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16回国会参議院1953/07/15

予算委員会 第16号

発言数
47
登壇者
6
会派数
3
開催日
1953/07/15

会議録

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) これより委員会を開きます。木村君。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 ちよつと為替局長にお尋ねいたします。今の外貨の運用状況ですね、幾らくらいあつて、それをどういう形で保有しておるか、これを具体的にお話願いたいと思います。

東条猛猪大蔵省為替局長

○政府委員(東条猛猪君) 只今お尋ねの外貨の保有額、それからこれの運用状況に関するお尋ねでございますが、便宜五月末の状況について申上げたいと思います。五月末におきまする日本のいわゆる外貨の保有額の総合計は九億九千六百七十万九千ドル、九億九千六百万ドルに相成つております。これは木村委員御承知のように、外貨を保有いたしておりまするいわゆる主体といたしましては、政府、大蔵大臣勘定のほかに、日本銀行の名儀で持つておりますもの、それから民間の為替銀行が自分の自己資金で持つておりますもの、これらをすべて含みました数字でございます。そこでこの九億九千六百万ドルの中には、御承知のように、いわゆるオープン勘定残高があるわけでございます。このオープン勘定残高の数字は、これはもう申上げるまでもございませんで、いわゆる帳簿上の債権でございまして、これは日本側の貸越になつております場合におきましては、日本側のいわば帳簿上の債権という形になつておりまして、これについては運用上かれこれの問題は生じないのでありますが、このオープン勘定の債権は五月末におきまして七千百九十九万ドル、七千二百万ドルと御承知を願いたいと思います。そこでこの総合計の九億九千六百万からオープン勘定債権の七千二百万ドルを取りましたものが、現実に如何なる形において運用されて参つておるかという問題に相成るわけでありまするが、このうち証券の形で運用いたしておりまするものが六千三百七十五万五千ドル、約六千四百万ドルに相成つております。この内容は勿論米ドル、英ポンドとありまするが、便宜全部ドルに換算をいたして申上げておるわけであります。そこでその残りがいわば銀行に対する預金の形に相成つて参るわけであります。現在は先ずこれを、預金の関係とドルとポンドについて申上げて参りますると、御承知のように、ポンド資金はこの五月末におきまして相当窮屈に相成つております。そこで証券に運用いたしておりまするポンド資金以外のいわゆる現金と言いますか、預金と申しますか、そういうポンド資金はこれは当座預金にいたしております。当座預金にいたしませんと今日のような貿易決済或いはマージン・マネーの引当の場合に当座の役に立ちませんので、当座預金にいたしております。これは無利子になつております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 どこにですか。

東条猛猪大蔵省為替局長

○政府委員(東条猛猪君) これは各銀行に、相当多数の銀行に分れております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 どういうところかということをお聞きしたいのです。

東条猛猪大蔵省為替局長

○政府委員(東条猛猪君) 英ポンドにつきましては当座預金に相成つております。このほかの米ドルのほうでありまするが、米ドル資金につきましては約八割を定期預金に預入れております。二割が大体当座預金ということに相成つております。当座預金は今も申上げましたように、大体無利子ということに相成つております。そこで今のお話の一体日本側の銀行、それから外国系銀行の預託先の割振の問題でありますが、これは大体預金勘定のうちの九千四、五百万ドル、これが日本系の預金になつておるというふうにお考えを願いたいと思います。あとは外国系の銀行に対する預金になつております。つまりくどうございますが、全体の九億九千六百万ドルの中からオープン勘定残高の七千二百万ドルと、証券運用の六千四百万ドルをとつて頂きまして、そうしてそのうちの約九千匹、五百万ドルが五月末における日本側の銀行に対する預金になつており、残りは外国系の銀行に対する預金になつておる、今のお尋ねは或いはもう少し個々の細かい銀行別にというお話でありますが、実は銀行間の預金は相当日々動いておりますることと、それから木村委員御高承の通り、個々の銀行の名前ということになりますると、相当に実は業務上機微な関係もございますので、できますならば、今申上げました日本系の銀行、外国系の銀行という程度で御了解頂ければ大変有難いと存じます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 そうしますと、外国系の銀行に相当多額に、どのくらいになりますかね。約九億近い、八億幾ら……。

東条猛猪大蔵省為替局長

○政府委員(東条猛猪君) 七億一、二千ドル。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 その七億くらいのうち、定期預金と当座預金、定期預金は利子が附くわけですね、どのくらいの利子か。それから当座預金は無利子だ、そうすると、無利子の分はどのくらいであるか、それとどの銀行に幾らということまでは、これは御無理でしよう。ですから銀行名だけでもいいのです。イギリス系幾ら、或いはアメリカ系銀行、バンク・オブ・アメリカ、或いはナシヨナル・シティ、そういう銀行名だけでも結構です。

東条猛猪大蔵省為替局長

○政府委員(東条猛猪君) 今の御質問で尽きておるわけでありますが、念のため申上げますと、七億数千万ドルの外国系の銀行に預けておりますもののうち、約八割が定期預金になつておるということにお考え願いたいと思います。そこでその外国定期預金の利率でありますが、現在は九十日の定期にいたしておりまして、これは年利一%四分の三ということに相成つております。この利率の点でありますが、これは我々といたしましては、国際的な一般の、ニユーヨークならニューヨークのマーケットの国際的な水準から落ちないことは勿論、できる限り一般の利率よりも有利なようにできるだけ取計らつてもらいたいという交渉を随時努力いたしておるということを附加えさして頂きたいと思います。それからもう一つ、相大当きな金額が外国系の銀行に入つておるんだが、どういう事情であろうかということは、直接お尋ねはありませんが、そこらあたり御疑念をお持ちになると思いますので、念のため申上げたいと思いますが、最近の国際収支でも、御高承の通りに日本のドルの預金が、ドル資金が日本の国際収支の受取りになつて参り、従つて日本側の外貨資金になりますところの非常に大きなファクターは、申上げるまでもなく駐留軍その他の特需関係に伴います駐留軍関係の収入であります。駐留軍関係の資金は、然らばどこの銀行に入つて来るかということになりますと、これは米軍内部のアレンジメントによりまして、第一次的には米系の銀行に入つて参ります。従いまして大蔵大臣勘定の預金先にいたしましても、この第一次的にはすべて一応米国系銀行が実は預金がぐつと殖えて参ります。一般の貿易につきましては、御承知のように支払超過になつておりますので、その他のところは預金は減つて参るということに相成つて参ります。ただ私どもといたしましては、これはたびたび申上げておりますように、日本側の為替銀行のいわば育成強化ということは是非ともいろいろの方法を講じなければならないわけでありまして、その一つの方法といたしまして、この預託外貨の預託先を逐次日本側の銀行にときどき変えるということは相当配慮いたしております。併しながら、今申上げましたような資金の源泉が、右に申上げましたような事情から生ずること、それから今木村委員御高承の通りに、従来の日本の為替取引或いは外貨資金の管理面における外国系の銀行が、相当過去においていろいろ実際日本のために刺戟された点もあるということを考えますると、これらの外貨預託の切替をそう急激にやるということは、むしろ適当でないのじやなかろうかということで、一つの考え方の筋はきめているつもりでありますが、日本側銀行の育成強化ということのための外貨の預託ということは、ぽつぽつ時期を見てやつて参りたい、かようなつもりでおります。この点を念のため申添えさして頂きたいと思います。それからどういう銀行があるのかという点でありまするが、相当たくさんの外国系銀行がございますが、米ドルにつきましての預託先の相当有力なものは、今お話のございましたナシヨナル・シティ、バンク・オブ・アメリカ、チエース・ナシヨナル、この三行が非常に割合が大きうございます。それ以外に十数行あるのでございます。これは昨年の八月、大蔵省が外為委員会から外貨資金の管理運用の事務を引継ぎました当時、すでにこれらの預託先がありましたのでありますが、その後いろいろ要求がございますが、私どもは実は預託先は一行も殖やしておりません。殖やしておりませんが、その当時預託先でありましたものは十数行ございます。従いましてその名前を若し御必要がございますれば読上げますけれども、これは例えばバンク・オブ・アメリカ或いはバンク・オブ・マンハッタンでありますとか、ケミカルでありますとか、ギヤラソテイ・トリストでありますとか、そういう銀行でありまして今申上げております米ドルの現金の相当大きな部分は、右申上げましたナシヨナル・シティ、バンク・オブ・アメリカ、チエース・ナシヨナルの三行に非常に集中しておるというふうに、集中というと言葉が少し強過ぎますが、この三行に非常に大きく預けられておるというふうにお考えを戴きたいと存じます。それからポンドのほうの預託先でありますが、これも十数行に上つております。併しながら、このポンドのほうの大きいものは、やはり何と申しましても香港上海銀行でありますとか、チヤータードでありますとか、それからマーカンタイルでありますとか、そういう英系の有力銀行が割合多うございます。併しながら最近ポンド資金が相当枯渇して参りましたので、これら三行の占めておりまするウエートは、従前に比べますとずつと落ちております。従いまして極く最近の状況を申上げますと、右申上げました英系三行のほかに、やはりナシヨナル・シティでありますとか、バンク・オブ・アメリカでありますとか、ここらも多少のウエートを持つて来ておるという状況であります。預託先につきましては、概括して申上げますれば、ドルにつきましては、ナシヨナル・シティ、バンク・オブ・アメリカ、チェース・ナシヨナル、それからポンドにつきましては香上、チヤータード、マーカンタイル、この三行が大手筋であるというふうに御承知頂きたいと存じます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 日本に支店のある外国銀行は大体十三行ぐらいですが、その支店が三十三ぐらいあるのですが、今のお話を伺いますと、日本に支店のない銀行も相当預け先になつておる、これはどういう事情なんでしようか。

