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16回国会参議院1953/06/29

労働委員会 第6号

発言数
112
登壇者
19
会派数
3
開催日
1953/06/29

会議録

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 只今より労働委員会を開会いたします。  本委員会は労働情勢一般に関する調査の一環として、先般来米軍施設内における労働三法の適用状況について調査して参りましたが、本日は右の件に関しまして、私契約に伴う人事条項につきまして、参考人の御出頭を願い御意見を聴取することにいたしました。参考人の方々におかれましては御多用中にもかかわらず御出頭を下され、委員長といたして甚だ感謝に堪えません。なお本日は本会議の関係等で委員会の開会が非常に遅れまして、御迷惑をおかけいたしましたことを心から恐縮に存じております。  只今から順次御発言をお願いいたしますが、要点を簡明率直にお述べ願いたいと存じます。前以て御案内を申上げておきましたが、経営者側の方々におかれましては、一つ現行の人事条項と七月一日より改訂される模様の人事条項との相違点を具体的に述べ、それによる負担の軽減、新人事条項に対し如何なる措置をとられる予定か、更に今後どうされるかを述べて頂きたい。第二点、労務管理の自主性から見て現行人事条項に対する支障の有無を述べて頂きたい。第三点労働協約、就業規則、その他労働組合関係法の運用と人事条項との関係について、会社の立場から見解を述べて頂きたい。第四点、現行人事条項を従事員又は労働組合に公表をし、人事条項による影響の緩和に努められたことがあるかどうかを述べられたい。第五点、現行人事条項による契約担当官の通告があつた場合、貴社の見解と違つていたときどう対処せられたか、具体的事例についても述べられたい。第六点、現行の人事条項は解雇約款とは解されないが、被通告者に対し如何に措置せられたかを述べられたい。  なお、労働組合側におかれましては、第一点、現行人事条項が七月一日より同封の人事条項案に改訂される模様であると聞く、従つて労働者は従前よりも一層不安定な雇用上の地位におかれるかどうか、従前と比較して有利、不利な点を述べられたい。第二点、労働協約、就業規則、その他労働組合関係法の運用と人事条項との関係について組合の立場からの見解を述べられたい。第三点、なお現行の人事条項は会社側より通知されていたかどうか、あつたとき、それに労働組合はどう対処されたか。第四点、七月一日から現行の人事条項が改訂される模様について通知されたかどうか。第五点、現行人事条項による契約担当官の通告の内容、その理由、根拠についてどう考えられるか。第六点、現行人事条項は解雇約款と解されないが、非通告者はどう取扱われたかにつきまして具体的に説明をお願いいたします。  なお、経営者側にお願いを申上げますが、二名以上おいでになつておりまするところは、時間の都合がございまするので、いずれか御一名に御発言をお願い申上げたいと存じます。  本日は日本製鋼所、富士自動車、小松製作所、三菱日本重工業株式会社、日本経営者団体連盟、関東特需労働組合協議会の順序に御発言をお願い申上げたいと存じます。ではどうぞ……。

武光正一株式会社日本製鋼所赤羽製作所次長

○参考人(武光正一君) 御質問の要点にお答えする前に、実はこの問題は、本日は人事条項の問題でございますが、これは結局これをどうするかということになるのじやないかと思うのです。実は業界としましては、この問題は大分前から取上げられておりまして、日経連のほうで取りまとめて日本政府及び米軍側といろいろ折衝を重ねて来ておられる問題でありますので、その間の事情を日経連の方に一つお話願いまして、大体の問題の概要を述べて頂いたあとでこの項の問題に入らして頂いたらどうか、こういうふうに考えますのですが、如何でしようか。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) よくわかりました。日経連のほうはさような、今日本製鋼所からの御発言のありましたような工合に進めてよろしうございますか。

師勝夫日本経営者団体連盟協力部長

○参考人(師勝夫君) よろしうございます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) それでは只今日本製鋼所の赤羽製作所の次長武光正一君から御発言ございましたから、さように発言の順序をきめたいと思います。  それでは日本経営団体連盟協力部長師勝夫君。

師勝夫日本経営者団体連盟協力部長

○参考人(師勝夫君) 御指名によりまして私のほうから最初に申上げます。  先ずこの特需工場の問題につきまして、参議院の労働委員会がお取上げになりましたことにつきましては、経営側を代表しまして敬意を表する次第であります。と申しますのは、この問題は労働組合も経営側も実は共通の目標を持つて従来までやつて参りましたのでございます。要するに特需会社とJ・P・Aとの間に結ばれます契約の中に人事条項、いわゆるレーバー・クローズというものがありました関係上、従来いろいろの紛争が不必要に起されて参りましたので、日経連におきましても昨年来特需会社、それから特需自動車工業会などと十分連絡しまして、二回に亘りましてこの人事条項に関する修正として、いわゆる結論的には経営者側に人事権の自主性の確立を要望するという意味の要請を関係方面に出したのであります。その後それによりまして労働省も、或いは日米合同委員の労務委員会におきましてもこの問題をお取上げ頂きましたのであります。ところがL・S・O関係のいわゆる基本計画とほぼ同じ性格のものでありますので、それと睨み合せる関係上、労務委員会におきましては、従来ほぼ一年間というものはこの問題をそちらのほうにのみ研究して参つておるようであります。  で、経営側の希望いたします点は、こういう人事条項の存在によりまして、一般の労働者に不必要に不安を起さしておる面がありましたので、その不安を一掃するために、特に実情に合うような契約条項に直して行く必要を認めるわけであります。言い換えますと、アメリカの労働慣行と日本の労働慣行とが全く違つておりますので、その違いがいわゆる人事条項に現われ、それが人事条項をめぐつて各会社の現場におきましていろいろの問題が起つて来たものと我々は考えております。いわゆる日本の労働慣行とアメリカの労働慣行を如何に調整するかというところにこの問題の解決点があるように思われますので、その点を是非労働委員会におきましてもお取上げを頂きたいと思うのであります。勿論経営側は、日米の労働問題を平和裡に円滑に進行するようにいたすためにいろいろの意見を申上げて来たわけであります。  現在労働委員会からお示しの六項目の質問事項につきまして、実は各会社がそれぞれJ・P・Aの契約担当官と一生懸命実態に即するような契約条項に直すために現在協議中でございます。例えば従来は一方的に軍の監督官に人事権が行使されるような趣きがありましたので、それを直すためにいわゆる協議約款、人事権を行使する前に日本側と米軍側が協議をするという協議的款を、最近は、最近はと申しますと、今度の新人事条項契約、人事条項を契約するにつきましてそういうものを入れたらどうかという意向の下に各社が努力をしておるようでございます。  なお勿論特需会社におきましては、労使関係は比較的円満に行つておるものと思いますので、不必要な紛争にならないようにするために、経営側は特に労働協約、就業規則その他この問題に関しましては十分気を配りましてやつておるようでございます。その点も是非労働委員会におきましてお認めを頂きたいと思うのであります。  結論といたしまして、この人事条項は結約J・P・Aと特需会社との私契約でございます。即ち会社の業務運営上結ぶところの請負契約でございまして、そのもの自体は労働者そのものとは直接の関係はないようにも考えられるのであります。で今後これをどうするかということにつきましては、先ほどからも強調しておりますように、日米の労働慣行の調整に今後相当の努力を政府方面におきましてもお取運びを願いたいという、これが一つ。更に問題の一つは、産業破壊分子の存在、それの運動によりましていろいろの紛争が起つておりますので、これに対して政府当局が更に強力なる施策をおとり願いたいという点が第二点であります。なお人事条項をめぐりまして法律的な解釈なり取扱いがいろいろにございまして、今なお確定したものがないようでありますので、このような問題につきましても政府方面で特に御研究を煩わしたいと思つております。  更にもう一つ附加えますのは、人事条項と申しましても各社いろいろございます。いわゆる軍管理工場である会社と軍管理工場でない会社と二種に大別できるわけでありますので、その二大別しましても、そのおのおのに事情はいろいろ異つておりますので、これを共通的に一般的に取上げるのはなかなかの問題でございます。  以上まとまりませんが、概括的には私のほうの意見はそのようなものでございます。一応私の説明を終ります。

坂本登新産別全国機械金属労働組合三菱下丸子支部執行委員長、関東特需労働組合協議会議長

○参考人(坂本登君) 只今日経連のほうの側からこれまでのこの問題に関します経過と申しますか、一般的なことについて発言がありましたので、我々特需労働組合協議会として、関東一円の全体の特需工場の労働者を以て組織されております関東特需労働協議会の立場から、これまでのこの問題に対する経過をあらかじめ申上げたほうが審議に便宜かと存じますが、如何でしようか。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) よろしうございますか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり〕

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) それではどうぞ。

坂本登新産別全国機械金属労働組合三菱下丸子支部執行委員長、関東特需労働組合協議会議長

○参考人(坂本登君) この問題につきましては、関特労の全体の共通の問題としまして、早くから我々としては取上げて参つたわけでありますが、取上げて参りました立場は、この人事条項に関する契約は、私契約といつても実際には相当な影響を持つて、相当な影響と申しますよりは絶対的な影響を持つし、その根拠は不法且つ不合理なものだ、こういうような立場から我々としては削除の運動を大分前からやつて参つたわけであります。  その運動の代表的は二、三の点について触れますと、先ず第一番目に合同委員会に対する働きかけであります。この働きかけとしましては、当然日本側の委員の同意を得る、こういう必要がありましたところから労働省その他関係当局といろいろ折衝いたしまして、その内容は、こういうようなものを設ける必要がないという観点から我々としては主張したのでありますが、私手許にその当時の労働省で参画されています委員の意見書を持つておりますが、それによりましても、大体こういうようなものは不必要である、そうしてその解決法としては、労使の自主的なものによつてやればいい、又この中で特に米側が心配されたと思われる過激分子に対する問題については、組合自体が今日においてはそういうような方向に向いておる。又その甚だしきに至つては刑特法という別個な独立法を以てこれを処理することができる。それにもかかわらずこのような契約を設けることは、今、日経連の方から発言がありましたように、徒らに労使の紛争を惹起するものである。こういうような観点が認められまして、合同委員会においても必ずやそういう趣旨の発言がされて、今日なお制定を見なかつたというような、その経過にあつてはそういうような観点が十分明らかにされて来たところであります。  なお私契約、これは飽くまで私契約であるから、こういうような観点について一つ立証します例としましては、私ども三菱下丸子に起りましたいわゆる軍のメモランダムによりますところの解雇事件を地裁に提訴した事実があります。その判決の要旨をそれでは申上げますと次のようなことでありました。この私契約は労使の間に結ばれるものであるからそれ自体は違法ではない。併しこれが効力を発生するという場合には、具体的な事実が、日本の国内法に照らして解雇がそれ相当の具体的な理由を持つ場合に限る。即ち私契約であるから、それが直ちに効力を発するから解雇が有効であるということでなくて、その私契約に基いてやらんとした事実が日本の国法に照らしても解雇の理由となる場合に限る。こういうような定義がなされておりますが、実際には更にその下に次のような言葉が附言されたことによりまして解雇は実施されております。即ちそうではあるけれども、米軍の言い分を経営者が拒否した場合には、その経営において米軍との契約事業を継続することが困難になるであろう。従つて会社の存立を保護し、従業員全体を失業から救うためにはこのメモランダムを会社が実施することは止むを得なかつたであろう。こういうような解釈におきまして、結果的には解雇は合法である、有効である、こういうような判決に逢着した事実がございます。ここに至りまして、但しこの問題については若干微妙な点もあるのでありますが、その事件の発生が占領中であつたから、こういうように一応附言されております。さればと言つて、占領後においてはこのような解釈はないのだということではないのであります。その後この種の例が関東関係においてはございませんので、それに相次いで法廷においてこういう問題が我々の解釈通りであるかというようなことを立証する機会を持たないままに今日に参つております。  第三のこの運動に対します例といたしましては、この一月の二十九日に参議院並びに衆議院の労働委員会にこの問題を取上げて頂くことを意図いたしまして、各党に要請書を送つております。その要請書の内客は、今申上げましたような経過からいつて、独立した今日においては当然そういう私契約というようなものは必要がない、そういう隷属的なものは排撃されなけれなければならん、それが実際にそういう例がないからよろしいではないかというような当局の話もありましたが、例がなくて適用しないものであつたならば、なお更要らないではないか、こういうような見地を以ちまして運動を展開して参つたのでありますが、たまたま衆議院の解散等がありまして、今日までその機会がなかつたのでありまして、ここに一応一、二カ月傾挫しましたこの問題が、たまたま今回のような日鋼赤羽の事件をめぐりまして御審議頂くようになつた。こういうような経過がありますことを一応事前に御報告しておきます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) それでは先ほどに戻りまして、日本製鋼武光正一君にお願いいたします。

