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16回国会参議院1953/10/26

労働委員会 閉会後第4号

発言数
60
登壇者
6
会派数
2
開催日
1953/10/26

会議録

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 只今から労働委員会を開会いたします。  会議に付しまする事件は公報で御案内申上げました通りでございます。  先ず最初に昭和二十八年度労働省関係予算補正に関する件及び昭和二十九年度労働省関係予算に関する件につきまして、労働省側から、前回の当委員会において案件にすることに決定をいたしました経緯を十分理解されながら説明を願いたいと思います。

安井謙自由党労働政務次官

○説明員(安井謙君) 実は前側の委員会でいろいろと労働省の予算について御質問なり御厚意のある御鞭撻がございまして、事務当局からもいろいろな説明を申上げたと思うのでございますが、それにつきまして更に資料の御注文がございましたので、事務当局或いは労働省としてでき得る限りの資料を作りまして、只今お手許へ差上げております。この内容につきましては一つ事務当局のほうからお聞き取りを願いたいと思います。

澁谷直藏労働事務官(職業安定局失業対策課長)

○説明員(澁谷直藏君) お手許にお配りしました資料につきまして御説明を申上げます。  最初の一表は労働省所管の一般会計の歳出予算につきまして、二十二年度から二十八年度に至るまでの推移を数字を以て現わしてございます。一番上の人件費はこれはそれぞれの予算定員に給与ベースをかけたものでございますので、これは別に問題はございません。それで予算上問題となりますのが、その二番目にあります物件費でございます。これは人件費を除きましたその他の旅費、庁費全部を引括めた数字ございますが、これがこの数字を見ておわかりのように、二十八年度の成立予算が六億二千二百七十二万八千円というので、二十四年度の予算額六億九千六百万円に対しましても約七千万円程度減少しておる。即ち二十三年度を一〇〇といたしまして、二十四年度の一三四%に対しまして二十八年度が一二〇%という数字を示しておるわけでございます。これはそのあとに書いてございますように、十六国会の政府原案といたしましては七億二千四百万円で出したわけでございますが、御承知のような庁費の削減を受けました結果六億二千二百万円というふうに圧縮されたということでございます。それからこれが予算としては一番事務執行問題となる経費でございまして、その他の特殊経費としてそれぞれその下に書いてございますが、これはそれぞれのそのときの状況に応じて立てております。政策費或いは事業費でございますので、これは別段取上げて申上げるほどのことはないと存じます。  それでその物件費を奥に細かく掘り下げまして、第二表でございますが、労働省としては労働保護官署、つまり労働基準局関係と職業姿定行政関係が、事務童から申しましても予算の量から申しましても非常に大きいわけでございますが、この二つについて旅費、庁費の年度別の推移を出したのでございます。初めに労働保護官署でございますが最初に業務量の増減を出してございます。労働保護官署については業務量を現わす指標といたしまして適用事業場の数、労働基準法の適用事業場の数と特殊設備の検査、基準法第四十七条に基くところの機械器具等の性能検査でございますが、この二つを指標といたしまして業務量の推移を現わしております。二十五年度を一〇〇といたしまして、二十六年度がそれぞれ一一二%、一二二%、二十七年度におきましては一二二%、一二七%、約二割五分程度の業務量が増大しておるわけでございますが、それに対しまして旅費、庁費の経費はどういう推移を示しておるかというのがその下の欄に示してございます。旅費について計を見て頂きますと、二十五年度の一〇〇に対しまして二十六年度が一一四%、二十七年度が九六%、本年度におきましては七一%、庁費につきましても、二十五年度の一〇〇に対しまして、二十八年度におきましては八割一分というふうに減少をしておるわけであります。  それから次に職業官署につきましては業務童といたしましては、安定所における一般有効求人と求職者の数、それから日雇労働者の紹介数、この三つを指標として示しておるのでございますが、二十五年度の一〇〇に対しましてそれぞれ二割へ分、一割七分、日雇の労働紹介が若干、四分程度落ちておりますが、一般の求人、求職共に、二割前後の業務量の増大を示しておるわけであります。  これに対しまして、旅費庁費の経費関係は、旅費におきまして、二十五年度の一〇〇に対しまして二十八年度が七割、庁費が二十五年度の一〇〇に対しまして六割三分というふうに、一方において業務量は増大しておる。それに反比例して旅費、庁費の面は圧縮して来ている。こういふのが数字の上で示されておるわけでございます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) この前の委員会では労働省と他の省とのこの基礎数字の比較表ができれば作つてもらいたいという意思が、何か表明されたと思いますが、その点については何か資料はまとまらなかつたのでございますか。