東条猛猪大蔵省為替局長

○政府委員(東条猛猪君) 御承知のように、一般の貿易或いは貿易外の為替取引をやります場合に、日本側の一般の為替銀行にそれぞれのコルレス先があるわけであります。この一般の日本側の市中銀行のコルレス先を、ここはやめてこちらにしようという方法をとれば、これは一つの方法でありますけれども、日本側の為替銀行の取引コルレス先を若し統制しないということになりますと、やはり日本にいわゆる在外支店のない銀行にも取引先を開くということが当然起り得るわけであります。そこで統制するほうがいいか、悪いかという点につきましては、これはいろいろ見方もあると思いまするが、やはり御承知のような商売でございますので、日本に支店のない在米或いは在英の銀行でも、日本側の一般の為替銀行にいろいろ取引上の僭越契約でありますとか、いろいろな点において勉強するということがありますれば、この資金、これも程度問題でありまして、成るべくコルレス先の数を多くするために、資金の分散を来たしまして、何と申しますか、資金の効率化を阻害するということは考え物でありますけれども、或る程度まではそういう勉強するコルレス先に対しましては、日本の為替銀行とそれらの銀行との間にコルレス取引を認めるということは適当な方法だろうと思つております。先ほどもちよつと触れた点でありますが、昨年の七月末までに、外国為替管理委員会が本件の事務をとつておりました当時の考え方といたしまして今申上げましたような、日本の為替銀行のコルレス先は或る程度自由に認めるという、取引の自由ということを認めました結果、当時は為替資金は全部外為勘定に集中しておつたものですから、外為勘定の預託先としても自然それらを取引先に求めざるを得なかつたということに相成つたわけでございます。それから御質問にはちよつとお答えすることにはなりませんが、八月一日以降に我々といたしましてはできるだけ、先ほども触れた点でありまするが、これらの民間の為替銀行に自己資金を持ちなさい、それで以て若しこれらのコルレス先を、それらの銀行のビジネスの関係上殖やしたいというならば、自己資金の面においてコルレス先を殖やすのは御勝手であります、併しながら外国為替資金特別会計自体のコルレス先といたしましては、私の気持からいたしますれば、現在の十数行というものが決して少な過ぎはしない、むしろまあ誇張的に申せば少し多過ぎる、そう多過ぎるとは申しませんが、少し多過ぎる。そういう解釈でございますので、それ以降は殖やしておりません。とにかくその当時までは為替資金は全部外為勘定に集中せられておつたというのが一つと、それからもう一つは、民間の為替取引コルレス先というものをやはり自由にするほうが或る程度よろしいのではないかという二つの事情が噛み合わされまして、今申しましたように、日本に支店のある銀行以外の銀行につきましても、日本といたしましては、外為勘定としてコルレス先を持つたという事情に相成つております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 事情はよくわかりましたが、どうも外為会計はコルレス先が非常にたくさんあるというのは、民間ならばこれはわかるのですけれども、政府の指定のコルレス先が非常にあるということはよくわからんのですが、今のお話で、過去の過程からこうなつて来ておるということは一応わかつたのです。ところで、もう一つ伺いたいのは、無利子のやつですね。大体二割と言いますが、そうしますと、無利子のやつはどのくらいになるのですか。二億ドルくらいになるのですか。それと、この中には前にイングランド銀行に預けたものがある。それからアメリカのほうに預けたものがありますね。外債の償還の担保という意味ではないでしようが、その一つの保証のような意味であれが入つているのかどうか。

東条猛猪大蔵省為替局長

○政府委員(東条猛猪君) 初めのお尋ねの当座預金が二割というのは大よそどのくらいの見当になるのかという点でございますが、五月末現在で一億三千万ドルになつております。私どもはこの資金の操作の関係を見ておりまして、できるだけ当座にはたくさん残さないということで、現在の八割というのは相当努力したつもりでありますが、これとても、決してこれで以て満足いたしておるわけではありませんので、先ほど申上げましたように、この大きな資金の源泉は、そのときそれの駐留軍の払込みということが資金操作の非常に大きな関係でありますが、模様を見まして、資金操作に差支えない限り極力定期に切替える、又証券運用に持つて行くという方法をとつております。それから外債の元利償還の何と申しますか、引当金と申しますか、そういう関係で、当初アメリカのフェデラル・リザーブ・バンク、それからイギリスのバンダ・オブ・イングランドにそれぞれ一千万ずつ預託したわけでありますが、これも預託後間もなく証券に切替えておりまして、イギリスで申しますれば大蔵省証券、アメリカで申しますれば財務省証券、それからアメリカの場合は、一部世界銀行債を約五百万ドルこの中から引受けましたが、いずれにしましても、外債引当金の関係は、世界銀行債を除きますれば、短期の政府債券に切替えておりまして、外債の支払い、或いは元本償還の期日と見合いまして、比較的金繰りに間に合いますように、三カ月、三カ月で切替えて行つて、必要においてキャッシュ化する方法をとつております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 それは六千三百七十五万ドルの……。

東条猛猪大蔵省為替局長

○政府委員(東条猛猪君) の中に入つております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 入つておりますね。

東条猛猪大蔵省為替局長

○政府委員(東条猛猪君) さようでございます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 それからもう一つ伺いますけれども、外貨予算の編成の仕方なんですがね。これはどういうようにして組まれるか、よくわからないのですが、これは事実的にいろいろお伺いしたいのですが、各省から各省ごとに、又通産省あたりから、いろいろ輸入業者なんかから要求があり、そういうものをまとめて大体割当をやるのでしようが、これはどういうふうにやられておるか、いわゆる実務的に伺いたいのです。どういう過程で外貨予算が組まれておるか。

東条猛猪大蔵省為替局長

○政府委員(東条猛猪君) 昨年から、外貨予算は御承知のように年二回、上期、下期に分けまして年二回編成いたしております。その前は年四回に分けて編成いたしておつたわけでありまするが、やはり余りこれを頻繁に分けますと、貿易取引が円滑に行くのを阻害するというような観点に重点を置きまして、只今のところは年二回編成いたしております。それで編成の実際のやり方の問題でありまするが、通産省の特に通商局におきまして農林物資でございますれば農林省、それから例えば自動車のような交通関係でありますれば運輸省というようなところから要求を出してもらいまして、勿論大部分の物資は通産省自体の要求でございまして、これは通産省の例えば綿花でございますれば繊維局という各原局がございまするが、その通産省の内部でも各原局から通商局のほうに要求が出て参るわけであります。そこで通商局のほうでこれらの各省の要求或いは通産省内部の要求を取りまとめまして、一応物資の需給の関係或いは外貨資金の状況というものを勘案いたしまして通商局としての一応の原案を作ります。勿論通商局がその原案を作ります場合におきまして、外貨資金の面でございますれば、事実上は我々大蔵省のほうか、或いは実際の資金の管理計算をやつておりまする日本銀行というところと、この外貨資金の見通しでありますとか、そういうことにつきましては、事実上相談は勿論いたしてございます。いたしてございますが、一応通商局のほうで輸入予算の、いわば一つのあらごなしと言いまするか、通商局としてのいろいろ作業をいたすわけであります。申し落しましたけれども、通商局の作業をいたしますときに、資金の見通しのときに、大体この次の期では輸入の見通しはどうであろうか、それから貿易外の受取りはどうであろうかということは勿論作業はできておるか、或いは並行してやるわけであります。そういたしまして通商局のほうで案ができますると、外貨予算の閣僚審議会の幹事会というのがございます。その幹事会で相談をいたします。幹事会の構成メンバーは経済審議庁でありますとか、或いは外務省でありますとか、我いは大蔵省でありますとか、或いは農林省でありますとか、運輸省でありますとか、日本銀行でありますとか、そういうようなメンバーになつております。そこで閣僚審議会の幹妻でいろいろ相談をいたすわけでありまするが、場合によりましては、その幹事会にかける前に、もう少し私ども大蔵省の為替局のほうと通商局のほうとでよくお互いに打合せます。それで前に打合せてあることでございますから、資金の見通し、金繰りについては、そう意見の食違いはある道理はございませんが、必要があれば、そこで為替局といたしましての意見を申入れます。申入れますが、大蔵省といたしましては、そう物資別の細かいことまでは意見を申さないというのを建前といたしております。ただ全体の観点から、大蔵省としてはこう思うのだと。そこでそういう案ができましたものをその幹事会へかけます。幹事会で勿論相当議論も重ね、時間がかかるわけでございまするが、幹事会案ができますると、これを閣僚審議会にかけます。なおその閣僚審議会に具体案をかけます前に、来期の予算の編成方針はこういうことでよろしかろうかということは、あらかじめ閣僚審議会の御決定を願つて置くのが通例であります。予算の編成方針が定まつておりませんと、閣僚審議会の案としてまとまらないわけであります。そこで予算編成方針を御決定願つており、閣僚審議会の幹事会で意見がきまりますと、閣僚審議会を開いて頂きまして幹事会としての原案を御説明いたしまして御決定を願う、勿論修正はございます、ということになつております。閣僚審議会の構成でございますが、これは総理大臣が会長、それで大蔵大臣、通産大臣、農林大臣、運輸大臣、経済審議庁長官、それから諮問委員と申しますか、日本銀行の総裁が入つておられます。幹事長は大蔵省の為替局長が勤めるということになつておりまして、幹事会できまりました案を閣僚審議会におきまして御説明を申上げまして御意見を伺つて御決定を願う、かような運びになつております。それで全体としての外貨予算が一応できるわけでありまするが、貿易の情勢はまあ大げさに申せば、その都度その都度に変化するわけでありまして、勿論輸入の外貨予算には予備費ということで或る程度の金額が計上してございまするが、当然外貨予算の変更ということを予定いたさなければならないわけであります。原則といたしまして毎週水曜日の午後、幹事会を開催いたしております。そこでその幹事会におきまして、貿易関係でございますると通商局のほうから原案を出しまして、変更すべきかどうかということを幹事会できめまして、正式には閣僚審議会で決定いたすべきことでありまするが、相当案件も、どつちかと申しますと軽微でございますので、幹事会の決定は、これは書面の持廻りによりまして、各閣僚審議会の委員の書面によつて御決裁を仰ぐという手続をとつております。  それからなお申落しましたが、貿易外につきましては、大蔵省の為替局で通商局がやつておりますると同じ立場に立つて作業をいたしますわけであります。それから閣僚審議会できまりましたことは、勿論閣議で御報告をいたしまして、閣議といたしましても報告を受けると言いますか、御了承願うという手続をとるというのが大体現在の事務のとり方であります。なお申落しました点があると思いますが、御質問によりましてお答えいたします。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 大体わかりましたが、そうしますと、物資の輸入なんかについては、主として物資別には、具体的には通商局の原案ですね。それはいろいろ変更になるでしようけれども、大筋は通商局で大体まとまつてそれで行く。この場合、公取は幹事会に入つていないようですが、公取なんかの意見は全然聞かれないのですか、この点ちよつと伺つておきたい。