武光正一株式会社日本製鋼所赤羽製作所次長

○参考人(武光正一君) それでは御質問の要点に簡単にお答えをして頂きます。  私のほうは、七月一日から改訂される契約は目下協議中でございまして、まだ決定しておりません。会社といたしましては、この人事条項に対して形式的にこれをいろいろ議論し、これの改廃等を取上げて行くということは、各業者としてはなかなか困難なところがございますので、飽くまで人事条項の実質的な、実際どう現われるかという点について極力協議をして参つた次第であります。  御質問の要点の一は、一応向うから示されております七月一日以降の契約条項には、この人事条項と申しますのは、この翻訳の第八条のB項でございますが、B項は本年度のものと来年度のものと全く相違はございません。ただA項というのが今回追加されたわけでありまするが、これは業者としてはできるだけの努力をするということだと考えております。  御質問の第二項の点は、労務管理は先般し申しましたように、会社としては飽くまで自主的に考えておりまして、人事条項についてもあらかじめ先方に十分な根拠を示してもらわなければ応じがたいということを申して、講和後は実際問題として人事条項が適用された例はございませんので、実質的には支障はない、こういうふうに申上げられると思います。  第三項は、労働協約は現在無協約になつております。従来ございましたのは去年の夏に失効しております。就業規則は労働協約を受けてできておるものでありますが、これは只今申しましたように実際に適用がございませんので、実質的には問題がないのでありますが、労働協約については組合との間に交渉を進めております。これがきまりますれば、それを受けて就業規則も変つて行く、こういうことで、人事条項に関する問題は、組合との話合いで解決して行くものだと考えております。  第四点の公表したことがあるか、影響の緩和に努められたか、こういうことでございますが、只今申しましたような事情で、飽くまでこの条項は会社と米側との私契約の条項でございまして、これが実際に従業員に影響を及ぼしておらないならばあえて公表する必要はない、こういう立場をとつて公表しておりません。影響の緩和については先ほど申しました通りでございます。  第五点についても、最近ではこういう問題がございませんので、申述べる必要はないかと存じます。  第六点も同様でございます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 次に同じく日本製鋼赤羽労働組合副執行委員長前田信義君。

前田信義株式会社日本製鋼所赤羽労働組合副執行委員長

○参考人(前田信義君) この質問要点に一つずつ申上げて参ります。  この人事条項は七月一日からこういうふうに改訂され云々というふうなことでございますが、私たちといたしましては、過去におきまして人事条項はあるらしいというふうには知つておりましたが、具体的には会社から明示されたことがございませんので実際に知らないわけでございます。この点につきまして従前と比較して不利な点を述べられたいというふうに書いておりますが、従前にはあつたというふうには考えておりますが、併し実際にはわからない。無論これがあることは我々に不利であることは言うまでもないわけであります。私たちはこういうものがあることによつて安心して働けない、具体的に申上げますならば、私は人事条項は実際に現在まで明文化したものは知りませんけれども、全然作業に影響なくても、思想的にこうであるとか或いは組合活動に実際に活撥であつたとかいう者は実際に解雇されておるわけです。これは四月の二十八日の締結以後発効までの間においてはこういう人事条項によると思われる解雇があつたわけでございます。ですから無論これが不利であるということは、これは言を待たないところでございます。無論集会等につきましても、例えば就業規則等におきましては、会社の承認によつて、会社の許可によつてやらせるというふうになつていながら、実際には会社の自主性だけではできない。では軍はどうかというと、軍は許可しない方針であるというような点から見ましても、明らかにこれは不利であるということははつきりしております。  その次の二つ目の、労働協約、就業規則その他労働関係法の運用と人事条項との関係について組合の立場からの見解を述べられたい。これにつきましては、この人事条項の現われが、具体的に言つて私たちが日常実施されておりますところの就業規則に現われていると思います。そのことは在日米軍より特別の勧告或いは指示命令があつた場合には、この部分につくところの就業規則は命令のほうが優先するというふうな一項を以てしても、明らかにこれは人事条項が形を変えて就業規則にこういうふうになつているというふうに考えるわけであります。  三の、現行人事条項は会社側から通知されていたかということにつきましては、只今武光次長も言いましたが、これはこういう言葉で私たちには言われております。このことは軍の秘密である、秘密になつているから君たちには公表はできないということで、この人事条項については一切私たちは知らされておりません。  それから四つ目の、七月一日から現行の人事条項が改訂される模様について通知されたかということも全然通知されておりません。  それから五つ目の現行の人事条項による契約担当官の通告の内容、その理由、根拠についてどう考えるかということでございますが、この通告につきましても、この人事条項につきましても、今申上げたように通告もない、今初めてここで武光次長がB項は従来と同じである、A項が今度は追加されたというふうに初めて言われたわけであります。従来どういう形のものであつたかということは全然知らないわけであります。私たちとしては無論自主性ある会社の下に働きたいというのが私たちの念願でございます。  六つ目の、現行人事条項は解雇約款と解されないが、被通告者はどう取扱われたかということでございます。これは講和発効後におきまして、会社としては人事条項による解雇はないというふうに言つております。確かに私たちにとりましても発効後におきましては軍命であると正面切つた解雇はございません。併しながら会社の都合ということによりまして解雇され、その本人が解雇される理由がないというのでその解雇を納得しない、そういたしますと、その結果としてどういうことになるかと言いますと、M・Pがジープに乗りまして自宅に来まして、そうして米軍が発行しているところのパスを持つて行くということでございます。明らかにいういつた点が多少何か関連があるのではないかというふうに組合としては考えておりますが、正面切つた軍命解雇というものは発効後はないということです。併し締結以後はございます。大体そういつたところでございます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 次に富士自動車追浜工場長大野竹二君にお願いいたします。

大野竹二富士自動車株式会社追浜工場長

○参考人(大野竹二君) 御質問の順に御回答申上げます。  質問第一の、現行の人事条項と七月一日以降の新契約の人事条項との差異についてでありますが、これは先般お手許に資料を差上げましたので御覧頂いておると思いまするので、差異の点は省略いたしますが、新たに八条のほかに第九条バツジその他に関する件、それから第十条、従業員に対する社会保障その他に関する責任の点、こういうような点が加わりました。目下のところはこの第九条のバツジの件につきましては折衝の結果削除してもらうことになりました。第十条の社会保障その他の責任に関する点は、これは従来事実上これを実施しておりますので、負担の増減にならないと思いますので、あつてもなくても同じと考えております。それから問題の第八条のうちでB項は従来にあつたと同じであります。それにプラスA項の(1)、(2)、(3)項が附いたわけであります。私たちといたしましては極力こういうような条項は削除してもらうように交渉はいたしておりますが、もうすでに契約の内容も完了しておりますし、あとは一般項目についての折衝が残されておるのみでありまして、なかなかこれを撤回させるということは困難なように考えております。先般も申上げました通り、こういうような問題は一事業体における軍との折衝においてはなかなか容易な問題ではありませんので、やはり合同委員会等において一つ極力是正して頂くようにお願い申上げたい次第でございます。  それから第二の労務管理の自主性についての御質問でございますが、これはお答え申上げますまでもなく、こういう条項がありますれば、労務管理の自主性というものは考えられないのであります。この前も申上げました通り、私どもといたしましてはこれを削除してもらいたい、若し削除ができない場合は、やはりこういう問題点にならないよう、最も明確に約款を規定してもらいたい。従来のこの適用はあとで申上げますが、資料にもありまするごとくに具体的の事例の明示がないのでありまして、単なるセキユリテイーという保安上の理由という以外に何ものも、そのものが有害であるかどうかの判定が客観的に証明されておらないのであります。そういうような点がすべての問題点となるのでありまして、このいうような点も明確に規定して頂くには、やはり合同委員会あたりで折衝して頂く以外にほかに途はないのではないかと考えております。  それから次は第三の御質問でありますが、私どものほうはまだ労働協約はございません。就業規則に関連いたしまして申上げますと、これはあとに実際の事例でも申上げますが、会社といたしましてはこの役務契約は一種の私法上の契約でありますから、指揮官から仮に通告があつても、これは軍の命令若しくは指示とは法律的には解釈されないと思います。併しながら経営者といたしましてはこの契約の履行を要求されました場合は、契約を放棄しない限りは約款を呑まなければならないし、約款を呑めばこれが発動されたという場合には、止むを得ずこれに応ぜばなければならないという事例もあります。実際の場合におきましては、お手許に差上げました当会社の就業規則五十四条の第二項の適用、即ち会社が業務上止むを得ざる事情という理由を以て処理いたさなきやならないというような状況でありました。  それから御質問の第四項、現行人事条項は従業員若しくは労働組合に公表してあるかどうか、その点は、あとで五項、六項について申上げますが、昨年問題が起きましたときまでは公表してございません。その後は新らしい人事条項につきましては組合にも知らせてございます。  最後に御質問の第五、第六と一緒に申上げたいと思います。即ち現行の人事条項による契約担当官の通告があつた場合に、貴社の見解と違つていたときは如何に処置せられたか、具体的事例について述べられたい。それからもう一つは、現行の人事条項は解雇約款とは解せられないが、被通告者に対しては如何なる処置をしたのか。そういう御質問について、昨年の六月三日に起りました問題について具体的に御説明申上げます。講和発効いたしました昨年の六月三日、併しまだ契約といたしましては講和前に契約した契約期間中の問題であります。六月一日に、これもお手許に差上げてございますが、契約執行官示達において工場の指揮官からの文書で以て契約条項に基いて雇用不適当のためにこれこれの人は工場内に立入りを禁止する旨の通告がございました。別に解雇とかいう言葉は書いてございません。いろいろ折衝をいたしまして、理由説明を求めましたけれども、単なる保安上の理由というのみの答えで内容を明示してくれません。会社としても初めての出来事でありますので、関係御当局にもいろいろお伺いを立てまして、地労委においてもこれは困難な問題であるから、会社としても止むを得ないのじやないだろうかというような御見解も承わりました。労働基準監督署並びに労働省の関係の方にもお伺いを立てまして、大体御同様な御見解を伺つた次第であります。又いろいろ米人の弁護士等にも意見を聴取いたしましたけれども、契約の不履行の根拠はない、通告通りにこれを履行する以外に方法はないだろう、こういうようないろいろの見解を受けました。そこで会社といたしましては、先ほど申上げました通りに、処置については就業規則の五十四条第二項、業務上の止むを得ざる理由という点を根拠におきまして一応その当該の方に辞職の勧告をいたしました。そうして全部これを終局においては応諾してやめられたわけであります。なお組合に対しましては当時三役にこれを説明いたしまして、会社の立場を了解してもらいました。組合も本人がこれを提訴するの意思のないことがはつきりいたしましたので、具体的の行動は当時なかつた次第でございます。  大体以上でございます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 同じく労働組合長三富博君にお願いいたします。