澁谷直藏労働事務官(職業安定局失業対策課長)

○説明員(澁谷直藏君) その件につきましては、私どものほうでも各省の資料等を集めまして、種々検討いたしたのでございますが、何分ほかの省と労働省の仕事の性質がそれぞれ異つておりますのと、それから同じく旅費なり庁費と申しましても、その業務の性質が違うのに基きますのと、もう一つは予算の技術上必ずしも各省共通な組み方をしておらないという事情がございまして、予算の科目資料を集めまして、私のほうでそれぞれ整理をいたしてみましても、必ずしもそれが同じ平面において比較していいものかどうかという点について相当疑問がございますので、一応これについての比較表は委員会に資料としては提出するのを奥は遠慮させて頂いた次第でございます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) それから只今のこの物件費の関係でございますね、これで業務量が殖えて予算額が減つておるという説明がございましたが、このうちで業務量が殖えた分だけを加算すれば、この殖えた分をベースにとつた場合には実際の減り方はもつと多くなるわけですね。その数字が大体どれくらいになるか。例えば労働保護官署の場合は、旅費、庁費、旅費が七一%、庁費が八一%と、こういうことに計算が出ておりますね。併し実際に業務量は殖えておるわけですから、二十五年度と同じ条件でやろうと思うともつと減るわけですね。それが何%くらいになるかという逆算の数字ですね。それからもう一つは、逆にこの予算、二十八年なら二十八年の減額された予算で仕事をやつて行けば、実際の仕事、業務量というものは、二十五年度に比較してどれくらいしかできないのか。これの両方の数字が簡単に出ないのですか。

安井謙自由党労働政務次官

○説明員(安井謙君) 今の業務量に比例した場合に、どうなるかというお尋ねでございますが、この点につきましては、旅費にしろ、いろいろな物件費にしろ殖えておるということも考えられませんので、ちよつとこれは直ちにどの程度に換算、計算するかということにつきましては、その尺度がかなり面倒なものではないかと思つておりますので、大体このケースから御推察頂ければと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) そうしますと専門的なことですから、労働省でちよつと何か推定の換算率でも考えてもらえば大ずかみなことが出るのではないかと思いますが、問題は、この仕事量が殖えておるのに対して、二十五年度と同じような条件で仕事をしようと思う場合には二十八年度の予算、額というものは一体どれくらいが理想的でなければならないか。そういう絶対の数字ですね、それが一遍出ないかと思うのですが……。

安井謙自由党労働政務次官

○説明員(安井謙君) 只今申上げましたように、この比例がどういう工合に殖えるべきであるかどうかということにはかなり疑問があると思いますが、併し一応それを当てはめた場合にどうかという計算は、改めまして明日までにでも作りまして出してみたいと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) この予算の問題は今日政府側の説明だけを聞きまして、いろいろお考えもあろうかと思いますから、いずれ考えをまとめて頂きまして、明日劈頭の委員会でもう一度細かくデイスカツスをしまして、それから当委員会としましてどういう工合に措置するかということを御決定願いたい、こう考えておるわけでございます。  特に補正予算は、もう大体完成しておるようでございますから、従つてその完成しておる補正予算について修正を若し要求するということになりますと、なかなか大仕事だと思いますので、その点を一つ十分検討いたしたいと思います。それでよろしゆうございますか。    〔「よろしうございます」と呼ぶ者あり〕

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) ではさようにいたします。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) それから今日取上げました案件の中で、けい肺法案の継続審査の問題と、労働基準法の一部を改正する法律案の継続審査の問題も、これは後刻、若しくは明日に譲りまして、その前に、労働情勢一般に関する調査といたしまして、前国会以来結末の付いていない問題が二、三ありまするので、これの処理をいたしておきたいと存じます。  先ず最初に九州の岩屋炭鉱の労働争議につきまして、その後当委員会の熱心な御要望もございましたが、どういうような工合に経過が進んでおるかを一応御説明願いたいと思います。

