労働委員打合会 閉会後第2号
- 発言数
- 51 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1953/10/02
会議録
○委員長(栗山良夫君) 只今から開会いたします。 昨日失業対策に関係しまして、九州佐賀県の岩屋炭鉱の紛争の問題が提起せられましたが、これにつきまして通産省の石炭局長、並びに昨日労政局長から労働省の経過についての報告が、ごごいましたが、更に若干組合課長から補足せられたいと存じます。先ず最初に石炭局長佐久君の御説明を願います。
○説明員(佐久洋君) 岩屋炭鉱の問題について、今日まで私どもが承知している範囲のことを御報告いたします。岩屋炭鉱は先般の九州における風水害で金坑水没をいたしましてその後復旧をするかしないかという問題が未解決のように報告を受けております。水害を受けましたあとで、佐賀の基準署から福岡通産局の石炭部に対して、今度の水害が天災であるかどうかという照会があつたそうであります。それに対する回答といたしましては、天災であるかどうかという問題には余り触れていないようでありますが、今後の復旧については、すべての条件が満足された場合には六カ月くらいで復旧が可能であろうという回答をいたしておるということであります。で、この岩屋炭鉱は斜坑から入りまして坑道四キロほどの所を掘つておるのでありますが、この水の入りましたのは、もう一つの古い斜坑がありまして、そこから水が入つておる。そこでこれの復旧が仮に、主として資金繰りの問題と思いますが、つきましても現在の判断から申しますと、六カ月くらいかかるであろうということで、見方によりましては四キロの坑道を全部水を揚げて仕繰をやる、修理をするということでは厖大な金がかかるのではないか、そこで別に斜坑を近くから掘るという復旧方法のほうがいいのじやないかという専門家の意見も出ておるそうでありますが、いずれにいたしましても、今までのところではこれの復旧というところにまではまだ結論が到達していない。岩屋炭鉱の経営者は、ほかに平田山、川崎、筑紫と、この三つの炭鉱を持つておりまして、岩屋も含めまして年産としては三十二万トンくらい出しておるのであります。岩屋は月一万四、五千トンでありますから、年産にすれば十八万トンくらい出ておる。従つて岩屋以外の炭鉱からの出炭は十四万トンくらいという出炭割合になるわけであります。勿論炭況が現在非常に悪いので、それが原因になつて経営当事者が復旧に決意をいたしかねるということもありましようし、これは岩屋に限りませんが、全般的に炭況悪化のために金融が非常に困難であるという事情も影響しておると思います。最初被害を受けました直後に福岡の通産局で調べました報告によりますと、復旧にはざつと九十日、被害額が九千万円という報告になつておりますが、その後の報告によりますと、復旧日数は更にざつと二倍かかるということになつております。復旧費のほうはどのくらいかかるか、この数字は私のほうにまだ報告を受けておりません。 なおこの昭和二十七年度における岩屋炭鉱からの申込による開銀融資は一億七千八百万円でありますが、これは大部分今までの木製炭車を鉄製炭車に切替えるという資金でありまして、そのうちの半分くらいが今まで出されておりまして、その後新らしく復旧するための資金申込というものは現在まで受けておらないという状況でございます。
○説明員(山崎五郎君) 岩屋炭鉱の争議の概要について申上げます。争議の原因は六月二十六日の水害にての発端があるのでありますが、その灰鉱の休業の問題につきましては、只今石炭局長からお話があつた通りであります。六月二十六日の水害によりまして、採炭が不可能な状態になつたために、会社は七月五日に組合員に対して、復旧に三、四カ月を要する、従つてその間退職金及び失業保険で食いつないでもらいたい。復旧後再採用するまでの間、八百名の解雇をしたいという申入がなされたのであります。以後図体交渉を軍ねまして、その結果七月二十二日に労働組合と経営者の間に次りような了解点に達したのであります。 先ず組合が復旧要員として二百八十名を残し、厳密に言いますと二百七十八名かと思いますが、全員解雇を了承する。被解雇者の再採用については、その基準及び方法は協議する。又被解雇者を優先的に採用する。退職金についても今後協議する。こういう内容によつて一応了解に達したのであります。その後この了解に従いまして、組合は金員退職願を提出することになつたのでありますが、退職願の文面につきまして、組合は生活が苦しいからその理由を書くということを主張しました。会社側は天災による事業不可能という理由にせよとの主張をしまして、対立を見たのでありますが、結局組合が譲歩しまして、二十二日に天災水害よる就業不可能という理由を書いて、退職願を提出するに至つたのであります。なお二百八十名の復旧要員については、会社が退職願を返還することになつたのであります。ここにおいて先ず整理は一段落したのであますが、再採用の問題及び退職金の問題等が今仮に残されたのであります。その後労働組合のほうのこれに対する対策は七月の下旬に大会を開催しまして、今後の闘争方針として、組合は解散しない、在籍者、非在籍者を問わず組合員とするということをきめました。なお企業整備の対策委員会を設置、組合役員の身分保障について再確認するということをきめました。なおその間組合の常任役員は退職願を出さなかつたので解雇されております。七月の三十日に九炭労の対策委員会が組合事務所に設置されました。その後の状況でありますが、組合が、保安要員、復旧要員でありますが、の労働条件その他に関する交渉権及び退職金について八月三、四、六と団体交渉を重ねたのでありますが、会社は復旧要員の労働条件に関しては現執行部とは交渉しようと考えていない、今後の交渉権については目下会社側で協議中であるという回答がなされたまま現在に至つております。そのため組合は八月八日に地方労働委員会に対して実質的に回答、団交を行うことという意味の救済内容を盛つた不当労働行為の申立てを行なつております。現在地労委でこれが継続中であります。然るにこのような状態の中で、在籍者の一部組合員が、組合の構成が八割まで職を離れた者を含んでおる、又執行部も殆んど退職した者であるから、現状から組織に疑義があるとして在職者のみの組織結成を企図しまして、八月九日に在籍者のみを構成員とする第二組合が結成されました。当初この組合員数は四十名程度であつたかと思います。以後第一、第二組合が存在しまして、両者が次第に感情的な対立を鋭くして行きました。 今回問題になりました事件の発生でありますが、たまたま九月十九日に会社側の労務主任が第一組合に対して、会社は廃鉱するかも知れない、勿論このことを本人は否定しておるとのことであります。これを口外したために激昂した組合員約四百名が事務所に行きまして、代表者が入室しまして、労働課長と労務課長に説明を求めたが、労務課長がこれを拒否したために、これに暴行を加え、更に第二組合員の書記長ほか第二組合員二名に対して暴行が行われたとのことであります。このためにこの事件によりまして、九月の二十三日に加害者として十一名の第一組合員が逮捕されております。 以上が今度の争議の概要であります。で、昨日労政局長からもこの点につきまして説明なされたと思いますが、警察官の出動につきましては、国警警備課長から詳細な報告があつたとのことでありますので省略いたします。勿論私のほうにもその点につきましては余り詳細な報告がまだ届いておりません。ただ十九日の事件発生当時の概要はありますが、これも今若干要点は触れたので省略さして頂きます。 問題の原因でありますが、第二組合が発生しておるという点と、それから会社側がその前に団体交渉を拒否しておると、組合の申立てによりますと、そういう事実があつて、目下地労委にかかつておるという点、その後七月の二十二日の協定の際、復旧後においては再採用をするという点がはつきり謳われておるのでありますが、組合側のほうの見方によりますと、かなり復旧しておる、その協定事項が実施されるような段階に来ておるにかかわらず、廃山も止むを得ないということを言つたことが組合員を刺戟しぎして、組合員が激昂してかかる事態に発展して行つたのではないかと考えられます。 なお退職金の問題につきましても、私のほうに来ている現在までの報告では、円満に支払われておらない。はつきり私確認できませんが、現在までのところでは支払われておるというような報告がまだないので、こういうような点からかかる事態に発展したのではないかと、こういうふうに考えられます。 以上争議の概要を御報告いたしました。