三富博富士自動車株式会社労働組合組合長

○参考人(三富博君) 御指名によりまして御質問の第一項から述べさして頂きます。  第一項は、現行人事条項が七月一日から同封の人事条項案に改訂される模様である、従つて労働者は従前よりも一層不安定な雇用上の地位におかれるかどうか、この点であります。この点につきましては現在においても身分保全上不安定であることは幾多の事例で判明しておりますように、それよりも加わるということはより明らかに不安定であるということは申上げられます。更に従前と比較して有利、不利な点を述べられたい、この点でありますが、只今申上げましたように、これに加えまして七月一日から第八条のA項が加わり、請負業者がその事項を同意したとするならば、スパイ行為とか怠業若しくは破壊活動とかという字句が使用されておりまして、時期の規定がありません。従いまして常時これが現況報告というものが要求されるという関係上、而もその情報一切が完全な秘密報告によるとなつております。こういうことになりますと、特高に類するところの特定の調査活動を会社に許すということになります。その結果するところのものは良心的なものでありましても、契約担当官からの要求により無理にでも該当事実を作り上げて行くという慮れがないとは申上げられません。更に労使の争議行為或いは双方の悪感情による場合のことを想像するならば、一層この感を深くするばかりか、労組員或いは従業員が如何に不利な立場になるかは推して知るべしであると思います。延いては憲法に定めるところの基本人権の侵害ともなり、労働三法の保護思想がより一層曲げられるのではないかと考えております。  更に第二項の、労働協約、就業規則その他労組関係法の運用と人事条項との関係について組合の立場からの見解を述べられたい、このようなことでありますが、特に富士におきましては、お手許にありますように、会社から出されました労働事情のF項を参照して頂ければわかりますが、昭和二十四年の九月二十九日に当時の工場監督官の指令と申しますか、指示と申しますか、構内における政治活動が禁止されておりまして、その効力が未だあるものとこういう見解を会社が現在とつております関係上、非常にあらゆる協約の審議にいたしましても、又就業規則の上においても、会社の就業規則の罰則、制裁、それ以上にそういうようなものが含まれるという関係上、どうしても審議運営に当つても会社はなかなかその線を越えてまでも我々に、協約にいたしましてもそういうような点に触れて来られない、そういう憾みがあるわけであります。そういう関係上この人事条項については更に、只今工場長からも言われたのですが、昨年私のほうにも軍命解雇というものが発生しております。これについてはなお後ほど発表したいと思つております。それにつきましてまだ見解としましては、こういう状態で我々の主張と会社の主張が明らかに相反するというような状態において、それを守らなければ会社は契約上のキヤンセルということもあるということで、先ほど申しましたように現実的にはなかなか協約も進展しない、もう三年近くこの問題について取組んでおりますが、やはり基本的な問題が解決されないために、未だ進展しておらないというような状態であります。このような状態にありまして、組合の立場から申上げますると、みずからの労働条件を有利にするには会社自身自主的により強い状態に置かれてほしいということであります。それがためには過去のごとく軍基地内における私契約上の問題であるからと申しまして、政府なり或いは国会が、弱い業者を孤立させておくような放任主義であつてはならないということであります。だから参議院の労働委員会がこの問題を具体的に取上げるに至つたことを深く感謝いたしますが、必ず結論を得て頂きたいと、こういう見解を持つております。  更に次の質問事項でありますところの、なお現行の人事条項は会社側より通告されていたかどうか、あつたときそれに労働組合はどう対処されたか、この問題でありますが、これはこの人事条項につきましては只今申しましたように、昨年の六月十八日、更に二十七日と初めて軍命解雇が富士で発生しております。その以前に私たちはこの人事条項があるということはすでに承知しておりまして、これに対するところの撤回運動をすでに、先ほど関特の坂本議長が言いましたように運動を起しておりましたが、それまでは会社としての通知といいますか、そういうようなものはなかつたわけでありますが、そのときに初めてその条項が示されたわけであります。それで今も申上げましたように、それに労組はどう対処したかの問題でありますが、この問題につきまして私たちは、昭和二十六年十一月頃よりこの問題に取組みまして、やがて起るであろうところの行政協定、そういうような問題について、如何にこの人事条項を撤回しなければならないかというようなことについて、先ほど関特労の議長から縷々説明がありましたように大きな活動を続けて来たつもりでありました。そういう中においてこれが発生したということで、而も講和発効後にできたということからして、より強いことを政府は勿論、国会又アメリカ軍当局、大使館というようなところへも呼びかけてなお且つ活動を続けている状態であります。  それから次の問題であります七月一日から現行の人事条項が改訂される模様について通知されたかどうか、これは日経連の発表もありましたし、又更に会社のほうからもこういうような模様であるということが示されております。その中から第九条関係は会社としても強く削除して行くと、削除できる模様であるという内容が知らされております。その間会社にも軍命解雇というような醜い姿があつた関係上、この点については会社からも特に組合のほうに対して通知をしてくれておるようでありますから承知しておりました。  それから現行人事条項による契約担当官の通告の内容、その理由、根拠についてどう考えられるか、この問題でありますが、冨士で軍命解雇になりましたときも、これは組合としてはその不当性を会社に対しまして言つたわけでありますが、明らかにされたものは、やはり先ほどのように軍保安上という言葉だけであります。従いまして特に不明確であるというお答えができます。これは我々の仲間では共産党のことをマル共と一言で言つておりますが、そういう容疑者を一つの線上に挙げると二千円乃至三千円の報酬がある。而もそれがマル共というところの断定がついて、そうしてその線上にはつきりして来ると一万円何がしの報酬ももらえるのである、こういうようなことがありまして、場合によつてはこのような悪質なブローカー、情報ブローカーといいますか、そういうようなブローカーの我々労働者が餌になる、そういうことによつて根拠のないところの軍命解雇の対象者が出る、こういう虞れがないわけではないのであります。一つの例を言いますと、同姓同名であつてその者が首になつてしまう、名前もうつかりつけられない、こういうような事態であります。それでもそういう根拠を突いて行くならば必ずや明るみに出るのではないかと思いますが、不幸にして我々にはそれに与えられたところの力もありません。そういうことでそのように私たちは考えております。  更に、現行人事条項は解雇約款と解されないが、非通告者はどう取扱われたか、これも先ほど会社の工場長のほうからも言われましたようにいわゆる軍命解雇ということに対し会社としてもその間に立つて非常に苦慮された、そういう事情は当時の組合の三役をしておりました者としてもよくわかつておるわけであります。そういう結果からして就業規則の何条でしたか、先ほど言いましたけれども、それによつて業務上止むを得ないところの解雇である。要するに契約がキヤンセルせられて七千の従業員が路頭に迷うか、又その特定の僅かの人によつて救われるか、こういうような問題に立至るわけであります。さようなときに労働者はどうなるかと言われれば、やはり皆のためだ、こういうことになつてそのことを承諾しなければならない、必ず結果は悪いことはわかつております、が、併しそうしなければならない悲しい現実でありまするが、そういうことになります。よしんばこれを提訴し、又裁判所のほうへ訴えるとしても、資金というような面、生活上の保障というような問題も起るというような観点から、どうしても弱くなるということによりまして、大部分の者が解雇を認めておる、認めなければならない、こういうような状態であります。では必ずしもその人が軍命解雇の対象になり、本当に保安上危険であつたかどうか、こういうことについては大きな疑問が残つております。そうしてそれの身分上取扱われたところのものは、会社としては事故退職という形をとつております。そうして対外的にも社会的にも本人の救済というような面が大きく考慮されまして、依願退職の形をとつておりますが、退職規定によるところの会社の都合として支払つたものは倍額の金が払われました。そうしてなお会社自身が、明らかに会社の業務を執行して行く上に不当な人間であると思うかということについて大きな疑問があるということからして、そういうものでないというような感じ方もあるという点から、それらの就職の斡旋にも当つてくれております。そういう事態であるわけであります。  以上でありますが、申し遅れました中に、軍命解雇のあつたとき、それに労働組合はどう対処されたかという問題についてであります。このときの問題は、又この問題と同時に組合のとつたところの態度でありますので、それを説明いたしますと、七月の十八日並びに二十一日の両日に亘りまして、組合委員を含めた八名の者が会社より契約明細書の第八項、即ち人事条項を呈示されまして、会社より、就業規則の第五十四条第二項の会社の業務上止むを得ない場合として解雇を申渡されたのでありますが、組合は委員を含む八名の軍命解雇の発表を重大視いたしまして、会社に対しては直ちに解雇不当の意思表示をいたすと共に、被解雇者の処理については機関の決定によりまして、個人救済のため地労委提訴並びに法廷闘争の費用の準備をしたわけでありまして、更に生活保障等の万全の態勢を整えたわけであります。が、併しながら被解雇者は、そういうような組合の動き、又こういうようなものを通じて一つの事態を我々自身が生み出して行こうというような強い決心にもかかわらず、その解雇の事実を認めまして、提訴を取りやめることとなりました。組合といたしましては闘争の内容が直接身近に感じない憾みは生じましたけれども、我々特需労働者としての大きい問題といたしまして、必ず関特労働を通じましてレーバー・クローズ条項撤廃のために中央における対政府或いは国会、或いは更に日米合同委員会に対するところのその闘いを起したというのが実情であります。  以上を以ちまして組合側に対する質問を明らかにいたしまして私は終ります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 次に小松製作所川崎工場の荒井方平君にお願いいたします。

廣瀬嘯兒株式会社小松製作所川崎工場勤労課長

○参考人(廣瀬嘯兒君) 私は川崎工場の勤労課長でありますが、工場長に代つて簡単に御説明いたします。  小松製作所川崎工場におきまして現在のタイム・アンド・マテリアル契約は二十六年の七月一日から始つたのでございますが、この契約を締結いたしますときに工場といたしまして、レーバー・クローズーを契約に載せられるのは困るというふうに部隊には執拗に折衝をいたしたのでありますが、遺憾ながら契約にその条項が載せられたのでございます。その内容を簡単に申述べますと、「本契約に基く作業遂行及び業務管理のために業者によつて傭われた雇用員、即ち給仕及び職員至るまで」、これは労務者、事務員、役付監督、支配人を含みますが、「若し契約官が文書によりこれらの人を退職、罷免、雇用拒絶を通告したならば、業者はこの契約遂行上の如何なる職制機構内にもこれらの者を雇用したり留めてはならない。」、遺憾ながらこういう条項が挿入されたのであります。この契約は二十七年の十月二十一日まで継続いたしたのでございますが、十月二十二日に新たに契約を更改するに当りまして、再び工場といたしましてこのレーバー・クローズーの挿入ということを強く反対いたしたのでございます。その結果漸くJ・P・Aとの交渉がまとまりして、その際こういう一札を挿入することを承認して頂いたのであります。契約官が最終措置をとる以前に契約者と協議する、即ちこういう条項を発動する前に我々と事前協議して頂かなければならない、こういうふうな条項を挿入して頂いたのであります。この点が我々の同業者の皆さん方の契約内客と非常に違う特異点であると考えるのであります。その内容は、大体参議院のほうから配付されました七月一日より改訂予定の人事条項、大体こういう内容が織込まれております。併しながらその特異点というものは、飽くまでも協議約款にして頂いたという点であります。いずれにしましても二十六年七月一日以降このレーバー・クローズの条項が挿入されまして以来、まだ一度も部隊からこの条項を発動されたこともございません。従いまして我々の申述べることは非常に簡単なんでございますが、飽くまでも我々は労使関係というものは労働協約及び就業規則によつて律して行く、これが現状でございます。従いまして御質問の各条項につきましては、現在までにこういう事例が発生したこともございませんので、労務管理の自主性というものは飽くまでも会社側の同意による労働協約就業規則に基いて労使関係を規律して行つておる、こういう建前になつております。  それから第三項の、労働協約、就業規則その他労組関係法の適用と人事条項との関係につきましては、これは飽くまでもさつき申しました通りに、そういう協議約款でありますので、我々としましても、仮にそういうものが発動されましても、飽くまでもこういう労働協約、就業規則との調和に立つて問題ないように協議いたして行きたいと考えておる次第であります。  それから第四項の現行の人事条項が改訂される模様について通知されたかどうか、これは昨年末こういう新たな条項が挿入されましたときに、こうした協議会を開きまして、労働組合側の代表者にも契約の中の人事条項の内容を説明いたしまして、大体その内容というものは、組合員は承知しているものと我々考えておる次第でございます。  それから五項、六項、この点につきましても今まで縷々述べましたように、かかる条項を発動されたことはございませんので、我々としては別に今のところは問題はないように考えております。  簡単でありますが。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 同じく労働組合の役員であります四海新市さんにお願いいたします。

