P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
16回国会参議院1953/07/31

労働委員会 第24号

発言数
71
登壇者
14
会派数
5
開催日
1953/07/31

会議録

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 只今から労働委員会を開会いたします。  本日の案件は、電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律案、公共企業体労働関係法の一部を改正する法律案(予備審査)、地方公営企業労働関係法の一部を改正する法律案(予備審査)でございます。先ず電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律案を議題に供します。この際委員のかたにお諮りいたします。請願及び陳情に関する小委員長より、請願及び陳情の審査の経過並びに結果の報告を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 梶原君。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 本委員会に附託になつておりまする請願、陳情に関しまする小委員会の審査の経過並びに結果を御報告申上げます。  請願百九十五号、千六十九号、千四百五十二号、千五百三十九号、千八百七十八号、二千六百七十八号、陳情百八号、百十一号、百七十五号、百八十九号等。請願六件、陳情四件は、いずれも失業対策事業の拡充強化或いは失業対策事業就労労働者の就労条件等の改善を要請しておるのであります。請願千六十八号は珪肺法の制定せられんことを要請しておるのであります。請願千五百四十号、珪肺の療養補償期間の延長を要請しておるのであります。  以上請願八件、陳情四件は、いずれもその願意おおむね妥当なるものと認めまして、これを採択し、議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしたのであります。  次に陳情二百四十三号、二百六十九号、三百八号等陳情三件は、電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律の制定を要請しておるのであります。請願千三百五十五号、二千四百八十一号、二千五百四十八号、二千五百八十三号、二千六百八十九号、陳情二百六十八号、三百七号、請願五件、陳情二件、いずれも電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律の制定せられないよう要請しておるのであります。  以上請願五件、陳情五件は、只今当労働委員会におきまして審査中の法律案の制定或いはその反対を要請しておるのでありまするから、小委員会におきましては、一応その採否は留保いたしますことといたしたのであります。  次に請願九百五十二号、千五百三十八号、千五百六十二号、千七百二十二号は、それぞれ職業補導所、労働者供給事業の許可、職業安定所出張所の新設及び労災病院の設置等、特定地における具体的請願でありますので、なお研究を要するものとして留保いたしました。  次に陳情百十二号は、緊急失業対策法と労働組合法との関係を明確にするよう立法措置を要請しておるのであります。従いましてなお研究を要するものとして留保いたすことにいたしました。  以上御報告申上げます。  なお小委員会におきまして論議のありましたのは、先ほど御報告いたしました中の百十一号、北海道の札幌市におきまする失業対策に対する陳情のことでありまするが、これは北海道の特殊事情に基いて特別に賃金の増加、それに対する国庫の補助基本額の増加を要請しておるのであります。小委員会におきましては、すでに現在の支給額において、北海道の特別の事情が織り込まれておるから、特別に考慮する必要はないではなかろうかという考え方と、やはり他の公務員給との関係もあり、これらの期間においての特殊事情は考慮して然るべしという意見もあり、いろいろ論議を重ねたのでありまするが、方向といたしましては、採択して適当であろうということになつたのであります。なおこれは、小委員会としての論議ではないのでありますけれども、将来の扱いかたとしてこの際申添えておきたいことは、珪肺法の制定の要望をいたしておりまする請願を採択いたしまして、会議に付して内閣に送付するのでありまするけれども、当院としては当然立法をなし得る権能があるのでありまするから、内閣に送付することなしに、こちらにおいて必要なる立法措置をとつていいではないかという考え方があるのでありますが、一応尤もでありまするけれども、従来さようなものも内閣に送付をいたしておりまする慣例がありまするのでこの際の措置としては従来の慣例通りに内閣に送付しようということはいたしておるわけであります。この点を申添えて置きます。

土屋政三参事(委員部第二課長)

