運輸委員会 第2号
- 発言数
- 61 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1953/11/02
会議録
○關内委員長 これより開会いたします。 前会に引続き運輸行政に関する質疑を続行いたします。通告がありますので順次これを許します。鈴木仙八君。
○鈴木(仙)委員 この際委員長のお許しを得まして、簡単に一言お尋ねしておきたいと思います。私は現在行われておりまする鉄道会館の問題について、決算委員会の結論の拘束性について質問をしたいと思います。鉄道会館問題の処理について、衆議院の決算委員会がしきりに結論を出そうとしているように聞いておりますが、その内容において各党まちまちであつて、なかなかまとまつた結論がどういうわけか出ないようであります。しかしながら何らかの形で決算委員会において鉄道会館をこうせよ、ああせよという結論が出た場合、運輸委員会をそつちのけにして、その結論が運輸省なり国鉄なりを拘束することに相なるのでありますか。つまり決算委員会の結論に対し、運輸省や国鉄が服従をせねばならぬ義務を生ずるのですか。伝え聞くところによると、決算委員会の中では、鉄道会館を七階建にせよとか、あるいは鉄道会館を国鉄の直営にせよとかの意見が出て、かなりまとまりかけだそうですが、これははたしてまとまるかどうか。私はまだ疑問に思うのですが、そのような意見の線で決算委員会の結論がまとまつた場合、運輸省や国鉄は必ずそれに従う義務があるのですか。一つの仮定として逆に鉄道会館を二十階建にしろとか、十五階建にしろとかいう結論が出たとしたら、欣々然としてそれに従うのですか。運輸大臣、国鉄総裁はこれをいかがお考えですか、これをまずお尋ねしておきたいと思います。
○石井国務大臣 決算委員会がどういう結論を出されますか、今お話の通りまだきまつてないようであります。出て来た上で私どもが当然従うべきものだと思われるものには従つて、それを実行すべきものでありまするし、今かりにお出しになりましたような問題を、はたして私どもがその通りやるといつてお約束できるものか、法律上のむずかしいいろいろな問題があるのではないか。運輸省がそういうことをしていいかどうかということに相当疑問もあるのではないかと思います。そういう問題につきましては、法律上の問題等をとくと研究いたしまして、そういうことはさしつかえない、私どもがやるべきだということでありますならば、もちろん私どもそれに従うべきものだと思います。
○長崎説明員 ただいま大臣から申し上げましたことにつきまして、私、蛇足を加える必要はないように思いますが、もとより決算委員会の御決議等がありました場合、それに従つて迅速にやらなければならない問題、あるいは研究を要する問題、いろいろ出て来るのではないかと思います。かりにそういう場合がありましたならば、慎重に考えた上で、できる限り御意思を尊重したいと思つております。
○鈴木(仙)委員 さらにお尋ねいたします。決算委員会の結論が出た場合に、この運輸委員会に対して、運輸省も国鉄も何も本問題の結論を求めないで、鉄道会館の原案貫徹に一路邁進するお考えはないであろうと思います。この点をもう少しはつきりお示しが願いたいと思います。決算委員会の結論が出た場合、それが運輸委員会を素通りしても、運輸省や国鉄は、その結論に従うのですかどうですか。その点もはつきり御答弁が願いたいと思います。これは国会運営の前例にもなり、一方立法府と行政側との関係についても一つの前例になります。ほかの官庁で考えてごらんなさい。通産省でも農林省でも、通産委員会も農林委員会もたな上げしておき、決算委員会の結論だの、意見だのに従うことはできないと私は思います。その点はいかがですか。
○石井国務大臣 これは決算委員会の決議がどういうものであるか未定でありますので、こちらのこの前にいただきましたものとは、どこに差が出て来るかわからない。同じような線でありますれば、もちろんそれに従うべきでありますし、もし違つておりましたならば、どういう手続をして、そうして私どもが従うものならばどういう手順によつて従うかということは、当然その後の研究すべき問題になると思います。
○鈴木(仙)委員 さらに決算委員会の結論が出て、一方この運輸委員会の結論も出た場合に、両委員会の結論が違つて出たら、運輸省や国鉄はどういう態度をとるのですか。まさか二つを加えて二で割るわけには参らないと思います。いずれが主で、いずれが従でありましようか。運輸省及び国鉄はどういう態度をもつて国会の委員会の結論に対処するのですか。運輸、決算両委員会の結論の拘束性について、運輸大臣、国鉄総裁のはつきりした御答弁を重ねて要求をしておきたいと思います。
○石井国務大臣 決議の中に違うものがありましても、私どもが国鉄あるいはその配下にありまするいろいろな仕事について改むべき問題等がありましたとき、これを改めることは一向かまわないと思うのでありますが、二つに差がある場合に、それがどうも法規上その他慣例上と申しますか、少しくこれは無理であろうという問題については、それをどう取扱うかという問題は、そこで研究すべき問題だと思つております。
○鈴木(仙)委員 それでは私はこれで質問を打切りまして、後ほどまたお許しがあれば質問をしたいと思います。
○關内委員長 楯兼次郎君。
○楯委員 運輸大臣並びに総裁にお伺いしたいと思います。昨日、水害によるところの国鉄の被害状況の説明を受けたのでありますが、大体損害の総額が百五億円、ところが本年度は八十九億円の支出をして応急措置をしよう。残は二十九年度にまわして復旧をしたい、こういうお話であつたわけです。私どもが不可解に感じましたのは、それの財源の措置をするところの補正予算を本国会に上程をしない、そういう御説明がありましたが、この百五億円、本年度は八十九億円に対しまする財源をばどこからまかなおうとされるのか、御説明を願いたいと思います。
○長崎説明員 楯君の御質問、まことにごもつともでございます。そういう大きな財源というものがあり余つておるのではないのでありますので、これにつきましては補正予算を出そうと考えまして、要求をいたしたのでございますが、その前後にたまたま仲裁裁定の問題等も起りまして、それらともにらみ合せまして補正予算を組んだ方がいいのじやないかという運輸省その他の御意見もありましたので、この次の臨時国会には補正要求をしなければならぬと考えております。