四海新市株式会社小松製作所京浜労働組合役員

○参考人(四海新市君) 先ず御質問に答えます前に以上のことを申上げたいと思います。  私の勤務している株式会社小松製作所川崎工場の前身である池貝自動車製造株式会社とアメリカ政府当局との間に結ばれた契約書の一部は、たしか先ほど労務課長が申された通り頂いております。この契約書の写しは、現在会社とアメリカ政府当局との間に実施されておるタイム・アンド・マテリアルの方式の物品提供のための役務遂行の写しであることは確であります。その有効期間は、契約当初に当つては、この契約書には記載されておりませんが、会社のほうから六カ月間、即ち昭和二十八年四月の二十一日までと聞いておりました。その後二カ月延長され、更に二カ月延長されているようにも聞いております。そうしてこの契約書の本文は、池貝自動車製造株式会社と小松製作所とが昨年十二月十五日商法上の一切の手続を完了して、池貝自動車株式会社はそれぞれ小松製作所川崎工場、羽田分工場等に分割され、解消されたわけであります。従つて当然この名義書換の必要が生じたわけであります。その手続をなしその後完了したというふうに聞いております。その際にこの契約書の内容については、ただ単なる名義書換のみであつて、内容的には変更を来たしていないということも聞いておりましたが、その後期日はつまびらかではありませんが、非公式ながらこの契約書の内容に、この質問条項とは外れますが、非常に一部、いわば経営者の側から契約を打切ることができるという条項が抹消されているということは聞いておりました。更に来年の四月まで軍の都合によつてこのタイム・アンド・マテリアルの契約を延長することができるというふうにも聞いておりますが、それらの新らしい契約書というものは未だ入手しておりません。併しながら御質問のこの契約書の内容的な問題につきましては、参議院から配付されたこのプリントの現行人事条項というよりも、むしろ改訂予定案とその内容を同じくしているものであります。従つてこの改訂予定案と現行人事条項についての問題を云々と言われても、我々はどちらかと言われても、改訂予定のほうが馴染みが深くて、現行人事条項については何も知らないわけであります。併し過去から現在まで、現行人事条項であるとか或いは改訂予定案にもかかわらず、このような軍命解雇的なものが出たかどうかという問題でありますが、これらの問題については確かにありました。ということは二十五年の、正確に申上げますならば、二十五年の五月、いわゆる軍のほうのメモランダムによつて、当時共産党の人たちと、その有力なシンパが労働協約の有効期間中に、労働協約の中には従業員を解雇する場合においては組合の同意を必要要とする、こういうような規定があるにもかかわらず、軍の強い要請の下に、会社は無通告で以て、たとえ共産党の方たちであろうとも解雇したのであります。その解雇の内容が非常に会社を狼狽させ、且つでたらめであつたかということは、その解雇の中に一、二名の退職者が含まれていたという事実と照らしてみても、この軍命解雇のでたらめさが窺われるのであります。併しながら相当な紛争の結果、関東民事部のカマツチヨー労働課長の手によつて、労働協約の有効期間中にいわゆる同意なくして解雇したことは非常に不都合であるから、この解雇は取消すということで以てその問題は落著したのでありますが、その後九月に再び労働協約の期間が切れたあとにそれらの人たちの解雇が再び出されたのであります。その中にはやはり一、二名の退職者が含まれておつたわけであります。併しながらこれらについては会社は飽くまでも組合と協議をしてこれをやつて行くという態度を見せておるわけであります。それで救済するものは救済して行こうというわけで以てその中から若干名、相当数の者を救済し、現に会社で働いておる人もあるわけです。その後は一、二点はつきりと軍からサゼツシヨンされたかどうかわかりませんが、職場配置等によつて労使相談した結果処理して行つたことは事実であります。併し会社からこれらの人事条項の問題について意見を求められ、又我々が意見を具申した点について若干申上げますならば、結局のところは、この条項を挿入しない限り契約の続行は認めない、或いは契約をしないというような軍の強い、いわば脅かしによつてこれらの事項を挿入せざるを得ないというようなことも我々は聞いております。  以上の点を申上げまして、むしろこのプリントの現行人事条項と改訂予定の人事条項の対比よりも、先ほど申上げたように、改訂予定案のほうが我々においては現在のところ馴染みが深い関係上、対比して申上げたいと思います。  質問の第一点でありますが、先ほど関特労協の議長の坂本君が申上げたように、過去一年に亘つて我々はこれの撤廃運動を行なつて来たことは事実であります。又私自身も日米合同委員会等に参りまして伊関局長あたりにこの問題について関特労協、そのほかの幹部の方々と一緒に行つて運動して来たことも事実であります。従いましてこれらの不利というよりも、はつきりと我々はどの観点に立つても不利である。その不利であることは、具体的に総括的に申しますならば、アメリカ政府は日本人を全然信用していない、これははつきりと言えるわけであります。と申しますことは、我々は決して労働者の立場、経営者の立場というより、日本人を信用していないと同時に日本の憲法その他の諸法律を無視している、これははつきり言えるのであります。  以下順を逐つてこの内容について申上げます。改訂予定案の第七条でありますが、現在の不安定な産業経済の中においていわば下請工場、協力工場をこのようなことによつてシヤツト・アウトし、それらに働いておる労働者並びに中小企業の経営者をしていわば本当の意味の企業閉鎖をしなければならない、失業者を出さなければならないという観点からして、日本の産業経済の上に立つて、このような規定は結局日本の産業経済を下から崩して行くという結果にほかならないのでありまして、絶対にこの第七条の規定挿入は反対であります。次いで第八条のA項の一、二の問題でありますが、なぜ一、二を申上げるかといいますと、これは関連しておるから申上げるわけであります。いわばこれがいわゆる日本の法律を全然無視しておるという点であります。このような日本人をアメリカ政府の下にあつて、日本人が日本人をスパイし且つ情報を集め、思想調査をしなければならないという理由と根拠がどこにあるかということを我々は強く指摘すると同時に、この二つの文面は不当に……先ほど富士モーターの委員長の三富君も指摘したように、不当な紛争とそのような情報ブローカーという者の暗躍を醸成する以外の何物でもないということを大言してはばからない。以上一、二の問題については全く反対する立場のものであります。次いで第三項の問題でありますが、この第三項については先ほど小松製作の勤労課長から申しましたように、現在の当社で取られておる契約の内容はいわゆる協議約款であります。この協議約款の前提といたしまして、軍と最初に会社が協議する前にそういうようなサジエスチヨンが与えられたならば、組合と会社とが協議して、その協議内容を以て軍と協議するということで了解しております。併しながらそれは飽くまでも現在の状態によつて了解しておる限りでありますけれども、やはりこれらの問題についてはアメリカ政府が日本人を信頼する限りにおいて飽くまでも労使間の問題として、拒否すべきであろう。従つてどのような条文を挿入されようとも、軍がいわゆる労働問題、経営内容に支配、介入は許さるべきではないと考えておるわけであります。次いでB項でありますが、B項も先ほどA項の三で申上げた通りの説明と同じであります。次いで第九条の請負業者、従業員の識別、この問題もこのような契約の内容に規定するものではなくして、この小松製作所においてはすでにこの条項があろうとなかろうと自主的に職場の秩序を保つために、そうして我々同志がその判別をし、いろいろな記録をとる意味において行なつて来ておるもので、必ずしもこの条項によつて行われては来てはいない、このような条項を設けることは、即ちアメリカ政府のいろいろな形の監督官なり或いは補助官、兵隊さんが来て、結局その人たちが会社のそのような秩序維持の機構を無視して、勝手にチエツクして、勝手に自分で以て言葉と慣習、或いは風俗関係等を無視した勝手な資料をでつち上げて、いわばメモランダムにし、サジエスチヨンにして会社に要請する根拠にもなりかねない虞れがありますので、この条項も飽くまでも労使間の問題として拒否すべきである関係上、このような規定をこの契約書の内容に含めることについてもやはり反対であります。次いで第十条の請負業者の従業員でありますが、これは全く日本の労働法を知らないのかと言いたいくらいであります。何もアメリカ政府から失業保険をつげてやれとか或いは何々手当をつけてやれとか、お前のところの従業員はアメリカ政府の従業員でないと、余りにもわかり切つたことをこのように規定しなければならないということについては、いわば日本人を信用しているのか、法律を知らないのかというわけで以て、このような規定というものについては載せる必要はない。すでに日本の法律によつてはつきりと規定されておる関係上、不必要な条項を神経質に載せているというような意味から、このような条項を載せるということについては全く反対であります。あとの請負業者の云々の問題は、飽くまでもこれは仕事を出すほうと仕事を引受けるためのいわば商法上の取引である関係上、これについては別に経営者のほうから説明をして頂きたい、かように考えております。従いまして総括しまして、従前と比較して有利、不利な点を述べよといつても、全然全く不利で、又反対である関係上撤回ということを我々は強調したいのであります。  次いで第二の労働協約、就労規則その他組合関係法の運用と人事条項との関係について組合の立場から見解を述べられたいということについては、一番大きな問題になつておりますところのいわば保安と軍命解雇の、いわゆる追放しろという条項でありますが、先ほど申上げましたように会社の契約書の中には協議約款、その協議約款の内容については組合と事前協議をするという内容を含めておりますし、且つ二十五年のいわば軍命解雇による八十名近くの人たちも、労働協約の有効期間中にそのような措置をすることによつて、これは撤回すべきであるというような決定をなされている関係上、我々は別に問題にしておりません。我々は十分に現在の労使の立場によつて自主的に解決して行く、こういうふうに申上げます。  第三点の、現行の人事条項は会社側より通知されているかどうか、あつたときはそれに労働組合はどういうふうに対処されたか。これは現行というよりも、予定案のやつが通知されました。これについても先ほど申上げましたように、むしろ会社側もこの撤回運動に積極的であり且つ我々も積極的でありますので、このような解釈の仕方をしております。  七月一日からの現行の人事条項が改訂される模様について通知されたかどうかということについては、昨年の十二月二十二日にすでに改訂予定案らしいものは、内容と同じものは通知されております。これは七月一日からではなくして、昨年の十二月二十二日からであります。  次いで現行人事条項による契約担当官の通告の内容、その理由、根拠についてどう考えられるかということについては、契約担当官等から我々は何も聞いておりません。併しながらJ・P・A、その他の取上げた問題、これらの問題は軍の秘密だから答えないということだけであります。従つてこれについては先ほど申上げたような、いわば通告を受けた際、二十五年の場合を例に取りますならば、大綱的には合つておりますが、その内容というものはでたらめが多いということであります。  最後の、現行人事条項は解雇約款と解されないが、被通告者はどう扱われたかということは、先ほど申上げた通り労使の間において自主的に解決し、職場転換或いは解雇の取消しというようなことをやつております。  以上で答弁を終ります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 続きまして三菱日本重工業の東京製作所長、大井上博君。

横山壽三菱日本重工業株式会社勤労部長

○参考人(横山壽君) 横山が代つて申上げたいと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) はあ。

横山壽三菱日本重工業株式会社勤労部長

○参考人(横山壽君) 本日は米軍施設内における労働三法の適用状況についての御調査のように承わりましたが、当社はいわゆる米軍施設でございませんので、あらかじめ御了承を願いたいと思うのであります。併し当社といえども米軍といわゆる契約をやつております関係上、類似の点が多々あるかと思いますので、その点についてお答え申上げます。  先ず第一の点でありまするが、この点につきましては目下折衝中でございます。併しいわゆる人事条項の改訂につきましては、ほぼ先ほど述べられましたのと同様でございますので、重複を避けますからこれを略しますが、これに対する処置といたしましては私のよくするところではございませんので、先ほど日経連から申述べられた通りの歩調を取る次第でございます。ただ今回はいろいろ折衝いたしましたのでありまするが、少くともアメリカといたしましては、当社に対しましては日本の法律をオーバー・ルールする要求はしない。つまり日本の法律に抵触するような要求はしないということにつきまして折衝中であるのであります。  第二の点につきましては、労務管理の自主性から見て現行の人事条項に対する見解ということでございまするが、労務管理の自主性から見まして、当社といたしましそは現実に支障があつたとは考えません。  第三の点につきましては、労働協約は只今ございません。就業規則に定められておりますところの従業員の権利義務というものが現行の人事条項があるために従業員に不利益に変更された或いは運用された例は現実にございません。又労働関係法の運用も人事条項あるが故にこれが阻害され運用を誤まられたということは現実としてございません。  第四項につきましては、現行人事条項は従業員又は労働組合には交渉いたしませんでした。併し後に述べます裁判のときに疏明資料として提供してありますので、組合員には承知のことであります。  第五項、第六項について申上げますれば、この人事条項に基きまして、占領下という特殊事情の下に昨年一件ございました。これは先ほど坂本君からも縷々申上げました通り、裁判事件になりましたので大方御承知のことでございますが、結果として就業規則に照応いたしまして解雇いたしました。ところが解雇無効の仮処分申請ということに発展いたしまして、結論といたしまして地方裁判所では当社の主張することを入れまして解雇した次第でございます。  以上で終ります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 続きまして下丸子支部執行委員長坂本登君にお願いいたします。