○参事(土屋政三君) 只今梶原委員の御説明は、本院規則の第百七十条の問題と思うのでございます。規則第百七十条によりますれば、「委員会は審査の結果に従い、左の区別をして、議院に報告しなければならない。」とあつて、そういたしまして、一つは、議院の会議に付するを要するものと要しないものと、なお議院の会議に付するを要するもののうち、第百十条第二項におきまして、第一号と第二号に分けておりまして、一号は「内閣に送付するを要するとするもの」、第二号は「内閣に送付するを要しないとするもの」、二つに分けて規定されておるのでございます。そういたしまして、第二項第一号の内閣に送付するを要するものは、行政府の措置に関するものは、委員会で採択いたしまして、内閣送付の手続をとるのでございます。第一号の場合は、内閣に送付することを要するもの、我々はいわゆる内閣送付と申しておりまするが、第二号の場合に該当するものは、国会において請願の結果に従つてそれを処理する場合、立法事項に属するから、これは国会自体において処理すべきものとして、只今の珪肺法の制定につきましては、すでに本国会におきましても議員立法として制定されるというふうになつておるのでありますし、これは委員会で採択し、その措置につきましては内閣不送付という措躍をとるべきが至当かと思うのであります。なお又立法措置に関する請願でございましても、予算を伴うものと、税法に関する請願なんかにつきましては、これは立法措置でございますけれども、税法に関係しましては、内閣の予算編成権の関係もございますし、そういうものにつきましては、その立法は行政府のほうで、内閣のほうで提出すべきであるというような見解から内閣に送付しておるのでございますが、今回の場合は第百七十条第二項第二号の定めによつて、不送付にされるのが至当ではないかと考えるのでございます。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 私、報告に申添えたのでありますが、国会としては勿論立法権があるのでありますからこちらにとめ置いても勿論支障はないと思います。又立法でありまするから、政府に送付して或いは行政面等予算の上において、又人員の上において、その他一般行政との関連において、行政府においてそれぞれ法案を検討するということもこれはすべての法律について考えられることであります。従いまして内閣に送付しても差支がないのではないかというふうに考えます。内閣に送付したから国会における立法権がなくなるわけでは毛頭ないのでありまして、本院において会議に付せられて採択するものと議決されれば、そのこと自体が私は意義があるのじやないか、そういう御議論もありましたけれども、むしろこれは将来の、単に珪肺法だけの問題ではなしに、各陳情、請願を通じての一つの取扱い方の慣例に関することかと思うので、もつとこれは今後御研究を願うことにして、この際としては、従来の慣例に従つて処理する、こういうことにいたしたのでありますから、お含みを願いたいと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) それでは速記を始めて下さい。  只今の小委員長の報告通り決定いたすことに御異議ございませんか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 請願、陳情について一括して若し決定をなさろうというのであるならば、その前に質問がございますので、お許し頂きたいと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 一括して決定しようというふうに委員長はお諮りしたわけです。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 請願千七百二十二号、北海道美唄市に労災病院設置に関する請願でございます。これは小委員会では、地方的な問題に関連するので採択不適当であろうと、こう御判断になつたかのようでございます。一つは、特殊の地方の要望に関する問題であるという御理由もあつたようでございます。そのほかに理由もおありになるか知れませんが……。この種の地方的な問題についても、従来採択をいたしました慣例もございますが、北海道の美唄市に労災病院を設置してもらいたいという請願は、十五国会において前に採択せられたことがございます。四百八十二号でございます。この請願者は同じく美唄市長の櫻井省吾ほか一名でございますが、そのときには、その後ございました事情は、これは或いはその当時あつたかどうかわかりませんけれども、内容の主眼については、北海道の美唄市に労災病院を設置してもらいたいという件は同じであると思うのでありますが、労働委員会において採択をし、本会議で承認しておる問題でございます。こういういきさつから考えまして、北海道美唄市において同じ労災病院設置についての千七百二十二号がどういう御意見と審議の過程を経まして、さようになりましたのか、お答え頂きたいと思います。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 お話の千七百二十二号の北海道美唄市の労災病院の設置の問題でありますが、小委員会といたしましては、本件の病院設置につきまして、岩見沢市そのほか二都市が競願の形になつておりますので、現地の実情等について、小委員会といたしましては、詳細その適否を判定しかねるという実情にありますので、競願中の一つだけについて採択するということは如何であろうという意味で、これは実は留保をいたすことにしたのであります。小委員会の審議の過程におきまして、今お話の十五国会において同様の請願がなされ、それが採択されたという経過につきましては、実は審議をいたさなかつたのでございます。その点は小委員会としては、何と申しますか、手落ちであつたかもわかりません。従いまして若し十五国会にお小て採択したときと今回と同様の条件であれば、これは或いはこの委員会で御審議を願つて採択することが適当かと思います。その間何らか事情の変化ありとすれば、これは又別になると思うのであります。そういう事情でありますから、それだけ一つ。

寺本廣作改進党

○寺本広作君 小委員会の審議に参画した委員の一人として、今の問題について私の所見を申上げたいと思います。  昨年美唄から労災病院設置に関する請願が出ておるということは、北海道に労災病院を一カ所どこか誘致したいという誘致運動の一つの現われであつた、こういうふうに考えます。今年は予算が入りまして、折角北海道の知事が労災病院の誘致協議会の会長をしておられて、現実に予算が入つて来ると、今年はどこにきめるかということを現地で目下協議中の問題であると思いますので、今年これをどこか一カ所採択すると、現地における問題の解決を非常に困難ならしめると判断しましたので、私は、今年は昨年と違つて、この問題を留保にして頂くことが、問題を円満に解決することに貢献するのではなかろうかと思つて不採択に賛成いたしました。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 今の寺本君の御意見によりますと、北海道の昨年の請願は、北海道のどこかに労災病院を誘致したい。こういう請願であつたろうというお話でございますけれども、請願の趣旨はそうではございません。具体的に件名も北海道美唄市に労災病院を設置してもらいたい。こういう請願でございます。その理由については、昨年の請願書の中に書いてございますが、これは私は手許に持つておりますのは、大要を記したものと思いますが詳しくは昨年の請願書を読んで見なくてはなりませんけれども、とにかく表題についても、北海道美唄市に労災病院を設置してもらいたいという請願について、参議院がその願意おおむね妥当なものとして認めておるわけでございます。  それから今年の今度問題になりました千七百二十二号については、その後の事情、岩見沢の点も出ておるかと思うのです。そこで私どもがここで例えば北海道に労災病院を作ることは妥当であろう。更にその場所についてここで行政的に決定するというのでございますならば、或いは寺本君がお話のような議論が成り立ち得るかと思うのでありますが、請願の趣旨は願意おおむね妥当なものとして採用するかどうか、こういう点に関連をいたしておるわけであります。労働省が予算の範囲内でどこにきめられるかということは、これは労働省のことでございましよう。或いはそのために北海道ならば北海道でどこにきめるかということも、これは或いは北海道の事情と意向によつて労働省に具申をされる。こういうことにもなるかと思うのでありますが、昨年美唄市に労働病院設置について、願意おおむね妥当であると考えた参議院に出されました同じ件名の請願が、今年は願意不妥当ということには相成らんかと思うのであります。そういう点からいいますと、再考をお願いをしたほうが私は妥当じやなかろうか、こういうように考えておるのでございます。