○楯委員 それでは総裁の御答弁は、さらに仲裁裁定が出て参つたので、水害の対策費と合せて次の臨時国会に上程をしたい、そういう意図であるように承つたのですが、私どもが漏れ聞いておるところによりますと、はたして次の臨時国会が開かれるか開かれないかはつきりしておらない現在において、あなた方の方では第二次臨時国会が開かれると断定をされておるのかどうか、その点をひとつはつきりさしていただきたいと思います。
○長崎説明員 私の言葉が足らなかつたかもしれませんが、臨時国会とは申しません。次の直近の国会にということであります。
○楯委員 それでは次の国会に裁定と合せてこの水害に対する予算をば提出をする、そういうふうに私は解釈をしておきたいと思います。 それから昨日仲裁の裁定の御説明があつたわけでございますが、非常に簡単な御説明で内容に立ち至らなかつたわけであります。しかし文書によつて大体承知をいたしておりますので、ごく簡単にひとつ御質問を申し上げたいと思います。この仲裁裁定は、毎年毎年国会の中で論議が繰返されるのでございますが、一体国鉄当局並びに運輸省としては、この裁定の効力——常にいわれておるように争議権にかわる仲裁裁定でありますので、当然あなた方はこれを受入れて、予算措置を講じて行かなくてはならない、こういうふうに私どもは考えておりますが、つい先ほど渡されました国会に対して議決を求める件の理由書を見てみますと、予算上不可能である、こういう議決で書類が出ておるのであります。こういう点について、非常にこれは公労法の精神をば踏みにじつたものではないかというふうに考えますが、当局の見解をひとつ承つておきたいと思います。
○石井国務大臣 裁定を尊重するということは、法の精神から当然だと私どもは思います。昨年国鉄の裁定の問題に私はぶつかつたのでありますが、そのときも提案の理由に申し上げましたように、これは議会が開かれておるとすぐ二日以内に書類を提出するのでありますが、そのときにおきまして、予算の中で措置ができない程度のものでありますれば、予算措置ができないという理由を付して議会に二日以内に出すのが、あの法のきめておるところでありますから、その通りにして出しております。昨年もその通りでございましたが、それはもちろん予算措置ができないからといつて、つつぱねてしまつたという意味ではないと私は思つております。今のところ予算措置がない、予算の中ではこれはやれない問題であります。それでいかがいたしましようかという意味で、一応皆さん方の前に提出しておるわけであります。さて実際の問題になりまして、私は、今まで数回国鉄の裁定が行われましたが、金額の点においては大体裁定に従つておつたように聞いておりますが、時期の問題におきましていつも満足の状態になかつた。いずれにいたしましても、前数回の場合に不完全履行であつたということにつきまして、非常に不満の声があるのであります。私もごもつともだと思います。私どもといたしましては、裁定がありました場合はただいま楯君の言われましたように、この法の精神からいたしまして、完全実施というのが本筋だと思います。しかし御承知のような日本の財政の状況でございまして、私はさきごろも国鉄の労組の諸君とお目にかかつたときに申したのでありますが、今のような心持を述べ、同時に昨年のような年でさえ、期限の上において差を設けざるを得なかつた実情であつたことを考えると、本年はなお困難な情勢であるということだけは、みんな頭に入れておかなくちやならない、しかしこれをどうかして少しでもいい状態に持つて行くということに、われわれとしては努力するつもりであるということを申したのでありますが、楯君に対しましても同様のお答えをいたしたいと思います。
○楯委員 なるほど裁定を実施するということが、財源的に見てそう容易なことでないことは私は承知をいたしておるのでありますが、しかし公労法のつくられました精神並びに仲裁裁定も指摘いたしておりますように、出されました一万五千三百七十円でありますか、この金額は他の産業と比較をいたしましても、あるいは戦前常に比較されますところのいわゆる労働生産性でありますか、そういう面と比較をいたしましても、決して過当な数字ではない、むしろ低きに失する金額であるというふうに私どもは考えておるわけでございます。ただ非常に困難であるという一言のもとに、四十万の組合員がただ仲裁裁定のみにたよつて一生懸命働いておる、そういう心情を思つたならば、これは相当困難が伴いますることは、ひとつ幹部の積極的な努力によつて突破をいたしまして、実施に移していただかなくてはならないと私は思います。特にこの仲裁裁定の内容を見まして痛感をいたしますることは、たまたま本年度は災害が起きましたので、財源に非常に困窮をいたしておるわけでありまするが、この災害がなかつたならば、このくらいの金額は捻出できる。現在の国鉄経理の内容から行けば、当然支出可能であるというふうに私どもはこの裁定を読んで承知をいたしておるわけでございます。ただいま総裁が申されましたごとく、やがて水害に対しますところの予算を補正するために次期国会に上程をする、そういうお話でございますれば、当然裁定というものは私は実施をされて行くのではないか、こういうふうに考えておるわけでございまするが、もう一回次期国会に出すところの予算の補正とにらみ合して、国鉄当局はこの裁定というものを完全に実施をして行くというつもりであるかどうか、もう一回ひとつお伺いをいたしたいと思います。
○長崎説明員 御承知の通り仲裁裁定は、両当事者の双方を拘束するのでございます。従いまして国鉄といたしましては、災害の予算とにらみ合せ、裁定によつて要する予算というものを要求したいと考えております。