坂本登新産別全国機械金属労働組合三菱下丸子支部執行委員長、関東特需労働組合協議会議長

○参考人(坂本登君) 組合側の各参考人から、大体申述べたい点については出ていますので、この条を遂いまして簡潔に私の意見を申述べます。  第一について、現行法と改正法との比較並びにその影響についてのお尋ねでありますが、現行法については只今裁判の疏明において組合のほうも承知のはずだという会社側のほうの発言がありましたが、この証拠は極めて断片的なその裁判に必要な一部分でありますので、全般に対して承知しませんので、今度変ろうとしているそれとの比較は実のところ困難な状態にあります。そこで今度変ろうとしているそちらから頂きました資料によりまして特に気付いた点は、会社の調査報告に対する義務付けでありますが、これを若し実施されますと、その調査の方法並びに具体的な抵触の内容、こういうものが示されておりませんので、運営如何によつては非常に有害であり危険極まりないと考えております。  第二番目、労働協約、就業規則その他労働関係法の運用と人事条項との関連でありますが、先ず労働協約について、現在私どもは労働協約を締結しておりません。その理由の一つは、人事条項等がありまして、幾たびか締結を企画したことがありますが、その交渉の過程にあつて米軍の意思によつてこれが守られない場合には別だ、こういう覚書が会社のほうとして必ず条件として出されましたので、それがありますと全条が無効だということにもなりますので、そういう解釈からあえて締結をしないでおります。  就業規則について、就業規則は、勤務時間その他いわゆる日常の生産業務と必要な就業規則について人事条項があるために特例な影響を受けるということには考えませんが、いわゆる一番大事な就業規則の中の人事の取扱いの条項におきまして、縷々申述べておりますような条項が明らかな関連を持ちますので、実際的にはこの人事条項が優先するという関係で就業規則は死文化しております。  労組関係法と人事条項との関連でありますが、この点については直接これこれの違反行為があるというふうには申上げられませんが、次のような点があります。即ち人事条項があるために組合活動一般が若しやこの人事条項の関連において処断されるのではないか。かような懸念からどうしても労働運動の日常活動が不活発にならざるを得ない。具体的には文書の配付、集会の自由、幹部の組合員との接触の自由、こういうものがことごとく制限並びに禁止されております。  三番目の、現行人事条項の会社からの通知の有無でありますが、これについては、会社側の参考人が申しております通りありません。組合側のこれに対する対策としましては、先ほど申述べましたように、これは全体の問題として取上げた以外には、会社に対して直接折衝した経験はございません。四番目、七月一日からの改訂の模様についてでありますが、これは別に聞かされておりません。  五番目、現行人事条項による契約担当官の通告の内容、理由その根拠についてでありますが、これまで八回、百二十四名のこれに関係した解雇が行なわれておりますが、この間その内容についても明示されたことがありませんし、又そういうものがどういうような法律的な根拠に基くかというようなことは、裁判等に提訴した事情で依然として疑問であります。  最後の現行人事条項は解雇約款と解されているかという点でありますが、結論的に言うならば解雇約款であります。なぜならば表面は会社都合という理由で解雇はされておりますが、その根源は明らかにこの私契約にあり、且つ米軍のさような意思表示、メモランダムによるということが会社側の証言でも明らかでありますので、この段階では争う余地なく、私契約に示されているこの観点から米軍の出した解雇の指示、事業場からの排除の指示は即解雇の効力を持つ、実際にはそういうふうにならざるを得ない、かように考えます。以上。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 各委員諸君の御質問を頂きます前に、日鋼或いはこれに類する三菱の工場等を対象といたしまして、人事条項が私契約の中に織込まれておりますのは、やはり基本として、日本人及びその他の日本在住者の役務に関する基本契約というもの、これは即ちT・O・Dの関係の国の直傭労務者に対する契約のことでありますが、これをアメリカと日本政府との間に締結している、その基本に問題がおかれたわけであります。従いまして調達庁から国と米国との間に契約しておりますこの役務の基本契約について御説明を頂くと同時に、只今労使双方からそれぞれ問題点について説明を得ましたが、これに準じて具体的な点を一つ補足を願いたいと思います。

中村文彦調達庁労務部長

○政府委員(中村文彦君) 只今委員長から御指摘頂きました問題について簡単に御説明いたします。  只今各社のほうから御報告がありましたように、組織的に御説明することはできないと思いますからあらかじめ御了承願います。現在日米間に行われております、我々は労務基本契約と申しておりまするが、その中には第七条にこれに類します条項が入つております。この契約は、御承知の通り軍が必要とします労務者を政府が提供をしまして、その使用を軍に一任いたす契約でございます。従いまして軍が必要ないという理由を以ちまして解雇を要求される場合におきましても、我々といたしましてはできるだけ事情の究明をいたしますが、それ以上軍のほうで発表できないような理由がありますような場合におきましては、止むを得ず受けなければならん次第でございますが、ただこれが事情、解雇理由の究明に当りまして、法律上不当であり或いは不適確、不適当な場合でありますならば、できるだけそれは具体的な問題につきまして研究いたしまして、違法のないように努めて参つております。昨年の丁度今頃だと思いますが、現在行われておりますこの労務基本契約の改訂の話が進んでおりまして、未だに見通しがつかない実情にございます。それは我がほうからもアメリカと接衝しておりますが、向うからもおおむね四たびも案が変つて提示されました事情がありまして、まだ十分な結論を得るまでに至つておりません。なお昨年の十二月以降これらの契約の内容につきましては、軍と政府とそれから関係労働組合と三者がお互い机を並べまして十分に話合う機会を持つたのでございますが、たしか四月以降はそれらのことにつきましてそういう機会を持つことにつきましても十分な連絡がつかん実情でございます。従いまして今後の新らしい契約の内容がどうなつて行くかということにつきましては、遺憾ながらこの席で申上げかねる次第であります。  簡単でございますが……。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) ちよつと重ねて質問しておきますが、そうしますと基本契約を私読んでおりませんからわかりませんが、米軍側から私契約で処理すべきであるというので各業者に要求されておる八条、九条十条、こういうものはすでに実行されているのか、まだ実行されていないのか、その点を明らかにして頂きたい。それと同じようなことが米軍からの労務基本契約の中で話題になつておるのかどうか、その点を明らかにして頂きたい。

中村文彦調達庁労務部長

○政府委員(中村文彦君) 只今委員長から御指摘がありました民間特需工場におきまする契約の第八条、九条、十条の問題でございますが、私の記憶で申上げますと、八条のA項のような具体的な指示は、具体的な意見はないと記憶いたします。それから九条の作業員の識別でございますが、かようなバツジの支給その他はないのでございますが、現在の実情ではやはりゲートを通過する場合の身分証明といいますか、資格証明書というようなものを与えられまして、それを所持しております程度でございます。それから十条の問題は、これは先ほども劈頭に契約の本旨を申上げましたように、日本政府が雇用主となりまして、軍の使用に提供いたします関係でありまして、雇用関係と申しますと、これは日本政府と労働者の関係になりまして、ただ使用上の関係に軍が入つて来るということになつておるのが現状であります。これにつきましても現在のところ従来と変ることはなかろうと考えております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 只今までの参考人の方々、調達庁の御発言で、本問題に対する概要は明らかになつております。従いましてこれをもとにされまして各委員諸君の御質疑をお願い申上げます。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 先ほど日経連の方からお話があつたのでありますが、その方のお話によりますと、経営者としては人事条項については、できるだけこれを変更するように、アメリカの慣行等と調整するという形において変更するようにという要請をされたということを承わつたのでありますが、日経連としては日本製鋼所や富士自動車や、或いは小松製作所、三菱等の経営業者がお話されたところもお聞きになつておるだろうと思いますが、どうも日本の業者に対して向う側としては非常に不利な条項で契約をさせようとする、そういうような感じがするわけです。私契約であるからには、あなたのおつしやるところによると、行政協定にも関係がないのだということですから、そうすれば純然たる業者の契約、私契約としてそれぞれ立場を主張してその契約を結ぶのが当然だと思うのですが、ところがどうもあなたのお話だと、その辺の関係が極めて明権を欠いているのです。人事条項を変更するようにというようなことを要請しているということだけであつて、この人事条項が含まれることによつて日本の請負といいますか、請負業者は勿論だが、それ以上に労働者が非常に不利な状況に置かれているということは事実なんですから、それをもう少しあなたの立場において、経営者として向う側と対等の立場においてこの契約を結ばせるというようなことはなされておらんのでありますか、その点をちよつとお尋ねしたいのです。

師勝夫日本経営者団体連盟協力部長

○参考人(師勝夫君) 只今堀さんからの御質問にお答えしますが、問題の人事条項は御参考までに申上げたのでありますが、アメリカの兵器工業におきましては、日本の今我々が問題にしております条項そのものが全部向うにあるわけであります。従いまして先ほどからこの席の各証人が申上げましたいろいろの事情でございますね、それは多少違うところがある。即ちアメリカにおきましては人事条項が全部行われておる。日本におきましてもそれと同じようなものを持つて来まして、日本の各特需会社にそれを提案をしておるという事情を先ず御了解を願いたいのであります。でそこから必ずしも敗戦国民に対する圧制的な態度をその人事条項から汲み取るわけには参らんかと思います。従つてそれを、人事条項を多少誤解をしておる面が見受けられると思います。で私の先ほど申上げましたのは、日本とアメリカの労働慣行の相違、どう違うかという点を更に詳細に申上げたいのでありますが、アメリカにおきましての経営権の強さと日本の現在の各工場における経営権の強さは非常に違つていると思います。いろいろな面の制約を受けまして、その強さが大分違つております。  第二の点は、アメリカの労働組合の発達の程度によりまして、労働組合自体が労働者を保護し得る実力を備えていると思います。ところが日本におきましては、日本の労働組合は、解雇された者を労働組合自体がそれを救済するというような程度にまでは現在至つていないのであります。そういう点で日常特需会社において起りますいろいろな労働問題は、そういう点から非常に強烈な感じを日本の労働者に与えているものと思つております。そういうような事情の下に日経連ではこの人事条項を取上げているわけでありまするが、主としての取上げる方針は、不必要に労使の日本における、日本の現場における労使紛争を起したくない、そこで契約条項から来る不必要な紛争、いわゆる日本の経営側におきましてもう少し人事権の自主性を確立することによつて多少でもそういう紛争を緩和することができはしないかという点が最も大きな理由でございます。而もこの人事条項はいわゆるセキユリティの問題であります。いわゆる軍機保護、軍事施設を保護するという目的にあるのでありますので、この点もやはり日本の経営者も労働者も十分に理解をする必要がある。これがそういう理解の程度が足りませんと、徒らに不必要に紛争が捲き起るので、そうい認識を深めまして、この問題を円満に解決しなければならないというように考えまして、例えば先ほど申上げましたように人事の手続につきましてもう少し具体的に契約条項に入れるとか、その他のいろいろの取扱の方法を契約条項に入れて行くならば、従来のようにそう誤解に基くような紛争は起らないだろうというような意味合いで経営側、殊に日経連は考えておるものであります。不十分でございますが、この程度に……。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 重ねてお伺いいたしますが、あの……。

