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16回国会参議院1953/07/27

労働委員会 第20号

発言数
311
登壇者
12
会派数
6
開催日
1953/07/27

会議録

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 只今から労働委員会を開会いたします。  昨日設けることに決定をして頂きました、請願、陳情に関する小委員会の委員を御報告申上げます。伊能芳雄君、梶原茂嘉君、藤田進君、上條愛一君、寺本広作君、堀眞琴君、市川房枝君の七名でございます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) ではさよう決定をいたします。   —————————————

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 本日の案件は電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律案、公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律案(予備審査)、地方公営企業労働関係法の一部を改正する法律案(予備審査)でございます。  先ず、電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律案を議題に供します。本日出席要求をいたしておりまする大臣は、吉田総理大臣、岡野通商産業大臣、犬養法務大臣及び小坂労働大臣でございますが、只今のところ吉田総理大臣は静養中との報告がございます。岡野通産大臣は病気によりまして御登院になつておりません。犬養法務大臣は法務委員会に出席中であります。委員長の手許におきまして、目下この委員会に是非とも出席方を交渉中でございます。本法案につきまして、御質疑のあるかたは順次御発言を願います。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 今の大臣出席の点ですが、昨日も実は法務大臣御出席が願えるということでしたが、遂に委員会開会中は御出席がありませんでした。通商産業大臣も今日もお見えにならんということですが、例えばストの影響等については通産大臣に御出席を願わなければならんのであります。質問を進めて参ります上に、他の大臣の御出席がないということは大変に私ども不便でもございますし、それから審議をして行きますのに大変困却をするのでありますが、是非御出席を願えるように取計らつて頂きたいと思う次第でありますが、いつそういう大臣が御出席になるのか……。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 只今これは正式な報告と申しますか、責任ある報告ではございませんが、非公式に私のところへ入つておりまする情報では、岡野、犬養両大臣は午後はこの委員会に御出席を願えることができるのではないか、そういう工合に考えております。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 ちよつと申添えておきますが、昨日小坂労働大臣の発言につきまして、私は質問を留保いたしておつたのでありますが、梶原委員の質問に答えて、個人の心情を披瀝して御答弁がございました。なおこれについて他の田畑、堀その他の委員から質疑がございました際には、個人の発言は、或いは委員会で個人の気持等をも披瀝したのだが、併しそれは大臣としての答弁である、こういう御答弁でございましたが、なお速記を調べた上はつきり質したい、かように申しておつたのでありますが、今朝速記録を取寄せまして拝見をしておるのでありますが、これは重ねて速記による点で大変恐縮に存じますが、梶原委員の質問に答えて、こう初めに答えられております。「私は今日只今の段階においてそう申しておるのであります。私は今お話のございましたようなガスであるとか、そうした関係組合の良識を期待しております。こういう問題が出たのもああいう争議があつて、政府が労調法三十六条を待つまでもなく違法であるという声明を出しても、なお且つ保安要員の引揚を指令するというような現実の事態に鑑みまして対策をとつておるのであります。従いまして私の立場としましては、これは一回言つたことはもう飽くまでもその通りであると考えておりますが、将来そういう事態が起きまして、何ともしようがなくなつたら、これは私としてはしないということを飽くまでも言い切つてやるよりしようがないと思いますが、そういう事態が起きないように期待するし、関係組合の良識を期待しているということが根拠と言えば根拠であります。私としては飽くまで他産業には及ぼさぬということを一回言つた以上、これは私としては政治家の良心と立場においてやるべきことではないと考えております。私はいたしません。」こう初め答えられ、なお梶原委員から念が押されておりますが、こういう形で個人小坂の心境と、政治家の責任をも含めて答弁をされております。それからあとで堀君が、我々は個人小坂にはここで質問をしておるわけではない、こういう念を押しての質問に答えては、こう答えられております。「先ほどの梶原委員に対する答弁は小坂個人の気持を申上げたのであります。今御質問がございましたので、改めて吉田内閣の国務大臣として意見を申上げます。この法案は御承知のように社会通念上本来不当であるというものをここに明確にする、或いは社会通念上非であるとせられたものが不当である、社会通念の成熟によつて確認せられたものをここに明確にする、こういう趣旨でございます。只今のところ、こういう争議方法については不当であるという概念によつて明確にされたものの現実の必要から来ているものがこの二点であると思います。他の問題はすべて仮定であります一仮定の問題に立つていろいろ法律を出すとか出さないとか言うことはすべきでないと考えますから、私としましては現実の問題になつておるこの二点以外に考えていない、こういう私としては……誤解でありますから、それは取消しますが、労働大臣としまして、ここに問題になつておるこの二点以外に考えていないということを、こういうことを明確に申上げておきたい。」こういう御答弁になつております。あとで個人として申述べたのもこれは国務大臣として申し述べたのだ、吉田内閣の方針として断言したのだ、そのことは、これは吉田内閣としてはこの電気産業或いは炭鉱以外には及ぼさない、こういう確言をされたように全体としてはとれるのであります。併し、なお今読上げました堀君に対する答弁の中では、一応今社会通念上非或いは当とされておるこの二点にだけついて規定をしたのである。あとは仮定の問題だ、こういう御答弁がございました。なお、「仮定の問題に立つていろいろ法律を出すとか出さないとか言うことはすべきでないと考えますから、私としましては現実の問題になつておるこの二点以外に考えていない、」こういう御答弁、そうしますと、これは梶原議員の質問にもございましたけれども、今は社会通念上そうなつておる或いは現実に問題になつておる、これからの問題、仮定の問題に立つていろいろ法律を出すとか出さないとか言うことはすべきでない、こういう言葉もございますので、なおこれは疑問が残ります。  それから私が申上げるまでもございませんけれども、提案理由の説明によりますと、ストライキの規模が大きかつた、そうしてこれが国民経済と国民の生活に大きな脅威と損害とを与えた、そこで公益性或いは公共性から電気事業及び炭鉱の特殊性に鑑み、諸産業中の基幹的な重要産業二つについてこの法律を出すのだ。なお提案理由の中にも、労使関係の現状だとか、或いは現実に問題となつたとかいうこともございますが、公益事業の見地から争議行為の正当性の範囲を今回は必要限度に限つてこの法律を作る、こういう提案理由の説明もございます。そこで問題になります点は、吉田内閣としては、或いは吉田内閣の労働政策としては、この二産業以外には適用しないのだ、こういう言明をはつきりなされますのか。それとも現実の問題になつておるのは二つだから、将来の問題には、仮定の問題については今日とやかく言うことはできない、少くとも個人としては、或いは小坂労相としては出さないけれども、或いは吉田内閣としてはそういう事態が起つたら又考えるのだという、その辺は二つの答弁を見ましても、個人云々という点を抜きにして若干の食い違いがございます、小坂大臣の答弁に関連して……。ですからその点は一つ明らかにしておきたい。これは速記録を読みましてもやはり多少の違いはございます。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 吉田内閣といたしましてここに問題になつておる法案を御審議願つておりますから、これ以外に考えておりません。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 それでは梶原さんが言われたように、他の産業について挙げられた理由のようなものがたとえ起つたとしても、吉田内閣の存続する限りこの法律を他産業に拡大して適用することはない、こう言明されるわけですね。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 現段階におきましては、梶原委員の指摘のような、産業の各組合の良識を信頼しております。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 良識を信頼するという点は問題にしておるわけでありません。今の御答弁の中にありました現段階では云々ということですが、昨日の話は現段階じやなくして、最初個人としてということでありましたが、これは吉田内剛の労働大臣としてここで答弁するということでありますから、それは個人の意見じやなくて吉田内閣の意見だ、こういうように私ども承知いたしました。それは当面ではなくして、少くとも吉田内閣の存続する限りこの法律を他の産業には拡大しない、かように答弁をせられたと思うのでありますが、なおあとで堀君が念を押したときには若干の疑問を残すような言葉もあり、或いは今も当面はと言つておられましたが、事態が変つて来れば又変つた事態に応じた態度をきめる、こういうことでは、これはさつきの答弁と矛盾をいたします。はつきり当面はというのを取つて、吉田内閣としては絶対にやらん、こういう御答弁が頂けるなら……。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 只今の段階におきまして、この法案以外に拡大する意図を持ちません。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○上條愛一君 小坂労働大臣が他の産業には拡大する意思がないということを言明せられておりますが、それについて若干の点について、今までの経過からなお最後の質問をいたしたいと思いますが、それは、他の産業に拡大はしないという理由については大体三つあると思います。  一つは、すでに電産の電源スト、給電ストにおいては従来の立法において違反しておるのだ、併しそれは不明確であるからここに明確にするのである、こういう点が一点であります。併し公共事業令によりまするというと、違反と思われるものは電気産業だけではないのでありまして、例えば公共事業令の第八十五条においての罰則においては、「公益事業に従事する者が電気又はガスの供給を、正当な事由がないのに取扱わず、又は不当な取扱をしたときは、三年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。」こう書いてありまして、すでに公共事業令におきましても、単に、電気産業のみならず、ガス産業もこれは違反の場合があり得ることを明確にいたしておるのであります。この点が一点であります。  それから二点は、昨年の電気産業のストライキが国民生活に重大な脅威、損害を与えたから、電気産業にはこの法律案を適用すると、こういうのでありまするが、この第二点についてはガスや交通やその他の産業は公益事業と目される産業であつても、昨年のような長期に亘る、又は規模の大きな争議が行われないからこれを適用しない、けれどもそれが昨年の電気産業のように規模が大きくて、或いは長期に亘つて行われて、そうしてこれが国民生活に重大なる損害を与える場合においては、これを適用しないという理由にはならないと我々は考える。  それから第三の理由といたしましては、これは労働組合の良識に信頼すると、こう言われておる。言い換えれば電気産業以外の公益事業の労働組合の理性と良識に信頼すると、こういうこと、でありますが、若し電気産業以外の公共事業の労働組合が労使の関係においてどうしても忍び得ずとしてストライキを敢行いたした場合においては、労働大臣の言明というものは消滅するということを考えなければならないと私は考えます。  殊に私がもう一点労働大臣の言明のうちにお伺いいたしたい点は、労働大臣の説明によると、労働争議というものは労働組合の責任において行われると思われる傾向が強いのであります。言い換えるならば、他の産業に本法を将来拡大しないという理由の有力なる一つとして、労働組合の良識と理性に信頼したい、こういうことを言つておるのであります。労働争議というものは決して労働組合の人々の責任のみによつて行われるものではないのでありまして、これは経営者の責任又同様であります。経営者が労使関係において公正なる態度をとらず、又労働条件において公正なる態度をとらず、非常な無謀なる態度を以て臨むということになりまするならば、これは労働争議は起らざるを得ないのであります。この点については労働大臣は幾多の説明において、労働争議は労働組合の責任において行われるがごとき説明をいたしておりまするが、この点についてもなお附加して所信を明らかにして頂きたいと思います。  で、これを約めて申しますならば、労働大臣は炭労、電気以外の争議には本法を拡大する考えはないと、こう言われておるけれども、以上の三つの、労働大臣が拡大しないという理由が極めて薄弱であるという点であります。殊に最後に私が疑問を持つゆえんのものは、労働大臣が本法を御説明なさつたその説明のうちに、こういう点を指摘されておるのであります。「公共的性質を有する産業は、ひとり電気事業及び石炭鉱業に限るものでないことは申すまでもないところでありますが、種々検討の結果、今回は」と、こう明らかに書いてある、「今回はいわゆる基礎産業中最も基幹的な重要産業であり、而も昨年現実に問題となつた電気事業及び石炭鉱業につきまして、必要な限度の規定を設けることにした次第であります。」、こう明確に説明されておる。これを見ましても、今回はこれを行わないけれども、将来、昨年の電気産業のごとき長期並びに拡大されたるストライキが起つた場合には、これは当然考慮するということがこの説明のうちに現われておると私は考えるのでありますが、これらの点について労働大臣が今後本法を拡大しないと、こう言う理由が極めて薄弱であると考えるのでありますが、こういう具体的の問題について御説明を願いたいと考えるのであります。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 私は現内閣の労働政策といたしまして、現在この規制を他産業に及ぼす意思は全く持つておりません。現在その必要はないと思いますし、又こうした必要が生ずる事態のないことを期待しているからであります。万一ガス等が常軌を逸した大視標、深刻なストをしたときはどうだ、こういうことを若しお聞きになるといたしますれば、それは仮定の問題でございますから答えられませんが、併しそういうことは今のところ予想しておらない次第でございます。  なお、この労働争議というものが労働組合の責任において起るようなことを私が言つているという趣旨のお話がございましたが、そうは申しておりません。労使間におきまして経済的な問題を解決するために争議行為に瀬えるということ、これはあるのでありますが、併しそれぞれ労使双方においてやはり社会的な一つの機関である、社会的な職能を持つたものであるということを考えて、おのずからそこに則を超えざる限度というものがあるであろう、こういうことを考えておる次第でございます。  法案の提案理由の説明を刷つてお渡し申上げたのに、今回はこの法案を興すと、こう書いてございますのでありますが、それが何か拡大解釈される危険があるということ、御尤もでございますが、これは一つ「この法案は」という趣旨に読み変えて頂きます。「この法案は」という趣旨でございます。この書きましたものが悪ければ訂正させて頂きます。「この法案は」という趣旨でございます。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○上條愛一君 労働大臣の只今の御説明中、他の産業には昨年の電産の争議のような国民生活に重大な影響を及ぼすような争議は起きない、又労働組合も経営者もそういうようなことはすまい、こういうのであつて、そういうことが起つた場合というのは、それは仮定である、こういう御説明でありますが、これは決して仮定の問題ではないと思います。若し今後ガス、水道その他運輸事業において労使の関係がどうなるかわかりませんけれども、これが労働条件の問題において、幸いにして労働組合の要望を経営者側が入れるということでありますならば、公正なる労働条件が確立されるということでありますならば、これは起らないでありましよう。併しながら今後そういう事件が起らないということは誰しも保証はできないのであります。そこでこれは架空の問題ではないので、起り得る可能性が十分あると考えなければならないと私は考えるのであります。従つてこれは労働組合の良識によつてそういうことは起らないであろう、こういうようなことこそ仮定ではないかと私は考えるのであります。  それからもう一つは、さつきの「今回は」ということは「本法は」と、こういうふのに書き変えてもいいというお話でありますが、それは書き変えられてもいいと思いますが、併しこの原案を提出なさつたときの説明の原案を読んでみまするときに、何人もこれは今回はこうであるけれども、将来はわからないということが十分に、これは今回ということのみならず、この文章を通覧いたしますれば、明らかにこれは現われていることであつて、これは単に「今回は」という字句を「本法案は」と直しただけで、これは疑問が消滅し得る程度のものではないと、私はそれは確信いたします。従つてこれは全体はこういうふうに十分将来は危険性があると受取れる文章であるけれども、説明であるけれども、それは説明は間違いであつて、これは全体を取消してもかまわん、こういうことであれば、これは別問題であると私は考えます。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 只今の労働大臣の上條君に対する答弁の中で、現在は他の産業に及ぼす必要はない、こういう工合にお話なされ、続いて、ないことを自分としては期待しているのだ、こういう答弁をなすつている。ところがこの提案理由の説明の中で、「今回は」というのは、「この法案は」と読み変えてもいいというお話なのでありますが、先のお話では現在は必要ない、ないことを期待する、こういうお話をなすつていらつしやるのですが、全くこれは矛盾しているものじやないかという工合に考えられるのですが、その点改めて御答弁を願いたいことと、それから仮定の問題だからそれには答弁する必要はないというようなお話でありますが、いつも吉田内閣閣僚、特に吉田総理大臣を初めとして、各閣僚はしばしば仮定の問題には答えられない、こういうお話をされておるのであります。ところが今上條さんの指摘されたように、ガス、水道、私鉄、その他の公益事業においても全然可能性がないとは申上げられない。なぜなら、使用者側は常に利潤の追求に汲々としている余り、労働賃金の切下げとか、或いは企業整備の名前においての首切等が行われるわけであります。それに対抗する手段として労働者がストライキを以て応えるということはこれは当然なわけであります。従いまして可能性がある問題であります。而も労働行政を担当されている労働大臣としてはあらゆる可能性に対応して基本的な方針を決定され、従つて法案等についてもその点を十分考慮されているものだろうと思う。あなたの仮定だからしてそういうことは考える必要がないということは、むしろ労働行政の基本方針を持つておいでになるかどうかということについて我々は疑わざるを得ない、従つてその点をはつきり御答弁願いたいと思うのであります。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 最初の点でございますが、ここに印刷物を、そちらにも差上げてありますのには、成るほど拝見いたしますと、「種々に検討の結果、今回はいわゆる基礎産業中最も基幹的な重要産業であり、」云々と書いてありますが、私はたしかちよつと気になつて、まあ申上げるときはこの際と申上げたと思います。これは速記録を御覧になつて頂いたらいいと思いますけれども、私の意味は今申上げたような、今回ということじやなくして、この法案はというつもりで、議会用語として即ちこの際ということをまあ申したつもりなんでございます。ここに書いてある「今回は」におこだわりにならないようにお願いしたいと思います。「この法案は」という意味であります。  それからなお現在必要がない、他産業に及ぼす必要がないという必要ということでございますが、私ども立法をしまする場合にはやり現実の必要というものを基礎にして考えるべきであろうかと思つております。只今御審議を頂いておりまする電気と石炭の場合は昨年の経験上その必要を感じてここに御審議を願つておるのでありますが、現在そうしたような経験もなし、そういうような事態も私どもとしてはないことを期待しておるのでありまするが、他の産業においては現在のところそういう問題はないのでありますから、従つて私どもはこの二つの産業の争議行為の一部の方法の問題に関して以外考えておらないということを申上げておきます。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 昨日来、今朝に亘る労働大臣の御答弁を聞いておりますると、御答弁が終始ぐらぐらいたしておりまして、我々としてはいずれの方針が吉田内閣の労働方針であるかということを窺い知ることができないのであります。いやしくも国務大臣として吉田内閣の労働施策を担当しておるとするならば、小坂労働大臣は一貫した明確な方針を明らかにして進めて頂きたいと思うのであります。ただ残念なことには、こう見ておりますると、うしろのほうから、横のほうからの書類によつてしよつちゆう御答弁が狂つていて、我々といたしましてはどう捕捉し、どう理解していいか困るのであります。この際齋藤次官も十分に注意されて、こういう貴重な時間において、労働大臣の信念が動揺されているということは非常に遺憾でありまするから、補佐役としては十分に御留意願いたいと考えております。殊に齋藤次官は政府委員でありますか。

齋藤邦吉労働省事務次官

○説明員(齋藤邦吉君) 説明員でございます。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 説明員になつておりますか、正式の説明員になつておりますか。

齋藤邦吉労働省事務次官

○説明員(齋藤邦吉君) 説明員でございます。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 説明員というのは国会法にはないのでありまするが、後ほどこれは更に国会法その他を調べた上で、この問題は保留しておきたいと思いますが、殊に私が申上げたいのは、小坂労働大臣の説明というものが、答弁というものが常に周囲の指し金によつて狂つて来ているので、これはこの法案の審議の上において重大な支障がありますので、御留意をお願いしたいということだけを申添えておきます。  そこで小坂労働大臣にお尋ねいたしたいのでありまするが、先ほど労働大臣は吉田内閣の労働大臣として、問題となつておるスト規制法案はその他の産業については及ぼさないということは、私鉄或いはガスその他これらの労働組合等の良識に憩えて、そのような法案を出す考えはない、かように申しておるわけであります。そこでこれは先ほど来堀委員からも上條委員からも指摘がありましたように、将来の仮定或いは期待・可能性の上に立つてこの議論は進めらておるのであります。従いまして、このことは昨日来我々が聞かんとしておる、こういうスト規制法案というものはその他の産業には吉田内閣労働施策としては及ぼさないかどうかということについての明確な答弁にはなつていないのであります。我々の聞きたいのはこういうことなのであります。あなたの提案理由の中にもこういうことが書いてあります。「労使関係につきましては、法を以てこれを抑制、規律することは、できる限り最小限度とし、労使の良識と健全な慣行の成熟に委ねることが望ましいことは言うまでもないことであります。」従つて小坂労働大臣自身も、又政府の考え方も、そこにも労使関係というものは労使の良識と健全なる慣行の成熟に委ねることが大原則であります。これはお認めになつておるのであります。従いまして我々の問わんとすることは、今後の吉田内閣の労働方針というものは、議場において説明されておるこの基本的な大方針に基いて貫いて行こうとする決意であるのかどうか、こういうことを我々伺つておるのであります。我々の心配することは、労使関係の問題がときに長引き、ときに国民生活にいろいろな影響等をもたらしますると、そのときの国民的な感情、素朴な感情、私はこう申上げたいのであります。同時に経営者陣営の強い期待と要請に応えて直ちにこういうスト禁止立法という方向に、いわゆる労使関係というものを国家権力の介入によつて、力によつてこれを左右して行こうとする傾向をとり勝ちなのであります。従いまして、私はこういうことに対しまして労働大臣といたしましては、吉田内閣の労働大臣としては、今後は飽くまでもこの大原則に乗つて、その他の諸産業の問題については取組んで行く、こういうことを明確にこの委員会において明らかにしてもらいたいというのが昨日来の我々の質問の内容であります。この際一つ信念を持つて、今後の方針についてお尋ねをしておきたいと考えます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) ちよつとその前に、先ほど齋藤事務次官に対して政府委員であるか説明員であるかという質問がございましたが、国会法には説明員というものはございません。それで只今委員部長の意見を求めましたところ、委員部長の言としましては、説明員は……大臣並びに政府委員は発言ができる、委員会の承認を得なくてもできる、委員長の許可を得ればできる。併し説明員はその都度発言について委員会のやはり承認を得なければできないそうであります。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 それで明確になつたわけでありますので、今後説明員は本委員会においては、重大なる議事の日程の中にありまするので、必要とあるならば成規の手続を経て御発言をなされて、殊に私が先ほど指摘いたしましたような、労働大臣の所信に影響を与えるようなことはお慎しみ願つたほうがよかろう、このことだけを要望として申上げておきます。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 ちよつと……言葉尻を捉まえて大変恐縮なんですが、併し決して言葉尻だけではなくて、あなたの基本的な考え方に関する問題ですから、田畑君の質問に関連してお尋ねしておきたいと思います。  それは私が先ほど指摘いたしまして、あなたの答弁の中にありました、ないことを期待するというお話であります。期待するということは、あるかも知れない、その前提にはあるかも知れないということが前提されているだろうと思うのです。あるかも知れないという前提の上に立つて労働組合の良識に愬えてないことを期待するのだ、こういう意味でなければ私は意味が通らんと思うのです。あなたは単にないことを期待するのだからして、他の産業には及ぼさないというのでは、私はあなたの労働行政に対する所信のほどがどうもはつきりしないと思われます。田畑君の質問に関連しまして、その点も御答弁を願いたいと思うのであります。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) お答えを申上げます。田畑委員のほうから申上げますけれども、労使関係の事項については、私もできるだけ法を以てこれを規制することは避けたい、そうして労使の良識と健全な慣行の成熟を期待するという気持はしばしば申上げている通りでありまして、そういうような大原則と申しますか、根本方針を以て進みたいと考えております。併しここに御審議を願つておりまする法案というものは、例えば炭鉱の争議の場合におきましても保安要員の引揚というもの、或いは又電産争議の場合におきましても電源スト、停電スト、或いは給電指令所の職場放棄というものは、或るものは本来不当であり、或るものは昨年の経験を通じて社会通念上これを不当とするまでに成熟しておるものであるということで、これを明確にしようということをまあ提案いたしまして、御審議を煩わしている次第であります。従つて他の産業には及ぼすという現実の必要はないのであります。労働大臣といたしましてもあらゆる努力をいたしまして、その必要がないことを期待する心構えを持つておるのであります。これは堀委員の御質問にも関連いたしまするが、期待をするということは、勿論その半面に非常な努力を払うと、こういう意味でございまして、ただ漫然と期待するというのではなくて、私も労働大臣の職にある限り、あらゆる努力を払いまして、こうした事態が他産業に起きないように努力をするという気持を申上げておる次第でございます。  なお仮定云々のことでございますが、私はやはり政治は世論によつてなすべきものである、こう考えております。即ち私のここに申しまする健全な社会通念の成熟ということもそこでありまして、世論が澎湃としてこれは困るというようなことが起きて来ることになりますなら、政治というものはこれをとり上げなければならん、こう思つておるのでありまして、只今御指摘のようなこの二産業以外の他産業にはそうした問題は現実にないと現在は考えております。将来もそういうもののないことを期待しておるのであります。繰返して申しますが、そういう期待の裏には私ども労働行政をできるだけ御期待に副うように運営いたしまして、そして努力をいたしまして、健全な労使間の慣行を確立いたしますように努力すると、こういう意味でございます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 私の発言に関連しまして大変御質問が出たのでありますが、るべく成この問題は結論を明らかにして、この程度で次に移りたいと思う次第でありますが、併し今、今日来の労働大臣の発言を聞いておりますというと、田畑君の言いますように、その後御協議になつたか、或いは他の政府委員の助言か注意か知りませんが、あつたせいか知りませんが、だんだん変つて参つております。そして組合の良識に期待する、或いはそういうことはないと思うけれども、政治は社会通念なり、常識によつて行うべきである、そういう社会通念なり、常識なり、或いは事実がないから只今のところ他の産業には拡大しない、今後そういう事態の起らないために、或いは社会通念に反することの起らないために労働大臣として努力したい、こういう御発言で、昨日の梶原委員に対して答弁されました、先ほど読上げましたが、「従いまして私の立場といたしましては、これは一回言つたことはもう飽くまでもその通りであると考えておりますが、将来そういう事態が起きまして、何ともしようがなくなつたら、これは私としてはしないということを飽くまでも言い切つてやるよりしようがないと思います。」云々と、こういう御答弁、而もそれを個人の答弁ではなくて、吉田内閣の方針としてここで述べられたのであります。そこで私は労働大臣に一個人の答弁がぐらぐらするようならば、昨日宣明されました吉田内閣の方針を閣議として決定し、そうしてここに持つて来て頂くことを希望いたします。鯰問答はこれくらいに一つ……。