○委員長(栗山良夫君) 石炭局長に尋ねますが、昨日ここで問題になりましたのは、警察官介入の行為も問題になつたのですけれども、それより前に、先ほどあなたの報告にもありましたが、炭況が非常に不活撥であるということによつて石炭業者もいろいろと意をなさつておる点はわかるのでありますけれども、たまたまこういう風水害の起きたのを機会にして、そうしていろいろと労使問題を同時に解決しようというような若し含みがあるとすれば問題は重要である。今度の水害対策は、あらゆる諸条件が原状に復帰するようにするべきであるという国会の要請、或いは行政府の考え方の下に今指導せられておるので、そういうことがあれば間違いではないかということを質したいというのが第一点である。この点はまだ明確になつておりません。今山崎組合課長からは、この紛争の原因について、若干会社が団交を拒否しておるとか、或いは協定に対する約束不履行の点、こういうような点がやはり紛争を激化して来た一つの原因ではないかということを言われました。そういう点を考えてみますと、そこに警察官の直接介入行為ということのほかに、もつと深い原因というものを尋ねて見なければならんと思うのですが、この点を石炭行政の責任者としてどういう工合にお考えになつておるか。それから特にこの前問題になつておりますが、今炭況の非常に悪いということを言われておりますけれども、その回復措置について質しておるのですが、具体的なまだお答えもなかつた。特に国内炭と輸入炭、或いは重油等との関係についても何ら数字的な説明がない。又然らば燃料関係の需給計画等についても全然言及されていないということがありまして、たまたま今岩屋炭鉱のどういう例が出ておりますけれども、若し今のような根本的な点を元にしての対策がなければ、ほうぼうにこういうことが起きるのではないかという懸念もあります。従つてこういう点をまとめてもう一度説明を願いたいと思います。
○説明員(佐久洋君) この前の水害の後の復旧対策につきましては、いわゆる中小のものを中心にした対策として現地的に解決するための融資の方法を至急とりまして従来開銀で面接窓口を開いておるものにつきましては、開銀自体の解決に任すということで、これは特別の融資方法というものは全然とつておりません。勿論通産省としては、この機会に炭鉱を整理しようとかいう考えは毛頭ございませんので、復旧計画を立てまして、それに基いて資金的な応援と申しますか、開銀に対する説明ということでは十分な努力をしたいというふうに考えておるわけであります。 それから第二段の輸入炭の問題でございますが、これは漸く下期の輸入炭のドル予算がきまりましたので御報告申上げたいと思います。ドルの金額を申しますよりもトン数で申上げたほうが御理解を得るに便利かと思いますので、トン数で申上げますと、鉄鋼関係につきましては百十七万六千トン、ガス関係で十八万九千トン、コークス用炭として一万トン、煉、豆炭用として三万トン、合計いたしますると百四十万五千トンというのが下期に組まれました外貨予算であります。これを上期の数量について見ますると、上期が鉄鋼が百六十二万二千トン、ガスが三十五万八千トン、コークス関係が一万五千トン、煉、豆炭関係が八万トン、合計いたしまして二百七万五千トンということになつております。 そこで上期と比較するというやり方よりも、こういう状況の下で年度当初に最初に考えられました数量と、現実に外貨予算として組みました数量とを比較して申上げたほうが上がろうと思います。年度当初に考えましたのが、製鉄関係で三百十八万九千トン、ガスで六十三万四千トン、コークスが二方五千トン、煉、豆炭が八万トン、合計いたしまして三百九十二万八千トンであります。それに対して只今申上げました上期と下期の外貨予算に組まれました数量は、鉄関係が二百七十九万八千トンでありまして、当初計画に比較しますと三十九万一千トン削減されております。それからガス関係が五十四万七千トン、当初計画が六十三万四千トンでありますから八万七千トンの削減をしている。それからコークス関係は当初におきましても二万五千トンでありますからこれは変更がございません。煉、豆炭関係が当初八万トンの計画が外貨予算に組まれましたのが十一万トンでありますからこれは三万トン殖えております。全体から申しますと、当初計画が三百九十二万八千トンで、実際に外貨予算に組まれましたのが三百四十八万トンでありますから、全体としては四十四万八千トン最初の年度当初の計画から見ると削減をしておるという数字になります。これはかなりぎりぎりの通産省としては搾つた数字でございますので、かねがね輸入炭が非常に多いために国内炭の圧迫を来たしている、の問題の原因をなしておるという点も考慮いたしまして、こういう数字を組んだわけであります。 なおこのほかに重油の問題もございますが、重油は鉱工業、農水産業全部含めまして、当初の見通しとしては本年度に五百万キロリツターぐらいの需要があるであろうという見通しをつけておつたのであります。併しそのまま外貨予算に組むということはいろいろの点から考えて不適当と思われますので、年度として四百六十万キロリツターぐらいに削減をして下期の外貨予算を組んでおります。四百六十万キロリツターというのは結局本年度における工業関係の重油転換は余り認められないという数字でございます。第一四半期が百十二万キロリツターでありますから、そのまま放つておけば秋口、或いは冬に入つて相当の重油転換が行われる。重油自体の使用量も相当に殖えるわけでありますが、百十二万のざつと四倍に比べてそれほど大きな開きがない四百六十万キロリツターで抑えたわけでございます。 もう一つ申し落しましたが、この燃料としての総合対策、これは実は私のほうでやることではございませんので、経済審議庁のほうで現在その作業をやつておりまして、まだ完成していないのだろうと思います。と申しますのは、完成すればいずれ私どものほうに連絡があるはずでございますが、その連絡もまだ受けておりません。
○委員長(栗山良夫君) 岩屋の問題は、今後まだ問題になるんじやないかと思いますが、要するにこの鉱山を復旧するかしないかということが一番問題だと思うのですね。ですから通産省としては復旧させたいという意思であるのかどうか、この点を一つ明確にしておいて下さい。それから復旧をさせたいということであれば、これは融資の問題も勿論出て参りますが、そういう意思であるということであるならば、この岩屋の紛争解決の方法としては、七月の初めでしたか、組合と会社との間で協定をした協定を労使が完全に履行するということでなければ円満解決にはならないと私は考えるのです。その点については労働省と通産省両方から一つ伺つておきたい。
○説明員(佐久洋君) 復旧させたいかどうかということは、実は今の状況から申しますとはつきり申しかねるのでございますが、仮に復旧させたいという意向がありましても、当事者のほうで復旧計画なり、或いは復旧の意図というものを持たない場合にはこれはどうにもなりませんので、今の石炭行政としては仕事をやれとか、或いはやめろというようなことを言える立場ではございませんので、当事者のほうで復旧計画というものを持つ場合にはこれに対する応援をすると、こういう建前でおりますので、させたいとかさせたくないということをちよつと明確に申しかねるわけでございます。
○説明員(山崎五郎君) 再採用の問題につきましては、炭鉱が復旧しまして協定通り採用されることが労働省としてはこれは言うまでもなく望ましいことでありまして、併し現在どういうふうな状態になつておりますかは、私のほうでもはつきりその点はわかりません。併し将来復旧しまして、多数の退職者が復帰することが最も望ましいと、こういうふうに考えております。
○委員長(栗山良夫君) この問題につきましては、実は昨日吉田君からも現地の事情がよくわからないので、現地の関係者を招致してもう少し突つ込んで調べたいという御提案がありましたけれども、委員会が定足数に達していなかつたのでそのままにしてございました。本日も又同じような状況でありますので、いずれ次の委員会等において更にその取扱いについて御協議をすることになるんではないかと考えます。従つてそれまでに労働省、通産省等におかれても、更に昨日今日この委員で論議になりました点について突つ込んで現地の調査をせられて、あらゆる状況等が明白になるように努力を願いたいと考えます。