寺本廣作改進党

○寺本広作君 速記をお調べ頂けばわかるのでございますが、私は、昨年の請願が北海道のどこかに病院を置いてくれという請願であつたろうというふうには申しておりません。昨年は北海道に労災病院の誘致運動があるから、美唄に労災病院を置いてくれというのもその誘致運動の一つの現れであつたろうと、こういうふうに申しておりますので吉田委員の申されたような意味では全然ございません。  それから昨年と今年では事情が非常に違うと私は思います。といいますのは、昨年は北海道にこの労災病院を置きたいということで、予算も具体化されていない前に、予算をとるために各種の誘致運動が行われた、この誘致運動の一つの現れとして、今の請願を採択されたのだと思います。その請願に応えて予算が一カ所入つて、それで現地の知事が協議会長になられて、場所の選定その他を目下協議しておられるという時であるから、今年予算が入つたあと、現地で相当な問題がある時、ここで参議院がその請願を採択すれば、現地における問題の解決を非常に困難にしはしないかという点が昨年と今年と違う事情であると私は考えます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 労働省にちよつと伺いますがね。その現地において、美唄及び岩見沢のニカ所からこの問題についてそれぞれ設置運動が行われておるということが述べられたのですが、労働省として、北海道に労災病院を設けるその土地の決定については、いろいろ立地条件等をご調査になつて、やはり純技術的と申しますか、言葉が悪ければ訂正いたしますが、そういう政治的な、或いはその他の運動に煩わされないで決定をされる、やはり何かの見通しがあられると思うのでありますが、そういう点についてはどういうことになりますか。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) 美唄と岩見沢は当面の問題になつておりますが、どこに労災病院を設置するかということにつきましては、お話の通り、事務的に検討を加えておるのであります。あらゆる角度から検討を加えましたが、やはり兄たりがたく弟たりがたく、どちらともきめがたい実情にあるのであります。一つの道内のことでありますから、我々としましては、知事さんにその決定をして頂くほうがいいのではないかということで、知事さんもそのための協議会を設置いたしまして、目下この問題を検討されておるのであります。従つて労働省としましても、その決定を待ちまして、どちらかにきめたいというつもりでおります。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 実は北海道美唄市に労災病院を設置してもらいたいという請願が出ましたと同時に、労働委員をやつておりましたので、この請願の趣旨等はすぐに賛成して、請願の趣旨も知つておるし、採択の趣旨というものも実は知つておるわけであります。その後岩見沢から、北海道の中でおれの所にというお話があつたということも実は承知いたしております。そこで先般北海道に、スト規制法の現地公聴会に参りました際に、私は、調査団の現地調査の目的ではございませんけれどもその点については私どもも関心を持つて、候補地の横を実際に通つたのでございます。北海道の労働部の意向等も聞きながら、現地をそのつもりで実は見て参つております。これは余り具体的に述べんほうがいいと思いますので……。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 速記を始めて下さい。  労働大臣から発言を求められておりますのでお願いいたします。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 只今の問題はこれはもう委員会の御判断でいずれでも結構でございますが、政府としましては、只今の美唄に対する請願が採択にならなかつたといつてそれによつて非常に不利なる扱いをするということは毛頭考えておりません。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 私、小委員として、今の委員長報告の通り賛成をいたしておきますが、それは請願にもありますように、岩見沢市外二都市が競願というようなことも陳情の内容にありまして、絶対多数の労働者も美唄地区にあつたことも承知いたしております。従つて労災の程度も多いのではないかということも承知もできるのですが、かといつて、かなりそういつた数の競争もあるという事情から、特定な所をずばりときめることも、私の今持合せておりまする資料からではなかなか独断しがたいということで、賛成をいたしておるのであります。  この際労働大臣にお伺いしておきたいと思うのでありますが、こういう労災病院につきましては、病院の性質上、置くなら成るべく便宜なところにということで、勢い競争が起きてくると思うのであります。同じ道内の問題だけでなしに、所によつては各県が競争するというような状態が起きていると思うのでありますが、政府としては、そういう競願の際にどういう処置を、いろいろな方法があるでしよう地元の自立的な協議に委すとか、それからあらゆる総合判断の上に立つてきめるとか、いろいろ方法がある思うのです。従来取り来たられた方針と、今後の方針についてはどういうふうに御決定になるか、お伺いしておきたいと思うのであります。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 労災病院の設置場所をきめるというような場合、非常に地方的に重要でございますから、まあ利用者というものを主にしまして、そうして地元のやはりそうした府県の総合判断というのが基礎であろうと考えております。まあ余りあとで非常に不公平だつたというような話のないように、十分公平に判断いたしたいと考えております。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 具体的な内容を私どもがここで、ここはこう、あそこはあるということを細かく申上げるべき筋合いではなかろうということは私も考えます。ですが、国会が前に同種の請願を受けて、それは採択した。それからその後別に具体的な地点を挙げて、意見があつたからと言つて、今度出た請願について採択しない。そういうことになることは、これは妥当ではないのじやなかろうか。そこで前にも出ておりますし、労働省が当路の意見等を参考にしてきめられることでありますが、細かい指図を国会がすべきではございませんが、願意の点についてはおおむね妥当だということで送るわけでありますから、国会の責任として願意がおおむね妥当であるかないか、これは委員会の判断だと思います。その範囲内で私どもが請願を採択して、送るべきかどうかという点になりますと、これはその請願採択の効果或いはその一種の程度問題ということは、いろいろ先ほど論議されましたけれども、そういう中において、採択をしないというよりも、むしろ私は採択をするというほうが妥当ではなかろうか、こういう意味でこの質疑をいたしておるわけでおります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) ちよつと速記をとめて。    午後三時三分速記中止    —————・—————    午後三時三十四分速記開始