宮澤喜一自由党

○宮澤喜一君 先ほど委員長と田畑委員の間に誠に面白い御問答がございましたように拝聴いたしましたが、説明員につきまして国会法その他に規定がない、これは当り前のことで、私ども常識として存じておりますし、委員部長の御解釈なるもの、これも当然のことで、御経験の深い委員長勿論御存じと思いますが、そこでお伺いいたしますが、過去しばしば政府の説明員の発言を委員長は許可をいたしておられますが、これは委員部長のおつしやつた御解釈、当然の解釈でありますが、これを委員長が御存じなくしておやりになつたものが、或いは御存じの上で委員会の総意なりとしてなさつたものか、これを先ず伺います。委員長にお尋ねいたします。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 関連して……。

宮澤喜一自由党

○宮澤喜一君 委員長、ちよつとお待ち下さい、委員外の発言でありますから、先ず委員の発言に委員長の御返事を求めるのが当然と思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 何ですか、誰がですか……、(「変つたのですよ」と呼ぶ者あり)

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 挨拶に行かないで恐縮でございます。早く見えたかたには大体廻りましたが……。

宮澤喜一自由党

○宮澤喜一君 ああそうですが、じや失礼いたしました、間違いました。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 お許しを得まして、議事進行の御意見がありましたが、この点については、勿論従来しばしばではなかつたが、説明員とも何とも言わないで発言をされていたし、委員長も指名したと思います。この点はやはり発言者におかれても、その立場を当然明確にされて、そうして発言さるべきだつたと思うのです。やはり政府委員の手続は、相当多量に追加々々でなされておりますので、私どもとしても実は政府委員であるのだろうというくらいのつもりでいたわけですが、端なくも田畑委員の質問に関連して、政府委員でないことが明らかになつて、説明員とこうなつているのでありますから、今後について、この点はやはり田畑委員の発言要望がありましたように、成規な手続を経て本委員会の進行を図られるべきだ、このように考えます。つきましては、成規の手続と申しましても、その都度、勿論あとまだ四日という時間はあるけれども、併し慎重審議をやつている委員会において、委員長がその都度発言を許すか許さないなどという無用な時間をとることなく、成規のやはり政府委員であれば政府委員という国会法六十九条の手続ですね、これをとるのが然るべきであろうと思います。従つて過去についてはお互いにその点を特に故意に摘発する意思もなかつたというのが、委員長を含めてのやはり態度であつたと思うのです。端なくも明らかになつたのが今の事件であると思いますので、今後について明確になされることが至当であろうと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 私が質問を受けているのだから私答えまして……。

宮澤喜一自由党

○宮澤喜一君 藤田委員にお詑びをいたしておきます。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 いいいいそんなことは。

宮澤喜一自由党

○宮澤喜一君 私の問いにお答えを願います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 私は、宮澤君はこの委員会で、しばしば国会法並びに参議院規則を非常に勉強しておられまして、それの励行方について非常に御努力をなすつております。私も敬意を表しております。ただ説明員がどういう恰好のものであるかということは、私も今までの慣例上で、委員部長に今質したような程度で、そこまで突込んでは考えてはおりませんでした。実は昨日も齋藤事務次官に自由に私は発言を許しておりました。これはやつぱり国会の慣習です。併し慣習というものは、やはりその慣習がいいか悪いかということは、最後には国会法なり、議院規則によつて、議員諸君から異議が出ればこれはやはり明らかにする、私はしなければいけないと思います。そういう意味で今委員部長に来席を求めて尋ねてみたという程度のことです。    〔宮澤喜一君「それじや国会では」と述ぶ〕

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) まだ発言許しません。

宮澤喜一自由党

○宮澤喜一君 発言を求めます……。只今の藤田委員の発言でございますが、各省の事務次官が政府委員にならんということは国会の慣習でありまして、そういうことはもう当然なことなんです。説明員をして便宜説明をなさせるということもこれも慣習でありまして、先ほど田畑委員のおつしやいましたように、一々これを委員会に諮るというようなことは少くとも国会の慣習に反します。そこでこのことはもう従来通りお取扱を願いたい。そう申上げるのが私の本意でございます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) もう少し申上げます。先ほど田畑君の御発言をされたことは昨日の、或いは今日等の齋藤事務次官の労働大臣を補佐される態度が説明員の域を越えているという恐らく私は零囲気を感じて言われたろうと思うのですよ。そういう意味で齋藤事務次官がそういう意味で今後発言を願えれば、或いは補佐されればいいじやないか、田畑君も御異議がないのじやないか、私はそう付度いたしまして善処いたします。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 私の名前が挙げられましたので、もう一度私の先ほどの要望について、その趣旨、意図するところを明らかにしておきたいと思うのであります。私は齋藤次官が取りあえず説明員でありましようとも、政府委員でありましようとも、公式な立場においてこの委員会において発言されることを云々申しておるのではないのであります。ただ昨日来労働大臣に対する質疑応答を通じて、労働大臣の説明、答弁というものが常にぐらぐらして定まるところがないのであります。それで実はその事情等もここで観察しておりますると、齋藤次官の私語というものが労働大臣というものの実は常に所信をぐらつかしておる。こういうことは私はこの大事な議事進行において遺憾である。いやしくも吉田内閣の労働方針というものは一次官の発言によつて左右されるものではないと私は考えておるものであります。労働大臣は大臣として吉田内閣の方針をこの委員会において明らかに我々に示すべきであろうと考えたのであります。そういう私は態度を要望しておるのであつて、その態度をともすればぐらつかしておる傾向があるから、その点を私は御注意申上げたのであります。どうか飽くまでも私は労働次官の発言、政府委員であろうと説明員でありましようとも、公式の立場において我々も質問します。そのときにおいて明確に御答弁なさることは、これは当然のことであります。私の意図した、要望したことの点をどうか御了承願つておきたいと考えます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 事務次官の説明員の問題が問題になりましたが、これは国会ばかりの何じやなくて、労働省自体の実態の問題であろうと思うのです。それで労働大臣がしつかりしておられたら、事務次官は当然省におつて事務を見ておるべきであります。政府委員としては大臣なり、政務次官なり、或いは局長等が出ておるから、私は十分であろうと思うのですが、それを宮澤さんからお取上げになりましたけれども、従来の例は、例えばこの間赤羽工場の事件について中西労政局長が説明して、詳細を労政課長をして説明をさせる、こういう了解の下に説明をされている。これがまあ慣例であろうと思う。問題は、委員会の議事進行について問題になりましたけれども、問題は労働大臣のこれは権威に関する問題として出ておることだと思うのです。委員会の問題じやなくて、労働省において、労働大臣において善処せられることを要望してこの問題を進めたいと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 本論を進めて下さい。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 先ほど私は答弁を求めましたが、答弁がなされておりません。私はこれは内閣の方針ならば内閣の方針としてきめて、ここで御答弁になるか、それとも別な方法をなさるかも知れませんが、大臣はぐらぐらしている態度じやなくて、梶原さんにお答えになりました方針を内閣の方針としてここに持つて来られることを要求をいたします。どういう方法をとられますが、その点をお伺いします。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 もう本論に入ります。先ほど労働大臣の御答弁の趣旨を拝聴いたしておりますというと……。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) ちよつと待つて下さい。質問がまだ残つているでしよう、答えられてから……。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 じやあどうぞ、答弁されてから……。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) この問題につきましては、私も先般来本会議においてもお答えしましたし、この委員会においてもお答えしておるわけでありまして、方針は別に変つていないと考えております。即ち他産業に拡大しないと、するというのじやない、しないのです。ただ将来の予想質問については、これはやはりどういう事態が起きるか、私はもう起きないと思いますし、又起きないようにできるだけの努力をいたしますが、非常なこの世論がまとまつてどうというようなことになれば、政治というものは、世論を取上げないわけにはいかない。世論を無視するわけにはいかない。こういうことがあると思う、こういうことを言つているだけで、拡大しない、こういう方針については間違いありません。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 世論云々のお話がございますが、昨日の御答弁はそういうことではなかつた。もう一度読み上げます。「私の立場としましては、これは一回言つたことはもう飽くまでもその通りであると考えておりますが、将来そういう事態が起きまして、何ともしようがなくなつたら、これは私としてはしないということを飽くまでも言い切つてやるよりしようがないと思いますが、」云々と書いてあります。だからその点については将来のことも入つているのです。何ともしようがなくなつたら、これは私としてはしないということを飽くまで言い切つてやるよりしようがない、それを個人の御意見ですか、個人の意見はここで求めておりませんと申上げましたら、それは吉田内閣の方針である、こう答えられております。それをその後、或いは先ほど申上げますように、労働省、その他の助言と言いますか、或いは注意と言いますか、そういうものを以て動揺をせられるならば、これは内閣に持つて帰つて、吉田内閣の存続する限り、自分は吉田内閣の労働大臣としてここに出席しているのだ、吉田内閣の方針をそうだと昨日言われましたが、それならば動揺するようなことであるならば、それは内閣としてはつきりきめて、もう一度ここに臨んでもらいたい、こういうことを申上げておるのです。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 私の個人といつた言葉が問題になりまして、それを取消す意味において、この委員会の発言に個人の見解というものはないのだ、即ち大臣としての発言であるということを申上げるという意味においても今申上げた通り、そこで私が個人として云々言いましたのは、とにかく政府の政策はその通りである。と、併し私が労働大臣の職にある限りそういう事態が生じないということを確信いたしておりまするし、又そういうことのためにあらゆる努力を払つて、万一にもそうしたような他産業の争議が非常に深刻になるというような事態を招くことがないように深く期しておるのでありますから、拡大ということは、私としてはしない、しないで済むと信じている私の心情を吐露したのでありまして、方針は決してぐらついておりません。従つて閣議云々でも、仮定の場合をきめて来いと言われても、これはもう私に任されておることでございますし、私の答弁で十分御了承願える政思います。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 昨日の御答弁も、今の答弁も、小坂労働大臣としては、或いは小坂としてはそういうことは起らないように努力し、起ることはあるまい、若し万一起るようなことがあるならば飽くまでもしないということを言い切つてやるよりしようがないと、こういうことを言つておられますから、或いは意味はそういう事態が起つたら、小坂としては労働大臣をやめるよりほかには方法がない。或いは自分の職を賭してやると、こういう御心境のように伺うのでありますが、そういうことでありますかどうか、これが第一。  それからもう一つ、この発言を、あとで大臣として発言をしたのだ、吉田内閣の労働政策として発言をしたのだ、こういうお話でございまましたから、それならば吉田内閣の存続する限りこういう方針で、どういう事態が起ろうともやらないのだ、こういうことをそれでは吉田内閣の方針としてここは御宣明を願いたい。それについて閣議その他の方法が必要であるならば、閣議その他の方法をとつて来てもらいたい、こういうことを申上げておる。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 私の心情に対しての御想像は自由にお願いします。  なお私はここに行政上の見解を述べておるのでありまして、この法案の内容には直接無関係であると存じますけれども、とにかく私のここで言つていることはそのままおとり願つて結構だと思います。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 法案に関係がないと、法案に関係がないどころの話じやない。大ありで論議が進んでいる。それはまさに失言であろうと思うのですが、もう一遍それは失言でないか、法案に関係がないと飽くまでもお思いになりますか、その点も確めますが、想像をされるのは自由だということを申しておりますが、想像を申上げておるのじやありません。昨日の発言の意味をここで確認しておるのです。個人の発言でなくて、大臣としての発言だ。個人の心情等町もありましたから、個人の心情としては飽くまでも言い切つてやるよりほかにしようがないと思います云々という意味は、それは個人の心情としてそういう事態が起つたならば、自分は職を賭してもやるという意味なのか、或いは改正をしなければならなくなつたならば自分は辞職でもすると、こういう意味なのか、それとも吉田内閣の方針としてはそれは飽くまでもやらんのだ、こういう方針であるのか、それがはつきりしないならば、閣議を通してもう一遍確認をしてここに述べてもらいたい、こういうことを求めておる。三点について御答弁を願いたい。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 私の言つておりますことは、その速記録にもございますし、その後にもいろいろ申上げております。それらを総合して私の心境、心情というものは御判断願います。  それからなお法律に直接関係がないと申しましたのは、失言とおとりになれば取消しますが、私の申しておる意味は、他産業に拡大しないということが、この法律の御審議にあたり、この法律の法制内容自体には直接の関連はないので、まあ行政上の政府の考え方というものに重点が置かれるべきではないか、こういうことを申したのであります。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 最後の点はどうですか、相変らず自分の所信とそれから行政上の措置で、内閣の方針としては吉田内閣の存立する限り他の産業には拡大する意思はない、こういうことが閣議で確認をされておる、こういうように了承していいのですか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 閣議の確認ということはなんですか、私は労働大臣としておりまするのでありますから、私の責任でよろしいと思います。この問題につきましては、他産業に拡大しない、こういう方針であります。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 昨日私、当時の労働省の等本次官に対し、去る二十三日の電産の神山委員長の公述の中から引例いたしまして、本日御答弁を願うことになつておりましたので、この際寺本委員から当時の事情についての御答弁を承わつておきたい、かように考えます。