○寺本広作君 只今の委員長の御発言に異議があるわけではございません。ただ併しこの個々の問題を立法府でとり上げるということには、よほどやはり立法府としてどういう意図でとり上げて行くかという方針をきめておかんと、個々の問題をその都度持出されて、まだ現地の労働委員会で継続中の事件をここでとり上げるということは、やはり行政の筋から言うと余り適切でない場合が多かろうと思うのです。今日は只今の委員長の御提案で次の機会にこの問題の取扱方を延ばすこういうことでありまして、その間に労働、通産各省でもつと事情を調査するようにという話でございましたから、できれば次の機会までの間に労働委員会の活撥な活動を促すとか、労働省通産省の出先の活撥な活動を促して次の委員会までに現地からわざわざ人を呼ばなくても、行政機関の動きによつて大体結論がここで得られるように、労働委員会として直接事件にタツチしなくても事件が処理できるように一つお願いをしておきたい、こう思うのです。
○田畑金光君 只今の寺本委員の御発言の中には賛成の点もありまするが、又私として考え方を若干異にする点もあるわけであります。それは昨日来この委員会で初めて岩屋炭鉱の問題を我々は承知したわけなんですが、ただ私たちの基本的な立場と申しますか、考え方としては従業員を一千名も使つている炭鉱、而も月産一万五千トン、これは相当の大きな炭鉱だと、こう見受けるわけであります。従つてこういう大きな炭鉱が先般の水没で廃鉱する、廃山する、こういうことは重大なやはり国の産業の問題だと思うのです。こういう大きな、少くとも炭鉱のレベルから申しますと大きな炭鉱だと考えられるこの大きな炭鉱を、廃山することも個々の企業者の自由であるという考え方が仮にも政府当局や或いは石炭行政機関にあるとするなら、私はそういう考え方は根本的に考え直して頂かなければならん、かように考えているわけであります。で、私たちの問題とすることは、去る十六特別国会において特別措置の立法、或いはこれに対する補助政策をとつたということも飽くまでも企業を維持することが国家産業の発展のために必要であるという考え方からああいう立法措置もとられたと思うのであります。同時に我々の考えなければならんことは、企業を維持するということは単に経営者のため、経営権のためではないと考えております。それは飽くまでも労働者の生活と職場を守つて行くという労働権を尊重した企業全体の存続維持のために立法化されたのであり、これに対する政府の補助策も打たれておると思うのであります。そういう意味におきましてこの大きな炭鉱とか企業というものが仮にも水没を理由にして当初の少くとも政府や議会の意図した方針とは別個にこれが労働問題解決の手段に使われたり、或いは又その他の経営者の私的な営利の手段に使われるようなことがあつてはこれは本末顛倒である。従つて私はこの問題は昨日来伺つておりまするが、やはり考え方において重要な問題であると考えますので、願くば関係機関において次期の労働委員会までには十分に我々が討議し、一つの見通しが立ち得る程度の資料を集めて頂きたい。従つてその上に立つて我々は本問題の取扱方を協議して参りたいと考えております。飽くまでも私は従つてその結論が明確でなければ、当然に地元関係者をこちらに来てもらつて、更に我々自身が調査し、聴取して方針を決定するのも妥当な解決策であると考えておりますので、そういう点においてはいささか寺本委員と意見を異にしておりまするから、どうぞそのように一つ処理願いたいと考えます。
○上條愛一君 私は労働省並びに通産省の当局にお願いいたしたい問題があるのです。その問題の一つは、廃山になつて復旧には六カ月の日時を要する、そこで六カ月の復旧までのその労働者の生活をどうするかという問題であります。一旦解雇されてその間の生活は退職金と失業保険によつて支えろ、こういうことのようであります。そこで今組合課長のお話を聞くと、退職金も完全に出されていないようだ、こういうお話でありますが、この事情をもう少しはつきり御調査を願いたい。退職金がどの程度に現在支給されておるか。その解雇されたる労働者の諸君の生活がどのような状態にあるかという問題を御調査願いたい。 それから今一つは、先ほどからも繰返されているようでありますが、この水害による廃鉱になつた炭山を復旧するかどうかという問題でありますが、お話を総合してみると、復旧に向つて経営者が努力しているように考えられます。実際の実情はだからすでにもう復旧が行われておつて、相当解雇した千人余りの退職者を使用できる状態にあるにかかわらず採用しておらない。そうして労務主任の放言によると、廃山するかも知れない、こういうようなことを言うたのが今回のトラブルの一つの原因になつておる。こういうふうに言われておりますが、そこで問題は果して炭鉱経営者は復旧に向つて努力しており、又その復旧が進行しつつあるかどうかということが問題だと思います。進行しつつあるとするならば、炭鉱経営者は誠意を以て復旧に応じた人員を採用しておるかどうか。又将来これを団体交渉の決定に基いて復員させようという誠意を持つているかどうかということが、今後のやはり労使関係のトラブルが起るか起らないかということのポイントになると思うのです。その点について十分にできるだけの一つ材料をお取調べ願つて、私どもの一つの判断の資料として提供して頂きたいということをお願いしておきます。
○田畑金光君 石炭局長に一つ私はこの際質しておきたいと思うのですが、先ほどのお話によりますと、石炭局としてはこの山が再開するもしないも行政機関としてはこれは企業の当事者の自主性に任しているのだ、こういうような御発言だつたと思いますが、これを私形式的に承つたときに、表面的に承つたときには成るほどそうかも知れません。が、併しもう少し私は掘り下げて考察してみた場合、石炭行政機関としてそのような考え方を持つということは余りにも私は官僚の形式主義じやないかという感じを持たされるわけなんです。と申しますのは、先ほどあなたのお話の中にも、昨年開銀の融資一億七千万、これは木製炭車を鉄製炭車に切替えるために融資された、企業資金とし、設備資金として融資をされたというお話ですが、そのうちすでに半分ぐらいは出ておるというようなお話であります。これだけの一万五千トンも月産出す山ですから、私は相当額を曾つて開発銀行から融資を受けておると思うのです。そういうような大きな山が相当額の、而も政府出資の銀行から融資を受けておる。一体こういう金は閉山、廃山となればどうするのだということです。一体そういうような企業家が政府の出資投資の銀行から金を借りて、そうして簡単に廃山、閉山して、一体そうすると返済はどうなるのだ。その融資を受けた金は誰の責任だ、誰が納めた金だ、誰の税金だ、こういうことを考えたとき、私は少くとも石炭行政の責任者というものは、企業にはそれだけの私は一つの責任があると思うのです。同時に又石炭行政に携われる皆さん方においては、形式的な責任はとにかく、或いは形式的な職責はとにかくとして、一つの私は道徳的な、倫理的な責任が負荷されておると私は感ずるわけですが、先ほどの局長の答弁では私納得の行かない点が多々あるのですが、この点についてもう一度御答弁願うと共に、一体どの程度この山に政府が金を貸しているのだ。その金はどうなつておるのだ。廃山になればその金はどうするのだ。こういうような点について一つ明確な御答弁を煩わしたいと思います。
○説明員(佐久洋君) 私が先ほど申上げましたのは、積極的に山の継続を行えとか、或いは廃止しろとかいうことを今の政府としては言う立場にないということを申上げたのであります。この山の財政資金というものは二十七年度までは全然出ていないように私聞いております。二十七年度において先ほど申しました一億七千八百万円のうちの大体半額が出ておる。この九州の通産局から経営当事者に対して質したところによりますと、やめるともやめないともはつきりした意思表示がないということでありまして、通産局としては仮にやめた場合に、それではあとの始末をどうするかというようなことの調査もいたしておるようであります。私が電話で受けました報告では、仮にやめた場合には現在の山の処分によつて従来の負債は大体返済が可能ではないかと思われるという程度の報告しかまだ受けておりません。なおそこらのところは、先ほど来いろいろの調査の御注文もありましたが、併せて調査をいたしたいと、こう考えております。