○楯委員 当委員会はこの裁定に対する決議機関ではないと考えまするので、私はただいまの総裁の言明に対しまして、要望を申し上げたいことは、労働委員会にこの裁定がかかつて参ると思いまするが、総裁はおそらく参考人として労働委員会に出席をされると思います。そういうときに過去の私どもが聞いておりまする実例では、どうも裁定についてはあいまいな言辞で、ほおかむりをして通されようというような気風が見えたわけでございまするが、ただいまの御答弁にありましたように、ぜひ今度はこれは実施をして行かなくてはならない。そのためには財源として、これは考え方は違うのでございまするが、百五億に上る水害に対するところの財源をひとつ何とか政府の方から御勘考願つて、仲裁裁定だけはぜひ実施をして行きたいというところの御意見をひとつ述べていただきたいと思います。過去におきましては、どうも私どもが御質問いたしますると、尊重をし実施をして行きたい、こういうことをおつしやつておるのでありまするが、労働委員会等の速記録を見てみますと、非常に御回答があいまいになつておりますので、ぜひこういう点をひとつお願いしておきたいと思います。 それからもう一つお伺いをいたしたいのは、昭和二十五年であつたと思いますが、最高裁において、当時裁定完全実施の差額三億円に対しまする判定が出ておつたように記憶をいたしております。その判定によりますると、いわゆる行政上の措置で支出できるものはこれを隻旅して行つてもさしつかえがない。特にあの当時三億円の金というものは流用して支出する余地があつたのでありまするが、それを出さなかつたのは、いわゆる大蔵大臣が政治的考慮から支出をしなかつた、こういうような判決が出たのを承知いたしておるわけでございまするが、その後これらに対しまする取扱いはどうなつたかという点を、御記憶がございましたならば、御説明を願いたいと思います。
○吾孫子説明員 昭和二十五年の、ただいま御指摘のございました事件は、現在まだ最高裁に係属いたしておりまして、最後の結論は出ておらないような状態になつております。
○楯委員 次に御質問申し上げたいことは、これは新聞紙上で私ども聞いておるのでありますが、待命制度ということが盛んに宣伝をされておりまするが、一般公務員に適用した場合には、公共企業体の職員にも待命制度を適用する、こういうことを聞いておるのでありますが、これが取扱い方について、ひとつ詳細に御説明を願いたいと思います。
○吾孫子説明員 待命制度の問題につきましては、あの制度が決定されました際に、公共企業体にもあの趣旨を準用するというようなことが同時に定められておるわけでございますが、ただちにこれを現在の公共企業体に適用するのがよいか悪いか、またかりに適用することがよいということになつたといたしましても、これは休職あるいは退職等に関連して考えなければならない問題でございますので、もし公共企業体についてこれをほんとうに準用するということであるといたしますれば、当然やはり団体交渉の対象になるのではないかというふうに考えておりますので、現在この待命制度を公共企業体にはたして準用することがいいか悪いか、またするとして、その場合にどうするかというようなことにつきましては、まだ現在考究中というような状態でございます。
○楯委員 現在考究中、考慮中であつて、もし実施をするということになれば、当然団体交渉の対象であるので、組合と協議をしてやつて行く、そういうふうに私理解いたしたのでございまするが、この待命制度は、やはり人が多いというようなところから言われておることであろうと思います。現在国鉄は相当終戦当時から人員を削減をして来まして、われわれが見るところでは、いろいろいわれておるのでございますが、現在の人員では、少なければ格別、そう多くはないというふうに考えておりますし、仲裁裁定から見ましても、大体戦前と同じくらいの比率になる、こういうふうに書かれておるわけでございまするが、当局としては現在俗にいわれておりまする人が多いという点についてどのように考えるか、御説明願いたいと思います。
○吾孫子説明員 要員の問題につきましては、ただいま御指摘のございました通り、昭和二十四年の大幅の行政整理以来、逐年経営の合理化あるいは能率化等によつて、人員の縮減に努めて来ておりますので、現在においては大勢を申しますと、限度に来たような感じがいたしております。国鉄部内の業務部内によりましては、相当無理が加わつて来ておるというふうに思われる箇所もあるのでございますが、極力国鉄といたしましては配置転換、あるいはその他合理化方策の推進に努力しておるのでございますが、今後の業務量の推移によつては、ある程度の増員ということも考えなければならぬじやないか、そういうふうに大体考えておる次第であります。
○楯委員 それでは裁定の財源につきまして最後に一つお聞きしたいと思いますが、水害によるところの損害額——これは大まかな数字でいいと思いますが、当局は借入金であるとか、その他政府の方から補助を受けるとか、いろいろな方法があると思いますが、一体どのくらいの金額を受入れたならば仲裁の裁定というものが完全に実施をして行けるか、この近所の見通しについて御説明願いたいと思います。
○高井説明員 御説明申し上げます。先ほど申し上げましたごとく、災害の応急復旧は今年度だけで八十九億ということに相なつております。それで裁定実施に必要な財源だけを簡単に出すことはむずかしいのでありますが、災害の復旧八十九億を一今年実施しまして、そうして八月から裁定を実施するといたしますと、百十三億の財源不足ということに相なるのであります。
○楯委員 百十三億の財源不足ということでございますが、仲裁の裁定では、たとえば今問題となつておりまする鉄道会館に付属する土地建物の料金が安い、これを妥当なものにせよ、その他いろいろな面が指摘をされております。特に金額の面では、本年度返済をするところの借入金の三十億円を延期をしたり、あるいは通行税の十七億円の振りかえというような点を指摘されておるのでありますが、国鉄当局としては、もちろん百十三億をそのまま外から持つて来ればこんなけつこうなことはないと思いますけれども、今日の状態ではとうてい困難であろうと私ども考えております。従つてそういう困難な現在にあつて、これらの財源をまかなう展望を一つここで御説明願いたいと思います。仲裁裁定等が具体的に指摘をいたしておりますので、これらの点をどうするか、あるいは裁定が指摘をしておらないところの財源措置というようなものをどういうように講じるのか。今日すでに国鉄裁定が国会に出て参つておりますので、そういう展望がなければならないと私は思います。そういう点について概略御説明願いたいと思います。