寺本廣作改進党

○寺本広作君 別に今日その問題にお答えすると申上げたのではなく、速記をよく読みました上でということを申上げました。先ほど会議中に速記を頂きましたので、これをゆつくり休憩中にでも読んでみたいと思います。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 ちよつと御相談ですが、今の点のあれが問題がございませんならば、私、質疑を続けて参りたいと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 続ける、はい。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 今の点は、もう一遍速記をよく読みまして、なお今日の分も含めまして、あとで若しはつきりしない点があれば質疑をすることにいたしまして、先に進みたいと思います。先日私が提案理由に従いまして、昨年の秋の電産、炭労のストライキの規模が大きかつた、それから第二点はストライキが国民経済と国民の日常生活に大きな脅威と損害とを与えた、こういう点からこの法案が出されたと提案理由の説明に書いてございますので、そこで電産、炭労の争議の責任、或いは影響等について伺つて参つたのであります。労働大臣は責任の点については言及をせられずに、ただこの法案は停電スト、或いは電源スト、炭鉱の保安要員の引揚等が本来違法であるから、その違法であるという点をここに念のために法文としたまでである、殆んど私の質問に答えては、電源スト、或いは停電スト、或いは保安要員の引揚が本来違法であるからこういう法律を作つたと、こういう御説明があつたと思うのであります。果してそうであるのかどうか、改めてもう一度尋ねたいと思います。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 争議行為の方法といたしまして、炭鉱の保安要員の引揚というようなことは、当時政府声明もございまするが、労調法三十六条を待つまでもなく違法である。人命の危険がないにいたしましても、真面目な勤労者に、争議行為の終了後帰るべき職場を失わしめるというような難儀行為は、争議行為としてもでも、労調法第一条第二項の違法の阻却を得ないということを明らかにする、こういう趣旨であります。電源の場合は、停電ストというようなものは従前も違法とされて、或いは電源スト、停電スト、或いは給電指令所の職場放棄というようなものは、これは非常に昨年の経験に鑑みて、及ぼすところの影響というものが極めて広汎なるに比して、第三者に及ぼすところの影響の甚大なるに比して、当事者間の損害というものは僅かである。そうしたものについてはこれは従来ともどうも違法である、おかしい、違法であるというふうに考えておつたのであるけれども、あの争議を通じてこれは違法であるという社会通念が成熟した、そこでこの点を明確化するということをこの法案に謳つてあるのであるということを申したのであります。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 お尋ねをしたのは、途中で横のほうと相談をしておられたから、私の質問の趣旨がようわからなかつたのかも知れませんが、その点は昨日も御説明になつたのですが、提案理由の説明の中にありますような、二つの争議がその規模が大きくして、国民経済、或いは国民の生活に大きな脅威と損害とを与えた、こういうことが書いてある。言い換えれば、争議の影響というもの、争議の規模、それからその争議が与えました国民生活及び国民経済に対する影響というものもこの法案提出の大きな理由になつておるように、私は提案理由の説明その他で聞いたのですが、ストの責任論から関連いたしまして、争議の責任がいずれにあるかというようなことは論議したくない、それから影響等については昨日質疑に入りませんでしたけれども、ひたすらに今言われるような、二つの争議の方法が違法であつた、或いは社会通念上、今おかしいという言葉を言われましたが、不当である、こういうことからのみこの法律はお作りになつたのか。その一点だけが問題なんで、ほかの点は問題でないのかということを今お尋ねしている。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 質問の御趣旨をちよつと明確に伺いかねたのでございますが、昨年の争議は非常に大規模だつたことは事実でございます。その結果によりまして、国民の社会通念がこれを不当とすべしということに明確化された、成熟したと、こういう関係がある、こういうことなんであります。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 どうも論議の焦点がはつきりしないのですが、私はこの法案が出された動機と言いますか、あの原因等に鑑みまして、ストライキの責任、或いはストライキが国民の経済、或いは日常生活に影響を及ぼしたと言うが、そのストライキの原因そのものから入りかけたわけであります。その点については責任はどこにあるかということは言いたくないということで逃げられた。それからストライキの影響等もこれも論議しなければならないと思うのですが、昨日の私の質問に答えては、今おつしやつたストライキの違法性、或いは不当性ということだけからこの法律を作つたと御答弁になりましたから、そこで私はその点だけを反駁すればあとは問題はないのか、こういう点をお尋ねしておるわけです。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 要するに私の申上げておるのは、この法律ができたのは、責任追及論からできたのじやないのだ、やはり国民の社会通念からしてこうした範囲の争議行為というものは違法であるとすべきであるという社会通念が成熟したと考えるからそれを明確にすると、こうしたほうが今後の争議行為というものの健全な規範と言いますか、この範囲を越えれば則を越えるのだということを明確化することによつて労使の健全なる良識、慣行の成熟に寄与するであろうと、こういうことであるということなのであります。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 関連して具体的にお尋ねしたいと思いますので、その事実について、これは将来の仮説ではありませんので、答えて頂きたいと思います。先ほどの御答弁を聞きますと、電気について言えば停電ストなどは曾て違法であるという政府解釈をしていたが、更にこれに加えて電源スト、或いは給電指令所の職場放棄、こういうものは曾ては違法で……曾ては違法であるというような何かごまかしたような言葉があつて、結局社会通念が成熟した、あれでは困る、ああいうストライキは困るのだという社会通念が成熟したので、よつてここにこの違法性を明確にする、こういう御答弁があつたように思います。その通りでございましようか、労働大臣の御答弁に対してですが……。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) スイッチ・オフは従来とも違法であると考える。ところが電源のこのウォーク・アウトとか、変電所のウォーク・アウト給電指令所の職場放棄というようなものも昨年の争議行為を通じて、これは違法とすべきものである、あれは困ると、こういう社会通念が成熟したと、こういうことを申上げておる。従つてこの法案を出すと、こういうことを申したわけであります。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 従来衆議院或いは本院における御答弁とは、ここに新しい理由が加わつて来たと思います。社会通念の成熟ということについて新しい理由が加わつて来たことの根源は別といたしまして、それについてお答えを願いたいと思うのですが、本院におきましても、消費者代表、或いは労使、更に学識経験者、労働法学者、あらゆる分野のかたがたをお呼びいたしまして、国会法に定める公聴会を開催されまして、多くの意見が、本日の速記録にも認められて手許に配付されておりますが、これらの中から見ますると、必ずしも社会通念の成熟として明確に把握するには非常に薄弱なものがある。賛否両論あり、殊に学者、労働法の専門家である法学者等の意見を総合いたしますると、ことごとくと言つていいくらい、この違法性についての政府の見解に対して反駁をいたしております。従いましてお尋ねしたい点は、社会通念の成熟というものの判断の基準になつたそのものは、そのスケール、根拠はどこに置かれているか。  更にその次に第二点は、社会通念の成熟と称されているその現象は、実績というものは昨年の電産、炭労のストライキであると、こう説明されております。昨年の電産、炭労のストライキの中で、電産について見るならば、当初電源職場の減電量は一〇%程度、それも九月十日、そうしてその次は十四日過ぎた二十四日、実に緩漫なさして影響のない争議から始つて、最終的には二五%程度の減電量、事実は二五%は減電いたしていない。会社運転が相当なされております。このことは、この政府資料の中にも明らかになつております。そこでその社会通念の成熟というものは、果して二五%という指令の下に行なつたあのストライキ、あの実績というものが問題であるのか。全体に与えた影響が社会公共の福祉だと言われているに違いないと思いまするので、その影響というものはおのずから大きな減電になつて、規模の大きい停電、工場や或いは一般の電燈がとまる、交通機関がとまる、こういう範囲がおのずから憲法十二条との調和というふうに今まで聞いていたと思います。社会通念の成熟というのは、然らば昨年の実績においてどの段階からこのように成熟しているのか。これが第二点であります。二五%というものがいけないのか、一〇%一五%はよかつたのか、この点について、現実の問題について御答弁願いたいのであります。二つの点ですね。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 社会通念の成熟という問題は、これは終戦以来しばくの停電スト、停電の統験上どうもこれは困つたことであるという気持は相当に国民の広範囲に持たれておつたと思うのであります。それが昨年の大争議の経験を通じて、それでは困るという社会通念の成熟を見たと私どもは考えておるのであります。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 その根拠です。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) その問題について、これがいいとか悪いとかいうことは、これは国会がおきめになる、私どもそうした根拠においてこの法案を提案しておるのでありまするから、こういうふうなこれは社会通念であると考えるというかたが多ければそれでよろしいし、それでないということになれば、これは否決になる。これが結局民主主義の原則ではないか、こう思うのであります。その事実問題の根拠については、私より労政局長より御答弁申上げるのがいいと思います。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 そんな衆議院を通過した……衆議院の議長に対しての質問でも何でもないので、提案者である政府、労働大臣に聞いているのです。その提案者が社会通念の成熟であると称して速かなるこの議決を願いたいという提案であつたと思うのです。その立場を聞いているので、社会通念の成熟というものはどこに根拠を置かれているか、この点は当然お答え願わなければならんと思うのです。多数がきめれば、社会通念の多数であつたろうなんて、そんなぼんやりしたことを聞いているのじやないのですから、明確にポイントをはずさないで御答弁願いたいのです。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) この法案が提案せられましてから、昨年の二月の公聴会におきましても消費者代表は全員挙つて賛成をして、一日も早く法案を通過さしてもらいたいという希望が強かつたことは御承知だと思います。なお今回におきましても公聴会を開いてやつておりまするので、あなたのおつしやるように、どことどこにどういうのがあつて、国民のどのくらいがどうということは、これはやはり民主主義の社会におきましては、国民の選出した議員によつて構成される国会によつておきめ願うということに最終的にはなつて来るのであります。詳しいことについて、数字等について何か言えということであれば、政府委員からお答えいたさせます。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 然らば政府として社会通念の成熟について確信はないが、とにかく国会に出してみれば、多数かどうかわかるだろう、こういうふうに窺えると思います。  さてそこで問題は、決して新しくここに制限を加える法案ではない、創設的なものではない、いわば違法性を明確にするのであるから、宣言的なものであるというような匂いも説明されていたと思うのです。そこで今の社会通念の成熟という新しい事実に基いて、未だ曾て成熟していなかつたその下においては、停源ストというものは政府としても過去違法だとされていたとするならば、電源ストに関する限り、或いは給電指令所のストライキに関する限り、従来違法ではないと思つていたが、併し社会通念の成熟によつて新しい立場からこういう第二条が必要となるのだということになりますと、今までの御答弁は全然覆つて、新しい成熟のこの上に立つて、第二条は従来の権利を、罷業権のその手段をここに制限をするのだ、新しく制限をするのだ、こういうことに当然なると思うが、これに対してなお且つ新しく制限するものではないという理由がどこにあるか、御答弁願いたい。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 昭和二十一年以来のしばしばの争議の経験を通じまして、そうした社会通念はあつたと思うのであります。併し当時御承知のように司令部がおりまして、そうして司令部が争議には何かと指導をやつて解決すると、こういうふうになつておりましたので、そうした社会通念をどう判断すべきかということについて現実の差迫つて問題が起きなかつた。併し独立後におきまして、あの争議の経験を通じて社会通念の成熟を見たと私たちは判断して、その確信の上に立つてこの法案を出しておるわけであります。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 お答えになつていない。然らば新らしくここに制限をするものかと言えば、そうではないとおつしやる。けれども過去において電源ストなるものが違法であるという声明をなされたことがあつたならば見せてもらいたい。いつどこでなされておるか、それはない。目下法廷で争つておる問題は数あるけれども、この中においても検察庁は決して、電源ストが違法であるとは言つていない。私は一昨昨日最高検に参りまして確めております。これは通念の問題について明確した上で、労働大臣との食違いを明確にして頂きますけれども、過去において電源ストが違法なりという政府解釈、こういうものはなかつた。よつて社会通念の成熟であるというふうに言われておるやに思つていたのであります。そうなりますと、ここに新らしい社会通念の成熟した新事実の下に、新らしい情勢の下にこの第二条が生れて来た。こういうことにならざるを得ないと思うのです。そうなりますと、当然従来違法でなかつたものが社会通念の成熟によつて新らしくここに法的に実体法としての違法性を明確にするのだ、この第二条によつて違法であるのだ、労組法第一条第二項の正当性、刑法三十五条の適用を受けないのだ、こうなつて来なければならないと思うが、にもかかわらず新らしく制限するものではないのだ、こういう説明に食違いがあるので明確にしてもらいたい。これは重大なポイントであると思います。今までは何にも答弁されていないのだ。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 今までも申上げておりましたように、従来社会通念上非である、こう考えられておつたものをこの成熟に待つて不当であるとここに明確化するのであります。即ちこれによりまして、労組法第一条第二項の違法性の阻却がなされないということを明らかに解釈法規として解釈をここに明定したものであります。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 従来昨年のストライキまで、もつと明確に言えばこの法案が通過いたしまして施行されて、そして第二条の適用を受けるようにこれが効力を発生いたしました暁における電源スト、これは当然第二条によつて規制されるのであるから、労組法第一条二項の違法性の阻却は今後はこれを受けないけれども、この法が制定されない前、これが効力を発するまでは電源ストについてこれは労組法第一条第二項の違法性の阻却を受けるのか受けないのか。政府解釈を求めたいと思います。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) ちよつと法律的な、事務的な点でございますから……。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) まだ発言を許しておりません。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 従来この点は明確でなかつたのでありますが、ここに明定をいたしますと、第一条第二項の違法性の阻却がなされない、こういうことになります。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 今までは……。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 今後はと申上げておりますから、今まではよろしいのです。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 そうすると、新らしくできるのじやないか……。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 或いは違法性阻却の場合でもはつきりしたもの、それからそうでないもの、ニュアンスはいろいろあると思うのであります。明らかに違法である、それから社会的には悪いと思われるものでもはつきりと裁判所へ行きまして認定されないもの等いろいろございます。先ほどの電源ストその他は従来その点はつきりしていなかつた部門に属するのでありまして、併しそれだからと言つて社会通念上非であつたことは確かであります。それを今回法律上はつきりする。こういうことであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 関連質問だから成るべく簡単に一つ願います。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 然らば、従来説明され、衆議院を通過の際にも政府が一貫して主張していたものを新らしく参議院においてその理由と違つたものを発見するに至つたわけでありますが、それは決して従来違法でなかつたものをこの際新らしく制限するものではない、そういうものではない、不明確なものを明確にするので、当然従来もともかく違法であつたものをこの際親切に明確にするだけだという理由はなくなりまして、電源ストに関するこの第二条に関する限り、これは新らしい成熟の下における制限であつて、決して解釈を明確にするものでないということが明らかになつたと思います。なぜならば、この制定の暁においては労組法第条第二項の適用を受けなくなる、違法性の阻却を受けなくなる。そのことが当然過去については違法性の阻害を受けておる、こういう明確な御答弁がありましたので、この点は新らしい事実をここに発見いたしたと思いますから、私はこれに関連いたしまして、憲法、そして労調法に至るまでの法体系の中からも更にこれに関連した明確化を願いたいと思つておりますので、私は午前中の発言はこれで終ります。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 今後は先ほども申上げたように明確化されまするから、労組法第一条第二項の違法性の阻却がなされないということは極めて明瞭であります。然らば従来はどうであつたかというのでありますが、従来はこの点は不明確であつたということであります。念のために誤解があるといけませんから申上げておきます。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 簡単に関連してお伺いしたいのでありますが、今のお話でありますると、仮にこの法案が通過しなかつたという場合においても、政府としては電源ストは違法であるという解釈をおとりになることと思いますけれども、そうなりますか。そうなるでしよう。(「今の答弁ではとられん」と呼ぶ者あり)

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 政府の行政解釈としてはその通りであります。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 今の点はもう少し明らにしておきたいと思うのでありますが、行政解釈としては違法である。併し例えばスイッチ・オフは必ずしも違存でないという裁判があつたことは御法じだと思います。今の御答弁によりますと、私ども最初出て来た説明では電源スト或いは停電スト等もこれはこの法律を待つまでもなく違法である。そこでそれを念のためにこの法律にまとめて謳つたものである、こういう御説明であつたと思います。それが完全に変つたということをここで確認してよろしいかどうか。  もう一つ、そうしますと、保安要員の引揚の問題につきましても、従来は違法であるということは明らかでなかつた。或いは当、不当ということ、或いは社会通念上云々ということがありますが、強いてもという言葉を使つたと思いますが、とにかく社会通念がどこから出て来たかわかりませんが、そういう意見があつた。そこでそういうことはやるべきではなかろうという社会通念と申しますか、社会常識を元にしてこの法律を新たに作るのだ、その結果新たにこの法律ができますならば、それは労組法二条、或いは労調法三十六条等の正当ならざる行為ということになる点はこれは明らかでありますが、この法律を出した根拠は、従来は違法関係ではなくして、常識上の或いは穏当を欠くという、或いは大臣の言葉で言えば不当であるという、こういう社会の意見を基礎にして新らしくこの法律を出すのだ、こういう御説明と確認してよろしゆうございますか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 分けて申上げますが、炭鉱の保安要員の引揚げの場合には従来とも不当であつた。併しそれにつきましては昨年の争議の際に政府声明も出ておりまするけれども、それにもかかわらず保安要員の引揚という指令が出た。そこでこれを法律としてこの場合を規定して明確にする必要があろう、こういうことなんであります。  それから電気の場合に、スイッチ・オフは従来とも違法であつた。併し電源のウォーク・アウト、或いは停電スト、給電指令所の職場放棄、そうしたものは従来は社会通念上非であると考えていたけれども、明確でなかつた。そこでこの際社会通念の成熟を見たので不当であるということをこの法律によつて明確に解釈を明らかにするということなんであります。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 ちよつと関連質問なんですが、先ほど来社会通念という言葉を盛んにお使いになる。それから又世論がこれに反対しているというようなお言葉をお使いになつておりますが、私は率直に一体世論とか、社会通念とかいうものについて一般的に認められるようなものがあるのかどうかということをお尋ねいたしたいと思います。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 私のほうに昨年の争議の最中、或いはその後あらゆる方面からの陳情その他、それから当時の新聞論調、ここにまとめたものを持つておりますが、これを見ますると、やはり国民全般から見ますと、世論として成熟しているということが立証できるのではないかと思つております。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 反対の陳情、ストライキに対する反対の陳情がたくさん手許に集つている。これを材料にしてという、お話でありますが、世論とか或いは社会通念というようなものは作られるものであります。決して自然発生的に生まれて来るものじやないのです。これはもう世論を研究している人ならば誰でもが知つている事実なんです。而も自然発生的な世論というものがあるとすれば、それは実は極めて素朴なものなんです。決して目的や或いはその他のことを意識しての世論というようなものが自然発生的に生まれて来るということはこれは考えられない。従つて私はその点をはつきりさせたいと思うのでお尋ねしているわけなんです。で小坂労働大臣にその点について明確に社会通念と盛んにあなたはおつしやる、社会通念は成熟しているとあなたはおつしやるのですが、どういう基礎に基いてそのような社会通念というものが成立し、そうして又成熟しているか。殊にこのストライキに対して非とするところの社会社念が成熟しているか、その根拠、基準等に関して改めてお答えを願いたいと思う。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) お答えをいたしますが、私は世論というものは非常に素朴なものであつていい、又そうでなければ世論でない。そうでない持つて廻つたような世論というものはむしろこれは強いものである。こういうふうなあなたの見解と反対の見解を持つておるのです。自然発生的でなく、ほかの人からいろいろ言われ、或いは強制され、或いは意見として打出すべく準備された、そうしたものはむしろ世論としての、まあ勿論世論の一部でありますが、世論を判断する場合にはむしろ自然発生的な素朴な形で出て来るものが世論であろう、こういうように判断すべきではなかろうかと考えるのであります。  なおどういう形でそれじや社会通念というものを判断するかということでありますが、これは非常にむずかしいと思いますが、むずかしいが一つの手掛りといたしてみますれば、この際行われました四月の選挙、これはがつの世論の手掛りじやないかと思います。その選挙の際にこうした法案というものを掲げて選挙に臨んだ政党、即ち自由党、改進党、或いは緑風会、そういうものを支持する、国民の投票というものが多かつたことは事実で、(「ごまかしだよ」と呼ぶ者あり)ごまかしでも何でもございません。そうした政策を掲げて国民に訴え、嫌ならば国民は投票しないでしよう。やはりそういうものを基礎にして私どもお互いに政党政治家としてやつておるわけでございますが、それを判断の基礎とするということは自然ではないか、こう思います。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 世論というものは自然発生的なものであり素朴なものでよいというお話でありますが、何も世論の論争をここでやろうとは思いませんが、世論というものは作られるものだということを、やはりよく研究されるならばそういう結論に達するだろうと思うのです。新聞がこういう論説を出しているとか、或いはラジオがこういう解説を出しているとかいうようなことによつて世論というものが作られて行くわけです。世論は飽くまで作られたものであります。自然発生的には世論というものはそう大きくなるものではないのであります。而も今日のように利害関係の対立している社会の中で以て、共通した世論なんというものはあり得ないわけです。あなたはどういう根拠でそれを一般的な世論と考えられるのか、あなたは選挙の場合において自由党が多数を得たということが世論がこの法案に対する支持の証拠だと、こういうお話でありますが、日本の選挙というものは世論が正確に反映するものじやないのです。御承知のように選挙に当りましていろいろな利害関係が錯綜して、そうしてそれが投票になつて現われて来るのであつて、あなたは自由党が一番たくさんの議員を持つているから、世論によつて一番たくさん支持されているのだというようなことはとんでもない間違いだと思う。それからもう、一つ私の狙いとしているところは、あなたがたは一部の意見を聞かれてこの法案を出されたのじやないかということを私は狙いにして実はお尋ねしているわけです、ざつくばらんに申しますと……。あなたは私がこう言うならば、決してそうじやない、使用者側や或いは資本家の言うことを聞いているのじやない、こういうお話をなさるだろうと思いますけれども、決してそうじやないのです。公聴会等に現われた意見にみましても大半がこれに反対しているわけです。(「反対じやない」と呼ぶ者あり)これをあなたは反対の意見というものは世論ではない、こういう工合にお認めになるのかどうか。その点をもう一度お答えを願いたいと思います。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 私は、世論は作られるということは、独裁国の場合でございますとそういうことになるだろうと思います。民主主義社会におきましてはやはり世論というものは自然発生的に出て来るものである。非常に素朴な形でもやはり大衆は愚にできんと申しますか、大衆の考えというものは正しい場合が多い、正しいと判断することが健全なる民主主義を発達させる基礎であろうとこう思つております。この世論が結局私は投票になり、選挙になる。選挙の結果を否定するということは、決してあなたの言葉尻をとるつもりはございませんけれども、国会を否定するということに繋がる。(「その通り」と呼ぶ者あり)やはりどういう形であつても選挙の結果は素直に肯定すべきものだ、こういうふうに思います。  他の一部の声を聞かれたのじやないかということでございますが、そんなことは決してございません。やはり強いられた議論というものは、私はできるだけこれはもうあらゆる角度の考え方からしても避けて行きたい、素直な形で公正に判断すべきだと思います。見解の相違と申しますか、これ以上いろいろ申上げても堀さんに御納得を得る答弁はできないかと思いますが、一応お答え申上げておきます。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 ちよつと関連してお尋ねいたしたいと思うのでありますが、先ほどの労働大臣の御答弁によりますると、選挙のときの公約に基いて国民の多数の支持を得ておる。成るほど今自由党の公約を見てみますと、電気、石炭鉱業の発送電スト、保安ストを規制する。もう一つ、一方雇用量の拡大と実質賃金の向上を図る、こういうことで自由党は相当多数の票をもらつておると思うのであります。(「そうなんだ」よと呼ぶ者あり、笑声)そういう面における国民的な支持或いは世論というものは、今あなたの御説明によつては成仏できないのであります。(笑声)先ほどの労働大臣の御答弁によりますると、社会通念が成熟をした、社会通念というものはそう簡単に形成され、或いは又成熟するものであるかどうかということを私たちは疑うのであります。少くとも社会通念というものは相当年数の社会生活の上に或いは慣行として打立てられ、法的な確信が自然とその中から生まれて、そこに自然的な私は社会通念というものが生まれて来ようと思うのであります。僅か一、二カ月のストの中から社会通念というようなものが、而もそれが立法の面に、法規の中に大きな影響力を持つ社会通念というものは生まれて来ないだろうと思うのであります。今小坂労働大臣のお話なされる社会通念というのは、即ち一つの事件を契機とした国民の素朴な感情、こういうものに私はほかならんと思うのであります。而も先ほど来の質疑、答弁を聞いておりますると、今回のスト規制法案というものは単なる宣言的な規定である、こう従来お話になつておられましたが、今回のこの立法が制定されることによつて明確な刑罰法規というものがここに創設される。従来の答弁とは本質的にここに食違いが出て来ておろうかと思うのであります。この点を一体どう解釈場なされておるのか。更に問題は、若しこの法案が通らんとするならば、政府としては行政解釈として違法としてこれを処理して行く。行政解釈として一体憲法二十八条の労働者の基本的権利というものが制約し得るのであるかどうか、今日の憲法の二十八条の労働者の団体行動権というものは、しかくさように行政解釈によつて左右し得るほどの簡単な内容のものであるかどうか、この点について一体どう解釈なされるのであるか。  更にもう一つ私はこの際承わつておかなければならんことは、あなたの提案理由の説明の中にも、昨年のストに鑑みて、国民生活、国民経済に大きな影響をもたらしたから、従来の労使関係の大原則から一応外れるけれども、今回この立法をなしたと、こうなつておりますけれども、石炭の場合に例をとつて見まするならば、石炭の保安要員の引揚というものは単なる準備姿勢を発したに過ぎない。一体保安要員引揚の実体の闘争が行われたかどうかということ、これを通じて職場の破壊が行われたかどうかということ、而も炭鉱の実情において最もその職場に愛着を持つておる、或る意味においては古い社会慣習もまだ根強く残つておる炭鉱において、炭鉱の労働者というものがしかく簡単に職場の放棄というものができるかどうか、こういう経験の上に立つてこの法律ができておるのか、ここに私はこの法案の大きな思想的な不統一があると考えております。規制せらるべきは、国民経済、国民生活に影響を及ぼしたのは長期のストの結果石炭が出なかつた、石炭が出廻らなかつた。なぜ石炭が出なかつたかというところに、私たちは立法するならば、或いは政府が労働施策を進めるならば、問題の根源があると考えておる。保安要員引揚というのは単なる準備姿勢に過ぎない、現実にそのようなことは起つていない、経験もない、実行もされてない、然るにかかわらず、過去のストに鑑みて、こういうような名目の下にスト規制法案が制定されておるのであります。政府は勝手な解釈によつて、勝手な判断によつて、そうしてこの法律を規制したところに、今言つた思想的な矛盾と衝突が来ておると私は考えておるのであります。一体あなたは、炭鉱の労働者がしかく簡単に職場の放棄ができると考えておるのかどうか。この立法というものは過去の経験に基いて、昨年の争議に基いてやつたとするならば、現実にとられておらない保安放棄、これと立法との関係をどうあなたは解釈しようとしておられるのか、その点を明らかにしてもらいたいと思います。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 全般を通じての御意見の中で、私はストに対して、これをスト至上主義に持つて行く考え方をとらないで頂きたい、こういう見解を持つております。労使間の関係というものは、そこにやはり理解と納得と協力を以て臨み、そうしてその間に話合いによつてできる限りお互いの意見を暢達し、伸ばし合つて行く、そうして円満に妥結をするというよき慣行を作つて頂きたいと、これが今の日本の全体の置かれておる国際的な、乃至国内的な経済諸条件の下における健全な歩み方ではないかと思つております。これは労使双方について強く望みたいところであると考えておる次第であります。  更に、この説明について従来と変つたとおつしやいますが、従来の通りであるので、私は少しも変つておらない、こう申上げたいのでございます。即ち、従来不当或いは社念通念上非とせられるものをここに明確に不当であると確認する解釈法規であると、こういうことなんであります。  なお、この法案が通らなかつた場合に、行政解釈は不当であるという行政解釈であるということはどういうことだとおつしやいますが、それにお答えいたしますが、無論最終的には裁判所の判決或いは判例に待つべきものであると、こう思つております。  それから炭鉱の場合、保安要員の引揚ということがそう簡単にできないとおつしやいますが、私も健全な労働組合各位におかれてはそのようなことを軽々にやられることはない、そういう良識を持つておると思いますが、おられないとするならば、なおのことそれを明確にしておいて、そうしてそうしたような危険を避けられるというふうな明確な解釈法規を明定いたしておくほうが却つて親切ではないか、かように考えております。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 ちよつと関連して……、第一項の問題について、御答弁の中に労使関係というものは飽くまでも両者の話合いの上に立つた良識と慣行の確立の中に問題の処理を図つて行きたい、こういうふうな御答弁があるわけであります。その通りだろうと考えております。ところが私は指摘申上げたいのは、先ほど小坂労働大臣は選挙のときの自由党の公約を出されましたので、私はもう一度この公約を申上げたいと思うのでありまするが、前段においては確かにスト規制法案という法によつて忠実に公約の履行を果されようと努力をしておられます。即ち、電気、石炭業の発送電スト、保安ストを規制するこの公約は立派に今果されようとしております。一方雇用量の拡大と実質賃金の向上を図るというこの公約は、どういう施策の中において具体化されておるかということを私は承わりたい。この前段の公約はどういう階級に対する公約であり、今立法化されんとする公約はどういう階層に対してあなたは忠実に履行されようとしておるのか。もう一方の公約であるところの雇用量の拡大と実質賃金の向上というものについてどう考えておられるのか。先般の労働委員会においては、全国の失業労働者の諸君が来て、そうして就労日数の増加と夏季手当の要求、こういうことを問題として事情を聞き、労働省にも労働委員会としての決議案を出しておりまするが、こういう面において一体どれだけの進歩的な施策をあなたがたはやつておられるのか。私はこの際長く申述べませんが、現在の吉田内閣のとらんとする労働施策の思想的な背景、この施策によつてどういう階層のためにプラスをし、マイナスをしておるかという点、この点が即ちスト規制法案の立法となり、このスト規制法案の中に流れるところの憲法違反に問われる精神、或いは思想的な矛盾と不統一があると私は考えるのであります。  先ず第一に、一体どういう立法の側においては施策を現実にあなたはこの国家予算の中においてとつて来られたかということを伺いたいと思います。(「議事進行」と呼ぶ者あり)  第二の関連として申上げたいことは、行政解釈によつて……、私の問わんとするのは重大な問題でありまするが、憲法によつて労働者の生存権の最も重大な権利として保障されておる争議権というものが、しかく簡単に行政解釈というようなものによつて拘束できるものであるかどうか。そういう思想というものは、私は旧憲法時代の思想ではなかろうか、旧憲法時代の憲法ではなかろうか、かように私は考えおるのであります。  更に第三の点といたしましては、炭鉱関係においては、民主的な労働組合の立場からするならば、保安要員の引揚等はないであろう、ないということであるからして、この際明確にしておきたい。これは我々として納得の行かない話であります。一度もそのようなことが行われておらない。恐らく先般常盤や九州、北海道、各労働委員の諸君が視察されましたが、この炭鉱の中に入つて炭鉱のあの地下労働の実際というものを経験し、見た者は、あの中に働く労働者諸君というものが職場を放棄する、こういうようなことは恐らく何人も捉われない気持で見るならば、考えられないと思うのであります。昨年の争議の実態も、行われておらない。問題は、炭鉱のストがなぜあのように長期化したかというところに、ここに未解決の問題が含まれておると思うのであります。そうような心配がないとするならば、こういう立案をせざることが、立法化せざることが、労使関係は飽くまでも話合いによつて良識と慣行によつてやつて行こうとしておられる小坂労働大臣のとるべき途ではなかろうかと考えるわけでありますが、再度御答弁を願いたいと思います。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) お答えいたします。第一点の雇用量の増大と実質賃金の充実ということについて選挙の結果どういう態度をとつておるかということでありますが、これはまあ申上げますと非常に長くなるのでありますが、要するに我々の自由党が政権を担当いたしまして以来の結果を御判定頂きまするならば、雇用量も増大し、実質賃金も増大いたしておるのでありますから、それについて一々はこの委員会において特に申上げることを控えさせて頂きたいと思います。予算を御覧になり、又我々の政策を御覧になつて頂きますならば、昭和二十四年以来特にそうしたものについて充実して来たという実情を御判断願いたいと思います。ただもつとなぜやらんかという御議論がありますが、これについてはやはり国際的にも日本の持つ諸条件が非常に終戦後困難になつて来ておりますから、そうした困難なる条件の下において、一歩々々これを開いて行くという努力を続けておる次第でございます。  それから第二点は、行政解釈としての立法は旧憲法の思想ではないかということでございますが、そうは思つておりません。行政解釈ではその通りでございますが、裁判所において捉われざる立場において公平な判定を下されるだろうと思つております。  第三点は、私は労使関係というものは円満な良識を持つて話合いをして頂きたい、こう思つておりますが、この法案はやはり現実の必要から、そうした虞れもありまするという現実の必要からいたしまして、これは違法でございますということを明確にしておくことによつて、そこに健全な労使間の慣行の確立に大いに資するところがあろう、こう考えておる次第でございます。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 関連して質問を一つ簡単にしたいと思いますが、社会通念の成熟と違法の関係でございますが、第二条の停電ストの問題であります。停電ストは、政府はこれまでこれは違法であると解釈されて来ておるのであります。それはその根拠は、これは社会通念が主としてこれは違法になつておると、私はそうじやないと思うのでありまするが、停電ストの違法なのは社会通念を少くともこれまでは関係なかつたと、かように了解しておるのでありますけれども、それでいいのかどうか。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) これは最高裁の判例中にも出て参りますのですが、争議行為は本来労務不提供が大体のやり方であるべきだという趣旨のことが出ております。従つて、スイッチ・オフのごときは、積極的にどこへ配電するかということの操作をいたしますので、一面には業務管理的な色彩もございますし、これは当然今の最高裁の考え方からいたしましても、違法であると、こう思つていいわけでございます。電源ストその他労務不提供でもやはり違法性が生ずるかどうか、この点はやはり公共の福祉との関連におきまして、強ち不提供ばかりと言うわけには行かないと、こういうふうに考えております。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 今の問題についてお尋ねするのですが、その前に、先ほどの労働大臣の答弁の中に選挙の話がございましたが、選挙の中に緑風会の名前が挙げられましたが、これは恐らく御失言だろうと思います。準与党と考えておられるかも知れませんが、恐らく緑風会のかたがた、これは会派なしに選挙をおやりになつておるのでありまして、スト規制法に賛成する、反対すると、こういうことで選挙をおやりになつたとは考えません。これは失言であろうと思う。昨日田村さんからもお話がありましたが、専門員から緑風会の政治的な態度に関連しての新聞記事について御訂正もございました。これは失言として取消さるべきであると考えます。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 私の知つておる緑風会のかたが言われたので、ついそう申しましたが、会派全体としての意見では或いはどうかと思いますので、取消します。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 それから先ほど問題になりましたのは、従来の政府の説明では、停電スト或いは電源スト等も違法であり、或いは保安要員の引揚も違法である、その当然の事実をここに法律として提案したのだと、こういう説明でございましたけれども、話が変つて、社会通念上非とする、或いは不当とすることが明らかになつたのでこの法案を提出する、こういうことで、今の中西労政局長からは若干話が変りましたけれども、労働大臣の朝来の説明では、私どもの質問に答えては、違法或いは法律違反ということに関連なしに当不当ということで言われております。そこを一番問題にしておるわけです。なお先ほどスト至上主義をとることはやめてもらいたい、これは労使が自主的に相談をして問題を片付けて行く慣行を確立してもらいたい、なおこの法律ができずに、行政解釈としてはこれらのスト行為を違法と考えるが、それらの点については判例に待ちたい、こういうお話でございました。これは全く労働大臣の大臣としての考えだと思うのでありますが、それは行政的なお考え方だと思うのです。行政解釈云々という点から言いますならば、それは行政法の話であります。そのお考えを実際にやりたいというならば、行政の運営でおやりになればよろしいので、法律を制定する必要はございません。私どもはこの法律が違憲であるとか、或いは従来の法律に関連して云云という法律問題をここにやつておるのです。社会通念、その社会通念も公述人等も挙げられましたけれども、公述人等については、私どもが直接聞きました公述人の中にも反対もございます。或いはこの参議院で聞きました公述人についても、或いは一名ぐらいだつたかも知れませんけれども、反対のほうが多かつたと思う。社会通念はこれは私ども法を作ります基礎にはならんと思います。或いは判例が積み重ねられて判例法になるということも考えられます。或いは判例その他を以て法律が確定をしたから、この法律を作るというのならばわかるのでありますが、今までのこの電産のスト行為について、或いは保安要員の引揚について、それは違法ではなかつた、併し社会通念、労働大臣が考えられる社会通念から考えるならば、それは不当である、そういう社会通念が成熟をしたから云々ということであるならば、それは法律を作られる根拠にはなりませんということを申上げておる。で重ねてもう一度お尋ねをしたいのでありますが、政府声明等も引かれましたけれども、政府声明等には、労調法三十六条を待つまでもなく、違法な行為と、こう書いてあります。政府の声明の当不当は従来争つて参りました。争つて参りましたが、朝来の御説明では、こういう違法とかいう問題ではなくして、当不当の問題、こういう御答弁があつて参りました。それからなお法案を出して来られます理由は、提案理由の説明にございますけれども、或いはストの態様、或いはストの責任、或いはストの影響、こういうものは抜きにして、ひたすら電産の電源スト、或いは停電ストの行為の当不当、或いは保安要員の引揚の当不当という問題を理由にして、この法律を作られるというならば、提案理由の説明も完全に朝来の大臣の答弁とは違つておる。或いは政府の今までの公式の説明とは全く違つておる。違つておると確認してよろしいかどうか。先ほどはよろしいような御答弁でございましたが、改めて一つ伺いたい。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 政府の答弁は一貫しておりまして、(「しておらん」と呼ぶ者あり)全然変つておりません。そこで違法ということと不幸ということのお話がございましたが、労働法上は違法と不当の差というものは殆んどないのでございます。この法律が明確化しておりますことについて、違反すれば違法ということになります。なお、裁判所の判例を積上げて、そしてこういう判例があるから法律に取入れるということにしたらいいじやないかというお話がございましたが、私はこういう考え方はまじめな勤労者を法廷に立たせる、その結果法律を作るという考え方は、むしろ私どもはとらざるところでありまして、本来不当なものであるならば、この法律を明定化して、そしてそれに背かざるようにしておくほうが親切であろうと、こう思うのであります。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 判例の点については奇怪至極なお話を承わると思うのでありますけれども、戦後権威主義的に、或いは行政機関を中心に法律を作るということはやめて、法律は国会において作るのであります。民主主義の原則を新憲法によつて打立てたのであります。従つて法を運用します場合においても、或いは法体系を積立てて参ります場合にも、判例の意義というものは極めて重要だと思うのであります。或いは英米等においてはコンモン・ローの考え方でございますけれども、これは判例を積立てて行くという態度、或いは個々の問題について立法をして行くというこれは体系でございますが、私の承知しておる限りでは、日本は新憲法の下において、この民主主義的な法を作つて行く、或いは法体系を積上げて行くという決意をして参つたと思うのであります。それを、労働大臣は極めて安易に規定をされますことは、極めて奇怪至極だと思うのであります。なおその点について一応お考えを承わりたいと思います。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) この法律案におきましては、しばしば申上げておるように、不明瞭なものを明確化する。不明瞭なものであるために、不明瞭なものをそれは正当と解釈すべきだというふうに、見解の相違が一部においてなされるために、法を犯し、そのために法廷に立つというようなこと労働者諸君に求めることは、決して私は親切なゆえんでない、こういう考え方を持つております。この私の考え方につきましては、衆議院においても確認せられておりまして、或る会派の人は、賛成討論の中にもその意見を織り込んで賛成をしておられたような次第であります。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 今尋ねましたのは、慣例法という問題について、労働者を法廷に立てたくないというお話でありましたが、慣例法という面について、労働大臣はどう考えておられるかということを聞いたのであります。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 最高裁において、行政解釈をした場合にも、最終的にはきめるのであります。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 きめるという事実は間違いはございません。そんなことを言つておるのじやありません。労働者を法廷に立たせるに忍びぬという表現があつて、日本の民主主義のイロハについて御存じないような御発言がありましたから、慣例というものを大臣はどういう工合に考えておられるかということを聞いたのです。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 最高裁において最終的な判例を下すわけであります。(「そんなことは聞いてないよ」「慣例法をどう考えるかということを聞いておるのだよ」と呼ぶ者あり)