安井謙自由党労働政務次官

○説明員(安井謙君) 只今の岩屋炭鉱の件につきましては、只今取調べたものをまとめておりますので、ちよつと後ほど御説明申上げます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) それでは後に譲ります。   —————————————

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) それからこれは委員会の案件にはしてないのでありますが、実は前回の委員会が閉じましてから、委員長の手許へ情報が入りまして、非常に重要な問題であると考えましたので、労働省のほうへも、労働専門委員会の事務局のほうを通じて調査並びに善処方を依頼しておつた事件がございます。それは佐世保艦隊活動部に関する問題でございますが、これについて労働省側の調査或いは処理をせられた結果について御報告をお願いいたします。ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 速記を起して。  只今の問題もちよつとあとに延ばしまして、労働大臣が提唱せられて進められておりまする労働問題協議会の経過について説明を願います。

安井謙自由党労働政務次官

○説明員(安井謙君) かねて労働大臣から提案しておりました労働問題協議会はいよいよ先月から発足する運びになりまして、九月二十八日に第一回の総会を持つたわけでございます。第一回の総会におきましては緒方副総理と小坂労働大臣から、会の趣旨につきましての挨拶がありました。その後会長の選挙をやりました。会長には前田多門氏が就任いたしました。更に副会長には長野氏が就任した次第でございます。次に、第二回目の労働問題協議会は十月九日に開きました。ここでは労働問題に関する労働局の調査資料について全般的な説明をいたしました。第三回目は、十月二十二日に開きました。これは今日の日本の一般経済問題につきまして、経済審議庁の岩武調査部長から、日本の最近の経済問題についての説明があつたという次第でございます。  只今のところ、まだ委員会ではそういつた一般問題についての各関係当局の説明を聞くというような段階でございまして、これからそういつた問題を取上げるか、或いはどういうふうに会を進めて行くかにつきましてはこの後にかかつている次第でございます。大体毎月二回程度協議会を開催いたす予定にいたしております。簡単でございますが、御報告しておきます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 只今の労働問題協議会について、御質問等ございますか。

安井謙自由党労働政務次官

○説明員(安井謙君) 只今佐世保艦隊の問題につきまして事務当局から調査資料を持つて参りましたので、お聞き取り願いたいと思います。

和田勝美労働省労働基準監督局監督課長

○説明員(和田勝美君) 佐世保の問題でございますが、これは六月頃には基準法の三十四条の、英文と日本文との関係で食い違いがあるというようなのが、現地の折衝においてなされておつたようでありますが、最近に至りまして十月の五日に至りまして、その問題は一応解決を見まして、基準法の日本文で要求しております通りの、労働時間中に休憩を与えるということについて向うのほうも了承いたしました結果、只今勤務割について現地で、現地の基準局と向うの佐世保のほうのダルトン少佐というのとで現在やつておりまして、向うのほうとしましては基準法に従うことは、これは十月十五日に確認いたしておりますので、問題は専ら技術的に今後勤務割がどうなるかということにかかつていると思いまして、そういう意味で一応の解決点に到達しておると存じております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) その労働基準法の解釈の違いというのが、やはりこれは文字の上で出たのであろうと思いますが、労働省のほうでは、佐世保の他の場所でそういうような誤解のまま執行されているところがあるかないか、その点は調査は済んでおりますか。

和田勝美労働省労働基準監督局監督課長

○説明員(和田勝美君) 積極的に私どものほうへ地方から言つて参つて来ている事例はございません。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 事例がないということは、あるともないとも言明できないということなんですね。