○高井説明員 先ほども御指摘になり、また裁定書でも言つておりますごとく、この百十三億全部の不足額を借り入れるということは、なかなかむずかしいことであると私どもは思つております。それでもちろんこの百十三億のうちから今年度三十億返還をいたすべきことになつております。こういうものは、この災害なんかの関係から当然と申しますか、繰延べをいたしていただかなければいかぬものと思つております。それからまたほかの工事のごときも、できるだけ繰延べということをいたしましても、現在の輸送の状況から申し上げますと、現在の改良工事を延ばすというような余地は非常に少いのでございますから、やむを得ぬときには私どもといたしましては、その可能な限度におきまして新線建設の繰延べをするのもまたやむを得ないじやないかというふうに考えております。そうしてその差額は借入れなりでやつていただきたいというふうに考えております。 なお通行税の御指摘もございましたが、これは私どもまことに御同感でありまして、ことに今年のような災害、また来年度におきましても十五億の繰延べというようなものがありますので、そういうような財源不足の対策といたしましても、ぜひ通行税を撤廃と申しますか、廃止していただいて、そうしてそれに相当いたしますものをこうした緊急の財源に充てたいというふうに折衝をいたしておるのでございますが、現在といたしましてはむずかしいような状況でございます。
○關谷委員 ちよつと関連して……。今の局長の御説明によりますと、この仲裁裁定によると、裁定実施に必要な額八十億、こう出ているのですが、これは今年の災害八十九億を含めて百十三億あればこれで足りる、こういうふうなお話です。そうすると、裁定の方へまわる金がその中で二十億ということになりますが、二十四億であるということになりますと、八十億との差額五十六億はどういうところから出るのか、ちよつと御説明願いたいと思います。
○高井説明員 この内容を省略させていただいたのでありますが、もちろんことしの運輸の増進に伴います増収がございます。それからまた節約を強化いたしまして、特に石炭からも出しております。そういうような関係で、できるだけ増収なり、あるいは内部でまかなえますものを差引きいたしまして、両災害の復旧費、そして裁定実施の所要額の差を百十三億と申し上げたのでございます。
○關谷委員 そうしますとこの五十六億というのは、推定の数字であつて現に完全にできている数字でないのではないですか。
○高井説明員 推定と申しますか、私どもはそれだけの見込みを立てて、今年度内の復旧費として見込みを立てておるのであります。
○楯委員 この裁定の中で、やはりその財源の問題について、国鉄は現在二百三十線余の鉄道線路があるわけでが、収支がバランスしているものは一割にも満たない、あとはほとんどが非採算線であるということが指摘をされております。なおただいまお話のありました新線建設に対する利子の補給ぐらいは、政府が当然行つてしかるべきであろう、こういうようなことが言われておりますが、そのほかになお国鉄の運賃が他の物価と比較して非常に安い、こういうことも指摘されております。これは根拠のある風聞ではないと思いますが、またまた運賃の値上げを考えているのではないかというようなことを私よく聞かれるわけでございますが、そういうような点について何かお考えがあるかどうか、お伺いしておきたいと思います。
○長崎説明員 御承知のように裁定の実施ということになりますと、これは一時的な財源ではまかなえません。恒久的な費用でございますから、やはり恒久的財源ということになるわけであります。その際運賃の値上げによつてこれをまかなうか、あるいはその他の方法によつてまかなうべきか、これは私は非常に考えなくてはならぬ点だと思います。できるならば低廉な運賃で、いいサービスということが、われわれ責任を持たされた者のなすべき最も重要なものの一つでございます。従いまして運賃を上げるということは、できる限り避けなくてはならぬのでございますが、今年度においても相当の額で、来年度にこれが平年化しますと百数十億になるというような財源をどうして求めて行くかということについては、方法として考えられますことはいろいろございましようが、それは実行上いろいろな点で傷害が起るのじやないかと思われますので、この点は運輸大臣ともとくと御相談をし、どういう方法によつてやつて行くのが一番よろしいか、また一般の御意見もございましようし、皆様方の御意見等もございましようから、それらの輿論あるいは政府の方針というようなものとよく考え合せ、にらみ合せて財源の問題を解決して行かなければならぬ、かように私は思つております。
○楯委員 私は非常に心外にたえないことは、この仲裁の裁定が出て参りますと、すぐあとで運賃の値上げの問題が付随して起るということであります。どうも世間では給料を上げるために運賃の値上げをやるんだ、こういうことが常にいわれておりますが、私は非常に心外だと思います。といいますのは、社会政策上あるいは公共性らかいつて、新線建設であるとか、あるいは貨物等級、定期旅客というような、きわめて低廉な料金で経営しておるわけでありまして、これらはあなた方幹部が当然政府と交渉をなさつて政府の方からこれらの差額を引出していただく、この努力が過去においても足らなかつたのではないかと考えております。当然これはりくつが通つておりますので、こういう面から裁定実施の財源を引出していただきたい、これは私はりくつからいつてだれも否定することはできないと思います。ほかのものに比べまして、こういう政策的な非常な低運賃を実施しておるものは、当然政府がまかなつて行くべきものであるというふうに、おそらく全運輸委員は考えているだろうと思つております。裁定実施のための運賃の値上げ、こういうことを関連をされて誤解をされないように、ぜひひとつ政府の方へ、政策上から実施する低運賃に対する差額補給についての運動を、積極的にやつていただきたいと思う次第であります。
○關内委員長 山口丈太郎君。