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 只今の答弁では、判例に関する解釈というものは、これはもう常識ですから、やめておきましよう。ただ勉強が足りない。横で中西労政局長が説明しているようですが、判例と慣例法、それから行政府と国会、それから裁判所の関係は、一つ追つてよく御勉強願いたいと思います。問題はこの法案に、それから当不当という言葉に関連いたします政府の提案理由の説明でありますが、先ほど中西労政局長も大臣の答弁を補佐して、判決においてスイッチ・オフが違法でないとう判決があつたということをお認めになつた。もう一度念のために申上げますけれども、昭和二十六年の川崎市において起りました電産争議に関連いたします問題について、横浜地裁、東京高裁の判決等は、恐らく労働大臣は御存じだろうと思うのでありますが、これにおいては必ずしもスイッチ・オフは違法ならずとして、その分会において、これは川崎市柳町川崎変電所配電盤室に至つて、そこの分会員が本部の指令を聞かなかつたので、上部団体の組合員が行つてスイッチ・オフをやつたというような事件でございます。それについて違法でないという判決が起つておるということは御承知であろうと思うのでありますが、そこに従来の日本の判例なり、或いは法規の運営についてはスイッチ・オフ必ずしも違法ではない、或いは電源スト、その他電産の労務不提供というものは、これは違法でないというような判決のほうが、或いは法解釈のほうが強かつたことは、これは事実であると思うのでありますが、それを社会通念……、どの程度の社会通念か知りませんが、自由党の社会通念としてはそれは不当である、こういうことになつたからこの法律を出すのだ、こういうお話であります。そういう常識上の当不当を問題にしてこの法律を作るということであるならば、この法律提案の基礎は完全に崩れてしまう。法律関係を私どもは論じておる、そして政府は電産の電源スト、或いは停電ストが違法である、或いは保安要員引揚が違法であるという理由の下に作られたこの法案だから、私もそれについて審議を進めて参りたい、或いは具体的に例を挙げて審議して参りたいと考えておつたところが、朝来、違法であるのでなくて、不当であるということを理由にして、この法案を出しておる、こういうことで問題にしておるのであります。今労働法上不当ということと、違法であるということとは同じであるというお言葉がありましたけれども、併し常識的な当不当ということは問題ではございません。労働法においても不法ということと、或いは違法ということは、その限界が今まで問題になつて争つて参りました。これは常識上の当不当の問題を超えた大きな問題であります。常識論はやめてもらいたい。例えばそれは労働大臣が経済を学ばれたとしても、労働大臣として提案理由の説明をされ、或いは質問に答えて頂くならば、労働法上のことも説明を頂きたい。労働大臣、労働大臣、足りなかつたら政府委員に補つてもらいたい。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 中西政府委員から答弁させます。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 当不当、これは法律解釈といたしまして、不当というのは正当でないということで、結局違法性を阻去しないものであります。こういう我々は意味に存じております。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 じや重ねて伺いますけれども、今まで不当であるとか何とかいうことで問題を処理して参りましたか、裁判所に参りましたならば、法の解釈を裁判所に求めますならば、不当とかいうような言葉は使いやしません。政府だつてこの前の政府声明の山では、不当とか何とかいうことは書いてない。違法だ、法律概念として不当、今大臣が言われるように社会常識から或いはそれは少数の社会常識かも知れませんが、当不当というようなことを以て裁判するというようなことは、どこの裁判所に行つたつてありやしない。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 労組法一条二項では違法性阻却の場合が書いてございますが、正当な行為については阻却する。従つてこの正当か、正当でないかということによつて、やはり裁判所におきましても裁判をいたしたい、かように考えます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 それでは根本的なこの従来の電源スト、或いは停電ストについて、当不当ということは先ほど六日から説明がありましたけれども、それが必ずしも従来違法と考えられたわけではない、或いは保安要員の引揚が違法であると考えられたわけではない、こういう先ほど来の説明は、その通りにやはり中西労政局長も認められるわけですか。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 先ほど大臣が場合を分けて御説明になりまして、三条の関係の保安要員の引揚は、これはもう曾つてのその指令が出ました、準備指令が出ましたときの政府声明にもございますように、法を待つまでもなく労組法第一条二項にいう正当なものじやないと、こうはつきり従来も解釈しておつたのであります。ただ問題は一二条の、今の電源の職場放棄、これにつきましては明確でなく、そこで今回こうなつた、こういう関係でございます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 それでは、昨年準備指令の出ました保安要員の引揚について、それはこの法律を待つまでもなく違法であつた、或いは中西労政局長の言葉を以つてするならば、労組法上、或いは労調法関係を含めてですが、不法であつた。或いは違法であつた。こういう事実がどこかの判例等にございましたら一つ示して頂きたいと思います。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 従来、今の溢水その他の関係では、判例がやはりございます。それで、これは当時そういう判例もございますし、当然の法律通念といたしまして、人の危害に関係のあるものは労調法三十六条、それ以外にこの本法案三条所定の事項につきましては、一条二項ということで正当ならざるものと、こういう解釈がされるのであります。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 私は昨年の事例につきまして判決があつたらお示しを頂きたいと言つたのですが、溢水についての判例があるということですが、溢水についての判例を頂きたいのでありますが、私は争議の結果、溢水があつて、そして、それが法上の責任を問われたということの例を知らんのでありますが、不敏にして恐らくなかろうと思いますから、判例をお示しして頂きたいと思います。それから鉱山保安法の保安要員の引揚の全部について、恐らくそれが違法であると、こういう御解釈であろうと思うのでありますが、それの具体的な事例と、それから有権的な判決、その他解釈を資料にして、具体的に出して頂きたいと思います。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 保安要員全部の引揚は問題にならんのでありまして、この法案の三条によりましても、保安要員の業務にして、ここに列挙してありますようなものをやつてはいけない、こういう趣旨であります。なお判例はございますので、あとでお見せいたしたいと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) ちよつと私関連して質問しますが、実は先ほど話を聞いておつて、私個人が非常に奇怪に感ずることは、いわゆる労務提供拒否の電源関係のストが違法であるかどうかということは不明確であり、行政的には非常に違法であるという匂いが強いように思つていたのですが、そのことは最終的には裁判所の決定に待たなければならない、こういうことを言われましたね。これはやはり行政府が私は司法権を非常に尊重しておられることであろうと思う。で敬意を表しますが、そういうことでありながら、裁判所のほうにおいては、労務提供拒否の去年までやつたことは、特別の威力業務妨害のことを除いて全部同様であると、こういう工合に裁判の判例ができておるのに、そういうことになつておるのに、なお且つ不明確である、違法であるということは、裁判をちつとも尊重されないことになるので、それは非常に自家撞著じやございませんか。その点を大臣から明らかにして頂きたいと思います。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 労政局長にお答えをいたさせます。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 下級の裁判の判例はございますが、まだ最終的な権威のあります最高裁の判決がないのでありまして、従つて最高裁の判例を待つて我々としても考えたいと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) そうしますと、このスト規制法案というものは、今多数の事件が一審、二審で審議されておるのですね。最高裁の決定が明らかになつてから態度をおきめになることのほうが、これは行政府が裁判所を尊重される途じやないかと私は考えるのですが、その点は如何ですか。これは労働大臣に伺いたい。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 関連しますから私から……。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 大臣に伺いたいのです。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 労政局長から……。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 大臣に伺いたい。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 労政局長が答弁をしたがつているから……。(「大臣の答弁を聞こうと言つているじやないか」と呼ぶ者あり)

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 実は下級審の判例も、昨年の争議以後の判例は出ておりません。この社会通念による結局判断になるわけでありますが、やはり裁判所の判定もそのときそれの社会通念によつて変つて参るだろうと思うのです。従つて裁判所としては、恐らく今後の関係におきましては、裁判所も或いはその判断について含まつた見解を持つ可能性もあるのじやないかというふうに考えております。で、これは検務局あたりからも正確にはお話を聞いて頂きたいと思うのでありますが、刑罰の法規は成るべく罪人を作らないというので、解釈としては成るべく軽きに従う。疑わしきは軽きに従うというのが刑罰法規の原則であります。従つて従来とも社会通念上の非とは考えつつもはつきりしなかつたという点につきましては、やはり消極的な解釈がとられがちで、これは当然の裁判所の態度だと思います。従つて今後どういうふうになりますか、これは又別の問題で、我々とましては社会通念が昨年以来相当に変つて来、これを違法とするにまで成熟しておるというふうに考えております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 裁判も情勢で変わるとおつしやいましたが、それはそうだと思います。だからこそこの法律が通れば裁判所はもうはつきりするわけだ。そういうことを行政府がおやりになることが、日本の法律の解釈の建前を尊重して、特に労働法を尊重して行かれるゆえんであるかどうかと私は伺つておるわけなんです。その点はいずれ法務省のほうの大臣がお見えになりますから、これは労働省だけ伺つておつても、先ほど来もうこれ以上進行しないと思うのです。この問題はやはり法務省のほうの脚見を伺わなければ、労働省の意見はもうこれで出尽しているから、法務省に伺いたい。  そこでもう一つ伺いたいことは、それほど固い信念をお持ちになつておつたとするならば、これは一つの発電所がとまつてもいけないという非常に堅苦しいものなのですが、法律案を見ますと、そういうことになつておりますが、そういうことであるとするならば、昨年のストライキ、或いはその前のストライキにおいて行政府として法律解釈をして世の中に発表になつたことがございますか。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) スイッチ・オフにつきましてはこれはもう今までも……。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) それは知つております。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) それから炭鉱関係につきましては、これはもう……。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) それもわかつております。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) そこで電源関係でございますが、この点につきましては、結局従来とも違法であるという感じは持つておりましたが、社会通念もございましたけれども、結局去年のあの経験でこれがはつきりして来た、こういう感じであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 私はそのことを伺つているのじやない。少くともああいうことを労働省がおやりになつたわけですから、昨年のストが直接の動因であることは御説明を聞いて承知をいたしております。従つてそういう工合になるならば、昨年のあの争議は九月から始つて漸次ずつと長期間に五つたわけでありますが、その全期間において……、社会情勢、社会通念でこの法律を作つたという御説明をしばしばなされたものですから、私は伺つておるわけですが、労働省としてはこの法律の現行法の行政的な解釈というものを公にせられ、もつと具体的に申しますならば、炭労なり、電産なり、或いは電気事業者におつしやつたことがございますかどうかということを伺つておる。なぜ私がそれを申上げるかというと、電気事業者は、管下の従業員に当時まだ争議が解決する前に指令を出しております。私はそれを読んでおります。その指令には決して停電ストが違法であるとは言つておりません。とういう重要な大きな電気をとめることは不当であるというようなことを従業員に告げるという書面を以て交付したことは知つております。従つて労働省のようなこういう厳しい解決を電気事業者もしていないのを私は去年の争議を通じて知つておるわけであります。従つて若しこういう重要なことをおやりになるならば、子供を叱るにいたしましても、やつぱり一遍は頭をなでて、こういうことをやつちやいかんぞと言うのが社会常識なんです。一遍くらいはそういう警告めいた、いわゆる今まで行政解釈というものをなさつたことがあるかどうかということを伺いたい。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 昨年のあの長期に亘る最中におきましては、特段に申しておりません。ただ併し幾たびか争議解決によつて早期にストをやめるようにという警告を、勧告はいたしております。あの当初と終りのほうでは相当やはり感覚が違つて来ております。併しその最中に特段のことをいたしますことは、却つて争議解決に支障がありますので、特別に立法措置その他というようなことはあの最中には考えられなかつたことは御了承頂けると思います。そこでその後電産の争議はございませんでしたが、最近になりまして又……。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) まあそれはよろしうございます。そのことを聞いているのじやない。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) それに対して我々のほうとしましては警告を発しております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) そのことはいいです。去年の争議の解決までのことを言つているので、解決までは、争議の邪魔になることがあるといけないから出さなかつたとこうおつしやつておるのですが、炭労にはお出しになつておるようですね。警告を。そうすると電産の労働者のほうはどうしてお出しにならなかつたのですか。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 炭労のほうははつきりしておりまして、従来とも行われておつたことに対して、又行えば違法であるというはつきりしておつた事例に対して出したわけであります。これに対して電気のほうはとにかく昭和二十一年から相当毎回電源ストが行われておつたことはこれは事実でございます。従つてそこに結局社会通念上も明らかに違法であるとするのは不明確であつたのであります。従つてそういう関係で当時はスト最中でもございますし、そこまでの措置がとられなかつたということでございます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) そうしますと、私は炭労は違法であるということははつきりしておつたから警告を出されたと言うけれども、はつきりしておれば警告を出す必要がない。不明確だからこそ警告を出される必要がある。これ以上論議しても委員長が余り時間をとつてもいけないからやめますが、とにかく突然変異であるということははつきりしたわけですね。これは労働大臣に伺いたいのですが、突然変異であるかどうか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 電産の場合は御承知のように公共事業令が一時失効しております。今労政局長が答弁しておつたような事情もありまして出て行なかつた。組合は特にその趣旨のことを出さなかつた事情はあります。併し突然変異であるかどうか、突然変異というのは、原因が不明で、急に変ることが突然変異という定義になつておると思いますが、あの争議の経験を通じまして、国民の社会通念が一歩一歩成熟して突然でなくして進化論的に(笑声)進化して行つた、成熟した、こういうふうに思います。(「名答弁」と呼ぶ者あり)