東条猛猪大蔵省為替局長

○政府委員(東条猛猪君) 公正取引委員会の関係は、例えば事業者団体法とか、そういう法規の関係のことを御懸念のことだろうと思いますが、それはむしろ個々の取引を果して合法的にやり得るかどうかという商取引の実態に実は関する問題につきましては、或いは場合によつて公正取引委員会の意見等を聞く必要があろうかと思いまするが、当該取引が合法的である、つまり商売としてやつていいとなりましたときにこの外貨予算のいわば予算の数字が不足をいたしますると、この予算の変更のつまり手続が要るわけでありまするし、或いは基本的な予算を作るわけでありまして、そういう意味におきましてちよつと御質問のポイントがよくわからないのでありまするが、この外貨予算の編成或いは執行自体におきましては、公正取引委員会の意見を特に徴しなければならないということもないのではなかろうか、今まで又具体的な事例におきましても、この案件が公正取引委員会の意見を聞いておらなかつたがために、ちよつと困つたという事例は昨年八月一日以降、私幹事会の幹事長の事務をとりまして以来ございません。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 実はこれは為替局長にも御研究願いたいと思うのですが、私実際もつと率直にお話すればよかつたのですが、この頃殊に外貨割当を通じて操短とかいうものが、いわゆる強制されると言つては語弊があるのですが、いわゆるアウト・サイドを抑えるために外貨割当というものが相当利用されて来ておるのですね、殊にこれは過燐酸とか、それから紡績なんか相当多いのです。それでいわゆる前に十大紡なんかあつて、十大紡のほかに新新紡ができて来る場合に、十大紡なんか輸出を多くすると、そういうので、綿花の割当なんかは輸出の見合において外貨の割当において加減する、そうすとる、輸出は余りやつていない新新紡とか、そういうところが外貨割当から除外されて、それで不利になる、こういうようなことで、いろいろまあ独占のほうと関係がありまして特に最近は外貨割当というものが相当操短なんかのほうに利用されるような傾向になつて来ておる。これは新らしい最近の傾向のようであります。そこで例えば公取の立場で、いわゆる独占的な価格吊上げに警告を発したり何かしても、そういう外貨割当を通じてそういうことが行われても、公取なんか手が届かないのですね、こういう意味で今お伺いしたのです。今後は、これはまあ研究問題ですから、やはりそういうときに公取なんかの意見も一応徴しないと、外貨割当を通じて独占価格の維持というようなことが行われる、そうしたら公取なんかあつても意味がないのです。警告を発しても何にもならんということを最近聞いたのです。この点まあ研究問題ですから責任ある御答弁を要求しておるわけじやないのです。為替局長も大蔵省側もそういう点は御研究なさる必要があるのじやないかと思うのです。この点についてちよつとお伺いしておきたい。

東条猛猪大蔵省為替局長

○政府委員(東条猛猪君) お答え申上げます。先ほど申上げましたように、外貨予算の幹事会或いは審議会で決定いたしますものは、例えば原綿の例で申上げますれば、原綿として何俵の輸入を認めようということ自体がつまり決定になるわけであります。そこでその閣僚審議会の決定によつてきまらない乃至は変更せられました外貨予算で決定したその原綿のそれじや割当をどこへどう下すかということは、これは実は通商局と申すよりは、むしろ通産省で申せば繊維局、原局の実は問題になつて来るわけであります。そこで問題は通商政策の、例えば輸出銀行に例をとりますと、通商政策にも関連いたしますことだから、いわば通商局に関連しますし、延いては閣僚審議会或いは幹事会でもそういう関連においては話は出ますが、飽くまでもこれは実は関連事項として出る程度でありまして、きまりました原綿の割当をどこにやるかということは、むしろ通商行政のものだというふうにお考え頂きたいと思います。勿論木村さんの御注意にございますので、いろいろ私どもといたしましても、そういう関連問題があるという意味においては研究はいたしますが、行政の何と言いますか、責任の所在自体といたしましては、外貨予算の問題というよりはむしろ通産行政、繊維行政自体であるというふうにこの問題をお考え頂きましたほうが、政府の行政の実態に現在のところは即しておるというように申上げておきます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 それはよくわかりましたが、大蔵省としても物価政策というものが非常に重要なんでしよう。それで予算、財政、相当関係があるのですが、そういう場合にこの外貨割当が相当物価政策に影響があるのですよ。ですから、そういう意味でそういう含みを持つてやはり通産省の原局で、繊維局で作るのではありますけれども、それが相当やはり価格政策に影響がある。それを通じてやはり独占価格の維持或いは吊上げということも行われているということは、やはり腹に置かれてやりませんと、それは両々相待つて物価政策を考えるのですけれども、その点はまあ別に御答弁要らんのですけれども、私どもはそういう意味で質問したわけです。為替関係はこれでもう打切ります。

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) 速記を始めて。この程度で暫時休憩いたします。    午後零時一分休憩    —————・—————    午後一時四十八分開会

