております。後段に、「また計画の実施に弾力性をもたせ、資金の効率的な運用をはかるため、開発予定地点の追加を考慮する。」こういうふうにありますが、この意味は開発会社で現在やつております地点は、審議会でぴちつときめまして、そうして年度の初めにこれだけ事業をやれるというので資金をつけるわけでございますが、電気の問題はやはり補償の問題とか、あるいはボーリングをやつた結果地盤の関係がどうだといつたようないろいろな関係がございまして、なかなか思うようにできない地点もございますので、上半期くらいは資金の寝ているといつたような状況もややもすればございますので、ほかの九電力会社等ではそういう場合には予備の地点をたくさん持つておりまして、金をどんどん効率的に使つて行くということになつております。どうしてもそういつたことが、補償の問題もありまして、あるいは一般的な開発会社の開発をやるにいたしましても、かえつて計画がスムーズに進むのではないかというので、開発予定地点を若干ふやしたらどうだろうというふうに考えております。もちろん電源開発会社の開発地点の決定にあたりましては、法律で基準なり性格なりがはつきりきまつておりますので、それに適合した地点を選ぶことはもちろんでございます。それから三ページは、これは去年の審議会できめました電源開発の基本計画策定方針でありまして、その基本的な策定方針はそのまま生きておるわけでございます。ただ年度ごとにその年度年度で特に注意を払う必要の点もございますので、その点は今申したような策定方針でやつて行きたい、こういうふうに考えております。それから五ページは、主として公営電力に関しまして今後の調整の仕方でございますが、これは十月三十日閣議の決定をとつてありまして、閣議できまつたものでございます。この趣旨はどういう趣旨かと申しますと、公共事業費と地方起債の調整問題、あるいはその他多目的のダム事業がございますから、いろいろな事業との調整もございますので、ばらばらにやらないで各省とも力を合せて相談の上きめよう、そうして協議のととのつたものに大蔵省の方では資金をつけて行くというふうなかつこうにしたらどうだろうというので、閣議の決定を通つたわけでございます。従いまして、二十九年度の分からは、この方針に基きまして策定を進めて行く予定でございます。それから十八ページから二十七ページまでは、今まで何べんも御説明申し上げました電力五箇年計画をそのまま掲げてございます。それから二十九ページ以下に関しましては今年度の電源開発に関しましての諸資料をそのまま全部載せてございます。どういう地点を、どのくらいの金でどういうふうに開発するかという地点を漏れなく掲げてございます。これは法の規定通り官報で公表したのを大体そのまま出してございます。それから最後に五十八ページ以下は審議会の決定事項等を掲げてございます。大体電源開発計画資料に関しましては以上の通りであります。
○佐伯委員長 ただいま岡野国務大臣より発言の申出がありますので、これを許します。岡野国務大臣。
○岡野国務大臣 さきの国会におきまして昭和二十九年度予算の編成などに関する意見の御説明をいたすようにお申入れがございましたが、経済審議会の結論も得ましたので、ここに御説明をいたします。昭和二十九年度予算編成につきましては、最近のわが国経済の現状が国際収支の弱調の状況、引続く災害などによる国費の巨額の負担、国際物価に対する国内物価の割高、消費物資中心の価格の高騰などの、物価の不健全要素等、きわめて重大なる時期にあることにかんがみまして、通貨価値の安定と輸出振興とをはかり、経済の安定と自立とを期するため、特に財政の健全性を強く貫くことが期せられねばならないと考えます。すなわち中央地方を通ずる財政におきまして安易な財源調達を排し、経費の総花支出を厳に戒め、効果的、重点的使用に徹し、健全財政、均衡財政の確立に邁進すべきものであります。これがため二十九年度予算においては税制の改正とも相まち、特に歳出の膨脹が予想せられ、かつその支出効果の点において問題の多い公共事業費、災害対策費、地方平衡交付金、各種補助金、食糧増産対策費等の費目については特にその総花支出を抑制し、査定を厳にし、経費使用の合理化、重点化をはかるようにしたいと存じます。また経済自立化のための財政投融資につきましては、必要最小限度のものを重点的にかつ優先的に確保するようにいたしたいと存じます。