○田畑金光君 石炭局長に更にお尋ねいたしまするが、現地の通産局ですかの調査によると、その炭鉱の整理によつて負債その他は処理できるであろうという報告だというお話ですが、そこで我々常識的に考えた場合、鉱山の例えば施設どいうと、レールとか台車とか、ああいうようなものを処理するとなれば、これは屑鉄にでもして処理するのか、恐らくそれは金目にしても大して期待できないと思うのです。要するに私たちの推察できるのは、この程度の設備をして、この程度の出炭の山だから、まだ適当に他に売却して経営者が代るべきだと私は見るわけであります。経営者が代るということは要するにその企業が存続し得るのだ、その山はやれるのだという前提の上に立たなければ処理もできないと思うし、処理して又それだけのものを返済できるだけの金目にはならないと思うのです。そうなつて来ますと、恐らく私は掘下げて考えれば、この山は或いは更に大きな資本を投下すれば経営できる、或いは違つた経営者が違つた角度でこの山を処理すれば経営ができるいう前提がこの中に含まれておると思うのです。そうなつて来ますれば、あなた方石炭行政機関としてどういう態度でなければならないということは、やはり単なる私は監督でないと思うのです。やはり指導機関であり、その企業を育てて行くというところに政府の重大な使命があるように私は観察するわけであります。そういうような点においてこれはもう少し積極的に石炭局長としても現地の通産局を通じ、石炭企業を育成強化するという考え方の下に、更に又私は先ほど申上げたのは、委員長も申上げたのは、こういうことだと思うのですが、我々はあの九州の災害によつて一つの企業体、一つの鉱山でも失つてはならない、こうして政府の施策、議会における議決がなされていると思うので、こういう点を広い視野に立つてよく御検討願つて、現地の機関を適切に御指導願いたいと思うのですが、この点について局長の考え方を再度お尋ねしたいと思います。
○説明員(佐久洋君) 実はこの岩屋炭鉱の問題については十分の情報を得ておりませんので、的確なことを申上げるには、先ほど申上げた通りでありますが、更に地方の通産局を督励いたしまして、その対策、或いは今後の見通しというものを十分立てたいと考えております。
○吉田法晴君 そこで調査せられるについて次の点を留意して調査願いたいと思います。若しその点でわかつておりましたらこの場で御答弁願いたいと思います。岩屋炭鉱は御承知のように貝島炭鉱株式会社で経営しておる。それを高倉という人に引継いだのですが、大辻炭鉱のほうは経営者としては貝島の株が残つている。鉱業権者は岩屋炭鉱は誰になつておるのか。高倉氏が受継がれたけれども、金が十分に払われていないと聞いておる。鉱業権とそれから経営権その他がどうなつているか、御存じだつたらお答え願いたい。御存じなければ調査をして頂きたい。 それから閉山或いは廃山ということが言われておりますが、企業上は事業継続不可能と言つておりますが、閉山、廃山という決定はどこもしておらない、重役会も言つておらないし、株主総会も言つておらないということです。従つてそういう閉山、廃山とかいつたようなことの決定がされたかどうか。私どもはそういう決定はなされておらないと聞いております。それから復旧作業或いは復旧工事の経過、私どもの聞いておるところでは二百八十名を残して、保安作業と称して排水をやつて来て、一切羽を残して、二切羽でしたか知りませんが、すでに作業の見通しが十分ついておると聞いておる。二百八十名で排水を続けておる。これは間違いなく明らかになつている次第であります。その経過と、それからこれは現在では、現状でありますが、一切羽か二切羽がすでに排水を終つて作業が着手し得るような状態に左つておるというようなそういう事態、それらの問題を通じて考えますと、事業の継続不可能として退職手続をとつたというのは、先ほど亀田さんのお話じやありませんが、六カ月復旧に要するその間を、最も金のかからない方法で当事者間においては退職として退職金や失業保険金をもらおうという手続をとつた、こういう法的な脱法行為と言つてはあれですが、法の精神をくぐりながら最も安価な復旧作業を続けて行く方法をとつたのだと考えられるのだけれども、そうであるのかどうか。その辺を具体的に調べてもらいたいと思います。 それから我々の常識を以てするならば、これはさつき局長も、恐らく今のような見通しというか、見込を恐らく立てられたのだと思いますが、従つて通産局関係については、通産省関係と申しますか、全然そういう廃山或いは閉山といつたような連絡はあつたと思わない。どういうことになつておるのか。 それから六カ月といいますが、復旧までには大した融資は必要でなかつたのだと思いますが、これから事業を再開するということになると、運転資金その他が要る、そこで融資については恐らく相談があつたと思う。融資がきまつたと聞いておるのでありますが、通産局の話ではいつでも融資して然るべきである、融資の価値ありとして融資について斡旋をせられた、或いは融資について意見を述べられたという事実を聞いておるのですが、最初の水害のときも相談を受けておるでしようし、それから水が成る程度揚つてこれから事業を再開するとすれば、融資その他の手続の斡旋をしておると思いますが、それらの点についてわかつておるだけここで御答弁を願つて、わからないところはあとからお調べを願いたいと思います。
○説明員(佐久洋君) この岩屋炭鉱が貝島から移つたあとに、鉱業権者が誰であるかということは、現在の法上の鉱業権者が誰であるかということはわからないから調べます。ただ高倉鉱業の一つの山であるということで我々は考えておるのでありまするが、法律上果して正式の移転登録をやつておるかどうかということまでは確かめた話ではございません。 なおそのほかに融資の問題がございますが、融資はこれは今の融資の手続から申しますと、開銀に融資を申込むということになつておりまして、ただ本社が九州にありますので、通産局のほうで一応書類を見まして、と同時にこの正式の書類は開銀のそれぞれの出先に出るわけです。それで開銀と通産局とが意見の交換を行なつて、できるだけ通産局の意見を聞いてもらうようにというやり方を現在の制度としてはとつておるわけでありますが、実際に災害後融資の申込みをやつたという話は実は聞いておりません。なおこの点も調査のときに一緒に調べはいたしますが、今までのところはそういう話を私は聞いておりません。
○委員長(栗山良夫君) 大体先ほど来いろいろ質問がありましたけれども、どうも関係各省の調査がまだ十分でないために要を得ません。従つて先に私は更に調査を深くせられたいという要請をしたのでありまして、その具体的な調査項目については、田畑君、上條君、更に吉田君から指摘せられましたからして、そういう点を中心にして調査を願いたいというふうに思うわけであります。 それから私は通産省、労働省、昨日は国警のかたにも申上げたのでありますが、寺本君並びに田畑君に御了解を得たいのは、この件でやはりこの委員会が今までの論議の中で重要視している点を私が類推いたしますと、それはやはり石炭鉱業の発展的な安定経営というものをどうして行くかというところに中心があるのじやないかと思います。実はこの前の委員会のときにも岡野通商産業大臣に出席を求めまして、そうして全石炭鉱業の失業対策の問題、いわゆる人員整理の問題を論議したときにも、今のような石炭行政のやり方では駄目ではないか、又放任そのものの政策では駄目ではないか、燃料エネルギーの総合的な計画の下に、もつと石炭鉱業が安定した経営のできるような施策をすべきではないかということを述べ、更に大臣の所信を質したところ、大臣も我々の考えとそう大きな開きはなかつたわけであります。そうして経済審議庁の長官も兼ねておるので、成るべく早い機会に希望に副うような案を作つてお示しをしようというお約束をしているわけであります。従つてそういう約束の下に、近い機会に通商産業大臣から私どもは更に具体的な対策を是非ともこれは聞かなければならんと考えておりますが、たまたまそういつたような石炭鉱業の不安定の経営状態の一つの例として、この鉱山対策が今問題になつて来たと私は思う。従つてそういう一般的な石炭鉱業の安定化を計画するための一つのイグザンプルとしてこの問題を徹底的に掘下げてもらいたい、こういうことを要求しているわけであります。それが一点。 それから第二点の問題は、鉱山で起きている紛争そのものの円満解決を図らなければならない。而も現在路頭に迷わんとしている、或いは迷つている多数の労働者諸君がいる。それの生活の安定ということをどういうふうに考えるかということが第二点。これはやはり放置すべきものではないと思うのであります。千名を超えるような人が退職金ももらわない、失業保険も切れるというような状態にして街頭に放り出すということは私は許されない。そういう点をどうするか。 それから国警につきましては、その動いたことが不当な介入であるとか、或いは取調べた人が向殺をしているのですが、そういうことについて不当な取調べがあつたのかというようなことも、これこそ個別の問題でありますけれども、人権に関係する問題だから調べなければならんというふうに考えられるわけであります。今申上げましたようなことが昨日今日、更には前の委員会から流れているこの委員会の空気であろうと思うのであります。そういう点を一つ十分了承せられて十分なる調査をお願いしたい。こういう工合に思うわけであります。