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 速記を始めて下さい。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 この緊急失業対策法と労働組合法との関係に関する件、陳情について政府の解釈を求めたいのであります。その要旨は、「緊急失業対策法およびこれに基く省令、通ちよう等と、労働組合法との関係において明確を欠く点が多く、これが失業対策事業の運営に及ぼすところが大きいから、特に失業対策労務者により組織する労働組合の団体交渉権、労働協約および争議権(争議権と緊急失業対策法、就業規則との関係等)を明確にする立法措置を講ぜられたい」、北海道市長会総会の決議による陳情、こういうのが要旨であります。これを私なお詳しい内容を読んでみまするときに、緊急失業対策法、これらに基く人たちの賃金その他労働条件について、労働大臣がきめるのであるから、従つて市長とか、こういつたところには権限がない。だからこの交渉を拒否するというようなことでトラブルが起きているので、そこで一つはつきり法律で、かねて違法であるというようなことを従来言われておつたが、それを明確化してもらいたい、こういうやつが市長会から来ておる。私の考えでは、これは権限がないのだからということではねつけること自体は、私は現行労働組合法から見ても不当だと思いますけれども、然らば全国組織を作つて労働大臣を団体交渉の相手方として、まかり間違えば止むを得ずストライキに訴えるというようなことをやれという解釈法規ができれば別でありますが、そうでない限り従来の運営について他の産業、民間産業においてもこういうことはあり得るのですね。社長と支店長、或いは社長と株主総会の決議との関係とかいろいろあるわけですから、これについて、問題が今どき起きるということは非常に私不可解なのです。併しこの趣旨を見ますると、すでに労働省は通牒を出していたりする模様ですが、これについてどういう通牒を出され、どういう解釈しておられるか、この明確にするという法律は今頃政府としては非常に御熱心なんですが、この問題についてはどう考えられているか、お伺いしておきたいと思います。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 御承知のように、緊急対策失業事業に従事する、いわゆる日雇いと言われる人たちについては、賃金や労働時間につきましては、御承知のように、労働大臣がきめるわけなんですが、そこで地方ではその他のことについて交渉すると言つても、非常に範囲が限定されていると思います。そこでそういう関係を明瞭化するということになると、これはむしろ政令となる。こういうことになるんじやないかと思います。それについて何か通牒を出したりいろいろしている。というお話でありますから、これは一つ事務当局のほうからお話を願いたいと思います