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 私は、その今原因不明だと言いますけれども、法律的に申上げているのです。決して進化論をやつているわじやないのです。法律を作る動機が突然変異じやないかと言つているのです。法律的に申上げているのです。そこで突然変異というものは原因不明なものだとおつしやいましたが、今伺つておることがどうも原因が不明だから私は先ほどから何回も尋ねておるわけなんです。まあいずれ又法務省のほうからおいでになれば、この点を明らかにしますから、この辺でよろしうございます。

宮澤喜一自由党

○宮澤喜一君 この法案をめぐりまして、賛否の対立が激しい意味から、言葉尻を捉えるのではなくて、先ほどの一委員の発言について述べさして頂きますが、私の聞違いでなければ、先ほど選挙というものはいろいろ利害関係がございますので、錯綜いたしておりますので、世論の正確に反映したものではない、こういう意味での発言があつたように聞き違いでなければ承知をいたします。そこで、そういたしますと、この論理的な帰結というものは、私は選挙の結果こういうような所で小坂労相のほうにお聞きしているのですが、私どもは世論の正確な反映によつてここに出て来たわけです。そういう論理的な帰結について、正確であるか正確でないか、それを誰が判断するか存じませんが、(「社会通念」と呼ぶ者あり、笑声)恐らく御発言になつた委員がそういう御判断をなすつたんだろう。そういたしますと、世論によつて選挙が行われるんだ、それを正確であり得ないということは、我々が世論の正確な反映として、それを足場にして立つているということを否定するのみならず、自分の判断を以て世論の判断より高しとする結果になりはせんか。これは言葉尻を捉える意味じやございませんので、この法案をめぐつていろいろな意味で社会の勢力の問題であるとか、階級の問題であるとか言われておりますので、若しそういう考え方がありますと、これは侮辱という言葉を申上げれば個人的な攻撃に亘りますので、そうは申上げませんが、同僚議員からそういう御発言のあつたことを少くとも私は意外といたします。  それからその次に、世論というものは、小坂労働大臣はたしか自然に盛り上つて来るものというような表現をお使いになりましたが、その委員の御発言によりますと、作られたものだそうでありまして、その委員がこの法律に御反対でありますか御賛成でありますかは別といたしまして、少くとも私ども委員の心構えといたしましては、私は少くとも盛り上つた多数の世論に従つて議員というものは行動すべきである。それに反しましてこの委員は、作られた多数の世論によつて行動なさる。そういうふうに私は理論的な帰結として伺います。若し伺い違いであるか、或いは御釈明があればと思つてあえて申上げておきます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 そこで、委員の御発言について違つた意見がおありのようであります。私どもは憲法の精神に従つて世論とそれから私どもの地位というものを判断したいと思うのであります。ここで御議論になることは御任意だと思いますけれども、与党の委員が議事進行に名を借りて時間を稼がられることは御自由でございますが、(笑声)私としては大変遺憾に思います。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 時間の関係が非常に切迫しておるのでありますが、まま関連質問がその関連の範囲を出るのじやないかという懸念を抱くわけであります。一つ委員長におかれましては、関連質問の範囲内での御発言にお願いいたします。(「賛成」と呼ぶ者あり)

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 只今の梶原委員の議事運営についての御要望は御尤もだと考えます。ただ関連質問の中で問題外に亘る……問題外には勿論亘つておりませんけれども、その関連の事項外に亘る場合もあるかも知れません。これは問題の重要性の然らしむるところであると共に、私はむしろ政府側の答弁が当を得ない、しよつちゆうぐらぐらして問題の種を蒔いている。こういうところに原因があるので、政府当局の答弁というものは常に明確な方針を打出して頂かなければ必要以上の時間を要する。こういうことになつて参ろうと考えております。これは与党の議員諸君も大いに議論することがあつたらおやりになつて、そうして意見を闘わしたほうが法案の審議のために望まじいことを付加えて申上げておきます。(笑声)

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 只今の宮澤委員の御発言は、恐らく私の発言に関することだと思うので、私から一言申上げたいと思います。私は、世論や社会通念という言葉が非常に不用意に使われているということの引例としてお話申上げている。世論が作られたものか、或いは自然発生的なものかというような議論をすることになりますと、私は私としての考えがあるわけであります。私は何もその議論をここで蒸し返すわけではありませんが、プライスのモダン・デモクラシースを御覧になりましても、世論というものがどういう性格を持ち、そうしてどういう過程においてそれがいわゆる盛り上つて行くものであるかというようなことは、私十分承知しているつもりであります。而も日本の場合のように、極めて民主主義的な慣行の浅い社会においては、そういう自然発生的な世論というものは起りようがないのであります。単に電気が停められれば生活にとつて不便であるというようなことが、如何にもそれが全国民の世論であるかのごとくに政府のほうではとられている。そういう点において、私は政府に対して実は反省を促すという意味でお話を申上げた。  それからもう一点は、例えば自由党は必ずしも世論の全面的な支持を得ていないということを発言したのでありますが、日本の選挙制度は成るほど民主的な制度には形式上なつております。併し実際問題として選挙違反等に見てもわかる通りに、正確に投票が世論を反映して行われているとは私は思わない。勿論全部がそうだとは思いません。決して買収をやつて当選したなどと私ども思つておりません。又ここにおいでになつている委員の諸君がそうだとも申上げているのではありません。併し選挙違反等の事実に見ましても、正確な世論がむしろゆがめられてあのような投票の結果になつているのじやないかというようなことも考えている。私は必ずしも十全な世論の反映が今日投票の上に現れて来るとは申上げることができない、こういうことを申したのであります。ちよつと一言申添えておきま。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 先ほど労働大臣の答弁の代りに中西労政局長が、労働大臣の使われます社会通念或いは社会常識というものと、それから裁判所がだんだん社会通念に従つて社会常識に従つて裁判をするだろう、こういう御発言があつたように伺つた。私はこの発言は極めて重大だと思うのです。そこで労働大臣に政府を代表して御答弁を願いたいと思うのであります。電産の電源スト或いは停電スト、或いは炭鉱の保安要員を引揚げるということは非であるという通念は、私は今の行政府の社会通念だと思うのであります。少くとも先ほどより表明されて参りましたのは、行政府の考え方だと思つております。裁判所が行政府の意向に従つて裁判をするだろうという若し御意図があるとするならば、これは極めて重大な問題だと思う。私は先ほど民主主義のABC点について御勉強を願いたいということを申上げたのです。社会通念或いは社会常識、一部の社会常識に従つて日本の裁判をやつて参りますならば、私は日本の裁判制度というものは壊れてしまうと思います。法律に従わなければ罰しない罪刑法定主義は民主主義の下において厳然と確立さるべきものであります。或いはそれが行政法に違反するものであろうとも、法律によつて、国民の総意によつて国会がきめたものでなければ裁判をしないというのが、これは民主主義法制下の裁判所の任務であります。法律によらず単なる常識によつて裁利が或いは一部の常識によつて裁判が行われますならば、これは民主主義が壊れてしまう。私は裁判所の権威というものを壊すつもりなのかどうか、或いは行政府とそれから裁判所との関係について政府はどのように考えておられるのか、先ほどの中西労政局長の発言は大臣の代りにされた発言で、その内容を大臣は認められたのでありますが、改めてABCでありますものを伺いたい。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 先ほどの中西政府委員の答弁はそういうことは申しておらないと思います。(「そういう意向がある」と呼ぶ者あり)社会通念というのは、私どもの言う社会通念は、社会全般におけるいわゆる社会通念であります。行政府の解釈ではない裁判所が、この社会通念が変わればいろいろそれによつて影響されるというのは、決して行政府を意味しているのではございません。行政府の考えているのは何ら裁判所を司法府を拘束するという意味では考えておりません。司法府としましては、司法権の確立の建前から独自の判断において裁判をせられることであろうと考えております。そうあるべきものと解釈しております。  なお先ほど非常に御造詣の深い米英仏の場合を伺つたのでございますが、やはり国情と申しますか、国の発達の過程或いは歴史的な与えられた諸条件等によりまして、法律の扱い方というものもその発達の歴史によつてそれぞれ違うのであると思います。コンモン・ローの考え方というものも尊重いたしておりまするけれども、今我が国において直ちにアメリカでどうである、或いはイギリスでどうであるということをそのままに解釈して行くということは、私はやはり我が国は我が国の歴史的な建前がある、こう思つておるわけおります。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 アメリカはアメリカの歴史に従つて或いは裁判を行う、或いは法律秩序が打立てられる。或いはイギリスも然りであります。そういうことを申上げておるのではありません。ただ日本の実際として一裁判権の独立、これが憲法に従い、或いは法律に従つて民主主義的に厳格に行われなければならんと思うのでありますが、実際には裁判所或いは裁判官等も行政的に非常に動かされようとしておる、この問題であります。実際に考えまして、被判所或いは裁判官の身分上の地位等を通じて行政権に脅やかされようとしておるというのが現実であります。従つて私は裁判所に対しても行政府が、或いは政府がさしでがましい意見を述べてはならん、恐らくはそういうつもりではなかつたかも知らんと思うのでありますけれども、私は不用意な発言の中に吉田政府のそういう方向と、それから意図とが出たのではないかということを心配して発言をいたしたのであります。それからもう一つは例えば労働法関係についても今まで打立てられて参りました或いは労組法、或いは労調法、その他これは労働組合法から労調法の間には若干の開きもございます。特に労調法の昨年の改正のごときは最初打立てられた民主的な労働組合の運動を打立て、守つて行く法律からは若干の後退があつたかと思うのでありますが、それを厳密に解釈しよう、或いは守つて行こうというのではなくして、一部の社会通念を以て、或いは行政府の考えを以て法を曲げて行こう、或いは労働組合の活動を制限して行こうという法律がここに出された。而もそういう方向で行政府の意向に従つて法律を作り、或いは裁判をさせて行こうとするならば、これは由々しき問題であります。この法律の中にその精神が出ている。私は不用意になされた労政局長の言葉でありますけれども、政府のお考えが、或いは態度が現われていると考えられたから申上げたのであります。その点についての明確に一つ政府の方針を述べて頂きたい。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 吉田委員の政府の考え方、或いは中西労政局長の答弁に対しての御意見は徹頭徹尾誤解であります。政府はそういうことは毛頭考えておりません。裁判所がその構成職員の身分関係を通じて行政府から掣肘をされておるというお考えが若しあるとするならば、これは由々しき問題だと思いますけれども、私は日本におきましては、裁判所というものは誠に公平に、他のいずれからも拘束されずに独自の見解において国民のための裁判を行なつておると考えております。これに対して政府が仮にも裁判所の権限を侵すなどということは毛頭考えておりません。その点はつきり申上げておきます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) それでは休憩いたします。    午後一時五十九分休憩      ————◇—————    午後五時三分開会

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 休憩前に引続き会議を開きます。  ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) それでは速記を始めて下さい。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 延長いたしました午前中の続きの段階で、労働大臣からこの法案の中に入つておるような争議行為については不当であるというような社会通念が成熟したとき、こういうお話でございましたが、その社会通念の具体的な社会的な根拠と申しますか、選挙のお話等もございましたけれども、私どもが頂きました表というものは、これはスト規制法賛成の表であつたとは思つておらんのです。社会通念とは、具体的に何を意味するかということをお尋ねしたいと思うのであります。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) いろいろな考え方がございまするが、そうした考え方が全体を通して、社会一般の考え方を通して、一般的に妥当なりと認識せられているものがある。それを通念と考えているわけでございます。で、選挙の話が出ましたけれども、全体を通じまして、吉田さんの場合はそうでございますが、それによつてこういう争議行為については不当であるというふうに考える考え方のほうが、全体として多いこういうことを申上げたのであります。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 選挙の話もいたしましたがということでありまするが、それを除いて、ほかにそういう考え方が多いというのを御証明を頂きたいと思います。どういう数字、或いは世論調査をされているのか知りませんが、どういうことからそういうことを言われますのか、科学的に、或いは大臣のお好きな統計等からでも御証明が頂けますれば納得いたしますが、もう少し具体的に教えて頂きたいと思います。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) この二月に行われました公聴会等の結果を見ましても、消費者代表全部賛成であつた、そういう点も参考になるのではないかと思います。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 公聴会というお話でありますが、二月の公聴会というものはどれであつたかわかりませんが、どれをお指しになつたのか記憶いたしませんが、衆議院の公聴会等においては反対が多かつたと聞いております。特に労働法学者の意見は反対が多かつたと聞いております。或いはこの参議院の場合には与党、野党両方から御推薦をいたしましたので、初めから大体半々ということでありましたが、それにしても私は一名程度は反対のほうが多かつたかと思うのであります。更に一つ、それだけの御答弁では私ども納得ができかねます。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) まあ一般的に見ますると、両院の選挙等を通じてその結果を判断するということが社会通念というものが如何な形において現われているかということを判断をする資料になると思いますし、それから今申上げたように、公聴会におきまする消費者の考え方というようなものも非常に参考になると思うのでありますが、具体的なことについては政府委員からお答え申上げます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 政府委員の答弁要りません。午前中からの答弁を聞いておりましても大臣の言われる世論というものは、或いは是とする社会通念というのは、自由党の御意見だと、選挙によつて支持をされた自由党の御意見だと、かように考えるほかないのでありますが、そう解釈していいかどうか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 午前中にも申上げましたように、選挙の結果を判断しまする場合、自由党に対する意見もありますし、即ち自由党はこういうものは規制すべきであるということに対する賛成意見もありますし、改進党についてもありますし、その他の候補者についてもそういうことを言われたかたも非常にある言ういうものを総合して判定するということであろうと、こういうことを申しましたので、その他いろいろな陳情等も来ておりますし、そういうものによつて判断するのでありまして、決して自由党の意見即ち社会通念だとは申しておりません。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 一番最後のところちよつと聞き落としたのですが、選挙に現れた自由党なりその他この法案に賛成をする票は、おおむねこの法案の内容であるスト行為を非とする意見である。こういう点は私はおおむね了承するのであります。そうしますと、やはり自由党を中心にした或いはこれを支持する者の意見が社会通念である、或いは世論であるということであるならば了承いたします。というのは、今陳情書のことを申されましたが、私どもに参りますところの陳情書は大部分反対の意見でございます。これを当とするものはございません。その点もこれはお認め頂けると思いますが、さように了承してよろしうございますか、わかりましたか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 私が先ほど申上げましたのは、自由党の考え方に同調する人もあり、その他の改進党において主張せられる考え方にも同調する人もあり、その他いろいろあるけれども、概括的にこれを見まして、こうした規制をなすべしという考え方のほうが全般的に圧倒的に多いということを申上げましたので、自由党の考え方即ち社会通念であるということはない、こういうことを申上げたのであります。即ち個々にそうしたものを規制すべからずという反対意見も勿論あるのであります。それは認めているのでありまして、併しそういうものを比較勘案いたしまして、こうした争議は規制すべしという考え方のほうが非常に多いのであります。これを社会的な通念の成熟と見ることができる根拠があると、こういうことであります。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 午前中の言葉の中に今のお話のような、反対をしておる者も相当あるというお話ではなくて、公聴会で電力協会の代表として来られました飯田さんが、八千万国民が賛成をしている、こう言われたような、殆んど大部分の国民が賛成をしているかのごとき言葉もございました。それは御訂正になつたのであります。今も賛成をしている者は遥かに多いと、こういうお話でございましたけれども、或いはどの点について言われているか知りませんけれども、少くとも日本の労働組合に組織されている労働者、その他の労働者が殆んど全部反対をしているという事実も御否定にはならんと思うのであります。或いは私どもが資料を頂きました学識経験者なり、或いはインテリその他消費者の中にも、この間石垣綾子さんを初め、これは消費者でありますけれども、この法案に反対し、或いは法案の内容を成しております停電スト、或いは電源スト等について、それは望ましいことではないけれども、生活を守るために、それ以外には方法がなかつたとするならば、それは一概には否定するわけには参らない、こういう御意見等もございました。消費者が全部すべて賛成であるということは、これは間違いだということは大臣もお認めになると思うのであります。今反対をする者もあるけれども、極めて大きな部分は賛成である、或いは消費者の殆んどすべてが賛成のようなお話がございましたが、それは御訂正になられると思う、如何でございましようか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 一人残らずこうした法案を出すべしと言つているという世論があるとは申しておりません。こうしたものは圧倒的にかかる矩を越えた争議手段というものは規制すべきであるという意見が多いので、社会通念は成熟しているという判定をする根拠があると、こう申したのであります。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 今の社会通念と公共の福祉という、この公共の福祉についての社会通念、こうなつていることが問題点だと思つております。それで単にイエスか、ノーか、それは電気のとまらないほうがいいと言つている、それはよろしい。ストライキは法律によつてとめよう。それは社会通念が成熟しているということで国会の論議の際には言われることとしますと、すべての問題にこれを類推しようとは思わないが、税金にしたつて、電気料金にしたつて、或いは繊維品その他石炭の値段でも同じで、高いのと安いのとどちらがいいか、それは安いほうがいいということで処理して行くことはできない。社会全体の均衡、調和というものがみずからの品からも言われていることでありますから、そこで私は具体的に二つのことをお尋ねして社会通念を如何に考えておいでになるかを確めて見たいと思います。その第一は憲法十二条に言う一般公共の福祉、これと憲法二十八条乃至二十九条に言う基本的権利、この二つの問題について、言い換えれば公共の福祉と罷業権、財産権、殊にこの場合は罷業権、これがどちらが重要なのか、公共の福祉が上なのか、或いは罷業権、これが上なのかどうなのか、この点について一つはつきりとお答え願いたいのが第一点であります。  それから第二の点は、先ほど申上げた通り、単なる声とか、素朴なものもあろうし、又特に作為的に作られたものも相当あると思います。これは立証するものを持つております。従つてもろもろの意見を、又国家全体の法律を作る場合は、社会全体の立場からどうあるべきかということは、やはり憲法にもこれを照らし、そしてきめなければならないと思うのです。ところが今日本で公共の福祉、そして罷業権という基本権、この関連においても、例えば東大の憲法研究会の結論というのは、これは憲法十二条は、これは精神規定である。やはり基本権が今度のごとくこのように簡単に抑圧剥奪されてはならないのだ。これが東大の憲法研究会の結論だというふうに私は東大の教授のかたから聞きましたし、公式な席上でも先般言われたと思うのです。この考え方について政府のとつているのは、憲法十二条というのはさようなものではない。第一の問題と関連いたしまして、どういう兼ね合いになついるものか、労働大臣からお答え願いたいと思います。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 公共の福祉と罷業権というのはいずれが優先するかというお話がありますが、上下の差は付けられない。この間に調和が求めらるべきものである。こう考えております。  それから憲法二十八条の問題は、しばしば御答弁ししておりますように、私どもの見解は十二条、十三条、基本的な人権というものは公共の福祉のために用いられなければならんし、或いは又侵してはならない、こういう考え方が前提となつて作られておるもの、当然これは予想して作られておるものだ、こういうふうに思つております。東大の石井教授でしたか、公述された見解とは私どもの見解は異なります。なお世論というものが特に作られるということには考えておりませんで、先ほども申上げましたように世論が作られて、ゆがめられた形でなされるのだという見解じやなくて、私ども自然的な形で発生するものが世論である。こういう見解を世論については持つております。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 関連して、そういたしますと十二条、二十八条、二十九条、これはやはり上下の関係ではない。あくまでも同一の位置にあつて、その調和を求めるのだ。こう言われたと思うのですが、間違いありませんか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 表現の方法は違いますが、要するに十二条、十三条というものを予想して二十八条が作られておる。即ち公共の福祉と罷業権というものは上下の関係はない。その間の調和が求められるべきものであろう、こう思うのであります。上下の関係にないと言われるので、私はうえしたの関係でないというふうに言い換えたわけですが、同じことだと思います。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 うえした、上下ではないということになりますと、横の関係かというと、そういうことじやないと思う。やはりそれは憲法十二条と二十八条乃至二十九条というものは、共侵されてはならないところのものであるから、これは調和を保たなければならんのだ、五分々々のものだ、こういうふうに言われたように思うのですが、上下の関係でない限りどんな関係にあるかはつきり言つてもらいたいのです。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) これは何と言いますか、うえしたですか、上下ですか、そういうふうに言わんで、やはり一緒に読んで頂ければ明瞭だと思います。そうした公共の福祉というものを守らなければならんし、これは侵してはならんということによつて、ということを予想いたしまして、二十八条に言うところの権利が保障される、こういうのであります。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 せつかく藤田君から公共の福祉と労働権という問題が出ておりますが、これはもう少し本格的に論議をしなければならんと思いますので、御割愛頂きたいと思います。なお私どもは、新憲法の精神に従いますならば、基本的人権が公共の福祉の名において逐次制限されて参りますならば、恐らく新憲法の精神というものは、完全に蹂躙されるだろう、そういう意味で公共の福祉のために基本権を逐次剥奪して参るという政府の解釈の態度は、それは憲法違反だという意見を述べるにとどめておきます。これは他日の機会に譲りたいと思います。社会通念の問題で関連質問へ入りましたのですが、先ほどの労働大臣の言葉の中で、この法律の内容を成しておるものを支持す者が、反対である者もあるけれども、比較して圧倒的に多い。或いは絶対的に多い。こういうお言葉でありましたが、それはあつさり一つ兜をお脱ぎ頂きたいと思うのでありますが、そういう声もある、或いは選挙を通じて自由党が第一党になつたということは、私ども認めないわけではありませんけれども、併しこの自由党も絶対多数を失われたことは事実であります。そういたしますならば、圧倒的に多いということは、これは別に何らか数字が示されるならばともかくでありますけれども、そうでないと思うのでありますが、その点は圧倒的と申しますか、絶対的と申しますか、その言葉は取消されますかどうか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 非常に精密な御質問でありまして恐縮でありますが、自由党以外にこういうものを、こういう電気であるとか石炭であるとかの争議行為の方法の規制に対しての賛成の意見を持つ者は、衆議院の選挙の場合と合せますと、三百になるかと思います。三分の二だけが争議行為の規制に賛成だと思います。これは圧倒的に多いのではないかと私ども考えております。その他先ほどのどなたかの御質問の逆を返すようですが、やはりこういうあなたの御所属になる社会党その他の支持されるかたの中においても、なお気持においてこれに賛同されるというかたも全然ないとは言えないのじやないかというふうに思つております。圧倒的という言葉は普通に使う意味においては適当であろうかと存じます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 私の支持票について御批判がございましたが、大変これは僣越だと思います。これもお取消しを頂かなければならんと思いますが、ただ問題は、これは法案の基礎になります前提とも関連いたしますけれども、お話の中にも、例えば停電が好きかどうか、こういうことになりますと、それは好きではない。こういうことは先ほど藤田君も指摘しましたように、そういう気持はあると思います。それから又そのストの影響と申しますか、それとそれから停電の場合には渇水停電等がごつちやになつておるというこいも、これは公聴会の席上で明らかになつて参りました。これはあの争議の前後停電をしたのは、殆んどストの影響だと消費者は考えている。然るに関東配電の代表の公述では、東京においては合計して二日で四時間と言われましたが、四時間と多少あつたか知りませんが、とにかく数時間足らずの時間であると言つておられます。そこで問題は、ストと、それから停電なら停電の事実と、それから影響、その影響が、例えば消費者の場合にはごつちやになつて、とにかく停電については好ましくない、こういう気持が出て参つたということはわかるのでありますが、そういうものを抜きにして、遡つてストの行為について、或いは電源スト、停電スト或いは保安要員の引揚について、それを不当だとする輿論が絶対的に多数であると断定することは、これは根拠がないし、或いは事実に反しているのではないか、かように考えるのでありますが、大臣の御答弁を承わりたい。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 私どもの見解によりますれば、これは非常に多い、圧倒的という感じもするくらい多い、賛成者のほうが多い、こういうふうに考えております。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 今お尋ねいたしましたのは、絶対相対ということよりも、意見が出て参りました原因についてはどのように考えられるかということをお尋ねしたわけであります。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 私どもは、やはりあの争議によつ非常に影響を蒙つたという人たちが、その原因等についても相当に適当に判断して、ああいう争議反対と言つているのだと思います。なお争議の実情について詳しく申上げたほうがよいのでありますれば、関係当局が来ておりますから、そのほうから御説明をいたさせます。(「資料々々」と呼ぶ者あり)