○阿具根登君 基準局長に伺いますが、この岩屋の問題は基準局のほうで、天災地変により事業継続は不可能だということを認められているということを聞いておりますが、そうですが。
○説明員(亀井光君) その通りでございます。ただそれにつきましては技術的の問題もございますので、昨日も御報告申上げましたように福岡の通産局の石炭部長の意見を徴しまして、又御報告いたします。
○阿具根登君 昨日のことと或る程度或いは重複するかも知れませんけれども、今石炭局長のお話の中にもあつたように、炭況の不況から経営者が復旧の熱意がない、こういうことも言われておるわけですれ。而も当初六カ月間で復旧できるという見込が立つておる、こういうことも言われておるわけです。而も現実考えてみれば、二百八十名の復旧要員が三カ月足らずの間に、すでに二切羽、三切羽は作業可能だ、こういうことまで言われておるわけなんですね。そうすると、天災事変による事業継続不可能だというのは、どのところに線を引いておられるのか、何日間不可能であつたならば、首切りを言い渡されて、予告手当ももらはないでいい、こういうようなことを宣告されておるが、どのところに線を引かれておるか、その点をはつきりお伺いしたいと思う。
○説明員(亀井光君) 認定はそのときの現状におきまして、そのときの判断により認定をいたすわけでございます。従つて当初の認定をいたしました予定、例えば今具体的に申しますと、福岡通産局の石炭部長の判断、つまり六ヵ月で大体復旧、あらゆるほかの条件が整うならば復旧するという、この見込がその後の事態によりまして変つて来るということはあろうと思います。併しこれは認定そのものが誤りであつたということにはならないと私は考えます。従つて我々がこの認定をする場合に、事業継続不可能ということが永久的な不可能のみを指しておるというふうに我々は解釈していない。そこで然らばどの限度において継続不可能であれば、二十条の但書にいう継続不可能であるかという問題は、個々の問題につきまして決定をして頂く。で、炭鉱の場合におきましては、浸水或いは埋没等によりまして、一応全部使用不可能になります。その復旧と申しますことは、結局新らしく山を拓いて行くのと同じような条件というものになつて行くのであります。ということで、従つて復旧と申しましても、その再開ということは新らしく炭鉱を掘りまして、それから石炭の生産ができることと同じことに我々考えております。そういう解釈をいたしております。
○阿具根登君 それでは例えば岩屋のみ考えた場合、岩屋は天災事変によつて或る一定期間事業の継続が不可能であつたけれども、岩屋だけの鉱業権者でなくて、他にまだ三つの炭鉱を経営しておる。そうした場合に岩屋が継続不可能であるからといつてそういう認定をしていいのかどうか、これをつずめて行けば一つの炭鉱、一つの切羽が天災事変のために、落盤のために使えなくなつた、それだけの人間はいつでも首切つてよろしいと、予告手当も払わんでよろしい、そういうような解釈まで飛躍的に考えられるんじやないか、こう思いますが、その点どうですか。
○説明員(亀井光君) 我々が基準法の適用をいたしまする際には、一つの会社には適用していない。御承知の通り事業場単位であります。その事業場の単位が炭鉱の場合にはどうなるか、例えばその事業場が或る程度の独立性を持つている、いろいろな条件におきましてそうでございまするが、そこで一つの切羽がどうということになりますと、それは私恐らく問題だろうと思いますが、一つの山というものが対象になりますと、その山一つが今のような浸水その他によりまして作業の継続が不可能であるという場合は、その山だけをとりまして考えられるのが従来の我々の解釈であります。
○阿具根登君 岩屋の問題は、四つの炭坑のうちの一つだからそういうふうに考えられるかも知れないけれども、例えば三菱等になつたらば十何坑の恐らく坑を持つておると思う。その一坑がつぶれたにしたところで、恐らくそれはその一坑のみの問題でなくて、経営は全坑を支配しておられると思う。岩屋だつてそうだと思う。四つの炭坑の経営は経営者が一人でやつておられると思う。そうした場合は一つの炭坑が継続不可能であるから予告手当も払わないでよろしいというようなことが認められておるのかどうか。いわゆる岩屋は岩屋のみの経営をやつておるのではなくて、岩屋とかその他まあ三カ所の炭坑、四つの経営をやつておられるわけですね。そうしたならば、その一つの坑が天災事変のために継続不可能になつても、未だ閉山の意思は全然ない。いわゆる復旧の意思はあるけれども、政府に対して融資を頼まないでいいくらいな私は経営のあり方であると思うのであります。そういうところで首を切られて行く一千名近くの労働者に対して予告手当も払わないでいいような天災事変であるということを直ちに断定していいかどうか。
○説明員(亀井光君) 先ほども御説明申上げましたように、特に石炭の関係におきましては、一つの山というものがそれぞれ独立の事業場というふうな解釈の下に私どもは適用を考えているのであります。従つて労災保険におきます保険料を算定する場合等におきましても、そういう措置をとつて来ているのであります。それが一般の陸上の工場等と趣きの違うところじやないかと考えます。陸上でございますと、それは本社の下にたくさん事業場があり、その事業場が極く近接している、而もそれが本社の本当の直接の支配下におきまして、独立性がないというふうな場合におきましては、そういう問題は起り得ないのでありますけれども、山の場合はそういう特殊な作業の状況と申しますか、ありますから、我々としてはそういう措置をとつているわけであります。
○阿具根登君 私一番聞きたかつたのは、それは一番最初の問題ですが、例えば天災事変のために十日間これは事業中止をしなければできない、或いは二十日間でいいんだというような場合に、岩屋の場合は六カ月ということになつておりますが、復興の熱意があつたならば恐らくそれは三カ月にでも縮まつておつたであろう。現実は復興の熱意がなくても三分の二は復旧しているということを考えた場合に、この天災事変による事業の継続不可能というのはどの点で考えておられるか。一つ日にちでどういうようにお考えになつているか、お答え願いたい。
○説明員(亀井光君) 正確に何日間で復旧すればどうだというふうなことは、これは非常にお答えがむずかしい問題だと思うのでありますけれども、先ほどの最初の例にお挙げになりました一週間や十日間で再開の確実なものは、これは明らかに私は事業継続不可能とは認められない。従つてこの問題はやはり個々の具体的な問題が起きました場合にそれぞれ認定を、事実認定でございまするから認定をして行かなければならないのでございますが、その場合に経営者の意思を考えるかどうかという問題になりますると、我々はやはり客観的ないろいろな材料からこの問題を決定して行くことになるのでございますが、意思があるからないからというふうな問題は一応の参考資料にはなりまするが、法律的にそれが大きな基準になるというふうなことにはならないと考えます。
○委員長(栗山良夫君) 実は今日開会が、私自身も大変不都合なことがありまして、遅れて申訳ありませんと思いますが、労働省側から各局長全部御出席願つておりまして、労働省の予算についての調査をしたいと思つているわけであります。従つてこの問題は先ほど私が一応提案をいたしました線で御了承を願つて、一応打切つて頂いて、そうして労働省の予算のほうの問題をちよつと時間が遅れますけれども、昼食の前に労働省側からの御希望もありますので済ましたい。こう考えます。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(栗山良夫君) 速記を始めて……。大変時間を遅らして申訳ありませんが、もう暫らく御辛抱を願います。 今日労働省の予算に関する調査をいたしたいと考えましたことは、政府がいつ臨時国会を開かれるか、なかなか野党の要請に応じられないようでありますが、併し補正予算の問題、更に二十九年度の本予算の編成等もこれは当然進められるものでありますから、その際に労働行政が予算の面において渋滞を来たすようなことがあつてはいけないと思いますので、その調査をいたしたいと思うわけであります。特に政府はすでに行政整理云々のことを唱えて大分実施に入つておるようでありますが、私が今まで承知しておるところでは、労働省の只今持つておる予算では、基準法なりその他婦人少年局、或いは職業安定局等の十分なるその行政指導というものは現在でも不可能なように、不可能という言葉はちよつと言い過ぎかも知れませんが、十分でたいというふうに言えると思うのです。その際更に労働省の予算に対して行政整理その他の名目を以て削減を迫つて来るというようなことがあれば、労働省はまさに看板だけが残つて内容はなしというようなことに私はなり得ないとも限らんと思うのであります。その点をよく今日は労働省側から伺いまして、そして調査をいたしたい、こう考えるわけであります。 先ず最初に渋谷会計課長から全般的な構想についてお話を承わり、それから各局長から所管局の内容について補足的な恐らく御意見があろうと思いますから、それを承わりましてから御質問を頂く、こういうことにいたしたいと思います。