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) ちよつと今手元に通牒を持つておりませんけれども、大体今大臣が言われたような趣旨の通牒が出ております。大体失業対策事業は、結局始期、事業を始める時期、それから規模、今言われた賃金ベース、時間、すべてが政府の行政権できまることで、従つてそのほかのことについて話合うといつても、極めて限られた問題しかなかろうと思います。そういう趣旨において通牒が出ております。大体はまあ解釈が一応一定しておると思います。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 私がお尋ねしているのは、そういうところにもつと具体的に、政令二百一号によつて従来違法とされていたと言いますか、争議行為などが、ここを見ますと、地方公務員法上特別職であるため、従来は政令二百一号によつて一切の争議行為を認められなかつたのであるが、昨年の十月二十四日、同政令の失効によつて法律の間隙を生じた。そこで労働協約の締結や、賃金値上を目的とする日雇労働組合の事業主考に対する攻勢がますます激烈となつて来た。そこでこれら事業の主体には、賃金、労働時間、なお主要なものはこれは労働大臣であるからという理由で拓否して来た。ところが拓否すること自体が、これがやはり問題であり、かつ市長の側から言えば、又争議行為をやることが、これが又問題であるというので、今世上に問題があるため、解釈論の紛争が起きておる。こういうことばかりですね。私は意見を付けて、それはやはり団体交渉権、罷業権を持つておるのであるから、全国規模で労働大臣を相手にして来ないからと言つて、これを違法なり、争議行為その他が違法なりということはできないのだが通牒ではそれが違法だというふうに出しておられるのか、理事者側というか、市長のほうが拒否したことが正当だとされておるのか、そのことを聞きたいのです。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 団体交渉は使う側と使われる側との間でやるわけであります。労働大臣は、これは行政機関の長として、先ほど申したようないろいろの事項を決定する。行政機関としてやらるわけであります。そこで労働大臣との団体交渉ということは、これはあり得ないわけであります。ただ事業の施行者と、それから日雇労務者と言いますか、その間におきまして団体交渉と言いますか、交渉の余地がある事項について交渉することは、これはあり得るわけであります。ただ先ほど言いましたように、失業対策業事は、国が相当額の補助をし、それから公共団体において公の費用を以て施行する特別の事業でありまして、施行の範囲なり、或いは賃金ベースなり、その他について行政機関としてきめられたその条件によるという制約を受けることはこれは止むを得ないのじやないか。その以外において、個々の取扱いの中において、施行主と労働者の間で話合いが行われる。こういうことはあり得るという解釈でございます。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 今の点ですが、施行主と言われるのは市長さんということになりますか。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 大抵の場合はそうでございます。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 そういう通牒が来ておるわけですね。ここへ来ておるのはそうでなしに、相手は労働大臣だから、おれには権限がないのだから駄目だよと言つておるのです。ところが労働組合のほうでは、いやいやそうじやないと言つておるものだから、紛糾が起きておる。こういうことになつておるので、今労働大臣は相手方としては不適当だ、権限がないというように言つておるのだが、労働大臣としては、国会が予算をきめたのだから、おれは知らないよ、こうなると、何と言いますか、衆参両院の議長を相手に団体交渉をする、おれも知らない、そうなると皆さんの責任だということになつて、相手の主体がなくなつて消えてしまうのですね。そういうことはあり得ないので、市長に行けば労働大臣、労働大臣に行けばおれじやないのだ、市長なのだというふうに、キヤツチボールみたいにやられると、これは北海道だつたと思いますが、わざわざ北海道と東京の間を通つておるわけですから、労使とも困つておると思うのです。明確にしてもらいたい。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 先ほど言いましたことで、大体私らの気持は尽きておるのでありますが、労働大臣は国の機関として、失業対策事業について、いろいろときめ得る権限を持つておるわけであります。従つてこれは使用主じやなくて国の機関であります。そこで労働大臣との間での交渉とか、そういうようなことはない。陳情ということは、これはあり得るわけですけれども、会社で言えば労働大臣が社長で、地方の公共団体が支店長、こういう関係では絶対ないのであります。市町村長、これが大体施行主でありますが、これも事業主としての市町村長、それから行政機関としての市町村長の二通りあるわけであります。結局はこの場合には事業主としての市町村長という恰好で労働者と接するわけであります。その際に労働大臣が国の機関としていろいろなきめられた権限を行使してきめましたそのことは、一つのこれは行政規則、省令のようなものであります。従つてこれには従わなければならない。例えば普通の民間の会社あたりにおきましても、国の機関が、つまり正当な権限を以て定める権能のある所が或る一定のことをきめた。そういたしますれば、そのことは守らなければいけない。それを各会社において、団体交渉でそんなことは破るということはおかしなことになる。従つて大臣が国の機関として権限ある事項について定めたことについては、これは一応守らなければならん。事業主である市町村といたしましても、この点については、やはりそれを変更するわけには行かない。従つて団体交渉或いは労使間の話合いによつてこれと変つたことをきめてやるということは、これはできないことは民間の工場あたりと同じだと、こういうふうに思います。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 私わからないのですが、確かに民間の株式会社その他の産業においては、労使という言葉がよく使われますし、それは局長が言われる通りで何ら異論はないのですが、ただこの問題については、法律論からすれば、その用調からいたしますと、労調法、労組法を通じて、労使ということよりも、交渉といつたようなことについては、御承知のように関係当事者という語を使つておるわけなんです。労使と言わないで関係当事者は云々、自主的な解決とか関係当事者が主張を貫徹するためにとか、いろいろ当事襲いうことを……。当事者適格について、私はこのケースについて、一般論じやなくて、ここに書いてあるのは賃金、労働時間その他の労働条件これはすべて労働大臣が定めるものであるから、事業主体つまり市長ですね。当事者は、これはそういう賃金、労働協約その他労働条件の問題については応ずべき権限がないという理由でこれを拒否し、争議手段としての怠業行為など、事業の運営に支障を生ぜしむるようなこういう行為に対しては、就業規則に違反するものとして就業排除などの措置で臨んでいるのであります。一方労働者側は、これらの行為を労働組合法に基く正当な争議権の行使であり、事業主体の措置は、市長の措置ですね、措置は労働組合法を無視する不当な行為であるとして両者対立を続けているような状態であります。事業主体側の主張するところは、市長の主張するのは、労働省の通牒、或いは労働委員会の裁定などの実例に基くものでありますが、これらも法的に明確を欠くものであるので、これがため事業主体と労働者側とが無用の解釈論を闘わして、不明朗な対立を続けているわけであるから云々と、こういう問題なんですよ。あなたの今のお答えであると、このケースについては、事業主体である市長に権限があるように聞こえるので、即ち拒否することは不当だというふうにも聞こえるし、そこのところが、不明確なんです。私は労使という言葉は使いませんが、この問題につきましても、関係当事者として適格のある当事者が誰であるかということは、双方について明確なものがなければならんし、あると思つております。その当事者というものは、而も適格者は誰であるかということについて、市長は労働大臣だと言つているし、あなたのほうのお答えは、いや、労働大臣は何か特定の問題であつて、事業主体に当事者適格はある。こういうふうに言われているようにも思うので、それは一体どこなのか、労働条件、賃金、その他の問題について……。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 労使間の関係は労働関係の当事者と、こう法律に書いてあるのです。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 そうです。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) で、その場合に先ほどから申しましたように、労働大臣の立場は国の機関としての立場であるわけです。いわゆる労働関係の当事者ではないということでございます。で、例えば労働基準法、それに基いて労働大臣が省令をきめております。それは法律に基いてそういうことをきめる権限があつてきめているわけであります。その規則には、普通の一般の会社あたりで、労使間の話合いでその規則を曲げるような話合いもできないし、それを一つの規範として守らなければならない。それと同様に、失業対策事業におきましては、賃金、労働時間その他の問題について、労働大臣が国の機関としてきめ得る権能を持つているわけであります。従つてそれできめられますれば、その点についてはそれに従つて物を運ばなければならない。従つて施行主である市町村長、それと労働者の間でこれに変更を加えるような話合いをするということはやる余地がないという関係であります。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 さあさあさあ、それになると、自由労務者で以て組織する日雇労働組合というものが現在ありますね。自由労組と言つておりますが、これはどうなるか。やはり労組法にいう労働組合の団体かどうか。これは特定なものはあるかも知れませんよ。例えば政治目的を主たる目的とするとか、社会厚生福祉とか、労働組合法に書いてありますね。併し通常のものはある。これは北海道の問題ですが、これは労働組合として適格なものであると一応考えるのですがね。市長もそれを認めているのですよ。ただ相手方が違うだけで、ここで労働組合としてお認めになるかどうかということと、それからこれは政令二百一号が失効になつているのだが、そうであれば、これは一般公務員法の適用は受けていないというふうにも考えております。無論ね。そうすると当然労働組合法にいう、或いは憲法に保障するものは何ら拘束されてはいない。罷業権はあるのですね。そうすると罷業権もあり、労働組合としての組合法の保護も受けるということになりますと、曾つて公務員法がないときの公務員ですね、例えば国鉄、全逓というのがありました。今は公共企業体になりましたがね。同じことであつて、場合によれば当該当事者である大臣を相手に団体交渉をし、団体協約を締結し、そうして賃金、労働条件についてときどきの交渉を持ち、罷業もできる。こういう観念で、ずつと今日本の労働法というものは成立以来来たのですよ。ただその中で公共企業体なり、或いは公務員なりというものがその後問題が出て、一部の人に非常に大巾な制限が加えられて来たわけです。併しこの自由労務者については制限がないということになれば、無論これだけは以前と同じように団体交渉も持てる。労働協約も大臣と締結できるであろう、こういうことでないと、自由労務者については全然主体がない。上から言われるだけで何の相手方もないということになつてしまうのです。あなたのお話によると……。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 日雇労務者の組合がいわゆる労働組合かという第一点のお話でございますが、この点につきましては、私の聞いております限りでは、地方労働委員会におきましても、中労委は、私記憶しておりましてはつきりしておりますが、一度も資格審査をしたことはない。はつきり言えば、労組法の二条或いは五条の要件を備えておりますれば、これは労組法、労調法の手続に参与し、或いはいろいろと所定の保護を受けられるわけでありますが、その点がはつきりしておりますれば勿論労働組合になり得るものでございます。それから法の適用の問題でありますが、曾てにおいて政令二百一号もあつてあらゆる争議権、それから団体交渉権というようなものがなかつた。それがなくなりました今日におきまして、この日雇、失業救済事業に従事しております労務者は特別職になつております。特別職ということになりますれば、法理上は一般の法規でやれると、これはおつしやる通りと考えております。ただそのあとが先ほどからるる申しておりますように、労働大臣が国の行政機関として、この特殊な失業対策事業というものに対して種種のことをきめる権限を持つている。先ほどから言つておりますように、賃金ベースの問題でありましても、労働時間の問題でありましても、事業の規模等にいたしましても、一応労働大臣がきめ得ることになつております。従つてこれは一応団体交渉といいますか、交渉の対象にならない、こういうことを先ほどから申しておるわけであります。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 いやそれはですね。今の、尤ものところもあるようにも伺われるのでありますが、例えば資格審査の問題は、中西さんは専門で、中労委の事務局長をされて御承知のように、資格審査をしなければ、一つの鑑札をもらわんければ労働組合でないということではないのですね。無論労働組合であつて、資格審査を受けてなくつたつて労働組合なんだが、ただ調停だの仲裁だの、そういつたことについては資格審査は必要がなくなつた。なくなつて、ただ不当労働行為でしたか、法人でしたか、そんなことだけで資格審査をするのであつて、資格審査をしていないからまだ鑑札を下していないぞ、こういうことはなくなつたわけです。現行法は。そこでこの点は今の答弁はそのまま了解できないのです。ただ日雇労働者の労働組合として団体交渉し、罷業する権利が当然あると思うし、そうして労働関係の関係当事者として一体主体のないというようなことはあり得ない。なぜならば命令系統その他指揮権もはつきりしているのだし、又その労働賃金などに対する財源の点もはつきりしているのだから、この点はむしろ石黒さんあたり説明者として特に私は教えて頂きたいという意味でもお願いしたいと思うのですがね。これははつきりして頂きたい。