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 その点は資料に従つて検討をいたしませんと、正確な議論はできないと思いますので、そこで資料を要求いたしておりますので、その資料に基いての検討は手許に十分資料が来ておりません今日適当ではなかろうと思います。先ほどお尋ねをしたのは、停電をしたその停電が、全部電産のストの結果であるような誤解を含んで停電についての感想等が述べられているという事実をお認めになりますかどうかということをお尋ねしている。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 私は、一般の人たちというものは、そう事実を事実として認識することを間違つてはいないと考えております。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 その点、私どもが聞きました公聴会を、労働大臣は聞いたり聞かなかつたりされましたからわかりませんが、先ほどは参議院における公聴会の席上の公述を引合いに出して、消費者のほうでは渇水停電による停電もこれを挙げてストの結果であると誤認しているけれども、東電会社の代表の説明では、東京においては二日、そうして四時間そこそこであるという公述がなされたのでありますが、そういう事実に基いて判断に多少誤解があるのではないか、そういうことを申上げているのでありますが、そういう点について大臣はどういう工合に考えられるかということを申しております。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 私は先ほどからも申上げておりをすように、世間一般の大衆というものは、非常にわかりが悪くて、一々そういう実情を数字で挙げて説明してやらなければわからないというふうには見ておりません。或いは大衆というものは直観的に事実を正確に把握しておる、こういうふうに考えております。今の御趣意のような点をいろいろ議論いたしまするにつきましても、さらばとてああした趣旨の停電がいいということも考えることは出て来ない、こう思つております。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 参議院における公聴会の席上での、消費者の公述と、それから東電の代表の堀越氏であつたと思いますが、食違いを述べている。そういう事実はお認めになりませんか、こういうことを申上げているのでありますが、重ねて御答弁願いたい。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 一般大衆がどう受取つているかということで考えまして御答弁しているのであります。一般大衆というのは非常に直観的に事実を正確に把握するものであるというふうに私は考えております。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 一般的な話をしているのではなくて、参議院の公聴会における、消費者とそれから東電会社の代表との食違いの事実を挙げて、そういう食違いもあるという点をお認めになりますか、それとも否定されますかということをお尋ねしているわけであります。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 最初の御質問は、一般の賛成というものがあるが、その賛成者は事実を知らないために賛成しているのではないか、それをどう思つてるかということでしたから、今までのような御答弁をしておりましたわけであります。只今の話は、参議院における公聴会の事実についてどう思うか、こういうことでございますが、私は、述べられました事実を事実として考えております。(「聞えない、聞えない」と呼ぶ者あり)……どの辺から聞えませんでしてか……(「もう少し大きい声で」と呼ぶ者あり)最初の御質問は、昨年の停電を受けた大衆の判断は、こうしたストライキの方法を規制すべしと言つている者が多いということを申上げたところが、それは誤解に基く判断ではないかという御意見がありましたから、私は、一般の大衆というものは非常に直感的に正確に事実を感得し得るものである、感じ受取るものであるというふうに私は思つているということを申上げたのであります。只今のお話は、参議院の公聴会において、そうした東電の代表と一般の消費者との間のいろいろな意見が述べられたが、どう思う、こういうことでありますから、私は、述べられた陳述を陳述として受取る、こういうことを申したのであります。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 私のお尋ねしましたのは、初めお話の通りの一般輿論がどういう認識に基いてどういう判断をしているかということについてお尋ねしたのでありますが、それについて問答が並行いたしますので、具体的な例を挙げたわけであります。聞いておられましたか、聞いておられませんか、これははつきり私も記憶いたしておりませんけれども、参議院の公聴会においては、非常に長時間ストのために影響を受けた、迷惑を受けたという消費者の公述であつたけれども、東京においては東電会社の責任者の話によると、二日で四時間とそこそこであるという陳述があつて、その陳述の中に食違いがある、消費者の陳述とそれから電力会社の陳述に食違いがある、そういう点について、そういう点もお認めになりますかどうかということを重ねて聞いたのであります。陳述は陳述で聞くということでは相成らんと思います。そういうこともあると言われるのか、或いはそういう認識もこれは間違いであるというのでありますか、或いはそういうこともあろうと言われるのか、その点を重ねて。……