○説明員(澁谷直藏君) 私から労働省予算の全般的な状況について御説明を申上げます。 最初に本年度予算の状況について申上げたいと思います。本年度の予算の総額について最初に申上げたいと思いますが、御承知のように、労働省の予算は一般会計と労災、失業保険両特別会計との三本建になつておるわけでございます。一般会計の総予算が二百三十七億一千七百万、労災の特別会計が二百十一億八千万、失業保険が三百四億四千七百万、一見すると、非常に相当な予算額になつておりますが、中身を申上げますと、一般会計について申上げますと、その二百三十七億のうち、失対事業の経費が九十七億、失業保険の国庫負担金の繰入れが九十一億を占めておるわけでございます。労災につきましても、二百十一億のうちで百二十八億は労災の補償金でございます。予備費が六十三億、失業保険につきましても二百六十二億が失業保険の保険金でございまして、予備金の二十億こういう状況でございますので、以上の大きな口を除きますると、その殆んど大半が人件費と旅費、庁費ということになるわけでございます。それで現在労働省の定員は全体で二万二千三百六十五人ございます。この二万二千三百六十五人の人件費が大体現在年間で四十七、八億要するわけでございますので、こういつた人件費を除きますると、実際に労働行政を動かして行くために必要な旅費なり庁費、いわゆる事務費というものは非常に局限された少いものになつて来るわけでございます。それで今回の十六国会におきまして節約を受けた状況を一つ申上げますると、節約対象になりました額は、対象の額といたしまして二十九億四千万、そのうち節約額は二億四千九百万約二億五千万の節約を受けたわけでございます。一般会計におきまして一億一千百万、労災保険の六千八百万、失業保険の六千九百万合計二億四千九百万という節約を受けた次第でございすして、そのうちで大部分の九割以上を占めるのが旅費と庁費でございます。こういつた状況でございますので、予算の運営、行政の運営としては非常に窮屈な状況に置かれておるわけでございます。併しながら国会の最高機関におきまして決定されました予算でございますので、我々事務当局といたしましては極力その線に沿いまして冗費を一掃するとか、或いは予算の効率的な執行を図るという線におきまして、省を挙げて数回に亙りましてこの予算の執行計画を協議いたしまして、一応の見通しを建てて現在執行中でございますが、年度末までの見通しを申上げますると、なかなか現在の既定予算では到底賄い切れないという見通しでございまして、そういう関係で現在補正予算を大蔵省に提出いたしまして折衝を続けておる次第でございます。 補正予算といたしましては只今申しましたような現状の上に立ちまして、大体要求の理由といたしまして大別いたしますると三つ上げられるかと思います。 第一番目は業務量の増大でございます。例えば基準局について見ますると、労災保険の適用事業場の数が相当殖えております。従いましてその適用事業場の増加に伴つて事務量が増加する。職業安定局について見ますると、御承知のように安定所の利用人員が非常に増加しております。又失業保険の受給者にいたしましても毎月三十五万人程度の受給の人員が安定所に押掛けて来る、こういう状況でございまして、業務量が非常に増加して参つておりますので、それに伴う経費を補正として要求いたしておる次第でございます。これが第一点。 第二点といたしましては通信費の値上りでございます。御承知のように八月一日から電話料につきましては基本料四百八十円が九百円、度数料につきましては五円のものが七円、こういうふうにこれは料金が値上りしたわけでございますので、当然この値上り分の差額は補正として見てもらわなければ、行政としては円滑に運営ができないということは当然でございますので、これが第二点でございます。 それから次に大きな第三点といたしましては煖房用燃料でございます。これも御承知のように現在の政府の予算編成の建前といたしましては、煖房用の燃料は人頭庁費という形で見ておるわけでございます。例えば人員が一人につきまして年間鉛筆は何本、或いは紙は何枚使う、インキはどのくらい使うといつたような工合で、全部一人当り人頭庁費幾らというふうに弾いておるわけでございますが、その人頭庁費の中に煖房用燃料も含めてある、こういう建前で予算が編成されておるのでございますが、実際の問題といたしましては、その人頭庁費の中に入つている経費では到底煖房用の燃料を賄うことができないのでございます。労働省の機構といたしましては現在地方に基準局の四十六局と、それからそれの出先監督署が三百三十六カ所、安定局の関係におきまして府県にそれぞれの職業安定課なり失業保険徴収課は全部で四十六あるわけでございますが、第一線機関の四百二十の安定所、百二十ヵ所の出張所があるわけでございます。こういつた出先機関を持つておりますので、これが北海道も入つております。そういつた第一線の機関が業務を執行する場合にどうしても煖房用の燃料というものを確保することが、これはもう不可欠の条件になつておるわけでございますが、遺憾ながらこの煖房用燃料が十分に盛られておらないというので、これが補正の第三番目の大きい事項でございます。 以上申上げたような三つの事項、理由に基きまして、それぞれ必要な経費を大蔵省に要求して折衝しておる、こういう状況でございます。 それから次に二十九年度の予算の要求事項でございますが、この問題につきましては現在大蔵省に労働省からは一応要求書を提出いたしまして、説明は一応終了いたしておりますが、まだ大蔵省の内示も全然受けておりません。従いまして政府としての原案は何ら固つておらない、こういうことでございますので、これの詳細な数字等につきましては説明を遠慮さして頂きたいと思いますが、来年度の予算におきまして、労働省としてどういつた事項に重点を置いて編成しておるかという点を御説明を申上げたいと思います。 来年度の予算編成の考え方といたしましては、大きく分けて三つに分けて編成しております。三本の柱を建てておるわけでございます。第一の柱が労使関係の安定でございまして、第二の柱が労働者の福祉対策でございます。第三本目の柱といたしましては失業対策、以上三つの大きな項目を建てまして、それの中にいろいろな項目を織込んでおるわけでございますが、以下それぞれの内容の大きな事項につきまして御説明を申上げます。 第一点の労使関係の安定促進でございますが、現在の国民経済その他の状況から見て、労使関係の安定が望ましいということはこれは申すまでもないことでございます。労働省といたしましては、労使関係の安定というものを合理的な基礎の上に立つて労使関係を安定する、そういう方向に向つて労働行政というものを推進して参りたい。そのためには、何と申しましても、それの労使関係の実態を正確に掴む、而も早く正確に掴むということが基本でございます。そのために、そういつた労使関係の実態を早期に正確に掴むというために必要な経費が一つと、それから次に労使関係の安定というものをやはり客観的な科学的な数字の上に立脚して労使の関係というものを円滑に運んで行く、こういうことが基本でございますので、そういつた意味におきまして、特に国民経済との関連におきまして、労働経済の動きというものを科学的にしつかりと把握して、そうしてそれを労使、それから又一般の国民大衆にもそういつた労働経済の動きを正確に伝えて行くということが非常に大事なことであろうと思うのでございまして、そういう意味におきまして、労働関係の統計調査事務を整備拡充する、それに伴いまして、その集めた調査資料というものを広く各方面に普及、公布をして参る、これが第二点でございます。それからもう一つ、この労政局関係の行政機構、機構と申しますか、現在の労政の建前は、御承知のように地方の機関といたしましては、四十六府県に労政課という課が全部設けてございます。それから第一線の機関としては労政事務所があるわけでございますが、これの職員は完全なる地方公務員でございまして、全然国の統制は受けておらないわけでございます。それから、その労政課で行う仕事の経費でございますが、これは昭和二十五年、六年度に跨がりまして、従来二分の一の補助金でやつておりましたのが、平衡交付金に統合されたわけでございます。