荒井方平株式会社小松製作所川崎工場長

○参考人(荒井方平君) 只今のことにちよつと御参考までに……。実は私どものほうはこの人事条項を削除して頂きたいという考えであります。昭和二十六年の五月頃から強く交渉しておつたのであります。契約官に何回も交渉をいたしましたところ、契約官としては、日本の業者のこともよくわかるが、この人事条項はアメリカの兵器工場に対して軍機保護上の立場から法律で定めておつて、あなたの工場だけに対してこの条項を削際することはできない。但し契約官以外、駐在の監督官或いは部隊長が解雇を命令するようなことは、これは違法であるから、自分、即ち契約担当官以外の者からそういう申込は絶対に受けないで、この項目はそういう程度だけで一つ御了承を願いたいということを申されまして、そのときは別れたのでありますが、今度はこの契約を締結するに当りまして方法を変えて、こういう項目をそれでは入れてくれと申し入れたのでありますが、そのこういう項目というものは但書でありまして、契約官の申出によつて解雇しなければならないということは会社も認めますが、契約官が解雇を申し入れるときにはあらかじめ業者の了解を求めるということと、この軍と会社との契約は飽くまで当事者と、アメリカ政府と日本の一業者との間の問題であつて、日本の会社とその労働組合との契約に触れるものでないという項目を入れさしたのでございます。それを持つて行きましたところ、J・P・Aの法務官がそれを読みまして、これを入れることはアメリカの法律に違反しておらないという判定を下して下さいまして、遂に入れたのであります。  以上。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 もう一度日経連のほうにお伺いいたしますが、向うの兵器工場にはこういう人事条項が入つておると、こういうお話ですが、行政協定によつて、日本の労働者は飽くまでも日本の労働者、雇用主は決してアメリカの軍ではないのですね。直傭労働者は別ですが、そうでない工場、この現在問題になつている工場は雇主がアメリカ側ではないわけです。日本のそれぞれ小松製作所とかその他の名前で呼ばれる会社の経営者が雇用主になつておるわけです。従つてアメリカの軍工場ではそうだからこれを日本に、日本の工場にも持つて来るということは、私は行政協定の建前からいつても非常に不当なものではないかという工合に考えられるのでありますが、その点について一つと、それからもう一つは、どなたかのお話を伺いましても、経営主のほうではこの人事条項を大体において秘密条項として労働者側に発表しておられない。問題が起つたところでは一部発表されたところもあるが、原則として発表されておらないわけです。その発表されておらない理由、これはやはり日経連のほうに伺つたほうがいいと思いますが、この点と、二つ先ずお伺いしたいと思います。

師勝夫日本経営者団体連盟協力部長

○参考人(師勝夫君) 堀さんの御質問にお答えいたしますが、第一番目のこういう契約条項、人事条項は行政協定等に照して不当ではないかどうかという点でございますね……。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 それと雇主が日本人ですね、日本の会社なんです。アメリカの軍でもなければ政府でもない、従つて、そこで適用される法律は日本の法律ではないかと、こういうことなんです。

師勝夫日本経営者団体連盟協力部長

○参考人(師勝夫君) それでこの人事条項は、軍の管理工場とそれからそれと全く違う純然たる民間工場と両方に一般的にこれが今実施されているわけです。軍の管理工場におきましては、これは生産される品目の内容によりましても、米軍といたしまては軍機の保護なり或いは米軍の施設なりその他を保護して行かなければならないと思いますが、米軍側からいたしますればまあ無理からぬ要請であろうと思います。従つてそれがこの契約条項が不当かどうかという法律解釈につきましては、日経連でもまだそこまで研究いたしておりませんので、法制局方面で研究をすることと思いますが、私の個人の意見といたしましては、軍管理工場におきましても、その他軍管理工場でない工場におきましても、この契約条項は単なる私契約である、業務を請負いまするにつきまして、アメリカの軍隊が日本の経営者に対して何らかの保障を置いておかなければ、こういう際でありますのでいろいろの軍機に関する、製品その他そういう品目を受注しまする場合に安心ができないじやないか、安心を得るために米軍としましては止むを得ずこういう私契約の形におきましても契約の条項を提案をしておることと思います。従つて私契約である限りにおきましては行政協定その他労働三法とは直接の関係はない、こういう意味でございます。そういうように解釈しております。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 もう一つ、軍機の秘密を守るというお話ですがね、それは日本の会社なんかでも、例えば特許権をもとにして生産をやつている工場等においては、その秘密を守らなければならないなんということは就業規則に大抵あるんですよ。そういう意味と私は大して違わんじやないかと思うのです。私が問題にしたいのは、特に労働者を雇つているものですが、アメリカの軍でも政府でもない、日本の会社なり工場なりが雇つているというところに私は一番大きな我々としてこの問題を解決するめどがあるのじやないかと思うのです。これがアメリカの軍が雇つておる、アメリカの政府が雇つているというんでしたらアメリカの慣行を持つて来るということも考えられると思うのです。ところがそうじやなくて、日本の使用者が雇い入れて、そうして向うの委託された仕事をやるという場合、単に軍の祕密を守れというくらいの条項は入つても差支えないと思いますけれども、それ以上に何か罪人扱いにするような、第八条のA項にありますような、情報を提供せいとか或いは第九条には指紋を取るなんということも出ておるんですね。罪人扱いをするような条項を、よしんば向うの兵器工場でこういうような条項が行われておるとしても、日本の場合にこれを持つて来るということは、私は不当だと思うのです。ましてや私契約であるならば、日経連としてはもつと強腰になつて、先ほどどなたか日本人を信用しておらないのだ、日本の法律を無視しておるんだというようなお話がありましたが、日本人を信用しておらない一番証拠になるんじやないかと思う。日経連がもう少し腰を落付けて、そうしこ日本の商慣行なり或いは労働慣行なりをこの際主張されるのが至当じやないかと、こう考える、その点あなたの決意を促したい。

師勝夫日本経営者団体連盟協力部長

○参考人(師勝夫君) 堀さんから私の決意を促がされましたが、その点は、昨年三月二十二日並びに八月二十七日でございましたか、二回に亘りましての日経連の要請はその点に尽きるわけでございます。軍機保護、軍事施設の保護等のためにこういう条項を設けるようにいたしたい、こういうのが従来から変らない日経連の態度でありますので御参考までに申上げます。で、そういう意味でございますので、非常に、そういう意味におきましては日本の経営者としての態度は、これを支持する、即ち人事権の自主性の確立ということを表面謳いまして、そしてどうしても止むを得ないならば軍機保護、軍事施設の保護というところにこの契約条項を絞つて行くといという意味で、すでに昨年二回に亘りまして日米合同委員会、労働省方面、外務省方面にお願いをいたしているのであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 実は、今日は大変に開会が遅れたものですから、この委員会の取扱い方についてあらかじめ各委員の御意見を伺つておきたいと思います。大体只今日経連或いは特需労働組合協議会の議長を初めとしまして、直接個々の業者並びにその労組の方々の御見解、或いは調達庁のほうの御見解等を伺いまするというと、人事条項はいろいろ内容的に差がございまするが、好ましくないという一言に大体集約することができると思うのであります。依つてこの問題について、国会へも御要望がございましたから、労働委員会といたしましては、各委員の御賛成を得まして、そして委員会として取上げて、御期待に副うような努力をする必要があろうかと委員長は考えております。従つてそういう工合にこの問題を扱つて参りまするためには、先ず政府当局のやはり決意を私は質さなければならんと思います。又それを質して行きまするためには、法律的な更に研究もしなければならんと思います。従つて本日は一応私から政府当局に向つて、七月一日の更改期についての事務的な取扱いの点を質しておきまして、それが明らかになりました上で、只今私が申上げましたようなことをお含みを上頂いて、そして関係者にそれぞれ御質問を願うということのほうが、全貌を把握し且つ今後の委員会の運営上工合がよくないかと私は考えるわけです。さような工合に運んでよろしうございますか。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 こういうことですな、今の問題は、本問題はいろいろ国際的の問題もあるし、法的の問題もあるから、法律学者等の方々からも十分意見を聞いて、そして政府当局の方々の意見も十分聞いて、七月一日の改訂に対する考え方をまあやると、こういうことなんですね。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) いや、その前に、この七月一日の更改ということがもう日にち的には余裕がございません。ここで如何に勉強しておりましても、米軍のほうの強い意思があつて、七月一日の契約更改をしなければならんということになりますので、これはやはり別途の手を打たなければならん。従つてその点を先ず政府によく質しておきたいということでございます。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 いいでしよう。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) そうしますと、外務省或いは労働省、調達庁、どこの御関係か知りませんが、伝えられるところによると、私契約の人事条項なるものは、七月一日に迫つている契約更改の中で、非常に強く米軍から要請を受けるであろう、こういうことになつているわけでありますが、七月一日の契約更改というものはこれはもう必ず七月一日から一斉に実行されて行くものである。若し実行せられて行くものであるとするならば、今までの御意見を伺つておりますと、人事条項を呑まなければ私契約はできないというような今までの慣習があるようでありまするから、この人事条項は如何に議論をしようと呑まなければならない条項だ、そういう点について政府側各省の一つ御意見を伺つておきたいと思います。

重盛壽治日本社会党(第四控室・左)

○重盛壽治君 調達庁だけでなくても、労働省、外務省みな来ているじやないか、関係のないということはないじやないか。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 これに対する見解はどう思つておられるのですか。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 調達庁のほうは、労務基本契約はいつ切れることになつていますか。

中村文彦調達庁労務部長

○政府委員(中村文彦君) これは昨年の六月を以ちまして一応切れる建前でございます。その後新しい契約の締結につきまして交渉いたしておりますが、未だに先ほども申上げました通り十分通しがついておりません。従いましてその間この契約を一カ月ごとに延長する手続を経まして今日に至つております。ですから今後の見通しを申上げますと、我々としてもこのまま行くことにつきましては非常に遺憾なのでありますが、話合いが完全につくまでは恐らくはこの契約が次々と延長せざるを得ないのではないかというふうに考えております。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 今の点でお伺いしたいのですが、今のお話で、はつきりと聞き取れないのです。現在一カ月ごとに延長しているという労務基本契約は、いつ締結されて、いつから実施されておるのが、更に問題は、この基本契約というものは調達庁長官とアメリカの契約官との契約という形になつて実施されておるようですが、その基本契約の中に含まれておる諸般の事項というものは、行政協定の第十二条第四項とか、或いは第十六条等に触れて来ると思うのです。従つてそれは日米合同委員会においてはどういう形で審議されて来たのか、或いは審議されないで、合同委員会とは全然無関係で契約は締結されて来ておるのかどうか、更に又今お話の、実は契約々々とおつしやいますが、我々はその内容を明確に資料も配付されていないために、その中における人事条項等についてはどういう内容を持つておるのか、更に問題は、いわゆる間接雇用の場合労務者のみを対象にして調達庁あたりはやつておるのか、或いは軍管理工場或いは直傭労務者といいますか、契約関係でいろいろ異つた労務者があるわけですが、こういう全体に通ずる契約条項になつておるのかどうか。

中村文彦調達庁労務部長

○政府委員(中村文彦君) 只今の御質疑の点でございますが、只今まで私が契約と申しておりましたのは、一昨年の六月十一日でございますが、に締結されました。その後昨年の六月末を以て切れる契約でございます。先ほど来申しました通り交渉いたしておりますが、未だに完全な意見の合致を見ませんので、一カ月、一カ月この契約が延長されておるというのが実情でございます。それからこれの詳細の内容につきましては、実は唐突なお話でありますので、資料も配付いたしませんので、失礼でございますが、只今まで問題になつております事項はおおむね第七条の担当官の裁定という点だと考えます。これによりますれば担当官か監督、指揮、管理権を持つておるということに相成ります。それに基いて今申しましたように日本政府が雇用いたしまして、軍の使用に一任しておるという事情でありまして、軍が軍の都合によつて、いわゆる我々は軍の都合による解雇と言つておりますが、これによつて解雇を要求されました場合におきましては、雇主であるところの日本政府としては直ちにその措置をとる、ただその間はおきましてできるだけ解雇につきましては明確な事由を表明いたしたいと思いますので、その間のできるだけの事情聴取に努めまして、それが現在の国内法に触れるような事態がありますれば、できるだけそれの是正を要望しているというのが現在の実情でございます。  それからこの契約は間接雇用、直接雇、その他も入るのかということでございますが、この件につきましては、この契約は劈頭に申上げました通り、米軍の必要といたしまする労務を日本政府が代つて提供するだけの契約内容でございまして、直接雇用、例えば軍或いは軍属その他が使つておりますところのいわゆる米国側のハウス・キーパーその他の直接雇用の問題、或いは先ほど来からの論議の焦点になつております民間特需工場その他におきます問題、これらにつきましては触れておりません。単に政府が直接に雇用しまして軍の使用に供するという者だけについての契約でございます。大体極めて大雑把でございますが、このようなことになつております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) ちよつとお尋ねしておきますが、この基本契約がすでに期限切れになつておつて、改訂交渉不成立のために毎月更新されているということですが、その更新条項というのは契約中にあるわけでございますか。