和田勝美労働省労働基準監督局監督課長

○説明員(和田勝美君) 私どもとしましてはないものと存じております。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 監督課長さんですか。今の報告に非常にあいまいなところがあるようですが、私が調査して参りました範囲内におきましては、非常に解釈の間違いによつて問題が起きている。而もそれが直接給与に関係する面が非常に多いので、表面に現われておらないということが実態である。かように考えております。例えば佐世保の問題にいたしましても、今日まで八時間労働をやつて、そうしてたばこを喫う休憩時間もない。只今の話では、休憩をしているように言つておられましたけれども、食事をする時間でも仕事の手を休めずに食事をする。こういうことになつておつたのであります。まあ私行つて関係の皆さんと会つた結果、只今言われたような解決の方法もあるようでありますけれども、事実はこの解釈において米人側から言われるのは日本の労働基準法に触れておらない。いわゆる日本の労働基準法で行けば、六時間働いた場合には四十五分間、八時間以上働いた場合には一時間の休憩時間を与えなければならないということになつているけれども、英文のほうでは、八時間以上働いて、働き終つたあとに休憩時間をやつてもいいんだ。こういうふうにはつきりと解釈が英文でなされる。それで労働基準法違反ではないということをあなたが今おつしやいました。ダルトン少佐も言つています。併しその精神は、あの人達も決して自分たちの主張がいいとは思つておらない。併し理論上から行けば、自分たちの英文にははつきりこうなつているからということを言つている。これが福岡等でも現われておつて、非常に休憩時間の問題について問題が起きている。その証拠には、八時間の間にたばこを一ぷく喫つただけで賊になつている。休憩時間が全くないので馘になつている。而もそれが当然だということを言われている。こういうことから考えて、英文と日本文の基準法と間違いがあるかどうか。この点をはつきり一つお願いしたい。仮に間違いがあつたとするならば、こういう誤訳による間違いが起される可能性が非常に多い。誤訳についてどういうように労働省でお考えになつているか、この点をお聞きしたいと思います。

和田勝美労働省労働基準監督局監督課長

○説明員(和田勝美君) 基準法ができましてから以後の、当時の占領軍から今日に至りますまでにそういう誤解は、御指摘の事例があつたかどうか、私は正確に承知しておりませんが、佐世保についてはそういうような誤解があつたようであります。併しそれは先ほど申上げましたように、私どものほうの説明を向うが了承いたしまして、従来の私ども基準局の解釈通りに、労働時間の途中で休憩を与えるということに勤務割を切換えて行くということに変つて来ております。福岡のほうの事情は知りませんが、それ以外にはそういう実例も聞いておりませんので、私どもといたしましては、日本文に書かれた通り英文も読めれば、実施もされて来ておる、そういうように考えております。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 それではそこに今あなた持つておられるのですから、それを仮に英語を読んだ人がそういう誤解のないように英文が解釈されておるかどうかということをお聞きいたします。三十四条、あなたが持つておられるそれです。

和田勝美労働省労働基準監督局監督課長

○説明員(和田勝美君) この三十四条をば、このままで通常英米法の労働時間と休憩との関係をば、持つておられる方がお読みになれば、これは休憩を労働時間中に与えるということが当然出て来るというように私は聞いております。併しこの英文をこのまま直ちに読みまして、それがそう出るものであるかどうかについてはなお専門家の意見も聞いてみなければならないと私は思つております。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 その中に労働の途中において与えなければならないということが日本の基準法の三十四条にははつきり入つているが、英訳のほうには入つているかどうか、入つておらないと思いますが。

和田勝美労働省労働基準監督局監督課長

○説明員(和田勝美君) 只今御説明申上げましたように、この英文を文字通りに読みました場合において、明確にそういうことが書いてあるかどうかについては、若干疑義があろうと思いますが、先ほど申しましたように、英文の基礎になつておりますものの考え方の中にそういうものが当然のものとして前提にされておるというように読めるし、若し英米の労働法についての考え方をばその前提条件として書きますれば、それを書かずとも、三十四条の中に出て来るというように私は一応聞いておりますが、なお英文自体につきましては専門家の意見を聞いてみたいと存じております。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 私の聞いた範囲ではその労働監督の当事者の人が、これを英語で解釈する場合には、八時間後に休憩を与えても日本の基準法に違反しないのだ、そのために今まで八時間たばこ一本喫う休憩時間も与えておらなかつたのも、基準法の違反でないということを言われておる現実があるわけです。  こういうものに対して、その解釈がどうある、こうあるということでなくて、そういうふうに与える文章になつているのをどういうふうにお感じになるか。そのために日本の労働者が、例えば佐世保でいうならば、九百九十六名の警備員が八時間今まで煙草一本も喫う時間も与えられておらなかつたという現実が起きておるわけだ。そうするとその解釈が間違いであるか。こういう誤解が起らないように、これに対する処置をとられるのが労働省の務めではないかと私は思うのですが、どういうふうにお考えですか。