その財政投資の方針といたしましては、電力については二十九年度は電源開発新規着工は原則としてとりやめ、継続事業に中心を置き、食糧増産につきましては、増産余力の大きい地域について既着工事業のすみやかな完成をはかることを重点とし、海運につきましては、その現況と船舶会社の現状とから見まして、海運自立四箇年計画の一部後年度への繰延べを考慮し、また石炭につきましては縦坑開発、必要な新坑開発に限定し、鉄鋼についてもいわゆる第一次合理化計画分の補完関係のみにとどめ、硫安、合成繊維についても融資対象を厳選し、重点的施設投資を行うことといたしたいと考えております。その他の開銀融資は経済自立に必要な分野に対し、財政資金に余力ある範囲で考慮いたすようにいたしたいと存じます。さらに中央地方を通じ行政機構を簡素化し、特に地方財政については徹底的縮減をはかりたいと存じます。なお租税制度の改善にあたりましては経済自立の見地から輸出の振興、資本の蓄積、奢侈的内需の抑制等によつて強力な措置をはかりたいと存ずるのであります。経済自立方策につきまして、次にわが国経済の自立構想に関する基本的な考え方について御説明申し上げます。この試案は、立案当時における内外の経済情勢を基礎にいたし、昭和二十八年度からおおむね五箇年間に正常輸出の増進と国内自給度の向上等により、できる限り特需などの臨時収入にたよることなく、経済自立復興態勢を確立することを目標とし、そのために必要な諸施策と、その実施による約五箇年後の日本経済の構図を示してみたものでございます。その性質は計画と呼ばれるものでもなく、また単なる見すかしといつたものでもなく、いわばある程度理想を加味した見通しと考えていいと思います。以下この試案を作成いたしますにあたつて留意した点、また問題と考えられる点について述べて行くことにいたします。約五箇年後の経済の構図を描くにあたりましてまず出発点となるのは比較的確定的と見られる人口増加の推移であります。これは生活の水準を維持するためどれほどの物資を供給する必要があるかを算定する基礎になります。次に輸出の伸びの推定であります。これは過去の推移、現在及び将来の動向を検討するのでありますが、特に地域別、品目別の輸出可能限度を検討いたしたのであります。しかしながら、いかに輸出の増加に努力いたしましても、現在の輸入規模から見まして、この輸入資金をすべて輸出代金でカバーすることは困難であります。そのため一方におきまして国内自給度の向上を取上げざるを得ないのであります。ただこれにも資金面、技術面よりしておのずから限度がありますので、この点どの程度に見込むかに苦心した次第であります。このようにして国内自給度の限度が算定せられますならば、輸入必要量も定まつて来ることになり、同時に生産費も国民所得も算定されるのであります。しかしながら、これらはいずれも仮定なり推定なりが入つて組み立てられているのでありまして、特に次のような諸点に問題があろうかと存じます。まず第一に輸出の推定でありますが、これは輸出商品の価格、品質に左右せられるところが大きく、これに対する対策を講ずべきことは言うまでもありませんが、一方世界経済の動向等によつても著しく変化しますので、正確に輸出可能限度を測定することは困難といわねばなりません。第二に、自給度の向上については資金調達の問題があるばかりでなく、これによつて輸入を削る場合、その反作用として輸出増加を阻害する面がないと言えないのであります。第三、これに関連して最近問題になつている輸入節約の点でありますが、不要不急物資は別といたしましても、その他の必要物資の輸入を削減することは、インフレないし物価高を招来する危険もあり、なかなか困難なことであると思うのであります。 以上、経済の自立を考えるにあたつての考え方なり問題点なりを述べたのでありますが、この試案の作成当時と比較して、その後の二十八年度の推移を見ますと、農林、水産部門を除き産業活動は大幅に上昇し、また国民の消費水準も上昇し、このため当初考えました基礎となる初年度の経済水準が大きく変化して参つております。ことに輸入の増加が著しいことは注目すべきことと考えられるのであります。また他面国際収支の面におきまして、二十七年度は若干ではありますが黒字を示しておりましたのが、本年度は一億ドル内外の赤字になりそうでありまして、むしろ自立とは遠ざかる懸念があるのであります。もちろん当面の現象のみをもつて一概に将来を律することはきわめて危険であります。私ども必ずしも現状を悲観的に見ておるわけではありませんが、長期の見通しのもとにいかにして経済自立の目標を達成するかにつきましてさらに検討するとともに、これがための施策の推進に努めて参りたい考えであります。 なお、ただいま申し上げました経済自立方策試案と、さきに経済審議会から意見具申のありました経済自立のための三目標四原則との関連であります。