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) 休憩前に引続き会議を開きます。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 二、三大蔵大臣に質問をいたします。その一は、昭和二十八年度予算を通じまして経済界の見通しがどうなるかということです。昭和二十八年度の予算には千百億の財政資金の撒布超過を予想せられておりますが、これがインフレを誘発する動機になりはしないかと思うのでありまして、暫定予算において五月、六月及び七月と二回の予算が成立しておりますが、二十八年度の予算が、その後においてできました関係上、殊に暫定予算においては必要欠くべからざるもの、或いは時期的になさねばならんというもののみを取上げられておりまするので、その後の予算の金が一時に放出せられるということがあらゆる方面におけるインフレの誘発を起しはしないが。殊にその上にいわゆる西日本の水害の問題がありますのと、或いは賃金の値上り問題、石炭その他特需に対する融資の関係がありまして、すべて総合的な観察をいたしますと非常に憂慮に堪えない現象を来たしはしないかということでありますが、これに対する不安を如何にして一掃するかということについてのお考えが承わりたいと思います。又ソ連の平和攻勢、或いは朝鮮の休戦問題にいたしましても、特需によるギヤツプを埋めることができないのではないかと思うのであります。それに諸外国の今日の情勢から考えまして、軍需生産の緩慢な歩行というものは、結局平和産業への転換というようなことになりまして、平和産業の発展は貿易の方面に相当影響すると思うのであります。又朝鮮の休戦によりまして生ずるところの復興に関する資材の輸出ということもありますけれども、今日の李承晩は我が国に対して好意を持つておらないというようなこともありますのと、外国からのいろんな競争がありまして、果して我が国のみがその恩恵を受けられるかというようなことも非常に憂慮すべきものだと思うのであります。又これに対して今日MSAの問題が相当財界でも重要視されておりますが、MSAでもいわゆるアジアにおける援助というものがビッグ・スリーだというように考えておりますのは、今日の日本の立場というものから考えましたならば或いはこれがビッグ・ワンというようにも考えられるのでありまして、相当な援助があるべき性質のものであり、これは全面的に受けなければならんと考える次第でございます。これは曾つて徳政を布いた足利義政が支那から銭をもらつたのと違いまして、今度は大いに受けて産業の方面における発展的寄与をさせなければならんと思うのであります。かような問題につきまして考えて見ましても、経済の前途というもの、或いは輸出貿易に対する考察というものにつきまして、余りすべてを甘く見ることはできないと思うのであります。かような悪条件に対しまして貿易の見通しが非常に暗いと思いますが、これに対してどうお考えになるか。現在の日本における景気というものはすべて消費部門におけるもののみにとどまるように考えられるのであります。これに対して大臣はどういうお考えであるか承わりたいと思うのであります。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) お答え申上げます。本年度の本予算が通りますると、大体お示しのごとくに一千百億の資金撒布超過になることは御指摘の通りであります。而もそれが七月まで暫定予算を続けて来ておるような関係上、これらが八月以降に出て来る。従つて撒布超過が著しくなるとインフレの虞れが起るのじやないかということは、御懸念の通りであると存じまして、私どもこれに対する対策をいろいろ立てておる次第でございます。現在のところは御承知のように、ああいう暫定予算でもあり、又いろいろな関係もございまして、大変いわゆる資金引揚げ超過になつておりまして、どちらかと申せば、金融界は非常に梗塞しておる状態でありますが、十月からは例年でも少し撒布超過になるところへ、今年は財政投融資等合せますると一千九十八億、約一千百億円の撒布超過になるので、それについてどういうふうに私どもはインフレを避けるために処置しようとしておるかというと、これは勿論金の出し方についても時期的に注意をいたしまするが、同時にいわゆる私がよく申す財政と金融とを一体化してかかる。これは吉田さんも御承知のように、今日本では日本銀行に対するいわゆるオーバー・ローンと称するものが三千数百億になつて、特に最近につてはだんだんとこれが殖えておるのであります。これをできるだけこの操作を行なつて資金が撒布超過のときにはこれを俗に言う引揚げて参る、回収して参るというふうにして行きたい。それから又指定預金というものが大体現在のところ七百二、三十億円あるかと存じます。これに対する操作も行なつて参りたい。まあそういうようなことで、いわゆる出しまする面について、財政投融資を時期的に少し選んだ上に出しまするという考え方と、それから日本銀行のオーバー・ローンに対する一つの操縦方法と、更に指定預金等に対する考え方等を織込ませまして金融と財政とをまあいわば一体化さして持つて参つて、インフレに持つて行かない考えをいたしておる次第でございます。又今の財政投融資は御承知のごとく大体においていわゆる基幹産業、電源或いは造船或いは石炭、今度は化学繊維のほうへも相当出しますが、鉄鋼、そういつた部門に出して参りますので、これが出し方によればインフレにならんように持つて参りますので、さような工合に考えて、日本の財界の前途はインフレに持つて行かないということを固く決心しておる次第でございます。私どもが日本を今の状で万一にもインフレに持つて行くようなことがありますと、これは日本の貿易その他も一層国際競争力をなくしてしまつて、これはいけないのでありますから、常にこの点は固く日本をインフレに持つて行かないように処置して参りたい、かように考えておる次第でございます。  それから特需の減少に伴つて平和産業へ転換する。そうして平和産業がその影響を受けて云々というお話がございましたが、この点につきましても、実は特需というものは、これはよく吉田さんも御承知と思いますが、大体年によつて違いますが、いわゆる貿易外の受取勘定八億円のうちに特需と言われますもの、言い換えますと兵器その他の注文を受けます分は、この六月までで大体九千万ドルくらいに達するかと思われますが、そのほかの部面で見ますと、そう余り実は……ドルで申しまして一億九千万ドルくらいがいわゆる物資その他の要求でありまして、一億二千万ドルがサービスその他のものであります。これが正確な意味の特需なんでありまして、朝鮮事変がどういうふうになるかということは、実はさつきこのMSA関係の問題もあるから云々という話がございましたが、MSAが一体どうなるか。これが受けることになるのか受けぬことになるのかも私どもきめておりません。併し今受ける方向で交渉を進めております。このMSAについては、御承知のごとくに向うの話、言つておるうちにも完成した武器もよこすが、併し日本へ注文もする。それからいわゆるオフ・シヨア・プロキユアメント、域外買付をする、言い換えれば仏印その他の物を買付をするということも言つております。従いまして日本へ注文するものがどれだけになり、又その域外買付がどれだ汗になるかということで特需の量は分れて参りますが、併し国の方針としましては、こういう特需に頼ることなくして、いわゆる正常貿易でこの日本の経済を自立に持つて行くように参らなければならんと思つております。けれども、今現在の特需は、これは私が向うのアメリカの官憲と直接話をしたところから申しますと、昭和二十八年度は二十七年度より殖えこそすれ減らない模様であります。これは向うがそう言つておりますから、私はその言葉通りだと思います。又今MSA等の問題についてはときどき新聞に出る。併しこれがどの程度実現するかもわかりませんが、……等々から見ましても、そんなことはないと思いますが、併し考え方としてはやはり平和産業へだんだん移つて行くべき性質のものでございましよう。それからなお特需のうち、いもゆるそういうものがなくなつて朝鮮その他本当に休戦が実現された場合に、復興資材等のものの要求がこれは漸次増加すると思いますが、併しこれもアメリカのほうがどれだけ朝鮮に対して援助をするかという、そのアメリカの援助の額がはつきりしませんと、これもわかりません。併しまあ一般的に見まして、そういつた復興資材等の要求は起つて参ることと考えられておるのであります。  それから貿易並びに日本の経済の前途についてのお話でございましたが、私どもも現在のごとく日本の商品が割高で国際競争力を持たない。殊に一般に世界的に見まして、世界経済の動向は、吉田さんも御承知のごとく、大体横這い、或いはむしろ下向き横這いの傾向にあると、こう見るのが穏当な見方ではないかと存じます。尤もアメリカが少し政策でも変えて、大いにあそこがもう少し海外援助をやるとか、或いは輸入に対してもつとどんどん輸入を奨励するような策にでも出れば、これは別でありますが、さもございませんと、一般的に申しましたら、やはり経済界は横這い又は下向き横這いの状況にあるのではないかと思います。従いまして日本におきまする政策も、やはりそういう考え方の下にやつて参らなければならん。それで私どもが実は財政投融資をしますのも、例えば電源開発をやる、迂遠なようでありますけれども、これだんだんと動力に変つて参りまして、これで日本の今入れておる重油、或いは石炭等がもう少し少量でも済むようになろうと思います。又船の運賃にしましても、今日でも大体年間、昨年あたり七百億円を上廻つておるのじやないかと思いまするが、こういうものが、今年の造船等を奨励して参りますと、それで又その増収に、少くともよそへ払わぬで済むようになりますので、やはり造船計画等も同じようにこれはやつて行かなければいかんという点から、造船資金等を出しておるような次第でございまして、国といたしましては、今の困難な情勢を勘案しながら、やはり日本の正常貿易で自立経済に持つて行くのにはどう持つて行くか、こういうことをすべての政策の中心として、それには先ず国際貸借の均衡ということを考えて臨んで行かなければならんのじやないか、まあかような、極く大体の方針の下に進めておる次第でございます。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 第二は、大企業に波及せる手形の不渡についてお尋ねを申したいと思います。これは大蔵大臣だけではないかも知れませんが、大蔵大臣がおいでですからお承わりいたします。近頃信用のある会社の不渡手形の濫発が経済界に非常に恐慌を来たしておる。たとえて申しますと、川南造船、帝国化学、日本建鉄、津上製作、太陽商社であるとかいうような、こういう会社が、而も、三井、三菱の系統に属しておりまして信用のあるこれらの諸会社が非常にたくさんな不渡手形を出しておる。いわゆる簿外債務を十億或いは十二億と出しておる。更にそのうちの七億円に及ぶ金が闇金融の融資を受けておるというようなことは、非常に重大な問題でありますので、いわゆるその下請工場からあらゆる方面の苦心、或いは将来に対する不安の念は相当大きなものだと思うのであります。これはいわゆる株式の信用をなくするものであり、産業資金の調達を極めて困難に陥れる、或いは今日は非常に民主化せられておる株式による貯蓄心というものをなくしてしまうというようなことが懸念せられるのでありまして、株式の民主化が叫ばれております今日、どうこれをお取締になるのであるか。又、株式による貯蓄心というものをどうしてこれから増強せられるか。又今日の会社の経理というものが極めて公明を欠くものがありまして、公認会計士というものでなければいけないということになつている。その公認会計士が信用でき得ないようになつております。勿論この罪というものは会社の重役その他の諸君にあることと存じます。今日の会社の重役は、いわゆる自己の利益のために汲々として、会社経営に対する観念が極めて薄いように考えられます。いわゆる倒産しかけておるような会社の重役が、本来から申しましたならば火の車に乗つて青い顔をしておるべき性質のものが舶来の高級車に乗り、酒を飲んで赤い顔をしておるというようなことでは、株式の将来、又は株式の発展ということに対して、今まで苦労をせられてここまで育て上げて来た株式の前途というものに対して、又資本主義経済から論じましても、これは非常に遺憾な問題だと思うのでございます。勿論これにつきましては、法人税の高いというようなことも起因しておると思いますけれども、将来に対してこの問題をどう解決せられるか。いわゆる温故知新ということがありまして、古きを尋ねて新らしきを知るというようなことから考えまして徳川時代においては僅か、僅かでないかも知れませんが、十両の金によつて人の首が飛んだと言われておるのであります。今日人権の尊重によりまして、人命というまでには及びませんが、昔経済方面におけるところの道徳というものを強化するために、極めて苛酷に近い法律によつてその方面を救つたのでありますが、今日貨幣価値その他について昔とは違うでありましようけれども、少くとも私はこれを救うには、三十年、五十年という体刑に処するくらいまでの法律を以て経済界に臨まなかつたならば、いわゆる零細なる金を以て営々として貯蓄したその金が煙のごとく消えて行つてしまう庶民階級に対する不安というもの、又重役そのものが自己の立場というものを十分に自覚するという、その点におきまして最も必要なことだと思いまするが、大臣は五十年、三十年というような体刑を以て臨むくらいのお考えをお持ちになつておられるかどうか、一つお承わりしたいと思います。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 最近大企業の中にも不渡手形等を出すものがあることは御指摘の通りであります。私どものほうにおきましてもいろいろと調べておきまするが、又日本銀行に頼んでも調べてもらつております。過日関西のほうにも出向いてそれらの実情等を調べておるのでありまするが、御指摘のごとくに、最近その不渡手形の枚数においても、金額においても、殖えておることは事実であります。けれども、調べてみますると、余り関連性というものはないので、特にお挙げになりましたような諸会社は、いずれもどちらかというと経営が放漫で、而も簿外債務といいますか、帳面につけないで金を借りておるというようなのが非常に多い。銀行には知らさずに借りておる。それでどこを尋ねても、そういうものは帳面にも何にも載つていないと、こういうような工合のいわゆる放漫なる経営をいたすところが多いのでありまして、これらの重役は私ども誠に今仰せになつたような道徳的に責められる点が多大であると存じます。併しまあそれならそういうものに峻厳なる体刑を以て臨むかというお尋ねでございまするが、まあ経済問題はやはり経済問題で将をあけさすと、御承知のごとくに、重役等が自分の会社の実情を偽り、そうして第三者に迷惑をかけた場合には、これは連帯責任をとることは、取締役、監査役等、これは現在の商法でもきまつております。従いましてそういう重要な注意を怠りましたりいろいろいたしまするというと、又故意にそういうことをいたしました場合には、現在の商法でも連帯して第三者に対する債務の履行をしなければならないということがございますので、こういつた点からみまして、やはり経済問題は経済問題で私は行くべきであろうとまあかように考えておるのでありまして特にこれがために刑罰法規を作つてどうこうしようというような考え方は現在のところ持つておりません。  なお、今お話の株式がこういうふうに不安になつて来て皆の株式の民主化とか、或いは貯蓄心をなくさす、こういうようなことについての遺憾な点をお述べになりましたが、この点私ども誠に遺憾に存じますけれども、だんだんとこの頃何といいまするか、経済に関する国民常識とでも申しますか、が発達して参りましてやはり株式のいい悪いという選別については、これは相当私は一般国民が常識を備えて来ておると思います。けれども故意に実質もないような株式を過大な宣伝、或いは販売方法によつて地方の人々に迷惑をかけるというようなことは、これは非常に問題でございますので、これらについては十分私どもも取締りたいと考えております。なお、公認会計士がよくどうも会社の経理を調べないというようなお話がございました。これは私どもも新らしい公認会計士制度は相当試験もむずかしくて、イギリスのチヤータード・アカウンタントなんというものは非常に良心的なものであります。日本でも公認会計士がイギリスのチヤータード・アカウンタントのように今後良心的にやつてもらうということを希望する次第でありまして、今後この点も法規で望むよりも、それらの人の道徳心に特つほうが本当ではないかと考えておる次第でございます。  法人税その他の税制についてのお話がございましたが、この点については近く、これ又遅くとも八月一日には発足するようにいたしますが、中央、地方を通ずる税制の改正の調査会を作りまして、もう殆んど人選を了しておりますから、今予算審議の最中で実は開けませんが、これを開きまして本当の税制改革をやりたい。それはシヤウプ税制にも誠によいところもありいたしましたけれども、どうも日本の実情に合わないところがありまして、従つてその後数回に亘つて税制を変えております。変えておりますが、地方に、例えば一例を挙げれば、いわゆる固定資産税等が市町村に行つておるということのために財源が非常に偏在しておつて、地方民の負担というものに著しき差等があるというようなこと等もあり、今度又問題になつたと思いますが、いわゆる富裕県というものがある半面、そういう富裕県でないものが四十二県、富裕県が大県ということも、これ又財源偏在の然らしむるところと思うのでありまして従いましてこれらにつきましては今度は期限をきめましてよく叱られるのでありますが、調査会を作るのはいいが、名を調査会に借りておるのではないかと、私どもはそういう考えを持つておりませんので、この調査会に早く実を挙げてもらいまして、本当に日本の国情に会うような中央、地方を通ずる税制の改正を行いたいと、かように考えておる次第でございます。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 いま一つ御質問をいたしますが、それは平価の切下げ問題です。現在財界における不安というものは、貿易の不振、その他を勘案してみまして、平価が切下げられはしないかということを内心びくびくしておる次第であります。勿論この平価の切下げというものは輸出の振興に資する一つの手段かも知れませんが、併し極めてこれは国家的に重大なるものだと思うのであります。今日一ドル三百六十円のものが五百円、或いは五百二十円の闇値を以て商われておるというようなことを考えますと、四割の平価の切下げをして初めてその程度のようなものに考えられるのでありますが、この問題について大臣はどうお考えになつておいでになるのか。現在平価の切下げをするという御意思はないのか。或いは将来においてもないとおつしやるのか。この点承わりたいと思います。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 平価切下げの問題は、日本の国内の経済界にも、又国際信用にも絶大な関係を持つておりまするので、私どもは現在のところさような意思を持つておりません。併し私はこれも率直に申上げますと、やはり世界が通貨の交換を自由にする時期が、これはまあ半年や一年の間には来ますまいが、数年後には来るのではないか。いわゆる通貨のコンヴァーティビリテイーというものが行われる時期が来るのじやないか。そのときに現在の状況は、これは吉田さんも御承知だと思いまするが、イギリスにしてもまだちよつとコンヴアーテイビリテイーをやるには早いのじやないか。これは私の見方であります。と言いますのは、イギリスも或る程度輸入等を制限しておりまするので、ああいうような為替の回復をみておりますが、併しそういう一切の制限を撤廃してもなお通貨の交換ができるというところに行けるかどうかということになると、通貨の交換という、いわゆる貿易の貸借が均衡しておるかというと、そうは考えられませんので、今一番早くやるのがイギリスじやないかと思いますがイギリスもなかなか一年や二年のうちにまだやるところには行かんのじやないか。もう少し次の政策を必要とするのじやないかと思います。又次にフランスについて考えますと、これはフランが実勢の弱いことは御承知の通りだと思いますが、従いましてこれはイギリスよりももつと遅い時期じやなければやりますまいし、それ以上の政策をとることと思います。そういつたことは世界的にこの通貨のコンヴァーティビリティーが行われるときまでは、これは日本としては飽くまでこの現在の三百六十円レートを維持するのであります。特に日本では御承知のごとく今は輸入のほうが多いときでありますので、一層そういう感じがいたします。併しながら先に行つても考えないかと仰せになりますと、私は国際的に通貨のコンヴアーテイビリテイーをきめるときには、やはり日本もそのときの経済の実勢に基いて解決すべき問題であろう、かように考えております。併しそれはまだ何とも二、三年先の問題だと、かように考えております。