和田勝美労働省労働基準監督局監督課長

○説明員(和田勝美君) 佐世保の事件につきましては、先ほどから申上げますように、そういう労働者側からの苦情もございましたので、私どものほうで処理をいたして、今その処理をやつておる最中でございます。処理が完全に終了いたしますれば、そういう事態は救済できるというふうに考えております。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 そういう事態が起きて来ればそれは当然救済しなければなりません。佐世保のやつもこの時間割につきましてはまだ疑問もありますし、これは殆んど全駐留軍の警備員がその時間割で行つておる。二十四時間勤務の二十四時間休憩、これは戦前の陸海軍の守衛が勤めておつた時間、これでやられておる。これを今後も適用されると私は思つておる。ところがそういう英文の労働法規に、そういう誤解の起るような英文解釈がなしてあるとするならば、早急にこれを変える意思があるかどうかということを私は聞いておるわけです。

和田勝美労働省労働基準監督局監督課長

○説明員(和田勝美君) 英文自体につきましては、先ほど御説明をいたしましたように、現在の英文で読めるというふうに私ども考えておりますが、英文自体については、英文の専門家についてなお検討いたしてみたいと思つております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) ちよつと和田監督課長にお尋ねいたしますがね、この印刷物ですね、これは六月二十二日附の手紙になつておるようですが、これを読みますと、要するに「八時間交替の服務中に一時間の休憩時間を特別守衛に与えることは全く不可能なことである。」こういう工合に書いて、日本労働基準局監督官沢田茂樹宛に返事が来ておるわけですね。これについては、労働省としては何らかその後向うと只今問題になつておるような点で折衝せられたことがあるわけですか。

和田勝美労働省労働基準監督局監督課長

○説明員(和田勝美君) これ自体はこの沢田君と申しますのは、佐世保の監督署の監警官ではないかと存じておりますが、六月の二十二日頃から以降におきまして、佐世保の監督署とか長崎の基準局と向うの係官、労働の係り将校との間に折衝のありましたことについては、私どもも承知をいたしまして、従来とも指導をして参りまして、その指導の結果が現われたのが、十月の五日に向うがこちらの言うことを了承して勤務替をするということに立至つたと存じております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) ちよつと速記をやめて。    〔速記中止〕

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 速記を始めて、岩屋炭鉱の争議について、その後の経過を一応御報告願いたいと思います。

中西實労働省労政局長

○説明員(中西實君) ずつと初めから一応申上げます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) この前の委員会のあとから……。