石黒拓爾労働省労政局労働教育課長

○説明員(石黒拓爾君) 若干この経過を関知したことがございますので御説明申上げます。政策的なことは別といたしまして、法律関係としてその通牒でとつております考え方は、団体交渉権がある労働者、及びそれに対する使用者側におきましても、国の法令或いは法令に基く行政処分によつて制限されれば、勿論この点は労使間の団体交渉では片附き得ないのでございます。例えば極端な例を申上げれば、戦争になつて賃金統制令が出た。そうしてその賃金統制令によつて、賃金が一万円なら一万円ときめられるならば、労使間の団体交渉で、使用者に幾ら出せと言つてもしようがないので、これは団体交渉の範囲内で職階闘争でもやるよりしようがない。この関係もほぼ同様でございまして、国の行政機関たる労働大臣が賃金を幾らときめました場合には、これは地方の失対事業の経営主体というものは、これは失業労働者を雇つておるという関係では、何も国の下請機関になつているのじやなく、その地方公共団体が雇つておる。それに対して国の労働大臣が純然たる監督官庁の立場で行政処分をする。従つて先ほどの賃金統制とも似たような関係になつている。その意味で、行政機関の主体たる労働大臣がきめた事業については、それは事業主体たる市町村と、それに雇われている労働組合とが団体交渉をしてもしかたがないということになるというふうに考えておる次第であります。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 筋道立つて有難うございました。そこで残るのはあれでしよう。今言われた統制令は一つの例だと思うのですが、一方国家予算として国会を通過しているのだからというようなこともよく似通つたようなものですがね。国の最高の、やはり国会としてきめているのだから、行政当局としては云々というようなこともときどき使われることもあるが、併しこれは公共団体或いは公務員に対しておのおの調停或いは仲裁、或いは人事院勧告、こういつたようなものが出て、その打開の窓口が一応形式的には開かれている。これは国会でも、今人事院勧告に対して問題があるのですけれども、日雇労務者については今の線で行く。団体交渉、とにかく交渉ができる、市長と。これはできるが、市長はただ同じようなことをテープ・レコードにとつておいてやればいいので、もう労働省、労働大臣の監督できめられていますから、労働賃金条件は如何ともできません。如何ともできません。如何ともできません。こういう主張をずつとレコードをかけてやつておくということになつてしまうのですね。    〔委員長退席、理事田畑金光君着席〕  今の解釈で行くと……。そうするとまあ大臣に伝えましよう。こういうことになつて、大臣としては、尤もであるから、何とか予算措置をするなり、労働条件をどうかしよう。こういうふうにでもならないと、交渉する役目だけということは、無論これは日経連でも問題になつたが、交渉するということだけですね。これじやなく、交渉する以上はここにやはり権利……、一つの権限を持つて、無権代理とか何とか、いろいろ法律上やかましいようですが、併しまあこれは通常なる社会通念として、その交渉におれは来ている。交渉はするが、おれは何も回答はできないし、それは別だ、全然君達の言うことは聞けない。おれにはそんなことをきめる権限はない。交渉はする。こんな交渉は、これは全然団体交渉という法律概念からも、これは全然認められないと思うのです。いわゆる団体交渉というこの交渉ができる以上は、相手方の当事者適格は、これはやはり必要条件だと思うのですね。その意味において私は、市長なる者が当事者適格を持つたところの……、あなたが言われる、団体交渉をして然るべきだとあなたが言われているのは、話に聞くと、団体交渉はするが、何ら権限はないという説明を労政局長以来ずつと聞いたものですから、これをはつきりしてもらいたいのですね。