○山口(丈)委員 まず総裁にお尋ねをいたします。私は災害地の運輸状況の視察に参りまして、それは会議録によつて御承知をいただくことになつておるようでございますので、それを見ていただきたいと思いますが、特に痛切に感じましたことは、各地方をまわりまして、国鉄の職員の諸君が昼夜をわかたず、しかも自分の家庭の災害等をもまつたく度外視して、一意職場の災害復旧のために努力をいたしまして実に涙ぐましい働きをしておつたのでございます。これに対しましては、当然当局としてそれぞれ感謝の措置をとられておることと存じますし、国家的に見ましても、いち早く交通を復活させるための努力をいたしましたこれら献身的な努力者に対しましては、それぞれ表彰その他の措置をとつて、これらに慰問の方途を講ぜられるべきだと存じますが、国鉄当局としてどのような措置をとられたか、一応お承りしたいと思います。
○長崎説明員 国有鉄道にその使命上、一刻も早く開通することは必要なものでございますから、われわれもごらんの通り一生懸命に働いてやつております。それをごらんくださいまして、ただいまそういうありがたいお言葉を賜わりましたことは、従業員一同にかわりまして厚く御礼申し上げます。私どもの部内といたしましては、もとより救恤その他働いたものに対する賞与と申しますか、そういうようなものは応分のものを与えております。しかしこれが十分であるかどうかということについては、国鉄は御承知のように財政が非常に困難な状態でございますから、思う通りには参りませんが、気は心という程度のことはいたしております。なお過般総理大臣からの表彰もございまして、その際も二人出していただいております。なお今後追加があるようなお話もございます。大体そういう状況でございます。
○山口(丈)委員 私はこれらのことにつきましてもやはり、従来はもちろんその責任者の監督よろしきを得るということも必要でございますけれども、しかしそういう旧観念ではこの復旧に対して努力をした者全体とは申せないと思うので、少くともその現場に実地に働いた者、あるいはこのために犠牲を生じた者等につきましては、たといそれが役職にない者といえども、私は特にそれらの人々に手厚い救済の手と万全の慰労の方法を講ずべきであると思いますが、そういう方針でやられておるか、従来のようなただ責任者の表彰にとどまつて、それが職場の表彰というような解釈にとどめられる表彰であつたのか、その点をお伺いいたします。
○長崎説明員 全般的にやつております。おつしやるように特に監督者とかなんとかいうものだけの表彰ではございません。救済の点、救恤の点、あらゆることをでき得る限りの限度においてやつております。
○山口(丈)委員 そういう方式でやつておるということを聞きまして、私は満足の意を表するわけでありますが、さらに次にお伺いいたしますのは、今楯委員の質問にお答えになりましたこの災害復旧に対しまする補正予算は、次の機会に出されるというようなことでございますが、もちろん国鉄としてはいくら赤字と申しましても、自己資金あるいは自己信用によります融資によつて、復旧費には事欠かない措置がとれると私は思うのでありますけれども、しかしながらこの国会は御承知のように災害を主とする国会でありまして、当然このための予算の補正はこの国会においてとらるべきだと考えるのでありますが、それが何ゆえに次にまわされるのか、この点につきましては私は一つの疑問を持つわけであります。と申しますのは、時ちようど十六国会の終りの間近にこの仲裁調停がなされまして、ただいま裁定が出されておるのであります。これが実施につきましては当然当局として、それぞれの予算の要求をせらるべきであると思うのでございます。そういたしますと、この災害復旧予算というものを繰延べておいて、それと対比的にこの給与の改善に対する予算というものを出して、これだから職員の給与の改訂はできないというような、一つの政策的な面に利用される向きもあると私は考えられるわけであります。そういう点のつなぎを考え合せてこういう措置をとられておるのか、あるいはそういうことには全然関係がないか、これについては私は重大な関心を持つていると思うのであります。なぜかと申しますと、あのように国鉄の職員諸君も一朝事あれば、ほんとうに家庭も捨てて献身的に職場に努力をいたすのであります。これを見ましてもいろいろ誤解を生み、いまなお社会一般としては、日本の労働組合のあり方あるいは労働者のあり方についても、十分の理解を持たれていない現状にございます。そういう場合において今日までとられました国鉄の職員諸君のあの熱心な、そうして自己をほんとうに忘れたあの職場の復旧の努力というものは、これが真の従来からありまするわれわれの国土を愛し、職場を愛するという信念を十分に発揮しておるものでありまして、その意味から申しましても、この災害復旧に対しては、一日も早く補正予算を承認をしてさらに完全な復旧のために努力するとともに、裏づけとしても、この仲裁裁定の実施というものは、私は必要になつて参ると思うのでございますが、それがどうも疑いのあるような措置に出られておるのじやないかという疑念を私は持つておるのでありますが、それについてひとつお答えを願いたいと思います。
○長崎説明員 私の方も最初本国会は災害復旧の国会であるというような趣旨から申しまして、国鉄においても復旧の補正予算を出すのが当然じやないだろうかと考えておつたのであります。ところがたまたまそれに仲裁裁定が出まして、両方の財源というものをよく見比べる必要も生じて来たわけであります。しかしこの間おのおの性質が違うものでありますから、一方があるから一方は云々たというような関連を私は持たせておりません。ただ金額的に、資金の上においてにらみ合せる必要がある、かように考えておるのであります。
○山口(丈)委員 ただいまの総裁の御答弁だといたしますると、それではこの裁定を実施するにあたりましては、いわゆる災害によりまするそれらの事事について、資金上の関連性は一切持たせない、別途に考えるということが言明されたものと私の方は解して今後に対処してよろしいか、もう一度はつきりお願いします。
○長崎説明員 裁定は御承知のように、両当事者を絶対的に拘束しますから、これはもう全然別個のものであります。