堀木鎌三改進党

○堀木鎌三君 今の吉田さんの御質問に関連して、大蔵大臣の御答弁中に一つの具体的な提案があつたと思うのです。と申しますのは、本年度の予算において一千億円以上の撒超が見込まれる。それが下半期に集中して来る傾向がある。だけれども、インフレは絶対に起さん。私も先に大蔵大臣に物価の問題で御質問したことを記憶いたしておりまして、そのときに大蔵大臣として、物価はむしろ下落させなければならないという御答弁があつたのを記憶いたしておりますが、今その点に、撒超問題に関連して大蔵大臣は二つの構想をお出しになつたように思うのです。一つは、最近特に顕著な日銀の貸付金の増加という問題について、これはオーバー・ローン解消と、下半期においては撒超問題と関連さしてオーバー・ローン解消の方向に持つて行きたいということが一つ。それから指定預金の引揚げ等によつて撒超の面を調節して参りたい。私常々伺つておりますことは、大蔵大臣が今度の予算を編成されまして、そうしてその撒超の問題については、これは金融処置と併せてインフレを起さないということを常々言つておられるので、その具体的構想がなくてはならない。又大蔵大臣としておやりになる決心がなくちやならんと思いますが、私実はこの点で指定預金の問題について、確かに今は指定預金が相当たくさんございます。併しそれといつても今大蔵省から資料を頂戴いたしておりますが、指定預金は六月の十日現在で六百五十億程度でございます。問題は而もこの指定預金は下半期に参りますれば、どうしても率直に申して減少して参るだろうということが想像される。何となれば政府の支払も相当多くなり、上期における税金の吸収ということよりも、下期においては指定預金が少くなつて行くのじやないか。そうするとこの問題は確かに大蔵大臣が自分でやろうとお思いになれば、預金部資金の運用でおやりになれる。こういうふうに考えるのですが、日銀の問題について大蔵大臣はどういうふうにオーバー・ローンの解消という問題を考えて行き、又やり得るのかどうかという、これは口だけでなしに、どうもここで聞いておりますと、どこに駄目押しがあるのかわからないで、言うことだけは何とでも言えるのですが、政府であるから、大蔵大臣はどういう方策をおとりになるのかという点を、具体的にそうしてこれだけはやり得るのだ、こういうふうなことで具体化するのだというような方法を、ここで一つ御説明願いたい、こう思うのです。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 堀木さんがおつしやるのは誠に実は御尤もなんです。指定預金と申しましても、その後吸収など、殖えております。殖えておりますが、いずれにしても千百億に近いものを指定預金の操作だけではこれはやれんことは、これは多分その意味でおつしやつたのだろうと思いますが、指定預金は大蔵省でやり得るけれども、これは指定預金を引揚げるといつても、一遍に引揚げるべきでないこともよく堀木さん御承知の通り、或る程度の操作しか行えません。効果のある操作ができんことは、これは私が申上げるまでもございません。日銀の最近の、オーバー・ローンが非常に顕著に殖えておることも御承知の通りでありますが、これは常態ではないので、これについては市中金融機関等のいわゆる資本蓄積の奨励を大いに行う、こういうことでやつて参りますれば、最近の分は、これは季節の問題だから、これはじきにいけると思います。だがもう少し、最近殖えておる分以上に殖えるというと、解決しないじやないかということは堀木さんの考えから来ておると思います。その通りだと思います。従いまして、それについては今申上げた通り、今度多少預金の課税等についても特別の措置は僅か一割下げるだけではないかと言われますが、併し一〇%下げるということは相当効果がある、そういうようなふうなことを言つても参りますし、又日本銀行でもそういうつもりで日本銀行がやる。というと、これは金融界には相当効果がございます。それと私どもも日本銀行と密接な連絡をとりつつ、これは財界のことですから急に引締めるというようなことをやると、これは又すぐ財界に若干でも衝動を与えることがあつてはなりません。飽くまで地道な途を続けて行くということが財界では本当だと思います。そこで日本銀行のほうとよく打合せまして、私どもができるだけの措置をとつて参る。こういうことで、それから又この投融資の額につきましては、これは一遍に出さんでも行けるわけでありますから、時期的にそれを見て措置して行く、こういうことにすればこの程度のものであれば、千百億程度のものであれば処理し得る、私は実は自分ではそう考えております。なお併し更にこうやるといいがという一つ御意見がありましたら、これは率直に申しますが、お聞かせ願えれば非常に参考になつて結構だと思います。