中西實労働省労政局長

○説明員(中西實君) 結局それじやこの前のときには、たしか第二組合ができまして、つまり在籍者だけで、第二組合を結成し、そして非在籍者を主体としてやりました第一組合と鋭く対立をしておつた。その後第一組合は、争議解決を図るために、七月三十日、団体交渉権を九炭労山本委員長に委譲いたしまして、九炭方は直ちに会社に対しまして交渉を申入れましたが、会社は九月八日に拒否的な回答をいたしましたために、十日に九炭労第一組合が、地方委に斡旋の申請を提出いたしました。内容は団体交渉悪闘促進の斡旋、いま一つは会社と組合との前に、双方で了解いたしました七つの項目について交渉するということについての斡旋を申請いたしました。その後十二日に九炭労、石炭鉱業連盟、会社が福岡で団体交渉を開催することについて協議が開始されました。十五日になりまして、九炭労対会社の団体交渉が福岡で始められました。その後、この前に問題になつておりました暴力行為が起りまして検挙騒ぎが起きたのであります。  若干その点に触れますと、九月十九日に勤労課の中野主任が社宅内の道路上で、廃鉱になるかも知れない、こういうことを言つた。本人は言わないとも言のですが、そのときにとにかくそういうことを言つたということから、第一組合の約四百名が非常に激昂いたしまして、そうして中野主任の説明を要求し、勤労課長がこれを拒否して押問答が行われ、やつと今村県会議員だとか井出第一組合長等の、責任を持つからという、ことで中野主任が説明をすることになりました。その中野主任が説明している際に勤労課長が炭婦協の会長である人に襟をつかまれて後から押された。それをきつかけに他の組合員が足をすくつて、後から髪の毛をつかんで、更に瓦の積み重ねてあるところまで運ばれたというようなことがまあ起つたということ、そして勤労課長が隙を見て勤労課の中へ逃げ込んだのでありますが、第一組合員に包囲されて表に出られなかつた。この様子を見ておつた第二組合員がやはり第一組合員約十名によつてつかまえられました。逃げようとするところを第一組合員に叩かれた。なお、更に第二組合の書記長森下孝市、この人が唐津に帰つたところを自宅で第一組合員のピケに包囲されたために、第二組合の組合員のところに立寄つたところが、両人とも第一組合員に引出されまして、打つたり蹴られたりしたというようなことがあります。こういうことのために、国警の本部から武装警官が百五十名出まして、十一名を住居侵入或いは暴行傷害、不法監禁等の容疑で逮捕すると共に、十月三日に第一組合員二名の書類を送検しております。それからなおその間、第一組合員である被逮捕者の一人の父が自殺したというような事件が起つております。更に第二組合から第一組合に移つた居石という人は家出をしたまま行方不明になつている。それが十月三日に自殺死体となつて発見された。原因は持病が主であるようでありますが、やはり第一組合、第二組合の板挾みになつて非常に苦しんだという新聞報道がございました。こういつた派生的といいますか、事件が起つてあります。  さて、その後第一組合の申請に基きまして、佐賀地労委におきましては鋭意斡旋をいたしておりまして、十月九日、次のような斡旋を出しまして、十二日までに回答を求めたのであります。内容は、斡旋事項は主としてすでに了解されている事項、七項目のうち、第三項及び第六項に関するものだけにする。会社は紛議の解決を速かにして事業を再開する。会社は事業進捗の状況に応じて可及的速かに全員を採用するよう努力する。被解雇者の採用には、七月二十二日協定の趣旨、先ほどの了解事項でありますが、そのときの協定の趣旨に従い現行鉱員就業規則及び鉱員採用身体検査基準によらないで優先的に採用する。採用者の職種は原則として退職柳の職種とするが、止むを得ない場合には本人の希望による。解雇者に対する退職金の算定は、再採用者の退職金については勤続年数の通算は行わない。退職の金額は退職金規程の定める基準によつて支給する。会社は別に特別加給金として一人当り四千円を支給する。これが実質的なものです。それから会社は今次争議に関係した収を以て不利益な取扱いをしない。当事者双方とも本問題に関し再申入はしない。本協定の内容について疑義が生じた場合は地労委の本件斡旋委員の解決に従うものとする。当事者双方とも従来における紛議の一切を解消し、相協力して事業の進展に邁進する。これが斡旋案の内容でございます。  この斡旋案に対しまして、会社は十二日に受諾を回答いたしました。組合員も十四日の臨時大会で受諾を決定いたしました。この旨を地労委に回答いたしまして、一応この事件は落着することになりました。  なお、組合は不当労働行為の申立を地労委にしておりましたが、これも十五日に取下げをいたしております。  大体そういう経過でございます。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 大体今の報告で了解できるのですが、会社側から復旧に要する資金の申請をされていると聞いております。それについて詳細御承知だつたら御説明願いたいと思います。

中西實労働省労政局長

○説明員(中西實君) その点実は詳細存じておりません。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 そうですか、明日でも結構ですが、非常に疑義がありますので、その要請された復旧の基礎の数字を詳細発表願いたいと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 只今の報告の中で、労使間の問題については一応円満に解決をしたということでありますから、非常に結構だと私は思うんです。ただ一つ残された問題は、組合員の父が警察べ喚問された直後に自殺をしているという一つの悲惨な事実があるわけです。これに関連してこの委員会でも問題になつたことは、警察官の争議に関する不当介入ではないかということが言われておりまして、その結果こういう自殺者が起きるというようなことであれば、これは相当重要視しなければならんというふうに言われているわけですけれども、この労働争議に対する警察官の介入問題ですね、これがどういう工合に現地で了解事項に達したのか、或いは組合員の父の自殺問題は一体どういう工合になつているか、その点御説明をして下さい。