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 消費者の代表もいろいろおつたでございましようから、その人によつてもそれぞれ陳述に多少意見も違う点があろうかと思います。いわゆるニュアンスがあると思うのでありますが、その実質的な点については政府委員から御答弁いたさせます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) ちよつと今の質問ですね、問題を率直に述べないものだからなかなか答弁ができないと思います。私が申上げます、議事進行のために。  公聴会のところで一般消費者として一番はつきり述べられたのは小笠原女史であつたと思います。この人は一般消費者として非常に停電が残酷な状態にあるということを縷々述べられた。これに対して、電気供給の責に任じた東京電力の堀越常務は、一般消費者にはそう迷惑はかけていないということを大体数字を挙げて述べた。ここに食い違いがありはしないかということを吉田君は聞いておられると思います。で、今日お手許に速記録がありますから、それをよく御研究の上で御答弁せられてもいいのですが、この点はそういうことだろうと思います。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 電気供給業者も認めておりますが、渇水の場合のそのための停電と、それからストによる停電の場合があるわけであります。その停電の仕方がどの程度かということは、これは後ほど通産省のほうから資料その他でお話があると思います。ただ併し、それだからと申して、先ほど大臣が言われましたように、争議行為として停電する処置に対して世論が認めている、結構だということにはならないのじやないかと思います。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 中西労政局長は、あの公聴会の趣旨を聞いておられましたから、これは御存じであろうと思いますが、消費者は、停電をしたのはすべてストのせいだと、こういう感覚を持つておるのに対して、東電の堀越氏は、消費者に対してはそう迷惑をかけておらん、こういうことで数字を挙げて説明されましたが、その東電の説明と消費者の印象との間には食い違いがあるということはお認めになりますか。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) その点については、あの陳述を両方聞いておりましても、そう明確ではないのでありまして、率直に電気の消えたその結果について、小笠原さんも言われておつたのであります、というふうに聞き取りました。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 それでは手許に速記録が来ておりますから、中西労政局長、労働大臣も見て御答弁を頂きたいと思います。  社会通念というものをなぜこんなに問題にするかと言いますと、社会通念と、それから政府の考えておられる公共の福祉というものは、これは関連性があると考える。若し社会通念の中に誤解があるならば、その社会通念というものも、これは相当訂正をして解釈しなければならん、こう考えるのであります。或いは公共の福祉というものについてもそうであろうと考えるのであります。公共の福祉の問題は別の機会に譲ることにいたしますから、ここでは公共の福祉からいたしますこの法案の根拠というものについては問い質しません。それでストの影響云々ということになりますが、問題は停電というようなことになるかと思いますが、影響というものと、それから或いは言われる社会通念との間に関連性があることは、これはお認めになりますか。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 勿論影響と社会通念の間に関連がございます。ただ電気の場合には、それだけではございませんで、結局争議方法として第三者に殆んど迷惑がかかるという、この特殊な事情、これが大きな要素になつておるというふうに考えます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 そうしますと、今の御答弁では、社会通念が成熟をしたから、この法律を出したということではなくて、争議行為の方法が特殊的であるから、或いは前の説明によりますと、影響と手段との不均衡がこの法案提出の基礎だ、こういう説明になるかと思うのでありますが、午前中の労働大臣の答弁を覆して又別な論拠になるのでありますが、多少又食い違いが出たような気がいたします。重ねて御答弁願いたい。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 午前中の話とは全然違いませんで、結局従来からも社会的に非と考えられておつた、それが昨年のあのストの結果漸くそれを不当なものとしてはつきりきめるがいいというまでに社会通念が成熟した、こういうことであります。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 労働大臣にお尋ねいたしまするが、先ほど来の質疑応答は、昨年の電産の争議によつて大衆が迷惑をこうむつたということは事実である。併しながらこの停電スト或いはその他の争議によつて大衆の受けた被害の中には、当然に電力会社としても負わねばならない渇水による被害もあるわけであります。ところが大衆というものは、電力会社の巧みな宣伝と、そして又これを裏付ける政府の宣伝によつて、当然会社の負わねばならん渇水停電による被害も、すべて電産労働組合の停電ストと混同して、これらの国民の素朴な感情というものがあの闘争の末期において相当批判的に盛り上つて来た、これが私は事実だと考えております。そういうことを我々が振り返つて見たときに、この国民の素朴な感情というものは、事実を我々が究明するならば当然にその中には電力会社の負わねばならん電気経営上の問題、渇水電力の問題等があるわけであります。問題は、こういう国民の素朴な反感の感情というものが、いわゆる社会通念という解釈の下に、而も裏を返せば社会通念に基いて立法することが公共の福祉である、こういうような論議の上に立つているのが現在の日本の姿であります。  そこで我々としてお尋ねしたいことは、先ほど藤田君からも質問がありましたが、一体憲法二十八条の労働者の基本的な団体行動権の保障というものは、単に大衆が不便をこうむるとか、電気が消えて大衆が迷惑する、こういうような単純なことによつて、しかく簡単に制限することがでさるものであるかどうかということであります。殊に問題は、その大衆の受けている感情の中には、電力会社として当然負わねばならん責任すらもが争議に転嫁されている、こういう具体的な事実を考えたとき、あなたがたの言うがごとく、社会通念が成熟した、裏を返して言うと社会公共福祉の名において労働者の基本的権利を制限をしなければならんということができるかどうか。これは憲法の精神に認められているかどうかということ。それから更にもう一つ関連して尋ねなければならんことは、当然に労働者の権利というものをそれだけ制限した、而も先ほど私は申上げたのでありまするが、労使関係というものは、飽くまでも労使対等の原則によつて、そうして良識と慣行によつてやらなければならん、こういうことは明確に認められているのであります。その労使対等の原則においてあの争議がやられたけれども、而もなお且つ経営者側の頑迷によつて長期化した、この立法によつて労働者の基本的な争議権というもの労が大きく剥奪される、そういうことになつて来ると、労使対等の原則というものは根底が崩れて来る。而も今回の争議の責任においては、当然経営者側の負わなければならん責任があるわけであります。そうなれば当然に労働者の基本的権利を制限すると共に、電気事業そのものの規制、社会的な規制をやらなければならん。こうなつて初めて政府が第三者として労使対等の原則で、労使問題について飽くまでも政府権力は一方に加担せずして、本当に両者の公正な調査を図つて行くということができると思うのであるけれども、この立法の中において労働者のみの責任を追及しているじやないか。どこに会社の社会的な規制をやつておるか。こういう点が先ほど来の私は質疑応答の精神と考えるので、この際この点について一つ労働大臣の御答弁を煩わしたいと思うのであります。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 御質問の中に大衆というものは非常に愚かなもので、その感情は素朴であるという前提がありましたけれども、私どもはそう思いませんので、大衆の声というものは非常に神の声として聞くべきものを持つておるというふうに考えます。単に大衆だと言われますが、私は大衆の声こそ政府をなすべき者の要諦であろう、こう考えておるのであります。昨年の争議行為に対して、あれをいかんという声がありまして、私はいわゆる社会通念がああした争議行為の方法を不当とするに成熟している、こういうことを見まして、この法案を提案しているのでありまするが、私はその昨年の争議行為についての責任の追及ということでは、これはいけないのだ、ただあの争議行為によつて第三者が非常に迷惑をこうむつて、これは困るという社会通念の成熟を見たのでこの法案を提案しておるということは繰返し申上げておる通りでございます。渇水停電の問題といたしましては、これは別の観点から対処すべきものと考えておりまして、御承知のように電源開発に努力をし、又火力発電所に対しましては特に石炭の配給等について監督官庁において監督を厳重にしている次第でございます。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 大衆の声は神の声である、こういうようなお言葉があつたわけであります。私はその言葉そのものについては更に究明しなければなりませんと思いますが、この際批判は控えます。私はあの当時の争議を振り返つてみましたときに、成るほどあの争議の最後の段階においては、大衆はこの争議についての反感というものを強めたと思います。併しあの争議の当初はむしろ世論は支持していたと思います。なぜそのように感情というものが変つて来たか、これは事実を究明するならば、経営者備の戦術に私は巧みに乗ぜられた、こういう印象は免かれない。又これは炭鉱の場合でも同様と考えております。併しながら、そのように一時は激した感情も、世論というものはだんだんと平静に反つて来ておるはずであります。だんだんと事の真相というものが非常に大衆の中に滲透して来ておると思います。あの当時の感情が今日の大衆の中にあるかというと、決してそうではないはずであります。而もその大衆の気持というものは、この間の公聴会において、反対と賛成の両者の立場の人がたを呼んでこちらで聞いたのであるが、賛成の人が事実多かつたのであります。私の言うのは、そういう大衆の気持というものは動いておるが、而もその気持というものはすでに新らしい観点に立つて世論というものは生れつつあるのであるが、こういう段階においてはもう少し政府は冷静になつて、平静になつて、そうして新らしい角度から大衆の声を聞く。而もこの立法によつて労働者の基本的権利が制限される、禁止をされる、こういうことは絶えず動いておる大衆の声でなくして、その大衆を含めた国民の基本的な権利を擁護しておる憲法の精神から言つたときに、これはしかく簡単に制限できるものであるかどうかということを、小坂労働大臣何とお考えになられるか、この点を改めて承わつておきたいと考えております。  最後に私はこの立法というものは、労働者側の権利のみを制限しておる。あなたは今電源開発をやつて渇水停電をなくする、こういうようなことを言つておりましたが、私は労働者の基本的な権利を制限するならば、当然に今日私企業として許されておる電気事業そのものの社会的な規制、社会的な責任、こういうことを明確に打ち出さなければ、労使対等の原則、或いは政府のよく言う、小坂労働大臣のよく言う国民という言葉、その国民の中には労働者大衆が入つているはずです。単なる企業独占資本家のみではないはずであります。私はその大衆を含めた国民の名において当然その電気産業というものが規制されなければならん、こういう点において、一体どう考えておるか、こういうことをお尋ねしておるわけであります。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 大衆はそのような争議行為の方法を非とするものであるということをお認め頂きましたのは非常に同感であります。同感至極のことと存じます。どうもストライキの方法が余りに矯激に行くということについては、私は何とかしてこれを話合によつて解決するというふうな、よい環境を作りたいものだと思つておるのでございまするが、実は今朝ほども又九州地方の電産におきまして越盆手当の要求を提出しておりまして、又停電スト、電源スト等一切の争議行為をやるというふうに聞いております。私は余り簡単に電気を消すということをお考えになりますことは、これはむしろこうした法案を早く可決せよという大衆の判断を促進するものである、こういうふうに思いまして、どうかこの自分らの争議権はあるのだ、だから何をしてもよいのだという、争議権至上主義に走らないように要望したいと思うのであります。会社側としましても、要するに渇水停電によつて公衆に迷惑をかけることがないように、政府といたしましては従来もしておりましたことですが、今度は一層この点を峻厳に監督したい、こう思つております。公共事業令というものもそのために制定されておるのでございますが、非常にこの点を思い、特に強く厳重に監督したいと思つております。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 只今の労働大臣の答弁の中に、私の言つたことに、大衆はこのスト規制を認めるような言葉があつたということをあなたは最初おつしやつたのですが、もう一度それ……。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) その通りでございます。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 私の言葉にそのようなことがあつたとおつしやるのですか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 私そう伺つたので、そういうふうにお答え申上げました。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 私の申しましたことは、大衆の感情が争議の長期化に伴つて最後の段階において激したことは認められるけれどもと、こういうような表現を用いたのであつて、而もその争議の経過後大衆の感情というものは又収まつて来て、新たに冷静な立場において判断をしておる、その大衆の声をこの間の公聴会において我々が聞いたときに、この公聴会においては賛成者が事実多かつたではないか、こういうようなことを私は申述べたのであります。速記録によつて見れば明らかでありまするが、取消して頂きたい、今の発言を……。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 取消したほうがよければ取消しますが、そういうふうに伺つたもので、そう申したわけであります。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 私のお尋ねしたいことは、そのように国民の感情がたまたま一つの事件でたかぶつて来た、刺戟をされて来た、それで国民の感情というものは、或る意味において私は瞬間的であり、或る意味においては短期間の感情だと、こう見られるのであります。誰でも電気が明るいことを希望するし、誰でも汽車の動くことを希望します。併し大衆の受ける迷惑、あえて迷惑という言葉で言いますが、大衆の受ける迷惑、これのために、今日の憲法の保障しておる二十八条の労働者の基本的権利というものが、しかく簡単に制限できるものであるかどうかということを私は先ほどからお尋ねしておる。労働大臣の答弁は、この私の問わんとする中心的な問題についての御答弁がないのであります。この点について、これを先ほどから明らかにして頂きたいと質問を続けているのであります。この点について一つ労働大臣の御説明を望む次第であります。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 成熟した社会通念は変つていないと考えております。私ども決して簡単に労働者の争議権を奪おうということは考えておりません。これは申上げるまでもなく、本来不当とされておつたもの、或いは従社会通念上非とせられておつたものが、その社会通念の成熟によつて不当とされるに至つた、そこでこれを明確に確認するという解釈法規でございまして、決して簡単にそのように扱う意思はございません。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 労働大臣の只今の御答弁は、憲法は、或いは労働者の基本的な権利は、しかく簡単に制限しようとは考えていない、こういうふうな御趣旨でありますか、もう一度お尋ねしておきますが……。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) その通りであります。私言つた通りであります。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 私のお尋ねしたいことは、繰返しまするが、成るほどあの争議というものが行われましたが、一般的に争議が行われますと、必ずこれは社会生活に影響をもたらすのであります。どうしてもこれは社会大衆に影響を及ぼすのであります。併しながら今日の資本主義社会において、而も労使関係において、労働者の立場というものは憲法二十八条による団体交渉権の保障、このことによつて初めて労働者の人間的な地位、生活上の諸条件を克ち得られるのである、こういうことで、今日の憲法と今日の労働法はそれを保障するためにできているものであると我々は考えておるわけであります。従いまして、一般的な争議によつて大衆が或る程度の迷惑を受けるということは当然に今日の労働法、今日の憲法の前提とする思想であろうと我々は考えておるわけであります。それが単純にときの政府の判断によつて、大衆の素朴な感情、これが直ちに社会通念であり、これが直ちに公共の福祉である、こういうことでやつて行くといたしますならば、恐らく私は今回のこの立法というものは、更にその他の産業に波及することは明らかだと思うのであります。そういうことによつて労使対立の原則が保障されるのか、それによつて労働者というものの地位の向上ができるのか、そういうようなことを今日の憲法は認めておるのか、このことを私は再度お尋ねしたいと思うのであります。同時に私は、今日のいやしくも労働問題に理解を持ち、或いは労働法を研究する学者の人がたに、一人としてこの立法に賛成する人はないのであります。労働大臣、今日の労働法学者といたしましては、一人として今日、私はこの規制法の立法に賛成をされるかたのあることを聞きません。私はここに問題があると思います。労働大臣は声なき大衆の声に耳を傾けると言うけれども、それも一つの途でありましよう。併し私は常に真理を探求し、真実を探求しておる学者、或いは労働問題については労働法学者の声に聞くことが、私は一つの良心だと考えておるのであります。この良心に耳を傾ける労働大臣としては、謙虚な態度がないかどうか、大衆の世論と共に、大衆の声と共に、こういう労働法学者、或いは進歩的な人がたの良心に耳を傾ける意思はないかどうか、こういうことを改めてお尋ねしておきます。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 別に私の見解を……見解の相違で、私は簡単に考えておるのじやないと言うし、田畑君は簡単だとおつしやる……。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 議員は御着席を願います。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 ちよつと聞き取れませんが、もう少し大きな声で頼みます。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 主として公共の福祉と争議権のとの調和を図るということに対する見解の相違の御意見である、こう解釈しております。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 労働大臣に再度お尋ねいたしますが、単なる見解の相違と言つて、この問題が答弁になるかどうかということであります。私はそういう一般的な用語によつて、私の問わんとする精神について、そのような御答弁が答弁として成立ち得るかどうかということであります。一般的な見解というような簡単な言葉によつて、今日の憲法の精神というものが蹂躙されていいかどうかということであります。私は先ほど来憲法二十八条ということを申しておりまするが、結局帰するところは、この立法というものは、憲法二十九条の財産権を政府の行政権力によつて更に保障する結果に過ぎません。憲法二十九条の財産権を、政府は単に保障し、擁護してやる結果をもたらしておるに過ぎません。私は財産権というものは、御承知のごとく、今日歴史的に我々は変革を辿つている歴史の跡を辿つて見るならば、曾ては神聖不可侵としての所有権が、今日の憲法第二十九条によつて、明らかに公共の福祉によつては財産権に対する制限が加えられるこの精神というものは、私は財産権に対する制限が加えられておるというこの精神こそ、私は憲法第二十八条で労働者に対して団体行動権が保障されておるこの精神と、私は共通しているものであると考えております。従つて私は所有権の歴史的な変遷を考えて見たときに、この条文の内容もすでにそうでありまするが、明らかに私は憲法第二十八条の労働者の団体行動権というものは、第二十九条の規定する財産権の更に私は上にありと、かように考えざるを得ないのであります。然るに、少くとも私は労働権というもの、財産権というものは、対等の立場においてこの立法はなされなければならんにかかわらず、労働権というものが大きな制限を受けながら、財産権は却つて強化されて行く。ここに私は矛盾があると思うのでありまするが、この点について私は労働大臣の見解を承わつておきたいと思います。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) この点についてはしばしばお答えをいたしましたので、私も間単にお答えしたのでありますが、改めて又御質問でありまするからお答えいたしますが、争議行為でありまする以上当然に業務の障害を伴うのであります。そういうことを一々問題としておりますると、争議が行われる余地はないのであります。そこで労組法一条二項における争議行為であれば、正当なものは公訴の阻却がある、こういうのであります。併しここに問題としておりまする二つの場合の争議行為というものは、争議行為としてでも正当でないということを明らかにしておるわけなんであります。それは結局今までしばしば申上げたように、昨年の争議行為を通して一般的に社会通念上飽くまでも非である、不当であるというふうに成熟した、或いは炭鉱の保安要員の引揚げ等については、従来とも不当であつた、そういうものをここに明らかにして、違法性の阻却がなされないということを明確にしたのであつて、これによりまして労使間の均衡が特に不均衡になるとか、或いは財産権のみが暢達される、非常に伸びる、労働権が不当に侵害されるというようなことには私は考えておりません。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 もう一つそれでは私は関連して尋ねまするが、争議行為の方法を、或いは昨年の経験に基いて争議行為の方法について今回規制をしたとおつしやるわけでありまするが、保安要員の引揚げというものが昨年の争議行為においてあつたかどうかということを聞いておるのであります。あつたかどうかということ、又あり得るかどうかということを私は聞いているのであります。昨年のあの深刻な争議であります。六十余日に亘つた争議であります。そうして十二月の十日でありましたか、保安要員引揚げの指令を出したのであります。ところが末端の山々におきましてこの指令がどう受取られたかということであります。私の聞く範囲におきましては、あの長期なストをやつたにかかわらず、末端の山々においては保安要員引揚げの指令は殆んど拒否しておるのであります。私はここに問題があろうと思うのであります。あの長期なストをやつて、労働者の気持はもはややぶれかぶれになつております。或る意味においてはあのやぶれかぶれの気持であります。この時、経営者の理不尽なるこの態度に対してもうやぶれかぶれの気持のあの時、中央から保安要員引揚げの指令が来ているのであります。私は人間の心理というものはああいう時こそ、よし、やろうじやないかという気持が動くと思うのであります。ところが結果においてはあの段階においてすらなお且つ炭鉱の末端の労働者諸君は、この指令は実行できない、こういう決心をしてこれを拒否しております。一体炭鉱の労働者というものが保安要員引揚げということができるかどうかということであります。井上委員もおられまするが、先般常磐炭鉱内を視察しましたが、恐らくこれは虚心にあの視察をやつたかたであるならば、炭鉱の労働者がしかく簡単に坑内においてポンプをとめたり、或いは扇風機をとめたり、そういうようなことができぬということは私は直感として持たれたと考えております。  一体、労働大臣にお尋ねいたしまするが、昨年の争議の方法に鑑みてとおつしやるが、保安要員引揚げというものがなされたかどうかということ、あり得るかどうかということの前提が狂つて来るならば、当然にこの立法の根拠はなくなると私は考えるのであるが、この点についてどう考えるかという点が第一点。  第二点は、私が先ほど来申上げておりまするように、吉田君からもいろいろ質問がありましたが、行政解釈によつて、そうしてスト権と争議権を禁止しようとする結果をこの法案は持つておる。少くとも私は裁判所の判例、それを通じ、労働運動というものは長い眼によつて育てて行かなければならん。少くとも判例を重ねることによつて、おのずからそこに世間一般の法への確信というものが生れて来ると思うのであります。そういうような経過と努力を重ねて初めて私は争議権の問題等については検討を加えなくちやならん。判例においては而も昭和二十五年の判例を見ましても、スイッチ・オフについては正当な争議行為と見ておる。判例はそのように見ておる。然るに今突然政府が行政解釈によつて、そうしてこの判例を無視し、憲法の精神も大きく蹂躙する虞れのあるこういう立法をするということは、これは労働施策として愚かなことではないか。こういうことを先ほど来私は質問申しておるのでありまして、この二点について更に労働大臣の御答弁を煩わしたいと思います。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) この点に関しましてはしばしば申上げましたように、保安要員の引揚げというようなものは、あれはすべきじやないという考え方は従来ともあつたのでありますが、昨年の争議の際には、只今お話のように指令が出たのであります。引揚準備指令が出たのであります。そこでそうしたようなことはやはりここで争議行為としてでも正当でないことを明確にしておくほうがよかろうというのが私どもの考えであります。私は炭鉱労働者諸君の多数のかたがたの良識に期待しておりますけれども、それではこの保安要員の引揚げというものが現実に全く可能性がないかというと、可能性は全くないとは言えない、引揚準備指令が出るのであります。全然可能性がないということは言い得ないと思うのであります。むしろ只今のお話の逆解釈をいたしますれば、絶対にしない争議行為であるならば、それはいけないということを規定いたしましても争議権の剥奪とはならない、こういうふうに思うのであります。  それからなお行政解釈としてこういうものを作ることはどうか、こういうことでありますけれども、今朝ほども申上げたように、そういう解釈が明瞭でないために労働者諸君のまじめなかたがたを法廷に立たせて、そうして裁判に付せしめて、そこに慣行を積上げて行くという考え方よりも、ここに法律解釈を明確にしておくほうが却つて親切ではないか、こういうのであります。勿論私どもはこうした行政解釈を明瞭にすることによつて、司法権に対してあれすることは毛頭ございません。これは皆さんが司法権の独立ということをお信じになつていらつしやる以上、そういうことを私どもが考えるはずもないし、又仮に考えた者があつたとしても、そういうことによつて司法権の独立性というもの、その解釈の独立性というものは毫も曲げられるものではないということは御了承頂けることと存じます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 田畑君の質問でございますが、途中で腰が折れましたけれども、別な機会に又お願いをすることにして、先ほど私は社会通念と争議、ストということについて質問をやつておつたのでありますが、先ほど質問いたしましたことと別な観点からお尋ねしたいのでありますが、そうすると、ストがあつた、併しそれは停電の場合に最大は二五%或いは実際には一〇%そこそこであつたことが多かつたと報告を聞いておりますが、そういう場合に家庭電力がとめられなかつたとするならば、これはお話のような社会通念は恐らく生じなかつただろうと思う。公共事業令によりますと、電力の供給責任は電力会社にございます。或いは保安要員の引揚げ問題につきましても、保安の維持というものは、これは鉱業権者に責任が謳われておる。仮に準備指令が出ても、保安の確保については鉱業権者が責任を持つて十分にこれを確保できるだろう。こういう点が明らかになれば、いわゆる大衆の意見というものも恐らく相当違つて来たということが考えられるのであります。それにもかかわらず大衆の意見が出ましたのは、その点に関する誤り伝えられた事実があると考えるのでありますが、そういうことをお認めになるかどうか。それから電力供給の責任或いは保安確保の責任がそれぞれ経営者にあるということをお認めになるかどうか、お尋ねいたしまします。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) ちよつと後段の第二点は何でしたか。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 第二点は、電力供給の責任は電力会社の経営者にあり、鉱山保安の維持の責任は鉱業権者にあるということは、それぞれ公共事業令なり鉱山保安法に明定してある、その点をお認めになるかどうかということであります。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 昨年の停電の原因が渇水であつたのか或いはストであつたのか、その割合はどうだということについて、最初非常に誤解をして、殊に家庭電力等がとまつた時に、不当という社会通念の熟成を見たというふうな見解は私は持たないのであります。ただ結果的に非常に大きな打撃を与えたから深刻に考えたということはありますけれども、ただそういつた一部の人たちだけの行動が大衆に広く迷惑を及ぼして行くという考え方については、これはそういうものを否とする考えが成熟しておるというふうに思つております。  それから、なお電力の場合は公共事業令、鉱山保安の場合は鉱山保安法という法律によつて、それぞれ規制をされておるわけでございまするが、その場合これは事業者というよりも、むしろそうした例えば鉱山保安の場合は保安管理者という法律上性格付けられたものの管理の下に置かれておる、こういうふうに思つております。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 第一点は電力供結の責任は電力会社の経営者にある、若し一〇%或いは二〇%の停電或いはその他が行われたとしても、経営者がその電力供給の責任の中において電力を、電灯を全然とめなかつた、こういうことになるならば、それは世論は違つておつたのではなかろうか、これをお尋ねいたしたのであります。その点については御答弁がございませんでした。  それから、鉱山保安法について具体的には保安管理者云々ということでございましたけれども、鉱山保安法上保安管理の責任が鉱業権者にあるということを御否定になるのでありますか、その点重ねてお尋ねしておきます。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 先ほどの点につきまして、去年のスト或いはその前のストあたりで大口と或いは一般電灯にどのように影響があつたか、これは通産省のほうから詳細にお聞き取り頂きたいと思います。ただいずれにいたしましても、第三者に迷惑のかかつたことは確かでございまして、そういつたその配電のやり方によつてどうこうという論議をする必要があること自体に、このストの方法についてやはり規制を要する要素があるのじやなかろうかというふうに考えられるわけであります。  それから、二番目の公共事業令或いは鉱山保安法によつて、勿論事業主が責任者でございますが、併しながらそれぞれの法律に、それぞれの係り或いは一般従業員それぞれが十分にその職責を尽すべき規定がございます。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 電気の問題について関連して。そもそも公共の福祉を問題としてこの第一条に書いてあるような規制をするということになつているわけですね。そういたしますと、その公共の福祉という問題点は、結局電気で例えてみれば、電気がたとえ会社の運転、或いは又労働組合の側においてストライキをやつているというこの関係において会社が運転し、そうして電気が生産されて行くという状態の下においては電気はとまらない、ストライキがなかつたと同じような生産がなされている。ところが今のお言葉を聞くというと、たとえその需給の操作が云々というようなことがあるとするならば、そのこと自体すでに規制をしなければならんというふうに言われていると思います。そこでお伺いしたいのは、公共の福祉ということは要するにその影響が一般に直接あるのだ、電気が消えたり、モーターがとまつたりするのだ、こういことを言つているのであつて、発電所において経営上は多少困難であろうが、会社が或る非組合員などを使つて運転して生産しているという状態であるならば、もはや公共の福祉に何らの影響がない。ただ会社が若干非組合員を日経連から頼んだというような関係で困るという程度であつて、一般の国民に何らの影響はない、そういう場合には。これは又曾つて昨年のストライキにおいても、殆んど大半の争議行為の現場においてなされた事実なんですね。あの当時の新聞を御覧になつてもわかるように、日経連の前田さんの声明を見られてもわかるように、日経連が動員して非組合員の電気技術者を、発電所、変電所に送ることによつてその被害、発電所におけるストライキの影響の実効を殆んど阻害しよう、実効ないものにしようということさえ計画され実施されていたはずです。そういう下においては直接の影響がないのだから、これは公共の福祉ということはもはや問題にならない、起つて来ない。従つて本法案の第三条に、直接に電気の正常なる供給を停止するということが書かれていると思うのです。従いまして、この条文から見ると、電源職場の職場放棄そのものが問題なのではない。そのものが問題なのではない。よつて来たる影響が公共の福祉に重大なる影響をもたらすから、よつていけないのだということであるのですから、結局間接的に、或いは又逆にストライキであつても会社が運転するという状態においては、何らこの第二条には影響をもたらすものではないというふうに解されるわけです。これが第一の点です。  それから第二の点は、公共の福祉ということになれば、おのずからその規模が問題であろう。その争議行為の規模が極めて広汎且つ長期に亘り、私鉄も或いは医療関係も通信も、延いては国鉄も、こういつたような広汎な業種に亘つて、且つ長期に亘るという場合には確かに深刻な国民生活への影響があり、公共の福祉を阻害する。もはや憲法二十八条に保障する権利であつても、公益との権衡を破つてしまう、こういうことが第二の点としては問題になると思うのです。併し今まで言われている点は、この第一条並びに第二条の規制している内容とは、極めて枠を超えた答弁がありますので、果して第一に申上げたように電源ストそのものがもはや規模が何であろうともいけないとおつしやるのか、又第二に申上げたように確かにそれは規模が問題であるとおつしやるのか、その点を明確にして頂きたい、更に若し規模の如何にかかわらず、或いはその影響如何にかかわらず、電源ストなるものが絶対にいけないとおつしやるのであれば、これは関連して重大なここに問題が起きますので、更に質問を続けたいと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 重要な問題だから大臣から伺つたらどうですか、誰に要求されたのですか。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 大臣にと劈頭に申上げておる。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 第二条を御覧になりますと、この点は藤田さんには通産委員会においても先般来申上げておつたことでございまするが、第二条を御覧になりますと、争議行為として、事業主も従事する者も電気の正常な供給を停止する行為その他電気の正常な供給に直接障害を生ぜしめる行為をしてはならない、こうなつておるので、電気の供給というものは、旧公共事業令によりまして、電気事業者の責任におきまして、従業員との協力によつてなさなけれず、この正常な供給を確保し得ないのであります。でありますからして、実際の影響等についても、これは電気事業の特殊性に鑑みまして、即ち電気というものは発生させることが即時消費になる、生産即消費というような非常な特殊の関係でありまするから、その規模によりまして一一これを限定することはむずかしいというふうに思うのであります。即ちその規模如何にかかわらず、又実際の影響がどうということになりましても、それも先ほど申上げましたように、従業員との協力関係によつて配給すべき責任というのはすでにあるのであります。その規模如何にかかわらず、又実際の影響の如何にかかわらず、第二条に謳つておりまする争議行為というものはできない、こういうことになると解釈しております。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 更に大臣にお伺いしますが、成るほど通産委員会において若干調査を進めました際もお伺いいたしましたが、これは誠に百八十度違つた御答弁がなされたままで、通産委員会の性格としてそれ以上追求しておりませんこのことは極めて短時間に明確にここでなると思います。あの当時の御答弁に訂正があるならば結構です。訂正でもよろしいですから明確にして頂きたい。只今も御答弁がありましたように、一方においては公共の福祉を論ずる、それは消費即生産、生産即消費、こういう瞬間にして影響のあるものであるということは何を意味しているか、これはストライキによつて電気が、いわゆる電灯が或いは電力が停止される、とまつてしまう、このことを言われていると思うのです。私の質問いたしておりますのは、停止しないという場合がストライキの場合では非常に多かつた、過去においても多かつたし、将来においても多いはずであります。なぜならば平時もそうであるが、たとい争議期間中であるといえども、争議行為に入つているのの期間中といえども、その設備や又電気事業の運営、そして需給、こういつた責任というものは、挙げて争議側にはない、争議団という争議行為をやつている労働組合側にはない。これは常に主張されて来たところだ。即ち争議期間中乃至争議行為の期間中、このいずれを通じて見ても、管理責任、供給責任というものは、すべて事業主にあるのだ、こういうふうに明確な御答弁ができると思うのです。その点はそれでよろしうございますか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) その点も通産委員会で申上げておつたと思いますが、電力供給というものは、電気事業者が公共事業令によりましてこれだけの出力がここであるということをきめます場合に、それを供給すべき責任をとる。即ち電気事業主によつてそれだけのものを出すべき責任を負うているということになることは御承知の通りです。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 わかりました。従つて争議手段の過程におきましても、供給責任は事業主にある、わかりました。その供給責任が事業主にある、わかりますね。あるならば、事業主があらゆる管理責任者として善良なるところの立場から争議行為の期間中においても、供給責任を全うするところの義務があると思うのです。この点については如何です。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) その点についての供給というものは、でき得る限りやるべきものと思います。併し或る一定の供給量というものをそこに予見せられて、それを確保すべき責任を負う以上、それに要する人員というものも又きまつておるのであります。ありまして、只今藤田さんの御意見では、その場合他の者を連れて来てやつたらどうかということですか。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 そんなことは聞いておりません。これから聞くかも知れませんけれども……。明確じやありません。全然ほかのことをおつしやつているのでいけないので、そうでなくて管理責任者がやはり供給責任を持つているということであるならば、当然争議行為の過程においても供給する、そうしてあらゆる手段を講じて管理責任者、供結責任者は供給するように努力をしなければならないところの義務があるはずだが、義務がないのか、経営者に。この点を聞いているのです。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 供給すべきものであるけれども、そのために必要な従業員というものがあるのでありますから、それがない場合は供給できないと考えております。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 義務の点は、これは責任がある以上義務が付きものだ。罷業権の権利の中には、裏にやはり義務があるのだというようなことを言われて来たのですから、当然責任の所在の明確になつているものについては、それ相当の義務があろうと思うのです。この点について触れられておりません。そこでよくおわかりにならなければ御相談の上でも結構です。義務があるのですか、ないのですか、管理責任者には。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 責任があるのであります。供給すべき責任があるのであります。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 責任があるが義務の点は御発言になりませんが、管理責任者に……。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 責任という以上、それを負うべきものを義務付けられるものと思いますけれども、止むを得ない場合もある、こう考えます。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 そういたしますと、止むを得ざる場合があるというところで、このスト規制法が必要であるかないかということになろうかと思います。そこで仮説を前提にいたしましては答弁しにくいと思いますから、昭和二十五年以来電産ストが電産におかれて採用されまして以来、電気供給の責任者である事業主がこの争議行為に対して何らの対抗手段がなかつたかあつたか。供給責任の義務があるその所在であるところの事業主、これが当然善良なる管理者として努力しなければならんといつて、争議の実効をあらゆる手段を講じて阻害をして来たと思います。その結果は正常なる電力の供給が阻害されていない。昨年の場合確かに東京電力においては殊更に……、よろしうございますか、これは事実を挙げて申上げることができるが、一般の渇水停電であるならばサイクルが下がる。すでに四十五にもなつても、制限をしなかつた。ストライキだというそのレッテルがある以上、サイクルが下がり若干の電圧が下がつても、直ちにストライキと称して制限をしております。これは通産省のほうについて調べて頂きたいと思います。更に七〇乃至三〇%という全体の需給の中で、大口が七〇で一般が三〇%しかない。このロードの中に、こういう需給の構成の中に、一般線を絶えず制限をしておりました。これは一つの意図を以て、このスト規制法を出さんがために経営者において日経連と政府が一体になつて、あえて一体になつたと申上げる私は事実を持つております。又追々明らかにしたいと思いますが、こういう状態であつたので、管理責任者として、当然善良なる管理責任を果すべきであり、昨年の場合果されなかつた部分が一部にあつた、東京電力のごとく或いはその他の地域において若干あつた、こういうことであるから、直ちに争議行為、電源ストライキが違法である、社会通念の成熟として違法である、こういうことについて、もつと実態を明らかに把握されない以上、その論理というものは決して現実の事態に立つた、現実に立脚した論理にならない、空論になつてしまうと思うのです。従いまして、簡単に要約いたしますと、管理責任者、供給責任者は、争議行為の段階であるといえども、これは当然に経営者にある、事業主にある、これが肯定されておる以上、電源職場のその方法に対して何らの対抗手段があるかないかの点を労働大臣より御答弁願いたいと思います。昨年の事例を……幾多の対抗手段があつた、そうしてそれは実施されておる、一部について。このスト規制法を作らなければ、もはや会社が非常にそういう対抗手段を講ずるために苦労をするから、この苦労を斥けるために新らしい法律を求めたいということで一面においては管理責任者としての努力がなされていない、このように考えておるのであります。この点についてお答え願います。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 昭和二十五年以来電源ストを決定しておるとおつしやいますが、こういうことは、実は一般の国民の受ける感じというものは、当時私も非常に愕然として、こういうことは簡単にできるかどうかという感じを持つたのであります。これは非常に大部分の人の率直な感じであろうと思います。非常に貴重な電源をあつさり放棄するということが、非常に簡単に考えられておるということは、考え方に相違があると思いますが、仮にこの電源ストが行われました場合に、電気事業者ができる限り努力いたしまして、電力の供給をするということは、責任はあると思います。併し努力をしても先ほど申上げましたように、或る一定の従業員が必要で、その基礎の上に立つて所定の電力を送られるのでありますが、その人がいないのはいかんともしがたいということがあると思います。併し、さりとてそこにスキヤップを雇うということは、組合がそれはもう拒んでおりますし、そういうことは別に義務とは考えておりません。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 そういたしますと、これはやはり法務大臣ともそれにお席に着いて頂いてお伺いしなければなりませんので、現在問題になつておる、極く最近問題になつたものを見ましても、又一昨々日最高検に参りまして、直接確かめました場合におきましても、今労働大臣が答弁されておるようなお考えとは全く違うのでありますから、これは後日明確にいたしたいと思います。  そこで、およそ労働争議におきまして、そのもたらす影響が全然ないという、そういう産業は恐らくないと思います。それは程度の差こそあれ、およそ争議行為が行われる以上は、如何なる産業といえども民生には影響がある、これは否定できないと思います。従つて電気事業についてこれを論じます場合に、現行法は、これはあえて憲法までとは申上げません、労働組合法並びに労調法、つまり今日の労働法は、電気事業の争議行為の結果は、やはり国民生活にかなり深刻な影響を与えるのだ、電気事業の争議というものは、これは電気はとまるものだ、こういうことをちやんと予定しておると思うのです。現行法は。この点について大臣は如何にお考えになりましようか。電気をとめるということを予想していないかどうか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 政府委員からお答えさせます。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 労調法八条との関連のお話かとも思いますけれども、この点は明確になつていないというふうに考えております。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 昨年の争議の真最中、八月七日に発行されております労働省労政局編書という、これは実は直接労政局から只で当時労働委員をいたしておりましたときに送つて頂いたものでありますが、これについては全然御存じないですか。労政局編です。これは争議の最中に出たものです。これは正に間違いございませんね。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 間違いありません。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 その中に労調法七条か八条か知りませんが、今指摘された……そうではなくしてこういうことが書かれてあります。これは改正労働関係法の紹介、これは緊急調整が主として入りまして、その中の二百七十五頁から二百七十六頁にかけてですが、労調法第三十六条の安全保持、これは人命の安全保持なんだというふうに無論書かれておるわけですが、その点は問題にいたしません。私どもも同じ解釈に立頂けばいいのです。お持ちですね。そこの七行日あたりから読んでみます、極く二、三行ですから。「本条は、」これは三十六条の意味です。「本条は、単に当該工場事業場の安全施設のみについていつているのではなく、例えば鉱山、工場の安全保持施設の運行のために電力を必要とする場合において、電気事業が争議行為に入つて、一切の送電を急激に停止すれば他の鉱山、工場等の安全施設の運行が停止することになるような場合は、かかる行為はやはり本条によつて禁止されていると解すべきである。」こう書いてあると思います。間違つて読んだかも知れませんが、このことは明らかに鉱山やその他いわゆる生命の安全保持のために、我我としては要確保電力とも提唱いたしておりますが、そういうように急激に一切の電気をとめられたならば、これは大きな影響があるから、そういう場合は三十六条で人命の安全保持としてとめておるのだ、なぜならば続いて、「本条は、人命に関する安全施設の保持又は運行を停廃し」云々これなんだ、こう書いておる以上、労政局の今公認せられ、又、労働大臣の下における命令においていろいろ仕事をなされておる労政局におかれても、こういう解釈に立たれておることは、取りもなおさず裏面解釈いたしましても、正面に電気産業のストライキは電気がとまるのだということを明らかにされておると思います。これでもなお電気がとまるということを必ずしも予定していないとおつしやるのか、労働大臣の御答弁を願います。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 労政局の出版した書物の関係でありますから、政府委員から御答弁いたします。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) ここに書いてありますものは三十六条、つまり安全保持にも引つかかる。ただ裏解釈として仰せのごとき解釈が成立つことは率直に否めないと思います。そこで午前中から申しておりますように、スイッチ・オフは従来からも違法であつたし、先般の職場放棄、これについては藤田さんのおつしやる突然変異ではございませんけれども、とにかく従来からも社会的に非と考えておつたのが、昨年の争議によつてこれが社会通念の成熟によつて違法というところまで行つておる、こういうことであります。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 そういたしますと、若し誤まつてこの法案が参議院を通過いしました暁におきましては、ここに二百七十六頁の只今読上げました条項は、何ら必要がなくなると思うのです。これはやはり変えて発行しなければならないと思うのです。つまりおよそ電気がとまるようなストライキは、たとえ一通であろうが全部であろうが、これはできないのだというふうにおつしやつているならば、今ほど上げました点は、全然これは必要がなくなつてしまう、電気がとまることがないようになるのですから、このように考えてよろしうございますか。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 三十六条ののところは、やはり電気の安全に関係するところをとめれば、三十六条の違反になるということで、これはこれとして意義があると思います。ただ今度の法律で、正常な供給のとまるとうことは、一応意義がなくなるわけであります。その意味におきましては勿論、ほかの部分にどういうところがありますか、私はまだ全部見ておりませんが、若しそういうことを予定した箇所がありますれば、当然にやはり変更さるべきだと思います。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 前段と後段と全く肯定して、二つに分裂してしまつているのですがね。労調法三十六条、この意味から言えば、なお存置の意義ありとされているが、いやしくも電気をとめるようなことはいかん、正常な供給と、こう書いてあるけれども、その解釈は極めて厳格でありますので、電気がとまる、三十六条は争議行為を規定してある、争議行為として電気がとまる状態は、すでに法が守られる限りにおいてないということになれば、無論守る上においての法律なんですから、前段も後段も意義がなくなつてしまうのですが、どういう意義が残りますか。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 私の申しましたのは、三十六条にも引つかかる、それから今度若しこの法案ができれば、二条に引つかかる、両方に引つかかる、こういうことです。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 その点よくわかりました。そういたしますと、第三十七条、次に参りますというと、抜打ち争議の禁止というものに対する解明がここに載せられております。よろしうございますね。その二百七十八頁を一つ開いて頂きたいと思います。これは五行目から解説の(一)が書かれていて、この要旨は長いから読みませんが、その正常な運営を阻害されることは、一般産業の場合と異つて、単に関係当事者のみならず、公衆の日常生活に影響を与えることが大きいから、このような争議行為に対しては未然に防止するということが望ましいので、調停をやつて行くし、一般需要家側はろうそくを買つたり、或いは交通であれば自転車を借りる相談をしたり、いろいろなことが必要なので、十日前に予告をしろということの意味のことがここに書かれている。ところが電気事業につきましては、労調法の今度改正が添えられていないので、依然として公益事業の指定がなされていて、そうして先ほどのような十日前の予告も必要であるし、以下労調法の定めは各条とも公益事業に指定して、そのまま電気事業としては適用を受けると思うのです。これはその通りでございますか。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) おつしやる通りであります。そこで本法案の第二条の「直接に障害を生ぜしめる行為」、間接のものはいいのでありまして、従つてやはり公益事業として、他の一般の争議に優先して調停もやらなければいけない、一日も早く紛議をなくするよう努力しなければならないという関係においては変りはないのであります。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 それは公益事業といわず、労調法の四条以来自主的な解決、又労働委員会などの調停、その他解決への助力、いろいろ労調法が定めおるのであつて、これは公益事業に限つたことはない、公益事業ではただ一つ優先取扱が現行法ではあるだけです。この問題は何ら関係がないので、私がお伺いしておるのは、もはや電気がとまるというような、モーターがとまるというような現象は、今度の法で以て明らかに禁ずるということになるならば、然らば十日間の予告は何のためはするか、何にも電気がとまらないのに、十日間の予告をして、集金には行きませんよというような予告は、もはや必要がないのではないか、これは月掛貯金或いは生命保険の掛金を請求に歩く、その生命保険会社と全く同じようなことですから、電気会社といえども……、電産の労働者といえども何のために予告をしなければならんのか、これは明らかにこの三十七条で説明付きで書かれておる限り、今度の新らしい法の制定と労調法などを見ますると、何らの労調法の改正は含まれていない。従つて十日間の予告という意義は全くなくなるのではないか、今のような状態では……。なぜ十日間の予告をしなければならんか、この点を聞いておる。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) あらゆる事業は有機的に運営されておりますので、間接的な争議行為といえども、やはりこの公益事業にとつて正常な運営を阻害するに至りますので、やはり早急にこの解決をする必要がある。従つてやはり一般公益事業として、労調法で取扱うのがいいのじやないか、なおこの法案が違法な争議行為の範囲を明定した三年間の時限立法でございます。労調法にはそのまま残しておくほうが、この事業の性格上いいのじやないかと思います。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 揚げ足をとつたり、そういう意味じやない。もつと大切な質問をいたしたいのでありますが、ただ三年間の期限だから、労調法をそのままにしておいていいというようなことは、これは理屈にならんと思います。而も第三十九条に参りますと、今ほど申上げましたような予告に対する三十七条に対しては明確な罰則が付いておる。よろしうございますか、十万円、こういうものなんですね。これは率直に私の推定を申上げれば、唐突に法案ができて、何ら関係法令との睨み合せも何もできないままに、あとから理屈が付けられたのではないかと言わざるを得ないのです。それならそれをあつさり言えば正直で結構ですが、さてそこでお伺いいたしたいのは、予告が必要だ、なぜならば、これは間接に成るほど第二条については二つのことが書かれておるのです。第一には、正常なる供給を阻害すること、第二には、直接停廃をするようなこと、これを考えて見ますると、先ず現実の問題を当てはめて見れば、直接供給を阻害すると言えば、先ほど来言われておるスイッチ・オフ、変電所におけるスイッチ・オフ、こういうことが考えられ、更に発電所において発電機をとめるということが考えられる、これが直接だと思います。従つて先ほどの御答弁が、関連した質問以外にもありましたように、十日間の予告の必要性は、ただ一つ間接なるところの影響、つまり直接ではないけれども、電気事業は複雑な機能を持つておるので、この関係から間接に電気がとまることが予想されるので、争議行為の結果……、従つて、間接的なる行為の結果が影響をもたらすということが現実にある以上、やはり十日間の予告は残すべきだとおつしやつたと思います。果して間接の影響、争議行為として間接に電気がとまるということについては、本第二条はそれは許しておるのだと解してよろしうございますか。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) その通りでございます。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 さあ、そうしますと、第二条については極めて影響が小範囲になつたように思います。従つてこの点は大臣といたされましても間違いございませんか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 間接の影響というものは、間違いございません。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 間接に電気がとまるということは、争議行為としては規制していない、違法だと考えていない、それでよろしうございますか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) そう申上げたのであります。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 間違いない……。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 間違いありません。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 間違いないと言われたと思います。そういたしますと、電産においては僅かに二〇%の制限であつて、爾余の人々に対しては事務ストその他争議行為が残されておる、こう言われていたと思いますが、併し通産委員会の調査を進めてみまする過程におきましては、然らば発電所二〇%と言えば、今日約二万五千に相当するであろう。我々の勘定ではもつと数字が違います。この二方五千の発電所、変電所の労働者の団体が今日できているところもあります。関東においても殆んどのところは発電所、変電所の人々を以て構成している。この発、変電所の電気労働者に対しては何ら争議行為がないじやないか。それは電源スト、停電ストというものが、これが規制されて違法である、そういうストライキが違法といわれる以上は何らの争議手段がなくなるではないかということに対しては、時間がないから、もうこつちではつきり申上げたいと思うのですが、当初もその通りで、何にも争議手段はないのです、ありません、こう言われていたので、そうなると、争議期間中に会社から首を切られても、これは手段がないので片手落ではないかといつたところ、何らの争議手段がないと言われていた直後においては、争議行為の期間中会社が首を切るということはけしからんことだと言われていたので、昨年のように大よそ八カ月に亘る争議行為の期間中、仮に今後一カ年間争議行為が続いたり、争議手段が、或いは争議状態が続いているという場合には、一応会社の首切りというものからは保障される、争議期間中に会社が首を切るということは以てのほかであるという答弁なのですが、こういうことを申上げたときには、いやいやそうではないということで、はしよつて申上げれば、労働大臣が、いや何も手段がないのではございません。例えば水路の補修その他の碍子の修繕とかいろいろそういつたような手段が例示されまして、こういう方法があるのだから、従つて電気がとまるという結果をもたらすので、大きな影響がある、会社としては大きな圧力となる。だから決してこの規制によつて発電、変電所の電気技術労働者が何らの手段も失うものではない、そういうものではない、つまり今申上げた労働大臣が言つたと称する方法が残されているのだと、このように言われたと思うのです。従つて、初めとしまいの食違いが、ないと言つていて、しまいにはあるのだと、こう来たのです。これはその後いろいろ検討されたと思うのですが、今日公式な集約的な、最終的な答弁としては、一体どちらなのか、電気技術者にないのか、あるのかお答え願いたい。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 私の通産委員会で質疑に応答したことを非常にまげてお話しのようですが……。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 いやそんなことはないです。真つ直ぐに……。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) でも一時あなたはまげておつしやつたので、又私もお答えするのにこの問題は往復して又半分くらいまで行つておるのです。それで私の言いましたのは、発電所において水路の補修や碍子の掃除或いは送電線の操作等について、これを争議の際に必ずしも言うておるのではないのです。その前提として私は争議万能、ストライキ万能による考え方というものは、何とか改めて頂きたいということを申しているので、会社側において非常に一方的に問題を処理する、ということのために、労働組合の意気大いに上らずというような場合には、平素においても、そうした今申上げましたような水路の補修であるとか、排水口の修理だとか、そういうようなものに対する仕事に熱が入らん、その結果非常にそうした補修が疎そかになつて、そこに所期の出力というものが期待し得なくなる、そういうことになれば、経営者においても、善良なる管理者の注意を怠つているということになるので、これ又非常に制裁を受ける立場に置かれるので、何らそうした争議手段がないということを簡単に言い切るということはできますまいというのであります。  なお争議中に首を切るということは、これは勿論不当労働行為で、できないことは当然なのであります。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 争議中に首を切るということは不当労働行為に当然なるとおつしやつておりますが、現実には相当出て来ると思います。これはサービス庁の労働大臣として今の所見は、やはり今日首切られつつある労働者には是非とも伝えてやつて頂きたいと思います。経営者にも……。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) ちよつと今の補足を……。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) その点で足らざるところを政府委員から補足いたします。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 大体気持は大臣のおつしやつた通りでありますが、争議行為が現場においてできないということについて、若干できるというお話でございますが、できないといいますのは、現に運転をしておるその場合に、それに直接影響を及ぼすような行為はこれはできない。ところが御承知のように、発電所にいたしましても、定期或いは随時に或る機械をとめて修理をする。そういういろいろな場合がございます。そういう場合に現に動いてない、修理をするというような業務をスト中、事業主の命に従わないでやらない、これは間接でございます。それから又線が切れてしまつて電気が通じない。それを応急修理することは、これは勿論やらなければいけませんけれども、現在とにかく通じておる、併し大分古くなつたので物を取換えたい、そういうのを、応急でなく、そういう修理をすることをスト行為として肯んじないというのも、これは間接である。そういう意味において第一線においても争議は残つておると、こういうことであります。なお、今の争議中の首切りでございますけれども、これは首切りとして当然正当の事由があれば勿論それもできるのでありますけれども、大臣の言われたのは、往々にして争議中の首切りは、えてして正当な労働組合活動に対してやつたという誤解も生ずるので、まあ現実としても余りやりませんでしようし、できるだけ避けたほうがいいのでありますが、正当な首切は勿論これはいつのときでも差支えないわけです。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 今中西労政局長非常に重要なことを言われたのですが、あなた技術者ですか。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 私は技術者ではございません。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 現場の電気の運転或いは維持、補修の御経験がおありですか。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 現場は何回か視察には行つておりますけれども、現実に機械を取扱つたようなことは勿論ありません。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 只今発電、変電所等において、スト行為として間接にやり得ることをずつと例示なさいましたが、そうしますと、これは御経験がないとすると、誰からこういうことをお聞きになりましたか。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) この第二条は直接に障害を生ぜしむる行為で、間接のものはこれは入りません。そこから一応通産省あたりとも話合いまして、今申しましたような点は一応間接に入るのじやないか、こういうことを申上げたのであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) いや、私が申上げたのは、例えば先ほど機械が故障を起しておる、或いは線路が切れかけておるとか、いろいろ具体的な、碍子がどうこうとかおつしやいましたけれども、そういう純技術的なことをあなた御経験がないとおつしやつたわけですが、誰からお聞きになりましたということです。私はよく知つているものだから伺つておるのです