堀木鎌三改進党

○堀木鎌三君 非常に私は大臣のお立場はよくわかります。一方においては日本の基礎産業を培養しなくちやならん、それでどうしても縮小再生産に入る、併しそれをやつて参れば、一方において必ず過渡的には何といつてもインフレが起ることも事実であります。財政投資が多くなる傾向というものも、そういう問題についてはインフレの面からは考慮しなくちやならない。そうすると一方において物価の面から見ますと、国際収支の関係は悪化するばかりだという点の板挾みの間にあつて調節しなければならんという点で、御苦労はわかるのですが、大臣のお話を聞いておりますと少し万遍なくよすぎて、万遍なくみんなを満足させつつやり得るような手があつたら、今までの大蔵大臣も御苦労はなさらない。今の大蔵大臣は大変なときであつて、余り私どもの質問にお構いにならずに、所信をもつと勇敢にお出しになるべきじやなかろうか。それでないと万遍なくおつしやつていると、聞く者がみな満足するようなものじやインフレに向つて行くようになるに相違ないという心配をするのであります。実は日本銀行の貸付金の問題は、確かに最近一千億ぐらいは異常だと私は思います。二千億のときに、すでに我々が日銀の貸付政策というもの自身について、当時の経済状態と併せて批判した記憶があるわけであります。ただ現状から見ますと、一万田総裁は大蔵大臣に関係なしに、勝手に経済政策を構想されることはたびたびある。例えば一例を挙げれば、大蔵大臣がここで以て、補給金制度のような安易な制度はとらないというようにお話しになつていると、一万田日銀総裁は片方において、関西において、いや重要産業の一部については補給金制度をとらなくちやならん、緊密な御連絡ならそういう話は出て来ないはずなんであります。事実池田君が非常に、緊縮財政をとれば、日銀の貸付金は殖えている、だから私は池田君にもそう言つたのでありますが、池田君自身が国家財政を幾ら絞り上げて超均衡財政だと自慢したり、これを超均衡を緩和して均衡財政にしたのだというようなことをおつしやつても、日銀のほうの貸出が二千億ぐらい殖えておればこの超均衡は何にもならないということを申し上げた。まあ併し当時池田君は今よりは、あなたよりはたくさんの財政資金を持つておつた、自由になる見返資金も相当あつた、預金部資金も余裕があつた、いろいろ彼自身がふところに自由になる金を持つておつた。併し一万田氏も相当大きな金を持つておつて、私は日本に二人お金持がいるのだというたとえをしたことがあるのです。そうなりますと現状から考えると、私は今のお話を承わつておつても、どうも成るほど預金利子の課税というものが一〇%に引下げられれば、或る程度の効用を発揮するということは考えられますが。それ一つじや私はとてもできないと思う。ほかに大蔵大臣がここで、金融政策はこういたします、国民のよりどころをはつきりとお示しになる適当な機会じやないか、こういうふうに考えまするので、特に吉田さんの御質問に関連して私御質問に立つたわけでありますがそういう点について今日御用意がありますれば、そういうものを発表して頂きたい。又もう少しまとめて発表したいとおつしやるならばこの予算委員会においてはつきりとお示しになる必要があるのじやなかろうかということを切に考えるのです。何も私、特に意地悪い質問をしているつもりじやありませんが、どうも政府のおやりになつているところが、なかなか、大蔵大臣の答弁、通産大臣の答弁を通じてですよ、本当に国民が、政府はどういうことがあつてもこういう方向へ行くのだということを本当に考え得る、信用し、信頼し、考え得るような具体的政策、これは施政方針演説なり、財政演説なりだけでは、これはもう新聞を読んでおるほうがいいぐらいですから、どうかそういう問題をはつきりさせられるチャンスじやないか、こう思いますので特に御質問申上げます。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) まあ最初に申上げておきますが、過日、今の補給金の問題について、日銀総裁が関西でどういうことを言つたということでありまして、これはどういうことを言つたかということを日銀総裁に聞きまして、それの弁解が新聞にも出ておつたようですが、あれは補給金がいいということは毛頭申上げたことはないと、それはそうではなくて今の日本の産業というものをあらゆる合理化、近代化等をやつてみても、どうしてもその産業が国際競争力を持ち得ないとするならば、その場合については、この補給金のような問題も考えなければいかんかも知れないと言つたんですと……。こんなことになるのです。そういつてみれば、そうです。そこで私はそれについてはいろいろ又懇談をしておきましたが、まあ今後そういういわゆる日銀王国というようなことは絶対に許しません。これは私の権限に属することですから、さようなことは許しません。これは一体化してやつて参りたい、かように考えております。ただ、この際日本の金融政策等について述べる機会としたらどうかというお話であります。これは、一遍、私ももう少しまとめた上で申上げるほうがよいかと考えますが、ただここでちよつと思い付いておることだけを、私はどういうことをやつておるかということだけを申上げますと、何としても日本がいもゆる資本の蓄積が足らんという点であつて、これについては、預金については、例えば課税その他の点でもできるだけの優遇をして資本の蓄積を図るように努力しなければいかんと思います。一部には、預金の利子を下げる、金利を下げるべきだというような意見があるが、これは資本蓄積を増すゆえんでないから、かようなことを考えておりません。貸出につきましては、日本の金利が国際的に言うと恐ろしく高いのです。堀木さんよく御承知の通りであります。併しながら今の銀行というものは、昔と違いまして、取扱い資金量の関係、資金量が割合に少いのです。従いまして預金利子プラス人件費、その他の添付というものが相当多くなる。その結果いわゆる資金コストが高くなつておるのでありますけれども、銀行のいま一段と経営の合理化等をやらせるということが必要である。これは法的根拠を持つておりませんから、これらの人々の自覚に待つほか承りませんけれども、そういうことを勧奨いたしたい。更に貸出金利をできるだけたとえ一遍に行かなくても漸次一厘でも二厘でも下げられるだけ下げて参りたい。下げてそうして日本の産業の金利負担を少くするというところへ持つて参らなければいかないのじやないか。それで、それから資本蓄積の足らん分についてはどうしても当分の間やはり財政投融資を行うことによつて日本の基幹産業というものをやつて行かなければならない。こういうふうに考えております。更に通貨の問題はさつき申上げました通りこれは通貨の、国の内外の信用度を堅持しなければならないことは勿論でございまするが、同時に日本の各種の金利が高い、この金利負担を減らすためにまだ政府がやらなければならない措置が相当あるのではないかと思います。従いましてこれらの問題を一つ合せたものとして一つ取りまとめてこの予算総会の機会に申上げさせて頂こうと思いますが、今黒い付いているところを申上げますと、堀木さんに申上げておきますが、私は別に誰にも褒められようという考えは実は持つておりません。自分の所信に従つて飽くまで日本の経済を現在の即階ではインフレに持つて行くことは相成らん、さればと言つてここですぐデフレに持つて行つても日本産業の進展を阻むようになるので、ここで私は……、私はこの前堀木さんに御答弁申上げたかも知れませんが、インフレに持つて行かず、デフレに持つて行かんで一つ日本経済を漸次進展させて参りたい。こういうことを言うので、八方美人的になるというお叱りを受けますが、現状はそういうことで行く以外に私はいたし方がない、こういうふうに考えております。飽くまで日本の経済というものを早く国際収支の均衡を得て自立経済へ持つて行くような工合にすべての政策を集中して参りたい、かように考えておる次第であります。

堀木鎌三改進党

○堀木鎌三君 もう少し私も改めて大蔵大臣に御質問する時間をとりたいと思うのですが、どうも「インフレにもならず、デフレにもならず」が気に入らないのです、率直に申上げて。あなた自身が国際物価等均衡がとれて輸出が増進するというふうに持つて行きたいというふうにおつしやりながら、そして御自身は国内物価が大体物によつて違いますが、平均いわゆる二割くらい、二割乃至二割半くらい高いと言われます、そのときは物価がインフレにもならずデフレにもならずで、それでは物価が、今のような水準でそれでどうしてやつて行きますか。これはもう私は根本問題であると思う。で実は大蔵大臣も踏み切らなければ、率直に申して今の資本家連中も輸出第一主義といつてそうして為替堅持、為替率を堅持する、そうして通貨の、健全通貨だといいながら、さて二割の物価の低落というものについて非常な躊躇をしておる。最近においては輸出においてだけだんだんその結果は輸出価格と、つまりいわゆる国内価格と国際価格との差が出て来ておる。これは肥料だけによく言われますが、肥料だけではなく、実際に物を当つて見るとそういうようになつておるときに、まあそういつては甚だ失礼ですが、小笠原大蔵大臣の計画を待つていると二年先くらいに国際物価に鞘寄せせられるのがという印象を受ける。そうすると、あなたは一番、その間特需なり、朝鮮復興景気なり、或いはM・S・AならM・S・Aに頼つて行くとおつしやれば一つの方法だと思う、と同時に自立経済達成はどうしても急がなければならない、そうして臨時の収入というものに日本の経済は依存したくない、こういうふうにおつしやる。これも私のような頭の悪い者には到底わからない。どこで一体問題を解決されて行くのだろうか。これは忠実にあなたのおつしやることを、今の内閣の財政政策を聞いておつて、どうにも私の頭では解決できない。で、ここは私はこういう策がありますということを述べるところではないかも知れませんが、どうも私にはそれが納得できない。そんなことで一体、この政府の要路の人もそういつておる、財界の指導者もそういつていてどうしてそういう解決ができるだろうかというような気がする。そうすればいつまでたつても日本の経済は自立達成などはできないというふうに考えます。殊に具体的にもう一点挙げますと、最近あなたの内閣の中には、農林大臣が新らしく又なられたのですが、これもいずれ専門家にきわめようと思いますが、私は専門知識をここでお聞きしようと思つておりませんが、併し消費者米価は上げて行かなければ食管会計の財政収支がとれないかも知れないという考え方でちよいちよい新聞に報道しておる。これはやはり米価を、消費者米価を上げて行くのですか。そのときは大抵役人は役人らしい、私も役人上りだからよくわかる。それが生活費の中で何%にしか当りませんとういうのです。鉄道運賃を上げるときもこれは何%にしかなりませんと、今度は電話料金を上げるときにも又そう言つているのです。だからいろんな理窟、理窟は私は役人はとかくいろんなその場逃れのいろいろ理窟をつけると思うのでありますが、これはやつぱり何といつたつて上る方向に向いていることだけは確かです。下げる方向に向いておるなら私はいいのですが、上げる方向に仕向けておいてこれぐらいのことは大して影響はない、こういうふうに言つておるわけです。電話料金の問題も別に所管大臣にお聞きしますが……、米を上げて又恐らくいろんなものを循環系統をとられる。そうすると何といつたつて給与その他は又上る方向に行く、一般も皆そういうふうな方向にずるずる行つちやうんです。これが実は私は朝鮮事変が起つたときに当時の内閣に物価の上るのを放つけらかしておいて何を考えるのだということを言つた覚えがあるのです。又周東君の三カ年計画に物価計画なしにどうして自立経済が達成できるか、俄然一年たつて結果をトレースするとその点が一番国で欠けているわけです。だからもう私は率直に言えばどんな作文をお書きになつたつて物価政策がなければそんな作文はとても意味がない。今度だつてやつぱりあなたのほうの予算を見て考えられることはやつぱりそれだ。而も国際物価との開きが現在あるのみならず、事実国際物価は先ほど大蔵大臣のよく御承知のように横這いとは言い条、低落気味にある国内においてもややそういう傾向ありといえども開きが大きくなつているということは事実です。そういうふうな点から考えますとこれはまあ物価を下げるということはいろいろと政策が必要です。一つのことで私はできるとは思いません。もう合理化も挙げられるしいろんなことも挙げられると思いますが、そういう点についてやはりインフレにもならずデフレにもならずとおつしやるような、或いは財界の人が国際収支、或いは何を非常に叫びながら、正常貿易を叫びながらその問題となかなか取組めないというふうな点からみますと、これはやはりここら辺でどうしても一つの物価に対する諸般の政策、これは大蔵大臣だけではおできになりません。で先ほどの無論大蔵大臣のお挙げになりました税金と金利の問題というものが非常に大きな点に取上げられております。これらについて細かく、又別に機会を改めたいと思いますが、併しこれは税金と金利だけでも解決しない。併しそういう問題についてもやつぱり総合的にお考えになると同時に確かな方法ですな、どうも私ども恐らく国民は私と同じ程度の頭しか待つていないから余計わからないし、信用しにくいとこう思いますので、そういう点について特に重ねてお尋ねする次第であります。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) これは以前に私は申しましたから今日繰返さなかつたのでありますが、私が申しましたのはアメリカのほうでも保証を与えておりますように、向う二箇年間は特需というものは同様だと言つております。それから又今度のM・S・A等でも域外買付をやるということをいつておりまして、この二箇年間ぐらいは私は特にこの二十八年度ですな、特にアメリカの七月一日から始まる年度などは、これは向うの人間と話をしたのでありますが、むしろ特需その他殖えるということを向うでは言つております。恐らく一億ドルくらいに達するのではないかということを言つておりまするくらいで、いわゆる武器、狭い意味のものだけでそういうことを言つておりまするので、普通にはそんな楽観をしておりませんが、私どもは話をしておりますと向うではそういうことを言つておるくらいであります。そこで私は二カ年ぐらいは変らない。その間に何とかして物価を下げて参りたい。いわゆる下げるという意味は国際的に鞘寄せしたい、こういう考えをしているのであります。そこで石炭について申しますると、いわゆる合理化計画等もやりましたが、当時あのときにも指摘がありまして、若し石炭を下げるならば、それは例えば当時三割も安い外国炭を入れさえすればすぐ下る。そういうことは石炭についても……私はその時分通産大臣でありましたが、そういうことは急にすべきではない。やはり先ず羽織を脱いでもらう、そうして重ね着をしている人ならば更に重ね着を脱いでもらう、そういうふうにだんだんに抵抗力を養なつて行くと、確かに申したと思います。一年後には必ず一割は下ると申しましたが、もう一割は優に昨年に比べて下つていることは現実の問題で御承知の通りであります。更に私どもは今度の西日本の災害等がどういう影響を来たすか、これは併しすぐにはわかりませんが、全体とすれば石炭はだんだん下降石炭の値段はかなり下つて参ると思います。それであれば石炭は御承知の通り五カ年計画になつておりまするが、大体三カ年ぐらいのうちには所期の目的を達成するのじやないかと見ているのが、昨年の年末に比べて二割五分ぐらい下るという点なら目的を達するのじやないかと、こういうふうに見ている。更に鉄鋼につきましても今二十八年度の三百数十億の金でいわゆる近代化の施設をしているわけであります。これができますとこれはほかの条件は一切変りはない、石炭等が下つて来ておりまするからもうちよつと条件はよくなつて来ると思いますが、それで見ますと銑鉄は僅かに四%でありますが、棒鋼とかその他各種のああいうものになりますと、薄板その他でも一割二、三分から二割四、五分は下るようになつております。ほかの条件に変りなしとしてそういうふうにも相成つておりますので、実はさつきのインフレにも持つて行かずデフレにも持つて行かんというのはその意味を申上げたのでありまして、全体としての物価につきましては一遍には行かないけれども、併しこの二、三年の間に国際物価水準に近付けて行こう。実はこういう考え方で、それには何と言つても基幹産業をやらなければならない。日本で言うと石炭、鉄、電力というものをやることが一番早い。それから国際収支の面から見ると、何と言つても船を殖やすということは、日本が払うべき金を払わずに済むし、そうして受取るほうは殖えるのでありますから、これはどうしてもやらなければならない。それで財政と輸出とを進めておる次第であります。その他ですが、説明がそれだけではまだ御納得行かんかも知れませんが、三カ年くらいずつと見て頂きますと、堀木さんにも成るほどなあと御納得が行くのじやないかと私は思いますが、なお足りませんでしようか。