中村文彦調達庁労務部長

○政府委員(中村文彦君) これはこの基本契約をもとにしまして、別のアグリーメントを締結しまして、それに基き毎月延ばしているという手続をとつております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○政府委員(栗山良夫君) その別なアグリーメントには、日米双方いずれかから、その一カ月の暫定更新を申出まして、効力が成立するようになつておりますか、両者合意の場合ですか、その点をお伺いしたい。

中村文彦調達庁労務部長

○政府委員(中村文彦君) それぞれ合意の上で延ばすという形になつております。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○上條愛一君 関連質問ですが、一体この日米間の労務基本契約ですね、これと今ここで説明を求められている私契約との間に関連があるのですか、

中村文彦調達庁労務部長

○政府委員(中村文彦君) 只今のお尋ねにつきましては、先ほどもお話がありましたように、この契約は、政府が雇傭いしまして軍の使用に供します労務者だけの契約でございますので、会社、工場その他の契約内容とは直接関係がないと私考えております。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○上條愛一君 そうするとこの私契約というのは各会社と契約官との間に自由勝手に結ばれるものであつて、日米労務基本契約ですか、この日米合同委員会とは関連なしに独立して自由に行われているものであるかどうか、その点を明らかにして、頂きたい。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 只今の点は日米合同委員会のことにも関係があるだろうと思いますから、外務省のほうから御回答を願いたいと思います。

関守三郎外務省国際協力局次長

○説明員(関守三郎君) お答え申上げます。  日米合同委員会とは直接の関係はなしに行われる民間とつまり米軍との契約でございます。基本契約とは直接の関連はございません。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○上條愛一君 そうすると七月一日から改訂をせられんとするこの人事条項については、これを延ばすとか或いはこれを結ぶとかどうとかいう問題については、これは直接個々の会社と契約官との間の問題であつて、日本の政府のあずかり知らざるところと解釈して差支えないのですか。

関守三郎外務省国際協力局次長

○説明員(関守三郎君) 法律上から見ましたならば、私契約が内容が労働法規に違反していることが明瞭である場合には、たとえ民間の契約であつても、そういうことをやつては困るじやないかということをはつきり我々は取上げて、これを米軍に申入れすべきであると思います。併しながら現在のところではその程度に至つておらず、甚だ好ましくないというところであると考えられるわけであります。それでその点に関しまして私も或る程度研究してもらつて見たわけでございますが、果して米軍に対してこれは非常に好ましくないからどうこうしろという申入れをすべきか否かという点につきましては、まだはつきり決心がついておらないのでございます。そうい段階でございます。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○上條愛一君 そうするとですね。日本の政府はこのような私契約が行われているということを了承して今日までやつて来ておられるかどうかという点を一つ明確にして頂きたいです。

関守三郎外務省国際協力局次長

○説明員(関守三郎君) これは、この問題は人事条項に関しましては、労政局長を日本側の委員長といたしまするところの労働委員会の……これは只今の特需工場の私契約の中に含まれている人事条項の問題でございます。この問題につきましては、これは昨年であつたかと思いまするが、一回取上げて、米軍との間に相当論議をいたしたのでございます。併しながらその結果というものは満足な結論に到達しなかつたのでございます。相当もんだのでございますが。それで今日におきましてもこの問題はなお懸案中の問題の一つであるのでございますが、現在新らしく出されて来た改訂、七月一日から向うは改訂しようと思うというこの新らしい人事条項につきましては、私は極く最近この当委員会におきまして承知させて頂きました。それから研究をしているわけでございますが、その後今日まではつきりこれをどこへ持つて行くかということは遺憾ながら決心がついて、研究が行き届いておらない次第でございます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 今の、一昨年問題にしたとおつしやつたのですが、それは占領中でございますね。

関守三郎外務省国際協力局次長

○説明員(関守三郎君) いや、昨年でございます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) それは占領中ですか、占領後ですか。

関守三郎外務省国際協力局次長

○説明員(関守三郎君) 占領後でございます。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○上條愛一君 もう一つ明らかにしておきたい問題は、この私契約の問題は米軍側において何ら日本の政府との契約なしに勝手に行われ得る性質のものか、或いはこういうことを、私契約の改訂を行いたいという場合に、日本のどこかに一応相談して了解を求めてやつておられるかそういうことは全然なしに、この私契約であるから契約官と各会社と独自にやつておられるのか、その点が明確にならんというと困ると思うのですが。

関守三郎外務省国際協力局次長

○説明員(関守三郎君) 特需工場との契約の中の労務条項に関しましては、私の承知しておる範囲におきましては、事前に私のほうに相談があつたことは今までになかつたように思います。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○上條愛一君 そうすると日本の政府が労働者を雇い入れて提供しておる、その労働条件なり雇用契約等についてこのような契約をする場合に、日本の政府は全然あずかり知らんということ、それは契約官と各工場との自由の、独自に任せられるということは我々は納得できないのですが、事実上はそうなんですか。

関守三郎外務省国際協力局次長

○説明員(関守三郎君) 米軍はこの行政協定におきましてもできるだけ労働法規を尊重するということは考えているわけです。具体的に先ほど申しました通りに、労働法規違反のようなことがありました場合には、これは当然関係の向きからも問題を提起されて来ることでありましようし、その前に一一……例えばこれを比較するのは適当でないかも知れませんが、一々物品の納入の契約のごときものも多々日本の業者にとつては不便な点、不利な点があるのでございます。ただ法律に違反とか何とかいうことでない場合におきましては、一々我々のほうから事実上の問題につきましては、関係者から、主としてこれは日本側の物品を納入する関係の方でございますが、そういう方々からこれは不都合であるからこういうふうに直すようにお前のほうは骨を折つてくれ、こういう御要求がありました場合に、私どもは初めて取上げておるわけでございます。労務と物品はこれは全く著しく相違をいたしておりますけれども、我々といたしましては一々の会社の労務条項について、米軍から契約する前に我々のほうへ連絡をしてくれということは申入れる筋合ではなかろうと私どもは考えております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) そうしますと、ちよつと関連して質問しますが、今まで労務関係で、外務省が特需工場の労務関係で取上げられたことはございませんか。

関守三郎外務省国際協力局次長

○説明員(関守三郎君) 先ほど申上げました通り、あれはたしかY・E・Dであつたと思うのですが、昨年三菱であつたかと思いますが、一件か二件、人事条項濫用という問題が起りまして、それで合同委員会に何とかしろということが起きて参りました。その問題につきまして、先ほど御説明申上げましたように、合同委員会の分科会でございますところの労働分科会で取上げまして、大分論争を重ねたわけでございます。そうして結末というものは今日に至るもなお且つついておらない、明瞭なる形ではついておらん、こういうことを申上げておきます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) そのとき、まあ個々の問題は別ですが、人事条項そのものが、好ましくないから何とかしてくれというそういうような申入れは業者からあつたことはございませんか。

関守三郎外務省国際協力局次長

○説明員(関守三郎君) これは人事条項がどこまでを指すのかわかりませんけれども、主として問題の力点は、私の記憶している範囲におきましては、人事条項そのものが全面的にいけないというのではなくて、そのうちの或る部分がどうも面白くないというような話合いであつた、私どもそういうふうで話合いが進んでおつたように思つております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) そういう人事条項の或る部分でも結構ですが、その部分について好ましくないからこうしてくれと、そういうような依頼を業者から受けられたことはございますか。

関守三郎外務省国際協力局次長

○説明員(関守三郎君) これははつきり覚えておりませんが、民間の業者の方からの直接の依頼であつたかどうかははつきり覚えておりませんが、いずれにしてもこれを取上げたことは事実でございます。依頼が直接であつたかどこか、ほかのほうを通じて、労働省なり調達庁を通じての間接の依頼であつたか知りませんが、いずれにしましても、これはそこの点ははつきり覚えておりませんが、とにかくこれを取上げるようになつた。多分私は労働省乃至は調達庁を通じての依頼ではなかつたか、若しくは調達調停委員会かどこかから取上げられまして、それでやつて来たのではなかろうか、そういうふうに記憶しております。正確なるところは本日よく覚えておりませんので、お答えいたしかねます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) そうしますとこの人事条項の七月一日改訂を要望されておるという事項について、初めて労働委員会でそういうことを関協力局次長は知つたと、こう言われるのですけれども、私どもはこの前以来参考人の皆さん方からお聞きしておりますと、外務省へも依頼に行つたようなことも聞いておるのですがね。その点外務省のどこがそういうことを扱つておられるのですかね。あなたは全然御存じない、大体七月一日以後の分については労働委員会で初めて知つたというようなお話でありますけれども、どこで扱つておられるか。

関守三郎外務省国際協力局次長

○説明員(関守三郎君) 扱つているとすれば、私のところの国際協力局の三課であると存じます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 結局そうすると三課は余りこの問題について熱意がないということに……。(笑声)

重盛壽治日本社会党(第四控室・左)

○重盛壽治君 ちよつと速記をとめて下さい。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 速記を始めて。

坂本登新産別全国機械金属労働組合三菱下丸子支部執行委員長、関東特需労働組合協議会議長

○参考人(坂本登君) この点につきましては、別に新しく極く細部に亘つて今事案として出されておりますようなものを制定する必要はどういうところにあるか、こういう点についてむしろ判断に苦しむわけであります。と申しますのは、講和発効以後実際にこういうような例が杜絶えております。そういう理由をいろいろ想像して見るわけでありますが、又私どもの体験から申しまして、いわゆる前のように軍命解雇というようなことがいろいろな障害にあつて簡単にできなくなつた。又やつた場合にそれが裁判等の経過から見まして、非常に容易にやりにくくなつた。そういうような事情下にあり、且つこの中で恐らくはというふうに、この制定の理由として想像できますいわゆるレツド・パージと申しますか、破壊的な人物の排除、こういうふうな問題についてはそれぞれ実際的に解決されなければならんのはないか、そういう事情下になるのでありまして、あえて従来よりもシビアなこういうものを設けようとしている、こういう点についてどうしても疑いを挟まざるを得ない。そうしますと従来考えておつた観念以外の観念、即ち相当広範ないわゆる労働組合活動の自由を実際上に奪う、そういうような意図を持つ。これを一言にして申しますならば、占領以前の、非常に占領初期のあの状態に今日労働面において引戻されるのではないか、そういうような意図を持つものではないかというふうに考えざるを得ないわけです。実際の常識的な考えから申しますれば、結論的に言つて、こういうようなものを現状として制定する意義はいささかもないし、経営者から先ほどの証言もあり、平素においても率直な意見を聞いておりますが、こういう問題について特に必要と認めているというようなふうには聞いておりません。併しながら実際問題として今日の労使関係においてこういうようなものを経営者が本当に排除しようとしているか、これを忌避しようとしているか、こういう点についてはいささか率直に申上げて疑問な点があります。そういう点で実情から必要だというようなことを我々の面から積極的に認めるというような点は一点もございません。

師勝夫日本経営者団体連盟協力部長

○参考人(師勝夫君) 今度の新らしい契約条項、これは会社によりますと全然新らしくなつてない、従来のままの契約条項がありますが、新らしい契約条項を出されたところがあります。そういうふうに新らしくなつたという理由は、米軍側の事情でございまして、我々のほうからはこの事情が実は察知できないわけです。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○上條愛一君 速記をとめて……。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 速記をとつて下さい。

重盛壽治日本社会党(第四控室・左)