従いまして、最近のように労働情勢というものが全国的な規模において動いておる、こういう情勢に対処いたしまして、当然、労働行政としては全国的な規模に立ちまして、統一的な方針の下に運営するということがこれはもう必要になつて来るわけでございますが、遺憾ながら、まあ俗な言葉で申しますると、人事は持つておらない、経費は平衡交付金に入つておりますためにこれも繋がりがないということでございますので、正直に申上げまして、中央のコントロールが十分にきかない、従つて何か第一線、地方で只今のような事件が起きますと、そのための情報というものが早期に正確に入つて来ない、労働省としてはいろいろな点で努力はするのでございますが、それがなかなか思うように入らないといううらみがあるわけでございます。従いまして、来年度の予算としましては、この平衡交付金に統合されましたやつを元の形、つまり二分の一の補助金の形に復活したいということで要求しておるのでございます。以上が大体労使関係の安定促進の主な内容でございます。 それから労働者の福祉対策でございますが、これは労働省設置法の第三条の規定にも明らかなように、労働者の福祉というものを対策を充実して、そうして労働者の実質的な生活内容を向上させるということは、これはもう労働省として基本的な使命でございますので、来年度の予算といたしましては、これに一つの大きな重点を置いて編成しておるわけでございます。そのためには、労働者の福祉対策審議会というものを省一本の形でこれを設置いたしまして、そうして労働行政全般に亙つての労働者の福祉対策というものをここで一つ審議して頂こうというのが一つ入つておるわけでございますが、そういつた総合的な立場に立つていろいろな施策を盛り込んでおるわけでございます。大きな事項を申上げますると、一つが労働者の住宅の建設促進でございます。御承知のように、産業労働者住宅資金融通法が成立いたしまして施行されたわけでございますが、この関係で、労働基準局が重要な役割を御承知のように持つておりますので、その関係の経費を充実する。それからもう一つは、失業保険の積立金が二百二十億ほどあるわけでございますが、この失業保険の積立金の一部からこの労働者住宅の建設を促進するために還元融資をしたい、それで、来年度におきましては、五千戸の労働者住宅に還元融資をしたいというのが一つ。それからもう一つは、労災病院の拡充整備でございます。これも二十五億程度の金を要求いたしておりまして、これで労災病院のまだ建つていない所もございまするし、又現在設置されておりまする労災病院につきましても、内容がまだ充実しておらないというのもございまして、その方面を新設と拡充整備をいたしたい。 それから次は職業補導の整備拡充、これは現在ありまする職業補導所の内容を充実するということが一つと、それから特殊補導といたしまして、昼間補導所に行けない人に対しまして、夜間補導所を開放して利用させようというのが一つと、それから重工業関係の種目で建物を作つて、そこに機械設備を入れるということになりますると、非常な経費が嵩むわけでございますので、これを民間の業種別の団体と手を握りまして、そうしてそこの建物なり施設、機械といつたようなものを利用させてもらつて、そういつた関係の職業補導を行うというのが新規で入つておるわけでございます。 それから次に失業保険施設の整備拡充、これは本年度初めて一億四千万、約、一億五千万ほど認めて頂きまして、職業補導所、それから共同作業場、それから簡易福利施設、内容といたしましては宿泊所であるとか、それから簡易な食堂、それから理髪所といつた内容でございますが、それを若干新設、今進めておるわけでございますが、これを更に大巾に拡充して失業保険施設を整備しようというのが一つ大きな項目、金といたしまして約十億円程度を考えておるわけでございます。 それから次に技能者養成の強化でございますが、労働の生産性を高めるという観点から考えしても、又一面労働者の賃金の内容的な充実を図るという点から考えましても、技能者の養成というものを促進するということは極めて大事なことでございますので、これも本年度約一千万ほど認めて頂いておるわけでございますが、それを更に整備し、拡充しよう。それから次は婦人少年局の関係でございますが、働く婦人と年少者の家を本年度一千万認めて頂きまして、現在二カ所これは設置中でございますが、これをもう少し拡げまして、大都市その他機場を中心とした地域に拡充して参りたい。それから次に未亡人のための内職センターの施設を作つて参りたい。現在未亡人、特に子供を抱えて外に働きに出られないという未亡人が非常に多いわけでございますから、この未亡人のために内職センターというものを作りましてその職業の保護を図つて参りたいというのが、これはまあ新規事項でございます。 それから次に大きな事項といたしまして、売春防止のための女子就職助成資金という制度を実は考えておるわけでございまして、売春婦に落ちてしまつてからの更生を図るということも勿論大事でございますが、売春婦に転落するその前に防止するということが一層効果的でもあり、又必要でございますので、そういつた人たちのために国が府県を通じて必要な就職資金を貸付けてやろうという考え方に立ちまして、これを新規に要求しておるわけでございます。 大体以上が福祉対策の主だつた内容でございます。最後に失業者の保護対策でございますが、これは失業対策事業の内容を充実するということが一つと、それからもう一つは公共事業に対する労務準則を強化して参りたい。なかなかこの公共事業が地域的にも不便な所に行われるという関係等もございまして、なかなか公共事業に労務者が入りにくい実情ででざいますので、これをもう少し経費を充実いたしまして、公共事業の労務吸収率を確保して参りたいというのが一つでございます。 それから失業保険金につきましては、これは失業情勢に対処して失業保険金の支給に支障を来さないように十分な失業保険金というものを計上する、今年度は二百六十二億でございますが、来年度は約三百億程度の保険金を一応考えておるのでございます。 それで以上のような職業安定の行政全般を推進して行くために御承知の安定所があるわけでございますが、現在の経費では到底十分な活動ができにくいという実情でございますので、そういつた安定所の内容、経費面で一つ充実を図ると共に、業務量の増大に伴いまして必要な最小限度の人員の要求を出しておる次第でございます。 大体以上が来年度要求しておる主な事項の説明でございます。
○委員長(栗山良夫君) 局長のお話で特に御発言のあられるかたは……よろしうございますか。 私ちよつと具体的に伺いますが、第一線におられるかたですね、まあいわゆる直接相手方と接触をやつて仕事をしなければならない、そういうかたの平均の旅費というものは大体幾らくらいになつておりますか。
○説明員(江下孝君) 職業安定所の関係につきまして申上げますと、二十七年度におきましては、旅費につきまして安定所の職員一人、年、年でございますが、五千三百七十円、これが二十八年度におきまして節約の関係もございまして四千四百三十七円、月にまあ四百円近く、こういうことになつております。
○説明員(亀井光君) 基準局関係を申上げますと、私のほうの旅費は監督官旅費と一般職員旅費と二つに分れておりますが、監督官の旅費は一人当り三万七百八十五円、そのほかの一般職員の旅費は一人当り千八百二十五円というのが現状でございます。
○説明員(藤田たき君) 婦人少年局の第一線に働いておりますところの職員の旅費は、年間一万七千七百三十九円でございまして、それは月間一件当り一千四百七十八円でございます。一人当り月間六百五十四円でございます。一人当り六百五十四円でございますが、先だつての節約によりまして非常に減りまして、只今では残つておりますのが僅かに百六十円というようなことになつております。
○委員長(栗山良夫君) 今の大体各局で監督官、或いは婦人少年局、現地指導のかた、安定所のこの第一線の人、そういう人が理想的にその仕事をしようと思うと、その旅費はどれくらいですか。
○説明員(亀井光君) 監督官につきましては、先ほど申上げましたものの約三倍程度の旅費が要る。或いは職員につきましては先ほど申上げましたものの約四倍程度の旅費が要るのではないか、そのように一応見込んでおります。そういうことで来年度予算の要求も考えております。
○説明員(江下孝君) 安定所のほうも大体基準局の監督官と同じように今の予算の大体三倍は必要であろうと思つております。