○山口(丈)委員 それでは両当事者を拘束するものであるから、全然それには関連性を持たないという御答弁でありましたので、私はさらに希望といたしまして、その言明通りをこの裁定の実施にあたつてはぜひとも実行していただきたい、このように要望をいたしたいと思います。 それから第二点としてお尋ねいたしたいのは、過般の国政調査等によりましていわゆる国鉄の諸般の問題が論議されました。鈴木委員も先ほどから民衆駅の問題について追究されておりますが、私はさらに一歩それを地方に広めまして、いわゆる十六国会においても申し上げておいたのでございますが、神戸あるいは大阪、東京等の高架下の賃貸問題でございます。これは聞くところによりますると、現在借りておりまするものは、次から次へと権利金をとられまして、相当高額の負担をいたしておるのでございまして、こういうことをそのままに放置するということは、少くも国有鉄道、国というものの威信上から申しましても、このままにしておくわけには参らない問題であると考えるのでございます。それについては適切な措置を講ずるように当局で配慮をせられていると承つておるのでありますが、その後どのような措置をおとりになつておりますか、それをお聞かせいただきたいと思います。
○長崎説明員 それらの問題に関連しまして、過般の国会で当委員会においてもいろいろ論難がございまして、次いで中間報告がございまして、その中にもただいま山口委員が申されました点について適切な処置をとれということでございましたので、御承知の通り東京並びに大阪、神戸地区、そういうところが最も重要なポイントでございますから、その両地区に限りまして、評価委員会みたいなものを設けまして民間の学識経験者等を委員にいたしまして、それらの方々の御意見等も聞いて近ごろ整理をいたしております。一方民衆駅というようなものを今後やはりやらなくちやならぬ場合もあるかと思いますので、固定資産の管理についての手続等において、欠けるところのあるものが少くないということははつきりいたしておるのでございますから、民衆駅等運営に関する委員会というものを中央に一つ設けまして、その御意見を聞き、公正な扱いを今後いたして行きたい。第一回はもう開きまして、第二回は来週の十二日ごろに開いて、着々と意見を聞いてまとめて行つて、御説のように公正、適正な方向に持つて行きたいと考えております。ただ何分御承知のように、終戦後非常な乱脈な状態に陥つておる現状でございます。これを整理するということは、現実の問題として非常に困難があると思いますが、いましばらくかすに時日をもつてしていただいて、われわれが何をやるかごらんを願いたいと思います。
○山口(丈)委員 この民衆駅等運営委員につきましては、名簿も配付されておりまするが、これは民衆駅等運営委員会というふうになつておりまするが、この委員はあのような高架下の整理等についても論議される委員であるかどうかをお伺いをいたします。
○長崎説明員 整理の個々の問題、事実問題はお扱いになることはむずかしいと思います。ですから、大体の根本の方針、方向、どういうふうに考えればいいかというような根本的な問題についていろいろ御意見を聞かせていただきたい。実際の問題は当然われわれのところでやらなければならないと考えております。
○山口(丈)委員 この問題につきましては、私の地元であります神戸等におきましても、元来この都市を高架で通すということの目的には、一つは防火上の問題が取上げられまして、たとえば神戸などにおきましては、あの高架を境にして、たとえば火事が起りましても、大火災になつても、高架で食いとめるところの防火壁的な役割を果す、かような口実で高架というものが、阪急にいたしましても、あるいは国鉄にいたしましても、その地元の了解があつてでき上つておる。もう一つは、平面で煩雑な交通を整理することが困難であるから、いわゆる交通事故防止の建前から、どうしても高架にしなければならぬ、このような二つの目的のために高架というものがどんどんと建設されて行つたと思うのでございます。しかるに今日のような状態におきましては、あの神戸の状態等もごらんになつておると思いますが、あれで一旦あそこに火災等が起りますならば、むしろあの高架が火災をさらに誘導する結果に相なりますし、その火災のために交通が杜絶をいたしますし、あるいは一旦あの高架下に火が入りますというと、あのような状態に置きますと、高架を全部やりかえなければコンクリートが持たなくなる、ゆゆしい交通杜絶の問題を惹起すると思われるのでございます。従つてこれに対します適切な措置を講ずることは、一刻の猶予も相ならぬような状態にあることを、よく御承知だと思うのであります。しかるにそれを何ら至急に施す手を打たずに、そのままに放置するということは許されない問題であると思いますが、これについてはどのようにほんとうに腹をきめてかかられるか。どんなに他に複雑な事情があるにいたしましても、やろうと思えば当然当局者の責任としてこれらの整理に当ることができる。また現在のような状態に置くといたしましても、そういう最悪事態が惹起しない前にそれに対応し得るような措置が必要欠くべからざるものであると思いますが、一体どのような措置を一刻も早くやろうとするか、私はこれが心配でならないのでありますが、一応お答えをいただきたいと思います。
○長崎説明員 高架下の問題等につきましては、まことにお説の通りでございます。実は一時終戦後非常に乱脈な状態にあつて、不法占拠その他があつたわけであります。これをいかに措置するか、一刻も早く措置しなければならぬということがわかつておつたにもかかわらずできなかつたということは、本業の方の輸送力の増強、あるいは安全度の確保それ自体が、いまだに地方の方に参りますと、手がまわつていないというような状況でございます。実に申訳ございませんが、ああいう問題については手が抜けておつた、これは事実でございます。その点はまことに申訳ないと存じますが、それだけに御指摘のような内容や、いろいろな観点もございますから、今後は大いにこの整備を促進して行きたい。しかし何分にも事実問題として困難があると思います。しかし困難だからといつて、それをそのままに置くわけには行かないのでありまして、できるだけ今のお説のような点にも留意をいたしまして、一日も早くこれを整理するよう努力するつもりでございます。