中西實労働省労政局長

○説明員(中西實君) この点は実は新聞報道、それから現地からの報告だけで承知いたしておりまして、その後この点について更にあとの処置があつたかどうかは存じ得ないのでありますが、今の暴行事件の目撃者として警察の取調べを受けたのでありますが、まあその動機が、一体どういう動機でその父が自殺するようになつたか、この点は結局息子の暴行行為に非常に責任を感じたのか、或いは警察の取調に関連があるのか、その点実ははつきりはいたしていないのでございます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) その自殺者の遺言というものはないけれども、とにかく残念という字をガラス戸か何かに書いて、そうして非常に簡単ではあるけれども、遺書を残して自殺をしたという事実はあるわけなんです。そういう事実はあるわけですね。従つて労使間の問題が解決したことは結構だけれども、そういう人道問題に関することが、警察官の不当な処理によつてそこまで招来されたというようなことになる。これは重要な問題だと思うんですね。そこの点を明らかにしたいというのが一つの目的でもあつたわけです。特にこの委員会へ非公式ではありますけれども、第一組合の副委員長でありましたか来て聞いたときには、とにかく労働争議の激化の結果派生するであろう波乱を一時取り鎮めたいという意図で出動した警官の態勢としては余りにも物々し過ぎる。こういうことを極言しておつたわけですね。従つてその点はやはり労働者保護の立場にある労働省としては、仮にその警官の問題でも、それはやはり遠慮なく事態の内容を究明してもらわなければいかん、こういう工合に考えるのですが……。

中西實労働省労政局長

○説明員(中西實君) この点実は私のほうも現地からの報告によつて承知するのでありますが、県会におきましても再度国警隊長が呼ばれまして、この問題についての質問を受けているのでございます。国警隊長の答えとしましてはう取締が苛酷であつたから自殺するというふうなことは絶対なかつたと思うと、こういう答弁をしているというふうに聞いております。それはまあ詳細は佐賀県の国警隊長より警察当局に更に十分聞かなければわかりませんが、まあそういう報告は受けております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) そういうことをやつた警察官のほうへ向つて聞けば、それは自分が悪いとは申しませんよ。それは飽くまでもいいと言うにきまつている。だから第三者の立場に立つていろいろな意見を労働省が総合されて、そうして果して適正な警察官の行為であつたかどうかをこれは判断してもらわなければいかんと僕は思いますね。もうしばしば警察官の問題は、日産の場合でも鏡工場の場合でも言うのですが、いずれも警察官は実に立派な態度で行動しておられるのですね、お説を聞いておれば、併し必ずしも相手方はそういうふうに受取つていないわけです。そこが私は問題だと思うのです。だから労働省の局長の御報告としては、警察官の言われることだけを全部百パーセント真なりとして御報告せられるのも結構だけれども、その前に、もう一度違つた角度からやはり検討だけはしておいてもらいたい、こういう工合に私は考えるのです。これはいずれ本委員会では警察官と労働争議の問題、そのほか広汎に取上げておりますから、いずれこの問題だけで一応更に掘り下げて研究しなければならんと思いますから、いずれ調査だけは手落なく進めておいてもらいたい、こう考えます。  それから今日一応御説明を、先ず明日に引続くにいたしましても、伺つておきたい点がありますからお願いいたしますが、次の問題の、国際労働条約の批准状況についての調査報告、それから国鉄専売等の給与に関する仲裁裁定の進行状況等について説明を願います。

中西實労働省労政局長

○説明員(中西實君) 今の国際条約の関係は今国際労働課長が来るそうでございますから……。お手許には大体各国の労働条約に関する批准の状況のものがお配りいたしてあるかと思うのですが、あとで又御説明いたします。  それから国鉄、専売その他の仲裁裁定でございますが、御承知のようにあと造幣、郵政、林野、この三つが残つておりまして、聞くところによりますと、明日くらいに出るだろうということでございます。そうしますと全部出揃う。それに対しまして各関係の官庁におきましてどういう態度で臨むかということの打合せをして、態度を研究をしているようでございます。いずれにしましてもベース・アツプということになりますると、給与総額を超えますので、形式上予算上、資金上不可能ということになりまするから、国会に議案として提出する必要がございます。それで二十九日から国会が開かれますので、あれは仲裁裁定が出ましてから十日以内に出す、閉会中なれは次の国会が始まつてから五日以内に出すということになつておるのでございます。五日以内といいますと来月の二日でございます、それまでには各関係省からこれが国会に提出されることになるわけであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) これはあれですか、予算上、資金上不可能だということがもう閣議か何かで決定したんですか、あなたの言われるのは。