石黒拓爾労働省労政局労働教育課長

○説明員(石黒拓爾君) 大変御尤もな質問だと思うので、正にそれはなま殺し的な、使用者的立場に置かれておるわけです。法律がそういうことに作つておりますから、法律解釈としてはやむを得ないところじやないかと私どもは考えております。ただ失業対策事業の性案といたしまして、団体交渉の結果によつて、賃金をどんどん上げて、二万円ベースになつてしまつても構わないじやないか、こうなりますと、それはそうは行きませんので、その点は職業安定局は所管じやございませんが、研究の結果、やむを得ないのではないかということに相成つているものと承知しております。これは何と言いすか、解釈の問題でもそこがぎりぎりでございまして、あとは立法政策の問題になるのじやないかと思います。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 今お聞きのような状態でありまして、私自身もこの請願についていろいろ感ずるところがあるわけですが、これはやはり小委員長におかれても、解釈は確かに今のようななま殺しのようなことでは、これは両当事者とも困ると思うのですね。結尾まあ労働大臣は一番暢気でしよう。これは、「おれは知らんよ」で、東京へ来れば、あれはもう市長だということを言つておるし、市長のほうでは労働大臣だと言つて、キヤツチ・ボールやつていればいいじやないか……、これではどつちも困ると思うのです。ですから結論は小委員会で出して頂いてもいいですが、やはりこの解釈を確にしておいてもらいたい。そのためには、場合によつては法律というものも必要性があるような気がします。私も今ただしましてね。これは小委員会で、今国会中に一つの結論が出るまでにならないということに実はなつておつたように思うのですね。これは保留になつちやつている。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 小委員会での論議は、極めて短かい時間でしたけれども結論は、これは立法措置を必要とする。又請願の趣旨も立法措置を講じてもらいたい。あのときの論議として、立法措置を講ずるとして二つの考え方があろうと思うのですね。言い換えれば、肯定的に、法制を作つて、その間を、何と言いますか、明確にする方法をとつて行くか、或いは否定的の方向に結論を持つて行く。その点の先ず論議を固めないと、直ちに立法措置をとるという事態を採択するわけには行くまいと思います。その点の検討を先ずすることを必要とする。従つてこれはなお研究の余地があるというので、保留ということに私はなつたと、かように思つておるのであります。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 その通りです。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 従つて今後短い時間のうちにその間の結論がつけば、これは私結構だと思いますが、小委員会のあのときといたしましては、制約された短いこの会期中に、その結論を得ることは困難であろうというので、まあ保留ということになつておつたのであります。それで事情だけを申しておきます。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 その点、小委員長の言われた通りでございますので、私は異論はございませんが、この実情は確かに差迫つていることは私もよくわかるのでありまして、ただ事業主体側は、市長さんのほうの側はこういうふうに書いてあるのですね。事業主体側の主張するところは、つまりおれには交渉権限はないのだ、こういうふうに主張されている。市長さんのほうは、これは市長さんが陳情しておるわけですから、労働省の通牒、或いは労働委員会の裁定……、まあ裁定というものはないのですから、これは恐らく調停とか何とかいうものでしようね、きつと、まあ調停なんでしようね。事業主体側の基くものは、根拠というものは、市長側の論拠は、労働省はおれのところには通牒をくれておる。これはおれには権限はないと言つておる。それから労働委員会の裁定というのは、恐らく調停案でしよう。そんなもので抑えて、おれには、市長には当事者適格はないのだと、こう言つているのだから、僕はそれに基いてやつておるのだが、併し労働者側がかれこれ言う、そんな無用の解釈論を闘わしてはならんと、こういうふうになつておるのですね。ただこれは文章がそうなつているのですよ。従つてこの通牒なるものには、市長には交渉の相手方になる権限はないという通牒が出ているに違いないと思つていたのですが、今のお話によると、労働省、政府側の回答は、やはり事業主側といいますか、で言われている通牒と、今聞いていると丸きり違う説明があるのです。その点指摘しておきますから……。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 藤田委員の御発言は、日雇労務者にとつては、やはりこれは非常に重要な問題だと思うのです。どういう方向に持つて行くにいたしましても、極めて大事な問題だ。それだけに相当これは念を入れてこの委員会でも検討する必要もありますし、又労働省当局も御検討願う必要があるのじやないかと思うのです。本件のこの請願に関しましては、すぐにここで僅かな時間の間に結論を得るということは、これは困難じやないかと思います。従つてこの請願を拒否するという意味では毛頭なくて、十分これは検討を継続するという意味で、この際保留ということにして、引続いて適当の機会にこの問題の結論を当委員会としても作つて行くというふうにお考えを頂ければ、本件の処理としてはこの際実はいいのではなかろうか。これは私まあ私見でありますけれども、ほかのかたの……。    〔藤田進君「賛成」と述ぶ〕

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○理事(田畑金光君) ちよつとこの際安井政務次官にお尋ねしておきたいと思うのですがね。先般の労働委員会で、この自由労働者組合の諸君から、賃金引上の要請が出たわけです。そのとき労働省のほうといたしましては、目下慎重に検討中というようなお話がありまして、その際PWの調査ができ上つたならば、できるだけ早い機会に、この資料に基いて自由労務者の賃金についても協力したい、こういうお話があつたわけですがね。その後の経過について、この際一つ御報告を願いたいと思います。

安井謙自由党労働政務次官

○政府委員(安井謙君) 先ほど、前回の委員会でも申上げました通り、七月中に調査の結果を出しまして、八月中いろいろ検討いたし九月から実施のつもりで予定を進めておりまするが、詳細のことにつきましては、関係係官から御説明させたいと思います。

江下孝労働省職業安定局長

○政府委員(江下孝君) 賃上げの問題につきましては、九月を目途といたしまして、別途制定されますPWの金額等を参考にいたしまして、目下準備中でございますので、関係方面との折衝もまだ進めたばかりでございます。目途としましては、九月に実施するという目途であります。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○理事(田畑金光君) そうしますと、九月からは大体実施できるように当局としても調査を進めておられると、こういうような状況ですか。

江下孝労働省職業安定局長

○政府委員(江下孝君) 大体そのつもりで今努力をしておるわけであります、大蔵方面との折衝もまだやつておりませんから、九月からはつきりそうだと私が断言できるわけには参りません。できるだけそういうように努力をしたいと思つております。

井上清一自由党

○井上清一君 質疑を今日の理事会で続行することを申合せていたのですが……、委員長、どうぞ質疑に入つて頂きたいと思います。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○理事(田畑金光君) 委員長が今来ましたから……。    〔理事田畑金光君退席、委員長着席〕