○山口(丈)委員 今一日も早くその措置をとりたいということでございますので、これについてそれ以上のことを求めましても困難かとも存じますけれども、高架下等の国鉄の諸施設について賃貸契約をいたしておりますものが、鉄道弘済会だとか、その他第三者の手を経た後に実際の使用者の手に渡つているというようなことで、実際その間に不労所得を相当とつている者があることを知つております。たとえば大阪の高架下におきましても、私設弘済会というようなものがございまして、これが坪何万円かのいわゆる権利金をとつている状態があるのでございます。このようなことは言語道断な話だと考えるのであります。従つて実際に使用している者が、国あるいは国鉄当局と直結して契約を結ぶ。それ以外の者については一切のものを許さないという強い決意を持たれることが必要だと思うのであります。このままで放置するということになりますれば、今申しましたようにゆゆしい問題になると思いますが、一体このような私設弘済会などというようなまぎらわしいものと、国鉄当局は直接賃貸契約を結んでおられるのかどうか、ひとつ明らかにしていただきたい。
○天坊説明員 ただいまの山口委員の私設弘済会の問題にも関連いたしますが、その前の総裁の答弁にも若干つけ加えてお答えをいたしたいと思います。先ほどからいろいろと御指摘の通り高架下の問題につきまして、まず私どもが一番心配をいたしておりますことは、先ほど山口委員がおつしやいましたように雑然としておつて、これが火事でも起したならばどうなるかということであります。それと同時に今申されました通り、いろいろその貸借関係に関連して中間搾取が行われているという問題もあり、これは正当な姿に直すべきではないかという、二段の問題がからんでいると思います。第一段の防火問題については、これはたとえば防火問題については上野駅に夜浮浪児が寝に来るというようなことにつきましても、何回も繰返して整理しましても効果がなかなか上らないという姿でありまして、いわんや高架下の一応転貸々々という姿でありましても、何がしかの金を投じてその中に設備をしたという人が入つておりますと、これを出すには、実際問題として非常にむずかしい問題があるわけであります。そこで一応火事にならぬようにということはすぐできる問題でありますから、見まわるとか、電燈線とかに力を入れて注意をいたしております。これと同時に転貸問題につきましても、ほんとうに現在入つている人がだれかということは、しよつちゆうつかまえておかないと、まごまごしておりますと、実際入つている人と名義上の人と違うということになるわけであります。同時に、先ほど総裁が申されました民衆駅等の委員会で、こうした高架下をほんとうに利用させていいのか悪いのかという根本問題もあろうかと思います。また鉄道自身がそういうものを一尺わけて貸すのがいいかどうか、またそういうことを鉄道がうまくできるかどうか、こういう問題もあろうかと思います。あるいは場合によつては信託会社に貸すとか、あるいは弘済会に貸すということについても、はつきりさせた方がいいのではないか、こういう基本問題について、民衆駅等の委員会でやつてもらいたいと思つているわけであります。大阪駅では、これは御視察をいただきました委員の方、あるいは山口委員などはこの間の事情に詳しいと思いますが、弘済会が一括して差配をする前に借りておられたところもあるわけでございましてそれが鉄道自身でやつて行くのに不便、あるいは料金の徴収がうまく行かぬというようなことで、弘済会がまん中に入つて事実上差配をする。従つて従来直接貸借関係にあつたところが、弘済会から又貸しを受けるというようなことにもなつておるのが実情でございます。私設弘済会と言われました点につきましては、私ちよつと記憶がないのでありますが、大阪の高架下も、先ほど言われたりつぱな姿から見ますと、いろいろ複雑な事情にあることも事実であります。そうした問題も、先ほど申しました民衆駅等の委員会等の基本的な考え方がはつきりされますにつれて、逐次直して行きたいと思います。
○山口(丈)委員 私の申しますのは、今実際に借りているとか、使つている者をただちに追い出すとか何とかいうのではないので。いつもあなた方が赤字だ赤字だと口を開けば騒いでいるときに、それらの人々と正常な契約によつて一銭でも多く国鉄に繰入れられれば、それだけ国鉄の経理というものはよくなつて行くわけです。そこに大きな財源があるということを認めておるのです。しかるに国鉄に対しては涙金ほどのものを出しておいて、はなはだしきに至つては、私設弘済会までつくつて、私の知るところによりますと、十坪ほどの店舗をその私設弘済会が三十万も、四十万も権利金をとつて貸しておる。このような不合理きわまることはないと思う。それをあなた方は実際に知つていて見のがしておるのか。知らないとすればまつたくもつて管理については、善良な管理者とは言い得ないと私は考えるのです。神戸の高架にいたしましても、次から次へとかわつておるのです。これは私の会社でもそういうことをやつているということを聞いているのですが、これは国政の厳正を期するためには、かような不合理なものを是正してこそ、初めて国政の公正が期せられるものと考えられるのであります。同時にまたそのことによつても、口を開けば赤字々々という、その赤字の国鉄を救うことにもなるわけですから、そういうふうな意味において私は申しておるのでありますが、このようなことは一刻も早く解消すべきであります。どのように手間がかかつて赤字が出たとしても、あなた方が善良な管理者であれば、勇断を振つてこれらの直接の事務を取扱われても、私はそれによつて決して赤字になるとは思いません。たとえば大阪の高架下に一つの事務所を設けてその事務所が直接管理をする、神戸の高架下に一つの事務所を設けて直接国鉄が管理をする、このようにされることが、私は善良なる管理者としての当然とられるべき措置だと思う。それがなぜできないかということの原因がどうも私にはわからない。その事業をやつて国鉄が赤字になる、そうして人ばかり使つて困る、こういうことになるのならば、私はそういうことは申しませんけれども、私の考えによりますと、これらのものは直接事務所をそこに設けて管理者にしかるべきしつかりした者を置いて、そして常にその賃貸者の出入りを監督、監視すれば、十分に管理することができ、しかもそれによつて赤字になるということは絶対ありません。これは断言できます。そうして何ぼかの納付金どんどん国鉄の会計に入ることができる。少くとも私は、大阪、神戸あるいは東京のあの高架下だけでも、年間億に近い金が入ることができると思う。それだけ大きな金が入るのに、そこに事務所を設けて、その事務所の会計が赤字になるということは絶対ない。なぜそれをなさらないのかということが私は疑問でならない。