○説明員(藤田たき君) 私どものほうは出先機関が非常に数が少うございまして、二人乃至四人でございますので、従つてその一人当りが、その四人なら四人、二人なら二人全部が出歩かなければならないような状態であるものでございますので、非常に苦しくなつて来るわけでございまして、やはり三倍ではなくて五倍、六倍頂かないと足らないのでございます。
○阿具根登君 ちよつとお尋ねいたしますが、今度のこの委員会でも問題になつておりましたが、けい肺病とか、その他職業病に対する費用はどれほどに考えられておるか、現在のままでは非常に調査も不十分だと、こういうふうに思つておりますが、北海道においてもけい肺病ができるようになつて来たし、我々も明日けい肺病院を見に行くし、非常な関心を持つておるが、何らこれに追加されておらんような気がするが、どういうように考えておりますか。
○説明員(澁谷直藏君) 只今説明がちよつと落ちたんでございますが、けい肺を中心とする職業病に対する対策としては、労働基準局において非常に重点を置いて考えております。今度の補正予算にも実はけい肺対策審議会関係の経費を補正にも要求して出してございます。それから来年度におきましては、けい肺の巡回検診の強化であるとか、或いはそういつた労働環境の実態を調査するとか、それからもう一つは大きく労働衛生研究所というものを、国立の研究所を設置したい。そうしてこの研究所を中心にしてベツドも勿論持つわけでございますので、職業病を中心に一つ本格的な研究、実地の研究を行なつて、そういつた職業病の対策を強化したいということで、相当の予算を実は要求してございます。
○田畑金光君 説明の順序に従つて私若干御質問したいと思うのですが、一口に申しますと、補正予算において、殊に旅費とか庁費の不足額を要求されるという点については当然のことであり、これは当委員会としても強く政府に申入れなければならん問題だと考えております。国の予算の場合にも、地方自治体の予算の場合も、いずれを見ましても労働行政の予算というものは削減をされておる。殊に今日の政府の目的とその政治の方向を見たときに一層その危険性があるので、この点は十分に我々は留意し阻止しなければならんと考えております。 補正予算で三つの点を挙げられましたが、第一の点、業務量の増大、これは当然のことであると考えられますし、又通信費の値上り等は、予算の要求を待たずして措置すべき問題だと考えられるのであります。ただ、私補正予算の際に一つ落ちている点がありますので御質問したいと思うのですが、御承知のように本年度の我が国の大きな特色というものは、年中天災地変が起きているというこの問題であります。九州における災害、関西における災害、東北、北海道における冷害の問題です。 そこで実は今朝ほども、東北、北海道七県の県会議長、県会議員の代表が参集して、凶作問題に関して政府に対する強き要望をやつているわけですが、その中に当然にこの失業対策事業の問題が出て来るわけであります。ところが補正予算の中には、こういう災害に対する対策としての失業問題が取上げられてない。殊に御承知のようにこの夏以降、炭鉱等においても社会問題として注目を浴びている大手筋の山、中小炭鉱等においての企業整備が行われている。人員整理が行われているこの問題、農村における二男、三男対策の問題、殊にこの凶作による農村不況というものは、当然に曾つての農村救済土木事業を必要とする段階に来ているわけです。この問題は労働行政の当面の重大問題と考えられますが、これが取上げられていないのです。九十七億の失業保険や、失業対策事業の予算十八万六千で二十二日でありましたか一日でありましたか、二十一日の就業の機会を保障すると、去る国会においてそういう御説明がありましたが、どちらでもいいんですけれども、安定局長はこの点についてお忘れになつたのかどうか。或いは補正予算の中に努力を払つておられるのかどうか。殊に私は十八万六千じや足りんと思うので、この際そういう凶作地帯、災害地帯については思い切つて就業人員の枠の増大等の措置をやるべきだと思うのですが、この点についてどう考えておられるか。その点一応御説明を承わつてから、関連して質問を続けたいと思います。
○説明員(江下孝君) 昨日ちよつとこの問題に触れたのでございまするが、失業対策事業の枠の拡大その他必要な補正予算、これは今大蔵省と折衝中でございます。で、考えておりますのは、ベース・アツプ、この前実施いたしましたベース・アツプの金がどうしても不足する。それからいわゆる特例によります特に水害地の関係で相当予算を食います。そのほか石炭の企業整備に伴う失業対策費、こういうことで今まで実は大蔵省と折衝して来ているわけです。で、冷害地の問題につきましては、これは私どもも決して関心がないわけじやございません。今のところ関係省で、農林省なり或いは建設省等のほうで、この冷害対策についてどういうふうな方針で行かれるかという点とも睨み合せまして、私のほうでも必要な措置は講じて行きたいという気持は持つております。その程度で今のところは状勢を見ているわけです。
○寺本広作君 昨日委員長から労働省の行政が非常にスピーデイーでない、積極性が足りないというお話がありましたが、その際、私は今のその問題が個々の事件についての特別な事例でなく、予算にからむ一般問題であろうというふうに申上げておきました。只今労働省の説明を伺いますと、労政関係では平衡交付金の中にぶち込まれて中央との繋りが非常に少くなつて来ている。そのために全国的な労働情勢の把握も困難であるし、個々に起つた事件の処理が非常に困難になつて来ているという御説明もありまして私どもがここでいろいろ労働省を叱咤て予算獲得に努力されるより、労働省の尻を叩くということも非常に予算獲得上は意味もあろうとは思いますけれども、政府部内における各省の勢力均衡その他の関係から見ますと、やはり労働行政が非常に活発に動けるようにするのには、労働委員会自体として政府に要望するなり、予算委員会に連絡をとるなりしてやるほうがより効果的ではなかろうかと思うのです。そのためには、第一与党や緑風会の議員の諸君が出て来ていないと非常に工合が悪いと思うのです。その点一時間の間ではなかなか詳細に片付きにくい問題もあるし、まだ今の説明で疑問を持つておられる委員のかたも非常に多かろうと思うのです。その点でき得れば、この予算問題については与党や緑風会の人たちの入つている委員会でもう少し時間を貸して頂いて、委員会としての何らかの結論に到達するように委員長において御配慮頂くようにお願いしたい。
○委員長(栗山良夫君) 実はそういう御相談を申上げたいと私は思つておつたのですが、ただ二十九年度の本予算にいたしましても、大体いつ頃までに委員会として善処すれば間に合うのか、その辺労働省としての見通しはどうなんでしようか。今盛んに計数作業をやられているわけなんでしよう。会計課長どうなんですか。 ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(栗山良夫君) 速記を始めて。 では三時まで休憩いたします。 午後一時五十二分休憩 —————・————— 午後三時二十九分開会
○委員長(栗山良夫君) それでは只今より再開いたします。 お諮りいたしますが、休憩前に御論議を願いました労働省の二十八年度補正予算並びに二十九年度本予算の編成に関しまして、従来の経緯に鑑みて当労働委員会としてもその編成の方針について、若し意見がありまするならば、遅滞なくその意見が予算措置になりまするように善処をいたしたいと、こう考えるのでありまして、そのためには改めて予算に関係する調査を当委員会でいたしまして、その調査の結果、結論を導き出すということでなければならんと思うわけであります。そこで自由党初め各会派の御意見を一応伺わなければなりませんが、今日御出席頂いておりまする委員の皆さんがたで一応御了解を得られまするならば、委員長のほうにおいて努力をいたしまして、開会並びに会議の進行を図りたいと、こう考えます。で予算の進展の工合等を考えまして、十月の二十六日、月曜日であります、二十七日火曜日、この両日に委員会を開会したらば如何かという工合に考えますが、如何でございましようか。 「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(栗山良夫君) 更にその両日に亙つて特に緊急な案件がありますれば、それは又前以てお知らせをいたすことにいたします。只今異議なしという御発言がありましたが、さようにしてよろしうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(栗山良夫君) ちよつと速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(栗山良夫君) 速記を始めて。 本日はこれにて閉会いたします。 午後三時三十二分散会