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 ちよつと聞き洩らしたのですが、梶原委員にお尋ねしたいのですけれども、先ほど藤田君から質問がありましたですね。あの自由労務者の労働組合の交渉の相手方の問題とか、或いは適用法律の問題とか、いろいろこれは地方においても混乱しておると思います。非常にこれは困つておると思うのです。で、この問題は、やはり中央において、速かに立法の面からも、或いは行政上の面からも、明確化ならしめる必要があるのじやないかと思うのですが、この点は……。だからこれは小委員会の問題と限定しないで、私は本参議院労働委員会の研究課題として、速かにこの問題については明確な結論を出して、中央から地方に指示すると、こういうことが必要な問題ではなかろうかと、かように考えておるわけなんです。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 先ほど藤田委員の御発言に関しまして、私は意見を申上げたのでありますが、それは只今の御意見通りのことを申したのでございまして、当労働委員会としましても、極めて重要問題として、十分適当な機会に審議検討をして行く。同時に労働省においても検討を早急に進めて、適正な結論を得るように一つお願いするということにいたしまして、そういう前提の下に、この請願に関する措置としては、研究を必要とするという意味合いで、暫らく保留をしておくということにしてはどうかということを申上げたのでありまして、あなたの御意見と同様なのであります。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 その件に関しまして、一つ労働省側といたしましても、先ほど来の質疑応答の中から問題の所在を明確にされたと思います。これはもはや質疑を待たずして、労働省自身かねて御存じのことだと思うのです。これはやはり最近の労働委員会等にこれを取上げて検討し、研究を進めて行きたい、こういう私は気持を持つておるわけであります。従いまして、この問題についての具体的な資料等については、速かに労働省としても準備をして頂いて、我々がこの問題の検討を進めて行く上に寄与されるような用意だけはやつておかれることを、併せてこの際要望して申上げておきます。

安井謙自由党労働政務次官

○政府委員(安井謙君) 政府といたしましては、先ほどいろいろ御答弁申上げました通りに、国できめられました事柄については、これはストライキとか、争議の対象にはならない、団体交渉の対象にはならない。それ以外の問題では、地方でそれぞれ御交渉の結果おきめ頂くわけでありまして、一応実情は明白であろうと存じておりますが、更に無論問題があつて、委員会なり、議会でお取りきめを頂くなら、その御趣旨に従つて行動するつもりでございます。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 今のお話の中で、地方自治法ですか、地方自治法のどの条文を、該当条文を指しておられるのですか。

安井謙自由党労働政務次官

○政府委員(安井謙君) 地方自治法と申しますより、只今の賃金とか、働く日数といつたような基本的なものは、国でこれは取りきめておりますので、そのこと自体につきましての団体交渉、或いはストライキというようなものは起り得ないと、こう心得ております。その他のいろいろな附帯した問題につきましては、その交渉の相手はそれぞれの当該地方団体の長が当ることであろうと、こう考えている次第であります。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 でありますから、私の申上げておることは、まあ実際問題として、さつき藤田君からお話がありましたように、要するに建前としては、府県、市町村の代理体におきますならば、事業主体が交渉の相手方であるという考え方でこの問題を処理されておるのですよ。ところが、事業主体が交渉相手になりましても、すでにそれは労働大臣の行政措置によつて、交渉の内容というものが、範囲というものが限定されて、それで名目的にも終つておるのだと……。ただ地方の自治体が財源でも豊かであつて、或いは例えば期末手当とか、或いは又臨時増加手当を出し得るというような財政的な余裕があるならば、これは又その地方公共団体個々の独自の立場で処理されて行きましようけれども、御承知のように地方財政というものは火の車です。こういう財政の状況を見ましたときに、事業主体が交渉相手になれと言つても、実際何ら日雇労働者としては実質的なプラスをかち取ることはできん、これが実情だと思うのです。従つて問題は単に地方自治体の問題ではなくして、中央の労働省の、何というか、行政措置にも待たなければならない問題、或いは予算に待たなければならない問題、中央、地方を通じてこれは解決しなければならない問題だと思うのです。安井次官の答弁のように、地方公共団体のみに又任されるということになれば、先ほどの論議の中にありましたように、責任の転嫁になつて来るので、そういう問題を含めて、この労働委員会において審議して、結論を出すという時ですから、私の要望申上げることは、それの所要の資料等を準備して頂きたい。こういうことを申上げたわけでありますから、さよう御了承を願つておきたいと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 速記を始めて。請願陳情に関する小委員会の審査の経過並びに結果につきまして、梶原小委員長から御報告がございましたが、これにつきましては、委員会において種々検討を願いまして、そのうちで、第一点といたしましては、当委員会として取上げることを強く要望せられた点がございまして、これはいずれ委員長の手許におきましてその取り運びかたにつきまして善処いたしたいと存じまするので、御了承を願います。  第二点といたしましては、只今小委員長の御報告中、研究を要するものとして留保中の、第千七百二十二号は、吉田委員より意見がありましたので、御懇談の結果、小委員会において再審査をいたすように取上らつて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 御異議ないものと認めまして、さようにいたします。ちよつと速記をやめて下さい。    〔速記中止〕

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 速記始めて。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 請願第千七百二十二号につきましては、更に小委員会におきまして検討をいたしまして、これは採択することとして、意見書を附して内閣に送付することに決定いたすことにいたしました。御報告申上げます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) お諮り申上げます。以上請願及び陳情に関する小委員長よりの御報告につきましては、これを委員会といたしまして承認することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり)

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 異議ないと認めまして決定をいたします。  この際ちよつとお諮りを申上げます。田村君から、明日の当委員会の日程につきまして決定をするように委員長に要請がございました。従いまして直ちに委員長及び理事打合せ会を開会いたしたいと弾じますので、暫時休憩いたします。    午後四時二十六分休憩    〔休憩後は開会に至らなかつた〕

国会会議録検索システムで原文を見る ↗