しかも神戸の高架下などにおきましては、あの両側に一旦火事でも起きまして、あの高架下に火が入りましたならば、あくる日から汽車は通りません。全然高架をやり直さなければならぬということになるのです。これは専門家はよくおわかりと思いますが、コンクリートの耐熱限度というものがあるはずです。そうすると、あそこへ火事が起きますと、あの高架のコンクリートは全部だめになる。だからこれに対しては厖大な補強工事をやらなければ治まりがつかない。そのようなことを防止するためには、両方にコンクリート壁を設けるとかして、板張りをコンクリート壁にかえるなり、適切な措置をして、しかる後それの賃貸をする。賃貸契約は国鉄当局がちやんと事務所を設けて、しかるべき成規の手続によつてこれが借りられて、そうしてこれらを借りておる人々が生業にいそしんで行ける、そうして中間のそのようないまわしい搾取を排除して行くというだけの決意を持たれるべきではないかと思うのです。私は大阪の高架下においても、私設弘済会などというようなものがあるということを聞いておるのでありますが、これらの話をいたしますと、私はいつ脅迫されるかもわからないような危険な状態にもあるということも聞いているのです。けれどもそのようなことも、これは排除して行かなければならぬと思うのです。実際に見てごらんなさい。それは非常にあつかましい状態にあるということです。これを整理されるということはきわめて困難かもわかりません。それもよくわかりますけれども、それをそのままにしておくということは、あの大勢の営業者が毎日ときどき泣いておるということなんです。こういうことは私は少数の人々の中間搾取を黙認して、大衆を泣かすということになると思うのです。しかもそれは国鉄の面目、威信上からしても芳ばしくない。でありますから、このような事態に対しては早急にしかるべき手を打たなければ、ますます今後日を延ばせば延ばすほどむずかしくなり、しかも国鉄の赤字というものに対しても、幾分の貢献もなすことができない状態に置かれる。これを私は強く思うから言つておるわけなんです。どうですか、そういう意味において今年中にでもそれを整理し、あるいは今度は直接国鉄との契約になさるようなことも言つておられるように聞いたのでありますが、そういう御意思があるのですかないのですか。一体やる気なのですか、やらぬ気なのか、これをひとつ私ははつきりしてもらいたい。
○天坊説明員 ただいまの山口委員のお話は一々非常にごもつともでありまして、私どもまつたく同感に存ずるわけであります。ただ非常に白紙にやるべき問題と違いまして、現実にやつている人は何万円か金を出しているというのが事実でありましてそうしてもとは、いろいろな事請もございますが、これも一般論として取上げられておりますところの、結局鉄道の高架下を貸す料金が非常に安いというところにもとがあつて、それによつて借りた人がその中に設備をして、そして一つのスパンが非常に広過ぎるから、四つに切つたり、五つに切つたりして、又貸しをしておる。その設備費を出しておるという事実もあります。借りた人はそれだけの設備に対して権利金式のものも出しておる、こういう事実もあります。これを現在入つておる事実によつて直して行く上には、やはり何がしかの金をもつて、どういうふうにして行くかというような問題もからめなければできないのであります。しかし私ども、先ほど総裁が申しましたように、決してこれをほうつておくという気持は毛頭ございませんので、何とか整理をしたい、すつきりした形に直したいという気持を持つております。ただもうしばらく時期をお貸し願いたいと考えております。
○山口(丈)委員 この問題につきましては、これはさらに運輸省関係にもなると思いますが、運輸省関係は質問を保留しましたから何ですが、やはりあなた方がこれについて法的に措置する考えはないか。たとえばこれに対しまする整理の根拠といたしましても、やはり法律的な裏づけを必要とするのではないかというようにも考えるわけなんですが、そういつた今後における国鉄資産の運用、あるいは賃貸契約に対しまする運用諸計画については、単にこのような委員会を設けましても、それに対する規則あるいは法律等の根拠がなければ、裁判ざたになつた場合に困ることになると思いますが、それらについてどのように考えられるか。管理者として考えられた場合に、そのような法律的な裏づけの考えをお持ちになるかどうか、ひとつお聞きしたいと思います。
○天坊説明員 ただいま申し上げました通り、ある程度そういうものを買収する資金がいるというような問題が起るかもしれない。あるいは御説の通り法律、根拠法規というものをはつきりさせなければならぬというような問題になるかもしれぬと思います。そうした問題もあわせて検討して必要なものは、法律が必要ならば、法律の御制定も願つてやりたいと考えております。
○山口(丈)委員 これは私は今申し上げましたように、非常に急を要する問題であつて、一刻を争う問題だと思うのです。この言つておる間も、そういう災害が起るかもしれないというような状態である。従つてこれに対しては、運輸省ともよく相談をして、適切な法律的根拠に基いて、これらを促進し得るような措置を一刻も早くとつてもらうようにお願いをしたい。 それからもう一つ、裁定の予算化の問題でありまするが、これは次に予定されまする、あるいは私どもはこの臨時国会が終りましても、次に改進党さんも要求されるようでありますが、第二次臨時国会等も請求されるようでありまするが、一体これの予算化については、いつごろにそれを予算化して、政府に要求するつもりであるか、その議会の議決を要求するつもりであるか、これについてひとつお伺いをしておきたいと思います。
○長崎説明員 災害、仲裁の予算は、なるべく早い時期に私は要求したいと思つております。これはやはり一刻も早くはつきりさした方がいいと思います。
○山口(丈)委員 さらにその裁定の実施に関しまする国鉄としての予算は、どういうことに計画されておりますか。その御計画をお知らせ願いたい。
○長崎説明員 災害と仲裁裁定と両方をにらみ合せて、なるべく早い時期にやりたいと、私ども思つております。
○關内委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十七分散会