○重盛壽治君 今までのお話から行きますると、この問題に外務省として、結局結論的には外務省側がタツチして、その日本労働行政はどうあるのか、特にああいう特需工場に働く人々の勤務はどういう扱いをしなければならないかということは、当然心配をして頂かなければならん立場に外務省があるのではないかと考えます。それで今日はそれらの結論を出すことは非常に困難です。それで一日に迫つた問題に関しましては、今日まで非常に立ち悩みになつている外務省として、一応従来の方針を踏襲して行く、従来のことはいたし方ないと思いますから、そういう方針を以て外務省は臨んで頂く。更に非常にお気の毒ではあるが、労働委員長としてそういうことを一つ是非やつて頂きたい。一日までの……、次回までには外務大臣に出て来てもらつて、十分外務大臣の所信を聞いた上に立つてこの問題を労働委員会としてははつきり取上げて、結論に持つて行くという方法をとらなければならんように思います。ただ現れわた関係者だけの問題ではなくて、対外的の労務の面で非常に重大な段階であります。そこで是非とも外務大臣の出席を求めて、外務大臣の出られたときに労働委員会を開いてこの問題を審議したいと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) そのほか何か御提案がございませんかね。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 只今の重盛君の提案に賛成をいたします。先ほど来関次長の話を聞いておりますと、国内法に触れるような問題については当然日本政府としても取上げなければならんというお話がございますが、日本政府のどこでこれを主管して、どこでこの話を進めて行くか明確でないのであります。これは関次長としても明言できないような問題かも知れませんので、只今重盛氏のお話のように、次の機会の労働委員会に外務大臣の出席を願つて、明確に政府の所信或いは外務省としての方針を一つ確立させて、この問題に当委員会としても協力して進んで行くということで処理願いたいと思います。更に私はまだいろいろ質問がありますけれども、それは労働委員長の裁量に任せたいと思います。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) 先ほどの労働省関係のこれに対する御説明は、暇がございませんでしたので一応申上げておきます。  私はこの問題の所管ではございませんが、私の知つておる範囲のことを申上げます。昨年の夏前に現在行われておりまする人事条項につきましてその削除方の陳情を受けました。従いまして我々にしましては外務省と御相談をいたしまして、日米合同委員会の労務委員会にこの問題を提案をいたしまして、数回に亘りデイスカツシヨンをいたしたのでありますが、その経過におきまして、調達庁関係の労務基本契約の問題が中心になつて参りました。その中におきまして人事条項の問題があつて取上げられるようになりました関係上、労務基本契約のほうを先に審議するという形におきまして、実はこの人事条項の問題は沙汰やみになつたのであります。先ほど関次長さんから申上げましたのは、そういう経過を辿つて進んで参つておりますことを申上げます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 ちよつと質問がありますが、これは重要なことなんですが、少くとも日本国と米国との間に交わす契約である労務基本契約が私契約の問題に深い関連がある。この労務基本契約のほうを解決することが先議すべきことである。こういう考え方で今日までやられた。こういう工合におつしやたんですが、そうするとそういう工合に国と国との契約がやはり一つ重要な本問題解決の要素であるということがわかつておるのに、米国がその解決を待たずして特殊の軍施設工場或いは特需工場に更に現行よりも強い約定をしようという要求があるということは、それは日本として私は重要なことだと思いますが、その点をもう一度重ねて亀井局長と関次長に私は所信を伺つてみます。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) 労働法の建前から申しますと、先ほど来お話のございましたように、特需工場と米国軍との契約は私契約でございます。従いましてこの私契約は労働三法の効力を上廻ることはあり得ないことであります。従いましてその契約の内容におきまして労働三法に違反するような事柄を規定いたします事柄自体は、それは先ほど関次長からもお話ございましたように、日本政府としましては断固としてこれはその削除を要求すべきでございます。なおそれに労働三法に触れないといたしましても、好ましくない、日本の労働者にとりまして好ましくない条項があるといたしますれば、これ又我々としまして外交折衝によつてその間の問題を解決して行くという態度をとらなければならんかと思うのでありまして、大体今そういう態度を以ちましてその問題の処理に当ろうとしておるわけであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 関次長の御見解はどうですかね。

関守三郎外務省国際協力局次長

○説明員(関守三郎君) 申上げます。大体におきまして今の基準局長の考えと同じであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 私今日午前中からのこのお話を承わつておりますと、各業者のほうの意見でもあなたのお聞きの通りに、この問題について非常に関心を持つて努力をされておるところは若干米軍との間に理解が深まつておる、契約の内容について。それからそれでなくて、完全な施設工場でないところは、現行の改訂しようとする案と同じような案が一応協議約款にはなつておるけれども要求されておるところもある。又日鋼のようにああいう非常に大きな工場で、割合に円満にやつて行こうというような御趣旨の経営者側の態度に対しては一歩も仮借しないで臨もうという態度も見受けられる。これは私はやはり日米間の間を好ましい状態の下におくという意味においてはこういう態度は私は好ましくないと思うのですね。従つて今重盛君が出された動議は、田畑君も御賛成になつて、この委員会では取上げることに御異議がないからなるわけであります。そこで関次長にここでお約束を願いたいことが一つありますが、要するに七月一日の契約更改はこの改訂案で押切られないように、外務省としてこれは直ちにあらゆる手を一つ打つて頂きたい、そういうことをお願いします。而もそのことは、本問題については少くとも参議院の労働委員会においては一つの大きな政治問題となつておるということをおつしやつて頂いてかまわないと思います。委員長の責任においてそう申しますからおつしやつて頂いてかまいません。私そういう意味で一つ強力に米軍側に御折衝願いたい。  それから只今にわかに決定をするわけに参りませんが、成るべく早い機会に外務大臣にもここへおいで願つて、そして更に、関次長だけに責任を持つて頂くことは私どもとして不本意でありますから、大臣に直接説明をするようにこれは強く要望しなければならんということにこの委員会の決定がなつたわけでありますから、さようにいたします。  更に私委員長個人としましては、こういう問題については純法律問題として、やはり学識経験者等の意見も委員の御同意を得て聞いて参りたいとも考えております。どうかさような心組で委員会はおりますから、外務省も一つこの際大いに勉強をせられて、そして強い態度で当つて頂くようにお願いを申上げます。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 一言だけ日経連の方にお伺いしたいのですが、最後のお話の中に、七月以降実施される契約条項についてもすでに或る工場においてはこういうふうな形でやつて来たところもある。又或る工場においては新しく実施されることになる工場もある、こういうような話があつたわけなんです。それでそのような統計というか資料を日経連としては持つておられるかどうか、これが一つ。  それから第二の点は、先ほど来の師さんのお話を聞いておりますと、軍機保護の名において米軍側がこういう人事条項を要請することは、軍機保護の立場からいて止むを得ないというような趣旨のお話があつたわけであります。併しアメリカ軍の軍機保護については刑事特別法によつても保護されているはずであります。あなたのお話を聞いておりますと、先ほど来の各工場の実際この問題を取扱つておる労使関係者の話と大分食い違つておる感じを持つわけであります。私契約なるが故に日米行政協定或いは国内法とは問題はないのだ、触れないのだ、こういうような考え方のようで、非常に我々は違憾に聞いておるわけであります。日経連としては先ほど来論議されておるのでありますが、七月一日以降こういう新らしく加重された条件というものが要求されて参りましたが、どういう考え方をこれに持つているのか、これが第二点です。  それから第三点として、併せてこの際承わつておきたいのは、先般来日経連が労働七原則、労働政策七原則を掲げて議会等に対しても強く要請されておるようであります。その中にいわゆる企業の破壊分子、こういうような者の除去のためには立法措置を以て速かに臨んでもらいたい。こういうようなことが強く要請されて来ているわけであります。これは企業の破壊分子或いはレツド・パージを要求される言葉かと思うのですが、どういうような企業において、或いはどういうような組合運動においてこういうような事実があつてそのような要求をされているのか、この辺の事情についても、この際承わつておきたいと思います。

師勝夫日本経営者団体連盟協力部長

○参考人(師勝夫君) 田畑さんの御質問の趣旨、多少わかりませんが、最近新しい契約条項の資料は現在まだ我我の手に入つておりません。これは純然たる私契約でありますので、そこまでの資料を私どものほうでは必要としませんので、現在持つておりませんが、なお軍機保護の目的に副うように契約条項が結ばれるのであろうということは、これは止むを得ない当然の成行きであろうと考えております。  なお、第三の日経連の最近の発表しましたいわゆる基本労働対策の問題でございますが、それとこれとは直接の関係はございませんけれども、なお念のために、いわゆる人事条項が特需工場内におきましての軍の秘密を目的とします関係上、産業破壊分子をその工場内から排除するというところに狙いがあることは、これは明らかであろうと思います。従つて一般の民主的な労働者に対しての圧迫ではなくて、そういう圧力を加えるのではなくて、特に破壊的な分子に対する措置をしての契約条項であると私は考えております。そういう意味でございますので、その線におきまして日経連の七原則と多少関連があるようであります。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 そうすると何ですか、師さん、第一の点は、別に日経連としても資料は持つていないのだ、そうしますと何か先ほど来の話によると、あなたの話の中には、七月一日以降実施される契約の内容が、すでに軍管理工場においては実施されておるような話があつたと記憶しておりますが、何らのそれは具体的な資料に基かないでお話になつておるわけですか。

師勝夫日本経営者団体連盟協力部長

○参考人(師勝夫君) そうではありませんで、ここに区分されておる予定の人事条項はございますけれども、現にこれによつて実際に調印をしましたものはまだ手に入つていないという意味でございます。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 あなたは……第二の点ですが、軍機保護の重要性のために、当然に日米行政協定によつても労働三法は原則として軍管理工場等にも適用されることになつておるわけです。そうしてアメリカ軍も、更に軍属等も日本の法律を尊重しなければならんという原則が持たれているわけです。そうしますと軍機保護の名の下に日本の労働三法が蹂躙され、或いは日本の法律が非常に軽んぜられておる、こういうような現実に対しましてはあなたはどういうようなお考えを持つておられるのか、その点について……。

師勝夫日本経営者団体連盟協力部長

○参考人(師勝夫君) 労働三法が不当にふみにじられておるという事実の認定につきましては詳細に述べる時間がございませんが、併しながら軍管理工場であります場合にはこれは当然行政協定が適用されておると思います。契約条項以外に当然に行政協定が適用されておりますが、協定の第三条によりまして管理権が作用されておると思います。軍管理工場でない場合には、いわゆるこの人事条項によりまして軍機保護の目的が達せられるように努力されておると思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) もう委員会も大分時間が遅くなりまして、閉会いたしたいと思いますから、私から二、三確認だけいたしておきたいと思います。確認並びに希望を申し上げておきたいと思います。  今日参考人としておいでを願つた業者の方並びに労働組合の方にお願いを申上げますが、私どもは御要望に副いまして、御期待に副うべく努力を傾注いたしたいと思います。従いまして七月一日の更改を控えておりますが、又各業者の間も若干交渉の過程において食い違いがあることも明らかになりましたが、どうか最も好ましい状態に人事条項を改めるために、各個々の業態においても御努力をお願いしたいということを希望申上げる次第であります。米軍との折衝過程において御努力をお願いしたい、国会の空気を述べて頂いてかまいませんので、御努力をお願いしたいという点を希望しておきます。  それから日経連に特にお願いを申し上げておきたいのは、今日おいで願いましたのは、特需工場のうちの四社だけでございます。他にたくさんの業者があるわけでございますが、そういうところは事情をよく御承知ないのでどんどん契約を更改されるところもあろうかと存ずるわけであります。従つて日経連のお力を以つて、そういうような業者についても成るべく同じ歩調が取つて行かれますように何分の連絡をお願い申上げたい。よろしうございますか。

師勝夫日本経営者団体連盟協力部長

○参考人(師勝夫君) その点に関連しまして、特需工場につきましては、日経連はかねがね会合いたしまして、いろいろこの点の打合せは遂げておりますので、そういう歩調につきましては大体同じものと考えております。更にこれを各社に趣旨徹底をする必要もないくらいに同歩調と思つております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) それから最後に外務省の関次長に重ねて私から、先ほど注文を申上げましたが、それについて一つもう一度重ねて御決意のほどを伺つておきたいと思います。

関守三郎外務省国際協力局次長

○説明員(関守三郎君) 時間の許す限りにおいてできるだけの努力をして参りたいと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) それではおいで頂きました参考人の皆様方に一言お礼を申上げます。  この前おいで願つたときも非常に長時間御列席を願いまして恐縮に存じたのでございますが、わけても本日は、本会議等の都合がございまして、長時間お待たせを申上げ、且つこんな遅くまでいろいろと御協力を預きましたことにつきましては誠に感謝に堪えません。私どもは他意があるわけではございませんので、こういうような施設工場において働く勤労者の諸君並びにこれと雇用関係を結ばれる経営者の諸君の労務の労働規律を確立いたしたい、自主性のある確立をいたしたいという考え以外の何物でもないわけであります。それで努力をいたしたいと考えますので、どうか今後とも当委員会に御協力をお願い申上げたいと思うのであります。一言お願いを申上げながらお礼を申上げる次第であります。本日はどうも有難うございました。  それではこれで散会いたします。    午後六時三十九分散会

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