堀木鎌三改進党

○堀木鎌三君 やや大蔵大臣の構想に期間が入つております。今まで私が頭が悪くてわからなかつたところが期間が入つて参つたので一つの結ぼれが解けて参りました。必ずしも矛盾したことだけおつしやつておるのじやないということはわかります。併し小笠原大蔵大臣に特にここでお願いしたいことは、我々が回顧してみますと、朝鮮動乱が起りましたときは、実は企業合理化を行なつたときなんです。もう或る程度進行を始めた時期であります。ところが朝鮮の特需が起つて日本の経済は急激にドツジ・ラインから解放されまして、苦しさに堪えかねていたものを解放して、そうして朝鮮動乱以後三カ年日本経済は何をしたか、私は今になつてこういうことを我々がお互いにこの議場で言わなければならない大臣と我々自身がその責任を尽していないような気がするのです。率直に申上げますと、あなたがたのおとりになつておる経済は自由主義経済、大体において。で自由主義経済で以て行われて、而も二カ年の期間に今そういうことをおつしやるなら少くとも私は統制経済とは言いません。併しその計画性を保証するだけの具体的方策がなくちや私はならないと思うんです。だから私が実はあなたのおつしやることに疑いを持つというのは、池田君の、まあこれは池田君と小笠原さんとは違うかも知れませんが、同じ吉田内閣の性格から私が類推するのも止むを得ない処置だと私は考えます、と同時に、でありまするから外貨を保有……実際今おつしやつた特需なり、恐らくアメリカは二カ年保証するでしよう、併し今財界に横溢しているのは丁度選挙の時分にあなたがたがアメリカから二年ぐらいは朝鮮動乱がなくなつてもやや、何といいますか、朝鮮特需程度は保証するだろうということを御発表になつた。そのときに、実はなぜあれは御発表になるかといえば、まあそういうことを言つちや申訳ありませんが、朝鮮動乱が終つたらこりや大変だと目覚めたのに、いや安心しろと、自由党の天下だと、そうは申しませんが、自由党の天下だと、ともかくもアメリカから二年保証してくれる、これで財界がほつとした。この頃御覧なさい、M・S・Aを受けるとなるとM・S・A、M・S・Aといつて何でもM・S・Aに頼ろうとする空気が起つておる。政治家のなさることはその空気を迎合なさることだつたら朝鮮事変と同じになります。もつとM・S・Aが来たつて深刻な日本経済の実態というものを掘下げて、そうしてそれを国民の前に曝け出して自分の政策を是認してもらう態度に立たなくちや私は実際できないと思うんです。で、無論今お挙げになりました個々の問題について私どもも考えられます。石炭の値下りも率直にいえば、何と申しますか、需要減退から果してこの竪坑は一つも完成して……まあ政府が予定した通り行つていやしないことは事実です。竪坑ができたらこれも又石炭の値が下るとおつしやることも事実です。併しまあ実際のところをいえば今の消費需要がないために貯炭が殖えて来ている、これがやはり一つの大きな原因だと私は思う。無論鉄鋼については合理化が最近進んでいるようです。併しそれについては御承知の通り船の鋼材なんかは特殊規格でありまするから規格料を取らなくちやならんと言つておる。まあそれらについてもいろいろあるんですが、船の問題についてもおやりになることが実際私は一番……もう一つ申上げたいことは吉田内閣の経済政策のもう一つの欠点はスピードの合わないことだと思うんです。そう言つちや失礼ですが、まあこれは我々自身がやつてもなかなか合わないかも知れませんが、ともかくもこれを合せて……日本の経済関係の官僚機構の私は鈍感な点だと思う。でぶつかつてから慌てる。そのために無駄をし立遅れをしなければならんという傾向がある。現にまああなたの御責任じやないが、前にも例えば御承知のように世界が軍拡的な傾向が強くなつて、そうして日本が輸入物資を慌てて買出した時分には高いとき買つて困つたことも御承知の通りです。ところが西独なんかもその前に買つておるというふうなこともこれはまあ占領下のときでしたからいろいろな事情もあると思います。併しかくもいろいろな問題が先を見て機を失わずにできておるとは私は思わない。この頃の貿易振興、貿易振興というのは馬鹿の一つ覚えに誰でも言います、併しこれで以て今になつて見れば西独々々と今頃になつて言つている。西独がやり出した時分に、実績を挙げた時分に我々のほうが慌てて今やつているというふうな姿ではとても勝てない、これは国際競争というものに勝てつこない。私はそういう意味で二年間にきちつと国際競争に立ち得るとおつしやるが、最近の貿易の今年の計画は、内閣の計画としてはむしろ逆に二十七年度よりは殖える傾向にお見積りであります。これについても議論が私はあると思うが、そう安心しているわけにいかないのです。現にです、現に輸入制限なら輸入制限だと言つて他国のせいにしておられるけれども、輸入制限にぶつかつたのは消費資材ばかりです。生産資材だつたらちやんと売れているはずです、現に買つてる国がちやんと生産資材を入れてるんですから。併し消費資材を持つて行くから、而も高いからどうしても売れない。それから去年の、今日発表になつた経審の新聞に出ております経済分析でも御承知の通り、二十七年度からの景気の主なるものは何かと言えば皆消費的な支出で以て購買力が償われている、それで景気を支えておつた、異常な厖大である。日本の国の今の敗戦国の中から国を建直そうというときに、こういう現象がもう明らかに顕著に出ている。どこかに経済の政策が悪いところがあるに相違ないのでありますから、私はあとは議論になりますから申上げませんが、いずれ別に、関連質問じやなしにお聞きしたいと思いますが、どうも二年とおつしやいますと、どうかしてこれは小笠原さん、M・S・Aを当てこんで二年間大蔵大臣なさつているかどうかは別にしても、三年たつたらお前おれの言つたことが本当になるからと今おつしやるのですが、方向だけ、経済は毎日々々が大切で、それを積み重ねて私は三年後に実は小笠原さんが私にそれ見たかとおつしやるようになつてほしい。併し経済はその方向に向かなければ、実際のところを言えば毎日々々の歩みの方向がそつちへ向つた方向に向いてなければ、二年たつたつて三年たつたつてできつこない。だからここからスタートしなければならん。そのスタートに当つての方向だけは、今おつしやつたインフレにもならずデフレにもならずじや困るのだが、方向だけははつきりこうするのだ、まあインフレにならずデフレにならずでも結構でございます、国際価格と鞘寄せする、或いはドツジ氏がいみじくも言つたように、お前幾ら言つたつて買つてる品物の原材料より輸出している品物の割合のほうがずつと上つてるじやないか、そこに日本の経済自身の欠陥があるのじやないかと言つて指摘したのは、今だつてその通りなんです。だからその点については、私は大蔵大臣として、ここら辺でこの金融問題については、総合的にお考えをまとめてこの予算委員会の間に御説明願えるそうですが、そういう点につきまして特に心配いたしますので、お答えがなければそれでも結構で、意見に亘りましたからお答えがなくても結構でございますが、非常にそれを心配いたします。是非そういう点について大蔵大臣としてここら辺ではつきりとその点を、方向をはつきりさして頂きたい。それがなければ私は二年後のお約束を信用できないということを申上げたいのであります。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) だんだんお話の点、誠に有難うございました。ところで私が考えているところを又ちよつと申上げさして頂くと、私は朝鮮事件が起りましたときに、今お話のごとくに日本のいわゆる産業界が合理化或いは近代化等を怠たつたと、こういう点は誠に遺憾に存じます。従つて今後私が過日申述べました演説のうちに率直にこれを認めざるを得ないということを実は私は申しておつてこういう過ちを今後重ねさしたくないと、かように考えているのであります。然らば方向はと言いますと、さつき申上げましたけれども、なお私どもがそれならばもう少し強い計画的な考えの下にすぐやらなければいかんじやないかというのが大体堀木さんのお考えじやないかと思うのであります。これにつきましては、私は実は今後の日本ではいろいろ仮定的なものが多くて、日本全体としての計画的なものの見方をすることはよほどむずかしい点が多い。例えば経済審議庁がいわゆる五カ年計画のようなものをこの頃私案としまして経済審議庁長官が出しましたが、あれも余りに仮定するところが多いのでああいうことになつたかと思うのであります。けれども個々の問題について言いますると、而も日本の重要なる産業について言いますると、この計画はほかに捉われずに立つて行くのであります。即ち食糧について申しますれば、食糧増産五カ年計画というものを立てて、これを畜産十カ年計画等々と結び付けて総合的にいろいろやることができます。それから又鉄鋼につきましてもこれは三カ年計画が二十八年度で完成する次第であります。電源開発につきましては、本年を初めとして五カ年間の計画が立つて、五カ年後には五百五十万キロワットの増産になるというようなこともこれは立つております。石炭につきましても同様に計画は立つております。造船についてもまあ年三十万トンというので、これも五カ年計画を立つております。そのほかそういうような個々のものについての計画は割合に立てやすいので立つておりますが、全体には仮定的な条件が非常に多いものですから、それをお出ししても要するに御批判を受けるだけに実はとどまるので、一応の参考にはなるでございましようが、果してその計画通り進み得るかどうかということになるとこれは私ども目安くらいな程度で、参考になる程度で、信頼性を持つてこれがやれるものとは実は率直に申しまして私は思つておりません。けれどもそういうような工合で、今は仕方がないからでき得るものを計画性を持たせてこれを進めて参りたい、かように考えておるのであります。今お話のありましたうちで、これは私もよく感ずるのでありますが、例えば電話料が上る。何ぼ上るか。それを調べさすと一般消費者には〇・〇四%しか上らないので影響はないのじやないか。成るほど考えれば一般消費者には余り影響はありません。米は消費者米価がどういうふうになるかわかりませんが、昨年のは僅か百二億というようなものがたしか昨年の超過供出その他のもので出ておるかと思う。それが消費者に転嫁されてもそれも恐らく仰せになつたように数字的には何%にも当りやしません。恐らくエンゲル係数等にも大きな影響は何にもありませんが、そういう点は暫らく別にしまして、ものがちよつとでも上つて行くということは全体を下げようとする傾向の上から甚だ私はとらないのでありまして実は例えば今の電話について申しますると、それによつて電話が普及して結局電話が安くなるという点に重きをおいておるのでありますが、これももう少しやり方もあるかとは考えます。そういうような工合で私は日本のすべての物価がだんだんに国際水準に持つて参りたいということが私どもの念願であり又それが私どもの方向でございまするから、個々の問題でも将来とも少くとも若干でもパーセンテージ、いわゆる堀木さんが言われる官僚的云々は別として、そういうことじやなくてやはり影響がございまするから、そういうことは避けたい。かように根本的には考えておる次第でございます。ちよつと私の考えかけを率直に申上げさして頂きました。