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) ですから、それは通産省のほうから聞いたわけであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) そうしますと私も重ねて伺いますが、今あなたがおつしやられたようなことが、技術的にこの法の運用で、法律に抵触するかしないかというような明確な見解というものは、下せますか、その故障の状態において……。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) これは結局具体的にその時の状態を一々調ベましてしませんと判定できないのであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) わかりました。それでは最後に申しますが、私のほうから技術的にあらゆる条件における故障の状態その他を列挙して出しますが、それで全部これは合法であるか非合法であるかお答え願えますか。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) これはどういうふうな設問が出るか存じませんが、結局はもう具体的にその時々のケースによつて判断するよりしようがないので、幾ら厳格にやりましても結局は抽象的なものになるのじやないかと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) そうじやございません、抽象的じやないですが、故障の状態というものは技術的にそう大して幾種類もあるわけじやないでしよう。例えば一つの例を申上げますと、送電線が断線をする、切れてしまえば電気は止ります。ところが仮に雷によつてシヨックを受けた、そういう場合がある、百ミリの送電線がこういう工合に望遠鏡で見ればそのうち三本切れておる、四本切れておるということがわかる、併しこれは送電上二年経つても三年経つても発見しないで断線をしなかつた例もある、すぐ切れてしまつた例もある、そういうような具体的なゼネラルの問題は幾らでもある、技術的に全部で百あるか二百あるか、三百あるか五百あるかわかりません。それに対してそれを私はこの法律案のうちではつきり合法であるか非合法であるかということをきめておかなければ、こういうふうな抽象的の法の適用ができないと思います。だから労働省が若しおやりになるならば我々作つて出すから、それについて合法であるか非合法であるか、これは技術的の問題ですから御決定なさる用意があるかどうか、それを伺つておきたい。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) この法律に限りませず、正常なとか、或いは直接にとか、間接にとかいうのは相当いろいろの法律でも使つております。その場合に立法当初にあらゆることを予想してするというようなことは恐らくは私は不可能じやないか、又それをやつておきましても結局個々の場合、具体的な事象に応じて考えなければならない、今お話になりましたようなことは私は技術者でないからわかりませんけれども、その場合でもまたいろいろあるのじやないかというふうに考えられるのであります。但し若しも早急にそういう代表的ケースが御提出願えれば、或いは通産省の技術関係と話合いまして、若し見解が下せるものなら下していいと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) もう一点、それで問題は私が言つておるのは、あなたも今述べられたような個々のケースがあつてわからん、私が今一つ出した例もいろいろ言われるのですが、これは私自身も実はわからないのです。現象がそういうことではつきりしているだけで、今のあなたの御答弁ではそういう事態がどうなるかわからない、そういうあいまいなことをこのままにして法の運用ができるかどうか、問題はそれは純技術的な問題ですから、従つてそういうことができないということになるならば、あなたは間接的には争議行為があるといいながら、現実には全部ないということをおつしやつておる。又間接にあるということならばそこは非常にあいまいだから、労使の間で徒らなる紛争を将来捲き起して行くということも起る、そのどちらをあなたはお取りになりますか。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 今の問題、先ほども言いましたように、更にもつと技術的な関係の法律もございます。そうして最後は客観的判定機関としまして裁判所が判定するのでありまして、如何に技術的なものといたしましても、やはり最後は裁判所において客観的に判定はできるのじやないか、こういうふうに考えておりまして、その点は別にこの法律が特別にそういつたまぎらわしい性格を持つておるものというふうには考えられないのであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) そうすると、今申上げたようなことは、この法の施行規則か何か作つて、労働者が安心してこれは間接の供給停止行為である。直接の停止行為であるというようなことを何か明らかにしなければ、あなたが幾ら間接にあると言われてもやるわけには行かない。罪になるかも知れない。先ほど小坂労働大臣はそういうふうにして無実の罪で労働者が引つ張られることがかわいそうだからこの法律案を作つて保護してやると言つておる。現に間接的な行為でどんどん労働者が引つ張られるかも知れない、そういうあなたはでたらめなことを言わないようにして下さい。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 吉田さん、大変恐縮ですが、もう一、二点だけで我慢いたしまして、私の成規に廻つて来たときに関連でないやつでやりたいと思いますから……。  そういたしますと、結局不明確のようになつておりますから、細かいことは別といたしましても、この法案を審議するに当つて是非をきめる場合については是非ともこの影響の範囲がどうであるか、従つて労使の力関係というか、対等の原則がどのように変更されるかという点から是非とも伺いたいのであります。そこで今発電所の電気技術労働者、これは何らの争議手段も持たない、何もなくなるというものではなく、やはり間接には電気の停廃を起すというような、こういうものは無論残されておる。なぜならば、この条文第二条を見ると、直接ということが特に書かれておるのだから、当然間接のものは残されておるのだ、こう言われたと思います。労働大臣、その通りですか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 直接に障害を生ぜしめる行為としてはならないのでありまして、間接であります場合も争議行為としては考えられると思います。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 そういたしますと、ここに一つの事例がありますので、それが間接、直接についてどのようにお考えになるかということを一応チエックして、今発言の中から私の予想しておるものとの食い違いがあるかないかを見たいと思います。昨年の十二月十二日、三日、当時公述人である東電常務取締役の堀越氏も言われたごとく、あの長期に亘る争議行為の中で二晩だけ一般の電灯が前後四時間でしたか、停つたといわれておるが、あのときの停電模様を調査いたしますと、あれは争議行為ではなくして、東京電力管内におきまして当時電産の関東地方本部はたまたま争議状態の中でもあるし、従つて潮田、鶴見、千住火力発電所において時間外勤務、所定の八時間勤務にしたけれども、時間外の勤務まではできない。時間外はいたしませんよと言つて時間外勤務をしなかつたために、電気があのようにとまつて、何とか時間外をやつてくれということで、それでは時間外はやるけれども、将来速かに一つ人員も補充してもらいたいということで、なお今日そのような事態の起きる状態はあります。現実にこのことはあつたわけです。御調査になればわかります。将来時間外まで、これは当然電気がとまることが予想されるもの、時間外もこれはたとえそれが十二時間勤務になろうと、会社が人事権と称して人を入れないという場合には二十四時間勤務になるかも知れないが、いずれにいたしましても、時間外勤務までしてでも電気がとまる争議行為はできないというものであるか、これはやはり今言われた間接の部類に入るのか、この点一点お聞きしたいと思います。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 時間外勤務は御承知のごとく基準法によりまして、労使協定によつてやることになつております。そこで協定がありまして時間外勤務をやつておる場合、争議行為としてこれをやはり拒否するということは一応正常な供給に対して障害を与える、協定のない場合はこれは基準法の違反でもございまして、時間外を拒否しても止むを得ないと思います。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 その見解自体は無論対立いたしておりますが、労調法に言う争議行為なるものを就業規則やこういつたものが縛りつけるという御解釈のようですが、これはもう少し研究して頂きたいと思います。そのようなものではない。併し時間がないからそれには触れません。更に今言われたように時間外というものは、これは結局電気がとまろうとも、仮に今の説をそのまま借りるならば、時間外協定が切れていたりすれば、これはやはり正当なものだという間接の部類に入ると言われております。これは当然時間外の協定を、これが制定されたならば恐らく電気労働者は時間外協定などしないで、便宜的にその都度時間外を会社にして差上げるかも知れませんが、こういうことになるかも知れません。  そこで第二のケースとして、前回もあつたわけですが、ほんの二、三ポイントを押えて見れば全体的に解釈がわかると思いますので、その意味で申上げます。御承知のように水火力或いは変電所給電指令所、これは四六時間中誰か勤務しなければならないということが建前でありまして、特に自動化されたところは例外として除きましても、通常の場合に三交代、こういつた状態にあると思います。特定なところが二交代或いは時差勤務とか、併し一般に三交代を予想いたしましよう、三交代の人が先ずAの勤務員がAグループですね、ABC三グループ三交代とするならば、Aグループが仕事をやつている、併しそのAグループが時間外もやつているし仕事を続けているので、Bグループとしてはやはり我々は直接には電気を、人が働いている所へ行つて発電機をいきなりスイッチを切つてとめたりとかいう、そういうことはしない、或いは変電所へ行つてスイッチを切つたりしない、けれども今運転しているのだから少くともグループとしてはもう仕事をしない、現実に電気は送られております。これは確かに直接とめているのではないのであつて、何らこの第二条には抵触しないと考えられるのです。今までの論理から推定いたしますると……。これは現実に昨年の場合にもあつて御研究になつていると思います。この点については一体間接なのかそれは直接なのか、この点も併せて明確にして頂きたいと思います。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 先ほどの問題も今の問題も、直接間接と申しますよりは、やはりこれは直接に障害を及ぼすところの問題だと思います。三交代でやつておるのを二交代でやる、それで正常な供給がまあ普通はできないだろうと思います。人員がうんとあり余つておる事情があれば別でありますが、大体三交代で初めて正常な供給ができておるという場合に、二交代ということは結局客観的に見まして直接に障害を生ぜしめる結果の客観的な行為であると言わざるを得ない。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 これも然らば法務大臣と一緒のところで明確にいたしたいと思います。その点につきましては又大きな食い違いがありまして、今日の政府検察当局の公判闘争と全く、今端的に申上げると大きな食い違いがありますので、又その節にどちらが依然として正しい御答弁になるか、これ又百八十度違つておりますので、この点はその時に譲りたいと思います。従いまして爾余の質問は関連と若干違いますので、ここで吉田さんにお願いいたします。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 どうしましようか、時間も大変本日予想しましたよりは遅れたのですが……。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) できれば、明日の朝、ちよつと早いので、質問を打切つてもらえば幸いですが。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 いろいろございますけれども、それでは時間もございますし、明日に留保いたしましては……。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり)

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) では、本日はこれにて散会いたします。    午後七時二十五分散会

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