三目標というのは輸出の振興、自給度の向上、資本蓄積を柱とするものでありまして、これは先ほど申し上げました経済自立のための基本政策をスローガン化したものということができるのでありますが、次の四原則と申しますのは、その三目標を達成するために当面何が最も必要とされるかをうたつたものであります。しこうしてその中心となつている考え方は、経済の安定を第一の条件とするということであります。すなわち、輸出の振興にいたしましても、資本の蓄積にいたしましても、また自給度の向上にいたしましても、一方においてインフレーシヨンが進み、通貨価値が下落して行つたのではとうていこれらの目標を達成することは望み得ないのであります。そこで現状におきましては、本年度の第二次補正予算案、来年度の予算案編成にあたり厖大な予算要求が予想せられ、これをいかにして健全財政たらしめ、ひいて経済の安定を確保するかが当面の大きな課題となつているのであります。私どもといたしましては、わが国経済の自立達成の基盤をつちかうために、今後、ことに来年度における財政経済政策の方向いかんがきわめて重大な意義を持つものと存じておる次第であります。 次に貿易の現況とその問題について申し上げます。貿易の振興特に輸入の増大が経済自立構想の中心をなすことは前にも申し上げました通りであります。ところで本年の外貨収入について見ますと、一月ないし十月においては 一億三千万ドルの支払い超過であり、輸出の急激な増大は望まれない状況にあるのであります。この原因といたしましては、当面各国の輸入制限、わが国物価の割高等が指摘せらるるのでありますが、これに関しましては、特にポンド収入の改善等とも関連して、英国との直接交渉による制限の緩和及びその待遇の確保を期するとともに、国内物価の抑制、輸出価格の引下げ等につきまして、思惑による物価の高騰を防止しつつ合理化の促進等総合施策を推進して参る考えであります、先ごろの外貨予算の編成にあたり、主要原材料の確保をはかりましたのもその一環にすぎぬのであります。貿易の振興をはかるためには近隣諸国との貿易の拡大を期することが必要であります。東南アジア地域との貿易につきましては、賠償問題の解決、正常外交の回復等政治的な問題が中心となりますので、これらを考慮しつつこれら諸国との技術提携、資本財の輸出等を通じて貿易の拡大をはかつて参りたいと存じます。中共貿易につきましては、必ずしも多くを期待し得ないとは思われますが、漸進的に施策を講ずることといたしたいと考えております。国際貿易の現況は、各国における収支均衡の回復によつて正常貿易への動きが看取せられ、ポンドの自由交換、為替管理の緩和等が論議せられつつある模様でありますが、これらの情勢に対処するためにもわが国経済の安定、国際競争の激化に対応し得る経済基礎のすみやかな確立が要請せらるるのであります。このためには、最近成立を見たガツトヘの仮加入と対外的な貿易状況の改善を期するのはもちろんでありますが、国内的に前に述べました三目標、四原則の線に沿い総合的な自立施策の推進をはかることが肝要かと存ずるのであります。 最後に電源開発について簡単に申し上げることにいたします。電源開発の進捗状況はきわめて順調で、本年度は約百二十五万キロワットの新規設備が完成する予定になつており、前例のない盛況を示しているのでありますが、問題は来年度以降引続いてこの開発が円滑に行われるかいなかにあるのであります。すなわち、昭和二十八年度以降の長期計画につきましては、去る十月第十一回電源開発調整審議会の議を経て、昭和三十二年までに出力約五百十万キロワットの開発を完成することを目標にすることに決定いたしました。これによりますと、二十九年度ないし三十年度において約七十万キロワットの新規着工を行うこととなつているのであります。しかるに最近の電力事情の趨勢を見まするに、その需用増加の傾向は予想以上に著しく、右の計画につきましてもさらに再検討を加えたいと存じております。いずれにいたしましても、電力需給のバランスをはかつて行くためには、来年度においても継続事業工事に重点を置き、開発を進めて参る考えであります。 以上をもつて一応御説明を終りますが、なお手元に資料をお配りしてありますのでごらんを願うとともに、詳細につきましては御質問に応じ説明員をしてお答え申し上げさせたいと存じます。
○佐伯委員長 以上で説明は終りました。岡野国務大臣は一時から閣議に出席せねばならないので、約二十分の間ほど質問を行うことといたします。何か御発言はございませんか。——御発言がなければ本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十一分散会