堀木鎌三改進党

○堀木鎌三君 そこで私問題になつて参るのです。実はその点について今日は比較的概括論をいたしますが、成るほど鉄鋼の五カ年計画或いは石炭の増産の五カ年計画或いは船舶造船の何カ年計画というもの、それから食糧増産の何カ年計画や今お話になりました電話の五カ年計画も私ども了承しておる。ところがこれらを見ましたときに一番問題になるのは財政的に果してそれが可能なのか、そして又それが資金が効率的に使われてそうして日本経済の要請に合うスピードはどうなるのだという面についての本当のなにがない。だから私は滑稽なことだと思うのです。今度の電話料金を例にとりましても、五カ年計画というのは官僚が自分で書いた五カ年計画である。そうして五カ年間に三千億の金を使う。そういう例を挙げますれば、食糧増産でも何でもそうであります。そういう点がつまり一つの問題が全部になつていない。殊にあなたのほうの金利政策と税金がどう行くのかということによつて右にも左にも行く。物価を上げて行く、行かないによつてまるつきり違つて来る。そういう問題が結局総合的にその財政計画というものの裏打があつて、経済の方向の裏打があつて初めて実はそういういろいろなものが或る程度の可能性で、あなたのおつしやるように今じや参考程度にしかならない。これが現状です。そうして吉田総理は非常にこういう計画がお嫌い、これも明らかなんです。そうなつて参るからわからない。私はその点は経団連、その他の実業家が、我々ともかくも政府が安心してこれだけの方向は間違いないのだということさえやつてくれれば我我かやる。果してその通り、経団連が、財界がその通りやるかどうかは別としてもその欠点を衝いていることは同感だと私は思う。経団連はそのために経済審議庁の機構をどうするというような話までしておりますが、それは別にいたしまして、私はその点は明らかにあなたの計画の政策において欠けておる点です。私はそう思うのみならずあなたがたが一番懇意にしている、懇意……そういうと怒られますが、ともかくも非常に接触が多い財界ですら、私どもと同じようにその問題をつまり総合的にそうして政策が集中して行かなければよるところができない。それをはつきりさしてくれ。これは尤もな話だと思う。個々の問題に入りますと、今大蔵大臣と電話の話が出たから申上げますが、おかしいと思いますが、併し最近の電話一つを掴まえましても自分たちが五カ年計画を作つておいて、それによつて資金計画が三千億要るのだ、二千七百七十億幾らと記憶しております、そういうようなものが要るのだ、それを自己資金でみんな賄うのだ、そういうような建前でそれを全部料金に織込んであなたがたもそれでいいということで二割五分で以て議会にお出しになる。どうも私はおつしやることと、本当にそういうものを各省のそういう方向を統制してきちつと持つて行かれる点との間にギヤツプがあるような気がする。少くとも管轄が各省まちまちであるいうことは確かである。その点について小笠原大蔵大臣としてそういう点を御痛感になるかなりませんか、その点をお伺いします。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 特に痛感をすれば私のほうも実は不合理なんでありますが、大体この程度はよんどころあるまいというものがございます。これも率直に申しますとこの程度はよんどころないということはあります。併し全局を見渡しまして、私どもが考えておる政策に副わないものはこれは勿論入れておりません。ただ今の又官僚式答弁だと言われるかも知れませんが、電話などもそういう説明でありましたので一応諒とした、こういう次第でございます。なおさつきお話になりましたスピードが上らないじやないかという点、これはどうも少し現在の政治のうちの重要な欠陥であると私も思います。やはりスピードをできるだけ早めて行くという以外に途はございません。又一体少し何と言いますか自分が陣頭に立つて、先のものを判断してやつて行くというのは、現在の政治では、いわゆる民主主義で、国会が最高の府でありますときには、ちよつとむずかしいのではないかという実は感じがいたします。併しお話になりました考えなければならんという点については全く同感でございまして、私ども努めなければならない点だと思います。

堀木鎌三改進党

○堀木鎌三君 もう私だけしやべつておりますのは申訳ありませんから、もう打切ろうと思いますが、今おつしやつておつたことで、特に拝聴しておつて考えますことは、殊にまあこれはこういうことを申してはどうかと思いますが、予算の修正をいたしておりましても、実際一つずついじつていたつて駄目なんですよ。経済の方向がはつきりした立場が向いて行くように、向いて行かなければ実は末梢的な問題になつて行くということを私は痛感する。その点がやはり政治家としての、大蔵大臣としての私は一番大切なことだと思う。スピードの問題だとおつしやるが、そして殊に、今ちよつとおつしやつたところで言うと、議会自身が議会政治のように批判と何に暮しておるようではなかなかスピードが合わない。そうはおつしやらないのですよ。おつしやらないのですが、一つの民主主義的な傾向のときに一なかなかむずかしい問題だとおつしやることはこれはわからないではない。無論わかります。併しそれと同時に、やはり我々がこうやつてあなたと応答しておりましてですよ、つまりお互いに批判だけすると、責めることだけすると、あなたのほうは逃げるだけ上手に逃げることが国会答弁だと言われるのだが、私も池田君に言つたことがある。あなたのようにいい加減に説明していては駄目だ。本当のことを言え。私は挙足を取らんのだからと言つたが、なかなか彼は言わない。これは池田君だけの例を言うのではないが、私の言つたことだつて、さつきからの答弁を見ておつても、どうも私に或る程度同感はしていられるようだが、やつぱり最後に、私はつかまえられないように、或る程度何しておられる。やつぱりこの際、少くとも批判は、或る程度批判として対象になつていいことだと思いますが、大いに批判すべきことは批判すべきだと思いますが、それと同時に、先ほどからこうやつて御質問しているのも、あなた自身が、こういう撒超の問題についても、具体的な方向を明らかにして見ようとおつしやれば、私はそれでいいんです。それを待ちまして、そしてその方向が正しいと思えば、同調することにやぶさかでない。又方向はそう違いようがない。今日本の経済を預かるものとして、又、この国際収支、物価の問題につきましてもですね、ただ程度の差はあると思うのです。又要請している。時局の要請の度合の認識の差もあると思う。そういう点からの批判はあるが、併し方向的なものは同じであろう。併しそういう面でももつとはつきりと、民主主義であればあるほど、この場で断片的に一つ一つのことよりは、そういうことについてはつきり所信をお出しになつて頂きたい。特にそういう点につきましてお願い申しますというよりも、これは当然私は義務だと思う。是非そういう点について、まあ一つ一つに答弁をされる前に、そういう問題についてしつかりした方向を持つて、ここで以て御所信を表明して頂きたい。特にお願いいたしまして、まあ先ほどの点につきましても、総合的な、総合性というものが足りんというふうな点につきましても、十分御考慮の上におつしやつて頂きたい。これだけお願いいたして、これで終ります。

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) 他に御発言がなければ、本日はこれにて散会いたします。    午後三時十四分散会

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