中西實労働省労政局長

○説明員(中西實君) 予算がないことは確かなんです。そこで当然これは国会にかけなければならないことになるわけです。つまり予算に給与総額というものがきまつておりまして、そうして現行ベースは勿論これは予算内でやれるのでありますが、これだけの賃上げの予算というものはないわけなんであります。従つて予算の補正をしなければ実行不可能なんであります。そこで現在の予算上不可能であるとして国会に提出する要がある、こういうことであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) それが決定したんですか、政府として。

中西實労働省労政局長

○説明員(中西實君) いや、まだ。閣議でこれは出るわけでございます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) いや、あなたのお話を聞いていると、予算上、資金上不可能なものとして各省から国会へ提案することになると、こういうような工合に先ほどお話があつたから、私はまだ三つ出ていない現在において、内閣がそういうことを決定になるのもまだ少し早いのじやないかと思うし、それから予算上の問題についても、私どもではまだこういろものは収上げられているのかいないのかも明らかに知らないわけなんですね。従つて労働省のほうでそこまではつきり一歩前進してわかつておるのかどうか、この点も知つておきたい。

中西實労働省労政局長

○説明員(中西實君) 仲裁は、これ一つ一つが仲裁々定でございまして、それが出ましてから十日以内に若し予算上、資金上不可能なれば出す、閉会中であれば五日以内に出すと、こういうことになつておるわけでございます。そこで現在の予算の立て方から見ますると、総則に必らず給与総額が現定されておるのでございます。従つてベース・アツプというような問題は、すべて大体においてこれは不可能ということになります。形式的にはこれを閣議にかけまして、そうして国会に出すという手続はいたしますけれども、実質をいいますると、先ほど言いましたように予算上施行できないものだということで、国会に出さざるを得ないというふうに私は考えております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 今度の臨時国会は救農と災害復旧の国会であるというふうにいわれておるわけですね。こういうベース・アツプの問題は扱わないといわれておる。その問題はあとの問題だといわれておるので、第二次の臨時国会が開かれるのか、或いは通常国会になるのか知りませんよ。併しそのときにこの仲裁裁定の問題も国家公務員の問題も併せて、賃金ベースの問題をまだやるともやらないとも政府は意思表示してない、それはどうなるのですか、関係は。

中西實労働省労政局長

○説明員(中西實君) それは、法律上仲裁裁定が出て予算上実行できない。今度のベース・アツプは予算上実行できないものでございます。実質的には別といたしまして、形式的には明らかに給与総額を上廻る額が必要なんです。健つて補正予算をしなければ実行できないわけでございます。そこでその実行できないものは、裁定が下つてから十日以内、閉会中なれば次の国会が始まつてから五日以内に出さなければならないと法律にありますので、今度のまあ会期一週間としましても、裁定が出ましたのがもう大分前になりますので、当然今度の国会の五日以内には出さなければならない。これは法律上の義務でございますからやることになつております。それが今国会中に片付くかどうか、この点は又そのあとの問題であります。形式的にはなおまだ各省から閣議請求しておりませんので、正式にきまつたということは申せませんけれども……。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) これは労政局長の今のお話は法律の講義を聞いているようなもので、まあそれだけのことなんです。それを私は間違つているとは申しませんがね。(笑声)だからよくわかりますよ。わかるけれども、それだけではどうも問題の解決にはならんので、これはやはり労働大臣なり官房長官なりに来て説明してもらわなきやちつとも前進しないね。これは又明日労働大臣は出られるんだか、或いは官房長官なり大蔵大臣なりに出席を願うかも知れないということを一つ伝えておいて下さい。今日はもうこれ以上前進しないでしようね。法律の勉強しておつてもしようがない。今日は大体明日やりまする問題点だけを一応労働省と意見の交換をやつたような恰好になりましたが、この程度で閉会をいたしたいと思いますが、よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) じや閉会をいたします。    午後三時十三分散会

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